JP2019024916A - 遊技機 - Google Patents

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土屋 良孝
Yoshitaka Tsuchiya
良孝 土屋
田中 勝巳
Katsumi Tanaka
勝巳 田中
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Abstract

【課題】発射位置への遊技球の供給を、安定して行うことが可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】パチンコ遊技機は、遊技機枠と、遊技盤面に遊技球が流下可能な遊技領域が設けられた遊技盤とを有している。また、パチンコ遊技機は、遊技領域の下方の発射位置から遊技領域へ向けて、遊技球を発射可能な発射装置を備えている。さらに、パチンコ遊技機は、払出位置から発射装置まで遊技球を案内可能な移送経路を備え、移送経路上には、揚送経路が設けられている。また、揚送経路には、揚送が可能な揚送機構と、揚送機構を駆動する駆動部が設けられている。さらに、揚送経路の揚送上方位置から発射位置までの間には、遊技球を貯留可能となっている。
【選択図】図2

Description

本発明は、パチンコ遊技機等に代表される遊技機に関する。
一般的なパチンコ遊技機では、遊技領域に配された所定箇所を狙って遊技球を発射することで遊技がなされる。このような遊技機に関する従来技術として、例えば、下記特許文献1に記載のものが挙げられる。特許文献1には、遊技領域の下方の発射位置から遊技球を発射する構成の遊技機が記載されている。また、このような遊技機では、発射された遊技球が、遊技領域の横を遊技領域の下方から上方まで延びる誘導通路によって遊技領域上方まで誘導された後、遊技領域を流下するように構成されている。
特開2006−263228号公報
ところで、遊技機では、発射位置に遊技球がなければ遊技球の発射ができない。このため、安定した遊技球の発射を可能にするためには、発射位置へ遊技球が安定して供給されることが重要である。しかしながら、従来の遊技機においては、例えば、払い出された遊技球を発射装置まで案内する移送経路上で遊技球が停滞してしまうことなどにより、発射位置への遊技球の供給が安定してなされないおそれがあった。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわちその課題とするところは、発射位置への遊技球の供給を、安定して行うことが可能な遊技機を提供することにある。
本発明に係る遊技機は、
遊技球が流下可能な遊技領域が設けられた遊技盤と、
遊技球を、前記遊技領域の下端よりも下方に位置する発射位置から前記遊技領域へ向けて発射可能な発射装置と、
所定の払出条件が成立したことに基づいて、払出位置にて遊技球の払い出しを行う払出手段と、
前記払出位置から前記発射装置まで遊技球を案内することが可能な移送経路と、
を備える遊技機であって、
前記移送経路は、前記発射位置よりも下方に位置する揚送下方位置から前記揚送下方位置よりも上方に位置する揚送上方位置まで延びる揚送経路を有し、
軸周りに回転することで、前記揚送経路内の遊技球を重力に抗う向きに移動させることが可能なスクリュー部材と、
前記スクリュー部材を回転可能なスクリュー駆動部と、
前記移送経路における前記揚送上方位置から前記発射位置までの間に位置し、遊技球を貯留可能な遊技球貯留部と、を備えることを特徴とする。
本発明によれば、発射位置への遊技球の供給を、安定して行うことが可能な遊技機が提供されている。
第1の形態に係る遊技機を右上方手前からみたときの斜視図である。 同遊技機の正面図である。 同遊技機が備える遊技機枠の分解斜視図である。 同遊技機の通常移送状態を示す概略構成図である。 同遊技機の排出移送状態を示す概略構成図である。 同遊技機が備える打球供給皿の斜視図である。 同遊技機が備える揚送部、発射前タンク、発射装置、上方排出経路部材を示す斜視図である。 揚送部、上方排出経路部材を示す斜視図である。 揚送部の分解斜視図である。 発射前タンクの斜視図である。 タンクカバーが開状態の発射前タンクを示す上方からの斜視図である。 タンクカバーが開状態の発射前タンクを示す下方からの斜視図である。 発射前タンクのタンク本体の斜視図である。 内枠の閉状態における発射前タンクを示した図である。 内枠が開状態であり、タンクカバーが開状態の発射前タンクを示した図である。 発射装置の前方からの斜視図である。 発射装置の後方からの斜視図である。 発射装置の分解斜視図である。 同遊技機が備える遊技盤ユニットの正面図である。 同遊技機が備える第2大入賞装置を詳細に示す概略正面図である。 図19に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。 同遊技機の主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 同遊技機のサブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 大当たり種別判定テーブルである。 遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。 (A)大当たり判定テーブルである。(B)リーチ判定テーブルである。(C)普通図柄当たり判定テーブルである。(D)普通図柄変動パターン選択テーブルである。 変動パターン判定テーブルである。 電チューの開放パターン決定テーブルである。 メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 払出側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 発射制御処理のフローチャートである。 揚送動作処理のフローチャートである。 排出揚送動作処理のフローチャートである。 排出切替処理のフローチャートである。 サブ側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 玉処理ユニットを併設した状態の遊技機の正面図である。 第2の形態に係る遊技機の概略構成図である。 第3の形態に係る遊技機の概略構成図である。 第4の形態に係る遊技機の概略構成図である。 第5の形態に係る遊技機の概略構成図である。 第6の形態に係る遊技機の斜視図である。 第7の形態に係る遊技機の正面図である。 第8の形態に係る遊技機の斜視図であり、演出操作部が収容状態であるときを示す図である。 第8の形態に係る遊技機の斜視図であり、演出操作部が起立状態であるときを示す図である。 第9の形態に係る遊技機の斜視図である。 第10の形態に係る遊技機の左右方向における中央位置での断面図である。 第11の形態に係る遊技機の左右方向における中央位置での断面図である。
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として説明する。
[第1の形態]
1.遊技機の構造
図1は、第1の形態に係るパチンコ遊技機1の斜視図である。図1に示すように、本形態のパチンコ遊技機1は、当該パチンコ遊技機1の外郭を構成する遊技機枠50を備えている。遊技機枠50は、外枠51と内枠52と前枠(ガラス扉枠)53とを備えている。外枠51は、遊技機枠50の外郭を構成する縦長方形状の枠体である。内枠52は、外枠51の前方側に配されている部分と、外枠51の内側に配置されている部分とを備え、遊技盤2(図19参照)を取付ける縦長方形状の枠体である。本形態の前枠53は、内枠52の前方側に配置されていて、遊技盤2を保護する縦長方形状のものである。なお外枠51の下端の前面側には、左右方向に長い長方形状の幕板51aが配されている。本形態では、外枠51及び内枠52が遊技機枠50の「基枠部」に相当し、前枠53が遊技機枠50の「前枠部」に相当する。
図1に示すように、前枠53は、その中央に遊技窓部53aが形成されている。遊技窓部53aは、前枠53を前後方向について貫通する開口部であり、透明のガラス板55が取付けられることで塞がれている。
また、前枠53は、前面に、装飾部である上側装飾部200、左側装飾部210、右側装飾部220を備えている。上側装飾部(上部装飾部)200は、遊技窓部53aの上方に位置し、遊技機枠50(前枠53)の前面上部を装飾するものである。左側装飾部210は、遊技窓部53aの左方に位置し、遊技機枠50(前枠53)の前面右部を装飾するものである。右側装飾部220は、遊技窓部53aの右方に位置し、遊技機枠50の前面左部を装飾するものである。上側装飾部200、左側装飾部210、右側装飾部220には、様々な発光色で発光可能な枠ランプ66(図23参照)が多数設けられている。また、上側装飾部200の左右には、左側スピーカ67L及び右側スピーカ67Rがそれぞれ設けられている。
また、本形態の遊技機枠50は、前枠53における遊技窓部53aよりも下方位置に、打球供給皿(前皿、上皿)61、操作機構部230を備えている。打球供給皿61は、上方が開口しており、遊技球を貯留することができる貯留部である。
操作機構部230は、遊技や演出等を進行するための操作機構を備えるものである。操作機構部230には、様々な発光色で発光可能な枠ランプ66(図23参照)が多数設けられている。また、本形態の操作機構部230には、ハンドル60、演出操作部63、排出操作部64、排出レバー65、設定操作部68が含まれている。
ハンドル60は、発射装置112の駆動に係る操作を行うことが可能なものであり、本形態では、前枠53の右側の下部に設けられている。ハンドル60は、遊技者による回転操作に基づき、その回転角度に応じた発射強度で、発射装置112に遊技球を発射させることができる。
本形態の演出操作部63は、打球供給皿61よりも右方に設けられ、遊技の進行に伴って実行される演出時等に遊技者が操作し得るものである。本形態の演出操作部63は、図1からわかるように、操縦桿を模したものであり、遊技者が実物の操縦桿のように操作が可能なものである。具体的に、演出操作部63は、矢印H1で示す左右に傾ける操作、矢印H2で示す前後に傾ける操作、矢印H3で示す前後に押したり引いたりする操作が可能である。その他、演出操作部63は、その前面中央のボタンを押し下げる操作も可能である。そして、演出操作部63は、前枠53における遊技窓部53aよりも下方位置に、前面がガラス板55よりも前方に突出して配されている前方下部領域69に設けられている。なお、本形態では、演出操作部63のような可動物を除いた固定構成のなかでは、前方下部領域69が、最も前方へ突出している構成となっている。
排出操作部64および排出レバー65はともに、遊技者が操作可能なものである。また、排出操作部64および排出レバー65はともに、パチンコ遊技機1に払い出された後であって、発射装置112により発射される前の遊技球を、パチンコ遊技機1から排出可能な状態とする排出操作を行うことができるものである。パチンコ遊技機1からの遊技球の排出は、例えば、遊技者がパチンコ遊技機1での遊技を終了または中断する際に、パチンコ遊技機1に払い出されたものの、まだ発射装置112によって発射されていない遊技球が存在する場合に行われる。
設定操作部68は、遊技者が操作により、演出に係る設定等の調整や選択を行うことができるものである。本形態のパチンコ遊技機1では、左側スピーカ67Lおよび右側スピーカ67Rから出力される音量調整を行うことができるものである。また、設定操作部68は、例えば、発光部材の光量調整や、複数の演出モードを実行可能な場合における演出モードの選択に用いることができるものであってもよい。また、このような演出に係る設定は、演出操作部63により行うことができてもよい。
遊技機枠50は、左端側にヒンジ部54を備えている。ヒンジ部54は、外枠51、内枠52、前枠53を回転可能に指示しているものである。そして、ヒンジ部54により、前枠53は外枠51及び内枠52に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠52は外枠51及び前枠53に対してそれぞれ回動自在になっている。なお、図1には、内枠52および前枠53がともに閉められた閉状態のときの遊技機枠50を示している。
図2は、パチンコ遊技機1の正面図である。図2には、前枠53の後方に配されている遊技盤2および発射装置112を破線により示している。また、図2に示すように、遊技盤2の遊技領域3は、ガラス板55の後方に配されている。これにより遊技者は、ガラス板55を通して、遊技領域3を視認できるようになっている。
また、図2に示すように、本形態のパチンコ遊技機1において、発射装置112は上部に設けられている。具体的には、本形態の発射装置112は、発射位置112aが、遊技盤2の遊技領域3の下端3Dよりも上方に設けられている。さらに、本形態では、発射位置112aは、上下方向について、遊技領域3の中央位置よりも上方に設けられている。そして、発射装置112は、発射位置112aより、遊技領域3へと遊技球を発射することができるものである。
ここで、発射装置112の大きさは、発射位置112aが遊技領域3の上方箇所に近いほど、小さいものとすることができる傾向にある。一般的に、発射された遊技球は、遊技領域3の上部より、遊技領域3へと進入する。遊技球を、遊技領域3へと流下させるためである。そして、発射位置112aが下方にあるほど、その分、遊技球を重力に抗って移動させなければならず、発射装置112として、遊技球を速い速度で発射することが可能なもの、すなわち、発射装置112の駆動源として出力の大きなものが必要となる。このため、本形態の発射装置112は、遊技領域の下方の発射位置から遊技球を発射する従来のものと比べて、小さく、かつ、安価なものとなっている。さらには、本形態のパチンコ遊技機1は、遊技領域の下方の発射位置から遊技球を発射する従来のものにはなかった、新たな興趣を提供することが可能なものとなっている。
また、図2には、打球供給皿61の左右方向の長さ61Lと、演出操作部63の左右方向の長さ63Lとを示している。そして、本形態では、演出操作部63の長さ63Lの方が、打球供給皿61の長さ61Lよりも長いものとなっている。すなわち、本形態では、従来よりも、打球供給皿61を小さく、演出操作部63を大きく構成している。これにより、演出操作部63をインパクトの強いものとし、その操作による興趣性の向上が図られている。
また、パチンコ遊技機1は、前方下部領域69の下方に設けられた排出口691と、図2に太い一点鎖線により示す下方排出経路YDとを備えている。下方排出経路YDは、図2に示すように、打球供給皿61から排出口691へと延びており、遊技球を、打球供給皿61から排出口691まで案内可能なものである。そして、本形態のパチンコ遊技機1では、排出操作部64および排出レバー65の少なくとも一方の操作に基づいて、排出口691からの遊技球の排出が可能となる。
図3は、内枠52および前枠53がともに開かれた開状態の遊技機枠50を示した、遊技機枠50の分解斜視図である。なお、図3は、遊技盤2およびガラス板55を取り外した状態のものである。図3に示す内枠52は、閉状態よりも外枠51から遠ざかる向きに回転されることで開状態とされている。また、前枠53は、閉状態よりも内枠52から遠ざかる向きに回転されることで開状態とされている。
前枠53は、内枠52に対して閉じられた閉状態において、遊技盤2の少なくとも前面側を、外部の空間から区画することができる。また、前枠53は、閉状態から、内枠52から遠ざかる向きに回転される開放動作が行われることで、開状態とされる。そして、遊技機枠50は、前枠53が開状態となることで、少なくとも遊技盤2の前面側を遊技機枠50の外部の空間に開放することができる。
また、パチンコ遊技機1は、図3に示すように、払出前タンク58および払出装置120を備える払出経路Zを有している。払出経路Zは、払出位置Z1まで遊技球を案内可能な経路であり、払出位置Z1にて、移送経路Xと接続されている。移送経路Xは、払出位置Z1から発射装置112まで遊技球を案内可能な経路である。移送経路Xには、払出位置Z1から発射装置112に向かって、すなわち遊技球が移動する向きに沿って、打球供給皿61、揚送区間XA、発射前タンク400がこの順で設けられている。また、パチンコ遊技機1は、上方排出経路YUを備えている。上方排出経路YUは、下方排出経路YDとともに、パチンコ遊技機1からの遊技球の排出の際の排出経路を構成可能な経路である。
図4は、本形態のパチンコ遊技機1における払出経路Zや移送経路X等を示す概略構成図である。なお、図4は、概略図であり、実際のパチンコ遊技機1における構成とは異なる部分もある。具体的に、図4では、上下方向の位置関係等については、おおむね実際のパチンコ遊技機1の構成通りに示されている。ただし、前後方向や左右方向については、実際のパチンコ遊技機1とは異なるものである。
図4に示すように、払出経路Zは、払い出しがなされる前の遊技球を、払出位置Z1まで案内することができる経路である。払出前タンク58は、遊技場の島設備より遊技球の供給を受けるとともに、遊技球を貯留することができるものである。払出装置120は、遊技球を、払出位置Z1にて移送経路Xへと供給する払い出しを行うことができるものである。払出装置120による遊技球の払い出しは、賞球や貸球について行われる。さらに、払出装置120は、払い出す遊技球の球数を制御可能なものである。払出装置120は、例えば、スプロケット形状の部材やネジ形状の部材をそなえ、その部材の回転により遊技球の払い出しを行うことができる。
また、移送経路Xは、払出経路Zの払出位置Z1から延びる経路であり、払出装置120により払い出された遊技球を発射装置112まで案内することが可能な経路である。
移送経路Xに設けられた打球供給皿61は、前皿入口600、前皿出口610を備えている。移送経路Xについて、前皿入口600は、前皿出口610よりも上流に位置している。また、打球供給皿61の底面には、第1前皿排出切替部材620、第2前皿排出切替部材630が設けられている。移送経路Xについて、第1前皿排出切替部材620は、第2前皿排出切替部材630よりも上流に位置している。つまり、打球供給皿61において、前皿入口600、第1前皿排出切替部材620、第2前皿排出切替部材630、前皿出口610はこの順で、移送経路Xにおける通常の遊技球の移動方向について設けられている。また、打球供給皿61において、前皿入口600、前皿出口610、第1前皿排出切替部材620、第2前皿排出切替部材630は、後者側ほど下方に位置している。
第1前皿排出切替部材620、第2前皿排出切替部材630はそれぞれに、図4に実線で示す閉状態と、二点鎖線で示す開状態とをとることができるものである。第1前皿排出切替部材620は、開状態では、第1前皿排出口621への遊技球の通過を可能とするものである。一方、第1前皿排出切替部材620は、閉状態では、開状態よりも、第1前皿排出口621への遊技球の通過を制限することができるものである。本形態の第1前皿排出切替部材620は、閉状態では、第1前皿排出口621を塞ぎ、遊技球が第1前皿排出口621を通過できない状態とする。
また、第2前皿排出切替部材630は、開状態では、第2前皿排出口631への遊技球の通過を可能とするものである。一方、第2前皿排出切替部材630は、閉状態では、開状態よりも、第2前皿排出口631への遊技球の通過を制限することができるものである。本形態の第2前皿排出切替部材630は、閉状態では、第2前皿排出口631を塞ぎ、遊技球が第2前皿排出口631を通過できない状態とする。つまり、第1前皿排出切替部材620、第2前皿排出切替部材630は、開状態にて、遊技球を打球供給皿61から排出可能な排出状態となるものである。
また、第1前皿排出切替部材620は、遊技者による排出レバー65の操作に基づいて、閉状態と開状態との間で切り替わるものである。具体的には、第1前皿排出切替部材620は、遊技者によって排出レバー65の位置が切り替えられたとき、閉状態および開状態の一方から他方へと切り替わる。また、第2前皿排出切替部材630は、遊技者による排出操作部64の操作に基づいて、閉状態と開状態との間で切り替わるものである。本形態のパチンコ遊技機1は、遊技者により排出操作部64が操作されると、移送経路X内に存在する遊技球を排出口691から排出するための排出制御が実行される。そして、本形態の第2前皿排出切替部材630は、排出制御の開始に基づいて開状態をとり、排出制御の終了に基づいて閉状態をとる。
第1前皿排出口621、第2前皿排出口631の下方には、下方排出経路YDを形成している下方排出経路部材690が設けられている。下方排出経路部材690は、前方下部領域69(図2等参照)に設けられている部材である。そして、第1前皿排出口621または第2前皿排出口631から下方排出経路部材690の内部へと移動した遊技球は、下方排出経路YDに沿って、排出口691からパチンコ遊技機1の外部へと排出されるようになっている。
また、図4に示すように、揚送区間XAは、移送経路Xにおける打球供給皿61の下流に位置しており、打球供給皿61に貯留されている遊技球を発射前タンク400まで揚送することが可能な経路である。具体的に、揚送区間XAは、揚送開始位置X1から、揚送開始位置X1よりも上方に位置する揚送終了位置X2まで延びている。そして、打球供給皿61に遊技球が貯留されていることで、揚送区間XAへの遊技球の供給が安定して行われるようになっている。
また、揚送区間XAには、揚送部700が備えられている。揚送部700は、揚送機構710と、揚送機構710を駆動する揚送モータ720とを備えている。揚送モータ720としては、例えば、電力の供給によって動作するモータを用いることができる。本形態では、揚送モータ720として、ステッピングモータを用いている。
揚送機構710は、揚送モータ720の駆動力により、遊技球を重力に抗う向きに移動させることができる機構である。具体的に、本形態の揚送機構710は、軸にらせん状の突起が設けられたスクリューである。よって、揚送機構710は、揚送モータ720により回転駆動されることで、遊技球を移動させることができる。なお、揚送機構710は、遊技球を上昇させる向きとは反対向きに回転駆動されることで、遊技球を下降させることも可能である。本形態では、遊技球を上昇させる向きの揚送機構710の回転方向を正方向とし、遊技球を下降させる向きの揚送機構710の回転方向を逆方向とする。
発射前タンク400は、揚送区間XAを揚送された後、発射装置112によって発射される前の遊技球を貯留可能な貯留部である。そして、発射前タンク400に遊技球が貯留されていることで、発射位置112への遊技球の供給が安定して行われるようになっている。また、発射前タンク400の出口側には、発射装置112が設けられている。発射装置112は、発射部500と発射供給部590とを備えている。発射部500は、発射位置112aにある遊技球を、打球発射機構57によって、遊技領域3へと発射することができるものである。発射供給部590は、図4に実線で示す状態と二点鎖線で示す状態とを、打球発射機構57の動作に合わせて交互にとることで、発射供給位置X3から発射経路XHに、遊技球を1つずつ供給することができるものである。発射経路XHは、発射供給位置X3から発射位置112aまで繋がる経路である。よって、発射供給部590により発射経路XHへと供給された遊技球は、発射位置112aまで移動する。
なお、本形態において、発射供給位置X3は、移送経路Xにおける最も下流の位置である。つまり、本形態の移送経路Xは、払出位置Z1から発射供給位置X3まで、遊技球を案内することが可能なものとなっている。
また、揚送終了位置X2から発射供給位置X3までの間には、発射前排出切替部材490が設けられている。発射前排出切替部材490は、図4に実線で示す閉状態と、二点鎖線で示す開状態とをとることができるものである。
発射前排出切替部材490は、開状態では、発射前排出口491への遊技球の通過を可能とするものである。一方、発射前排出切替部材490は、閉状態では、開状態よりも、発射前排出口491への遊技球の通過を制限することができるものである。本形態の発射前排出切替部材490は、閉状態では、発射前排出口491を塞ぎ、遊技球が発射前排出口491を通過できない状態とする。つまり、発射前排出切替部材490は、開状態にて、遊技球を発射前タンク400から排出可能な排出状態となるものである。また、本形態の発射前排出切替部材490は、排出制御の開始に基づいて開状態をとり、排出制御の終了に基づいて閉状態をとる。すなわち、本形態のパチンコ遊技機1において、第2前皿排出切替部材630および発射前排出切替部材490は、その閉状態と開状態との切り替えが統一的に行われる。
また、発射前タンク400の発射前排出口491の下方には、上方排出経路YUを形成している上方排出経路部材480が設けられている。上方排出経路部材480は、発射前排出口491から、移送経路接続口481まで延びている。移送経路接続口481は、移送経路Xの交差位置X4に設けられている。本形態において、交差位置X4は、移送経路Xにおける払出位置Z1よりも下流であって、打球供給皿61よりも上流の位置である。つまり、上方排出経路YUは、発射前タンク400内の遊技球を、移送経路Xにおける打球供給皿61よりも上流側の位置へと案内することが可能な経路となっている。そして、発射前排出口491から上方排出経路YUへと移動した遊技球は、上方排出経路YUに沿って、再度、打球供給皿61へと到達するようになっている。
また、パチンコ遊技機1では、払出経路Zや移送経路Xに存在する遊技球を検知するための検知センサが複数、設けられている。具体的に、払出経路Zには、払出位置Z1の上流位置に、払出前センサZSが設けられている。移送経路Xには、前皿前センサXS1、揚送前センサXS2、揚送後センサXS3が設けられている。前皿前センサXS1は、移送経路Xにおける払出位置Z1から打球供給皿61までの間の位置に設けられている。揚送前センサXS2は、打球供給皿61から揚送開始位置X1までの間の位置に設けられている。より具体的には、揚送前センサXS2は、揚送開始位置X1のすぐ上流位置に設けられている。揚送後センサXS3は、揚送終了位置X2から発射供給位置X3までの間の位置に設けられている。より具体的には、揚送後センサXS3は、発射前タンク400における、揚送終了位置X2のすぐ下流位置に設けられている。そして、これら各検知センサにより、払出経路Zや移送経路Xの各部や各区間における遊技球の存在状態を検知可能となっている。
次に、上記のように構成されたパチンコ遊技機1における遊技球の移動について説明する。まず、第1前皿排出切替部材620、第2前皿排出切替部材630、発射前排出切替部材490がいずれも閉状態(図4に実線で示す状態)であるときの、通常移送状態について説明する。通常移送状態は、パチンコ遊技機1において遊技が行われているときの状態である。なお、図4では、第1前皿排出切替部材620が閉状態となっている。しかし、通常移送状態は、第1前皿排出切替部材620が開状態であってもよい。
通常移送状態では、まず、ホールの島設備からパチンコ遊技機1へと供給された遊技球は、払出経路Zの最も上流に位置する払出前タンク58へと進入する。また、払出経路Zの遊技球は、重力の作用によって払出経路Zの下方側へと移動し、払出装置120へと到達する。
払出装置120へ到達した遊技球は、遊技球を払い出す所定条件(賞球や貸球)の成立に基づいて、払出位置Z1より、移送経路Xへと払い出しによって供給される。移送経路Xへと供給された遊技球は、重力の作用によって移送経路Xを下方側へと移動し、打球供給皿61の前皿入口600より、打球供給皿61へと進入する。そして、図4に実線で示すように、第1前皿排出切替部材620および第2前皿排出切替部材630がともに閉状態であるため、打球供給皿61内の遊技球は、重力の作用によって1つずつ、揚送開始位置X1へと移動する。
揚送開始位置X1へと移動した遊技球は、正方向に回転する揚送機構710により、揚送区間XAを重力に抗う向きに移送され、揚送終了位置X2へと到達する。つまり、揚送開始位置X1は、揚送に係る下方位置(揚送下方位置)であり、揚送終了位置X2は、揚送に係る上方位置(揚送上方位置)である。揚送終了位置X2へと到達した遊技球は、発射前タンク400へと進入する。そして、図4に実線で示すように、発射前排出切替部材490が閉状態であるとき、発射前タンク400内の遊技球は、重力の作用によって発射供給位置X3へと到達する。発射供給位置X3へと到達した遊技球は、発射供給部590により発射経路XHへと供給され、重力の作用によって発射位置112aに到達する。発射位置112aへと到達した遊技球は、発射部500によって遊技領域3へと1つずつ、発射される。
続いて、通常移送状態とは異なる排出移送状態について説明する。図5に、排出移送状態であるときのパチンコ遊技機1の概略構成図を示す。排出移送状態は、移送経路X内の遊技球を排出する排出制御の実行に基づいてとられる状態である。このため、排出移送状態では、第2前皿排出切替部材630、発射前排出切替部材490がいずれも開状態とされている。また、前述したように、排出制御は、遊技者がパチンコ遊技機1での遊技を終了または中断する際に、パチンコ遊技機1に払い出されたものの、まだ発射装置112によって発射されていない遊技球が存在する場合に行われる。なお、図5においては、第1前皿排出切替部材620についても開状態とされている。しかし、排出移送状態は、第1前皿排出切替部材620が閉状態であってもよい。
排出移送状態では、移送経路Xにおける第2前皿排出口631よりも上流位置にある遊技球は、重力の作用によって第2前皿排出口631に向けて移動する。第2前皿排出口631に向けて移動した遊技球は、第1前皿排出切替部材620および第2前皿排出切替部材630がともに開状態(排出状態)であるため、第1前皿排出口621、第2前皿排出口631のどちらかを通り、下方排出経路YDを通過した後、排出口691より排出される。よって、打球供給皿61に多数の遊技球が貯留されている場合でも、その貯留されている多数の遊技球を短時間で、打球供給皿61から排出可能である。
また、本形態の揚送機構710は、排出制御においても正方向に回転される。このため、移送経路Xにおける第2前皿排出口631から揚送開始位置X1までの間にある遊技球、および、揚送区間XAにある遊技球はいずれも、正方向に回転する揚送機構710により、揚送区間XAを重力に抗う向きに移送され、揚送終了位置X2へと到達する。
さらに、移送経路Xにおける揚送終了位置X2から発射前排出口491までの間にある遊技球は、重力の作用によって発射前排出口491に向けて移動する。発射前排出口491に向けて移動した遊技球は、発射前排出切替部材490が開状態(排出状態)であるため、発射前排出口491を通過し、上方排出経路YUへと移動する。
つまり、本形態の排出制御において、移送経路Xにおける第2前皿排出口631から発射前排出口491までの間にある遊技球はいずれも、上方排出経路YUへと導かれることとなる。よって、発射前タンク400に多数の遊技球が貯留されている場合でも、その貯留されている多数の遊技球を短時間で、発射前タンク400から排出可能である。また、上方排出経路YUへと移動した遊技球は、その後、重力の作用により、移送経路Xにおける打球供給皿61よりも上流の交差位置X4を通過し、打球供給皿61へと到達する。そして、上方排出経路YUを通過した遊技球は、第1前皿排出口621、第2前皿排出口631のどちらかを通り、下方排出経路YDを通過した後、排出口691より排出される。
これにより、排出制御による排出移送状態では、移送経路Xにおける発射前排出口491よりも上流位置にある遊技球はすべて、排出口691よりパチンコ遊技機1の外部へと排出される。よって、遊技者は、移送経路Xに多くの遊技球がある場合にも、パチンコ遊技機1での遊技を中断または終了したいと考えたときに、排出操作部64の操作によって短時間で移送経路Xの遊技球をパチンコ遊技機1から排出させることが可能となっている。
なお、通常移送状態から排出移送状態となったときに、すでに発射前排出口491よりも発射位置112a側にある遊技球は、排出口691からは排出されない。ただし、発射前排出口491から発射位置112aまでは短く、発射前排出口491から発射位置112aまでの間にはそれほど多くの遊技球が存在することがない。このため、通常移送状態から排出移送状態となったときに、すでに発射前排出口491よりも発射位置112a側にある遊技球はすべて、発射装置112により、短時間で遊技領域3へと発射することができる。
次に、打球供給皿61、揚送部700、発射前タンク400、発射装置112、上方排出経路部材480の各構成について詳細に説明する。図6は、打球供給皿61の上方からの斜視図である。本形態の打球供給皿61は、図6に示すように、略三角形状のものである。また、本形態の打球供給皿61は、その上方が外部に開口しており、パチンコ遊技機1の外部から打球供給皿61への遊技球の供給、打球供給皿61からパチンコ遊技機1の外部への遊技球の取り出しが可能なものとなっている。
また、打球供給皿61において、移送経路Xは、図6に示すように湾曲している。具体的には、打球供給皿61では、前皿入口600、前皿出口610、第1前皿排出口621が、それぞれ三角形状の頂点位置付近に設けられており、遊技球は、前皿入口600から第1前皿排出口621に向かうように打球供給皿61へと進入する。そして、打球供給皿61の底面は、前皿入口600が前皿出口610よりも上方に位置するように、前皿入口600から前皿出口610にかけて傾斜している。このため、第1前皿排出切替部材620が閉状態のとき、前皿入口600から第1前皿排出口621に向かうように打球供給皿61へと進入した遊技球は、その後、前皿出口610へと向かうようになっている。このため、移送経路Xは、その前皿入口600から前皿出口610までの間の箇所が第1前皿排出口621の側に突出するように湾曲している。
なお、打球供給皿61は、前皿入口600から第1前皿排出口621に向かうように進入した遊技球が、必ずしも第1前皿排出口621の上方を通過するとは限らないように構成されている。つまり、前皿入口600から打球供給皿61へと進入した遊技球は、一部が第1前皿排出口621まで到達し、それ以外は第1前皿排出口621まで到達することなく、前皿出口610へと向かうように構成されている。このため、本形態の打球供給皿61においては、第1前皿排出切替部材620が開状態であっても、打球供給皿61へと進入した遊技球がすべて、第1前皿排出口621へと通過して排出されるわけではない。
また、前皿出口610から出ていく遊技球よりも前皿入口600から進入してくる遊技球の多いような場合には、前皿出口610側への遊技球の移動が停滞するため、第1前皿排出切替部材620を開状態としておくことで、打球供給皿61内に一定量の遊技球を貯留しつつ、その一定量を超えた遊技球については排出を行うことができるようになっている。このため、例えば、発射装置112による遊技球の発射頻度よりも、賞球に伴う遊技球の払い出し頻度が高いような遊技状態においては、遊技者は、排出レバー65により第1前皿排出切替部材620を開状態としておくことで、遊技球の払い出しを止めることなく、遊技を行えるようになっている。
また、打球供給皿61は、前皿出口610へと向かう遊技球が、必ず第2前皿排出口631の上方を通過するように構成されている。このため、第2前皿排出切替部材630が閉状態であるときには、遊技球は、第2前皿排出口631の上方を通過し、前皿出口610を通って打球供給皿61から出ていくようになっている。一方、第2前皿排出切替部材630が開状態であるとき、遊技球は、第2前皿排出口631へと通過して排出される。
図7は、揚送部700、発射前タンク400、発射装置112、上方排出経路部材480が組み付いた状態を示す斜視図である。図7に示すように、本形態では、揚送部700および上方排出経路部材480が上下方向に延びるように並べて設けられており、これらの上部に、発射前タンク400および発射装置112が組み付けられている。よって、揚送部700、発射前タンク400、発射装置112、上方排出経路部材480は全体として、左右方向の幅が小さく、上下方向に細長く構成されている。よって、図3からわかるように、本形態では、揚送部700、発射前タンク400、発射装置112、上方排出経路部材480が、遊技窓部53aの外側、すなわち遊技機枠50の側部に適切に収められている。
図8は、揚送部700と上方排出経路部材480とを示す図である。図8に示すように、上方排出経路部材480は、内部に上方排出経路YUが形成されたパイプ状のものであり、上部に発射前排出口491を、下部に移送経路接続口481を備えている。
揚送部700についても、内部に移送経路Xの揚送区間XAが形成されたパイプ状のものであり、下部に前皿接続口701を、上部に発射前タンク接続口702を備えている。前皿接続口701は、打球供給皿61の前皿出口610からつながる箇所である。発射前タンク接続口702は、発射前タンク400の入口へとつながる箇所である。また、揚送部700は、前皿接続口701よりもさらに下部に、揚送モータ720を備えている。
図9は、揚送部700の分解斜視図である。図9からわかるように、揚送部700は、第1パイプ部材730、第2パイプ部材740、揚送機構710が組み合わさることで、移送経路Xの揚送区間XAを構成している。第1パイプ部材730は、第1カバー部731と第1揚送壁部732とを有している。第2パイプ部材740は、第2カバー部741と第2揚送壁部742とを有している。揚送機構710は、組み合わさった第1パイプ部材730の第1カバー部731と第2パイプ部材740の第2カバー部741とで囲われる空間内に収容されるようになっている。
そして、移送経路Xの揚送区間XAは、遊技球の移動方向に直交する断面にて、周囲が、第1パイプ部材730の第1揚送壁部732、第2パイプ部材740の第2揚送壁部742、揚送機構710に囲われることで形成される。よって、揚送機構710が回転することで、遊技球は移送経路Xの揚送区間XAを移動するようになっている。
揚送機構710の軸端部の構成について、上端側には、ベアリングホルダ750と、ベアリングホルダ750内に保持されるベアリング751とが設けられている。また、下端側には、ギヤボックス723が設けられている。ギヤボックス723内にも、揚送機構710の下端側の軸端部を保持するベアリングが収容されている。そして、揚送機構710は、上端側がベアリング751の内輪に、下端側がギヤボックス723内のベアリングの内輪に挿入されることで、回転可能に保持される。
さらに、ギヤボックス723には、下方より、モータ軸721をギヤ722に挿入した状態の揚送モータ720が組み付けられる。そして、揚送モータ720の駆動力は、ギヤボックス723によって減速され、揚送機構710へと伝達されるようになっている。なお、ギヤボックス723の他、軸継手を介して揚送モータ720の駆動力を揚送機構710へと伝達する構成としてもよい。
図10は、発射前タンク400の上方からの斜視図である。発射前タンク400は、タンク本体410と、タンクカバー420とを有している。また、タンクカバー420は、タンク本体410に対して開閉可能となっている。図11は、タンクカバー420が開状態の発射前タンク400を示す図である。図11に示すように、タンクカバー420は、開閉軸430を中心として、タンク本体410に対して回転することができるようになっている。また、タンクカバー420は、スナップフィット爪421を有している。スナップフィット爪421は、タンクカバー420の閉状態では、タンク本体410に形成された溝411に引っ掛かるように形成されている。よって、タンクカバー420は、閉状態から容易に開状態となってしまうことがない。
図12は、発射前タンク400の下方からの斜視図である。図12に示すように、タンク本体410には、タンク入口401と、タンク出口402が形成されている。タンク入口401は、揚送部700の発射前タンク接続口702に接続される箇所である。つまり、遊技球は、タンク入口401より発射前タンク400内へと進入する。また、タンク出口402は、発射前タンク400から遊技球が出ていく出口である。
図13は、発射前タンク400のタンク本体410の斜視図である。図13に示すように、タンク本体410は、底壁の内面側である内底面414から突出する第1壁415、第2壁416、第3壁417を有している。そして、これら第1壁415、第2壁416、第3壁417により、タンク本体410内における移送経路Xは、側壁に沿って形成されている。そして、内底面414は、移送経路Xにおけるタンク入口401側ほど、高くなるように傾斜している。これにより、移送経路Xは、発射前タンク400内においては、1条の螺旋状に形成されている。
発射前タンク400は、すでに払い出された遊技球が移動する移送経路X上の、遊技者側から区画されたパチンコ遊技機1の前面よりも後方側に位置する構成である。つまり、同じように遊技者側から区画されたパチンコ遊技機1の前面よりも後方側に位置する払出前タンク58とは異なり、払い出される前の島設備内の遊技球等が混入したりすることがないようにしておく必要がある。そこで、本形態の発射前タンク400は、タンク本体410とタンクカバー420とにより構成されている。さらには、本形態の発射前タンク400は、スナップフィット爪421によって、タンクカバー420が容易に開くことがない構造になっている。
また、本形態の発射前タンク400は、遊技球を完全に一列に並べた状態で収容するものではなく、打球供給皿61のように、ある程度、遊技球の貯留を可能とするものである。しかし、一般的な遊技球を貯留するような構成では、その出口側に様々な方向から同時に遊技球が向かうことで、球詰まりが生じてしまいやすい傾向にある。打球供給皿61のように外部に開放されている貯留構成であれば、遊技者が容易に球詰まりを解消することができるため、球詰まりがそれほど問題となることはない。しかし、発射前タンク400は、遊技機枠50の内部に位置し、またタンクカバー420も設けられているため、球詰まりの解消を容易に行えないものである。
そこで、本形態の発射前タンク400では、移送経路Xが1条のものとされている。よって、発射前タンク400の出口側に、一方向から遊技球を向かわせることができ、球詰まりが生じないような構造になっている。
また、本形態の発射前タンク400は、内枠52が閉状態であるときには、タンクカバー420が閉状態をとるようになっている。このことについて、図14および図15により説明する。図14は、内枠52の閉状態における、外枠51、内枠52、発射前タンク400を示した図である。なお、本形態では、発射前タンク400は、遊技機枠50のうちの内枠52に設けられており、内枠52の開閉動作により、内枠52とともに移動するようになっている。また、本形態の発射前タンク400は、開閉軸430が後方側に位置する状態で内枠52に設けられている。さらに、本形態の発射前タンク400は、タンクカバー420の上面425が、後方側ほど高さの低い傾斜面となっている。
そして、図14に示すように、発射前タンク400は、内枠52が閉状態であるとき、発射前タンク400のタンクカバー420の上面425と、枠状の外枠51の上辺を構成する外枠上辺部51Uとの間にほとんど隙間が形成されないような位置に固定されている。よって、内枠52が閉状態であるときには、タンクカバー420が開状態をとることができない。
図15には、内枠52が開状態であるときを示している。図15に示すように、内枠52が開状態をとり、タンクカバー420の上方に外枠上辺部51Uが存在しなくなったときには、タンクカバー420を開状態とすることができる。よって、内枠52を開状態とすることで、タンクカバー420を開け、発射前タンク400のメンテナンス等を行うことが可能である。
また、図15に示すように、タンクカバー420の開状態では、タンクカバー420の上面425は一部、外枠上辺部51Uの下面よりも上側に突出している。よって、例えば、タンクカバー420を閉め忘れ、タンクカバー420が開状態のまま、内枠52が閉じられたとしても、タンクカバー420の上面425が外枠上辺部51Uと接触する。この接触により、タンクカバー420は、外枠上辺部51Uから、タンク本体410に向けて押しつけられる。このため、内枠52が閉状態とされたときには、閉め忘れられていたタンクカバー420についても閉状態になるようになっている。
また、タンクカバー420の閉め忘れが生じた状態で内枠52が開状態から閉状態とされたとき、タンクカバー420の上面425は、その後方側よりまず、外枠上辺部51Uに接触することとなる。このような場合において、外枠上辺部51Uによって瞬間的にタンクカバー420に、タンクカバー420が閉まる向きの力が加えられたときには、タンクカバー420が破損してしまうおそれがある。しかし、前述したように、タンクカバー420の上面425は、その後方側ほど高さの低い傾斜面とされている。よって、タンクカバー420の閉め忘れが生じた状態で内枠52が開状態から閉状態とされたときには、タンクカバー420の上面425が、その高さの低い後方側から高さの高い前方側にかけて外枠上辺部51Uに接触する。これにより、外枠上辺部51Uによって徐々に、タンクカバー420に閉まる向きの力が加えられることとなる。つまり、タンクカバー420は、外枠上辺部51Uにより、内枠52が閉状態へと近づくほど、タンク本体410に向けて押しつけられる。従って、タンクカバー420の閉め忘れが生じた状態で内枠52が開状態から閉状態とされたときにも、発射前タンク400が破損してしまうことがないようになっている。
図16は、発射装置112の前方からの斜視図である。発射装置112は、図16に示すように、ベースプレート510に、打球発射機構57や、打球発射機構57を駆動する発射駆動部520等を組み付けてなるものである。打球発射機構57は、発射駆動部520の駆動軸に組み付けられており、発射駆動部520の回転によって駆動される。本形態の発射駆動部520は、ロータリーソレノイドである。また、ベースプレート510には、ブロック515が組み付けられている。
ブロック515は、発射経路XHに沿って移動し、開口501を通って発射装置112内から出てきた遊技球を、発射位置112aへと案内することができる部材である。具体的に、ブロック515は、互いに交差する面内に位置する3つの面、第1面516、第2面517、第3面518により、遊技球を発射位置112aに案内する。そして、これら第1面516、第2面517、第3面518は、遊技球が発射位置112aで静止するように構成されている。また、第3面518の壁面部分には、切欠き部519が形成されている。打球発射機構57は、この切欠き部519の内側を通って、発射位置112aに静止している遊技球を打つことができる。そして、本形態では、打球発射機構57、発射駆動部520、ブロック515により、発射部500が構成されている。
図17は、発射装置112の後方からの斜視図である。図17に示すように、ベースプレート510の後方側には、後方カバー540が組み付けられている。また、発射装置112の後方カバー540には、発射前排出切替カバー496が取り付けられている。
発射前排出切替カバー496は、後方側に、移送経路X上に位置する開口497を備えている。また、発射前排出切替カバー496は、下方側に、上方排出経路YU上に位置する開口498を備えている。発射前排出切替カバー496は、内部に発射前排出切替部材490を収容するものである。パチンコ遊技機1において、発射前排出切替カバー496の後方側の開口497は、発射前タンク400のタンク出口402と接続される。そして、移送経路Xを移動してきた遊技球は、開口497より発射前排出切替カバー496の内部へと進入する。また、パチンコ遊技機1において、発射前排出切替カバー496の下方側の開口498には、上方排出経路部材480の発射前排出口491が挿入される。そして、発射前排出切替カバー496内の発射前排出切替部材490が開状態(排出状態)であるとき、発射前排出切替カバー496内の遊技球は、上方排出経路YUへと移動できるようになっている。
図18は、発射装置112の分解斜視図である。図18に示すように、ベースプレート510の後方側には、開口501を形成するスペーサー530が組み付けられている。スペーサー530の後方側には、発射供給位置X3から発射経路XHへと遊技球を供給する発射供給部590が組み付けられている。そして、発射供給部590のさらに後方より後方カバー540が組み付けられている。
発射供給部590は、発射供給部材591、発射供給軸592、発射供給ソレノイド593を有している。発射装置112において、発射供給部材591は、発射供給軸592を中心として回転可能に固定され、発射供給ソレノイド593が駆動されることによって揺動動作を行う。この発射供給部材591の揺動動作により、発射供給位置X3にある遊技球を1つずつ、発射経路XHへと供給することができる。
また、後方カバー540の後方には、発射前排出切替部材490、発射前排出切替部材490を駆動する発射前排出切替ソレノイド495、これら発射前排出切替部材490および発射前排出切替ソレノイド495を囲う発射前排出切替カバー496が取り付けられる。なお、発射前排出切替部材490、発射前排出切替ソレノイド495、発射前排出切替ソレノイド495については、本形態では、発射装置112に取り付けられているものの発射装置112を構成する部品ではなく、移送経路Xを構成する部品である。ただし、これらを発射装置112の構成部品としてもよい。
次に、図19を参照して遊技盤2について説明する。遊技盤2は、板状の部材であり(このため遊技板ともいう)、図19に示すように、装飾部としての盤可動体15、画像表示装置7等と一体化され、これらとともに遊技盤ユニット2Uを構成している。遊技盤ユニット2Uには、各種制御基板やハーネス等を取付けるユニットも設けられている。遊技盤ユニット2Uは、パチンコ遊技機1においては、遊技機枠50の内枠52に取り付けられている。これにより、遊技機枠50の内部に固定されている。
遊技盤2の前面側には、鉛直方向に起立した遊技盤面2aが形成されている。遊技盤面2aには、遊技球を誘導する複数の遊技釘(図示省略)が突設されている。さらに、遊技盤2には、遊技盤面2aの前方に突出して設けられ、遊技領域3を区画するレール部4を有している。つまり、発射装置112は、発射位置112aから、レール部4に囲われた遊技領域3へ向けて遊技球を発射する。発射位置112aより発射された遊技球は、その後、遊技領域3を流下するようになっている。このため、遊技領域3は、一般的には、パチンコ遊技機1のうちで遊技者が視認する頻度の高い部分となっている。
また、図19には、発射装置112を二点鎖線により示している。発射装置112および発射位置112aは、遊技領域3の外側に設けられている。そして、図19に示すように、本形態の発射装置112は、遊技盤ユニット2Uが遊技機枠50に取り付けられた状態では、遊技盤2の左上の箇所に位置している。そして、発射装置112の発射位置112aは、遊技領域3の下端3Dよりも、遊技領域3の上端3Uに近い位置に配置されている。
また、遊技領域3の中央付近には、演出画像を表示可能な画像表示装置(演出表示装置、演出表示手段)7が設けられている。画像表示装置7は、液晶表示装置にケースを組み付けてなるものである。画像表示装置7の表示画面(表示部)7aには、装飾図柄(演出図柄)8L,8C,8Rの変動表示を行う装飾図柄表示領域がある。装飾図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。装飾図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。画像表示装置7は、左、中、右の装飾図柄の組み合わせによって、大当たり抽選の結果を、遊技者にわかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で装飾図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「263」などのバラケ目で装飾図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を画像表示装置7にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、装飾図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような装飾図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能である。
画像表示装置7は、上記のような装飾図柄を用いた装飾図柄変動演出(「演出図柄変動演出」や単に「変動演出」ともいう)のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面7aに表示する。なお装飾図柄変動演出では、数字等の装飾図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの装飾図柄以外の演出画像も表示される。
図19に示すように、遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左下方には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、第1始動口(第1始動入賞口、第1入球口、固定始動口)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20は、遊技球の入球し易さが常に変わらない入賞口である。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また第1始動口20の下方には、第2始動口(第2始動入賞口、第2入球口、可変始動口)21を備える普通可変入賞装置(普通電動役物いわゆる電チュー)22が設けられている。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選の契機となっている。また、第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な入賞口である。
すなわち、電チュー22は、開閉部材(可動部材)23を備え、開閉部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。開閉部材23が開状態にあるときには、第2始動口21への遊技球の入球が可能となる。一方、開閉部材23が閉状態にあるときには、第2始動口21への遊技球の入球が不可能となる。これにより、第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な始動口となっている。なお、電チューは、開閉部材が開状態にあるときの方が閉状態にあるときよりも第2始動口への入球を容易にするものであれば、閉状態にあるときに第2始動口への入球を不可能とするものでなくてもよい。
また画像表示装置7の表示画面7aには、第1特図保留の数に応じて演出保留画像9Aを表示する第1演出保留表示エリア9aと、第2特図保留の数に応じて演出保留画像9Bを表示する第2演出保留表示エリア9bとがある。第1特図保留とは、第1始動口20への入球に基づく大当たり抽選が保留されていることを意味する。第2特図保留とは、第2始動口21への入球に基づく大当たり抽選が保留されていることを意味する。演出保留画像9A,9Bの表示により、第1特図保留の数および第2特図保留の数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。
また、画像表示装置7の表示画面7aには、発射前の遊技球の位置等を示唆する表示を行う発射前遊技球表示エリア7Hがある。本形態において、発射前遊技球表示エリア7Hには、例えば、発射装置112によってすぐに遊技球を発射することが可能な発射可能状態、移送経路X内に遊技球が存在している移送状態などを表示することが可能である。
また第1始動口20の右方には、第1大入賞口(第1特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第1特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているとき(つまり開状態であるとき)だけ遊技球が入球可能となる。
また、第1大入賞装置31の上方には、第2大入賞口(第2特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第2特別入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているとき(つまり開状態であるとき)だけ遊技球が入球可能となる。
また第2大入賞口35の上方には、遊技球が通過可能なゲート(通過領域)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
また遊技領域3の左下部や右下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下し得る流路を、第1流路W1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路W2という。
第1流路W1上には、第1始動口20と、アウト口16とが設けられている。遊技者は第1流路W1を流下するように遊技球を発射することで、第1始動口20への入賞を狙う。なお、本形態の遊技盤2は、第1流路W1上にゲートが配されていないものである。よって、本形態では、左打ちをしている場合に電チュー22が開放されることはない。ただし、第1流路W1上にゲートを設け、左打ちにより発射された遊技球が、開放された電チュー22に入球可能な構成であってもよい。
第2流路W2上には、ゲート28と、電チュー22と、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、アウト口16とが設けられている。遊技者は第2流路W2を流下するように遊技球を打ち込むことで、ゲート28への通過や、第2始動口21、第1大入賞口30、及び第2大入賞口35への入賞を狙う。
また図19に示すように、本形態の遊技盤2は、遊技領域3の外側に、左外縁領域2Aと、右外縁領域2Bとを備えている。左外縁領域2Aは遊技盤2の下部の左側を占める領域であり、右外縁領域2Bは下部の右側を占める領域である。また、左外縁領域2Aおよび右外縁領域2Bともに、遊技盤2の遊技盤面2aよりも前方に位置する領域である。本形態の遊技盤2において、左外縁領域2Aおよび右外縁領域2Bはともに、発射位置112aよりも下方に位置する発射下方領域となっている。また、遊技盤2の左右方向について、左外縁領域2Aは発射位置112aと同じ側(左側)に設けられており、右外縁領域2Bは発射位置112aとは反対側(右側)に設けられている。また、左外縁領域2Aは、発射位置112aの直下にて視認可能な領域となっている。このような配置となっていることで、本形態の遊技盤2は、左外縁領域2Aが、従来のものよりも広い面積のものとなっている。
すなわち、従来のパチンコ遊技機においては、遊技領域の下方に位置する発射位置から重力に抗う向きに遊技球が発射され、発射位置より発射された遊技球が遊技領域の上部から遊技領域内へと進入する構成となっていた。このため、従来のパチンコ遊技機の遊技盤は、遊技領域の下方の発射位置から遊技領域の上部まで遊技球を誘導する誘導通路を備えていた。またその誘導通路は一般的に、遊技領域の外縁に沿って、遊技領域の下方から遊技領域の左側を通って遊技領域の上部まで延びるように配されていた。このため、従来の遊技盤においては、特に、遊技領域の左方の外側がほとんど誘導通路によって占められており、遊技領域の外側に誘導通路以外に活用可能なスペースが少なかった。
これに対し、本形態のパチンコ遊技機1では、前述したように、発射位置112aが遊技領域3の左上に設けられている。このため、本形態の遊技盤2は、従来の遊技盤においては誘導通路によって占められていた箇所に、広範な左外縁領域2Aを設けることが可能となっている。また、本形態のパチンコ遊技機1において、左外縁領域2Aは、そのほとんどが遊技機枠50の遊技窓部53aを通して視認可能な領域となっている。
そして、本形態の遊技盤2においては、広範な左外縁領域2Aが、様々な用途で活用されている。具体的に、本形態では、左外縁領域2Aに、盤可動体(装飾可動体)15、表示器類40、証紙付着部45、スペック表示部46が設けられている。
盤可動体15は、遊技盤2を装飾する装飾部である。さらに、本形態の盤可動体15は、変位可能なものであり、遊技の進行に合わせて演出動作を行うことが可能である。具体的には、盤可動体15は、リーチの発生時や大当たりの際に動作を行うことで、遊技者の期待感や満足感を高め、遊技興趣性の向上を図ることができるものである。盤可動体15の駆動は、例えば、ステッピングモータにより行うことができる。
表示器類40は、大当たり抽選の結果等、遊技の進行状態を表示することができるものである。この表示器類40については、後に詳述する。証紙付着部45は、前方の表面に証紙が付着されるものである。スペック表示部46は、当たり抽選の当選確率を含む、パチンコ遊技機1のスペックが示されたものである。また、前述したように、左外縁領域2Aはそのほとんどが遊技窓部53aを通して視認可能な領域であるため、左外縁領域2Aに設けられた盤可動体15、表示器類40、証紙付着部45、スペック表示部46についても遊技窓部53aを通して視認可能である。なお、例えば、盤可動体15が、退避状態と、退避状態よりも遊技盤2の中央へ向けて進出した進出状態をとることが可能なものである場合、盤可動体15は、その退避状態のときには遊技者が視認できない場所(すなわち遊技窓部53aの外側)まで退避するものであってもよい。
また、例えば、表示器類、証紙付着部、スペック表示部等は、本形態のような広範な左外縁領域2Aを備えていない従来の遊技盤においては、右外縁領域2Bに相当する箇所に設けられていることがあった。このため、従来の遊技盤は、右外縁領域2Bに相当する箇所を他の用途に使用することができないなどの問題があった。これに対し、本形態の遊技盤2は、表示器類40、証紙付着部45、スペック表示部46が左外縁領域2Aに設けられているため、右外縁領域2Bを他の用途に活用することが可能である。例えば、右外縁領域2Bにも、変位可能な盤可動体を配置することができる。
また例えば、本形態の遊技盤2では、右外縁領域2Bに、その上方に位置する第1大入賞装置31や第2大入賞装置36等に入賞した後の遊技球を案内する経路を設けることが可能なスペースが十分に確保されている。このため、右外縁領域2Bに、第1大入賞装置31等に入賞した後の遊技球の案内経路として、複雑で多彩な構造のものを配置することも可能である。また、第1大入賞装置31や第2大入賞装置36等として、より複雑で多彩な構造のものを採用することも可能である。すなわち、右外縁領域2Bを有効活用可能であることで、より遊技興趣の向上が可能となっている。
次に、図20(A)、(B)により、第2大入賞装置36について説明する。まず、図20(A)に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。振分部材71は、左右方向に進退するものであり、右方に退避した退避状態(第1状態)又は左方に進出した進出状態(第2状態)をとる。
図20(A)は、振分部材ソレノイド73の通電時を示している。図20(A)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を許容する第1状態にある。振分部材71が第1状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図20(B)は、振分部材ソレノイド73の非通電時を示している。図20(B)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を妨げる第2状態にある。振分部材71が第2状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71の上面を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、第1大入賞装置31には、確変作動口としての特定領域は設けられていない。すなわち非特定領域しか設けられていない。
次に、図21により、表示器類40について説明する。図21に示すように、表示器類40には、第1特別図柄(第1識別図柄)を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄(第2識別図柄)を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(識別図柄)ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当たり遊技)が行われる。
特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。なお本形態では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示及び停止表示に同期して、画像表示装置7の表示画面7aにて演出図柄8L,8C,8Rの変動表示及び停止表示が行われる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(入賞情報に相当)は、一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として記憶される。記憶可能な第1特図保留の数又は第2特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には第1特図保留表示器43aと第2特図保留表示器43bは、それぞれ4個のLEDで構成されており、それぞれ第1特図保留又は第2特図保留の数だけLEDを点灯させることにより、第1特図保留又は第2特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。
普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留として一旦記憶される。記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.遊技機の電気的構成
次に、図22および図23に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図22に示すように、パチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技球の払い出しに関する制御等を行う払出制御基板110、電源を供給する電源基板150等を備えている。主制御基板80は、払出制御基板110と共に、メイン制御部を構成する。
図22に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM(Read Only Memory)83、ワークメモリとして使用されるRAM(Random access memory)84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(Input/Outputポート部:入出力回路)87が含まれている。なお、ROM83は外付けであってもよい。
RAM84には、特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)が設けられている。第1特図保留記憶部85aは、記憶可能な第1特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。また第2特図保留記憶部85bは、記憶可能な第2特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。各記憶領域は4つの記憶領域に分かれている。これらの4つの記憶領域とは、後述の大当たり乱数を記憶する領域、当たり種別乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、及び変動パターン乱数を記憶する領域である。
またRAM84には、普図保留記憶部86が設けられている。普図保留記憶部86は、記憶可能な普図保留の数に対応した記憶領域からなる。各記憶領域は、普通図柄乱数を記憶する領域である。
また主制御基板80には、図22に示すように、中継基板88を介して遊技盤2に備えられた各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、払出装置120およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出し等を行う。払い出される賞球や貸球は、その計数のため払出センサ122により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射駆動部520が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。また、発射供給位置X3から発射経路XHに遊技球を1つずつ供給するため、発射駆動部520の駆動に連動するように、発射供給ソレノイド593が駆動される。
さらに、払出制御基板110には、揚送モータ720、発射前排出切替ソレノイド495、前皿排出切替ソレノイド635が接続されている。揚送モータ720は、揚送部700の揚送機構710を駆動するものである。発射前排出切替ソレノイド495は、発射前排出口491に設けられた発射前排出切替部材490を駆動するものである。前皿排出切替ソレノイド635は、第2前皿排出口631に設けられた第2前皿排出切替部材630を駆動するものである。
加えて、払出制御基板110には、排出操作スイッチ64a、払出前センサZS、前皿前センサXS1、揚送前センサXS2、揚送後センサXS3が接続されている。排出操作スイッチ64aは、排出操作部64が押下操作されたことを検出するものである。排出操作部64が操作されると排出操作スイッチ64aから払出制御基板110に対して検知信号が出力される。払出前センサZSは、払出経路Zにおける払出装置120の上流位置を検出位置とし、その検出位置で遊技球を検出するものである。このため、払出前センサZSの検知信号により、払出装置120によって払い出し可能な遊技球の有無を検出することが可能である。
前皿前センサXS1は、移送経路Xにおける払出位置Z1から打球供給皿61までの間の位置を検出位置とし、その検出位置で遊技球を検出するものである。このため、前皿前センサXS1により、例えば、打球供給皿61が遊技球で満杯になったことを検出することも可能である。そして、前皿前センサXS1の検知信号に基づいて打球供給皿61が満杯であると判定されている間は、例えば、払出装置120による遊技球の払い出しを行わない等の制御が行われる。
揚送前センサXS2は、移送経路Xにおける打球供給皿61から揚送開始位置X1までの間の位置を検出位置とし、その検出位置で遊技球を検出するものである。また、本形態では、打球供給皿61に貯留されている遊技球は揚送前センサXS2の検出位置を通って揚送開始位置X1へと移動するため、揚送前センサXS2の検知信号により、例えば、打球供給皿61に遊技球が存在していないことを検出することも可能である。
揚送後センサXS3は、移送経路Xにおける揚送終了位置X2から発射供給位置X3までの間の位置を検出位置とし、その検出位置で遊技球を検出するものである。本形態では、揚送後センサXS3が発射前タンク400に設けられているため、揚送後センサXS3の検知信号により、例えば、発射前タンク400内に所定の球数の遊技球が存在しているか否かを検出することが可能である。さらには、発射前タンク400内に所定の球数の遊技球が存在していることで、発射装置112によってすぐに遊技球を発射することが可能な発射可能状態であることを検出することも可能である。
また、前皿前センサXS1、揚送前センサXS2、揚送後センサXS3の検知信号によって、移送経路X内に遊技球が存在している移送状態についても検出可能である。さらには、これら移送経路Xに設けられたセンサの検知信号より、移送経路Xにおける所定の位置や区間における遊技球の有無、所定区間に存在する遊技球の数なども検出可能である。
本形態において主制御基板80は、払出制御基板110と発射制御回路111とともに主制御部MCを構成する。なお、主制御部MCは、少なくとも主制御基板80を備え、遊技盤2や移送経路X等に備えられた各種センサやソレノイド(揚送モータ720を含む)、払出装置120、発射装置112等によりパチンコ遊技機1を遊技可能に制御できればよい。
また主制御基板80は、図23に示すサブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
パチンコ遊技機1は、図23に示すように、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90と、画像制御を行う画像制御基板100と、音声制御を行う音声制御基板106とを備える。サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91(演出制御手段)には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、サブ駆動基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(装飾図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
またサブ制御基板90には、演出操作検出スイッチ(SW)63a及び設定操作検出スイッチ68aが接続されている。演出操作検出スイッチ63aは、演出操作部63が操作されたことを検出するものである。演出操作部63が操作されると演出操作検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。また、設定操作検出スイッチ68aは、設定操作部68が操作されたことを検出するものである。設定操作検出スイッチ68aが操作されると設定操作検出スイッチ68aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。
演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67(左側スピーカ67L及び右側スピーカ67R)から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
電源基板150(電源供給手段)は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器に対して必要な電力を供給する。電源基板150には、バックアップ電源回路151が設けられている。バックアップ電源回路151は、本パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また、電源基板150には、電源スイッチ155が接続されている。電源スイッチ155のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
またパチンコ遊技機1は、サブ駆動基板107を備えている。上述した演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107を介して枠ランプ66や盤ランプ5等のランプの点灯制御を行う。演出制御用マイコン91は、枠ランプ66、盤ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠ランプ66、盤ランプ5等のランプの発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107に接続された盤可動体モータ15aの駆動制御を行う。つまり演出制御用マイコン91は、盤可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データ)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体モータ15aの駆動を制御する。盤可動体モータ15aは、盤可動体15に駆動力(回転力)を付与して、盤可動体15を移動可能にするものである。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
なお、サブ駆動基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに各モータの駆動制御や各ランプの点灯制御を実行させてもよい。さらにこの場合、サブ駆動基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
本形態においてサブ制御基板90は、画像制御基板100と音声制御基板106とサブ駆動基板107とともにサブ制御部SCを構成する。なお、サブ制御部SCは、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(画像表示装置7、盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。
3.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、特別遊技の一例である。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別については図24に示す通りである。図24に示すように、本形態では大当たりの種別としては、大きく分けて2つ(Vロング大当たりとVショート大当たり)ある。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が可能な第1開放パターン(Vロング開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能な第2開放パターン(Vショート開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。
より具体的には、「Vロング大当たり」は、総ラウンド数が16Rである。1Rから13Rまでと15Rは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する。14Rと16Rは第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する。この14R及び16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過が容易に可能である。
これに対して、「Vショート大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は13Rである。つまり、1Rから13Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放するが、15Rでは第1大入賞口30を1R当たり0.1秒しか開放せず、また、14Rと16Rでも第2大入賞口35を1R当たり0.1秒しか開放しない。従って、このVショート大当たりでは14Rから16Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、Vショート大当たりは実質13Rの大当たりとなっている。
また、Vショート大当たりにおける14Rと16Rでは第2大入賞口35が開放されるものの、その開放時間が極めて短く、第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。なお、Vショート大当たりにおける14R及び16Rでは、第2大入賞口35の開放時間が短いことだけでなく、第2大入賞口35の開放タイミングと振分部材71の作動タイミング(第2状態(図20(B)参照)から第1状態(図20(A)参照)に制御されるタイミング)との関係からも、特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
なお、図24に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たりが50%、Vショート大当たりが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全てVロング大当たりとなっている。すなわち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となる第2始動口21への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、必ずVロング大当たりとなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図25(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄(装飾図柄)のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。このリーチ乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図25(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
4.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図26(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図27参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図26(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図26(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図28参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図28参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。
高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では160回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特定遊技状態」という。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図19参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
5.パチンコ遊技機1の動作
次に、図29〜図34に基づいて主制御部MC(遊技制御用マイコン81等)の動作について説明し、図35〜図36に基づいてサブ制御部SC(演出制御用マイコン91等)の動作について説明する。まず、主制御部MCの動作について説明する。
[メイン側タイマ割り込み処理]主制御部MCの遊技制御用マイコン81は、図29に示すメイン側タイマ割り込み処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。まず、遊技制御用マイコン81は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たりの種別を決めるための当たり種別乱数、変動演出においてリーチ状態とするか否かを決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる普通図柄乱数(当たり乱数)等を更新する乱数更新処理を行う(S101)。なお各乱数の少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成されるハードウェア乱数であってもよい。また乱数発生回路は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。
次に、遊技制御用マイコン81は、入力処理を行う(S102)。入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図22参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための賞球コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。また、入力処理(S102)では、払出制御基板110から出力されたコマンドがある場合等には、その受信を行う。
続いて、遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(S103)、特別動作処理(S104)および普通動作処理(S105)を実行する。始動口センサ検出処理(S103)では、第1始動口センサ20aによる入賞検知があれば、保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(図25(A)参照)を取得する。また、第2始動口センサ21aによる入賞検知があれば、保留記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の乱数(図25(A)参照)を取得する。また、ゲートセンサ28aによる通過検知があれば、すでに記憶されている当たり乱数が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(図25(B)参照)を取得する。
特別動作処理(S104)では、始動口センサ検出処理(S103)にて取得した大当たり乱数等の乱数を判定し、その判定結果を報知するための特別図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。この特別図柄の表示に際しては、特別図柄の変動表示の開始時に変動パターンの情報を含む変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットし、特別図柄の停止表示の開始時に変動停止コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。なお変動パターンは、大当たり乱数等の各種乱数の判定に基づき、図27に示す変動パターン判定テーブルを用いて決定される。そして、大当たり乱数の判定の結果、大当たりに当選していた場合には、所定の開放パターン(開放時間や開放回数)に従って第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。ここで図27に示すように、変動パターンが決まれば、特別図柄の変動表示が実行される変動時間も決まる。図27の備考欄に示すSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチである。SPリーチの方がノーマルリーチよりも、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)が高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
普通動作処理(S105)では、始動口センサ検出処理にて取得した普通図柄乱数を所定の判定テーブルを用いて判定する。そして、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通当たり図柄に当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図28参照)に従って電チュー22を開放させる補助遊技を行う。
次に、遊技制御用マイコン81は、上述の各処理においてセットしたコマンド等を、払出制御基板110やサブ制御基板90等に出力する出力処理(S106)を行う。
上記の遊技制御用マイコン81における処理と並行して、主制御部MCの払出制御基板110および発射制御回路111により、図30〜図34に示す処理が行われる。これについて、以下に説明する。
[払出側タイマ割り込み処理]主制御部MCの払出制御基板110(発射制御回路111)は、図30に示す払出側タイマ割り込み処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。具体的には、まず、入力処理を行う(S201)。入力処理(S201)では、払出制御基板110に接続されている各種センサ(払出センサ122、排出操作スイッチ64a、前皿前センサXS1等(図22参照))が検知した検出信号の読み込み、遊技制御用マイコン81から出力された賞球コマンドの受信等を行う。また、カードユニット135により玉貸操作がなされ、カードユニット135が所定数の遊技球を貸し出す貸球コマンドを出力していた場合には、その貸球コマンドの受信も行う。また、本処理では、揚送後センサXS3が遊技球を検出していることで、発射装置112によってすぐに遊技球を発射することが可能な発射可能状態であるときには、発射可能コマンドを出力バッファにセットする。さらに、前皿前センサXS1、揚送前センサXS2、揚送後センサXS3の検知信号から、移送経路X内に遊技球が存在している移送状態であると判定されるときには、移送状態コマンドを出力バッファにセットする。
次に、払出装置120により、所定数の遊技球を払い出す払出制御処理を行う(S202)。ここで払い出す遊技球の球数は、払出カウンタにより管理されている。払出カウンタの値は、賞球コマンドおよび貸球コマンドに基づいて加算され、払出装置120の払出センサ122により検出された、実際に払い出された遊技球の球数に基づいて減算される。払出装置120による遊技球の払い出しは、払出装置120の払出モータ121を駆動することで行われる。さらに、払い出す遊技球の球数は、払出モータ121の駆動時間や回転回数等によって制御することができる。
次いで、発射制御処理(S203)、揚送動作処理(S204)、排出揚送動作処理(S205)、排出切替処理(S206)を実行し、出力処理(S207)を行う。発射制御処理(S203)、揚送動作処理(S204)、排出揚送動作処理(S205)、排出切替処理(S206)については後述する。そして、出力処理(S207)では、各処理においてセットしたコマンドを主制御基板80に出力する。なお、出力処理(S207)にて主制御基板80に出力されたコマンドのうち、所定のコマンドについては、その後、主制御基板80の出力処理にて、サブ制御基板90へと出力される。次いで、その他の処理を実行して(S208)、本処理を終える。
[発射制御処理]図31に示す発射制御処理(S203)は、払出制御基板110及び発射制御回路111により実行される。本処理では、まず、タッチスイッチ114がONされているか否かを判定する(S1101)。タッチスイッチ114がONである場合(S1101でYES)、遊技球の発射準備を行う(S1102)。一方、タッチスイッチ114がOFFである場合には(S1101でNO)、遊技球の発射準備(S1102)を行うことなく本処理を終了する。
遊技球の発射準備(S1102)では、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるように、発射駆動部520に出力するための信号を生成する。その後、生成した信号を発射駆動部520に出力し、発射駆動部520を駆動させて(S1103)、発射制御処理を一旦終了する。よって、発射制御処理により、遊技者が操作するハンドル60の回転角度に対応した発射速度で、遊技球が、発射位置112aから遊技領域3に向けて発射される。
なお、例えば、ハンドル60に遊技者によって操作可能な発射停止ボタンを備えている場合には、遊技者が発射停止ボタンを操作中には、遊技球が発射されないようにすることとしてもよい。つまり、発射停止ボタンの操作を検出する発射停止スイッチを設けておき、その発射停止スイッチによって発射停止ボタンの操作が検出されている間は、発射駆動部520が駆動されないようにしておけばよい。
[揚送動作処理]図32に示す揚送動作処理(S204)は、パチンコ遊技機1にて遊技が行われている際に、移送経路Xの揚送区間XAについて適切に遊技球を移送するための処理である。つまり、本処理は、前述した通常移送状態に対応する処理である。本処理において、払出制御基板110は、まず、排出フラグがONであるか否かを判定する(S1201)。排出フラグは、排出揚送動作処理(S205)にて後述するように、排出操作部64が操作されることに基づいてONとなるフラグである。そして、排出フラグがONである場合(S1201でYES)、本処理を終了する。
排出フラグがONでない、すなわちOFFである場合(S1201でNO)、揚送部700の揚送モータ720が駆動中であるか否かを判定する(S1202)。揚送モータ720が駆動中でない、つまり停止中である場合には(S1202でNO)、ステップS1203へと進む。一方、揚送モータ720が駆動中である場合(S1202でYES)、揚送後センサXS3が遊技球を検出しているか否かを判定する(S1204)。
揚送後センサXS3が遊技球を検出していない場合(S1204でNO)、揚送タイマがゼロであるか否かを判定する(S1205)。揚送タイマがゼロでない場合(S1205でNO)、ステップS1203へと進む。一方、揚送タイマがゼロである場合には(S1205でYES)、駆動されている揚送モータ720の駆動を停止させる(S1206)。さらにこの場合には、所定時間、揚送モータ720が駆動されたにも関わらず、揚送後センサXS3によって遊技球が検出されていないため、揚送異常である可能性がある。そこで、揚送異常であると判定し(S1207)、揚送異常コマンドを出力バッファにセットして、ステップS1203へと進む。なお、ここでセットされた揚送異常コマンドは、その後、主制御基板80を介してサブ制御基板90へと入力される。また、揚送後センサXS3が遊技球を検出している場合には(S1204でYES)、揚送モータ720を停止して(S1208)、ステップS1203へと進む。揚送後センサXS3が遊技球を検出しているときには、発射前タンク400に、十分な球数の遊技球が貯留されている。よって、このようなときに揚送モータ720を停止することで、消費電力を抑えるとともに、発射前タンク400内の遊技球の球数が過剰にならないようにされている。
ステップS1203では、揚送後センサXS3が遊技球を検出しているか否かを判定する。そして、揚送後センサXS3が遊技球を検出している場合(S1203でYES)、本処理を終了する。一方、揚送後センサXS3が遊技球を検出していない場合(S1203でNO)、揚送前センサXS2が遊技球を検出しているか否かを判定する(S1209)。
揚送前センサXS2が遊技球を検出していない場合には(S1209でNO)、揚送タイマを予め定められた所定値に設定して(S1210)揚送モータ720の駆動を開始し(S1211)、本処理を終える。一方、揚送前センサXS2が遊技球を検出している場合には(S1209でYES)、揚送タイマを設定することなく揚送モータ720の駆動を開始し(S1212)、本処理を終える。つまり、揚送前センサXS2が遊技球を検出しておらず、発射前タンク400内に十分な球数の遊技球が貯留されていないときに、揚送モータ720の駆動を開始する。
このような揚送動作処理では、排出フラグがOFFである間、発射前タンク400への遊技球の移送が適切に行われる。すなわち、揚送モータ720が停止中に発射前タンク400に貯留されている遊技球の球数が所定数よりも減少し(S1202でNOかつS1203でNO)、打球供給皿61に遊技球が貯留されている場合には(S1209でYES)、発射前タンク400に貯留されている遊技球の球数が所定数となるまで(S1204でYES)、揚送モータ720が駆動される(揚送駆動制御)。つまり、打球供給皿61に貯留されている遊技球を揚送区間XAにて適切に移送し、発射前タンク400まで移動させることができる。また、打球供給皿61に遊技球が貯留されている間は、発射前タンク400内の遊技球の球数を、一定数に維持することができる。
また、揚送モータ720が停止中に発射前タンク400に貯留されている遊技球の球数が所定数よりも減少した場合であっても(S1202でNOかつS1203でNO)、打球供給皿61に遊技球が貯留されていない場合には(S1209でNO)、設定した揚送タイマに基づいて(S1210)所定の時間だけ、揚送モータ720を駆動する(揚送駆動制御)。なお、揚送タイマは、揚送区間XAの長さと揚送モータ720による遊技球の揚送速度に基づいて、予め定められている。本形態では、揚送タイマは、揚送モータ720を駆動状態として、揚送開始位置X1の遊技球が揚送終了位置X2まで揚送部700によって搬送される時間に基づいて定められている。このため、揚送動作処理では、揚送モータ720が揚送タイマの設定後、ゼロになるまで駆動されたとき(S1205でYES)には、揚送区間XAに遊技球が残存していない状態となっている。これにより、打球供給皿61の遊技球がなくなった後にも、揚送区間XA内に存在している遊技球をすべて、発射前タンク400まで移送することができる。したがって、揚送動作処理により、遊技球を円滑に発射位置112aまで移送することが可能となっている。
[排出揚送動作処理]図33に示す排出揚送動作処理(S205)は、後述する排出切替処理(S206)とともに、移送経路Xに遊技球が存在している状態でパチンコ遊技機1における遊技を終了または中断する際などに、移送経路X内の遊技球を適切に移送経路Xから排出するための処理である。つまり、本処理は、後述する排出切替処理(S206)と合わせて、前述した排出移送状態に対応する処理である。本処理において、払出制御基板110は、まず、排出フラグがONであるか否かを判定する(S1301)。排出フラグがONでない、すなわちOFFである場合(S1301でNO)、排出操作部64が押し下げられていることにより、排出操作スイッチ64aがONされているか否かを判定する(S1302)。排出フラグがOFFであり(S1301でNO)、排出操作スイッチがONでない、すなわちOFFである場合(S1302でNO)、本処理を終了する。
一方、排出フラグがONである場合(S1301でYES)、ステップS1310へと進む。また、排出フラグがOFFである状態で(S1302でNO)、排出操作スイッチがONである場合には(S1302でYES)、排出フラグをONとする(S1303)。また、揚送モータ720が駆動中であれば(S1304でYES)、揚送モータ720の駆動を停止する(S1305)。さらに、発射前排出切替ソレノイド495および前皿排出切替ソレノイド635をともにONすることで、発射前排出切替部材490および第2前皿排出切替部材630を開いて排出状態(開状態)とし(S1306)、開放タイマを予め定めた所定値に設定する(S1307)。加えて、揚送モータ720の駆動を開始するとともに(S1308)、排出揚送タイマを予め定めた所定値に設定して(S1309)ステップS1310へと進む。
ステップS1310では、排出揚送タイマがゼロであるか否かを判定する。排出揚送タイマがゼロでない場合(S1310でNO)、排出操作スイッチ64aがONされているか否かを判定する(S1311)。排出揚送タイマがゼロでなく(S1310でNO)、排出操作スイッチ64aがOFFである場合には(S1311でNO)、本処理を終える。一方、排出揚送タイマがゼロである場合(S1310でYES)、または、排出揚送タイマがゼロでなくても(S1310でNO)排出操作スイッチ64aがONである場合には(S1311でYES)、揚送モータ720の駆動を停止する(S1312)。
続いて、揚送前センサXS2および揚送後センサXS3がそれぞれ遊技球を検出しているか否かを判定し(S1313およびS1314)、いずれも遊技球を検出していなければ(S1313およびS1314でともにNO)、移送経路X内の遊技球の排出が正常に終了したと判定し(S1315)、排出フラグをOFFして(S1317)、本処理を終了する。揚送前センサXS2および揚送後センサXS3の少なくとも一方が遊技球を検出していれば (S1313およびS1314のいずれかでYES)、移送経路X内に遊技球が残っている排出異常終了であると判定し(S1316)、排出フラグをOFFして(S1317)本処理を終了する。なお、本形態では、排出異常終了(S1316)である場合には、排出異常終了コマンドを出力バッファにセットする。ここでセットされた排出異常終了コマンドは、その後、主制御基板80を介してサブ制御基板90へと入力される。また、排出正常終了(S1315)である場合に、排出正常終了コマンドを出力バッファにセットすることとしてもよい。
[排出切替処理]図34に示す排出切替処理(S206)では、払出制御基板110は、まず、発射前排出切替ソレノイド495および前皿排出切替ソレノイド635がONであるか否かを判定する(S1401)。発射前排出切替ソレノイド495および前皿排出切替ソレノイド635がOFF、すなわち発射前排出切替部材490および第2前皿排出切替部材630が非排出状態(閉状態)である場合(S1401でNO)、ステップS1402へと進む。一方、発射前排出切替ソレノイド495および前皿排出切替ソレノイド635がON、すなわち発射前排出切替部材490および第2前皿排出切替部材630が排出状態(開状態)である場合には(S1401でYES)、開放タイマがゼロであるか否かを判定する(S1403)。
開放タイマがゼロでない場合(S1403でNO)、発射前排出切替部材490および第2前皿排出切替部材630を排出状態(開状態)としたまま(S1407)、本処理を終了する。一方、開放タイマがゼロである場合には(S1403でYES)、発射前排出切替ソレノイド495および前皿排出切替ソレノイド635をOFFして、発射前排出切替部材490および第2前皿排出切替部材630を非排出状態(閉状態)とする。さらに、閉鎖チェックタイマを予め定められた所定値に設定するとともに(S1405)、閉鎖リトライカウンタを予め定められた所定値に設定し(S1406)、ステップS1402へと進む。
ステップS1402では、閉鎖チェックタイマがゼロであるか否かを判定する。閉鎖チェックタイマがゼロでない場合(S1402でNO)、本処理を終了する。閉鎖チェックタイマがゼロである場合には(S1402でYES)、発射前排出切替ソレノイド495および前皿排出切替ソレノイド635を一旦ONした後、OFFする閉鎖チェックを行う(S1408)。さらに、閉鎖リトライカウンタがゼロであるか否かを判定する(S1409)。
閉鎖リトライカウンタがゼロである場合(S1409でYES)、本処理を終了する。一方、閉鎖リトライカウンタがゼロでない場合には(S1409でNO)、閉鎖チェックタイマを予め定められた所定に設定するとともに(S1410)、閉鎖リトライカウンタの値を1ディクリメントし(S1411)、本処理を終了する。
上記で説明した排出揚送動作処理(S205)では、例えば、遊技者がパチンコ遊技機1における遊技を終了または中断する際に、排出操作部64を操作したことに基づいて(S1302でYES)、排出フラグがONされる(S1303)。これにより、設定された排出揚送タイマ(S1309)に基づいて、一定時間、揚送モータ720が駆動される(S1308)。本形態では、この排出操作部64が操作されたことに基づく揚送モータ720の駆動を排出駆動制御という。そして、本形態では、排出駆動制御により、移送経路Xにおける揚送区間XAに存在している遊技球はすべて、揚送終了位置X2まで移送される。
また、排出駆動制御に合わせて、発射前排出切替部材490および第2前皿排出切替部材630は、設定された開放タイマ(S1307)に基づいて、一定時間、排出状態(S1306)をとる。本形態では、この排出操作部64が操作されたことに基づいて発射前排出切替部材490および第2前皿排出切替部材630に排出状態を取らせることを、排出開放制御という。また、排出駆動制御と排出開放制御とを合わせて、排出制御ともいう。そして、排出開放制御により、発射前タンク400内の遊技球、および、揚送区間XAを揚送終了位置X2まで移送された遊技球は、発射前排出口491を通って、上方排出経路YUにより、移送経路Xにおける打球供給皿61よりも上流側の位置へと移動し、打球供給皿61へと到達する。さらに、打球供給皿61内の遊技球は、第2前皿排出口631を通って下方排出経路YDへと移動し、排出口691からパチンコ遊技機1の外部へと排出される。
つまり、本形態では、排出操作部64が操作されたことに基づいて、排出制御(排出駆動制御および排出開放制御)が実行されることで、移送経路X内の遊技球をパチンコ遊技機1の外部へと排出する排出移送状態をとることができる。さらに、排出駆動制御を終了(S1312)した後には、排出できていない遊技球の有無を揚送前センサXS2および揚送後センサXS3によりチェックする排出異常検出制御を行っている(S1313〜S1316)。これにより、排出制御が正常に終了したか否かを適切に検出可能になっている。
なお、排出揚送タイマは、揚送区間XAの長さと揚送モータ720による遊技球の揚送速度に基づいて、予め定められている。本形態では、排出揚送タイマは、揚送モータ720を駆動状態として、揚送開始位置X1の遊技球が揚送終了位置X2まで揚送部700によって搬送される時間に基づいて定められている。このため、揚送モータ720が排出揚送タイマの設定後、ゼロになるまで駆動される排出駆動制御が終了したときには、揚送区間XAに遊技球が残存していない状態となっている。
また、開放タイマは、排出揚送タイマよりも長い時間であることが好ましい。つまり、排出開放制御では、排出駆動制御に係る揚送モータ720の駆動が停止された後に、発射前排出切替部材490および第2前皿排出切替部材630を閉状態とすることが好ましい。排出制御において、揚送終了位置X2まで移送された遊技球をすべて、その後、上方排出経路YUを経由して適切に、下方排出経路YDまで移動させることができるからである。
また、本形態では、排出揚送動作処理(S205)において、排出駆動制御を実行中に(S1301でYES、かつ、S1310でNO)排出操作部64が操作された場合(S1311でYES)、揚送モータ720を停止するものとしている(S1312)。すなわち、本形態では、排出操作部64が操作されたことに基づいて一旦、開始した排出駆動制御を、再度の排出操作部64の操作に基づいて、キャンセルできるようになっている。
また、以上の主制御部MCにおける処理と並行して、演出制御用マイコン91は図35〜図36に示す処理を行う。演出制御用マイコン91の動作について、以下に説明する。
[サブ側タイマ割り込み処理]演出制御用マイコン91は、図35に示すようなサブ側タイマ割り込み処理を所定の短時間毎に繰り返す。サブ側タイマ割り込み処理ではまず、受信コマンド解析処理(S1001)を行う。
また、受信コマンド解析処理(S1001)に続いてコマンド送信処理(S1002)を行う。コマンド送信処理(S1002)では、受信コマンド解析処理でセットした各種コマンドを画像制御基板100に送信する。コマンド送信処理が実行されると、コマンドを受信した画像制御基板100は、画像表示装置7を用いて各種の演出(変動演出や大当たり演出、客待ち演出など)を実行する。例えば、変動演出開始コマンドを受信した画像制御基板100は、変動演出開始コマンドに指定された内容の変動演出を実行する。また例えば、発射可能状態コマンドや移送状態コマンドを受信した画像制御基板100は、それぞれのコマンドに指定された所定の画像を、画像表示装置7の発射前遊技球表示エリア7Hに表示する。これにより、遊技者に、遊技球を発射可能な発射可能状態や、移送経路Xを遊技球が移送されている移送状態を適切に報知することができる。また例えば、揚送異常コマンドや排出異常終了コマンドを受信した画像制御基板100は、それぞれのコマンドに指定された所定の画像を、画像表示装置7に表示する。これにより、遊技者に、揚送モータ720が所定時間駆動されたにも関わらず、発射前タンク400まで遊技球が移送されていない揚送異常や、排出制御によって遊技球が移送経路Xから適切に排出されていない排出異常終了を適切に報知することができる。
続いて演出制御用マイコン91は、音声処理(S1003)を行う。音声処理(S1003)では、受信コマンド解析処理で選択した演出パターンの演出に合うタイミングでスピーカ67から音声等を出力させるべく、音データ(スピーカ67からの音声等の出力を制御するデータ)を作成したり、音声制御基板106に出力したりする。次に演出制御用マイコン91は、ランプ処理(S1004)および可動体処理(S1005)を行う。
ランプ処理(S1004)では、RAM94にセットされた変動演出開始コマンド等に盤ランプ5や枠ランプ66を発光させる発光演出がある場合には、その発光演出を実行する。すなわち、盤ランプ5や枠ランプ66を、所定のタイミング、所定の発光態様で発光させる。また、可動体処理(S1005)では、RAM94にセットされた変動演出開始コマンド等に盤可動体15を動作させる駆動演出がある場合には、その駆動演出を実行する。すなわち、盤可動体15を、所定のタイミング、所定の駆動態様で動作させる。
[受信コマンド解析処理]図36に示すように、受信コマンド解析処理(S1001)では演出制御用マイコン91はまず、遊技制御用マイコン81から変動開始コマンドを受信しているか否かを判定する(S1501)。受信していなければ、ステップS1504に進むが、受信していれば、変動演出パターン選択処理(S1502)を行う。
変動演出パターン選択処理(S1502)では、変動演出パターン決定用乱数を取得するとともに、変動開始コマンドの解析結果等に基づいて一つのテーブルを選択し、その選択したテーブルを用いて、取得した変動演出パターン決定用乱数を判定することにより、変動演出パターンを選択する。なお、選択した変動演出パターンを示すデータはRAM94の所定の記憶領域に格納される。この変動演出パターンの選択により、盤ランプ5を発光させる演出の実行の有無やそのタイミング、枠ランプ66を発光させる演出の実行の有無やそのタイミング、盤可動体15を動作させる演出の実行の有無やそのタイミングといった詳細までを含めて演出の内容が決定される。
次に演出制御用マイコン91は、ステップS1502で選択した変動演出パターンで変動演出を開始させるための変動演出開始コマンドを、RAM94の所定の記憶領域にセットする(S1503)。そしてステップS1504に進む。
ステップS1504では演出制御用マイコン91は、遊技制御用マイコン81からオープニングコマンドを受信しているか否かを判定する。受信していなければ、ステップS1507に進むが、受信していれば、大当たり演出パターン選択処理(S1505)を行う。
大当たり演出パターン選択処理(S1505)では、オープニングコマンドの解析結果に基づいて、大当たり遊技中に実行する大当たり演出の演出パターン(大当たり演出パターン)を選択する。なお、ここで選択した大当たり演出パターンを示すデータはRAM94の所定の記憶領域に格納される。この大当たり演出パターンの選択により、大当たり遊技中における盤ランプ5や枠ランプ66の発光演出の実行の有無やそのタイミング、盤可動体15や枠可動体205の駆動演出の実行の有無やそのタイミングといった詳細までを含めて演出の内容が決定される。
次に演出制御用マイコン91は、ステップS1505で選択した大当たり演出パターンで大当たり演出を開始させるための大当たり演出開始コマンドを、RAM94の所定の記憶領域にセットする(S1506)。そして、ステップS1507に進む。
ステップS1507では演出制御用マイコン91は、遊技制御用マイコン81から発射可能状態コマンドを受信しているか否かを判定する。受信していなければ、ステップS1510に進むが、受信していれば、発射可能状態演出パターン選択処理(S1508)を行う。
発射可能状態演出パターン選択処理(S1508)では、発射可能状態コマンドの解析結果に基づいて、発射可能状態演出の演出パターンを選択する。なお、ここで選択した発射可能状態演出パターンを示すデータはRAM94の所定の記憶領域に格納される。この発射可能状態演出パターンの選択により、発射前遊技球表示エリア7Hに表示される発射可能状態演出の内容が決定される。
次に演出制御用マイコン91は、ステップS1508で選択した発射可能状態演出パターンで発射可能状態演出を開始させるための発射可能状態演出開始コマンドを、RAM94の所定の記憶領域にセットする(S1509)。そして、ステップS1510に進む。
ステップS1510では演出制御用マイコン91は、遊技制御用マイコン81から移送状態コマンドを受信しているか否かを判定する。受信していなければ、ステップS1513に進むが、受信していれば、移送状態演出パターン選択処理(S1511)を行う。
移送状態演出パターン選択処理(S1511)では、移送状態コマンドの解析結果に基づいて、移送状態演出の演出パターンを選択する。なお、ここで選択した移送状態演出パターンを示すデータはRAM94の所定の記憶領域に格納される。この移送状態演出パターンの選択により、発射前遊技球表示エリア7Hに表示される移送状態演出の内容が決定される。
次に演出制御用マイコン91は、ステップS1511で選択した移送状態演出パターンで移送状態演出を開始させるための移送状態演出開始コマンドを、RAM94の所定の記憶領域にセットする(S1512)。そして、ステップS1513に進む。
ステップS1513では演出制御用マイコン91は、遊技制御用マイコン81から揚送異常コマンドを受信しているか否かを判定する。受信していなければ、ステップS1516に進むが、受信していれば、揚送異常演出パターン選択処理(S1514)を行う。
揚送異常演出パターン選択処理(S1514)では、揚送異常コマンドの解析結果に基づいて、揚送異常演出の演出パターンを選択する。なお、ここで選択した揚送異常演出パターンを示すデータはRAM94の所定の記憶領域に格納される。この揚送異常演出パターンの選択により、画像表示装置7の表示画面7aに表示される揚送異常演出の内容が決定される。
次に演出制御用マイコン91は、ステップS1514で選択した揚送異常演出パターンで揚送異常演出を開始させるための揚送異常演出開始コマンドを、RAM94の所定の記憶領域にセットする(S1515)。そして、ステップS1516に進む。
ステップS1516では演出制御用マイコン91は、遊技制御用マイコン81から排出異常終了コマンドを受信しているか否かを判定する。受信していなければ、ステップS1519に進むが、受信していれば、排出異常終了演出パターン選択処理(S1517)を行う。
排出異常終了演出パターン選択処理(S1517)では、排出異常終了コマンドの解析結果に基づいて、排出異常終了演出の演出パターンを選択する。なお、ここで選択した排出異常終了演出パターンを示すデータはRAM94の所定の記憶領域に格納される。この排出異常終了演出パターンの選択により、画像表示装置7の表示画面7aに表示される排出異常終了演出の内容が決定される。
次に演出制御用マイコン91は、ステップS1517で選択した排出異常終了演出パターンで排出異常終了演出を開始させるための排出異常終了演出開始コマンドを、RAM94の所定の記憶領域にセットする(S1518)。そして、ステップS1519に進む。
ステップS1519では、その他の処理として他の受信コマンドに基づく処理を行う(S1519)。これにより、受信コマンド解析処理を終える。
そして、本形態のパチンコ遊技機1では、発射可能状態であることを、画像表示装置7の表示画面7aの発射前遊技球表示エリア7Hに表示することで、遊技者に知らせることが可能である。打球供給皿のすぐ下方に発射装置が設けられていた従来のパチンコ遊技機では、打球供給皿から発射装置までの距離が近く、打球供給皿から発射装置までの遊技球の移動時間が短時間であった。よって、従来のパチンコ遊技機による遊技経験のある遊技者は、打球供給皿に遊技球が貯留されていることで、パチンコ遊技機が発射可能な状態であることを把握しがちである。
これに対し、本形態のパチンコ遊技機1では、発射装置112が遊技盤2の上部に設けられており、打球供給皿61から発射装置112までの距離が遠く、打球供給皿61から発射位置112aまでの遊技球の移動時間が長くなりがちである。このため、例えば、遊技球の払い出しが開始された初期などの、移送経路Xを遊技球が移動しており、発射装置112にはまだ遊技球が到達していない間は、打球供給皿61には遊技球が存在しているにもかかわらず、遊技球が発射できない状態が続いてしまうことがある。このような状態は、特に、従来のパチンコ遊技機に慣れた遊技者に、違和感や不安を感じさせてしまうおそれがある。しかし、本形態のパチンコ遊技機1では、遊技者は、画像表示装置7によって、発射可能状態を適切に認識することが可能である。よって、遊技者が、違和感や不安を感じてしまうことを抑制可能となっている。そして、違和感や不安が抑制された状態の遊技者は、遊技に集中できるため、違和感や不安を抱えた状態よりも、遊技を楽しむことができる。
さらに、本形態のパチンコ遊技機1では、移送経路Xに遊技球が存在する移送状態であることを、画像表示装置7の表示画面7aの発射前遊技球表示エリア7Hに表示することで、遊技者に知らせることが可能である。打球供給皿と発射装置とが近接して設けられていた従来のパチンコ遊技機では、遊技者は、打球供給皿に貯留された遊技球がなくなることで、遊技球をすべて遊技領域へと発射したことを認識することが可能である。
これに対し、本形態のパチンコ遊技機1では、打球供給皿61から発射装置112までの距離が遠いため、打球供給皿61に遊技球がなくなったとしても、揚送区間XAや発射前タンク400内には遊技球が存在している。このような場合、従来のパチンコ遊技機に慣れた遊技者は、遊技球を全て遊技領域3へと発射したと思い、揚送区間XAや発射前タンク400内に遊技球を残したままで遊技を終了してしまう可能性がある。しかし、本形態のパチンコ遊技機1では、遊技者は、画像表示装置7によって、移送経路Xに遊技球が存在する移送状態であることを、適切に認識することが可能である。よって、遊技者が、移送経路Xに遊技球を残したまま遊技を終了してしまうことを抑制可能である。
また、本形態のパチンコ遊技機1では、画像表示装置7の表示画面7aの発射前遊技球表示エリア7Hに、発射可能状態と移送状態とがともに表示可能である。つまり、発射可能状態でなく移送状態であるとき、すなわち、発射装置112に遊技球がなく、かつ、移送経路Xに遊技球が存在している移送待機状態であるときには、発射前遊技球表示エリア7Hに、移送待機状態ではないときと異なる表示がなされることとなる。
移送待機状態は、遊技球が移送経路X(例えば打球供給皿61)に存在しているにも関わらず、発射装置112によって発射できない状態である。この移送待機状態は、打球供給皿に遊技球が存在していると直ちに発射が可能な従来のパチンコ遊技機に慣れた遊技者に、違和感や不安を感じさせてしまう可能性のある状態である。しかし、本形態のパチンコ遊技機1では、遊技者は、発射前遊技球表示エリア7Hによって発射可能状態および移送状態を合わせて認識することで、移送待機状態を適切に認識することが可能である。これにより、遊技者が、違和感や不安を感じてしまうことを抑制可能となっている。
さらに、本形態のパチンコ遊技機1では、揚送モータ720が所定時間駆動されたにも関わらず、発射前タンク400まで遊技球が移送されていない揚送異常であることを、画像表示装置7の表示画面7aに表示することで、遊技者に知らせることが可能である。よって、揚送異常が生じた場合に、これを適切に遊技者に認知させることが可能である。
また、本形態のパチンコ遊技機1では、排出制御によって遊技球が移送経路Xから適切に排出されていない排出異常終了であることを、画像表示装置7の表示画面7aに表示することで、遊技者に知らせることが可能である。よって、排出異常終了が生じた場合に、これを適切に遊技者に認知させることが可能である。
なお、発射可能状態、移送状態、移送待機状態、揚送異常、排出異常終了等のそれぞれの報知は、これらを示す画像に限らず、各状態等を、表示等によって遊技者に適切に認識させることが可能な構成であればよい。すなわち、各状態等であるときと、そうでないときとで異なる表示を行う構成を設けておけばよい。このため、画像表示装置7の表示画面7aに限らず、例えば、各状態等を、ランプの点灯、消灯や、光量差、発光色の違い等を用いて報知する構成であってもよい。また、各状態等を、スピーカ67を用いて音により報知を行う構成であってもよい。さらには、各状態等を、これらを組み合わせて報知する構成であってもよい。
また、本形態のパチンコ遊技機1は、上方が開口した打球供給皿61を備えている。このため、パチンコ遊技機1では、払出装置120だけでなく、遊技者が、打球供給皿61から、移送経路Xへと遊技球を供給することも可能となっている。
また、本形態のパチンコ遊技機1は、遊技場においては、図37に示す玉処理ユニット1000と合わせて使用することが可能なものである。玉処理ユニット1000は、パチンコ遊技機1への遊技球の供給、パチンコ遊技機1から排出された遊技球の回収、回収した遊技球の計数等の処理を行うことができるものであり、カードユニット135(図22参照)を内蔵している。
図37において、玉処理ユニット1000は、パチンコ遊技機1の左方に面して配されている。玉処理ユニット1000は、本体部分に、紙幣投入口1003、操作部1004、カード挿入排出口1005を備えている。また、玉処理ユニット1000は、本体部分から右側へと延びる供給ノズル1001、回収計数部1002を備えている。
紙幣投入口1003は、遊技者が、遊技球の貸し出しを受けるための紙幣を投入する箇所である。なお、紙幣に限らず、硬貨を投入するものであってもよく、紙幣および硬貨のどちらともを投入可能なものであってもよい。カード挿入排出口1005は、所定の情報が記録されているカードの挿入や排出が可能なものである。カードに記録されている情報は、例えば、遊技者が貸し出しを受けている遊技球の数や、紙幣投入口1003へと投入した金額のうち、まだ遊技球の貸し出しに使用していない残金などと対応する情報である。操作部1004は、例えば、遊技者が操作可能なボタンやタッチパネルにより構成されている。遊技者は、操作部1004の操作によって、遊技球の払い出し操作や、カードの暗証番号の入力等を行うことが可能である。
供給ノズル1001は、玉処理ユニット1000の本体部分より、パチンコ遊技機1の前方側に設けられている打球供給皿61の上方まで延びている。具体的に、供給ノズル1001は、パチンコ遊技機1の左方に位置する本体部分より、パチンコ遊技機1の左側装飾部210の前方を横切って、打球供給皿61の上方まで延びている。そして、供給ノズル1001は、例えば、遊技者が遊技球の払い出し操作を行った場合には、所定数の遊技球を、パチンコ遊技機1の打球供給皿61へと供給可能なものである。
回収計数部1002は、玉処理ユニット1000の本体部分より、パチンコ遊技機1の排出口691の下方まで延びている。また、回収計数部1002は、下方排出経路YDの排出口691に対応する箇所が開口しており、下方排出経路YDから排出口691を通じて排出される遊技球を回収しつつ、その回収した遊技球の数を計数可能なものである。なお、回収計数部1002によって回収された遊技球は、玉処理ユニット1000の本体部分へと移動され、その後、供給ノズル1001よりパチンコ遊技機1の打球供給皿61へと供給可能になっている。
そして、本形態のパチンコ遊技機1は、その左方前面の下部に、従来よりも小さいものの、上方が開口した打球供給皿61を有している。よって、玉処理ユニット1000が併設された状態において、供給ノズル1001から供給される遊技球を適切に、打球供給皿61によって受けることが可能となっている。
また、本形態のパチンコ遊技機1では、前述したように、従来よりも、打球供給皿61が小さく、演出操作部63が大きく構成されている。つまり、打球供給皿61に貯留可能な遊技球の球数は、従来よりも少なくなっている。しかし、パチンコ遊技機1では、発射装置112が上部に設けられていることで、移送経路Xの全長が従来よりも長くなっている。また、発射前タンク400にも、遊技球が貯留可能となっている。つまり、パチンコ遊技機1では、移送経路Xにおける打球供給皿61以外の箇所に収容できる遊技球の球数は、従来よりも多くなっている。このため、打球供給皿61が小さくても、移送経路X全体としては、十分な球数の遊技球を貯留可能に構成されている。そして、打球供給皿61が小さいことにより、興趣性をより高めるのに十分な大きさの演出操作部63が設けられている。
また、図2からもわかるように、左右方向について、打球供給皿61と演出操作部63とは重ならない配置で設けられている。すなわち、演出操作部63の左端は、打球供給皿61の右端よりも右側に位置している。このため、操縦桿を模した演出操作部63は、打球供給皿61によって可動範囲が制限されることがなく、興趣性をより高めるのに十分な可動範囲が確保されている。なお、打球供給皿61と演出操作部63との左右方向における配置は逆であってもよい。しかし、玉処理ユニット1000は、図37に示す通り、パチンコ遊技機1の左方に面して配される傾向にある。よって、玉処理ユニット1000の供給ノズル1001から供給される遊技球を適切に打球供給皿61によって受けるため、本形態のように、打球供給皿61を演出操作部63の左側に配置しておくことが好ましい。
6.変更例
以下、変更例について説明する。なお、変更例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。
[第2の形態]
第2の形態のパチンコ遊技機について説明する。第2の形態のパチンコ遊技機は、端的には、上方排出経路の下流端の、移送経路への接続位置が、第1の形態と異なる。図38は、第2の形態のパチンコ遊技機1における払出経路Zや移送経路X等を示す概略構成図である。図38に示すように、上方排出経路YU以外の払出経路Zや移送経路X、下方排出経路YD等の構成については、本形態でも、第1の形態と同様である。そして、本形態では、上方排出経路YUの下流端である接続口481の接続位置が、第1の形態と異なる。
具体的に、本形態の上方排出経路YUの接続口481は、打球供給皿61へと接続されている。よって、本形態では、排出制御により、上方排出経路YUを通った遊技球は、前皿入口600を通らずに、直接、打球供給皿61へと進入する。そして、このような構成であっても、排出制御においては、適切に、上方排出経路YUを通過した遊技球を、下方排出経路YDへと移動させることが可能である。
[第3の形態]
第3の形態のパチンコ遊技機について説明する。第3の形態のパチンコ遊技機は、端的には、上方排出経路の下流端の位置が、第1の形態と異なる。図39は、第3の形態のパチンコ遊技機1における払出経路Zや移送経路X等を示す概略構成図である。図39に示すように、払出経路Zや移送経路X等の構成については、本形態でも、第1の形態と同様である。そして、本形態では、第1の形態と異なり、上方排出経路YUの下流側が、下方排出経路YDへと接続されている。
具体的に、本形態の上方排出経路YUの下流端である接続口481は、下方排出経路部材690へと接続されている。よって、本形態では、排出制御により、上方排出経路YUを通った遊技球は、移送経路Xを通らずに、直接、下方排出経路YDへと進入する。そして、このような構成であっても、排出制御においては、適切に、上方排出経路YUを通過した遊技球を、下方排出経路YDへと移動させることが可能である。
[第4の形態]
第4の形態のパチンコ遊技機について説明する。第4の形態のパチンコ遊技機は、端的には、下方排出経路の構成が、第1の形態と異なる。図40は、第4の形態のパチンコ遊技機1における払出経路Zや移送経路X等を示す概略構成図である。図40に示すように、払出経路Z、移送経路X、上方排出経路YU等の構成については、本形態でも、第1の形態と同様である。そして、本形態では、第1の形態と異なり、下方排出経路YDが、第1下方排出経路部材690と、第2下方排出経路部材697とによって構成されている。なお、第1下方排出経路部材690については、第1の形態における下方排出経路部材690と同じである。
第2下方排出経路部材697は、第1下方排出経路部材690の排出口691の下方に設けられて、排出口691から排出される遊技球を受けることが可能な構成である。このため、本形態において、排出口691は、パチンコ遊技機1から外部へと遊技球を排出するものではない。また、第2下方排出経路部材697は、上方がパチンコ遊技機1の外部へと開放しており、遊技者が、第2下方排出経路部材697の内部へと手をいれることが可能な構成である。このため、遊技者は、第2下方排出経路部材697内の遊技球を外部へと取り出すこと等が可能である。さらに、第2下方排出経路部材697は、排出口698を備えており、本形態では、遊技球を、排出口698からパチンコ遊技機1の外部へと排出することが可能である。なお、第2下方排出経路部材697には、遊技者の操作に基づいて、遊技球を排出口698から排出可能な開状態と、開状態よりも排出口698への遊技球の通過を制限する閉状態とをとることが可能な切替部材699が設けられている。この切替部材699の開閉は、例えば、排出レバー65の操作によって行うことができるようにしておけばよい。
[第5の形態]
第5の形態のパチンコ遊技機について説明する。第5の形態のパチンコ遊技機は、端的には、排出駆動制御における揚送モータの回転方向が、第1の形態と異なる。図41は、第5の形態のパチンコ遊技機1における払出経路Zや移送経路X等を示す概略構成図である。図41に示すように、第5の形態のパチンコ遊技機1の構成はおおむね、第2の形態のものと同じである。そして、本形態においても、揚送動作処理(図32、S204)における揚送モータ720の回転方向は、上記の形態と同様に、遊技球が、揚送区間XAを重力に抗う向きに移動させる正方向の向きである。
しかし、本形態では、排出揚送動作処理(図33、S205)においては、揚送モータ720の回転方向を、揚送動作処理(図32、S204)とは反対向きとする。すなわち、本形態の排出駆動制御における揚送モータ720の回転方向は、正方向とは逆方向、すなわち、遊技球が、揚送区間XAを重力方向に移動する向き(図41に矢印XRで示す向き)である。そして、このような本形態であっても、排出駆動制御により、揚送区間XAの遊技球を、揚送区間XAから排出することが可能である。なお、排出駆動制御により、揚送開始位置X1へと移動された遊技球は、第2前皿排出口631を通った後、下方排出経路YDを移動し、排出口691より排出される。
さらに、本形態では、第2前皿排出切替部材630は、排出状態(開状態)のときには、揚送開始位置X1の遊技球を、下方排出経路YDへと移動可能な位置に設けられている。つまり、本形態では、第2前皿排出切替部材630が排出状態(開状態)のときには、揚送開始位置X1の遊技球を適切に、第2前皿排出口631へと通過させるため、図41に示すXLの長さが、第2の形態よりも短くされている。
[第6の形態]
第6の形態のパチンコ遊技機について説明する。第6の形態のパチンコ遊技機は、端的には、第1の形態と異なり、揚送区間を移動中の遊技球を視認可能な窓部が設けられている。図42は、第6の形態のパチンコ遊技機1の斜視図である。本形態のパチンコ遊技機1においては、左側装飾部210の後方に揚送区間XAが位置している。そして、左側装飾部210には、移送窓部215が設けられている。左側装飾部210の移送窓部215の箇所は、後方が透けて見えるように、可視光を透過可能な部材により構成されている。このため、本形態のパチンコ遊技機1では、移送窓部215を通して、揚送区間XAを視認可能となっている。
よって、本形態では、揚送区間XAを移動する遊技球の動きを、遊技者が把握することが可能となっている。本形態では、発射位置112aが遊技盤2の上部に設けられていることで、従来のパチンコ遊技機よりも、移送経路Xが長くなっている。このため、遊技球の移送経路Xの移動時間が長くなりがちであり、その間、遊技球の移動を把握できない場合には、遊技者に違和感や不安を感じさせてしまうおそれがある。しかし、本形態では、移送窓部215により、移送経路Xにおける揚送区間XAの一部にて、移動する遊技球が視認可能であることで、遊技者は、遊技球の移動を把握することが可能である。よって、本形態では、遊技者が遊技球の移動を把握できないことによって違和感や不安を感じてしまうことを抑制可能である。
また、一般的な遊技者は、遊技中、パチンコ遊技機1のうち、遊技領域3を視認する頻度が高い。よって、移送経路Xを視認可能な窓部は、遊技者が視認する頻度の高い遊技領域3の左方、または右方に設けられていることが好ましい。つまり、本形態では、移送窓部215が左側装飾部210に設けられていることで、遊技者がストレスなく自然に、移送経路Xにおける揚送区間XAを移動する遊技球を視認できるようになっている。
また、移送窓部215は、揚送区間XAを移動する遊技球だけでなく、揚送機構710をも視認可能であることが好ましい。移送窓部215を通して揚送機構710の動作を確認可能であることで、移送窓部215に対応する箇所に遊技球が存在していない間であっても、揚送機構710の動作により、遊技者は、遊技球の移送が行われていることを知ることが可能だからである。これにより、違和感や不安を軽減することが可能だからである。
なお、移送経路Xの遊技球の移動を把握できないことによる違和感や不安は、移送経路Xにおける遊技球の位置を遊技者に認知させることができれば抑制可能である。また、移送経路における少なくとも一部、例えば、揚送区間XAにおける遊技球の移動が把握できるだけでも、遊技者の違和感や不安は軽減される。そして、移送経路Xにおける遊技球の位置等は、前述したように、移送経路X上に設けられたセンサ等によって検出可能である。また、揚送区間XAにおいては、揚送モータ720の回転時間、回転角度や回転回数によっても把握可能である。よって、移送窓部215に限らず、移送経路X上のセンサによって検出された遊技球の位置を指標する表示を行うことで、遊技者に移送経路Xにおける遊技球の位置を把握させてもよい。
移送経路Xに存在する遊技球の位置を指標する表示は、例えば、画像表示装置7により行うことが可能である。また例えば、移送経路Xに存在する遊技球の位置を指標する表示は、左側装飾部210に縦方向に、複数のランプを整列して設けておき、その上方ほど、移送経路Xの下流側に対応させつつ、複数のランプの発光態様によって表示することも可能である。
また、移送経路Xにおける遊技球の位置を指標する表示としては、移送経路X内における最も発射位置112aに近い位置に存在する遊技球の位置を指標する表示を採用することが可能である。この場合、例えば、発射可能状態ではなく、移送経路Xを移送されている遊技球が存在する場合、遊技者は、先頭の遊技球の位置を把握可能であることで、当該表示を、発射可能状態となるまでの目安とすることが可能となる。なお、当該表示を、移送経路Xの一部の区間、例えば、揚送区間XAに限って行うこととしてもよい。
また、移送経路Xにおける遊技球の位置を指標する表示としては、移送経路X内における最も発射位置112aから遠い位置に存在する遊技球の位置を指標する表示を採用することが可能である。この場合、例えば、遊技者は、払い出しが継続的に行われていない状態での遊技において、当該表示を、移送経路Xにどの程度の数の遊技球が存在しているかを把握する目安とすることが可能となる。なお、当該表示についても、移送経路Xの一部の区間、例えば、揚送区間XAに限って行うこととしてもよい。
また、移送経路Xにおける遊技球の位置を指標する表示としては、移送経路Xを遊技球の移動方向について複数に分割した複数の分割区間についてそれぞれ、遊技球が存在しているときと、存在していないときとで異なる表示を行う態様も採用することが可能である。この場合、遊技者は、複数の分割区間ごとに、遊技球の有無を把握可能となる。なお、当該表示についても、移送経路Xの一部の区間、例えば、揚送区間XAに限って行うこととしてもよい。
[第7の形態]
第7の形態のパチンコ遊技機について説明する。第1の形態では、遊技盤における発射位置下方の領域を、遊技領域から区画した左外縁領域とし、盤可動体を設ける等して活用していた。この第1の形態における左外縁領域は、従来のパチンコ遊技機では、前述したように、発射位置から遊技領域まで遊技球を誘導する誘導通路として使用されていた領域に対応する領域である。そして、第7の形態のパチンコ遊技機は、端的には、第1の形態と異なり、発射位置下方のスペースが、遊技機枠の一部として有効活用されている。図43は、第7の形態のパチンコ遊技機1の正面図である。
図43に示すように、本形態のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50の前枠53に、前枠演出領域53Lを備えている。前枠演出領域53Lについても、前枠53に設けられているため、遊技盤2の遊技盤面2aよりも前方の構成である。前枠演出領域53Lは、その上端が、遊技窓部53aの下端から遊技窓部53aの上端までの間に位置している。さらに、前枠演出領域53Lは、その右端が、遊技窓部53aの左端から遊技窓部53aの右端までの間に位置している。これにより、前枠演出領域53Lは、遊技窓部53aの左下の角に位置し、遊技窓部53aの内側へ向けて突出したような形状の領域となっている。また、前枠演出領域53Lは、第1の形態における遊技盤2の左外縁領域2Aに対応する位置に設けられている。
前枠演出領域53Lには、演出手段としての前枠画像表示装置53LPおよび前枠ランプ53LLが設けられている。前枠画像表示装置53LPは、例えば、液晶表示装置であり、その表示画面に様々な演出画像を表示することが可能である。前枠ランプ53LLは、大形パイロットランプであり、遊技の進行等に合わせて点灯可能なものである。なお、前枠画像表示装置53LPは画像制御基板100に、前枠ランプ53LLはサブ駆動基板107にそれぞれ接続しておけばよい。
すなわち、本形態では、第1の形態とは異なり、発射位置112aの下方に位置する領域を前枠53の前枠演出領域53Lとして活用している。この前枠演出領域53Lについては、従来においては発射位置から遊技領域へと遊技球を誘導する誘導通路を遊技者に視認可能とするために存在していなかったものである。つまり、誘導通路の前方に位置していた領域である。そして、本形態においては、発射位置112aを上部に配置することで、従来、存在していなかった前枠演出領域53Lを設けることが可能となっており、前枠演出領域53Lの演出により、興趣性を高めることが可能となっている。なお、前枠演出領域53Lに設ける演出部としては、前枠画像表示装置53LPや前枠画像表示装置53LPに限らず、例えば、駆動によって変形可能な可動体であってもよい。
[第8の形態]
第8の形態のパチンコ遊技機について説明する。第8の形態のパチンコ遊技機は、端的には、前枠の遊技窓部下方に設けられた演出操作部が第1の形態と異なる。図44は、第8の形態のパチンコ遊技機1の斜視図である。図44に示すように、本形態の演出操作部63は、剣を模した形状のものである。また、図44の演出操作部63は、収容状態であり、剣柄が左側、剣身が右側に位置するように横に向けた状態となっている。演出操作部63は、鍔の中央にボタンが配されており、そのボタンは、遊技者が押し下げ操作を行うことが可能である。また、本形態の演出操作部63についても、収容状態では、左右方向における長さが、打球供給皿61よりも長く、大きなものである。
また、本形態の演出操作部63は、その駆動部の駆動力により、図44の収容状態から起き上がり、図45に示す起立状態へと移行することも可能である。図45に示すように、起立状態の演出操作部63は、剣身が前方下部領域69に突き刺さったような状態であり、剣柄が上向きに突き出ている。そして、起立状態の演出操作部63は、遊技者が、剣柄を握って前方下部領域69に向けて押し込む操作を行うことが可能である。また、演出操作部63は、起立状態から収容状態へと移行することも可能となっている。起立状態と収容状態との間の形態の変化は、遊技者が手動で行うものであってもよいし、演出操作部63が駆動されることによる自動で行われるものであってもよい。
本形態では、発射装置112を上部に配置し、打球供給皿61を小さくしていることにより、前方下部領域69に、演出操作部63に活用可能な十分なスペースが確保されている。これにより、本形態のパチンコ遊技機1では、大型であり、かつ、収容状態と起立状態とで大きく態様を変化させることがでる、興趣性の高い演出操作部63が採用可能となっている。
[第9の形態]
第9の形態のパチンコ遊技機について説明する。第9の形態のパチンコ遊技機は、端的には、前枠の遊技窓部下方に設けられた演出操作部が第1の形態と異なる。図46は、第9の形態のパチンコ遊技機1の斜視図である。図46に示すように、本形態の演出操作部63は、例えば、液晶表示装置であり、その表示画面に様々な演出画像を表示することが可能な画像表示装置である。また、画像表示装置である演出操作部63は、タッチパネルであり、遊技者が操作入力を行うことが可能なものとなっている。なお、画像表示装置である本形態の演出操作部63は、画像制御基板100に接続しておけばよい。
そして、本形態の演出操作部63についても、表示画面の左右方向における長さが、打球供給皿61よりも長く、大きなものである。すなわち、従来にはなかった大画面の画像表示装置を演出操作部63に採用していることで、興趣性が高いものとなっている。このような大画面の演出操作部63についても、発射装置112を上部に配置したことと、打球供給皿61を小さく構成したことにより、採用することが可能となっている。なお、画像表示装置である演出操作部63は、遊技者による入力操作ができないものであってもよい。
[第10の形態]
第10の形態のパチンコ遊技機について説明する。第10の形態のパチンコ遊技機は、端的には、前枠の遊技窓部下方に設けられた演出操作部が第1の形態と異なる。図47は、第10の形態のパチンコ遊技機1の、左右方向における中央位置での断面図である。図47に示すように、本形態の演出操作部63は、可動部63Aと、固定部63Bとによって構成されており、可動部63Aが、固定部63Bに沿って移動することが可能なものである。本形態の演出操作部63は、移動に伴い、図47に実線で示す突出位置と、突出位置よりも引っ込んだ、二点鎖線で示す引っ込み位置とをとることができる。本形態の演出操作部63は、通常は、突出位置をとり、遊技者の押し込み操作により引っ込み位置をとる。また、図47には、可動部63Aの移動可能な距離である、押し込みストローク63Sを示している。
本形態の演出操作部63は、突出位置では、可動部63Aがガラス板55よりも前方に位置している。一方、引っ込み位置では、可動部63Aの後方側の箇所が、ガラス板55よりも後方に位置している。なお、可動部63Aをガラス板55の後方側まで案内するため、固定部63Bは、ガラス板55の前方から後方まで延びている。そして、本形態の演出操作部63は、ガラス板55の前面および後面を横切るように移動可能であることで、従来の一般的な演出操作用のボタンよりも、押し込みストローク63Sが長いものとなっている。
これは、本形態においては、発射装置112が上部に設けられていることで、従来では発射装置や、打球供給皿から発射装置まで遊技球を案内する経路が存在していた領域、すなわち、図47に二点鎖線で示す領域69aを、演出操作部63に使用しているからである。領域69aは、前方下部領域69における後方側の領域であり、ガラス板55の前面よりも後方に位置する領域である。さらには、本形態の領域69aは、遊技盤2の遊技盤面2aよりも後方までおよんでいる。すなわち、本形態では、従来よりも、演出操作部63として使用可能な前方下部領域69が前後方向に長く確保されていることで、ストローク63Sが十分に長い演出操作部63が実現可能となっている。また、従来よりも長い押し込みストローク63Sにより、本形態の演出操作部63は、従来にはない興趣を生み出すことが可能である。
なお、本形態では、遊技者の押し込みにより、演出操作部63の可動部63Aが移動するものとして説明している。しかし、可動部63Aを動作させる駆動部を設けておくことで、演出操作部63として説明した構成を、演出可動部とすることも可能である。
[第11の形態]
第11の形態のパチンコ遊技機について説明する。第11の形態のパチンコ遊技機は、端的には、第10の形態と、前枠の遊技窓部下方に、サブ制御基板を収容している点において異なる。図48は、第11の形態のパチンコ遊技機1の、左右方向における中央位置での断面図である。図48に示すように、本形態のパチンコ遊技機1では、前方下部領域69に、サブ制御基板90が収容されている。なお、払出基盤110や電源基板150は、前方下部領域69の後方側に搭載されている。
サブ制御基板90は、上記の形態においては、遊技盤ユニット2Uに設けられている。つまり、上記の形態において、サブ制御基板90は、前枠53よりも後方側に、サブ制御基板90が搭載されていた。すなわち、サブ制御基板90は、基枠部側(つまり、外枠51または内枠52や、内枠52に設けられる遊技盤ユニット2U)に搭載されており、前枠53側には搭載されていない。そして、上記の形態においては、基枠部側にサブ制御基板90が搭載されていることで、基枠部側のスペースに余裕がなかった。
これに対し、本形態では、発射装置112を上部に設けることで拡大した前枠53の前方下部領域69に、サブ制御基板90を搭載している。このため、基枠部側に、サブ制御基板90を搭載する必要がなく、その分、基枠部側のスペースに余裕ができている。よって、余裕ができた基枠部側のスペースを、他の用途に活用可能である。すなわち、本形態では、例えば、遊技盤2を大きくし、遊技領域3の拡大や、盤可動体15の動作範囲の拡大等を図ることが可能である。また、基枠部側により大きな電源基板150を設け、使用可能な電力の上限を大きなもとすることも可能である。
また、図48に示すように、本形態では、サブ制御基板90に接続されている配線経路に、ドロワコネクタDCを設けている。ドロワコネクタDCの第1端子DC1は前枠53側に、第2端子DC2は基枠部側(本形態では内枠52)に固定されており、前枠53の閉状態においては、第1端子DC1と第2端子DC2とが接続状態となっている。そして、前枠53が開状態とされたときには、第1端子DC1が第2端子DC2から遠ざかることで、接続が解除された遮断状態をとる。さらに、本形態では、ドロワコネクタDCを通して行われるサブ制御基板90へのデジタル信号の伝送を、シリアル伝送としている。
上記の形態においては、前枠53にCPUを搭載したような制御基板が設けられていない。このため、上記の形態においては、前枠53の各部と基枠部側の各部とのデジタル信号の伝送を、パラレル伝送により行っている。よって、上記の形態では、基枠部側から前枠53の各部へデジタル信号を伝送するための配線の数が多かった。このため、本形態のように、ドロワコネクタDCを使用することが困難であった。ドロワコネクタDCに接続できる配線の数には限りがあるからである。また、開状態、閉状態が繰り返されることで、接続状態、遮断状態の切り替えが多くなされるパチンコ遊技機1においては、ドロワコネクタDCに接続されている配線の数が多くなるほど、故障のリスクが高まってしまうからである。
これに対し、本形態では、サブ制御基板90を前枠53に搭載したことで、前枠53側と基枠部側とのデジタル信号の伝送として、シリアル伝送を採用している。そして、シリアル伝送を採用したことで、本形態では、ドロワコネクタDCに接続されているデジタル信号の伝送に使用されている配線の数が少なくなっている。具体的に、前枠53側と基枠部側との間でデジタル信号を伝送する配線の数は、パラレル伝送を採用している上記の形態では20本程度であるのに対し、シリアル伝送を採用している本形態では2本まで低減できている。よって、故障のリスクを抑制しつつ、ドロワコネクタDCを使用することが可能となっている。そして、ドロワコネクタDCを使用することで、例えば、遊技機枠50の開閉時に、配線が遊技機枠50に挟まれて断線してしまうことや、開閉に伴う曲げ伸ばしの繰り返しによって配線が断線してしまうこと等を防止することが可能である。
なお、本形態では、サブ制御基板90が前枠53に搭載されており、前枠53が開状態とされることで、サブ制御基板90への電力の供給が遮断されてしまう。そして、サブ制御基板90が所定の処理を行っている際中に前枠53が開状態とされ、電力の供給が遮断された場合には、サブ制御基板90が故障してしまうおそれが生じる。よって、本形態では、前枠53を開状態とする開放動作の前動作を検知する前動作検知手段が設けられており、前動作検知手段が前動作を検知した際には、サブ制御基板90は、終了処理を実行するものとしている。これにより、サブ制御基板90の故障が抑制されている。
また、本形態のパチンコ遊技機1において、前枠53は閉状態にてロックされており、鍵をシリンダに挿入して回転するロック解除動作によって、前枠53の閉状態のロックが解除され、前枠53の開放動作が可能となるようになっている。そして、本形態の前動作検知手段は、開放動作の前動作として、ロック解除動作を検知可能となっている。なお、前動作検知手段は、鍵がシリンダに挿入されたことをロック解除動作、すなわち開放動作の前動作として検知するものであってもよい。
また、前枠53の前方下部領域69は、スペースに余裕があるため、二次電池やキャパシタ等の蓄電手段を搭載することも可能である。これら蓄電手段への蓄電は、電源基板150から供給される電力により行うことが可能である。そして、前方下部領域69に蓄電手段を設けた場合には、開放動作の前動作の検知に基づいて、蓄電手段からサブ制御基板90に電力の供給を行わせることも可能である。よって、この場合には、サブ制御基板90には、開放動作の前動作に基づいて、必ずしも終了処理を行わせる必要はなく、処理を続行させることができる。前枠53の開状態においても、サブ制御基板90への電力の供給を継続することが可能だからである。なお、二次電池としては、エネルギー密度が高いリチウムイオン二次電池や、技術的に成熟しており、安全性の高いニッケル・水素充電池等が好ましい。
また、前枠53の前方下部領域69に搭載する基板は、当然、サブ制御基板90に限られるものではない。例えば、図48にカッコで示すように、CPUを備える払出制御基板110を、前方下部領域69に収容しておいてもよい。また例えば、サブ制御基板90については基枠部側に設けられた構成に搭載し、前枠53の前方下部領域69には、前枠53の各部の動作を制御可能な制御基板を設けることとしてもよい。また例えば、前枠53の前方下部領域69には、図48にカッコで示すように、電源基板150を設けることとしてもよい。その際、十分なスペースのある前方下部領域69には、より大きな電源基板150を設けることが可能である。さらには、電源基板150については基枠部側に設け、前枠53の前方下部領域69には、新たな電源基板を設けてもよい。これにより、パチンコ遊技機1全体として使用可能な電力の上限を大きなものとすることが可能である。またこの場合、前方下部領域69に設けた電源基板は、前枠53の各部に電力を供給するものとしてもよい。
また例えば、前方下部領域69に、CPUを搭載した制御基板と、電源基板150との両方を設けることとしてもよい。また、前方下部領域69には、これら基板に加え、演出操作部63をも設けることとしてもよい。前方下部領域69には、十分に広いスペースが確保されているからである。なお、図48に示すように、前方下部領域69に設けられている基板は、その少なくとも一部が、前方下部領域69における後方側の領域69a内に位置している。つまり、基板を後方側に寄せて配置している。これにより、前方下部領域69の領域69aの前方側のスペースを大きくできるため、さらにそのスペースを、例えば、大きな演出操作部63等を設ける等、有効に活用可能となる。なお、この場合でも、本形態において、基板の前方部分については、領域69aよりも前方に位置している。また、本形態では、前方下部領域69が前枠53に設けられていることとしているが、例えば、前方下部領域69は、内枠52と前枠53とに跨って設けられていてもよい。また例えば、前方下部領域69とし、基板を収容している領域は、必ずしも前方側でなくてもよい。すなわち、遊技窓部53aの下方の領域であればよい。
[その他の変更例]
例えば、上記形態では、打球供給皿61を、上部が開放されたものとして説明している。しかし、打球供給皿61に蓋を設け、移送経路Xのすべてを、パチンコ遊技機1の外部と完全に区画した構成としてもよい。
また例えば、上記形態では、発射装置112をパチンコ遊技機1の左側上部に設けた構成について説明している。しかし、発射装置112は、パチンコ遊技機1の右側上部に設けることとしてもよい。すなわち、上記形態のパチンコ遊技機1とは左右対称に構成してもよい。また、遊技盤2の左外縁領域2Aには、盤可動体15、表示器類40、証紙付着部45、スペック表示部46のすべてを配置する必要はなく、例えば、これらのうちの少なくとも1つを配置することとしてもよい。ただし、盤可動体15、表示器類40、証紙付着部45、スペック表示部46のうち、より多くを左外縁領域2Aに設けることで、他の領域に確保されるスペースが増えるため、好ましい。
また例えば、上記形態では、前方下部領域69は、前枠53に設けられているものとして説明している。しかし、前方下部領域69は、基枠部(外枠51および内枠52)側の構成であってもよい。すなわち、例えば、前方下部領域69を内枠52に固定された構成とし、前枠53は、前方下部領域69よりも上方側だけ開くことが可能なように構成してもよい。また例えば、前方下部領域69を前枠53から分離させ、その前枠53と前方下部領域69とを、それぞれ個別に開くことが可能なように構成してもよい。また例えば、前方下部領域69は、外枠51に設けられていてもよい。
また例えば、移送経路Xにおける打球供給皿61や発射前タンク400、それらに設けられた各排出切替部材などの構成は任意の構成である。つまり、例えば、発射前タンク400のないパチンコ遊技機としてもよい。また例えば、発射装置112は、その全てが遊技領域3の上部に位置するものでなくてもよく、少なくとも発射位置112aが、遊技領域3の下端3Dよりも上方に位置していればよい。さらに、発射装置112は、遊技領域3の下部のスペースを確保する観点から、発射装置112における大きな構成、すなわち、例えば、少なくとも発射駆動部520が、遊技領域3の下端3Dよりも上方に位置していることが好ましい。
また例えば、上記形態の揚送部700の構成は、単なる一例であり、他の構成を採用してもよい。例えば、スクリューである揚送機構710に替えて、外周面または内周面に所定の間隔で突起が設けられた無端状のベルト部材を揚送機構として採用してもよい。この場合、ベルト部材による遊技球の揚送は、例えば、ベルト部材に設けた突起によって遊技球を保持した状態で行うものであってもよい。また、磁力によって遊技球を吸引により付着させて保持するベルト部材によって、揚送機構を構成してもよい。ただし、揚送区間XAにおける遊技球の搬送の安定性、耐久性やメンテナンス性を考慮し、揚送機構としてはスクリュー部材が好ましい。
また上記形態では、移送経路Xの遊技球を排出するとき、揚送区間XA内の遊技球を、上方、または下方へと揚送機構710によって搬送することで、揚送区間XAから除去している。しかし、例えば、揚送区間XA内の遊技球は、揚送区間XAと、スクリューである揚送機構710とを離間させることで、落下させ、揚送区間XAから除去することも可能である。
また上記形態では、揚送動作処理において、揚送前センサXS2が遊技球を検知した状態では、揚送タイマを設定せずに、揚送モータ720の駆動(すなわち揚送駆動制御)を開始している。しかし、揚送前センサXS2が遊技球を検知した状態であっても、揚送タイマを設定して、揚送駆動制御を開始してもよい。
また例えば、遊技球を貯留可能な貯留部である打球供給皿61、発射前タンク400の形状等は、それぞれ上記形態における説明に限られるものではない。すなわち、遊技球を貯留可能な貯留部は、その入口と出口とを結ぶ直線に沿って、遊技球を2列以上にならないように並べた場合よりも、多くの遊技球を収容可能な態様のものであればよい。具体的に、遊技球の貯留部では、例えば、遊技球の通路を螺旋状に形成しておくこととしてもよい。また例えば、遊技球の貯留部では、遊技球の通路を蛇行するように形成しておくこととしてもよい。また例えば、遊技球の貯留部では、遊技球の通路に少なくとも1箇所の屈曲部分を設けておくこととしてもよい。
また上記形態では、画像表示装置7の表示画面7aの発射前遊技球表示エリア7Hに、発射可能状態と移送状態とがともに表示可能であることで、遊技者に、移送待機状態を報知可能な構成となっている。しかし、移送待機状態について、発射可能状態や移送状態とは別で表示することとしてもよい。
また上記形態では、演出操作部63の長さ63Lの方が、打球供給皿61の長さ61Lよりも長いものであることとして説明した。つまり、演出操作部63は、その前方下部領域69から外部へと突出している部分が、打球供給皿61よりも大きなものとして説明している。しかし、演出操作部63は、可動部分を有する場合には、その可動部分の移動方向をガイドするガイド構成を備えることとなる。また、そのガイド構成は、前方下部領域69の内部に設けられていることがある。また、駆動部を備える演出操作部63においても、その駆動部は、前方下部領域69の内部に設けられていることがある。そして、演出操作部63は、左右方向について、その前方下部領域69の内部に位置する部分が、打球供給皿61よりも大きなものであってもよい。大きな前方下部領域69内のスペースを有効活用できていることに変わりはないからである。
また上記形態の演出操作部63は、前方から見たときに、打球供給皿61とは重ならないものである。特に、演出操作部63は、左右方向について、打球供給皿61とは重ならないものとして説明した。しかし、左右方向について、演出操作部63は、打球供給皿61と重なる部分を有していてもよい。この場合、演出操作部63は、左右方向について打球供給皿61と重ならない部分の方が、打球供給皿61と重なる部分よりも大きいことが好ましい。打球供給皿61による制約をできるだけ受けずに、演出操作部63を大きなものとすることが可能だからである。
また上記形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(判定用情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記形態では、いわゆるV確機(特定領域39の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成したが、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成してもよい。また上記形態では、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)として構成したが、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成してもよい。また上記形態では、特図2の変動を特図1の変動に優先して実行するように構成した。これに対して、特図2の変動と特図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域をRAM84に設け、その記憶領域に入賞順序に従って判定用情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、特図2の変動中であっても特図1の変動を実行でき、且つ、特図1の変動中であっても特図2の変動を実行できるように構成してもよい。つまり、所謂同時変動を行う遊技機として構成してもよい。また、所謂1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。
7.本形態の効果等
以上詳細に説明したように、上記の実施形態に記載のパチンコ遊技機1では、所定の払出条件が成立したことに基づいて、払出装置120により、払出位置Z1にて、移送経路Xへと遊技球が払い出される。移送経路Xは、払出位置Z1から発射装置112まで遊技球を案内可能な経路である。また、移送経路Xには、遊技球を貯留可能な打球供給皿61、発射前タンク400が設けられている。打球供給皿61、発射前タンク400はそれぞれ、遊技球を貯留可能であることで、その上流側からの遊技球の供給が途絶えた場合でも、貯留している遊技球を下流側へと供給可能である。従って、発射位置への遊技球の供給を、安定して行うことが可能なパチンコ遊技機1が実現されている。
また、発射位置112aは、遊技領域3の下端3Dよりも上方に位置している。また、移送経路Xの揚送区間XAには、その揚送開始位置X1から揚送終了位置X2まで遊技球を移動させることが可能な揚送部700が設けられている。そして、発射前タンク400は、移送経路Xにおける遊技球の移動方向について、揚送終了位置X2よりも下流に位置している。よって、揚送区間XAにおいて遊技球の移動が停滞した場合でも、発射前タンク400に貯留されている遊技球を、発射位置112aへと供給可能である。
また、揚送動作処理において、遊技球の揚送は、揚送後センサXS3が遊技球を検出していないときに行われる。これにより、発射前タンク400内に貯留されている遊技球が減少した場合に、適切に発射前タンク400への遊技球の供給が行われる。よって、発射前タンク400に、十分な量の遊技球を貯留させ、発射位置112aへの遊技球の供給を安定して行うことが可能である。また、発射前タンク400に十分な遊技球が貯留され、揚送後センサXS3が遊技球を検出しているときには、遊技球の揚送が停止される。よって、発射前タンク400に過剰な遊技球が供給されることを抑制可能であるとともに、消費電力を低減することが可能である。
また、遊技球の揚送は、その開始から一定時間が経過したときに停止することが好ましい。例えば、打球供給皿61に遊技球がなく、発射前タンク400に移送可能な遊技球が揚送区間XAに少しだけあるような場合、そのすべてを発射前タンク400に移送したとしても、揚送後センサXS3が遊技球を検知しないことがある。よって、このような場合にも、発射前タンク400に移送可能な遊技球をすべて発射前タンク400まで移送後、揚送モータ720の駆動を停止することが可能だからである。また、例えば、揚送区間XAにて遊技球の揚送が適切に行われていない場合にも、揚送モータ720を停止することが可能だからである。またこのような場合には、揚送異常である可能性があるため、これを適切に報知することが可能な画像を画像表示装置7に表示することが好ましい。
また、払い出された後の遊技球を貯留する発射前タンク400には、タンクカバー420が設けられている。これにより、払い出される前の遊技球が、発射前タンク400内の遊技球と混ざってしまうことを適切に抑制可能である。さらに、タンクカバー420は、閉め忘れられたまま(開状態のまま)、内枠52が閉じられたとき(内枠52が開状態から閉状態とされたとき)に、外枠51の外枠上辺部51Uに接触して、タンク本体410に向けて押し付けられるようになっている。これにより、タンクカバー420は閉まるようになっている。よって、タンクカバー420の閉め忘れの際にも、払い出される前の遊技球が、発射前タンク400内の遊技球と混ざってしまうことを適切に抑制可能である。
8.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
〈手段A〉
手段A1に係る発明は、
遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域3)が設けられた遊技盤(遊技盤2)と、
遊技球を発射位置(発射位置112a)から前記遊技領域へ向けて発射可能な発射装置(発射装置112)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記発射位置は、前記遊技領域の下端(下端3D)よりも上方に位置していることを特徴とする遊技機である。
例えば、従来技術として挙げられる特開2006−263228号公報には、遊技領域の下方の発射位置から遊技球を発射する下方発射の構成の遊技機が記載されている。そして、これと同じ下方発射の構成が、従来の一般的な遊技機では採用されている。よって、遊技者は、下方発射の構成に慣れてしまっている。これに対し、本構成の遊技機によれば、遊技領域の下端よりも上方に発射位置が設けられている新たな構成を採用していることで、従来にはなかった新たな興趣を提供することが可能であり、興趣性の向上が可能である。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機であって、
枠状の基枠部(外枠51および内枠52)および前記基枠部の前方に位置する前枠部(前枠53)を有する遊技機枠(遊技機枠50)を備え、
前記遊技機枠は、
その前面における前記発射装置よりも下方に設けられ、遊技球を貯留可能な前方貯留部(打球供給皿61)と、
前記前方貯留部に貯留された遊技球を、前記発射装置まで案内することが可能な移送経路(移送経路X)と、を有することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、前方貯留部から発射装置まで遊技球を移動させる移送経路により、従来の下方発射の構成の遊技機と同じように前方貯留部を備えつつ、遊技領域の下端よりも上方に発射位置を備える新たな構成を含んだ遊技機とすることが可能である。
手段A3に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機であって、
前記遊技機枠の前面には、前記移送経路の少なくとも一部を視認可能とする移送窓部(移送窓部215)が設けられていることを特徴とする遊技機である。
前方貯留部から発射装置までの距離が遠くなりがちな遊技機では、遊技球が移送経路を移動している時間が長くなりがちであり、その間、遊技球の移動を把握できない場合には、遊技者に違和感や不安を感じさせてしまうおそれがある。しかし、本構成の遊技機では、移送窓部によって移送経路を移動する遊技球を視認可能である。よって、遊技球の移動を把握可能であるため、遊技者が違和感や不安を感じてしまうことを抑制可能である。
手段A4に係る発明は、
手段A3に記載の遊技機であって、
前記前枠部は、
前記遊技領域の少なくとも一部を含む所定領域を視認可能とする遊技窓部(遊技窓部53a)と、
前記遊技窓部の左方または右方に位置し、前記遊技窓部に沿って鉛直方向に延びる遊技窓側部(左側装飾部210)と、を有し、
前記移送経路は、少なくとも一部(揚送区間XAの少なくとも一部)が前記遊技窓側部の後方に位置するものであり、
前記移送窓部は、前記遊技窓側部に設けられていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技者が視認する頻度の高い遊技領域の左方または右方に位置する遊技窓側部に移送窓部が設けられている。このため、遊技者に、ストレスなく移送窓部を視認させることが可能である。
手段A5に係る発明は、
手段A2から手段A4までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記発射装置により遊技球の発射が可能な発射可能状態であるときと、前記発射可能状態でないときとで異なる表示を行う発射可能状態表示手段(発射可能状態を表示可能な発射前遊技球表示エリア7Hを備える画像表示装置7)を備えることを特徴とする遊技機である。
従来の下方発射の構成の遊技機では、前方貯留部と発射装置とが近接して設けられているため、前方貯留部から発射装置までの遊技球の移動時間が極めて短時間である。このため、従来の下方発射の構成の遊技機により遊技を行ってきた遊技者は、前方貯留部に遊技球が貯留されていることで、発射可能状態であることを把握する傾向にある。これに対し、前方貯留部から発射装置までの距離が遠い傾向にある遊技機では、遊技球が移送経路を移動している時間が長くなりがちである。そして、例えば、前方貯留部に遊技球が貯留された初期等の、発射装置には遊技球が存在しておらず、移送経路によって発射装置まで遊技球を移動させているようなときには、前方貯留部に遊技球が貯留されているのにもかかわらず、遊技球が発射できない状態が続くことがある。このような状態は、従来の下方発射の構成の遊技機に慣れた遊技者に、違和感や不安を感じさせてしまうおそれがある。しかし、本構成の遊技機では、発射可能状態を、発射可能状態表示手段によって適切に認識することが可能であるため、遊技者が違和感や不安を感じてしまうことを抑制可能である。
手段A6に係る発明は、
手段A2から手段A5までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記移送経路内に遊技球が存在している移送状態と、前記移送状態でないときとで異なる表示を行う移送状態表示手段(移送状態を表示可能な発射前遊技球表示エリア7Hを備える画像表示装置7)を備えることを特徴とする遊技機である。
従来の下方発射の構成の遊技機では、遊技者は、前方貯留部に貯留されている遊技球がなくなることで、遊技球をすべて遊技領域へと発射したことを把握する傾向にある。これに対し、前方貯留部から発射装置までの距離が遠い傾向にある遊技機では、前方貯留部に貯留されている遊技球がなくなったとしても、移送経路内に遊技球が残っていることがある。このような場合、従来の下方発射の構成の遊技機に慣れた遊技者は、遊技球をすべて遊技領域へと発射したと思い、移送経路内に遊技球を残したままで遊技を終了してしまうおそれがある。しかし、本構成の遊技機では、移送状態を、移送状態表示手段によって適切に認識することが可能であるため、上記のような問題が発生してしまうことを抑制可能である。
手段A7に係る発明は、
手段A2から手段A6までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記発射装置に遊技球がなく、かつ、前記移送経路内に遊技球が存在している移送待機状態であるときと、前記移送待機状態でないときとで異なる表示を行う移送待機状態表示手段(発射可能状態および移送状態をともに表示可能な発射前遊技球表示エリア7Hを備える画像表示装置7)を備えることを特徴とする遊技機である。
移送待機状態では、例えば、遊技球が前方貯留部に貯留されているにもかかわらず、まだ発射装置に到着していないために、発射装置によって遊技球を発射させることができない。このような場合、前方貯留部に遊技球が貯留されていると直ちに発射装置によって遊技球の発射が可能な従来の下方発射の構成の遊技機に慣れた遊技者に、違和感や不安を感じさせてしまうおそれがある。しかし、本構成の遊技機では、移送待機状態を、移送待機状態通知手段によって適切に把握することが可能であるため、遊技者が違和感や不安を感じてしまうことを抑制可能である。
手段A8に係る発明は、
手段A2から手段A7までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記移送経路内に存在する遊技球の位置を指標する表示を行う遊技球位置表示手段(移送経路Xにおける遊技球の位置を指標する表示を行う画像表示装置7)を備えることを特徴とする遊技機である。
前方貯留部から発射装置までの距離が遠い傾向にある遊技機では、遊技球が移送経路内を移動している時間が長くなりがちであり、その間、遊技球の位置を把握できない場合には、遊技者に違和感や不安を感じさせてしまうおそれがある。このような問題に対し、本構成の遊技機では、遊技球位置表示手段によって移送経路内を移動する遊技球の位置を把握可能であるため、遊技者が違和感や不安を感じてしまうことを抑制可能である。
手段A9に係る発明は、
手段A8に記載の遊技機であって、
前記遊技球位置表示手段は、前記移送経路内における最も前記発射装置に近い位置に存在する遊技球の位置を指標する表示を行う(移送経路Xにおける遊技球の位置を指標する表示として、移送経路X内における最も発射位置112aに近い位置に存在する遊技球の位置を指標する表示を行う)ものであることを特徴とする遊技機である。
本構成の遊技機では、遊技球位置表示手段の表示により、移送経路内における先頭の遊技球の位置を把握可能である。このため、遊技球位置表示手段の表示を、例えば、遊技球を発射できない状態から発射可能な状態になるまでの目安とすることが可能である。よって、遊技球が発射できない間の遊技者の違和感や不安をより抑制することが可能である。
手段A10に係る発明は、
手段A8または手段A9に記載の遊技機であって、
前記遊技球位置表示手段は、前記移送経路内における最も前記発射装置から遠い位置に存在する遊技球の位置を指標する表示を行う(移送経路Xにおける遊技球の位置を指標する表示として、移送経路X内における最も発射位置112aから遠い位置に存在する遊技球の位置を指標する表示を行う)ものであることを特徴とする遊技機である。
前方貯留部から発射装置までの距離が遠い傾向にある遊技機では、遊技者は、移送経路内にどの程度の数の遊技球が存在しているかを把握することが困難になりがちである。そして、遊技者は、移送経路内にどの程度の数の遊技球が存在しているかを適切に把握できない場合、違和感や不安を感じてしまうおそれがある。これに対し、本構成の遊技機では、遊技球位置表示手段により、移送経路内における後尾の遊技球の位置を把握可能であることで、例えば、移送経路内にどの程度の数の遊技球が存在しているかを容易に把握可能である。よって、遊技者の違和感や不安をより抑制することが可能である。
手段A11に係る発明は、
手段A8に記載の遊技機であって、
前記遊技球位置表示手段は、前記移送経路を遊技球の移動方向について複数に分割した複数の分割区間についてそれぞれ、遊技球が存在しているときと、遊技球が存在していないときとで異なる表示を行う(移送経路Xにおける遊技球の位置を指標する表示として、移送経路Xを遊技球の移動方向について複数に分割した複数の分割区間についてそれぞれ、遊技球が存在しているときと、存在していないときとで異なる表示を行う)ものであることを特徴とする遊技機である。
本構成の遊技機では、遊技者は、遊技球位置表示手段により、移送経路の複数の分割区間ごとに遊技球の有無を把握可能である。これにより、遊技者の違和感や不安をより抑制することが可能である。
手段A12に係る発明は、
遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域3)が設けられた遊技盤(遊技盤2)と、
遊技球を、前記遊技領域の下端(下端3D)よりも上方に位置する発射位置(発射位置112a)から前記遊技領域へ向けて発射可能な発射装置(発射装置112)と、
枠状の基枠部(外枠51および内枠52)および前記基枠部の前方に位置する前枠部(前枠53)を有する遊技機枠(遊技機枠50)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記遊技機枠は、
その前面における前記発射装置よりも下方に設けられ、遊技球を貯留可能な前方貯留部(打球供給皿61)と、
前記前方貯留部に貯留された遊技球を、前記発射装置まで案内することが可能な移送経路(移送経路X)と、
前記移送経路に、重力に抗って遊技球を移送することが可能な移送手段(揚送部700)と、を有し、
前記遊技機枠の前面には、前記移送経路の少なくとも一部を視認可能とする移送窓部(移送窓部215)が設けられ、前記移送窓部を通して、前記移送手段の少なくとも一部(揚送機構710の少なくとも一部)を視認可能であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技領域の下端よりも上方に発射位置が設けられている新たな構成を採用していることで、従来の下方発射の構成の遊技機にはなかった新たな興趣を提供することが可能であり、興趣性の向上が可能である。また、前方貯留部から発射装置までの距離が遠くなりがちな遊技機では、遊技球が移送経路を移動している時間が長くなりがちであり、その間、遊技球の移動を把握できない場合には、遊技者に違和感や不安を感じさせてしまうおそれがある。しかし、本構成の遊技機では、移送窓部の後方を遊技球が通過している間、移送経路を移動する遊技球を視認可能である。また、移送窓部の後方を遊技球が通過していない間であっても、移送窓部を通して移送手段の動作を確認可能であることで、遊技球の移送が行われていることを認知することが可能である。よって、遊技球の移動を把握可能であるため、遊技者が違和感や不安を感じてしまうことを抑制可能である。
〈手段B〉
手段B1に係る発明は、
遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域3)が設けられた遊技盤(遊技盤2)と、
遊技球を前記遊技領域の下端(下端3D)よりも上方に位置する発射位置(発射位置112a)から前記遊技領域へ向けて発射可能な発射装置(発射装置112)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前方から視認可能な位置に、前記遊技領域から区画されているとともに、前記発射位置よりも下方に位置する発射下方領域(左外縁領域2A、右外縁領域2B、前枠演出領域53L)を有することを特徴とする遊技機である。
例えば、従来技術として挙げられる特開2006−263228号公報には、遊技領域の下方の発射位置から遊技球を発射する下方発射の構成の遊技機が記載されている。そして、これと同じ下方発射の構成が、従来の一般的な遊技機では採用されている。よって、遊技者は、下方発射の構成に慣れてしまっている。さらに、従来の下方発射の構成の遊技機では、遊技盤に、発射位置から発射された遊技球を遊技領域の上部まで誘導する誘導通路が設けられている。誘導通路は、遊技領域の外縁に沿って設けられていることが一般的であるため、遊技領域の外側に、遊技領域から区画された領域を設けることの制限となってしまっていた。これに対し、本構成の遊技機によれば、遊技領域の下端よりも上方に発射位置が設けられている新たな構成を採用していることで、従来にはなかった新たな興趣を提供することが可能であり、興趣性の向上が可能である。さらに、本構成の遊技機では、発射位置が遊技領域の下端よりも上方に配置されているため、様々な用途で活用可能な発射下方領域を容易に確保することが可能である。そして、従来にはなかった発射下方領域を様々な用途で活用することで、さらに新たな興趣を提供可能である。
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機であって、
前記発射装置は、前記遊技領域の左右方向における中央位置よりも左方および右方の一方に設けられた前記発射位置から遊技球を発射するものであり、
前記発射下方領域は、前記中央位置よりも前記一方の側に位置する領域であることを特徴とする遊技機である。
本構成の遊技機では、従来の下方発射の構成の遊技機にて誘導通路によって占められていた領域またはその領域と対応する領域に、発射下方領域を設けることが可能である。つまり、本構成の遊技機では、従来の下方発射の構成の遊技機では誘導通路が設けられていた範囲を、発射下方領域として、誘導通路とは異なるものとして活用可能である。
手段B3に係る発明は、
手段B2に記載の遊技機であって、
前記発射下方領域に装飾部(盤可動体15、前枠画像表示装置53LP、前枠ランプ53LL)が設けられていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、従来の下方発射の構成の遊技機には存在していなかった発射下方領域を、装飾部を設ける領域として活用することで、新たな興趣を提供可能である。
手段B4に係る発明は、
手段B3に記載の遊技機であって、
前記装飾部は、駆動部の駆動力によって動作する可動演出部(盤可動体15)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、従来の下方発射の構成の遊技機には存在していなかった発射下方領域に、より演出における興趣の向上が可能な可動演出部を設ける領域として活用している。
手段B5に係る発明は、
手段B2から手段B4までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記遊技盤は、前記発射下方領域(左外縁領域2A)を備えるものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、従来の下方発射の構成の遊技機では誘導通路として使用されていた領域を、発射下方領域として、他の用途に活用可能である。
手段B6に係る発明は、
手段B5に記載の遊技機であって、
前記遊技領域に設けられた始動口(第1始動口、第1始動口20)への遊技球の入球を検知する入球検知手段(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a)と、
前記入球検知手段による入球検知に基づいて判定情報を取得する判定情報取得部(ステップS103の処理を実行する主制御基板80)と、
所定の判定条件の成立時に、前記判定情報取得部により取得された判定情報に基づいて当たりの判定を行う判定手段(ステップS104の処理を実行する主制御基板80)と、
前記判定手段による判定に基づき、図柄を変動表示したあと停止表示する図柄表示手段(表示器類40)と、を備え、
前記図柄表示手段は、前記発射下方領域に設けられていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、発射下方領域に図柄表示手段を設けているため、発射下方領域が存在しない従来の下方発射の構成の遊技機において図柄表示手段が設けられていた領域を他の用途に活用可能である。
手段B7に係る発明は、
手段B5または手段B6に記載の遊技機であって、
前記発射下方領域に、所定情報が表示された証紙を付着する証紙付着部(証紙付着部45)が設けられていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、発射下方領域に証紙付着部を設けているため、発射下方領域が存在しない従来の下方発射の構成の遊技機において証紙付着部が設けられていた領域を他の用途に活用可能である。
手段B8に係る発明は、
手段B5から手段B7までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記発射下方領域に、スペック情報を表示するスペック表示部(スペック表示部46)が設けられていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、発射下方領域にスペック表示部を設けているため、発射下方領域が存在しない従来の下方発射の構成の遊技機においてスペック表示部が設けられていた領域を他の用途に活用可能である。
手段B9に係る発明は、
手段B2から手段B4までのいずれかに記載の遊技機であって、
枠状の基枠部(外枠51および内枠52)および前記基枠部の前方に位置する前枠部(前枠53)を有する遊技機枠(遊技機枠50)を備え、
前記前枠部は、
前記遊技領域の少なくとも一部を含む所定領域を視認可能とする遊技窓部(遊技窓部53a)と、
前記発射下方領域(前枠演出領域53L)と、を備えるものであり、
前記発射下方領域は、
上端が、前記遊技窓部の下端から前記遊技窓部の上端までの間に位置するとともに、
左右方向における前記一方とは反対側の他端が、前記遊技窓部の左端から前記遊技窓部の右端までの間に位置している領域であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、従来の下方発射の構成の遊技機では誘導通路として使用されていた領域の前方領域を、発射下方領域として、他の用途に活用可能である。
手段B10に係る発明は、
遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域3)が設けられた遊技盤(遊技盤2)と、
上下方向について前記遊技領域の下端よりも上方に位置するとともに、左右方向について前記遊技領域の中央位置よりも左方に位置する発射位置(発射位置112a)から、遊技球を前記遊技領域へ向けて発射可能な発射装置(発射装置112)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記遊技領域の外側に位置するとともに、前記発射位置の直下を含んで視認可能な領域である発射下方領域(左外縁領域2A)に、装飾部(盤可動体15)を有することを特徴とする遊技機である。
従来の下方発射の構成の遊技機では、発射位置から遊技領域上部まで遊技球を誘導する誘導通路が、遊技領域の左側に設けられていた。そして、この構成の遊技機によれば、従来の下方発射の構成の遊技機では誘導通路として使用されていた領域に対応する領域を、発射下方領域とし、装飾部を設けることで、興趣性を高めることが可能である。
〈手段C〉
手段C1に係る発明は、
枠状の基枠部(外枠51および内枠52)および前記基枠部(前枠53)の前方に位置する前枠部を有する遊技機枠(遊技機枠50)と、
遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域3)が設けられた遊技盤(遊技盤2)と、
遊技球を前記遊技領域の下端(下端3D)よりも上方に位置する発射位置(発射位置112a)から前記遊技領域へ向けて 発射可能な発射装置(発射装置112)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記遊技機枠は、
前記前枠部に設けられ、前記遊技盤の少なくとも一部を視認可能とする遊技窓部(遊技窓部53a)と、
前記遊技窓部の下方に設けられ、遊技者による操作入力、駆動源の駆動力による動作、画像表示からなる群の少なくとも一つが可能な演出部(演出操作部63)と、を有することを特徴とする遊技機である。
例えば、従来技術として挙げられる特開2006−263228号公報には、遊技領域の下方の発射位置から遊技球を発射する下方発射の構成の遊技機が記載されている。また、従来の一般的な遊技機では、これと同じ下方発射の構成が採用されている。そして、下方発射の構成の遊技機では、遊技盤の下方に発射装置が設けられていることにより、遊技機枠における遊技窓部の下方に、発射装置以外のものを配置することに制限があった。これに対し、本構成の遊技機によれば、遊技領域の下端よりも上方に発射位置が設けられている新たな構成を採用していることで、従来にはなかった新たな興趣を提供することが可能であり、興趣性の向上が可能である。さらに、本構成の遊技機では、発射位置が遊技領域の下端よりも上方に配置されているため、従来の下方発射の構成の遊技機では発射装置によって占められていた部分までをも、演出部として活用可能である。つまり、従来よりも大きなスペースを要する演出部を採用可能であることで、より興趣性を向上することが可能である。
手段C2に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機であって、
前記遊技機枠は、
前記遊技窓部の下方に設けられ、遊技球を貯留可能な遊技球貯留部(打球供給皿61)と、
前記遊技球貯留部に貯留された遊技球を、前記発射装置まで案内することが可能な移送経路(移送経路X)とを有することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、遊技窓部の下方に遊技球貯留部を設けた場合であっても、発射装置が、従来の下方発射の構成の遊技機よりも上方に設けられていることにより、遊技窓部の下方に、演出部を設けることが可能なスペースが十分に存在している。すなわち、遊技球貯留部を設けたとしても、従来よりも大きなスペースを要する演出部を採用可能であるため、興趣性の向上が可能である。
手段C3に係る発明は、
手段C2に記載の遊技機であって、
左右方向について、前記演出部の大きさ(演出操作部63の左右方向の長さ63L)は、前記遊技球貯留部の大きさ(打球供給皿61の左右方向の長さ61L)よりも大きなものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、発射装置が、従来の下方発射の構成の遊技機よりも上方に設けられていることで、発射装置によって発射される前の遊技球を、移送経路にも貯留可能である。このため、遊技球貯留部を、従来の下方発射の構成の遊技機よりも小さくすることが可能であり、その分、演出部を大きくすることが可能である。
手段C4に係る発明は、
手段C2または手段C3に記載の遊技機であって、
前記演出部は、
左右方向について、前記遊技球貯留部と重なる重なり部と、前記遊技球貯留部と重ならない非重なり部とを有するとともに、
前記非重なり部が、前記重なり部よりも、左右方向について大きなものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技球貯留部による演出部への制約が大きくなってしまうことがない。これにより、例えば、上下方向や前後向について大きな演出部とすることが可能である。
手段C5に係る発明は、
手段C2または手段C3に記載の遊技機であって、
前記演出部および前記遊技球貯留部の一方の左端は、他方の右端よりも右側に位置していることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、演出部を前後方向または上下方向に大きくしたとしても、演出部が遊技球貯留部に干渉してしまうことがない。これにより、例えば、上下方向や前後向について大きな演出部とすることが可能である。
手段C6に係る発明は、
手段C2から手段C5までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記演出部は、遊技者による操作入力および前記駆動源の駆動力の少なくとも一方によって移動する演出可動部(可動部63A)を有するものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技窓部の下方に存在する、従来の下方発射の構成の遊技機よりも大きなスペースに、演出部を設けている。このため、演出可動部の移動範囲についても、従来の下方発射の構成の遊技機よりも大きなものとすることが可能である。そして、従来の下方発射の構成の遊技機よりも大きな移動範囲を移動可能な演出可動部により、遊技の興趣の向上が可能である。
手段C7に係る発明は、
手段C6に記載の遊技機であって、
前記遊技機枠は、前記遊技窓部を塞ぐとともに、可視光を透過可能な板状の窓部材(ガラス板55)を有し、
前記演出可動部は、
第1の位置(突出位置)と、前記第1の位置よりも後方に位置する第2の位置(引っ込み位置)との間で移動可能なものであり、
前記第2の位置では、後方端が、前記窓部材の前面よりも後方に位置するものであることを特徴とする遊技機である。
従来の下方発射の構成の遊技機では、遊技窓部下方における窓部材の前面よりも後方の箇所に発射装置が設けられているため、その箇所まで移動するような演出可動部を設けることができなかった。これに対し、本構成の遊技機では、発射装置が従来よりも上方に設けられていることで、演出可動部に、その後端が窓部材の前面よりも後方に位置する第2の位置をとらせることが可能である。これにより、例えば、従来の下方発射の構成の遊技機では実現できなかった、移動範囲の大きな演出可動部を搭載することが可能となっている。そして、このような移動範囲の大きな演出可動部により、興趣性を高めることが可能となっている。
手段C8に係る発明は、
手段C2から手段C6までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記遊技機枠は、前記遊技窓部を塞ぐとともに、可視光を透過可能な板状の窓部材を有し、
前記演出部は、
前記窓部材の前面よりも後方に位置する後方部分(領域69a内に位置する固定部63Bの部分)を有するものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、発射装置が従来よりも上方に設けられていることで、演出部に、窓部材の前面よりも後方に位置する部分を設けることが可能となっている。すなわち、従来の下方発射の構成の遊技機では実現できなかった演出部を構成することが可能であり、興趣性を高めることが可能となっている。
手段C9に係る発明は、
枠状の基枠部(外枠51および内枠52)および前記基枠部の前方に位置する前枠部(前枠53)を有する遊技機枠(遊技機枠50)と、
遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域3)が設けられた遊技盤(遊技盤2)と、
遊技球を前記遊技領域の下端(下端3D)よりも上方に位置する発射位置(発射位置112a)から前記遊技領域へ向けて 発射可能な発射装置(発射装置112)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記遊技機枠は、
前記前枠部に設けられ、前記遊技盤の少なくとも一部を視認可能とする遊技窓部(遊技窓部53a)と、
前記遊技窓部の下方に設けられ、遊技球を貯留可能な遊技球貯留部(打球供給皿61)と、
前記遊技窓部の下方に設けられ、遊技者による操作入力、駆動源の駆動力による動作、画像表示の少なくとも一方が可能な演出部(演出操作部63)と、
前記遊技球貯留部に貯留された遊技球を、前記発射位置まで案内することが可能な移送経路(移送経路X)と、を有し、
前方から見たときに、前記演出部と前記遊技球貯留部とは、重ならない配置で設けられていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、演出部と遊技球貯留部が、その前方から見たときに重ならない配置で設けられていることで、演出部を、例えば、前後方向について大きく構成することが可能である。よって、大きな演出部により、興趣性を高めることが可能となる。
〈手段D〉
手段D1に係る発明は、
遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域3)が設けられた遊技盤(遊技盤2)と、
遊技球を前記遊技領域の下端(下端3D)よりも上方に位置する発射位置(発射位置112a)から前記遊技領域へ向けて発射可能な発射装置(発射装置112)と、
前記遊技盤および前記発射装置が設けられた遊技機枠(遊技機枠50)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記遊技機枠は、
外郭部を形成する外枠(外枠51)と、
前記外枠に対して開閉可能であり、前記遊技盤が装着される内枠(内枠52)と、
前面側に位置して前記外枠および前記内枠に対して開閉可能であり、前記遊技盤の少なくとも一部を視認可能とする遊技窓部(遊技窓部53a)が形成された前枠(前枠53)と、を有するとともに、
前記遊技窓部の下方に位置する下部領域(前方下部領域69)に収容された下部基板(サブ制御基板90、払出制御基板110、電源基板150等の基板)と、を有することを特徴とする遊技機である。
例えば、従来技術として挙げられる特開2006−263228号公報には、遊技領域の下方の発射位置から遊技球を発射する下方発射の構成の遊技機が記載されている。また、従来の一般的な遊技機では、これと同じ下方発射の構成が採用されている。そして、下方発射の構成の遊技機では、遊技盤の下方に発射装置が設けられていることにより、遊技機枠における遊技窓部の下方に、発射装置以外のものを配置することに制限があった。これに対し、本構成の遊技機によれば、遊技領域の下端よりも上方に発射位置が設けられている新たな構成を採用していることで、従来にはなかった新たな興趣を提供することが可能であり、興趣性の向上が可能である。さらに、本構成の遊技機では、発射位置が遊技領域の下端よりも上方に配置されているため、従来の下方発射の構成の遊技機では発射装置によって占められていた部分に、下部基板を配置することが可能である。つまり、従来の下方発射の構成の遊技機では他の位置に設けられていた基板を、下部基板として下部領域に設けることで、従来設けられていたスペースを他の用途に活用可能である。また、従来の下方発射の構成の遊技機では搭載していなかった新たな基板を下部基板として搭載することも可能となる。よって、遊技機内のスペースを有効活用することや、従来にはなかった基板を下部基板として搭載可能であることで、新たな興趣を提供したり、興趣性を向上することが可能である。
手段D2に係る発明は、
手段D1に記載の遊技機であって、
前記下部基板は、CPUを搭載した制御基板(サブ制御基板90、払出制御基板110等)であることを特徴とする遊技機である。
例えば、演出に関する制御を実行可能なサブ制御基板や、遊技球の払い出しに関する制御を実行可能な払出制御基板は、従来の下方発射の構成の遊技機では、その後方側に設けられていた。このため、遊技機の後方側のスペースに、例えば、演出可動体を設けたり、より大きな画像表示装置を設けたりすることの制限となっていた。また例えば、従来の下方発射の構成の遊技機では、その後方側のスペースが限られていることで、サブ制御基板を複数設け、より多彩な演出を実行可能にすることの制限となっていた。本構成の遊技機では、CPUが搭載されたサブ制御基板等を設けることで、遊技機の後方側のスペースを他の用途で活用したり、より多彩な演出を実行可能にしたりすることが可能となる。よって、興趣性を向上することが可能となっている。
手段D3に係る発明は、
手段D2に記載の遊技機であって、
演出を行う演出部を備え、
前記CPUは、前記演出部を制御する演出制御用CPU(CPU92)であることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、演出制御用CPUを搭載した制御基板を下部領域に設けることで、遊技機の後方側のスペースを他の用途で活用したり、より多彩な演出を実行可能にしたりすることが可能となる。
手段D4に係る発明は、
手段D2または手段D3に記載の遊技機であって、
前記下部領域は、前記内枠および前記前枠の一方、若しくは両方に設けられており、
前記遊技機枠は、前記内枠と前記前枠とが閉じられた閉状態と、前記内枠が前記閉状態よりも前記前枠から離れた開状態とをとることが可能なものであり、
前記閉状態から前記開状態に切り替わる開放動作の前動作を検知可能な前動作検知手段と、
前記閉状態では前記内枠と前記前枠との接点同士が接触した接続状態をとり、前記開状態では前記接点同士が離間する非接続状態をとる接点部(ドロワコネクタDC)を、一端と他端との間に有するとともに、前記一端が前記制御基板に接続されている配線経路と、を備え、
前記制御基板は、前記前動作が検知されたことに基づいて、終了処理を実行するものであることを特徴とする遊技機である。
制御基板が所定の処理中に、制御基板への電力の供給が、内枠と前枠とを開状態としたことで遮断されてしまった場合、制御基板が故障してしまうおそれがある。このような問題に対し、本構成の遊技機では、内枠と前枠とが開状態とされる開放動作の前動作の検知により、制御基板に終了処理を行わせることが可能である。これにより、制御基板が所定の処理中に、制御基板への電力の供給が遮断されてしまうことを抑制可能であり、制御基板の故障を抑制可能である。
手段D5に係る発明は、
手段D2または手段D3に記載の遊技機であって、
前記下部領域は、前記内枠および前記前枠の一方、若しくは両方に設けられており、
前記遊技機枠は、前記内枠と前記前枠とが閉じられた閉状態と、前記内枠が前記閉状態よりも前記前枠から離れた開状態とをとることが可能なものであり、
前記閉状態から前記開状態に切り替わる開放動作の前動作を検知可能な前動作検知手段と、
前記閉状態では前記内枠と前記前枠との接点同士が接触した接続状態をとり、前記開状態では前記接点同士が離間する非接続状態をとる接点部を、一端と他端との間に有するとともに、前記一端が前記制御基板に接続されている配線経路と、を備え、
前記下部領域には、前記前動作が検知されたことに基づいて、前記制御基板への電力供給を開始可能な蓄電手段が設けられていることを特徴とする遊技機である。
制御基板が所定の処理中に、制御基板への電力の供給が遮断されてしまった場合、制御基板が故障してしまうおそれがある。しかし、本構成の遊技機では、内枠と前枠とが開状態とされる開放動作の前動作の検知により、制御基板の電源を蓄電手段とすることが可能である。これにより、制御基板が所定の処理中に、制御基板への電力の供給が遮断されてしまうことを抑制可能であり、また制御基板の処理を終了させることなく、制御基板の故障を抑制可能である。
手段D6に係る発明は、
手段D4または手段D5に記載の遊技機であって、
前記遊技機枠は、
前記内枠と前記前枠とを前記閉状態にてロックするロック機構と、
前記ロック機構を解除して前記開放動作を可能とするロック解除動作を行うことが可能なロック解除機構と、を有し、
前記前動作検知手段は、前記前動作としてロック解除動作を検知するものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、ロック解除動作を行わなければ、前記内枠と前記前枠との開放動作を行うことができない構成となっている。よって、そのロック解除動作を開放動作の前動作として検知することで、適切に、制御基板の故障を抑制可能である。
手段D7に係る発明は、
手段D1に記載の遊技機であって
前記下部基板は、電源基板(電源基板150)であることを特徴とする遊技機である。
近年、遊技機における消費電力量は増加傾向にある。よって、遊技機は使用可能な電力量の上限が高いものであることが好ましい。そのためには、電源基板としてより大きなもの、または、より多くの電源基板を遊技機に搭載する必要がある。しかし、電源基板は、遊技機に搭載されている基板の中でも比較的、体積の大きなものである。このため、従来の下方発射の構成の遊技機では、より大きな電源基板や、より多くの電源基板を搭載するほどスペースに余裕がなかった。これに対し、本構成の遊技機では、下部領域に十分なスペースが確保されているため、その下部領域に大きな電源基板を搭載したり、電源基板を追加で搭載したりすることが可能である。よって、遊技機における使用可能な電力量の上限を高くすることが可能である。これにより、例えば、より多彩な演出の実行を可能とし、興趣性を高めることが可能である。
手段D8に係る発明は、
枠状の基枠部(外枠51および内枠52)および前記基枠部の前方に位置する前枠部(前枠53)を有する遊技機枠(遊技機枠50)と、
遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域3)が設けられた遊技盤(遊技盤2)と、
遊技球を前記遊技領域の下端(下端3D)よりも上方に位置する発射位置(発射位置112a)から前記遊技領域へ向けて発射可能な発射装置(発射装置112)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記遊技機枠は、
前記前枠部に設けられ、前記遊技盤の少なくとも一部を視認可能とする遊技窓部(遊技窓部53a)と、
前記遊技窓部を塞ぐとともに、可視光を透過可能な板状の窓部材(ガラス板55)と、
前記遊技窓部の下方に位置する下部領域(前方下部領域69)に収容された下部基板と、を有し、
前記下部基板は、
CPUを搭載した制御基板(サブ制御基板90、払出制御基板110等)、または、電源基板(電源基板150)であるとともに、
前記窓部材の前面よりも後方(下部領域69の領域69a)に位置する後方部分を有することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、遊技領域の下端よりも上方に発射位置が設けられている新たな構成を採用していることで、従来にはなかった新たな興趣を提供することが可能であり、興趣性の向上が可能である。さらに、本構成の遊技機では、発射位置が遊技領域の下端よりも上方に配置されているため、従来の下方発射の構成の遊技機では発射装置によって占められていた部分に、下部基板を配置することが可能である。つまり、従来の下方発射の構成の遊技機では他の位置に設けられていた基板を、下部基板として下部領域に設けることで、従来設けられていたスペースを他の用途に活用可能である。また、従来の下方発射の構成の遊技機では搭載していなかった新たな基板を下部基板として搭載することも可能となる。よって、遊技機内のスペースを有効活用することや、従来にはなかった基板を下部基板として搭載可能であることで、新たな興趣を提供したり、興趣性を向上することが可能である。加えて、本構成では、下部基板を、下部領域内における後方側に寄せて配置していることで、下部領域内における前方側に、他の用途に活用可能なスペースを確保することが可能である。
〈手段E〉
手段E1に係る発明は、
遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域3)が設けられた遊技盤(遊技盤2)と、
遊技球を、発射位置(発射位置112a)から前記遊技領域へ向けて発射可能な発射装置(発射装置112)と、
所定の払出条件が成立したことに基づいて、払出位置(払出位置Z1)にて遊技球の払い出しを行う払出手段(ステップS202の処理を実行する払出制御基板110、払出装置120)と、
前記払出位置から前記発射装置まで遊技球を案内することが可能な移送経路(移送経路X)と、
前記移送経路内の遊技球を機外へ排出可能な排出口(排出口691)の側へ向けて案内することが可能な排出経路(上方排出経路YU、下方排出経路YD)と、
排出状態では、前記移送経路から前記排出経路への遊技球の移動を可能とする排出切替部材(発射前排出切替部材490、第1前皿排出切替部材620、第2前皿排出切替部材630)と、
遊技者が排出操作を行うことが可能な排出操作手段(排出レバー65、排出操作部64)と、
排出操作に基づいて、前記排出切替部材を前記排出状態とする排出切替手段(払出制御基板110、発射前排出切替ソレノイド495、前皿排出切替ソレノイド635)と、を備えることを特徴とする遊技機(パチンコ遊技機1)である。
遊技機では、例えば、遊技の中断や終了に伴い、払い出された後、遊技領域に向けて発射される前の遊技球を、機外へ排出することがあり得る。例えば、従来技術として挙げられる特開2006−263228号公報には、遊技球の払い出しや、遊技球の発射については記載されているものの、払い出されてから発射されるまでの間の遊技球の経路や、その経路中の遊技球を排出することについて、記載されていない。そして、従来では、遊技球の排出が円滑に行えないなど、遊技球の排出に関して改善する余地があった。これに対し、本構成の遊技機によれば、遊技者が排出操作を行うことで、遊技機からの遊技球の排出を適切に行うことが可能である。
手段E2に係る発明は、
手段E1に記載の遊技機であって、
前記発射位置は、前記遊技領域の下端(下端3D)よりも上方に設けられており、
前記移送経路は、前記発射位置よりも下方に位置する揚送下方位置(揚送開始位置X1)から前記揚送下方位置よりも上方に位置する揚送上方位置(揚送終了位置X2)まで延びる揚送経路(揚送区間XA)を有し、
前記揚送経路には、
所定動作により前記揚送経路内の遊技球を重力に抗う向きに移動させることが可能な揚送機構(揚送機構710)と、
駆動力により前記揚送機構を動作させる揚送駆動部(揚送モータ720)と、が設けられており、
前記揚送駆動部を制御する揚送駆動手段(ステップS204、ステップS205の処理を実行する払出制御基板110)を備え、
前記揚送駆動手段は、前記排出操作に基づいて、前記揚送駆動部に、前記揚送機構が前記揚送経路内の遊技球を前記排出切替部材に向けて移動させる向きの駆動力を発生させる排出駆動制御を実行可能なものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、遊技者の排出操作により、揚送経路内の遊技球は、排出状態の排出切替部材に向けて移動する。よって、揚送経路内の遊技球を、排出状態の排出切替部材により排出経路へと移動させ、排出口より適切に排出することが可能である。
手段E3に係る発明は、
手段E2に記載の遊技機であって、
枠状の基枠部(外枠51および内枠52)および前記基枠部の前方に位置する前枠部(前枠53)を有する遊技機枠(遊技機枠50)と、
前記遊技機枠における前方側であって、前記移送経路における前記払出位置から前記揚送下方位置までの間に設けられ、遊技球を貯留可能な前方貯留部(打球供給皿61)と、を備え、
前記前方貯留部の前記払出位置側の端から前記揚送下方位置までの間には、前記排出切替部材である前方排出切替部材(第1前皿排出切替部材620、第2前皿排出切替部材630)が設けられていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、前方排出切替部材が設けられていることで、貯留により遊技球が多く存在することがある前方貯留部に貯留された遊技球の排出を、短時間で適切に行うことが可能である。
手段E4に係る発明は、
手段E3に記載の遊技機であって、
前記揚送駆動手段は、前記排出駆動制御では、前記揚送駆動部に、前記揚送機構が前記揚送経路内の遊技球を下方に移動させる向きの駆動力を発生させるものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、排出駆動制御により揚送経路内を下降させた遊技球を、前方排出切替部材より排出経路へと移動させ、排出口より適切に排出することが可能である。
手段E5に係る発明は、
手段E3または手段E4に記載の遊技機であって、
前記排出状態にて、前記揚送下方位置に存在する遊技球を前記排出経路へと排出可能な位置に設けられている前記前方排出切替部材である、揚送下端排出可能切替部材を備えることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、排出駆動制御により揚送下方位置まで下降させた遊技球を適切に排出可能である。
手段E6に係る発明は、
手段E3から手段E5までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記前方排出切替部材から前記揚送下方位置までの間の遊技球を検知する揚送前遊技球検知手段(揚送前センサXS2)と、
前記排出駆動制御の実行後に、前記揚送前遊技球検知手段により遊技球が検知されたときには、異常報知を実行可能な揚送前排出異常報知手段(ステップS1313でYESの場合にステップS1316でセットされた排出異常終了コマンドをサブ制御基板90等を介して受信したときに、そのコマンドに対応する所定画像を画像表示装置7に表示させる画像制御基板100(S1516〜S1518、S1002))と、を備えることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、排出駆動制御の実行後に揚送前遊技球検知手段によって遊技球が検知された場合の異常を適切に報知可能である。
手段E7に係る発明は、
手段E3から手段E6までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記発射装置は、前記移送経路の発射供給位置(発射供給位置X3)から前記発射位置へと遊技球を1つずつ供給する発射供給部(発射供給部590)を有し、
前記揚送上方位置から前記発射供給位置までの間に、前記排出切替部材である上方排出切替部材(発射前排出切替部材490)が設けられていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、揚送経路の揚送上方位置へと送られた後の遊技球を、適切に排出することが可能である。
手段E8に係る発明は、
手段E7に記載の遊技機であって、
前記上方排出切替部材から延びる前記排出経路である上方排出経路(上方排出経路YU)は、前記移送経路における前記前方排出切替部材よりも前記払出位置の側(移送経路X上の交差位置X4)に遊技球を案内可能なものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、上方排出経路により移送経路へと案内された遊技球は、その後、前方排出切替部材の位置へと到達する。このため、前方排出切替部材に到達した遊技球を、さらに排出経路へと移動させ、排出口へ向けて移動させることが可能である。つまり、このような構成であっても、遊技球を適切に排出することが可能である。
手段E9に係る発明は、
手段E7に記載の遊技機であって、
前記上方排出切替部材から延びる前記排出経路である上方排出経路(上方排出経路YU)は、前記前方排出切替部材から延びる前記排出経路である前方排出経路(下方排出経路YD)に遊技球を案内可能なものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、上方排出経路の遊技球を、前方排出経路へと案内可能である。つまり、このような構成であっても、遊技球を適切に排出することが可能である。
手段E10に係る発明は、
手段E7から手段E9までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記揚送上方位置から前記上方排出切替部材までの間の遊技球を検知する揚送後遊技球検知手段(揚送後センサXS3)と、
前記排出駆動制御の実行後に前記揚送後遊技球検知手段により遊技球が検知されたときには、異常報知を実行可能な揚送後排出異常報知手段(ステップS1314でYESの場合にステップS1316でセットされた排出異常終了コマンドをサブ制御基板90等を介して受信したときに、そのコマンドに対応する所定画像を画像表示装置7に表示させる画像制御基板100(S1516〜S1518、S1002))と、を備えることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、排出駆動制御の実行後に揚送後遊技球検知手段によって遊技球が検知された場合の異常を適切に報知可能である。
手段E11に係る発明は、
手段E3から手段E10までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記排出駆動制御の実行後に、前記排出切替部材を、前記排出状態から、前記移送経路から前記排出経路への遊技球の移動を前記排出状態よりも制限する制限状態(閉状態)へと駆動する排出切替駆動手段(開放タイマがゼロとなったとき(S1403でYES)に発射前排出切替ソレノイド495および前皿排出切替ソレノイド635をOFFする(S1404)払出制御基板110)を備えることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、排出駆動制御の実行後、移送経路からの遊技球の排出が制限された状態にすることが可能である。つまり、遊技球が移送経路を通常通りに移送される状態とすることが可能である。また、排出駆動制御の実行後に、排出切替部材を、排出状態から制限状態にすることで、揚送経路内にあった遊技球が適切に排出された後、制限状態にすることが可能となる。
手段E12に係る発明は、
手段E11に記載の遊技機であって、
前記前方排出切替部材は複数、設けられており、
前記排出切替駆動手段は、複数の前記前方排出切替部材のうちの一部のものを駆動するものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、排出切替駆動手段によって駆動される前方排出切替部材と、排出切替駆動手段によって駆動されない前方排出切替部材とを、それぞれ別のタイミングで排出状態にすることが可能となる。よって、遊技球の排出態様を多彩に設けることが可能となる。
手段E13に係る発明は、
枠状の基枠部(外枠51および内枠52)および前記基枠部の前方に位置する前枠部(前枠53)を有する遊技機枠(遊技機枠50)と、
遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域3)が設けられた遊技盤(遊技盤2)と、
遊技球を前記遊技領域の下端(下端3D)よりも上方に位置する発射位置(発射位置112a)から前記遊技領域へ向けて発射可能な発射装置(発射装置112)と、
所定の払出条件が成立したことに基づいて、払出位置(払出位置Z1)にて遊技球の払い出しを行う払出手段(ステップS202の処理を実行する払出制御基板110、払出装置120)と、
前記払出位置から前記発射装置まで遊技球を案内することが可能な移送経路(移送経路X)と、
前記移送経路内の遊技球を機外へ排出可能な排出口(排出口691)の側へ向けて案内することが可能な排出経路(上方排出経路YU、下方排出経路YD)と、
排出状態(開状態)では、前記移送経路から前記排出経路への遊技球の移動を可能とする排出切替部材(発射前排出切替部材490、第1前皿排出切替部材620、第2前皿排出切替部材630)と、
遊技者が排出操作を行うことが可能な排出操作手段(排出レバー65、排出操作部64)と、
排出操作に基づいて、前記排出切替部材を前記排出状態とする排出切替手段(払出制御基板110、発射前排出切替ソレノイド495、前皿排出切替ソレノイド635)と、を備える遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記遊技機枠は、その前方側に、前記移送経路における前記払出位置から前記揚送下方位置までの間に設けられ、遊技球を貯留可能な前方貯留部(打球供給皿61)を備え、
前記移送経路は、前記発射位置よりも下方に位置する揚送下方位置(揚送開始位置X1)から前記揚送下方位置よりも上方に位置する揚送上方位置(揚送終了位置X2)まで延びる揚送経路(揚送区間XA)を有し、
前記揚送経路には、
軸周りに回転することにより前記揚送経路内の遊技球を重力に抗う向きに移動させることが可能なスクリュー部材(揚送機構710)と、
前記スクリュー部材を回転可能なスクリュー駆動部(揚送モータ720)と、が設けられており、
前記スクリュー駆動部を制御するスクリュー駆動手段(ステップS204、ステップS205の処理を実行する払出制御基板110)を備え、
前記スクリュー駆動手段は、前記排出操作に基づいて、前記スクリュー駆動部に、前記スクリュー部材が前記揚送経路内の遊技球を前記排出切替部材に向けて移動させる向きに回転する駆動力を発生させる排出駆動制御を実行可能なものであり、
前記前方貯留部の前記払出位置側の端から前記揚送下方位置までの間には、前記排出切替部材である前方排出切替部材(第2前皿排出切替部材630)が設けられていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、遊技者の排出操作により、揚送経路内の遊技球は、排出状態の排出切替部材に向けて移動する。よって、揚送経路内の遊技球を、排出状態の排出切替部材により排出経路へと移動させ、排出口より適切に排出することが可能である。さらに、前方排出切替部材が設けられていることで、貯留により遊技球が多く存在することがある前方貯留部に貯留された遊技球の排出を、短時間で適切に行うことが可能である。よって、遊技者が排出操作を行うことで、遊技機からの遊技球の排出を適切に行うことが可能である。さらには、揚送経路における遊技球の移送をスクリュー部材によって行うことで、遊技球の移送を安定して行うことが可能である。
〈手段F〉
手段F1に係る発明は、
遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域3)が設けられた遊技盤(遊技盤2)と、
遊技球を、発射位置(発射位置112a)から前記遊技領域へ向けて発射可能な発射装置(発射装置112)と、
所定の払出条件が成立したことに基づいて、払出位置にて遊技球の払い出しを行う払出手段(ステップS202の処理を実行する払出制御基板110、払出装置120)と、
前記払出位置から前記発射装置まで遊技球を案内することが可能な移送経路(移送経路X)と、
前記遊技盤、前記発射装置、前記払出手段、前記移送経路が設けられた遊技機枠(遊技機枠50)と、
を備える遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記移送経路に、遊技球を貯留可能な遊技球貯留部(打球供給皿61、発射前タンク400)が設けられていることを特徴とする遊技機である。
遊技機では、発射位置に遊技球がなければ、遊技球の発射が適切になされない。このため、発射位置への遊技球の供給が安定していなければ、安定した遊技球の発射を実現できない。例えば、従来技術として挙げられる特開2006−263228号公報には、遊技球の払い出しや、遊技球の発射については記載されているものの、払い出されてから発射されるまでの間の遊技球の経路や、その経路中の遊技球を排出することについて、記載されていない。そして、従来では、例えば、払い出された遊技球を発射位置まで案内する移送経路上で遊技球が停滞してしまうことなどにより、発射位置への遊技球の供給が安定してなされないことがあった。これに対し、本構成の遊技機によれば、移送経路に遊技球貯留部が存在していることで、それよりも上流で遊技球の移送が停滞してしまった場合にも、遊技球貯留部に貯留されている遊技球を適切に、発射装置へと供給可能である。これにより、発射位置への遊技球の供給を、安定して行うことが可能である。
手段F2に係る発明は、
手段F1に記載の遊技機であって、
前記発射位置は、前記遊技領域の下端(下端3D)よりも上方に設けられており、
前記移送経路は、前記発射位置よりも下方に位置する揚送下方位置(揚送開始位置X1)から前記揚送下方位置よりも上方に位置する揚送上方位置まで延びる揚送経路(揚送区間XA)を有し、
前記揚送経路には、
所定の揚送動作により前記揚送経路内の遊技球を重力に抗う向きに移動させることが可能な揚送機構(揚送機構710)と、
駆動力により前記揚送機構を動作させる揚送駆動部(揚送モータ720)と、が設けられており、
前記揚送駆動部に前記揚送機構が前記揚送動作を行う駆動力を発生させる揚送駆動制御を実行可能な揚送駆動手段(ステップS204の処理を実行する払出制御基板110)と、
前記揚送上方位置から前記発射位置までの間に設けられた前記遊技球貯留部である上方貯留部(発射前タンク400)と、を備えることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、上方貯留部が、移送経路における揚送上方位置から発射位置までの間に設けられている。このため、例えば、揚送経路における遊技球の揚送が停滞している間にも、上方貯留部に貯留されている遊技球を発射装置へと供給可能である。すなわち、発射位置への遊技球の供給を安定して行うことが可能である。
手段F3に係る発明は、
手段F2に記載の遊技機であって、
前記上方貯留部に遊技球が貯留されている上方貯留状態を検知可能な上方貯留検知手段(揚送後センサXS3)を備え、
前記揚送駆動手段は、前記上方貯留検知手段が前記上方貯留状態を検知していないときに、前記揚送駆動制御を実行可能な(揚送後センサXS3が遊技球を検出していない場合(S1203でNO)に揚送モータ720の駆動を開始(S1211、S1212)する)ものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、上方貯留部が上方貯留状態でない場合に揚送駆動制御を行うことで、上方貯留部に十分な遊技球を貯留することが可能である。そして、上方貯留部に十分な遊技球が貯留されていることで、発射位置への遊技球の供給を安定して行うことが可能である。
手段F4に係る発明は、
手段F3に記載の遊技機であって、
前記揚送駆動手段は、前記上方貯留検知手段が前記上方貯留状態を検知したときには、前記揚送駆動部を停止状態とする(揚送後センサXS3が遊技球を検出した場合(S1204でYES)に揚送モータ720を停止(S1208)する)ものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、上方貯留状態、すなわち、上方貯留部に十分な数の遊技球が貯留されている場合に上方貯留部への遊技球の移動を制限することが可能である。これにより、揚送モータ720による消費電力を低減することが可能である。また、上方貯留部に、その収容可能な上限を超えて遊技球が貯留されてしまうことを抑制可能である。
手段F5に係る発明は、
手段F2から手段F4までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記遊技機枠の前方側であって、前記移送経路における前記払出位置から前記揚送下方位置までの間に設けられた前記遊技球貯留部である前方貯留部(打球供給皿61)と、を備えることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、前方貯留部が、払出位置から揚送下方位置までの間に設けられている。このため、例えば、払出手段による遊技球の払い出しが停滞している間にも、前方貯留部に貯留されている遊技球を揚送経路へと供給可能である。これにより、揚送経路における遊技球の揚送を適切に継続させることが可能であり、発射位置への遊技球の供給を安定して行うことが可能である。
手段F6に係る発明は、
手段F3から手段F5までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記揚送駆動手段は、前記揚送駆動制御が開始されてから予め定められた時間が経過するまで、前記上方貯留検知手段により前記上方貯留状態が検知されなかったときには、前記揚送駆動部を停止状態とする(揚送タイマがゼロとなったときに(S1205でYES)揚送モータ720を停止する(S1206))ものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、例えば、上方貯留部へと移送可能な遊技球の残りが少ないような場合、そのすべての遊技球を上方貯留部へ移送したとしても、上方貯留状態とはならないことがある。よって、このような場合にも、その少ない所定の球数の遊技球を上方貯留部へ移送し、揚送駆動部を停止させることが可能である。また、揚送駆動制御によって遊技球が揚送経路を適切に搬送されていない場合にも、揚送駆動部を停止することが可能である。これにより、消費電力を低減することが可能である。
手段F7に係る発明は、
手段F3から手段F5までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記揚送駆動制御が開始されてから予め定められた時間が経過するまで、前記上方貯留検知手段により前記上方貯留状態が検知されなかったときには、異常報知を実行可能な揚送異常報知手段(揚送後センサXS3が遊技球を検出していない状態(S1204でNO)で揚送タイマがゼロとなった(S1205でYES)ことに基づいてセットされた揚送異常コマンドをサブ制御基板90等を介して受信したときに、そのコマンドに対応する所定画像を画像表示装置7に表示させる画像制御基板100(S1513〜S1515、S1002))を備えることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、揚送駆動制御によって遊技球が揚送経路を適切に搬送されていない可能性がある揚送異常時に、これを報知することが可能である。
手段F8に係る発明は、
手段F2から手段F7までのいずれかに記載の遊技機であって、
前記上方貯留部は、
基部(タンク本体410)と開閉部(タンクカバー420)とを有するとともに、
前記開閉部が閉じられた閉状態と、前記開閉部が前記基部に対して開かれた開状態とをとることが可能なものであることを特徴とする遊技機である。
上方貯留部は、すでに払い出された後の遊技球を貯留するものである。よって、例えば、島設備等から落下した払い出される前の遊技球が混入してしまうことなどは好ましくない。本構成の遊技機の上方貯留部は、閉状態では、払い出された後の貯留している遊技球と、払い出される前の外部の遊技球とが混ざってしまうことを抑制可能である。また、開状態とすることでメンテナンス性を向上することが可能である。
手段F9に係る発明は、
手段F8に記載の遊技機であって、
前記遊技機枠は、
第1の部分(内枠52)と第2の部分(外枠51)とを有するとともに、
第1の状態(内枠52が閉状態)と、前記第1の部分と前記第2の部分とが前記第1の状態よりも離れた第2の状態(内枠52が開状態)とをとることが可能なものであり、
前記上方貯留部は、
前記開閉部が、回転軸(開閉軸430)を中心として前記基部に対して回転することで前記閉状態と前記開状態との間で変位可能であるとともに、
前記第1の部分の側から見て、前記回転軸が、前記第2の部分の側に位置する状態で、前記第1の部分に設けられており、
前記第2の部分は、
前記上方貯留部を前記開状態としつつ、前記遊技機枠を前記第2の状態から前記第1の状態としたときに、前記開閉部を前記基部に向けて押す押付部(外枠上辺部51U)を有することを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、上方貯留部が開状態とされたまま、遊技機枠が第2の状態から第1の状態とされたときに、上方貯留部の開閉部を閉状態とすることが可能である。これにより、上方貯留部を閉状態とすることが忘れられていたようなときにも、遊技機枠の状態変化に伴って、上方貯留部を閉状態とすることが可能である。
手段F10に係る発明は、
遊技球が流下可能な遊技領域(遊技領域3)が設けられた遊技盤(遊技盤2)と、
遊技球を、前記遊技領域の下端(下端3D)よりも上方に位置する発射位置(発射位置112a)から前記遊技領域へ向けて発射可能な発射装置(発射装置112)と、
所定の払出条件が成立したことに基づいて、払出位置(払出位置Z1)にて遊技球の払い出しを行う払出手段(ステップS202の処理を実行する払出制御基板110、払出装置120)と、
前記払出位置から前記発射装置まで遊技球を案内することが可能な移送経路(移送経路X)と、
を備える遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記移送経路は、前記発射位置よりも下方に位置する揚送下方位置(揚送開始位置X1)から前記揚送下方位置よりも上方に位置する揚送上方位置(揚送終了位置X2)まで延びる揚送経路(揚送区間XA)を有し、
軸周りに回転することで、前記揚送経路内の遊技球を重力に抗う向きに移動させることが可能なスクリュー部材(揚送機構710)と、
前記スクリュー部材を回転可能なスクリュー駆動部(揚送モータ720)と、
前記移送経路における前記揚送上方位置から前記発射位置までの間に位置し、遊技球を貯留可能な遊技球貯留部(発射前タンク400)と、を備えることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機では、上方貯留部が、移送経路における揚送上方位置から発射位置までの間に設けられている。このため、例えば、揚送経路における遊技球の揚送が停滞している間にも、上方貯留部に貯留されている遊技球を発射装置へと供給可能である。すなわち、発射位置への遊技球の供給を安定して行うことが可能である。さらには、揚送経路における遊技球の移送をスクリュー部材によって行うことで、遊技球の移送を安定して行うことが可能である。
1…パチンコ遊技機
2…遊技盤
2A…左外縁領域
2U…遊技盤ユニット
3…遊技領域
50…遊技機枠
51…外枠
52…内枠
53…前枠
53a…遊技窓部
61…打球供給皿
63…演出操作部
64…排出操作部
65…排出レバー
69…前方下部領域
80…主制御基板
90…サブ制御基板
100…画像制御基板
110…払出制御基板
112…発射装置
112a…発射位置
120…払出装置
150…電源基板
400…発射前タンク
620…第1前皿排出切替部材
630…第2前皿排出切替部材
691…排出口
700…揚送部
710…揚送機構
720…揚送モータ
X…移送経路
X1…揚送開始位置
X2…揚送終了位置
X3…発射供給位置
XA…揚送区間
XS2…揚送前センサ
YU…上方排出経路
YD…下方排出経路
Z…払出経路
Z1…払出位置

Claims (1)

  1. 遊技球が流下可能な遊技領域が設けられた遊技盤と、
    遊技球を、前記遊技領域の下端よりも下方に位置する発射位置から前記遊技領域へ向けて発射可能な発射装置と、
    所定の払出条件が成立したことに基づいて、払出位置にて遊技球の払い出しを行う払出手段と、
    前記払出位置から前記発射装置まで遊技球を案内することが可能な移送経路と、
    を備える遊技機であって、
    前記移送経路は、前記発射位置よりも下方に位置する揚送下方位置から前記揚送下方位置よりも上方に位置する揚送上方位置まで延びる揚送経路を有し、
    軸周りに回転することで、前記揚送経路内の遊技球を重力に抗う向きに移動させることが可能なスクリュー部材と、
    前記スクリュー部材を回転可能なスクリュー駆動部と、
    前記移送経路における前記揚送上方位置から前記発射位置までの間に位置し、遊技球を貯留可能な遊技球貯留部と、を備えることを特徴とする遊技機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020178958A (ja) * 2019-04-26 2020-11-05 株式会社大一商会 遊技機

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