JP2019057842A - デジタルコヒーレント受信器 - Google Patents

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Abstract

【課題】バタフライ型イコライザのタップ係数を適切に制御する。【解決手段】デジタルコヒーレント受信器は、タップ係数に基づき、偏波多重された光信号から変換された電気信号をX偏波信号とY偏波信号とに分離するバタフライ型イコライザと、前記偏波信号のそれぞれのシンボル判定結果に基づいてX偏波信号およびY偏波信号の誤差情報をそれぞれ算出し、誤差情報に応じてそれぞれの偏波信号の位相を制御する判定指向型PLLと、判定指向型PLLの誤差情報を使用してタップ係数を更新する第1アルゴリズムおよび誤差情報を使用せずにタップ係数を更新する第2アルゴリズムのいずれか一方を用いてタップ係数を更新するタップ係数更新部と、X偏波信号およびY偏波信号の少なくとも一方のIQ平面上の位相推定値を推定する位相推定部と、位相推定値が所定の閾値より大きいとき、第1アルゴリズムから第2アルゴリズムに切り替える制御部と、を具備する。【選択図】図3

Description

本発明は、デジタルコヒーレント受信器に関し、例えば偏波多重変調方式のデジタルコヒーレント受信器に関する。
デジタルコヒーレント光伝送装置においては、光通信における大容量化にともない、変調方式として、QPSK(Quadrature Phase Shift Keying)方式に加え、16QAM(Quadrature Amplitude Modulation)方式または64QAM等の高次のQAM方式が検討されている。
QAM方式の復調において、位相を制御する方法として、判定指向型LMS(DD−LMS:Decision- Directed Least Mean Squares)アルゴリズムを用いたアダプティブイコライザ(AEQ)と判定指向型PLL(DD−PLL:Decision- Directed Phase Locked Loop)を用いたキャリアフェーズリカバリ(CPR)とを組み合わせることが知られている(例えば非特許文献1、2)。AEQのアルゴリズムとして、初期の収束用としてCMA(Constant Modulus Algorithm)を用い、その後、判定指向型LMSアルゴリズムに切り替えることが知られている(例えば特許文献1)。CPRにDD−PLLとフィードフォワード型の位相推定とを用いることが知られている(例えば特許文献2)。
米国特許出願公開第2011/0150503号明細書 米国特許出願公開第2012/0155890号明細書
D. N. Godard, "Self-recovering equalization and carrier tracking in two-dimensional data communication systems" IEEE Trans. Commun. Vol. COM-28, No. 11, Nov. 1980 N. K. Jablon, "Joint Blind Equalization, Carrier Recovery, and Timing Recovery for High-Order QAM Signal Constellations" IEEE TRANS. ON SIGNAL PROC., Vol. 40, No. 6, JUNE 1992
DD−PLLを用いたフィードバックループにはハードウェアの演算処理による遅延時間が存在する。遅延時間が大きいと、位相が急激に変動したとき、DD−PLLとDD−LMSのフィードバックループが位相の変動に追従できなくなる。これにより、シンボル判定結果の信頼性が低下する。DD−PLLおよびDD−LMSでは、シンボル判定の結果に基づきAEQのタップ係数を更新している。このため、シンボル判定結果の信頼性低下により、AEQ出力が不安定になり、DD−PLLの位相追従性がさらに悪くなる。その結果、エラー(誤判定)がバースト的に集中してしまう。このようなエラーは誤り訂正技術を用いても訂正できない。このように、位相が急変した場合に不安定になりやすいため、例えば光源に狭線幅特性が求められる。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、バタフライ型イコライザのタップ係数を適切に制御することを目的とする。
本発明の一実施形態は、タップ係数に基づき、偏波多重された光信号から変換された電気信号をX偏波信号とY偏波信号とに分離するバタフライ型イコライザと、前記X偏波信号および前記Y偏波信号のそれぞれのシンボル判定結果に基づいて前記X偏波信号および前記Y偏波信号の誤差情報をそれぞれ算出し、前記誤差情報に応じて前記X偏波信号および前記Y偏波信号の位相を制御する判定指向型PLLと、前記判定指向型PLLの前記誤差情報を使用して前記タップ係数を更新する第1アルゴリズムおよび前記誤差情報を使用せずに前記タップ係数を更新する第2アルゴリズムのいずれか一方を用いて前記タップ係数を更新するタップ係数更新部と、前記X偏波信号および前記Y偏波信号の少なくとも一方のIQ平面上の位相推定値を推定する位相推定部と、前記位相推定値が所定の閾値より大きいとき、前記タップ係数更新部が前記X偏波信号および前記Y偏波信号の前記少なくとも一方に係るタップ係数を更新するときに用いるアルゴリズムを、前記第1アルゴリズムから前記第2アルゴリズムに切り替える制御部と、を具備するデジタルコヒーレント受信器である。
本発明の一実施形態によれば、バタフライ型イコライザのタップ係数を適切に制御することができる。
図1は、実施例1に係るデジタルコヒーレント受信器のブロック図である。 図2は、実施例1に係るデジタル信号処理部のブロック図である。 図3は、実施例1に係るAEQおよびCPRのブロック図である。 図4は、実施例1に係る判定指向型PLLのブロック図である。 図5(a)および図5(b)は、実施例1に係るDD−PLLの動作を示すコンスタレーション図である。 図6は、実施例1に係る位相誤差算出部のブロック図である。 図7は、実施例1に係るループフィルタのブロック図である。 図8は、実施例1に係るDD−PLLの並列処理を説明するための図である。 図9は、実施例1におけるフィードフォワード位相推定補償部のブロック図である。 図10は、実施例1に係る制御部のブロック図である。 図11は、実施例1に係る制御部の制御を示すフローチャートである。 図12は、実施例1に係るタップ係数更新部の制御を示すフローチャートである。 図13は、実施例1および比較例1におけるΔν・Tsに対するノイズ耐力ペナルティを示す図である。
[本願発明の実施形態の説明]
最初に本願発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本願発明の一実施形態は、タップ係数に基づき、偏波多重された光信号から変換された電気信号をX偏波信号とY偏波信号とに分離するバタフライ型イコライザと、前記X偏波信号および前記Y偏波信号のそれぞれのシンボル判定結果に基づいて前記X偏波信号および前記Y偏波信号の誤差情報をそれぞれ算出し、前記誤差情報に応じて前記X偏波信号および前記Y偏波信号の位相を制御する判定指向型PLLと、前記判定指向型PLLの前記誤差情報を使用して前記タップ係数を更新する第1アルゴリズムおよび前記誤差情報を使用せずに前記タップ係数を更新する第2アルゴリズムのいずれか一方を用いて前記タップ係数を更新するタップ係数更新部と、前記X偏波信号および前記Y偏波信号の少なくとも一方のIQ平面上の位相推定値を推定する位相推定部と、前記位相推定値が所定の閾値より大きいとき、前記タップ係数更新部が前記X偏波信号および前記Y偏波信号の前記少なくとも一方に係るタップ係数を更新するときに用いるアルゴリズムを、前記第1アルゴリズムから前記第2アルゴリズムに切り替える制御部と、を具備するデジタルコヒーレント受信器である。これにより、判定指向型PLLの出力信号が不安定になることを抑制し、バタフライ型イコライザのタップ係数を適切に制御できる。
(2)前記第1アルゴリズムはDD−LMSアルゴリズムに基づいており、前記第2アルゴリズムはCMAアルゴリズムに基づいていることが好ましい。これにより、タップ係数をより適切に制御できる。
(3)前記制御部は、前記X偏波信号および前記Y偏波信号の一方の所定期間内の前記位相推定値の最大値と最小値との差が所定値以上、かつ、前記X偏波信号および前記Y偏波信号の他方の前記所定期間内の前記位相推定値の最大値と最小値との差が前記所定値未満のとき、前記X偏波信号および前記Y偏波信号の一方に係る判定指向型PLLに前記X偏波信号および前記Y偏波信号の他方に係る判定指向型PLLの内部状態を参照して動作させることが好ましい。これにより、タップ係数をより適切に制御できる。
(4)前記判定指向型PLLは、前記X偏波信号および前記Y偏波信号のシンボルを判定するシンボル判定部と、前記シンボル判定部の判定結果に基づき位相誤差を算出する位相誤差算出部と、算出された位相誤差をフィルタリングするループフィルタと、を備え、前記ループフィルタの出力に基づき前記X偏波信号および前記Y偏波信号の位相を制御することが好ましい。これにより、位相の異常を判定できる。
(5)前記判定指向型PLLの内部状態は、前記判定指向型PLLの備えるループフィルタにおける前記位相誤差の積分値に設定されていることが好ましい。これにより、タップ係数をより適切に制御できる。
[本願発明の実施形態の詳細]
本発明の実施形態にかかるデジタルコヒーレント受信器の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。なお、本発明はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
[デジタルコヒーレント受信器の説明]
図1は、実施例1に係るデジタルコヒーレント受信器のブロック図である。図1に示すように、デジタルコヒーレント受信器100は、ローカル光光源用レーザダイオード(LOLD)12、フロントエンド受信器14、デジタル信号処理部16およびシンボル判定誤り訂正部18を備えている。LOLD12は、ローカル光(局所光)の光源であり、コヒーレント検波を行うためのローカル光を出力する。LOLD12は、例えば、光通信技術業界団体OIF(Optical Internetworking Forum)において標準規格が定められている波長可変レーザアセンブリITLA(Integrable Tunable Laser Assembly)である。ITLAには波長可変レーザダイオードが搭載されている。フロントエンド受信器14は、光信号とローカル光(局所光)を干渉させることで光信号から信号成分を取り出す。フロントエンド受信器14は、取り出された信号成分を、X´I、X´Q、Y´IおよびY´Q信号の電気信号に変換する。ここで、X´およびY´は偏波面を表し、IおよびQは複素平面上の実軸(I軸)、虚軸(Q軸)を表す。従って、X´I信号はほぼX偏波のI軸信号、X´Q信号はほぼX偏波のQ軸信号、Y´I信号ほぼY偏波のI軸信号、およびY´Q信号はほぼY偏波のQ軸信号であり、アナログ信号である。
デジタル信号処理部16は、アナログ電気信号であるX´I、X´Q、Y´IおよびY´Q信号をデジタル電気信号に変換し、変換されたデジタル信号をX偏波のI軸信号XI、X偏波のQ軸信号XQ、Y偏波のI軸信号YIおよびY偏波のQ軸信号YQに復調する。シンボル判定誤り訂正部18は、復調されたデジタル信号についてシンボルを判定し、例えばFEC(Forward Error Correction)方式を用い誤りを訂正する。
[デジタル信号処理部の説明]
図2は、実施例1に係るデジタル信号処理部のブロック図である。図2に示すように、デジタル信号処理部16は、AD(アナログデジタル)変換部20、波長分散補償部22、タイミングリカバリーリサンプリング部24、アダプティブイコライザ(AEQ)26およびキャリアフェーズリカバリ(CPR)28を備えている。
AD変換部20は、X´I、X´Q、Y´IおよびY´Q信号をほぼX偏波およびほぼY偏波の複素平面のデジタル電気信号X´I+jQおよびY´I+jQに変換する。波長分散補償部22は、光ファイバ等により信号光が受けた波長分散を補償する。タイミングリカバリーリサンプリング部24は、タイミングリカバリーすることでデジタル電気信号の位相を制御する。タイミングリカバリーリサンプリング部24から出力されたX´信号およびY´信号は、ほぼX偏波およびほぼY偏波の信号である。X´信号およびY´信号は、ほぼ位相制御されている。AEQ26は、X偏波およびY偏波の分離等を行う。CPR28は周波数オフセット補償および位相オフセット補償等を行う。これにより、X偏波信号およびY偏波信号が出力される。なお、X偏波信号およびY偏波信号は、それぞれX偏波およびY偏波された光信号の復調信号である。X偏波信号およびY偏波信号は、複素平面(IQ平面)上にマッピングすることができる。
[アダプティブイコライザAEQの説明]
図3は、実施例1に係るAEQおよびCPRのブロック図である。図3に示すように、AEQ26は、X偏波回路10xとして、フィルタ30x、32x、タップ係数更新部34xおよび加算器36xを備え、Y偏波回路10yとしてフィルタ30y、32y、タップ係数更新部34yおよび加算器36yを備えている。フィルタ30x、30y、32xおよび32yは、複数のタップ係数(タップ数)を有するFIR(Finite Impulse Response)フィルタである。
フィルタ30xはX´信号をフィルタリングし、フィルタ32xはY´信号をフィルタリングする。加算器36xは、フィルタ30xおよび32xの出力信号を加算しX偏波信号を出力する。フィルタ30yはY´信号をフィルタリングし、フィルタ32yはX´信号をフィルタリングする。加算器36yは、フィルタ30yおよび32yの出力信号を加算しY偏波信号を出力する。
タップ係数更新部34xは、X偏波信号およびDD−PLL40xのフィードバック出力に基づきフィルタ30xおよび32xのタップ係数を更新する。タップ係数更新部34yは、Y偏波信号およびDD−PLL40yのフィードバック出力に基づきフィルタ30yおよび32yのタップ係数を更新する。
AEQ26は、X偏波信号にY偏波信号が混ざったX´信号からX偏波信号を生成し、Y偏波信号にX偏波信号が混ざったY´信号からY偏波信号を生成する。このように、X´信号をフィルタリングした信号とY´信号をフィルタリングした信号からX偏波信号を生成し、Y´信号をフィルタリングした信号とX´信号をフィルタリングした信号からY波信号を生成するイコライザをバタフライ型イコライザという。
[キャリアフェーズリカバリCPRの説明]
CPR28は、X偏波回路10xとして、DD−PLL40xおよびフィードフォワード位相推定補償部50xを備え、Y偏波回路10yとして、DD−PLL40yおよびフィードフォワード位相推定補償部50yを備え、X偏波回路10xとY偏波回路10yに共通に制御部60を備えている。
AEQ26およびCPR28は専用に設計された回路(例えば集積回路)により実現される。AEQ26およびCPR28の一部(例えば制御部60)は、プロセッサ(例えばCPU(Central Processing Unit))がソフトウエアを実行して処理を行うことにより実現されてもよい。
[判定指向型PLLの説明]
図4は、実施例1に係る判定指向型PLL(DD−PLL)のブロック図である。DD−PLL40xおよび40yは同じ構成のため、DD−PLL40xについて説明し、DD−PLL40yの説明は省略する。図4に示すように、DD−PLL40xは、シンボル判定部41、座標誤差算出部42、位相誤差算出部43、ループフィルタ44、デジタルVCO(Voltage Controlled Oscillator)45、乗算器46および47を備えている。
DD−PLL40xに入力したX偏波信号は乗算器47により位相が早められ、フィードフォワード位相推定補償部50xに出力される。シンボル判定部41は、X偏波信号のシンボルを仮に判定する。シンボルは、IQ平面上にてX偏波信号のI成分とQ成分とに応じてプロットされる。座標誤差算出部42は、X偏波信号およびシンボル判定結果に基づき座標誤差を算出する。位相誤差算出部43は、X偏波信号およびシンボル判定結果に基づき位相誤差を算出する。ループフィルタ44は、位相誤差を例えばPI(Proportional-Integral)制御する。DD−PLL40xと40yとでPI制御に用いる内部状態を一方から他方を参照することができる。内部状態アウトはDD−PLL40yにDD−PLL40xの内部状態を出力する経路であり、内部状態インはDD−PLL40yの内部状態をDD−PLL40xに入力する経路である。切替信号により内部状態を参照する側と参照される側との関係が切り替えられる。内部状態の切り替えについては後述する。
デジタルVCO45は、加算器48a、遅延部48b、出力部49aおよび49bを備えている。加算器48aはループフィルタ44の出力と遅延部48bの出力信号を加算する。遅延部48bは、加算された信号を1サンプル時間遅延させる。出力部49aおよび49bは、遅延部48bの出力に基づき位相情報exp(jφ)およびexp(−jφ)を出力する。
図5(a)および図5(b)は、実施例1に係るDD−PLLの動作を示すコンスタレーション図である。図5(a)に示すように、16QAMにおいては、Q座標の値4個とI座標の値4個との組み合わせによるシンボル56が配置されている。16個のシンボル56の中心がI座標およびQ座標の原点である。AEQ26に入力される信号は、信号光とローカル光(局所光)のビート周波数に起因し、矢印57のようにコンスタレーションが回転している。座標誤差はシンボル56とIQ座標の原点との誤差(距離)である。位相誤差は、矢印57の回転量(位相量)に相当する。
例えばあるサンプリング時のAEQ26から出力されるX偏波信号のコンスタレーションが図5(a)とする。コンスタレーションが矢印57のように回転していると、次のサンプリング時にAEQ26から出力されるX偏波信号のコンスタレーションは、図5(b)において図5(a)の矢印57方向に回転する。座標誤差算出部42では、シンボル判定部41の判定結果から座標誤差を算出する。位相誤差算出部43は、シンボル判定部41の判定結果から位相誤差を算出する。
出力部49aの出力exp(jΦ)は、極座標で表示された値に乗算することにより、コンスタレーションを矢印58aのように図5(a)の矢印57の方向に回転させる演算子に相当する信号である。乗算器46は、座標誤差と出力exp(jΦ)とを乗算し誤差信号としてタップ係数更新部34xに出力する。出力部49bの出力exp(−jΦ)は、極座標で表示された値に乗算することによりコンスタレーションを矢印58bのように図5(a)の矢印57の反対方向に回転させる。乗算器46は、X偏波信号とexp(−jΦ)と乗算する。AEQ26の出力は矢印57のように回転している。このため、タップ係数更新部34xに出力する出力exp(jΦ)は矢印57と同じ方向に回転したものを用いる。出力exp(−jΦ)は、AEQ26の出力に乗算する。
以上のように、シンボル判定結果に基づき位相制御する機能を判定指向型PLL(Phase Lock Loop)という。
[位相誤差算出部の説明]
図6は、実施例1に係る位相誤差算出部のブロック図である。図6に示すように、位相誤差算出部43は、実部算出部90、虚部算出部91、ルックアップテーブル92、93、乗算器94、95、加算器96およびリミッタ97を備えている。
実部算出部90および虚部算出部91は、入力したX偏波信号qの実部Real(q)および虚部Imag(q)をそれぞれ算出する。ルックアップテーブル92および93には、それぞれ実部算出用および虚部算出用の定数が格納されている。シンボル判定部41がシンボル判定したシンボルをaとする。シンボルaは図5(a)の16個のシンボル56のいずれかの種類を示す。ルックアップテーブル92および93は、シンボルの種類に対応する定数をそれぞれ乗算器94および95に出力する。ルックアップテーブル92および93の定数は例えば制御部60が設定する。
乗算器94および95は、Real(q)およびImag(q)にそれぞれルックアップテーブル92の定数LUT1およびルックアップテーブル93の定数LUT2を乗算する。加算器96は、乗算器94の出力のマイナスと乗算器95の出力のプラスを加算する。リミッタ97は、制御部60の指示により位相誤差に上限および/または下限を設定する。
位相誤差算出部43は位相誤差をループフィルタ44に出力する。以上のようにして算出された位相誤差Δφは式1となる。
Δφ=Imag(q)×LUT2−Real(q)×LUT1 式1
ルックアップテーブル92に格納されている定数LUT1は式2で定められる。
LUT1=Imag(a)/|a|×A×adj(a) 式2
ルックアップテーブル93に格納されている定数LUT2は式3で定められる。
LUT2=Real(a)/|a|×A×adj(a) 式3
Aは、シンボルaの種類によらないゲイン調整係数であり、adj(a)は、シンボルaの種類ごとのゲイン調整係数である。
式1から式3は、DD−PLL40xとDD−LMSアルゴリズムにおけるフィードバックループで用いられる位相誤差は、シンボル判定前後の位相差が0付近において位相差に比例する物理量であればよいことを利用している。
例えば特許文献1では、シンボル判定前の信号をq、シンボル判定後の信号をaとしたとき、位相誤差Δφとして式4を採用している。
Δφ=tan−1{Im(q・a)/Re(q・a)} 式4
式4でΔφを算出すると、複素数の乗算、実数の割り算および偏角計算を行うことになり演算量が多く遅延が生じる。
そこで、偏角計算を虚部で代用し、振幅で規格化すると式5となる。
Δφ∝Im(q・a)/|q/a| 式5
式5でΔφを算出すると、式3よりは演算量が少ないが、変数の割り算があるため演算数が多くなる。
|q|=|a|と近似すると、式5は式6となる。
Δφ≒Im(q・a)/|a| 式6
非特許文献2では、位相誤差としてImag(q/a)を用いている。これは、式6と等価である。
式6を展開すると、Δφは式7となる。
Δφ≒{Im(q)・Re(a)−Re(q)・Im(a)}/|a|
=Im(q)・Re(a)/|a|−Re(q)・Im(a)/|a| 式7
式7は、式1に相当する。式7では、実数と定数の乗算2回と減算1回であり、位相誤差Δφの演算量を削減できる。これにより、フィードバックループの遅延時間が削減されて位相追従性が向上する。これにより、光源の線幅に対する耐力が向上する。従って、復調時のエラーを低減して、通信の安定性や信頼性を向上することができる。なお、位相誤差Δφの算出には、式4等を用いてもよい。
制御部60は、フィードフォワード位相推定補償部50xが出力する信号に基づきシンボルごとにLUT1およびLUT2を設定してもよい。
例えば、制御部60は、フィードフォワード位相推定補償部50xが出力する信号のシンボルごとのEVM(Error Vector Magnitude)を計算する。EVMの大小により伝送品質を判定し、シンボルごとにEVMが小さくなるようにLUT1およびLUT2を設定してもよい。
EVMが大きい場合は位相誤差の計算の誤差が大きくなる。そこで、制御部60は、EVMが大きいときにリミッタ97に位相誤差の絶対値に上限を設ける。これにより、EVMが大きいときには、位相誤差の絶対値は上限値以上とはならない。特に、内側のシンボル(図5(a)において原点に近い4つのシンボル)はEVMが大きいと位相誤差の誤差が大きくなる。よって、EVMが大きいときに内側のシンボルに位相誤差の絶対値に上限を設けることが好ましい。
例えば、伝送距離が短い短距離用途のように位相ノイズが小さい場合には、ループフィルタ44における内側のシンボルのゲイン調整を大きめに設定する。これにより、フィードバックループの追従性が向上し、光源の線幅許容値が緩和できる。例えば、伝送距離が長い長距離用途のように位相ノイズが大きい場合には、ループフィルタ44における内側のシンボルのゲイン調整を小さめに設定する。これにより、ノイズ耐性を向上できる。
[ループフィルタの説明]
図7は、実施例1に係るループフィルタのブロック図である。図7に示すように、ループフィルタ44は、ゲイン部80、81、加算器82、83、遅延部84およびスイッチ85を備えている。ゲイン部80は位相誤差算出部43が出力した位相誤差ΔφにゲインAを乗算する。ゲインAは全体のゲインと比例ゲインを兼ねている。ゲイン部81は、ゲイン部80から出力される出力信号にゲインBを乗算する。ゲインBは積分ゲイン/比例ゲインである。よって、積分ゲインはA×Bとなる。加算器83は、遅延部84が1サンプル遅延させた信号とゲイン部81の出力信号とを加算する。加算された信号はゲイン部80の出力信号と加算される。
遅延部84から出力される積分値は内部状態のアウト(出力)として他方のループフィルタに出力される。また、他方のループフィルタからその積分値の内部状態がイン(入力)する。スイッチ85は切替信号に基づき過去の積分値と他方のループフィルタの積分値とを切り替える。詳細は後述する。
[並列処理の説明]
図8は、実施例1に係るDD−PLLの並列処理を説明するための図である。図8は、DD−PLL40xが複数のシンボルを並列処理する例を示している。AEQ26の出力信号はp並列のパラレル信号である。位相誤差算出部43はパラレル信号ごとに位相誤差Δφ(n)からΔφ(n+p−1)を算出する。加算部59は複数の位相誤差Δφ(n)からΔφ(n+p−1)を加算(または平均)する。ループフィルタ44およびデジタルVCO45は加算された位相誤差に基づき信号exp(−jφ)およびexp(jφ)を出力する。乗算器46および47は各々並列にp個設けられている。乗算器46は各々AEQ26の出力信号と信号exp(−jφ)とを乗算し、シンボル判定部41に出力する。乗算器47は各々座標誤差と信号exp(jφ)とを乗算し、タップ係数更新部34xに出力する。
デジタルコヒーレント光伝送では、シンボルレートが高いため、図8のように複数のシンボルを適切なサイズにブロック化し、ブロック単位で複数のシンボルを同時に並列計算してもよい。並列計算によってフィードバックループの演算による遅延時間を短縮し、DD−PLL40xおよび40yの追従性を向上することができる。
[フィードフォワード位相推定補償部の説明]
図9は、実施例1におけるフィードフォワード位相推定補償部のブロック図である。フィードフォワード位相推定補償部50xおよび50yは同じ構成のため、フィードフォワード位相推定補償部50xについて説明し、フィードフォワード位相推定補償部50yの説明は省略する。図9に示すように、フィードフォワード位相推定補償部50xは、サンプル遅延部51、位相推定部52、サンプル平均部53、出力部54および乗算器55を備えている。サンプル遅延部51はX偏波信号をNサンプル遅延させる。位相推定部52はX偏波信号の位相を推定し位相推定値として出力する。サンプル平均部53は位相推定値を2N+1サンプル分平均し、平均した位相推定値φsを出力する。出力部54は、exp(−jφs)を出力する。乗算器55はサンプル遅延部51が遅延させた信号とexp(−jφs)を乗算し出力する。このように、フィードフォワード位相推定補償部50xは、X偏波信号の位相を推定し2N+1サンプル分平均しX偏波信号にフィードフォワードする。
[制御部の動作]
図10は、実施例1に係る制御部のブロック図である。図10に示すように、制御部60は、最大値算出部61、最小値算出部62、加算器63、異常判定部64および切替信号生成部65を備えている。制御部60はX偏波回路10xとY偏波回路10yのそれぞれについて切替信号を生成するが、X偏波回路10xとY偏波回路10yとの制御は同じである。このため、図10ではX偏波回路10xについて説明し、Y偏波回路10yの説明は省略する。
図11は、実施例1に係る制御部の制御を示すフローチャートである。図10に示される最大値算出部61および最小値算出部62はサンプルの度に位相推定値Vを位相推定部52から取得する(ステップS10)。最大値算出部61は、位相推定値Vが最大値Maxより大きいか判定する(ステップS12)。NoのときステップS16に進む。Yesのとき、最大値算出部61は、最大値Max=位相推定値Vと更新しステップS16に進む。
最小値算出部62は、位相推定値Vが最大値Minより小さいか判定する(ステップS16)。NoのときステップS20に進む。Yesのとき、最小値算出部62は、最小値Min=位相推定値Vと更新しステップS20に進む。なお、図11では、最大値に係る処理の後に最小値に係る処理を行っているが、順番を入れ替えて、最小値に係る処理の後に最大値に係る処理を行ってもよい。制御部60はサンプル終了か判定する(ステップS20)。制御部60は、所定のサンプル数(例えば500サンプル)ごとにサンプル終了と判定する。NoのときステップS10に戻る。
Yesのとき加算器63は、最大値Maxのプラスと最小値Minのマイナスを加算しピーク値Pとする。すなわちP=Max−Minとする(ステップS22)。異常判定部64は、ピーク値P>判定閾値thか判定する(ステップS24)。判定閾値thは例えば0.25radである。NoのときステップS28に進む。Yesのとき切替信号生成部65は、切替信号を生成し、DD−PLL40xおよびタップ係数更新部34xの少なくとも一方に出力する(ステップS26)。切替信号生成部65は、最大値算出部61および最小値算出部62をリセットする(ステップS28)。その後終了し、次の所定のサンプル数の制御においてステップS10に進む。
[タップ係数更新部の動作]
図12は、実施例1に係るタップ係数更新部の制御を示すフローチャートである。タップ係数更新部34xおよび34yは同じ構成のため、タップ係数更新部34xについて説明し、タップ係数更新部34yについての説明は省略する。
タップ係数更新部34xは、CMAアルゴリズムまたはDD−LMSアルゴリズムを用いタップ係数を生成する。CMAアルゴリズムでは、振幅の2乗エラーを最小にするようにタップ係数を生成する。CMAアルゴリズムでは、位相ノイズの影響を受けず安定するが、高次のQAMでは、ノイズ耐性および追従性に劣る。
DD−LMSアルゴリズムは、DD−PLL40aがシンボル判定前後(すなわち、前回のシンボル判定と今回のシンボル判定)の座標誤差および位相誤差をコンスタレーションの回転が停止するようにフィードバックする。DD−LMSアルゴリズムでは、ノイズ耐力に優れる。タップ係数更新部34xは、タップ係数の初期の収束にCMAアルゴリズムを用い、タップ係数がある程度収束した後はDD−LMSアルゴリズムを用いている。
タップ係数更新部34xは、通常の動作を行いながら、切替信号を受信したか判定する(ステップS30)。Noのとき終了し、通常の動作を継続する。Yesのとき、タップ係数更新部34xは、DD−LMSアルゴリズムを用いてタップ係数を更新しているか判定する(ステップS32)。Noのとき、終了し通常の動作を継続する。Yesのとき、タップ係数更新部34xは、CMAアルゴリズムを用いタップ係数を更新する(ステップS34)。このように、切替え信号を受信した直後は、DD−LMSアルゴリズムに代えてCMAアルゴリズムを用いてタップ係数を更新するようにすることができる。
図3のようにDD−PLL40xおよび40yを用いたフィードバックループにはハードウェアの演算処理による遅延時間が存在する。遅延時間が大きいと、位相が急激に変動したとき、DD−PLL40xおよび40yとDD−LMSアルゴリズムのフィードバックループが位相の変動に位相が追従できなくなる。これにより、シンボル判定結果の信頼性が低下する。タップ係数更新部34xおよび34yにおけるDD−LMSアルゴリズムでは、シンボル判定の結果に基づきAEQ26のタップ係数を更新している。このため、シンボル判定結果の信頼性低下により、AEQ26の出力が不安定になり、DD−PLL40xおよび40yの位相追従性がさらに悪くなる。その結果エラーがバースト的に集中してしまう。このようなエラーはシンボル判定誤り訂正部18におけるFEC(Forward Error Correction)等を用いても訂正できない。このように、位相が急変した場合に不安定になりやすいため、例えば光源に狭線幅特性(例えば数百KHz以下等)が求められる。
このように、DD−LMSアルゴリズムは、平均値が0のランダムなノイズに対するノイズ耐性に優れている。しかし、位相ノイズが大きいときには不安定となりやすい。
そこで、制御部60は、フィードフォワード位相推定補償部50xおよび50yが生成する位相推定値が異常のとき、それぞれタップ係数更新部34xおよび34yのアルゴリズムをDD−LMSアルゴリズムからCMAアルゴリズムに切り替える。これにより、位相ノイズ等が原因でAEQ26が不安定な状態に移行しかけたときに、正常な状態に回復することができる。
[ループフィルタの動作]
図4のように、X偏波回路10xとY偏波回路10yのそれぞれのループフィルタ44は、切替信号により一方が他方の内部状態を参照することと他方が一方の内部状態を参照することと切り替え可能である。図7のように、PIループフィルタの場合、X偏波回路10xのDD−PLL40xのループフィルタ44はX偏波信号の位相誤差の積分値を用いている。ループフィルタ44のスイッチ85は、切替信号が入力すると、Y偏波回路10yのループフィルタ44の積分値に切り替える。
X偏波回路10xとY偏波回路10yは、それぞれ偏波面が異なるだけで、伝送距離や波長分散、ノイズ等の影響に関しては同様の信号を処理しているため、X偏波回路10xとY偏波回路10yのループフィルタ44の内部状態はほぼ同じとなっている。そこで、制御部60がX偏波回路10xの位相推定値が異常でありY偏波回路10yの位相推定値が正常と判定したとき、X偏波回路10xのループフィルタ44の内部状態にY偏波回路10yのループフィルタ44の内部状態を用いる。また、制御部60がY偏波回路10yの位相推定値が異常でありX偏波回路10xの位相推定値が正常と判定したとき、Y偏波回路10yのループフィルタ44の内部状態にX偏波回路10xのループフィルタ44の内部状態を用いる。これにより、AEQ26が出力するX偏波信号またはY偏波信号が不安定な状態に移行しかけたときに、タップ係数の更新に時間を掛けずにより早く正常な状態に回復することができる。
制御部60がX偏波回路10xおよびY偏波回路10yの両方の位相推定値が異常と判定したとき、X偏波回路10xおよびY偏波回路10yのピーク値が小さい方の内部状態を用いてもよい。
[シミュレーション結果]
実施例1と図10から図12の制御を行わない比較例1について、ノイズ耐力ペナルティをシミュレーションした。図13は、実施例1および比較例1におけるΔν・Tsに対するノイズ耐力ペナルティを示す図である。Δνは、信号光とローカル光(局所光)との合成によるビート周波数成分のスペクトル線幅、Tsはシンボル周期であり、CPR処理の位相追随性は両者の積が小さいほど向上することから、両者の積が線幅耐力(または線幅許容値)の指標として用いられている。ノイズ耐力ペナルティは、シンボル判定誤り訂正部18におけるFEC後のBER(Bit Error Rate)のノイズ耐力ペナルティであり、Δν=0、つまり位相ノイズが0のときを基準としている。
図13に示すように、ノイズ耐力ペナルティが0.2dBとなるΔν・Tsは、実施例1は比較例1の2倍である。また例えばΔν・Ts=1.8×10−6におけるノイズ耐力ペナルティは、実施例1では比較例1より1.7dB向上している。このように、実施例1により、ノイズ耐力が向上し、光源に対する線幅許容値を緩和することができる。
実施例1によれば、AEQ26は、タップ係数に基づき、偏波多重された光信号から変換された電気信号をX偏波信号とY偏波信号に分離するバタフライ型イコライザである。DD−PLL40xおよび40yは、X偏波信号およびY偏波信号のシンボル判定結果に基づいてX偏波信号およびY偏波信号の誤差情報(例えば位相誤差)をそれぞれ算出し、誤差情報に応じてX偏波信号およびY偏波信号の位相を制御する。タップ係数更新部34xおよび34yは、DD−LMSアルゴリズム(第1アゴリズム)およびCMAアルゴリズム(第2アルゴリズム)のいずれか一方を用いAEQ26のタップ係数を更新する。
DD−LMSアルゴリズムは、DD−PLL40xおよび40yの出力信号に基づき(例えばDD−PLL40xおよび40yの誤差信号を使用して)タップ係数を更新する第1アルゴリズムである。DD−LMSアルゴリズムのように、フィードバックループによるアルゴリズムは、ノイズ等によって位相が急激に変動したときに、X偏波信号およびY偏波信号が不安定になりやすい。
そこで、フィードフォワード位相推定補償部50xおよび50y(位相推定部)は、X偏波信号およびY偏波信号の少なくとも一方のIQ平面上の位相推定値を推定する。制御部60は、推定された位相推定値に基づき、X偏波信号およびY偏波信号の少なくとも一方の信号の位相が異常か否かを判定する。異常と判定したとき、タップ係数更新部34xおよび34yが少なくとも一方の信号に対応するタップ係数を更新するときに用いるアルゴリズムを、第1アルゴリズムから第2アルゴリズムに切り替える。例えば、制御部60は、位相推定値が所定の閾値より大きいとき、タップ係数更新部34xおよび34yがX偏波信号およびY偏波信号の前記少なくとも一方に係るタップ係数を更新するときに用いるアルゴリズムを、第1アルゴリズムから第2アルゴリズムに切り替える。
CMAアルゴリズムは、DD−PLLの出力信号に基づかず(例えばDD−PLL40xおよび40yの誤差信号を使用せず)タップ係数を更新する第2アルゴリズムである。このため、X偏波信号およびY偏波信号が不安定になることを抑制できる。このように、タップ係数を適切に制御することができ、例えば光源に対する線幅許容値を緩和することができる。
制御部60は、所定期間内の位相推定値の最大値と最小値との差が所定値以上のとき、異常と判定する。これにより、位相の異常を判定できる。
DD−PLL40xおよび40yは、X偏波信号およびY偏波信号のシンボルを判定するシンボル判定部41と、シンボル判定部41の判定結果に基づき位相誤差を算出する位相誤差算出部43と、算出された位相誤差をフィルタリングするループフィルタ44と、を備えている。ループフィルタ44の出力に基づきX偏波信号およびY偏波信号の位相が制御される。これにより、X偏波信号およびY偏波信号の位相が制御できる。
制御部60は、X偏波信号およびY偏波信号の少なくとも一方の信号の位相が異常と判定したとき、DD−PLL40xおよび40y内のループフィルタ44の内部状態をX偏波信号およびY偏波信号の他方のループフィルタ44の内部状態を参照できるように切り替える。例えば、制御部60は、X偏波信号および前記Y偏波信号の一方の所定期間内の位相推定値の最大値と最小値との差が所定値以上、かつ、X偏波信号およびY偏波信号の他方の所定期間内の位相推定値の最大値と最小値との差が所定値未満のとき、X偏波信号およびY偏波信号の一方に係るDD−PLL40xおよび40yにX偏波信号およびY偏波信号の他方に係るDD−PLL40yおよび40xの内部状態を参照して動作させる。これにより、タップ係数をより早く適切に制御することができる。
ループフィルタ44が例えばPIフィルタまたはPIDフィルタのとき、ループフィルタ44の内部状態は、位相誤差の積分値である。すなわち、DD−PLL40xおよび40yの内部状態は、DD−PLLの備えるループフィルタ44における位相誤差の積分値に設定されている。これにより、タップ係数をより適切に制御することができる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した意味ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10x X偏波回路
10y Y偏波回路
12 LOLD
14 フロントエンド受信器
16 デジタル信号処理部
18 シンボル判定誤り訂正部
20 AD変換部
22 波長分散補償部
24 タイミングリカバリーリサンプリング部
26 アダプティブイコライザ(AEQ)
28 キャリアフェーズリカバリ(CPR)
30x、30y、32x、32y フィルタ
34x、34y タップ係数更新部
36x、36y,48a、58、63、82、83 加算器
40x、40y DD−PLL
41 シンボル判定部
42 座標誤差算出部
43 位相誤差算出部
44 ループフィルタ
46、47、55、94、95 乗算器
48b、84 遅延部
49a、49b、54 出力部
50x、50y フィードフォワード位相推定補償部
51 サンプル遅延部
52 位相推定部
53 サンプル平均部
56 シンボル
57、58a、58b 矢印
60 制御部
61 最大値算出部
62 最小値算出部
64 異常判定部
65 切替信号生成部
80、81 ゲイン部
85 スイッチ
90 実部算出部
91 虚部算出部
92、93 ルックアップテーブル
97 リミッタ
100 デジタルコヒーレント受信器

Claims (5)

  1. タップ係数に基づき、偏波多重された光信号から変換された電気信号をX偏波信号とY偏波信号とに分離するバタフライ型イコライザと、
    前記X偏波信号および前記Y偏波信号のそれぞれのシンボル判定結果に基づいて前記X偏波信号および前記Y偏波信号の誤差情報をそれぞれ算出し、前記誤差情報に応じて前記X偏波信号および前記Y偏波信号の位相を制御する判定指向型PLLと、
    前記判定指向型PLLの前記誤差情報を使用して前記タップ係数を更新する第1アルゴリズムおよび前記誤差情報を使用せずに前記タップ係数を更新する第2アルゴリズムのいずれか一方を用いて前記タップ係数を更新するタップ係数更新部と、
    前記X偏波信号および前記Y偏波信号の少なくとも一方のIQ平面上の位相推定値を推定する位相推定部と、
    前記位相推定値が所定の閾値より大きいとき、前記タップ係数更新部が前記X偏波信号および前記Y偏波信号の前記少なくとも一方に係るタップ係数を更新するときに用いるアルゴリズムを、前記第1アルゴリズムから前記第2アルゴリズムに切り替える制御部と、
    を具備するデジタルコヒーレント受信器。
  2. 前記第1アルゴリズムはDD−LMSアルゴリズムに基づいており、前記第2アルゴリズムはCMAアルゴリズムに基づいている請求項1に記載のデジタルコヒーレント受信器。
  3. 前記制御部は、前記X偏波信号および前記Y偏波信号の一方の所定期間内の前記位相推定値の最大値と最小値との差が所定値以上、かつ、前記X偏波信号および前記Y偏波信号の他方の前記所定期間内の前記位相推定値の最大値と最小値との差が前記所定値未満のとき、前記X偏波信号および前記Y偏波信号の一方に係る判定指向型PLLに前記X偏波信号および前記Y偏波信号の他方に係る判定指向型PLLの内部状態を参照して動作させる請求項1または2に記載のデジタルコヒーレント受信器。
  4. 前記判定指向型PLLは、前記X偏波信号および前記Y偏波信号のシンボルを判定するシンボル判定部と、前記シンボル判定部の判定結果に基づき位相誤差を算出する位相誤差算出部と、算出された位相誤差をフィルタリングするループフィルタと、を備え、前記ループフィルタの出力に基づき前記X偏波信号および前記Y偏波信号の位相を制御する請求項1から3のいずれか一項に記載のデジタルコヒーレント受信器。
  5. 前記判定指向型PLLの内部状態は、前記判定指向型PLLの備えるループフィルタにおける前記位相誤差の積分値に設定されている請求項4に記載のデジタルコヒーレント受信器。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN110190907A (zh) * 2019-07-29 2019-08-30 烽火通信科技股份有限公司 一种iq信号相位误差控制方法及系统

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