JP2019030226A - ゲノムdna−ポリペプチド複合体、又はそれに含まれるゲノムdnaおよび/もしくはポリペプチドを単離又は解析する方法 - Google Patents

ゲノムdna−ポリペプチド複合体、又はそれに含まれるゲノムdnaおよび/もしくはポリペプチドを単離又は解析する方法 Download PDF

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翔一 加藤
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Masaaki Miyaji
正昭 宮路
良介 飯沼
Ryosuke Iinuma
良介 飯沼
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Kazuhiro Ikkyu
和弘 一久
清 須田
Kiyoshi Suda
清 須田
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Abstract

【課題】ゲノムDNA−ポリペプチド複合体、又はそれに含まれるゲノムDNAおよび/もしくはポリペプチドの単離又は解析。
【解決手段】ゲノムDNA−ポリペプチド複合体にプローブを結合させること、及び該プローブと結合した該ゲノムDNA−ポリペプチド複合体を回収することを含む、ゲノムDNA−ポリペプチド複合体の単離方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ゲノムDNA−ポリペプチド複合体、ならびにそれに含まれるゲノムDNA及び/又はポリペプチドを単離又は解析する方法に関する。
エピジェネティクスは、DNA配列の変化を伴わずに、細胞又は多細胞生物からその子孫へと遺伝子発現又は表現型の変化を継承する仕組みである。エピジェネティクスのメカニズムには、DNAメチル化等のDNAの化学修飾、ヒストンの化学修飾、及びそれらによるヌクレオソームやクロマチンの構造もしくは安定性の変化などが関与していると考えられている。エピジェネティクスは、細胞が正常に発生分化又は機能するための制御に関わっていると考えられている。エピジェネティックな異常は、老化細胞、アポトーシス細胞又は異常細胞、特にがん細胞において見られることが多い。現在では、エピジェネティックな異常は、様々な疾病をもたらす原因として認識されている。エピジェネティクスに関わるタンパク質や核酸を検出又は解析する技術は、エピジェネティクス研究、及びエピジェネティクスを標的とした治療又は診断技術の開発にとって有用である。
クロマチンに会合したタンパク質の単離は、クロマチン免疫沈降法(ChIP法)を実施することによって達成されてきた。典型的なChIPアッセイでは、クロマチン会合タンパク質は、ホルムアルデヒドを用いてDNAへ架橋結合させられる。その後クロマチンは、小さなフラグメントにせん断され、精製される。精製されたクロマチンフラグメントは、標的クロマチン会合タンパク質に特異的な抗体を用いた免疫沈降を行うことで、単離される。沈降したクロマチンは、DNAを遊離させるように、架橋結合を解離させる処理に供される。得られたDNAを精製、解析することで、特定のDNA領域に結合するクロマチン会合タンパク質を検出することが可能である。ChIP法を実施するためのプロトコールは、例えば、特許文献1、及び非特許文献1〜2に開示されている。
しかしながら、ChIP法に基づく技術を疾患等の診断に使用する場合、免疫沈降後に脱架橋、DNA抽出、DNA精製、及び、次世代シーケンサーやqPCRなどによる標的核酸配列の定量を行う必要があるため、ハイスループットな測定が困難である。また、含まれる夾雑物により、精製効率が十分でないこともある。
特表2015−500478号公報
Nature Protocols,2006,1:179−185 Methods Enzymol,1999,304:533−47
本発明は、ゲノムDNA−ポリペプチド複合体、それに含まれるゲノムDNA及び/又はポリペプチド、その他の核酸等の、標的核酸及び/又はこれと会合するポリペプチドを単離し、又はさらに解析する方法を提供する。
本発明は、以下の各発明を包含する。
〔1〕ゲノムDNA−ポリペプチド複合体の単離方法であって、
ゲノムDNA−ポリペプチド複合体にプローブを結合させること、及び
該プローブと結合した該ゲノムDNA−ポリペプチド複合体を回収すること、
を含む、方法。
〔2〕ゲノムDNA−ポリペプチド複合体に含まれるゲノムDNA及び/又はポリペプチドの単離方法であって、
ゲノムDNA−ポリペプチド複合体にプローブを結合させること、
該プローブと結合した該ゲノムDNA−ポリペプチド複合体を回収すること、及び
回収された該ゲノムDNA−ポリペプチド複合体からゲノムDNA及び/又はポリペプチドを単離すること、
を含む、方法。
〔3〕前記ゲノムDNA−ポリペプチド複合体が、クロマチン、ヌクレオソーム、ゲノムDNA−クロマチンリモデリング因子複合体、ゲノムDNA−転写因子複合体、及びゲノムDNA−DNAメチル化結合タンパク質複合体からなる群より選択される、〔1〕又は〔2〕記載の方法。
〔4〕前記プローブが核酸、抗体、核酸結合タンパク質、及びタンパク質−核酸複合体からなる群より選択される、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項記載の方法。
〔5〕前記核酸が一本鎖DNA、二本鎖DNA、一本鎖RNA、二本鎖RNA、ホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチド、2’−O−(2−メトキシ)エチル−修飾核酸、siRNA、架橋型核酸、ペプチド核酸及びモルフォリノ・アンチセンス核酸からなる群より選択される、〔4〕記載の方法。
〔6〕前記プローブが、前記ゲノムDNAの少なくとも一部とハイブリダイズする一本鎖DNA、又は該ポリペプチドと結合する抗体である、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項記載の方法。
〔7〕前記プローブがヒストン抗体である、〔6〕記載の方法。
〔8〕前記ヒストン抗体が修飾ヒストン抗体である、〔7〕記載の方法。
〔9〕前記プローブと結合したゲノムDNA−ポリペプチド複合体を、該プローブを介して担体に結合させることで回収する、〔1〕〜〔8〕のいずれか1項記載の方法。
〔10〕前記プローブが前記担体に親和性のある分子で修飾されている、〔9〕記載の方法。
〔11〕前記担体に親和性のある分子がビオチンであり、前記担体がアビジン結合担体である、〔10〕記載の方法。
〔12〕前記担体に親和性のある分子が磁性体であり、前記担体が磁性担体である、〔10〕記載の方法。
〔13〕前記担体に親和性のある分子がビオチンであり、前記担体がアビジン結合磁性担体である、〔10〕記載の方法。
〔14〕前記プローブが前記担体に固定化されている、〔9〕記載の方法。
〔15〕前記ゲノムDNA−ポリペプチド複合体からのゲノムDNA及び/又はポリペプチドの単離において、前記プローブ又は担体と結合したゲノムDNAが単離される、〔2〕〜〔14〕のいずれか1項記載の方法。
〔16〕前記プローブを結合させる前の前記ゲノムDNA−ポリペプチド複合体が断片化されている、〔1〕〜〔15〕のいずれか1項記載の方法。
〔17〕前記プローブを結合させる前の前記ゲノムDNA−ポリペプチド複合体に対して、該ゲノムDNAと該ポリペプチドとの相互作用を保持する処理を行う、〔1〕〜〔16〕のいずれか1項記載の方法。
〔18〕前記プローブと結合させる前に、前記ゲノムDNA−ポリペプチド複合体のゲノムDNAを変性させる、〔1〕〜〔17〕のいずれか1項記載の方法。
〔19〕前記ゲノムDNA−ポリペプチド複合体の回収が、
前記プローブと結合した前記ゲノムDNA−ポリペプチド複合体に第2のプローブを結合させること、及び
該第2のプローブと結合した該ゲノムDNA−ポリペプチド複合体を回収すること、
をさらに含む、〔1〕〜〔18〕のいずれか1項記載の方法。
〔20〕前記ゲノムDNA−ポリペプチド複合体がクロマチンである、〔19〕記載の方法。
〔21〕前記プローブが前記ゲノムDNAの少なくとも一部とハイブリダイズする一本鎖DNAであり、前記第2のプローブがヒストン抗体である、〔20〕記載の方法。
〔22〕前記プローブがヒストン抗体であり、前記第2のプローブが前記ゲノムDNAの少なくとも一部とハイブリダイズする一本鎖DNAである、〔20〕記載の方法。
〔23〕前記ヒストン抗体が修飾ヒストン抗体である、〔21〕又は〔22〕記載の方法。
〔24〕ゲノムDNA−ポリペプチド複合体に含まれるゲノムDNA及び/又はポリペプチドの解析方法であって、〔2〕〜〔23〕のいずれか1項記載の方法により単離されたゲノムDNA−ポリペプチド複合体に含まれるゲノムDNA及び/又はポリペプチドを、マイクロアレイ解析、定量PCR、半定量PCR、バイサルファイトシークエンス解析、メチル化DNA特異的定量PCR、メチル化DNA特異的半定量PCR、非メチル化DNA特異的定量PCR、非メチル化DNA特異的半定量PCR、COBRA、RIA、FIA、CLIA、CELIA、EIA、ELISA、免疫ブロット、クロマトグラフィー、質量分析、及びクロマトグラフィー−質量分析からなる群より選択される少なくとも1種により解析することを含む、方法。
〔25〕前記ゲノムDNA−ポリペプチド複合体がクロマチンである、〔24〕記載の方法。
〔26〕前記解析がエピジェネティクス解析である、〔25〕記載の方法。
〔27〕前記解析が遺伝子解析である、〔25〕記載の方法。
〔28〕ゲノムDNA−ポリペプチド複合体に結合するプローブを含む、〔1〕〜〔27〕のいずれか1項記載の方法を行うためのキット。
〔29〕前記プローブに結合したゲノムDNA−ポリペプチド複合体を固定化するための担体をさらに含む、〔28〕記載のキット。
本発明によれば、対象細胞のゲノム中の標的核酸、及び/又は該核酸と会合するポリペプチドを高い精製効率で精製することができる。
担体粒子を用いて回収されたクロマチン中のCENP−Aの化学発光法による定量値。プローブありの場合の結果を1としたときの相対値。プローブあり:プローブA(α−サテライト配列認識プローブ)、コントロール:プローブなし。
(1.ゲノムDNA−ポリペプチド複合体の単離及び解析)
本発明は、対象細胞に存在するゲノムDNA−ポリペプチド複合体、該複合体に含まれるゲノムDNA及び/又はポリペプチド、又は他の核酸を単離し、又はさらに解析する方法に関する。本発明による対象細胞は、固定保存された細胞であってもよいが、生細胞であることが好ましい。
(1−1.ゲノムDNA−ポリペプチド複合体、ならびにそれに含まれるゲノムDNA及び/又はポリペプチドの単離方法)
一態様において、本発明は、ゲノムDNA−ポリペプチド複合体の単離方法であって、
ゲノムDNA−ポリペプチド複合体にプローブを結合させること、及び
該プローブと結合した該ゲノムDNA−ポリペプチド複合体を回収すること、
を含む方法を提供する。
別の一態様において、本発明は、ゲノムDNA−ポリペプチド複合体に含まれるゲノムDNA及び/又はポリペプチドの単離方法であって、
ゲノムDNA−ポリペプチド複合体にプローブを結合させること、
該プローブと結合した該ゲノムDNA−ポリペプチド複合体を回収すること、及び
回収された該ゲノムDNA−ポリペプチド複合体からゲノムDNA及び/又はポリペプチドを単離すること、
を含む方法を提供する。
本発明において、ゲノムDNA−ポリペプチド複合体の例としては、クロマチン、ヌクレオソーム、ゲノムDNA−クロマチンリモデリング因子複合体、ゲノムDNA−転写因子複合体、ゲノムDNA−DNAメチル化結合タンパク質複合体などからなる群より選択されるいずれか1種又は2種以上が挙げられる。本発明において、標的ゲノムDNA−ポリペプチド複合体に含まれるゲノムDNAは、特定タイプ又は領域のゲノムDNAには限定されない。また本発明において、単離又は解析すべきポリペプチドの種類に応じて、標的ゲノムDNA−ポリペプチド複合体に含まれるゲノムDNAのタイプや配列の選択が可能である。
本発明において、ゲノムDNA−ポリペプチド複合体に含まれるポリペプチドの例としては、ヒストン及び他のクロマチン会合タンパク質が挙げられる。これらのポリペプチドは、翻訳後修飾を受けていても、変異体(バリアント)であってもよい。ヒストンの例としては、ヒストンH1.0、H1.1、H1.2、H1.3、H1.4、H1.5、H2A.1、H2A.2、H2A.3、H2B.a、H2B.b、H2B.c、H2A.d、H2A.e、H2A.f、H3.1、H3.2、H3.3、H4、及びそれらに関連した他種のホモログ等のヒストンアイソフォーム;H2A−X、H2A−Z、マクロ−H2A、H2A−Bbd、CENP−A、及びそれらに関連した他種のホモログ等のヒストンバリアント、などが挙げられる。したがって、本明細書における「ヒストン」とは、ヒストンアイソフォーム及びヒストンバリアントを包含する。ヒストンは修飾されていてもよい。当該修飾としては化学修飾が挙げられ、化学修飾としては、リン酸化、メチル化、アセチル化、ユビキチン化等が挙げられる。他のクロマチン会合タンパク質の例としては、クロマチンリモデリング因子であるSWI/SNF(switch/sucrose non-fermenting)ファミリータンパク質、ISWI(imitation switch)ファミリータンパク質、CHD(chromatin helicase DNA binding protein )ファミリータンパク質、INO80(inositol 80 requiring )ファミリータンパク質等;転写因子であるc−Myc、KLF4、SOX2、OCT4、NF−1、ステロイドホルモン受容体、GATA因子、STAT、p53等;メチル化DNA結合タンパク質であるMeCP2、MBD1、MBD2、MBD3等、などが挙げられる。
本発明の方法において、当該ゲノムDNA−ポリペプチド複合体は、後述する第1のプローブ(本明細書において、単にプローブということもある)と結合させる工程の前に、断片化されてもよい。断片化によって、単離すべき目的のゲノムDNAを含み得る適当なサイズのゲノムDNA−ポリペプチド複合体断片を生成させることができ、また標的の複合体と第1のプローブとの結合反応を促進することができる。
ゲノムDNA−ポリペプチド複合体を断片化する手法としては、酵素処理、超音波処理、及びそれらの組み合わせが挙げられる。酵素処理に用いる酵素としては、制限酵素、DNA分解酵素(エンドヌクレアーゼ)等を用いることができる。ゲノムDNA−ポリペプチド複合体がクロマチンの場合、ミクロコッカスヌクレアーゼ(MNase)による酵素処理、超音波処理、又はそれらの組み合わせが好適に用いられ、クロマチンの断片(例えばヌクレオソーム)が生成される。断片化処理を効率よく行うため、断片化処理の前に、公知の方法を用いて対象細胞を溶解もしくは破砕するか、又は該細胞からゲノムDNA−ポリペプチド複合体(例えば、クロマチン)分画を抽出しておくことが好ましい。
好ましくは、第1のプローブを結合させる前のゲノムDNA−ポリペプチド複合体に対して、該ゲノムDNAとポリペプチドとの相互作用を保持する処理が行われる。相互作用を保持する処理としては、例えば架橋処理が挙げられる。該架橋処理に用いる好ましい架橋剤としては、例えばホルムアルデヒド及びグルタルアルデヒドが挙げられる。
好ましくは、第1のプローブと結合させる前のゲノムDNA−ポリペプチド複合体のゲノムDNAを変性させる。より詳細には、該複合体を加温し、その中のゲノムDNAの二本鎖を解離させる。当該変性処理は、上記架橋処理をされた又はされていない複合体に対して行うことができるが、好ましくは、上記架橋処理された複合体に対して行われる。
本発明の方法においては、好ましくは、上述した断片化処理、相互作用を保持する処理、又は変性処理を経たゲノムDNA−ポリペプチド複合体が、第1のプローブとの結合工程に適用される。したがって、第1のプローブとの結合工程に適用されるゲノムDNA−ポリペプチド複合体は断片化されていても、されていなくともよい。以下の本明細書において、第1のプローブとの結合工程及びそれ以降の工程に適用される「ゲノムDNA−ポリペプチド複合体」は、断片化形態及び非断片化形態を包含し得る。
当該標的ゲノムDNA−ポリペプチド複合体に結合させる第1のプローブは、該標的ゲノムDNA−ポリペプチド複合体を内在する対象細胞に対して外来性の分子である。該第1のプローブの種類は、該標的ゲノムDNA−ポリペプチド複合体に対して結合性を有するものであれば、特に限定されない。
一実施形態において、当該第1のプローブは、当該標的ゲノムDNA−ポリペプチド複合体中のゲノムDNA上の特定のDNA配列に結合する分子であり得る。そのような分子の例としては、DNA結合タンパク質、核酸、タンパク質−核酸複合体などが挙げられる。標的となる該特定のDNA配列としては、特に限定されないが、例えば、遺伝子、プロモーター、ターミネーター、エンハンサー、テロメア、セントロメア、レトロウイルス由来配列、トランスポゾン、マイクロサテライト、及びその一部が挙げられる。一例として、クロマチンのセントロメア領域に存在するα−サテライト配列の一部を利用することができる。別の一実施形態において、当該第1のプローブは、当該標的ゲノムDNA−ポリペプチド複合体中の特定のポリペプチドと結合する分子であり得る。そのような分子の例としては、抗体が挙げられる。したがって、該第1のプローブは、好ましくは核酸、抗体、核酸結合タンパク質、及びタンパク質−核酸複合体からなる群より選択される。
当該第1のプローブのための核酸、核酸結合タンパク質、及びタンパク質−核酸複合体は、当該標的ゲノムDNA−ポリペプチド複合体中のゲノムDNAの少なくとも一部と特異的に結合するものであればよい。当該核酸は、該ゲノムDNAの配列の少なくとも一部と特異的にハイブリダイズするものであればよく、例えば、一本鎖DNA、二本鎖DNA、一本鎖RNA、二本鎖RNA、ホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチド、2’−O−(2−メトキシ)エチル−修飾核酸(2’−MOE−修飾核酸)、siRNA、架橋型核酸(LNA)、ペプチド核酸(PNA)、及びモルフォリノ・アンチセンス核酸からなる群より選択され得る。
本明細書において、2つの核酸配列が「特異的にハイブリダイズする」とは、一方の配列の塩基の80%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、さらに好ましくは100%が、他方の配列の塩基と相補的に結合することをいう。
当該DNA結合タンパク質の例としては、該ゲノムDNAの配列の少なくとも一部に特異的に結合するように設計されたアミノ酸配列を有するものが挙げられ、例えば、ジンクフィンガータンパク質、TALエフェクタータンパク質などが挙げられる。当該タンパク質−核酸複合体の例としては、該ゲノムDNAの配列の少なくとも一部に特異的に結合するように設計された、不活性型Cas9タンパク質とgRNAとの複合体などが挙げられる。
当該第1のプローブに用いる核酸、DNA結合タンパク質及びタンパク質−核酸複合体は、公知の手順に従って製造することができる。例えば、所定の配列を有する核酸は、化学合成法、PCR法、in vitro transcription法、reverse transcription法、細胞に組み込んだ遺伝子からの転写等により製造することができる。また所定のアミノ酸配列を有するタンパク質は、例えば遺伝子組換え技術により組換えタンパク質として製造することができる。
当該第1のプローブのための抗体は、当該標的ゲノムDNA−ポリペプチド複合体中のポリペプチドと特異的に結合する抗体であればよい。該抗体の例としては、上述したヒストン、クロマチン会合タンパク質、ならびにそれらの修飾体又は変異体(バリアント)に対する抗体が挙げられる。該抗体は、好ましくはモノクローナル抗体である。当業者は、公知の手順に従って、目的のポリペプチドに対する抗体を製造することができる。
好ましくは、当該第1のプローブは、当該標的ゲノムDNA−ポリペプチド複合体中のゲノムDNAの少なくとも一部と特異的にハイブリダイズする一本鎖DNA、又は該複合体中のポリペプチドと結合する抗体である。好ましくは、当該抗体は、ヒストン又は修飾ヒストン(例えば、アセチル化ヒストン又はメチル化ヒストン)に対する抗体である。
対象細胞として真核細胞を用いる場合、当該第1のプローブには、核移行シグナルを含めることができる。該プローブが核移行シグナルを有することにより、細胞内でプローブが核内に移行してゲノムDNAと接触することが可能となる。核移行シグナルは、公知の核移行シグナルから適宜選択すればよい。具体的には、例えば、SV40T抗原の核移行シグナル、c−Mycの核移行シグナル、p53の核移行シグナル、NF−κBp50の核移行シグナル、細胞内に取り込まれる性質を持つアミノ酸配列(タンパク質トランスダクションドメイン)などが挙げられる。
当該第1のプローブを標的ゲノムDNA−ポリペプチド複合体に結合させる方法は、特に限定されない。例えば、標的複合体を含む細胞の溶解液又は抽出液と、該第1のプローブとを混合する方法、該第1のプローブを、マイクロインジェクション、エレクトロポレーション、リポフェクション等の公知の手段により対象細胞に導入して、細胞内で該標的複合体と接触させる方法、対象細胞を改変して該第1のプローブを細胞内で発現させ、細胞内に発現したプローブを該標的複合体と接触させる方法、該第1のプローブをコードする遺伝子が発現可能に導入されたトランスジェニック生物を用いる方法、などが挙げられる。
本発明の方法においては、当該第1のプローブと結合した標的ゲノムDNA−ポリペプチド複合体を回収する。これにより、標的ゲノムDNA−ポリペプチド複合体を単離することができる。好ましい実施形態において、該標的複合体は、該第1のプローブを介して担体に結合させることによって回収される。
当該担体は、タンパク質又は核酸の固定化に通常使用されるものであればよく、その種類は特に限定されない。該担体の素材の例としては、ガラス、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、ポリ塩化ビニル、メタアクリレート、ラテックス、アガロース、セルロース、デキストラン、デンプン、デキストリン、シリカゲル、多孔性セラミックス、磁性体等の素材が挙げられる。また該担体の形状の例としては、ビーズ、カラム、ディスク、スティック、チューブ、プレート、チップ、マイクロアレイ等が挙げられる。
一実施形態において、当該第1のプローブは当該担体に固定化されている。プローブの担体への固定化には、物理的吸着、共有結合、架橋等の公知の方法を適宜用いることができる。該担体に固定化された第1のプローブをゲノムDNA−ポリペプチド複合体に結合させることによって、該プローブを介して該標的複合体が該担体に結合される。
別の一実施形態において、当該第1のプローブは、担体に親和性のある分子で修飾されており、該第1のプローブと結合した標的ゲノムDNA−ポリペプチド複合体を担体に適用すれば、該プローブを介して該標的複合体が該担体に結合される。好ましい実施形態において、該担体に親和性のある分子はビオチン又はそのアナログであり、該担体は、表面にアビジン、ストレプトアビジン等が結合されたアビジン結合担体である。別の好ましい実施形態において、該担体に親和性のある分子は磁性体であり、該担体は磁性担体である。別の好ましい実施形態において、該担体に親和性のある分子はジゴキシゲニンであり、該担体は、表面にジゴキシゲニン抗体が結合された担体である。
さらなる一実施形態において、当該担体は、当該第1のプローブに親和性のある分子で修飾されており、該第1のプローブと結合した標的ゲノムDNA−ポリペプチド複合体を担体に適用すれば、該プローブを介して該標的複合体が該担体に結合される。好ましい実施形態において、該第1のプローブは抗体であり、該担体は、抗体結合タンパク質(例えばプロテインA、プロテインG等)で修飾された担体(例えばアフィニティービーズ、アフィニティーカラム)である。
さらなる一実施形態において、当該担体は磁性粒子であり、さらに当該第1のプローブに親和性のある分子で修飾されている。該親和性のある分子を介した担体と第1のプローブとの結合により、該担体と標的複合体とが結合される。さらなる一実施形態において、該担体は磁性粒子であり、該担体と第1のプローブのそれぞれが、互いに親和性のある分子で修飾されている。それぞれの親和性のある分子の相互作用を介した担体と第1のプローブとの結合により、該担体と標的複合体とが結合される。好ましい実施形態において、該互いに親和性のある分子の一方はビオチン又はそのアナログであり、他方はアビジン又はストレプトアビジンである。磁性粒子担体に結合した標的複合体は、磁力を利用して回収される。
あるいは、本発明の方法においては、回収された第1のプローブと結合したゲノムDNA−ポリペプチド複合体に対して、さらに第2のプローブを結合させてもよい。該第2のプローブを用いることによって、第1のプローブに結合したゲノムDNA−ポリペプチド複合体のさらなる選別や選択的単離、あるいは該ゲノムDNA−ポリペプチド複合体又はそこに含まれるゲノムDNAもしくはポリペプチドの検出又は定量などが可能になる。
本発明で使用できる第2のプローブの例としては、上述した第1のプローブとして例示したものが挙げられる。基本的には、該第2のプローブは、該標的ゲノムDNA−ポリペプチド複合体を内在する対象細胞に対して外来性の分子であり、かつ該第1のプローブとは異なる物質である。好ましい一実施形態において、該第1のプローブは、標的ゲノムDNA−ポリペプチド複合体中のゲノムDNAの少なくとも一部と特異的にハイブリダイズする一本鎖DNAであり、該第2のプローブは、標的ゲノムDNA−ポリペプチド複合体中のポリペプチドと特異的に結合する抗体である。別の好ましい一実施形態において、該第1のプローブは、標的ゲノムDNA−ポリペプチド複合体中のポリペプチドと特異的に結合する抗体であり、該第2のプローブは、標的ゲノムDNA−ポリペプチド複合体中のゲノムDNAの少なくとも一部と特異的にハイブリダイズする一本鎖DNAである。例えば、標的ゲノムDNA−ポリペプチド複合体がクロマチン又はその断片(例えばヌクレオソーム)である場合、該抗体は、好ましくはヒストン又は修飾ヒストン(例えば、アセチル化ヒストン又はメチル化ヒストン)に対する抗体である。
第2のプローブを用いる本発明の方法の一実施形態においては、回収された第1のプローブと結合したゲノムDNA−ポリペプチド複合体に、第2のプローブを結合させ、第2のプローブと結合したゲノムDNA−ポリペプチド複合体を回収する。これにより、第1のプローブと結合したゲノムDNA−ポリペプチド複合体をさらに選別し、選択的に単離することができる。
第2のプローブを用いる本発明の方法の別の一実施形態においては、回収された第1のプローブと結合したゲノムDNA−ポリペプチド複合体に、標識した第2のプローブを結合させ、次いで該標識を指標に、該回収された複合体、又はそこに含まれるゲノムDNAもしくはポリペプチドを検出又は定量する。該標識の例としては、蛍光標識、発光標識、酵素標識、免疫標識、放射性標識などが挙げられ、より詳細な例としては、ビオチン又はそのアナログ、ジゴキシゲニン、フルオレセイン、ジニトロフェノール、ホースラディッシュペルオキシダーゼ(HRP)、アルカリフォスファターゼ(AP)、免疫タグ、同位体などが挙げられるが、これらに限定されない。第2のプローブが抗体の場合、サンドイッチ法を用いてもよい。すなわち、第2のプローブは、標的のポリペプチドに結合する抗体と、該抗体に結合する標識抗体との組み合わせであってもよい。
第2のプローブとゲノムDNA−ポリペプチド複合体との結合、及び第2のプローブが結合した複合体の回収は、上述した第1のプローブの場合と同様の手順で行うことができる。標識を用いた物質の定量の手順は当該分野で周知であり、当業者は公知の手法の中から、標識の種類に応じた適切な手法を選択することができる。
回収したゲノムDNA−ポリペプチド複合体からゲノムDNA又はポリペプチドを単離する場合、該複合体に対して、ゲノムDNAとポリペプチドとの相互作用を解除する処理(例えば脱架橋処理)を行うことが好ましい。例えば、ホルムアルデヒド又はグルタルアルデヒドによる架橋処理に対しては、高濃度塩溶液(5M NaCl溶液等)とのインキュベート(例えば約65℃でオーバーナイト)により架橋を解除することができる。
回収したゲノムDNA−ポリペプチド複合体からDNA又はポリペプチドを単離する方法としては、ゲノムDNA−ポリペプチド複合体のポリペプチドをタンパク質分解酵素により分解して、DNAとポリペプチドとを分離する方法、ゲノムDNA−ポリペプチド複合体のDNAをDNA分解酵素により分解して、DNAとポリペプチドとを分離する方法などが挙げられる。
ゲノムDNA−ポリペプチド複合体からDNA又はポリペプチドを単離する場合、単離すべきDNA又はポリペプチドは、第1のプローブとの結合を解離されることなく単離されることが好ましく、より好ましくは、第1のプローブを介して担体と結合したまま単離される。例えば、該複合体からゲノムDNAを単離する場合、該ゲノムDNAは、好ましくは第1のプローブとの結合を維持したまま、より好ましくは該担体を含む画分から溶出されることなく、該複合体のポリペプチドから単離される。また例えば、該複合体からポリペプチドを単離する場合、該ポリペプチドは、好ましくは第1のプローブとの結合を維持したまま、より好ましくは該担体を含む画分から溶出されることなく、該複合体のゲノムDNAから単離される。
(1−2.核酸の単離方法)
別の一態様において、本発明は、核酸の単離方法であって、
標的核酸にプローブを結合させること、及び
該プローブと結合した該標的核酸を回収すること、
を含む方法を提供する。
当該標的核酸の種類は、特に限定されず、任意の生物由来又は任意の種類の核酸であり得る。標的核酸の例としては、ゲノムDNA、非ゲノムDNA、ウイルスDNA、mRNA、tRNA、rRNA、ncRNA、リボザイム、ウイルスRNA、合成DNA及びRNAなどが挙げられるが、これらに限定されない。
標的核酸に結合させるプローブ(第1のプローブ)は、上記(1−1.)で例示した種類のプローブであって、該標的核酸の少なくとも一部と特異的にハイブリダイズするものであればよい。好ましくは、標的核酸に結合させる第1のプローブは、該標的核酸の少なくとも一部と特異的にハイブリダイズする一本鎖DNAである。該第1のプローブを標的核酸に結合させる方法、及び該第1のプローブと結合した標的核酸を回収する方法には、上記(1−1.)で例示した方法を用いることができる。好ましくは、該標的核酸は、該第1のプローブを介して担体に結合させることによって回収される。該第1のプローブと担体との結合のため、該第1のプローブは担体に親和性のある分子で修飾されていてもよく、また該担体は第1のプローブに親和性のある分子で修飾されていてもよい。あるいは、該第1のプローブ及び担体の両方が、互いに親和性のある分子で修飾されており、それらの分子の相互作用により、該第1のプローブと担体が結合されてもよい。
好ましい担体と第1のプローブとの組み合わせは、上記(1−1.)で例示したとおりである。好ましい実施形態において、該第1のプローブは担体に固定化されている。別の好ましい実施形態において、該第1のプローブはビオチン又はそのアナログで修飾されており、該担体は、表面にアビジン、ストレプトアビジン等が結合されたアビジン結合担体である。別の好ましい実施形態において、該第1のプローブは磁性体で修飾されており、該担体は磁性担体である。別の好ましい実施形態において、該第1のプローブはジゴキシゲニンで修飾されており、該担体は表面にジゴキシゲニン抗体が結合された担体である。別の好ましい実施形態において、該担体は磁性粒子であり、該担体と第1のプローブのそれぞれが、一方はビオチン又はそのアナログで、他方はアビジン又はストレプトアビジンで修飾されている。
回収した標的核酸は、該第1のプローブから解離させて単離してもよいが、第1のプローブとの結合を解離されることなく単離されることが好ましく、より好ましくは、第1のプローブを介して担体と結合したまま単離される。
(2.ゲノムDNA及び/又はポリペプチド、又は核酸の解析方法)
本発明のさらなる態様は、上述した手順で単離されたゲノムDNA−ポリペプチド複合体に含まれるゲノムDNA及び/又はポリペプチドの解析方法である。好ましくは、該解析方法においては、該ゲノムDNA−ポリペプチド複合体に含まれるゲノムDNA又はポリペプチドを、上述した本発明のゲノムDNA−ポリペプチド複合体の単離方法で該複合体との結合に用いた第1のプローブ又は担体に結合させたまま解析する。解析の対象となり得るゲノムDNAの例としては、遺伝子、プロモーター、ターミネーター、エンハンサー、テロメア、セントロメア、レトロウイルス由来配列、トランスポゾン、マイクロサテライトなどからなる群より選択される1種以上が挙げられる。解析の対象となり得るポリペプチドの例としては、ヒストン(修飾体を含む)、その他の核内クロマチン会合タンパク質(例えば、クロマチンリモデリング因子であるSWI/SNF(switch/sucrose non-fermenting)ファミリータンパク質、ISWI(imitation switch)ファミリータンパク質、CHD(chromatin helicase DNA binding protein )ファミリータンパク質、INO80(inositol 80 requiring )ファミリータンパク質等;転写因子であるc−Myc、KLF4、SOX2、OCT4、NF−1、ステロイドホルモン受容体、GATA因子、STAT、p53等;メチル化DNA結合タンパク質であるMeCP2、MBD1、MBD2、MBD3等)などからなる群より選択される1種以上が挙げられる。
本発明のさらなる態様は、上述した手順で単離された核酸の解析方法である。好ましくは、該解析方法においては、該核酸を、上述した本発明の核酸の単離方法で該核酸との結合に用いた第1のプローブ又は担体に結合させたまま解析する。
DNA、ポリペプチド及び核酸解析の手法としては、特に限定されず、公知のDNA、他の核酸又はポリペプチドの解析のための手法を、目的に応じて適宜使用すればよい。DNAの解析の例としては、塩基配列解析、マイクロアレイ解析、定量PCR、半定量PCR、バイサルファイトシークエンス解析、メチル化DNA特異的定量PCR、メチル化DNA特異的半定量PCR、非メチル化DNA特異的定量PCR、非メチル化DNA特異的半定量PCR、及びCombined Bisulfite Restriction Analysis(COBRA)からなる群より選択される少なくとも1種による遺伝子解析(例えば、遺伝子同定、変異解析、多型解析、発現量解析、DNAメチル化解析など)が挙げられる。DNA以外の他の核酸の解析の例としては、次世代シークエンサー解析、マイクロアレイ、逆転写産物を鋳型とした定量PCRもしくは半定量PCRによる発現量解析、及びノーザンブロットからなる群より選択される少なくとも1種が挙げられる。ポリペプチドの解析の例としては、放射免疫測定法(RIA)、蛍光免疫測定法(FIA)、化学発光免疫測定法(CLIA:Chemiluminescent Immunoassay)、化学発光酵素免疫測定法(CELIA:Chemiluminescent Enzyme Immunoassay)、酵素免疫測定法(EIA)、ELISA、免疫ブロット、クロマトグラフィー、質量分析、クロマトグラフィー−質量分析からなる群より選択される少なくとも1種によるタンパク質の同定、定量などが挙げられる。好ましい実施形態において、本発明の解析方法においては、第1のプローブ又は担体に結合されたゲノムDNAを解析対象として、定量PCR、半定量PCR、メチル化DNA特異的定量PCR、メチル化DNA特異的半定量PCR、非メチル化DNA特異的定量PCR、非メチル化DNA特異的半定量PCR、及びCOBRAからなる群より選択される少なくとも1種による遺伝子解析が行われる。別の好ましい実施形態において、また本発明の解析方法においては、ポリペプチドを解析対象として、RIA、FIA、CLIA、CELIA、及びEIAからなる群より選択される少なくとも1種が行われる。
本発明による上記ゲノムDNA−ポリペプチド複合体由来DNA及び/又はポリペプチドの解析方法、ならびに核酸の解析方法の応用例の1つは、エピジェネティクス解析である。エピジェネティックな遺伝子発現は、典型的には、DNA又はクロマチン構造の化学修飾によって制御され得る。例えば、DNAのメチル化や、DNAと会合している又はDNAに結合することのできるポリペプチドへの化学基の共有結合(例えば、ヒストンのメチル化、アセチル化、リン酸化、ユビキチン化)は、エピジェネティックな遺伝子発現の活性化又は不活性化をもたらし得る。これらのエピジェネティック修飾は、細胞の発生分化における様々な時点で発生し、所定の遺伝子の不活性化もしくは活性化を生じさせ得る。エピジェネティック修飾の進行は、老化細胞、アポトーシス細胞又は異常細胞、特にがん細胞において多く見られる。エピジェネティック修飾が、がん、老化、肥満や糖尿病,脂質異常症等の生活習慣病、神経発達障害(例えばレット症候群)、神経変性疾患(例えばアルツハイマー病)などの様々な疾病の発生因子であることが示唆されている。
一実施形態において、本発明によるエピジェネティクス解析では、クロマチンから単離したゲノムDNAのメチル化を解析し得る。一実施形態において、本発明によるエピジェネティクス解析では、ヒストンの化学修飾(例えば、メチル化、アセチル化、リン酸化、ユビキチン化)を解析し得る。
本発明によるエピジェネティクス解析は、上述したエピジェネティック修飾を発生因子とする疾病のリスク評価、発症診断、予後診断等を可能にする。代表的には、本発明によるエピジェネティクス解析は、がんのリスク評価、発症診断、又は予後診断に応用され得る。本発明によるがんの評価又は診断においては、例えば、ある種のがんの発症や進行に伴ってDNAメチル化が亢進又は低下することが知られている遺伝子について、本発明の方法で該遺伝子のDNAを単離し、単離したDNAについて公知の方法(例えば、バイサルファイト法)でメチル化解析を行う。解析の結果に基づいて、当該がんのリスク評価や診断を行う。あるいは、本発明によるエピジェネティクス解析は、特定の遺伝子やDNA領域のエピジェネティクス修飾と疾患との関連性を調べるためのツールとして有用である。
本発明による上記ゲノムDNA−ポリペプチド複合体由来DNA及び/又はポリペプチドの解析方法、ならびに核酸の解析方法の他の応用例は、遺伝子解析である。遺伝子解析の一例は、疾患や体質に関連する遺伝子、遺伝子変異又は遺伝子多型(例えば、がん遺伝子)の保有者であるか否かの判定である。別の例は、培養細胞や培養組織の品質評価のための遺伝子検査であって、遺伝子変異の有無、分化状態の確認、菌やウイルス感染の有無などが調べられる。
(3.ゲノムDNA及び/又はポリペプチドの解析用キット)
本発明はまた、上述した本発明によるゲノムDNA−ポリペプチド複合体、又はそれに含まれるゲノムDNA及び/又はポリペプチドの単離方法、核酸の解析方法、あるいは該単離したゲノムDNA及び/又はポリペプチドの解析方法を行うためのキットを提供する。当該キットは、標的ゲノムDNA−ポリペプチド複合体、又は標的核酸に結合する上述した第1のプローブを含み、該標的ゲノムDNA−ポリペプチド複合体、又は標的核酸の単離を可能にする。好ましくは、当該キットは、該第1のプローブに結合した標的ゲノムDNA−ポリペプチド複合体又は標的核酸を固定化するための担体をさらに含み、また必要に応じて、上記第2のプローブ、その標識、該複合体の断片化処理用の酵素、プローブと複合体又は担体との結合反応のための各種試薬などを含んでいてもよい。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。また、以下の記載は本発明の態様を概括的に示すものであり、特に理由なく、かかる記載により本発明は限定されるものではない。
(1)細胞
細胞は、ヒト結腸癌由来HT29細胞を使用した。細胞の培養には、10%ウシ胎児血清(GEヘルスケア社)、1mMピルビン酸ナトリウム(サーモフィッシャーサイエンティフィック社、)、100U/mLペニシリン、及び100μg/mLストレプトマイシン(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)を含有するマッコイ5A改変培地(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)を使用した。細胞は37℃、5%CO2の環境下で、細胞培養用フラスコ(サーモフィッシャーサイエンティフィック社、製品番号:156367)を用いた接着培養を行うことで維持した。細胞を実験に使用する際には、TrypLE Express(サーモフィッシャーサイエンティフィック社)によって対数増殖期の細胞を剥離した後、細胞をマッコイ5A改変培地にて懸濁することで単細胞懸濁液を調製した。
(2)架橋処理
(1)で調製した細胞懸濁液5.36mL(5.6×106Cells/mL)を、50mLチューブに添加し、室温、800×gの条件下で4分間遠心分離した。上清を廃棄した後、42mLのBupH改変ダルベッコPBS(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)(以下、PBS)で一回洗浄し、1%グルタルアルデヒド(和光純薬工業製)を含有するPBSを32mL添加して、室温で10分間静置した。静置後、グルタルアルデヒドによる架橋反応を停止させるために、1.25Mのグリシン(和光純薬工業製)を含有するPBSを加え、5分間室温で静置した。4℃、2000×gで5分間遠心分離した後、上清を廃棄し、4℃に冷却したPBSを20mL加えて沈降物を懸濁した。懸濁液を4℃、2000×gで5分間遠心分離後、上清を廃棄し、1.6mLの4℃に冷却したPBSを加えた。懸濁液を2mLチューブに移し、さらに、4℃、2000×gで3分間遠心分離した後、上清を廃棄し、ペレットを得た。細胞ペレットは使用まで−80℃で保存した。
(3)断片化
細胞溶解用の細胞溶解バッファとして、50mM Tris−HCl(シグマアルドリッチ社製)pH8.0、5mMエチレンジアミン四酢酸(EDTA)(和光純薬工業製)、1%ラウリル硫酸ナトリウム(SDS)(和光純薬工業製)を含有する水溶液を調製した。細胞溶解バッファに、最終濃度1mMになるように100mMフッ化フェニルメチルスルフォニル(PMSF)(和光純薬工業製)イソプロパノール(株式会社トクヤマ製)溶液を添加するとともに、プロテアーゼインヒビター(Roche製)を1倍になるように添加した。続いて、この細胞溶解バッファを、上記(2)で得た架橋処理済みの細胞ペレットと混合し、ペレットを懸濁した。この細胞溶解バッファの添加量は、ペレット重量の30倍とした。ペレット懸濁液をソニファイアー(Sonifier)(登録商標)SFX250(20kHz)(日本エマソン社製)にて、振幅:15%、ON:30秒、OFF:40秒のサイクルでトータル3時間超音波処理してDNAを断片化した。その後、4℃、16000gの条件で遠心分離し、上清を全量回収した。得られた上清溶液中のDNAの平均鎖長は、およそ400〜500bp程であった。DNAの鎖長は、アガロースゲル電気泳動によって確認した。得られた溶液を、使用まで−80℃で保存した。
(4)クロマチンの回収
標的核酸配列として、セントロメア領域に存在するα−サテライト配列の一部を選択した。なお、α−サテライト配列が存在するセントロメアのクロマチンには、ヒストンH3バリアントであるCENP−Aが存在していることが知られている(J Cell Biol,1987,104(4):805−15)。
プローブとして、上記α−サテライト配列の一部と相補的な配列を有し、かつ5’末端がBiotin−Teg修飾されたプローブA(配列番号1;TCTCAGAAACTTCTTTGTGATGTGTGC、5'-Biotin-Teg修飾)を設計した。−80℃で保存していた(3)のクロマチン溶液を氷上で融解し、10μLの20mg/mL RNase(シグマアルドリッチ社製)を添加後、37℃で30分間インキュベーションした。続いて、このインキュベーション後の溶液と等量のホルムアミド(シグマアルドリッチ社製)を混合した。この混合液を60μLずつ、2本のチューブに分注し、各チューブに100μMプローブA水溶液を2.5μL添加した。ネガティブコントロールとして、プローブを添加しない混合液を調製した。これを37℃で1時間インキュベーションすることで、プローブとクロマチンに含まれるDNAとのアニーリングを促した。
得られた反応液に、担体としてMagnosphere(登録商標)MS300/Streptavidin(JSRライフサイエンス社製)のTris−EDTA Buffer(pH8.0)懸濁液を1.5mg(粒子重量)添加し、37℃で20分間インキュベーションした。Magnosphere(登録商標)MS300/Streptavidinは、表面にストレプトアビジンが固定化された磁性粒子であり、第1のプローブのビオチンとの相互作用を介して、クロマチンと結合することができる。反応液をBupHトリス緩衝生理食塩水(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)(Tween20 0.03%(東京化成工業製)含有、以下、TBSTという)1mLで3回洗浄して、クロマチン結合磁性粒子を得た。
磁石が配設されているケース状の磁性デバイス(MPC−S、Dynal社製)を用いて磁性粒子を集めて溶液と分離させ、上清を除去することでクロマチン結合粒子を回収した。
(5)標的クロマチン量の測定
上記(4)で回収したクロマチン中に標的とするα−サテライト配列を含むクロマチンが濃縮されているかどうかを、抗CENP−AマウスIgG(株式会社医学生物学研究所製)による化学発光酵素免疫測定(CLEIA)によって検出した。
具体的には、0.25mgの粒子を含む(4)で得られた生成物に、抗CENP−AマウスIgGをTBSTで200倍希釈した混合液を90μL添加し、37℃で30分間静置した。500μLのTBSTで4回洗浄した後、上清を除き、抗マウスIgG−アルカリフォスファターゼ標識抗体(プロメガ社製)をTBSTで5000倍に希釈した混合液を90μL添加し、37℃で30分間静置した。静置した液を500μLのTBSTで3回洗浄した後、200μLのTBSTで懸濁した。懸濁液から50μLとり、96ウェルプレート(サーモフィッシャーサイエンティフィック社製)に分注した。AMPPD(アダマンチルメトキシフェニルホスホリルジオキシセタン)(富士レビオ社製)50μLと混和後、5分間静置し、GloMax(登録商標)Navigator System(プロメガ社製)により発光強度を測定した。
得られた結果を図1に示す。クロマチン結合粒子におけるCLEIAの結果、α−サテライト配列認識プローブであるプローブAを使用して回収したクロマチン中からは、プローブAを加えなかったネガティブコントロールと比べて、強いCENP−Aのシグナルが得られた。CENP−Aはセントロメア特異的なヒストンバリアントであることから、この結果は、セントロメア領域に存在する核酸に特異的なプローブにより、セントロメアのクロマチンを濃縮し、単離できたことを表す。

Claims (29)

  1. ゲノムDNA−ポリペプチド複合体の単離方法であって、
    ゲノムDNA−ポリペプチド複合体にプローブを結合させること、及び
    該プローブと結合した該ゲノムDNA−ポリペプチド複合体を回収すること、
    を含む、方法。
  2. ゲノムDNA−ポリペプチド複合体に含まれるゲノムDNA及び/又はポリペプチドの単離方法であって、
    ゲノムDNA−ポリペプチド複合体にプローブを結合させること、
    該プローブと結合した該ゲノムDNA−ポリペプチド複合体を回収すること、及び
    回収された該ゲノムDNA−ポリペプチド複合体からゲノムDNA及び/又はポリペプチドを単離すること、
    を含む、方法。
  3. 前記ゲノムDNA−ポリペプチド複合体が、クロマチン、ヌクレオソーム、ゲノムDNA−クロマチンリモデリング因子複合体、ゲノムDNA−転写因子複合体、及びゲノムDNA−DNAメチル化結合タンパク質複合体からなる群より選択される、請求項1又は2記載の方法。
  4. 前記プローブが核酸、抗体、核酸結合タンパク質、及びタンパク質−核酸複合体からなる群より選択される、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  5. 前記核酸が一本鎖DNA、二本鎖DNA、一本鎖RNA、二本鎖RNA、ホスホロチオエートオリゴデオキシヌクレオチド、2’−O−(2−メトキシ)エチル−修飾核酸、siRNA、架橋型核酸、ペプチド核酸及びモルフォリノ・アンチセンス核酸からなる群より選択される、請求項4記載の方法。
  6. 前記プローブが、前記ゲノムDNAの少なくとも一部とハイブリダイズする一本鎖DNA、又は該ポリペプチドと結合する抗体である、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
  7. 前記プローブがヒストン抗体である、請求項6記載の方法。
  8. 前記ヒストン抗体が修飾ヒストン抗体である、請求項7記載の方法。
  9. 前記プローブと結合したゲノムDNA−ポリペプチド複合体を、該プローブを介して担体に結合させることで回収する、請求項1〜8のいずれか1項記載の方法。
  10. 前記プローブが前記担体に親和性のある分子で修飾されている、請求項9記載の方法。
  11. 前記担体に親和性のある分子がビオチンであり、前記担体がアビジン結合担体である、請求項10記載の方法。
  12. 前記担体に親和性のある分子が磁性体であり、前記担体が磁性担体である、請求項10記載の方法。
  13. 前記担体に親和性のある分子がビオチンであり、前記担体がアビジン結合磁性担体である、請求項10記載の方法。
  14. 前記プローブが前記担体に固定化されている、請求項9記載の方法。
  15. 前記ゲノムDNA−ポリペプチド複合体からのゲノムDNA及び/又はポリペプチドの単離において、前記プローブ又は担体と結合したゲノムDNAが単離される、請求項2〜14のいずれか1項記載の方法。
  16. 前記プローブを結合させる前の前記ゲノムDNA−ポリペプチド複合体が断片化されている、請求項1〜15のいずれか1項記載の方法。
  17. 前記プローブを結合させる前の前記ゲノムDNA−ポリペプチド複合体に対して、該ゲノムDNAと該ポリペプチドとの相互作用を保持する処理を行う、請求項1〜16のいずれか1項記載の方法。
  18. 前記プローブと結合させる前に、前記ゲノムDNA−ポリペプチド複合体のゲノムDNAを変性させる、請求項1〜17のいずれか1項記載の方法。
  19. 前記ゲノムDNA−ポリペプチド複合体の回収が、
    前記プローブと結合した前記ゲノムDNA−ポリペプチド複合体に第2のプローブを結合させること、及び
    該第2のプローブと結合した該ゲノムDNA−ポリペプチド複合体を回収すること、
    をさらに含む、請求項1〜18のいずれか1項記載の方法。
  20. 前記ゲノムDNA−ポリペプチド複合体がクロマチンである、請求項19記載の方法。
  21. 前記プローブが前記ゲノムDNAの少なくとも一部とハイブリダイズする一本鎖DNAであり、前記第2のプローブがヒストン抗体である、請求項20記載の方法。
  22. 前記プローブがヒストン抗体であり、前記第2のプローブが前記ゲノムDNAの少なくとも一部とハイブリダイズする一本鎖DNAである、請求項20記載の方法。
  23. 前記ヒストン抗体が修飾ヒストン抗体である、請求項21又は22記載の方法。
  24. ゲノムDNA−ポリペプチド複合体に含まれるゲノムDNA及び/又はポリペプチドの解析方法であって、請求項2〜23のいずれか1項記載の方法により単離されたゲノムDNA−ポリペプチド複合体に含まれるゲノムDNA及び/又はポリペプチドを、マイクロアレイ解析、定量PCR、半定量PCR、バイサルファイトシークエンス解析、メチル化DNA特異的定量PCR、メチル化DNA特異的半定量PCR、非メチル化DNA特異的定量PCR、非メチル化DNA特異的半定量PCR、COBRA、RIA、FIA、CLIA、CELIA、EIA、ELISA、免疫ブロット、クロマトグラフィー、質量分析、及びクロマトグラフィー−質量分析からなる群より選択される少なくとも1種により解析することを含む、方法。
  25. 前記ゲノムDNA−ポリペプチド複合体がクロマチンである、請求項24記載の方法。
  26. 前記解析がエピジェネティクス解析である、請求項25記載の方法。
  27. 前記解析が遺伝子解析である、請求項25記載の方法。
  28. ゲノムDNA−ポリペプチド複合体に結合するプローブを含む、請求項1〜27のいずれか1項記載の方法を行うためのキット。
  29. 前記プローブに結合したゲノムDNA−ポリペプチド複合体を固定化するための担体をさらに含む、請求項28記載のキット。
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