JP2019038787A - 温度応答性ミセルおよびその用途 - Google Patents

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アンジャネユル ディリサラ
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Abstract

【課題】本発明は、被投与者の体温に応答して疎水化する温度応答性ポリマーで表面を被覆した温度応答性ミセルを提供する。【解決手段】LCST(4℃〜40℃)未満では親水性、LCST以上では疎水性となる温度応答性ブロックとカチオン性ブロックとからなるブロック共重合体および核酸とを含み、前記温度応答性ブロックがシェル部、前記カチオン性ブロックと核酸とがコア部であるコア−シェル構造を有する温度応答性ミセル。【選択図】図2

Description

本発明は、温度応答性ミセルおよびその用途に関する。
多くの疾患には、たんぱく質の発現が関与することが広く知られている。核酸はたんぱく質の発現を制御することが可能であることから、様々な疾患の治療を実現する可能性を有する分子として、核酸が注目を集めている。核酸を用いた治療としては、例えば治療効果のあるタンパク質をコードするDNAやmRNAなどを疾患部の細胞に発現させたり、siRNAにより疾患の原因遺伝子をダウンレギュレーションすることで疾患の治療を行う方法が挙げられる。しかしながら核酸は、生体内で分解されやすく、また細胞に取り込まれにくい物質であるため、核酸を目的の組織や細胞に送達して効率的に取り込ませるための送達システムが求められていた。
核酸の送達システムとしては、非特許文献1にもあるようなポリプレックスミセルが挙げられる。ポリプレックスミセルは、親水性ポリマーおよびカチオン性ポリマーからなるブロック共重合体と核酸を水中で混合することで自発的に形成されるナノサイズのミセルであり、カチオン性ポリマーと核酸との会合体を含むコア部分と、その周りを親水性ポリマーが覆うことで形成されるシェル部分からなる構造を持つ。このようなミセルは表面が親水性であるため、水中で均一に分散することができ、また生体内において免疫系により排除されにくいという長所があるが、一方でその親水性が高いことから脂質二重膜である細胞膜と相互作用しにくく、細胞に取り込まれにくいという問題がある。ミセルが細胞に効率的に取り込まれる為にはミセルの表面は疎水的であった方がよいが、ミセル表面が疎水性であった場合では凝集がおきるために水中における分散性が著しく低下し、免疫系を刺激しやすくなるために炎症反応が誘起されたり、体外に迅速に排出されたりするという問題がある。非特許文献2には温度に応答して表面の親水性が変化するミセルについて記載されている。
Polymer Journal 46, 469-475; doi: 10.1038/pj.2014.49; Published Online 18 June 2014 M. Nakayama, T. Okano / Reactive & Functional Polymers 71 (2011) 235-244
しかしながら非特許文献2に記載のミセルは体内投与後に加熱することでその性質を変化させるものである。したがって熱負荷に弱い器官や対象について応用することは困難である。また記載されているのは化合物(抗がん剤)の送達のためのミセルであり、核酸の送達システムについて使用できる旨の記載もない。むしろ加熱するまでは親水性であり細胞にとりこまれにくく一旦加熱すると速やかに崩壊して内容物を放出するため、核酸を細胞内に送達するという目的には適さないという問題がある。
本発明は、被投与者の体温に応答して疎水化する温度応答性ポリマーで表面を被覆した温度応答性ミセルに関する。
本発明者は、鋭意研究を重ねた結果、核酸を内包させ、表面を被投与者の体温に応答して疎水化する温度応答性ポリマーで被覆した構造を有する温度応答性ミセルの作製を着想した。
本発明の温度応答性ミセルは、保存時においては表面が親水性を保持しているため水性媒体中で分散性を保つことができ、一方で生体への投与後においては体温に応答して表面が疎水性となることで効率よく細胞内への取り込みが行われる。また安定したコア−シェル構造を有するため細胞内においてもその構造が比較的長時間維持されるため、核酸の発現持続性が高いといった長所を有する。またそのような表面の性質の制御のために外部から加熱する必要がないことから、治療用核酸を特定の組織や細胞のみだけではなく、より広範囲を対象として送達することが可能となる。
すなわち、本発明は次のような温度応答性ミセルを提供する。
[1]ブロック共重合体と核酸とを含む温度応答性ミセルであって、
前記ブロック共重合体は温度応答性ブロックとカチオン性ブロックとからなり、
前記温度応答性ミセルはコア−シェル構造を有し、
前記温度応答性ミセルにおいて前記核酸と前記カチオン性ブロックとは、電気的相互作用により結合しており、
前記コア−シェル構造において、前記ブロック共重合体の、前記温度応答性ブロックがシェル部であり、前記カチオン性ブロックと核酸とがコア部であり、
前記温度応答性ブロックはLCST未満では親水性、LCST以上では疎水性となるポリマーであり、
前記LCSTが4℃〜40℃である、温度応答性ミセル。
[2]ブロック共重合体と核酸とを含む温度応答性ミセルであって、
前記ブロック共重合体は温度応答性ブロックとカチオン性ブロックとからなり、
前記温度応答性ブロックはLCST未満では親水性、LCST以上では疎水性となるポリマーであり、
前記LCSTが4℃〜40℃であり、
前記ブロック共重合体と、前記核酸とを、水性媒体中、LCST未満の温度で、反応させることにより得られる、温度応答性ミセル。
[3]前記LCSTが4℃〜35℃である、[1]または[2]に記載の温度応答性ミセル。
[4]前記カチオン性ブロックが、ポリアミノ酸、ポリエチレンイミン(PEI)またはアクリル系樹脂である、[1]〜[3]のいずれかに記載の温度応答性ミセル。
[5]前記ブロック共重合体の一方の末端が温度応答性ブロックであり、他方の末端がカチオン性ブロックである、[1]〜[4]のいずれかに記載の温度応答性ミセル。
[6]前記ブロック共重合体が、一個の温度応答性ブロックと一個のカチオン性ブロックとからなる共重合体である、[1]〜[5]のいずれかに記載の温度応答性ミセル。
[7]前記核酸がmRNAである、[1]〜[6]のいずれかに記載の温度応答性ミセル。
[8]前記温度応答性ミセルの平均粒子径が、1〜500nmである、[1]〜[7]のいずれかに記載の温度応答性ミセル。
[9]前記温度応答性ブロックの数平均分子量Mnが1,000〜200,000Daである、[1]〜[8]のいずれかに記載の温度応答性ミセル。
[10][1]〜[9]のいずれかに記載の温度応答性ミセルを含有する薬剤。
[11]点眼剤、点鼻薬および注射用液剤からなる群から選択される、[10]に記載の薬剤。
図1は評価1で行った、各ミセル処理24時間後における細胞生存率を示したグラフである。 図2は評価1で行った、各ミセル処理後の各時点におけるルシフェラーゼアッセイの結果を示したグラフである。 図3は評価2で行った、各ミセル処理後の各時点におけるルシフェラーゼアッセイの結果を示したグラフである。 図4はゼータサイザーにより観察したミセルの粒径分布である。(a)15℃または(b)37℃におけるPnPrOxミセルの粒径分布、および(c)15℃または(d)37℃におけるPEtOxミセルの粒径分布。
<温度応答性ミセル>
本発明の「温度応答性ミセル」としては、第一の態様の温度応答性ミセル、第二の態様の温度応答性ミセルが挙げられる。
第一の態様の温度応答性ミセルは、ブロック共重合体と核酸とを含む温度応答性ミセルであって、前記ブロック共重合体は温度応答性ブロックとカチオン性ブロックとからなる温度応答性ミセルである。前記温度応答性ミセルはコア−シェル構造を有し、前記温度応答性ミセルにおいて前記核酸と前記カチオン性ブロックとは、電気的相互作用により結合しており、前記コア−シェル構造において、前記ブロック共重合体の、前記温度応答性ブロックがシェル部であり、前記カチオン性ブロックと核酸とがコア部である。前記温度応答性ブロックはLCST未満では親水性、LCST以上では疎水性となるポリマーであり、前記LCSTは4℃〜40℃である。
第二の態様の温度応答性ミセルは、ブロック共重合体と核酸とを含む温度応答性ミセルであって、前記ブロック共重合体は温度応答性ブロックとカチオン性ブロックとからなり、前記温度応答性ブロックはLCST未満では親水性、LCST以上では疎水性となるポリマーであり、前記LCSTは4℃〜40℃である。当該温度応答性ミセルは、前記ブロック共重合体と、前記核酸とを、水性媒体中、LCST未満の温度で、反応させることにより得られる。
前記第一の態様の温度応答性ミセルと、第二の態様の温度応答性ミセルとは、本質的には同様の温度応答性ミセルであり、第一の態様ではコア−シェル構造を規定しているのに対して、第二の態様では、製法で規定している点で異なる。すなわち、両者は本質的には同様の温度応答ミセルであるが、構造で特定するか、製法で特定するかの点で異なる。
<温度応答性ブロック>
本発明においてブロック共重合体を構成する温度応答性ブロックは、下限臨界共溶温度(LCST)を有するポリマーであって、LCST未満の温度下では親水性であり、LCST以上の温度下では疎水性となる。温度応答性ブロックを構成するポリマーは、単独重合体であっても、共重合体であってもよい。このようなポリマーとしては具体例としては、ポリ(2‐n‐プロピル‐2‐オキサゾリン)、ポリ(2‐iso‐プロピル‐2‐オキサゾリン)、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミドが挙げられる。前記LCSTは4℃〜40℃であり、好ましくは4℃〜35℃であり、より好ましくは20℃〜35℃であり、特に好ましくは30℃〜35℃である。
温度応答性ブロックの数平均分子量Mnは1,000〜200,000Daであることが好ましく、5,000〜50,000Daであることがより好ましい。
<カチオン性ブロック>
本発明におけるカチオン性ブロックは、核酸と電気的相互作用で結合することができるカチオン性の高分子鎖からなるブロックであれば特に限定されない。カチオン性ブロックとしては例えば、カチオン性基を側鎖に有するポリアミノ酸、ポリエチレンイミン(PEI)、アクリル系樹脂等が挙げられる。
カチオン性基としては、アミノ基、好ましくは一級のアミノ基が挙げられる。カチオン性基を側鎖に有するポリアミノ酸としては、例えば、ヒスチジン、トリプトファン、オルニチン、アルギニン、リジンから選ばれる少なくとも1種のアミノ酸の重合体が挙げられる。また、カチオン性ブロックの一態様としては、側鎖に−(NH−(CH22p−NH2で表される基(ここで、pは1〜5の整数である)を有する重合体であってもよい。
カチオン性ブロックとしては、ポリヒスチジン、ポリトリプトファン、ポリオルニチン、ポリアルギニンまたは、ポリリジンであることが、構成モノマーがアミノ酸であり代謝経路が知られているため好ましく、ポリオルニチン、ポリアルギニンまたは、ポリリジンであることがより好ましく、ポリオルニチンまたは、ポリリジンであることが特に好ましい。
カチオン性ブロックが、ヒスチジン、トリプトファン、オルニチン、アルギニン、リジンから選ばれる少なくとも1種のアミノ酸の重合体である場合には、重合度、すなわちアミノ酸の繰返し単位数は、10〜100であることが好ましく、20〜80であることがより好ましく、30〜70であることが特に好ましい。
<ブロック共重合体>
本発明におけるブロック共重合体は通常は、一方の末端が温度応答性ブロックであり、他方の末端がカチオン性ブロックである鎖状のブロック共重合体である。前記温度応答性ブロックの末端と前記カチオン性ブロックの末端は直接に結合していてもよいし、間接的に結合していてもよい。好ましくは前記ブロック共重合体が、一個の温度応答性ブロックと一個のカチオン性ブロックとからなるブロック共重合体であることが好ましく、一個の温度応答性ブロックと一個のカチオン性ブロックとが、直接的に共有結合しているブロック共重合体が特に好ましい。
本発明においては1種のブロック共重合体のみを使用してもよいが、2種以上のブロック共重合体を任意の組合せ及び比率で使用してもよい。
ブロック共重合体における温度応答性ブロックの含量は20〜90wt%であることが好ましく30〜80wt%であることがより好ましい。前記ブロック共重合体の数平均分子量Mnは5,000〜300,000Daであることが好ましく、10,000〜60,000Daであることがより好ましい。
ブロック共重合体の製造方法は、限定はされないが、例えば、温度応答性ブロックを予め合成しておき、この温度応答性ブロックの片方の末端に、カチオン性のモノマーを順に重合する方法、あるいは、上記温度応答性ブロックと、カチオン性ブロックとを予め別々に合成しておき、これらを互いに連結する方法などが挙げられる。当該製法における各種反応の方法及び条件は、常法を考慮し適宜選択又は設定することができ、例えば、可逆的付加開裂連鎖移動(RAFT)重合法、原子移動ラジカル重合(ATRP)法、アニオン重合法またはリビングラジカル重合法等が挙げられる。なお、カチオン性ブロックが有するカチオン性基は、一般に反応性が高いため、ブロック共重合体の製造中においては、カチオン性基は、保護基によって保護されていることが好ましい。保護基によって保護されたカチオン性基は、ブロック共重合体の製造の後半において、適宜脱保護すればよい。
また、温度応答性ブロックが、ポリ(2‐n‐プロピル‐2‐オキサゾリン)やポリ(2‐iso‐プロピル‐2‐オキサゾリン)である場合には、例えば非特許文献 European Polymer Journal, 2017, 88, 553-561に記載された方法に従い、末端にアミノ基を有するポリ(2‐n‐プロピル‐2‐オキサゾリン)や末端にアミノ基を有するポリ(2‐iso‐プロピル‐2‐オキサゾリン)を合成したうえで、得られた重合体をマクロ開始剤とし、前記アミノ基を反応の起点としてカチオン性ブロックの反応を開始することが、ブロック共重合体を効率的に重合する観点から好ましい。
本発明におけるブロック共重合体の具体例としては、例えば、後述する実施例に記載の末端にアミノ基を有するポリ(2‐n‐プロピル‐2‐オキサゾリン)と、Nε−トリフルオロアセチル−L−リジン−N−カルボン酸無水物とを反応させ、反応後に、トリフルオロアセチル基を脱保護することにより得られる、ポリ(2‐n‐プロピル‐2‐オキサゾリン)ブロックと、ポリ(L−リジン)ブロックとを有するブロック共重合体が挙げられる。
<核酸>
本発明における核酸は各種DNA及びRNA、又はPNA(ペプチド核酸)が挙げられる。特にmRNAが好適であり、ある疾患に対して治療効果が期待できるタンパク質をコードしたmRNAが特に好ましく用いられる。そのようなタンパク質は特に限定されないが、例えば細胞増殖因子、血管増殖因子、神経形成関連因子、虚血関連因子、神経保護因子、シグナル伝達因子等が挙げられる。
また、疾患に関与する細胞において過剰に発現する遺伝子をダウンレギュレートする際に広く用いられる、siRNAやmicroRNA等の短鎖のオリゴヌクレオチドも好ましく用いられる。そのようなオリゴヌクレオチドは、ダウンレギュレートの標的とする遺伝子の配列に応じて好適なものを設計することなどによって取得することができる。
<温度応答性ミセルの製造方法>
前記温度応答性ミセルの製造においては、前記ブロック共重合体と、前記核酸とを、水性媒体中、ブロック共重合体を構成する温度応答性ブロックのLCST未満の温度で反応させる。LCST未満の温度であることから温度応答性ブロックは親水性を示し、ブロック共重合体のカチオン性ブロックは核酸と電気的相互作用により結合することによって相対的に疎水性を示すことで、カチオン性ブロックとカチオン性ブロックに結合した核酸とが内側(コア部)、温度応答性ブロックが外側(シェル部)である、コア−シェル構造を有するミセルが自律的に形成される。水性媒体は特に限定されないが、水(特に、脱イオン水)、または水に各種無機若しくは有機緩衝剤を含むものが挙げられる。反応させる際の温度としては、LCST未満であり、且つ水性媒体が液体である温度であればよく、例えば4〜25℃の範囲で行われる。調製した温度応答性ミセルは単離及び精製作業を経ずに用いることも出来るが、単離および精製を行う場合は、常法により、反応溶媒中から回収することが好ましく、典型的な方法としては、限外濾過法、ダイアフィルトレーション、透析方法が挙げられる。
本発明に係る温度応答性ミセルは、動的光散乱法により測定した反応溶媒中における平均粒子径が、1〜500nmであることが好ましく、10〜250nmのものがより好ましく、10〜100nmのものがさらに好ましい。なお、温度応答性ミセルの反応溶媒における粒子径は、例えば、非接触後方散乱光学系(NIBS)を使用した動的光散乱式粒子径・粒度分布測定装置を使用して測定することができる。当該装置としては、例えば、ゼータサイザーナノZS(製品名)(マルバーン社製)が挙げられる。また、核酸内包高分子ミセル複合体の水性媒体中における平均粒子径とは、動的光散乱法により測定した水性媒体中におけるゼータ平均流体力学粒子径を意味する。
<薬剤>
本発明の一実施形態においては、前記温度応答性ミセルを含有する薬剤が提供される。具体的には該薬剤は前記温度応答性ミセルが水性の担体に分散している分散溶液を示す。前記薬剤に含まれる本発明の温度応答性ミセルは、上述のように温度応答性ブロックのLCST未満の温度下ではミセル表面が親水性を示すので、媒体に対し高い分散性を示す。しかしながらそのLCST以上の温度ではミセル表面が疎水性を示し、凝集・沈殿を引き起こすため、前記薬剤は該LCST未満の温度下において保存する必要がある。担体は特に限定されず、水(特に、脱イオン水)、または水に各種無機若しくは有機緩衝剤を含むものが挙げられる。剤形は特に限定されないが、点眼剤、点鼻薬および注射用液剤等が好適に選択される。また、前記薬剤には担体、温度応答性ミセルの他、さらに薬理的効果を奏する物質が含まれていてもよいし、また保存剤、安定剤、希釈剤等の、適当な添加剤が含まれていてもよい。
このような実施形態においては、前記薬剤に含まれる温度応答性ミセルを構成する核酸が、ある特定の疾患に対し症状の改善等の効果を生ずるタンパク質をコードしたmRNAであることが好ましい。
薬剤の投与対象は細胞であってもよいし、ヒト、またはサル、ウシ、ウマ、イヌ、ネコ等のヒト以外の動物であってもよい。
ヒトまたはヒト以外の動物に本発明の薬剤を投与する場合、その投与方法は特に限定されず、例えば、非経口投与、皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与、関節内投与、硝子体内投与、眼周囲投与、眼球後方投与、結膜下投与等が挙げられる。薬剤に含まれる温度応答性ミセルを構成する温度応答性ブロックのLCSTは通常の生体内温度より高い。したがって保存時に親水性を示していたミセル表面は生体内に投与すると疎水性となる。表面が疎水性となったミセルは細胞内に取り込まれやすくなる。また、ミセル表面、つまり温度応答性ブロックに適当な修飾を行うことで、任意の細胞に取り込まれやすくすることもできる。
薬剤の対象となる疾患は特に限定されないが、がん、循環系疾患、遺伝子疾患、感染症、神経疾患、眼疾患、免疫系疾患等が挙げられる。特に本発明の薬剤は眼疾患に対して好適に適用することができ、例えば、ブドウ膜炎、劣性スタルガルト病、錐体桿体ジストロフィー、網膜色素変性、新生血管黄斑症(加齢黄斑変性症等)、糖尿病網膜症、網膜動脈閉塞症、網膜静脈閉塞症、高血圧網膜症、中心性漿液性脈絡網膜症、網膜色素上皮症、急性網膜色素上皮炎、多発性消失性白点症候群、網膜色素線条、増殖性硝子体網膜症、続発性網膜剥離、癌関連網膜症、緑内障、転移性脈絡膜腫瘍等の後眼部の疾患に対してさらに好適に適用することができる。
以下、実施例に基づいて本発明の好適な態様をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。
[作製例1]
(Lys(TFA)−NCAの合成)
Nε−トリフルオロアセチル−L−リジン−N−カルボン酸無水物(Lys(TFA)−NCA)を、J. R. Hernandez, H. A. Klok. 著 "Synthesis and ring-opening (co)polymerization of L-lysine N-carboxyanhydrides containing labile side-chain protective groups." J. Polym. Sci. Part A Polym. Chem. 41 (2003) 1167-1187頁に基づき、Fuchs−Farthing法により調製した。
[実施例1]
(PnPrOx−b−PLysの合成)
温度応答性ポリマーであるポリ(2−n−プロピル−2−オキサゾリン)(Poly(2−n−propyl−2−oxazoline);以下本明細書ではPnPrOxと称する)およびカチオン性ポリマーであるポリ(L−リジン)(Poly(L−lysine);以下本明細書ではPLysと称する)からなるブロック共重合体PnPrOx−b−PLysは以下のように合成した。
p−トルエンスルホン酸プロパルギル(東京化成工業株式会社)は五酸化ニリン(和光純薬工業株式会社)を、2−n−プロピル−2−オキサゾリン(東京化成工業株式会社)はカルシウムハイドライド(シグマアルドリッチ社)をそれぞれ脱水剤として、蒸留精製した。
精製したp−トルエンスルホン酸プロパルギル(61mg、0.29mmol)を重合開始剤としてアセトニトリル7mLに溶解させ、さらに精製した2−n−プロピル−2−オキサゾリン(2.5g、22mmol)を加えて反応させた。反応溶液を42℃で6日間反応させた後、アジ化ナトリウム(380mg、5.8mmol)を加えて70℃で一時間撹拌することで、重合反応を停止させた。上記のプロセスは全てAr雰囲気下で行った。
重合反応を停止させた後、反応溶液を水に対して5回透析し、凍結乾燥することでアジド末端を持つPnPrOx;(PnPrOx−N3)を得た。得られたPnPrOx−N3について、MALDI−TOF質量分析計(UltraFlextreme;Bruker社)により解析を行うと、数平均分子量が8.3kであることが確認された。
PnPrOx−N3(830mg、0.10mmol)をメタノール(シグマアルドリッチ社)20mLに溶解し、トリフェニルホスフィン(530mg、2.0mmol;東京化成工業株式会社)を加えて40℃で三時間撹拌した。続いて純水20mLを加えて氷冷し、未反応のトリフェニルホスフィン等を濾過で取り除いた。得られた溶液を純水で3回透析した後、凍結乾燥することにより得られたPnPrOx−NH2を、GE−health care社より購入したCM−Sephadex C50をカラム充填剤としたオープンカラムを用いて更に精製した。
精製したPnPrOx−NH2を、ジオキサンにより凍結乾燥し、1Mの濃度でチオウレアを溶かしたDMF(DMF(1M TU))2mLに溶解させることで、開始剤溶液を作成した。
Lys(TFA)−NCA(480mg、1.8mmol)を、Ar雰囲気下で6mLのDMF(1M TU)に溶解した。
Lys(TFA)−NCA溶液を、前記開始剤溶液に加え、25℃で3日間撹拌することで重合反応を行った。反応溶液を水により5回透析したのち、凍結乾燥することでPnPrOx−b−PLys(TFA)を得た。
続いて得られたPnPrOx−b−PLys(TFA)を500mg測りとり、25mLのメタノールに溶解させた。これに、7.5mLの1M NaOH溶液を加え、35℃で12時間反応させた。反応後は、0.01M HClで3回透析を行った後、水で3回透析を行い、凍結乾燥することでPnPrOx−b−PLysを回収した。カラムSuperdex 200を用いたサイズ排除クロマトグラフィー(AKTAexplorer、GEヘルスケア社)によって分子量分布を確認し、さらに1H−NMR(ESC400、日本電子株式会社(JEOL))による解析を行い、Lys重合度が43であることを確認した。
PnPrOx−b−PLysにおける温度応答性ブロックの含量は54wt%であり、PnPrOx−b−PLysの数平均分子量は15,400であった。
(温度応答性ミセルの作成)
pCMV−Gluc control plasmid(New England Biolabs社)をテンプレートとしてmMESSAGE mMACHINE(登録商標) T7 Ultra Kit(Ambion社)を用いてin vitroトランスクリプションを行うことにより得られたmRNAに、poly(A) tailing kit(Ambion社)を用いてpoly(A)修飾を施し、さらに10mM HEPES緩衝液に50ng/μLの濃度で溶解することでmRNA溶液を調製した。
PnPrOx−b−PLysを、溶液量が二倍かつポリマー電荷/mRNA電荷=2となるように、10mM HEPES緩衝液に分散させた。
PnPrOx−b−PLys分散液とmRNA溶液とを混合して4℃で一晩静置することで、核酸を内包したミセルの分散液を作成した。
得られた温度応答性ミセルを、PnPrOxミセルと称する。
PnPrOxミセルの温度応答性ブロック(PnPrOx)のLCSTは30℃であることが知られている(Macromolecules, 40, 3599-3609)。ゼータサイザーナノZS(製品名)(マルバーン社製)を用いて、15℃において測定した温度応答前のPnPrOxミセルの平均粒子径は70nmであった。また、ミセルの分散液を37℃に10分以上静置しておくと、図4(b)のように1000nm程度においてもピークがあらわれた。これは、体温付近の温度環境下においては、シェルであるPnPrOxが疎水化することで水性分散液中におけるコロイド安定性が低くなり、ミセルが凝集するということを示唆している。
[比較例1]
(PLysの合成)
1−azide−3,6,9−trioxaundecan−11−amine(22mg、0.10mmol;シグマアルドリッチ社)を1Mの濃度でチオウレアを溶かしたDMF(1M TU)2mLに溶解させて、開始剤溶液としたLys(TFA)−NCA(1.35g、5.0mmol)をフラスコに測りとり、15mLのDMF(1M TU)に溶解させたものを、Ar雰囲気下で開始剤溶液に加えて、25℃で3日間撹拌して重合反応を行った。反応溶液を水で5回透析したのち、凍結乾燥することでPLys(TFA)を得た。
続いて得られたPLys(TFA)を500mg測りとり、25mLのメタノールに溶解させ、7.5mLの1M NaOH溶液を加えて、35℃で6時間反応させることでTFA基の脱保護を行った。反応後は、0.01M HClで3回透析を行った後、水で3回透析を行い、凍結乾燥を行うことによりPLysを回収した。合成1および2と同様に分子量分布を確認し、また1H−NMRの解析を行った。Lys重合度は46であった。
(ミセルの作成)
PnPrOx−b−PLysを、PLysに変更した以外は実施例1と同様に行い、ミセルを作成した。
得られたミセルを、PLysミセルと称する。
PLysミセルの平均粒子径は110nmであった。
[比較例2]
(PEtOx−b−PLysの合成)
親水性ポリマー、Poly(2−ethyl−2−oxazoline);以下本明細書ではPEtOxと称する)とPLysからなるブロック共重合体、PEtOx−b−PLysは、2−n−プロピル−2−オキサゾリン(2.5g、22mmol)の代わりに2−エチル−2−オキサゾリン(2.9g、29mmol)を用いる以外は上記「PnPrOx−b−PLysの合成」と同様の手法により合成した。
なお、中間生成物である、アジド末端を持つPEtOx;PEtOx−N3の数平均分子量は9.7kであった。また、最終産物であるPEtOx−b−PLysのLys平均重合度は46であった。
(ミセルの作成)
PnPrOx−b−PLysを、PEtOx−b−PLysに変更した以外は実施例1と同様に行い、ミセルを作成した。
得られたミセルを、PEtOxミセルと称する。
PEtOxミセルを構成するPEtOxもLCSTを示すが、当該LCSTは75℃であり(Macromolecules, 40, 3599-3609)、したがって当該ミセルは生体内またはそれ以下の温度条件下では親水性であり、温度応答性を示さない。
ゼータサイザーナノZS(製品名)(マルバーン社製)を用いて、15℃において測定したPEtOxミセルの平均粒子径は95nmであり(図4(c))、これは37℃で静置しても変化しなかった(図4(d))。この結果は、図4(a)および(b)で見られたPnPrOxミセルの粒径変化はPnPrOxシェルの温度応答性相変化によるものであることを強く支持している。
[評価1]
培養細胞Huh−7(ヒト肝がん由来細胞)を24well細胞培養プレート(コーニング社)に20000細胞/wellとなるように播種し、FBSを10%加えたDMEM(シグマアルドリッチ社)で一晩培養した。培地を除去し、実施例、比較例で得られた各ミセルの分散液をoptimemで12.5ng/μLのRNA濃度になるよう希釈したものを、80μLずつ各wellに滴下し、37℃で10分間静置した。その後各wellについて、培地で洗浄した後、400μLの培地を入れて培養した。
24時間後に培地10μLを回収して、Renilla Luciferase assay system(Promega社)を用いてルシフェラーゼアッセイを行うことにより遺伝子発現性を評価した。ルシフェラーゼアッセイは、同社のプロトコールにそって行った。
またこの時点における細胞生存率をcell−counting kit 8(同仁化学研究所)を用いて算出することで、各サンプルの滴下による細胞毒性を評価した。
さらにこの後、再度細胞の培地を交換し、24時間後に培地10μLを回収して同様にルシフェラーゼアッセイを行い、遺伝子発現性を評価するという行程を5日間の間繰り返した。
(結果・考察)
24時間後の細胞生存率を図1に示す。PLysミセルで処理した細胞では細胞生存率が有意に減少していることが分かった。これは、PLysミセルにはシェル構造が無く、また表面が正に荷電しているため、細胞膜を障害することから細胞毒性が発揮されるためであると考えられる。一方、PnPrOxミセル、PEtOxミセルについては特に細胞生存率に影響は見られなかった。
各時点における遺伝子発現量を図2に示す。PLysミセルで処理した細胞の発現性が高いのはミセルの正に帯電した表面が細胞膜を障害して細胞内に入りやすい為であると考えられる。温度応答性ミセルであるPnPrOxミセルで処理した細胞においては、24時間後、48時間後では、親水性鎖PEtOxのシェルを持つポリプレックスミセルよりも高い発現性を示した。これは、シェルが温度に応答して疎水性になり、細胞との相互作用が向上して細胞内に効果的に輸送されたためであると考えられる。また、驚くべきことに、PnPrOxミセルは、発現に持続性があり、96時間後、120時間後にはPLysミセルよりも高い発現量を示している。これはPnPrOxミセルが安定したコア−シェル構造をとっていることで細胞に比較的長時間維持されること、ミセルのコア部分に保持されている核酸は細胞内の核酸分解酵素等により分解されにくいことなどが理由として考えられる。
このような高い発現持続性は、例えば生体に投与する場合において、より少ない投与回数においても効果を期待することができるなど、重要な特性であると考えられる。
[評価2]
培養細胞HUVEC(ヒト臍帯静脈内皮細胞)を用いる以外は評価1と同様の手法で遺伝子発現性を評価した。
各時点における遺伝子発現量を図3に示す。
正常細胞であるHUVEC細胞においても、Huh−7の場合と同様に、温度応答性鎖PnPrOxミセルで処理した細胞において高い発現持続性を示した。

Claims (11)

  1. ブロック共重合体と核酸とを含む温度応答性ミセルであって、
    前記ブロック共重合体は温度応答性ブロックとカチオン性ブロックとからなり、
    前記温度応答性ミセルはコア−シェル構造を有し、
    前記温度応答性ミセルにおいて前記核酸と前記カチオン性ブロックとは、電気的相互作用により結合しており、
    前記コア−シェル構造において、前記ブロック共重合体の、前記温度応答性ブロックがシェル部であり、前記カチオン性ブロックと核酸とがコア部であり、
    前記温度応答性ブロックはLCST未満では親水性、LCST以上では疎水性となるポリマーであり、
    前記LCSTが4℃〜40℃である、温度応答性ミセル。
  2. ブロック共重合体と核酸とを含む温度応答性ミセルであって、
    前記ブロック共重合体は温度応答性ブロックとカチオン性ブロックとからなり、
    前記温度応答性ブロックはLCST未満では親水性、LCST以上では疎水性となるポリマーであり、
    前記LCSTが4℃〜40℃であり、
    前記ブロック共重合体と、前記核酸とを、水性媒体中、LCST未満の温度で、反応させることにより得られる、温度応答性ミセル。
  3. 前記LCSTが4℃〜35℃である、請求項1または2に記載の温度応答性ミセル。
  4. 前記カチオン性ブロックが、ポリアミノ酸、ポリエチレンイミン(PEI)またはアクリル系樹脂である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の温度応答性ミセル。
  5. 前記ブロック共重合体の一方の末端が温度応答性ブロックであり、他方の末端がカチオン性ブロックである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の温度応答性ミセル。
  6. 前記ブロック共重合体が、一個の温度応答性ブロックと一個のカチオン性ブロックとからなる共重合体である、請求項1〜5のいずれか一項に記載の温度応答性ミセル。
  7. 前記核酸がmRNAである、請求項1〜6のいずれか一項に記載の温度応答性ミセル。
  8. 前記温度応答性ミセルの平均粒子径が、1〜500nmである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の温度応答性ミセル。
  9. 前記温度応答性ブロックの数平均分子量Mnが1,000〜200,000Daである、請求項1〜8のいずれか一項に記載の温度応答性ミセル。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項に記載の温度応答性ミセルを含有する薬剤。
  11. 点眼剤、点鼻薬および注射用液剤からなる群から選択される、請求項10に記載の薬剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021020342A1 (ja) * 2019-07-26 2021-02-04 国立大学法人 東京大学 温度応答性を有する薬物-ポリマー結合体および該結合体の薬物デリバリーへの応用

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