JP2019041365A - 画像表示装置、画像表示装置の制御方法、およびプログラム - Google Patents

画像表示装置、画像表示装置の制御方法、およびプログラム Download PDF

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Abstract

【課題】画像処理に利用される特徴量のデータ量や画像処理の演算時間が増大する場合に、入力画像全体の特徴量に基づいた画像処理を行う。
【解決手段】画像表示装置は、2台以上の画像表示装置によって1つの画像を表示するシステムを構成し、特徴量送受信を行う送受信処理のモードを決定する決定手段と、モードに基づいて入力画像から特徴量を取得する取得手段と、送受信処理のモードに基づいて他の画像表示装置との間で特徴量を送受信する送受信手段と、取得および受信した特徴量に基づいて入力画像を処理する画像処理手段と、画像処理手段に処理された入力画像に基づいて画像を表示する表示手段とを有し、モードは第1モードと第2モードを含み、第1モードは送受信1回あたりの特徴量のデータ量が前記第2モードに比べ少なく、第2モードは時間あたりの特徴量送受信の回数が第1モードと比べ少ないことを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は画像表示装置、画像表示装置の制御方法、およびプログラムに関する。
従来、人間にとって見やすい画像を表示することを目的に、カメラや画像再生装置等の外部機器から画像表示装置へ入力された画像を解析し得られる画像の特徴量に基づいて、画像表示装置が画像処理を施すことが行われている。
この画像処理のひとつにローカルディミング処理があり、透過型の液晶パネルとバックライトを組み合わせた画像表示装置において、入力画像の特徴量に応じてバックライトの光量を動的に制御する処理を行う。ここで、ローカルディミング処理は、表示位置ごとにバックライトの明るさを制御するため、入力画像を複数のブロックに分割した分割ブロックごとに特徴量を取得し、バックライト制御値の算出を行うことが一般的である。
ここで、近年では複数台の画像表示装置を利用して1つの画像を表示するマルチプロジェクションシステムやマルチディスプレイシステムにおいても、入力画像の特徴量に基づいて画像処理することが考案されている。このような場合、各画像表示装置が自身に入力された画像に基づき、個別に画像処理を行ってしまうと、各画像表示装置における画像処理の整合がとれず、隣接部分において不自然な画像になってしまうという問題点がある。
そこで、特許文献1では、表示パネルを駆動する複数のドライバを備える画像表示装置において、各ドライバが表示する画面領域の特徴量を取得し、相互に交換することで、全画面の特徴量に基づいた画像処理を実現する技術が提案されている。
特開2014−115477号公報
特許文献1に基づけば、この問題点に対し、特許文献1に記載されたドライバ間を画像表示装置間と置き換え、各画像表示装置間で取得した特徴量を相互に交換することで、全ての画像表示装置の特徴量に基づいて画像処理を行うことができると考えられる。しかし、特許文献1の画像表示装置の技術は、画像表示装置のドライバ間のデータ転送速度に言及していない。そのため、画像処理の高度化に伴い、画像処理に利用される特徴量のデータ量や画像処理の演算時間が増大していることを踏まえると、データ転送速度によっては取得した特徴量を決められた時間内に転送できないという課題がある。
そこで、本発明は、画像処理に利用される特徴量のデータ量や画像処理の演算時間が増大する場合においても、入力画像全体の特徴量に基づいた画像処理を行う技術を提供することを目的にする。
本発明の第一の態様は、
2台以上の画像表示装置によって1つの画像を表示するシステムを構成する画像表示装置であって、
特徴量送受信を行う送受信処理のモードを決定する決定手段と、
前記送受信処理のモードに基づいて入力画像から特徴量を取得する取得手段と、
前記送受信処理のモードに基づいて他の画像表示装置との間で、特徴量を送受信する送受信手段と、
前記取得手段で取得した特徴量、および前記送受信手段で他の画像表示装置から受信した特徴量に基づいて前記入力画像を処理する画像処理手段と、
前記画像処理手段に処理された前記入力画像に基づいて画像を表示する表示手段と、
を有し、
前記送受信処理のモードは、第1モードと第2モードを含み、
前記第1モードは、送受信1回あたりの特徴量のデータ量が前記第2モードに比べ少なく、
前記第2モードは、時間あたりの特徴量送受信の回数が前記第1モードと比べ少ない、
ことを特徴とする画像表示装置である。
本発明の第二の態様は、
2台以上の画像表示装置によって1つの画像を表示するシステムを構成する画像表示装置が実行する制御方法であって、
特徴量送受信を行う送受信処理のモードを決定する決定工程と、
前記送受信処理のモードに基づいて入力画像から特徴量を取得する取得工程と、
前記送受信処理のモードに基づいて他の画像表示装置との間で、特徴量を送受信する送受信工程と、
前記取得工程で取得した特徴量、および前記送受信工程で他の画像表示装置から受信した特徴量に基づいて前記入力画像を処理する画像処理工程と、
前記画像処理工程で処理された前記入力画像に基づいて画像を表示する表示制御工程と、
を有し、
前記送受信処理のモードは、第1モードと第2モードを含み、
前記第1モードは、送受信1回あたりの特徴量のデータ量が前記第2モードに比べ少なく、
前記第2モードは、時間あたりの特徴量送受信の回数が前記第1モードと比べ少ない、
ことを特徴とする画像表示装置の制御方法である。
本発明の第三の態様は、
他の画像表示装置とマルチディスプレイシステムを構成する画像表示装置であって、
入力画像を取得する第1取得手段と、
前記マルチディスプレイシステムにおける自身の位置に応じて、前記画像表示装置の画面の複数の抽出領域を設定する第1設定手段と、
各抽出領域に対応する前記入力画像の第1特徴量を他の画像表示装置に出力する出力手段と、
前記第1特徴量を用いて前記入力画像を処理する画像処理手段と、
前記画像処理手段によって処理された前記入力画像に基づいて画像を表示する表示手段と、
を備えることを特徴とする画像表示装置である。
本発明の第四の態様は、
他の画像表示装置とマルチディスプレイシステムを構成する画像表示装置の制御方法であって、
入力画像を取得する取得工程と、
前記マルチディスプレイシステムにおける前記画像表示装置の位置に応じて、前記画像表示装置の画面の複数の抽出領域を設定する設定工程と、
各抽出領域に対応する前記入力画像の第1特徴量を他の画像表示装置に出力する出力工
程と、
前記第1特徴量を用いて前記入力画像を処理する画像処理工程と、
前記画像処理工程によって処理された前記入力画像に基づいて画像を表示する表示制御工程と、
を有することを特徴とする画像表示装置の制御方法である。
本発明によれば、画像処理に利用される特徴量のデータ量や画像処理の演算時間が増大する場合においても、入力画像全体の特徴量に基づいた画像処理を行うことができる。
実施形態1に係る画像表示装置の概略を表すブロック図である。 実施形態に係るマルチディスプレイシステムの構成例である。 実施形態に係るマルチディスプレイシステムでの表示例である。 実施形態1に係るモード決定部の概略を表すブロック図である。 実施形態に係る第1モードの処理を表す模式図である。 実施形態に係る第2モードの処理を表す模式図である。 実施形態に係る特徴量取得部の概略を表すブロック図である。 実施形態に係る全画面特徴量算出部の概略を表すブロック図である。 実施形態1に係る画像表示装置の処理を表すフロー図である。 実施形態2に係る画像表示装置の概略を表すブロック図である。 実施形態2に係るモード決定部の概略を表すブロック図である。 実施形態3に係る画像表示装置の概略を表すブロック図である。 実施形態3に係る表示位置設定部の概略を示すブロック図である。 実施形態3に係るマルチディスプレイシステムでの表示例である。 実施形態3に係るブロック設定部の概略を示すブロック図である。 実施形態3に係る分割決定部の処理を表すフローチャートである。 実施形態3に係る画像表示装置のブロックの配置を示す模式図である。 実施形態3に係る各ブロックの隣接ブロックとの距離を表す模式図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、本発明の技術的範囲は特許請求の範囲によって確定されるものであって、以下の個別の実施形態によって限定されるわけではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせ全てが、本発明に必須とは限らない。
<実施形態1>
以下、本発明の実施形態1について説明する。
図2は本実施形態に係るマルチディスプレイシステムの構成例である。図2において、マルチディスプレイシステム200は、画像表示装置201、画像表示装置202、画像表示装置203、画像表示装置204の4台の画像表示装置で構成されている。図2では画像表示装置の台数が4台であるが、2台以上であればよい。
画像表示装置201、画像表示装置202、画像表示装置203、画像表示装置204はバス205を介して互いに接続されており、それぞれの画像表示装置が処理している画像の特徴量を送受信することができる。バス205はEthernet(登録商標)やUSB等を用いることができるが、それに限定するものではない。また、本実施形態では各画像表示置間の通信にバスを用いた構成を採用しているが、バスを用いた構成に限らない
。例えば、各画像表示装置間と1台のスイッチをEthernetで接続する構成であっても、各画像表示装置間がBluetooth(登録商標)などの無線で通信する構成であってもよく、各画像表示装置間が通信可能である構成であればよい。
図3はマルチディスプレイシステム200による表示画面を表す表示例である。図3において、画像表示装置201、画像表示装置202、画像表示装置203、画像表示装置204はそれぞれ、画面全体の左上、左下、右上、右下の表示を担当している。この各画像表示装置により、マルチディスプレイシステム200の画面全体として“A”という文字が表示されている。
以下、画像表示装置201について詳細に説明する。なお、画像表示装置201、画像表示装置202、画像表示装置203、画像表示装置204は同様の構成を持つため、画像表示装置202、画像表示装置203、画像表示装置204については説明を省略する。また、以降、他の画像表示装置と記載がある場合は、画像表示装置202、画像表示装置203、および画像表示装置204を示すものとする。
図1は画像表示装置201の構成の概略を表すブロック図である。画像表示装置201は、画像入力部101、モード決定部102、特徴量取得部103、特徴量送受信部104、全画面特徴量算出部105、画像処理部106、補正値算出部107、表示部108を備える。
本実施形態では、画像入力部101はHDMI(登録商標)、VGA、DVI等のインターフェースを利用してカメラや画像再生装置等の外部機器から繰り返し画像が入力される。入力された画像は画像入力部101から画像処理部106、および特徴量取得部103へ送信される。
モード決定部102は、特徴量送受信処理のモードと、入力画像から取得する特徴量のデータ量を決定する。特徴量送受信処理のモードを特徴量送受信部104へ、取得する特徴量のデータ量を特徴量取得部103へ通知する。モード決定部102、および特徴量送受信処理のモードの詳細については後述する。
特徴量取得部103は、入力画像から特徴量を取得する。画像の特徴量としては、輝度値のヒストグラムや、平均輝度レベル(APL)、各画素がエッジであるか否かを表すエッジ度数等がある。特徴量取得部103の詳細については後述する。
特徴量送受信部104は、モード決定部102から通知された特徴量送受信処理のモードに基づいて、特徴量取得部103によって取得された画像の特徴量を、他の画像表示装置へ送信する。また、特徴量送受信部104は、他の画像表示装置から画像表示装置201へ送信される特徴量を受信する。受信した特徴量は全画面特徴量算出部105へ送信される。
全画面特徴量算出部105は、特徴量取得部103、および特徴量送受信部104により取得された特徴量に基づいて、全ての画像表示装置に入力された画像全体の特徴量を算出する。全画面特徴量算出部105の詳細については後述する。
画像処理部106は、補正値算出部107によって算出された補正値に基づいて、画像入力部101により入力された画像に画像処理を行う。画像処理には例えば輝度の補正やエッジ強調やエッジ平滑化の処理等がある。
補正値算出部107は全画面特徴量算出部105により算出された画像の特徴量に基づ
いて補正値を算出する。補正値には例えば、画素ごとあるいはブロックごとの輝度値のオフセット値やゲイン値等がある。
表示部108は画像処理部106により画像処理を施された画像を、表示パネル等を表示制御することにより表示する処理を行う。なお。表示部108は液晶ディスプレイや有機ELディスプレイやプロジェクタ等の機器により実現される。
次にモード決定部102について詳細に説明する。図4はモード決定部102の構成の概略を表すブロック図である。モード決定部102は、コンテンツ種別受付部401、送受信モード決定部402、バス速度測定部403、データ量決定部404を備える。
コンテンツ種別受付部401は、表示しようとするコンテンツ種別の設定を送受信モード決定部402へ通知する。コンテンツ種別の設定は、ユーザからの入力に基づいても、画像を入力する外部機器やPCからの入力に基づいてもよい。コンテンツ種別は例えば、動画、静止画がある。また、細分化された動画の種類に基づき、コンテンツ種別を決定してもよい。例えば、動画のジャンルに基づき、コンテンツ種別をスポーツ動画、映画、アニメ動画としてもよいし、動画の画面解像度に基づき、コンテンツ種別をHD、FHD、4Kとしてもよい。
送受信モード決定部402は、コンテンツ種別受付部401から通知されるコンテンツ種別に応じて特徴量送受信処理のモードを決定し、データ量決定部404、および特徴量送受信部104へ通知する。特徴量送受信処理のモードには、第1モード(処理速度優先モード)と第2モード(データ量優先モード)がある。本実施形態では、コンテンツ種別が動画の場合には特徴量送受信処理のモードを第1モードに、コンテンツ種別が静止画の場合は第2モードにそれぞれ決定する。この特徴量送受信処理のモードに基づいて、特徴量送受信部104において他の画像表示装置との間で特徴量の送受信の処理を行う。第1モードは第2モードに比べ送受信1回あたりの特徴量のデータ量が少なく、第2モードは第1モードに比べ時間あたりの特徴量送受信の回数が少なくなる。なお、特徴量送受信処理のモードは、第1モードと第2モードの2種類に限らず、3種類以上あってもよい。3種類以上の場合は、例えば、コンテンツ種別である静止画とスポーツ動画、映画、アニメ動画に基づき、特徴量送受信処理のモードを決定すればよい。
図5は第1モードの処理の概略を表す模式図である。図5において、時間経過による画像表示装置の状態を表現しており、期間510〜530の処理状態、入力画像、表示画像を示している。図5において、入力された画像は画像処理を施されて、1フレーム遅れで表示されることを表している。
以下にて、期間520における第1モードの処理を説明する。期間520の開始時点でフレームN−1の入力画像に基づいた補正値の算出が完了しており、その補正値を用いて画像処理されたフレームNの画像を、期間520で画像表示装置が表示する。また、期間510にて取得したフレームNの画像に基づいて、特徴量取得処理521、特徴量送受信処理522、特徴量合算処理523、補正値算出処理524を、期間520の1フレームの間で実施する。これにより、フレームNの画像の特徴量に基づいた補正値で、フレームN+1の画像の画像処理をさせることが可能になる。
ただし、第1モードでは特徴量送受信で利用することのできる時間が短くなる場合がある。例えば、フレームレートが60Hz(1フレームが約16.6ms)であり、送受信特徴量の取得処理、全ての画像表示装置の特徴量合算処理にそれぞれ1ms程度、補正値算出処理に12ms程度の時間が必要であると仮定する。すると、特徴量送受信で利用することのできる時間は16.6−12−1−1=2.6msとなり約2msしかないこと
になる。
図6は第2モードの処理の概略を表す模式図である。図6においても、図5と同様に、時間経過による画像表示装置の状態を表現しており、期間610〜640の処理状態、入力画像、表示画像を示している。図6に示すように本実施形態の第2モードでは特徴量の取得から補正値の算出までを2フレーム毎に行う。例えば、特徴量取得処理621、特徴量送受信処理622、特徴量合算処理633、特徴量算出処理634を、期間620と期間630の2フレームの間で実施している。そして、期間620と期間630で算出した、フレームNの特徴量に基づいた補正値により画像処理されたフレームN+2の画像を、期間640で表示している。また、フレームレートが60Hz(1フレームが約16.6ms)であり、特徴量の取得処理、特徴量の合算処理にそれぞれ1ms程度、補正値算出処理に12ms程度の時間が必要であると仮定する。すると、特徴量送受信では16.6−12−1−1+16.6=19.2msとなり、約19msの時間を利用できることになる。
第2モードでは第1モードと比較して、多くの時間を特徴量の送受信に割り当てることができる。そのため、第2モードでは第1モードより、多くの特徴量を送受信することができる。しかし、入力画像におけるフレームNの特徴量に基づいた補正値が表示画像におけるN+2、およびN+3フレームへ適用されるため、特徴量の取得から実際に補正値が適用されるまでの遅延時間は大きくなる。そのため、例えば、静止画やスライドショーのように画像の切り替わりの少ないコンテンツに対しては第2モードを利用し、動画に対しては第1モードを利用する。
なお、本実施形態では、入力された画像は画像処理を施されて、1フレーム遅れで表示されるが、この遅れは1フレームに限らず、1フレーム以上であればよい。例えば、入力された画像は画像処理を施されて、2フレーム遅れで表示される場合、第1モードでは、入力画像におけるフレームNの特徴量に基づいた補正値を、表示画像におけるフレームNに適用することができる。
また、本実施形態では、第1モードにおいて、特徴量の取得から補正値の算出までを1フレーム間隔で行っているが、1以上のフレーム毎にこれらの処理を実施すればよい。また、第2モードにおける特徴量の取得から補正値の算出までの間隔は、第1モードにおける間隔より長ければよい。特徴量の取得から補正値の算出までの間隔が長くなるほど1回の補正で、多くの特徴量に基づいた高画質な画像処理が可能になる。
バス速度測定部403は、バス205のデータ転送速度を測定し、データ量決定部404へ通知する。バスのデータ転送速度は、例えば、あらかじめ決められたサイズのデータを画像表示装置201から他の画像表示装置へ送信し、送信に要した時間から算出できる。なお、前回測定したデータ転送速度、ユーザによる設定値をデータ転送速度として用いてもよい。
データ量決定部404は、送受信モード決定部402から通知されるモードとバス速度測定部403から通知されるバスのデータ転送速度に基づいて、入力画像から取得する特徴量のデータ量を決定し、特徴量取得部103へ通知する。例えば、特徴量送受信処理のモードが第1モードであり、バスのデータ転送速度が6MByte/秒、特徴量送受信で利用することのできる処理時間を2msと仮定する。すると、送受信することのできるデータ量は合計で、6×1024×2/1000≒12KByteと計算される。また、画像表示装置の総数が4台であるマルチディスプレイシステムの場合、1台の画像表示装置から他の3台の画像表示装置へ特徴量を送信する必要があるため、3回特徴量を送受信する必要がある。よって、全ての画像表示装置で特徴量を共有するためには3回×4台=1
2回の特徴量送受信をする必要がある。そのため、データ量決定部404により、12KByte/12=1KByteが入力画像から取得する特徴量のデータ量と決定される。
同様に、特徴量送受信処理のモードが第2モードであり、バスのデータ転送速度が6MByte/秒、特徴量送受信で利用することのできる処理時間を19msと仮定する。すると、入力画像から取得する特徴量のデータ量を、データ量決定部404が、(6×1024×19/1000)/12≒10KByteと決定する。なお、本実施形態では特徴量送受信処理の各モードにおける特徴量の取得から補正値の算出までの間隔があらかじめ決定しており、その間隔に基づき入力画像から取得する特徴量のデータ量を決定する。しかし、特徴量送受信処理の各モードごとに入力画像から取得できる特徴量のデータ量をあらかじめ決定しておき、それに基づいて、各モードの特徴量の取得から補正値の算出までの間隔を決定してもよい。
次に特徴量取得部103について詳細に説明する。図7は特徴量取得部103の構成の概略を表すブロック図である。特徴量取得部103は、分割数決定部701、特徴量算出部702を備える。ローカルディミングのような画像の位置ごとに補正を行う処理においては、入力画像を複数のブロックに分割し、分割したブロック毎に特徴量を取得することが一般的である。分割のブロック数が多いほど高画質化の面では望ましいが、特徴量のデータ量はブロック数に比例して大きくなる。分割数決定部701は、モード決定部102から通知されるデータ量に応じて、特徴量を取得する際のブロック分割の分割数を決定する。
例えば、1ブロックあたりの特徴量のデータ量が100Byteであるとあらかじめ設定すると、特徴量送受信処理のモードが第1モードである場合、画像表示装置あたりの分割数は1KByte/100Byte≒10と計算される。同様に、1ブロックあたりの特徴量のデータ量が100Byteであるとすると、特徴量送受信処理のモードが第2モードである場合、分割数は10KByte/100Byte≒100と計算される。この時、画像全体のブロック分割数はそれぞれ、第1モードの場合は10×4=40、第2モードの場合は100×4=400となる。
特徴量算出部702は、分割数決定部701により決定された画像表示装置あたりのブロック分割数に従って入力画像を分割し、ブロック毎に画像を解析することによって輝度ヒストグラム等の画像特徴量を算出する。算出された特徴量は全画面特徴量算出部105へ送信されるとともに、特徴量送受信部104を介して他の画像表示装置へ送信される。
なお、本実施形態の特徴量取得部103は、1ブロックあたりの特徴量のデータ量をあらかじめ設定しておき、データ量決定部404で決定された特徴量のデータ量に基づき、ブロック分割数を変化させているが、その方法に限らない。例えば、ブロック分割数をあらかじめ設定しておき、データ量決定部404で決定された特徴量のデータ量に基づき、1ブロックあたりの特徴量のデータ量を変化させる等の方法でもよい。
次に全画面特徴量算出部105について詳細に説明する。図8は全画面特徴量算出部105の構成の概略を表すブロック図である。全画面特徴量算出部105は、特徴量記憶部801、特徴量合算部802を備える。特徴量記憶部801は、特徴量取得部103によって取得された特徴量、および特徴量送受信部104によって受信された特徴量を保持する。なお、全ての画像表示装置の特徴量は、マルチディスプレイシステムを構成する画像表示装置ごとに保持される。特徴量記憶部801は、マルチディスプレイを構成する全ての画像表示装置からの特徴量がそろうと、特徴量合算部802へ通知する。特徴量合算部802は、各画像表示装置で取得された特徴量の合算処理を行う。この合算処理により、全ての画像表示装置に基づいた特徴量が算出できる。特徴量の合算処理には、最大値、最
小値、平均値の算出等がある。
次に、画像表示装置201の処理の流れについて説明する。図9は画像表示装置201の処理を表すフローチャートである。画像表示装置201は、まず、外部機器から表示する画像を受信する(901)。次に受信した画像の特徴量を取得し(902)、取得した特徴量を他の画像表示装置へ送信する(903)。次に他の画像表示装置から、各画像表示装置で処理している画像の特徴量を受信し、全ての特徴量がそろうまで待機する(904)。全ての画像表示装置から特徴量を受信すると、ステップ902、およびステップ904で取得した特徴量に基づいて全画面特徴量を算出する(905)。次に全画面特徴量を基に補正値を算出し(906)、算出された補正値を用いて画像処理を行い(907)、表示する。以降、ステップ901〜ステップ907の処理を外部機器からの画像受信が終了するまで繰り返す(908)。
なお、本実施形態の各機能部は、個別のハードウェアであってもよいし、そうでなくてもよい。2つ以上の機能部の機能が、共通のハードウェアによって実現されてもよい。1つの機能部の複数の機能のそれぞれが、個別のハードウェアによって実現されてもよい。1つの機能部の2つ以上の機能が、共通のハードウェアによって実現されてもよい。また、各機能部は、ASIC、FPGA、DSP等のハードウェアによって実現されてもよいし、そうでなくてもよい。例えば、装置が、プロセッサーと、制御プログラムが格納されたメモリとを有していてもよい。そして、装置が有する少なくとも一部の機能部の機能が、プロセッサーがメモリから制御プログラムを読み出して実行することにより実現されてもよい。
(効果)
以上、説明してきたように実施形態1によれば、画像処理に利用される特徴量のデータ量や画像処理の演算時間が増大する場合においても、コンテンツ種別に応じて、画像処理を行うことができる。よって、動画であれば変化するシーンへ追従した画像処理が、静止画であれば多くの特徴量に基づいた高性能な画像処理が可能となる。
<実施形態2>
実施形態2は、実施形態1のコンテンツ種別の代わりに、入力画像からシーンチェンジを検出し、シーンチェンジ検出から一定の期間は特徴量送受信処理を第1モード、その他の期間は第2モードで処理を行うものである。
図10は実施形態2に係る画像表示装置の構成の概略を表すブロック図である。実施形態1と比較すると、コンテンツ種別受付部401が削除され、シーンチェンジ検出部1001が追加されている。また、モード決定部1002は、実施形態1におけるモード決定部102と比較し処理に差異があるため、新たに符号を付与した。なお、実施形態1と同一の部分には同一の符号を付与し、詳細な説明は省略する。
シーンチェンジ検出部1001は、全画面特徴量算出部105により算出される全画面特徴量に基づいてシーンチェンジを検出し、モード決定部1002へ通知する。シーンチェンジの検出には、公知の技術を利用することができる。例えば、前のフレームと現在のフレームにおける入力画像の、APLの変化量や輝度の最大値の変化量を算出し、算出された変化量が、あらかじめ設定した閾値以上である場合にシーンチェンジであると判定する方法がある。モード決定部1002は、シーンチェンジ検出部1001より通知されるシーンチェンジ情報に基づいて特徴量送受信処理のモードを決定する。
図11はモード決定部1002の構成の概略を表すブロック図である。なお、実施形態1におけるモード決定部102の構成と比較すると、送受信モード決定部1101と、実
施形態1における送受信モード決定部402の処理に差異があるため、新たに符号を付与した。送受信モード決定部1101は、特徴量送受信処理のモードの初期値を第2モードに決定する。その後、シーンチェンジ検出部1001よりシーンチェンジが通知されると、特徴量送受信処理のモードを第1モードに決定し、一定期間シーンチェンジが通知されない状態が続いた場合、再度第2モードに決定する。なお、特徴量送受信処理のモードの初期値として、実施形態1と同様にコンテンツの種類に応じた特徴量送受信処理のモードを利用するものとしてもよい。その後、送受信モード決定部1101は、決定した特徴量送受信処理のモードをデータ量決定部404、および特徴量送受信部104へ通知する。
(効果)
以上説明してきたように実施形態2によれば、シーンチェンジが検出されてから一定期間においては第1モードを利用することで、変化するシーンへ追従した画像処理を施す。それ以外の期間においては第2モードを利用することで多くの特徴量に基づいた高画質な画像処理を施すことが可能となる。これにより、ユーザの手を介すことなく、入力された画像に応じて、人間にとって見やすい画像を画像表示装置が表示することができる。
<実施形態3>
実施形態1および実施形態2に記載のマルチディスプレイシステムを構成する画像表示装置は、画像表示装置間の特徴量の送受信処理のモードを、それぞれ特徴量の伝送量が異なるモード間で切り替える。実施形態3に記載のマルチディスプレイシステムを構成する画像表示装置は、マルチディスプレイシステムにおける当該画像表示装置の自身の位置に応じて特徴量を抽出する抽出領域を画面内に1つまたは複数、設定する。これにより、マルチディスプレイシステムを構成する画像表示装置の間での特徴量の転送量を抑制しつつ、マルチディスプレイシステムに表示される画像を好適に表示させることを可能とする。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態3に係る画像表示装置について詳細に説明する。実施形態3に係る、マルチディスプレイシステム3200は、画像表示装置3201、画像表示装置3202、画像表示装置3203、および画像表示装置3204の4台の画像表示装置で構成される。マルチディスプレイシステム3200の構成は、図2に示した構成と同様であるとする。つまり、画像表示装置3201、画像表示装置3202、画像表示装置3203、および画像表示装置3204はバス3205を介して互いに接続される。
画像表示装置3201〜3204は、各画像表示装置が処理している画像の特徴量を、バス3205を介して送受信することが可能である。なお、マルチディスプレイシステムを構成する画像表示装置3201〜3204は、同様の構成を持つとする。以下では、画像表示装置3201について詳細に説明を行い、他の画像表示装置3202〜3204については説明を省略する。
図12は画像表示装置3201の構成の概略を表すブロック図である。画像表示装置3201は、画像入力部3101、ブロック設定部3102、特徴量取得部3103、特徴量送受信部3104、全画面特徴量算出部3105、画像処理部3106、補正値算出部3107、表示部3108、および表示位置設定部3109を備える。
画像入力部3101、特徴量送受信部3104、全画面特徴量算出部3105、画像処理部3106、補正値算出部3107、および表示部3108は、実施形態1および実施形態2に記載の同名の機能ブロックと同等であることから、説明を省略する。
ブロック設定部3102は、表示位置設定部3109から取得したマルチディスプレイシステムにおける画像表示装置3201の位置に基づいて、特徴量を抽出(取得)する1以
上のブロック(抽出領域)を設定する。ブロック設定部3102は、表示部3108の画面のうち、他の画像表示装置から所定の距離より近い領域に含まれるブロックの大きさが、他の画像表示装置から所定の距離以上離れた領域に含まれるブロックの大きさより小さくなるようにブロックの配置を設定する。また、ブロック設定部3102は、他の画像表示装置と隣接する隣接領域に含まれるブロックの数が、隣接領域よりも他の画像表示装置からの距離が遠く隣接領域と同じ面積の領域に含まれるブロックの数よりも多くなるようにブロックの配置を設定する。具体的には、ブロック設定部3102は、表示部3108の画面の位置に応じて分割してブロックを決定する。ブロック設定部3102は、決定したブロックを示す情報を特徴量取得部3103へ出力する。ブロック設定部3102の詳細については後述する。なお、上記の距離は、対象のブロックと対象ブロックから最も近く隣接領域に含まれるブロックとの間に存在するブロックの数を示す。例えば、隣接領域に含まれるブロックであれば、距離が0である。
特徴量取得部3103は、ブロック設定部3102より入力されたブロックの配置に基づいて、入力画像に対応する各ブロックの特徴量を抽出する。画像の特徴量は、例えば、輝度値のヒストグラム、平均輝度レベル(APL)、および各画素がエッジであるか否かを表すエッジ度数のうち、少なくとも1つを示すパラメータであるとする。なお、画像の特徴量は、他のパラメータであってもよい。特徴量取得部3103が入力された各ブロックの特徴量を取得する方法は、実施形態1の同名の機能ブロックと同様であるとする。
表示位置設定部3109は、マルチディスプレイシステムにおける画像表示装置3201の表示位置を設定する。図13は、表示位置設定部3109の機能ブロックを示すブロック図である。表示位置設定部3109は、位置取得部3301、および判定部3302を備える。
位置取得部3301は、マルチディスプレイシステム3200における画像表示装置3201の位置を示す位置情報を取得する。例えば、位置取得部3301は、マルチディスプレイシステム3200における複数の画像表示装置の配置を示す情報、および、マルチディスプレイシステム3200において画像表示装置3201がどの位置に相当するかを示す情報を取得するとする。位置取得部3301は、位置情報を判定部3302へ通知する。
図14は、マルチディスプレイシステム3200による表示を表す模式図である。図14(a)は、画像表示装置3201〜3204が、田の字(右上、右下、左上、左下)に配置されてマルチディスプレイシステム3200を構成する場合を示す模式図である。図14(b)は、画像表示装置3201〜3204が、1つの方向に並べて配置されてマルチディスプレイシステム3200を構成する場合を示す模式図である。図14に示すように、同じ台数の画像表示装置で構成されるマルチディスプレイシステムであっても、その配置の方法は複数存在する。
図14(a)に示すようにマルチディスプレイシステム3200が構成されている場合、位置取得部3301は、画像表示装置3201の位置情報として、「田の字配置」(配置を示す情報)および「左上」(どの位置に相当するかを示す情報)を取得する。位置を示す情報は上述の形式に限らない。例えば位置取得部3301は、仮想的なマルチディスプレイ構成空間を設定し、構成空間における画像表示装置の位置を座標で示した情報等であってもよい。
位置情報は、ユーザが画像表示装置3201に表示された設定画面を操作することにより入力することや、各画像表示装置に画像やデータを入力可能な画像再生装置等の外部機器からメタデータ等の形式で入力されることにより取得してもよい。
判定部3302は、画像表示装置3201に隣接する他の画像表示装置が存在する方向を判定する。例えば、図14(a)に示すようにマルチディスプレイシステム3200が構成された場合、画像表示装置3201は、右方向に画像表示装置3202が存在し、下方向に画像表示装置3203が存在し、右下方向に画像表示装置3203が存在する。したがって、判定部3302は、画像表示装置3201に隣接する他の画像表示装置が存在する方向が、右方向、下方向、および右下方向であると判定する。同様に、図14(b)に示すようにマルチディスプレイシステム3200が構成された場合、判定部3302は、画像表示装置3201に隣接する他の画像表示装置が存在する方向が、右方向であると判定する。
次に、ブロック設定部3102について詳細を説明する。図15は、ブロック設定部3102の機能ブロックを示すブロック図である。ブロック設定部3102は、バス速度測定部3601、最大ブロック数決定部3602、および分割決定部3603を備える。
バス速度測定部3601は、バス3205のデータ転送速度を測定し、最大ブロック数決定部3602に出力する。データ転送速度の測定方法は、上述したバス速度測定部403の方法と同等であるとする。バス3205のデータ転送速度の測定は、マルチディスプレイシステムの初期化を指示された場合に実行されるとする。なお、測定は、マルチディスプレイシステムの動作中に、あらかじめ設定された時間ごとに実施してもよい。
最大ブロック数決定部3602は、画像表示装置の3201の取り得るブロックの最大数Nmaxを決定する。最大ブロック数決定部3602は、ブロックの最大数Nmaxを分割決定部3603に出力する。例えば、最大ブロック数決定部3602は、バス3205のデータ転送速度v、転送処理期間P、ブロック1つあたりのデータ量B、およびマルチディスプレイシステムを構成する画像表示装置の数Naに基づいて、画像表示装置の3201の取り得るブロックの最大数Nmaxを決定するとする。具体的には、最大ブロック数決定部3602は、最大数Nmaxを、下記の式1に基づいて取得する。
Figure 2019041365
例えば、データ転送速度vが6MB/秒、処理時間Pが2ms、ブロック1つあたりのデータ量Bが20Byte、およびマルチディスプレイシステムを構成する画像表示装置の数Naが4台であるとすると、ブロックの最大数Nmaxは、52ブロックとなる。
分割決定部3603は、最大ブロック数決定部3602より取得した最大ブロック数Nmaxおよび、表示位置設定部3109より取得した位置情報に基づいて入力画像の特徴量を取得するブロックの配置を決定する。具体的には、分割決定部3603は、ブロックの数が最大ブロック数Nmax以下であり、かつ、他の画像表示装置との距離が所定の距離よりも近いブロックの大きさが、そうでないブロックの大きさよりも小さくなるように、ブロックの配置を決定する。
図16は分割決定部3603の処理を表すフローチャートである。分割決定部3603は、まず、入力画像を初期ブロック数Niで分割する(S3701)。分割決定部3603は、次に、分割決定部3603は、分割ブロック数NtをNiで初期化する(S3702)。分割決定部3603は、基準ブロックサイズSを初期ブロックサイズSiで初期化
する(S3703)。なお、初期ブロック数Niはあらかじめ設定された数でもよいし、ユーザからの入力で設定されてもよい。
分割決定部3603は、隣接ブロックまでの距離Dを0で初期化する(S3704)。ここで隣接ブロックとは、他の画像表示装置と隣接しているブロックのことである。図14(a)の表示の場合、画像表示装置201においては右端および下端に隣接ブロックが存在することになる。また、Siには、初期ブロック数Niで画像を分割した際のブロックサイズを利用する。
分割決定部3603は、ブロックサイズがS以上であり、隣接ブロックまでの距離がDであるブロックをさらに分割することのできるブロックの候補としてその数Nをカウントする(S3705)。分割決定部3603は、Nが0であるか否かを判定し(S3706)、Nが0である場合は終了する。Nが0でなかった場合は、分割決定部3603は、分割候補のブロックを分割した場合のブロック数Ndを算出する(S3707)。
例えば1つのブロックを4つのブロックに分割する場合、ブロック数は3増えるため、N個のブロックを4つのブロックに分割する場合のブロック数Ndは、Nd=Nt+N×3として算出される。
分割決定部3603は、Ndをブロック数の最大値Nmaxと比較する(S3708)。NdがNmax以下である場合、分割決定部3603は、分割候補のブロックを分割する(S3709)。分割決定部3603は次に、ブロック数Ntを分割後のブロック数Ndで更新する(S3710)。分割決定部3603は、更新後のNtをNmaxと比較する(S3711)。
分割決定部3603は、NtがNmax以上である場合は、処理を終了する。NtがNmaxより小さい場合、分割決定部3603は、基準ブロックサイズSをS3709で分割されたブロックのサイズで更新し、再びS3705へ遷移する(S3712)。S3708でNdがNmaxより大きい場合、分割決定部3603は、隣接ブロックまでの距離DをD+1で更新し、再びS3705へ遷移する(S3713)。
図を用いて分割決定部3603の処理の具体例を説明する。図17は画像表示装置3201のブロックの配置を示す模式図である。図17(a)は初期ブロック数Niで入力画像を等分割して得られたブロックの配置を示す模式図である。図17において、斜線部分は他の画像表示装置が表示している部分を表す。ここで、初期ブロック数Niは16であり、最大ブロック数Nmax=52であるとする。分割候補ブロックは、右端部および下端部に設けられたブロックであり、分割候補ブロックの数Nは、7である。
S3707の処理により、Ndは37(Nd=Nt+N×3=16+7×3=37)となる。NdはNmax=52以下であるため、分割決定部3603は、分割候補のブロックを分割し、Ntを更新する。図17(b)は分割候補のブロックを分割したあとのブロックの配置を示す模式図である。分割候補ブロックが4つに分割される。
更新後のNtはNmax=52より小さいため、分割決定部3603は、基準ブロックサイズSを更新し、再度分割候補のブロック数Nをカウントする。分割候補ブロックは、図17(b)における右端部および下端部のブロックであり、分割候補ブロックの数Nは15である。この場合、Ndは82(37+15×3=82)となる。したがって、分割決定部3603は、NdがNmax=52より大きくなるため、隣接ブロックまでの距離Dに1加算してD=1とする。
ここで、図を用いて隣接ブロックまでの距離Dについて説明する。図18は、図17(b)のブロック配置における各ブロックの隣接ブロックまでの距離Dを表す模式図である。図18において、斜線部分は、他の画像表示装置が表示している部分を表している。隣接ブロックは、他の画像表示装置の表示領域に隣接するブロックである。隣接ブロックの距離Dは、0である。また、隣接ブロックに接し、かつ他の画像表示装置の表示領域に隣接しないブロックは、隣接ブロックまでの距離D=1である。同様に、距離Dが1のブロックに接し、かつ他の画像表示装置の表示領域および隣接ブロックに隣接しないブロックは、隣接ブロックまでの距離D=2である。
図17(b)のブロック配置において、距離Dが1であるブロックを分割候補ブロックとすると、分割候補ブロック数Nは13である。この場合、Ndは76(=37+13×3)となる。この場合においても、NdがNmax=52より大きいため、距離Dが2に更新される。
図17(b)のブロック配置において、距離Dが2であるブロックを分割候補ブロックとすると、分割候補ブロック数Nは5である。この場合、Ndは52(=37+5×3)となる。NdがNmax=52以下となることから、分割候補ブロックを分割する。
図17(c)は、上述の分割候補ブロックの分割処理を実行したあとの、ブロックの配置を示す模式図である。上述の処理により、ブロックの配置および、分割の状態は図17(c)のようになる。分割後のNtはNmax以上であるため、分割を終了し、ブロックの配置が決定される。なお、本実施形態では、図16のフローのように、ブロックの配置を決定させたが、あらかじめ、ブロックの配置を複数パターン用意しておき、最大ブロック数Nmaxに応じ選択させてもよい。例えば、図17(a)〜(c)のブロックの配置を用意しておき、Nmaxが52以上であれば図17(c)が選択され、Nmaxが37〜51であれば図17(b)が選択されるようにする。このように事前にブロック配置のパターンを複数用意し、そこから適切なブロック配置を選択することにより、画像表示装置の処理を簡潔にすることができる。
(効果)
上述処理によれば、マルチディスプレイシステムを構成する画像表示装置において、他の画像表示装置の表示領域から所定の距離より近い表示領域のブロックが、所定の距離以上離れた表示領域のブロックよりも小さくなるように決定される。これにより、他の画像表示装置の表示領域と隣接し、画像を表示する上で影響度が強い表示領域の特徴量を細かく取得することが可能となる。また、そうでない表示領域のブロックを大きく設定することで、画像表示装置から出力されるデータの総量の増大を抑制することが可能となる。なお、本実施形態での、所定の距離は図16のフロー終了後の距離Dに対応した値である。
画像を複数のブロックに分割して画像処理を行う場合に、他の画像表示装置の表示と隣接する部分に優先的にブロックを割り当てる。したがって、特徴量交換のためのバスのデータ転送速度が不足する場合においても、入力画像全体の特徴量に基づいた画像処理を行うことが可能となる。
(変形例1)
実施形態3では、画像表示装置の3201の取り得るブロックの最大数Nmaxに基づきブロック配置を決定した。しかし、ブロックの分割数とブロックサイズを固定し、各ブロックごとに取得される特徴量のデータ量を変化させても同様の効果を得ることができる。このとき、画面の表示領域を等分割で分割したブロックを作成する。そして、他の画像表示装置の表示領域から所定の距離以上離れている表示領域のブロックからよりも、他の画像表示装置の表示領域から所定の距離より近い表示領域のブロックから多くの特徴量を
取得するようにする。
これは、実施形態3と同じ考え方で実現できる。具体的に、図17(a)のように均等に16つのブロックに分割される場合について説明する。ここでは、実施形態3におけるブロック配置決定前を示す図17(a)の1つブロックに対応する、ブロック配置決定後を示す図17(c)のブロックの数で、各ブロックの特徴量を決定する。例えば、図17(a)における最も左上のブロックは、図17(c)においても分割されておらず同じ大きさのブロックであるため、実施形態3と同様にブロック1つあたり特徴量を20Byteとされる。それに対し、図17(a)における最も右下のブロックは、図17(c)において分割されており4つのブロックにされているため、ブロック1つあたり特徴量を20Byte×4=80byteとされる。これにより、図17(a)のように均等にブロックが分割された配置においても、画像を表示する上で影響度が強い他の画像表示装置に近い画面は多くの特徴量に基づいて表示することができる。
(その他の実施形態)
上記の実施形態における各表示部は、画像を表示する表示モジュールを有していてもよい。表示モジュールは、画面に画像を表示するためのモジュールである。例えば、表示モジュールは、バックライトと、バックライトから照射された光を透過(変調)して画面に画像を表示する液晶パネルとを有する液晶ディスプレイモジュールであるとする。なお、自発光型の素子を複数有し画像を表示するディスプレイモジュールであってもよい。
例えば、表示モジュールの画面の解像度は、2Kであるとする。画像表示装置201〜204を組み合わせることにより、4Kの解像度で画像を表示可能なマルチディスプレイシステムを構成することが可能となる。
また、実施形態1〜3に記載の処理を複数組み合わせて実行することも可能である。さらに、実施形態1に示したように表示する画像のコンテンツ種別に応じて、実施形態3の処理を実行するか否かを制御することも可能である。また、実施形態2に示したようにシーンチェンジの検出から所定の期間内か否かに応じて、実施形態3の処理を実行するか否かを制御してもよい。
本発明は、上記の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサーがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。
102:モード決定部
103:特徴量取得部
104:特徴量送受信部
106:画像処理部
201:画像表示装置
402:送受信モード決定部

Claims (16)

  1. 2台以上の画像表示装置によって1つの画像を表示するシステムを構成する画像表示装置であって、
    特徴量送受信を行う送受信処理のモードを決定する決定手段と、
    前記送受信処理のモードに基づいて入力画像から特徴量を取得する取得手段と、
    前記送受信処理のモードに基づいて他の画像表示装置との間で、特徴量を送受信する送受信手段と、
    前記取得手段で取得した特徴量、および前記送受信手段で他の画像表示装置から受信した特徴量に基づいて前記入力画像を処理する画像処理手段と、
    前記画像処理手段に処理された前記入力画像に基づいて画像を表示する表示手段と、
    を有し、
    前記送受信処理のモードは、第1モードと第2モードを含み、
    前記第1モードは、送受信1回あたりの特徴量のデータ量が前記第2モードに比べ少なく、
    前記第2モードは、時間あたりの特徴量送受信の回数が前記第1モードと比べ少ない、
    ことを特徴とする画像表示装置。
  2. 前記決定手段は、
    前記入力画像のコンテンツ種別が、動画であれば、前記送受信処理のモードを第1モードに切り替え、
    前記入力画像のコンテンツ種別が、静止画であれば、前記送受信処理のモードを第2モードに切り替える、
    ことを特徴とする請求項1に記載の画像表示装置。
  3. 入力画像のシーンチェンジを検出するシーンチェンジ検出手段を備え、
    前記決定手段は、
    シーンチェンジが検出された場合は、前記送受信処理のモードを、前記第1モードに切り替え、
    あらかじめ設定した期間、シーンチェンジが検出されない場合は、前記送受信処理のモードを、前記第2モードに切り替える、
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像表示装置。
  4. 前記決定手段は、ユーザからの入力に基づき、前記送受信処理のモードを切り替えることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  5. 前記決定手段は、前記送受信処理のモード、画像表示装置の総数、および画像表示装置間のデータ転送速度に基づいて、前記データ量を決定する請求項1から4のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  6. 前記取得手段は、入力画像をブロックごとに分割した各ブロックの特徴量を取得するものであり、
    前記取得手段は、前記決定手段により決定されたデータ量と、1ブロックあたりのあらかじめ設定された特徴量のデータ量に基づき、入力画像のブロック分割数を決定し、
    前記送受信手段は、前記取得手段で取得した各ブロックの特徴量を送受信することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  7. マルチディスプレイシステムにおける自身の位置に応じて、前記画像表示装置の画面の複数の抽出領域を設定する第1設定手段をさらに備え、
    前記取得手段は前記抽出領域に対応する前記入力画像の特徴量を取得する、
    ことを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  8. 他の画像表示装置とマルチディスプレイシステムを構成する画像表示装置であって、
    入力画像を取得する第1取得手段と、
    前記マルチディスプレイシステムにおける自身の位置に応じて、前記画像表示装置の画面の複数の抽出領域を設定する第1設定手段と、
    各抽出領域に対応する前記入力画像の第1特徴量を他の画像表示装置に出力する出力手段と、
    前記第1特徴量を用いて前記入力画像を処理する画像処理手段と、
    前記画像処理手段によって処理された前記入力画像に基づいて画像を表示する表示手段と、
    を備えることを特徴とする画像表示装置。
  9. 前記他の画像表示装置に入力された画像の第2特徴量を取得する第2取得手段をさらに備え、
    前記画像処理手段は、前記第1特徴量と前記第2特徴量とを用いて、前記入力画像を処理することを特徴とする請求項8に記載の画像表示装置。
  10. 前記第1設定手段は、前記画面のうち前記他の画像表示装置から所定の距離より近い第1領域に含まれる前記抽出領域の大きさを、前記他の画像表示装置から所定の距離以上離れた前記画面の第2領域に含まれる前記抽出領域の大きさよりも、小さく設定することを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  11. 前記マルチディスプレイシステムにおける前記画像表示装置の位置を設定する第2設定手段を備えることを特徴とする請求項7から請求項10のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  12. 前記表示手段は、
    光を照射するバックライトと、
    前記バックライトから照射された光を変調して画面に画像を表示する表示パネルと、
    を備えることを特徴とする請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の画像表示装置。
  13. 2台以上の画像表示装置によって1つの画像を表示するシステムを構成する画像表示装置が実行する制御方法であって、
    特徴量送受信を行う送受信処理のモードを決定する決定工程と、
    前記送受信処理のモードに基づいて入力画像から特徴量を取得する取得工程と、
    前記送受信処理のモードに基づいて他の画像表示装置との間で、特徴量を送受信する送受信工程と、
    前記取得工程で取得した特徴量、および前記送受信工程で他の画像表示装置から受信した特徴量に基づいて前記入力画像を処理する画像処理工程と、
    前記画像処理工程で処理された前記入力画像に基づいて画像を表示する表示制御工程と、
    を有し、
    前記送受信処理のモードは、第1モードと第2モードを含み、
    前記第1モードは、送受信1回あたりの特徴量のデータ量が前記第2モードに比べ少なく、
    前記第2モードは、時間あたりの特徴量送受信の回数が前記第1モードと比べ少ない、
    ことを特徴とする画像表示装置の制御方法。
  14. 他の画像表示装置とマルチディスプレイシステムを構成する画像表示装置の制御方法であって、
    入力画像を取得する取得工程と、
    前記マルチディスプレイシステムにおける前記画像表示装置の位置に応じて、前記画像表示装置の画面の複数の抽出領域を設定する設定工程と、
    各抽出領域に対応する前記入力画像の第1特徴量を他の画像表示装置に出力する出力工程と、
    前記第1特徴量を用いて前記入力画像を処理する画像処理工程と、
    前記画像処理工程によって処理された前記入力画像に基づいて画像を表示する表示制御工程と、
    を有することを特徴とする画像表示装置の制御方法。
  15. 前記他の画像表示装置に入力された画像の第2特徴量を取得する第2取得工程をさらに有し、
    前記画像処理工程では、前記第1特徴量と前記第2特徴量とを用いて、前記入力画像を処理することを特徴とする請求項14に記載の画像表示装置の制御方法。
  16. 請求項13、請求項14および請求項15のいずれか1項に記載の画像表示装置の制御方法の各工程をコンピュータに実行させるためのプログラム。
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