<第1実施形態>
1.遊技機の構造
本発明の遊技機の第1実施形態であるパチンコ遊技機PY1について図面を用いて説明する。なお、以下の説明において、パチンコ遊技機PY1の各部の左右上下方向は、そのパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から見た(正面視の)左右上下方向のことである。また、パチンコ遊技機PY1の各部の前方向をパチンコ遊技機PY1から当該パチンコ遊技機PY1に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機PY1の各部の後方向をパチンコ遊技機PY1に対面する遊技者から当該パチンコ遊技機PY1に近づく方向として、説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機PY1は、遊技機枠50を備えている。後述するように、遊技機枠50の内部には、遊技を行うための遊技盤ユニットYU1が収納されている。遊技機枠50は、遊技店に固定される外枠51と、外枠51に取り付けられ、後述する遊技盤ユニットYU1が取り付けられる内枠52と、内枠52にヒンジ54を介して回転自在に支持される前枠53と、を備える。前枠53は内枠52に対して開閉が可能である。前枠53の大体中央部には、透明のガラス板55が取り付けられている。前枠53が閉じられているとき、後述する遊技盤ユニットYU1に含まれる遊技盤2とガラス板55とが対面する。よって、パチンコ遊技機PY1が遊技店に設置されると、当該パチンコ遊技機PY1の前方にいる遊技者は、ガラス板55を通して、遊技盤2に形成された遊技領域3を視認することができる。なお、ガラス板55の代わりに透明な合成樹脂板等を用いてもよい。パチンコ遊技機PY1の前方から遊技領域3を視認可能であればよい。
前枠53の前面の右下部には、遊技球を発射させるための回転操作が可能なハンドル60が設けられている。ハンドル60が操作された量(回転角度)が、遊技球を発射させるために遊技球に与えられる力の大きさ(発射強度)に対応付けられている。よって、遊技球は、ハンドル60の回転操作に応じた発射強度で発射される。また、前枠53の前面の下部には、前方に向けて大きく突出した上皿61と、上皿61の直下に配された下皿62が設けられている。上皿61の上面の奥側には、ハンドル60に供給される遊技球を貯留するための供給球貯留凹部61Aが形成されている。また、下皿62の上面には、供給球貯留凹部61Aに収容しきれない余剰の遊技球を貯留するための余剰球貯留凹部62Aが設けられている。
また、前枠53の前面上部には上側装飾ユニット56が設けられている。さらに、前枠53の前面左部には、上皿61の左端から上側装飾ユニット56にかけて左側装飾ユニット57が設けられている。加えて、前枠53の前面右部には、上皿61の右端から上側装飾ユニット56にかけて右側装飾ユニット58が設けられている。
右側装飾ユニット58の上部には、音を出力可能なスピーカ11が設けられている。なお、図1において図示されていないが、左側装飾ユニット57の上部にも、右側装飾ユニット58と左右対称となる位置に、音を出力可能なスピーカ11が設けられている。
まあ、上側装飾ユニット56の前面には、発光可能な枠ランプ12が設けられている。枠ランプ12は、左側から右側に向かって順番に第1発光部12A、第2発光部12B、第3発光部12C、および第4発光部12Dを備えている。第1発光部12Aは正面視で「A」字形状であり、第2発光部12Bは正面視で「B」字形状であり、第3発光部12Cは正面視で「C」字形状であり、第4発光部12Dは正面視で「D」字形状である。
また、上皿61の上面の供給球貯留凹部61Aより前方側には、下方に押下操作可能な半球型ボタン17が設けられている。また、右側装飾ユニット58の下部には、押下操作可能な剣型ボタン18が設けられている。
次に、遊技盤ユニットYU1について、主に図2を用いて説明する。遊技盤ユニットYU1は、遊技盤2と、遊技盤2の背面に取り付けられた演出用ユニット5と、を有する。最初に、遊技盤2について説明する。遊技盤2は合成樹脂板で構成されている。遊技盤2の略中央には正面視略円形の開口部2Aが形成されている。
遊技盤2の前面には、開口部2Aに沿って、遊技領域3を区画するための略リング状の内側壁部2Bが前方に突出して形成されている。また、内側壁部2Bの外側には、遊技領域3を区画するための略リング状の外側壁部2Cが前方に突出して形成されている。さらに、外側壁部2Cは、略リング状に形成された第1外側壁部2C1と、第1外側壁部2C1の左側部分と内側壁部2Bとの間で、第1外側壁部2C1および内側壁部2Bに沿って形成された湾曲状の第2外側壁部2C2と、を備える。
そして、遊技盤2の前面において、内側壁部2B、第1外側壁部2C1および第2外側壁部2C2などで囲まれた領域が遊技領域3を形成している。すなわち、遊技盤2の前面が、内側壁部2B、第1外側壁部2C1および第2外側壁部2C2によって、遊技領域3とそれ以外の領域とに区切られている。また、第1外側壁部2C1と第2外側壁部2C2とで囲まれた領域は、発射された遊技球が遊技領域3へ向かうために通過可能な発射領域4を形成している。
遊技領域3は、ハンドル60の操作によって発射された遊技球が流下可能な領域であり、パチンコ遊技機PY1で遊技を行うために設けられている。なお、遊技領域3には、多数の遊技用くぎ(図示なし)が突設されている。遊技用くぎは、遊技領域3に進入して遊技領域3を流下する遊技球を、後述する第1始動口20、第2始動口22、一般入賞口27、ゲート28、および大入賞口30などに適度に誘導する経路を構成している。
遊技領域3における内側壁部2Bの中央直下には、上方が開放された第1始動口20が形成された第1始動入賞装置21が設けられている。
第1始動入賞装置21は不動である。そのため、第1始動口20は、遊技球の入球のし易さが変化せずに一定(不変)である。遊技球の第1始動口20への進入(第1始動口20への入球)は、第1特別図柄(以下、「特図1」という)の抽選(後述の特図1関連情報の取得と判定:以下、「特図1抽選」という)および特図1の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第1始動口20へ進入すると、所定個数(第1実施形態では、4個)の遊技球が賞球として払い出される。
遊技領域3における第1始動口20の直下には、第2始動口22が形成された第2始動入賞装置(所謂「電チュー」)23が設けられている。
電チュー23は、開閉可能な電チュー開閉部材23Kを備えている。電チュー開閉部材23Kの作動によって第2始動口22が開閉する。電チュー開閉部材23Kは正面視略正方形の平板からなり、通常は第2始動口22を閉鎖している。電チュー開閉部材23Kは下端を中心に、上端が前方へ倒れるように略90度回転することができる。電チュー開閉部材23Kが回転すると、電チュー開閉部材23Kが遊技領域3に垂直に突出した状態になり、第2始動口22が入球可能に開放する。このように、電チュー開閉部材23Kが開状態であるときだけ遊技球の第2始動口22への進入(第2始動口22への入球)が可能となる。
第2始動口22への遊技球の進入は、第2特別図柄(以下、「特図2」という)の抽選(以下、「特図2抽選」という)および特図2の可変表示の契機となっている。また、遊技球が第2始動口22へ進入すると、所定個数(第1実施形態では、4個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域3における第1始動入賞装置21の左側には、2つの一般入賞口27が所定間隔をおいて設けられている。遊技球が一般入賞口27へ進入すると、所定個数(第1実施形態では、7個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域3における電チュー23の右斜め上方には、遊技球が通過可能なゲート28が設けられている。遊技球のゲート28の通過は、電チュー23を開放するか否かを決定する普通図柄(以下、「普図」という)の抽選(以下、「普図抽選」という)および普通図柄の可変表示(すなわち普通図柄乱数の取得と判定)の契機となっている。
また、遊技領域3における第1始動入賞装置21の右側でゲート28の直下には、大入賞口30が形成された大入賞装置31が設けられている。
大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとるAT開閉部材31Kを備える。AT開閉部材31Kの作動により大入賞口30が開閉する。AT開閉部材31Kは正面視略横長矩形状の平板からなる可動部材であり、通常は大入賞口30が閉鎖している。AT開閉部材31Kは下端を中心に、上端が前方へ倒れるように略90度回転することができる。AT開閉部材31Kが回転すると、AT開閉部材31Kが遊技領域3に垂直に突出した状態になり、大入賞口30が入球可能に開放する。このように、AT開閉部材31Kが開状態であるときだけ遊技球の大入賞口30への進入が可能となる。遊技球が大入賞口30へ進入すると、所定個数(第1実施形態では、14個)の遊技球が賞球として払い出される。
また、遊技領域3における大入賞装置31の直下には、その上面が左斜め下方に形成され、遊技球を第2始動口22へ誘導する誘導ステージ37が遊技領域3(遊技盤2の前面)から前方に突出して設けられている。なお、誘導ステージ37の上面を転動する遊技球は、第2始動口22の方へ向かって流下可能であるが、基本的には第1始動口20へ進入することはできない。
なお、第1始動口20、第2始動口22、大入賞口30、および一般入賞口27への遊技球の進入(入球)や、遊技球のゲート28の通過をまとめて、第1始動口20、第2始動口22、大入賞口30、一般入賞口27、およびゲート28への「入賞」と総称する。
ところで、遊技球が流下可能な遊技領域3は、左右方向の中央より左側の左遊技領域3Aと、右側の右遊技領域3Bと、に分けることができる。遊技球が左遊技領域3Aを流下するように遊技球を発射させるハンドル60の操作態様を「左打ち」という。一方、遊技球が右遊技領域3Bを流下するように遊技球を発射させるハンドル60の操作態様を「右打ち」という。パチンコ遊技機PY1において、左打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第1流路R1といい、右打ちにて遊技球を発射したときに遊技球が流下可能な流路を、第2流路R2という。第1流路R1および第2流路R2は、不図示の多数の遊技用くぎなどによっても構成されている。
第1流路R1上には、第1始動口20と、2つの一般入賞口27と、が設けられている。よって、遊技者は、左打ちにより第1流路R1を流下するように遊技球を発射させることで、第1始動口20、または、一般入賞口27への入賞を狙うことができる。一方、第2流路R2上には、第2始動口22と、ゲート28と、大入賞口30と、が設けられている。よって、遊技者は、右打ちにより第2流路R2を流下するように遊技球を発射させることで、ゲート28、第2始動口22、または大入賞口30への入賞を狙うことができる。
なお、遊技領域3の略最下部には、遊技領域3へ打ち込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3の外部へ排出する2つのアウト口29が設けられている。
次に、遊技盤2の背面に取り付けられた演出用ユニット5について説明する。演出用ユニット5は、主に演出を行う複数の装置をユニット化したものである。演出用ユニット5には、画像表示装置7、および盤可動装置13が搭載されている。
画像表示装置7は、20インチの3D液晶ディスプレイで構成されており、3D画像を表示可能な表示部7aを具備する。
盤可動装置13は、動作可能な盤可動体13Kを備える。盤可動体13Kは、初期位置に配されている待機状態では、遊技盤2と画像表示装置7との間で隠れている。盤可動体13Kは、待機状態において、その下端が、遊技盤2の開口部2Aの上端から少しだけ下方に位置し、下端部の一部のみが遊技者から視認できるよう配されている。そして、盤可動体13Kは、初期位置から所定の作動位置まで下降し、その作動位置から上昇して初期位置に戻ることができる。所定の作動位置としては、正面視で盤可動体13Kが開口部2Aの略中央につく位置である。ここで、所定の作業位置は適宜に設定可能であり、正面視で盤可動体13Kが開口部2Aの略中央より上方側におかれる位置であっても下方側におかれる位置であってもよい。
次に、遊技盤2の前面に形成された遊技領域3の上下方向略中央の右隣(遊技領域3以外の部分)に配置されている表示器類40について説明する。図3に示すように、表示器類40には、特図1を可変表示する特図1表示器411、特図2を可変表示する特図2表示器412、及び、普通図柄を可変表示する普図表示器42が含まれている。また、表示器類40には、後述する特図1保留数を表示する特図1保留表示器431、および後述する特図2保留数を表示する特図2保留表示器432が含まれている。
特図1の可変表示は、遊技球の第1始動口20への入賞を契機とした特図1抽選が行われると実行される。また、特図2の可変表示は、遊技球の第2始動口22への入賞を契機とした特図2抽選が行われると実行される。なお、以下の説明では、特図1および特図2を総称して「特図」といい、特図1抽選および特図2抽選を総称して「特図抽選」という。また、特図1表示器411および特図2表示器412を総称して「特図表示器41」という。さらに、特図1保留表示器431および特図2保留表示器432を総称して「特図保留表示器43」という。
特図表示器41は、横並びに配された8個のLEDから構成されている。特図表示器41の点灯態様は、特図抽選の結果に応じた特図、すなわち特図抽選結果を表す。例えば特図抽選の結果が大当たりである場合には、最終的に「□□■■□□■■」(□:点灯、■:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯する。この点灯態様が大当たり図柄であり、大当たりを表す。また、特図抽選の結果がハズレである場合には、最終的に「■■■■■■■□」というように一番右にあるLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、特図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。よって、例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させてもよい。
また、特図の可変表示において、特図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特図の変動表示がなされる。特図の変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯する態様である。なお、変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してよい。
ところで、パチンコ遊技機PY1では、遊技球が第1始動口20または第2始動口22へ入賞してもすぐに特図抽選および特図の可変表示が行われない場合がある。具体的には、特図の可変表示の実行中や大当たり遊技の実行中に遊技球の第1始動口20または第2始動口22への入賞があった場合である。この場合、所定個数を上限として、その入賞に基づいて特図抽選および特図の可変表示を実行する権利が留保される。この留保された権利のことを「特図保留」という。
特図保留には、第1始動口20への入賞に基づいて留保された特図1抽選および特図1の可変表示を実行する権利を表す「特図1保留」と、第2始動口22への入賞に基づいて留保された特図2抽選および特図2の可変表示を実行する権利を表す「特図2保留」と、がある。そして、特図1保留の数、すなわち留保されている特図1抽選および特図1の可変表示を実行する権利の数を特図1保留表示器431が表示する。一方、特図2保留の数、すなわち留保されている特図2抽選および特図2の可変表示を実行する権利の数を特図2保留表示器432が表示する。
特図1保留表示器431と特図2保留表示器432のそれぞれは、4個のLEDで構成されており、特図保留数の分だけLEDを点灯させることにより特図保留数を表示する。なお、以下において、特図1保留の数を「特図1保留数(U1)」といい、特図2保留数の数を「特図2保留数(U2)」という。また、「特図1保留数」や「特図2保留数」を総称して「特図保留数」という。さらに、「特図1保留表示器431」と「特図2保留表示器432」とを総称して「特図保留表示器43」という。
また、普図の可変表示は、普図抽選の結果を報知する。普図の可変表示では、普図が変動表示したあと停止表示する。停止表示された普図(停止普図)は、可変表示の表示結果として導出された普図抽選の結果を表す識別情報である。停止表示された普図が予め定めた特定の普図である場合には、第2始動口22(電チュー23)の開放を伴う補助遊技が行われる。
普図表示器42は、例えば2個のLEDから構成されている。普図表示器42の点灯態様は、普図抽選の結果に応じた普図、すなわち普図抽選結果を表す。普図抽選の結果が当たりである場合には、最終的には、「□□」(□:点灯、■:消灯)というように両LEDが点灯する。この点灯態様が当たり図柄であり、当たりを表す。また普図抽選の結果がハズレである場合には、最終的には、「■□」というように右のLEDのみが点灯する。この点灯態様がハズレ図柄であり、ハズレを表す。なお、普図抽選の結果に対応するLEDの点灯態様は限定されず、適宜に設定することができる。例えば、ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。
また、普図が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普図の変動表示が行われる。普図の変動表示の態様は、第1実施形態では、両LEDが交互に点灯するという態様である。なお、普図の変動表示の態様は、特に限定されず、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなど適宜に設定してもよい。
2.遊技機の電気的構成
次に、図4〜図5に基づいて、パチンコ遊技機PY1の電気的な構成を説明する。パチンコ遊技機PY1は、遊技利益を得ることが可能な遊技に関する制御(遊技の進行)を行う主制御基板80、主制御基板80による遊技の進行に応じた演出に関する制御を行うサブ制御基板90、および、遊技球の払い出しに関する制御などを行う払出制御基板110等を備えている。主制御基板80、サブ制御基板90、および払出制御基板110等は、ユニット化されて演出用ユニット5の背面側に設置されている。
なお、主制御基板80の制御対象となる遊技利益を獲得可能な遊技には、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、後述する遊技状態の設定、普図抽選、普図の可変表示、補助遊技などが含まれる。また、サブ制御基板90の制御対象となる演出には、遊技演出(特図変動演出、保留演出、大当たり遊技演出、保留連演出など)、客待ち演出、半球型ボタン17や剣型ボタン18の操作が有効な期間(操作有効期間)において操作を促す操作促進演出などが含まれている。
また、主制御基板80は、遊技の制御を行う遊技制御部と位置づけることができる。一方、サブ制御基板90は、後述する画像制御基板100、ランプ制御回路107、および音声制御回路106とともに、演出の制御を行う演出制御部と位置づけることができる。なお、演出制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出装置(画像表示装置7、スピーカ11、枠ランプ12、および、盤可動装置13等)を用いた遊技演出、客待ち演出、および操作促進演出などを制御可能であればよい。
また、パチンコ遊技機PY1は、電源基板170を備えている。電源基板170は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板170には、電源スイッチ175が接続されている。電源スイッチ175のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切り換えられる。
図4に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラムやテーブル等を記憶した遊技用ROM(Read Only Memory)83、ワークメモリとして使用される遊技用RAM(Random Access Memory)84、遊技用ROM83に記憶されたプログラムを実行する遊技用CPU(Central Processing Unit)82が含まれている。
遊技用ROM83には、後述する主制御メイン処理やメイン側タイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、遊技用ROM83には、後述する大当たり判定テーブル、大当たり図柄種別判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、始動入賞当否コマンド特定テーブル、始動入賞図柄コマンド特定テーブル、始動入賞変動パターンコマンド特定テーブル、大当たり遊技制御テーブル、遊技状態設定テーブル、当たり判定テーブル、補助遊技制御テーブルなどが格納されている。なお、遊技用ROM83は外付けであってもよい。
また、遊技用RAM84には、特図保留記憶部85が設けられている。ここで、特図保留記憶部85について説明する。前述の通り、遊技球の第1始動口20または第2始動口22への入賞があると、特図保留が発生可能であるが、特図保留が可能な場合、すなわち、特図保留数が上限値に達していないときには、この入賞に基づいて、特図抽選などを行うための各種乱数からなる判定情報が取得される。そして、この判定情報は、特図保留として特図保留記憶部85に一旦記憶される。なお、以下において、遊技球の第1始動口20への入賞により取得される判定情報のことを「特図1関連判定情報」といい、遊技球の第2始動口22への入賞により取得される判定情報のことを「特図2関連判定情報」という。また、特図1関連情報と特図2関連情報とを総称して「特図関連判定情報」という。
そして、特図1関連判定情報は、特図1保留として、特図保留記憶部85の中の特図1保留記憶部851に記憶される。一方、特図2関連判定情報は、特図2保留として、特図保留記憶部85の中の特図2保留記憶部852に記憶される。特図1保留記憶部851に記憶可能な特図1関連判定情報の数、すなわち、特図1保留数の上限数は「4」に設定されている。また、特図2保留記憶部852に記憶可能な特図1関連判定情報の数、すなわち、特図2保留数の上限数は「4」に設定されている。なお、特図1保留数の上限数および特図2保留数の上限数は適宜に設定しても良い。また特図1保留数の上限数および特図2保留数の上限数を設けなくても良い。
また、主制御基板80には、所定の中継基板(図示なし)を介して各種センサ類やソレノイド類が接続されている。そのため、主制御基板80には、各種センサ類が出力した信号が入力する。また、主制御基板80は、各種ソレノイド類に信号を出力する。
主制御基板80に接続されている各種センサ類には、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ22a、一般入賞口センサ27a、ゲートセンサ28a、および大入賞口センサ30aが含まれている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20に入賞した遊技球を検知する。第2始動口センサ22aは、第2始動口22に入賞した遊技球を検知する。一般入賞口センサ27aは、一般入賞口27に入賞した遊技球を検知する。ゲートセンサ28aは、ゲート28を通過した遊技球を検知する。大入賞口センサ30aは、大入賞口30に入賞した遊技球を検知する。
また、主制御基板80に接続されている各種ソレノイド類には、電チューソレノイド23S、および大入賞口ソレノイド31Sが含まれている。電チューソレノイド23Sは、電チュー23の電チュー開閉部材23Kを駆動する。大入賞口ソレノイド31Sは、大入賞装置31のAT開閉部材31Kを駆動する。
さらに主制御基板80には、表示器類40(特図表示器41、普図表示器42、および、特図保留表示器43)が接続されている。これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、カードユニット64、貸球払出装置65、および賞球払出装置66、およびが接続されているとともに、発射装置63が接続されている。なお、発射装置63には、ハンドル60が含まれる。また、カードユニット64は、パチンコ遊技機PY1に隣接して設置され、挿入されているプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にする装置である。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、接続されたカードユニット64からの信号に基づいて、貸球払出装置65の貸球モータ65Mを駆動して貸球の払い出しを行ったり、賞球払出装置66の賞球モータ66Mを駆動して賞球の払い出しを行ったりする。払い出される貸球は、その計数のための貸球センサ65aにより検知される。また、払い出される賞球は、その計数のための賞球センサ66aにより検知される。
また、ハンドル60には、遊技者などの人のハンドル60への接触を検知可能なタッチスイッチ63aが設けられている。遊技者によるハンドル60の操作があった場合には、タッチスイッチ63aが遊技者のハンドル60への接触を検知し、発射制御回路111を介して検知信号を払出制御基板110に出力する。また、ハンドル60には、ハンドル60の回転角度(操作量)を検出可能な発射ボリュームつまみ63bが接続されている。発射装置63は、発射ボリュームつまみ63bが検出したハンドル60の回転角度に応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ63Mを駆動させる。なお、パチンコ遊技機PY1においては、ハンドル60への回転操作が維持されている状態では、約0.6秒毎に1球の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、遊技の進行に応じて、サブ制御基板90に対し、遊技に関する情報を含んだ各種コマンドを送信する。サブ制御基板90は、主制御基板80から送られる各種コマンドに基づいて、主制御基板80による遊技の進行状況(遊技の制御内容)を把握することができる。なお、主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図5に示すように、サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機PY1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91には、主制御基板80による遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶した演出用ROM93、ワークメモリとして使用される演出用RAM94、演出用ROM93に記憶されたプログラムを実行する演出用CPU92が含まれている。
また、演出用ROM93には、後述するサブ制御メイン処理、受信割り込み処理、1msタイマ割り込み処理、および、10msタイマ割り込み処理などを行うためのプログラムが格納されている。また、演出用ROM93には、後述する保留演出パターン判定テーブルなどが格納されている。なお、演出用ROM93は外付けであってもよい。
さらに、演出用RAM94には、後述する第1始動入賞当否コマンドを記憶する第1始動入賞当否コマンド保留記憶部951、後述する第2始動入賞当否コマンドを記憶する第2始動入賞当否コマンド保留記憶部952、後述する第1始動入賞図柄コマンドを記憶する第1始動入賞図柄コマンド保留記憶部961、後述する第2始動入賞図柄コマンドを記憶する第2始動入賞図柄コマンド保留記憶部962、後述する第1始動入賞変動パターンコマンドを記憶する第1始動入賞変動パターンコマンド保留記憶部971、および後述する第2始動入賞変動パターンコマンドを記憶する第2始動入賞変動パターンコマンド保留記憶部972が設けられている。
なお、第1始動入賞当否コマンド保留記憶部951と第2始動入賞当否コマンド保留記憶部952とを合わせて「始動入賞当否コマンド保留記憶部95」という。第1始動入賞図柄コマンド保留記憶部961と第2始動入賞図柄コマンド保留記憶部962とを合わせて「始動入賞図柄コマンド保留記憶部96」という。第1始動入賞変動パターンコマンド保留記憶部971と第2始動入賞変動パターンコマンド保留記憶部972とを合わせて「始動入賞変動パターンコマンド保留記憶部97」という。
サブ制御基板90には、画像制御基板100が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板80による遊技の進行に応じて、画像制御基板100の画像用CPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。なお、サブ制御基板90と画像制御基板100との接続は、サブ制御基板90から画像制御基板100への信号の送信と、画像制御基板100からサブ制御基板90への信号の送信の双方が可能な双方向通信接続となっている。
画像制御基板100は、画像制御のためのプログラム等を記憶した画像用ROM103、ワークメモリとして使用される画像用RAM104、及び、画像用ROM103に記憶されたプログラムを実行する画像用CPU102を備えている。また、画像制御基板100は、画像表示装置7に表示される画像のデータを記憶したCGROM(Character Generator Read Only Memory)143、CGROM143に記憶されている画像データの展開等に使用されるVRAM(Video Random Access Memory)144、及び、VDP(Video Display Processor)142を備えている。勿論、これらの電子部品の全部又は一部がワンチップで構成されていてもよい。CGROM143には、例えば、画像表示装置7に表示される画像を表示するための画像データ(静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図柄、図形、文字、数字および記号等(演出図柄を含む)や背景画像等の画像データ)が格納されている。
VDP142は、演出制御用マイコン91からの指令に基づき画像用CPU102によって作成されるディスプレイリストに従って、CGROM143から画像データを読み出してVRAM144内の展開領域に展開する。そして、展開した画像データを適宜合成してVRAM144内のフレームバッファに画像を描画する。そしてフレームバッファに描画した画像をRGB信号として画像表示装置7に出力する。これにより、種々の演出画像が表示部7aに表示される。
なお、ディスプレイリストは、フレーム単位で描画の実行を指示するためのコマンド群で構成されている。ディスプレイリストには、描画する画像の種類、画像を描画する位置、表示の優先順位、表示倍率、画像の透過率等の種々のパラメータの情報が含まれている。
演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、すなわち、主制御基板80による遊技の進行に応じて、音声制御回路106を介してスピーカ11から音声、楽曲、効果音等を出力する。
スピーカ11から出力する音声等の音声データは、サブ制御基板90の演出用ROM93に格納されている。なお、音声制御回路106を、基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装し、そのROMに音声データを格納してもよい。また、スピーカ11を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100の画像用CPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100の画像用ROM103に音声データを格納してもよい。
また、サブ制御基板90には、所定の中継基板(図示なし)を介して、入力部となる各種スイッチ類や駆動源となる各種ソレノイド類やモータ類が接続されている。サブ制御基板90には、各種スイッチ類が出力した信号が入力する。また、サブ制御基板90は、各種ソレノイド類やモータ類に信号を出力する。
サブ制御基板90に接続されている各種スイッチ類には、半球型ボタン検出スイッチ17aおよび剣型ボタン検出スイッチ18aが含まれている。半球型ボタン検出スイッチ17aは、半球型ボタン17が押下操作されたことを検出する。剣型ボタン検出スイッチ18aは、剣型ボタン18が押下操作されたことを検出する。ボタン検出スイッチ17a、18aは、操作されたことを検出すると、その検出内容に応じた信号をサブ制御基板90に出力する。
サブ制御基板90に接続された各種モータ類には、盤可動体用モータ13Mが含まれている。盤可動体用モータ13Mは、盤可動体13Kを駆動して、盤可動体13Kを下降および上昇させることが可能である。詳細には演出制御用マイコン91は、盤可動体13Kの動作態様を決める動作パターンデータを作成し、ランプ制御回路107を介して、盤可動体13Kの動作を制御する。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドなどに基づいて、ランプ制御回路107を介して枠ランプ12等の点灯制御を行う。詳細には演出制御用マイコン91は、枠ランプ12の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ12の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90の演出用ROM93に格納されているデータを用いる。
なお、ランプ制御回路107を基板にしてCPUを実装してもよい。この場合、そのCPUに、枠ランプ12等の点灯制御、および、盤可動体13Kの動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、基板にROMを実装して、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
3.主制御基板80による遊技の説明
次に、主制御基板80により行われる遊技について説明する。最初に普図に関わる遊技について説明する。主制御基板80は、発射された遊技球がゲート28に入賞すると、普図の可変表示または補助遊技が行われていないことを条件に、普図抽選を行う。主制御基板80は、普図抽選を行うと、普図表示器42において、普図の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行う。ここで、停止表示される普図には、当たり図柄とハズレ図柄とがある。なお、普図のハズレ図柄については、後述する特図のハズレ図柄と区別をするために「ハズレ普図」ともいう。当たり図柄が停止表示されると補助遊技が実行されて、当該ゲート28への入賞に係る遊技が終了する。一方、ハズレ普図が停止表示されると、補助遊技は行われず、当該ゲート28への入賞に係る遊技が終了する。また、以下において、普図の可変表示または補助遊技が行われていないときに遊技球がゲート28に入賞することを「普図変動始動条件の成立」という。
主制御基板80は、このような一連の遊技(普図抽選、普図の可変表示、補助遊技)を行うにあたり、普図変動始動条件の成立により、普図関連判定情報を取得する。取得する普図関連判定情報には、図6(A)に示すように、普通図柄乱数がある。普通図柄乱数は当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。具体的に、普通図柄乱数の範囲は、0〜65535である。
次に、普図関連判定情報を用いて行われる各判定について説明する。最初に、当たり判定について説明する。当たり判定は、図7(A)に示す当たり判定テーブルを用いて、当たりか否か(補助遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。当たり判定テーブルは、後述する遊技状態に関連付けられている。すなわち、当たり判定テーブルには、非時短状態で用いる当たり判定テーブル(非時短用当たり判定テーブル)と、時短状態で用いる当たり判定テーブル(時短用当たり判定テーブル)と、がある。各当たり判定テーブルでは、当たり判定の結果である当たりとハズレに、普通図柄乱数の判定値(普通図柄乱数判定値)が振り分けられている。よって、主制御基板80は、取得した普通図柄乱数を当たり判定テーブルに照合して、当たりかハズレかの当たり判定を行う。当たり判定の結果が当たりであると、基本的には、普図の可変表示で当たり図柄が停止表示される。一方、当たり判定の結果がハズレであると、基本的には、普図の可変表示でハズレ普図が停止表示される。
次に、普図の変動パターン判定(普図変動パターン判定)について説明する。普図変動パターン判定は、図7(B)に示す普図変動パターン判定テーブルを用いて、普図変動パターンを決定するための判定である。普図変動パターンは、普図変動時間などの普図の変動表示に関する所定事項に関する識別情報である。
普図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、普図変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(非時短普図変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる普図変動パターン判定テーブル(時短普図変動パターン判定テーブル)とがある。
各普図変動パターン判定テーブルには、普図変動パターン判定の結果である普図変動パターンが、停止される普通図柄毎に1つ格納されている。すなわち、主制御基板80は、非時短状態においては、ハズレの普通図柄(ハズレ普図)を停止表示する場合の普図変動表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図変動表示については普図変動時間が30秒となる普図変動パターンに決定する。また、主制御基板80は、時短状態においては、ハズレ普図を停止表示する場合の普図変動表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定し、当たり図柄を停止表示する場合の普図変動表示については普図変動時間が5秒となる普図変動パターンに決定する。この判定で決定された普図変動パターンに対応付けられた普図変動時間の普図変動表示が、普図表示器42で行われる。
このように、当たり判定、および、普図変動パターン判定が行われることによって、普図表示器42において普図の可変表示が行われる。そして、普図の可変表示で、表示結果(普図抽選の結果)として、当たり図柄が停止表示(導出)されると、補助遊技が実行される。
補助遊技を構成する要素(補助遊技構成要素)には、電チュー23が開放する回数、および各開放についての開放時間などの様々な要素が含まれている。そして、これらの各要素は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。主制御基板80は、遊技状態(非時短状態/時短状態)に基づいて、図7(C)に示す補助遊技制御テーブルを用いて補助遊技を制御する。すなわち、補助遊技制御テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に対応付けられている。各補助遊技制御テーブルには、補助遊技構成要素が格納されている。よって、主制御基板80は、当たり図柄が停止表示されると、遊技状態に応じた補助遊技を実行する。ここで、遊技状態に応じた補助遊技について説明する。
非時短状態における補助遊技では、電チュー23が1回開放する。このときの開放時間は0.2秒である。2よって、この補助遊技が実行されたときに遊技球を第2始動口22に入賞させるのは困難である。なお、以下において、非時短状態における補助遊技のことを「ショート開放補助遊技」ともいう
時短状態における補助遊技では、電チュー23が2回開放する。1回目の開放時間は2.5秒である。そして、1回目の開放が終了し、一旦電チュー23が閉鎖してから1.0秒のインターバル時間を挟んで2回目の開放が行われる。2回目の開放時間は2.5秒である。よって、この補助遊技が実行されたときに遊技球を第2始動口22に入賞させるのは容易である。なお、以下において、時短状態における補助遊技のことを「ロング開放補助遊技」ともいう。
次に、特図に関わる遊技について説明する。発射された遊技球が第1始動口20に入賞すると、特図1保留数(U1)が4未満であることを条件に、特図1抽選を行う。特図1抽選が行われると、特図1表示器411において、特図1の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図1抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図1には、大当たり図柄およびハズレ図柄がある。すなわち、特図1抽選の結果には大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると、大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
同様に、発射された遊技球が第2始動口22に入賞すると、特図2保留数(U2)が4未満であることを条件に、特図2抽選を行う。特図2抽選が行われると、特図2表示器412において、特図2の可変表示(変動表示を行った後に停止表示)を行って、特図2抽選の結果を報知する。ここで、停止表示される特図2には、大当たり図柄、およびハズレ図柄がある。すなわち、特図2抽選の結果には、大当たり、およびハズレがある。大当たり図柄が停止表示されると大当たり遊技が実行され、新たな遊技状態が設定されて、当該入賞に基づく遊技が終了する。一方、ハズレ図柄が停止表示されると大当たり遊技が行われず、当該入賞に基づく遊技が終了する。
なお、以下において、特図1保留数(U1)が4未満であるときに遊技球が第1始動口20に入賞することを「第1始動条件の成立」といい、特図2保留数(U2)が4未満であるときに遊技球が第2始動口22に入賞することを「第2始動条件の成立」という。また、「第1始動条件の成立」と「第2始動条件の成立」をまとめて「始動条件の成立」と総称する。また、特別図柄のハズレ図柄については、前述の普通図柄のハズレ図柄と区別するために「ハズレ特図」ともいう。
主制御基板80は、このような一連の遊技(特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技、遊技状態の設定)を行うにあたり、始動条件の成立により、特図関連判定情報を取得し、当該特図関連判定情報について種々の判定を行う。取得する特図関連判定情報には、図6(B)に示すように、特別図柄乱数、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数および特図変動パターン乱数がある。
特別図柄乱数は大当たり判定を行うための乱数(判定情報)である。大当たり図柄種別乱数は大当たり図柄種別判定を行うための乱数(判定情報)である。リーチ乱数はリーチ判定を行うための乱数(判定情報)である。特図変動パターン乱数は特別図柄の変動パターン判定を行うための乱数(判定情報)である。各乱数には、適宜に範囲が設けられている。具体的に、特別図柄乱数の範囲は、0〜65535である。大当たり図柄種別乱数の範囲は、0〜9である。リーチ乱数の範囲は、0〜99である。特図変動パターン乱数の範囲は、0〜99である。なお、各種乱数の範囲は、これらに限られず適宜に設定することができる。
次に、特図関連判定情報を用いて行われる各判定について説明する。最初に、大当たり判定について説明する。大当たり判定は、図8(A)に示す大当たり判定テーブルを用いて、大当たりか否か(大当たり遊技を実行するか否か)を決定するための判定である。大当たり判定テーブルは、遊技状態、詳細には、後述する通常確率状態であるか高確率状態であるかに関連付けられている。すなわち、大当たり判定テーブルには、通常確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(通常確率用大当たり判定テーブル)と高確率状態において用いられる大当たり判定テーブル(高確率用大当たり判定テーブル)とがある。
各大当たり判定テーブルでは、大当たり判定の結果である大当たり、およびハズレに、特別図柄乱数の判定値(特別図柄乱数判定値)が振り分けられている。主制御基板80は、取得した特別図柄乱数を大当たり判定テーブルに照合して、大当たり、またはハズレの何れであるかを判定する。図8(A)に示すように、高確率用大当たり判定テーブルの方が、通常確率用大当たり判定テーブルよりも、大当たりと判定される特別図柄乱数判定値が多く設定されている。
次に、大当たり図柄種別判定について説明する。大当たり図柄種別判定は、大当たり判定の結果が大当たりである場合に、図8(B)に示す大当たり図柄種別判定テーブルを用いて大当たり図柄の種別(大当たり図柄種別)を決定するための判定である。大当たり図柄の種別には、大当たりの内容、換言すれば、遊技者に付与される遊技特典(通常よりも遊技者に有利になる有利遊技状態の内容)などで構成される大当たりの構成要素が対応付けられている。
大当たり図柄種別判定テーブルは、可変表示される特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該大当たり図柄種別判定が起因する(当該大当たり図柄種別判定を発生させた)入賞が行われた始動口の種別(第1始動口20/第2始動口22)に関連付けられている。すなわち、大当たり図柄種別判定テーブルには、特図1の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第1大当たり図柄種別判定テーブル)と特図2の可変表示を行うときに用いられる大当たり図柄種別判定テーブル(第2大当たり図柄種別判定テーブル)とがある。
各大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別判定の結果である大当たり図柄種別に、大当たり図柄種別乱数の判定値(大当たり図柄種別乱数判定値)が振り分けられている。よって、主制御基板80は、取得した大当たり図柄種別乱数を大当たり図柄種別判定テーブルに照合して、大当たり図柄の種別を判定する。
第1始動口20に入賞した場合の(特図1に係る)大当たり図柄として、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Cの3種類の大当たり図柄が設けられている。一方、第2始動口22に入賞した場合の(特図2に係る)大当たり図柄として、大当たり図柄D、および大当たり図柄Eの2種類の大当たり図柄が設けられている。そして、第1大当たり図柄種別判定テーブルおよび第2大当たり図柄種別判定テーブルでは、大当たり図柄種別乱数判定値が各種大当たり図柄に適宜に振り分けられている。
なお、大当たりの当選確率および大当たり図柄種別の振分率(%)は図8(A)および図8(B)に限られず、適宜に設定することができる。また、大当たり図柄の種別は、図8(B)に示す5種類の大当たり図柄に限らず、適宜に設定することができる。例えば、第1大当たり図柄種別判定テーブルにおいて、3種類より多い又は少ない種類の大当たり図柄が大当たり図柄種別乱数判定値に対応付けられていても良い。また、第2大当たり図柄種別判定テーブルにおいて、2種類より多い大当たり図柄が大当たり図柄種別乱数判定値に対応付けられていても良い。
次に、リーチ判定について説明する。リーチ判定は、大当たり判定の結果がハズレである場合に、図8(C)に示すリーチ判定テーブルを用いてリーチを発生させるか否かを決定するための判定である。ここで、リーチについて説明するために、リーチの前提となる特図変動演出について説明する。
特図の可変表示が行われると、当該特図の可変表示に応じて、特図変動演出が行われる。特図変動演出は、画像表示装置7、スピーカ11、枠ランプ12、盤可動装置13、半球型ボタン17、および剣型ボタン18などの様々な演出装置を用いて行われる。特図変動演出では、画像表示装置7の表示部7aにおいて、当該特図の可変表示に同期または略同期した演出図柄の可変表示が行われる。すなわち、特図の変動表示に伴って演出図柄の変動表示が行われ、特図の変動停止(停止表示)に伴って、演出図柄の変動停止(停止表示)が行われる。なお、演出図柄の可変表示が行われているときには、表示部7aで行われる特図変動演出として、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄とは異なる演出画像(静止画や動画)の表示が行われる。
演出図柄は、例えば、表示部7aにおいて、相対的に左側に表示される左演出図柄EZ1と、相対的に真ん中に表示される中演出図柄EZ2と、相対的に右側に表示される右演出図柄EZ3とで構成される(図15など参照)。なお、以下において、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3を総称する場合に「演出図柄EZ1,EZ2,EZ3または演出図柄EZ1〜EZ3」という場合もある。
演出図柄EZ1,EZ2,EZ3はそれぞれ、遊技者が識別可能な複数の識別情報で構成される。第1実施形態では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3は主に「1」〜「8」までの数字を含む図柄で構成される。そして、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示においては、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を構成する数字を含む図柄群が、正面視で上下方向に並んで表示部7aの上から下にスクロールする。このとき、表示部7aに表示され、視認される数字が次々に入れ替わる。
なお、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示の態様としては、上下方向にスクロールする態様に限られず、左右方向(例えば、右から左)にスクロールする態様など他の態様であってもよい。また、スクロール表示ではなく所定の定位置で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を構成する数字を含む図柄群が次々に入れ替わる(例えば、その定位置で自転する)態様であってもよい。
そして、特図が停止表示されるときに、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が所定の配列(組み合わせ)で停止表示される。すなわち、変動表示において表示部7a内で次々に入れ替わっていた様々な数字を含む図柄が1つに特定される。このとき、停止表示した演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の組み合わせによって、特図表示器41にて停止表示される特図、すなわち特図抽選の結果が、わかりやすく表示される。つまり遊技者は、一般的には特図抽選の結果を特図1表示器411や特図2表示器412により把握するのではなく、画像表示装置7の表示部7aにて把握する。
そして、リーチとは、特図変動演出において、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3を用いて遊技者に大当たりを期待させるための演出である。具体的に、リーチは、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3のうちでスクロール表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、スクロール表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「5↓5」の状態)のことである(図16(D)や図17(A)参照)。なお、リーチにおいてスクロール表示されていない演出図柄は、表示部7a内の所定位置で仮停止している。
仮停止とは、所定の演出図柄が略所定位置で留まり(所定の演出図柄が表示部7a内に表示され続け)、すなわち、異なる演出図柄に入れ替わることはないものの、微小な変動(例えば、多少の上下方向の往復運動の繰り返し、また、多少の揺動の繰り返し、また、拡大と縮小の繰り返しなど)のことである。なお、仮停止の態様はこれらに限られず、適宜に設定しても良い。
リーチ判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられている。すなわち、リーチ判定テーブルには、非時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(非時短用リーチ判定テーブル)と時短状態のときに用いられるリーチ判定テーブル(時短用リーチ判定テーブル)とがある。
非時短状態と時短状態についての詳細は後述するが、非時短状態と時短状態は、特別図柄の変動表示に要する時間(特図変動表示の開始時から表示結果の導出時までの時間:特図変動時間)に影響を及ぼす遊技状態であり、時短状態では、非時短状態よりも特図変動時間が短くなり易い。
各リーチ判定テーブルでは、リーチ判定の結果である「リーチ有り(リーチを発生させる)」と「リーチ無し(リーチを発生させない)」に、リーチ乱数の判定値(リーチ乱数判定値)が振り分けられている。よって、主制御基板80は、取得したリーチ乱数をリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しか(リーチを発生させる否か)を判定する。図8(C)に示すように、非時短用リーチ判定テーブルの方が、時短用リーチ判定テーブルよりも、「リーチ有り(リーチを発生させる)」と判定されるリーチ乱数判定値が多く振り分けられている。
リーチ判定の結果が「リーチ有り(リーチを発生させる)」であると、大抵の場合は特図変動演出でリーチが発生する。一方、リーチ判定の結果が「リーチ無し(リーチを発生させない)」であると、特図変動演出でリーチが発生しない。なお、以下において、大当たり判定の結果が「ハズレ」であることを前提に行われるリーチ判定の結果「リーチ有り(リーチを発生させる)」のことを「リーチ有りハズレ」といい、「リーチ無し(リーチを発生させない)」のことを「リーチ無しハズレ」ということもある。
次に、特別図柄変動パターン判定について説明する。特別図柄変動パターン判定(特図変動パターン判定)は、大当たり判定の結果が大当たり、およびハズレの何れの場合にも、図9〜図10に示す特別図柄の変動パターン判定テーブル(特図変動パターン判定テーブル)を用いて、特別図柄の変動表示の変動パターン(特図変動パターン)を決定するための判定である。
特図変動パターンとは、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)などに関する所定事項を識別するための識別情報である。なお、特図変動パターンには、特図変動時間や特図変動演出の演出フロー(演出内容)の他、大当たり判定の結果とリーチ判定の結果に関する情報も含まれている。
特図変動パターン判定テーブルは、判定対象となる変動表示を行う特別図柄の種別(特図1/特図2)、言い換えれば、当該特図変動パターン判定が起因する入賞が行われた始動口の種別(第1始動口20/第2始動口22)に関連付けられている。すなわち、特図変動パターン判定テーブルは、特図1の変動表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図1変動パターン判定テーブル:図9)と、特図2の変動表示を行うときに用いられる特図変動パターン判定テーブル(特図2変動パターン判定テーブル:図10)とに大別される。
そして、特別図柄の種別に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、遊技状態(非時短状態/時短状態)にも関連付けられている。すなわち、特図1変動パターン判定テーブルには、非時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(非時短用特図1変動パターン判定テーブル)と時短状態のときに用いられる特図1変動パターン判定テーブル(時短用特図1変動パターン判定テーブル)とがある。一方、特図2変動パターン判定テーブルについても同様に、非時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(非時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、時短状態のときに用いられる特図2変動パターン判定テーブル(時短用特図2変動パターン判定テーブル)と、がある。
また、遊技状態(非時短状態/時短状態)に関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルは、さらに、大当たり判定結果およびリーチ判定結果にも関連付けられている。すなわち、非時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび非時短用特図2変動パターン判定テーブルにはそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。同様に、時短用特図1変動パターン判定テーブルおよび時短用特図2変動パターン判定テーブルにもそれぞれ、大当たり用、リーチ有りハズレ用、およびリーチ無しハズレ用がある。
さらに、各リーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。具体的には、特図1保留数(U1)が0〜2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、特図1保留数(U1)が3〜4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルと、がある。また、リーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルは、特図保留数にも関連付けられている。具体的には、特図2保留数(U2)が0〜2のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、特図2保留数(U2)が3〜4のときに用いられるリーチ無しハズレ用の特図2変動パターン判定テーブルと、がある。
以上のように特別図柄の種別や遊技状態などに関連付けられた各特図変動パターン判定テーブルでは、特図変動パターン判定の結果である特図変動パターンに、特図変動パターン乱数の判定値(特図変動パターン乱数判定値)が振り分けられている。よって、主制御基板80は、取得した特図変動パターン乱数を特図変動パターン判定テーブルに照合して、特図変動パターンを判定する。そして、この判定で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間の特別図柄の変動表示が、特図表示器41で行われる。
そして、特別図柄の変動表示が行われているときに、特図変動パターンに基づいた特図変動演出が行われる。特図変動演出には、通常の通常特図変動演出と、通常特図変動演出よりも演出時間が長く、通常特図変動演出よりも大当たり期待度が高い特別特図変動演出とがある。
また、特図変動パターンには、特図変動時間に基づいた特図変動演出の演出内容を構成する演出フローに関する情報が含まれている。この特図変動演出の演出フローは、図9〜図10に示す特図変動パターン判定テーブルの右から3番目の項目に示している。ここで、特図変動パターンに関連づけられた特図変動演出の演出フローを構成する各演出について説明する。
特図変動演出の演出フローを構成する演出として、通常変動、リーチ、ノーマルリーチ(Nリーチ)、発展演出、ロングリーチ(Lリーチ)、およびスペシャルリーチ(SPリーチ)がある。
通常変動は、基本的には、演出図柄が特別態様になることなく、1つ1つの演出図柄を認識困難な程度に高速で変動表示する演出のことである。そして、通常特図変動演出の全部分(演出図柄の変動開始から変動停止までの部分)、および、特別特図変動演出におけるリーチが成立(確定)するまでの部分が通常変動で構成されている。
Nリーチは、通常変動を経てリーチが成立(確定)した直後に、当該リーチを構成する演出図柄が仮停止したその位置で所定時間(例えば、10秒)維持された状態で、残り1つの演出図柄が減速していき、通常変動より低速で変動する演出である。Nリーチが示唆する大当たりの期待度は、通常変動より高く、後述するLリーチおよびSPリーチよりも低い。Nリーチで特図変動演出が終了する場合、その低速で変動する残りの1つの演出図柄が停止する。ハズレの場合、残りの1つの演出図柄は、リーチを構成する演出図柄とは異なる演出図柄で停止する。Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、残りの1つの演出図柄が再び高速で変動し、リーチが維持されたままNリーチからLリーチまたはSPリーチに発展する(切り替わる)。
Lリーチは、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部7aの左上で、右演出図柄EZ3は表示部7aの右上)に移動した状態で、Lリーチ専用の背景画像が表示され(映像が流され)、Nリーチよりも長い時間行われる演出である。なお、Lリーチでは、主に表示部7aにおいて2DCGによるアニメーション画像が表示される。Lリーチの演出内容としては、所定のキャラクタが街中で敵キャラクタとバトルするシーンが表示される(バトルする映像が表示部7aで流れる)。
SPリーチは、成立したリーチが維持されるが、当該リーチを構成する演出図柄が縮小されると共に所定位置(例えば、左演出図柄EZ1は表示部7aの左上で、右演出図柄EZ3は表示部7aの右上)に移動した状態で、Lリーチ用の背景画像よりも長い時間の専用の背景画像が表示される(映像が流れる)演出である。なお、SPリーチでは、主に表示部7aにおいて3DCG画像が表示される。そして、SPリーチの演出内容としては、所定のキャラクタが敵の基地で敵キャラクタとバトルするシーンが表示される(バトルする映像が表示部7aで流れる)。
なお、Nリーチ、Lリーチ、およびSPリーチにおける「リーチが維持された状態」には、当該Nリーチ、Lリーチ、およびSPリーチにおいてずっとリーチを構成する演出図柄が表示部7aで視認可能である状態だけではなく、例えば、専用の背景画像との関係で所定期間、当該リーチを構成する演出図柄が表示部7aから視認困難または視認不可能な状態も含むものとする。
また、図9〜図10の表の右から2番目の欄に示すように、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容に関する情報を含む特図変動パターンについて、特図(大当たり判定結果)および特図変動演出の演出内容などに関連付けて名称を付すこととする。
例えば、ハズレに係る特図変動パターン全般のことを「ハズレ変動」ともいい、大当たりに係る特図変動パターン全般のことを「大当たり変動」ともいう。また、リーチ有りハズレに係るハズレ変動のことを「リーチ有りハズレ変動」ともいい、リーチ無しハズレに係るハズレ変動のことを「リーチ無しハズレ変動」ともいう。また、大当たりおよびハズレに関係なくSPリーチが行われる特図変動パターンのことを「SPリーチ変動」ともいう。さらに、大当たりおよびハズレに関係なくLリーチが行われる特図変動パターンのことを「Lリーチ変動」ともいう。
また、非時短状態で選択可能な通常Aハズレ変動〜通常Cハズレ変動に係る特図変動演出の演出フローはともに通常変動のみで構成されているが、その特図変動パターンの特図変動時間が13秒、8秒と4秒とで異なっている。同様に、時短状態で選択可能な短縮Aハズレ変動と短縮Bハズレ変動に係る特図変動演出の演出フローもともに通常変動のみで構成されているが、その特図変動パターンの特図変動時間が6秒と3秒とで異なっている。
以上のように、大当たり判定、大当たり図柄種別判定、リーチ判定、および特図変動パターン判定が行われることによって、特図表示器41において特図の可変表示が行われる。
そして、特図の可変表示で、表示結果(特別図柄抽選の結果)として、大当たり図柄が停止表示されると、次の特図の可変表示が行われず、引き続いて、大当たり遊技が実行される。次に、大当たり遊技について説明する。
大当たり遊技は、大入賞口30の開閉を伴う複数回のラウンド遊技と、大当たり遊技が開始してから初回のラウンド遊技が開始されるまでのオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了してから大当たり遊技が終了するまでのエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。
各ラウンド遊技は、オープニングの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はエンディングの開始によって終了する。なお、以下において、所定回数目(所定の順番)のラウンド遊技を、単に「ラウンド」という。例えば、初回(1回目)のラウンド遊技のことを「1ラウンド(1R)」ともいい、10回目のラウンド遊技のことを「10ラウンド(10R)」ともいう。
このような大当たり遊技を構成する要素(大当たり遊技構成要素)には、ラウンド遊技の回数、各回のラウンド遊技における大入賞口30の開放回数、各開放が行われる大入賞口の種別および開放時間(開放パターン)、次回の開放まで閉鎖させる時間(閉鎖時間)、オープニングの時間(オープニング時間)、およびエンディングの時間(エンディング時間)などが含まれている。
そして、これらの各要素は、大当たり遊技制御テーブルに格納されている。図11(A)に示すように、大当たり遊技制御テーブルは、大当たり図柄の種別に対応付けられている。主制御基板80は、停止表示された大当たり図柄の種別に対応付けられた大当たり遊技制御テーブルを用いて大当たり遊技を制御する。すなわち、主制御基板80は、大当たり図柄が停止表示されると、停止表示された大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技を実行する。ここで、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技について説明する。
大当たり図柄Aに応じた大当たり遊技では、ラウンド遊技が8回行われる。そして、1Rから8Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって大入賞口30が開放する。
大当たり図柄B、および大当たり図柄Cに応じた大当たり遊技では、ラウンド遊技が4回行われる。そして、1Rから4Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって大入賞口30が開放する。
大当たり図柄D、および大当たり図柄Eに応じた大当たり遊技では、ラウンド遊技が16回行われる。そして、1Rから16Rまでの各ラウンド遊技では、1回のラウンド遊技当たり最大で29.5秒にわたって大入賞口30が開放する。
そして、主制御基板80は、大当たり遊技の終了に伴って、当該大当たり遊技後の遊技状態を新たに設定する。新たに設定される遊技状態は、終了する大当たり遊技に係る大当たり図柄に対応付けられている。
ここで、パチンコ遊技機PY1の遊技状態について説明する。パチンコ遊技機PY1の遊技状態として、大当たり判定において「大当たり」と判定される確率に係る遊技状態と、特図変動時間および第2始動口22の開放の容易性に係る遊技状態とがある。前者には、通常確率状態と高確率状態とがある。一方、後者には、非時短状態と時短状態とがある。
通常確率状態は、大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常の確率である遊技状態である。一方、高確率状態は大当たり判定で大当たりと判定される確率が通常確率より高い高確率である遊技状態である。なお、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには通常確率状態が設定される。
次に、非時短状態と時短状態について説明する。時短状態は、非時短状態に比べて、特図変動時間が短くなり易い遊技状態である。前述のように、時短状態では、非時短状態に比べて特図変動時間の短い特図変動パターンが選択され易いように設定された特図変動パターン判定テーブルを用いて、特図変動パターン判定が行われる。その結果、時短状態では、非時短状態に比べて特図保留の消化のペースが速くなり、始動口20,22への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
また、時短状態は、非時短状態に比べて、普図変動時間が短くなり易い遊技状態でもある。第1実施形態では、普図変動時間は、遊技状態に関連付けられた普図変動パターン判定テーブルに基づいて決定される。具体的に、普図変動時間は、非時短状態においては30.0秒に決定され、時短状態においては5.0秒に決定される。よって、時短状態の方が、単位時間当たりにおける普図抽選の実行回数が多くなる。
さらに、時短状態は、非時短状態に比べて、1回の補助遊技における電チュー23の開放時間が長くなり易い遊技状態でもある。これは、非時短状態では、1回の補助遊技で電チュー23が0.2秒開放するのに対し、時短状態では、1回の補助遊技で電チュー23が合計で5.0秒開放するからである。
加えて、時短状態は、非時短状態に比べて、当たり判定で当たりと判定され易い遊技状態でもある。これは、非時短状態では、当たり判定において6600/66536の確率で当たりと判定されるのに対し、時短状態では、当たり判定において59936/66536の確率で当たりと判定されるからである。
以上のことから、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー23の開放時間が長くなるので、第2始動口22への入賞がし易くなる。よって、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。そのため、ベースの高い時短状態では、所持する遊技球を大きく減らすことなく大当たり当選を狙うことができる。なお、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入されたときには非時短状態が設定される。
なお、時短状態では、非時短状態に比べて、当たりに当選し易いこと、普図変動時間が短くなり易いこと、および1回の補助遊技における電チュー23の開放時間が長くなり易いことからなる普図に係る遊技についての3つの点で、遊技者に有利に設定されるが、この遊技者に有利に設定される点はこれらの中の任意の一部であってもよい。最終的に、時短状態では、非時短状態に比べて、単位時間当たりの電チュー23の開放時間が長くなり、第2始動口22への入賞がし易くなればよい。
また、パチンコ遊技機PY1で初めて電源投入された後の遊技状態は、通常確率状態且つ非時短状態であるが、この遊技状態を「通常遊技状態」ともいう。大当たり遊技中は、遊技状態が通常遊技状態に設定される。すなわち、大当たり遊技の開始に伴って、遊技状態がリセットされて、通常遊技状態が設定される。
ここで、大当たり遊技後の遊技状態についての説明に戻す。前述の通り、新たに設定される遊技状態は、終了する大当たり遊技に係る大当たり図柄に対応付けられている。具体的には、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Dに対応付けられた新たな遊技状態は、高確率状態且つ時短状態である。すなわち、大当たり図柄A、大当たり図柄B、または大当たり図柄Dが停止表示すると、大当たり遊技の後は、高確率状態且つ時短状態で遊技が進行する。一方、大当たり図柄C、および大当たり図柄Eに対応付けられた新たな遊技状態は、通常確率状態且つ時短状態である。すなわち、大当たり図柄C、または大当たり図柄Eが停止表示すると、大当たり遊技の後は、通常確率状態且つ時短状態で遊技が進行する。
このように、大当たり当選に伴って、大当たり遊技後は新たな遊技状態にて遊技が進行するが、通常遊技状態に比べて遊技者に有利になる新たな遊技状態の期間は規定されている。具体的には、遊技者に有利な新たな遊技状態が設定されて、大当たりに当選することなく特図の可変表示が所定の規定回数、実行されると、遊技者に有利な遊技状態が終了する。この規定回数は、大当たり図柄の種別と、遊技状態の種別とに関連付けられている。
大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Dで高確率状態が設定される場合の規定回数は160回に設定されている。また、大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Dで時短状態が設定される場合の規定回数は160回に設定されている。さらに、大当たり図柄C、および大当たり図柄Eで時短状態が設定される場合の規定回数は100回に設定されている。
そして、高確率状態が設定されて大当たり当選されることなく規定回数の特図の可変表示が実行されると、高確率状態が終了して通常確率状態に移行する。また、時短状態が設定されて大当たり当選されることなく規定回数の特図の可変表示が実行されると、時短状態が終了して非時短状態に移行する。
なお、以下において、高確率状態に対する規定回数を「高確率規定回数」という。また、時短状態に対する規定回数を「時短規定回数」という。また、大当たり図柄C、および大当たり図柄Eに係る大当たり遊技後に通常確率状態で遊技が進行するが、この遊技状態についての規定回数は設定されていない。
このように、大当たり図柄に応じて新たな遊技状態および規定回数が対応付けられている。主制御基板80は、図11(B)に示す遊技状態設定テーブルに基づいて、大当たり遊技後の新たな遊技状態、並びに高確率規定回数、および時短規定回数を設定する。
以上のように、大当たりに当選すると、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技が実行され、大当たり図柄の種別に応じた遊技状態および規定回数が設定される。大当たり遊技の種別、遊技状態の種別および規定回数は、遊技者の遊技利益となるので、大当たり図柄の種別は、遊技者に付与する遊技利益を表しているということができる。ここで、特図1抽選に係る大当たり図柄A、大当たり図柄B、および大当たり図柄Cに係る遊技利益と、特図2抽選に係る大当たり図柄D、および大当たり図柄Eに係る遊技利益とを比べると、大当たり遊技に係る出玉性能の点から特図2抽選の方が遊技者に有利といえる。
また、大当たりの遊技利益に着目し、大当たり遊技後に高確率状態で遊技が進行させる大当たりのことを「高確率大当たり」ともいう。さらに、大当たり遊技後に高確率状態且つ時短状態で遊技が進行させる大当たりのことを「確変大当たり」ともいう。加えて、大当たり遊技後に通常確率状態且つ時短状態で遊技が進行させる大当たりのことを「時短大当たり」ともいう。
ところで、主制御基板80は、遊技球が始動口20、22に入賞して、特図関連判定情報を取得すると、一旦、遊技用RAM84の特図保留記憶部85とは異なる領域(例えば、バッファ)に記憶し、当該特図関連判定情報に基づいて始動入賞コマンドを特定してサブ制御基板90に送信する。始動入賞コマンドは、始動入賞当否コマンド、始動入賞図柄コマンド、および始動入賞変動パターンコマンドで構成されている。
なお、始動入賞コマンド、始動入賞当否コマンド、始動入賞図柄コマンド、および始動入賞変動パターンコマンドは、そのコマンドを発生させた遊技球が入賞した始動口の種別(第1始動口20/第2始動口22)によって分けられる。遊技球が第1始動口20に入賞して特定された始動入賞コマンド、始動入賞当否コマンド、始動入賞図柄コマンド、および始動入賞変動パターンコマンドを「第1始動入賞コマンド」、「第1始動入賞当否コマンド」、「第1始動入賞図柄コマンド」、および「第1始動入賞変動パターンコマンド」という。一方、遊技球が第2始動口22に入賞して特定された始動入賞コマンド、始動入賞当否コマンド、始動入賞図柄コマンド、および始動入賞変動パターンコマンドを「第2始動入賞コマンド」、「第2始動入賞当否コマンド」、「第2始動入賞図柄コマンド」、および「第2始動入賞変動パターンコマンド」という。
始動入賞当否コマンドは、特別図柄乱数に基づいて特定され、大当たりかハズレかの情報(以下、「当否情報」という)と、当該始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口20/第2始動口22)に関する情報(始動口情報)が含まれている。当否情報は、取得した特別図柄乱数を用いて現在の遊技状態で大当たり判定した場合の大当たり判定結果が関連付けられている。
始動入賞当否コマンドは、図12に示す始動入賞当否コマンド特定テーブルに照合することで特定される。始動入賞当否コマンド特定テーブルは、まずは特別図柄乱数の取得に起因する始動口の種別(第1始動口20/第2始動口22)に関連付けられている。さらに始動入賞当否コマンド特定テーブルは、現在の大当たり判定に係る遊技状態(通常確率状態/高確率状態)に関連付けられている。なお、以下において、第1始動口20に関連付けられた始動入賞当否コマンド特定テーブルのことを「第1始動入賞当否コマンド特定テーブル」といい、第2始動口22に関連付けられた始動入賞当否コマンド特定テーブルのことを「第2始動入賞当否コマンド特定テーブル」という。
各テーブルにおいて、特別図柄乱数が、通常確率状態でも高確率状態でも大当たりと判定される第1当否グループ(各テーブルの1番上)と、通常確率状態ではハズレと判定されるが高確率状態であれば大当たりと判定される第2当否グループ(各テーブルの真ん中)と、通常確率状態でも高確率状態でもハズレと判定される第3当否グループ(各テーブルの1番下)と、に振り分けられている。そして、各テーブルの各当否グループに、各グループを識別可能な始動入賞当否コマンドが対応付けられている。
第1当否グループに属する特別図柄乱数は、何れの遊技状態であっても大当たりと判定されるので、各テーブルの第1当否グループに対応付けられた始動入賞当否コマンドには、当該コマンドが起因する特別図柄乱数で大当たり判定が行われると必ず大当たりと判定される、すなわち大当たりが確定しているという情報が含まれている。そこで、何れのテーブルの第1当否グループに対応付けられた始動入賞当否コマンドのことを、「確定大当たり情報」ともいう。
また、第3当否グループに属する特別図柄乱数は、何れの遊技状態であってもハズレと判定されるので、各テーブルの第3当否グループに対応付けられた始動入賞当否コマンドには、当該コマンドが起因する特別図柄乱数で大当たり判定が行われると必ずハズレと判定される、すなわちハズレが確定しているという情報が含まれている。そこで、何れのテーブルの第3当否グループに対応付けられた始動入賞当否コマンドのことを、「確定ハズレ情報」ともいう。
ここで、第2当否グループについては第1当否グループおよび第3当否グループと取り扱いが異なる。第2当否グループに属する特別図柄乱数は、始動入賞当否コマンド特定テーブルが異なっていても、通常遊技状態であるとハズレと判定され、高確率状態であると大当たりと判定されることは共通している。しかし、現在の遊技状態が通常確率状態であれば、その状態で大当たり判定が行われればハズレと判定されることになる一方、現在の遊技状態が高確率状態であれば、その状態で大当たり判定が行われると大当たりと判定されることになる。
よって、通常確率状態に係るテーブルの第2当否グループに対応付けられた始動入賞当否コマンドは、この始動入賞当否コマンドに係る特別図柄乱数に基づいて大当たり判定が行われる前に高確率状態になれば大当たりを示すが、現時点ではハズレを示す情報である。つまり、この始動入賞当否コマンドは、基本的にはハズレを表す情報となる。これに対して、高確率確率状態に係るテーブルの第2当否グループに対応付けられた始動入賞当否コマンドは、この始動入賞当否コマンドに係る特別図柄乱数に基づいて大当たり判定が行われる前に通常確率状態になればハズレを示すが、現時点では大当たりを示す情報である。つまり、この始動入賞当否コマンドは、基本的には大当たりを表す情報となる。そこで、前者の第2当否グループに係る始動入賞当否コマンドのことを「暫定ハズレ情報」ともいい、後者の第2当否グループに係る始動入賞当否コマンドのことを「暫定大当たり情報」ともいう。
なお、以下において、「確定大当たり情報」と「暫定大当たり情報」とを総称して「大当たり情報」といい、「確定ハズレ情報」と「暫定ハズレ情報」とを総称して「ハズレ情報」という。
また、始動入賞当否コマンドは、図12に示すように、始動口20、22の種別を識別するための1バイトのMODEデータと、当否情報を識別するための1バイトのDATAデータとで構成されている。しかしながら、始動入賞当否コマンドのデータ構造はこれに限られず、例えば、始動入賞当否コマンドであることを識別するための1バイトのMODEデータと、当否情報を識別するための1バイトのDATAデータとで構成させても良い。この場合、当否情報を識別するための1バイトのDATAデータは、第1始動口20へ入賞したことに基づく始動入賞当否コマンドと第2始動口22へ入賞したことに基づく始動入賞当否コマンドとで共通にしても異ならせても良い。
次に、始動入賞図柄コマンドについて説明する。始動入賞図柄コマンドは、大当たり図柄種別乱数に基づいて特定され、大当たり図柄に関する情報(以下、「図柄情報」という)が含まれている。図柄情報は、取得した大当たり図柄種別乱数を用いて大当たり図柄種別判定した場合の大当たり図柄種別判定結果に関連付けられている。
始動入賞図柄コマンドは、図13に示す始動入賞図柄コマンド特定テーブルに照合することで特定される。始動入賞図柄コマンド特定テーブルは、まずは大当たり図柄種別乱数の取得に起因する始動口の種別(第1始動口20/第2始動口22)に関連付けられている。なお、以下において、第1始動口20に関連付けられた始動入賞図柄コマンド特定テーブルのことを「第1始動入賞図柄コマンド特定テーブル」といい、第2始動口22に関連付けられた始動入賞図柄コマンド特定テーブルのことを「第2始動入賞図柄コマンド特定テーブル」という。
第1始動入賞図柄コマンド特定テーブルにおいては、大当たり図柄種別乱数が、第1始動口20に係る大当たり図柄判定テーブルと同様に、大当たり図柄Aと判定される第1図柄グループ(テーブルの1番上)と、大当たり図柄Bと判定される第2図柄グループ(テーブルの真ん中)と、大当たり図柄Cと判定される第3図柄グループ(テーブルの1番下)と、で振り分けられている。一方、第2始動入賞図柄コマンド特定テーブルにおいては、大当たり図柄種別乱数が、第2始動口22に係る大当たり図柄判定テーブルと同様に、大当たり図柄Dと判定される第4図柄グループ(テーブルの1番上)と、大当たり図柄Eと判定される第5図柄グループ(テーブルの1番下)と、で振り分けられている。
そして、各図柄グループに、各図柄グループを識別可能な始動入賞図柄コマンドが対応付けられている。なお、詳細は後述するが、始動入賞図柄コマンドの特定は、始動入賞当否コマンドが確定大当たり情報、暫定大当たり情報、および暫定ハズレ情報であった場合に行われる。
なお、始動入賞図柄コマンドは、図13に示すように、始動入賞図柄コマンドを識別するための1バイトのMODEデータと、図柄情報を識別するための1バイトのDATAデータとで構成されている。しかしながら、始動入賞当否コマンドのデータ構造はこれに限られず、適宜に設定しても良い。
次に、始動入賞変動パターンコマンドについて説明する。始動入賞変動パターンコマンドは、リーチ乱数および特図変動パターン乱数に基づいて特定され、特図変動パターンに関する情報(以下、「特図変動パターン情報」という)と、当該始動入賞に係る始動口の種別(第1始動口20/第2始動口22)に関する情報が含まれている。特図変動パターン情報は、取得したリーチ乱数および特図変動パターン乱数を用いて特図変動パターン判定した場合の特図変動パターン判定結果に相当する。
始動入賞変動パターンコマンドは、図14に示す始動入賞変動パターンコマンド特定テーブルに照合することで特定される。始動入賞変動パターンコマンド特定テーブルは、まずは特別変動パターン乱数の取得に起因する始動口の種別(第1始動口20/第2始動口22)に関連付けられている。さらに始動口の種別に関連付けられた各始動入賞変動パターンコマンド特定テーブルは、現在の特図変動時間や第2始動口22への入賞容易性に係る遊技状態(非時短確率状態/時短状態)に関連付けられている。加えて、始動入賞変動パターンコマンド特定テーブルは、当否情報に関連付けられている。なお、以下において、第1始動口20に関連付けられた始動入賞変動パターンコマンド特定テーブルのことを「第1始動入賞変動パターンコマンド特定テーブル」といい、第2始動口22に関連付けられた始動入賞変動パターンコマンド特定テーブルのことを「第2始動入賞変動パターンコマンド特定テーブル」という。
確定ハズレ情報および暫定ハズレ情報に係る始動入賞変動パターンコマンド特定テーブルにおいては、まずはリーチ乱数が、リーチ判定テーブルと同様に、リーチ有りと判定されるグループと、リーチ無しと判定されるグループと、に振り分けられている。そして、リーチ有りと判定されるグループに対しては、特図変動パターン判定テーブルと同様に、特図変動パターン乱数が各特図変動パターンと判定されるグループに振り分けられている。一方、リーチ無しと判定されるグループに対しては、特図変動パターン判定テーブルと異なり、一様に振り分けられている。
一方、確定大当たり情報および暫定大当たり情報に係る始動入賞変動パターンコマンド特定テーブルにおいては、そのまま、特図変動パターン判定テーブルと同様に、特図変動パターン乱数が各特図変動パターンと判定されるグループに振り分けられている。そして、各テーブルの各グループに、各グループを識別可能な始動入賞変動パターンコマンドが対応付けられている。
なお、始動入賞変動パターンコマンドは、図14に示すように、始動口20、22の種別を識別するための1バイトのMODEデータと、変動パターン情報を識別するための1バイトのDATAデータとで構成されている。しかしながら、始動入賞変動パターンコマンドのデータ構造はこれに限られず、例えば、始動入賞変動パターンコマンドであることを識別するための1バイトのMODEデータと、変動パターン情報を識別するための1バイトのDATAデータとで構成させても良い。
4.サブ制御基板90による演出の説明
前述のように、主制御基板80は、遊技球が始動口20、22に入賞することによって、特図抽選、特図の可変表示、大当たり遊技などを行う。そして、サブ制御基板90は、これらの主制御基板80が行う遊技の内容に応じて、種々の演出を実行する。以下に、サブ制御基板90により行われる種々の演出の具体例について図15〜図21を用いて説明する。
4−1.特図変動演出
最初に、特図可変表示に応じた特図変動演出について説明する。
サブ制御基板90は、特別図柄の可変表示が開始されると、特別図柄の可変表示に係る特図変動パターンおよび特図抽選結果(大当たり判定結果、大当たり図柄種別判定結果、リーチ判定結果、および、特図変動パターン判定結果)などに基づいて、特図変動演出を制御する。特図変動演出では、表示部7aにおいて、所定の背景画像に重畳的に、演出図柄の可変表示が行われる。演出図柄の可変表示では、演出図柄が変動した後に停止する。すなわち、特図変動時間、演出図柄の変動表示が行われた後に、当該変動が停止して、演出図柄の停止表示が行われる。演出図柄の変動表示が行われているときには、大当たりに当選したことの可能性(所謂「大当たり期待度」)が示唆されることがある。そして、演出図柄の停止表示によって特図抽選の結果が報知される。
次に、特図変動演出の具体例について説明する。例えば、図15(A)に示すように、表示部7aにおいて、通常用背景画像G100の上に、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されており、特別図柄の変動表示が行われていない状態から、特別図柄の変動表示が開始されると、図15(B)に示すように、その開始に伴って演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始される。そして、この新たに開始された特別図柄の変動表示の特図変動パターンがリーチ無しハズレ変動(例えば、通常Aハズレ変動)であると、リーチが発生することなく、特別図柄の変動表示の終了(特別図柄の停止表示)に伴って、リーチ無しハズレに特有なハズレ目(所謂「バラケ目」)で演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われる。演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示に向けて、例えば、最初に図15(C)に示すように、左演出図柄EZ1が表示部7aの上下方向略中央位置で仮停止し、次に図15(D)に示すように、右演出図柄EZ3が表示部7aの上下方向略中央位置で仮停止し、さらに、図15(E)に示すように、中演出図柄EZ2が表示部7aの上下方向略中央位置で仮停止する。そして、最後に、表示部7aの上下方向略中央位置で水平方向に並んだ状態で仮停止している演出図柄EZ1,EZ2,EZ3が、図15(F)に示すように、そのまま一斉に完全に停止し、停止が確定する(演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われる)。
なお、図15の例では、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われる際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3→中演出図柄EZ2の順で演出図柄が仮停止したが、仮停止する態様はこれに限られず、適宜に設定することができる。
次に、リーチが発生する場合の特図変動演出について説明する。この場合も前述のリーチ無しの場合と同様に、表示部7aにおいて、図16(A)に示すように、左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3が停止表示されている状態から、特別図柄の変動表示が開始されて、図16(B)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の変動表示が開始するとする。そして、例えば図16(C)に示すように、数字「5」からなる左演出図柄EZ1が表示部7aの上下方向略中央位置で仮停止し、次に、図16(D)に示すように、同一の数字「5」からなる右演出図柄EZ3が表示部7aの上下方向略中央位置で水平方向に並んで仮停止して、リーチになる(リーチが発生または成立する)。
なお、図16の例では、リーチが発生する際に、左演出図柄EZ1→右演出図柄EZ3の順で演出図柄が仮停止したが、仮停止する態様はこれに限られず、適宜に設定することができる。また、リーチを構成する演出図柄の数字も「5」に限られない。また、仮停止する位置も表示部7aの上下方向略中央位置に限られない。また、リーチを構成する演出図柄が並ぶ方向も水平方向に限られず斜め方向など他の方向であってもよい。
次に、リーチが成立した後に、リーチが保持された状態で行われる演出(リーチ演出)について説明する。図16(D)に示すように、リーチが成立すると、その時点からNリーチが開始される。Nリーチでは、図17(A)に示すように、リーチが成立した状態が所定時間(例えば、10秒)維持される。Nリーチが開始されると、図17(B)に示すように、通常態様の高速で変動表示(スクロール)をしている中演出図柄EZ2が徐々に減速していく。
ここで、実行中の特図変動演出がNリーチで終了する場合は、このNリーチの状態から、中演出図柄EZ2が表示部7aの上下方向略中央位置で仮停止して特図抽選の結果に応じた演出図柄の停止表示が行われる。実行中の特図変動演出が起因する特図抽選の抽選結果が「ハズレ」であると、ハズレを示す演出図柄の停止表示が行われる。この特図変動演出では、リーチが発生しているので、図17(C−1)に示すように、リーチを構成する数字とは異なる数字(図17(C−1)において「4」)からなる中演出図柄EZ2が仮停止する。そして、特別図柄の変動表示の終了(特別図柄の停止表示)に伴って、図17(D)に示すように、仮停止状態が完全な停止状態になり、リーチ有りハズレに特有なハズレ目で左演出図柄EZ1、中演出図柄EZ2および右演出図柄EZ3の停止表示が行われる。
また、Nリーチで特図変動演出が終了しない場合、言い換えれば、LリーチやSPリーチに発展する場合は、図17(C−2)に示すように、例えばNリーチで終了する場合の中演出図柄EZ2が仮停止するタイミングと大体同じタイミングで、中演出図柄EZ2が再び通常態様の(高速で)変動表示を行い、LリーチやSPリーチへと発展する。
NリーチからLリーチに発展すると、仮停止している左演出図柄EZ1が縮小しながら表示部7aの左上に移動すると共に、仮停止している右演出図柄EZ3が縮小しながら表示部7aの右上に移動する(図18(A−1)参照)。また、通常用背景画像G100からLリーチ専用の背景画像(Lリーチ用背景画像)G101に切り替わる(図18(A−1)参照)。Lリーチ用背景画像G101は、街中で主人公キャラと敵キャラとがバトルする2DCGによる映像(シーン)で構成されている。
一方、NリーチからSPリーチに発展する場合も、Lリーチと同様に、仮停止している左演出図柄EZ1が縮小しながら表示部7aの左上に移動すると共に、仮停止している右演出図柄EZ3が縮小しながら表示部7aの右上に移動する(図18(A−2)参照)。また、通常用背景画像G100からSPリーチ専用の背景画像(SPリーチ用背景画像)G102に切り替わる(図18(A−2)参照)。SPリーチ用背景画像G102は、敵のアジトで主人公キャラと敵キャラとがバトルする3DCGによる映像(シーン)で構成されている。
そして、LリーチであってもSPリーチであっても、ハズレであると、最終的には図18(B−1)に示すように、Lリーチ用背景画像G101またはSPリーチ用背景画像G102から通常用背景画像G100に切り替わると共に、ハズレを示す演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われ、次の特図変動演出が行われる。一方、大当たりであると、LリーチであってもSPリーチであっても、最終的には図18(B−2)に示すように、Lリーチ用背景画像G101またはSPリーチ用背景画像G102から通常用背景画像G100に切り替わると共に、大当たりを示す演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われ、大当たり遊技演出が行われる。
4−2.保留演出
次に、特図1保留に応じた保留演出について説明する。
前述したように、第1始動口20に遊技球が入賞し、特図1関連判定情報を取得したとしても、その時に特図可変表示が実行されている場合、または、大当たり遊技が実行されている場合は、その取得した特図1関連判定情報に基づいて即座に特図1可変表示を開始させることができない。
そのような場合は、主制御基板80は、特図1関連判定情報を遊技用RAM84の特図1保留記憶部851に記憶し、特図1可変表示を保留する。特図1可変表示が保留されると、言い換えれば、特図1保留が発生すると、サブ制御基板90は、当該特図1保留を表す保留演出を行う。
具体的には、主制御基板80が取得した特図1関連判定情報に基づいて、当否情報を含む始動入賞当否コマンド、図柄情報を含む始動入賞図柄コマンド、および特図変動パターン情報を含む始動入賞変動パターンコマンドを特定して、サブ制御基板90に送信する。サブ制御基板90は、送信された始動入賞当否コマンド、始動入賞図柄コマンド、および始動入賞変動パターンコマンドに基づいて保留演出を実行する。
保留演出は、図19(A)に示すように、表示部7aの下端部における略中央の一区画に形成された保留表示領域73aにおいて行われる。保留表示領域73aは、保留表示領域73aを左右方向に4つに略均等に分割した第1領域73a1、第2領域73a2、第3領域73a3、および、第4領域73a4で構成されている。すなわち、保留表示領域73aにおいて、第1領域73a1〜第4領域73a4が左端から右端に向けて順に並んで設けられている。
第1領域73a1には、保留されている特図1保留の中で最も先に発生し、その特図1保留に対応する特図1関連判定情報に基づいて最も先に特図1可変表示が行われる特図1保留を表す保留アイコンが表示される。同様に、第2領域73a2〜第4領域73a4には、保留されている特図1保留の中で2〜4番目に発生し、その特図1保留に対応する特図1関連判定情報に基づいて2〜4番目に特図1可変表示が行われる特図1保留を表す保留アイコンが表示される。
なお、以下において、第1領域73a1に表示される保留アイコンに対応する特図1保留のことを「保留順1の特図1保留」と称する。同様に、第2領域73a2、第3領域73a3、および第4領域73a4に表示される保留アイコンに対応する特図1保留のことを「保留順2の特図1保留」、「保留順3の特図1保留」、および「保留順4の特図1保留」と称する。すなわち、存在している特図1保留について、発生した順に「保留順1」〜「保留順4」と称する。
また、保留表示領域73aの左隣には、当該変動表示領域74aが形成されている。当該変動表示領域74aには、現在実行中の特図1変動表示を表す変動アイコンが表示される。よって、当該変動表示領域74aに表示される変動アイコンが示す対象は、保留表示領域73aに表示される保留アイコンが示す対象と異なり、厳密には、特図1保留に応じた「保留演出」には含まれないが、保留アイコンの表示と変動アイコンの表示とは関連性を有しているので、以下においては、保留アイコンの表示と変動アイコンの表示とをまとめて、「保留演出」とする。また、保留アイコンと変動アイコンとをまとめて、単に「アイコン」と称する。
なお、図19(A)において保留表示領域73aおよび当該変動表示領域74aは破線で明示されているが、これは保留表示領域73aおよび当該変動表示領域74aの範囲を表すために記載したものであり、実際には表示されていない。また、以下の保留演出の説明については、保留表示領域73aおよび当該変動表示領域74aは記載しない。
次に、保留演出の具体例について説明する。前提として、現在、特図1変動表示中(特図変動演出中)であり、特図1保留数(U1)が「2」であるとする。この状況下において、図19(B)に示すように、前述した不図示の第1領域73a1において、保留順1の特図1保留を表した保留アイコンHA2が表示され、前述した不図示の第2領域73a2において、保留順2の特図1保留を表した保留アイコンHA3が表示されている。また、前述した不図示の当該変動表示領域74aには、現在実行中の特図1変動表示を表す変動アイコンHA1が表示されている。なお、図19(B)で表示されているアイコンHA1〜HA3の表示態様は通常態様である。
このように、保留演出においては、特図1保留が発生した順に保留表示領域73aの左端から右に並んで表示される。すなわち、保留されている特別図柄の可変表示、言い換えれば、特図1保留記憶部851に記憶されている特図1関連判定情報に基づく未実行の特図1可変表示は、個別に保留アイコンで表示される。
そして、図19(C)に示すように、演出図柄EZ1,EZ2,EZ3の停止表示が行われると、その直前まで実行中の特図1変動表示を表していた変動アイコンHA1が消去される。続けて、保留アイコンHA2を表す特図1保留に基づいて特図1可変表示(特図変動演出)が開始されると、保留アイコンHA2と保留アイコンHA3がシフトする。具体的には、第1領域73a1に表示されていた保留アイコンHA2は不図示の当該変動表示領域74aに移動し、第2領域73a2に表示されていた保留アイコンHA3は不図示の第1領域73a1に移動する。すなわち、表示されていた保留アイコンHA2および保留アイコンHA3がそれぞれ1つずつ左にシフトする。これは、保留アイコンHA2に対応する特別図柄の可変表示が開始され、保留アイコンHA3が表す特図1保留が、現在保留されている特図1保留の中で最も先に発生した特図1保留になり、次に開始される特図可変表示になったことに応じて、保留アイコンHA2および保留アイコンHA3を現在の状況に適応させるためである。
また、当該変動表示領域74aに表示されている保留アイコンHA2は、実行中の特図1変動表示を表しているので、当該変動表示領域74aに表示される際に変動アイコンHA2となる。すなわち、「アイコン」の前に付く言葉として、保留表示領域73aに表示されているアイコンについては「保留」とし、当該変動表示領域74aに表示されているアイコンについては「変動」とする。換言すれば、保留アイコンが表示されているときに、該保留アイコンが示す特図1保留に対して特図1変動表示の開始条件が成立すると、該開始条件の成立に係る特図1変動表示に対応する保留アイコンが変動アイコンとして表示される。また、保留アイコンから変動アイコンになる際に、言い換えると、アイコンは保留表示領域73aから当該変動表示領域74aに移動する際に、約2倍に拡大する。
そして、この状況から第1始動口20に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図19(E)に示すように、当該特図1保留の発生に応じて、新たな保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域73a2に表示される。
ところで、前述のとおり、始動入賞コマンドには当否情報、図柄情報、および特図変動パターン情報が含まれている。そして、サブ制御基板90は、始動入賞コマンドに基づいて保留演出を実行するが、当否情報、図柄情報、および特図変動パターン情報に基づいて、保留アイコンを何れの表示態様で表示するかを判定する。表示態様には、通常態様と特別態様とがある。さらに特別態様は、特別態様1〜特別態様4の4種類がある。そして、保留アイコンを特別態様で表示することを「保留変化予告」という。
保留変化予告は、特図1可変表示が保留されている事前の段階から大当たり期待度を示唆する演出(所謂「先読み演出」)である。サブ制御基板90は、当否情報、図柄情報、および特図変動パターン情報に基づいて、所定の確率で保留アイコンを特別態様で表示する。このように、保留アイコンの表示態様が特別態様であると、遊技者は、その保留アイコンに対応した特図1可変表示で大当たりに当選できるかもしれないという期待を持つことができる。
次に、保留変化予告について説明する。保留変化予告の具体例として、図19(E)に示す保留アイコンHA4の表示態様が特別態様になるとする。
保留変化予告の1つの種別として、保留アイコンが通常態様で表示された直後に特別態様になる、言い換えれば、特図1保留の発生時(第1始動口20への入賞時)に保留変化予告が行われる保留変化予告がある。例えば、図20(A)に示すように、保留アイコンHA4が表示される前の状況(図19(D)の状況)から、第1始動口20に遊技球が入賞して、特図1保留が発生すると、図20(B)に示すように、当該特図1保留の発生に応じて、通常態様(図20(B)において白色)の保留アイコンHA4が前述した不図示の第2領域73a2に表示されるが、その直後に、図20(C)に示すように、保留アイコンHA4の表示態様が通常態様から特別態様(図20(C)において灰色)に変化する(保留変化予告が行われる)。なお、図20の例では保留アイコンHA4は表示直後に一瞬通常態様で表示されるが、いきなり特別態様で表示されるようにし、通常態様で表示される期間をなくしてもよい。
以上、特図1保留に応じた保留演出について説明したが、例えば、第2始動口22へ入賞させて特図2可変表示を中心に行う時短状態においては、上述の特図1保留に応じた保留演出と同様に、特図2保留に応じた保留演出が行われる。特図2保留に応じた保留演出に係るアイコンの表示態様は特図1保留に応じた保留演出と同一であっても異なっていても良い。また、特別態様の種類も、特図1保留に応じた保留変化予告と同一であっても異なっていても良い。
4−3.大当たり遊技演出、および保留連演出
次に、大当たり遊技に基づく大当たり遊技演出、および特図2保留に基づく保留連演出について説明する。
サブ制御基板90は、大当たり遊技が開始されると、大当たり遊技演出を開始する。大当たり遊技演出は、ラウンド遊技が開始される前のオープニングにおいて、大当たり遊技が開始されることを報知するオープニング演出と、主としてラウンド遊技中に鑑賞するラウンド遊技演出と、ラウンド遊技が終了した後のエンディングにおいて、大当たり遊技が終了することを報知するエンディング演出と、を含む。なお、詳細は以下に説明するが、大当たり遊技演出を構成する演出は、これらの演出に限られない。
大当たり遊技が開始されると、最初に、オープニング演出が開始される。オープニング演出は、大当たり遊技が開始してからオープニングが終了するまで行われる。オープニング演出においては、例えば、図21(A)に示すように、表示部7aの略中央にて、大当たり遊技が開始された旨を示す大当たり遊技開始報知画像G1が表示される。大当たり遊技開始報知画像G1には、「○×BONUS」というようにその大当たり遊技のタイトルが含まれている。
なお、大当たり遊技開始報知画像G1は、大当たり遊技の種別に応じて設定しても良い。例えば、16回のラウンド遊技が行われる大当たり遊技(大当たり図柄D、Eに係る大当たり遊技)であれば大当たり遊技開始報知画像G1にタイトル「SUPER BONUS」を含ませ、8回のラウンド遊技が行われる大当たり遊技(大当たり図柄Aに係る大当たり遊技)であれば大当たり遊技開始報知画像G1にタイトル「BIG BONUS」を含ませ、4回のラウンド遊技が行われる大当たり遊技(大当たり図柄B、Cに係る大当たり遊技)であれば大当たり遊技開始報知画像G1にタイトル「BONUS」を含ませても良い。
また、オープニング演出においては、右打ちを行うことが望ましいことを報知する右打ち報知演出が行われる。右打ち報知演出では、図21(A)に示すように、表示部7aの右上にて、右打ちを行うことが望ましいことを報知する右打ち報知画像G2が表示される。右打ち報知画像G2は、右向きの矢印(図21(A)において、黒色の右向き矢印)で構成されている。
次に、ラウンド遊技が開始されると、ラウンド遊技演出が開始される。図21(B−1)は、1ラウンドにおいて表示部7aで行われるラウンド遊技演出の例示を表している。全てのラウンド遊技を通したラウンド遊技演出として、大当たり遊技の種別に応じたラウンド遊技用背景画像G103が表示部7aの全体に表示される。なお、ラウンド遊技演出が開始されても引き続き右打ち報知演出が行われる。右打ち報知画像G2は、オープニング演出のときと同じ位置でラウンド遊技用背景画像G103に重畳的に表示される。
また、ラウンド遊技演出において、実行中のラウンド遊技のラウンド数を示すラウンド数報知演出が実行される。ラウンド遊技演出として、ラウンド遊技用背景画像G103に重畳的に、ラウンド数を示すラウンド数画像G3(図21(B−1)において「ROUND 01」)が表示部7aの右打ち報知画像G2の左隣に表示される。ラウンド数画像G3の数字の部分(図21(B−1)において「01」)がラウンド数を表している。なお、ラウンド数画像G3の数字の部分は、表示されている限り、新たなラウンド遊技の開始に応じて更新される。
次に、保留連演出について説明する。保留連演出は、大当たり遊技中に、大当たり当選が確定している特図2保留があることを報知する演出である。前述のように、大当たり遊技が実行された後には低確率状態または高確率状態で遊技が進行するが、その大当たり遊技後の遊技状態を加味して大当たり当選が確定している特図2保留がある場合には、大当たり遊技中に保留連演出が実行される。よって、大当たり遊技後の遊技状態を加味して大当たり当選が確定している特図2保留があることが保留連演出の実行条件となる。保留連演出の実行条件が成立している場合は、ラウンド遊技において保留連演出が実行される。
保留連演出は、対象となる大当たりが確変大当たりである場合の確変保留連演出と、対象となる大当たりが時短大当たりである場合の時短保留連演出と、に分かれる。確変保留連演出は、星の図形で構成される保留連演出画像G4の表示と、特定の効果音の出力とで構成される。
確変保留連演出は、ラウンド遊技の開始に伴って開始される。確変保留連演出が実行される場合は、ラウンド遊技が開始されると、表示部7aの右端のほぼ中央に保留連演出画像G4が表示されると共に、スピーカ11から特定の効果音が出力される。図21(B−2)は、表示部7aにおいてラウンド遊技演出などと保留連演出が実行されている様子を表している。一方、図21(B−1)は、表示部7aにおいて保留連演出が実行されずにラウンド遊技演出などが実行されている様子を表している。なお、この保留連演出画像G4は、ラウンド遊技が終了するまで表示され続ける。
時短保留連演出も、ラウンド遊技の開始に伴って開始される。時短保留連演出が実行される場合は、ラウンド遊技が開始されると、確変保留連演出の場合と同じ位置に保留連演出画像G4が表示される。なお、この保留連演出画像G4は、ラウンド遊技が終了するまで表示され続ける。
5.遊技制御用マイコン81による遊技の制御
[主制御メイン処理]
次に図22〜図33に基づいて遊技制御用マイコン81による遊技の制御について説明する。なお、以下において説明する遊技制御用マイコン81による遊技の制御において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、ステータス、バッファ等は、遊技用RAM84に設けられている。また、カウンタの初期値は「0」であり、フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」である。
主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、遊技用ROM83から図22に示した主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、電源投入時処理(S001)を行う。電源投入時処理では、遊技用RAM84へのアクセスの許可設定、遊技用CPU82の設定、SIO(System Input/Output)、PIO(Parallel Input/Output)、CTC(Counter/Timer Circuit:割り込み時間の管理のための回路)の設定等が行われる。
電源投入時処理に次いで、割り込みを禁止し(S002)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)では、普図関連判定情報および特図関連判定情報に係る種々の乱数のカウンタ値を1加算して更新する。各乱数のカウンタ値は上限値に達すると「0」に戻って再び加算される。なお各乱数のカウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。また各乱数のうちの少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成される所謂ハードウェア乱数であってもよい。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)が終了すると、割り込みを許可する(S004)。割り込み許可中は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行が可能となる。メイン側タイマ割り込み処理(S005)は、例えば4msec周期で遊技用CPU82に繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。すなわち、メイン側タイマ割り込み処理(S005)は4msec周期で実行される。そして、メイン側タイマ割り込み処理(S005)が終了してから、次にメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)による種々の乱数のカウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。なお、割り込み禁止状態のときに遊技用CPU82に割り込みパルスが入力された場合は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)はすぐには開始されず、割り込み許可(S004)がされてから開始される。
[メイン側タイマ割り込み処理]
次に、メイン側タイマ割り込み処理(S005)について説明する。図23に示すように、メイン側タイマ割り込み処理(S005)では、まず出力処理(S101)を実行する。出力処理(S101)では、以下に説明する各処理において主制御基板80の遊技用RAM84に設けられた出力バッファにセットされたコマンド等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。
出力処理(S101)に次いで行われる入力処理(S102)では、遊技制御用マイコン81は、余剰球貯留凹部62Aの満杯を検出する下皿満杯スイッチからの検出信号を取り込み、下皿満杯データとして遊技用RAM84の出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)は、図22の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S003)と同じである。即ち、普図関連判定情報および特図関連判定情報に係る各種乱数のカウンタ値の更新処理は、メイン側タイマ割り込み処理(S005)の実行期間と、それ以外の期間(メイン側タイマ割り込み処理(S005)の終了後、次のメイン側タイマ割り込み処理(S005)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)に次いで、遊技制御用マイコン81は、センサ検出処理(S104)を行い、続いて普通動作処理(S105)を行い、さらに特別動作処理(S106)を行う。センサ検出処理、普通動作処理および特別動作処理については後述する。
次に、遊技制御用マイコン81は、その他の処理(S107)を実行して、メイン側タイマ割り込み処理(S005)を終了する。その他の処理(S107)としては、電源が断たれる際の電源断監視処理、遊技用RAM84に設けられているタイマの更新などが行われる。また、その他の処理(S107)として、遊技者に賞球を払い出す払出制御処理が行われる。払出制御処理では、第1始動口20用の賞球カウンタ、第2始動口22用の賞球カウンタ、大入賞口30用の賞球カウンタ、及び、一般入賞口27用の賞球カウンタが「0」を超えているか否かのチェックを行い、「0」を超えていると、賞球要求信号を払出制御基板110に送信する。そして、賞球信号を送信するとき、その信号に係る賞球カウンタを「1」減算する更新処理を行う。
そして、遊技制御用マイコン81は、次に遊技用CPU82に割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のステップS002〜S004の処理を繰り返し実行し、割り込みパルスが入力されると(約4msec後)、再びメイン側タイマ割り込み処理(S005)を実行する。遊技制御用マイコン81は、再び実行されたメイン側タイマ割り込み処理(S005)の出力処理(S101)において、前回のメイン側タイマ割り込み処理(S005)にて遊技用RAM84の出力バッファにセットされたコマンド等を出力する。
[センサ検出処理]
次に、図24〜図25を用いてセンサ検出処理について説明する。センサ検出処理(S104)ではまず、一般入賞口27に遊技球が入賞したか否か、即ち、一般入賞口センサ27aによって遊技球が検出されたか否か判定する(S201)。一般入賞口27に遊技球が入賞していない場合(S201でNO)にはステップS203に進み、一般入賞口27に遊技球が入賞した場合には(S201でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための一般入賞口賞球処理を行う(S202)。一般入賞口賞球処理では、一般入賞口27用の賞球カウンタに、一般入賞口27への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「3」)を加算する。
ステップS203では、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検出されたか否か判定する。遊技球がゲート28を通過していなければ(S203でNO)、ステップS207に進む。一方、遊技球がゲート28を通過していれば(S203でYES)、後述する普通動作ステータス=1であるか否か、言い換えれば、普図可変表示または補助遊技の何れも行われていないか否かを判定する(S204)。普通動作ステータス=1でない場合には(S204でNO)、ステップS207に進み、普通動作ステータス=1である場合(S204でYES)には、普通図柄乱数カウンタ(ラベル−TRND−F)のカウンタ値が示す普通図柄乱数を普図関連判定情報として取得し(S205)、取得した普図関連判定情報を、遊技用RAM84に設けられた普図保留記憶部86に記憶して(S206)、ステップS207に進む。
ステップS207では、第2始動口22に遊技球が入賞したか否か、即ち、第2始動口センサ22aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第2始動口22に遊技球が入賞していない場合(S207でNO)にはステップS214に進み、第2始動口22に遊技球が入賞した場合には(S207でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第2始動口賞球処理を行う(S208)。第2始動口賞球処理では、第2始動口22用の賞球カウンタに、第2始動口22への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「4」)を加算する。
次に、特図2保留数(具体的には遊技用RAM84に設けた特図2保留数をカウントするカウンタ(特図2保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S209)。特図2保留数が「4」以上である場合(S209でYES)には、ステップS214に進むが、特図2保留数が「4」以上でない(「4」未満である)場合には(S209でNO)、特図2保留数加算処理を行う(S210)。特図2保留数加算処理では、特図2保留数カウンタを「1」加算し、特図2保留表示器432が示す特図2保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル−TRND−T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル−TRND−OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル−TRND−RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル−TRND−HP)からなる特図2関連判定情報を取得し、遊技用RAM84に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する(S211)。
次に、第2始動入賞当否コマンド、第2始動入賞図柄コマンド、および第2始動入賞変動パターンコマンドからなる第2始動入賞コマンドを特定する第2始動入賞コマンド特定処理を行う(S212)。第2始動入賞コマンド特定処理については後述する。
続いて、遊技制御用マイコン81は、ステップS211で取得した特図2関連判定情報を特図2保留記憶部852に記憶する(S213)。
続いて、ステップS214では、第1始動口20に遊技球が入賞したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検出されたか否か判定する。第1始動口20に遊技球が入賞していない場合(S214でNO)にはステップS221に進み、第1始動口20に遊技球が入賞した場合には(S214でYES)、遊技球に所定個数の賞球を払い出すための第1始動口賞球処理を行う(S215)。第1始動口賞球処理では、第1始動口20用の賞球カウンタに、第1始動口20への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「4」)を加算する。
次に、特図1保留数(具体的には遊技用RAM84に設けた特図1保留の数をカウントするカウンタ(特図1保留数カウンタ)の数値)が「4」(上限記憶数)以上であるか否か判定する(S216)。特図1保留数が「4」以上である場合(S216でYES)には、ステップS221に進むが、特図1保留数が「4」以上でない(未満である)場合には(S216でNO)、特図1保留数加算処理を行う(S217)。特図1保留数加算処理では、特図1保留数カウンタを「1」加算し、特図1保留表示器431が示す特図1保留数を「1」増加させる。
続いて、特別図柄乱数カウンタ(ラベル−TRND−T)、大当たり図柄種別乱数カウンタ(ラベル−TRND−OS)、リーチ乱数カウンタ(ラベル−TRND−RC)及び特図変動パターン乱数カウンタ(ラベル−TRND−HP)からなる特図1関連判定情報を取得し、遊技用RAM84に設けられた特図関連判定情報用バッファに記憶する(S218)。
次に、第1始動入賞当否コマンド、第1始動入賞図柄コマンド、および第1始動入賞変動パターンコマンドからなる第1始動入賞コマンドを特定する第1始動入賞コマンド特定処理を行う(S219)。第1始動入賞コマンド特定処理については後述する。
続いて、遊技制御用マイコン81は、ステップS218で取得した特図1関連判定情報を特図1保留記憶部851のうち現在の特図1保留数に応じた記憶領域に記憶する(S220)。
ステップS221では、大入賞口30に遊技球が入賞したか否か、即ち、大入賞口センサ30aによって遊技球が検出されたか否か判定する。大入賞口30に遊技球が入賞していない場合(S221でNO)にはセンサ検出処理を終了し、大入賞口30に遊技球が入賞した場合には(S221でYES)、遊技用RAM84に設けられた大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上であるか否かを判定する(S222)。大入賞口入賞カウンタは、大当たり遊技の1回のラウンド遊技において大入賞口30に入賞した個数を計数するためのカウンタである。なお、大入賞口入賞カウンタは各ラウンド遊技が終了するたびにクリアされる。第1実施形態では、入賞規定個数は「8」に設定されている。よって、ステップS222の処理が行われる。
大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上であると(S222でYES)、センサ検出処理を終了し、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値が「9」以上でない、すなわち、「9」未満であると(S222でNO)、大入賞口入賞カウンタのカウンタ値を「1」加算し(S223)、遊技者に所定個数の賞球を払い出すための大入賞口賞球処理を行い(S224)、センサ検出処理を終了する。なお、大入賞口賞球処理では、大入賞口30用の賞球カウンタに、大入賞口30への入賞に応じた賞球個数(第1実施形態において「14」)を加算する。
[第2始動入賞コマンド特定処理]
次に、第2始動入賞コマンド特定処理(S212)について図26を用いて説明する。第2始動入賞コマンド特定処理では、まず、遊技制御用マイコン81は、現在通常確率状態であるか否かを判定する(S301)。遊技制御用マイコン81は、通常確率状態であれば(S301でYES)、通常確率状態用第2始動入賞当否コマンド特定テーブルに基づいて第2始動入賞当否コマンドを特定する(S302)。具体的には、ステップS211で取得した特別図柄乱数を通常確率状態用第2始動入賞当否コマンド特定テーブルに照合して、その特別図柄乱数が属するグループに応じた第2始動入賞当否コマンドを特定する。一方、遊技制御用マイコン81は、通常確率状態でなければ(S301でNO)、高確率状態用第2始動入賞当否コマンド特定テーブルに基づいて第2始動入賞当否コマンドを特定する(S303)。具体的には、ステップS211で取得した特別図柄乱数を高確率状態用第2始動入賞当否コマンド特定テーブルに照合して、その特別図柄乱数が属する当否グループに応じた第2始動入賞当否コマンドを特定する。続いて、遊技制御用マイコン81は、特定した第2始動入賞当否コマンドを遊技用RAM84の出力バッファにセットする(S304)。
次に、遊技制御用マイコン81は、ステップS302、またはステップS303で特定した第2始動入賞当否コマンドが示す当否情報が、確定大当たり情報、暫定大当たり情報、または暫定ハズレ情報であるか否かを判定する(S305)。ここで、遊技制御用マイコン81は、確定大当たり情報、暫定大当たり情報、または暫定ハズレ情報であれば(S305でYES)、ステップS306に進み、確定大当たり情報、暫定大当たり情報、または暫定ハズレ情報でなければ(S305でNO)、ステップS312に進む。
ステップS306において、遊技制御用マイコン81は、第2始動入賞図柄コマンド特定テーブルに基づいて第2始動入賞図柄コマンドを特定する。具体的には、ステップS211で取得した大当たり図柄種別乱数を第2始動入賞図柄コマンド特定テーブルに照合して、その大当たり図柄種別乱数が属する図柄グループに応じた第2始動入賞図柄コマンドを特定する。続いて、遊技制御用マイコン81は、特定した第2始動入賞図柄コマンドを遊技用RAM84の出力バッファにセットし(S307)、ステップS302、またはステップS303で特定した第2始動入賞当否コマンドが示す当否情報が暫定ハズレ情報であるか否かを判定する(S308)。ここで、遊技制御用マイコン81は、暫定ハズレ情報であれば(S308でYES)、ステップS312に進み、暫定ハズレ情報でなければ(S308でNO)、ステップS309に進む。
ステップS309において、遊技制御用マイコン81は、現在、非時短状態であるか否かを判定する。ここで、遊技制御用マイコン81は、非時短状態であれば(S309でYES)、非時短状態における大当たり用第2始動入賞変動パターンコマンド特定テーブルに基づいて第2始動入賞変動パターンコマンドを特定する(S310)。具体的には、ステップS211で取得した特図変動パターン乱数を非時短状態における大当たり用第2始動入賞変動パターンコマンド特定テーブルに照合して、その特図変動パターン乱数が属するグループに応じた第2始動入賞変動パターンコマンドを特定する。
一方、遊技制御用マイコン81は、非時短状態でなければ(S309でNO)、時短状態における大当たり用第2始動入賞変動パターンコマンド特定テーブルに基づいて第2始動入賞変動パターンコマンドを特定する(S311)。具体的には、ステップS211で取得した特図変動パターン乱数を時短状態における大当たり用第2始動入賞変動パターンコマンド特定テーブルに照合して、その特図変動パターン乱数が属するグループに応じた第2始動入賞変動パターンコマンドを特定する。続いて、遊技制御用マイコン81は、特定した第2始動入賞変動パターンコマンドを遊技用RAM84の出力バッファにセットし(S315)、第2始動入賞コマンド特定処理を終えて、センサ検出処理に処理を戻す。
また、遊技制御用マイコン81は、ステップS312において、非時短状態であるか否かを判定する。ここで、遊技制御用マイコン81は、非時短状態であれば(S312でYES)、非時短状態におけるハズレ用第2始動入賞変動パターンコマンド特定テーブルに基づいて第2始動入賞変動パターンコマンドを特定する(S313)。具体的には、まずはステップS211で取得したリーチ乱数を、非時短状態におけるハズレ用第2始動入賞変動パターンコマンド特定テーブルに照合してリーチの有無を特定する。次に、特定したリーチの有無に応じた非時短状態におけるハズレ用第2始動入賞変動パターンコマンド特定テーブルに、ステップS211で取得した特図変動パターン乱数を照合して、その特図変動パターン乱数が属するグループに応じた第2始動入賞変動パターンコマンドを特定する。
一方、遊技制御用マイコン81は、非時短状態でなければ(S312でNO)、時短状態におけるハズレ用第2始動入賞変動パターンコマンド特定テーブルに基づいて第2始動入賞変動パターンコマンドを特定する(S314)。具体的には、まずはステップS211で取得したリーチ乱数を、時短状態におけるハズレ用第2始動入賞変動パターンコマンド特定テーブルに照合してリーチの有無を特定する。次に、特定したリーチの有無に応じた時短状態におけるハズレ用第2始動入賞変動パターンコマンド特定テーブルに、ステップS211で取得した特図変動パターン乱数を照合して、その特図変動パターン乱数が属するグループに応じた第2始動入賞変動パターンコマンドを特定する。続いて、遊技制御用マイコン81は、特定した第2始動入賞変動パターンコマンドを遊技用RAM84の出力バッファにセットし(S315)、第2始動入賞コマンド特定処理を終えて、センサ検出処理に処理を戻す。
[第1始動入賞コマンド特定処理]
次に、第1始動入賞コマンド特定処理(S219)について図27を用いて説明する。第1始動入賞コマンド特定処理では、まず、遊技制御用マイコン81は、現在通常確率状態であるか否かを判定する(S351)。遊技制御用マイコン81は、通常確率状態であれば(S351でYES)、通常確率状態用第1始動入賞当否コマンド特定テーブルに基づいて第1始動入賞当否コマンドを特定する(S352)。具体的には、ステップS218で取得した特別図柄乱数を通常確率状態用第1始動入賞当否コマンド特定テーブルに照合して、その特別図柄乱数が属する当否グループに応じた第1始動入賞当否コマンドを特定する。
一方、遊技制御用マイコン81は、通常確率状態でなければ(S351でNO)、高確率状態用第1始動入賞当否コマンド特定テーブルに基づいて第1始動入賞当否コマンドを特定する(S353)。具体的には、ステップS218で取得した特別図柄乱数を高確率状態用第1始動入賞当否コマンド特定テーブルに照合して、その特別図柄乱数が属する当否グループに応じた第1始動入賞当否コマンドを特定する。続いて、遊技制御用マイコン81は、特定した第1始動入賞当否コマンドを遊技用RAM84の出力バッファにセットする(S354)。
次に、遊技制御用マイコン81は、ステップS352、またはステップS353で特定した第1始動入賞当否コマンドが示す当否情報が、確定大当たり情報、暫定大当たり情報、または暫定ハズレ情報であるか否かを判定する(S355)。ここで、遊技制御用マイコン81は、確定大当たり情報、暫定大当たり情報、または暫定ハズレ情報であれば(S355でYES)、ステップS356に進み、確定大当たり情報、暫定大当たり情報、または暫定ハズレ情報でなければ(S355でNO)、ステップS362に進む。
ステップS356において、遊技制御用マイコン81は、第1始動入賞図柄コマンド特定テーブルに基づいて第1始動入賞図柄コマンドを特定する。具体的には、ステップS218で取得した大当たり図柄種別乱数を第1始動入賞図柄コマンド特定テーブルに照合して、その大当たり図柄種別乱数が属する図柄グループに応じた第1始動入賞図柄コマンドを特定する。続いて、遊技制御用マイコン81は、特定した第1始動入賞図柄コマンドを遊技用RAM84の出力バッファにセットし(S357)、ステップS352、またはステップS353で特定した第1始動入賞当否コマンドが示す当否情報が暫定ハズレ情報であるか否かを判定する(S358)。ここで、遊技制御用マイコン81は、暫定ハズレ情報であれば(S358でYES)、ステップS362に進み、暫定ハズレ情報でなければ(S358でNO)、ステップS359に進む。
ステップS359において、遊技制御用マイコン81は、現在、非時短状態であるか否かを判定する。ここで、遊技制御用マイコン81は、非時短状態であれば(S359でYES)、非時短状態における大当たり用第1始動入賞変動パターンコマンド特定テーブルに基づいて第1始動入賞変動パターンコマンドを特定する(S360)。具体的には、ステップS218で取得した特図変動パターン乱数を非時短状態における大当たり用第1始動入賞変動パターンコマンド特定テーブルに照合して、その特図変動パターン乱数が属する範囲に応じた第1始動入賞変動パターンコマンドを特定する。
一方、遊技制御用マイコン81は、非時短状態でなければ(S359でNO)、時短状態における大当たり用第1始動入賞変動パターンコマンド特定テーブルに基づいて第1始動入賞変動パターンコマンドを特定する(S361)。具体的には、ステップS218で取得した特図変動パターン乱数を時短状態における大当たり用第1始動入賞変動パターンコマンド特定テーブルに照合して、その特図変動パターン乱数が属する図柄グループに応じた第1始動入賞変動パターンコマンドを特定する。続いて、遊技制御用マイコン81は、特定した第1始動入賞変動パターンコマンドを遊技用RAM84の出力バッファにセットし(S365)、第1始動入賞コマンド特定処理を終えて、センサ検出処理に処理を戻す。
また、遊技制御用マイコン81は、ステップS362において、非時短状態であるか否かを判定する。ここで、遊技制御用マイコン81は、非時短状態であれば(S362でYES)、非時短状態におけるハズレ用第1始動入賞変動パターンコマンド特定テーブルに基づいて第1始動入賞変動パターンコマンドを特定する(S363)。具体的には、まずはステップS218で取得したリーチ乱数を、非時短状態におけるハズレ用第1始動入賞変動パターンコマンド特定テーブルに照合してリーチの有無を特定する。次に、特定したリーチの有無に応じた非時短状態におけるハズレ用第1始動入賞変動パターンコマンド特定テーブルに、ステップS218で取得した特図変動パターン乱数を照合して、その特図変動パターン乱数が属するグループに応じた第1始動入賞変動パターンコマンドを特定する。
一方、遊技制御用マイコン81は、非時短状態でなければ(S362でNO)、時短状態におけるハズレ用第1始動入賞変動パターンコマンド特定テーブルに基づいて第1始動入賞変動パターンコマンドを特定する(S364)。具体的には、まずはステップS218で取得したリーチ乱数を、時短状態におけるハズレ用第1始動入賞変動パターンコマンド特定テーブルに照合してリーチの有無を特定する。次に、特定したリーチの有無に応じた時短状態におけるハズレ用第1始動入賞変動パターンコマンド特定テーブルに、ステップS218で取得した特図変動パターン乱数を照合して、その特図変動パターン乱数が属する範囲に応じた第1始動入賞変動パターンコマンドを特定する。続いて、遊技制御用マイコン81は、特定した第1始動入賞変動パターンコマンドを遊技用RAM84の出力バッファにセットし(S365)、第1始動入賞コマンド特定処理を終えて、センサ検出処理に処理を戻す。
[普通動作処理]
次に、普図表示器42および電チュー23の制御に関する普通動作処理について説明する。図28に示すように、普図表示器42および電チュー23に関する処理が4つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「普通動作ステータス=1,2,3,4」が割り当てられている。遊技制御用マイコン81は、普通動作処理(S105)において、最初に、「普通動作ステータス」を確認する(S1101)。「普通動作ステータス」が「1」である場合には、普通図柄待機処理(S1102)を行い、「普通動作ステータス」が「2」である場合には、普通図柄変動処理(S1103)を行い、「普通動作ステータス」が「3」である場合には、普通図柄確定処理(S1104)を行い、「普通動作ステータス」が「4」である場合には、補助遊技制御処理(S1105)を行う。なお「普通動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
普通図柄待機処理(S1102)は、普図の可変表示および補助遊技が行われていない待機中に行われる処理である。普図待機処理(S1102)では、普図保留記憶部86に記憶された普通図柄乱数に基づいて当たり判定を行う。さらに、現在の遊技状態に基づいて普図変動パターン判定を行って普図変動パターンを決定し、決定した普図変動パターンに応じた普図変動時間の普図の変動表示を普図表示器42に開始させて、普通動作ステータスを「2」に変更する。
普通図柄変動処理(S1103)は、普図が変動表示しているときに行われる処理である。普通図柄変動処理(S1103)では、実行中の普図の変動表示が開始してから普図変動時間が経過したか否か(普図の変動表示を終了させるか否か)を判定し、普図変動時間が経過したと判定されれば、当たり判定結果に基づいて普図の停止表示を行って、普通動作ステータスを「3」に変更する。
普通図柄確定処理(S1104)は、普図が停止表示しているときに行われる処理である。普通図柄確定処理(S1104)では、実行中の普図の停止表示が開始してから所定の停止時間(例えば、0.8秒)が経過したか否か(普図の停止表示を終了させるか否か)を判定し、所定の停止時間が経過したと判定されれば、停止表示している普図が当たり図柄であるか否かを判定する。当たり図柄でなければ(停止表示している普図がハズレ図柄であれば)、普通動作ステータスを「1」に変更する。一方、当たり図柄が停止表示していれば、普通動作ステータスを「4」に変更して、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を開始させる。
補助遊技制御処理(S1105)は、補助遊技が行われているときに行われる処理である。補助遊技制御処理(S1105)では、現在の遊技状態および補助遊技制御テーブルに基づいて補助遊技を制御する。そして、補助遊技が終了すれば、普通動作ステータスを「1」に変更する。
[特別動作処理]
次に、特図表示器41、特図保留表示器43および大入賞装置31の制御に関する特別動作処理について説明する。図29に示すように、特図表示器41、特図保留表示器43および大入賞装置31に関する処理は、5つのステータス(段階)に分けられている。そして、それらの各ステータスに「特別動作ステータス=1,2,3,4,5」が割り当てられている。遊技制御用マイコン81は、最初に「特別動作ステータス」を確認する(S1501)。遊技制御用マイコン81は、「特別動作ステータス」が「1」である場合には、特別図柄待機処理(S1502)を行い、「特別動作ステータス」が「2」である場合には、特別図柄変動処理(S1503)を行い、「特別動作ステータス」が「3」である場合には、特別図柄確定処理(S1504)を行い、「特別動作ステータス」が「4」である場合には、大当たり遊技制御処理(S1505)を行い、「特別動作ステータス」が「5」である場合には、遊技状態設定処理(S1506)を行う。なお「特別動作ステータス」は初期設定で「1」に設定される。
特別図柄待機処理(S1502)は、特別図柄の可変表示、大当たり遊技が行われていない待機中に行われる処理である。特別図柄待機処理については後に詳述する。
特別図柄変動処理(S1503)は、特別図柄が変動表示しているときに行われる処理である。特別図柄変動処理については後に詳述する。
特別図柄確定処理(S1504)は、特別図柄が停止表示しているときに行われる処理である。特別図柄確定処理については後に詳述する。
大当たり遊技制御処理(S1505)は、大当たり遊技において行われる処理である。遊技制御用マイコン81が、大当たり遊技制御処理を行うことによって、大当たり遊技制御テーブルに応じた大当たり遊技を行う。大当たり遊技が終了する際に特別動作ステータスを「5」に変更する。なお、各ラウンド遊技が開始される際には、そのラウンド数を示すラウンド数指定コマンドを遊技用RAM84の出力バッファにセットする。
遊技状態設定処理(S1506)は、大当たり遊技が終了する際に、遊技状態設定テーブルに基づいて、遊技状態を設定する処理である。終了する大当たり遊技に係る大当たり図柄を遊技状態設定テーブルに照合して、当該大当たり遊技後の遊技状態を設定する。高確率状態を設定する場合は、高確率フラグを遊技用RAM84の高確率フラグ領域にONする。さらにこのときに、大当たりに当選することなく高確率状態を設定(継続)できる規定回数(高確率規定回数)を、遊技用RAM84に設けられた高確率残り回数カウンタにセットする。また、時短状態を設定する場合は、時短フラグを遊技用RAM84の時短フラグ領域にONする。さらにこのときに、大当たりに当選することなく時短状態を設定(継続)できる規定回数(時短規定回数)を、遊技用RAM84に設けられた時短残り回数カウンタにセットする。
[特別図柄待機処理]
次に図30を用いて特別図柄待機処理について説明する。特別図柄待機処理(S1502)ではまず、特図2保留数が「0」であるか否かを判定する(S1601)。特図2保留数が「0」である場合(S1601でYES)、即ち、第2始動口22への入賞に起因して取得した特図2関連判定情報の記憶がない場合には、特図1保留数が「0」であるか否かを判定する(S1608)。そして、特図1保留数も「0」である場合(S1608でYES)、即ち、第1始動口20への入賞に起因して取得した特図1関連判定情報の記憶もない場合には、客待ちフラグがONか否かを判定する(S1618)。ここで、客待ちフラグがONであれば(S1618でYES)、特別図柄待機処理を終え、客待ちフラグがONでなければ(S1618でNO)、客待ちコマンドを出力バッファにセットし(S1619)、客待ちフラグをONにし(S1620)、特別図柄待機処理を終える。
また、特図2保留数が「0」であるが特図1保留数が「0」でない場合(S1601でYES且つS1608でNO)、即ち、特図2関連判定情報はないが、第1始動口20への入賞に起因して取得した特図1関連判定情報の記憶が1つ以上ある場合には、特図1判定処理(S1609)及び特図1変動パターン判定処理(S1610)を行う。
特図1判定処理(S1609)では、特図1保留記憶部851に記憶されている特別図柄乱数の中で最も先に記憶されたものを読み出して、現在の遊技状態に応じた大当たり判定テーブルに基づいて、大当たり、またはハズレの何れであるかの判定(大当たり判定)を行う。現在、通常確率状態であれば通常確率状態用第1大当たり判定テーブルを用いて大当たり判定を行い、高確率状態であれば高確率状態用第1大当たり判定テーブルを用いて大当たり判定を行う。
ここで、大当たり判定の結果が大当たりであれば、大当たり図柄種別乱数を読み出して第1大当たり図柄種別判定テーブルに基づいて大当たり図柄種別の判定(大当たり図柄種別判定)を行う。そして、大当たり図柄種別を表す大当たり図柄データを遊技用RAM84に設けられた特図バッファにセットすると共に、大当たり図柄種別を表す図柄指定コマンドを遊技用RAM84に設けられた出力バッファにセットする。また、大当たり判定の結果が「ハズレ」であれば、ハズレを表すハズレ図柄データを特図バッファにセットすると共に、ハズレを表す図柄指定コマンドを出力バッファにセットする。
次に、特図1変動パターン判定処理(S1610)について図31を用いて説明する。特図1変動パターン判定処理では、まず、現在非時短状態であるか否かを判定する(S1651)。非時短遊技状態であれば(S1651でYES)、非時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1652)してからステップS1654に進み、非時短遊技状態でなければ(S1651でNO)、時短状態用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1653)してからステップS1654に進む。
ステップS1654において、遊技制御用マイコン81は、大当たり判定結果が「大当たり」であったか否かを判定する。大当たりであれば(S1654でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から大当たり用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1659)してからステップS1660に進み、大当たりでなければ(S1654でNO)、リーチ判定を行う(S1655)。リーチ判定では、リーチ乱数を読み出して、そのリーチ乱数を現在の遊技状態(非時短状態/時短状態)に応じたリーチ判定テーブルに照合して、リーチ有りかリーチ無しかを判定する。
次に、ステップS1655でのリーチ判定の結果が「リーチ有り」であるか否かを判定する(S1656)。リーチ有りであれば(S1656でYES)、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中からリーチ有りハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1658)してからステップS1660に進み、リーチ有りでなければ(S1656でNO)、現在の特図1保留数を確認して、ステップS1652またはステップS1653の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルの中から特図1保留数に応じたリーチ無しハズレ用の特図1変動パターン判定テーブルを選択(S1657)してからステップS1660に進む。
遊技制御用マイコン81は、ステップS1660において、特図変動パターン乱数を読み出して、その特図変動パターン乱数をステップS1657〜ステップS1659の何れかで選択した特図1変動パターン判定テーブルに照合して、特図1変動パターンを判定する特図1変動パターン判定を行う。続けて、遊技制御用マイコン81は、決定された特図1変動パターンを示す特図1変動開始コマンドを出力バッファにセットし(S1661)、決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間を特別動作用タイマにセットし(S1662)、特図1変動パターン判定処理を終了して、特別図柄待機処理に処理を戻す。
なお、特別動作用タイマは、メイン側タイマ割り込み処理(S005)におけるその他の処理(S107)において、4ms分、更新される。また、セットされる特図1変動開始コマンドには、特別図柄の種別(特図1であるということ)に関する情報や特図1変動パターン判定処理(S1610)で行われた特図変動パターン判定の結果に関する情報(リーチの有無や特図変動時間の情報を含む特図変動パターンの情報)が含まれている。
続いて、遊技制御用マイコン81は、ステップS1610で決定された特図1変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図1表示器411に特図1の変動表示を開始させる(S1611)。
次に、遊技制御用マイコン81は、特図1保留記憶部851における各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図1保留記憶部851における保留1個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図1保留記憶部シフト処理を行う(S1612)。このようにして、特図1保留が保留された順に消化される。
次に、遊技制御用マイコン81は、特図1保留数カウンタを「1」減算し(S1613)、特図1保留表示器431が示す特図1保留数を「1」減少させて変更し(S1614)、特別動作ステータスを「2」に変更する(S1615)。
その後、遊技制御用マイコン81は、客待ちフラグがONか否かを判定し(S1616)、ONであれば(S1616でYES)、客待ちフラグをOFFして(S1617)、特別図柄待機処理を終え、ONでなければ(S1616でNO)、ステップS1617を実行することなく特別図柄待機処理を終える。
また、ステップS1601において特図2保留数が「0」でない場合(S1601でNO)、即ち、第2始動口22への入賞に起因して取得した特図2関連判定情報の記憶が1つ以上ある場合には、特図2判定処理(S1602)及び特図2変動パターン判定処理(S1603)を行う。特図2判定処理(S1602)及び特図2変動パターン判定処理(S1603)は、特図1判定処理(S1609)および特図1変動パターン判定処理(S1610)と基本的には同じ処理内容である。
特図2判定処理(S1602)は、大当たり判定で用いるテーブルが第2大当たり判定テーブルであること、および大当たり図柄種別判定で用いるテーブルが第2大当たり図柄種別判定テーブルであることを除いて特図1判定処理(S1609)と同様の処理であるため説明を省略する。また、特図2変動パターン判定処理(S1603)も、基本的には、特図2変動パターン判定で用いるテーブルが特図2変動パターン判定テーブルであることを除いて特図1変動パターン判定処理(S1610)と同様の処理であるため説明を省略する。
次に、遊技制御用マイコン81は、ステップS1603で決定された特図変動パターンに応じた特図変動時間に基づいて特図2表示器412に特図2の変動表示を開始させる(S1604)。
次に、遊技制御用マイコン81は、特図2保留記憶部852における各種カウンタ値の格納場所(記憶領域)を現在の位置から読み出される側に一つシフトするとともに、特図2保留記憶部852における保留4個目に対応する記憶領域(読み出される側から最も遠い記憶領域)をクリアする特図2保留記憶部シフト処理を行う(S1605)。このようにして、特図2保留が保留された順に消化される。
続いて遊技制御用マイコン81は、特図2保留数カウンタを「1」減算し(S1606)、特図2保留表示器432が示す特図2保留数を「1」減少させて変更し(S1607)、特別動作ステータスを「2」に変更し(S1615)、ステップS1616に進む。
上記のように第1実施形態では、特図1保留に基づく特別図柄の変動表示は、特図2保留が「0」の場合(S1601でYESの場合)に限って行われる。すなわち特図2保留の消化は、特図1保留の消化に優先して実行される。そして第1実施形態では、特図2保留に基づく抽選の方が、特図1保留に基づく抽選よりも、遊技者にとって利益の大きい大当たり図柄に当選しやすくなっている。なお、特図1保留の消化を特図2保留の消化に優先して実行されるようにしても良い。また、特図1保留の消化と特図2保留の消化を、特図の種別に関わらず保留が発生した順に行っても良い。
[特別図柄変動処理]
次に図32を用いて特別図柄変動処理について説明する。遊技制御用マイコン81は、特別図柄変動処理(S1503)ではまず、特別図柄の変動表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1603又はステップS1610で特別動作用タイマにセットした特図変動時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1701)。特別図柄の変動表示を終了させない場合(S1701でNO)、特別図柄変動処理を終了し、特別図柄の変動表示を終了させる場合(S1701でYES)、特図表示器41に、特別図柄の変動表示を終了させるとともに、ステップS1602又はステップS1609で特図バッファにセットした図柄データ(大当たり図柄データ、またはハズレ特図データ)に応じた特別図柄の停止表示をさせる(S1702)。
続いて、予め設定された特図確定時間(例えば、0.8秒)を特別動作用タイマにセットし(S1703)、特別図柄の変動表示が終了することを示す特図変動停止コマンドを出力バッファにセットし(S1704)、特別動作ステータスを「3」に変更し(S1705)、特別図柄変動処理を終了する。
[特別図柄確定処理]
次に図33を用いて特別図柄確定処理について説明する。遊技制御用マイコン81は、特別図柄確定処理(S1504)ではまず、特別図柄の停止表示を終了させるか否か、即ち、ステップS1703で特別動作用タイマにセットした特図確定時間が経過した(特別動作カウンタ=0)か否かを判定する(S1751)。特別図柄の停止表示を終了させない場合(S1751でNO)、特別図柄確定処理を終了し、特別図柄の停止表示を終了させる場合(S1751でYES)、現在、高確率状態(高確率フラグがON)であるか否かを判定する(S1752)。
現在高確率状態でなければ(S1752でNO)、ステップS1756に進み、現在、高確率状態であれば(S1752でYES)、高確率状態で実行可能な特別図柄の可変表示の残りの回数(高確率残り回数)を計測する高確率残り回数カウンタの値を「1」減算し(S1753)、高確率残り回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1754)。高確率残り回数カウンタの値(高確率残り回数)が「0」でなければ(S1754でNO)、ステップS1756に進み、高確率残り回数カウンタの値(高確率残り回数)が「0」であれば(S1754でYES)、高確率状態から通常確率状態に移行させる(高確率フラグをOFFする)(S1755)。
ステップS1756において、遊技制御用マイコン81は、現在、時短状態(時短フラグがON)であるか否かを判定する。時短状態でなければ(S1756でNO)、ステップS1760に進み、現在、時短状態であれば(S1756でYES)、時短状態で実行可能な特別図柄の可変表示の残りの回数(時短残り回数)を計測する時短残り回数カウンタの値を「1」減算し(S1757)、時短残り回数カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1758)。時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」でなければ(S1758でNO)、ステップS1760に進み、時短残り回数カウンタの値(時短残り回数)が「0」であれば(S1758でYES)、時短状態から非時短状態に移行させる(時短フラグをOFFする)(S1759)。
次に、遊技制御用マイコン81は、現在の遊技状態を示した遊技状態コマンドを出力バッファにセットし(S1760)、現在停止表示している特別図柄が大当たり図柄か否かを判定する(S1761)。大当たり図柄でなければ(S1761でNO)、特別動作ステータスを「1」に変更し(S1765)、特別図柄確定処理を終了する。
一方、ステップS1761において大当たり図柄であれば(S1761でYES)、遊技状態をリセットする(通常遊技状態を設定する。具体的には、高確率フラグおよび時短フラグをOFFし、高確率残り回数カウンタおよび時短残り回数カウンタの値を「0」にする)(S1762)。
続いて、遊技制御用マイコン81は、大当たり遊技準備処理を行い(S1763)、特別動作ステータスを「4」に変更し(S1764)、特別図柄確定処理を終了する。大当たり遊技準備処理では、大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技制御テーブルを遊技用RAM84の所定領域にセットする。また、大当たり遊技のオープニング中であることを示す大当たりオープニングフラグを遊技用RAM84の所定領域にONし、大当たり図柄の種別に応じて、所定のオープニング時間(大当たり遊技が開始されてから1ラウンドを開始するまでの時間)を特別動作用タイマにセットする。さらには、大当たり図柄の種別に応じ、大当たり図柄の種別を示すオープニングコマンドを遊技用RAM84の出力バッファにセットする。大当たり図柄の種別に応じたオープニングコマンドは、その停止表示した大当たり図柄の種別に応じた大当たり遊技(大当たり遊技のオープニング)が開始されることを表す。
6.演出制御用マイコン91による演出の制御
[サブ制御メイン処理]
次に図34〜図42のフローチャートを用いて、演出制御用マイコン91による演出の制御について説明する。なお、以下の演出制御用マイコン91による演出の制御の説明において登場するカウンタ、タイマ、フラグ、バッファ等は、演出用RAM94に設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機PY1が電源投入されると、図34に示したサブ制御メイン処理のプログラムを演出用ROM93から読み出して実行する。
同図に示すように、サブ制御メイン処理では、最初に、電源投入に応じた電源投入時処理を行う(S4001)。電源投入時処理では、例えば、演出用CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間の管理のための回路)等の設定等を行う。
次に、割り込みを禁止し(S4002)、乱数シード更新処理を実行する(S4003)。乱数シード更新処理(S4003)では、種々の演出に関する判定を行うための種々の演出判定用乱数カウンタの値を更新する。なお、演出判定用乱数には、保留演出パターン判定用乱数、および特図変動演出パターン判定用乱数等の演出内容を決定するための様々な乱数がある。
種々の演出についての判定用乱数カウンタの更新方法は、一例として、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。更新に際して乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。これは、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理においても同様である。
乱数シード更新処理が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4004)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90の演出用RAM94内の出力バッファに格納されている各種のコマンド(例えば、後述する特図変動演出開始コマンド、客待ち開始コマンド、オープニング演出開始コマンド、ラウンド演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンド、保留演出開始コマンド、および保留連演出開始コマンドなど)を、画像制御基板100に送信する。
コマンドを受信した画像制御基板100は、受信したコマンドに従って、表示部7aに画像を表示する(画像による種々の演出を実行する)。また、サブ制御基板90は、画像制御基板100によって行われる種々の演出とともに、音声制御回路106を介してスピーカ11から音声を出力させたり(音声による種々の演出を実行したり)、ランプ制御回路107を介して枠ランプ12を発光させたり(発光による種々の演出を実行したり)、盤可動体13Kを作動させたり(動作による種々の演出を実行したり)する。なお、種々の演出としては、特図変動演出、大当たり遊技演出(オープニング演出、ラウンド演出、エンディング演出)、客待ち演出、保留演出、および保留連演出等がある。
演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4005)。以降、ステップS4002〜ステップS4005をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4010)、1msタイマ割り込み処理(S4011)、および10msタイマ割り込み処理(S4012)の実行が可能となる。
受信割り込み処理(S4010)は、ストローブ信号、すなわち、主制御基板80から送られた各種のコマンドが演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力される度に実行される。受信割り込み処理(S4010)では、演出制御用マイコン91は主制御基板80の出力処理(S101)により送信されてきて受信した各種のコマンドを演出用RAM94の受信バッファに格納する。この受信割り込み処理は、他の割り込み処理(S4011、S4012)に優先して実行される。
また、1msタイマ割り込み処理(S4011)は、サブ制御基板90に1msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン91は、1msタイマ割り込み処理(S4011)において、半球型ボタン検出スイッチ17aからの検出信号に基づいて半球型ボタンスイッチデータを作成する入力処理を行う。また、演出制御用マイコン91は、剣型ボタン検出スイッチ18aからの検出信号に基づいて剣型ボタンスイッチデータを作成する入力処理を行う。
さらに、演出制御用マイコン91は、1msタイマ割り込み処理(S4011)において、画像による演出等に合うタイミングなどで枠ランプ12を発光させるべく、後述の10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S4103)で作成されたランプデータをランプ制御回路107に出力するランプ制御処理を行う。つまり、演出制御用マイコン91は、ランプデータに従って枠ランプ12を所定の発光態様で発光させる。
加えて、演出制御用マイコン91は、1msタイマ割り込み処理(S4011)において、所定のタイミングで盤可動体13Kを駆動させるべく、駆動データを作成し、または、出力する駆動制御処理を行う。後述の10msタイマ割り込み処理における各処理でセットされた駆動データもこの処理で出力される。つまり、演出制御用マイコン91は、駆動データに従って、盤可動体13Kを所定の動作態様で駆動させる。さらに、演出制御用マイコン91は、1msタイマ割り込み処理(S4011)において、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理を行う。
[10msタイマ割り込み処理]
次に図35を用いて10msタイマ割り込み処理について説明する。10msタイマ割り込み処理(S4012)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。演出制御用マイコン91は、10msタイマ割り込み処理ではまず、ステップS4010で受信バッファに格納したコマンドなどを解析する受信コマンド解析処理を行う(S4101)。受信コマンド解析処理については後述する。
続いて、演出制御用マイコン91は、特図変動演出、操作促進演出、および、客待ち演出などの各演出に関する時間を計測するためのタイマを更新する演出タイマ更新処理を行う(S4102)。
その後、演出制御用マイコン91は、その他の処理として、出力バッファにセットされ、画像制御基板100に送信される特図変動演出開始コマンド、客待ち演出開始コマンド、オープニング演出開始コマンド、ラウンド演出開始コマンド、エンディング演出開始コマンド、保留演出開始コマンド、および保留連演出開始コマンドが示す演出内容などに基づいて、ランプデータ(枠ランプ12の点灯を制御するデータ)の作成と、音声データ(スピーカ11からの音声の出力を制御するデータ)の作成、および音声制御回路106への出力などを行う(S4103)。
[受信コマンド解析処理]
次に図36〜図37を用いて受信コマンド解析処理について説明する。演出制御用マイコン91は、受信コマンド解析処理ではまず、主制御基板80から始動入賞当否コマンド(第1始動入賞当否コマンド又は第2始動入賞当否コマンド)を受信したか否か、言い換えれば、始動入賞当否コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する(S4201)。始動入賞当否コマンドを受信していれば(S4201でYES)、ステップS4202にて、受信した始動入賞当否コマンドを演出用RAM94に設けられた始動入賞当否コマンド保留記憶部95に記憶する一方、始動入賞当否コマンドを受信していなければ(S4201でNO)、ステップS4203に進む。
なお、演出制御用マイコン91は、第1始動入賞当否コマンドであれば第1始動入賞当否コマンド保留記憶部951に記憶し、第2始動入賞当否コマンドであれば第2始動入賞当否コマンド保留記憶部952に記憶する。第1始動入賞当否コマンド保留記憶部951および第2始動入賞当否コマンド保留記憶部952は、遊技用RAM84の特図1保留記憶部851および特図2保留記憶部852と同様に構成されている。
ステップS4203において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から始動入賞図柄コマンド(第1始動入賞図柄コマンド又は第2始動入賞図柄コマンド)を受信したか否か、言い換えれば、始動入賞図柄コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。始動入賞図柄コマンドを受信していれば(S4203でYES)、ステップS4204にて、受信した始動入賞図柄コマンドを演出用RAM94に設けられた始動入賞図柄コマンド保留記憶部96に記憶する一方、始動入賞図柄コマンドを受信していなければ(S4203でNO)、ステップS4205に進む。
なお、演出制御用マイコン91は、第1始動入賞図柄コマンドであれば第1始動入賞図柄コマンド保留記憶部961に記憶し、第2始動入賞図柄コマンドであれば第2始動入賞図柄コマンド保留記憶部962に記憶する。第1始動入賞図柄コマンド保留記憶部961および第2始動入賞図柄コマンド保留記憶部962は、遊技用RAM84の特図1保留記憶部851および特図2保留記憶部852と同様に構成されている。
ステップS4205において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から始動入賞変動パターンコマンド(第1始動入賞変動パターンコマンド又は第2始動入賞変動パターンコマンド)を受信したか否か、言い換えれば、始動入賞変動パターンコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。始動入賞変動パターンコマンドを受信していれば(S4205でYES)、受信した始動入賞変動パターンコマンドを演出用RAM94に設けられた始動入賞変動パターンコマンド保留記憶部97に記憶し(S4206)、保留演出判定処理を行う(S4207)一方、始動入賞変動パターンコマンドを受信していなければ(S4205でNO)、ステップS4208に進む。保留演出判定処理については後述する。
なお、演出制御用マイコン91は、第1始動入賞変動パターンコマンドであれば第1始動入賞変動パターンコマンド保留記憶部971に記憶し、第2始動入賞変動パターンコマンドであれば第2始動入賞変動パターンコマンド保留記憶部972に記憶する。第1始動入賞変動パターンコマンド保留記憶部971および第2始動入賞変動パターンコマンド保留記憶部972は、遊技用RAM84の特図1保留記憶部851および特図2保留記憶部852と同様に構成されている。
ステップS4208において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から図柄指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、図柄指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、図柄指定コマンドを受信していなければ(S4208でNO)、ステップS4210に進む一方、図柄指定コマンドを受信していれば(S4208でYES)、図柄指定コマンドを演出用RAM94にある特図解析結果記憶部98に記憶する(S4209)。なお、ここで演出制御用マイコン91が取得した情報(特図解析結果)は、これ以降に実行する処理においても適宜利用可能なものとする。
ステップS4210において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から特図変動開始コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動開始コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。特図変動開始コマンドを受信していなければ(S4210でNO)、ステップS4213に進む一方、特図変動開始コマンドを受信していれば(S4210でYES)、特図変動演出の演出内容を決定し、特図変動演出を開始させるための特図変動演出開始処理(S4211)、および保留アイコンをシフトさせる保留アイコンシフト処理(S4212)を行って、ステップS4213に進む。
演出制御用マイコン91は、特図変動演出開始処理では、まず、ステップS4209で既に記憶した図柄指定コマンドが示す停止特図の内容(大当たり図柄の種別、ハズレ特図)と特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、停止演出図柄を判定する停止図柄判定を行うための停止図柄パターン判定テーブルを選択する。停止図柄パターン判定テーブルは、特図および特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン91は、停止図柄の種別および特図変動パターンに対応付けられた停止図柄パターン判定テーブルを1つ選択する。各停止図柄パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、複数の停止演出図柄に停止図柄パターン判定用乱数の値(停止図柄パターン判定値)が振り分けられている。次に、演出制御用マイコン91は、停止図柄パターン判定用乱数カウンタが示す値を停止図柄パターン判定用乱数として取得し、取得した停止図柄パターン判定用乱数に基づいて停止図柄パターン判定を行う。演出制御用マイコン91は、停止図柄パターン判定において、選択した停止図柄パターンテーブルに、取得した停止図柄パターン判定用乱数を照合し、停止演出図柄を決定して、決定した停止演出図柄を表すデータを演出用RAM94の所定領域にセットする。
次に、演出制御用マイコン91は、特図変動開始コマンドが示す特図変動パターンに基づいて、特図変動演出の演出内容である特図変動演出パターンを判定する特図変動演出パターン判定を行うための特図変動演出パターン判定テーブルを選択する。特図変動演出パターン判定テーブルは、特図変動パターンに関連づけられて複数設けられている。よって、演出制御用マイコン91は、特図変動パターンに対応付けられた特図変動演出パターン判定テーブルを1つ選択する。各特図変動演出パターン判定テーブルには、所定の振分率(%)となるように、複数の特図変動演出パターンに特図変動演出パターン判定用乱数の値(特図変動演出パターン判定値)が振り分けられている。続いて、演出制御用マイコン91は、特図変動演出パターン判定用乱数カウンタが示す値を特図変動演出パターン判定用乱数として取得し、取得した特図変動演出パターン判定用乱数に基づいて特図変動演出パターン判定を行う。演出制御用マイコン91は、特図変動演出パターン判定において、選択した特図変動演出パターンテーブルに、取得した特図変動演出パターン判定用乱数を照合し、特図変動演出パターンを決定して、決定した特図変動演出パターンを表すデータを演出用RAM94の所定領域にセットし、特図変動演出パターンを表す特図変動演出開始コマンドを演出用RAM94の出力バッファにセットする。
特図変動演出開始コマンドには、画像表示装置7で行われる画像による特図変動演出の他に、スピーカ11から出力される音声による特図変動演出、枠ランプ12で行われる発光による特図変動演出の演出内容、および、盤可動体13Kで行われる動作による特図変動演出の演出内容が含まれている。
ステップS4211セットされた特図変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100の画像用CPU102は、画像用ROM103から所定の演出画像を読み出して、画像表示装置7の表示部7aにて画像による特図変動演出を行う。また、演出制御用マイコン91は、画像制御基板100によって行われる画像による特図変動演出が行われている間、画像制御基板100に送信された特図変動演出開始コマンドが示す特図変動演出内容に応じて、音声制御回路106を介してスピーカ11から音声を出力させ(音声による特図変動演出を実行し)、また、ランプ制御回路107を介して枠ランプ12を発光させ(発光による特図変動演出を実行し)、盤可動体13Kを作動させる(動作による特図変動演出を実行する)。
また、演出制御用マイコン91は、保留アイコンシフト処理において、保留アイコンをシフトさせることを示す保留アイコンシフトコマンドを演出用RAM94の出力バッファにセットする。ステップS4212でセットされた保留アイコンシフトコマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100の画像用CPU102は、画像表示装置7の表示部7aにて表示されている保留アイコンをシフトさせる。
ステップS4213において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から特図変動停止コマンドを受信したか否か、言い換えれば、特図変動停止コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、特図変動停止コマンドを受信していなければ(S4213でNO)、ステップS4216に進む一方、特図変動停止コマンドを受信していれば(S4213でYES)、特図変動演出を終了させる(演出図柄の変動表示を停止し、停止表示を行う)ための特図変動演出終了処理(S4214)、および変動アイコンを消去させる変動アイコン消去処理(S4215)を行う。
演出制御用マイコン91は、特図変動演出終了処理では、特図変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、特図変動演出を適宜に終了(演出図柄EZ1〜EZ3の変動表示を停止)させるための特図変動演出終了コマンドを演出用RAM94の出力バッファにセットする。画像制御基板100は、特図変動演出終了コマンドを受信すると、実行中の特図変動演出を終了(変動中の演出図柄EZ1〜EZ3を停止)する。
また、演出制御用マイコン91は、変動アイコン消去処理において、変動アイコンを消去させることを示す変動アイコン消去コマンドを演出用RAM94の出力バッファにセットする。ステップS4515でセットされた変動アイコン消去コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100の画像用CPU102は、画像表示装置7の表示部7aにて表示されている変動アイコンを消去する。
ステップS4216において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からオープニングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、オープニングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、オープニングコマンドを受信していなければ(S4216でNO)、ステップS4219に進む一方、オープニングコマンドを受信していれば(S4216でYES)、大当たり遊技のオープニングに伴うオープニング演出開始処理(S4217)、および保留アイコンを非表示にする保留アイコン非表示処理(S4218)を行う。
演出制御用マイコン91は、オープニング演出開始処理では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、これから実行される大当たり遊技のオープニング演出の演出内容(オープニング演出パターン)を選択し、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドを演出用RAM94の出力バッファにセットする。
また、演出制御用マイコン91は、保留アイコン非表示処理において、表示されている全ての保留アイコンを非表示にすることを示す保留アイコン非表示コマンドを演出用RAM94の出力バッファにセットする。ステップS4218でセットされた保留アイコン非表示コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100の画像用CPU102は、画像表示装置7の表示部7aにて表示されている全ての保留アイコンを非表示にする。これは、大当たり遊技中は、遊技者に大当たり遊技および大当たり遊技演出に集中させ、遊技興趣の低下を防ぐためである。
ステップS4219において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からラウンド数指定コマンドを受信したか否か、言い換えれば、ラウンド数指定コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。ラウンド数指定コマンドを受信していなければ(S4219でNO)、ステップS4223に進む一方、ラウンド数指定コマンドを受信していれば(S4219でYES)、まずはラウンド遊技の開始に伴うラウンド演出開始処理を行う(S4220)。
演出制御用マイコン91は、ラウンド演出開始処理では、ラウンド数指定コマンドを解析して、これから開始されるラウンド遊技に応じたラウンド演出を実行するか否かを判定し、実行するのであればラウンド演出の演出内容(ラウンド演出パターン)を選択し、選択したラウンド演出パターンに応じたラウンド演出開始コマンドを演出用RAM94の出力バッファにセットする。
次に、演出制御用マイコン91は、ラウンド数指定コマンドが示すラウンドの順番がラウンド1であるか否かを判定する(S4221)。演出制御用マイコン91は、ラウンド1でなければ(S4221でNO)、ステップS4223に進む一方、ラウンド1であれば(S4221でYES)、保留連演出を実行するか否かを判定する保留連演出判定を行う(S4222)。保留連演出判定については後述する。
ステップS4223において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80からエンディングコマンドを受信したか否か、言い換えれば、エンディングコマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。エンディングコマンドを受信していなければ(S4223でNO)、ステップS4226に進む一方、エンディングコマンドを受信していれば(S4223でYES)、大当たり遊技のエンディングに伴うエンディング演出開始処理(S4224)、および演出モード設定処理(S4225)を行う。
演出制御用マイコン91は、エンディング演出開始処理において、エンディングコマンドを解析して、これから実行される大当たり遊技のエンディングに応じたエンディング演出の演出内容(エンディング演出パターン)を選択し、選択した大当たりエンディング演出パターンに応じたエンディング演出開始コマンドを演出用RAM94の出力バッファにセットする。
なお、演出制御用マイコン91は、大当たり遊技が終了する際に特図2保留に応じた保留演出を行うことを示す特図2保留演出開始コマンドを演出用RAM94の出力バッファにセットする。ステップS4224でセットされた特図2保留演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100の画像用CPU102は、画像表示装置7の表示部7aにて、全ての特図2保留に応じた保留演出を開始させる。これは、大当たり遊技開始時に保留アイコンが全て非表示にされ、大当たり遊技後は時短状態で遊技が進行し、第2始動口22へ入賞させて特図2可変表示を実行させる遊技が中心になるからである。
また、演出制御用マイコン91は、演出モード設定処理において、エンディングコマンドの解析結果、言い換えると当該エンディングに係る大当たり図柄の種別に基づいて、大当たり遊技後の演出モードを設定するための処理(演出モードを制御するための処理)を行う。
ステップS4226において、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から遊技状態コマンドを受信したか否か、言い換えれば、遊技状態コマンドを受信バッファに格納したか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、遊技状態コマンドを受信していなければ(S4226でNO)、受信コマンド解析処理を終了する一方、遊技状態コマンドを受信していれば(S4226でYES)、遊技状態コマンドを解析して、遊技状態コマンドが表す遊技状態を特定し、遊技状態を設定するための遊技状態設定処理を行う(S4227)。
遊技状態設定処理において、演出制御用マイコン91は、遊技状態コマンドが示す遊技状態に応じた遊技状態フラグを演出用RAM94の遊技状態フラグ領域に設定する。例えば、演出制御用マイコン91は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が通常遊技状態であれば遊技状態フラグ「00H」を演出用RAM94の遊技状態フラグ領域に設定する。また、演出制御用マイコン91は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が通常確率状態且つ時短状態であれば遊技状態フラグ「01H」を演出用RAM94の遊技状態フラグ領域に設定する。また、演出制御用マイコン91は、遊技状態コマンドが示す遊技状態が高確率状態且つ時短状態であれば遊技状態フラグ「02H」を演出用RAM94の遊技状態フラグ領域に設定する。
[保留演出判定処理]
次に図38を用いて保留演出判定処理について説明する。演出制御用マイコン91は、保留演出判定処理では、まず保留演出パターン判定用乱数カウンタが示す値を保留演出パターン判定用乱数として取得し(S5001)、ステップS4202で記憶した始動入賞当否コマンドが示す始動口情報が第1始動口20であるかを判定する(S5002)。
演出制御用マイコン91は、第1始動口20であれば(S5002でYES)、特図1保留が発生したということであるので特図1保留用の保留演出パターン判定テーブルを選択し(S5003)、第1始動口20でなければ(S5002でNO)、特図2保留が発生したということであるので特図2保留用の保留演出パターン判定テーブルを選択する(S5004)。
保留演出パターン判定テーブルは、保留演出の演出態様、具体的には保留アイコンの表示態様、詳細には保留アイコンの色を判定するためのテーブルであり、図43〜図44に示すように、保留演出の対象となる保留の種別(特図1保留/特図2保留)、大当たりかハズレかに関連付けられている。さらに、各大当たり用の保留演出パターン判定テーブルは、大当たり図柄の種別に関連付けられている。一方、各ハズレ用の保留演出パターン判定テーブルは、大当たり図柄の種別に関連付けられている。
次に、演出制御用マイコン91は、始動入賞当否コマンドが示す情報が確定大当たり情報、または暫定大当たり情報であるかを判定する(S5005)。演出制御用マイコン91は、確定大当たり情報、または暫定大当たり情報であれば(S5005でYES)、ステップS5003またはステップS5004で選択した保留演出パターン判定テーブルの中からさらに大当たり用の保留演出パターン判定テーブルを選択し(S5006)、ステップS4204で記憶した始動入賞図柄コマンドが示す図柄情報に関連付けられた大当たり用の保留演出パターン判定テーブルを選択する(S5007)。一方、演出制御用マイコン91は、確定大当たり情報、または暫定大当たり情報でなければ(S5005でNO)、ステップS5003またはステップS5004で選択した保留演出パターン判定テーブルの中からさらにハズレ用の保留演出パターン判定テーブルを選択し(S5008)、ステップS4206で記憶した始動入賞変動パターンコマンドが示す変動パターン情報に関連付けられたハズレ用の保留演出パターン判定テーブルを選択する(S5009)。
各保留演出パターン判定テーブルには、所定の(図43〜図44に記載の)振分率(%)となるように、保留演出パターンに保留演出パターン判定用乱数の値(保留演出パターン判定値)が振り分けられている。保留演出パターンとして、保留演出パターン01〜保留演出パターン05が設定されている。
保留演出パターン01には、保留アイコンの色として通常の通常色(通常態様)が対応付けられている。一方、保留演出パターン02〜保留演出パターン05には、保留アイコンの色として、通常の通常色とは異なる特別色(特別態様)が対応付けられている。すなわち、保留演出パターン02〜保留演出パターン05が選択されることは保留変化予告の実行を意味する。反対に、保留演出パターン01が選択されることは保留変化予告の不実行を意味する。
また、保留変化予告に係る保留演出パターン02〜保留演出パターン05によって大当たり期待度が異なる。具体的には、保留演出パターン05(金色)>保留演出パターン04(赤色)>保留演出パターン03(緑色)>保留演出パターン02(白色点滅)の順で大当たり期待度が高い。
演出制御用マイコン91は、ステップS5010において、保留演出パターン判定を行う。演出制御用マイコン91は、保留演出パターン判定において、ステップS5007またはステップS5009において最終的に選択した保留演出パターン判定テーブルに、ステップS5001で取得した保留演出パターン判定用乱数を照合し、保留演出パターンを決定する。
続いて、演出制御用マイコン91は、保留演出パターンを表す保留演出開始コマンドを演出用RAM94の出力バッファにセットして(S5011)、保留演出判定処理を終える。なお、ステップS5005でセットされた保留演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100の画像用CPU102は、当該保留演出に係る特図保留を含めた特図保留数に応じた保留表示領域73aの所定位置(第1領域73a1〜第4領域73a4の何れか)に通常態様の保留アイコンを表示する。そして、保留演出パターン02〜保留演出パターン05であれば、通常態様で表示した直後に、受信した保留演出開始コマンドが示す保留演出パターンに応じた色に変化させる。
[保留演出判定処理]
次に図39〜図42を用いて保留連演出判定処理について説明する。演出制御用マイコン91は、保留連演出判定処理では、まず第2始動入賞当否コマンドを記憶しているか否か、すなわち特図2保留数が1以上であるか否かを判定する(S5101)。演出制御用マイコン91は、第2始動入賞当否コマンドを記憶していなければ(S5101でNO)保留連演出判定処理を終え、第2始動入賞当否コマンドを記憶していれば(S5101でYES)、記憶しているオープニングコマンドに基づいて、大当たり遊技後は高確率状態で遊技が進行するか否か、すなわち、現在実行中の大当たり遊技は高確率大当たり当選によるものであるか否かを判定する(S5102)。
演出制御用マイコン91は、大当たり遊技後は高確率状態で遊技が進行する場合(S5102でYES)、演出用RAM94の所定領域に仮高確率状態フラグをONし(S5103)ステップS5104に進み、大当たり遊技後は高確率状態で遊技が進行しない場合(S5102でNO)、そのままステップS5104に進む。
演出制御用マイコン91は、ステップS5104において、最も先に記憶した(1番目の)第2始動入賞当否コマンドが示す当否情報は、確定大当たり情報であるか否かを判定する(S5104)。演出制御用マイコン91は、確定大当たり情報であれば(S5104でYES)、ステップS5107に進み、確定大当たり情報でなければ(S5104でNO)、最も先に記憶した(1番目の)第2始動入賞当否コマンドが示す当否情報は、暫定大当たり情報、または暫定ハズレ情報であるか否かを判定する(S5105)。
演出制御用マイコン91は、暫定大当たり情報、または暫定ハズレ情報でなければ(S5105でNO)ステップS5111に進み、暫定大当たり情報、または暫定ハズレ情報であれば(S5105でYES)、仮高確率状態フラグがONであるか否かを判定する(S5106)。演出制御用マイコン91は、仮高確率状態フラグがONでなければ(S5106でNO)ステップS5111に進み、仮高確率状態フラグがONであれば(S5106でYES)、ステップS5107に進む。
ステップS5107に進むということは次に行われる特図2可変表示で大当たりになるということである。そして、演出制御用マイコン91は、ステップS5107において、最も先に記憶した(1番目の)第2始動入賞図柄コマンドが示す図柄情報は、高確率大当たりであるか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、高確率大当たりであれば(S5107でYES)、確変保留連演出開始コマンドを演出用RAM94の出力バッファにセットし(S5108)、高確率大当たりでなければ(S5107でNO)、時短保留連演出開始コマンドを演出用RAM94の出力バッファにセットする(S5109)。
続いて、演出制御用マイコン91は、ステップS5110において、仮高確率状態フラグをOFFし、保留連演出判定処理を終える。
また、ステップS5111に進むということは、次の特図2可変表示では大当たりにならないということが確定している。そして、演出制御用マイコン91は、ステップS5111において、1番目の第2始動入賞当否コマンドの次に記憶された(2番目の)第2始動入賞当否コマンドがあるか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、2番目の第2始動入賞当否コマンドがなければ(S5111でNO)保留連演出判定処理を終え、2番目の第2始動入賞当否コマンドがあれば(S5111でYES)、ステップS5112に進む。
演出制御用マイコン91は、ステップS5112において、2番目の第2始動入賞当否コマンドが示す当否情報は、確定大当たり情報であるか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、確定大当たり情報であれば(S5112でYES)、ステップS5115に進み、確定大当たり情報でなければ(S5112でNO)、2番目の第2始動入賞当否コマンドが示す当否情報は、暫定大当たり情報、または情報であるか否かを判定する(S5113)。
演出制御用マイコン91は、暫定大当たり情報、または暫定ハズレ情報でなければ(S5113でNO)ステップS5119に進み、暫定大当たり情報、または暫定ハズレ情報であれば(S5113でYES)、仮高確率状態フラグがONであるか否かを判定する(S5114)。演出制御用マイコン91は、仮高確率状態フラグがONでなければ(S5114でNO)ステップS5119に進み、仮高確率状態フラグがONであれば(S5114でYES)、ステップS5115に進む。
ステップS5115に進むということは、大当たり遊技の後の2回目の特図2可変表示で大当たりになるということである。そして、演出制御用マイコン91は、ステップS5115において、1番目の第2始動入賞図柄コマンドの次に記憶された(2番目の)第2始動入賞図柄コマンドが示す図柄情報は、高確率大当たりであるか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、高確率大当たりであれば(S5115でYES)、確変保留連演出開始コマンドを演出用RAM94の出力バッファにセットし(S5116)、高確率大当たりでなければ(S5115でNO)、時短保留連演出開始コマンドを演出用RAM94の出力バッファにセットする(S5117)。
続いて、演出制御用マイコン91は、ステップS5118において、仮高確率状態フラグをOFFし、保留連演出判定処理を終える。
また、ステップS5119に進むということは、大当たり遊技後の2回目の特図2可変表示までは大当たりにならないということである。そして、演出制御用マイコン91は、ステップS5119において、2番目の第2始動入賞当否コマンドの次に記憶された(3番目の)第2始動入賞当否コマンドがあるか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、3番目の第2始動入賞当否コマンドがなければ(S5119でNO)保留連演出判定処理を終え、3番目の第2始動入賞当否コマンドがあれば(S5119でYES)、ステップS5120に進む。
演出制御用マイコン91は、ステップS5120において、3番目の第2始動入賞当否コマンドが示す当否情報は、確定大当たり情報であるか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、確定大当たり情報であれば(S5120でYES)、ステップS5123に進み、確定大当たり情報でなければ(S5120でNO)、3番目の第2始動入賞当否コマンドが示す当否情報は、暫定大当たり情報、または暫定ハズレ情報であるか否かを判定する(S5121)。
演出制御用マイコン91は、暫定大当たり情報、または暫定ハズレ情報でなければ(S5121でNO)ステップS5127に進み、暫定大当たり情報、または暫定ハズレ情報であれば(S5121でYES)、仮高確率状態フラグがONであるか否かを判定する(S5122)。演出制御用マイコン91は、仮高確率状態フラグがONでなければ(S5122でNO)ステップS5127に進み、仮高確率状態フラグがONであれば(S5122でYES)、ステップS5123に進む。
ステップS5123に進むということは、大当たり遊技の後の3回目の特図2可変表示で大当たりになるということである。そして、演出制御用マイコン91は、ステップS5123において、2番目の第2始動入賞図柄コマンドの次に記憶された(3番目の)第2始動入賞図柄コマンドが示す図柄情報は、高確率大当たりであるか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、高確率大当たりであれば(S5123でYES)、確変保留連演出開始コマンドを演出用RAM94の出力バッファにセットし(S5124)、高確率大当たりでなければ(S5123でNO)、時短保留連演出開始コマンドを演出用RAM94の出力バッファにセットする(S5125)。
続いて、演出制御用マイコン91は、ステップS5126において、仮高確率状態フラグをOFFし、保留連演出判定処理を終える。
また、ステップS5127に進むということは、大当たり遊技後の3回目の特図2可変表示までは大当たりにならないということが確定している。そして、演出制御用マイコン91は、ステップS5127において、3番目の第2始動入賞当否コマンドの次に記憶された(4番目の)第2始動入賞当否コマンドがあるか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、4番目の第2始動入賞当否コマンドがなければ(S5127でNO)保留連演出判定処理を終え、4番目の第2始動入賞当否コマンドがあれば(S5127でYES)、ステップS5128に進む。
演出制御用マイコン91は、ステップS5128において、4番目の第2始動入賞当否コマンドが示す当否情報は、確定大当たり情報であるか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、確定大当たり情報であれば(S5128でYES)、ステップS5131に進み、確定大当たり情報でなければ(S5128でNO)、4番目の第2始動入賞当否コマンドが示す当否情報は、暫定大当たり情報、または暫定ハズレ情報であるか否かを判定する(S5129)。
演出制御用マイコン91は、暫定大当たり情報、または暫定ハズレ情報でなければ(S5129でNO)保留連演出判定処理を終え、暫定大当たり情報、または暫定ハズレ情報であれば(S5129でYES)、仮高確率状態フラグがONであるか否かを判定する(S5130)。演出制御用マイコン91は、仮高確率状態フラグがONでなければ(S5130でNO)保留連演出判定処理を終え、仮高確率状態フラグがONであれば(S5130でYES)、ステップS5131に進む。
ステップS5131に進むということは、大当たり遊技後の4回目の特図2可変表示で大当たりになるということである。そして、演出制御用マイコン91は、ステップS5131において、3番目の第2始動入賞図柄コマンドの次に記憶された(4番目の)第2始動入賞図柄コマンドが示す図柄情報は、高確率大当たりであるか否かを判定する。演出制御用マイコン91は、高確率大当たりであれば(S5131でYES)、確変保留連演出開始コマンドを演出用RAM94の出力バッファにセットし(S5132)、高確率大当たりでなければ(S5133でNO)、時短保留連演出開始コマンドを演出用RAM94の出力バッファにセットする(S5133)。
続いて、演出制御用マイコン91は、ステップS5134において、仮高確率状態フラグをOFFし、保留連演出判定処理を終える。
なお、ステップS5108、ステップS5116、ステップS5124、またはステップS5132でセットされた確変保留連演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100の画像用CPU102は、確変保留連演出として、画像表示装置7の表示部7aにて保留連演出画像G4を表示する。また、演出制御用マイコン91は、確変保留連演出として、画像制御基板100によって保留連演出画像G4が表示されるときに、音声制御回路106を介してスピーカ11から特定の効果音を出力させる(音声による確変保留連演出を実行する)。
また、ステップS5109、ステップS5117、ステップS5125、またはステップS5133でセットされた時短保留連演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4004)により画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100の画像用CPU102は、時短保留連演出として、画像表示装置7の表示部7aにて保留連演出画像G4を表示する。なお、この場合、演出制御用マイコン91は、音声制御回路106を介してスピーカ11から特定の効果音を出力させない(音声による時短保留連演出を実行しない)。
以上のように、パチンコ遊技機PY1によれば、通常確率状態のときと高確率状態のときのそれぞれで、通常確率状態のときでも高確率状態のときでも大当たりと判定される第1当否グループ、高確率状態のときのみ大当たりと判定される第2当否グループ、および通常確率状態のときでも高確率状態のときでもハズレと判定される第3当否グループごとに、各グループに応じた始動入賞当否コマンドを特定し、サブ制御基板90に送信する。ここで、第2当否グループについては、そのときに滞在している遊技状態(通常確率状態/高確率状態)に応じて、大当たりと判定されるかハズレと判定されるか異なる。しかし、大当たりと判定される場合には大当たりを示す始動入賞当否コマンドが特定され、大当たりと判定される場合にはハズレを示す始動入賞当否コマンドが特定される。よって、通常確率状態と高確率状態で制御可能であるため、情報として不確定要素を含む第2当否グループについても、特図保留発生時の遊技状態に応じた正確な情報をサブ制御基板90に送信することで、保留変化予告などの先読み演出の実行の機会の減少を防ぐことができる。さらに、第1当否グループと第2当否グループに分かれ、各グループに応じた始動入賞当否コマンドを特定しているため、大当たり遊技後に通常確率状態と高確率状態の何れかで遊技が進行するが、正確に保留連演出を行うことができる。
また、始動入賞当否コマンドが暫定ハズレ情報であるときには、変動パターン情報がサブ制御基板90に送信されるので、変動パターン情報も反映させた先読み演出を行うことができ、演出効果が向上する。さらに、始動入賞当否コマンドが暫定ハズレ情報であるときには、本来は、言い換えると、現在の遊技状態ではハズレであるにも関わらず、図柄情報がサブ制御基板90に送信されるので、大当たり図柄の種別を反映させた保留連演出を行うことができ、演出効果が向上する。
ここで、第2当否グループの始動入賞当否コマンドを、第3当否グループの始動入賞当否コマンドと同一の始動入賞当否コマンドで構成させ、つまり、暫定ハズレ情報と確定ハズレ情報とを統合して1つのハズレ情報で構成させ、演出制御マイコン91は、ハズレ情報と図柄情報が送信されてきたことをもって、取得された特別図柄乱数が第2当否グループであることを判断できるようにしても良い。このようにすることで、一般的にはデータ容量が規制されている遊技用ROM83に格納されるデータ量を削減することができる。なお、この場合、第2当否グループについてハズレ情報と共に送信させるコマンドは図柄情報ではなく、図柄情報とは別の第2当否グループを示す特定のコマンドであっても良い。
7.その他の変更例
以下、本発明の遊技機について、第1実施形態で説明した構成以外の変更例について説明する。
特別図柄乱数、大当たり図柄種別乱数、リーチ乱数、特図変動パターン乱数、および普通図柄乱数の範囲は第1実施形態に限られず適宜に設定可能である。また、大当たり判定テーブル、大当たり図柄判定テーブル、リーチ判定テーブル、特図変動パターン判定テーブル、および当たり判定テーブルにおける各乱数判定値の各判定結果への割り振り方は、第1実施形態に限られず適宜に設定しても良い。なお、これらに伴って、始動入賞当否コマンド特定テーブル、始動入賞図柄コマンド特定テーブル、および始動入賞変動パターン特定テーブルにおける各グループを構成する乱数値も変化する。また、各判定テーブルにおける各判定結果に対する選択率も第1実施形態に限られず適宜に設定可能である。
また、第1実施形態では、各種乱数を取得して、取得した乱数を特図保留記憶部85や普図保留記憶部86に記憶しているが、取得した乱数を所定の識別データに変換して記憶しても良い。
第1実施形態では、始動入賞コマンドに始動入賞図柄コマンドが含まれており、大当たり図柄を表す図柄情報がサブ制御基板90に送られているが、始動入賞図柄コマンドが含まれていなくてもよい。
また、第1実施形態では、当否情報が確定大当たり情報または暫定大当たり情報である場合には、特図変動パターンコマンドもサブ制御基板90に送っているが、必ずしも特図変動パターンコマンドを送る必要はない。
さらに、第1実施形態では、始動入賞当否コマンドと始動入賞変動パターンコマンドとが設けられており、確定大当たり、暫定大当たり、暫定ハズレ、および特定ハズレを示す当否情報と、特図変動パターン情報とが別のコマンドで分けて構成されているが、例えば、始動入賞当否コマンドを設定せずに、図45に示すように、当否情報、および特図変動パターン情報とを合わせた始動入賞変動パターンを設定しても良い。なお、図45では、始動入賞変動パターンコマンドは、当否情報を識別するための1バイトのMODEデータと、特図変動パターン情報を識別するための1バイトのDATAデータとから構成されている。また、この場合も第1実施形態の場合と同様に、第2当否グループと第3当否グループについて、MODEデータを統合してハズレを示す同一のMODEデータにしても良い。そして、演出制御マイコン91は、ハズレを示すMODEデータで構成される始動入賞変動コマンドと始動入賞図柄コマンドが送信されてきたことをもって、取得された特別図柄乱数が第2当否グループであることを判断できるようにしても良い。このようにすることで、さらに遊技用ROM83に格納されるデータ量を削減することができる。また、第2当否グループについては、始動入賞図柄コマンドとは異なる特定のコマンドを始動入賞変動コマンドと共に送信しても良い。
さらに、第1実施形態では、始動入賞コマンドを用いた先読み演出として保留変化予告および保留連演出が実行されているが、これらの演出態様は第1実施形態に限定されることはなく、適宜に設定しても良い。また、保留変化予告や保留連演出以外にも、例えば複数の特図変動にわたる所謂「連続予告演出」を行っても良い。
また、第1実施形態では、保留連演出は大当たり遊技のラウンド遊技中に行われているが、実行タイミングはこれに限られず、オープニングやエンディングで行っても良い。さらには、大当たり遊技が行われる前に特図可変表示中に行うこともできる。
また、第1実施形態では、確変保留連演出および時短保留連演出で同一の保留連演出画像G4が表示されるが、確変保留連演出と時短保留連演出とで異なる画像を表示するようにしても良い。さらに、大当たり遊技中に、さらに2回以上の大当たり遊技が実行されていることが確定している場合、確定している大当たりの回数に応じて異なる演出態様の保留連演出を実行しても良い。この場合、確定している大当たりの回数と大当たりの種類の組み合わせによって異なる演出態様の保留連演出を実行しても良い。ここでの「大当たりの種類」とは、大当たり遊技の後に高確率状態や時短状態などの遊技者に有利な遊技状態、大当たり遊技におけるラウンド遊技の回数など、遊技利益に関わる要素によって区別される種類のことである。
また、第1実施形態では、大当たり遊技で開放可能な大入賞領域として大入賞口30のみが設けられているが、複数の大入賞領域を設けても良い。
また、第1実施形態では、大当たり遊技後の終了に伴って必ず時短状態が設定されるが、大当たり図柄の種別に応じて時短状態が設定されるか否かを決定しても良い。この場合、特図2抽選での方が、大当たり遊技後の終了に伴って時短状態が設定される大当たり図柄に高確率で当選できるようになっていても良い。
また、第1実施形態などでは、大当たり判定において大当たりに当選することによって、大入賞口30の開閉を伴う大当たり遊技が実行されるが、大入賞口30の開閉を伴う遊技として所謂「小当たり遊技」を設けても良い。小当たり遊技は、大当たり判定において、大当たりおよびハズレとは異なる「小当たり」に当選することによって実行される。そして、小当たり遊技における大入賞口30の最大開放時間は1.8秒以下であることが望ましい。また、小当たり遊技の終了に伴い、遊技状態は変化しない。すなわち、小当たり遊技の実行中および実行後は、当該実行前の遊技状態が継続し、小当たり遊技の実行が遊技状態に影響を及ぼさない。すなわち、小当たりに当選すると、大入賞口30の開閉を伴う小当たり遊技が実行されるだけである。
なお、このように小当たりを設ける場合は、始動入賞当否コマンドに、大当たり、小当たり、およびハズレを示す当否情報を関連付けることができる。また、小当たりが複数種類ある場合は、大当たり図柄種別乱数と同様に小当たり図柄乱数を取得できるようにし、当否情報が小当たりである場合には、小当たり図柄乱数に基づく図柄情報が関連付けられた始動入賞図柄コマンドを特定して、サブ制御基板90に送信しても良い。
また、第1実施形態では、高確率回数が160回に設定され、時短回数が160回と100回に設定されているが、これらの通常遊技状態より遊技者に有利な遊技状態に対する特別図柄の変動表示の規定回数は限定されず適宜に設定することができる。例えば、高確率回数を100回に設定し、時短回数をV通過の有無に関わらず100回に設定してもよい。また、時短回数を0回に設定してもよい。また、大当たり遊技後の経過時間や遊技球の発射個数などの特別図柄の変動表示の実行回数ではない他の要素に基づいて、通常遊技状態より遊技者に有利な遊技状態に対する継続期間を設定してもよい。
また、第1実施形態では、遊技の進行に係る基本的な制御を主制御基板80が行い、遊技の進行(遊技の制御)に応じた演出の進行に係る基本的な制御をサブ制御基板90が行うというように、遊技の制御と演出の制御とを異なる基板で行っているが、一つの基板で行うよう構成しても良い。この場合、画像制御基板100を、その一つの基板に含めても良く、また、その一つの基板とは別に設けても良い。
また、本発明の遊技機を、アレンジボール機、雀球遊技機等の他の弾球遊技機や回胴式遊技機(所謂「スロットマシーン」)などに適用することも可能である。
8.実施形態に開示されている他の発明
この[発明を実施するための形態]における前段落までには、以下の発明A1〜発明A5が開示されている。発明A1〜発明A5の説明では、前述した発明を実施する形態における対応する構成の名称や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明を構成する手段などの要素はこの付記に限定されるものではない。
8−1.発明A1
発明A1に係る遊技機は、
所定条件の成立(特図1保留数が4未満のときに第1始動口20へ入賞、または第2保留数が4未満のときに第2始動口22へ入賞)により、所定の当否判定情報(特別図柄乱数)により、所定の当否判定情報を取得する取得手段(ステップS211またはステップS218を行う遊技制御用マイコン81)と、
前記取得手段により取得された前記当否判定情報に基づいて、遊技者に有利な有利遊技状態に遊技を制御(大当たり遊技を実行)するか否かを判定する当否判定手段(ステップS1602またはステップS1609を行う遊技制御用マイコン81)と、
前記当否判定手段による判定の結果に基づいて、所定の演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン91)と、を備える遊技機であって、
前記当否判定手段による判定が行われる前に、前記取得手段により取得された前記当否判定情報に基づいて、前記有利遊技状態に遊技を制御するか否かに関する当否情報(始動入賞当否コマンド)を特定する特定手段(ステップS212またはステップS219を行う遊技制御用マイコン81)と、
前記当否情報を前記演出制御手段に送信する送信手段(ステップS107を行う遊技制御用マイコン81)と、を備え、
前記演出制御手段は、前記当否情報に基づいて特定演出(保留演出、保留変化予告、保留連演出)を制御可能であり、
第1遊技状態(通常確率状態)、または当該第1遊技状態と異なる第2遊技状態(高確率状態)で遊技を制御可能であり、
前記当否判定情報には、少なくとも、1または複数の第1当否判定情報(第1当否グループ)と、1または複数の第2当否判定情報(第2当否グループ)と、1または複数の第3当否判定情報(第3当否グループ)と、があり、
前記当否判定手段は、
前記第1遊技状態では、前記取得手段により取得された前記当否判定情報が前記第1当否判定情報である場合に前記有利遊技状態に遊技を制御すると判定する一方、
前記第2遊技状態では、前記取得手段により取得された前記当否判定情報が前記第1当否判定情報および第2当否判定情報である場合に前記有利遊技状態に遊技を制御すると判定するように構成され、
前記特定手段は、
前記第1遊技状態において前記当否情報を特定する場合、
前記第1当否判定情報であれば、当該第1当否判定情報に応じた第1当否情報(第1始動入賞当否コマンド01、第2始動入賞当否コマンド01)を特定し、前記第2当否判定情報であれば、当該第2当否判定情報に応じた第2当否情報(第1始動入賞当否コマンド02、第2始動入賞当否コマンド02)を特定し、前記第3当否判定情報であれば、当該第3当否判定情報に応じた第3当否情報(第1始動入賞当否コマンド03、第2始動入賞当否コマンド03)を特定する一方、
前記第2遊技状態において前記当否情報を特定する場合、
前記第1当否判定情報であれば、当該第1当否判定情報に応じた第4当否情報(第1始動入賞当否コマンド04、第2始動入賞当否コマンド04)を特定し、前記第2当否判定情報であれば、当該第2当否判定情報に応じた第5当否情報(第1始動入賞当否コマンド05、第2始動入賞当否コマンド05)を特定し、前記第3当否判定情報であれば、当該第3当否判定情報に応じた第6当否情報(第1始動入賞当否コマンド06、第2始動入賞当否コマンド06)を特定することを特徴とする。
8−2.発明A2
発明A2に係る遊技機は、
発明A1に係る遊技機であって、
前記第1当否情報、前記第4当否情報、および前記第5当否情報は、前記有利遊技状態に遊技が制御されることを示す内容であり、
前記第2当否情報、前記第3当否情報、および前記第6当否情報は、前記有利遊技状態に遊技が制御されないことを示す内容であることを特徴とする。
8−3.発明A3
発明A3に係る遊技機は、
発明A1または発明A2に係る遊技機であって、
前記取得手段は、前記所定条件の成立により、前記当否判定情報の他に変動パターン判定情報(変動パターン乱数)を取得し、
前記当否判定手段の判定結果に応じて、前記変動パターン判定情報に基づいて、変動パターンを判定する変動パターン判定手段(ステップS1603またはステップS1610を行う遊技制御用マイコン81)と、
前記変動パターン判定手段により判定された前記変動パターンに基づいて、図柄を変動表示した後に、前記当否判定手段の判定結果を示す態様で停止表示する図柄表示制御手段(ステップS1502、ステップS1503およびステップS1504を行う遊技制御用マイコン81)と、を備え、
前記特定手段は、前記変動パターン判定情報に基づいて、前記変動パターンに関する変動パターン情報を特定可能であり、
前記送信手段は、前記当否情報の他に、前記変動パターン情報も前記演出制御手段に送信可能であり、
前記演出制御手段は、前記当否情報、および前記変動パターン情報に基づいて前記特定演出を制御可能であることを特徴とする。
8−4.発明A4
発明A4に係る遊技機は、
発明A1乃至発明A3の何れか1つに係る遊技機であって、
前記有利遊技状態の種類(大当たりA〜大当たりE)が複数設けられており、
前記取得手段は、前記所定条件の成立により、前記当否判定情報の他に種別判定情報(大当たり図柄種別乱数)を取得し、
前記当否判定手段の判定結果が前記有利遊技状態に遊技を制御するである場合、前記種別判定情報に基づいて、前記有利遊技状態の種別を判定する種別判定手段(ステップS1602またはステップS1609を行う遊技制御用マイコン81)を備え、
前記特定手段は、前記当否情報として前記第2当否情報を特定した場合、前記種別判定情報に基づいて、前記有利遊技状態の種別に関する種別情報(図柄情報)を特定可能であり、
前記送信手段は、前記当否情報の他に、前記種別情報も前記演出制御手段に送信可能であり、
前記演出制御手段は、前記当否情報、および前記種別情報に基づいて前記特定演出を制御可能であることを特徴とする。
8−5.発明A5
発明A5に係る遊技機は、
発明A4に係る遊技機であって、
前記種別判定情報には、特定種別判定情報(第1図柄グループ、第2図柄グループ、第4図柄グループ)があり、
前記有利遊技状態の種別には、特定有利遊技状態があり、
前記種別判定手段は、前記特定種別判定情報に基づいて、前記特定有利遊技状態と判定し、
前記取得手段により取得された前記当否判定情報、および前記種別判定情報を記憶する記憶手段(特図保留記憶部85)と、
前記種別判定手段によって前記特定有利遊技状態と判定された場合、当該特定有利遊技状態に遊技が制御されたことに伴って前記第2遊技状態を設定する設定手段(ステップS1506を行う遊技制御用マイコン81)と、を備え、
前記演出制御手段は、前記特定有利遊技状態に遊技が制御され、且つ、前記記憶手段が前記第2当否判定情報および前記特定種別判定情報を記憶しているとき、特別演出(確変保留連演出)を実行可能であることを特徴とする。