JP2019061402A - 電子機器、通信制御方法及びプログラム - Google Patents

電子機器、通信制御方法及びプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】デバイス側からUSB通信の通信エラー状態を解消させることが可能な電子機器、通信制御方法及びプログラムを提供すること。【解決手段】電子機器10は、USBの通信バスBSを介してUSB通信を行う通信部30と、通信部30の通信制御を行う処理部20と、を含む。処理部20は、USB通信にエラーが検出されたときに、通信バスBSに接続されるホスト機器90にバスリセットを実行させる処理を行うことで、通信エラー状態の復旧処理を行う。【選択図】 図3

Description

本発明は、電子機器、通信制御方法及びプログラム等に関する。
ホスト機器とペリフェラルデバイスとの間でシリアルの通信バスを介して高速に通信を行うための規格としてUSB(Universal Serial Bus)が知られている。ホスト機器又はペリフェラルデバイスでは、USB通信において正しいデータを送受信できるように、種々のUSB通信エラーの検出を行っている。例えば、CRC(Cyclic Redundancy Check)エラーやPID(Packet IDentifier)エラー、トグルビットエラー等をUSB通信エラーとして検出する。ホスト機器がUSB通信エラーを検出した場合、ホスト機器は例えばUSBバスのバスリセットを行って通信エラー状態から復旧しようと試みる。
ホスト機器が通信エラー状態を解消する従来技術は、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1では、プリンターにUSB接続可能なデジタルスチールカメラが、ホスト機能とデバイス(ターゲット)機能を切り替え可能に構成されている。そして、デジタルスチールカメラがホストとして機能しているときに、USB通信エラー(バスエラー)が発生した場合、ホストであるデジタルスチールカメラがバスリセットを行う。
特開2002−116998号公報
USB通信では、ホスト機器が通信エラーを検出できない場合、ホスト機器が通信エラー状態から復旧しようと試みることができない。例えば、デバイス側で通信エラーを検出した場合、USB通信がエラー状態のまま停止するため、ユーザーがUSBケーブルをホスト機器又はペリフェラルデバイスに抜き差しする必要がある。USBケーブルをホスト機器又はペリフェラルデバイスに抜き差しすることで、ホスト機器がUSBバスの物理的な切断を検出し、バスリセット等により復旧を試みる。しかしながら、ユーザーに対してUSBケーブルの抜き差しが要求されるので、ユーザー利便性の点からUSBケーブルの抜き差しが不要であることが望ましい。
本発明の幾つかの態様によれば、デバイス側からUSB通信の通信エラー状態を解消させることが可能な電子機器、通信制御方法及びプログラム等を提供できる。
本発明の一態様は、USBの通信バスを介してUSB通信を行う通信部と、前記通信部の通信制御を行う処理部と、を含み、前記処理部は、前記USB通信にエラーが検出されたときに、前記通信バスに接続されるホスト機器にバスリセットを実行させる処理を行うことで、通信エラー状態の復旧処理を行う電子機器に関係する。
本発明の一態様によれば、デバイス側の電子機器が通信エラーを検出したとき、ホスト機器にバスリセットを実行させる制御を行うことで、ホスト機器にバスリセットを実行させることが可能になる。これにより、ユーザーがUSBケーブルを抜き差ししなくても、デバイス側から通信エラー状態の復旧処理を行うことが可能になる。
また本発明の一態様では、前記処理部は、前記通信バスを介した前記通信部と前記ホスト機器との接続を電気的に切断する制御を行うことで、前記ホスト機器に前記バスリセットを実行させる第1の復旧処理を行ってもよい。
このようにすれば、USB通信にエラーが検出されたときに、通信バスを介した通信部とホスト機器との接続を電気的に切断する制御を行うことで、ホスト機器にバスリセットを実行させることができる。これにより、通信エラー状態の復旧処理を行うことができる。
また本発明の一態様では、前記通信部は、前記処理部により前記接続を電気的に切断する制御が行われたとき、前記通信バスの終端抵抗をディセーブルにする、又は前記通信バスのDP信号線のプルアップ抵抗をディセーブルにしてもよい。
このようにすれば、通信バスの終端抵抗をディセーブルにすることで、HSモードのUSB通信においてホスト機器に通信バスの切断を検出させることができる。これにより、ホスト機器にバスリセットを実行させることができる。また、DP信号線のプルアップ抵抗をディセーブルにすることで、FSモードのUSB通信においてホスト機器に通信バスの切断を検出させることができる。これにより、ホスト機器にバスリセットを実行させることができる。
また本発明の一態様では、前記処理部は、前記ホスト機器から前記通信部に送信されたパケットにCRCエラーが検出されたときに、前記第1の復旧処理を行ってもよい。
CRCエラーが検出された場合、データパケットのボディー部(データ)が壊れている可能性が高い。即ち、CRCエラーが検出される前に電子機器が受信したデータパケットについても信頼性が低い可能性がある。本発明の一態様によれば、CRCエラーが検出されたときに通信バスを電気的に切断することで、ホスト機器にデータを最初から送信させることができる。これにより、USB通信の信頼性を向上できる。
また本発明の一態様では、前記処理部は、前記ホスト機器に対するアクノリッジを返さない制御を行うことで前記ホスト機器に前記バスリセットを実行させる第2の復旧処理を行ってもよい。
このようにすれば、USB通信にエラーが検出されたときに、ホスト機器に対するアクノリッジを返さない制御を行うことで、ホスト機器にバスリセットを実行させることができる。これにより、通信エラー状態の復旧処理を行うことができる。
また本発明の一態様では、前記処理部は、前記ホスト機器から前記通信部に送信されたパケットにPIDエラー又はトグルビットエラーが検出されたときに、前記第2の復旧処理を行ってもよい。
PIDエラー又はトグルビットエラーが検出された場合、データパケットのボディー部(データ)が壊れている可能性は低い。即ち、PIDエラー又はトグルビットエラーが検出される前に電子機器が受信したデータパケットは、信頼性が高いと考えられる。本発明の一態様によれば、PIDエラー又はトグルビットエラーが検出されたときにホスト機器に対するアクノリッジを返さない制御を行うことで、ホスト機器にエラー発生時のデータパケットから再送信させることができる。これにより、効率的に電子機器がデータを受信できるようになる。
また本発明の一態様では、前記処理部は、一連のデータである第1〜第k(kは2以上の整数)のデータパケットの受信において、第i(iは1以上k以下の整数)のデータパケットの受信において前記PIDエラー又は前記トグルビットエラーが検出されたときに、前記第2の復旧処理を行い、前記ホスト機器により前記バスリセットが実行された後、前記第iのデータパケットの受信から再開してもよい。
このようにすれば、信頼性が高いと考えられるエラー発生前のデータパケットを電子機器が再受信することなく、電子機器がエラー発生時以降のデータをホスト機器から受信できるようになる。これにより、データ通信を効率化できる。
また本発明の一態様では、前記一連のデータは、印刷データであってもよい。
例えばプリンター等の印刷機能を有する電子機器では、ユーザーがホスト機器と電子機器とをUSBケーブルで接続して用いるタイプの機器がある。本発明の一態様によれば、電子機器がUSBの通信エラーを検出したとき、ホスト機器にバスリセットを実行させる制御を行うことで、ホスト機器にバスリセットを実行させることが可能になる。これにより、ユーザーがUSBケーブルを抜き差ししなくても、電子機器が通信エラー状態からの復旧処理を行うことが可能になる。
また本発明の他の態様は、USBの通信バスを介して通信を行う通信部でのUSB通信にエラーが検出されたか否かを判断し、前記USB通信にエラーが検出されたと判断したときに、前記通信バスに接続されるホスト機器にバスリセットを実行させる処理を行うことで、通信エラー状態の復旧処理を行う通信制御方法に関係する。
また本発明の更に他の態様は、USBの通信バスを介して通信を行う通信部でのUSB通信にエラーが検出されたか否かを判断し、前記USB通信にエラーが検出されたと判断したときに、前記通信バスに接続されるホスト機器にバスリセットを実行させる処理を行うことで、通信エラー状態の復旧処理を行うステップを、コンピューターに実行させることを特徴とするプログラム。
本実施形態の電子機器の構成例。 PC(ホスト機器)とプリンター(電子機器)のUSB接続の説明図。 本実施形態におけるUSB通信処理を説明する図。 本実施形態の第1の手法におけるUSB通信処理のフロー。 電子機器の物理層回路の詳細な構成例。 HSモードにおける終端抵抗の変形構成例。 ホスト機器による切断検出を説明する図。 ケーブルアタッチ又は通信バスBSの電気的な接続後のUSBの動作シーケンスを示す信号波形図。 本実施形態の第2の手法におけるUSB通信処理のフロー。
以下、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお以下に説明する本実施形態は特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。
1.電子機器
図1に本実施形態の電子機器10の構成例を示す。電子機器10は、処理部20、通信部30を含む。また電子機器10は、記憶部50、操作部60、表示部70、印刷部80を更に含むことができる。これらの処理部20、通信部30、記憶部50、操作部60、表示部70、印刷部80は、電子機器10の内部バス等の信号配線を介して電気的に接続されている。
なお電子機器10は図1の構成に限定されず、これらの一部の構成要素(例えば操作部、表示部又は印刷部等)を省略したり、他の構成要素を追加するなどの種々の変形実施が可能である。また電子機器10は、例えばプリンター(印刷装置)である。或いは電子機器10は、スキャナー、ファクシミリ装置又はコピー機であってもよい。電子機器10は、複数の機能を有する複合機(MFP:Multifunction Peripheral)であってもよく、印刷機能を有する複合機もプリンターの一例である。或いは電子機器10は、プロジェクター、頭部装着型表示装置、ウェアラブル機器(リスト型ウェアラブル機器等)、生体情報測定機器(脈拍計、歩数計又は活動量計等)、ロボット、映像機器(カメラ等)、携帯情報端末(スマートフォン、携帯ゲーム機等)又は物理量計測機器等であってもよい。
処理部20(プロセッサー、コントローラー)は、電子機器10の各部(通信部、記憶部、印刷部等)の制御を行ったり、本実施形態の各種の処理を行う。例えば処理部20は、メインCPU21、サブCPU22などの複数のCPU(MPU、マイコン)を含むことができる。メインCPU21(メイン制御基板)は、電子機器10の各部の制御や全体的な制御を行う。サブCPU22は、例えば電子機器10がプリンターである場合には、印刷についての各種の処理を行う。或いは通信処理のためのCPUを更に設けてもよい。
処理部20が行う本実施形態の各処理(各機能)は、プロセッサー(ハードウェアを含むプロセッサー)により実現できる。例えば本実施形態の各処理は、プログラム等の情報に基づき動作するプロセッサーと、プログラム等の情報を記憶するメモリー(記憶装置)により実現できる。ここでのプロセッサーは、例えば各部の機能が個別のハードウェアで実現されてもよいし、或いは各部の機能が一体のハードウェアで実現されてもよい。例えば、プロセッサーはハードウェアを含み、そのハードウェアは、デジタル信号を処理する回路及びアナログ信号を処理する回路の少なくとも一方を含むことができる。例えば、プロセッサーは、回路基板に実装された1又は複数の回路装置(例えばIC等)や、1又は複数の回路素子(例えば抵抗、キャパシター等)で構成することができる。プロセッサーは、例えばCPUであってもよい。ただし、プロセッサーはCPUに限定されるものではなく、GPU(Graphics Processing Unit)、或いはDSP(Digital Signal Processor)等、各種のプロセッサーを用いることが可能である。またプロセッサーはASICによるハードウェア回路でもよい。
通信部30(通信インターフェース)は、少なくとも1つの通信デバイス(通信IC、インターフェースIC)により実現できる。通信部30はUSBの通信処理を行う。例えば通信部30は、USBの通信バスBSを介してホスト機器(外部機器)との間で高速シリアル通信のインターフェース処理を行う。この場合には通信部30は、USBのデバイスコントローラーのIC等により実現される。
記憶部50(記憶装置、メモリー)は、データやプログラムなどの各種の情報を記憶する。処理部20や通信部30は例えば記憶部50をワーク領域として動作する。記憶部50は、SRAM、DRAMなどの半導体メモリーであってもよいし、レジスターであってもよいし、ハードディスク装置(HDD)などの磁気記憶装置であってもよいし、光学ディスク装置等の光学式記憶装置であってもよい。例えば、記憶部50はコンピューターにより読み取り可能な命令を格納しており、当該命令が処理部20(プロセッサー)により実行されることで、電子機器10の各部(通信部、処理部)の機能が実現されることになる。ここでの命令は、プログラムを構成する命令セットの命令でもよいし、処理部20(プロセッサー)のハードウェア回路に対して動作を指示する命令であってもよい。
操作部60(操作パネル)は、ユーザーが入力操作を行うためのものであり、操作ボタン、キー又はタッチセンサーなどにより実現できる。表示部70(ディスプレイ)は、各種の情報を表示するものであり、液晶や有機ELなどのディスプレイにより実現できる。なお操作部60及び表示部70は、例えばタッチパネルにより一体的に構成してもよい。
印刷部80は印刷エンジンにより実現される。印刷エンジンとは、印刷媒体への画像の印刷を実行する機械的構成である。印刷エンジンは、例えば搬送機構やインクジェット方式の吐出ヘッド、当該吐出ヘッドを含むキャリッジの駆動機構等を含む。印刷エンジンは、搬送機構により搬送される印刷媒体(紙や布)に対して、吐出ヘッドからインクを吐出することで、印刷媒体に画像を印刷する。なお、印刷エンジンの具体的構成はここで例示したものに限られず、レーザー方式でトナーにより印刷するものでもよい。また印刷部80は、印刷エンジンの稼働状態に関わる各種の物理量を検出するセンサーや、検出結果をカウントするカウンター等を含んでもよい。センサーやカウンターを用いることで、例えば搬送機構の駆動量(モーターの回転量)や、吐出ヘッドの往復回数、インクの消費量等の情報を取得できる。
例えば図1の処理部20、通信部30は、プログラムに基づいて本実施形態の各処理を行うことができる。このプログラムは、例えばコンピューターにより読み取り可能な媒体である情報記憶媒体に格納できる。情報記憶媒体は、例えば光ディスク、メモリーカード、HDD、或いは半導体メモリー(ROM)などにより実現できる。処理部20、通信部30は、情報記憶媒体に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体には、本実施形態の各部としてコンピューター(入力装置、処理部、記憶部、出力部を備える装置)を機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピューターに実行させるためのプログラム)が記憶される。
図2では、電子機器10の一例であるプリンター210と、ホスト機器90の一例であるPC220(パーソナルコンピューター)とが、USBの通信バスBSを有するUSBケーブル230により接続されている。そしてプリンター210は、PC220からUSBケーブル230(通信バスBS)を介して印刷データを受信する。またプリンター210の各種のステータス情報はプリンター210からUSBケーブル230を介してPC220に送信される。またプリンター210が例えばスキャナーの機能も有する複合機である場合には、プリンター210のスキャナーにより読み取ったデータが、プリンター210からUSBケーブル230を介してPC220に送信される。
図3は、本実施形態におけるUSB通信処理を説明する図である。なお、以下ではHS(High Speed)モードのUSB通信を主に例にとり説明するが、本発明の適用対象はこれに限定されない。
図3に示すように、USBの通信バスBSを有するUSBケーブル230の一端側のコネクターは、電子機器10のUSBコネクター232(ダウンストリームポート)に接続される。また、USBケーブル230の他端側のコネクターは、ホスト機器90のUSBコネクター234(アップストリームポート)に接続される。
電子機器10の通信部30は、例えばUSBデバイスコントローラー(IC)により実現され、レジスター部31(レジスター)と制御部32(制御回路)と物理層回路35を有する。物理層回路35は、HSモード、FS(Full Speed)モード、LSモード(Low Speed)モードの物理層の処理を行う。制御部32は、HSモード、FSモード、LSモードモードのリンク層やプロトコル層の処理を行う。また制御部32は、USB通信におけるエラーを検出するエラー検出部33を含む。レジスター部31は、通信部30の動作を設定するレジスター値を記憶する。またレジスター部31は、通信部30のステータス情報(例えば、エラー検出部33により検出されたエラーの情報等)を記憶する。
電子機器10の処理部20は、例えば1又は複数のCPUにより実現され、エラー判定部23と復旧処理部24を含む。エラー判定部23は、通信部30のレジスター部31からエラー情報を読み出し、そのエラー情報に基づいてエラーの有無や、エラーの種類等を判定する。復旧処理部24は、エラー判定の結果に基づいて、ホスト機器90にUSB通信のバスリセットを実行させる処理を、復旧処理として行う。復旧処理は、USB通信のエラー状態から復旧(エラー状態の解消、エラー状態から正常状態への移行)を試みる処理である。
具体的には、復旧処理部24は、通信部30のレジスター部31へのレジスター書き込みにより、通信部30の動作状態(通信バスBSの状態或いはUSB通信の内容等)を第1の状態に変更する。第1の動作状態は、ホスト機器90側から見て、USBケーブルがUSBコネクター232又は234から物理的に切断された(抜かれた)状態と等価な状態である。その後、復旧処理部24は、通信部30のレジスター部31へのレジスター書き込みにより、通信部30の動作状態を第2の状態に変更する。第2の動作状態は、ホスト機器90側から見て、USBケーブルがUSBコネクター232又は234に物理的に接続された(挿入された)状態と等価な状態である。ホスト機器90は、この切断及び接続によって、バスリセットを行い、USB通信の再確立を試みる。
ホスト機器90の通信部92は、例えばUSBホストコントローラー(IC)により実現され、制御部91(制御回路)と物理層回路93とを含む。物理層回路93は、HSモード、FS(Full Speed)モード、LSモード(Low Speed)モードの物理層の処理を行う。制御部91は、HSモード、FSモード、LSモードモードのリンク層やプロトコル層の処理を行う。物理層回路93は、通信バスBSの切断を検出する切断検出回路95を含む。切断検出回路95は、通信バスBSの状態(電気的な状態)に基づいて通信バスBSの切断を検出する。通常、通信バスBSの切断は、USBケーブルの物理的な切断によって発生するが、本実施形態では処理部20が通信部30を制御することで、電気的に切断状態を作り出す。制御部91は、切断検出回路95により切断が検出された場合、バスリセットを行い、USB通信の再確立を試みる。なお、後述する本実施形態の第2の手法のように、制御部91が通信バスBSの切断を検出してもよい。例えば、デバイス側の電子機器10から規定の応答がない場合に、通信バスBSが切断されていると判断する。
以上の実施形態によれば、通信部30はUSBの通信バスBSを介して通信を行う。処理部20は、通信部30の通信制御を行う。そして、処理部20は、USB通信にエラーが検出されたときに、通信バスBSに接続されるホスト機器90にバスリセットを実行させる処理を行うことで、通信エラー状態の復旧処理を行う。
具体的には、デバイス側の電子機器10の通信部30がUSB通信のエラーを検出したとき、通信エラー状態となる。ホスト機器90の通信部92はエラーを検出していないので、通信エラー状態が解消されなくなる。このため、従来はユーザーがUSBケーブルを抜き差しすることでホスト機器90に通信エラーを検出(切断検出)させる必要があった。例えば、電子機器10とホスト機器90を接続しているUSBケーブルが劣化していたり、低品質であったり、コネクターの接続が不完全であったり、ノイズ等によって一次的に通信が不安定になったりした場合に、このような通信エラー状態が解消されない状況となる可能性がある。本実施形態によれば、デバイス側の電子機器10が通信エラーを検出したとき、ホスト機器90にバスリセットを実行させる制御を行うことで、ホスト機器90にバスリセットを実行させることが可能になる。これにより、ユーザー利便性を向上できる。即ち、ユーザーがUSBケーブルを抜き差ししなくても、デバイス側が能動的に通信エラー状態から復旧させることが可能になる。
なお、以上の実施形態は、以下のような通信制御方法として実施してもよい。この方法では、USBの通信バスBSを介して通信を行う通信部30でのUSB通信にエラーが検出されたか否かを判断する。そして、USB通信にエラーが検出されたと判断したときに、通信バスBSに接続されるホスト機器90にバスリセットを実行させる処理を行うことで、通信エラー状態の復旧処理を行う。
また、以上の実施形態は、以下のようなプログラムにより実現してもよい。このプログラムは、USBの通信バスBSを介して通信を行う通信部30でのUSB通信にエラーが検出されたか否かを判断するステップをコンピューターに実行させる。そして、USB通信にエラーが検出されたと判断したときに、通信バスBSに接続されるホスト機器90にバスリセットを実行させる処理を行うことで、通信エラー状態の復旧処理を行うステップをコンピューターに実行させる。
また、以上の実施形態は、上記のようなプログラムを記憶した非一時的な情報記憶媒体により実現してもよい。即ち、この情報記憶媒体からコンピューターがプログラムを読み出してメモリーに記憶し、そのプログラムをコンピューターが実行することにより、プログラムに記述された動作が実現される。
2.本実施形態の第1の手法
図4に、本実施形態の第1の手法におけるUSB通信処理のフローを示す。なお、以下ではホスト機器90がPCであり、電子機器10(ターゲット機器)がプリンターである場合を例に説明するが、本手法の適用対象はこれに限定されない。
図4に示すように、ユーザーがUSBケーブルをホスト機器90(PC)のUSBコネクター及び電子機器10(プリンター)のUSBコネクターに接続する。USBケーブルが接続されると、ホスト機器90と電子機器10との間でUSB通信が確立される。例えば、ホスト機器90と電子機器10が信号のやりとりを行うことで、ホスト機器90及び電子機器10が対応するUSB規格(USB1.0、USB2.0、USB3.0等)に応じて、どのUSB規格に基づくUSB通信を行うかが設定される。例えば、通信速度(HSモード、FSモード、LSモード等)が設定される。
USB通信が確立されると、ホスト機器90は電子機器10の情報を取得し、電子機器10を認識する。これにより、ユーザーがホスト機器90を操作することで電子機器10に印刷させることが可能な状態となる。
ユーザーが印刷開始の操作をホスト機器90にすると、ホスト機器90は印刷データの送信を開始する。印刷データは、第1〜第k(kは2以上の整数)のデータパケットに分割されて送信される。
ホスト機器90の通信部92は、最初のデータパケットDT1(第1のデータパケット)を電子機器10の通信部30に送信する。具体的には、通信部92が、バルク転送における第1のOUTトランザクションを発行する。まず通信部92がOUTトークン(バルクOUT転送であることを示すPIDを含むトークン)を通信部30に送信し、次にデータパケットDT1を通信部30に送信する。データパケットは、データのトグル(0又は1)を示すPIDと、データと、CRC値とを含む。電子機器10の通信部30は、データパケットDT1を正常に受信した場合、ホスト機器90の通信部92にアクノリッジACK(肯定応答)を送信する。具体的には、アクノリッジACKを表すPIDを含むパケットを通信部92に送信する。
次に、ホスト機器90の通信部92はデータパケットDT2(第2のデータパケット)を電子機器10の通信部30に送信する。具体的には、通信部92が第2のOUTトランザクションを発行する。まず通信部92がOUTトークンを通信部30に送信し、次にデータパケットDT2を通信部30に送信する。電子機器10の通信部30が、データパケットDT2からCRCエラーを検出した場合、処理部20は通信バスBSを電気的に切断する。即ち、USBケーブルのコネクターを物理的に抜くのではなく、通信バスBSの状態を電気的に変化させることで、通信バスBSを切断する。この電気的な切断の具体例については後述する。
具体的には、電子機器10のエラー検出部33(通信部30)は、データパケットのエラー検出の1つとしてCRCエラーの検出を行っている。CRCエラーの検出では、データパケットに含まれるCRC値と、受信されたデータパケットからエラー検出部33が演算したCRC値とを比較し、一致するか否かを判定する。一致しない場合にはCRCエラーと判定する。エラー検出部33は、CRCエラーの検出結果をレジスター部31に書き込む。エラー検出部33がデータパケットDT2のCRCエラーを検出し、その情報をレジスター部31に書き込むと、処理部20が、その情報をレジスター部31から読み出し、エラー判定部23が、検出されたエラーがCRCエラーであると判定(認識)する。復旧処理部24は、通信バスBSを電気的に切断する設定情報を通信部30のレジスター部31に書き込み、通信部30の制御部32が、その設定情報に基づいて物理層回路35を制御し、通信バスBSを電気的に切断する。
次に、電子機器10により通信バスBSが電気的に切断されたことにより、ホスト機器90により通信バスBSの切断が検出される。これにより、USB通信が切断状態となる。即ち、通信バスBSが再び接続されるのを待機する状態(接続検出を行っている状態)となる。
次に、電子機器10の復旧処理部24(処理部20)は、処理部20は通信バスBSを電気的に接続(再接続)する。具体的には、通信バスBSを電気的に接続する設定情報を通信部30のレジスター部31に書き込み、通信部30の制御部32が、その設定情報に基づいて物理層回路35を制御し、通信バスBSを電気的に接続する。
次に、電子機器10により通信バスBSが電気的に接続されたことにより、ホスト機器90によりUSB通信のバスリセットが行われる。これにより、USB通信が確立(再確立)する。なお、図4では、バスリセットを明示するためにUSB通信確立とは別に記載しているが、バスリセットはUSB通信確立の手順に含まれてもよい。
USB通信が確立すると、ホスト機器90は印刷データの送信を再開する。このとき、第1〜第kのデータパケットに分割された印刷データを、第1のデータパケットから再送信する。ホスト機器90から電子機器10に第1〜第kのデータパケットが正常に送信できた場合、印刷データの送信が終了する。電子機器10は、受信した印刷データに基づく印刷処理を行う。
以下、通信バスBSの電気的な切断及び接続の具体例を説明する。
図5は、電子機器10の物理層回路35の詳細な構成例である。物理層回路35は、プルアップ抵抗Rpu、スイッチ素子SW_Rpu、プルダウン抵抗Rpd1、Rpd2を含む。スイッチ素子SW_Rpuは制御信号Rpu_Enableに基づいてオン又はオフにされる。これによりプルダウン動作が実現される。また物理層回路35は、HSモード用の送信回路HSD(カレントドライバー)、LS/FSモード用の送信回路LSD(ドライバー)、抵抗Rs1、Rs2を含む。また物理層回路35は、HSモード用の差動の受信回路HSR(データレシーバー)、スケルチの検出回路SQL(トランスミッションエンベロープディテクター)、LS/FSモード用の差動の受信回路LSR(データレシーバー)、切断の検出回路DIS(ディスコネクションエンベロープディテクター)、シングルエンドの受信回路DP_SER、DM_SER(レシーバー)を含む。
HSモードでは、通信バスBSの終端抵抗をディセーブルにする(無効化する)ことが、通信バスBSを電気的に切断することに相当する。HSモードにおいて、通常はLS/FSモード用の送信回路LSDがローレベル(例えばグランド電圧)を出力する。そして、送信回路LSDの出力と差動信号線(信号DP、DMの信号線)との間に接続された抵抗Rs1、Rs2が、通信バスBSの終端抵抗となる。電子機器10の復旧処理部24は、LS/FSモード用の送信回路LSDの出力をハイインピーダンス状態に設定することで、終端抵抗をディセーブルにする。これにより、通信バスBSが電気的に切断される。後述するように、電子機器10側の終端抵抗をディセーブルにすると、ホスト機器90が送信するSOF(Start Of Frame)のEOP(End Of Packet)の振幅が変化し、ホスト機器90が通信バスBSの切断を検出できる。
通信バスBSを再接続する際には、復旧処理部24は、送信回路LSDの出力をローレベルに設定する(ハイインピーダンス状態を解除する)ことで、終端抵抗をイネーブルにする。これにより、通信バスBSが電気的に接続される。ホスト機器90は、バスリセットを行ってUSB通信を再確立する。
FSモードでは、信号DPの信号線のプルアップを無効にすることが、通信バスBSを電気的に切断することに相当する。FSモードにおいて、通常は制御信号Rpu_Enableがアクティブであり、スイッチ素子SW_Rpuがオンであり、信号DPの信号線がプルアップ抵抗Rpuによりプルアップされる。電子機器10の復旧処理部24は、制御信号Rpu_Enableを非アクティブにし、スイッチ素子SW_Rpuをオフにする(プロトコルによる制御を受け付けずにオフに固定する)ことで、プルアップを無効にする。これにより、通信バスBSが電気的に切断される。FSモードにおいて通常は信号DPの信号線がプルアップされているので、プルアップが無効になったことでホスト機器90が通信バスBSの切断を検出できる。
通信バスBSを再接続する際には、復旧処理部24は、プロトコルによる制御に基づいてスイッチ素子SW_Rpuがオン又はオフに制御される状態に設定することで、プルアップを有効にする。これにより、通信バスBSが電気的に接続される。後述するように、ホスト機器90がVBUSを立ち上げた後に電子機器10が信号DPの信号線をプルアップすることで、ホスト機器90がバスリセットを開始し、USB通信を再確立する。
図6は、HSモードにおける終端抵抗の変形構成例である。なお、物理層回路35の送信回路HSD等の構成要素は、適宜図示を省略している。図6では、信号DPの信号線と低電位側電源(グランド)との間にスイッチ素子SW_Rt1と抵抗Rt1が直列に設けられ、信号DMの信号線と低電位側電源(グランド)との間にスイッチ素子SW_Rt2と抵抗Rt2が直列に設けられる。スイッチ素子SW_Rt1、SW_Rt2は制御信号Rt_Enabelに基づいてオン又はオフに制御される。
電子機器10の復旧処理部24は、制御信号Rt_Enabelを非アクティブにし、スイッチ素子SW_Rt1、SW_Rt2をオフにすることで、終端抵抗をディセーブルにする。これにより、通信バスBSが電気的に切断される。通信バスBSを再接続する際には、復旧処理部24は、制御信号Rt_Enabelをアクティブにし、スイッチ素子SW_Rt1、SW_Rt2をオンにすることで、終端抵抗をイネーブルにする。
図7は、ホスト機器90による切断検出を説明する図である。HSアイドル状態では、ホスト機器90がSOFを所与の時間間隔で通信バスBSに送信する。HSモードでは通信バスBSが電流駆動されるので、終端抵抗による電流電圧変換によってDP/DMの振幅が決まる。ホスト機器90側の終端抵抗と電子機器10側の終端抵抗が通信バスBSに接続されている場合、2つの終端抵抗の並列接続となり、DP/DMの振幅は400mVとなる。一方、電子機器10側の終端抵抗がディセーブルになった場合、ホスト機器90側の終端抵抗のみが通信バスBSに接続されることになるので、電流電圧変換における抵抗値が倍になり、DP/DMの振幅が800mVとなる。ホスト機器90の切断検出回路95は、SOFに含まれるEOPの振幅を検出することで、通信バスBSの切断を検出する。本実施形態では、電子機器10側の終端抵抗が電気的に切断されるので、USBケーブルを物理的に抜かなくてもホスト機器90が通信バスBSの切断を検出できる。
図8はケーブルアタッチ又は通信バスBSの電気的な接続後のUSBの動作シーケンスを示す信号波形図である。図8は、差動の信号DP、DMの各種状態を示している。ここでは、通信バスBSが電気的に接続され、バスリセットが行われる動作シーケンスを説明する。
ケーブルアタッチ又は通信バスBSの電気的な接続(タイミングt1)の後、BC1.2のプロトコルが実行される。BC1.2のプロトコルが実行されるB1に示す期間が充電調停期間である。
次に、デバイス側(ペリフェラルデバイス)の電子機器10がプルアップ抵抗をオンにすることで、信号DPの電圧がプルアップされて、FSモードに移行する(t2)。即ち、FSアイドルに移行し、一定時間、何もなければ、サスペンド状態に移行する。
次に、ホスト側(メインコントローラー)のホスト機器90がリセットを開始すると(t3)、プルアップされていた信号DPの電圧がLレベルになる。これをデバイス側が検知し、デバイス側がデバイスチャープKを送出する(t4)。その後、一定時間経過が経過すると、デバイス側はデバイスチャープKを停止する(t5)。すると、ホスト側がホストチャープK/Jを実行する(t6)。デバイス側は、ホストチャープK/Jを検出することで、ホスト側がHSモードに対応していることを認識して、HSターミネーション(終端抵抗)をオンにする(t7)。これにより信号DP、DMの振幅が例えば400mVに低下して、HSモードに移行する。そしてホスト側がリセットを終了すると(t8)、HSアイドルに移行し、ホスト側はSOFの送出を開始する(t9)。
このように、プロトコルに従って電子機器10がプルアップ抵抗をオンにすることで、ホスト機器90がバスリセットを開始する。また、バスリセットにおいて電子機器10がホストチャープK/Jを検出することで、HSターミネーション(終端抵抗)をオンにする。本実施形態では、電子機器10の復旧処理部24が、信号DPのプルアップ抵抗及びHSターミネーションをイネーブル(プロトコルに従ってオン又はオフに制御される状態)に設定することで、上記のようにホスト機器90がバスリセットを行うことが可能となる。このようにして、通信バスBSの電気的な接続が実現される。
以上の実施形態によれば、処理部20は、通信バスBSを介した通信部30とホスト機器90(通信部92)との接続を電気的に切断する制御を行うことで、ホスト機器90にバスリセットを実行させる第1の復旧処理を行う。
通信バスBSを介した接続の電気的な切断は、上述したように、ホスト機器90の通信部92から見て通信バスBSが物理的に切断されたように認識される(物理的に切断されたのと等価な)状態にすることである。
このようにすれば、USB通信にエラーが検出されたときに、通信バスBSを介した通信部30とホスト機器90との接続を電気的に切断する制御を行うことで、ホスト機器にバスリセットを実行させることができる。これにより、通信エラー状態の復旧処理を行うことができる。ホスト機器は、通信バスBSの切断を検出した場合、その検出前に送信データ(例えば印刷データ)の一部を送信していたとしても、送信データを最初から再送信する。即ち、通信バスBSの接続を電気的に切断することで、ホスト機器90に送信データを最初から再送信させ、電子機器10が確実にデータを受信できるようになる。
また本実施形態では、通信部30は、処理部20により上記の接続を電気的にオフにする制御が行われたとき、通信バスBSの終端抵抗をディセーブルにする、又は通信バスBSのDP信号線のプルアップ抵抗をディセーブルにする。
例えば、図5においてLSモード/FSモードの送信回路LSDの出力をハイインピーダンス状態に設定する、或いは図6においてスイッチ素子SW_Rt1、SW_Rt2をオフにすることが、終端抵抗をディセーブルにすることに相当する。また、例えば図5においてスイッチ素子SW_Rpuをディセーブルにすることが、DP信号線のプルアップ抵抗をディセーブルにすることに相当する。ここでの「ディセーブル」は、プロトコルによる制御を受け付けずにディセーブルに固定する(無効化する)ことである。
このようにすれば、通信バスBSの終端抵抗をディセーブルにすることで、HSモードのUSB通信においてホスト機器90に通信バスBSの切断を検出させることができる。これにより、ホスト機器90にバスリセットを実行させることができる。また、DP信号線のプルアップ抵抗をディセーブルにすることで、FSモードのUSB通信においてホスト機器90に通信バスBSの切断を検出させることができる。これにより、ホスト機器90にバスリセットを実行させることができる。
また本実施形態では、処理部20は、ホスト機器90から通信部30に送信されたパケットにCRCエラーが検出されたときに、第1の復旧処理を行う。
CRCエラーが検出された場合、データパケットのボディー部(印刷データ)が壊れている可能性が高い。即ち、CRCエラーが検出される前に電子機器10が受信したデータパケットについても信頼性が低い可能性がある。本実施形態によれば、CRCエラーが検出されたときに通信バスBSを電気的に切断することで、ホスト機器90に印刷データを最初から送信させることができる。これにより、USB通信の信頼性を向上できる。即ち、電子機器10が、ホスト機器90からの印刷データを確実に受信できるようになる。
3.本実施形態の第2の手法
図9に、本実施形態の第2の手法におけるUSB通信処理のフローを示す。ホスト機器90及び電子機器10の構成は図3と同様である。第2の手法は、上述した第1の手法と組み合わせて用いてもよいし、第1の手法と組み合わせずに用いてもよい。なお、以下ではホスト機器90がPCであり、電子機器10(ターゲット機器)がプリンターである場合を例に説明するが、本手法の適用対象はこれに限定されない。
図9に示すように、ユーザーがUSBケーブルをホスト機器90(PC)のUSBコネクター及び電子機器10(プリンター)のUSBコネクターに接続する。USBケーブルが接続されると、ホスト機器90と電子機器10との間でUSB通信が確立される。
USB通信が確立されると、ホスト機器90は電子機器10の情報を取得し、電子機器10を認識する。これにより、ユーザーがホスト機器90を操作することで電子機器10に印刷させることが可能な状態となる。
ユーザーが印刷開始の操作をホスト機器90にすると、ホスト機器90は印刷データの送信を開始する。印刷データは、第1〜第k(kは2以上の整数)のデータパケットに分割されて送信される。
ホスト機器90の通信部92は、最初のデータパケットDT1(第1のデータパケット)を電子機器10の通信部30に送信する。具体的には、通信部92が、バルク転送における第1のOUTトランザクションを発行する。まず通信部92がOUTトークン(バルクOUT転送であることを示すPIDを含むトークン)を通信部30に送信し、次にデータパケットDT1を通信部30に送信する。データパケットは、データのトグル(0又は1)を示すPIDと、データと、CRC値とを含む。電子機器10の通信部30は、データパケットDT1を正常に受信した場合、ホスト機器90の通信部92にアクノリッジACK(肯定応答)を送信する。具体的には、アクノリッジACKを表すPIDを含むパケットを通信部92に送信する。
次に、ホスト機器90の通信部92はデータパケットDT2(第2のデータパケット)を電子機器10の通信部30に送信する。具体的には、通信部92が第2のOUTトランザクションを発行する。まず通信部92がOUTトークンを通信部30に送信し、次にデータパケットDT2を通信部30に送信する。電子機器10の通信部30が、データパケットDT2からPIDエラー又はトグルビットエラーを検出した場合、処理部20はアクノリッジACKを送信しないように通信部30を制御する。
具体的には、電子機器10のエラー検出部33(通信部30)が、データパケットのエラー検出としてPIDエラーや、トグルビットエラー。パケットのPIDは8ビットであり、4ビットの情報を2つ重複して含んでいる。2つの4ビットの情報のうち一方の4ビットを論理反転したものが他方の4ビットになっている。エラー検出部33は、この2つの4ビットの内容を比較し、異なっていた場合にPIDエラーと判断する。また、第1〜第kのデータパケットとして、トグル「0」(反転論理)のデータパケットと、トグル「1」(非反転論理)のデータパケットが交互に送信される。このトグル情報はPIDとして送信される。エラー検出部33は、PIDに基づいてトグルが「0」「1」交互になっているか否かを判定し、トグルが「0」「1」交互になっていない場合にトグルビットエラーと判定する。エラー検出部33は、PIDエラーとトグルビットエラーの検出結果をレジスター部31に書き込む。エラー検出部33がデータパケットDT2のPIDエラー又はトグルビットエラーを検出し、その情報をレジスター部31に書き込むと、処理部20が、その情報をレジスター部31から読み出し、エラー判定部23が、検出されたエラーがPIDエラー又はトグルビットエラーであると判定(認識)する。復旧処理部24は、アクノリッジACKを非送信にする設定情報を通信部30のレジスター部31に書き込み、通信部30の制御部32が、その設定情報に基づいてアクノリッジACKを非送信にする。
次に、電子機器10からアクノリッジACKが送信されないことにより、ホスト機器90が通信エラーと判断する。ホスト機器90はUSB通信のバスリセットを行い、USB通信を確立(再確立)する。なお、図9では、バスリセットを明示するためにUSB通信確立とは別に記載しているが、バスリセットはUSB通信確立の手順に含まれてもよい。
USB通信が確立すると、ホスト機器90は印刷データの送信を再開する。このとき、電子機器10からアクノリッジACKが返信されなかった第2のデータパケットから再送信する。ホスト機器90から電子機器10に第1〜第kのデータパケットが正常に送信できた場合、印刷データの送信が終了する。電子機器10は、受信した印刷データに基づく印刷処理を行う。
以上の実施形態によれば、処理部20は、ホスト機器90に対するアクノリッジを返さない制御を行うことでホスト機器90にバスリセットを実行させる第2の復旧処理を行う。
例えば、バルクOUT転送において1つのトランザクションにはOUTトークンと、データパケットと、応答パケットとが含まれる。処理部20は、アクノリッジを示すPIDの応答パケットを通信部30に送信させることで、ホスト機器90に対するアクノリッジを返さない制御を行う。
このようにすれば、USB通信にエラーが検出されたときに、ホスト機器90に対するアクノリッジを返さない制御を行うことで、ホスト機器90にバスリセットを実行させることができる。これにより、通信エラー状態の復旧処理を行うことができる。ホスト機器は、電子機器10からのアクノリッジを検出できない場合、通信エラーと判定し、バスリセットを行ってUSB通信を再確立する。そして、アクノリッジを検出できなかったデータパケットから送信を再開する。即ち、ホスト機器90に対するアクノリッジを返さないことで、ホスト機器90にエラー発生時のデータパケットから再送信させ、エラー発生時において効率的に電子機器10がデータを受信できるようになる。
また本実施形態では、処理部20は、ホスト機器90から通信部30に送信されたパケットにPIDエラー又はトグルビットエラーが検出されたときに、第2の復旧処理を行う。
PIDエラー又はトグルビットエラーが検出された場合、データパケットのボディー部(印刷データ)が壊れている可能性は低い。即ち、PIDエラー又はトグルビットエラーが検出される前に電子機器10が受信したデータパケット(図9のDT1)は、信頼性が高いと考えられる。本実施形態によれば、PIDエラー又はトグルビットエラーが検出されたときにホスト機器90に対するアクノリッジを返さない制御を行うことで、ホスト機器90にエラー発生時のデータパケットから再送信させることができる。これにより、信頼性が高いと考えられるエラー発生前のデータパケットを電子機器10が再受信することなく、効率的に電子機器10が印刷データを受信できるようになる。
また本実施形態では、処理部20は、一連のデータである第1〜第k(kは2以上の整数)のデータパケットの受信において、第i(iは1以上k以下の整数)のデータパケットの受信においてPIDエラー又はトグルビットエラーが検出されたときに、第2の復旧処理を行う。そして、処理部20は、ホスト機器90によりバスリセットが実行された後、第iのデータパケットの受信から再開する。図9の例では、データパケットDT2が第iのデータパケットに相当する。
このようにすれば、信頼性が高いと考えられるエラー発生前のデータパケットを電子機器10が再受信することなく、電子機器10がエラー発生時以降のデータをホスト機器90から受信できるようになる。これにより、データ通信を効率化できる。
また本実施形態では、一連のデータ(第1〜第kのデータパケット)は、印刷データである。即ち、電子機器10は印刷機能を有する機器(例えばプリンター等)である。
例えばコンシューマー向けのプリンター等では、ユーザーがPC(ホスト機器)とプリンター(電子機器)とをUSBケーブルで接続する。本実施形態によれば、プリンターが通信エラーを検出したとき、PCにバスリセットを実行させる制御を行うことで、PCにバスリセットを実行させることが可能になる。これにより、ユーザーがUSBケーブルを抜き差ししなくても、プリンターが能動的に通信エラー状態から復旧させることが可能になる。
なお、上記のように本実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項および効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは当業者には容易に理解できるであろう。従って、このような変形例はすべて本発明の範囲に含まれるものとする。例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義または同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また本実施形態及び変形例の全ての組み合わせも、本発明の範囲に含まれる。また通信部、処理部、電子機器、ホスト機器等の構成及び動作等も、本実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
10…電子機器、20…処理部、21…メインCPU、22…サブCPU、
23…エラー判定部、24…復旧処理部、30…通信部、31…レジスター部、
32…制御部、33…エラー検出部、35…物理層回路、50…記憶部、60…操作部、
70…表示部、80…印刷部、90…ホスト機器、91…制御部、92…通信部、
93…物理層回路、95…切断検出回路、210…プリンター、
230…USBケーブル、232,234…USBコネクター、
ACK…アクノリッジ、BS…通信バス、DM,DP…信号、
DT1,DT2…データパケット、Rpu…プルアップ抵抗、
Rs1,Rs2,Rt1,Rt2…抵抗(終端抵抗)

Claims (10)

  1. USBの通信バスを介してUSB通信を行う通信部と、
    前記通信部の通信制御を行う処理部と、
    を含み、
    前記処理部は、
    前記USB通信にエラーが検出されたときに、前記通信バスに接続されるホスト機器にバスリセットを実行させる処理を行うことで、通信エラー状態の復旧処理を行うことを特徴とする電子機器。
  2. 請求項1において、
    前記処理部は、
    前記通信バスを介した前記通信部と前記ホスト機器との接続を電気的に切断する制御を行うことで、前記ホスト機器に前記バスリセットを実行させる第1の復旧処理を行うことを特徴とする電子機器。
  3. 請求項2において、
    前記通信部は、
    前記処理部により前記接続を電気的に切断する制御が行われたとき、前記通信バスの終端抵抗をディセーブルにする、又は前記通信バスのDP信号線のプルアップ抵抗をディセーブルにすることを特徴とする電子機器。
  4. 請求項2又は3において、
    前記処理部は、
    前記ホスト機器から前記通信部に送信されたパケットにCRCエラーが検出されたときに、前記第1の復旧処理を行うことを特徴とする電子機器。
  5. 請求項1乃至4のいずれかにおいて、
    前記処理部は、
    前記ホスト機器に対するアクノリッジを返さない制御を行うことで前記ホスト機器に前記バスリセットを実行させる第2の復旧処理を行うことを特徴とする電子機器。
  6. 請求項5において、
    前記処理部は、
    前記ホスト機器から前記通信部に送信されたパケットにPIDエラー又はトグルビットエラーが検出されたときに、前記第2の復旧処理を行うことを特徴とする電子機器。
  7. 請求項6において、
    前記処理部は、
    一連のデータである第1〜第k(kは2以上の整数)のデータパケットの受信において、第i(iは1以上k以下の整数)のデータパケットの受信において前記PIDエラー又は前記トグルビットエラーが検出されたときに、前記第2の復旧処理を行い、前記ホスト機器により前記バスリセットが実行された後、前記第iのデータパケットの受信から再開することを特徴とする電子機器。
  8. 請求項7において、
    前記一連のデータは、印刷データであることを特徴とする電子機器。
  9. USBの通信バスを介して通信を行う通信部でのUSB通信にエラーが検出されたか否かを判断し、
    前記USB通信にエラーが検出されたと判断したときに、前記通信バスに接続されるホスト機器にバスリセットを実行させる処理を行うことで、通信エラー状態の復旧処理を行うことを特徴とする通信制御方法。
  10. USBの通信バスを介して通信を行う通信部でのUSB通信にエラーが検出されたか否かを判断し、
    前記USB通信にエラーが検出されたと判断したときに、前記通信バスに接続されるホスト機器にバスリセットを実行させる処理を行うことで、通信エラー状態の復旧処理を行うステップを、コンピューターに実行させることを特徴とするプログラム。
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