JP2019059103A - 積層造形用粉末、三次元造形用材料セット、三次元造形装置及び三次元造形物 - Google Patents

積層造形用粉末、三次元造形用材料セット、三次元造形装置及び三次元造形物 Download PDF

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Takashi Morikawa
尚 森川
小柳 崇
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Abstract

【課題】導電性粒子をインクの全質量に対して10質量%以上含む造形インクを用いることにより導電性を有する領域が、導電性粒子を含まないか若しくは導電性粒子の含有量がインクの全質量に対して0を超え0.5質量%である造形インクを用いることにより導電性を有しない領域が、三次元造形物にそれぞれ形成される積層造形用粉末を提供すること。【解決手段】短径a1と長径b1との比b1/a1が3.0以上であり、導電性を有する棒状の粒子、及び、円相当径a2と厚さb2との比b2/a2が0.4以下であり、導電性を有する板状の粒子の少なくとも一方を含む、積層造形用粉末。【選択図】図1

Description

本発明は、積層造形用粉末、三次元造形用材料セット、三次元造形装置及び三次元造形物に関する。
従来から、立体的な造形対象物を平行な複数の面で切断した各断面形状に対応させて積層造形用粉末の層を結合剤により結合し、この結合された層よりなる断面形状を順次積層させることによって、造形対象物の三次元モデルとなる三次元造形物を作製する技術が知られている。
上記技術を、粉末固着積層法による三次元造形ともいう。
例えば、特許文献1には、「下部構造と、ナノワイヤの重なり合う部分において電気的に接続された接合部を有するとともに、前記ナノワイヤがない空間を区画するナノワイヤのネットワークを形成するために、前記下部構造の上に堆積されたナノワイヤの層と、複数の前記空間を少なくとも部分的に充填するように配置され、前記空間を横切る前記ナノワイヤのネットワークに対して更なる電導経路を形成する電導性及び光透過性を有する複数のナノ粒子と、を備える電気光学装置であって、前記ナノワイヤのネットワーク、並びに、前記電導性及び光透過性を有する複数のナノ粒子が、前記電気光学装置の光透過性電極の少なくとも一部を形成することを特徴とする電気光学装置。」が開示されている。
特許文献2には、「ヒートシンクデバイスにおいて、ボディ部と、前記ボディ部の第1側面に設けた取付面と、前記ボディ部の第2側面に設けた放熱面とを備え、前記ボディ部、前記取付面、及び前記放熱面は、導電性フィラー充填樹脂系材料で形成されており、該導電性フィラー充填樹脂系材料は、樹脂材料から成るホスト材料である樹脂ホスト材料の中に、導電性材料を充填して成る材料である、ことを特徴とするヒートシンクデバイス。」が開示されている。
特許文献3には、「弾性変形可能な基材に塗装される導電性塗料であって、ゴム又は樹脂よりなるバインダーと、前記バインダー中に散在し、金属材料よりなるフィラーと、同じく前記バインダー中に散在し、前記フィラー同士に接触しうる金属ファイバーとを備えたことを特徴とする導電性塗料。」が開示されている。
特表2015−501534号公報 特開2004−349685号公報 特開平10−316901号公報
本発明の課題は、導電性粒子をインクの全質量に対して10質量%以上含む造形インクを用いることにより導電性を有する領域が、導電性粒子を含まないか若しくは導電性粒子の含有量がインクの全質量に対して0を超え0.5質量%である造形インクを用いることにより導電性を有しない領域が、三次元造形物にそれぞれ形成される積層造形用粉末を提供することである。
上記課題は、以下の手段により解決される。即ち、
請求項1に係る発明は、
短径a1と長径b1との比b1/a1が3.0以上であり、導電性を有する棒状の粒子、及び、円相当径a2と厚さb2との比b2/a2が0.4以下であり、導電性を有する板状の粒子の少なくとも一方を含む、
積層造形用粉末。
請求項2に係る発明は、
前記長径b1が20μm以上2000μm以下である前記棒状の粒子を含む、請求項1に記載の積層造形用粉末。
請求項3に係る発明は、
前記棒状の粒子が、カーボンファイバーである、請求項2に記載の積層造形用粉末。
請求項4に係る発明は、
前記棒状の粒子及び前記板状の粒子の合計含有量が、積層造形用粉末の全質量に対し、90質量%以上である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の積層造形用粉末。
請求項5に係る発明は、
空隙率が40%以上である、請求項4に記載の積層造形用粉末。
請求項6に係る発明は、
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の積層造形用粉末と、
導電性粒子を、インクの全質量に対して10質量%以上含有する第一の造形インクと、
導電性粒子を含まないか、又は、導電性粒子の含有量がインクの全質量に対して0を超え0.5質量%以下である第二の造形インクと、を含む
三次元造形用材料セット。
請求項7に係る発明は、
前記第一の造形インクに含まれる導電性粒子が、金属粒子、酸化物粒子及び、炭素粒子よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含有する、請求項6に記載の三次元造形用材料セット。
請求項8に係る発明は、
前記第一の造形インクに含まれる導電性粒子の体積平均粒径が、0.01μm以上1.0μm以下である、請求項6又は請求項7に記載の三次元造形用材料セット。
請求項9に係る発明は、
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の積層造形用粉末を収容する造形用粉末貯留槽と
前記積層造形用粉末を収容し、前記積層造形用粉末を前記造形用粉末貯留槽に供給して積層造形用粉末の層を形成する層形成手段と、
導電性粒子をインクの全質量に対して10質量%以上含有する第一の造形インクを収容し、前記積層造形用粉末の層に、前記第一の造形インクを付与する第一の付与手段と、
導電性粒子を含まないか、又は、導電性粒子の含有量がインクの全質量に対して0を超え0.5質量%以下である第二の造形インクを収容し、前記積層造形用粉末の層に、前記第二の造形インクを付与する第二の付与手段と、を含む
三次元造形装置。
請求項10に係る発明は、
前記第一の造形インクに含まれる導電性粒子が、金属粒子、酸化物粒子、及び、炭素粒子よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含有する、請求項9に記載の三次元造形装置。
請求項11に係る発明は、
前記第一の造形インクに含まれる導電性粒子の体積平均粒径が、0.1μm以上1.0μm以下である、請求項10に記載の三次元造形装置。
請求項12に係る発明は、
サポート材インクを収容し、サポート材インクを付与するサポート材インク付与手段を更に含む、請求項9〜請求項11のいずれか1項に記載の三次元造形装置。
請求項13に係る発明は、
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の積層造形用粉末と、第一の樹脂と、第一の領域の全質量に対して10質量%以上の導電性粒子と、を含む第一の領域と、
請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の積層造形用粉末と、第二の樹脂と、を含み、導電性粒子を含まないか、又は、導電性粒子の含有量が、第二の領域の全質量に対して0質量%を超え0.5質量%以下である、第二の領域と、を含む
三次元造形物。
請求項14に係る発明は、
積層造形用粉末の含有量が、三次元造形物の全質量に対し、50質量%以上70質量%以下である、請求項13に記載の三次元造形物。
請求項1、3、又は5、に係る発明によれば、導電性粒子をインクの全質量に対して10質量%以上含む造形インクを用いることにより導電性を有する領域が、導電性粒子を含まないか若しくは導電性粒子の含有量がインクの全質量に対して0を超え0.5質量%である造形インクを用いることにより導電性を有しない領域が、三次元造形物にそれぞれ形成される積層造形用粉末が提供される。
請求項2に係る発明によれば、長径b1が20μm以下である棒状の粒子を用いた場合と比較して、得られる三次元造形物における導電性を有する領域の体積抵抗率が低い積層造形用粉末が提供される。
請求項4に係る発明によれば、前記棒状の粒子及び前記板状の粒子の合計含有量が、積層造形用粉末の全質量に対し、90質量%以下である場合と比較して、得られる三次元造形物における導電性を有する領域の体積抵抗率が低い積層造形用粉末が提供される。
請求項6に係る発明によれば、導電性粒子をインクの全質量に対して10質量%以上含む造形インクを用いることにより導電性を有する領域が、導電性粒子を含まないか若しくは導電性粒子の含有量がインクの全質量に対して0を超え0.5質量%である造形インクを用いることにより導電性を有しない領域が、三次元造形物にそれぞれ形成される三次元造形用材料セットが提供される。
請求項7に係る発明によれば、第一の造形インクに含まれる導電性粒子が、球状である場合に比して、得られる三次元造形物における導電性を有する領域の体積抵抗率が低い三次元造形用材料セットが提供される。
請求項8に係る発明によれば、第一の造形インクに含まれる導電性粒子の体積平均粒径が、0.1μm以下である場合に比して、得られる三次元造形物における導電性を有する領域の体積抵抗率が低い三次元造形用材料セットが提供される。
請求項9に係る発明によれば、第一の造形インクを用いることにより導電性を有する領域が、第二の造形インクを用いることにより導電性を有しない領域が、三次元造形物にそれぞれ形成される三次元造形装置が提供される。
請求項10に係る発明によれば、第一の造形インクに含まれる導電性粒子が球状である場合に比して、得られる三次元造形物における導電性を有する領域の体積抵抗率が低い三次元造形装置が提供される。
請求項11に係る発明によれば、第一の造形インクに含まれる導電性粒子の体積平均粒径が0.1μm以下である場合に比して、得られる三次元造形物における導電性を有する領域の体積抵抗率が低い三次元造形装置が提供される。
請求項12に係る発明によれば、三次元造形においてサポート部の形成を実現する三次元造形装置が提供される。
請求項13に係る発明によれば、導電性を有する第一の領域と、導電性を有しない第二の領域とを有する三次元造形物が提供される。
請求項14に係る発明によれば、積層造形用粉末の含有量が50%以下である場合に比して、第一の領域における体積抵抗率が低い三次元造形物が提供される。
本実施形態に係る棒状の粒子の一例を示す概略図である。 本実施形態に係る板状の粒子の一例を示す概略図である。 本実施形態に係る三次元造形装置の一例を示す概略図である。 本実施形態に係る三次元造形装置の他の一例を示す概略図である。 実施例において作製した三次元造形物における造形部とサポート部とを表す概略図である。
以下、本発明の一例である実施形態について説明する。
なお、実質的に同一の機能を有する部材には、全図面を通して同じ符合を付与し、重複する説明は適宜省略する場合がある。
(積層造形用粉末)
本実施形態に係る積層造形用粉末は、短径a1と長径b1との比b1/a1が3.0以上であり、導電性を有する棒状の粒子、及び、円相当径a2と厚さb2との比b2/a2が0.4以下であり、導電性を有する板状の粒子の少なくとも一方を含む。
本実施形態において、導電性を有するとは、体積抵抗率が1MΩ・m以下であることをいい、導電性を有しないとは、体積抵抗率が1GΩ・mを超えることをいう。この間は半導体領域とする。
体積抵抗率は下記の方法により測定される。
低抵抗領域(10Ω未満)と高抵抗領域(10Ω以上)では測定方法が異なる。低抵抗領域では、試料に一定の電流を流す定電流印加法を使用し、低抵抗用のプローブは4本の針状端子であり、外側の2本の端子と内側の2本の端子で表面抵抗率を測定する。一方、高抵抗領域では、試料に一定の電圧を流す定電圧印加法を使用し、高抵抗用のプローブは2重リング状であり、内側のリング電極と外側のリング電極の間で表面抵抗率を求める。いずれも試料の厚さを設定することで自動的に体積抵抗率を算出できる。低抵抗領域は三菱化学アナリテック製の低抵抗率計(ロレスタ GX MCP−T700)を用い、高抵抗領域は三菱化学アナリテック製の高抵抗率計(ハイレスタ IP MCP−HT260)を用いて評価を行う。サンプルの表面に試料の表面にプローブ電極を押し当てる事で測定できる。
本実施形態に係る積層造形用粉末を用いた場合には、導電性粒子をインクの全質量に対して10質量%以上含む造形インクを用いることにより導電性を有する領域が、導電性粒子を含まないか若しくは導電性粒子の含有量がインクの全質量に対して0を超え0.5質量%である造形インクを用いることにより導電性を有しない領域が、三次元造形物にそれぞれ形成される積層造形用粉末が提供される。
棒状又は板状の、導電性を有する粒子を含む本実施形態に係る積層造形用粉末を用いて、導電性粒子をインクの全質量に対して10質量%以上含む造形インクを滴下して三次元造形を行うことにより、得られる三次元造形物において導電性を有する領域が形成される。これは、上記領域中で、造形インクに含まれる導電性粒子が、2以上の棒状又は板状の粒子と接触することにより、導電経路を形成するためであると考えられる。
また、本実施形態に係る積層造形用粉末を用いて、導電性粒子を含まないか若しくは導電性粒子の含有量がインクの全質量に対して0を超え0.5質量%である造形インクを滴下して三次元造形を行うことにより、導電性を有しない領域が形成される。これは、硬化後の造形インクにより棒状又は板状の粒子同士が絶縁されるためであると考えられる。
<形状>
本実施形態に係る積層造形用粉末は、短径a1と長径b1との比b1/a1が3.0以上であり、導電性を有する棒状の粒子、及び、円相当径a2と厚さb2との比b2/a2が0.4以下であり、導電性を有する板状の粒子の少なくとも一方を含む。
図1は、前記棒状の粒子の一例を示す概略図である。
図1中のa1が前記短径a1に該当し、図1中の長径b1が前記長径b1に該当する。
短径a1と長径b1との比b1/a1は、3.0以上であり、得られる三次元造形物の積層方向の引張強度を向上させ、かつ、三次元造形における解像度を向上させる観点から、3以上であることが好ましく、5以上であることがより好ましい。
また、棒状の粒子の長径b1は、得られる三次元造形物の導電性を有する領域における体積抵抗率を減少させる観点から、20μm以上2000μm以下であることが好ましく、30μm以上1000μm以下であることがより好ましく、50μm以上500μm以下であることが更に好ましい。
上記短径a1及び長径b1は、積層造形用粉末を顕微鏡観察することにより測定される。具体的にはサンプルを液体窒素中で冷却後に破断させたり、エポキシ樹脂で包埋したサンプル片を実体顕微鏡下またはミクロトーム本体に取り付けたままで切り落としたり、イオンビームを用いた断面ミリング法により、作製した断面を顕微鏡観察することにより測定される。
図2は、前記板状の粒子の一例を示す概略図である。
図2中のa2が前記円相当径a2に該当し、図2中のb2が前記厚さb2に該当する。
円相当径a2と厚さb2との比b2/a2は0.4以下であり、得られる三次元造形物の積層方向の引張強度を向上させる観点からは、0.4以下であることが好ましく、0.3以下であることがより好ましい。
また、板状の粒子の円相当径a2は、得られる三次元造形物の積層方向の引張強度を向上させ、かつ、三次元造形における解像度を向上させる観点から、3μm以上100μm以下であることが好ましく、5μm以上50μm以下であることがより好ましく、8μm以上30μm以下であることが更に好ましい。
上記円相当径a2及び厚さb2は、積層造形用粉末を顕微鏡観察することにより測定される。具体的にはサンプルを液体窒素中で冷却後に破断させたり、エポキシ樹脂で包埋したサンプル片を実体顕微鏡下またはミクロトーム本体に取り付けたままで切り落としたり、イオンビームを用いた断面ミリング法により、作製した断面を顕微鏡観察することにより測定される。
<材質>
前記棒状の粒子の材質としては、特に限定されないが、得られる三次元造形物の導電性を有する領域における体積抵抗率を増加させる観点からは、金属、酸化物又はカーボンであることが好ましく、カーボンファイバーであることがより好ましい。
前記棒状の粒子は、例えば、市販のカーボンファイバー(炭素繊維)、金属繊維等を、短径a1と長径b1との比b1/a1が上記範囲内となるまで粉砕機を用いて粉砕することにより得られる。粉砕後、篩い分け等により前記b1/a1が上記範囲内に含まれない粒子を取り除いてもよい。
前記板状の粒子の材質としては、特に限定されないが、得られる三次元造形物の積層方向の引張強度を向上させる観点からは、金属又はカーボンであることが好ましい。
前記板状の粒子は、例えば、黒鉛(グラファイト)は六角形格子状に結合している炭素原子のシートが積層している、カーボン(炭素)だけから成る物質で、天然の鉱物から採れる天然黒鉛と、石油・石炭系の原料からつくられる人造黒鉛があるが、特に天然黒鉛を粉砕・粒子化する事により鱗状黒鉛粉末が得られる。
<含有量>
本実施形態に係る積層造形用粉末における前記棒状の粒子及び前記板状の粒子の合計含有量は、得られる三次元造形物の積層方向の引張強度を向上させる観点から、積層造形用粉末の全質量に対し、70質量%以上〜95質量%以下であることが好ましく、75質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。
また、本実施形態に係る積層造形用粉末における前記棒状の粒子の含有量は、得られる三次元造形物の積層方向の引張強度を向上させる観点から、積層造形用粉末の全質量に対し、75質量%以上90質量%以下であることが好ましく、80質量%以上90質量%以下であることがより好ましい。
<その他の成分>
本実施形態に係る積層造形用粉末は、その他の成分を更に含有してもよい。
その他の成分としては、粉末固着積層法による三次元造形において、積層造形用粉末に含まれる公知の成分が挙げられる。
<空隙率>
本実施形態に係る積層造形用粉末の空隙率は、導電性を有する領域と、導電性を有しない領域との両方を造形しやすい観点から、40%以上であることが好ましく、60%以上であることがより好ましい。
また、空隙率の上限は特に限定されないが、造形速度を向上させる観点から、50%以下であることが好ましい。
上記空隙率は、振動を加えながら一定の容器内に粉黛を一杯に詰めて測定した重量を、容器の体積と粉黛を構成する化合部の密度から算出した重量で割った値を1から引いた値により測定される。
また、上記空隙率は、後述する造形用粉末貯留槽における造形インクが滴下される前の積層造形用粉末の空隙率であることが好ましい。
(三次元造形用材料セット)
本実施形態に係る三次元造形用材料セットは、本実施形態に係る積層造形用粉末と、
導電性粒子を、インクの全質量に対して10質量%以上含有する第一の造形インクと、
導電性粒子を含まないか、又は、導電性粒子の含有量がインクの全質量に対して0を超え0.5質量%以下である第二の造形インクと、を含む。
<第一の造形インク>
本実施形態において用いられる第一の造形インクとしては、粉末固着積層法による三次元造形において用いられる公知の造形インクに導電性粒子を加えたものが、特に制限なく用いられる。
第一の造形インクとしては、紫外光の照射により硬化する、紫外線硬化型の造形インクであることが好ましい。
〔導電性粒子〕
導電性粒子としては、特に限定されないが、金属粒子、及び、炭素粒子よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含有することが好ましい。
金属粒子としては、金、銀、又は、酸化インジウムすず(ITO)からなる粒子が挙げられる。
また、金属粒子としては、導電性を有する粒子であれば、金属(例えば、銀、ニッケル、銅)により被覆された樹脂やガラス粒子であってもよい。
炭素粒子としては、炭素からなる粒子、又は、炭素により被覆された粒子であればよく、カーボンナノチューブ、フラーレンナノ粒子等が挙げられる。
導電性粒子の体積平均粒径は、第一の造形インクの吐出性、及び、得られる導電性を有する領域の導電性を向上させる観点から、0.02μm以上1.0μm以下であることが好ましく、0.05μm以上0.5μm以下であることがより好ましい。
本実施形態において、体積平均粒径は下記の方法により測定される。
測定装置としてベックマン・コールター社製DelsaMax COREを用い、界面活性剤(ノニオン性、1.0質量%)を含有した水溶液中に導電性粒子を分散させた分散液を用いて、レーザ回折散乱法により体積平均粒径を測定する。
導電性粒子の形状としては、特に限定されないが、第一の造形インクの吐出性の観点からは、球形であることが好ましい。
具体的には、導電性粒子の球形度が、0.95以上1.0以下であることが好ましい。
上記球形度は、粒子形状分析装置(FPIA3000、シスメックス社製)を用いて測定される。
第一の造形インクは、導電性粒子を1種単独で含有してもよいし、2種以上を併用してもよい。
第一の造形インクにおける導電性粒子の含有量は、第一の造形インクの全質量に対し、10質量%以上であり、10質量%以上30質量%以下であることが好ましく、10質量%以上20質量%以下であることがより好ましい。
〔重合性化合物〕
第一の造形インクは、重合性化合物を含むことが好ましい。
重合性化合物としては、ラジカル重合性化合物が好ましく、エチレン性不飽和化合物がより好ましい。
前記エチレン性不飽和化合物は、単官能エチレン性不飽和化合物であっても、多官能エチレン性不飽和化合物であってもよい。
単官能エチレン性不飽和化合物としては、例えば、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸等)や、そのエステル類、アミド類等が挙げられる。多官能のエチレン性不飽和化合物としては、不飽和カルボン酸と脂肪族の多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族の多価アミン化合物とのアミド類が挙げられる。
また、ヒドロキシ基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類とイソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、カルボン酸との脱水縮合反応物等も使用できる。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、アルコール類、アミン類およびチオール類との付加反応物、さらに、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステルまたはアミド類と、アルコール類、アミン類またはチオール類との置換反応物も使用できる。
不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステルであるラジカル重合性化合物の具体例としては、例えば、(メタ)アクリル酸エステル化合物が好ましく挙げられる。
具体的には、放射線硬化型化合物としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート等が好適に挙げられる。これらの中でも、放射線硬化型化合物としては、ウレタン(メタ)アクリレートがよい。
−ウレタン(メタ)アクリレート−
ウレタン(メタ)アクリレート(以下、単に「ウレタン(メタ)アクリレート」が)は、ウレタン構造と2個以上の(メタ)アクリロイル基を一分子内に有する化合物である。ウレタン(メタ)アクリレートは、モノマーであってもよし、オリゴマーであってもよいが、オリゴマーであることがよい。ウレタン(メタ)アクリレートの官能数((メタ)アクリロイル基の数)は、2以上20以下(好ましくは2以上15以下)がよい。 ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリイソシアネート化合物と、ポリオール化合物と、水酸基含有(メタ)アクリレートとを用いた反応生成物が挙げられる。具体的には、ウレタン(メタ)アクリレートとしては、例えば、ポリイソシアネート化合物およびポリオール化合物を反応させたプレポリマーであって、末端にイソシアネート基を有するプレポリマーと、水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応生成物が挙げられる。また、ウレタン(メタ)アクリレートとしては、ポリイソシアネート化合物と、水酸基含有(メタ)アクリレートとの反応生成物が挙げられる。
単官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、直鎖状、分岐状、又は環状のアルキル(メタ)アクリレート、水酸基を有する(メタ)アクリレート、複素環を有する(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド化合物等が挙げられる。
アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、4−t−シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
水酸基を有する(メタ)アクリレートとしては、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール−ポリプロピレングリコールのブロックポリマーのモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
複素環を有する(メタ)アクリレートとしては、例えばテトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−メチル−2−エチル−1,3−ジオキソラン、4−(メタ)アクリロイルオキシメチル−2−シクロヘキシル−1,3−ジオキソラン、アダマンチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
(メタ)アクリルアミド化合物としては、例えば、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−ブチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N’−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド、N−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリルアミドおよび
N−ヒドロキシブチル(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
多官能の(メタ)アクリレートのうち、2官能の(メタ)アクリレートとしては、例えば、1,10−デカンジオールジアクリレート、2−メチル−1,8−オクタンジオールジアクリレート、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、1,8−オクタンジオールジアクリレート、1,7−ヘプタンジオールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルアクリレート、EO(エチレンオキサイド)変性ビスフェノールAジアクリレート、PO(プロピレンオキサイド)変性ビスフェノールAジアクリレート、EO変性水添ビスフェノールAジアクリレート、EO(エチレンオキサイド)変性ビスフェノールFジアクリレート等が挙げられる。
多官能の(メタ)アクリレートのうち、3官能以上の(メタ)アクリレートとしては、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、エトキシ化グリセリントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、エトキシ化ペンタエリスリトールテトラアクリレート、EO(エチレンオキサイド)変性ジグリセリンテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート変性アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート等が挙げられる。
また、重合性化合物としては、重合後に得られる樹脂が、導電性を有しない樹脂である重合性化合物が好ましい。
さらに、重合性化合物としては、重合後に得られる樹脂が、水溶性を有しない樹脂である重合性化合物が好ましい。
本実施形態において、水溶性とは、25℃において蒸留水に0.5質量%以上溶解することを意味する。
第一の造形インクは、重合性化合物を、1種単独で有していてもよいし、2種以上を併用してもよい。
第一の造形インクにおける重合性化合物の含有量は、第一の造形インクの全質量に対し、70質量%以上98質量%以下であることが好ましく、85質量%以上95質量%以下であることがより好ましい。
〔重合開始剤〕
本実施形態における第一の造形インクは、重合開始剤を含有することが好ましい。
重合開始剤としては、ラジカル重合開始剤が好ましく、光ラジカル重合開始剤がより好ましい。
光ラジカル重合開始剤としては、特に制限がなく、例えば、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、ホスフィンオキシド類、ケタール類、アントラキノン類、チオキサントン類、アゾ化合物、過酸化物類、2,3−アルキルジオン化合物類、ジスルフィド化合物類、フルオロアミン化合物類や芳香族スルホニウム類が挙げられる。
上記化合物の中でも、硬化性の観点から、ホスフィンオキシド類が好ましい。
アセトフェノン類としては、例えば、2,2−エトキシアセトフェノン、p−メチルアセトフェノン、1−ヒドロキシジメチルフェニルケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノンなどが挙げられる。
ベンゾイン類としては、例えば、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどが挙げられる。
ベンゾフェノン類としては、例えば、ベンゾフェノン、2,4−クロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノン、p−クロロベンゾフェノンなどが挙げられる。
ホスフィンオキシド類としては、例えば、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(BASF社製、IRGACURE TPO)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(BASF社製、IRGACURE 819)などが挙げられる。
また、ラジカル重合開始剤としては、「UV・EB硬化技術の応用と市場(シーエムシー出版、田畑米穂監修/ラドテック研究会編集)」に記載の各種化合物も使用される。
第一の造形インクは、重合開始剤を、1種単独で有していてもよいし、2種以上を併用してもよい。
重合開始剤の含有量は、硬化性の観点から、第一の造形インクの全質量に対し、0.1質量部以上15質量部以下が好ましく、1質量部以上10質量部以下がより好ましい。
なお、前記光ラジカル重合開始剤に加えて、光増感剤を用いてもよい。光増感剤の具体例として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーのケトン、チオキサントン、などが挙げられる。
〔その他の成分〕
本実施形態において用いられる第一の造形インクは、その他の成分を更に含有してもよい。
その他の成分としては、界面活性剤、重合禁止剤、溶剤、増感剤、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、増粘剤、分散剤、重合促進剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)等の周知の添加剤が挙げられる。
〔第一の造形インクの特性〕
第一の造形インクの表面張力は、例えば18mN/m以上50mN/m以下の範囲が挙げられる。
ここで、表面張力は、ウイルヘルミー型表面張力計(協和界面科学株式会社製)を用い、23℃、55%RHの環境において測定した値である。
第一の造形インクの粘度は、例えば3mPa・s以上100mPa・s以下の範囲が挙げられる。
ここで、粘度は、レオマット115(Contraves製)を測定装置として用いて、測定温度は23℃、せん断速度は1400s−1の条件で測定した値である。
<第二の造形インク>
本実施形態において用いられる第二の造形インクとしては、粉末固着積層法による三次元造形において用いられる公知の造形インクが、特に制限なく用いられる。
第二の造形インクとしては、紫外光の照射により硬化する、紫外線硬化型の造形インクであることが好ましい。
〔導電性粒子〕
第二の造形インクは、導電性粒子を含まないか、又は、導電性粒子の含有量が第二の造形インクの全質量に対し、0を超え0.5質量%以下であり、導電性粒子を含まないか、又は、導電性粒子の含有量が第二の造形インクの全質量に対し、0を超え0.5質量%以下であることが好ましく、0を超え0.5質量%以下であり、導電性粒子を含まないことがより好ましい。
上記含有量以外の導電性粒子の詳細及び好ましい態様は、上述の第一の造形インクに含まれる導電性粒子と同様である。
〔その他の成分〕
第二の造形インクは、重合性化合物を含むことが好ましい。
また、第二の造形インクは、重合開始剤を含むことが好ましい。
上記重合性化合物及び重合開始剤は、上述の第一の造形インクにおける儒剛性化合物及び重合開始剤と同義であり、好ましい態様も同様である。
さらに、第二の造形インクは、その他の成分を更に含有してもよい。
その他の成分としては、界面活性剤、重合禁止剤、溶剤、増感剤、定着剤、防黴剤、防腐剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、キレート剤、増粘剤、分散剤、重合促進剤、浸透促進剤、湿潤剤(保湿剤)等の周知の添加剤が挙げられる。
〔第二の造形インクの特性〕
第二の造形インクの表面張力及び粘度は、上述の第一の造形インクの表面超直及び粘度と同様であり、好ましい態様も同様である。
また、第二の造形インクは、第一の造形インクにより形成される領域と、第二の造形インクにより形成される領域との密着性の観点から、導電性粒子の含有量が異なる以外は、第一の造形インクと同様の組成のインクであることが好ましい。
インクの保存安定性の観点から、2液硬化型の2種類の造形インクを、第一の造形インク又は第二の造形インクとして用いてもよい。
2液硬化型の2種類の造形インクとは、第一の造形インク及び第二の造形インクからなる2種類の造形インクであって、第一の造形インク及び第二の造形インクを混合することにより硬化する性質を有する造形インクをいう。
2液硬化型の2種類の造形インクとしては、例えば、エポキシ樹脂形成用2液硬化型造形インク、ウレタン樹脂形成用2液硬化型造形インク、UV硬化樹脂形成用2液硬化型造形インクが挙げられる。
2液硬化型の2種類の造形インクを第一の造形インクとして用いる場合、2液を混合した混合液の導電性粒子の含有量が、混合液の全質量に対して10質量%以上となればよく、2種類の造形インク中のいずれか一方の造形インクのみに導電性粒子が含まれていてもよいし、両方に導電性粒子が含まれていてもよい。
2液硬化型の2種類の造形インクを第二の造形インクとして用いる場合、2液を混合した混合液が導電性粒子を含まないか、または、導電性粒子の含有量が、混合液の全質量に対して0質量%を超え0.5質量%以下であればよく、2種類の造形インク中のいずれか一方の造形インクのみに導電性粒子が含まれていてもよいし、両方に導電性粒子が含まれていてもよいし、いずれの造形インクにも導電性粒子が含まれていなくてもよい。
エポキシ樹脂形成用2液硬化型造形インクとしては、例えば、ノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水系エポキシ樹脂、等の複数のエポキシ基を有するエポキシ樹脂を含む造形インクと、ポリアミン、ポリアミド、又は、イミダゾール等の硬化剤を含む造形インクと、の2種類の造形インクが挙げられる。
ウレタン樹脂形成用2液硬化型造形インクとしては、例えば、ポリオール樹脂等の複数のヒドロキシ基を有する樹脂を含む第一の造形インクと、多官能イソシアネート化合物を含む第二の造形インクと、の2種類の造形インクが挙げられる。
UV硬化樹脂形成用2液硬化型造形インクとしては、例えば、ウレタンアクリレート等の複数の(メタ)アクリロキシ基を有する第一の造形インクと、光重合開始剤等の重合開始剤を含む第二の造形インクと、の2種類の造形インクが挙げられる。
<サポート材インク>
また、本実施形態に係る三次元造形用材料セットは、サポート材インクを含有してもよい。
サポート材インクとしては、特に限定されず、粉末固着積層法による三次元造形において用いられる公知のサポート材インクが特に制限なく用いられる。
サポート材インクは、造形インクにより形成される造形部を支持するためのサポート部を形成する為に用いられる。前記サポート部は、造形終了後に水を用いて除去されることが好ましい観点から、サポート材インクとしては、硬化性を有するインクであることが好ましく、硬化後の重合体が水溶性を有するインクであることが好ましい。
サポート材インクとしては、例えば、ヒドロキシエチルアクリルアミドと、光重合開始剤と、を含むインクが好ましく、ヒドロキシエチルアクリルアミドと、ヒドロキシ基変性ヒマシ油と、光重合開始剤と、を含むインクがより好ましい。
(三次元造形装置)
本実施形態に係る三次元造形装置は、本実施形態に係る積層造形用粉末を収容する造形用粉末貯留槽と、前記積層造形用粉末を収容し、前記積層造形用粉末を前記造形用粉末貯留槽に供給して積層造形用粉末の層を形成する層形成手段と、導電性粒子をインクの全質量に対して10質量%以上含有する第一の造形インクを収容し、前記積層造形用粉末の層に、前記第一の造形インクを付与する第一の付与手段と、導電性粒子を含まないか、又は、導電性粒子の含有量がインクの全質量に対して0を超え0.5質量%以下である第二の造形インクを収容し、前記積層造形用粉末の層に、前記第二の造形インクを付与する第二の付与手段と、を含む。
<造形用粉末貯留槽>
造形用粉末貯留槽は、本実施形態に係る積層造形用粉末を収容する。造形用粉末貯留槽に対し、前記層形成手段により前記積層造形用粉末の層を形成すること、及び、前記付与手段により造形インクを付与すること、を繰り返すことにより、三次元造形物が製造される。
<層形成手段>
層形成手段は、本実施形態に係る積層造形用粉末を収容し、前記積層造形用粉末を用いて積層造形用粉末層を形成する手段である。
積層造形用粉末層を形成する方法としては、特に制限はなく、例えば、特許第3607300号公報に記載の選択的レーザ焼結方法に用いられる、公知のカウンター回転機構(カウンターローラ)などを用いる方法、前記積層造形用粉末をブラシ、ローラ、ブレード等の部材を用いて層状に拡げる方法、前記積層造形用粉末層の表面を押圧部材を用いて押圧して層状に拡げる方法、公知の材料積層造形装置を用いる方法などが好適に挙げられる。
前記材料積層造形装置は、積層造形用粉末を積層するための均し機構(リコーター)と、積層造形用粉末を供給するための供給用粉末貯留槽と、積層造形用粉末を積層するための造形用粉末貯留槽とを備える。前記三次元造形装置においては、前記供給用粉末貯留槽を上昇させるか、前記造形用粉末貯留槽を下降させるか、又はその両方によって、前記供給用粉末貯留槽の表面を前記造形用粉末貯留槽の表面よりもわずかに上昇させる。上記上昇の後に、前記供給用粉末貯留槽側から前記造形用粉末貯留槽に前記リコーターを用いて積層用造形粉末が層状に配置される。前記リコーターを繰り返し移動させることにより、前記積層造形用粉末が積層される。
前記積層造形用粉末層の厚みとしては、一層当たりの平均厚みで、10μm以上200μm以下が好ましく、20μm以上100μm以下がより好ましい。
前記平均厚みが、10μm以上であると、三次元造形物の生産性が向上し、200μm以下であると、三次元造形物の寸法精度が向上する。
<第一の付与手段及び第二の付与手段>
第一の(第二の)付与手段は、前記第一の(第二の)造形インクを収容し、前記積層造形用粉末の層に、前記第一の(第二の)造形インクを付与する手段である。
第一の(第二の)造形インクは、上述の本実施形態に係る三次元造形用材料セットに含まれる第一の(第二の)造形インクである。
第一の(第二の)造形インクの前記積層造形用粉末の層への付与方法としては、例えば、ディスペンサ法、スプレー法、インクジェット法などで用いられている液体吐出手段が挙げられる。本実施形態においては、複雑な立体形状を精度良くかつ効率よく形成し得る点で、前記インクジェット法で用いられる液体吐出手段、例えば、圧電アクチュエーター等の振動素子を用い、複数ノズルから液滴を吐出する手段であることが好ましい。
また、第一の(第二の)造形インクとして、2液硬化型の2種類の造形インクを用いる場合、本実施形態に係る三次元造形装置は、前記第一の(第二の)付与手段として、2液硬化型の2種類の造形インクをそれぞれ付与する2つの第一の(第二の)付与手段を有することが好ましい。
例えば、上述の2液硬化型の2種類のインクを用いる場合、2種類のインクがそれぞれの付与手段(例えば、インクジェットヘッド)からそれぞれが混合される位置へと滴下される。
第一の付与手段から第一の造形インクが滴下された領域においては、導電性を有する領域が形成され、第二の付与手段から第二の造形インクが滴下された領域においては、導電性を有しない領域が形成される。
<サポート材インク付与手段>
本実施形態に係る三次元造形装置は、サポート材インクを収容し、サポート材インクを付与するサポート材インク付与手段をさらに有していてもよい。
サポート材インク付与手段としては、特に限定されず、上述の付与手段と同様の方法が用いられ、好ましい態様も同様である。
<その他の手段>
本実施形態に係る三次元造形装置は、その他の手段をさらに有してもよい。
その他の手段としては、硬化手段、表面保護手段、塗装手段等が挙げられる。
〔硬化手段〕
硬化手段としては、特に限定されないが、例えば、加熱を行う手段、紫外光の照射を行う手段等が挙げられる。
例えば、造形インクとして上述の紫外線硬化型造形インクを用いる場合には、紫外光の照射により、積層造形用粉末の層における各インクの滴下箇所が硬化される。
加熱方法、紫外光の照射方法としては、特に限定されず、公知の方法が用いられる。
〔表面保護手段〕
表面保護手段は、前記付与工程において形成した造形物に保護層を形成する手段である。前記保護層の形成により、得られる三次元造形物の耐久性等が向上する。前記保護層の具体例としては、耐水性層、耐候性層、耐光性層、断熱性層、光沢層などが挙げられる。前記表面保護手段としては、公知の表面保護装置、例えば、スプレー装置、コーティング装置などが挙げられる。
〔塗装手段〕
前記塗装手段は、前記造形物に塗装を行う手段である。前記塗装により、得られる三次元造形物が着色される。
前記塗装手段としては、公知の塗装装置、例えば、スプレー、ローラ、刷毛等による塗
装装置などが挙げられる。
<装置の一例>
以下、本実施形態に係る三次元造形装置について、図面を参照しつつ説明する。
図3は、本実施形態に係る三次元造形装置の一例を示す図である。
本実施形態に係る三次元造形装置100は、造形用粉末貯留槽1及び供給用粉末貯留槽2を有している。これらの貯留槽は、それぞれ本実施形態に係る積層造形用粉末10を貯留し、上下に移動されるステージ3を有し、上記ステージ上に本実施形態に係る積層造形用粉末10からなる層を形成する。
造形用粉末貯留槽1の上には、造形用粉末貯留槽1内の積層造形用粉末10に造形インクを吐出するインクジェットヘッド5を有し、更に、供給用粉末貯留槽2から造形用粉末貯留槽1に積層造形用粉末10を供給すると共に、造形用粉末貯留槽1の積層造形用粉末10の層表面を均す、均し機構6を有する。
三次元造形物の製造においては、造形用粉末貯留槽1の積層造形用粉末10上にインクジェットヘッド5から造形インク4を滴下する。このとき、造形インク4を滴下する位置は、最終的に造形したい立体形状を複数の平面層にスライスした二次元画像データ(スライスデータ)により決定される。
図中にはインクジェットヘッド5は1つのみが記載されているが、実際には、本実施形態に係る三次元造形装置は、第一の造形インクを付与するインクジェットヘッドと、第二の造形インクを付与するインクジェットヘッドとポート剤インクを付与するインクジェットヘッドとを別々に有しており、それぞれのインクが、それぞれのインクにより造形したい領域に滴下される。
一層分の描画が終了した後、供給用粉末貯留槽2のステージ3を上げ、造形用粉末貯留槽1のステージ3を下げる。その差分の積層造形用粉末10を、前記均し機構6によって、造形用粉末貯留槽1へと移動させる。
このようにして、先に描画した積層造形用粉末10の層面上に、新たな積層造形用粉末10層が一層形成される。
前記新たな積層造形用粉末10層上に、更に二層目のスライスデータに基づく描画を行い、この一連のプロセスを繰り返して三次元造形物が得られる。
造形インクとして、第一の造形インクが収容されたインクジェットヘッド5から第一の造形インクが付与されることにより、導電性を有する領域が形成される。
また、第二の造形インクが収容されたインクジェットヘッド5から第二の造形インクが付与されることにより、導電性を有しない領域が形成される。
上述のスライスデータにおいて、第一の造形インクを付与する領域のデータと第二の造形インクを付与する領域のデータとを用いて描画を行うことにより、導電性を有する領域と導電性を有しない領域とを有する三次元造形物が製造される。
図3において、造形用粉末貯留槽1が本実施形態に係る三次元造形装置における造形用粉末貯留槽に、供給用粉末貯留槽2、ステージ3及び均し機構6が層形成手段に、複数の造形インク4及び複数のインクジェットヘッド5が第一の(第二の)インク付与手段に、それぞれ該当する。
<装置の別の一例>
図4に、本実施形態に係る三次元造形装置の他の一例を示す。図4の三次元造形装置は、原理的には図3と同じものであるが、三次元造形装置の供給機構が異なる。即ち、供給用粉末貯留槽2は、造形用粉末貯留槽1の上方に配されている。一層目の描画が終了すると、造形用粉末貯留槽1のステージ3が降下し、供給用粉末貯留槽2が移動しながら、積層造形用粉末10を造形用粉末貯留槽1に落下させ、新たな積層造形用粉末10層を形成する。その後、均し機構6で、積層造形用粉末10層を圧縮し、かさ密度を上げると共に、積層造形用粉末10層の高さを均一に近い状態に均す。
図4に示す構成の材料積層造形装置によれば、2つの貯留槽を平面的に並べる図3の構成に比べて、装置が小さくなる。
(三次元造形物)
本実施形態に係る三次元造形物は、本実施形態に係る積層造形用粉末と、第一の樹脂と、第一の領域の全質量に対して10質量%以上の導電性粒子と、を含む第一の領域と、本実施形態に係る積層造形用粉末と、第二の樹脂と、を含み、導電性粒子を含まないか、又は、導電性粒子の含有量が、第二の領域の全質量に対して0質量%を超え0.5質量%以下である、第二の領域と、を含む。
本実施形態に係る三次元造形物は、本実施形態に係る三次元造形装置により形成されることが好ましい。
例えば、本実施形態に係る三次元造形物は、本実施形態に係る三次元造形装置により形成された造形物に対し、水を用いてサポート材により形成されたサポート部を除去することにより得られる。上記サポート部の除去の後に、造形物中に残留している重合性化合物を加熱等により重合させてもよい。
本実施形態に係る三次元造形物は、積層造形用粉末の含有量が、三次元造形物の全質量に対し、50質量%以上75質量%以下であることが好ましく、55質量%以上70質量%以下であることがより好ましい。
<第一の領域>
本実施形態に係る三次元造形物の第一の領域は、上述した本実施形態に係る三次元造形用材料セットに含まれる第一の造形インクの硬化物により形成される領域であることが好ましい。
本実施形態に係る三次元造形物の第一の領域に含まれる第一の樹脂としては、上述した本実施形態に係る三次元造形用材料セットに含まれる第一の造形インクに含まれる重合性化合物の重合体が好ましく挙げられる。
本実施形態に係る三次元造形物の第一の領域に含まれる導電性粒子としては、上述した本実施形態に係る三次元造形用材料セットに含まれる第一の造形インクに含まれる導電性粒子が好ましく挙げられる。
本実施形態に係る三次元造形物の第一の領域に含まれる導電性粒子の含有量は、第一の領域の全質量に対して、5質量%以上であり、10質量%以上であることが好ましく、15質量%以上であることがより好ましい。
本実施形態に係る三次元造形物の第一の領域は、その他の成分を含有してもよく、その他の成分としては、上述した本実施形態に係る三次元造形用材料セットに含まれる第一の造形インクにおけるその他の成分が挙げられる。
第一の領域は導電性を有する領域であることが好ましい。
第一の領域の体積抵抗率としては、50Ω・m以上1MΩ・m以下であることが好ましく、50Ω・m以上1kΩ・m以下であることがより好ましい。
上記体積抵抗率は、以下の方法により測定される。
試料に一定の電流を流す定電流印加法を使用し、低抵抗用のプローブは4本の針状端子であり、外側の2本の端子と内側の2本の端子で表面抵抗率を測定する。試料の厚さを設定することで自動的に体積抵抗率を算出できる。測定装置は三菱化学アナリテック製の低抵抗率計(ロレスタ GX MCP−T700)を用いて評価を行う。サンプルの表面に試料の表面にプローブ電極を押し当てる事で測定できる。
<第二の領域>
本実施形態に係る三次元造形物の第二の領域は、上述した本実施形態に係る三次元造形用材料セットに含まれる第二の造形インクの硬化物により形成される領域であることが好ましい。
本実施形態に係る三次元造形物の第二の領域に含まれる第二の樹脂としては、上述した本実施形態に係る三次元造形用材料セットに含まれる第二の造形インクに含まれる重合性化合物の重合体が好ましく挙げられる。
本実施形態に係る三次元造形物の第二の領域に含まれる場合のある導電性粒子としては、上述した本実施形態に係る三次元造形用材料セットに含まれる第二の造形インクに含まれる導電性粒子が好ましく挙げられる。
本実施形態に係る三次元造形物の第二の領域は、導電性粒子を含まないか、又は、導電性粒子の含有量が、前記第二の領域の全質量に対して0質量%を超え0.25質量%以下であり、導電性粒子を含まないか、又は、導電性粒子の含有量が、前記第二の領域の全質量に対して0質量%を超え0.1質量%以下であることが好ましく、導電性粒子を含まないことがより好ましい。
本実施形態に係る三次元造形物の第二の領域は、その他の成分を含有してもよく、その他の成分としては、上述した本実施形態に係る三次元造形用材料セットに含まれる第二の造形インクにおけるその他の成分が挙げられる。
第二の領域は導電性を有しない領域であることが好ましい。
第二の領域の体積抵抗率としては、1MΩ・mを超え1TΩ・m以下であることが好ましく、1GΩ・m以上1TΩ・m以下であることがより好ましい。
上記体積抵抗率は、第一の領域における体積抵抗率と同様の方法により測定される。このような高抵抗領域では、試料に一定の電圧を流す定電圧印加法を使用し、高抵抗用のプローブは 2 重リング状であり、内側のリング電極と外側のリング電極の間で表面抵抗率を求める。試料の厚さを設定することで自動的に体積抵抗率を算出できる。装置は三菱化学アナリテック製の高抵抗率計(ハイレスタ IP MCP-HT260)を用いて評価を行う。サンプルの表面に試料の表面にプローブ電極を押し当てる事で測定できる。
<用途>
本実施形態に係る三次元造形物は、上述の第一の領域と上述の第二の領域とを組み合わせた造形物であることにより、電子部材の電磁シールド、アンテナ、トランス、インダクター、帯電防止部材、ヒーター部材等として用いることが可能である。
以下、実施例により本実施形態を詳細に説明するが、本実施形態は、これら実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下の説明において、特に断りのない限り、「部」及び「%」はすべて質量基準である。
(積層造形用粉末1の作製)
大阪ガスケミカル社製ドナカーボ・ミルドS−2404N(a1=13μm、b1=0.04mm、アスペクト比=3)により、積層造形用粉末1を得た。
(積層造形用粉末2の作製)
大阪ガスケミカル社製ドナカーボ・ミルドS−344(a1=18μm、b1=0.96mm、アスペクト比=53)により、積層造形用粉末2を得た。

(積層造形用粉末3の作製)
大阪ガスケミカル社製ドナカーボ・ミルドS−244(a1=13μm、b1=0.68mm、アスペクト比=52)により、積層造形用粉末3を得た。
(積層造形用粉末4の作製)
東洋アルミニウム社製TOYAL TecFiller TFS−A08F(a2=8μm、b2=0.2μm、アスペクト比=0.025)により、積層造形用粉末4を得た。
(積層造形用粉末5の作製)
石原産業社製針状導電性酸化チタンFT−3000(a1=0.27μm、b1=5.15μm、アスペクト比=19)により、積層造形用粉末5を得た。
各積層造形用粉末の特性を表1に示す。
積層造形用粉末1〜4は、いずれも導電性を有する粒子であった。
(造形インクの調製)
下記組成の各成分を混合することにより、第一の造形インク1〜3及び第二の造形インク1〜2を調製した。
<第一の造形インク1>
・ウレタンアクリレートオリゴマー(新中村化学工業社製U−200PA):12.6部
・ウレタンアクリレートオリゴマー(新中村化学工業社製UA−4200):13.5部
・2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルアクリレート)(日本触媒社製VEEA−AI):28.2部
・イソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業社製IBXA):32.3部
・2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)(BASF社製Irgacure819):3.0部
・ヒドロキノンモノメチルエーテル(東京化成社製MEHQ):0.3部
・ポリエーテル変性シロキサンコポリマ−(エボニックデグサジャパン社製TEGO Wet 270):0.2部
・導電性カーボンブラック(三菱ケミカル社製#3050B):10.0部
<第一の造形インク2>
・ウレタンアクリレートオリゴマー(新中村化学工業社製U−200PA):12.6部
・ウレタンアクリレートオリゴマー(新中村化学工業社製UA−4200):13.5部
・2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルアクリレート)(日本触媒社製VEEA−AI):28.2部
・イソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業社製IBXA):32.3部
・2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)(BASF社製Irgacure819):3.0部
・ヒドロキノンモノメチルエーテル(東京化成社製MEHQ):0.3部
・ポリエーテル変性シロキサンコポリマ−(エボニックデグサジャパン社製TEGO Wet 270):0.2部
・透明導電性粉末(三菱マテリアル電子化成社製T−1):10.0部
<第二の造形インク1>
・ウレタンアクリレートオリゴマー(新中村化学工業社製U−200PA):14.6部
・ウレタンアクリレートオリゴマー(新中村化学工業社製UA−4200):15.5部
・2−(2−ビニロキシエトキシ)エチルアクリレート)(日本触媒社製VEEA−AI):31.2部
・イソボルニルアクリレート(大阪有機化学工業社製IBXA):35.3部
・2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)(BASF社製Irgacure819):3.0部
・ヒドロキノンモノメチルエーテル(東京化成社製MEHQ):0.3部
・ポリエーテル変性シロキサンコポリマ−(エボニックデグサジャパン社製TEGO Wet 270):0.2部
(造形インクの調製)
下記組成の各成分を混合することにより、サポート材インクを調製した。
<サポート材インク>
・ヒドロキシエチルアクリルアミド(KJケミカルズ社製HEAA):28.5部
・ひまし油加水分解物(伊藤製油社製URIC H31):52.5部
・ブチルジグリコール(日本乳化剤社製BDG):17.5部
・2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド)(BASF社製Irgacure819):1.0部
・ヒドロキノンモノメチルエーテル(東京化成社製MEHQ):0.2部
・ポリエーテル変性シロキサンコポリマ−(エボニックデグサジャパン社製TEGO Wet 270):0.3部
(三次元造形物の作製)
下記(1)乃至(3)に従い、三次元造形物を作製した。
(1)図1に示した粉末積層装置(ニイガタ社製、粉体用冶具)を用いて、供給用粉末貯留槽から造形用粉末貯留槽に、表2に記載した積層造形用粉末を移送させ、平均厚みが100μmの積層造形用粉末の層を形成した。
(2)次に、形成した積層造形用粉末の層の表面に、表2に記載した第一の造形インク、第二の造形インク及びサポート材インクを、図5に示した形状となるようにインクジェットヘッド(ディマティックス製、Polaris PQ512/85)を用いてノズルから付与(吐出)し、前記積層造形用粉末を波長400nmのLED光源(33mW/cm)を用いて1秒露光することで硬化させた。
図5中、積層造形用粉末10の層において、第一の造形部Aが第一の造形インクを付与した領域であり、第二の造形部Bが第二の造形インクを付与した領域であり、サポート部Cがサポート材インクを付与した領域である。
(3)次に、前記(1)及び前記(2)の操作を3mmの総平均厚みになるまで繰返し、硬化した積層造形用粉末の層を順次積層していき、三次元造形物を製造した。得られた三次元造形物に対し、水を用いてサポート材インクにより形成されたサポート部を除去することにより、円柱状の三次元造形物を得た。
(評価)
各実施例及び比較例において、得られた三次元造形物の第一の領域の体積抵抗率をロレスタ GX MCP−T700を用いて測定した。また、第二の領域の体積抵抗率をハイレスタ IP MCP−HT260により測定した。評価結果は表2に記載した。体積抵抗率が1MΩ・m未満であれば導電性を有し、1MΩ・m以上であれば導電性を有しないといえる。
また、得られた三次元造形物の第一の領域の全質量に対する導電性粒子の含有量(第一の領域の導電性粒子含有量)、第二の領域の全質量に対する導電性粒子の含有量(第二の領域の導電性粒子含有量)、及び、三次元造形物の全質量に対する積層造形用粉末の含有量を測定し、表2に記載した。
<実施例8>
図1に示した粉末積層装置を用いて積層造形用粉末1、第一の造形インク1、第二の造形インク1、サポート材インクを用いて、縦横高さが各々10cmで壁の厚さ5mmの底がない立方体を作製した。全ての壁と天井は第一の領域で2mm幅のライン&スペースの縦横が交差したメッシュパターンを形成し、そのメッシュの隙間を第二の領域で埋める構造とした。
この造形物をスマートフォンに被せたところ、電波強度が下がり、着信できなくなった。
1 造形用粉末貯留槽
2 供給用粉末貯留槽
3 ステージ
4 造形インク
5 インクジェットヘッド
6 均し機構
10 積層造形用粉末
100 三次元造形装置
A 第一の造形部
a1 短径a1
a2 円相当径a1
B 第二の造形部
b1 長径b1
b2 厚さb2
C サポート部

Claims (14)

  1. 短径a1と長径b1との比b1/a1が3.0以上であり、導電性を有する棒状の粒子、及び、円相当径a2と厚さb2との比b2/a2が0.4以下であり、導電性を有する板状の粒子の少なくとも一方を含む、
    積層造形用粉末。
  2. 前記長径b1が20μm以上2000μm以下である前記棒状の粒子を含む、請求項1に記載の積層造形用粉末。
  3. 前記棒状の粒子が、カーボンファイバーである、請求項2に記載の積層造形用粉末。
  4. 前記棒状の粒子及び前記板状の粒子の合計含有量が、積層造形用粉末の全質量に対し、90質量%以上である、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の積層造形用粉末。
  5. 空隙率が40%以上である、請求項4に記載の積層造形用粉末。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の積層造形用粉末と、
    導電性粒子を、インクの全質量に対して10質量%以上含有する第一の造形インクと、
    導電性粒子を含まないか、又は、導電性粒子の含有量がインクの全質量に対して0を超え0.5質量%以下である第二の造形インクと、を含む
    三次元造形用材料セット。
  7. 前記第一の造形インクに含まれる導電性粒子が、金属粒子、及び、炭素粒子よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含有する、請求項6に記載の三次元造形用材料セット。
  8. 前記第一の造形インクに含まれる導電性粒子の体積平均粒径が、0.01μm以上1.0μm以下である、請求項6又は請求項7に記載の三次元造形用材料セット。
  9. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の積層造形用粉末を収容する造形用粉末貯留槽と
    前記積層造形用粉末を収容し、前記積層造形用粉末を前記造形用粉末貯留槽に供給して積層造形用粉末の層を形成する層形成手段と、
    導電性粒子をインクの全質量に対して10質量%以上含有する第一の造形インクを収容し、前記積層造形用粉末の層に、前記第一の造形インクを付与する第一の付与手段と、
    導電性粒子を含まないか、又は、導電性粒子の含有量がインクの全質量に対して0を超え0.5質量%以下である第二の造形インクを収容し、前記積層造形用粉末の層に、前記第二の造形インクを付与する第二の付与手段と、を含む
    三次元造形装置。
  10. 前記第一の造形インクに含まれる導電性粒子が、金属粒子、酸化物粒子、及び、炭素粒子よりなる群から選ばれた少なくとも1種を含有する、請求項9に記載の三次元造形装置。
  11. 前記第一の造形インクに含まれる導電性粒子の体積平均粒径が、0.01μm以上1.0μm以下である、請求項10に記載の三次元造形装置。
  12. サポート材インクを収容し、サポート材インクを付与するサポート材インク付与手段を更に含む、請求項9〜請求項11のいずれか1項に記載の三次元造形装置。
  13. 請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の積層造形用粉末と、第一の樹脂と、第一の領域の全質量に対して10質量%以上の導電性粒子と、を含む第一の領域と、
    請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の積層造形用粉末と、第二の樹脂と、を含み、導電性粒子を含まないか、又は、導電性粒子の含有量が、第二の領域の全質量に対して0質量%を超え0.5質量%以下である、第二の領域と、を含む
    三次元造形物。
  14. 積層造形用粉末の含有量が、三次元造形物の全質量に対し、50質量%以上70質量%以下である、請求項13に記載の三次元造形物。
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