JP2019041240A - 多周波共用アンテナ及びアンテナの複数周波数帯での使用方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡素な構成で、複数の周波数で給電部を共通で使用可能な多周波共用アンテナを提供する。
【解決手段】多周波共用アンテナは、板と、第1導体と、第2導体と、電流経路切換部と、給電部と、を備える。前記板は、誘電体から構成される。前記第1導体は、前記板の厚み方向の一側の面に配置される。前記第2導体は、前記板の厚み方向の他側の面に配置され、外周に切欠部を有する。前記電流経路切換部は、前記切欠部を跨ぐように前記第2導体同士を接続し、電波の周波数に応じて電流の通過と阻止を切換可能である。前記給電部は、前記第2導体と給電線とを電気的に結合する。
【選択図】図1
【解決手段】多周波共用アンテナは、板と、第1導体と、第2導体と、電流経路切換部と、給電部と、を備える。前記板は、誘電体から構成される。前記第1導体は、前記板の厚み方向の一側の面に配置される。前記第2導体は、前記板の厚み方向の他側の面に配置され、外周に切欠部を有する。前記電流経路切換部は、前記切欠部を跨ぐように前記第2導体同士を接続し、電波の周波数に応じて電流の通過と阻止を切換可能である。前記給電部は、前記第2導体と給電線とを電気的に結合する。
【選択図】図1
Description
本発明は、主として、異なる周波数において送信及び受信のうち少なくとも一方が可能な多周波共用アンテナに関する。
近年、例えば、GNSS(Global Navigation Satellite System)の一種であるGPSでは、測位精度を高めるために、従来のL1帯及びL2帯に加えて、L5帯と呼ばれる新しい周波数帯域の信号が利用されつつある。また、ロシアのGLONASS等、GPSで用いられない周波数帯の信号を用いるGNSSについて本格的な利用が開始されており、複数のGNSSを利用することで利用可能な衛星を増加させるマルチGNSSの導入が進められている。
このように電波の利用周波数帯が多様化及び複雑化するのに伴い、複数の周波数に対応できる多周波共用アンテナが提案されている。特許文献1及び2は、この種の多周波数共用アンテナを開示する。
特許文献1の多周波数共用アンテナは、地板の上方に、互いに間隔をおいて異なる周波数用の複数のパッチアンテナを積み重ねるように配置する構成となっている。
特許文献2の多周波共用アンテナは、1つの誘電体基板の上部平面に高周波用パッチと低周波用パッチとが形成され、それぞれのパッチに専用の給電点を設ける構成となっている。
しかし、上記特許文献1の構成は、アンテナを複数積み重ねるため、小型化、構造の簡素化及び製造工数の低減が難しく、この点で改善の余地があった。
また、上記の特許文献2の構成では、高周波用パッチ及び低周波用パッチのそれぞれが専用の給電点により給電される。従って、特許文献2の多周波共用アンテナに対して1つの受信系を用いる場合、異なる給電点からの信号を合成して受信系に出力するための信号合成回路を別途設ける必要があって、結果的に、受信のための構造が複雑になってしまう。
本発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、簡素な構成で、複数の周波数で給電部を共通で使用可能な多周波共用アンテナを提供することにある。
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段とその効果を説明する。
本発明の第1の観点によれば、以下の構成の多周波共用アンテナが提供される。即ち、この多周波共用アンテナは、板と、第1導体と、第2導体と、電流経路切換部と、給電部と、を備える。前記板は、誘電体から構成される。前記第1導体は、前記板の厚み方向の一側の面に配置される。前記第2導体は、前記板の厚み方向の他側の面に配置され、外周に切欠部を有する。前記電流経路切換部は、前記切欠部を跨いで前記第2導体同士を接続し、電波の周波数に応じて電流の通過と阻止を切換可能である。前記給電部は、前記第2導体と給電線とを電気的に結合する。
これにより、簡素な構成で、誘電体板に配置された第2導体において、電流経路切換部を通過する電流経路と、当該電流経路切換部を通過せずに切欠部を迂回する電流経路と、を形成することができる。即ち、電流経路切換部を電流が通過する状態と、通過しない状態と、を周波数に応じて切り換えることにより、異なる周波数の電波に対応することができる。また、複数の周波数について給電部を共用できるので、アンテナの簡素な構成を実現することができる。
前記の多周波共用アンテナにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記第2導体は、向かい合う2つの辺を有する形状に形成される。前記切欠部は、前記辺のそれぞれに形成されている。
これにより、簡素な構成で、円偏波又は直線偏波のためのアンテナを実現することができる。
前記の多周波共用アンテナにおいては、以下の構成とすることが好ましい。即ち、前記第2導体は、多角形に形成される。前記切欠部は、前記第2導体の多角形が有する辺の中央部に設けられる。前記切欠部は、第1部分と、第2部分と、を有する。前記第1部分は、前記辺に接続する。前記第2部分は、前記第1部分が前記辺と接続する側と反対側で前記第1部分に接続する。前記第2部分は前記第1部分より幅が広く形成される。前記電流経路切換部は、前記第2導体のうち前記第1部分を挟んで配置される導体部分同士を接続する。
これにより、複数の電流経路を切り換える構成を、第1部分と電流経路切換部との組み合わせによってコンパクトに実現することができる。また、幅が広い第2部分によって、切欠部を迂回する電流経路の長さを大きく確保することが可能になり、設計の自由度を高めることができる。
前記の多周波共用アンテナにおいては、前記電流経路切換部は、周波数によってインピーダンスが変化する回路から構成されることが好ましい。
これにより、周波数に応じてインピーダンスが変化することを利用して、電流の通過/阻止を切り換えることができる。
前記の多周波共用アンテナにおいては、前記電流経路切換部は、LC直列回路、LC並列回路、コンデンサ、インダクタのうち何れか1つから構成されることが好ましい。
これにより、周波数に応じて電流の通過/阻止を切り換える簡素な構成を実現することができる。
前記の多周波共用アンテナは、GNSSに用いられることが好ましい。
即ち、コンパクトな構成で多周波での動作を実現できる本発明の多周波共用アンテナは、GNSS(マルチGNSSを含む。)において複数の周波数の電波を受信して測位する場合に特に好適である。
本発明の第2の観点によれば、以下のようなアンテナの複数周波数帯での使用方法が提供される。即ち、誘電体板の厚み方向の一側の面に第1導体を備え、厚み方向の他側の面に、外周に切欠部を有する第2導体を備え、前記切欠部を跨いで前記第2導体同士を接続する電流経路切換部が設けられ、前記第2導体と給電線とを電気的に結合する給電部が設けられたアンテナにおいて、第1周波数の信号に対しては、前記電流経路切換部が電流を通過させる。前記第1周波数よりも低い周波数である第2周波数の信号に対しては、前記電流経路切換部が電流の通過を阻止する。
これにより、簡素な構成で、誘電体板に配置された第2導体において、電流経路切換部を通過する電流経路と、当該電流経路切換部を通過せずに切欠部を迂回する電流経路と、を構成することができる。即ち、電流経路切換部を電流が通過する状態と、通過しない状態と、を周波数に応じて切り換えることにより、異なる周波数の電波に対応することができる。また、複数の周波数について給電部を共用できるので、アンテナの簡素な構成を実現することができる。
次に、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る多周波共用アンテナ1の構成を示す図である。
図1に示す多周波共用アンテナ1は、GNSS等の多周波受信システムに用いられる。この多周波共用アンテナ1は、誘電体板(板)2と、接地導体(第1導体)3と、パッチ導体(第2導体)4と、電流経路切換部5と、給電部6と、を備える。
多周波共用アンテナ1はパッチアンテナであり、誘電体板2、接地導体3及びパッチ導体4は、例えばプリント基板から構成することができる。これにより、安価な多周波共用アンテナ1を提供することができる。
誘電体板2は、例えば、誘電性が優れたセラミック、ガラスエポキシ等の材料を用いて、正方形の板状に形成されている。誘電体板2には、正方形が有する4つの辺のそれぞれの2等分点に対応する位置に、当該誘電体板2を図略のネジにより固定するための貫通孔21が形成されている。それぞれの貫通孔21は、誘電体板2の正方形の辺から内側に少し離れて配置されている。
接地導体3は、金属製の薄板乃至薄膜から構成され、誘電体板2の厚み方向の一側の面に配置されている。接地導体3は、誘電体板2とほぼ同じ大きさの正方形に形成されている。
パッチ導体4は、金属製の薄板乃至薄膜から構成されている。パッチ導体4は、誘電体板2の厚み方向で、パッチ導体4が形成された側と反対側の面に配置されている。パッチ導体4は、図1に示すように、多角形、もっと言えば、矩形の一種である正方形に形成されている。パッチ導体4の正方形は、誘電体板2の正方形より若干小さくなっている。パッチ導体4の正方形が有する4つの辺のそれぞれの途中部には、外側が開放された切欠部40が形成されている。
切欠部40は、パッチ導体4の正方形が有する4つの辺のそれぞれの2等分点に配置され、内側に向かって凹むようにパッチ導体4の一部を切り取って形成されている。それぞれの切欠部40は、スリット部(第1部分)7と、拡大部(第2部分)8と、から構成される。
スリット部7は、一定の幅を有する直線状に細長いスリットとして形成されている。スリット部7の長手方向一側の端部は、パッチ導体4の辺の中央部に垂直に接続されている。
拡大部8は、円形に形成されており、スリット部7よりもパッチ導体4の中央に近い側に配置されている。拡大部8は、スリット部7より幅が広く形成されている。スリット部7がパッチ導体4の縁部に接続する側と反対側の端部が、拡大部8に接続されている。
拡大部8は、その中心が貫通孔21の中心と一致するように配置され、貫通孔21に差し込まれた図略の固定用ビスの頭部より大きく形成されている。これにより、誘電体板2が固定されている状態において、固定用ビスの頭とパッチ導体4との接触を回避できる。そして、拡大部8の部分に貫通孔21が配置されることで、パッチ導体4の面積を広く確保しつつ誘電体板2を他の部材に固定することができる。
電流経路切換部5は、切欠部40に対応して配置されており、電波の周波数に応じて、当該電流経路切換部5における電流の通過又は阻止を切り換えることができる。本実施形態において、電流経路切換部5は、パッチ導体4のうち切欠部40を挟んで配置される導体部分同士の間に挿入されるコンデンサ(素子)から構成されている。このコンデンサは表面実装タイプの小さなチップ状に構成されており、パッチ導体4の正方形の辺の近傍で、切欠部40のスリット部7を跨ぐように配置されている。4つの電流経路切換部5において、コンデンサは同一のものが用いられている。コンデンサのそれぞれの電極は、パッチ導体4のうちスリット部7を挟んで配置される導体部分のそれぞれに、ハンダ付け等の適宜の方法で電気的に接続されている。
このコンデンサは、共振回路の一種であるということができる。即ち、コンデンサは寄生的なインダクタンス成分を有しており、自己共振周波数では当該コンデンサのインピーダンスが最小になるが、自己共振周波数と大きく異なる周波数においては、大きなインピーダンスを示す。このように、電流経路切換部5は、コンデンサの自己共振特性を利用することにより、周波数に応じて電流の通過と阻止とを切り換えることができる。なお、コンデンサの代わりに、インダクタを用いることもできる。
言い換えれば、この電流経路切換部5は、周波数に応じて、切欠部40をスキップしてパッチ導体4の外周を(正方形に沿って)流れる電流経路と、切欠部40を迂回しながらパッチ導体4の外周を流れる電流経路と、を切り換えることができる。即ち、パッチ導体4の外周の経路の実質的な長さが段階的に変更される。
電流経路切換部5として、コンデンサ又はインダクタを単独で用いる回路に代えて、LC直列回路又はLC並列回路を用いても良い。この場合、LC直列回路又はLC並列回路の共振特性を利用することで、周波数に応じた電流の通過と阻止の切換を実現することができる。
給電部6は、パッチ導体4に設けられた2つの給電点6a,6bから構成される。それぞれの給電点6a,6bにおいて、図示しない給電線が、例えばハンダ付け等の適宜の方法によってパッチ導体4と電気的に結合される。給電部6は、パッチ導体4と給電線との電気的な結合部であるということができる。
給電点6aと給電点6bとは、パッチ導体4の中心から見た位相が互いに90°異なっており、かつ、前記中心から互いに等しい距離だけ離れた位置に設けられている。本実施形態の多周波共用アンテナ1は、上記の構成の給電部6を用いて、いわゆる2点給電方式で円偏波の受信を行う。
続いて、本実施形態の多周波共用アンテナ1のパッチ導体4において形成される複数の電流経路について、図2を参照して詳細に説明する。図2は、パッチ導体4における電流の経路が切り換わる様子を拡大して示す斜視図である。
本実施形態の多周波共用アンテナ1においては、パッチ導体4に設けられた切欠部40と電流経路切換部5との組合せを用いて、パッチ導体4において複数(具体的には、2つ)の電流経路を形成することができる。1つは、図2(a)に示すように、電流経路切換部5を通過する電流経路Aである。もう1つは、図2(b)に示すように、電流経路切換部5を通過せずに切欠部40を迂回する電流経路Bである。2つの電流経路A,Bの長さは、互いに異なっている。
知られているように、パッチアンテナが動作する周波数帯は、パッチ導体の外周を流れる電流の経路の長さに依存している。この点、本実施形態の多周波共用アンテナ1は異なる長さの電流経路を有しているので、それぞれに対応する周波数帯で動作することができる。電流経路Aは電流経路Bより短く形成されているので、電流経路Aに対応する周波数は、電流経路Bに対応する周波数より高くなる。以下の説明では、電流経路Aに対応する周波数を第1周波数と呼び、電流経路Bに対応する周波数を第2周波数と呼ぶことがある。
本実施形態では、電流経路切換部5におけるコンデンサとして、短い側の電流経路Aに対応する周波数とほぼ一致する自己共振周波数(以下、faとする)を有するものが用いられている。従って、自己共振周波数faに相当する帯域では、4つの電流経路切換部5のそれぞれにおいてコンデンサのインピーダンスが小さくなるため、図2(a)に示すように、電流は切欠部40を迂回せずに電流経路切換部5を通過する。従って、電流経路Aと周波数faとが対応することになる。一方、自己共振周波数よりもある程度低い所定の周波数(以下、fbとする)の帯域では、4つの電流経路切換部5のそれぞれにおいてコンデンサのインピーダンスが大きくなるため、図2(b)に示すように、電流は切欠部40を迂回する。従って、周波数fbを電流経路Bの長さに相当する周波数とすることで、当該周波数fbにおいてもアンテナを良好に動作させることができる。このように、電流経路を周波数帯毎に変化させることで、マルチバンド化を実現することができる。
この多周波共用アンテナ1は、上記の2つの周波数帯域のうち何れの電波を受信した場合でも、共通の給電部6から、給電線を介してGNSS受信機に電力を伝送することができる。従って、構成の簡素化が実現されている。
また、切欠部40が、幅が狭いスリット部7と、幅が広い拡大部8と、の組合せにより構成されており、電流経路切換部5がスリット部7の部分に配置されている。従って、電流経路を切り換える構成をコンパクトなスペースに配置できる。また、拡大部8によって、切欠部40を迂回する電流経路Bの長さを必要に応じて大きく確保することができるので、設計の自由度を高めることができる。
なお、本願発明者は、本実施形態の多周波共用アンテナ1のリターンロス特性をシミュレーション計算により求めた。切欠部40を含めたパッチ導体4の形状、及び、上記コンデンサの特性を適宜設定することにより、図3に示すように、1.15GHz及び1.56GHzの2つの周波数においてピークが現れるリターンロス特性を得ることができた。以上により、本実施形態の多周波共用アンテナ1は、2つの異なる周波数帯で動作可能であること、特に、パッチ導体4の形状等を更に調整することで、GPSのL5帯(1.17645GHz)及びL1帯(1.57542GHz)に対応可能であることが確かめられた。
また、本願発明者が指向特性についてシミュレーション計算を併せて行ったところ、図4に示す結果が得られた。図4の2つのグラフの何れにおいても、0°は、パッチ導体4を上向きに設置した場合の天頂方向を意味し、90°(−90°)は水平方向を意味する。図4に示すように、本実施形態の多周波共用アンテナ1は、上記の2つの周波数の何れについても、例えばGPSで用いられる右旋円偏波に対して、ほぼ半球状の良好な指向特性を有することが確認できた。
以上に説明したように、本実施形態の多周波共用アンテナ1は、誘電体から構成された誘電体板2と、接地導体3と、パッチ導体4と、電流経路切換部5と、給電部6と、を備える。接地導体3は、誘電体板2の厚み方向の一側の面に配置されている。パッチ導体4は、誘電体板2の厚み方向の他側の面に配置され、外周に切欠部40を有する。電流経路切換部5は、切欠部40において、当該切欠部40を跨いでパッチ導体4の外周を接続し、電波の周波数に応じて電流の通過と阻止を切換可能である。給電部6は、パッチ導体4と電気的に結合される。
また、本実施形態では、以下の方法により、多周波共用アンテナ1が複数周波数帯で使用されている。即ち、誘電体板2の厚み方向の一側の面に接地導体3を備え、厚み方向の他側の面に、外周に切欠部40を有するパッチ導体4を備え、切欠部40を跨いでパッチ導体4を接続する電流経路切換部5が設けられ、パッチ導体4と給電線とを電気的に結合する給電部6が設けられた多周波共用アンテナ1において、第1周波数の信号に対しては、電流経路切換部5が電流を通過させる。第1周波数よりも低い周波数である第2周波数の信号に対しては、電流経路切換部5が電流の通過を阻止する。
これにより、簡素な構成で、誘電体板2に配置されたパッチ導体4において、電流経路切換部5を通過する電流経路Aと、当該電流経路切換部5を通過せずに切欠部40を迂回する電流経路Bと、を形成することができる。即ち、電流経路切換部5を通過する状態と、通過しない状態と、を周波数に応じて切り換えることにより、異なる周波数の電波に対応することができる。また、複数の周波数について給電部6を共用できるので、多周波共用アンテナ1の簡素な構成を実現することができる。
次に、上記実施形態の変形例を説明する。図5は、変形例の多周波共用アンテナ1xを示す斜視図である。なお、本変形例の説明においては、前述の実施形態と同一又は類似の部材には図面に同一の符号を付し、説明を省略する場合がある。
図5に示すように、本実施形態の多周波共用アンテナ1xにおいて、パッチ導体4xに形成される4つの切欠部40xのそれぞれは、複数(2つ)のスリット部7と、複数(2つ)の拡大部8と、が交互に直線状に並べられた構成となっている。
1つの切欠部40xにおいて、2つのスリット部7をそれぞれ跨ぐように、2つの電流経路切換部5が配置されている。2つの電流経路切換部5は例えばコンデンサとして構成され、パッチ導体4xの外周に近い側の電流経路切換部5と遠い側の電流経路切換部5とで、自己共振周波数は互いに異なっている。
この構成では、切欠部40xを全く迂回せずに外周側の電流経路切換部5を通過する経路と、切欠部40xを途中まで迂回して内周側の電流経路切換部5を通過する経路と、切欠部40xの全体を迂回する経路と、の3種類の電流経路を形成することができる。この結果、多周波共用アンテナ1xは、3つの異なる周波数に対して動作することが可能になる。
以上に本発明の好適な実施の形態及び変形例を説明したが、上記の構成は例えば以下のように変更することができる。
貫通孔21は、切欠部40を構成する拡大部の位置に重ねて設けることに限らず、異なる位置に配置することもできる。例えば、貫通孔を誘電体板2の4つの角部に設けることが考えられる。また、貫通孔21を省略し、ビス固定の代わりにハンダ付けにより固定したりすることができる。
例えば図1の構成で、2点給電方式の代わりに、給電部6が1つの給電点から構成される1点給電方式とすることもできる。なお、1点給電方式の例は図5の変形例に示されている。
給電点6a,6bにおいては、パッチ導体4と給電線とをハンダ付け等によって結合する代わりに、例えば容量結合によって電気的に結合することもできる。
パッチ導体4を、正方形以外の形状(例えば、円形、長方形等)に形成することもできる。
拡大部8を、円形以外の形状(例えば、矩形等)に形成することもできる。また、拡大部8を省略して、切欠部40をスリット部7だけから構成することもできる。
電流経路切換部5を、電装部品(素子)を用いた回路に代えて、コンデンサ及びインダクタのうち少なくとも何れかとして実質的に動作する導体パターンを形成することで構成しても良い。この場合、電流経路切換部5の回路をパッチ導体4と一体的に形成することができる。また、電流経路切換部5をスイッチ回路から構成し、周波数に応じて短絡/開放を切り換えるように構成しても良い。
パッチ導体4のそれぞれの辺について、複数の切欠部40及び電流経路切換部5を辺の長手方向に並べるように構成することで、3つ以上の異なる周波数に対して動作可能に構成することもできる。
上記の実施形態及び変形例では、切欠部40,40xは、パッチ導体4の正方形において互いに向かい合う2組の辺の両方(言い換えれば、4つの辺すべて)に設けられている。しかしながら、これに代えて、向かい合う1組の辺だけに切欠部40,40xが設けられても良い。この場合、アンテナは、円偏波ではなく、直線偏波用のアンテナとして動作する。
多周波共用アンテナ1は、受信の代わりに送信に用いられても良いし、送受信兼用のアンテナとして用いられても良い。多周波共用アンテナ1が送信アンテナとして動作する場合、給電線は、送信機からアンテナに電力を伝送する。多周波共用アンテナ1が受信アンテナとして動作する場合、給電線は、アンテナから受信機に電力を伝送する。
多周波共用アンテナ1は、複数のGNSS(例えば、GPSとGLONASS)の電波を同時に受信するマルチGNSSに用いられても良い。一方、多周波共用アンテナ1は、GNSS以外の用途に用いられても良い。
1 多周波共用アンテナ
2 誘電体板
3 接地導体(第1導体)
4 パッチ導体(第2導体)
5 電流経路切換部
6 給電部
40 切欠部
2 誘電体板
3 接地導体(第1導体)
4 パッチ導体(第2導体)
5 電流経路切換部
6 給電部
40 切欠部
Claims (7)
- 誘電体から構成された板と、
前記板の厚み方向の一側の面に配置された第1導体と、
前記板の厚み方向の他側の面に配置され、外周に切欠部を有する第2導体と、
前記切欠部を跨いで前記第2導体同士を接続し、電波の周波数に応じて電流の通過と阻止を切換可能な電流経路切換部と、
前記第2導体と給電線とを電気的に結合する給電部と、
を備えることを特徴とする多周波共用アンテナ。 - 請求項1に記載の多周波共用アンテナであって、
前記第2導体は、向かい合う2つの辺を有する形状に形成され、
前記切欠部は、前記辺のそれぞれに形成されていることを特徴とする多周波共用アンテナ。 - 請求項1又は2に記載の多周波共用アンテナであって、
前記第2導体は、多角形に形成され、
前記切欠部は、前記第2導体の多角形が有する辺の中央部に設けられ、
前記切欠部は、
前記辺に接続する第1部分と、
前記第1部分が前記辺と接続する側と反対側で前記第1部分に接続する第2部分と、
を有し、
前記第2部分は前記第1部分より幅が広く形成され、
前記電流経路切換部は、前記第2導体のうち前記第1部分を挟んで配置される導体部分同士を接続することを特徴とする多周波共用アンテナ。 - 請求項1から3までの何れか一項に記載の多周波共用アンテナであって、
前記電流経路切換部は、周波数によってインピーダンスが変化する回路から構成されることを特徴とする多周波共用アンテナ。 - 請求項4に記載の多周波共用アンテナであって、
前記電流経路切換部は、LC直列回路、LC並列回路、コンデンサ、インダクタのうち何れか1つから構成されることを特徴とする多周波共用アンテナ。 - 請求項1から5までの何れか一項に記載の多周波共用アンテナであって、
GNSSに用いられることを特徴とする多周波共用アンテナ。 - 誘電体板の厚み方向の一側の面に第1導体を備え、厚み方向の他側の面に、外周に切欠部を有する第2導体を備え、前記切欠部を跨いで前記第2導体同士を接続する電流経路切換部が設けられ、前記第2導体と給電線とを電気的に結合する給電部が設けられたアンテナにおいて、第1周波数の信号に対しては、前記電流経路切換部が電流を通過させ、
前記第1周波数よりも低い周波数である第2周波数の信号に対しては、前記電流経路切換部が電流の通過を阻止することを特徴とするアンテナの複数周波数帯での使用方法。
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JP (1) | JP2019041240A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2021153179A1 (ja) | 2020-01-28 | 2021-08-05 | 株式会社ヨコオ | 車載用アンテナ装置 |
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2017
- 2017-08-25 JP JP2017161757A patent/JP2019041240A/ja active Pending
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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WO2021153179A1 (ja) | 2020-01-28 | 2021-08-05 | 株式会社ヨコオ | 車載用アンテナ装置 |
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