JP2019026591A - AhRアンタゴニストを含む血小板産生促進剤及びそれを用いた血小板の製造方法 - Google Patents

AhRアンタゴニストを含む血小板産生促進剤及びそれを用いた血小板の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】血小板産生促進剤及びそれを用いた血小板の製造方法を提供する【解決手段】本開示は、受容体型チロシンキナーゼ阻害剤、バニロイド受容体阻害剤、PDGFR阻害剤、TrioN阻害剤、SIRT2阻害剤、H+,K+-ATPase阻害剤、ベンゾジアゼピン逆作動薬、および神経発生促進剤からなる群より選択される1又は複数のAhRアンタゴニストを含む、血小板産生促進剤、およびそれを用いた血小板の製造方法に関する。【選択図】図7

Description

本開示は、血小板産生促進剤及び血小板の製造方法等に関する。
血液関連疾患の治療や外科的な治療には血球系細胞が必要とされる。血球系細胞の中でも、血液凝固(止血)のために必須の細胞である血小板、血小板前駆体(proplatelet)、さらには血小板を産生する細胞である巨核球細胞は特にニーズの高い細胞である。とりわけ血小板は、白血病治療、骨髄移植、抗癌治療などにおける需要が多く、安定供給の必要性は高い。
In vitroでの血小板産生方法として、各種幹細胞を分化させて巨核球細胞を得て、これを培養して血小板を放出させる方法が開発されている。例えば、Takayamaらが、ヒトES細胞から巨核球細胞及び血小板を分化誘導することに成功している(非特許文献1)。また、in vitroで造血前駆細胞から血小板を作る方法の一例として、巨核球細胞をトロンボポエチン(TPO)と芳香族炭化水素受容体 (Aryl Hydrocarbon Receptor; AhR) 阻害作用を有する化合物の存在下で培養する方法が提案されている(特許文献1)。
国際公開第2014/138485号
Takayama N. et al., Blood,111, pp. 5298-5306, 2008
本発明は、血小板産生促進剤及びそれを用いた血小板の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために検討を重ねた結果、受容体型チロシンキナーゼ阻害剤、バニロイド受容体阻害剤、PDGFR阻害剤、TrioN阻害剤、SIRT2阻害剤、H+,K+-ATPase阻害剤、ベンゾジアゼピン逆作動薬、および神経発生促進剤がAhRアンタゴニストとして作用し、血小板産生促進効果を有することを見出し、本発明を完成させるに至った。
ある態様において、本発明は、受容体型チロシンキナーゼ阻害剤、バニロイド受容体阻害剤、PDGFR阻害剤、TrioN阻害剤、SIRT2阻害剤、H+,K+-ATPase阻害剤、ベンゾジアゼピン逆作動薬、および神経発生促進剤からなる群より選択される1又は複数のAhRアンタゴニストを含む、血小板産生促進剤に関する。
更なる態様において、本発明は、前記血小板産生促進剤と巨核球細胞及び/又はその前駆細胞とを接触させることを含む、血小板の製造方法に関する。
本発明により、前記AhRアンタゴニストを含む血小板産生促進剤及びそれを用いた血小板の製造方法が提供される。
図1は、TUBB1の遺伝子座にレポーター遺伝子(VENUS)を導入する相同組換えの模式図である。 図2Aは、レポーター不死化巨核球株(MKCL#12-23 cre2) におけるCD42bおよびCD41aの発現細胞分布をフローサイトメーターで測定した結果を示す。 図2Bは、ドキシサイクリンを含まない分化培地で培養したことにより血小板産生が誘導された分画におけるCD42bおよびCD41aの発現細胞分布をフローサイトメーターで測定した結果を示す。 図3は、CYP1B1の発現阻害に基づく試験化合物のAhR阻害作用を示す。 図4Aは、AhR阻害作用を調べるための遺伝子導入用ベクター(hCYP1A1 promoter Firefly Luc/pGL4.27)の構成図である。 図4Bは、細胞毒性を調べるための遺伝子導入用ベクター(pRL-TK Vector)の構成図である。 図5は、CYP1A1プロモーター領域を用いたルシフェラーゼ活性に基づく試験化合物のAhR阻害作用を示す。 図6Aは、SR1による血小板産生量を100とした時の所定の濃度のWNT-C59の血小板産生量の相対値(RV)を示す。 図6Bは、SR1による血小板産生量を100とした時の所定の濃度のTCS-359の血小板産生量の相対値(RV)を示す。 図6Cは、SR1による血小板産生量を100とした時の所定の濃度のアキシチニブの血小板産生量の相対値(RV)を示す。 図6Dは、SR1による血小板産生量を100とした時の所定の濃度のSB366791の血小板産生量の相対値(RV)を示す。 図6Eは、SR1による血小板産生量を100とした時の所定の濃度のニューロダジンの血小板産生量の相対値(RV)を示す。 図6Fは、SR1による血小板産生量を100とした時の所定の濃度のAG1296の血小板産生量の相対値(RV)を示す。 図7は、SR1による血小板産生量を100とした時の各化合物の血小板産生最適濃度での血小板産生量の相対値(RV)を示す。
1.血小板産生促進剤
本発明に係る血小板産生促進剤は、有効成分として、受容体型チロシンキナーゼ阻害剤、バニロイド受容体阻害剤、PDGFR阻害剤、TrioN阻害剤、SIRT2阻害剤、H+,K+-ATPase阻害剤、ベンゾジアゼピン逆作動薬、および神経発生促進剤から成る群より選択される1又は複数のAhRアンタゴニストを含む。
本明細書において、「阻害剤」とは、細胞内における標的タンパク質の機能を阻害する物質を意味し、例えば、その標的タンパク質の発現を阻害する物質、標的タンパク質が酵素の場合その酵素活性を阻害する物質、標的タンパク質が受容体の場合その受容体を介するシグナル伝達を阻害する物質が含まれる。本明細書においてタンパク質の「発現」は、転写及び翻訳を含む概念で用いられ、「発現を阻害する」という場合、転写レベル又は翻訳レベルで発現の全部又は一部を抑制することを意味する。本明細書において、「逆作動薬」とは、受容体に結合し、そのアゴニストと反対の作用をもたらす物質を意味する。本明細書において、「神経発生促進剤」とは、神経細胞の新生を誘導する物質を意味する。
AhRアンタゴニストは、低分子化合物;抗体もしくは抗体断片;または、アンチセンスオリヌクレオチド、リボザイム、miRNA、RNA干渉(以下「RNAi」という。)をひき起す分子(例えば、siRNA)、これらをコードする核酸もしくは前記核酸を含むベクター等であってよい。
抗体または抗体断片は、公知の方法で製造した、又は市販の抗体を用いることができ、AhR阻害作用を通じて血小板産生促進作用を有する限り、どのような抗体であってもよい。
アンチセンスオリヌクレオチドは、標的遺伝子(基本的には転写産物であるmRNA)に相補的な塩基配列を有し、標的遺伝子にハイブリダイズしてその発現を抑制する。アンチセンスオリヌクレオチドは、通常、10〜100塩基長、好ましくは15〜30塩基長である。アンチセンスオリヌクレオチドは、標的遺伝子の発現阻害効果が得られる限り、標的遺伝子と完全に相補的でなくてもよい。アンチセンスオリヌクレオチドは、公知のソフトウエア等を用いて当業者が適宜設計することができる。アンチセンスオリヌクレオチドは、DNA、RNA、DNA-RNAキメラのいずれであっても良く、また修飾されていてもよい。
リボザイムは、標的RNAを触媒的に加水分解する核酸分子であり、標的RNAと相補的な配列を有するアンチセンス領域と、切断反応を担う触媒中心領域から構成される。リボザイムは、当業者が公知の方法に従って適宜設計することができる。リボザイムは一般的に はRNA分子であるが、DNA-RNAキメラ型分子を用いることもできる。
miRNAは、mRNAからタンパク質への翻訳の阻害やmRNAの分解を通して、遺伝子の発現調節に関与する。miRNAは、通常、20〜25塩基長の一本鎖RNAである。miRNAは、miRNAとその相補鎖を含むヘアピンループ構造を取ることが可能な一本鎖のpri-miRNAとして転写され、核内にあるDroshaと呼ばれる酵素により一部が切断されpre-miRNAとなって核外に輸送された後、さらにDicerによって切断されて生じる。本明細書において、miRNAおよびこれをコードする核酸には、pri-miRNAまたはpre-miRNAおよびこれをコードする核酸が含まれる。
RNAiは、二本鎖核酸によって誘導される配列特異的な遺伝子発現抑制機構である。RNAiをひき起す分子としては、例えば、siRNAが挙げられる。siRNAは、哺乳動物細胞に用いられる場合、通常、19〜30塩基程度、好ましくは21塩基〜25塩基程度の二本鎖RNAである。siRNAは、一般に、その一方が標的核酸の一部と相補的な塩基配列を有し、他方がこれに相補的な配列を有する。標的遺伝子の発現を抑制するsiRNAは、公知のソフトウエア等を用いて当業者が適宜設計することができる。
アンチセンスオリヌクレオチド、リボザイム、miRNA、RNAiをひき起す分子(例えば、siRNA)は、標的遣伝子に直接作用するものであっても、間接的に作用するもの(例えば、標的遺伝子以外の遺伝子の発現を抑制し、結果的に標的遺伝子の発現を抑制するもの)であってもよい。
アンチセンスオリヌクレオチド、リボザイム、miRNA、RNAiをひき起す分子(例えば、siRNA)は、これらをコードする核酸(例えば、RNA)または前記核酸を含むベクター(例えば、レンチウイルスベクター)を細胞内に導入することによって、細胞内で発現させることができる。細胞への導入は、リポフェクション、マイクロインジェクションなどの公知手法によって行うことができる。核酸を導入する場合、RNAの分解を抑制するため、5ーメチルシチジン及びpseudouridine (TriLink Biotechnologies) を取り込ませたRNA (Warren L, (2010) Cell Stem Cell. 7: 618-630) 、又はDNAを取り込ませたDNA-RNAキメラ核酸を用いても良い。核酸は、その塩基が修飾されていてもよく、修飾塩基の割合および位置は任意である。ベクターからの目的分子の発現は、薬剤応答性プロモーターにより制御されてもよい。
siRNAをコードする核酸を含むベクターとしては、その二本鎖をそれぞれコードする核酸を含むベクターを用いてもよいし、二本鎖核酸がループを介して連結された構造を生じる一本鎖核酸をコードする核酸を含むベクターを用いてもよい。siRNAの場合、細胞内で転写により得られる一本鎖RNAが、分子内でハイブリダイズしてヘアピン型の構造を取るように設計されてもよい。このようなRNAはshRNA (short hairpin RNA) と呼ばれる。shRNAは細胞質に移行すると酵素 (Dicer) によってループ部分が切断され、siRNAとなってRNAi効果を発揮する。siRNAをコードする核酸を含むベクターには、shRNAをコードする核酸を含むベクターが含まれる。
受容体型チロシンキナーゼ阻害剤は、好ましくはVEGFR(vascular endothelial growth factor receptor)チロシンキナーゼ阻害剤またはEGFR(epidermal growth factor receptor)チロシンキナーゼ阻害剤である。VEGFRチロシンキナーゼ阻害剤としては、アキシチニブなどが挙げられる。EGFRチロシンキナーゼ阻害剤としては、RG-14620(α-[(3,5-dichlorophenyl)methylene]-3-pyridineacetonitrile)などが挙げられる。
バニロイド受容体阻害剤は、好ましくはTRPV1(VR1)阻害剤である。TRPV1阻害剤としては、SB366791(4'-Chloro-3-methoxycinnamanilide)などが挙げられる。
PDGFR(platelet-derived growth factor receptor)阻害剤としては、AG1296(6,7-Dimethoxy-3-phenylquinoxaline)などが挙げられる。
TrioN(Trio N-Terminal RhoGEF Domain)阻害剤としては、ITX3((E)-2-[(2,5-Dimethyl-1-phenyl-1H-pyrrol-3-yl)methylene]thiazolo[3,2-a]benzimidazol-3(2H)-one)などが挙げられる。
SIRT2(sirtuin 2)阻害剤としては、AGK2(2-cyano-3-[5-(2,5-dichlorophenyl)-2-furanyl]-N-5-quinolinyl-2-propenamide)などが挙げられる。
H+,K+-ATPase阻害剤としては、SCH-28080(2-Methyl-8-(phenylmethoxy)imidazo[1,2-a]pyridine-3-acetonitrile)などが挙げられる。
ベンゾジアゼピン逆作動薬としては、β-CCB(Butyl β-carboline-3-carboxylate)、FG7142(N-Methyl-β-carboline-3-carboxamide)などが挙げられる。
神経発生促進剤としては、ニューロダジンなどが挙げられる。
血小板産生促進剤は、所望の効果を奏する限り、有効成分としてのAhRアンタゴニストを1又は複数種類含んでもよい。AhRアンタゴニストの濃度は特に限定されず、当業者が化合物に応じて適宜決定することができる。AhRアンタゴニストが、アキシチニブ、RG-14620、SB366791、AG1296、ITX3、AGK2、SCH-28080、β-CCB、FG7142、およびニューロダジンの場合、例えば、1.0 nM〜1.0 mM、10 nM〜0.1 mM、100 nM〜0.1 mMまたは100 nM〜0.01 mMとすることができるが、所望の効果を奏する限り、この範囲外の量であってもよい。
血小板産生促進剤は、巨核球細胞からの血小板産生量を増大させることができる。血小板産生促進剤は、限定はされないが、例えば、ネガティブコントロールと比較して10%以上、20%以上、50%以上、100%以上、又は200%以上、血小板数を増大させることができる。
血小板産生促進剤を添加するタイミングは、所望の効果を奏する限り特に限定されない。例えば、血小板産生促進剤は、巨核球細胞またはその前駆細胞に添加される。巨核球細胞は、多核化前の巨核球細胞であっても、多核化した巨核球細胞であってもよく、多核化した巨核球細胞は、血小板産生中の巨核球細胞であってもよい。後述のように、巨核球より未分化な細胞において、癌遺伝子、ポリコーム遺伝子、及びアポトーシス抑制遺伝子からなる群より選択される遺伝子の少なくとも1つを強制発現させて不死化巨核球細胞を作製し、その後強制発現を解除して不死化巨核球細胞の多核化を進める場合には、強制発現の解除後(解除と同時を含む)に、培地に血小板産生促進剤を添加することが好ましい。
血小板産生促進剤は、トロンボポエチン(TPO)と共に使用することが好ましく、更にStem Cell Factor(SCF)と共に使用することが好ましい。本明細書において、2以上の薬剤を「共に使用する」とは、これらの薬剤の一部または全てが同一の製剤に含まれる場合も、別の製剤に含まれる場合も包含される。TPOおよびSCFは、血小板産生促進剤を添加する培地に含まれていてもよく、血小板産生促進剤の培地への添加前、添加後、または添加と同時に、培地に添加してもよい。TPOおよびSCFの濃度は、例えば、約lO ng/mL〜約200 ng/mL、又は約50 ng/mL〜約100 ng/mLとすることができるが、所望の効果を奏する限り、この範囲外の量であってもよい。
本発明に係る血小板産生促進剤は、更なる薬剤と共に使用してもよい。すなわち、本発明に係る血小板産生促進剤は、更なる薬剤を更に含んでもよく、更なる薬剤と併用されてもよい。
ある実施形態において、更なる薬剤は、ROCK (Rho-associated coiled-coil forming kinase)阻害剤である。ROCK阻害剤としては、例えばY27632、Y39983、ファスジル塩酸塩、リパスジル、SLX-2119、RKI-1447、Azaindole 1、SR-3677、Staurosporine、H1152 Dihydrochloride、AR-1 2286、INS-117548などが挙げられるが、これらに限定されない。ROCK阻害剤の濃度は特に限定されず、当業者が化合物に応じて適宜決定することができる。ROCK阻害剤の濃度は、例えば、1.0 nM〜1.0 mM、10 nM〜0.1 mM、100 nM〜0.1 mMまたは100 nM〜0.01 mMとすることができるが、所望の効果を奏する限り、この範囲外の量であってもよい。AhRアンタゴニストとROCK阻害剤とを組み合わせると、血小板産生数が増大し、得られる血小板の機能も相乗的に高まる。
ある実施形態において、更なる薬剤は、国際公開第2012/015914号に記載される以下のAhRアンタゴニストである。
・SR1(StemRegenin 1, 4-(2- (2-(benzo [b] thiophen-3-yl)-9-isopropyl-9H-purin-6-ylamino) ethy1)phenol);
・αナフトフラボン
・1,4-ジヒドロキシアントラキノン
・1,5-ジヒドロキシアントラキノン
・1,8-ジヒドロキシアントラキノン
・ガランギン
・レスベラトロール
・CH-223191(2-methyl-2H-pyrazole-3-carboxylic acid(2-methyl-4-o-tolylazo-phenyl)amide);
・GN F351(N-[2-(3H-indol-3-y1)ethyl]-9-isopropy1-2-(5-methy1-3-pyridy1)purin-6-amine)
・PD98059(2-(29-amino-39-methoxypheny1)-oxanaphthalen-4-one)
・TSU-16((Z)-3-[(2,4-dimethylpyrrol-5-y1)methylidenyl]-2-indolinone)
・TMF(6,2',4'-trimethoxyflavone)
・DMF(3',4'-dimethoxyflavone)
本発明に係る血小板産生促進剤と共に使用する更なる薬剤の濃度は特に限定されず、当業者が適宜決定することができる。例えば、SRlを用いる場合、200 nM以上lOOO mM未満、CH223191の場合、0.2μM以上4 μM未満、GNF351を用いる場合、20 nM以上300 nM未満、TMFを用いる場合、2.5μM以上40 μM未満、DMFを用いる場合、2.5μM以上40μM未満の範囲が例示されるが、所望の効果を奏する限り、この範囲外の量であってもよい。
更なる薬剤を添加するタイミングは、所望の効果を奏する限り特に限定されない。更なる薬剤は、本発明に係る血小板産生促進剤の培地への添加前、添加後、または添加と同時に、培地に添加することができる。後述のように、巨核球より未分化な細胞において、癌遺伝子、ポリコーム遺伝子、及びアポトーシス抑制遺伝子からなる群より選択される遺伝子の少なくとも1つを強制発現させて不死化巨核球細胞を作製し、その後強制発現を解除して不死化巨核球細胞の多核化を進める場合には、強制発現の解除後(解除と同時を含む)に、培地に添加することが好ましい。
2.血小板の製造方法
本発明に係る血小板の製造方法は、本発明に係る血小板産生促進剤と巨核球細胞及び/又はその前駆細胞とを接触させることを含む。巨核球細胞は、細胞表面マーカーであるCD41a、CD42a、及びCD42b陽性を特徴とし、他に、CD9、CD61、CD62p、CD42c、CD42d、CD49f、CD51、CD110、CD123、CD131、及びCD203cからなる群より選択されるマーカーをさらに発現していることもある。巨核球細胞は、多核化(多倍体化)し成熟すると、血小板を放出する。多核化した巨核球細胞は、通常の細胞の16〜32倍のゲノムを有する。本明細書において、単に「巨核球細胞」という場合、多核化した巨核球細胞と多核化前の巨核球細胞の双方を含む。「多核化前の巨核球細胞」は、「未熟な巨核球細胞」、又は「増殖期の巨核球細胞」とも同義である。
本明細書において、「巨核球前駆細胞」は、「巨核球細胞より未分化な細胞」と同義であり、巨核球への分化能を有する細胞であって、造血幹細胞系から巨核球細胞に至る様々な分化段階の細胞を意味する。巨核球前駆細胞の非限定的な例としては、造血幹細胞、造血前駆細胞、CD34陽性細胞、巨核球・赤芽球系前駆細胞 (MEP)が挙げられる。これらの細胞は、例えば、骨髄、胴帯血、末梢血から単離して得ることもできるし、さらにより未分化な細胞であるES細胞、iPS細胞等の多能性幹細胞から分化誘導して得ることもできる。ある実施形態において、巨核球前駆細胞は、多能性幹細胞から分化誘導された細胞である。
巨核球細胞は、公知の様々な方法で得ることができる。巨核球細胞は、不死化巨核球細胞であってよい。不死化巨核球細胞の製造方法の非限定的な例として、国際公開第2011/034073号に記載された方法が挙げられる。同方法では、巨核球細胞より未分化な細胞において、癌遺伝子とポリコーム遺伝子を強制発現させることにより、無限に増殖する不死化巨核球細胞株を得ることができる。また、国際公開第2012/157586号に記載された方法に従って、巨核球細胞より未分化な細胞においてアポトーシス抑制遺伝子を強制発現させることによっても、不死化巨核球細胞を得ることができる。これらの不死化巨核球細胞は、遣伝子の強制発現を解除することにより、多核化が進み、血小板を放出するようになる。巨核球細胞を得るために、上記の文献に記載された方法を組み合わせてもよい。
ある実施形態において、不死化巨核球細胞は、巨核球細胞より未分化な細胞において、癌遺伝子、ポリコーム遺伝子、及びアポトーシス抑制遺伝子からなる群より選択される遺伝子の少なくとも1つを強制発現させて作製される細胞である。好ましくは、癌遺伝子およびポリコーム遺伝子;アポトーシス抑制遺伝子;または癌遺伝子、ポリコーム遺伝子、およびアポトーシス抑制遺伝子を強制発現させる。巨核球細胞より未分化な細胞は、好ましくはES細胞、iPS細胞等の多能性幹細胞である。
癌遺伝子、ポリコーム遺伝子、及び/又はアポトーシス抑制遺伝子の強制発現は、同時に行ってもよく、順次行ってもよい。例えば、癌遺伝子とポリコーム遺伝子を強制発現させ、当該強制発現を抑制し、次にアポトーシス抑制遺伝子を強制発現させ、当該強制発現を抑制して、多核化巨核球細胞を得てもよい。また、癌遺伝子とポリコーム遺伝子とアポトーシス抑制遺伝子を同時に強制発現させ、当該強制発現を同時に抑制して、多核化巨核球細胞を得ることもできる。まず、癌遣伝子とポリコーム遺伝子を強制発現させ、続いてアポトーシス抑制遺伝子を強制発現させ、当該強制発現を同時に抑制して、多核化巨核球細胞を得ることもできる。
本明細書において「癌遺伝子」とは、生体内において細胞の癌化を誘導する遺伝子のことをいい、例えば、MYCファミリー遺伝子(例えば、c-MYC、N-MYC、L-MYC)、SRCファミリー遺伝子、RASファミリー遺伝子、RAFファミリー遺伝子、c-Kit、PDGFR、Ablなどのプロテインキナーゼファミリー遺伝子が挙げられる。
本明細書において「ポリコーム遣伝子」とは、 CDKN2a (I NK4a/ ARF) 遺伝子を負に制御し、細胞老化を回避するために機能する遺伝子をいう(小倉ら, 再生医療, vol. 6, No. 4, pp26-32; Jseus et al., Jseus et al., Nature Reviews Molecular Cell Biology vol. 7, pp667-677, 2006; Proc. Natl. Acad. Sci. USA, vol. 100, pp211-216, 2003) 。ポリコーム遺伝子の非限定的な例として、BMI1、Mel18、Ring1a/b、Phc1/2/3、Cbx2/4/6/7/8、Ezh2、Eed、Suz12、HADC、Dnmtl/3a/3bが挙げられる。
本明細書において「アポトーシス抑制遺伝子」とは、細胞のアポトーシスを抑制する機能を有する遣伝子をいい、例えば、BCL2遺伝子、BCL-xL遺伝子、Survivin遺伝子、MCLl遺伝子などが挙げられる。
遺伝子の強制発現及び強制発現の解除は、国際公開第2011/034073号、国際公開第2012/157586号、国際公開第2014/123242号又はNakamura S et al, Cell Stem Cell. 14, 535-548, 2014に記載された方法、その他の公知の方法又はそれに準ずる方法で行うことができる。
血小板産生促進剤と細胞との接触は、血小板産生促進剤の存在下で細胞を培養することにより行うことができる。血小板産生促進剤と細胞との接触は、多核化前の巨核球細胞において行っても、多核化した巨核球細胞において行っても良い。例えば、多核化前の巨核球細胞において接触を開始し、多核化した巨核球細胞において接触を継続してもよい。好ましくは、血小板産生促進剤との接触は、少なくとも多核化した巨核球細胞について行われる。
巨核球細胞より未分化な細胞において、癌遺伝子、ポリコーム遺伝子、及びアポトーシス抑制遺伝子からなる群より選択される遺伝子の少なくとも1つを強制発現させて不死化巨核球細胞を作製し、その後強制発現を解除して不死化巨核球細胞の多核化を進める場合、血小板産生促進剤と細胞との接触の開始は、当該遺伝子の強制発現解除前であっても解除後であっても特に限定されないが、少なくとも強制発現解除後において接触を行うことが好ましい。
上記強制発現の期間は特に限定されず、当業者が適宜決定することができる。なお、強制発現後に、細胞を継代培養してもよく、最後の継代から強制発現を解除する日までの期間も特に限定されないが、例えば、1日間、2日間又は3日間以上としてもよい。
上記強制発現の解除後に血小板産生促進剤を培地に加える場合、強制発現解除後血小板産生促進剤を培地に加えるまでの期間は特に限定されないが、例えば、1日、2日、又は3日以内に血小板産生促進剤存在下での培養を開始してもよい。血小板産生促進剤の存在下で細胞を培養する期間も特に限定されない。通常、血小板産生促進剤を培地に添加して3日目頃から徐々に機能的な血小板が放出されるようになり、数は培養日数に伴って増えていく。血小板産生促進剤の存在下で細胞を培養する期間は、例えば5〜10日間であるが、培養日数はそれより短くても長くてもよい。血小板産生促進剤は、培養期間中、1回以上追加で培地に添加してもよい。
ある実施形態において、本発明に係る方法は、TPOの存在下、またはTPOおよびSCFの存在下で、本発明に係る血小板産生促進剤と巨核球細胞及び/又はその前駆細胞とを接触させることを含む。「1.血小板産生促進剤」におけるTPOおよびSCFに関する記載は、本発明に係る方法にも適用される。例えば、TPOおよびSCFは、血小板産生促進剤を添加する培地に含まれていてもよく、血小板産生促進剤の培地への添加前、添加後、または添加と同時に、培地に添加してもよい。
本発明に係る方法は、本発明に係る血小板産生促進剤について記載した更なる薬剤と、巨核球細胞及び/又はその前駆細胞とを接触させることを更に含んでもよい。「1.血小板産生促進剤」における更なる薬剤に関する記載は、本発明に係る方法にも適用される。例えば、ある実施形態において、更なる薬剤はROCK阻害剤である。ROCK阻害剤は、血小板産生促進剤の培地への添加前、添加後、または添加と同時に、培地に添加することができる。巨核球より未分化な細胞において、癌遺伝子、ポリコーム遺伝子、及びアポトーシス抑制遺伝子からなる群より選択される遺伝子の少なくとも1つを強制発現させて不死化巨核球細胞を作製し、その後強制発現を解除して不死化巨核球細胞の多核化を進める場合には、強制発現の解除後(解除と同時を含む)、培地に添加することが好ましい。
細胞の培養条件は、通常の条件とすることができる。例えば、温度は約35℃〜約42℃、約36℃〜約40℃、又は約37℃〜約39℃とすることができ、5%CO2及び/又は20%02としてもよい。静置培養であっても、振とう培養であってもよい。振とう培養の場合の振とう速度も特に限定されず、例えば、10rpm〜200rpm、30rpm〜150rpm等とすることができる。
巨核球細胞及び/又はその前駆細胞を本発明に係る血小板産生促進剤と接触させ培養すると、成熟した巨核球細胞が得られ、その細胞質から血小板が産生される。ここで、巨核球細胞が成熟するとは、巨核球細胞が多核化し、血小板を放出できるようになることをいう。
巨核球細胞を培養する際の培地は特に限定されず、巨核球細胞から血小板が産生される のに好適な公知の培地やそれに準ずる培地を適宜使用することができる。例えば、動物細 胞の培養に用いられる培地を基礎培地として調製することができる。基礎培地としては、例えばIMDM培地、Medium 199培地、Eagle's Minimum Essential Medium (EMEM) 培地、 αMEM培地、Dulbecco's modified Eagle's Medium (DMEM) 培地、Ham's F12培地、RPMI1640培地、Fischer's培地、Neurobasal Medium (ライフテクノロジーズ)及びこれらの混合培地が挙げられる。
培地は、血清又は血漿を含有していてもよく、あるいは無血清でもよい。血清を用いる場合は、ヒト血清が好ましい。必要に応じて、培地は、例えば、アルブミン、インスリン、トランスフェリン、セレン、脂肪酸、微量元素、2ーメルカプトエタノール、チオールグリセロール、モノチオグリセロール(MTG) 、脂質、アミノ酸(例えばLーグルタミン)、アスコルビン酸、ヘパリン、非必須アミノ酸、ビタミン、増殖因子、低分子化合物、抗生物質、抗酸化剤、ピルビン酸、緩衝剤、無機塩類、サイトカインなどの1つ以上の物質も含有し得る。サイトカインとは、血球系分化を促進するタンパク質であり、例えば、VEGF、TPO、各種TPO様作用物質、SCF、ITS (インスリンートランスフェリンーセレナイト)サプリメント、ADAM阻害剤などが例示される。
ある実施形態において、培地は、血清、インスリン、トランスフェリン、セリン、チオールグリセロール、アスコルビン酸、TPOを含むIMDM培地であり、さらにSCFを含んでいてもよく、さらにヘパリンを含んでいてもよい。それぞれの濃度も特に限定されないが、例えば、TPOは、約lO ng/mL〜約200 ng/mL、又は約50 ng/mL〜約100 g/mLとすることができ、SCFは、約lO g/mL〜約200 g/mL、又は約50 g/mLとすることができ、ヘパリンは、約10 U/mL〜約100 U/mL、又は約25 U/mLとすることができる。ホルボールエステル(例えば、ホルボール-12-ミリスタート-13-アセタート; PMA)を加えてもよい。
遺伝子の強制発現及びその解除のためにTet-on(登録商標)又はTet-off (登録商標)システムのような薬剤応答性の遺伝子発現誘導システムを用いる場合、強制発現する工程においては、対応する薬剤、例えば、テトラサイクリン又はドキシサイクリンを培地に含有させ、これらを培地から除くことによって強制発現を抑制してもよい。
細胞の培養工程は、フィーダー細胞なしで実施することができる。後述する実施例に示されるとおり、本発明に係る方法によれば、フィーダー細胞なしで培養しても、機能的な血小板を得ることができる。
本明細書において、「フィーダー細胞」とは、増殖又は分化させようとしている細胞(以下、目的細胞と記載する)の培養に必要な環境を整えるために、目的細胞と共培養される細胞をいう。フィーダー細胞は、目的細胞と識別できる細胞である限り、同種由来の細胞であっても異種由来の細胞であってもよい。フィーダー細胞は、抗生物質やガンマ線により増殖しないよう処理した細胞であっても、処理されていない細胞であってもよい。
本発明は、本発明に係る方法で製造した血小板も包含する。本発明に係る方法で製造された血小板の機能は、公知の方法により測定し評価することができる。例えば、活性化した血小板膜上に存在する活性化マーカーIntegrinαIIB B 3 (glycoprotein Ilb/Illa; CD41aとCD61の複合体)に特異的に結合する抗体であるPAC-1抗体を用いて、活性化した血小板量を測定することができる。また、同様に血小板の活性化マーカーであるCD62b (P-selectin)を抗体で検出して活性化した血小板量を測定してもよい。血小板量の測定は、例えば、フローサイトメトリーを用い、活性化非依存性の血小板マーカーCD61又はCD41に対する抗体でゲーティングを行い、その後、血小板に対するPAC-1抗体や抗CD62P抗体の結合を検出することにより行うことができる。これらの工程は、アデノシンニリン酸 (ADP)存在下で行ってもよい。
血小板の機能の評価は、ADP存在下でフィブリノーゲンと結合するか否かを見て行うこともできる。血小板がフィブリノーゲンの結合することにより、血栓形成の初期に必要なインテグリンの活性化が生じる。さらに、血小板の機能の評価は、国際公開第2011/034073号の図6に示されるように、in vivoでの血栓形成能を可視化して観察する方法で行うこともできる。
本発明に係る方法で製造した血小板を用いて、血小板製剤または血液製剤を製造することができる。血小板製剤の製造方法は、本発明に係る方法により巨核球細胞及び/又はその前駆細胞を培養して血小板を産生させ、培養物から血小板が豊富に存在する画分を回収する工程と、当該血小板画分から血小板以外の血球系細胞成分を除去する工程とを含む。血球系細胞成分を除去する工程は、白血球除去フィルター(例えば、テルモ社製、旭化成メディカル社製)などを使用して、巨核球細胞を含む血小板以外の血球系細胞成分を除去することによって行うことができる。血小板製剤のより具体的な製造方法は、例えば、国際公開第2011/034073号に記載されている。血液製剤の製造方法は、前記方法により血小板製剤を製造する工程と、当該血小板製剤を他の成分と混合する工程とを含む。他の成分としては、例えば赤血球細胞が挙げられる。血小板製剤及び血液製剤には、その他、細胞の安定化に資する他の成分を加えてもよい。
本発明は、多核化した巨核球細胞と、本発明に係る血小板産生促進剤と、培地とを含む組成物も包含する。本組成物は、そのまま培養することにより血小板を得ることができ、凍結保存することもできる。凍結保存する場合、当該組成物には、凍結の際に細胞を保護するDMSO、グリセロール、市販の細胞凍結用試薬等が含まれていてもよい。凍結した組成物を解凍して培養することにより、血小板を得ることができる。
AhRアンタゴニストを使用すると、フィーダー細胞を使用しない場合でも、AhRアンタゴニストの不在下でフィーダー細胞を使用した場合に匹敵する血小板産生促進効果を奏し得る。すなわち、AhRアンタゴニストの血小板産生促進効果は、フィーダー細胞の役割を代替する効果を有すると考えられる。よって、AhRアンタゴニストにより、巨核球細胞を縦型大型培養装置で培養すること、延いては臨床に使用する血小板を効率よく大量に産生することが可能となる。
本明細書において引用されるすべての特許文献及び非特許文献の開示は、全体として本 明細書に参照により組み込まれる。
本発明の例示的実施形態を以下に記載する。
1.受容体型チロシンキナーゼ阻害剤、バニロイド受容体阻害剤、PDGFR阻害剤、TrioN阻害剤、SIRT2阻害剤、H+,K+-ATPase阻害剤、ベンゾジアゼピン逆作動薬、および神経発生促進剤からなる群より選択される1又は複数のAhRアンタゴニストを含む、血小板産生促進剤。
2.受容体型チロシンキナーゼ阻害剤がアキシチニブおよびRG-14620である;
バニロイド受容体阻害剤がSB366791である;
PDGFR阻害剤がAG1296である;
TrioN阻害剤がITX3である;
SIRT2阻害剤がAGK2である;
H+,K+-ATPase阻害剤がSCH-28080である;
ベンゾジアゼピン逆作動薬がβ-CCBおよびFG7142である;および
神経発生促進剤がニューロダジンである;
前記1に記載の血小板産生促進剤。
3.アキシチニブ、RG-14620、SB366791、AG1296、ITX3、AGK2、SCH-28080、β-CCB、FG7142、およびニューロダジンからなる群より選択される1又は複数のAhRアンタゴニストを含む、血小板産生促進剤。
4.ROCK阻害剤を更に含む、又はROCK阻害剤と併用される、前記1〜3のいずれかに記載の血小板産生促進剤。
5.前記1〜4のいずれかに記載の血小板産生促進剤と巨核球細胞及び/又はその前駆細胞とを接触させることを含む、血小板の製造方法。
6.TPOの存在下で前記血小板産生促進剤と前記細胞とを接触させる、前記5に記載の方法。
7.TPOおよびSCFの存在下で前記血小板産生促進剤と前記細胞とを接触させる、前記5または6に記載の方法。
8.ROCK阻害剤と前記細胞とを接触させることを更に含む、前記5〜7のいずれかに記載の方法。
9.前記血小板産生促進剤と接触させた細胞から産生された血小板を得ることを更に含む、前記5〜8のいずれかに記載の方法。
10.前記細胞が巨核球細胞である、前記5〜9のいずれかに記載の方法。
11.巨核球細胞が不死化巨核球細胞である、前記10に記載の方法。
12.不死化巨核球細胞が多能性幹細胞から誘導されたものである、前記11に記載の方法。
13.多能性幹細胞がiPS細胞である、前記12に記載の方法。
14.iPS細胞がヒト由来である、前記13に記載の方法。
15.前記5〜14のいずれかに記載の方法により製造された血小板を含む、血小板製剤または血液製剤。
iPS細胞
不死化巨核球株 (MKCL SeV2) は、Nakamura, et al. Cell Stem Cell, 2014に記載の方法に従い、iPS細胞 (SeV2: 新生児ヒト線維芽細胞へ国際公開第2010/134526号の方法に従って、センダイウィルスベクターによりc-MYC、OCT3/4、SOX2およびKLF4を導入することによって作製した細胞)に、ドキシサイクリンの存在下で発現するBcl-xL、c-MycおよびBmilを導入することで調製した。Okita K, et al, Stem Cells. 31(3): 458-466, 2013に記載の方法に従って、不死化巨核球株 (MKCL SeV2) からiPS細胞 (MK iPS #12) を製造した。得られたiPS細胞 (MK iPS #12) は、Nakagawa M, et al, Sci Rep. 8; 4: 3594, 2014 に記載の方法に従って、StemFit (登録商標) AK03 (Ajinomoto)及びラミニン511 (iMatrix 511 (Nippi)) を用いて培養した。
相同組換え
巨核球の成熟マーカーであるTUBB1の遺伝子座にレポーター遺伝子(VENUS)が導入された細胞を、CRISPR/Cas9システムを用いた相同組換えにより作製した。詳細には、iPS細胞 (MK iPS #12) をTrypLE (登録商標)Selectにて剥離し、0.8 x lO6個を、テンプレートベクター(pBlueScript II SK+ (TUBBl-VENUS)、図1参照) (1.7μg)、TUBB1遺伝子座を標的とするgRNAを発現するガイドベクター(1.7μg)、cas9 ベクター (pHL-EFla-SphcCas9-iC-A、京都大学iPS細胞研究所 堀田博士より受領)(1.7μg)と混和し、Human Stem Cell Nucleofector (登録商標) Kit 2 (Lonza) 及びNucleofectorを用いてエレクトロポレーションにより細胞にベクターを導入した。エレクトロポレーション後、StemFit (登録商標) AK03で懸濁し、ラミニン511をコーティングした10 cmディッシュに播種し、37℃ 5%CO2条件下で培養した。3日後、ピューロマイシンを1 ng/mlとなるように培地に添加し培養を継続した。7日後、形成したコロニーをピックアップし、得られた各コロニーからQIAamp DNA Mini Kit (QIAGEN) を用いてDNAを抽出し、プライマーを用いてGenotyping PCRにより相同組換えを確認した。ホモで相同組換えができたiPS細胞株を拡大培養し、MK iPS#l2-23として樹立した。
ピューロマイシン耐性カセットを除去するため、得られたMK iPS#12-23を5μg cre発現ベクター (pCXW-Cre-Puro、京都大学iPS細胞研究所堀田博士より受領)と混和し、Human Stem Cell Nucleofector (登録商標) Kit2 (Lonza)及びNucleofectorを用いてエレクトロポレーションにより細胞にベクターを導入した。エレクトロポレーション後、StemFit (登録商標) AK03で懸濁し、ラミニン511をコーティングした10 cmディッシュに播種し、37℃ 5%CO2条件下で培養した。9日後、コロニーを複数個ピックアップし、2つに分け、一方にはピューロマイシンを1 ng/mlとなるように培地に添加し培養し、もう一方は保管した。細胞が死滅した株を確認し、同じコロニー由来の保管した細胞において、プライマーを用いてGenotyping PCRによりピューロマイシン耐性カセットが除去されていることを確認し、当該iPS細胞株を拡大培養し、MK iPS#12-23 cre2として樹立した。
レポーター不死化巨核球細胞株の誘導
上記iPS細胞 (MK iPS #12-23 cre2)より、iPS-sacを介して造血前駆細胞 (HPC)の誘導を行った。詳細には、iPS細胞をセルスクレーパーを用いて培養皿から細胞を剥離させ、1/20程度の細胞を、コロニーの塊として、マイトマイシンC (MMC)処理したマウス線維芽細胞株C3H10Tl/2 (理研から入手可能)上へ播種した。なお、MMC処理したC3H10Tl/2は、iPS細胞を播種する前日に8 x 105 cells/dishで10 cmディッシュへ播種して用意した。播種後、20 ng/ml VEGFを添加したEagel's Basal Medium (EBM) 中で5%CO2、37℃環境下で培養を開始した (day0)。2回/1週間の頻度で同じ培地にて培地交換を行った。
Day14に、セルスクレーパーまたはピペット先端を用いて物理的に細胞を剥離し、40マイクロメートルのセルストレーナーを通して均一の大きさの細胞を回収した。回収した細胞を、MMC処理したC3H10Tl/2上に1 x 105 cells/wellを6ウェルディッシュに播種した。培地は、SCF 50 ng/ml、TPO 50 ng/ml、ドキシサイクリン0.5 μg/mlを添加したEBM培地を用いた。Day17も同様に細胞を回収し、MMC処理したC3H10Tl/ 2上に1x 106 cells/dishを10cmディッシュに播種した。Day23に細胞を回収し、1 x l06 cells/dishを10cmディッシュに播種し、レポーター不死化巨核球細胞株(MKCL#12-23 cre2)を作製した。
血小板の産生
上述の方法で得られたレポーター不死化巨核球細胞株(MKCL#12-23 cre2)を、0.75μM SR1 (Selleckchem) 、10 μM Y-27632 (wako)、50 ng/ml TPO (R&D) 及び50 ng/ml SCF (R&D)を含み、ドキシサイクリンを含まない分化培地中で7日間培養し、遺伝子の強制発現を解除して血小板産生を誘導した。細胞を懸濁後、培養上清より細胞を回収し、抗CD41抗体及び抗CD426抗体で染色しFACSにて解析した。同様に、誘導途中の細胞もFACS解析を行なった。その結果、培養7日目に、CD41及びCD42b両陽性の巨核球が誘導され(図2A)、当該巨核球から血小板が産生されていることを確認した(図2B)。
AhR阻害作用の検討(1)
AhRアゴニストがCYP1B1の発現を誘導することから、CYP1B1の発現に基づき各種化合物のAhR阻害作用を調べた。ドキシサイクリンの存在下で不死化巨核球株 (MKCL SeV2) (2.5×105個)を培養後、ドキシサイクリンを含まない分化培地に、50 ng/mL TPO、50 ng/ml SCF、および10μM Y-27632を添加し、6ウェルプレートに播種した (2 ml/well)。この細胞に、試験化合物(表1)と、DMSOまたはAhRアゴニストであるFICZ(最終濃度100 nM)とを添加した。4日後、細胞を回収して溶解し、RNAの単離および定量的PCR解析のため-80℃で保存した。この試料からmiRNeasy Mini Kit (Qiagen)を用いて全RNAを単離し、ReverTra Ace(登録商標)逆転写酵素 (TOYOBO)により逆転写し、ヒトCYP1B1およびGAPDHに対するプライマーを用いて、EagleTaq Master Mix with ROXおよびUniversal ProbeLibrary (Roche Applied Science)によりリアルタイムPCRを行った。PCR反応には、StepOne(登録商標) Plus リアルタイムPCRシステム(Applied Biosystems) を用いた。相対的遺伝子発現量を、GAPDHを参照遺伝子として2-ΔΔCt法により算出し、平均±SEで示した。その結果、各化合物はCYP1B1の発現を阻害し、AhRアンタゴニスト活性を有することが示された(図3)。

(各化合物の濃度は、MK iPS#12-23 cre2におけるTUBB1誘導活性に基づく最適濃度である。)
AhR阻害作用の検討(2)
AhRアゴニストがCYP1A1の発現を誘導することから、CYP1A1プロモーターのAhRの結合領域(Dioxin Responsive Elements; DRE)の下流にFirefly Luciferase遺伝子を組み込んだヒト肝がん細胞株 (Huh7)を作製した(図4A参照)。更に、この細胞に、細胞毒性のモニター用にTymidine Kinaseの下流にRenilla Luciferase遺伝子を組み込んだ細胞(Transient→DRE dual-Luc Huh7 cell)を作製した(図4B参照)。この細胞を試験化合物(表2)と24時間プレインキュベートした後、アゴニストであるTCDD(最終濃度10-9 M)を添加して24時間インキュベートし、発現が上昇する2種類のLuciferaseの活性を発光測定によって数値化し、Luciferaseの酵素反応阻害率に対する濃度反応曲線に基づき、化合物のIC50値および95%信頼区間を統計解析ソフトSAS (release 8.1, SAS Institute Japan株式会社)の 4-Paramete Logistic Modelにより算出した。各化合物について、TCDDをアゴニストとして用いた場合のAhRに対する阻害作用を数値化した。その結果、試験した化合物がAhRアンタゴニスト活性を有することが示された(図5)。

AhRアンタゴニストによる血小板産生促進
上記レポーター不死化巨核球細胞株 (MKCL#12-23 cre2)のもととなったMKCL SeV2を6ウェルディッシュにて、所定の濃度の試験化合物(図6A〜Fおよび図7、図7の試験化合物の濃度を表3に示す)、10μM Y-27632 、50 ng/ml TPO及び50 ng/ml SCFを添加した分化培地中、又は0.75μM SRl、10μM Y-27632 、50 ng/ml TPO及び50 ng/ml SCFを添加した分化培地中(ポジティブコントロール)、又は0.1% DMSO、10μM Y-27632、50 ng/ml TPO及び50 ng/ml SCFを添加した分化培地中(ネガティブコントロール)で培養し、培養7日目に培養液を懸濁して上清を採取し、抗CD41抗体及び抗CD42b抗体で染色し、FACSにて解析した。各化合物を用いた場合の血小板数を、ポジティブコントールでの血小板数 (100%とする)及びネガティブコントロールでの血小板数 (0%とする)で補正して、相対血小板数を算出した。その結果、AhRアンタゴニスト活性を有する化合物が血小板産生促進効果を有することが示された(図6A〜F、図7)。

(各化合物の濃度は、MK iPS#12-23 cre2におけるTUBB1誘導活性に基づく最適濃度である。)

Claims (4)

  1. 受容体型チロシンキナーゼ阻害剤、バニロイド受容体阻害剤、PDGFR阻害剤、TrioN阻害剤、SIRT2阻害剤、H+,K+-ATPase阻害剤、ベンゾジアゼピン逆作動薬、および神経発生促進剤からなる群より選択される1又は複数のAhRアンタゴニストを含む、血小板産生促進剤。
  2. 受容体型チロシンキナーゼ阻害剤がアキシチニブおよびRG-14620である;
    バニロイド受容体阻害剤がSB366791である;
    PDGFR阻害剤がAG1296である;
    TrioN阻害剤がITX3である;
    SIRT2阻害剤がAGK2である;
    H+,K+-ATPase阻害剤がSCH-28080である;
    ベンゾジアゼピン逆作動薬がβ-CCBおよびFG7142である;および
    神経発生促進剤がニューロダジンである;
    請求項1に記載の血小板産生促進剤。
  3. ROCK阻害剤を更に含む、又はROCK阻害剤と併用される、請求項1または2に記載の血小板産生促進剤。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の血小板産生促進剤と巨核球細胞及び/又はその前駆細胞とを接触させることを含む、血小板の製造方法。
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