JP2019046282A - 半導体装置 - Google Patents

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Hiroki Inoue
広樹 井上
伸太郎 原田
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伸太郎 原田
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Abstract

【課題】消費電力の小さい半導体装置を提供する。【解決手段】メモリセルと、オフセット補正回路と、を有する半導体装置。メモリセルは、第1および第2のデータに対応する電流を生成する機能を有する。オフセット補正回路は、オペアンプと、第1および第2の抵抗素子と、容量素子と、バッファと、を有する。オペアンプの非反転入力端子または反転入力端子の一方は、第1の抵抗素子の一方の端子と電気的に接続され、オペアンプの非反転入力端子または反転入力端子の他方は、第2の抵抗素子を介してオペアンプの出力端子および容量素子の一方の端子と電気的に接続される。また、第1の容量素子の他方の端子は、バッファと電気的に接続される。オペアンプの非反転入力端子および反転入力端子には、上記電流に対応する電位が供給される。バッファは、第1のデータと、第2のデータと、の積に対応する電位の信号を出力する機能を有する。【選択図】図5

Description

本発明の一態様は、半導体装置に関する。
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関するものである。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、液晶表示装置、発光装置、照明装置、蓄電装置、記憶装置、それらの駆動方法、または、それらの製造方法、を一例として挙げることができる。
また、本明細書等において、半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。トランジスタ、半導体回路、演算装置、記憶装置等は半導体装置の一態様である。また、表示装置、撮像装置、電気光学装置、発電装置(薄膜太陽電池、有機薄膜太陽電池等を含む)、および電子機器は半導体装置を有している場合がある。
近年、人工ニューラルネットワーク(以下、ニューラルネットワークと呼ぶ)等の機械学習技術の開発が盛んに行われ、主に画像認識の分野で成功例が報告されている。
特許文献1には、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)等のプロセッサを用いてニューラルネットワークによる機械学習を行い、手書き文字の認識を行う例が開示されている。
また、近年、チャネル形成領域に酸化物半導体または金属酸化物を用いたトランジスタ(Oxide Semiconductorトランジスタ、以下、OSトランジスタと呼ぶ)が注目されている。OSトランジスタはオフ電流が極めて小さい。そのことを利用して、OSトランジスタを用いたアプリケーションが提案されている。例えば、特許文献2では、ニューラルネットワークの学習に、OSトランジスタを用いた例が開示されている。
特開2005‐182785号公報 特開2016‐219011号公報
ニューラルネットワークによる機械学習は、膨大な計算量を必要とする。そのため、CPUやGPU等のデジタル回路を用いて、ニューラルネットワークを構築する場合、必要となるトランジスタ数が膨大になり、非効率的で消費電力が高い。
本発明の一態様は、消費電力の小さい半導体装置を提供することを課題の1つとする。または、本発明の一態様は、小型の半導体装置を提供することを課題の1つとする。または、本発明の一態様は、信頼性の高い半導体装置を提供することを課題の1つとする。または、本発明の一態様は、新規な半導体装置を提供することを課題の1つとする。
なお、本発明の一態様は、必ずしも上記の課題の全てを解決する必要はなく、少なくとも一の課題を解決できるものであればよい。また、上記の課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。これら以外の課題は、明細書、特許請求の範囲、図面等の記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、特許請求の範囲、図面等の記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
本発明の一態様は、メモリセルと、参照用メモリセルと、オフセット補正回路と、を有する半導体装置であって、メモリセルは、第1のデータと、第2のデータと、に対応する第1の電流を生成する機能を有し、参照用メモリセルは、参照データに対応する参照電流を生成する機能を有し、オフセット補正回路は、オペアンプと、第1の抵抗素子と、第2の抵抗素子と、第1の容量素子と、バッファと、を有し、オペアンプの非反転入力端子または反転入力端子の一方は、第1の抵抗素子の一方の端子と電気的に接続され、オペアンプの非反転入力端子または反転入力端子の他方は、第2の抵抗素子の一方の端子と電気的に接続され、オペアンプの出力端子は、第2の抵抗素子の他方の端子、および第1の容量素子の一方の端子と電気的に接続され、第1の容量素子の他方の端子は、バッファと電気的に接続され、第1の抵抗素子の他方の端子には、第1の電位が供給され、オペアンプの非反転入力端子および反転入力端子には、参照電流と第1の抵抗の抵抗値との積と、第1の電位と、の和に対応する電位が供給され、オペアンプの出力端子の電位は、オペアンプの非反転入力端子または反転入力端子の他方に供給される電位と、第1の電流と第2の抵抗の抵抗値との積と、の差に対応する電位となり、バッファは、第1のデータと、第2のデータと、の積に対応する電位の信号を出力する機能を有する半導体装置である。
または、上記態様において、半導体装置は、第1のカレントミラー回路と、第2のカレントミラー回路と、第1の配線と、第2の配線と、第3の配線と、第4の配線と、を有し、第1の配線は、メモリセル、および第1のカレントミラー回路と電気的に接続され、第2の配線は、オペアンプの非反転入力端子または反転入力端子の他方、および第1のカレントミラー回路と電気的に接続され、第3の配線は、参照用メモリセル、および第2のカレントミラー回路と電気的に接続され、第4の配線は、オペアンプの非反転入力端子または反転入力端子の一方、および第2のカレントミラー回路と電気的に接続され、第1の配線には、第1の電流が流れ、第1のカレントミラー回路は、第1の電流に対応する電流を、第2の配線に供給する機能を有し、第3の配線には、参照電流が流れ、第2のカレントミラー回路は、参照電流に対応する電流を、第4の配線に供給する機能を有してもよい。
または、上記態様において、第1のカレントミラー回路は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、を有し、第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第1のトランジスタのゲート、第2のトランジスタのゲート、および第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第3のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第1の配線、第3のトランジスタのゲート、および第4のトランジスタのゲートと電気的に接続され、第4のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第2の配線と電気的に接続され、第2のカレントミラー回路は、第5のトランジスタと、第6のトランジスタと、第7のトランジスタと、第8のトランジスタと、を有し、第5のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第6のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第5のトランジスタのソースまたはドレインのゲートは、第7のトランジスタのソースまたはドレインの一方、第7のトランジスタのゲート、および第8のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第6のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第3の配線と電気的に接続され、第6のトランジスタのゲートは、第4の配線、第8のトランジスタのソースまたはドレインの他方、および第8のトランジスタのゲートと電気的に接続されていてもよい。
または、上記態様において、オフセット補正回路は、第9のトランジスタを有し、第9のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第1の容量素子の他方の端子と電気的に接続され、トランジスタのソースまたはドレインの他方には、第2の電位が供給されてもよい。
または、上記態様において、第9のトランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有していてもよい。
または、上記態様において、バッファは、ボルテージフォロアを含んでいてもよい。
または、上記態様において、第1のデータと、第2のデータと、参照データと、はアナログデータであってもよい。
または、上記態様において、メモリセルは、第10のトランジスタと、第11のトランジスタと、第2の容量素子と、を有し、第10のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第11のトランジスタのゲート、および第2の容量素子の一方の端子と電気的に接続され、第11のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第1の配線と電気的に接続され、第10のトランジスタのソースまたはドレインの他方には、第1のデータが供給され、第2の容量素子の他方の端子には、第2のデータが供給され、参照用メモリセルは、第12のトランジスタと、第13のトランジスタと、第3の容量素子と、を有し、第12のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第13のトランジスタのゲート、および第3の容量素子の一方の端子と電気的に接続され、第13のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第3の配線と電気的に接続され、第12のソースまたはドレインの他方には、参照データが供給されてもよい。
または、上記態様において、第10のトランジスタおよび第12のトランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有してもよい。
または、本発明の一態様は、第1のメモリセルと、第2のメモリセルと、第1の参照用メモリセルと、第2の参照用メモリセルと、オフセット補正回路と、を有する半導体装置であって、第1のメモリセルは、第1のデータと、第2のデータと、に対応する第1の電流を生成する機能を有し、第2のメモリセルは、第1のデータと、第3のデータと、に対応する第2の電流を生成する機能を有し、第1の参照用メモリセルは、参照データと、第2のデータと、に対応する第1の参照電流を生成する機能を有し、第2の参照用メモリセルは、参照データと、第3のデータと、に対応する第2の参照電流を生成する機能を有し、オフセット回路は、オペアンプと、第1の抵抗素子と、第2の抵抗素子と、第1の容量素子と、バッファと、を有し、オペアンプの非反転入力端子または反転入力端子の一方は、第1の抵抗素子の一方の端子と電気的に接続され、オペアンプの非反転入力端子または反転入力端子の他方は、第2の抵抗素子の一方の端子と電気的に接続され、オペアンプの出力端子は、第2の抵抗素子の他方の端子、および第1の容量素子の一方の端子と電気的に接続され、第1の容量素子の他方の端子は、バッファと電気的に接続され、第1の抵抗素子の他方の端子には、第1の電位が供給され、オペアンプの非反転入力端子および反転入力端子には、第3の参照電流と第1の抵抗の抵抗値との積と、第1の電位と、の和に対応する電位が供給され、第3の参照電流は、第1の参照電流と第2の参照電流との和に対応し、オペアンプの出力端子の電位は、オペアンプの非反転入力端子または反転入力端子の他方に供給される電位と、第3の電流と第2の抵抗の抵抗値との積と、の差に対応する電位となり、第3の電流は、第1の電流と第2の電流との和に対応し、バッファは、第1のデータと第2のデータとの積と、第1のデータと第3のデータとの積と、の和に対応する電位の信号を出力する機能を有する半導体装置である。
または、上記態様において、半導体装置は、第1のカレントミラー回路と、第2のカレントミラー回路と、第1の配線と、第2の配線と、第3の配線と、第4の配線と、を有し、第1の配線は、第1のメモリセル、第2のメモリセル、および第1のカレントミラー回路と電気的に接続され、第2の配線は、オペアンプの非反転入力端子または反転入力端子の他方、および第1のカレントミラー回路と電気的に接続され、第3の配線は、第1の参照用メモリセル、第2の参照用メモリセル、および第2のカレントミラー回路と電気的に接続され、第4の配線は、オペアンプの非反転入力端子または反転入力端子の一方、および第2のカレントミラー回路と電気的に接続され、第1の配線には、第3の電流が流れ、第1のカレントミラー回路は、第3の電流に対応する電流を、第2の配線に供給する機能を有し、第3の配線には、第3の参照電流が流れ、第2のカレントミラー回路は、第3の参照電流に対応する電流を、第4の配線に供給する機能を有してもよい。
または、上記態様において、第1のカレントミラー回路は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、を有し、第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第1のトランジスタのゲート、第2のトランジスタのゲート、および第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第3のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第1の配線、第3のトランジスタのゲート、および第4のトランジスタのゲートと電気的に接続され、第4のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第2の配線と電気的に接続され、第2のカレントミラー回路は、第5のトランジスタと、第6のトランジスタと、第7のトランジスタと、第8のトランジスタと、を有し、第5のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第6のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第5のトランジスタのソースまたはドレインのゲートは、第7のトランジスタのソースまたはドレインの一方、第7のトランジスタのゲート、および第8のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第6のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第3の配線と電気的に接続され、第6のトランジスタのゲートは、第4の配線、第8のトランジスタのソースまたはドレインの他方、および第8のトランジスタのゲートと電気的に接続されていてもよい。
または、上記態様において、オフセット補正回路は、第9のトランジスタを有し、第9のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第1の容量素子の他方の端子と電気的に接続され、トランジスタのソースまたはドレインの他方には、第2の電位が供給されてもよい。
または、上記態様において、第9のトランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有していてもよい。
または、上記態様において、バッファは、ボルテージフォロアを含んでいてもよい。
または、上記態様において、第1乃至第3のデータと、参照データと、はアナログデータであってもよい。
または、上記態様において、第1のメモリセルは、第10のトランジスタと、第11のトランジスタと、第2の容量素子と、を有し、第2のメモリセルは、第12のトランジスタと、第13のトランジスタと、第3の容量素子と、を有し、第1の参照用メモリセルは、第14のトランジスタと、第15のトランジスタと、第4の容量素子と、を有し、第2の参照用メモリセルは、第16のトランジスタと、第17のトランジスタと、第5の容量素子と、を有し、第10のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第11のトランジスタのゲート、および第2の容量素子の一方の端子と電気的に接続され、第12のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第13のトランジスタのゲート、および第3の容量素子の一方の端子と電気的に接続され、第11のトランジスタのソースまたはドレインの一方、および第13のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第1の配線と電気的に接続され、第14のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第15のトランジスタのゲート、および第4の容量素子の一方の端子と電気的に接続され、第16のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第17のトランジスタのゲート、および第5の容量素子の一方の端子と電気的に接続され、第15のトランジスタのソースまたはドレインの一方、および第17のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第3の配線と電気的に接続され、第10のトランジスタのソースまたはドレインの他方、および第12のトランジスタのソースまたはドレインの他方には、第1のデータが供給され、第14のトランジスタのソースまたはドレインの他方、および第16のトランジスタのソースまたはドレインの他方には、参照データが供給され、第2の容量素子の他方の端子、および第4の容量素子の他方の端子には、第2のデータが供給され、第3の容量素子の他方の端子、および第5の容量素子の他方の端子には、第3のデータが供給されてもよい。
または、上記態様において、第10のトランジスタ、第12のトランジスタ、第14のトランジスタ、および第16のトランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有していてもよい。
本発明の一態様により、消費電力の小さい半導体装置を提供することができる。または、本発明の一態様により、小型の半導体装置を提供することができる。または、本発明の一態様により、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。または、本発明の一態様により、新規な半導体装置を提供することができる。
なお、これらの効果の記載は、他の効果の存在を妨げるものではない。また、本発明の一態様は、必ずしも、これらの効果の全てを有する必要はない。これら以外の効果は、明細書、特許請求の範囲、図面等の記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、特許請求の範囲、図面等の記載から、これら以外の効果を抽出することが可能である。
半導体装置の構成例を示すブロック図。 半導体装置の構成例を示す回路図。 半導体装置の構成例を示す回路図。 半導体装置の構成例を示す回路図。 半導体装置の構成例を示す回路図。 半導体装置の構成例を示す回路図。 半導体装置の動作方法の一例を示すタイミングチャート。 ニューラルネットワークの構成例を示す図。 半導体装置の構成例を示す図。 半導体装置の構成例を示す図。 半導体装置の構成例を示す図。 半導体装置の構成例を示す図。 半導体装置の構成例を示す図。 撮像装置の構成例を示す回路図。 撮像装置の構成例を示すブロック図。 撮像装置の動作方法の一例を示すタイミングチャート。 撮像装置の構成例を示す図。 撮像装置の構成例を示す図。 撮像装置の構成例を示す図。 撮像装置の構成例を示す図。 撮像装置を収めたパッケージ、モジュールの斜視図。 電子機器の構成例を示す図。 電子機器の構成例を示す図。 実施例に係る半導体装置の構成を示すブロック図。 実施例に係る半導体装置の構成を示す回路図。 実施例に係る半導体装置の構成を示す回路図。 実施例に係る半導体装置の構成を示す回路図。 実施例に係る半導体装置の動作方法を示すタイミングチャート。 シミュレーション結果。 シミュレーション結果。 シミュレーション結果。
以下では、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。ただし、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは、当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は、以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。
図面において、大きさ、層の厚さ、または領域は、明瞭化のために誇張されている場合がある。よって、必ずしもそのスケールに限定されない。なお図面は、理想的な例を模式的に示したものであり、図面に示す形状または値等に限定されない。例えば、ノイズによる信号、電圧、若しくは電流のばらつき、または、タイミングのずれによる信号、電圧、若しくは電流のばらつき等を含むことが可能である。
本明細書において、「上に」、「下に」等の配置を示す語句は、構成同士の位置関係を、図面を参照して説明するために、便宜上用いている場合がある。また、構成同士の位置関係は、各構成を描写する方向に応じて適宜変化するものである。したがって、明細書で説明した語句に限定されず、状況に応じて適切に言い換えることができる。
図面に記載したブロック図の各回路ブロックの配置は、説明のため位置関係を特定するものであり、異なる回路ブロックで別々の機能を実現するよう示していても、実際の回路ブロックにおいては同じ回路ブロック内で別々の機能を実現しうるように設けられている場合もある。また各回路ブロックの機能は、説明のため機能を特定するものであり、一つの回路ブロックとして示していても、実際の回路ブロックにおいては一つの回路ブロックで行う処理を、複数の回路ブロックで行うよう設けられている場合もある。
本明細書等において、半導体装置とは、半導体特性を利用した装置であり、半導体素子(トランジスタ、ダイオード等)を含む回路、同回路を有する装置等をいう。また、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般をいう。例えば、集積回路、集積回路を備えたチップは、半導体装置の一例である。また、記憶装置、表示装置、発光装置、照明装置および電子機器等は、それ自体が半導体装置である場合があり、または半導体装置を有している場合がある。
また、本明細書等において、XとYとが接続されている、と明示的に記載されている場合は、XとYとが電気的に接続されている場合と、XとYとが機能的に接続されている場合と、XとYとが直接接続されている場合とが、本明細書等に開示されているものとする。したがって、所定の接続関係、例えば、図または文章に示された接続関係に限定されず、図または文章に示された接続関係以外のものも、図または文章に記載されているものとする。X、Yは、対象物(例えば、装置、素子、回路、配線、電極、端子、導電膜、層、等)であるとする。
トランジスタは、ゲート、ソース、およびドレインと呼ばれる3つの端子を有する。ゲートは、トランジスタの導通状態を制御する制御ノードとして機能するノードである。ソースまたはドレインとして機能する2つの入出力ノードは、トランジスタの型および各端子に与えられる電位の高低によって、一方がソースとなり他方がドレインとなる。このため、本明細書等においては、ソースやドレインの用語は、入れ替えて用いることができるものとする。また、本明細書等では、ゲート以外の2つの端子を第1端子、第2端子と呼ぶ場合がある。
ノードは、回路構成やデバイス構造等に応じて、端子、配線、電極、導電層、導電体、不純物領域等と言い換えることが可能である。また、端子、配線等をノードと言い換えることが可能である。
電圧は、ある電位と、基準の電位(例えば接地電位(GND)またはソース電位)との電位差のことを示す場合が多い。よって、電圧を電位と言い換えることが可能である。なお、電位とは、相対的なものである。よって、接地電位と記載されていても、必ずしも、0Vを意味しない場合もある。
本明細書等において、「膜」という言葉と「層」という言葉とは、場合によっては、または、状況に応じて、互いに入れ替えることが可能である。例えば、「導電層」という用語を「導電膜」という用語に変更することが可能な場合がある。例えば、「絶縁膜」という用語を、「絶縁層」という用語に変更することが可能な場合がある。
本明細書等において、“第1”、“第2”、“第3”という序数詞は構成要素の混同を避けるために付す場合があり、その場合は数的に限定するものではなく、また順序を限定するものでもない。
本明細書等において、金属酸化物(metal oxide)とは、広い表現での金属の酸化物である。金属酸化物は、酸化物絶縁体、酸化物導電体(透明酸化物導電体を含む)、酸化物半導体(Oxide Semiconductorまたは単にOSともいう)等に分類される。例えば、トランジスタの半導体層に金属酸化物を用いた場合、当該金属酸化物を酸化物半導体と呼称する場合がある。つまり、金属酸化物が増幅作用、整流作用、およびスイッチング作用の少なくとも1つを有する場合、当該金属酸化物を、金属酸化物半導体(metal oxide semiconductor)、略してOSと呼ぶことができる。また、OS FETと記載する場合においては、金属酸化物または酸化物半導体を有するトランジスタと換言することができる。
また、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
また、本明細書等において、CAAC(c−axis aligned crystal)、およびCAC(Cloud−Aligned Composite)と記載する場合がある。なお、CAACは結晶構造の一例を表し、CACは機能、または材料の構成の一例を表す。
また、本明細書等において、CAC−OSまたはCAC−metal oxideとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。なお、CAC−OSまたはCAC−metal oxideを、トランジスタの半導体層に用いる場合、導電性の機能は、キャリアとなる電子(またはホール)を流す機能であり、絶縁性の機能は、キャリアとなる電子を流さない機能である。導電性の機能と、絶縁性の機能とを、それぞれ相補的に作用させることで、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC−OSまたはCAC−metal oxideに付与することができる。CAC−OSまたはCAC−metal oxideにおいて、それぞれの機能を分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。
また、本明細書等において、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、導電性領域、および絶縁性領域を有する。導電性領域は、上述の導電性の機能を有し、絶縁性領域は、上述の絶縁性の機能を有する。また、材料中において、導電性領域と、絶縁性領域とは、ナノ粒子レベルで分離している場合がある。また、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ材料中に偏在する場合がある。また、導電性領域は、周辺がぼけてクラウド状に連結して観察される場合がある。
また、CAC−OSまたはCAC−metal oxideにおいて、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ0.5nm以上10nm以下、好ましくは0.5nm以上3nm以下のサイズで材料中に分散している場合がある。
また、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、異なるバンドギャップを有する成分により構成される。例えば、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、絶縁性領域に起因するワイドギャップを有する成分と、導電性領域に起因するナローギャップを有する成分と、により構成される。当該構成の場合、キャリアを流す際に、ナローギャップを有する成分において、主にキャリアが流れる。また、ナローギャップを有する成分が、ワイドギャップを有する成分に相補的に作用し、ナローギャップを有する成分に連動してワイドギャップを有する成分にもキャリアが流れる。このため、上記CAC−OSまたはCAC−metal oxideをトランジスタのチャネル領域に用いる場合、トランジスタのオン状態において高い電流駆動力、つまり大きなオン電流、および高い電界効果移動度を得ることができる。
すなわち、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、マトリックス複合材(matrix composite)、または金属マトリックス複合材(metal matrix composite)と呼称することもできる。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様の半導体装置について説明する。本発明の一態様は、積和演算を行う機能を有する半導体装置に関する。特に、当該半導体装置が有するオフセット補正回路に関する。
<半導体装置の構成例>
図1に、本発明の一態様の半導体装置である半導体装置10の構成例を示す。半導体装置10は、第1のデータと第2のデータとを用いた積和演算を行う機能を有する。なお、第1のデータおよび第2のデータはそれぞれ、アナログデータまたは多値のデジタルデータ(離散的なデータ)とすることができる。
半導体装置10は、セルアレイCA、電流源回路CS、およびオフセット補正回路OFSTを有する。
[セルアレイ]
セルアレイCAは、複数のメモリセルMCおよび複数の参照用メモリセルMCrefを有する。図1には、セルアレイCAがm行n列(m,nは1以上の整数)のメモリセルMC(MC[1,1]乃至MC[m,n])と、m個の参照用メモリセルMCref(MCref[1]乃至MCref[m])を有する構成例を示している。メモリセルMCは、第1のデータを格納する機能を有する。また、参照用メモリセルMCrefは、積和演算に用いられる参照データを格納する機能を有する。なお、参照データは、第1のデータおよび第2のデータと同様に、アナログデータまたは多値のデジタルデータとすることができる。
メモリセルMC[i,j](iは1以上m以下の整数、jは1以上n以下の整数)は、配線WL[i]、配線RW[i]、配線WD[j]、および配線B[j]と電気的に接続されている。また、参照用メモリセルMCref[i]は、配線WL[i]、配線RW[i]、配線WDref、および配線Brefと電気的に接続されている。ここで、メモリセルMC[i,j]と配線B[j]との間を流れる電流をIMC[i,j]と表記し、参照用メモリセルMCref[i]と配線Brefとの間を流れる電流をIMCref[i]と表記する。
メモリセルMCおよび参照用メモリセルMCrefの具体的な構成例を、図2に示す。図2には代表例としてメモリセルMC[i,j]、メモリセルMC[i+1,j]、メモリセルMC[i,j+1]、メモリセルMC[i+1,j+1]、参照用メモリセルMCref[i]、および参照用メモリセルMCref[i+1]を示しているが、他のメモリセルMCおよび参照用メモリセルMCrefにも同様の構成を用いることができる。メモリセルMCおよび参照用メモリセルMCrefはそれぞれ、トランジスタTr1、トランジスタTr2、および容量素子C1を有する。ここでは、トランジスタTr1およびトランジスタTr2がnチャネル型のトランジスタである場合について説明する。
メモリセルMCにおいて、トランジスタTr1のゲートは配線WLと電気的に接続されている。トランジスタTr1のソースまたはドレインの一方はトランジスタTr2のゲート、および容量素子C1の一方の端子と電気的に接続されている。トランジスタTr1のソースまたはドレインの他方は配線WDと電気的に接続されている。
トランジスタTr2のソースまたはドレインの一方は配線Bと電気的に接続されている。トランジスタTr2のソースまたはドレインの他方は配線VRと電気的に接続されている。容量素子C1の他方の端子は、配線RWと電気的に接続されている。
ここで、配線VRは、所定の電位を供給する機能を有する。例えば、配線VRから低電源電位(接地電位等)を供給することができる。
トランジスタTr1のソースまたはドレインの一方、トランジスタTr2のゲート、および容量素子C1の一方の端子と電気的に接続されたノードを、ノードNとする。また、メモリセルMC[i,j]、メモリセルMC[i+1,j]、メモリセルMC[i,j+1]、およびメモリセルMC[i+1,j+1]のノードNを、それぞれノードN[i,j]、ノードN[i+1,j]、ノードN[i,j+1]、およびノードN[i+1,j+1]と表記する。
参照用メモリセルMCrefも、メモリセルMCと同様の構成を有する。ただし、参照用メモリセルMCrefは配線WDの代わりに配線WDrefと電気的に接続され、配線Bの代わりに配線Brefと電気的に接続されている。また、参照用メモリセルMCref[i]および参照用メモリセルMCref[i+1]において、トランジスタTr1のソースまたはドレインの一方、トランジスタTr2のゲート、および容量素子C1の一方の端子と電気的に接続されたノードを、それぞれノードNref[i]およびノードNref[i+1]と表記する。
第1のデータは、配線WDを介してメモリセルMCに格納することができる。メモリセルMCに第1のデータを格納した場合、ノードNの電位は、第1のデータに対応する電位に保持される。また、参照データは、配線WDrefを介して参照用メモリセルMCrefに格納することができる。参照用メモリセルMCrefに参照データを格納した場合、ノードNrefの電位は、参照データに対応する電位に保持される。
第2のデータは、配線RWを介してメモリセルMCおよび参照用メモリセルMCrefに入力することができる。メモリセルMCに第1のデータを格納した後、当該メモリセルに第2のデータを入力することにより、ノードNは第1のデータと、第2のデータと、に対応する電位となる。また、参照用メモリセルMCrefに参照データを格納した後、当該参照用メモリセルに第2のデータを入力することにより、ノードNrefは参照データと、第2のデータと、に対応する電位となる。
メモリセルMC[i,j]が有するトランジスタTr2には、配線B[j]から電流IMC[i,j]が流れる。メモリセルMC[i+1,j]が有するトランジスタTr2には、配線B[j]から電流IMC[i+1,j]が流れる。メモリセルMC[i,j+1]が有するトランジスタTr2には、配線B[j+1]から電流IMC[i,j+1]が流れる。メモリセルMC[i+1,j+1]が有するトランジスタTr2には、配線B[j+1]から電流IMC[i+1,j+1]が流れる。参照用メモリセルMCref[i]が有するトランジスタTr2には、配線Brefから電流IMCref[i]が流れる。参照用メモリセルMCref[i+1]が有するトランジスタTr2には、配線Brefから電流IMCref[i+1]が流れる。
トランジスタTr1は、ノードNまたはノードNrefの電位を保持する機能を有するため、トランジスタTr1のオフ電流は小さいことが好ましい。オフ電流が小さいトランジスタとして、例えばOSトランジスタを用いることができる。
酸化物半導体のバンドギャップは3.0eV以上であるため、OSトランジスタは熱励起によるリーク電流が小さく、またオフ電流が極めて小さい。なお、オフ電流とは、トランジスタがオフ状態のときにソースとドレインとの間に流れる電流をいう。トランジスタのチャネル形成領域に用いられる酸化物半導体は、インジウム(In)および亜鉛(Zn)の少なくとも一方を含む酸化物半導体であることが好ましい。このような酸化物半導体としては、In−M−Zn酸化物(元素Mは、例えばAl、Ga、YまたはSn)が代表的である。電子供与体(ドナー)となる水分、水素等の不純物を低減し、かつ酸素欠損も低減することで、酸化物半導体をi型(真性)、または実質的にi型にすることができる。このような酸化物半導体は、高純度化された酸化物半導体と呼ぶことができる。
OSトランジスタはオフ電流が極めて小さいため、メモリセルMCおよび参照用メモリセルMCrefに用いるトランジスタとして好適である。OSトランジスタは例えば、チャネル幅1μmあたりのオフ電流を、100zA/μm以下、または10zA/μm以下、または1zA/μm以下、または10yA/μm以下とすることができる。OSトランジスタをメモリセルMCおよび参照用メモリセルMCrefに用いることにより、ノードNおよびノードNrefの電位の変動を抑えることができるため、積和演算の精度を向上させ、半導体装置10の信頼性を向上させることができる。また、ノードNおよびノードNrefの電位をリフレッシュする動作の頻度を低く抑えることができるため、半導体装置10の消費電力を低減することができる。
トランジスタTr2は特に限定されず、OSトランジスタの他、チャネル形成領域にシリコン(単結晶シリコン等)を含むトランジスタ(以下、Siトランジスタともいう)等を用いることができる。また、トランジスタTr2はnチャネル型であってもpチャネル型であってもよい。トランジスタTr1およびトランジスタTr2の両方にnチャネル型のOSトランジスタを用いる場合、メモリセルMCおよび参照用メモリセルMCrefを単極性回路によって構成することができる。
なお、トランジスタTr1および/またはトランジスタTr2は一対のゲートを有する構成とすることができる。トランジスタが一対のゲートを有する場合、一方のゲートをフロントゲート、または単にゲートと呼ぶことがあり、他方のゲートをバックゲートと呼ぶことがある。
トランジスタTr1および/またはトランジスタTr2が一対のゲートを有する場合、例えばバックゲートに所定の電位を供給することにより、トランジスタの閾値電圧を制御することができる。例えば、トランジスタのバックゲートに正電位を供給することにより、オン電流を大きくすることができる。または、トランジスタのバックゲートに負電位を供給することにより、オフ電流を小さくすることができる。また、トランジスタのバックゲートは、当該トランジスタのフロントゲートと電気的に接続されていてもよい。
[電流源回路]
電流源回路CSは、カレントミラー回路CM[1]乃至カレントミラー回路CM[n]、およびカレントミラー回路CMrefを有する。カレントミラー回路CM[j]は、配線B[j]を介してメモリセル[1,j]乃至メモリセル[m,j]と電気的に接続されており、配線BO[j]を介してオフセット回路OFSTと電気的に接続されている。カレントミラー回路CMrefは、配線Brefを介して参照用メモリセルMCref[1]乃至参照用メモリセルMCref「m」と電気的に接続されており、配線BOref[1]乃至配線BOref[n]を介してオフセット補正回路OFSTと電気的に接続されている。ここで、配線B[j]を流れる電流を電流I[j]と表記し、配線Brefを流れる電流を参照電流IBrefと表記する。
カレントミラー回路CM[j]は、配線B[j]を流れる電流I[j]を、配線BO[j]にも流す機能を有する。つまり、配線B[j]を流れる電流I[j]を、配線BO[j]にコピーする機能を有する。また、カレントミラー回路CMrefは、配線Brefを流れる参照電流IBrefを、配線BOref[1]乃至配線BOref[n]にも流す機能を有する。つまり、配線Brefを流れる参照電流IBrefを、配線BOref[1]乃至配線BOref[n]にコピーする機能を有する。
電流源回路CSの具体的な構成例を、図3に示す。図3には代表例としてカレントミラー回路CM[j]、カレントミラー回路CM[j+1]、およびカレントミラー回路CMrefを示しているが、他のカレントミラー回路CMにも同様の構成を用いることができる。
カレントミラー回路CMは、トランジスタTr11、トランジスタTr12、トランジスタTr13、およびトランジスタTr14を有する。カレントミラー回路CMrefは、トランジスタTr21、トランジスタTr22、トランジスタTr23、およびトランジスタTr24を有する。ここでは、トランジスタTr11乃至トランジスタTr14、およびトランジスタTr21乃至トランジスタTr24がすべてpチャネル型のトランジスタである場合について説明する。
カレントミラー回路CMにおいて、トランジスタTr11のソースまたはドレインの一方は、トランジスタTr11のゲート、トランジスタTr12のゲート、およびトランジスタTr13のソースまたはドレインの一方と電気的に接続されている。トランジスタTr11のソースまたはドレインの他方は、所定の電位、例えば高電源電位を供給する機能を有する配線と電気的に接続されている。トランジスタTr12のソースまたはドレインの一方は、トランジスタTr14のソースまたはドレインの一方と電気的に接続されている。トランジスタTr12のソースまたはドレインの他方は、所定の電位、例えば高電源電位を供給する機能を有する配線と電気的に接続されている。
トランジスタTr13のソースまたはドレインの他方は、配線B、トランジスタTr13のゲート、およびトランジスタTr14のゲートと電気的に接続されている。トランジスタ14のソースまたはドレインの他方は、配線BOと電気的に接続されている。ここで、カレントミラー回路CM[j]が有するトランジスタTr13のソースまたはドレインの他方には、配線B[j]が電気的に接続されており、カレントミラー回路CM[j]が有するトランジスタTr14のソースまたはドレインの他方には、配線BO[j]が電気的に接続されている。また、カレントミラー回路CM[j+1]が有するトランジスタTr13のソースまたはドレインの他方には、配線B[j+1]が電気的に接続されており、カレントミラー回路CM[j+1]が有するトランジスタTr14のソースまたはドレインの他方には、配線BO[j+1]が電気的に接続されている。
カレントミラー回路CMrefにおいて、トランジスタTr21のソースまたはドレインの一方は、トランジスタTr22のソースまたはドレインの一方と電気的に接続されている。トランジスタTr21のソースまたはドレインの他方は、所定の電位、例えば高電源電位を供給する機能を有する配線と電気的に接続されている。トランジスタTr21のゲートは、トランジスタTr23のソースまたはドレインの一方、トランジスタTr23のゲート、およびトランジスタTr24のソースまたはドレインの一方と電気的に接続されている。
トランジスタTr22のソースまたはドレインの他方は、配線BOrefと電気的に接続されている。トランジスタTr22のゲートは、配線Bref、トランジスタTr24のソースまたはドレインの他方、およびトランジスタTr24のゲートと電気的に接続されている。
また、図3には、カレントミラー回路CMrefがトランジスタTr21としてトランジスタTr21[j]およびトランジスタTr21[j+1]を有し、トランジスタTr22としてトランジスタTr22[j]およびトランジスタTr22[j+1]を有する場合を示している。図3に示すように、トランジスタTr21[j]のソースまたはドレインの一方にはトランジスタTr22[j]のソースまたはドレインの一方が電気的に接続され、トランジスタTr22[j]のソースまたはドレインの他方には配線BOref[j]が電気的に接続されている。また、トランジスタTr21[j+1]のソースまたはドレインの一方にはトランジスタTr22[j+1]のソースまたはドレインの一方が電気的に接続され、トランジスタTr22[j+1]のソースまたはドレインの他方には配線BOref[j+1]が電気的に接続されている。なお、カレントミラー回路CMrefは、実際にはトランジスタTr21としてトランジスタTr21[1]乃至トランジスタTr21[n]を有し、トランジスタTr22としてトランジスタTr22[1]乃至トランジスタTr22[n]を有する。
トランジスタTr11乃至トランジスタTr14、およびトランジスタTr21乃至トランジスタTr24は特に限定されない。例えば、Siトランジスタを用いることができる。なお、トランジスタTr11乃至トランジスタTr14、およびトランジスタTr21乃至トランジスタTr24は、pチャネル型であってもnチャネル型であってもよい。トランジスタTr11乃至トランジスタTr14、およびトランジスタTr21乃至トランジスタTr24がnチャネル型である場合、OSトランジスタを用いてもよい。
ここで、カレントミラー回路CMは、トランジスタTr11およびトランジスタTr13によりカスコード回路を構成し、トランジスタTr12およびトランジスタTr14によりカスコード回路を構成している。また、カレントミラー回路CMrefは、トランジスタTr21およびトランジスタTr22によりカスコード回路を構成し、トランジスタTr23およびトランジスタTr24によりカスコード回路を構成している。つまり、カレントミラー回路CMおよびカレントミラー回路CMrefは、カスコードカレントミラーであるということができる。
カレントミラー回路CMをカスコードカレントミラーとすることにより、電流Iのコピー精度を向上させることができる。また、カレントミラー回路CMrefをカスコードカレントミラーとすることにより、電流IBREFのコピー精度を向上させることができる。
電流源回路CSの、図3とは異なる構成例を図4に示す。図4に示す構成の電流源回路CSは、トランジスタTr13、トランジスタTr14、トランジスタTr22、およびトランジスタTr24が設けられていない点で、図3に示す構成の電流源回路CSと異なる。図4に示す構成の電流源回路CSにおいても、配線B[j]を流れる電流I[j]を配線BO[j]にコピーすることができ、配線B[j+1]を流れる電流I[j+1]を配線BO[j+1]にコピーすることができる。また、配線Brefを流れる電流IBREFを、配線BOref[j]および配線BOref[j+1]にコピーすることができる。電流源回路CSを図4に示す構成とすることにより、半導体装置10が有するトランジスタの数を減少させることができる。これにより、半導体装置10の面積を縮小することができる。
[オフセット補正回路]
オフセット補正回路OFSTは、回路OC[1]乃至回路OC[n]を有する。回路OC[j]は、配線BO[j]を介してカレントミラー回路CM[j]と電気的に接続され、配線BOref[j]を介してカレントミラー回路CMrefと電気的に接続されている。また、回路OC[j]は、配線OUT[j]と電気的に接続されている。
オフセット補正回路OFSTは、電流Iおよび参照電流IBrefを基にして、第1のデータと、第2のデータと、の積に対応する電位を出力する機能を有する。具体的には、回路OC[j]が、電流IBREFを用いて電流I[j]に対してオフセット補正を行うことにより、メモリセルMC[1,j]乃至メモリセルMC[m,j]のそれぞれに保持された第1のデータと、メモリセルMC[1,j]乃至メモリセルMC[m,j]のそれぞれに入力された第2のデータと、の積に対応する電位を出力する。これにより、積和演算を行うことができる。なお、オフセット補正については後述する。
オフセット回路OFSTの構成例を図5に示す。図5では回路OC[j]の構成例および回路OC[j+1]の構成例を示しているが、その他の回路OCについても回路OC[j]および回路OC[j+1]と同様の構成とすることができる。
回路OCは、オペアンプAMP1、抵抗素子R1、抵抗素子R2、トランジスタTr31、およびバッファBUFを有する。オペアンプAMP1の非反転入力端子または反転入力端子の一方は、配線BOref、および抵抗素子R1の一方の端子と電気的に接続されている。オペアンプAMP1の非反転入力端子または反転入力端子の他方は、配線BO、および抵抗素子R2の一方の端子と電気的に接続されている。オペアンプAMP1の出力端子は、抵抗素子R2の他方の端子、および容量素子C2の一方の端子と電気的に接続されている。なお、図5では、オペアンプAMP1の非反転入力端子が、配線BOref、および抵抗素子R1の一方の端子と電気的に接続され、オペアンプAMP1反転入力端子が、配線BO、および抵抗素子R2の一方の端子と電気的に接続されている場合を示している。
容量素子C2の他方の端子は、トランジスタTr31のソースまたはドレインの一方、およびバッファBUFと電気的に接続されている。抵抗素子R1の他方の端子は、配線Vref1Lと電気的に接続されている。トランジスタTr31のソースまたはドレインの他方は、配線Vref2Lと電気的に接続されている。トランジスタTr31のゲートは、配線VOCと電気的に接続されている。バッファBUFは、配線OUTと電気的に接続されている。
回路OC[j]において、オペアンプAMP1の出力端子、抵抗素子R2の他方の端子、および容量素子C2の一方の端子が電気的に接続されたノードをノードN1[j]と表記する。回路OC[j]において、容量素子C2の他方の端子、トランジスタTr31のソースまたはドレインの一方、およびバッファBUFが接続されたノードをノードN2[j]と表記する。また、回路OC[j+1]において、オペアンプAMP1の出力端子、抵抗素子R2の他方の端子、および容量素子C2の一方の端子が電気的に接続されたノードをノードN1[j+1]と表記する。回路OC[j+1]において、容量素子C2の他方の端子、トランジスタTr31のソースまたはドレインの一方、およびバッファBUFが接続されたノードをノードN2[j+1]と表記する。
配線Vref1Lは、電位Vref1を供給する機能を有し、配線Vref2Lは、電位Vref2を供給する機能を有する。
容量素子C2は、ノードN1の電位と、ノードN2の電位と、の電位差を保持する機能を有する。これにより、詳細は後述するが、電流IBREFを用いて電流I[j]に対してオフセット補正を行うことができる。なお、容量素子C2に保持された電位を、オフセット電位と呼ぶ場合がある。
また、バッファBUFは、ノードN2と同電位の信号を出力する機能を有する。詳細は後述するが、ノードN2の電位は、第1のデータと、第2のデータと、の積に対応させることができる。以上より、バッファBUFは、第1のデータと、第2のデータと、の積に対応する電位の信号を、配線OUTを介して半導体装置の外部に出力することができる。なお、バッファBUFは、増幅機能を有していてもよい。
バッファBUFの具体的な構成例を図6(A)、(B)に示す。図6(A)に示す構成のバッファBUFは、オペアンプAMP2を有する。オペアンプAMP2の非反転入力端子および入力端子の一方は、ノードN2と電気的に接続されている。また、オペアンプAMP2の非反転入力端子および入力端子の他方は、オペアンプAMP2の出力端子、および配線OUTと電気的に接続されている。つまり、バッファBUFはボルテージフォロアであるということができる。なお、図6(A)に示す構成では、オペアンプAMP2の非反転入力端子が、ノードN2と電気的に接続されている。また、オペアンプAMP2の反転入力端子が、オペアンプAMP2の出力端子と電気的に接続されている。
バッファBUFを図6(A)に示す構成とすることで、バッファアンプの入力端子に供給された電位に対応する電位の信号、つまりノードN2の電位に対応する電位の信号を、配線OUTから高精度で出力することができる。また、配線OUTに電流が流れることを抑制することができる。以上により、半導体装置10の信頼性を高めることができる。
図6(B)に示す構成のバッファBUFは、トランジスタTr41と、電流源CurSと、を有する。トランジスタTr41のゲートは、ノードN2と電気的に接続されている。トランジスタTr41のソースまたはドレインの一方は、電流源CurSの一方の端子、および配線OUTと電気的に接続されている。トランジスタTr41のソースまたはドレインの他方は、所定の電位、例えば高電源電位を供給する機能を有する配線と電気的に接続されている。電流源CurSの他方の端子は、所定の電位、例えば低電源電位を供給する機能を有する配線と電気的に接続されている。
図6(B)に示す構成のバッファBUFは、ソースフォロア回路であるということができる。なお、図6(B)ではトランジスタTr41がnチャネル型トランジスタであるとしているが、pチャネル型トランジスタであってもよい。
バッファBUFを図6(B)に示す構成とすることで、バッファBUFの回路規模の縮小を図りつつ、ノードN2の電位に対応する電位の信号を配線OUTから出力することができる。これにより、半導体装置10を小型化することができる。
<半導体装置の動作例>
図7に、半導体装置10の動作例のタイミングチャートを示す。図7には、図2における配線WL[i]、配線WL[i+1]、配線WD[j]、配線WD[j+1]、配線WDref、ノードN[i,j]、ノードN[i.j+1]、ノードN[i+1,j]、ノードN[i+1,j+1]、ノードNref[i]、ノードNref[i+1]、配線RW[i]、および配線RW[i+1]の電位の推移、ならびに電流I[j]、電流I[j+1]、および参照電流IBrefの値の推移を示している。また、図5における配線VOC、配線OUT[i]、および配線OUT[j+1]の電位の推移を示している。
なお、配線BO[j]には、配線B[j]を流れる電流と同じ値の電流が流れ、配線BO[j+1]には、配線B[j+1]を流れる電流と同じ値の電流が流れるものとする。また、配線BOref[j]および配線BOref[j+1]には、配線Brefを流れる電流と同じ値の電流が流れるものとする。さらに、抵抗素子R1の抵抗値と、抵抗素子R2の抵抗値と、は等しいとする。
なお、ここでは代表例として図2に示すメモリセルMC[i,j]、メモリセルMC[i,j+1]、メモリセルMC[i+1,j]、メモリセルMC[i+1,j+1]、参照用メモリセルMCref[i]、および参照用メモリセルMCref[i+1]、ならびに図5に示す回路OC[j]および回路OC[j+1]に着目して動作を説明するが、他のメモリセルMC、参照用メモリセルMCref、および回路OCも同様に動作させることができる。
[第1のデータの格納]
まず、時刻T01乃至時刻T02において、配線WL[i]を高電位(H)、配線WD[j]の電位を接地電位(GND)よりもVpr−Vw[i,j]大きい電位、配線WD[j+1]の電位を接地電位よりもVpr−Vw[i,j+1]大きい電位、配線WDrefの電位を接地電位よりもVpr大きい電位とする。また、配線RW[i]の電位、および配線RW[i+1]の電位を基準電位(REFP)とする。なお、配線WL[i+1]の電位、および配線VOCの電位は低電位(L)とする。
図7において、電位Vw[i,j]はメモリセルMC[i,j]に格納される第1のデータに対応する電位であり、電位Vw[i,j+1]はメモリセルMC[i,j+1]に格納される第1のデータに対応する電位である。また、電位Vprは参照データに対応する電位である。
配線WL[i]を高電位とすることにより、メモリセルMC[i,j]、メモリセルMC[i,j+1]、および参照用メモリセルMCref[i]が有するトランジスタTr1がオン状態となり、ノードN[i,j]の電位がVpr−Vw[i,j]、ノードN[i,j+1]の電位がVpr−Vw[i,j+1]、ノードNref[i]の電位がVprとなる。
このとき、メモリセルMC[i,j]が有するトランジスタTr2に配線B[j]から流れる電流IMC[i,j]は、次の式で表すことができる。ここで、kはトランジスタTr2のチャネル長、チャネル幅、移動度、およびゲート絶縁膜の容量等で決まる定数である。また、VthはトランジスタTr2のしきい値電圧である。
また、メモリセルMC[i,j+1]が有するトランジスタTr2に配線B[j+1]から流れる電流IMC[i,j+1]は、次の式で表すことができる。
さらに、参照用メモリセルMCref[i]が有するトランジスタTr2に配線Brefから流れる電流IMCref[i]は、次の式で表すことができる。
時刻T02乃至時刻T03において、配線WL[i]を低電位とする。これにより、メモリセルMC[i,j]、メモリセルMC[i,j+1]、および参照用メモリセルMCref[i]が有するトランジスタTr1がオフ状態となり、ノードN[i,j]の電位、ノードN[i,j+1]の電位、およびノードNref[i]の電位が保持される。
なお、前述の通り、トランジスタTr1としてOSトランジスタを用いることが好ましい。これにより、トランジスタTr1のリーク電流を抑えることができ、ノードN[i,j]、ノードN[i,j+1]、およびノードNref[i]の電位を正確に保持することができる。
時刻T03乃至時刻T04において、配線WL[i+1]が高電位(H)、配線WD[j]の電位が接地電位よりもVpr−Vw[i+1,j]大きい電位、配線WD[j+1]の電位が接地電位よりもVpr−Vw[i+1,j+1]大きい電位、配線WDrefの電位が接地電位よりもVpr大きい電位となる。
図7において、電位Vw[i+1,j]はメモリセルMC[i+1,j]に格納される第1のデータに対応する電位であり、電位Vw[i+1,j+1]はメモリセルMC[i+1,j+1]に格納される第1のデータに対応する電位である。また、電位Vprは参照データに対応する電位である。
配線WL[i+1]を高電位とすることにより、メモリセルMC[i+1,j]、メモリセルMC[i+1,j+1]、および参照用メモリセルMCref[i+1]が有するトランジスタTr1がオン状態となり、ノードN[i+1,j]の電位がVpr−Vw[i+1,j]、ノードN[i+1,j+1]の電位がVpr−Vw[i+1,j+1]、ノードNref[i+1]の電位がVprとなる。
このとき、メモリセルMC[i+1,j]が有するトランジスタTr2に配線B[j]から流れる電流IMC[i+1,j]は、次の式で表すことができる。
また、メモリセルMC[i+1,j+1]が有するトランジスタTr2に配線B[j+1]から流れる電流IMC[i+1,j+1]は、次の式で表すことができる。
さらに、参照用メモリセルMCref[i+1]が有するトランジスタTr2に配線Brefから流れる電流IMCref[i+1]は、次の式で表すことができる。
時刻T04乃至時刻T05において、配線WL[i+1]を低電位とする。これにより、メモリセルMC[i+1,j]、メモリセルMC[i+1,j+1]、および参照用メモリセルMCref[i+1]が有するトランジスタTr1がオフ状態となり、ノードN[i+1,j]の電位、ノードN[i+1,j+1]の電位、およびノードNref[i+1]の電位が保持される。
以上の動作により、メモリセルMC[i,j]、メモリセルMC[i,j+1]、メモリセルMC[i+1,j]、およびメモリセルMC[i+1,j+1]に第1のデータが格納される。また、参照用メモリセルMCref[i]および参照用メモリセルMCref[i+1]に参照データが格納される。この状態では、配線B[j]を流れる電流I[j]はIMC[i,j]+IMC[i+1,j]となる。よって、電流I[j]は、式(1)および式(4)より、次の式で表すことができる。
また、配線B[j+1]を流れる電流I[j+1]はIMC[i,j+1]+IMC[i+1,j+1]となる。よって、電流I[j+1]は、式(2)および式(5)より、次の式で表すことができる。
さらに、配線Brefを流れる参照電流IBrefはIMCref[i]+IMCref[i+1]となる。よって、参照電流IBrefは、式(3)および式(6)より、次の式で表すことができる。
[オフセット電位の設定]
時刻T05乃至時刻T06において、配線VOCを高電位とする。これにより、トランジスタTr31がオン状態となり、ノードN2[j]の電位VN2[j]、およびノードN2[j+1]の電位VN2[j+1]がVref2となる。
また、配線BOref[j]および配線BOref[j+1]には、配線Brefに流れる電流と同じ値の電流である参照電流IBrefが流れる。よって、オペアンプAMP1の非反転入力端子の電位Vは、次の式で表すことができる。ここで、Rは、抵抗素子R1および抵抗素子R2の抵抗値である。
オペアンプAMP1の反転入力端子の電位は、電位Vと同一となる。また、配線BO[j]には、配線B[j]に流れる電流と同じ値の電流である電流I[j]が流れる。よって、ノードN1[j]の電位VN1[j]は、式(7)および式(9)より、次の式で表すことができる。
また、配線BO[j+1]には、配線B[j+1]に流れる電流と同じ値の電流である電流I[j+1]が流れる。よって、ノードN1[j+1]の電位VN1[j+1]は、式(8)および式(9)より、次の式で表すことができる。
時刻T06乃至時刻T11において、配線VOCを低電位とする。これにより、トランジスタTr31がオフ状態となり、容量C2の電位が保持される。
ここで、回路OC[j]が有する容量素子C2に保持されたオフセット電位Voffset[j]は、電位VN1[j]と、電位VN2[j]と、の差で表される。また、電位VN1[j]は式(11)で表され、電位VN2[j]はVref2となる。以上より、オフセット電位Voffset[j]は、次の式で表すことができる。
また、回路OC[j+1]が有する容量素子C2に保持されたオフセット電位Voffset[j+1]は、電位VN1[j+1]と、電位VN2[j+1]と、の差で表される。また、電位VN1[j+1]は式(12)で表され、電位VN2[j+1]はVref2となる。以上より、オフセット電位Voffset[j+1]は、次の式で表すことができる。
なお、前述の通り、トランジスタTr31としてOSトランジスタを用いることが好ましい。これにより、トランジスタTr31のリーク電流を抑えることができ、容量素子C2の電位を正確に保持することができる。
[第1のデータと第2のデータとを用いた積和演算]
次に、時刻T11乃至時刻T12において、配線RW[i]の電位を基準電位よりもVx[i]大きい電位とする。これにより、メモリセルMC[i,j]が有する容量素子C1、メモリセルMC[i,j+1]が有する容量素子C1、および参照用メモリセルMCref[i]が有する容量素子C1には電位Vx[i]が供給され、容量結合によりトランジスタTr2のゲート電位が上昇する。なお、電位Vx[i]はメモリセルMC[i,j]、メモリセル[i,j+1]、および参照用メモリセルMCref[i]に供給される第2のデータに対応する電位である。
トランジスタTr2のゲート電位の変化量は、配線RWの電位の変化量に、メモリセルの構成によって決まる容量結合係数を乗じた値となる。容量結合係数は、容量素子C1の容量、トランジスタTr2のゲート容量、および寄生容量等によって算出される。以下では便宜上、配線RWの電位の変化量とトランジスタTr2のゲートの電位の変化量が同じ、すなわち容量結合係数が1であるとして説明する。実際には、容量結合係数を考慮して電位Vxを決定すればよい。
メモリセルMC[i,j]、メモリセルMC[i,j+1]、および参照用メモリセルMCref[i]の容量素子C1に電位Vx[i]が供給されると、ノードN[i,j]、ノードN[i,j+1]、およびノードNref[i]の電位がそれぞれVx[i]上昇する。これにより、電流IMC[i,j]、電流IMC[i,j+1]、および電流IMCref[i]は、それぞれ次の式で表すことができる。
また、電流IMC[i+1,j]、電流IMC[i+1,j+1]、および電流IMCref[i+1]は、それぞれ式(4)、(5)、(6)と同様である。よって、ノードN1[j]の電位VN1[j]、およびノードN1[j+1]の電位VN1[j+1]は、それぞれ次の式で表すことができる。
ここで、回路OC[j]が有する容量素子C2には、式(13)で示したオフセット電位Voffset[j]が保持されている。また、回路OC[j+1]が有する容量素子C2には、式(14)で示したオフセット電位Voffset[j+1]が保持されている。よって、ノードN2[j]の電位VN2[j]、およびノードN2[j+1]の電位VN2[j+1]は、それぞれ次の式で表すことができる。
バッファBUFと電気的に接続された配線OUT[j]の電位は、式(20)に示す電位VN2[j]となり、配線OUT[j+1]の電位は、式(21)に示す電位VN2[j+1]となる。よって、回路OC[j]は、メモリセルMC[i,j]に格納された第1のデータに対応する電位Vw[i,j]と、メモリセルMC[i,j]に保持された第2のデータに対応する電位Vx[i]と、の積に対応する電位の信号を、配線OUT[j]から出力することができる。また、回路OC[j+1]は、メモリセルMC[i,j+1]に格納された第1のデータに対応する電位Vw[i,j+1]と、メモリセルMC[i,j+1]に入力された第2のデータに対応する電位Vx[i]と、の積に対応する電位の信号を、配線OUT[j+1]から出力することができる。
時刻T12乃至時刻T13において、配線RW[i]の電位を基準電位とする。これにより、ノードN[i,j]、ノードN[i,j+1]、およびノードNref[i]の電位が時刻T06乃至時刻T11と同様になる。
次に、時刻T13乃至時刻T14において、配線RW[i+1]の電位を基準電位よりもVx[i+1]大きい電位とする。なお、電位Vx[i+1]はメモリセルMC[i+1,j]、メモリセル[i+1,j+1]、および参照用メモリセルMCref[i+1]に供給される第2のデータに対応する電位である。これにより、ノードN[i+1,j]、ノードN[i+1,j+1]、およびノードNref[i+1]の電位がそれぞれVx[i+1]上昇するため、電流IMC[i+1,j]、電流IMC[i+1,j+1]、および電流IMCref[i+1]は、それぞれ次の式で表すことができる。
また、電流IMC[i,j]、電流IMC[i,j+1]、および電流IMCref[i]は、それぞれ式(1)、(2)、(3)と同様である。よって、ノードN1[j]の電位VN1[j]、およびノードN1[j+1]の電位VN1[j+1]は、それぞれ次の式で表すことができる。
また、オフセット電位Voffset[j]は、式(13)で示した通りであり、オフセット電位Voffset[j+1]は、式(14)で示した通りである。よって、回路OC[j]が有するノードN2[j]の電位VN2[j]、および回路OC[j+1]が有するノードN2[j+1]の電位VN2[j+1]は、それぞれ次の式で表すことができる。
以上より、回路OC[j]は、メモリセルMC[i+1,j]に格納された第1のデータに対応する電位Vw[i+1,j]と、メモリセルMC[i+1,j]に入力された第2のデータに対応する電位Vx[i+1]と、の積に対応する電位の信号を、配線OUT[j]から出力することができる。また、回路OC[j+1]は、メモリセルMC[i+1,j+1]に格納された第1のデータに対応する電位Vw[i+1,j+1]と、メモリセルMC[i+1,j+1]に入力された第2のデータに対応する電位Vx[i+1]と、の積に対応する電位の信号を、配線OUT[j+1]から出力することができる。
時刻T14乃至時刻T15において、配線RW[i+1]の電位を基準電位とする。これにより、ノードN[i+1,j]、ノードN[i+1,j+1]、およびノードNref[i+1]の電位が時刻T06乃至時刻T11と同様になる。
次に、時刻T15乃至時刻T16において、配線RW[i]の電位を基準電位よりもVx[i]大きい電位とし、配線RW[i+1]の電位を基準電位よりもVx[i+1]大きい電位とする。これにより、ノードN[i,j]、ノードN[i,j+1]、およびノードNref[i]の電位がそれぞれVx[i]上昇し、ノードN[i+1,j]、ノードN[i+1,j+1]、およびノードNref[i+1]の電位がそれぞれVx[i+1]上昇する。したがって、電流IMC[i,j]、電流IMC[i,j+1]、および電流IMCref[i]は、それぞれ式(15)、(16)、(17)で表すことができ、電流IMC[i+1,j]、電流IMC[i+1,j+1]、および電流IMCref[i+1]は、それぞれ式(22)、(23)、(24)で表すことができる。以上より、ノードN1[j]の電位VN1[j]、およびノードN1[j+1]の電位VN1[j+1]は、それぞれ次の式で表すことができる。
また、オフセット電位Voffset[j]は、式(13)で示した通りであり、オフセット電位Voffset[j+1]は、式(14)で示した通りである。よって、回路OC[j]が有するノードN2[j]の電位VN2[j]、および回路OC[j+1]が有するノードN2[j+1]の電位VN2[j+1]は、それぞれ次の式で表すことができる。
以上より、回路OC[j]は、メモリセルMC[i,j]に格納された第1のデータに対応する電位Vw[i,j]とメモリセルMC[i,j]に入力された第2のデータに対応する電位Vx[i,j]との積と、メモリセルMC[i+1,j]に格納された第1のデータに対応する電位Vw[i+1,j]とメモリセルMC[i+1,j]に入力された第2のデータに対応する電位Vx[i+1,j]との積と、の和に対応する電位の信号を、配線OUT[j]から出力することができる。また、回路OC[j+1]は、メモリセルMC[i,j+1]に格納された第1のデータに対応する電位Vw[i,j+1]とメモリセルMC[i,j+1]に入力された第2のデータに対応する電位Vx[i,j+1]との積と、メモリセルMC[i+1,j+1]に格納された第1のデータに対応する電位Vw[i+1,j+1]とメモリセルMC[i+1,j+1]に入力された第2のデータに対応する電位Vx[i+1,j+1]との積と、の和に対応する電位の信号を、配線OUT[j+1]から出力することができる。
時刻T16以降において、配線RW[i]の電位、および配線RW[i+1]の電位を基準電位とする。これにより、ノードN[i,j]、ノードN[i,j+1]、ノードN[i+1,j]、ノードN[i+1,j+1]、ノードNref[i]、およびノードNref[i+1]の電位が時刻T06乃至時刻T11と同様になる。
以上のように、半導体装置10を用いることにより、第1のデータと第2のデータとを用いた積和演算を行うことができる。なお、メモリセルMCおよび参照用メモリセルMCrefとして図2に示す構成を用いることにより、少ないトランジスタ数で積和演算回路を構成することができる。このため、半導体装置10の回路規模を縮小することができる。これにより、半導体装置10を小型化することができる。また、メモリセルMCおよび参照用メモリセルMCrefが有するトランジスタTr1、およびオフセット補正回路OFSTが有するトランジスタTr31を、OSトランジスタ等のオフ電流が小さいトランジスタとすることにより、半導体装置10の消費電力を低減し、また信頼性を高めることができる。
<半導体装置の適用例>
半導体装置10は、ニューラルネットワークに用いることができる。図8(A)に示すように、ニューラルネットワークNNは入力層IL、出力層OL、中間層(隠れ層)HLによって構成することができる。入力層IL、出力層OL、中間層HLはそれぞれ、1または複数のニューロン(ユニット)を有する。なお、中間層HLは1層であってもよいし2層以上であってもよい。2層以上の中間層HLを有するニューラルネットワークはDNN(ディープニューラルネットワーク)と呼ぶこともでき、ディープニューラルネットワークを用いた学習は深層学習と呼ぶこともできる。
入力層ILの各ニューロンには入力データが入力され、中間層HLの各ニューロンには前層または後層のニューロンの出力信号が入力され、出力層OLの各ニューロンには前層のニューロンの出力信号が入力される。なお、各ニューロンは、前後の層の全てのニューロンと結合されていてもよいし(全結合)、一部のニューロンと結合されていてもよい。
図8(B)に、ニューロンによる演算の例を示す。ここでは、ニューロンNと、ニューロンNに信号を出力する前層の2つのニューロンを示している。ニューロンNには、前層のニューロンの出力xと、前層のニューロンの出力xが入力される。そして、ニューロンNにおいて、出力xと重みwの乗算結果(x)と出力xと重みwの乗算結果(x)の総和x+xが計算された後、必要に応じてバイアスbが加算され、値a=x+x+bが得られる。そして、値aは活性化関数hによって変換され、ニューロンNから出力信号y=h(a)が出力される。
ここで、w、w等の重みが第1のデータに対応し、x、x等の出力が第2のデータに対応する。また、バイアスbの値が、電位Vref2に対応する。
このように、ニューロンによる演算には、前層のニューロンの出力と重みの積を足し合わせる演算、すなわち積和演算が含まれる(上記のx+x)。この積和演算は、プログラムを用いてソフトウェア上で行ってもよいし、ハードウェアによって行われてもよい。積和演算をハードウェアによって行う場合は、積和演算回路を用いることができる。この積和演算回路としては、デジタル回路を用いてもよいし、アナログ回路を用いてもよい。積和演算回路にアナログ回路を用いる場合、積和演算回路の回路規模の縮小、または、メモリへのアクセス回数の減少による処理速度の向上および消費電力の低減を図ることができる。
<半導体装置の上面・断面構成の構成例>
図9(A)、図9(B)、図10(A)、図10(B)、および図11は、本発明の一態様に係るトランジスタ200、トランジスタ500、および容量素子100を有するメモリセル600の上面図および断面図である。
図9(A)は、メモリセル600を有する半導体装置の上面図である。また、図9(B)、図10(A)、図10(B)、および図11は当該半導体装置の断面図である。ここで、図9(B)は、図9(A)にA1−A2の一点鎖線で示す部位の断面図であり、トランジスタ200のチャネル長方向、およびトランジスタ500のチャネル幅方向の断面図でもある。また、図10(A)は、図9(A)にA3−A4の一点鎖線で示す部位の断面図であり、トランジスタ200のチャネル幅方向の断面図でもある。また、図10(B)は、図9(A)にA5−A6の一点鎖線で示す部位の断面図であり、トランジスタ500のチャネル長方向の断面図でもある。また、図11は、図9(A)にA7−A8の一点鎖線で示す部位の断面図であり、トランジスタ200のソース領域またはドレイン領域の断面図でもある。なお、図9(A)の上面図では、図の明瞭化のために一部の要素を省いて図示している。
ここで、メモリセル600は図7におけるメモリセルMC、または参照用メモリセルMCrefに対応する。また、トランジスタ200はトランジスタTr1と対応し、トランジスタ500はトランジスタTr2と対応し、容量素子100は容量素子C1と対応する。
本発明の一態様の半導体装置は、トランジスタ200と、トランジスタ500と、容量素子100と、層間膜として機能する絶縁層210、絶縁層212、絶縁層273、絶縁層274、および絶縁層280と、を有する。また、トランジスタ200と電気的に接続され、配線として機能する導電層203、およびプラグとして機能する導電層240(導電層240a、導電層240b)を有する。また、トランジスタ500と電気的に接続され、配線として機能する導電層503、およびプラグとして機能する導電層540aを有する。また、容量素子100と電気的に接続され、プラグとして機能する導電層540bを有する。なお、以下において導電層540aおよび導電層540bをまとめて導電層540と呼ぶ場合がある。ここで、導電層503は導電層203と同じ層に形成され、同様の構成を有する。また、導電層540は導電層240と同じ層に形成され、同様の構成を有する。よって、導電層503は導電層203の記載を参酌することができ、導電層540は導電層240の記載を参酌することができる。
なお、導電層203は、絶縁層212の開口の内壁に接して導電層203の第1の導電層が形成され、さらに内側に導電層203の第2の導電層が形成されている。ここで、導電層203の上面の高さと、絶縁層212の上面の高さとは同程度にできる。なお、本実施の形態では、導電層203の第1の導電層と、導電層203の第2の導電層と、を積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電層203を単層、または3層以上の積層構造として設ける構成にしてもよい。また、構造体が積層構造を有する場合、形成順に序数を付与し、区別する場合がある。なお、導電層503も導電層203と同様の構成を有する。
絶縁層273は、トランジスタ200の上、トランジスタ500の上、および容量素子100の上に配置される。絶縁層274は絶縁層273の上に配置される。絶縁層280は絶縁層274の上に配置される。
また、導電層240は、絶縁層273、絶縁層274、および絶縁層280の開口の内壁に接して形成されている。ここで、導電層240の上面の高さと、絶縁層280の上面の高さは同程度にできる。なお、本実施の形態では、導電層240が2層の積層構造である構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電層240は、単層、または3層以上の積層構造でもよい。なお、導電層540も導電層240と同様の構成を有する。
図9、図10(A)に示すように、トランジスタ200は、基板(図示せず。)の上に配置された絶縁層214および絶縁層216と、絶縁層214および絶縁層216に埋め込まれるように配置された導電層205と、絶縁層216と導電層205の上に配置された絶縁層220と、絶縁層220の上に配置された絶縁層222と、絶縁層222の上に配置された絶縁層224と、絶縁層224の上に配置された金属酸化物230(金属酸化物230a、金属酸化物230b、および金属酸化物230c)と、金属酸化物230の上に配置された絶縁層250と、絶縁層250上に配置された金属酸化物252と、金属酸化物252の上に配置された導電層260(導電層260a、および導電層260b)と、導電層260の上に配置された絶縁層270と、絶縁層270上に配置された絶縁層271と、少なくとも金属酸化物230c、絶縁層250、金属酸化物252、および導電層260の側面と接して配置された絶縁層275と、金属酸化物230上に形成された層242と、を有する。また、層242の一方に接して導電層240aが配置される。
トランジスタ200において、層242の一方がソースおよびドレインの一方として機能し、層242の他方がソースおよびドレインの他方として機能し、導電層260がフロントゲートとして機能し、導電層205がバックゲートとして機能する。また、導電層240aは、配線WDに相当する導電層に電気的に接続される。また、導電層260は配線WLに相当する導電層に電気的に接続される。
また、図9、図10(B)に示すように、トランジスタ500は、基板(図示せず。)の上に配置された絶縁層214および絶縁層216と、絶縁層214および絶縁層216に埋め込まれるように配置された導電層505と、絶縁層216と導電層505の上に配置された絶縁層220と、絶縁層220の上に配置された絶縁層222と、絶縁層222の上に配置された絶縁層524と、絶縁層524の上に配置された金属酸化物530(金属酸化物530a、金属酸化物530b、および金属酸化物530c)と、金属酸化物530の上に配置された絶縁層550と、絶縁層550の上に配置された金属酸化物552と、金属酸化物552の上に配置された導電層560(導電層560a、および導電層560b)と、導電層560の上に配置された絶縁層570と、絶縁層570の上に配置された絶縁層571と、少なくとも金属酸化物530c、絶縁層550、金属酸化物552、および導電層560の側面と接して配置された絶縁層575と、金属酸化物530の上に形成された層542と、を有する。また、層542の一方に接して導電層540aが配置され、層542の他方に接して導電層540bが配置される。
トランジスタ500において、層542の一方がソースおよびドレインの一方として機能し、層542の他方がソースおよびドレインの他方として機能し、導電層560がフロントゲートとして機能し、導電層505がバックゲートとして機能する。また、導電層540aは、配線Bに相当する導電層に電気的に接続される。また、導電層540bは、配線VRに相当する導電層に電気的に接続される。
ここで、トランジスタ500は、トランジスタ200と同じ層に形成され、同様の構成を有する。よって、金属酸化物530は、金属酸化物230と同様の構成を有し、金属酸化物230の記載を参酌することができる。導電層505は、導電層205と同様の構成を有し、導電層205の記載を参酌することができる。絶縁層524は、絶縁層224と同様の構成を有し、絶縁層224の記載を参酌することができる。絶縁層550は、絶縁層250と同様の構成を有し、絶縁層250の記載を参酌することができる。金属酸化物552は、金属酸化物252と同様の構成を有し、金属酸化物252の記載を参酌することができる。導電層560は、導電層260と同様の構成を有し、導電層260の記載を参酌することができる。絶縁層570は、絶縁層270と同様の構成を有し、絶縁層270の記載を参酌することができる。絶縁層571は、絶縁層271と同様の構成を有し、絶縁層271の記載を参酌することができる。絶縁層575は、絶縁層275と同様の構成を有し、絶縁層275の記載を参酌することができる。以下において、特段の記載がない限り、上記のようにトランジスタ500の構成は、トランジスタ200の構成の記載を参酌することができる。
なお、トランジスタ200では、金属酸化物230a、金属酸化物230b、および金属酸化物230cの3層を積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、金属酸化物230bの単層、金属酸化物230bと金属酸化物230aの2層構造、金属酸化物230bと金属酸化物230cの2層構造、または4層以上の積層構造を設ける構成にしてもよい。また、トランジスタ500の金属酸化物530についても同様である。また、トランジスタ200では、導電層260aおよび導電層260bを積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。また、トランジスタ500の導電層560についても同様である。
容量素子100は、導電層110と、導電層110上の絶縁層130と、絶縁層130上の導電層120と、を有する。導電層120は、絶縁層130を介して少なくとも一部が導電層110と重なるように配置されることが好ましい。また、導電層120の上に接して導電層240cが配置される。導電層110は、トランジスタ200のソースおよびドレインの一方として機能する層242と接し、また絶縁層570および絶縁層571の開口を介して導電層560と接する。
容量素子100において、導電層110は端子の一方として機能し、導電層120は端子の他方として機能する。また、絶縁層130は容量素子100の誘電体として機能する。導電層240bは、配線RWに相当する導電層に電気的に接続される。ここで、導電層110は、トランジスタ200のソースおよびドレインの一方、およびトランジスタ500のゲートと接続されており、ノードNとして機能する。
図9(A)に示すように、容量素子100の一部が、トランジスタ200またはトランジスタ500と重畳するように形成される。これにより、トランジスタ200、トランジスタ500、および容量素子100の投影面積の合計を小さくし、メモリセル600の占有面積を低減することができる。よって、上記半導体装置の微細化および高集積化が容易になる。また、トランジスタ200、トランジスタ500、および容量素子100を同じ工程で形成することができるので、工程を短縮し、生産性を向上させることができる。
なお、メモリセル600において、トランジスタ200のチャネル長方向とトランジスタ500のチャネル長方向が直交するように、トランジスタ200、トランジスタ500および容量素子100を設けているが、本実施の形態に示す半導体装置はこれに限られるものではない。メモリセル600は、半導体装置の構成の一例であり、回路構成や駆動方法に応じて、適切な構造のトランジスタを、適宜配置すればよい。
次に、トランジスタ200に用いる金属酸化物230に係る詳細の説明を行う。以下において、特段の記載を行わない場合、トランジスタ500の金属酸化物530についても金属酸化物230の記載を参酌するものとする。トランジスタ200は、チャネルが形成される領域(以下、チャネル形成領域ともいう。)を含む金属酸化物230(金属酸化物230a、金属酸化物230b、および金属酸化物230c)に、酸化物半導体として機能する金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう。)を用いることが好ましい。
チャネル形成領域に酸化物半導体を用いたトランジスタ200は、非導通状態において極めてリーク電流が小さいため、低消費電力の半導体装置を提供できる。また、酸化物半導体は、スパッタリング法等を用いて成膜できるため、高集積型の半導体装置を構成するトランジスタ200に用いることができる。
例えば、金属酸化物230として、In−M−Zn酸化物(元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウム等から選ばれた一種、または複数種)等の金属酸化物を用いるとよい。また、金属酸化物230として、In−Ga酸化物、In−Zn酸化物を用いてもよい。
ここで、酸化物半導体は、酸化物半導体を構成する元素の他に、アルミニウム、ルテニウム、チタン、タンタル、クロム、タングステン等の金属元素が添加されることで、金属化合物を形成して低抵抗化する。なお、アルミニウム、チタン、タンタル、タングステン等を添加することが好ましい。
酸化物半導体に金属元素を添加するには、例えば、酸化物半導体上に、当該金属元素を含む金属膜、当該金属元素を有する窒化膜、または当該金属元素を有する酸化膜を設けるとよい。また、当該膜を設けることで、当該膜と酸化物半導体との界面、または当該界面近傍に位置する酸化物半導体中の一部の酸素が当該膜等に吸収されることにより酸素欠損を形成し、当該界面近傍が低抵抗化する場合がある。
また、酸化物半導体上に、金属膜、金属元素を有する窒化膜、または金属元素を有する酸化膜を設けた後、窒素を含む雰囲気下で熱処理を行うとよい。窒素を含む雰囲気下での熱処理により、金属膜、金属元素を有する窒化膜、または金属元素を有する酸化膜から、当該膜の成分である金属元素が酸化物半導体へ、または酸化物半導体の成分である金属元素が当該膜へと拡散する。これにより酸化物半導体と、当該膜とが金属化合物を形成して、酸化物半導体を低抵抗化することができる。また、酸化物半導体に添加された金属元素は、酸化物半導体を構成する元素と金属化合物を形成することで比較的安定な状態となるため、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
また、金属膜、金属元素を有する窒化膜、または金属元素を有する酸化膜と、酸化物半導体との界面に、化合物層(以下、異層ともいう。)が形成されていてもよい。なお、化合物層(異層)とは、金属膜、金属元素を有する窒化膜、または金属元素を有する酸化膜の成分と、酸化物半導体の成分とを含む金属化合物を有する層とする。例えば、化合物層として、酸化物半導体の金属元素と、添加された金属元素と、が合金化した層が形成されていてもよい。当該合金化した層は、比較的安定な状態であり、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
また、酸化物半導体に存在する水素は、酸化物半導体の低抵抗化した領域に拡散し、低抵抗化した領域に存在する酸素欠損の中に入った場合、比較的安定な状態となる。また、酸化物半導体に存在する酸素欠損中の水素は、250℃以上の熱処理によって酸素欠損から抜け出て酸化物半導体の低抵抗化した領域に拡散し、低抵抗化した領域に存在する酸素欠損の中に入ることにより、比較的安定な状態となる。したがって、熱処理によって、酸化物半導体の低抵抗化した領域、または金属化合物が形成された領域はより低抵抗化し、低抵抗化していない酸化物半導体は、高純度化(水、水素等の不純物の低減)することにより高抵抗化する傾向がある。
また、酸化物半導体は、水素または窒素等の不純物元素が存在すると、キャリア密度が増加する。酸化物半導体中の水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になり、酸素欠損を形成する場合がある。当該酸素欠損に水素が入ると、キャリア密度は増加する。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。つまり、窒素または水素を有する酸化物半導体は、低抵抗化される。
したがって、酸化物半導体に、金属元素、ならびに、水素および窒素等の不純物元素を選択的に添加することで、酸化物半導体に高抵抗領域、および低抵抗領域を設けることができる。つまり、金属酸化物230を選択的に低抵抗化することで、島状に加工した金属酸化物230に、キャリア密度が低い半導体として機能する領域と、ソース領域またはドレイン領域として機能する低抵抗化した領域と、を設けることができる。
ここで、図9(B)において破線で囲む、選択的に低抵抗化した金属酸化物230bを含む領域239の拡大図を図12に示す。
図12に示すように、金属酸化物230は、トランジスタのチャネル形成領域として機能する領域234と、ソース領域またはドレイン領域として機能する領域231(領域231a、および領域231b)と、領域234と領域231との間に設けられる、領域232(領域232a、および領域232b)と、を有する。
ソース領域またはドレイン領域として機能する領域231は、酸素濃度が低く、低抵抗化した領域である。また、チャネル形成領域として機能する領域234は、ソース領域またはドレイン領域として機能する領域231よりも酸素濃度が高く、キャリア密度が低い高抵抗領域である。また、領域232は、ソース領域またはドレイン領域として機能する領域231よりも酸素濃度が高く、キャリア密度が低い、かつチャネル形成領域として機能する領域234よりも酸素濃度が低く、キャリア密度が高い領域である。
なお、領域231は、金属元素、ならびに、水素および窒素等の不純物元素、の少なくとも一の濃度が領域232、および領域234よりも高いことが好ましい。
例えば、領域231は、金属酸化物230の他に、アルミニウム、ルテニウム、チタン、タンタル、タングステン、クロム等の金属元素の中から選ばれるいずれか一つまたは複数の金属元素を有することが好ましい。
領域231を形成するために、例えば、金属酸化物230の領域231に接するように、金属元素を有する膜を設ければよい。当該金属元素を有する膜は、領域231の形成後に、島状にパターニングして導電層110となる。なお、当該金属元素を有する膜として、金属膜、金属元素を有する酸化膜、または金属元素を有する窒化膜を用いることができる。その際、当該金属元素を有する膜と、金属酸化物230との界面に、層242が形成されていてもよい。例えば層242は、金属酸化物230の上面および側面に形成される場合がある。なお、層242は、当該金属元素を有する膜の成分と、金属酸化物230の成分とを含む金属化合物を有する層とし、化合物層と呼ぶこともできる。例えば、層242として、金属酸化物230中の金属元素と、添加された金属元素と、が合金化した層が形成されていてもよい。
金属酸化物230に金属元素が添加されることで、金属酸化物230の中に金属化合物が形成され、領域231を低抵抗化することができる。なお、当該金属化合物は、必ずしも金属酸化物230の中に形成されていなくともよい。例えば、上記金属元素を有する膜(導電層110)に金属化合物が形成されていてもよい。また、例えば、金属酸化物230の表面、導電層110の表面、または導電層110と金属酸化物230との界面に形成された層242に金属化合物が形成されていてもよい。
したがって、領域231は、層242の低抵抗化領域も含む場合がある。よって、層242の少なくとも一部がトランジスタ200のソース領域またはドレイン領域として機能する場合がある。
領域232は、絶縁層275と重畳する領域を有する。領域232は、アルミニウム、ルテニウム、チタン、タンタル、タングステン、クロム等の金属元素、ならびに水素および窒素等の不純物元素、の少なくとも一の濃度が領域234よりも高いことが好ましい。例えば、金属酸化物230の領域231に接して、上記金属元素を有する膜を設けることで、上記金属元素を有する膜中の成分と、酸化物半導体の成分と、が金属化合物を形成する場合がある。当該金属化合物は、金属酸化物230に含まれる水素を引き寄せる場合がある。したがって、領域231の近傍である領域232の水素の濃度が高くなる場合がある。
なお、領域232aおよび領域232bのいずれか一方または双方は、導電層260と重畳する領域を有する構成としてもよい。当該構成とすることで、導電層260と、領域232aおよび領域232bとを、オーバーラップさせることが可能となる。
また、図12では、領域234、領域231、および領域232が、金属酸化物230bに形成されているが、これに限られない。例えば、これらの領域は層242、層242と金属酸化物230との間に形成された化合物層、金属酸化物230a、および金属酸化物230cに形成されていてもよい。また、図12では、各領域の境界を、金属酸化物230の上面に対して略垂直に表示しているが、本実施の形態はこれに限られるものではない。例えば、領域232が金属酸化物230bの表面近傍では導電層260側に張り出し、金属酸化物230aの下面近傍では、導電層240a側または導電層240b側に後退する形状になる場合がある。
また、金属酸化物230において、各領域の境界は明確に検出することが困難な場合がある。各領域内で検出される金属元素、ならびに水素および窒素等の不純物元素の濃度は、領域ごとの段階的な変化に限らず、各領域内でも連続的に変化(グラデーションともいう。)していてもよい。つまり、チャネル形成領域に近い領域であるほど、金属元素、ならびに水素および窒素等の不純物元素の濃度が減少していればよい。
金属酸化物230を選択的に低抵抗化するには、例えば、アルミニウム、ルテニウム、チタン、タンタル、タングステン、クロム等の導電性を高める金属元素、および不純物の少なくとも一を、所望の領域に添加すればよい。なお、不純物としては、酸素欠損を形成する元素、または酸素欠損に捕獲される元素等を用いればよい。例えば、当該元素として、水素、ホウ素、炭素、窒素、フッ素、リン、硫黄、塩素、希ガス等が挙げられる。また、希ガス元素の代表例としては、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、およびキセノン等がある。
領域231は、上述の導電性を高める金属元素、酸素欠損を形成する元素、または酸素欠損に捕獲される元素の含有率を高くすることで、キャリア密度を高くし、低抵抗化を図ることができる。
領域231を低抵抗化するために、例えば、金属酸化物230の領域231に接して、上記金属元素を有する膜を成膜するとよい。当該金属元素を有する膜としては、金属膜、金属元素を有する酸化膜、または金属元素を有する窒化膜等を用いることができる。当該金属元素を有する膜は、少なくとも絶縁層250、金属酸化物252、導電層260、絶縁層270、絶縁層271、および絶縁層275を介して、金属酸化物230の上に設けることが好ましい。なお、上記金属元素を有する膜は、10nm以上200nm以下の膜厚にするとよい。上記金属元素を有する膜は、例えば、アルミニウム、ルテニウム、チタン、タンタル、タングステン、クロム等の金属元素を含む膜とする。なお、上記金属元素を有する膜の成膜は、スパッタリング法、CVD法、MBE法、PLD法、またはALD法等を用いて行うことができる。
金属酸化物230と上記金属元素を有する膜とが接することにより、当該金属元素を有する膜の成分と、金属酸化物230の成分と、が金属化合物を形成して領域231となり、低抵抗化する。また、金属酸化物230と当該金属元素を有する膜との界面、または当該界面近傍に位置する金属酸化物230中の酸素の一部が層242に吸収され、金属酸化物230に酸素欠損を形成して低抵抗化し、領域231を形成する場合がある。
また、金属酸化物230と、上記金属元素を有する膜と、が接した状態で、窒素を含む雰囲気下において熱処理を行うとよい。当該熱処理により、当該金属元素を有する膜から、当該金属元素を有する膜の成分である金属元素が金属酸化物230へ拡散する。または、金属酸化物230の成分である金属元素が当該金属元素を有する膜へと拡散する。これにより、金属酸化物230の成分と、当該金属元素を有する膜の成分と、が金属化合物を形成して低抵抗化する。このようにして、金属酸化物230と当該金属元素を有する膜との間に層242が形成される。その際、金属酸化物230の金属元素と、当該金属元素を有する膜の金属元素と、が合金化してもよい。したがって、層242は合金を含む場合がある。当該合金は、比較的安定な状態であり、信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
上記熱処理は、例えば、250℃以上650℃以下、好ましくは300℃以上500℃以下、さらに好ましくは320℃以上450℃以下で行えばよい。なお、熱処理は、窒素または不活性ガス雰囲気で行う。また、熱処理は減圧状態で行ってもよい。また、窒素または不活性ガス雰囲気で熱処理を行った後に、酸化性ガスを含む雰囲気で熱処理を行ってもよい。
また、金属酸化物230中の水素は、領域231に拡散し、領域231に存在する酸素欠損の中に入った場合、比較的安定な状態となる。また、領域234に存在する酸素欠損中の水素は、250℃以上の熱処理によって、酸素欠損から抜け出して領域231に拡散し、領域231に存在する酸素欠損の中に入ることにより、比較的安定な状態となる。したがって、熱処理によって領域231はより低抵抗化する。また、領域234は高純度化(水、水素等の不純物の低減)し、より高抵抗化する。
一方、金属酸化物230の、導電層260および絶縁層275と重畳する領域(領域234、および領域232)は、導電層260および絶縁層275を介しているため、金属元素の添加が抑制される。また、金属酸化物230の領域234および領域232において、金属酸化物230中の酸素原子が、上述した上記金属元素を有する膜へ吸収されることが抑制される。
また、上記金属元素を有する膜に、金属酸化物230の領域231の酸素、および領域231に近接する領域232の酸素が吸収されることで、領域231および領域232に酸素欠損が生じる場合がある。金属酸化物230中の水素が当該酸素欠損に入ることで、領域231および領域232のキャリア密度は増加する。したがって、金属酸化物230の領域231および領域232は低抵抗化される。
ここで、上記金属元素を有する膜が、水素を吸収する特性を有する場合、金属酸化物230中の水素は当該膜へと吸収される。したがって、金属酸化物230中の不純物である水素を低減することができる。上記金属元素を有する膜は、後に導電層110にパターニングされるので、金属酸化物230から吸収した水素の大部分は除去される。
層242を形成した後で、上記金属元素を有する膜の一部を除去して、島状の導電層110を形成する。当該金属元素を有する膜の膜厚を十分厚く、例えば10nm以上200nm以下程度にしておくことで、導電層110に十分な導電性を与えることができる。よって、導電層110も、上記金属元素を有する膜と同様に、膜厚は10nm以上200nm以下が好ましい。また、導電層110は、例えば、アルミニウム、ルテニウム、チタン、タンタル、タングステン、クロム等の金属元素を含むことが好ましい。また、導電層110は、金属元素を有する酸化膜、または金属元素を有する窒化膜としてもよい。
導電層110と金属酸化物230の間には、層242が形成される。層242では、上記金属元素を有する膜の金属元素と、金属酸化物230の金属元素と、が合金化している場合があり、導電層110と領域231bの間の抵抗が低減される場合がある。
図9(B)に示すように、導電層110は、絶縁層570および絶縁層571の開口を介して、トランジスタ500のゲートとして機能する導電層560に接する。このように十分な導電性を有する導電層110を用いることにより、トランジスタ200とトランジスタ500の間の導電性を良好にし、ノードNにデータに対応する電荷を正確に保持することができる。さらに、このようにトランジスタ200とトランジスタ500を同じ層に形成し、導電層110で接続することで、余計なプラグを形成して、上層または下層でトランジスタ200とトランジスタ500を接続しなくてもよい。よって、トランジスタ200およびトランジスタ500を形成する層に、形成するプラグの数を減らすことができるので、当該プラグを通じて、トランジスタ200およびトランジスタ500に水素等の不純物が拡散することを抑制することができる。
ここで、酸化物半導体を用いたトランジスタは、酸化物半導体中のチャネルが形成される領域に不純物および酸素欠損が存在すると、電気特性が変動しやすく、信頼性が悪くなる場合がある。また、酸化物半導体中のチャネルが形成される領域に酸素欠損が含まれていると、トランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。したがって、チャネルが形成される領域234中の酸素欠損はできる限り低減されていることが好ましい。
そこで、図12に示すように、絶縁層250、金属酸化物230bの領域232、および金属酸化物230cに接して、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素(過剰酸素ともいう。)を含む絶縁層275を設けることが好ましい。つまり、絶縁層275が有する過剰酸素が、金属酸化物230の領域234へと拡散することで、金属酸化物230の領域234における酸素欠損を低減することができる。
また、絶縁層275に過剰酸素領域を設けるには、絶縁層275に接する絶縁層273として、金属酸化物を、スパッタリング法により成膜するとよい。金属酸化物の成膜にスパッタリング法を用いることにより、水または水素等の不純物の少ない絶縁層を成膜することができる。スパッタリング法を用いる場合は、例えば、対向ターゲット型のスパッタリング装置を用いて成膜することが好ましい。対向ターゲット型のスパッタリング装置は、対向するターゲット間の高電界領域に被成膜面が晒されることなく成膜できる。これにより、被成膜面がプラズマによる損傷を受けにくく成膜することができるので、絶縁層273となる絶縁層の成膜時に金属酸化物230への成膜ダメージを小さくすることができ好ましい。対向ターゲット型のスパッタリング装置を用いた成膜法を、VDSP(Vapor Deposition SP)(登録商標)と呼ぶことができる。
スパッタリング法による成膜時において、ターゲットと基板との間には、イオンおよびスパッタされた粒子が存在する。例えば、ターゲットには電源が接続されており、電位E0が与えられる。また、基板には、接地電位等の電位E1が与えられる。ただし、基板が電気的に浮いていてもよい。また、ターゲットと基板の間には電位E2となる領域が存在する。各電位の大小関係は、E2>E1>E0である。
プラズマ内のイオンが、電位差E2−E0によって加速され、ターゲットに衝突することにより、ターゲットからスパッタされた粒子がはじき出される。このスパッタされた粒子が成膜表面に付着し、堆積することにより成膜が行われる。また、一部のイオンはターゲットによって反跳し、反跳イオンとなる。反跳イオンは、成膜された膜を通過し、被成膜面と接する絶縁層275に取り込まれる場合がある。また、プラズマ内のイオンは、電位差E2−E1によって加速され、成膜表面を衝撃する。この際、一部のイオンは、絶縁層275内部まで到達する。イオンが絶縁層275に取り込まれることにより、イオンが取り込まれた領域が絶縁層275に形成される。つまり、イオンが酸素を含むイオンであった場合において、絶縁層275に過剰酸素領域が形成される。
絶縁層275に過剰な酸素を導入することで、絶縁層275中に過剰酸素領域を形成することができる。絶縁層275の過剰な酸素は、金属酸化物230の領域234に供給され、金属酸化物230の酸素欠損を補償することができる。
なお、絶縁層275は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンを用いることが好ましい。酸化窒化シリコン等の材料は、過剰酸素領域を形成されやすい傾向がある。一方、上述の酸化窒化シリコン等の材料と比較して、金属酸化物230は、スパッタリング法を用いた酸化膜を、金属酸化物230上に形成したとしても、過剰酸素領域が形成しにくい傾向がある。したがって、過剰酸素領域を有する絶縁層275を、金属酸化物230の領域234の周辺に設けることで、金属酸化物230の領域234へ、絶縁層275の過剰酸素を効果的に供給することができる。
また、絶縁層273は、酸化アルミニウムを用いることが好ましい。酸化アルミニウムは、金属酸化物230と近接した状態で熱処理を行うことで、金属酸化物230中の水素を引き抜く場合がある。なお、金属酸化物230と、酸化アルミニウムとの間に層242が設けられている場合、層242中の水素を酸化アルミニウムが吸収し、水素が低減された層242は、金属酸化物230中の水素を吸収する場合がある。したがって、金属酸化物230中の水素濃度を低減することができる。また、絶縁層273と、金属酸化物230とを近接した状態で熱処理を行うことで、絶縁層273から金属酸化物230、絶縁層224、または絶縁層222に酸素を供給できる場合がある。
上記構成、または上記工程を組み合わせることで、金属酸化物230の選択的な低抵抗化を行うことができる。
つまり、金属酸化物230に低抵抗領域を形成する際に、ゲート電極として機能する導電層260、および絶縁層275をマスクとすることで、自己整合的に金属酸化物230は低抵抗化する。そのため、複数のトランジスタ200を同時に形成する場合、トランジスタ間の電気特性バラつきを小さくすることができる。また、トランジスタ200のチャネル長は、導電層260の幅、または絶縁層275の成膜膜厚により決定され、導電層260の幅を最小加工寸法とすることにより、トランジスタ200の微細化が可能となる。
以上より、各領域の範囲を適宜選択することにより、回路設計に合わせて、要求に見合う電気特性を有するトランジスタを容易に提供することができる。
また、酸化物半導体は、スパッタリング法等を用いて成膜できるため、高集積型の半導体装置を構成するトランジスタに用いることができる。また、チャネル形成領域に酸化物半導体を用いたトランジスタは、非導通状態において極めてリーク電流(オフ電流)が小さいため、低消費電力の半導体装置を提供できる。また、トランジスタ200は、オフ電流が小さいため、これを半導体装置に用いることにより長期にわたり記憶内容を保持することが可能である。つまり、リフレッシュ動作を必要としない、あるいは、リフレッシュ動作の頻度が極めて少ないため、半導体装置の消費電力を十分に低減することができる。
以上より、オン電流が大きいトランジスタを有する半導体装置を提供することができる。または、オフ電流が小さいトランジスタを有する半導体装置を提供することができる。または、電気特性の変動を抑制し、安定した電気特性を有すると共に、信頼性を向上させた半導体装置を提供することができる。
以下では、本発明の一態様に係るメモリセル600を有する半導体装置の詳細な構成について説明する。以下において、特段の記載を行わない場合、トランジスタ500の詳細な構成についてもトランジスタ200の詳細な構成の記載を参酌するものとする。
導電層203は、図9(A)、および図10(A)に示すように、チャネル幅方向に延伸されており、導電層205に電位を印加する配線として機能する。なお、導電層203は、絶縁層212に埋め込まれて設けることが好ましい。
導電層205は、金属酸化物230および導電層260と重なるように配置する。また、導電層205は、導電層203の上に接して設けるとよい。また、導電層205は、絶縁層214および絶縁層216に埋め込まれて設けることが好ましい。
ここで、導電層260は、第1のゲート(フロントゲートともいう。)電極として機能する場合がある。また、導電層205は、第2のゲート(バックゲートともいう。)電極として機能する場合がある。その場合、導電層205に印加する電位を、導電層260に印加する電位と連動させずに独立して変化させることで、トランジスタ200の閾値電圧を制御することができる。特に、導電層205に負の電位を印加することにより、トランジスタ200の閾値電圧を0Vより大きくし、オフ電流を低減することが可能となる。したがって、導電層205に負の電位を印加したほうが、印加しない場合よりも、導電層260に印加する電位が0Vのときのドレイン電流を小さくすることができる。
また、導電層203の上に導電層205を設けることで、第1のゲート電極および配線としての機能を有する導電層260と、導電層203との距離を適宜設計することが可能となる。つまり、導電層203と導電層260の間に絶縁層214および絶縁層216等が設けられることで、導電層203と導電層260の間の寄生容量を低減し、導電層203と導電層260の間の絶縁耐圧を高めることができる。
また、導電層203と導電層260の間の寄生容量を低減することで、トランジスタ200のスイッチング速度を向上させ、高い周波数特性を有するトランジスタにすることができる。また、導電層203と導電層260の間の絶縁耐圧を高めることで、トランジスタ200の信頼性を向上させることができる。よって、絶縁層214および絶縁層216の膜厚を厚くすることが好ましい。なお、導電層203の延伸方向はこれに限られず、例えば、トランジスタ200のチャネル長方向に延伸されてもよい。
なお、導電層205は、図9(A)に示すように、金属酸化物230および導電層260と重なるように配置する。また、導電層205は、金属酸化物230における領域234よりも大きく設けるとよい。特に、図10(A)に示すように、導電層205は、金属酸化物230の領域234のチャネル幅方向と交わる端部よりも外側の領域においても、延伸していることが好ましい。つまり、金属酸化物230のチャネル幅方向における側面において、導電層205と、導電層260とは、絶縁層を介して重畳していることが好ましい。
上記構成を有することで、導電層260および導電層205に電位を印加した場合、導電層260から生じる電界と、導電層205から生じる電界と、がつながり、金属酸化物230に形成されるチャネル形成領域を覆うことができる。
つまり、第1のゲート電極としての機能を有する導電層260の電界と、第2のゲート電極としての機能を有する導電層205の電界と、によって、領域234のチャネル形成領域を電気的に取り囲むことができる。本明細書において、第1のゲート電極、および第2のゲート電極の電界によって、チャネル形成領域を電気的に取り囲むトランジスタの構造を、surrounded channel(s−channel)構造とよぶ。
また、導電層205は、絶縁層214および絶縁層216の開口の内壁に接して第1の導電層が形成され、さらに内側に第2の導電層が形成されている。ここで、第1の導電層および第2の導電層の上面の高さと、絶縁層216の上面の高さは同程度にできる。なお、トランジスタ200では、導電層205の第1の導電層および導電層205の第2の導電層を積層する構成について示しているが、本発明はこれに限られるものではない。例えば、導電層205は、単層、または3層以上の積層構造として設ける構成にしてもよい。
ここで、導電層205、または導電層203の第1の導電層は、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(NO、NO、NO等)、銅原子等の不純物の拡散を抑制する機能を有する(上記不純物が透過しにくい。)導電性材料を用いることが好ましい。または、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子等)の少なくとも一の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。なお、本明細書において、不純物、または酸素の拡散を抑制する機能とは、上記不純物、または上記酸素のいずれか一または、すべての拡散を抑制する機能とする。
導電層205、または導電層203の第1の導電層が酸素の拡散を抑制する機能を持つことにより、導電層205、または導電層203の第2の導電層が酸化して導電率が低下することを抑制することができる。酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料としては、例えば、タンタル、窒化タンタル、ルテニウム、または酸化ルテニウム等を用いることが好ましい。したがって、導電層205または導電層203の第1の導電層としては、上記導電性材料を単層または積層とすればよい。これにより、絶縁層210より基板側から、水素、水等の不純物が、導電層203、および導電層205を通じて、トランジスタ200側に拡散するのを抑制することができる。
また、導電層205の第2の導電層は、タングステン、銅、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。なお、導電層205の第2の導電層を単層で図示したが、積層構造としてもよく、例えば、チタンまたは窒化チタンと、上記導電性材料との積層としてもよい。
また、導電層203の第2の導電層は、配線として機能するため、導電層205の第2の導電層より導電性が高い導電層を用いることが好ましい。例えば、銅、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることができる。また、導電層203の第2の導電層は積層構造としてもよく、例えば、チタン、窒化チタンと上記導電性材料との積層としてもよい。
特に、導電層203には、銅を用いることが好ましい。銅は抵抗が小さいため、配線等に用いることが好ましい。一方、銅は拡散しやすいため、金属酸化物230に拡散することでトランジスタ200の電気特性を低下させる場合がある。そこで、例えば、絶縁層214には、銅の透過性が低い酸化アルミニウム、または酸化ハフニウム等の材料を用いることで、銅の拡散を抑えることができる。
なお、導電層205、絶縁層214、および絶縁層216は必ずしも設けなくともよい。その場合、導電層203の一部が第2のゲート電極として機能することができる。
絶縁層210、および絶縁層214は、水または水素等の不純物が、基板側からトランジスタ200に混入するのを抑制するバリア絶縁膜として機能することが好ましい。したがって、絶縁層210、および絶縁層214は、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(NO、NO、NO等)、銅原子等の不純物の拡散を抑制する機能を有する(上記不純物が透過しにくい。)絶縁性材料を用いることが好ましい。または、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子等)の少なくとも一の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい。)絶縁性材料を用いることが好ましい。また、絶縁層280の上に、絶縁層210または絶縁層214と同様のバリア絶縁膜として機能する絶縁層を設けてもよい。これにより、絶縁層280の上から、水または水素等の不純物が、トランジスタ200に混入するのを抑制することができる。
例えば、絶縁層210として酸化アルミニウム等を用い、絶縁層214として窒化シリコン等を用いることが好ましい。これにより、水素、水等の不純物が絶縁層210および絶縁層214よりも基板側からトランジスタ200側に拡散することを抑制することができる。または、絶縁層224等に含まれる酸素が、絶縁層210および絶縁層214よりも基板側に、拡散することを抑制することができる。
また、導電層203の上に導電層205を積層して設ける構成にすることにより、導電層203と導電層205の間に絶縁層214を設けることができる。ここで、導電層203の第2の導電層に銅等拡散しやすい金属を用いても、絶縁層214として窒化シリコン等を設けることにより、当該金属が絶縁層214より上の層に拡散するのを抑制することができる。
また、層間膜として機能する絶縁層212、絶縁層216、および絶縁層280は、絶縁層210または絶縁層214よりも誘電率が低いことが好ましい。誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。
例えば、絶縁層212、絶縁層216、および絶縁層280として、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)または(Ba,Sr)TiO(BST)等の絶縁層を単層または積層で用いることができる。またはこれらの絶縁層に、例えば、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸化シリコン、酸化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムを添加してもよい。またはこれらの絶縁層を窒化処理してもよい。上記の絶縁層に酸化シリコン、酸化窒化シリコンまたは窒化シリコンを積層して用いてもよい。
絶縁層220、絶縁層222、および絶縁層224は、ゲート絶縁層としての機能を有する。また、トランジスタ500に設けられる絶縁層524も、絶縁層224と同様にゲート絶縁層としての機能を有する。なお、本実施の形態では、絶縁層224と絶縁層524は分離されているが、絶縁層224と絶縁層524がつながっていてもよい。
ここで、金属酸化物230と接する絶縁層224は、化学量論的組成を満たす酸素よりも多くの酸素を含む絶縁層を用いることが好ましい。つまり、絶縁層224には、過剰酸素領域が形成されていることが好ましい。このような過剰酸素を含む絶縁層を金属酸化物230に接して設けることにより、金属酸化物230中の酸素欠損を低減し、トランジスタ200の信頼性を向上させることができる。
過剰酸素領域を有する絶縁層として、具体的には、加熱により一部の酸素が脱離する酸化物材料を用いることが好ましい。加熱により酸素を脱離する酸化物とは、TDS(Thermal Desorption Spectroscopy)分析にて、酸素原子に換算しての酸素の脱離量が1.0×1018atoms/cm以上、好ましくは1.0×1019atoms/cm以上、さらに好ましくは2.0×1019atoms/cm、または3.0×1019atoms/cm以上である酸化物膜である。なお、上記TDS分析時における膜の表面温度としては100℃以上700℃以下、または100℃以上400℃以下の範囲が好ましい。
また、絶縁層224が、過剰酸素領域を有する場合、絶縁層222は、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子等)の少なくとも一の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい。)ことが好ましい。
絶縁層222が、酸素の拡散を抑制する機能を有することで、絶縁層224が有する過剰酸素領域の酸素は、絶縁層220側へ拡散することなく、効率よく金属酸化物230へ供給することができる。また、導電層205が、絶縁層224が有する過剰酸素領域の酸素と反応することを抑制することができる。
絶縁層222は、例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、酸化ジルコニウム、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ストロンチウム(SrTiO)または(Ba,Sr)TiO(BST)等のいわゆるhigh−k材料を含む絶縁層を単層または積層で用いることが好ましい。トランジスタの微細化、および高集積化が進むと、ゲート絶縁層の薄膜化により、リーク電流等の問題が生じる場合がある。ゲート絶縁層として機能する絶縁層にhigh−k材料を用いることで、物理膜厚を保ちながら、トランジスタ動作時のゲート電位の低減が可能となる。
特に、不純物、および酸素等の拡散を抑制する機能を有する(上記酸素が透過しにくい。)絶縁性材料であるアルミニウムおよびハフニウムの一方または双方の酸化物を含む絶縁層を用いるとよい。アルミニウムおよびハフニウムの一方または双方の酸化物を含む絶縁層として、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウムおよびハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)等を用いることが好ましい。このような材料を用いて絶縁層222を形成した場合、絶縁層222は、金属酸化物230からの酸素の放出、およびトランジスタ200の周辺部から金属酸化物230への水素等の不純物の混入を抑制する層として機能する。
または、これらの絶縁層に、例えば、酸化アルミニウム、酸化ビスマス、酸化ゲルマニウム、酸化ニオブ、酸化シリコン、酸化チタン、酸化タングステン、酸化イットリウム、酸化ジルコニウムを添加してもよい。またはこれらの絶縁層を窒化処理してもよい。上記の絶縁層に酸化シリコン、酸化窒化シリコンまたは窒化シリコンを積層して用いてもよい。
また、絶縁層220は、熱的に安定していることが好ましい。例えば、酸化シリコンおよび酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため、high−k材料の絶縁層と絶縁層220とを組み合わせることで、熱的に安定かつ比誘電率の高い積層構造とすることができる。
なお、絶縁層220、絶縁層222、および絶縁層224が、2層以上の積層構造を有していてもよい。その場合、同じ材料からなる積層構造に限定されず、異なる材料からなる積層構造でもよい。
金属酸化物230は、金属酸化物230aと、金属酸化物230a上の金属酸化物230bと、金属酸化物230b上の金属酸化物230cと、を有する。金属酸化物230bの下に金属酸化物230aを形成することで、金属酸化物230aよりも下方に形成された構造物から、金属酸化物230bへの不純物の拡散を抑制することができる。また、金属酸化物230bの上に金属酸化物230cを形成することで、金属酸化物230cよりも上方に形成された構造物から、金属酸化物230bへの不純物の拡散を抑制することができる。
なお、金属酸化物230は、各金属原子の原子数比が異なる金属酸化物により、積層構造を有することが好ましい。具体的には、金属酸化物230aに用いる金属酸化物において、構成元素中の元素Mの原子数比が、金属酸化物230bに用いる金属酸化物における、構成元素中の元素Mの原子数比より大きいことが好ましい。また、金属酸化物230aに用いる金属酸化物において、Inに対する元素Mの原子数比が、金属酸化物230bに用いる金属酸化物における、Inに対する元素Mの原子数比より大きいことが好ましい。また、金属酸化物230bに用いる金属酸化物において、元素Mに対するInの原子数比が、金属酸化物230aに用いる金属酸化物における、元素Mに対するInの原子数比より大きいことが好ましい。また、金属酸化物230cとして、金属酸化物230aまたは金属酸化物230bに用いることができる金属酸化物を用いることができる。
また、金属酸化物230aおよび金属酸化物230cの伝導帯下端のエネルギーが、金属酸化物230bの伝導帯下端のエネルギーより高くなることが好ましい。言い換えると、金属酸化物230aおよび金属酸化物230cの電子親和力が、金属酸化物230bの電子親和力より小さいことが好ましい。
ここで、金属酸化物230a、金属酸化物230b、および金属酸化物230cの接合部において、伝導帯下端はなだらかに変化する。換言すると、金属酸化物230a、金属酸化物230b、および金属酸化物230cの接合部における伝導帯下端は、連続的に変化するまたは連続接合するともいうことができる。このようにするためには、金属酸化物230aと金属酸化物230bとの界面、および金属酸化物230bと金属酸化物230cとの界面において形成される混合層の欠陥準位密度を低くするとよい。
具体的には、金属酸化物230aと金属酸化物230b、金属酸化物230bと金属酸化物230cが、酸素以外に共通の元素を有する(主成分とする。)ことで、欠陥準位密度が低い混合層を形成することができる。例えば、金属酸化物230bがIn−Ga−Zn酸化物の場合、金属酸化物230aおよび金属酸化物230cとして、In−Ga−Zn酸化物、Ga−Zn酸化物、酸化ガリウム等を用いるとよい。
このとき、キャリアの主たる経路は金属酸化物230bとなる。金属酸化物230a、金属酸化物230cを上述の構成とすることで、金属酸化物230aと金属酸化物230bとの界面、および金属酸化物230bと金属酸化物230cとの界面における欠陥準位密度を低くすることができる。そのため、界面散乱によるキャリア伝導への影響が小さくなり、トランジスタ200は高いオン電流を得られる。
また、金属酸化物230は、領域231、領域232、および領域234を有する。なお、領域231の少なくとも一部は、絶縁層273と近接する領域を有する。また、領域232は、少なくとも絶縁層275と重畳する領域を有する。
なお、トランジスタ200をオンさせると、領域231aまたは領域231bは、ソース領域またはドレイン領域として機能する。一方、領域234の少なくとも一部は、チャネルが形成される領域として機能する。領域231と領域234の間に領域232が設けられることで、トランジスタ200において、オン電流を大きくし、かつ、非導通時のリーク電流(オフ電流)を小さくすることができる。
トランジスタ200において、領域232を設けることで、ソース領域およびドレイン領域として機能する領域231と、チャネルが形成される領域234との間に高抵抗領域が形成されないため、トランジスタのオン電流、および移動度を大きくすることができる。また、領域232を設けることで、チャネル長方向において、ソース領域およびドレイン領域と、第1のゲート電極(導電層260)とが重ならないため、両者の間で不要な容量が形成されることを抑制できる。また、領域232を設けることで、非導通時のリーク電流を小さくすることができる。
つまり、各領域の範囲を適宜選択することにより、回路設計に合わせて、要求に見合う電気特性を有するトランジスタを容易に提供することができる。例えば、トランジスタ200をオフ電流が小さくなる構成とし、トランジスタ500をオン電流が大きくなる構成にすることができる。
金属酸化物230は、酸化物半導体として機能する金属酸化物を用いることが好ましい。例えば、領域234となる金属酸化物としては、バンドギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上のものを用いることが好ましい。このように、バンドギャップの大きい金属酸化物を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
酸化物半導体を用いたトランジスタは、非導通状態において極めてリーク電流が小さいため、低消費電力の半導体装置を提供できる。また、酸化物半導体は、スパッタリング法等を用いて成膜できるため、高集積型の半導体装置を構成するトランジスタに用いることができる。
絶縁層250は、ゲート絶縁層として機能する。絶縁層250は、金属酸化物230cの上面に接して配置することが好ましい。絶縁層250は、加熱により酸素が放出される絶縁層を用いて形成することが好ましい。例えば、昇温脱離ガス分光法分析(TDS分析)にて、酸素分子に換算しての酸素の脱離量が1.0×1018atoms/cm以上、好ましくは1.0×1019atoms/cm以上、さらに好ましくは2.0×1019atoms/cm、または3.0×1019atoms/cmである金属酸化物膜である。なお、上記TDS分析時における膜の表面温度としては100℃以上700℃以下の範囲が好ましい。
具体的には、過剰酸素を有する酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素および窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンを用いることができる。特に、酸化シリコン、および酸化窒化シリコンは熱に対し安定であるため好ましい。
加熱により酸素が放出される絶縁層を、絶縁層250として、金属酸化物230cの上面に接して設けることにより、絶縁層250から、金属酸化物230bの領域234に効果的に酸素を供給することができる。また、絶縁層224と同様に、絶縁層250中の水または水素等の不純物濃度が低減されていることが好ましい。絶縁層250の膜厚は、1nm以上20nm以下とするのが好ましい。
また、絶縁層250が有する過剰酸素を効率的に金属酸化物230へ供給するために、金属酸化物252を設けてもよい。したがって、金属酸化物252は、絶縁層250からの酸素拡散を抑制することが好ましい。酸素の拡散を抑制する金属酸化物252を設けることで、絶縁層250から導電層260への過剰酸素の拡散が抑制される。つまり、金属酸化物230へ供給する過剰酸素量の減少を抑制することができる。また、過剰酸素による導電層260の酸化を抑制することができる。
なお、金属酸化物252は、第1のゲートの一部としての機能を有してもよい。例えば、金属酸化物230として用いることができる酸化物半導体を、金属酸化物252として用いることができる。その場合、導電層260をスパッタリング法で成膜することで、金属酸化物252の電気抵抗値を低下させて導電層とすることができる。これをOC(Oxide Conductor)電極と呼ぶことができる。
また、金属酸化物252は、ゲート絶縁層の一部としての機能を有する場合がある。したがって、絶縁層250に酸化シリコンや酸化窒化シリコン等を用いる場合、金属酸化物252は、比誘電率が高いhigh−k材料である金属酸化物を用いることが好ましい。当該積層構造とすることで、熱に対して安定、かつ比誘電率の高い積層構造とすることができる。したがって、物理膜厚を保持したまま、トランジスタ動作時に印加するゲート電位の低減化が可能となる。また、ゲート絶縁層として機能する絶縁層の等価酸化膜厚(EOT)の薄膜化が可能となる。
トランジスタ200において、金属酸化物252を単層で示したが、2層以上の積層構造としてもよい。例えば、ゲート電極の一部として機能する金属酸化物と、ゲート絶縁層の一部として機能する金属酸化物とを積層して設けてもよい。
金属酸化物252を有することで、ゲート電極として機能する場合は、導電層260からの電界の影響を弱めることなく、トランジスタ200のオン電流の向上を図ることができる。または、ゲート絶縁層として機能する場合は、絶縁層250と、金属酸化物252との物理的な厚みにより、導電層260と、金属酸化物230との間の距離を保つことで、導電層260と金属酸化物230との間のリーク電流を抑制することができる。したがって、絶縁層250、および金属酸化物252との積層構造を設けることで、導電層260と金属酸化物230との間の物理的な距離、および導電層260から金属酸化物230へかかる電界強度を、容易に適宜調整することができる。
具体的には、金属酸化物252として、金属酸化物230に用いることができる酸化物半導体を低抵抗化することで、金属酸化物252として用いることができる。または、ハフニウム、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、タングステン、チタン、タンタル、ニッケル、ゲルマニウム、または、マグネシウム等から選ばれた一種、または二種以上が含まれた金属酸化物を用いることができる。
特に、アルミニウム、またはハフニウムの一方または双方の酸化物を含む絶縁層である、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウムおよびハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)等を用いることが好ましい。特に、ハフニウムアルミネートは、酸化ハフニウム膜よりも、耐熱性が高い。そのため、後の工程での熱履歴において、結晶化しにくいため好ましい。なお、金属酸化物252は、必須の構成ではない。求めるトランジスタ特性により、適宜設計すればよい。
第1のゲート電極として機能する導電層260は、導電層260a、および導電層260a上の導電層260bを有する。導電層260aは、導電層205の第1の導電層と同様に、水素原子、水素分子、水分子、窒素原子、窒素分子、酸化窒素分子(NO、NO、NO等)、銅原子等の不純物のうち、少なくとも一の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。または、酸素(例えば、酸素原子、酸素分子等)の拡散を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。
導電層260aが酸素の拡散を抑制する機能を持つことにより、絶縁層250および金属酸化物252が有する過剰酸素により、導電層260bが酸化して導電率が低下することを抑制することができる。酸素の拡散を抑制する機能を有する導電性材料としては、例えば、タンタル、窒化タンタル、ルテニウム、または酸化ルテニウム等を用いることが好ましい。
また、導電層260bは、タングステン、銅、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、導電層260は、配線として機能するため、導電性が高い導電層を用いることが好ましい。例えば、タングステン、銅、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることができる。また、導電層260bは積層構造としてもよく、例えば、チタン、窒化チタンと上記導電性材料との積層としてもよい。
また、図10(A)に示すように、導電層205が、金属酸化物230のチャネル幅方向と交わる端部よりも外側の領域において、延伸している場合、導電層260は、当該領域において、絶縁層250を介して、重畳していることが好ましい。つまり、金属酸化物230の側面の外側において、導電層205と、絶縁層250と、導電層260とは、積層構造を形成することが好ましい。
上記構成を有することで、導電層260および導電層205に電位を印加した場合、導電層260から生じる電界と、導電層205から生じる電界と、がつながり、金属酸化物230に形成されるチャネル形成領域を覆うことができる。
つまり、第1のゲート電極としての機能を有する導電層260の電界と、第2のゲート電極としての機能を有する導電層205の電界によって、領域234のチャネル形成領域を電気的に取り囲むことができる。
また、導電層260bの上に、バリア膜として機能する絶縁層270を配置してもよい。絶縁層270は、水または水素等の不純物、および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いるとよい。例えば、酸化アルミニウムまたは酸化ハフニウム等を用いることが好ましい。これにより、絶縁層270よりも上方からの酸素で導電層260が酸化するのを抑制することができる。また、絶縁層270よりも上方からの水または水素等の不純物が、導電層260および絶縁層250を介して、金属酸化物230に混入することを抑制することができる。
また、絶縁層270上に、ハードマスクとして機能する絶縁層271を配置することが好ましい。絶縁層271を設けることで、導電層260の加工の際、導電層260の側面が概略垂直、具体的には、導電層260の側面と基板表面のなす角を、75度以上100度以下、好ましくは80度以上95度以下とすることができる。導電層260をこのような形状に加工することで、次に形成する絶縁層275を所望の形状に形成することができる。
なお、絶縁層271に、水または水素等の不純物、および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁性材料を用いることで、バリア膜としての機能を兼ねさせてもよい。その場合、絶縁層270は設けなくともよい。
バッファ層として機能する絶縁層275は、金属酸化物230cの側面、絶縁層250の側面、金属酸化物252の側面、導電層260の側面、および絶縁層270の側面に接して設ける。
例えば、絶縁層275として、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素および窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンまたは樹脂等を有することが好ましい。特に、酸化シリコンおよび酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため好ましい。特に、酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンは、後の工程で、容易に過剰酸素領域を形成することができるため好ましい。
また、絶縁層275は、過剰酸素領域を有することが好ましい。加熱により酸素が放出される絶縁層を、絶縁層275として、金属酸化物230cおよび絶縁層250と接して設けることで、金属酸化物230bの領域234に絶縁層250から効果的に酸素を供給することができる。また、絶縁層275中の水または水素等の不純物濃度が低減されていることが好ましい。
絶縁層130は、比誘電率の大きい絶縁層を用いることが好ましく、絶縁層222等に用いることができる絶縁層を用いればよい。例えば、アルミニウムおよびハフニウムの一方または双方の酸化物を含む絶縁層を用いることができる。アルミニウムおよびハフニウムの一方または双方の酸化物を含む絶縁層として、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウムおよびハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)等を用いることが好ましい。また、絶縁層130は、積層構造であってもよい。例えば、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウムおよびハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)等から、2層以上を選び積層構造としてもよい。例えば、ALD法によって、酸化ハフニウム、酸化アルミニウムおよび酸化ハフニウムを順に成膜し、積層構造とすることが好ましい。酸化ハフニウムおよび酸化アルミニウムの膜厚は、それぞれ、0.5nm以上5nm以下とする。このような積層構造とすることで、容量値が大きく、かつリーク電流の小さな容量素子100とすることができる。
図9(A)に示すように、上面視において、絶縁層130の側面は、導電層110の側面および導電層120の側面と一致しているが、これに限られるものではない。例えば、絶縁層130をパターン形成せずに、絶縁層130がトランジスタ200およびトランジスタ500を覆う構成にしてもよい。
導電層120は、タングステン、銅、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、図示しないが、導電層120は積層構造としてもよく、例えば、チタン、窒化チタンと上記導電性材料との積層としてもよい。
絶縁層273は、少なくとも層242、絶縁層275、層542、絶縁層575、および導電層120上に設けられる。絶縁層273をスパッタリング法で成膜することで、絶縁層275および絶縁層575へ過剰酸素領域を設けることができる。これにより、当該過剰酸素領域から、金属酸化物230の中、および金属酸化物530の中に酸素を供給することができる。また、絶縁層273を、金属酸化物230の層242上、および金属酸化物530の層542上に設けることで、金属酸化物230および金属酸化物530中の水素を、絶縁層273へと引き抜くことができる。
例えば、絶縁層273として、ハフニウム、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、タングステン、チタン、タンタル、ニッケル、ゲルマニウム、または、マグネシウム等から選ばれた一種、または二種以上が含まれた金属酸化物を用いることができる。
特に、酸化アルミニウムはバリア性が高く、0.5nm以上3.0nm以下の薄膜であっても、水素および窒素の拡散を抑制することができる。
また、絶縁層273の上に絶縁層274を設ける。絶縁層274は、バリア性を有し、水素濃度が低減された膜を用いることが好ましい。例えば、絶縁層274としては、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン等を用いるとよい。バリア性を有する絶縁層273と、バリア性を有する絶縁層274とを設けることで、層間膜等、他の構造体から不純物がトランジスタ200へ拡散することを抑制することができる。
また、絶縁層274の上に、層間膜として機能する絶縁層280を設けることが好ましい。絶縁層280は、絶縁層224等と同様に、膜中の水または水素等の不純物濃度が低減されていることが好ましい。なお、絶縁層280の上に絶縁層210と同様の絶縁層を設けてもよい。当該絶縁層をスパッタリング法で成膜することで、絶縁層280の不純物を低減することができる。
また、絶縁層280、絶縁層274、および絶縁層273に形成された開口に、導電層240a、導電層240b、導電層540a、および導電層540bを配置する。導電層240aおよび導電層240bは、導電層260を挟んで対向して設ける。導電層540aおよび導電層540bは、導電層560を挟んで対向して設ける。なお、導電層240a、導電層240b、導電層540a、および導電層540bの上面の高さは、絶縁層280の上面と、同一平面上としてもよい。
なお、絶縁層280、絶縁層274、および絶縁層273の開口の内壁に接して導電層240aが形成されている。当該開口の底部の少なくとも一部には金属酸化物230の領域231aが位置しており、導電層240aが領域231aと接する。導電層540a、導電層540bについても同様である。
ここで、図11に示すように、導電層240aは、金属酸化物230の側面と重畳することが好ましい。特に、導電層240aは、金属酸化物230のチャネル幅方向と交わる側面において、A7側の側面、およびA8側の側面の双方または一方と重畳することが好ましい。また、導電層240aが、金属酸化物230のチャネル長方向と交わる側面において、A1側(A2側)の側面と重畳する構成にしてもよい。このように、導電層240aが、ソース領域またはドレイン領域となる領域231、および金属酸化物230の側面と重畳する構成とすることで、導電層240aとトランジスタ200のコンタクト部の投影面積を増やすことなく、コンタクト部の接触面積を増加させ、導電層240aとトランジスタ200の接触抵抗を低減することができる。これにより、トランジスタのソース電極およびドレイン電極の微細化を図りつつ、オン電流を大きくすることができる。また、金属酸化物230のソース領域またはドレイン領域となる領域231と接する導電層110も同様に金属酸化物230および層242と接することが好ましい。また、導電層540a、導電層540bについても同様である。
導電層240a、導電層240b、導電層540a、および導電層540bは、タングステン、銅、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、導電層240a、導電層240b、導電層540a、および導電層540bは積層構造としてもよい。
ここで、例えば、絶縁層280、絶縁層274、および絶縁層273に開口を形成する際に、金属酸化物230において、領域231の低抵抗化した領域が除去され、低抵抗化していない金属酸化物230が露出する場合がある。その場合、導電層240の金属酸化物230と接する導電層(以下、導電層240の第1の導電層ともいう。)に用いる導電層として、金属膜、金属元素を有する窒化膜、または金属元素を有する酸化膜を用いるとよい。つまり、低抵抗化していない金属酸化物230と導電層240の第1の導電層とが接することで、金属化合物または金属酸化物230に酸素欠損が形成され、金属酸化物230の領域231が低抵抗化する。したがって、導電層240の第1の導電層と接する金属酸化物230を低抵抗化することで、金属酸化物230と導電層240とのコンタクト抵抗を低減することができる。したがって、導電層240の第1の導電層は、例えば、アルミニウム、ルテニウム、チタン、タンタル、タングステン等の金属元素を含むことが好ましい。導電層540も同様の構造にすればよい。
また、導電層240および導電層540を積層構造とする場合、絶縁層280、絶縁層274、および絶縁層273と接する導電層には、導電層205の第1の導電層等と同様に、水または水素等の不純物の透過を抑制する機能を有する導電性材料を用いることが好ましい。例えば、タンタル、窒化タンタル、チタン、窒化チタン、ルテニウム、または酸化ルテニウム等を用いることが好ましい。また、水または水素等の不純物の透過を抑制する機能を有する導電性材料は、単層または積層で用いてもよい。当該導電性材料を用いることで、絶縁層280より上層から水素、水等の不純物が、導電層240および導電層540を通じて金属酸化物230および金属酸化物530に混入することを抑制することができる。
また、図示しないが、導電層240および導電層540の上面に接するように、配線として機能する導電層を配置してもよい。配線として機能する導電層は、タングステン、銅、またはアルミニウムを主成分とする導電性材料を用いることが好ましい。また、当該導電層は、積層構造としてもよく、例えば、チタン、窒化チタンと上記導電性材料との積層としてもよい。なお、当該導電層は、導電層203等と同様に、絶縁層に設けられた開口に埋め込むように形成してもよい。
<半導体装置の構成材料>
以下では、半導体装置に用いることができる構成材料について説明する。以下において、特段の記載を行わない場合、トランジスタ200に用いることができる構成材料は、トランジスタ500に用いることができるものとする。
以下に示す構成材料の成膜は、スパッタリング法、化学気相成長(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、分子線エピタキシー(MBE:Molecular Beam Epitaxy)法、パルスレーザ堆積(PLD:Pulsed Laser Deposition)法、または原子層堆積(ALD:Atomic Layer Deposition)法等を用いて行うことができる。
なお、CVD法は、プラズマを利用するプラズマCVD(PECVD:Plasma Enhanced CVD)法、熱を利用する熱CVD(TCVD:Thermal CVD)法、光を利用する光CVD(Photo CVD)法等に分類できる。さらに用いる原料ガスによって金属CVD(MCVD:Metal CVD)法、有機金属CVD(MOCVD:Metal Organic CVD)法に分けることができる。
プラズマCVD法は、比較的低温で高品質の膜が得られる。また、熱CVD法は、プラズマを用いないため、被処理物へのプラズマダメージを抑制することが可能な成膜方法である。例えば、半導体装置に含まれる配線、電極、素子(トランジスタ、容量素子等)等は、プラズマから電荷を受け取ることでチャージアップする場合がある。このとき、蓄積した電荷によって、半導体装置に含まれる配線、電極、素子等が破壊される場合がある。一方、プラズマを用いない熱CVD法の場合、こういったプラズマダメージが生じないため、半導体装置の歩留まりを高くすることができる。また、熱CVD法では、成膜中のプラズマダメージが生じないため、欠陥の少ない膜が得られる。
また、ALD法も、被処理物へのプラズマダメージを抑制することが可能な成膜方法である。よって、欠陥の少ない膜が得られる。なお、ALD法で用いるプリカーサには炭素等の不純物を含むものがある。このため、ALD法により設けられた膜は、他の成膜法により設けられた膜と比較して、炭素等の不純物を多く含む場合がある。なお、不純物の定量は、X線光電子分光法(XPS:X−ray Photoelectron Spectroscopy)を用いて行うことができる。
CVD法およびALD法は、ターゲット等から放出される粒子が堆積する成膜方法とは異なり、被処理物の表面における反応により膜が形成される成膜方法である。したがって、被処理物の形状の影響を受けにくく、良好な段差被覆性を有する成膜方法である。特に、ALD法は、優れた段差被覆性と、優れた厚さの均一性を有するため、アスペクト比の高い開口部の表面を被覆する場合等に好適である。ただし、ALD法は、比較的成膜速度が遅いため、成膜速度の速いCVD法等の他の成膜方法と組み合わせて用いることが好ましい場合もある。
CVD法およびALD法は、原料ガスの流量比によって、得られる膜の組成を制御することができる。例えば、CVD法およびALD法では、原料ガスの流量比によって、任意の組成の膜を成膜することができる。また、例えば、CVD法およびALD法では、成膜しながら原料ガスの流量比を変化させることによって、組成が連続的に変化した膜を成膜することができる。原料ガスの流量比を変化させながら成膜する場合、複数の成膜室を用いて成膜する場合と比べて、搬送や圧力調整に掛かる時間を要さない分、成膜に掛かる時間を短くすることができる。したがって、半導体装置の生産性を高めることができる場合がある。
また、当該構成材料の加工はリソグラフィー法を用いて行えばよい。また、当該加工はドライエッチング法やウエットエッチング法を用いることができる。ドライエッチング法による加工は微細加工に適している。
リソグラフィー法では、まず、マスクを介してレジストを露光する。次に、露光された領域を、現像液を用いて除去または残存させてレジストマスクを形成する。次に、当該レジストマスクを介してエッチング処理することで導電層、半導体または絶縁層等を所望の形状に加工することができる。例えば、KrFエキシマレーザ光、ArFエキシマレーザ光、EUV(Extreme Ultraviolet)光等を用いて、レジストを露光することでレジストマスクを形成すればよい。また、基板と投影レンズとの間に液体(例えば水)を満たして露光する、液浸技術を用いてもよい。また、前述した光に代えて、電子ビームやイオンビームを用いてもよい。なお、電子ビームやイオンビームを用いる場合には、レジスト上に直接描画を行うため、上述のレジスト露光用のマスクは不要となる。なお、レジストマスクは、アッシング等のドライエッチング処理を行う、ウエットエッチング処理を行う、ドライエッチング処理後にウエットエッチング処理を行う、またはウエットエッチング処理後にドライエッチング処理を行う、等で、除去することができる。
また、レジストマスクの代わりに絶縁層や導電層からなるハードマスクを用いてもよい。ハードマスクを用いる場合、当該構成材料上にハードマスク材料となる絶縁膜や導電膜を形成し、その上にレジストマスクを形成し、ハードマスク材料をエッチングすることで所望の形状のハードマスクを形成することができる。当該構成材料のエッチングは、レジストマスクを除去してから行ってもよいし、レジストマスクを残したまま行ってもよい。後者の場合、エッチング中にレジストマスクが消失することがある。当該構成材料のエッチング後にハードマスクをエッチングにより除去してもよい。一方、ハードマスクの材料が後工程に影響が無い、あるいは後工程で利用できる場合、必ずしもハードマスクを除去する必要は無い。
ドライエッチング装置としては、平行平板型電極を有する容量結合型プラズマ(CCP:Capacitively Coupled Plasma)エッチング装置を用いることができる。平行平板型電極を有する容量結合型プラズマエッチング装置は、平行平板型電極の一方の電極に高周波電源を印加する構成でもよい。または平行平板型電極の一方の電極に複数の異なった高周波電源を印加する構成でもよい。または平行平板型電極それぞれに同じ周波数の高周波電源を印加する構成でもよい。または平行平板型電極それぞれに周波数の異なる高周波電源を印加する構成でもよい。または高密度プラズマ源を有するドライエッチング装置を用いることができる。高密度プラズマ源を有するドライエッチング装置は、例えば、誘導結合型プラズマ(ICP:Inductively Coupled Plasma)エッチング装置等を用いることができる。
[基板]
トランジスタ200およびトランジスタ500を形成する基板としては、例えば、絶縁層基板、半導体基板または導電層基板を用いればよい。絶縁層基板としては、例えば、ガラス基板、石英基板、サファイア基板、安定化ジルコニア基板(イットリア安定化ジルコニア基板等)、樹脂基板等がある。また、半導体基板としては、例えば、シリコン、ゲルマニウム等の半導体基板、または炭化シリコン、シリコンゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、酸化亜鉛、酸化ガリウムからなる化合物半導体基板等がある。さらには、前述の半導体基板内部に絶縁層領域を有する半導体基板、例えばSOI(Silicon On Insulator)基板等がある。導電層基板としては、黒鉛基板、金属基板、合金基板、導電性樹脂基板等がある。または、金属の窒化物を有する基板、金属の酸化物を有する基板等がある。さらには、絶縁層基板に導電層または半導体が設けられた基板、半導体基板に導電層または絶縁層が設けられた基板、導電層基板に半導体または絶縁層が設けられた基板等がある。または、これらの基板に素子が設けられたものを用いてもよい。基板に設けられる素子としては、容量素子、抵抗素子、スイッチ素子、発光素子、記憶素子等がある。
また、基板として、可撓性基板を用いてもよい。なお、可撓性基板上にトランジスタを設ける方法としては、非可撓性の基板上にトランジスタを作製した後、トランジスタを剥離し、可撓性基板である基板に転置する方法もある。その場合には、非可撓性基板とトランジスタとの間に剥離層を設けるとよい。また、基板が伸縮性を有してもよい。また、基板は、折り曲げや引っ張りをやめた際に、元の形状に戻る性質を有してもよい。または、元の形状に戻らない性質を有してもよい。基板は、例えば、5μm以上700μm以下、好ましくは10μm以上500μm以下、さらに好ましくは15μm以上300μm以下の厚さとなる領域を有する。基板を薄くすると、トランジスタを有する半導体装置を軽量化することができる。また、基板を薄くすることで、ガラス等を用いた場合にも伸縮性を有する場合や、折り曲げや引っ張りをやめた際に、元の形状に戻る性質を有する場合がある。そのため、落下等によって基板上の半導体装置に加わる衝撃等を緩和することができる。すなわち、丈夫な半導体装置を提供することができる。
可撓性基板である基板としては、例えば、金属、合金、樹脂もしくはガラス、またはそれらの繊維等を用いることができる。また、基板として、繊維を編みこんだシート、フィルムまたは箔等を用いてもよい。可撓性基板である基板は、線膨張率が低いほど環境による変形が抑制されて好ましい。可撓性基板である基板としては、例えば、線膨張率が1×10−3/K以下、5×10−5/K以下、または1×10−5/K以下である材質を用いればよい。樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミド等)、ポリイミド、ポリカーボネート、アクリル等がある。特に、アラミドは、線膨張率が低いため、可撓性基板である基板として好適である。
[絶縁層]
絶縁層としては、絶縁性を有する酸化物、窒化物、酸化窒化物、窒化酸化物、金属酸化物、金属酸化窒化物、金属窒化酸化物等がある。
例えば、トランジスタの微細化、および高集積化が進むと、ゲート絶縁層の薄膜化により、リーク電流等の問題が生じる場合がある。ゲート絶縁層として機能する絶縁層に、high−k材料を用いることで物理膜厚を保ちながら、トランジスタ動作時の低電圧化が可能となる。一方、層間膜として機能する絶縁層には、比誘電率が低い材料を層間膜とすることで、配線間に生じる寄生容量を低減することができる。したがって、絶縁層の機能に応じて、材料を選択するとよい。
また、比誘電率の高い絶縁層としては、酸化ガリウム、酸化ハフニウム、酸化ジルコニウム、アルミニウムおよびハフニウムを有する酸化物、アルミニウムおよびハフニウムを有する酸化窒化物、シリコンおよびハフニウムを有する酸化物、シリコンおよびハフニウムを有する酸化窒化物またはシリコンおよびハフニウムを有する窒化物等がある。
また、比誘電率が低い絶縁層としては、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素および窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンまたは樹脂等がある。
また、特に、酸化シリコンおよび酸化窒化シリコンは、熱的に安定である。そのため、例えば、樹脂と組み合わせることで、熱的に安定かつ比誘電率の低い積層構造とすることができる。樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミド等)、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリル等がある。また、例えば、酸化シリコン、および酸化窒化シリコンは、比誘電率の高い絶縁層と組み合わせることで、熱的に安定かつ比誘電率の高い積層構造とすることができる。
また、酸化物半導体を用いたトランジスタは、水素等の不純物および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁層で囲うことによって、トランジスタの電気特性を安定にすることができる。
水素等の不純物および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁層としては、例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウムまたはタンタルを含む絶縁層を、単層で、または積層で用いればよい。具体的には、水素等の不純物および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁層として、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウムまたは酸化タンタル等の金属酸化物、窒化酸化シリコンまたは窒化シリコン等を用いることができる。
例えば、絶縁層273として、ハフニウム、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、ジルコニウム、タングステン、チタン、タンタル、ニッケル、ゲルマニウム、または、マグネシウム等から選ばれた一種、または二種以上が含まれた金属酸化物を用いることができる。
特に、酸化アルミニウムはバリア性が高く、0.5nm以上3.0nm以下の薄膜であっても、水素、および窒素の拡散を抑制することができる。また、酸化ハフニウムは、酸化アルミニウムよりもバリア性が低いが、膜厚を厚くすることによりバリア性を高めることができる。したがって、酸化ハフニウムの膜厚を調整することで、水素、および窒素の適切な添加量を調整することができる。
例えば、ゲート絶縁層の一部として機能する絶縁層224および絶縁層250は、過剰酸素領域を有する絶縁層であることが好ましい。例えば、過剰酸素領域を有する酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを金属酸化物230と接する構造とすることで、金属酸化物230が有する酸素欠損を補償することができる。
また、例えば、ゲート絶縁層の一部として機能する絶縁層222において、アルミニウム、ハフニウム、およびガリウムの一種または複数種の酸化物を含む絶縁層を用いることができる。特に、アルミニウムおよびハフニウムの一方または双方の酸化物を含む絶縁層として、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、アルミニウムおよびハフニウムを含む酸化物(ハフニウムアルミネート)等を用いることが好ましい。
例えば、絶縁層220には、熱に対して安定である酸化シリコンまたは酸化窒化シリコンを用いることが好ましい。ゲート絶縁層として、熱に対して安定な膜と、比誘電率が高い積層構造とすることで、物理膜厚を保持したまま、ゲート絶縁層の等価酸化膜厚(EOT)の薄膜化が可能となる。
上記積層構造とすることで、ゲート電極からの電界の影響を弱めることなく、オン電流の向上を図ることができる。また、ゲート絶縁層の物理的な厚みにより、ゲート電極と、チャネルが形成される領域との間の距離を保つことで、ゲート電極とチャネル形成領域との間のリーク電流を抑制することができる。
絶縁層212、絶縁層216、絶縁層271、絶縁層275、および絶縁層280は、比誘電率の低い絶縁層を有することが好ましい。例えば、当該絶縁層は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素および窒素を添加した酸化シリコン、空孔を有する酸化シリコンまたは樹脂等を有することが好ましい。または、当該絶縁層は、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、フッ素を添加した酸化シリコン、炭素を添加した酸化シリコン、炭素および窒素を添加した酸化シリコンまたは空孔を有する酸化シリコンと、樹脂と、の積層構造を有することが好ましい。酸化シリコンおよび酸化窒化シリコンは、熱的に安定であるため、樹脂と組み合わせることで、熱的に安定かつ比誘電率の低い積層構造とすることができる。樹脂としては、例えば、ポリエステル、ポリオレフィン、ポリアミド(ナイロン、アラミド等)、ポリイミド、ポリカーボネートまたはアクリル等がある。
絶縁層210、絶縁層214、絶縁層270、および絶縁層273としては、水素等の不純物および酸素の透過を抑制する機能を有する絶縁層を用いればよい。絶縁層270および絶縁層273としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化ハフニウム、酸化マグネシウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジムまたは酸化タンタル等の金属酸化物、窒化酸化シリコンまたは窒化シリコン等を用いればよい。
[導電層]
導電層とは、アルミニウム、クロム、銅、銀、金、白金、タンタル、ニッケル、チタン、モリブデン、タングステン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、インジウム、ルテニウム等から選ばれた金属元素を1種以上含む材料を用いることができる。また、リン等の不純物元素を含有させた多結晶シリコンに代表される、電気伝導度が高い半導体、ニッケルシリサイド等のシリサイドを用いてもよい。
また、上記の材料で形成される導電層を複数積層して用いてもよい。例えば、前述した金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造としてもよい。また、前述した金属元素を含む材料と、窒素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造としてもよい。また、前述した金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材料と、窒素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造としてもよい。
なお、トランジスタのチャネル形成領域に酸化物を用いる場合において、ゲート電極として機能する導電層には、前述した金属元素を含む材料と、酸素を含む導電性材料と、を組み合わせた積層構造を用いることが好ましい。この場合は、酸素を含む導電性材料をチャネル形成領域側に設けるとよい。酸素を含む導電性材料をチャネル形成領域側に設けることで、当該導電性材料から離脱した酸素がチャネル形成領域に供給されやすくなる。
特に、ゲート電極として機能する導電層として、チャネルが形成される金属酸化物に含まれる金属元素および酸素を含む導電性材料を用いることが好ましい。また、前述した金属元素および窒素を含む導電性材料を用いてもよい。例えば、窒化チタン、窒化タンタル等の窒素を含む導電性材料を用いてもよい。また、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、シリコンを添加したインジウム錫酸化物を用いてもよい。また、窒素を含むインジウムガリウム亜鉛酸化物を用いてもよい。このような材料を用いることで、チャネルが形成される金属酸化物に含まれる水素を捕獲することができる場合がある。または、外方の絶縁層等から混入する水素を捕獲することができる場合がある。
導電層260、導電層203、導電層205、および導電層240としては、アルミニウム、クロム、銅、銀、金、白金、タンタル、ニッケル、チタン、モリブデン、タングステン、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、マンガン、マグネシウム、ジルコニウム、ベリリウム、インジウム、ルテニウム等から選ばれた金属元素を1種以上含む材料を用いることができる。また、リン等の不純物元素を含有させた多結晶シリコンに代表される、電気伝導度が高い半導体、ニッケルシリサイド等のシリサイドを用いてもよい。
[金属酸化物]
金属酸化物230として、酸化物半導体として機能する金属酸化物(以下、酸化物半導体ともいう。)を用いることが好ましい。以下では、本発明に係る金属酸化物230に適用可能な金属酸化物について説明する。
金属酸化物は、少なくともインジウムまたは亜鉛を含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウムまたはスズ等が含まれていることが好ましい。また、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウム等から選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
ここでは、金属酸化物が、インジウム、元素Mおよび亜鉛を有するIn‐M‐Zn酸化物である場合を考える。なお、元素Mは、アルミニウム、ガリウム、イットリウムまたはスズ等とする。そのほかの元素Mに適用可能な元素としては、ホウ素、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、マグネシウム等がある。ただし、元素Mとして、前述の元素を複数組み合わせても構わない場合がある。
なお、本明細書等において、窒素を有する金属酸化物も金属酸化物(metal oxide)と総称する場合がある。また、窒素を有する金属酸化物を、金属酸窒化物(metal oxynitride)と呼称してもよい。
〔金属酸化物の構成〕
以下では、本発明の一態様で開示されるトランジスタに用いることができるCAC(Cloud−Aligned Composite)−OSの構成について説明する。
なお、本明細書等において、CAAC(c−axis aligned crystal)、およびCAC(Cloud−Aligned Composite)と記載する場合がある。なお、CAACは結晶構造の一例を表し、CACは機能、または材料の構成の一例を表す。
CAC−OSまたはCAC−metal oxideとは、材料の一部では導電性の機能と、材料の一部では絶縁性の機能とを有し、材料の全体では半導体としての機能を有する。なお、CAC−OSまたはCAC−metal oxideを、トランジスタの活性層に用いる場合、導電性の機能は、キャリアとなる電子(または正孔)を流す機能であり、絶縁性の機能は、キャリアとなる電子を流さない機能である。導電性の機能と、絶縁性の機能とを、それぞれ相補的に作用させることで、スイッチングさせる機能(On/Offさせる機能)をCAC−OSまたはCAC−metal oxideに付与することができる。CAC−OSまたはCAC−metal oxideにおいて、それぞれの機能を分離させることで、双方の機能を最大限に高めることができる。
また、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、導電性領域、および絶縁性領域を有する。導電性領域は、上述の導電性の機能を有し、絶縁性領域は、上述の絶縁性の機能を有する。また、材料中において、導電性領域と、絶縁性領域とは、ナノ粒子レベルで分離している場合がある。また、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ材料中に偏在する場合がある。また、導電性領域は、周辺がぼけてクラウド状に連結して観察される場合がある。
また、CAC−OSまたはCAC−metal oxideにおいて、導電性領域と、絶縁性領域とは、それぞれ0.5nm以上10nm以下、好ましくは0.5nm以上3nm以下のサイズで材料中に分散している場合がある。
また、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、異なるバンドギャップを有する成分により構成される。例えば、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、絶縁性領域に起因するワイドギャップを有する成分と、導電性領域に起因するナローギャップを有する成分と、により構成される。当該構成の場合、キャリアを流す際に、ナローギャップを有する成分において、主にキャリアが流れる。また、ナローギャップを有する成分が、ワイドギャップを有する成分に相補的に作用し、ナローギャップを有する成分に連動してワイドギャップを有する成分にもキャリアが流れる。このため、上記CAC−OSまたはCAC−metal oxideをトランジスタのチャネル形成領域に用いる場合、トランジスタのオン状態において高い電流駆動力、つまり大きなオン電流、および高い電界効果移動度を得ることができる。
すなわち、CAC−OSまたはCAC−metal oxideは、マトリックス複合材(matrix composite)、または金属マトリックス複合材(metal matrix composite)と呼称することもできる。
〔金属酸化物の構造〕
酸化物半導体(金属酸化物)は、単結晶酸化物半導体と、それ以外の非単結晶酸化物半導体と、に分けられる。非単結晶酸化物半導体としては、例えば、CAAC−OS(c−axis aligned crystalline oxide semiconductor)、多結晶酸化物半導体、nc−OS(nanocrystalline oxide semiconductor)、擬似非晶質酸化物半導体(a−like OS:amorphous−like oxide semiconductor)および非晶質酸化物半導体等がある。
CAAC−OSは、c軸配向性を有し、かつa−b面方向において複数のナノ結晶が連結し、歪みを有した結晶構造となっている。なお、歪みとは、複数のナノ結晶が連結する領域において、格子配列の揃った領域と、別の格子配列の揃った領域と、の間で格子配列の向きが変化している箇所を指す。
ナノ結晶は、六角形を基本とするが、正六角形状とは限らず、非正六角形状である場合がある。また、歪みにおいて、五角形、および七角形等の格子配列を有する場合がある。なお、CAAC−OSにおいて、歪み近傍においても、明確な結晶粒界(グレインバウンダリーともいう。)を確認することは難しい。すなわち、格子配列の歪みによって、結晶粒界の形成が抑制されていることがわかる。これは、CAAC−OSが、a−b面方向において酸素原子の配列が稠密でないことや、金属元素が置換することで原子間の結合距離が変化すること等によって、歪みを許容することができるためである。
また、CAAC−OSは、インジウム、および酸素を有する層(以下、In層)と、元素M、亜鉛、および酸素を有する層(以下、(M,Zn)層)とが積層した、層状の結晶構造(層状構造ともいう)を有する傾向がある。なお、インジウムと元素Mは、互いに置換可能であり、(M,Zn)層の元素Mがインジウムと置換した場合、(In,M,Zn)層と表すこともできる。また、In層のインジウムが元素Mと置換した場合、(In,M)層と表すこともできる。
CAAC−OSは結晶性の高い金属酸化物である。一方、CAAC−OSは、明確な結晶粒界を確認することが難しいため、結晶粒界に起因する電子移動度の低下が起こりにくいといえる。また、金属酸化物の結晶性は不純物の混入や欠陥の生成等によって低下する場合があるため、CAAC−OSは不純物や欠陥(酸素欠損等)の少ない金属酸化物ともいえる。したがって、CAAC−OSを有する金属酸化物は、物理的性質が安定する。そのため、CAAC−OSを有する金属酸化物は熱に強く、信頼性が高い。
nc−OSは、微小な領域(例えば、1nm以上10nm以下の領域、特に1nm以上3nm以下の領域)において原子配列に周期性を有する。また、nc−OSは、異なるナノ結晶間で結晶方位に規則性が見られない。そのため、膜全体で配向性が見られない。したがって、nc−OSは、分析方法によっては、a−like OSや非晶質酸化物半導体と区別が付かない場合がある。
a−like OSは、nc−OSと非晶質酸化物半導体との間の構造を有する金属酸化物である。a−like OSは、鬆または低密度領域を有する。すなわち、a−like OSは、nc−OSおよびCAAC−OSと比べて、結晶性が低い。
酸化物半導体(金属酸化物)は、多様な構造をとり、それぞれが異なる特性を有する。本発明の一態様の酸化物半導体は、非晶質酸化物半導体、多結晶酸化物半導体、a−like OS、nc−OS、CAAC−OSのうち、二種以上を有していてもよい。
〔金属酸化物を有するトランジスタ〕
続いて、上記金属酸化物をトランジスタのチャネル形成領域に用いる場合について説明する。
なお、上記金属酸化物をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、高い電界効果移動度のトランジスタを実現することができる。また、信頼性の高いトランジスタを実現することができる。
また、トランジスタには、キャリア密度の低い金属酸化物を用いることが好ましい。金属酸化物膜のキャリア密度を低くする場合においては、金属酸化物膜中の不純物濃度を低くし、欠陥準位密度を低くすればよい。本明細書等において、不純物濃度が低く、欠陥準位密度の低いことを高純度真性または実質的に高純度真性という。例えば、金属酸化物は、キャリア密度が8×1011/cm未満、好ましくは1×1011/cm未満、さらに好ましくは1×1010/cm未満であり、1×10−9/cm以上とすればよい。
また、高純度真性または実質的に高純度真性である金属酸化物膜は、欠陥準位密度が低いため、トラップ準位密度も低くなる場合がある。
また、金属酸化物のトラップ準位に捕獲された電荷は、消失するまでに要する時間が長く、あたかも固定電荷のように振る舞うことがある。そのため、トラップ準位密度の高い金属酸化物をチャネル形成領域に有するトランジスタは、電気特性が不安定となる場合がある。
したがって、トランジスタの電気特性を安定にするためには、金属酸化物中の不純物濃度を低減することが有効である。また、金属酸化物中の不純物濃度を低減するためには、近接する膜中の不純物濃度も低減することが好ましい。不純物としては、水素、窒素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、鉄、ニッケル、シリコン等がある。
〔不純物〕
ここで、金属酸化物中における各不純物の影響について説明する。
金属酸化物において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、金属酸化物において欠陥準位が形成される。このため、金属酸化物におけるシリコンや炭素の濃度と、金属酸化物との界面近傍のシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法(SIMS:Secondary Ion Mass Spectrometry)により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1017atoms/cm以下とする。
また、金属酸化物にアルカリ金属またはアルカリ土類金属が含まれると、欠陥準位を形成し、キャリアを生成する場合がある。したがって、アルカリ金属またはアルカリ土類金属が含まれている金属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、金属酸化物中のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を低減することが好ましい。具体的には、SIMSにより得られる金属酸化物中のアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度を、1×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1016atoms/cm以下にする。
また、金属酸化物において、窒素が含まれると、キャリアである電子が生じ、キャリア密度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている金属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。したがって、当該金属酸化物において、チャネル形成領域の窒素はできる限り低減されていることが好ましい。例えば、金属酸化物中の窒素濃度は、SIMSにおいて、5×1019atoms/cm未満、好ましくは5×1018atoms/cm以下、より好ましくは1×1018atoms/cm以下、さらに好ましくは5×1017atoms/cm以下とする。
また、金属酸化物に含まれる水素は、金属原子と結合する酸素と反応して水になるため、酸素欠損を形成する場合がある。当該酸素欠損に水素が入ることで、キャリアである電子が生成される場合がある。また、水素の一部が金属原子と結合する酸素と結合して、キャリアである電子を生成することがある。したがって、水素が含まれている金属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため、金属酸化物中の水素はできる限り低減されていることが好ましい。具体的には、金属酸化物において、SIMSにより得られる水素濃度を、1×1020atoms/cm未満、好ましくは1×1019atoms/cm未満、より好ましくは5×1018atoms/cm未満、さらに好ましくは1×1018atoms/cm未満とする。
不純物が十分に低減された金属酸化物をトランジスタのチャネル形成領域に用いることで、安定した電気特性を付与することができる。
<半導体装置の変形例>
上記では、図2におけるトランジスタTr1、Tr2に対応するトランジスタが共にOSトランジスタである構成例について説明したが、トランジスタTr2に対応するトランジスタとしてSiトランジスタを用いることもできる。この場合、トランジスタTr2に対応するSiトランジスタの上方に、トランジスタTr1に対応するOSトランジスタを設けることができる。このような構成を有する半導体装置の構成例を、図13に示す。
図13に示す層310はトランジスタ300を有する層であり、層610はトランジスタ700を有する層である。なお、トランジスタ300はSiトランジスタであり、図2におけるトランジスタTr2に対応する。また、トランジスタ700はOSトランジスタであり、図2におけるトランジスタTr1に対応する。トランジスタ700の構成の詳細については、トランジスタ200の説明を参酌することができる。
トランジスタ300は、基板311上に設けられ、基板311の一部によって構成される半導体領域313、絶縁層315、導電層316、ソース領域またはドレイン領域として機能する低抵抗領域314aおよび低抵抗領域314bを有する。また、トランジスタ300は、素子分離絶縁層として機能する絶縁層321によって、他のトランジスタと電気的に分離されている。
絶縁層315はトランジスタ300のゲート絶縁膜としての機能を有し、導電層316はトランジスタ300のゲートとしての機能を有する。そして、トランジスタ300のゲートは、トランジスタ700のソースまたはドレインの他方と接続されている。これにより、トランジスタ300およびトランジスタ700を用いたメモリセルを構成することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態2)
本実施の形態では、本発明の一態様を撮像装置に適用した場合について説明する。なお、撮像装置は、半導体装置の一種である。
<撮像装置の構成例>
メモリセルMCおよび参照用メモリセルMCrefの、図2とは異なる構成例を図14に示す。図14には、図2と同様に代表例としてメモリセルMC[i,j]、メモリセルMC[i+1,j]、メモリセルMC[i,j+1]、メモリセルMC[i+1,j+1]、参照用メモリセルMCref[i]、および参照用メモリセルMCref[i+1]を示しているが、他のメモリセルMCおよび参照用メモリセルMCrefにも同様の構成を用いることができる。図14に示す構成のメモリセルMCおよび参照用メモリセルMCrefは、光電変換素子PD、トランジスタTr11、トランジスタTr12、トランジスタTr13、および容量素子C11を有する。ここでは、トランジスタTr11乃至トランジスタTr13がnチャネル型のトランジスタである場合について説明する。なお、本実施の形態において、メモリセルは、画素と言い換えることができる。
メモリセルMCにおいて、光電変換素子PDの一方の電極は、トランジスタTr11のソースまたはドレインの一方と電気的に接続されている。光電変換素子PDの他方の電極は、配線VPDと電気的に接続されている。トランジスタTr11のソースまたはドレインの他方は、トランジスタTr13のソースまたはドレインの一方、トランジスタTr12のゲート、および容量素子C11の一方の端子と電気的に接続されている。トランジスタTr11のゲートは、配線TXと電気的に接続されている。
トランジスタTr13のゲートは、配線PRと電気的に接続されている。トランジスタTr13のソースまたはドレインの他方は、配線VPRと電気的に接続されている。トランジスタTr12のソースまたはドレインの一方は、配線Bと電気的に接続されている。トランジスタTr12のソースまたはドレインの他方は、配線VRと電気的に接続されている。容量素子C11の他方の端子は、配線RWと電気的に接続されている。
ここで、配線VPD、配線VR、および配線VPRは、所定の電位を供給する機能を有する。例えば、配線VPDおよび配線VRからは低電源電位を供給することができる。また、配線VPRは、電位Vprを供給する機能を有する。
トランジスタTr11のソースまたはドレインの他方、トランジスタTr12のゲート、トランジスタTr13のソースまたはドレインの一方、および容量素子C11の一方の端子と電気的に接続されたノードを、ノードNとする。また、図2と同様に、メモリセルMC[i,j]、メモリセルMC[i+1,j]、メモリセルMC[i,j+1]、およびメモリセルMC[i+1,j+1]のノードNを、それぞれノードN[i,j]、ノードN[i+1,j]、ノードN[i,j+1]、およびノードN[i+1,j+1]と表記する。
参照用メモリセルMCrefも、メモリセルMCと同様の構成を有する。ただし、参照用メモリセルMCrefは配線Bの代わりに配線Brefと電気的に接続されている。また、参照用メモリセルMCref[i]および参照用メモリセルMCref[i+1]において、トランジスタTr11のソースまたはドレインの他方、トランジスタTr12のゲート、トランジスタTr13のソースまたはドレインの一方、および容量素子C11の一方の端子と電気的に接続されたノードを、それぞれノードNref[i]およびノードNref[i+1]と表記する。
図14に示す構成のメモリセルMCおよび参照用メモリセルMCrefでは、光電変換素子PDに照射された光の照度に応じた撮像データを取得することができる。メモリセルMCでは、当該撮像データを積和演算における第1のデータとすることができ、参照用メモリセルMCrefでは、当該撮像データを積和演算における参照データとすることができる。撮像データを取得した場合、ノードNの電位は第1のデータに対応する電位に保持され、ノードNrefの電位は参照データに対応する電位に保持される。
第2のデータは、図2に示す場合と同様に、配線RWを介してメモリセルMCおよび参照用メモリセルMCrefに入力することができる。
メモリセルMCが有するトランジスタTr12には、図2に示すトランジスタTr2と同様に、配線Bから電流IMCが流れる。参照用メモリセルMCrefが有するトランジスタTr12には、図2に示すトランジスタTr2と同様に、配線Brefから電流IMCrefが流れる。
トランジスタTr11およびトランジスタTr13は、ノードNまたはノードNrefの電位を保持する機能を有するため、オフ電流が小さいトランジスタ、例えばOSトランジスタを用いることが好ましい。前述のように、OSトランジスタをメモリセルMCおよび参照用メモリセルMCrefに用いることにより、ノードNおよびノードNrefの電位の変動を抑えることができる。これにより、例えばすべてのメモリセルMCおよび参照用メモリセルMCrefが同時に、第1のデータである撮像データを取得しても、積和演算の精度を向上させ、半導体装置10の信頼性を向上させることができる。また、ノードNおよびノードNrefの電位をリフレッシュする動作の頻度を低く抑えることができるため、半導体装置10の消費電力を低減することができる。
トランジスタTr12は、トランジスタTr2と同様のトランジスタを用いることができる。例えば、トランジスタTr12として、OSトランジスタの他、Siトランジスタ等を用いることができる。また、トランジスタTr11乃至トランジスタTr13のうち一部または全部のトランジスタは、一対のゲートを有する構成とすることができる。
また、光電変換素子PDには、光検出感度を高めるためアバランシェフォトダイオードを用いてもよい。アバランシェフォトダイオードを用いる場合は、電位Vprを比較的高い電位とする必要がある。
このとき、トランジスタTr11およびトランジスタTr13には、高電位を印加できる高耐圧のトランジスタを用いることが好ましい。OSトランジスタは高耐圧であるので、トランジスタTr11およびトランジスタTr13としてOSトランジスタを用いることが好ましい。
光電変換素子PDにアバランシェフォトダイオードを用い、トランジスタTr11乃至トランジスタTr13を上述した構成とすることで、本発明の一態様の半導体装置を、低照度における光の検出感度が高く、ノイズの少ない撮像データを取得することができる撮像装置とすることができる。また、光の検出感度が高いため、光の取り込み時間を短くすることができ、撮像データの取得を高速に行うことができる。
なお、上記構成に限らず、光電変換素子PDはアバランシェフォトダイオードでなくてもよい。また、光電変換素子PDをアバランシェフォトダイオードとした場合であっても、光電変換素子PDにアバランシェ増倍が生じない電位を印加して使用してもよい。
メモリセルMCおよび参照用メモリセルMCrefを図14に示す構成とした場合の、本発明の一態様の半導体装置である半導体装置10の構成例を図15に示す。図15は、図1の変形例であり、半導体装置10を撮像装置とした場合の構成例を示している。
図15に示すように、参照用メモリセルMCrefは、遮光層LSにより遮光されている。これにより、参照データに対応する電位を、外光の照度に依存しない電位とすることができる。
<撮像装置の動作例>
図16に、半導体装置10を撮像装置とした場合における、半導体装置10の動作例のタイミングチャートを示す。図16には、図14における配線PR、配線TX、ノードN[i,j]、ノードN[i.j+1]、ノードN[i+1,j]、ノードN[i+1,j+1]、ノードNref[i]、ノードNref[i+1]、配線RW[i]、および配線RW[i+1]の電位の推移、ならびに電流I[j]、電流I[j+1]、および参照電流IBrefの値の推移を示している。また、図5における配線VOC、配線OUT[i]、および配線OUT[j+1]の電位の推移を示している。
なお、図7と同様に、配線BO[j]には、配線B[j]を流れる電流と同じ値の電流が流れ、配線BO[j+1]には、配線B[j+1]を流れる電流と同じ値の電流が流れるものとする。また、配線BOref[j]および配線BOref[j+1]には、配線Brefを流れる電流と同じ値の電流が流れるものとする。さらに、抵抗素子R1の抵抗値と、抵抗素子R2の抵抗値と、は等しいとする。
なお、ここでは代表例として図14に示すメモリセルMC[i,j]、メモリセルMC[i,j+1]、メモリセルMC[i+1,j]、メモリセルMC[i+1,j+1]、参照用メモリセルMCref[i]、および参照用メモリセルMCref[i+1]、ならびに図5に示す回路OC[j]および回路OC[j+1]に着目して動作を説明するが、他のメモリセルMC、参照用メモリセルMCref、および回路OCも同様に動作させることができる。
まず、時刻T21乃至時刻T22において、配線PR、および配線TXを高電位とする。また、配線RW[i]、および配線RW[i+1]を基準電位(REFP)とする。なお、配線VOCは低電位とする。
配線PRを高電位とすることにより、トランジスタTr13がオン状態となり、配線TXを高電位とすることにより、トランジスタTr11がオン状態となる。これにより、ノードN[i,j]、ノードN[i,j+1]、ノードN[i+1,j]、ノードN[i+1,j+1]、ノードNref[i]、およびノードNref[i+1]が、配線VPRの電位Vprとなる。
時刻T22乃至時刻T23において、配線PRを低電位とする。これにより、光電変換素子PDに照射された光の照度に応じて、ノードNの電位およびノードNrefの電位が変化し始める。
時刻T23乃至時刻T24において、配線TXを低電位とする。これにより、ノードNの電位およびノードNrefの電位が確定する。ここで、時刻T23乃至時刻T24におけるノードN[i,j]の電位をVpr−Vw[i,j]、ノードN[i,j+1]の電位をVpr−Vw[i,j+1]、ノードN[i+1,j]の電位をVpr−Vw[i+1,j]、ノードN[i+1,j+1]の電位をVpr−Vw[i+1,j+1]とする。なお、図15に示すように、参照用メモリセルMCref[i]および参照用メモリセルMCref[i+1]は遮光されているので、ノードNref[i]の電位、およびノードNref[i+1]の電位はVprのままである。
前述のように、電位Vw[i,j]、電位Vw[i,j+1]、電位Vw[i+1,j]、および電位Vw[i+1,j+1]は第1のデータに対応する電位である。また、電位Vprは参照データに対応する電位である。以上により、メモリセルMCは第1のデータを取得し、参照用メモリセルMCrefは参照データを取得することができる。
時刻T24乃至時刻T36における動作は、図7に示す時刻T05乃至時刻T16における動作と同様である。以上が本発明の一態様を撮像装置に適用した場合における、当該撮像装置の動作方法の一例である。
<撮像装置の上面・断面構成の構成例>
図17(A)は、本発明の一態様を撮像装置に適用した場合における、当該撮像装置が有するメモリセルMCおよび参照用メモリセルMCrefの層構成の一例を示す図であり、層561、層563、および層562の積層構成である例を示している。
層561は、光電変換素子PDを有する。光電変換素子PDは、図17(B)に示すように層565aと、層565bと、層565cとの積層とすることができる。
図17(B)に示す光電変換素子PDはpn接合型フォトダイオードであり、例えば、層565aにp型半導体、層565bにn型半導体、層565cにn型半導体を用いることができる。または、層565aにn型半導体、層565bにp型半導体、層565cにp型半導体を用いてもよい。または、層565bをi型半導体としたpin接合型フォトダイオードであってもよい。
上記pn接合型フォトダイオードまたはpin接合型フォトダイオードは、単結晶シリコンを用いて形成することができる。また、pin接合型フォトダイオードとしては、非晶質シリコン、微結晶シリコン、多結晶シリコン等の薄膜を用いて形成することもできる。
また、層561が有する光電変換素子PDは、図17(C)に示すように、層566aと、層566bと、層566cと、層566dとの積層としてもよい。図17(C)に示す光電変換素子PDはアバランシェフォトダイオードの一例であり、層566a、層566dは電極に相当し、層566b、層566cは光電変換部に相当する。
層566aは、低抵抗の金属層等とすることが好ましい。例えば、アルミニウム、チタン、タングステン、タンタル、銀またはそれらの積層を用いることができる。
層566dは、可視光に対して高い透光性を有する導電層を用いることが好ましい。例えば、インジウム酸化物、錫酸化物、亜鉛酸化物、インジウム−錫酸化物、ガリウム−亜鉛酸化物、インジウム−ガリウム−亜鉛酸化物、またはグラフェン等を用いることができる。なお、層566dを省く構成とすることもできる。
光電変換部の層566b、層566cは、例えばセレン系材料を光電変換層としたpn接合型フォトダイオードの構成とすることができる。層566bとしてはp型半導体であるセレン系材料を用い、層566cとしてはn型半導体であるガリウム酸化物等を用いることが好ましい。
セレン系材料を用いた光電変換素子は、可視光に対する外部量子効率が高いという特性を有する。当該光電変換素子では、アバランシェ増倍を利用することにより、入射される光量に対する電子の増幅を大きくすることができる。また、セレン系材料は光吸収係数が高いため、光電変換層を薄膜で作製できる等の生産上の利点を有する。セレン系材料の薄膜は、真空蒸着法またはスパッタリング法等を用いて形成することができる。
セレン系材料としては、単結晶セレンや多結晶セレン等の結晶性セレン、非晶質セレン、銅、インジウム、セレンの化合物(CIS)、または、銅、インジウム、ガリウム、セレンの化合物(CIGS)等を用いることができる。
n型半導体は、バンドギャップが広く、可視光に対して透光性を有する材料で形成することが好ましい。例えば、亜鉛酸化物、ガリウム酸化物、インジウム酸化物、錫酸化物、またはそれらが混在した酸化物等を用いることができる。また、これらの材料は正孔注入阻止層としての機能も有し、暗電流を小さくすることもできる。
層563には、メモリセルMCおよび参照用メモリセルMCrefが有するトランジスタTr11およびトランジスタTr13等の、OSトランジスタが設けられる。また、メモリセルMCおよび参照用メモリセルMCref以外の回路が有するトランジスタの一部または全部を、層563に設けてもよい。
図17(A)に示す層562としては、例えばシリコン基板を用いることができる。当該シリコン基板は、メモリセルMCおよび参照用メモリセルMCrefが有するトランジスタTr12等の、Siトランジスタ等を有する。また、メモリセルMCおよび参照用メモリセルMCref以外の回路が有するトランジスタの一部または全部を、層562に設けることができる。
図17(A)に示すように、層561、層563、および層562が積層された構成とすることにより、メモリセルMCおよび参照用メモリセルMCrefを構成する要素、ならびにそれ以外の回路を構成する要素を複数の層に分散させることができるため、撮像装置の占有面積を小さくすることができる。なお、図17(A)に示す構成において、層562を支持基板とし、層561および層563にメモリセルMC、参照用メモリセルMCref、およびその他の回路を設けてもよい。
図18(A)は、図17(A)に示すメモリセルの断面の一例を説明する図である。層561は光電変換素子PDとして、シリコンを光電変換層とするpn接合型フォトダイオードを有する。層562はSiトランジスタを有し、図18(A)ではメモリセルMCおよび参照用メモリセルMCrefを構成する、トランジスタTr12を示す。層563はOSトランジスタを有し、図18(A)ではメモリセルMCおよび参照用メモリセルMCrefを構成する、トランジスタTr11およびトランジスタTr13を示す。層561と層563とは、貼り合わせで電気的な接続を得る構成例を示している。
光電変換素子PDにおいて、層565aはn型領域、層565bはn型領域、層565cはp型領域とすることができる。また、層565bには、電源線と層565cとを接続するための領域536が設けられる。例えば、領域536はn型領域とすることができる。
図18(A)において、Siトランジスタはシリコン基板510にチャネル形成領域を有するプレーナー型の構成を示しているが、図19(A)、(B)に示すように、シリコン基板510にフィン型の半導体層を有する構成であってもよい。図19(A)はチャネル長方向の断面、図19(B)はチャネル幅方向の断面に相当する。
または、図19(C)に示すように、シリコン薄膜の半導体層545を有するトランジスタであってもよい。半導体層545は、例えば、シリコン基板510上の絶縁層546上に形成された単結晶シリコン(SOI(Silicon on Insulator))とすることができる。
ここで、図18(A)では、層561が有する要素と層563が有する要素との電気的な接続を貼り合わせ技術で得る構成例を示している。
層561には、絶縁層544、導電層533および導電層534が設けられる。導電層533および導電層534は、絶縁層544に埋設された領域を有する。導電層533は、層565aと電気的に接続されている。導電層534は、領域536と電気的に接続されている。また、絶縁層544、導電層533および導電層534の表面は、それぞれ高さが一致するように平坦化されている。
層563には、絶縁層541、導電層531および導電層532が設けられる。導電層531および導電層532は、絶縁層541に埋設された領域を有する。導電層531は、トランジスタTr11のソースまたはドレインと電気的に接続されている。導電層532は、電源線と電気的に接続されている。また、絶縁層541、導電層531および導電層532の表面は、それぞれ高さが一致するように平坦化されている。
ここで、導電層531および導電層533は、主成分が同一の金属元素であることが好ましい。導電層532および導電層534は、主成分が同一の金属元素であることが好ましい。また、絶縁層541および絶縁層544は、同一の成分で構成されていることが好ましい。
例えば、導電層531、導電層532、導電層533、および導電層534には、Cu、Al、Sn、Zn、W、Ag、Pt、またはAu等を用いることができる。接合のしやすさから、好ましくはCu、Al、W、またはAuを用いる。また、絶縁層541、542には、酸化シリコン、酸化窒化シリコン、窒化酸化シリコン、窒化シリコン、窒化チタン等を用いることができる。
つまり、導電層531および導電層533の組み合わせと、導電層532および導電層534の組み合わせのそれぞれに、上記に示す同一の金属材料を用いることが好ましい。また、絶縁層541および絶縁層544のそれぞれに、上記に示す同一の絶縁材料を用いることが好ましい。当該構成とすることで、層561と層562の境を接合位置とする、貼り合わせを行うことができる。
当該貼り合わせによって、導電層531および導電層533の組み合わせと、導電層532および導電層534の組み合わせのそれぞれの電気的な接続を得ることができる。また、絶縁層541および絶縁層544の機械的な強度を有する接続を得ることができる。
金属層同士の接合には、表面の酸化膜および不純物の吸着層等をスパッタリング処理等で除去し、清浄化および活性化した表面同士を接触させて接合する表面活性化接合法を用いることができる。または、温度と圧力を併用して表面同士を接合する拡散接合法等を用いることができる。どちらも原子レベルでの結合が起こるため、電気的だけでなく機械的にも優れた接合を得ることができる。
また、絶縁層同士の接合には、研磨等によって高い平坦性を得たのち、酸素プラズマ等で親水性処理をした表面同士を接触させて仮接合し、熱処理による脱水で本接合を行う親水性接合法等を用いることができる。親水性接合法も原子レベルでの結合が起こるため、機械的に優れた接合を得ることができる。
層561と、層563を貼り合わせる場合、それぞれの接合面には絶縁層と金属層が混在するため、例えば、表面活性化接合法および親水性接合法を組み合わせて行えばよい。
例えば、研磨後に表面を清浄化し、金属層の表面に酸化防止処理を行ったのちに親水性処理を行って接合する方法等を用いることができる。また、金属層の表面をAu等の難酸化性金属とし、親水性処理を行ってもよい。なお、上述した方法以外の接合方法を用いてもよい。
図18(B)は、図17(A)に示すメモリセルの層561にセレン系材料を光電変換層とするpn接合型フォトダイオードを用いた場合の断面図である。一方の電極として層566aを、光電変換層として層566bおよび層566cを、他方の電極として層566dを有する。
この場合、層561は、層563上に直接形成することができる。層566aは、トランジスタTr11のソースまたはドレインと電気的に接続されている。層566dは、領域536を介して電源線と電気的に接続されている。
図18(A)において、層563に設けられたOSトランジスタはセルフアライン型の構成を示しているが、図19(D)に示すように、ノンセルフアライン型のトップゲート型トランジスタであってもよい。
トランジスタTr11およびトランジスタTr13はバックゲート535を有する構成を示しているが、バックゲートを有さない形態であってもよい。バックゲート535は、図19(E)に示すように、対向して設けられるトランジスタのゲートと電気的に接続する場合がある。または、バックゲート535にゲートとは異なる固定電位を供給することができる構成であってもよい。
OSトランジスタが形成される領域とSiトランジスタが形成される領域との間には、水素の拡散を防止する機能を有する絶縁層543が設けられる。トランジスタTr12のチャネル形成領域近傍に設けられる絶縁層中の水素は、シリコンのダングリングボンドを終端する。一方、トランジスタTr11およびトランジスタTr13のチャネル形成領域の近傍に設けられる絶縁層中の水素は、金属酸化物層中にキャリアを生成する要因の一つとなる。
絶縁層543により一方の層に水素を閉じ込めることで、トランジスタTr12の信頼性を向上させることができる。また、一方の層から他方の層への水素の拡散が抑制されることで、トランジスタTr11およびトランジスタTr13の信頼性も向上させることができる。
絶縁層543としては、例えば、酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化窒化ガリウム、酸化イットリウム、酸化窒化イットリウム、酸化ハフニウム、酸化窒化ハフニウム、イットリア安定化ジルコニア(YSZ)等を用いることができる。
図20(A)は、本発明の一態様を適用した撮像装置が有する、メモリセルMCおよび参照用メモリセルMCrefにカラーフィルタ等を付加した例を示す斜視図である。光電変換素子PDが形成される層561上には、絶縁層580が形成される。絶縁層580は可視光に対して透光性の高い酸化シリコン層等を用いることができる。また、パッシベーション膜として窒化シリコン層を積層してもよい。また、反射防止層として、酸化ハフニウム等の誘電体層を積層してもよい。
絶縁層580上には、遮光層581が形成されてもよい。遮光層581は、上部のカラーフィルタを通る光の混色を防止する機能を有する。遮光層581には、アルミニウム、タングステン等の金属層を用いることができる。また、当該金属層と反射防止層としての機能を有する誘電体層を積層してもよい。
絶縁層580および遮光層581上には、平坦化層として有機樹脂層582を設けることができる。また、メモリセルごとにカラーフィルタ583(カラーフィルタ583a、583b、583c)が形成される。例えば、カラーフィルタ583a、583b、583cに、R(赤)、G(緑)、B(青)、Y(黄)、C(シアン)、M(マゼンタ)等の色を割り当てることにより、カラー画像を得ることができる。
カラーフィルタ583上には、可視光に対して透光性を有する絶縁層586等を設けることができる。
また、図20(B)に示すように、カラーフィルタ583の代わりに光学変換層585を用いてもよい。このような構成とすることで、様々な波長領域における画像が得られる撮像装置とすることができる。
例えば、光学変換層585に可視光線の波長以下の光を遮るフィルタを用いれば、赤外線撮像装置とすることができる。また、光学変換層585に近赤外線の波長以下の光を遮るフィルタを用いれば、遠赤外線撮像装置とすることができる。また、光学変換層585に可視光線の波長以上の光を遮るフィルタを用いれば、紫外線撮像装置とすることができる。
また、光学変換層585にシンチレータを用いれば、X線撮像装置等に用いる放射線の強弱を可視化した画像を得る撮像装置とすることができる。被写体を透過したX線等の放射線がシンチレータに入射されると、フォトルミネッセンス現象により可視光線や紫外光線等の光(蛍光)に変換される。そして、当該光を光電変換素子PDで検知することにより撮像データを取得する。また、放射線検出器等に当該構成の撮像装置を用いてもよい。
シンチレータは、X線やガンマ線等の放射線が照射されると、そのエネルギーを吸収して可視光や紫外光を発する物質を含む。例えば、GdS:Tb、GdS:Pr、GdS:Eu、BaFCl:Eu、NaI、CsI、CaF、BaF、CeF、LiF、LiI、ZnO等を樹脂やセラミクスに分散させたものを用いることができる。
なお、セレン系材料を用いた光電変換素子PDにおいては、X線等の放射線を電荷に直接変換することができるため、シンチレータを不要とする構成とすることもできる。
また、図20(C)に示すように、カラーフィルタ583上にマイクロレンズアレイ584を設けてもよい。マイクロレンズアレイ584が有する個々のレンズを通る光が直下のカラーフィルタ583を通り、光電変換素子PDに照射されるようになる。また、図20(B)に示す光学変換層585上にマイクロレンズアレイ584を設けてもよい。
<パッケージ、モジュールの構成例>
以下では、イメージセンサチップを収めたパッケージおよびカメラモジュールの一例について説明する。当該イメージセンサチップには、上記撮像装置の構成を用いることができる。
図21(A1)は、イメージセンサチップを収めたパッケージの上面側の外観斜視図である。当該パッケージは、イメージセンサチップ450を固定するパッケージ基板410、カバーガラス420および両者を接着する接着剤430等を有する。
図21(A2)は、当該パッケージの下面側の外観斜視図である。パッケージの下面には、半田ボールをバンプ440としたBGA(Ball grid array)を有する。なお、BGAに限らず、LGA(Land grid array)やPGA(Pin Grid Array)等を有していてもよい。
図21(A3)は、カバーガラス420および接着剤430の一部を省いて図示したパッケージの斜視図である。パッケージ基板410上には電極パッド460が形成され、電極パッド460およびバンプ440はスルーホールを介して電気的に接続されている。電極パッド460は、イメージセンサチップ450とワイヤ470によって電気的に接続されている。
また、図21(B1)は、イメージセンサチップをレンズ一体型のパッケージに収めたカメラモジュールの上面側の外観斜視図である。当該カメラモジュールは、イメージセンサチップ451を固定するパッケージ基板411、レンズカバー421、およびレンズ435等を有する。また、パッケージ基板411およびイメージセンサチップ451の間には撮像装置の駆動回路および信号変換回路等の機能を有するICチップ490も設けられており、SiP(System in package)としての構成を有している。
図21(B2)は、当該カメラモジュールの下面側の外観斜視図である。パッケージ基板411の下面および側面には、実装用のランド441が設けられたQFN(Quad flat no−lead package)の構成を有する。なお、当該構成は一例であり、QFP(Quad flat package)や前述したBGAが設けられていてもよい。
図21(B3)は、レンズカバー421およびレンズ435の一部を省いて図示したモジュールの斜視図である。ランド441は電極パッド461と電気的に接続され、電極パッド461はイメージセンサチップ451またはICチップ490とワイヤ471によって電気的に接続されている。
イメージセンサチップを上述したような形態のパッケージに収めることでプリント基板等への実装が容易になり、イメージセンサチップを様々な半導体装置、電子機器に組み込むことができる。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
(実施の形態3)
本実施の形態では、上記実施の形態で説明した半導体装置が搭載された電子機器の例について説明する。
本発明の一態様に係る半導体装置は、様々な電子機器に搭載することができる。電子機器の例としては、例えば、テレビジョン装置、デスクトップ型もしくはノート型のパーソナルコンピュータ、コンピュータ用等のモニタ、デジタルサイネージ(Digital Signage:電子看板)、パチンコ機等の大型ゲーム機等の比較的大きな画面を備える電子機器の他、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラ、デジタルフォトフレーム、携帯電話機、携帯型ゲーム機、携帯情報端末、音響再生装置、等が挙げられる。また、本発明の一態様に係る集積回路またはコンピュータを電子機器に設けることにより、電子機器に人工知能を搭載することができる。
本発明の一態様の電子機器は、アンテナを有していてもよい。アンテナで信号を受信することで、表示部で映像や情報等の表示を行うことができる。また、電子機器がアンテナおよび二次電池を有する場合、アンテナを、非接触電力伝送に用いてもよい。
本発明の一態様の電子機器は、センサ(力、変位、位置、速度、加速度、角速度、回転数、距離、光、液、磁気、温度、化学物質、音声、時間、硬度、電場、電流、電圧、電力、放射線、流量、湿度、傾度、振動、においまたは赤外線を測定する機能を含むもの)を有していてもよい。
本発明の一態様の電子機器は、様々な機能を有することができる。例えば、様々な情報(静止画、動画、テキスト画像等)を表示部に表示する機能、タッチパネル機能、カレンダー、日付または時刻等を表示する機能、様々なソフトウェア(プログラム)を実行する機能、無線通信機能、記録媒体に記録されているプログラムまたはデータを読み出す機能等を有することができる。図22および図23に、電子機器の例を示す。
図22(A)に示すロボット2100は、演算装置2110、照度センサ2101、マイクロフォン2102、上部カメラ2103、スピーカ2104、ディスプレイ2105、下部カメラ2106、および障害物センサ2107を備える。なお、ここでは一例として、人型のロボットを示している。
ロボット2100において、演算装置2110、照度センサ2101、上部カメラ2103、下部カメラ2106および障害物センサ2107等に、上記半導体装置を適用することができる。
マイクロフォン2102は、使用者の話し声および環境音等を検知する機能を有する。また、スピーカ2104は、音声を発する機能を有する。ロボット2100は、マイクロフォン2102およびスピーカ2104を用いて、使用者とコミュニケーションをとることが可能である。
ディスプレイ2105は、種々の情報の表示を行う機能を有する。ロボット2100は、使用者の望みの情報をディスプレイ2105に表示することが可能である。ディスプレイ2105は、タッチパネルを搭載していてもよい。
上部カメラ2103および下部カメラ2106は、ロボット2100の周囲を撮像する機能を有する。また、障害物センサ2107は、ロボット2100が二足歩行で前進する際の進行方向における障害物の有無を察知することができる。ロボット2100は、上部カメラ2103、下部カメラ2106および障害物センサ2107を用いて、周囲の環境を認識し、安全に移動することが可能である。
図22(B)は、自動車の一例を示す外観図である。自動車2980は、カメラ2981等を有する。また、自動車2980は、赤外線レーダー、ミリ波レーダー、レーザーレーダー等各種センサ等を備える。自動車2980は、カメラ2981が撮影した画像を解析し、歩行者の有無等、周囲の交通状況を判断し、自動運転を行うことができる。
自動車2980において、カメラ2981等に上記半導体装置を用いることができる。
図22(C)に、互いに別々の言語で話す複数の人間のコミュニケーションにおいて、携帯電子機器2130に同時通訳を行わせる状況を示す。
携帯電子機器2130は、マイクロフォンおよびスピーカ等を有し、使用者の話し声を認識してそれを話し相手の話す言語に翻訳する機能を有する。携帯電子機器2130の演算装置等に、上記半導体装置を使用することができる。
図23(A)は、飛行体2120を示す外観図である。飛行体2120は、演算装置2121と、プロペラ2123と、カメラ2122と、を有し、自立して飛行する機能を有する。
飛行体2120において、演算装置2121およびカメラ2122等に上記半導体装置を用いることができる。
図23(B−1)および図23(B−2)に、飛行体2120の使用形態の例を示す。図23(B−1)に示すように、飛行体2120は貨物2124の運搬に用いることができる。また、図23(B−2)に示すように、飛行体2120に農薬を封入した容器2125を搭載し、飛行体2120を農薬の散布に用いることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態の記載と適宜組み合わせることができる。
本実施例では、実施の形態1で示した半導体装置10について、シミュレーションを行った結果について説明する。
図24は、本実施例でシミュレーションを行った半導体装置10の構成を示すブロック図である。セルアレイCAには、メモリセルMC[1,1]および参照用メモリセルMCref[1]が設けられている。また、電流源回路CSには、カレントミラー回路CM[1]およびカレントミラー回路CMrefが設けられている。さらに、オフセット補正回路OFSTには、回路OC[1]が設けられている。以上より、図1に示す半導体装置10についてm=1、n=1としたものが、図24に示す半導体装置10であるということができる。
図25は、図24に示すメモリセルMC[1,1]および参照用メモリセルMCref[1]の具体的な構成を示す回路図である。メモリセルMC[1,1]の構成は、図2に示すメモリセルMCの構成と同様であり、参照用メモリセルMCref[1]の構成は、図2に示す参照用メモリセルMCrefの構成と同様である。
図26は、図24に示す電流源回路CSの具体的な構成を示す回路図である。電流源回路CSに設けられたカレントミラー回路CM[1]の構成は、図3に示すカレントミラー回路CMの構成と同様である。また、電流源回路CSに設けられたカレントミラー回路CMrefの構成は、トランジスタTr21としてトランジスタTr21[1]が設けられ、トランジスタTr22としてトランジスタTr22[1]が設けられている点以外は、図3に示すカレントミラーCMrefの構成と同様である。
図27は、図24に示すオフセット補正回路OFSTの具体的な構成を示す回路図である。オフセット補正回路OFSTに設けられた回路OC[1]の構成は、図5に示す回路OCの構成と同様である。
図28は、本実施例での半導体装置10の、シミュレーション上での動作方法を示すタイミングチャートである。図28には、図25における配線WL[1]、配線WD[1]、配線WDref、および配線RW[1]の電位の推移を示している。また、図27における配線VOCの電位の推移を示している。なお、トランジスタTr1、トランジスタTr2、およびトランジスタTr31は、nチャネル型のトランジスタとした。
まず、時刻T41乃至時刻T42において、配線WL[1]を高電位(H)、配線RWを基準電位(REFP)とした。また、配線WD[1]の電位をVpr−Vw[1,1]、配線WDrefの電位をVprとした。なお、配線VOCの電位は低電位(L)とする。以上により、メモリセルMC[1,1]が有するノードN[1,1]の電位がVpr−Vw[1,1]となり、参照用メモリセルMCref[1]が有するノードNref[1]の電位がVprとなった。
本実施例では、電位Vprを3.5V、基準電位を5.0Vとした。また、本実施例において、電位Vw[1,1]は、実施の形態1等で示した第1のデータに対応する。
時刻T42乃至時刻T43において、配線WL[1]を低電位とした、これにより、ノードN[1,1]の電位およびノードNref[1]の電位が保持された。
時刻T43乃至時刻T44において、配線VOCを高電位とした。これにより、回路OC[1]が有するノードN2[1]の電位がVref2となった。
時刻T44乃至時刻T51において、配線VOCを低電位とした。これにより、トランジスタTr31がオフ状態となり、回路OC[1]が有する容量C2の電位が保持された。
時刻T51において、配線RW[1]を、基準電位より0.4V小さい電位とした。その後、配線RW[1]の電位を線形的に上昇させ、時刻T52において配線RW[1]の電位を、基準電位より0.4V大きい電位とした。時刻T52以降では、配線RW[1]の電位を、基準電位より0.4V大きい電位に固定した。ここで、時刻T51乃至時刻T52において、配線RW[1]の電位が基準電位となる時刻を時刻T51’とする。
ここで、基準電位と、配線RW[1]の電位と、の差をVx[1]とする。つまり、時刻T51では電位Vx[1]は−0.4Vであり、時刻T51’では電位Vx[1]は0Vであり、時刻T52では電位Vx[1]は0.4Vである。本実施例において、電位Vx[1]は、実施の形態1等で示した第2のデータに対応する。
本実施例では、電位Vw[1,1]を2V、1V、0V、−1V、−2Vとして、それぞれの場合について時刻T41乃至時刻T52に示す動作をシミュレーション上で行った。
図29乃至図31にシミュレーション結果を示す。図29(A)は、時刻T44乃至時刻T52における、ノードN[1,1]の電位の推移を示すグラフである。電位Vw[1,1]がいずれであっても、ノードN[1,1]の電位はVpr−Vw[1,1]+Vx[1]となることがシミュレーション上で確認された。
図29(B)は、時刻T44乃至時刻T52における、ノードNref[1]の電位の推移を示すグラフである。電位Vw[1,1]がいずれであっても、ノードNref[1]の電位はVpr+Vx[1]となることがシミュレーション上で確認された。
図30は、時刻T44乃至時刻T52における、ノードN1[1]の電位の推移を示すグラフである。時刻T51乃至時刻T52において、電位Vw[1,1]を0Vとした場合は傾きが0となり、電位Vw[1,1]が大きいほど傾きが大きくなることがシミュレーション上で確認された。
図31(A)は、時刻T44乃至時刻T52における、ノードN2[1]の電位の推移を示すグラフである。電位Vx[1]が0Vとなる時刻T51’において、電位Vwによらず、ノードN2[1]の電位が10.0Vとなった。また、時刻T51乃至時刻T52において、電位Vw[1,1]を0Vとした場合は傾きが0となり、電位Vw[1,1]が大きいほど傾きが大きくなった。時刻T51乃至時刻T52では、電位Vx[1]の電位を線形的に上昇させているので、図31(A)より、オフセット補正回路OFSTによるオフセット補正が適切に行われ、ノードN2[1]の電位は電位Vw[1,1]と電位Vx[1]との積に対応することがシミュレーション上で確認された。
図31(B)は、時刻T44乃至時刻T52における、配線OUT[1]の電位の推移を示すグラフである。電位Vw[1,1]がいずれであっても、配線OUT[1]の電位はノードN2[1]の電位と等しくなった。したがって、バッファBUFがノードN2[1]の電位と同電位の信号を出力することがシミュレーション上で確認された。
以上より、半導体装置10は、第1のデータと、第2のデータと、の積を計算できることがシミュレーション上で確認された。
10 半導体装置
14 トランジスタ
100 容量素子
110 導電層
120 導電層
130 絶縁層
200 トランジスタ
203 導電層
205 導電層
210 絶縁層
212 絶縁層
214 絶縁層
216 絶縁層
220 絶縁層
222 絶縁層
224 絶縁層
230 金属酸化物
230a 金属酸化物
230b 金属酸化物
230c 金属酸化物
231 領域
231a 領域
231b 領域
232 領域
232a 領域
232b 領域
234 領域
239 領域
240 導電層
240a 導電層
240b 導電層
240c 導電層
242 層
250 絶縁層
252 金属酸化物
260 導電層
260a 導電層
260b 導電層
270 絶縁層
271 絶縁層
273 絶縁層
274 絶縁層
275 絶縁層
280 絶縁層
300 トランジスタ
310 層
311 基板
313 半導体領域
314a 低抵抗領域
314b 低抵抗領域
315 絶縁層
316 導電層
321 絶縁層
410 パッケージ基板
411 パッケージ基板
420 カバーガラス
421 レンズカバー
430 接着剤
435 レンズ
440 バンプ
441 ランド
450 イメージセンサチップ
451 イメージセンサチップ
460 電極パッド
461 電極パッド
470 ワイヤ
471 ワイヤ
490 ICチップ
500 トランジスタ
503 導電層
505 導電層
510 シリコン基板
524 絶縁層
530 金属酸化物
530a 金属酸化物
530b 金属酸化物
530c 金属酸化物
531 導電層
532 導電層
533 導電層
534 導電層
535 バックゲート
536 領域
540 導電層
540a 導電層
540b 導電層
541 絶縁層
542 層
543 絶縁層
544 絶縁層
545 半導体層
546 絶縁層
550 絶縁層
552 金属酸化物
560 導電層
560a 導電層
560b 導電層
561 層
562 層
563 層
565a 層
565b 層
565c 層
566a 層
566b 層
566c 層
566d 層
570 絶縁層
571 絶縁層
575 絶縁層
580 絶縁層
581 遮光層
582 有機樹脂層
583 カラーフィルタ
583a カラーフィルタ
583b カラーフィルタ
583c カラーフィルタ
584 マイクロレンズアレイ
585 光学変換層
586 絶縁層
600 メモリセル
610 層
700 トランジスタ
2100 ロボット
2101 照度センサ
2102 マイクロフォン
2103 上部カメラ
2104 スピーカ
2105 ディスプレイ
2106 下部カメラ
2107 障害物センサ
2110 演算装置
2120 飛行体
2121 演算装置
2122 カメラ
2123 プロペラ
2124 貨物
2125 容器
2130 携帯電子機器
2980 自動車
2981 カメラ

Claims (18)

  1. メモリセルと、参照用メモリセルと、オフセット補正回路と、を有する半導体装置であって、
    前記メモリセルは、第1のデータと、第2のデータと、に対応する第1の電流を生成する機能を有し、
    前記参照用メモリセルは、参照データに対応する参照電流を生成する機能を有し、
    前記オフセット補正回路は、オペアンプと、第1の抵抗素子と、第2の抵抗素子と、第1の容量素子と、バッファと、を有し、
    前記オペアンプの非反転入力端子または反転入力端子の一方は、前記第1の抵抗素子の一方の端子と電気的に接続され、
    前記オペアンプの非反転入力端子または反転入力端子の他方は、前記第2の抵抗素子の一方の端子と電気的に接続され、
    前記オペアンプの出力端子は、前記第2の抵抗素子の他方の端子、および前記第1の容量素子の一方の端子と電気的に接続され、
    前記第1の容量素子の他方の端子は、前記バッファと電気的に接続され、
    前記第1の抵抗素子の他方の端子には、第1の電位が供給され、
    前記オペアンプの非反転入力端子および反転入力端子には、前記参照電流と前記第1の抵抗の抵抗値との積と、前記第1の電位と、の和に対応する電位が供給され、
    前記オペアンプの出力端子の電位は、前記オペアンプの非反転入力端子または反転入力端子の他方に供給される電位と、前記第1の電流と前記第2の抵抗の抵抗値との積と、の差に対応する電位となり、
    前記バッファは、前記第1のデータと、前記第2のデータと、の積に対応する電位の信号を出力する機能を有することを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1において、
    前記半導体装置は、第1のカレントミラー回路と、第2のカレントミラー回路と、第1の配線と、第2の配線と、第3の配線と、第4の配線と、を有し、
    前記第1の配線は、前記メモリセル、および前記第1のカレントミラー回路と電気的に接続され、
    前記第2の配線は、前記オペアンプの非反転入力端子または反転入力端子の他方、および前記第1のカレントミラー回路と電気的に接続され、
    前記第3の配線は、前記参照用メモリセル、および前記第2のカレントミラー回路と電気的に接続され、
    前記第4の配線は、前記オペアンプの非反転入力端子または反転入力端子の一方、および前記第2のカレントミラー回路と電気的に接続され、
    前記第1の配線には、前記第1の電流が流れ、
    前記第1のカレントミラー回路は、前記第1の電流に対応する電流を、前記第2の配線に供給する機能を有し、
    前記第3の配線には、前記参照電流が流れ、
    前記第2のカレントミラー回路は、前記参照電流に対応する電流を、前記第4の配線に供給する機能を有することを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項2において、
    前記第1のカレントミラー回路は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、を有し、
    前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第1のトランジスタのゲート、前記第2のトランジスタのゲート、および前記第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
    前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
    前記第3のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記第1の配線、前記第3のトランジスタのゲート、および前記第4のトランジスタのゲートと電気的に接続され、
    前記第4のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記第2の配線と電気的に接続され、
    前記第2のカレントミラー回路は、第5のトランジスタと、第6のトランジスタと、第7のトランジスタと、第8のトランジスタと、を有し、
    前記第5のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第6のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
    前記第5のトランジスタのソースまたはドレインのゲートは、前記第7のトランジスタのソースまたはドレインの一方、前記第7のトランジスタのゲート、および前記第8のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
    前記第6のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記第3の配線と電気的に接続され、
    前記第6のトランジスタのゲートは、前記第4の配線、前記第8のトランジスタのソースまたはドレインの他方、および前記第8のトランジスタのゲートと電気的に接続されることを特徴とする半導体装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項において、
    前記オフセット補正回路は、第9のトランジスタを有し、
    前記第9のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第1の容量素子の他方の端子と電気的に接続され、
    前記トランジスタのソースまたはドレインの他方には、第2の電位が供給されることを特徴とする半導体装置。
  5. 請求項4において、
    前記第9のトランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有することを特徴とする半導体装置。
  6. 請求項1乃至5のいずれか一項において、
    前記バッファは、ボルテージフォロアを含むことを特徴とする半導体装置。
  7. 請求項1乃至6のいずれか一項において、
    前記第1のデータと、前記第2のデータと、前記参照データと、はアナログデータであることを特徴とする半導体装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項において、
    前記メモリセルは、第10のトランジスタと、第11のトランジスタと、第2の容量素子と、を有し、
    前記第10のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第11のトランジスタのゲート、および前記第2の容量素子の一方の端子と電気的に接続され、
    前記第11のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第1の配線と電気的に接続され、
    前記第10のトランジスタのソースまたはドレインの他方には、前記第1のデータが供給され、
    前記第2の容量素子の他方の端子には、前記第2のデータが供給され、
    前記参照用メモリセルは、第12のトランジスタと、第13のトランジスタと、第3の容量素子と、を有し、
    前記第12のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第13のトランジスタのゲート、および前記第3の容量素子の一方の端子と電気的に接続され、
    前記第13のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第3の配線と電気的に接続され、
    前記第12のソースまたはドレインの他方には、前記参照データが供給されることを特徴とする半導体装置。
  9. 請求項8において、
    前記第10のトランジスタおよび前記第12のトランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有することを特徴とする半導体装置。
  10. 第1のメモリセルと、第2のメモリセルと、第1の参照用メモリセルと、第2の参照用メモリセルと、オフセット補正回路と、を有する半導体装置であって、
    前記第1のメモリセルは、第1のデータと、第2のデータと、に対応する第1の電流を生成する機能を有し、
    前記第2のメモリセルは、前記第1のデータと、第3のデータと、に対応する第2の電流を生成する機能を有し、
    前記第1の参照用メモリセルは、前記参照データと、前記第2のデータと、に対応する第1の参照電流を生成する機能を有し、
    前記第2の参照用メモリセルは、前記参照データと、前記第3のデータと、に対応する第2の参照電流を生成する機能を有し、
    前記オフセット回路は、オペアンプと、第1の抵抗素子と、第2の抵抗素子と、第1の容量素子と、バッファと、を有し、
    前記オペアンプの非反転入力端子または反転入力端子の一方は、前記第1の抵抗素子の一方の端子と電気的に接続され、
    前記オペアンプの非反転入力端子または反転入力端子の他方は、前記第2の抵抗素子の一方の端子と電気的に接続され、
    前記オペアンプの出力端子は、前記第2の抵抗素子の他方の端子、および前記第1の容量素子の一方の端子と電気的に接続され、
    前記第1の容量素子の他方の端子は、前記バッファと電気的に接続され、
    前記第1の抵抗素子の他方の端子には、第1の電位が供給され、
    前記オペアンプの非反転入力端子および反転入力端子には、第3の参照電流と前記第1の抵抗の抵抗値との積と、前記第1の電位と、の和に対応する電位が供給され、
    前記第3の参照電流は、前記第1の参照電流と前記第2の参照電流との和に対応し、
    前記オペアンプの出力端子の電位は、前記オペアンプの非反転入力端子または反転入力端子の他方に供給される電位と、第3の電流と前記第2の抵抗の抵抗値との積と、の差に対応する電位となり、
    前記第3の電流は、前記第1の電流と第2の電流との和に対応し、
    前記バッファは、前記第1のデータと前記第2のデータとの積と、前記第1のデータと前記第3のデータとの積と、の和に対応する電位の信号を出力する機能を有することを特徴とする半導体装置。
  11. 請求項10において、
    前記半導体装置は、第1のカレントミラー回路と、第2のカレントミラー回路と、第1の配線と、第2の配線と、第3の配線と、第4の配線と、を有し、
    前記第1の配線は、前記第1のメモリセル、前記第2のメモリセル、および前記第1のカレントミラー回路と電気的に接続され、
    前記第2の配線は、前記オペアンプの非反転入力端子または反転入力端子の他方、および前記第1のカレントミラー回路と電気的に接続され、
    前記第3の配線は、前記第1の参照用メモリセル、前記第2の参照用メモリセル、および前記第2のカレントミラー回路と電気的に接続され、
    前記第4の配線は、前記オペアンプの非反転入力端子または反転入力端子の一方、および前記第2のカレントミラー回路と電気的に接続され、
    前記第1の配線には、前記第3の電流が流れ、
    前記第1のカレントミラー回路は、前記第3の電流に対応する電流を、前記第2の配線に供給する機能を有し、
    前記第3の配線には、前記第3の参照電流が流れ、
    前記第2のカレントミラー回路は、前記第3の参照電流に対応する電流を、前記第4の配線に供給する機能を有することを特徴とする半導体装置。
  12. 請求項11において、
    前記第1のカレントミラー回路は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、を有し、
    前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第1のトランジスタのゲート、前記第2のトランジスタのゲート、および前記第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
    前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
    前記第3のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記第1の配線、前記第3のトランジスタのゲート、および前記第4のトランジスタのゲートと電気的に接続され、
    前記第4のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記第2の配線と電気的に接続され、
    前記第2のカレントミラー回路は、第5のトランジスタと、第6のトランジスタと、第7のトランジスタと、第8のトランジスタと、を有し、
    前記第5のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第6のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
    前記第5のトランジスタのソースまたはドレインのゲートは、前記第7のトランジスタのソースまたはドレインの一方、前記第7のトランジスタのゲート、および前記第8のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
    前記第6のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記第3の配線と電気的に接続され、
    前記第6のトランジスタのゲートは、前記第4の配線、前記第8のトランジスタのソースまたはドレインの他方、および前記第8のトランジスタのゲートと電気的に接続されることを特徴とする半導体装置。
  13. 請求項10乃至12のいずれか一項において、
    前記オフセット補正回路は、第9のトランジスタを有し、
    前記第9のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第1の容量素子の他方の端子と電気的に接続され、
    前記トランジスタのソースまたはドレインの他方には、第2の電位が供給されることを特徴とする半導体装置。
  14. 請求項13において、
    前記第9のトランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有することを特徴とする半導体装置。
  15. 請求項1乃至14のいずれか一項において、
    前記バッファは、ボルテージフォロアを含むことを特徴とする半導体装置。
  16. 請求項1乃至15のいずれか一項において、
    前記第1乃至第3のデータと、前記参照データと、はアナログデータであることを特徴とする半導体装置。
  17. 請求項1乃至16のいずれか一項において、
    前記第1のメモリセルは、第10のトランジスタと、第11のトランジスタと、第2の容量素子と、を有し、
    前記第2のメモリセルは、第12のトランジスタと、第13のトランジスタと、第3の容量素子と、を有し、
    前記第1の参照用メモリセルは、第14のトランジスタと、第15のトランジスタと、第4の容量素子と、を有し、
    前記第2の参照用メモリセルは、第16のトランジスタと、第17のトランジスタと、第5の容量素子と、を有し、
    前記第10のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第11のトランジスタのゲート、および前記第2の容量素子の一方の端子と電気的に接続され、
    前記第12のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第13のトランジスタのゲート、および前記第3の容量素子の一方の端子と電気的に接続され、
    前記第11のトランジスタのソースまたはドレインの一方、および前記第13のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第1の配線と電気的に接続され、
    前記第14のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第15のトランジスタのゲート、および前記第4の容量素子の一方の端子と電気的に接続され、
    前記第16のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第17のトランジスタのゲート、および前記第5の容量素子の一方の端子と電気的に接続され、
    前記第15のトランジスタのソースまたはドレインの一方、および前記第17のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第3の配線と電気的に接続され、
    前記第10のトランジスタのソースまたはドレインの他方、および前記第12のトランジスタのソースまたはドレインの他方には、前記第1のデータが供給され、
    前記第14のトランジスタのソースまたはドレインの他方、および前記第16のトランジスタのソースまたはドレインの他方には、前記参照データが供給され、
    前記第2の容量素子の他方の端子、および前記第4の容量素子の他方の端子には、前記第2のデータが供給され、
    前記第3の容量素子の他方の端子、および前記第5の容量素子の他方の端子には、前記第3のデータが供給されることを特徴とする半導体装置。
  18. 請求項17において、
    前記第10のトランジスタ、前記第12のトランジスタ、前記第14のトランジスタ、および前記第16のトランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有することを特徴とする半導体装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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