JP2019062469A - 基地局装置、無線通信システム及び優先制御方法 - Google Patents
基地局装置、無線通信システム及び優先制御方法 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】異常発生時に有益な情報を迅速に伝達すること。【解決手段】基地局装置は、上り回線のトラヒックが上昇したか否かを判定する判定部と、トラヒックが上昇したと判定された場合に、登録端末装置に通信帯域を優先的に割り当てる第1のスケジューリングを実行するスケジューリング部と、前記第1のスケジューリングによって割り当てられる通信帯域を用いて前記登録端末装置から受信されるデータをサーバへ送信し、前記登録端末装置のうちの少なくとも1つの端末装置に通信帯域を優先的に割り当てることを指示する優先制御指示を前記サーバから受信する有線通信部とを有し、前記スケジューリング部は、優先制御指示が受信された場合に、当該優先制御指示に対応する端末装置に対して、前記第1のスケジューリングによって割り当てられる通信帯域以上の通信帯域を優先的に割り当てる第2のスケジューリングを実行する。【選択図】図2
Description
本発明は、基地局装置、無線通信システム及び優先制御方法に関する。
近年、IoT(Internet of Things)デバイスに関する検討が盛んに行われており、無線通信システムを構成するモバイルネットワークにIoTデバイスを接続することなども検討されている。今後、モバイルネットワークに接続するIoTデバイスは増大する見込みであり、例えば車両に搭載されるドライブレコーダや街頭の防犯カメラなどがモバイルネットワークに接続されることが考えられる。最近では、ドライブレコーダや防犯カメラによって取得された画像に対して画像認識技術を適用し、例えば事故などの異常を自動で検出する技術が普及しつつある。
ドライブレコーダや防犯カメラからは、例えばモバイルネットワークを介して高画質の動画をアップロードすることが可能であるが、アップロードされた動画の分析をクラウドで行う場合には、データサイズが大きい動画データが通信帯域を過剰に消費する。結果として、例えばコアネットワークの帯域が圧迫され、費用や通信設備上の問題が生じる。そこで、ドライブレコーダや防犯カメラなどの端末装置と無線通信する基地局装置に、汎用的な処理能力を有するサーバを併設するMEC(Mobile Edge Computing)が考えられている。MECによれば、例えばドライブレコーダや防犯カメラなどの端末装置から送信される動画データは、それぞれの基地局装置に併設されたMECサーバによって分析されるため、コアネットワーク内を動画データが伝送されることがない。
ところで、例えば交通事故等の異常が発生した場合には、異常が発生した現場付近から、上り方向の通信が発生することがある。このような上り方向の通信のうち、例えば警察や消防などへの通報は、緊急通報として取り扱われるため優先的に通信確保がなされる。
一方、例えば事故にあった車両のドライブレコーダや街頭の防犯カメラから生じるデータ通信は、一般の相手先への通信であるため、優先的に扱われることはない。具体的には、例えば事故にあった業務用車両から運行管理センターへの通知や、異常を検出した防犯カメラからカメラ管理者への通知には、優先的に通信帯域が割り当てられることがない。このため、事故に起因して事故現場周辺で多数の通信が発生すると、事故関係者による通信が他の通信によって阻害されることがあり、例えば運行管理センターやカメラ管理者への通信が困難となる可能性がある。
このように、事故関係者による通信であっても、緊急通報先への通報以外の通信は阻害されることがあるため、例えば事故処理に必要な情報の伝達が遅滞するなどの問題が生じる。すなわち、事故などの異常との関連性が高い有益な情報の通信に遅延が発生するという問題がある。
開示の技術は、かかる点に鑑みてなされたものであって、異常発生時に有益な情報を迅速に伝達することができる基地局装置、無線通信システム及び優先制御方法を提供することを目的とする。
本願が開示する基地局装置は、1つの態様において、あらかじめ登録された登録端末装置を含む複数の端末装置から自装置へ向かう上り回線のトラヒックが上昇したか否かを判定する判定部と、前記判定部によってトラヒックが上昇したと判定された場合に、前記登録端末装置に通信帯域を優先的に割り当てる第1のスケジューリングを実行するスケジューリング部と、前記第1のスケジューリングによって割り当てられる通信帯域を用いて前記登録端末装置から受信されるデータをサーバへ送信し、前記登録端末装置のうちの少なくとも1つの端末装置に通信帯域を優先的に割り当てることを指示する優先制御指示を前記サーバから受信する有線通信部とを有し、前記スケジューリング部は、前記有線通信部によって優先制御指示が受信された場合に、当該優先制御指示に対応する端末装置に対して、前記第1のスケジューリングによって割り当てられる通信帯域以上の通信帯域を優先的に割り当てる第2のスケジューリングを実行する。
本願が開示する基地局装置、無線通信システム及び優先制御方法の1つの態様によれば、異常発生時に有益な情報を迅速に伝達することができるという効果を奏する。
以下、本願が開示する基地局装置、無線通信システム及び優先制御方法の一実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、この実施の形態により本発明が限定されるものではない。
図1は、一実施の形態に係る無線通信システムの一例を示す図である。図1に示す無線通信システムにおいては、基地局装置100にMECサーバ200が併設されており、基地局装置100及びMECサーバ200は、ネットワークNを介して管理装置20に接続されている。また、基地局装置100は、自装置のセル内にある端末装置(User Equipment:UE)10と無線通信する。
UE10は、自己が属するセルの基地局装置100と無線通信可能な端末装置であり、基地局装置100との間でデータを送受信する。UE10としては、携帯電話機の他にも、例えば車両に搭載されたドライブレコーダに内蔵される無線通信装置や、街頭の防犯カメラに接続される無線通信装置などがある。これらのUE10のうち、ユーザがあらかじめ登録したUE10には、後述するように、輻輳発生時にも優先的に帯域が割り当てられる。
管理装置20は、ユーザがあらかじめ登録したUE10を管理する装置であり、このUE10によって取得されたデータを用いて種々の処理を実行する。例えば、ドライブレコーダに内蔵されるUE10が車両内外の動画データを取得する場合には、管理装置20は、動画から得られる情報に基づいて、車両の運行スケジュールを決定する。管理装置20は、UE10によって取得されたデータそのものを受信しても良いが、MECサーバ200によって処理された管理データを受信することにより、ネットワークNへの負担を軽減することができる。すなわち、管理装置20が、MECサーバ200によってサイズが縮小された管理データを受信することで、コアネットワークなどの帯域へ影響を低減することができる。
基地局装置100は、UE10と無線通信を実行し、UE10から送信される上りデータを受信してMECサーバ200及びネットワークNに接続された上位装置(図示なし)へ転送する。このとき、基地局装置100は、セル内のUE10に上りデータを送信するための帯域を割り当てる上りスケジューリングを実行し、上りスケジューリングの結果に従って送信された上りデータを受信する。上りスケジューリングにおいては、上り回線のトラヒック量やMECサーバ200からの指示に応じて、あらかじめ登録されたUE10に優先的に帯域が割り当てられるように優先制御される。基地局装置100による優先制御については、後に詳述する。
また、基地局装置100は、セル内のUE10へ下りデータを送信するための帯域を割り当てる下りスケジューリングを実行し、下りスケジューリングの結果に従って各UE10へ下りデータを送信する。下りスケジューリングにおいても、下り回線のトラヒック量やMECサーバ200からの指示に応じて、あらかじめ登録されたUE10に優先的に帯域が割り当てられるように優先制御されても良い。
MECサーバ200は、基地局装置100から転送されるデータを解析し、解析結果から得られる管理用の管理データを管理装置20へ送信する。具体的には、MECサーバ200は、例えばUE10によって取得された動画データを基地局装置100から受信し、動画データを解析する。そして、MECサーバ200は、例えば動画データの内容を要約することにより管理データを生成し、管理データを管理装置20へ送信する。また、MECサーバ200は、動画データを解析することにより、例えば交通事故などの異常を検出し、異常が検出された場合には、この動画データを取得したUE10の通信を優先するように基地局装置100へ指示する。
図2は、一実施の形態に係る基地局装置100の構成を示すブロック図である。図2に示す基地局装置100は、有線インタフェース(以下「有線I/F」と略記する)110、プロセッサ120、無線送受信部130及びメモリ140を有する。
有線I/F110は、MECサーバ200及びネットワークNに接続するインタフェースであり、UE10から受信したデータをMECサーバ200へ送信したり、ネットワークNに接続された上位装置(図示なし)へ送信したりする。また、有線I/F110は、UE10へ送信される下りデータを受信したり、特定のUE10に対する優先的な通信帯域の割り当てを指示する優先制御指示をMECサーバ200から受信したりする。
プロセッサ120は、例えばCPU(Central Processing Unit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)又はDSP(Digital Signal Processor)などを備え、基地局装置100全体を制御する。具体的には、プロセッサ120は、ベースバンド信号処理部(以下「BB信号処理部」と略記する)121、トラヒック判定部122及びタイマー部123を有する。
BB信号処理部121は、UE10から受信した上りのベースバンド信号に対する処理を実行するとともに、UE10へ送信される下りのベースバンド信号に対する処理を実行する。具体的には、BB信号処理部121は、上りスケジューリングを実行し、各UE10に上り回線の通信帯域を割り当てる。そして、BB信号処理部121は、各UE10から受信された上りのベースバンド信号を復号し、上り回線におけるデータ通信量をトラヒック判定部122へ通知する。
BB信号処理部121は、上り回線におけるトラヒックが上昇していることがトラヒック判定部122から報告されると、あらかじめ登録されたUEを優先する登録UE優先モードを開始する。この登録UE優先モードが開始すると、BB信号処理部121は、上りスケジューリングにおいて、登録UEに対して優先的に上り回線の通信帯域を割り当てる。すなわち、BB信号処理部121は、例えば登録UEが要求する通信帯域が所定の上限帯域未満であれば、登録UEに要求を満たす通信帯域を割り当て、他のUE10に割り当てられる通信帯域を制限する。ただし、BB信号処理部121は、登録UEに対して無制限に通信帯域を割り当てるのではなく、1つの登録UEに対して割り当てられる無線リソースに上限を設けても良い。
また、BB信号処理部121は、下り回線における輻輳が発生している場合に、下りスケジューリングにおいて、登録UEに対して優先的に下り回線の通信帯域を割り当てても良い。
さらに、BB信号処理部121は、登録UE優先モードに移行した後、所定時間が経過したことがタイマー部123から通知されると、登録UE優先モードを終了し、登録UEに対しても他のUE10と同様に通信帯域を割り当てる。
ここで、登録UE優先モード中にMECサーバ200から優先制御指示が受信された場合には、BB信号処理部121は、指示されたUE10に対して優先的に上り回線の通信帯域を割り当てる優先制御を実行する。すなわち、登録UE優先モードにおいて登録UEに優先的に通信帯域が割り当てられている際に、この登録UEが優先制御の対象であることがMECサーバ200から通知されると、BB信号処理部121は、この対象UEに対してさらに大きな通信帯域を割り当て可能にする。
これにより、トラヒックが上昇した場合には登録UE優先モードに移行して、登録UEからの上りデータが優先的にMECサーバ200へ送信され、上り回線の輻輳発生時にも、MECサーバ200によるデータ解析が可能となる。そして、データ解析の結果、さらに詳細なデータが必要と判断された場合には、対象となるUE10からサイズが大きいデータを送信することが可能となる。
トラヒック判定部122は、BB信号処理部121によって処理されるベースバンド信号の量を監視し、上り回線のトラヒックが上昇しているか否かを判定する。例えば、トラヒック判定部122は、所定時間長の監視時間において上りデータの通信量が所定数倍に大きくなったか否かを判定する。そして、トラヒック判定部122は、上りデータの通信量が大きくなった場合に、上り回線におけるトラヒックが上昇していることをBB信号処理部121へ報告する。
また、トラヒック判定部122は、トラヒックが上昇していると判定した場合には、所定時間をタイマー部123に設定する。タイマー部123に設定される時間は、登録UE優先モードの継続時間である。
なお、トラヒック判定部122は、所定時間長の監視時間における呼量に基づいてトラヒックが上昇しているか否かを判定しても良い。すなわち、所定時間長の監視時間において呼の数が所定数倍に大きくなったか否かを判定することにより、トラヒックの上昇の有無を判定しても良い。
タイマー部123は、トラヒック判定部122によって上り回線におけるトラヒックが上昇していると判定された場合に、計時を開始する。そして、タイマー部123は、トラヒック判定部122によって設定された所定時間が経過すると、その旨をBB信号処理部121へ通知する。すなわち、タイマー部123は、登録UE優先モードに移行してから所定時間が経過すると、登録UE優先モードを終了するタイミングが到来したことをBB信号処理部121へ通知する。
無線送受信部130は、UE10から送信された信号をアンテナを介して受信し、所定の無線受信処理を施すことにより、上りのベースバンド信号を生成する。そして、無線送受信部130は、上りのベースバンド信号をBB信号処理部121へ出力する。また、無線送受信部130は、BB信号処理部121によって処理された下りのベースバンド信号に対して所定の無線送信処理を施し、アンテナを介してUE10へ送信する。
メモリ140は、例えばRAM(Random Access Memory)又はROM(Read Only Memory)などを備え、プロセッサ120によって処理が実行される際に、種々の情報を記憶する。
次いで、上記のように構成された基地局装置100による優先制御方法について、図3に示すフロー図を参照しながら説明する。
UE10から送信された信号は、アンテナを介して無線送受信部130によって受信され、上りのベースバンド信号がBB信号処理部121へ出力される。ベースバンド信号は、BB信号処理部121によって復号などのベースバンド処理が施され、得られた上りのデータが有線I/F110からMECサーバ200又は上位装置などへ転送される。
また、BB信号処理部121によって処理されるベースバンド信号の量は、トラヒック判定部122へ通知され、トラヒック判定部122によって、上り回線におけるデータ通信量が監視される(ステップS101)。そして、トラヒック判定部122によって、上り回線のトラヒックが上昇しているか否かが判定される(ステップS102)。すなわち、例えば図4に示すように、所定時間長の監視時間における上り回線のデータ通信量の増加量が監視され、増加量が所定の基準を満たすか否かが判定される。データ通信量としては、BB信号処理部121によって処理されるデータの量を用いても良いし、呼の数を用いても良い。また、所定の基準を満たすか否かの判定としては、増加量が所定の閾値以上であるか否かを判定しても良いし、監視時間の間にデータ通信量が所定数倍になったか否かを判定しても良い。
この判定の結果、上り回線のトラヒックが上昇していなければ(ステップS102No)、引き続きトラヒック判定部122によって上り回線におけるデータ通信量が監視される。一方、上り回線のトラヒックが上昇していれば(ステップS102Yes)、その旨がBB信号処理部121へ通知され、BB信号処理部121によって登録UE優先モードが開始される(ステップS103)。すなわち、上りスケジューリングにおいて、あらかじめ登録された登録UEに優先的に通信帯域が割り当てられるようになる。このため、登録UE優先モードに移行すると、登録UEから要求される通信帯域が所定の上限帯域未満であれば、要求された通りの通信帯域が登録UEに割り当てられる。結果として、例えば登録UEの付近で交通事故などの異常が発生し、上り回線のトラヒックが急激に上昇した場合でも、登録UEは一定の通信帯域を利用して上りの信号を送信することができる。したがって、登録UEが例えばドライブレコーダや防犯カメラなどに接続されているUE10であれば、MECサーバ200におけるデータ解析に必要な動画データなどを上り回線によって送信することが可能となる。
また、上り回線のトラヒックが上昇している場合には、タイマー部123に所定時間が設定され(ステップS104)、計時が開始される。タイマー部123による計時は、設定された所定時間が満了して、登録UE優先モードを終了するタイミングが到来するまで継続する。
登録UE優先モード中には、登録UEに優先的に上り回線の通信帯域が割り当てられるため、この通信帯域を利用して登録UEから送信された動画データなどが有線I/F110を介してMECサーバ200へ転送される。そして、MECサーバ200においては、転送された動画データの解析が実行され、例えば交通事故などの異常が発生しているか否かが判断される。データ解析の結果、異常が発生していると判断された場合には、MECサーバ200は、管理装置20へその旨を通知するとともに、基地局装置100に対して、動画データを送信したUE10に対する優先制御を実行するように指示する。
基地局装置100においては、登録UEから送信される動画データなどがMECサーバ200へ転送されつつ、MECサーバ200からの優先制御の指示が待機される(ステップS105)。優先制御の指示がない場合には(ステップS105No)、タイマー部123に設定された所定時間が満了したか否かが判定され(ステップS107)、満了すると(ステップS107Yes)、BB信号処理部121による登録UE優先モードが終了する(ステップS108)。
タイマー部123に設定された所定時間が満了しない間は(ステップS107No)、引き続きMECサーバ200からの優先制御の指示が待機され、優先制御の指示があった場合には(ステップS105Yes)、優先制御の対象となる対象UEに優先的に通信帯域が割り当てられる(ステップS106)。ここでは、対象UEは登録UEでもあり、登録UE優先モードに移行していることから、既に対象UEには優先的に通信帯域が割り当てられている。しかし、登録UEが対象UEとして優先制御の指示があった場合には、BB信号処理部121による上りスケジューリングにおいて、対象UEにより大きな通信帯域を割り当てることが許容される。すなわち、例えば登録UE優先モードにおいては、登録UEが低画質の動画データを送信可能な程度の通信帯域が登録UEに割り当てられるのに対し、登録UEが優先制御の対象UEとなると、対象UEが高画質の動画データを送信可能な程度の通信帯域が対象UEに割り当てられる。これにより、対象UEから高画質の動画データを取得することが可能となり、異常が発生した現場の状況把握や詳細な分析などが可能となる。
対象UEの優先制御は所定時間継続し、優先制御終了後には、タイマー部123に設定された所定時間が満了したか否かが判定され(ステップS107)、満了すると(ステップS107Yes)、登録UE優先モードも終了する(ステップS108)。
このように、トラヒック上昇時には登録UEに優先的に通信帯域を割り当て、異常が発生したか否かを判断するデータ解析に必要な帯域を確保する。そして、データ解析によって異常が発生していると判断された場合には、対象UEの優先制御により、さらに詳細なデータを通信可能な通信帯域を対象UEに割り当てる。これにより、通信帯域が確保された緊急通報以外の通信であっても、異常発生時に有益な情報を迅速に伝達することができる。
次に、MECサーバ200の構成について説明する。図5は、一実施の形態に係るMECサーバ200の構成を示すブロック図である。図5に示すMECサーバ200は、ネットワークインタフェース(以下「ネットワークI/F」と略記する)210、プロセッサ220及びメモリ230を有する。
ネットワークI/F210は、基地局装置100及びネットワークNに接続するインタフェースであり、基地局装置100又は管理装置20との間でデータを送受信する。
プロセッサ220は、例えばCPU、FPGA又はDSPなどを備え、MECサーバ200全体を制御する。具体的には、プロセッサ220は、データ解析部221、管理データ生成部222及び優先制御指示部223を有する。
データ解析部221は、基地局装置100から転送されネットワークI/F210によって受信されたデータを解析する。すなわち、データ解析部221は、UE10によって取得された動画データなどを解析し、例えば交通事故などの異常が発生しているか否かを判断する。ここで、MECサーバ200は、主に登録UEによって取得されたデータを基地局装置100を介して受信するため、データ解析部221は、登録UEが取得した動画データなどを解析する。データ解析部221は、例えば動画データを用いた機械学習による画像認識を実行して異常の発生の有無を判断しても良いし、動画データに加えて例えば登録UEが搭載された車両の加速度データなどを用いて異常の発生の有無を判断しても良い。
上述したように、基地局装置100においては、上り回線のトラヒックが上昇した場合でも、登録UE優先モードに移行することにより登録UEに優先的に通信帯域が割り当てられる。このため、データ解析部221によるデータ解析に必要なデータが不足することがなく、データ解析部221は、登録UEによって取得されたデータの解析を常に安定して実行することができる。
管理データ生成部222は、データ解析部221によるデータ解析結果から、定期的に管理装置20へ送信される管理データを生成する。具体的には、管理データ生成部222は、例えば動画データがデータ解析部221によって解析された場合に、動画データの内容を要約した管理データを生成する。管理データ生成部222が生成する管理データは、データ解析部221が解析するデータよりもサイズが小さいデータである。
管理データ生成部222は、生成した管理データをネットワークI/F210から管理装置20へ送信する。管理データのサイズが小さいため、定期的に管理データが送信されてもネットワークNへの影響は小さくて済む。
また、管理データ生成部222は、データ解析部221によるデータ解析の結果、例えば交通事故などの異常が発生していると判断された場合には、異常が発生したことを通知する管理データを生成し、管理装置20へ送信する。
優先制御指示部223は、データ解析部221によるデータ解析の結果、例えば交通事故などの異常が発生していると判断された場合には、該当するデータを送信したUE10について優先制御をするように基地局装置100へ指示する。すなわち、優先制御指示部223は、例えば登録UEが送信した動画データから異常が発生したと判断された場合に、この登録UEを優先制御の対象とすることを決定し、対象UEに優先的に通信帯域を割り当てることを基地局装置100へ指示する。
メモリ230は、例えばRAM又はROMなどを備え、プロセッサ220によって処理が実行される際に、種々の情報を記憶する。
次いで、上記の基地局装置100及びMECサーバ200を有する無線通信システムの動作について、図6に示すシーケンス図を参照しながら説明する。
登録UEは、基地局装置100による上りスケジューリングによって割り当てられた通信帯域を用いて、例えば動画データなどの取得したデータを基地局装置100を介してMECサーバ200へ送信する(ステップS201)。データを受信したMECサーバ200は、データ解析部221において、受信したデータを解析する(ステップS202)。このデータ解析は、例えば交通事故などの異常が発生したか否かを判断するものである。このデータ解析の結果、異常が発生していない場合には、管理データ生成部222によって管理データが生成され、管理データが管理装置20へ送信される(ステップS203)。
このように登録UEから定期的にMECサーバ200へデータが送信されるが、登録UE以外の他のUE10も基地局装置100へデータを送信する。このため、基地局装置100のトラヒック判定部122によって、上り回線のデータ通信量が監視され、トラヒックが上昇しているか否かが判定される(ステップS204)。この判定の結果、登録UEの他にも多数のUE10が上り回線を用いて信号を送信している場合には、トラヒックが上昇していると判定される。そして、トラヒックが上昇している場合には、登録UEに通信帯域を優先して割り当てる登録UE優先モードに移行する(ステップS205)。
登録UE優先モードでは、登録UEが要求する通信帯域が所定の上限帯域未満であれば、要求通りの通信帯域が登録UEに割り当てられる上りスケジューリングが行われる。このため、上り回線において輻輳が発生する場合でも、登録UEは、例えば動画データなどの取得したデータを確実にMECサーバ200へ送信することができる(ステップS206)。
なお、登録UE優先モードであっても、無制限に登録UEに通信帯域を割り当てるのではなく、要求する通信帯域が所定の上限帯域未満である場合にのみ、要求通りの通信帯域が登録UEに割り当てられる。また、上りスケジューリングにおいては、原則としてそれぞれのUE10の通信品質に応じて通信帯域が割り当てられるため、登録UEの通信品質が低い場合には、要求通りの通信帯域を登録UEに割り当てるために多くの無線リソースが消費される。このため、登録UEに割り当てられる無線リソースに上限を設けても良い。
登録UE優先モード中においても、MECサーバ200のデータ解析部221によってデータ解析が実行される(ステップS207)。データ解析の結果、例えば交通事故などの異常が発生していると判断された場合には、管理データ生成部222によって、異常の発生を通知する管理データが生成され、管理装置20へ送信される(ステップS208)。また、優先制御指示部223によって、異常が検知されたデータを送信したUE10を優先制御の対象UEとするように、基地局装置100へ指示される(ステップS209)。
優先制御の指示を受けた基地局装置100は、上りスケジューリングにおいて、優先制御の対象UEに優先的に通信帯域を割り当てる(ステップS210)。具体的には、登録UE優先モードにおいては、例えば低画質の動画データを送信可能な程度の通信帯域を登録UEに割り当てることが許容されるのに対し、優先制御の対象UEに対しては、高画質の動画データを送信可能な程度の通信帯域を割り当てることが許容される。
このように、対象UEに対して、登録UE優先モード中よりも大きい通信帯域の割り当てが許容されるため、管理装置20から詳細なデータが要求された場合には(ステップS211)、対象UEは、比較的大きな通信帯域を占有して、例えば高画質の動画データを管理装置20へ送信することができる(ステップS212)。これにより、管理装置20において、異常が発生した現場の状況把握や詳細な分析をすることが可能となる。
次に、上り回線の通信帯域の割り当ての一例について、図7を参照して説明する。図7は、上り回線における複数のUE10のデータ通信量の時間推移の一例を示す図である。
図7に示すように、時刻T1までは、上り回線のトラヒックが小さく、図中実線で示す登録UEのデータ通信量と、図中破線で示す登録UE以外のUE10のデータ通信量とは、十分に小さい。このため、登録UEは、取得したデータをMECサーバ200へ送信することができる。
そして、時刻T1になると、上り回線におけるトラヒックの上昇が検知される。このため、各UE10の通信品質に応じて通信帯域が割り当てられれば、登録UEに十分な通信帯域が割り当てられない可能性がある。しかしながら、本実施の形態においては、トラヒックの上昇が検知されると、登録UE優先モードに移行するため、時刻T1以降も登録UEに十分な通信帯域が割り当てられる。このため、上り回線において輻輳が発生する場合でも、登録UEからMECサーバ200へデータの送信が継続され、MECサーバ200は、データ解析を続行することができる。
MECサーバ200におけるデータ解析の結果、例えば交通事故などの異常が発生していると判断された場合には、データの送信元の登録UEが優先制御の対象UEとなる。この結果、時刻T2において、対象UEに対して割り当てが許容される通信帯域が大きくなり、対象UEから必要に応じて、例えば高画質の動画データなどがMECサーバ200へ送信される。ここで、対象UEの優先制御においては、常に対象UEのために通信帯域が確保されるのではなく、対象UEからの要求に応じて通信帯域が割り当てられるため、優先制御中であっても対象UEが使用しない通信帯域は、無駄なく他のUE10に割り当てられる。
対象UEの優先制御は、所定時間継続して時刻T3で終了する。ここでは、優先制御が終了しても登録UE優先モードが終了していないため、引き続き他のUE10よりも優先して登録UEに通信帯域が割り当てられる。そして、タイマー部123において所定時間が満了すると、時刻T4において登録UE優先モードが終了する。登録UE優先モードが終了した後は、登録UEについても他のUE10と同じように、通信品質に応じて通信帯域が割り当てられる。
以上のように、本実施の形態によれば、上り回線のトラヒックが上昇した場合に、あらかじめ登録された登録UEに優先的に通信帯域を割り当て、MECサーバによるデータ解析に必要なデータが登録UEから継続して送信されるようにする。そして、データ解析の結果、異常が発生している場合には、MECサーバからの指示により、データ送信元のUEにさらに優先的に通信帯域を割り当て、より大きなサイズのデータを送信可能にする。このため、異常発生に伴って上り回線のトラヒックが上昇しても、登録UEから送信されるデータの解析によって異常発生を検知することができ、さらに状況把握や詳細な分析に用いられるデータを異常の発生現場のUEから取得することができる。換言すれば、異常発生時に有益な情報を迅速に伝達することができる。
なお、上記一実施の形態においては、主に上り回線における通信帯域割り当ての優先制御について説明したが、下り回線における通信帯域についても同様に優先制御しても良い。
また、MECサーバ200は、必ずしも基地局装置100に併設されていなくても良く、例えば複数の基地局装置100に対して1つのMECサーバ200が設置されるようにしても良い。ただし、MECサーバ200は、ネットワークNに含まれるコアネットワークよりも基地局装置100側に設置されるのが好ましい。
さらに、対象UEの優先制御は所定時間継続するものとして説明したが、必ずしもすべての対象UEについての優先制御が同じ時間継続しなくても良い。すなわち、それぞれの登録UEの種別や登録内容によって、優先制御が継続する時間が異なっても良い。
110 有線I/F
120、220 プロセッサ
121 BB信号処理部
122 トラヒック判定部
123 タイマー部
130 無線送受信部
140、230 メモリ
210 ネットワークI/F
221 データ解析部
222 管理データ生成部
223 優先制御指示部
120、220 プロセッサ
121 BB信号処理部
122 トラヒック判定部
123 タイマー部
130 無線送受信部
140、230 メモリ
210 ネットワークI/F
221 データ解析部
222 管理データ生成部
223 優先制御指示部
Claims (6)
- あらかじめ登録された登録端末装置を含む複数の端末装置から自装置へ向かう上り回線のトラヒックが上昇したか否かを判定する判定部と、
前記判定部によってトラヒックが上昇したと判定された場合に、前記登録端末装置に通信帯域を優先的に割り当てる第1のスケジューリングを実行するスケジューリング部と、
前記第1のスケジューリングによって割り当てられる通信帯域を用いて前記登録端末装置から受信されるデータをサーバへ送信し、前記登録端末装置のうちの少なくとも1つの端末装置に通信帯域を優先的に割り当てることを指示する優先制御指示を前記サーバから受信する有線通信部とを有し、
前記スケジューリング部は、
前記有線通信部によって優先制御指示が受信された場合に、当該優先制御指示に対応する端末装置に対して、前記第1のスケジューリングによって割り当てられる通信帯域以上の通信帯域を優先的に割り当てる第2のスケジューリングを実行する
ことを特徴とする基地局装置。 - 前記判定部は、
所定時間長の監視時間の間に、上り回線のデータ通信量が所定数倍になった場合に、トラヒックが上昇したと判定することを特徴とする請求項1記載の基地局装置。 - 前記第1のスケジューリングが開始されてから所定時間経過後に満了するタイマー部をさらに有し、
前記スケジューリング部は、
前記タイマー部が満了した場合に、前記第1のスケジューリングを終了する
ことを特徴とする請求項1記載の基地局装置。 - 前記スケジューリング部は、
前記登録端末装置に対して他の端末装置よりも大きい通信帯域の割り当てを許容する前記第1又は第2のスケジューリングを実行する
ことを特徴とする請求項1記載の基地局装置。 - あらかじめ登録された登録端末装置を含む複数の端末装置と、基地局装置と、前記基地局装置に接続されたサーバとを有する無線通信システムであって、
前記基地局装置は、
前記複数の端末装置から自装置へ向かう上り回線のトラヒックが上昇したか否かを判定する判定部と、
前記判定部によってトラヒックが上昇したと判定された場合に、前記登録端末装置に通信帯域を優先的に割り当てる第1のスケジューリングを実行するスケジューリング部と、
前記第1のスケジューリングによって割り当てられる通信帯域を用いて前記登録端末装置から受信されるデータを前記サーバへ送信する有線通信部とを有し、
前記サーバは、
前記有線通信部から送信されたデータを受信する受信部と、
前記受信部によって受信されたデータを解析する解析部と、
前記解析部による解析の結果、異常の発生が検知された場合に、データの送信元の端末装置に通信帯域を優先的に割り当てることを指示する優先制御指示を前記基地局装置へ送信する指示部とを有し、
前記有線通信部は、
前記指示部から送信された優先制御指示を受信し、
前記スケジューリング部は、
前記有線通信部によって優先制御指示が受信された場合に、当該優先制御指示に対応する端末装置に対して、前記第1のスケジューリングによって割り当てられる通信帯域以上の通信帯域を優先的に割り当てる第2のスケジューリングを実行する
ことを特徴とする無線通信システム。 - あらかじめ登録された登録端末装置を含む複数の端末装置から基地局装置へ向かう上り回線のトラヒックが上昇したか否かを判定し、
トラヒックが上昇したと判定された場合に、前記登録端末装置に通信帯域を優先的に割り当てる第1のスケジューリングを実行し、
前記第1のスケジューリングによって割り当てられる通信帯域を用いて前記登録端末装置から送信されるデータをサーバへ転送し、
前記登録端末装置のうちの少なくとも1つの端末装置に通信帯域を優先的に割り当てることを指示する優先制御指示を前記サーバから受信し、
前記優先制御指示が受信された場合に、当該優先制御指示に対応する端末装置に対して、前記第1のスケジューリングによって割り当てられる通信帯域以上の通信帯域を優先的に割り当てる第2のスケジューリングを実行する
処理を有することを特徴とする優先制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017186992A JP2019062469A (ja) | 2017-09-27 | 2017-09-27 | 基地局装置、無線通信システム及び優先制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017186992A JP2019062469A (ja) | 2017-09-27 | 2017-09-27 | 基地局装置、無線通信システム及び優先制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019062469A true JP2019062469A (ja) | 2019-04-18 |
Family
ID=66177781
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017186992A Pending JP2019062469A (ja) | 2017-09-27 | 2017-09-27 | 基地局装置、無線通信システム及び優先制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019062469A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021200304A1 (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-07 | ソニーグループ株式会社 | ライブ映像制作システム、ライブ映像制作方法及びクラウドサーバ |
-
2017
- 2017-09-27 JP JP2017186992A patent/JP2019062469A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021200304A1 (ja) * | 2020-03-31 | 2021-10-07 | ソニーグループ株式会社 | ライブ映像制作システム、ライブ映像制作方法及びクラウドサーバ |
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