JP2019058239A - 運動パフォーマンス推定装置、運動パフォーマンス推定方法、プログラム - Google Patents

運動パフォーマンス推定装置、運動パフォーマンス推定方法、プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】不随意運動に基づいて対象者の運動パフォーマンスを推定する運動パフォーマンス推定技術を提供する。【解決手段】開始位置から所定方向に肢の到達運動のタスクをしている対象者に、不随意運動を誘発する視覚刺激を提示する提示部と、到達運動の情報である肢運動情報を取得する肢運動情報取得部と、タスク毎に取得した肢運動情報から不随意運動の反応の速さを示す指標を不随意運動特徴量として得る不随意運動特徴量抽出部と、不随意運動特徴量から対象者の運動パフォーマンス指標を推定する運動パフォーマンス推定部とを含み、運動パフォーマンス指標は、不随意運動の反応の速さが速い場合の方が遅い場合よりも運動パフォーマンスが高いことを示すものである。【選択図】図3

Description

本発明は、視覚運動特性を評価する技術に関し、特に不随意運動に基づいて対象者の運動パフォーマンスを推定する技術に関する。
人の視覚運動特性を評価する手法として、例えば動体視力検査がある。これは、動くものを視る能力を測る技術であり、野球等の球技を中心とするスポーツの上達と関係があることが知られている。動体視力検査は、動くものを視認・識別する能力を測定するものであり、動くものを認識した上で追従する等の自己の意思に基づく運動(随意運動)の反応速度や反応の正確性に基づいて測定される。
逆に、自己の意思に基づかない身体反応として、不随意運動がある。例えば、非特許文献1では、被験者から離れた位置に設置されたディスプレイ上に表示された(図形などの)到達目標に被験者が腕を伸ばしてタッチするというタスクを行わせる際に、到達目標が突然動くと、肢が無意識に到達目標の移動した方向に追従する反応を示すことが報告されている。
特定の図形ではなく、ランダムドットパターンのような画像を所定の大きさで提示する映像を用いて視覚刺激を与えることでも不随意運動が起きることが知られており、これを利用して操作者が無意識のうちに自らの肢の運動方向を変化させる技術が、例えば特許文献1に開示されている。
B. L. Day and I. N. Lyon, "Voluntary modification of automatic arm movements evoked by motion of a visual target", Experimental Brain Research, Vol.130, Issue2, pp.159-168, 2000.
特開2010-72221号公報
非特許文献1は、視覚刺激により対象者に不随意運動が生ずることを発見したものであり、特許文献1は、このような不随意運動を積極的に利用して操作者の肢を誘導することを目的としたものである。
不随意運動と運動パフォーマンス(運動能力)との間に相関性があるか否かは知られておらず、不随意運動を表す指標に基づいてスポーツ選手等の運動パフォーマンスを測ろうとする技術はこれまで存在しなかった。
そこで本発明では、不随意運動に基づいて対象者の運動パフォーマンスを推定する運動パフォーマンス推定技術を提供することを目的とする。
本発明の一態様は、開始位置から所定方向に肢の到達運動のタスクをしている対象者に、不随意運動を誘発する視覚刺激を提示する提示部と、前記到達運動の情報である肢運動情報を取得する肢運動情報取得部と、タスク毎に取得した前記肢運動情報から不随意運動の反応の速さを示す指標を不随意運動特徴量として得る不随意運動特徴量抽出部と、前記不随意運動特徴量から前記対象者の運動パフォーマンス指標を推定する運動パフォーマンス推定部とを含み、前記運動パフォーマンス指標は、不随意運動の反応の速さが速い場合の方が遅い場合よりも運動パフォーマンスが高いことを示すものである。
本発明の一態様は、開始位置から所定方向に肢の到達運動のタスクをしている対象者に、不随意運動を誘発する視覚刺激を提示する提示部と、前記到達運動の情報である肢運動情報を取得する肢運動情報取得部と、タスク毎に取得した前記肢運動情報から不随意運動の大きさを示す指標を不随意運動特徴量として得る不随意運動特徴量抽出部と、前記不随意運動特徴量から前記対象者の運動パフォーマンス指標を推定する運動パフォーマンス推定部とを含み、前記運動パフォーマンス指標は、不随意運動の大きさが大きい場合の方が小さい場合よりも運動パフォーマンスが高いことを示すものである。
本発明の一態様は、開始位置から所定方向に肢の到達運動のタスクをしている対象者に、不随意運動を誘発する視覚刺激を提示する提示部と、前記到達運動の情報である肢運動情報を取得する肢運動情報取得部と、タスク毎に取得した前記肢運動情報から随意運動の大きさを示す指標と不随意運動の大きさを示す指標の比を不随意運動特徴量として得る不随意運動特徴量抽出部と、前記不随意運動特徴量から前記対象者の運動パフォーマンス指標を推定する運動パフォーマンス推定部とを含み、前記運動パフォーマンス指標は、随意運動の大きさを示す指標と不随意運動の大きさを示す指標の比が大きい場合の方が小さい場合よりも運動パフォーマンスが高いことを示すものである。
本発明の一態様は、開始位置から所定方向に肢の到達運動のタスクをしている対象者に、不随意運動を誘発する視覚刺激を提示する提示部と、前記到達運動の情報である肢運動情報を取得する肢運動情報取得部と、タスク毎に取得した前記肢運動情報から、複数のタスクについての肢の到達運動の開始から目標位置へ肢が到達するまでにかかる時間の平均値を不随意運動特徴量として得る不随意運動特徴量抽出部と、前記不随意運動特徴量から前記対象者の運動パフォーマンス指標を推定する運動パフォーマンス推定部とを含み、前記運動パフォーマンス指標は、肢の到達運動の開始から目標位置へ肢が到達するまでにかかる時間の平均値が小さい場合の方が大きい場合よりも運動パフォーマンスが高いことを示すものである。
本発明の一態様は、開始位置から所定方向に肢の到達運動のタスクをしている対象者に、不随意運動を誘発する視覚刺激を提示する提示部と、前記到達運動の情報である肢運動情報を取得する肢運動情報取得部と、タスク毎に取得した前記肢運動情報から、複数のタスクについての肢の到達運動の目標位置と実際に肢が到達した位置との誤差の平均値を不随意運動特徴量として得る不随意運動特徴量抽出部と、前記不随意運動特徴量から前記対象者の運動パフォーマンス指標を推定する運動パフォーマンス推定部とを含み、前記運動パフォーマンス指標は、肢の到達運動の目標位置と実際に肢が到達した位置との誤差の平均値が小さい場合の方が大きい場合よりも運動パフォーマンスが高いことを示すものである。
本発明の一態様は、開始位置から所定方向に肢の到達運動のタスクをしている対象者に、不随意運動を誘発する視覚刺激を提示する提示部と、前記到達運動の情報である肢運動情報を取得する肢運動情報取得部と、タスク毎に取得した前記肢運動情報から不随意運動特徴量を得る不随意運動特徴量抽出部と、不随意運動特徴量と運動パフォーマンス指標との関連付けに基づいて、前記不随意運動特徴量から前記対象者の運動パフォーマンス指標を推定する運動パフォーマンス推定部とを含む。
本発明によれば、不随意運動に基づいて対象者の運動パフォーマンスを推定することが可能となる。
不随意運動と運動パフォーマンスの相関性を調べる実験の様子を示す図。 レギュラー選手と補欠選手の不随意運動特徴量の比較結果を示す図。 運動パフォーマンス推定装置100の構成の一例を示すブロック図。 運動パフォーマンス推定装置100の動作の一例を示すフローチャート。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。なお、同じ機能を有する構成部には同じ番号を付し、重複説明を省略する。
各実施形態の説明に先立って、この明細書における表記方法について説明する。
_(アンダースコア)は下付き添字を表す。例えば、xy_zはyzがxに対する上付き添字であり、xy_zはyzがxに対する下付き添字であることを表す。
<技術的背景>
各実施形態の発明は、不随意運動と運動パフォーマンスとの間に相関関係があるという自然法則の発見を応用して、不随意運動に基づいて対象者の運動パフォーマンスを推定しようとするものである。
ここでは、各実施形態の発明の技術的背景として、不随意運動と運動パフォーマンスの相関性を調べるための実験と実験結果について説明する。
〔背景となる実験と実験結果〕
対象者は、開始位置(運動開始時点における肢の位置)から所定方向に肢の到達運動をする(図1参照)。所定方向は、対象者による肢の到達運動中に定まる、対象者が肢を動かすべき方向であり、到達目標の動きに応じて定まるものである。所定方向及び到達目標の詳細については後述する。対象者による肢の到達運動中に対象者に対して対象者の肢に不随意運動を誘発する視覚刺激を提示し、対象者の肢の運動情報を取得する。次に、取得した運動情報から不随意運動の特徴量を抽出する。
以上の実験をスポーツチームのメンバ13名に対して行い、レギュラー選手5名について得られた不随意運動の特徴量と補欠選手8名に対して得られた不随意運動の特徴量を比較すると有意差が見られた(図2参照)。この結果から、不随意運動を表す特徴がスポーツ選手の運動パフォーマンスと相関があることが分かる。
各実施形態の発明は、この発見に基づいており、対象者に不随意運動を誘発する視覚刺激を提示したときの肢の動きに関する情報(肢運動情報)から不随意運動の特徴量を抽出し、不随意運動の特徴量から運動パフォーマンスを推定するものである。
以下、実験について詳しく説明していく。実験において対象者に課したタスクは、以下のT1、T2である。
《T1: Normal task(ノーマルタスク)》
対象者は、開始位置(ホームポジションともいう)から離れた位置に表示された到達目標に向けて肢を動かす動作を行う。到達目標は、例えばディスプレイ上に表示されている記号やボール等の所定の画像である。対象者の動作中に到達目標を左右いずれかに動かすので、その動きに追従して到達目標をタッチするよう対象者に指示しておく。つまり、タスクT1における所定方向とは、到達目標の移動方向である。
以上の指示のもと、対象者にホームポジションから所定方向に肢を動かす動作をしてもらう。
《T2: Anti task(アンチタスク)》
対象者は、開始位置(ホームポジション)から離れた位置に表示された到達目標に向けて肢を動かす動作を行う。到達目標は、タスクT1と同様、例えばディスプレイ上に表示されている記号やボール等の所定の画像である。対象者の動作中に到達目標を左右いずれかに動かすので、その動きと逆方向に肢を動かすよう対象者に指示しておく。つまり、タスクT2における所定方向とは、到達目標の移動方向と逆の方向である。
以上の指示のもと、対象者にホームポジションから所定方向に肢を動かす動作をしてもらう。
なお、タスクT2では、到達目標の動きと逆方向に肢を動かすため、到達目標をタッチすることを指示しない点でタスクT1と異なる。タスクT2では、到達目標の動きと逆方向に肢を動かせばいいので、到達位置は問わない。
上記T1、T2のそれぞれのタスクをしているときの肢の位置の動き(時刻毎の肢の位置の変化)をモーションキャプチャ等で計測し、ホームポジションを原点として、例えば右側を正方向、左側を負方向として、所定時刻ごとの加速度を計算する。これにより、各試行について、時刻ごとの加速度の系列を肢運動情報として取得する。
なお、計測を開始してから到達目標を動かし始めるまでの時間は各試行において同じであるものとする。
タスクT1において、到達目標が右に動く場合と左に動く場合でそれぞれN回ずつ試行する。i回目(1≦i≦N)の右に動く試行により得た加速度の系列Ai,R
Figure 2019058239
とすると、到達目標が右に動く場合のタスクT1における加速度の平均値の系列A Rは以下のように表せる。
Figure 2019058239
つまり、系列A Rは、時刻ごとにN回の試行における加速度の平均値を取った系列である。ここで、ai,R,t_mは、到達目標が右に動くタスクT1のi回目の試行の時刻tmにおける加速度である。
一方、i回目(1≦i≦N)の左に動く試行により得た加速度の系列Ai,L
Figure 2019058239
とし、同様に、到達目標が左に動く場合のタスクT1における加速度の平均値の系列A Lを算出する。
Figure 2019058239
つまり、系列A Lは、時刻ごとにN回の試行における加速度の平均値を取った系列である。ここで、ai,L,t_mは、到達目標が左に動くタスクT1のi回目の試行の時刻tmにおける加速度である。
同様に、タスクT2において、到達目標が右に動く場合と左に動く場合でそれぞれN回ずつ試行する。i回目(1≦i≦N)の右に動く試行により得た加速度の系列Bi,R
Figure 2019058239
とすると、到達目標が右に動く場合のタスクT2における加速度の平均値の系列B Rは以下のように表せる。
Figure 2019058239
つまり、系列B Rは、時刻ごとにN回の試行における加速度の平均値を取った系列である。ここで、bi,R,t_mは、到達目標が右に動くタスクT2のi回目の試行の時刻tmにおける加速度である。
一方、i回目(1≦i≦N)の左に動く試行により得た加速度の系列Bi,L
Figure 2019058239
とし、同様に、到達目標が左に動く場合のタスクT2における加速度の平均値の系列B Lを算出する。
Figure 2019058239
つまり、系列B Lは、時刻ごとにN回の試行における加速度の平均値を取った系列である。ここで、bi,L,t_mは、到達目標が左に動くタスクT2のi回目の試行の時刻tmにおける加速度である。
そして、加速度の平均値の系列A R、A L、B R、B Lから、以下の(1)〜(3)を不随意運動の特徴量として算出する。
(1)不随意運動の反応の速さを示す指標
(2)不随意運動の大きさを示す指標
(3)随意運動を示す指標と不随意運動を示す指標の比
以下、(1)〜(3)の特徴量について詳細に説明する。
(1)不随意運動の反応の速さを示す指標
不随意運動の反応の速さを示す指標とは、到達目標が移動を開始した時刻から不随意運動が開始される時刻までにかかる時間である。タスクT1における加速度の平均値の系列A R、A Lから算出されるものとタスクT2における加速度の平均値の系列B R、B Lから算出されるものがある。
(1−1)タスクT1における不随意運動の開始時刻を不随意運動の反応の速さを示す指標として用いる。タスクT1における不随意運動の開始時刻は、例えば、以下のようにして求める。
(1) 到達目標が右に動く場合の加速度の平均値の系列A Rと到達目標が左に動く場合の加速度の平均値の系列A Lの差分の系列Dを求める。
Figure 2019058239
(2) (1)で求めた系列Dにおいて、加速度が所定の閾値を超える最初の時刻tmを不随意運動の開始時刻とする。
なお、ホームポジションに対して右側を正、左側を負とする座標系を採用していることから、差分の系列Dは必ず正の値の系列となるため、所定の閾値を超える時刻をもって不随意運動の開始時刻と判定している。もちろん、正負は逆転させてもよい。要するに、差分の絶対値が所定の閾値を超えるか否かで判定すればよい。
また、不随意運動の開始時刻の算出方法は上述の手法に限るものではない。例えば、到達目標が右に動く場合の加速度の平均値の系列A Rに対して、最初に加速度が所定の閾値を超えた時刻を不随意運動の開始時刻としてもよいし、到達目標が左に動く場合の加速度の平均値の系列A Lに対して、最初に加速度の絶対値が所定の閾値を超えた時刻を不随意運動の開始時刻としてもよい。
(1−2)また、同様に、タスクT2における不随意運動の開始時刻を不随意運動の反応の速さを示す指標として用いることもできる。タスクT2における不随意運動の開始時刻は、例えば、以下のようにして求める。
(1) 到達目標が右に動く場合の加速度の平均値の系列B Rと到達目標が左に動く場合の加速度の平均値の系列B Lの差分の系列Eを求める。
Figure 2019058239
(2) (1)で求めた系列Eにおいて、加速度が所定の閾値を超える最初の時刻tmを不随意運動の開始時刻とする。
(2)不随意運動の大きさを示す指標
不随意運動の大きさを示す指標には、到達目標が右に動く場合における加速度の平均値の系列A R、B Rから算出されるものと到達目標が左に動く場合における加速度の平均値の系列A L、B Lから算出されるものがある。
(2−1)加速度の平均値の系列A R、B Rから不随意運動の大きさを示す指標を以下のようにして求める。まず、タスクT2で得た加速度の平均値の系列B Rの中で、不随意運動に対応する区間のうち値(加速度の平均値)が最大値を示す時刻TmaxAPを求める。そして、タスクT1で得た加速度の平均値の系列A R中の時刻TmaxAPにおける値a R,T_maxAPを不随意運動の大きさを示す指標とする。ここで、系列B Rの中で不随意運動に対応する区間とは、正の値が連続する区間のことである。
以下、到達目標が右に動いたとき、不随意運動に対応する区間を正の値が連続する区間とする理由について説明する。タスクT2では到達目標の動きと逆方向に肢を動かさなければならないので、到達目標の動きとは逆方向へ動かす運動が随意運動であり、到達目標の動きに引きずられて同じ方向に動いてしまう運動が不随意運動となる。ここで、ホームポジションに対して右方向を正方向と定義しているため、右方向に動く場合に加速度が正の値をとる。到達目標が右に動いたときに右に引きずられて肢が動くと正の加速度が発生することになるため、不随意運動に対応する区間では加速度の平均値が正の値を取るのである。したがって、正方向と負方向の定義を逆にした場合は、負の値が連続する区間が不随意運動に対応する区間となることは言うまでもない。
次に、時刻TmaxAPにおける加速度の平均値a R,T_maxAPを不随意運動の大きさを示す指標とする理由について説明する。タスクT1では随意運動の方向と不随意運動の方向が同じであるため、加速度の平均値の系列A Rについてはどこまでが不随意反応の寄与によるものであるかの判別が難しい。そこで、不随意反応が大きく出るまでにかかる時間をタスクT2で得た加速度の平均値の系列B Rにより求め、この時間を用いてタスクT1で得た加速度の平均値の系列A R中の値a R,T_maxAPを不随意運動の大きさとする構成をとっている。
(2−2)同様に、加速度の平均値の系列A L、B L、から不随意運動の大きさを示す指標を以下のようにして求める。まず、タスクT2で得た加速度の平均値の系列B Lの中で、不随意運動に対応する区間のうち値(加速度の平均値)が最大値を示す時刻TmaxAPを求める。そして、タスクT1で得た加速度の平均値の系列A L中の時刻TmaxAPにおける値a L,T_maxAPを不随意運動の大きさを示す指標とする。ここで、系列B Lの中で不随意運動に対応する区間とは、負の値が連続する区間のことである。
(3)随意運動を示す指標と不随意運動を示す指標の比
随意運動を示す指標と不随意運動を示す指標の比(ゲイン)、つまり随意運動に対する不随意運動の割合APgainは、タスクT1における加速度の平均値の絶対値の最大値をAccmax、上記(2)で求めた不随意運動の大きさを示す指標をAPampとして、
Figure 2019058239
により求める。この割合APgainは、随意的な反応に対する不随意な反応の割合を表す指標として用いることができる。
レギュラー選手5名について求めた(1)〜(3)の特徴量と補欠選手8名について求めた(1)〜(3)の特徴量の比較結果をそれぞれ図2(A)、図2(B)、図2(C)に示す。各図において、Regularがレギュラー選手について求めた特徴量、Subが補欠選手について求めた特徴量を表している。これらの図から分かる通り、レギュラー選手と補欠選手の間で各特徴量について有意差がみられる。具体的には、以下のような傾向があった。
(A) レギュラー選手の方が補欠選手よりも不随意運動の反応が出るのが早い。
(B) レギュラー選手の方が補欠選手よりも不随意運動の大きさが大きい。
(C) レギュラー選手の方が補欠選手よりも随意運動に対する不随意運動の割合が大きい。
また、随意運動と不随意運動の方向が一致するタスクT1のみを用いて、以下の(4)、(5)の特徴量を算出する。各試行について、タスクT1における肢の到達運動の開始から目標位置(運動終了時点において肢が到達すべき位置)へ肢が到達するまでにかかる時間(到達時間)やタスクT1における肢の到達運動の目標位置と実際に肢が到達した位置との誤差(位置誤差)を肢運動情報として取得する。ここで、肢の到達運動の開始から目標位置へ肢が到達するまでにかかる時間とは、到達目標が移動を開始した時刻を基準として到達目標に肢が到達するまでにかかる時間である。また、肢の到達運動の目標位置と実際に肢が到達した位置との誤差とは、到達目標の最終位置(つまり移動後の位置)と実際に肢が到達した位置の誤差である。なお、誤差は、X軸方向(左右方向=到達目標の移動方向)における位置座標の誤差とする。
(4)タスクT1における肢の到達運動の開始から目標位置へ肢が到達するまでにかかる時間の平均値
(5)タスクT1における肢の到達運動の目標位置と実際に肢が到達した位置との誤差の平均値
レギュラー選手5名について求めた(4)、(5)の特徴量と補欠選手8名について求めた(4)、(5)の特徴量の比較結果をそれぞれ図2(D)、図2(E)に示す。これらの図から分かる通り、レギュラー選手と補欠選手の間で各特徴量について有意差がみられる。具体的には、以下のような傾向があった。
(D) レギュラー選手の方が補欠選手よりも到達時間が短い。
(E) レギュラー選手の方が補欠選手よりも位置誤差が小さい。
<第一実施形態>
運動パフォーマンス推定装置100は、上記実験のタスクT1、T2を対象者に実行させることで対象者の不随意運動の特徴量を得、この不随意運動の特徴量から上記実験の結果として分かった傾向に基づいて対象者の運動パフォーマンスの指標を得る。
以下、図3〜図4を参照して、運動パフォーマンス推定装置100を説明する。図3は、運動パフォーマンス推定装置100の構成を示すブロック図である。図4は、運動パフォーマンス推定装置100の動作を示すフローチャートである。図3に示すように運動パフォーマンス推定装置100は、提示部110と、肢運動情報取得部120と、不随意特徴量抽出部130と、運動パフォーマンス推定部140と、制御部180と、記録部190を含む。記録部190は、処理に必要な情報を適宜記録する構成部である。
[提示部110]
提示部110は、タスクT1またはタスクT2の映像を視覚刺激としてディスプレイ等に表示する。つまり、対象者の視野内にあるディスプレイに到達目標の画像を表示し、所定のタイミングで所定の方向に到達目標を移動させる映像を表示する。所定のタイミングとは、例えば、対象者が肢の到達運動を開始してから所定時間経過後である。また、所定の方向とは、例えば、左方向または右方向である。いずれの方向とするかは、各試行でランダムに決定されてもよいし、外部入力により与えられてもよい。タスクT1、T2のどちらの映像を提示するか、到達目標の移動方向を左右どちらの方向にするかは、制御部180により制御されてもよいし、外部入力により都度指示が入力される形でもよい。
なお、到達目標は静止している目標でもよいし、移動している(動いている)目標でもよい。動いている目標とは、例えば、ディスプレイ上の目標が上から下方向へ一定の速度で動いていて、その目標が右あるいは左に移動する場合などである。また、肢を動かす方向や目標が移動する方向は、前後・左右・上下など組み合わせてもよい。
[制御部180]
制御部180は、提示部110に表示するタスクの映像を制御するとともに、タスク実行中の対象者の肢の到達運動の情報である肢運動情報を肢運動情報取得部120に取得させるよう制御する。タスクT1とT2を上記実験のようにそれぞれ複数回実行させる。なお、上記実験では左右の試行回数を同数(N回)としているが、必ずしも一致する必要はない。
[肢運動情報取得部120]
肢運動情報取得部120は、タスク実行中の対象者の肢運動情報を取得し、記録部190に記録する。つまり、記録部190には、タスク毎に取得した肢運動情報が複数記録されることになる。肢の動きは、例えば、モーションキャプチャや肢位置センサの付いたマニピュランダム装置、映像等により取得すればよい。肢運動情報取得部120で取得する肢運動情報は、例えば、時刻ごとの肢の位置の系列、時刻ごとの加速度の系列、タスクT1における肢の到達運動の開始から目標位置へ肢が到達するまでにかかる時間、タスクT1における肢の到達運動の目標位置と実際に肢が到達した位置との誤差である。
[不随意運動特徴量抽出部130]
不随意特徴量抽出部130は、記録部190に記録された複数の肢運動情報から、不随意運動特徴量を抽出する。不随意運動特徴量の例として、上記実験で説明した
(1)不随意運動の反応の速さを示す指標
(2)不随意運動の大きさを示す指標
(3)随意運動を示す指標と不随意運動を示す指標の比
(4)タスクT1における肢の到達運動の開始から目標位置へ肢が到達するまでにかかる時間の平均値
(5)タスクT1における肢の到達運動の目標位置と実際に肢が到達した位置との誤差の平均値
がある。
上述したように、(1)〜(3)の特徴量は、(複数の肢運動情報から算出される)複数のタスクについての加速度の平均値の系列を用いて、抽出される。また、(4)、(5)の特徴量は、(複数の肢運動情報から算出される)複数のタスクについての到達時間の平均値、複数のタスクについての位置誤差の平均値として抽出される。
なお、(1)〜(5)の特徴量すべてを抽出することは必須ではなく、少なくとも1つの特徴量を抽出すればよい。
[運動パフォーマンス推定部140]
運動パフォーマンス推定部140は、不随意運動特徴量抽出部130で抽出した不随意運動特徴量から対象者の運動パフォーマンス指標を推定する。具体的には、上記(1)〜(5)の特徴量に応じて以下のようになる。
(1)の特徴量の場合、不随意運動の反応の速さが速い場合の方が遅い場合(不随意運動の反応の速さを示す指標の値が小さい場合の方が大きい場合)よりも運動パフォーマンスが高いことを示すものとなるように、運動パフォーマンス指標を設計する。例えば、不随意運動の反応の速さを示す指標に関する減少関数の値を運動パフォーマンス指標の推定結果として出力する。あるいは、不随意運動の反応の速さを示す指標の値の大きさによって数段階にランク分けをしておき、不随意運動特徴量抽出部130で抽出した不随意運動の反応の速さを示す指標に対応するランクを運動パフォーマンス指標の推定結果として出力する。
(2)の特徴量の場合、不随意運動の大きさが大きい場合の方が小さい場合よりも運動パフォーマンスが高いことを示すものとなるように、運動パフォーマンス指標を設計する。例えば、随意運動の大きさを示す指標に関する増加関数の値を運動パフォーマンス指標の推定結果として出力する。あるいは、不随意運動の大きさを示す指標の値の大きさによって数段階にランク分けをしておき、不随意運動特徴量抽出部130で抽出した不随意運動の大きさを示す指標に対応するランクを運動パフォーマンス指標の推定結果として出力する。
(3)の特徴量の場合、随意運動の大きさを示す指標と不随意運動の大きさを示す指標の比が大きい場合の方が小さい場合よりも運動パフォーマンスが高いことを示すものとなるように、運動パフォーマンス指標を設計する。例えば、随意運動を示す指標と不随意運動を示す指標の比に関する増加関数の値を運動パフォーマンス指標の推定結果として出力する。あるいは、随意運動を示す指標と不随意運動を示す指標の比の大きさによって数段階にランク分けをしておき、不随意運動特徴量抽出部130で抽出した随意運動を示す指標と不随意運動を示す指標の比に対応するランクを運動パフォーマンス指標の推定結果として出力する。
(4)の特徴量の場合、肢の到達運動の開始から目標位置へ肢が到達するまでにかかる時間の平均値が小さい場合の方が大きい場合よりも運動パフォーマンスが高いことを示すものとなるように、運動パフォーマンス指標を設計する。例えば、到達時間の平均値に関する減少関数の値を運動パフォーマンス指標の推定結果として出力する。あるいは、到達時間の平均値の大きさによって数段階にランク分けをしておき、不随意運動特徴量抽出部130で抽出した到達時間の平均値に対応するランクを運動パフォーマンス指標の推定結果として出力する。
(5)の特徴量の場合、肢の到達運動の目標位置と実際に肢が到達した位置との誤差の平均値が小さい場合の方が大きい場合よりも運動パフォーマンスが高いことを示すものとなるように、運動パフォーマンス指標を設計する。例えば、位置誤差の平均値に関する減少関数の値を運動パフォーマンス指標の推定結果として出力する。あるいは、位置誤差の平均値の大きさによって数段階にランク分けをしておき、不随意運動特徴量抽出部130で抽出した位置誤差の平均値に対応するランクを運動パフォーマンス指標の推定結果として出力する。
なお、不随意運動特徴量抽出部130が、(1)〜(5)の特徴量のうち複数の特徴量を抽出した場合には、各不随意運動特徴量について上述の推定処理を行って得た運動パフォーマンス指標を統合した結果(例えば、単純加算したスコアや重み付け加算したスコア)を最終的な運動パフォーマンス指標として出力するよう運動パフォーマンス推定部140を構成してもよい。
また、(1)〜(5)の特徴量から推定した運動パフォーマンス指標をそれぞれ第1運動パフォーマンス指標、第2運動パフォーマンス指標、第3運動パフォーマンス指標、第4運動パフォーマンス指標、第5運動パフォーマンス指標として、これら5つの運動パフォーマンス指標を並べて表示したり、レーダーチャート形式で表示したりするようにしてもよい。
図4に従い運動パフォーマンス推定装置100の動作について説明する。提示部110は、開始位置から所定方向に肢の到達運動のタスクをしている対象者に、不随意運動を誘発する視覚刺激を提示する(S110)。
肢運動情報取得部120は、S110で提示された視覚刺激を受容した対象者の肢の到達運動の情報である肢運動情報を取得する(S120)。不随意運動特徴量として、(1)不随意運動の反応の速さを示す指標、(2)不随意運動の大きさを示す指標、(3)随意運動を示す指標と不随意運動を示す指標の比を用いる場合、肢運動情報として、時刻ごとの肢の位置の系列や時刻ごとの加速度の系列を取得する。不随意運動特徴量として、(4)タスクT1における肢の到達運動の開始から目標位置へ肢が到達するまでにかかる時間の平均値を用いる場合、肢運動情報として、タスクT1における肢の到達運動の開始から目標位置へ肢が到達するまでにかかる時間を取得する。不随意運動特徴量として、(5)タスクT1における肢の到達運動の目標位置と実際に肢が到達した位置との誤差の平均値を用いる場合、肢運動情報として、タスクT1における肢の到達運動の目標位置と実際に肢が到達した位置との誤差を取得する。
不随意運動特徴量抽出部130は、S120でタスク毎に取得した肢運動情報から不随意運動特徴量を得る(S130)。運動パフォーマンス推定部140は、S130で抽出した不随意運動特徴量から対象者の運動パフォーマンス指標を推定する(S140)。
なお、(1−1)タスクT1における不随意運動の開始時刻、(4)タスクT1における肢の到達運動の開始から目標位置へ肢が到達するまでにかかる時間の平均値、(5)タスクT1における肢の到達運動の目標位置と実際に肢が到達した位置との誤差の平均値を不随意運動特徴量として用いる場合は、対象者に行わせるタスクをタスクT1のみとするよう制御部180を制御することができる。また、(1−2)タスクT2における不随意運動の開始時刻を不随意運動特徴量として用いる場合は、対象者に行わせるタスクをタスクT2のみとするよう制御部180を制御することができる。
本実施形態の発明によれば、不随意運動に基づいて対象者の運動パフォーマンスを推定することが可能となる。
(変形例1)
(1)〜(3)の特徴量を用いて、タスクに対する順応の速さを示す指標を求めるようにしてもよい。
(6)タスクに対する順応の速さを示す指標
タスクに対する順応の速さを示す指標として、例えば、(6−1)、(6−2)の特徴量がある。
(6−1)(1)〜(3)の特徴量のいずれかについての、第jブロックのタスク実行時の値と、第j+1ブロックのタスクの実行時の値との差分
ここで、ブロックとは、加速度の平均値の系列を算出するための単位試行数のこととする。例えば、10試行ごとに加速度の平均値の系列を算出するのであれば、10試行が1ブロックとなる。
以下、(1)の特徴量を用いて(6−1)の特徴量を計算する例について説明する。具体的には、タスクT1における不随意運動の開始時刻((1−1)の特徴量)を用いて計算する。タスクT1における到達目標が右に動く場合の試行のうち、第jブロックにおける加速度の平均値の系列をA R,jとすると、
Figure 2019058239
である。ここで、Mは各ブロックに含まれる試行回数であり、ai,R,t_mは、到達目標が右に動くタスクT1のi回目の試行の時刻tmにおける加速度である。例えば、M=10とすれば、A R,1は到達目標が右に動くタスクT1についての最初の10回の試行で得られた加速度の時刻毎の平均値の系列となる。
同様に、タスクT1における到達目標が左に動く場合の試行のうち、第jブロックにおける加速度の平均値の系列をA L,jとすると、
Figure 2019058239
である。
このとき、系列A R,jと系列A L,jの差分の系列Djは、以下のように表せる。
Figure 2019058239
したがって、系列Djにおいて、加速度が所定の閾値を超える最初の時刻をtm,jとする。
同様に、第j+1ブロックについても時刻tm,jを求める。つまり、系列Dj+1において、加速度が所定の閾値を超える最初の時刻をtm,j+1とする。
以上より、第jブロックについて求めた時刻tm,jと第j+1ブロックについて求めた時刻tm,jの差分tm,j-tm,j+1が、タスクに対する順応の速さを示す指標となる。
次に、この差分tm,j-tm,j+1の、タスクに対する順応の速さを示す指標としての性質について説明する。タスクT1では、到達目標の移動方向とタスクで指定される肢を動かす方向が一致する。タスクを早く正確にこなすためには、不随意運動反射を積極的に利用し、いち早く肢を所定方向へ動かすのが好ましい。よって、タスクに順応するほど、より速く不随意運動が開始されるようになることが期待される。つまり、試行回数が増える(jの値が大きくなる)ほど、時刻tm,jの値は小さくなる(早い時刻になる)。また、順応の効果が大きいほど、試行を繰り返す(jが大きくなる)ことに伴う時間短縮が大きくなるので、差分tm,j-tm,j+1の値は大きくなる。よって、差分tm,j-tm,j+1は、その値が大きい場合の方が小さい場合よりも順応の速さが速いことを示すものとなる。
同様に、タスクT2における不随意運動の開始時刻((1−2)の特徴量)を用いて(6−1)の特徴量を計算することもできる。この場合の差分tm,j-tm,j+1の、タスクに対する順応の速さを示す指標としての性質について説明する。タスクT2では、到達目標の移動方向とタスクで指定される肢を動かす方向が一致しない。タスクを早く正確にこなすためには、不随意運動を抑える必要がある。よって、タスクに順応するほど、不随意運動による反応は出にくくなることが期待される。つまり、試行回数が増える(jの値が大きくなる)ほど、時刻tm,jの値は大きくなる(遅い時刻になる、場合によってはそのような時刻が検出されなくなる)。また、順応の効果が大きいほど、試行を繰り返す(jが大きくなる)毎の差分は大きくなるので、差分tm,j-tm,j+1の値は大きくなる。よって、差分tm,j-tm,j+1は、その値が大きい場合の方が小さい場合よりも順応の速さが速いことを示すものとなる。なお、時刻tm,jが検出されなかった場合は、時刻の最大値tT以上の値をtm,jとして設定することとする。
同様に(2)の特徴量を用いて(6−1)の特徴量を計算する場合には、試行を繰り返す(jが大きくなる)毎に、不随意運動の大きさを示す指標が大きくなるほど、順応の速さが速いといえるので、差分の値が大きい場合の方が小さい場合よりも順応の速さが速いことを示すものとなる。
また、(3)の特徴量を用いて(6−1)の特徴量を計算する場合には、試行を繰り返す(jが大きくなる)毎に、ゲイン(随意運動を示す指標と不随意運動を示す指標の比)が大きくなるほど、順応の速さが速いといえるので、差分の値が大きい場合の方が小さい場合よりも順応の速さが速いことを示すものとなる。
(6−2)上記(6−1)の特徴量のタスクの繰り返し毎の変化
上記(6−1)と同様に、タスクT2について、ブロック毎に求めた加速度の平均値の系列をB R,j,B L,jとする。ここで、先述した“(2)不随意運動の大きさを示す指標”での説明におけるA R,A L,B R,B lをA R,j,A L,j,B R,j,B l,jと置き換えることで、第jブロックにおける不随意運動の大きさを示す指標を計算する。つまり、系列B R,jの中で不随意運動に対応する区間のうち値が最大値を示す時刻TmaxAP,jを求め、当該時刻でのタスクT1における加速度a R,T_maxAP,jを右方向の試行の第jブロックにおける不随意運動の大きさを示す指標とする。同様に、加速度a L,T_maxAP,jを左方向の試行の第jブロックにおける不随意運動の大きさを示す指標とする。
また、上記(2)では説明していないが、タスクT1における加速度の代わりにタスクT2における加速度を用いることにより、新たな不随意運動の大きさを示す指標を定義することもできる。具体的には、系列B R,jの中で不随意運動に対応する区間のうち値が最大値を示す時刻TmaxAP,jを求め、当該時刻でのタスクT2における加速度b R,T_maxAP,jを右方向の試行の第jブロックにおける不随意運動の大きさを示す指標とする。同様に、加速度b L,T_maxAP,jを左方向の試行の第jブロックにおける不随意運動の大きさを示す指標とする。
順応が速い人は、不随意運動の方向と随意運動の方向が一致するタスクT1については、不随意運動の動きが大きくなる、つまり、上記で求めた第jブロックにおける不随意運動の大きさを示す指標a R,T_maxAP,j,a L,T_maxAP,jが大きくなる。したがって、順応が速い人は、順応が遅い人に比べてa R,T_maxAP,j,a L,T_maxAP,jが大きな値になる。
一方、順応が速い人は、不随意運動の方向と随意運動の方向が逆になるタスクT2については、不随意運動の動きが小さくなる、つまり、上記で求めた第jブロックにおける不随意運動の大きさを示す指標b R,T_maxAP,j,b L,T_maxAP,jが小さくなる。したがって、順応が速い人は、順応が遅い人に比べてb R,T_maxAP,j,b L,T_maxAP,jが小さな値になる。
さらに、ブロックを繰り返すほどこの傾向は大きくなっていくと想定され、この傾向が強いほどタスクに対する順応性が高い、つまり運動パフォーマンスが高いと言える。つまり、jが大きくなるにつれa R,T_maxAP,jまたはa L,T_maxAP,jが大きな値になる傾向にある場合ほど、順応の速さが速いことを示すものとなる。同様に、jが大きくなるにつれb R,T_maxAP,jまたはb L,T_maxAP,jが小さな値になる場合ほど、順応の速さが速いことを示すものとなる。
以下、各構成部について、第一実施形態との相違点を中心に説明する。
[肢運動情報取得部120]
肢運動情報取得部120は、タスク実行中の対象者の肢運動情報を取得し、記録部190に記録する。肢運動情報取得部120で取得する肢運動情報は、例えば、時刻ごとの肢の位置の系列、時刻ごとの加速度の系列である。
[不随意運動特徴量抽出部130]
不随意特徴量抽出部130は、記録部190に記録された複数の肢運動情報から、不随意運動特徴量を抽出する。不随意運動特徴量の例として、上記説明の通り、
(6)タスクに対する順応の速さを示す指標
がある。
[運動パフォーマンス推定部140]
運動パフォーマンス推定部140は、不随意運動特徴量抽出部130で抽出した不随意運動特徴量から対象者の運動パフォーマンス指標を推定する。具体的には、上記(6)の特徴量に応じて以下のようになる。
(6)の特徴量の場合、タスクに対する順応の速さを示す指標が大きいほど運動パフォーマンスが高いことに対応するように、運動パフォーマンス指標を設計するか、タスクに対する順応の速さを示す指標が小さいほど運動パフォーマンスが高いことに対応するように、運動パフォーマンス指標を設計する。つまり、運動パフォーマンス指標は、タスクに対する順応の速さが遅い場合の方が早い場合よりも運動パフォーマンスが高いことを示すものとなるか、タスクに対する順応の速さが速い場合の方が遅い場合よりも運動パフォーマンスが高いことを示すものとなる。いずれになるかは、タスクに対する順応の速さを示す指標として、具体的にどれを採用するかにより決定される。
(変形例2)
タスクT1またはタスクT2を対象者に行わせる代わりに、以下説明する1種類のタスクT2´のみを対象者に行わせるようにしてもよい。
まず、タスクT2´について説明する。
《T2´: Anti task(アンチタスク)》
対象者は、開始位置(ホームポジション)から離れた位置に表示された到達目標に向けて肢を動かす動作を行う。到達目標を左右2箇所に配置し、その中心に所定の画像(不随意運動を誘発するためのオブジェクト画像)を表示する。所定の画像が左右の何れかの方向に動いたら、その方向とは逆方向にある到達目標をタッチするよう対象者に指示しておく。つまり、所定の画像が動く方向とは逆にある到達目標の位置が、目標位置(運動終了時点において肢が到達すべき位置)となる。また、タスクT2´における所定方向とは、所定の画像が動く方向と逆の方向である。
なお、左の到達目標とホームポジションとの距離と、右の到達目標とホームポジションとの距離は等しいものとする。
以上の指示のもと、対象者にホームポジションから到達目標に向けて肢を動かす動作をしてもらう。
タスクT2では到達目標の動きと逆方向に肢を移動させれば到達位置は問わなかったが、タスクT2´ではタスクT1と同じく目指すべき到達位置が決まっている。つまり、タスクT2´では到達目標にタッチすることが求められている。よって、タスクT2´の加速度の平均値の系列に基づいて、上述の(1)、(2)、(4)の特徴量に相当する(1´)、(2´)、(4´)の特徴量を求めることが可能となる。
タスクT2´についても、タスクT1、T2と同様、各試行について、時刻ごとの加速度の系列を肢運動情報として取得し、加速度の平均値の系列を算出する。あるいは、各試行について、肢の到達運動の開始から目標位置へ肢が到達するまでにかかる時間を肢運動情報として取得する。そして、以下の(1´)、(2´)、(4´)を不随意運動の特徴量として算出する。
(1´)不随意運動の反応の速さを示す指標
(2´)不随意運動の大きさを示す指標
(4´)肢の到達運動の開始から目標位置へ肢が到達するまでにかかる時間の平均値
以下、(1´)、(2´)の特徴量について詳細に説明する。
(1´)不随意運動の反応の速さを示す指標
タスクT1の加速度の平均値の系列の代わりに、タスクT2´の加速度の平均値の系列を用いて同様の計算を行えばよい。具体的には、以下のようになる。
タスクT2´における不随意運動の開始時刻を不随意運動の反応の速さを示す指標として用いる。タスクT2´における不随意運動の開始時刻は、例えば、以下のようにして求める。
(1) 所定の画像が右に動く場合の加速度の平均値の系列C Rと所定の画像が左に動く場合の加速度の平均値の系列C Lの差分の系列Fを求める。
Figure 2019058239
なお、i回目(1≦i≦N)の右に動く試行により得た加速度の系列Ci,R、i回目(1≦i≦N)の左に動く試行により得た加速度の系列Ci,Lをそれぞれ
Figure 2019058239
としている。ただし、ci,R,t_mは、所定の画像が右に動くタスクT2´のi回目の試行の時刻tmにおける加速度である。また、ci,L,t_mは、所定の画像が左に動くタスクT2´のi回目の試行の時刻tmにおける加速度である。
(2) (1)で求めた系列Fにおいて、加速度が所定の閾値を超える最初の時刻tmを不随意運動が開始される時刻とする。
なお、(1)の特徴量と同様、不随意運動の開始時刻の算出方法は上述の手法に限るものではない。例えば、所定の画像が右に動く場合の加速度の平均値の系列C Rに対して、最初に加速度が所定の閾値を超えた時刻を不随意運動の開始時刻としてもよいし、所定の画像が左に動く場合の加速度の平均値の系列C Lに対して、最初に加速度の絶対値が所定の閾値を超えた時刻を不随意運動の開始時刻としてもよい。
(2´)不随意運動の大きさを示す指標
タスクT1の加速度の平均値の系列やタスクT2の加速度の平均値の系列の代わりに、タスクT2´の加速度の平均値の系列を用いて同様の計算を行えばよい。具体的には、以下のようになる。
(2´−1)加速度の平均値の系列C Rから不随意運動の大きさを示す指標を以下のようにして求める。まず、タスクT2´で得た加速度の平均値の系列C Rの中で、不随意運動に対応する区間のうち値(加速度の平均値)が最大値を示す時刻TmaxAPを求める。そして、タスクT2´で得た加速度の平均値の系列C R中の時刻TmaxAPにおける値c R,T_maxAPを不随意運動の大きさを示す指標とする。ここで、系列C Rの中で不随意運動に対応する区間とは、正の値が連続する区間のことである。
(2´−2)同様に、加速度の平均値の系列C Lから不随意運動の大きさを示す指標を以下のようにして求める。まず、タスクT2´で得た加速度の平均値の系列C Lの中で、不随意運動に対応する区間のうち値(加速度の平均値)が最大値を示す時刻TmaxAPを求める。そして、タスクT2´で得た加速度の平均値の系列C L中の時刻TmaxAPにおける値c L,T_maxAPを不随意運動の大きさを示す指標とする。ここで、系列C Lの中で不随意運動に対応する区間とは、負の値が連続する区間のことである。
(1´)、(2´)、(4´)の各特徴量と運動パフォーマンスの相関関係は、それぞれ次のようになる。まず、(1´)、(2´)の特徴量については、(1)、(2)の特徴量と運動パフォーマンスの相関関係と同じである。つまり、
(A) レギュラー選手の方が補欠選手よりも不随意運動の反応が出るのが早い。
(B) レギュラー選手の方が補欠選手よりも不随意運動の大きさが大きい。
となる。一方、(4´)の特徴量については、(4)の特徴量と運動パフォーマンスの相関関係とは逆の関係を示す。つまり、
(D) レギュラー選手の方が補欠選手よりも到達時間が長い。
となる。逆の関係になる理由は、以下のように推測される。タスクT1は、不随意運動の方向と随意運動の方向が同じであるため、随意運動よりも先に不随意運動によって本来動くべき随意運動の方向に先に不随意運動によって動いてしまう分、早く到達目標に到達できるためと考えられる。一方、タスクT2´は、随意運動の方向と不随意運動の方向が逆であるため、不随意運動が随意運動の方向とは逆向きに肢を動かしてしまう分、到達時間が余計にかかる(つまり遅くなる)ためと考えられる。
以下、各構成部について、第一実施形態との相違点を中心に説明する。
[提示部110]
提示部110は、タスクT2´の映像を視覚刺激としてディスプレイ等に表示する。つまり、対象者の視野内にあるディスプレイにオブジェクト画像を表示し、所定のタイミングで所定の方向にオブジェクト画像を移動させる映像を表示する。
[制御部180]
制御部180は、提示部110に表示するタスクの映像を制御するとともに、タスク実行中の対象者の肢の到達運動の情報である肢運動情報を肢運動情報取得部120に取得させるよう制御する。タスクT2´を複数回実行させる。
[肢運動情報取得部120]
肢運動情報取得部120は、タスク実行中の対象者の肢運動情報を取得し、記録部190に記録する。肢運動情報取得部120で取得する肢運動情報は、例えば、時刻ごとの肢の位置の系列、時刻ごとの加速度の系列、タスクT2´における肢の到達運動の開始から目標位置へ肢が到達するまでにかかる時間である。
[不随意運動特徴量抽出部130]
不随意特徴量抽出部130は、記録部190に記録された複数の肢運動情報から、不随意運動特徴量を抽出する。不随意運動特徴量の例として、上記説明の通り、
(1´)不随意運動の反応の速さを示す指標
(2´)不随意運動の大きさを示す指標
(4´)肢の到達運動の開始から目標位置へ肢が到達するまでにかかる時間の平均値
がある。
上述したように、(1´)、(2´)の特徴量は、(複数の肢運動情報から算出される)複数のタスクについての加速度の平均値の系列を用いて、抽出される。また、(4´)の特徴量は、(複数の肢運動情報から算出される)複数のタスクについての到達時間の平均値として抽出される。
なお、(1´)、(2´)、(4´)の特徴量すべてを抽出することは必須ではなく、少なくとも1つの特徴量を抽出すればよい。
[運動パフォーマンス推定部140]
運動パフォーマンス推定部140は、不随意運動特徴量抽出部130で抽出した不随意運動特徴量から対象者の運動パフォーマンス指標を推定する。具体的には、上記(1´)、(2´)、(4´)の特徴量に応じて以下のようになる。
(1´)の特徴量の場合、不随意運動の反応の速さが速い場合の方が遅い場合(不随意運動の反応の速さを示す指標の値が小さい場合の方が大きい場合)よりも運動パフォーマンスが高いことを示すものとなるように、運動パフォーマンス指標を設計する。
(2´)の特徴量の場合、不随意運動の大きさが大きい場合の方が小さい場合よりも運動パフォーマンスが高いことを示すものとなるように、運動パフォーマンス指標を設計する。
(4´)の特徴量の場合、肢の到達運動の開始から目標位置へ肢が到達するまでにかかる時間の平均値が小さい場合の方が大きい場合よりも運動パフォーマンスが高いことを示すものとなるように、運動パフォーマンス指標を設計する。
(変形例3)
運動パフォーマンス推定部140が、不随意運動特徴量と運動パフォーマンス指標とを関連付けるモデルである運動パフォーマンス推定モデルに基づいて運動パフォーマンス指標を推定するようにしてもよい。
以下、運動パフォーマンス推定モデルについて説明する。
[運動パフォーマンス推定モデル]
運動パフォーマンス推定モデルは、不随意運動特徴量を入力として運動パフォーマンス指標を出力するモデルであり、運動パフォーマンスが既知の人から取得した不随意運動特徴量と運動パフォーマンス指標の組を学習用データとして学習されたモデルである。
運動パフォーマンス推定モデルの構成方法について説明する。予め、運動パフォーマンスが既知の対象者にタスクを行わせて肢運動情報を取得し、取得した肢運動情報から(1)〜(5)の特徴量を計算し、これらの特徴量から特徴量ベクトルを生成する。こうして得た特徴量ベクトルと運動パフォーマンス指標の組からなるデータを、複数の対象者について得て、これを学習用データの集合とする。運動パフォーマンス指標は、例えばスポーツ選手の能力をA,B,C,D等でランク付けしたカテゴリ(能力ランク)とすればよい。
この学習用データを用いて、機械学習により、能力ランクを示す運動パフォーマンス指標が未知の不随意運動特徴量を入力として、どのカテゴリに属するかを識別する識別器(識別モデル)を学習する。機械学習として、例えばSVM(Support Vector Machine)等の識別学習を用いればよい。これにより得た識別器が運動パフォーマンス推定モデルである。あるいは、ニューラルネットワークによる機械学習により識別器を学習するようにしてもよい。
なお、ここでは学習用データとして用いる特徴量ベクトルとして(1)〜(5)の特徴量を要素とするベクトルを例に説明したが、この5つの特徴量すべてを用いる必要はなく、その一部のみを用いて特徴量ベクトルとしてもよい。また、(1)〜(5)以外の特徴量を加えたより要素数の大きい特徴量ベクトルを学習用データとしてもよい。ただし、不随意運動特徴量抽出部130では、機械学習に用いた特徴量と同じ特徴量を抽出するものとする。
また、(1)〜(5)の特徴量の代わりに、(1´)、(2´)、(4´)の特徴量を用いてもよい。さらに、(5)の特徴量に相当する(5´)を用いるようにしてもよい。
(5´)タスクT2´における肢の到達運動の目標位置と実際に肢が到達した位置との誤差の平均値
機械学習により得た運動パフォーマンス推定モデルは、事前に記録部190に記録しておく。
[運動パフォーマンス推定部140]
運動パフォーマンス推定部140は、不随意運動特徴量と運動パフォーマンス指標との関連付けである運動パフォーマンス推定モデルに基づいて、不随意運動特徴量抽出部130で抽出した不随意運動特徴量から対象者の運動パフォーマンス指標を推定する。
<補記>
本発明の装置は、例えば単一のハードウェアエンティティとして、キーボードなどが接続可能な入力部、液晶ディスプレイなどが接続可能な出力部、ハードウェアエンティティの外部に通信可能な通信装置(例えば通信ケーブル)が接続可能な通信部、CPU(Central Processing Unit、キャッシュメモリやレジスタなどを備えていてもよい)、メモリであるRAMやROM、ハードディスクである外部記憶装置並びにこれらの入力部、出力部、通信部、CPU、RAM、ROM、外部記憶装置の間のデータのやり取りが可能なように接続するバスを有している。また必要に応じて、ハードウェアエンティティに、CD−ROMなどの記録媒体を読み書きできる装置(ドライブ)などを設けることとしてもよい。このようなハードウェア資源を備えた物理的実体としては、汎用コンピュータなどがある。
ハードウェアエンティティの外部記憶装置には、上述の機能を実現するために必要となるプログラムおよびこのプログラムの処理において必要となるデータなどが記憶されている(外部記憶装置に限らず、例えばプログラムを読み出し専用記憶装置であるROMに記憶させておくこととしてもよい)。また、これらのプログラムの処理によって得られるデータなどは、RAMや外部記憶装置などに適宜に記憶される。
ハードウェアエンティティでは、外部記憶装置(あるいはROMなど)に記憶された各プログラムとこの各プログラムの処理に必要なデータが必要に応じてメモリに読み込まれて、適宜にCPUで解釈実行・処理される。その結果、CPUが所定の機能(上記、…部、…手段などと表した各構成要件)を実現する。
本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更が可能である。また、上記実施形態において説明した処理は、記載の順に従って時系列に実行されるのみならず、処理を実行する装置の処理能力あるいは必要に応じて並列的にあるいは個別に実行されるとしてもよい。
既述のように、上記実施形態において説明したハードウェアエンティティ(本発明の装置)における処理機能をコンピュータによって実現する場合、ハードウェアエンティティが有すべき機能の処理内容はプログラムによって記述される。そして、このプログラムをコンピュータで実行することにより、上記ハードウェアエンティティにおける処理機能がコンピュータ上で実現される。
この処理内容を記述したプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録しておくことができる。コンピュータで読み取り可能な記録媒体としては、例えば、磁気記録装置、光ディスク、光磁気記録媒体、半導体メモリ等どのようなものでもよい。具体的には、例えば、磁気記録装置として、ハードディスク装置、フレキシブルディスク、磁気テープ等を、光ディスクとして、DVD(Digital Versatile Disc)、DVD−RAM(Random Access Memory)、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)、CD−R(Recordable)/RW(ReWritable)等を、光磁気記録媒体として、MO(Magneto-Optical disc)等を、半導体メモリとしてEEP−ROM(Electronically Erasable and Programmable-Read Only Memory)等を用いることができる。
また、このプログラムの流通は、例えば、そのプログラムを記録したDVD、CD−ROM等の可搬型記録媒体を販売、譲渡、貸与等することによって行う。さらに、このプログラムをサーバコンピュータの記憶装置に格納しておき、ネットワークを介して、サーバコンピュータから他のコンピュータにそのプログラムを転送することにより、このプログラムを流通させる構成としてもよい。
このようなプログラムを実行するコンピュータは、例えば、まず、可搬型記録媒体に記録されたプログラムもしくはサーバコンピュータから転送されたプログラムを、一旦、自己の記憶装置に格納する。そして、処理の実行時、このコンピュータは、自己の記録媒体に格納されたプログラムを読み取り、読み取ったプログラムに従った処理を実行する。また、このプログラムの別の実行形態として、コンピュータが可搬型記録媒体から直接プログラムを読み取り、そのプログラムに従った処理を実行することとしてもよく、さらに、このコンピュータにサーバコンピュータからプログラムが転送されるたびに、逐次、受け取ったプログラムに従った処理を実行することとしてもよい。また、サーバコンピュータから、このコンピュータへのプログラムの転送は行わず、その実行指示と結果取得のみによって処理機能を実現する、いわゆるASP(Application Service Provider)型のサービスによって、上述の処理を実行する構成としてもよい。なお、本形態におけるプログラムには、電子計算機による処理の用に供する情報であってプログラムに準ずるもの(コンピュータに対する直接の指令ではないがコンピュータの処理を規定する性質を有するデータ等)を含むものとする。
また、この形態では、コンピュータ上で所定のプログラムを実行させることにより、ハードウェアエンティティを構成することとしたが、これらの処理内容の少なくとも一部をハードウェア的に実現することとしてもよい。

Claims (14)

  1. 開始位置から所定方向に肢の到達運動のタスクをしている対象者に、不随意運動を誘発する視覚刺激を提示する提示部と、
    前記到達運動の情報である肢運動情報を取得する肢運動情報取得部と、
    タスク毎に取得した前記肢運動情報から不随意運動の反応の速さを示す指標を不随意運動特徴量として得る不随意運動特徴量抽出部と、
    前記不随意運動特徴量から前記対象者の運動パフォーマンス指標を推定する運動パフォーマンス推定部と
    を含む運動パフォーマンス推定装置であって、
    前記運動パフォーマンス指標は、不随意運動の反応の速さが速い場合の方が遅い場合よりも運動パフォーマンスが高いことを示すものである
    運動パフォーマンス推定装置。
  2. 開始位置から所定方向に肢の到達運動のタスクをしている対象者に、不随意運動を誘発する視覚刺激を提示する提示部と、
    前記到達運動の情報である肢運動情報を取得する肢運動情報取得部と、
    タスク毎に取得した前記肢運動情報から不随意運動の大きさを示す指標を不随意運動特徴量として得る不随意運動特徴量抽出部と、
    前記不随意運動特徴量から前記対象者の運動パフォーマンス指標を推定する運動パフォーマンス推定部と
    を含む運動パフォーマンス推定装置であって、
    前記運動パフォーマンス指標は、不随意運動の大きさが大きい場合の方が小さい場合よりも運動パフォーマンスが高いことを示すものである
    運動パフォーマンス推定装置。
  3. 開始位置から所定方向に肢の到達運動のタスクをしている対象者に、不随意運動を誘発する視覚刺激を提示する提示部と、
    前記到達運動の情報である肢運動情報を取得する肢運動情報取得部と、
    タスク毎に取得した前記肢運動情報から随意運動の大きさを示す指標と不随意運動の大きさを示す指標の比を不随意運動特徴量として得る不随意運動特徴量抽出部と、
    前記不随意運動特徴量から前記対象者の運動パフォーマンス指標を推定する運動パフォーマンス推定部と
    を含む運動パフォーマンス推定装置であって、
    前記運動パフォーマンス指標は、随意運動の大きさを示す指標と不随意運動の大きさを示す指標の比が大きい場合の方が小さい場合よりも運動パフォーマンスが高いことを示すものである
    運動パフォーマンス推定装置。
  4. 開始位置から所定方向に肢の到達運動のタスクをしている対象者に、不随意運動を誘発する視覚刺激を提示する提示部と、
    前記到達運動の情報である肢運動情報を取得する肢運動情報取得部と、
    タスク毎に取得した前記肢運動情報から、複数のタスクについての肢の到達運動の開始から目標位置へ肢が到達するまでにかかる時間の平均値を不随意運動特徴量として得る不随意運動特徴量抽出部と、
    前記不随意運動特徴量から前記対象者の運動パフォーマンス指標を推定する運動パフォーマンス推定部と
    を含む運動パフォーマンス推定装置であって、
    前記運動パフォーマンス指標は、肢の到達運動の開始から目標位置へ肢が到達するまでにかかる時間の平均値が小さい場合の方が大きい場合よりも運動パフォーマンスが高いことを示すものである
    運動パフォーマンス推定装置。
  5. 開始位置から所定方向に肢の到達運動のタスクをしている対象者に、不随意運動を誘発する視覚刺激を提示する提示部と、
    前記到達運動の情報である肢運動情報を取得する肢運動情報取得部と、
    タスク毎に取得した前記肢運動情報から、複数のタスクについての肢の到達運動の目標位置と実際に肢が到達した位置との誤差の平均値を不随意運動特徴量として得る不随意運動特徴量抽出部と、
    前記不随意運動特徴量から前記対象者の運動パフォーマンス指標を推定する運動パフォーマンス推定部と
    を含む運動パフォーマンス推定装置であって、
    前記運動パフォーマンス指標は、肢の到達運動の目標位置と実際に肢が到達した位置との誤差の平均値が小さい場合の方が大きい場合よりも運動パフォーマンスが高いことを示すものである
    運動パフォーマンス推定装置。
  6. 開始位置から所定方向に肢の到達運動のタスクをしている対象者に、不随意運動を誘発する視覚刺激を提示する提示部と、
    前記到達運動の情報である肢運動情報を取得する肢運動情報取得部と、
    タスク毎に取得した前記肢運動情報から不随意運動特徴量を得る不随意運動特徴量抽出部と、
    不随意運動特徴量と運動パフォーマンス指標との関連付けに基づいて、前記不随意運動特徴量から前記対象者の運動パフォーマンス指標を推定する運動パフォーマンス推定部と
    を含む運動パフォーマンス推定装置。
  7. 請求項6に記載の運動パフォーマンス推定装置であって、
    前記関連付けは、運動パフォーマンスが既知の人から取得した不随意運動特徴量と運動パフォーマンス指標の組を学習用データとして、不随意運動特徴量を入力として運動パフォーマンス指標を出力するように学習された運動パフォーマンス推定モデルである
    ことを特徴とする運動パフォーマンス推定装置。
  8. 運動パフォーマンス推定装置が、開始位置から所定方向に肢の到達運動のタスクをしている対象者に、不随意運動を誘発する視覚刺激を提示する提示ステップと、
    前記運動パフォーマンス推定装置が、前記到達運動の情報である肢運動情報を取得する肢運動情報取得ステップと、
    前記運動パフォーマンス推定装置が、タスク毎に取得した前記肢運動情報から不随意運動の反応の速さを示す指標を不随意運動特徴量として得る不随意運動特徴量抽出ステップと、
    前記運動パフォーマンス推定装置が、前記不随意運動特徴量から前記対象者の運動パフォーマンス指標を推定する運動パフォーマンス推定ステップと
    を含む運動パフォーマンス推定方法であって、
    前記運動パフォーマンス指標は、不随意運動の反応の速さが速い場合の方が遅い場合よりも運動パフォーマンスが高いことを示すものである
    運動パフォーマンス推定方法。
  9. 運動パフォーマンス推定装置が、開始位置から所定方向に肢の到達運動のタスクをしている対象者に、不随意運動を誘発する視覚刺激を提示する提示ステップと、
    前記運動パフォーマンス推定装置が、前記到達運動の情報である肢運動情報を取得する肢運動情報取得ステップと、
    前記運動パフォーマンス推定装置が、タスク毎に取得した前記肢運動情報から不随意運動の大きさを示す指標を不随意運動特徴量として得る不随意運動特徴量抽出ステップと、
    前記運動パフォーマンス推定装置が、前記不随意運動特徴量から前記対象者の運動パフォーマンス指標を推定する運動パフォーマンス推定ステップと
    を含む運動パフォーマンス推定方法であって、
    前記運動パフォーマンス指標は、不随意運動の大きさが大きい場合の方が小さい場合よりも運動パフォーマンスが高いことを示すものである
    運動パフォーマンス推定方法。
  10. 運動パフォーマンス推定装置が、開始位置から所定方向に肢の到達運動のタスクをしている対象者に、不随意運動を誘発する視覚刺激を提示する提示ステップと、
    前記運動パフォーマンス推定装置が、前記到達運動の情報である肢運動情報を取得する肢運動情報取得ステップと、
    前記運動パフォーマンス推定装置が、タスク毎に取得した前記肢運動情報から随意運動の大きさを示す指標と不随意運動の大きさを示す指標の比を不随意運動特徴量として得る不随意運動特徴量抽出ステップと、
    前記運動パフォーマンス推定装置が、前記不随意運動特徴量から前記対象者の運動パフォーマンス指標を推定する運動パフォーマンス推定ステップと
    を含む運動パフォーマンス推定方法であって、
    前記運動パフォーマンス指標は、随意運動の大きさを示す指標と不随意運動の大きさを示す指標の比が大きい場合の方が小さい場合よりも運動パフォーマンスが高いことを示すものである
    運動パフォーマンス推定方法。
  11. 運動パフォーマンス推定装置が、開始位置から所定方向に肢の到達運動のタスクをしている対象者に、不随意運動を誘発する視覚刺激を提示する提示ステップと、
    前記運動パフォーマンス推定装置が、前記到達運動の情報である肢運動情報を取得する肢運動情報取得ステップと、
    前記運動パフォーマンス推定装置が、タスク毎に取得した前記肢運動情報から、複数のタスクについての肢の到達運動の開始から目標位置へ肢が到達するまでにかかる時間の平均値を不随意運動特徴量として得る不随意運動特徴量抽出ステップと、
    前記運動パフォーマンス推定装置が、前記不随意運動特徴量から前記対象者の運動パフォーマンス指標を推定する運動パフォーマンス推定ステップと
    を含む運動パフォーマンス推定方法であって、
    前記運動パフォーマンス指標は、肢の到達運動の開始から目標位置へ肢が到達するまでにかかる時間の平均値が小さい場合の方が大きい場合よりも運動パフォーマンスが高いことを示すものである
    運動パフォーマンス推定方法。
  12. 運動パフォーマンス推定装置が、開始位置から所定方向に肢の到達運動のタスクをしている対象者に、不随意運動を誘発する視覚刺激を提示する提示ステップと、
    前記運動パフォーマンス推定装置が、前記到達運動の情報である肢運動情報を取得する肢運動情報取得ステップと、
    前記運動パフォーマンス推定装置が、タスク毎に取得した前記肢運動情報から、複数のタスクについての肢の到達運動の目標位置と実際に肢が到達した位置との誤差の平均値を不随意運動特徴量として得る不随意運動特徴量抽出ステップと、
    前記運動パフォーマンス推定装置が、前記不随意運動特徴量から前記対象者の運動パフォーマンス指標を推定する運動パフォーマンス推定ステップと
    を含む運動パフォーマンス推定方法であって、
    前記運動パフォーマンス指標は、肢の到達運動の目標位置と実際に肢が到達した位置との誤差の平均値が小さい場合の方が大きい場合よりも運動パフォーマンスが高いことを示すものである
    運動パフォーマンス推定方法。
  13. 運動パフォーマンス推定装置が、開始位置から所定方向に肢の到達運動のタスクをしている対象者に、不随意運動を誘発する視覚刺激を提示する提示ステップと、
    前記運動パフォーマンス推定装置が、前記到達運動の情報である肢運動情報を取得する肢運動情報取得ステップと、
    前記運動パフォーマンス推定装置が、タスク毎に取得した前記肢運動情報から不随意運動特徴量を得る不随意運動特徴量抽出ステップと、
    前記運動パフォーマンス推定装置が、不随意運動特徴量と運動パフォーマンス指標との関連付けに基づいて、前記不随意運動特徴量から前記対象者の運動パフォーマンス指標を推定する運動パフォーマンス推定ステップと
    を含む運動パフォーマンス推定方法。
  14. 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の運動パフォーマンス推定装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
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US20140336539A1 (en) * 2011-11-11 2014-11-13 Rutgers, The State University Of New Jersey Methods for the Diagnosis and Treatment of Neurological Disorders

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