JP2019045393A - 試料保持具、及びそれを用いた浮遊選鉱試験方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】浮遊選鉱試験機における撹拌槽内の任意の高さに、異なる複数の試料を支持すると共に、着脱容易な試料保持具を提供する。【解決手段】異なる複数の試料(1〜3)を各別に収容可能な開口形態の有底容器(10)と、それらの底面(16)を下向きの姿勢で垂直方向に揃えて連結可能な垂直連結支持棒(20)と、それに対しその外径(D)以上の内径により遊嵌可能であると共に、有底容器(10)の外壁(M)に付設された接続筒(30)と、それらを垂直連結支持棒(20)で串刺し状に貫通して遊嵌し、接続筒(30)が付設された複数の有底容器(10)どうしで、互いに垂直方向(V)の間隔(K)及び高さを規定するように連結した連結糸(40)と、を備え、垂直連結支持棒(20)には、浮遊選鉱試験機を構成する液槽の上縁に掛留め可能な鉤部(21)を形成した。【選択図】図2

Description

本発明は、試料保持具、及びそれを用いた浮遊選鉱試験方法に関し、より詳しくは、浮遊選鉱工程で添加する各種の浮選剤を試料とし、それらの効能を事前に分析する浮遊選鉱試験機(「浮選剤試験装置」又は「実験用浮遊選鉱機」とも呼ばれている)において、その液槽内に試料を保持して試験に供するようにした試料保持具、及びそれを用いた浮遊選鉱試験方法に関する。
選鉱法の一種として、浮遊選鉱が知られている。例えば、鉱山から産出された岩石を破砕機・粉砕機を用いてスラリー状態にし、これに浮選剤を添加したものを撹拌・送気し、金属を含む鉱石を泡の表面に濃集させることによって、所望の金属を、それ以外の物質から選別して回収を容易にする選鉱法である。この選鉱法で用いられる浮選剤は、一般に界面活性剤や油脂等が好適であるが、鉱物や廃水処理の難易度を考慮して使い分けられる。
一般に岩石の表面は親水性であり、金属は疎水性であることが多いので、この選鉱法において、水と油性溶液が混じった鉱石のスラリーを撹拌し気泡を導入すると、泡に付着しない親水性の粒子は沈み、油性溶液が付着した疎水性の粒子は泡とともに浮くという性質に基づいて所望の金属を、それ以外の物質から選別することができる。
また、特許文献1には、硫化銅鉱物から湿式法で銅を回収する製錬工程において、金を含有する硫化銅鉱物から銅を浸出した浸出残渣中の金を濃縮して、効率的に分離回収する方法が開示されている。より具体的には、まず、金を含有する硫化銅鉱物の浸出残渣を、篩上物と篩下物とに篩い分けし、篩い分けられた篩下物を浮遊選鉱して浮鉱と沈鉱とに分離する。
また、篩い分けられた篩上物と、浮遊選鉱で得た浮鉱と、から硫黄を除去し、脱硫黄物を酸化焙焼する。酸化焙焼した後に得られた酸化焙焼物を硫酸溶液で溶解して、銅溶解液から金含有残渣を分離回収する。このようにして、金を含有する硫化銅鉱物から銅を浸出した浸出残渣中の金を濃縮し、効率的に分離回収する、という方法である。
また、特許文献2には、粗粒子が供給されても不具合を防止できる浮遊選鉱機が開示されている。その浮遊選鉱機は、鉱物を含有するスラリーが供給される浮選槽と、スラリーに空気を供給する空気供給手段と、スラリーを撹拌する撹拌手段と、浮選槽の底部近傍に設けられた鉱物の粗粒子を排出する粗粒子排出口とを備えて構成されたことにより、粗粒子が供給されても不具合を防止できる、というものである。
また、特許文献3には、カラム浮選機を使用し、砒素を含有する含銅物を粉砕し、水を加えて得たスラリーに、抑制剤、気泡剤及び捕収剤からなる浮選剤を添加し、砒素を含有する含銅物から浮遊選鉱法によって砒素鉱物を効率よく分離することができる含銅物の選鉱方法が開示されている。
また、特許文献4には、微細鉱物を含む鉱石の選鉱方法として、雲母や粘土鉱物などの大きさが5μm以下の微細鉱物を含有する銅鉱石などの鉱石から、過剰な浮選剤を添加することなく、銅精鉱などの有価鉱物を効率よく回収することができる選鉱方法が開示されている。
より具体的には、大きさ5μm以下の微細鉱物を含有する鉱石を粉砕してスラリー化する。そのスラリーに浮選剤を添加する前に、凝集剤としてジアリルジメチルアンモニウムクロリド(DADMAC)を添加することにより微細鉱物を凝集・沈降させる。その後、スラリーに浮選剤を添加して浮遊選鉱する、という方法である。
この選鉱方法による実際の選鉱工程では、鉱山で採掘された硫化銅鉱石を粉砕してスラリーにして浮遊選鉱を行う。浮遊選鉱では、スラリーに抑制剤、起泡剤、捕収剤などで構成される浮選剤を添加し、空気を吹き込んで含銅鉱物を浮上させると共に、脈石などを沈降させて分離する。この浮遊選鉱で浮上した含銅鉱物(浮鉱)は回収され、銅精鉱として次工程の乾式製錬工程に送られる。
なお、添加する薬品の成分は、選鉱する対象物質に応じて、調整することが有効である。薬品を添加することによって、例えば、鉱石の親水性・疎水性の度合いについて人工的にある程度の操作することもできる。この鉱石の親水性・疎水性の度合いについては、非金属かどうかで決まる場合もあるが、一概にそうとは限らず、添加薬品によってその度合いを調整されることも一般的である。
また、特許文献5には、新規な試薬で鉱物原料を調製する優先浮選剤、及びその優先浮選剤を用いた浮遊選鉱方法が開示されている。その新規な試薬は、選択的捕収剤及び防食剤の両方の機能を有する浮選剤であって、金属の銅、鉛及び亜鉛の鉱石である非鉄金属の硫化物及び酸化物鉱石の調製に用いられるものである。さらに、この特許文献5には、浮遊選鉱法による粉砕及び選鉱の段階における、銅、鉛及び亜鉛等の非鉄金属の硫化物及び酸化物の調製方法についても開示されている。
また、文献等による例示は省略するものの、浮遊選鉱工程を実施する工場における浮選プラントの稼働能力を、事前に評価するため、小型の実験用浮遊選鉱機(浮遊選鉱試験機・浮選剤試験装置)を用いて再現性のある有効なテスト結果を得ることが知られている。
この浮遊選鉱試験機では、浮遊選鉱工程で添加する各種の浮選剤を異なる複数の試料として、それらの効能を分析できるほか、実際の浮選プラントで必要な溶液・試薬等の混合割合を決定することも可能である。なお、浮遊選鉱試験機内に試料を保持させ、浮選剤溶液内で撹拌することにより、粉末・スラリー状ではない試料においても浮遊選鉱を模擬した表面状態を再現することができる。
また、特許文献6には、浮遊選鉱試験機とは異なるものの、主要構成された液槽の内容液に対し、試料を接液可能に上下動作する試料保持具を備えた浸透速度測定装置が開示されている。この浸透速度測定装置は、液体を貯留した液槽の上方に、試料を保持しながら質量測定装置に吊下げ支持されるような試料保持具が配置されたものである。
より詳しくは、その試料保持具と液槽とを相対昇降させて、液槽の液面に試料の下端を接触させ、試料が液体の浸透に伴って生じる質量変化を質量測定装置で経時的に測定するほか、液体を円滑かつ高い精度で試料の下端に接触させるというものである。
特開2010−180450号公報 特開2013−180289号公報 特開2012−115781号公報 特開2013−212478号公報 特表2005−513259号公報 特開2014−55827号公報
上述の特許文献1〜5に開示された浮遊選鉱法に対し、選鉱する対象物質に応じて、最適な浮選剤の選定を、より効率化したいという要望があった。また、浮遊選鉱工程で選鉱する対象物質のほか、添加する各種の浮選剤を異なる複数の試料として、それらの効能を分析し、実際の浮選プラントで必要な溶液・試薬等の混合割合を決定するため、異なる対象物質と、異なる浮選剤と、の組み合わせを、多岐に及んで組み替えながら対応させる実験を効率良くすることが必要であった。
そのため、異なる対象物質と、異なる浮選剤と、の組み合わせを、多岐に及んで迅速に組み替えながら対応できる試料保持具が要望されていた。特に、浮遊選鉱試験機の撹拌槽内に吊下げ支持され、かつ容易に着脱可能な形態の試料保持具が要望されていた。しかしながら、試料保持具として上述の特許文献6に開示されたものでは、目的を達成できるものではなかった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、浮遊選鉱試験機における撹拌槽内の任意の高さに、異なる複数の試料を支持すると共に、着脱容易な試料保持具を提供することにある。
本発明の一態様は、異なる複数の試料(1〜3)を各別に収容可能な開口形態の有底容器(10)と、
複数の前記有底容器(10)の底面(16)を下向きの姿勢で垂直方向に揃えて連結可能な垂直連結支持棒(20)と、
該垂直連結支持棒(20)に対しその外径(D)以上の内径(E)により遊嵌可能であると共に、前記有底容器(10)の外壁(M)に付設された接続筒(30)と、
複数の前記接続筒(30)を前記垂直連結支持棒(20)で串刺し状に貫通して遊嵌し、該接続筒(30)が付設された複数の前記有底容器(10)どうしで、互いに垂直方向(V)の間隔(K)及び高さ(H)を規定するように連結した連結糸(40)と、
を備え、
前記垂直連結支持棒(20)には、浮遊選鉱試験機(100)を構成する液槽(90)の上縁(91)に掛留め可能な鉤部(21)が形成されたものである。
また、本発明の一態様において、前記有底容器(10)の外壁(M)は円筒形であり第1の中心軸(P)が規定され、前記接続筒(30)は円筒形であり第2の中心軸(Q)が規定され、前記第1の中心軸(P)と、前記第2の中心軸(Q)と、は平行であることが好ましい。
また、本発明の一態様において、前記連結糸(40)はナイロン製であることが好ましい。
また、本発明の一態様において、前記接続筒(30)はポリプロピレン製のストローにより形成されることが好ましい。
また、本発明の何れかに係る態様の前記試料保持具(50)を用いた浮遊選鉱試験方法は、
前記鉤部(21)を含めてその下方に延在する前記垂直連結支持棒(20)に複数の前記接続筒(30)を串刺し状に貫通して遊嵌することにより試料保持具(50)の一式を構成し、
前記接続筒(30)が支持する複数の前記有底容器(10)に異なる複数の試料(1〜3)を各別に収容し、
前記液槽(90)の前記上縁(91)に前記鉤部(21)を掛留めて、前記試料保持具(50)の一式を前記浮遊選鉱試験機(100)に設置し、
前記浮遊選鉱試験機(100)の前記液槽(90)に満たされた浮選剤溶液に、前記複数の有底容器(10)を全て浸漬させ、
前記液槽(90)内における撹拌状態で前記試料保持具(50)の一式が流されないように形態維持しながら行う浮遊選鉱試験方法である。
本発明によれば、浮遊選鉱試験機における撹拌槽内の任意の高さに、異なる複数の試料を支持すると共に、着脱容易な試料保持具を提供できる。
本発明の一実施形態に係る試料保持具の一式を液槽に装着した状態の浮遊選鉱試験機の正面図である。 本発明の一実施形態に係る試料保持具の一式を浮遊選鉱試験機の液槽に装着していない状態を示す斜視図である。 本発明の一実施形態に係る試料保持具を垂直連結支持棒から外してなお複数連結された状態を示す斜視図である。
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する本実施形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではなく、本実施形態で説明される構成の全てが本発明の解決手段として必須であるとは限らない。また、各図にわたって、同一効果の部材及び箇所には、外形に多少の違いがあっても同一符号を付して説明の重複を避けている。
[浮遊選鉱試験機]
図1は、本発明の一実施形態に係る試料保持具の一式を液槽に装着した状態の浮遊選鉱試験機の正面図である。図1に示すように、浮遊選鉱試験機100は、浮遊選鉱工程で添加する各種の浮選剤を試料とし、それらの効能を分析するものである。すなわち、この浮遊選鉱試験機100は、浮遊選鉱工程を実施する工場における浮選プラントの稼働実態や能力を、事前に評価するため、再現性のある小型の実験装置でシミュレーションするものである。
この浮遊選鉱試験機100は、液槽90と、基台110と、本体120と、撹拌羽根130と、撹拌モータ140と、撹拌軸150と、より主要構成されている。液槽90は試験の対象物と、浮選剤を混在させる容器である。基台110は、液槽90及び本体120を載置して一体となす平板状の台座である。
撹拌羽根130は、撹拌モータ140に撹拌軸150を介して液槽90の中心で底部近傍に軸懸垂されているため、液中で回転自在に駆動され、液槽90の内容物を撹拌する。このような構成の浮遊選鉱試験機100は、その液槽90内に試験の対象物を装入して浮遊選鉱試験を行う。
この浮遊選鉱試験機100では、浮遊選鉱工程で添加する各種の浮選剤を異なる複数の試料として、それらの効能を分析できるほか、実際の浮選プラントで必要な溶液・試薬等の混合割合を決定することも可能である。なお、その浮遊選鉱試験機100の液槽90内に試料1〜3を保持する試料保持具50を備えることによって、試験効率を高められると考えられる。以下、試料保持具50について、図2を用いて、より詳細に説明する。
[試料保持具一式]
図2は、本発明の一実施形態に係る試料保持具の一式を浮遊選鉱試験機の液槽に装着していない状態を示す斜視図である。図2に例示するように、試料保持具50は、3つの有底容器10と、2本の垂直連結支持棒20と、合計6本の接続筒30と、2本の連結糸40と、を備えて構成され、これらを適宜に接着又は遊嵌して組み立てられている。
これら各部材の材料は、以下に例示列挙するように、有底容器10はペットボトルのスクリューキャップ、垂直連結支持棒20には園芸用のビニール被覆針金、接続筒30にはポリプロピレン製のストロー、連結糸40はナイロン製の釣り糸が適する。もっとも、これらは一例に過ぎず、機能及び耐薬品性能が同等以上のものであれば、材料として何ら限定されるものではない。
つまり、液槽90内における撹拌状態で流されないだけの形態維持機能と、取扱う浮選剤に対する化学的安定性が同等以上の材料であれば良い。また、用いる接着剤についても同様であり、高強度で耐水性や耐熱性、耐薬品性に優れる点でエポキシ接着剤が要求仕様に合致している。
また、1つの有底容器10は、その外壁Mに、自他共に相互(第1、第2)の中心軸P,Qを垂直方向Vに揃えるような配置で2本の接続筒30を、2本の連結糸40と共に接着して一体化されている。さらに3つの有底容器10は、2本の垂直連結支持棒20に、概ね等しい所定ピッチGで連結される。2本の垂直連結支持棒20に、所定ピッチGで連結された3つの有底容器10は、間隔Kを空けて隔てられている。
有底容器10の外壁Mは、第1の中心軸Pにより規定される円筒形である。また、接続筒30も、第2の中心軸Qにより規定される円筒形である。これらの円筒形をそれぞれ規定する第1の中心軸Pと、第2の中心軸Qと、は平行である。
有底容器10は、異なる複数の試料1〜3を各別に収容可能な開口形態である。垂直連結支持棒20は、複数の有底容器10の底面16を下向きの姿勢で垂直方向に揃えて連結可能である。接続筒30は、垂直連結支持棒20に対しその外径D以上の内径Eにより遊嵌可能であると共に、有底容器10の外壁Mに付設されている。そのため、複数の接続筒30は、垂直連結支持棒20で串刺し状に貫通して遊嵌される。つまり、串刺し状に遊貫される。したがって、接続筒30を貫通する第2の中心軸Qは、垂直連結支持棒20の中心軸と一致する。
なお、遊嵌とは、遊びをもった状態に嵌めることをいう。すなわち、嵌めたものと嵌められたものとが互いに動けるように嵌めることをいう。また、遊貫するとは、端が部材から突き出た状態で遊びがあるようにすることをいう。すなわち、貫くものと貫かれたものとの間で動きが可能であるようにすることをいう。
ここで、連結糸40は、接続筒30が付設された複数の有底容器10どうしで、互いに垂直方向Vの間隔K及び高さHを規定する。この連結糸40は、上方から下方にかけて区間連結糸41〜43に区分される。すなわち、区間連結糸41は、本体120の天井121に配設されたフック122から第1接続点11までの区間を接続している。区間連結糸42は、第2接続点12から第3接続点13までの区間を接続している。区間連結糸43は、第4接続点14から第5接続点15までの区間を接続している。
また、3つの有底容器10を上から順に上層、中層、及び下層に区別する。さらに、上層の上縁11と、上層の下縁12と、中層の上縁13と、中層の下縁14と、下層の上縁15と、に区別する。これらに付した符号11〜15は、第1接続点11〜第5接続点15に付した符号11〜15と共通である。
つまり、第1接続点11は、上層の有底容器10の上縁11に設定されている。第2接続点12は、上層の有底容器10の下縁12に設定されている。第3接続点13は、中層の有底容器10の上縁13に設定されている。第4接続点14は、中層の有底容器10の下縁14に設定されている。第5接続点15は、下層の有底容器10の上縁15に設定されている。
このようにして各層の有底容器10の高さが設定される構成である。したがって、区間連結糸41の長さにより、上層の有底容器10の上縁11の高さHが設定される。高さHが設定されると、区間連結糸42の長さにより、中層の有底容器10の上縁13が設定される。同様に、区間連結糸43の長さにより、下層の有底容器10の上縁15が設定される。
なお、複数の有底容器10どうしで、互いに垂直方向Vの間隔Kを規定したが、各層の配置された高さを所定ピッチGで規定しても構わない。本発明によれば、浮遊選鉱試験機100における撹拌槽内の任意の高さに、異なる複数の試料を支持すると共に、着脱容易な試料保持具を提供することができる。
垂直連結支持棒20は、上方の先端をJ文字形状に屈曲させた鉤部21が形成されている一方で、下方の先端22は、単に所定の実効長さXを確保するため、直線状に延在する任意箇所を切断された形状である。また、鉤部21により、浮遊選鉱試験機100を構成する液槽90の上縁91に掛留め可能である。
なお、図1では、液槽90の左側の上縁91に掛留めた状態を例示しているが、この位置に限定するものではなく、液槽90の上縁91であれば、前後左右の何れの位置に掛留めても構わない。また、垂直連結支持棒20の実効長さXは、液槽90の深さYより短い方が、液槽90の上縁91に鉤部21が掛かり易く、外れにくいので都合良い。また、垂直連結支持棒20の実効長さXは、垂直連結支持棒20の下方の先端22が撹拌羽根130に届かないように設定する配慮も必要である。
図3は、本発明の一実施形態に係る試料保持具を垂直連結支持棒から外してなお複数連結された状態を示す斜視図である。図2に示した試料保持具50の一式から垂直連結支持棒20を抜去すれば、連結糸40により連結された3つの有底容器10が、直線状に連結された形態維持状態から解除される。図3は試料保持具50の構成をより分かり易く示したものであると共に、試験終了後には、図3に示すような柔軟な形状でかさばらず、収納にも便利であることも示している。
[浮遊選鉱試験方法]
本発明の一実施形態に係る浮遊選鉱試験方法は、浮遊選鉱試験機100に、上述の試料保持具50を設置して行う浮遊選鉱試験方法である。より詳しくは、以下のとおりである。すなわち、試料保持具50の一式は、垂直連結支持棒20に複数の接続筒30を串刺し状に貫通して遊嵌することにより構成される。垂直連結支持棒20の上方は、逆J字形状に屈曲されて鉤部21が形成されている。
この鉤部21を液槽90の上縁91に掛留めて、試料保持具50の一式を浮遊選鉱試験機100に設置する。鉤部21を含めてその下方に垂直連結支持棒20が延在している。その垂直連結支持棒20には、複数の接続筒30が串刺し状に貫通して遊嵌されることにより試料保持具50の一式が構成されている。
接続筒30が支持する複数の有底容器10には、異なる複数の試料1〜3が各別に予め収容されている。試料保持具50の一式は、浮遊選鉱試験機100の液槽90に満たされたスラリー9に、複数の有底容器10が全て浸漬させるように設置される。このとき、浮遊選鉱試験機100の液槽90内における撹拌状態であっても、試料保持具50の一式を流されないように形態維持しながら行う浮遊選鉱試験を実行する。
液槽90に満たされたスラリー9を、所定の条件で撹拌し、異なる複数の試料1〜3として各別に予め収容されている浮選剤の作用効果を観察することにより、それらの効能を分析できるほか、実際の浮選プラントで必要な溶液・試薬等の混合割合を決定することも可能である。また、再現性のある有効なテスト結果を得ることにより、浮遊選鉱工程を実施する工場における浮選プラントの稼働能力を、事前に評価することもできる。
本発明によれば、浮遊選鉱試験機における撹拌槽内の任意の高さに、異なる複数の試料を支持すると共に、着脱容易な試料保持具を提供することができる。異なる対象物質と、異なる浮選剤と、の組み合わせを、多岐に及んで迅速に組み替えながら対応できるので試験の効率を向上できる。また、その試料保持具を用いた浮遊選鉱試験方法によれば、浮遊選鉱工程で添加する各種の浮選剤を異なる複数の試料として、その浮遊選鉱試験機の液槽内に同時に保持することができるので、試験効率を高めることが可能である。
なお、前記のように本発明の実施形態について詳細に説明したが、本発明の新規事項及び効果から実体的に逸脱しない多くの変形が可能であることは、当業者には、容易に理解できるであろう。したがって、このような変形例は、全て本発明の範囲に含まれるものとする。
例えば、明細書又は図面において、少なくとも一度、より広義又は同義な異なる用語と共に記載された用語は、明細書又は図面のいかなる箇所においても、その異なる用語に置き換えることができる。また、浮遊選鉱試験機(浮選剤試験装置・実験用浮遊選鉱機)、及び試料保持具の構成、動作、それらによる浮遊選鉱試験(浮選剤試験)についての具体的な方法も、本発明の実施形態で説明したものに限定されず、種々の変形実施が可能である。
また、前記の試料として、顕微鏡観察用の埋め込み樹脂試料(以下、単に埋め込み試料という)を用いることができる。
埋め込み試料とは、鉱物の小塊を埋め込み樹脂に埋め込んで成形し、鉱物の小塊部分を鏡面研磨することにより、顕微鏡で鉱物表面を観察するものである。このような埋め込み試料を作成して、鉱物表面と各種の浮選剤を接触(以下、「条件付け」という場合がある)させ、接触角測定機器で接触角を測定し、鉱物の濡れ性を把握することがある。接触角が大きいことは濡れ性が小さい(濡れ難い)ことを示し、浮遊選鉱においては気泡とともに浮上する性質を持つ。すなわち条件付けを行った試料の接触角を測定することにより、浮遊選鉱を行わずとも、簡易的に鉱物の浮遊特性を確認することができる。
ここで、埋め込み試料のサイズを、前記有底容器に収納可能なサイズに形成することにより、本発明の試料保持具に保持された状態で、前記浮遊選鉱試験機により条件付け(以下「本発明を利用した条件付け」という)を行い、鉱物の浮遊性を評価することができる。実操業・操業支援ラボにおいては、浮遊選鉱試験機に装入した鉱物粉末のスラリーに浮選剤を添加し、撹拌羽根により撹拌・送気しながら、実際に浮選試験を行い、鉱物の浮遊性を評価するのが一般的である。したがって、埋め込み試料を用いる場合でも、鉱物表面に各種の浮選剤を「滴下」するだけの単純な条件付けではなく、浮遊選鉱試験機内における、より実操業に近い方法で条件付けすることが可能となるので好ましい。
また、本発明を利用した条件付けでは、鉱物表面に浮選剤を接触させる際に作業員の関与が少ないため作業員の熟練度による接触のさせ方の差が出にくくなり、さらには鉱物表面がキズ付くような操作ミスの恐れも少なくなるため、前記接触角測定の結果についてもバラつきを小さくする効果も期待できる。
一般的な埋め込み樹脂試料のサイズであれば、前記有底容器をペットボトルのスクリューキャップとすることにより、適切な遊嵌状態となるので特に好ましい。
なお、図1〜3に示すように複数の有底容器を備えるようにすれば、条件付けの操作として浮遊選鉱試験機を運転すれば、複数の試料に対して条件付けすることができるので、本願課題に提示した、試験の効率が向上することは明らかである。
さらに、浮選剤の使用量も少なくすることができるので、試薬コストを低減することが可能であって、浮選操作に伴って発生するガスの中には、例えば硫化水素など有害なガスが含まれる場合もあり、作業員がこのようなガスに暴露されるリスクを低減できるという効果があることは言うまでもない。
本発明は、浮遊選鉱試験機(浮選剤試験装置・実験用浮遊選鉱機)における試料保持具、及びそれを用いた浮遊選鉱試験方法として採用される可能性がある。
1〜3 試料、9 スラリー、10 有底容器、11〜15 第1〜第5接続点、11 上層の上縁、12 上層の下縁、13 中層の上縁、14 中層の下縁、15 下層の上縁、20 垂直連結支持棒、21 鉤部、22 (垂直連結支持棒20の)下方の先端、30 接続筒、40 連結糸、41〜43 区間連結糸、50 試料保持具、90 液槽、91 (液槽90の)上縁、100 浮遊選鉱試験機、110 基台、120 本体、121 (浮遊選鉱試験機100の)天井、122 (天井121に配設された)フック、130 撹拌羽根、140 撹拌モータ、150 撹拌軸、D (垂直連結支持棒20の)外径、E (接続筒30の)内径、G 所定ピッチ、H (上層の有底容器10の上縁11の)高さ、K (3つの有底容器10が垂直方向Vに配置された)間隔、M (有底容器10の)外壁、P 第1の中心軸、Q 第2の中心軸、V 垂直方向、X (垂直連結支持棒20定の)実効長さ、Y (液槽90の)深さ

Claims (5)

  1. 異なる複数の試料を各別に収容可能な開口形態の有底容器と、
    複数の前記有底容器の底面を下向きの姿勢で垂直方向に揃えて連結可能な垂直連結支持棒と、
    該垂直連結支持棒に対しその外径以上の内径により遊嵌可能であると共に、前記有底容器の外壁に付設された接続筒と、
    複数の前記接続筒を前記垂直連結支持棒で串刺し状に貫通して遊嵌し、該接続筒が付設された複数の前記有底容器どうしで、互いに垂直方向の間隔及び高さを規定するように連結した連結糸と、
    を備え、
    前記垂直連結支持棒には、浮遊選鉱試験機を構成する液槽の上縁に掛留め可能な鉤部が形成されている、
    試料保持具。
  2. 前記有底容器の外壁は円筒形であり第1の中心軸が規定され、
    前記接続筒は円筒形であり第2の中心軸が規定され、
    前記第1の中心軸と、前記第2の中心軸と、は平行である、
    請求項1に記載の試料保持具。
  3. 前記連結糸はナイロン製である、
    請求項1又は2に記載の試料保持具。
  4. 前記接続筒はポリプロピレン製のストローにより形成された、
    請求項1〜3の何れかに記載の試料保持具。
  5. 前記鉤部を含めてその下方に延在する前記垂直連結支持棒に複数の前記接続筒を串刺し状に貫通して遊嵌することにより試料保持具の一式を構成し、
    前記接続筒が支持する複数の前記有底容器に異なる複数の試料を各別に収容し、
    前記液槽の前記上縁に前記鉤部を掛留めて、前記試料保持具の一式を前記浮遊選鉱試験機に設置し、
    前記浮遊選鉱試験機の前記液槽に満たされたスラリーに、前記複数の有底容器を全て浸漬させ、
    前記液槽内における撹拌状態で前記試料保持具の一式が流されないように形態維持しながら浮遊選鉱試験を行う、
    請求項1〜4の何れかに記載の試料保持具を用いた浮遊選鉱試験方法。
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