以下に、本発明の実施の形態を遊技機たるスロットマシンを例に説明する。
[1.用語の意味]
まず、本明細書で用いる用語の意味を説明する。
(ベット、規定数、貯留)
「ベットする」とは、遊技を行うために遊技媒体(遊技メダルや遊技球等(以下、遊技メダル等))を賭けることを意味する。本実施形態では、遊技メダルが投入口(図4に示す遊技メダル投入口26に相当)から投入されるか、貯留されている遊技メダルをベットするためのベットスイッチ(図4に示すベットスイッチ33に相当)が操作されることで、遊技メダルがベットされる。なお、簡略のため、「(遊技メダルが)遊技メダル投入口26から投入される」ことを「手入れ(手で投入の略)される」と記述する。
「規定数」とは、1回の遊技を行う(1回の遊技の結果を得る)ためにベットする必要がある遊技媒体(遊技メダル等)の数のことを意味する。本実施形態では、規定数は「3枚」に設定されている。なお、規定数は「1枚」や「2枚」に設定されていてもよい。
「貯留する」とは、遊技媒体(遊技メダル等)を貯留することを意味する。本実施形態では、貯留することができる遊技メダルの枚数の上限は「50枚」に設定されている。
例えば、遊技メダルが1枚もベットされていない状況下において、4枚の遊技メダルが手入れされたときは、3枚(規定数に達するまで)の遊技メダルがベットされ、残り1枚の遊技メダルが貯留される。すなわち、遊技メダルが手入れされたときは、ベットされる場合と貯留される場合とがある。また、45枚の遊技メダルが貯留されている状況下において、9枚の遊技メダルが払い出されるときは、5枚(50枚(上限)に達するまで)の遊技メダルが貯留され、残りの4枚の遊技メダルが払出口から払い出される。すなわち、遊技メダルが払い出されるときは、貯留される場合と、払出口から払い出される場合とがある。
また、遊技者が「遊技メダルを獲得する(遊技者側の視点)」ことと、遊技者に対して「遊技メダルを払い出す(スロットマシン10側の視点)」こととは同義である。
(RT)
「RT」とは、役(役の詳細は後述する)の抽選状態のことを意味する。また、「RT移行」とは、1のRTから他の1のRTに移行することを意味する。すなわち、移行の前後において、役抽選の抽選対象となる役が異なったり、役抽選の抽選対象となる役が同じであっても、何れかの役の当選確率が異なったりする。
本実施形態では、RTとして、非RT、RT1、RT2、RT3、及びRT4を有している(各RTの詳細は後述する)。ちなみに、本実施形態における「非RT」とは、RTの概念に含まれないという意味ではなく、「RT0」と同義である。
また、前述した各RTのうち、非RT、RT1、RT2、及びRT3は非内部中遊技(詳細は後述する)におけるRTであり、RT4は内部中遊技(詳細は後述する)におけるRTである。
さらに、本実施形態では、RTとして、1種BB作動時(RB作動時)も有している。なお、1種BB作動時(RB作動時)は特別遊技(詳細は後述する)におけるRTである。なお、「特別遊技」は「ボーナス遊技」や「ボーナスゲーム」とも称される。
(表示ライン)
「表示ライン」とは、複数種類の図柄がそれぞれに付された複数のリールが停止したときに、所定の表示窓を通して図柄の組合せが表示されるラインのことを意味する。表示ラインの詳細は後述する。
「有効ライン(有効化されている表示ラインの略称)」とは、表示判定の対象となる(有効化されている)表示ラインのことを意味する。また、「無効ライン(無効化されている表示ラインの略称)」とは、表示判定の対象とならない(無効化されている)表示ラインのことを意味する。なお、簡略のため、「図柄が有効ラインに表示される」ことを「図柄が表示される」と記述し、「図柄の組合せが有効ラインに表示される」ことを「図柄の組合せが表示される」と記述することがある。なお、上記の「表示判定」とは、有効ラインに表示された図柄の組合せが何れかの役に対応する図柄の組合せと一致するか否かを判定することである。なお、何れかの役に対応する図柄の組合せが表示されることを入賞と称する場合、「表示判定」は「入賞判定」とも称されることがある。また、その場合、「有効ライン」は「入賞ライン」とも称されることがある。
(再遊技、入賞、役物、役物連続作動装置)
「再遊技」とは、遊技媒体(遊技メダル等)をベットすることなく行うことができる遊技のことを意味する。本実施形態では、再遊技に係る条件装置に対応する図柄の組合せが表示されると、今回遊技を行うためにベットされていた遊技メダルの枚数と同数の遊技メダルが自動的にベットされる。なお、簡略のため、「今回遊技を行うためにベットされていた遊技メダルの枚数と同数の遊技メダルが自動的にベットされる」ことを「遊技メダルが自動的にベットされる」と記述する。
「入賞」とは、遊技媒体(遊技メダル等)を獲得するために必要な図柄の組合せが表示されることを意味する。
「普通役物(SB)」とは、入賞に係る図柄の組合せの数を増加させ、又は入賞に係る条件装置が作動する確率を上昇させる役物で、特定の図柄の組合せが表示された場合に作動し、1回の遊技が行われた(1回の遊技の結果が得られた)場合に作動を終了するものを意味する。
「第一種特別役物(RB)」とは、入賞に係る図柄の組合せの数を増加させ、又は入賞に係る条件装置が作動する確率を上昇させる役物で、あらかじめ定められた場合に作動し、12回を超えない回数の遊技が行われる(12回を超えない回数の遊技の結果が得られる)まで作動を継続することができるものを意味する。なお、第一種特別役物(RB)は、その作動中に8回を超えない回数のうちからあらかじめ定められた1の回数の入賞があったとき又は第一種特別役物に係る役物連続作動装置の作動が終了したときのうち早い方のときに、その作動を終了する。
「第二種特別役物(CB)」とは、役抽選の結果にかかわらず、入賞に係る条件装置を作動させる役物で、あらかじめ定められた場合に作動し、1回の遊技が行われた(1回の遊技の結果が得られた)場合に作動を終了するものを意味する。
「役物連続作動装置(1種BB、2種BB)」とは、第一種特別役物又は第二特別役物を連続して作動させることができる装置で、特定の図柄の組合せが表示された場合に作動し、あらかじめ定められた場合に作動を終了するものを意味する。
(条件装置、役)
「条件装置」とは、その作動が入賞、再遊技、役物又は役物連続作動装置の作動に係る図柄の組合せが表示されるために必要な条件とされている装置で、役抽選に当選した場合に作動するものを意味する。
すなわち、条件装置は、入賞に係る条件装置と、再遊技に係る条件装置と、役物又は役物連続作動装置の作動に係る条件装置とに大別される。
役物又は役物連続作動装置の作動に係る条件装置には、普通役物(SB)の作動に係る条件装置(SB)、第一種特別役物(RB)の作動に係る条件装置(RB)、第二種特別役物(CB)の作動に係る条件装置(CB)、第一種特別役物に係る役物連続作動装置の作動に係る条件装置(1種BB)、第二種特別役物に係る役物連続作動装置の作動に係る条件装置(2種BB)がある。
なお、本実施形態では、入賞に係る条件装置として、23個の入賞に係る条件装置(入賞01〜入賞23)を有している。また、再遊技に係る条件装置として、11個の再遊技に係る条件装置(再遊技01〜再遊技11)を有している。さらに、役物又は役物連続作動装置の作動に係る条件装置として、1個の役物又は役物連続作動装置の作動に係る条件装置(1種BB)を有している。
「役」とは、役抽選の抽選対象となるものを指す。本実施形態では、1つの役に1個以上の条件装置が対応している。すなわち、何れかの役に当選したときは、当選した役(当選役)に対応する1個以上の条件装置が作動するようになっている。
役は、入賞に係る条件装置が作動する「入賞役」と、再遊技に係る条件装置が作動する「再遊技役」と、役物又は役物連続作動装置の作動に係る条件装置が作動する「特別役」とに大別される。
「特別役」は「ボーナス」とも称される。なぜなら、特別役に対応する図柄の組合せが表示されると、役物又は役物連続作動装置が作動し、その作動中は遊技媒体(遊技メダル等)を獲得する(特別な利益を得る)ことに期待できるためである。
ボーナスには、普通役物(SB)の作動に係る条件装置に対応しているシングルボーナス(SB)、第一種特別役物(RB)の作動に係る条件装置に対応しているレギュラーボーナス(RB)、第二種特別役物(CB)の作動に係る条件装置に対応しているチャレンジボーナス(CB)、第一種特別役物に係る役物連続作動装置の作動に係る条件装置に対応している1種ビッグボーナス(1種BB)、第二種特別役物に係る役物連続作動装置の作動に係る条件装置に対応している2種ビッグボーナス(2種BB)がある。本実施形態では、ボーナスとして、1つのボーナス(1種BB)を有している。なお、ボーナスとして、2以上の1種BBを有していてもよいし、その他のボーナス(SB、RB、CB、または2種BB)を有していてもよい。
なお、SBやCBは、今回遊技において、当選したボーナスに対応する図柄の組合せが表示されなくても、当該ボーナスに対応する条件装置の作動が終了する。すなわち、これらのボーナスの当選情報は、次回遊技に持ち越されない。一方、RB、1種BB、及び2種BBは、当選したボーナスに対応する図柄の組合せが表示されるまで、当該ボーナスに対応する条件装置の作動が継続する。すなわち、これらのボーナスの当選情報は、次回遊技に持ち越されることがある。そして、一般的に、ボーナスに対応する条件装置の作動が継続しているときの遊技は「内部中遊技(ボーナスが内部で当選している遊技の略称)」と称され、ボーナスに対応する条件装置が作動していないときの遊技は「非内部中遊技(ボーナスが内部で当選していないときの遊技の略称)」と称されている。なお、本実施形態では、1種BBに対応する条件装置が作動したとき(1種BBに当選したとき)の遊技については、「非内部中遊技」に含めている。しかし、1種BBに対応する条件装置が作動したときの遊技については、「内部中遊技」に含めてもよい。
ボーナスに対応する図柄の組合せが表示されたときの役物又は役物連続作動装置の作動について、1種BBを例に説明する。1種BB(第一種特別役物に係る役物連続作動装置)は、当選した1種BBに対応する図柄の組合せが表示された場合に作動し、終了条件を満たすまで作動が継続する。例えば、終了条件は、285枚を超えない枚数のうちから、あらかじめ定められた1の数を超える遊技メダルが獲得されたときとすることができる。なお、終了条件は、あらかじめ定められた1の回数のRBの作動があったとき(但し、最後のRBの作動が終了したとき)や、あらかじめ定められた1の回数の遊技が行われた(1の回数の遊技の結果が得られた)ときとしてもよい。また、1種BB(第一種特別役物に係る役物連続作動装置)が作動しているときのRB(第一種特別役物)は、当選したRBに対応する図柄の組合せが表示された場合に作動してもよいし、無条件で作動してもよい。本実施形態における1種BB(第一種特別役物に係る役物連続作動装置)は、当選した1種BBに対応する図柄の組合せが表示された場合に作動し、285枚を超える遊技メダルが獲得されたときに作動を終了する。また、RB(第一種特別役物)は、無条件で作動し、2回の入賞があったときに作動を終了する。
「入賞役」は「小役」とも称される。なぜなら、入賞役に対応する図柄の組合せが表示されると、遊技媒体(遊技メダル等)が払い出されるためである。換言すると、遊技媒体(遊技メダル等)を獲得するという小さな利益を得ることができるためである。本実施形態では、小役として、24の小役(入賞A1〜入賞A6、入賞B1〜入賞B3、入賞C、入賞D、入賞E、入賞F、入賞G、入賞H、入賞I、入賞J、入賞K、入賞L、入賞M、入賞N、入賞O、入賞P、入賞Q)を有している。
なお、小役は、今回遊技において、当選した小役に対応する図柄の組合せが表示されなくても、当該小役に対応する条件装置の作動が終了する。すなわち、小役の当選情報は次回遊技に持ち越されない。
「再遊技役」は「リプレイ」とも称される。なぜなら、再遊技役に対応する図柄の組合せが表示されると、遊技メダルが自動的にベットされ、再遊技を行う(リプレイ)ことができるためである。本実施形態では、リプレイとして、15のリプレイ(再遊技A1〜再遊技A6、再遊技B1〜再遊技B3、再遊技C、再遊技D、再遊技E、再遊技F、再遊技G、再遊技H)を有している。
なお、リプレイは、今回遊技において、当選したリプレイに対応する図柄の組合せが表示されなくても、当該リプレイに対応する条件装置の作動が終了する。すなわち、リプレイの当選情報は次回遊技に持ち越されない。
本実施形態では、小役の一部として、ストップスイッチ35の操作態様によって得られる遊技の結果が異なる小役(押し順ベル(入賞A群,入賞B群))を有している。また、リプレイの一部として、ストップスイッチ35の操作態様によって得られる遊技の結果が異なるリプレイ(押し順リプレイ(再遊技A群,再遊技B群))を有している。詳細は後述するが、入賞A群は入賞A1〜入賞A6の総称であり、入賞B群は入賞B1〜入賞B3の総称であり、再遊技A群は再遊技A1〜再遊技A6の総称であり、再遊技B群は再遊技B1〜再遊技B3の総称である。
ここで「ストップスイッチ35の操作態様」とは、ストップスイッチ35の押し順(押す順番)や、ストップスイッチ35を押すタイミングを指す上位概念である。
「ストップスイッチ35の有利な操作態様」とは、ストップスイッチ35の操作態様によって得られる遊技の結果が異なる場合において、有利な遊技の結果を得るための操作態様を意味する。具体的には、獲得することができる遊技媒体(遊技メダル等)の数が多い方の図柄の組合せを表示させるための操作態様や、有利なRTへの移行条件となっている図柄の組合せを表示させるための操作態様や、不利なRTへの移行条件となっている図柄の組合せを表示させないための操作態様を意味する。
なお、「ストップスイッチ35の有利な操作態様」は「ストップスイッチ35の正解操作態様」とも称される。そのため、例えば、「ストップスイッチ35の操作態様」がストップスイッチ35の押し順を指す場合には、「ストップスイッチ35の有利な操作態様」は「ストップスイッチ35の正解押し順」とも称される。
「ストップスイッチ35の不利な操作態様」とは、ストップスイッチ35の操作態様によって得られる遊技の結果が異なる場合において、不利な遊技の結果を得るための操作態様を意味する。具体的には、獲得することができる遊技媒体(遊技メダル等)の数が少ない方の図柄の組合せを表示させるための操作態様や、有利なRTへの移行条件となっている図柄の組合せを表示させないための操作態様や、不利なRTへの移行条件となっている図柄の組合せを表示させるための操作態様を意味する。
なお、「ストップスイッチ35の不利な操作態様」は「ストップスイッチ35の不正解操作態様」とも称される。そのため、例えば、「ストップスイッチ35の操作態様」がストップスイッチ35の押し順を指す場合には、「ストップスイッチ35の不利な操作態様」は「ストップスイッチ35の不正解押し順」とも称される。
そして、本実施形態における「ストップスイッチ35の有利な操作態様を有する遊技」とは、押し順ベル(入賞A群,入賞B群)に当選した遊技や、押し順リプレイ(再遊技A群,再遊技B群)に当選した遊技のことである。
本実施形態では、押し順ベル(入賞A群)に当選した遊技において、ストップスイッチ35が不正解押し順で操作されたときは、ストップスイッチが操作されたタイミングによって、作動している何れの条件装置に対応する図柄の組合せも表示されないことがある。このように、当選した役に対応する図柄の組合せが表示されないことは、「(役を)取りこぼした((役の)取りこぼしが生じた)」とも称される。そして、本実施形態では、押し順ベル(入賞A群)に当選した遊技において、押し順ベル(入賞A群)を取りこぼしたときは、パターン01またはパターン02に対応する図柄の組合せが表示される。
本実施形態では、押し順ベル(入賞B群)に当選した遊技においては、ストップスイッチ35の押し順にかかわらず、取りこぼしは生じない。すなわち、必ず、作動している何れかの条件装置に対応する図柄の組合せが表示される。なお、押し順ベル(入賞B群)に当選した遊技においても、ストップスイッチ35が不正解押し順で操作されたときは、取りこぼしが生じ得るようにしてもよい。
本実施形態では、押し順リプレイ(再遊技A群,再遊技B群)に当選した遊技においては、ストップスイッチ35の押し順にかかわらず、取りこぼしは生じない。すなわち、必ず、作動している何れかの条件装置に対応する図柄の組合せが表示される。
(指示機能)
「指示機能」とは、前述した「ストップスイッチ35の有利な操作態様」を指示する機能である。「指示機能」は、遊技を制御するメイン制御基板(図4に示すメイン制御基板60に相当)が作動させる機能であって、例えば、メイン制御基板60と電気的に接続された所定の表示装置に、ストップスイッチ35の有利な操作態様を特定することができる情報を表示する。
なお、「指示機能」は、以下のような広義及び狭義の解釈が可能であり、本実施形態では、必要に応じて、広義または狭義の何れの「指示機能」であるか注釈を付ける。
広義の「指示機能」とは、ストップスイッチ35の操作態様によって得られる遊技の結果が異なる小役やリプレイに当選した遊技において、「ストップスイッチ35の有利な操作態様」を指示する機能である。すなわち、広義の「指示機能」とは、押し順ベル(入賞A群,入賞B群)に当選した遊技や、押し順リプレイ(再遊技A群,再遊技B群)に当選した遊技において、「ストップスイッチ35の正解押し順」を指示する機能である。
狭義の「指示機能」とは、ストップスイッチ35の操作態様によって得られる遊技の結果が異なる小役に当選した遊技において、「ストップスイッチ35の有利な操作態様」を指示する機能である。すなわち、狭義の「指示機能」とは、押し順ベル(入賞A群,入賞B群)に当選した遊技において、「ストップスイッチ35の正解押し順」を指示する機能である。
また、「指示機能」は、「ストップスイッチ35の有利な操作態様」を報知する機能でもある。すなわち「指示機能」は「報知機能」でもある。
「指示機能作動遊技」とは、指示機能を作動させる遊技のことを意味する。すなわち、指示機能作動遊技は1回の遊技である。なお、ストップスイッチ35の操作態様によって得られる遊技の結果が異なる小役やリプレイに当選した遊技であっても、指示機能を作動させないときは、当該遊技は指示機能作動遊技ではない。
(遊技区間)
本実施形態では、「遊技区間」として、「通常区間」と「有利区間」とを有している。
まず、「通常区間」とは、ストップスイッチ35の操作態様によって得られる遊技の結果が異なる小役やリプレイに当選した遊技であっても、メイン制御基板60が指示機能を作動させることができない遊技区間である。また、ストップスイッチ35の操作態様によって得られる遊技の結果が異なる小役やリプレイに当選した遊技であっても、ストップスイッチ35の有利な操作態様を特定することができるデータをメイン制御基板60からサブ制御基板80に送信することができない遊技区間でもある。
すなわち、通常区間では、メイン制御基板60が指示機能を作動させることができないため、メイン制御基板60と電気的に接続された所定の表示装置に、ストップスイッチ35の有利な操作態様を特定することができる情報は表示されない。また、ストップスイッチ35の有利な操作態様を特定することができるデータをメイン制御基板60からサブ制御基板80に送信することができないため、サブ制御基板80と電気的に接続された画像表示装置21においても、ストップスイッチ35の有利な操作態様は表示(報知)されない。
本実施形態では、通常区間においては、押し順ベル(入賞A群,入賞B群)に当選した遊技や、押し順リプレイ(再遊技A群,再遊技B群)に当選した遊技であっても、メイン制御基板60と電気的に接続された所定の表示機器(図4に示す獲得枚数表示LED47に相当)に、正解押し順を指示するための押し順指示情報(図18によれば「=1」〜「=6」の何れか)を表示せず、さらに、正解押し順を特定することができる入賞及び再遊技条件装置番号(図17によれば「1」〜「9」,「16」〜「24」の何れか)や、押し順指示番号(図17によれば「1」〜「6」の何れか)をサブ制御基板80に送信しない。
また、「通常区間」とは、有利区間(有利区間の詳細は後述する)に移行するか否かを決定することができる遊技区間でもある。
ここで、通常区間における有利区間に移行するか否かの決定は、通常区間で行われた遊技回数に基づいて決定されるものであってはならないとする。これは、仮に、通常区間で行われた遊技回数に基づいて有利区間に移行するか否かを決定するようにした場合、通常区間における遊技が続くほど有利区間への移行に期待できることから、遊技への「のめり込み」を助長するおそれがあるためである。そこで、有利区間に移行するか否かの決定は、通常区間で行われた役抽選の結果に基づいて、すなわち、役に基づいて決定されることとする。
さらに、有利区間に移行する確率には設定差があってはならないとする。これは、ホールに設置されているスロットマシンの大半は、遊技者に不利な設定(所謂、低設定)で営業されることが多く、低設定だと有利区間に移行し難いとすると、遊技の興趣が低下してしまうおそれがあるためである。そこで、有利区間に移行するか否かの決定は、当選確率に設定差のない役に基づいて決定されることとする。より具体的には、当選確率に設定差のない役に基づいて有利区間に移行するか否かを決定する第1の方法として、当選確率に設定差のない役に当選した場合に、当選した役に応じて、有利区間に移行するか否かを決定することが挙げられる。また第2の方法として、当選確率に設定差のない役に当選した場合に、抽選によって、有利区間に移行するか否かを決定することが挙げられる。ちなみに、当選確率に設定差のない役の当選時に、有利区間に移行するか否かを決定するための抽選を必ずしなければならないものではない。
「設定差」とは、設定間における差を意味する。すなわち、「当選確率に設定差がない役」とは、当選確率が全ての設定で同じ役のことを意味する。また、「当選確率に設定差がある役」とは、当選確率が少なくとも2つの設定間で異なる役のことを意味する。
「設定」とは、入賞、再遊技、役物又は役物連続作動装置の作動に係るそれぞれの条件装置が作動する確率の組合せのことを意味する。本実施形態では、設定が高いほど、出玉率が高くなるよう設計されている。具体的には、設定1〜設定6の6つの設定のうち、設定6のときの出玉率が最も高くなっている。なお、設定が低いほど、出玉率が高くなるよう設計されていてもよい。
「出玉率」とは、「払い出される遊技媒体(遊技メダル等)の数/ベットされる遊技媒体(遊技メダル等)の数」で算出される値のことを意味する。出玉率が「1」のときは、遊技媒体(遊技メダル等)が増加も減少もしていないことを意味する。また、出玉率が「1」を超えるときは、遊技媒体(遊技メダル等)が増加していることを意味する。そして、出玉率が「1」未満のときは、遊技媒体(遊技メダル等)が減少していることを意味する。
「有利区間」とは、ストップスイッチ35の操作態様によって得られる遊技の結果が異なる小役やリプレイに当選した遊技において、メイン制御基板60が指示機能を作動させることができる遊技区間である。また、ストップスイッチ35の操作態様によって得られる遊技の結果が異なる小役やリプレイに当選した遊技において、メイン制御基板60が指示機能を作動させるときは、ストップスイッチ35の有利な操作態様を特定することができるデータをメイン制御基板60からサブ制御基板80に送信することができる遊技区間でもある。
すなわち、有利区間では、メイン制御基板60が指示機能を作動させることができるため、メイン制御基板60と電気的に接続された所定の表示装置に、ストップスイッチ35の有利な操作態様を特定することができる情報が表示されることがある。また、メイン制御基板60が指示機能を作動させるときは、ストップスイッチ35の有利な操作態様を特定することができるデータをメイン制御基板60からサブ制御基板80に送信することができるため、サブ制御基板80と電気的に接続された画像表示装置21でも、ストップスイッチ35の有利な操作態様が報知されることがある。
本実施形態では、有利区間においては、押し順ベル(入賞A群,入賞B群)に当選した遊技や、押し順リプレイ(再遊技A群,再遊技B群)に当選した遊技において、メイン制御基板60と電気的に接続された所定の表示機器(図4に示す獲得枚数表示LED47に相当)に、正解押し順を指示するための押し順指示情報(図18によれば「=1」〜「=6」の何れか)が表示されることがあり、さらに、正解押し順を特定することができる押し順指示番号(図17によれば「1」〜「6」の何れか)をサブ制御基板80に送信することもある。
さらに、本実施形態では、有利区間から通常区間に移行させるには、有利区間中、ストップスイッチ35の操作態様によって得られる遊技の結果が異なる小役に当選した遊技において、少なくとも1回は、メイン制御基板60が指示機能を作動させている必要がある。具体的には例えば、本実施形態では、有利区間から通常区間に移行させるには、押し順ベル(入賞A群,入賞B群)に当選した遊技において、少なくとも1回は、メイン制御基板60と電気的に接続された獲得枚数表示LED47に、正解押し順を指示するための押し順指示情報(「=1」〜「=6」の何れか)が表示されている必要がある。
なお、ストップスイッチ35の操作態様によって得られる遊技の結果が異なる小役が複数あるときは、得られる遊技の結果が大きい方の小役に当選した遊技において、少なくとも1回は、メイン制御基板60が指示機能を作動させている必要がある。例えば、本実施形態では、押し順ベル(入賞A群)も、押し順ベル(入賞B群)も、ストップスイッチ35が正解押し順で操作されたときは、入賞01に対応する図柄の組合せが表示され、9枚の遊技メダルが払い出される小役である。ここで仮に、押し順ベル(入賞B群)が、ストップスイッチ35が正解押し順で操作されたときは、10枚の遊技メダルが払い出される小役だったとする。この場合は、有利区間から通常区間に移行させるには、押し順ベル(入賞B群)に当選した遊技において、少なくとも1回は、メイン制御基板60と電気的に接続された獲得枚数表示LED47に、正解押し順を指示するための押し順指示情報(「=1」〜「=6」の何れか)が表示されている必要がある。
以上の説明をまとめると、有利区間から通常区間に移行させるには、「有利区間中、ストップスイッチ35の操作態様によって得られる遊技の結果が異なる小役(該当する小役が複数ある場合には、得られる遊技の結果が大きい方(最大枚数払出)の小役)に当選した遊技において、少なくとも1回は、指示機能が作動している」必要がある。この規定について、以降の説明では、記載の簡略のために、「有利区間中に少なくとも1回は指示機能が作動していること」とも称する。
従来のATでは、ストップスイッチ35の有利な操作態様が報知されずにATが終了する可能性があり、このとき遊技者はATによる利益を得られなかった。上記規定はこのような問題を解決するものであり、有利区間において少なくとも1回は指示機能が作動する(ストップスイッチ35の有利な操作態様が報知される)ことにより、遊技者が有利区間による利益を得られるようにしている。
なお、本実施形態では、有利区間から通常区間に移行させるには、「有利区間中に少なくとも1回は指示機能が作動していること」を原則とする一方で、遊技者が有利区間中に利益を得られていることを前提として特例を設けてもよい。具体的には、本実施形態では、有利区間において特別遊技(例えば1種BB遊技)が行われていた場合には、「有利区間中に少なくとも1回は指示機能が作動していること」が満たされていなくても、特例として有利区間を終了させることができるとする。他にも例えば、役抽選で1種BBに当選していた場合には、特例として有利区間を終了させることができるとしてもよい。また、本実施形態では、遊技者が有利区間中に利益を得られていなくても、有利区間における遊技回数が有利区間に滞在可能な上限遊技回数(例えば1500ゲーム)に到達した場合は、特例として有利区間を終了させることができるとし、次回遊技は通常区間に移行される。
また、有利区間中は、ストップスイッチ35の操作態様によって得られる遊技の結果が異なる小役に当選した遊技では、常に指示機能を作動させてストップスイッチ35の有利な操作態様を表示してもよい。逆に、ストップスイッチ35の操作態様によって得られる遊技の結果が異なる小役に当選した遊技であっても、指示機能を作動させなくてもよい。
上述したように、有利区間においては、原則として「有利区間中に少なくとも1回は指示機能が作動していること」が必要とされるが、有利区間が終了するための終了条件には、上記の必要条件に加えて、様々な条件を設定することができる。具体的には例えば、有利区間において所定回数の遊技が実行されたことを終了条件に設定したり、所定回数の指示機能作動遊技が実行されたことを終了条件に設定したりすることができる。これらの他にも、所定のタイミングで終了抽選(パンク抽選)を行って終了抽選に当選した場合に有利区間を終了するように設定する等してもよい。あるいは、有利区間に移行しただけでは、指示機能作動遊技の実行条件を満たさないようにし、有利区間中であることを条件に、指示機能作動遊技を実行するか否かを抽選などで決定し、指示機能作動遊技の実行が決定されたときには、所定の終了条件を満たすまで指示機能作動遊技を実行するようにしてもよい。
さらに、有利区間中は、有利区間の(残りの)遊技回数を上乗せ(加算)するか否かを抽選等によって決定してもよい。但し、有利区間には上限遊技回数が定められており(例えば1500ゲーム)、この上限遊技回数に到達したときは、有利区間が残り遊技回数を有する場合であっても、有利区間を終了し(リミッターの作動)、通常区間に移行する。
なお、指示機能に関して、サブ制御基板80は、メイン制御基板60が行う指示内容(押し順指示情報の表示内容)やメイン制御基板60から受信した指示機能に係る信号(正解押し順を特定することができる押し順指示番号)に反する演出を出力することはできない。そして指示機能による指示内容の報知可否の観点から、有利区間中の遊技は「報知可能遊技」と称することがあり、逆に、通常区間中の遊技は「報知不可能遊技」と称することがある。
以上に説明した内容と一部重複するが、本実施形態における遊技区間について(特に有利区間に関して)、以下の(a)〜(d)のように取り決める。
(a)通常区間において、有利区間に移行するか否かの決定は、設定差のない役に基づかなければならない。すなわち、設定によって、有利区間への移行確率が異なってはいけない。
(b)有利区間の上乗せ抽選(抽選を行わずに決定する場合を含む)は、設定値を参照してはならない。当選した役に基づいて上乗せ抽選するときは、設定差のない役に基づかなければならない。
(c)通常区間における内部中遊技や特別遊技中は、有利区間に移行するか否かを決定してはならない。また、有利区間における内部中遊技は、上乗せ抽選してはならない。
ここで、従来の遊技機では、内部中遊技となった後においてもAT抽選を行うことが一般的であったので、内部中遊技となっても特別役に対応する図柄の組合せを表示させずに内部中遊技を維持しながらAT当選を待つことが可能であった。しかし最近では、内部中遊技はATの抽選を行わないことが望ましいとされており、そこで本実施形態では、通常区間において特別役に当選し、内部中遊技となったときは、当該内部中で通常区間から有利区間に移行してはいけないと定める。さらに、有利区間中において特別役に当選し、内部中遊技となったときは、当該内部中遊技では有利区間を上乗せしてはいけないと定める。
(d)有利区間に移行することに決定したときは、次回遊技から有利区間に移行させるとともに、有利区間における遊技が開始するまで(本実施形態では、一例として次回遊技のためのベットが可能になるまでとしている)に、次回遊技から有利区間であることを遊技者に表示しなければならない。すなわち、有利区間における遊技が開始するまでに、有利区間であることを示すランプの点灯等をしなければならない。
ここで、従来の遊技機では、ATに当選したときに、ATに当選してからAT当選が遊技者に報知されるまでには、一定の遊技回数を消化する(所謂、前兆を経由する)ことが一般的であった。また、例えばレア役の当選に基づいてATを抽選する場合、当該遊技でレア役を取りこぼすと、遊技者はレア役に当選したこと及び当該レア役の当選に基づいてATが抽選されたことを知らず、ATに当選していてもAT当選が報知される前に遊技をやめてしまう場合があった。この場合、その後、他人がその遊技機で遊技を行ったときに、先の遊技者が引き当てたATの利益を他人が享受する場合があるという問題があった。しかし、上述したように、本実施形態に係る遊技機では、有利区間への移行が決定したときは、有利区間における遊技が開始するまで(本実施形態では、次回遊技のためのベットが可能となるまで)に、次回遊技から有利区間であることが表示されるので、このような問題の発生を回避することができる。さらに、従来の遊技機において、AT当選の報知はあくまで演出の一環として行われるものに過ぎなかったが、本実施形態に係る遊技機は、有利区間であることを示すランプの点灯等によって、次回遊技から有利区間であることが常に遊技者に表示される点で相違する。
「PB=1」とは、ストップスイッチ35が操作されたタイミングにかかわらず、所望する図柄を有効ラインに表示することができることを意味する。本実施形態では、ストップスイッチ35が操作された瞬間の図柄から4個先の図柄までが表示する(引き込む)ことができる図柄となる。例えば、後述の図7を参照すると、左リール39aの図柄番号「1」のリプレイ図柄が有効ライン(左上段)に位置する瞬間に左ストップスイッチ35aが操作されたときは、そこから4個先の図柄番号「5」のベル図柄までが、有効ライン(左上段)に表示することができる図柄となる。
さらに図7を参照すると、左リール39aの図柄番号「1」のリプレイ図柄から5個先の図柄は、図柄番号「6」のリプレイ図柄である。また、左リール39aの図柄番号「6」のリプレイ図柄から5個先の図柄は、図柄番号「11」のリプレイ図柄である。さらに、左リール39aの図柄番号「11」のリプレイ図柄から5個先の図柄は、図柄番号「16」のリプレイ図柄である。そして、左リール39aの図柄番号「16」のリプレイ図柄から5個先の図柄は、図柄番号「1」のリプレイ図柄である。すなわち、左リール39aのリプレイ図柄は、左ストップスイッチ35aが操作されたタイミングにかかわらず、有効ライン(左上段)に表示することができる図柄である。すなわち、左リール39aのリプレイ図柄は「PB=1」である。なお、図柄の組合せについて、「PB=1」であるというときは、図柄の組合せを構成する図柄の全てが「PB=1」であることを意味する。
「PB≠1」とは、ストップスイッチ35が操作されたタイミングによっては、所望する図柄を有効ラインに表示することができないことを意味する。なお、図柄の組合せについて、「PB≠1」であるというときは、図柄の組合せを構成する図柄の少なくとも1つが「PB≠1」であることを意味する。
「N−1」遊技目、「N」遊技目、「N+1」遊技目、・・・(Nは2以上の整数)と遊技が行われていく場合において、現在の遊技が「N」遊技目であるとき、「N」遊技目の遊技を「今回遊技」と称する。また、「N−1」遊技目の遊技を「前回遊技」と称し、「N+1」遊技目の遊技を「次回遊技」と称する。
「差枚数」とは、「払い出された遊技メダルの枚数−ベットされた遊技メダルの枚数」で算出される値のことを意味する。
本明細書において、数値の末尾(特に、8ビットデータの末尾)に「(B)」を付した場合は、2進数の数値であることを意味する。同様に、数値の末尾に「(D)」を付した場合は、10進数の数値であることを意味する。同様に、数値の末尾に「(H)」を付した場合は、16進数の数値であることを意味する。具体的には、10進数の「16」は、2進数では「00010000(B)」と記述し、10進数では「16(D)」と記述し、16進数では「10(H)」と記述する。但し、2進数、10進数、16進数の何れであるかが自明であるときは、それぞれ「(B)」、「(D)」、「(H)」を省略する。
次に、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
[2.スロットマシンの概略構成]
図1は、本実施形態に係るスロットマシンの基体の外観斜視図である。図1では、本実施形態に係るスロットマシン10について、フロントドアの図示を省略して、斜めから見たときのスロットマシン10の基体1が示されている。なお、フロントドアは、図1に示したフロントドア開閉軸(図中、左側)を支持軸として、基体1の正面を開放/閉塞する。
図1に示すように、基体1の内部には、電源スイッチ11を含む電源ユニット、ホッパー50を含む遊技メダル払出装置49、3個のリール39を含む図柄表示装置38等が収容されている。
また、図1に示すように、サブ制御基板80(サブ制御基板80を内部に収容する基板ケース)は、基体1の内面側の左側面に取り付けられている。これに対し、メイン制御基板60基板を内部に収容する基板ケース16は、基体1の内面内の背面に取り付けられている。なお、基板ケース16及びメイン制御基板60は、フロントドアを開放したときに、基板ケース16のかしめ部の状態を目視で容易に確認できるようにするため、図柄表示装置38よりも上方の比較的見やすい位置に取り付けられている。
なお、かしめ部は、基板ケース16を封印する封印部材であって、基板ケース16は、かしめ部を破壊しなければ開封することができないように構成される。そして、メイン制御基板60は、かしめ部によって封印される透明な基板ケース16に収容されることで、かしめ部を破壊しなければアクセスすることができないように構成され、高いセキュリティ性が確保される。また、基板ケース16の表面には、収容されているメイン制御基板が正規のメイン制御基板60であることを証明するためのシール(かしめ部の開封記録等を記載するシール)が貼付されている。
図2は、本実施形態に係るスロットマシンの正面外観図である。図2には、スロットマシン10を正面から見たときの外観図が示されている。
図2に示すように、スロットマシン10の正面中央付近には、リール39(図柄)の一部を視認できるように表示窓17が設けられている。表示窓17の上方には、演出等を行う(画像を表示する)画像表示装置21が設けられている。また、表示窓17の下方には、スタートスイッチ34、及びストップスイッチ35(左ストップスイッチ35a、中ストップスイッチ35b、右ストップスイッチ35c)が設けられている。さらに、スタートスイッチ34及びストップスイッチ35の上方、かつ表示窓17の下方から突出した部分には、遊技者が操作する種々の操作スイッチ等が設けられている。
図3は、本実施形態に係るスロットマシンの一部分の上面図である。図3には、上面から見たときのスロットマシン10の種々の操作スイッチ等が設けられている部分が示されている。
図3に示すように、図中の左側から順に、表示装置(貯留枚数表示LED45、有利区間表示LED46、及び獲得枚数表示LED47)、操作スイッチの一部(1ベットスイッチ33a、3ベットスイッチ33b、精算スイッチ36)、十字キー(「カーソルキー」とも称される。)22及びメニューボタン23、演出ボタン24、遊技メダル投入口26が配置されている。
図2及び図3に示した各構成の詳細については、後述する。なお、図2及び図3における各構成の配置は、本実施形態に係るスロットマシン10における配置の一例を示すものであって、必ずしも図示した位置に配置されている必要はなく、任意の位置に変更してもよい。具体的には例えば、表示装置は、表示窓17の左側に配置してもよい。このような場合は、表示装置(有利区間表示LED46等)による表示を、表示窓17を見ながら遊技を進める遊技者の視界に入りやすくすることができるという効果が期待できる。また、図2及び図3に示した全ての構成が、必ずしも配置されている必要はない。具体的には例えば、メニューボタン23が有する機能を演出ボタン24が兼用するようにすれば、メニューボタン23を配置しなくてもよい。このように、機能の兼用によって構成の数を少なくする場合は、部品の製造コストを抑制できるという効果に期待できるだけでなく、操作スイッチの配置間隔を空けられることによって、遊技者による誤操作を防止できるという効果も期待できる。
図4は、本実施形態に係るスロットマシンの各制御の概略を説明するためのブロック図である。図4には、スロットマシン10において、各制御を行うために必要な構成の代表例が示されており、これら各構成について詳述していく。なお、図4において、構成間を結ぶ実線の矢印は信号等の入出力方向を示している。
(メイン制御基板)
まず、本実施形態に係るスロットマシン10は、代表的な制御基板として、遊技を制御するメイン制御基板(「主制御基板」、「メイン制御手段」、「主制御手段」とも称される。)60と、演出等を制御するサブ制御基板(「副制御基板」、「サブ制御手段」、「副制御手段」とも称される。)80と、を備えている。
メイン制御基板60は、入力ポート61、出力ポート62、RWM(Read Write Memory)63、ROM(Read Only Memory)64、及びメインCPU(Central Processing Unit)65を備えている。なお、図4は例示に過ぎず、メイン制御基板60の構成は、これに限定されるものではない。
入力ポート61は、遊技用の周辺機器(例えば、ベットスイッチ33等の種々の操作スイッチ)からメインCPU65に対しての信号が入力される接続部である。また、出力ポート62は、メインCPU65から遊技用の周辺機器(例えば、モータ40等)に対しての信号が出力される接続部である。すなわち、メイン制御基板60(メインCPU65)とこれら遊技用の周辺機器とは、入力ポート61や出力ポート62を介して、電気的に接続されている。
RWM63は、データの読み出しと書き込みができる記憶装置(「記憶手段」とも称する。)であって、メインCPU65(メイン制御基板60)が遊技を制御するために必要な種々のデータ(例えば、上限カウンタ等)等を記憶する。
ROM64は、読み出し専用の記憶装置(「記憶手段」とも称する。)であって、メインCPU65(メイン制御基板60)が遊技を制御するために必要なプログラムや種々のデータ(例えば、役抽選テーブルデータ等)等を記憶する。
メインCPU65は、メイン制御基板60に搭載されるCPUを指し、ROM64に記憶されたプログラムに従って遊技を制御する(例えば、役抽選する等)。また、メインCPU65は、Aレジスタ〜Lレジスタやデータ送信用のレジスタ等の複数のレジスタを内蔵している。
本実施形態に係るスロットマシン10のメイン制御基板60には、入力ポート61、出力ポート62、RWM63、ROM64、及びメインCPU65を含んで構成されるMPU(Micro Processing Unit)が搭載されている。なお、RWM63とROM64については、MPUの外部(但し、メイン制御基板60上)にも搭載してもよい。同様に、後述するサブ制御基板80には、入力ポート81、出力ポート82、RWM83、ROM84、及びサブCPU85を含んで構成されるMPUが搭載されているが、RWM83とROM84については、MPUの外部(但し、サブ制御基板80上)にも搭載してもよい。
メイン制御基板60では、メインCPU65(MPUと捉えてもよい)の動作によって遊技が制御され、後述するメイン制御基板60の各手段(例えば、役抽選手段69等)が実現される。これら各手段の詳細は後述する。
(遊技メダルセレクタ)
次に、遊技用の周辺機器のうち、遊技メダルセレクタ27について説明する。図4に示した遊技メダル投入口26は、遊技メダルの手入れを受け付ける投入口である。手入れされた遊技メダルは、遊技メダルセレクタ27の内部に送られる。
遊技メダルセレクタ27は、図4に例示したように、通路センサ28、投入センサ30、及びブロッカ29を備え、メイン制御基板60と電気的に接続されている。なお、図4において、遊技メダルセレクタ27付近に示した矢印付きの破線は、遊技メダルを手入れしたときの処理の流れを示唆している。
遊技メダルが手入れされると、まずは通路センサ28によって投入された遊技メダルが検知される。ここで、スロットマシン10では、投入された遊技メダルの通路として、遊技メダルの受け入れが許可されるか否か(許可/不許可)によって2通りの遊技メダル通路が用意されている。許可/不許可は、通路センサ28の下流に設けられたブロッカ29によって振り分けられる。
ブロッカ29は、投入された遊技メダルの受け入れについての許可/不許可を振り分ける。ブロッカ29が遊技メダルの受け入れを許可する許可状態であるとき、投入された遊技メダルは許可状態の遊技メダル通路に案内される。具体的には、通路センサ28で検知された遊技メダルは、ブロッカ29のさらに下流に設けられた投入センサ30(例えば、複数の光学センサ)によって検知された後、ホッパー50に送られる。
一方、ブロッカ29が遊技メダルの受け入れを許可しない不許可状態であるときは、投入された遊技メダルは不許可状態の遊技メダル通路に案内される。具体的には、通路センサ28で検知された遊技メダルは、投入センサ30に検知されることなく、払出口(不図示)から返却される。
ブロッカ29による許可/不許可の制御について補足する。スロットマシン10において、ブロッカ29は、遊技中(リール39の回転から、全てのリール39の回転の停止まで(遊技メダルを払い出す場合は、遊技メダルの払出の終了まで))は、遊技メダルの受け入れを許可しない(不許可状態である)。すなわち、ブロッカ29が遊技メダルの受け入れを許可する(許可状態である)のは、少なくとも遊技が行われていないときである。
(操作スイッチ)
次に、遊技用の周辺機器のうち、操作スイッチ32について説明する。図4に示すように、メイン制御基板60には、遊技者が操作する操作スイッチ32として、ベットスイッチ33(1ベットスイッチ33a,3ベットスイッチ33b)、スタートスイッチ34、ストップスイッチ35(左ストップスイッチ35a,中ストップスイッチ35b,右ストップスイッチ35c)、及び精算スイッチ36が電気的に接続されている。
ベットスイッチ33は、貯留された遊技メダルをベットするときに遊技者が操作するスイッチである。本実施形態では、ベットスイッチ33として、1枚の遊技メダルをベットする1ベットスイッチ33aと、3枚(規定数、最大枚数)の遊技メダルをベットする3ベットスイッチ(MAXベットスイッチ)40bとを備えている。但し、このような構成に限定されるものではなく、例えば、2枚の遊技メダルをベットする2ベットスイッチも備えてもよいし、何れか1個のベットスイッチを備えてもよい。
なお、1ベットスイッチ33aを複数回操作することによって、複数枚の遊技メダルをベットすることができる。具体的には、1ベットスイッチ33aを2回操作することによって、2枚の遊技メダルをベットすることができ、1ベットスイッチ33aを3回操作することによって、3枚の遊技メダルをベットすることができる。また、3ベットスイッチ33bは、1枚以上(但し、3枚未満)の遊技メダルがベットされているときに操作(押下)された場合には、3枚から既にベットされている枚数を減算した枚数の遊技メダルをベットすることができる。具体的には、例えば、1枚の遊技メダルがベットされているときに、3ベットスイッチ33bが操作された場合には、2枚の遊技メダルをベットする。
スタートスイッチ34は、リール39(左リール39a,中リール39b,右リール39c)を回転させるときに遊技者が操作するスイッチである。換言すると、遊技を開始するときに遊技者が操作するスイッチである。
ストップスイッチ35は、リール39の回転を停止させるときに遊技者が操作するスイッチである。本実施形態では、ストップスイッチ35として、3個のストップスイッチ35(左ストップスイッチ35a,中ストップスイッチ35b,右ストップスイッチ35c)を備えている。3個のストップスイッチ35は、3本のリール39(左リール39a,中リール39b,右リール39c)に1対1で対応している。例えば、左ストップスイッチ35aは、左リール39aの回転を停止させるときに操作するスイッチである。
本実施形態に係るスロットマシン10では、(指示機能が作動する場合は、指示された順番でストップスイッチ35が操作されるべきであるが、)遊技者は、3本のリール39の回転を停止させるために、対応する3個のストップスイッチ35を任意の順番で操作することができる。このとき、1番目に操作されるストップスイッチ35を「第1ストップスイッチ35」と呼び、同様に、2番目に操作されるストップスイッチ35を「第2ストップスイッチ35」、3番目に操作されるストップスイッチ35を「第3ストップスイッチ35」と呼ぶ。
精算スイッチ36は、ベットされた遊技メダルを払い戻すとき、及び/又は貯留された遊技メダルを精算するときに遊技者が操作するスイッチである。
(遊技メダル等表示装置、デジット)
次に、遊技用の周辺機器のうち、表示装置について説明する。図4に示すように、メイン制御基板60には、遊技メダル等表示装置43の表示基板44が電気的に接続されている。なお、図示を省略しているが、実際には、メイン制御基板60と表示基板44との間には、中継基板が設けられ、メイン制御基板60と中継基板とが接続され、及び中継基板と表示基板44とが接続されている。メイン制御基板60と表示基板44とは、直接、ハーネス等で接続されてもよいが、間に別の基板が介在してもよい。これは図4に例示した他の制御基板等にも適用でき、具体的には例えば、メイン制御基板60とサブ制御基板80との間に1つ以上の他の別基板(中継基板等)が介在する構成であってもよい。
表示基板44には、貯留枚数表示LED45、有利区間表示LED46、及び獲得枚数表示LED47が搭載されている。これらの各LEDは、遊技者が操作する操作スイッチの近傍に、遊技者から常に視認可能な位置に設けられる。なお、これらの各LEDは、1つの表示基板44に全てが搭載されている必要はなく、例えば、表示基板44A,44B,…のように複数の表示基板44を備え、各LED(貯留枚数表示LED45,有利区間表示LED46,獲得枚数表示LED47)が複数の表示基板44に分散して搭載されてもよい。
図5は、表示装置や操作スイッチの配置例を説明するための図である。図5は、スロットマシン10の正面の一部を拡大したイメージ図であって、貯留枚数表示LED45、有利区間表示LED46、獲得枚数表示LED47、精算スイッチ36、1ベットスイッチ33a、及び3ベットスイッチ33bの配置例を示している。また、図5において破線で示した表示基板44は、貯留枚数表示LED45、有利区間表示LED46、及び獲得枚数表示LED47の奥側(すなわち、スロットマシン10の内部)に配置されている。図5の配置例を参照しながら、個々の構成について詳述する。
貯留枚数表示LED45は、貯留されている遊技メダルの枚数を表示する表示装置であり、上位桁を表示するデジット1と下位桁を表示するデジット2とから構成されている。すなわち、図5に示した貯留枚数表示LED45は、貯留されている遊技メダルの枚数を2桁で表示することができる。
「デジット」とは、表示部(ディスプレイ)を意味し、本実施形態では、1つのデジットは、セブンセグメントA〜G(英数字を表示する7個の棒状のLED)及びセグメントDP(デジマルポイント。小数点を表示する1個のドット状のLED)から構成されている。なお、図5に示すように、表示基板44に搭載されたデジットは、デジット1〜4の4個であるが、メイン制御基板60には、この他にも複数のデジットを搭載することができる(例えば、設定値表示LED66や管理情報表示LED67)。
貯留枚数表示LED45は、貯留されている遊技メダル(貯留メダル)の枚数を表示するが、具体的には、「00」〜「50」(整数)の2桁の数字を表示する。例えば、遊技メダルが1枚もベットされていない、かつ遊技メダルが1枚も貯留されていない状態の場合は、貯留枚数表示LED45の表示は「00」である。この状態において、遊技メダル投入口26から1枚の遊技メダルが投入されると、1枚の遊技メダルがベットされる。さらに、2枚の遊技メダルが投入されると、規定数が3枚の場合は、3枚の遊技メダルがベットされる。したがって、投入された遊技メダルが3枚までであれば、1枚も遊技メダルは貯留されない。しかし、投入された遊技メダルが3枚を超えると、超えた分の遊技メダルは貯留されるとともに、その貯留枚数が貯留枚数表示LED45によって表示される。
本実施形態に係るスロットマシン10では、最大で50枚までの遊技メダルを貯留することができる。したがって、貯留枚数が50枚であるとき(貯留枚数表示LED45が「50」を表示しているとき)は、遊技メダル投入口26から遊技メダルが投入されても、その遊技メダルは貯留されない。具体的には、貯留枚数が50枚であるときは、ブロッカ29が不許可状態であるため、投入された遊技メダルは不許可状態の遊技メダル通路を通って払出口から返却される。
また、本実施形態に係るスロットマシン10では、入賞に係る条件装置に対応する図柄の組合せが表示し、遊技メダルが払い出されるときは、実際に払出口から遊技メダルが払い出されることよりも、貯留されている遊技メダルの枚数として加算される(払い出される)ことが優先される。例えば、貯留枚数が「10」であるとき(貯留枚数表示LED45が「10」を表示しているとき)に、9枚の遊技メダルが払い出されるときは、貯留枚数が「19」となるとともに、貯留枚数表示LED45が「19」を表示する。
但し、貯留されている遊技メダルの枚数として加算されることにより、貯留枚数が「50」を超える場合には、超えた分の遊技メダルが実際に払出口から払い出される。例えば、貯留枚数が「47」であるとき(貯留枚数表示LED45が「47」を表示しているとき)に、9枚の遊技メダルが払い出されるときは、貯留されている遊技メダルの枚数として3枚が加算され、貯留枚数が「50」となるとともに、貯留枚数表示LED45が「50」を表示する。そして、残りの6枚の遊技メダルが払出口から払い出される。
さらに、再遊技に係る条件装置に対応する図柄の組合せが表示したときは、遊技メダルが自動的にベットされる。例えば、当該遊技で3枚の遊技メダルがベットされていたときは、3枚の遊技メダルが自動的にベットされる。ちなみに、再遊技を行わせるためにベットしているのであるから、ベットされた後(再遊技を行うためのスタートスイッチ34が操作される前)に精算スイッチ36が操作されても、自動的にベットされた遊技メダルは払い戻されない。
有利区間表示LED46は、デジット2のセグメントDPによって構成されている。有利区間表示LED46は、通常区間では消灯し(消灯状態に制御され)、有利区間では点灯する(点灯状態に制御される)。したがって、遊技者は、有利区間表示LED46の点灯/消灯を確認することによって、現在の遊技区間が有利区間であるか否かを容易に判断することができる。
有利区間LED77は、デジット2のセグメントDPによって構成されているため、遊技者が遊技を行うことをやめるときに、貯留枚数表示LED45の表示を確認する(貯留メダルの有無を確認し、貯留メダルが有る場合にはその精算を行う)ことによって、有利区間中でないことを容易に確認することができる。さらに、有利区間表示LED46は、有利区間に移行することに決定したときは、精算スイッチ36の操作が有効となる前に点灯する。有利区間に移行することが決定されているにもかかわらず、そのことに気づかずに遊技を行うことをやめてしまうことを防止することができるという効果が期待できる。換言すると、遊技者が不利益を被ることを抑制することができるという効果が期待できる。
獲得枚数表示LED47は、獲得した(払い出した)遊技メダルの枚数を表示する表示装置であり、上位桁を表示するデジット3と下位桁を表示するデジット4とから構成されている。すなわち、図5に示した獲得枚数表示LED47は、貯留枚数表示LED45と同様に、獲得した遊技メダルの枚数を2桁で表示することができる。
獲得枚数表示LED47は、例えば、1枚も遊技メダルが獲得されない(払い出されない)ときは「00」を表示するが、9枚の遊技メダルを獲得する(払い出す)ときは、1枚の遊技メダルが払い出されるごとに「00」から順に表示する(最終的に「09」を表示する)。これにより、9枚の遊技メダルを払い出している途中で、ホッパー50内の遊技メダルが空になった場合に、正確な払出状況を表示することができる。
なお、獲得枚数表示LED47は、1枚も遊技メダルが獲得されない(払い出されない)ときは、何も表示しなくてもよいし、下位桁のデジット4にのみ「0」を表示してもよい。
また、獲得枚数表示LED47は、エラーが検出された場合には、検出されたエラーを示す情報(エラー情報)を表示するエラー情報表示LEDとして機能する。例えば、スロットマシン10のフロントドアが開かれ、ドアオープンエラーが検出された場合には、獲得枚数表示LED47には、ドアオープンエラーを示す「dE」というエラー情報が表示される。
さらに、獲得枚数表示LED47は、指示機能を作動させる場合には、有利な操作態様(正解押し順)を指示するための情報(押し順指示情報)を表示する指示情報表示LEDとしても機能する。したがって、獲得枚数表示LED47は、獲得枚数表示LEDとしての機能、エラー情報表示LEDとしての機能、及び指示情報表示LEDとしての機能を兼ね備えた表示装置である。
なお、サブ制御基板80に接続された画像表示装置21は、メイン制御基板60が指示機能を作動させる場合には、有利な操作態様(正解押し順)を報知する報知装置としても機能する。
以下の本明細書では、メイン制御基板60による獲得枚数表示LED47を用いた押し順の表示を「指示機能の作動」と称し、サブ制御基板80による押し順の表示を「押し順の報知」と称する。また、有利な押し順に対応する番号を「押し順指示番号」と称し、「指示機能の作動」によって獲得枚数表示LED47に表示される押し順の表示内容を「押し順指示情報」と称する(具体例は、図18参照)。すなわち、指示機能の作動により、獲得枚数表示LED47に押し順指示情報が表示される。
設定値表示LED66は、設定確認や設定変更の際に、現在の設定値を表示する表示装置であり、デジット5から構成されている。なお、貯留枚数表示LED45又は獲得枚数表示LED47が、設定値表示LEDとしての機能を兼ね備えてもよい。
管理情報表示LED67は、所定の管理情報を表示する表示装置であり、例えば4個のデジットから構成されている。各デジットの視認性を確保するため、例えば、1個のデジットにつき、「横幅m1×縦幅n≧36平方ミリメートル」を満たす大きさに設計することが好ましい。あるいは、横1列に並んだ4個のデジットで、「横幅m2×縦幅n÷4(桁数)≧36平方ミリメートル」を満たす大きさに設計することが好ましい。
図6は、デジットの具体的な使用例を説明するための図である。まず、図6(A)は、デジット1〜5の詳細な構成を示す図である。図6(A)に示すように、デジットは、7個の棒状のセグメントA〜Gと、1個のドット状のセグメントDPとから構成されている。
図6(B)は、デジット1〜5のそれぞれにおけるセグメントA〜G及びセグメントDPの用途の一例をまとめたものである。
図6(B)に示すように、デジット1のセグメントA〜Gは、貯留枚数表示LED45の上位桁として用いられる。デジット2のセグメントA〜Gは、貯留枚数表示LED45の下位桁として用いられる。また、デジット2のセグメントDPは、有利区間表示LED46として用いられる。デジット3のセグメントA〜Gは、獲得枚数表示LED47の上位桁として用いられる。デジット4のセグメントA〜Gは、獲得枚数表示LED47の下位桁として用いられる。なお、デジット1、デジット3、及びデジット4のセグメントDPは、何れも未使用である。
図6(B)に示すように、デジット5のセグメントA〜Gは設定値表示LED66として用いられる。また、デジット5のセグメントDPは、設定変更中に点灯するLEDとして用いられる。すなわち、設定値表示LED66(デジット5)のうち、セグメントA〜Gのみが点灯しているときは設定確認中を意味し、セグメントA〜G及びセグメントDPが点灯しているときは設定変更中を意味する。なお、デジット5のセグメントDPは、設定変更中において、設定値を確定させたときに点灯するLEDとして用いてもよい。
図6(C)は、セグメントデータを説明するための図である。図6(C)に示すように、各デジットの表示内容を指定するためのセグメントデータは、1バイト(8ビット)のデータである。セグメントデータの各ビットは2進数で記述され、「0」は消灯を意味し、「1」は点灯を意味する。
例えば、デジット1に「0」を表示する場合には、デジット1のセグメントA〜Fを点灯させ、セグメントG及びセグメントDPを消灯させる必要がある。すなわち、この場合のセグメントデータは、「00111111(B)」となる。
また例えば、有利区間中においてデジット2に「1」を表示する場合には、デジット2のセグメントB,C及びセグメントDPを点灯させ、セグメントA,D〜Gを消灯させる必要がある。すなわち、この場合のセグメントデータは、「10000110(B)」となる。
(図柄表示装置、遊技メダル払出装置)
図4に示したように、メイン制御基板60には、図柄表示装置38のモータ40が電気的に接続されている。図柄表示装置38は、3個のリール39(左リール39a、中リール39b、右リール39c)と、各リール39をそれぞれ駆動するモータ40と、リール39の位置を検出するためのリールセンサ41とを含んで構成される。
図4に示したように、メイン制御基板60には、遊技メダル払出装置49が電気的に接続されている。遊技メダル払出装置49は、遊技メダルを溜めておくためのホッパー50と、ホッパー50内に溜めている遊技メダルを払い出すときに駆動するホッパーモータ51と、ホッパーモータ51を駆動することによって払い出された遊技メダルを検出する払出センサ52とを備えている。
なお、前述したように、遊技メダル投入口26から投入された(受け入れられた)遊技メダルは、所定の遊技メダル通路に送られ、ホッパー50に送られる。
払出センサ52(払出センサ52a,52b)は、所定の間隔を空けて配置された1組(2個)の光学センサである。払出センサ52によれば、払い出された遊技メダルは、一方の払出センサ52(例えば、払出センサ52a)によって検出されたときから、所定の時間が経過した後に、他方の払出センサ52(例えば、払出センサ52b)によって検出されるようになっている。そして、メイン制御基板60は、それぞれの払出センサ52からの信号に基づいて、正しく遊技メダルが払い出されているか否かを判定する。
例えば、ホッパーモータ51が駆動しているにもかかわらず、何れの払出センサ52からの信号もオフであるときには、メイン制御基板60は、ホッパー50内が空になった(正しく遊技メダルが払い出されていない)と判定する。また例えば、少なくとも何れかの払出センサ52からの信号がオンのままであるときには、メイン制御基板60は、遊技メダルが詰まっている(正しく遊技メダルが払い出されていない)と判定する。
(スイッチ、外部端子板)
図4に示したように、メイン制御基板60には、電源スイッチ11、設定キースイッチ12、設定スイッチ13、リセットスイッチ14、ドアスイッチ15、及び外部端子板100が電気的に接続されている。
電源スイッチ11は、スロットマシン10の電源をオン/オフするときにホール店員が操作するスイッチである。
設定キースイッチ12は、設定を確認するとき又は設定を変更するときにホール店員が操作するスイッチである。例えば、ホール店員が設定を確認するときには、電源をオンしている状況下において、設定キー挿入口に設定キーを挿入し、時計回り(右回り)に90度回転させる。また、例えば、ホール店員が設定を変更するときには、電源をオフしている状況下において、設定キー挿入口に設定キーを挿入し、時計回り(右回り)に90度回転させた後に、電源をオンする。
設定スイッチ13は、設定を変更するときにホール店員が操作するスイッチである。例えば、ホール店員が設定を変更するときには、変更したい設定になるまで設定スイッチ13を操作し、スタートスイッチ34を操作する。なお、設定スイッチ13が1回操作されるごとに、設定値は「1」加算される(「1」→「2」→・・・→「6」→「1」→・・・)。本実施形態に係るスロットマシン10では、設定1から設定6の「6段階」に設定されている。
リセットスイッチ14は、RWM63に記憶されている所定のデータを初期化するときにホール店員が操作するスイッチである。
ドアスイッチ15は、フロントドアの開閉を検出するためのものである。例えば、フロントドアが開いている(基体の正面が開放している)ときは、ドアスイッチ15がオンとなる。
外部端子板100は、出力ポート62の一部から出力される外部信号(外端信号)をスロットマシン10の外部に中継・転送する基板である。
ここで「外部信号」とは、外部端子板100を介してスロットマシン10の外部(例えば、ホールコンピュータ200やホールに設置されているデータカウンタ等)に出力するための信号である。具体的には、例えば、ボーナス状態、AT状態、遊技メダルのベット枚数や払出枚数のような遊技に関する情報の他、エラーや電源断等のような遊技機に関する情報が、外部信号として出力される。外部信号は、メイン制御基板60(後述する外部信号送信手段77)によって出力され、外部端子板100を経由して外部に送信される。
(サブ制御基板)
図4に示すサブ制御基板80は、遊技中及び遊技待機中において演出等を制御する。
メイン制御基板60とサブ制御基板80とは電気的に接続されており、メイン制御基板60(特に制御コマンド送信手段78)は、サブ制御基板80に、演出の出力のために必要な情報(制御コマンド)を一方向のパラレル通信によって送信する。なお、メイン制御基板60とサブ制御基板80との間は、電気的に接続されることに限定されず、光通信手段を用いて接続されてもよい。さらに、電気的接続または光通信接続の何れの場合も、パラレル通信に限定されるものではなく、シリアル通信であってもよいし、両通信を併用してもよい。
図4に示すように、サブ制御基板80は、メイン制御基板60と同様に、入力ポート81、出力ポート82、RWM83、ROM84、及びサブCPU85等を備える。なお、図4は例示に過ぎず、サブ制御基板80の構成は、これに限定されるものではない。
入力ポート81は、メイン制御基板60の制御コマンド送信手段78や演出用の周辺機器(例えば十字キー22や演出ボタン24等の種々の操作スイッチ)からサブCPU85に対しての信号が入力される接続部である。また、出力ポート82は、サブCPU85から演出用の周辺機器(例えばスピーカ20や画像表示装置21等)に対しての信号が出力される接続部である。すなわち、サブ制御基板80(サブCPU85)とこれら演出用の周辺機器とは、入力ポート81や出力ポート82を介して、電気的に接続されている。
RWM83は、データの読み出しと書き込みができる記憶装置(「記憶手段」とも称する。)であって、サブCPU85(サブ制御基板80)が演出等を制御するために必要な種々のデータ(例えば、画像表示装置21における演出画面の表示に関するパラメータ等)を記憶する。
ROM84は、読み出し専用の記憶装置(「記憶手段」とも称する。)であって、サブCPU85(サブ制御基板80)が演出等を制御するために必要なプログラムや種々のデータ(例えば、演出用データや演出に係る抽選を行うためのデータテーブル等)等を記憶する。
サブCPU85は、サブ制御基板80に搭載されるCPUを指し、ROM84に記憶されたプログラムに従って演出等を制御する(例えば、画像表示装置21に表示させる演出画面を決定する等)。
サブ制御基板80では、サブCPU85(MPUと捉えてもよい)の動作によって演出等が制御され、演出等の実行を制御する演出制御手段87(詳細は後述する)が実現される。
サブ制御基板80と接続される演出用の周辺機器について説明する。
演出ランプ19は、例えばLED等で構成され、所定の条件を満たしたときにそれぞれ所定のパターンで点灯する。なお、演出ランプ19には、各リール39の内周側に配置されるバックランプ、リール39の上部からリール39上の図柄を照光する蛍光灯、及び、スロットマシン10のフロントドア前面に配置されて所定のタイミングで点滅する枠ランプ等が含まれる。このうち、リール39のバックランプは、リール39に表示された図柄を背後から照らすことによって、表示窓17から見えるリール39上の図柄(上段、中段、下段の各図柄)に対する視認性を高める。
スピーカ20は、遊技中または遊技待機中において、各種の演出の実行に伴って、所定のサウンドを出力する。
画像表示装置21は、遊技中に各種の演出画像等(例えば、正解押し順や、役の抽選結果に対応する演出)や、遊技情報等(例えば、役物作動時や有利区間中の遊技回数や獲得枚数)を表示する表示装置である。画像表示装置21は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、またはドットディスプレイ等からなる。なお、画像表示装置21による表示は、遊技中に限定されるものではなく、遊技待機中の表示も可能である。
十字キー22及びメニューボタン23は、遊技者が意図する情報(例えば遊技者の遊技履歴を含む二次元コード)を表示させるとき(例えば「メニュー画面」の操作に相当し、詳細は後述する)や、ホール管理者が各種の設定を変更するとき等に用いられる。
[3.図柄の配列、役、図柄の組合せ等]
図7は、各リールの図柄の配列を説明するための図である。図7(A)には、各リール39(左リール39a,中リール39b,右リール39c)の図柄の配列が示されている。また、図7(B)には、各図柄と、各図柄の名称がまとめられている。なお、図7(A)には、説明の便宜上、図柄の番号(図柄番号)が併記されている。ちなみに、図7における「ブランク」とは、図柄が印刷されていないことを意味するものではなく、ブランク図柄が印刷されている。
図7に示したように、各リール39に貼付されたリールテープは、それぞれ20コマに均等分割され、1コマごとに所定の図柄が印刷されている。具体的には、各リールテープには、それぞれ20個(図柄番号「0」〜「19」)の図柄が印刷されている。
図8は、リール停止時の図柄の表示について説明するための図である。図8(A)は、図柄の表示位置を説明するための図であり、図8(B)は、有効ラインを説明するための図である。
図8(A)に示したように、フロントドア(不図示)には表示窓17が設けられており、この表示窓17から9個の図柄(各リール39における連続した3個の図柄)が見えるようになっている。このとき、表示窓17から見える、左リール39aにおける連続した3個の図柄のそれぞれの表示位置は、上から順に「左上段」、「左中段」、「左下段」と称され、中リール39bにおける連続した3個の図柄のそれぞれの表示位置は、上から順に「中上段」、「中中段」、「中下段」と称され、右リール39cにおける連続した3個の図柄のそれぞれの表示位置は、上から順に「右上段」、「右中段」、「右下段」と称される。
図8(B)には、全てのリール39の回転が停止した状態の一例が示され、有効ラインが破線によって示されている。
本実施形態では、3本のリール39a〜31cに跨る直線的な表示ラインとして、左上段−中上段−右上段の表示ラインと、左中段−中中段−右中段の表示ラインと、左下段−中下段−右下段の表示ラインと、左上段−中中段−右下段の表示ラインと、左下段−中中段−右上段の表示ラインがある。なお、非直線的な表示ライン(例えば、左上段−中中段−右上段の表示ライン)があってもよい。
本実施形態では、図8(B)に示したように、左上段−中中段−右下段の表示ラインが有効ラインに設定され、その他の表示ラインは全て「無効ライン」に設定されている。なお、有効ラインに設定される表示ラインは、左上段−中中段−右下段の表示ラインに限られるものではなく、その他の表示ライン(例えば、左上段−中上段−右上段の表示ライン)が有効ラインに設定されてもよい。また、複数の表示ライン(例えば、左上段−中上段−右上段の表示ラインと左上段−中中段−右下段の表示ライン)が有効ラインに設定されてもよい。
図8(B)の場合には、「青セブン−青セブン−青セブン」が有効ラインに表示されている。すなわち、メイン制御基板60(後述する表示判定手段71)は、1種BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されていると判定する(図9参照)。
図9〜図13は、図柄の組合せを説明するための図(その1〜その5)である。図9〜図13には、図柄の組合せと、条件装置と、図柄の組合せが有効ラインに表示されたときに付与される特典とがまとめられている。なお、図9〜図13には、説明の便宜上、図柄の組合せの番号が併記されている。また、図13には、押し順ベル(入賞A群)に当選した遊技において、当該役を取りこぼしたときに表示される図柄の組合せ(「パターン01(図柄の組合せの番号「85」〜「88」)」と「パターン02(図柄の組合せの番号「89」〜「92」)」)も示されている。
前述したように、条件装置は、役物又は役物連続作動装置の作動に係る条件装置と、再遊技に係る条件装置と、入賞に係る条件装置とに大別される。
図9〜図13に示した各図柄の組合せと、各図柄の組合せに対応する条件装置について説明する。
図9に示した図柄の組合せの番号「1」は、役物又は役物連続作動装置の作動に係る条件装置に対応する図柄の組合せである。本実施形態では、役物又は役物連続作動装置の作動に係る条件装置として、1個の役物又は役物連続作動装置の作動に係る条件装置(1種BB)を有している。なお、役物又は役物連続作動装置の作動に係る条件装置として、SBや、RBや、CBや、2種BBを有していてもよい。
1種BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されると、1種BB(第一種特別役物に係る役物連続作動装置)と、RB(第一種特別役物)が作動する。換言すると、通常遊技(非RT、RT1〜RT4の何れか)から1種BB遊技(1種BB作動時(RB作動時))に移行する。1種BB遊技中は出玉率が「1」を超えるように設計されている。すなわち、1種BB遊技は、通常遊技よりも多くの遊技メダルを獲得することが期待できる、遊技者にとって有利な遊技である。
図9,図10に示した図柄の組合せの番号「2」〜「31」は、再遊技に係る条件装置に対応する図柄の組合せである。本実施形態では、再遊技に係る条件装置として、11個の再遊技に係る条件装置(再遊技01〜再遊技11)を有している。
再遊技01〜再遊技11に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されると、遊技メダルが自動的にベットされる。換言すると、再遊技を行う(リプレイ)ことができる。そのため、「再遊技01〜再遊技11」は「リプレイ」とも称される。
なお、再遊技01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されると、RTが移行することがある(図19,図20参照)。具体的には、RT1やRT2において、再遊技01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されると、非RTに移行する。そのため、「再遊技01」は「RT移行リプレイ」とも称される。非RTが、RT1やRT2よりも遊技者にとって不利なRTである場合には、「再遊技01」は「降格リプレイ」とも称される。しかし、RT4においては、再遊技01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されても、非RTに移行しない。
また、再遊技04に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されると、RTが移行する(図19,図20参照)。具体的には、RT1において、再遊技04に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されると、RT2に移行する。そのため、「再遊技04」も「RT移行リプレイ」とも称される。RT2が、RT1よりも遊技者にとって有利なRTである場合には、「再遊技04」は「昇格リプレイ」とも称される。
図10〜図13に示した図柄の組合せの番号「32」〜「84」は、入賞に係る条件装置に対応する図柄の組合せである。本実施形態では、入賞に係る条件装置として、23個の入賞に係る条件装置(入賞01〜入賞23)を有している。
入賞01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されると、9枚の遊技メダルが払い出される。また、入賞01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されるときは、「ベル−ベル−ベル」が無効ライン(左中段−中中段−右中段の表示ライン)に表示される。そのため、「入賞01」は「ベル」とも称される。
後述するように、押し順ベル(入賞A群,入賞B群)に当選した遊技において、入賞01が作動する。なお、入賞01に対応する図柄の組合せは「PB=1」である。すわなち、本実施形態では、押し順ベル(入賞A群,入賞B群)に当選した遊技において、ストップスイッチ35が正解押し順で操作されたときは、入賞01に対応する図柄の組合せが必ず有効ラインに表示され、9枚の遊技メダルが払い出される。
また、共通ベル(入賞C)に当選した遊技においては、入賞01のみが作動する。前述したように、入賞01に対応する図柄の組合せは「PB=1」である。すわなち、本実施形態では、共通ベル(入賞C)に当選したときは、入賞01に対応する図柄の組合せが必ず有効ラインに表示され、9枚の遊技メダルが払い出される。
入賞02〜入賞09、入賞15、入賞16に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されると、1枚の遊技メダルが払い出される。
後述するように、押し順ベル(入賞A1)に当選した遊技において、入賞02、入賞04、入賞07、入賞09が作動する。押し順ベル(入賞A2)に当選した遊技において、入賞03、入賞05、入賞06、入賞08が作動する。押し順ベル(入賞A3)に当選した遊技において、入賞02、入賞05、入賞06、入賞09が作動する。押し順ベル(入賞A4)に当選した遊技において、入賞03、入賞04、入賞07、入賞08が作動する。押し順ベル(入賞A5)に当選した遊技において、入賞02、入賞05、入賞07、入賞08が作動する。押し順ベル(入賞A6)に当選した遊技において、入賞03、入賞04、入賞06、入賞09が作動する。なお、入賞02〜入賞09に対応する図柄の組合せは「PB≠1」である。
また、押し順ベル(入賞B1)に当選した遊技において、入賞02〜入賞09が作動する。押し順ベル(入賞B2)に当選した遊技において、入賞02〜入賞09、入賞15が作動する。押し順ベル(入賞B3)に当選した遊技において、入賞02〜入賞09、入賞16が作動する。なお、前述したように、入賞02〜入賞09に対応する図柄の組合せは「PB≠1」である。また、入賞15、入賞16に対応する図柄の組合せも「PB≠1」である。
入賞10〜入賞12に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されると、4枚の遊技メダルが払い出される。また、入賞10に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されるときは、「スイカ−スイカ−スイカ」が有効ラインに表示される。そのため、「入賞10」は「斜めスイカ」とも称される。さらに、入賞11に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されるときは、「スイカ−スイカ−スイカ」が無効ライン(左上段−中上段−右上段の表示ライン)に表示され、入賞12に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されるときは、「スイカ−スイカ−スイカ」が無効ライン(左中段−中中段−右中段の表示ライン)に表示される。そのため、「入賞11、入賞12」は「平行スイカ」とも称される。そして、「入賞10〜入賞12」は「スイカ」とも称される。
後述するように、弱スイカ(入賞D)に当選した遊技において、入賞10が作動する。なお、入賞10に対応する図柄の組合せは「PB≠1」である。すなわち、本実施形態では、弱スイカに当選した遊技において、ストップスイッチ35の操作によっては、入賞10に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示され、4枚の遊技メダルが払い出される。
また、強スイカ(入賞E)に当選した遊技において、入賞10〜入賞12が作動する。なお、前述したように、入賞10に対応する図柄の組合せは「PB≠1」である。また、入賞11、入賞12に対応する図柄の組合せも「PB≠1」である。すなわち、本実施形態では、強スイカに当選した遊技において、ストップスイッチ35の操作によっては、入賞10〜入賞12に対応する図柄の組合せの何れかが有効ラインに表示され、4枚の遊技メダルが払い出される。
入賞13、入賞14に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されると、2枚の遊技メダルが払い出される。また、入賞13に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されるときは、「チェリー−チェリー/赤セブン−チェリー/省略」が無効ライン(左中段−中中段−右中段の表示ライン)に表示される。そのため、「入賞13」は「中段チェリー」とも称される。また、入賞14に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されるときは、「チェリー/省略−チェリー/赤セブン−省略」が無効ライン(左下段−中上段−右上段の表示ライン)に表示される。そのため、「入賞14」は「角チェリー」とも称される。そして、「入賞13,入賞14」は「チェリー」とも称される。
後述するように、弱チェリー(入賞F)に当選した遊技において、入賞14が作動する。なお、入賞14に対応する図柄の組合せは「PB=1」である。すなわち、本実施形態では、弱チェリーに当選したときは、入賞14に対応する図柄の組合せが必ず有効ラインに表示され、2枚の遊技メダルが払い出される。
また、強チェリー(入賞H)に当選した遊技において、入賞13、入賞14が作動する。なお、入賞13に対応する図柄の組合せは「PB≠1」である。しかし、前述したように、入賞14に対応する図柄の組合せは「PB=1」である。すなわち、本実施形態では、強チェリーに当選したときは、入賞13、入賞14に対応する図柄の組合せの何れかが必ず有効ラインに表示され、2枚の遊技メダルが払い出される。
入賞20〜入賞23に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されると、10枚の遊技メダルが払い出される。
後述するように、JAC1(入賞N)に当選した遊技において、入賞20〜入賞23が作動する。なお、入賞20〜入賞23に対応する図柄の組合せは「PB=1」である。すなわち、JAC1に当選したときは、入賞20〜入賞23に対応する図柄の組合せの何れかが必ず有効ラインに表示され、10枚の遊技メダルが払い出される。
また、JAC2(入賞O)に当選した遊技において、入賞21、入賞23が作動する。前述したように、入賞21、入賞23に対応する図柄の組合せは「PB=1」である。すなわち、JAC2に当選したときは、入賞21、入賞23に対応する図柄の組合せの何れかが必ず有効ラインに表示され、10枚の遊技メダルが払い出される。
また、JAC3(入賞P)に当選した遊技において、入賞20、入賞22が作動する。前述したように、入賞20、入賞22に対応する図柄の組合せは「PB=1」である。すなわち、JAC3に当選したときは、入賞20、入賞22に対応する図柄の組合せの何れかが必ず有効ラインに表示され、10枚の遊技メダルが払い出される。
また、JAC4(入賞Q)に当選した遊技において、入賞20、入賞21が作動する。前述したように、入賞20、入賞21に対応する図柄の組合せは「PB=1」である。すなわち、JAC4に当選したときは、入賞20、入賞21に対応する図柄の組合せの何れかが必ず有効ラインに表示され、10枚の遊技メダルが払い出される。
パターン01、パターン02に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されると、RTが移行することがある(図19,図20参照)。具体的には、非RT、RT2、またはRT3において、パターン01またはパターン02に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されると、RT1に移行する。しかし、RT4においては、パターン01またはパターン02に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されても、RT1に移行しない。
本実施形態では、押し順ベル(入賞A群)に当選した遊技において、ストップスイッチ35が不正解押し順で操作されたときは、パターン01またはパターン02に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示され、RTが移行することがある。
なお、本実施形態では、押し順ベル(入賞A群)に当選した遊技において、当該役を取りこぼしたときは、パターン01またはパターン02に対応する図柄の組合せが必ず有効ラインに表示される。しかし、押し順ベル(入賞A群)に当選した遊技において、当該役を取りこぼしたときでも、パターン01またはパターン02に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されないことがあってもよい。
前述した各条件装置のうち1種BBは、作動した遊技において、対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されなければ、その作動は終了しない。しかし、再遊技01〜再遊技11や入賞01〜入賞23は、作動した遊技において、対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されなくても、その作動は終了する。
なお、役物又は役物連続作動装置の作動に係る条件装置として、SB、RB、CB、または2種BBを有している場合は、RBや2種BBは、作動した遊技において、対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されなければ、その作動は終了しない。しかし、SBやCBは、作動した遊技において、対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されなくても、その作動は終了する。
[4.メイン制御基板]
本実施形態に係るスロットマシン10は、遊技者によって行われる遊技をメイン制御基板60(メインCPU65)が制御する。
1回の遊技の概要について説明する。遊技メダルが1枚もベットされていない状態において3ベットスイッチ33bが操作されると、3ベットスイッチ33bが操作されたことを示す信号がメインCPU65に入力され、メインCPU65は3枚の遊技メダルをベットする。3枚(規定数)の遊技メダルがベットされている状態においてスタートスイッチ34が操作されると、スタートスイッチ34が操作されたことを示す信号がメインCPU65に入力され、メインCPU65(役抽選手段69)は役抽選するとともに、メインCPU65(リール制御手段70)はモータ40を駆動させる。すなわち、メインCPU65(リール制御手段70)は全てのリール39を回転させる。
全てのリール39が回転している状態において、例えば、左ストップスイッチ35aが操作されると、左ストップスイッチ35aが操作されたことを示す信号がメインCPU65に入力され、メインCPU65(リール制御手段70)はモータ40を駆動させる。すなわち、左ストップスイッチ35aに対応する左リール39aの回転を停止させる。
全てのリール39の回転が停止している状態において、メインCPU65(表示判定手段71)は、有効ラインに表示された図柄の組合せが何れかの役に対応する図柄の組合せと一致するか否かを判定する(表示判定/入賞判定)。そして、例えば、メインCPU65(表示判定手段71)が有効ラインに表示された図柄の組合せが所定の小役に対応する図柄の組合せと一致すると判定すると、メインCPU65(払出手段72)は遊技メダルを払い出す。
図4には、メイン制御基板60に実装されたメインCPU65の動作によって実現される、役抽選手段69、リール制御手段70、表示判定手段71、払出手段72、押し順指示番号選択手段73、演出グループ番号選択手段74、RT制御手段75、有利区間制御手段76、外部信号送信手段77、及び制御コマンド送信手段78が示されている。
[4−1.役抽選手段]
役抽選手段69について説明する。役抽選手段69は、役抽選する。なお、「役抽選の結果」は、「役抽選結果」や「抽選結果」とも称される。また、「役抽選(役を抽選)する」とは、役を選択することや役を決定することである。そのため、「役抽選手段69」は、「役選択手段69」や「役決定手段69」とも称される。
役抽選手段69は、例えば、抽選用の乱数発生手段(ハードウェア乱数等)と、乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無、及び当選した役を判定する判定手段とを備える。
乱数発生手段は、所定の領域の乱数(例えば10進数で「0」〜「65535」の合計65536個の乱数)を発生させる。乱数は、例えば200ナノ秒で1カウントを行うカウンタが「0」〜「65535」の範囲を1サイクルとしてカウントし続ける乱数であり、スロットマシン10の電源が投入されている間は、乱数発生手段は乱数をカウントし続ける。
乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発生した乱数を、所定のタイミングで(本実施形態では遊技者によってスタートスイッチ34が操作(オン)されたときに)抽出する。判定手段は、乱数抽出手段によって抽出された乱数値を役抽選テーブル(後述する)と照合することによって、当該乱数値が属する領域に対応する役を決定する。
図14,図15は、各役を説明するための図(その1,その2)である。図14,図15には、条件装置番号、演出グループ番号、役の名称、役の通称、作動する条件装置、及びRTごとの置数の有無がまとめられている。なお、図14,図15では、スロットマシン10で役抽選される役の一部については記載が省略されている。
前述したように、役は、ボーナス(役物又は役物連続作動装置に係る条件装置が作動する)と、リプレイ(再遊技に係る条件装置が作動する)と、小役(入賞に係る条件装置が作動する)とに大別される。
そして、「条件装置番号」とは、当選した役(作動する条件装置)を特定するための番号である。すなわち、図14、図15(A)に示した「条件装置番号」は「入賞及び再遊技条件装置番号」であり、これは、当選した小役(作動する入賞に係る条件装置)や当選したリプレイ(作動する再遊技条件装置)を特定するための番号である。また、図15(B)に示した「条件装置番号」は「役物条件装置番号」であり、これは、当選したボーナス(作動する役物又は役物連続作動装置の作動に係る条件装置)を特定するための番号である。
そして、「置数の有無」欄における「〇」は、役抽選テーブル(図16参照)に置数があることを意味する。換言すると、役抽選の抽選対象となる役であることを意味する。また、「置数の有無」欄における「×」は、役抽選テーブル(図16参照)に置数がないことを意味する。換言すると、役抽選の抽選対象とならない役であることを意味する。
まず、ボーナスについて説明する。
図15(B)に示した役物条件装置番号「1」は、ボーナスである。本実施形態では、ボーナスとして、1つのボーナス(1種BB)を有している。すなわち、1種BBに当選したときは、役物条件装置番号は「1」となり、1種BBに当選しなかったときは、役物条件装置番号は「0」となる。なお、ボーナスとして、SB、RB、CB、または2種BBを有していてもよい。
1種BB(役物条件装置番号は「1」)は、ストップスイッチ35が操作されたタイミングによっては、1種BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示され、1種BBとRBが作動する。換言すると、1種BB作動時(RB作動時)に移行する。
一般的に、ボーナスが当選する場合には、単独で当選する場合と、リプレイと重複して当選する場合と、小役と重複して当選する場合がある。本実施形態では、1種BBが当選する場合には、単独で当選する場合(設定2〜設定6)と、後述する再遊技Eと重複して当選する場合(設定2〜設定6)と、後述する再遊技Fと重複して当選する場合(設定1〜設定6)とがある(図16参照)。
そして一般的に、リプレイと重複して当選した場合や、小役と重複して当選した場合には、今回遊技ではリプレイや小役に対応する図柄の組合せを優先して有効ラインに表示させる。なお、今回遊技でボーナスに対応する図柄の組合せを優先して有効ラインに表示させてもよい。本実施形態では、再遊技Eと重複して当選した場合や、再遊技Fと重複して当選した場合には、今回遊技では再遊技Eや再遊技Fに対応する図柄の組合せを優先して有効ラインに表示させている。
次に、ハズレ、リプレイ、及び小役について説明する。
図14に示した入賞及び再遊技条件装置番号「0」は、ハズレである。すなわち、役抽選の結果がハズレのときは、入賞及び再遊技条件装置番号は「0」となる(役物条件装置番号も「0」となる)。
図14に示した入賞及び再遊技条件装置番号「1」〜「15」(一部不図示)は、リプレイである。本実施形態では、リプレイとして、15のリプレイ(再遊技A1〜再遊技A6、再遊技B1〜再遊技B3、再遊技C、再遊技D(不図示)、再遊技E、再遊技F、再遊技G(不図示)、再遊技H(不図示))を有している。なお、再遊技A1〜再遊技A6は「再遊技A群」、再遊技B1〜再遊技B3は「再遊技B群」とも総称される。
再遊技A1〜再遊技A6(入賞及び再遊技条件装置番号「1」〜「6」)は、ストップスイッチ35が正解押し順で操作されたときは、再遊技04に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示され、RT2に移行する。また、ストップスイッチ35が不正解押し順で操作されたときは、再遊技01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示され、非RTに移行する。すなわち、再遊技A1〜再遊技A6は、ストップスイッチ35が何れの押し順で操作されたかによって、得られる遊技の結果が異なるリプレイである。そのため、「再遊技A1〜再遊技A6」は「押し順リプレイ」とも称される。なお、再遊技04に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときも、再遊技01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときも、遊技メダルが自動的にベットされる。
また、再遊技A1における正解押し順は「左・中・右」とされ、再遊技A2における正解押し順は「左・右・中」とされ、再遊技A3における正解押し順は「中・左・右」とされ、再遊技A4における正解押し順は「中・右・左」とされ、再遊技A5における正解押し順は「右・左・中」とされ、再遊技A6における正解押し順は「右・中・左」とされ、再遊技04に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示される確率は、再遊技A1〜再遊技A6の何れも「1/6」である。すなわち、再遊技A1〜再遊技A6は、6択の押し順リプレイである。
再遊技B1〜再遊技B3(入賞及び再遊技条件装置番号「7」〜「9」)は、ストップスイッチ35が正解押し順で操作されたときは、再遊技02に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示される(RTは移行しない)。また、ストップスイッチ35が不正解押し順で操作されたときは、再遊技01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示され、非RTに移行する。すなわち、再遊技B1〜再遊技B3は、ストップスイッチ35が何れの押し順で操作されたかによって、得られる遊技の結果が異なるリプレイである。そのため、「再遊技B1〜再遊技B3」も「押し順リプレイ」とも称される。なお、再遊技02に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときも、再遊技01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときも、遊技メダルが自動的にベットされる。
また、再遊技B1における正解押し順は「左第一」とされ、再遊技B2における正解押し順は「中第一」とされ、再遊技B3における正解押し順は「右第一」とされ、再遊技02に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示される確率は、再遊技B1〜再遊技B3の何れも「1/3」である。すなわち、再遊技B1〜再遊技B3は、3択の押し順リプレイである。
再遊技C(入賞及び再遊技条件装置番号「10」)は、ストップスイッチ35が何れの押し順で操作されても、再遊技01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示される。すなわち、再遊技Cは、ストップスイッチ35が何れの押し順で操作されても、得られる遊技の結果が異ならないリプレイである。そのため、「再遊技C」は「リプレイ(通常リプレイ)」とも称される。
再遊技Cは、非RTとRT4でのみ役抽選の抽選対象となるリプレイである。したがって、再遊技01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されても、RTは移行しない。なお、再遊技01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときは、遊技メダルが自動的にベットされる。
再遊技E(入賞及び再遊技条件装置番号「12」)は、ストップスイッチ35が何れの押し順で操作されても、再遊技03に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示される。すなわち、再遊技Eは、ストップスイッチ35が何れの押し順で操作されても、得られる遊技の結果が異ならないリプレイである。ただし、前述したように、再遊技Eは、1種BBと重複して当選する場合(設定2〜設定6)がある。そのため、「再遊技E」は「チャンスリプレイ」とも称される。また、再遊技03に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されても、RTは移行しない。なお、再遊技03に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときは、遊技メダルが自動的にベットされる。
ここで、前述したように、再遊技Eは、設定2以上の場合、その一部において1種BBとの重複当選となる(再遊技E+1種BB)。詳しく説明すると、本実施形態の場合、設定1の役抽選テーブルでは「再遊技E+1種BB」の置数は「0」とされており抽選対象とされない。一方、設定2〜6の役抽選テーブルでは、「再遊技E+1種BB」の置数に「1」以上の所定値が設定されており、重複当選の可能性がある(詳細は、図16参照)。設定2〜6の役抽選テーブルにおける置数の所定値は、各設定で同値であってもよいし、異なる値であってもよい。このように、設定によって当選確率(抽選/無抽選も含む)が異なる状況を、「設定差がある、設定差を有する」と称する。すなわち、再遊技Eは、単独当選することもあるが、その一部において1種BBとの重複当選となるリプレイであり、「再遊技E+1種BB」となる重複当選の当選確率は設定差を有する。
再遊技F(入賞及び再遊技条件装置番号「13」)は、ストップスイッチ35が何れの押し順で操作されても、再遊技03に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示される。すなわち、再遊技Eは、ストップスイッチ35が何れの押し順で操作されても、得られる遊技の結果が異ならないリプレイである。ただし、前述したように、再遊技Fは、1種BBと重複して当選する(設定1〜設定6)。そのため、「再遊技F」も「チャンスリプレイ」とも称される。また、再遊技03に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されても、RTは移行しない。なお、再遊技03に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときは、遊技メダルが自動的にベットされる。
ここで、再遊技Fは、その当選時に必ず1種BBとの重複当選となる(再遊技F+1種BB)。すなわち、再遊技Fは単独当選することはない。厳密には、内部中遊技であるRT4において、再遊技Fは単独当選するが、この場合はボーナス(1種BB)の当選情報が持ち越されているため、広義で重複当選に含めている。
また、「再遊技F+1種BB」は、前述した「再遊技E+1種BB」と比較したときに、その当選確率に設定差が設けられていない点で相違している。具体的には、後述する図16によれば、設定1〜6の何れの役抽選テーブルにおいても、「再遊技F+1種BB」には「29」の置数が設定されている。以上をまとめると、再遊技Fは特別役(1種BB)との重複当選となるリプレイであって、その重複当選の当選確率は設定差を持たない。
図14に示した入賞及び再遊技条件装置番号「16」〜「39」(一部不図示)は、小役である。本実施形態では、小役として、24の小役(入賞A1〜入賞A6、入賞B1〜入賞B3、入賞C、入賞D、入賞E、入賞F、入賞G(不図示)、入賞H、入賞I(不図示)、入賞J(不図示)、入賞K(不図示)、入賞L(不図示)、入賞M(不図示)、入賞N、入賞O、入賞P、入賞Q)を有している。なお、入賞A1〜入賞A6は「入賞A群」、入賞B1〜入賞B3は「入賞B群」とも総称される。
入賞A1〜入賞A6(入賞及び再遊技条件装置番号「16」〜「21」)は、ストップスイッチ35が正解押し順で操作されたときは、入賞01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示され、9枚の遊技メダルが払いされる。また、ストップスイッチ35が不正解押し順で操作されたときは、ストップスイッチ35が操作されたタイミングによっては、入賞02〜入賞09(作動しているものに限る)に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示され、1枚の遊技メダルが払い出される。なお、ストップスイッチ35が不正解押し順で操作されたときは、ストップスイッチ35が操作されたタイミングによっては、パターン01や、パターン02に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示され、RT1に移行することがある。すなわち、入賞A1〜入賞A6は、ストップスイッチ35が何れの押し順で操作されたかによって、得られる遊技の結果が異なる小役である。さらに、前述したように、入賞01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されるときは、「ベル−ベル−ベル」が無効ライン(左中段−中中段−右中段の表示ライン)に表示される。そのため、「入賞A1〜入賞A6」は「押し順ベル」とも称される。
また、入賞A1における正解押し順は「左第一」とされ、入賞A2における正解押し順は「左第一」とされ、入賞A3における正解押し順は「中第一」とされ、入賞A4における正解押し順は「中第一」とされ、入賞A5における正解押し順は「右第一」とされ、入賞A6における正解押し順は「右第一」とされ、入賞01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示される確率は、入賞A1〜入賞A6の何れも「1/3」である。すなわち、入賞A1〜入賞A6は、3択の押し順ベルである。
入賞B1〜入賞B3(入賞及び再遊技条件装置番号「22」〜「24」)は、ストップスイッチ35が正解押し順で操作されたときは、入賞01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示され、9枚の遊技メダルが払い出される。また、ストップスイッチ35が不正解押し順で操作されたときは、入賞02〜入賞09(作動しているものに限る)に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示され、1枚の遊技メダルが払い出される。すなわち、入賞B1〜入賞B3は、ストップスイッチ35が何れの押し順で操作されたかによって、得られる遊技の結果が異なる小役である。さらに、前述したように、入賞01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されるときは、「ベル−ベル−ベル」が無効ライン(左中段−中中段−右中段の表示ライン)に表示される。そのため、「入賞B1〜入賞B3」も「押し順ベル」とも称される。
また、入賞B1における正解押し順は「左第一/中第一」とされ、入賞B2における正解押し順は「中第一/右第一」とされ、入賞B3における正解押し順は「右第一/左第一」とされ、入賞01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示される確率は、入賞B1〜入賞B3の何れも「2/3」である。
以下、本実施形態において押し順ベル(入賞A群,入賞B群)を有している理由を説明する。通常区間では、指示機能を作動させることができないため、押し順ベル(入賞A群,入賞B群)に当選した遊技において、ストップスイッチ35が正解押し順で操作されることもあれば(遊技メダルが増加することもあれば)、ストップスイッチ35が不正解押し順で操作されることもある(遊技メダルが減少することもある)。すなわち、通常区間においては、遊技メダルが増加することを抑制することができる。そして、有利区間では、指示機能を作動させることができるため、押し順ベル(入賞A群,入賞B群)に当選した遊技において指示機能を作動させれば、ストップスイッチ35が正解押し順で操作される(遊技メダルが増加する)ことになる。すなわち、有利区間において、遊技メダルが増加するようにすることができる。
また、前述したように、押し順ベル(入賞A群)に当選した遊技において、入賞01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示される確率は「1/3」であるが、押し順ベル(入賞B群)に当選した遊技において、入賞01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示される確率は「2/3」である。すなわち、押し順ベル(入賞A群)の方が、押し順ベル(入賞B群)よりも、指示機能を作動させなければ、入賞01に対応する図柄の組合せを有効ラインに表示させることが難しい。さらに、押し順ベル(入賞A群)に当選する確率の方が、押し順ベル(入賞B群)に当選する確率よりも高い。そこで、有利区間であっても、押し順ベル(入賞A群)に当選した遊技において指示機能を作動させなければ、遊技メダルが増加しすぎることを抑制することができる。
入賞C(入賞及び再遊技条件装置番号「25」)は、ストップスイッチ35が何れの押し順で操作されても、入賞01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示され、9枚の遊技メダルが払い出される。すなわち、入賞Cは、ストップスイッチ35が何れの押し順で操作されても、得られる遊技の結果が異ならない小役である。また、前述したように、入賞01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されるときは、「ベル−ベル−ベル」が無効ライン(左中段−中中段−右中段の表示ライン)に表示される。そのため、「入賞C」は「ベル(共通ベル)」とも称される。
入賞D(入賞及び再遊技条件装置番号「26」)は、ストップスイッチ35が何れの押し順で操作されても、ストップスイッチ35が操作されたタイミングによっては、入賞10に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示され、4枚の遊技メダルが払い出される。すなわち、入賞Dは、ストップスイッチ35が操作されたタイミングによって、得られる遊技の結果が異なる小役である。また、前述したように、入賞10に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されるときは、「スイカ−スイカ−スイカ」が有効ラインに表示される。そのため、「入賞D」は「弱スイカ」とも称される。
入賞E(入賞及び再遊技条件装置番号「27」)は、ストップスイッチ35が何れの押し順で操作されても、ストップスイッチ35が操作されたタイミングによっては、入賞10〜入賞12に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示され、4枚の遊技メダルが払い出される。すなわち、入賞Eは、ストップスイッチ35が操作されたタイミングによって、得られる遊技の結果が異なる小役である。また、前述したように、入賞10に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されるときは、「スイカ−スイカ−スイカ」が有効ラインに表示される。さらに、前述したように、入賞11に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されるときは、「スイカ−スイカ−スイカ」が無効ライン(左上段−中上段−右上段の表示ライン)に表示される。そして、前述したように、入賞12に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されるときは、「スイカ−スイカ−スイカ」が無効ライン(左中段−中中段−右中段の表示ライン)に表示される。そのため、「入賞E」は「強スイカ」とも称される。
本実施形態では、強スイカ(入賞E)に当選したときは、入賞11、入賞12に対応する図柄の組合せを優先して有効ラインに表示させている。なお、強スイカ(入賞E)に当選したときは、入賞10に対応する図柄の組合せを優先して有効ラインに表示させてもよい。
入賞F(入賞及び再遊技条件装置番号「28」)は、ストップスイッチ35が何れの押し順で操作されても、入賞14に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示され、2枚の遊技メダルが払い出される。すなわち、入賞Fは、ストップスイッチ35が何れの押し順で操作されても、得られる遊技の結果が異ならない小役である。さらに、前述したように、入賞14に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されるときは、「チェリー/省略−チェリー/赤セブン−省略」が無効ライン(左下段−中中段−右上段の表示ライン)に表示される。そのため、「入賞F」は「弱チェリー」とも称される。
入賞H(入賞及び再遊技条件装置番号「30」)は、ストップスイッチ35が何れの押し順で操作されても、入賞13又は入賞14に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示され、2枚の遊技メダルが払い出される。すなわち、入賞Hは、ストップスイッチ35が何れの押し順で操作されても、得られる遊技の結果が異ならない小役である。また、前述したように、入賞13に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されるときは、「チェリー−チェリー/赤セブン−チェリー/省略」が無効ライン(左中段−中中段−右中段の表示ライン)に表示される。さらに、前述したように、入賞14に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されるときは、「チェリー/省略−チェリー/赤セブン−省略」が無効ライン(左下段−中中段−右上段の表示ライン)に表示される。そのため、「入賞H」は「強チェリー」とも称される。
本実施形態では、強チェリー(入賞H)に当選したときは、入賞13に対応する図柄の組合せを優先して有効ラインに表示させている。なお、強チェリー(入賞H)に当選したときは、入賞14に対応する図柄の組合せを優先して有効ラインに表示させてもよい。
入賞N、入賞O、入賞P、入賞Q(入賞及び再遊技条件装置番号「36」〜「39」)は、ストップスイッチ35が何れの押し順で操作されても、入賞20〜入賞23(作動しているものに限る)に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示され、10枚の遊技メダルが払い出される。すなわち、入賞N、入賞O、入賞P、入賞Qは、ストップスイッチ35が何れの押し順で操作されても、遊技の結果が異ならない小役である。また、入賞N、入賞O、入賞P、入賞Qの何れも、1種BB作動時(RB作動時)でのみ役抽選の抽選対象となる小役である。そのため、「入賞N、入賞O、入賞P、入賞Q」は「JAC(JAC1〜JAC4)」とも称される。
図16は、役抽選で用いられる役抽選テーブルの一例を示す図である。本実施形態では、設定(設定1〜設定6)や、RT(非RT、RT1〜RT4、1種BB作動時(RB作動時))ごとに、異なる役抽選テーブルが用いられる。図16には、設定1におけるRTごとの置数が示されている。なお、図16では、再遊技D、再遊技G、再遊技H、入賞G、及び入賞I〜入賞Mが省略されている。さらに、図16では置数の一部が省略されている。但し、省略された置数には、少なくとも1以上の値があるものとする。
図16に示した役抽選テーブルは、置数の総数(総置数)を「65536」としている。したがって、役抽選における役の当選確率は、置数を「65536」で除することによって算出される。例えば、RTにおける再遊技A1の当選確率は「1437/65536」となる。
前述したように、1種BBは、単独で当選する場合と、再遊技Eと重複して当選する場合と、再遊技Fと重複して当選する場合があり、図16ではこれらを区別して示している。具体的には、「1種BB」は1種BBが単独で当選する場合を意味し、「再遊技E+1種BB」は1種BBが再遊技Eと重複して当選する場合を意味し、「再遊技F+1種BB」は1種BBが再遊技Fと重複して当選する場合を意味する。また、「再遊技E」は再遊技Eが単独で当選する場合を意味し、「再遊技F」は再遊技Fが単独で当選する場合を意味する。
本実施形態では、再遊技Eは、設定1のときは1種BBと重複して当選する場合がなく、設定2以上のときは1種BBと重複して当選する場合がある。図16では、RT1における「再遊技E」の置数は「327」であり、「再遊技E+1種BB」の置数は何れのRTにおいても「0」であることから、設定1における再遊技Eは、単独で当選する場合があるが、1種BBと重複して当選する場合がないことがわかる。
また、図16に示したように、設定2以上では「再遊技E+1種BB」の置数は「1」以上であることから、設定2以上における再遊技Eは、1種BBと重複して当選する場合があることがわかる。すなわち、「再遊技E+1種BB」は当選確率に設定差があることがわかる。
本実施形態では、再遊技Fは、1種BBと重複して当選する場合がある。図16では、「再遊技F」の置数は非内部中遊技の何れのRTにおいても「0」であり、RT1における「再遊技F+1種BB」の置数は「29」であることから、設定1における再遊技Fは、単独で当選する場合がないが、1種BBと重複して当選する場合があることがわかる。なお、図示していないが、設定2以上でも「再遊技F+1種BB」の置数は「29」である。すなわち、「再遊技F+1種BB」は当選確率に設定差がないことがわかる。
なお、本実施形態では、「再遊技D(不図示)」、「入賞C」、「1種BB」、及び「再遊技E+1種BB」以外の役は、当選確率に設定差がない。
[4−2.押し順指示番号選択手段]
押し順指示番号選択手段73について説明する。押し順指示番号選択手段73は、役抽選手段69による役抽選の結果に基づいて、押し順指示番号を選択する。
図17は、押し順指示番号テーブルの一例を示す図である。図17には、役抽選によって選ばれる役(当選役)の一部について、報知(指示)する押し順や押し順指示番号との関連付けが例示されている。図17では、「ハズレ」を他の役(当選役)と同様に扱っている。
図17に例示したように、本実施形態では、当選役ごとに、当選役に定められた正解押し順の種別に応じた押し順指示番号「0」〜「6」が紐付けられている。例えば、当選役番号「1」の再遊技A1には、「左・中・右」の正解押し順に応じた押し順指示番号「1」が紐付けられ、当選役番号「2」の再遊技A2には、「左・右・中」の正解押し順に応じた押し順指示番号「2」が紐付けられる。また、当選役番号「0」のハズレに紐づけられた押し順指示番号「0」は、報知(指示)される特定の押し順が存在しないことを意味する押し順指示番号であって、正解押し順を持たない当選役に紐付けることができる。なお、詳細は後述するが、特定の正解押し順が設けられた役に当選した場合であっても、状況(例えば通常区間中)に応じて、押し順指示番号「0」が選択されることがあってよい。
また、図17によれば、例えば当選役番号「7」の再遊技B1について、押し順指示番号「1」(押し順「左中右」)と押し順指示番号「2」(押し順「左右中」)との2種類から押し順指示番号が選択されることが示されている。これは、再遊技B1の正解押し順が「左第一」であることに基づくものであり、より詳細には、「左中右(押し順指示番号「1」)」と「左右中(押し順指示番号「2」)」の何れも「左第一」であることから、何れかの押し順指示番号を抽選によって選択することができる。同様に、当選役番号「8」の再遊技B2では押し順指示番号「3」又は「4」が抽選によって選択され、当選役番号「9」の再遊技B3では押し順指示番号「5」又は「6」が抽選によって選択される。
但し、本実施形態に係るスロットマシン10においては、同一分類の当選役(例えば、再遊技A群、再遊技B群)について、報知される押し順に偏りが生じないように、押し順の報知が均等に行われることが求められる。再遊技B群で具体的に説明すると、再遊技B1は押し順指示番号「1」又は「2」であり、再遊技B2は押し順指示番号「3」又は「4」であり、再遊技B3は押し順指示番号「5」又は「6」であることから、再遊技B群全体では、押し順指示番号「1」〜「6」が選択される可能性がある。また、図16に例示したように、再遊技B1,再遊技B2,再遊技B3には何れも同じ置数が設定されている(当選確率が同一である)。そこで、これら押し順指示番号「1」〜「6」が均等に選択されるようにするために、本実施形態では、再遊技B1,再遊技B2,再遊技B3の押し順指示番号の抽選において、それぞれの振分を「50%:50%(すなわち、1:1)」にするように設定する。すなわち、再遊技B群全体で見た場合に、役抽選手段69によって再遊技B1,再遊技B2,再遊技B3が同一の当選確率で選ばれ、かつ、押し順指示番号選択手段73によって押し順指示番号「1」〜「6」が同一確率で均等に選択される。
なお、再遊技A群については、当選確率が等しい6種類のリプレイ(再遊技A1〜再遊技A6)があって、かつ、各リプレイに対応して6種類の押し順指示番号「1」〜「6」が選択されることから、上記の再遊技B群と同様に、押し順の報知が均等に行われる。
さらに言えば、正解押し順/不正解押し順を有するリプレイ全体(再遊技A群+再遊技B群)についても、押し順の報知が均等に行われることが分かる。
また、本実施形態に係るスロットマシン10では、「押し順の報知が均等に行われる」という設定は、正解押し順/不正解押し順を有する小役(入賞A群、入賞B群、入賞A群+入賞B群)についても適用される。
例えば入賞B群について説明する。押し順ベルである入賞B群は入賞B1,入賞B2,入賞B3から構成され、各小役(入賞B1〜入賞B3)の当選確率は同一である(図16参照)。そして、図17によれば、入賞B1が選ばれた場合、押し順指示番号は「1」または「2」の何れかが「50%:50%」の振分で抽選されて選択される。なお、入賞B1の正解押し順は「左第一または中第一」であるため、実際に選択可能な押し順指示番号は「1」〜「4」の4種類であるが、本例では、そのうちの「左第一」の押し順だけを振分対象としている。そして、その他の入賞B群(入賞B2,入賞B3)についても同様に2種類の押し順指示番号を振分対象とし(入賞B2は「中第一」の押し順、入賞B3は「右第一」の押し順だけを振分対象とする)、それぞれ「50%:50%」の振分で抽選して選択するようにしている。このようにしたことで、入賞B群全体で見た場合に、役抽選手段69によって入賞B1,入賞B2,入賞B3が同一の当選確率で選ばれ、かつ、押し順指示番号選択手段73によって押し順指示番号「1」〜「6」が同一確率で均等に選択される。そして、上記のように入賞B群について50%の振分で押し順指示番号を抽選する場合、再遊技B群と同じ50%の振分処理を使い回すことができるため、メイン制御基板60におけるプログラム処理(又はプログラム記述のための容量)を軽量化する効果に期待できる。
なお、前段落で触れたように、入賞B群の場合、各小役(入賞B1〜入賞B3)に対して4種類の押し順指示番号を振分対象としてもよい。この場合は、入賞B群を構成する3つの小役(入賞B1〜入賞B3)のそれぞれにおいて、25%の振分で押し順指示番号を均等に選択することによって、入賞B群全体において、押し順指示番号「1」〜「6」を同一確率で均等に選択することができる。
また、詳細な説明は省略するが、前述した再遊技A群や正解押し順/不正解押し順を有するリプレイ全体(押し順リプレイ(再遊技A群+再遊技B群))についての説明と同様に考えることによって、入賞A群や正解押し順/不正解押し順を有する小役全体(押し順ベル(入賞A群+入賞B群))についても、押し順指示番号の選択(ひいては押し順の報知)が均等に行われることがいえる。
以上のように、押し順指示番号選択手段73は、役抽選手段69による抽選結果に基づいて押し順指示番号の選択を行うが、本実施形態に係るスロットマシン10では、押し順指示番号の選択を行うか否かを、遊技区間に応じて変更するようにしてもよい。すなわち、押し順指示番号選択手段73は、有利区間及び通常区間の何れにあっても押し順指示番号の選択を行うようにしてもよいし、あるいは、有利区間中に限って押し順指示番号の選択を行うようにしてもよい。後者の場合、通常区間中は押し順指示番号の選択を行わないため、常に押し順指示番号は「0」となる。
なお、押し順指示番号選択手段73による押し順指示番号の選択は遊技区間に拘わらず実行することが可能であるが、選択された押し順指示番号をサブ制御基板80に送信することは、有利区間中に限られる。但しこの場合でも、通常区間中に、実質的には押し順を報知しない押し順指示番号「0」をサブ制御基板80に送信することは許される。さらに言えば、例えば、通常区間において押し順指示番号選択手段73が押し順指示番号(例えば「1」)を選択したとしても、遊技状態(通常区間であること)に基づいて、サブ制御基板80に押し順指示番号「0」を送信するようにしてもよい。
図18は、押し順指示番号と表示内容との関係を説明するための図である。図18に示した押し順指示番号は、図17に例示した押し順指示番号と対応している。詳しくは、押し順指示番号「0」は、遊技者に有利な押し順を有さない。一方、押し順指示番号「1」〜「6」はそれぞれ、遊技者に有利な押し順を有している。
図18に示した「押し順指示情報」は、指示機能の作動(メイン制御基板60の制御)による押し順の表示内容を示すものであり、本実施形態では、獲得枚数表示LED47に「押し順指示情報」が表示される。図5に例示したように獲得枚数表示LED47はデジット3,4から構成され、押し順指示情報は、各デジットのLED(7セグ)において「=」及び「1」〜「6」を示す点灯が行われることによって表示される。例えば「=」を表示する場合は、デジット3のセグメントG及びセグメントDを点灯させる(図6(A)参照)。なお、押し順指示番号「0」のときは、デジット3,4に「=0」と表示するようにしてもよい。
図18に示した「正解押し順表示」は、サブ制御基板80の制御による押し順の表示内容を示すものであり、本実施形態では、画像表示装置21に「正解押し順表示」が表示される。なお、図18で「正解押し順表示」欄に示した表示内容は、概念を説明するための例に過ぎず、実際の表示内容を限定するものではない。
また、本実施形態において、「指示機能の作動」は、メイン制御基板60の制御による獲得枚数表示LED47を用いた表示を意味するものであり、サブ制御基板80の制御による表示は含まれない。
指示機能の作動と押し順の表示との関係について具体的に説明すると、例えば、有利区間中において、役抽選で入賞A1に当選したときは、押し順指示番号選択手段73によって押し順指示番号「1」が選択される。ここで、指示機能が作動すると、獲得枚数表示LED47には、押し順指示番号「1」に対応する押し順指示情報「=1」が表示される。また、押し順指示番号「1」がサブ制御基板80に送信されると、サブ制御基板80は、受信した押し順指示番号に基づいて画像表示装置21に正解押し順表示を表示させることができる。例えば、画像表示装置21に「1・2・3」と表示させることによって、「左・中・右」の順にリール39の回転を停止すべき(ストップスイッチ35を操作すべき)ことを遊技者に理解させることができる。
以上、図17及び図18を参照し、押し順指示番号や押し順指示情報について説明したことをまとめると、基本的には、役抽選手段69による役抽選で有利/不利な押し順を有する役に当選した場合に、押し順指示番号選択手段73が押し順指示番号を選択し、有利区間において指示機能が作動すると、メイン制御基板60の制御によって押し順指示番号に基づいて獲得枚数表示LED47に押し順指示情報が表示される。また、押し順指示番号がサブ制御基板80に送信されていれば、サブ制御基板80の制御によって画像表示装置21に正解押し順表示を表示することができる。しかし、本実施形態に係るスロットマシン10は、押し順指示番号や押し順指示情報について上記の基本的な設定に限定されるものではなく、例えば次のような設定も行うことができる。
第1例として、押し順不問の所定の小役又はリプレイの当選時に、擬似的な(ダミーの)押し順指示番号を割り当てるよう設定してもよい。
具体例を入賞Cで説明する。入賞Cに当選した場合は、押し順不問で入賞01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されるので、有利な押し順は存在しない。しかし、有利区間中は、ダミーの押し順指示番号として、「1」〜「6」の何れかを均等に選択するようにしてもよい。このようにしたとき、有利区間中の入賞C当選時は、指示機能を作動させ、ダミーの押し順指示番号に基づいて、獲得枚数表示LED47に押し順指示情報を表示することができる。これにより、遊技者は、当該遊技において共通ベル(入賞C)に当選したのか、押し順ベル(入賞A群,入賞B群)に当選したのか、判別することができない。
ここで例えば、入賞Cの当選確率(置数)が、設定1よりも設定6の方で高く設定されているとすると、有利区間中において、指示機能が作動しない遊技で入賞01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示された回数をカウントすることによって、入賞A群や入賞B群ではなく入賞Cに当選した回数が分かるため、設定値を推測することが可能となってしまう。しかし、上記のように有利区間中における入賞C当選時に、指示機能を作動させてダミーの押し順指示情報を表示するようにすれば、入賞Cの当選に基づいて入賞01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示された回数を正確にカウントすることが難しくなるため、このような攻略を回避する効果に期待できる。もちろん、指示機能を作動させた遊技において、入賞01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示された回数をカウントすることによっても、設定値を推測することができないわけではないが、指示機能を作動させない遊技で入賞01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示された回数をカウントして設定値を推測するときよりも、多くの試行回数が必要となることから、効果が得られる。
なお、入賞Cは、本来押し順不問なので、ダミーの押し順に従って停止操作が行われたとしても、必ず入賞01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されて9枚の遊技メダルが払い出されるため、遊技者の不利にはならない。なお、ここでは共通ベル(入賞C)を例に説明したが、押し順不問のスイカやチェリーといったレア役(例えば入賞D,入賞E,入賞F,入賞H)等にも適用することができる。
具体例を入賞H(強チェリー)で説明する。ここでまず、遊技者は、通常の押し順として左リール39aを第一に停止させる操作を行うことが多いとし、さらに、当選役を判別しやすくするために、図柄番号4番のバー図柄付近を狙った停止操作を行うとする。そして、入賞H(強チェリー)及び入賞F(弱チェリー)は何れも当選確率が比較的低いレア役として用意され、その当選時には有利区間の上乗せ等の特典付与に期待できるとするが、特に入賞Hのほうがその度合いが高いと仮定する。
このような仮定において、入賞Hが当選した場合に、指示機能を作動せずに押し順表示を行わなければ、遊技者の第1リール停止操作によって、左リール39aのバー図柄(4番)が左上段に停止するので、左中段にチェリー図柄(3番)が表示されたことによって強チェリー(入賞H)に当選したことが容易に察知できてしまう。しかし、スロットマシン10では、上述した有利区間中の内部中遊技や有利区間の上限遊技回数付近のように、有利区間の上乗せ等ができない(し難い)状況もあり、このような状況において強チェリーの当選が察知されると、遊技者を強く落胆させてしまうおそれがある。そこで、本実施形態では、上記状況においてはダミーの押し順指示番号を選択し、指示機能を作動させてダミーの押し順表示(例えば右第一とする押し順表示)を行うようにしてもよい。この場合、入賞Hの当選時に作動する条件装置(入賞13,入賞14)に対応する図柄組み合わせの配列を考慮すると、右リール39c及び中リール39bを停止させるまでは、入賞13または入賞14の何れに対応する図柄の組合せが表示されるかは判別できない。そして、左リール39aの停止操作が図柄番号4番のバー図柄を引き込み可能なタイミングで行なわれなければ、左上段にはベル図柄が停止し、有効ラインには入賞14に対応する図柄の組合せが表示される。この結果、遊技者には入賞H(強チェリー)に当選したことが察知されないので、遊技者の落胆による興趣低下を防止できる。
また、第2例として、指示機能を作動させる対象となる当選役を、遊技状態に応じて限定または多様化するように設定してもよい。詳細は改めて後述するが、具体的には例えば、押し順ベルの入賞A群及び入賞B群について、原則として有利区間では入賞A群または入賞B群の何れに当選した場合も指示機能を作動させるとするが、有利区間のうちの特定の遊技区間(例えば、後述する「ガセ前兆」等)においては、入賞A群の当選時には指示機能を作動させない(入賞B群の当選時にのみ指示機能を作動させる)といった設定を行うことができる。
なお、上記のように指示機能を作動させない場合は、押し順指示番号選択手段73が押し順指示番号を選択しないようにすればよい(結果的に押し順指示番号「0」となる)が、「押し順なし」に対応する押し順指示番号「0」を選択するようにしてもよい。すなわち、入賞A群の当選時に押し順指示番号「0」を選択するようにした場合は、指示機能を作動させたとしても、獲得枚数表示LED47に正解押し順の押し順指示情報は表示されず、また、サブ制御基板80にも正解押し順の情報は送信されない。またこの他にも、押し順指示番号選択手段73は正解押し順の押し順指示番号(例えば「1」)を選択するが、遊技状態を参照して、特定の遊技状態では指示番号情報を書き換える(例えば「0」とする)ことで、獲得枚数表示LED47には押し順なしの表示を行わせ、サブ制御基板80にも正解の押し順を送信しない、といった制御方法を採用することもできる。
[4−3.演出グループ番号選択手段]
演出グループ番号選択手段74について説明する。演出グループ番号選択手段74は、役抽選手段69による役抽選の結果に対応する演出グループ番号を選択する。選択された演出グループ番号は、制御コマンド送信手段78によってサブ制御基板80に送信される。
なお、スロットマシン10では、役抽選手段69による役抽選の結果に基づいて、当選役に係る入賞及び再遊技条件装置番号そのものをサブ制御基板80に送信することも考えられるが、本実施形態では、当選役に係る入賞及び再遊技条件装置番号そのものをサブ制御基板80には送信しないようにすることで、今回遊技における当選役に係る入賞及び再遊技条件装置番号をサブ制御基板80が知ることができないようにしている。
一方、メイン制御基板60側では、役に対応する演出グループ番号を予め定めておく。そして、役抽選手段69による役抽選の後、役抽選による当選役に対応する演出グループ番号を演出グループ番号選択手段74が選択し、制御コマンド送信手段78がサブ制御基板80に送信する。この結果、サブ制御基板80は、当選役に係る入賞及び再遊技条件装置番号そのものを知ることはできないものの、今回遊技で選択された演出グループ番号の受信によって、当選役をある程度の範囲で(例えば、入賞A群または入賞B群の何れに当選したか等の範囲で)推測することができるとともに、演出グループ番号に対応する演出を選択し、出力することが可能となる。
ここで、本実施形態における役の一例を説明した図14,図15には、役(リプレイ及び小役)を複数にグループ化したものに個々対応する形態で、「0」から「24」までの演出グループ番号が例示されている。具体的な役のグループ化は適宜設計することができるが、通常区間において正解押し順がサブ制御基板80に把握されないようにしながらも、当選役に基づく演出の精度や効果等を高めるために、当選役の種類を判別できる程度に役をグループ化して固有の演出グループ番号を用意することが好ましい。
具体的には例えば、図14,図15では、リプレイについて、再遊技A群に対応する演出グループ番号は「1」、再遊技B群に対応する演出グループ番号は「2」、再遊技Cに対応する演出グループは「3」としたように、群ごとに同一の演出グループ番号が付与されている。同様に、小役(例えばベル)についても、入賞A群に対応する演出グループ番号は「9」、入賞B群に対応する演出グループ番号は「10」、入賞Cに対応する演出グループ番号は「11」となっている。
したがって、メイン制御基板60において、役抽選手段69による役抽選の結果、例えば入賞A1に当選したとすると、演出グループ番号選択手段74は演出グループ番号「9」を選択し、制御コマンド送信手段78は当該演出グループ番号を示す情報をサブ制御基板80に送信する。そしてサブ制御基板80は、演出グループ番号が「9」であるという情報を受信することによって、今回遊技で入賞A群(入賞A1〜入賞A6)の何れかに当選したことを知ることができる。これにより、サブ制御基板80は、6択(実質3択)の正解押し順を有する押し順ベルの当選演出を出力することができる。
但しこのとき、サブ制御基板80は、押し順ベルである入賞A群の何れかに当選したことは知ることができても、入賞A群内の何れの役(入賞A1〜入賞A6)に当選したかは知ることができないので、正解押し順を知ることはできない。そして本実施形態では、正解押し順に対応する押し順指示番号は、有利区間中はサブ制御基板80に送信してよいが、通常区間中には送信しないようにする。したがって、サブ制御基板80は、有利区間中には、演出グループ番号に基づいて、何れの役のグループに当選したこと(例えば、演出グループ番号「9」の場合、入賞A群に当選したこと)を演出として出力することができ、さらに、押し順指示番号に基づいて正解押し順(例えば、入賞A1に当選した場合は押し順指示番号「1」が送信されるため、「左・中・右」が正解押し順)を演出として出力することができる。これに対し、通常区間中では、サブ制御基板80は、演出グループ番号に基づいて何れかの役のグループに当選したこと(上記例だと、6択(実質3択)の正解押し順を有する押し順ベルである入賞A群に当選したこと)を演出として出力できるに留まり、正解押し順を演出として出力することはできない。
また、サブ制御基板80は、同一の押し順指示番号が送信されたとしても、送信された演出グループ番号が異なることに基づいて、異なる演出を出力することができる。具体的には例えば、再遊技A1に当選したときの押し順指示番号は「1(左・中・右)」であり、入賞A1に当選したときの押し順指示番号も「1(左・中・右)」である。しかし、図14を参照すると、演出グループ番号は、前者が「1」であるのに対して、後者は「9」となり、異なる演出グループ番号が送信される。このため、サブ制御基板80は、演出グループ番号「1」が送信されたときは、例えばリプレイを示唆する青色を用いて正解押し順を報知し、演出グループ番号「9」が送信されたときは、例えばベルを示唆する黄色を用いて正解押し順を報知する、といったように、多様な演出を出力することができる。
[4−4.リール制御手段]
リール制御手段70について説明する。リール制御手段70は、モータ40を駆動することによって、リール39を回転させる。また、リール制御手段70は、モータ40を駆動することによって、リール39の回転を停止させる。
リール制御手段70は、スタートスイッチ34が操作されると、モータ40を駆動し、リール39(左リール39a,中リール39b,右リール39c)を回転させる。そして、リール39の回転速度が一定速度(1分間で約80回転する速度)に達した後に、何れかのストップスイッチ35(左ストップスイッチ35a,中ストップスイッチ35b,右ストップスイッチ35c)が操作されると、役抽選手段69による役抽選の結果等に基づいて、当該ストップスイッチ35に対応するリール39(左リール39a,中リール39b,右リール39c)の停止位置を決定するとともに、モータ40を駆動し、決定した停止位置に当該リール39の回転を停止させる。
なお、ストップスイッチ35が操作されてから190ms以内にリール39の回転が停止するようになっているが、リール制御手段70は、できる限り、当選している役に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されるようにリール39の回転を停止させる(引き込み制御する)とともに、絶対に、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されないようにリール39の回転を停止させる(蹴飛ばし制御する)。
具体的には、ストップスイッチ35が操作された瞬間の図柄から4個先の図柄までが、表示する(引き込む)ことができる図柄となる。例えば、図7を参照すると、左リール39aの図柄番号「1」のリプレイ図柄が有効ライン(左上段)に位置する瞬間に、左ストップスイッチ35aが操作されたときは、当該位置から4個先の図柄番号「5」のベル図柄までが有効ライン(左上段)に表示することができる図柄となる。
なお、ストップスイッチ35が操作された瞬間の図柄からではなく、1個先の図柄から4個先の図柄までが、表示する(引き込む)ことができる図柄となるようにしてもよい。この場合は、例えば、図7を参照すると、左リール39aの図柄番号「1」のリプレイ図柄が有効ライン(左上段)に位置する瞬間に、左ストップスイッチ35aが操作されたときは、1個先の図柄番号「2」のスイカ図柄から4個先の図柄番号「6」のリプレイ図柄までが、有効ライン(左上段)に表示することができる図柄となる。
すなわち、表示する(引き込む)ことができる図柄のなかに、当選している役に対応する図柄の組合せを構成する図柄があるときは、当該図柄が表示されるようにリール39の回転を停止する(引き込み制御する)。しかし、表示する(引き込む)ことができる図柄のなかに、当選している役に対応する図柄の組合せを構成する図柄がないときは、当該役は取りこぼすことになる。
なお、リール制御手段70の制御によって表示する(引き込む)ことができる図柄のなかに、当選している役に対応する図柄の組合せを構成する図柄が複数あるときは、ストップスイッチ35が何れの押し順で操作されたかや、ストップスイッチ35が操作されたタイミングによって、優先して表示させる図柄が予め定められており、当該図柄が表示されるようにリール39の回転を停止させる(引き込み制御する)。
[4−5.表示判定手段、払出手段]
表示判定手段71について説明する。表示判定手段71は、全てのリール39の回転が停止したときに、有効ラインに表示された図柄の組合せが何れかの役に対応する図柄の組合せと一致するか否かを判定する。
次に、払出手段72について説明する。払出手段72は、表示判定手段71によって、有効ラインに表示された図柄の組合せが何れかの小役に対応する図柄の組合せと一致すると判定されたときに、当該図柄の組合せに応じた枚数の遊技メダルを払い出す。なお、払出手段72は、表示判定手段71によって、有効ラインに表示された図柄の組合せが何れかのリプレイに対応する図柄の組合せと一致すると判定されたときに、遊技メダルを自動的にベットしてもよい。
[4−6.RT制御手段]
RT制御手段75について説明する。RT制御手段75は、役抽選手段69による役抽選の結果や、表示判定手段71による判定の結果に基づいて、RTの移行条件を満たすか否かを判定し、RTの移行条件を満たすと判定されたときにRTを移行する。
図19は、RTごとのRTの移行条件を説明するための図であり、図20は、RTの遷移図である。図19,図20を参照しながら、本実施形態のRT制御手段75によって制御されるRTの移行について説明する。
図19,図20に示したように、本実施形態では、RTとして、1種BB(ボーナス)に当選していない「非内部中遊技」中のRTである非RT、RT1〜RT3と、1種BB(ボーナス)に当選している「内部中遊技」中のRTであるRT4と、1種BBとRBが作動している「1種BB(ボーナス)遊技」中のRTである1種BB作動時(RB作動時)とを有している。
RT制御手段75がRTを移行するタイミングは、全てのリール39の回転が停止した後、具体的には、表示判定手段71による判定の結果が得られたときである。例えば、RT1中の遊技において再遊技04に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときに、RT制御手段75はRT1からRT2に移行する。
また例えば、RT1中の遊技において1種BBに当選したときは、当該遊技において、表示判定手段71が有効ラインに表示された図柄の組合せが1種BBに対応する図柄の組合せと一致しないと判定したときに、RT制御手段75は、RTをRT1からRT4に移行する。一方、当該遊技において、表示判定手段71が有効ラインに表示された図柄の組合せが1種BBに対応する図柄の組合せと一致すると判定したとき、RT制御手段75は、RTをRT1から1種BB作動時(RB作動時)に移行する。
なお、RT4へ移行するタイミングは、役抽選手段69による役抽選の結果が得られたときとしてもよい。例えば、RT1中の遊技において1種BBに当選したときは、RT制御手段75は、当選のタイミング(役抽選の結果が得られたタイミング)で、RT1からRT4に移行する。そして、1種BBに当選した遊技において、表示判定手段71が有効ラインに表示された図柄の組合せが1種BBに対応する図柄の組合せと一致しないと判定したとき、RT制御手段75は、RTをRT4から1種BB作動時(RB作動時)に移行しない。一方、1種BBに当選した遊技において、表示判定手段71が有効ラインに表示された図柄の組合せが1種BBに対応する図柄の組合せと一致すると判定したときに、RT制御手段75は、RTをRT4から1種BB作動時(RB作動時)に移行する。
各RT及びその移行について詳しく説明する。
非RTは、RWM63が初期化されたとき(設定が変更されたとき)に移行するRTである。また、非RTは、他のRT(RT1,RT2)において再遊技01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときに移行するRTである。
非RTでは、入賞A1〜入賞A6に当選した遊技において、パターン01,パターン02に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときは、RT1に移行する(図20に示した移行条件(a))。前述したように、押し順ベルである入賞A1〜入賞A6に当選した遊技において、ストップスイッチ35が不正解押し順で操作されたときは、ストップスイッチ35が操作されたタイミングによっては、パターン01,パターン02に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示される。したがって、押し順ベルである入賞A1〜入賞A6に当選した遊技において、ストップスイッチ35が正解押し順で操作されず、取りこぼしたときは、パターン01,パターン02に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示され、RT1に移行する。
また、非RTでは、1種BBに当選した遊技において、1種BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されなかったときは、RT4に移行する(図20に示した移行条件(d))。なお、非RTでは、1種BBに当選した遊技において、1種BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときは、1種BB作動時(RB作動時)に移行する(図20に示した移行条件(e))。
RT1は、他のRT(非RT,RT2)において、パターン01,パターン02に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときに移行するRTである。
RT1では、再遊技A1〜再遊技A6に当選した遊技において、再遊技01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときは、非RTに移行する(図20に示した移行条件(c))。前述したように、押し順リプレイである再遊技A1〜再遊技A6に当選した遊技において、ストップスイッチ35が不正解押し順で操作されたときは、再遊技01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示される。したがって、押し順リプレイである再遊技A1〜再遊技A6に当選した遊技において、ストップスイッチ35が正解押し順で操作されなかったときは、再遊技01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示され、非RTに移行する。
なお、前述したように、本実施形態では、再遊技B1〜再遊技B3に当選した遊技においてストップスイッチ35が不正解押し順で操作されたときも、再遊技01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示される。しかし、再遊技B1〜再遊技B3は、RT1において役抽選の対象となっておらず、RT1からは、再遊技A1〜再遊技A6に当選した遊技においてのみ、非RTに移行する可能性がある。
RT1では、再遊技A1〜再遊技A6に当選した遊技において、再遊技04に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときは、RT2に移行する(図20に示した移行条件(b))。前述したように、押し順リプレイである再遊技A1〜再遊技A6に当選した遊技において、ストップスイッチ35が正解押し順で操作されたときは、再遊技04に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示される。したがって、押し順リプレイである再遊技A1〜再遊技A6に当選した遊技において、ストップスイッチ35が正解押し順で操作されたときは、再遊技04に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示され、RT2に移行する。
さらに、RT1では、1種BBに当選した遊技において、1種BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されなかったときは、RT4に移行する(図20に示した移行条件(d))。なお、RT1では、1種BBに当選した遊技において、1種BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときは、1種BB作動時(RB作動時)に移行する(図20に示した移行条件(e))。
RT2は、他のRT(RT1)において、再遊技04に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときに移行するRTである。
RT2では、再遊技B1〜再遊技B3に当選した遊技において、再遊技01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときは、非RTに移行する(図20に示した移行条件(c))。前述したように、押し順リプレイである再遊技B1〜再遊技B3に当選した遊技において、ストップスイッチ35が不正解押し順で操作されたときは、再遊技01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示される。したがって、押し順リプレイである再遊技B1〜再遊技B3に当選した遊技において、ストップスイッチ35が正解押し順で操作されなかったときは、再遊技01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示され、非RTに移行する。
なお、前述したように、本実施形態では、再遊技A1〜再遊技A6に当選した遊技においてストップスイッチ35が不正解押し順で操作されたときも、再遊技01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示される。しかし、再遊技A1〜再遊技A6は、RT2において、役抽選の対象となっておらず、RT2からは、再遊技B1〜再遊技B3に当選した遊技においてのみ、非RTに移行する可能性がある。
RT2では、入賞A1〜入賞A6に当選した遊技において、パターン01,パターン02に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときは、RT1に移行する(図20に示した移行条件(a))。前述したように、押し順ベルである入賞A1〜入賞A6に当選した遊技において、ストップスイッチ35が不正解押し順で操作されたときは、ストップスイッチ35が操作されたタイミングによっては、パターン01,パターン02に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示される。したがって、押し順ベルである入賞A1〜入賞A6に当選した遊技において、ストップスイッチ35が正解押し順で操作されず、取りこぼしたときは、パターン01,パターン02に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示され、RT1に移行する。
また、RT2では、1種BBに当選した遊技において、1種BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されなかったときは、RT4に移行する(図20に示した移行条件(d))。なお、RT2では、1種BBに当選した遊技において、1種BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときは、1種BB作動時(RB作動時)に移行する(図20に示した移行条件(e))。
RT3は、1種BB(第一種特別役物に係る役物連続作動装置)の作動が終了したときに移行するRTである。
RT3では、入賞A1〜入賞A6に当選した遊技において、パターン01,パターン02に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときは、RT1に移行する(図20に示した移行条件(a))。前述したように、押し順ベルである入賞A1〜入賞A6に当選した遊技において、ストップスイッチ35が不正解押し順で操作されたときは、ストップスイッチ35が操作されたタイミングによっては、パターン01,パターン02に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示される。したがって、押し順ベルである入賞A1〜入賞A6に当選した遊技において、ストップスイッチ35が正解押し順で操作されず、取りこぼしたときは、パターン01,パターン02に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示され、RT1に移行する。
また、RT3では、1種BBに当選した遊技において、1種BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されなかったときは、RT4に移行する(図20に示した移行条件(d))。なお、RT3では、1種BBに当選した遊技において、1種BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときは、1種BB作動時(RB作動時)に移行する(図20に示した移行条件(e))。
RT4は、1種BB(第一種特別役物に係る役物連続作動装置の作動に係る条件装置)が作動したときに移行するRTである。換言すると、RT4は、1種BBに当選したときに移行するRTである。
RT4では、1種BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときは、1種BB作動時(RB作動時)に移行する(図20に示した移行条件(e))。
1種BB作動時(RB作動時)は、1種BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときに移行するRTである。
1種BB作動時(RB作動時)では、1種BB(第一種特別役物に係る役物連続作動装置)の作動が終了したときは、RT3に移行する(図20に示した移行条件(f))。
以上、本実施形態に係るスロットマシン10における役抽選状態(RT状態)について説明したが、本実施形態では、滞在中の役抽選状態と、遊技区間(通常区間や有利区間)に関する遊技状態(メイン遊技状態とも呼ぶ)との組合せに基づいて指示機能の作動を制御することによって、役抽選状態の維持や移行を制御することができる。
[4−7.有利区間制御手段]
有利区間制御手段76について説明する。有利区間制御手段76は、遊技区間(メイン遊技状態)の移行条件を満たすか否かを判定し、遊技区間(メイン遊技状態)の移行条件を満たすと判定されたときに遊技区間(メイン遊技状態)を移行する。また、有利区間制御手段76は、有利区間表示LED46の点灯/消灯を制御する(詳細は後述する)。また、有利区間制御手段76は、有利区間中に指示機能を作動させることにより、獲得枚数表示LED47に押し順指示情報を表示する(詳細は後述する)。
有利区間制御手段76は、設定差がない役の当選に基づいて、有利区間に移行することを決定することができる。
また、本実施形態においては、有利区間制御手段76は、有利区間中の所定のメイン遊技状態(例えば、後述するAT前兆,AT準備,AT)において、有利区間(例えばAT)の遊技回数を上乗せするか否かを決定(または抽選)することができる。この場合、設定差がない役の当選に基づいて、上乗せするか否かを決定(または抽選)してもかまわない。また、有利区間制御手段76は、有利区間中の上記所定のメイン遊技状態において、有利区間の上乗せ抽選を行うか否かを抽選することもできる。
[4−7−1.メイン遊技状態の遷移]
図21は、メイン遊技状態(遊技区間)の遷移図である。図21に示したように、本実施形態では、遊技状態として、通常区間に対応するメイン遊技状態である遊技状態「0」と、有利区間に対応するメイン遊技状態である遊技状態「1」〜遊技状態「8」とを有している。
遊技状態「0(通常)」は、通常区間に対応するメイン遊技状態である。遊技状態「0」は、RWM63が初期化されたとき(設定が変更されたとき)、または、有利区間から通常区間に移行するときに移行する遊技状態である。
遊技状態「0」では、非内部中遊技(非RT、R1〜RT3)であり、設定差のない役に当選した遊技において、有利区間制御手段76が、有利区間に移行するか否かを決定する。そして、遊技状態「0」は、有利区間に移行すると決定されたときは、遊技状態「1」または遊技状態「2」に移行する。
具体的には、遊技状態「0(通常)」では、非内部中遊技(非RT、R1〜RT3)であり、設定差のない役に当選した遊技において、AT抽選を行う。AT抽選の結果がハズレであったときは、遊技状態「1(ガセ前兆)」に移行し、AT抽選に当選したときは、遊技状態「2(AT前兆)」に移行する(図21に示した移行条件(a))。
なお、遊技状態「0」では、設定差のない役に当選した遊技において常にAT抽選する必要はなく、設定差のない役のうち、一部の役に当選した遊技においてAT抽選するようにしてもよい。
また、遊技状態「0」において、内部中遊技(RT4)またはボーナス遊技(1種BB作動時)であるときは、有利区間制御手段76は、有利区間に移行するか否かを決定せず、AT抽選も行わない。
遊技状態「1(ガセ前兆)」は、有利区間に対応するメイン遊技状態である。遊技状態「1」は、AT抽選し、AT抽選の結果がハズレであったときに移行する遊技状態である。なお、遊技状態「1」では、AT抽選の当選に期待を持たせさせつつも、最終的にAT抽選に当選しなかった(ハズレであった)ことを報知するガセ前兆演出が行われる。
遊技状態「1」であるときのRTは、非RT、RT1、またはRT2の何れかである。そして、遊技状態「1」では、非内部中遊技(非RT、R1、RT2)であり、設定差のない役に当選した遊技において、AT抽選を行う。このAT抽選に当選したときは、遊技状態「2(AT前兆)」に移行する(図21に示した移行条件(b))。
なお、遊技状態「1」では、設定差のない役に当選した遊技において常にAT抽選する必要はなく、設定差のない役のうち、一部の役に当選した遊技においてAT抽選するようにしてもよい。
また、遊技状態「1」では、1種BBに当選した遊技において、1種BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されなかったときは、遊技状態「6(有利区間中内部中)」に移行する(図21に示した移行条件(i))。また、遊技状態「1」では、1種BBに当選した遊技において、1種BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときは、遊技状態「7(有利区間中ボーナス中)」に移行する(図21に示した移行条件(j))。
さらに、遊技状態「1」は、所定回(前兆ゲーム数)の遊技が行われたときは、通常区間である遊技状態「0」に移行する(図21に示した移行条件(f))。但し、遊技状態「1」は有利区間に対応する遊技状態であるため、「有利区間中に少なくとも1回は指示機能が作動している」必要があり、所定回の遊技が行われたときに未だ1回も指示機能が作動していなければ、指示機能が作動するまでは、遊技状態「0」に移行させないよう制御される。すなわち、遊技状態「1」では、少なくとも1回は指示機能が作動する。なお、ここでいう「指示機能」とは、「ストップスイッチ35の操作態様によって得られる遊技の結果が異なる小役に当選した遊技において、有利な結果が得られる図柄の組合せを有効ラインに表示するための操作態様(有利な入賞のための有利な操作態様)」を遊技者に指示(ナビ)する機能である。
すなわち、遊技状態「1」において、所定回の遊技が行われたときに、未だ1回も押し順ベル(入賞A群,入賞B群)の正解押し順が指示されていない場合は、押し順ベル(入賞A群,入賞B群)に当選した遊技においてストップスイッチ35の正解押し順を指示するまで、遊技状態「0」に移行させない。
なお、詳細は後述するが、本実施形態では、「有利区間中に少なくとも1回は指示機能が作動(ナビ)」しているか否かを把握するために、「ナビ済みフラグ」をRWM63に記憶している。「ナビ済みフラグ」は、初期値を「0(オフ)」とするフラグであって、有利区間において最初に指示機能が作動したときに「1(オン)」とされる。
遊技状態「2(AT前兆)」は、有利区間に対応するメイン遊技状態である。遊技状態「2」は、AT抽選し、AT抽選に当選したときに移行する遊技状態である。なお、遊技状態「2」では、AT抽選の当選に期待を持たせさせつつ、最終的にAT抽選に当選したことを報知するAT前兆演出が行われる。
遊技状態「2」であるときのRTは、非RT、RT1、またはRT2の何れかである。そして、遊技状態「2」では、非内部中遊技(非RT、R1、RT2)である遊技において、所定回(前兆ゲーム数)の遊技が行われたときは、遊技状態「3(AT準備)」に移行する(図21に示した移行条件(c))。
なお、詳細は後述するが、遊技状態「3」も有利区間に対応する遊技状態であるため、遊技状態「2」において所定回の遊技が行われたときに、未だ1回も指示機能が作動していなくても、遊技状態3に移行させる。しかし、指示機能が作動するか否かによって、遊技状態「1(ガセ前兆)」であるのか、それとも遊技状態「2(AT前兆)」であるのかが容易に判別できてしまうことを避けるため、遊技状態「2」でも、可能な限り、少なくとも1回は指示機能を作動するようにする。
また、遊技状態「2」では、1種BBに当選した遊技において、1種BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されなかったときは、遊技状態「6(有利区間中内部中)」に移行する(図21に示した移行条件(i))。また、遊技状態「2」では、1種BBに当選した遊技において、1種BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときは、遊技状態「7(有利区間中ボーナス中)」に移行する(図21に示した移行条件(j))。
遊技状態「3(AT準備)」は、有利区間に対応するメイン遊技状態である。遊技状態「3」は、遊技状態「2(AT前兆)」において、所定回の遊技が行われたときに移行する遊技状態である。また、遊技状態「3」は、遊技状態「8(有利区間中ボーナス後)」において、パターン01,パターン02に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときに移行する遊技状態でもある。但しこのとき、有利区間で行われた遊技回数が所定遊技回数(例えば1450回)を超えている場合は、遊技状態「5(ED)」に移行する(図21に示した移行条件(l))。なお、遊技状態「3」では、AT当選が確約され、かつATの開始条件の成立待ちであることを示すAT準備演出が行われる。
遊技状態「3」であるときのRTは、非RT、RT1、またはRT2の何れかである。そして、遊技状態「3」では、非内部中遊技(RT1)である遊技において、再遊技A1〜再遊技A6(入賞及び再遊技条件装置番号「1」〜「6」)に当選したときは、遊技状態「4(AT)」に移行する(図21に示した移行条件(d))。また、遊技状態「3」では、非内部中遊技(RT2)である遊技において、少なくとも1回の遊技が行われた後、遊技状態「4」に移行する。
遊技状態「3」では、指示機能の作動が次のように制御される。なお、ここでの「指示機能」とは、「ストップスイッチ35の操作態様によって得られる遊技の結果が異なる役に当選した遊技において、有利な結果が得られる図柄の組合せを有効ラインに表示するための操作態様(有利な操作態様)」を遊技者に指示(ナビ)する機能である。
遊技状態「3」では、非内部中遊技(非RT)である遊技において、押し順ベル(入賞A群)に当選したときは、指示機能を作動させない。一方、非内部中遊技(非RT)である遊技において、押し順ベル(入賞B群)に当選したときは、指示機能を作動させる(あるいは、必ずしも作動させなくてもよい)。
遊技状態「3」では、非内部中遊技(RT1)である遊技において、押し順リプレイ(再遊技A群)に当選したときは、指示機能を作動させる。また、非内部中遊技(RT1)である遊技において、押し順ベル(入賞A群,入賞B群)に当選したときは、指示機能を作動させる(あるいは、必ずしも作動させなくてもよい)。
遊技状態「3」では、非内部中遊技(RT2)である遊技において、押し順リプレイ(再遊技B群)に当選したときは、指示機能を作動させる。また、非内部中遊技(RT2)である遊技において、押し順ベル(入賞A群)に当選したときは、指示機能を作動させる。また、RT2である遊技において、押し順ベル(入賞B群)に当選したときは、指示機能を作動させる(あるいは、必ずしも作動させなくてもよい)。
なお、遊技状態「3」では、非内部中遊技(RT1)である遊技において、再遊技04に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときに(すなわち、RT1からRT2に移行したときに)、遊技状態「4」に移行するようにしてもよい(図21に示した移行条件(d))。
また、遊技状態「3」では、1種BBに当選した遊技において、1種BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されなかったときは、遊技状態「6(有利区間中内部中)」に移行する(図21に示した移行条件(i))。また、遊技状態「3」では、1種BBに当選した遊技において、1種BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときは、遊技状態「7(有利区間中ボーナス中)」に移行する(図21に示した移行条件(j))。
遊技状態「4(AT)」は、有利区間に対応するメイン遊技状態である。遊技状態「4」は、遊技状態「3(AT準備)」において再遊技A1〜再遊技A6に当選したとき、あるいは、遊技状態「3(AT準備)」において非内部中遊技(RT2)であるときに移行する遊技状態である。なお、遊技状態「4」では、AT中の演出として用意された種々のAT演出が行われる。
遊技状態「4」であるときのRTは、非RT、RT1、またはRT2の何れかである(主にRT2であることが想定されている)。そして、遊技状態「4」では、特定回(ATゲーム数)の遊技が行われたときは、遊技状態「0(通常)」に移行する(図21に示した移行条件(g))。但し、有利区間中に未だ1回も指示機能が作動していなければ、指示機能が作動するまでは、遊技状態「0」に移行させないよう制御される。なお、ここでいう「指示機能」とは、「有利な入賞のための有利な操作態様」を遊技者に指示(ナビ)する機能である。
すなわち、遊技状態「4」において特定回の遊技が行われたときに、それまでの有利区間中に未だ1回も押し順ベル(入賞A群,入賞B群)の正解押し順が指示されていない場合は、押し順ベル(入賞A群,入賞B群)に当選した遊技においてストップスイッチ35の正解押し順を指示するまで、遊技状態「0」に移行させない。
遊技状態「4」では、指示機能の作動が次のように制御される。なお、ここでの「指示機能」とは、「有利な操作態様」を遊技者に指示(ナビ)する機能である。
遊技状態「4」では、非内部中遊技(非RT)である遊技において、押し順ベル(入賞A群)に当選したときは、指示機能を作動させない。一方、非内部中遊技(非RT)である遊技において、押し順ベル(入賞B群)に当選したときは、指示機能を作動させる。
遊技状態「4」では、非内部中遊技(RT1)である遊技において、押し順リプレイ(再遊技A群)に当選したときは、指示機能を作動させる。また、非内部中遊技(RT1)である遊技において、押し順ベル(入賞A群,入賞B群)に当選したときは、指示機能を作動させる。
遊技状態「4」では、非内部中遊技(RT2)である遊技において、押し順リプレイ(再遊技B群)に当選したときは、指示機能を作動させる。また、非内部中遊技(RT2)である遊技において、押し順ベル(入賞A群,入賞B群)に当選したときは、指示機能を作動させる。
遊技状態「4」では、1種BBに当選した遊技において、1種BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されなかったときは、遊技状態「6(有利区間中内部中)」に移行する(図21に示した移行条件(i))。また、遊技状態「4」では、1種BBに当選した遊技において、1種BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときは、遊技状態「7(有利区間中ボーナス中)」に移行する(図21に示した移行条件(j))。
また、遊技状態「4」は、有利区間で行われた遊技回数が所定遊技回数(例えば1450回)に達したときは、遊技状態「5(ED)」に移行する(図21に示した移行条件(e))。同様に、遊技状態「1」〜遊技状態「3」でも、有利区間で行われた遊技回数が所定遊技回数に達したときは、遊技状態「5」に移行する。なお、遊技状態「8(有利区間中ボーナス後)」において、パターン01,パターン02に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときに、有利区間で行われた遊技回数が所定遊技回数に達していたときは、遊技状態「5」に移行する。
遊技状態「5(ED)」は、有利区間に対応するメイン遊技状態である。遊技状態「5」は、遊技状態「1」〜遊技状態「4」において、有利区間で行われた遊技回数が所定遊技回数(例えば1450回)に達したときに移行する遊技状態である。遊技状態「5」は、主に遊技状態「4」から移行する。なお、遊技状態「5」に移行する所定遊技回数(1450回)は、有利区間の上限遊技回数(1500回)よりも少ない回数であればよく、特に回数を限定されるものではない。遊技状態「5」では、有利区間(主にAT)の終了を示唆するエンディング(ED)演出が行われる。
遊技状態「5」であるときのRTは、非RT、RT1、またはRT2の何れかである。そして、遊技状態「5」は、有利区間で行われた遊技回数が有利区間の上限遊技回数(例えば1500回)に達したときは、遊技状態「0(通常)」に移行する(図21に示した移行条件(h))。前述したように、本実施形態では、有利区間で行われた遊技回数が上限遊技回数(1500回)に到達したときには、有利区間中に未だ1回も「有利な入賞のための有利な操作態様」を指示する「指示機能」が作動していないとしても、常に有利区間を終了し(リミッターの作動)、通常区間に移行する。これらを考慮して、遊技状態「5」では、有利区間の上乗せが行われない。
遊技状態「5」では、指示機能の作動が次のように制御される。なお、ここでの「指示機能」とは、「有利な操作態様」を遊技者に指示(ナビ)する機能である。
遊技状態「5」では、非内部中遊技(非RT)である遊技において、押し順ベル(入賞A群)に当選したときは、指示機能を作動させない。一方、非内部中遊技(非RT)である遊技において、押し順ベル(入賞B群)に当選したときは、指示機能を作動させる。
遊技状態「5」では、非内部中遊技(RT1)である遊技において、押し順リプレイ(再遊技A群)に当選したときは、指示機能を作動させる。また、非内部中遊技(RT1)である遊技において、押し順ベル(入賞A群,入賞B群)に当選したときは、指示機能を作動させる。
遊技状態「5」では、非内部中遊技(RT2)である遊技において、押し順リプレイ(再遊技B群)に当選したときは、指示機能を作動させる。また、非内部中遊技(RT1)である遊技において、押し順ベル(入賞A群,入賞B群)に当選したときは、指示機能を作動させる。
また、遊技状態「5」では、1種BBに当選した遊技において、1種BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されなかったときは、遊技状態「6(有利区間中内部中)」に移行する(図21に示した移行条件(i))。また、遊技状態「5」では、1種BBに当選した遊技において、1種BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときは、遊技状態「7(有利区間中ボーナス中)」に移行する(図21に示した移行条件(j))。
遊技状態「6(有利区間中内部中)」は、有利区間に対応するメイン遊技状態である。遊技状態「6」は、遊技状態「1」〜遊技状態「5」において、1種BBに当選した遊技で1種BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されなかったときに移行する遊技状態である。なお、遊技状態「6」では、例えば1種BBに当選したことを報知する演出が行われる。
遊技状態「6」であるときのRTは、RT4である。そして、遊技状態「6」では、1種BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときは、遊技状態「7(有利区間中ボーナス中)」に移行する(図21に示した移行条件(j))。また、遊技状態「6」では、非内部中遊技(RT4)である遊技において、有利区間(AT)の上乗せの決定(または抽選等)は行われない。
遊技状態「7(有利区間中ボーナス中)」は、有利区間に対応するメイン遊技状態である。遊技状態「7」は、遊技状態「1」〜遊技状態「5」において、1種BBに当選した遊技で1種BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたとき、あるいは、遊技状態「6」において、1種BBに対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときに移行する遊技状態である。なお、遊技状態「7」では、ボーナス遊技中の演出として用意された種々の演出等が行われる。
遊技状態「7」では、特別遊技(1種BB作動時(RB作動時))が行われる。そして、遊技状態「7」は、1種BB(第一種特別役物に係る役物連続作動装置)の作動が終了したとき、遊技状態「8(有利区間中ボーナス後)」に移行する(図21に示した移行条件(k))。
但し、遊技状態「7」において、1種BBの作動(RBの作動)中に、有利区間で行われた遊技回数が上限遊技回数(1500回)に到達したときには、遊技状態「0(通常)」に移行する(図21に示した移行条件(h))。
遊技状態「8(有利区間中ボーナス後)」は、有利区間に対応するメイン遊技状態である。遊技状態「8」は、遊技状態「7」において、1種BB(第一種特別役物に係る役物連続作動装置)の作動が終了したときに移行する遊技状態である。
遊技状態「8」であるときのRTは、RT3である。そして、遊技状態「8」では、非内部中遊技(RT3)である遊技において、パターン01,パターン02に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されたときは、遊技状態「3(AT準備)」に移行する。なお、前述したように、有利区間で行われた遊技回数が所定遊技回数(1450回)に達したときは、遊技状態「5(ED)」に移行する。
遊技状態「8」では、非内部中遊技(RT3)である遊技において、押し順ベル(入賞A群)に当選したときは、指示機能を作動させない。前述したように、押し順ベルである入賞A1〜入賞A6に当選した遊技において、ストップスイッチ35が正解押し順で操作されず、取りこぼしたときは、パターン01,パターン02に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示される。一方、非内部中遊技(RT3)である遊技において、押し順ベル(入賞B群)に当選したときは、指示機能を作動させる(あるいは、必ずしも作動させなくてもよい)。
なお、本例では、有利区間中に1種BBに当選した場合には、1種BBに当選する前にATに当選していなくても、強制的にATに当選するものとしているため、遊技状態「1(ガセ前兆)」において1種BBに当選した場合であっても、そのボーナス遊技の終了後は、遊技状態「8」を経て遊技状態「3(AT準備)」に移行し、ATが実行されることになる。しかし例えば、ガセ前兆中に1種BBに当選してもATに当選しない場合を設けるとすれば、ボーナス終了後に遊技状態「1」に移行する(戻る)ように制御してもよい。
また、前述したように、本実施形態では、有利区間において特別遊技(例えば1種BB遊技)が行われていた場合には、「有利区間中に少なくとも1回は指示機能が作動していること」が満たされていなくても、特例として有利区間を終了させることができる、としている。この特例を本例に適用すると、具体的には、有利区間中に特別遊技が行われていれば(遊技状態「7」に遷移したことがあれば)、図21に示した移行条件(g)「所定のATゲーム数の消化、かつ1回のベルナビ」から「1回のベルナビ」を除外することができる。
[4−7−2.有利区間表示LED]
有利区間制御手段76は、通常区間から有利区間に移行することに決定したときに、所定のタイミングが到来するまでに、有利区間表示LED46を点灯するように制御し、有利区間以外(通常区間)であるときは、有利区間表示LED46を消灯するように制御する。
まず、有利区間表示LED46を点灯させるための具体的処理としては、デジット2を表示するための貯留枚数表示LED45のセグメントデータの8ビット目(セグメントDP)を「0」から「1」に変更する(図5,図6参照)。
ここで、メイン制御基板60に制御される各デジットの制御方法の一例を示す。
メイン制御基板60は、毎遊技繰り返す処理である「(遊技進行)メイン処理」の他に、このメイン処理と並行して、2.235msごとに「割込み処理」を実行する。この割込み処理では、LEDの点灯制御、リール39の駆動制御、外部信号の送信処理等を行う。そして、本実施形態では、各デジットに対して、一割込み処理ごとに1個のデジットを点灯させるダイナミック点灯を実行する。例えば、今回の割込み処理ではデジット1のみを点灯し、次回の割込み処理ではデジット2を点灯することである。これを繰り返すことで、各デジットを点灯させることができる。なお、このようなダイナミック点灯に限らず、デジットごとに信号線を接続したスタティック点灯を実行してもよい。
したがって、割込み処理により、デジット2の点灯タイミングが到来したときに、上記のようにセグメントデータを変更することで、有利区間表示LED46が点灯する。
次に、有利区間表示LED46の点灯制御について、点灯タイミングを中心に説明する。本実施形態では、有利区間制御手段76は、有利区間に移行することに決定した遊技の終了後(全てのリール39の回転が停止し、払出があるときは遊技メダルの払出後)の次回遊技のための遊技メダルのベットが可能になるまでに、及び貯留メダルを有するときは精算スイッチ36の操作(精算処理操作)が可能となるまでに、有利区間表示LED46を点灯するように制御する。
図22は、有利区間表示LEDの点灯タイミングの一例を説明するための図である。図22には、入賞Hの単独当選に基づいて有利区間に移行することに決定した場合について、遊技の進行や有利区間表示LED46の点灯タイミングが示されている。
図22によれば、通常区間において今回遊技のスタートスイッチ34が操作され(ステップS1001)、役抽選によって入賞Hに単独当選したとき、入賞Hに当選したことに基づいて有利区間(ガセ前兆、またはAT前兆)に移行することに決定している(ステップS1002)。
ここで、ステップS1002では、役抽選の結果に基づいて有利区間に移行することが決定しており、上述したように、「有利区間に移行することに決定した遊技の終了後の次回遊技のための遊技メダルのベットが可能になるまで、及び貯留メダルを有するときは精算スイッチ36の操作が可能となるまでに、有利区間表示LED46を点灯するように制御する」という点灯制御が適用される。
ステップS1002の後は、今回遊技において全てのリール39の回転が停止されると、入賞13または入賞14に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示され(ステップS1003)、この表示結果に応じて2枚の遊技メダルが払い出される(ステップS1004)。
ステップS1004の処理が終了した後、有利区間制御手段76は、このタイミングで有利区間表示LED46を点灯させる(ステップS1005)。なお、この時点では、今回遊技は終了していないため通常区間に制御されている。
その後、次回遊技のための遊技メダルのベット、及び貯留メダルを有するときは精算スイッチ36の操作(精算処理操作)が可能となる(ステップS1006)。そして、次回遊技のための遊技メダルのベットが行われた後、スタートスイッチ34が操作される(ステップS1007)ことによって、有利区間に制御された次回遊技が開始される。
以上のような点灯制御によって、有利区間制御手段76が有利区間表示LED46を点灯させることにより、本実施形態では、有利区間が開始する前までには、有利区間表示LED46を点灯させるようにしている。これにより、有利区間に移行することに決定した後、遊技者がそれを知らずに遊技をやめてしまい、遊技者が不利益を被ることを防止できる。
[4−7−3.押し順指示情報表示]
有利区間制御手段76は、有利区間中において、指示機能を作動させるべき遊技では、後述するサブ制御基板80による正解押し順の報知(正解押し順表示)とは別個に、指示機能を作動させることにより、獲得枚数表示LED47に押し順指示情報を表示する。
例えば、有利区間中において入賞及び再遊技条件装置番号「16」の入賞A1に当選したときに指示機能が作動する場合、有利区間制御手段76は、押し順指示番号選択手段73によって選択される押し順指示番号「1」に対応する押し順指示情報「=1」を獲得枚数表示LED47に表示する(図18参照)。この制御が、本実施形態における「指示機能の作動」に相当する。
また、押し順指示番号選択手段73でも詳述したように、本実施形態に係るスロットマシン10では、遊技者に不利にならないこと(遊技の公正を害しないこと)を条件に、ダミーの指示機能を作動させることもできる。ダミーの指示機能が作動するときは、有利区間制御手段76は、擬似的な(ダミーの)押し順指示番号に対応する押し順指示情報を獲得枚数表示LED47に表示することができる。
[4−7−4.各種カウンタ]
本実施形態では、上述した有利区間制御手段76による制御のために必要なカウンタとして、RWM63に各種のカウンタが記憶されている。具体的には例えば、有利区間で行うことができる遊技回数を管理する上限カウンタと、前兆ゲーム数を管理する前兆遊技回数カウンタと、ATゲーム数を管理するAT遊技回数カウンタとがある。
以下では、これらのカウンタについて、カウントによってカウンタ値がデクリメントされるデクリメントカウンタとして説明するが、カウントによってカウンタ値がインクリメントされるインクリメントカウンタを用いても実現可能である。
上限カウンタは、有利区間の遊技回数が規定の上限遊技回数(例えば1500ゲーム)を超えないようにするために用いられるカウンタである。上限カウンタは、上限遊技回数を示す「1500」を初期値とし、有利区間が開始したときは常に初期値が設定される。その後、有利区間が終了するまでは、いかなる場合であっても(例えば特別遊技中となっても)カウントを中断せず、1遊技ごとにカウンタ値を1ずつデクリメントする。
そして、有利区間制御手段76は、上限カウンタの値が「0」となったときは、今回遊技で有利区間を強制的に終了し、有利区間表示LED46を消灯する(デジット2のセグメントデータのうち8ビット目のセグメントDPを「0」に更新する)。
また、上限カウンタのカウンタ値が「0」となったときは、「有利区間中に少なくとも1回は指示機能が作動していること」という有利区間から通常区間に移行するための原則が満たされていなくても、すなわち、有利区間中に未だ1回も「有利な入賞のための有利な操作態様」を指示する「指示機能」が作動していないとしても、有利区間制御手段76は、今回遊技で有利区間を強制的に終了し、有利区間表示LED46を消灯する。このように、上限カウンタのカウンタ値に基づく制御は、有利区間において最優先される。
前兆遊技回数カウンタは、有利区間である遊技状態「1(ガセ前兆)」や遊技状態「2(AT前兆)」における遊技回数(前兆ゲーム数)を管理するためのカウンタである。前兆遊技回数カウンタには、遊技状態「1」や遊技状態「2」に移行するとき、前兆ゲーム数に相当する値がセットされる。その後、1遊技ごとにカウンタ値がデクリメントされて、カウンタ値が「0」になると、前兆ゲーム数が消化されたことを意味する。
なお、前兆遊技回数カウンタに最初にセットされる前兆ゲーム数は、常に一定値であってもよいが、遊技状態に応じた所定の値であってもよく(ガセ前兆とAT前兆とで前兆ゲーム数が異なるようにしてもよい)、あるいは、遊技状態への移行契機に応じた所定の値であってもよい(例えば、何れの当選役に基づいて移行が決定したか等によって、前兆ゲーム数が異なるようにしてもよい)。また、前兆ゲーム数を延長したい場合には、前兆遊技回数カウンタのカウンタ値を適宜変更してもよい。
AT遊技回数カウンタは、有利区間である遊技状態「4(AT)」における遊技回数(ATゲーム数)を管理するためのカウンタである。AT遊技回数カウンタには、遊技状態「4」に移行したときに、ATゲーム数に相当する値がセットされる。その後、AT遊技が1遊技行われるごとにカウンタ値がデクリメントされて、カウンタ値が「0」になると、ATゲーム数が消化されたことを意味する。なお、ATの遊技回数が上乗せされる場合には、AT遊技回数カウンタは、上乗せ分に相当する値を加算して更新される。
なお、メイン制御基板60で管理されるこれらのカウンタ(上限カウンタ、前兆遊技回数カウンタ、AT遊技回数カウンタ)のカウンタ値は、サブ制御基板80に送信されてもよい。サブ制御基板80ではこれらの値を参照して、例えば画像表示装置21において、ATの残り遊技回数や消化遊技回数等を画像表示させることができる。
[4−8.外部信号送信手段]
外部信号送信手段77について説明する。外部信号送信手段77は、外部端子板100に外部信号を送信する。本実施形態では、例えば、ボーナス状態(1種BBの作動開始や作動終了)やAT状態(ATの開始や終了)を示す情報が外部信号として送信される。
メイン制御基板60は、毎遊技、当該遊技の終了を確認する遊技終了チェック処理を実行するが、この遊技終了チェック処理の実行時に、「外部信号制御番号」を更新する。「外部信号制御番号」は、外部信号で送信する各種情報を識別可能にするための制御番号であって、遊技機によって任意に設定することができる。例えば、ATの開始、ATの終了、1種BBの作動開始、及び1種BBの作動終了の4つの情報について、それぞれ異なる値(例えば、記載順に「1」〜「4」)で外部信号制御番号が設定されているとする。
メイン制御基板60は、スタートスイッチ34の操作時に、外部信号制御番号に対応する値となるように、外部信号フラグを更新する。そして、外部信号フラグの更新後、外部信号送信手段77は、出力ポート62から外部信号フラグに対応する外部信号を送信する。出力ポート62から送信された外部信号は、外部端子板100に入力されると、外部端子板100に接続された外部機器(例えばホールコンピュータ200)に送信される。
この結果、ホールコンピュータ200は、受信した外部信号からスロットマシン10の遊技情報(例えば、ATの開始、ATの終了、1種BB作動開始、及び1種BB作動終了等)を得ることができるため、スロットマシン10の管理に役立てることができる。さらにホールコンピュータ200は、受信した外部信号に基づいて、データカウンタ等にスロットマシン10の遊技情報を出力させることができる。なお、スロットマシン10の近傍に配置されるデータカウンタ等の場合は、外部端子板100に接続されて外部信号を外部端子板100から直接受信するようにしてもよい。
[4−9.制御コマンド送信手段]
制御コマンド送信手段78について説明する。制御コマンド送信手段78は、サブ制御基板80が演出等を制御するときに必要なデータ(制御コマンド)をサブ制御基板80に送信する。
本実施形態では一例として、制御コマンドは、当該制御コマンドの種別を示すデータである第1制御コマンドと、当該制御コマンドのパラメータ(変数)を示すデータである第2制御コマンドと、が組になって構成されるとする。第1制御コマンド及び第2制御コマンドは、何れも8ビットの1バイトデータとする。したがって、制御コマンド送信手段78による制御コマンドの送信では、組になった第1制御コマンド及び第2制御コマンド(すなわち、16ビットの2バイトデータ)がサブ制御基板80に送信される。
具体的には例えば、RT(RT番号)を示す制御コマンドの場合、第1制御コマンドは「33(H)」(00110011(B))とする。そしてRTのパラメータは、例えばRT1である場合、第2制御コマンドは「00000001(B)」となる。よって、これらを結合した2バイトデータ「00110011/00000001」(「/」は、第1制御コマンドと第2制御コマンドとの間を示すものであり、実際にはない。)がRTの制御コマンドとなり、制御コマンド送信手段78によってメイン制御基板60からサブ制御基板80に送信される。これら第1制御コマンドのデータ(種別データ)及び第2制御コマンドのデータ(パラメータデータ)は、何れもRWM63に記憶されている。
制御コマンド送信手段78は、上記のRTを示す制御コマンドの例と同様に、以下に説明する制御コマンドをサブ制御基板80に送信する。
制御コマンド送信手段78は、押し順指示番号を示す制御コマンドをサブ制御基板80に送信することができる。状況別に詳しく説明する。
通常区間では、押し順指示番号を示す制御コマンドを送信する。但し、このとき制御コマンドで送信される押し順指示番号は、必ず「0(押し順なし)」がセットされる。なお、押し順指示番号を示す制御コマンドを送信しないようにしてもよい。
有利区間では、指示機能の作動対象となる遊技(すなわち、ストップスイッチ35の操作態様によって得られる遊技の結果が異なる小役やリプレイに当選した遊技)において、指示機能を作動する場合には、押し順指示番号を示す制御コマンドを送信する。このとき制御コマンドで送信される押し順指示番号は、指示機能の作動に基づいて「1」〜「6」の何れかである。
有利区間では、指示機能の作動対象となる遊技において、指示機能を作動しない場合には、押し順指示番号を示す制御コマンドを送信する。但し、このとき制御コマンドで送信される押し順指示番号は「0(押し順なし)」がセットされる。または、制御コマンドにおける押し順指示番号を示す値の初期値を「0」(RWM63におけるクリア値を「0」)とする場合には、押し順指示番号を決めることなく、初期値の「0」を送信するようにしてもよい。また、メイン制御基板60では押し順指示番号を「0」に決めるものの、制御コマンドで送信する情報としては取得しないようにしてもよい。なお、押し順指示番号を示す制御コマンドを送信しないようにしてもよい。
有利区間では、指示機能の作動対象とならない遊技(すなわち、ストップスイッチ35の操作態様によって得られる遊技の結果が異ならない役に当選した遊技)において、押し順指示番号を示す制御コマンドを送信する。但し、このとき制御コマンドで送信される押し順指示番号は「0(押し順なし)」がセットされる。なお、押し順指示番号を示す制御コマンドを送信しないようにしてもよい。
制御コマンド送信手段78は、全遊技区間において、入賞及び再遊技条件装置番号を示す制御コマンドをサブ制御基板80に送信しない。制御コマンドによって入賞及び再遊技条件装置番号を知ることができると、サブ制御基板80の側で当選役が特定でき、正解押し順も特定できてしまう。その結果、制御コマンドを抽出する不正行為や、サブ制御基板80を改造する不正行為に繋がるおそれがある。そこで、これらを防止するため、入賞及び再遊技条件装置番号を示す制御コマンドはサブ制御基板80に送信されない。
制御コマンド送信手段78は、全遊技区間において、演出グループ番号を示す制御コマンドをサブ制御基板80に送信する。前述したように、本実施形態では、通常区間において正解押し順がサブ制御基板80に把握されないようにしながらも、当選役の種類を判別できる程度に、役(リプレイ及び小役)のグループ化が行われ、各グループに対応して固有の演出グループ番号が用意されている(図14,図15参照)。
制御コマンド送信手段78は、全遊技区間において、役物条件装置番号を示す制御コマンドをサブ制御基板80に送信する。本実施形態では、1種BBに当選したときは役物条件装置番号「1」が送信され、1種BBに当選していないときは役物条件装置番号「0」が送信される。
[5.演出制御手段]
本実施形態に係るスロットマシン10において、サブ制御基板80(特にサブCPU85)は、遊技中及び遊技待機中における演出(または情報)の選択や実行等を制御する。このサブ制御基板80による演出の制御に関して、図4には、サブ制御基板80に搭載されたサブCPU85の作動によって実現される演出制御手段87が示されている。
演出制御手段87は、メイン制御基板60から制御コマンド送信手段78によって送信される制御コマンド、具体的には、RT番号、押し順指示番号、演出グループ番号、役物条件装置番号等の各制御コマンドに基づいて、どのようなタイミングで(スタートスイッチ34の操作時や各ストップスイッチ35の操作時等)、どのような演出を実行するか(演出ランプ19をどのように点灯、点滅又は消灯させるか、スピーカ20からどのようなサウンドを出力するか、及び画像表示装置21にどのような画像を表示させるか等)等の具体的な演出内容を抽選によって決定する。
そして上記の決定に従って、演出制御手段87は、演出ランプ19、スピーカ20、及び画像表示装置21等を制御する。また、1種BB作動中や有利区間中においては、演出制御手段87は、獲得枚数及び遊技回数(残り遊技回数又は消化遊技回数)等を画像表示装置21に表示させる。
さらに、演出制御手段87は、有利区間中において指示機能の作動時には、押し順指示番号の制御コマンドに基づいて正解押し順を報知(画像表示)する。例えば、有利区間中の遊技で入賞A1に当選し、押し順指示番号「1(左・中・右)」に対応する制御コマンドを受信したときは、画像表示装置21において正解押し順表示「1・2・3」を表示させることによって、遊技者が正解押し順を容易に知り得る内容を報知する。正解押し順の報知を行う際、スピーカ20による音声出力や表示窓17内のリール枠の発光等を利用した報知を併せて実行してもよい。一方、有利区間中において、「0(押し順なし)」の押し順指示番号を受信したときは、押し順を報知しない(「?」等を用いた不明確な押し順表示は行ってもよい)。
また、演出グループ番号の制御コマンドには、当選役を特定できる正確な当選情報は含まれないが、大まかな当選情報が含まれている。演出グループ番号に関して前述したように、演出グループ番号は、サブ制御基板80から正解押し順を把握できないようにしながらも、当選役の種類を判別できる程度にグループ化が行われた役(リプレイ及び小役)の各グループに対して、固有の演出グループ番号を付与したものであり、具体的には例えば、ベル役(入賞A1〜入賞A6、入賞B1〜入賞B3、入賞C)について、入賞A群の当選に対応する演出グループ番号は「9」、入賞B群の当選に対応する演出グループ番号は「10」、入賞Cの当選に対応する演出グループ番号は「11」と分けることによって、ベル役の当選のなかでも大まかな種別の判別が可能となる。
例えば、演出グループ番号「9」を示す制御コマンドを受信したとき、サブ制御基板80側(演出制御手段87)は、入賞A1〜入賞A6の何れに当選したかまでは知ることができないが、ベル役に当選したこと、さらに言えば押し順ベルの入賞A群に当選したことは知ることができる。そこでこの場合、演出制御手段87は、「ベル」の図柄を表示したり、「ベル」の対応色である「黄色」で枠ランプを点灯させたりする等のベル演出を行うことが可能となる。
また例えば、入賞C(共通ベル)の当選時には、何れの押し順でストップスイッチ35が操作されたときであっても、常に入賞01に対応する図柄の組合せが表示されるので、入賞Cの当選に対応する演出グループ番号「11」を示す制御コマンドを受信したときは、スタートスイッチ34が操作された直後、すなわち最初のストップスイッチ35(第1ストップスイッチ35)が操作される前にベル(黄色)演出を行うことが可能となる。
これに対し、通常区間中において入賞A群又は入賞B群に当選したときは、ストップスイッチ35の操作が正解押し順に沿ったものであって入賞01に対応する図柄の組合せが表示されることが確定した時点、すなわち第1ストップスイッチ35操作後にベル(黄色)演出を行うことが好ましい。もちろん、第2ストップスイッチ35操作後や第3ストップスイッチ35操作後でもよい。
しかし、入賞C当選時の演出の実行タイミングと、入賞A群又は入賞B群当選時の演出の実行タイミングとが相違していると、そのタイミングの相違に基づいて、入賞Cに当選したのか、入賞A群又は入賞B群に当選したのかを判別可能となるので、入賞Cの当選回数をカウントすることが可能となり、ひいては、設定値の推測が可能となる。そこで、通常区間において入賞Cに当選したときでも、入賞A群又は入賞B群当選時における実行タイミングと同一のタイミング、例えば第1ストップスイッチ35操作直後にベル演出を行えば、何れのベル当選かの判別ができないようにすることができる。
続いて、指示機能の作動(押し順指示情報の表示)及び正解押し順の報知を行う場合について、より具体的に説明する。
図23,図24は、遊技の進行に沿った指示機能の作動及び正解押し順の報知の一例を説明するための図(その1,その2)である。図23,図24においては、図中の上から下に向かって遊技の進行が示され、獲得枚数表示LED47の側には、メイン制御基板60によって制御される指示機能の作動(押し順指示情報の表示)の例が示され、画像表示装置21の側には、サブ制御基板80によって制御される正解押し順の報知例が示されている。
図23,図24は、有利区間中における指示機能作動遊技において、押し順ベルである入賞A1に当選した場合の例を示している。なお、図23には、ウェイトがない状況、すなわち、スタートスイッチ34の操作とほぼ同時にリール39の回転が開始する状況における例が示され、図24には、ウェイトがある状況、すなわち、スタートスイッチ34の操作からウェイトが解除されるまでに所定の時間が経過した後、リール39の回転が開始する状況における例が示されている。ここで、「ウェイト」とは、前回の遊技のリール39の回転開始から一定期間(例えば4.1秒)が経過していないために今回の遊技のリール39の回転開始を待機している状態を指し、このようなウェイトの制御は、規則で定められている。
有利区間中における指示機能作動遊技では、まず、スタートスイッチ34が操作されると、メイン制御基板60は役抽選を行い、役抽選の結果等に基づいて指示機能を作動させるか否かを判断する。そしてメイン制御基板60(制御コマンド送信手段78)は、押し順指示番号、演出グループ番号、役物条件装置番号の順に、制御コマンドをサブ制御基板80に送信する。また、メイン制御基板60は、リール39の回転が開始した後に、指示機能を作動させて、獲得枚数表示LED47に押し順指示情報を表示する。
まず、図23に沿って説明する。図23によれば、スタートスイッチ34の操作とリール39の回転開始がほぼ同時に行われた後、リール39が定速回転に到達する前に、獲得枚数表示LED47において、入賞A1の当選に基づく押し順指示番号「1」に対応する押し順指示情報、すなわち「=1」が表示される(図17,図18参照)。
一方、画像表示装置21においても、メイン制御基板60からの押し順指示番号等の制御コマンドの送信を受けると、リール39が定速回転に到達する前に、正解押し順(「1・2・3」)が報知される。
次に、ストップスイッチ35が順次操作される。ストップスイッチ35において、第1〜第3の停止操作が行われると、全てのリール39(左リール39a,中リール39b,右リール39c)が停止する。その後、全てのストップスイッチ35の押下が終了した(遊技者の指等が離れて全てのストップスイッチがオフになった)ときに、メイン制御基板60(表示判定手段71)が表示判定を行う。
ここで、第1のパターンとして、正解押し順の操作によって入賞01に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示された場合は、表示判定の判定結果に基づいて、9枚の遊技メダルが払い出される。このとき、獲得枚数表示LED47の表示は、押し順指示情報の表示「=1」から、遊技メダルの払出枚数を示す表示に移り、「01」、「02」、…、「09」と段階的に変化して、最終的には、9枚の遊技メダルが払い出されたことを示す「09」が表示される。
なお、獲得枚数表示LED47において、押し順指示情報の表示から、遊技メダルの払出枚数の表示を開始するまでの間には、表示を一旦リセットするために他の表示が行われてもよい。具体的には例えば、リセットのために「00」を表示して最終的に9枚の遊技メダルの払出を表示する場合、「=1」→「00」→「01」→「02」→…→「09」となる。また例えば、リセットのために上位桁及び下位桁を消灯する場合、「=1」→「**」→「01」→「02」→…「09」となる。なお、デジット(LED)の表示内容を示す「*」は、消灯を意味しており、2桁のデジットがともに消灯する場合は「**」と表現する。
そして、第1のパターン(正解押し順の操作が行われた場合)では、サブ制御基板80(演出制御手段87)は、全てのストップスイッチ35の押下が終了して表示判定が行われた後のタイミングで、画像表示装置21に押し順正解である旨の演出を表示させる(正解演出)。
次に、第2のパターンとして、不正解押し順の操作によって入賞02〜入賞09に対応する図柄の組合せの何れかが有効ラインに表示された場合は、表示判定の判定結果に基づいて、1枚の遊技メダルが払い出される。このとき、獲得枚数表示LED47の表示は、押し順指示情報の表示「=1」から、遊技メダルの払出枚数を示す表示に移り、1枚の遊技メダルが払い出されたことを示す「01」が表示される。
次に、第3のパターンとして、不正解押し順の操作によって取りこぼしとなった場合(パターン01,02に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示された場合)は、表示判定の判定結果に基づいて、遊技メダルは払い出されない。このとき、獲得枚数表示LED47の表示は、押し順指示情報の表示「=1」から、「00」(または「**」)に変化する。
そして、第2または第3のパターン(不正解押し順の操作が行われた場合)では、サブ制御基板80(演出制御手段87)は、全てのストップスイッチ35の押下が終了して表示判定が行われることを待たずに、押し順不正解が確定した時点で、画像表示装置21における正解押し順の報知を中止する。
具体的には、例えば、ストップスイッチ35の第1操作が左ストップスイッチ35a以外(中ストップスイッチ35bまたは右ストップスイッチ35c)であったとすると、正解押し順は「左・中・右」であることから、この時点で押し順不正解が確定する。そこでこの場合は、図23に示したように、第1ストップスイッチの操作後、第2ストップスイッチが操作される前に、サブ制御基板80(演出制御手段87)は、画像表示装置21における正解押し順の画像表示を消去することによって、正解押し順の報知を中止する。押し順不正解となった時点で画像表示装置21による正解押し順の報知を中止すれば、他の演出に切り替えることができる。第2または第3のパターンでは、その後、例えば表示判定が行われた後に、メイン制御基板60が指示機能の作動を終了する。
そして、上記の第1〜第3のパターンの何れも、表示判定が行われて指示機能の作動が終了した後は、同様の制御が行われる。すなわち、さらに、遊技者がベットスイッチ33を操作するか遊技メダルを手入れして遊技メダルがベットされると、メイン制御基板60は、獲得枚数表示LED47に表示した獲得枚数の内容をクリアするため、獲得枚数表示LED47の表示を「00」に変化させる(「**」としてもよい)。
なお、上記の説明では、指示機能の作動(押し順指示情報の表示)は、上記の第1〜第3のパターンの何れも、表示判定が行われるまで継続するとしたが、これに限らず、例えば不正解押し順となった時点で、画像表示装置21による正解押し順の報知の中止と同様に、指示機能の作動(獲得枚数表示LED47の表示)を終了(中止)するようにしてもよい。
次に、図23と比較しながら図24を説明する。図24では、ウェイトがあるため、スタートスイッチ34の操作からリール39の回転が開始するまでに、時間差がある。
この場合、スタートスイッチ34の操作後に、メイン制御基板60からサブ制御基板80に押し順指示番号等の制御コマンドが送信されるため、サブ制御基板80(制御コマンド送信手段78)は、リール39の回転が開始する前に、画像表示装置21に正解押し順(「1・2・3」)を表示させる。
一方、メイン制御基板60によって制御される獲得枚数表示LED47では、リール39の回転が開始した後、リール39が定速回転に到達する前に、入賞A1の当選に基づく押し順指示番号「1」に対応する押し順指示情報、すなわち「=1」が表示される。その後の表示制御は、図23と同様であるため、説明を省略する。
以上に説明したように、図23及び図24によれば、獲得枚数表示LED47における押し順指示情報の表示よりも先、または少なくとも同じタイミング(図中の処理手順を単位とするタイミングであり、厳密な前後を限定するものではない)で、画像表示装置21における正解押し順の表示が行われる。本実施形態では、このように制御することによって、遊技者が画像表示装置21における表示を優先して見るように図ることができるため、獲得枚数表示LED47における押し順指示情報の表示を気にすることなく、画像表示装置21で行われる演出を楽しませることに期待できる。
[6.変形例]
本実施形態に係るスロットマシン10は、必ずしも上述したものに限定されるものではなく、例えば、以下のような種々の変形が可能である。
(1)
有利区間の遊技回数の上限値は、1500回に設定したが、これに限らず、例えば払出枚数3000枚、差枚数2000枚、指示機能作動遊技(例えば入賞A群、入賞B群の当選時)の遊技回数100回等に設定することも可能である。あるいは、1500遊技又は払出枚数が3000枚のように、複数の条件を設定し、何れか一方を満たしたときは上限に到達したと判断することも可能である。
(2)
有利区間表示LED46は、貯留枚数表示LED45のセグメントDPを利用したが、これに限らず、有利区間であるか否かを表示する専用の表示器(LED等)を設けてもよい。但し、上記実施形態のように、既存のLEDでまかなうことができれば、コストを削減することができる。
また、有利区間表示LED46は、貯留枚数表示LED45のうち、デジット2のセグメントDPから構成したが、例えば、獲得枚数表示LED47のうち、デジット4のセグメントDPから構成してもよい。
さらにまた、遊技者が遊技をやめるときに、遊技履歴(二次元コード)を表示させるために、メニューボタン23を操作する場合がある。したがって、メニューボタン23の近傍に有利区間表示LED46を配置しておけば、遊技をやめるときに、有利区間中であることを遊技者に気づかせることができる。例えば、メニューボタン23の近傍に貯留枚数表示LED45(デジット2のセグメントDPを有利区間表示LED46とする)や獲得枚数表示LED47(デジット4のセグメントDPを有利区間表示LED46とする)を配置してもよい。もちろん、図5で示したように、精算スイッチ36の近傍に有利区間表示LED46を設けることも有効である。さらに、有利区間に移行することに決定したときは、メニューボタン23が操作可能となる前に、有利区間表示LED46を点灯させることにより、遊技者が有利区間への移行を気づかずにメニューボタン23を操作する(遊技履歴(二次元コード)を表示させる)ことを防止することができる。
(3)
有利区間表示LED46が点灯している状態で電源スイッチ11がオフにされた場合において、再度、電源スイッチ11がオンにされたときは、有利区間制御手段76は、電源のオン/オフの前後で有利区間を維持するため、有利区間表示LED46は再度点灯する。したがって、例えばホールにおいて有利区間表示LED46が点灯した状態で閉店を迎えたとき、翌日の営業開始時に有利区間表示LED46を消灯させたいときは、設定変更を行う(同一設定値の再設定を含む)ことが挙げられる。
(4)
本実施形態では、入賞A群や入賞B群の当選時の押し順不正解時には、入賞02〜入賞09(作動しているものに限る)に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されて1枚の遊技メダルが払い出され得るとしたが、押し順不正解時の遊技メダルの払出枚数は1枚に限るものではなく、押し順正解時の遊技メダルの払出枚数を下回るものであれば何枚であってもよい。さらに、入賞A群の当選時の押し順不正解時には、一部で取りこぼしが発生し得るとしたが、その発生率(取りこぼし率)は特定の値に限定されず、75%や50%等、種々設定することができる。
本実施形態、及び上述した各種の変形例は、単独で実施されることに限定されるものではなく、適宜組み合わせて実施することが可能である。
[7.指示機能の作動]
本実施形態に係るスロットマシン10では、有利区間に移行することが決定されたときに、当該有利区間に制御する遊技期間(有利期間)が決定される。また、有利区間中に有利期間の上乗せが行われること(例えば、ガセ前兆中にAT抽選に当選することや、AT中に上乗せでATが延長されること)もある。以後の説明では、これらの有利期間を「正規有利期間」と呼ぶ。
有利区間においては、任意に指示機能を作動させることができる。指示機能の作動条件(作動対象)は、有利区間を通じて一定である必要はなく、メイン遊技状態の種別や特定の状況等によって変更することができる。
そして、有利区間の終了条件については、「正規有利期間」が終了したことに加えて、前述したように、「有利区間中、ストップスイッチ35の操作態様によって得られる遊技の結果が異なる小役(該当する小役が複数ある場合には、得られる遊技の結果が大きい方(最大枚数払出)の小役)に当選した遊技において、少なくとも1回は、指示機能が作動していること」が原則として課せられる。説明を簡略にするために、この必要条件を満たすための指示機能の作動による有利な操作態様の指示を「必須有利小役ナビ」と称すると、上記有利区間終了の必要条件は、「有利区間において必須有利小役ナビを少なくとも1遊技以上行うこと」となり、以後の説明では、このような表現も使用する。また、前述したように、有利区間の終了条件の特例として、「有利区間中に特別遊技(例えば1種BB遊技)が行われていた場合には、上記有利区間終了の必要条件が満たされていなくても有利区間を終了してよい」とする。
したがって、本実施形態に係るスロットマシン10では、有利区間において正規有利期間が経過したとしても、原則として「必須有利小役ナビ」を行う指示機能の作動が行われていない場合(必須有利小役ナビが発生していない場合)には、有利区間を終了することができず、必須有利小役ナビの発生を待つために有利期間が延長されることとなる。このように有利期間が延長された有利区間の状態を「ナビ待ち状態」と呼ぶこととし、ナビ待ち状態における延長された有利期間を「ナビ延長有利期間」と呼ぶ。
具体的な制御としては、本実施形態に係るスロットマシン10では、メイン制御基板60が、有利区間において必須有利小役ナビが少なくとも1回行なわれたか否かを判定するための判定情報「ナビ済フラグ」をRWM63に記憶する。「ナビ済フラグ」は、例えば初期値を「0(OFF)」とするフラグであって、有利区間において必須有利小役ナビが行われるときに「1(ON)」がセットされ、当該有利区間が終了するまでフラグ値「1」が維持される。
なお、本実施形態では、有利区間の終了条件の特例として前述した「有利区間中に特別遊技が行われていた場合」について、詳細には、1種BBが作動したとき(ボーナスゲームに移行したとき)に、それまでの必須有利小役ナビの実行の有無に拘わらず、「ナビ済フラグ」を「1(ON)」に更新する。但し、「ナビ済フラグ」を「1(ON)」に更新するタイミングは、必ずしもこのタイミングに限定されるものではなく、他にも例えば、役抽選で1種BBに当選した時点で更新してもよい(特別遊技が行われることが確定しているからである)し、1種BBに対応する図柄の組合せが表示されたことによって開始される特別遊技(ボーナスゲーム)が終了したときに更新してもよいし、1種BBに対応する図柄の組合せが表示されたことによって開始した特別遊技で1回の遊技が行われたときに更新してもよい。
このように「ナビ済フラグ」を管理することによって、メイン制御基板60(有利区間制御手段76)は、有利区間において正規有利期間が経過したときに、ナビ済フラグを確認し、そのフラグ値が「1(ON)」であれば有利区間を終了して通常区間に制御し、フラグ値が「0(OFF)」であればとして有利区間を延長するよう制御することができる(ナビ待ち状態)。また、前述したように、「有利区間に滞在可能な上限遊技回数(本例では1500ゲーム)が規定されるとき、有利区間における遊技数が当該上限遊技回数に到達した場合も、特例として有利区間を終了させることができる」とし、ナビ済フラグのフラグ値に拘わらず、次回遊技は強制的に通常区間に移行される。
以下では、本実施形態における有利区間中の特徴的な指示機能の作動について詳細に説明するが、本実施形態に係るスロットマシン10における指示機能の制御は、当該説明で用いる具体例に限定されるものではなく、当該具体例と同様の効果が得られるものであれば、任意に変形して設定することができる。
[7−1.作動対象]
図25は、有利区間における指示機能の作動対象を説明するための図である。図25には、本実施形態に係るスロットマシン10における指示機能に関して、メイン遊技状態及びナビ待ち状態ごとに、指示機能の作動対象の一例をまとめたものである。図25に示す「ナビ待ち」は前述した「ナビ待ち状態」を意味する。また、図25では、有利区間のメイン遊技状態のうち、有利区間中内部中、有利区間中ボーナス中、及び有利区間中ボーナス後については図示を省略している。
図25において、「ベル」とは、指示機能の作動対象となり得る押し順ベル(すなわち、入賞A群及び入賞B群)を意味し、「リプレイ」とは、指示機能の作動対象となり得る押し順リプレイ(すなわち、再遊技A群及び再遊技B群)を意味する。
そして、各遊技状態において「ベル」欄に「A群,B群」と記載されている場合は、全ての押し順ベル(入賞A群,入賞B群)の当選時に指示機能が作動することを意味し、「ベル」欄に「B群」と記載されている場合は、押し順ベルの当選のうち、入賞B群の当選時にのみ指示機能が作動する(入賞A群の当選時には指示機能を作動させない)ことを意味する。
また、各遊技状態において「リプレイ」欄に「〇」と記載されている場合は、全ての押し順リプレイ(再遊技A群,再遊技B群)の当選時に指示機能が作動することを意味し、「リプレイ」欄に「×」と記載されている場合は、全ての押し順リプレイ(再遊技A群,再遊技B群)の当選時に指示機能が作動しないことを意味する。
なお、後の具体例においても詳述するが、図25における作動対象の例示は、遊技状態に対応する作動対象(役)の当選時に「常に」指示機能が作動することを意味するものではない。具体的には例えば、図25において「ガセ前兆」の「ベル」欄は「B群」となっているが、この場合でも、ガセ前兆において入賞B群が当選したときに「常に」指示機能を作動させる必要はなく、例えば1回目の入賞B群の当選時にのみ指示機能を作動させて、2回目以降の入賞B群の当選時には指示機能を作動させない、といった作動条件付きの制御も含まれる。
図25によれば、「AT準備」や「AT(EDを含む)」では指示機能が最大限に作動することが示される一方、「ガセ前兆」、「AT前兆」及び「ナビ待ち」では指示機能の作動対象が制限されることが示される。具体的には、「ガセ前兆」、「AT前兆」及び「ナビ待ち」では、押し順ベルは入賞B群の当選時にのみ指示機能の作動対象となり、さらに、「ガセ前兆」、「AT前兆」及び「ナビ待ち」では、押し順リプレイは指示機能の作動対象とならない(当選しても指示機能が作動しない)。
本実施形態において、上記のように一部の遊技状態(「ガセ前兆」、「AT前兆」及び「ナビ待ち」)で指示機能の作動対象を制限する理由の1つは、これらの遊技状態が有する「出玉率(所謂、ベース)に与える影響度合いが大きくなること(出玉率が高くなること)が好ましくない」という特性を考慮して、遊技状態の目的に見合った有利区間の制御を実現しようとするためである。この点について以下に詳しく説明する。
まず、「ガセ前兆」について検討する。
「ガセ前兆」は、AT状態への移行が決定していない前兆期間による有利区間であり、「ガセ前兆」の期間に行われるガセ前兆演出ではATの非当選が報知され、その後は通常区間(通常遊技)に戻される。したがって、本来「ガセ前兆」は遊技者にとって有利な遊技状態とは言えず、出玉率が高くなることは好ましくない。
次に、「AT前兆」について検討する。
「AT前兆」は、AT状態への移行が決定している前兆期間による有利区間であり、「AT前兆」の期間に行われる本前兆演出ではATの当選が報知され、その後はAT準備を経てATが開始される。ここで、ATは、最大限に指示機能が作動することから、出玉率が高められる遊技状態であり、遊技者にとって有利な遊技状態であるが、その前段階となる「AT前兆」においても出玉率が高められることは特段求められていない。また、同様の前兆期間としての「ガセ前兆」と比較したときに、「ガセ前兆」よりも出玉率が高い遊技状態となってしまうと、出玉率からAT当選/非当選を推測できてしまう等、前兆演出の効果が薄れてしまうおそれもある。
このような理由から、「AT前兆」は、将来的には遊技者に有利となる遊技状態ではあるが、「AT前兆」の段階で出玉率が高められることは好ましくなく、演出効果の観点からは、出玉率への影響度合いが「ガセ前兆」と同程度であることが望ましい。また、遊技中のナビの発生から判別されることを避けるために、ナビの発生頻度(言い換えればナビの発生条件)も「AT前兆」と「ガセ前兆」とで同程度であることが好ましい。
次に、「ナビ待ち状態」について検討する。
「ナビ待ち状態」は、有利区間の本来の遊技期間(正規有利期間)のうちに、必須有利小役ナビを行う指示機能の作動が行われない等によって有利区間を終了することができず、必須有利小役ナビの発生を待つために延長された有利区間である。「ナビ待ち状態」は、必須有利小役ナビを行う指示機能が作動するまで続くため、指示機能の作動対象となる小役に当選しない遊技が続いた場合、当初の想定を超えた長期に亘って有利区間が継続してしまうおそれがある。このとき、ナビ待ち状態における出玉率への影響が大きい(出玉率が比較的高い)ということになれば、「ナビ待ち状態」による変則的な有利区間によって想定外の利益が提供されてしまう。
ここで、「ナビ待ち状態」における出玉率への影響について補足する。「ナビ待ち状態」は、必須有利小役ナビが1回発生すれば終了するため、小役の入賞に伴う遊技媒体(遊技メダル等)の払出によって出玉率に与える直接的な影響は、さほど大きなものではない。しかし、「ナビ待ち状態」における遊技はガセ前兆遊技かAT遊技であり、AT遊技ではATの上乗せ抽選が行われることがあるため、ATの「ナビ待ち状態」は、遊技者に有利な状態(間接的に出玉率が高くなる状態)と言える。すなわち、「ナビ待ち状態」によって変則的に有利区間が延長されるほど、遊技者が想定外の過剰な利益を得てしまう可能性がある。この点を鑑みると、「ナビ待ち状態」においても出玉率への影響を出来るだけ抑制する(出玉率を高くしない)ことが求められる。
以上のように、本実施形態において、「ガセ前兆」、「AT前兆」、及び「ナビ待ち状態」は、何れも出玉率への影響を抑制することが求められる遊技状態であり、出玉率への影響を抑制するために、具体的には、主に押し順小役(本例では押し順ベルである入賞A群,入賞B群)に関する指示機能の作動対象を変更する。
ここで、押し順ベルを構成する入賞A群と入賞B群について、それぞれの当選時に指示機能を作動させることによる出玉率への影響度合いを検討する。
図26は、入賞A群と入賞B群とを比較説明するための図である。図26によれば、まず、役抽選における入賞B群の当選割合(当籤確率)は、入賞A群よりも小さい。具体的には、図16を参照すると、非RT〜RT4において、入賞A群の総置数が「10800」であるのに対して、入賞B群の総置数は「7110」である。次に、指示機能非作動時(ランダム操作時)の押し順正解率は、入賞A群当選時が「1/3」(3択式で正解となる選択肢が1つ)であるのに対し、入賞B群当選時は「2/3」(3択式で正解となる選択肢が2つ)であり、入賞B群のほうが高い(図14,図15参照)。そして、押し順正解時の遊技メダルの払出枚数は、入賞A群及び入賞B群の何れも9枚である。
以上の3つの比較結果に基づいて、図26の「指示機能作動による出玉率への影響度」を検討することができる。すなわち、入賞A群は、指示機能非作動時の押し順正解率は「1/3」と低いものの、当選割合が高いことから、指示機能が作動して押し順正解率が100%になった場合には、9枚の払出機会が大幅に増加するため、出玉率への影響度合いが高い(影響度が大きい)。一方、入賞B群は、指示機能非作動時の押し順正解率が「2/3」と高く、当選割合が低いことから、指示機能が作動して押し順正解率が100%になったとしても、9枚の払出機会の増加による出玉率への影響度合いは、入賞A群の場合ほどには高くない(影響度が小さい)。
つまり、入賞A群及び入賞B群のように押し順正解時に同数の払出枚数が定められている場合、ランダム操作時の正解押し順が多い方の小役(ここでは入賞B群)の当選を指示機能の作動対象とすることによって、出玉率(ベース)の増加を抑制することができる。なお、入賞A群と入賞B群の当選割合に大差がある場合(特に入賞A群よりも入賞B群の方が圧倒的に当選し易い場合)は、これに限らない。
以上のような指示機能作動による出玉率への影響度の違いを鑑みて、本実施形態では、図25に示したように、所定の遊技状態において指示機能の作動対象を制限するようにしている。
すなわち、「ガセ前兆」及び「AT前兆」については、出玉率への影響度の大きい入賞A群当選時には指示機能を作動しないようにすることで、当該遊技状態における出玉率の増加を抑制することができる。その一方で、出玉率への影響度の小さい入賞B群当選時には指示機能を作動することで、正規有利期間のうちにナビ済フラグがONとなるように促進するため、ナビ待ち状態による有利区間の変則的な延長を回避する効果に期待でき、こちらも結果的には、「ガセ前兆」及び「AT前兆」における出玉率の増加の抑制に期待できる。
また、「ガセ前兆」と「AT前兆」とで指示機能の作動対象を同一(遊技者が明確に察知できない程度にほぼ同一でもよい)とすることで、指示機能の作動状況からATの当選/非当選を察知できないようにし、前兆演出による煽り演出を遊技者に楽しませることができる。
なお、「ガセ前兆」及び「AT前兆」において直接的な出玉率の増加をより効果的に抑制するためには、入賞B群当選時に行う指示機能の作動を所定回数(例えば1回)に制限するようにしてもよい。このような場合、指示機能の作動に伴う9枚の払出機会を制限できるため、出玉率への影響をより小さくすることができる。
さらに、「ガセ前兆」及び「AT前兆」については、押し順リプレイの当選時には指示機能を作動させないようにすることで、有利なRT状態であるRT2への昇格を抑制することができるとともに、有利なRT2からの転落を防止しないようにすることができる。具体的には、再遊技A群の当選時には、再遊技04に対応する図柄の組合せが有効ラインに表示されるような正解押し順をナビしないことによって、有利なRT状態であるRT2への移行(昇格)を誘導しないことができ、再遊技B群の当選時には、再遊技01の図柄の組合せが有効ラインに表示されることを防止する正解押し順をナビしないことによって、非RTへの移行(転落)を防止しないようにすることができる。そして、有利なRT状態への昇格を抑制すること、及び有利なRT状態からの転落を防止しないことは、上述したように間接的な出玉率の増加を抑制する効果にも期待できる。
また、「ナビ待ち状態」については、出玉率への影響度の大きい入賞A群当選時には指示機能を作動しないようにする一方で、出玉率への影響度の小さい入賞B群当選時には指示機能を作動することで、出玉率への影響を抑えながらもナビ延長有利期間の早期終了を図ることができる。かくして、本実施形態に係るスロットマシン10は、有利区間の想定外の長期滞在を抑制する遊技機を提供することができる。
なお、図25によれば、「ナビ待ち状態」では、「ガセ前兆」や「AT前兆」と同様に、押し順リプレイ(再遊技A群,再遊技B群)の当選時にも指示機能を作動しないとしているが、ATの「ナビ待ち状態」においては押し順リプレイ(再遊技A群,再遊技B群)の当選時に指示機能を作動するようにしてもよい。すなわち、ATの「ナビ待ち状態」は、「ガセ前兆」や「AT前兆」と異なる点として、正規有利期間を経過しても必須有利小役ナビが発生する所定の押し順小役に当選していない状況で制御されるため、正規有利期間で本来期待される程度の遊技メダルの払出が得られていないことが想定される。このような状況への救済を考慮する場合に、「ガセ前兆」や「AT前兆」よりは遊技者に有利になるように指示機能の作動条件を調整してもよい。具体的には例えば、ATの「ナビ待ち状態」では押し順リプレイの当選時には指示機能を作動させることで、上位RT(RT2)からの転落を防止するといったことが挙げられる。
またさらには、「ナビ待ち状態」となる前の有利区間のメイン遊技状態に応じて、「ナビ待ち状態」における指示機能の作動対象を変更する等してもよい。具体的には例えば、遊技者に有利ではない「ガセ前兆」の「ナビ待ち状態」は、出玉率の増加を厳しく抑制するように指示機能の作動対象を制限する一方、遊技者に有利な「AT」の「ナビ待ち状態」は、比較的出玉率の増加に期待できるように、指示機能の作動対象の制限を緩める等が挙げられる。このようにすることで、スロットマシン10における有利区間の遊技に多様性を付加することができる。
以上のように、本実施形態に係るスロットマシン10は、有利区間のうち特定の遊技区間において出玉率の増加を抑制することができる。そして、有利区間のうち特定の遊技区間において出玉率の増加を抑制できれば、スロットマシン10において全遊技区間を通しての出玉率、あるいは通常区間に対する有利区間の出玉率に設計上の制約が課せられる場合に、抑制した出玉率を上記特定の遊技区間以外の有利区間に回すことができるため、例えばATの当選確率をより高めたり、正規有利期間をより長くしたりすることが可能となる。かくして、本実施形態に係るスロットマシン10によれば、メリハリの付いた遊技性能を備えた遊技機を提供することができる。
[7−2.有利区間の制御例]
図27〜図34は、有利区間における制御の具体例を説明するための図(その1〜その8)である。図27〜図34には、本実施形態に係るスロットマシン10において図25に示した作動対象に基づいて指示機能が実行される有利区間について、様々な遊技進行のパターンにおけるメイン遊技状態やナビ待ちフラグ等の制御例が示されている。
以下、図27〜図34の各パターンについて遊技進行を見ていくことによって、前述した有利区間中の特徴的な指示機能の作動とその効果について確認する。
なお、図27〜図34の制御例では、有利区間の正規有利期間の終了までにナビ済フラグがONになる場合を「正規」とし、有利区間の正規有利期間の終了までにナビ済フラグがONにならない場合、すなわち、有利区間が延長されてナビ待ち状態に制御される場合を「変則」としている。また、なお、図21を参照して行ったメイン遊技状態の説明では、ATの開始条件(d)を「入賞及び再遊技条件装置番号「1」〜「6」(再遊技A群)に当選、またはRT2に滞在」としていたが、図29〜図34では、簡便のため、ATが開始するときは、RT状態が「RT2」になっていること、としている。
(1)AT非当選のパターン
図27は、AT抽選に非当選で開始した有利区間における正規の制御例を示したものである。図27の場合、AT抽選に非当選であるため、有利区間開始時のメイン遊技状態は遊技状態「1(ガセ前兆)」となり、画像表示装置21ではガセ前兆演出(最終的にAT非当選が報知される煽り演出)が行われる。図25に示したように、ガセ前兆においては、押し順ベル(入賞A群,入賞B群)に当選した遊技のうち、入賞B群に当選した遊技でのみ指示機能が作動して正解押し順が報知される。また、押し順リプレイ(再遊技A群,再遊技B群)の当選時には指示機能は作動しない。
図27では、その後、正規有利期間(ガセ前兆)が終了する前に入賞B群に当選したため、指示機能が作動して必須有利小役ナビが発生し、ナビ済フラグがONとなる。したがって、正規有利期間の経過後(前兆ゲーム数の消化後)に、有利区間制御手段76は有利区間を終了させる。なお、前述したように、ガセ前兆では、必須有利小役ナビのための指示機能の作動回数を所定回数(例えば1回)に制限してもよく、所定回数を超えた後(例えば2回目以降)の入賞B群当選時には指示機能を作動させない等としてもよい。このようにすることで、ガセ前兆における出玉率の増加をより抑えることができる。
図28は、AT抽選に非当選で開始した有利区間における変則の制御例を示したものである。図27の場合と同様に、図28の場合はAT抽選に非当選であるため、有利区間開始時のメイン遊技状態は遊技状態「1(ガセ前兆)」となり、画像表示装置21ではガセ前兆演出が行われる。図25に示したように、ガセ前兆においては、押し順ベル(入賞A群,入賞B群)に当選した遊技のうち、入賞B群に当選した遊技でのみ指示機能が作動して正解押し順が報知される。また、押し順リプレイ(再遊技A群,再遊技B群)の当選時には指示機能は作動しない。
図28では、その後、正規有利期間(ガセ前兆)が終了するまでに入賞B群に当選せず、必須有利小役ナビが発生しなかったため、ナビ済フラグはONにならず(OFFのまま)、正規有利期間の経過後(前兆ゲーム数の消化後)は、ガセ前兆のナビ待ち状態で有利区間が延長される(ナビ延長有利期間)。図25に示したように、ナビ待ち状態では、ガセ前兆と同様に、押し順ベル(入賞A群,入賞B群)に当選した遊技のうち、入賞B群に当選した遊技でのみ指示機能が作動して正解押し順が報知される。また、押し順リプレイ(再遊技A群,再遊技B群)の当選時には指示機能を作動させてもよいし、作動させなくてもよい。
そして、ガセ前兆のナビ待ち状態において入賞B群に当選すると、指示機能が作動して必須有利小役ナビが発生し、ナビ済フラグがONとなる。これによってナビ待ち状態は終了し、すなわち、有利区間制御手段76は有利区間を終了させる。このように入賞B群に当選したときにナビ待ち状態を終了できるようにすることで、有利区間の想定外の長期滞在を抑制する効果に期待できる。
なお、図28のようにナビ待ち状態によってガセ前兆のメイン遊技状態が延長される場合、サブ制御基板80(演出制御手段87)によって制御されるガセ前兆演出はその延長に影響を受けずに任意の演出を実行することができる。すなわち、演出制御手段87は、正規有利期間が終了するまでにガセ前兆演出を終了させてAT非当選を報知し、その後のナビ延長有利期間では通常の遊技状態用の演出を出力する等の制御が可能である。
上記のようなナビ待ち状態における演出制御の対応は、ガセ前兆以外のメイン遊技状態(但し、有利区間中)にも適用可能であり、ナビ待ち状態において上記のような演出制御を行うことによって、遊技進行と演出との不整合を回避するとともに、遊技者に演出の間延び感を抱かせないようにすることができる。
(2)AT当選のパターン
図29〜図31は、AT抽選に当選して開始した有利区間における正規の制御例を示したものである。図29〜図31の各図は、何れも正規有利期間(AT前兆、AT準備、AT)にナビ済フラグがONになるパターンであるが、ONになるタイミングが異なっている。まずは図29を参照しながら、ナビ済フラグがONになるタイミング以外の制御の進行について説明する。
図29の場合、AT抽選に当選しているため、有利区間開始時のメイン遊技状態は遊技状態「2(AT前兆)」となり、画像表示装置21ではAT前兆演出(最終的にAT当選が報知される煽り演出)が行われる。図25に示したように、AT前兆においては、押し順ベル(入賞A群,入賞B群)に当選した遊技のうち、入賞B群に当選した遊技でのみ指示機能が作動して正解押し順が報知される。また、押し順リプレイ(再遊技A群,再遊技B群)の当選時には指示機能は作動しない。
その後、AT前兆の前兆ゲーム数が消化されると、メイン遊技状態は遊技状態「3(AT準備)」に移行する。AT準備においては、押し順ベル(入賞A群,入賞B群)の当選時、及び押し順リプレイ(再遊技A群,再遊技B群)の当選時に、指示機能を作動可能とする(図25参照)。
なお、図29のAT準備では、次のステップであるATを開始するための準備として、RT状態をRT2にすることが目的とされる。そこで、AT準備におけるRT状態がRT1であれば、押し順リプレイ(RT1では再遊技A群のみ抽選)の当選時に指示機能を作動させることによって、押し順正解時にRT2に移行させることができ、ATが開始される。また、AT準備におけるRT状態が非RTであった場合は、まずはRT1に昇格させる必要があるため、RT1に昇格するまでの間は入賞A群の押し順ベル当選時に指示機能を作動させないようにする。この結果、入賞A群に当選して押し順が不正解で取りこぼしが発生した場合に、非RTからRT1への移行条件である「パターン01またはパターン02の図柄の組合せの停止」が得られる。入賞B群の押し順ベル当選時には、指示機能を作動させてもよいし、作動させなくてもよい。RT1に移行した後は、上記の通り、押し順ベル(入賞A群,入賞B群)及び押し順リプレイ(RT1では再遊技A群のみ抽選)の当選時に指示機能を作動させればよい。このようなRT状態に応じた指示機能の作動の変更は、他の具体例におけるAT準備でも同様であり、以後は説明を省略する。
図29によれば、AT準備でRT2になると(再遊技A群の当選時に押し順が正解)、メイン遊技状態は遊技状態「4(AT)」となる。遊技状態「4」のときは、押し順ベル(入賞A群,入賞B群)の当選時、及び押し順リプレイ(再遊技A群,再遊技B群)の当選時に指示機能が作動する(図25参照)。そして、所定のATゲーム数が消化された後は、ナビ済フラグがONであれば、有利区間制御手段76は有利区間を終了させる。
ここで、図29〜図31の各図について、ナビ済フラグがONになるタイミングを確認すると、図29の場合は、AT前兆中に入賞B群に当選しており、このとき指示機能の作動によって必須有利小役ナビが発生するため、ナビ済フラグがONとなる。したがって、正規有利期間の経過後(ATゲーム数の消化後)、有利区間制御手段76は有利区間を終了させる。
また、図30の場合は、AT準備中に入賞A群または入賞B群に当選しており、AT準備中は入賞A群及び入賞B群の何れの当選時にも指示機能が作動するため、必須有利小役ナビが発生してナビ済フラグがONとなる。したがって、正規有利期間の経過後(ATゲーム数の消化後)、有利区間制御手段76は有利区間を終了させる。
また、図31の場合は、AT中に入賞A群または入賞B群に当選しており、AT中は入賞A群及び入賞B群の何れの当選時にも指示機能が作動するため、必須有利小役ナビが発生してナビ済フラグがONとなる。したがって、正規有利期間の経過後(ATゲーム数の消化後)、有利区間制御手段76は有利区間を終了させる。
次に、図32の具体例を説明する。図32は、AT抽選に当選して開始した有利区間における変則の制御例を示したものである。図32は、メイン遊技状態がAT前兆からAT準備を経てATに移行するまでは、ナビ済フラグのON/OFFを除いて図29〜図31と同じである。
そして、図32では、ATゲーム数が消化されるまでに(正規有利期間が経過するまでに)必須有利小役ナビが発生しなかったため、ATのナビ待ち状態となって有利区間が延長される。なお、図32の制御上は、ナビ待ち状態になってからもメイン遊技状態はATとなっているが、演出上は、サブ制御基板80(演出制御手段87)が、AT(ART)の演出画面を終了させて、通常遊技の演出を表示しながら、指示機能の作動時に正解押し順表示を行うようにしてもよい。
なお、図32では、ナビ待ち状態において押し順リプレイ当選時(RT2では再遊技B群のみ抽選)に指示機能を作動させないとしており、このため、ナビ待ち状態で再遊技B群に当選して押し順が不正解であった場合に、再遊技01に対応する図柄の組合せが表示されてRT2から非RTに転落することが考えられる。また、押し順ベル(入賞A群)の当選時も指示機能を作動させないとすることにより、ナビ待ち状態で入賞A群に当選して押し順が不正解であった場合に、取りこぼしが発生すると、パターン01,パターン02に対応する図柄の組合せが表示され、RT2からRT1に転落することが考えられる(図14,図20参照)。
その後、ナビ待ち状態で入賞Bに当選すると指示機能が作動して必須有利小役ナビが発生するため、ナビ済フラグがONとなり、有利区間制御手段76は有利区間を終了させる。
このような図32の制御例からは、正規有利期間の後、変則的に有利区間が延長されたナビ待ち状態になった場合に、出玉率の増加を抑制しながらも早期の有利区間の終了を図る制御が行われることが分かる。
(3)AT中に1種BB当選のパターン
図33及び図34は、有利区間のAT中に1種BBに当選した場合の制御例を示したものである。図33は、正規有利期間のうちに1種BBに当選した場合であり、図34は、正規有利期間の後のナビ延長有利期間(ナビ待ち状態)で1種BBに当選した場合である。
まず、図33について説明する。図33においてメイン遊技状態がATになるまでは、前述した図29〜図31と同様であるため、説明を省略する。
図33では、AT中に1種BBに当選したことによって、1種BBの当選情報が記憶され(ON)、メイン遊技状態は遊技状態「6(有利区間中内部中)」となる。その後、1種BBに対応する図柄の組合せが表示されると、1種BBの当選情報の持ち越しが終了し(OFF)、遊技状態「7(有利区間中ボーナス中)」に移行して特別遊技(ボーナスゲーム)が行われる。
ここで、前述したように、「有利区間中に1種BBが行われた場合」は有利区間の終了条件の特例に相当するため、1種BBが作動したとき(ボーナスゲームに移行したとき)に、必須有利小役ナビの実行の有無に拘わらず、ナビ済フラグは「1(ON)」にされる。なお、前述したように他のタイミングでナビ済フラグを「1(ON)」にしてもよい。
そして、図33の場合は、ボーナスゲームの終了後も有利区間が維持されるため、ボーナスゲーム終了後のメイン遊技状態は、遊技状態「8(有利区間中ボーナス後)」となる。
ここで、有利区間ボーナス後のRT状態はRT3となるので、再度ATを開始させるためには、RT1を経由してRT2に移行する必要がある。そのため、有利区間中ボーナス後では、例えば、RT状態がRT3のときは、押し順ベルである入賞A群の当選時に指示機能を作動させないことで(入賞B群の当選時には、指示機能を作動させてもよいし作動させなくてもよい)、押し順不正解時の取りこぼしによってパターン01,パターン02に対応する図柄の組合せが表示される(RT1への移行条件)ようにする。RT状態がRT1に移行すると、「有利区間中ボーナス後」は終了し、遊技状態「3(AT準備)」となる(図21に示した移行条件(l)参照)。
そして、少なくともRT1へ移行した後、すなわち「AT準備」においては、押し順リプレイ(RT1では再遊技A群のみ抽選)の当選時に指示機能を作動させることで、再遊技04に対応する図柄の組合せが表示される(RT1からRT2への移行条件)ようにする。
そして、RT状態がRT2に移行すると、メイン遊技状態は遊技状態「3(AT準備)」から遊技状態「4(AT)」に移行し、再びATが開始される。なお、以上の一連の遊技進行は全て有利区間で行われるため、有利区間は常にONである。また、ATゲーム数が消化された後は、ナビ済フラグはONになっているので、有利区間制御手段76は有利区間を終了させる。
次に、図34は、正規有利期間のうちに指示機能の作動による必須有利小役ナビが発生しなかったため、ナビ延長有利期間(ナビ待ち状態)となっているときに1種BBに当選した場合であるが、1種BBのボーナスゲーム終了までの進行は図33と同様である。
すなわち、AT中(厳密にはナビ待ち状態)に1種BBに当選したことによって、1種BBの当選情報が記憶され、メイン遊技状態は遊技状態「6(有利区間中内部中)」となり、その後1種BBに対応する図柄の組合せが表示されると1種BBの当選情報の持ち越しが終了し、遊技状態「7(有利区間中ボーナス中)」に移行して特別遊技(ボーナスゲーム)が行われる。そして、1種BBが作動したことは、有利区間の終了条件の特例に相当するため、必須有利小役ナビの実行の有無に拘わらず、ナビ済フラグは「1(ON)」にされる。
ここで、図34の場合は、1種BBに当選する前の時点で正規有利期間は終了しており、かつ、1種BBが作動したことに基づいてナビ済フラグが「1(ON)」になっているため、有利区間の終了条件が成立していることになる。したがって、図34では、1種BBのボーナスゲームが終了すると、「有利区間中ボーナス後」に移行することなく、有利区間制御手段76が有利区間を終了させる。
以上、図27〜図34の各パターンで確認したように、本実施形態に係るスロットマシン10によれば、有利区間のうち特定の遊技区間(例えば、「ガセ前兆」、「AT前兆」、「ナビ待ち状態」等)において出玉率の増加を抑制することができ、また、「ナビ待ち状態」では入賞B群の当選時に指示機能を作動させることにより、有利区間の想定外の長期滞在を抑制することができる。
そして、このような本実施形態における指示機能の作動対象の制限については、次のように言い換えることができる。すなわち、本実施形態に係るスロットマシン10では、ストップスイッチの操作態様に応じて払出数の異なる図柄の組合せが停止可能な第1の所定の役(本例では、入賞A群の押し順ベル)と、ストップスイッチの操作態様に応じて払出数の異なる図柄の組合せが停止可能であり、最大の払出数は第1の所定の役と等しいものの、当該最大の払出数に対応する図柄の組合せが停止する操作態様のパターンが第1の所定の役よりも多い第2の所定の役(本例では、入賞B群の押し順ベル)とが用意されている場合に、有利区間のうち特定の遊技区間(本例では、ガセ前兆、AT前兆、ナビ待ち状態)においては、第1の所定の役が当選役に決定された遊技では指示機能の作動による操作態様情報の表示を行わないが、第2の所定の役が当選役に決定された遊技では指示機能の作動による操作態様情報の表示を行うことによって、特定の遊技区間における出玉率(ベース)の増加を抑制することができる。
[8.メニュー機能]
本実施形態に係るスロットマシン10では、十字キー(カーソルキー)22及びメニューボタン23の操作によって、遊技者が希望する種々の支援情報(遊技者の遊技履歴を含む二次元コード等)を表示させることができる。本実施形態において、このような支援情報を提供する機能を「メニュー機能」と呼ぶ。
メニュー機能は遊技に関する様々な支援情報を画像表示装置21等に出力するものであって、メニュー機能によって画像表示装置21に表示される表示画像は、メニュー機能の実行時に最初に表示されてメニューの一覧を表示する「メニュー画面」と、各メニューに対応する情報を表示する「コンテンツ画面」とに大別することができる。
メニュー機能による支援情報の表示は、演出に係る制御に含まれるため、本実施形態に係るスロットマシン10では、サブ制御基板80(サブCPU85)によってメニュー機能が制御される。
[8−1.サブメイン制御基板とサブサブ制御基板]
ここで、サブ制御基板80について補足する。
これまで、本実施形態に係るスロットマシン10は、演出等を制御する制御基板としてサブ制御基板80を備え、演出等を行うために必要なプログラムの実行がサブ制御基板80に搭載されたサブCPU85によって行われることによって、演出等の実行を制御する演出制御手段87が実現されるとしてきた。
しかし、本実施形態に係るスロットマシン10において、サブ制御基板80は必ずしも1つの制御基板で構成される必要はなく、複数の制御基板によってサブ制御基板80の機能を実現する構成であってもよい。
図35は、サブ制御基板の構成例を示すブロック図である。図35には、図4に例示したスロットマシン10の構成のうちのサブ制御基板80について、主に演出の管理を制御するサブメイン制御基板80Aと、サブメイン制御基板80Aによる制御に従って演出の実行を制御するサブサブ制御基板80Bとから構成される例が示されている。
図35に示したように、サブメイン制御基板80Aは、入力ポート81A、出力ポート82A、RWM83A、ROM84A、及びサブメインCPU85Aを備えて構成される。
入力ポート81Aは、サブメインCPU85Aへの信号が入力される接続部である。例えば、メイン制御基板60(メインCPU65)からサブ制御基板80(サブメインCPU85A)に向けて送信される信号(制御コマンド)は、サブメイン制御基板80Aの入力ポート81Aに入力される。また、演出ボタン24等の演出用の周辺機器の操作に伴ってサブメインCPU85Aに向けて送信される信号も、入力ポート81Aに入力される。
出力ポート82Aは、サブメインCPU85Aからの信号が出力される接続部である。例えば、サブメイン制御基板80A(サブメインCPU85A)からサブサブ制御基板80B(サブサブCPU85B)に向けて送信される信号(演出コマンド)は、出力ポート82Aから出力され、サブサブ制御基板80Bの入力ポート81Bに入力される。
RWM83Aは、データの読み出しと書き込みができる記憶装置であって、サブメインCPU85Aが演出を管理するために必要な種々のデータ等(例えば、サブメインCPU85Aによって実行される処理に用いられるフラグ値やカウンタ値等)を記憶する。
RWM83Aの記憶領域は、電源のオフ/オンによって記憶された情報が失われる記憶領域(使用領域と称する)と、スロットマシン10の電源のオフ/オンによって記憶された情報が失われない記憶領域(バックアップ領域と称する)とを備えるとする。具体的には例えば、AT中のゲーム数情報等は、電源のオフ/オンを経ても維持したいデータであるため、通常は使用領域に記憶され、電源断処理の際にはバックアップ領域に移動され、その後の電源復帰処理の際に、バックアップ領域から使用領域に移動される。一方、後述する「カーソル位置情報」は、電源オフ/オン時にバックアップを必要としないデータとされるため、使用領域に記憶され、電源復帰した後は、当該データの値は消去(初期化)される。
RWM83Aが揮発性メモリと不揮発性メモリとで構成される場合は、揮発性メモリを使用領域として使用し、不揮発性メモリをバックアップ領域として使用すればよい。また、RWM83が全て不揮発性メモリで構成される場合は、電源断によって全ての記憶情報を失われなくすることができるが、一部の特定の記憶領域に記憶されたデータについては、電源オフ/オンの際に削除または初期化が行われるようにすることで、当該特定の記憶領域を使用領域として使用することができる。
ROM84Aは、読み出し専用の不揮発性の記憶装置であって、サブメイン制御基板80Aが演出を管理するために必要なプログラムや種々のデータ(例えばデータテーブル)等を記憶する。
サブメインCPU85Aは、サブメイン制御基板80Aに搭載されるCPU(又はMPU等でもよい)であって、主に演出の管理に関する各種の演算処理を行う。サブメインCPU85Aは、上記した入力ポート81Aまたは出力ポート82Aを介して、メイン制御基板60(メインCPU65)からの各種信号を受信し、また、サブサブ制御基板80B(サブサブCPU85B)に各種信号(演出コマンド)を送信するとともに、サブサブ制御基板80B(サブサブCPU85B)から各種信号(状態コマンド)を受信する。
一方、図35に示したように、サブサブ制御基板80Bは、入力ポート81B、出力ポート82B、RWM83B、ROM84B、及びサブサブCPU85Bを備えて構成される。
入力ポート81Bは、サブサブCPU85Bへの信号が入力される接続部である。例えば、サブメイン制御基板80A(サブメインCPU85A)からの信号(演出コマンド)が入力ポート81Bに入力される。
出力ポート82Bは、サブサブCPU85Bからの信号が出力される接続部である。例えば、サブサブ制御基板80B(サブサブCPU85B)からサブメイン制御基板80A(サブメインCPU85A)に向けて送信される信号(状態コマンド)は、出力ポート82Bから出力され、サブメイン制御基板80Aの入力ポート81Aに入力される。また、演出用の周辺機器(スピーカ20や画像表示装置21等)に対する音声出力や画像出力の制御信号も、出力ポート82Bから出力される。
RWM83Bは、データの読み出しと書き込みができる記憶装置であって、サブサブCPU85Bによる処理の実行時に取り込まれたデータ等を一時的に記憶する。
ROM84Bは、読み出し専用の不揮発性の記憶装置であって、サブサブ制御基板80Bが演出の実行を制御するために必要なプログラム等を記憶する。
サブサブCPU85Bは、サブサブ制御基板80Bに搭載されるCPU(又はVDPやMPU等でもよい)であって、主に演出(画像演出及び音声演出等)の実行に関する各種の演算処理を行う。サブサブCPU85Bは、上記した入力ポート81Bまたは出力ポート82Bを介して、サブメイン制御基板80A(サブメインCPU85A)からの各種信号(演出コマンド)を受信するとともに、サブメイン制御基板80A(サブメインCPU85A)に各種信号(状態コマンド)を送信する。また、サブサブCPU85Bは、演出用の周辺機器に対して、演出を実行させる各種信号を送信する。
このようなサブメイン制御基板80A及びサブサブ制御基板80Bから構成されるサブ制御基板80においては、サブメインCPU85Aが演出の管理に関する所定のプログラムを実行することによって、演出の管理を制御する演出管理手段88が実現され、サブサブCPU85Bが演出の実行に関する所定のプログラムを実行することによって、演出の実行を制御する演出実行手段89が実現される。すなわち、図4に示した演出制御手段87は、図35に示した演出管理手段88と演出実行手段89とを含むものである。
以上、サブメイン制御基板80A及びサブサブ制御基板80Bから構成されるサブ制御基板80について説明した。以下に続く本実施形態のメニュー機能に関する説明では、上記構成(図35)を用いて説明を行うが、図35に例示したサブメイン制御基板80A及びサブサブ制御基板80Bは、図4に例示したサブ制御基板80と読み替えることができる。同様に、図35に例示したサブメインCPU85A及びサブサブCPU85Bは、図4に例示したサブCPU85と読み替えることができ、図35に例示した演出管理手段88及び演出実行手段89は、図4に例示した演出制御手段87と読み替えることができる。
[8−2.メニュー機能の概要]
本実施形態のメニュー機能についての説明を再開する。
ここでは、メニュー機能の概要(利用方法やメニューの具体例等)について説明する。遊技者は、メニュー機能を実行可能な所定の条件が満たされている場合(例えば、非遊技(遊技待機)状態で表示される遊技待機画面の表示中)に、メニューボタン23を押下することによって、画像表示装置21にメニュー画面を呼び出す(表示させる)ことができる。
ここで「遊技待機画面」とは、遊技媒体(遊技メダル等)を賭けた遊技が行われておらず、遊技の開始を待機している状況において画像表示装置21に表示される画面であり、所謂「デモ画面」である。従来、メニュー機能を有する遊技機では、前回遊技が終了してから(より具体的には例えば、前回遊技における払出処理が完了してから)所定時間が経過した場合に、遊技待機画面を表示するものが広く知られている。遊技待機画面の表示中は遊技が行われていないことから、メニュー機能の実行に好適なタイミングといえる。
メニュー画面を呼び出した後、遊技者がメニュー画面内で十字キー22を操作して所望のメニューを選択し、メニューボタン23の押下によって選択したメニューを決定することにより、画像表示装置21の表示は、当該メニューに対応するコンテンツ画面の表示に切り替えられる。ここで十字キー22は、例えば上下左右の各方向に対応するカーソルキーを備えたボタンスイッチであり、メニュー画面やコンテンツ画面の表示中に、各方向のカーソルキーが押下された場合に、当該方向にカーソル(移動式アイコン)が移動することによって、カーソルの選択対象が変更される。
なお、前述したように、スロットマシン10において、メニューボタン23は他の操作ボタン等(具体的には例えば、演出ボタン24)によって代用されるようにしてもよい。このとき、メニュー機能に関するメニューボタン23の操作の全てまたは一部は、演出ボタン24の操作によっても行うことができる。また、メニューボタン23が設けられずに、メニューボタン23による操作を代用する演出ボタン24だけが設けられるようにしてもよい。後述する図36では、このようなメニュー機能に関するメニューボタン23(または演出ボタン24)による操作を「PUSH入力」と呼ぶ。
また十字キー(カーソルキー)22についても同様のことがいえる。すなわち、十字キー22は他の操作ボタン等(具体的には例えば、ストップスイッチ35)によって代用されるようにしてもよい。この場合、例えば左ストップスイッチ35aが十字キー22の左方向のスイッチボタンを代用し、右ストップスイッチ35cが十字キー22の右方向のスイッチボタンを代用すること等が考えられる。また、中ストップスイッチ35bはメニューボタン23を代用するようにしてもよい。なお、このような場合、ストップスイッチ35の操作に基づく信号がサブ制御基板80(サブメイン制御基板80A)に直接送信されるように構成してもよい。さらに、本実施形態に係るスロットマシン10では、カーソルの移動を操作する十字キー22は、必ずしも4方向のカーソルキーからなる必要はなく、2方向に対応するものであってもよいし、トラックボールのように全方向に対応する操作デバイス等であってもよい。
そして、コンテンツ画面の表示画面には、メニュー画面に戻るための操作方法(本例では、演出ボタン24の押下とする)が教示されており、この戻るための操作が行われた場合には、画像表示装置21の表示は、コンテンツ画面からメニュー画面に切り替わる。さらに、メニュー画面には、メニュー機能を終了するための操作方法(本例では、「終了」のメニューを選択して決定することとする)が教示されており、この終了するための操作が行われた場合には、画像表示装置21の表示は、メニュー画面からメニュー終了後の画面(例えば遊技待機画面)に切り替わり、メニュー機能が終了する。
なお、コンテンツ画面からメニュー画面に戻るための操作方法や、メニュー機能を終了するための操作方法(コンテンツ画面からそのままメニュー機能を終了させる操作方法を含む)については、上記例に限定されるものではなく、種々の操作方法を設定することができる。具体的には例えば、メニュー画面またはコンテンツ画面の表示中に所定時間に亘って操作が行われなかった場合に、自動的にメニュー機能を終了するようにしてもよいし、メニュー画面またはコンテンツ画面の表示中に遊技メダルのベットやスタートスイッチ34の操作等が行われた場合(遊技が開始される場合)に、メニュー機能を終了するようにしてもよい。
以上が、メニュー機能の利用方法である。なお、本実施形態に係るスロットマシン10においてメニュー機能で取り扱い可能(表示可能)な支援情報、すなわち「メニュー」は、特に限定されるものではないが、代表的なものとして以下のようなメニューが考えられる。
例えば、有効ラインに表示された図柄の組合せに対応して付与される特典(遊技メダルの払出枚数等)を説明するメニューとして「配当表」がある。配当表は、従来は筐体前面に記載されることが一般的であったが、近年ではメニュー機能の1つとする遊技機も増えている。「配当表」における特典の表示は、小役に対応する図柄の組合せが表示された場合に付与される遊技メダルの払出枚数に限らず、再遊技役に対応する図柄の組合せが表示された場合に再遊技が行えることや、特別役(例えば1種BB)に対応する図柄の組合せが表示された場合に作動する役物又は役物連続作動装置(ボーナスゲームの内容)等を表示してもよい。
また、メニューの他の一例として、遊技の進め方を説明する「遊技説明」がある。具体的には例えば、通常遊技の「遊技説明」として、小役の取りこぼしの発生率を抑える操作方法を教示し、AT遊技の「遊技説明」として、正解押し順表示に従ってストップスイッチ35を操作することを教示し、ボーナスゲームの「遊技説明」として、合計獲得枚数が有利となる操作方法を教示する等が考えられる。
また、メニューのさらに他の一例として、スロットマシン10における遊技履歴を示す「遊技履歴」がある。「遊技履歴」には、過去の遊技における特別役やAT等の当選履歴が表示される。なお、遊技履歴の表示対象となる遊技期間を遊技者が選択できるようにしてもよい。この場合、例えば、遊技者が任意のタイミングでそれまでの「遊技履歴」をリセットできるようにし、その後はリセット後の遊技期間を対象とする遊技履歴を表示する。
なお、コンテンツ画面で「遊技履歴」を表示する際は、表やグラフ等による表示でもよいが、前述したように、二次元コードによる表示であってもよい。二次元コードで表示する場合は、携帯電話等で当該二次元コードを撮影した遊技者だけが遊技履歴を確認することができるため、上述したリセット機能と併用することによって、非遊技者に遊技履歴が開示されないようにすることができる。
また、メニューのさらに他の例としては、スピーカ20による遊技音量の調整画面を表示する「音量調整」や、画像表示装置21における画像の光量の調整画面を表示する「光量調整」も一般的である。
この他にも、演出に登場するキャラクターを選択する「キャラクター選択」、遊技中(例えばボーナスゲーム中)に演奏される楽曲を選択する「楽曲選択」、遊技機メーカーが提供するサービスへの登録を行うために必要な情報を表示する「会員登録」、及び、当該サービスにログインするためのIDやパスワードの入力を受け付ける「ログイン」等、本実施形態に係るスロットマシン10では、様々なメニューを実装することができる。
また、前述したように、メニュー画面において、メニュー機能を終了させるための「終了」というメニュー(項目)が設けられることも一般的である。「終了」は、支援情報を提供するものではない点で厳密にはメニューとは異なるものであるが、メニュー画面で選択可能な項目の1つという点では上記のメニューと類似するものであるため、以下の説明では、「終了」もメニューの1つとして扱う。
そして、各メニューに対応するコンテンツ画面についても、静止画像に限定されるものではなく、動画であってもよいし、十字キー22による操作等が可能なゲーム形式等であってもよい。また、メニュー機能の実行時には、画像表示装置21における表示だけでなく、スピーカ20による音声出力で操作を補助したり、演出ランプ19による発光によってメニュー機能中であることを報知したりするようにしてもよい。
[8−3.メニュー制御処理]
本実施形態のメニュー機能を制御するためにサブ制御基板80で実行されるメニュー制御処理について説明する。
図36は、メニュー制御処理の処理手順の一例を示すフローチャートである。図36に示すメニュー制御処理は、サブメイン制御基板80A(演出管理手段88)によって実行され、メニュー機能には少なくとも「配当表」のメニューが含まれているとする。
また、メニュー機能の概要で前述したように、図36では、メニュー機能に関するメニューボタン23(または演出ボタン24)による決定操作を「PUSH入力」と称する。そして、以後は、説明の便宜上、演出ボタン24によって「PUSH入力」が行われるとする(当然、メニューボタン23によって「PUSH入力」が行われてもよい)。
また、図36において、十字キー(カーソルキー)22による選択操作を「カーソル入力」と称するが、これは、単に十字キー22の何れかの方向キーが操作されたことを意味するのではなく、十字キー22の操作によって、メニュー画面またはコンテンツ画面においてカーソルが有効化された(何れも選択していなかったカーソルが何れかを選択した、あるいは、カーソルの選択対象が変更された)ことを意味する。
また、演出管理手段88は、図36に例示したメニュー制御処理を行うために、それぞれフラグ等を利用して、「メニュー実行状態」及び「メニュー表示状態」という2つの種別の状態を管理している。
「メニュー実行状態」は、実行可否を含めたメニュー機能の実行状態を示すものであって、メニュー機能の実行が許可されない「メニュー実行不可状態」(不図示)と、メニュー機能の実行が許容される「メニュー実行可能状態」と、メニュー機能が実行中である「メニュー実行中状態」とに分けられる。演出管理手段88は、メニュー機能の実行状態を変更する際、メニュー実行状態変更先の状態をセットする処理を行う。具体的には例えば、メニュー機能を開始するとき、演出管理手段88は、メニュー実行状態を「メニュー実行中状態」にセットする。
「メニュー表示状態」は、メニュー機能のうち、何れのメニュー関連画面(メニュー画面やコンテンツ画面)を表示中かを示すものであって、メニュー画面の表示中であることを示す「メニュー画面表示中」や、「配当表」のコンテンツ画面の表示中であることを示す「配当表画面表示中」等に分けられる。列挙は省略するが、メニューの種類だけ(またはコンテンツ画面の分だけ)、メニュー表示状態が用意されている。また、メニュー機能が実行されていないときは、何れのメニュー関連画面も表示されないので、例えば「非表示中」というステータスを持つようにしてもよい。なお、「非表示中」というステータスを持たない場合は、メニュー機能が実行されていないときは、初期のステータス(例えば、「メニュー画面表示中」)とすることが好ましい。
演出管理手段88は、何れのメニューの画面を表示するかの決定内容を演出コマンドによってサブサブ制御基板80Bに指示し、この演出コマンドの送信に応じて、メニュー表示状態が変更される。具体的には例えば、メニュー画面を表示することを決定したとき、演出管理手段88がメニュー画面表示開始コマンドをサブサブ制御基板80Bに送信し、メニュー表示状態は「メニュー画面表示中」とされる。
図36の各処理を説明する。なお、図36のメニュー制御処理は、スロットマシン10におけるメニュー機能が以下のような仕様(a)〜(d)で設計されている場合を仮定したものである。但し、以下の仕様は一例に過ぎず、本実施形態のメニュー機能はこれに限定されるものではない。
(a) メニュー実行可能状態(例えば遊技待機画面の表示中)にPUSH入力が行われた場合、メニュー機能が開始されてメニュー画面が表示される。
(b) メニュー画面表示中にカーソルが「終了」以外の何れを選択した状態でPUSH入力が行われた場合には、選択されたメニューのコンテンツ画面の表示に切り替わる。
(c) コンテンツ画面表示中にPUSH入力が行われた場合は、メニュー画面に戻る(簡便のため、コンテンツ画面表示中は、カーソルで選択可能な項目はないとする)。
(d) メニュー画面表示中にカーソルが「終了」を選択した状態でPUSH入力が行われた場合には、メニュー画面が閉じられる(メニュー機能が終了する)。
まずステップS401において、メインサブCPU85A(演出管理手段88)は、メインサブCPU85Aが受信したコマンド(制御コマンドや状態コマンド)に対して各コマンドに応じた処理を実行する(メインループ)。メインループでは、受信したコマンドについて1個ずつコマンドの処理が行われ、複数のコマンドを受信している場合には、所定間隔(例えば16ms)内でコマンドに応じた処理が繰り返し行われる。
この16msの経過をカウントするために、RWM83Aには、専用のカウンタ(サブメイン処理用カウンタ)が用意される。サブメイン処理用カウンタはデクリメントカウンタとし、16ms経過後にカウンタ値が「0」となるような初期値を有する。サブメイン処理用カウンタは、所定条件の成立時(後述するステップS402のYES)にリセットされて、初期値がセットされる。そして、リセット後は時間経過とともにカウンタ値が減算されていき、カウンタ値が「0」となった時点で減算が停止する。したがって、サブメイン処理用カウンタは、リセットから16ms経過後は、次回のリセットが行われるまでカウンタ値が「0」とされる。
ステップS401の後、演出管理手段88は、ステップS402において、サブメイン処理用カウンタが「0」になっているか否か、すなわち、16msが経過したか否かを判定する。ステップS402において16msが経過していると判定した場合は(ステップS402のYES)、サブメイン処理用カウンタをリセットし、ステップS403に進む。ステップS402において16msが経過していないと判定した場合は(ステップS402のNO)、ステップS401に戻って処理を繰り返す。
ステップS403では、「メニュー用ウェイトタイマ」の有無を判定し、ある(メニュー用ウェイトタイマの値が「0」より上)と判定した場合は(ステップS403のYES)、メニュー用ウェイトタイマの値を「1」減算し(ステップS404)、ステップS401に戻る。ステップS403においてメニュー用ウェイトタイマがない(メニュー用ウェイトタイマの値が「0」)と判定した場合は(ステップS403のNO)、ステップS405に進む。ここで、「メニュー用ウェイトタイマ」は、メニュー機能に関する処理(遊技者視点ではメニュー操作)の受付可否を制御するために設けられたパラメータであって、RWM83Aに記憶される。メニュー用ウェイトタイマの値が正数である場合は「メニュー用ウェイトタイマがある」と呼び、値が「0」である場合は「メニューウェイトタイマがない」と呼ぶ。図36において、メニューウェイトタイマは、ステップS412及びステップS415でセットされる。
ステップS405では、演出管理手段88は、メニュー実行状態が「メニュー実行可能状態」であるか否かを判定する。前述したように、メニュー実行可能状態は、メニューの実行が許容される状態であるが、その条件は、例えば「ベットが行われていない状態」や「遊技待機画面の表示中」等のように任意に設定することができる。ステップS405においてメニュー実行可能状態であると判定した場合は(ステップS405のYES)、ステップS406に進み、メニュー実行可能状態ではないと判定した場合は(ステップS405のNO)、ステップS408に進む。
ステップS406では、PUSH入力の有無を判定する。PUSH入力があると判定した場合は(ステップS406のYES)、ステップS407に進み、PUSH入力がないと判定した場合は(ステップS406のNO)、ステップS401に戻る。
ステップS407は、メニュー実行可能状態で、PUSH入力(決定操作)が行われている状況であるので、上述の仕様(a)に相当し、演出管理手段88は、メニュー機能を開始するための処理を行う。具体的には、演出管理手段88は、メニュー実行状態を「メニュー実行中状態」にセットするとともに、「メニュー画面表示開始コマンド」の演出コマンドをサブサブ制御基板80Bに送信し、このとき、メニュー表示状態は「メニュー画面表示中」に変更される(「非表示中」というステータスを持たない場合は、既に「メニュー画面表示中」となっている)。メニュー画面表示開始コマンドを受信したサブサブ制御基板80Bは、例えば画像表示装置21においてメニュー画面の表示を開始する。さらに、ステップS407では、演出管理手段88は、「カーソル位置コマンド」の演出コマンドを送信することによって、カーソル位置情報をサブサブ制御基板80Bに通知する。ステップS407の各処理が終了すると、ステップS401に戻る。
ここで、「カーソル位置情報」は、メニュー画面におけるカーソルの選択位置を特定するために設けられたパラメータであって、RWM83Aに記憶される。前述したように、本実施形態では、カーソル位置情報は、常にRWM83Aの使用領域に記憶されるとし、バックアップ領域に移されることはない。そのため、スロットマシン10の電源がオフ/オンされた場合には、カーソル位置情報は消去(初期化)される。
また、「カーソル位置コマンド」は、メニュー画面の表示におけるカーソルの選択位置を指定するための演出コマンドであり、例えば、初期位置のカーソル位置情報を「選択なし」とする場合、初期位置のカーソル位置情報を示すカーソル位置コマンド(初期位置に係るカーソル位置コマンド)が送信されると、受信側のサブサブ制御基板80Bでは、画像表示装置21に表示するメニュー画面において、カーソルによって何も選択されていない状態となる。また、特定位置のカーソル位置情報を示すカーソル位置コマンド(特定位置に係るカーソル位置コマンド)が送信されたとすると、受信側のサブサブ制御基板80Bでは、画像表示装置21に表示するメニュー画面において、カーソルが特定位置(例えば特定のメニューや「終了」等)を選択している状態を表示する。
例えば、ステップS407において送信されるカーソル位置コマンドが示すカーソル位置情報は、スロットマシン10の電源がオフ/オンされたときに設定されたカーソル位置情報、または、前回のメニュー機能の終了時に行われた処理(後述するステップS412の処理に相当)によって設定されたカーソル位置情報である。これらは何れも「初期位置」とされることから、ステップS407において送信されるカーソル位置コマンドは、初期位置に係るカーソル位置コマンドであり、例えば、初期位置のカーソル位置情報を「選択なし」とする場合、当該カーソル位置コマンドに基づいてサブサブ制御基板80Bが画像表示装置21にメニュー画面を表示する際は、メニュー画面においてカーソルによって何も選択されていない(選択なし)状態となる。
なお、ステップS407における各処理(メニュー実行中状態のセット、メニュー画面表示開始コマンドの送信(メニュー画面表示中のセット)、及び初期位置に係るカーソル位置コマンドの送信)は、順不同で実行してよく、後述するステップS412,S415等でも同様である。
前述したように、ステップS405においてメニュー実行可能状態ではないと判定した場合(ステップS405のNO)、演出管理手段88は、ステップS408の処理を行う。ステップS408では、メニュー実行状態が「メニュー実行中状態」であるか否かを判定する。ステップS408においてメニュー実行中状態であると判定した場合は(ステップS408のYES)、ステップS409に進み、メニュー実行中状態ではないと判定した場合は(ステップS408のNO)、ステップS401に戻る。
ステップS409では、PUSH入力の有無を判定する。PUSH入力があると判定した場合は(ステップS409のYES)、ステップS410に進み、PUSH入力がないと判定した場合は(ステップS409のNO)、ステップS416に進む。
ステップS410では、メニュー表示状態が「メニュー画面表示中」であるか否かを判定する。メニュー画面表示中であると判定した場合は(ステップS410のYES)、ステップS414に進み、メニュー画面表示中ではないと判定した場合は(ステップS410のNO)、ステップS411に進む。
ステップS411では、カーソル位置情報を確認し、カーソル位置が「終了」のメニューを選択しているか否かを判定する。カーソル位置が「終了」であると判定した場合は(ステップS411のYES)、S412に進み、カーソル位置が「終了」ではないと判定した場合は(ステップS411のNO)、ステップS413に進む。
ステップS412は、メニュー実行中状態かつメニュー画面表示中で、カーソル位置が「終了」を選択し、PUSH入力(決定操作)が行われている状況であるので、上述の仕様(d)に相当し、演出管理手段88は、メニュー機能を終了するための処理を行う。具体的には、演出管理手段88は、カーソル位置情報を更新して初期位置を設定し、メニュー実行状態を「メニュー実行可能状態」にセットし、メニュー用ウェイトタイマに所定値(ここでは3秒に相当する値「187」)をセットする。さらに、ステップS412では、「メニュー画面表示終了コマンド」の演出コマンドをサブサブ制御基板80Bに送信し、このとき、メニュー表示状態は「非表示中」に変更される(「非表示中」というステータスを持たない場合は、「メニュー画面表示中」のままとなる)。メニュー画面表示終了コマンドを受信したサブサブ制御基板80Bは、画像表示装置21におけるメニュー画面の表示を終了し、例えば遊技待機画面を表示させる。ステップS412の各処理が終了すると、ステップS401に戻る。
なお、ステップS412では、メニュー機能の終了処理を行う際に、メニュー用ウェイトタイマに3秒相当の値をセットしている。このようにすることで、メニュー機能の終了後(画像表示装置21においてメニュー画面が表示されなくなった後)、3秒間はメニュー機能に関する操作を受け付けないように制御される(メニュー操作の一時無効)。
ステップS413は、メニュー実行中状態かつメニュー画面表示中で、カーソル位置が「終了」以外を選択し、PUSH入力(決定操作)が行われている状況であるので、上述の仕様(b)に相当し、演出管理手段88は、選択されたメニューのコンテンツ画面を表示するための処理を行う。具体的には、演出管理手段88は、カーソルで選択されたメニューに対応する「(コンテンツ画面の)画面表示開始コマンド」の演出コマンドをサブサブ制御基板80Bに送信し、このとき、メニュー表示状態は、指定されたコンテンツ画面の表示中(例えば「配当表画面表示中」)に変更される。コンテンツ画面の画面表示開始コマンドを受信したサブサブ制御基板80Bは、画像表示装置21における表示を、メニュー画面表示から、指定されたコンテンツ画面の表示に切り替える。なお、ステップS413ではメニュー用ウェイトタイマに値はセットされない。ステップS413の各処理が終了すると、ステップS401に戻る。
前述したように、ステップS410においてメニュー表示状態が「メニュー画面表示中」ではないと判定されたとき(ステップS410のNO)、演出管理手段88は、ステップS414の処理を行う。ステップS414では、メニュー表示状態が「配当表画面表示中」であるか否かを判定する。ステップS414において配当表画面表示中であると判定したときは(ステップS414のYES)、ステップS415に進む。
ステップS415は、メニュー実行中状態かつ配当表画面表示中で、PUSH入力(決定操作)が行われている状況であるので、上述の仕様(c)に相当し、演出管理手段88は、メニュー画面の表示に戻すための処理を行う。具体的には、演出管理手段88は、メニュー用ウェイトタイマに所定値(ここでは1秒に相当する値「62」)をセットするとともに、「メニュー画面表示開始コマンド」の演出コマンドをサブサブ制御基板80Bに送信し、このとき、メニュー表示状態は「配当表画面表示中」から「メニュー画面表示中」に変更される。メニュー画面表示開始コマンドを受信したサブサブ制御基板80Bは、例えば画像表示装置21においてメニュー画面の表示を開始する。さらに、ステップS415では、演出管理手段88は、現在記憶されているカーソル位置情報を用いて「カーソル位置コマンド」の演出コマンドを送信する。ここで、現在記憶されているカーソル位置情報とは、メニュー画面において「配当表」を選択状態にするカーソル位置情報であり(後述するステップS417を参考)、言い換えれば、現在表示されているメニュー(「配当表」)に対応した選択状態のカーソル位置情報である。そして、サブサブ制御基板80Bは、受信したカーソル位置コマンドに基づいて、画像表示装置21に表示させる表示画面におけるカーソルの選択状態を決定する。すなわち、ここでは、メニュー画面の表示において「配当表」が選択された状態となる(前回メニュー画面における選択状態の再現)。ステップS415の各処理が終了すると、ステップS401に戻る。
なお、ステップS415ではステップS412と同様に、メニュー用ウェイトタイマに所定値(ステップS415では1秒相当値)がセットされることから、コンテンツ画面からメニュー画面の表示に遷移した後、1秒間はメニュー機能に関する操作を受け付けないように制御される(メニュー操作の一時無効)。
一方、ステップS414において配当表画面表示中ではないと判定したときは(ステップS414のNO)、メニュー表示状態がその他のコンテンツの「画面表示中」であるか否かを判定する。この処理は、メニュー機能が備えるメニュー(またはコンテンツ画面)の分だけ用意されているが、その処理内容はステップS414からステップS415の処理と同様であるため、説明を省略する。
前述したように、ステップS409においてPUSH入力がないと判定した場合は(ステップS409のNO)、演出管理手段88は、ステップS416の処理を行う。ステップS416では、カーソル入力の有無を判定し、カーソル入力があると判定した場合は(ステップS416のYES)、ステップS417に進み、カーソル入力がないと判定した場合は(ステップS416のNO)、ステップS401に戻る。
ステップS417は、メニュー実行中状態で、カーソル入力(選択操作)が行われたものの、PUSH入力(決定操作)は行われていない状況であり、これは、メニュー画面(またはコンテンツ画面)の表示中に、十字キー22の操作が行われたことを意味する。したがって、ステップS417において、演出管理手段88は、表示中の画面内でカーソルの選択先を移動するための処理を行う。具体的には、演出管理手段88は、カーソル入力に基づいてカーソル位置情報を更新し、更新後にカーソル位置コマンドを送信することによって、サブサブ制御基板80Bに、選択状態にするべきカーソル位置情報を通知する。このとき、サブサブ制御基板80Bは、受信したカーソル位置コマンドに基づいて、画像表示装置21に表示させるメニュー画面におけるカーソルの選択状態を決定する。すなわちここでは、表示中のメニュー画面において、十字キー22による操作に応じた項目にカーソルの選択先が変更される。また、配当表のコンテンツ画面では、ページの移動が行われる。ステップS417の各処理が終了すると、ステップS401に戻る。
以上、ステップS401〜S417の処理が行われることによって、本実施形態に係るスロットマシン10では、演出管理手段88がメニュー機能を管理することができ、サブサブ制御基板80B(演出実行手段89)に対して、表示画面の変更等の必要な指示を通知することができる。
なお、本実施形態において、カーソル位置情報を更新して初期位置を設定するとき(例えばステップS412)、演出管理手段88は、カーソル位置情報を記憶する対象メモリのメモリ値を「初期位置」に相当する値に更新する。この「初期位置」に相当する値について、本実施形態では、スロットマシン10の電源がオフとなった場合に対象メモリがクリアされるときの値(クリア値)と同じ値(例えば「0」)とすることが好ましい。このように「初期位置」に相当する値を「クリア値」とすることにより、スロットマシン10の電源がオフ/オンされた場合の復帰時には、対象メモリのメモリ値を変更するような特別なプログラムを作動させることなく、カーソル位置情報には初期位置がセットされている(オフ/オンによって対象メモリが揮発し、自動的にクリア値(すなわち、初期位置を示す値)となる)ため、処理負荷を軽減する効果が期待できる。
[8−4.メニュー機能の具体例]
以下では、本実施形態に係るメニュー機能の具体例を示す。
図37〜図39は、メニュー機能の具体例を示す図(その1〜その3)である。図37〜図39には、本実施形態のメニュー機能における画像表示装置21の表示画面の画面遷移例が示されており、これらは何れも、上述した仕様(a)〜(d)のもとで図36に示したメニュー制御処理に基づいて制御される。図37〜図39に例示するメニュー機能では、メニュー画面に表示されるメニューとして少なくとも、「ログイン」、「音量調整」、「遊技説明」、「配当表」、「遊技履歴」、及び「終了」が用意されている点も共通している。
まず、図37の具体例を画面遷移に沿って説明する。
図37(A)は、メニュー機能が実行される前の表示画面を示すものであり、画像表示装置21の表示領域21aには、遊技待機画面(デモ画面)が表示されている。また、表示画面下部の表示領域21bには、「PUSHでメニュー画面」と表示されており、これは、PUSH入力(演出ボタン24による操作)によってメニュー画面への表示切替が行われることを報知している。
図37(B)は、図37(A)で演出ボタン24が操作されたときの表示画面を示すものであり、メニュー機能が開始されたことによりメニュー画面が表示されている。図37(B)によれば、表示画面上部の表示領域21cに、現在の表示画面がメニュー画面であることが報知され、表示領域21dに、メニュー画面において選択可能なメニューの一覧が表示されている。具体的なメニューとしては、「ログイン」、「音量調整」、「遊技説明」、「配当表」、「遊技履歴」、及び「終了」が示されている。また、表示画面下部の表示領域21eには、十字キー(カーソルキー)22によってカーソルの選択位置を変更する選択操作が可能なこと、及び演出ボタン24によって選択されたメニュー等の決定操作が可能なことが示されている。
ここで、図37に示すメニュー機能の例では、メニュー機能の開始時のメニュー画面において、何れのメニューも選択されない(カーソルによる選択が行われない)としている。したがって、図37(B)の表示領域21dでは、何れのメニューも選択されていない。これは、初期位置のカーソル位置情報を「選択なし」としているからである。
次いで、図37(C)は、図37(B)から十字キー(カーソルキー)22の操作が行われて「配当表」のメニューが選択されたときの表示画面を示している。図37〜図39において、選択状態にあるメニューは斜線を付けて示される。
図37(D)は、図37(C)から演出ボタン24の操作が行われたときの表示画面を示している。図37(C)では「配当表」のメニューが選択されていたので、その状態から演出ボタン24が操作されると、「配当表」のコンテンツ画面が表示される。ここで、図37(C)の表示領域21cの表記は「配当表」に変更されており、配当表のコンテンツ画面の表示中であることが報知される。また、表示領域21dには配当表の一例として、スロットマシン10における条件装置に対応する図柄の組合せ、及び当該図柄の組合せの表示時に付与される特典(例えば遊技メダルの払出枚数)等が示されている。具体的には例えば、図37(D)の配当表には、「スイカ−スイカ−スイカ」の図柄の組合せについて、3枚のベットで遊技が行われたときに上記図柄の組合せが有効ラインに表示されたときの遊技メダルの払出枚数が4枚であることが示されている。なお、図37(D)は、配当表の一例を示しているに過ぎず、この形式に限定されるものではない。
また、図37(D)の表示領域21eには「PUSHでメニュー画面」と表示されており、これは、PUSH入力(演出ボタン24による操作)によってメニュー画面への表示切替が行われることを報知している。
図37(E)は、配当表のコンテンツ画面が表示されていた図37(D)から演出ボタン24による操作が行われたときの表示画面を示している。図37(E)によれば、配当表のコンテンツ画面の表示からメニュー画面の表示に切り替わったことが分かる。
なお、図37(E)では、「配当表」が選択された状態でメニュー画面が表示されている。これは、前回表示されたメニュー画面(図37(C))におけるメニューの選択状態(カーソルの選択状態)が再現されたものであり、図36のステップS415で説明した「前回メニュー画面における選択状態の再現」によるものである。このような選択状態の再現によって、図37(E)からは、演出ボタン24を1回操作するだけで直前の「配当表」のコンテンツ画面(図37(D)の「配当表」)に戻ることが可能となる。
このような「前回メニュー画面における選択状態の再現」、より詳しく言い直せば、「コンテンツ画面表示を経て再表示されたメニュー画面におけるカーソルの選択状態が、上記コンテンツ画面表示の直前のメニュー画面におけるカーソルの選択状態(前回のメニュー画面におけるカーソルの選択状態)と同じにされる」ことは、本実施形態のメニュー機能における特徴の1つであり、後に改めて説明する。
図37(E)の後は、再び十字キー(カーソルキー)22を操作してメニューを選択し、演出ボタン24を操作すれば、選択したメニューのコンテンツ画面が表示される。また、メニュー画面が表示されているときに「終了」のメニューを選択してから演出ボタン24を操作すれば、メニュー機能が終了し、画像表示装置21の表示はメニュー画面から遊技待機画面に切り替わる。
次に、図38の具体例について説明する。
ここで、図37に示すメニュー機能の例では、メニュー機能の開始時のメニュー画面において、何れのメニューも選択されない(カーソルによる選択が行われない)としたが、図38に示すメニュー機能の例では、メニュー機能の開始時のメニュー画面において所定のメニューが選択された状態とされる(カーソルによる選択が行われている)としている。この所定のメニューはカーソル位置情報の初期位置によって予め定められ、本例では、初期位置のカーソル位置情報を「遊技説明」のメニューとする。図38は、上記以外は図37と同様であるため、図37と共通する部分については説明を省略または簡略化する。
図38(A)は、メニュー機能が実行される前の表示画面を示すものであり、図37(A)と同じく、画像表示装置21に遊技待機画面(デモ画面)が表示されている。
図38(B)は、図38(A)で演出ボタン24が操作されたときの表示画面を示すものであり、メニュー機能が開始されたことによりメニュー画面が表示されている。但し、このメニュー画面では、図37(B)のメニュー画面との相違点として、「遊技説明」のメニューが選択された状態で表示されている。これは、前述したように、カーソル位置情報の初期位置として「遊技説明」のメニューが設定されているためである。したがって、「遊技説明」のコンテンツ画面を見たい場合は、そのまま演出ボタン24による決定操作を行うだけで良いが、他のメニューのコンテンツ画面を見たい場合には、十字キー(カーソルキー)22を操作して所望のメニューが選択された状態とした後に、演出ボタン24による決定操作を行う必要がある。
図38(C)は、図38(B)から十字キー(カーソルキー)22の操作が行われて「配当表」のメニューが選択されたときの表示画面を示している。これは図37(C)と同様である。
図38(C)から演出ボタン24の操作が行われると、「配当表」のコンテンツ画面が表示され(図38(D))、さらに演出ボタン24の操作が行われると、再びメニュー画面が表示される(図38(E))。このような表示画面の遷移は、図37(D)及び図37(E)と同じであるため、説明は省略する。なお、図37(E)で説明したのと同じく、図38(E)のメニュー画面表示においても、「前回メニュー画面における選択状態の再現」は行われており、具体的には、「配当表」のメニューが選択された状態でメニュー画面が表示される。
次に、図39の具体例について説明する。
図39に示すメニュー機能の例では、図38に示した例と同様に、メニュー機能の開始時のメニュー画面において、所定のメニュー(ここでは「遊技説明」)が選択される。また図39では、図37や図38では図示しなかった「メニュー操作の一時無効」による表示画面の例を示している。
まず、図39(A)は、メニュー機能が実行される前の表示画面を示すものであり、図38(A)と同じく、画像表示装置21に遊技待機画面(デモ画面)が表示されている。
次に図39(B)は、メニュー機能の開始に伴うメニュー画面の表示画面を示すものであり、図38(B)と同様である。なお、メニュー機能開始時のメニュー画面では、メニュー操作の一時無効は行われず、即時に次の操作(十字キー22や演出ボタン24の操作)が受け付けられる。図37(B),図38(B)でも同様である。
図39(C)は、図39(B)から演出ボタン24の操作が行われたときの表示画面を示している。図39(B)では「遊技説明」のメニューが選択されていたので、その状態から演出ボタン24が操作されると、「遊技説明」のコンテンツ画面が表示される。ここで、図39(C)の表示領域21cの表記は「遊技説明」に変更されており、遊技説明のコンテンツ画面の表示中であることが報知される。また、表示領域21dには遊技説明の一例として、「3枚賭けで遊技すること」や「押し順指示に従って遊技すること(押し順指示がない場合は任意の押し順でよい)」等の情報が示されている。当然のことながら、図39(C)は、「遊技説明」のコンテンツ画面の一例を示しているに過ぎない。
また、図39(C)の表示領域21eには「PUSHでメニュー画面」と表示されており、これは、PUSH入力(演出ボタン24による操作)によってメニュー画面への表示切替が行われることを報知している。
図39(D)は、遊技説明のコンテンツ画面が表示されていた図39(C)から演出ボタン24による操作が行われたときの表示画面を示しており、再びメニュー画面が表示されている。図39(D)では、図37(E)や図38(E)と同様に「前回のメニュー画面における選択状態の再現」が行われており、具体的には、「遊技説明」のメニューが選択された状態でメニュー画面が表示される。
また、コンテンツ画面からメニュー画面に移るときには、メニュー制御処理において図36のステップS415の処理が行われるため、コンテンツ画面からメニュー画面の表示に遷移した後、1秒間はメニュー機能に関する操作を受け付けない「メニュー操作の一時無効」に制御される。したがって、図39(D)の表示領域21eは半輝度で表示されて、メニュー操作ができない状態であることを示唆している。この半輝度の表示は1秒後には解除され、メニュー操作が有効にされる。
図39(E)は、図39(D)でメニュー操作の一時無効が解除された後に、十字キー(カーソルキー)22の操作が行われて「終了」のメニューが選択されたときの表示画面を示している。
次に、図39(F)は、図39(E)から演出ボタン24による操作が行われたときの表示画面を示しており、「終了」の実行によってメニュー機能が終了し、メニュー機能開始前の遊技待機画面が表示されている。ここで、メニュー機能を終了するときには、メニュー制御処理において図36のステップS412の処理が行われるため、メニュー画面から遊技待機画面の表示に遷移した後、3秒間はメニュー機能に関する操作を受け付けない「メニュー操作の一時無効」に制御される。したがって、図39(F)の表示領域21bは半輝度で表示されて、メニュー機能の操作ができない状態であることを示唆している。この半輝度の表示は3秒後には解除され、メニュー機能の操作が有効にされる(図39(G))。
[8−5.メニュー機能の特徴]
本実施形態に係るメニュー機能の特徴についてまとめる。
(1)前回メニュー画面における選択状態の再現
[8−3],[8−4]で述べたように、本実施形態のメニュー機能では、「前回メニュー画面における選択状態の再現」として、コンテンツ画面の表示を経由してメニュー画面に戻ったときに、前回のメニュー画面におけるカーソルの選択状態が再現される。これは、演出管理手段88によるメニュー制御処理において、カーソルの選択位置を記憶したカーソル位置情報が用いられることによる。
より詳しく説明するために、メニュー制御処理(図36)と表示画像の遷移(例えば図37)との対応関係を、カーソル位置情報に着目して確認する。
まず、メニュー機能が開始された直後のメニュー画面は、図36のステップS407で送信されるメニュー画面表示開始コマンドに基づいて表示されるが、このとき、カーソル位置コマンドで通知されるカーソル位置情報は初期位置である(例えば、図36のステップS412を参照)。図37の場合、初期位置によるカーソル位置情報は、非選択(選択なし)であることを示す所定値(例えば「0」)である。したがって、メニュー機能が開始された直後のメニュー画面(図37(B))は、何のメニューも選択されていない非選択の状態である。
次に、カーソルキー22の操作によって「配当表」のメニューに対する選択操作が行われると(図37(C))、演出管理手段88は、カーソル入力に基づいてカーソル位置情報を更新する(図36のステップS417)。この結果、カーソル位置情報には、「配当表」の選択位置が記憶される。
その後、「配当表」のコンテンツ画面が表示されるが(図37(D))、このときカーソル位置情報は更新されない(図36のステップS413)。すなわち、カーソル位置情報には「配当表」の選択位置が記憶されたままである。
そして、「配当表」のコンテンツ画面から戻って再びメニュー画面が表示されるとき(図37(E))、演出管理手段88は、現在のカーソル位置情報を用いて「カーソル位置コマンド」の演出コマンドを送信する(図36のステップS415)。ここで、現在のカーソル位置情報には、「配当表」の選択位置が記憶されたままであるから、「カーソル位置コマンド」を受信したサブサブ制御基板80Bは、「配当表」の選択状態を表示するように指示される。その結果、図37(E)では、「配当表」が選択された状態でメニュー画面が表示される。
以上は、図37を例にした確認であるが、図38や図39についても同様に、図36のメニュー制御処理との対応を見ていくことにより、「前回メニュー画面における選択状態の再現」が行われることを確認することができる。
以上のように、本実施形態に係るスロットマシン10は、メニュー機能の利用中に、コンテンツ画面からメニュー画面に戻ったときに、(当該コンテンツ画面に移行する前の)前回のメニュー画面におけるカーソルの選択状態を再現することができる。
ここで従来、遊技者が演出ボタン等を操作する際に、1回の操作で良い所を複数回押してしまったり、連打したりすることは、一般的に見られる光景であった。そしてこのような誤操作によって、所望するメニュー(例えば「配当表」のコンテンツ画面)を通り越してメニュー画面に戻ってしまった場合、改めて所望するメニューの選択を行わなければならないとすると、遊技者に不便さを感じさせるおそれがあった。
これに対し、本実施形態に係るスロットマシン10では、上述したようにカーソルの選択状態が再現されることによって、メニュー機能の利用中に、遊技者が演出ボタン24を意図せずに複数回連続して操作してしまった場合でも、簡単に目的のページ(コンテンツ画面)に戻ることができる。
具体的には例えば、図37(C)の状態から遊技者が演出ボタン24を連打したとすると、演出ボタン24の1回目の操作によって図37(D)の「配当表」表示に移行し、2回目の操作によって図37(E)の「メニュー画面」表示に移行する。しかし、3回目の操作によれば、再び図37(D)に移行して「配当表」表示に戻ることができる。以後、4回目、5回目・・・と演出ボタン24の操作回数が増えたとしても、図37(D)と図37(E)との間をループすることができる。
すなわち、本実施形態に係るスロットマシン10によれば、演出ボタン24(メニューボタン23と置き換えてもよい)が誤操作されたとしても、再度、演出ボタン24(またはメニューボタン23)を1回操作するだけで、所望のページに到達することができ、手間がかからない。かくして、メニュー機能に関して、誤操作時に不便さを感じさせず、利便性を向上させることに期待できる。
なお、前述したように、カーソル位置情報は、常にRWM83Aの使用領域に記憶されるとし、バックアップ領域に移されることはない。そのため、スロットマシン10の電源がオフ/オンされた場合には、カーソル位置情報は消去(初期化)される。すなわち、メニュー画面の表示中にスロットマシン10の電源がオフ/オンされた場合、その復旧後にメニュー画面が表示されたとしても(復旧後に遊技待機画面を経由してメニュー画面が表示されることを含むものであるが、復旧後に直接メニュー画面が表示されるものであってもよい)、電源オフ前のカーソルの選択状態は記憶されておらず、初期位置のカーソル位置情報に基づいたカーソルの選択状態(図37の場合であれば、何れのメニューも選択されていない非選択の状態であり、図38,図39の場合であれば、遊技説明のメニューが選択された状態)が示される。
本実施形態に係るスロットマシン10は、このように電源のオフ/オン時にカーソルの選択状態を維持しない(初期化する)ことによって、不正目的(例えば、設定の変更の判別等)への利用を防止する効果に期待できる。
(2)メニュー操作の一時無効
[8−3],[8−4]で述べたように、本実施形態のメニュー機能では、「メニュー操作の一時無効」として、所定条件を満たした場合に、所定時間が経過するまでメニュー操作を受け付けないフリーズ制御が行われる(メニュー操作の一時無効)。これは、演出管理手段88によるメニュー制御処理において、メニュー用ウェイトタイマのセットによって待機時間が設定されることによる。
図36のメニュー制御処理によれば、メニュー操作の一時無効は、「メニュー機能の終了時」及び「メニュー機能の実行中にコンテンツ画面からメニュー画面に戻ったとき」の2つの状況で制御される。以下に、このようなメニュー操作の一時無効の特徴及び効果について詳しく説明する。
まず、第1の「メニュー操作の一時無効」として、本実施形態に係るスロットマシン10は、メニュー機能の終了時に、メニュー操作を一時無効に制御することができる。
図36のステップS412では、メニュー画面表示中に「終了」のメニューが選択された状態でPUSH入力(決定操作)が行われたことに基づいて、メニュー機能の終了処理を行う際に、演出管理手段88は、メニュー実行状態を「メニュー実行可能状態」にセットするとともに、メニュー用ウェイトタイマに所定値(ここでは3秒に相当する値「187」)をセットし、「メニュー画面表示終了コマンド」の演出コマンドをサブサブ制御基板80Bに送信する。
この結果、サブサブ制御基板80B(演出実行手段89)によって表示制御される画像表示装置21の表示画面は、図39(F)に例示したように、メニュー画面の表示が終了されて例えば遊技待機画面が表示されるが、一方で、メニュー用ウェイトタイマが3秒あるため、3秒が経過するまではメニュー機能の開始等の操作は受け付けられない(図36のステップS403のNO〜ステップS404)。
以上のように、本実施形態に係るスロットマシン10は、メニュー機能の終了時にメニュー画面から通常の遊技画面(上記例では遊技待機画面)に表示が切り替えられた際に、所定時間に亘ってメニュー操作の一時無効を制御することができる。なお、この一時無効の制御は、あくまでサブ制御基板80によって制御されるものであり、メイン制御基板60による制御には影響を与えるものではない。さらに、一時無効とされる操作をメニュー操作だけに限定する必要はなく、サブ制御基板80(サブメイン制御基板80A,サブサブ制御基板80B)によって制御可能なその他の操作等(例えば、演出の出力パターンを変更するような特定のスイッチの操作等)についても操作無効の対象とするようにしてもよい。
ここで、「前回メニュー画面における選択状態の再現」でも述べたように、従来、遊技者が演出ボタン等を操作する際に、1回の操作で良い所を複数回押してしまったり、連打したりすることがあったことは、一般的に見られる光景であった。さらに、本実施形態でもそうだが、メニュー画面の終了を決定するときの操作と、非遊技状態からメニュー画面を表示するときの操作とは、同一の操作(本例では、演出ボタン24の操作)であることが一般的である。そのため、従来の遊技機では、当該操作が連続して行われた場合に、メニュー画面の終了後に再びメニュー画面が表示される誤操作となってしまい、遊技者に不快感を与えるおそれがあった。
このような課題に対して、本実施形態に係るスロットマシン10では、上述したようにメニュー機能の終了時(メニュー画面から遊技待機画面への遷移時)に、所定時間(本例では3秒)に亘ってメニュー操作を無効とすることにより、演出ボタン24(メニューボタン23と読み替えてもよい)が連打されたとしても、上記3秒以内であれば、演出ボタン24の2回目からの操作は無効とされ、再びメニュー画面が表示されることを防止できる。なお、第1の「メニュー操作の一時無効」における無効時間は、遊技者による演出ボタン24の誤操作に対して過剰に反応しない程度の時間であればよく、3秒に限定するものではない。かくして、本実施形態に係るスロットマシン10によれば、メニュー機能に関する誤操作を抑制することができ、誤操作時に不便さを感じさせない遊技機を提供することができる。
次に、第2の「メニュー操作の一時無効」として、本実施形態に係るスロットマシン10は、メニュー機能の実行中に(コンテンツ画面から)メニュー画面に戻ったときに、メニュー操作を一時無効に制御することができる。
図36のステップS415では、コンテンツ画面(一例として配当表画面)の表示中にメニュー画面へ戻るためのPUSH入力(決定操作)が行われたことに基づいて、メニュー画面の表示に戻すための処理を行う際に、演出管理手段88は、メニュー用ウェイトタイマに所定値(ここでは1秒に相当する値「62」)をセットし、「メニュー画面表示開始コマンド」の演出コマンドをサブサブ制御基板80Bに送信し、現在記憶されているカーソル位置情報を用いて「カーソル位置コマンド」の演出コマンドを送信する。
この結果、サブサブ制御基板80B(演出実行手段89)によって表示制御される画像表示装置21の表示画面は、図39(D)に例示したように、メニュー画面の表示に切り替えられる、一方で、メニュー用ウェイトタイマが1秒あるため、1秒が経過するまではコンテンツ画面の選択やメニュー機能の終了等のメニュー操作は受け付けられない(図36のステップS403のNO〜ステップS404)。
以上のように、本実施形態に係るスロットマシン10は、メニュー機能の実行中に(コンテンツ画面から)メニュー画面に戻ったときにも、第1の「メニュー操作の一時無効」と同様に、メニュー操作を一時無効に制御することができる。このようにすることで、本実施形態に係るスロットマシン10は、メニュー機能の実行中に遊技者による演出ボタン24等の誤操作が発生した場合にも、遊技者が意図しない画面遷移が発生しないようにすることができ、誤操作を抑制することができる。なお、第2の「メニュー操作の一時無効」における無効時間は、遊技者による演出ボタン24の連打やイタズラを回避できる程度の時間であればよく、さらに言えば、第1の「メニュー操作の一時無効」における無効時間よりも短時間に設定することが好ましい。このように適度な短時間の無効時間を設定することは、メニュー操作のフリーズ状態が過剰に続いた場合に却って利便性が低下することを防止する効果がある。なお、第2の「メニュー操作の一時無効」を設定しなくてもよい。例えば、図36のステップS415では、メニュー用ウェイトタイマに所定値(ここでは1秒に相当する値「62」)をセットしなくてもよい。
一方、本実施形態に係るスロットマシン10では、図39(B)を参照して説明したように、メニュー機能開始時に表示されるメニュー画面においては、メニュー操作の一時無効は行われず、即時に次のメニュー操作(十字キー22や演出ボタン24の操作)が受け付けられるようにしている。これは、当該タイミングにおけるメニュー制御処理において、メニュー用ウェイトタイマへのセットが行われないためであるが(図36のステップS407を参照)、このようにすることで、メニュー機能を利用する遊技者に対する操作性を向上する効果に期待できる。遊技者がメニュー機能を利用しようとする場合、所望のコンテンツ画面を早く見たいと考えていると想定される。このような遊技者心理に基づくと、メニュー画面が表示された後にメニュー操作が一時無効に制御されることは好ましくなく、待機時間の発生によって操作性が低下してしまう。そこで、本実施形態に係るスロットマシン10は、メニュー機能開始時のメニュー画面表示では、メニュー操作の無効期間を設けないようにして、操作性の向上を図ることができる。
さらに言えば、上記のように操作性の向上を図る場合、図37〜図39でもそうであったように、メニュー機能開始時のメニュー開始画面において、カーソルの選択状態が「終了」以外であるようにする(非選択状態を含む)ことが好ましい。このようにすることで、メニュー機能の開始時に演出ボタン24等が連打される等の誤操作が発生しても、メニュー画面の表示から即座にメニュー機能が終了してしまうことを回避できるため、誤操作による不便さを感じさせないことができる。
特に、メニュー機能開始時のメニュー開始画面においてカーソルを非選択状態とするようにした場合は、メニュー機能の開始時に演出ボタン24等が連打されたとしても、メニュー画面より先には画面遷移しないため、上記効果をさらに高めることができる。
以上の説明をまとめると、本実施形態に係るスロットマシン10では、誤操作による不本意な画面変更を防止しながら、メニュー機能の利便性や操作性を高めることを目的として、「メニュー操作の一時無効」を設定することができる。そしてこの設定は、上記例に限定されるものではなく、上記例以外のタイミングや無効時間(フリーズ時間)を設定してもよい。
具体的には例えば、「ログイン」のメニューが選択されてそのコンテンツ画面でパスワードの入力を受け付けるとき、ログインを許可できない不適正なパスワードが入力された場合には、「メニュー操作の一時無効」を設定することが考えられる(例えば3秒)。このようにすると、短時間でパスワードが連続入力されることを抑制できるため、不正ログインの試みに対する防止効果が期待できる。また、何度も連続してパスワード入力に失敗した場合は、メニュー操作を一時無効にする時間を長く変更したり、ホールコンピュータ200に通知したりしてもよい。また、メニュー機能を終了させたうえ、「メニュー操作の一時無効」を設定してもよい。
また例えば、「遊技履歴」のコンテンツ画面等で二次元コードが表示される場合に、「メニュー操作の一時無効」を設定することが考えられる(例えば3秒)。この場合、遊技者はコンテンツ画面に表示された二次元コードを携帯電話等で撮影する必要があるため、表示後しばらくの間は他のメニュー操作を行わないと想定され、仮に何らかのメニュー操作が行われた場合は誤操作である可能性が高い。したがって、メニュー操作の一時無効を設定することにより、誤操作によって二次元コードの表示が消えてしまうことを防止することができ、メニュー機能の利便性を高めることができる。
なお、「メニュー操作の一時無効」を設定する際は、メニュー制御処理においてどのタイミングでメニュー用ウェイトタイマにどのような値をセットするかによって、メニュー機能の実行中(開始時や終了時を含む)の任意の状況で任意のフリーズ時間を設定することができる。
以上は、本発明のスロットマシン10の一形態であるが、これに限定されることはない。スロットマシン以外の遊技機、例えば、パチンコ機や、パチンコ機とスロットマシンとを融合させてなる遊技機等であっても本発明を適用することができる。