以下、添付図面を参照し、本発明に係る実施形態を次の順序で説明する。
<1.遊技機の構造>
<2.遊技機の制御構成>
[2-1.主制御部]
(設定値の変更操作について)
(性能表示について)
(演出制御コマンド)
[2-2.演出制御部]
<3.動作の概要説明>
[3-1.図柄変動表示ゲーム]
(特別図柄変動表示ゲーム)
(装飾図柄変動表示ゲーム)
(普通図柄変動表示ゲーム)
(保留について)
[3-2.遊技状態]
[3-3.当りについて]
[3-4.演出について]
(演出モード)
(予告演出)
(演出手段)
<4.主制御部の処理>
[4-1.主制御側メイン処理]
(初期設定処理)
(初期設定後の処理)
(メインループ処理)
[4-2.主制御側タイマ割込み処理]
(電源異常チェック処理)
(設定変更処理)
(エラー管理及び遊技進行のための処理等)
[4-3.第一のまとめ]
[4-4.特別図柄変動表示ゲームに係る処理]
(特別図柄管理処理)
(特図1始動口チェック処理)
(特別図柄変動開始処理)
(変動管理処理)
(大当り乱数判定処理)
(変動パターン抽選処理)
[4-5.第二のまとめ]
<5.演出制御部の処理>
[5-1.起動時における装飾図柄の出目について]
[5-2.第三のまとめ]
[5-3.設定示唆演出について]
(予告抽選テーブルによる設定示唆例)
(保留変化予告シナリオテーブルによる設定示唆例)
(SU予告シナリオテーブルによる設定示唆例)
(タイマー予告シナリオテーブルの設定示唆例)
[5-4.第四のまとめ]
<6.設定処理の変形例>
<7.その他変形例>
<1.遊技機の構造>
図1及び図2を参照して、本発明に係る実施形態としてのパチンコ遊技機1の構造について説明する。図1はパチンコ遊技機1の外観を示す正面側の斜視図を、図2はパチンコ遊技機1が有する遊技盤3の正面側を示した図である。
図1に示すパチンコ遊技機1(以下「遊技機1」と略称する場合がある)は、木製の外枠4の前面に額縁状の前枠2を開閉可能に取り付け、前枠2の裏面に取り付けた遊技盤収納フレーム(図示せず)内に遊技盤3(図2参照)を装着し、この遊技盤3の表面に形成した遊技領域3aを前枠2の開口部に臨ませた構成を有する。この遊技領域3aの前側には、透明ガラスを支持したガラス扉6が設けられている。また遊技盤3の背面側には、遊技動作を制御するための各種制御基板(図3参照)が配設されている。
ガラス扉6の前側には扉ロック解除用のキーシリンダ(図示せず)が設けられており、このキーシリンダにキーを差し込んで一方側に操作すれば前枠2に対するガラス扉6のロック状態を、他方側に操作すれば外枠4に対する前枠2のロック状態をそれぞれ解除して前側に開放できるようになっている。
ガラス扉6の下側には、ヒンジ(図示せず)により前枠2に開閉自在に枢支された前面操作パネル7が配置されている。前面操作パネル7には、上受け皿ユニット8が設けられ、この上受け皿ユニット8には、排出された遊技球を貯留する上受け皿9が形成されている。
また上受け皿ユニット8には、上受け皿9に貯留された遊技球を遊技機1の下方に抜くための球抜きボタン14と、遊技球貸出装置(図示せず)に対して遊技球の払い出しを要求するための球貸しボタン11と、遊技球貸出装置に挿入した有価価値媒体の返却を要求するためのカード返却ボタン12とが設けられている。また上受け皿ユニット8には、遊技者が操作可能に構成された演出ボタン13(操作手段)が設けられている。この演出ボタン13は、所定の入力受付期間中に内蔵ランプ(ボタンLED75)が点灯されて操作可能(入力受付可能)となり、その内蔵ランプ点灯中に所定の操作(押下、連打、長押し等)をすることにより演出に変化をもたらすことが可能となっている。
また前面操作パネル7の右端部側には、発射装置32(図3参照)を作動させるための発射操作ハンドル15が設けられている。
また前枠2の上部の両側と発射操作ハンドル15の上側とには、音響により音演出効果(効果音)を発揮するスピーカ46が設けられている。また、ガラス扉6の適所には、光の装飾により光演出効果を発揮する装飾ランプ45(例えばフルカラーLEDによる光演出用LED等)が複数設けられている。この装飾ランプ45としてのフルカラーLED(光演出用LED)は、パチンコ遊技機の周囲、つまりガラス扉6の前枠周縁に周方向に複数個設けられている。
図2を参照して、遊技盤3の構成について説明する。図示の遊技盤3には、発射された遊技球を案内する球誘導レール5が盤面区画部材として環状に装着されており、この球誘導レール5取り囲まれた略円形状の領域が遊技領域3a、四隅は非遊技領域となっている。
この遊技領域3aの略中央部には、たとえば3つ(左、中、右)の表示エリア(図柄変動表示領域)において、独立して数字やキャラクタや記号などによる複数種類の装飾図柄(たとえば、左図柄(左表示エリア対応)、中図柄(中表示エリア対応)、右図柄(右表示エリア対応))の変動表示動作(変動表示および停止表示)が可能である液晶表示装置(LCD)36が設けられている。この液晶表示装置36は、後述する演出制御部24の制御の下、装飾図柄の変動表示動作の他、種々の演出を画像により表示する。
また遊技領域3a内には、液晶表示装置36の表示面の周りを遠巻きに囲繞する形でセンター飾り48が設けられている。センター飾り48は、遊技盤3の前面側に沿って設けられ、周囲の遊技球から液晶表示装置36の表示面を保護するとともに、遊技球の打ち出しの強さ又はストローク長により、遊技球の流路を左右に振り分けることを可能とする流路振分手段として働く。本実施形態では、センター飾り48の存在によって遊技領域3a内の上部両側(左側と右側)に遊技球の流路が形成されるように、センター飾り48は遊技領域3aのほぼ中央部に配置されている。発射装置32により遊技領域3aの上部側に打ち込まれた遊技球は、鎧枠部48bの上部側で左右に振り分けられ、センター飾り48の左側の左流下経路3bと右側の右流下経路3cとの何れかを流下する。
また遊技盤3の右上縁付近(右上隅)の非遊技領域は各種機能表示部となっており、7セグメント表示器(ドット付)を上始動口34(第1の特別図柄用)と下始動口35(第2の特別図柄用)に対応させて横に並べて構成される特別図柄表示装置38a(第1の特別図柄表示手段)と特別図柄表示装置38b(第2の特別図柄表示手段)とが設けられている。特別図柄表示装置38a、38bでは、7セグメント表示器により表現される「特別図柄」の変動表示動作による特別図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして上記の液晶表示装置36では、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、画像による装飾図柄を変動表示して、種々の予告演出(演出画像)とともに装飾図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている(これらの図柄変動表示ゲームについての詳細は追って説明する)。
また各種機能表示部には、特別図柄表示装置38a、38bの隣に、7セグメント表示器(ドット付)からなる複合表示装置(保留複合表示用LED表示器)38cが配設されている。複合と称したのは、特別図柄1、2、普通図柄の作動保留球数の表示、変動時間短縮機能作動中(時短中)および高確率状態中(高確中)の状態報知という、5つの表示機能を有する保留・時短・高確複合表示装置(以下単に「複合表示装置」と称する)であるからである。
また各種機能表示部には、複合表示装置38cの隣りに、複数個(この実施形態では2個)のLEDを配置してなる普通図柄表示装置39a(普通図柄表示手段)が設けられている。この普通図柄表示装置39aでは、2個のLEDにより表現される普通図柄の変動表示動作により普通図柄変動表示ゲームが実行されるようになっている。例えば、変動表示動作として、LEDによる普通図柄がシーソー的に交互に点灯と消灯を繰り返し、何れかの側が点灯した状態で停止することで、普通図柄変動表示ゲームの当否が判明するようになっている。また、この普通図柄表示装置39aに隣接して3個のLED(第1〜第3ラウンド表示LED)を配置してなるラウンド数表示装置39bが設けられている。このラウンド数表示装置39bは、3つのLEDの点灯・消灯状態の組合せにより、大当りに係る規定ラウンド数(最大ラウンド数)を報知する。
センター飾り48の下方には、上始動口34(第1の特別図柄始動口:第1の始動手段)と、下始動口35(第2の特別図柄始動口:第2の始動手段)を備える普通変動入賞装置41とが上下に設けられ、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する検出センサ34a、35a(上始動口センサ34a、下始動口センサ35a:図3参照)が形成されている。
第1の特別図柄始動口である上始動口34は、特別図柄表示装置38aにおける第1の特別図柄(以下、第1の特別図柄を「特別図柄1」と称し、場合により「特図1」と略称する)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、始動口開閉手段(始動口を開放又は拡大可能にする手段)を有しない入賞率固定型の入賞装置として構成されている。本実施形態では、遊技領域3a内の遊技球落下方向変換部材(例えば、遊技くぎ(図示せず)、風車44、センター飾り48など)の作用により、上始動口34へは、左流下経路3bを流下してきた遊技球については入球(入賞)容易な構成であるのに対し、右流下経路3cを流下してきた遊技球については入球困難または入球不可能な構成となっている。
普通変動入賞装置41は、始動口開閉手段により始動口の遊技球の入賞率を変動可能な入賞率変動型の入賞装置として構成されている。本実施形態では、始動口開閉手段として、第2の特別図柄始動口である下始動口35を、開放または拡大可能にする左右一対の可動翼片(可動部材)47を備える、いわゆる「電動チューリップ型」入賞装置として構成されている。
普通変動入賞装置41の下始動口35は、特別図柄表示装置38bにおける第2の特別図柄(以下、第2の特別図柄を「特別図柄2」と称し、場合により「特図2」と略称する)の変動表示動作の始動条件に係る入賞口であり、この下始動口35の入賞領域は、可動翼片47の作動状態(作動または非作動)に応じて、入賞を容易とする開状態(入賞容易状態)と、その開状態よりも入賞を困難にし、又は入賞を不可能にする閉状態(入賞困難状態)とに変換される。本実施形態では、可動翼片47が非作動の場合、下始動口35への入賞が不可能とする閉状態(入賞不可能状態)を保持している。
また普通変動入賞装置41の両側には、一般入賞口43が左側に3つ、右側に1つ、計4つ配設されており、それぞれの内部には、遊技球の通過を検出する一般入賞口センサ43a(図3参照)が形成されている。また遊技盤の領域内には遊技球の流下を妨害しない位置に、視覚的演出効果を奏する可動体役物(図示せず)が配設されている。
また普通変動入賞装置41の右斜め上方、つまり右流下経路3cの中間部より上部側には、遊技球が通過可能な通過ゲート(特定通過領域)からなる普通図柄始動口37(第3の始動手段)が設けられている。この普通図柄始動口37は、普通図柄表示装置39aにおける普通図柄の変動表示動作に係る入賞口であり、その内部には、通過する遊技球を検出する普通図柄始動口センサ37a(図3参照)が形成されている。なお本実施形態では、普通図柄始動口37は右流下経路3c側にのみに形成され、左流下経路3b側には形成されていない。しかし本発明はこれに限らず、左流下経路3bのみに形成してもよいし、両流下経路にそれぞれ形成してもよい。
右流下経路3c内の普通図柄始動口37から普通変動入賞装置41へかけての経路途中には、突没式の開放扉52bにより大入賞口50を開放または拡大可能に構成された特別変動入賞装置52(特別電動役物)が設けられており、その内部には大入賞口50に入球した遊技球を検出する大入賞口センサ52a(図3参照)が形成されている。
大入賞口50の周囲は、遊技盤3の表面から膨出した膨出部(装飾部材)55となっており、この膨出部55の上辺55aが右流下経路3cの下流案内部を形作っている。そして開放扉52bにより大入賞口50が閉鎖状態(大入賞口閉状態)であれば、この膨出部55の上辺55aと連続する面を形成することによって、右流下経路3cの下流案内部(上辺55a)の一部を形作るようになっている。また右流下経路3cの下流域には、膨出部55の上辺55aの上方の領域、正確には大入賞口50の上方の遊技領域において、遊技球の流下方向にほぼ平行に流路修正板51dが突設されており、流下する遊技球を大入賞口50の方向に寄せる働きをするようになっている。
大入賞口50への遊技球の入球過程は次のようになる。
センター飾り48の上面と球誘導レール5との間の遊動領域を通過した遊技球は、遊技盤3より突出していて遊技球のガイドとして機能する膨出部55の頂面(上辺)55a上に沿って流下して来る。そして、その遊技球が遊技盤3面から突出している流路修正板51dの右端に接触し、これにより、当該遊技球の流下方向は大入賞口50の方向(下方向)に修正される。このとき、突没式の開放扉52bにより大入賞口50が蓋をされている状態(大入賞口閉状態)であれば、この上を遊技球が転動して、さらに図示しない所定配列の遊技くぎにより、チューリップ式の普通変動入賞装置41(下始動口35)の方向に導かれる。このとき、下始動口35が入賞可能状態(始動口開状態)であれば、下始動口35に遊技球が入賞し得る。他方、開放扉52bが遊技盤面内に後退していて大入賞口50が開いている状態(大入賞口開状態)であれば、遊技球が大入賞口50内に導かれる。
なお本実施形態の遊技機1では、遊技者が特別変動入賞装置52側に発射位置を狙い定めた場合(遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定めた場合)、上始動口34側には遊技球が誘導され難い、又は誘導されない構成となっている。従って「大入賞口閉状態」であれば、普通変動入賞装置41の可動翼片47が作動しない限り、各始動口34、35への入賞が困難又は不可能とされるようになっている。可動翼片47は、後述の電サポ有り状態を伴う遊技状態になると、通常状態よりも有利な開閉パターンで動作するようになっている。
本実施形態の場合、遊技者がどのような打ち方をすれば有利な状況となるかについては、遊技状態に応じて変化する。具体的には、後述の「電サポ無し状態」を伴う遊技状態であれば、遊技球が左流下経路3bを通過するように狙いを定める「左打ち」が有利とされ、後述の「電サポ有り状態」を伴う遊技状態であれば、遊技球が右流下経路3cを通過するように狙いを定める「右打ち」が有利とされる。
本実施形態の遊技機1においては、遊技領域3aに設けられた各種入賞口のうち、普通図柄始動口37以外の入賞口への入賞があった場合には、各入賞口別に約束づけられた入賞球1個当りの賞球数(例えば、上始動口34または下始動口35は3個、大入賞口50は13個、一般入賞口43は10個)が遊技球払出装置19(図3参照)から払い出されるようになっている。上記の各入賞口に入賞しなかった遊技球は、アウト口49を介して遊技領域3aから排出される。
ここで「入賞」とは、入賞口がその内部に遊技球を取り込んだり、或いは入賞口が遊技球を内部に取り込む構造ではなく通過型のゲートからなる入賞口(例えば、普通図柄始動口37)である場合はそのゲートを遊技球が通過したりすることを言い、実際には入賞口ごとに形成された各入賞検出スイッチにより遊技球が検出された場合、その入賞口に「入賞」が発生したものとして扱われる。この入賞に係る遊技球を「入賞球」とも称する。なお、入賞口に遊技球が入口すれば、その遊技球は入賞検出スイッチにより検出されることとなるため、本明細書中では特に断りのない限り、入賞検出スイッチに遊技球が検出されたか否かによらず、入賞口に遊技球が入口した場合を含めて「入賞」と称する場合がある。
<2.遊技機の制御構成>
図3のブロック図を参照して、遊技機1の遊技動作制御を実現するための構成(制御構成)について説明する。
本実施形態の遊技機1には、遊技動作全般に係る制御(遊技動作制御)を統括的に司る主制御基板(主制御手段)20(以下「主制御部20」と称する)と、主制御部20から演出制御コマンドを受けて、演出手段による演出の実行制御(現出制御)を統括的に司る演出制御基板(演出制御手段)24(以下「演出制御部24」と称する)と、賞球の払い出し制御を行う払出制御基板(払出制御手段)29と、外部電源(図示せず)から遊技機1に必要な電源を生成し供給する電源基板(電源制御手段(図示せず))と、を有して構成される。
演出制御部24には、画像表示装置としての液晶表示装置36が接続されている。なお、図3において各部への電源供給ルートは省略している。
[2-1.主制御部]
主制御部20は、CPU(Central Processing Unit)201(主制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、遊技動作制御手順を記述した制御プログラムの他、遊技動作制御に必要な種々のデータを格納するROM(Read Only Memory)202(主制御ROM)と、ワーク領域やバッファメモリとして機能するRAM(Random Access Memory)203(主制御RAM)とを搭載し、全体としてマイクロコンピュータを構成している。
また図示はしていないが、主制御部20は、周期的割込みや一定周期のパルス出力作成機能(ビットレートジェネレータ)や時間計測の機能を実現するためのCTC(Counter Timer Circuit)、及びCPU201に割込み信号を付与するタイマ割込み等の割込許可/割込禁止機能を発揮する割込みコントローラ回路、及び電源投入時や遮断時や電源異常などを検知してシステムリセット信号を出力してCPU201をリセット可能なリセット回路、及び制御プログラムの動作異常を監視するウォッチドッグタイマ(WDT)回路、及び予め設定したアドレス範囲内でプログラムが正しく実行されているか否かを監視する指定エリア外走行禁止(IAT)回路、及びハードウェア的に一定範囲の乱数を生成するためのカウンタ回路等も備えている。
上記カウンタ回路は、乱数を生成する乱数生成回路と、その乱数生成回路から所定のタイミングで乱数値をサンプリングするサンプリング回路とを含んで構成され、全体として16ビットカウンタとして働く。CPU201は、処理状態に応じて上記サンプリング回路に指示を送ることで、上記乱数生成回路が示している数値を内部抽選用乱数値(大当り判定用乱数(乱数の大きさ:65536))として取得し、その乱数値を大当り抽選に利用する。なお、内部抽選用乱数は、当り狙い打ち等のゴト行為を防ぐために、適宜なソフトウェア処理で生成しているソフト乱数値と、ハード乱数値とを加算したものを取得している。
主制御部20には、上始動口34への入賞(入球)を検出する上始動口センサ34aと、下始動口35への入賞を検出する下始動口センサ35aと、普通図柄始動口37の通過を検出する普通図柄始動口センサ37aと、大入賞口50への入賞を検出する大入賞口センサ52aと、一般入賞口43への入賞を検出する一般入賞口センサ43aと、アウト口49から排出される遊技球(アウト球)を検出するOUT監視スイッチ49aが接続され、主制御部20はこれらから出力される検出信号を受信可能とされている。主制御部20は、各センサからの検出信号に基づき、何れの入賞口に遊技球が入球したのかを把握可能とされる。
また主制御部20には、下始動口35の可動翼片47を開閉制御するための普通電動役物ソレノイド41cと、大入賞口50の開放扉52bを開閉制御するための大入賞口ソレノイド52cとが接続され、主制御部20はこれらを制御するための制御信号を送信可能となっている。
さらに主制御部20には、特別図柄表示装置38aと特別図柄表示装置38bとが接続され、主制御部20は、特別図柄1、2を表示制御するための制御信号を送信可能とされている。さらにまた、主制御部20には、普通図柄表示装置39aが接続され、普通図柄を表示制御するための制御信号を送信可能とされている。
また、主制御部20には、複合表示装置38c、ラウンド数表示装置39bが接続され、主制御部20は、複合表示装置38cに表示される各種情報を表示制御するための制御信号や、ラウンド数表示装置39bに表示される大当りによる規定ラウンド数を表示制御するための制御信号を送信可能とされている。
さらに、主制御部20には、枠用外部集中端子基板21が接続され、主制御部20は、枠用外部集中端子基板21を介し、遊技機外部に設けられたホールコンピュータHCに対し所定の遊技情報(例えば、大当り情報、賞球数情報、図柄変動実行情報等)を送信可能とされている。
なお、ホールコンピュータHCは、主制御部20からの遊技情報を監視して、パチンコホールの遊技機の稼働状況を統括的に管理するための情報処理装置(コンピュータ装置)である。
さらにまた、主制御部20には、払出制御基板(払出制御部)29が接続され、賞球の払い出しの必要がある場合には、払出制御基板29に対し、払い出しに関する制御コマンド(賞球数を指定する払出制御コマンド)を送信可能とされている。
払出制御基板29には、発射装置32を制御する発射制御基板(発射制御部)28と、遊技球の払い出しを行う遊技球払出装置(遊技球払出手段)19とが接続されている。この払出制御基板29の主な役割は、主制御部20からの払出制御コマンドの受信、払出制御コマンドに基づく遊技球払出装置19の賞球払い出し制御、主制御部20への状態信号の送信などである。
遊技球払出装置19には、遊技球の供給不足を検出する補給切れ検出センサ19aや払い出される遊技球(賞球)を検出する球計数センサ19bが設けられており、払出制御基板29は、これらの各検出信号を受信可能とされている。また遊技球払出装置19には、遊技球を払い出すための球払出機構部(図示せず)を駆動する払出モータ19cが設けられており、払出制御基板29は、払出モータ19cを制御するための制御信号を送信可能とされている。
さらに、払出制御基板29には、上受け皿9が遊技球で満杯状態を検出する満杯検出センサ60(本実施形態では、上受け皿9に貯留される遊技球の貯留状態を検出する検出センサ)と、前扉開放センサ61(本実施形態では、少なくとも前枠2の開放状態を検出する検出センサ)が接続されている。
払出制御基板29は、満杯検出センサ60、前扉開放センサ61、補給切れ検出センサ19a、球計数センサ19bからの検出信号に基づいて、主制御部20に対して、各種の状態信号を送信可能となっている。この状態信号には、満杯状態を示す球詰り信号、少なくとも前枠2が開放されていることを示す扉開放信号、遊技球払出装置19からの遊技球の供給不足を示す補給切れ信号、賞球の払出不足や球計数センサ19bに異常が発生したこと示す計数エラー信号、払い出し動作が完了したことを示す払出完了信号などが含まれ、様々な状態信号を送信可能な構成となっている。主制御部20は、これら状態信号に基づいて、前枠2の開放状態(扉開放エラー)や、遊技球払出装置19の払出動作が正常か否か(補給切れエラー)や、上受け皿9の満杯状態(球詰りエラー)等を監視する。
さらにまた、払出制御基板29には発射制御基板28が接続され、発射制御基板28に対し発射を許可する許可信号を送信可能とされている。発射制御基板28は、払出制御基板29からの許可信号が出力されていることに基づき、発射装置32に設けられた発射ソレノイド(図示せず)への通電を制御し、発射操作ハンドル15の操作による遊技球の発射動作を実現している。具体的には、払出制御基板29から発射許可信号が出力されていること(発射許可信号ON状態)、発射操作ハンドル15に設けられたタッチセンサ(図示せず)により遊技者がハンドルに触れていることを検出されていること、発射操作ハンドル15に設けられた発射停止スイッチ(図示せず)が操作されていないことを条件に、遊技球の発射動作が許容される。従って、発射許可信号が出力されていない場合には(発射許可信号OFF状態)、発射操作ハンドル15を操作しても発射動作は実行されず、遊技球が発射されることはない。また、遊技球の打ち出しの強さは、発射操作ハンドル15の操作量に応じて変化可能となっている。
なお、払出制御基板29が上記球詰りエラーを検出すると、主制御部20に球詰り信号を送信するとともに発射制御基板28に対する発射許可信号の出力を停止し(発射許可信号OFF)、上受け皿9の満杯状態が解消されるまで打ち出し動作を停止する制御を行うようになっている。
また、払出制御基板29は、発射制御基板28に対する発射の許可信号の出力を、主制御部20より発射許可が指示されたことを条件に行う。
ここで、主制御部20は、設定キースイッチ94、及びRAMクリアスイッチ98が接続されており、これらスイッチからの検出信号を受信可能とされている。また主制御部20は、設定表示器97が接続され、設定表示器97に表示される設定値(以下で説明する設定値Ve)を表示制御するための制御信号を送信可能とされている。
RAMクリアスイッチ98は、RAM203の所定領域を初期化することを指示入力するための例えば押しボタン式のスイッチとされる。
設定キースイッチ94は、電源投入時にホールスタッフが所持する設定鍵を挿入してON/OFF操作することにより設定変更モード(ON操作時)に切り替えるためのキースイッチとされる。
本例では、設定値Veの変更操作には、RAMクリアスイッチ98が兼用される。具体的に、RAMクリアスイッチ98は、設定値Veを順送りするための操作子としても機能する。
RAMクリアスイッチ98、及び設定キースイッチ94は、遊技機1内部の適所に設けられている。例えば、主制御基板20上に配置される。
また設定表示器97は、設定値Veを表示可能な設定表示手段として機能し、例えば主制御部(主制御基板)20上の視認し易い位置に搭載されている。
なお、設定キースイッチ94、RAMクリアスイッチ98、設定表示器97の配置位置は主制御基板20上に限らず、払出制御基板28、発射制御基板29、中継基板(各種表示装置やスイッチ類等と制御基板との接続を中継する中継用基板:図示せず)、又は演出制御部(演出制御基板(液晶制御基板を含む))24等の基板上等、遊技機1内部の適所に設けることができる。
「設定値Ve」は、主として、少なくとも大当り(後述の条件装置が作動することとなる当り種別)の抽選確率(当選確率)を段階別(例えば、設定1〜6の6段階)に規定するもので、設定値Veが高くなるほど、当選確率が高くなり(設定1が最低の当選確率、以降、設定の値の昇順に当選確率が高くなる)、遊技者に有利に作用するようになっている。換言すれば、設定値Veが高くなるほど、所謂「機械割(出玉率、PAYOUT率)」が高くなり、遊技者に有利に作用するようになっている。
このように、設定値Veとは、大当り当選確率や機械割などを規定する値であり、遊技者に作用する利益状態などの特定事象の発生し易さに関連する等級についての値を意味し、本実施形態では、各設定値Veに応じて遊技に係る有利度が規定されることになる。
設定値Veは、専ら、ホール(遊技店)の営業戦略に基づき、ホール店員等のホールスタッフによって設定が行われる。なお、大当りが複数種類ある場合、何れの大当りの当選確率を設定値Veに応じて変化させるか、対象となる大当りの種類は、適宜定めることができる。例えば、大当り1〜3という3種類の大当りがあるとした場合、設定値Veが相対的に高い方が、大当り1〜3のすべての当選確率を高くしてもよいし、大当り1〜3の合算当選確率を高くしてもよい。また一部の大当りの当選確率を高くしてもよい。例えば、大当り1〜2の当選確率だけを高くし、大当り3については全設定値Veで一定の当選確率にしてもよい。
(設定値の変更操作について)
設定値Veを変更するためには、本例では、遊技機1の電源がオフとされ前枠2が解放された状態において、設定キースイッチ94をON操作(設定変更モード側に操作)してから遊技機1への電源を投入する。すると、現在の設定値Veが設定表示器97に表示され、設定値Ve(例えば1〜6)の変更操作が可能な「設定変更モード」に移行される。
本例では、設定変更モードに移行するか否かの判定は、後述の主制御側メイン処理において行われる(図5のステップS105やS113を参照)。設定変更モードに移行する条件が満足されているときは、「設定変更中フラグ」がOFF状態からON状態とされ(図5ステップS114)、これに応じて設定変更のための処理が実行される。
本例では、設定変更のための処理は、主制御部20が定期的に行う主制御側タイマ割込み処理(図8)にて行われる。主制御側タイマ割込み処理では、上記のように主制御側メイン処理において制御される設定変更中フラグがON状態であることを条件に、設定変更のための処理に移行する(図10ステップS601〜S613を参照)。すなわち、設定変更モードに移行される。
設定変更モードにおいて、設定値Veの変更操作子として機能するRAMクリアスイッチ98がON操作されると、設定表示器97の現在の表示値が「1→2→3→4→5→6→1→2→3→・・・」のように1〜6の範囲で循環式に切り替えられる。そして希望する設定値Veとなったところで、設定キースイッチ94がOFF操作されると、設定値Veが確定され、確定した設定値Veの情報がRAM203の所定領域に格納(記憶)される。
また、設定キースイッチ94がOFF操作されると、設定変更モードが終了され、設定表示器97の表示がクリアされる。
設定変更モードが終了すると、遊技進行を許容する状態に移行される。
(性能表示について)
主制御部20には、性能表示器99が接続されている。主制御部20は、性能表示器99に表示される所定の性能情報を表示制御するための制御信号を送信可能とされている。
性能表示器99は、所定期間(特定遊技期間)における遊技動作に関する性能情報を表示(報知)する表示手段として機能し、複数個の7セグメント表示器を有して構成される。詳細は後述するが、性能情報とは、パチンコホールや関係各庁が確認したい情報であり、遊技機1に対する過剰賞球等の不正賞球ゴトの有無や遊技機1本来の出玉性能などに関する情報などがその代表例である。従って、性能情報自体は、予告演出等とは異なり、遊技者が遊技に興じる際に、その遊技進行自体には直接的に関係の無い情報となる。
このため性能表示器99は、遊技機1内部、例えば、主制御部(主制御基板)20、払出制御基板28、発射制御基板29、上記中継基板、演出制御部(演出制御基板(液晶制御基板を含む))24上や、基板ケース(基板を保護する保護カバー)など、遊技機内部の適所に設けられ、性能情報が視認し易いように配設される。
ここで、性能情報には、具体的に次のような情報を採用することができる。
(1)特定状態中において入賞により払い出された総払出個数(特定中総賞球数:α個)を、当該特定状態中おいてアウト口49から排出された総アウト球数(特定中アウト個数:β個)で除した値(α/β)に基づく情報(特定比率情報)を、性能情報として採用することができる。
上記「総払出個数」とは、入賞口(上始動口34、下始動口35、一般入賞口43、大入賞口50)に入賞した際に払い出された遊技球(賞球)の合計値である。本実施形態の場合、上始動口34または下始動口35は3個、大入賞口50は13個、一般入賞口43は10個である。
また、特定状態として、何れの状態を採用するかについては、如何なる状態下の性能情報を把握したいかに応じて適宜定めることができる。本実施形態の場合であれば、通常状態、潜確状態、時短状態、確変状態、大当り遊技中のうち、何れの状態も採用することができる。また、複数種類の状態を計測対象としてもよい。例えば、通常状態と確変状態や、当り遊技中を除く全ての遊技状態等であり、その計測対象とする種類は適宜定めることができる。
また、特定状態中の期間として、大当り抽選確率が低確率状態又は高確率状態の何れかの期間を採用してもよい。
また、1又は複数の特定の入賞口を計測対象から除外したものを総払出個数としてもよい(特定入賞口除外総払出個数)。例えば、各入賞口のうち、大入賞口50を計測対象から除外したものを、総払出個数としてもよい。
(2)その他、総払出個数、特定入賞口除外総払出個数、総アウト球数の何れかだけを計測し、その計測結果を性能情報としてもよい。
本実施形態では、通常状態中の総払出個数(通常時払出個数)と、通常状態中の総アウト球数(通常時アウト個数)とをリアルタイムで計測し、通常時払出個数を通常時アウト個数で除した値に百を乗じた値(通常時払出個数÷通常時アウト個数×100で算出される値)を性能情報(以下「通常時比率情報」と称する)として表示する。なお、この際の表示値は、小数点第1位を四捨五入した値とする。
従って、通常時払出個数、通常時アウト個数、通常時比率情報の各データが、RAM203の該当領域(特定中総賞球数格納領域、特定中アウト個数格納領域、特定比率情報格納領域)にそれぞれ格納(記憶)されるようになっている。但し、単に永続的に計測して性能情報を表示するのではなく、総アウト球数が所定の規定個数(例えば、60000個)に達した場合、一旦、計測を終了する。この規定個数とは、通常状態の総アウト球数ではなく、全遊技状態中(当り遊技中を含む)の総アウト球数(以下「全状態アウト個数」と称する)である。この全状態アウト個数もリアルタイムに計測され、RAM203の該当領域(全状態アウト個数格納領域)に格納される。以下、説明の便宜のために、特定中総賞球数格納領域、特定中アウト個数格納領域、特定比率情報格納領域、全状態アウト個数格納領域を「計測情報格納領域」と略称する。
そして、終了時点の通常時比率情報をRAM203の所定領域(性能表示格納領域)に格納し(今回の通常時比率情報を記憶)、その後、計測情報格納領域(通常時払出個数、通常時アウト個数および全状態アウト個数)をクリアしてから、再度、計測を開始する(通常時払出個数、通常時アウト個数、通常時比率情報および全状態アウト球数の計測を開始する)。そして、性能表示器99には、前回の通常時比率情報(計測履歴情報)と、現在計測中の通常時比率情報とが表示されるようになっている。なお、前回の情報に限らず、前々回やその前(3回前)などの履歴を表示可能に構成してもよく、何回前までの情報を表示するかについては適宜定めることができる。
(演出制御コマンド)
主制御部20は、処理状態に応じて、特別図柄変動表示ゲームに関する情報やエラーに関する情報等を含む種々の演出制御コマンドを、演出制御部24に対して送信可能とされている。但し、ゴト行為を防止するために、主制御部20は演出制御部24に対して信号を送信するのみで、演出制御部24からの信号を受信不可能な片方向通信の構成となっている。
ここで、演出制御コマンドは、1バイト長のモード(MODE)と、同じく1バイト長のイベント(EVENT)からなる2バイト構成により機能を定義し、MODEとEVENTの区別を行うために、MODEのBit7はON、EVENTのBit7をOFFとしている。これらの情報を有効なものとして送信する場合、モード(MODE)及びイベント(EVENT)の各々に対応してストローブ信号が出力される。すなわち、CPU201(主制御CPU)は、送信すべきコマンドがある場合、演出制御部24にコマンドを送信するためのモード(MODE)情報の設定及び出力を行い、この設定から所定時間経過後に1回目のストローブ信号の送信を行う。さらに、このストローブ信号の送信から所定時間経過後にイベント(EVENT)情報の設定及び出力を行い、この設定から所定時間経過後に2回目のストローブ信号の送信を行う。ストローブ信号は、CPU241(演出制御CPU)が確実にコマンドを受信可能とする所定期間、CPU201によりアクティブ状態に制御される。
[2-2.演出制御部]
演出制御部24は、CPU241(演出制御CPU)を内蔵したマイクロプロセッサを搭載するとともに、演出制御処理に要する演出データを格納したROM242(演出制御ROM)と、ワーク領域やバッファメモリとして機能するRAM243(演出制御RAM)とを搭載したマイクロコンピュータを中心に構成され、その他、音響制御部(音源IC)、RTC(Real Time Clock)機能部、カウンタ回路、割込みコントローラ回路、リセット回路、WDT回路などが設けられ、演出動作全般を制御する。
この演出制御部24の主な役割は、主制御部20からの演出制御コマンドの受信、演出制御コマンドに基づく演出の選択決定、液晶表示装置36の画像表示制御、スピーカ46の音制御、装飾ランプ45や各種LED(ボタンLED75、その他の演出用LED(図示せず))の発光制御、可動体役物の動作制御等である。
また演出制御部24は、液晶表示装置36の表示制御を司る表示制御部(図示せず)を備えている。この表示制御部は、画像展開処理や画像の描画などの映像出力処理全般の制御を司るVDP(Video Display Processor)と、VDPが画像展開処理を行う画像データ(演出画像データ)を格納した画像ROMと、VDPが展開した画像データを一時的に記憶するVRAM(Video RAM)と、VDPが表示制御を行うために必要な制御データを出力する液晶制御CPUと、液晶制御CPUの表示制御動作手順を記述したプログラムやその表示制御に必要な種々のデータを格納する液晶制御ROMと、ワーク領域やバッファメモリとして機能する液晶制御RAMと、を中心に構成されている。
また演出制御部24は、種々の演出(光演出や音演出や可動体役物による可動体演出)を現出させるために、装飾ランプ45や各種LEDを含む光表示装置45aに対する光表示制御部、スピーカ46を含む音響発生装置46aに対する音響制御部、可動体役物(図示せず)を動作させる可動体役物モータ80cに対する駆動制御部(モータ駆動回路)等を備えている。
また演出制御部24には、可動体役物の動作を監視する位置検出センサ82aが接続され、演出制御部24は、位置検出センサ82aからの検出情報に基づき、可動体役物の現在の動作位置(例えば、原点位置からの移動量)を監視しながらその動作態様を制御する。また位置検出センサ82aからの検出情報に基づき、可動体役物の動作の不具合を監視し、不具合が生じれば、これをエラーとして検出する。
また演出制御部24には、演出ボタン13のスイッチ、つまり演出ボタン13の操作検出スイッチが接続され、演出制御部24は、演出ボタン13からの操作検出信号を受信可能とされている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンドに基づき、予め用意された複数種類の演出パターンの中から抽選により、又は一意に演出パターンを選択(決定)し、必要なタイミングで各種の演出手段を制御して、目的の演出を現出させる。これにより、演出パターンに対応する液晶表示装置36による演出画像の表示、スピーカ46からの音の再生、装飾ランプ45やLEDの点灯点滅駆動が実現され、種々の演出パターン(装飾図柄変動表示動作や予告演出など)が時系列的に展開されることにより、広義の意味での「演出シナリオ」が実現される。
ここで、演出制御コマンドについて、演出制御部24(CPU241)は、主制御部20(CPU201)が送信する上述したストローブ信号の入力に基づき割込み処理を発生させてその受信・解析を行う。具体的に、CPU241は、上述したストローブ信号の入力に基づいてコマンド受信割込処理用の制御プログラムを実行し、これにより実現される割込み処理において、演出制御コマンドを取得し、コマンド内容の解析を行う。
この際、CPU241は、ストローブ信号の入力に基づいて割込みが発生した場合には、他の割込みに基づく割込み処理(定期的に実行されるタイマ割込処理)の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を行い、他の割込みが同時に発生してもコマンド受信割込処理を優先的に行うようになっている。
<3.動作の概要説明>
[3-1.図柄変動表示ゲーム]
次に、上記のような制御構成(図3)により実現される遊技機1の遊技動作の概要について説明する。
先ずは、図柄変動表示ゲームについて説明する。
(特別図柄変動表示ゲーム)
本実施形態の遊技機1では、所定の始動条件、具体的には、遊技球が上始動口34又は下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「大当り抽選」が行なわれる。主制御部20は、その抽選結果に基づき、特別図柄表示装置38a、38bに特別図柄1、特別図柄2を変動表示して特別図柄変動表示ゲームを開始させ、所定時間経過後に、その結果を特別図柄表示装置に導出表示して、これにより特別図柄変動表示ゲームを終了させる。
ここで本実施形態では、上始動口34への入賞に基づく大当り抽選と、下始動口35への入賞に基づく大当り抽選とは別個独立して行われる。このため、上始動口34に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38a側で、下始動口35に関する大当り抽選結果は特別図柄表示装置38b側で導出されるようになっている。具体的には、特別図柄表示装置38a側においては、上始動口34に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄1を変動表示して第1の特別図柄変動表示ゲームが開始され、他方、特別図柄表示装置38b側においては、下始動口35に遊技球が入球したことを条件に、特別図柄2を変動表示して第2の特別図柄変動表示ゲームが開始されるようになっている。そして、特別図柄表示装置38a、又は特別図柄表示装置38bにおける特別図柄変動表示ゲームが開始されると、所定の変動表示時間経過後に、大当り抽選結果が「大当り」の場合には所定の「大当り」態様で、それ以外の場合には所定の「はずれ」態様で、変動表示中の特別図柄が停止表示され、これによりゲーム結果(大当り抽選結果)が導出されるようになっている。
なお本明細書中では、説明の便宜上、特別図柄表示装置38a側の第1の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム1」と称し、特別図柄表示装置38b側の第2の特別図柄変動表示ゲームを「特別図柄変動表示ゲーム2」と称する。また特に必要のない限り、「特別図柄1」と「特別図柄2」とを単に「特別図柄」と称し(場合により「特図」と略称する)、また「特別図柄変動表示ゲーム1」と「特別図柄変動表示ゲーム2」とを単に「特別図柄変動表示ゲーム」と称する。
(装飾図柄変動表示ゲーム)
また、上述の特別図柄変動表示ゲームが開始されると、これに伴って、液晶表示装置36に装飾図柄(演出的な遊技図柄)を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームが開始され、これに付随して種々の演出が展開される。そして特別図柄変動表示ゲームが終了すると、装飾図柄変動表示ゲームも終了し、特別図柄表示装置には大当り抽選結果を示す所定の特別図柄が、そして液晶表示装置36には当該大当り抽選結果を反映した装飾図柄が導出表示されるようになっている。すなわち、装飾図柄の変動表示動作を含む演出的な装飾図柄変動表示ゲームにより、特別図柄変動表示ゲームの結果を反映表示するようになっている。
従って、例えば特別図柄変動表示ゲームの結果が「大当り」である場合(大当り抽選結果が「大当り」である場合)、装飾図柄変動表示ゲームではその結果を反映させた演出が展開される。そして特別図柄表示装置において、特別図柄が大当りを示す表示態様(例えば、7セグが「7」の表示状態)で停止表示されると、液晶表示装置36には、「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、装飾図柄が「大当り」を反映させた表示態様(例えば「左」「中」「右」の各表示エリアにおいて、3個の装飾図柄が「7」「7」「7」の表示状態)で停止表示される。
この「大当り」となった場合、具体的には、特別図柄変動表示ゲームが終了して、これに伴い装飾図柄変動表示ゲームが終了し、その結果として「大当り」の図柄態様が導出表示された後、特別変動入賞装置52の大入賞口ソレノイド52cが作動して開放扉52bが所定のパターンで開閉動作を行い、これにより大入賞口50が開閉され、通常遊技状態よりも遊技者に有利な特別遊技状態(大当り遊技)が発生する。この大当り遊技では、開放扉52bにより、大入賞口の開放時間が所定時間(最大開放時間:たとえば、29.8秒)経過するまでか、又は大入賞口に入賞した遊技球数(大入賞口50への入賞球)が所定個数(最大入賞数:役物の1回の作動によりその入口が開き、または拡大した入賞口に対して許容される入賞球数の上限個数:たとえば、9個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これら何れかの条件を満した場合に大入賞口が閉鎖される、といった「ラウンド遊技」が、予め定められた規定ラウンド数(たとえば、最大16ラウンド)繰り返される。
上記大当り遊技が開始すると、最初に大当りが開始された旨を報知するオープニング演出が行われ、オープニング演出が終了した後、ラウンド遊技があらかじめ定められた規定ラウンド数を上限として複数回行われる。そして、規定ラウンド数終了後には、大当りが終了される旨を報知するエンディング演出が行われ、これにより大当り遊技が終了するようになっている。
上記の装飾図柄変動表示ゲームの実行に必要な情報に関しては、先ず主制御部20が、上始動口34又は下始動口35に遊技球が入球(入賞)したことに基づき、具体的には、上始動口センサ34a又は下始動口センサ35aにより遊技球が検出されて始動条件(特別図柄に関する始動条件)が成立したことを条件に、「大当り」又は「はずれ」の何れであるかを抽選する‘当落抽選(当否種別抽選)’と、「大当り」であったならばその大当り種別を、「はずれ」であったならばそのはずれ種別を抽選する‘図柄抽選(当選種別(当り種別)抽選)’とを含む大当り抽選を行い(はずれが1種類の場合は、はずれについて種別抽選を行う必要がないためその抽選を省略してもよい)、その抽選結果情報に基づき、特別図柄の変動パターンや、当選種別に応じて最終的に停止表示させる特別図柄(以下、「特別停止図柄」と称する)を決定する。
そして、主制御部20は、処理状態を特定する演出制御コマンドとして、少なくとも特別図柄の変動パターン情報(例えば、大当り抽選結果及び特別図柄の変動時間に関する情報等)を含む「変動パターン指定コマンド」を演出制御部24側に送信する。これにより、装飾図柄変動表示ゲームに必要とされる基本情報が演出制御部24に送られる。なお本実施形態では、演出のバリエーションを豊富なものとするべく、特別停止図柄の情報(図柄抽選結果情報(当り種別に関する情報))を含む「装飾図柄指定コマンド」も演出制御部24に送信するようになっている。
上記特別図柄の変動パターン情報には、特定の予告演出(例えば、後述の「リーチ演出」や「疑似連演出」など)の発生の有無を指定する情報を含むことができる。詳述するに、特別図柄の変動パターンは、大当り抽選結果に応じて、当りの場合の「当り変動パターン」と、はずれの場合の「はずれ変動パターン」に大別される。これら変動パターンには、例えば、後述のリーチ演出の発生を指定する‘リーチ変動パターン’、リーチ演出の発生を指定しない‘通常変動パターン’、疑似連演出とリーチ演出との発生(重複発生)を指定する‘疑似連有りリーチ変動パターン’、疑似連演出の発生を指定し、リーチ演出の発生は指定しない‘疑似連有り通常変動パターン’等、複数種類の変動パターンが含まれる。なお、リーチ演出や疑似連演出の演出時間を確保する関係上、通常、リーチ演出や疑似連演出を指定する変動パターンの方が、通常変動パターンよりも変動時間が長く定められている。
演出制御部24は、主制御部20から送られてくる演出制御コマンド(ここでは、変動パターン指定コマンドと装飾図柄指定コマンド)に含まれる情報に基づいて、装飾図柄変動表示ゲーム中に時系列的に展開させる演出内容(予告演出等の演出シナリオ)や、最終的に停止表示する装飾図柄(装飾停止図柄)を決定し、特別図柄の変動パターンに基づくタイムスケジュールに従い装飾図柄を変動表示して装飾図柄変動表示ゲームを実行させる。これにより、特別図柄表示装置38a、38bによる特別図柄の変動表示と時間的に同調して、液晶表示装置36による装飾図柄が変動表示され、特別図柄変動表示ゲームの期間と装飾図柄変動表示ゲーム中の期間とが、実質的に同じ時間幅となる。また演出制御部24は、演出シナリオに対応するように、液晶表示装置36又は光表示装置45a或いは音響発生装置46aをそれぞれ制御し、装飾図柄変動表示ゲームにおける各種演出を展開させる。これにより、液晶表示装置36での画像の再生(画像演出)と、効果音の再生(音演出)と、装飾ランプ45やLEDなどの点灯点滅駆動(光演出)とが実現される。
このように特別図柄変動表示ゲームと装飾図柄変動表示ゲームとは不可分的な関係を有し、特別図柄変動表示ゲームの表示結果を反映したものが装飾図柄変動表示ゲームにおいて表現されることとしているので、この二つの図柄変動表示ゲームを等価的な図柄遊技と捉えても良い。本明細書中では特に必要のない限り、上記二つの図柄変動表示ゲームを単に「図柄変動表示ゲーム」と称する場合がある。
(普通図柄変動表示ゲーム)
また遊技機1においては、普通図柄始動口37に遊技球が通過(入賞)したことに基づき、主制御部20において乱数抽選による「補助当り抽選」が行なわれる。この抽選結果に基づき、LEDにより表現される普通図柄を普通図柄表示装置39aに変動表示させて普通図柄変動表示ゲームを開始し、一定時間経過後に、その結果をLEDの点灯と非点灯の組合せにて停止表示するようになっている。例えば、普通図柄変動表示ゲームの結果が「補助当り」であった場合、普通図柄表示装置39aの表示部を特定の点灯状態(例えば、2個のLED39が全て点灯状態、又は「○」と「×」を表現するLEDのうち「○」側のLEDが点灯状態)にて停止表示させる。
この「補助当り」となった場合には、普通電動役物ソレノイド41c(図3参照)が作動し、これにより可動翼片47が逆「ハ」の字状に開いて下始動口35が開放または拡大されて遊技球が流入し易い状態(始動口開状態)となり、通常遊技状態よりも遊技者に有利な補助遊技状態(以下、「普電開放遊技」と称する)が発生する。この普電開放遊技では、普通変動入賞装置41の可動翼片47により、下始動口35の開放時間が所定時間(例えば0.2秒)経過するまでか、又は下始動口35に入賞した遊技球数が所定個数(例えば4個)に達するまで、その入賞領域が開放または拡大され、これら何れかの条件を満たした場合に下始動口35を閉鎖する、といった動作が所定回数(たとえば、最大2回)繰り返されるようになっている。
(保留について)
ここで本実施形態では、特別/装飾図柄変動表示ゲーム中、普通図柄変動表示ゲーム中、大当り遊技中、又は普電開放遊技中等に、上始動口34又は下始動口35若しくは普通図柄始動口37に入賞が発生した場合、すなわち上始動口センサ34a又は下始動口センサ35a若しくは普通図柄始動口センサ37aからの検出信号の入力があり、対応する始動条件(図柄遊技開始条件)が成立した場合、これを変動表示ゲームの始動権利に係るデータとして、変動表示中に関わるものを除き、所定の上限値である最大保留記憶数(例えば最大4個)まで保留記憶されるようになっている。この図柄変動表示動作に供されていない保留中の保留データ、又はその保留データに係る遊技球を、「作動保留球」とも称する。この作動保留球の数を遊技者に明らかにするため、遊技機1の適所に設けた専用の保留表示器(図示せず)、又は液晶表示装置36による画面中にアイコン画像として設けた保留表示器を点灯表示させる。
また本実施形態では、特別図柄1、特別図柄2、及び普通図柄に関する作動保留球をそれぞれ最大4個までRAM203の該当記憶領域に保留記憶し、特別図柄又は普通図柄の変動確定回数として保留する。なお、特別図柄1、特別図柄2、及び普通図柄に関する各作動保留球数の最大記憶数(最大保留記憶数)は特に制限されない。また、各図柄の最大保留記憶数の全部又は一部が異なっていてもよく、その数は遊技性に応じて適宜定めることができる。
[3-2.遊技状態]
本実施形態に係る遊技機1では、特別遊技状態である上記大当りの他、複数種類の遊技状態を発生可能に構成されている。本実施形態の理解を容易なものとするために、先ず、種々の遊技状態について説明する。
本実施形態の遊技機1は、通常状態、時短状態、潜確状態、確変状態の少なくとも4種類の遊技状態を実行制御可能に構成されている。これら遊技状態は、大当り抽選確率状態(低確率状態、高確率状態)や電チューサポート状態(特典遊技)の発生の有無(電サポ有り、電サポ無し)等で区別される。
「電チューサポート状態」とは、普電開放遊技における普通変動入賞装置41の可動翼片47の開動作期間(可動翼片47の開放時間およびその開放回数の少なくともいずれか一方)が、通常状態よりも延長された「開放延長状態」を指す。開放延長状態が発生すると、可動翼片47の開動作期間が、例えば、通常時(非開放延長状態下)の0.2秒から1.7秒に延長され、またその開閉回数が、例えば、通常時の1回から2〜3回に延長される。
本実施形態の場合、電チューサポート状態下では、補助当り抽選確率が所定確率(通常確率)の低確率(例えば256分の1)から高確率(例えば256分の255)に変動して(普図確率変動状態)が発生するとともに、1回の普通図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(普通図柄の変動表示動作時間)を短縮する‘普通図柄時短状態’が発生する(例えば10秒から1秒に短縮される)。従って、電チューサポート状態が発生すると、普電開放遊技が頻繁に発生し、通常状態よりも単位時間当りの可動翼片47の作動率が向上する作動率向上状態(高ベース状態)となる。以下、電チューサポート状態下を「電サポ有り」、そうでない場合を「電サポ無し」と略称する。
本実施形態において、「通常状態」とは、大当り抽選確率が所定確率(通常確率)の低確率(例えば399分の1)であり、電サポ無しの遊技状態(低確率+電サポ無し)を言う。
「時短状態」とは、大当り抽選確率が通常状態と同様の低確率であるが、1回の特別図柄変動表示ゲームに要する平均的な時間(特別図柄の変動表示動作時間))が通常状態よりも短縮される‘特別図柄時短状態’が発生すると共に、電チューサポート状態となる遊技状態を言う。つまり、時短状態中は「低確率+電サポ有り+特別図柄時短状態」となる。
「潜確状態」とは、大当り抽選確率が上記低確率よりも上昇した高確率(例えば39.9分の1)に変動した‘特別図柄確変状態’であり、電サポ無しの遊技状態(高確率・電サポ無し)を言う。
「確変状態」とは、大当り抽選確率が潜確状態と同様の高確率であるが、特別図柄時短状態及び電チューサポート状態が発生する遊技状態を言う。つまり、確変状態中は「高確率+電サポ有り+特別図柄時短状態」となる。
遊技状態に関し、大当り抽選確率に着目すれば、遊技状態が「通常状態」「時短状態」である場合は、少なくとも大当り抽選確率が‘低確率状態’となり、遊技状態が「潜確状態」「確変状態」である場合は、少なくとも大当り抽選確率が‘高確率状態’となる。なお、大当り中は大入賞口が開閉される大当り遊技が発生するが、大当り抽選確率及び電サポの有無については、上記通常状態と同じ、低確率・電サポ無しの遊技状態下に置かれる。
[3-3.当りについて]
続いて、遊技機1における「当り」について説明する。
本実施形態の遊技機1においては、複数種類の当りを対象に大当り抽選(当り抽選)を行うようになっている。本例の場合、当りの種別には、大当り種別に属する例えば「通常4R」「通常6R」「確変6R」「確変10R」の各大当りが含まれる。
なお、上記「R」の表記は、規定ラウンド数(最大ラウンド数)を意味する。
大当り種別は、条件装置の作動契機となる当りである。ここで「条件装置」とは、その作動がラウンド遊技を行うための役物連続作動装置の作動に必要な条件とされている装置で、特定の特別図柄の組合せが表示され、又は遊技球が大入賞口内の特定の領域を通過した場合に作動するものを言う。
上記確変状態は、大当り種別に当選することなく、特別図柄変動表示ゲームの実行回数が所定回数(例えば70回:規定ST回数)終了した場合に、高確率状態を終了させて低確率に移行させる、いわゆる「回数切り確変機(ST機)」となっており、規定ST回数が終了したときは、次ゲームから通常状態に移行される。但し、次回大当りが当選するまで継続させるタイプの「一般確変機」としてもよい。
なお、特別図柄変動表示ゲームの実行回数は、特別図柄変動表示ゲーム1、及び特別図柄変動表示ゲーム2の合計実行回数(特図1及び特図2の合計変動回数)であってもよいし、何れか一方の実行回数(例えば特別図柄変動表示ゲーム2の実行回数)であってもよい。また、時短状態の回数についても60回や100回に限らず、遊技性に応じて適宜定めることができる。また、どのような種類の当りを設けるかについても特に制限はなく、適宜定めることができる。
ここで、本例では、大当たり種別と同様に「はずれ」についても複数の種別が設けられている。具体的には、「はずれ1」「はずれ2」「はずれ3」の三種のはずれ種別が設けられている。
前述のように、当落抽選の結果が「はずれ」であった場合には、図柄抽選においてはずれ種別の抽選が行われる。
[3-4.演出について]
(演出モード)
次に、演出モード(演出状態)について説明する。本実施形態の遊技機1には、遊技状態に関連する演出を現出させるための複数種類の演出モードが設けられており、その演出モード間を行き来可能に構成されている。具体的には、通常状態、時短状態、潜確状態、確変状態のそれぞれに対応した、通常演出モード、時短演出モード、潜確演出モード、確変演出モードが設けられている。各演出モードでは、装飾図柄の変動表示画面のバックグラウンドとしての背景表示が、それぞれ異なる背景演出により表示され、遊技者が現在、どのような遊技状態に滞在しているかを把握することができるようになっている。
演出制御部24(CPU241)は、複数種類の演出モード間を移行制御する機能部(演出状態移行制御手段)を有する。演出制御部24(CPU241)は、主制御部20(CPU201)から送られてくる特定の演出制御コマンド、具体的には、主制御部20側で管理される遊技状態情報を含む演出制御コマンドに基づいて、主制御部20側で管理される遊技状態と整合性を保つ形で、現在の遊技状態を把握し、複数種類の演出モード間を移行制御可能に構成されている。上記のような特定の演出制御コマンドとしては、例えば、変動パターン指定コマンド、装飾図柄指定コマンド、遊技状態に変化が生じる際に送られる遊技状態指定コマンド等がある。
(予告演出)
次に、予告演出について説明する。演出制御部24は、主制御部20からの演出制御コマンドの内容、具体的には、少なくとも変動パターン指定コマンドに含まれる変動パターン情報に基づき、現在の演出モードと大当り抽選結果とに関連した様々な「予告演出」を現出制御可能に構成されている。このような予告演出は、当り種別に当選したか否かの期待度(以下「当選期待度」と称する)を示唆(予告)し、遊技者の当選期待感を煽るための「煽り演出」として働く。予告演出として代表的なものには、「リーチ演出」や「疑似連演出」、さらには「先読み予告演出」等がある。演出制御部24は、これら演出を実行(現出)制御可能な予告演出制御手段として機能する。
「リーチ演出」とは、リーチ状態を伴う演出態様(リーチ状態を伴う変動表示態様:リーチ変動パターン)を言い、具体的には、リーチ状態を経由して最終的なゲーム結果を導出表示するような演出態様を言う。リーチ演出には当選期待度に関連付けられた複数種類のリーチ演出が含まれる。例えば、ノーマルリーチ演出が出現した場合に比べて、当選期待度が相対的に高まるものがある。このようなリーチ演出を‘スーパーリーチ演出’と言う。この「スーパーリーチ」の多くは、当選期待感を煽るべく、ノーマルリーチによりも相対的に長い演出時間(変動時間)を持つ。また、ノーマルリーチやスーパーリーチには複数種類のリーチ演出が含まれる。本例では、スーパーリーチには、スーパーリーチ1、2、3、4という複数種類のリーチ演出が含まれ、これらスーパーリーチ1〜4の当選期待度については「スーパーリーチ1<スーパーリーチ2<スーパーリーチ3<スーパーリーチ4」という関係性を持たせている。
「疑似連演出」とは、装飾図柄の疑似的な連続変動表示状態(疑似連変動)を伴う演出態様を言い、「疑似連変動」とは、装飾図柄変動表示ゲーム中において、装飾図柄の一部又は全部を一旦仮停止状態とし、その仮停止状態から装飾図柄の再変動表示動作を実行する、といった表示動作を1回または複数回繰り返す変動表示態様をいう。この点、複数回の図柄変動表示ゲームに跨って展開されるような後述の「先読み予告演出(連続予告演出)」とは異なる。このような「疑似連」は、基本的には、疑似変動回数が多くなるほど当選期待度が高まるようにその発生率(出現率)が定められており、例えば、疑似変動回数に応じて、スーパーリーチ等の期待感を煽るための演出が選択され易くされている。
「先読み予告演出」とは、未だ図柄変動表示ゲームの実行(特別図柄の変動表示動作)には供されていない作動保留球(未消化の作動保留球)について、主に、保留表示態様や先に実行される図柄変動表示ゲームの背景演出等を利用して、当該作動保留球が図柄変動表示ゲームに供される前に、当選期待度を事前に報知し得る演出態様である。なお、図柄変動表示ゲームにおいては、上記「リーチ演出」の他、いわゆる「SU(ステップアップ)予告演出」や「タイマー予告演出」、「復活演出」、「プレミア予告演出」などの種々の演出が発生し、ゲーム内容を盛り上げるようになっている。
ここで、図4を参照し、上記先読み予告演出の一例としての「保留変化予告演出」について説明する。
本実施形態の遊技機1の場合、液晶表示装置36の画面内の上側の表示エリアには、装飾図柄変動表示ゲームを現出する表示エリア(装飾図柄の変動表示演出や予告演出を現出するための表示領域)が設けられており、また画面内の下側の表示エリアには、特別図柄1側の作動保留球数を表示する保留表示領域76(保留表示部a1〜d1)と特別図柄2側の作動保留球数を表示する保留表示領域77(保留表示部a2〜d2)とが設けられている。作動保留球の有無に関しては、所定の保留表示態様により、その旨が報知される。図4では、作動保留球の有無を点灯状態(作動保留球あり:図示の「○(白丸印)」)、又は消灯状態(作動保留球なし:図示の破線の丸印)にて、現在の作動保留球数に関する情報が報知される例を示している。
作動保留球の有無に関する表示(保留表示)は、その発生順(入賞順)に順次表示され、各保留表示領域76、77において、一番左側の作動保留球が、当該保留表示内の全作動保留球のうち時間軸上で一番先に生じた(つまり最も古い)作動保留球として表示される。また、保留表示領域76、77の左側には、現に特別図柄変動表示ゲームに供されている作動保留球を示すための変動中表示領域78が設けられている。本実施形態の場合、変動中表示領域78は、受座Jのアイコン上に、現在ゲームに供されているゲーム実行中保留Kのアイコンが載る形の画像が現れるように構成されている。すなわち、特別図柄1又は特別図柄2の変動表示が開始される際に、保留表示領域76、77に表示されていた最も古い保留a1又はa2のアイコン(アイコン画像)が、ゲーム実行中保留Kのアイコンとして、変動中表示領域78おける受座Jのアイコン上に移動し、その状態が所定の表示時間にわたって維持される。
作動保留球が発生した場合、主制御部20から、大当り抽選結果に関連する先読み判定情報と、先読み判定時の作動保留球数(今回発生した作動保留球を含め、現存する作動保留球数)とを指定する「保留加算コマンド」が演出制御部24に送信される(図12のステップS809〜S812参照)。
本実施形態の場合、上記保留加算コマンドは2バイトで構成され、保留加算コマンドは、先読み判定時の作動保留球数を特定可能とする上位バイト側のデータと、先読み判定情報を特定可能とする下位バイト側データとから構成される。
ここで、上記説明から理解されるように、本実施形態では、上始動口34又は下始動口35に入賞が発生して新たに保留球が生じたことに基づいて、当該保留球についての先読み判定として、当該保留球に係る図柄変動表示ゲームについての大当り抽選が行われる。後述するように、主制御部20は、このような先読み判定として行った大当り抽選の結果を表す情報を、RAM203の該当記憶領域に保留記憶する。
先読み判定時に得られた大当り抽選結果の情報は、図柄変動表示ゲームにおける図柄変動パターンを選択(抽選)するために用いられるものであり、いわば「変動パターン選択用情報」と換言することができる。従って、主制御部20は、先読み判定を行って、その結果得られる「変動パターン選択用情報」をRAM203の所定領域に保留記憶していると言うことができる。
演出制御部24は、主制御部20が送信した上記の保留加算コマンドを受信すると、これに含まれる先読み判定情報に基づき、上記保留表示に関連する表示制御処理の一環として、「先読み予告演出」に関する演出制御処理を行う。具体的には、先読み予告演出の実行可否を抽選する「先読み予告抽選」を行い、これに当選した場合には、先読み予告演出を現出させる。
なお、先読み予告抽選について、本実施形態における「保留変化予告」についての先読み予告抽選の手法については後に改めて説明する。
ここで、先読み判定情報とは、具体的には、主制御部20において、作動保留球が図柄変動表示ゲームに供される際に実行される大当り抽選結果(変動開始時の大当り抽選結果)や変動開始時の変動パターンを先読み判定して得られる遊技情報である。すなわち、この情報には、少なくとも変動開始時の当落抽選結果を先読み判定した情報(先読み当落情報)が含まれ、その他、図柄抽選結果を先読み判定した情報(先読み図柄情報)や変動開始時の変動パターンを先読み判定した情報(先読み変動パターン情報)を含ませることができる。如何なる情報を含む保留加算コマンドを演出制御部24に送るかについては、先読み予告にて報知する内容に応じて適宜定めることができる。
本例では、保留加算コマンドには先読み当落情報、先読み図柄情報、及び先読み変動パターン情報が含まれているものとする。
なお、作動保留球発生時の先読み判定により得られる「先読み変動パターン」は、必ずしも作動保留球が実際に変動表示動作に供されるときに得られる「変動開始時の変動パターン」そのものではある必要はない。例えば、上記変動開始時の変動パターンが「スーパーリーチ1」を指定する変動パターンであるケースを代表的に説明すれば、本ケースでは、先読み変動パターンにより指定される内容が「スーパーリーチ1」というリーチ演出の種類そのものではなく、その骨子である「スーパーリーチ種別」である旨を指定することができる。
本実施形態の場合、先読み予告抽選に当選した場合には、保留表示部a1〜d1、a2〜d2の保留アイコンのうちで、その先読み予告対象となった保留アイコンが、例えば、通常の保留表示(通常保留表示態様)の白色から、予告表示の青色、緑色、赤色、デンジャー柄(或いは虹色などの特殊な色彩や絵柄)による保留表示(特別保留表示態様)に変化し得る「保留表示変化系」の先読み予告演出(「保留変化予告」とも称する)が行われる。
図4では、ハッチングされた保留表示部b1の作動保留球が、特別保留表示に変化した例を示している。ここで、保留アイコンの青色、緑色、赤色、デンジャー柄の表示は、この順に、当選期待度が高いことを意味しており、特にデンジャー柄の保留アイコンの表示は、大当り当選期待度が極めて高い表示となるプレミアム的な保留アイコンとされている。
(演出手段)
遊技機1における各種の演出は、遊技機1に配設された演出手段により現出される。この演出手段は、視覚、聴覚、触覚など、人間の知覚に訴えることにより演出効果を発揮し得る刺激伝達手段であれば良く、装飾ランプ45やLED装置などの光発生手段(光表示装置45a:光演出手段)、スピーカ46などの音響発生装置(音響発生装置46a:音演出手段)、液晶表示装置36などの演出表示装置(表示手段)、操作者の体に接触圧を伝える加圧装置、遊技者の体に風圧を与える風圧装置、その動作により視覚的演出効果を発揮する可動体役物などは、その代表例である。ここで、演出表示装置は、画像表示装置と同じく視覚に訴える表示装置であるが、画像によらないもの(例えば7セグメント表示器)も含む点で画像表示装置と異なる。画像表示装置と称する場合は主として画像表示により演出を現出するタイプを指し、7セグメント表示器のように画像以外により演出を現出するものは、上記演出表示装置の概念の中に含まれる。
<4.主制御部の処理>
図5〜図22を参照して、本実施形態の主制御部20が行う処理について説明する。主制御部20の処理は、主に、所定のメイン処理(主制御側メイン処理:図5)と、CTCからの定時割込みで起動されるタイマ割込み処理(主制御側タイマ割込み処理:図8)とを含んで構成される。
[4-1.主制御側メイン処理]
図5は、主制御側メイン処理を示したフローチャートである。
主制御側メイン処理が開始されるのは、停電状態や電源異常等からの復旧時に電源基板からのシステムリセット信号によるシステムリセットが生起した場合や、制御プログラムが暴走したことによりウォッチドッグタイマ機能(WDT)が発揮されてCPU201が強制的にリセット(WDTリセット)される場合等がある。何れの場合でも、当該メイン処理が開始されると、主制御部20(CPU201)は、先ず、CPU201を含む各部のレジスタの値を初期設定する等の遊技動作開始に必要な初期設定処理を実行する(ステップS101)。
(初期設定処理)
図6は、ステップS101の初期設定処理を示したフローチャートである。
図6において、上記のシステムリセットやWDTリセットが発生すると、CPU201はステップS201で、自らを割込み禁止状態に設定し、次いで、ステップS202の処理に移行し、起動時の初期設定として、以下の各処理を実行する。
すなわち、マイクロコンピュータの各部を含めてCPU201内部のレジスタ値等を初期設定する初期化処理、所定の割込みモードに設定する割込みモード設定処理、CPU201内部のスタックポインタの値を、スタック領域の最終アドレスに対応して設定するスタックポインタ設定処理、内部ハード乱数回路を起動させる内部ハード乱数設定処理等を実行する。
ステップS202に続くステップS203でCPU201は、サブ制御基板(演出制御部24)の起動待ち時間をセットする。そして、ステップS204〜S206の処理により、WDTのカウント値がタイムアウトしてWDTリセットが生起しないようにWDTのカウント値をクリアしながら、セットした起動待ち時間が経過するのを待機する。具体的には、セットした起動待ち時間を1減算し(ステップS204)、WDTのカウント値をクリアして(ステップS205:WDTクリア処理)、起動待ち時間がゼロでなければ(ステップS206:≠0)、ステップS204の処理に戻る。この待ち時間により、演出制御部24の起動が完了することになる。
ステップS206において、上記の起動待ち時間が経過した場合(待ち時間=0)、CPU201はステップS207で電源基板から出力される電源異常信号を2回読み込む。次いで、CPU201はステップS208で、2回読み込んだ電源異常信号のレベルが一致するか否かを判定し、一致するまでステップS207とS208の処理を繰り返し、電源異常信号のレベルが一致した場合は、ステップS209で電源異常信号が正常レベルか否か(電源異常信号がOFF=正常レベル、ON=正常レベルでない)を判定する。
電源異常信号が正常レベルでなければ(ステップS209:ON)、CPU201はステップS207の処理に戻る。すなわち、電源異常信号が正常レベルに変化するまで同一の処理を繰返す。
一方、電源異常信号が正常レベルであれば(ステップS209:OFF)、CPU201はステップS210に進み、該ステップS210とS211の処理により、WDTのカウント値をクリアしながら払出制御基板29からの電源投入時信号が送られてくるのを待機する。この電源投入時信号は、払出制御基板29が正常に立ち上がった場合に出力される信号であり、CPU201は、払出制御基板29が正常起動するまで待機するようになっている。これにより、何らかのトラブルによって払出制御基板29が正常に機能していない場合には、ステップS210とS211の処理が繰り返されるだけで遊技動作は開始されない。従って、例えば賞球が払い出されない等の払出異常が発生せず、遊技者に不信感を与えることの防止が図られる。
CPU201は、上記の電源投入時信号が送られてきた場合は(ステップS211:ON)、ステップS101の初期設定処理を終える。
(初期設定後の処理)
CPU201は、上記の初期設定処理を終えたことに応じ、図5に示すステップS102に進む。
ステップS102でCPU201は、待機画面表示コマンドを演出制御部24に送信する。
この待機画面表示コマンドを受け、演出制御部24は、例えば「Please Wait...」等の文字が配された画面等、起動時に対応して定められた所定の画面表示を液晶表示装置36に実行させる。
ステップS102に続くステップS103でCPU201は、RAM異常か否かを判定する。具体的には、RAM203のワーク領域に格納されている設定値Veが正常な範囲外の値(本例では設定1〜6に対応した設定値Ve=0〜5の範囲外)であるか否かを少なくとも判定する。
ここで、実際にCPU201が扱う設定値Veとしては、例えば1バイトの値とされ、設定1〜設定6に対応する値として00H〜05Hの値が定められている。なお、「H」は16進数を意味する(以下、同様)。ステップS201の判定処理では、RAM203のワーク領域に格納されている値が00H〜05Hの範囲の値であるか否かを判定する。
設定値Veが上記の正常な範囲外の値でなく、RAM異常ではないと判定した場合、CPU201はステップS104に処理を進める。
RAM異常ではなくステップS104に処理が進められた場合、設定変更モードへの移行条件、RAMクリア条件、バックアップ復帰条件の何れかが満足されているか否かが判定され(S105、S106、S107、S108)、判定結果に応じて設定変更モードへの移行、RAM203のクリア、バックアップ復帰が行われる。
先ず、ステップS104でCPU201は、入力ポートの情報取得及びマスク処理を行う。この処理は、設定変更モードへの移行条件成立有無の判定に必要とされる情報を得るための処理である。具体的には、前扉開放センサ61、及び設定キースイッチ94による検出信号の値を得るための処理である。
なお、これら前扉開放センサ61、及び設定キースイッチ94による検出信号は、設定変更モードへの移行判定を行うにあたり主制御部20が用いる検出信号と換言できる。
ここで、本実施形態では、前扉開放センサ61、及び設定キースイッチ94が出力する検出信号は、主制御部(主制御基板)20が有する同一の入力ポートに入力される。さらに、本例では、該入力ポートには、前扉開放センサ61、及び設定キースイッチ94が出力する検出信号以外の信号も入力される構成となっている。
具体的に、上記の入力ポートは、例えば8ビットを入力可能な1バイトのポートとされ、1バイトのうち所定のビット位置に前扉開放センサ61が、他の所定のビット位置に設定キースイッチ94の検出信号値がそれぞれ割り当てられ、その他のビット位置にこれら前扉開放センサ61及び設定キースイッチ94の検出信号値以外の信号値が割り当てられている。
ステップS104において、CPU201は、該当する入力ポートにおける値(本例では1バイト)を取得し、該取得した値のうち、前扉開放センサ61、設定キースイッチ94の検出信号値以外の値をマスクする。
続くステップS105でCPU201は、ステップS104によるマスク後の値に基づき、扉開放且つ設定キーONであるか否かを判定する。すなわち、扉開放センサ61がON状態(前枠2開放状態)で、且つ設定キースイッチ94がON状態であるか否かを判定する。
本例では、このような扉開放且つ設定キーONであるか否かの判定は、ステップS104によるマスク後の値に基づいて一括判定として行う。具体的に、CPU201は、該マスク後の値(本例では2ビットの値)が所定の値であるか否かを判定することで、扉開放且つ設定キーONであるか否かを一括判定する。例えば、扉開放センサ61の検出信号値=「1」が前枠2解放状態を、設定キースイッチ94の検出信号値=「1」が設定キースイッチ94がON状態をそれぞれ表すものであれば、上記マスク後の各ビット位置の値が「1」であるか否かの判定を扉開放且つ設定キーONであるか否かの判定として行う。
上記のように本実施形態では、前扉開放センサ61及び設定キースイッチ94による検出信号、換言すれば、設定変更モードへの移行判定を行うにあたり用いられる各検出信号を主制御部20の同一入力ポートに入力し、入力した各検出信号の値がそれぞれ所定条件を満たす値であるか否かを一括判定している。
これにより、設定変更モードへの移行判定について、各検出信号の値が所定条件を満たす値か否かを個別判定する場合よりも判定処理数の削減が図られる。
上記のステップS105において、扉開放且つ設定キーONであるとの判定結果が得られた場合、CPU201はステップS114に処理を進め、設定変更中フラグをOFF状態からON状態とする。
先に触れたように、設定変更中フラグがON状態とされることで、後述する主制御側タイマ割込み処理の一部として実行される設定変更処理(図10参照)において、操作に応じて設定値Veを設定するための処理が行われる。
ステップS114で設定変更中フラグをON状態としたことに応じ、CPU201はステップS115で設定変更中コマンドを演出制御部24に送信する。
この設定変更中コマンドを受け、演出制御部24は、例えば「設定変更中です」等の文字が配された画面等、設定変更中である旨を報知するための画面表示を液晶表示装置36に実行させたり、スピーカ46から設定変更中に対応した音出力が行われるようにするための処理を行う。さらにこの際、演出制御部24は、前述した光発生手段(光表示装置45a)における所定のLED(例えば全LED)を所定の点灯パターンにより点灯させてもよい。
なお、設定変更中コマンドの受信に応じて演出制御部24が行う実施形態としての処理については後に改めて説明する。
ステップS115に続くステップS117でCPU201は、RAMクリア処理を実行し、ステップS118に進む。
このRAMクリア処理では、RAM203のRAM領域における設定値Veの格納領域、及び設定変更中フラグの格納領域、及び上述した性能情報の格納領域を除く所定の対象領域のデータをクリアする(例えば「0」を書き込む)処理を行う。
ここで、RAMクリア処理でクリア対象となるのは、通常の遊技進行の際に必要な各種のフラグやタイマやカウンタ等のRAM領域(通常データ格納領域)のデータである。これらのデータには、例えば次のようなものがある。すなわち、遊技状態指定に係るデータ(通常状態、確変状態、時短状態、潜確状態など、現在の遊技状態を特定する遊技状態フラグ)、当り遊技中であるか否かを指定するフラグ(条件装置作動フラグ)、当り遊技の実行に係る各種データ(現在のラウンド数、最大ラウンド数等)、大当り抽選結果に係るデータ(大当り判定フラグ:当落抽選結果情報、特別図柄判定データ:図柄抽選結果情報)、作動保留球に関する保留データ(作動保留球数、大当り抽選に利用される各種乱数値、補助当り抽選に利用される各種乱数値、変動パターン用乱数)、特別図柄動作ステータス、遊技進行を管理するタイマ(特別図柄役物動作タイマ)、スイッチ・センサ類に係る入出力データ、入賞口の入賞球数をカウントする各種の入賞カウンタ、電サポ状態の有無を指定するフラグ(開放延長フラグ)、電サポの残余回数をカウントする電サポ回数カウンタ、高確率状態の残余回数をカウントするカウンタ(特図確変回数カウンタ、普図確変回数カウンタ)、各種エラーフラグ(RAMエラーフラグを除く)、及び払出関連のデータ等である。何れにしても、RAMクリア処理が実行されると、特定のデータ(設定値Veや性能情報)以外のすべてのデータが初期状態に設定される。
ステップS118でCPU201は、現在の設定値Veを設定値バッファにセットする。
ここで、本実施形態では、RAM203における設定値Veの格納対象領域として、ワーク領域以外に設定値バッファとしての領域が確保されている。ステップS118の処理は、RAM203のワーク領域に格納されている現在の設定値Veを、設定値バッファにセット(格納)する処理となる。
なお、設定値バッファを設ける意義については後に改めて説明する。
ステップS118に続くステップS119でCPU201は、例えば4ms等の所定時間毎に定期的にタイマ割込みを発生させるためのCTCの設定を行う。
このステップS119の設定処理が行われることで、以降、割込みコントローラへの割込み要求信号が定期的に出力され、主制御側タイマ割込み処理が実行される。
続くステップS120でCPU201は、設定変更中フラグがONか否かを判定する。
設定変更中フラグがONでなければ、CPU201はステップS121で払出制御基板29に対する発射許可信号をONとする。
これに応じ払出制御基板29は、発射許可状態であると判断し、上記許可信号を発射制御基板28に対して出力し、発射装置32による遊技球の発射動作を許容する。これにより、発射操作ハンドル15による遊技球の発射が可能になる。
このように設定変更中フラグがONでない、すなわち起動時に設定変更が行われない場合には、遊技球の発射が可能な状態に移行される。
そして、図示のように、ステップS121で遊技球の発射が許可された場合には、ステップS122のメインループ処理に移行され、これにより、遊技動作の進行が可能な状態に制御されることになる。
なお、ステップS122のメインループ処理については図7により後述する。
一方、ステップS120で設定変更中フラグがONであるとされた場合、CPU201はステップS121の発射許可信号ON処理をパスしてステップS122のメインループ処理に進む。
すなわち、起動時に設定変更が行われる場合には、遊技球の発射が許可されず、遊技動作の進行が可能な状態には移行されない。後述するように、設定変更が行われる場合には、タイマ割込み処理側で設定値Veを確定する操作が行われたことに応じて発射許可信号がONとされる(図10のステップS611、S615を参照)。すなわち、設定変更操作の完了に応じて遊技動作の進行が可能な状態に移行される。
なお、上記では、主制御部20からの発射許可信号を払出制御基板29が受けて発射動作を許容する構成、つまり、主制御部20からの発射許可の指示情報が、払出制御基板29を通じて間接的に発射制御基板28に送られる構成を例示したが、本発明はこれに限らず、例えば、主制御部20による発射許可信号を直接的に発射制御基板28に出力する構成とすることもできる。
続いて、先のステップS103でRAM異常と判定された場合について説明する。
RAM異常と判定された場合、CPU201はステップS110に進み、設定変更待ちコマンドを演出制御部24に送信する。
本実施形態では、起動時においてRAM異常が検知された場合には、強制的に設定変更モードに移行させて設定値Veの変更(設定)を受け付ける。このためCPU201は、先ずステップS110で、設定変更待ちコマンドにより設定変更モードに移行する旨を演出制御部24側に通知する。
該設定変更待ちコマンドを受け演出制御部24は、例えば「扉を開けて設定を変更して下さい」等の文字を含む画面等、設定変更操作を促すための画面表示を液晶表示装置36に実行させる。このとき、演出制御部24は、該画面表示と共に対応する光演出(例えば光表示装置45aにおける全LED点灯)や音演出を現出させる制御を行ってもよい。
ステップS110のコマンド送信処理を行ったことに応じ、CPU201はステップS111、S112、S113の処理により、WDTによるリセットがかからないようにWDTをクリアしつつ(S111)、設定変更モードへの移行条件が成立するまで待機する(S112、S113)。ここで、ステップS112、S113の処理は、先に説明したステップS104、S105の処理と同様となるため重複説明は避ける。
ステップS113において、扉開放且つ設定キーONであると判定した場合、CPU201は上述したステップS114に処理を進める。これにより、起動時にRAM異常起因により設定変更モードに移行する場合も、設定変更中フラグがONとされ(S114)、設定変更中コマンドの送信(S115)、及びRAMクリア処理(S117)が行われた上で、上述したステップS118以降の処理が実行される。
続いて、設定変更が行われずRAMクリアが行われる場合を説明する。
先のステップS105において、扉開放且つ設定キーONでないと判定した場合、CPU201はステップS106に進み、RAMクリアスイッチ98がONであるか否かを判定する。
RAMクリアスイッチ98がONであれば、CPU201はステップS116に進んでRAMクリアコマンドを演出制御部24に送信した上で、ステップS117のRAMクリア処理を実行する。
上記のRAMクリアコマンドを受け演出制御部24は、RAMクリア時に対応した画面表示や光演出、音演出が行われるようにするための処理を行う。
なお、RAMクリアコマンドに応じて演出制御部24が行う実施形態としての処理については後述する。
なお、上記のように本実施形態の遊技機1では、設定変更をせずにRAMクリアを行うことが可能とされている。これにより、RAM203における払出関係のデータ等、設定値Veに係るデータ以外をクリアしたい場合に対応可能とされている。
また、CPU201は、ステップS106でRAMクリアスイッチ98がONでないと判定した場合は、ステップS107でバックアップフラグがONであるか否かを判定し、バックアップフラグがONである場合はステップS108でチェックサムが一致するか否かを判定する。
ここで、遊技機1において、電源遮断時には、主制御側タイマ割込み処理における後述する電源異常チェック処理(ステップS401、図9参照)により、RAM203の記憶情報についてバックアップのための処理が行われる。電源遮断時に適正にバックアップ処理が行われた場合には、バックアップフラグがON状態とされ、またRAM203の記憶データに基づくチェックサム値の演算及びRAM203への保存(RAM203におけるSUM番地)が行われる(図9ステップS511、S512参照)。
このため、上記のステップS107、S108では、これらバックアップフラグやチェックサム値を確認して、バックアップ復帰可能であるか否かの判定を行う。具体的に、ステップS107では、RAM203の所定領域に格納されたバックアップフラグがON状態である否かを判定する。また、ステップS108では、RAM203の記憶データに基づくチェックサム値の演算を行い、算出したチェックサム値とRAM203のSUM領域に保存されたチェックサム値とが一致するか否かを判定する。ここで、チェックサム値は、例えばRAM203の所定のワーク領域を対象とする8ビット加算演算により算出するものである。
なお、RAM203の記憶データは、電源遮断後もバックアップ電源によって維持される。
ステップS107でバックアップフラグがONでないと判定した場合、ステップS108でチェックサムが一致していないと判定した場合のそれぞれにおいて、CPU201は上述したステップS110に処理を進める。これにより、バックアップ復帰条件を満たさない場合には、先に説明したRAM異常が認められた場合と同様、強制的に設定変更モードへの移行が行われる。
一方、ステップS108でチェックサムが一致すると判定した場合(つまりバックアップフラグON且つチェックサム一致の場合)、CPU201はステップS108のバックアップ復帰処理を行って、上述したステップS118に処理を進める。
なお、上記のバックアップ復帰処理は、電源遮断時にバックアップされたRAM203の記憶内容に基づいて、電源投入後に電源遮断前の動作に復帰させる処理となる。具体的に、CPU201は、電源遮断前におけるスタックポインタを復帰し、電源遮断時の処理状態から遊技動作を開始するための処理、及び、バックアップデータから遊技復旧に要する情報(例えば、電源遮断時における作動保留球数情報や保留データや遊技状態情報や当り遊技種別情報)を取得し、その情報を含ませた各種の演出制御コマンド(複数の遊技復帰用コマンド)を演出制御部24に送信する処理を行う。このような遊技復帰用コマンドにより、演出制御部24は電源遮断時の遊技進行状態を把握し、遊技復旧時には、電源遮断時の演出状態に復帰させる。
(メインループ処理)
図7は、ステップS122のメインループ処理を示したフローチャートである。
図7のメインループ処理において、CPU201はステップS301で、自身を割込み禁止状態に設定し、続くステップS302で乱数更新処理を実行する。この乱数更新処理では、特別図柄変動表示ゲームや普通図柄変動表示ゲームに使用される各種乱数(インクリメント処理によって所定数値範囲を循環している大当り抽選に係る乱数(図柄抽選に利用される特別図柄判定用乱数)や、補助当り抽選に係る乱数(補助当りの当落抽選に利用される補助当り判定用乱数))の初期値(スタート値)変更のために使用する乱数(特別図柄判定用初期値乱数、補助当り判定用初期値乱数)や、変動パターンの選択に利用される変動パターン用乱数を更新する。
本実施形態のRAM203には、大当り抽選に係る図柄抽選、補助当り抽選、又は変動パターン抽選などに利用される各種の乱数カウンタとして、特別図柄判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、特別図柄判定用乱数カウンタ、補助当り判定用乱数カウンタ初期値の生成用カウンタ、補助当り判定用乱数カウンタ、変動パターン用乱数カウンタ等が設けられている。これらのカウンタは、ソフトウェア的に乱数を生成する乱数生成手段としての役割を果たす。ステップS302の乱数更新処理では、上述の特別図柄判定用乱数カウンタや補助当り判定用乱数カウンタの初期値を生成する2つの初期値生成用カウンタ、変動パターン用乱数カウンタ等を更新して、上記各種のソフト乱数を生成する。例えば、仮に、変動パターン用乱数カウンタとして取り得る数値範囲が「0〜238」とすると、RAM203の変動パターン用乱数の値を生成するためのカウント値記憶領域から値を取得し、取得した値に「1」を加算してから元のカウント値記憶領域に格納する。このとき、取得した値に「1」を加算した結果が「239」であれば「0」を元の乱数カウンタ記憶領域に格納する。他の初期値生成用乱数カウンタも同様に更新する。
ステップS302の乱数更新処理を終えると、CPU201はステップS303で全レジスタの値を例えばRAM203の所定領域に退避する処理を行った上で、ステップS304で性能表示モニタ集計除算処理を行う。
この性能表示モニタ集計除算処理は、前述した性能情報としての値(ここでは、例えば前述した「通常時比率情報」としての値とする)を演算する処理である。前述のように、通常時比率情報の値は、総払出個数と総アウト球数とを用いて算出されるものであるが、CPU201は、総払出個数については、入賞口(上始動口34、下始動口35、一般入賞口43、大入賞口50)に入賞した遊技球の数をカウントした結果に基づき算出し、総アウト球数については、アウト口49から排出された遊技球の数をカウントすることで求める。
入賞球数のカウント、及びアウト球数のカウントは、主制御側タイマ割込み処理における後述する入力管理処理(図8ステップS408を参照)で行われる。CPU201は、このようにタイマ割込み処理側で行う入賞球数のカウント、及びアウト球数のカウントのそれぞれによるカウント値に基づき、ステップS304において通常時比率情報としての値を演算する。前述のように、演算した通常時比率情報としての値は、RAM203の所定領域(計測情報格納領域)に格納される。
なお、このように算出された通常時比率情報の値は、主制御側タイマ割込み処理における後述する性能表示モニタ表示処理(図8ステップS417を参照)によって性能表示器99に表示される。
ステップS304に続くステップS305でCPU201は、全レジスタ復帰処理として、先のステップS303で退避させた全レジスタの値をそれぞれ対応するレジスタに復帰させる処理を行い、さらに続くステップS306で自身を割込み許可状態に設定した上で、ステップS301に戻る。
このようにステップS122のメインループ処理では、ステップS301〜S306の処理が無限ループ状に繰り返される。CPU201は、間欠的に実行されるタイマ割込み処理を行っている間を除いて、これらステップS301〜S306の処理を繰り返し実行することになる。
[4-2.主制御側タイマ割込み処理]
図8のフローチャートを参照して、主制御側タイマ割込処理について説明する。
主制御側タイマ割込処理は、CTCからの一定時間(4ms程度)ごとの割込みで起動され、主制御側メイン処理実行中に割り込んで実行される。
図8において、CPU201は、タイマ割込みが生じると、先ずはステップS401の電源異常チェック処理を実行する。この電源異常チェック処理では、主に、電源基板から供給されている電源レベルを監視し、電断が生じる等の異常が発生した場合、電源復帰時に支障なく遊技を復帰できるように、電断時における所定の遊技情報をRAM203に格納するバックアップ処理等が行われる。
(電源異常チェック処理)
図9は、ステップS401の電源異常チェック処理を示したフローチャートである。
電源異常チェック処理において、CPU201はステップS501で、電源基板から出力される電源異常信号を2回読み込み、続くステップS502で双方の読み込み値が一致しているか否かを判定する。双方の値が一致していない場合は、ステップS501に戻って再度、電源異常信号を2回読み込む。
ステップS502において、双方の値が一致していれば、CPU201はステップS503で、電源異常信号が正常レベルか否か(電源異常信号がOFF=正常レベル、ON=正常レベルでない)を判定する。
電源異常信号が正常レベルであれば(ステップS503:OFF)、CPU201はステップS504でバックアップフラグをOFF状態とし、続くステップS505で電源異常確認カウンタをクリアし、ステップS401の電源異常チェック処理を終える。すなわち、電源異常信号が正常レベルであることが確認された場合は、以降で説明するバックアップ処理は行われずタイマ割込み処理が継続される。
一方、ステップS503で電源異常信号が正常レベルでなかった場合(ステップS503:ON)、CPU201はステップS506で電源異常確認カウンタの値を1インクリメントした上で、ステップS507で電源異常確認カウンタの値が所定の閾値(閾値=2以上の自然数:例えば「2」)以上であるか否かを判定する。
電源異常確認カウンタの値が閾値以上でなければ、CPU201はステップS401の電源異常チェック処理を終える。すなわち、電源異常信号が正常レベルでない状態が検知されたが連続的な検知でない場合には、バックアップ処理は行われずタイマ割込み処理が継続される。
一方、電源異常確認カウンタの値が閾値以上であれば、CPU201はステップS508で設定変更中フラグをOFF状態とした上で、ステップS509〜S513として示すバックアップ処理を行う。
具体的に、CPU201は先ず、電源異常確認カウンタの値をクリアし(S509)、発射許可信号をOFFとした上で(S510)、バックアップフラグをONとし(S511)、RAM203の記憶データに基づくチェックサム値の算出、及び保存を行う(S512)。先に触れたように、ステップS512の処理では、RAM203の所定のワーク領域を対象とする8ビット加算演算によりチェックサム値を算出し、算出したチェックサム値をRAM203の所定領域(SUM領域)に保存する。
さらに、CPU201は、電源断コマンドを演出制御部24に送信し(S513)、ステップS514に処理を進める。
ステップS514でCPU201は、RAMプロテクトを有効とし、禁止領域を無効に設定する処理を行う。
RAMプロテクトとは、誤作動や誤操作などによるRAM203に対する書き換え防止機能である。RAMプロテクトを有効に設定することで、RAM203からのデータ読み出しのみが可能とされてデータの書き込みが不能な状態となる。
また、禁止領域は、IAT(指定エリア外走行禁止)機能における指定エリアに対応した領域であり、禁止領域を無効に設定することで、以降はIATリセットが発生しないようになる。
ステップS514に続くステップS515でCPU201は、出力ポートの値をクリアし、さらに続くステップS516でタイマ割込み処理を停止すると共に、自身を割込み禁止状態に設定し、無限ループ処理に移行する。
この無限ループ中において、CPU201はWDTによりリセットされ、また動作電源の喪失により動作停止状態に移行する。
説明を図8に戻す。
図8において、ステップS401の電源異常チェック処理を終えると、CPU201はステップS402でスイッチ入力データ作成処理を実行する。具体的には、各種センサやスイッチから入力情報(ON/OFF信号や、立ち上がり状態(ONエッジ、OFFエッジ))に基づき、入力データ作成する。
ここでの入力情報とは、例えば上始動口センサ34a、下始動口センサ35a、普通図柄始動口センサ37a、大入賞口センサ52a、一般入賞口センサ43a、OUT監視スイッチ49aなどの入賞検出スイッチから出力されるスイッチ信号のON/OFF情報(入賞検出情報)や、設定キースイッチ94、RAMクリアスイッチ98等の設定値Veの設定操作に係るスイッチから出力されるスイッチ信号のON/OFF情報(操作情報)や、払出制御基板29からの状態信号(扉開放センサ61や満杯検出センサ60のON/OFF情報)等である。これにより、アウト口や各入賞口において遊技球が検出された否かが割込みごとに監視される。
続くステップS403でCPU201は、設定変更処理を行う。
この設定変更処理では、設定変更中フラグの値に応じて、操作に基づき設定値Veを設定するための処理や、設定中の設定値Veを確認表示するための処理が行われる。
(設定変更処理)
図10は、ステップS403の設定変更処理を示したフローチャートである。
図10において、CPU201は、先ずステップS601において設定変更中フラグがON状態であるか否かを判定する。これは、設定変更モードへの移行条件が成立した状態にあるか否かを判定することに相当する。
なお、これまでの説明から理解されるように、本例における設定変更モードへの移行条件とは、具体的には前枠2が解放されて設定キースイッチ94がONであることが起動時に検出されるとの条件であるか、或いは、該条件が満たされない場合であっても、起動時にRAM異常が確認された(S103)、若しくはバックアップ復帰が不能と判定された(S107又はS108)場合において、前枠2が解放されて設定キースイッチ94がON操作されるとの条件である。
設定変更中フラグがON状態であれば、CPU201はステップS602に進み、セキュリティ信号フラグセット処理として、ホールコンピュータHCに設定変更中である旨を通知するためのセキュリティ信号の送信フラグ(セキュリティ信号フラグ)をセットする処理を行った上で、ステップS603以降に続く、設定値Veを操作に基づき設定するための処理に移行する。
なお、上記のセキュリティ信号フラグがセットされることで、後述する外部端子管理処理(ステップS414)によってセキュリティ信号が枠用外部集中端子基板21を通じてホールコンピュータHCに出力される。
先ず、ステップS603でCPU201は、前述した設定値バッファの値を現在設定中の設定値Veとして取得する。
ここでの「設定値バッファの値」は、先の図5におけるステップS118の処理によってセットされた設定値Ve(つまりRAM203のワーク領域に格納されている設定値Veと同値)である。
ステップS603では、このようにメイン処理側で設定値バッファにセットされた設定値Veを、CPU201のレジスタに取得する処理を行う。
なお、このように設定値Veをレジスタに取り込むのは、以降で説明する設定値Veの変更操作(本例では順送り操作)に応じて設定値Veをインクリメントする演算を行うためである。
ステップS603に続くステップS604でCPU201は、変更スイッチ、すなわち設定値Veの変更を指示する操作スイッチの状態を確認する。
前述のように、本例では、上記の変更スイッチとしてRAMクリアスイッチ98が兼用される。このためステップS604では、RAMクリアスイッチ98の状態(ON状態/OFF状態)を確認する処理を行う。
RAMクリアスイッチ98としての変更スイッチがON状態であれば、CPU201はステップS605に進み設定値Veを1インクリメントする。すなわち、レジスタに取得した設定値Veを1インクリメントする。
次いで、CPU201はステップS606で設定値Veが規定範囲の値であるか否か、具体的に本例では「0〜5」の範囲内であるか否かを判定する。
前述のように、実際にCPU201が扱う設定値Veは1バイトの値とされ、設定1〜設定6に対応する値として00H〜05Hの値が定められている。ステップS606では、レジスタに保持されている値が00H〜05Hの範囲の値であるか否かを判定することになる。
ステップS606において、設定値Veが規定範囲の値でなければ、CPU201はステップS607でレジスタに保持されている設定値Veを「0」(00H)に書き替え、ステップS608で設定値バッファに該レジスタの設定値Veを記憶する。
これにより、設定値Veが設定6に対応する「05H」の状態で行われた変更操作に応じて、設定値Veを設定1に対応した値「00H」に変更でき、設定値Veの循環的な変更が実現される。
一方、設定値Veが規定範囲の値であれば、CPU201はステップS607をパスしてステップS608の記憶処理を実行する。すなわち、この場合は変更操作前の元の設定値Veを1インクリメントした値が設定値バッファに記憶される。
なお、設定変更中における設定値VeをRAM203のワーク領域ではなくバッファ領域(設定値バッファ)に記憶することの意義については後述する。
ステップS608に続くステップS609でCPU201は、設定値表示用データを作成する。すなわち、設定表示器97に変更操作に応じて変更された(選択された)設定値Veを表示させるための表示データの作成である。具体的に、CPU201は、設定値表示用データの作成を、設定値バッファに記憶された設定値Veに基づいて行う。
なお、ステップS608で作成した設定値表示用データに基づく設定表示器97の設定値表示は、CPU201が後述するステップS415(図8)のLED管理処理において行う設定表示器97についての表示制御処理によって実現される。
上記のような設定値表示用データに基づく設定値表示が行われることで、設定変更モード中において選択中の設定値Veをホールスタッフ等の人員に確認させることができる。
ここで、先のステップS604で変更スイッチがON状態でなければ、CPU201はステップS605〜S608をパスしてステップS609のデータ作成処理を行う。すなわち、変更操作が検知されていなければ、その時点で設定値バッファに保持されている設定値Veを表す設定値表示用データの作成が行われ、設定表示器97に表示される。
ステップS609に続くステップS610でCPU201は、設定キーOFFか否か、すなわち設定キースイッチ94がOFF状態であるか否かを判定する。
設定キーOFFでない場合は、設定変更操作が未完了であり、CPU201はステップS403の設定変更処理を終える。
設定変更中フラグがON状態である設定変更モード中においては、ステップS406の処理によって割込みごとに変更スイッチの状態が逐次確認され、変更スイッチがON状態であれば、ステップS605〜S609の処理が行われて操作に応じた設定値Veのインクリメント、及び設定表示器97の表示データ更新が行われる。
一方、ステップS610で設定キーOFFであれば、設定変更操作が完了したとして、CPU201はステップS611で設定値表示用データをクリアした上で、ステップS612で設定変更中フラグをOFF状態とする。
さらに、続くステップS613でCPU201は、設定値バッファの値をワーク領域に記憶する。すなわち、RAM203のワーク領域に定められた設定値Ve格納用の領域に設定値バッファに保持されている設定値Veを記憶する。
このように設定変更の完了に応じ、設定値バッファに保持された設定値VeがRAM203のワーク領域に記憶される。つまり、ワーク領域には、設定変更完了後のいわば確定値としての設定値Veが記憶されるものである。
続くステップS614でCPU201は、設定値コマンドを演出制御部24に送信する。この設定値コマンドは、現在の設定値Veを特定可能な情報(設定値情報)を含む。またここで送られる設定値コマンドは、設定変更操作が終了して設定値Veが確定した場合に送信されるため、設定変更操作が終了した旨(設定値Veが確定された旨)を示すコマンドとしても利用される。
演出制御部24は、上記の設定値コマンドを受けると、実行中の設定変更中演出を終了させる。設定キースイッチ94がOFF状態になった後は、単に前枠2が開放状態となっている。従って、設定変更中演出が終了後は、扉開放エラー報知に切り替わる。しかし、設定変更中演出を終了後、直ちに扉開放エラー報知を実行するのではなく、設定変更操作が終了、つまり、新たな設定値Veが選択され決定されたこと(同一設定値Veに打ちかえることを含む)を報知することが好ましいといえる。そこで本実施形態では、演出制御部24が設定値コマンドを受けた場合、設定変更操作終了を報知する設定変更操作終了演出を所定時間(例えば30秒)現出させてもよい。この設定変更操作終了演出は、設定変更操作終了を報知するものであるから、扉開放エラー報知及び設定変更中演出とは異なる演出(報知)態様とする。例えば、装飾ランプ45の演出LEDを青色で全点灯させ、スピーカ16から変更終了音を出力させ、液晶表示装置36に「設定変更終了」の演出画像を表示させる。なお、設定変更中演出や設定変更操作終了演出は、光演出、音演出、及び画像表示演出のうち少なくとも何れか一つの演出を用いたものであればよい。
また、上記の設定値コマンドは、設定値情報を含むため、演出制御部24は設定値コマンドにより現在の設定値Veを把握することができる。これにより、予告演出や当り中演出において、設定値Veに関連する演出(「設定示唆演出」)を現出制御することができるようになっている。このため、遊技に興じながらも内部的な設定値Veを推測する推測要素を遊技者に与えることができるので、遊技の面白みを向上させることができる。
なお、本実施形態における設定示唆演出については後に改めて説明する。
ステップS614に続くステップS615でCPU201は、発射許可信号をON状態とし、ステップS403の設定変更処理を終える。
ステップS615で発射許可信号がONされることで、設定変更操作の完了に応じて遊技動作を開始可能な状態に遷移される。
続いて、設定中の設定値Veを確認表示するための処理について説明する。
前提として、本実施形態における設定値Veの確認表示は、遊技機1が遊技動作中において前枠2を解放して設定キースイッチ94をONすることで行うことが可能とされている。
CPU201は、先のステップS601において設定変更中フラグがON状態でなければ、先ずステップS616で、設定値表示用データをクリアした上で、ステップS617で設定エラーか否かを判定する。すなわち、設定値Veのエラー(設定値Veが正常範囲の値でない状態)の有無を表す「設定エラーフラグ」(例えばON=エラー有り、OFF=エラー無しを表す)を参照した結果に基づき、設定エラーか否かを判定する。
ここで、設定エラーの設定エラーフラグへの反映は、特別図柄の変動開始時に対応して実行される変動管理処理(ステップS909:図13及び図14参照)におけるステップS1003、S1005の処理により行われる。
ステップS617において、設定エラーでなければ(設定エラーフラグ=OFF)、CPU201はステップS618で設定キーONか否か、すなわち設定キースイッチ94がON状態であるか否かを判定する。
このステップS618の判定処理は、設定値Veの確認表示を指示する操作が行われたか否かを判定する処理として機能するものである。
ステップS618において、設定キーONでなければ、CPU201はステップS403の設定変更処理を終える。つまりこの場合は、主制御側タイマ割込み処理におけるステップS403以降の処理が実行される。遊技動作中において、設定値Ve確認表示のために設定キースイッチ94がONされず、また設定エラーが生じていない限りは、処理がステップS601→S616→S617→S618→S404と流れ、遊技動作を進行可能とされる。
一方、ステップS618で設定キーONであれば、CPU201はステップS619で設定値表示用データを生成し、ステップS403の設定変更処理を終える。
ここで、ステップS619が実行される際には、設定値Veは既に確定した状態にあるので、該ステップS619での設定値表示用データの作成は、設定値バッファではなくワーク領域に記憶された設定値Veに基づき行う。
なお、ステップS619で作成した設定値表示用データに基づく設定表示器97の表示制御についても、ステップS415(図8)のLED管理処理において行われる。
ここで、ステップS616の処理によりタイマ割込みごとに毎回設定値表示用データがクリアされるため、ステップS617で設定エラーが確認された場合には、後述するLED管理処理(S415)で設定表示器97の表示制御に用いられるべき値が存在しなくなり、これに伴い設定表示器97における設定値Veの表示が行われない。つまり本例では、何も表示されない。
なお、設定値Veの確認表示時において、設定エラー時に上記のように設定表示器97に何も表示しないこととするのはあくまで一例であり、例えば、正常範囲の値である「1」〜「6」以外を表す情報を表示するものとしてもよい。例えば、本例のように設定表示器97が7セグLEDを用いた表示器とされる場合には、エラーを表す「E」などを表示することが考えられる。
また、上記の処理説明から理解されるように、本実施形態では、遊技動作中に設定キースイッチ94をON操作すると設定中の設定値Veが設定表示器97に表示されるが、この際、設定値表示用データの作成後に処理はステップS404へと以降してタイマ割込み処理が継続されるので、設定確認中に遊技動作が中断状態とはならない。
これにより、設定確認の完了後に遊技動作を再開させるための処理が不要となり、処理負担軽減を図ることができる。
(エラー管理及び遊技進行のための処理等)
説明を図8に戻す。
図8において、CPU201はステップS403の設定変更処理を終えると、ステップS404で設定変更中フラグがON状態か否かを判定する。
設定変更中フラグがON状態でなければ、CPU201はステップS405でエラー管理処理を実行する。このエラー管理処理では、各種センサ類に係る入力データや払出制御基板29からの状態信号に基づき、エラー発生の有無の監視を行う。
エラーが発生した場合には、CPU201はエラー処理として、エラーコマンドの送信が必要なエラー種別である場合には当該するコマンドを演出制御部24に送信する。演出制御部24がこのエラーコマンドを受けると、エラー種別に応じたエラー報知を実行する。また、CPU201は発生中のエラーが解消された場合、エラー解除コマンドを演出制御部24に送信する。演出制御部24がこのエラー解除コマンドを受けると、実行中のエラー報知を終了させる。
次いで、CPU202は、ステップS406〜S413として示す遊技進行のための各種処理を実行する。
先ず、CPU201はステップS406で、遊技動作制御に用いられるタイマを管理するタイマ管理処理を実行する。ここでは、遊技機1の遊技動作制御に用いる各種タイマの値について更新(減算処理)が行われる。
さらに、続くステップS407でCPU201は、各変動表示ゲームに係る乱数を定期的に更新するタイマ割込み内乱数管理処理を実行する。ここでは、乱数カウンタのカウント値をランダムなものとするために、特別図柄判定用乱数や補助当り判定用乱数などに対し、乱数の更新(割込み毎に+1加算)と、乱数カウンタが一周するごとに、乱数カウンタのスタート値を変更する処理を行う。なお内部抽選用乱数(大当り判定用乱数)は、乱数生成回路で生成されるので、ここで更新されることはない。
次いで、CPU201はステップS408で、入力管理処理を行う。この入力管理処理では、スイッチ入力データ作成処理(S402)で作成された入力データに基づき、入賞カウンタやOUT球監視カウンタの値などを更新する。「入賞カウンタ」とは、各入賞口ごとに対応して設けられ、入賞した遊技球数(入賞球数)を計数するカウンタである。またOUT球監視カウンタは、アウト口49から排出される遊技球(アウト球)を計数するカウンタである。
ステップS408の入力管理処理は、各種入賞口センサからの入力信号(検出信号)を管理する入力管理手段として機能する。
次いで、CPU201はステップS409で、賞球管理処理を実行する。この賞球管理処理では、上記の入賞カウンタの確認を行い、入賞がある場合には、賞球数を指定する払出制御コマンドを払出制御基板29に送信する。払出制御基板29は、払出制御コマンドを受信した場合、これに含まれる賞球数情報に基づき遊技球払出装置19を制御し、指定された賞球数分の払い出し動作を実行させる。
次いで、CPU201はステップS410で、普通図柄管理処理を実行する。この普通図柄管理処理では、普通図柄変動表示ゲームを実行させるために必要な処理を行う。ここでは、普通図柄始動口センサ37aにより遊技球が検出されたか否かを監視し、遊技球が検出された場合には補助当り抽選に必要な所定の遊技情報(補助当り判定用乱数など)を取得し(乱数取得処理)、その遊技情報を保留データ(普通図柄に関する作動保留球)として、最大保留球数を上限まで保留記憶する(保留記憶処理)。そして、普図に関する所定の変動表示開始条件が成立した場合、作動保留球に基づく補助当り抽選を行い、その補助当り抽選結果に基づく普通図柄の変動パターンの選択および普通図柄の停止表示態様(普通停止図柄)を決定する。またここでは、普通図柄を変動表示動作させるために、変動中であれば変動表示用のLED表示用データを作成し、変動中でなければ、停止表示用のLED表示用データを作成する。
次いで、CPU201はステップS411で、普通電動役物管理処理を実行する。この普通電動役物管理処理では、普電開放遊技の実行に必要な処理を行う。具体的には、補助当り抽選の抽選結果が当りの場合に、普通電動役物ソレノイド41cに対するソレノイド制御用データの設定処理を行う。ここで設定されたソレノイド制御用データに基づき、普通電動役物ソレノイド41cに対して励磁信号が出力され、これにより、可動翼片47の開閉動作パターンが制御される。
次いで、CPU201はステップS412で、特別図柄管理処理を実行する。この特別図柄管理処理では、主に、特別図柄変動表示ゲームにおける大当り抽選を行い、その抽選結果に基づいて、特別図柄の変動パターン(先読み変動パターン、及び変動開始時の変動パターン)や特別停止図柄の決定等、特別図柄変動表示ゲームに必要な処理が実行される。
なお、ステップS412の特別図柄管理処理の詳細については図11〜図22を参照して改めて説明する。
次いで、CPU201はステップS413で特別電動役物管理処理を実行する。この特別電動役物管理処理では、当り遊技を実行制御するために必要な設定処理を行う。具体的には、大当り抽選結果が大当りであった場合、その当り種別に対応した当り遊技(大当り遊技)を実行制御する。
具体的には、大入賞口ソレノイド52cに対するソレノイド制御用データの設定、ラウンド数のカウント(大当りの場合)、大入賞口50への最大入賞数及び開放時間の監視などを行う。また当り遊技が終了した場合は、当選時の遊技状態と当り種別とに基づく遊技状態の移行設定を行う。
またここでは、当り遊技の進行状況に応じて、複数の演出制御コマンドを送信する。大当り開始時、ラウンド遊技開始時、ラウンド遊技終了時、最大ラウンド数消化時などにおいて、それぞれ、大当り開始コマンド、ラウンド開始コマンド、ラウンド終了コマンド、大入賞口入賞コマンド、大当り終了コマンドを送信時期の到来に応じて送信する。上記大当り開始コマンドには、今回の当り種別情報が含まれ、演出制御部24側において、当り遊技中に展開される一連の当り演出シナリオを決定する際に利用される。また、大当り終了コマンドには、今回の当り種別とその当り当選時の遊技状態とに関する情報、つまり、当り遊技終了後の遊技状態を特定可能な情報が含まれ、演出制御部24側において、当り遊技後の演出モードを決定する際に利用される。従って、この「大当り終了コマンド」は、当り遊技終了後の遊技状態を特定し得ることから、遊技状態を指定する遊技状態指定コマンドとしての役割を担う。
上記ステップS413までの遊技進行のための処理を終えると、CPU201はステップS414で、外部端子管理処理を行う。この外部端子管理処理では、枠用外部集中端子基板21を通して、遊技機1の動作状態情報をホールコンピュータHCや島ランプなどの外部装置に対して出力する。動作状態情報には、例えば、当り遊技発生情報、図柄変動表示ゲーム実行開始情報、入賞数・賞球数情報、エラー情報などの遊技情報がある。また、該動作状態情報には、特に本実施形態の場合、設定変更中である旨を表す情報が含まれる。
次いで、CPU201はステップS415で、LED管理処理を実行する。このLED管理処理では、普通図柄表示装置39a、特別図柄表示装置38a、38b、設定表示器97などのLED表示器に対する制御信号(ダイナミック点灯データ)の出力制御を行う。普通図柄管理処理(ステップS410)、特別図柄管理処理(ステップS412)、設定変更処理(図10)などで作成された表示用データに基づく制御信号は、このLED管理処理で対応する表示装置又は表示器に出力され、表示制御が行われる。これにより、特別図柄表示装置38a、38bにおける特別図柄や普通図柄表示装置39aにおける普通図柄の一連の変動表示動作(変動表示および停止表示)、設定表示器97による設定値表示が実現される。
ステップS415に続くステップS416でCPU201は、全レジスタの値を退避させた上で、ステップS417の性能表示モニタ表示処理を行う。すなわち、性能表示器99に前述した通常時比率情報としての値を表示させるための処理である。
先に触れたように本例の場合、通常時比率情報の値は全状態アウト球数が所定規定値に達するごとに演算し直されるものであり、性能表示器99は、現在の通常時比率情報と前回の通常時比率情報(直近の演算し直しタイミングにおいて演算終了とされた通常時比率情報)とを表示可能とされている。このため、この場合のステップS417の表示処理では、性能表示器99にこれら二種の通常時比率情報としての値を表示させる処理を行う。
なお、現在の通常時比率情報の値は、前述したメインループ処理(図7)におけるステップS304の処理で算出される値であり、前回の通常時比率情報の値は、RAM203の所定領域に保存され、CPU201は該保存値を読み出して性能表示器99に表示させる。
次いで、CPU201はステップS418で全レジスタの値を復帰させ、ステップS419でWDTのカウント値をクリアし、主制御側タイマ割込み処理を終える。
また、先のステップS404において、設定変更中フラグがON状態であれば、CPU201はステップS405〜S413をパスして、ステップS414の外部端子管理処理に進む。すなわち、起動時の所定条件を満たして設定変更モードに移行中の状態では、エラー管理処理(S405)や遊技進行のための各種処理(S406〜S413)は行われない。一方で、設定値Veの表示のための処理(S415)や、性能情報の表示に係る処理(S417)は実行される。
以上のタイマ割込み処理が終了すると、CPU201は次のタイマ割込みが発生するまでの間、主制御側メイン処理を実行する。
[4-3.第一のまとめ]
ここで、これまでで説明した主制御側メイン処理、及び主制御側タイマ割込み処理が行われることにより、本実施形態の遊技機1は、以下のような構成を有していると言うことができる。
すなわち、実施形態の遊技機1は、遊技動作の進行制御を行う制御手段(主制御部20)と、制御手段による情報の読み出し/書き込みが可能とされた記憶手段(RAM203)と、を備え、制御手段は、遊技者に有利な遊技状態に当選させるか否かの確率についての段階を表す設定値(同Ve)を操作に基づき設定する設定手段(ステップS403の設定変更処理)と、電源投入に伴う起動時において、記憶手段の記憶情報を電源遮断前の状態に復帰可能か否かを判定するバックアップ復帰判定手段(ステップS107及びS108の判定処理)と、バックアップ復帰判定手段により復帰が不能と判定された場合に、遊技動作を開始するための処理に移行せず設定値の設定操作を待機する待機手段(ステップS111〜S113による待機処理)と、待機手段による待機中に設定操作が行われたことを条件に遊技動作を開始するための処理に移行する処理移行手段(ステップS612のフラグOFF処理、及びステップS120の判定処理からステップS121の発射許可信号ONへの移行を参照)と、を有するものである。
これにより、不正に書き替えられた虞のある設定値の設定状態で遊技動作が行われてしまうことの防止が図られる。
従って、遊技の公平性を高めることができる。
また、実施形態の遊技機1は、次の構成を有するものと言うことができる。
すなわち、実施形態の遊技機1は、遊技動作の進行制御を行う制御手段(主制御部20)と、制御手段による情報の読み出し/書き込みが可能とされた記憶手段(RAM203)と、を備え、制御手段は、遊技者に有利な遊技状態に当選させるか否かの確率についての段階を表す設定値(同Ve)を操作に基づき設定する設定手段(ステップS403の設定変更処理)と、設定値の変更を受け付ける設定変更中状態において電源遮断が検出された場合に、設定変更中状態であるか否かを識別するための設定変更中フラグをON状態からOFF状態に変更(ステップS508の設定変更中フラグOFF処理)した後、電源遮断に応じた動作停止のための処理に移行する電断対応処理手段(ステップS401の電源異常チェック処理)と、電源投入に伴う起動時において、設定値の変更を行う条件が満たされていない場合は、記憶手段の記憶情報を電源遮断前の状態に復帰させるバックアップ復帰処理(ステップS109)を行って遊技動作を開始するための処理に移行する一方、起動時において、設定値の変更を行う条件が満たされている場合は、設定変更中フラグをOFF状態からON状態に変更(ステップS114の設定変更中フラグON処理)した後、記憶手段の記憶情報をクリアするクリア処理(ステップS117のRAMクリア処理)に移行する処理移行手段と、を有するものである。
上記構成によれば、電源遮断前の状態を引き継いで無条件に設定変更処理が行われることがない。
電源復帰時に設定変更条件が満たされていない(例えば遊技機1の前枠2(扉部)が閉まっている)にも拘わらず設定変更処理に移行されてしまうことの防止が図られ、設定変更処理が無闇に実行されないという点で処理負担軽減を図ることができる。
また、電源復帰時に設定変更条件が満たされていない場合には記憶手段のバックアップ復帰処理を行って遊技動作開始の処理に移行されるため、設定変更処理を電源遮断前の状態から引き続き行う必要がない場合には、無駄な設定変更処理を介さず速やかに遊技動作を開始することができる。
一方で、電源復帰後、設定変更条件を満たしていれば設定変更中フラグをON状態としているが、これにより、特別な操作を必要とせず、電源遮断によって途絶えていた設定変更処理を電源復帰後に速やかに再開することができる。
従って、電源遮断前に行っていた設定変更を電源復帰後も継続して行いたい場合における操作負担軽減を図ることができる。
さらに、実施形態の遊技機1は、次の構成を有するものと言うことができる。
すなわち、実施形態の遊技機1は、遊技領域(同3a)が形成された遊技盤(同3)と、遊技領域に対して遊技媒体(遊技球)を発射する発射手段(発射装置32)と、遊技動作の進行制御を行う制御手段(主制御部20)と、を備え、制御手段は、遊技者に有利な遊技状態に当選させるか否かの確率についての段階を表す設定値(同Ve)を操作に基づき設定する設定手段(ステップS403の設定変更処理)と、遊技動作に関するエラーの有無を判定するエラー判定処理を行うエラー判定手段(ステップS405のエラー管理処理)と、設定値の変更を受け付ける設定変更中状態(設定変更中フラグがON状態)においては、発射手段による発射を不能とし(ステップS120→S122の処理ルート)エラー判定手段によるエラー判定処理が行われないようにし(ステップS404→S414の処理ルート)、設定値の変更完了後において、発射を許可し(ステップS615の発射許可信号ON処理)、エラー判定処理が行われようにする(ステップS404→S405の処理ルート)設定変更対応処理手段と、を有するものである。
これにより、設定変更中の状態、すなわち遊技媒体が発射不能とされて遊技動作が進展しない状態において、無闇にエラー判定処理が行われることがない。
従って、処理負担軽減を図ることができる。
さらにまた、実施形態の遊技機1は、次の構成を有するものと言うことができる。
すなわち、実施形態の遊技機1は、遊技領域(同3a)が形成された遊技盤(同3)と、遊技領域に設けられた入賞口(上始動口34、下始動口35、大入賞口50、一般入賞口43)と、遊技領域に対して遊技媒体(遊技球)を発射する発射手段(発射装置32)と、入賞口への遊技媒体の入球を検出する検出手段(上始動口センサ34a、下始動口センサ35a、大入賞口センサ52a、一般入賞口センサ43a)と、遊技動作の進行制御を行う制御手段(主制御部20)と、を備え、制御手段は、遊技者に有利な遊技状態に当選させるか否かの確率についての段階を表す設定値(同Ve)を操作に基づき設定する設定手段(ステップS403の設定変更処理)と、検出手段からの入力信号を管理する入力管理処理を行う入力管理手段(ステップS408の入力管理処理)と、設定値の変更を受け付ける設定変更中状態(設定変更中フラグがON状態)においては、発射手段による発射を不能とし入力管理手段による入力管理処理が行われないようにし(ステップS404→S414の処理ルート)、設定値の変更完了後において、発射を許可し(ステップS615の発射許可信号ON処理)入力管理処理が行われようにする(ステップS404→S405以降に続く処理ルート)設定変更対応処理手段と、を有するものである。
これにより、設定変更中の状態、すなわち遊技媒体が発射不能とされて遊技動作が進展しない状態において、無闇に入賞に係る入力管理処理が行われることがない。
従って、処理負担軽減を図ることができる。
また、実施形態の遊技機1は、次の構成を有するものと言うことができる。
すなわち、実施形態の遊技機1は、遊技者に有利な遊技状態に当選させるか否かの確率についての段階を表す設定値(同Ve)を操作に基づき設定すると共に、遊技動作の進行制御を行う制御手段(主制御部20)と、制御手段による情報の読み出し/書き込みが可能とされ、設定値を記憶可能な領域として第一記憶領域(設定値バッファ)と第二記憶領域(ワーク領域)の二つの領域が定められた記憶手段(RAM203)と、を備え、制御手段は、設定値の変更を受け付ける設定変更中状態において設定値が変更された場合は、第一、第二記憶領域のうち第一記憶領域の値のみを書き替え(ステップS603の取得処理及びS608の記憶処理を参照)、設定値の変更が完了した際に、第一記憶領域の記憶値を第二記憶領域に書き込む(ステップS613の記憶処理)ものである。
これにより、設定値の設定処理を割込み処理で実現する場合であっても、記憶手段の第二領域(ワーク領域)に対して設定変更中のいわば確定前の設定値が記憶されてしまうことの防止が図られる。
従って、設定変更が可能な遊技機について、誤った設定値に基づく誤動作の防止が図られ、遊技動作の信頼性向上を図ることができる。
ここで、設定変更を割込み処理で実現する場合、操作に応じた設定値の変更から設定値が確定されるまでの間に、複数回の割込み処理が走ることになる。この際、設定値を1インクリメントさせた後、再び設定値を1インクリメントするまでの間には、割込み処理内の他の処理やメインループ処理等の種々の処理が介在する。設定値のインクリメントにはレジスタが用いられるが、レジスタの数は有限であり、また上記のように介在する種々の処理でレジスタが用いられることも考慮すると、設定値のインクリメントに用いたレジスタについては、インクリメント後もそのまま値を保持させておくことは望ましくない。すなわち、レジスタを用いて設定値を1インクリメントさせるごとに、インクリメント後のレジスタの値は次のインクリメント処理までの間、別の記憶手段に退避させておくことが望ましい。
このとき、レジスタを用いたインクリメント後の設定値の退避先は、RAMのワーク領域とすることも考えられるが、ワーク領域に格納した設定値は、設定値を用いる各種処理によって参照されるため、設定変更中のいわば確定前の設定値をワーク領域に退避させることは、誤った設定値に基づく誤動作の発生を招くため望ましくない。また、レジスタにおける確定前の設定値をワーク領域に退避させるとした場合、設定変更中に電源遮断が生じてしまうと、その後の電源復帰時において、電源遮断前に各種処理が用いていた設定値とワーク領域の設定値との整合がとれなくなり、これに起因した誤動作を誘発する虞もある。この点からも、レジスタにおける確定前の設定値をワーク領域に退避させることは望ましくない。
そこで、本実施形態では、ワーク領域(第二領域)とは別のバッファ領域(第一領域)にレジスタの設定値を都度退避させ、設定値の変更が完了した際に、バッファ領域に記憶された設定値をワーク領域に書き込むものとしている。
これにより、ワーク領域に対して設定変更中のいわば確定前の設定値が記憶されてしまうことの防止が図られ、誤った設定値に基づく誤動作の防止が図られて遊技動作の信頼性向上が図られる。
さらに、実施形態の遊技機1は、次の構成を有するものと言うことができる。
すなわち、実施形態の遊技機1は、遊技者に有利な遊技状態に当選させるか否かの確率についての段階を表す設定値(同Ve)を操作に基づき設定すると共に、遊技動作の進行制御を行う制御手段(主制御部20)と、制御手段による情報の読み出し/書き込みが可能とされ、設定値を記憶可能な領域として第一記憶領域(設定値バッファ)と第二記憶領域(ワーク領域)の二つの領域が定められた記憶手段(RAM203)と、設定値を表示可能な表示手段(設定表示器97)と、を備え、制御手段は、表示手段に設定値を表示させる設定表示処理を行う設定表示処理手段(ステップS609、S619の各データ作成処理、ステップS414のLED管理処理)を有し、設定表示処理手段は、設定値の変更を受け付ける設定変更中状態において設定値を表示させる場合は、第一記憶領域に記憶された設定値に基づき設定値表示用データを作成する(ステップS609のデータ作成処理)一方、設定値の確認操作(ステップS618の判定処理を参照)に基づき設定値を表示させる場合は、第二記憶領域に記憶された設定値に基づき設定値表示用データを作成する(ステップS619のデータ作成処理)ものである。
これにより、設定値の設定処理を割込み処理で実現する場合に、設定変更中のいわば確定前の設定値が遊技動作に用いられることによる誤動作の発生防止を図る上で、設定値表示用データとして設定変更中、設定確認中のそれぞれに対応した適正な表示データの作成が行われる。
従って、設定変更が可能な遊技機について、設定変更中のいわば確定前の設定値が遊技動作に用いられることによる誤動作の発生防止を図る上で、設定変更中における現在選択中の設定値の表示、及び設定確認中における現在設定中の設定値の表示がそれぞれ正しく行われるようにすることができる。
さらにまた、実施形態の遊技機1は、次の構成を有するものと言うことができる。
すなわち、実施形態の遊技機1は、遊技者に有利な遊技状態に当選させるか否かの確率についての段階を表す設定値(同Ve)を操作に基づき設定すると共に、遊技動作の進行制御を行う制御手段(主制御部20)と、設定値の変更を受け付ける設定変更モードへの移行判定を行うにあたり制御手段が用いる検出信号をそれぞれ出力する第一検出手段、及び第二検出手段(前扉開放センサ61、及び設定キースイッチ94)と、を備え、制御手段は、第一検出手段の検出信号と第二検出手段の検出信号とを同一の入力ポートを介して入力すると共に、該入力した各検出信号の値がそれぞれ所定条件を満たす値であるか否かを一括判定する(ステップS104及びS105、S112及びS113参照)ものである。
これにより、設定変更モードへの移行判定について、各検出信号の値が所定条件を満たす値か否かを個別判定する場合よりも判定処理数の削減が図られる。
従って、処理負担軽減を図ることができる。また、設定変更モードへの移行判定に要する処理時間の短縮化を図ることができる。
なお、上記した第一検出手段、第二検出手段は前扉開放センサ61、設定キースイッチ94に限定されない。例えば、設定変更モードへの移行条件が設定キースイッチ94がON且つRAMクリアスイッチ98がONであることとされる場合には、それら設定キースイッチ94とRAMクリアスイッチ98が第一、第二検出手段に相当することになる。
また、実施形態の遊技機1は、次の構成を有するものと言うことができる。
すなわち、実施形態の遊技機1は、遊技者に有利な遊技状態に当選させるか否かの確率についての段階を表す設定値(同Ve)を操作に基づき設定すると共に、遊技動作の進行制御を行う制御手段(主制御部20)と、情報表示を行う表示手段(性能表示器99)と、を備え、制御手段は、遊技動作に関する実績情報である遊技実績情報(性能情報:例えば通常時比率情報)を管理すると共に、設定値の変更を受け付ける設定変更中状態において、遊技実績情報を表示手段に表示させる処理を行う一方(ステップS417の表示処理)、設定変更中状態において、遊技実績情報を更新する処理は行わないものである。
ここで、図8で説明したように、設定変更中フラグがONのとき(S404)はステップS408の入力管理処理が行われず、従って性能情報の算出に用いられる入賞カウンタやOUT球監視カウンタの値は更新されない。このため、設定変更中状態においては、性能情報(遊技実績情報)の更新が行われないものである。
設定変更中は遊技不能となるため、遊技実績情報は変化し得ない。このため、上記構成のように設定変更中に遊技実績情報の更新を行わないことで、無闇な更新処理が行われることの防止が図られる。
従って、処理負担軽減を図ることができる。
一方で、設定変更中においては、遊技実績情報の表示は行われる。すなわち、設定変更中に遊技実績情報を確認不能となることの防止が図られる。
従って、本発明によれば、処理負担軽減を図りつつ、遊技実績情報の確認し容さの向上を図ることができる。
特に、本実施形態のように遊技実績情報の表示手段に相当する性能表示器99が前枠2を開けた際に視認可能となる位置に配置され、また設定変更が前枠2の解放状態下で行われる前提の下では、遊技実績情報を確認しながら設定変更を行うことができるという効果を奏する。
なお、上記では遊技実績情報の例として性能情報を挙げたが、本発明で対象とする遊技実績情報は遊技動作に関する実績情報に該当するものであればよく、出玉性能に係る情報に限定されるものではない。
[4-4.特別図柄変動表示ゲームに係る処理]
(特別図柄管理処理)
次に、特別図柄変動表示ゲームに係る主制御部20の処理について説明する。
図11は、先に述べた特別図柄管理処理(ステップS412)を示したフローチャートである。前述のように、特別図柄管理処理は、図8に示した主制御側タイマ割込み処理の一部処理として実行されるものであり、主に、特別図柄変動表示ゲームにおける大当り抽選と、抽選結果に基づく特別図柄の変動パターン(先読み変動パターン、及び変動開始時の変動パターン)や特別停止図柄の決定等が行われる。
図11において、CPU201は、先ずステップS701で特別図柄1側(上始動口34側)についての特図1始動口チェック処理を行い、続くステップS702で特別図柄2側(下始動口35側)についての特図2始動口チェック処理を行う。
なお、これら始動口チェック処理の詳細については図12を参照して改めて説明する。
ステップS701、S702の始動口チェック処理を終えると、CPU201はステップS703で条件装置作動フラグの状態を判定する。この「条件装置作動フラグ」とは、大当り遊技中であるか否かを指定するためのフラグであり、当該フラグがON状態(例えば5AH)である場合には大当り遊技中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(例えば00H)である場合には大当り遊技中ではない旨を示す。
条件装置作動フラグがOFF状態(≠5AH)の場合、すなわち大当り遊技中でない場合、CPU201はステップS704の特別図柄動作ステータス分岐処理に進み、特別図柄動作ステータス(00H〜03H)に応じて特別図柄の変動表示動作に関する処理を行う(ステップS705、S706、S707)。
一方、ステップS703で大当り遊技中と判定した場合(=5AH)、CPU201はステップS705〜S707の特別図柄の変動表示動作に関する処理を行わずに、そのままステップS708の特別図柄表示データ更新処理に進む。すなわち、大当り遊技中である場合には、特別図柄の変動表示動作は行われない(特別図柄表示装置の特別図柄の表示状態は、大当り後に確定表示されたままの状態が保持される)。なお「特別図柄動作ステータス」とは、特別図柄の挙動を示すステータス値であり、該ステータス値は処理状態に応じて変更され、RAM203の特別図柄動作ステータス格納領域に格納される。
ステップS704の特別図柄動作ステータス分岐処理では、特別図柄動作ステータスが「待機中(00H、01H)」「変動中(02H)」「確認中(03H)」の何れのステータス値であるかに応じて、それぞれ対応する処理を実行する。
具体的に、CPU201は、特別図柄動作ステータスが「待機中(00H、01H)」である場合には特別図柄変動開始処理(ステップS705)を、「変動中(02H)」である場合には特別図柄変動中処理(ステップS706)を、「確認中(03H)」である場合には特別図柄確認時間中処理(ステップS707)をそれぞれ実行する。ここで、上記「待機中」とは、特別図柄の挙動が次回変動のための待機状態である旨を意味し、上記「変動中」とは特別図柄の挙動が変動(変動表示)中である旨を意味し、上記「確認中」とは特別図柄の変動が終了して停止(確定)表示中(特別図柄確認時間中)である旨を意味する。
なお、ステップS706の特別図柄変動中処理では、特別図柄が変動中であるか否か、つまり特別図柄の変動時間が経過したか否かを監視し、変動時間が経過したならば、演出制御コマンドとして、「変動停止コマンド」を演出制御部24に送信する処理や、特別図柄役物動作タイマに確定表示時間(例えば500ms)を格納し、特別図柄動作ステータスを「確認中(03H)」に切り替える(特別図柄動作ステータスに03Hを格納する)処理などを行う。上記「変動停止コマンド」とは、特別図柄の変動が終了したことを示すコマンドであり、この変動停止コマンドにより演出制御部24は、特別図柄の変動時間経過して特別図柄変動表示ゲームが終了したこと(終端)を把握し、現在変動表示中の装飾図柄を停止表示させる。これにより、特別図柄変動表示ゲームの終了とともに、装飾図柄変動表示ゲームも終了することになる。また、上記「確定表示時間」とは、特別図柄の変動表示が終了して特別図柄の停止表示した際、その停止表示を保持する時間(停止表示時間)である。
また、ステップS707の特別図柄確認時間中処理では、上述の確定表示時間が経過したか否かを監視し、確定表示時間が経過したならば、今回の特別図柄変動表示ゲームが終了したとして、特別図柄動作ステータスを「待機中(01H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに01Hを格納)、今回の特別図柄変動表示ゲームが大当りであれば、大当り遊技を開始するために要する処理(大当り図柄停止時の各種設定処理)を行う。大当り図柄停止時の各種設定処理では、大当り遊技移行前処理として、大当り判定フラグをクリアして条件装置作動フラグをON状態にし、遊技状態を通常状態と同様の遊技状態に設定する等の各種設定処理を行う。
また、ステップS707の特別図柄確認時間中処理では、遊技状態が更新された場合に、遊技状態の移行情報を含む「遊技状態指定コマンド」を演出制御部24に送信する処理を行う。演出制御部24は、遊技状態指定コマンドにより遊技状態が移行した旨を把握することができる。
上記のステップS705、S706、S707の処理により、特別図柄の変動開始及び変動停止を1セットする変動表示動作が実現されることになる。
なお、ステップS705の特別図柄変動開始処理の詳細については図13を参照して改めて説明する。
ステップS705〜S707の何れかの処理を終えると、CPU201はステップS708の特別図柄表示データ更新処理を実行する。この特別図柄表示データ更新処理では、特別図柄が変動中であるか否かを判定し、変動中であれば、特別図柄変動中の7セグ表示用データを作成し、特別図柄が変動中でなければ、特別図柄停止表示中の7セグ表示用データを作成する。ここで作成した特別図柄の表示データは、図8のLED管理処理(ステップS415)によって特別図柄表示装置38a、38bに出力される。
CPU201は、ステップS708の更新処理を実行したことに応じてステップS412の特別図柄管理処理を終え、図8に示したステップS413の特別電動役物管理処理に進む。
(特図1始動口チェック処理)
図12のフローチャートを参照し、特図1始動口チェック処理(ステップS701)について説明する。
この特図1始動口チェック処理は、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たす。本例における特図1始動口チェック処理では、特図1側の特別図柄変動表示ゲーム1を実行させるための開始前処理(特図1側の入賞時処理)として、上始動口34の入賞発生に起因した特図1側の作動保留球数の加算処理、各種乱数の記憶処理(保留記憶処理)、保留加算コマンドの送信処理等が実行される。
なお、特図2始動口チェック処理(ステップS702)も、特図1始動口チェック処理と同じく、所定の始動条件の成立に基づいて実行される入賞時処理としての役割を果たし、特図2側の特別図柄変動表示ゲーム2を実行させるための開始前処理(特図2側の入賞時処理)として、下始動口35の入賞発生に起因した特図2側の作動保留球数の加算処理、各種乱数の記憶処理、及び保留加算コマンドの送信処理等が実行される。従って、特図1始動口チェック処理と特図2始動口チェック処理とは実質的に同一の処理内容となっている。以下では、特図1始動口チェック処理を中心に説明し、特図2始動口チェック処理についての詳細は、重複記載を避けるために省略する。
図12において、CPU201は、先ずステップS801で、上始動口34への入賞(入賞球)を検出したか否かを判定する。
上始動口34への入賞を検出した場合、CPU201はステップS802に進んで特別図柄1の作動保留球(以下、「特図1作動保留球」と称する)の数が4以上であるか否か判定する。すなわち、特図1作動保留球の数が最大保留記憶数(ここでは、上限4個)以上であるか否かを判定する。ただし、上始動口34の入賞検出がなかった場合(ステップS801:N)は、何もせずにステップS701の特図1始動口チェック処理を終える。
ステップS802で特図1作動保留球数が4以上であった場合、つまり上始動口34の入賞を検出したが特図1作動保留球数が4以上である場合、CPU201は後述のステップS811に進み、一方、特図1作動保留球数が4以上でない場合(4未満の場合)は、特図1作動保留球数に1を加算して(ステップS803)、ステップS804の処理に進む。
ステップS804でCPU201は、今回発生した特図1作動保留球に係る特別図柄変動表示ゲーム1に利用される各種乱数を取得する。具体的には、各種の乱数カウンタから、大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、変動パターン用乱数の現在値を取得し、その取得した乱数値をRAM203の保留記憶エリアに格納する。この保留記憶エリアは、図柄変動表示ゲームに係る所定の遊技情報を作動保留球(保留データ)として記憶する領域であり、この保留記憶エリアには、保留データとしての上記の各種乱数値が、特別図柄1の変動表示動作に供されるまで(特別図柄変動表示ゲーム1実行時まで)、始動条件の成立順(入賞順)に保留記憶されていく。上記保留記憶エリアには、特別図柄1側と特別図柄2側とに対応した保留記憶エリア、すなわち、特図1保留記憶エリアと、特図2保留記憶エリアとが設けられている。これら保留記憶エリアには、保留1記憶エリア〜保留n記憶エリア(nは最大保留記憶数:本実施形態ではn=4)が設けられており、それぞれ最大保留記憶数分の保留データを格納可能となっている。
ステップS804に続くステップS805でCPU201は、保留加算コマンドを作成するための入賞コマンドデータ(保留加算コマンドの下位バイト側(EVENT)に相当するデータ)として、先読み判定を禁止する先読み禁止データ(EVENT:「01H」)を取得する。
次いで、CPU201はステップS806で、「特図1先読み禁止条件」が成立しているか否かを判定する。特図1先読み禁止条件とは、特図1作動保留球を対象とした先読み判定を禁止する条件である。
特図1先読み禁止条件が成立している場合、CPU201は先読み判定に関する先読み判定処理(ステップS809)を実行せずに、ステップS811に進む。この場合、先読み禁止データ(EVENT:「01H」)を持つ保留加算コマンドが先読み禁止を指定するものとなり、今回の特図1作動保留球を対象とした先読み判定が禁止され、その結果、先読み予告演出も実行されないことになる。換言すれば、上記先読み禁止データは、先読み判定処理(ステップS809)を実行していない旨を指定するものと言える。
本例では、遊技状態によらず特図1及び特図2の先読み判定を行うのではなく、現在の遊技状態に基づいて、先読み禁止か否かを判定するようになっている。その理由は次の通りである。
右打ち有利となる‘電サポ有り’を伴う遊技状態中である場合(時短状態、確変状態)である場合には、下始動口35への入賞が頻繁に発生するが、左打ち有利となる‘電サポ無し’を伴う遊技状態中である場合(通常状態、潜確状態)には、下始動口35への入賞がほぼ発生せずに上始動口34への入賞が頻繁に発生することを考慮し、遊技状態によらず特図1及び特図2の先読み判定を闇雲に行うのではなく、‘電サポ有り’の時短状態又は確変状態である場合には特図1側の先読み判定を禁止して特図2側の先読み判定を許容し、‘電サポ無し’の通常状態又は潜確状態である場合には特図2側の先読み判定を禁止して特図1側の先読み判定を許容するようになっている。
ステップS806において、特図1先読み禁止条件が成立していない場合、CPU201はステップS807で設定値Ve(現在の設定値Ve)を取得し、続くステップS8008で該取得した設定値Veが正常範囲であるか否かを判定する。なお、ステップS808の判定処理は、図10のステップS606の判定処理と同様、設定値Veが設定1〜6に対応した00H〜05Hの何れかであるか否かを判定する処理となる。
取得した設定値Veが正常範囲でない場合、CPU201は異常(設定値データ異常)が発生したとして、先読み判定処理(ステップS809)は実行せずに、ステップS811に進む。詳細は後述するが、入賞時の処理において設定値Veの異常が認められた場合、RAMエラーとせずに、先読み禁止データ(01H)を含む保留加算コマンドを送信して、ステップS701の始動口チェック処理を抜けることになる。
一方、取得した設定値Veが正常範囲であった場合、CPU201はステップS809の先読み判定処理を実行する。この先読み判定処理では、変動開始時に実行される大当り抽選結果を先読み判定する。従って、当落抽選結果を先読み判定する‘先読み当落判定’と、図柄抽選結果を先読み判定する‘先読み図柄判定’と、変動開始時の変動パターンを先読み判定する‘先読み変動パターン判定’とに関する一連の処理が含まれる。
具体的に、ステップS809においてCPU201は、先ずRAM203(判定用乱数記憶エリア)に格納された大当り判定用乱数値を取得し、該大当り判定用乱数値と「当り乱数判定テーブル」(不図示)とに基づいて、今回の作動保留球を対象とした当落抽選(少なくとも大当り、はずれの別を決定する先読み当落判定)を行い、その結果(「先読み当落結果」と称する)を取得する。
なお、本実施形態では、当落判定(当落抽選)には設定値Veが用いられるが、このような設定値Veに基づく本実施形態としての当落判定の具体的な手法については後に改めて説明する。当落判定は、特別図柄の変動開始時の処理(図13)においても同様に行われるため、当落判定の具体的な手法の説明は、該変動開始時の処理の説明時に改めて行う。
ここで、本実施形態では、先読み当落結果はCPU201内蔵の所定の汎用レジスタに取り込んだまま、RAM203に格納しない。これは、先読み当落判定結果が、この後の先読み図柄判定の処理で直ちに利用され、このデータが必要とされることがなく、RAM203に記憶する必要が無いためである。
また、ステップS809でCPU201は、上記した先読み図柄判定の処理として、先読み当落結果(少なくとも当り、はずれの別)と特別図柄種別(特図1、2)とに応じた図柄テーブル(不図示)を用いた図柄抽選を行う。具体的にCPU201は、先のステップS804で取得した特別図柄判定用乱数値と図柄テーブルとに基づき、今回の作動保留球を対象とした図柄抽選(当り種別の抽選)を行い、その結果(「先読み図柄結果」と称する)を取得する。本実施形態の「図柄テーブル」には、図柄種別を決定するための判定値(当選領域)が定めらており、特別図柄判定用乱数値が何れの判定値に属するかにより、停止図柄として表示すべき特別図柄の種類が決定される。
なお、本例のようにはずれ種別が複数種類ある場合には、はずれ種別決定用のはずれ図柄テーブルを設ける。はずれが1種類のみであれば、はずれ図柄テーブルは不要である。
ここで、本例では、はずれの種類が「はずれ1」「はずれ2」「はずれ3」の複数あることに対応して、図柄判定においてははずれ種別を抽選するためのはずれ図柄テーブルが用いられるとする。
また、本例において、当りの種別は、前述したように少なくとも「通常4R」「通常6R」「確変6R」「確変10R」の4種があり、上記のはずれ図柄テーブルとは別途に設けられた当り図柄テーブルに基づき、これら4種の当り種別のうち特別図柄判定用乱数値に応じた当り種別に対応する特別図柄の種類が決定される。
ここで、上記した図柄テーブルの一部又は全部について、設定値Veに応じて異なる図柄選択率を定めた図柄テーブルを設けてもよい。例えば、大当り図柄テーブルについて、設定1〜6ごとに、大当り種別の選択率が異なるテーブル(例えば、設定6段階に対応した6種類の大当り図柄テーブル)を設けることができる。例えば、高設定となるに従い出玉性能が遊技者にとって有利となるようにテーブル内容を定めることが考えられる。勿論、各設定で共通の大当り図柄テーブルであってもよい。また、ステップS809で用いる図柄テーブルは、変動開始時の処理(図13)にも利用される。
CPU201は、先読み図柄結果を、上述した先読み当落判定のときと同様にCPU201内蔵の所定の汎用レジスタに取り込んだまま、RAM203に格納しない。これは、先読み図柄結果が、この後の先読み変動パターン判定で直ちに利用され、このデータが必要とされることがなく、RAM203に記憶する必要が無いためである。
上記の先読み図柄判定を終えると、CPU201は先読み変動パターン判定を実行する。この先読み変動パターン判定では、上記の先読み図柄判定結果(本例では「通常4R」「通常6R」「確変6R」「確変10R」「はずれ1」「はずれ2」「はずれ3」の何れかを表す)と、該先読み図柄判定結果に応じた変動パターンを選択するための変動パターンテーブルと、ステップS804で取得した変動パターン用乱数とを利用した変動パターンの抽選を行い、先読み変動パターン決定する。すなわち、今回の作動保留球が変動表示動作に供されるときに実行される変動パターン(変動開始時の変動パターン)を先読み判定する。
本例では、上記の変動パターンテーブルは、変動開始時の処理(図13)で行われる変動パターンの抽選においても利用される。
上記の変動パターンテーブルの具体例、及び該テーブルを用いた変動パターンの抽選処理については、変動開始時の処理の説明時に改めて説明する。
なお、先読み変動パターン判定結果(入賞コマンドデータ(EVENT))は、以下で説明するステップS810の保留加算コマンド作成処理で直ちに利用され、その後、このデータが必要とされることはない。従って、CPU201は、先読み変動パターン判定の結果をRAM203に格納することなくレジスタに取り込んだまま、ステップS809の処理を終えるようになっている。
ステップS809の先読み判定処理を実行したことに応じ、CPU201はステップS810に進み、先読み判定結果に応じた保留加算コマンドの下位バイト側のデータを作成する。具体的には、先読み変動パターンの種類を表すデータを、保留加算コマンドの下位バイト側の入賞コマンドデータ(EVENT)として作成する。
なお、EVENTのデータについては、ステップS805で設定された「01H」が、本処理にて先読み変動パターンに対応する値(先読み変動パターン判定処理で得られた値)に更新されることになる。
ステップS810の作成処理を終えると、CPU201はステップS811で、作動保留球数に応じた保留加算コマンドの上位バイト側のデータを作成する。すなわち、現在の作動保留球数と、上述した先読み図柄結果(特別図柄種別)とを表すデータを保留加算コマンドの上位バイト側の入賞コマンドデータ(MODE)として作成する。
該MODEのデータについては、例えば、特図1の保留1個〜特図1の保留4個に応じて「B6H〜B9H」が設定され、特図2の保留1個〜特図2の保留4個に応じて「BAH〜BEH」が設定される。
ステップS811の作成処理を実行したことに応じ、CPU201はステップS812で、保留加算コマンドの送信処理を行う。すなわち、ステップS810、S811で作成した入賞コマンドデータをそれぞれEVENT、MODEとして含む保留加算コマンドを作成し、演出制御部24に送信する。
ここで、先読み禁止条件である場合(S816でYの場合)や、先のステップS808の判定処理で設定値Veの異常が認められた場合、CPU201は上述した先読み禁止データ(下位バイト=01H)を更新せずにそのまま維持し、先読み禁止データを持つ保留加算コマンドを送信する。
また、オーバーフロー時(最大保留記憶数に達しているときに、新たな入賞が発生した場合)は、オーバーフロー指定の保留加算コマンドが送信されるようになっている(ステップS802のYの処理ルート参照)。
なお、保留加算コマンドは、主制御部20から演出制御部24に送られた後は、演出制御部24側において今回の作動保留球に係る「先読み予告演出」を現出する際に利用されるだけであり、図13に示す特別図柄変動開始処理において特に利用されるものではない。従って、CPU201は保留加算コマンドもRAM203に格納することなく、ステップS701の特図1始動口チェック処理を抜けて、続いてステップS702の特図2始動口チェック処理を行うことになる。
ここで、上記のように本例では、入賞時(作動保留球発生時)において設定値Veのデータに異常が生じた場合であっても、保留加算コマンドを送信するが、この保留加算コマンドは、先読み禁止データを持つコマンドであるので、設定値Veに基づく先読み予告演出、又は設定値Veに基づかない先読み予告演出を現出可能に構成している場合であっても、先読み予告に係る演出制御自体が禁止されるため、不具合に起因する先読み予告が現出されることがなく、遊技者に不利益になることもないので、特に問題は生じない。仮に、先読み予告演出を禁止しない場合、設定値Veが異常であるにもかかわらず、保留表示系の先読み予告演出にて、高期待度の保留表示が現出された場合、その後のRAMエラー処理(設定値異常に起因したエラー処理)により遊技進行が停止してしまうと、遊技者が抱いていた当選期待感が一気に消滅してしまい、遊技機に対する大きな不信感を招来してしまう。しかし本例の場合は、上述したように、先読み予告自体を禁止しているので、このような問題を生じさせず、遊技者に不信感を抱かせることの防止が図られる。
(特別図柄変動開始処理)
続いて、図13のフローチャートを参照して、変動開始時の処理である特別図柄変動開始処理(ステップS705)について説明する。
図13において、CPU201は先ずステップS901で、特図2作動保留球数がゼロか否かを判定し、特図2作動保留球数がゼロでない場合には、ステップS903の処理に進み、今回の変動表示に供する特図2作動保留球を対象とした変動開始時の処理(ステップS903〜S912)を行う。
一方、特図2作動保留球数がゼロの場合、CPU201はステップS902で、特図1作動保留球数がゼロか否かを判定し、特図1作動保留球数がゼロでない場合には、ステップS903の処理に進み、今回の変動表示に供する特図1作動保留球を対象とした特別図柄の変動開始に係る処理(ステップS903〜S912)を行う。
上記のステップS901とS902の処理により、特図1作動保留球と特図2作動保留球のどちらを優先的に変動表示動作に供するか(どちらの作動保留球を優先的に消化していくか)の「優先変動順位」が定まる。本実施形態では、特図1作動保留球と特図2作動保留球の双方に作動保留球が存在する場合、特図2作動保留球が優先的に消化される。つまり、特別図柄変動表示ゲーム1よりも特別図柄変動表示ゲーム2の方が優先的に実行される。なお、上述の優先変動タイプに限らず、入賞した順番通りに作動保留球を消化していく構成としてもよい。
なお、特図2作動保留球数と特図1作動保留球数の双方の作動保留球数がゼロである場合、「作動保留球なし」の状態となる。この「作動保留球なし」の状態は、特別図柄が待機中であり、且つ保留記憶無しの状態となった場合であり、この状態に突入したことを演出制御部24側に知らせて、液晶表示装置36に対し、客待ち待機用のデモ画面表示(客待ちデモ画面)に切り替え制御させる。そこで、「作動保留球なし」になった場合は、ステップS913に進み、特別図柄動作ステータスが上記「作動保留球なし」の状態を示す「待機中(00H)」であるか否かを判定する。
ステップS913において、特別図柄動作ステータスが「待機中(01H)」であった場合には、特別図柄動作ステータスを「待機中(00H)」に切り替える(特別図柄動作ステータスに00Hを格納する)。そして、演出制御コマンドとして、客待ちデモ画面を表示させるための「デモ表示コマンド」を演出制御部24に送信し(ステップS915)、ステップS705の特別図柄変動開始処理を終える。
以後、ステップS913の判定処理が実行されるときに「待機中(00H)」であれば、再度、デモ表示コマンドを送信することなく特別図柄変動開始処理を終える。このようにする理由は、作動保留球数がゼロの場合に条件なしにデモ表示コマンドを送信すると、特図作動保留球数がゼロである間は4msの周期でデモ表示コマンドの送信を繰り返すことになり、不必要な送信が発生し、無闇に制御負担が増してしまうことを考慮し、その防止を図るためである。
なお、演出制御部24は、上記デモ表示コマンドを受けてから所定時間経過しても、何ら図柄変動表示ゲームに係る演出制御コマンド(例えば、保留加算コマンド)を受けない場合には、変動表示動作が一定時間行われない状態(客待ち待機状態)が発生したとみなして、客待ちデモ画面表示を行う。
ステップS901で特図2作動保留球数がゼロでない場合、及びステップS902で特図1作動保留球数がゼロでない場合(特図2作動保留球数がゼロである一方、特図1作動保留球数がゼロでない場合)、CPU201は今回の変動表示に供する作動保留球を対象とした特別図柄の変動開始時に係る処理(ステップS903〜S912)を行っていく。
ここで、以下に説明するステップS903〜S912の処理については、上記のステップS901の判定で‘NO’であった場合は特図2作動保留球を対象とした処理、上記のステップS902の判定で‘NO’であった場合は特図1作動保留球を対象とした処理となるが、処理の仕方は同じであるため、重複記載を避けるために特に必要が無い限り、特別図柄1側の作動保留球を対象とした処理であるか、特別図柄2側の作動保留球を対象とする処理であるかの区別はせずに説明していく。
ステップS903でCPU201は、作動保留球数を1減算し(今回の変動表示動作に供する特別図柄側に係る作動保留球数−1)、続くステップS904で減算後の作動保留球数情報を含む「保留減算コマンド」を演出制御部24に送信する。この保留減算コマンドにより、演出制御部24側は、今回の作動保留球数消化後の残余作動保留球数を把握し、現在表示中の保留表示をシフト表示させる。
次いで、CPU201はステップS905で、特別図柄作動確認データを設定する。この特別図柄作動確認データは、今回の変動開始側の特別図柄種別を指定する情報であり、例えば、特別図柄1が変動開始側であるならば「00H(特図1変動開始指定)」を、特別図柄2が変動開始側であるならば「01H(特図2変動開始指定)」を、RAM203の所定領域(特別図柄作動確認データ格納領域)に格納する。
次いで、CPU201はステップS906で、RAM203の保留記憶エリアに格納されている保留データをシフトし、続くステップS907で保留4記憶エリアをクリアする。このステップS906〜S907の処理では、保留記憶数n=1に対応する保留記憶エリア(保留1記憶エリア)に格納されている保留データ(大当り判定用乱数、特別図柄判定用乱数、及び変動パターン用乱数)を読み出し、RAM203の判定用乱数記憶エリアに格納するとともに、保留n記憶エリア(n=2、3、4)に対応する保留記憶エリア(保留2記憶エリア、保留3記憶エリア、保留4記憶エリア)に格納されている保留データを、それぞれ‘n−1’に対応する保留記憶エリアに格納し(ステップS906)、保留4記憶エリアをクリアして空き領域を設ける(ステップS907)。これにより、特別図柄変動表示ゲームの開始順番は、作動保留球数n(n=1、2、3、4)の順番と一致し、始動口入賞時に取得された作動保留球が何れの保留記憶エリアに対応するものであるかが特定されるとともに、新たな作動保留球の保留記憶が可能になる。
次いで、CPU201はステップS908で、変動回数残指定コマンド、遊技状態コマンドを送信する処理を行う。このステップS908では、電サポ有り状態の残余回数をカウントする「電サポ回数カウンタ」がゼロであるか否かを判定し、残りの時短回数がある場合は、その残り時短回数情報を含む「変動回数残指定コマンド」を演出制御部24に送信する。この「変動回数残指定コマンド」により、演出制御部24側は、残りの時短回数を把握し残り時短回数情報を報知する処理を実行可能とされる。
またステップS908では、現在の遊技状態を指定する遊技状態コマンドを演出制御部24に送信する処理も行う。
次いで、CPU201はステップS909で変動管理処理を実行する。
この変動管理処理では、変動開始時に対応した大当り抽選、停止図柄についての図柄抽選、及び変動パターンの抽選が行われる。また、該変動管理処理では、設定値Veの異常判定が行われ、設定値Veのデータに異常が認められる場合には演出制御部24に設定エラーを通知するための演出制御コマンド(RAM異常コマンド)を送信する処理が行われる。
なお、ステップS909の変動管理処理の詳細については図14〜図22を参照して改めて説明する。
ステップS909の変動管理処理を終えると、CPU201はステップS910で、変動表示中である旨を指定する特別図柄N変動中フラグ(N=1、2)に5AH(ON状態)を格納する。「特別図柄N変動中フラグ」とは、特別図柄1、2のうち対象とする何れかの特別図柄が変動中であるかを示すフラグで、当該フラグがON状態(=5AH)である場合には対象の特別図柄が変動中である旨を示し、当該フラグがOFF状態(=00H)である場合には対象の特別図柄が停止中である旨を示す。
なお、特別図柄1変動中フラグ(N=1)は特別図柄1側に対応し、特別図柄2変動中フラグ(N=2)は特別図柄2側に対応するものである。
次いで、CPU201はステップS911で、変動開始時のコマンド送信処理を実行する。このコマンド送信処理では、ステップS909の変動管理処理で選択された変動パターンの内容を演出制御部24側に知らせるべく、演出制御コマンドとして、その変動パターン内容を特定可能な変動パターン情報を含む「変動パターン指定コマンド」を作成し、演出制御部24に送信する。
また、該コマンド送信処理では、ステップS909における図柄抽選結果に基づき、装飾図柄指定コマンドを作成し、演出制御部24に送信する。装飾図柄指定コマンドは、変動側の特別図柄種別を指定する上位バイト(MODE)と、当選種別を指定する下位バイト(EVENT)の2バイトで構成される。従って、この装飾図柄指定コマンドには、変動側の特別図柄種別と当選種別(図柄抽選結果)とに関する情報が含まれる。この装飾図柄指定コマンドは、当選種別に関する情報が含まれることから、演出制御部24側において、主として、リーチ状態を形成する際の装飾図柄の組合せ(リーチ図柄を構成要素とする図柄種)や、最終的に停止表示させる装飾図柄(装飾停止図柄)の組合せや、図柄変動表示ゲームにおいて当選種別に対応する予告演出などを決定する際に利用される。
そして、続くステップS912でCPU201は、変動開始時設定処理として、特別図柄動作ステータス「変動中(02H)」に切り替え(特別図柄動作ステータスに02Hを格納)、判定用乱数記憶エリアと変動パターン用乱数記憶エリアをクリアする処理を行う。
ステップS912の変動開始時設定処理を実行したことに応じ、CPU201はステップS705の特別図柄変動開始処理を終える。CPU201は、特別図柄変動開始処理を終えると、図11の特別図柄表示データ更新処理(ステップS708)を行い、これにより特別図柄の変動表示が開始されることになる。
(変動管理処理)
図14は、ステップS909の変動管理処理を示したフローチャートである。
図14において、CPU201は、先ずステップS1001で設定エラーか否かを判定する。すなわち、設定エラーフラグがON状態であるか否かを判定する。
設定エラーフラグは、ON状態が設定値Veの異常あり、OFF状態が設定値Veの異常なしを表すフラグとされる。この設定エラーフラグは、後述するステップS1003の判定処理の結果、設定値Veのデータ異常が認められた場合にステップS1004にてON状態にセットされる。
ステップS1001において、設定エラーフラグがOFFであり設定エラーではないと判定した場合、CPU201はステップS1003で設定値Veの取得処理、すなわちRAM203のワーク領域における設定値Veの格納領域に格納されている値を取得する処理を行い、続くステップS1003で設定値Veが正常であるか否かを判定する。すなわち、設定値Ve(実際の記憶値)が「00H」〜「05H」の範囲にあるか否かを判定する。
設定値Veが正常範囲でない場合、CPU201はステップS1005に進んで設定エラーフラグをON状態とし、続くステップS1006で設定値Veに異常が生じた旨を表すためのRAM異常コマンドを演出制御部24に送信する。
ここで、設定エラーフラグは、上記したステップS1001の判定処理をはじめとして、前述したステップS617の判定処理(設定値Veを確認表示する際の設定値異常有無の判定)や、後述するステップS1201の判定処理(変動開始時の変動パターン抽選を行う際の設定値異常有無の判定)において用いられる。
また、上記のRAM異常コマンドを受け演出制御部24は、設定値Veのデータ異常を報知するための処理を行う。例えば、液晶表示装置36に「RAM異常です。係員を呼んで下さい。」等の表示を含む画像を表示させる処理を行う。
CPU201は、ステップS1006の送信処理を実行したことに応じて、後述するステップS1007(図柄抽選処理)に処理を進める。
また、CPU201は、ステップS1003で設定値Veが正常範囲であると判定した場合は、ステップS1004の大当り乱数判定処理を実行した上で、ステップS1007の図柄抽選処理に進む。
ステップS1004の大当り乱数判定処理は、大当り判定用乱数(内部抽選用乱数)、大当り判定テーブル、及び設定値Veに基づいて大当り/はずれの当落種別を抽選により選択(判定)するものである。
なお、実施形態としての大当り乱数判定処理の詳細については図15及び図16を参照して改めて説明する。
また、CPU201は、先のステップS1001で設定エラーであると判定した場合は、ステップS1004の大当り乱数判定処理を含むステップS1002〜S1004の処理をパスして、ステップS1007の図柄抽選処理に進む。
ここで、本実施形態では、設定エラーとなった場合(ステップS1001でYの判定結果が得られた場合、又はステップS1003でNの判定結果が得られた場合)、該設定エラーが解消されない限り、大当り乱数判定処理が行われない。
先に説明した通り、設定エラーは、設定変更操作を行うことで解除できるものである。すなわち、設定エラー状態に陥った場合、設定変更操作を行って設定エラー状態を解除することで、大当り乱数判定処理が行われる状態に復帰される。
ステップS1007の図柄抽選処理において、CPU201は、少なくとも当落抽選結果(大当り判定フラグ)、特別図柄判定用乱数、及び図柄テーブルに基づいて、当り/はずれの種別(停止図柄の種類)を決定する処理を行う。そして、その結果(特別図柄判定データ)をRAM203の所定領域(特別図柄判定データ記憶領域)に格納する。これにより、今回の特別図柄変動表示ゲームに係る当選種別(当り/はずれの種類)が決定される。
なお、先読み判定時の図柄抽選処理と同様、図柄抽選については設定値Veに応じた抽選を行うこともできる。
ステップS1007に続くステップS1008でCPU201は、変動パターン抽選処理として、少なくとも図柄抽選結果(上記の特別図柄判定データ)、変動パターン用乱数、及び変動パターンテーブルに基づき、今回の変動表示動作に供される作動保留球を対象とした変動開始時の変動パターンを抽選により決定する処理を行う。
具体的に、本実施形態における変動パターン抽選処理では、設定値Ve、及び作動保留球数(今回消化分を減算した作動保留球数)も利用した変動パターンの抽選を行う。
なお、本実施形態における変動パターン抽選処理の詳細については図17乃至図22を参照して改めて説明する。
ステップS1008の変動パターン抽選処理を実行したことに応じ、CPU201はステップS909の変動管理処理を終える。つまりこの後、処理は図13に示したステップS910に進められる。
ここで、上記説明のように本例では、変動開始時における当落抽選や図柄抽選の抽選結果をRAM203に格納するものとしているが、その理由は、これらの抽選結果は、ステップS909の変動管理処理が属する特別図柄管理処理(ステップS412:図8及び図11参照)のみで利用されるものではなく、後々の特別電動役物管理処理(ステップS413:図8参照)等においても利用されるデータだからである。
この点、抽選結果をRAM203に格納しない先読み判定時の処理とは異なる。
なお、図示による説明は省略するが、ステップS909の変動管理処理では、当落抽選結果が当りである場合に、遊技状態を移行させるための設定処理として、当り遊技後の遊技状態を指定するための必要な設定処理を行う(遊技状態移行準備処理)。
(大当り乱数判定処理)
図15は、ステップS1004の大当り乱数判定処理を示したフローチャートであり、図16は、実施形態の大当り乱数判定手法の説明図である。
図15による大当り乱数判定処理の詳細説明に先立ち、図16を参照して実施形態で採用する大当り乱数判定手法について説明しておく。
先ず前提として、本実施形態では、大当り判定用乱数は0〜65535の65536通りの値をとり得る。本実施形態における大当り乱数判定では、このような大当り判定用乱数がとり得る値の範囲内において判定基準値THを定め、大当り判定用乱数と判定基準値THの大小関係を比較した結果に基づき、大当り/はずれの判定を行う。一例として、本例では、大当り判定用乱数の値が「0〜判定基準値TH」の範囲内である場合に大当りの判定結果を、それ以外の場合にはずれの判定結果を得る手法を採っている。
本実施形態では、大当り乱数判定として低確率時(通常状態時:以下「低確時」と略称する)に対応した判定と高確率時(確変状態時:以下「高確時」と略称する)に対応した判定の2種の判定を行う。このため、判定基準値THとしては、低確時の判定に用いる判定基準値TH1と、高確時の判定に用いる判定基準値TH2の2種が設定される。
図16に例示するように、高確時の判定基準値TH2は低確時の判定基準値TH1よりも値が大きくされ、これにより高確時の判定でより大当りの当選確率が高まるようにされている。
ここで、本例の場合、設定値Veに応じた大当り乱数判定とするため、判定基準値THとしては設定値Veに応じて異なる値を設定する。この際、本例では、単純に設定値Veごとの判定基準値THを用意するということはせず、基本とする単一の判定基準値TH(以下「基本判定基準値THr」と称する)と、設定値Veごとに定めたオフセット値とを用意し、基本判定基準値THrを設定値Veに応じたオフセット値によりオフセットすることで、設定値Veごとに異なる判定基準値THを設定するという手法を採る。
具体例として、本例では、低確時、高確時それぞれの基本判定基準値THr(以下、それぞれ符号を「THr1」「THr2」とする)、及び設定値Veごとのオフセット値を下記のように定めている。
・基本判定基準値THr1=00842
・基本判定基準値THr2=08429
・設定1
低確時のオフセット値=000 (TH1=00842)
高確時のオフセット値=000 (TH2=08429)
・設定2
低確時のオフセット値=001 (TH1=00843)
高確時のオフセット値=010 (TH2=08439)
・設定3
低確時のオフセット値=002 (TH1=00844)
高確時のオフセット値=020 (TH2=08449)
・設定4
低確時のオフセット値=003 (TH1=00845)
高確時のオフセット値=030 (TH2=08459)
・設定5
低確時のオフセット値=004 (TH1=00846)
高確時のオフセット値=040 (TH2=08469)
・設定6
低確時のオフセット値=005 (TH1=00847)
高確時のオフセット値=050 (TH2=08479)
ここで、本実施形態では、基本判定基準値THr1、THr2はそれぞれ2バイトによるデータとされ、オフセット値は1バイトによるデータとされる。
なお、上記では、大当り乱数判定における大当りの判定下限値を「0」とする例、すなわち、大当り判定用乱数が「0」〜「判定基準値TH」の範囲内であれば大当りの判定結果を得る場合を例示したが、該判定下限値は「0」よりも大きな数値とすることもできる。
上記の前提を踏まえ、図15に示す大当り乱数判定処理を説明する。
図15において、CPU201はステップS1101で、大当り判定用乱数が判定下限値未満であるか否かを判定する。判定下限値は、上記のように大当りの判定下限値(大当りとの判定結果が得られる数値範囲の下限値)であり、本例では「0」である。
大当り判定用乱数が判定下限値未満であれば、最早、はずれであることが確定されるため、以下で説明するステップS1102〜S1106の処理はパスして、ステップS1004の大当り乱数判定処理を終える。
なお、本例のように判定下限値=0である場合、大当り判定用乱数が0未満の値をとることは通常はあり得ないため、ステップS1101の処理を設けることは必須ではない。ステップS1101の処理は、判定下限値を0よりも大きな値とする場合に有効なものである。
ここで、ステップS1101で乱数が判定下限値未満と判定された場合等、はずれの判定結果が得られる場合には、大当り判定フラグとしては大当り(=5AH)でない、具体的にははずれ(=00H)である旨を表す値に更新されるべきであるが、ステップS1004の大当り乱数判定処理においては、大当り判定フラグをはずれである旨を表す00Hに更新する処理は行われない。
本例の遊技機1において、はずれの判定が得られる場合に対応して大当り判定フラグが00Hに更新されるのは、大当り判定フラグ=5AHであることが確認されたことに応じて大当り遊技が開始される際に、CPU201が大当り判定フラグをクリア(=00H)することによる(ステップS707の特別図柄確認時間中処理の説明を参照)。
つまり、このように大当り遊技開始時に大当り判定フラグ=00Hとされることから、以降は図15に示すステップS1106で大当り判定フラグ=5AHに更新されない限り大当り判定フラグ=00Hとされるため、上記のようにはずれの判定結果が得られたことに応じて大当り判定フラグ=00Hに更新する処理は不要なものである。
ステップS1101において、乱数が判定下限値未満でなければ、CPU201はステップS1102で確変中であるか否かを判定する。この判定は、前述した遊技状態フラグを参照した結果に基づき行う。
確変中でなければ(通常状態であれば)、CPU201はステップS1103で低確の基本判定基準値THr1に設定に応じたオフセット値を加算する。つまりこれにより、現在の遊技状態(通常状態)と設定値Veとに応じた判定基準値TH1が算出される。
一方、確変中であれば、CPU201はステップS1104で高確の基本判定基準値THr2に設定に応じたオフセット値を加算する。これにより、現在の遊技状態(確変状態)と設定値Veとに応じた判定基準値TH2が算出される。
ステップS1103で判定基準値TH1を、又はステップS1104で判定基準値TH2を算出したことに応じ、CPU201はステップS1105で大当り判定乱数が算出した判定基準値TH未満(乱数<判定基準値TH)であるか否かを判定する。
乱数<判定基準値THであれば、CPU201はステップS1106で大当り判定フラグを5AHに更新した上でステップS1004の大当り乱数判定処理を終え、乱数<判定基準値THでなければステップS1106をパスしてステップS1004の大当り乱数判定処理を終える。
なお、上記では、オフセット値によって大当り判定の上限値側をオフセットさせる例を挙げたが、判定下限値側をオフセットさせることも勿論可能である。
また、上記では、設定値Veごとに異なるオフセット値を定める例を挙げたが、一部の設定値Ve間で共通のオフセット値が用いられてもよく、また、基本判定基準値THrは一部の設定値Ve間で異なる値を用いることもできる。一部の設定値Ve間で共通のオフセット値が用いられても、一部の設定値Ve間で異なる基本判定基準値THrが設定されている場合には、設定値Veごとに異なる判定基準値THを設定することが可能である。
上記のように本実施形態の大当り乱数判定においては、異なる設定値Ve間で共通に定められた基本判定基準値(THr1、THr2)と、異なる設定値Ve間で異値に定められた基本判定基準値についてのオフセット値とに基づき、設定値Veに応じた判定基準値(TH1、TH2)を算出し、該算出した判定基準値に基づいて当落判定を行っている。この際、基本判定基準値は2バイトデータ、オフセット値が1バイトデータで構成されている。
このような構成により、設定値Veに応じた当落判定を実現するにあたって、遊技機1の記憶手段(メモリ)に設定値Veごとに異なる判定基準値を記憶させておく必要がなくなる。すなわち、メモリには、異なる設定値Ve間で共通とされた基本判定基準値と、基本判定基準値よりもデータ容量の小さいオフセット値とを記憶させれば済む。
従って、メモリ容量の削減を図ることができる。
(変動パターン抽選処理)
図17〜図22を参照して、変動パターン抽選処理について説明する。
図17は、ステップS1008の変動パターン抽選処理を示したフローチャートである。
先ず、CPU201はステップS1201で、設定エラーフラグに基づき設定エラーか否かを判定し、設定エラーでなければ、ステップS1202で当りか否かを判定する。すなわち、大当り判定フラグに基づき、大当り(=5AH)であるか否かを判定する。
ステップS1202において、当りでない(はずれである)と判定した場合、CPU201はステップS1203ではずれ変動パターンテーブルを選択した上で、ステップS1206の変動パターン選択処理に進む。すなわち、テーブルと変動パターン用乱数に基づいて変動パターンを選択する処理である。
一方、ステップS1202において当りと判定した場合、CPU201はステップS1204で当り変動パターンテーブルを選択した上で、ステップS1206の変動パターン選択処理に進む。
図18は、はずれ変動パターンテーブルの一例を、図19は当り変動パターンテーブルの一例をそれぞれ示している。
先ず前提として、はずれ変動パターンテーブル、当り変動パターンテーブルとしては、それぞれ特図1用の変動パターンテーブルと特図2用の変動パターンテーブルとが用意されている。
図18に示すはずれ変動パターンテーブルを用いて行われるはずれ時の変動パターン抽選においては、抽選候補の変動パターン(抽選により選択され得る変動パターン)が「通常変動4s」「通常変動6s」「通常変動8s」「通常変動12s」「ノーマルリーチ」「スーパーリーチ1」「スーパーリーチ2」「スーパーリーチ3」「スーパーリーチ4」の9種とされる。
また、図19に示す当り変動パターンテーブルを用いて行われる当り時の変動パターン抽選においては、抽選候補の変動パターンが「通常変動当り」「スーパーリーチ1」「スーパーリーチ2」「スーパーリーチ3」「スーパーリーチ4」の5種とされる。
なお、「通常変動」について、併記する数値は変動時間を表し、数値後の「s」は「秒」を意味する。
ここで、上記した10種の変動パターンのうち、特に「通常変動4s」「通常変動6s」「通常変動8s」「通常変動12s」は、当り時に選択されないいわば「はずれ」に対応した変動パターンに属する(以下「はずれ変動パターン」と称することもある)。
本実施形態では、はずれ時の変動パターン抽選は、特図1、2の別に関わらず、はずれ種別(はずれ1、2、3)ごとに異なる変動パターンテーブルを用いて行われる(図18参照)。
ここで、本実施形態において、「はずれ1」「はずれ2」「はずれ3」の各はずれ種別については、図柄抽選による選択率(該当種別が選択される率)が異なるものとされ、「はずれ1」が最も選択率が高く、「はずれ2」「はずれ3」は「はずれ1」よりも選択率が低くされている。具体的に、本例では、「はずれ1」の選択率は「190/200」、「はずれ2」「はずれ3」の選択率はそれぞれ「5/200」等とされている。この場合、大当り判定結果が「はずれ」であれば、殆どの場合、はずれ種別として「はずれ1」が選択されることになる。
特図1についての変動パターン抽選として、はずれ種別が「はずれ1」の場合における変動パターン抽選については、設定値Veに応じた抽選とはせず、保留球数に応じた抽選を行う。このため、特図1用の変動パターンテーブルのうち、はずれ種別が「はずれ1」の場合に用いられる変動パターンテーブルとしては、設定値Ve間で共通とされるが、保留球数ごとに異なるテーブルが用意されている。
なお、図18では図示の都合から、設定値Veの範囲が設定1〜3の範囲とされた場合を前提としたテーブル構造を示している。
この点は、図19に示す当り変動パターンテーブルについても同様である。
「はずれ1」の場合における特図1の変動パターン抽選では、抽選候補の変動パターンが「通常変動4s」「通常変動6s」「通常変動8s」「通常変動12s」「ノーマルリーチ」の5種とされており、本例では、保留球数に応じて抽選対象する変動パターンを異ならせるものとしている。
具体的に、保留球数=0の場合は「通常変動12s」「ノーマルリーチ」を、保留球数=1の場合は「通常変動8s」「ノーマルリーチ」を、保留球数=2の場合は「通常変動6s」「ノーマルリーチ」を、保留球数=3の場合は「通常変動4s」「ノーマルリーチ」をそれぞれ抽選対象の変動パターンとしている。
ここで、変動パターンテーブル内において、抽選対象の変動パターンごとに格納された数値は、変動パターン判定用乱数が0〜199の200通りの数値をとり得ることを前提とした場合における当選確率の振り分け値(振り分けを表す値)を表している。例えば、特図1用の変動パターンテーブルにおいて、「はずれ1」且つ「保留球数=0」のテーブルでは「通常変動12s」に対する格納値=「160」、「ノーマルリーチ」に対する格納値=「40」とされているが、これは、「通常変動12s」の当選確率が「160/200」、「ノーマルリーチ」の当選確率が「40/200」であることを意味している。
テーブルの格納値として上記の振り分け値を示したのはあくまで説明の便宜を図るためであり、実際における変動パターンテーブルには、前述の大当り乱数判定で用いたような判定基準値が格納されることになる。例えば、上記の「はずれ1」且つ「保留球数=0」のテーブルについて言えば、実際の格納値(判定基準値)として例えば「159」が格納され、その場合、変動パターン用乱数が159以下であれば「通常変動12s」が選択され、変動パターン用乱数が159よりも大きければ「ノーマルリーチ」が選択される。
図18に示した振り分け値を参照して分かるように、「はずれ1」の場合に対応した特図1の変動パターン抽選においては、「ノーマルリーチ」よりも「通常変動」の方が選ばれ易くなるようにしている(出現率が高くなるようにしている)。
また、「はずれ1」の場合に対応した特図1の変動パターン抽選においては、保留球数が多いほど、変動時間の短い通常変動パターンが選択されるようにしている。
続いて、特図1の変動パターン抽選として、はずれ種別が「はずれ2」「はずれ3」それぞれの場合における変動パターン抽選については、設定値Veに応じた抽選とする一方、保留球数に応じた抽選とはしない。このため、「はずれ2」「はずれ3」それぞれの場合に用いられる特図1用の変動パターンテーブルとしては、保留球数間で共通とされるが、設定値Veごとに異なるテーブルが用意されている。
「はずれ2」「はずれ3」の場合に対応した特図1の変動パターン抽選では、抽選候補の変動パターンが「スーパーリーチ1」「スーパーリーチ2」「スーパーリーチ3」「スーパーリーチ4」の4種とされている。
本例では、「はずれ3」の場合に対応した特図1の変動パターン抽選については、設定値Veによって抽選対象する変動パターンを異ならせるものとしている。
具体的に、特図1の変動パターン抽選において、「はずれ2」「はずれ3」と設定1〜3の組合わせごとにそれぞれ抽選対象とされる変動パターンは下記の通りである。
設定1且つ「はずれ2」=スーパーリーチ1、2、3、4
設定1且つ「はずれ3」=スーパーリーチ1
設定2且つ「はずれ2」=スーパーリーチ1、2、3、4
設定2且つ「はずれ3」=スーパーリーチ2、3
設定3且つ「はずれ2」=スーパーリーチ1、2、3、4
設定3且つ「はずれ3」=スーパーリーチ4
図中に例示した振り分け値より、本例では、「はずれ2」の場合に対応した特図1の変動パターン抽選として、設定1の場合にはスーパーリーチ4、3、2、1の順で変動パターンが選択され易くしており、設定2、設定3の場合にはスーパーリーチ1、2、3、4の順で変動パターンが選択され易くしている。
また本例では、「はずれ3」の場合に対応した特図1の変動パターン抽選に関しては、高設定となるほど(設定値Veが大きくなるほど)当選期待感の高いスーパーリーチが選択される傾向となるようにしている。
なお、上記の「はずれ2」の場合に対応した変動パターン抽選のように、抽選候補の変動パターンが3種以上とされる抽選に用いられる変動パターンテーブルには、判定基準値として複数の値(「抽選候補の変動パターン数−1」で表される値)が格納される。例えば、図中の設定1且つ「はずれ2」の場合に対応したテーブルで言えば、例えば、判定基準値としてそれぞれ第一の値=9、第二の値=49、第三の値=99が設定され、その場合、変動パターン用乱数が第一の値以下であれば「スーパーリーチ1」が、第一の値より大きく第二の値以下であれば「スーパーリーチ2」が、第二の値より大きく第三の値以下であれば「スーパーリーチ3」が、第三の値より大きければ「スーパーリーチ4」がそれぞれ選択される。
続いて、特図2の変動パターン抽選として、はずれ種別が「はずれ1」の場合における変動パターン抽選については、特図1の場合とは異なり、抽選候補の変動パターンを「通常変動12s」のみとしている。このため、特図2用の変動パターンテーブルのうち、「はずれ1」且つ「保留球数=0」、「はずれ1」且つ「保留球数=1」、「はずれ1」且つ「保留球数=2」、「はずれ1」且つ「保留球数=3」の場合に用いられる各テーブルにおいては、「通常変動12s」に対応する振り分け値が全て「200」とされている。
なおこの場合、保留球数が異なっても抽選結果は同一となるため、変動パターンテーブルとしては保留球数間で共通のテーブルとすることもできる。
また、特図2の変動パターン抽選として、はずれ種別が「はずれ2」「はずれ3」の場合における変動パターン抽選については、特図1の場合と同様に設定値Veに応じた抽選とするが、保留球数に応じた抽選とはしない。このため、特図2用の変動パターンテーブルについて、「はずれ2」「はずれ3」それぞれの場合に用いられる変動パターンテーブルとしては、保留球数間で共通とされるが、設定値Veごとに異なるテーブルが用意されている。
「はずれ2」「はずれ3」の場合に対応した特図2の変動パターン抽選では、抽選候補の変動パターンが「通常変動12s」「スーパーリーチ4」の2種とされており、設定値Veによって、これら「通常変動12s」「スーパーリーチ4」の何れかの変動パターンが選択される。
具体的に、本例における「はずれ2」「はずれ3」の場合に対応した特図2の変動パターン抽選では、それぞれ、設定1、2の何れかである場合に「通常変動12s」が必ず選択され、設定3の場合に「スーパーリーチ4」が選択されるようにしている。
続いて、図19に示す当り変動パターンテーブルについて説明する。
本実施形態において、当り時の変動パターン抽選では、特図1、2共に、当り種別ごとに異なるテーブルを用いる。
本実施形態では、当り種別ごとに、抽選対象の変動パターンが次のように設定されている。すなわち、当り種別が「通常4R」の場合は、特図1、2共に、抽選対象の変動パターンは「通常変動当り」「スーパーリーチ1」「スーパーリーチ2」「スーパーリーチ3」「スーパーリーチ4」の5種とされている。
また、当り種別が「通常6R」の場合、特図1では、抽選対象の変動パターンは「通常変動当り」「スーパーリーチ1」「スーパーリーチ2」「スーパーリーチ3」「スーパーリーチ4」の5種とされ、特図2では、「通常変動当り」を除いた「スーパーリーチ1」「スーパーリーチ2」「スーパーリーチ3」「スーパーリーチ4」の4種とされている。
さらに、当り種別が「確変6R」「確変10R」の場合、特図1、2共に、抽選対象の変動パターンは「スーパーリーチ1」「スーパーリーチ2」「スーパーリーチ3」「スーパーリーチ4」の4種とされている。
本実施形態における当り時の変動パターン抽選では、特定の当り種別についてのみ、設定値Veに応じた変動パターン抽選を行う。具体的に、特図1の変動パターン抽選については、「通常4R」「確変10R」の当り種別についてのみ設定値Veに応じた変動パターン抽選を行い、特図2の変動パターン抽選については「通常4R」「確変6R」「確変10R」の当り種別についてのみ設定値Veに応じた変動パターン抽選を行う。
「通常4R」の場合における変動パターン抽選については、特図1、2の双方において、設定値Veにより抽選対象の変動パターンを異ならせている。具体的に、本例における「通常4R」に対応した変動パターン抽選では、設定1であれば「通常変動当り」〜「スーパーリーチ4」の5種を、設定2又は設定3であれば「スーパーリーチ1」〜「スーパーリーチ4」の4種をそれぞれ抽選対象の変動パターンとしている。
「通常4R」以外の当り種別である「通常R6」「確変6R」「確変10R」の場合における変動パターン抽選については、特図1、2の双方において、抽選対象の変動パターンは設定値Veによらず不変とされている。
本実施形態において、特図1の当り時の変動パターン抽選では、「通常4R」「確変10R」の場合のみ、設定値Veに応じた変動パターン抽選を行うものとしている。このため、特図1の当り変動パターンテーブルにおいて、これら「通常4R」「確変10R」の場合に用いられる変動パターンテーブルとしては、設定値Veごとに異なるテーブルが用意されている。
図19を参照して分かるように、本例では、特図1の変動パターンテーブルにおいて、「通常4R」「確変10R」それぞれのテーブルでは「スーパーリーチ4」に対する振り分け値を設定値Veが大きくなるほど大きくしている。これにより、「通常4R」「確変10R」それぞれの当り時には、現在の設定が高設定であるほど、特図1の変動パターンとして最も当選期待値の高い変動パターンが選択され易くなる。
また、本例において、特図2の当り時の変動パターン抽選では、「通常4R」「確変10R」と共に「確変6R」についても設定値Veに応じた変動パターン抽選を行うものとしている。このため、特図2の当り変動パターンテーブルにおいて、「通常4R」「確変6R」「確変10R」の場合に用いられる変動パターンテーブルとしては設定値Veごとに異なるテーブルが用意されている。本例において、特図2の変動パターンテーブルでは、これら「通常4R」「確変6R」「確変10R」全てのテーブルにおいて、「スーパーリーチ4」に対する振り分け値を設定値Veが大きくなるほど大きくしている。
ここで、図中の振り分け値を参照して分かるように、本例では、当り種別や設定値Veの別に拘わらず、各テーブルにおいて「スーパーリーチ4」に対する振り分け値を最も大きくしている。つまり、本例では、大当りと判定された場合の変動パターン抽選において、最も当選期待度の高い変動パターンが最も選択され易くなっている。
説明を図17に戻す。
上述したステップS1206の選択処理では、上記のようなはずれ、又は当り変動パターンテーブルに基づいて変動パターンの選択を行う。
具体的に、ステップS1202ではずれであると判定した場合に対応してはずれ変動パターンテーブルを選択した場合、CPU201は該変動パターンテーブルよりはずれ種別、保留球数、設定値Veに応じたテーブルを選択し、該選択したテーブルと変動パターン用乱数とに基づいて変動パターンの選択を行う。また、ステップS1202で当りであると判定した場合に対応して当り変動パターンテーブルを選択した場合、CPU201は該当り変動パターンテーブルより当り種別、設定値Veに応じたテーブルを選択し、該選択したテーブルと変動パターン用乱数とに基づいて変動パターンの選択を行う。なおこの際、処理対象としている図柄が特図1、2の何れであるかに応じて特図1用、特図2用のテーブルを選択し分けることは言うまでもない。
先の説明から理解されるように、当り/はずれの各変動パターンテーブルにおいては、抽選対象の変動パターンに対応した判定基準値が1又は複数(抽選候補の変動パターン数−1)定められており、ステップS1206の選択処理では、上記のように選択したテーブルに格納された判定基準値と変動パターン用乱数の値との大小関係を比較した結果に基づき、変動パターンの選択を行うことになる。
なお、上記では、変動パターンを選択するための変動パターンテーブルについて、設定値Veごとにテーブルを分ける例を挙げたが、一部の設定値Ve間で共通のテーブルが用いられてもよい。
図20は、その一例を示すものである。
ここでは、設定値Veが設定1〜6に対応した6値をとり得ることを前提とした場合の当り変動パターンテーブルの変形例を示している。
この図20の例では、特図1用の「通常4R」「確変10R」に対応したテーブル、特図2用の「通常4R」「確変6R」「確変10R」に対応したテーブルとして、それぞれ設定1〜3の組、設定4〜6の組ごとにテーブルを分けた例を示している。
この図20の例のように、設定値Veに応じた変動パターン抽選を行う上では、個々の設定値Veごとに個別にテーブルを分けることに限定されず、一部の設定値Ve間で共通のテーブルが用いられてもよい。
続いて、変動パターン抽選時に設定エラーが検知された場合の処理について説明する。
図17のステップS1201において、設定エラーであると判定した場合、CPU201はステップS1205に進み、設定エラー時共通変動パターンテーブルを選択し、ステップS1206の選択処理を実行する。
図21は、設定エラー時共通変動パターンテーブルについての説明図である。
本実施形態において、設定エラー時共通変動パターンテーブルを用いて行われる設定エラー時の変動パターン抽選では、特図1、2双方とも、当り/はずれの別に拘わらず強制的にはずれ変動パターンが選択されるようにする。つまり本例では、「通常変動4s」「通常変動6s」「通常変動8s」「通常変動12s」の何れかのはずれ変動パターンが強制的に選択される。
本例における設定エラー時の変動パターン抽選では、特図1側については保留球数に応じて異なる変動パターンが選択されるようにし、特図2側については保留球数によらず特定の変動パターンのみ、具体的には「通常変動12s」のみが選択されるようにしている。
特図1側については、保留球数が多いほど変動時間の長い通常変動パターンが選択されるようにしている。
図21においても説明の便宜上、テーブル構造としては、変動パターン抽選用乱数が0〜199の値をとり得る場合に対応した振り分け値を格納した構造を示したが、実際のテーブル構造は、保留球数(0〜3)ごとのテーブルとして、少なくとも抽選候補の変動パターンに判定基準値を対応づけた構造が採られる。
なお、特図2側について、本例のように保留球数によらず特定変動パターンが選択されるようにするのであれば、保留球数(0〜3)ごとにテーブルを分ける必要性がないことは言うまでもない。
図17において、ステップS1206の選択処理では、ステップS1205で設定エラー時共通変動パターンテーブルが選択された場合には該テーブルと変動パターン用乱数とに基づいて変動パターンの選択を行う。具体的に、本例では、設定エラー時共通変動パターンテーブルにおける現在の保留球数に応じたテーブルを選択し、該選択したテーブルに格納される判定基準値と変動パターン用乱数との大小関係を比較した結果に基づいて変動パターンを選択する。
CPU201は、ステップS1206の選択処理を実行したことに応じてステップS1008の変動パターン抽選処理を終える。ステップS1008の抽選処理の終了により、図14に示したステップS909の変動管理処理が終了となり、以降、処理は図13に示したステップS910(変動中フラグON処理)に進められる。
前述のように、ステップS910に続くステップS911のコマンド送信処理では、変動パターンの抽選結果を表す「変動パターン指定コマンド」や図柄抽選結果を表す「装飾図柄指定コマンド」が演出制御部24に送信される。
演出制御部24側では、これらのコマンドに基づき、リーチ状態を形成する際の装飾図柄の組合せ(リーチ図柄を構成要素とする図柄種)や、最終的に停止表示させる装飾図柄(装飾停止図柄)の組合せが決定され、また図柄変動表示ゲームにおいて当選種別に対応する予告演出の抽選等が行われる。
ここで、上記のように本実施形態では、特図の変動開始時に設定エラーが認められた場合は強制的にはずれ変動パターン(通常変動)が選択されるようになるが、このとき、装飾図柄側の変動として激熱変動が選ばれてしまうと遊技者を困惑させるため、本例では、上記のように通常変動4s〜通常変動12s等、変動時間の短い変動パターンが選択されるようにしている。
そして、本実施形態では、演出制御部24側においても、設定エラー時には予告演出を行わない工夫をしている。具体的に、演出制御部24は、特図の変動開始時に対応して設定エラーを通知するRAM異常コマンド(図14のステップS1006を参照)を主制御部20側より受信した場合は、予告演出の抽選を行わないようにされる。
なお、この点については後に改めて説明する。
ここで、本実施形態において、演出制御部24は、上記のRAM異常コマンドに基づき設定エラーが認められた場合には、液晶表示装置36に「RAM異常です 係員を呼んで下さい」等のメッセージを含む画像を表示させる等、異常発生の報知を行う。該報知としては、液晶表示装置36を用いた画像表示による報知に限らず、例えば音やLEDの点灯(及び/又は点滅)による報知や、画像、音、LED等の複数種の演出手段の組合わせによる報知とすることもできる。
なお、上記では特図1側の設定エラー時共通変動パターンテーブルについて、保留球数が多いほど変動時間の長い通常変動パターンが選択されるようにしたが、これは一例であって、例えば保留球数が少なくなるほど変動時間の長い通常変動パターンが選択されるようにすることもできる。
或いは、図22に例示するように、特図2側と同様に各保留球数で同一の変動パターンが選択されるようにすることもできる。図22の例では、各保留球数において「通常変動12s」が共通に選択される場合を示している。
このように設定エラー時共通変動パターンテーブルにおいて、保留球数と選択される変動パターンとの関係については多様に考えられ、特定の関係に限定されるものではない。
なお、特図2側についても、特図1側のように保留球数によって選択される変動パターンが異なるようにすることもできる。
[4-5.第二のまとめ]
これまでの説明より、実施形態の遊技機1は、次の構成を有するものと言うことができる。
すなわち、実施形態の遊技機1は、図柄を変動表示可能な表示手段(特別図柄表示装置38a、38b等)と、遊技動作の進行制御を行う制御手段(主制御部20)と、を備え、制御手段は、遊技者に有利な遊技状態に当選させるか否かの確率についての段階を表す設定値(同Ve)を操作に基づき設定する設定手段(ステップS403の設定変更処理)と、所定条件の成立に応じて、遊技者に有利な遊技状態に移行するか否かについて設定手段が設定した設定値に基づいて当落判定を行う判定手段(ステップS1004の大当り乱数判定処理)と、表示手段に表示させる図柄について、変動パターンと変動後に停止表示される図柄種別とを複数の候補のうちから選択する選択手段(ステップS1007の図柄抽選処理及びステップS1008の変動パターン抽選処理)と、図柄の変動表示を開始させるにあたり設定値に異常が認められた場合に、判定手段による当落判定を実行させずに強制的にはずれの当落結果を得、選択手段による変動パターンと図柄種別の選択を実行させて変動表示を開始させる(図14のステップS1001→S1007のルート参照)設定異常対応処理手段と、を有するものである。
設定値のエラー時に当落判定をパスすることで、不必要な当落判定が行われることの防止が図られ処理負担軽減を図ることができる。
一方、変動パターン判定、図柄判定を行うことで、設定値のエラー時においても特別図柄や装飾図柄を変動表示させることができる。
なお、上記構成によると、設定エラー時には特別図柄が変動表示されることになるが、このとき、液晶表示装置36に表示される装飾図柄については、所定の停止目のまま変動させないことが考えられる。或いは、これに限定されず、設定エラー時の装飾図柄については所定のはずれ変動パターンにより変動表示させてもよい。
また、上記構成において、図柄の変動表示を開始させるにあたり設定値Veに異常が認められた場合、演出制御部24は、上記のように装飾図柄の表示を実行させると共に、液晶表示装置36等の演出手段(報知手段)に設定値Veの異常を示唆する報知動作を実行させる(例えば前述したように「RAM異常です 係員を呼んで下さい」等のメッセージを含む画像を表示させる等)。
これにより、不正に書き替えられた虞のある設定値を用いて遊技動作が行われてしまうことの防止が図られ、遊技の公正性を高めることができる。
なお、図柄の変動表示を開始させるにあたり設定値Veに異常が認められた場合には、判定手段による当落判定のみでなく、選択手段による変動パターンと図柄種別の選択も実行しないように構成することも可能である。
また、実施形態の遊技機1は、次の構成を有するものと言うことができる。
すなわち、実施形態の遊技機1は、図柄を変動表示可能な図柄表示手段(特別図柄表示装置38a、38b等)と、遊技動作の進行制御を行う制御手段(主制御部20)と、を備え、制御手段は、遊技者に有利な遊技状態に当選させるか否かの確率についての段階を表す設定値(同Ve)を操作に基づき設定する設定手段(ステップS403の設定変更処理)と、設定値の確認操作に基づき、所要の表示手段に現在の設定値を表示させる設定確認表示処理を行う設定確認表示処理手段(図10のステップS618、S619の処理及びステップS415のLED管理処理)と、所定条件の成立に応じて、遊技者に有利な遊技状態に移行するか否かについて設定手段が設定した設定値に基づいて当落判定を行う判定手段(ステップS1004の大当り乱数判定処理)と、図柄表示手段に表示させる図柄について、変動パターンと変動後に停止表示される図柄種別とを複数の候補のうちから選択する選択手段(ステップS1007の図柄抽選処理及びステップS1008の変動パターン抽選処理)と、選択手段による変動パターンと図柄種別の選択結果に基づき図柄表示手段に変動表示を実行させる表示制御手段(ステップS708の特別図柄表示データ更新処理、及びステップS415のLED管理処理)と、変動表示を開始させるにあたり設定値に異常が認められた場合に、判定手段による当落判定を実行させずに強制的にはずれの当落結果を得(図14のステップS1001→S1007のルート参照)、その後、確認操作が行われても設定確認表示処理による設定値の表示が実行されないように制御する(図10のステップS617で設定エラーの場合、設定値表示用データの作成が行われない点を参照)設定異常対応処理手段と、を有するものである。
なお、本実施形態では、ステップS616において設定値表示用データのクリア処理が行われるため、設定値に異常が認められた場合(ステップS617で設定エラーの場合)には設定表示器97の表示データが存在せず、従ってこの場合の設定表示器97には何ら数値表示は行われない(何も表示されない)ことになる。
上記構成によれば、設定値に異常が認められた場合、すなわち不正が行われた可能性が高い場合に当落判定をパスすることで、不必要な当落判定が行われることの防止が図られ処理負担軽減を図ることができる。
また、設定値に異常が認められた場合に設定値の確認表示を行わないことで、無闇な表示処理を行わずに済むため処理負担軽減が図られる。
さらに、実施形態の遊技機1は、次の構成を有するものと言うことができる。
すなわち、実施形態の遊技機1は、乱数と判定基準値とに基づき、遊技者に有利な遊技状態に移行させるか否かについて当落判定を行う判定手段(ステップS1004の大当り乱数判定処理)と、遊技者に有利な遊技状態に当選させるか否かの確率についての段階を表す設定値(同Ve)を操作に基づき設定する設定手段(ステップS403の設定変更処理)と、を備え、判定手段は、異なる設定値間で共通に定められた基本判定基準値(同THr)と、異なる設定値間で異値に定められた基本判定基準値についてのオフセット値とに基づき、設定値に応じた判定基準値(同TH)を算出し、該算出した判定基準値に基づいて当落判定を行い、基本判定基準値が2バイトデータ、オフセット値が1バイトデータで構成されているものである。
これにより、設定値に応じた当落判定を実現するにあたって、遊技機の記憶手段(メモリ)に設定値ごとに異なる判定基準値を記憶させておく必要がなくなる。すなわち、メモリには、異なる設定値間で共通とされた基本判定基準値と、基本判定基準値よりもデータ容量の小さいオフセット値とを記憶させれば済む。
従って、メモリ容量の削減を図ることができる。
さらにまた、実施形態の遊技機1は、次の構成を有するものと言うことができる。
すなわち、実施形態の遊技機1は、図柄を変動表示可能な図柄表示手段(特別図柄表示装置38a、38b等)と、所定条件が成立することに基づいて取得される図柄の変動パターン選択用情報(先読み判定時に得られた大当り抽選結果の情報等)を所定の保留上限数分記憶可能な保留記憶手段(RAM203)と、保留記憶手段に記憶された変動パターン選択用情報と、図柄の変動パターンを抽選するための変動パターンテーブルとに基づいて、変動パターンの選択を行う変動パターン選択手段(ステップS1008の変動パターン抽選処理)と、遊技者に有利な遊技状態に当選させるか否かの確率についての段階を表す設定値を操作に基づき設定する設定手段(ステップS403の設定変更処理)と、を備え、変動パターン選択手段は、現在の保留数に基づいて変動パターンの選択を行う通常変動パターン選択処理と、現在の保留数に基づくことなく変動パターンの選択を行う特定変動パターン選択処理とを実行可能であり、通常変動パターン選択処理は、設定値間で共通の変動パターンテーブル(図18、特図1用の「はずれ1」に対応したテーブルを参照)から変動パターンを選択可能である一方、特定変動パターン選択処理は、設定値に応じて異なる変動パターンテーブル(図19の「通常4R」「確変10R」に対応したテーブル等を参照)から変動パターンを選択可能としたものである。
これにより、保留数や設定値に応じて図柄変動パターンの出現率を異ならせたい場合に、保留数と設定値の組み合わせごとに変動パターンテーブルを用意する必要がなくなる。
従って、メモリ容量の削減を図ることができる。
<5.演出制御部の処理>
[5-1.起動時における装飾図柄の出目について]
前述のように、主制御部20(CPU201)は、電源投入に応じた起動時にRAMクリアスイッチ98がONされた場合(RAMクリア処理が行われる場合)、図5のステップS116でRAMクリアコマンドを演出制御部24に送信している。
このRAMクリアコマンドを受け、演出制御部24(CPU241)は、演出手段を用いたRAMクリア報知処理を行う。RAMクリア報知処理は、RAMクリアを行う旨を表す報知を実現させるための処理であり、具体的に本例では、少なくともスピーカ46を用いた音による報知を行わせる処理を行う。
また、主制御部20は、電源投入に応じた起動時に設定変更モードに移行する場合(つまり設定変更が行われる場合:ステップS103でRAM異常と判定された場合、ステップS105で扉開放且つ設定キーONと判定された場合)は、ステップS115で設定変更中コマンドを演出制御部24に送信している。そしてその後、ステップS117でRAMクリア処理を実行している。
上記の設定変更中コマンドを受け演出制御部24は、設定変更報知処理を行う。設定変更報知処理は、設定変更のための処理(図10のステップS602以降の処理)が行われる旨を表す報知を実現させるための処理であり、具体的に本例では、少なくともスピーカ46を用いた音による報知を行わせる処理を行う。この際、設定変更報知処理では、上記のRAMクリア報知処理の場合とは異なる音を報知音として出力させる。
なお、RAMクリア報知、設定変更報知の二つの報知については、液晶表示装置36を用いた画像表示による報知やLEDを用いた光による報知を行う等、音以外の演出要素を用いた報知とすることもできる。その場合も、上記二つの報知については、少なくとも一つの演出要素についてそれぞれ異なる態様による報知が行われるようにする。
上記のように本実施形態の演出制御部24は、設定変更が行われずにRAMクリアが行われる場合には、RAMクリア報知が行われるようにし、設定変更とRAMクリアの双方が行われる場合にはRAMクリア報知を行わずに設定変更報知(RAMクリア報知とは異なる報知)が行われるようにしている。
なお、この意義については後述する。
ここで、遊技機1においては、起動時に対応して可動体役物(可動役物)のイニシャライズ処理(少なくとも原点位置のキャリブレーションを行うための処理)が行われるが、本例の演出制御部24は、このような可動体役物のイニシャライズ処理について、設定変更が行われずにRAMクリアが行われる場合と設定変更とRAMクリアの双方が行われる場合とでその実行タイミングについて異なる制御を行う。
具体的に、演出制御部24は、設定変更が行われずにRAMクリアが行われる場合(起動時にRAMクリアコマンドを受信した場合)は、特に待機処理を介することなくイニシャライズ処理を開始し、設定変更とRAMクリアの双方が行われる場合(起動時に設定変更中フラグを受信した場合)は、その後、設定変更が完了するまで(ステップS614で送信される設定値コマンドを受信するまで)、イニシャライズ処理の実行を待機する。換言すれば、設定変更の完了を条件にイニシャライズ処理を開始するものである。
イニシャライズ処理では可動体役物が比較的大きく動かされることになるため、例えば可動体役物が設定表示器97における設定値Veの表示を妨害する等、設定変更操作の妨害要素となる虞がある。上記のように設定変更完了までイニシャライズ処理を待機することで、設定変更操作が妨害される事態の発生防止を図ることができる。
なお、可動体役物の配置等によっては上記のような操作妨害を誘発する虞がないことも考えられ、上記のようにイニシャライズ処理を設定変更完了まで待機する構成を採ることは必須ではない。
また、本実施形態において、演出制御部24は、起動時において設定変更を行わずにRAMクリアが行われる場合と、設定変更とRAMクリアの双方が行われる場合とで、液晶表示装置36に最初に表示される装飾図柄の出目が同じとなるように制御を行う。
具体的に、演出制御部24は、起動時に主制御部20からRAMクリアコマンド、設定変更中コマンドの何れを受信したかに拘わらず、液晶表示装置36に最初に表示される装飾図柄の出目として、共通の出目を表示させる。本例では、該共通の出目として、例えば「731」等の所定の図柄組合せによる装飾図柄を液晶表示装置36に表示させる。
RAMクリアが行われる場合、液晶表示装置36に装飾図柄が最初に表示されるのは、RAMクリアコマンドの受信に応じて演出制御部24が表示させるRAMクリア時の表示画面においてである。
一方、設定変更が行われる場合、起動後に装飾図柄が最初に表示されるのは、本例では設定変更完了画面とされる。この設定変更完了画面は、設定変更の完了に応じて(つまり前述した設定値コマンドの受信:S614に応じて)演出制御部24が液晶表示装置36に表示させるものである。
演出制御部24は、起動時においてRAMクリアコマンドが受信された場合には、該RAMクリアコマンドに応じて液晶表示装置36に表示すべき画像として、例えば「731」等の所定の図柄組合せによる装飾図柄(「特定装飾図柄」と称する)を含んだ画像を生成し、該画像を液晶表示装置36に表示させる。
また、演出制御部24は、起動時において設定変更中コマンドを受信後、設定値コマンドを受信したことに応じて、上記の特定装飾図柄を含んだ画像を生成し、該画像を液晶表示装置36に表示させる。
これにより、起動時において設定変更を行わずにRAMクリアが行われる場合と設定変更とRAMクリアの双方が行われる場合とで、液晶表示装置36に最初に表示される装飾図柄の出目が同じとなる。
さらに、本実施形態の演出制御部24は、起動時においてバックアップ復帰(ステップS109)が行われた場合と、設定変更(及びRAMクリア)が行われた場合とで、液晶表示装置36に最初に表示される装飾図柄の出目が同じとなるように制御を行う。
ここで、バックアップ復帰が行われる場合は、RAMクリアや設定変更が行われる旨を報知する画面表示は行われないため、起動後に装飾図柄が最初に表示されるのは、液晶表示装置36における画面表示が、前述した待機画面(ステップS102の待機画面表示コマンドを受けて表示される例えば「Please Wait...」等の文字が配された待機画面)から切り替わったときである。このような起動時の待機画面から次画面への表示切り替えの指示は、ステップS915で主制御部20が送信する「客待ちデモ表示コマンド」により行われる。
一方、設定変更が行われる場合、起動後に装飾図柄が最初に表示されるのは、上述のように設定値コマンド(S614)の受信に応じて表示される設定変更完了画面においてである。
演出制御部24は、起動時においてRAMクリアコマンド、設定変更中コマンドの何れも受信されず、上記の客待ちデモ表示コマンドが受信された場合に、該客待ちデモ表示コマンドに応じて液晶表示装置36に表示すべき画像として、上記の特定装飾図柄(例えばこの場合も「731」)を含んだ画像を生成し、該画像を液晶表示装置36に表示させる。
また、演出制御部24は、起動時において設定変更中コマンドを受信後、設定値コマンドを受信したことに応じて、上記の特定装飾図柄を含んだ画像を生成し、該画像を液晶表示装置36に表示させる。
これにより、起動時においてバックアップ復帰が行われた場合と設定変更が行われた場合とで、液晶表示装置36に最初に表示される装飾図柄の出目が同じとなる。
[5-2.第三のまとめ]
上記の説明より、実施形態の遊技機1は、次の構成を有するものと言うことができる。
すなわち、実施形態の遊技機1は、遊技動作の進行制御を行う制御手段(主制御部20)と、制御手段による情報の読み出し/書き込みが可能とされた記憶手段(RAM203)と、遊技者に対する報知を行う報知手段(例えばスピーカ46等)と、を備え、制御手段は、遊技者に有利な遊技状態に当選させるか否かの確率についての段階を表す設定値(同Ve)を操作に基づき設定する設定手段(ステップS403の設定変更処理)と、記憶手段の記憶情報をクリアするクリア処理を行うクリア手段(ステップS117のRAMクリア処理)と、設定手段による設定値の設定処理が行われずにクリア処理が行われる場合は、報知手段にクリア処理が行われた旨を表すクリア報知を実行させ、設定処理とクリア処理の双方が行われる場合は、報知手段に設定値の設定処理が行われた旨を表す設定処理報知を実行させる報知制御手段(演出制御部24)と、を有するものである。
設定値の設定処理が行われる場合は(記憶手段のバックアップ復帰処理が行われないため)記憶手段のクリア処理が行われる。このため、設定処理が行われる場合には記憶手段のクリアが行われた旨を敢えて報知する必要がない。
設定処理とクリア処理の双方を報知した場合には遊技機使用者に煩わしさを感じさせる虞があり、そのような煩わしさの発生防止を図ることができる。
さらに、設定処理が行われずにクリア処理が行われる場合と、設定処理とクリア処理の双方が行われる場合とを遊技機使用者に確実に識別させることができる。
また、実施形態の遊技機1は、次の構成を有するものと言うことができる。
すなわち、実施形態の遊技機1は、遊技者に有利な遊技状態に移行させるか否かについて当落判定を行うと共に、遊技動作の進行制御を行う制御手段(主制御部20)と、制御手段による情報の読み出し/書き込みが可能とされた記憶手段(RAM203)と、を備え、当落判定が行われると、特別図柄が特別図柄表示手段(特別図柄表示装置38a、38b)にて変動表示され当落判定の結果を示す態様で停止表示されると共に、当落判定が行われると、装飾図柄が装飾図柄表示手段(液晶表示装置36)にて変動表示され当落判定の結果を示す態様で停止表示される遊技機であって、制御手段は、遊技者に有利な遊技状態に当選させるか否かの確率についての段階を表す設定値(同Ve)を操作に基づき設定する設定手段(ステップS403の設定変更処理)と、記憶手段の記憶情報をクリアするクリア処理を行うクリア手段(ステップS117のRAMクリア処理)と、を有し、設定手段による設定値の設定処理が行われずにクリア処理が行われる場合と、設定処理とクリア処理の双方が行われる場合とで、電源投入後に装飾図柄表示手段に初期表示される装飾図柄として同じ出目による図柄を表示させる表示制御手段(演出制御部24)を備えたものである。
これにより、設定変更が行われたか否かが遊技者によって悟られない。
従って、遊技の公平性を高めることができる。
また、仮に、設定変更の有無により装飾図柄の出目が異なる場合には、遊技者に設定変更を悟られないようにするにはホールスタッフが遊技機を操作して装飾図柄の出目を変更させるといった手間が生じるが、そのような手間を省略でき、ホールスタッフの作業負担軽減を図ることができる。
さらに、実施形態の遊技機1は、次の構成を有するものと言うことができる。
すなわち、実施形態の遊技機1は、遊技者に有利な遊技状態に移行させるか否かについて当落判定を行うと共に、遊技動作の進行制御を行う制御手段(主制御部20)と、制御手段による情報の読み出し/書き込みが可能とされた記憶手段(RAM203)と、を備え、当落判定が行われると、特別図柄が特別図柄表示手段(特別図柄表示装置38a、38b)にて変動表示され当落判定の結果を示す態様で停止表示されると共に、当落判定が行われると、装飾図柄が装飾図柄表示手段(液晶表示装置36)にて変動表示され当落判定の結果を示す態様で停止表示される遊技機であって、制御手段は、遊技者に有利な遊技状態に当選させるか否かの確率についての段階を表す設定値(同Ve)を操作に基づき設定する設定手段(ステップS403の設定変更処理)と、記憶手段の記憶情報をクリアするクリア処理を行うクリア手段(ステップS117のRAMクリア処理)と、を有し、制御手段が記憶手段の記憶情報を電源遮断前の状態に復帰させるバックアップ復帰処理(ステップS108)を行う場合と、設定手段による設定値の設定処理とクリア手段によるクリア処理とが行われる場合とで、電源投入後に装飾図柄表示手段に初期表示される装飾図柄として同じ出目による図柄を表示させる表示制御手段(演出制御部24)を備えたものである。
これにより、設定変更が行われたか否かが遊技者によって悟られない。
従って、遊技の公平性を高めることができる。
また、仮に、設定変更の有無により装飾図柄の出目が異なる場合には、遊技者に設定変更を悟られないようにするにはホールスタッフが遊技機を操作して装飾図柄の出目を変更させるといった手間が生じるが、そのような手間を省略でき、ホールスタッフの作業負担軽減を図ることができる。
[5-3.設定示唆演出について]
(予告抽選テーブルによる設定示唆例)
演出制御部24は、主制御部20からの演出制御コマンドの内容、具体的には、例えば変動パターン指定コマンド(ステップS911参照)に含まれる変動パターン情報等に基づき、現在の演出モードと大当り抽選結果とに関連した様々な「予告演出」を現出制御可能に構成されている。
予告演出は、大当りについての当選期待度を示唆(予告)する演出として機能するものであり、本実施形態で現出可能な予告演出としては、先に例示した「リーチ演出」「疑似連演出」「保留変化予告演出」「SU(ステップアップ)予告演出」「タイマー予告演出」「復活演出」「プレミア予告演出」がある。
これら予告演出のうち、「保留変化予告演出」は、前述した先読み判定(ステップS809参照)として行われる変動パターンの抽選結果に基づき現出される演出であり、その他の予告演出は変動開始時に対応して行われる変動パターン抽選(ステップS909参照)の結果に基づき現出される演出である。
演出制御部24は、いわゆる「予告抽選」として、予告演出を実行するか否かについての抽選を行う。特に、本実施形態の演出制御部24は、このような予告抽選を設定値Veに応じて行う。
図23、図24は、演出制御部24が予告抽選に用いる予告抽選テーブルについての説明図であり、図23は変動開始時に対応して用いられる予告抽選テーブルの例を、図24は先読み判定時に対応して用いられる予告抽選テーブルの例を示している。
なお、これらの予告抽選テーブルの情報は、演出制御部24が備える例えばROM242等の不揮発性の記憶手段に記憶され、必要に応じてCPU241により読み出される。
図23Aに示すように、本例における変動開始時に対応した予告抽選テーブルとしては、設定値Veと「当り」「はずれ」との組合せごとに個別のテーブルが用意されている。なお、図23及び図24では、図示や説明の都合から設定値Veがとり得る値が設定1〜3に対応した3値とされた場合を前提とした例を示している。
各テーブルにおいては、対象とする変動パターン(本例ではスーパーリーチ1〜4の4種)ごとに、「疑似連演出」「SU予告演出」「タイマー予告演出」「リーチ演出」「復活演出」「プレミア予告演出」の各予告演出についての現出可否に係る情報が格納されている。
具体的に、「疑似連演出」については、疑似連回数を「0」〜「4」のうち何れの回数とすべきかを定めた情報が格納される。なお、疑似連回数=0は疑似連演出を行わないことと等価である。
「SU予告演出」「タイマー予告演出」「リーチ演出」「復活演出」「プレミア予告演出」の各予告演出については、演出の抽選可否を表す情報、具体的には抽選あり/抽選なしの別を表す情報が格納されている。
演出制御部24は、主制御部20より受信した変動パターン指定コマンドから特定される当り/はずれの情報と、主制御部20より受信した設定値コマンド(ステップS614参照)から特定される現在の設定値Veの情報とに基づき、設定値Veと「当り」「はずれ」との組合せに応じたテーブルを選択し、該選択したテーブルに基づき、変動パターン指定コマンドが表す変動パターンに対応した各種予告演出の抽選あり/なしを決定する(疑似連演出については疑似連回数の決定)。
ここで、図23Aにおける「はずれ」に対応した各テーブルを参照すると、本例では、はずれ時の「SU予告演出」「タイマー予告演出」については、変動パターンに対する抽選あり/なしのパターンを設定3(高設定)の場合と設定1、2の場合とで異ならせている。具体的に、「SU予告演出」については、スーパーリーチ1、2、3、4に対する抽選可否情報として、設定1、2の場合はそれぞれ「なし、なし、あり、あり」が対応づけられているのに対し、設定3の場合は「なし、あり、あり、あり」が対応づけられている。
このように本例では、高設定時には、「はずれ」時における特定の予告演出の出現率が、他の設定時とは異なるようにされている。従って、遊技者は、該特定の予告演出の出現率の差に基づき、遊技機1が高設定であるかを推測することが可能となる。換言すれば、このような特定の予告演出の出現率の差によって、遊技機1に設定中の設定値Veに関する示唆を遊技者に対して行うことができる。
また、はずれ時の「タイマー予告演出」については、設定1、2の場合はそれぞれ「なし、なし、あり、あり」が対応づけられているのに対し、設定3の場合は「あり、あり、なし、なし」が対応づけられている。
これによると、はずれ時において「タイマー予告演出」は、設定1、2の場合にはスーパーリーチ3、4のときに現出されスーパーリーチ1、2のときは現出されない一方、設定3の場合には、逆にスーパーリーチ1、2のときに現出されスーパーリーチ3、4のときは現出されないものとなる。
これにより、「タイマー予告演出」が現出されたときのスーパーリーチの種類によって、現在の設定値Veが設定3に対応したものであるか、或いは設定1、2の何れかに対応したものであるかを遊技者に示唆することができる。
また、「当り」時について着目すると、本例では、「プレミア予告演出」については、変動パターンに対する抽選あり/なしのパターンを設定3の場合と設定1、2の場合とで異ならせている。具体的に、設定1、2の場合におけるスーパーリーチ1、2、3、4に対する抽選可否情報はそれぞれ「なし、なし、なし、あり」であるのに対し、設定3の場合は「なし、あり、なし、あり」が対応づけられている。
このように本例では、「当り」時においては、高設定の場合に他の設定の場合よりも特定の予告演出(プレミア予告演出)が選択され易くなっている。すなわち、特定の予告演出が選択される頻度に基づき、遊技機1に設定中の設定値Veに関する示唆を遊技者に対して行うことができる。
図23Bは、設定エラー時に対応して用いられる予告抽選テーブルの例を示している。
図示のように、設定エラー時に対応した予告抽選テーブルにおいては、「疑似連回数」に対しては「0」が、「SU予告演出」「タイマー予告演出」「リーチ演出」「復活演出」「プレミア予告演出」の各予告演出に対してはそれぞれ抽選なしを表す情報が格納されている。
すなわち、変動開始時において設定エラーが認められた場合、予告演出は一切行われない。
なお、前述したように本例では、変動開始時において設定エラーが認められた場合は、強制的に「はずれ」の抽選結果が選択されると共に、図柄変動パターンとして比較的変動時間の短い「通常変動12s」が選択されるようにしている。
前述のように、設定エラー時は強制的にはずれとなるようにしているにも拘わらず、予告演出として当選期待度の高い演出が現出されてしまうと遊技者に不信感を与える虞があり、本例ではこの点を考慮し、設定エラー時には上記のように一切の予告演出が現出されないようにしている。
変動開始時において、演出制御部24は、設定エラーであるか否かを、主制御部20がステップS1006で送信するRAM異常コマンドによって把握することができる。
演出制御部24は、変動開始時に対応して該RAM異常コマンドが受信された場合には、図23Bに示した予告抽選テーブルに基づいて各種予告演出の抽選あり/なしを決定する(疑似連演出については疑似連回数の決定)。
図24に示す先読み判定時に対応した予告抽選テーブルは、対象とする予告演出が「保留変化予告演出」のみとなる以外、テーブル構造としては図23に示したものと同様となる。具体的に、図24Aに示す予告抽選テーブル(非設定エラー時に対応したテーブル)としては、設定値Veと「当り」「はずれ」との組合せごとに個別のテーブルが用意され、各テーブルにおいては、対象とする変動パターン(スーパーリーチ1、2、3、4)ごとに、「保留変化予告演出」についての抽選あり/なしの別を表す情報が格納されている。
また、図24Bに示す設定エラー時に対応した予告抽選テーブルとしては、「保留変化予告演出」について設定エラー時に対応した抽選あり/なしの別を表す情報が格納されている。図示のように、設定エラー時に対応した予告抽選テーブルには、「保留変化予告演出」について抽選なしを表す情報が格納されている。
ここで、演出制御部24は、主制御部20が送信した保留加算コマンド(ステップS812参照)を受信したことに応じて、先読み予告抽選を行う。
前述のように、本例の保留加算コマンドには、先読み判定として行われた当落抽選の結果を表す情報(当り/はずれの別)と変動パターン抽選の結果を表す情報とが含まれる。演出制御部24は、主制御部20から受信した保留加算コマンドから特定される当り/はずれの情報と、主制御部20より受信した設定値コマンドから特定される現在の設定値Veの情報とに基づき、設定値Veと「当り」「はずれ」との組合せに応じたテーブルを選択し、該選択したテーブルに基づき、保留加算コマンドが表す変動パターンに対応した「保留変化予告演出」の抽選あり/なしを決定する。
また、先に述べたように、保留加算コマンドは、先読み判定時に対応して主制御部20が行う設定エラー判定処理(ステップS808)で設定エラーが認められた場合には、下位バイト(EVENT)が先読み禁止を表す「01H」の値とされる(ステップS812の説明を参照)。
演出制御部24は、受信した保留加算コマンドの下位バイトが「01H」である場合には、図24Bに示すテーブルに従って「保留変化予告演出」について抽選なしを決定する。つまりこれにより、先読み判定時において設定エラーが認められた場合は、「保留変化予告演出」が現出されないものとなる。
ここで、図24Aにおいて、はずれ時のテーブルについては、スーパーリーチ1〜4の各変動パターンに対する「保留変化予告演出」の抽選あり/なしのパターンを、設定3(高設定)の場合と設定1、2の場合とで異ならせている。
具体的に、はずれ時におけるスーパーリーチ1、2、3、4に対する抽選可否情報として、設定1、2の場合はそれぞれ「なし、なし、あり、あり」が対応づけられているのに対し、設定3の場合は「なし、なし、あり、なし」が対応づけられている。
このように本例では、高設定時には、「はずれ」時における特定の先読み予告演出の出現率が、他の設定時とは異なるようにされている。
従って、本例では、特定の先読み予告演出の出現率の差によっても、遊技機1に設定中の設定値Veに関する示唆を遊技者に対して行うことができる。
なお、上記では、変動開始時に対応して現出される各種予告演出や先読み予告演出の現出態様を利用した設定示唆演出として、設定値Veが最高値であることを示唆する演出を行う場合を例示したが、例えば低設定(設定1〜3)又は高設定(設定3〜6)を示唆する演出や、偶数設定(設定2、4、6)又は奇数設定(設定1、3、5)を示唆する演出、或いは特定範囲の設定値Ve(例えば設定N以上(N<6)))を示唆する演出を行う等、設定示唆演出の手法については上記で例示した手法に限定されない。
(保留変化予告シナリオテーブルによる設定示唆例)
演出制御部24は、先の図4で説明したように、液晶表示装置36を用いた保留変化予告演出を現出させる。
本実施形態における演出制御部24は、このような保留変化予告演出の態様を設定値Veに応じて変化させることで、設定示唆演出を実現する。
図25は、実施形態の演出制御部24が保留変化予告演出として実行すべき演出種別(演出シナリオ)を選択する際に用いる保留変化予告シナリオテーブルについての説明図である。
なお、以下では保留変化予告演出として、特図1側の保留変化予告演出についての説明を行うが、特図2側についても同様の手法で設定示唆演出を実現することができる。
先ず、前提として、本例の保留変化予告演出では、対象とする保留球についての保留表示が行われ得る保留表示部a1〜d1、及び変動中表示領域78の五つの表示領域ごとに、保留表示としてどのような態様による表示を行うかを表す情報(以下「保留表示態様情報」と称する)を定めたシナリオデータ(以下「保留変化予告シナリオデータ」)を複数種用意している。
具体的に、各保留変化予告シナリオデータでは、対象とする保留球が保留表示部d1に表示される際の保留表示態様情報(つまり入賞時に対応した保留表示態様情報)、保留表示部c1に表示される際の保留表示態様情報(保3減算時に対応した保留表示態様情報)、保留表示部b1に表示される際の保留表示態様情報(保2減算時に対応した保留表示態様情報)、保留表示部a1に表示される際の保留表示態様情報(保1減算時に対応した保留表示態様情報)、及び変動中表示領域78に表示される際の保留表示態様情報(当該時に対応した保留表示態様情報)がそれぞれ定められている。
本例では、保留変化予告演出における保留表示の表示態様の候補として、前述した白色、青色、緑色、赤色、デンジャー柄(特別保留表示態様)の候補があり、各保留変化予告シナリオデータでは、上記した入賞時、保3減算時、保2減算時、保1減算時、当該時ごとに、これら候補のうち何れかの表示態様を表す保留表示態様情報が定められている。
このように入賞時、保3減算時、保2減算時、保1減算時、当該時ごとの保留表示態様情報を定めた保留変化予告シナリオデータとして、本例では15種のシナリオデータが用意され、それぞれに対応するシナリオ番号が付されている(図中1〜15のシナリオ番号を参照)。
本例では、シナリオ番号1のシナリオは、入賞時、保3減算時、保2減算時、保1減算時、当該時の各段階での保留表示態様が全て「白色」(通常の保留表示)とされ、当選期待度が最も低い保留変化予告演出のシナリオとされる。
シナリオ番号2、3のシナリオは、保留表示の最終変化態様(当該時の保留表示態様)が「青色」とされ、当選期待度がシナリオ番号1の場合よりも高いシナリオとされる。シナリオ番号4〜6のシナリオは、保留表示の最終変化態様が「緑色」とされ、当選期待度がシナリオ番号2、3の場合よりも高いシナリオとされる。さらに、シナリオ番号6〜10のシナリオは保留表示の最終変化態様が「赤色」とされ、当選期待度がシナリオ番号4〜6の場合よりも高いシナリオとされ、シナリオ番号11〜15のシナリオは保留表示の最終変化態様が「デンジャー柄」とされ、当選期待度がシナリオ番号6〜10の場合よりも高いシナリオとされている。
図25の保留変化予告シナリオテーブルにおいては、これらシナリオ番号1〜15のシナリオデータごとに、はずれ時、当り時それぞれについての当選確率に係る情報が格納されている。
図25では説明の便宜上、当選確率に係る情報として、保留変化予告抽選で用いる抽選用乱数(以下「保留変化予告抽選用乱数」と称する)が0〜9999までの10000通りの値をとり得ることを前提とした場合における当選確率についての振り分け値を示している。
なお、実際に抽選に用いるテーブルとしては、先の図19に示した変動パターンテーブルの場合と同様に、抽選用乱数に対する判定基準値を格納したテーブルを用いる。
本例では、はずれ時には、シナリオ番号1の保留変化予告シナリオデータが最も選択され易くなるようにしている。具体的に、はずれ時に対応するシナリオ番号1についての振り分け値は「8450」としており、はずれ時には殆どの場合、シナリオ番号1の保留変化予告シナリオデータが選択されるようにしている。
また、はずれ時には、シナリオ番号2、3の組(最終変化態様=青色)、シナリオ番号4〜6の組(最終変化態様=緑色)、シナリオ番号7〜10の組(最終変化態様=赤色)、シナリオ番号11〜15の組(最終変化態様=デンジャー柄)の各シナリオデータについては、それぞれにおいて振り分け値を同値としており、具体的には、それぞれ「500」「100」「50」「10」である。つまりはずれ時には、シナリオ番号2、3の組、シナリオ番号4〜6の組、シナリオ番号7〜10の組の順でシナリオが選択され易く、シナリオ番号11〜15の組が最もシナリオ選択がされ難くなっている。
一方、当り時については、シナリオ番号1に対応する振り分け値を「0」としており、当り時においてシナリオ番号1の保留変化予告シナリオデータは選択されない。
当り時には、シナリオ番号2(最終変化態様=青色)、シナリオ番号3(最終変化態様=青色)、シナリオ番号4、5の組(最終変化態様=緑色)、シナリオ番号6(最終変化態様=緑色)、シナリオ番号7〜9の組(最終変化態様=赤色)、シナリオ番号10(最終変化態様=赤色)、シナリオ番号11〜14の組(最終変化態様=デンジャー柄)、シナリオ番号15(最終変化態様=デンジャー柄)について、それぞれ振り分け値を異なる値としており、具体的には、それぞれ「10」「40」「200」「300」「700」「800」「1250」「1350」としている。これにより、当り時には、シナリオ番号2、シナリオ番号3、シナリオ番号4、5の組、シナリオ番号6、シナリオ番号7〜9の組、シナリオ番号10、シナリオ番号11〜14の組、シナリオ番号15の順でシナリオが選択され易くなっている。
ここで、本例では、上記のような保留変化予告シナリオテーブル、すなわちはずれ時、当り時それぞれについて保留変化予告の各シナリオごとの当選確率を定めたテーブルとして、設定値Veごとのテーブルは用意していない。換言すれば、設定値Veによらず共通のテーブルを用いるものである。
本例では、設定値Veに基づく大当り抽選を行う遊技機1において、このように設定値Veによらず共通の保留変化予告シナリオテーブルを用いることで、設定値Veに応じて保留変化予告演出の出現率に差が生じるようにしている。つまり、このような保留変化予告演出の出現率の差によって遊技者に対する設定中の設定値Veの示唆を実現する。
図26は、本実施形態における保留変化予告演出の設定値Veごとの出現率(図26A)、及び信頼度(図26B)を例示した図である。
ここで、図26の前提として、本例では、設定値Veとして設定1〜設定6に対応した6種の値を設定可能とされており、設定ごとの大当り当選確率(通常状態時)は、例えば下記のように定められているとする。
設定1=1/300
設定2=1/280
設定3=1/260
設定4=1/240
設定5=1/220
設定6=1/200
図26Aの出現率、図26Bの信頼度ともに、設定1〜6の各設定ごとに、シナリオ番号1〜15で表される各保留変化予告演出についての数値(出現率、信頼度の数値)をはずれ時、当り時それぞれについて示している。
なお、図中に示す出現率、信頼度の各数値は、小数点第4位以下を四捨五入した値として示している。
図26Aにおいて、ここでの「出現率」は、図25の保留変化予告シナリオテーブルにおいて演出ごと(シナリオ番号ごと)に設定された当選確率(本例では振り分け値/10000)に対し、当り時については大当り当選確率を、はずれ時については落選確率(大当り抽選においてはずれが選択される確率)をそれぞれ乗じて求まる値とされる。
例えば、シナリオ番号15の演出について、設定1且つ当り時における出現率は、(1350/10000)×(1/300)で求まる(図中では0.045%と表記)。また、同じくシナリオ番号15の演出について、設定6且つ当り時における出現率は、(1350/10000)×(1/200)で求まる(図中では0.068%と表記)。
また、図26Bにおいて、「信頼度」は、或る演出が出現した際に大当りとなる確率を意味するものであり、具体的には、「当り時の出現率/(はずれ時の出現率+当り時の出現率)」で求まる値となる。
例えば、シナリオ番号15の演出について、設定6の場合の信頼度は、当り時における出現率が上述のように「(1350/10000)×(1/200)」、はずれ時における出現率が「(10/10000)×(199/200)」より、「(1350/10000)×(1/200)」を「(10/10000)×(199/200)+(1350/10000)×(1/200)」で除することで求まる(図中では40.419%と表記)。
これら図26A、図26Bより、本例では、設定値Veを設定可能な遊技機1において、保留変化予告シナリオテーブルとして設定値Ve間で共通のテーブルを用いるようにしたことで、保留変化予告演出について設定ごとに出現率や信頼度を異ならせることができる。
設定によって保留変化予告演出の出現率に差が生じることで、該出現率の差によって遊技者に設定中の設定値Veについての示唆を行う設定示唆演出を実現することができる。
また、設定によって保留変化予告演出の信頼度に差が生じることで、例えば、或る設定においては他の設定の場合よりも特定の保留変化予告演出が出現した際に大当りに当選し易いといった状況を生み出すことができ、特定の保留変化予告演出が出現した際の大当りの当選し易さによって遊技者に設定値Veについての示唆を行う設定示唆演出を実現することができる。
なお、保留変化予告シナリオテーブルについては、設定値Ve間で共通のテーブルを用いることに限定されず、図27に示す変形例のように、設定値Veによって異なるテーブルを使用することもできる。
なお、図27では、最終変化態様がデンジャー柄となる保留変化予告演出(シナリオ番号11〜15の演出)についてのテーブルのみを抽出して示しているが、他の演出についても同様に設定値Veに応じたテーブルを用いることもでき、或いは、図25と同様に設定値Ve間で共通のテーブルを用いることもできる(設定によって出現率や信頼度に差を設けたい場合)。
図27では、設定1〜6の各設定値Veごとのテーブルを用意した例を示している。
図28は、図27に示すような変形例としての保留変化予告シナリオテーブルを用いた場合における保留変化予告演出の出現率(図28A)、信頼度(図28B)の例を示している。
図27に示したように保留変化予告シナリオテーブルとして設定値Veごとのテーブルを用いるようにすることで、図28A、図28Bで例示するように、保留変化予告演出の出現率や信頼度を設定間で同一とすることができる。
なお、図27では具体的な振り分け値の例示を省略しているが、本例では、図28A、図28Bに示す出現率、信頼度がそれぞれ実現されるように振り分け値が設定されている。
上記のように本実施形態の遊技機1では、保留変化予告演出のうち最終変化態様がデンジャー柄となる演出(以下「デンジャー柄予告演出」と称する)について、設定間で共通の信頼度を設定している。
これにより、デンジャー柄予告演出の出現態様に基づいて遊技者が設定値の推定を行うことを困難化することができる。設定値Veの推定要素が減ることで、遊技の公平性を高めることができる。
なお、上記では設定間で信頼度を共通とする対象演出の例としてデンジャー柄予告演出を挙げたが、該対象演出については、保留変化予告演出に限らず、例えばSU予告やタイマー予告等の他の予告演出とすることもできる。すなわち、特定の予告演出について、設定間で共通の信頼度を設定することもできる。
ここで、図29に例示するように、特定の設定値Veについてのみ、他の設定値Veとの間で演出の信頼度に差を与えるようにすることもできる。
具体的に、図29の例では、図29Bに示すように、設定1〜設定5の間でデンジャー柄予告演出の信頼度を共通の値(40.419%)としつつ、設定6の場合のみ、各演出の信頼度をより高い値(80.000%)に設定している。
これにより、保留変化予告演出のうちデンジャー柄予告演出が現出された場合の大当り当選率が、設定6の場合にのみ増すことになる。このため、遊技者は、デンジャー柄予告演出が現出されて大当りに当選した回数が多ければ設定6であるとの推定が可能となり、つまりは、遊技者に現在の設定値Veが最高設定である旨を示唆する設定示唆演出を実現することができる。
図29Bに例示する信頼度を実現するにあたっては、保留変化予告シナリオテーブルとして、図27に示すものと同様に設定値Veごとのテーブルを用意する。この際、保留変化予告シナリオテーブルにおける各振り分け値は、図29Aに示す出現率が実現されるように設定する。
保留変化予告シナリオテーブルとして設定値Veごとのテーブルを用意することで、図29の例のように、特定の設定のみ他の設定との間で演出の信頼度(及び出現率)の差を生じさせることもできる。つまり、遊技者に現在の設定値Veが特定の設定値Veであることを示唆する設定示唆演出を実現することもできる。
なお、ここでの「特定の設定値Ve」は、単数であることに限らず複数とすることも可能であることは言うまでもない。
(SU予告シナリオテーブルによる設定示唆例)
SU予告演出についても、上記した保留変化予告演出の場合と同様の手法で設定示唆演出を実現することができる。
図30は、演出制御部24がSU予告演出として実行すべき演出種別(演出シナリオ)を選択する際に用いるSU予告シナリオテーブルについての説明図である。
本例において、SU予告演出については、図中に示すシナリオ番号1〜15の15種の演出が抽選対象の演出とされている。本例のSU予告演出は、演出内容として、SU1〜US5の5種の内容が規定されており、最終的に現出される演出内容によって演出の信頼度が定められている。
シナリオ番号1の演出は、SU1〜SU5の何れの演出内容も含まない所謂「ガセ」の演出とされ、信頼度が最低の演出とされる。本例では、該ガセ演出ははずれ時にのみ現出され、信頼度は「0」とされる。なお、ガセ演出は、SU1〜SU5の少なくとも何れかと略同一の演出内容を含む演出(例えば画像の一部の色のみが異なる等)とされる場合もある。
以降、シナリオ番号2、シナリオ番号3、シナリオ番号4〜6の組、シナリオ番号7〜10の組、シナリオ番号11〜15の組の演出は、図示のように最終的に現出される演出内容(図中「最終SU」)がそれぞれSU1、SU2、SU3、SU4、SU5とされ、これらの各演出はそれぞれ信頼度が異なる。具体的に、信頼度は「シナリオ番号2<シナリオ番号3<シナリオ番号4〜6の組<シナリオ番号7〜10の組<シナリオ番号11〜15の組」の関係とされる。
なお本例では、シナリオ番号4〜6の組、シナリオ番号7〜10の組、シナリオ番号11〜15の組の各演出のうち、演出内容としてその組の最終SUのみを含む演出(シナリオ番号6、10、15の演出)については、それぞれ組内の他の演出よりも信頼度が高められている。
SU予告シナリオテーブルにおいては、これらシナリオ番号1〜15のシナリオデータごとに、はずれ時、当り時それぞれについての振り分け値が定められている。なお、この場合も振り分け値は、SU予告抽選で用いる抽選用乱数が0〜9999までの10000通りの値をとり得ることを前提とした値である。
この場合も、実際に抽選に用いるテーブルとしては、抽選用乱数に対する判定基準値を格納したものを用いる。
図中の振り分け値を参照すると、本例において、はずれ時にはシナリオ番号1のガセ演出が最も選択され易く、以降、シナリオ番号2、シナリオ番号3、シナリオ番号4〜6の組、シナリオ番号7〜10の組、シナリオ番号11〜15の組の順で演出が選択され難くなっている。
一方、当り時については、シナリオ番号1、シナリオ番号2、シナリオ番号3、シナリオ番号4〜5の組、シナリオ番号6、シナリオ番号7〜9の組、シナリオ番号10、シナリオ番号11〜14の組、シナリオ番号15の順で演出が選択され易くなっている。
図31は、図30で例示した振り分け値の設定によって実現されるSU予告演出の出現率(図30A)、及び信頼度(図30B)を例示した図である。
なおこの場合も、設定値Veごとの大当り当選確率は図26で前提としたものと同様である。またこの場合も、図中の出現率、信頼度の各数値は小数点第4位以下を四捨五入している。
図31A、図31Bを参照して分かるように、SU予告シナリオテーブルについても、設定値Ve間で共通のテーブルを用いることで、設定値Veに応じてSU予告演出の出現率や信頼度に差が生じるようにすることができる。
(タイマー予告シナリオテーブルの設定示唆例)
図32は、実施形態におけるタイマー予告シナリオテーブルの説明図である。
タイマー予告シナリオテーブルは、演出制御部24がタイマー予告演出として実行すべき演出種別(演出シナリオ)を選択する際に用いるテーブルである。
本例におけるタイマー予告演出では、シナリオ番号1〜3の3種のシナリオが抽選対象とされている。シナリオ番号1は「なし」であり、これは、タイマー予告演出を行わないことを意味する。シナリオ番号2は「30秒」のタイマー予告演出(例えば、演出画像上表示されるタイマーの秒数が30秒の演出)を、シナリオ番号3は「1分」のタイマー予告演出(例えば、上記タイマーの秒数が1分の演出)とされる。
図32に示すように、本例では、タイマー予告シナリオテーブルとして設定値Veごとに異なるテーブルを用意している。設定値Veごとのテーブルでは、シナリオ番号1〜3の各演出ごとに、はずれ時、当り時それぞれの振り分け値が設定されている。なおこの場合も、実際に抽選に用いるテーブルとしては、抽選用乱数に対する判定基準値を格納したものを用いる。
図32の振り分け値を参照して分かるように、本例では、はずれ時におけるシナリオごとの当選確率(シナリオの当選確率)の振り分けは、設定値Ve間で共通としている。具体的に、本例におけるはずれ時に対応したシナリオ番号1、2、3に対する振り分け値は「9000」「700」「300」とされている。該振り分けによると、はずれ時には殆ど場合、設定1〜6の別によらず、シナリオ番号1の「なし」が選択され、タイマー予告演出が現出されないことになる。
一方、当り時については、設定値Veによってシナリオごとの当選確率の振り分けを異ならせている。具体的に本例では、設定1〜3の組、設定4、5の組、設定6のそれぞれで異なる振り分けを行っており、図示のように、設定1〜3の組についてはシナリオ番号1、2、3に対する振り分け値として「1000」「2000」「7000」を、設定4、5の組については同振り分け値として「500」「500」「9000」を、設定6については同振り分け値として「500」「9000」「500」をそれぞれ設定している。
図33は、図32で例示した振り分け値の設定によって実現されるタイマー予告演出の出現率(図33A)、及び信頼度(図33B)を例示した図である。
なおこの場合も、設定値Veごとの大当り当選確率は図26で前提としたものと同様であり、また、出現率、信頼度の各数値は小数点第4位以下を四捨五入している。
図33Aに示す出現率を参照すると、当り時においては、「30秒」のタイマー予告演出が設定6でのみ極めて現出され易い。具体的にこの場合、設定1〜5では最大でも0.077%以下の出現率であるのに対し、設定6では0.450%の出現率となっている。
また当り時において、「1分」のタイマー予告演出は、設定6でのみ極めて現出され難い。具体的に本例では、設定6が0.025%の出現率であるのに対し、設定1〜5では最小でも0.233%以上の出現率となっている。
また、図33Bに示す信頼度については、「30秒」のタイマー予告演出は、設定6でのみ極めて高信頼度とされ、「1分」のタイマー予告演出は設定6でのみ極めて低信頼度とされている。具体的にこの場合、「30秒」のタイマー予告演出については、設定1〜5では最大でも1.091%以下の信頼度であるのに対し、設定6では6.069%の信頼度とされる。また、「1分」のタイマー予告演出については、設定6が0.831%の信頼度であるのに対し、設定1〜5では最小でも7.239%以上の出現率となっている。
上記のような出現率及び信頼度の設定により、遊技者は、タイマー予告演出として、「1分」よりも「30秒」の演出の方が出現し易く、且つ「30秒」の演出が現出された場合に大当りに当選し易いことを以て、現在の設定値Veが最高設定である設定6であることを推定可能となる。
すなわち、タイマー予告演出を利用した設定示唆演出を実現できるものである。
上記のように予告演出のシナリオテーブルについて設定値Veによって異なるテーブルを用意することで、設定値Veによる大当り抽選確率の差のみに依存せずに、演出の出現率や信頼度について設定値Veに応じた差を生じさせることができる。すなわち、設定値Veに応じた演出の出現率や信頼度の差の設定自由度の向上が図られる。
従って、予告演出を利用した設定示唆演出の自由度向上を図ることができる。
[5-4.第四のまとめ]
本実施形態の遊技機1は、先の変形例(図27、図28参照)において説明したように、以下のような構成を有している。
すなわち、本実施形態の遊技機1は、図柄を変動表示可能な図柄表示手段(特別図柄表示装置38a、38b)と、遊技者に有利な遊技状態に当選させるか否かの確率についての段階を表す設定値(同Ve)を操作に基づき設定する設定手段(ステップS403の設定変更処理)と、未開始の変動表示について、設定手段が設定した設定値に基づき先読み判定を行う先読み判定手段(ステップS809の先読み判定処理)と、変動表示についての予告演出として、先読み判定の結果に応じた複数種類の予告演出を、先読み判定対象の変動表示の開始前に実行可能な予告演出手段(演出制御部24及び液晶表示装置36等)と、を備え、予告演出のうち特定の予告演出(例えばデンジャー柄予告演出)の信頼度が、設定値間で共通とされているものである。
これにより、特定の予告演出の出現態様に基づいて遊技者が設定値の推定を行うことを不能とすることができる。
従って、仮に当該予告演出の出現態様に基づく設定示唆が行われる場合に設定値の推定が可能ないわば上級者としての遊技者であっても、該推定が不能ないわば初級者としての遊技者と同様に設定値の推定が不能となり、遊技の公平性を高めることができる。
<6.設定処理の変形例>
上記では、設定値Veについての設定処理を主制御側タイマ割込み処理において実行する例を挙げたが、該設定処理は、主制御側メイン処理において実行することもできる。
図34〜図37を参照して、設定処理を主制御側メイン処理において実行する変形例としての処理例について説明する。
なお以下の説明において、既に説明済みとなった処理と同様となる処理については同一ステップ番号を付して説明を省略する。
図34は、変形例における主制御側メイン処理を示したフローチャートである。
図5に示した主制御側メイン処理との主な差は、ステップS114の設定変更中フラグON処理が省略されると共に、ステップS115の設定変更中コマンド送信処理に続く処理としてステップS132の設定値取得処理が設けられ、該ステップS132に続く処理としてステップS133の設定変更処理が設けられた点、及び、ステップS118の設定値バッファへのセット処理とステップS120の設定変更中フラグの判定処理とが省略された点である。
変形例においては、設定変更処理が起動時に主制御側メイン処理にて行われることから、設定変更モードに移行中か否かを表す情報を主制御側タイマ割込み処理側で確認可能とする必要がない。このため、変形例では設定変更中フラグが省略され、これに伴いステップS114、S120の処理が省略されている。
また、変形例においては、設定変更処理が主制御側タイマ割込み処理において実行されるものではないため、設定値バッファを設けることも不要となる。このため、ステップS118の設定値バッファへのセット処理が省略されている。
また、図34の例では、図5においてステップS107で実行していたバックアップフラグの判定処理を、ステップS131で実行するものとしている。具体的に、この場合のCPU201はステップS103でRAM異常(設定値Veの異常)でないと判定したことに応じてステップS131に進み、バックアップフラグがON状態であるか否かを判定し、ON状態でなければステップS110に進み、ON状態であればステップS104に進む。
なお、バックアップフラグの判定処理は、図5の場合と同様にステップS106でRAMクリアスイッチ98がON状態でないと判定したことに応じて実行する等、ステップS103の判定処理よりも後で、ステップS108のチェックサムの判定処理よりも前となるタイミングで実行されるものであればよい。
変形例において、CPU201はステップS115の設定変更中コマンド送信処理を実行したことに応じ、ステップS132で現在の設定値Veを取得する処理を行う。具体的には、RAM203のワーク領域に格納されている設定値Veをレジスタに取得する処理を行う。
そして、CPU201は続くステップS133で設定変更処理を実行し、ステップS117のRAMクリア処理を実行する。
図35は、ステップS133の設定変更処理を示したフローチャートである。
図10に示した設定変更処理(S403)との差は、ステップS601〜S603の処理に代えてステップS1301〜S1303の処理が設けられた点、及びステップS608の設定値バッファへの設定値Veの記憶処理とステップS613の設定値バッファの値のワーク領域への記憶処理が省略された点、及びステップS609の設定値表示用データの作成処理がステップS1304の設定値表示用データの出力処理に変更された点、及びステップS612の設定変更中フラグOFF処理が省略された点、及びステップS615の発射許可信号ON処理が省略された点である。
図35の設定変更処理において、CPU201は先ずステップS1301でWDTクリア処理を実行した上で、ステップS1302のセキュリティ信号出力処理として、前述したセキュリティ信号(設定変更中である旨の通知信号)を枠用外部集中端子基板21を通じて出力するための処理を行う。なお、先のステップ602のようなフラグセット処理とされないのは、変形例においては、ステップS133の設定変更処理が終了するまでは主制御側タイマ割込み処理が開始されず(ステップS119のCTC設定処理が行われず)、ステップS414の外部端子管理処理が行われないためである。
ステップS1302の出力処理を実行したことに応じ、CPU201はステップS1303で電源異常信号が正常レベルか否か(電源異常信号がOFF=正常レベル、ON=正常レベルでない)を判定する。電源異常信号が正常レベルでなければ(ステップS1303:ON)、CPU201はステップS1301の処理に戻る。すなわち、電源異常信号が正常レベルに変化するまでステップS1301及びS1302の処理を繰返す。
一方、電源異常信号が正常レベルであれば(ステップS1303:OFF)、CPU201はステップS604〜S607の処理、すなわち設定値Veの変更操作(本例ではRAMクリアスイッチ98の操作)の検知に応じて設定値Ve(レジスタの値)を変更するための処理を実行した上で、ステップS607に続くステップS1304で設定値表示用データを出力する処理を実行する。すなわち、レジスタの値に基づく設定値表示用データを作成し、該作成した設定値表示用データを設定表示器97に出力する。
なお、設定値表示用データの作成処理(S609)とされず出力処理とされるのは、ステップS133の設定変更処理が終了するまでは主制御側タイマ割込み処理が開始されず、ステップS415のLED管理処理(設定値表示用データの出力処理)が行われないことによる。
CPU201は、ステップS1304の出力処理を実行したことに応じ、ステップS610に処理を進める。
ステップS610において、設定キースイッチ94がOFFでない(設定変更の完了操作が検知されていない)と判定した場合、CPU201はステップS1301に戻る。
一方、ステップS610において設定キースイッチ94がOFFであると判定した場合、CPU201はステップS611に進んで設定値表示用データをクリアした上で、ステップS614の設定値コマンド送信処理を実行してステップS133の設定変更処理を終える。
図36は、変形例における主制御側タイマ割込み処理を示したフローチャートである。
図8との差は、ステップS403の設定変更処理とステップS404の設定変更中フラグの判定処理が省略された点、及びステップS421の設定確認処理が追加された点、及びステップS405〜S408の処理順が変更された点である。
変形例におけるCPU201は、ステップS402のスイッチ入力データ作成処理を実行したことに応じ、ステップS406のタイマ管理処理、ステップS408の入力管理処理、ステップS421の設定確認処理、ステップS405のエラー管理処理、ステップS407のタイマ割込み内乱数管理処理の順で各処理を行い、ステップS409の賞球管理処理に進む。
ここで、設定確認処理をタイマー割込み処理において実行するのは、遊技動作中に前枠2を開放して設定値Veの確認表示を実行可能とすることに対応するためである。
図37は、ステップS421の設定確認処理を示したフローチャートである。
図37において、CPU201は、先ずステップS616で設定値表示用データをクリアする処理を実行した上で、ステップS618で設定キースイッチ94がON状態であるか否かを判定し、設定キースイッチ94がON状態でなければステップS421の設定確認処理を終える。つまり、設定確認のための操作が非検知であれば、設定値Veの確認表示のための処理(ステップS619の作成処理)は行われない。
一方、設定キースイッチ94がON状態であれば、CPU201はステップS617で設定エラーか否かの判定を行う。なお、ステップS617の判定処理は、前述のように設定エラーフラグに基づき行う。
設定エラーであれば、CPU201はステップS421の設定確認処理を終える。この場合も、ステップS616で設定値表示用データがクリアされるため、設定エラーである場合には設定表示器97において設定値Veの表示が行われない。
一方、設定エラーでなければ、CPU201はステップS619で設定値表示用データを作成する処理、すなわちRAM203のワーク領域に格納されている設定値Veに基づいて設定値表示用データを作成する処理を実行し、続くステップS1401で不正性情報タイマをセットした上で、ステップS421の設定確認処理を終える。
前述のように、ステップS619で作成された設定値表示用データは、LED管理処理(S415)で設定表示器97に出力され、これにより設定表示器97に現在の設定値Veが表示される。
なお、ステップS1401では不正情報タイマを所定値(本例では30s)にセットする処理を行う。不正情報タイマは、上述したセキュリティ信号の出力時間を制御するためのタイマとされ、該不正情報タイマを所定値にセットすることで、外部端子管理処理(S414)によって該所定値に応じた時間にわたりセキュリティ信号の出力が行われる。
ステップS1401の処理が設けられることで、設定確認中においては、割込みごとに不正情報タイマが所定値にセットされる。これにより、設定確認処理が終了してから所定の時間長にわたりセキュリティ信号が出力されることになる。
<7.その他変形例>
以上に説明した実施形態では、遊技媒体として遊技球を利用したパチンコ遊技機について説明したが、本発明の目的を達成できる遊技機であれば特に制限されない。例えば、遊技媒体として球状以外の形状による遊技媒体を利用する遊技機や、回胴式遊技機などであってもよい。
また、上記では、設定確認処理について、遊技中に所定条件を満たした場合に実行可能としたが、これに限らず、電源投入時のみに実行可能に構成するようにしてもよい。この場合、電源投入後の処理としては、電源投入時に成立している条件に応じて、設定変更モード(及びRAMクリア処理)か、設定確認モード(及びバックアップ復帰処理)か、RAMクリア処理のみか、バックアップ復帰処理のみか、RAM異常又はバックアップフラグ異常による電源再投入処理(電源断まで無限ループ)の五つの状態に移行することとなる。
また、各状態への移行条件としては、設定変更モードについては扉開放(前扉開放センサ61がON)+設定キーON(設定キースイッチ94がON)+RAMクリアスイッチON(RAMクリアスイッチ98がON)の3条件とし、設定確認モードについては設定キーON+RAMクリアスイッチOFFの2条件とし、RAMクリア処理については設定キーOFF+RAMクリアボタンONの2条件とし、バックアップ復帰処理については設定キーOFF+RAMクリアボタンOFFの2条件とし、何れの条件を満たしているかを電源投入時に判定するようにしてもよい。
また、該判定に際しては、扉開放、設定キー、RAMクリアボタン、の3つの入力情報を共通の入力ポートから取得するように構成してもよい。また、入力ポートから取得した情報を所定のレジスタに記憶させるようにしてもよい。このとき、入力ポートには前述の3つの入力情報以外に、その他のスイッチなどの入力情報が含まれている可能性があるが、これらの情報については、電源投入時の移行先を決めるための分岐判定では使用しないので、レジスタの値にマスク処理(具体的には、入力ポートから1バイトの入力情報を取得可能であって、各1ビットがそれぞれの入力情報を示す場合には、前述の三つの入力情報を示す3ビット以外のその他の入力情報を示す5ビットをマスクして0クリアする)を行うようにしてもよい。
さらに、前述の通り、分岐判定に際して3条件を要するのは設定変更モードだけなので、先ず設定変更モードに移行するかの分岐判定処理を行い、今回は設定変更モードに移行しないと判定された場合には、その後、再度レジスタの値にマスク処理(具体的には、その他の状態への分岐判定には扉開放を除く2条件の判定のみを要するので、扉開放の入力情報を示す1ビットをマスク処理して0クリアする)を行うようにしてもよい。これにより、その後の分岐判定においては、扉開放を除く2条件について判定を行うだけでよいので、3条件の判定を繰り返すよりも、プログラム容量を削減することができる。
また、性能表示モニタ(性能表示器99)について、電源投入時に所定時間(例:5秒間)の動作確認表示(例:全ての7セグLEDの全点灯、全消灯を交互に繰り返す)を行うようにしてもよい。また、設定変更モード中や設定確認モード中、RAMクリア処理中、バックアップ復帰処理中においては、性能表示モニタの動作確認表示を行わないように構成することが望ましく、それぞれの処理が終了した後に、動作確認表示を行うようにすることが望ましい。そのために、動作確認表示のための処理については割込み処理(例えば性能表示モニタ表示処理:図8ステップS417)において実行するように構成することで、設定変更モードや設定確認モード、RAMクリア処理中、バックアップ復帰処理など、未だ割り込み処理を許可していない状態では、動作確認表示が行われないように構成することが望ましい。
また、動作確認表示を行っている間に、入賞口やアウト口などに遊技球が入球した場合であっても、入球数をカウントするためのカウント処理は実行するように構成することが望ましい。また、カウント処理と同じく性能情報の値(例えばベース値)を算出するための計数処理も実行するようにしてもよい。これによりたとえ動作確認表示中に遊技球の入球があったとしても正確に性能情報の値を計数することが可能となる。また、カウント処理、計数処理を実行したとしても、動作確認表示中は性能情報の値の表示処理は実行されないようにしておけば、動作確認表示中に突然性能情報の表示に切り替わるような表示上の不具合を起こすこともない。
なお、動作確認表示は、電源投入時に所定時間(例:5秒間)実行するようにしたが、動作確認表示の実行中に電断し、再度電源が投入された際には、改めて所定時間(例:5秒間)の動作確認表示を行うように構成することが望ましい。このように電源投入時には毎回、所定時間、動作確認表示を行うようにして、仮に動作確認表示中に電断した場合であっても、次回の電源投入時に未実行の残り時間分だけ動作確認表示を行うような現象を生じさせないように構成することが望ましい。
また、上記では、電源投入時に成立している条件に応じて、設定変更モード(及びRAMクリア処理)か、設定確認モード(及びバックアップ復帰処理)か、RAMクリア処理のみか、バックアップ復帰処理のみか、RAM異常又はバックアップフラグ異常による電源再投入処理(電源断まで無限ループ)の五つの状態に移行するようにしてもよいこととしたが、この場合においても(電源再投入処理を除く)、電源投入後の最初の装飾図柄の出目は共通にしておくことが望ましい。また、少なくとも設定変更モード(及びRAMクリア処理)とRAMクリア処理のみにおける装飾図柄の表示態様を同じとし、設定確認モード(及びバックアップ復帰処理)とバックアップ復帰処理のみにおける装飾図柄の表示態様を同じとするようにしてもよい。
また、上記では、設定確認処理について、遊技中ではなく電源投入時のみに実行可能に構成するようにしてもよいとしたが、この場合の設定確認モード中においても、実施形態の設定変更処理と同様に、遊技球の発射を不能とした上で、割込み処理にて行う各種処理を実行しないように構成してもよい。ここでは一つ一つの処理の記載は省略するが、基本的に実施形態の設定変更中に禁止又は許可している処理については、設定確認モードにおいても同様に禁止又は許可とすることが望ましい。
また、上記では、設定表示器97と性能表示器99とが別々に設けられる例を挙げたが、設定値Veと性能情報は共通の表示手段(以下「所定表示手段」と表記)により行うように構成することもできる。
このような所定表示手段を設ける場合、設定値Veの表示手段として使用する場合と性能情報の表示手段として使用する場合とで所定表示手段の表示領域を異ならせてもよい。例えば所定表示手段が4桁の7セグLEDを備える場合、性能情報の表示に使用する場合には4桁の7セグLEDを全て用い、設定値Veの表示に使用する場合には4桁の7セグLEDのうちの例えば1桁分の7セグLEDのみを用いてもよい。この場合、使用していない7セグLEDについては非表示(非点灯)としてもよいし、「−−−」、「000」等の所定表示を行うようにしてもよい。
また、上記では、性能表示器99の表示制御をタイマ割込み処理において行うこととしたが、この場合において、上述のように設定変更処理や設定確認処理を電源投入時のみに実行可能とした場合には、性能表示器99の表示制御は、設定変更処理、設定確認処理の後に実行される。すなわち、設定変更中や設定確認中には性能表示器99の動作確認や性能情報の表示は行われることはない。
但し、性能表示器99の表示制御は、設定変更処理、設定確認処理と並行して行うように構成することもできる。その場合、電源投入時に性能表示器99の動作確認(全点滅)を開始するが、その動作確認が設定変更中、設定確認中に終了した場合であっても、その設定変更、設定確認が終了するまで性能情報の表示は行わないようにしてもよい。
また、本発明の遊技機については、小当り遊技を実行可能に構成することもできる。その場合、設定毎に大当り確率と小当り確率とが共に変化するような構成としてもよい。この際、大当り判定値の範囲と小当り判定値の範囲とを合わせた範囲を一定とし、設定毎に大当り判定値の範囲が拡大/縮小すると、それに応じて小当り判定値の範囲が縮小/拡大するように構成してもよい。
また、RAMクリア時、設定変更期間中、設定変更完了中において光表示装置45aのLEDを全点灯とするように構成することもできる。或いは、これに限らず、各種処理に応じて異なる点灯パターンを使用してもよい。
また、RAMクリア時と設定変更完了時とにRAMクリア音としての所定音を出力することもできる。或いは、これに限らず、異なる音報知パターンを使用してもよい。
また、扉(前枠2)を閉じた状態で設定変更操作及び設定変更完了操作を行うことは基本的に不可能であることから、設定変更操作が完了したタイミングでは未だ扉が開放している可能性が高いため、設定変更期間中の扉開放については報知を実行しないように構成してもよい。この場合には、一度扉を閉じた後、再度扉を開いた場合には、扉開放に関する報知を実行するように構成してもよい。また、設定変更期間中に、未だ設定変更が完了していないにもかかわらず、扉が閉鎖された場合には、所定の報知(「設定変更が完了していません」、「扉が閉鎖されました」等)を実行するように構成してもよい。
また、演出ボタン13等の操作手段の入力を検査するための検査モードを実行可能に構成してもよい。この場合、例えば設定変更期間中、設定変更完了中、設定確認期間中等においても、検査モードを実行可能としてもよい。また、客待ちデモ中となるまでは検査モードを実行しない(客待ちデモ開始時に検査モード突入)ようにしてもよい。
さらに、所定の操作手段を操作することで、設定変更期間中、設定完了中、設定確認期間中において、音量/光量の調整が可能となるように構成してもよい。また、音量/光量の変更(調整)操作が行われた場合には、液晶表示装置36等の表示手段に、音量/光量の調整バーを表示するように構成してもよい。また、音量/光量の調整バーを表示すると、「設定変更中です」等の表示と重なってしまう恐れがあるので、設定変更期間中、設定完了中、設定確認期間中については音量/光量の変更操作を可能とする一方、調整バーを表示しないように構成してもよい。
また、音量/光量の変更操作が実行された場合であっても、設定変更期間中、設定完了中、設定確認期間中に実行される設定に関する報知については、変更された音量/光量の値に影響されないように構成してもよい。例えば、設定変更期間中はスピーカ46から設定変更中音が出力され、光表示装置45aのLEDが全点灯するようにされている場合において、音量が変更されても設定変更中音の音量は変化せず、光量が変更されても全点灯中のLEDの光量は変化しないようにしてもよい。もちろん、設定変更に関する報知が影響を受けないだけで、内部的には音量/光量の変更処理は有効に行われており、設定変更の終了後は変更後の音量/光量で各種演出等が行われる。また、設定変更期間中、設定完了中、設定確認期間中においては、音量/光量の変更操作を不能とするように構成してもよい。
さらに、設定変更完了時に関して、設定変更完了画面(例えば「設定が変更されました」等の報知を含む)の表示中に「731」等の所定出目の装飾図柄を表示するようにしたが、これに限らず、「設定が変更されました」等の設定変更完了報知表示のみを所定時間実行(例:背景はブラック)するように構成してもよい。また、設定変更完了報知表示を所定時間実行した後に、「731」等の所定出目の装飾図柄を含む待機画面を表示するようにしてもよい。
また、RAMクリア時に関しても、RAMクリア復帰画面(例えば「RAMクリア中です」等の報知を含む)を表示中に「731」等の所定出目の装飾図柄を表示することもできる。或いは、RAMクリア復帰画面の表示終了後に「731」等の所定出目の装飾図柄を含む待機画面を表示するようにしてもよい。