JP2019048259A - ガス濃度の持続的制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度が適正な範囲に管理されたガスを吸収空間に供給することによって、吸収空間中の各ガス濃度を適正範囲に簡便にかつ持続的に保つことができるシステムを提供する。【解決手段】酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方を含有する原料ガス(G0)を、分離膜(10)によって、酸素濃度若しくは二酸化炭素の濃度又はこれらの双方が増加された富裕化ガス(G1)と、酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度が減少された貧化ガス(G2)とに分離し、前記富裕化ガス(G1)又は貧化ガス(G2)を吸収空間(2)に連続的に供給する、ガス濃度の持続的制御システム。【選択図】図1
Description
本発明は、酸素濃度若しくは二酸化炭素濃度又はこれらの双方を持続的に制御するシステムに関する。
空気の組成は、窒素約80%、酸素約20%、及び二酸化炭素約350ppmである。
しかし、種々の分野において、空気よりもわずかに酸素濃度が高いガス、わずかに酸素濃度が低いガス、わずかに二酸化炭素が高いガス等が求められる場合がある。
例えば、火災予防のための保安空気、魚介類の養殖用水、藻の培養用水、農業用空気等の分野である。
しかし、種々の分野において、空気よりもわずかに酸素濃度が高いガス、わずかに酸素濃度が低いガス、わずかに二酸化炭素が高いガス等が求められる場合がある。
例えば、火災予防のための保安空気、魚介類の養殖用水、藻の培養用水、農業用空気等の分野である。
<保安空気>
従来、消火は、火元に向かって消火剤、不可性ガス等を噴射させることによって行われてきた。これらの場合、現実に火災が発生した後に、消火作業が行われるため、人的及び物的被害を完全に防止することは不可能である。更に、消火剤や不活性ガスは、人に対する危険性が高い場合が多く、使用時に十分な注意を要するという問題があった。
従来、消火は、火元に向かって消火剤、不可性ガス等を噴射させることによって行われてきた。これらの場合、現実に火災が発生した後に、消火作業が行われるため、人的及び物的被害を完全に防止することは不可能である。更に、消火剤や不活性ガスは、人に対する危険性が高い場合が多く、使用時に十分な注意を要するという問題があった。
防火については、例えば空間内の可燃性ガスの濃度を、常時センサー等で監視し、可燃性ガスが爆発限界値を超えると、強制的に空間内を換気する発明が知られている(例えば特許文献1)。しかし、空間内を常時センサーで監視する必要があるうえに、万一十分な監視ができない事態が発生した場合には、火災の発生を免れることが難しい。また、この方法では、漏電等による火災を抑えることは不可能である。
他の方法として、圧力変動吸着法(PSA)等で製造した、酸素濃度を低減した空気を供給することによって、空間内の酸素濃度を下げ、防火及び消火の効果を期待する方法がある。しかしこの場合、PSA法等では空気中のほぼすべての酸素を除去してしまうため、火災を抑制することは可能であるが、人が空間内で作業することは不可能でなるため、実用に適していない。PSA法で製造した酸素濃度を低減させた空気と、通常の空気とを混合したうえで、空間内に供給する方法も考えうる。しかしこの方法によると、混合設備の運転を制御し、更に混合後のガス濃度を監視する必要があり、複雑な管理が必要となる。そのうえに、万一、十分な監視を行うことができない事態が発生した場合には、ガスが供給される空間の雰囲気が不安定になる懸念がある。
他の方法として、圧力変動吸着法(PSA)等で製造した、酸素濃度を低減した空気を供給することによって、空間内の酸素濃度を下げ、防火及び消火の効果を期待する方法がある。しかしこの場合、PSA法等では空気中のほぼすべての酸素を除去してしまうため、火災を抑制することは可能であるが、人が空間内で作業することは不可能でなるため、実用に適していない。PSA法で製造した酸素濃度を低減させた空気と、通常の空気とを混合したうえで、空間内に供給する方法も考えうる。しかしこの方法によると、混合設備の運転を制御し、更に混合後のガス濃度を監視する必要があり、複雑な管理が必要となる。そのうえに、万一、十分な監視を行うことができない事態が発生した場合には、ガスが供給される空間の雰囲気が不安定になる懸念がある。
すなわち、火災の発生を抑制しつつ、空間内で作業を行うためには、空気よりもわずかに酸素濃度が低いガスを、適正な酸素濃度に管理しながら空間内に供給する必要がある。
<養殖用水>
魚類、甲殻類、貝類等の養殖においては、飼育水中の酸素濃度の低下、すなわち貧酸素化による魚類、甲殻類、貝類等の死滅及び生育不足が課題となっている。これを解決する方法として、例えば、特許文献2に記載されたものが知られている。
これは、アサリ、ハマグリ等の二枚貝が載置されて飼育される飼育容器を飼育水槽に複数多段にして収容するとともに、飼育容器を鉛直方向に貫通する中央空洞を設け、この中央空洞に、微小気泡をエアレーションで曝気した海水等の飼育水を下部から流入させて飼育水槽内に対流を生じさせ、二枚貝を飼育するものである。しかしながら、空気を微小気泡でエアレーションさせるだけでは、海水への気体の溶解量に限界があり、効率的な飼育ができないという問題がある。また、溶解を効率的に行うために、エアレーション量を増やす方法もあり得るが、エアレーション量の増大は、飼育されている魚類等に多大なストレスを与え、例えば窒素ガス病などを発症することが知られている。
魚類、甲殻類、貝類等の養殖においては、飼育水中の酸素濃度の低下、すなわち貧酸素化による魚類、甲殻類、貝類等の死滅及び生育不足が課題となっている。これを解決する方法として、例えば、特許文献2に記載されたものが知られている。
これは、アサリ、ハマグリ等の二枚貝が載置されて飼育される飼育容器を飼育水槽に複数多段にして収容するとともに、飼育容器を鉛直方向に貫通する中央空洞を設け、この中央空洞に、微小気泡をエアレーションで曝気した海水等の飼育水を下部から流入させて飼育水槽内に対流を生じさせ、二枚貝を飼育するものである。しかしながら、空気を微小気泡でエアレーションさせるだけでは、海水への気体の溶解量に限界があり、効率的な飼育ができないという問題がある。また、溶解を効率的に行うために、エアレーション量を増やす方法もあり得るが、エアレーション量の増大は、飼育されている魚類等に多大なストレスを与え、例えば窒素ガス病などを発症することが知られている。
海水への酸素の溶解量を高めるために、圧力変動吸着法(PSA)で高純度酸素を製造し、飼育水に供給する方法も知られている。しかしながら、PSAによると、供給されるガス中の酸素濃度が濃すぎるため、飼育水中に溶解した酸素濃度、及び飼育水中に気泡として存在する酸素濃度が過度に高くなり、飼育する魚介類に悪影響を与えるという問題が起こり得る。例えば、飼育水中の溶存酸素が過飽和の状態になると、魚類は、腹部膨張、眼球突出等の潜水病を発症する懸念がある。
すなわち、魚介類等を効率的かつ健康に養殖するためには、空気よりもわずかに酸素濃度が高いガスを、適正な酸素濃度に管理しながら養殖用水中に供給することで、該養殖用水中の酸素分圧を適正な範囲に保つことが必要となる。
<藻の培養用水>
ミドリムシ、クロレラ等の微細藻類は、光照射条件下で大気中の二酸化炭素を炭素源として光合成を行い、培養液中の養分を吸収して増殖することが知られている。
近年報告されている微細藻類の培養方法は、工場排ガスを培養池に直接吹き込み、微細藻類の生育促進と二酸化炭素の固定化とを同時に行うシステムがある。二酸化炭素を活用する微細藻類の培養に関する先行技術としては、特許文献3に記載されたものが知られている。
特許文献3には、培養層内に培養液と光合成生物とを入れ、培養層内に光を照射するとともに二酸化炭素を含むガスを供給し、光合成生物に光合成を生じさせて二酸化炭素を固定する方法において、二酸化炭素を含むガスを循環使用する方法が記載されている。この方法は、二酸化炭素を含むガスとして、工場からの排ガスを活用できると思われる。
ミドリムシ、クロレラ等の微細藻類は、光照射条件下で大気中の二酸化炭素を炭素源として光合成を行い、培養液中の養分を吸収して増殖することが知られている。
近年報告されている微細藻類の培養方法は、工場排ガスを培養池に直接吹き込み、微細藻類の生育促進と二酸化炭素の固定化とを同時に行うシステムがある。二酸化炭素を活用する微細藻類の培養に関する先行技術としては、特許文献3に記載されたものが知られている。
特許文献3には、培養層内に培養液と光合成生物とを入れ、培養層内に光を照射するとともに二酸化炭素を含むガスを供給し、光合成生物に光合成を生じさせて二酸化炭素を固定する方法において、二酸化炭素を含むガスを循環使用する方法が記載されている。この方法は、二酸化炭素を含むガスとして、工場からの排ガスを活用できると思われる。
特許文献3の方法において、二酸化炭素を含むガスの安定的な供給源としては、工場排ガスが好適であろう。工場排ガス中の二酸化炭素を、微細藻類の生育促進に活用して、二酸化炭素の固定化ができることは、大きなメリットである。しかし、工場排ガスを二酸化炭素源とすると、培養池に、排ガス中の硫化物、酸化窒素化合物等も同時に吹き込まれることになる。それにより、培養池において硫化物、酸化窒素化合物等が過度に濃縮されて、微細藻類の生育に影響を及ぼす懸念がある。これを回避するため、培養池の水質管理が必要となる。また、工場排ガスを適用する場合、微細藻類の培養を行う立地は二酸化炭素供給源である工場近接エリアに限られるため、立地上の観点からも難しさがある。
そのため、工場排ガスによらずに、空気よりもわずかに二酸化炭素濃度が高いガスを、適正な二酸化炭素濃度に管理しながら培養池中に供給することで、該培養池中の二酸化炭素分圧を適正な範囲に保つことが必要となる。
<農業用空気>
トマト、イチゴ等の植物は、光照射条件下で大気中の二酸化炭素を炭素源として光合成を行い、土壌中の養分を吸収して成長することが知られている。
近年報告されているハウス農業の育成環境として、燃料を燃焼させて二酸化炭素を発生させ、ブロアーを用いてハウスに吹き込むことで、植物の育成促進を行うシステムがある。
しかしながらこの手法を活用すると、植物は育成できるが温度管理が難しい課題があった。例えば、気温の高い夏場は、ハウス内の温度が上がり易いが、それに加え、燃焼発生させた二酸化炭素を吹き入れることにより、ハウス内の温度が著しく上昇し、ハウスの温度管理を行う目的でハウスの一部を大気解放する必要があった。大気解放により二酸化炭素がハウスの外に拡散し、ハウス内部で有効活用しきれていない課題があった。
トマト、イチゴ等の植物は、光照射条件下で大気中の二酸化炭素を炭素源として光合成を行い、土壌中の養分を吸収して成長することが知られている。
近年報告されているハウス農業の育成環境として、燃料を燃焼させて二酸化炭素を発生させ、ブロアーを用いてハウスに吹き込むことで、植物の育成促進を行うシステムがある。
しかしながらこの手法を活用すると、植物は育成できるが温度管理が難しい課題があった。例えば、気温の高い夏場は、ハウス内の温度が上がり易いが、それに加え、燃焼発生させた二酸化炭素を吹き入れることにより、ハウス内の温度が著しく上昇し、ハウスの温度管理を行う目的でハウスの一部を大気解放する必要があった。大気解放により二酸化炭素がハウスの外に拡散し、ハウス内部で有効活用しきれていない課題があった。
そのため、空気よりもわずかに二酸化炭素濃度が高いガスを、適正な二酸化炭素濃度に管理しながらハウス内に供給することで、過度の温度上昇を伴わずに、ハウス内の二酸化炭素濃度を適正な範囲に保つことが必要となる。
上記のように、種々の分野において、空気よりもわずかに酸素濃度が高いガス、わずかに酸素濃度が低いガス、わずかに二酸化炭素が高いガス等が求められている。
しかし、このようなガスを簡便に提供できる手段がないのが現状である。なぜなら、市場に流通しているガスの純度は軒並み高く、任意の所望の混合比を望む場合、流通している高純度ガスを混合して用いるしか手段がない。この場合、混合設備の運転を制御し、混合後のガス濃度を監視必要がある。万一、十分な監視を行うことができないと、供給される空間の雰囲気が不安定になり、所望の効果が発現されないことになる。
しかし、このようなガスを簡便に提供できる手段がないのが現状である。なぜなら、市場に流通しているガスの純度は軒並み高く、任意の所望の混合比を望む場合、流通している高純度ガスを混合して用いるしか手段がない。この場合、混合設備の運転を制御し、混合後のガス濃度を監視必要がある。万一、十分な監視を行うことができないと、供給される空間の雰囲気が不安定になり、所望の効果が発現されないことになる。
本発明は、上記のような課題に鑑み、その課題を解決すべく創案されたものであって、本発明の課題は、酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度が適正な範囲に管理されたガスを吸収空間に供給することによって、吸収空間中に含まれる各ガス濃度、又は吸収空間中に含まれる液体中のガス濃度を適正範囲に簡便にかつ持続的に保つことができるシステムを提供することである。
本発明者らは、上記の課題を解決するために、鋭意検討を行った。
その結果、上記の課題は、以下のとおりの本発明によって解決できることを見い出した。
その結果、上記の課題は、以下のとおりの本発明によって解決できることを見い出した。
[1] 酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方を含有する原料ガスを、分離膜によって、酸素濃度若しくは二酸化炭素の濃度又はこれらの双方が増加された富裕化ガスと、酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度が減少された貧化ガスとに分離し、前記富裕化ガス又は貧化ガスを吸収空間に連続的に供給する、
ガス濃度の持続的制御システム。
[2] 前記分離膜が、酸素分離膜又は二酸化炭素分離膜である、[1]に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[3] 前記酸素分離膜又は二酸化炭素分離膜の、酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の透過速度が10GPU以上10,000GPU以下であり、かつ
酸素の窒素に対する選択性(O2/N2)又は二酸化炭素の窒素に対する選択性(CO2/N2)が、1より大きく1,000以下である、
[2]に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[4] 前記吸収空間が液体を含み、前記液体中の酸素濃度が、20℃1気圧において、0.012g/kg以上であるか、又は前記液体中の二酸化炭素濃度が、20℃1気圧において、0.10mg/kg以上である、
[1]〜[3]のいずれか一項に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[5] 前記吸収空間がガスを含み、
前記ガス中の酸素濃度が、20℃1気圧において、10%以上40%以下であるか、又は
前記ガス中の二酸化炭素濃度が、20℃1気圧において、350ppmより大きく3,000ppm以下である、
[1]〜[4]のいずれか一項に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[6] 前記吸収空間中に含まれるガスを保安空気に用いる、[5]に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[7] 前記吸収空間中に含まれる液体を養殖用水に用いる、[4]に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[8] 前記吸収空間中に含まれる液体を藻の培養用水に用いる、[4]に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[9] 前記吸収空間中に含まれる液体を散水に用いる、[4]に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[10] 前記散水が、廃棄物置場の散水、又は農業用の散水である、[9]に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[11] 前記吸収空間中に含まれるガスを農業用空気に用いる、[5]に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[12] 前記吸収空間に供給されるガスが、酸素濃度が減少された貧化ガスである、[6]に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[13] 前記吸収空間に供給されるガスが、酸素濃度が増加された富裕化ガスである、[7]〜[10]のいずれか一項に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[14] 前記吸収空間に供給されるガスが、二酸化炭素濃度が増加された富裕化ガスである、[7]〜[10]及び[13]のいずれか一項に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[15] 前記吸収空間に供給されるガスが、二酸化炭素が増加された富裕化ガスである、[11]に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[16] 前記吸収空間に供給されるガスが、酸素濃度が増加された富裕化ガスである、[11]又は[15]に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[17] 前記原料ガスが空気である、[1]〜[16]のいずれか一項に記載のガス濃度の持続的制御システム。
ガス濃度の持続的制御システム。
[2] 前記分離膜が、酸素分離膜又は二酸化炭素分離膜である、[1]に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[3] 前記酸素分離膜又は二酸化炭素分離膜の、酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の透過速度が10GPU以上10,000GPU以下であり、かつ
酸素の窒素に対する選択性(O2/N2)又は二酸化炭素の窒素に対する選択性(CO2/N2)が、1より大きく1,000以下である、
[2]に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[4] 前記吸収空間が液体を含み、前記液体中の酸素濃度が、20℃1気圧において、0.012g/kg以上であるか、又は前記液体中の二酸化炭素濃度が、20℃1気圧において、0.10mg/kg以上である、
[1]〜[3]のいずれか一項に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[5] 前記吸収空間がガスを含み、
前記ガス中の酸素濃度が、20℃1気圧において、10%以上40%以下であるか、又は
前記ガス中の二酸化炭素濃度が、20℃1気圧において、350ppmより大きく3,000ppm以下である、
[1]〜[4]のいずれか一項に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[6] 前記吸収空間中に含まれるガスを保安空気に用いる、[5]に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[7] 前記吸収空間中に含まれる液体を養殖用水に用いる、[4]に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[8] 前記吸収空間中に含まれる液体を藻の培養用水に用いる、[4]に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[9] 前記吸収空間中に含まれる液体を散水に用いる、[4]に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[10] 前記散水が、廃棄物置場の散水、又は農業用の散水である、[9]に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[11] 前記吸収空間中に含まれるガスを農業用空気に用いる、[5]に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[12] 前記吸収空間に供給されるガスが、酸素濃度が減少された貧化ガスである、[6]に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[13] 前記吸収空間に供給されるガスが、酸素濃度が増加された富裕化ガスである、[7]〜[10]のいずれか一項に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[14] 前記吸収空間に供給されるガスが、二酸化炭素濃度が増加された富裕化ガスである、[7]〜[10]及び[13]のいずれか一項に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[15] 前記吸収空間に供給されるガスが、二酸化炭素が増加された富裕化ガスである、[11]に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[16] 前記吸収空間に供給されるガスが、酸素濃度が増加された富裕化ガスである、[11]又は[15]に記載のガス濃度の持続的制御システム。
[17] 前記原料ガスが空気である、[1]〜[16]のいずれか一項に記載のガス濃度の持続的制御システム。
本発明によれば、酸素濃度若しくは二酸化炭素濃度又はこれらの双方が適正な範囲に調整されたガスを吸収空間内に供給し、該吸収空間内のガス濃度を長期間持続的に保つことのできるシステムが提供される。本発明のシステムは、酸素及び二酸化炭素双方の濃度を同時に調整することも可能である。
また、二酸化炭素濃度の調整の場合でも、本発明のシステムは工場からの排ガスを二酸化炭素源とする必要はないから、立地に依存せず、硫化物、酸化窒素化合物を含まない富裕化ガス又は貧化ガスを、長期間持続的に供給することができる。
また、二酸化炭素濃度の調整の場合でも、本発明のシステムは工場からの排ガスを二酸化炭素源とする必要はないから、立地に依存せず、硫化物、酸化窒素化合物を含まない富裕化ガス又は貧化ガスを、長期間持続的に供給することができる。
本発明のシステムを、保安空気に適用すれば、空間内の作業者に影響を与えることなく、簡便に火災を抑制できる。
本発明のシステムを、養殖用水に適用すれば、例えば、魚類、甲殻類、貝類等の育成を加速することができる。
本発明のシステムを、藻の培養用水に適用すれば、微細藻類の育成を加速することができる。
本発明のシステムを、廃棄物の散水に適用すれば、細菌による有機物の分解を促進することができる。
本発明のシステムを、農業用空気又は農業用散水に適用すれば、ハウス作物の育成を加速することができる。
本発明のシステムを、養殖用水に適用すれば、例えば、魚類、甲殻類、貝類等の育成を加速することができる。
本発明のシステムを、藻の培養用水に適用すれば、微細藻類の育成を加速することができる。
本発明のシステムを、廃棄物の散水に適用すれば、細菌による有機物の分解を促進することができる。
本発明のシステムを、農業用空気又は農業用散水に適用すれば、ハウス作物の育成を加速することができる。
以下、本発明について、その好ましい形態(以下「本実施形態」ということがある。)を中心に、説明する。以下において、「%」は体積%を意味し、「ppm」は重量ppmを意味する。
<ガス濃度の持続的制御システム>
本発明の吸収空間のガス濃度の持続的制御システムは、酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方を含有する原料ガスを、分離膜によって、酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度が増加された富裕化ガスと、酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度が減少された貧化ガスとに分離し、該富裕化ガス又は貧化ガスを吸収空間に連続的に供給する、システムである。原料ガスは、酸素及び二酸化炭素の双方を含有していてもよく、具体的には例えば空気が挙げられる。
本発明の吸収空間のガス濃度の持続的制御システムは、酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方を含有する原料ガスを、分離膜によって、酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度が増加された富裕化ガスと、酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度が減少された貧化ガスとに分離し、該富裕化ガス又は貧化ガスを吸収空間に連続的に供給する、システムである。原料ガスは、酸素及び二酸化炭素の双方を含有していてもよく、具体的には例えば空気が挙げられる。
図1は、本実施形態のガス濃度の持続的制御システムの構成を示す概略図である。
図1に示した空気のガス濃度の持続的制御システムは、分離室(1)及び吸収空間(2)を有し、分離室(1)内には、分離膜(10)が配置されている。酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方を含む原料ガス(G0)は、例えば配管等により、分離室(1)内に導入される。原料ガス(G0)のうち、分離膜(10)を通過したガスは、酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度が増加された富裕化ガス(G1)となり、分離膜(10)を通過しなかったガスは、酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度が減少された貧化ガス(G2)となる。
図1に示した空気のガス濃度の持続的制御システムは、分離室(1)及び吸収空間(2)を有し、分離室(1)内には、分離膜(10)が配置されている。酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方を含む原料ガス(G0)は、例えば配管等により、分離室(1)内に導入される。原料ガス(G0)のうち、分離膜(10)を通過したガスは、酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度が増加された富裕化ガス(G1)となり、分離膜(10)を通過しなかったガスは、酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度が減少された貧化ガス(G2)となる。
したがって、図1のシステムにおいて、分離室(1)のうちの富裕化ガス(G1)の貯留部分と連結している富裕化ガス供給バルブ(V1)を開き、貧化ガス(G2)の貯留部分と連結している貧化ガス供給バルブ(V2)を閉じれば、吸収空間(2)に富裕化ガス(G1)が連続的に供給される。これとは逆に、貧化ガス供給バルブ(V2)を開き、富裕化ガス供給バルブ(V1)を閉じれば、吸収空間(2)に貧化ガス(G2)が連続的に供給される。
これらの場合、3つの排出ガス量調整バルブ(V3、V4、V5)の開度を適宜に調整することにより、吸収空間(2)への富裕化ガス(G1)又は貧化ガス(G2)の供給速度を制御することができる。
これらの場合、3つの排出ガス量調整バルブ(V3、V4、V5)の開度を適宜に調整することにより、吸収空間(2)への富裕化ガス(G1)又は貧化ガス(G2)の供給速度を制御することができる。
[分離室]
本実施形態のガス濃度の持続的制御システムにおける分離室は、内部に空間を有し、この空間は、分離膜によって2つに区分されている。この分離室に供給された原料ガスは、分離膜によって、酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度が増加された富裕化ガスと、酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度が減少された貧化ガスとに分離される。
本実施形態のガス濃度の持続的制御システムにおける分離室は、内部に空間を有し、この空間は、分離膜によって2つに区分されている。この分離室に供給された原料ガスは、分離膜によって、酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度が増加された富裕化ガスと、酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度が減少された貧化ガスとに分離される。
(分離膜)
本実施形態における分離膜は、原料ガス内の、酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度を調整する目的で配置される。したがって、この分離膜は、酸素に対する分離能を有する酸素分離膜であってよく、二酸化炭素に対する分離能を有する二酸化炭素分離膜であってよく、又は、酸素及び二酸化炭素の双方に対する分離能を有する酸素−二酸化炭素二元分離膜であってもよい。このような分離膜を通過したガス中の酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度は高くなり、通過しなかったガス中の酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度は低くなる。
本実施形態における分離膜は、原料ガス内の、酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度を調整する目的で配置される。したがって、この分離膜は、酸素に対する分離能を有する酸素分離膜であってよく、二酸化炭素に対する分離能を有する二酸化炭素分離膜であってよく、又は、酸素及び二酸化炭素の双方に対する分離能を有する酸素−二酸化炭素二元分離膜であってもよい。このような分離膜を通過したガス中の酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度は高くなり、通過しなかったガス中の酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度は低くなる。
分離膜は、少なくとも多孔質膜を有する。
多孔質膜の材質は、本発明のシステムの操作温度及び操作圧力において、十分な耐久性を有していれば特に限定されず、有機材料及び無機材料のうちのいずれでも構わない。
多孔質膜の材質は、本発明のシステムの操作温度及び操作圧力において、十分な耐久性を有していれば特に限定されず、有機材料及び無機材料のうちのいずれでも構わない。
有機材料としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィンが使用できる他、例えば、ポリスルホン(PSf)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、酢酸セルロース、ポリアミド、ポリイミド、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾイミダゾール等のホモポリマー又はこれらのコポリマー等が好ましく、これらのうちのいずれか単独、又はこれらの混合物から形成されるものを好ましく使用することができる。
無機材料としては、例えば、アルミナ、シリカ、コージェライト、ジルコニア、チタニア、マグネシア、ゼオライト、バイコールガラス、焼結金属等が挙げられる。
無機材料としては、例えば、アルミナ、シリカ、コージェライト、ジルコニア、チタニア、マグネシア、ゼオライト、バイコールガラス、焼結金属等が挙げられる。
多孔質膜の平均孔径は、1nm以上10μm以下が好ましく、10nm以上1μm以下がより好ましい。平均孔径が1nm未満であると、ガスの透過抵抗が過度に大きくなり、ガス分離膜としての透過性が低下する。そのため、極めて大きな膜面積が必要となり、分離設備が大きくなるから、効率性の点で好ましくない。一方、平均孔径が10μmを超えると、分離性能が低下するおそれがある。
多孔質膜の平均孔径は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)で確認することができる。
多孔質膜の平均孔径は、例えば、走査型電子顕微鏡(SEM)で確認することができる。
分離膜の気体分離性能を高める目的で、多孔質膜上に分離活性層を配置してもよい。
分離活性層の材質は、多孔質膜の材質と本質的に異なっていれば、いずれでも構わない。分離活性層は、例えば、フッ素樹脂、ポリシロキサン等から成る緻密な又は多孔質の層であってよい。フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体等を挙げることができる。ポリシロキサンとしては、例えば、ポリジメチルシロキサン、ジメチルシロキサン−メチルフェニルシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン−メチルシロキサン共重合体等、及びこれらの側差の一部に反応性又は非反応性の有機基を導入した変性ポリシロキサン等を挙げることができる。変性ポリシロキサンにおける反応性有機基としては、例えば、アミノ基、エポキシ基、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基等を挙げることができる。非反応性有機基としては、例えば、アルキル基、フェニル基、アラルキル基、フルオロアルキル基、長鎖アルキル基、エーテル基、エステル基等を挙げることができる。
分離活性層の材質は、多孔質膜の材質と本質的に異なっていれば、いずれでも構わない。分離活性層は、例えば、フッ素樹脂、ポリシロキサン等から成る緻密な又は多孔質の層であってよい。フッ素樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレン−エチレン共重合体等を挙げることができる。ポリシロキサンとしては、例えば、ポリジメチルシロキサン、ジメチルシロキサン−メチルフェニルシロキサン共重合体、ジメチルシロキサン−メチルシロキサン共重合体等、及びこれらの側差の一部に反応性又は非反応性の有機基を導入した変性ポリシロキサン等を挙げることができる。変性ポリシロキサンにおける反応性有機基としては、例えば、アミノ基、エポキシ基、水酸基、メルカプト基、カルボキシル基等を挙げることができる。非反応性有機基としては、例えば、アルキル基、フェニル基、アラルキル基、フルオロアルキル基、長鎖アルキル基、エーテル基、エステル基等を挙げることができる。
多孔質膜と分離活性層との材質の同異は、例えば、元素分析、飛行時間型二次イオン質量分析(TOF−SIMS)、固体核磁気共鳴分析(固体NMR)、X線光電子分光分析(XPS)等によって確認することができる。
分離膜の形状は、平膜でも中空糸膜でも構わない。
分離膜が中空糸膜の場合、該中空糸の外径は、1mm以上10cm以下が好ましく、2mm以上5cm以下が更に好ましい。中空視膜の外径が1mm未満になると、透過ガスの圧力損失が過度に大きくなるので、消費エネルギーが増加するとの問題が生じる懸念がある。一方、外径が10cmを超えると、モジュール内に配置される中空チューブの面積が少なくなり、生産コストが高くなる懸念がある。モジュール内に配置される中空視膜の本数は、100本以上1,000,000本以下が好ましい。
分離膜が中空糸膜の場合、該中空糸の外径は、1mm以上10cm以下が好ましく、2mm以上5cm以下が更に好ましい。中空視膜の外径が1mm未満になると、透過ガスの圧力損失が過度に大きくなるので、消費エネルギーが増加するとの問題が生じる懸念がある。一方、外径が10cmを超えると、モジュール内に配置される中空チューブの面積が少なくなり、生産コストが高くなる懸念がある。モジュール内に配置される中空視膜の本数は、100本以上1,000,000本以下が好ましい。
分離膜が、酸素分離膜の場合、酸素の透過速度は、10GPU以上10,000GPU以下であることが好ましい。酸素分離膜の酸素透過速度が10GPU以上であれば、十分に高い酸素富裕化能を示すことができる。一方で、本実施形態のガス濃度の持続的制御システムが想定する用途においては、酸素分離膜の酸素透過速度が10,000GPUを超えて高いことの実益は少ない。
酸素分離膜の酸素透過速度は、より好ましくは100GPU以上5,000以下であり、更に好ましくは200GPU以上4,000GPU以下であり、特に好ましくは300GPU以上3,000GPU以下であり、とりわけ好ましくは400GPU以上2,000GPU以下である。
ここで、GPUとは、気体透過速度の単位を表す「Gas Permeation Unit」の略であり、1GPU=1×10−6cm3(STP)/(s・cm2・cmHg)である(以下同じ。)。
酸素分離膜の酸素透過速度は、より好ましくは100GPU以上5,000以下であり、更に好ましくは200GPU以上4,000GPU以下であり、特に好ましくは300GPU以上3,000GPU以下であり、とりわけ好ましくは400GPU以上2,000GPU以下である。
ここで、GPUとは、気体透過速度の単位を表す「Gas Permeation Unit」の略であり、1GPU=1×10−6cm3(STP)/(s・cm2・cmHg)である(以下同じ。)。
分離膜が、酸素分離膜の場合、酸素通過の窒素通過に対する選択性は、体積比で、1より大きく1,000以下であることが好ましい。酸素分離膜の酸素通過の窒素通過に対する選択性が1より大きければ、十分に高い酸素分離能を示すことができる。一方で、本実施形態のガス濃度の持続的制御システムが想定する用途においては、この選択性が1,000を超えて高いことの実益は少ない。
酸素分離膜の酸素通過の窒素通過に対する選択性は、より好ましくは1.2以上500以下であり、更に好ましくは1.4以上300以下であり、特に好ましくは1.6以上200以下であり、とりわけ好ましくは1.8以上100以下である。
酸素分離膜の酸素通過の窒素通過に対する選択性は、より好ましくは1.2以上500以下であり、更に好ましくは1.4以上300以下であり、特に好ましくは1.6以上200以下であり、とりわけ好ましくは1.8以上100以下である。
分離膜が、二酸化炭素分離膜の場合、二酸化炭素の透過速度は、10GPU以上10,000GPU以下であることが好ましい。二酸化炭素分離膜の二酸化炭素透過速度が10GPU以上であれば、十分に高い二酸化炭素富裕化能を示すことができる。一方で、本実施形態のガス濃度の持続的制御システムが想定する用途においては、二酸化炭素分離膜の二酸化炭素透過速度が10,000GPUを超えて高いことの実益は少ない。
二酸化炭素分離膜の二酸化炭素透過速度は、より好ましくは100GPU以上8,000以下であり、更に好ましくは500GPU以上6,000GPU以下であり、特に好ましくは1,000GPU以上5,000GPU以下であり、とりわけ好ましくは2,000GPU以上4,000GPU以下である。
二酸化炭素分離膜の二酸化炭素透過速度は、より好ましくは100GPU以上8,000以下であり、更に好ましくは500GPU以上6,000GPU以下であり、特に好ましくは1,000GPU以上5,000GPU以下であり、とりわけ好ましくは2,000GPU以上4,000GPU以下である。
分離室内の分離膜は、1個のみであってもよく、複数個を並列又は直列に配置しても構わない。
分離膜が、二酸化炭素分離膜の場合、二酸化炭素通過の窒素通過に対する選択性は、1より大きく1,000以下であることが好ましい。二酸化炭素分離膜の二酸化炭素通過の窒素通過に対する選択性が1より大きければ、十分に高い二酸化炭素分離能を示すことができる。一方で、本実施形態のガス濃度の持続的制御システムが想定する用途においては、この選択性が1,000を超えて高いことの実益は少ない。
二酸化炭素分離膜の二酸化炭素通過の窒素通過に対する選択性は、より好ましくは1.5以上500以下であり、更に好ましくは2.0以上300以下であり、特に好ましくは2.5以上200以下であり、とりわけ好ましくは3.0以上100以下である。
二酸化炭素分離膜の二酸化炭素通過の窒素通過に対する選択性は、より好ましくは1.5以上500以下であり、更に好ましくは2.0以上300以下であり、特に好ましくは2.5以上200以下であり、とりわけ好ましくは3.0以上100以下である。
本実施形態における分離膜は、酸素分離膜としての特性と二酸化炭素分離膜としての特性とを、重畳的に有していてもよい。
(富裕化ガス)
酸素濃度が増大された富裕化ガスは、酸素濃度(すなわち、富裕化ガスの全圧に対する酸素分圧の割合)が30%以上であることが好ましい。富裕化ガスの酸素濃度が30%以上であると、本実施形態のガス濃度の持続的制御システムを、例えば、養殖用水、藻の培養用水、農業用の散水、農業用空気に適用したときに、養殖生物、農作物等の成長又は増殖を促進する効果が得られる。また、本実施形態のシステムを、例えば、廃棄物置場の散水等に適用したときに、細菌等による有機物の分解を促進する効果が得られる。
二酸化炭素濃度が増大された富裕化ガスは、二酸化炭素濃度(すなわち、富裕化ガスの全圧に対する二酸化炭素分圧の割合)が0.1%以上であることが好ましい。この場合、甲殻類の育成が促進される効果が期待できる。富裕化ガスの二酸化炭素濃度が0.1%以上であると、本実施形態のガス濃度の持続的制御システムを、例えば、養殖用水、藻の培養用水、農業用の散水、農業用空気に適用したときに、養殖生物、農作物等の成長又は増殖を促進する効果が得られる。
酸素濃度及び二酸化炭素濃度の双方が増大された富裕化ガスの場合、上記の酸素濃度及び二酸化炭素濃度を重畳的に有していてよい。
酸素濃度が増大された富裕化ガスは、酸素濃度(すなわち、富裕化ガスの全圧に対する酸素分圧の割合)が30%以上であることが好ましい。富裕化ガスの酸素濃度が30%以上であると、本実施形態のガス濃度の持続的制御システムを、例えば、養殖用水、藻の培養用水、農業用の散水、農業用空気に適用したときに、養殖生物、農作物等の成長又は増殖を促進する効果が得られる。また、本実施形態のシステムを、例えば、廃棄物置場の散水等に適用したときに、細菌等による有機物の分解を促進する効果が得られる。
二酸化炭素濃度が増大された富裕化ガスは、二酸化炭素濃度(すなわち、富裕化ガスの全圧に対する二酸化炭素分圧の割合)が0.1%以上であることが好ましい。この場合、甲殻類の育成が促進される効果が期待できる。富裕化ガスの二酸化炭素濃度が0.1%以上であると、本実施形態のガス濃度の持続的制御システムを、例えば、養殖用水、藻の培養用水、農業用の散水、農業用空気に適用したときに、養殖生物、農作物等の成長又は増殖を促進する効果が得られる。
酸素濃度及び二酸化炭素濃度の双方が増大された富裕化ガスの場合、上記の酸素濃度及び二酸化炭素濃度を重畳的に有していてよい。
(貧化ガス)
酸素濃度が減少された貧化ガスは、酸素濃度が、10%以上17%以下であることが好ましく、12%以上15%以下であることが更に好ましい。本実施形態のガス濃度の持続的制御システムを、例えば保安空気に適用したときに、この酸素濃度が高すぎると、十分な防火及び消火効果を期待することが困難となる場合があり、逆に酸素濃度が低すぎると、吸収空間内の作業者に影響を及ぼす懸念がある。
酸素濃度が減少された貧化ガスは、酸素濃度が、10%以上17%以下であることが好ましく、12%以上15%以下であることが更に好ましい。本実施形態のガス濃度の持続的制御システムを、例えば保安空気に適用したときに、この酸素濃度が高すぎると、十分な防火及び消火効果を期待することが困難となる場合があり、逆に酸素濃度が低すぎると、吸収空間内の作業者に影響を及ぼす懸念がある。
[吸収空間]
本実施形態のガス濃度の持続的制御システムの吸収空間は、分離室から供給される富裕化ガス又は貧化ガスを受け入れて、これらのガスを適用するための空間である。吸収空間は、例えば、倉庫、作業室、農業用ビニールハウス、養殖水槽、培養槽、散水用タンク等、本実施形態のシステムを適用可能とする、任意の形態であってよい。吸収空間の周囲を囲う外壁部は、その用途に応じた適宜の材質から構成されていてよい。
本実施形態のガス濃度の持続的制御システムの吸収空間は、分離室から供給される富裕化ガス又は貧化ガスを受け入れて、これらのガスを適用するための空間である。吸収空間は、例えば、倉庫、作業室、農業用ビニールハウス、養殖水槽、培養槽、散水用タンク等、本実施形態のシステムを適用可能とする、任意の形態であってよい。吸収空間の周囲を囲う外壁部は、その用途に応じた適宜の材質から構成されていてよい。
吸収空間は、液体及びガスから選択される1種以上を含んでいてよく、液体及びガスの双方を含んでいてもよい。
吸収空間(2)内の液体は、例えば、水、海水等であり、吸収空間内のガスは、例えば空気である。
吸収空間(2)内の液体は、例えば、水、海水等であり、吸収空間内のガスは、例えば空気である。
吸収空間が液体を含むとき、分離室より供給される気体は、吸収空間内の液体への溶解性を高めるために、微小発泡状にすることが好ましい。この観点から、分離室より供給される気体は、例えば、焼結板、精密ろ過膜(UF膜)、限外ろ過膜(MF膜)等を介して微小発泡させたうえで、吸収空間に供給されることが好ましい。
吸収空間が液体を含み、吸収空間に供給されるガスが、酸素濃度の増大された富裕化ガスであるとき、吸収空間内の液体中の酸素濃度は、20℃1気圧において、0.012g/kg以上であってよく、好ましくは0.012g/kg以上0.030g/kg以下であり、より好ましくは0.013g/kg以上0.020g/kg以下である。
吸収空間が液体を含み、吸収空間に供給されるガスが、二酸化炭素濃度の増大された富裕化ガスであるとき、吸収空間内の液体中の二酸化炭素濃度は、20℃1気圧において、0.10mg/kg以上であってよく、好ましくは0.10mg/kg以上0.50mg/kg以下であり、より好ましくは0.20mg/kg以上0.40mg/kg以下である。
吸収空間内の液体中の酸素濃度が、20℃1気圧において、0.012g/kg以上であり、かつ、吸収空間内の液体中の二酸化炭素濃度が、20℃1気圧において、0.10mg/kg以上である場合も、本実施形態の好ましい態様である。
吸収空間が液体を含み、吸収空間に供給されるガスが、二酸化炭素濃度の増大された富裕化ガスであるとき、吸収空間内の液体中の二酸化炭素濃度は、20℃1気圧において、0.10mg/kg以上であってよく、好ましくは0.10mg/kg以上0.50mg/kg以下であり、より好ましくは0.20mg/kg以上0.40mg/kg以下である。
吸収空間内の液体中の酸素濃度が、20℃1気圧において、0.012g/kg以上であり、かつ、吸収空間内の液体中の二酸化炭素濃度が、20℃1気圧において、0.10mg/kg以上である場合も、本実施形態の好ましい態様である。
吸収空間がガスを含むとき、吸収空間内のガス中の酸素濃度は、20℃1気圧において、10%以上40%以下であってよい。吸収空間内のガス中の二酸化炭素濃度は、20℃1気圧において、350ppmより大きく3,000ppm以下であってよい。吸収空間内のガス中の酸素濃度が、20℃1気圧において、10%以上40%以下であり、かつ、吸収空間内のガス中の二酸化炭素濃度が、350ppmより大きく3,000ppm以下である場合も、本実施形態の好ましい態様である。
吸収空間がガスを含み、吸収空間に供給されるガスが、酸素濃度の増大された富裕化ガスであるとき、吸収空間内のガス中の酸素濃度は、20℃1気圧において、25%以上50%以下であってよく、好ましくは30%以上40%以下である。
吸収空間がガスを含み、吸収空間に供給されるガスが、二酸化炭素濃度の増大された富裕化ガスであるとき、吸収空間内のガス中の二酸化炭素濃度は、20℃1気圧において、好ましくは0.10%以上2.00%以下であり、より好ましくは0.15%以上1.50%以下であり、特に好ましくは0.20%以上1.00%以下である。
吸収空間がガスを含み、吸収空間に供給されるガスが、二酸化炭素濃度の増大された富裕化ガスであるとき、吸収空間内のガス中の二酸化炭素濃度は、20℃1気圧において、好ましくは0.10%以上2.00%以下であり、より好ましくは0.15%以上1.50%以下であり、特に好ましくは0.20%以上1.00%以下である。
吸収空間がガスを含み、吸収空間に供給されるガスが、酸素濃度の減少された貧化ガスであるとき、吸収空間内のガス中の酸素濃度は、20℃1気圧において、5%以上20%以下であってよく、好ましくは10%以上18%以下であり、より好ましくは12%以上16%以下である。
吸収空間がガスを含み、吸収空間に供給されるガスが、二酸化炭素濃度の減少された貧化ガスであるとき、吸収空間内のガス中の二酸化炭素濃度は、20℃1気圧において、0.001%以上0.025%以下であってよく、好ましくは0.003%以上0.020%以下であり、より好ましくは0.005%以上0.015%以下である。
吸収空間がガスを含み、吸収空間に供給されるガスが、二酸化炭素濃度の減少された貧化ガスであるとき、吸収空間内のガス中の二酸化炭素濃度は、20℃1気圧において、0.001%以上0.025%以下であってよく、好ましくは0.003%以上0.020%以下であり、より好ましくは0.005%以上0.015%以下である。
本実施形態のガス濃度の持続的制御システムは、このシステムに併設する濃度モニターを更に有していてよい。この濃度モニターは、吸収空間に供給するガス、及び吸収空間内のガスのうちの少なくとも一方のガス組成を監視する。監視した結果が、システムの運転条件に反映されることにより、所望の組成のガスを安定的かつ連続的に供給することが可能となる。
<ガス濃度の持続的制御システムの適用>
本実施形態のガス濃度の持続的制御システムは、例えば、保安空気、養殖用水、藻の培養用水、廃棄物置場の散水、農業用の散水、農業用空気等に適用することができる。
本実施形態のガス濃度の持続的制御システムは、例えば、保安空気、養殖用水、藻の培養用水、廃棄物置場の散水、農業用の散水、農業用空気等に適用することができる。
[保安空気]
本実施形態のガス濃度の持続的制御システムを保安空気に適用する場合、吸収空間の例としては、例えば、データセンター、倉庫、粉じん爆発を起こす懸念のある製粉工場、火災原因が多岐にわたる廃棄物処分工場等の、建屋、建屋の一室、置場、配管等が挙げられる。
本実施形態のガス濃度の持続的制御システムを保安空気に適用する場合、吸収空間の例としては、例えば、データセンター、倉庫、粉じん爆発を起こす懸念のある製粉工場、火災原因が多岐にわたる廃棄物処分工場等の、建屋、建屋の一室、置場、配管等が挙げられる。
吸収空間に供給されるガスは、酸素濃度が低減された貧化ガスであることが好ましい。
この場合の吸収空間内の酸素濃度、すなわち、吸収空間内のガスのうちの酸素の体積分率は、10%以上17%以下が好ましい。吸収空間内をこの範囲の酸素濃度に調整することにより、該吸収空間中で作業する作業者の安全を損なうことなく、火災の危険を抑制することができる。
この場合の吸収空間内の酸素濃度、すなわち、吸収空間内のガスのうちの酸素の体積分率は、10%以上17%以下が好ましい。吸収空間内をこの範囲の酸素濃度に調整することにより、該吸収空間中で作業する作業者の安全を損なうことなく、火災の危険を抑制することができる。
[養殖用水]
本実施形態のシステムを養殖用水に適用する場合、吸収空間は、内部に飼育水が収納された養殖水槽の形態であってもよい。飼育水は、養殖する魚介類の種類に応じて、例えば、水、海水、これらの混合物等であってよい。
本実施形態のシステムを養殖用水に適用する場合、吸収空間は、内部に飼育水が収納された養殖水槽の形態であってもよい。飼育水は、養殖する魚介類の種類に応じて、例えば、水、海水、これらの混合物等であってよい。
この場合、吸収空間に供給されるガスは、酸素濃度が増大された富裕化ガス、二酸化炭素濃度が増大された富裕化ガス、酸素濃度及び二酸化炭素濃度の双方が増大された富裕化ガス等であってよい。これにより、吸収空間の内部に収納された飼育水は、酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度が増大されたものとなる。
飼育水中の酸素濃度は、魚介類の成長の促進の観点から、飼育水1kgに対する酸素の重量として、0.01g/kgを越え0.1g/kg以下であることが好ましい。同様に飼育水中の二酸化炭素濃度は、魚介類の成長の促進の観点から、飼育水1kgに対する二酸化炭素酸素の重量として、0.05mg/kgを越え0.5mg/kgであることが好ましい。
このような酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度を有する飼育水中で養殖を行うと、育成生物の成長が促進される効果が得られる。
このような酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度を有する飼育水中で養殖を行うと、育成生物の成長が促進される効果が得られる。
養殖対象生物は、典型的には、例えば、魚類、甲殻類、貝類等の魚介類である。魚介類としては、例えば、バナメイエビ、タイショウエビ、クルマエビ、オニテナガエビ等の甲殻類が挙げられる。
[藻の培養用水]
本実施形態のガス濃度の持続的制御システムを藻の培養用水に適用する場合、吸収空間は、内部に培養用水が収納された培養槽の形態であってよい。培養用水は、例えば水である。
本実施形態のガス濃度の持続的制御システムを藻の培養用水に適用する場合、吸収空間は、内部に培養用水が収納された培養槽の形態であってよい。培養用水は、例えば水である。
この場合、吸収空間に供給されるガスは、酸素濃度が増大された富裕化ガス、二酸化炭素濃度が増大された富裕化ガス、酸素濃度及び二酸化炭素濃度の双方が増大された富裕化ガス等であってよい。これにより、吸収空間の内部に収納された培養用水は、酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度が増大されたものとなる。
培養用水中の酸素濃度は、藻の成長の促進の観点から、培養用水1kgに対する酸素の重量として、0.01g/kgを超え0.1g/kg以下であることが好ましい。同様に培養用水中の二酸化炭素濃度は、藻の成長の促進の観点から、培養用水1kgに対する二酸化炭素酸素の重量として、0.05mg/kgを越え0.5mg/kgであることが好ましい。
このような酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度を有する飼育水中で養殖を行うと、培養生物の増殖が促進される効果が得られる。
このような酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度を有する飼育水中で養殖を行うと、培養生物の増殖が促進される効果が得られる。
培養対象の藻としては、例えば微細藻類等であってよく、具体的には、例えば、オーランチオキトリウム、ミドリムシ、クロレラ、円石藻、ヘマトコッカス、スピルリナ、デュナリエラ、キートセラス、渦鞭毛藻、有毒渦鞭毛藻、珪藻、ラフィド藻、ボトリオコッカス等が挙げられる。
[散水]
本実施形態のガス濃度の持続的制御システムを散水に適用する場合、吸収空間は、内部に散水用水が収納されたタンクの形態であってよい。散水用水は、典型的には水であり、具体的には例えば、水道水、地下水、雪解け水等であってよい。
散水は、例えば、廃棄物置場の散水、農業用の散水等であってよい。
本実施形態のガス濃度の持続的制御システムを散水に適用する場合、吸収空間は、内部に散水用水が収納されたタンクの形態であってよい。散水用水は、典型的には水であり、具体的には例えば、水道水、地下水、雪解け水等であってよい。
散水は、例えば、廃棄物置場の散水、農業用の散水等であってよい。
(廃棄物置場の散水)
本実施形態のガス濃度の持続的制御システムを廃棄物置場の散水に適用する場合、吸収空間に供給されるガスは、酸素濃度が増大された富裕化等であってよい。これにより、吸収空間の内部に収納された散水用水は、酸素濃度が増大されたものとなる。
本実施形態のガス濃度の持続的制御システムを廃棄物置場の散水に適用する場合、吸収空間に供給されるガスは、酸素濃度が増大された富裕化等であってよい。これにより、吸収空間の内部に収納された散水用水は、酸素濃度が増大されたものとなる。
この場合、散水用水中の酸素濃度は、微生物による有機物の分解を促進し、廃棄物の処理を加速する観点から、散水用水1kgに対する酸素の重量として、0.01g/kgを超えることが好ましい。
(農業用散水)
本実施形態のガス濃度の持続的制御システムを農業用散水に適用する場合、吸収空間に供給されるガスは、酸素濃度が増大された富裕化ガス、二酸化炭素濃度が増大された富裕化ガス、酸素濃度及び二酸化炭素濃度の双方が増大された富裕化ガス等であってよい。
本実施形態のガス濃度の持続的制御システムを農業用散水に適用する場合、吸収空間に供給されるガスは、酸素濃度が増大された富裕化ガス、二酸化炭素濃度が増大された富裕化ガス、酸素濃度及び二酸化炭素濃度の双方が増大された富裕化ガス等であってよい。
散水用水中の酸素濃度は、農作物の成長の促進の観点から、散水用水1kgに対する酸素の重量として、0.01g/kgを超え0.1g/kg以下であることが好ましい。同様に散水用水中の二酸化炭素濃度は、農作物の成長の促進の観点から、散水用水1kgに対する二酸化炭素酸素の重量として、0.05mg/kgを越え0.5mg/kgであることが好ましい。
このような酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度を有する散水用水を農作物に散布すると、農作物の根張りが向上して成長が促進され、収穫量が増大する効果が得られる。
このような酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度を有する散水用水を農作物に散布すると、農作物の根張りが向上して成長が促進され、収穫量が増大する効果が得られる。
散水対象の農作物としてはハウス植物が好適である。ハウス植物としては、例えば、野菜、果樹、花等であってよいが、これらに限定されない。
散水対象の農作物としては、例えば、例えば、イチゴ、メロン、スイカ、マンゴ、パッションフルーツ、レタス、トマト、バラ、ラン、チューリップ等が挙げられる。
散水対象の農作物としては、例えば、例えば、イチゴ、メロン、スイカ、マンゴ、パッションフルーツ、レタス、トマト、バラ、ラン、チューリップ等が挙げられる。
[農業用空気]
本実施形態のガス濃度の持続的制御システムを農業用空気に適用する場合、吸収空間は、農業用ビニールハウスの形態であってよい。
吸収空間に供給されるガスは、酸素濃度が増大された富裕化ガス、二酸化炭素濃度が増大された富裕化ガス、酸素及び二酸化炭素の双方の濃度が増大された富裕化ガス等であってよい。
本実施形態のガス濃度の持続的制御システムを農業用空気に適用する場合、吸収空間は、農業用ビニールハウスの形態であってよい。
吸収空間に供給されるガスは、酸素濃度が増大された富裕化ガス、二酸化炭素濃度が増大された富裕化ガス、酸素及び二酸化炭素の双方の濃度が増大された富裕化ガス等であってよい。
例えばビニールハウス等の形態である吸収空間中のガスの酸素濃度は、農作物の成長の促進の観点から、30%以上が好ましい。
同様に、吸収空間中のガスの二酸化炭素は、農作物の成長の促進の観点から、0.1%以上であることが好ましい。
同様に、吸収空間中のガスの二酸化炭素は、農作物の成長の促進の観点から、0.1%以上であることが好ましい。
本実施形態のシステムを農業用空気に適用する場合の対象農作物は、農業用散水の場合と同様である。
<ガス濃度の持続的制御システムの特徴>
本発明のガス濃度の持続的制御システムは、酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度が制御された精製ガスを、吸収空間に連続的に供給することにより、吸収空間内の酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度を持続的に制御し得ることを特徴とする。
ここで、「連続的に」とは、少なくとも原料ガスが供給されている期間中は、特定の分離係数で精製ガスを供給できることであり、本発明のシステムでは、好ましくは1時間以上、より好ましくは1か月以上連続して供給することが可能である。この精製ガスの供給期間が過度に長いことの実益は少なく、例えば10年以下で十分であり、5年以下でもよい。
「持続的に」とは、吸収空間の酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度を特定の濃度で維持できる期間が長いことであり、本発明のシステムでは、好ましくは1時間以上、より好ましくは1か月以上連続して維持することが可能である。この吸収空間のガス濃度の維持期間が過度に長いことの実益は少なく、例えば10年以下で十分であり、5年以下であってもよい。
本発明のガス濃度の持続的制御システムは、酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度が制御された精製ガスを、吸収空間に連続的に供給することにより、吸収空間内の酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度を持続的に制御し得ることを特徴とする。
ここで、「連続的に」とは、少なくとも原料ガスが供給されている期間中は、特定の分離係数で精製ガスを供給できることであり、本発明のシステムでは、好ましくは1時間以上、より好ましくは1か月以上連続して供給することが可能である。この精製ガスの供給期間が過度に長いことの実益は少なく、例えば10年以下で十分であり、5年以下でもよい。
「持続的に」とは、吸収空間の酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度を特定の濃度で維持できる期間が長いことであり、本発明のシステムでは、好ましくは1時間以上、より好ましくは1か月以上連続して維持することが可能である。この吸収空間のガス濃度の維持期間が過度に長いことの実益は少なく、例えば10年以下で十分であり、5年以下であってもよい。
以下に、本発明について、実施例等を用いて更に具体的に説明する。しかしながら、本発明は、これらの実施例等に何ら限定されるものではない。
<保安空気への適用例>
[比較例1]
比較例1では、本実施形態のガス濃度の持続的制御システムを用いずに、大気雰囲気の燃焼試験室中で、FMVSS No.302燃焼性試験に準拠して燃焼試験を行った。
具体的には、燃焼試験室内で、350mm×100mm×3.0mmのポリエチレン製の角板に対して、高さ38mmのガスバーナー炎を角板の端部に着火するまで接炎し、その燃焼性を調べた。に至るまでの間の自己消火性を測定した。
その結果、ポリプロピレン角板は、接炎着火後、端部から254mm先の標線を超えて燃焼を続けた。
比較例1における燃焼試験の際の燃焼試験室内の酸素濃度は、20℃1気圧において、21%であり、二酸化炭素濃度は、20℃1気圧において、0.03%であった。
[比較例1]
比較例1では、本実施形態のガス濃度の持続的制御システムを用いずに、大気雰囲気の燃焼試験室中で、FMVSS No.302燃焼性試験に準拠して燃焼試験を行った。
具体的には、燃焼試験室内で、350mm×100mm×3.0mmのポリエチレン製の角板に対して、高さ38mmのガスバーナー炎を角板の端部に着火するまで接炎し、その燃焼性を調べた。に至るまでの間の自己消火性を測定した。
その結果、ポリプロピレン角板は、接炎着火後、端部から254mm先の標線を超えて燃焼を続けた。
比較例1における燃焼試験の際の燃焼試験室内の酸素濃度は、20℃1気圧において、21%であり、二酸化炭素濃度は、20℃1気圧において、0.03%であった。
[実施例1]
実施例1では、図1に示したガス濃度の持続的制御システムを使用し、空気を原料ガス(G0)として得られた、酸素濃度が低減された貧化ガス(G2)を吸収空間(2)へ供給し、該吸収空間(2)を燃焼試験室として用いた他は、比較例1と同様にして燃焼試験を行った。
実施例1における分離膜としては、ポリエーテルスルホン(PES)製の多孔質膜と、テフロン(登録商標)AF2400製の分離活性層とを有する多層膜を用いた。
実施例1では、図1に示したガス濃度の持続的制御システムを使用し、空気を原料ガス(G0)として得られた、酸素濃度が低減された貧化ガス(G2)を吸収空間(2)へ供給し、該吸収空間(2)を燃焼試験室として用いた他は、比較例1と同様にして燃焼試験を行った。
実施例1における分離膜としては、ポリエーテルスルホン(PES)製の多孔質膜と、テフロン(登録商標)AF2400製の分離活性層とを有する多層膜を用いた。
図1のシステムに、原料ガス(G0)としての空気を供給しつつ、富裕化ガス(G1)の供給バルブ(V1)を閉じた状態で、貧化ガス(G2)の供給バルブ(V2)を開け、排出ガス量調整バルブ(V3、V4、V5)の開度を調節して、分離室(1)から吸収空間(2)へ、貧化ガス(G2)が所定の流量で流れるようにセットした。
吸収空間(2)内の雰囲気が安定するまで待ち、その後、吸収空間(2)内で燃焼試験を行った。
吸収空間(2)内の雰囲気が安定するまで待ち、その後、吸収空間(2)内で燃焼試験を行った。
その結果、ポリエチレン製の角板への接炎後、標線に至るまでの間に自己消火することが観察され、本実施形態のシステムを保安空気として適用すると、火災安全性が向上することが確認された。
実施例1における燃焼試験の際の吸収空間(2)内の酸素濃度は、20℃1気圧において、14%であり、二酸化炭素濃度は、20℃1気圧において、0.01%であった。
実施例1における燃焼試験の際の吸収空間(2)内の酸素濃度は、20℃1気圧において、14%であり、二酸化炭素濃度は、20℃1気圧において、0.01%であった。
<養殖用水への適用>
[比較例2]
比較例2では、本実施形態のガス濃度の持続的制御システムを用いずに、養殖水槽に入れた人工海水中にエアレーションを行いつつ、バナメイエビの養殖実験を行った。
その結果、バナメイエビは、養殖開始後、出荷基準体重である1尾あたりの平均体重15gまで成長するのに要した日数を記録し、これを基準日数(100%)とした。
比較例2における養殖試験の際の養殖水槽の人工海水中の酸素濃度は、20℃1気圧において、0.010g/kgであり、二酸化炭素濃度は、20℃1気圧において、0.05mg/kgであった。
[比較例2]
比較例2では、本実施形態のガス濃度の持続的制御システムを用いずに、養殖水槽に入れた人工海水中にエアレーションを行いつつ、バナメイエビの養殖実験を行った。
その結果、バナメイエビは、養殖開始後、出荷基準体重である1尾あたりの平均体重15gまで成長するのに要した日数を記録し、これを基準日数(100%)とした。
比較例2における養殖試験の際の養殖水槽の人工海水中の酸素濃度は、20℃1気圧において、0.010g/kgであり、二酸化炭素濃度は、20℃1気圧において、0.05mg/kgであった。
[実施例2]
実施例2においては、図1に示したガス濃度の持続的制御システムを使用し、吸収空間(2)内に人工海水を入れ、空気を原料ガス(G0)として得られた、酸素濃度及び二酸化炭素濃度が増大された富裕化ガス(G1)を、精密ろ過膜を介して微細な気泡として吸収空間(2)内の人工海水中に供給したものを養殖用水として用い、吸収空間(2)内でバナメイエビの養殖試験を行った。
実施例2における分離膜としては、ポリスルホン(PSf)製の多孔質膜と、ポリジメチルシロキサン製の分離活性層とを有する多層膜を用いた。
実施例2においては、図1に示したガス濃度の持続的制御システムを使用し、吸収空間(2)内に人工海水を入れ、空気を原料ガス(G0)として得られた、酸素濃度及び二酸化炭素濃度が増大された富裕化ガス(G1)を、精密ろ過膜を介して微細な気泡として吸収空間(2)内の人工海水中に供給したものを養殖用水として用い、吸収空間(2)内でバナメイエビの養殖試験を行った。
実施例2における分離膜としては、ポリスルホン(PSf)製の多孔質膜と、ポリジメチルシロキサン製の分離活性層とを有する多層膜を用いた。
図1のシステムに、原料ガス(G0)としての空気を供給しつつ、貧化ガス(G2)の供給バルブ(V2)を閉じた状態で、富裕化ガス(G1)の供給バルブ(V1)を開け、排出ガス量調整バルブ(V3、V4、V5)の開度を調節して、分離室(1)から吸収空間(2)へ、富裕化ガス(G1)が所定の流量で流れるようにセットした。またこのとき、富裕化ガス(G1)の供給バルブ(V1)と吸収空間(2)の入口との間に精密ろ過膜を配置して、富裕化ガス(G1)が微細な気泡として吸収空間(2)内の人工海水中に供給されるようにした。
吸収空間(2)内の人工海水中の酸素濃度及び二酸化炭素濃度が安定するまで待ち、バナメイエビの養殖試験を開始した。
吸収空間(2)内の人工海水中の酸素濃度及び二酸化炭素濃度が安定するまで待ち、バナメイエビの養殖試験を開始した。
その結果、バナメイエビが1尾あたりの平均体重15gまで成長するのに要した日数は、比較例2で得られた基準日数に対して70%であり、本実施形態のシステムを養殖用水に適用すると、バナメイエビの成長が比較例2の場合よりも早くなることが確認された。
実施例2における養殖試験の際の吸収空間(2)内の人工海水中の酸素濃度は、20℃1気圧において、0.014g/kgであり、二酸化炭素濃度は、20℃1気圧において、0.25mg/kgであった。
実施例2における養殖試験の際の吸収空間(2)内の人工海水中の酸素濃度は、20℃1気圧において、0.014g/kgであり、二酸化炭素濃度は、20℃1気圧において、0.25mg/kgであった。
<藻の培養用水への適用>
[比較例3]
比較例3では、本実施形態のガス濃度の持続的制御システムを用いずに、エアレーションを行った脱イオン水中を培養槽に供給して、珪藻の培養を行った。
市販のミネラルサンドを敷き詰めた培養槽内に、エアレーションした脱イオン水を、ミネラルサンドが完全水没しない量だけ注入した。その後、珪藻株を投入して培養を行った。培養中は、容器中の水位が変動しない範囲で、最小水量にてエアレーションした脱イオン水の注水及び排水を継続的に行った。
そして、珪藻が容器の一面を覆うまでに要した日数を記録し、これを基準日数(100%)とした。
比較例3における培養試験の際の、エアレーション後の脱イオン水中の酸素濃度は、20℃1気圧において、0.010g/kgであり、二酸化炭素濃度は、20℃1気圧において、0.05mg/kgであった。
[比較例3]
比較例3では、本実施形態のガス濃度の持続的制御システムを用いずに、エアレーションを行った脱イオン水中を培養槽に供給して、珪藻の培養を行った。
市販のミネラルサンドを敷き詰めた培養槽内に、エアレーションした脱イオン水を、ミネラルサンドが完全水没しない量だけ注入した。その後、珪藻株を投入して培養を行った。培養中は、容器中の水位が変動しない範囲で、最小水量にてエアレーションした脱イオン水の注水及び排水を継続的に行った。
そして、珪藻が容器の一面を覆うまでに要した日数を記録し、これを基準日数(100%)とした。
比較例3における培養試験の際の、エアレーション後の脱イオン水中の酸素濃度は、20℃1気圧において、0.010g/kgであり、二酸化炭素濃度は、20℃1気圧において、0.05mg/kgであった。
[実施例3]
本実施例においては、図1に示したガス濃度の持続的制御システムを使用し、空気を原料ガス(G0)として得られた、酸素濃度及び二酸化炭素濃度が増大された富裕化ガス(G1)を、精密ろ過膜を介して微細な気泡として吸収空間(2)内の脱イオン水中に供給したものを養殖用水として用い、吸収空間(2)内で珪藻の培養試験を行った。
実施例3における分離膜としては、ポリエーテルスルホン(PES)製の多孔質膜と、ポリジメチルシロキサン製の分離活性層とを有する多層膜を用いた。
本実施例においては、図1に示したガス濃度の持続的制御システムを使用し、空気を原料ガス(G0)として得られた、酸素濃度及び二酸化炭素濃度が増大された富裕化ガス(G1)を、精密ろ過膜を介して微細な気泡として吸収空間(2)内の脱イオン水中に供給したものを養殖用水として用い、吸収空間(2)内で珪藻の培養試験を行った。
実施例3における分離膜としては、ポリエーテルスルホン(PES)製の多孔質膜と、ポリジメチルシロキサン製の分離活性層とを有する多層膜を用いた。
先ず、図1のシステムの吸収空間(2)内に市販のミネラルサンドを敷き詰め、脱イオン水を、ミネラルサンドが完全水没しない量だけ注入した。その後、原料ガス(G0)としての空気を供給しつつ、貧化ガス(G2)の供給バルブ(V2)を閉じた状態で、富裕化ガス(G1)の供給バルブ(V1)を開け、そして排出ガス量調整バルブ(V3、V4、V5)の開度を調節して、分離室(1)から吸収空間(2)へ、富裕化ガス(G1)が所定の流量で流れるようにセットした。またこのとき、富裕化ガス(G1)の供給バルブ(V1)と吸収空間(2)の入口との間に精密ろ過膜を配置して、富裕化ガス(G1)が微細な気泡として吸収空間(2)内の脱イオン水中に供給されるようにした。
吸収空間(2)内の脱イオン水中の酸素濃度及び二酸化炭素濃度が安定するまで待ち、珪藻の培養試験を開始した。
吸収空間(2)内の脱イオン水中の酸素濃度及び二酸化炭素濃度が安定するまで待ち、珪藻の培養試験を開始した。
その結果、珪藻が容器の一面を覆うまでに要した日数は、比較例3で得られた基準日数に対して75%であり、本実施形態のシステムを藻の培養用水に適用すると、珪藻の増殖が比較例3の場合よりも早くなることが確認された。
実施例3における培養試験の際の吸収空間(2)内の脱イオン水中の酸素濃度は、20℃1気圧において、0.014g/kgであり、二酸化炭素濃度は、20℃1気圧において、0.25mg/kgであった。
実施例3における培養試験の際の吸収空間(2)内の脱イオン水中の酸素濃度は、20℃1気圧において、0.014g/kgであり、二酸化炭素濃度は、20℃1気圧において、0.25mg/kgであった。
<農業用空気への適用>
[比較例4]
比較例4では、本実施形態のガス濃度の持続的制御システムを用いずに、ブロアーで空気を農業用ビニールハウスに供給して、普通ポット育成の方法により、イチゴ(女峰)の生育試験を行った。
イチゴの収穫後、イチゴ一株あたりの平均収穫量(重量)を記録し、これを基準重量(100%)とした。
比較例4における生育試験の際のハウス内の酸素濃度は、20℃1気圧において、21%であり、二酸化炭素濃度は、20℃1気圧において、0.03%であった。
[比較例4]
比較例4では、本実施形態のガス濃度の持続的制御システムを用いずに、ブロアーで空気を農業用ビニールハウスに供給して、普通ポット育成の方法により、イチゴ(女峰)の生育試験を行った。
イチゴの収穫後、イチゴ一株あたりの平均収穫量(重量)を記録し、これを基準重量(100%)とした。
比較例4における生育試験の際のハウス内の酸素濃度は、20℃1気圧において、21%であり、二酸化炭素濃度は、20℃1気圧において、0.03%であった。
[実施例4]
実施例4においては、図1に示したガス濃度の持続的制御システムを使用し、空気を原料ガス(G0)として得られた、酸素濃度が増大された富裕化ガス(G1)を、農業用ビニールハウスである吸収空間(2)へ供給し、該吸収空間(2)内のガスを農業用空気として用いて、比較例4と同様にして、イチゴの生育試験を行った。
実施例4における分離膜としては、ポリエーテルスルホン(PES)製の多孔質膜と、ポリジメチルシロキサン製の分離活性層とを有する多層膜を用いた。
実施例4においては、図1に示したガス濃度の持続的制御システムを使用し、空気を原料ガス(G0)として得られた、酸素濃度が増大された富裕化ガス(G1)を、農業用ビニールハウスである吸収空間(2)へ供給し、該吸収空間(2)内のガスを農業用空気として用いて、比較例4と同様にして、イチゴの生育試験を行った。
実施例4における分離膜としては、ポリエーテルスルホン(PES)製の多孔質膜と、ポリジメチルシロキサン製の分離活性層とを有する多層膜を用いた。
図1のシステムに、原料ガス(G0)としての空気を供給しつつ、貧化ガス(G2)の供給バルブ(V2)を閉じた状態で、富裕化ガス(G1)の供給バルブ(V1)を開け、排出ガス量調整バルブ(V3、V4、V5)の開度を調節して、分離室(1)から吸収空間(2)へ、富裕化ガス(G1)が所定の流量で流れるようにセットした。ハウスとしての吸収空間(2)内の酸素濃度及び二酸化炭素濃度が安定するまで待った後、イチゴの生育試験を開始した。
その結果、イチゴ一株あたりの平均収穫量は、比較例4で得られた基準重量に対して120%であり、本実施形態のシステムを農業用空気に適用すると、イチゴの収穫量が比較例4の場合よりも増えることが確認された。
実施例4における生育試験の際の吸収空間(2)内の酸素濃度は、20℃1気圧におい
て、32%であり、二酸化炭素濃度は、20℃1気圧において、0.30%であった。
実施例4における生育試験の際の吸収空間(2)内の酸素濃度は、20℃1気圧におい
て、32%であり、二酸化炭素濃度は、20℃1気圧において、0.30%であった。
<農業用散水への適用>
[比較例5]
比較例5では、本実施形態のガス濃度の持続的制御システムを用いずに、水道水を農業用ビニールハウス内に散水して、普通ポット育成の方法により、イチゴ(女峰)の生育試験を行った。
イチゴの収穫後、イチゴ一株あたりの平均収穫量(重量)を記録し、これを基準重量(100%)とした。
[比較例5]
比較例5では、本実施形態のガス濃度の持続的制御システムを用いずに、水道水を農業用ビニールハウス内に散水して、普通ポット育成の方法により、イチゴ(女峰)の生育試験を行った。
イチゴの収穫後、イチゴ一株あたりの平均収穫量(重量)を記録し、これを基準重量(100%)とした。
[実施例5]
本実施例においては、図1に示したガス濃度の持続的制御システムを使用し、吸収空間(2)内に水道水を入れ、空気を原料ガス(G0)として得られた、酸素濃度が増大された富裕化ガス(G1)を、精密ろ過膜を介して微細な気泡として吸収空間(2)内の水道水中に供給し、該吸収空間(2)内の水を農業用散水としてハウス内に散水した他は、比較例5と同様にして、イチゴの生育試験を行った。
実施例5における分離膜としては、ポリエーテルスルホン(PES)製の多孔質膜と、ポリジメチルシロキサン製の分離活性層とを有する多層膜を用いた。
本実施例においては、図1に示したガス濃度の持続的制御システムを使用し、吸収空間(2)内に水道水を入れ、空気を原料ガス(G0)として得られた、酸素濃度が増大された富裕化ガス(G1)を、精密ろ過膜を介して微細な気泡として吸収空間(2)内の水道水中に供給し、該吸収空間(2)内の水を農業用散水としてハウス内に散水した他は、比較例5と同様にして、イチゴの生育試験を行った。
実施例5における分離膜としては、ポリエーテルスルホン(PES)製の多孔質膜と、ポリジメチルシロキサン製の分離活性層とを有する多層膜を用いた。
その結果、イチゴ一株あたりの平均収穫量は、比較例5で得られた基準重量に対して130%であり、本実施形態のシステムを農業用散水に適用すると、イチゴの収穫量が比較例4の場合よりも増えることが確認された。
実施例5における生育試験の際の吸収空間(2)内の水道水中の酸素濃度は、20℃1気圧において、0.014g/kgであり、二酸化炭素濃度は、20℃1気圧において、0.25mg/kgであった。
実施例5における生育試験の際の吸収空間(2)内の水道水中の酸素濃度は、20℃1気圧において、0.014g/kgであり、二酸化炭素濃度は、20℃1気圧において、0.25mg/kgであった。
表1における分離膜の構成材料の略称は、それぞれ以下の意味である。
PES:ポリエーテルスルホン
PSf:ポリスルホン
AF2400:テフロン(登録商標)AF2400
PDMS:ポリジメチルシロキサン
PES:ポリエーテルスルホン
PSf:ポリスルホン
AF2400:テフロン(登録商標)AF2400
PDMS:ポリジメチルシロキサン
比較例1と実施例1との比較から、本実施形態におけるガス濃度の制御システムを保安空気に適用することにより、作業空間内の作業者に影響を与えることなく、火災を抑制できることが確認された。
比較例2と実施例2との比較から、本実施形態におけるガス濃度の持続的制御システムを養殖用水に適用することにより、魚介類の養殖を、効率的かつ健康的に行い得ることが確認された。
比較例3と実施例3との比較から、本実施形態におけるガス濃度の持続的制御システムを培養用水に適用することにより、微細藻類を効率的に培養できることが確認された。
比較例4及び5と、実施例4及び5との比較から、本実施形態におけるガス濃度の持続的制御システムを農業用空気又は農業用散水として適用することにより、ハウス栽培のイチゴを効率的に生育促進できることが確認された。
比較例2と実施例2との比較から、本実施形態におけるガス濃度の持続的制御システムを養殖用水に適用することにより、魚介類の養殖を、効率的かつ健康的に行い得ることが確認された。
比較例3と実施例3との比較から、本実施形態におけるガス濃度の持続的制御システムを培養用水に適用することにより、微細藻類を効率的に培養できることが確認された。
比較例4及び5と、実施例4及び5との比較から、本実施形態におけるガス濃度の持続的制御システムを農業用空気又は農業用散水として適用することにより、ハウス栽培のイチゴを効率的に生育促進できることが確認された。
更に、上記のうちの、魚介類の養殖、藻の培養、及びイチゴの育成では、本実施形態におけるガス濃度の持続的制御システムの、同時に二種類以上の気体を濃縮できるという利点を活かし、酸素と二酸化炭素とが同時に濃縮されたガスを供給することによって、酸素及び二酸化炭素のうちのいずれかが単独で濃縮されたガスを供給する場合よりも、促進できことを確認した。
本実施形態におけるガス濃度の持続的制御システムは、例えば、保安空気、養殖用水、藻の培養用水、農業用空気、農業用散水等への適用に好適である。
保安空気は、例えば、データセンター、粉じん爆発を起こす懸念のある製粉工場、火災原因が多岐にわたる廃棄物処分工場等の防火設備に好適に用いられる。
養殖用水は、例えば、魚類、甲殻類、貝類等の魚介類の陸上養殖に好適に用いられる。
藻の養殖用水は、例えば、微細藻類の養殖に好適に用いられる。
農業用空気及び/又は農業用散水は、例えば、ハウス栽培の植物の育成促進に使用可能である。
保安空気は、例えば、データセンター、粉じん爆発を起こす懸念のある製粉工場、火災原因が多岐にわたる廃棄物処分工場等の防火設備に好適に用いられる。
養殖用水は、例えば、魚類、甲殻類、貝類等の魚介類の陸上養殖に好適に用いられる。
藻の養殖用水は、例えば、微細藻類の養殖に好適に用いられる。
農業用空気及び/又は農業用散水は、例えば、ハウス栽培の植物の育成促進に使用可能である。
1 分離室
2 吸収空間
10 分離膜
G0 原料ガス
G1 富裕化ガス
G2 貧化ガス
V1 富裕化ガス供給バルブ
V2 貧化ガス供給バルブ
V3、V4、V5 排出ガス量調整バルブ
2 吸収空間
10 分離膜
G0 原料ガス
G1 富裕化ガス
G2 貧化ガス
V1 富裕化ガス供給バルブ
V2 貧化ガス供給バルブ
V3、V4、V5 排出ガス量調整バルブ
Claims (17)
- 酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方を含有する原料ガスを、分離膜によって、酸素濃度若しくは二酸化炭素の濃度又はこれらの双方が増加された富裕化ガスと、酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の濃度が減少された貧化ガスとに分離し、前記富裕化ガス又は貧化ガスを吸収空間に連続的に供給する、
ガス濃度の持続的制御システム。 - 前記分離膜が、酸素分離膜又は二酸化炭素分離膜である、請求項1に記載のガス濃度の持続的制御システム。
- 前記酸素分離膜又は二酸化炭素分離膜の、酸素若しくは二酸化炭素又はこれらの双方の透過速度が10GPU以上10,000GPU以下であり、
酸素の窒素に対する選択性(O2/N2)又は二酸化炭素の窒素に対する選択性(CO2/N2)が、1より大きく1,000以下である、
請求項2に記載のガス濃度の持続的制御システム。 - 前記吸収空間が液体を含み、前記液体中の酸素濃度が、20℃1気圧において、0.012g/kg以上であるか、又は前記液体中の二酸化炭素濃度が、20℃1気圧において、0.10mg/kg以上である、
請求項1〜3のいずれか一項に記載のガス濃度の持続的制御システム。 - 前記吸収空間がガスを含み、
前記ガス中の酸素濃度が、20℃1気圧において、10%以上40%以下であるか、又は
前記ガス中の二酸化炭素濃度が、20℃1気圧において、350ppmより大きく3,000ppm以下である、
請求項1〜4のいずれか一項に記載のガス濃度の持続的制御システム。 - 前記吸収空間中に含まれるガスを保安空気に用いる、請求項5に記載のガス濃度の持続的制御システム。
- 前記吸収空間中に含まれる液体を養殖用水に用いる、請求項4に記載のガス濃度の持続的制御システム。
- 前記吸収空間中に含まれる液体を藻の培養用水に用いる、請求項4に記載のガス濃度の持続的制御システム。
- 前記吸収空間中に含まれる液体を散水に用いる、請求項4に記載のガス濃度の持続的制御システム。
- 前記散水が、廃棄物置場の散水、又は農業用の散水である、請求項9に記載のガス濃度の持続的制御システム。
- 前記吸収空間中に含まれるガスを農業用空気に用いる、請求項5に記載のガス濃度の持続的制御システム。
- 前記吸収空間に供給されるガスが、酸素濃度が減少された貧化ガスである、請求項6に記載のガス濃度の持続的制御システム。
- 前記吸収空間に供給されるガスが、酸素濃度が増加された富裕化ガスである、請求項7〜10のいずれか一項に記載のガス濃度の持続的制御システム。
- 前記吸収空間に供給されるガスが、二酸化炭素濃度が増加された富裕化ガスである、請求項7〜10及び13のいずれか一項に記載のガス濃度の持続的制御システム。
- 前記吸収空間に供給されるガスが、二酸化炭素が増加された富裕化ガスである、請求項11に記載のガス濃度の持続的制御システム。
- 前記吸収空間に供給されるガスが、酸素濃度が増加された富裕化ガスである、請求項11又は15に記載のガス濃度の持続的制御システム。
- 前記原料ガスが空気である、請求項1〜16のいずれか一項に記載のガス濃度の持続的制御システム。
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- 2017-09-08 JP JP2017172974A patent/JP2019048259A/ja active Pending
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