JP2019045614A - 表示装置および電子機器 - Google Patents

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Koji Kusunoki
紘慈 楠
一徳 渡邉
Kazunori Watanabe
一徳 渡邉
川島 進
Susumu Kawashima
進 川島
楠本 直人
Naoto Kusumoto
直人 楠本
林 健太郎
Kentaro Hayashi
健太郎 林
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Abstract

【課題】画像処理を行うことができる撮像装置を提供する。【解決手段】各画素にはメモリ回路が設けられ、当該メモリ回路に所望の補正信号が保持される。当該補正信号は外部機器にて算出され、各画素に書き込まれる。当該補正信号は容量結合によって画像信号に付加され、表示素子に供給される。したがって、表示素子では補正された画像を表示することができる。当該補正によって、画像のアップコンバートや、画素が有するトランジスタの特性バラツキに起因する画像品位の補正を行うことができる。【選択図】図1

Description

本発明の一態様は、表示装置に関する。
なお、本発明の一態様は、上記の技術分野に限定されない。本明細書等で開示する発明の一態様の技術分野は、物、方法、または、製造方法に関するものである。または、本発明の一態様は、プロセス、マシン、マニュファクチャ、または、組成物(コンポジション・オブ・マター)に関するものである。そのため、より具体的に本明細書で開示する本発明の一態様の技術分野としては、半導体装置、表示装置、液晶表示装置、発光装置、照明装置、蓄電装置、記憶装置、撮像装置、それらの駆動方法、または、それらの製造方法、を一例として挙げることができる。
なお、本明細書等において半導体装置とは、半導体特性を利用することで機能しうる装置全般を指す。トランジスタ、半導体回路は半導体装置の一態様である。また、記憶装置、表示装置、撮像装置、電子機器は、半導体装置を有する場合がある。
基板上に形成された金属酸化物を用いてトランジスタを構成する技術が注目されている。例えば、酸化亜鉛またはIn−Ga−Zn系酸化物を用いたトランジスタを表示装置の画素のスイッチング素子等に用いる技術が特許文献1および特許文献2に開示されている。
また、オフ電流が極めて低いトランジスタをメモリセルに用いる構成の記憶装置が特許文献3に開示されている。
特開2007−123861号公報 特開2007−96055号公報 特開2011−119674号公報
表示装置では高解像度化が進み、8K4K(画素数:7680×4320)解像度またはそれ以上の解像度で表示を行うことができるハードウェアが開発されている。一方で、高解像度の画像ソースは膨大となるため、一般に普及させるためには、撮像装置、記憶装置、通信装置等の周辺技術を整える必要もある。
高解像度の画像ソースを生成する別の技術として、アップコンバートがある。アップコンバートを行うことで、低解像度の画像を疑似的に高解像度の画像に変換することができる。アップコンバートは表示装置の周辺機器で行われるため、アップコンバート前の画像ソースを取り扱う機器には、従来の技術を利用することができる。
ただし、アップコンバートを行う機器では、膨大な画像信号を解析して新たな画像信号を生成するため、回路規模や消費電力が大きくなる問題がある。また、リアルタイムでの処理が追いつかず、表示の遅延が生じることもある。
アップコンバートは、このような問題を有するが、例えば、アップコンバートに関わる機能を複数の機器に分散させることで、消費電力や遅延等の問題を緩和できる可能性がある。
また、EL素子等を有する表示装置では、画素が有するトランジスタの特性のばらつきが表示品位低下の一要因となっている。トランジスタの特性ばらつきを補正する手段としては、画像信号を画素に内蔵した回路で補正する内部補正と、画素ごとの補正値を取得し、補正済みの画像信号を画素に供給する外部補正がある。
内部補正は、補正をフレームごとに行うことができるが、高解像度の表示装置では水平選択期間が短くなるため、補正期間を確保することが困難となる。また、外部補正は高解像度の表示装置に有効であるが、全ての画像信号を対象として補正する必要があるため、外部機器への負担が大きくなる。理想的には補正なしで動作させることが好ましいが、トランジスタの特性ばらつきの抑制は極めて難度が高いため、新たな補正手段が望まれる。
したがって、本発明の一態様では、画像処理を行うことができる表示装置を提供することを目的の一つとする。または、アップコンバート動作が行える表示装置を提供することを目的の一つとする。または、画像信号を補正することができる表示装置を提供することを目的の一つとする。
または、低消費電力の表示装置を提供することを目的の一つとする。または、信頼性の高い表示装置を提供することを目的の一つとする。または、新規な表示装置等を提供することを目的の一つとする。または、上記表示装置の駆動方法を提供することを目的の一つとする。または、新規な半導体装置等を提供することを目的の一つとする。
なお、これらの課題の記載は、他の課題の存在を妨げるものではない。なお、本発明の一態様は、これらの課題の全てを解決する必要はないものとする。なお、これら以外の課題は、明細書、図面、請求項等の記載から、自ずと明らかとなるものであり、明細書、図面、請求項等の記載から、これら以外の課題を抽出することが可能である。
本発明の一態様は、画素と、タッチパネルと、を有し、画素は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、第1の容量素子と、第2の容量素子と、表示素子と、を有し、第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第1の容量素子の一方の電極と電気的に接続され、第1の容量素子の一方の電極は、表示素子と電気的に接続され、第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第1の容量素子の他方の電極と電気的に接続され、第1の容量素子の他方の電極は、第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第3のトランジスタのゲートは、第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第2の容量素子の一方の電極と電気的に接続されている表示装置である。
または、上記態様において、少なくとも第4のトランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有し、金属酸化物は、Inと、Znと、M(MはAl、Ti、Ga、Sn、Y、Zr、La、Ce、NdまたはHf)と、を有していてもよい。
または、上記態様において、第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、低電位電源線と電気的に接続され、第3のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、高電位電源線と電気的に接続されていてもよい。
または、上記態様において、さらに、第5のトランジスタと、第6のトランジスタと、を有し、第5のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第5のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、表示素子と電気的に接続され、第6のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第5のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続され、第6のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、低電位電源線と電気的に接続されていてもよい。
または、上記態様において、表示素子は液晶素子であり、さらに、第3の容量素子を有し、液晶素子の一方の電極は、第3の容量素子の一方の電極と電気的に接続され、第3の容量素子の一方の電極は、第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続されていてもよい。
または、上記態様において、表示素子は有機EL素子であり、さらに、第4の容量素子と、第7のトランジスタと、を有し、有機EL素子の一方の電極は、第4の容量素子の一方の電極と電気的に接続され、第4の容量素子の一方の電極は、第7のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第7のトランジスタのゲートは、第5のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続され、第5のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第4の容量素子の他方の電極と電気的に接続されていてもよい。
または、上記態様において、さらに、第8のトランジスタと、第1の回路と、を有し、第1の回路は、電流値を読み取る機能を有し、第1の回路は、タッチパネルから出力された信号を基にした補正信号を生成する機能を有し、第8のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、第7のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、第8のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、第1の回路と電気的に接続されていてもよい。
本発明の一態様の表示装置と、カメラと、を有する電子機器も本発明の一態様である。
本発明の一態様を用いることで、画像処理を行うことができる表示装置を提供することができる。または、アップコンバート動作が行える表示装置を提供することができる。または、画像信号を補正することができる表示装置を提供することができる。
または、低消費電力の表示装置を提供することができる。または、信頼性の高い表示装置を提供することができる。または、新規な表示装置等を提供することができる。または、上記表示装置の駆動方法を提供することができる。または、新規な半導体装置等を提供することができる。
画素回路を説明する図。 画素回路の動作を説明するタイミングチャート。 アップコンバートを説明する図。 画素回路を説明する図。 画素回路の動作を説明するタイミングチャート。 表示装置を説明するブロック図。 表示装置を説明するブロック図。 表示装置を説明するブロック図。 画素回路を説明する図。 表示装置を説明するブロック図。 表示装置を説明するブロック図。 表示装置を説明する図。 表示装置を説明する図。 表示装置を説明する図。 表示装置を説明する図。 表示装置を説明する図。 表示装置を説明する図。 表示パネルを説明する図。 タッチパネルを説明する回路図。 表示装置の動作モードの一例を説明する図。 トランジスタを説明する図。 トランジスタを説明する図。 トランジスタを説明する図。 ニューラルネットワークの構成例を説明する図。 半導体装置の構成例を説明する図。 メモリセルの構成例を説明する図。 オフセット回路の構成例を説明する図。 半導体装置の動作を説明するタイミングチャート。 電子機器を説明する図。
実施の形態について、図面を用いて詳細に説明する。但し、本発明は以下の説明に限定されず、本発明の趣旨およびその範囲から逸脱することなくその形態および詳細を様々に変更し得ることは当業者であれば容易に理解される。したがって、本発明は以下に示す実施の形態の記載内容に限定して解釈されるものではない。なお、以下に説明する発明の構成において、同一部分または同様な機能を有する部分には同一の符号を異なる図面間で共通して用い、その繰り返しの説明は省略することがある。なお、図を構成する同じ要素のハッチングを異なる図面間で適宜省略または変更する場合もある。
(実施の形態1)
本実施の形態では、本発明の一態様である撮像装置について、図面を参照して説明する。
本発明の一態様は、画像信号に補正信号を付加するための機能を有する表示装置である。各画素にはメモリ回路が設けられ、当該メモリ回路に所望の補正信号が保持される。当該補正信号は外部機器にて生成され、各画素に書き込まれる。
当該補正信号は容量結合によって画像信号に付加され、表示素子に供給される。したがって、表示素子では補正された画像を表示することができる。当該補正によって、画像のアップコンバート、または画素が有するトランジスタの特性ばらつきに起因して低下する画像品位の補正を行うことができる。
図1は、本発明の一態様の表示装置に用いることができる画素11aを説明する図である。画素11aは、トランジスタ101と、トランジスタ102と、トランジスタ115と、トランジスタ116と、容量素子103と、容量素子104と、容量素子117と、液晶素子105を有する。
トランジスタ101のソースまたはドレインの一方は、容量素子103の一方の電極と電気的に接続される。容量素子103の一方の電極は、容量素子104の一方の電極と電気的に接続される。容量素子104の一方の電極は、液晶素子105と電気的に接続される。トランジスタ102のソースまたはドレインの一方は、容量素子103の他方の電極と電気的に接続される。容量素子103の他方の電極は、トランジスタ116のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ116のゲートは、トランジスタ115のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ115のソースまたはドレインの一方は、容量素子117の一方の電極と電気的に接続される。
ここで、トランジスタ101のソースまたはドレインの一方、容量素子103の一方の電極、容量素子104の一方の電極および液晶素子105の一方の電極が接続される配線をノードNAとする。また、容量素子103の他方の電極、トランジスタ102のソースまたはドレインの一方およびトランジスタ116のソースまたはドレインの一方が接続される配線をノードNRとする。また、トランジスタ116のゲート、トランジスタ115のソースまたはドレインの一方および容量素子117の一方の電極が接続される配線をノードNMとする。
トランジスタ101のゲートは、配線123と電気的に接続される。トランジスタ102のゲートは配線123と電気的に接続される。容量素子117の他方の電極は、配線121に電気的に接続される。トランジスタ115のゲートは配線122に電気的に接続される。トランジスタ115のソースまたはドレインの他方は配線124と電気的に接続される。
トランジスタ116のソースまたはドレインの他方は、電源線(高電位)と電気的に接続される。トランジスタ102のソースまたはドレインの他方は、電源線(低電位)と電気的に接続される。容量素子104の他方の電極は、共通配線127と電気的に接続される。液晶素子105の他方の電極は、共通配線128と電気的に接続される。なお、共通配線127、128には、任意の電位を供給することができ、両者は電気的に接続されていてもよい。
配線122、123は、トランジスタの動作を制御するための信号線としての機能を有することができる。配線125は、画像信号を供給する信号線としての機能を有することができる。また、配線121および配線124は、次に説明するメモリ回路MEMを動作させるための信号線としての機能を有することができる。
トランジスタ115、トランジスタ116および容量素子117は、メモリ回路MEMを構成する。ノードNMは記憶ノードであり、トランジスタ115を導通させることで、配線124に供給された信号をノードNMに書き込むことができる。トランジスタ115に極めてオフ電流の低いトランジスタを用いることで、ノードNMの電位を長時間保持することができる。当該トランジスタには、例えば、金属酸化物をチャネル形成領域に用いたトランジスタ(以下、OSトランジスタ)を用いることができる。
なお、トランジスタ115だけでなく、画素を構成するその他のトランジスタにOSトランジスタを適用してもよい。また、トランジスタ115にSiをチャネル形成領域に有するトランジスタ(以下、Siトランジスタ)を適用してもよい。または、OSトランジスタと、Siトランジスタとの両方を用いてもよい。なお、上記Siトランジスタとしては、アモルファスシリコンを有するトランジスタ、結晶性のシリコン(代表的には、低温ポリシリコン)を有するトランジスタ、単結晶シリコンを有するトランジスタ等が挙げられる。
表示素子に反射型の液晶素子やEL(Electro Luminescence)素子を用いる場合は、シリコン基板を用いることができ、SiトランジスタとOSトランジスタとが重なる領域を有するように形成することができる。したがって、トランジスタ数が比較的多くても画素密度を向上させることができる。
OSトランジスタに用いる半導体材料としては、エネルギーギャップが2eV以上、好ましくは2.5eV以上、より好ましくは3eV以上である金属酸化物を用いることができる。代表的には、インジウムを含む酸化物半導体等であり、例えば、後述するCAAC−OSまたはCAC−OS等を用いることができる。CAAC−OSは結晶を構成する原子が安定であり、信頼性を重視するトランジスタ等に適する。また、CAC−OSは、高移動度特性を示すため、高速駆動を行うトランジスタ等に適する。
OSトランジスタはエネルギーギャップが大きいため、極めて低いオフ電流特性を示す。また、OSトランジスタは、インパクトイオン化、アバランシェ降伏、および短チャネル効果等が生じない等Siトランジスタとは異なる特徴を有し、信頼性の高い回路を形成することができる。
OSトランジスタが有する半導体層は、例えばインジウム、亜鉛およびM(アルミニウム、チタン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、スズ、ネオジムまたはハフニウム等の金属)を含むIn−M−Zn系酸化物で表記される膜とすることができる。
半導体層を構成する酸化物半導体がIn−M−Zn系酸化物の場合、In−M−Zn酸化物を成膜するために用いるスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比は、In≧M、Zn≧Mを満たすことが好ましい。このようなスパッタリングターゲットの金属元素の原子数比として、In:M:Zn=1:1:1、In:M:Zn=1:1:1.2、In:M:Zn=3:1:2、In:M:Zn=4:2:3、In:M:Zn=4:2:4.1、In:M:Zn=5:1:6、In:M:Zn=5:1:7、In:M:Zn=5:1:8等が好ましい。なお、成膜される半導体層の原子数比はそれぞれ、上記のスパッタリングターゲットに含まれる金属元素の原子数比のプラスマイナス40%の変動を含む。
半導体層としては、キャリア密度の低い酸化物半導体を用いる。例えば、半導体層は、キャリア密度が1×1017/cm以下、好ましくは1×1015/cm以下、さらに好ましくは1×1013/cm以下、より好ましくは1×1011/cm以下、さらに好ましくは1×1010/cm未満であり、1×10−9/cm以上のキャリア密度の酸化物半導体を用いることができる。そのような酸化物半導体を、高純度真性または実質的に高純度真性な酸化物半導体と呼ぶ。これにより不純物濃度が低く、欠陥準位密度が低いため、安定な特性を有する酸化物半導体であるといえる。
なお、これらに限られず、必要とするトランジスタの半導体特性および電気特性(電界効果移動度、しきい値電圧等)に応じて適切な組成のものを用いればよい。また、必要とするトランジスタの半導体特性を得るために、半導体層のキャリア密度や不純物濃度、欠陥密度、金属元素と酸素の原子数比、原子間距離、密度等を適切なものとすることが好ましい。
半導体層を構成する酸化物半導体において、第14族元素の一つであるシリコンや炭素が含まれると、酸素欠損が増加し、n型化してしまう。このため、半導体層におけるシリコンや炭素の濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)を、2×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1017atoms/cm以下とする。
また、アルカリ金属およびアルカリ土類金属は、酸化物半導体と結合するとキャリアを生成する場合があり、トランジスタのオフ電流が増大してしまうことがある。このため、半導体層におけるアルカリ金属またはアルカリ土類金属の濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)を、1×1018atoms/cm以下、好ましくは2×1016atoms/cm以下にする。
また、半導体層を構成する酸化物半導体に窒素が含まれていると、キャリアである電子が生じてキャリア密度が増加し、n型化しやすい。この結果、窒素が含まれている酸化物半導体を用いたトランジスタはノーマリーオン特性となりやすい。このため半導体層における窒素濃度(二次イオン質量分析法により得られる濃度)は、5×1018atoms/cm以下にすることが好ましい。
また、半導体層は、例えば非単結晶構造でもよい。非単結晶構造は、例えば、c軸に配向した結晶を有するCAAC−OS(C−Axis Aligned Crystalline Oxide Semiconductor、または、C−Axis Aligned and A−B−plane Anchored Crystalline Oxide Semiconductor)、多結晶構造、微結晶構造、または非晶質構造を含む。非単結晶構造において、非晶質構造は最も欠陥準位密度が高く、CAAC−OSは最も欠陥準位密度が低い。
非晶質構造の酸化物半導体膜は、例えば、原子配列が無秩序であり、結晶成分を有さない。または、非晶質構造の酸化物膜は、例えば、完全な非晶質構造であり、結晶部を有さない。
なお、半導体層が、非晶質構造の領域、微結晶構造の領域、多結晶構造の領域、CAAC−OSの領域、単結晶構造の領域のうち、二種以上を有する混合膜であってもよい。混合膜は、例えば上述した領域のうち、いずれか二種以上の領域を含む単層構造、または積層構造を有する場合がある。
以下では、非単結晶の半導体層の一態様であるCAC(Cloud−Aligned Composite)−OSの構成について説明する。
CAC−OSとは、例えば、酸化物半導体を構成する元素が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで偏在した材料の一構成である。なお、以下では、酸化物半導体において、一つあるいはそれ以上の金属元素が偏在し、該金属元素を有する領域が、0.5nm以上10nm以下、好ましくは、1nm以上2nm以下、またはその近傍のサイズで混合した状態をモザイク状、またはパッチ状ともいう。
なお、酸化物半導体は、少なくともインジウムを含むことが好ましい。特にインジウムおよび亜鉛を含むことが好ましい。また、それらに加えて、アルミニウム、ガリウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウム等から選ばれた一種、または複数種が含まれていてもよい。
例えば、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OS(CAC−OSの中でもIn−Ga−Zn酸化物を、特にCAC−IGZOと呼称してもよい。)とは、インジウム酸化物(以下、InOX1(X1は0よりも大きい実数)とする。)、またはインジウム亜鉛酸化物(以下、InX2ZnY2Z2(X2、Y2、およびZ2は0よりも大きい実数)とする。)と、ガリウム酸化物(以下、GaOX3(X3は0よりも大きい実数)とする。)、またはガリウム亜鉛酸化物(以下、GaX4ZnY4Z4(X4、Y4、およびZ4は0よりも大きい実数)とする。)等と、に材料が分離することでモザイク状となり、モザイク状のInOX1、またはInX2ZnY2Z2が、膜中に均一に分布した構成(以下、クラウド状ともいう。)である。
つまり、CAC−OSは、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域とが、混合している構成を有する複合酸化物半導体である。なお、本明細書において、例えば、第1の領域の元素Mに対するInの原子数比が、第2の領域の元素Mに対するInの原子数比よりも大きいことを、第1の領域は、第2の領域と比較して、Inの濃度が高いとする。
なお、IGZOは通称であり、In、Ga、Zn、およびOによる1つの化合物をいう場合がある。代表例として、InGaO(ZnO)m1(m1は自然数)、またはIn(1+x0)Ga(1−x0)(ZnO)m0(−1≦x0≦1、m0は任意数)で表される結晶性の化合物が挙げられる。
上記結晶性の化合物は、単結晶構造、多結晶構造、またはCAAC構造を有する。なお、CAAC構造とは、複数のIGZOのナノ結晶がc軸配向を有し、かつa−b面においては配向せずに連結した結晶構造である。
一方、CAC−OSは、酸化物半導体の材料構成に関する。CAC−OSとは、In、Ga、Zn、およびOを含む材料構成において、一部にGaを主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。したがって、CAC−OSにおいて、結晶構造は副次的な要素である。
なお、CAC−OSは、組成の異なる二種類以上の膜の積層構造は含まないものとする。例えば、Inを主成分とする膜と、Gaを主成分とする膜との2層からなる構造は、含まない。
なお、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域とは、明確な境界が観察できない場合がある。
なお、ガリウムの代わりに、アルミニウム、イットリウム、銅、バナジウム、ベリリウム、ホウ素、シリコン、チタン、鉄、ニッケル、ゲルマニウム、ジルコニウム、モリブデン、ランタン、セリウム、ネオジム、ハフニウム、タンタル、タングステン、またはマグネシウム等から選ばれた一種、または複数種が含まれている場合、CAC−OSは、一部に該金属元素を主成分とするナノ粒子状に観察される領域と、一部にInを主成分とするナノ粒子状に観察される領域とが、それぞれモザイク状にランダムに分散している構成をいう。
CAC−OSは、例えば基板を意図的に加熱しない条件で、スパッタリング法により形成することができる。また、CAC−OSをスパッタリング法で形成する場合、成膜ガスとして、不活性ガス(代表的にはアルゴン)、酸素ガス、および窒素ガスの中から選ばれたいずれか一つまたは複数を用いればよい。また、成膜時の成膜ガスの総流量に対する酸素ガスの流量比は低いほど好ましく、例えば酸素ガスの流量比を0%以上30%未満、好ましくは0%以上10%以下とすることが好ましい。
CAC−OSは、X線回折(XRD:X−ray diffraction)測定法のひとつであるOut−of−plane法によるθ/2θスキャンを用いて測定したときに、明確なピークが観察されないという特徴を有する。すなわち、X線回折から、測定領域のa−b面方向、およびc軸方向の配向は見られないことが分かる。
また、CAC−OSは、プローブ径が1nmの電子線(ナノビーム電子線ともいう。)を照射することで得られる電子線回折パターンにおいて、リング状に輝度の高い領域と、該リング領域に複数の輝点が観測される。したがって、電子線回折パターンから、CAC−OSの結晶構造が、平面方向、および断面方向において、配向性を有さないnc(nano−crystal)構造を有することがわかる。
また、例えば、In−Ga−Zn酸化物におけるCAC−OSでは、エネルギー分散型X線分光法(EDX:Energy Dispersive X−ray spectroscopy)を用いて取得したEDXマッピングにより、GaOX3が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域とが、偏在し、混合している構造を有することが確認できる。
CAC−OSは、金属元素が均一に分布したIGZO化合物とは異なる構造であり、IGZO化合物と異なる性質を有する。つまり、CAC−OSは、GaOX3等が主成分である領域と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域と、に互いに相分離し、各元素を主成分とする領域がモザイク状である構造を有する。
ここで、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域は、GaOX3等が主成分である領域と比較して、導電性が高い領域である。つまり、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域を、キャリアが流れることにより、酸化物半導体としての導電性が発現する。したがって、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域が、酸化物半導体中にクラウド状に分布することで、高い電界効果移動度(μ)が実現できる。
一方、GaOX3等が主成分である領域は、InX2ZnY2Z2、またはInOX1が主成分である領域と比較して、絶縁性が高い領域である。つまり、GaOX3等が主成分である領域が、酸化物半導体中に分布することで、リーク電流を抑制し、良好なスイッチング動作を実現できる。
したがって、CAC−OSを半導体素子に用いた場合、GaOX3等に起因する絶縁性と、InX2ZnY2Z2、またはInOX1に起因する導電性とが、相補的に作用することにより、高いオン電流(Ion)、および高い電界効果移動度(μ)を実現することができる。
また、CAC−OSを用いた半導体素子は、信頼性が高い。したがって、CAC−OSは、様々な半導体装置の構成材料として適している。
画素11aにおいて、ノードNMに書き込まれた信号は、配線121に適切な電位を供給することで、ノードNRに読み出すことができる。当該電位は、例えば、トランジスタ116のしきい値電圧相当の電位とすることができる。この動作以前にノードNAに画像信号が書き込まれていれば、容量素子103の容量結合により、画像信号にノードNRの電位を付加した信号電位が液晶素子105に印加される。
すなわち、ノードNMに所望の補正信号を格納しておけば、供給した画像信号に当該補正信号を付加することができる。なお、補正信号は伝送経路上の要素によって減衰することがあるため、当該減衰を考慮して生成することが好ましい。
図2に示すタイミングチャートを用いて、画素11aの動作の詳細を説明する。なお、所望のタイミングにおいて、配線124には補正信号(Vp)が供給され、配線125には画像信号(Vs)が供給される。また、以下の説明においては、高電位を“H”、低電位を“L”で表す。
期間T1に配線121の電位を“L”、配線122の電位を“H”、配線123の電位を“L”とすると、トランジスタ115が導通し、ノードNMに補正信号(Vp)が書き込まれる。
期間T2に配線121の電位を“L”、配線122の電位を“L”、配線123の電位を“H”とすると、トランジスタ102が導通し、ノードNRが“L”にリセットされる。また、トランジスタ101が導通し、ノードNAに画像信号(Vs)が書き込まれる。
期間T3に配線121の電位を“H”、配線122の電位を“L”、配線123の電位を“L”とすると、容量素子117の容量結合によりノードNMの電位に配線121の電位が付加される。このとき、配線121の電位をトランジスタ116のしきい値電圧(Vth)とすると、ノードNMの電位はVp+Vthとなる。そして、トランジスタ116は導通し、ノードNRは、トランジスタ116のゲート電位よりしきい値電圧(Vth)分だけ低い電位、すなわち補正信号(Vp)に相当する電位となる。
そして、容量素子103の容量結合により、ノードNRとノードNAの容量比に応じた電位(Vp’)が画像信号(Vs)に付加される。すなわち、ノードNAの電位は、Vs+Vp’となる。
以上により、補正信号に由来する電位を画像信号に付加することができ、表示の補正を行うことができる。
上記画素11aの構成および動作は、画像のアップコンバートに有用である。画素11aを用いたアップコンバートについて、図3(A)、(B)を用いて説明する。
例えば、8K4Kの表示装置の画素数は、4K2Kの表示装置の画素数(3840×2160)の4倍である。つまり、4K2Kの表示装置の1画素で表示する画像信号を単純に8K4Kの表示装置で表示しようとすると、4画素で同じ画像信号を表示することになる。
図3(A)は、上記を想定した水平垂直方向の4画素に表示される画像を説明する図である。図3(A)に示すように、アップコンバート前では4画素全て画像信号S1で表示されることになるが、アップコンバート後ではそれぞれの画素に画像信号S0乃至S2が適用され、解像度を向上することができる。
図3(B)は、画素11aにおけるアップコンバート動作を説明する図である。画素11aでは前述した方法で画像信号を補正するため、画像信号の補正は電位を上げる方向に行う。したがって、元の画像信号S1を信号電位の小さい画像信号S0に外部機器で加工し、画素11aに供給する。なお、画像信号S0の生成動作は単純であるため、外部機器の負荷は小さい。
また、各画素には、補正信号としてW1乃至W3を供給する。ここで、W1乃至W3を生成する方法は限定されない。補正信号の生成は、外部機器を用いてリアルタイムで行ってもよいし、記録媒体に保存されている補正信号を読み出して画像信号S0と同期させてもよい。
そして、前述した画素11aの動作を行うことにより各画像信号に各補正信号が付加され、新しい画像信号S0乃至S2が生成される。したがって、アップコンバートした表示を行うことができる。
従来の外部補正によるアップコンバートでは、新しい画像信号そのものを生成するため、外部機器の負荷が大きかった。一方で、上述した本発明の一態様では、供給する画像信号は大きく変化させず、補正信号を供給した画素で新たな画像信号を生成するため、外部機器の負担を小さくすることができる。また、新たな画像信号を画素で生成するための動作は少ないステップで行うことができ、画素数が多く水平期間の短い表示装置でも対応することができる。
また、本発明の一態様の画素は、図4(A)に示す画素11bの構成とすることもできる。画素11bは、画素11aにトランジスタ106と、トランジスタ107と、配線126を付加した構成である。
トランジスタ106のソースまたはドレインの一方は、トランジスタ101のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ106のソースまたはドレインの他方は、液晶素子105の一方の電極と電気的に接続される。トランジスタ107のソースまたはドレインの一方は、トランジスタ106のソースまたはドレインの他方と電気的に接続され、トランジスタ107のソースまたはドレインの他方は、電源線(低電位)と電気的に接続される。
上記構成において、トランジスタ101のソースまたはドレインの一方、容量素子103の一方の電極およびトランジスタ106のソースまたはドレインの一方が接続される配線をノードNAとする。また、トランジスタ106のソースまたはドレインの一方、容量素子104の一方の電極および液晶素子105の一方の電極が接続される配線をノードNBとする。
また、トランジスタ106のゲートは、配線126と電気的に接続される。トランジスタ107のゲートは、配線121と電気的に接続される。配線126は、トランジスタの動作を制御するための信号線としての機能を有することができる。
画素11aの構成では、画像信号を入力した後に補正信号を付加する動作を行うため、液晶素子105の動作が段階的となることがある。そのため、液晶素子105の応答特性によってはその動作が視認され、表示品位を低下させる場合がある。
画素11bでは、トランジスタ106を非導通とした状態において、ノードNAに画像信号を供給し、補正信号を付加させる。その後、トランジスタ106を導通してノードNBに補正した画像信号を供給する。したがって、液晶素子105の動作は段階的にならず、表示品位の低下を防ぐことができる。
図5に示すタイミングチャートを用いて、画素11bの動作の詳細を説明する。なお、適切なタイミングにおいて、配線124には補正信号(Vp)が供給され、配線125には画像信号(Vs)が供給される。また、以下の説明においては、高電位を“H”、低電位を“L”で表す。
期間T1に配線121の電位を“L”、配線122の電位を“H”、配線123の電位を“L”とすると、トランジスタ115が導通し、ノードNMに補正信号(Vp)が書き込まれる。なお、配線126の電位は、前フレームの動作から引き継がれて期間T1では“H”となっている。
期間T2に配線121の電位を“L”、配線122の電位を“L”、配線123の電位を“H”、配線126の電位を“L”とすると、トランジスタ102が導通し、ノードNRが“L”にリセットされる。また、トランジスタ101が導通し、ノードNAに画像信号(Vs)が書き込まれる。また、トランジスタ106が非導通になることからノードNBの電位は引き続き保持され、表示は継続される。
期間T3に配線121の電位を“H”、配線122の電位を“L”、配線123の電位を“L” 、配線126の電位を“L”とすると、容量素子117の容量結合によりノードNMの電位に配線121の電位が付加される。このとき、配線121の電位をトランジスタ116のしきい値電圧(Vth)とすると、ノードNMの電位はVp+Vthとなる。そして、トランジスタ116は導通し、ノードNRは、トランジスタ116のゲート電位よりしきい値電圧(Vth)分だけ低い電位、すなわち補正信号(Vp)に相当する電位となる。
そして、容量素子103の容量結合により、ノードNRとノードNAの容量比に応じた電位(Vp’)が画像信号(Vs)に付加される。すなわち、ノードNAの電位は、Vs+Vp’となる。また、トランジスタ107が導通することにより、ノードNBの電位は“L”にリセットされる。
期間T4に配線121の電位を“L”、配線122の電位を“L”、配線123の電位を“L” 、配線126の電位を“H”とすると、ノードNAの電位がノードNBに分配され、ノードNBの電位は、(Vs+Vp’)’となる。
以上により、補正信号に由来する電位を画像信号に付加することができ、表示の補正を行うことができる。
なお、画素11bの基本構成を用いて他の表示素子を動作させてもよい。図4(B)は、画素11bの液晶素子105および容量素子104をEL素子110、トランジスタ108および容量素子109に置き換えた画素11cの構成を示す図である。
EL素子110の一方の電極は、容量素子109の一方の電極と電気的に接続される。容量素子109の一方の電極は、トランジスタ108のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ108のゲートは、トランジスタ106のソースまたはドレインの他方と電気的に接続される。トランジスタ106のソースまたはドレインの他方は、容量素子109の他方の電極と電気的に接続される。
上記構成において、トランジスタ106のソースまたはドレインの他方、容量素子109の他方の電極およびトランジスタ108のゲートが接続される配線をノードNBとする。
トランジスタ108のソースまたはドレインの他方は、電源線(高電位)と電気的に接続される。EL素子110の他方の電極は共通配線129と電気的に接続される。共通配線129には任意の電位を供給することができる。
画素11cの動作については、前述した画素11bの動作の説明を参照することができる。
図6は、本発明の一態様の表示装置のブロック図の一例である。当該表示装置は、画素11がマトリクス状の設けられた表示部215と、ロードライバ12と、カラムドライバ13と、回路14を有する。なお、画素11としては、前述した画素11a乃至11cを適用することができる。
ロードライバ12およびカラムドライバ13には、例えばシフトレジスタ回路を用いることができる。回路14は、画像信号および補正信号を生成する機能を有する。なお、回路14は、前述した補正信号を生成するための外部機器ということもできる。
回路14には、図3(A)、(B)の説明における画像信号S1が入力され、画像信号S0および補正信号Wが生成されてカラムドライバ13に出力される。なお、画像信号S0を生成する機能および補正信号Wを生成する機能は、それぞれ異なる回路が有していてもよい。
また、回路14は、ニューラルネットワークを有していてもよい。例えば、膨大な画像を教師データとして学習したディープニューラルネットワークを用いることで、精度の高い補正信号Wを生成することができる。
図7は、図6に示す構成の表示装置の変形例である。図7に示す構成の表示装置は、タッチパネル36を追加した点が、図6に示す構成の表示装置と異なる。タッチパネル36は、信号S3を生成する機能を有する。信号S3は、タッチされた位置等を表す信号である。信号S3は回路14に入力され、回路14は画像信号S1の他、信号S3を基にして補正信号Wを生成することができる。これにより、表示部215により表示される画像を、信号S3に依存した画像とすることができる。例えば、表示部215により表示される画像において、タッチした部分をタッチしていない部分より低輝度、または高輝度とすることができる。これにより、例えば表示部215に文字、マーカー等を書き込むことができる。
図8は、図7に示す構成の表示装置の変形例である。図8に示す構成の表示装置は、回路14の代わりに、回路14aおよび回路14bを有する点が、図7に示す構成の表示装置と異なる。回路14aは、補正信号Wを生成する機能を有する。回路14bは、画像信号S0を生成する機能を有する。つまり、回路14が有していた画像信号S0を生成する機能および補正信号Wを生成する機能を、それぞれ異なる回路が有する構成である。
図8に示す構成の表示装置において、画像信号S1は、例えば回路14aと回路14bの両方に入力することができる。一方、タッチパネル36が生成する信号S3は、例えば回路14aにのみ入力することができる。以上により、画像信号S0は、信号S3に依存しない信号とすることができ、補正信号Wは、信号S3に依存した信号とすることができる。
なお、回路14aおよび回路14bは、ニューラルネットワークを有していてもよい。例えば、回路14aと回路14bの両方がニューラルネットワークを有していてもよいし、回路14aのみニューラルネットワークを有していてもよい。回路14aがニューラルネットワークを有する場合、当該ニューラルネットワークとして膨大な画像を教師データとして学習したディープニューラルネットワークを用いることで、精度の高い補正信号Wを生成することができる。
これまで、メモリ回路MEMを有する画素におけるアップコンバート動作を主として説明したが、当該画素では、トランジスタの特性ばらつきを補正する動作を行うこともできる。EL素子を用いた画素では、EL素子に電流を供給する駆動トランジスタのしきい値電圧のばらつきが表示品位に与える影響が大きい。メモリ回路MEMに駆動トランジスタのしきい値電圧を補正する信号を保持させ、画像信号に付加することで表示品位を向上させることができる。
図9は、上記駆動トランジスタに相当するトランジスタ108のしきい値電圧(Vth)を補正する動作を行うことができる画素11dの構成を示す図である。画素11dでは、画素11cにトランジスタ111および配線130を付加した構成を有する。
トランジスタ111のソースまたはドレインの一方は、トランジスタ108のソースまたはドレインの一方と電気的に接続される。トランジスタ111のソースまたはドレインの他方は、配線130と電気的に接続される。トランジスタ111のゲートは、配線123と電気的に接続される。
配線130は、トランジスタ108の電気特性を取得するためのモニタ線としての機能を有する。また、配線130からトランジスタ111を介して容量素子109の一方の電極に特定の電位を供給することにより、画像信号の書き込みを安定化させることもできる。
画素11dでは、初期動作として外部補正の動作を行うが、生成された補正信号はメモリ回路MEMに格納される。したがって、メモリ回路MEMに補正信号が保持された後は、内部補正のように動作する。
補正信号の生成およびメモリ回路MEMへの格納を図9の回路図および図10に示す表示装置のブロック図を用いて説明する。当該表示装置は、画素11dがマトリクス状の設けられた表示部215と、ロードライバ12と、カラムドライバ13と、カラムドライバ15と、回路16を有する。
カラムドライバ15には、例えばシフトレジスタ回路を用いることができる。回路16は、補正信号を生成する機能を有する。カラムドライバ15によって配線130を順次選択し、その出力値を回路16に入力することができる。
まず、トランジスタ101、106、111を導通し、ノードNBにトランジスタ108が導通する標準電位を書き込む。トランジスタ108が出力する電流は、トランジスタ111を介して回路16に取り込まれる。当該動作を全ての画素に対して行い、ゲートに標準電位を印加したときのトランジスタ108が出力する電流値を取得する。
回路16では電流値を読み取って解析し、最も電流値の高いトランジスタを基準として各画素に格納する補正信号Wを生成する。当該補正信号Wは、カラムドライバ13に入力され、各画素のメモリ回路MEMに格納される。なお、回路16は電流値を読み取る機能を有し、補正信号Wを生成する機能は他の回路が有していてもよい。
以降は、前述したように画像信号に補正信号を付加した表示動作を行う。なお、トランジスタのしきい値電圧は、長期に亘って大きく変動することはあるが、短期間における変動は極めて少ない。したがって、補正信号の生成およびメモリ回路MEMへの格納動作は、フレームごと等に行う必要はなく、電源投入時や終了時等に行えばよい。または、表示装置の動作時間を記録し、日、週、月、年等を単位とした一定期間ごとに行ってもよい。
なお、上記ではトランジスタ108が出力する電流値を実測して補正信号Wを生成する方法を説明したが、その他の方法で補正信号Wを生成してもよい。例えば、グレースケールの表示を行い、当該表示の輝度を輝度計で読み取ったデータや当該表示の写真を読み取ったデータを元に補正信号Wを生成してもよい。当該補正信号Wの生成には、ニューラルネットワークを用いた推論を用いることが好ましい。
図11は、図10に示す構成の表示装置の変形例である。図11に示す構成の表示装置は、タッチパネル36を追加した点が、図10に示す構成の表示装置と異なる。前述のとおり、タッチパネル36は、タッチされた位置等を表す信号である信号S3を生成する機能を有する。信号S3は回路16に入力され、回路16はカラムドライバ15からの出力電流の他、信号S3を基にして補正信号Wを生成することができる。これにより、トランジスタのしきい値電圧の補正を行いつつ、表示部215に表示される画像を、信号S3に依存した画像とすることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態等に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態2)
本実施の形態では、液晶素子を用いた表示装置の構成例と、EL素子を用いた表示装置の構成例について説明する。なお、本実施の形態においては、実施の形態1で説明した補正に関する動作および機能の説明は省略する。
図12(A)において、第1の基板4001上に設けられた表示部215を囲むようにして、シール材4005が設けられ、表示部215がシール材4005および第2の基板4006によって封止されている。
表示部215は、実施の形態1に示した画素を有する表示部が設けられる。
図12(A)では、走査線駆動回路221a、信号線駆動回路231a、信号線駆動回路232a、および共通線駆動回路241aは、それぞれがプリント基板4041上に設けられた集積回路4042を複数有する。集積回路4042は、単結晶半導体または多結晶半導体で形成されている。信号線駆動回路231aおよび信号線駆動回路232aは、実施の形態1に示したカラムドライバの機能を有する。走査線駆動回路221aは、実施の形態に示したロードライバの機能を有する。共通線駆動回路241aは、実施の形態1に示した共通配線に規定の電位を供給する機能を有する。
走査線駆動回路221a、共通線駆動回路241a、信号線駆動回路231a、および信号線駆動回路232aに与えられる各種信号および電位は、FPC(FPC:Flexible printed circuit)4018を介して供給される。
走査線駆動回路221aおよび共通線駆動回路241aが有する集積回路4042は、表示部215に選択信号を供給する機能を有する。信号線駆動回路231aおよび信号線駆動回路232aが有する集積回路4042は、表示部215に画像信号を供給する機能を有する。集積回路4042は、第1の基板4001上のシール材4005によって囲まれている領域とは異なる領域に実装されている。
なお、集積回路4042の接続方法は、特に限定されるものではなく、ワイヤボンディング法、COG(Chip On Glass)法、TCP(Tape Carrier Package)法、COF(Chip On Film)法等を用いることができる。
図12(B)は、信号線駆動回路231aおよび信号線駆動回路232aに含まれる集積回路4042をCOG法により実装する例を示している。また、駆動回路の一部または全体を表示部215と同じ基板上に一体形成して、システムオンパネルを形成することができる。
図12(B)では、走査線駆動回路221aおよび共通線駆動回路241aを、表示部215と同じ基板上に形成する例を示している。駆動回路を表示部215内の画素回路と同時に形成することで、部品点数を削減することができる。よって、生産性を高めることができる。
また、図12(B)では、第1の基板4001上に設けられた表示部215と、走査線駆動回路221aおよび共通線駆動回路241aと、を囲むようにして、シール材4005が設けられている。また表示部215、走査線駆動回路221a、および共通線駆動回路241aの上に第2の基板4006が設けられている。よって、表示部215、走査線駆動回路221a、および共通線駆動回路241aは、第1の基板4001とシール材4005と第2の基板4006とによって、表示素子と共に封止されている。
また、図12(B)では、信号線駆動回路231aおよび信号線駆動回路232aを別途形成し、第1の基板4001に実装している例を示しているが、この構成に限定されない。走査線駆動回路を別途形成して実装しても良いし、信号線駆動回路の一部または走査線駆動回路の一部を別途形成して実装しても良い。
また、表示装置は、表示素子が封止された状態にあるパネルと、該パネルにコントローラを含むIC等を実装した状態にあるモジュールとを含む場合がある。
また第1の基板上に設けられた表示部および走査線駆動回路は、トランジスタを複数有している。当該トランジスタとして、上記実施の形態で示したトランジスタを適用することができる。
周辺駆動回路が有するトランジスタと、表示部の画素回路が有するトランジスタの構造は同じであってもよく、異なっていてもよい。周辺駆動回路が有するトランジスタは、全て同じ構造であってもよく、2種類以上の構造が組み合わせて用いられていてもよい。同様に、画素回路が有するトランジスタは、全て同じ構造であってもよく、2種類以上の構造が組み合わせて用いられていてもよい。
図13(A)および図13(B)は、図12(B)中でN1−N2の鎖線で示した部位の断面図である。図13(A)および図13(B)に示す表示装置は電極4015を有しており、電極4015はFPC4018が有する端子と異方性導電層4019を介して、電気的に接続されている。また、図13(A)および図13(B)では、電極4015は、絶縁層4112、絶縁層4111、および絶縁層4110に形成された開口において配線4014と電気的に接続されている。
電極4015は、第1の電極4030と同じ導電層から形成され、配線4014は、トランジスタ4010、およびトランジスタ4011のソース電極およびドレイン電極と同じ導電層で形成されている。
また、第1の基板4001上に設けられた表示部215と走査線駆動回路221aは、トランジスタを複数有しており、図13(A)、および図13(B)では、表示部215に含まれるトランジスタ4010、および走査線駆動回路221aに含まれるトランジスタ4011を例示している。なお、図13(A)および図13(B)では、トランジスタ4010およびトランジスタ4011としてボトムゲート型のトランジスタを例示しているが、トップゲート型のトランジスタであってもよい。
図13(A)および図13(B)では、トランジスタ4010およびトランジスタ4011上に絶縁層4112が設けられている。また、図13(B)では、絶縁層4112上に隔壁4510が形成されている。
また、トランジスタ4010およびトランジスタ4011は、絶縁層4102上に設けられている。また、トランジスタ4010およびトランジスタ4011は、絶縁層4111上に形成された電極4017を有する。電極4017はバックゲート電極として機能することができる。
また、図13(A)および図13(B)に示す表示装置は、容量素子4020を有する。容量素子4020は、トランジスタ4010のゲート電極と同じ工程で形成された電極4021と、ソース電極およびドレイン電極と同じ工程で形成された電極と、を有する。それぞれの電極は、絶縁層4103を介して重なっている。
一般に、表示装置の画素部に設けられる容量素子の容量は、画素部に配置されるトランジスタのリーク電流等を考慮して、所定の期間の間電荷を保持できるように設定される。容量素子の容量は、トランジスタのオフ電流等を考慮して設定すればよい。
表示部215に設けられたトランジスタ4010は表示素子と電気的に接続する。図13(A)は、表示素子として液晶素子を用いた液晶表示装置の一例である。図13(A)において、表示素子である液晶素子4013は、第1の電極4030、第2の電極4031、および液晶層4008を含む。なお、液晶層4008を挟持するように配向膜として機能する絶縁層4032、絶縁層4033が設けられている。第2の電極4031は第2の基板4006側に設けられ、第1の電極4030と第2の電極4031は液晶層4008を介して重畳する。
またスペーサ4035は絶縁層を選択的にエッチングすることで得られる柱状のスペーサであり、第1の電極4030と第2の電極4031との間隔(セルギャップ)を制御するために設けられている。なお球状のスペーサを用いていても良い。
また、必要に応じて、ブラックマトリクス(遮光層)、着色層(カラーフィルタ)、偏光部材、位相差部材、反射防止部材等の光学部材(光学基板)等を適宜設けてもよい。例えば、偏光基板および位相差基板による円偏光を用いてもよい。また、光源としてバックライト、サイドライト等を用いてもよい。また、上記バックライト、およびサイドライトとして、マイクロLED等を用いても良い。
図13(A)に示す表示装置では、基板4006と第2の電極4031の間に、遮光層4132、着色層4131、絶縁層4133が設けられている。
遮光層として用いることのできる材料としては、カーボンブラック、チタンブラック、金属、金属酸化物、複数の金属酸化物の固溶体を含む複合酸化物等が挙げられる。遮光層は、樹脂材料を含む膜であってもよいし、金属等の無機材料の薄膜であってもよい。また、遮光層に、着色層の材料を含む膜の積層膜を用いることもできる。例えば、ある色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜と、他の色の光を透過する着色層に用いる材料を含む膜との積層構造を用いることができる。着色層と遮光層の材料を共通化することで、装置を共通化できるほか工程を簡略化できるため好ましい。
着色層に用いることのできる材料としては、金属材料、樹脂材料、顔料または染料が含まれた樹脂材料等が挙げられる。遮光層および着色層の形成方法は、前述した各層の形成方法と同様に行なえばよい。例えば、インクジェット法等で行なってもよい。
また、図13(A)および図13(B)に示す表示装置は、絶縁層4111と絶縁層4104を有する。絶縁層4111と絶縁層4104として、不純物元素を透過しにくい絶縁層を用いる。絶縁層4111と絶縁層4104でトランジスタの半導体層を挟むことで、外部からの不純物の浸入を防ぐことができる。
また、表示装置に含まれる表示素子として、エレクトロルミネッセンスを利用する発光素子(EL素子)を適用することができる。EL素子は、一対の電極の間に発光性の化合物を含む層(「EL層」ともいう。)を有する。一対の電極間に、EL素子の閾値電圧よりも大きい電位差を生じさせると、EL層に陽極側から正孔が注入され、陰極側から電子が注入される。注入された電子と正孔はEL層において再結合し、EL層に含まれる発光物質が発光する。
また、EL素子は、発光材料が有機化合物であるか、無機化合物であるかによって区別され、一般的に、前者は有機EL素子、後者は無機EL素子と呼ばれている。
有機EL素子は、電圧を印加することにより、一方の電極から電子、他方の電極から正孔がそれぞれEL層に注入される。そして、それらキャリア(電子および正孔)が再結合することにより、発光性の有機化合物が励起状態を形成し、その励起状態が基底状態に戻る際に発光する。このようなメカニズムから、このような発光素子は、電流励起型の発光素子と呼ばれる。
なお、EL層は、発光性の化合物以外に、正孔注入性の高い物質、正孔輸送性の高い物質、正孔ブロック材料、電子輸送性の高い物質、電子注入性の高い物質、またはバイポーラ性の物質(電子輸送性および正孔輸送性が高い物質)等を有していてもよい。
EL層は、蒸着法(真空蒸着法を含む)、転写法、印刷法、インクジェット法、塗布法等の方法で形成することができる。
無機EL素子は、その素子構成により、分散型無機EL素子と薄膜型無機EL素子とに分類される。分散型無機EL素子は、発光材料の粒子をバインダ中に分散させた発光層を有するものであり、発光メカニズムはドナー準位とアクセプター準位を利用するドナー−アクセプター再結合型発光である。薄膜型無機EL素子は、発光層を誘電体層で挟み込み、さらにそれを電極で挟んだ構造であり、発光メカニズムは金属イオンの内殻電子遷移を利用する局在型発光である。なお、ここでは、発光素子として有機EL素子を用いて説明する。
発光素子は発光を取り出すために少なくとも一対の電極の一方が透明であればよい。そして、基板上にトランジスタおよび発光素子を形成し、当該基板とは逆側の面から発光を取り出す上面射出(トップエミッション)構造や、基板側の面から発光を取り出す下面射出(ボトムエミッション)構造や、両面から発光を取り出す両面射出(デュアルエミッション)構造の発光素子があり、どの射出構造の発光素子も適用することができる。
図13(B)は、表示素子として発光素子を用いた発光表示装置(「EL表示装置」ともいう。)の一例である。表示素子である発光素子4513は、表示部215に設けられたトランジスタ4010と電気的に接続している。なお発光素子4513の構成は、第1の電極4030、発光層4511、第2の電極4031の積層構造であるが、この構成に限定されない。発光素子4513から取り出す光の方向等に合わせて、発光素子4513の構成は適宜変えることができる。
隔壁4510は、有機絶縁材料、または無機絶縁材料を用いて形成する。特に感光性の樹脂材料を用い、第1の電極4030上に開口部を形成し、その開口部の側面が連続した曲率を持って形成される傾斜面となるように形成することが好ましい。
発光層4511は、単数の層で構成されていても、複数の層が積層されるように構成されていてもどちらでも良い。
発光素子4513の発光色は、発光層4511を構成する材料によって、白、赤、緑、青、シアン、マゼンタ、または黄等に変化させることができる。
カラー表示を実現する方法としては、発光色が白色の発光素子4513と着色層を組み合わせて行う方法と、画素毎に発光色の異なる発光素子4513を設ける方法がある。前者の方法は後者の方法よりも生産性が高い。一方、後者の方法では画素毎に発光層4511を作り分ける必要があるため、前者の方法よりも生産性が劣る。ただし、後者の方法では、前者の方法よりも色純度の高い発光色を得ることができる。後者の方法に加えて、発光素子4513にマイクロキャビティ構造を付与することにより色純度をさらに高めることができる。
なお、発光層4511は、量子ドット等の無機化合物を有していてもよい。例えば、量子ドットを発光層に用いることで、発光材料として機能させることもできる。
発光素子4513に酸素、水素、水分、二酸化炭素等が侵入しないように、第2の電極4031および隔壁4510上に保護層を形成してもよい。保護層としては、窒化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、DLC(Diamond Like Carbon)等を形成することができる。また、第1の基板4001、第2の基板4006、およびシール材4005によって封止された空間には充填材4514が設けられ密封されている。このように、外気に曝されないように気密性が高く、脱ガスの少ない保護フィルム(貼り合わせフィルム、紫外線硬化樹脂フィルム等)やカバー材でパッケージング(封入)することが好ましい。
充填材4514としては窒素やアルゴン等の不活性な気体の他に、紫外線硬化樹脂または熱硬化樹脂を用いることができ、PVC(ポリビニルクロライド)、アクリル系樹脂、ポリイミド、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、PVB(ポリビニルブチラル)またはEVA(エチレンビニルアセテート)等を用いることができる。また、充填材4514に乾燥剤が含まれていてもよい。
シール材4005には、ガラスフリット等のガラス材料や、二液混合型の樹脂等の常温で硬化する硬化樹脂、光硬化性の樹脂、熱硬化性の樹脂等の樹脂材料を用いることができる。また、シール材4005に乾燥剤が含まれていてもよい。
また、必要であれば、発光素子の射出面に偏光板、または円偏光板(楕円偏光板を含む)、位相差板(λ/4板、λ/2板)、カラーフィルタ等の光学フィルムを適宜設けてもよい。また、偏光板または円偏光板に反射防止膜を設けてもよい。例えば、表面の凹凸により反射光を拡散し、映り込みを低減できるアンチグレア処理を施すことができる。
また、発光素子をマイクロキャビティ構造とすることで、色純度の高い光を取り出すことができる。また、マイクロキャビティ構造とカラーフィルタを組み合わせることで、映り込みが低減し、表示画像の視認性を高めることができる。
表示素子に電圧を印加する第1の電極および第2の電極(画素電極、共通電極、対向電極等ともいう)においては、取り出す光の方向、電極が設けられる場所、および電極のパターン構造によって透光性、反射性を選択すればよい。
第1の電極4030、第2の電極4031は、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、インジウム錫酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物等の透光性を有する導電性材料を用いることができる。
また、第1の電極4030、第2の電極4031はタングステン(W)、モリブデン(Mo)、ジルコニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、タンタル(Ta)、クロム(Cr)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、白金(Pt)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銀(Ag)等の金属、またはその合金、もしくはその金属窒化物から一種以上を用いて形成することができる。
また、第1の電極4030、第2の電極4031として、導電性高分子(導電性ポリマーともいう)を含む導電性組成物を用いて形成することができる。導電性高分子としては、いわゆるπ電子共役系導電性高分子を用いることができる。例えば、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリピロール若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体、または、アニリン、ピロールおよびチオフェンの2種以上からなる共重合体若しくはその誘導体等があげられる。
また、トランジスタは静電気等により破壊されやすいため、駆動回路保護用の保護回路を設けることが好ましい。保護回路は、非線形素子を用いて構成することが好ましい。
図14乃至図17は、図13(A)、(B)に示す構成の表示装置に、タッチパネルを設けた場合の断面図である。図14は、図13(A)に示す構成の表示装置にタッチパネル36を設けた場合を、図15は、図13(B)に示す構成の表示装置にタッチパネル36を設けた場合をそれぞれ示している。具体的には、第2の基板4006上、かつ液晶層4008とは反対側にタッチパネル36を設けた場合を示している。なお、当該構成をアウトセル型と呼ぶことができる。本発明の一態様の表示装置にタッチパネル36を設けることで、本発明の一態様の表示装置に位置入力装置としての機能を付加することができる。
なお、タッチパネル36は、タッチセンサおよび導光板を有する構成とすることができる。当該導光板には、可視光を透過する材料を用いることができる。また、可とう性を有する材料を用いることができる。
図16は、図13(A)に示す構成の表示装置に、タッチパネルの構成要素であるタッチセンサ390を設けた場合を、図17は、図13(B)に示す構成の表示装置にタッチセンサ390を設けた場合をそれぞれ示している。具体的には、表示装置の内部、つまり第1の基板4001と第2の基板4006の間に、タッチセンサ390を設ける構成を示している。当該構成を、インセル型と呼ぶことができる。
タッチセンサ390は、図16に示すように、例えば第2の基板4006と液晶層4008の間に設けることができる。また、タッチセンサ390は、図17に示すように、例えば第2の基板4006と第2の電極4031の間に設けることができる。
タッチセンサ390は、遮光層391と、絶縁層392、電極393、電極394および電極395を有する。例えば、指やタッチ入力ペン等の被検知体が近接することで、電極393と、電極394との相互容量の変化を検知することができる。電極395は、絶縁層392に設けられた開口部を介して、電極394を挟む2つの電極393と電気的に接続されている。
図16に示すように、電極393および電極394は、遮光層391と重なる領域に設けられる。また、図16に示すように、電極393および電極394は、液晶素子4013と重ならないように設けられると好ましい。また、図17に示すように、電極393および電極394は、発光素子4513と重ならないように設けられると好ましい。これにより、電極393および電極394は、液晶素子4013および発光素子4513が射出する光を遮らない構成とすることができる。したがって、タッチセンサ390を配置することによる輝度の低下が極めて少ないため、表示装置の視認性を高め、かつ消費電力を低減することができる。
また、電極393および電極394が発光素子4513と重ならないため、電極393および電極394には、可視光の透過率が低い金属材料を用いることができる。このため、可視光の透過率が高い酸化物材料を用いた電極より、電極393および電極394の抵抗を低くすることができ、したがってタッチセンサ390のセンサ感度を向上させることができる。
例えば、電極393、電極394、および電極395には、導電性のナノワイヤを用いてもよい。当該ナノワイヤは、直径の平均値が1nm以上100nm以下、好ましくは5nm以上50nm以下、より好ましくは5nm以上25nm以下の大きさとすればよい。また、上記ナノワイヤとしては、Agナノワイヤ、Cuナノワイヤ、またはAlナノワイヤ等の金属ナノワイヤ、あるいは、カーボンナノチューブ等を用いればよい。例えば、電極393、電極394、および電極395のいずれか一つあるいは全部にAgナノワイヤを用いる場合、可視光における光透過率を89%以上、シート抵抗値を40Ω/square(Ω/sq.)以上100Ω/sq.以下とすることができる。
図18は、本発明の一態様の表示装置と、タッチパネルと、を有する表示パネル600の斜視概略図である。表示パネル600は、第1の基板4001と第2の基板4006とが貼り合わされた構成を有する。図18では、第2の基板4006を破線で明示している。
表示パネル600は、表示部215、回路659、配線4014等を有する。第1の基板4001には、例えば回路659および配線4014が設けられている。また図18では第1の基板4001上にIC673とFPC4018が実装されている例を示している。そのため、図18に示す構成は、表示パネル600とFPC4018およびIC673を有する表示モジュールと言うこともできる。
また、表示部215上にタッチパネル36が設けられている。
回路659は、例えば走査線駆動回路として機能する回路を用いることができる。
配線4014は、表示部215や回路659に信号や電力を供給する機能を有する。当該信号や電力は、FPC4018を介して外部、またはIC673から配線4014に入力される。
また、図18では、COG(Chip On Glass)方式等により、第1の基板4001にIC673が設けられている例を示している。IC673は、例えば走査線駆動回路、または信号線駆動回路等としての機能を有するICを適用できる。なお表示パネル600が走査線駆動回路および信号線駆動回路として機能する回路を備える場合や、走査線駆動回路や信号線駆動回路として機能する回路を外部に設け、FPC4018を介して表示パネル600を駆動するための信号を入力する場合等では、IC673を設けない構成としてもよい。また、IC673を、COF(Chip On Film)方式等により、FPC4018に実装してもよい。
タッチパネルにおけるタッチ動作の検知方法として、例えば相互容量方式が挙げられる。図19(A)は、相互容量方式のタッチセンサ部の構成を示すブロック図である。図19(A)では、パルス電圧出力回路501、電流検出回路502を示している。なお図19(A)では、パルス電圧が与えられる電極213、電流の変化を検出する電極217をそれぞれ、X1乃至X5の5本、Y1乃至Y8の8本の配線として示している。また図19(A)は、隣り合う第1の電極および第2の電極が形成される容量503を図示している。
パルス電圧出力回路501は、X1乃至X5の配線に順にパルス電圧を印加するための回路である。X1乃至X5の配線にパルス電圧が印加されることで、容量503を形成する電極213および電極217の間は、電界が生じる。この配線間に生じる電界が遮蔽等により容量503での相互容量に変化を生じさせることを利用して、指やタッチ入力ペン等、被検知体の近接、または接触を検知することができる。
電流検出回路502は、容量503での相互容量に変化による、Y1乃至Y8の配線での電流の変化を検出するための回路である。Y1乃至Y8の配線では、被検知体の近接、または接触がないと検出される電流値に変化はないが、検出する被検知体の近接、または接触により相互容量が減少する場合に電流値が減少する変化を検出する。なお電流の検出は、積分回路等を用いて行えばよい。
次いで図19(B)に、図19(A)で示す相互容量方式のタッチセンサ部における入出力波形のタイミングチャート図を示す。図19(B)では、1フレーム期間で各行列での被検知体の検出を行うものとする。また図19(B)では、被検知体を検出する場合と、被検知体を検出しない場合と、に分けて示している。なおY1乃至Y8の配線については、検出される電流値を電圧値として波形を示している。
X1乃至X5の配線には、順にパルス電圧が与えられ、該パルス電圧に従ってY1乃至Y8の配線での波形が変化する。被検知体の近接、または接触がない場合には、X1乃至X5の配線の電圧の変化に応じてY1乃至Y8の波形が変化する。一方、被検知体の近接、または接触がある場合には、被検知体の近接、または接触する箇所では、電流値が減少するため、電圧値の波形も変化する。
このように、相互容量の変化を検出することにより、被検知体の近接、または接触を検知することができる。
なお、タッチパネルにおけるタッチ動作の検知方法は、相互容量方式に限らない。例えば、自己容量方式によってタッチ動作を検出してもよい。
本実施の形態は、他の実施の形態等に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態3)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置で行うことができる動作モードについて図20を用いて説明する。
なお、以下では、通常のフレーム周波数(代表的には60Hz以上240Hz以下)で動作する通常動作モード(Normal mode)と、低速のフレーム周波数で動作するアイドリング・ストップ(IDS)駆動モードと、を例示して説明する。
なお、IDS駆動モードとは、画像データの書き込み処理を実行した後、画像データの書き換えを停止する駆動方法のことをいう。一旦画像データの書き込みをして、その後、次の画像データの書き込みまでの間隔を延ばすことで、その間の画像データの書き込みに要する分の消費電力を削減することができる。IDS駆動モードは、例えば、通常動作モードの1/100乃至1/10程度のフレーム周波数とすることができる。静止画は、連続するフレーム間でビデオ信号が同じである。よって、IDS駆動モードは、静止画を表示する場合に特に有効である。IDS駆動を用いて画像を表示させることで、消費電力が低減されるとともに、画面のちらつき(フリッカー)が抑制され、眼精疲労も低減できる。
図20(A)乃至図20(C)は、画素回路、および通常駆動モードとIDS駆動モードを説明するタイミングチャートである。図20(A)に示す画素回路602は、一般的な液晶表示装置の画素であり、信号線SLと、ゲート線GLと、信号線SLおよびゲート線GLに接続されたトランジスタM1と、トランジスタM1に接続される容量素子CsLCおよび液晶素子601を有する。なお、IDS駆動モードは、液晶表示装置だけでなく、EL表示装置にも適用することができる。
ここで、トランジスタM1は、実施の形態1で説明した画素11aのトランジスタ101、または画素11b乃至11cのトランジスタ106に相当する。
トランジスタM1は、データDのリークパスと成り得る。よって、トランジスタM1のオフ電流は小さいほど好ましい。トランジスタM1としては、OSトランジスタを用いることが好ましい。OSトランジスタは、多結晶シリコン等を用いたトランジスタよりも非導通状態時のリーク電流(オフ電流)が極めて低い特徴を有する。トランジスタM1にOSトランジスタを用いることでノードND1に供給された電荷を長期間保持することができる。
また、図20(A)に示す回路図において、液晶素子601もデータDのリークパスとなる。したがって、適切にIDS駆動を行うには、液晶素子601の抵抗率を1.0×1014Ω・cm以上とすることが好ましい。
なお、上記OSトランジスタのチャネル領域には、例えば、In−Ga−Zn酸化物、In−Zn酸化物等を好適に用いることができる。また、上記In−Ga−Zn酸化物としては、代表的には、In:Ga:Zn=4:2:4.1[原子数比]近傍の組成を用いることができる。
図20(B)は、通常駆動モードでの信号線SLおよびゲート線GLにそれぞれ与える信号の波形を示すタイミングチャートである。通常駆動モードでは通常のフレーム周波数(例えば60Hz)で動作する。1フレーム期間を期間TからTまでで表すと、各フレーム期間でゲート線GLに走査信号を与え、信号線SLからデータDをノードND1に書き込む動作を行う。この動作は、期間TからTまでで同じデータDを書き込む場合、または異なるデータを書き込む場合でも同じである。
一方、図20(C)は、IDS駆動モードでの信号線SLおよびゲート線GLに、それぞれ与える信号の波形を示すタイミングチャートである。IDS駆動では低速のフレーム周波数(例えば1Hz)で動作する。1フレーム期間を期間Tで表し、その中でデータの書き込み期間を期間T、データの保持期間を期間TRETで表す。IDS駆動モードは、期間Tでゲート線GLに走査信号を与え、信号線SLのデータDを書き込み、期間TRETでゲート線GLをローレベルの電圧に固定し、トランジスタM1を非導通状態として一旦書き込んだデータDを保持させる動作を行う。なお、低速のフレーム周波数としては、例えば、0.1Hz以上60Hz未満とすればよい。
したがって、IDS駆動モード用いることで、表示装置の低消費電力化を図ることができる。
本実施の形態は、他の実施の形態等に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態4)
本実施の形態では、本発明の一態様の表示装置等に用いることができるトランジスタの一例について、図面を用いて説明する。
本発明の一態様の表示装置等は、ボトムゲート型のトランジスタや、トップゲート型トランジスタ等の様々な形態のトランジスタを用いて作製することができる。例えば、プレーナ型のトランジスタを用いてもよいし、スタガ型のトランジスタを用いてもよい。よって、既存の製造ラインに合わせて、使用する半導体層の材料やトランジスタ構造を容易に置き換えることができる。
〔ボトムゲート型トランジスタ〕
図21(A1)は、ボトムゲート型のトランジスタの一種であるチャネル保護型のトランジスタ1310の断面図である。図21(A1)において、トランジスタ1310は基板1371上に形成されている。また、トランジスタ1310は、基板1371上に絶縁層1372を介して電極1322を有する。また、電極1322上に絶縁層1326を介して半導体層1324を有する。電極1322はゲート電極として機能できる。絶縁層1326はゲート絶縁層として機能できる。
また、半導体層1324のチャネル形成領域上に絶縁層1327を有する。また、半導体層1324の一部と接して、絶縁層1326上に電極1344aおよび電極1344bを有する。電極1344aは、ソース電極またはドレイン電極の一方として機能できる。電極1344bは、ソース電極またはドレイン電極の他方として機能できる。電極1344aの一部、および電極1344bの一部は、絶縁層1327上に形成される。
絶縁層1327は、チャネル保護層として機能できる。チャネル形成領域上に絶縁層1327を設けることで、電極1344aおよび電極1344bの形成時に生じる半導体層1324の露出を防ぐことができる。よって、電極1344aおよび電極1344bの形成時に、半導体層1324のチャネル形成領域がエッチングされることを防ぐことができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現することができる。
また、トランジスタ1310は、電極1344a、電極1344bおよび絶縁層1327上に絶縁層1328を有し、絶縁層1328の上に絶縁層1329を有する。
半導体層1324にシリコン等の半導体を用いる場合は、半導体層1324と電極1344aの間、および半導体層1324と電極1344bの間に、n型半導体またはp型半導体として機能する層を設けることが好ましい。n型半導体またはp型半導体として機能する層は、トランジスタのソース領域またはドレイン領域として機能することができる。
絶縁層1329は、外部からのトランジスタへの不純物の拡散を防ぐ、または低減する機能を有する材料を用いて形成することが好ましい。なお、必要に応じて絶縁層1329を省略することもできる。
図21(A2)に示すトランジスタ1311は、絶縁層1329上にバックゲート電極として機能できる電極1323を有する点が、トランジスタ1310と異なる。電極1323は、電極1322と同様の材料および方法で形成することができる。
一般に、バックゲート電極は導電層で形成され、ゲート電極とバックゲート電極で半導体層のチャネル形成領域を挟むように配置される。よって、バックゲート電極は、ゲート電極と同様に機能させることができる。バックゲート電極の電位は、ゲート電極と同電位としてもよいし、接地電位(GND電位)や、任意の電位としてもよい。また、バックゲート電極の電位をゲート電極と連動させず独立して変化させることで、トランジスタのしきい値電圧を変化させることができる。
電極1322および電極1323は、どちらもゲート電極として機能することができる。よって、絶縁層1326、絶縁層1329、絶縁層1328、および絶縁層1329は、それぞれがゲート絶縁層として機能することができる。なお、電極1323は、絶縁層1328と絶縁層1329の間に設けてもよい。
なお、電極1322または電極1323の一方を、「ゲート電極」という場合、他方を「バックゲート電極」という。例えば、トランジスタ1311において、電極1323を「ゲート電極」と言う場合、電極1322を「バックゲート電極」と言う。また、電極1323を「ゲート電極」として用いる場合は、トランジスタ1311をトップゲート型のトランジスタの一種と考えることができる。また、電極1322および電極1323のどちらか一方を、「第1のゲート電極」といい、他方を「第2のゲート電極」という場合がある。
半導体層1324を挟んで電極1322および電極1323を設けることで、更には、電極1322および電極1323を同電位とすることで、半導体層1324においてキャリアの流れる領域が膜厚方向においてより大きくなるため、キャリアの移動量が増加する。この結果、トランジスタ1311のオン電流が大きくなると共に、電界効果移動度が高くなる。
したがって、トランジスタ1311は、占有面積に対して大きいオン電流を有するトランジスタである。すなわち、求められるオン電流に対して、トランジスタ1311の占有面積を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、トランジスタの占有面積を小さくすることができる。よって、本発明の一態様によれば、集積度の高い半導体装置を実現することができる。
また、ゲート電極とバックゲート電極は導電層で形成されるため、トランジスタの外部で生じる電界が、チャネルが形成される半導体層に作用しないようにする機能(特に静電気等に対する電界遮蔽機能)を有する。なお、バックゲート電極を半導体層よりも大きく形成し、バックゲート電極で半導体層を覆うことで、電界遮蔽機能を高めることができる。
ゲート電極とバックゲート電極は、それぞれが外部からの電界を遮蔽する機能を有するため、トランジスタの上方および下方に生じる荷電粒子等の電荷が半導体層のチャネル形成領域に影響しない。この結果、ストレス試験(例えば、ゲートに負の電圧を印加するNGBT(Negative Gate Bias−Temperature)ストレス試験(「NBT」または「NBTS」ともいう。)の劣化が抑制される。また、ゲート電極とバックゲート電極は、ドレイン電極から生じる電界が半導体層に作用しないように遮断することができる。よって、ドレイン電圧の変動に起因する、オン電流の立ち上がり電圧の変動を抑制することができる。なお、この効果は、ゲート電極およびバックゲート電極に電位が供給されている場合において顕著に生じる。
また、バックゲート電極を有するトランジスタは、ゲートに正の電圧を印加するPGBT(Positive Gate Bias−Temperature)ストレス試験(「PBT」または「PBTS」ともいう。)前後におけるしきい値電圧の変動も、バックゲート電極を有さないトランジスタより小さい。
なお、NGBTおよびPGBT等のBTストレス試験は加速試験の一種であり、長期間の使用によって起こるトランジスタの特性変化(経年変化)を短時間で評価することができる。特に、BTストレス試験前後におけるトランジスタのしきい値電圧の変動量は、信頼性を調べるための重要な指標となる。BTストレス試験前後において、しきい値電圧の変動量が少ないほど、信頼性が高いトランジスタであるといえる。
また、ゲート電極およびバックゲート電極を有し、且つ両者を同電位とすることで、しきい値電圧の変動量が低減される。このため、複数のトランジスタ間における電気特性のばらつきも同時に低減される。
また、バックゲート電極側から光が入射する場合に、バックゲート電極を、遮光性を有する導電膜で形成することで、バックゲート電極側から半導体層に光が入射することを防ぐことができる。よって、半導体層の光劣化を防ぎ、トランジスタのしきい値電圧がシフトする等の電気特性の劣化を防ぐことができる。
本発明の一態様によれば、信頼性の良好なトランジスタを実現することができる。また、信頼性の良好な半導体装置を実現することができる。
図21(B1)に、ボトムゲート型のトランジスタの1つであるチャネル保護型のトランジスタ1320の断面図を示す。トランジスタ1320は、トランジスタ1310とほぼ同様の構造を有しているが、絶縁層1327が半導体層1324を覆っている点が異なる。また、半導体層1324と重なる絶縁層1327の一部を選択的に除去して形成した開口部において、半導体層1324と電極1344aが電気的に接続している。また、半導体層1324と重なる絶縁層1327の一部を選択的に除去して形成した他の開口部において、半導体層1324と電極1344bが電気的に接続している。絶縁層1327の、チャネル形成領域と重なる領域は、チャネル保護層として機能できる。
図21(B2)に示すトランジスタ1321は、絶縁層1329上にバックゲート電極として機能できる電極1323を有する点が、トランジスタ1320と異なる。
絶縁層1327を設けることで、電極1344aおよび電極1344bの形成時に生じる半導体層1324の露出を防ぐことができる。よって、電極1344aおよび電極1344bの形成時に半導体層1324の薄膜化を防ぐことができる。
また、トランジスタ1320およびトランジスタ1321は、トランジスタ1310およびトランジスタ1311よりも、電極1344aと電極1322の間の距離と、電極1344bと電極1322の間の距離が長くなる。よって、電極1344aと電極1322の間に生じる寄生容量を小さくすることができる。また、電極1344bと電極1322の間に生じる寄生容量を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現できる。
図21(C1)に示すトランジスタ1325は、ボトムゲート型のトランジスタの1つであるチャネルエッチング型のトランジスタである。トランジスタ1325は、絶縁層1327を用いずに電極1344aおよび電極1344bを形成する。このため、電極1344aおよび電極1344bの形成時に露出する半導体層1324の一部がエッチングされる場合がある。一方、絶縁層1327を設けないため、トランジスタの生産性を高めることができる。
図21(C2)に示すトランジスタ1325は、絶縁層1329上にバックゲート電極として機能できる電極1323を有する点が、トランジスタ1320と異なる。
〔トップゲート型トランジスタ〕
図22(A1)に、トップゲート型のトランジスタの一種であるトランジスタ1330の断面図を示す。トランジスタ1330は、絶縁層1372の上に半導体層1324を有し、半導体層1324および絶縁層1372上に、半導体層1324の一部に接する電極1344a、および半導体層1324の一部に接する電極1344bを有し、半導体層1324、電極1344a、および電極1344b上に絶縁層1326を有し、絶縁層1326上に電極1322を有する。
トランジスタ1330は、電極1322および電極1344a、並びに、電極1322および電極1344bが重ならないため、電極1322および電極1344aの間に生じる寄生容量、並びに、電極1322および電極1344bの間に生じる寄生容量を小さくすることができる。また、電極1322を形成した後に、電極1322をマスクとして用いて不純物1255を半導体層1324に導入することで、半導体層1324中に自己整合(セルフアライメント)的に不純物領域を形成することができる(図22(A3)参照)。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現することができる。
なお、不純物1255の導入は、イオン注入装置、イオンドーピング装置またはプラズマ処理装置を用いて行うことができる。
不純物1255としては、例えば、第13族元素または第15族元素のうち、少なくとも一種類の元素を用いることができる。また、半導体層1324に酸化物半導体を用いる場合は、不純物1255として、希ガス、水素、および窒素のうち、少なくとも一種類の元素を用いることも可能である。
図22(A2)に示すトランジスタ1331は、電極1323および絶縁層1227を有する点がトランジスタ1330と異なる。トランジスタ1331は、絶縁層1372の上に形成された電極1323を有し、電極1323上に形成された絶縁層1227を有する。電極1323は、バックゲート電極として機能することができる。よって、絶縁層1227は、ゲート絶縁層として機能することができる。絶縁層1227は、絶縁層1326と同様の材料および方法により形成することができる。
トランジスタ1311と同様に、トランジスタ1331は、占有面積に対して大きいオン電流を有するトランジスタである。すなわち、求められるオン電流に対して、トランジスタ1331の占有面積を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、トランジスタの占有面積を小さくすることができる。よって、本発明の一態様によれば、集積度の高い半導体装置を実現することができる。
図22(B1)に例示するトランジスタ1340は、トップゲート型のトランジスタの1つである。トランジスタ1340は、電極1344aおよび電極1344bを形成した後に半導体層1324を形成する点が、トランジスタ1330と異なる。また、図22(B2)に例示するトランジスタ1341は、電極1323および絶縁層1227を有する点が、トランジスタ1340と異なる。トランジスタ1340およびトランジスタ1341において、半導体層1324の一部は電極1344a上に形成され、半導体層1324の他の一部は電極1344b上に形成される。
トランジスタ1311と同様に、トランジスタ1341は、占有面積に対して大きいオン電流を有するトランジスタである。すなわち、求められるオン電流に対して、トランジスタ1341の占有面積を小さくすることができる。本発明の一態様によれば、トランジスタの占有面積を小さくすることができる。よって、本発明の一態様によれば、集積度の高い半導体装置を実現することができる。
図23(A1)に例示するトランジスタ1342は、トップゲート型のトランジスタの1つである。トランジスタ1342は、絶縁層1329を形成した後に電極1344aおよび電極1344bを形成する点がトランジスタ1330やトランジスタ1340と異なる。電極1344aおよび電極1344bは、絶縁層1328および絶縁層1329に形成した開口部において半導体層1324と電気的に接続する。
また、電極1322と重ならない絶縁層1326の一部を除去し、電極1322と残りの絶縁層1326をマスクとして用いて不純物1255を半導体層1324に導入することで、半導体層1324中に自己整合(セルフアライメント)的に不純物領域を形成することができる(図23(A3)参照)。トランジスタ1342は、絶縁層1326が電極1322の端部を越えて延伸する領域を有する。不純物1255を半導体層1324に導入する際に、半導体層1324の絶縁層1326を介して不純物1255が導入された領域の不純物濃度は、絶縁層1326を介さずに不純物1255が導入された領域よりも小さくなる。よって半導体層1324は、電極1322と重ならない領域にLDD(Lightly Doped Drain)領域が形成される。
図23(A2)に示すトランジスタ1343は、電極1323を有する点がトランジスタ1342と異なる。トランジスタ1343は、基板1371の上に形成された電極1323を有し、絶縁層1372を介して半導体層1324と重なる。電極1323は、バックゲート電極として機能することができる。
また、図23(B1)に示すトランジスタ1344および図23(B2)に示すトランジスタ1345のように、電極1322と重ならない領域の絶縁層1326を全て除去してもよい。また、図23(C1)に示すトランジスタ1346および図23(C2)に示すトランジスタ1347のように、絶縁層1326を残してもよい。
トランジスタ1342乃至トランジスタ1347も、電極1322を形成した後に、電極1322をマスクとして用いて不純物1255を半導体層1324に導入することで、半導体層1324中に自己整合的に不純物領域を形成することができる。本発明の一態様によれば、電気特性の良好なトランジスタを実現することができる。また、本発明の一態様によれば、集積度の高い半導体装置を実現することができる。
[基板]
基板に用いる材料に大きな制限はない。目的に応じて、透光性の有無や加熱処理に耐えうる程度の耐熱性等を勘案して決定すればよい。例えばバリウムホウケイ酸ガラスやアルミノホウケイ酸ガラス等のガラス基板、セラミック基板、石英基板、サファイア基板等を用いることができる。また、半導体基板、可撓性基板(フレキシブル基板)、貼り合わせフィルム、基材フィルム等を用いてもよい。
半導体基板としては、例えば、シリコン、もしくはゲルマニウム等を材料とした半導体基板、または炭化シリコン、シリコンゲルマニウム、ヒ化ガリウム、リン化インジウム、酸化亜鉛、もしくは酸化ガリウムを材料とした化合物半導体基板等がある。また、半導体基板は、単結晶半導体であってもよいし、多結晶半導体であってもよい。
また、基板として、例えば、第6世代(1500mm×1850mm)、第7世代(1870mm×2200mm)、第8世代(2200mm×2400mm)、第9世代(2400mm×2800mm)、第10世代(2950mm×3400mm)等の面積が大きなガラス基板を用いることができる。これにより、大型の表示装置を作製することができる。また、基板が大型化されることで、1枚の基板からより多くの表示装置を生産でき、生産コストを削減することができる。
なお、表示部160の可撓性を高めるため、基板として可撓性基板(フレキシブル基板)、貼り合わせフィルム、基材フィルム等を用いてもよい。
可撓性基板、貼り合わせフィルム、基材フィルム等の材料としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、アクリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリエーテルスルホン(PES)樹脂、ポリアミド樹脂(ナイロン、アラミド等)、ポリシロキサン樹脂、シクロオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、ABS樹脂、セルロースナノファイバー等を用いることができる。
基板として上記材料を用いることにより、軽量な表示装置を提供することができる。また、基板として上記材料を用いることにより、衝撃に強い表示装置を提供することができる。また、基板として上記材料を用いることにより、破損しにくい表示装置を提供することができる。
基板に用いる可撓性基板は、線膨張率が低いほど環境による変形が抑制されて好ましい。基板に用いる可撓性基板は、例えば、線膨張率が1×10−3/K以下、5×10−5/K以下、または1×10−5/K以下である材質を用いればよい。特に、アラミドは、線膨張率が低いため、可撓性基板として好適である。
[導電層]
トランジスタのゲート、ソースおよびドレインのほか、表示装置を構成する各種配線および電極等の導電層に用いることのできる導電性材料としては、アルミニウム(Al)、クロム(Cr)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、タンタル(Ta)、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、ハフニウム(Hf)、バナジウム(V)、ニオブ(Nb)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)、ジルコニウム(Zr)、ベリリウム(Be)等から選ばれた金属元素、上述した金属元素を成分とする合金、または上述した金属元素を組み合わせた合金等を用いることができる。また、リン等の不純物元素を含有させた多結晶シリコンに代表される半導体、ニッケルシリサイド等のシリサイドを用いてもよい。導電性材料の形成方法は特に限定されず、蒸着法、CVD法、スパッタリング法、スピンコート法等の各種形成方法を用いることができる。
また、導電性材料として、Cu−X合金(Xは、Mn、Ni、Cr、Fe、Co、Mo、Ta、またはTi)を適用してもよい。Cu−X合金で形成した層は、ウエットエッチングプロセスで加工できるため、製造コストを抑制することが可能となる。また、導電性材料として、チタン、タンタル、タングステン、モリブデン、クロム、ネオジム、スカンジウムから選ばれた一または複数の元素を含むアルミニウム合金を用いてもよい。
また、導電層に用いることのできる導電性材料として、インジウム錫酸化物、酸化タングステンを含むインジウム酸化物、酸化タングステンを含むインジウム亜鉛酸化物、酸化チタンを含むインジウム酸化物、酸化チタンを含むインジウム錫酸化物、インジウム亜鉛酸化物、酸化ケイ素を添加したインジウム錫酸化物等の、酸素を有する導電性材料を用いることもできる。また、窒化チタン、窒化タンタル、窒化タングステン等の、窒素を含む導電性材料を用いることもできる。また、導電層を、酸素を有する導電性材料、窒素を含む導電性材料、前述した金属元素を含む材料を適宜組み合わせた積層構造とすることもできる。
例えば、導電層を、シリコンを含むアルミニウム層の単層構造、アルミニウム層上にチタン層を積層する二層構造、窒化チタン層上にチタン層を積層する二層構造、窒化チタン層上にタングステン層を積層する二層構造、窒化タンタル層上にタングステン層を積層する二層構造、チタン層と、そのチタン層上にアルミニウム層を積層し、さらにその上にチタン層を積層する三層構造としてもよい。
また、上記の導電性材料で形成される導電層を複数積層して用いてもよい。例えば、導電層を前述した金属元素を含む材料と酸素を含む導電性材料を組み合わせた積層構造としてもよい。また、前述した金属元素を含む材料と、窒素を含む導電性材料を組み合わせた積層構造としてもよい。また、前述した金属元素を含む材料、酸素を含む導電性材料、および窒素を含む導電性材料を組み合わせた積層構造としてもよい。
例えば、導電層を、インジウムまたは亜鉛の少なくとも一方と酸素とを含む導電層上に、銅を含む導電層を積層し、さらにその上にインジウムまたは亜鉛の少なくとも一方と酸素とを含む導電層を積層する三層構造としてもよい。この場合、銅を含む導電層の側面もインジウムまたは亜鉛の少なくとも一方と酸素とを含む導電層で覆うことが好ましい。また、例えば、導電層としてインジウムまたは亜鉛の少なくとも一方と酸素とを含む導電層を複数積層して用いてもよい。
[絶縁層]
各絶縁層は、窒化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、酸化マグネシウム、窒化シリコン、酸化シリコン、窒化酸化シリコン、酸化窒化シリコン、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、アルミニウムシリケート等から選ばれた材料を、単層でまたは積層して用いる。また、酸化物材料、窒化物材料、酸化窒化物材料、窒化酸化物材料のうち、複数の材料を混合した材料を用いてもよい。
なお、本明細書中において、窒化酸化物とは、酸素よりも窒素の含有量が多い化合物をいう。また、酸化窒化物とは、窒素よりも酸素の含有量が多い化合物をいう。なお、各元素の含有量は、例えば、ラザフォード後方散乱法(RBS:Rutherford Backscattering Spectrometry)等を用いて測定することができる。
特に絶縁層1372および絶縁層1329は、不純物が透過しにくい絶縁性材料を用いて形成することが好ましい。例えば、ホウ素、炭素、窒素、酸素、フッ素、マグネシウム、アルミニウム、シリコン、リン、塩素、アルゴン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、ネオジム、ハフニウムまたはタンタルを含む絶縁材料を、単層で、または積層で用いればよい。不純物が透過しにくい絶縁性材料の一例として、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、酸化窒化アルミニウム、窒化酸化アルミニウム、酸化ガリウム、酸化ゲルマニウム、酸化イットリウム、酸化ジルコニウム、酸化ランタン、酸化ネオジム、酸化ハフニウム、酸化タンタル、窒化シリコン等を挙げることができる。
絶縁層1372に不純物が透過しにくい絶縁性材料を用いることで、基板1371側からの不純物の拡散を抑制し、トランジスタの信頼性を高めることができる。絶縁層1329に不純物が透過しにくい絶縁性材料を用いることで、絶縁層1329よりも上側からの不純物の拡散を抑制し、トランジスタの信頼性を高めることができる。
また、絶縁層として平坦化層として機能できる絶縁層を用いてもよい。平坦化層として機能できる絶縁層としては、ポリイミド、アクリル樹脂、ベンゾシクロブテン樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂等の、耐熱性を有する有機材料を用いることができる。また上記有機材料の他に、低誘電率材料(low−k材料)、シロキサン系樹脂、PSG(リンガラス)、BPSG(リンボロンガラス)等を用いることができる。なお、これらの材料で形成される絶縁層を複数積層してもよい。
なお、シロキサン系樹脂とは、シロキサン系材料を出発材料として形成されたSi−O−Si結合を含む樹脂に相当する。シロキサン系樹脂は置換基としては有機基(例えばアルキル基やアリール基)やフルオロ基を用いても良い。また、有機基はフルオロ基を有していても良い。
また、絶縁層等の表面にCMP処理を行なってもよい。CMP処理を行うことにより、試料表面の凹凸を低減し、この後形成される絶縁層や導電層の被覆性を高めることができる。
[半導体層]
トランジスタの半導体層に用いる半導体材料としては、非晶質半導体、結晶性を有する半導体(微結晶半導体、多結晶半導体、単結晶半導体、または一部に結晶領域を有する半導体)のいずれを用いてもよい。
また、例えば、トランジスタの半導体層に用いる半導体材料として、シリコンや、ゲルマニウム等を用いることができる。また、炭化シリコン、ガリウム砒素、金属酸化物、窒化物半導体等の化合物半導体や、有機半導体等を用いることができる。
例えば、トランジスタに用いる半導体材料として、非晶質シリコン(アモルファスシリコン)を用いることができる。特に、非晶質シリコンは、量産性に優れ、大きな面積の基板に設けることも容易である。なお、一般に、トランジスタに用いる非晶質シリコンは水素を多く含む。このため、水素を多く含む非晶質シリコンを「水素化アモルファスシリコン」または「a−Si:H」と言う場合がある。また、アモルファスシリコンは、多結晶シリコンよりも低温で形成できるため、作製工程中の最高温度を下げることができる。よって、基板、導電層、および絶縁層等に、耐熱性の低い材料を用いることができる。
また、トランジスタに用いる半導体材料として、微結晶シリコン、多結晶シリコン、単結晶シリコン等の結晶性を有するシリコンを用いることもできる。特に、多結晶シリコンは、単結晶シリコンに比べて低温で形成でき、且つアモルファスシリコンに比べて高い電界効果移動度と高い信頼性を備える。
また、トランジスタに用いる半導体材料として、金属酸化物の一種である酸化物半導体を用いることができる。代表的には、インジウムを含む酸化物半導体等を用いることができる。酸化物半導体は、アモルファスシリコンよりも高い電界効果移動度と高い信頼性が実現できる。また、酸化物半導体は量産性に優れ、大きな面積の基板に設けることも容易である。
また、金属酸化物の一種である酸化物半導体はシリコンよりもバンドギャップが広く、キャリア密度が低いため、トランジスタの半導体層に用いることが好ましい。トランジスタの半導体層に酸化物半導体を用いると、トランジスタのオフ状態におけるソースとドレインの間に流れる電流を低減できるため好ましい。
金属酸化物の一種である酸化物半導体は、エネルギーギャップが2eV以上であることが好ましく、2.5eV以上であることがより好ましく。3eV以上であることがさらに好ましい。このように、エネルギーギャップの広い酸化物半導体を用いることで、トランジスタのオフ電流を低減することができる。
金属酸化物の一種である酸化物半導体は、例えば少なくともインジウム、亜鉛およびM(アルミニウム、チタン、ガリウム、ゲルマニウム、イットリウム、ジルコニウム、ランタン、セリウム、スズ、ネオジムまたはハフニウム等の金属)を含むIn−M−Zn系酸化物で表記される材料を含むことが好ましい。また、該酸化物半導体を用いたトランジスタの電気特性のばらつきを減らすため、それらと共に、スタビライザーを含むことが好ましい。
スタビライザーとしては、上記Mで記載の金属を含め、例えば、ガリウム、スズ、ハフニウム、アルミニウム、またはジルコニウム等がある。また、他のスタビライザーとしては、ランタノイドである、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、サマリウム、ユウロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム等がある。
半導体層を構成する金属酸化物として、例えば、In−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Zn系酸化物、In−Hf−Zn系酸化物、In−La−Zn系酸化物、In−Ce−Zn系酸化物、In−Pr−Zn系酸化物、In−Nd−Zn系酸化物、In−Sm−Zn系酸化物、In−Eu−Zn系酸化物、In−Gd−Zn系酸化物、In−Tb−Zn系酸化物、In−Dy−Zn系酸化物、In−Ho−Zn系酸化物、In−Er−Zn系酸化物、In−Tm−Zn系酸化物、In−Yb−Zn系酸化物、In−Lu−Zn系酸化物、In−Sn−Ga−Zn系酸化物、In−Hf−Ga−Zn系酸化物、In−Al−Ga−Zn系酸化物、In−Sn−Al−Zn系酸化物、In−Sn−Hf−Zn系酸化物、In−Hf−Al−Zn系酸化物を用いることができる。
なお、ここで、In−Ga−Zn系酸化物とは、InとGaとZnを主成分として有する酸化物という意味であり、InとGaとZnの比率は問わない。また、InとGaとZn以外の金属元素が入っていてもよい。
[各層の形成方法]
絶縁層、半導体層、電極や配線を形成するための導電層等は、スパッタリング法、化学気相堆積(CVD:Chemical Vapor Deposition)法、真空蒸着法、パルスレーザ堆積(PLD:Pulse Laser Deposition)法、原子層成膜(ALD:Atomic Layer Deposition)法等を用いて形成することができる。CVD法としては、プラズマ化学気相堆積(PECVD)法や、熱CVD法でもよい。熱CVD法の例として、有機金属化学気相堆積(MOCVD:Metal Organic CVD)法を用いてもよい。
また、表示装置を構成する絶縁層、半導体層、電極や配線を形成するための導電層等は、スピンコート、ディップ、スプレー塗布、インクジェット、ディスペンス、スクリーン印刷、オフセット印刷、スリットコート、ロールコート、カーテンコート、ナイフコート等の方法により形成してもよい。
PECVD法は、比較的低温で高品質の膜が得られる。MOCVD法、ALD法、または熱CVD法等の、成膜時にプラズマを用いない成膜方法を用いると、被形成面にダメージが生じにくい。例えば、半導体装置に含まれる配線、電極、素子(トランジスタ、容量素子等)等は、プラズマから電荷を受け取ることでチャージアップする場合がある。このとき、蓄積した電荷によって、半導体装置に含まれる配線、電極、素子等が破壊される場合がある。一方、プラズマを用いない成膜方法の場合、こういったプラズマダメージが生じないため、半導体装置の歩留まりを高くすることができる。また、成膜中のプラズマダメージが生じないため、欠陥の少ない膜が得られる。
CVD法およびALD法は、ターゲット等から放出される粒子が堆積する成膜方法とは異なり、被処理物の表面における反応により膜が形成される成膜方法である。したがって、被処理物の形状の影響を受けにくく、良好な段差被覆性を有する成膜方法である。特に、ALD法は、優れた段差被覆性と、優れた厚さの均一性を有するため、アスペクト比の高い開口部の表面を被覆する場合等に好適である。ただし、ALD法は、比較的成膜速度が遅いため、成膜速度の速いCVD法等の他の成膜方法と組み合わせて用いることが好ましい場合もある。
CVD法およびALD法は、原料ガスの流量比によって、得られる膜の組成を制御することができる。例えば、CVD法およびALD法では、原料ガスの流量比によって、任意の組成の膜を成膜することができる。また、例えば、CVD法およびALD法では、成膜しながら原料ガスの流量比を変化させることによって、組成が連続的に変化した膜を成膜することができる。原料ガスの流量比を変化させながら成膜する場合、複数の成膜室を用いて成膜する場合と比べて、搬送や圧力調整に掛かる時間の分、成膜に掛かる時間を短くすることができる。したがって、半導体装置の生産性を高めることができる場合がある。
表示装置を構成する層(薄膜)を加工する際には、フォトリソグラフィ法等を用いて加工することができる。または、遮蔽マスクを用いた成膜方法により、島状の層を形成してもよい。または、ナノインプリント法、サンドブラスト法、リフトオフ法等により層を加工してもよい。フォトリソグラフィ法としては、加工したい層(薄膜)上にレジストマスクを形成して、レジストマスクをマスクとして用いて、当該層(薄膜)の一部を選択的に除去し、その後レジストマスクを除去する方法と、感光性を有する層を成膜した後に、露光、現像を行って、当該層を所望の形状に加工する方法と、がある。
フォトリソグラフィ法において光を用いる場合、露光に用いる光は、例えばi線(波長365nm)、g線(波長436nm)、h線(波長405nm)、またはこれらを混合させた光を用いることができる。そのほか、紫外光やKrFレーザ光、またはArFレーザ光等を用いることもできる。また、液浸露光技術により露光を行ってもよい。また、露光に用いる光として、極端紫外光(EUV:Extreme Ultra−violet)やX線を用いてもよい。また、露光に用いる光に換えて、電子ビームを用いることもできる。極端紫外光、X線または電子ビームを用いると、極めて微細な加工が可能となるため好ましい。なお、電子ビーム等のビームを走査することにより露光を行う場合には、フォトマスクは不要である。
層(薄膜)の除去(エッチング)には、ドライエッチング法、ウエットエッチング法、サンドブラスト法等を用いることができる。また、これらのエッチング方法を組み合わせて用いてもよい。
本実施の形態は、他の実施の形態等に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態5)
本実施の形態では、実施の形態1で説明した回路14等に用いることのできるニューラルネットワークとして機能する半導体装置の構成例について説明する。
図24(A)に示すように、ニューラルネットワークNNは入力層IL、出力層OL、中間層(隠れ層)HLによって構成することができる。入力層IL、出力層OL、中間層HLはそれぞれ、1または複数のニューロン(ユニット)を有する。なお、中間層HLは1層であってもよいし2層以上であってもよい。2層以上の中間層HLを有するニューラルネットワークはDNN(ディープニューラルネットワーク)と呼ぶこともでき、ディープニューラルネットワークを用いた学習は深層学習と呼ぶこともできる。
入力層ILの各ニューロンには入力データが入力され、中間層HLの各ニューロンには前層または後層のニューロンの出力信号が入力され、出力層OLの各ニューロンには前層のニューロンの出力信号が入力される。なお、各ニューロンは、前後の層の全てのニューロンと結合されていてもよいし(全結合)、一部のニューロンと結合されていてもよい。
図24(B)に、ニューロンによる演算の例を示す。ここでは、ニューロンNと、ニューロンNに信号を出力する前層の2つのニューロンを示している。ニューロンNには、前層のニューロンの出力xと、前層のニューロンの出力xが入力される。そして、ニューロンNにおいて、出力xと重みwの乗算結果(x)と出力xと重みwの乗算結果(x)の総和x+xが計算された後、必要に応じてバイアスbが加算され、値a=x+x+bが得られる。そして、値aは活性化関数hによって変換され、ニューロンNから出力信号y=h(a)が出力される。
このように、ニューロンによる演算には、前層のニューロンの出力と重みの積を足し合わせる演算、すなわち積和演算が含まれる(上記のx+x)。この積和演算は、プログラムを用いてソフトウェア上で行ってもよいし、ハードウェアによって行われてもよい。積和演算をハードウェアによって行う場合は、積和演算回路を用いることができる。この積和演算回路としては、デジタル回路を用いてもよいし、アナログ回路を用いてもよい。
本発明の一態様では、積和演算回路にアナログ回路を用いる。したがって、積和演算回路の回路規模の縮小、または、メモリへのアクセス回数の減少による処理速度の向上および消費電力の低減を図ることができる。
積和演算回路は、Siトランジスタによって構成してもよいし、OSトランジスタによって構成してもよい。特に、OSトランジスタはオフ電流が極めて小さいため、積和演算回路のアナログメモリを構成するトランジスタとして好適である。なお、SiトランジスタとOSトランジスタの両方を用いて積和演算回路を構成してもよい。以下、積和演算回路の機能を備えた半導体装置の構成例について説明する。
<半導体装置の構成例>
図25に、ニューラルネットワークの演算を行う機能を有する半導体装置MACの構成例を示す。半導体装置MACは、ニューロン間の結合強度(重み)に対応する第1のデータと、入力データに対応する第2のデータの積和演算を行う機能を有する。なお、第1のデータおよび第2のデータはそれぞれ、アナログデータまたは多値のデータ(離散的なデータ)とすることができる。また、半導体装置MACは、積和演算によって得られたデータを活性化関数によって変換する機能を有する。
半導体装置MACは、セルアレイCA、電流源回路CS、カレントミラー回路CM、回路WDD、回路WLD、回路CLD、オフセット回路OFST、および活性化関数回路ACTVを有する。
セルアレイCAは、複数のメモリセルMCおよび複数のメモリセルMCrefを有する。図25には、セルアレイCAがm行n列(m,nは1以上の整数)のメモリセルMC(MC[1,1]乃至[m,n])と、m個のメモリセルMCref(MCref[1]乃至[m])を有する構成例を示している。メモリセルMCは、第1のデータを格納する機能を有する。また、メモリセルMCrefは、積和演算に用いられる参照データを格納する機能を有する。なお、参照データはアナログデータまたは多値のデータとすることができる。
メモリセルMC[i,j](iは1以上m以下の整数、jは1以上n以下の整数)は、配線WL[i]、配線RW[i]、配線WD[j]、および配線BL[j]と接続されている。また、メモリセルMCref[i]は、配線WL[i]、配線RW[i]、配線WDref、配線BLrefと接続されている。ここで、メモリセルMC[i,j]と配線BL[j]間を流れる電流をIMC[i,j]と表記し、メモリセルMCref[i]と配線BLref間を流れる電流をIMCref[i]と表記する。
メモリセルMCおよびメモリセルMCrefの具体的な構成例を、図26に示す。図26には代表例としてメモリセルMC[1,1]、[2,1]およびメモリセルMCref[1]、[2]を示しているが、他のメモリセルMCおよびメモリセルMCrefにも同様の構成を用いることができる。メモリセルMCおよびメモリセルMCrefはそれぞれ、トランジスタTr11、Tr12、容量素子C11を有する。ここでは、トランジスタTr11およびトランジスタTr12がnチャネル型のトランジスタである場合について説明する。
メモリセルMCにおいて、トランジスタTr11のゲートは配線WLと接続され、ソースまたはドレインの一方はトランジスタTr12のゲート、および容量素子C11の第1の電極と接続され、ソースまたはドレインの他方は配線WDと接続されている。トランジスタTr12のソースまたはドレインの一方は配線BLと接続され、ソースまたはドレインの他方は配線VRと接続されている。容量素子C11の第2の電極は、配線RWと接続されている。配線VRは、所定の電位を供給する機能を有する配線である。ここでは一例として、配線VRから低電源電位(接地電位等)が供給される場合について説明する。
トランジスタTr11のソースまたはドレインの一方、トランジスタTr12のゲート、および容量素子C11の第1の電極と接続されたノードを、ノードNMとする。また、メモリセルMC[1,1]、[2,1]のノードNMを、それぞれノードNM[1,1]、[2,1]と表記する。
メモリセルMCrefも、メモリセルMCと同様の構成を有する。ただし、メモリセルMCrefは配線WDの代わりに配線WDrefと接続され、配線BLの代わりに配線BLrefと接続されている。また、メモリセルMCref[1]、[2]において、トランジスタTr11のソースまたはドレインの一方、トランジスタTr12のゲート、および容量素子C11の第1の電極と接続されたノードを、それぞれノードNMref[1]、[2]と表記する。
ノードNMとノードNMrefはそれぞれ、メモリセルMCとメモリセルMCrefの保持ノードとして機能する。ノードNMには第1のデータが保持され、ノードNMrefには参照データが保持される。また、配線BL[1]からメモリセルMC[1,1]、[2,1]のトランジスタTr12には、それぞれ電流IMC[1,1]、IMC[2,1]が流れる。また、配線BLrefからメモリセルMCref[1]、[2]のトランジスタTr12には、それぞれ電流IMCref[1]、IMCref[2]が流れる。
トランジスタTr11は、ノードNMまたはノードNMrefの電位を保持する機能を有するため、トランジスタTr11のオフ電流は小さいことが好ましい。そのため、トランジスタTr11としてオフ電流が極めて小さいOSトランジスタを用いることが好ましい。これにより、ノードNMまたはノードNMrefの電位の変動を抑えることができ、演算精度の向上を図ることができる。また、ノードNMまたはノードNMrefの電位をリフレッシュする動作の頻度を低く抑えることが可能となり、消費電力を削減することができる。
トランジスタTr12は特に限定されず、例えばSiトランジスタまたはOSトランジスタ等を用いることができる。トランジスタTr12にOSトランジスタを用いる場合、トランジスタTr11と同じ製造装置を用いて、トランジスタTr12を作製することが可能となり、製造コストを抑制することができる。なお、トランジスタTr12はnチャネル型であってもpチャネル型であってもよい。
電流源回路CSは、配線BL[1]乃至[n]および配線BLrefと接続されている。電流源回路CSは、配線BL[1]乃至[n]および配線BLrefに電流を供給する機能を有する。なお、配線BL[1]乃至[n]に供給される電流値と配線BLrefに供給される電流値は異なっていてもよい。ここでは、電流源回路CSから配線BL[1]乃至[n]に供給される電流をI、電流源回路CSから配線BLrefに供給される電流をICrefと表記する。
カレントミラー回路CMは、配線IL[1]乃至[n]および配線ILrefを有する。配線IL[1]乃至[n]はそれぞれ配線BL[1]乃至[n]と接続され、配線ILrefは、配線BLrefと接続されている。ここでは、配線IL[1]乃至[n]と配線BL[1]乃至[n]の接続箇所をノードNP[1]乃至[n]と表記する。また、配線ILrefと配線BLrefの接続箇所をノードNPrefと表記する。
カレントミラー回路CMは、ノードNPrefの電位に応じた電流ICMを配線ILrefに流す機能と、この電流ICMを配線IL[1]乃至[n]にも流す機能を有する。図25には、配線BLrefから配線ILrefに電流ICMが排出され、配線BL[1]乃至[n]から配線IL[1]乃至[n]に電流ICMが排出される例を示している。また、カレントミラー回路CMから配線BL[1]乃至[n]を介してセルアレイCAに流れる電流を、I[1]乃至[n]と表記する。また、カレントミラー回路CMから配線BLrefを介してセルアレイCAに流れる電流を、IBrefと表記する。
回路WDDは、配線WD[1]乃至[n]および配線WDrefと接続されている。回路WDDは、メモリセルMCに格納される第1のデータに対応する電位を、配線WD[1]乃至[n]に供給する機能を有する。また、回路WDDは、メモリセルMCrefに格納される参照データに対応する電位を、配線WDrefに供給する機能を有する。回路WLDは、配線WL[1]乃至[m]と接続されている。回路WLDは、データの書き込みを行うメモリセルMCまたはメモリセルMCrefを選択するための信号を、配線WL[1]乃至[m]に供給する機能を有する。回路CLDは、配線RW[1]乃至[m]と接続されている。回路CLDは、第2のデータに対応する電位を、配線RW[1]乃至[m]に供給する機能を有する。
オフセット回路OFSTは、配線BL[1]乃至[n]および配線OL[1]乃至[n]と接続されている。オフセット回路OFSTは、配線BL[1]乃至[n]からオフセット回路OFSTに流れる電流量、および/または、配線BL[1]乃至[n]からオフセット回路OFSTに流れる電流の変化量を検出する機能を有する。また、オフセット回路OFSTは、検出結果を配線OL[1]乃至[n]に出力する機能を有する。なお、オフセット回路OFSTは、検出結果に対応する電流を配線OLに出力してもよいし、検出結果に対応する電流を電圧に変換して配線OLに出力してもよい。セルアレイCAとオフセット回路OFSTの間を流れる電流を、Iα[1]乃至[n]と表記する。
オフセット回路OFSTの構成例を図27に示す。図27に示すオフセット回路OFSTは、回路OC[1]乃至[n]を有する。また、回路OC[1]乃至[n]はそれぞれ、トランジスタTr21、トランジスタTr22、トランジスタTr23、容量素子C21、および抵抗素子R1を有する。各素子の接続関係は図27に示す通りである。なお、容量素子C21の第1の電極および抵抗素子R1の第1の端子と接続されたノードを、ノードNaとする。また、容量素子C21の第2の電極、トランジスタTr21のソースまたはドレインの一方、およびトランジスタTr22のゲートと接続されたノードを、ノードNbとする。
配線VrefLは電位Vrefを供給する機能を有し、配線VaLは電位Vaを供給する機能を有し、配線VbLは電位Vbを供給する機能を有する。また、配線VDDLは電位VDDを供給する機能を有し、配線VSSLは電位VSSを供給する機能を有する。ここでは、電位VDDが高電源電位であり、電位VSSが低電源電位である場合について説明する。また、配線RSTは、トランジスタTr21の導通状態を制御するための電位を供給する機能を有する。トランジスタTr22、トランジスタTr23、配線VDDL、配線VSSL、および配線VbLによって、ソースフォロワ回路が構成される。
次に、回路OC[1]乃至[n]の動作例を説明する。なお、ここでは代表例として回路OC[1]の動作例を説明するが、回路OC[2]乃至[n]も同様に動作させることができる。まず、配線BL[1]に第1の電流が流れると、ノードNaの電位は、第1の電流と抵抗素子R1の抵抗値に応じた電位となる。また、このときトランジスタTr21はオン状態であり、ノードNbに電位Vaが供給される。その後、トランジスタTr21はオフ状態となる。
次に、配線BL[1]に第2の電流が流れると、ノードNaの電位は、第2の電流と抵抗素子R1の抵抗値に応じた電位に変化する。このときトランジスタTr21はオフ状態であり、ノードNbはフローティング状態となっているため、ノードNaの電位の変化に伴い、ノードNbの電位は容量結合により変化する。ここで、ノードNaの電位の変化をΔVNaとし、容量結合係数を1とすると、ノードNbの電位はVa+ΔVNaとなる。そして、トランジスタTr22のしきい値電圧をVthとすると、配線OL[1]から電位Va+ΔVNa−Vthが出力される。ここで、Va=Vthとすることにより、配線OL[1]から電位ΔVNaを出力することができる。
電位ΔVNaは、第1の電流から第2の電流への変化量、抵抗素子R1、および電位Vrefに応じて定まる。ここで、抵抗素子R1と電位Vrefは既知であるため、電位ΔVNaから配線BLに流れる電流の変化量を求めることができる。
上記のようにオフセット回路OFSTによって検出された電流量、および/または電流の変化量に対応する信号は、配線OL[1]乃至[n]を介して活性化関数回路ACTVに入力される。
活性化関数回路ACTVは、配線OL[1]乃至[n]、および、配線NIL[1]乃至[n]と接続されている。活性化関数回路ACTVは、オフセット回路OFSTから入力された信号を、あらかじめ定義された活性化関数に従って変換するための演算を行う機能を有する。活性化関数としては、例えば、シグモイド関数、tanh関数、softmax関数、ReLU関数、しきい値関数等を用いることができる。活性化関数回路ACTVによって変換された信号は、出力データとして配線NIL[1]乃至[n]に出力される。
<半導体装置の動作例>
上記の半導体装置MACを用いて、第1のデータと第2のデータの積和演算を行うことができる。以下、積和演算を行う際の半導体装置MACの動作例を説明する。
図28に半導体装置MACの動作例のタイミングチャートを示す。図28には、図26における配線WL[1]、配線WL[2]、配線WD[1]、配線WDref、ノードNM[1,1]、ノードNM[2,1]、ノードNMref[1]、ノードNMref[2]、配線RW[1]、および配線RW[2]の電位の推移と、電流I[1]−Iα[1]、および電流IBrefの値の推移を示している。電流I[1]−Iα[1]は、配線BL[1]からメモリセルMC[1,1]、[2,1]に流れる電流の総和に相当する。
なお、ここでは代表例として図26に示すメモリセルMC[1,1]、[2,1]およびメモリセルMCref[1]、[2]に着目して動作を説明するが、他のメモリセルMCおよびメモリセルMCrefも同様に動作させることができる。
[第1のデータの格納]
まず、時刻T01−T02において、配線WL[1]の電位がハイレベルとなり、配線WD[1]の電位が接地電位(GND)よりもVPR−VW[1,1]大きい電位となり、配線WDrefの電位が接地電位よりもVPR大きい電位となる。また、配線RW[1]、および配線RW[2]の電位が基準電位(REFP)となる。なお、電位VW[1,1]はメモリセルMC[1,1]に格納される第1のデータに対応する電位である。また、電位VPRは参照データに対応する電位である。これにより、メモリセルMC[1,1]およびメモリセルMCref[1]が有するトランジスタTr11がオン状態となり、ノードNM[1,1]の電位がVPR−VW[1,1]、ノードNMref[1]の電位がVPRとなる。
このとき、配線BL[1]からメモリセルMC[1,1]のトランジスタTr12に流れる電流IMC[1,1],0は、次の式で表すことができる。ここで、kはトランジスタTr12のチャネル長、チャネル幅、移動度、およびゲート絶縁膜の容量等で決まる定数である。また、VthはトランジスタTr12のしきい値電圧である。
MC[1,1],0=k(VPR−VW[1,1]−Vth (E1)
また、配線BLrefからメモリセルMCref[1]のトランジスタTr12に流れる電流IMCref[1],0は、次の式で表すことができる。
MCref[1],0=k(VPR−Vth (E2)
次に、時刻T02−T03において、配線WL[1]の電位がローレベルとなる。これにより、メモリセルMC[1,1]およびメモリセルMCref[1]が有するトランジスタTr11がオフ状態となり、ノードNM[1,1]およびノードNMref[1]の電位が保持される。
なお、前述の通り、トランジスタTr11としてOSトランジスタを用いることが好ましい。これにより、トランジスタTr11のリーク電流を抑えることができ、ノードNM[1,1]およびノードNMref[1]の電位を正確に保持することができる。
次に、時刻T03−T04において、配線WL[2]の電位がハイレベルとなり、配線WD[1]の電位が接地電位よりもVPR−VW[2,1]大きい電位となり、配線WDrefの電位が接地電位よりもVPR大きい電位となる。なお、電位VW[2,1]はメモリセルMC[2,1]に格納される第1のデータに対応する電位である。これにより、メモリセルMC[2,1]およびメモリセルMCref[2]が有するトランジスタTr11がオン状態となり、ノードNM[1,1]の電位がVPR−VW[2,1]、ノードNMref[1]の電位がVPRとなる。
このとき、配線BL[1]からメモリセルMC[2,1]のトランジスタTr12に流れる電流IMC[2,1],0は、次の式で表すことができる。
MC[2,1],0=k(VPR−VW[2,1]−Vth (E3)
また、配線BLrefからメモリセルMCref[2]のトランジスタTr12に流れる電流IMCref[2],0は、次の式で表すことができる。
MCref[2],0=k(VPR−Vth (E4)
次に、時刻T04−T05において、配線WL[2]の電位がローレベルとなる。これにより、メモリセルMC[2,1]およびメモリセルMCref[2]が有するトランジスタTr11がオフ状態となり、ノードNM[2,1]およびノードNMref[2]の電位が保持される。
以上の動作により、メモリセルMC[1,1]、[2,1]に第1のデータが格納され、メモリセルMCref[1]、[2]に参照データが格納される。
ここで、時刻T04−T05において、配線BL[1]および配線BLrefに流れる電流を考える。配線BLrefには、電流源回路CSから電流が供給される。また、配線BLrefを流れる電流は、カレントミラー回路CM、メモリセルMCref[1]、[2]へ排出される。電流源回路CSから配線BLrefに供給される電流をICref、配線BLrefからカレントミラー回路CMへ排出される電流をICM,0とすると、次の式が成り立つ。
Cref−ICM,0=IMCref[1],0+IMCref[2],0 (E5)
配線BL[1]には、電流源回路CSからの電流が供給される。また、配線BL[1]を流れる電流は、カレントミラー回路CM、メモリセルMC[1,1]、[2,1]へ排出される。また、配線BL[1]からオフセット回路OFSTに電流が流れる。電流源回路CSから配線BL[1]に供給される電流をIC,0、配線BL[1]からオフセット回路OFSTに流れる電流をIα,0とすると、次の式が成り立つ。
−ICM,0=IMC[1,1],0+IMC[2,1],0+Iα,0 (E6)
[第1のデータと第2のデータの積和演算]
次に、時刻T05−T06において、配線RW[1]の電位が基準電位よりもVX[1]大きい電位となる。このとき、メモリセルMC[1,1]、およびメモリセルMCref[1]のそれぞれの容量素子C11には電位VX[1]が供給され、容量結合によりトランジスタTr12のゲートの電位が上昇する。なお、電位Vx[1]はメモリセルMC[1,1]およびメモリセルMCref[1]に供給される第2のデータに対応する電位である。
トランジスタTr12のゲートの電位の変化量は、配線RWの電位の変化量に、メモリセルの構成によって決まる容量結合係数を乗じた値となる。容量結合係数は、容量素子C11の容量、トランジスタTr12のゲート容量、および寄生容量等によって算出される。以下では便宜上、配線RWの電位の変化量とトランジスタTr12のゲートの電位の変化量が同じ、すなわち容量結合係数が1であるとして説明する。実際には、容量結合係数を考慮して電位Vを決定すればよい。
メモリセルMC[1]およびメモリセルMCref[1]の容量素子C11に電位VX[1]が供給されると、ノードNN[1]およびノードNMref[1]の電位がそれぞれVX[1]上昇する。
ここで、時刻T05−T06において、配線BL[1]からメモリセルMC[1,1]のトランジスタTr12に流れる電流IMC[1,1],1は、次の式で表すことができる。
MC[1,1],1=k(VPR−VW[1,1]+VX[1]−Vth (E7)
すなわち、配線RW[1]に電位VX[1]を供給することにより、配線BL[1]からメモリセルMC[1,1]のトランジスタTr12に流れる電流は、ΔIMC[1,1]=IMC[1,1],1−IMC[1,1],0増加する。
また、時刻T05−T06において、配線BLrefからメモリセルMCref[1]のトランジスタTr12に流れる電流IMCref[1],1は、次の式で表すことができる。
MCref[1],1=k(VPR+VX[1]−Vth (E8)
すなわち、配線RW[1]に電位VX[1]を供給することにより、配線BLrefからメモリセルMCref[1]のトランジスタTr12に流れる電流は、ΔIMCref[1]=IMCref[1],1−IMCref[1],0増加する。
また、配線BL[1]および配線BLrefに流れる電流について考える。配線BLrefには、電流源回路CSから電流ICrefが供給される。また、配線BLrefを流れる電流は、カレントミラー回路CM、メモリセルMCref[1]、[2]へ排出される。配線BLrefからカレントミラー回路CMへ排出される電流をICM,1とすると、次の式が成り立つ。
Cref−ICM,1=IMCref[1],1+IMCref[2],1 (E9)
配線BL[1]には、電流源回路CSから電流Iが供給される。また、配線BL[1]を流れる電流は、カレントミラー回路CM、メモリセルMC[1,1]、[2,1]へ排出される。さらに、配線BL[1]からオフセット回路OFSTにも電流が流れる。配線BL[1]からオフセット回路OFSTに流れる電流をIα,1とすると、次の式が成り立つ。
−ICM,1=IMC[1,1],1+IMC[2,1],1+Iα,1 (E10)
そして、式(E1)乃至式(E10)から、電流Iα,0と電流Iα,1の差(差分電流ΔIα)は次の式で表すことができる。
ΔIα=Iα,1−Iα,0=2kVW[1,1]X[1] (E11)
このように、差分電流ΔIαは、電位VW[1,1]とVX[1]の積に応じた値となる。
その後、時刻T06−T07において、配線RW[1]の電位は接地電位となり、ノードNM[1,1]およびノードNMref[1]の電位は時刻T04−T05と同様になる。
次に、時刻T07−T08において、配線RW[1]の電位が基準電位よりもVX[1]大きい電位となり、配線RW[2]の電位が基準電位よりもVX[2]大きい電位が供給される。これにより、メモリセルMC[1,1]、およびメモリセルMCref[1]のそれぞれの容量素子C11に電位VX[1]が供給され、容量結合によりノードNM[1,1]およびノードNMref[1]の電位がそれぞれVX[1]上昇する。また、メモリセルMC[2,1]、およびメモリセルMCref[2]のそれぞれの容量素子C11に電位VX[2]が供給され、容量結合によりノードNM[2,1]およびノードNMref[2]の電位がそれぞれVX[2]上昇する。
ここで、時刻T07−T08において、配線BL[1]からメモリセルMC[2,1]のトランジスタTr12に流れる電流IMC[2,1],1は、次の式で表すことができる。
MC[2,1],1=k(VPR−VW[2,1]+VX[2]−Vth (E12)
すなわち、配線RW[2]に電位VX[2]を供給することにより、配線BL[1]からメモリセルMC[2,1]のトランジスタTr12に流れる電流は、ΔIMC[2,1]=IMC[2,1],1−IMC[2,1],0増加する。
また、時刻T05−T06において、配線BLrefからメモリセルMCref[2]のトランジスタTr12に流れる電流IMCref[2],1は、次の式で表すことができる。
MCref[2],1=k(VPR+VX[2]−Vth (E13)
すなわち、配線RW[2]に電位VX[2]を供給することにより、配線BLrefからメモリセルMCref[2]のトランジスタTr12に流れる電流は、ΔIMCref[2]=IMCref[2],1−IMCref[2],0増加する。
また、配線BL[1]および配線BLrefに流れる電流について考える。配線BLrefには、電流源回路CSから電流ICrefが供給される。また、配線BLrefを流れる電流は、カレントミラー回路CM、メモリセルMCref[1]、[2]へ排出される。配線BLrefからカレントミラー回路CMへ排出される電流をICM,2とすると、次の式が成り立つ。
Cref−ICM,2=IMCref[1],1+IMCref[2],1 (E14)
配線BL[1]には、電流源回路CSから電流Iが供給される。また、配線BL[1]を流れる電流は、カレントミラー回路CM、メモリセルMC[1,1]、[2,1]へ排出される。さらに、配線BL[1]からオフセット回路OFSTにも電流が流れる。配線BL[1]からオフセット回路OFSTに流れる電流をIα,2とすると、次の式が成り立つ。
−ICM,2=IMC[1,1],1+IMC[2,1],1+Iα,2 (E15)
そして、式(E1)乃至式(E8)、および、式(E12)乃至式(E15)から、電流Iα,0と電流Iα,2の差(差分電流ΔIα)は次の式で表すことができる。
ΔIα=Iα,2−Iα,0=2k(VW[1,1]X[1]+VW[2,1]X[2]) (E16)
このように、差分電流ΔIαは、電位VW[1,1]と電位VX[1]の積と、電位VW[2,1]と電位VX[2]の積と、を足し合わせた結果に応じた値となる。
その後、時刻T08−T09において、配線RW[1]、[2]の電位は接地電位となり、ノードNM[1,1]、[2,1]およびノードNMref[1]、[2]の電位は時刻T04−T05と同様になる。
式(E9)および式(E16)に示されるように、オフセット回路OFSTに入力される差分電流ΔIαは、第1のデータ(重み)に対応する電位Vと、第2のデータ(入力データ)に対応する電位Vの積を足し合わせた結果に応じた値となる。すなわち、差分電流ΔIαをオフセット回路OFSTで計測することにより、第1のデータと第2のデータの積和演算の結果を得ることができる。
なお、上記では特にメモリセルMC[1,1]、[2,1]およびメモリセルMCref[1]、[2]に着目したが、メモリセルMCおよびメモリセルMCrefの数は任意に設定することができる。メモリセルMCおよびメモリセルMCrefの行数mを任意の数とした場合の差分電流ΔIαは、次の式で表すことができる。
ΔIα=2kΣW[i,1]X[i] (E17)
また、メモリセルMCおよびメモリセルMCrefの列数nを増やすことにより、並列して実行される積和演算の数を増やすことができる。
以上のように、半導体装置MACを用いることにより、第1のデータと第2のデータの積和演算を行うことができる。なお、メモリセルMCおよびメモリセルMCrefとして図26に示す構成を用いることにより、少ないトランジスタ数で積和演算回路を構成することができる。そのため、半導体装置MACの回路規模の縮小を図ることができる。
半導体装置MACをニューラルネットワークにおける演算に用いる場合、メモリセルMCの行数mは一つのニューロンに供給される入力データの数に対応させ、メモリセルMCの列数nはニューロンの数に対応させることができる。例えば、図24(A)に示す中間層HLにおいて半導体装置MACを用いた積和演算を行う場合を考える。このとき、メモリセルMCの行数mは、入力層ILから供給される入力データの数(入力層ILのニューロンの数)に設定し、メモリセルMCの列数nは、中間層HLのニューロンの数に設定することができる。
なお、半導体装置MACを適用するニューラルネットワークの構造は特に限定されない。例えば半導体装置MACは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)、再帰型ニューラルネットワーク(RNN)、オートエンコーダ、ボルツマンマシン(制限ボルツマンマシンを含む)等に用いることもできる。
以上のように、半導体装置MACを用いることにより、ニューラルネットワークの積和演算を行うことができる。さらに、セルアレイCAに図26に示すメモリセルMCおよびメモリセルMCrefを用いることにより、演算精度の向上、消費電力の削減、または回路規模の縮小を図ることが可能な集積回路ICを提供することができる。
本実施の形態は、他の実施の形態等に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
(実施の形態6)
本発明の一態様に係る表示装置を用いることができる電子機器として、表示機器、パーソナルコンピュータ、記録媒体を備えた画像記憶装置または画像再生装置、携帯電話、携帯型を含むゲーム機、携帯データ端末、電子書籍端末、ビデオカメラ、デジタルスチルカメラ等のカメラ、ゴーグル型ディスプレイ(ヘッドマウントディスプレイ)、ナビゲーションシステム、音響再生装置(カーオーディオ、デジタルオーディオプレイヤー等)、複写機、ファクシミリ、プリンタ、プリンタ複合機、現金自動預け入れ払い機(ATM)、自動販売機等が挙げられる。これら電子機器の具体例を図29に示す。
図29(A)はテレビであり、筐体971、表示部973、操作キー974、スピーカ975、通信用接続端子976、光センサ977等を有する。表示部973にはタッチセンサが設けられ、入力操作を行うこともできる。表示部973に本発明の一態様の表示装置を用いることで、表示品位の高い表示を行うことができる。
図29(B)は情報処理端末であり、筐体901、表示部902、表示部903、センサ904等を有する。表示部902および表示部903は一つの表示パネルから成り、可撓性を有する。また、筐体901も可撓性を有し、図示するように折り曲げて使用することができるほか、タブレット端末のように平板状にして使用することもできる。センサ904は筐体901の形状を感知することができ、例えば、筐体が曲げられたときに表示部902および表示部903の表示を切り替えることができる。表示部902および表示部903に本発明の一態様の表示装置を用いることで、表示品位の高い表示を行うことができる。
図29(C)はデジタルカメラであり、筐体961、シャッターボタン962、マイク963、スピーカ967、表示部965、操作キー966、ズームレバー968、レンズ969等を有する。表示部965に本発明の一態様の表示装置を用いることで、表示品位の高い表示を行うことができる。
図29(D)は、デジタルサイネージであり、柱921の側面に大型の表示部922が取り付けられた構成を有する。表示部922に本発明の一態様の表示装置を用いることで、表示品位の高い表示を行うことができる。
図29(E)携帯電話機の一例であり、筐体951、表示部952、操作ボタン953、外部接続ポート954、スピーカ955、マイク956、カメラ957等を有する。当該携帯電話機は、表示部952にタッチセンサを備える。電話を掛ける、或いは文字を入力する等のあらゆる操作は、指やスタイラス等で表示部952に触れることで行うことができる。また、筐体901および表示部952は可撓性を有し、図示するように折り曲げて使用することができる。表示部952に本発明の一態様の表示装置を用いることで、表示品位の高い表示を行うことができる。
図29(F)は携帯データ端末であり、筐体911、表示部912、カメラ919等を有する。表示部912が有するタッチパネル機能により情報の入出力を行うことができる。表示部912に本発明の一態様の表示装置を用いることで、表示品位の高い表示を行うことができる。
本実施の形態は、他の実施の形態等に記載した構成と適宜組み合わせて実施することが可能である。
11 画素
11a 画素
11b 画素
11c 画素
11d 画素
12 ロードライバ
13 カラムドライバ
14 回路
14a 回路
14b 回路
15 カラムドライバ
16 回路
36 タッチパネル
101 トランジスタ
102 トランジスタ
103 容量素子
104 容量素子
105 液晶素子
106 トランジスタ
107 トランジスタ
108 トランジスタ
109 容量素子
110 EL素子
111 トランジスタ
115 トランジスタ
116 トランジスタ
117 容量素子
121 配線
122 配線
123 配線
124 配線
125 配線
126 配線
127 共通配線
128 共通配線
129 共通配線
130 配線
160 表示部
213 電極
215 表示部
217 電極
221a 走査線駆動回路
231a 信号線駆動回路
232a 信号線駆動回路
241a 共通線駆動回路
390 タッチセンサ
391 遮光層
392 絶縁層
393 電極
394 電極
395 電極
501 パルス電圧出力回路
502 電流検出回路
503 容量
600 表示パネル
601 液晶素子
602 画素回路
659 回路
673 IC
901 筐体
902 表示部
903 表示部
904 センサ
911 筐体
912 表示部
919 カメラ
921 柱
922 表示部
951 筐体
952 表示部
953 操作ボタン
954 外部接続ポート
955 スピーカ
956 マイク
957 カメラ
961 筐体
962 シャッターボタン
963 マイク
965 表示部
966 操作キー
967 スピーカ
968 ズームレバー
969 レンズ
971 筐体
973 表示部
974 操作キー
975 スピーカ
976 通信用接続端子
977 光センサ
1227 絶縁層
1255 不純物
1310 トランジスタ
1311 トランジスタ
1320 トランジスタ
1321 トランジスタ
1322 電極
1323 電極
1324 半導体層
1325 トランジスタ
1326 絶縁層
1327 絶縁層
1328 絶縁層
1329 絶縁層
1330 トランジスタ
1331 トランジスタ
1340 トランジスタ
1341 トランジスタ
1342 トランジスタ
1343 トランジスタ
1344 トランジスタ
1344a 電極
1344b 電極
1345 トランジスタ
1346 トランジスタ
1347 トランジスタ
1371 基板
1372 絶縁層
4001 基板
4005 シール材
4006 基板
4008 液晶層
4010 トランジスタ
4011 トランジスタ
4013 液晶素子
4014 配線
4015 電極
4017 電極
4018 FPC
4019 異方性導電層
4020 容量素子
4021 電極
4030 電極
4031 電極
4032 絶縁層
4033 絶縁層
4035 スペーサ
4041 プリント基板
4042 集積回路
4102 絶縁層
4103 絶縁層
4104 絶縁層
4110 絶縁層
4111 絶縁層
4112 絶縁層
4131 着色層
4132 遮光層
4133 絶縁層
4510 隔壁
4511 発光層
4513 発光素子
4514 充填材

Claims (8)

  1. 画素と、タッチパネルと、を有し、
    前記画素は、第1のトランジスタと、第2のトランジスタと、第3のトランジスタと、第4のトランジスタと、第1の容量素子と、第2の容量素子と、表示素子と、を有し、
    前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第1の容量素子の一方の電極と電気的に接続され、
    前記第1の容量素子の一方の電極は、前記表示素子と電気的に接続され、
    前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第1の容量素子の他方の電極と電気的に接続され、
    前記第1の容量素子の他方の電極は、前記第3のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
    前記第3のトランジスタのゲートは、前記第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
    前記第4のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第2の容量素子の一方の電極と電気的に接続されている表示装置。
  2. 請求項1において、
    少なくとも第4のトランジスタは、チャネル形成領域に金属酸化物を有し、前記金属酸化物は、Inと、Znと、M(MはAl、Ti、Ga、Sn、Y、Zr、La、Ce、NdまたはHf)と、を有する表示装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記第2のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、低電位電源線と電気的に接続され、
    前記第3のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、高電位電源線と電気的に接続されている表示装置。
  4. 請求項1乃至3のいずれか一項において、
    さらに、第5のトランジスタと、第6のトランジスタと、を有し、
    前記第5のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
    前記第5のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記表示素子と電気的に接続され、
    前記第6のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第5のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続され、
    前記第6のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、低電位電源線と電気的に接続されている表示装置。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項において、
    前記表示素子は液晶素子であり、
    さらに、第3の容量素子を有し、
    前記液晶素子の一方の電極は、前記第3の容量素子の一方の電極と電気的に接続され、
    前記第3の容量素子の一方の電極は、前記第1のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続されている表示装置。
  6. 請求項4において、
    前記表示素子は有機EL素子であり、
    さらに、第4の容量素子と、第7のトランジスタと、を有し、
    前記有機EL素子の一方の電極は、前記第4の容量素子の一方の電極と電気的に接続され、
    前記第4の容量素子の一方の電極は、前記第7のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
    前記第7のトランジスタのゲートは、前記第5のトランジスタのソースまたはドレインの他方と電気的に接続され、
    前記第5のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記第4の容量素子の他方の電極と電気的に接続されている表示装置。
  7. 請求項6において、
    さらに、第8のトランジスタと、第1の回路と、を有し、
    前記第1の回路は、電流値を読み取る機能を有し、
    前記第1の回路は、前記タッチパネルから出力された信号を基にした補正信号を生成する機能を有し、
    前記第8のトランジスタのソースまたはドレインの一方は、前記第7のトランジスタのソースまたはドレインの一方と電気的に接続され、
    前記第8のトランジスタのソースまたはドレインの他方は、前記第1の回路と電気的に接続されている表示装置。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の表示装置と、カメラと、を有する電子機器。
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