JP2019056988A - 輪郭検出装置及び輪郭検出方法 - Google Patents
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Abstract
Description
例えば、特許文献1には、医用画像中の腫瘍領域の輪郭を決定するカメラで人物を撮影した場合に、輪郭検出の技術を用いることで、撮影画像から当該人物の顔の輪郭や、目、鼻、口等の各パーツの輪郭を検出する手法が開示されている。
こうした輪郭検出の技術は、顔や顔のパーツの輪郭を検出する場合に限定されず、爪の輪郭等、各種の輪郭検出を行う場合に用いることができる。
例えば、従来輪郭検出に用いられる手法として、AAM(Active Appearance Model)やASM(Active Shape Model)がある。これらの手法は、顔の輪郭や各パーツの輪郭の特徴点の配置を形状モデル(Shape Model)と呼ばれるモデルで表現する。そして、この形状モデルと検出対象を含む画像にフィッティングさせることで検出対象の輪郭検出を行う。
また、近時、ESR(Explicit Shape Regression)と呼ばれるアルゴリズムにより検出対象の輪郭を検出する技術も知られている。
ESRでは、重心の周囲に特徴点が配置された形状モデル(初期形状)を生成し、これと検出対象の輪郭を含む画像とのフィッティングを行う。この際、ESRでは、2段階の弱リグレッサー(弱識別器)を組み合わせて適用し、形状モデル(初期形状)を徐々に正解位置である検出対象の輪郭に向かって収束させていくという回帰問題として輪郭検出を行う。
このようなアルゴリズムを用いることで、ユーザの手を煩わせることなく自動的に高精度な輪郭検出を行うことができる。
しかしながら、輪郭を検出する手法の中には、例えばESR等のように検出した輪郭に対する信頼度を評価する指標を持たないものがある。
この場合、検出結果に対する信頼度が分からないため、仮に複数回の検出処理を行って複数回分の検出結果を取得した場合でも、そのうち評価(信頼度)の高い検出結果を選んで採用するといったことができず、複数回分の検出結果の平均値を採用する等の対応をするしかないとの問題がある。
また、輪郭検出を行う場合に、検出結果に対する信頼度を評価する指標を持つ手法を用いる場合でも、より精密に評価を行い、検出結果の信頼度を検証したいという場合も存する。
学習対象の輪郭を含む学習用のサンプル画像における輪郭点及び非輪郭点についてそれぞれ特徴量を算出する特徴量算出部と、
前記特徴量算出部により算出された前記輪郭点及び前記非輪郭点の前記特徴量を用いた学習により、輪郭らしさを評価する識別器を生成する識別器生成部と、
検出対象の輪郭を含む検出対象画像内の任意の点について、前記識別器を用いて輪郭らしさの評価値を算出する評価値算出部と、
を備えていることを特徴としている。
なお、以下の本実施形態では、輪郭の検出を行う対象である検出対象が指の爪である場合を例として説明する。
以下においては、本発明を実施するために技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲を以下の実施形態及び図示例に限定するものではない。
図1に示すように、本実施形態における輪郭検出装置1は、ほぼ箱形に形成された筐体11を有している。
筐体11の上面(天板)には操作部12が設置されている。
操作部12は、ユーザが各種入力を行う入力部である。
操作部12には、例えば、輪郭検出装置1の電源をONする電源スイッチ釦、動作を停止させる停止スイッチ釦、爪Tの輪郭検出の開始を指示する検出開始釦等、各種の入力を行うための操作釦が配置されている。
表示部13は、例えば液晶ディスプレイ(LCD:Liquid Crystal Display)、有機エレクトロルミネッセンスディスプレイその他のフラットディスプレイ等で構成されている。
本実施形態において、この表示部13には、例えば、指U1を撮影して得た爪画像(爪Tの画像を含む指画像)、この爪画像中に含まれる爪Tの輪郭線等の画像、各種の指示を表示させる指示画面等が適宜表示される。
なお、表示部13の表面に各種の入力を行うためのタッチパネルが一体的に構成されていてもよい。この場合には、タッチパネルが操作部12として機能する。
開口部14の内側には、本実施形態における検出対象である爪T(爪Tを含む指U1)を固定する指固定部3が配置されている。
図2に示すように、指固定部3は装置手前側に開口部31を有する箱状の部材であり、指固定部3内部には指U1を固定する指固定部材32が配置されている。
指固定部材32は、指U1を下側から押し上げ支持するものであり、例えば柔軟性を有する樹脂等で形成されている。
指固定部3の天面奥側は開口しており、この開口部分からは指固定部3内に挿入された指U1の爪Tが露出するようになっている。
また、指固定部3の天面手前側は指U1の浮き上がりを防止して指U1の上方向の位置を規制する指押え34となっている。指U1及びその爪Tは、下側から指固定部材32によって支持され、指U1の上側が指押え34によって押さえられることで、高さ方向の位置が所定の位置に位置決めされる。
また、本実施形態では、指挿入方向の奥側には、爪Tを載置する爪載置部35が設けられている。
この爪載置部35に爪Tの先を載置させることにより、爪Tの水平方向(すなわち、X方向及びY方向)の位置が規定されるとともに、その高さ方向の位置も規制される。
撮影部50は、撮影装置51と、照明装置52とを備えている。
撮影装置51は、例えば、200万画素程度以上の画素を有する固体撮像素子とレンズ等を備えて構成された小型カメラである。
照明装置52は、例えば白色LED等の照明灯である。本実施形態では、撮影装置51を囲むように複数の照明装置52が配置されている。
なお、撮影装置51及び照明装置52の位置は図示例に限定されない。例えば、撮影部50の撮影装置51及び照明装置52は、爪Tの上方位置に固定配置されていてもよいし、撮影部50が移動手段によって移動可能に構成されている場合には、爪Tの上方位置に移動することが可能となっていればよい。
なお、撮影部50によって撮影された画像の画像データは、後述する記憶部82等に記憶されてもよい。
制御装置80は、例えば筐体11の天面の下面側等に配置された図示しない基板等に設置されている。
制御装置80は、図示しないCPU(Central Processing Unit)により構成される制御部81と、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等(いずれも図示せず)で構成される記憶部82とを備えるコンピュータである。
本実施形態において、プログラム記憶領域820には、例えば識別器Cを生成する識別器生成プログラムや輪郭らしさの評価値を算出する評価値算出プログラム、検出対象の輪郭を検出するための輪郭検出プログラム等が格納されている。
また、本実施形態において記憶部82には、評価値算出部817が各点の評価値を算出するために用いる識別器Cを生成するために用いる識別器生成情報記憶領域821、生成された識別器C(本実施形態では、識別器C1〜C3)を記憶する識別器記憶領域822、輪郭検出部816により検出された爪Tの輪郭の情報が記憶される輪郭情報記憶領域823等が設けられている。
識別器生成部813は、学習対象(本実施形態では爪)の輪郭TLを含む学習用のサンプル画像S(図3参照)を複数取得して、この複数の学習用のサンプル画像Sを用いて学習を行い、この学習の結果としての識別器Cを生成する。
ここで、学習方法は特に限定されないが、例えばサポートベクターマシン(support vector machine, SVM)等の教師あり学習によることができる。
教師あり学習では、全ての学習用のサンプル画像Sについて、事前に人が正解である検出対象(本実施形態では爪T)の輪郭TLを入力し、サンプル画像Sと正解輪郭TLとが対応付けられる。そして、輪郭(正解輪郭)TL上に位置する輪郭点(当該点の座標データ)には正例、輪郭(正解輪郭)TL以外の部分に位置する非輪郭点(当該点の座標データ)には負例のクラスラベルを付与して2クラスに分類し、この学習用のサンプル画像Sの正例群と負例群とからなる学習データ群を、学習サンプルとして識別器生成情報記憶領域821に記憶させておく。
そして、サンプル画像Sから任意に選択した点についてサンプル画像Sから算出(抽出)した特徴量を識別器に入力して正例又は負例に識別させることで識別器の学習を行う。
本実施形態では、識別器生成部813は、学習対象(本実施形態では爪)の輪郭TLを特徴の異なる領域ごとに分割し、当該分割した領域ごとに輪郭点Td及び非輪郭点Tnの特徴量を用いた学習を行い、当該分割した領域ごとの識別器Cを生成する。
すなわち、図3に示す例では、爪Tの輪郭TLを、その上部(すなわち、爪先部分)である領域A1、側部(すなわち、爪Tの両爪溝部分)である領域A2、下部(すなわち、爪Tの生え際部分)である領域A3に分割して、それぞれの領域A1〜A3について識別器Cを生成する。
なお、以下において、爪Tの輪郭TLの上部である領域A1についての識別器を識別器C1とし、爪Tの輪郭TLの側部である領域A2についての識別器を識別器C2とし、爪Tの輪郭TLの下部である領域A3についての識別器を識別器C3とする。
本実施形態において、識別器生成部813は、点選択部814、特徴量算出部815を備えている。
点選択部814は、学習対象である爪Tの輪郭TLを含む学習用のサンプル画像S(図3参照)から、輪郭TL上に位置する任意の輪郭点Td、及び輪郭TL以外の部分に位置する任意の非輪郭点Tn(図4参照)をそれぞれ選択する。なお、輪郭点Td及び非輪郭点Tnの選択は、領域A1〜A3ごとにそれぞれ行う。
図4では、「輪郭TLから所定範囲内の領域」を、輪郭TLから距離Dだけ離間した範囲内(図4において破線で画する範囲内)とし、この領域内の非輪郭点Tn(図4において非輪郭点Tni)がそれ以外の領域(すなわち、図4において破線で画する範囲の外側の領域)の非輪郭点Tn(図4において非輪郭点Tno)よりも多く採用されている例を示している。
なお、「輪郭TLから所定範囲内の領域」をどの程度の範囲とするか(距離Dをどの程度に設定するか)は、特に限定されず、適宜設定される事項である。
また、「輪郭TLから所定範囲内の領域」の非輪郭点Tniをそれ以外の領域の非輪郭点Tnoよりもどの程度多く採用するかについても、特に限定されず、適宜設定される。なお、点選択部814が選択する任意の点を全て輪郭TLから所定範囲内の領域内の非輪郭点Tniとしてもよい。
なお、「輪郭TLから所定範囲内の領域」以外の領域から非輪郭点Tn(Tno)を選択する場合にも、画像全体からランダムに選択するのではなく、輪郭TLから離れ過ぎないように一定の限界を設けておくことが好ましい。
また、点選択部814が選択する輪郭点Td及び非輪郭点Tnの数、両者の割合等についても、識別器Cの生成処理に掛ける時間や、識別器Cに要求される精度等に応じて任意に設定可能である。
特徴量として、本実施形態では、HOG(Histograms of Oriented Gradients)を使用する。HOGとは局所領域(セル)における輝度の勾配方向をヒストグラム化した特徴量である。
HOG特徴量を算出するためには、画像(サンプル画像S)から輝度勾配を算出し、算出された勾配強度と勾配方向から輝度の勾配方向ヒストグラムを作成して正規化を行う。
なお、特徴量として何を使用するかは特に限定されず、HOG以外にも例えばSIFT(Scale Invariant Feature Transform)、BRISK(Binary Robust Invariant Scalable Keypoints)等の局所特徴量を用いてもよい。
このようにして、識別器生成部813は、領域A1〜A3ごとの識別器C1〜C3を生成する。
本実施形態において、検出対象はユーザが指固定部3内に挿入した指U1の爪Tであり、これを撮影部50によって撮影することで検出対象画像が取得される。
本実施形態において、輪郭検出部816は、例えばESR(Explicit Shape Regression)の手法を用いて、検出対象画像から検出対象である爪Tの輪郭の検出を行う。
本実施形態では、輪郭検出部816は、例えば初期形状を配置する初期位置をずらしながら複数回輪郭検出処理を行い、n回分の検出結果を取得する。
なお、輪郭検出処理を行う回数は特に限定されず、輪郭検出処理に掛ける時間等を考慮しながら適宜設定される。輪郭検出処理を1回しか行わないものとしてもよい。
また、複数回輪郭検出処理を行う場合、各処理毎に何らかの条件を変えて検出結果にばらつきを生じさせることが好ましい。この場合に、各処理毎に変える条件は、上記の初期形状を配置する初期位置に限定されず、例えば検出に関わるパラメータや乱数等を変更するようにしてもよい。
このため、例えば、入力された検出対象画像が太い指の爪の画像であったり細く小さな指の爪の画像であったりというように大きくばらつきがあるような場合でも、共通の初期形状を適用して輪郭検出を行うことができる。
ただ、ESRのようなアルゴリズムを用いた輪郭検出では、検出結果の信頼度を評価する指標がない。このため、輪郭として検出された点がどの程度輪郭らしさを有しているか、別途評価値を得ることが望まれる。
本実施形態の輪郭検出装置1は、ESR等のアルゴリズムを用いた輪郭検出の検出結果に対して評価値を算出するものであり、上記のような要望に応えるものである。
本実施形態では、上記のように、輪郭検出部816により検出対象(本実施形態では爪T)の輪郭検出が行われるようになっており、評価値算出部817は、輪郭検出部816により検出された輪郭上の任意の点について、識別器C1〜C3を用いて輪郭らしさの評価値を算出する。
なお、評価値算出部817による評価値の算出は、輪郭検出部816により検出された輪郭上の全ての点について行われてもよいし、ランダムに又は所定の数置き等に選択された点について行われてもよい。ただ、評価対象となる点をランダムに選択する場合でも、各点は、輪郭上の各領域A1〜A3(図3参照)のそれぞれからできるだけ偏りなく選択されることが好ましい。
輪郭検出部816により輪郭上の点であると検出された点のうち、いくつの点について評価対象とするかは特に限定されず、点の数や、評価値の算出処理にかかる時間等を考慮して任意に設定される。なお、より多くの点を評価対象とした方がより正確に評価値を算出することが期待でき、好ましい。
まず、評価値算出部817は、輪郭検出部816により検出された輪郭上の各点(全ての点について評価対象とする場合には輪郭上の全ての点、一部の点を選択して評価対象とする場合には、選択された点)についてそれぞれ特徴量fを算出する。
そして、各点ごとに、まず識別器C1を使用し、算出された特徴量fから当該点について輪郭らしさを表す評価値v1を出力する。次に、各点ごとに、識別器C2を使用し、算出された特徴量fから当該点について輪郭らしさを表す評価値v2を出力する。さらに、各点ごとに、識別器C3を使用し、算出された特徴量fから当該点について輪郭らしさを表す評価値v3を出力する。
そして、各点について得られた評価値v1、v2、v3のうち、最大の値を当該点の評価値vmとする。 輪郭検出部816により検出された輪郭上の各点(全ての点について評価対象とする場合には輪郭上の全ての点、一部の点を選択して評価対象とする場合には、選択された点)についてそれぞれ評価値vmを得ると、評価値算出部817は、これら各点で得られた評価値の平均を計算し、輪郭検出部816により検出された輪郭の評価値とする。
例えば、輪郭検出部816により輪郭上の点であると検出された点のうちn個を評価対象とした場合、vm1〜vmnのn個の評価値vmが得られ、これを全て足し合わせてn個で除したものが当該輪郭の評価値となる。
そして、学習対象(本実施形態では爪)の輪郭TLを特徴の異なる領域ごとに分割する。前述のように、本実施形態では、領域A1〜A3に分割する(ステップS2)。
そして、点選択部814は、当該分割された領域A1〜A3ごとに輪郭上の点である輪郭点Tdを複数選択し(ステップS3)、選択された各点(輪郭点Td)について、特徴量算出部815がそれぞれ特徴量を算出する(ステップS4)。
また、点選択部814は、分割された領域A1〜A3ごとに輪郭以外の部分の点である非輪郭点Tnを複数選択し(ステップS5)、選択された各点(非輪郭点Tn)について、特徴量算出部815がそれぞれ特徴量を算出する(ステップS6)。
他方、全ての学習用のサンプル画像Sについて処理が終了した場合(ステップS7;YES)には、まず領域A1に属する輪郭点Td及び非輪郭点Tnの特徴量を用いた学習を行い、識別器C1を生成する(ステップS8)。次に、領域A2に属する輪郭点Td及び非輪郭点Tnの特徴量を用いた学習を行い、識別器C2を生成する(ステップS9)。さらに、領域A3に属する輪郭点Td及び非輪郭点Tnの特徴量を用いた学習を行い、識別器C3を生成する(ステップS10)。
これにより、識別器生成部813は、領域A1〜A3ごとの識別器C1〜C3を生成し、識別器生成処理が終了する。
識別器生成部813により生成された識別器C(C1〜C3)は、記憶部82の識別器記憶領域822に記憶される。
輪郭検出結果が取得されると、評価値算出部817は、まず1回目の輪郭検出処理において輪郭検出部816により輪郭上の点であると検出されたいずれかの点を選択する(ステップS23)。そして、選択された点について特徴量を算出し(ステップS24)、算出された特徴量について識別器C1〜C3によりそれぞれ輪郭らしさの評価値を算出する(ステップS25)。
そして、識別器C1〜C3により算出された評価値のうち、最大値を当該点の評価値とする(ステップS26)。
例えば評価値が、「1」に近いほど高く、「0」に近いほど低い場合、識別器C1〜C3により算出された評価値のうち、最も「1」に近い値となったものを当該点の評価値として採用する。
他方、所定数に達したと判断する場合(ステップS27;YES)には、評価値算出部817は、各点について算出された評価値(すなわち、識別器C1〜C3により算出された評価値のうちの最大値)の平均値を算出し(ステップS29)、これを当該輪郭検出結果についての評価値とする。
他方、n回分の輪郭検出結果について全て評価が終了したと判断する場合(ステップS30;YES)には、ステップS29で算出された評価値の平均値が最も高い回の輪郭検出結果を検出対象である爪Tの輪郭として採用する(ステップS32)。
最終的に爪Tの輪郭として採用された検出結果(輪郭を構成する各点の座標値)は、検出対象であるユーザの爪Tの輪郭として、輪郭情報記憶領域823に記憶される。
例えば、輪郭検出部816により輪郭検出結果が取得されるとその都度当該輪郭検出結果についての評価値の算出を行ってもよい。この場合、例えば、評価値算出部817により算出された評価値が、輪郭としての信頼度が十分に高いと言える所定の閾値を超えた時点で輪郭検出部816による輪郭検出を終了するようにしてもよい。
また、検出結果としての爪Tの輪郭は、ネイルプリント以外にも自動的に爪Tの表面を整えるオート爪磨き等、各種ネイルケア等を行う場合の対象領域とすることができる。
このように、学習により高い信頼度を有する識別器Cを用いて検出対象である爪Tの輪郭検出結果の評価を行うことができるため、輪郭検出結果の信頼度を検証し、より信頼度の高い輪郭検出結果を用いて各種処理を高精度に行うことが可能となる。
特に本実施形態の検出対象である爪Tの輪郭のように、輪郭部分の形状や状態等の特徴が爪先部分と生え際等のように領域によって大きく異なっている場合、各領域ごとに識別器C(C1〜C3)を生成することで、輪郭検出結果についてより精度の高い評価を行うことが可能となる。
学習において負例となる非輪郭点Tnを、正例となる輪郭点Tdと全く無関係な領域から選択するよりも、本実施形態のように、正例となる輪郭点Tdの周辺から選択した方が、より識別力、分類力の高い高精度の識別器Cを生成することが可能となる。
このように、本実施形態では、輪郭検出部816により検出された検出結果について、さらに識別器による信頼性のチェックを行うことができ、より信頼性の高い高精度の輪郭検出を行うことができる。
ESRのように回帰問題として輪郭検出を行う手法は、形状モデルをフィッティングさせて輪郭検出を行うAAM等の手法と比較してロバスト性に優れるため、初期形状としてどのようなものを用いても検出結果の精度に大きく影響しない。このため、検出対象となる爪Tの種類(例えば親指等の太い指の大きな爪か、小指等の細い指の小さな爪か、大人の爪か、子供の爪か等)に応じて複数種類の初期形状を用意し使い分けるといった必要がなく、一つの初期形状を共通して適用することができる。
また、初期形状を配置する初期位置についても厳密な設定が要求されないため、比較的簡易に、高精度の輪郭検出結果を得ることができる。
ESRは、このような簡易かつ精度の高い検出手法である一方で、検出結果の信頼度について評価指標を得ることができない。この点、本実施形態のように、識別器Cを用いて検出結果の評価を行い評価値を求めるとすることで、複数の検出結果がある場合により信頼性の高い検出結果を採用することができるようになり、より正解に近い輪郭を自動的に検出することができる。
例えば、輪郭検出部816による輪郭検出に、Random Forestのような、複数の決定木構造を持った多クラス識別器を構築する学習アルゴリズムを適用してもよい。Random Forestは、学習サンプルをランダムサンプリングすることにより複数のサブセットを作成し、各サブセットごとに決定木を構築し、複数の決定木の結果を統合することで識別を行う。そこで、アルゴリズムとしてRandom Forestを用いる場合には、例えば異なるサブセットによるトレーニング結果を使って複数回の輪郭検出処理を行う等により、複数回分の輪郭検出結果を得るようにする。そして、これら複数の検出結果に対して識別器Cを用いた評価を行い、最も評価値の高い検出結果を検出対象の輪郭として採用する。
また、本実施形態では、複数回分の検出結果を得る場合に、同じアルゴリズムを用い、初期形状の配置位置等をずらす等により異なる検出結果を導出する例を示したが、例えば、異なるアルゴリズムを用いて、複数回分の検出結果を取得し、各手法による検出結果を識別器Cにより評価してもよい。
例えば、ネイルチップやアクセサリ等の輪郭を検出対象としてもよい。
顔の輪郭や目・鼻・口等の顔のパーツの輪郭等を検出対象としてもよい。
ネイルチップ等の輪郭検出や顔パーツの輪郭検出等の場合にも、輪郭検出結果に評価値を付してその信頼度を評価することができるため、より信頼度の高い検出結果を採用して、これを用いた各種処理を行うことができる。
例えば、カメラで撮影した人物や対象物(建物・乗り物等)を画像から切り抜いて他の画像に貼り付けたり、連写された対象物を画像から切り抜いて繋ぎ合わせ、動画のように構成する等、各種の加工を行う際にも各対象の輪郭を精密に検出する必要があるが、このように画像から特定のオブジェクトを切り抜く際にも、本輪郭検出装置1を適用することによって、より信頼度の高い検出結果を用いてその後の各種処理を行うことができる。
このようにした場合には、各領域ごとに検出結果の信頼度を得ることができる。
このため、例えば、複数回輪郭検出を行った場合、いずれの検出結果においても信頼度が低い(すなわち、評価値の低い)領域がある場合に、当該領域を表示部13等に表示させて、ユーザに確認を求めたり、手動による修正を行うことができるようにしてもよい。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
学習対象の輪郭を含む学習用のサンプル画像における輪郭点及び非輪郭点についてそれぞれ特徴量を算出する特徴量算出部と、
前記特徴量算出部により算出された前記輪郭点及び前記非輪郭点の前記特徴量を用いた学習により、輪郭らしさを評価する識別器を生成する識別器生成部と、
検出対象の輪郭を含む検出対象画像内の任意の点について、前記識別器を用いて輪郭らしさの評価値を算出する評価値算出部と、
を備えている輪郭検出装置。
<請求項2>
前記識別器生成部は、前記学習対象の輪郭を特徴の異なる領域ごとに分割し、当該分割した領域ごとに前記輪郭点及び前記非輪郭点の前記特徴量を用いた学習を行い、当該分割した領域ごとの前記識別器を生成する請求項1に記載の輪郭検出装置。
<請求項3>
前記輪郭は爪の輪郭であり、前記識別器生成部は、前記爪の輪郭を、爪先領域、爪溝領域、及び生え際領域に分割し、前記爪先領域、前記爪溝領域、及び前記生え際領域ごとに前記輪郭点及び前記非輪郭点の前記特徴量を用いた学習を行い、前記爪先領域、前記爪溝領域、及び前記生え際領域ごとの前記識別器を生成する請求項2に記載の輪郭検出装置。
<請求項4>
前記識別器生成部は、輪郭点の特徴量を正例、非輪郭点の特徴量を負例として学習し、前記識別器を生成する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の輪郭検出装置。
<請求項5>
前記サンプル画像から、輪郭上に位置する任意の輪郭点及び輪郭以外の部分に位置する任意の非輪郭点をそれぞれ選択する点選択部を更に備え、
前記特徴量算出部は、前記点選択部によって選択された前記輪郭点及び非輪郭点についてそれぞれ特徴量を算出する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の輪郭検出装置。
<請求項6>
前記点選択部は、前記非輪郭点を選択する際、前記輪郭から所定範囲内の領域からそれ以外の領域よりも多くの前記非輪郭点が採用されるように選択する請求項5に記載の輪郭検出装置。
<請求項7>
検出対象の輪郭を含む検出対象画像を取得する撮影部と、
前記検出対象画像から前記検出対象の輪郭を検出する輪郭検出部と、
をさらに備え、
前記評価値算出部は、前記輪郭検出部により検出された前記輪郭上の任意の点について、前記識別器を用いて輪郭らしさの評価値を算出する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の輪郭検出装置。
<請求項8>
前記輪郭検出部は前記検出対象の輪郭を複数回検出し、
前記評価算出部は前記輪郭検出部により複数回検出された複数の輪郭それぞれについて評価値を算出し、
前記輪郭検出部は前記複数の輪郭のうち、前記評価算出部により算出された評価値が最大のものを前記検出対象の輪郭として採用する請求項7に記載の輪郭検出装置。
<請求項9>
前記輪郭検出部は、ESRの手法を用いて前記検出対象画像から前記検出対象の輪郭を検出する請求項7又は請求項8に記載の輪郭検出装置。
<請求項10>
学習対象の輪郭を含む学習用のサンプル画像における輪郭点及び非輪郭点についてそれぞれ特徴量を算出する特徴量算出工程と、を含み、前記特徴量算出工程において算出された前記輪郭点及び前記非輪郭点の前記特徴量を用いた学習により、輪郭らしさを評価する識別器を生成する識別器生成工程と、
検出対象の輪郭を含む検出対象画像内の任意の点について、前記識別器を用いて輪郭らしさの評価値を算出する評価値算出工程と、
を含んでいる輪郭検出方法。
50 撮影部
81 制御部
82 記憶部
813 識別器生成部
814 点選択部
815 特徴量算出部
816 輪郭検出部
817 評価値算出部
821 識別器生成情報記憶領域
822 識別器記憶領域
823 輪郭情報記憶領域
C 識別器
T 爪
U1 指
Claims (10)
- 学習対象の輪郭を含む学習用のサンプル画像における輪郭点及び非輪郭点についてそれぞれ特徴量を算出する特徴量算出部と、
前記特徴量算出部により算出された前記輪郭点及び前記非輪郭点の前記特徴量を用いた学習により、輪郭らしさを評価する識別器を生成する識別器生成部と、
検出対象の輪郭を含む検出対象画像内の任意の点について、前記識別器を用いて輪郭らしさの評価値を算出する評価値算出部と、
を備えている輪郭検出装置。 - 前記識別器生成部は、前記学習対象の輪郭を特徴の異なる領域ごとに分割し、当該分割した領域ごとに前記輪郭点及び前記非輪郭点の前記特徴量を用いた学習を行い、当該分割した領域ごとの前記識別器を生成する請求項1に記載の輪郭検出装置。
- 前記輪郭は爪の輪郭であり、前記識別器生成部は、前記爪の輪郭を、爪先領域、爪溝領域、及び生え際領域に分割し、前記爪先領域、前記爪溝領域、及び前記生え際領域ごとに前記輪郭点及び前記非輪郭点の前記特徴量を用いた学習を行い、前記爪先領域、前記爪溝領域、及び前記生え際領域ごとの前記識別器を生成する請求項2に記載の輪郭検出装置。
- 前記識別器生成部は、輪郭点の特徴量を正例、非輪郭点の特徴量を負例として学習し、前記識別器を生成する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の輪郭検出装置。
- 前記サンプル画像から、輪郭上に位置する任意の輪郭点及び輪郭以外の部分に位置する任意の非輪郭点をそれぞれ選択する点選択部を更に備え、
前記特徴量算出部は、前記点選択部によって選択された前記輪郭点及び非輪郭点についてそれぞれ特徴量を算出する請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の輪郭検出装置。 - 前記点選択部は、前記非輪郭点を選択する際、前記輪郭から所定範囲内の領域からそれ以外の領域よりも多くの前記非輪郭点が採用されるように選択する請求項5に記載の輪郭検出装置。
- 検出対象の輪郭を含む検出対象画像を取得する撮影部と、
前記検出対象画像から前記検出対象の輪郭を検出する輪郭検出部と、
をさらに備え、
前記評価値算出部は、前記輪郭検出部により検出された前記輪郭上の任意の点について、前記識別器を用いて輪郭らしさの評価値を算出する請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の輪郭検出装置。 - 前記輪郭検出部は前記検出対象の輪郭を複数回検出し、
前記評価算出部は前記輪郭検出部により複数回検出された複数の輪郭それぞれについて評価値を算出し、
前記輪郭検出部は前記複数の輪郭のうち、前記評価算出部により算出された評価値が最大のものを前記検出対象の輪郭として採用する請求項7に記載の輪郭検出装置。 - 前記輪郭検出部は、ESRの手法を用いて前記検出対象画像から前記検出対象の輪郭を検出する請求項7又は請求項8に記載の輪郭検出装置。
- 学習対象の輪郭を含む学習用のサンプル画像における輪郭点及び非輪郭点についてそれぞれ特徴量を算出する特徴量算出工程と、を含み、前記特徴量算出工程において算出された前記輪郭点及び前記非輪郭点の前記特徴量を用いた学習により、輪郭らしさを評価する識別器を生成する識別器生成工程と、
検出対象の輪郭を含む検出対象画像内の任意の点について、前記識別器を用いて輪郭らしさの評価値を算出する評価値算出工程と、
を含んでいる輪郭検出方法。
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