本発明の遊技機の実施の形態を示すパチスロについて、図1〜図19を参照しながら説明する。はじめに、図1を参照して、遊技機の実施の形態に係る機能フローについて説明する。
本実施の形態のパチスロでは、遊技を行うための遊技媒体としてメダルを用いる。なお、遊技媒体としては、メダル以外にも、コイン、遊技球、遊技用のポイントデータ又はトークン等を適用することもできる。
遊技者によりメダルが投入され、スタートレバーが操作されると、予め定められた数値の範囲(例えば、0〜65535)の乱数から1つの値(以下、乱数値)が抽出される。
内部抽籤手段は、抽出された乱数値に基づいて抽籤を行い、内部当籤役を決定する。この内部抽籤手段は、後述する主制御回路が担う。内部当籤役の決定により、後述の入賞判定ラインに沿って表示を行うことを許可する図柄の組合せが決定される。なお、図柄の組合せの種別としては、メダルの払い出し、再遊技の作動、ボーナスの作動等といった特典が遊技者に与えられる「入賞」に係るものと、それ以外のいわゆる「ハズレ」に係るものとが設けられている。
また、スタートレバーが操作されると、複数のリールの回転が行われる。その後、遊技者によりストップボタンが押されると、リール停止制御手段は、内部当籤役とストップボタンが押されたタイミングとに基づいて、該当するリールの回転を停止する制御を行う。このリール停止制御手段は、後述する主制御回路が担う。
パチスロでは、基本的に、ストップボタンが押されたときから規定時間(190msec又は75msec)内に、該当するリールの回転を停止する制御が行われる。本実施形態では、この規定時間内にリールの回転に伴って移動する図柄の数を「滑り駒数」と呼ぶ。規定期間が190msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄4個分に定め、規定期間が75msecである場合には、滑り駒数の最大数を図柄1個分に定める。
リール停止制御手段は、入賞に係る図柄の組合せ表示を許可する内部当籤役が決定されているときは、通常、190msec(図柄4コマ分)の規定時間内に、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。また、リール停止制御手段は、例えば、第2種特別役物であるチャレンジボーナス(CB)及びCBを連続して作動させるミドルボーナス(MB)の動作時には、1つ以上のリールに対して、規定時間75msec(図柄1コマ分)内に、その図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って極力表示されるようにリールの回転を停止させる。さらに、リール停止制御手段は、遊技状態に対応する各種規定時間を利用して、内部当籤役によってその表示が許可されていない図柄の組合せが入賞判定ラインに沿って表示されないようにリールの回転を停止させる。
こうして、複数のリールの回転がすべて停止されると、入賞判定手段は、入賞判定ラインに沿って表示された図柄の組合せが、入賞に係るものであるか否かの判定を行う。この入賞判定手段は、後述する主制御回路が担う。入賞判定手段により入賞に係るものであるとの判定が行われると、メダルの払い出し等の特典が遊技者に与えられる。パチスロでは、以上のような一連の流れが1回の遊技として行われる。
また、パチスロでは、前述した一連の流れの中で、液晶表示装置などの表示装置により行う映像の表示、各種ランプにより行う光の出力、スピーカにより行う音の出力、或いはこれらの組合せを利用して様々な演出が行われる。
スタートレバーが操作されると、上述した内部当籤役の決定に用いられた乱数値とは別に、演出用の乱数値(以下、演出用乱数値)が抽出される。演出用乱数値が抽出されると、演出内容決定手段は、内部当籤役に対応づけられた複数種類の演出内容の中から今回実行するものを抽籤により決定する。この演出内容決定手段は、後述する副制御回路が担う。
演出内容が決定されると、演出実行手段は、リールの回転が開始されるとき、各リールの回転がそれぞれ停止されるとき、入賞の有無の判定が行われたとき等の各契機に連動させて演出の実行を進める。この演出実行手段は、後述する副制御回路が担う。このように、パチスロでは、内部当籤役に対応づけられた演出内容を実行することによって、決定された内部当籤役(言い換えると、狙うべき図柄の組合せ)を知る機会又は予想する機会が遊技者に提供され、遊技者の興味の向上を図ることができる。
<パチスロの構造>
次に、図2及び図3を参照して、本実施形態におけるパチスロの構造について説明する。
[外観構造]
図2は、パチスロ1の外部構造を示す斜視図である。
図2に示すように、パチスロ1は、外装体2を備えている。外装体2は、リールや回路基板等を収容するキャビネット2aと、キャビネット2aに対して開閉可能に取り付けられるフロントドア2bとを有している。
キャビネット2aの両側面には、把手7が設けられている。この把手7は、パチスロ1を運搬するときに手をかける凹部である。
キャビネット2aの内部には、3つのリール3L,3C,3Rが横並びに設けられている。以下、各リール3L,3C,3Rを、それぞれ左リール3L、中リール3C、右リール3Rという。各リール3L,3C,3Rは、円筒状に形成されたリール本体と、リール本体の周面に装着された透光性のシート材を有している。シート材の表面には、複数(例えば21個)の図柄が周方向に沿って所定の間隔をあけて描かれている。
フロントドア2bは、ドア本体9と、フロントパネル10と、表示装置の一具体例を示す液晶表示装置11とを備えている。
液晶表示装置11は、ドア本体9の上部に取り付けられており、映像の表示による演出を実行する。この液晶表示装置11は、3つのリール3L,3C,3Rに描かれた図柄を表示する表示窓4を含む表示部11a(図11参照)を備える。本実施形態では、表示窓4を含む表示部11aの全体を使って、映像の表示が行われ、演出が実行される。
表示窓4は、例えばアクリル板等の透明な部材で形成されている。この表示窓4は、正面(遊技者側)から見て、3つのリールの配置領域と重畳する位置に設けられ、かつ、3つのリールより手前(遊技者側)に位置するように設けられる。したがって、遊技者は、表示窓4を介して、表示窓4の背後に設けられた3つのリールを視認することができる。
本実施形態では、表示窓4は、その背後に設けられた対応するリールの回転が停止したとき、各リールに描かれた複数種類の図柄のうち、連続して配置された3つの図柄を表示できる大きさに設定されている。すなわち、表示窓4の枠内には、リール毎に上段、中段及び下段の各領域が設けられ、各領域に1個の図柄が表示される。そして、本実施形態では、左リール3Lの中段領域、中リール3Cの中段領域、及び、右リール3Rの中段領域を結ぶラインを、入賞か否かの判定を行う入賞判定ラインとして定義する。
フロントパネル10は、ドア本体9の上部に取り付けられており、液晶表示装置11を覆う大きさに設定されている。このフロントパネル10は、液晶表示装置11の表示部側に重畳して配置され、液晶表示装置11の表示部を露出させる開口101aを有する装飾枠101と、装飾枠101の開口101aを塞ぐ保護カバー102とを有している。
保護カバー102は、例えば、透明の合成樹脂によって板状に形成されている。したがって、遊技者は、液晶表示装置11及び表示窓4の背後に設けられた3つのリールを、保護カバー102を介して視認することができる。
装飾枠101には、ランプ群21(図4参照)と、回転装飾部22と、可動装飾部23(図19参照)とが設けられている。ランプ群21は、例えば、図2中のランプ21aを含む。ランプ群21は、LED(Light Emitting Diode)等で構成され、演出内容に対応するパターンで、光を点灯及び消灯する。
回転装飾部22は、装飾枠101の上部における略中央に配置されている。この回転装飾部22は、特定の演出が行われる場合に回転動作及び発光を行う。可動装飾部23は、装飾枠101の裏面側(液晶表示装置11側)に配置されており、通常、装飾枠101に隠れている。そして、特別の演出が行われる場合に回動して、装飾枠101の開口101aに露出される(図19参照)。
ドア本体9の中央には、台座部12が形成されている。この台座部12には、遊技者の操作対象となる各種装置(メダル投入口13、MAXベットボタン14、1BETボタン15、スタートレバー16、ストップボタン17L,17C,17R)が設けられている。
メダル投入口13は、遊技者によって外部からパチスロ1に投下されるメダルを受け入れるために設けられる。メダル投入口13から受け入れられたメダルは、所定枚数(例えば3枚)を上限として1回の遊技に使用され、所定枚数を超えた分は、パチスロ1の内部に預けることができる(いわゆるクレジット機能)。
MAXベットボタン14及び1BETボタン15は、パチスロ1の内部に預けられているメダルから1回の遊技に使用する枚数を決定するために設けられる。なお、図2には示さないが、台座部12には、精算ボタンが設けられる。この精算ボタンは、パチスロ1の内部に預けられているメダルを外部に引き出す(排出する)ために設けられる。
スタートレバー16は、全てのリール(3L,3C,3R)の回転を開始するために設けられる。ストップボタン17L,17C,17Rは、それぞれ、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応づけて設けられ、各ストップボタンは対応するリールの回転を停止するために設けられる。以下、ストップボタン17L,17C,17Rを、それぞれ左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rという。
また、台座部12には、7セグメントLED(Light Emitting Diode)からなる7セグ表示器6が設けられている。この7セグ表示器6は、特典として遊技者に対して払い出すメダルの枚数(以下、払出枚数)、パチスロ1の内部に預けられているメダルの枚数(以下、クレジット枚数)等の情報をデジタル表示する。
ドア本体9の下部には、メダル払出口18、メダル受皿19、スピーカ20L,20R等が設けられている。メダル払出口18は、後述のメダル払出装置33の駆動により排出されるメダルを外部に導く。メダル受皿19は、メダル払出口18から排出されたメダルを貯める。また、スピーカ20L,20Rは、演出内容に対応する効果音や楽曲等の音を出力する。
[内部構造]
次に、パチスロ1の内部構造を、図3を参照しながら説明する。
図3は、パチスロ1の内部構造を示す斜視図である。
キャビネット2aは、正面側の一面が開口された略直方体状に形成されている。このキャビネット2a内の上部には、後述の主制御回路41(図4参照)を構成する主基板31が設けられている。主制御回路41は、内部当籤役の決定、各リールの回転及び停止、入賞の有無の判定等の、パチスロ1における遊技の主な動作及び該動作間の流れを制御する回路である。なお、主制御回路41の具体的な構成は後述する。
キャビネット2a内の中央部には、3つのリール(左リール3L、中リール3C及び右リール3R)が設けられている。なお、図3には示さないが、各リールは、所定の減速比を有する歯車を介して対応する後述のステッピングモータ(図4中のステッピングモータ61L,61C,61Rのいずれか)に接続される。
キャビネット2a内の下部には、多量のメダルを収容可能であり、かつ、それらを1枚ずつ排出可能な構造を有するメダル払出装置33(以下、ホッパー33という)が設けられている。また、キャビネット2a内における、ホッパー33の一方の側部(図3に示す例では左側)には、パチスロ1が有する各装置に対して必要な電力を供給する電源装置34が設けられている。
フロントドア2bの裏面側(表示画面側とは反対側の部分)における上部には、後述の副制御回路42(図4及び図5参照)を構成する副基板32が設けられている。副制御回路42は、映像の表示等による演出の実行を制御する回路である。なお、副制御回路42の具体的な構成は後述する。
さらに、フロントドア2bの裏面側における略中央部には、セレクタ35が設けられている。セレクタ35は、メダル投入口13を介して外部から投入されたメダルの材質や形状等が適正である否かを選別する装置であり、適正であると判定したメダルをホッパー33に案内する。また、図3には示さないが、セレクタ35内においてメダルが通過する経路上には、適正なメダルが通過したことを検出するメダルセンサ35S(後述の図4参照)が設けられている。
<パチスロが備える回路の構成>
次に、パチスロ1が備える回路の構成について、図4及び図5を参照して説明する。
図4は、パチスロ1が備える回路全体のブロック構成図である。図5は、副制御回路の内部構成を示すブロック構成図である。
パチスロ1は、主制御回路41、副制御回路42、及び、これらの回路と電気的に接続される周辺装置(アクチュエータ)を備える。
[主制御回路]
主制御回路41は、主に、回路基板(主基板31)上に設置されたマイクロコンピュータ50により構成される。それ以外の構成要素として、主制御回路41は、クロックパルス発生回路54、分周器55、乱数発生器56、サンプリング回路57、表示部駆動回路64、ホッパー駆動回路65、及び、払出完了信号回路66を含む。
マイクロコンピュータ50は、メインCPU51、メインROM(Read Only Memory)52及びメインRAM(Random Access Memory)53により構成される。
メインROM52には、メインCPU51により実行される各種処理の制御プログラム、内部抽籤テーブル等のデータテーブル、副制御回路42に対して各種制御指令(コマンド)を送信するためのデータ等が記憶されている。メインRAM53には、制御プログラムの実行により決定された内部当籤役等の各種データを格納する格納領域が設けられている。
メインCPU51には、クロックパルス発生回路54、分周器55、乱数発生器56及びサンプリング回路57が接続されている。クロックパルス発生回路54及び分周器55は、クロックパルスを発生する。なお、メインCPU51は、発生されたクロックパルスに基づいて、制御プログラムを実行する。また、乱数発生器56は、予め定められた範囲の乱数(例えば、0〜65535)を発生する。そして、サンプリング回路57は、発生された乱数の中から1つの値を抽出する。
マイクロコンピュータ50の入力ポートには、各種スイッチ及びセンサ等が接続される。メインCPU51は、各種スイッチ等からの入力信号を受けて、ステッピングモータ61L,61C,61R等の周辺装置の動作を制御する。
ストップスイッチ17Sは、左ストップボタン17L、中ストップボタン17C、右ストップボタン17Rのそれぞれが遊技者により押されたこと(停止操作)を検出する。スタートスイッチ16Sは、スタートレバー16が遊技者により操作されたこと(開始操作)を検出する。精算スイッチ14Sは、精算ボタンが遊技者により押されたことを検出する。
メダルセンサ35Sは、メダル投入口13に投入されたメダルがセレクタ35内を通過したことを検出する。また、ベットスイッチ12Sは、ベットボタン(MAXベットボタン14又は1BETボタン15)が遊技者により押されたことを検出する。
また、マイクロコンピュータ50により動作が制御される周辺装置としては、3つのステッピングモータ61L,61C,61R、7セグ表示器6及びホッパー33がある。また、マイクロコンピュータ50の出力ポートには、各周辺装置の動作を制御するための駆動回路が接続される。
モータ駆動回路62は、左リール3L、中リール3C、右リール3Rに対応してそれぞれ設けられた3つのステッピングモータ61L,61C,61Rの駆動を制御する。リール位置検出回路63は、発光部と受光部とを有する光センサにより、リールが一回転したことを示すリールインデックスをリール毎に検出する。
3つのステッピングモータ61L,61C,61Rのそれぞれは、その運動量がパルスの出力数に比例し、回転軸を指定された角度で停止させることが可能な構成を有する。また、各ステッピングモータの駆動力は、所定の減速比を有する歯車を介して、対応するリールに伝達される。そして、各ステッピングモータに対して1回のパルスが出力されるごとに、対応するリールは一定の角度で回転する。
メインCPU51は、各リールのリールインデックスを検出してから対応するステッピングモータに対してパルスが出力された回数をカウントすることによって、各リールの回転角度(具体的には、リールが図柄何個分だけ回転したか)を管理する。
ここで、各リールの回転角度の管理を具体的に説明する。各ステッピングモータに対して出力されたパルスの数は、メインRAM53に設けられたパルスカウンタ(不図示)によって計数される。そして、図柄1個分の回転に必要な所定回数(例えば16回)のパルスの出力がパルスカウンタで計数されるごとに、メインRAM53に設けられた図柄カウンタ(不図示)の値に、「1」が加算される。なお、図柄カウンタは、リール毎に設けられる。そして、図柄カウンタの値は、リール位置検出回路63によってリールインデックスが検出されるとクリアされる。
すなわち、本実施形態では、図柄カウンタの値を管理することにより、リールインデックスが検出されてから図柄何個分の回転動作が行われたのかを管理する。それゆえ、各リールの各図柄の位置は、リールインデックスが検出される位置を基準として検出される。
なお、表示部駆動回路64は、7セグ表示器6の動作を制御する。ホッパー駆動回路65は、ホッパー33の動作を制御する。また、払出完了信号回路66は、ホッパー33に設けられたメダル検出部33Sが行うメダルの検出を管理し、ホッパー33から外部に排出されたメダルが所定の払出枚数に達したか否かをチェックする。
[副制御回路]
図4及び図5に示すように、副制御回路42は、主制御回路41と電気的に接続され、主制御回路41から送信されるコマンドに基づいて演出内容の決定や実行等の処理を行う。副制御回路42は、基本的には、図5に示すように、サブCPU81、サブROM82、サブRAM83、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85、及び、ドライバ86を含む。さらに、副制御回路42は、DSP(Digital Signal Processor)90、オーディオRAM91、A/D(Analog to Digital)変換器92、アンプ93、回転装飾部駆動回路95、及び、可動装飾部駆動回路96を含む。
サブCPU81は、主制御回路41から送信されたコマンドに応じて、サブROM82に記憶されている制御プログラムに従い、映像、音、光の出力制御を行う。なお、サブROM82は、基本的には、プログラム記憶領域及びデータ記憶領域を有する。
プログラム記憶領域には、サブCPU81が実行する各種制御プログラムが記憶される。なお、プログラム記憶領域に格納される制御プログラムには、例えば、主制御回路41との通信を制御するための主基板通信タスク、演出用乱数値を抽出して演出内容(演出データ)の決定及び登録を行うための演出登録タスク、決定した演出内容に基づいて液晶表示装置11による映像の表示を制御するための描画制御タスク、ランプ群21による光の出力を制御するためのランプ制御タスク、スピーカ20L,20Rによる音の出力を制御するための音声制御タスク等のプログラムが含まれる。
データ記憶領域には、例えば、各種データテーブルを記憶する記憶領域、各種演出内容を構成する演出データを記憶する記憶領域、映像の作成に関するアニメーションデータを記憶する記憶領域、BGMや効果音に関するサウンドデータを記憶する記憶領域、光の点消灯のパターンに関するランプデータを記憶する記憶領域等の各種記憶領域が含まれる。
サブRAM83は、決定された演出内容や演出データを登録する格納領域や、主制御回路41から送信される内部当籤役等の各種データを格納する格納領域などを有する。
また、副制御回路42には、図5に示すように、液晶表示装置11、スピーカ20L,20R、ランプ群21、回転装飾部22、及び、可動装飾部23等の周辺装置が接続されている。つまり、これらの周辺装置の動作は、副制御回路42により制御される。
本実施形態では、サブCPU81、レンダリングプロセッサ84、描画用RAM85(フレームバッファを含む)及びドライバ86は、演出内容により指定されたアニメーションデータに従って映像を作成し、該作成した映像は液晶表示装置11により表示される。
また、サブCPU81、DSP90、オーディオRAM91、A/D変換器92及びアンプ93は、演出内容により指定されたサウンドデータに従ってBGM等の音をスピーカ20L,20Rにより出力する。さらに、サブCPU81は、演出内容により指定されたランプデータに従ってランプ群21の点灯及び消灯を行う。
サブCPU81及び回転装飾部駆動回路95は、演出内容により指定された回転装飾部駆動データに従って回転装飾部22の駆動を行う。つまり、回転装飾部22は、特定の演出が行われる場合に発光及び回転する。
サブCPU81及び可動装飾部駆動回路96は、演出内容により指定された可動装飾部駆動データに従って可動装飾部23の駆動を行う。つまり、可動装飾部23は、特別の演出が行われる場合に回動してフロントパネル10の開口101aに露出される。
<回転装飾部の構成>
次に、回転装飾部22の構成について、図6〜図9を参照して説明する。
図6は、回転装飾部22の斜視図である。図7は、回転装飾部22を正面側から見た分解者静であり、図8は、回転装飾部22を背面側から見た分解斜視図である。図9は、回転装飾部22の縦断面図である。
図6〜図8に示すように、回転装飾部22は、取付ブラケット111と、ケース112と、回転部材113と、ケースカバー114と、回転機構115と、複数の転動体116A及び複数の転動体116Bとを備えている。
この回転装飾部22は、上下方向に直交する平面に対して傾斜した状態で装飾枠101(図2参照)に取り付けられている。
[取付ブラケット]
取付ブラケット111は、有底の筒状に形成されており、底部121と、側周部122と、フランジ部123とを有している。側周部122は、略円筒状に形成されており、底部121は、側周部122の軸方向の一端を塞いでいる。回転装飾部22を装飾枠101(図2参照)に取り付けた状態において、側周部122の軸方向は、上下方向に直交する平面に対して傾斜しており、底部121のケース112に対向する面は、斜め下方を向いている。
底部121のケース112に対向する面には、基板125が固定されている。基板125には、発光部である複数のLED126が実装されている。これら複数のLED126は、回転部材113の後述する光透過部155に対向する。
フランジ部123は、側周部122の軸方向の他端に連続して形成され、側周部122における径方向の外側に突出している。このフランジ部123には、2つの取付片123aと、3つのケース固定部123bが設けられている。2つの取付片123aは、装飾枠101(図2参照)に設けられた不図示の取付ブラケット固定部にねじを用いて固定される。また、3つのケース固定部123bには、ケース112の後述する3つの取付用ボス145(図8参照)が固定される。
[回転機構]
図7及び図8に示すように、取付ブラケット111には、回転部材113を回転させる回転機構115が配置されている。この回転機構115は、取付ブラケット111の底部121に取り付けられたモータ(駆動部)131と、モータ131の回転軸に固定される第1歯車132と、第1歯車132に噛み合う第2歯車133とを有している。
第2歯車133は、本発明に係る回転軸部の一具体例を示すものである。この第2歯車133は、取付ブラケット111における側周部122の内側に配置されており、回転部材113が固定される。この第2歯車133の軸心線は、取付ブラケット111における側周部122の軸心線と一致している。
第2歯車133の外形は、基板125の外径よりも大きく形成されている。そして、第2歯車133の中央部には、LED126を回転部材113に向けて露出させるための開口133aが形成されている。また、第2歯車133には、3つの回転部材固定部133bが設けられている。3つの回転部材固定部133bには、回転部材113の後述する3つの取付用ボス159(図8参照)が固定される。
[ケース]
ケース112は、取付ブラケット111と同様に、有底の筒状に形成されており、底部141と、側壁部142と、フランジ部143とを有している。側壁部142は、略円筒状に形成されており、底部141は、側壁部142の軸方向の一端を塞いでいる。
底部141の中央部には、円形の貫通孔141aが形成されている。この貫通孔141aの径は、第2歯車133の径よりも小さく設定されている。貫通孔141aを形成する底部141の内周面141bは、本発明に係るケースが有する内壁面の一具体例を示すものである。この内周面141bには、複数の転動体116Aが接触する。また、底部141の回転部材113に対向する面には、複数の転動体116Bが接触する。
図8に示すように、側壁部142の外周面には、3つの取付用ボス145が設けられている。取付用ボス145は、側壁部142の軸方向に延びる略円筒状に形成されており、内部に雌ねじ部を有している。これら3つの取付用ボス145は、取付ブラケット111の3つのケース固定部123bにそれぞれねじ(不図示)を用いて固定される。
ケース112を取付ブラケット111に固定すると、ケース112における貫通孔141aの中心は、第2歯車133の軸心線及び取付ブラケット111における側周部122の軸心線と一致する。
なお、取付ブラケット111に対するケース112の固定は、ねじを用いることに限定されるものではなく、例えば、接着剤を用いた固定、カシメ固定、嵌合固定などのその他の固定方法を採用することができる。
フランジ部143は、側壁部142の軸方向の他端に連続している。このフランジ部143は、側壁部142における径方向の外側に突出しており、外周の輪郭が楕円形に形成されている。このフランジ部143には、ケースカバー114が接合される。
[回転部材]
回転部材113は、中空の円柱状に形成されており、体裁面となる表面151と、裏面152と、側面153を有している。この回転部材113の外径は、ケース112における側壁部142の内径よりも小さく設定されている。回転部材113は、ケース112内に回転可能に収容される。
回転部材113における表面151の中央部には、三角形の光透過部155が設けられている。この光透過部155は、光を透過させる透明又は半透明の部材により形成されており、光を透過させる。
図8に示すように、回転部材113における裏面152の中央部には、円形の貫通孔152aが形成されている。この貫通孔152aは、表面151の光透過部155に対向している。また、貫通孔152aは、ケース112の貫通孔141aと第2歯車133の開口133aに対向している。これにより、回転部材113の光透過部155は、複数のLED126と対向する。
また、裏面152には、内側筒156と、外側筒157と、3つの転動体収容部158が設けられている。内側筒156は、貫通孔152a周縁を囲む円筒状に形成されている。この内側筒156の外径は、ケース112における貫通孔141aの直径よりも小さい。内側筒156は、ケース112における貫通孔141aを貫通して第2歯車133の開口133a(図7参照)に挿入され、第2歯車133と嵌合する。
外側筒157は、内側筒156を囲う円筒状に形成されている。この外側筒157の外径は、ケース112における貫通孔141aの直径よりも小さい。これにより、外側筒157は、ケース112における貫通孔141aを貫通する。外側筒157が裏面152から突出する高さは、内側筒156が裏面152から突出する高さよりも低い。したがって、外側筒157は、第2歯車133に干渉しない。
外側筒157の外周面は、本発明に係る回転部材が有する側周面の一具体例を示すものである。この外側筒157の外周面には、3つの転動体収容凹部157aが設けられている。3つの転動体収容凹部157aは、外側筒157の周方向に沿って等間隔で並ぶように配置されており、それぞれ球状の転動体116Aを転動可能に収容する。
転動体収容凹部157aにおける外側筒157の径方向の深さ(長さ)は、転動体116Aの直径よりも小さい(短い)。したがって、転動体収容凹部157aに収容された転動体116Aは、外側筒157の外周面よりも外側筒157の径方向に突出し、ケース112の内周面141bに接触する(図9参照)。
内側筒156と外側筒157との間には、3つの取付用ボス159が設けられている。取付用ボス159は、裏面152から垂直に突出する略円筒状に形成されており、内部に雌ねじ部を有している。これら3つの取付用ボス159は、第2歯車133の3つの回転部材固定部133bにそれぞれねじ130(図9参照)を用いて固定される。これにより、回転部材113は、第2歯車133に固定され、第2歯車133と一緒に回転する。
回転部材113を第2歯車133に固定すると、回転部材113の軸心線は、第2歯車133の軸心線及び取付ブラケット111における側周部122の軸心線と一致する。そのため、回転装飾部22を装飾枠101(図2参照)に取り付けた状態において、回転部材113の軸方向(軸心線)が上下方向に直交する平面に対して傾斜しており、回転部材113は、表面151が斜め下方を向くように傾斜している。
なお、第2歯車133に対する回転部材113の固定は、ねじを用いることに限定されるものではなく、例えば、接着剤を用いた固定、カシメ固定、嵌合固定などのその他の固定方法を採用することができる。
3つの転動体収容部158は、裏面152の外縁部に設けられている。そして、裏面152の周方向に沿って等間隔で並ぶように配置されている。各転動体収容部158は、裏面152から突出する四角形の枠状に形成されており、球状の転動体116Bを転動可能に収容する。
転動体収容部158の裏面152から突出する長さは、転動体116Bの直径よりも短い。したがって、転動体収容部158に収容された転動体116Bは、転動体収容部158の上端面よりも突出することになり、ケース112の底部141に接触する(図9参照)。
[ケースカバー]
ケースカバー114は、例えばアクリル板等の透明な部材又は半透明な部材によってドーム状に形成されている。このケースカバー114における縁部114aの輪郭は、ケース112におけるフランジ部143の外周の輪郭に略等しい楕円形に形成されている。
ケースカバー114の縁部114aは、ケース112のフランジ部143に接合される。これにより、ケースカバー114は、ケース112に収容された回転部材113の表面151を覆う。遊技者は、遊技者は、ケースカバー114を介して、回転部材113の表面151を視認することができる。
<回転装飾部の動作>
次に、回転装飾部22の動作について、図9を参照して説明する。
本実施の形態では、特定の演出を行う場合に、回転装飾部22を発光させると共に回転動作させる。
特定の演出を行うことが決定されると、サブCPU81及び回転装飾部駆動回路95(図5参照)は、回転装飾部駆動データに従って回転装飾部22の駆動を行う。つまり、LED126を発光させると共に、モータ131を駆動させる。
LED126から出射された光は、第2歯車133の開口133a、回転部材113の内側筒156及び貫通孔152aを通って、光透過部155を透過する(図9参照)。これにより、遊技者には、回転装飾部22の光透過部155が発光したように見える。
また、モータ131が駆動すると、モータ131の回転軸(不図示)とその回転軸に固定された第1歯車132が回転する。そして、第1歯車132の回転は、減速されながら第2歯車133に伝達される。これにより、第2歯車133に固定された回転部材113が回転する。
回転部材113は、複数の転動体116A,116Bを介してケース112に回転可能に収容されている。これにより、回転部材113の自重が回転機構115とケース112とに分散されて加わることになり、回転機構115にかかる負荷を低減することができる。その結果、回転機構115の破損や故障を抑制することができる。
また、回転部材113とケース112との間に複数の転動体116A,116Bが介在されている。これにより、回転部材113がケース112に対して回転するとき、3つの転動体116Aは、回転部材113の外側筒157における外周面とケース112の内周面141bとに接触しながら回転する。また、3つの転動体116Bは、回転部材113の裏面152とケース112の底部141とに接触しながら回転する。
したがって、回転部材113とケース112とを直接接触させる場合よりも、回転部材113の回転に対する抵抗を低減することができる。その結果、回転機構115にかかる負荷をさらに低減することができる。
また、回転部材113の外側筒157における外周面とケース112の内周面141bとは、回転部材113の径方向に対向して転動体116Aを挟む。一方、回転部材113の裏面152とケース112の底部141とは、回転部材113の径方向に対向して転動体116Bを挟む。これにより、回転部材113の姿勢を、回転部材113の径方向及び軸方向で安定させることができる。
また、本実施の形態では、光透過部155を設けた回転部材113の表面151が斜め下方を向くため、光透過部155を遊技者に向けることができる。その結果、回転装飾部22の発光及び回転動作を遊技者から見え易くすることができる。
また、本実施の形態では、ケース112の底部141に貫通孔141aが形成されており、回転機構115の第2歯車133は、貫通孔141aを介して回転部材113に固定されている。これにより、回転部材113の軸心線と第2歯車133の軸心線とを一致させることができる。
また、本実施の形態では、回転装飾部22が取付ブラケット111を備える構成とした。この取付ブラケット111には、LED126が実装された基板125が固定されている。また、第2歯車133の軸心を含む中央部には、開口133aが形成されており、LED126は、第2歯車133の開口133aを介して回転部材113の光透過部155に対向している。
これにより、回転部材113の光透過部155が発光しているように見せることができる。また、LED126から出射された光を、回転部材113の表面151の中央部にある光透過部155に照射させることができる。さらに、基板125とLED126を回転部材113と一緒に回転させないため、回転部材113を発光させる構成にしても、第1及び第2歯車132,133及びモータ131にかかる負荷を軽くすることができる。
本実施の形態では、発光部の一具体例として、LED126を用いた。しかしながら、本発明に係る発光部としては、LED(Light Emitting Diode)に限定されず、例えば、白熱電球や蛍光ランプ等を用いてもよい。
また、本実施の形態では、転動体116Aが、回転部材113の外側筒157における外周面とケース112の内周面141bとの間に介在されている。回転部材113の外側筒157における外周面は、本発明に係る回転部材の側周面を示し、ケース112の内周面141bは、本発明に係るケースの内壁面を示す。
しかしながら、本発明に係る回転部材の側周面としては、例えば、回転部材113の側面153であってもよい。この場合、転動体は、回転部材113の側面153とケース112における側壁部142の内面との間に介在させる。
<閉塞空間の冷却構造>
次に、フロントドア2bに形成される閉塞空間と、この閉塞空間の冷却構造について、図10及び図11を参照して説明する。
図10は、フロントドア2bに設けたフロントパネル10の背面図である。図11は、フロントドア2bの縦断面図である。
図10に示すように、装飾枠101は、開口101aを有する略四角形の枠状に形成されており、上枠部105と、下枠部106と、左枠部(裏面側から見て左側)107と、右枠部(裏面側から見て右側)108から構成されている。上枠部105の裏面における中央部分には、前述した可動装飾部23が取り付けられている。また、装飾枠101の裏面における上枠部105と右枠部108によって形成される角部分には、送風機201が取り付けられている。
可動装飾部23及び送風機201は、装飾枠101の裏面に対向している。したがって、装飾枠101を表面側から見ると、可動装飾部23及び送風機201は、装飾枠101に隠れており、遊技者は、開口101aから可動装飾部23及び送風機201を視認できない。
なお、可動装飾部23は、装飾枠101に対して回動することにより、開口101aに露出される。この可動装飾部23の構成及び動作については、後で詳しく説明する。
図11に示すように、本実施の形態では、液晶表示装置11、装飾枠101及び保護カバー102によって閉塞空間200を形成する。そして、可動装飾部23(不図示)及び送風機201は、閉塞空間200の上部に配置されている。
閉塞空間200は、完全に密閉された空間ではなく、例えば、装飾枠101と保護カバー102との間や、装飾枠101と液晶表示装置11との間には、微細な間隙が形成されている。したがって、閉塞空間200は、上述したような微細な間隙によって外部空間と連通している。
送風機201は、例えば、シロッコファンであり、閉塞空間200内で送風を行って閉塞空間200内の温度を下げる。この送風機201は、適当な厚みを有する円盤状に形成されている。送風機201の一方の平面には、吸気口201aが形成されており、側周面には、排気口201bが形成されている。
送風機201は、吸気口201aが液晶表示装置11とは反対側(装飾枠101の裏面側)に向くように配置されている。なお、送風機201の一方の平面と装飾枠101の裏面との間には、適当な間隙が設けられている。また、送風機201は、排気口201bが装飾枠101の左枠部107に向くように配置されている。
送風機201の排気口から排出される空気は、表示部11aに沿って水平方向に進行する。これにより、液晶表示装置11の表示部11aによって暖められた空気を効率よく流動させることができる。また、閉塞空間200内の対流により上昇した暖かい空気を、送風機201が排出した空気によって流動させることができる。これにより、閉塞空間200の上部に暖かい空気が溜まることを防止することができる。
閉塞空間200は、完全に密閉された空間ではなく、外部空間と連通している。そのため、閉塞空間200内の空気が流動することにより、閉塞空間200と外部空間との間で生じる空気の出入りを促進させることができる。その結果、閉塞空間200内に熱が溜まらないようにすることができ、閉塞空間200内の温度を下げることができる。
本発明に係る送風機は、閉塞空間200の上部に配置することが好ましい。これにより、閉塞空間200内の対流により上昇した暖かい空気を流動させることができる。
なお、本発明に係る送風機は、閉塞空間200の下部や閉塞空間200の上下方向における中間部に配置してもよい。この場合においても、閉塞空間200内の空気を流動させることができ、閉塞空間200内の温度を下げることができる。
本発明に係る送風機の排気口から排出される空気は、表示部11aに沿って進行することが好ましい。これにより、液晶表示装置11の表示部11aによって暖められた空気を効率よく流動させることができる。さらに、本発明に係る送風機の排気口から排出される空気は、11aに沿って水平方向に進行することが好ましい。これにより、閉塞空間200内の空気の攪拌することができ、閉塞空間200内の温度を下げることができる。
なお、本発明に係る送風機は、排気口から排出される空気が表示部11aに沿って上下方向に進行するように配置されていてもよい。この場合においても、液晶表示装置11の表示部11aによって暖められた空気を効率よく流動させることができる。
<可動装飾部の構成>
次に、可動装飾部23の構成について、図12〜図14を参照して説明する。
図12は、可動装飾部23の正面図である。図13は、可動装飾部23を背面側から見た分解斜視図である。図14は、可動装飾部23における左可動ユニット302を背面側から見た分解斜視図である。
図12及び図13に示すように、可動装飾部23は、ベース部301と、左可動ユニット302及び右可動ユニット303と、駆動機構304と、背面カバー305と、当接部306とを備えている。
[ベース部]
ベース部301は、後面及び底面が開口された略四角形の箱状に形成されており、上板部311と、左右の側板部312,313と、前板部314とを有している。このベース部301は、装飾枠101の上枠部105にねじなどを用いて固定されている。
以下、左右の側板部312,313が互いに対向する方向を左右方向Xとする。この左右方向Xは、本発明に係る第1の方向を示す。また、前板部314の背面に直交する方向を前後方向Yとして、左右方向X及び前後方向Yに直交する方向を上下方向Zとする。
前板部314は、一方の平面である前面314aと、他方の平面である背面314bとを有している。前板部314の前面314aは、装飾枠101の上枠部105に対向する。一方、前板部314の背面314bは、背面カバー305に対向する。
図13に示すように、前板部314における背面314bの下部には、ユニット接続部321,322が設けられており、略中央部には、ガイドピン取付部323,324が設けられている。
ユニット接続部321,322は、左右方向Xに所定の間隔をあけて並んでいる。ユニット接続部321には、左可動ユニット302が回動可能に接続され、ユニット接続部322は、右可動ユニット303が回動可能に接続される。左可動ユニット302及び右可動ユニット303は、前後方向Yに延びる回動軸を中心に回動する。
ガイドピン取付部323,324は、左右方向Xに所定の間隔をあけて並んでいる。ガイドピン取付部323,324には、それぞれ嵌合孔が形成されている。これらガイドピン取付部323,324の嵌合孔には、駆動機構304の後述するガイドピン334,335(図15参照)がそれぞれ嵌入される。
[左右の可動ユニット]
左可動ユニット302と右可動ユニット303は、ユニット接続部321,322に回動可能に接続されることにより、左右方向Xに並んで配置される。左可動ユニット302は、駆動機構304に接続されている。これにより、左可動ユニット302は、前後方向Yに延びる回動軸を中心として、第1の回転方向R1及び第2の回転方向R2に回動する。
また、左可動ユニット302は、回動軸(不図示)が設けられた歯車片373を有している。そして、歯車片373には、前後方向Yに突出する係合ピン378が形成されている。この係合ピン378は、駆動機構304の後述するスライダ333に係合される。
右可動ユニット303は、左可動ユニット302と左右対称な形状に形成されており、回動軸が設けられた歯車片473を有している。この歯車片473は、左可動ユニット302の歯車片373に噛み合っている。これにより、右可動ユニット303は、左可動ユニット302の回動に連動して、右可動ユニット303が回動する方向と反対の方向に回動する。例えば、左可動ユニット302が第1の回転方向R1に回動すると、右可動ユニット303は、第2の回転方向R2に回動する。
左可動ユニット302及び右可動ユニット303の構成については、後で図14を参照して説明する。
[駆動機構]
駆動機構304は、モータ(可動部材用モータ)331と、モータ331の回転軸に固定されたクランク332と、クランク332及び左可動ユニット302の係合ピン378に係合されるスライダ333と、ガイドピン334,335とを有する。ガイドピン334,335は、本発明に係るガイド部の一具体例を示すものである。
図12に示すように、モータ331は、ベース部301の前板部314における背面314b側に配置されおり、前板部314にねじなどを用いて固定されている。モータ331は、前後方向Yに延びる回転軸331aを有している。図13に示すように、モータ331の回転軸331aは、ベース部301の前板部314を貫通して、前板部314の背面314b側に突出している。
クランク332は、ベース部301の前板部314における背面314b側に配置されており、モータ331の回転軸に固定された固定部338と、固定部338に設けられた係合ピン339とを有している。
固定部338は、円板状に形成されており、その中心部がモータ331の回転軸に固定されている。係合ピン339は、固定部338の外縁部に形成されている。この係合ピン339は、前後方向Yに突出しており、スライダ333の後述する第1カム溝341に係合される。
スライダ333は、左右方向に長い略長方形の板状に形成されている。このスライダ333には、第1カム溝341と、第2カム溝342と、2つの係合溝343,344が設けられている。
第1カム溝341は、背面側から見てスライダ333の左辺部に形成されており、上下方向Zに延びている。この第1カム溝341には、駆動機構304のクランク332における係合ピン339が係合される。
第2カム溝342は、スライダ333の中央部に形成されており、上下方向Zに延びている。この第2カム溝342には、左可動ユニット302の係合ピン378が係合される。
2つの係合溝343,344は、第2カム溝342の左右方向Xの両側に形成されており、左右方向Xに延びている。係合溝343には、ガイドピン取付部323に嵌入されたガイドピン334(図15参照)が係合される。また、係合溝344には、ガイドピン取付部324に嵌入されたガイドピン335(図15参照)が係合される。
モータ331の回転軸331aが回転して、回転軸331aと共にクランク332が回転すると、クランク332の係合ピン339が回転軸331aを中心に回動する。これにより、係合ピン339が第1カム溝341を摺動して、スライダ333がガイドピン334,335に案内されて左右方向Xへ移動する。その結果、左可動ユニット302の係合ピン378が第2カム溝342を摺動して、左可動ユニット302が回動軸を中心に回動する。
[背面カバー]
背面カバー305は、左右方向に長い略長方形の板状に形成されており、一方の平面である前面305aと、他方の平面である背面305bを有している。この背面カバー305は、装飾枠101の上枠部105(図10参照)にねじなどを用いて固定されている。
背面カバー305の前面305aは、スライダ333、左可動ユニット302及び右可動ユニット303を挟んでベース部301に対向する。背面カバー305の前面305aには、当接部306がねじなどを用いて固定されている。背面カバー305を装飾枠101の上枠部105に固定すると、当接部306は、左可動ユニット302及び右可動ユニット303における歯車片373,473の下方に配置される。
[左可動ユニットの構成]
次に、左可動ユニット302の構成について、図14を参照して説明する。
図14は、左可動ユニット302を背面側から見た分解斜視図である。
図14に示すように、左可動ユニット302は、前後方向Yに重ね合わされた第1部材351、第2部材352及び第3部材353から構成されている。
第1部材351は、適当な厚みを有する板状の部材であり、ベース部301(図13参照)に対向する前面351aと、前面351aと反対側の背面351bとを有している。そして、第1部材351は、略円弧状に形成された円弧部361と、この円弧部361の一端に連続する略直線状の直線部362とを有している。
円弧部361には、化粧部材364が取り付けられている。この化粧部材364は、円弧部361における前面351a及び外側面の一部を覆っている。また、円弧部361における背面351bには、ばね取付部365と、ばね係止突部366が設けられている。
ばね取付部365は、背面351bから略垂直に突出する円筒状に形成されている。このばね取付部365の筒孔は、円弧部361に設けられた貫通孔(不図示)に連通している。ばね取付部365の筒孔及び円弧部361の貫通孔には、第3部材の後述する回動軸部394が挿通される。ばね係止突部366は、適当な厚みを有する板状に形成されており、一方の平面が、ばね取付部365に対向している。
直線部362における背面351bには、接続部材371が取り付けられている。接続部材371は、直線部362の先端部に固定される固定片372と、固定片372に連続する歯車片373とを有している。固定片372には、係止ピン375が設けられている。この係止ピン375は、第2部材352の後述する回動規制溝386に係合される。
歯車片373は、円板状に形成されており、側周面の一部が固定片372に連続している。そして、歯車片373の側周面における他部には、歯部376が形成されている。歯車片373は、直線部362の先端よりも突出しており、ベース部301(図13参照)に対向する前面と、前面とは反対側の背面を有している。
歯車片373の前面における中心部には、回動軸(不図示)が設けられている。この回動軸は、歯車片373の前面から略垂直に突出する円柱状に形成されており、ベース部301のユニット接続部321(図13参照)の嵌合孔に回動可能に嵌合される。これにより、左可動ユニット302は、ベース部301のユニット接続部321に回動可能に接続される。
歯車片373の背面における中心部には、連結軸377が設けられている。この連結軸377は、歯車片373の背面から略垂直に突出する円柱状に形成されている。連結軸377には、第2部材352の後述する軸受片387が回動可能に連結される。
また、歯車片373の背面における外縁部には、係合ピン378が設けられている。この係合ピン378は、歯車片373の背面から略垂直に突出する円柱状に形成されている。係合ピン378は、スライダ333の第2カム溝342(図13参照)に係合される。
第2部材352は、適当な厚みを有する板状の部材であり、第1部材351の背面351bに対向する前面352aと、前面352aと反対側の背面352bとを有している。この第2部材352は、第1部材351同様に、円弧部381と、この円弧部381の一端に連続する直線部382とを有している。
円弧部381における前面352aは、複数の凹凸により模様を形成した装飾が施されている。また、円弧部381には、円弧状の係合溝384が形成されている。この係合溝384には、第3部材353の係合ピン396が係合される。
直線部382の略中央部には、回動規制溝386が設けられている。この回動規制溝386には、第1部材351の係止ピン375が係合される。回動規制溝386との係止ピン375は、第1部材351と第2部材352との相対的な移動の範囲を制限する。
また、直線部382の先端部には、軸受片387が設けられている。この軸受片387は、嵌合孔を有しており、第1部材351の連結軸377に回動可能に嵌合される。これにより、第2部材352は、第1部材351に回動可能に接続される。
第3部材353は、適当な厚みを有する略リング状の第3部材本体391と、第3部材本体391に接続される係合補助部392とを備えている。第3部材本体391は、装飾枠101の上枠部105(図10参照)に対向する前面391aと、第1部材351の前面351aに対向する背面391bとを有している。
第3部材本体391の前面391aには、複数の凹凸により模様を形成した装飾が施されている。第3部材本体391の背面391bには、回動軸部394が設けられている。この回動軸部394は、第3部材本体391の背面391bから略垂直に突出している。回動軸部394は、第1部材351の円弧部361に設けた貫通孔及びばね取付部365の筒孔を貫通して、係合補助部392に嵌合される。
係合補助部392は、第1部材351と第2部材352との間に介在される軸支持部395と、この軸支持部395に固定される係合ピン396とを有している。軸支持部395は、略直方体状に形成されており、第1部材351の背面351bに対向する前面と、第2部材352の前面352aに対向する背面を有している。
軸支持部395には、前面及び背面に開口される軸嵌合孔397が設けられている。この軸嵌合孔397には、第3部材本体391の回動軸部394が回転不可能に挿通され、回動軸部394の先端部は、軸支持部395の背面から突出する。そして、回動軸部394の先端部には、抜け止め部材399が取り付けられる。これにより、係合補助部392は、第3部材本体391の回動軸部394に接続される。また、第3部材本体391と係合補助部392からなる第3部材353は、第1部材351に対して回動可能に接続される。
軸支持部395の背面には、ピン取付部398が設けられている。このピン取付部398は、軸支持部395の背面から略垂直に突出する円柱状に形成されており、その軸心は、回動軸部394の軸心(第1部材351に対する第3部材353の回動中心)に対してずれている。
係合ピン396は、抜け止め部材399を用いてピン取付部398に回転可能に取り付けられる。この係合ピン396の回転中心は、ピン取付部398の軸心に一致している。係合ピン396は、第2部材352の係合溝384に係合される。係合ピン396が第2部材352の係合溝384に沿って移動すると、係合補助部392及び第3部材本体391(第3部材353)は、第1部材351に対して回動軸部394を中心に回動する。
第1部材351のばね取付部365には、付勢部材の一具体例を示すねじりコイルばね400が嵌合されている。ねじりコイルばね400の一端は、第1部材351のばね係止突部366に係止され、他端は、係合補助部392に係止されている。このねじりコイルばね400は、係合補助部392(第3部材353)を第2の回転方向R2へ付勢する。
[右可動ユニットの構成]
次に、右可動ユニット303の構成について、図13を参照して説明する。
図13に示すように、右可動ユニット303は、左可動ユニット302と同様の構成を有しており、左可動ユニット302と左右対称に形成されている。つまり、右可動ユニット303は、前後方向Yに重ね合わされた第1部材451、第2部材452及び第3部材453から構成されている。
第1部材451には、歯車片473を有する接続部材471が取り付けられている。接続部材471には、係止ピン475が設けられている。歯車片473には、左可動ユニット302の歯部376に噛み合う歯部476が形成されている。また、第1部材451には、ベース部301におけるユニット接続部322の嵌合孔に回動可能に嵌合される回動軸(不図示)が設けられている。これにより、右可動ユニット303は、ベース部301のユニット接続部322に回動可能に接続される。
第2部材452には、円弧状の係合溝484と、回動規制溝486と、軸受片487が設けられている。回動規制溝486には、第1部材451の係止ピン475が係合される。軸受片487は、第1部材451の連結軸(不図示)に回動可能に嵌合される。これにより、第2部材452は、第1部材451に回動可能に接続される。
第3部材453は、第1部材451を貫通する回動軸部(不図示)を有しており、第1部材451に回動可能に接続される。この第3部材453は、第2部材452の係合溝484に係合される係合ピン496を有している。係合ピン496の軸心は、回動軸部の軸心に対してずれている。係合ピン496が第2部材452の係合溝484に沿って移動すると、第3部材453は、第1部材451に対して回動軸部(不図示)を中心に回動する。
また、第3部材453は、ねじりコイルばね(不図示)によって第1の回転方向R1(図15参照)へ付勢されている。
<可動装飾部のロック>
次に、可動装飾部23のロックについて、図15を参照して説明する。
図15は、可動装飾部23の左右の可動ユニット302,303が待機位置に配置された状態を示す説明図である。
可動装飾部23の左右の可動ユニット302,303は、通常、装飾枠101における上枠部105の裏面側に隠れる待機位置(第1位置)に配置されている。そして、特別の演出が行われる場合に動作して、装飾枠101の開口101aに露出される露出位置(第2位置)に配置される。
図15に示すように、待機位置に配置された左可動ユニット302は、第1部材351の円弧部361が上方に向かって凸となる状態で停止している。また、右可動ユニット303は、左可動ユニット302と左右対称に配置されており、第1部材451の円弧部461が上方に向かって凸となる状態で停止している。
右可動ユニット303の状態は、左可動ユニット302の状態と左右対称である。そのため、ここからは、左可動ユニット302の状態について説明し、右可動ユニット303の状態についての説明を省略する。
左可動ユニット302が待機位置に配置された状態において、第1部材351の係止ピン375は、第2部材352の回動規制溝386における一端に係合されている。これにより、第2部材352は、自重により第1部材351に対して回動することが無い。そして、第2部材352の円弧部381は、第1部材351の円弧部361に前後方向Yから見て重なっている。
また、左可動ユニット302が待機位置に配置された状態において、第3部材353の係合ピン396は、第2部材352の係合溝384における一端に係合されている。そして、第3部材353は、ねじりコイルばね400(図14参照)によって第2の回転方向R2へ付勢されている。これにより、第3部材353は、自重により第1部材351に対して回動することが無い。
また、左可動ユニット302が待機位置に配置された状態において、第1部材351の歯車片373に設けた係合ピン378が、スライダ333の第2カム溝342に係合している。また、ベース部301に取り付けたガイドピン334,335は、スライダ333の係合溝343,344における一端にそれぞれ係合している。
以下、係合溝343の一端から係合溝343の他端へ向かう方向を右方向X1として、係合溝343の他端から係合溝343の一端へ向かう方向を左方向X2とする。右方向X1は、本発明に係る第1の方向の一方を示しており、左方向X2は、本発明に係る第1の方向の他方を示している。
上述したように、ガイドピン334,335が係合溝343,344に一端に係合しているため、スライダ333の右方向X1への移動が係止されている。その結果、第1部材351の係合ピン378は、スライダ333によって右方向X1へ押圧されることが無く、第1部材351(左可動ユニット302)の第2の回転方向R2への回動が阻止されている。
また、左可動ユニット302が待機位置に配置された状態において、クランク332の係合ピン339が、スライダ333の第1カム溝341における一端(上端)に係合している。これにより、クランク332の第1の回転方向R1への回動が制限されている。
そして、係合ピン339の軸心は、左右方向Xに平行であり、且つ、モータ331の回転軸331aにおける軸心(クランク332の回転中心)を含む平面上の位置よりも上方(第1の回転方向R1に変位した位置)に配置されている。
これにより、スライダ333が係合ピン339を左方向X2へ押圧したときに、クランク332は、第1の回転方向R1へ回転しようとする。しかし、スライダ333の第1カム溝341が係合ピン339の第1の回転方向R1への移動を制限しているため、クランク332は、第1の回転方向R1及び第2の回転方向R2に回転しない。
したがって、スライダ333の左方向X2への移動が制限される。その結果、第1部材351の係合ピン378は、スライダ333によって左方向X2へ押圧されることが無く、第1部材351(左可動ユニット302)の第1の回転方向R1への回動が阻止されている。
なお、右可動ユニット303の歯部476が、左可動ユニット302の歯部376に噛み合っているため、左可動ユニット302が回動しなければ、右可動ユニット303は回動しない。
このように、本実施の形態によれば、左右の可動ユニット302,303を待機位置に配置すれば、左右の可動ユニット302,303の回動をロックすることができる。これにより、パチスロ1に振動や衝撃が加わっても、可動装飾部23の左右の可動ユニット302,303が、パチスロ1を構成するその他の部材に接触しないようにすることができる。
左右の可動ユニット302,303のロックは、駆動機構304のモータ331(図13参照)を駆動させて、モータ331の回転軸331aを第2の回転方向R2に回転させることにより解除される。
本実施の形態では、左可動ユニット302が待機位置に配置された状態において、係合ピン339の軸心が、左右方向Xに平行であり、且つ、回転軸331aにおける軸心を含む平面上の位置よりも上方に配置される構成とした。
しかしながら、係合ピン339の軸心は、且つ、モータ331の回転軸331aにおける軸心(クランク332の回転中心)を含む平面上に配置されていてもよい。この場合は、スライダ333が係合ピン339を左方向X2へ押圧しても、クランク332が第1の回転方向R1及び第2の回転方向R2に回転しない。
したがって、スライダ333の左方向X2への移動が制限され、第1部材351の係合ピン378は、スライダ333によって左方向X2へ押圧されることが無い。その結果、第1部材351(左可動ユニット302)の第1の回転方向R1への回動が阻止される。
<可動装飾部の動作>
次に、可動装飾部23の動作について、図15〜図19を参照して説明する。
図16は、図15に示す状態から可動装飾部23の左右の可動ユニット302,303が回動した状態を示す説明図である。図17は、図16に示す状態から可動装飾部23の左右の可動ユニット302,303の第2及び第3部材が第1部材に対して移動した状態を示す説明図である。図18は、図17に示す状態から可動装飾部23の左右の可動ユニット302,303がさらに動作して露出位置に配置された状態を示す説明図である。図19は、可動装飾部23の左右の可動ユニット302,303が露出位置に配置されたときのフロントパネル10を正面から見た説明図である。
左右の可動ユニット302,303を図15に示す待機位置から図18に示す露出位置に移動させる場合は、駆動機構304のモータ331(図13参照)を駆動させて、モータ331の回転軸331aを第2の回転方向R2に回転させる。
これにより、クランク332が第2の回転方向R2に回転し、クランク332の係合ピン339が、スライダ333の第1カム溝341に係合しながら、回転軸331aを中心に第2の回転方向R2へ変位する。その結果、図16に示すように、係合ピン339が左方向X2へ移動した距離だけ、スライダ333がガイドピン334,335に案内されて左方向X2へ移動する。
左方向X2へ移動するスライダ333は、係合ピン378を左方向X2に押圧する。これにより、係合ピン378は、スライダ333の第2カム溝342に係合しながら、第1部材351の回動軸(連結軸377と同軸)を中心に第1の回転方向R1へ変位する。
その結果、係合ピン378を設けた第1部材351、及び第1部材351に接続された第2及び第3部材352,353が回動軸を中心に第1の回転方向R1へ回動する。このとき、第2及び第3部材352,353は、第1部材351に対して移動しない。つまり、左可動ユニット302は、待機位置に配置回動軸を中心に第1の回転方向R1へ回動する。
左可動ユニット302の歯車片373は、右可動ユニット303の歯車片473に噛み合っている。そのため、左可動ユニット302が回動軸(連結軸377と同軸)を中心に第1の回転方向R1へ回動すると、右可動ユニット303は、回動軸(連結軸477と同軸)を中心に第2の回転方向R2へ回動する。これにより、左可動ユニット302と右可動ユニット303は、待機位置から互いに接近するように回動する。
また、左可動ユニット302が第1の回転方向R1へ回動すると、左可動ユニット302における第2部材352の直線部382が当接部306に当接する。これにより、第2部材352の第1の回転方向R1への回動が停止される。これと同様に、右可動ユニット303が第2の回転方向R2へ回動すると、右可動ユニット303における第2部材452の直線部482が当接部306に当接する。これにより、第2部材452の第2の回転方向R2への回動が停止される。
クランク332が図16に示す状態からさらに第2の回転方向R2に回転すると、スライダ333がさらに左方向X2へ移動する。その結果、図17に示すように、係合ピン378がスライダ333によって左方向X2へ押圧されて、第1部材351が回動軸(連結軸377と同軸)を中心に第1の回転方向R1へ回動する。
このとき、第2部材352は、直線部382が当接部306に当接しているため、第1部材351と共に回動しない。これにより、第2部材352は、第1部材351に対して連結軸377を中心に回動する。つまり、第1部材351と第2部材352とは、相対的に移動する。その結果、第2部材352の円弧部381は、前後方向Yから見て第1部材351の円弧部361に重ならなくなり、フロントパネル10(図19参照)を正面からみると、第2部材352の円弧部381が露出される。
第1部材351と第2部材352とが相対的に移動すると、第3部材353の係合ピン396が、第2部材352の係合溝384における一端から他端に向かって移動する。その結果、第3部材本体391及び係合補助部392は、第1部材351に対して回動軸部394を中心に第1の回転方向R1へ回動する。つまり、第1部材351と第3部材353とは、相対的に移動する。なお、第3部材本体391及び係合補助部392は、ねじりコイルばね400(図14参照)による第2の回転方向R2への付勢力に抗して、第1の回転方向R1へ回動する。
一方、左可動ユニット302の第1部材351が、図16に示す状態から第1の回転方向R1へ回動すると、右可動ユニット303の第1部材451が、図16に示す状態から第2の回転方向R2へ回動する(図17参照)。このとき、第2部材452は、第1部材451と共に回動せず、第1部材451に対して連結軸477を中心に回動する。つまり、第1部材451と第2部材452とは、相対的に移動する。
そして、第1部材451と第2部材352とが相対的に移動することにより、第3部材本体491及び係合補助部492は、第1部材451に対して回動軸部494を中心に第2の回転方向R2へ回動する。つまり、第1部材451と第3部材453とは、相対的に移動する。
クランク332が図17に示す状態からさらに第2の回転方向R2に回転すると、スライダ333がさらに左方向X2へ移動する。その結果、図18に示すように、係合ピン378がスライダ333によって左方向X2へ押圧されて、第1部材351が回動軸(連結軸377と同軸)を中心に第1の回転方向R1へ回動する。
これにより、当接部306に当接している第2部材352は、第1部材351に対して連結軸377を中心に回動する。そして、第1部材351の係止ピン375が、第2部材352の回動規制溝386の他端に係合し、第1部材351の第1の回転方向R1への回動が停止する。これにより、第1部材351と第2部材352との相対的な移動が停止する。
また、第3部材353の係合ピン396が、第2部材352の係合溝384における他端に係合する。その結果、第3部材本体391及び係合補助部392の第1の回転方向R1への回動が停止する。つまり、第1部材351と第3部材353との相対的な移動が停止する。
一方、右可動ユニット303の第1部材451は、図17に示す状態から第2の回転方向R2へ回動する。そして、第1部材451の係止ピン475が、第2部材452の回動規制溝486の他端に係合し、第1部材451の第2の回転方向R2への回動が停止する。また、第3部材453の係合ピン496が、第2部材452の係合溝484における他端に係合し、第3部材本体491及び係合補助部492の第2の回転方向R2への回動が停止する。
これにより、可動装飾部23の左可動ユニット302及び右可動ユニット303は、露出位置に配置される。図19に示すように、露出位置に配置された左可動ユニット302及び右可動ユニット303は、表示窓4の上方に配置される。上述したように、可動装飾部23は、左可動ユニット302の第1部材351を回動させるだけで、第2部材352及び第3部材353と、右可動ユニット303の第1部材451、第2部材452、第3部材453を回動させることができる。
これにより、可動装飾部23を徐々に拡がるように変形させることができ、可動装飾部23に躍動感のある動作を行わせることができる。
また、第3部材353,453の係合ピン396,496の軸心が、第3部材353,453の回動軸部394,494(回動中心)からずれている。
これにより、第1部材351,451と第2部材352,452が相対的に移動することにより、第3部材353,453が回動する構造を簡単な構成で実現することができる。
また、第2部材352,452は、第1部材351,451に回動可能に接続されており、第2部材352,452の回動中心(連結軸377)は、第1部材351,451の回動中心(回動軸)に一致している。これにより、第2部材352,452が当接部306に当接すると、同一の回動中心で、且つ、互いに反対の方向に回動するように見せることができる。その結果、可動装飾部23の動作をより躍動感のある動作にすることができる。
左右の可動ユニット302,303を露出位置から待機位置に移動させる場合は、駆動機構304のモータ331(図13参照)を駆動させて、モータ331の回転軸331aを第1の回転方向R1に回転させる。
これにより、クランク332が第1の回転方向R1に回転し、クランク332の係合ピン339が、スライダ333の第1カム溝341に係合しながら、回転軸331aを中心に第1の回転方向R1へ変位する。その結果、係合ピン339が右方向X1へ移動した距離だけ、スライダ333がガイドピン334,335に案内されて右方向X1へ移動する。
右方向X1へ移動するスライダ333は、係合ピン378を右方向X1に押圧し、係合ピン378がスライダ333の第2カム溝342に係合しながら、第1部材351の回動軸(連結軸377と同軸)を中心に第2の回転方向R2へ変位する。
その結果、係合ピン378を設けた第1部材351、及び第1部材351に接続された第2及び第3部材352,353が回動軸を中心に第2の回転方向R2へ回動する。このとき、第2及び第3部材352,353は、第1部材351に対して回動する。これにより、左可動ユニット302は、第1部材351、第2部材352、第3部材353が畳まれるように変形しながら待機位置に配置される。
なお、右可動ユニット303の第1部材451は、左可動ユニット302の第1部材351の回動することにより回動する。これにより、右可動ユニット303は、第1部材451、第2部材452、第3部材453が畳まれるように変形しながら待機位置に配置される。
また、本実施の形態では、可動装飾部23における第2部材352,452の回動中心(連結軸377)が、第1部材351,451の回動中心(回動軸)に一致する構成とした。しかしながら、本発明に係る第2部材の回動中心が、第1部材の回動中心に一致していなくてもよい。
また、本実施の形態では、可動装飾部23の第1部材351,451をベース部301に対して回動させる構成とした。しかしながら、本発明に係る第1部材としては、駆動機構によって直線移動する部材であってもよい。
また、本実施の形態では、可動装飾部23の第2部材352,452が第1部材351,352に回動可能に接続される構成とした。しかしながら、本発明に係る第2部材としては、第1部材に直線移動可能に接続されていてもよい。
また、本実施の形態では、可動装飾部23の第3部材353,453が第1部材351,352に回動可能に接続される構成とした。しかしながら、本発明に係る第3部材としては、第1部材に直線移動可能に接続されていてもよい。
以上、本発明の一実施形態に係る遊技機について、その作用効果も含めて説明したが、本発明はここで説明した実施の形態に限定されるものではない。特許請求の範囲に記載した本発明の要旨を逸脱しない限り、種々の実施の形態を含むことは言うまでもない。