次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。以下では、遊技に用いる遊技媒体が遊技球とされ、当該遊技球を遊技盤面に向けて発射することで遊技を進行させることが可能なパチンコ遊技機(弾球遊技機)に、本発明を適用した例について説明する。具体的には、始動口への遊技球の入球に基づいて特別図柄の変動表示を行い、当該特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)が付与され得る大当り遊技(特別遊技)が実行可能となる所謂「1種タイプ」のパチンコ遊技機1に本発明を適用した例について説明する。
尚、以下の説明において、単に前側(前方)とは、遊技機を正面視した場合の手前側(遊技時に遊技者が位置する側)のことであり、単に後側(後方)とは、遊技機を正面視した場合の背面側のことである。また、単に上側(上方)、下側(下方)、左側(左方)、右側(右方)とは、遊技機を正面視した場合の上・下・左・右の各方向のことであり、例えば、図1や図3における上側、下側、左側、右側を指す。さらに、遊技盤の面方向とは、遊技盤面に沿った方向のことであって、例えば、図3における上方向、下方向、左方向、右方向、更には左斜め上、左斜め下、右斜め上、右斜め下といった斜め方向等がこれに該当し、遊技盤面に対して平行な方向はもちろんのこと、遊技盤面に対して直交することなく僅かに傾斜した方向(前後方向に傾斜した方向)を含む。また、本発明における「遊技盤の面方向に移動可能」とは、遊技盤の面方向に向かって移動することを指すもので、遊技盤面に対して平行に移動する場合や、遊技盤面に対して僅かに傾斜して移動(略平行に移動)する場合を含む。つまり、ここでいう面方向は移動方向を指す。
図1乃至図3に示すように、実施例1のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
また、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。さらに、前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう。)や、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の枠ランプ66、遊技の状況に応じて様々な音(効果音)を発することが可能なスピーカ67等も設けられている。
演出ボタン63は、遊技者による入力が可能な入力手段として機能するもので、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。例えば、遊技演出の実行中に第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bを操作すると、当該操作に基づいて所定の操作対応演出が行われる。尚、演出ボタン63の構成は本実施例の態様に限らず、遊技者が入力を行うことができるものであれば足り、例えば、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。また、演出ボタンが、上方や手前側に突出したり振動したりする等の演出動作を行うもの(可動式の演出操作手段)であってもよい。
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されており、レール部材4の先端には、球戻り防止片6が設けられている。球戻り防止片6は、一旦遊技領域へ誘導された遊技球を発射装置側へ戻るのを防止するためのものである。また、遊技盤2には、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の盤面ランプ5(図5を参照)も設けられている。
遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7は、遊技盤2の裏面側に装着される取り付けベース7c(図52を参照)を介して組み付けられるもので、遊技盤2(遊技領域3)に設けられる画面視認用の開口を介して、その表示画面7aが前方から視認可能となっている。画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L,8C,8R(単に「演出図柄8」ともいう。)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう。)が設けられており、当該演出図柄8L,8C,8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。尚、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。
本実施例の演出図柄8L,8C,8Rは、それぞれ「1」〜「9」までの数字を表した複数の図柄(識別情報)からなる。本実施例では、「1」〜「9」の図柄(演出図柄)のうち、奇数図柄である「3」と「7」を赤色の図柄(以下「赤図柄」ともいう。)としており、これ以外の奇数図柄である「1」、「5」、「9」を緑色の図柄(以下「緑図柄」ともいう。)としている。また、偶数図柄である「2」、「4」、「6」、「8」を青色の図柄(以下「青図柄」ともいう。)としている。
演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄の組み合わせ(停止表示態様)によって、後述の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう。)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果や、第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう。)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果、つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう。)の結果を、遊技者が認識し易いように表示する。本実施例では、変動表示している演出図柄8L,8C,8Rの停止順序を、原則、「左→右→中」としている。尚、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれかを指して単に「図柄」や「識別情報」ということがある。また、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特図1」「第1特図」、第2特別図柄を「特図2」「第2特図」ということがある。さらに、第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)や第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)、画像表示装置7(演出図柄表示部)のことを「識別情報表示部」や「識別情報表示手段」ということがある。また、画像表示装置7のことを「演出表示手段」ということがある。
例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りとなり、その大当りの種別が16R大当りや6R大当り等になった場合には、「222」や「777」などの3桁同一のゾロ目(特定態様、特定表示結果)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、特別図柄当否判定の結果が外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目(非特定態様、非特定表示結果)で演出図柄を停止表示することが可能である。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり、遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。尚、本実施例では、大当りのうち2R大当りについては、外れの場合と同じ態様(バラケ目)で演出図柄を停止表示するものとしている。
ここで、演出図柄の停止表示態様のうち、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合に対応する停止表示態様(本実施例ではゾロ目)のことを「大当り態様」、「特定態様」または「特定表示結果」ということがあり、特別図柄当否判定の結果が外れの場合に対応する停止表示態様(本実施例ではバラケ目)のことを「外れ態様」、「非特定態様」または「非特定表示結果」ということがある。
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、大当り遊技に伴って実行される大当り遊技演出(特別遊技演出)や、客待ち用のデモ演出などが表示される。演出図柄遊技演出や大当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。また、画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とが設けられている(図3を参照)。第1演出保留や第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43aにて表示される第1特図保留の記憶数や第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、表示画面7aを取り囲むように、センター装飾体10(所謂「センター役物」)が設けられている。センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられている。また、センター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口12aとワープ出口12bとが設けられており、遊技領域3を流下する遊技球をワープ入口12aから受け入れ、当該遊技球をワープ出口12bから排出しステージ部11(転動面)へと誘導する。ステージ部11に誘導されて当該ステージ部11の略中央から手前側に落下する遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球や、ステージ部11に誘導されて当該ステージ部11の中央以外の箇所から落下する遊技球に比して、高い可能性で後述の第1始動口20に入球可能とされている。さらに、センター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯・点滅等が可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう。)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
可変入賞装置22は、扉部材23を備え、扉部材23の動作によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。つまり、扉部材23は、所定の動作(開閉動作)を行うことで、第2始動口21への遊技球の入球可能性を変化させるものである。この扉部材23は、第2始動口ソレノイド24(図5参照)により駆動される。本実施例では、第2始動口21は、扉部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、扉部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚、第2始動口21は、扉部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、扉部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、第1大入賞口30(「第1可変入球口」ともいう。)を備えた第1大入賞装置31が設けられている。第1大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、第1大入賞口ソレノイド33(図5参照)により駆動される。第1大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第1大入賞装置31は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
また、遊技領域3における第1大入賞口30の上方であってセンター装飾体10の右下部には、第2大入賞口35(「第2可変入球口」ともいう。)を備えた第2大入賞装置36が設けられている。第2大入賞装置36は、開閉部材(羽根部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。開閉部材37は、第2大入賞口ソレノイド38(図5参照)により駆動される。第2大入賞口35は、開閉部材37が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、第2大入賞装置36は、開閉部材37の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
遊技領域3におけるセンター装飾体10の右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると、第2始動口21は開状態となる。さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入賞口27が設けられている。本実施例では、一般入賞口27を4個設けてあり、そのうちの3個を第1始動口20の左方に設けられた左一般入賞口とし、1個を第1大入賞口30の右方に設けられた右一般入賞口としている。第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35および一般入賞口27は、それぞれ賞球の払い出し契機となる入球口であり、各入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(賞球)が払い出される。具体的には、第1始動口20の賞球数は「5」、第2始動口21の賞球数は「3」、第1大入賞口20および第2大入賞口35の賞球数は「15」、一般入賞口27の賞球数は「10」としている。
このように複数の入球口(第1始動口20、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、一般入賞口27及びゲート28)等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2領域)3Bと、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を「左打ち」といい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を「右打ち」という。ここで、複数の入球口のうち、第1始動口20および3個の左一般入賞口27は、遊技領域3のうち左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球可能となるように設けてあり、第2始動口21、第1大入賞口30、第2大入賞口35、右一般入賞口27およびゲート28は、遊技領域3のうち右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能となるように設けてある。このため、本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際には、原則、左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において大当りとなり遊技状態が変化した際には、原則、右打ちにてゲート28、第2始動口21、第1大入賞口30および第2大入賞口35への入球を狙うこととなる。
また、図3および図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示および停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)と、第2特別図柄を変動表示および停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)と、普通図柄を変動表示および停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)と、が含まれている。また、主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aと、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bと、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44と、が含まれている。さらに、主表示器40には、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48と、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が大当りになった場合に実行される大当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45と、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46と、遊技球の発射方向、すなわち右打ちを行うべき状態か左打ちを行うべき状態かを示す発射方向表示器47と、が含まれている。主表示器40に含まれるこれらの各種表示器は、後述の主制御部によって表示制御される。
第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球に基づいて行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球に基づいて行われる。尚、以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示部43ということがある。
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20または第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報)である場合、すなわち、特別図柄の停止表示の態様(特別図柄の変動表示の表示結果)が大当りを示す特定態様(特定表示結果)である場合には、停止表示された大当り図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30または第2大入賞口35を開放させる大当り遊技(特別遊技)が行われる。尚、大当り遊技における大入賞口(第1大入賞口30及び第2大入賞口35)の開放パターンについては後述する。
図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは、「i〜p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第1特別図柄当否判定の結果として「16R第1大当り」、「6R第2大当り」、「6R第3大当り」、「6R第4大当り」および「6R第5大当り」の5種類の大当りが設けられており(図8を参照)、第1特別図柄表示器41aのLEDは、それら5種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様、特定表示結果)を採ることが可能となっている。具体的には、第1特別図柄当否判定の結果が16R第1大当りとなった場合には「ijn」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第1大当り図柄)、6R第2大当りとなった場合には「ino」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第2大当り図柄)、6R第3大当りとなった場合には「inp」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第3大当り図柄)、6R第4大当りとなった場合には「ijo」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第4大当り図柄)、6R第5大当りとなった場合には「jno」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(6R第5大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
また、第2特別図柄表示器41bは、「a〜h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第2特別図柄当否判定の結果として「16R第6大当り」、「16第7大当り」、「12R第8大当り」、「6R第9大当り」、「2R第10大当り」、「16R第11大当り」および「2R第12大当り」の7種類の大当りが設けられており(図8を参照)、第2特別図柄表示器41bのLEDは、それら2種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様、特定表示結果)を採ることが可能となっている。具体的には、第2特別図柄当否判定の結果が16R第6大当りとなった場合には「abd」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第6大当り図柄)、16R第7大当りとなった場合には「abg」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第7大当り図柄)、12R第8大当りとなった場合には「abc」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(12R第8大当り図柄)、6R第9大当りとなった場合には「afg」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第9大当り図柄)、2R第10大当りとなった場合には「abde」の4個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(2R第10大当り図柄)、16R第11大当りとなった場合には「abe」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第11大当り図柄)、2R第12大当りとなった場合には「abdh」の4個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(2R第12大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「eh」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
尚、特別図柄の停止表示態様(停止図柄)は、これらに限定されるものではなく、任意に設定することができる。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば、予め定められた順序で光が左から右へ繰り返し流れるように各LEDを点灯させる態様とすることができる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう。)を取得し、取得した各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(図示せず)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部(図示せず)に記憶される。各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留(取得情報)の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値はそれぞれ「4」となっている。これら第1特図保留記憶部および第2特図保留記憶部を、夫々「第1取得情報記憶手段」および「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
特図保留記憶部に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定数(本実施例では4)を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
特図保留記憶部に記憶された特図保留の数は、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には、第1特図保留表示器43aは「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものとなっている。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「2」の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とし、保留数が「3」の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「4(上限数)」の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。
また、第2特図保留表示器43bは「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数「1」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。尚、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には、図4に示す通り、普通図柄表示器42は「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。尚、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう。)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値は「4」となっている。普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
普図保留記憶部に記憶された普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には、普図保留表示器44は「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数「2」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
また、遊技盤2の裏面側であって画像表示装置7との間には、後述するように、第1可動装飾部材141Aを含んで構成される第1可動演出装置141と、第2可動装飾部材142Aを含んで構成される第2可動演出装置142とを一体的に備えた可動演出ユニット14(可動演出装置)が設けられており、これら可動演出装置の第1可動装飾部材141Aおよび第2可動装飾部材142Aが、前述した画面視認用の開口を介して前方から視認可能となるように配されている(図3、図45を参照)。第1可動装飾部材141Aおよび第2可動装飾部材142Aは、遊技演出に伴って動作可能な演出用の可動部材であり、いわゆる「可動役物」(ギミック)に相当するものである。
尚、第1可動演出装置141や第2可動演出装置142のことを単に「可動演出装置」ともいい、第1可動演出装置141のことを「下可動演出装置」ともいい、第2可動演出装置142のことを「上可動演出装置」ともいう。また、第1可動装飾部材141Aや第2可動装飾部材142Aのことを単に「可動装飾部材」または「可動部材」ともいい、第1可動装飾部材141Aのことを「下可動装飾部材」、「下可動部材」または「第1可動部材」ともいい、第2可動装飾部材142Aのことを「上可動装飾部材」、「上可動部材」または「第2可動部材」ともいう。
図3に示すように、第1可動装飾部材141Aは、普段は、遊技盤2(ステージ部11)の後方であってステージ部11よりも下側に位置しており、その大部分が視認不能となっている。この第1可動装飾部材141Aは、表示画面7aの手前側を、画面上下方向の中央近傍まで上方に移動可能(上昇可能)となっており、上方に移動(上昇)することで、その全体が視認可能となる(図45を参照)。つまり、第1可動装飾部材141Aは、ステージ部11の近傍(ステージ部下方)を待機位置(第1位置)とし、表示画面7aの上下方向の中央近傍を動作位置(第2位置)として、これら2つの位置の間を往復移動することが可能となっている(図3、図45を参照)。
また、図3に示すように、第2可動装飾部材142Aは、普段は、表示画面7aの手前側右上であって装飾部材13の右下近傍に視認可能な状態で位置しており、視認可能な状態のまま、表示画面7aの手前側を、画面上下方向の中央近傍まで下方に移動可能(下降可能)となっている(図45を参照)。つまり、第2可動装飾部材142Aは、装飾部材13の近傍を待機位置(第1位置)とし、表示画面7aの上下方向の中央近傍を動作位置(第2位置)として、これら2つの位置の間を往復移動することが可能となっている(図3、図45を参照)。
第1可動装飾部材141Aおよび第2可動装飾部材142Aは、例えば、大当りの可能性が比較的高い遊技演出の実行に伴って待機位置(初期位置)から動作位置へ移動し得るもので、また、動作位置に移動した状態で、さらに回転や発光などの所定の演出動作を行うことが可能となっている。これにより、遊技者は、大当りへの期待感を高めることとなる。尚、第1可動装飾部材141Aおよび第2可動装飾部材142Aは、何れか一方だけが動作する場合もあれば、両方が動作する場合もある。また、両方が動作する場合、各々を同じタイミングで動作させたり、異なるタイミングで動作させたりすることが可能である。
ここで、図46乃至図52に基づいて、本実施例の可動演出ユニット14の構成を説明する。尚、図47(a),(b),(c)は、それぞれ図46におけるA−A断面図、B−B断面図、C−C断面図であり、図48(a),(b),(c)は、それぞれ図46におけるD−D断面図、E−E断面図、F−F断面図である。また、図50(a),(b),(c)は、それぞれ図49におけるG−G断面図、H−H断面図、I−I断面図であり、図51(a),(b),(c)は、それぞれ図49におけるJ−J断面図、K−K断面図、L−L断面図である。
本実施例の可動演出ユニット14は、主に、中央を開口した略ロの字型の基体140Bと、基体140Bの左辺下部に設けられる第1可動演出装置141と、基体140Bの左辺上部から下部にかけて第1可動演出装置141を覆うようにして設けられる左カバー140Lと、基体140Bの右辺上部に設けられる第2可動演出装置142と、基体140Bの右辺上部から下部にかけて第2可動演出装置141を覆うようにして設けられる右カバー140Rと、から構成されるものである。このうち、基体140Bと左カバー140Lと右カバー140Rとにより、可動演出ユニット14の外形を成す枠体(枠部材)が構成される。この可動演出ユニット14は、遊技盤2の裏面側に図示しない取り付けベースを介して組み付けることで、遊技盤2と画像表示装置7との間に配される。尚、図46および図49では、説明の便宜上、左カバー140Lおよび右カバー140Rの内部(内側)を視認可能とし、その内部を実線で示している。
第1可動演出装置141は、前述の第1可動装飾部材141Aを含んで構成されるもので、第1可動装飾部材141Aの動作を行うための装置である。また、第2可動演出装置142は、前述の第2可動装飾部材142Aを含んで構成されるもので、第2可動装飾部材142Aの動作を行うための装置である。第1可動演出装置141および第2可動演出装置142は、可動装飾部材の形態を除いて、それぞれ同様の構成を採用している。以下では、第1可動演出装置141に係る構成を中心に説明する。
基体140Bの左辺の略中央部から下部にかけては、当該2点間の移動範囲において第1可動装飾部材141Aを上下に移動させる移動手段としての第1駆動機構141Kが設けられている。第1駆動機構141Kは、主に、電気的駆動源としてのステッピングモータからなる第1モータ141Maと、外周に歯部(歯型)が形成された駆動側プーリP1および従動側プーリP2と、内周に歯部(歯型)が形成された環状の歯付ベルトBLとからなるもので、駆動側プーリP1および従動側プーリP2と歯付ベルトBLの各々の歯部(図示せず)を噛合させて、2つのプーリ(駆動側プーリP1、従動側プーリP2)に歯付ベルトBLを懸架したものである(図47(b)、図50(b)等を参照)。この第1駆動機構141Kでは、第1モータ141Maを回転駆動することにより駆動側プーリP1が回転し、これに同期して、従動側プーリP2と、それら2つのプーリ(駆動側プーリP1、従動側プーリP2)に懸架した歯付ベルトBLが回転する。そして、歯付ベルトBLには、連結部材141dが固着されており、歯付ベルトBLの回転により連結部材141dが移動することとなる(図47(c)、図50(c)等を参照)。
この第1駆動機構141Kは、第1モータ141Maとこれに連結される駆動側プーリP1が、基体140Bの左辺下部側、すなわち第1可動装飾部材141Aの待機位置側に配され、従動側プーリP2が、基体140Bの左辺中央部側、すなわち第1可動装飾部材141Aの動作位置側に配されるようにして設けられる(図46、図47(c)等を参照)。
また、基体140Bの左辺における前述の移動範囲には凹状の案内溝141r(案内レール)が形成されており、当該案内溝141rと、摺動体(スライダー)141sに形成された凸部141tとが係合している(図46、図47(c)、図49、図50(c)等を参照)。このため、摺動体141sは、案内溝141rに案内されて当該案内溝に沿って移動可能となり、その移動範囲が案内溝141rにより規制される。
さらに、摺動体141sには軸141eが固着されており、軸141eは、第1可動装飾部材141Aを支持する支持アーム141gに設けられた軸孔(図示せず)と、前述の連結部材141dに設けられた軸孔(図示せず)とに嵌挿されている。これにより、摺動体141s、支持アーム141gおよび連結部材141dが一体的に連係することとなり、歯付ベルト141の回転により連結部材141dが移動するとともに、これに同期して摺動体141sおよび支持アーム141gも移動することとなる。本実施例では、第1モータ141Maを正転駆動(正回転)することで第1可動装飾部材141Aが上方に(動作位置に向かって)移動し、第1モータ141Maを逆転駆動(逆回転)することで第1可動装飾部材141Aが下方に(待機位置に向かって)移動するものとしている。
また、基体140Bの左辺と、基体140Bの左辺に装着される左カバー140Lのうち、当該基体140Bの中央開口側の側面には、支持アーム141gの上下動を許容する移動孔141hが設けられており、当該移動孔141hの上下方向の範囲内(移動範囲内)で、支持アーム141gが上下に移動可能となっている。この移動孔141hのことを「移動許容手段」または「移動許容部」ともいう。
さらに、本実施例では、図47(a)や図50(a)に示すように、移動孔141hの前後方向(遊技盤2の盤面に対して垂直方向)の大きさ(開孔幅)に関し、第1可動装飾部材141A(支持アーム141g)の待機位置から動作位置に到達する前の所定位置までの範囲では、その大きさ(d1)が、支持アーム141gの軸方向と直交する方向(径方向)の大きさと略同様となっており、当該所定位置から動作位置までの範囲では、その大きさ(d2)が、支持アーム141gの径方向の大きさを上回っている(本例では約2倍以上の大きさ)。つまり、d1とd2の関係がd1<d2となっている。また、図47(b),(c)や図50(b),(c)に示すように、摺動体141sと支持アーム141gとの間には、支持アーム141g(第1可動装飾部材141A)を前方(手前側)に付勢する弾発部材としてのコイルばね141pが設けられている。そして、移動孔141hの上下方向の移動範囲のうち、前後方向の大きさ(開孔幅)がd1の範囲ではコイルばね141pが圧縮された状態となり(図47(b),(c)を参照)、d2の範囲では、コイルばね141pの圧縮が解かれて、支持アーム141gが前方(手前側)に押し出される(図50(b),(c)を参照)。
このため、第1可動装飾部材141Aが、図46に示す待機位置から図49に示す動作位置に移動する場合、第1可動装飾部材141Aは、上方に移動しながら途中で前方(手前側)に移動(突出)し、そのまま動作位置まで移動する。一方、第1可動装飾部材141Aが動作位置から待機位置に移動する場合、第1可動装飾部材141Aは、下方に移動しながら途中で後方(奥側)に移動し(引っ込み)、そのまま待機位置まで移動する。つまり、第1可動装飾部材141Aは、支持アーム141gの移動を許容(案内)する移動孔141hに沿って、上下方向(遊技盤の面方向)への移動が許容されるとともに、移動孔141hの前後方向(奥行き方向)の開孔幅がd1の範囲(所定位置)では、前方(手前側)への移動が規制(制限)され、開孔幅がd2の範囲では、その規制が解かれて前方(手前側)への移動が許容される。尚、移動孔141hのうち開孔幅がd1とされる部位(範囲)のこと(移動孔141hの形状)を、第1可動装飾部材141A(支持アーム141g)の前方への移動(所定動作)を規制する「動作規制手段」または「動作規制部」ともいう。
さらに、本実施例の第1可動装飾部材141Aは、支持アーム141gの外周を覆う装飾カバー141Cと、装飾カバー141Cの前方(手前側)に設けられる前方装飾体141Fと、装飾カバー141Cの後方(奥側)に設けられる後方装飾体141Bと、装飾カバー141Cの内部に設けられて後方装飾体141Bを回転させるための第2モータ141Mbと、により構成されている(図46、図49、図52等を参照)。尚、第2モータ141Mbも、前述の第1モータ141Maと同様にステッピングモータからなるものである。
本実施例では、前方装飾体141Fと後方装飾体141Bとの組み合わせにより太陽を象った形状をなしている。そして、後方装飾体141Bは、装飾カバー141Cの内部に設けられた第2モータ141Mbの回転軸に連結されており(図52を参照)、第1可動装飾部材141Aが動作位置にあるときに、第2モータ141Mbの駆動によって、表示画面7aに対して平行な方向に回転し得るものとなっている。一方、前方装飾体141Fは装飾カバー141Cに固着され、回転等の動的な演出動作は行わないものとなっている。また、前方装飾体141Fと後方装飾体141Bの双方には、図示しない装飾用LEDが組み込まれており、第1可動装飾部材141Aが動作位置にあるときに、装飾用LEDが発光する演出動作を行うことが可能となっている。これにより、後方装飾体141Bは、回転しつつ発光する演出動作を行うことが可能となっている。尚、前方装飾体141Fについても回転等の動的な演出動作を実行し得る構成としてもよい。
以上の第1駆動機構141K、連結部材141d、支持アーム141g、コイルばね141p、案内溝141r、摺動体141s(軸141e)、第1可動装飾部材141A等によって、第1可動演出装置141(可動演出手段)が構成される。このような第1可動演出装置141によって可動演出が行われる場合、その可動演出の開始に際して、第1モータ141Maが正転駆動され、これに伴い、歯付ベルトBLが回転し、連結部材141d、摺動体141sおよび支持アーム141gが上方に向かって一体的に移動する。これにより、第1可動装飾部材141Aが動作位置に向かって移動(上昇)する。そして、当該移動(上昇)の途中では、支持アーム141gがコイルばね141pの弾発力によって前方に押し出され、これにより、第1可動装飾部材141Aは上方へ移動(上昇)しながら前方(手前側)にも移動することとなる(図47、図50等を参照)。この後、第1可動装飾部材141Aは、前方(手前側)に突出した状態で動作位置に到達し、当該動作位置で、後方装飾体141Bの回転・発光や前方装飾体141Fの発光といった演出動作が行われる(図49、図50、図8等を参照)。尚、第1モータ141Maおよび第2モータ141Mbの回転駆動や装飾用LEDの発光による演出動作は、後述するサブ制御基板90の制御下で行われる。
以上までが第1可動演出装置141に係る構成についての説明であるが、第2可動演出装置142についても、第2可動装飾部材142Aを上下に移動させる移動手段としての第2駆動機構142Kをはじめとする基本的な構成は、第1可動演出装置141と同様である。よって、第2可動演出装置142に係る構成についての詳細な説明は省略する。尚、図中、第1可動演出装置141に係る構成の符号で「141」を付しているものについて、第2可動演出装置142に係る構成では「142」の符号を付している。
第1可動演出装置141との相違点を簡単に説明すると、まず、第2可動演出装置142では、第2可動装飾部材142Aの待機位置から動作位置までの移動が上方から下方に向けての移動(下降)である点が、第1可動演出装置141と異なる。すなわち、第1モータ142Maを正転駆動(正回転)することで第2可動装飾部材142Aが下方に(動作位置に向かって)移動し、第1モータ142Maを逆転駆動(逆回転)することで第2可動装飾部材142Aが上方に(待機位置に向かって)移動するものとなっている。また、第2可動装飾部材142A(支持アーム142g)の待機位置と動作位置との間の移動量(移動範囲)が、第1可動装飾部材141A(支持アーム141g)の待機位置と動作位置との間の移動量(移動範囲)に比して短くなっており、これに伴い、支持アーム142gの上下動を許容する移動孔142hの上下方向の長さや、案内溝142r(案内レール)の長さが、第1可動演出装置141のそれに比して短くなっている。
さらに、第2可動演出装置142では、第2可動装飾部材142Aが常時前方から視認可能となる点が、第1可動演出装置141と異なる。すなわち、第1可動演出装置141では、第1可動装飾部材141Aが待機位置にあるとき、当該第1可動装飾部材141Aは、図3、図45、図52等に示すように、ステージ部11の後方に隠れた状態となるが、第2可動演出装置142では、第2可動装飾部材142Aが隠れるような構成を採っておらず、前方から常に視認可能となっている(図3、図45等を参照)。
また、第2可動装飾部材142Aの構成に関し、第1可動装飾部材141Aとは形状が異なるものの、装飾カバー142Cと、前方装飾体142Fと、後方装飾体142Bと、により構成される点は第1可動装飾部材141Aと同様である。そして、前方装飾体142Fは、回転等の動的な演出動作を行わず装飾LED(図中の星型部分)の発光による演出動作を行い、後方装飾体142Bは回転による演出動作を行うものとなっている。
次に、図2及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行など、遊技進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい「遊技制御部」ともいう。)、遊技の進行に伴って実行する演出(表示演出、可動演出等)に関する制御を行うサブ制御基板90(「サブ制御部」ともいい「演出制御部」ともいう。)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう。)、画像表示装置7や演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(画像制御部)等を備えている。
また、図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上にはサブ制御基板90を収納したサブ制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、前述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部)と普図保留記憶部とが設けられている。また、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)のRAM(主制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的には、センサ類として、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35aおよび一般入賞口センサ27aが接続されている。これら各種センサを「遊技球検知手段」ともいう。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入球した遊技球を検知するものである。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内にそれぞれ設けられて一般入賞口27に入球した遊技球を検知するものである。
また、ソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33および第2大入賞口ソレノイド38が接続されている。これら各種ソレノイドを「駆動手段」ともいう。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の扉部材23を駆動するためのものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するためのものである。
さらに、主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47および当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また、主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう。)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1を参照)が含まれる。
払出制御基板110は、所定のプログラムに従って遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう。)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号やパチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。遊技者による発射装置112の発射ハンドル60の操作があった場合には、タッチスイッチ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。尚、本実施例では、発射モータ113の駆動により発射装置112が連続して発射可能な遊技球の数は1分間で約100個となっている。
また、主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図5に示すように、サブ制御基板90には、所定のプログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。尚、入出力回路95は演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよく、ROMは外付けであってもよい。また、サブ制御基板90(演出制御用マイコン91)のRAM(演出制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。尚、サブ制御基板90(サブ制御部)や画像制御基板100(画像制御部)、音声制御基板106(音声制御部)、ランプ制御基板107(ランプ制御部)は、遊技の状況に応じて表示演出や可動演出、音演出、ランプ演出(光演出)等の各種演出を、対応する演出用の装置や部材等(演出手段)に実行させる演出実行手段として機能するものである。
サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示および停止表示に合わせて変動表示および停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数および第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数および第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)を被覆したりすることで、演出図柄8や第1演出保留9a、第2演出保留9b等、表示画面7aに表示される各種画像の一部または全部が視認できない状態になることがあるため、この様な表示器が設けられている。尚、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、または加えて、VDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音データは、サブ制御基板90のROMに格納されている。尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御用マイコン101に音声制御を実行させてもよい。この場合、画像制御基板100のROMに音データを格納してもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう。)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
さらに、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された第1可動演出装置141および第2可動演出装置142(第1モータ141Ma,142Ma、第2モータ141Mb,142Mb)を駆動させる。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材を所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう。)を、サブ制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
また、サブ制御基板90には、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63b(図1を参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチからの信号がサブ制御基板90に入力される。尚、第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dを総称して単に「演出ボタン検知スイッチ」ともいう。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御(取得情報判定手段)について説明する。本実施例では、特別図柄当否判定の結果として「大当り」と「外れ」がある。「大当り」のときには特別図柄表示部41に「大当り図柄」が停止表示され、「外れ」のときには特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。特別図柄当否判定で大当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類(大当り種別)に応じた開放パターンにて大入賞口(第1大入賞口30または第2大入賞口35)を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」という。
本実施例の大当りには複数の種別がある。具体的には、図6に示すように、大当りとして「16R(ラウンド)第1大当り」、「6R第2〜第5大当り」、「16R第6大当り」、「16R第7大当り」、「12R第8大当り」、「6R第9大当り」、「2R第10大当り」、「16R第11大当り」および「2R第12大当り」の計12種類を設けている。これらの大当りのうち、第1特別図柄に係る大当りである「16R第1大当り」および「6R第2〜第5大当り」と、第2特別図柄に係る大当りである「16R第6大当り」および「16R第11大当り」は、何れも、第1大入賞口30(下アタッカー)を用いた大当り遊技に係る大当りである。具体的には、「16R第1大当り」、「16R第6大当り」および「16R第11大当り」は、何れも、第1大入賞口30の開放回数(ラウンド数)が16回で、開放時間が1回の開放(1ラウンド)につき25秒の大当りである。また、「6R第2〜第5大当り」は、何れも、第1大入賞口30の開放回数(ラウンド数)が6回で、開放時間が1回の開放(1ラウンド)につき25秒の大当りである。尚、ラウンドを、単に「R」ともいい、「ラウンド遊技」ともいう。
一方、第2特別図柄に係る大当りである「16R第7大当り」、「12R第8大当り」、「6R第9大当り」、「2R第10大当り」および「2R第12大当り」は、第2大入賞口35(上アタッカー)を用いた大当り遊技に係る大当りである。具体的には、「16R第7大当り」、「12R第8大当り」および「6R第9大当り」は、第2大入賞口35の開放回数(ラウンド数)が夫々16回、12回、6回で、開放時間が何れも1回の開放(1ラウンド)につき25秒の大当りである。また、「2R第10大当り」および「2R第12大当り」は、何れも、第2大入賞口35の開放回数(ラウンド数)が2回、開放時間が何れも1回の開放(1ラウンド)につき0.1秒の大当りである。特別図柄表示部41は、これらの大当り種別に応じた大当り図柄が停止表示される。
尚、16R第1大当り、16R第6大当り、16R第7大当りおよび16R第11大当りのことを総じて「16R大当り」ともいい、6R第2〜第5大当りおよび6R第9大当りのことを総じて「6R大当り」ともいい、2R第10大当りおよび2R第12大当りのことを総じて「2R大当り」ともいう。また、12R第8大当りのことを単に「12R大当り」ともいう。
本実施例のパチンコ遊技機1では、発生(当選)した大当りの種別に応じて、その大当り遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態や時短状態、高ベース状態等に移行させる。すなわち、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の16R第1大当り、6R第2大当り、16R第6大当り、16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当りおよび2R第10大当りの何れかとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態を後述の「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」とする。これに対して、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の6R第3〜第5大当り、16R第11大当りおよび2R第12大当りの何れかとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態を後述の「低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」とする。このことから、16R第1大当り、6R第2大当り、16R第6大当り、16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当りおよび2R第10大当りは「確変大当り」として捉えることができ、6R第3〜第5大当り、16R第11大当りおよび2R第12大当りは「非確変大当り」(通常大当り、時短大当り)として捉えることができる。また、2R大当り(2R第10大当り、2R第12大当り)は、前述したように第2大入賞口35を1ラウンドにつき0.1秒で開放(一瞬開閉)させる大当りであり、このように極短時間で開放する第2大入賞口35に遊技球が入球する可能性は低く、したがって、第2大入賞口35への入球の基づく賞球を獲得できる可能性も低い。このような2R大当りは、所謂「出球なし大当り」ともいい、そのうち2R第10大当りのことを「出球なし確変大当り」ともいい、2R第12大当りのことを「出球なし通常(時短)大当り」ともいう。
また、本実施例では、第2大入賞口35(上アタッカー)を開放させる大当りのうち、16R第7大当り、12R第8大当りおよび6R第9大当りについては、大当りの発生や大当り遊技の開始の際、何れのラウンド数の大当り遊技が行われるのかを、遊技者にとって分かり難いものとしている。すなわち、これらの大当りについては、画像表示装置7(表示画面7a)に表示される演出図柄8の停止表示態様やその他の演出を通じて、これから行われる大当り遊技の正確なラウンド数を把握(判別)し難くしている。このため、これらの大当りは、ラウンドがどこまで続く分からない状況下でラウンドを消化しつつ、6ラウンドや12ラウンドの終了を迎えるタイミング(ラウンド分岐)で、ラウンドがさらに続くか否かに注目するといった遊技性となっている。このような大当りは、所謂「ランクアップボーナス」と呼ばれるもので、以下、この大当りのことを「RUB」と表記することもある。
第1特別図柄(特図1)の当否判定にて大当りとなった場合における各大当りへの振分確率は、16R第1大当りが5%、6R第2大当りが55%、6R第3大当りが5%、6R第4大当りが15%、6R第5大当りが20%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の当否判定にて大当りとなった場合における各大当りへの振分確率は、16R第6大当りが35%、16R第7大当り、12R第8大当りおよび6R第9大当りがそれぞれ8%(つまり、RUBが24%)、2R第10大当りが1%、16R第11大当りが20%、2R第12大当りが20%となっている。すなわち、後述の開放延長機能の作動(高ベース状態の発生)により入球容易となった第2始動口21への入球に基づく当否判定(特図2当否判定)により大当りとなった場合には、第1始動口20への入球に基づく当否判定(特図1当否判定)により大当りとなった場合に比べ、16R大当りの出現率(振分確率)が高くなっている。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(特図1当否判定)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(特図2当否判定)において大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。このため、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行う。特に第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能の作動中においては顕著である。
ここで、本パチンコ遊技機1では、大当りか外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう。)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」、「図柄決定用情報」ともいう。)」に基づいて行われる。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0〜629」までの範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0〜99」までの範囲で値をとる。また、第1始動口20や第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数および大当り種別決定用乱数の他に「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう。)」がある。
変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数であり、「0〜198」までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数であり、「0〜240」までの範囲で値をとる。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄および普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能および開放延長機能の各機能が作動状態または非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」や「確変状態」といい、作動していない状態を「低確率状態」や「通常状態」という。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行うものの、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が多い高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて、当否判定を行う(図8(A)を参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。
また、特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9を参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。
特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しないものとなっている。このため、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなる。具体的に、時短状態では、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(C)を参照)。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(D)を参照)。さらに時短状態では、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放時間延長機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。加えて時短状態では、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。具体的には、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の扉部材23が0.2秒の開放動作を1回行い、時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の扉部材23が2.0秒の開放動作を3回行うものとなっている。
普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう。)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球(持ち球)を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口21が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
本実施例のパチンコ遊技機1では、前述したように、16R第1大当り、6R第2大当り、16R第6大当り、16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当りおよび2R第10大当りの何れかの何れかになった場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。この高確高ベース状態は、高確率状態であることが遊技者にとって明らかな状態であり、遊技者にとってはいわゆる「確変状態」となる。
また、6R第3〜第5大当り、16R第11大当りおよび2R第12大当りの何れかになった場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の通常状態(低確率状態)になるとともに、特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りに当選してその大当り遊技が実行されることにより終了する。
尚、本実施例のパチンコ遊技機1では、遊技状態として「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確高ベース状態」の3つの遊技状態を設定可能としているが、これに加え、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態、すなわち「高確低ベース状態」を設定可能としてもよい。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっているからである。このため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより、左打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域3Bを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(右打ち指示報知)。
これに対して、低ベース状態(例えば低確低ベース状態)では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う。これにより、右打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域3Aを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(左打ち指示報知)。
ここで、発射方向表示器47は「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
[主制御メイン処理]
次に、図10〜図36に基づいて遊技制御用マイコン81の動作(主制御部80による制御処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから図10に示す主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、初期設定を行う(S101)。初期設定では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず、出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。尚、コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a等(図5を参照))が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検知する下皿満杯検知センサ(図示せず)からの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、始動入球時処理(S205)、普図動作処理(S206)、特図動作処理(S207)、保留球数処理(S208)および電源断監視処理(S209)を実行する。その後、本発明に深く関連しないその他の処理(S210)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102〜S104の処理が繰り返し実行され(図10を参照)、割り込みパルスが入力されると(約4ms後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)では、まず、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305の処理に移行し、ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4未満であるか否か判定する(S302)。
普通図柄保留球数が4未満でなければ(S302でNO)、S305の処理に移行する。一方、普通図柄保留球数が4未満であれば(S302でYES)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H、図7(B))を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)には、S309の処理に移行し、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S306)。そして、特図2保留球数が4未満でない場合(S306でNO)には、S309の処理に移行し、特図2保留球数が4未満である場合には(S306でYES)、特図2保留球数に1を加算する(S307)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S310)。そして、特図1保留球数が4未満でない場合(S310でNO)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4未満である場合には(S310でYES)、特図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特図1関係乱数取得処理(S312)では、特図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部のうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[始動入球時処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで始動入球時処理(S205)を行う。図13に示すように、始動入球時処理(S205)では、まず、特図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S315)。そして、特図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S315でYES)、S316の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、特図2保留球数が増加していないと判定した場合(S315でNO)、S319の処理に移行する。
S316では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S316)。次いで、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値を判定する(S317)。S317では、読み出した取得乱数値のうち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)については、現在の遊技状態(低確率状態か高確率状態か)に応じて大当りか外れかを判定し、当該判定の結果が大当りである場合には、さらに大当りの種別を判定する。このS317による判定は、特図2保留についての当否判定(大当りか否かの判定)を、後述の特図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303,S1304)に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
尚、大当りか否かの事前判定は、大当り判定テーブル(図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブルに基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定することが可能である。また、他の事前判定態様として、変動パターン情報を判定可能な変動パターン情報判定テーブルとして、通常状態用(低確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、高確率状態用(高確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、を有するものとする。そして、事前判定においては、取得乱数値(特別図柄当否判定用乱数カウンタの値等)と、遊技状態に応じた変動パターン情報判定テーブルと、に基づいて、所定の変動パターン情報を選択するものとすることが可能である。そして、この選択した変動パターン情報から、大当りかどうかや大当り種別、大当り信頼度の高い遊技演出が実行されるかどうか等を識別可能とすることができる。
次いでS318では、S317による事前判定の結果に係る遊技情報(事前判定情報)、具体的には、特別図柄当否判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否かを示す情報(当否情報)や、大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)を示す情報、変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報等を含むコマンドデータを、特図2始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S318)。尚、特図2始動入球コマンドとして、S316で読み出した特図2取得乱数の値の一部または全部を、そのままサブ制御基板に送信するようにしてもよいし、特図2取得乱数の値はそのまま送信せず、特図2取得乱数の値に基づいて取得した遊技情報(例えば、前述の変動パターン情報等)を送信するようにしてもよい。
また、主制御部80から送信した特図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるかどうか、大当り種別は何れであるか、変動パターンは何れであるか等を、サブ制御部90が識別できるものとされている。また、本実施例では、これに加えて、特図2始動入球コマンドを解析することで、取得した特図2取得乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、及び低確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、を特定可能とされている。これにより、サブ制御部90は、受信した特図2始動入球コマンドを保留(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該演出保留情報を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているかどうかを判定することが可能となる。
尚、不正防止の観点から、S316で読み出した取得乱数値のうち特別図柄当否判定用乱数値を、そのままサブ制御部に送信することはせず、その他の大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)と変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報と、事前判定の結果を示す情報とを含むコマンドデータを特図2始動入球コマンドとして生成し、これをセットすることが可能である。
次いでS319では、前述の特図2に係る処理と同様に、特図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S319)。そして、特図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S319でYES)、S320の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、S319で、特図1保留球数が増加していないと判定した場合(S319でNO)、そのまま処理を終える。
S320では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S320)、時短フラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定した場合(S320でYES)、そのまま処理を終える。一方、S320で時短フラグがOFFである、すなわち低ベース状態であると判定した場合(S320でNO)、S321以降の事前判定に係る処理に進む。ここで、時短フラグがONである場合、すなわち現在の遊技状態が高ベース状態である場合、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特図2の当否判定(図8(B)を参照)が行われやすい状態となっている。また、本実施例では、後述するように特図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するもの(所謂特図2優先変動機)としている。このような構成において、例えば、特図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、特図2保留消化の優先を利用して、任意のタイミングで特図2保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このように大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。このため、現在の遊技状態が低ベース状態でなく高ベース状態である場合には(S320でYES)、S321以降の特図1の事前判定に係る処理を行わず、本処理を終えることとしている。
S321〜S323の処理は、前述したS316〜S318と同様の処理を特図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S321)、読み出した取得乱数値について事前判定を行う(S322)。そして、この事前判定に係る遊技情報を含むコマンドデータを特図1始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S323)。尚、S322の事前判定(保留先読み)は、後述の特図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603,S1604)に先立って行うものである。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動入球時処理(S205)に次いで、図14に示す普図動作処理(S206)を行う。普図動作処理(S206)では、普通図柄表示器42及び可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚、普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図15に示すように、普通図柄待機処理(S402)では、まず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)、この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行い(S502)、次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。普通図柄変動パターン選択処理(S503)を終えたら、後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行い、次いで、普通図柄変動開始処理(S505)を行い、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンに基づいて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また、普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図16に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)では、まず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONであるか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定した場合(S602でYES)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」〜「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定した場合(S602でNO)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。そして、S605で、普図当否判定(S603、S604)の結果が、当り(普図当り)か否かを判定し(S605)、外れと判定された場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定された場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
図17に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)では、まず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図18に示すように、普通図柄変動中処理(S404)では、まず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)、処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行って(S804)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図19に示すように、普通図柄確定処理(S406)では、まず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして、時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]
図20に示すように、普通電動役物処理(S407)では、まず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)、処理を終え、至っていれば(S1003でYES)、第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)、第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
そして、第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(扉部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
これに対して、S1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903またはS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFにするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFにし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S206)に次いで特図動作処理(S207)を行う。特図動作処理(S207)では、図21に示すように、特別図柄表示器41および大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「特図動作ステータス」が「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「特図動作ステータス」が「3」である場合には(S1101、S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101,S1103,S1105の全てがNO)、大当り遊技としての特別電動役物処理(S1107)を行う。尚、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図22に示すように、特別図柄待機処理(S1102)では、まず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、待機画面とする処理中であれば(S1211でYES)、処理を終え、待機画面とする処理中でなければ(S1211でNO)、待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
S1201において特図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1202)、特図2変動パターン選択処理(S1203)、特図2乱数シフト処理(S1204)、特図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYES)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(図8(B))。
[特図2当否判定処理]
図23に示すように、特図2当否判定処理(S1202)では、まず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部85bの最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、大当り判定テーブル(図8(A))のうち通常状態用の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、大当り判定テーブル(図8(A))のうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1304)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
大当り判定(S1303,S1304)の結果が「大当り」と判定した場合(S1305でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1307)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1308)、大当りフラグをONにして(S1309)、処理を終える。一方、大当り判定(S1303、S1304)の結果が「大当り」でないと判定した場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1306)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。ここで、大当り判定(特別図柄当否判定)や大当り種別決定判定を、夫々「判定」といってもよいし、大当り判定を行い何れの大当り図柄となるかを含めて「判定」といってもよい。また、これらの結果を「判定結果」ということもある。
ここで、ラウンド表示器45は、2R用ランプ、6R用ランプ、12R用ランプ及び16R用ランプの4個のLEDで構成されている(図4を参照)。そして、例えば2R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、2R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R▲6△12△16R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。また、6R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、6R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R△6▲12△16R△」の様な表示態様となる。また、12R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、12R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R△6△12▲16R△」の様な表示態様となる。また、16R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、16R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R△6△12△16R▲」の様な表示態様となる。
[特図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(図22)では、特図2当否判定処理(S1202)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。図24及び図25に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)では、まず、遊技状態が時短状態であるか否か(時短フラグがONであるか否か)を判定する(S1401)。S1401で、時短状態でないと判定した場合(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、次いで、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1402)。S1402で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1402でYES)、非時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。本実施例では、変動パターンP1乃至P3の何れかが選択される。尚、本実施例では、変動パターンが決まれば変動時間も決まるものとされている。次いで、S1404の処理に移行する。
一方、S1402で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1402でNO)、次いで第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」であるか否かを判定する(S1405)。ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は「1」〜「4」の何れかの値とされる。そして、S1405で、保留数が「1」又は「2」であると判定した場合(S1405でYES)、第1保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「1,2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。本実施例では、変動パターンP4乃至P7の何れかが選択される。一方、S1405で、保留数が「1」又は「2」でない、すなわち「3」又は「4」であると判定した場合(S1405でNO)、第2保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「3,4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例では、変動パターンP8乃至P11の何れかが選択される。また、第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定されている。また、選択可能な最も短時間の変動時間(12000ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされている。
また、S1401で、時短状態であると判定した場合(S1401でYES)、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1408)。S1408で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1408でYES)、時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。本実施例では、変動パターンP12乃至P14の何れかが選択される。
一方、S1408で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1408でNO)、次いで保留数が「1」であるか否かを判定する(S1410)。ここでいう保留数も前述と同様であり、保留数は「1」〜「4」の何れかの値とされている。S1410で、保留数が「1」であると判定した場合(S1410でYES)、第3保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「1」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP15乃至P18の何れかが選択される。また、S1410で、保留数が「1」でない、すなわち、保留数が「2」〜「4」の何れかであると判定した場合(S1410でNO)、第4保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「2〜4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP19乃至P22の何れかが選択される。ここで、時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンは、非時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンと比較して、短い変動パターンが選択される可能性が高くされている。これは、時短状態において変動時間の短い変動パターンがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早める(時短中の遊技を迅速に進行させる)ためである。
前述のようにして変動パターンの選択を行った後は、図24に示すその他の処理を行い(S1404)、処理を終える。その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする等の処理を行う。また、この処理でセットされた変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御部90に送信される。
[特図2乱数シフト処理]
図26に示すように、特図2乱数シフト処理(S1204)では、まず、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部85bがアドレス「0000」〜「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部85bの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図22に示す特図2変動開始処理(S1205)を実行する。特図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
図22の特別図柄待機処理(S1102)において、特図2保留球数が「0」であり、かつ、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
[特図1当否判定処理]
図27に示すように、特図1当否判定処理(S1207)では、図23に示した特図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601〜S1609)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部85aの最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出して処理を行う。
[特図1変動パターン選択処理]
図28及び図29に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1208)では、図24及び図25に示した特図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の流れで処理(S1701〜S1712)を行う。従って本処理の詳細な説明は省略する。
[特図1乱数シフト処理]
図30に示すように、特図1乱数シフト処理(S1209)では、まず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、図22に示す特図1変動開始処理(S1210)を実行する。特図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図31に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)では、まず、特別図柄の変動時間(図22のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間、図9を参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONであるか否か判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1905)。S1905で確変カウンタが「0」であると判定した場合、確変フラグをOFFし、S1907の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定した場合と(S1903でNO)、確変カウンタが「0」でないと判定した場合には(S1905でNO)、S1907の処理に移行する。
そしてS1907では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」か否かを判定し(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定した場合と(S1907でNO)時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合には(S1909でNO)、S1911の処理に移行する。
S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]
図32に示すように、特別図柄確定処理(S1106)では、まず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、次いで確定した大当りの種別が16R大当りであるか否かを判定し、16R大当りであると判定した場合(S2002でYES)、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値に「16」をセットし(S2003)、S2009の処理に移行する。一方、S2002で、大当りの種別が16R大当りでないと判定した場合(S2002でNO)、確定した大当りの種別が12R大当りであるか否かを判定し(S2004)、12R大当りであると判定した場合(S2004でYES)、ラウンドカウンタの値に「12」をセットし(S2005)、S2009の処理に移行する。一方、S2004で、大当り種別が12R大当りでないと判定した場合(S2004でNO)、確定した大当りの種別が6R大当りであるか否かを判定し(S2006)、6R大当りであると判定した場合(S2006でYES)、ラウンドカウンタの値に「6」をセットし(S2007)、S2009の処理に移行する。一方、S2006で、大当りの種別が6R大当りでないと判定した場合(S2006でNO)、確定した大当りの種別は2R大当りであるため、ラウンドカウンタの値に「2」をセットし(S2008)、S2009の処理に移行する。
S2009では、確定した大当りの種別(種類)に応じた大入賞口開放パターンをセットし(S2009)、S2010の処理に移行する。ここで、前述したように、大入賞口の開放パターンは、大当りの種別に応じて定められているので、今回確定した大当りに対応する大入賞口開放パターンをセットする(図6を参照)。そして、夫々の大当り遊技において、S2009でセットした大入賞口開放パターンに基づく大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開放動作が実行される。
S2010では、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットする(S2010)。本実施例では、オープニングコマンドとして、16R第1大当りに対応する第1オープニングコマンド、6R第2〜第5大当りに対応する第2オープニングコマンド、16R第6大当りに対応する第3オープニングコマンド、RUB(16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当り)に対応する第4オープニングコマンド、2R大当り(2R第10大当り、2R第12大当り)に対応する第5オープニングコマンドおよび16R第11大当りに対応する第6オープニングコマンドの計6種類が設けられている。S2010では、今回確定した大当り(開始する大当り)の種別に応じたオープニングコマンドがセットされる。そして、主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、セットしたオープニングコマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドに基づいて所定の遊技演出の実行処理を行う。
オープニングコマンドをセットしたら、大当り遊技のオープニング期間を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2012)。また、S2001において大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2013)、処理を終える。尚、オープニング期間は、大当り遊技における大入賞口の最初の開放動作を開始する前であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行不能とした後に設定される期間であり、「開始期間」ともいう。また、この「開始期間」において実行する演出を「開始演出(オープニング演出)」ともいう。本実施例では、確定した大当りの種別と、その大当りが確定したとき(つまり、大当り図柄が停止表示されたとき)の遊技状態とによって、オープニング期間(オープニング時間)が決まるものとなっており、前述のオープニングコマンドによってオープニング期間が特定可能となっている。よって、オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドにより特定される大当り種別およびオープニング期間に基づいて、オープニング演出を行うことが可能となっている。
[特別電動役物処理(大当り遊技)]
図33に示すように、特別電動役物処理(S1107)ではまず、確変フラグがONであるか否かを判定し(S2101)、確変フラグがONであると判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFにし(S2102)、次いで、時短フラグがONであるか否かを判定する(S2103)。S2103で、時短フラグがONであると判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFにし(S2104)、S2105の処理に移行する。尚、S2101で確変フラグがONでないと判定した場合(S2101でNO)、S2102の処理を行うことなくS2103の処理に移行し、S2103で時短フラグがONでないと判定した場合(S2103でNO)、S2104の処理を行うことなくS2105の処理に移行する。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態かつ非時短状態に制御される。本実施例では、非時短状態中は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞装置(第1大入賞装置31および第2大入賞装置36)の開放処理が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでなければ(S2105でNO)、次いでラウンドの開始時期であるか否かを判定する(S2106)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大入賞口開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるか否かによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、かつ、所定のインターバル期間が終了している否かによって判定する。
S2106で、ラウンド開始時期であると判定した場合(S2106でYES)、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットし(S2107)、大入賞口開放処理を行う(S2108)。これにより、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)が開放状態となり所定のラウンドが開始することとなる。尚、S2107では、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドがセットされる。セットされたラウンド開始コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。S2108の大入賞口開放処理では、実行される大当りの種別に応じて定められた大入賞口開放パターン、すなわち、前述のS2009でセットした大入賞口開放パターンに基づいて大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を開放させるべく、開閉部材を動作(開動作)させる。
一方、S2106で、ラウンド開始時期でないと判定した場合(S2106でNO)、S2112の処理に移行する。ここで、ラウンド開始時期でないと判定する場合として、例えば、1ラウンド開始前のオープニング期間中やラウンド遊技中、ラウンド遊技終了後のインターバル期間中(大入賞口閉鎖処理中)等を挙げることができる。
S2112では、大入賞口開放動作の実行中であるか否か、すなわち、S2108の処理によって開放された大入賞口が未だ開放中(ラウンド遊技中)であるか否かを判定する(S2112)。その結果、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)でないと判定した場合(S2112でNO)、S2116の処理に移行し、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)であると判定した場合(S2112でYES)、実行中のラウンド遊技の終了条件(ラウンド終了条件)が成立したか否かを判定する(S2113)。
ここで、本実施例のラウンド終了条件として、(1)実行中のラウンド遊技において定められた大入賞口の開放時間(例えば、25s)、つまりラウンド遊技の実行時間が経過したこと、(2)実行中のラウンド遊技において大入賞口に予め定められた規定数(例えば、10球)の遊技球が入球したこと、の2つの条件が定められている。そして、何れか一方の条件が成立すると、当該先に成立した条件に基づいてラウンド終了条件が成立したこととなる。S2113で、ラウンド終了条件が成立していないと判定した場合(S2113でNO)、処理を終える。
一方、S2113で、ラウンド終了条件が成立したと判定した場合(S2113でYES)、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットし(S2114)、S2115の処理に移行する。S2114では、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドがセットされる。セットされたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。
S2115では、大入賞口閉鎖処理を行い(S2115)、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)の開閉部材を動作(閉動作)させて、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖状態とする。また、大入賞口閉鎖処理では、大入賞口(第1大入賞口30又は第2大入賞口35)を閉鎖状態に保つ閉鎖時間、すなわちインターバル時間をセットする。次いで、S2116でインターバル時間が経過したか否かを判定し(S2116)、経過していない(インターバル期間中である)と判定した場合(S2116でNO)、処理を終える。一方、S2116でインターバル時間が経過したと判定した場合(S2116でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2117)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2118)。S2118で、ラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S2118でNO)、処理を終える。一方、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2118でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットすると共に(S2119)、大当りのエンディング期間を開始し(S2120)、大当り終了フラグをONにし(S2121)、処理を終える。尚、ラウンドカウンタの値は、実行する大当り遊技における全てのラウンド遊技を終了すると「0」になる。
S2119では、予め定められた複数のエンディングコマンドの中から、今回の大当り発生時の遊技状態や今回の大当りの種別、大当り遊技後の遊技状態等に応じたエンディングコマンドが選択され、当該選択されたコマンドがセットされる。こうしてセットされるエンディングコマンドの種類によって、実行される(設定される)エンディング期間(エンディング時間)が決まるものとなっている。エンディング期間は、大当り遊技における大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)の全ての開放動作を終了した後であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行可能とする前に設定される期間であり、「終了期間」ともいう。エンディング期間(終了期間)では、第1大入賞口30および第2大入賞口35は閉鎖状態とされている。この「終了期間」に実行する演出を「終了演出(エンディング演出)」ともいう。
そして、主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、S2119でセットしたエンディングコマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該エンディングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該エンディングコマンドに基づいて所定のエンディング演出の実行処理を行う。
また、S2105において、大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、大当り遊技における最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング時間が経過したか否か、すなわち、前述のS2120の処理で開始したエンディング期間の終了タイミングか否かを判定し(S2122)、エンディング時間が経過していないと判定した場合(S2122でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過したと判定した場合(S2122でYES)、大当り終了フラグをOFFにし(S2123)、後述する遊技状態設定処理(S2124)を行う。次いで、大当りフラグをOFFにし(S2125)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2126)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図21)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。尚、以上の特別電動役物処理(S1108)を実行する遊技制御用マイコン81は、「特別遊技実行手段」として機能するものといえる。
[遊技状態設定処理]
図34に示すように、遊技状態設定処理(S2124)ではまず、今回終了した大当り遊技が確変大当りに係るものであるか否かを判定する(S2201)。本実施例では、前述したように、16R第1大当り、6R第2大当り、16R第6大当り、16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当りおよび2R第10大当りの7種類を確変大当りとしていることから、S2201では、それら7種類のうちの何れかに該当するか否かを判定する。そして、今回終了したのが確変大当りであると判定した場合(S2201でYES)、確変フラグをONにするとともに(S2202)、確変カウンタに「10,000」をセットし(S2203)、さらに時短フラグをONにするとともに(S2204)、時短カウンタに「10,000」をセットして(S2205)、処理を終える。
ここで、確変カウンタにセットする値は、高確率における特別図柄当否判定を実行可能な回数である。本実施例においてセットする「10,000」という値(10,000回)は、高確率状態における大当り確率や遊技店の1日の営業時間、当該営業時間内に実行可能な特図当否判定の回数等を考慮すると、実質的には次回の大当りが発生するまで又は営業時間が終了するまで、高確率状態を保証しているのと同じことである。従って、遊技状態が高確率状態に設定された場合には、次回の大当りが発生するまで高確率状態が保証されるといってもよい(実質的に同義である)。また、確変フラグがONの場合には、時短カウンタにも同様に「10,000」がセットされるため、この高確率状態が設定されている間、時短状態(開放延長状態)も共に設定されるといってよい。尚、本実施例の様に、確変カウンタおよび時短カウンタに「10,000」の値を設定して、実質的に次回大当りまで高確高ベース状態を設定するようにしてもよいし、確変フラグおよび時短フラグがONの場合には、カウンタに値をセットすることなく、次回大当りが発生するまで高確高ベース状態を設定する様な制御を採用してもよい。
一方、S2201で、確変大当りでないと判定した場合(S2201でNO)、すなわち、今回終了したのが非確変大当り(通常大当り)に係る大当り遊技である場合、確変フラグをONにすることなく、時短フラグをONにするとともに(S2206)、時短カウンタに「100」をセットして(S2207)、処理を終える。本実施例では、前述したように、6R第3〜第5大当り、16R第11大当りおよび2R第12大当りの5種類を非確変大当りとしているので、これら5種類のうちの何れかに係る大当り遊技が終了すると、遊技状態が、低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)となる。この低確高ベース状態は、特別図柄の変動表示が100回行われること(特別図柄当否判定が100回行われること)、及び次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。尚、時短カウンタおよび確変カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S207)に次いで、保留球数処理(S208)を行う。図35に示すように、保留球数処理(S208)では、まず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数および普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数情報をサブ制御基板90等に送信するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットする(S2502)。この保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)は、次回の割り込み処理(S105)での出力処理(S201)によって出力され、割り込み処理毎に、保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)の出力バッファへのセット(S2502)と、出力処理(S201)とが順次行われる。当該保留球数コマンドを受信したサブ制御部90は、受信した保留球数コマンドに基づいて特図保留球数に増減が生じたと判断した場合、これに応じて、画像表示装置7の表示画面7aにおける演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d)の表示内容を更新する。具体的には、例えば、特図1保留球数が「3」から「4」に1増加した場合、その増加した分の特図1保留球数「4」に対応する第1演出保留9aを第1演出保留表示領域9cに追加表示する。また、特図1保留球数が「2」から「1」に1減少した場合(つまり、第1特図保留が消化された場合)、第1演出保留表示領域9cの左端(特図1保留球数「1」に対応する箇所、図3を参照)に表示されている第1演出保留9aを消去するとともに、これに伴って第1演出保留表示領域9cに表示されている第1演出保留9aを左側に1つ移動(シフト)する。
尚、特図保留球数が加算された際の特図保留球数のデータ、すなわち始動入球(始動入賞)の発生に伴う特図保留球数のデータについては、前述の始動入球コマンドに含めるか、加算後(始動入球後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを始動入球コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。また、特図保留球数が減算された際の保留球数のデータ、すなわち特別図柄の変動開始(特図保留の消化)に伴う特図保留球数のデータについては、前述の変動開始コマンドに含めるか、減算後(特図保留消化後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを変動開始コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S208)に次いで電源断監視処理(S209)を行う。図36に示すように、電源断監視処理(S209)では、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変か否か、当り遊技中か否か、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONにし(S2603)、その後は割り込み処理(図11)に戻ることなくループ処理をする。
[サブ制御メイン処理]
次に、図37〜図44に基づいて、演出制御用マイコン91の動作(サブ制御部90による制御処理)について説明する。尚、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、サブ制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、サブ制御基板90のROMから図37に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まず、CPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
続いて、S4002で、電源断信号がONでかつサブ制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そして、この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、サブ制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。尚、このS4001〜S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。また、本実施例では、演出制御用マイコン91においても、図11に示す遊技制御用マイコン81による電源断監視処理(S209)と同様の処理を行うこととしており、停電などで電源断信号がONになると、そのときの演出制御に係るデータがサブ制御基板90のRAMに記憶されるものとなっている。つまり、停電などの電源断発生時における演出制御に係るデータがバックアップされるものとなっている。このため、停電等の電源断から復帰した後の電源投入時(電断復帰時)に、サブ制御基板90のRAMの初期化(S4003)が行われない限り、演出制御用マイコン91による演出制御の状態は電源断発生前の状態に復帰する。
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値は、サブ制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や、予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。尚、乱数の更新に際して、乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、サブ制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM内の出力バッファ(「サブ出力バッファ」ともいう。)に格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106およびランプ制御基板107のうち、対応するコマンド送信先となる制御基板に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出や、大当り遊技に係る特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7の表示画面7a(演出図柄表示領域7b)上で実行される演出図柄等の表示制御や、各種ランプの点灯制御や、可動装飾部材の動作制御や、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、図38に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをサブ制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図39に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)では、まず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。次いで、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプを発光させるためのランプデータを出力するランプデータ出力処理(S4202)と、第1可動演出装置141(第1可動装飾部材141A、第1モータ141Ma、第2モータ141Mb)や第2可動演出装置142(第2可動装飾部材142A、第1モータ142Ma、第2モータ142Mb)を駆動させるための駆動データを出力する駆動データ出力処理(S4203)とを行う。尚、ランプデータおよび駆動データは、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図40に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)では、まず、後述する受信コマンド解析処理(S4301)と可動装飾部材動作処理(S4302)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてサブ制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4303)、当該スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4304)。その後、ランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4305)。
[受信コマンド解析処理]
図41に示すように、受信コマンド解析処理(S4301)では、まず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4395)、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4395でNO)、S4401の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4395でYES)、演出保留情報記憶処理(S4400)を行って、S4401の処理に移行する。演出保留情報記憶処理(S4400)は、S4395で受信した始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド又は特図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報(事前判定結果、大当り種別決定用乱数値、変動パターン乱数値等の遊技情報)を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式でサブ制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。前述したように、主制御基板80から送られてくる始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド、特図2始動入球コマンド)には、始動入球に基づき事前判定が行われた場合の当該事前判定の結果に関する情報(保留先読み情報)、具体的には、特別図柄当否判定に係る当否情報や、大当り種別決定用乱数値を示す情報、変動パターン乱数値を示す情報等が含まれているので(図13を参照)、これらの情報を演出保留情報として記憶する。例えば、受信した始動入球コマンドが特図1の保留球数「4」に対応する特図1始動入球コマンドである場合、その特図1始動入球コマンドに含まれる事前判定結果や当り種別等の情報を、特図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に、特図1演出保留情報として記憶する。こうして記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いられる。サブ制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(主制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と一致するものである。このことから、サブ制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段」といえる。
次に、S4401では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、後述する変動演出開始処理(S4402)を行って、S4403の処理に移行し、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4406の処理に移行する。S4403では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4403)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4403でYES)、演出図柄を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行う(S4404)。変動演出終了処理(S4404)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。一方、S4403で、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4403でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4405の処理に移行する。尚、変動演出とは、演出図柄8の変動表示やリーチ演出など、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出を指す。
続いて、S4405では、主制御基板80から大当り遊技関連コマンドを受信したか否かを判定する(S4408)。ここで、大当り遊技関連コマンドとは、大当り遊技の実行にあたり主制御基板80から送信されるコマンドのことであり、具体的には、大当り遊技の開始(大当りの発生)に際して送信されるオープニングコマンド(S2010を参照)、ラウンドの開始に際して送信されるラウンド開始コマンド(S2107を参照)、ラウンドの終了に際して送信されるラウンド終了コマンド(S2114を参照)、大当り遊技の終了に際して送信されるエンディングコマンド(S2119を参照)等が該当する。S4405では、これらの大当り遊技関連コマンドの何れかを受信したか否かを判定し、受信していなければ(S4405でNO)、S4407の処理に移行し、受信していれば(S4405でYES)、当該受信したコマンドの種類に応じた演出(大当り遊技関連演出)の実行に係る処理を行う(S4406)。
例えば、受信したコマンドがオープニングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたオープニング演出を指定するオープニング演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、ラウンド開始コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドに応じたラウンド演出を指定するラウンド演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、エンディングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたエンディング演出を指定するエンディング演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。これらのセットした大当りに係る各種の演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、大当り遊技の進行状況に合わせて、オープニング演出やラウンド演出等の大当り遊技に関連する演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
最後にS4407の処理を行い、本処理を終える。S4407では、その他の処理として、前述した各種コマンドを除いた他の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド、保留球数コマンド等)に基づく処理を行う(S4407)。
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4301)にて実行される変動演出開始処理(S4402)について説明する。図42に示すように、変動演出開始処理(S4402)では、まず、変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数処理(S4501)を行う。本実施例では、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングでS4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値(取得情報)に基づいて、実行する演出図柄遊技演出(変動演出)の態様や予告演出の態様、停止表示する演出図柄等を決定する。
次いで、S4502では、受信した変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。そして、変動パターンを指定する情報には、図9に示す変動パターン情報(P1乃至P22)や、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の判定結果(当否判定結果)や、大当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(図8を参照)。また、変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が特図1に係るものなのか特図2に係るものなのかを判別することが可能となる。尚、変動パターン情報や遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
次いで、S4503では、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」〜「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA〜Eに対して割り当てられている。具体的には、モードステータス「1」が演出モードAに対応し、モードステータス「2」が演出モードBに対応し、モードステータス「3」が演出モードCに対応し、モードステータス「4」が演出モードDに対応し、モードステータス「5」が演出モードEに対応する。現在のモードステータスを参照することで、現在の演出モードを特定することが可能である。
ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、演出図柄8の表示態様(例えば、図柄デザイン、数字デザインなど)が異なったり、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なったりする等、画像表示装置7に表示される画像が演出モードによって異なるものとされる。また、演出図柄遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができ、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能とすることができる。本実施例では、演出モードAは低確低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードBは低確高ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードCは高確高ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードD,Eは低確高ベース状態および高確高ベース状態の何れかに制御されているときに実行される。従って、演出モードがA〜Cの何れかである場合、遊技者は演出モードを確認することで、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握することができる。一方、演出モードがDまたはEである場合、遊技者は演出モードを確認しても、現在の遊技状態が低確高ベース状態(時短状態)であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握することは困難である。その意味において演出モードD,Eは、確率非報知モードといえる。尚、本実施例では、16R第1大当り、16R第6大当りおよびRUBの何れかに係る大当り遊技の終了後は演出モードCとなり、6R第2〜第5大当りの何れかに係る大当り遊技の終了後は演出モードDとなり、16R第11大当りに係る大当り遊技の終了後は演出モードBとなり、2R大当りに係る大当り遊技の終了後は演出モードEとなる。
次いで、S4504では、画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材等を用いて行う変動演出のパターン(変動演出パターン)を決めるための図示しない変動演出パターン決定テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)と主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(図9を参照)であった場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した大当り時変動演出パターン決定テーブルがセットされる。変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄遊技演出(変動演出)の実行態様(変動演出パターン)を、予め用意してある複数の変動演出パターンの中から選択することにより決定するためのものである。すなわち、変動演出パターン決定テーブルは、複数種の変動演出のうち、何れの変動演出を実行するのかを決定(選択)するためのテーブルである。本実施例では、演出モード(モードステータス)に対応する複数の変動演出パターン決定テーブル(図示せず)がサブ制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。
次いで、S4505では、S4501において取得した変動演出決定用乱数およびS4504においてセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合した変動演出パターンを選択し、これを設定する(S4505)。変動演出パターンとしては、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄8の変動態様(演出図柄遊技演出の実行態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出(変動演出)において、リーチ演出を実行する場合(リーチ有変動演出)や、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合(キャラクタ変動演出)、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合(ノーマル変動演出)等が決定される。尚、リーチ演出とは、例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りであることを示す場合の演出図柄8の表示態様として、3個の演出図柄8L,8C,8Rがすべて同一(ゾロ目)となる態様(大当り態様、特定態様)を設けている場合において、3個の演出図柄8L,8C,8Rのうちの2個が大当り態様を構成する図柄で停止表示(仮停止)され、残り1個が変動表示を続けている状態で、残り1個の演出図柄が大当り態様を完成させる図柄で停止表示されるか否かを示す演出のことをいう。このようなリーチ演出のことを「特定演出」ともいう。
また、S4505では、S4501において取得した演出図柄決定用乱数および図示しない停止図柄決定テーブルに基づいて、停止表示する演出図柄8(「停止演出図柄」ともいう。)を決定し、これを設定する。演出図柄遊技演出の結果として停止表示される演出図柄8は、特別図柄当否判定の結果が外れであって、リーチ有り外れの場合は「787」等の3個の演出図柄8L,8C,8Rのうち1個の演出図柄が他の演出図柄と異なるバラケ目とされ、リーチ無し外れのときは「635」等の3個の演出図柄8L,8C,8Rのうち少なくとも1個の演出図柄が他の演出図柄が異なるバラケ目とされる。一方、特別図柄当否判定の結果が大当りであって、16R第1大当り及び16R第6大当りの何れかの場合は「777」のゾロ目とされ、6R第2〜第5大当り及び16R第11大当りの何れかの場合は「777」以外の奇数図柄のゾロ目または「666」等の偶数図柄のゾロ目とされ、RUBに相当する大当りの場合は「3★3」等のRUB専用出目(専用図柄)とされる。また、2R大当りの場合は、外れのときと同じ態様(バラケ目)で3個の演出図柄8L,8C,8Rを停止表示するものとしている。但し、2R大当りについては、「135」等の予め定めた出目を停止表示してもよい。尚、前述の演出図柄8の停止表示態様は一例であり、大当りとなったときに停止演出図柄として何を停止表示するかは適宜変更可能である。
本実施例のパチンコ遊技機1には、演出図柄8の変動態様(変動演出パターン)として、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチ(「SPリーチ」ともいう。)A、スーパーリーチB、スーパーリーチC、キャラクタ演出等が設定されており、S4505で、変動演出パターン決定テーブルに基づいて、これらのうち何れの演出を行うか、又はこれらの演出を行わない(これを「ノーマル変動」ともいう。)かが決定される。そして、リーチ有変動演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド(当否判定結果)及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。ここで、変動演出としてスーパーリーチ演出が実行される場合には、ノーマルリーチ演出が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出はリーチ(ノーマルリーチ)演出と比較して大当り信頼度(大当りとなる可能性)の高い遊技演出であるといえる。尚、リーチ演出は、主として、変動時間が30000ms以上の変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを受信した場合に設定(実行)され得る。
また、本実施例では、変動演出パターンとして、可動装飾部材が動作する可動演出を含む演出パターンが設けられている。具体的には、第1可動装飾部材141A(第1可動演出装置141)および第2可動装飾部材142A(第2可動演出装置142)のうち、第1可動装飾部材141Aが動作する第1可動演出を含む第1変動演出パターンと、両者のうち第2可動装飾部材142Aが動作する第2可動演出を含む第2変動演出パターンと、第1可動装飾部材141Aと第2可動装飾部材142Aの双方が動作する第3可動演出を含む第3変動演出パターンと、が設けられている。本実施例の変動演出パターン決定テーブルには、これら第1乃至第3変動演出パターンも含まれており、これらのうち何れの演出を行うか、又はこれらの演出を行わないかが決定される。そして、可動演出を含む変動演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド(当否判定結果)及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかの可動演出が設定される。第1乃至第3可動演出のうち、第3可動演出が実行される場合には、第1可動演出や第2可動演出が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。また、第1可動演出が実行される場合には、第2可動演出が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、可動演出を含む第1乃至第3変動演出パターンのうち、第3変動演出パターンに基づく変動演出は、それら変動演出パターンの中で大当り信頼度(大当りとなる可能性)が最も高い演出であるといえ、以下、第1変動演出パターンに基づく変動演出、第2変動演出パターンに基づく変動演出の順で、大当り信頼度は低くなる。尚、可動演出を含む変動演出は、前述のリーチ演出の場合と同様、主として、変動時間が30000ms以上の変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを受信した場合に設定(実行)され得る。
次いで、S4506では、予行演出の設定に係る予告演出設定処理を行う(S4506)。本実施例では、事前判定結果に基づく予告演出(保留先読み予告)や、現在の特図変動表示(変動演出)に係る予告演出(当該変動予告)など、種々の予告演出が実行可能となっていることから、S4506では、各予告演出について、実行するか否か(実行有無)を含めた予告演出の実行パターン(予告演出パターン)を設定する。具体的には、S4501において取得した予告演出決定用乱数と、サブ制御基板90のROMに記憶された予告決定テーブルとに基づいて、予告演出パターンを、予告演出の実行有無を含めて決定し、この決定結果に基づいて予告演出パターンを設定する。
尚、S4502での変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄当否判定の結果、すなわち、今回の特図変動表示に係る当否判定(大当り判定)の結果(大当り又は外れ)や、同じく変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄の変動パターン情報、すなわち、今回の特図変動表示に係る変動パターンによって、S4506で設定する予告演出パターン、すなわち、実行する予告演出の種類(予告種)や態様、予告演出の有無等は異なるものとなる。また、予告演出を実行する場合、複数の予告演出のうち、一の予告演出(一種類の予告演出)を行うこともあれば、二以上の予告演出(複数種の予告演出)を複合して行うこと、すなわち、一の変動表示中(変動演出中)に複数種の予告演出を各々の実行タイミングで行うこともある。
次いで、S4507では、変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをサブ出力バッファにセットする(S4507)。具体的には、S4505で設定した変動演出パターンおよび停止演出図柄に基づく変動演出を開始したり、S4506で予告演出パターンを設定した場合にはその予告演出パターンに基づく予告演出を含む変動演出を開始したりするための変動演出開始コマンドを、サブ出力バッファにセットする(S4507)。そして、S4507の処理の後、変動演出開始処理を終える。
S4507でセットされた変動演出開始コマンドが、コマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわちS4505で設定された変動演出パターンに対応する所定の変動演出用画像データと、変動演出開始コマンドに基づき特定される予告演出パターン、すなわちS4506で設定された予告演出パターンに対応する所定の予告演出用画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出や予告演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。また、演出表示器102での2個のLEDによる変動表示(点滅表示)も実行する。
[可動装飾部材動作処理]
次に、10msタイマ割り込み処理(S4010)にて実行される可動装飾部材動作処理(S4302)について説明する。図43に示すように、可動装飾部材動作処理(S4302)では、まず、前述した第1乃至第3変動演出パターンの何れかに基づく変動演出を実行中であるか否かを判定する(S4601)。前述したように、本実施例では、演出図柄8の変動演出パターンとして、可動演出を含む変動演出パターンである第1乃至第3変動演出パターンを有している。そこで、S4601では、前述のS4505にて第1乃至第3変動演出パターンの何れかが設定されているか否かを判定し、第1乃至第3変動演出パターンの何れかが設定されている場合(S4601でYES)、すなわち、可動演出を含む変動演出の実行中である場合、S4602の処理に進み、第1乃至第3変動演出パターンの何れも設定されていない場合(S4601でNO)、すなわち、可動演出を含む変動演出の実行中でない場合、可動装飾部材を動作させることはないので、処理を終える。
次いで、S4602では、当該変動演出(実行中の変動演出)にて可動装飾部材(可動演出装置)を動作させるための駆動データ(動作パターンデータ)をセット済であるか否かを判定する(S4602)。駆動データは、後述のS4604,S4606,S4607の処理でセットされるが、その際、駆動データをセット済であることを示すフラグがONになる。このため、S4602では、当該フラグを参照して、駆動データをセット済であるか否かを判定する。その結果、駆動データをセットしてある場合(S4602でYES)、S4608の処理に移行し、未だセットしていない場合(S4602でNO)、今回の可動演出を含む変動演出パターンに即した駆動データ(可動装飾部材の動作パターン)をセットする。具体的には、変動演出パターンが第1変動演出パターンである場合(S4603でYES)、第1可動装飾部材141Aを動作させる第1可動演出の実行に係る第1モータ141Maおよび第2モータ141Mbの駆動データ(第1駆動データ)をセットする(S4604)。また、変動演出パターンが第2変動演出パターンである場合(S4603でNO、S4605でYES)、第2可動装飾部材142Aを動作させる第2可動演出の実行に係る第1モータ142Maおよび第2モータ142Mbの駆動データ(第2駆動データ)をセットする(S4606)。さらに、変動演出パターンが第3変動演出パターンである場合(S4603でNO、S4605でNO)、第1可動装飾部材141Aおよび第2可動装飾部材142Aを動作させる第3可動演出の実行に係る第1モータ141Ma,142Maおよび第2モータ141Mb,142Mbの駆動データ(第3駆動データ)をセットする(S4607)。
次いで、S4608では、第1動作開始タイミングであるか否かを判定する(S4608)。ここで、第1動作開始タイミングとは、待機位置にある可動装飾部材を動作位置に移動させる動作の開始タイミング、すなわち、可動演出の実行を開始するタイミングのことである。可動演出を含む変動演出パターン(第1乃至第3変動演出パターン)には、可動演出の実行タイミング(開始タイミング、終了タイミング)やその実行時間等、可動演出の実行に係る情報が含まれているので、S4608では、今回の(S4505でセットした)変動演出パターン(第1乃至第3変動演出パターンの何れか)に基づいて、第1動作開始タイミングであるか否かを判定する。その結果、第1動作開始タイミングである(第1動作開始タイミングが到来した)と判定した場合(S4608でYES)、第1モータ141Ma,142Maを正転駆動させる(S4609)。
S4609における第1モータの正転駆動は、先のS4604,S4606,S4607の何れかでセットした駆動データに基づいて行うものであり、S4604で第1駆動データをセットした場合(つまり、第1可動演出の場合)には、第1可動演出装置141(第1駆動機構141K)の第1モータ141Maを正転駆動させ、S4606で第2駆動データをセットした場合(つまり、第2可動演出の場合)には、第2可動演出装置142(第2駆動機構142K)の第1モータ142Maを正転駆動させ、S4607で第3駆動データをセットした場合(つまり、第3可動演出の場合)には、第1可動演出装置141(第1駆動機構141K)の第1モータ141Maおよび第2可動演出装置142(第2駆動機構142K)の第1モータ142Maをそれぞれ正転駆動させる。当該第1モータ141Ma,142Maの正転駆動により、待機位置にある第1可動装飾部材141Aと第2可動装飾部材142Aの何れか一方または両方が、動作位置(表示画面7aの上下中央付近)に向かって移動する。
次いで、S4610では、動作位置センサがONである否かを判定する(S4610)。ここで、本実施例では、第1可動演出装置141および第2可動演出装置142の各々について、歯付ベルトBLの回転とともに移動する連結部材141d,142dや支持アーム141g,142g、摺動体141s,142s等(図47、図48等を参照)の一部(被検知部)を、可動装飾部材が待機位置(初期位置)にあるときに検知可能な待機位置センサ(第1位置センサ)と、動作位置にあるときに検知可能な動作位置センサ(第2位置センサ)とを設けている(図示せず)。S4610では、これらセンサのうち、動作位置センサがONであるか否かを判定し、ONであれば(S4610でYES)、第1モータの駆動を停止して(S4611)、図44のS4613の処理に移行し、ONでなければ(S4610でNO)、第1モータの駆動を停止することなくS4613の処理に移行する。動作位置センサは、可動装飾部材が移動して動作位置に到達するとONになるので、これに伴い、第1モータの駆動を停止するのである。これにより、可動装飾部材は動作位置で停止した状態となる(図49、図50、図51等を参照)。
また、前述のS4608にて第1動作開始タイミングでないと判定した場合(S4608でNO)、第1モータの正転駆動中であるか否か、すなわち、可動装飾部材が待機位置から動作位置に向けて移動中であるか否かを判定し(S4612)、正転駆動中(移動中)であれば(S4612でYES)、S4610の処理を行い、正転駆動中(移動中)でなければ(S4612でNO)、S4613の処理に移行する。
次いで、S4613(図44)では、第2動作開始タイミングであるか否かを判定する(S4613)。ここで、第2動作開始タイミングとは、動作位置に達した可動装飾部材の前方装飾体を発光させたり後方装飾体を回転・発光させたりする演出動作を開始するタイミングのことであり、また、後述の第2動作終了タイミングとは、動作位置での可動装飾部材(前方装飾体、後方装飾体)による演出動作を終了するタイミングのことである。尚、可動装飾部材が待機位置から動作位置まで移動する動作のことを「第1動作」や「第1演出動作」ともいい、動作位置に達した可動装飾部材(前方装飾体、後方装飾体)による更なる演出動作(発光、回転等)のことを「第2動作」や「第2演出動作」ともいう。
可動演出を含む変動演出パターン(第1乃至第3変動演出パターン)には、動作位置にある可動装飾部材(前方装飾体、後方装飾体)による演出動作(第2演出動作)の実行に係る情報(開始タイミング、終了タイミング、実行時間等)も含まれているので、S4613では、今回の(S4505でセットした)変動演出パターン(第1乃至第3変動演出パターンの何れか)に基づいて、第2動作開始タイミングであるか否かを判定する。その結果、第2動作開始タイミングでないと判定した場合(S4613でNO)、S4615の処理に移行し、第2動作開始タイミングである(第2動作開始タイミングが到来した)と判定した場合(S4613でYES)、第2演出動作を開始する(S4614)。具体的には、前方装飾体の装飾LEDを発光させたり、後方装飾体の装飾LEDを発光させたり、第2モータを駆動させて後方装飾体を回転させたりする(S4614)。
次いで、S4615では、第2動作終了タイミングであるか否かを判定し(S4615)、第2動作終了タイミングであれば(S4615でYES)、第2演出動作を終了し(S4616)、第1モータ141Ma,142Maを逆転駆動させる(S4617)。当該逆転駆動により、動作位置にある第1可動装飾部材141Aと第2可動装飾部材142Aの何れか一方または両方が、待機位置に向かって移動する。
次いで、S4618では、待機位置センサがONである否かを判定する(S4618)。前述したように、第1可動演出装置141および第2可動演出装置142の各々について、可動装飾部材が待機位置(初期位置)にあることを検知可能な待機位置センサ(図示せず)が設けられているので、S4618では、当該待機位置センサがONであるか否かを判定し、ONでなければ(S4618でNO)、第1モータの駆動を停止することなく処理を終え、ONであれば(S4618でYES)、第1モータの駆動を停止して(S4619)、処理を終える。待機位置センサは、可動装飾部材が移動して待機位置に到達するとONになるので、これに伴い、第1モータの駆動を停止するのである。これにより、可動装飾部材は待機位置で停止した状態となる(図46、図47、図48等を参照)。
また、前述のS4615にて第2動作終了タイミングでないと判定した場合(S4615でNO)、第1モータの逆転駆動中であるか否か、すなわち、可動装飾部材が動作位置から待機位置に向けて移動中であるか否かを判定し(S4620)、逆転駆動中(移動中)であれば(S4620でYES)、S4618の処理を行い、逆転駆動中(移動中)でなければ(S4620でNO)、処理を終える。
以上の実施例1に係るパチンコ遊技機1では、表示画面7aの手前側において、可動演出装置(第1可動演出装置141、第2可動演出装置142)の可動装飾部材(第1可動装飾部材141A、第2可動装飾部材142A)が、上下方向(表示画面7aに対して平行な方向、つまり、遊技盤2の面方向)に移動可能となっている。そして、可動演出装置(第1可動演出装置141、第2可動演出装置142)による可動演出が行われる場合、可動装飾部材は、待機位置(第1位置)と動作位置(第2位置)との間を移動する。このとき、可動装飾部材は、待機位置から動作位置への移動に際し、当該移動範囲のうち、可動装飾部材(支持アーム)の前方への移動(突出)が規制される範囲(開孔幅がd1の範囲)を外れると、前方(表示画面7aに対して手前側垂直方向)に突出して、そのまま動作位置まで移動する。一方、動作位置から待機位置への移動に際し、当該移動範囲のうち、可動装飾部材(支持アーム)の前方への移動(突出)が許容される範囲(開孔幅がd2の範囲)を外れると、可動装飾部材は後方(奥側)に引っ込み、そのまま待機位置まで移動する。
このように、可動装飾部材は、待機位置にあるときと動作位置にあるときで、表示画面7a(遊技盤2の盤面)に対して垂直方向(前後方向)の位置が異なるものとなり、この垂直方向の位置関係の相違、すなわち、可動装飾部材(支持アーム)の前方への移動(突出)が規制される状態と規制されない状態とが、表示画面7aの上下方向(遊技盤2の面方向)への移動に伴って生じるものとなっている。これにより、可動装飾部材が単に往復移動するだけでなく、当該可動装飾部材の動きに更なる変化(前後方向の変位)が加わることとなるので、可動装飾部材(可動演出装置)による演出動作(可動演出)の多様化を図り、可動演出による演出効果を高めることが可能となる。
また、実施例1に係るパチンコ遊技機1では、可動装飾部材が動作位置にあるときは、待機位置にあるときに比べ、表示画面7aとの間隔が広くなるものとなっている。つまり、可動装飾部材と表示画面7aとの間隔(クリアランス)が狭くなったり広くなったりする。そして、可動装飾部材と表示画面7aとの間隔が広くなった状態(動作位置)で、可動装飾部材の後方装飾体を回転させるものとしている。このように、可動装飾部材と表示画面7aとの間隔が広くなることで、可動装飾部材の演出動作に課される制約(例えば、可動範囲や可動量、動作態様等に係る制約)を減らして、比較的動きの大きい(派手な)演出動作を行うことが可能となる。この結果、可動演出による演出効果を高めることが可能となる。
また、実施例1に係るパチンコ遊技機1では、待機位置と動作位置との間における可動装飾部材の移動に加え、動作位置にて、可動装飾部材の発光や回転といった演出動作(第2演出動作)を行うものとなっている。つまり、可動装飾部材が待機位置から動作位置に移動する際、当該可動装飾部材が上方に移動しつつ手前側に移動(突出)し、その上で、可動装飾部材による更なる演出動作(発光、回転等)が行われるものとなっている。このように、可動装飾部材による演出動作を変化に富んだものとすることで、演出効果をより高めることが可能となる。
また、実施例1に係るパチンコ遊技機1では、遊技領域3を流下する遊技球を受け入れて転動させることが可能なステージ部11を備えており、第1可動装飾部材141A(下可動装飾部材)が待機位置(ステージ部11に近い位置)にあるとき、当該第1可動装飾部材141Aは、遊技盤2の盤面表側から盤面裏側方向へ離れた位置に存在する状態となる(図52を参照)。これにより、ステージ部11の存在による制約を受けることなく、また、ステージ部11の機能を損なうことなく、可動装飾部材(可動演出装置)による演出動作の多様化を図ることが可能となる。
また、実施例1に係るパチンコ遊技機1では、可動演出ユニット14の外形を成す枠体(枠部材)を構成する基体140Bと左右カバー140L,140Rに設けられる移動孔141h,142hの形状によって、可動装飾部材(支持アーム)の上下動を許容するとともに、前方(手前側)への移動(所定動作)を規制するものとなっている。つまり、可動装飾部材(支持アーム)の上下動を許容する機能と、可動装飾部材の前方(手前側)への移動(所定動作)を実行不能(規制)または実行可能(規制解除)とする機能とを、一つの移動孔に集約したものとなっている。これにより、可動装飾部材(可動演出装置)に係る構造の簡素化を図りつつ、演出動作の多様化を図ることが可能となる。
また、実施例1に係るパチンコ遊技機1では、センター装飾体10の上下に可動装飾部材(第1可動装飾部材141A、第2可動装飾部材142A)を1つずつ配し、それぞれの可動装飾部材が、表示画面7aの手前側を上下方向に移動しつつ前後方向にも移動し得るものとなっている。これにより、可動装飾部材(可動演出装置)による演出動作の多様化を図り、演出効果を一層高めることが可能となる。
次に、本発明の実施例2について説明する。実施例2は、前述した実施例1と共通する部分と異なる部分とが存在するため、以下、実施例1と異なる部分を中心に説明する。
本実施例では、可動演出ユニット(可動演出装置)の一部構成が実施例1と異なっており、これに伴って、可動演出の実行態様も異なっている。まず、本実施例の可動演出を具現化する可動装飾部材は、図53に示すように、下可動装飾部材641Aと上可動装飾部材642Aとからなるもので、それぞれ上下に対向して配されている。下可動装飾部材641Aは、実施例1の第1可動装飾部材141Aに代わるもので、上可動装飾部材642Aは、実施例1の第2可動装飾部材142Aに代わるものである。下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aは、いずれも、表示画面7aの左右に亘ってに延びる横長矩形状をなしている。各可動装飾部材の外観(装飾カバー641C,642C)は、センター装飾体10や装飾部材13との意匠面の統一が図られた所定の装飾(図示省略)が施されたものとなっている。
下可動装飾部材641Aは、ステージ部11の近傍(ステージ部下方)を待機位置(第1位置)とし、表示画面7aの上下方向の中央近傍を動作位置(第2位置)として、これら2つの位置の間を往復移動することが可能となっている(図53、図54を参照)。待機位置(第1位置)にあるときは、遊技盤2(ステージ部11)の後方に位置してその全体を視認することはできないものとなっている。一方、上可動装飾部材642Aは、表示画面7aの上部であって装飾部材13の真下を待機位置(第1位置)とし、表示画面7aの上下方向の中央近傍を動作位置(第2位置)として、これら2つの位置の間を往復移動(上下動)することが可能となっている(図53、図54を参照)。また、下可動装飾部材641Aと上可動装飾部材642Aには、それぞれ、後述する動作体641B,642Bが内蔵されている。これら動作体は、普段は外部から視認不能となっているが、動作時に表示画面7aの手前側に出現して視認可能となる。
これら可動装飾部材641A,642Aによる本実施例の可動演出は、概ね次のようにして行われる。まず、図53のように各可動装飾部材が待機位置にある状態(第1状態)で、その動作タイミングが到来すると(第1動作条件成立)、下可動装飾部材641Aが表示画面7aの手前側を上昇するとともに、上可動装飾部材642Aが表示画面7aの手前側を下降する。その後、それぞれが表示画面7aの中央近傍の動作位置に到達すると、当該動作位置で停止して(第2状態)、両者が一体的になる(第1演出動作:図54(a)を参照)。このとき、表示画面7aの表示領域(演出図柄表示領域7b)は、その中央左右方向が可動装飾部材641A,642Aによって覆い隠され、上下に2分割された態様で表示される(2画面演出表示)。この後、さらに動作体641B,642Bの動作タイミングが到来すると(第2動作条件成立)、各動作体が動作して、下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aの内部(装飾カバー641C,642Cの内部)から、動作体641B,642Bが出現する(第2演出動作:図54(b)を参照)。このとき、表示画面7aの上下2分割された表示領域は、それぞれ中央上下方向が動作体641B,642Bによって覆い隠されることで、さらに左右に2分割され、この結果、表示領域は4分割された態様で表示される(4画面演出表示)。このように、本実施例の可動演出は、各可動装飾部材および各動作体による演出動作と、画像表示装置7(表示画面7a)による演出表示との連携により、表示領域を分割する演出として行われる。
次に、図55乃至図58に基づいて、本実施例の可動演出ユニット64について説明する。図55に示すように、本実施例の可動演出ユニット64は、実施例1と同様、主に、基体640B、左カバー640L、右カバー640R、第1可動演出装置(下可動演出装置)641および第2可動演出装置(上可動演出装置)642によって構成されるものである。ここで、本実施例の可動装飾部材641A,642Aは、前述したように、表示画面7aの左右方向に延びる横長の矩形状としているため、第1可動演出装置641および第2可動演出装置642の各々について、各可動装飾部材を上下動させる移動手段としての駆動機構を左右一対で設けている。すなわち、第1可動演出装置641に含まれる駆動機構として、左右一対の第1駆動機構641Kを備え、第2可動演出装置642に含まれる駆動機構として、左右一対の第2駆動機構642Kを備える。
各駆動機構641K,642Kの構成、すなわち可動装飾部材を上下動させるメカニズムは、基本的には実施例1と同様であり、2つのプーリ(駆動側プーリP1、従動側プーリP2)に懸架された歯付ベルトBLの回転により、可動装飾部材を上下動させるものである。但し、本実施例では、駆動機構を左右一対としていることから、そのうちの一方に、駆動側プーリP1に連結される駆動モータ(第1モータ)を設け、他方には駆動モータを設けない構成としている。具体的には、図55(a)や図56(a)に示すように、第1駆動機構641Kおよび第2駆動機構642Kのそれぞれについて、左右一対の駆動機構のうち右側の駆動機構に、第1モータ641Ma,642Maを設け、左側の駆動機構にはモータを設けないものとしている。このため、左側の駆動機構は、右側の駆動機構のモータを除いたものとなっている。但し、左右両方の駆動機構にモータを設けてもよい。
また、本実施例では、各駆動機構641K,642Kを左右一対で設けることに対応して、各可動装飾部材641A,642Bの上下動を許容する移動孔(移動許容手段、移動許容部)についても、左右一対で設けている。具体的には、図55(b),(c)に示すように、基体640Bの左辺および左カバー640Lの右側面(基体中央開口の左側面)と、基体640Bの右辺および右カバー640Rの左側面(基体中央開口の右側面)との各々に、下可動装飾部材641Aの上下動を許容する左右一対の移動孔641hと、上可動装飾部材642Aの上下動を許容する左右一対の移動孔642hと、を設けている。
下可動装飾部材641A(第1可動演出装置641)の第1演出動作(上下動)に係る構成は、実施例1の第1可動装飾部材141A(第1可動演出装置141)の第1演出動作(上下動)に係る構成と同様である。すなわち、第1可動演出装置641を構成する第1駆動機構641K、連結部材641d、支持片641g(実施例1の支持アーム141gに相当)、コイルばね641p、案内溝641r(案内レール)、摺動体641s(軸641e)等は、実施例1と比べ形状やサイズ等に違いはあるものの、基本的には実施例1と同様である。このため、下可動装飾部材641Aは、待機位置(初期位置)では、奥側に引っ込んだ状態、すなわち、ステージ部11の後方であって画像表示装置7の表示画面7a寄りに位置した状態となり、動作位置では、手前側に押し出された状態、すなわち、表示画面7aから離れた状態となる。
但し、本実施例では、支持片641gの上下動を許容する移動孔641hの形状が、実施例1の移動孔141hの形状(図47(a)等を参照)と異なっているため、下可動装飾部材641Aの前後方向の変位の仕方が、実施例1と異なっている。具体的には、実施例1の移動孔141hは、図47(a)等に示すように、待機位置と動作位置との間における前後方向の開孔幅が「d1」と「d2」の2種類となっており、その開口幅の違いを利用して、第1可動装飾部材141Aが上下に移動する途中で前後方向に変位するものとしていた。これに対し、本実施例では、図55(b),(c)に示すように、待機位置(下方)と動作位置(上方)との間で、移動孔641hの前後方向の開孔幅を同じ(一定)とし、移動孔641hを待機位置(下方)から動作位置(上方)に向けて手前側(前方)へ傾斜させている。したがって、本実施例では、下可動装飾部材641Aが待機位置から動作位置に(面方向へ)移動する場合、支持片641gが移動孔641h内を上方へ移動しつつ徐々に手前側へ押し出されることとなる。一方、下可動装飾部材641Aが動作位置から待機位置に(面方向へ)移動する場合、支持片641gが移動孔641h内を下方へ移動しつつ徐々に奥側に引っ込むこととなる。これにより、本実施例の下可動装飾部材641Aは、上下方向の移動に伴って少しずつ前後方向に変位するものとなっている。
一方、上可動装飾部材642A(第2可動演出装置642)の第1演出動作に係る構成は、実施例1の第2可動装飾部材142A(第2可動演出装置142)の第1演出動作に係る構成と一部が異なっている。まず、本実施例の上可動装飾部材642Aの上下動に際しては、前後方向の変位が生じないものとしている。具体的には、上可動装飾部材642A(支持片642g)が、動作位置にある下可動装飾部材641A(支持片641g)の上方延長線上(真上)を上下に真っ直ぐ移動し得るように、移動孔642hの形状が定められている(図55(b),(c)を参照)。また、上可動装飾部材642Aの前後方向の変位を生じさせないことから、本実施例の上可動装飾部材642Aに関しては、実施例1の可動装飾部材や本実施例の下可動装飾部材641Aに係る摺動体と一体的に組み付けられる連結部材やコイルばね、軸等(図47(b),(c)、図48(b),(c)等を参照)を備えていない。これに代えて、本実施例の第2可動演出装置642に係る摺動体642sは、図57(a),(b)に示すように、第2駆動機構642Kの歯付ベルトBLと連結するための連結部642dを一体成型により設けたものとしている。尚、本実施例では、上可動装飾部材642Aに係る摺動体642sに関し、右側の第2駆動機構642Kにより動かすものと、左側の第2駆動機構642Kにより動かすものとで、構成が異なるものとなっている。この点については後述する。
また、第2可動演出装置642では、上可動装飾部材642Aが待機位置(上方)と動作位置(下方)との間を移動(上下動)する過程で、当該上可動装飾部材642Aを、表示画面7aの表示面(遊技盤2の盤面)に対して垂直方向に180度回転させて、上可動装飾部材642Aの表裏を反転させるものとしている。このため、上可動装飾部材642Aは、待機位置にあるときと動作位置にあるときとで、表裏が逆になる。この反転(回転)は、次のような構成を備えることにより実行可能となっている。まず、上可動装飾部材642Aを構成する装飾カバー642Cの左右には支持片642gが設けられているが(図55、図56等を参照)、左右の支持片642gには、それぞれ、径の大きい部位(以下「大径部」ともいう。)と、小さい部位(以下「小径部」ともいう。)と、が形成されており、左右両端に小径部が位置するものとなっている(図56(b)を参照)。
左右の支持片642gのうち、左側の支持片642gの小径部は、図57(a)に示す左側の摺動体642sに設けられた支持穴により回転可能に支持される。一方、右側の支持片642gの小径部は、図57(b)に示す右側の摺動体642sに設けられた支持穴に抜け止め状に支持される。ここで、右側の摺動体642sには、モータ(図示せず)と当該モータにより回転駆動される回転体とを有する回転機構が組み込まれており、その回転体に支持穴が形成されている。この支持穴に対して右側の支持片642gの小径部を挿嵌して抜け止め状に固定している。したがって、回転体が回転することにより、支持穴に固定された小径部(つまり、右側の支持片642g)も一体になって回転し、これに伴い、上可動装飾部材642A(装飾カバー642c)が回転することとなる。
そして、左右の支持片642gの大径部は、前述の左右一対の移動孔642hの中に収まって、当該移動孔642hに沿って移動する。ここで、図55(b)に示すように、左側の移動孔642hは、上下移動範囲の全てにおいて前後方向の開孔幅が同じとなっている。また、当該左側の移動孔642hに収まる大径部は、その径方向の断面形状が円形(真円)となっており、その直径は、左側の移動孔642hの開孔幅と略同じとなっている。よって、左側の支持片642gの大径部は、左側の移動孔642h内のどの位置においても回転可能である。
一方、図55(c)に示すように、右側の移動孔642hは、上下移動範囲のうち、上端(待機位置)から約1/4の範囲における開孔幅d3を、それより下方の残りの範囲における開孔幅d4よりも僅かに短くしたものとなっている。また、当該右側の移動孔642hに収まる大径部は、径方向の断面形状が、円の一部を直線状に切り欠いた形状となっており、「当該直線状に切り欠いた部分(平坦部)の中央から当該断面中心までの長さ」と「平坦部を除いた円弧部分の半径」とを足した長さが、前述の開孔幅d3と略同じとなっており、当該円弧部分の直径は、前述の開孔幅d4と略同じとなっている。そして、右側の支持片642gの大径部が開孔幅d3の範囲に位置しているときは、当該大径部の平坦部が右側の移動孔642hの開孔端と当接するため、右側の支持片642gの回転は阻止される。このため、右側の支持片642gの大径部が開孔幅d3の範囲内にあるときは、上可動装飾部材642A(装飾カバー642c)が回転不能となる。これに対し、上可動装飾部材642A(支持片642g)が移動孔642h沿って下降し、大径部が開孔幅d3の範囲を抜けて開孔幅d4の部位に達すると、前述の平坦部と開孔端との当接が解かれるため、右側の支持片642gの大径部は、その開孔幅d4の範囲内において回転可能となる。この結果、右側の支持片642gの大径部が開孔幅d4の範囲内にあるときには、左右の支持片642gの大径部が移動孔642h内で回転可能となるため、上可動装飾部材642A(装飾カバー642c)は回転可能となる。
以上の構成により、上可動装飾部材642A(第2可動演出装置642)は、上下方向の移動と、前後方向の回転(反転)とが可能となっている。尚、本実施例に係る右側の移動孔642hのうち開孔幅がd3とされる部位(範囲)は、上可動装飾部材642A(支持片642g)の回転(反転)動作(所定動作)を規制することから、前述した「動作規制手段」または「動作規制部」ともいえる。
また、本実施例の可動装飾部材641A,642Aは、前述したように、それぞれ動作体641B,642Bを内蔵している。この動作体641B,642Bによる動作(第2演出動作)は、次の構成を備えることにより実現される。まず、図55に示すように、基体640Bの左辺における上下方向の略中央であって、案内溝641rと基体中央開口との間には、動作体641B,642Bを動作させるための駆動機構643Kが設けられている。この駆動機構643Kは、ステッピングモータからなる第3モータ643Mと、外周に歯部が形成された3つの円形ギヤ643a,643b,643cとにより構成されるもので、基体640Bに対して組み付けられている。3つの円形ギヤ643a,643b,643cのうち、最上部に位置する円形ギヤ643aは後述する第1ラックギヤ643rと噛合するものであり、最下部に位置する円形ギヤ643cは第3モータ643Mの回転軸(駆動軸)に固着されるものであり、円形ギヤ643aと円形ギヤ643cとの間に位置する円形ギヤ643bは、上下の円形ギヤ643a,643bと噛合するものである。つまり、第3モータ643Mを回転駆動すると、この回転が、円形ギヤ643c(駆動ギヤ)および円形ギヤ643b(伝達ギヤ)を介して最上部の円形ギヤ643aに伝達されるものとなっている(図55(a)、図58を参照)。
また、図58に示すように、上可動装飾部材642Aは、主として、装飾カバー642Cと、当該装飾カバー642Cの内部に配される動作体642Bおよび駆動片642Fとを含んで構成される。ここで、上可動装飾部材642Aは、前述したように、待機位置と動作位置との間を移動中に反転するものとなっており、待機位置にあるときと動作位置にあるときとで、表裏が逆になる。尚、図58は、上可動装飾部材642Aが動作位置に到達して下可動装飾部材641Aと一体になる際の様子を示しているので、以下、上可動装飾部材642Aの構成に係る説明で示す方向は、図58に示す動作位置にある上可動装飾部材642Aを基準とする。
上可動装飾部材642Aに係る駆動片642Fは、装飾カバー642Cの内部を左右へ移動可能(摺動可能)に配置されている。また、動作体642Bは、その一端(左端)が装飾カバー641C内の略中央に位置して回転可能に軸支されており、他端(右端)がフリーとなっている。この動作体642Bは、普段(非動作時)は、その全体が装飾カバー641C内に略水平状態で収まっており(図58(a)を参照)、動作時には、一端(左端)を支点として他端が上方(反時計回り)に約90度移動転して、動作体642Bの略全体が装飾カバー642Cの上辺から上向きに起立した状態で出現するようになっている(図58(b)を参照)。尚、装飾カバー642Cの上辺には、動作体642Bの出入りを可能とする図示しない開口が形成されている。また、動作体642Bの一端(左端)には、外周に歯部を有する円形ギヤ642vが、動作体642Bと一体となって回転し得るように、動作体642Bとともに軸支されている。
また、駆動片642Fの左側には、前述した駆動機構643Kの円形ギヤ643aの外周歯部と噛合可能な歯部を有する第1ラックギヤ643rが形成されており、駆動片642Fの右側には、動作体642Bの円形ギヤ642vの歯部と噛合する歯部を有する第2ラックギヤ642wが形成されている。ここで、図58(a)に示すように、駆動片642Fは、コイルばね642qによって右方向に付勢されており、これにより、普段は、円形ギヤ642vが反時計回り方向に回転せず、動作体642Bが略水平状態に保たれるものとなっている。そして、駆動機構643Kの第3モータ643Mを駆動(正転駆動)して、円形ギヤ643c(駆動ギヤ)を反時計回りに回転させると、円形ギヤ643b(伝達ギヤ)が時計回り、円形ギヤ643aが反時計回りにそれぞれ回転し、当該円形ギヤ643aと噛合する第1ラックギヤ643rの作用により、駆動片642Fが左方向へ移動(スライド)する。この左方向への移動(スライド)により、当該駆動片642Fの右側に形成された第2ラックギヤ642wと噛合する円形ギヤ642vが反時計回りに回転し、これに伴い、動作体642Bが動作して装飾カバー642Cの上辺から出現し、上向きに起立した状態となる(図58(a)→図58(b))。一方、動作体642Bが起立した状態(出現した状態)で、駆動機構643Kの第3モータ643Mを駆動(逆転駆動)して、円形ギヤ643c(駆動ギヤ)を時計回りに回転させると、円形ギヤ643b(伝達ギヤ)が反時計回り、円形ギヤ643aが時計回りにそれぞれ回転し、当該円形ギヤ643aと噛合する第1ラックギヤ643rの作用により、駆動片642Fが右方向へ移動(スライド)する。この右方向への移動により、第2ラックギヤ642wと噛合する円形ギヤ642vが時計回りに回転し、これに伴い、動作体642Bが動作して装飾カバー642Cの内部に収まった状態となる(図58(b)→図58(a))。このようにして、動作体642Bによる演出動作(第2演出動作)が実現されるのである。尚、本実施例では、上可動装飾部材642Aに係る左側の支持片642g(大径部、小径部)を中空状としており(図55(b)、図56(b)を参照)、その空間内を、駆動片642Fの第1ラックギヤ643rが形成された部位が左右に移動し得るものとなっている。
以上が上可動装飾部材642Aに係る構成であるが、下可動装飾部材641Aについても、基本的な構成は上可動装飾部材642Aと同様である。すなわち、図58に示すように、下可動装飾部材641Aは、主として、装飾カバー641Cと、当該装飾カバー641Cの内部に配される動作体641Bおよび駆動片641Fとを含んで構成されており、装飾カバー641C内の構造(下可動装飾部材641Aの内部構造)は、上可動装飾部材642Aに係る装飾カバー642C内の構造(上可動装飾部材642Aの内部構造)を上下逆にした形となっている。但し、下可動装飾部材641Aの駆動片641Fには、上可動装飾部材642Aに係る駆動片642Fの左側に設けられていた第1ラックギヤ643rに相当するラックギヤが設けられておらず、第2ラックギヤ641wのみ設けられている。
そして、上可動装飾部材642Aの駆動片642Fには、当該上可動装飾部材642Aが動作位置にある状態(反転した状態)で下向きに突出する逆L字状の係合突起642u(係合部)が設けられており(図56(a)、図58等を参照)、下可動装飾体641Aの駆動片641Fには、その係合突起642uの先端部分(左端部)が当接し得る当接用突起641uが設けられている。ここで、図56(b)に示すように、上可動装飾部材642Aに係る装飾カバー642Cの下辺には、係合突起642uを当該カバー外に突出させるとともに、駆動片642Fの左右方向への移動に伴って係合突起642uを同方向へ移動させるための開口642xが設けられている。また、図56(c)に示すように、下可動装飾部材641Aに係る装飾カバー641Cの上辺であって前述の開口642xと対向する部位には、前述の装飾カバー642Cの下辺から突出する係合突起642uを進入可能とするとともに、係合突起642uが進入した状態で駆動片642Fの左右方向への移動を可能とするための開口641xが設けられている。
このため、下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aがそれぞれ動作位置に移動した際、係合突起642uが開口641xを介して装飾カバー641Cの内部に進入し、装飾カバー641C,642Cの対向する上下長辺同士が当接状となる(図58(a)を参照)。ここで、係合突起642uと、開口641xと、後述する被係合部641iとの関係により(図56(b),(c)、図58等を参照)、係合突起642uが装飾カバー641Cの内部に進入するに際し、下可動装飾部材641Aと上可動装飾部材642Aの前後左右方向の位置決めもなされる。具体的には、係合突起642u(逆L字状部分)の前後左右が、装飾カバー641C内への進入に際し、開口641xの開口端と被係合部641iの右端とに囲まれるため、これにより、前後左右方向の位置決めがなされることとなる。
上述のように下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aが動作位置にて当接状に一体化(合体)した後、第3モータ643M(駆動機構643K)の駆動により上可動装飾部材642Aの駆動片642Fが左方向へ移動(摺動)すると、当該駆動片642Fの係合突起642uの先端(左端)が下可動装飾体641Aの駆動片641Fの当接用突起641uに当接し、駆動片641Fを左方向へ押し動かす(摺動させる)。これにより、駆動片641Fの右側に形成された第2ラックギヤ641wと噛合する円形ギヤ641vが時計回りに回転し、これに伴い、動作体641Bが動作して装飾カバー641Cの下辺から出現して、下向きに起立した状態となる(図58(a)→図58(b))。
一方、この状態(図58(b)の状態)から、第3モータ643M(駆動機構643K)の駆動により上可動装飾部材642Aの駆動片642Fが右方向へ移動(摺動)すると、当該駆動片642Fに設けられた係合突起642uも右方向へ移動し、これに追随して、下可動装飾体641Aの駆動片641F(当接用突起641u)が、当該駆動片641Fを右方向に付勢するコイルばね641qの作用によって右方向へ移動(摺動)する。この右方向への移動(摺動)により、第2ラックギヤ641wと噛合する円形ギヤ641vが反時計回りに回転し、これに伴い、動作体641Bが動作して装飾カバー641Cの内部に収まった状態となる(図58(b)→図58(a))。このようにして、動作体641Bによる演出動作(第2演出動作)が実現されるのである。
以上のように、本実施例では、下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aがともに動作位置にある状態(一体化した状態)で、第3モータ643M(駆動機構643K)を駆動すると、上可動装飾部材642Aの動作体642B(駆動片642F)が動作するとともに、これに連動して下可動装飾部材641Aの動作体641B(駆動片641F)も動作するものとなっている。そして、2つの動作体641B,642Bが上下に出現(起立)した状態(動作状態)になると、左右方向に延びる横長矩形状の装飾カバー641C,642Cと相俟って、画像表示装置7の表示画面7aを4分割したように見せることが可能となる(図54(b)を参照)。このとき、表示画面7aでは、4分割された個々の表示領域で所定の演出表示(変動演出等)が行われる。尚、動作体641B,642Bや駆動片641F,642Fのことを「動作部材」ともいう。
また、図58に示すように、下可動装飾部材641Aに係る装飾カバー641Cの内部には、上可動装飾部材642Aの駆動片642Fに設けられた係合突起642u(係合部)と係合可能な被係合部641iを設けている。この被係合部641iは、動作体641Bが動作していない水平状態(非動作状態)にあるとき、駆動片641Fの当接用突起641uの上方(真上)に位置するように設けられている(図58(a)を参照)。そして、第3モータ643M(駆動機構643K)の駆動により駆動片642Fおよび駆動片641Fが左方向へ移動すると、これに伴い係合突起642uおよび当接用突起641uが左方向へ移動し、係合突起642uの逆L字状をなす折り曲げ部位が被係合部641iの下方(真下)に入り込む(図58(b)を参照)。このとき、係合突起642uの折り曲げ部位が被係合部641iと係合した状態となり、下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aは互いに近接した状態で一体化され、各々相反する方向に離れない(離反しない)ものとなる。
つまり、下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aが動作位置にあるとき、下可動装飾部材641Aの下降が不能となるとともに上可動装飾部材642Aの上昇が不能となるように、それぞれロックされた状態となる。このため、動作位置にある下可動装飾部材641Aが自身の重み(自重)によって下降して上可動装飾部材642Aから離れてしまうといった懸念はない。尚、動作位置にある(一体化した)下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aが互いに離反するのを防止するための係合突起642u(駆動片642F)と被係合部641iとのことを「離反防止手段」ともいう。
また、本実施例では、上可動装飾部材642Aが動作位置にないときには、駆動機構643Kの最上部に位置する円形ギヤ643aと、駆動片642Fの第1ラックギヤ643rとが噛合しないものとなっており、上可動装飾部材642Aが動作位置にあるときに、両ギヤ(両ギヤの歯部)が噛合するものとなっている(図55(a)、図56(a)等を参照)。そして、下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aがそれぞれ待機位置から動作位置に移動した後(第1演出動作後)、第3モータ643M(駆動機構643K)の駆動前は、未だ上可動装飾部材642Aの駆動片642Fが移動せず初期位置にあり、前述した係合突起642uと被係合部641iとの係合もなされていないので(図58(a)を参照)、このときは、未だ、下可動装飾部材641Aの下方への移動および上可動装飾部材642Aの上方への移動が、ともに許容された状態(未ロック状態)となっている。この状態、すなわち、第1演出動作後、各可動装飾部材の動作体641B,642Bを起立した状態とする第2演出動作の開始前において、当該第2演出動作を開始すべく、第3モータ643M(駆動機構643K)を駆動して円形ギヤ643aを反時計回りに回転させると、その回転力が駆動片642Fの第1ラックギヤ643rに伝わる。このとき、下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aは、前述したように未ロック状態であることから、この状態で円形ギヤ643aからの力が第1ラックギヤ643rに加わると、上可動装飾部材642A(駆動片642F)が上方に若干浮き上がってしまう虞がある。これでは、円形ギヤ643aと第1ラックギヤ643rとの噛み合いが不十分となって、動作体641B,642B(駆動片641F,642F)が動作しなかったり、動作するもののスムーズに動作しなかったりする等、動作不良を招く虞がある。
そこで、本実施例では、下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aがそれぞれ待機位置から動作位置に移動した後(第1演出動作後)、第3モータ643M(駆動機構643K)の駆動開始、すなわち、動作位置にある可動装飾部材641A,642A(動作体641B,642B)による演出動作(第2演出動作)の開始に際して、上可動装飾部材642Aの上方(待機位置側)への移動(位置ズレ)を阻止する機能(移動阻止機能)を設けている。具体的には、図55(a)および図56(a)に示すように、基体640Bの左辺であって、上可動装飾部材642Aに係る左側の摺動体642s(凸部642t)の上下動を案内する案内溝642r(案内レール)に、当該案内溝642r内で出没可能な出没体642zを設けてある。この出没体642zは、上可動装飾部材642Aが動作位置にないときには案内溝642r内に突出せず(没入して)、上可動装飾部材642Aが動作位置にあるときに案内溝642r内に突出するものとしている(図57(c)を参照)。出没体642zが案内溝642r内に突出していないときには、摺動体642s(凸部642t)の上下動は妨げられることなく自由に行うことが可能となる。
上可動装飾部材642Aが動作位置にあるときに、出没体642zが案内溝642r内に突出することで、当該出没体642zは、上可動装飾部材642Aとともに動作位置にある摺動体642sの凸部642tと係合(当接)する状態となる(図57(c)を参照)。これにより、案内溝642r内における凸部642t(摺動体642s)の上方への移動が阻止され、これに伴い、上可動装飾部材642Aの上方への移動(位置ズレ)も阻止される。尚、本実施例では、出没体642zの出没動作を行うための電気的駆動源として図示しないソレノイド(以下「出没体ソレノイド」ともいう。)を基体640Bの裏面側に設けており、サブ制御基板90の制御下で出没体642zの出没動作(出没体ソレノイドの駆動)を行うものとしている。
このように、第3モータ643M(駆動機構643K)の駆動に際し、出没体642zを案内溝642r内に突出させて上可動装飾部材642Aの上方への移動(位置ズレ)を阻止(防止)することで、互いに噛合する円形ギヤ643aと第1ラックギヤ643r(円形ギヤ643の歯部と第1ラックギヤ643rの歯部)とが離れてしまうのを防止している。これにより、第3モータ643Mの駆動により円形ギヤ643aが回転を開始した際、当該回転力が第1ラックギヤ643rにしっかりと加わるものとして、円形ギヤ643aと第1ラックギヤ643rとの噛み合いを回転開始当初(つまり、第2演出動作の開始当初)から十分なものとすることが可能なり、噛合不良(噛合不足)の抑制を図ることが可能となる。また、いわゆるバックラッシュの抑制を図ることも可能となる。
ここで、出没体642zや当該出没体642zの出没動作を行う出没体ソレノイド(電気的駆動源)およびサブ制御基板90(サブ制御部、演出制御用マイコン)を含めて、これらのことを「移動防止手段」ともいう。また、駆動機構643Kの円形ギヤ643aのことを「第1ギヤ」ともいい、円形ギヤ643aに設けられた歯部のことを「第1歯部」ともいい、駆動片642Fの第1ラックギヤ643rのことを「第2ギヤ」ともいい、第1ラックギヤ643rに設けられた歯部のことを「第2歯部」ともいう。
また、本実施例では、上可動装飾部材642Aが待機位置と動作位置との間を移動する際、当該上可動装飾部材642Aが前後方向に反転するものとなっているが、これは、上可動装飾部材642Aの駆動片642Fに係合突起642uを設けているからである。すなわち、係合突起642uは、上可動装飾部材642Aが動作位置にあるとき、装飾カバー642Cの下辺から突出して外部に露呈した状態となるが、この状態が、上可動装飾部材642Aが待機位置にあるときにも生ずると、係合突起642uが表示画面7aの上部に表れてしまい、演出表示の視認の妨げとなる可能性がある。また、センター装飾体10の上部(装飾部材13)周辺の見た目(デザイン性)が悪くなる可能性もある。これらのことを鑑みて、本実施例では、上可動装飾部材642Aを反転(回転)可能として、上可動装飾部材642Aが待機位置にあるときには、係合突起642uが装飾カバー642Cの下辺に突出せず、装飾部材13の裏側に隠れるものとしている(図53、図55(a)等を参照)。尚、このような上可動装飾部材642Aの反転動作は、行わないようにすることも可能である。例えば、上可動装飾部材642Aが待機位置にあるときに係合突起642uが下向きに突出する場合、その係合突起642uが外部に露呈せず視認不能(または視認困難)となるのであれば、上可動装飾部材642Aを反転させる必要はない。
次に、図59に基づいて、本実施例の可動装飾部材動作処理(S5302)について説明する。この可動装飾部材動作処理(S5302)は、前述した10msタイマ割り込み処理(S4010)で行われる処理で、実施例1の可動装飾部材動作処理(S4302)に置き換わるものである。本実施例では、演出図柄8の変動演出パターンとして、可動装飾部材641A,642Aによる可動演出の実行を伴う変動演出パターン(以下「第4変動演出パターン」という。)を有している。そこで、S5601では、変動演出の開始に際して設定された変動演出パターン(前述のS4505で設定された変動演出パターン)が第4変動演出パターンであるか否かを判定し、第4変動演出パターンであれば(S5601でYES)、S5602の処理に進み、第4変動演出パターンでなければ(S4501でNO)、可動装飾部材641A,642Aを動作させることはないので、処理を終える。尚、第4変動演出パターンは、一または複数設けることが可能である。
次いで、S5602では、今回の変動演出(S4505で設定された変動演出パターンに基づく変動演出)で可動装飾部材641A,642A(可動演出装置641,642)を動作させるための駆動データ(動作パターンデータ)をセット済であるか否かを判定し(S5602)、セット済である場合(S5602でYES)、S5604の処理に移行し、未だセットしていない場合(S5602でNO)、今回の第4変動演出パターンに即した駆動データをセットする(S5603)。具体的には、下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aを上下動させる第1モータ641Ma,642Maの駆動データ(第1演出動作の実行に係る駆動データ)と、動作位置にある下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aの各々の動作体641B,642B(駆動片641F,642F)を動作させる第3モータ643M(駆動機構643K)の駆動データ(第2演出動作の実行に係る駆動データ)をセットする(S5603)。
次いで、S5604では、可動演出の開始タイミングであるか否か、すなわち、待機位置にある下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aをそれぞれ動作位置に移動させる動作(第1演出動作)の開始タイミングであるか否かを判定する(S5604)。その結果、可動演出の開始タイミングである場合(S5604でYES)、第1モータ641Ma,642Maを正転駆動させる(S5605)。当該正転駆動により、下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aが、それぞれ動作位置(表示画面7aの上下中央付近)に向かって移動する(第1演出動作)。
次いで、S5606では、動作位置センサがONである否かを判定し(S5606)、ONであれば(S5606でYES)、下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aがそれぞれ動作位置に到達したことになるので、第1モータ641Ma,642Maの駆動を停止して(S5607)、S5609の処理(図60)に移行する。これにより、可動装飾部材641A,642Aは動作位置で停止した状態となる(図54(a)、図56(a)、図58(a)図51等を参照)。一方、動作位置センサがONでなければ(S5606でNO)、第1モータ641Ma,642Maの駆動停止に係る処理を行うことなく、S5609の処理に移行する。
また、前述のS5604にて可動演出の開始タイミングでないと判定した場合(S5604でNO)、第1モータ641Ma,642Maの正転駆動中であるか否か、すなわち、可動装飾部材641A,642Aが待機位置から動作位置に向けて移動中であるか否かを判定し(S5608)、正転駆動中(移動中)であれば(S5608でYES)、S5606の処理を行い、正転駆動中(移動中)でなければ(S5608でNO)、S5609の処理に移行する。
ここで、演出制御用マイコン91(サブ制御部90)は、下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aの動作位置への移動(第1演出動作)に合わせて、表示画面7aに表示される表示領域(演出図柄表示領域7b)を上下2分割する演出を行い、図54(a)に示すように下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aが動作位置に到達した後は、動作体641B,642Bの動作開始タイミングが到来するまで、上下2つの表示領域にて変動演出を展開する2画面演出表示を行う。この2画面演出表示は、第4変動演出パターンに基づいて行われるものである。尚、2画面演出表示については、第4変動演出パターンに基づく変動演出(1回の変動)で完結させるパターンや、第4変動演出パターンに基づく変動演出で2画面演出表示を開始した後、所定の終了条件(所定時間、所定変動回数等)が成立するまで2画面演出表示を継続させるパターン等、幾つかのパターンを設けることが可能である。
次いで、S5609(図60)では、動作位置に達した可動装飾部材641A,642Aの各々の動作体641B,642B(駆動片641F,642F)の動作開始タイミング(第2動作開始タイミング)であるか否かを判定する(S5609)。その結果、第2動作開始タイミングであると判定した場合(S5609でYES)、出没体ソレノイドをONにして(S5610)、第3モータ643Mを正転駆動させる(S5611)。出没体ソレノイドをONにすることで、出没体642zが案内溝642r内に突出し、これにより上可動装飾部材642Aの上方への移動(位置ズレ)が阻止された状態となる(図56(a)を参照)。また、第3モータ643Mの正転駆動(S5611)により、円形ギヤ643cが反時計回りに回転するとともに、円形ギヤ643bが時計回り、円形ギヤ643aが反時計回りにそれぞれ回転し、これに伴って、駆動片641F,642Fが左方向へ移動し、動作体641B,642Bが表示画面7aの手前側に出現(起立)した状態となる(図58(a)→図58(b)、図54(b)等を参照)。
尚、S5611では、動作体641B,642Bを出現させるべく駆動片641F,642Fを移動させるのに必要なギヤの回転数に応じて予め定められたステップ数だけ、第3モータ643Mを正転駆動させる。また、S5610でONとした出没体ソレノイドは、第3モータ643Mの正転駆動の開始後、間もなくして(例えば1秒後)OFFとする。駆動片642Fの左方向への移動により、係合突起642uが被係合部641iと係合して、下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aは互いに離反しない状態となり、上可動装飾部材642Aは上方へ移動不能となるからである。つまり、係合突起642uと被係合部641iの係合によって、上可動装飾部材642Aの上方への移動(位置ズレ)が防止され、円形ギヤ643aと第1ラックギヤ643rの十分な噛合状態を保てるからである。この意味では、係合突起642uおよび被係合部641iも、前述した「移動防止手段」として機能するといえる。但し、第3モータ643Mを駆動している間、出没体ソレノイドをONとする(出没体642zを突出させる)ように構成してもよい。円形ギヤ643aと第1ラックギヤ643rの十分な噛合状態を保つ上で有効だからである。
ここで、演出制御用マイコン91(サブ制御部90)は、動作体641B,642Bの出現に合わせて、先に上下2分割されている表示画面7a上の表示領域(演出図柄表示領域7b)を更に左右に2分割する演出を行い、図54(b)に示すように動作体641B,642Bが完全に出現(起立)した後は、所定時間に亘って、4つの表示領域にて変動演出を展開する4画面演出表示を行う。この4画面演出表示は、第4変動演出パターンに基づいて行われるものである。尚、4画面演出表示については、第4変動演出パターンに基づく変動演出(1回の変動)で完結させるパターンや、第4変動演出パターンに基づく変動演出で4画面演出表示を開始した後、所定の終了条件(所定時間、所定変動回数等)が成立するまで4画面演出表示を継続させるパターン等、幾つかのパターンを設けることが可能である。
次いで、S5612では、可動演出の終了タイミングであるか否かを判定し(S5612)、終了タイミングであれば(S5612でYES)、第3モータ643Mを逆転駆動させる(S5613)。この逆転駆動は、出現(起立)した状態にある動作体641B,642Bを元の位置に収めるべく駆動片641F,642Fを移動させるのに必要なギヤの回転数に応じて予め定められたステップ数だけ、第3モータ643Mを逆転駆動させる。この場合、原則、動作体641B,642Bを出現させる際の正転駆動(S5611)と同じステップ数で逆転駆動させる。このS5613の処理の後、第1モータ641Ma,642Maを逆転駆動させる(S5614)。当該逆転駆動により、動作位置にあった下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aが、それぞれ待機位置に向かって移動する。尚、S5613の処理による第3モータ643Mの駆動中、出没体ソレノイドをONとする(出没体642zを突出させる)ように構成してもよい。円形ギヤ643aと第1ラックギヤ643rの十分な噛合状態を保つのに有効だからである。
ここで、演出制御用マイコン91(サブ制御部90)は、動作体641B,642Bの元の位置への復帰(S5613)や、下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aの待機位置への移動(S5614)に合わせて、表示画面7aに表示される表示領域(演出図柄表示領域7b)を元の1つの領域とする復帰演出表示を行う。
次いで、S5615では、待機位置センサがONである否かを判定し(S5615)、ONであれば(S5606でYES)、下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aがそれぞれ待機位置に到達したことになるので、第1モータ641Ma,642Maの駆動を停止して(S5607)、処理を終える。また、前述のS5612にて可動演出の終了タイミングでないと判定した場合(S5612でNO)、第1モータ641Ma,642Maの逆転駆動中であるか否か、すなわち、可動装飾部材641A,642Aが動作位置から待機位置に向けて移動中であるか否かを判定し(S5617)、逆転駆動中(移動中)であれば(S5617でYES)、S5615の処理を行い、逆転駆動中(移動中)でなければ(S5617でNO)、処理を終える。
以上の実施例2に係るパチンコ遊技機1においても、前述した実施例1と同様、可動装飾部材の上下動に加え前後方向の変位が生じたり(実施例2では下可動装飾部材641Aが対応)、可動装飾部材の位置により所定動作が実行不能(規制)または実行可能(規制解除)となったりする(実施例2では上可動装飾部材642Aが対応)ことによって、演出動作の多様化等の効果を奏することが可能である。
また、実施例2に係るパチンコ遊技機1では、下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aがそれぞれ動作位置にて近接した状態(第2状態)にあるとき、係合突起642uが被係合部641iと係合することで、各可動装飾部材は互いに離反しないものとなる。これにより、下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aが当接状に一体化(合体)した状態を維持して、可動装飾部材全体の見栄えを良好にすることが可能となる。
しかも、係合突起642uと被係合部641iの係合は、下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aが一体となった状態での動作体641B,642Bの動作(第2演出動作)に伴って生じるので、動作体641B,642Bの動作(第2演出動作)は、下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aの近接(一体化)がしっかりと保たれた状態で行われることとなる。これにより、見栄えがよく質の高い可動演出を得ることが可能となり、演出効果を高めることが可能となる。尚、本実施例2では、下可動装飾部材641Aに被係合部641iを設け、上可動装飾部材642Aに係合突起642uを設けるものとしたが、この関係を逆としてもよい。すなわち、下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aの内部構造を、上記実施例で示したものと上下逆とし、駆動片641Fに上向きの係合部を設け、上可動装飾部材642Aに被係合部を設けてもよい。この場合、下可動装飾部材641Aに係る駆動片を第3モータ643Mの駆動により左右移動させることとなる。
また、実施例2に係るパチンコ遊技機1では、下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aが動作位置で一体化される際、上可動装飾部材642Aの係合突起642uが、下可動装飾部材641Aの開口641xを介して装飾カバー641C内に進入するが、このとき、係合突起642uが開口641xを通過することから、当該通過に伴って下可動装飾部材641Aと上可動装飾部材642Aの前後方向の位置決めがなされる。これにより、下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aの一体化(合体)に係る動作の円滑化を図ることが可能となり、延いては、質の高い可動演出を得ることが可能となる。
また、実施例2に係るパチンコ遊技機1では、下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aが表示画面7aの略中央(動作位置)に移動することで、当該画面の中央左右方向を可動装飾部材641A,642Aが覆い、これに伴い2画面演出表示を行う。また、その状態で、可動装飾部材641A,642Aの上下に動作体641B,642Bが出現することで、表示画面7aの中央上下方向を動作体641B,642Bが覆い、これに伴い4画面演出表示を行う。このように、可動装飾部材や動作体による可動演出と、表示画面での演出表示とを連携させた演出(2画面演出、4画面演出)を行うことで、可動装飾部材や演出表示内容の変化による演出効果を高めることが可能となる。
また、実施例2に係るパチンコ遊技機1では、可動装飾部材641A,642Aが動作位置にある状態で、動作体641B,642Bを出現させる動作(第2演出動作)を行うべく、第3モータ643M(駆動機構643K)を駆動するに際し、出没体642zを案内溝642r内に突出させて、上可動装飾部材642Aの移動(上下動)を案内する摺動体642sの上方への移動、すなわち、上可動装飾部材642Aの上方への移動を阻止するものとしている。このため、上可動装飾部材642Aが動作位置にあるときに互いに噛合する円形ギヤ643aと第1ラックギヤ643r(円形ギヤ643の歯部と第1ラックギヤ643rの歯部)とが離れてしまうのを防止することが可能となり、円形ギヤ643aと第1ラックギヤ643rとの噛合状態をしっかりと保つことが可能となる。これにより、円形ギヤ643aおよび第1ラックギヤ643rの噛合不良(噛合不足)が発生し難くなり、第2演出動作を円滑に行うことが可能となる。
また、実施例2に係るパチンコ遊技機1では、第3モータ643Mの駆動により円形ギヤ643aが回転すると、当該円形ギヤ643aと噛合する第1ラックギヤ643r(第2ギヤ)が作動して駆動片642Fが左右方向に移動し、これを契機として、上可動装飾部材642Aに係る動作体642Bの動作と、下可動装飾部材641Aに係る動作体641Bの動作とが、連動して行われるものとなっている。このため、一の第3モータ643M(駆動機構643K)の駆動により、複数(本例では2つ)の動作体641B,642Bを動作させることが可能となっている。これにより、簡便な構成で演出動作の多様化を図り、演出効果を高めることが可能となる。
以上、本発明の実施形態として実施例1,2を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することが可能である。
例えば、前述した実施例1,2では、可動演出を変動演出の一環として行うもの(変動演出パターンに含むもの)としていたが、予告演出として行うもの(予告演出パターンに含むもの)としてもよい。
また、前述した実施例1,2では、各可動装飾部材を、表示画面7(遊技盤面)に対して略平行な上下方向に移動させるものとしていたが、左右方向や斜め方向に移動させるものとしてもよい。さらに、前述した実施例1,2では、2つの可動装飾部材の各々を上下に(対向して)設け、各々を上下方向に移動させるものとしていたが、例えば、2つの可動装飾部材の各々を左右に対向して設け、各々を左右方向に移動させるものとしてもよい。あるいは、3つ以上の可動装飾部材を設けることも可能である。
また、可動装飾部材の構成や形状、可動装飾部材が動作位置にあるときの演出動作(第2演出動作)等は、前述した実施例に限定されるものではなく、可動演出の実行に際しての可動装飾部材やこれに付随する各種可動部材(動作部材)の動作スペース(例えば、表示画面手前側のスペース等)、可動装飾部材(動作部材)のサイズ、意匠等を考慮して、適宜設計することが可能である。例えば、実施例1に関し、可動装飾部材が動作位置にあるときの回転動作(第2演出動作)は、全方位(360度)に回転し得る構成としてもよく、回転以外の動作(例えば、前後・左右の往復動作、振動など)を行う構成としてもよい。また、実施例1では、可動装飾部材の後方装飾体を表示画面7aと平行な方向に回転させるものとしていたが、その回転方向は、例えば、表示画面7aと垂直な方向とすることも可能であり、あるいは、平行な方向への回転と垂直な方向への回転とを混在させた演出動作を採用することも可能である。さらに、実施例1では2つの装飾体(前方装飾体、後方装飾体)を備えるものとしていたが、装飾体を1つとしたり、3つ以上としたりすることも可能である。
また、前述の実施例2に関し、円形ギヤ643aと第1ラックギヤ643rとの噛合による所謂ラック&ピニオンの構成を用いて動作体641B,642Bの動作(第2演出動作)を行うものとしていたが、ラック&ピニオン以外の構成(機構)を採ることも可能である。さらに、実施例2では、駆動片と動作体を完全に独立した部材としていたが、駆動片と動作体とをリンク機構により連結した一体品としてもく、これをラック&ピニオン機構により動作させるものとしてもよい。また、実施例2では、可動装飾部材が動作位置に移動した後の動作体の動作(第2演出動作)に伴って、2画面演出表示や4画面演出表示といった可動演出と連携した演出表示を行うものとしていたが、可動演出と連携して行う演出表示の態様は、これに限定されるものではない。
また、前述した実施例2では、上可動装飾部材642Aの駆動片642Fが移動することを契機に、上可動装飾部材642Aに係る動作体642Bの動作と、下可動装飾部材641Aに係る動作体641Bの動作とが、連動して行われるものとなっていた。これに代えて、動作体642B(上動作体)の動作と、動作体641B(下動作体)の動作とを、それぞれ独立して行うものとしてもよい。例えば、上可動装飾部材642Aおよび下可動装飾部材641Aの各々に、前述した実施例1と同様に、それぞれの動作体の動作を行うための電気的駆動源(モータ等)を設け、各駆動源を駆動させて動作体の動作を行うものとしてもよい。この場合、各駆動源の駆動タイミングを同じとすれば、各動作体の動作タイミングも同じとなるが(実施例2と同様)、各駆動源の駆動タイミングを異ならせれば、各動作体の動作タイミングを異ならせることもできる。このようにタイミングを異ならせることで、例えば、上可動装飾部材642Aおよび下可動装飾部材641Aが動作位置にある状態で、動作体642B(上動作体)だけを動作させたり、あるいは動作体641B(下動作体)だけを動作させたりすることが可能となり、この結果、前述した2画面演出表示や4画面演出表示に加え、3画面演出表示も可能となる。
また、前述した実施例2では、可動装飾部材641A,642Aが動作位置にある状態で、動作体641B,642Bを出現させる動作(第2演出動作)を行うべく、第3モータ643Mを駆動するに際し、出没体642zを案内溝642r内に突出させて、上可動装飾部材642Aの上方への移動を阻止するものとしていた(移動防止手段)。つまり、上可動装飾部材642Aの上方への移動阻止をメカ的(機械的)に行うものとしていた。これに代えて、第1モータ642Maの通電状態での停止時の保持力(励磁保持トルク)を利用して、第3モータ643Mを駆動する際の上可動装飾部材642Aの上方への移動を阻止するものとしてもよい。こうすれば、上可動装飾部材642Aの上方への移動するためのメカ的な機構、換言すると、円形ギヤ643aと第1ラックギヤ643rとが離れるのを防止するためのメカ的な機構を、別途設ける必要がなく、移動防止手段をソフト的に設けることが可能となる。
また、前述した実施例2では、下可動装飾部材641Aおよび上可動装飾部材642Aが動作位置にあるとき(一体となったとき)、上可動装飾部材側の係合突起642uと下可動装飾部材側の被係合部641iとの係合により、各可動装飾部材が互いに離反するのを防止する構成としていたが、この離反を防止する構成は、これに限定されるものではない。例えば、下可動装飾部材641Aと上可動装飾部材642Aとが動作位置で当接状に一体となる際の各々の当接面側(例えば装飾カバー641C,642Cの対向する長辺)に磁石を設け、当該磁石の吸着力を利用して両者の離反を防止する構成としてもよい。また、前述した実施例2とは異なる他の係合構造(係止構造)により両者の離反を防止する構成としてもよい。
また、前述した実施例では、大当り図柄の種類に基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定する1種タイプのパチンコ遊技機に本発明を適用したものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、大入賞口(Vアタッカー)に確変作動口としての特定領域(V領域)を備え、大当り遊技中に遊技球が特定領域を通過(V通過)したか否かに基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定する1種タイプのパチンコ遊技機(所謂「V確機」)にも本発明を適用することが可能である。あるいは、特別図柄当否判定の結果が小当りとなることで入球可能となる大入賞口に特定領域(V領域)を備え、小当り遊技の際にその大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過(V通過)すると大当りとなり、当該V通過に基づき大当り遊技が実行される1種2種タイプのパチンコ遊技機にも本発明を適用することも可能である。
[その他]
以下、本明細書で開示した実施形態(実施例)に基づいて導き出される参考発明を開示しておく。
まず、従来、遊技盤面上(遊技領域)を流下する遊技球が始動口に入球することに基づいて識別情報が変動表示し、当該変動表示の結果が特定表示結果になることに基づいて、遊技者にとって有利な特別遊技を行う遊技機において、識別情報の変動表示に伴って所定の演出動作(可動演出)を行うことが可能な可動演出装置を備えたものがある。可動演出装置は、遊技領域の略中央に位置する演出表示用の表示画面の周囲に設けられることが多く、この場合の演出動作の一つとして、可動演出装置を構成する可動部材(可動役物)が表示画面の手前側を移動するものがある(例えば特開2005−34316号公報を参照)。しかしながら、可動部材(可動役物)が表示画面に沿って移動するだけの演出動作は単純であり、可動演出として変化に乏しいという問題があった。当該事情に鑑み、可動部材による演出動作の多様化を図り、可動演出による演出効果を高めることが可能な参考発明を、以下に示す。
1−1.遊技領域が形成された遊技盤と、
所定の可動演出を実行可能な可動演出手段と、
を備えた遊技機であって、
前記可動演出手段は、前記遊技盤の面方向に移動可能な可動部材を有しており、
前記可動部材は、所定の第1位置と第2位置との間を移動可能であって、前記第1位置にあるときと前記第2位置にあるときとで、前記遊技盤の盤面に対して垂直方向の位置が異なる
ことを特徴とする遊技機。
上記1−1.の遊技機では、可動演出手段の可動部材が、遊技盤の面方向に移動可能となっており、所定の第1位置と第2位置との間を移動し得るものとなっている。そして、可動部材が、第1位置に存在するときと、第2位置に存在するときとで、遊技盤の盤面に対して垂直方向の位置が異なるものとなる。これにより、可動部材を遊技盤の面方向に移動させつつ垂直方向の位置関係に違いを生じさせる演出動作が実行可能となり、可動部材(可動演出手段)による演出動作の多様化を図ることが可能となる。
1−2.上記1−1.の遊技機において、
所定の演出表示を実行可能な演出表示手段を備え、
前記可動部材は、前記演出表示手段の表示面の手前側を移動するものであって、前記第1位置にあるときには前記表示面に近づき、前記第2位置にあるときには前記表示面から離れる
ことを特徴とする遊技機。
上記1−2.の遊技機では、演出表示手段の表示面の手前側を可動部材が移動し得るものとなっており、可動部材の位置に応じて、可動部材と表示面との間隔(クリアランス)が狭くなったり(第1位置)、広くなったりする(第2位置)。このような可動部材と表示面との間隔の変化を活かすことにより、可動部材(可動演出手段)による演出動作の多様化を図ることが可能となる。
1−3.上記1−1.または1−2.の遊技機において、
前記遊技領域を流下する遊技球を受け入れて転動させることが可能なステージ部を備え、
前記第1位置は前記ステージ部に近い位置であるとともに、前記第2位置は前記ステージ部から離れた位置であり、
前記可動部材は、少なくとも前記第1位置にあるときには、前記遊技盤の盤面表側から盤面裏側方向へ離れた状態となる
ことを特徴とする遊技機。
上記1−3.の遊技機では、遊技領域を流下する遊技球を受け入れて転動させることが可能なステージ部を備えており、可動部材が、ステージ部に近い位置(第1位置)と、ステージ部から離れた位置(第2位置)との間を移動し得るものとなる。そして、可動部材がステージ部に近い位置(第1位置)にあるとき、当該可動部材は、遊技盤の盤面表側から盤面裏側方向へ離れた位置に存在する状態となる。これにより、ステージ部の機能が損なわれるのを防止しつつ、可動部材(可動演出手段)による演出動作の多様化を図ることが可能となる。
1−4.上記1−1.ないし1−3.の何れか一つの遊技機において、
前記第1位置は前記可動部材の待機位置であるとともに、前記第2位置は前記可動部材の動作位置であり、
前記可動部材は、前記第2位置にあるときに所定の演出動作を実行可能である
ことを特徴とする遊技機。
上記1−4.の遊技機では、可動部材が待機位置(第1位置)と動作位置(第2位置)との間を移動し得るものとなっている。そして、可動部材が動作位置(第2位置)にあるときに、当該可動部材が所定の演出動作を実行可能となっている。このため、可動部材の待機位置(第1位置)から動作位置(第2位置)への移動に際し、面方向に移動させつつ垂直方向の位置変化を生じさせた上で、さらなる可動部材による演出動作が実行され得ることとなる。これにより、可動部材(可動演出手段)による演出動作を変化に富んだものとすることが可能となる。
2−1.識別情報の変動表示を行う識別情報表示手段を備え、前記識別情報の変動表示の結果が特定表示結果になることに基づいて、遊技者に所定の利益を付与し得る特別遊技が実行可能となる遊技機であって、
所定の可動演出を実行可能な可動演出手段を備え、
前記可動演出手段は、前記識別情報表示手段の表示面の手前側を面方向に移動可能な可動部材を有するものであり、
前記可動部材は、所定の第1位置と第2位置との間を移動可能であって、前記第1位置にあるときと前記第2位置にあるときとで、前記表示面に対して垂直方向の位置が異なる
ことを特徴とする遊技機。
上記2−1.の遊技機では、可動演出手段の可動部材が、識別情報表示手段の表示面の手前側を面方向に移動可能となっており、第1位置と第2位置との間を移動するものとなっている。そして、可動部材が、第1位置に存在するときと、第2位置に存在するときとで、表示面に対して垂直方向の位置が異なるものとなる。これにより、可動部材を表示面の面方向に移動させつつ垂直方向の位置関係に違いを生じさせる演出動作が実行可能となり、可動部材(可動演出手段)による演出動作の多様化を図ることが可能となる。
2−2.上記2−1.の遊技機において、
前記可動部材は、前記第1位置にあるときには前記表示面に近づき、前記第2位置にあるときには前記表示面から離れる
ことを特徴とする遊技機。
上記2−2.の遊技機では、識別情報表示手段の表示面の手前側を移動する可動部材の位置に応じて、可動部材と表示面との間隔(クリアランス)が狭くなったり(第1位置)、広くなったりする(第2位置)。このような可動部材と表示面との間隔の変化を活かして、可動部材(可動演出手段)による演出動作の多様化を図ることが可能となる。
2−3.上記2−1.または2−2.の遊技機において、
遊技領域が形成された遊技盤と、
前記遊技領域を流下する遊技球を受け入れて転動させることが可能なステージ部と、
を備え、
前記第1位置は前記ステージ部に近い位置であるとともに、前記第2位置は前記ステージ部から離れた位置であり、
前記可動部材は、少なくとも前記第1位置にあるときには、前記遊技盤の盤面表側から盤面裏側方向へ離れた状態となる
こと特徴とする遊技機。
上記2−3.の遊技機では、遊技領域を流下する遊技球を受け入れて転動させることが可能なステージ部を備えており、可動部材が、ステージ部に近い位置(第1位置)と、ステージ部から離れた位置(第2位置)との間を移動し得るものとなる。そして、可動部材がステージ部に近い位置(第1位置)にあるとき、当該可動部材は、遊技盤の盤面表側から盤面裏側方向へ離れた位置に存在する状態となる。これにより、ステージ部の機能が損なわれるのを防止しつつ、可動部材(可動演出手段)による演出動作の多様化を図ることが可能となる。
2−4.上記2−1.ないし2−3.の何れか一つの遊技機において、
前記第1位置は前記可動部材の待機位置であるとともに、前記第2位置は前記可動部材の動作位置であり、
前記可動部材は、前記第2位置にあるときに所定の演出動作を実行可能である
こと特徴とする遊技機。
上記2−4.の遊技機では、可動部材が待機位置(第1位置)と動作位置(第2位置)との間を移動し得るものとなっている。そして、可動部材が動作位置(第2位置)にあるときに、当該可動部材が所定の演出動作を実行可能となっている。このため、可動部材の待機位置(第1位置)から動作位置(第2位置)への移動に際し、面方向に移動させつつ垂直方向の位置変化を生じさせた上で、さらなる可動部材による演出動作が実行され得ることとなる。これにより、可動部材(可動演出手段)による演出動作を変化に富んだものとすることが可能となる。
3−1.遊技領域が形成された遊技盤と、
所定の可動演出を実行可能な可動演出手段と、
を備えた遊技機であって、
前記可動演出手段は、前記遊技盤の面方向に移動可能な可動部材を有しており、
前記可動部材の移動範囲内の所定位置には、前記可動部材の所定動作を規制する動作規制手段が設けられており、
前記可動部材が移動して前記所定位置を外れることで、前記動作規制手段による規制が解かれて前記可動部材の所定動作が実行可能となる
こと特徴とする遊技機。
上記3−1.の遊技機では、可動演出手段の可動部材が遊技盤の面方向に移動可能となっており、その移動範囲内の所定位置に可動部材があるときには、当該可動部材による所定動作が動作規制手段によって規制される。そして、可動部材が移動して所定位置から外れることで、動作規制手段による規制が解かれ、可動部材の所定動作が実行可能となる。これにより、面方向に移動する可動部材の位置によって、当該可動部材による所定動作が実行不能な状態(規制される状態)と実行可能な状態(規制されない状態)を生じさせることが可能となり、延いては、可動部材(可動演出手段)による演出動作の多様化を図ることが可能となる。
3−2.上記3−1.の遊技機において、
前記可動演出手段は、所定の枠部材に設けられるもので、
前記枠部材には、前記可動部材の移動を許容する移動許容手段が設けられており、
前記動作規制手段は、前記移動許容手段と一体的に設けられている
こと特徴とする遊技機。
上記3−2.の遊技機では、可動演出手段が設けられる枠部材に、可動部材の移動を許容する移動許容手段が設けられており、当該移動許容手段と一体的に動作規制手段が設けられるものとなっている。これにより、可動部材の移動範囲内での移動を許容する手段と、可動部材の所定動作を実行不能(規制)または実行可能(規制解除)とする手段とを集約した簡便な構成により、可動部材(可動演出手段)による演出動作の多様化を図ることが可能となる。
3−3.上記3−1.または3−2.の遊技機において、
前記所定動作は、前記可動部材の位置であって、前記遊技盤の盤面に対して垂直方向の位置を異ならせる動作である
こと特徴とする遊技機。
上記3−3.の遊技機では、動作規制手段による規制が解かれることで実行可能となる可動部材の所定動作が、当該可動部材の、遊技盤面に対して垂直方向の位置を異ならせる動作となっている。これにより、可動部材を遊技盤の面方向に移動させつつ、当該可動部材の垂直方向の位置も変化させるといった演出動作が実現可能となる。
3−4.上記3−1.ないし3−3.の何れか一つの遊技機において、
前記可動部材は複数設けられており、
前記複数の可動部材の各々に対して前記動作規制手段が設けられている
こと特徴とする遊技機。
上記3−4.の遊技機では、可動部材が複数設けられるとともに、これら複数の可動部材の各々について動作規制手段が設けられる。これにより、複数の可動部材の各々について、面方向への移動および規制解除に基づく所定動作が実行され得るものとして、演出動作の多様化を図ることが可能となる。
4−1.所定の演出表示を実行可能な演出表示手段と、
所定の可動演出を実行可能な可動演出手段と、
を備えた遊技機であって、
前記可動演出手段は、前記演出表示手段の表示面の手前側を移動可能な可動部材を有しており、
前記可動部材の移動範囲内の所定位置には、前記可動部材の所定動作を規制する動作規制手段が設けられており、
前記可動部材が移動して前記所定位置を外れることで、前記動作規制手段による規制が解かれて前記可動部材の所定動作が実行可能となる
ことを特徴とする遊技機。
上記4−1.の遊技機では、可動演出手段の可動部材が演出表示手段の表示面の手前側を移動可能となっており、その移動範囲内の所定位置に可動部材があるときには、当該可動部材による所定動作が動作規制手段によって規制される。そして、可動部材が移動して所定位置から外れることで、動作規制手段による規制が解かれ、可動部材の所定動作が実行可能となる。これにより、演出表示手段の表示面の手前側を移動する可動部材の位置によって、当該可動部材による所定動作が実行不能な状態(規制される状態)と実行可能な状態(規制されない状態)を生じさせることが可能となり、延いては、可動部材(可動演出手段)による演出動作の多様化を図ることが可能となる。
4−2.上記4−1.の遊技機において、
前記可動演出手段は、所定の枠部材に設けられるもので、
前記枠部材には、前記可動部材の移動を許容する移動許容手段が設けられており、
前記動作規制手段は、前記移動許容手段と一体的に設けられている
ことを特徴とする遊技機。
上記4−2.の遊技機では、可動演出手段が設けられる枠部材に、可動部材の移動を許容する移動許容手段が設けられており、当該移動許容手段と一体的に動作規制手段が設けられるものとなっている。これにより、可動部材の移動範囲内での移動を許容する手段と、可動部材の所定動作を実行不能(規制)または実行可能(規制解除)とする手段とを集約した簡便な構成により、可動部材(可動演出手段)による演出動作の多様化を図ることが可能となる。
4−3.上記4−1.または4−2.の遊技機において、
前記所定動作は、前記可動部材の位置であって、前記演出表示手段の表示面に対して垂直方向の位置を異ならせる動作である
ことを特徴とする遊技機。
上記4−3.の遊技機では、動作規制手段による規制が解かれることで実行可能となる可動部材の所定動作が、当該可動部材の、遊技盤面に対して垂直方向の位置を異ならせる動作となっている。これにより、可動部材を演出表示手段の表示面の手前側で移動させつつ、当該可動部材の垂直方向の位置も変化させるといった演出動作が実現可能となる。
4−4.上記4−1.ないし4−3.の何れか一つの遊技機において、
前記可動部材は複数設けられており、
前記複数の可動部材の各々に対して前記動作規制手段が設けられている
ことを特徴とする遊技機。
上記4−4.の遊技機では、可動部材が複数設けられるとともに、これら複数の可動部材の各々について動作規制手段が設けられる。これにより、複数の可動部材の各々について、演出表示手段の表示面の手前側での移動および規制解除に基づく所定動作が実行され得るものとして、演出動作の多様化を図ることが可能となる。
また、前述した従来の遊技機において、一対の可動部材(可動役物)を表示画面の手前側に出現させて、両者を当接状に合体させる可動演出を行うものがある(例えば特開2007−252532号公報を参照)。このような可動演出を行う遊技機では、一対の可動部材が合体動作した際、両者の当接具合が不十分であったり、動作時や動作後の位置ズレ等が生じたりすると、各可動部材の境目が目立って全体の見栄えが悪くなり、延いては、可動演出の質が低い印象を遊技者に与えてしまうことが懸念される。当該事情に鑑み、可動演出の質の向上を図り、演出効果を高めることが可能な参考発明を、以下に示す。
5−1.所定の可動演出を実行可能な可動演出手段を備えた遊技機であって、
前記可動演出手段は、少なくとも第1可動部材と第2可動部材とを有しており、各可動部材が互いに離れた状態である第1状態と、各可動部材が互いに近接した状態である第2状態と、をとり得るものであり、
前記第2状態にて前記第1可動部材および前記第2可動部材が離反するのを防止可能に構成した
ことを特徴とする遊技機。
上記5−1.の遊技機では、可動演出手段が、少なくとも、第1可動部材と第2可動部材とを有しており、当該第1可動部材および第2可動部材が近接した状態(第2状態)にて、両者が離反するのを防止し得る構成となっている。これにより、第1可動部材および第2可動部材が第2状態となった際、当該状態を維持することで見栄えを良好にすることが可能となり、延いては、質の高い可動演出を実現することが可能となる。
尚、当該参考発明において、可動演出手段は、少なくとも、第1可動部材と第2可動部材とを有するものとしているが、例えば、第3可動部材、第4可動部材・・・といったように、3以上の可動部材を有するものであってもよい。この場合、3以上の可動部材のうち、少なくとも2つの可動部材が離反するのを防止可能としたり、3つの可動部材が互いに離反するのを防止可能としたりするなど、複数の可動部材のうち少なくとも2以上の可動部材について離反するのを防止可能とする構成をとり得る。
5−2.上記5−1.の遊技機において、
前記第1可動部材および前記第2可動部材は、上下に対向して配される
ことを特徴とする遊技機。
上記5−2.の遊技機では、第1可動部材および第2可動部材が上下に対向して配されるものとなっている。ここで、第2状態において、第1可動部材および第2可動部材のうち、特に下方に位置する可動部材は、自身の重み(自重)によって、上方に位置する可動部材から離れてしまう虞があるところ、各可動部材が離反するのを防止可能としているので、第1可動部材および第2可動部材が上下に対向する場合であっても、第2状態を維持することが可能となる。
5−3.上記5−1.または5−2.の遊技機において、
前記第1可動部材および前記第2可動部材の一方に係合部が設けられるとともに、他方に被係合部が設けられており、
前記第2状態にて前記係合部が前記被係合部と係合することにより、前記第1可動部材および前記第2可動部材の離反が防止される
ことを特徴とする遊技機。
上記5−3.の遊技機では、第1可動部材および第2可動部材の一方に設けられる係合部と、他方に設けられる被係合部との係合により、第1可動部材および第2可動部材を第2状態とした際の両者の離反が防止されるものとなっている。これにより、第1可動部材および第2可動部材を第2状態に維持することの確実性を高めて、質の高い可動演出の実現に貢献することが可能となる。
5−4.上記5−3.の遊技機において、
前記可動演出手段は、前記第2状態において、前記第1可動部材および前記第2可動部材を一体として所定の演出動作を実行可能であり、
少なくとも前記一方の可動部材には、前記所定の演出動作の実行に際して動作可能な動作部材が含まれており、
前記係合部は、前記動作部材に設けられており、前記動作部材の動作により前記被係合部と係合する
ことを特徴とする遊技機。
上記5−4.の遊技機では、可動演出手段が第1可動部材および第2可動部材を第2状態とした際、両者を一体として演出動作を行い得る。ここで、前述の係合部が設けられることとなる可動部材(一方の可動部材)には、当該演出動作の実行に際して動作可能な動作部材が含まれており、この動作部材に前述の係合部が設けられている。そして、第2状態にて第1可動部材および第2可動部材を一体とした演出動作の実行に際し、動作部材が動作することにより、係合部が被係合部と係合するものとなっている。つまり、第2状態での演出動作(第1可動部材および第2可動部材が一体の演出動作)の実行に際して、第1可動部材および第2可動部材の離反が防止される。このため、第2状態での演出動作は、第1可動部材および第2可動部材の近接(第2状態)が保たれた状態で行われることとなる。これにより、可動演出全般の見栄えを良好なものとして、演出効果を高めることが可能となる。
5−5.上記5−1.ないし5−4.の何れか一つの遊技機において、
所定の演出表示を実行可能な演出表示手段を備え、
前記第2状態では、前記第1可動部材および前記第2可動部材が前記演出表示手段の表示領域の一部を覆い隠すとともに、前記演出表示手段が演出表示を行う
ことを特徴とする遊技機。
上記5−5.の遊技機では、第2状態において、第1可動部材および第2可動部材が演出表示手段の表示領域の一部を覆い隠し、この状況下で演出表示が行われる。これにより、第1可動部材および第2可動部材による可動演出と、演出表示手段による演出表示とを連携させて、演出効果を高めることが可能となる。
5−6.上記5−5.の遊技機において、
前記演出表示手段は、
前記第1状態では表示領域を一の領域として表示し、
前記第2状態では表示領域を複数の領域として表示する
ことを特徴とする遊技機。
上記5−6.の遊技機では、第1可動部材および第2可動部材が離れた状態(第1状態)にあるときは、演出表示手段の表示領域が一の領域として表示され、第1可動部材および第2可動部材が近接した状態(第2状態)にあるときは、演出表示手段の表示領域が複数の領域として表示されるものとなっている。これにより、第1状態と第2状態との状態変化による演出効果をより高めることが可能となる。
6−1.所定の可動演出を実行可能な可動演出手段を備えた遊技機であって、
前記可動演出手段は、少なくとも、第1可動部材と第2可動部材とを有しており、
前記第1可動部材および前記第2可動部材は、それぞれ所定方向に移動可能であって、互いに離れた状態である第1状態と、互いに近接した状態である第2状態と、をとり得るものであり、
前記第2状態にて前記第1可動部材および前記第2可動部材が離反するのを防止可能に構成した
ことを特徴とする遊技機。
上記6−1.の遊技機では、可動演出手段が、少なくとも、第1可動部材と第2可動部材とを有しており、当該第1可動部材および第2可動部材が近接した状態(第2状態)にて、両者が離反するのを防止し得る構成となっている。これにより、第1可動部材および第2可動部材が第2状態となった際、当該状態を維持することで見栄えを良好にすることが可能となり、延いては、質の高い可動演出を実現することが可能となる。
尚、当該参考発明において、可動演出手段は、少なくとも、第1可動部材と第2可動部材とを有するものとしているが、例えば、第3可動部材、第4可動部材・・・といったように、3以上の可動部材を有するものであってもよい。この場合、3以上の可動部材のうち、少なくとも2つの可動部材が離反するのを防止可能としたり、3つの可動部材が互いに離反するのを防止可能としたりするなど、複数の可動部材のうち少なくとも2以上の可動部材について離反するのを防止可能とする構成をとり得る。
6−2.上記6−1.の遊技機において、
前記第1可動部材および前記第2可動部材は、上下に対向して配されるもので、それぞれ上下方向に移動可能である
ことを特徴とする遊技機。
上記6−2.の遊技機では、第1可動部材および第2可動部材が上下に対向して配されており、それぞれが上下に移動することで、第1状態または第2状態となる。ここで、第2状態において、第1可動部材および第2可動部材のうち、特に下方に位置する可動部材は、自身の重み(自重)によって、上方に位置する可動部材から離れてしまう虞があるところ、各可動部材が離反するのを防止可能としているので、第1可動部材および第2可動部材が上下に対向する場合であっても、第2状態を維持することが可能となる。
6−3.上記6−1.または6−2.の遊技機において、
前記第1可動部材および前記第2可動部材の一方に係合部が設けられるとともに、他方に被係合部が設けられており、
前記第2状態にて前記係合部が前記被係合部と係合することにより、前記第1可動部材および前記第2可動部材の離反が防止される
ことを特徴とする遊技機。
上記6−3.の遊技機では、第1可動部材および第2可動部材の一方に設けられる係合部と、他方に設けられる被係合部との係合により、第1可動部材および第2可動部材が第2状態となった際の両者の離反が防止されるものとなっている。これにより、第1可動部材および第2可動部材を第2状態に維持することの確実性を高めて、質の高い可動演出の実現に貢献することが可能となる。
6−4.上記6−3.の遊技機において、
前記第2状態では、前記第1可動部材および前記第2可動部材が一体となって所定の演出動作を実行可能であり、
少なくとも前記一方の可動部材は、前記所定の演出動作の実行に際して動作可能な動作部材を有しており、
前記係合部は、前記動作部材に設けられており、前記動作部材の動作により前記被係合部と係合する
ことを特徴とする遊技機。
上記6−4.の遊技機では、第1可動部材および第2可動部材が第2状態となった際、両者が一体となって演出動作を行い得る。ここで、前述の係合部が設けられることとなる可動部材(一方の可動部材)には、当該演出動作の実行に際して動作可能な動作部材が含まれており、この動作部材に前述の係合部が設けられている。そして、第2状態にて第1可動部材および第2可動部材が一体となって演出動作を行うに際し、動作部材が動作することにより、係合部が被係合部と係合するものとなっている。つまり、第2状態での演出動作(第1可動部材および第2可動部材が一体の演出動作)の実行に際して、第1可動部材および第2可動部材の離反が防止される。このため、第2状態での演出動作は、第1可動部材および第2可動部材の近接(第2状態)が保たれた状態で行われることとなる。これにより、可動演出全般の見栄えを良好なものとして、演出効果を高めることが可能となる。
6−5.上記6−1.ないし6−4の何れか一つの遊技機において、
所定の演出表示を実行可能な演出表示手段を備え、
前記第1可動部材および前記第2可動部材は、前記演出表示手段の表示領域の手前側を移動可能に構成されており、
前記第2状態では、前記第1可動部材および前記第2可動部材が前記演出表示手段の表示領域の一部を覆い隠すとともに、前記演出表示手段が演出表示を行う
ことを特徴とする遊技機。
上記6−5.の遊技機では、第1可動部材および第2可動部材が、演出表示手段の表示領域の手前側を移動し得るものとなっており、第2状態では、第1可動部材および第2可動部材が演出表示手段の表示領域の一部を覆い隠し、この状況下で演出表示が行われる。これにより、第1可動部材および第2可動部材による可動演出と、演出表示手段による演出表示とを連携させて、演出効果を高めることが可能となる。
6−6.上記6−5.の遊技機において、
前記演出表示手段は、
前記第1状態では表示領域を一の領域として表示し、
前記第2状態では表示領域を複数の領域として表示する
ことを特徴とする遊技機。
上記6−6.の遊技機では、第1可動部材および第2可動部材が離れた状態(第1状態)にあるときは、演出表示手段の表示領域が一の領域として表示され、第1可動部材および第2可動部材が近接した状態(第2状態)にあるときは、演出表示手段の表示領域が複数の領域として表示されるものとなっている。これにより、第1状態と第2状態との状態変化による演出効果をより高めることが可能となる。
また、前述した従来の遊技機において、所定の可動物が動作する可動演出を備えたものが存在する。可動演出にて可動物を動作させるメカニズムとしては、例えば、モータ等の駆動源による駆動力を複数のギヤを介して可動物に伝達し、これにより可動物が動作する構成を採ることが多い(例えば特開2007−215860号公報を参照)。前述のようにギヤを用いて駆動力を伝達して可動物を動作させる構成では、その動作に際して、ギヤ同士の噛み合いの深さが不足している等、噛合が不十分であると、可動物が動作しなかったり、動作するもののスムーズに動作しなかったりする等、可動物の動作不良を招く虞があり、このことは可動演出の質の低下に繋がってしまう。当該事情に鑑み、可動演出の質の向上を図り、演出効果を高めることが可能な参考発明を、以下に示す。
7−1.所定の演出を実行可能な遊技機であって、
第1歯部が設けられた第1ギヤと、
前記第1歯部と噛合可能な第2歯部が設けられた第2ギヤと、
前記第1ギヤを作動させる駆動源と、
を備え、
前記演出として、所定の動作部材が動作する可動演出を実行可能であり、
前記動作部材は、前記駆動源の駆動により前記第1ギヤが作動するとともに当該作動に伴って前記第2ギヤが作動することで所定の動作を行うものであり、
前記第1ギヤの作動に際して、互いに噛合する前記第1歯部および前記第2歯部が離れるのを防止可能に構成した
ことを特徴とする遊技機。
上記7−1.の遊技機では、駆動源の駆動により第1ギヤが作動すると、当該第1ギヤの第1歯部と噛合する第2歯部を有する第2ギヤが作動し、当該第2ギヤの作動により動作部材が動作して、可動演出が行われる。そして、第1ギヤの作動に際しては、互いに噛合する第1歯部と第2歯部が離れるのを防止し得るものとしている。このため、第1ギヤが作動するときには、第1歯部(第1ギヤ)と第2歯部(第2ギヤ)がしっかりと噛合する状態とすることが可能となる。これにより、動作部材の動作不良を招くことなく、当該動作部材の動作を円滑に行うことが可能となり、延いては、質の高い可動演出を実現して演出効果を高めることが可能となる。
7−2.上記7−1.の遊技機において、
所定の第1位置と第2位置との間を移動可能な可動部材を備え、
前記可動部材は、前記第2ギヤおよび前記動作部材を含んで構成されるものであり、
前記可動部材が前記第1位置にあるときには、前記第1歯部および前記第2歯部が噛合せず、
前記可動部材が前記第2位置にあるときには、前記第1歯部および前記第2歯部が噛合し、
前記第2位置にある前記可動部材が前記第1位置側へ移動するのを防止可能な移動防止手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
上記7−2.の遊技機では、第1位置と第2位置との間を移動可能な可動部材を備え、当該可動部材が、第2ギヤおよび動作部材を含むものとなっている。そして、可動部材が第1位置にあるときには、第1歯部および第2歯部が噛合しないことから動作部材が動作することはなく、動作部材の動作による可動演出は行われない。一方、可動部材が第2位置にあるときには、第1歯部および第2歯部が噛合するので、このときに駆動源の駆動により第1ギヤが作動すると、これに伴って第2ギヤが作動し、当該第2ギヤの作動により動作部材が動作する。このため、可動部材が第2位置にあるときには、動作部材の動作による可動演出が実行可能となる。ここで、前述のように、第1ギヤの作動に際して、第1歯部および第2歯部が離れるのを防止可能とするところ、可動部材が第2位置にあるときに可動部材の第1位置側への移動を防止することで、第1歯部と第2歯部が離れないものとなるため、当該状況下での第1ギヤの作動に際して、第1歯部および第2歯部が離れるのを防止することが可能となる。これにより、第2位置にある可動部材が第1位置側へ移動すること(位置ズレ)を防止しつつ、第1歯部および第2歯部が離れるのを防止することが可能となり、質の高い可動演出が効率的に得られるものとなる。
7−3.上記7−2.の遊技機において、
前記移動防止手段は、前記可動部材が前記第2位置にあるときの前記第1ギヤの作動に際して、前記可動部材が前記第1位置側へ移動するのを防止する
ことを特徴とする遊技機。
上記7−3.の遊技機では、可動部材が第2位置にあるときの第1ギヤの作動に際して、可動部材の第1位置側への移動が防止されるものとなっている。これにより、可動部材が第2位置にあるときの可動演出の実行に際し、動作部材の動作不良を防止することの確実性を増すことが可能となる。
7−4.上記7−1.ないし7−3.の何れか一つの遊技機において、
前記動作部材とは別に、前記第2ギヤが作動することで所定の動作を行う他の動作部材を備える
ことを特徴とする遊技機。
上記7−4.の遊技機では、第2ギヤが作動することで、複数の動作部材が動作し得るものとなっている。このため、一の駆動源で複数の動作部材を動作させることが可能となる。これにより、簡便な構成で可動演出の質や演出効果の向上を図ることが可能となる。
8−1.所定の演出を実行可能な遊技機であって、
第1歯部が設けられた第1ギヤと、
前記第1歯部と噛合可能な第2歯部が設けられた第2ギヤと、
前記第1ギヤを作動させる駆動源と、
を備え、
前記演出として、所定の動作部材が動作する可動演出を実行可能であり、
前記動作部材は、前記駆動源の駆動により前記第1ギヤが作動するとともに当該作動に伴って前記第2ギヤが作動することで所定の動作を行うものであり、
前記第1歯部および前記第2歯部の噛合に際し、前記第1ギヤおよび前記第2ギヤが互いに離れるのを防止可能に構成した
ことを特徴とする遊技機。
上記8−1.の遊技機では、駆動源の駆動により第1ギヤが作動すると、当該第1ギヤの第1歯部と噛合する第2歯部を有する第2ギヤが作動し、当該第2ギヤの作動により動作部材が動作して、可動演出が行われる。そして、第1歯部および第2歯部の噛合に際して、第1ギヤおよび第2ギヤが互いに離れるのを防止し得るものとしている。このため、第1ギヤが作動するときには、第1歯部(第1ギヤ)と第2歯部(第2ギヤ)がしっかりと噛合する状態とすることが可能となる。これにより、動作部材の動作不良を招くことなく、当該動作部材の動作を円滑に行うことが可能となり、延いては、質の高い可動演出を実現して演出効果を高めることが可能となる。
8−2.上記8−1.の遊技機において、
所定の第1位置と第2位置との間を移動可能な可動部材を備え、
前記可動部材は、前記第2ギヤおよび前記動作部材を含んで構成されるものであり、
前記可動部材が前記第1位置にあるときには、前記第1ギヤおよび前記第2ギヤが離れて前記第1歯部および前記第2歯部が噛合せず、
前記可動部材が前記第2位置にあるときには、前記第1ギヤおよび前記第2ギヤが近接して前記第1歯部および前記第2歯部が噛合し、
前記第2位置にある前記可動部材が前記第1位置側へ移動するのを防止可能な移動防止手段を備える
ことを特徴とする遊技機。
上記8−2.の遊技機では、第1位置と第2位置との間を移動可能な可動部材を備え、当該可動部材が、第2ギヤおよび動作部材を含むものとなっている。そして、可動部材が第1位置にあるときには、第1ギヤおよび第2ギヤが離れて第1歯部および第2歯部が噛合しないことから、動作部材が動作することはなく、動作部材の動作による可動演出は行われない。一方、可動部材が第2位置にあるときには、第1ギヤおよび第2ギヤが近接して第1歯部および第2歯部が噛合するので、このときに駆動源の駆動により第1ギヤが作動すると、これに伴って第2ギヤが作動し、当該第2ギヤの作動により動作部材が動作する。このため、可動部材が第2位置にあるときには、動作部材の動作による可動演出が実行可能となる。ここで、前述のように、第1歯部および第2歯部の噛合に際し、第1ギヤおよび第2ギヤが互いに離れるのを防止可能とするところ、可動部材が第2位置にあるときに可動部材の第1位置側への移動を防止することで、第1ギヤと第2ギヤが離れないものとなるため、当該状況下での第1歯部および第2歯部の噛合に際し、第1ギヤおよび第2ギヤが互いに離れるのを防止することが可能となる。これにより、第2位置にある可動部材が第1位置側へ移動すること(位置ズレ)を防止しつつ、第1ギヤおよび第2ギヤが互いに離れるのを防止することが可能となり、質の高い可動演出が効率的に得られるものとなる。
8−3.上記8−2.の遊技機において、
前記移動防止手段は、前記可動部材が前記第2位置にあるときの前記第1ギヤの作動に際して、前記可動部材が前記第1位置側へ移動するのを防止する
ことを特徴とする遊技機。
上記8−3.の遊技機では、可動部材が第2位置にあるときの第1ギヤの作動に際して、可動部材の第1位置側への移動が防止されるものとなっている。これにより、可動部材が第2位置にあるときの可動演出の実行に際し、動作部材の動作不良を防止することの確実性を増すことが可能となる。
8−4.上記8−1.ないし8−3.の何れか一つの遊技機において、
前記動作部材とは別に、前記第2ギヤが作動することで所定の動作を行う他の動作部材を備える
ことを特徴とする遊技機。
上記8−4.の遊技機では、第2ギヤが作動することで、複数の動作部材が動作し得るものとなっている。このため、一の駆動源で複数の動作部材を動作させることが可能となる。これにより、簡便な構成で可動演出の質や演出効果の向上を図ることが可能となる。