JP2019024600A - 遊技機 - Google Patents

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泰之 野田
Yasuyuki Noda
泰之 野田
憲吾 近藤
Kengo Kondo
憲吾 近藤
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Abstract

【課題】或る2以上の駆動部材が同時に駆動することによる不具合を確実に防止することが可能な遊技機を提供すること。
【解決手段】パチンコ遊技機1は、遊技の進行に係る演出を制御可能な演出制御用マイコン91と、回転可能な枠ドラム320や待機位置と動作位置との間で移動可能な枠顔可動体400等の複数の駆動部材と、を備える。演出制御用マイコン91は、複数の駆動部材のうちどの駆動部材が駆動中であるかを示す駆動フラグを記憶可能なものである。そして演出制御用マイコン91は、枠ドラム320と枠顔可動体400とを同時に駆動させる駆動条件が成立した場合、各駆動フラグに基づいて枠ドラム320と枠顔可動体400とを同時に駆動させるかを判断可能なものである。
【選択図】図33

Description

本発明は、パチンコ遊技機や回胴式遊技機(パチスロ遊技機)等の遊技機に関する。
従来より遊技機の一つであるパチンコ遊技機では、例えば下記特許文献1に記載されているように、電源基板(電力供給手段)によって供給される電力に基づいて駆動可能な駆動部材がある。この駆動部材には、移動可能な可動部材や、発光(点灯)可能な発光部材等がある。よって例えば大当たりへの当選が報知される場合に、可動部材を移動させたり、発光部材を発光させることで、遊技者に与える演出の興趣性を高めることが可能である。
特開2008−272111号公報
近年の遊技機では、大きく且つ多くの駆動部材が搭載されるようになっている。そのため、例えば駆動部材同士が干渉する可能性や、電力不足による不具合が生じる可能性が高くなっている。従って、或る2以上の駆動部材が同時に駆動する場合に生じ得る不具合を確実に防止できることが望まれる。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものである。すなわちその課題とするところは、或る2以上の駆動部材が同時に駆動することによる不具合を確実に防止することが可能な遊技機を提供することにある。
本発明の遊技機は、
所定の制御条件の成立に基づいて有利な特別遊技状態に制御する遊技機において、
遊技の進行に係る演出を制御可能な演出制御手段と、
駆動可能な複数の駆動部材と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記複数の駆動部材のうちどの駆動部材が駆動中であるかを示す駆動フラグを記憶可能なものであり、
前記複数の駆動部材のうち第1の駆動部材と第2の駆動部材とを同時に駆動させる駆動条件が成立した場合、前記各駆動フラグに基づいて前記第1の駆動部材と前記第2の駆動部材とを同時に駆動させるかを判断可能なものであることを特徴とする遊技機である。
本発明の遊技機によれば、或る2以上の駆動部材が同時に駆動することによる不具合を確実に防止することが可能である。
本発明の実施形態に係る遊技機の斜視図である。 同遊技機が備える遊技機枠の分解斜視図である。 同遊技機の正面図である。 同遊技機が備える遊技盤の正面図である。 図4に示す遊技盤の縦断面図である。 同遊技機が備える第2大入賞装置を概略的に示す正面図である。 図4に示すA部分の拡大図であり、同遊技機が備える表示器類を示す図である。 同遊技機が備える可動体ユニットとベース枠との関係を示す斜視図である。 図8に示す可動体ユニットの分解斜視図である。 図9に示す連結板とリンクユニットとを示す斜視図である。 (A)は枠顔可動体が待機位置から移動し始めた状態を示す図であり、(B)は枠顔可動体が図11(A)に示す状態よりも動作位置の方へ回転している状態を示す図である。 (A)は枠耳可動体が退避位置にある状態を示す図であり、(B)は枠耳可動が露出可能位置にある状態を示す図であり、(C)は枠耳可動体が露出位置にある状態を示す図である。 (A)は枠顎可動体が閉鎖位置にある状態を示す図であり、(B)は枠顎可動体が開放位置にある状態を示す図である。 枠顔可動体が動作位置にあるときの遊技機の斜視図である。 枠顔可動体が動作位置にあるときの遊技機の正面図である。 (A)は枠剣可動体が収納位置にある状態を示す図であり、(B)は枠剣可動体が押込位置にある状態を示す図であり、(C)は枠剣可動体が押込途中位置にある状態を示す図である。 右側発光体ユニットを示す斜視図である。 右側枠ドラムを示す斜視図である。 右側枠ドラムを示す斜視図である。 同遊技機の主制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 同遊技機のサブ制御基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 同遊技機のサブ駆動基板側の電気的な構成を示すブロック図である。 (A)バイポーラ型のステッピングモータを示す図であり、(B)はユニポーラ型のステッピングモータを示す図である。 (A)は2相励磁を説明するための図であり、(B)は1相励磁を説明するための図である。 枠剣移動モータドライバ周りの電気回路を示す図である。 演出制御用マイコンと枠右中継基板との関係を示す図である。 左側枠ドラムモータドライバ及び右側枠ドラムモータドライバ周りの電気回路を示す図である。 演出制御用マイコンと枠上中継基板との関係を示す図である。 図27に示す左側枠ドラムモータドライバ周りを拡大した図である。 演出制御用マイコンと枠右上中継基板との関係を示す図である。 右側装飾部に検査用コントローラを接続した状態を示す図である。 可動部材の位置とドライバによる制御状態との関係を示す図である。 同時駆動判定テーブルである。 大当たり種別判定テーブルである。 遊技制御用マイコンが取得する各種乱数を示す表である。 (A)は大当たり判定テーブルであり、(B)はリーチ判定テーブルであり、(C)は普通図柄当たり判定テーブルであり、(D)は普通図柄変動パターン選択テーブルである。 変動パターン判定テーブルである。 電チューの開放パターン決定テーブルである。 メイン側タイマ割り込み処理のフローチャートである。 サブ側1msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 ランプデータ出力処理のフローチャートである。 駆動制御処理のフローチャートである。 枠顔可動体駆動制御処理のフローチャートである。 枠顔可動体駆動制御処理のフローチャートである。 枠耳可動体駆動制御処理のフローチャートである。 枠顎可動体駆動制御処理のフローチャートである。 枠ドラム駆動制御処理のフローチャートである。 枠ドラム駆動制御処理のフローチャートである。 枠剣可動体駆動制御処理のフローチャートである。 枠剣可動体駆動制御処理のフローチャートである。 盤可動体駆動制御処理のフローチャートである。 盤可動体駆動制御処理のフローチャートである。 サブ側10msタイマ割り込み処理のフローチャートである。 受信コマンド解析処理のフローチャートである。 変動演出開始処理のフローチャートである。 シリアル信号出力処理のフローチャートである。 枠顔可動体用シリアル信号出力処理のフローチャートである。 枠ドラム用シリアル信号出力処理のフローチャートである。 枠剣可動体用シリアル信号出力処理のフローチャートである。 枠耳可動体用シリアル信号出力処理のフローチャートである。 枠剣円盤部材用シリアル信号出力処理のフローチャートである。 盤可動体用シリアル信号出力処理のフローチャートである。 枠剣操作促進演出を示す図である。 第2形態において低電流保持状態による1−2相励磁を説明するための図である。 第3形態において可動部材の位置とドライバによる制御状態との関係を示す図である。 (A)ラムクリア報知画像が表示されている状態を示す図であり、(B)は初期機能設定画像が表示されている状態を示す図である。
1.遊技機の構造
本発明の一実施形態であるパチンコ遊技機について、図面に基づいて説明する。なお、以下の説明において遊技機の一例としてのパチンコ遊技機の各部の左右方向は、そのパチンコ遊技機に対面する遊技者にとっての左右方向に一致させて説明する。また、パチンコ遊技機の各部の前方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者に近づく方向とし、パチンコ遊技機の各部の後方向をパチンコ遊技機に対面する遊技者から離れる方向として、説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機1は、当該パチンコ遊技機1の外郭を構成する遊技機枠50を備えている。遊技機枠50は、外枠51と内枠52と前枠(ガラス扉枠)53とを備えている。外枠51は、遊技機枠50の外郭を構成する縦長方形状の枠体である。内枠52は、外枠51の内側に配置されていて、縦長方形状の枠体である。前枠53は、内枠52の前方側に配置されていて、縦長方形状のものである。
前枠53の下方部は、図1に示すように、右側の下部に回転角度に応じた発射強度で遊技球を発射させるためのハンドル60を備え、後部に遊技球を貯留する打球供給皿(上皿)61を備え、ハンドル60よりも左方に打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62を備えている。また上皿61よりも前方には、遊技の進行に伴って実行される演出時等に遊技者が操作し得る演出ボタン63(操作手段)やセレクトボタン68が設けられている。本形態の演出ボタン63(駆動部材)は、振動可能に構成されている。そのため遊技者に振動中の演出ボタン63を操作させることで、操作に対する遊技興趣を高めることが可能である。
なお外枠51の下端の前面側には、左右方向に長い長方形状の幕板51aが配されている。本形態では、外枠51及び内枠52が遊技機枠50の「基枠部」に相当し、前枠53が遊技機枠50の「前枠部又は開閉枠部」に相当する。
遊技機枠50は、左端側にヒンジ部54を備えている。図2に示すように、ヒンジ部54により、前枠53は外枠51及び内枠52に対してそれぞれ回動自在になっていて、内枠52は外枠51及び前枠53に対してそれぞれ回動自在になっている。前枠53の中央には開口部分53aが形成されていて、この開口部分53aに透明のガラス板55が取付けられる。これにより遊技者は、ガラス板55を通して、ガラス板55の後方を視認できるようになっている。前枠53は、図2に示すように、後方側にベース枠56を備えている。
また前枠53は、図3に示すように、前方側に上側装飾部200と左側装飾部210と右側装飾部220と操作機構部230とを備えている。これら上側装飾部200と左側装飾部210と右側装飾部220と操作機構部230とは、ベース枠56に対して着脱可能に取付けられている。
上側装飾部(上部装飾部)200は、遊技機枠50(前枠53)の上部を装飾するものである。上側装飾部200は、図3に示すように、左右方向の中央に可動体ユニット201を備え、左側に左側発光体ユニット202Lを備え、右側に右側発光体ユニット202Rを備えている。左側発光体ユニット202Lと右側発光体ユニット202Rとを総称する場合、発光体ユニット202と言う。可動体ユニット201は、パチンコ遊技機1のモチーフとなっている作品の主人公キャラに変形可能なものである。発光体ユニット202は、内部に枠ドラム320を備えたユニットであり、前方に向かって斜め上方に傾斜した状態でベース枠56に取付けられている。
左側装飾部210は、遊技機枠50(前枠53)の左側を装飾するものである。右側装飾部220は、遊技機枠50の右側を装飾するものである。右側装飾部220は、後述する枠剣可動体221と、枠剣可動体221の下側を収容可能な鞘部材222とを備えている。
操作機構部230(遊技媒体貯留部)は、遊技や演出を進行するための操作機構を備えるものである。操作機構部230は、上述したハンドル60と上皿61と下皿62と演出ボタン63とセレクトボタン68とを備えている。
ところで図3に示すように、遊技場の島設備において鉛直方向に起立した垂直壁面SHのうちパチンコ遊技機1の上方には、データカウンタ160が配されている。データカウンタ160は、垂直壁面SHに固定されている固定部材161と、この固定部材161に対して前傾姿勢になるように傾動可能に取付けられているデータ表示装置162とを備えている。
データ表示装置162は、後述する大当たり遊技状態の発生回数や高確率状態の発生回数等を表示する略直方体形状のものである。またデータ表示装置162は、遊技者がホールの従業員を呼ぶための呼び出しボタン等を有している。このデータカウンタ160では、垂直壁面SHに対するデータ表示装置162の前傾角度を15度から25度まで可変できるようになっている。なお上側装飾部200の後部は、データ表示装置162が最大の25度の角度で前傾している場合であっても、データ表示装置162に当接しない形状になっている。
また上側装飾部200、左側装飾部210、右側装飾部220、及び操作機構部230には、様々な発光色で発光可能な枠ランプ66(駆動部材)が多数設けられている。枠ランプ66は、透過性を有する合成樹脂と、その合成樹脂の内部にて発光(点灯)可能な枠用LED66aとを備えるものである。
次に、図4を参照して遊技盤2について説明する。遊技盤2は、遊技機枠50の内部に配されていて、内枠52に取付けられている。遊技盤2の前面側は、前枠53に保護されている。図4に示すように、遊技盤2の前面側には、鉛直方向に起立した遊技面2aが形成されている。この遊技面2aの前方に、ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。また遊技盤2には、様々な発光色で発光(点灯)可能な盤ランプ5が多数設けられている。盤ランプ5は、透過性を有する合成樹脂と、その合成樹脂の内部にて発光(点灯)可能な盤用LED5aとを備えるものである。なお遊技盤2は、前側に配されている板状部材と、後側に配されている裏ユニット(後述する各種制御基板、第1画像表示装置6、第2画像表示装置7、ハーネス等を取付けるユニット)とが一体化されたものである。
遊技盤2の遊技面2aには、遊技球を誘導する複数の遊技釘(図示省略)が突設されている。また遊技面2aよりも後方には、液晶表示装置である第1画像表示装置(第1表示手段)6が配されている。第1画像表示装置6は、鉛直方向に起立した状態で固定されている。
第1画像表示装置6の表示画面6aには、装飾図柄(演出図柄)8L,8C,8Rの変動表示を行う装飾図柄表示領域がある。装飾図柄表示領域は、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなる。左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。装飾図柄はそれぞれ、例えば「1」〜「9」までの数字をあらわした複数の図柄からなる。第1画像表示装置6は、左、中、右の装飾図柄の組み合わせによって、大当たり抽選の結果を、わかりやすく表示する。
例えば大当たりに当選した場合には「777」などのゾロ目で装飾図柄を停止表示する。また、はずれであった場合には「263」などのバラケ目で装飾図柄を停止表示する。これにより、遊技者にとっては遊技の進行状況の把握が容易となる。つまり遊技者は、一般的には大当たり抽選の結果を第1画像表示装置6にて把握する。なお、図柄表示エリアの位置は固定的でなくてもよい。また、装飾図柄の変動表示の態様としては、例えば上下方向にスクロールする態様がある。また、各抽選結果に応じてどのような装飾図柄の組み合わせを停止表示するかは任意に変更可能である。
第1画像表示装置6は、上記のような装飾図柄を用いた装飾図柄変動演出(「演出図柄変動演出」や単に「変動演出」ともいう)のほか、大当たり遊技に並行して行われる大当たり演出や、客待ち用のデモ演出などを表示画面6aに表示する。なお装飾図柄変動演出では、数字等の装飾図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの装飾図柄以外の演出画像も表示される。
図4に示すように、遊技領域3の中央付近であって第1画像表示装置6の前方には、センター装飾体10が配されている。センター装飾体10の下部には、上面を転動する遊技球を、後述の第1始動口20へと誘導可能なステージ部11が形成されている。またセンター装飾体10の左下方には、入口から遊技球を流入させ、出口からステージ部11へ遊技球を流出させるワープ部12が設けられている。
遊技領域3における第1画像表示装置6の下方には、第1始動口(第1始動入賞口、第1入球口、固定始動口)20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20は、遊技球の入球し易さが常に変わらない入賞口である。第1始動口20への遊技球の入賞は、第1特別図柄の抽選(大当たり抽選、すなわち大当たり乱数等の取得と判定)の契機となっている。
また第1始動口20の下方には、第2始動口(第2始動入賞口、第2入球口、可変始動口)21を備える普通可変入賞装置(いわゆる電チュー)22が設けられている。第2始動口21は、遊技球の入球し易さが変化可能な入賞口である。なお本形態の第2始動口21は、上下方向且つ前後方向に延びる平面で形成される開口部分である。第2始動口21への遊技球の入賞は、第2特別図柄の抽選の契機となっている。
電チュー22は、前後方向に進退可能な可動部材(入球口開閉部材)23を備え、可動部材23の作動によって第2始動口21を開閉するものである。第2始動口21は、可動部材23が前方に進出しているとき(つまり開状態であるとき)だけ遊技球が入球可能となる。つまり、可動部材23が前方に進出しているときに、流下する遊技球が可動部材23の上側に当接すると、左方へ誘導される。これにより、遊技球が第2始動口21に入球可能となる。
一方、第2始動口21は、後方に退避しているとき(つまり閉状態であるとき)には遊技球が入球不可能となる。つまり、可動部材23が後方に退避しているときには、流下する遊技球が可動部材23に当接しない。これにより、遊技球は第2始動口21に入球することなく、後述するアウト口16へ向かう。なお、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときには開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態であるときに完全に入球不可能となるものでなくても良い。
また第1画像表示装置6の表示画面6aには、第1特図保留の数に応じて演出保留画像9Aを表示する第1演出保留表示エリア9aと、第2特図保留の数に応じて演出保留画像9Bを表示する第2演出保留表示エリア9bとがある。第1特図保留とは、第1始動口20への入球に基づく大当たり抽選が保留されていることを意味する。第2特図保留とは、第2始動口21への入球に基づく大当たり抽選が保留されていることを意味する。演出保留画像9A,9Bの表示により、第1特図保留の数および第2特図保留の数を、遊技者にわかりやすく示すことが可能となっている。
また第1始動口20の右斜め上方には、第1大入賞口(第1特別入賞口)30を備えた第1大入賞装置(第1特別可変入賞装置)31が設けられている。第1大入賞装置31は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第1特別入賞口開閉部材)32を備え、開閉部材32の作動により第1大入賞口30を開閉するものである。第1大入賞口30は、開閉部材32が開いているとき(つまり開状態であるとき)だけ遊技球が入球可能となる。
また第1大入賞口30の上方には、遊技球が通過可能なゲート(通過領域)28が設けられている。ゲート28への遊技球の通過は、電チュー22を開放するか否かを決める普通図柄抽選(すなわち普通図柄乱数(当たり乱数)の取得と判定)の実行契機となっている。
また、ゲート28の右斜め上方には、第2大入賞口(第2特別入賞口)35を備えた第2大入賞装置(第2特別可変入賞装置)36が設けられている。第2大入賞装置36は、開状態と閉状態とをとる開閉部材(第2特別入賞口開閉部材)37を備え、開閉部材37の作動により第2大入賞口35を開閉するものである。第2大入賞口35は、開閉部材37が開いているときだけ(つまり開状態であるとき)だけ遊技球が入球可能となる。
また図4に示すように、遊技盤2の左下部には表示器類40が配置されている。また遊技領域3の左下部や右下部には、普通入賞口27が設けられている。また遊技領域3の最下部には、遊技領域3へ打込まれたもののいずれの入賞口にも入賞しなかった遊技球を遊技領域3外へ排出するアウト口16が設けられている。
このように各種の入賞口等が配されている遊技領域3には、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1遊技領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2遊技領域)3Bとがある。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、左打ちという。一方、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を、右打ちという。本形態のパチンコ遊技機1では、左打ちにて遊技したときに遊技球が流下し得る流路を、第1流路W1といい、右打ちにて遊技したときに遊技球が流下する流路を、第2流路W2という。
第1流路W1上には、普通入賞口27と、第1始動口20と、第2始動口21と、アウト口16とが設けられている。遊技者は左打ちをすることで、第1始動口20への入賞を狙う。なお、第1流路W1を流下した遊技球が第2始動口21へ入賞することは、ほとんどないように構成されている。
一方、第2流路W2上には、第2大入賞装置36と、第1大入賞装置31と、普通入賞口27と、第2始動口21と、アウト口16とが設けられている。遊技者は右打ちをすることで、第2大入賞口35への入賞(特定領域39への通過)、ゲート28への通過、又は第1大入賞口30への入賞、又は第2始動口21への入賞を狙う。
また本形態のパチンコ遊技機1には、図4及び図5に示すように、第1画像表示装置6よりも上方に第2画像表示装置(第2表示手段)7が設けられている。第2画像表示装置7の表示画面7aでは、第1画像表示装置6の表示画面6aで実行される装飾図柄変動演出、大当たり演出、客待ち用のデモ演出などに合わせて、背景画像やキャラクタ画像など様々な演出画像が表示されるようになっている。なお本形態では、第1画像表示装置6の表示画面6aと第2画像表示装置7の表示画面7aとが連係してシームレスな画像を表示することができるし、互いに独立して別々な画像を表示することもできる。
第2画像表示装置7は、図5に示すように、前方に向かって斜め上方に傾斜した状態で固定されている。そして、第2画像表示装置7の表示画面7aの上部7bは、遊技盤2の遊技面2aよりも前方に飛び出ている。これにより遊技者には、より近い位置で表示画面7aの上部7bを見せることが可能である。更に、第2画像表示装置7の表示画面7aの上部7bは、図4に示すように、遊技領域3の上端よりも上方に飛び出ている。これにより遊技者には、遊技領域3の外側でも表示画面7aの上部7bを見せることが可能である。こうして本形態では、第1画像表示装置6の表示画面6aと第2画像表示装置7の表示画面7aとにより、斬新な表示画面が形成されていて、遊技者には広範囲且つ近い距離で演出画像を見せることが可能である。その結果、表示画面6a,7aで表示される演出画像のインパクトを高めることが可能である。
また図5に示すように、遊技盤2の遊技面2aよりも後方には、盤可動体15が設けられている。盤可動体15(駆動部材)は、第1画像表示装置6の表示画面6aよりも前方で変位可能な装飾可動体である。盤可動体15は、前方からほとんど視認不可能な原点位置から、第1画像表示装置6の表示画面6aの中央の前方に現われる駆動位置に移動可能である。
図6(A)に示すように、第2大入賞装置36の内部には、第2大入賞口35を通過した遊技球が通過可能な特定領域(V領域)39および非特定領域70が形成されている。なお、第2大入賞装置36において、特定領域39および非特定領域70の上流には、第2大入賞口35への遊技球の入賞を検知する第2大入賞口センサ35aが配されている。また、特定領域39には、特定領域39への遊技球の通過を検知する特定領域センサ39aが配されている。また、非特定領域70には、非特定領域70への遊技球の通過を検知する非特定領域センサ70aが配されている。また、第2大入賞装置36は、第2大入賞口35を通過した遊技球を特定領域39または非特定領域70のいずれかに振り分ける振分部材71と、振分部材71を駆動する振分部材ソレノイド73とを備えている。振分部材71は、左右方向に進退するものであり、右方に退避した退避状態(第1状態)又は左方に進出した進出状態(第2状態)をとる。
図6(A)は、振分部材ソレノイド73の通電時を示している。図6(A)に示すように、振分部材ソレノイド73の通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を許容する第1状態にある。振分部材71が第1状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと特定領域39を通過する。この遊技球のルートを第1のルートという。
図6(B)は、振分部材ソレノイド73の非通電時を示している。図6(B)に示すように、振分部材ソレノイド73の非通電時には、振分部材71は特定領域39への遊技球の通過を妨げる第2状態にある。振分部材71が第2状態にあるときは、第2大入賞口35に入賞した遊技球は、第2大入賞口センサ35aを通過したあと振分部材71の上面を転動して非特定領域70を通過する。この遊技球のルートを第2のルートという。
なお本パチンコ遊技機1では、特定領域39への遊技球の通過が後述の高確率状態への移行の契機となっている。つまり特定領域39は、確変作動口となっている。これに対して非特定領域70は、確変作動口ではない。また、第1大入賞装置31には、確変作動口としての特定領域は設けられていない。すなわち非特定領域しか設けられていない。
図7に示すように、表示器類40には、第1特別図柄(第1識別図柄)を可変表示する第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄(第2識別図柄)を可変表示する第2特別図柄表示器41b、及び、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器42が含まれている。また表示器類40には、第1特別図柄表示器41aの作動保留(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43a、第2特別図柄表示器41bの作動保留(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43b、および普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44が含まれている。
第1特別図柄の可変表示は、第1始動口20への遊技球の入賞を契機として行われる。第2特別図柄の可変表示は、第2始動口21への遊技球の入賞を契機として行われる。なお以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄(識別図柄)ということがある。また第1特図保留および第2特図保留を総称して特図保留ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示器41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示器43ということがある。
特別図柄表示器41では、特別図柄を可変表示したあと停止表示することにより、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づく抽選(特別図柄抽選、大当たり抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄(停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される特別図柄)は、特別図柄抽選によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定の停止態様の特別図柄すなわち大当たり図柄)である場合には、停止表示された特定特別図柄の種類に応じた開放パターンにて第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる特別遊技(大当たり遊技)が行われる。
特別図柄表示器41は、例えば横並びに配された8個のLEDから構成されており、その点灯態様によって大当たり抽選の結果に応じた特別図柄を表示するものである。例えば大当たり(後述の複数種類の大当たりのうちの一つ)に当選した場合には、「○○●●○○●●」(○:点灯、●:消灯)というように左から1,2,5,6番目にあるLEDが点灯した大当たり図柄を表示する。また、ハズレである場合には、「●●●●●●●○」というように一番右にあるLEDのみが点灯したハズレ図柄を表示する。ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば左から右へ光が繰り返し流れるように各LEDが点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。なお本形態では、第1特別図柄又は第2特別図柄の変動表示及び停止表示に同期して、第1画像表示装置6の表示画面6aにて演出図柄8L,8C,8Rの変動表示及び停止表示が行われる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞(入球)があると、その入賞に対して取得した大当たり乱数等の各種乱数の値(入賞情報に相当)は、一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入賞であれば第1特図保留として記憶され、第2始動口21への入賞であれば第2特図保留として記憶される。記憶可能な第1特図保留の数又は第2特図保留の数には上限があり、本形態における上限値はそれぞれ4個となっている。
記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の可変表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する大当たり乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入賞に基づく特別図柄の可変表示がその入賞後にすぐに行えない場合、すなわち特別図柄の可変表示の実行中や特別遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その入賞に対する大当たり抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような特図保留の数は、特図保留表示器43に表示される。具体的には第1特図保留表示器43aと第2特図保留表示器43bは、それぞれ4個のLEDで構成されており、それぞれ第1特図保留又は第2特図保留の数だけLEDを点灯させることにより、第1特図保留又は第2特図保留の数を表示する。
普通図柄の可変表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を可変表示したあと停止表示することにより、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄抽選の結果を報知する。停止表示される普通図柄(普図停止図柄、可変表示の表示結果として導出表示される普通図柄)は、普通図柄抽選によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(所定の停止態様の普通図柄すなわち普通当たり図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。
普通図柄表示器42は、例えば2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄抽選の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば抽選結果が当たりである場合には、「○○」(○:点灯、●:消灯)というように両LEDが点灯した普通当たり図柄を表示する。また抽選結果がハズレである場合には、「●○」というように右のLEDのみが点灯した普通ハズレ図柄を表示する。普通ハズレ図柄として全てのLEDを消灯させる態様を採用してもよい。普通図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示(可変表示)がなされるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯するという態様である。なお変動表示の態様は、各LEDが停止表示(特定の態様での点灯表示)されていなければ、全LEDが一斉に点滅するなどなんでもよい。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に対して取得した普通図柄乱数(当たり乱数)の値は、普図保留として一旦記憶される。記憶可能な普図保留の数には上限があり、本形態における上限値は4個となっている。
記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の可変表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄乱数(当たり乱数)を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の可変表示を実行することをいう。従って本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の可変表示がその通過後にすぐに行えない場合、すなわち普通図柄の可変表示の実行中や補助遊技の実行中に入賞があった場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄抽選の権利を留保することができるようになっている。
そしてこのような普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には普図保留表示器44は、4個のLEDで構成されており、普図保留の数だけLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。
2.枠可動部材の構成
次に図8〜図19に基づいて、枠可動部材の構成について説明する。本形態では、枠可動部材が、遊技機枠50(前枠53)に複数取付けられていて、それぞれ駆動手段(モータ)の駆動力によって移動可能になっている。なお枠可動部材とは、遊技盤2側ではなく、遊技機枠50側に取付けられている可動部材を意味する。
可動体ユニット201は、図8に示すように、前枠53のベース枠56の上端に設けられている水平状の上壁部57に図示しないビスを用いて着脱可能になっている。この可動体ユニット201は、図9に示すように、3分割できるものであり、上側蓋部材240と、上側蓋部材240の下方に配されるユニット本体250と、ユニット本体250の前側に組付けられる前側カバー260と、を備えている。ユニット本体250は、枠顔可動体400(駆動部材)を備えている。
前側カバー260は、図9に示すように、起立していて、枠顔可動体400の前面側を隠すことができるように、左右方向に長く形成されている。また前側カバー260の上端には、左右方向に沿ってタッチセンサ(タッチ電極)261が取付けられている。タッチセンサ261は、人体が接触又は接近したことを検出するものである。そのため本形態では、タッチセンサ261による検出に基づいて、枠顔可動体400を移動させないことが可能である。また図9に示すように、枠顔可動体400の下側には、下側カバー510が取付けられていて、枠顔可動体400の前側には、枠顎可動体600が取付けられている。
ユニット本体250には、枠顔可動体400の他、図10に示すように、連結板301と、枠顔可動体400を回転させるための左側リンクユニット302L及び右側リンクユニット302Rが設けられている。連結板301には、枠顔可動体400の移動を制御する枠上中継基板310が取付けられている。
左側リンクユニット302Lの構成と右側リンクユニット302Rの構成とは、左右対称で同様である。以下では、左側リンクユニット302Lの構成を代表して説明する。左側リンクユニット302Lは、枠顔可動体400を待機位置又は動作位置に移動可能にするものである。本形態では枠顔可動体400が待機位置にあるときには、枠顔可動体400を略水平状態にしていて、枠顔可動体400が示す主人公キャラの顔が見えないようになっている。一方、枠顔可動体400が動作位置にあるときには、枠顔可動体400を前方に向かって斜め上方に延びる傾斜状態にしていて、枠顔可動体400が示す主人公キャラの顔が見えるようになっている。
左側リンクユニット302Lには、図10に示すように、左側枠顔移動モータ311Lが取付けられている。左側枠顔移動モータ311Lは、枠顔可動体400を待機位置と動作位置との間で回転させるための回転駆動力を付与するものである。なお右側リンクユニット302Rには、右側枠顔移動モータが取付けられている。右側枠顔移動モータも、枠顔可動体400を待機位置と動作位置との間で回転させるための回転駆動力を付与するものである。
左側リンクユニット302Lには、左側リンク部材340Lが取付けられている。また右側リンクユニット302Rには、右側リンク部材340Rが取付けられている。これらリンク部材340L,340Rに、枠顔可動体400が取付けられている。そして各リンク部材340L,340Rは、それぞれ左側枠顔移動モータ311L及び右側枠顔移動モータの駆動によって、軸中心O1及び軸中心O2周りに回転可能である。これにより、枠顔可動体400は、待機位置から動作位置へ移動する際に、図11(A)(B)に示すように、前方に向かって主人公キャラの顔が起き上がるように移動(回転)可能である。
なお枠顔可動体400の内部には、多数の顔用LED401が配されている。各顔用LED401の発光制御は、上述した枠上中継基板310によって実行される。具体的に枠上中継基板310は、枠顔可動体400が動作位置にあるときに、顔用LED401が発光するように制御する。これにより、動作位置にある枠顔可動体400を光って目立たせることが可能である。
本形態では、遊技者等が待機位置(図1参照)にある枠顔可動体400の下側(下側カバー510)を上方へ向かって押し上げると、枠顔可動体400を動作位置へ移動させることが可能である。一方、遊技者等が動作位置にある枠顔可動体400を下方へ向かって押し下げると、枠顔可動体400を待機位置へ移動させることが可能である。要するに枠顔可動体400は、人体による操作によっても待機位置と動作位置との間で移動可能になるように構成されている。
図12(A)(B)に示すように、下側カバー510には、左側枠耳可動体500L及び右側枠耳可動体500Rが揺動可能且つ直動可能に組付けられている。左側枠耳可動体500Lと右側枠耳可動体500Rは、図12(A)に示す退避位置と、図12(B)に示す露出可能位置との間で左右方向に揺動可能であり、図12(B)に示す露出可能位置と図12(C)に示す露出位置との間で直動可能(直線状に移動可能)である。
図12(C)に示すように、下側カバー510の左側には、左側枠耳移動モータ520Lが取付けられている。また下側カバー510の右側には、右側枠耳移動モータ520Rが取付けられている。左側枠耳移動モータ520Lと右側枠耳移動モータ520Rは、それぞれ左側枠耳可動体500Lと右側枠耳可動体500Rを、退避位置と露出可能位置との間で揺動させるための揺動力を付与すると共に、露出可能位置と露出位置との間で直動させるための直動駆動力を付与するものである。
本形態では、枠顔可動体400が待機位置にあるときには(図1参照)、左側枠耳可動体500Lと右側枠耳可動体500Rは、それぞれ退避位置にある。このとき左側枠耳可動体500Lと右側枠耳可動体500Rは、枠顔可動体400の中に隠れていて、枠顔可動体400の中から露出できないようになっている。その後、枠顔可動体400が待機位置から動作位置へ移動し終えると、左側枠耳可動体500Lと右側枠耳可動体500Rは、先ず退避位置から露出可能位置へ揺動する。これにより、左側枠耳可動体500Lと右側枠耳可動体500Rが枠顔可動体400の内部から上方へ突出可能な状態になる。そして、左側枠耳可動体500Lと右側枠耳可動体500Rは、露出可能位置から露出位置へ直動する。こうして左側枠耳可動体500Lと右側枠耳可動体500Rが、枠顔可動体400よりも上方に突出して露出するようになっている(図14参照)。
なお枠顔可動体400が動作位置から待機位置へ移動する場合には、以下のように動作する。即ち、先ず枠顔可動体400が動作位置にある状態で、左側枠耳可動体500Lと右側枠耳可動体500Rが露出位置から露出可能位置へ直動する。そして、左側枠耳可動体500Lと右側枠耳可動体500Rが露出可能位置から退避位置へ揺動する。こうして、左側枠耳可動体500Lと右側枠耳可動体500Rを枠顔可動体400の内部に収納した後で、枠顔可動体400が動作位置から待機位置へ移動するようになっている。
図13(A)(B)に示すように、枠顎可動体600(駆動部材)は、枠顔可動体400に対して傾動(回転)可能に組付けられている。本形態では枠顎可動体600が図13(A)に示す閉鎖位置と、図13(B)に示す開放位置との間で傾動(回転)可能である。図13(A)に示すように、枠顎可動体600が閉鎖位置にあるときには、枠顔可動体400が示す主人公キャラの口が閉じている印象を与えることが可能である。一方図13(B)に示すように、枠顎可動体600が開放位置にあるときには、枠顔可動体400が示す主人公キャラの口が開いている印象を与えることが可能である。
図13(A)(B)に示すように、動作位置にあるときの枠顔可動体400の下側に、枠顎移動モータ610が取付けられている。枠顎移動モータ610(駆動手段)は、枠顎可動体600を閉鎖位置と開放位置との間で回転(傾動)させるための回転駆動力を付与するものである。
図14は、枠顔可動体400が動作位置にあるときの本パチンコ遊技機1の斜視図であり、図15は、枠顔可動体400が動作位置にあるときの本パチンコ遊技機1の正面図である。枠顎可動体600は、図15に示すように、枠顔可動体400が動作位置にあるときに限り、閉鎖位置から開放位置へ傾動した後に開放位置から閉鎖位置へ戻る往復動作を1回だけ行うようになっている。
図16に示すように右側装飾部220には、枠剣可動体221及び鞘部材222が設けられている。枠剣可動体221(駆動部材)は、固定されている鞘部材222に対して、上下方向に直動可能に組付けられている。枠剣可動体221は、下側に剣先部分221aを有している。本形態では枠剣可動体221が図16(A)に示す収納位置(第2位置)と、図16(B)に示す押込位置(第1位置)との間で直動可能である。図16(A)に示すように、枠剣可動体221が収納位置にあるときには、剣先部分221aが鞘部材222の中に収納されている。一方、枠剣可動体221が押込位置にあるときには、剣先部分221aが鞘部材222から上方に移動して露出している。
鞘部材222の内部には、枠剣移動モータ223(図16(A)(B)の破線参照)が取付けられている。枠剣移動モータ223(駆動手段)は、枠剣可動体221を収納位置と押込位置との間で直動させるための直動駆動力を付与するものである。本形態では、枠剣移動モータ223の直動駆動力によって枠剣可動体221を収納位置から押込位置へ移動させると共に、遊技者に枠剣可動体221を下方へ押込操作するように促す枠剣操作促進演出(図63参照)を実行するようになっている。これにより遊技者は、枠剣可動体221を押込位置から収納位置へ押込むことが可能であり、演出に積極的に関与することが可能である。
図16(A)に示す収納位置は、枠剣可動体221が最も下方に配されている位置である。右側装飾部220には、枠剣可動体221が収納位置にあることを検出可能な収納位置検出センサ226が取付けられている。また図16(B)に示す押込位置は、枠剣可動体221が最も上方に配されている位置である。右側装飾部220には、枠剣可動体221が押込位置にあることを検出可能な押込位置検出センサ227が取付けられている。
押込位置検出センサ(第1位置検出手段)227は、フォトセンサで構成されていて、受光部での光が遮られることよって検出するものである。具体的には、枠剣可動体221の上側に設けられた遮蔽部が、押込位置検出センサ227の受光部での光を遮ることで、押込位置検出センサ227による検出がなされる。本形態では、枠剣可動体221が図16(B)に示す押込位置から、図16(C)に示す押込途中位置へ下降するまでの間、枠剣可動体221の上側に設けられた遮蔽部が、押込位置検出センサ227の受光部での光を遮るようになっている。要するに、枠剣可動体221が押込位置から押込途中位置までの間にあるときには、押込位置検出センサ227による検出がある。その一方で、枠剣可動体221が押込途中位置よりも下方へ移動した途端に、押込位置検出センサ227による検出がなされない。押込位置から押込途中位置までの間の上下方向の距離は、約10mmである。また収納位置検出センサ226も、フォトセンサで構成されていて、受光部での光が遮られることよって検出するものである。なお押込位置検出センサ227及び収納位置検出センサ226をフォトセンサ以外のセンサで構成しても良い。
本形態では、遊技者等が収納位置(図16(A)参照)にある枠剣可動体221を上方へ向かって引抜くと、枠剣可動体221を押込位置(図16(B)参照)へ移動させることが可能である。また上述したように、遊技者等が押込位置にある枠剣可動体221を下方へ向かって押込むと、枠剣可動体221を収納位置へ移動させることが可能である。要するに枠剣可動体221は、人体による操作によっても収納位置と押込位置との間で移動可能になるように構成されている。
また枠剣可動体221の上側には、円盤状の枠剣円盤部材232が回転可能に取付けられている。また枠剣可動体221の上側の内部には、枠剣円盤部材232を回転させるための回転駆動力を付与する枠剣円盤部材回転モータ231(図16(A)(B)(C)の破線参照)が接続されている。そのため図16(B)に示すように、枠剣円盤部材232(駆動部材)は、枠剣円盤部材回転モータ231(駆動手段)が回転駆動することで、枠剣可動体221に対して回転可能になっている。
次に発光体ユニット202について、図17に基づいて説明する。ここでは右側発光体ユニット202Rについて説明するが、左側発光体ユニット202Lも同様の構成を備えている。右側発光体ユニット202Rは、図17に示すように、固定部204と、固定部204の前方に取付けられた演出用本体部206とを有している。固定部204は、前枠53のベース枠56に固定されている。演出用本体部206は、上部が下部よりも前方に位置する前傾姿勢と、鉛直方向に沿う起立姿勢(不図示)とをとることが可能である。演出用本体部206は外装体309を備えていて、図18では演出用本体部206から外装体309が取外された状態が示されている。
図18に示すように、演出用本体部206は、下側に下側部材312を有し、下側部材312に対して右側枠ドラム320Rを回転可能に取付けている。右側枠ドラム320R(可動部材)は、略円筒状であり、内部に多数のドラム用LED331(図18の破線参照)を配している。右側枠ドラム320Rの上側部分320Uは、周方向に沿って4つの面を有し、図18の矢印aで示す方向に回転可能である。一方、右側枠ドラム320Rの下側部分320Dは、周方向に沿って4つの面を有し、図18の矢印bで示す方向に回転可能である。
右側枠ドラム320Rの上側部分320Uと下側部分320Dは、それぞれ回転した後に、4つの面が同一平面を形成するように停止可能である。上側部分320Uが有する4つの面と、下側部分320Dが有する4つの面とは、1対1に対応付けられていて、対応関係にある組合せによって、特定のモチーフを形成することが可能である。本形態では、モチーフとして「V」の文字、「激アツ」の文字、7セグを形成することが可能である。そして右側枠ドラム320Rの内部に配されているドラム用LED331が発光することで、各モチーフを強調して示すことが可能である。
本形態では、特定領域39への遊技球の通過に基づいて後述する高確率状態への移行を獲得した場合には、上側部分320Uと下側部分320Dによって「V」の文字が形成される。またSPリーチの中でも、大当たり当選に対する期待度が特に高いことを示すSPリーチが実行される場合には、上側部分320Uと下側部分320Dによって「激アツ」の文字が形成される。こうして右側枠ドラム320Rは、回転する上側部分320Uと下側部分320Dが停止したときに、遊技者への特典に係わる情報(「V」の文字,「激アツ」の文字)を示すことが可能である。
図19に示すように、右側枠ドラム320Rの下側部材312には、右側枠ドラム回転モータ321Rが取付けられている。右側枠ドラム回転モータ321Rは、右側枠ドラム320Rの上側部分320Uと下側部分320Dとを回転させるための回転駆動力を付与するものである。右側枠ドラム回転モータ321Rが回転駆動すると、上側部分320Uが図示しないギヤ機構を介して図19の矢印aで示す方向に回転すると共に、下側部分320Dが図示しないギヤ機構を介して図19の矢印bで示す方向に回転する。
右側発光体ユニット202Rと同様、左側発光体ユニット202Lの外装体309の内部にも、左側枠ドラム(可動部材)が設けられている。そして右側枠ドラム回転モータ321Rと同様、左側枠ドラムの下側部材に、左側枠ドラム回転モータが取付けられている。
3.遊技機の電気的構成
次に図20〜図22に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。図20に示すように、パチンコ遊技機1は、大当たり抽選や遊技状態の移行などの遊技利益に関する制御を行う主制御基板(遊技制御基板)80、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110、電源を供給する電源基板150等を備えている。主制御基板80は、払出制御基板110と共に、メイン制御部を構成する。
図20に示すように、主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM(Read Only Memory)83、ワークメモリとして使用されるRAM(Random access memory)84、ROM83に記憶されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)82、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)87が含まれている。なお、ROM83は外付けであってもよい。
RAM84には、特図保留記憶部85(第1特図保留記憶部85aおよび第2特図保留記憶部85b)が設けられている。第1特図保留記憶部85aは、記憶可能な第1特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。また第2特図保留記憶部85bは、記憶可能な第2特図保留の数に対応した4つの記憶領域からなる。各記憶領域は4つの記憶領域に分かれている。これらの4つの記憶領域とは、後述の大当たり乱数を記憶する領域、当たり種別乱数を記憶する領域、リーチ乱数を記憶する領域、及び変動パターン乱数を記憶する領域である。
またRAM84には、普図保留記憶部86が設けられている。普図保留記憶部86は、記憶可能な普図保留の数に対応した記憶領域からなる。各記憶領域は、普通図柄乱数を記憶する領域である。
また主制御基板80には、図20に示すように、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的にはセンサ類としては、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、特定領域センサ39a、非特定領域センサ70a、および普通入賞口センサ27aが接続されている。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入賞した遊技球を検出するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入賞した遊技球を検出するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検出するものである。第1大入賞口センサ30aは、第1大入賞口30内に設けられて第1大入賞口30に入賞した遊技球を検出するものである。第2大入賞口センサ35aは、第2大入賞口35内に設けられて第2大入賞口35に入賞した遊技球を検出するものである。特定領域センサ39aは、第2大入賞口35内の特定領域39に設けられて特定領域39を通過した遊技球を検出するものである。非特定領域センサ70aは、第2大入賞口35内の非特定領域70に設けられて非特定領域70を通過した遊技球を検出するものである。普通入賞口センサ27aは、各普通入賞口27内にそれぞれ設けられて普通入賞口27に入賞した遊技球を検出するものである。
またソレノイド類としては、電チューソレノイド24、第1大入賞口ソレノイド33、第2大入賞口ソレノイド38、および振分部材ソレノイド73が接続されている。電チューソレノイド24は、電チュー22の可動部材23を駆動するものである。第1大入賞口ソレノイド33は、第1大入賞装置31の開閉部材32を駆動するものである。第2大入賞口ソレノイド38は、第2大入賞装置36の開閉部材37を駆動するものである。振分部材ソレノイド73は、第2大入賞装置36の振分部材71を駆動するものである。
さらに主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、および普図保留表示器44が接続されている。すなわち、これらの表示器類40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球払出装置120、貸球払出装置130およびカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード等の情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御回路111を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、ハンドル60が含まれる。
払出制御基板110は、遊技制御用マイコン81からの信号や、パチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、賞球払出装置120の賞球モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり、貸球払出装置130の球貸モータ131を駆動して貸球の払い出しを行ったりする。払い出される賞球は、その計数のため賞球センサ122により検知される。また払い出される貸球は、その計数のため球貸センサ132により検知される。なお遊技者による発射装置112のハンドル60の操作があった場合には、タッチスイッチ114がハンドル60への接触を検知し、発射ボリューム115がハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動されることとなる。なお本パチンコ遊技機1においては、0.6秒程度で一発の遊技球が発射されるようになっている。
また主制御基板80は、図21に示すサブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
パチンコ遊技機1は、図21に示すように、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板(演出制御基板)90と、画像制御を行う画像制御基板100と、音声制御を行う音声制御基板106とを備える。サブ制御基板90には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン(以下「演出制御用マイコン」)91が実装されている。演出制御用マイコン91(演出制御手段)には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM93、ワークメモリとして使用されるRAM94、ROM93に記憶されたプログラムを実行するCPU92、データや信号の入出力を行うためのI/Oポート部(入出力回路)97が含まれている。なお、ROM93は外付けであってもよい。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、サブ駆動基板107が接続されている。サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100のCPU102に第1画像表示装置6の表示制御及び第2画像表示装置7の表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAM104は、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROM103には、第1画像表示装置6及び第2画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(装飾図柄を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御基板100のCPU102は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROM103から画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
またサブ制御基板90には、演出ボタン検出スイッチ(SW)63a及びセレクトボタン検出スイッチ68aが接続されている。演出ボタン検出スイッチ63aは、演出ボタン63が押下操作されたことを検出するものである。演出ボタン63が押されると演出ボタン検出スイッチ63aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。また、セレクトボタン検出スイッチ68aは、セレクトボタン68が押下操作されたことを検出するものである。セレクトボタンが押されるとセレクトボタン検出スイッチ68aからサブ制御基板90に対して検知信号が出力される。
演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音響データは、サブ制御基板90のROM93に格納されている。なお、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音響データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御基板100のCPU102に音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、画像制御基板100のROM103に音響データを格納してもよい。
電源基板150(電力供給手段、電源供給手段)は、主制御基板80、サブ制御基板90、及び払出制御基板110に対して電力を供給するとともに、これらの基板を介してその他の機器(駆動部材等)に対して必要な電力を供給する。電源基板150には、バックアップ電源回路151が設けられている。バックアップ電源回路151は、本パチンコ遊技機1に対して電力が供給されていない場合に、後述する主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に対して電力を供給する。従って、主制御基板80のRAM84やサブ制御基板90のRAM94に記憶されている情報は、パチンコ遊技機1の電断時であっても保持される。また、電源基板150には、電源スイッチ155が接続されている。電源スイッチ155のON/OFF操作により、電源の投入/遮断が切替えられる。なお、主制御基板80のRAM84に対するバックアップ電源回路を主制御基板80に設けたり、サブ制御基板90のRAM94に対するバックアップ電源回路をサブ制御基板90に設けたりしてもよい。
またパチンコ遊技機1は、図22に示すように、サブ駆動基板107を備えている。上述した演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、図22に示すサブ駆動基板107を介して枠用LED66a(枠ランプ66)や盤用LED5a(盤ランプ5)等の点灯(発光)制御を行うと共に、サブ駆動基板107と枠上中継基板310とを介して顔用LED401やドラム用LED331の点灯制御を行う。演出制御用マイコン91は、枠用LED66a、盤用LED5a、顔用LED401、ドラム用LED331等の発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を作成し、発光パターンデータに従って枠用LED66a、盤用LED5a、顔用LED401、ドラム用LED331等の発光を制御する。なお、発光パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。
また演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、サブ駆動基板107に接続された盤可動体移動モータ15a、演出ボタン振動モータ63bの駆動制御を行う。つまり演出制御用マイコン91は、盤可動体15の動作態様を決める動作パターンデータ(駆動データ)を作成し、動作パターンデータに従って盤可動体移動モータ15aの駆動を制御する。盤可動体移動モータ15a(駆動手段)は、盤可動体15に駆動力(回転力)を付与して、盤可動体15を移動可能にするものである。また演出制御用マイコン91は、演出ボタン63の動作態様を決める動作パターンを作成し、動作パターンデータに従って演出ボタン振動モータ63bの駆動を制御する。演出ボタン振動モータ63b(駆動手段)は、演出ボタン63を振動(移動)可能にするものである。動作パターンデータの作成にはサブ制御基板90のROM93に格納されているデータを用いる。なお動作パターンデータの中には、枠顔可動体400の動作態様を決める駆動データ、左側枠ドラム及び右側枠ドラム320Rの動作態様を決める駆動データ、枠耳可動体500の動作態様を決める駆動データ、枠顎可動体600のデータを決める駆動データ、枠剣可動体221の動作態様を決める駆動データ、枠剣円盤部材232の動作態様を決める駆動データもある。
サブ駆動基板107には、上述した枠上中継基板310が接続されていると共に、枠右中継基板224と枠右上中継基板225が接続されている。枠上中継基板310は、上述したように、上側装飾部200の連結板301(図10参照)に取付けられている中継基板である。枠右中継基板224は、右側装飾部220に設けられている中継基板である。枠右上中継基板225は、右側装飾部220に設けられていて、枠右中継基板224の上方に配されている中継基板である。
枠上中継基板310には、枠顔可動体400を回転させるための枠顔移動モータ311が接続されている。枠顔移動モータ311(駆動手段)は、左側枠顔移動モータ311Lと右側枠顔移動モータとの総称である。サブ駆動基板107は、サブ制御基板90からの駆動信号(シリアル信号やクロック信号等)に基づいて、枠上中継基板310を介して枠顔移動モータ311の駆動制御を行う。また枠上中継基板310には、枠ドラム320を回転させるための枠ドラム回転モータ321が接続されている。枠ドラム320(駆動部材)は、右側枠ドラム320Rと左側枠ドラムとの総称である。枠ドラム回転モータ321(駆動手段)は、右側枠ドラム回転モータ321Rと左側枠ドラム回転モータ321Lとの総称である。サブ駆動基板107は、サブ制御基板90からの駆動信号に基づいて、枠上中継基板310を介して枠ドラム回転モータ321の駆動制御を行う。
また枠上中継基板310には、枠耳可動体500を揺動及び直動させるための枠耳移動モータ520が接続されている。枠耳可動体500(駆動部材)は、左側枠耳可動体500Lと右側枠耳可動体500Rとの総称である。枠耳移動モータ520(駆動手段)は、左側枠耳移動モータ520Lと右側枠耳移動モータ520Rとの総称である。サブ駆動基板107は、サブ制御基板90からの駆動信号に基づいて、枠上中継基板310を介して枠耳移動モータ520の駆動制御を行う。また枠上中継基板310には、枠顎可動体600を回転させるための枠顎移動モータ610が接続されている。そのため、サブ駆動基板107は、サブ制御基板90からの駆動信号に基づいて、枠上中継基板310を介して枠顎移動モータ610の駆動制御を行う。
枠上中継基板310には、タッチセンサ261が接続されている。そのため、タッチセンサ261に接触すると、タッチセンサ261から枠上中継基板310とサブ駆動基板107とを介してサブ制御基板90に対して検出信号が出力される。また枠上中継基板310には、上述したように点灯制御される顔用LED401及びドラム用LED331が接続されている。
枠右中継基板224には、枠剣可動体221を直動させるための枠剣移動モータ223が接続されている。そのため、サブ駆動基板107は、サブ制御基板90からの駆動信号に基づいて、枠右中継基板224を介して枠剣移動モータ223の駆動制御を行う。また枠右中継基板224には、収納位置検出センサ226が接続されている。そのため、収納位置検出センサ226による検出がなされると、収納位置検出センサ226から枠右中継基板224とサブ駆動基板107とを介してサブ制御基板90に対して検出信号が出力される。また枠右中継基板224には、押込位置検出センサ227が接続されている。そのため、押込位置検出センサ227による検出がなされると、押込位置検出センサ227から枠右中継基板224とサブ駆動基板107とを介してサブ制御基板90に対して検出信号が出力される。
枠右上中継基板225には、枠剣円盤部材232を回転させるための枠剣円盤部材回転モータ231が接続されている。そのため、サブ駆動基板107は、サブ制御基板90からの駆動信号に基づいて、枠右上中継基板225を介して枠剣円盤部材回転モータ231の駆動制御を行う。
なお、サブ駆動基板107、枠上中継基板310、枠右中継基板224、枠右上中継基板225にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに各モータの駆動制御や各ランプの点灯制御を実行させてもよい。さらにこの場合、サブ駆動基板107、枠上中継基板310、枠右中継基板224、枠右上中継基板225にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
本形態においてサブ制御基板90は、画像制御基板100と音声制御基板106とサブ駆動基板107とともにサブ制御部を構成する。なお、サブ制御部は、少なくともサブ制御基板90を備え、演出手段(第1画像表示装置6、第2画像表示装置7、盤ランプ5、枠ランプ66、スピーカ67、枠顔可動体400等)を用いた遊技演出を制御可能であればよい。なお本形態のパチンコ遊技機1では、音声や楽曲、効果音等を出力するスピーカ67が、上側装飾部200の後方側の下側に設けられている。
図20〜図22は、あくまで本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明するための機能ブロック図であり、図20〜図22に示す基板だけが設けられているわけではない。主制御基板80を除いて、図20〜図22に示す何れか複数の基板を1つの基板として構成しても良く、図20〜図22に示す1つの基板を複数の基板として構成しても良い。
ここで本形態の枠剣移動モータ223の構造について、図23(A)に基づいて説明する。図23(A)に示すように、本形態の枠剣移動モータ223は、バイポーラ型のステッピングモータである。なお本形態では、枠剣移動モータ223の他、枠顔移動モータ311、枠ドラム回転モータ321、枠耳移動モータ520、枠顎移動モータ610、枠剣円盤部材回転モータ231、盤可動体移動モータ15aも、バイポーラ型のステッピングモータである。
バイポーラ型のステッピングモータでは、機能を概略的に説明すると、図23(A)に示すように、2組のコイルA及びコイルBが設けられている。そしてコイルAには、φ1端子とφ2端子とが設けられている。またコイルBには、φ3端子とφ4端子とが設けられている。このバイポーラ型のステッピングモータを駆動させる場合、図23(A)の(1)⇒(2)⇒(3)⇒(4)に示すように、コイルAとコイルBに流す電流の向きを交互に切替えるようになっている。
即ち、先ず図23(A)の(1)に示すように、コイルAのφ1端子からφ2端子へ電流を流す。次に図23(A)の(2)に示すように、コイルBのφ3端子からφ4端子へ電流を流す。続いて図23(A)の(3)に示すように、コイルAのφ2端子からφ1端子へ電流を流す。最後に図23(A)の(4)に示すように、コイルBのφ4端子からφ3端子へ電流を流す。以後、上記(1)(2)(3)(4)を繰り返すことにより、回転軸を、発生した磁力で引き付けるように回転させる。こうしてバイポーラ型のステッピングモータでは、各端子に流れる電流の向きが切替わることが特徴になる。
次に、従来から演出用のモータとして一般的に用いられているユニポーラ型のステッピングモータについて、図23(B)に基づいて説明する。ユニポーラ型のステッピングモータでも、機能を概略的に説明すると、図23(B)に示すように、2組のコイルA及びコイルBが設けられている。そしてコイルAには、φ1端子とφ2端子とが設けられていて、コイルAの中間にタップTPが設けられている。またコイルBには、φ3端子とφ4端子とが設けられていて、コイルBの中間にタップTPが設けられている。タップTPには、常に+電源(DC)が接続されている。このユニポーラ型のステッピングモータを駆動させる場合、図23(B)の(1)⇒(2)⇒(3)⇒(4)に示すように、タップTPから各端子へ電流を一方向へ流すようになっている。
即ち、先ず図23(B)の(1)に示すように、コイルAのタップTPからφ1端子へ電流を流す。次に図23(B)の(2)に示すように、コイルBのタップTPからφ3端子へ電流を流す。続いて図23(B)の(3)に示すように、コイルAのタップTPからφ2端子へ電流を流す。最後に図23(B)の(4)に示すように、コイルBのタップTPからφ4端子へ電流を流す。以後、上記(1)(2)(3)(4)を繰り返すことにより、回転軸を、発生した磁力で引き付けるように回転させる。こうしてユニポーラ型のステッピングモータでは、各端子に流れる電流の向きが常に一定であることが特徴になる。
以上、図23(B)に示すユニポーラ型のステッピングモータでは、回転時の各フェーズ((1)(2)(3)(4)の何れかの時点)のコイルA,Bにおいて、半分のコイル(巻線)でしか電流が流れていない状態になる。これに対して、図23(A)に示すバイポーラ型のステッピングモータでは、回転時の各フェーズのコイルA,Bにおいて、電流の向きが切替わるものの、コイル全体に電流が流れている状態になる。即ち常にコイルが機能することになる。従って、本形態のようにバイポーラ型のステッピングモータを用いる場合には、従来のようにユニポーラ型のステッピングモータを用いる場合に比べて、同じ巻き数のコイルであれば、コイルの利用効率が高くなる。その結果、モータを効率良く回転させることが可能であり、低速回転時の出力トルクを高くすることが可能である。
本形態では、バイポーラ型のステッピングモータが可動部材を移動させる場合の励磁方式として、2相励磁を用いている。2相励磁は、図24(A)に示すように、パルスを付与する次の相に対して1パルス分だけずらしながら、2相ずつ同時に励磁する方式である。この2相励磁に対して例えば、1相励磁がある。1相励磁は、図24(B)に示すように、パルスを付与する度に1相ずつ励磁する方式である。本形態の2相励磁であれば、1相励磁に比べて、回転を安定させることが可能であり、高速回転に有利である。更に、出力トルクを大きくできるというメリットがある。但し、1相励磁に比べて、消費電流(電力)が2倍になるというデメリットがある。
4.枠右中継基板及び枠上中継基板の電気回路
次に図25〜図30に基づいて、枠右中継基板224、枠上中継基板310、枠右上中継基板225の電気回路について説明する。先ず枠右中継基板224の電気回路について説明する。図25に示すように、枠右中継基板224には、枠剣移動モータドライバIC1が実装されている。枠剣移動モータドライバIC1(駆動回路部)は、枠剣移動モータ223の駆動を制御するステッピングモータドライバである。
枠剣移動モータドライバIC1は、図25に示すように、Vcc端子、VREFA端子、VREFB端子、PHASEA端子、PHASEB端子、INA1端子、INA2端子、INB1端子、INB2端子、STANDBY端子、6ビット分のGND端子、2ビット分のOUTA+端子、2ビット分のOUTA−端子、2ビット分のOUTB+端子、2ビット分のOUTB−端子、2ビット分のRSA端子、2ビット分のRSB端子、18ビット分のNC(未接続)端子、及びその他の端子(OSCM端子、VM端子)を備えている。枠剣移動モータドライバIC1には、例えばテキサスインスツルメンツ製「TB67S101AFTG」などの汎用ドライバを好適に使用できる。
Vcc端子は、5Vの電源が供給される端子である。VREFA端子は、枠剣移動モータ223に対するA相モータ出力設定端子である。またVREFB端子は、枠剣移動モータ223に対するB相モータ出力設定端子である。ここで、VREFA端子に作用する電圧によって、後述するOUTA+端子及びOUTA−端子から出力する電流が切替えられる。即ち、VREFA端子に作用する電圧が大きければ、後述するOUTA+端子及びOUTA−端子から出力する電流を大きくすることが可能である。同様に、VREFB端子に作用する電圧によって、後述するOUTB+端子及びOUTB−端子から出力する電流が切替えられる。即ち、VREFB端子に作用する電圧が大きければ、後述するOUTB+端子及びOUTB−端子から出力する電流を大きくすることが可能である。
PHASEA端子は、枠剣移動モータ223(図23(A)参照)に対するA相極性設定端子である。PHASEB端子は、枠剣移動モータ223に対するB相極性設定端子である。INA1端子及びINA2端子は、枠剣移動モータ223に対するA相出力制御端子である。INB1端子及びINB2端子は、枠剣移動モータ223に対するB相出力制御端子である。STANDBY端子は、省電力モード設定端子である。GND端子は、グランドに接続するための端子である。
OUTA+端子は、枠剣移動モータ223のA相φ1端子(コイルAのφ1端子,図23(A)参照)に対する電流出力端子である。OUTA−端子は、枠剣移動モータ223のA相φ2端子(コイルAのφ2端子)に対する電流出力端子である。OUTB+端子は、枠剣移動モータ223のB相φ3端子(コイルBのφ3端子)に対する電流出力端子である。OUTB−端子は、枠剣移動モータ223のB相φ4端子(コイルBのφ4端子)に対する電流出力端子である。RSA端子は、枠剣移動モータ223のA相(コイルA)に出力した電流を検出するための端子である。RSB端子は、枠剣移動モータ223のB相(コイルB)に出力した電流を検出するための端子である。
ところで、図25に示す枠剣移動モータドライバIC1は、枠剣移動モータ223のコイルAの各端子φ1,φ2、及びコイルBの各端子φ3,φ4に所定の一定電流(電流値が一定である電流)を供給することが可能な定電流駆動方式のものである。定電流駆動方式では、各コイルA,Bに流れる電流が一定電流になるように常に監視して、規定電流以上の電流が流れようとすると高速で電圧のONとOFFとを繰り返して、一定電流を保つ方式である。この定電流駆動方式に対して、定電圧駆動方式がある。定電圧駆動方式では、各コイルA,Bに作用する電圧を一定電圧に保つ方式である。
ここでモータが回転するときには、各コイルA,Bに、誘導起電力(逆起電力)が発生して、逆起電圧が作用することになる。そのため、定電圧駆動方式の場合、各コイルA,Bに作用する有効な電圧(定電圧駆動方式による一定電圧)が、逆起電圧によって減少してしまう。特にモータが高速回転するほど、各コイルA,Bに大きな逆起電圧が作用するため、電流が流れ難くなる。その結果、定電圧駆動方式では、モータの出力トルクを大きくし難い。これに対して、定電流駆動方式であれば、逆起電圧が発生しても、各コイルA,Bに流れる電流を一定電流にて安定するように制御する。その結果、定電圧駆動方式よりも、モータの高速回転時における出力特性を向上させることが可能である。本形態の枠剣移動モータドライバIC1では、定電流駆動方式によって供給する一定電流が230mAになるように設定されている。
枠剣移動モータドライバIC1のOUTA+端子は、制御ラインL1を介してコネクタCN1の1番端子に接続されている。コネクタCN1の1番端子は、図示しないハーネスを介して、枠剣移動モータ223のコイルAの端子φ1(図23(A)参照)に接続されている。従って、枠剣移動モータドライバIC1のOUTA+端子から出力される電流を、制御ラインL1を通して、枠剣移動モータ223のコイルAの端子φ1へ流すことが可能である。制御ラインL1に電流遮断回路224Aが設けられているが、電流遮断回路224Aについては後述する。
また枠剣移動モータドライバIC1のOUTA−端子は、制御ラインL2を介してコネクタCN1の2番端子に接続されている。コネクタCN1の2番端子は、図示しないハーネスを介して、枠剣移動モータ223のコイルAの端子φ2(図23(A)参照)に接続されている。従って、枠剣移動モータドライバIC1のOUTA−端子から出力される電流を、制御ラインL2を通して、枠剣移動モータ223のコイルAの端子φ2へ流すことが可能である。
また枠剣移動モータドライバIC1のOUTB+端子は、制御ラインL3を介してコネクタCN1の3番端子に接続されている。コネクタCN1の3番端子は、図示しないハーネスを介して、枠剣移動モータ223のコイルBの端子φ3(図23(A)参照)に接続されている。従って、枠剣移動モータドライバIC1のOUTB+端子から出力される電流を、制御ラインL3を通して、枠剣移動モータ223のコイルBの端子φ3へ流すことが可能である。制御ラインL3に電流遮断回路224Aが設けられているが、電流遮断回路224Aについては後述する。
また枠剣移動モータドライバIC1のOUTB−端子は、制御ラインL4を介してコネクタCN1の4番端子に接続されている。コネクタCN1の4番端子は、図示しないハーネスを介して、枠剣移動モータ223のコイルBの端子φ4(図23(A)参照)に接続されている。従って、枠剣移動モータドライバIC1のOUTB−端子から出力される電流を、制御ラインL4を通して、枠剣移動モータ223のコイルBの端子φ4へ流すことが可能である。
図25に示すように、枠剣移動モータドライバIC1のVREFA端子から延びる制御ラインと、VREFBラインから延びる制御ラインとが結合して、1つの制御ラインL5が形成されている。制御ラインL5は、分岐点BTから図25の上側へ延びる制御ラインL5aと、分岐点BTから図25の下側へ延びる制御ラインL5bとに分かれている。制御ラインL5aには抵抗R1が接続されていて、制御ラインL5bには抵抗R2が接続されている。制御ラインL5aに検査用外付回路224Bが組み込まれているが、検査用外付回路224Bについては後述する。
また図25に示すように、制御ラインL1とグランドとの間にアバランシェダイオードZD1が設けられ、制御ラインL2とグランドとの間にアバランシェダイオードZD2が設けられ、制御ラインL3とグランドとの間にアバランシェダイオードZD3が設けられ、制御ラインL4とグランドとの間にアバランシェダイオードZD4が設けられている。これらアバランシェダイオードZD1,ZD2,ZD3,ZD4は、各制御ラインL1,L2,L3,L4に対して過電圧(例えば数千V)が作用したときに、各制御ラインL1,L2,L3,L4を保護するものである。
なお図25に示すように、枠剣移動モータドライバIC1の2つのOUTA+端子から延びる制御ラインは結合されて、1つの制御ラインL1になっている。また枠剣移動モータドライバIC1の2つのOUTA−端子から延びる制御ラインは結合されて、1つの制御ラインL2になっている。また枠剣移動モータドライバIC1の2つのOUTB+端子から延びる制御ラインは結合されて、1つの制御ラインL3になっている。また枠剣移動モータドライバIC1の2つのOUTB−端子から延びる制御ラインは結合されて、1つの制御ラインL4になっている。これは、枠剣移動モータドライバIC1の1つ(1ビット分)の端子から出力できる電流は限られているため、2つの端子から延びる制御ラインを結合することで、より大きな電流を供給可能にするためである。
なお枠剣移動モータドライバIC1は、チョッピング基準周波数に基づいて、パルス幅変調(PWM(Pulse width modulation))を行って、一定電流を供給できるようにしている。チョッピング基準周波数は、半導体素子のONとOFFとを切替える早さを意味するものであり、図25に示す抵抗R6及びコンデンサC8に応じて適宜設定される。また図25に示すコンデンサC9は、電源ラインとグランドとの間に接続されるバイパスコンデンサ(パスコン)であり、枠剣移動モータドライバIC1での制御回路を安定させるものである。
また図26に示すように、枠右中継基板224には、入出力IC2が実装されている。入出力IC2は、デジタル信号を入出力するためのものである。入出力IC2には、シリアルデータ入出力端子(SDA端子)、シリアルクロック入力端子(SCL端子)、Vcc端子、3ビット分のアドレス設定端子(A0〜A2端子)、5ビット分の入力端子P11〜P15、11ビット分の出力端子P00〜P10、その他の端子(GND端子、INT端子)を備えている。入出力IC2は、例えばテキサスインスツルメンツ製「SNB6006PWR」などのGPIO(General Purpose Input Output)を好適に使用できる。
入出力IC2と演出制御用マイコン91とは、I2C(Inter Integrated Circuit)通信方式によって通信可能に接続されている。即ち、演出制御用マイコン91のシリアルポート98が接続されているデータ信号ラインに、入出力IC2のSDA端子が接続されている。また演出制御用マイコン91のシリアルポート98が接続されているクロック信号ラインに、入出力IC2のSCL端子が接続されている。
演出制御用マイコン91は、I2C通信方式によって入出力IC2と通信する場合、先ず入出力IC2のアドレス情報をシリアルデータとして送信する。そして、そのアドレス情報と一致するアドレスが割り付けられた入出力IC2から、返答信号を受信すると、入出力IC2に対して、枠剣可動体221を駆動させるための駆動データをシリアルデータとして送信する。入出力IC2は、演出制御用マイコン91から入力される駆動データに基づいて、出力端子P00〜P10から制御信号を出力する。これにより、枠剣可動体221が駆動データに基づく動作態様で動作するように、枠剣移動モータ223を駆動させることが可能である。
図26に示すように、Vcc端子は、5Vの電源が供給される端子である。A0端子(アドレス設定端子)は、5Vの電源に接続されている一方、A1端子及びA2端子は、グランドに接続されている。5ビット分の入力端子P11〜P15は、枠剣可動体221の位置を検出するセンサ(図示省略)等から検出信号を入力する端子である。11ビット分の出力端子P00〜P10のうち、6ビット分の出力端子P02〜P07は、図25に示す枠剣移動モータドライバIC1のPHASEB端子、PHASEA端子、INB2端子、INB1端子、INA2端子、INA1端子に制御信号を出力する端子である。出力端子P00と出力端子P01と出力端子P10の機能については、後述する。
次に、枠上中継基板310の電気回路について説明する。図27に示すように、枠上中継基板310には、左側枠ドラムモータドライバIC11が実装されている。左側枠ドラムモータドライバIC11(駆動回路部)は、左側枠ドラム回転モータ321Lの駆動を制御するステッピングモータドライバである。また枠上中継基板310には、右側枠ドラムモータドライバIC21が実装されている。右側枠ドラムモータドライバIC21(駆動回路部)は、右側枠ドラム回転モータ321Rの駆動を制御するステッピングモータドライバである。これら左側枠ドラムモータドライバIC11と右側枠ドラムモータドライバIC21は、図25に示す枠剣移動モータドライバIC1と同じ構成であるため、詳細な構成の説明を省略する。
また図27に示すように、枠上中継基板310には、入出力IC12が実装されている。入出力IC12は、図26に示す入出力IC2と同じ構成であるため、詳細な構成の説明を省略する。入出力IC12の6ビット分の出力端子P02〜P07は、それぞれ制御ラインを介して右側枠ドラムモータドライバIC21のPHASEB端子、PHASEA端子、INB2端子、INB1端子、INA2端子、INA1端子に接続されている。また入出力IC12の6ビット分の出力端子P10〜P15は、それぞれ制御ラインを介して左側枠ドラムモータドライバIC11のPHASEB端子、PHASEA端子、INB2端子、INB1端子、INA2端子、INA1端子に接続されている。
そして図28に示すように、演出制御用マイコン91と入出力IC12とは、上述した演出制御用マイコン91と入出力IC2(図26参照)のように、I2C(Inter Integrated Circuit)通信方式によって通信可能に接続されている。以上、図27から分かるように、左側枠ドラムモータドライバIC11に関わる電気回路と、右側枠ドラムモータドライバIC21に関わる電気回路とは同様である。そのため、以下では図29に基づいて、左側枠ドラムモータドライバIC11に関わる電気回路を代表して説明する。
図29に示すように、左側枠ドラムモータドライバIC11のOUTA+端子は、制御ラインL11を介してコネクタCN11の1番端子に接続されている。コネクタCN11の1番端子は、図示しないハーネスを介して、左側枠ドラム回転モータ321LのコイルAの端子φ1(図23(A)参照)に接続されている。また左側枠ドラムモータドライバIC11のOUTA−端子は、制御ラインL12を介してコネクタCN11の2番端子に接続されている。コネクタCN11の2番端子は、図示しないハーネスを介して、左側枠ドラム回転モータ321LのコイルAの端子φ2(図23(A)参照)に接続されている。
また左側枠ドラムモータドライバIC11のOUTB+端子は、制御ラインL13を介してコネクタCN11の3番端子に接続されている。コネクタCN11の3番端子は、図示しないハーネスを介して、左側枠ドラム回転モータ321LのコイルBの端子φ3(図23(A)参照)に接続されている。また左側枠ドラムモータドライバIC11のOUTB−端子は、制御ラインL14を介してコネクタCN11の4番端子に接続されている。コネクタCN11の4番端子は、図示しないハーネスを介して、左側枠ドラム回転モータ321LのコイルBの端子φ4(図23(A)参照)に接続されている。
各制御ラインL11,L12,L13,L14とグランドとの間には、それぞれツェナーダイオードD11,D12,D13,D14が配されていて、各制御ラインL11,L12,L13,L14と24Vの電源との間には、それぞれツェナーダイオードD15,D16,D17,D18が配されている。このようにグランド側と電源側の両方にツェナーダイオードが設けられているのは、以下の理由に基づく。
本形態の左側枠ドラム回転モータ321Lは、上述したように、バイポーラ型のステッピングモータである。そのため、左側枠ドラム回転モータ321Lの回転時の各フェーズのコイルA,Bでは、電流の向きが切替わるため、各制御ラインL11,L12,L13,L14(図29参照)でも電流の向きが切替わる。よって、意図しない超過電流が生じた場合、その超過電流をグランド側又は電源側の何れかに確実に逃がすことができるように、グランド側と電源側の両方にツェナーダイオードを設けている。
図29に示すように、左側枠ドラムモータドライバIC11のVREFA端子から延びる制御ラインと、VREFBラインから延びる制御ラインとが結合して、1つの制御ラインL15が形成されている。制御ラインL15は、分岐点BTから図29の上側へ延びる制御ラインL15aと、分岐点BTから図29の下側へ延びる制御ラインL15bとに分かれている。制御ラインL15aには抵抗R11が接続されていて、制御ラインL15bには抵抗R12が接続されている。制御ラインL15aに検査用外付回路310Aが組み込まれている。この検査用外付回路310Aは、図25に示す検査用外付回路224Bと同様の機能を果たすものである。
左側枠ドラムモータドライバIC11がパルス幅変調(PWM(Pulse width modulation))を行う際のチョッピング基準周波数は、図29に示す抵抗R16及びコンデンサC18に応じて適宜設定される。また左側枠ドラムモータドライバIC11での制御回路を安定させるために、図29に示すコンデンサC19(バイパスコンデンサ)が設けられている。
以上、左側枠ドラムモータドライバIC11の周りの電気回路の構成について説明したが、右側枠ドラムモータドライバIC21の周りの電気回路の構成も実質的に同様である。そのため図27において、右側枠ドラムモータドライバIC21の周りの電気回路の構成については、図29に示す各構成の10番台を20番台に換えることとして、その詳細な説明を省略する。
次に、枠右上中継基板225の電気回路について説明する。図30に示すように、枠右上中継基板225には、枠剣円盤部材回転モータドライバIC31が実装されている。枠剣円盤部材回転モータドライバIC31(駆動回路部)は、枠剣円盤部材回転モータ231の駆動を制御するステッピングモータドライバである。この枠剣円盤部材回転モータドライバIC31は、図29に示す左側枠ドラムモータドライバIC11と同じ構成であるため、詳細な構成の説明を省略する。
また図30に示すように、枠右上中継基板225には、入出力IC32が実装されている。入出力IC32は、図29に示す入出力IC12と同じ構成であるため、詳細な構成の説明を省略する。入出力IC32の6ビット分の出力端子P10〜P15は、それぞれ制御ラインを介して枠剣円盤部材回転モータドライバIC31のPHASEB端子、PHASEA端子、INB2端子、INB1端子、INA2端子、INA1端子に接続されている。
図30に示すように、枠剣円盤部材回転モータドライバIC31のOUTA+端子は、制御ラインL31を介してコネクタCN31の1番端子に接続されている。コネクタCN31の1番端子は、図示しないハーネスを介して、枠剣円盤部材回転モータ231のコイルAの端子φ1(図23(A)参照)に接続されている。また枠剣円盤部材回転モータドライバIC31のOUTA−端子は、制御ラインL32を介してコネクタCN31の2番端子に接続されている。コネクタCN31の2番端子は、図示しないハーネスを介して、枠剣円盤部材回転モータ231のコイルAの端子φ2(図23(A)参照)に接続されている。
また枠剣円盤部材回転モータドライバIC31のOUTB+端子は、制御ラインL33を介してコネクタCN31の3番端子に接続されている。コネクタCN31の3番端子は、図示しないハーネスを介して、枠剣円盤部材回転モータ231のコイルBの端子φ3(図23(A)参照)に接続されている。また枠剣円盤部材回転モータドライバIC31のOUTB−端子は、制御ラインL34を介してコネクタCN31の4番端子に接続されている。コネクタCN31の4番端子は、図示しないハーネスを介して、枠剣円盤部材回転モータ231のコイルBの端子φ4(図23(A)参照)に接続されている。
以上、枠剣円盤部材回転モータドライバIC31の周りの電気回路の構成について説明したが、上述した左側枠ドラムモータドライバIC11の周りの電気回路の構成(図29参照)と同様である。そのため図30において、枠剣円盤部材回転モータドライバIC31の周りのその他の構成については、図29に示す各構成の10番台を30番台に換えることとして、その詳細な説明を省略する。なお図30に示すように、枠剣円盤部材回転モータドライバIC31の周りの電気回路では、図29に示す検査用外付回路310Aに相当する構成が設けられていない。
次に、図25に示す枠右中継基板224において、電流遮断回路224Aが設けられていない場合の問題点について説明する。本形態では、前枠53の右側装飾部220に設けられている枠剣可動体221は、遊技者が触れて操作できるものである。特に遊技者は、悪戯で枠剣可動体221を図16(A)に示す収納位置と図16(B)に示す押込位置との間で何度も直動させるおそれがある。そうなると枠剣移動モータ223では逆起電力が生じて、意図しない逆起電力が図25に示す各制御ラインL1,L2,L3,L4を介して枠剣移動モータドライバIC1に作用し得る。
特に本形態では、枠剣可動体221が上下方向に直動できるものであるため、遊技者が悪戯で枠剣可動体221を高速に何度も直動させるおそれがある。その場合には、枠剣移動モータ223に非常に大きな逆起電力が生じて、枠剣移動モータドライバIC1に耐電圧(本形態では絶対最大定格としての50V)を超える超過電圧が作用しかねない。その結果、枠剣移動モータドライバIC1が故障し得るという問題点があった。
そこで本形態では、上記した問題点を解決すべく、図25に示すように、制御ラインL1,L3に電流遮断回路224Aが組み込まれている。電流遮断回路224A(導通切替手段)は、制御ラインL1に設けられているフォトモスリレーPM1と、制御ラインL3に設けられているフォトモスリレーPM2とを備えている。
フォトモスリレーPM1は、制御ラインL1において、電流が流れる導通状態、又は電流が流れない非導通状態に切替えるものである。なお制御ラインL1は、枠剣移動モータ223のコイルA(図23(A)参照)を介して制御ラインL2に接続されている。そのため、制御ラインL1が非導通状態に切替えられれば、制御ラインL2も非導通状態に切替えられる。つまり、フォトモスリレーPM1は、両方の制御ラインL1,L2の導通状態と非導通状態を切替えるものともいえる。
フォトモスリレーPM2は、制御ラインL3において、電流が流れる導通状態、又は電流が流れない非導通状態に切替えるものである。なお制御ラインL3は、枠剣移動モータ223のコイルB(図23(A)参照)を介して制御ラインL4に接続されている。そのため、制御ラインL3が非導通状態に切替えられれば、制御ラインL4も非導通状態に切替えられる。つまり、フォトモスリレーPM2は、両方の制御ラインL3,L4の導通状態と非導通状態を切替えるものともいえる。
フォトモスリレーPM1とフォトモスリレーPM2は、入力側として、アノード端子としての1番端子と、カソード端子としての2番端子と、未接続の3番端子とを備える。そして出力側として、ドレイン端子としての4番端子と、ソース端子としての5番端子と、ドレイン端子としての6番端子とを備えている。フォトモスリレーPM1とフォトモスリレーPM2は、例えばテキサスインスツルメンツ製「TLP3107」などのフォトリレーを好適に使用できる。
図25において、K−FC制御信号として「L」レベルの信号が入力される場合には、フォトモスリレーPM1,PM2の1番端子(アノード端子)から2番端子(カソード端子)へ電流が流れる。これにより、フォトモスリレーPM1,PM2の入力側のLEDが発光して、出力側のMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect)ゲートが充電される。その結果、MOSFETが導通状態になる。即ち、フォトモスリレーPM1,PM2の4番端子(ドレイン端子)と6番端子(ドレイン端子)との間が導通状態になる。この状態であれば、枠剣移動モータドライバIC1は、枠剣移動モータ223の各コイルA,Bに電流を流すことが可能である。
ここで図26に示す入出力IC2の出力端子P10から「H」レベルの制御信号が出力される場合、その制御信号のレベルは、インバータ素子INV1によって「L」レベルに変換される。従って、この場合には、図25に示すK−FC制御信号として「L」レベルの信号が出力される。よって演出制御用マイコン91は、入出力IC2の出力端子P10から「H」レベルの制御信号が出力されるように制御することで、枠剣移動モータ223の駆動を制御可能な状態にすることができる。
一方、図25において、K−FC制御信号として「H」レベルの信号が入力される場合には、フォトモスリレーPM1,PM2の1番端子(アノード端子)から2番端子(カソード端子)へ電流が流れない。これにより、フォトモスリレーPM1,PM2の入力側のLEDが発光しないため、出力側のMOSFETゲートが充電されない。その結果、MOSFETが非導通状態になる。即ち、フォトモスリレーPM1,PM2の4番端子(ドレイン端子)と6番端子(ドレイン端子)との間が非導通状態になる。この状態であれば、枠剣移動モータドライバIC1は、枠剣移動モータ223の各コイルA,Bに電流を流すことが不可能である。そして、枠剣移動モータ223に逆起電力が生じても、その逆起電力を枠剣移動モータドライバIC1に作用させないことが可能である。
ここで図26に示す入出力IC2の出力端子P10から「L」レベルの制御信号が出力される場合、その制御信号のレベルは、インバータ素子INV1によって「H」レベルに変換される。従って、この場合には、図25に示すK−FC制御信号として「H」レベルの信号が出力される。よって演出制御用マイコン91は、入出力IC2の出力端子P10から「L」レベルの制御信号が出力されるように制御することで、枠剣移動モータドライバIC1に逆起電力に基づく超過電圧が作用しない状態にすることが可能である。
本形態では、パチンコ遊技機1に電源が投入されていない状態、又は電源が投入された直後の初期状態(デフォルト状態)では、図25に示すK−FC制御信号のレベルは「L」レベルになっている。従ってほとんどの期間においては、制御ラインL1,L2、及び制御ラインL3,L4が非導通状態になっている。よって、遊技者が遊技しないで悪戯で枠剣可動体221を高速に直動させても、枠剣移動モータ223で生じる逆起電力が枠剣移動モータドライバIC1に作用することがない。その結果、枠剣移動モータドライバIC1が故障するのを防ぐことが可能である。
また本形態では、大当たりへの当選期待度が高いことを示す場合、遊技者が枠剣可動体221を下方へ押込操作するのを促す枠剣操作促進演出を実行する。この枠剣操作促進演出では、図63に示すように、枠剣可動体221と「剣を押し込め」とを示す画像KOが表示画面7aに表示される。こうして枠剣操作促進演出を開始する際には、枠剣可動体221を図16(A)に示す収納位置から図16(B)に示す押込位置へ自動で上昇させるようにしている。また枠剣操作促進演出が開始された後、遊技者が操作有効期間(例えば10秒)の間に枠剣可動体221を押込位置から収納位置へ押込操作しなかった場合、枠剣可動体221を押込位置から収納位置へ自動で下降させるようにしている。このように、枠剣可動体221(枠剣移動モータ223)を駆動させなければならない期間がある。
そこで本形態では、演出制御用マイコン91が、枠剣移動モータ223を駆動させることが可能な枠剣可動体駆動期間(駆動期間)を設定する。そして、この枠剣可動体駆動期間に限って、入出力IC2の出力端子P10(図26参照)から「H」レベルの制御信号が出力されるように制御する。これにより、制御ラインL1,L2、及び制御ラインL3,L4が導通状態に切替わって、枠剣移動モータ223のコイルA,Bに駆動電流を供給することが可能である。その結果、枠剣可動体221を移動させるタイミングにおいて、枠剣可動体221を適切に動作させることが可能である。
次に、図25に示す枠右中継基板224において、検査用外付回路224Bが設けられていない場合の問題点について説明する。枠剣移動モータドライバIC1は、上述したように、定電流駆動方式のものである。この定電流駆動方式のドライバ(枠剣移動モータドライバIC1)においては、OUTA+端子,OUTA−端子,OUTB+端子,OUTB−端子から出力する一定電流(本形態では230mA)は、VREFA端子及びVREFB端子に作用する電圧の大きさに依存する。そして、VREFA端子及びVREFB端子に作用する電圧の大きさは、制御ラインL5aに接続されている抵抗R1の抵抗値と、制御ラインL5bに接続されている抵抗R2の抵抗値との合成抵抗値に依存する。
ここでモータ(枠剣移動モータ223)の出力トルクの大きさは、供給される電流(制御ラインL1,L2,L3,L4を流れる電流)の大きさに比例する。従って、所望の出力トルクを得ることができるように、定電流駆動方式のドライバによる一定電流の大きさ(本形態では230mA)が決定されている。そして、その一定電流が供給できるように、抵抗R1の抵抗値と抵抗R2の抵抗値とを設定している。以上要するに、定電流駆動方式のドライバでは、枠剣移動モータ223で所望の出力トルクを得ることができるように、抵抗R1及び抵抗R2を適宜選択している。
ところで遊技機の分野においては、パチンコ遊技機1全体を組み上げる前に、部品製造業者等が可動部材(例えば枠剣可動体221)を備えるユニット(例えば右側装飾部220)に対して、動作確認の検査を行う。この動作確認の検査では、モータで本来得るべき出力トルクに対して、所定割合(例えば15%)だけ出力トルクを減少させた状態で、可動部材が適切に動作するか否かをチェックする。つまり、所定割合だけモータの出力トルクを減少させた状態でも可動部材が適切に動作すれば、本来の100%の出力トルクを発生させる場合(最終製品の場合)に確実に可動部材を動作できるという考えで、動作確認の検査を実行している。近年の遊技機では、ユニットの構造が複雑化しているため、組付け誤差等の影響により、可動部材が適切に動作しない事態が生じかねない。そこで動作確認の検査により、組付け誤差等によって生じる不良品を見つけることが可能である。
従来の遊技機において、モータとして、ユニポーラ型のステッピングモータ(以下「ユニポーラモータ」ともいう,図23(B)参照)を用いるのが一般的であり、ユニポーラモータを駆動させるためのドライバとして、定電流駆動方式以外(定電圧駆動方式等)のドライバを用いるのが一般的である。ユニポーラモータの場合、モータ自体が備える抵抗によって出力トルクが変わる。そのため、ユニポーラモータを用いる場合の動作確認の検査では、本来の100%の出力トルクを発生させるユニポーラモータではなく、所定割合(例えば10%)だけ出力トルクが減少するユニポーラモータに換えて検査を行うようになっていた。或いは、本来の100%の出力トルクを発生させるユニポーラモータを用いつつ、そのユニポーラモータに作用させる駆動電圧を外部から強制的に可変させることで、所定割合(例えば10%)だけ出力トルクを減少させて検査を行うようになっていた。
これに対して本形態では、上述したように、低速回転時の出力トルクを高くすることができるバイポーラ型のステッピングモータ(以下「バイポーラモータ」ともいう,図23(A)参照)を用いている。そして、バイポーラモータに適したドライバとして、定電流駆動方式のドライバ(枠剣移動モータドライバIC1)を用いている。しかしながら、定電流駆動方式のドライバを用いる場合、モータ(枠剣移動モータ223)で100%の出力トルクを得ることができるように、予め一定電流の値(230mA)を設定(固定)している。従って、モータに供給する一定電流の値を可変することができない。
仮に抵抗R1の抵抗値と抵抗R2の抵抗値とを変えてしまうと、所望の出力トルクを得るために設定したはずの電流の大きさが変わるため、本来の100%の出力トルクを発生できなくなってしまう。また駆動電圧を外部から強制的に可変させるようにしても、定電流駆動方式である以上、モータに供給する電流の大きさは変わらず、出力トルクを所定割合だけ減少させることができない。なお上記した問題点は、図25に示す枠剣移動モータドライバIC1を用いる場合を例として説明したが、図27に示す左側枠ドラムモータドライバIC11を用いる場合や、図27に示す右側枠ドラムモータドライバIC21を用いる場合も同様である。
そこで本形態では、上記した問題点を解決すべく、図25に示すように、制御ラインL5aに検査用外付回路224Bが組み込まれている。検査用外付回路224B(状態切替手段)は主に、NPN型のトランジスタTR1と、トランジスタTR1のコレクタに接続されている制御ラインL6と、NPN型のトランジスタTR2と、トランジスタTR2のコレクタに接続されている制御ラインL7とを備えている。
トランジスタTR1のベースには、K−CHECK1制御信号として「L」レベルの信号又は「H」レベルの信号が入力される。K−CHECK1制御信号は、図26に示す入出力IC2の出力端子P01から出力される信号である。またトランジスタTR1のエミッタは、グランドに接続されている。そして、制御ラインL6には抵抗R3が接続されている。この制御ラインL6は、制御ラインL7と1つに結合した状態で、制御ラインL5aに接続されている。
トランジスタTR2のベースには、K−CHECK2制御信号として「L」レベルの信号又は「H」レベルの信号が入力される。K−CHECK2制御信号は、図26に示す入出力IC2の出力端子P00から出力される信号である。またトランジスタTR2のエミッタは、グランドに接続されている。そして、制御ラインL7には抵抗R4が接続されている。この制御ラインL7は、制御ラインL6と1つに結合した状態で、制御ラインL5aに接続されている。
ここで、図26に示す入出力IC2の出力端子P01から、K−CHECK1制御信号として「L」レベルの信号を出力し、且つ出力端子P00から、K−CHECK2制御信号として「L」レベルの信号を出力した場合について説明する。この場合には、図25に示すように、トランジスタTR1のベースとエミッタの間に電圧が印加されず、且つトランジスタTR2のベースとエミッタの間にも電圧が印加されない。そのため、それぞれのトランジスタTR1,TR2では、コレクタからエミッタに電流が流れない。従って、制御ラインL6に接続されている抵抗R3が機能しないと共に、制御ラインL7に接続されている抵抗R4も機能しないことになる。よって、この場合には、枠剣移動モータドライバIC1のVREFA端子及びVREFB端子に作用する電圧の大きさは、抵抗R1の抵抗値と抵抗R2の抵抗値とだけに依存する。その結果、予め設定している一定電流(本形態では230mA)をOUTA+端子,OUTA−端子,OUTB+端子,OUTB−端子から出力させることができ、枠剣移動モータ223で所望(100%)の出力トルクを発生させることが可能である。上述したように、枠剣移動モータドライバIC1から予め設定している一定電流を供給可能な状態が、「通常状態」に相当する。
次に、図26に示す入出力IC2の出力端子P01から、K−CHECK1制御信号として「L」レベルの信号を出力し、且つ出力端子P00から、K−CHECK2制御信号として「H」レベルの信号を出力した場合について説明する。この場合には、図25に示すように、トランジスタTR1のベースとエミッタの間に電圧が印加されない一方、トランジスタTR2のベースとエミッタの間に電圧が印加される。そのため、トランジスタTR1ではコレクタからエミッタに電流が流れない一方、トランジスタTR2ではコレクタからエミッタに電流が流れる。従って、制御ラインL6に接続されている抵抗R3が機能しない一方、制御ラインL7に接続されている抵抗R4が機能する。よって、この場合には、枠剣移動モータドライバIC1のVREFA端子及びVREFB端子に作用する電圧の大きさは、抵抗R1の抵抗値と抵抗R2の抵抗値だけでなく、抵抗R4の抵抗値にも依存する。本形態では、抵抗R1と抵抗R2と抵抗R4との合成抵抗値により、OUTA+端子,OUTA−端子,OUTB+端子,OUTB−端子から出力される電流が、上記した一定電流よりも15%減少するように(本形態では約196mAになるように)、抵抗R4を設けている。その結果、この場合には、枠剣移動モータ223にて所望の出力トルクよりも15%減少した出力トルクを発生させることが可能である。上述したように、枠剣移動モータドライバIC1から一定電流に対して15%減少した電流(第1の低下電流)を供給可能な状態が、「第1の低下状態」に相当する。
続いて、図26に示す入出力IC2の出力端子P01から、K−CHECK1制御信号として「H」レベルの信号を出力し、且つ出力端子P00から、K−CHECK2制御信号として「L」レベルの信号を出力した場合について説明する。この場合には、図25に示すように、トランジスタTR1のベースとエミッタの間に電圧が印加される一方、トランジスタTR2のベースとエミッタの間に電圧が印加されない。そのため、トランジスタTR1ではコレクタからエミッタに電流が流れる一方、トランジスタTR2ではコレクタからエミッタに電流が流れない。従って、制御ラインL6に接続されている抵抗R3が機能する一方、制御ラインL7に接続されている抵抗R4が機能しない。よって、この場合には、枠剣移動モータドライバIC1のVREFA端子及びVREFB端子に作用する電圧の大きさは、抵抗R1の抵抗値と抵抗R2の抵抗値だけでなく、抵抗R3の抵抗値にも依存する。本形態では、抵抗R1と抵抗R2と抵抗R3との合成抵抗値により、OUTA+端子,OUTA−端子,OUTB+端子,OUTB−端子から出力される電流が、上記した一定電流よりも20%減少するように(本形態では184mAになるように)、抵抗R3を設けている。その結果、この場合には、枠剣移動モータ223にて所望の出力トルクよりも20%減少した出力トルクを発生させることが可能である。上述したように、枠剣移動モータドライバIC1から一定電流に対して20%減少した電流(第2の低下電流)を供給可能な状態が、「第2の低下状態」に相当する。
次に、部品製造業者等が枠剣可動体221を備えるユニット(右側装飾部220)に対する動作確認の検査を行う場合について、図31に基づいて説明する。この場合には、図31に示すように、単独のユニットである右側装飾部220に対して、専用治具である検査用コントローラKCを接続する。そして、検査用コントローラKCのシリアルポートから、入出力IC2のSDA端子にシリアルデータを送信できるように設定すると共に、入出力IC2のSCL端子にクロック信号を送信できるように設定する。
その後、枠剣移動モータ223にて所望の出力トルクよりも15%減少した出力トルクを発生させる場合、図31に示す入出力IC2の出力端子P01から、K−CHECK1制御信号として「L」レベルの信号が出力され、且つ出力端子P00から、K−CHECK2制御信号として「H」レベルの信号が出力されるように、検査用コントローラKCでの設定を行う。これにより、枠剣移動モータ223にて所望の出力トルクよりも15%減少した出力トルクを発生させた状態で、枠剣可動体221が適切に動作するか否かを確認することが可能である。
また、枠剣移動モータ223にて所望の出力トルクよりも20%減少した出力トルクを発生させる場合、図31に示す入出力IC2の出力端子P01から、K−CHECK1制御信号として「H」レベルの信号が出力され、且つ出力端子P00から、K−CHECK2制御信号として「L」レベルの信号が出力されるように、検査用コントローラKCでの設定を行う。これにより、枠剣移動モータ223にて所望の出力トルクよりも20%減少した出力トルクを発生させた状態で、枠剣可動体221が適切に動作するか否かを確認することが可能である。
こうして本形態では、図25に示すように、定電流駆動方式の枠剣移動モータドライバIC1を用いても、枠右中継基板224に検査用外付回路224Bを組み込むことで、枠剣移動モータ223に対して、予め設定する一定電流よりも少ない電流を供給することが可能である。そのため、枠剣可動体221を備えるユニットに対する動作確認の検査を容易に行うことが可能である。
そして本形態では、検査用外付回路224Bが、トランジスタTR1及び抵抗R3と、トランジスタTR2及び抵抗R4の2組を備えている。そのため、枠剣移動モータ223にて発生させる出力トルクを、15%又は20%という2種類の割合にて選択して減少させることが可能である。よって、どのくらいの割合まで出力トルクを減少させても、枠剣可動体221が適切に動作するのかをより正確に判断することが可能である。
なお本形態のように、定電流駆動方式のドライバを用いる場合には、以下のメリットがある。即ち、例えば図25に示す枠剣移動モータドライバIC1においては、上述したように、OUTA+端子,OUTA−端子,OUTB+端子,OUTB−端子から出力する一定電流は、VREFA端子及びVREFB端子に作用する電圧の大きさに依存し、VREFA端子及びVREFB端子に作用する電圧の大きさは、抵抗R1及び抵抗R2の合成抵抗値に依存する。従って、枠剣移動モータ223としては1種類だけを用意して、抵抗R1及び抵抗R2を変えるだけで、枠剣移動モータ223から異なる出力トルクを発生させることが可能になる。これに対して、従来のように定電流駆動方式以外のドライバを用いる場合には、モータ(バイポーラ型のステッピングモータ)ごと変えることによって、異なる出力トルクを発生させるようにしていた。以上により、定電流駆動方式のドライバを用いることで、開発途中において出力トルクを変更したい場合に対処し易い(設計し易い)というメリットがある。
また図1に示すように、パチンコ遊技機1が全体として組み上がっている場合(遊技場に設置されている場合等)では、演出制御用マイコン91は、図25に示す入出力IC2の出力端子P01から、K−CHECK1制御信号として「L」レベルの信号が出力され、且つ出力端子P00から、K−CHECK2制御信号として「L」レベルの信号が出力されるように制御する。そのため、この場合には、図25に示すように、制御ラインL6に接続されている抵抗R3が常に機能しないと共に、制御ラインL7に接続されている抵抗R4も常に機能しない。従って、枠剣移動モータ223には予め設定している一定電流(本形態では230mA)を供給することが可能であり、枠剣移動モータ223で常に所望(100%)の出力トルクを発生させることが可能である。
上記では、枠右中継基板224に検査用外付回路224B(図25参照)が設けられている場合の作用効果について説明したが、枠上中継基板310に検査用外付回路310A,320A(状態切替手段,図27参照)が設けられている場合の作用効果も同様である。即ち、左側枠ドラム及び右側枠ドラム320Rを備えるユニット(可動体ユニット201)に対して動作確認を行う場合、可動体ユニット201に対して専用治具である検査用コントローラを接続する。そして、検査用コントローラにて、左側枠ドラム回転モータ321Lに供給する電流が15%又は20%減少するように設定すると共に、右側枠ドラム回転モータ321Rに供給する電流が15%又は20%減少するように設定する。これにより、左側枠ドラム又は右側枠ドラム320Rを、所望の出力トルクよりも15%又は20%減少させた状態で駆動させることが可能であり、動作確認の検査を容易に行うことが可能である。
なお本形態では、枠剣移動モータ223で発生させる所望(100%)の出力トルクを、約108mN・mに設定している。そしてこの出力トルクを発生させるために枠剣移動モータドライバIC1が供給する一定電流を、上述したように230mAに設定している。また、左側枠ドラム回転モータ321L及び右側枠ドラム回転モータ321Rで発生させる所望(100%)の出力トルクを、約1200gf・cmに設定している。そしてこの出力トルクを発生させるために左側枠ドラムモータドライバIC11及び右側枠ドラムモータドライバIC21が供給する一定電流を、200mAに設定している。但し上記した出力トルクの値及び一定電流の値は、あくまで本形態の一例として示すものであって、可動部材の大きさや移動速度等に応じて適宜変更可能である。
なお上記では、枠右中継基板224に設けられている検査用外付回路224B、枠上中継基板310に設けられている検査用外付回路310A,320Aについて説明した。しかしながら本形態では、枠顔移動モータ311、枠耳移動モータ520、枠顎移動モータ610、盤可動体移動モータ15aの駆動を制御する制御基板にも、上記した検査用外付回路224B,310A,320Aと同様に、検査用外付回路が組み込まれている。従って、枠顔可動体400、枠耳可動体500、枠顎可動体600、盤可動体15を備えるユニットの動作確認の検査を行う場合、上記した各モータの出力トルクを15%又は20%減少させることが可能である。よって、動作確認の検査を容易に行うことが可能である。
ここで本形態の定電流駆動方式のドライバ(例えば枠剣移動モータドライバIC1)は、一定電流を供給可能に構成されていると共に、一定電流よりも小さい低下電流を供給可能に構成されている。具体的に、図25に示す枠剣移動モータドライバIC1を例にすると、PHASEA端子に「H」レベルの信号を入力し、PHASEB端子に「H」レベルの信号を入力し、INA1端子に「H」レベルの信号を入力し、INA2端子に「H」レベルの信号を入力し、INB1端子に「H」レベルの信号を入力し、INB2端子に「H」レベルの信号を入力する場合には、予め設定している一定電流(本形態では230mA)を供給可能に構成されている。言い換えれば、演出制御用マイコン91が、図26に示す入出力IC2から、「H」レベルのPHASEA制御信号と、「H」レベルのPHASEB制御信号と、「H」レベルのINA1制御信号と、「H」レベルのINA2制御信号と、「H」レベルのINB1制御信号と、「H」レベルのINB2制御信号とを出力するように制御すると、100%の電流としての一定電流を供給することが可能である。
これに対して、枠剣移動モータドライバIC1は、PHASEA端子に「H」レベルの信号を入力し、PHASEB端子に「H」レベルの信号を入力し、INA1端子に「H」レベルの信号を入力し、INA2端子に「L」レベルの信号を入力し、INB1端子に「H」レベルの信号を入力し、INB2端子に「L」レベルの信号を入力する場合には、上記した一定電流(本形態では230mA)に対する71%の大きさの電流を供給可能に構成されている。言い換えれば、演出制御用マイコン91が、図26に示す入出力IC2から、「H」レベルのPHASEA制御信号と、「H」レベルのPHASEB制御信号と、「H」レベルのINA1制御信号と、「L」レベルのINA2制御信号と、「H」レベルのINB1制御信号と、「L」レベルのINB2制御信号とを出力するように制御すると、一定電流よりも29%(所定割合)だけ小さい低下電流を供給することが可能である。
また、枠剣移動モータドライバIC1は、PHASEA端子に「H」レベルの信号を入力し、PHASEB端子に「H」レベルの信号を入力し、INA1端子に「L」レベルの信号を入力し、INA2端子に「H」レベルの信号を入力し、INB1端子に「L」レベルの信号を入力し、INB2端子に「H」レベルの信号を入力する場合には、上記した一定電流(本形態では230mA)に対する38%の大きさの電流を供給可能に構成されている。言い換えれば、演出制御用マイコン91が、図26に示す入出力IC2から、「H」レベルのPHASEA制御信号と、「H」レベルのPHASEB制御信号と、「L」レベルのINA1制御信号と、「H」レベルのINA2制御信号と、「L」レベルのINB1制御信号と、「H」レベルのINB2制御信号とを出力するように制御すると、一定電流よりも62%(所定割合)だけ小さい低下電流を供給することが可能である。
なお、枠剣移動モータドライバIC1は、PHASEA端子又はPHASEB端子に入力する信号のレベルに拘わらず、INA1端子に「L」レベルの信号を入力し、INA2端子に「L」レベルの信号を入力し、INB1端子に「L」レベルの信号を入力し、INB2端子に「L」レベルの信号を入力する場合には、電流を供給しないように構成されている。
上記では、枠剣移動モータドライバIC1が、一定電流又は一定電流よりも所定割合(29%又は62%)だけ小さい低下電流を供給できる機能について説明したが、左側枠ドラムモータドライバIC11,右側枠ドラムモータドライバIC21,枠剣円盤部材回転モータドライバIC31,枠顔移動モータ311の駆動を制御するドライバ,枠耳移動モータ520の駆動を制御するドライバ,盤可動体移動モータ15aの駆動を制御するドライバも、同様の機能を備えている。
次に、本形態の可動部材の停止を保持させる場合について説明する。ここでは先ず、枠顔可動体400を例にして説明する。枠顔可動体400は、待機位置にあるときには略水平状態になっていて(図9参照)、比較的安定した状態である。そのため、待機位置にある枠顔可動体400では、停止の保持が厳密に要求されない。従って、枠顔可動体400が待機位置にあるときには、枠顔可動体400の駆動を制御するドライバは、枠顔移動モータ311に電流を供給しないことで、消費電流を抑えるようにしている。なお、枠顔移動モータ311に電流が全く供給されなくても、ステッピングモータである枠顔移動モータ311は、元々ある程度の保持力を備えるため、待機位置にある枠顔可動体400の停止を保持することができる。
これに対して、枠顔可動体400は、動作位置にあるときには前方に向かって斜め上方に延びる傾斜状態になっていて(図14参照)、遊技者から視認できると共に、遊技者の上方にて不安定な状態になる。そのため、動作位置にある枠顔可動体400では、停止の保持が厳密に要求される。特に枠顔可動体400は比較的大きく且つ重量が大きいものであるため、ステッピングモータの機能として元々備える保持力だけでは、動作位置にある枠顔可動体400を確実に保持できないおそれがある。そこで、枠顔可動体400の駆動を制御するドライバは、枠顔移動モータ311に電流を供給して、枠顔移動モータ311に停止励磁を生じさせるようにしている。つまり、枠顔移動モータ311は、供給される電流に基づいて、動作位置にある枠顔可動体400の停止を保持させるための磁界(停止励磁)を発生させる。その結果、枠顔可動体400は、動作位置にて停止保持力を付与されることにより、停止した状態を確実に維持することが可能である。
本形態では、枠顔移動モータ311等の各ステッピングモータが停止励磁を発生させる場合の励磁方式として2相励磁を用いている。2相励磁は、上述したように、パルスを付与する次の相に対して1パルス分だけずらしながら、2相ずつ同時に励磁する方式である(図24(A)参照)。2相励磁による停止励磁であれば、例えば1相励磁による停止励磁(図24(B)参照)に比べて、停止保持力を大きくすることが可能であり、停止した状態をより安定させることが可能である。
ここで、可動部材(枠顔可動体400)の停止を保持する際に、ドライバがモータ(枠顔移動モータ311)に供給する電流の大きさが問題になる。ドライバがモータに供給する電流が大きいと、可動部材の停止を保持する停止保持力を大きくすることが可能であるが、消費電流が大きくなってしまう。一方、ドライバがモータに供給する電流が小さいと、消費電流を抑えることが可能であるものの、可動部材の停止を保持する停止保持力が小さくなってしまう。
そこで本形態では、動作位置にある枠顔可動体400を停止させる場合には、枠顔移動モータ311の駆動を制御するドライバが、枠顔移動モータ311に対して、予め設定される一定電流(本形態では245mA)の71%の大きさの電流を供給するようにしている。これにより、一定電流(枠顔可動体400を駆動させる際の駆動電流)を供給する場合に比べて消費電流を抑えながら、不安定且つ重量が大きい枠顔可動体400に対して十分な停止保持力を付与することが可能である。
以上、枠顔可動体400の停止を保持する場合について説明したが、その他の可動部材の停止を保持させる場合は、図32に示す通りである。図32において、「無電流状態」とは、可動部材の駆動を制御するドライバが、可動部材を駆動させるモータに電流を供給しないことに基づいて可動部材に停止保持力を付与しない状態を意味する。「保持状態(71%)」とは、可動部材の駆動を制御するドライバが、可動部材を駆動させるモータに一定電流の71%の大きさの電流を供給することに基づいて可動部材に停止保持力を付与する状態を意味する。
図32に示すように、枠剣可動体221が待機位置にあるときには、上述したように無電流状態に制御され、枠剣可動体221が動作位置にあるときには、上述したように保持状態(71%)に制御される。また枠ドラム320が停止位置にあるとき、即ち枠ドラム320の上側部分320Uと下側部分320Dとが特定のモチーフを形成するように停止しているときには(図18,図19参照)、低電流保持状態に制御される。低電流保持状態については後に詳しく説明する。
枠剣可動体221は、収納位置にあるときには図16(A)に示すように、最も下方に配されていて、鞘部材222に収納されている。従って、収納位置にある枠剣可動体221は、比較的安定した状態になっていて、停止の保持が厳密に要求されない。そこで図32に示すように、枠剣可動体221が収納位置にあるときには、無電流状態且つ非導通状態に制御される。非導通状態とは、上述したように電流遮断回路224A(図25参照)により、制御ラインL1,L2及び制御ラインL3,L4が非導通状態になっている状態を意味する。非導通状態により、枠剣移動モータ223に逆起電力が生じても、その逆起電力を枠剣移動モータドライバIC1に作用させないことが可能である。
一方、枠剣可動体221は、押込位置にあるときには図16(B)に示すように、最も上方に配されていて、押込位置にある枠剣可動体221が降下しないように保持する必要がある。そこで図32に示すように、枠剣可動体221が押込位置にあるときには、保持状態(71%)に制御される。これにより、消費電流を抑えつつ、枠剣可動体221に対して十分な停止保持力を付与することが可能である。
ここで本形態では、押込位置にある枠剣可動体221を下方へ押込操作するように促す枠剣操作促進演出(図63参照)を実行する場合、遊技者による押込操作で枠剣可動体221が押込位置から収納位置へ移動し得る。このとき仮に枠剣移動モータ223による停止励磁によって、枠剣可動体221に停止保持力が付与されたままであると、遊技者が押込操作し難くなる。一方、仮に遊技者による押込操作が行われる前に、枠剣移動モータ223による停止励磁が解除されると、押込位置にある枠剣可動体221が降下しかねない。
そこで本形態では、遊技者が露出位置にある枠剣可動体221に対して押込操作する場合、押込位置検出センサ227による検出がある間では、枠剣移動モータ223による停止励磁によって、枠剣可動体221に停止保持力を付与する。即ち、枠剣可動体221が図16(B)に示す押込位置から図16(C)に示す押込途中位置へ下降するまで、保持状態に制御する。これにより、遊技者は停止保持力に抗して枠剣可動体221を押込操作することになる。
そして、押込位置検出センサ227による検出がなくなると、枠剣移動モータ223による停止励磁を解除することによって、枠剣可動体221への停止保持力が解除される。即ち、枠剣可動体221が図16(C)に示す押込途中位置を通過すると、無電流状態に制御する。これにより、消費電流を抑えると共に、遊技者は停止保持力を感じない状態で枠剣可動体221を図16(A)に示す収納位置へスムーズに押込操作することができる。
こうして本形態では、遊技者に押込位置にある枠剣可動体221を少し押込ませた後で抵抗力(停止保持力)を解除する。これにより、押込位置にある枠剣可動体221の停止の保持と、枠剣可動体221に対する操作性の両立を図ることが可能である。更に、遊技者には枠剣可動体221の移動し始めに少し押込み難くさせて、その後に枠剣可動体221を収納位置までスムーズに押込むことができるという新たな操作感を与えることが可能である。加えて、枠剣可動体221が収納位置に移動する前から無電流状態にすることで、消費電流の削減効果を少しでも高めることが可能である。
図32の説明に戻る。枠耳可動体500は、退避位置にあるときには(図12(A)参照)、枠顔可動体400の中に隠れている。このときには、枠顔可動体400は待機位置(図1参照)から動作位置(図14参照)に移動できるようになっている。つまり、仮に枠耳可動体500が揺動によって露出可能位置にあると(図12(B)参照)、枠顔可動体400が待機位置から動作位置へ移動できないようになっている。こうして枠顔可動体400が確実に移動できるように、退避位置にある枠耳可動体500では、停止の保持が厳密に要求される。そこで図32に示すように、枠耳可動体500が退避位置にあるときには、保持状態(71%)に制御される。これにより、消費電流を抑えつつ、枠耳可動体500に対して十分な停止保持力を付与することが可能である。
一方、枠耳可動体500は、露出位置にあるときには図14に示すように、枠顔可動体400よりも上方に突出して露出する。しかしながら、枠耳可動体500は比較的小さいものであるため、ステッピングモータである枠耳移動モータ520が元々備える保持力だけで十分保持できる。そこで図32に示すように、枠耳可動体500が露出位置にあるときには、無電流状態に制御される。これにより、保持状態にする場合よりも消費電流の削減効果を高めることが可能である。
枠顎可動体600は、図13(A)に示す閉鎖位置と図13(B)に示す開放位置との間で僅かに傾動するものであり、周りの可動部材の動作に影響を与えない。よって、枠顎可動体600が閉鎖位置又は開放位置の何れにあっても、停止の保持が厳密に要求されない。よって図32に示すように、枠顎可動体600が閉鎖位置又は開放位置にあるときには、無電流状態に制御される。これにより、保持状態にする場合よりも消費電流の削減効果を高めることが可能である。
枠剣円盤部材232は、通常位置にあるとき(図16(A)参照)、即ち回転していないときには、枠剣円盤部材232に施された所定の装飾部分232aが視認できるようになっている。この枠剣円盤部材232は、周りの可動部材の動作に影響を与えるものではなく、基本的には停止の保持が厳密に要求されない。よって図32に示すように、枠剣円盤部材232が通常位置にあるときには、無電流状態に制御される。これにより、保持状態にする場合よりも消費電流の削減効果を高めることが可能である。
ここで本形態では、演出ボタン63への操作を促す演出として、演出ボタン63が振動し得るようになっている。この演出ボタン63は前枠53(操作機構部230)に取付けられていて、枠剣円盤部材232も前枠53(右側装飾部220)に取付けられている。そのため、演出ボタン63が振動すると、その振動が前枠53を介して枠剣円盤部材232に伝わって、枠剣円盤部材232が僅かに回転するおそれがある。そうなると、枠剣円盤部材232に施されている装飾部分232aの向きが変わってしまい、遊技者に誤った印象を与えかねない。
そこで本形態では、演出ボタン63(他の可動部材)の振動中に限って、枠剣円盤部材232において無電流状態から保持状態(71%)に切替える。これにより、演出ボタン63の振動に伴って枠剣円盤部材232が回転するのを防ぐことができて、枠剣円盤部材232に施されている装飾部分232aの向きが変わるのを防ぐことが可能である。なお演出ボタン63の振動が終了すると、枠剣円盤部材232において保持状態(71%)から無電流状態に切替える。これにより、保持状態にする場合よりも消費電流の削減効果を高めることが可能である。
盤可動体15は、原点位置にあるときには(図4及び図5参照)、遊技者からほとんど視認できないようになっていて、停止の保持が厳密に要求されない。よって図32に示すように、盤可動体15が原点位置にあるときには、無電流状態に制御される。これにより、保持状態にする場合よりも消費電流の削減効果を高めることが可能である。一方、盤可動体15は、駆動位置にあるときには、第1画像表示装置6の表示画面6aの中央の前方に現われるようになっている。このとき、駆動位置にある盤可動体15が万一動いてしまうと、遊技盤2に設けられている電気機器(ソレノイドやセンサ)に干渉して、遊技の進行に影響が出るおそれがある。そこで図32に示すように、盤可動体15が駆動位置にあるときには、保持状態(71%)に制御される。これにより、消費電流を抑えつつ、盤可動体15に対して十分な停止保持力を付与することが可能である。
ところで本形態では、多くの可動部材や発光部材が設けられているため、電源基板150によって供給可能な電流の上限値(ピーク電流)を超えるおそれがあると共に、電源基板150によって定まる許容損失を超えるおそれがある。なお許容損失とは、電源基板150の性能を維持できる温度を超えない最大の消費電力のことである。本形態のパチンコ遊技機1では、枠剣可動体221や枠ドラム320のような大きな枠可動部材を駆動させるため、電源基板150による性能を超える状況が生じ易い。従って、モータ等に供給する電流を少しでも小さくする必要があり、可動部材の停止を保持する場合でも、モータでの消費電流をできるだけ抑えることが望まれる。
ここで、枠ドラム320が停止位置にあるときには(図18,図19参照)、上側部分320Uと下側部分320Dとによって特定のモチーフが形成され得るため、停止の保持が要求される。従って、左側枠ドラムモータドライバIC11と右側枠ドラムモータドライバIC21が、それぞれ左側枠ドラム回転モータ321Lと右側枠ドラム回転モータ321Rに、予め定められる一定電流(本形態では200mA)の71%又は38%の大きさの電流(低下電流)を供給して、枠ドラム320の停止を保持することが考えられる。しかしながら仮に、枠ドラム320において、一定電流の38%の電流を供給する保持状態に制御しても、上述したピーク電流又は許容損失を超えるおそれがあった。
従って、左側枠ドラムモータドライバIC11と右側枠ドラムモータドライバIC21が、一定電流の38%の電流よりも更に小さい電流を供給することが望まれる。しかしながら、左側枠ドラムモータドライバIC11と右側枠ドラムモータドライバIC21が定電流駆動方式のドライバである以上、ドライバ自体の機能として一定電流の38%の電流よりも更に小さい電流を供給することができないという問題点があった。
そこで本形態では上記した問題点に対処すべく、図27に示すように、左側枠ドラムモータドライバIC11の周りに電流低下外付回路310B(電流低下手段)が設けられ、右側枠ドラムモータドライバIC21の周りに電流低下外付回路320B(電流低下手段)が設けられている。電流低下外付回路310Bは、左側枠ドラムモータドライバIC11が一定電流(本形態では200mA)の38%の大きさの電流よりも、更に小さい電流(超低下電流)を供給可能にするものである。また電流低下外付回路320Bは、右側枠ドラムモータドライバIC21が一定電流(本形態では200mA)の38%の大きさの電流よりも、更に小さい電流(超低下電流)を供給可能にするものである。電流低下外付回路310Bと電流低下外付回路320Bの構成は同じであるため、以下では図29に示す電流低下外付回路310Bを代表して説明する。
図29に示すように、電流低下外付回路310Bは主に、NPN型のトランジスタTR3と、トランジスタTR3のコレクタに接続されている制御ラインL16と、トランジスタTR3のベースに接続されている制御ラインL17と、制御ラインL17に接続されているインバータ素子INV2とを備えている。制御ラインL16には抵抗R15が接続されている。制御ラインL16のうち図29に示す上端が、制御ラインL15に接続されていて、制御ラインL16のうち図29に示す下端が、グランドに接続されている。
制御ラインL17は、入出力IC12の出力端子P15と、左側枠ドラムモータドライバIC11のINA1端子とをつなぐ制御ラインL18から分岐した制御ラインである。入出力IC12の出力端子P15から、INA1制御信号として「L」レベルの制御信号が出力されると、その制御信号はインバータ素子INV2によって「H」レベルに変換される。一方、入出力IC12の出力端子P15から、INA1制御信号として「H」レベルの制御信号が出力されると、その制御信号はインバータ素子INV2によって「L」レベルに変換される。こうして変換された制御信号が、トランジスタTR3のベースに入力される。
ここで、左側枠ドラムモータドライバIC11の機能として、一定電流(本形態では200mA)を供給するように制御した場合について説明する。この場合には上述したように、演出制御用マイコン91が、入出力IC2から、「H」レベルのPHASEA制御信号と、「H」レベルのPHASEB制御信号と、「H」レベルのINA1制御信号と、「H」レベルのINA2制御信号と、「H」レベルのINB1制御信号と、「H」レベルのINB2制御信号とを出力するように制御する。このとき制御ラインL17にて、「H」レベルのINA1制御信号は、インバータ素子INV2によって「L」レベルに変換される。従って、トランジスタTR3のベースとエミッタ間に電圧が印加されない。そのため、トランジスタTR3ではコレクタからエミッタに電流が流れず、制御ラインL16に接続されている抵抗R15が機能しない。
よって、この場合には、左側枠ドラムモータドライバIC11のVREFA端子及びVREFB端子に作用する電圧の大きさは、抵抗R11の抵抗値と抵抗R12の抵抗値だけに依存する。その結果、抵抗R11と抵抗R12との合成抵抗値により、OUTA+端子,OUTA−端子,OUTB+端子,OUTB−端子から出力される電流が、一定電流(本形態では200mA)になる。こうして、一定電流が左側枠ドラム回転モータ321Lに供給されることで、左側枠ドラム回転モータ321Lは左側枠ドラムを回転させることが可能である。
これに対して、左側枠ドラムモータドライバIC11の機能として、一定電流の38%の大きさの電流を供給するように制御した場合について説明する。この場合には上述したように、演出制御用マイコン91が、入出力IC2から、「H」レベルのPHASEA制御信号と、「H」レベルのPHASEB制御信号と、「L」レベルのINA1制御信号と、「H」レベルのINA2制御信号と、「L」レベルのINB1制御信号と、「H」レベルのINB2制御信号とを出力するように制御する。このとき制御ラインL17にて、「L」レベルのINA1制御信号は、インバータ素子INV2によって「H」レベルに変換される。従って、トランジスタTR3のベースとエミッタ間に電圧が印加される。そのため、トランジスタTR3ではコレクタからエミッタに電流が流れて、制御ラインL16に接続されている抵抗R15が機能する。
よって、この場合には、左側枠ドラムモータドライバIC11のVREFA端子及びVREFB端子に作用する電圧の大きさは、抵抗R11の抵抗値と抵抗R12の抵抗値だけでなく、抵抗R15の抵抗値にも依存する。その結果、抵抗R11と抵抗R12と抵抗R15との合成抵抗値により、OUTA+端子,OUTA−端子,OUTB+端子,OUTB−端子から出力される電流が、一定電流の38%の大きさの電流(76mA)よりも更に小さくなる。具体的には、一定電流の20%の大きさの電流(40mA)が左側枠ドラム回転モータ321Lに供給されることになる。
こうして本形態では、演出制御用マイコン91が、左側枠ドラムモータドライバIC11から一定電流の38%の大きさの電流を供給するように制御すると、自動的に抵抗R15が機能する。これにより、左側枠ドラムモータドライバIC11が一定電流の38%の大きさよりも更に小さい超低下電流(40mA)を供給することが可能である。よって、この超低下電流に基づいて左側枠ドラムモータが、停止励磁を発生させることで、左側枠ドラムに停止保持力を付与することが可能である。その結果、一定電流の38%の大きさの電流(76mA)に基づいて停止励磁を発生させる場合に比べて、消費電流を一層抑えることが可能である。
本形態の枠ドラム320では、上側部分320Uと下側部分320Dが水平方向に回転するものであって、停止しているときに比較的安定した状態である(図18,図19参照)。従って、停止している(通常位置にある)枠ドラム320に対して、大きな停止保持力を付与する必要がない。よって本形態では、超低下電流(40mA)という小さい電流に基づく停止保持力であっても、枠ドラム320の停止を十分に保持することが可能である。
また本形態では、上述したように、演出制御用マイコン91が、左側枠ドラムモータドライバIC11から一定電流の38%の大きさの電流を供給するように制御することで、自動的に左側枠ドラムモータドライバIC11から一定電流の38%の大きさの電流よりも更に小さい電流(超低下電流)が供給されるようにした。即ち、電流低下外付回路310Bが、制御ラインL18から分岐する制御ラインL17でのINA1制御信号を入力することで、左側枠ドラムモータドライバIC11が超低下電流を供給できるように構成されている。こうして、入出力IC12(制御信号出力部)から出力されるINA1制御信号をそのまま利用することで、入出力IC12から出力させる信号を新たに増やす必要がない。つまり、ソフト的な変更を行う必要がない。こうして図29に示すように、左側枠ドラムモータドライバIC11の周りに電流低下外付回路310Bを組み込むだけの変更により、上述した超低下電流(40mA)を左側枠ドラムモータドライバIC11から供給させることが可能である。以上、仮にソフト的な変更を行う場合には、設計変更によるコスト及び労力が大きいところ、本形態ではハード的な変更だけで、超低下電流を供給可能な構成を簡易に実現することができる。
上記では、左側枠ドラムモータドライバIC11が一定電流(200mA)又は超低下電流(40mA)を供給する場合について説明したが、右側枠ドラムモータドライバが一定電流(200mA)又は超低下電流(40mA)を供給する場合も同様である。なお、左側枠ドラムモータドライバIC11及び右側枠ドラムモータドライバIC21が一定電流(駆動電流)を供給することに基づいて、枠ドラム回転モータ321が枠ドラム320に駆動力を付与する状態が「駆動状態」に相当する。一方、左側枠ドラムモータドライバIC11及び右側枠ドラムモータドライバIC21が超低下電流を供給することに基づいて、枠ドラム回転モータ321が枠ドラム320に停止保持力を付与する状態が「低電流保持状態」に相当する。
5.電源基板及び各駆動部材の同時駆動の説明
次に、電源基板150、及び各駆動部材の同時駆動について説明する。電源基板150では、外部から供給される24Vの交流電源から様々な電圧の電源(電力)を作り出している。具体的に、電源基板150は、24V交流電源から整流回路と平滑回路とDC−DCコンバータ等を用いてDC37Vの電源を生成する。更に、DC37Vの電源の一部から、DC12Vの電源、DC5Vの電源、DC18Vの電源、DC24Vの電源を生成するようになっている。
DC12Vの電源は、メイン制御部(主制御基板80,払出制御基板110)の電源や、遊技の進行に関与する各種センサ及び各種ソレノイドの電源として使用される。このDC12Vの電源は、ピーク電流が3Aを超えない範囲で、メイン制御部や、遊技の進行に関与する各種センサ及び各種ソレノイドに供給される。またDC12Vの電源は、演出用の駆動手段(本形態では演出ボタン振動モータ63b,盤可動体移動モータ15a等)の電源としても使用される。このDC12Vの電源は、ピーク電流が11Aを超えない範囲で、演出用の駆動手段に供給される。
DC5Vの電源は、各種の集積回路(IC)の電源として使用される。このDC5Vの電源は、ピーク電流が3Aを超えない範囲で、各種の集積回路に供給される。DC18Vの電源は、各種LED(本形態では枠ランプ66,盤ランプ5,顔用LED401,ドラム用LED331等)の電源として使用される。そしてDC18Vの電源は、ピーク電流が5Aを超えない範囲で、各種LEDに供給される。
DC24Vの電源は、演出用の駆動手段(本形態では枠顔移動モータ311,枠耳移動モータ520,枠顎移動モータ610,枠ドラム回転モータ321)の電源として使用される。このDC24Vの電源は、ピーク電流が5Aを超えない範囲で、演出用の駆動手段に供給される。DC37Vの電源は、演出用の駆動手段(本形態では枠剣移動モータ223,枠剣円盤部材回転モータ231)に供給される。このDC37Vの電源は、ピーク電流が11Aを超えない範囲で、演出用の駆動手段に供給される。
以上により、各種電源に対応するピーク電流が、それぞれの基準値(3A,11A,5A)を超えないように、各種駆動部材の駆動が設計される。ここでDC37Vの電源は、その他の各種電源を生成するための起源になる電源である。従って、従来のパチンコ遊技機に対して新たな駆動部材が追加されたときに、DC37Vの電源でのピーク電流には、必ず影響が出る。従って、DC37Vの電源においてピーク電流が11A(所定の基準値、電流基準値)を超えないことが設計上、重要である。更に上述したように、電源基板150の性能を維持できる温度を超えないように、許容損失も考慮する必要がある。本形態では各種の駆動部材が同時に駆動しても、許容損失が280W(所定の基準値、許容損失基準値)を超えないことが重要である。
ここで、本形態のパチンコ遊技機1では、枠顔可動体400、枠ドラム320、枠剣可動体221のような大きな駆動部材が複数設けられている。そのため、各駆動部材が同時に駆動すると、DC37Vの電源でのピーク電流が11Aを超え易く、且つ許容損失が280Wを超え易い。特に、枠剣移動モータ223の駆動によって枠剣可動体221が移動する場合には、それだけで1A以上の消費電流になる。よって、DC37Vの電源でのピーク電流が11Aを超えず、且つ許容損失が280Wを超えない範囲で、各駆動部材を如何に同時に駆動させるかが問題となる。
従来では一般的に、同時に駆動させることができない各駆動部材の組合せをリストアップする。つまり、同時に駆動させることができる各駆動部材の組合せを予め把握しておく。そして同時に駆動させることができる各駆動部材の組合せの中から各駆動部材が駆動するように、変動演出パターンを作成する。その後、演出の動作チェック(バグチェック)によって、同時に駆動させることができない各駆動部材が、実際に駆動していないか否かを確認するようになっている。
しかしながら、人(設計者)が作り込む変動演出パターンによって、同時駆動が禁止されている各駆動部材を実際に駆動させないようにすることは、非常に煩雑な方法であった。つまり本形態のパチンコ遊技機1のように、駆動部材の数が非常に多いと、設計上、同時駆動が禁止されている駆動部材の組合せが人為的ミスによって少なからず生じてしまう。そのため、演出の動作チェック(バグチェック)によって、禁止されている同時駆動を行う変動演出パターンを見つける作業を行うことになるが、この作業の負担が非常に大きかった。
そこで本形態では、パチンコ遊技機1の演出制御用マイコン91による制御によって、同時駆動が禁止されている各駆動部材を駆動させないようにしている。具体的には、演出制御用マイコン91のROM93(パターン記憶手段)に、図33に示す同時駆動判定テーブルが記憶されている。なお図33に示す同時駆動判定テーブルには、ピーク電流の値及び許容損失の値が示されている。これらの値は説明を分かり易くするために示したものであって、これらの値がROM93に実際に記憶されているわけではない。
図33に示す同時駆動判定テーブルは、各駆動手段(枠剣移動モータ223、枠剣円盤部材回転モータ231、枠顔移動モータ311、枠耳移動モータ520、枠顎移動モータ610、枠ドラム回転モータ321、演出ボタン振動モータ63b、盤可動体移動モータ15a、枠用LED66a)の駆動電流に基づいて、作成されたものである。図33に示す○は、同時駆動が可能であることを示し、図33に示す×は同時駆動が不能であることを示している。
図33に示すように、枠顔可動体400(所定の駆動部材)が移動する場合が、駆動パターン1である。駆動パターン1であれば、枠顔移動モータ311と、枠耳移動モータ520と、枠顎移動モータ610と、枠ドラム回転モータ321と、演出ボタン振動モータ63bと、枠用LED66aとが同時に駆動できる。なお、枠顔移動モータ(駆動の場合)が○とは、枠顔可動体400が待機位置から動作位置へ移動する場合に枠顔移動モータ311が同時駆動できることを意味していて、枠顔移動モータ(復帰の場合)が○とは、枠顔可動体400が動作位置から待機位置へ移動する場合に枠顔移動モータ311が同時駆動できることを意味している。
こうして駆動パターン1により、枠顔可動体400は、枠耳可動体500と枠顎可動体600と枠ドラム320と演出ボタン63と枠ランプ66のうち何れが駆動していても、同時に駆動できる。その一方で、枠顔可動体400は、枠剣可動体221と枠剣円盤部材232と盤可動体15の何れかが駆動していると、同時に駆動できない。なお駆動パターン1では、○で示した各駆動手段が全て同時に駆動していても、DC37Vの電源でのピーク電流が9.7Aであって、電源基板150での許容損失が264Wである。そのため、電源基板150による性能を超えてない。
なお本形態において、同時に駆動している(同時駆動)とは、2以上の各駆動部材が同時に駆動し始める状況だけでなく、或る駆動部材の駆動中に別の駆動部材が駆動し始める状況も含まれる。例えば、枠ドラム320が既に回転しているときに、待機位置にある枠顔可動体400が動作位置へ移動し始める場合でも、枠ドラム320と枠顔可動体400が同時に駆動していることになる。要するに、2以上の駆動部材が同時に駆動しているとは、或るタイミングにおいて、対応する2以上の駆動手段が共に駆動していることを意味する。
図33に示すように、枠ドラム320(所定の駆動部材)が回転する場合が、駆動パターン2又は駆動パターン3である。駆動パターン2であれば、枠剣円盤部材回転モータ231と、枠顔可動体400を待機位置の方へ移動させる場合の枠顔移動モータ311と、枠ドラム回転モータ321と、演出ボタン振動モータ63bとが同時に駆動できる。こうして駆動パターン2により、枠ドラム320は、枠剣円盤部材232と待機位置の方へ向かう枠顔可動体400と演出ボタン63のうち何れが駆動していても、同時に駆動することができる。その一方で、枠ドラム320は、枠剣可動体221と動作位置の方へ向かう枠顔可動体400と枠耳可動体500と枠顎可動体600と盤可動体15の何れかが駆動していると、同時に駆動できない。なお駆動パターン2では、枠顔可動体400が待機位置へ復帰している途中に○で示した各駆動手段(枠用LED66aを除く)が同時に駆動していても、DC37Vの電源でのピーク電流が9.3Aであって、電源基板150での許容損失が247Wである。また枠顔可動体400が停止しているときに○で示した各駆動手段が同時に駆動していても、DC37Vの電源でのピーク電流が9.4Aであって、電源基板150での許容損失が251Wである。そのため、何れも電源基板150による性能を超えてない。
駆動パターン3であれば、枠顔可動体400を待機位置の方へ移動させる場合の枠顔移動モータ311と、枠ドラム回転モータ321と、盤可動体移動モータ15aとが同時に駆動できる。こうして駆動パターン3により、枠ドラム320は、待機位置の方へ向かう枠顔可動体400と盤可動体15の何れが駆動していても、同時に駆動することができる。その一方で、枠ドラム320は、枠剣可動体221と枠剣円盤部材232と動作位置の方へ向かう枠顔可動体400と枠耳可動体500と枠顎可動体600と演出ボタン63の何れかが駆動していると、同時に駆動できない。なお駆動パターン3では、枠顔可動体400が待機位置へ復帰している途中に○で示した各駆動手段(枠用LED66aを除く)が同時に駆動していても、DC37Vの電源でのピーク電流が9.9Aであって、電源基板150での許容損失が271Wである。また枠顔可動体400が停止しているときに○で示した各駆動手段が同時に駆動していても、DC37Vの電源でのピーク電流が10Aであって、電源基板150での許容損失が273Wである。そのため、何れも電源基板150による性能を超えてない。
ここで、駆動パターン2又は駆動パターン3における枠用LED66a(枠ランプ66)の駆動について説明する。駆動パターン2又は駆動パターン3では、枠顔可動体400が待機位置へ復帰している途中において、枠用LED66aを全消灯させることを条件に、枠ドラム回転モータ321を同時駆動させることが可能になる。つまり、枠ランプ66が点灯しているときに、枠ドラム320を回転させる状況が生じたとする。この場合、枠用LED66aを全消灯させることを条件に、枠ドラム回転モータ321を同時駆動できるか否かを判定する。同時駆動できると判定すれば、枠用LED66aを点灯から全消灯に切替えて、枠ドラム320の回転を実行する。一方、同時駆動できないと判定すれば、枠用LED66aの点灯を維持しつつ、枠ドラム320の回転を実行しない。このように制御するのは、以下の理由に基づく。
枠顔可動体400が待機位置へ復帰している途中で、枠ランプ66が点灯したまま、枠ドラム320が回転すると、電源基板150による性能を超えるおそれがある。ここで、枠ランプ66は、主に発光態様が変わるだけであり、遊技者が意識する駆動部材(演出部材)として重要度が低いものである。これに対して、枠ドラム320は、遊技者へ特典に係わる情報(「V」の文字や「激アツ」の文字)を示すため、遊技者が意識する駆動部材として重要度が高いものである。よって本形態では、枠ランプ66(特定発光手段)の点灯よりも、枠ドラム320(特定の駆動部材)の回転を優先するために、枠用LED66aを点灯から全消灯に切替えて、枠ドラム320の回転を実行し得るようにしている。こうして、電源基板150による性能を超えずに、重要度が高い方の駆動部材(枠ドラム320)を駆動させることが可能である。
なお駆動パターン2又は駆動パターン3において、枠ランプ66は、枠顔可動体400が停止していれば、枠ドラム320と共に同時駆動することができる。つまり、枠顔可動体400が停止していれば、枠用LED66aを消灯させなくても、枠ドラム回転モータ321は、○で示す駆動手段と共に同時駆動できるようになっている。
また図33に示すように、枠剣可動体221(所定の駆動部材)が収納位置から押込位置へ移動する場合が、駆動パターン4である。駆動パターン4であれば、枠剣移動モータ223と、枠剣円盤部材回転モータ231と、枠用LED66aとが同時に駆動できる。こうして駆動パターン4により、押込位置へ移動する枠剣可動体221は、枠剣円盤部材232と枠ランプ66のうち何れが駆動していても、同時に駆動することができる。その一方で、押込位置へ移動する枠剣可動体221は、動作位置又は待機位置の方へ向かう枠顔可動体400と枠耳可動体500と枠顎可動体600と枠ドラム320と演出ボタン63と盤可動体15のうち何れかが駆動していると、同時に駆動できない。なお駆動パターン4では、枠顔可動体400が停止しているときに○で示した各駆動手段が同時に駆動していても、DC37Vの電源でのピーク電流が10.8Aであって、電源基板150での許容損失が273Wである。そのため、電源基板150による性能を超えてない。
また図33に示すように、枠剣可動体221が押込位置から収納位置へ移動する場合が、駆動パターン5である。駆動パターン5であれば、枠剣移動モータ223と、枠剣円盤部材回転モータ231と、演出ボタン振動モータ63bと、枠用LED66aとが同時に駆動できる。こうして駆動パターン5により、収納位置へ移動する枠剣可動体221は、枠剣円盤部材232と演出ボタン63と枠ランプ66のうち何れが駆動していても、同時に駆動することができる。その一方で、収納位置へ移動する枠剣可動体221は、動作位置又は待機位置の方へ向かう枠顔可動体400と枠耳可動体500と枠顎可動体600と枠ドラム320と盤可動体15のうち何れかが駆動していると、同時に駆動できない。なお駆動パターン5では、枠顔可動体400が停止しているときに○で示した各駆動手段が同時に駆動していても、DC37Vの電源でのピーク電流が9.3Aであって、電源基板150での許容損失が258Wである。そのため、電源基板150による性能を超えてない。
また図33に示すように、盤可動体15(所定の駆動部材)が原点位置から駆動位置へ移動する場合が、駆動パターン6である。駆動パターン6であれば、枠剣円盤部材回転モータ231と、枠顔可動体400を待機位置の方へ移動させる場合の枠顔移動モータ311と、枠ドラム回転モータ321と、盤可動体移動モータ15aと、枠用LED66aが同時に駆動できる。こうして駆動パターン6により、駆動位置へ移動する盤可動体15は、枠剣円盤部材232と待機位置の方へ向かう枠顔可動体400と枠ドラム320と盤可動体15と枠ランプ66のうち何れが駆動していても、同時に駆動することができる。その一方で、駆動位置へ移動する盤可動体15は、枠剣可動体221と動作位置の方へ向かう枠顔可動体400と枠耳可動体500と枠顎可動体600と演出ボタン63のうち何れかが駆動していると、同時に駆動できない。なお駆動パターン6では、枠顔可動体400が待機位置へ復帰している途中に○で示した各駆動手段が同時に駆動していても、DC37Vの電源でのピーク電流が9.7Aであって、電源基板150での許容損失が253Wである。また枠顔可動体400が停止しているときに○で示した各駆動手段が同時に駆動していても、DC37Vの電源でのピーク電流が9.8Aであって、電源基板150での許容損失が257Wである。そのため、何れも電源基板150による性能を超えてない。
また図33に示すように、盤可動体15が駆動位置から原点位置へ移動する場合が、駆動パターン7である。駆動パターン7であれば、枠剣円盤部材回転モータ231と、枠顔移動モータ311と、枠耳移動モータ520と、枠顎移動モータ610と、盤可動体移動モータ15aと、枠用LED66aが同時に駆動できる。こうして駆動パターン7により、原点位置へ移動する盤可動体15は、枠剣円盤部材232と枠顔可動体400と枠耳可動体500と枠顎可動体600と盤可動体15と枠ランプ66のうち何れが駆動していても、同時に駆動することができる。その一方で、原点位置へ移動する盤可動体15は、枠剣可動体221と枠ドラム320と演出ボタン63のうち何れかが駆動していると、同時に駆動できない。なお駆動パターン7では、枠顔可動体400が待機位置へ復帰している途中に○で示した各駆動手段が同時に駆動していても、DC37Vの電源でのピーク電流が9.3Aであって、電源基板150での許容損失が250Wである。また枠顔可動体400が停止しているときに○で示した各駆動手段が同時に駆動していても、DC37Vの電源でのピーク電流が9.4Aであって、電源基板150での許容損失が253Wである。そのため、何れも電源基板150による性能を超えてない。
なお図33では、参考として、駆動パターン8が示されている。駆動パターン8では、枠剣移動モータ223と、盤可動体移動モータ15aと、枠用LED66aが同時に駆動する場合が示されている。この駆動パターン8では、枠顔可動体400が停止しているときに、収納位置へ移動する枠剣可動体221と盤可動体15と枠ランプ66とが同時に駆動すると、DC37Vの電源でのピーク電流が10.3Aであって、電源基板150での許容損失が286Wである。つまり、電源基板150での許容損失が280Wを超えるため、電源基板150の性能を維持できる温度を超えることになる。従って、駆動パターン8は、同時駆動を許容することができない駆動パターンである。こうして、駆動パターン1〜駆動パターン7までがRAM94に記憶されていて、「組合せパターン」に相当する。なお本形態の電源基板150自体は、その性能として、350Wまでの電力を供給できるものであるが、許容損失が280Wに設定されている。
ところで本形態では、演出制御用マイコン91が、図33に示す同時駆動判定テーブルを用いて各駆動部材が同時に駆動できるか否かを判定するために、駆動中フラグを用いている。駆動中フラグ(駆動情報)は、各駆動部材に対応して設けられていて、各駆動部材がそれぞれ駆動中であることを示すものである。なお各駆動中フラグは、演出制御用マイコン91のRAM94(駆動情報記憶手段)に設けられている。
具体的には、枠剣可動体221が収納位置から押込位置へ移動中であることを示す押込位置用駆動中フラグがある。また枠剣可動体221が押込位置から収納位置へ移動中であることを示す収納位置用駆動中フラグがある。また枠剣円盤部材232が回転中であることを示す枠剣円盤部材駆動中フラグがある。また枠顔可動体400が待機位置から動作位置へ移動中であることを示す動作位置用駆動中フラグがある。また枠顔可動体400が動作位置から待機位置へ移動中であることを示す待機位置用駆動中フラグがある。また枠耳可動体500が退避位置から露出位置へ移動中であることを示す露出位置用駆動中フラグがある。また枠耳可動体500が露出位置から退避位置へ移動中であることを示す退避位置用駆動中フラグがある。また枠顎可動体600が移動(傾動)中であることを示す枠顎可動体駆動中フラグがある。また枠ドラム320が回転中であることを示す枠ドラム駆動中フラグがある。また演出ボタン63が振動中であることを示す演出ボタン駆動中フラグがある。また盤可動体15が原点位置から駆動位置へ移動中であることを示す駆動位置用駆動中フラグがある。また盤可動体15が駆動位置から原点位置へ移動中であることを示す原点位置用駆動中フラグがある。また枠ランプ66が点灯中であることを示す枠ランプ駆動中フラグがある。
演出制御用マイコン91は、上記した各駆動中フラグを確認することで、どの駆動部材が駆動中なのかを把握することが可能である。これにより演出制御用マイコン91は、駆動中の駆動部材と図33に示す同時駆動判定テーブルとに基づいて、同時駆動させることが可能な駆動部材であるかを判定することが可能である。こうして、人が作り込む変動演出パターンではなく、演出制御用マイコン91による制御によって、駆動部材の同時駆動を実行可能にする。その結果、同時駆動が禁止されている駆動部材が人為的ミスによって駆動してしまうのを確実に防止することが可能である。そして、禁止されている同時駆動を行う変動演出パターンを見つけるための演出の動作チェック(バグチェック)の負担を大幅に減らすことが可能である。
ここで本形態では、枠顔可動体400(第1の駆動部材)が待機位置から動作位置へ移動中であるときに、枠ドラム320(第2の駆動部材)の回転を開始させる状況が生じ得る。このとき、図33に示す同時駆動判定テーブルの駆動パターン2又は駆動パターン3によれば、「枠顔移動モータ(駆動の場合)」の欄が×であるため、枠ドラム320の回転を開始させることができない。つまり、枠顔可動体400が動作位置に向かって移動している途中では、枠ドラム320の同時駆動が禁止されることになる。
しかしながら、仮に枠ドラム320の駆動が禁止されたままであると、枠ドラム320の回転を意識している遊技者の期待感を損なうことになる。言い換えれば、枠ドラム320は、回転し終えたときに、遊技者へ特典に係わる情報(「V」の文字や「激アツ」の文字)を示すことが可能なものであるため、できるだけ枠ドラム320の回転駆動を禁止しない方が好ましい。
そこで本形態では、枠顔可動体400が動作位置に向かって移動している途中で、枠ドラム320の同時駆動を禁止しても、枠顔可動体400が動作位置にて停止したタイミングで、枠ドラム320を回転可能にしている。つまり、枠顔可動体400が動作位置に移動し終えると、演出制御用マイコン91は、図33に示す駆動パターン2又は駆動パターン3に基づいて、枠ドラム320を駆動させることができるか否かを判定する。これにより、駆動させることができると判定すれば、枠ドラム320の回転を開始させることが可能である。こうして、一旦同時駆動が禁止された枠ドラム320において、枠顔可動体400が動作位置に移動し終えてから駆動させることで、枠ドラム320が回転し始めないことによる違和感を遊技者に与え難くすることが可能である。
6.大当たり等の説明
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり抽選(特別図柄抽選)の結果として、「大当たり」と「はずれ」がある。「大当たり」のときには、特別図柄表示器41に「大当たり図柄」が停止表示される。「はずれ」のときには、特別図柄表示器41に「ハズレ図柄」が停止表示される。大当たりに当選すると、停止表示された特別図柄の種類(大当たりの種類)に応じた開放パターンにて、大入賞口(第1大入賞口30および第2大入賞口35)を開放させる「大当たり遊技」が実行される。大当たり遊技は、特別遊技の一例である。
大当たり遊技は、本形態では、複数回のラウンド遊技(単位開放遊技)と、初回のラウンド遊技が開始される前のオープニング(OPとも表記する)と、最終回のラウンド遊技が終了した後のエンディング(EDとも表記する)とを含んでいる。各ラウンド遊技は、OPの終了又は前のラウンド遊技の終了によって開始し、次のラウンド遊技の開始又はEDの開始によって終了する。ラウンド遊技間の大入賞口の閉鎖の時間(インターバル時間)は、その閉鎖前の開放のラウンド遊技に含まれる。
大当たりには複数の種別がある。大当たりの種別については図34に示す通りである。図34に示すように、本形態では大当たりの種別としては、大きく分けて2つ(Vロング大当たりとVショート大当たり)ある。「Vロング大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が可能な第1開放パターン(Vロング開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。「Vショート大当たり」は、その大当たり遊技中に特定領域39への遊技球の通過が不可能な第2開放パターン(Vショート開放パターン)で開閉部材32及び開閉部材37を作動させる大当たりである。
より具体的には、「Vロング大当たり」は、総ラウンド数が16Rである。1Rから13Rまでと15Rは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する。14Rと16Rは第2大入賞口35を1R当たり最大29.5秒にわたって開放する。この14R及び16Rでは、第2大入賞口35内の特定領域39への通過が容易に可能である。
これに対して、「Vショート大当たり」は、総ラウンド数は16Rであるものの、実質的な総ラウンド数は13Rである。つまり、1Rから13Rまでは第1大入賞口30を1R当たり最大29.5秒にわたって開放するが、15Rでは第1大入賞口30を1R当たり0.1秒しか開放せず、また、14Rと16Rでも第2大入賞口35を1R当たり0.1秒しか開放しない。従って、このVショート大当たりでは14Rから16Rまでは、大入賞口の開放時間が極めて短く、賞球の見込めないラウンドとなっている。つまり、Vショート大当たりは実質13Rの大当たりとなっている。
また、Vショート大当たりにおける14Rと16Rでは第2大入賞口35が開放されるものの、その開放時間が極めて短く、第2大入賞口35内の特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。なお、Vショート大当たりにおける14R及び16Rでは、第2大入賞口35の開放時間が短いことだけでなく、第2大入賞口35の開放タイミングと振分部材71の作動タイミング(第2状態(図6(B)参照)から第1状態(図6(A)参照)に制御されるタイミング)との関係からも、特定領域39に遊技球が通過することはほぼ不可能となっている。
本形態のパチンコ遊技機1では、大当たり遊技中の特定領域39への遊技球の通過に基づいて、その大当たり遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態に移行させる。従って、上記のVロング大当たりに当選した場合には、大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることで、大当たり遊技後の遊技状態を高確率状態に移行させ得る。これに対して、Vショート大当たりに当選した場合には、その大当たり遊技の実行中に特定領域39へ遊技球を通過させることができないため、その大当たり遊技後の遊技状態は、後述の通常確率状態(非高確率状態)となる。
なお、図34に示すように、第1特別図柄(特図1)の抽選における大当たりの振分率は、Vロング大当たりが50%、Vショート大当たりが50%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の抽選において当選した大当たりは、全てVロング大当たりとなっている。すなわち、後述の電サポ制御の実行により入球可能となる第2始動口21への入賞に基づく抽選により大当たりに当選した場合には、必ずVロング大当たりとなる。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第1特別図柄の抽選)よりも、第2始動口21に遊技球が入賞して行われる大当たり抽選(第2特別図柄の抽選)の方が、遊技者にとって有利となるように設定されている。
ここで本パチンコ遊技機1では、大当たりか否かの抽選は「大当たり乱数」に基づいて行われ、当選した大当たりの種別の抽選は「当たり種別乱数」に基づいて行われる。図35(A)に示すように、大当たり乱数は0〜65535までの範囲で値をとる。当たり種別乱数は、0〜9までの範囲で値をとる。なお、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得される乱数には、大当たり乱数および当たり種別乱数の他に、「リーチ乱数」および「変動パターン乱数」がある。
リーチ乱数は、大当たり判定の結果がはずれである場合に、その結果を示す演出図柄変動演出においてリーチを発生させるか否かを決める乱数である。リーチとは、複数の演出図柄(装飾図柄)のうち変動表示されている演出図柄が残り一つとなっている状態であって、変動表示されている演出図柄がどの図柄で停止表示されるか次第で大当たり当選を示す演出図柄の組み合わせとなる状態(例えば「7↓7」の状態)のことである。なお、リーチ状態において停止表示されている演出図柄は、表示画面7a内で多少揺れているように表示されていてもよい。このリーチ乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。
また、変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数である。変動パターン乱数は、0〜127までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図35(B)に示す普通図柄乱数(当たり乱数)がある。普通図柄乱数は、電チュー22を開放させる補助遊技を行うか否かの抽選(普通図柄抽選)のための乱数である。普通図柄乱数は、0〜255までの範囲で値をとる。
7.遊技状態の説明
次に、本形態のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1の特別図柄表示器41および普通図柄表示器42には、それぞれ、確率変動機能と変動時間短縮機能がある。特別図柄表示器41の確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」といい、作動していない状態を「通常確率状態(非高確率状態)」という。高確率状態では、大当たり確率が通常確率状態よりも高くなっている。すなわち、大当たりと判定される大当たり乱数の値が通常確率状態で用いる大当たり判定テーブルよりも多い大当たり判定テーブルを用いて、大当たり判定を行う(図36(A)参照)。つまり、特別図柄表示器41の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄表示器41による特別図柄の可変表示の表示結果(すなわち停止図柄)が大当たり図柄となる確率が高くなる。
また、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示開始時から表示結果の導出表示時までの時間)が、非時短状態よりも短くなっている。すなわち、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図37参照)。つまり、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の可変表示の変動時間として短い変動時間が選択されやすくなる。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入賞(特図保留として記憶され得る入賞)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当たりを狙うことができる。
特別図柄表示器41の確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄表示器41の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能および変動時間短縮機能は、時短状態において作動し、非時短状態において作動しない。よって、時短状態では、普通図柄抽選における当選確率が非時短状態よりも高くなっている。すなわち、当たりと判定される普通図柄乱数(当たり乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当たり判定テーブルよりも多い普通図柄当たり判定テーブルを用いて、当たり判定(普通図柄の判定)を行う(図36(C)参照)。つまり、普通図柄表示器42の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、普通図柄表示器42による普通図柄の可変表示の表示結果が、普通当たり図柄となる確率が高くなる。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本形態では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図36(D)参照)。さらに時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている(図38参照)。すなわち、電チュー22の開放時間延長機能が作動している。加えて時短状態では、補助遊技における電チュー22の開放回数が非時短状態よりも多くなっている(図38参照)。すなわち、電チュー22の開放回数増加機能が作動している。
普通図柄表示器42の確率変動機能と変動時間短縮機能、および電チュー22の開放時間延長機能と開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、電チュー22が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球が頻繁に入賞することとなる。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球を大きく減らすことなく大当たりを狙うことができる。なお、高ベース状態とは、いわゆる電サポ制御(電チュー22により第2始動口21への入賞をサポートする制御)が実行されている状態である。
高ベース状態(電サポ制御状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄表示器42の確率変動機能、普通図柄表示器42の変動時間短縮機能、電チュー22の開放時間延長機能、および電チュー22の開放回数増加機能のうち一つ以上の機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも電チュー22が開放され易くなっていればよい。また、高ベース状態(電サポ制御状態)は、時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。
本形態のパチンコ遊技機1では、Vロング大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39への通過がなされていれば、高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、所定回数(本形態では160回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
また、Vショート大当たりへの当選による大当たり遊技後の遊技状態は、その大当たり遊技中に特定領域39の通過がなされていなければ(なされることは略ない)、通常確率状態(非高確率状態すなわち低確率の状態)かつ時短状態かつ高ベース状態である。この遊技状態を特に、「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(本形態では100回)の特別図柄の可変表示が実行されるか、又は、大当たりに当選してその大当たり遊技が実行されることにより終了する。
なお、パチンコ遊技機1を初めて遊技する場合において電源投入後の遊技状態は、通常確率状態かつ非時短状態かつ低ベース状態(非電サポ制御状態)である。この遊技状態を特に、「低確低ベース状態」という。低確低ベース状態を「通常遊技状態」と称することもある。また、特別遊技(大当たり遊技)の実行中の状態を「特別遊技状態(大当たり遊技状態)」と称することとする。さらに、高確率状態および高ベース状態のうち少なくとも一方の状態に制御されている状態を、「特定遊技状態」という。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御により低ベース状態と比べて電チュー22が開放されやすくなっており、第1始動口20への入賞よりも第2始動口21への入賞の方が容易となっているからである。そのため、普通図柄抽選の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入賞させるべく右打ちを行う。これにより左打ちをするよりも、多数の始動入賞(始動口への入賞)を得ることができる。なお本パチンコ遊技機1では、大当たり遊技中も右打ちにて遊技を行う。
これに対して、低ベース状態では、左打ちにより左遊技領域3A(図4参照)へ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。電サポ制御が実行されていないため、高ベース状態と比べて電チュー22が開放されにくくなっており、第2始動口21への入賞よりも第1始動口20への入賞の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入賞させるべく左打ちを行う。これにより右打ちするよりも、多数の始動入賞を得ることができる。
8.パチンコ遊技機1の動作
次に、図39に基づいて遊技制御用マイコン81の動作について説明し、図40〜図62に基づいて演出制御用マイコン91の動作について説明する。まず、遊技制御用マイコン81の動作について説明する。
[メイン側タイマ割り込み処理]遊技制御用マイコン81は、図39に示すメイン側タイマ割り込み処理を例えば4msecといった短時間毎に繰り返す。まず、遊技制御用マイコン81は、大当たり抽選に用いる大当たり乱数、大当たりの種類を決めるための当たり種別乱数、変動演出においてリーチ状態とするか否かを決めるためのリーチ乱数、変動パターンを決めるための変動パターン乱数、普通図柄抽選に用いる普通図柄乱数(当たり乱数)等を更新する乱数更新処理を行う(S101)。なお各乱数の少なくとも一部は、カウンタIC等からなる公知の乱数生成回路を利用して生成されるハードウェア乱数であっても良い。また乱数生成回路は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていても良い。
次に、遊技制御用マイコン81は、入力処理を行う(S102)。入力処理(S102)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a,第2始動口センサ21a、第1大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a、普通入賞口センサ27a等(図20参照))が検知した検出信号を読み込み、入賞口の種類に応じた賞球を払い出すための払い出しデータをRAM84の出力バッファにセットする。
続いて、遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検出処理(S103)、特別動作処理(S104)、および普通動作処理(S105)を実行する。始動口センサ検出処理(S103)では、第1始動口センサ20aがONであれば、第1特図保留の記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の各種乱数(大当たり乱数、大当たり図柄乱数、リーチ乱数、及び変動パターン乱数(図35(A)参照))を取得する。また第2始動口センサ21aがONであれば、第2特図保留の記憶が4個未満であることを条件に大当たり乱数等の各種乱数を取得する。また、ゲートセンサ28aがONであれば、普図保留の記憶が4個未満であることを条件に普通図柄乱数(図35(B)参照)を取得する。
特別動作処理(S104)では、始動口センサ検出処理(S103)にて取得した大当たり乱数等の乱数を判定し、その判定結果を報知するための特別図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。この特別図柄の表示に際しては、特別図柄の変動表示の開始時に変動パターンの情報を含む変動開始コマンドをRAM84の出力バッファにセットし、特別図柄の停止表示の開始時に変動停止コマンドをRAM84の出力バッファにセットする。なお変動パターンは、大当たり乱数等の各種乱数の判定に基づき、図37に示す変動パターン判定テーブルを用いて決定される。そして、大当たり乱数の判定の結果、大当たりに当選していた場合には、所定の開放パターン(開放時間や開放回数)に従って第1大入賞口30又は第2大入賞口35を開放させる大当たり遊技(特別遊技)を行う。ここで図37に示すように、変動パターンが決まれば、特別図柄の変動表示が実行される変動時間も決まる。図37の備考欄に示すSPリーチ(スーパーリーチ)とは、ノーマルリーチよりもリーチ後の変動時間が長いリーチである。SPリーチの方がノーマルリーチよりも、当選期待度(大当たり当選に対する期待度)が高くなるようにテーブルの振分率が設定されている。本形態では、スーパーリーチはノーマルリーチを経て発展的に実行される。
普通動作処理(S105)では、始動口センサ検出処理にて取得した普通図柄乱数を判定し、その判定結果を報知するための普通図柄の表示(変動表示と停止表示)を行う。普通図柄乱数の判定の結果、普通図柄当たりに当選していた場合には、遊技状態に応じた所定の開放パターン(開放時間や開放回数、図38参照)に従って電チュー22を開放させる補助遊技を行う。
次に、遊技制御用マイコン81は、上述の各処理においてセットしたコマンド等をサブ制御基板90等に出力する出力処理を行う(S106)。以上の遊技制御用マイコン81における処理と並行して、演出制御用マイコン91は図40〜図62に示す処理を行う。以下、演出制御用マイコン91の動作について説明する。
[サブ側1msタイマ割り込み処理]演出制御用マイコン91は、図40に示すサブ側1msタイマ割り込み処理を1msecといった短時間毎に繰り返す。なお演出制御用マイコン91は、サブ側1msタイマ割り込み処理を実行すると共に、後述するようにサブ側10msタイマ割り込み処理(図53参照)を実行するようになっている。図40に示すように、サブ側1msタイマ割り込み処理ではまず、入力処理を行う(S201)。入力処理(S201)では、演出ボタン検出スイッチ63aやセレクトボタン検出スイッチ68a(図21参照)からの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する。
続いて、後述するランプデータ出力処理を行う(S202)。次いで、後述する駆動制御処理を行う(S203)。駆動制御処理(S203)は、枠顔可動体400、枠耳可動体500、枠顎可動体600、枠ドラム320、枠剣可動体221、盤可動体15、枠剣円盤部材232、演出ボタン63の駆動を制御するための処理である。そして、ウォッチドッグタイマのリセット設定を行うウォッチドッグタイマ処理(S204)を行って、本処理を終える。
[ランプデータ出力処理]図41に示すように、ランプデータ出力処理(S202)では、演出に合うタイミングで枠用LED66a、盤用LED5a、顔用LED401、ドラム用LED331を点灯(発光)させるべく、後述のサブ側10msタイマ割り込み処理におけるその他の処理(S406)で作成したランプデータをサブ駆動基板107に出力する(S210)。つまり、ランプデータに従って枠用LED66a、盤用LED5a、顔用LED401、ドラム用LED331を所定の点灯態様(発光態様)で点灯させる。
そして、ランプデータのうち枠用LED66aを点灯させる枠ランプデータを出力したか否かを判定する(S211)。枠ランプデータを出力したと判定すれば(S211でYES)、枠ランプ66が点灯中であることを示す枠ランプ駆動中フラグをONにして(S212)、ステップS213に進む。一方、枠ランプデータを出力していなければ(S211でNO)、ステップS212をパスして、ステップS213に進む。ステップS213では、枠ランプ66が消灯したか否かを判定する。枠ランプ66が消灯していれば(S213でYES)、枠ランプ駆動中フラグをOFFにして(S214)、本処理を終える。一方、枠ランプ66が点灯していれば(S213でNO)、ステップS214をパスして、本処理を終える。
[駆動制御処理]図42に示すように、駆動制御処理(S203)ではまず、枠顔可動体駆動データがRAM94の所定の記憶領域にセットされているか否かを判定する(S301)。枠顔可動体駆動データは、枠顔可動体400を待機位置から動作位置へ移動させて、その後の所定期間が経過すると枠顔可動体400を動作位置から待機位置へ移動させるための動作パターンデータである。本形態では、SPリーチを伴う特定の変動演出パターンが選択された場合に、所定の演出タイミングで枠顔可動体駆動データがセットされるようになっている。枠顔可動体駆動データがセットされていれば(S301でYES)、後述する枠顔可動体駆動制御処理を実行する(S302)。一方、枠顔可動体駆動データがセットされていなければ(S301でNO)、ステップS303に進む。
ステップS303では、枠耳可動体駆動データがRAM94の所定の記憶領域にセットされているか否かを判定する。枠耳可動体駆動データは、枠耳可動体500を退避位置から露出位置へ移動させて、その後の所定期間が経過すると枠耳可動体500を露出位置から退避位置へ移動させるための動作パターンデータである。本形態では、枠顔可動体駆動データがセットされる際に、枠耳可動体駆動データもセットされるようになっている。枠耳可動体駆動データがセットされていれば(S303でYES)、後述する枠耳可動体駆動制御処理を実行する(S304)。一方、枠耳可動体駆動データがセットされていなければ(S303でNO)、ステップS305に進む。
ステップS305では、枠顎可動体駆動データがRAM94の所定の記憶領域にセットされているか否かを判定する。枠顎可動体駆動データは、枠顎可動体600を閉鎖位置から開放位置へ傾動させて、その後の所定期間が経過すると枠顎可動体600を開放位置から閉鎖位置へ傾動させるための動作パターンデータである。本形態では、枠顔可動体駆動データがセットされる際に、枠顎可動体駆動データもセットされるようになっている。枠顎可動体駆動データがセットされていれば(S305でYES)、後述する枠顎可動体駆動制御処理を実行する(S306)。一方、枠顎可動体駆動データがセットされていなければ(S305でNO)、ステップS307に進む。
ステップS307では、枠ドラム駆動データがRAM94の所定の記憶領域にセットされているか否かを判定する。枠ドラム駆動データは、枠ドラム320の上側部分320Uと下側部分320Dとを回転させて、その後に所定の表示態様(モチーフ)が形成されるように停止させるための動作パターンデータである。本形態では、SPリーチを伴う特定の変動演出パターン(SPリーチの中でも大当たり当選に対する期待度が特に高いことを示すSPリーチを伴う変動演出パターン)が選択された場合や、遊技球が特定領域39を通過した場合に、枠ドラム駆動データがセットされるようになっている。枠ドラム駆動データがセットされていれば(S307でYES)、後述する枠ドラム駆動制御処理を実行する(S308)。一方、枠ドラム駆動データがセットされていなければ(S307でNO)、ステップS309に進む。
ステップS309では、枠剣可動体駆動データがRAM94の所定の記憶領域にセットされているか否かを判定する。枠剣可動体駆動データは、枠剣可動体221を収納位置から押込位置へ移動させて、その後に遊技者が操作有効期間の間に枠剣可動体221を押込位置から収納位置へ押込操作しなかった場合には、枠剣可動体221を押込位置から収納位置へ移動させるための動作パターンデータである。本形態では、SPリーチを伴う特定の変動演出パターン(枠剣操作促進演出を実行する変動演出パターン)が選択された場合に、所定の演出タイミングで枠剣可動体駆動データがセットされるようになっている。枠剣可動体駆動データがセットされていれば(S309でYES)、後述する枠剣可動体駆動制御処理を実行する(S310)。一方、枠剣可動体駆動データがセットされていなければ(S309でNO)、ステップS311に進む。
ステップS311では、盤可動体駆動データがRAM94の所定の記憶領域にセットされているか否かを判定する。盤可動体駆動データは、盤可動体15を原点位置から駆動位置へ移動させて、その後の所定期間が経過すると盤可動体15を駆動位置から原点位置へ移動させるための動作パターンデータである。本形態では、SPリーチを伴う特定の変動演出パターンが選択された場合に、所定の演出タイミングで盤可動体駆動データがセットされるようになっている。盤可動体駆動データがセットされていれば(S311でYES)、後述する盤可動体駆動制御処理を実行する(S312)。一方、盤可動体駆動データがセットされていなければ(S311でNO)、ステップS313に進む。
ステップS313では、枠剣円盤部材駆動データがRAM94の所定の記憶領域にセットされているか否かを判定する。枠剣円盤部材駆動データは、枠剣円盤部材232を回転させて、その後に枠剣円盤部材232に施されている装飾部分232aの向きが所定の向きになるように、枠剣円盤部材232を停止させる動作パターンデータである。本形態では、枠剣可動体駆動データがセットされる際に、枠剣円盤部材駆動データもセットされるようになっている。枠剣円盤部材駆動データがセットされていれば(S313でYES)、枠剣円盤部材駆動データに従って枠剣円盤部材回転モータ231を駆動させるための枠剣円盤部材駆動制御処理を実行する(S314)。一方、枠剣円盤部材駆動データがセットされていなければ(S313でNO)、ステップS315に進む。
ステップS315では、演出ボタン駆動データがRAM94の所定の記憶領域にセットされているか否かを判定する。演出ボタン駆動データは、演出ボタン63を振動させるための動作パターンデータである。本形態では、SPリーチを伴う特定の変動演出パターンが選択された場合に、所定の演出タイミングで演出ボタン駆動データがセットされるようになっている。演出ボタン駆動データがセットされていれば(S315でYES)、演出ボタン駆動データに従って演出ボタン振動モータ63bを駆動させるための制御処理を行う(S316)。またこのステップS316の処理では、演出ボタン63の駆動に伴って演出ボタン駆動中フラグをONにする。一方、演出ボタン駆動データがセットされていなければ(S315でNO)、ステップS317に進む。
ステップS317では、その他の処理として例えば、各駆動部材(枠顔可動体400、枠耳可動体500、枠顎可動体600、枠ドラム320、枠剣可動体221、盤可動体15、枠剣円盤部材232、演出ボタン63)の駆動が終了した後にRAM94にセットされている駆動データをクリアしたり、演出ボタン63の駆動が終了したときに演出ボタン駆動中フラグをOFFにする。そして駆動制御処理(S203)を終える。
[枠顔可動体駆動制御処理]図43に示すように、枠顔可動体駆動制御処理(S302)ではまず、枠顔可動体400が動作位置への駆動タイミングであるか否かを判定する(S2001)。判定結果がNOであれば、ステップS2007に進む。一方、判定結果がYESであれば、ROM93に記憶されている同時駆動判定テーブルの駆動パターン1(図33参照)を参照する(S2002)。続いて、どの駆動中フラグがONになっているかを参照する(S2003)。つまり、各駆動部材(枠剣可動体221、枠剣円盤部材232、枠顔可動体400、枠耳可動体500、枠顎可動体600、枠ドラム320、演出ボタン63、枠ランプ66)のうちどの駆動部材が駆動中なのかを把握する。そして、駆動パターン1とONになっている駆動中フラグとに基づいて、枠顔可動体400を動作位置へ駆動させることが可能か否かを判定する(S2004)。駆動させることができると判定すれば(S2004でYES)、ステップS2005に進む。
ステップS2005では、RAM94の所定の記憶領域に記憶されている枠顔可動体駆動データに従って、枠顔可動体400を動作位置へ移動させるべく、枠顔移動モータ311を駆動させるための動作位置用駆動処理を行う(S2005)。そして、枠顔可動体400が動作位置へ移動中であることを示す動作位置用駆動中フラグをONにして(S2006)、ステップS2007に進む。こうして、各駆動中フラグの状況に応じて駆動パターン1に適合した場合に限り、枠顔移動モータ311の駆動を行うため、電源基板150による性能を超えない範囲で枠顔可動体400の同時駆動を行うことが可能である。一方、ステップS2004で駆動させることができないと判定すれば(S2004でNO)、動作位置用駆動処理(S2005)を実行することなく、ステップS2007に進む。こうして、各駆動中フラグの状況に応じて駆動パターン1に適合しない場合には、枠顔移動モータ311の駆動を行わないため、電源基板150による性能を超える事態が生じるのを確実に防ぐことが可能である。
ステップS2007では、枠顔可動体400が待機位置への駆動タイミングであるか否かを判定する。判定結果がNOであれば、図44に示すステップS2013に進む。一方、判定結果がYESであれば、ROM93に記憶されている同時駆動判定テーブルの駆動パターン1(図33参照)を参照する(S2008)。続いて、どの駆動中フラグがONになっているかを参照する(S2009)。そして、駆動パターン1とONになっている駆動中フラグとに基づいて、枠顔可動体400を待機位置へ駆動させることが可能か否かを判定する(S2010)。駆動させることができると判定すれば(S2010でYES)、ステップS2011に進む。
ステップS2011では、RAM94の所定の記憶領域に記憶されている枠顔可動体駆動データに従って、枠顔可動体400を待機位置へ移動させるべく、枠顔移動モータ311を駆動させるための待機位置用駆動処理を行う。そして、枠顔可動体400が待機位置へ移動中であることを示す待機位置用駆動中フラグをONにして(S2012)、図44に示すステップS2013に進む。一方、ステップS2010で駆動させることができないと判定すれば(S2010でNO)、待機位置用駆動処理(S2011)を実行することなく、図44に示すステップS2013に進む。
図44に示すように、ステップS2013では、枠顔可動体400が動作位置への駆動を終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS2013の判定結果がYESであれば、動作位置用駆動中フラグをOFFして(S2014)、ステップS2015に進む。一方、ステップS2013の判定結果がNOであれば、ステップS2022に進む。
ステップS2015では、枠ドラム回転中断フラグがONであるか否かを判定する。枠ドラム回転中断フラグは、後述する枠ドラム駆動制御処理(S308)のステップS2311で説明するように、枠顔可動体400が動作位置へ駆動中であるときに枠ドラム320の駆動が中断されたことを示すものである。枠ドラム回転中断フラグがONでなければ(S2015でNO)、ステップS2022に進む。一方、枠ドラム回転中断フラグがONであれば(S2015でYES)、枠ドラム回転中断フラグをOFFする(S2016)。そして、中断した枠ドラム320の駆動を再開できるか否かを判断すべく、以下のステップS2017〜S2019の処理を実行する。
即ち、ステップS2017では、ROM93に記憶されている同時駆動判定テーブルの駆動パターン2又は駆動パターン3(図33参照)を参照する。続いて、どの駆動中フラグがONになっているかを参照する(S2018)。そして、駆動パターン2又は駆動パターン3とONになっている駆動中フラグとに基づいて、枠ドラム320を駆動(回転)させることが可能か否かを判定する(S2019)。駆動させることができると判定すれば(S2019でYES)、ステップS2020に進む。
ステップS2020では、RAM94の所定の記憶領域に記憶されている枠ドラム駆動データに従って、枠ドラム320を回転させるべく、枠ドラム回転モータ321を駆動させるための枠ドラム回転用駆動処理(シリアルポート98からシリアルデータやクロック信号を出力する処理)を行う。そして、枠ドラム320が回転中であることを示す枠ドラム駆動中フラグをONにして(S2021)、ステップS2022に進む。こうして枠顔可動体400が動作位置へ駆動中であることにより、同時駆動が禁止された枠ドラム320は、枠顔可動体400が動作位置で停止したときに、回転を開始することが可能である。一方、ステップS2019で駆動させることができないと判定すれば(S2019でNO)、枠ドラム回転用駆動処理(S2020)を実行することなく、ステップS2022に進む。
ステップS2022では、枠顔可動体400が待機位置への駆動を終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS2022の判定結果がYESであれば、待機位置用駆動中フラグをOFFして(S2023)、本処理を終える。一方、ステップS2022の判定結果がNOであれば、ステップS2023をパスして、本処理を終える。
[枠耳可動体駆動制御処理]図45に示すように、枠耳可動体駆動制御処理(S304)ではまず、枠耳可動体500が露出位置への駆動タイミングであるか否かを判定する(S2101)。判定結果がNOであれば、ステップS2105に進む。一方、判定結果がYESであれば、続いて、枠顔可動体400が動作位置にあるか否かを判定する(S2102)。判定結果がNOであれば、枠耳可動体500を露出位置へ移動させることができないため、ステップS2105に進む。これに対して判定結果がYESであれば、RAM94の所定の記憶領域に記憶されている枠耳可動体駆動データに従って、枠耳可動体500を露出位置へ移動させるべく、枠耳移動モータ520を駆動させるための露出位置用駆動処理を行う(S2103)。そして、枠耳可動体500が露出位置へ駆動中であることを示す露出位置用駆動中フラグをONにして(S2104)、ステップS2105に進む。
なお本形態において、枠耳可動体500を駆動させる際には、枠顔可動体400を駆動させる場合のように、同時駆動できるか否かを判断していない。これは、枠耳可動体500の駆動は、枠顔可動体400の駆動を前提としているためである。つまり本形態では、枠顔可動体400が駆動する場合に限り、枠耳可動体500も駆動するため、枠耳可動体500に対する同時駆動の判断が必要ないためである。しかしながら、枠耳可動体500を駆動させる際にも、枠顔可動体400を駆動させる場合と同様に、同時駆動判定テーブルの駆動パターンと各駆動中フラグとを用いて、同時駆動できるか否かを判断するようにしても良い。
ステップS2105では、枠耳可動体500が退避位置への駆動タイミングであるか否かを判定する。判定結果がNOであれば、ステップS2109に進む。一方、判定結果がYESであれば、続いて、枠顔可動体400が動作位置にあるか否かを判定する(S2106)。判定結果がNOであれば、枠耳可動体500を退避位置へ移動させることができないため、ステップS2109に進む。これに対して判定結果がYESであれば、RAM94の所定の記憶領域に記憶されている枠耳可動体駆動データに従って、枠耳可動体500を退避位置へ移動させるべく、枠耳移動モータ520を駆動させるための退避位置用駆動処理を行う(S2107)。そして、枠耳可動体500が退避位置へ駆動中であることを示す退避位置用駆動中フラグをONにして(S2108)、ステップS2109に進む。
ステップS2109では、枠耳可動体500が露出位置への駆動を終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS2109の判定結果がYESであれば、露出位置用駆動中フラグをOFFして(S2110)、ステップS2011に進む。一方、ステップS2109の判定結果がNOであれば、ステップS2110をパスして、ステップS2111に進む。ステップS2111では、枠耳可動体500が退避位置への駆動を終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS2111の判定結果がYESであれば、退避位置用駆動中フラグをOFFして(S2112)、本処理を終える。一方、ステップS2111の判定結果がNOであれば、ステップS2112をパスして、本処理を終える。
[枠顎可動体駆動制御処理]図46に示すように、枠顎可動体駆動制御処理(S306)ではまず、枠顎可動体600の駆動タイミングであるか否かを判定する(S2201)。判定結果がNOであれば、ステップS2205に進む。一方、判定結果がYESであれば、続いて、枠顔可動体400が動作位置にあるか否かを判定する(S2202)。判定結果がNOであれば、枠顎可動体600を傾動(駆動)させることができないため、ステップS2205に進む。これに対して判定結果がYESであれば、RAM94の所定の記憶領域に記憶されている枠顎可動体駆動データに従って、枠顎可動体600を閉鎖位置から開放位置へ傾動させた後に閉鎖位置へ戻すべく、枠顎移動モータ610を駆動させるための開閉用駆動処理を行う(S2203)。そして、枠顎可動体600が駆動中であることを示す枠顎可動体駆動中フラグをONにして(S2204)、ステップS2205に進む。
なお本形態において、枠顎可動体600を駆動させる際には、枠顔可動体400を駆動させる場合のように、同時駆動できるか否かを判断していない。これは、枠顎可動体600の駆動は、枠顔可動体400の駆動を前提としているためである。つまり本形態では、枠顔可動体400が駆動する場合に限り、枠顎可動体600も駆動するため、枠顎可動体600に対する同時駆動の判断が必要ないためである。しかしながら、枠顎可動体600を駆動させる際にも、枠顔可動体400を駆動させる場合と同様に、同時駆動判定テーブルの駆動パターンと各駆動中フラグとを用いて、同時駆動できるか否かを判断するようにしても良い。
ステップS2205では、枠顎可動体600の駆動を終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS2205の判定結果がYESであれば、枠顎可動体駆動中フラグをOFFして(S2206)、本処理を終える。一方、ステップS2205の判定結果がNOであれば、ステップS2206をパスして、本処理を終える。
[枠ドラム駆動制御処理]図47に示すように、枠ドラム駆動制御処理(S308)ではまず、枠ドラム320の駆動タイミングであるか否かを判定する(S2301)。判定結果がNOであれば、図48に示すステップS2312に進む。一方、判定結果がYESであれば、ROM93に記憶されている同時駆動判定テーブルの駆動パターン2又は駆動パターン3(図33参照)を参照する(S2302)。続いて、どの駆動中フラグがONになっているかを参照する(S2303)。そして、駆動パターン2又は駆動パターン3とONになっている駆動中フラグとに基づいて、枠ドラム320を回転(駆動)させることが可能か否かを判定する(S2304)。駆動させることができると判定すれば(S2304でYES)、ステップS2308に進む。
ステップS2308では、RAM94の所定の記憶領域に記憶されている枠ドラム駆動データに従って、枠ドラム320を回転させるべく、枠ドラム回転モータ321を駆動させるための枠ドラム回転用駆動処理(シリアルポート98からシリアルデータやクロック信号を出力する処理)を行う。そして、枠ドラム320が回転中であることを示す枠ドラム駆動中フラグをONにして(S2309)、図48に示すステップS2312に進む。こうして、各駆動中フラグの状況に応じて駆動パターン2又は駆動パターン3に適合した場合に限り、枠ドラム回転モータ321の駆動を行うため、電源基板150による性能を超えない範囲で枠ドラム320の同時駆動を行うことが可能である。
一方、ステップS2304で駆動させることができないと判定すれば(S2304でNO)、続いて、枠ランプ66を全消灯させることを条件に、駆動パターン2又は駆動パターン3と駆動中フラグとに基づいて、枠ドラム320を回転させることが可能か否かを判定する(S2305)。駆動させることができると判定すれば(S2305でYES)、枠ランプ66を一時的に全消灯させるための枠ランプ点灯中断処理を実行する(S2306)。これにより、枠用LED66aが点灯から全消灯に切替えられる。そして、枠ランプ66を一時的に全消灯させていることを示す枠ランプ点灯中断フラグをONにして(S2307)、ステップS2308に進む。この場合にステップS2308に進むと、上述したように枠ドラム回転用駆動処理を実行して(S2308)、枠ドラム駆動中フラグをONにする(S2309)。こうして、枠ランプ66を点灯から全消灯に切替える代わりに、枠ドラム320を回転させることで、電源基板150による性能を超えずに、重要度が高い方の駆動部材(枠ドラム320)を駆動させることが可能である。
またステップS2305にて、枠ランプ66を全消灯させても、駆動パターン2又は駆動パターン3と駆動中フラグとに基づいて枠ドラム320を駆動させることができないと判定すれば(S2305でNO)、ステップS2310に進む。ステップS2310では、動作位置用駆動中フラグがONであるか否かを判定する。つまり、枠顔可動体400が待機位置から動作位置へ移動中(駆動中)であるか否かを判定する。動作位置用駆動中フラグがONであれば(S2310でYES)、枠ドラム回転中断フラグをONにして(S2311)、図48に示すステップS2312に進む。枠ドラム回転中断フラグは、枠ドラム320の駆動タイミングであるにも拘わらず、枠顔可動体400が動作位置へ移動中であることにより枠ドラム320の駆動(回転)を中断したことを示すものである。ステップS2310にて動作位置用駆動中フラグがONでなければ(S2310でNO)、ステップS2311をパスして、図48に示すステップS2312に進む。
図48に示すように、ステップS2312では、枠ドラム320の駆動(回転)を終了させるタイミングであるか否かを判定する。ステップS2312の判定結果がYESであれば、枠ドラム駆動中フラグをOFFして(S2313)、ステップS2314に進む。一方、ステップS2312の判定結果がNOであれば、本処理を終える。ステップS2314では、枠ランプ点灯中断フラグがONであるか否かを判定する。ONであれば(S2314でYES)、一時的に全消灯させた枠ランプ66を再び点灯させるための枠ランプ点灯復帰処理を実行する(S2315)。こうして、枠ランプ66を点灯から全消灯に切替える代わりに枠ドラム320を回転させた場合に、その後の枠ドラム320の駆動を終了させるタイミングで、枠ランプ66の点灯を再開させることが可能である。ステップS2315の後、ステップS2316では枠ランプ点灯中断フラグをOFFして、本処理を終える。これに対して、ステップS2314で枠ランプ点灯中断フラグがONでなければ(S2314でNO)、ステップS2315,S2316をパスして、本処理を終える。
[枠剣可動体駆動制御処理]図49に示すように、枠剣可動体駆動制御処理(S310)ではまず、枠剣可動体221が押込位置への駆動タイミングであるか否かを判定する(S2401)。判定結果がNOであれば、ステップS2407に進む。一方、判定結果がYESであれば、ROM93に記憶されている同時駆動判定テーブルの駆動パターン4(図33参照)を参照する(S2402)。続いて、どの駆動中フラグがONになっているかを参照する(S2403)。そして、駆動パターン4とONになっている駆動中フラグとに基づいて、枠剣可動体221を押込位置へ駆動させることが可能か否かを判定する(S2404)。駆動させることができると判定すれば(S2404でYES)、ステップS2405に進む。
ステップS2405では、RAM94の所定の記憶領域に記憶されている枠剣可動体駆動データに従って、枠剣可動体221を押込位置へ移動させるべく、枠剣移動モータ223を駆動させるための押込位置用駆動処理を行う(S2405)。そして、枠剣可動体221が押込位置へ移動中であることを示す押込位置用駆動中フラグをONにして(S2406)、ステップS2407に進む。こうして、各駆動フラグの状況に応じて駆動パターン4に適合した場合に限り、枠剣移動モータ223の駆動を行うため、電源基板150による性能を超えない範囲で枠剣可動体221の同時駆動を行うことが可能である。一方、ステップS2404で駆動させることができないと判定すれば(S2404でNO)、押込位置用駆動処理(S2405)を実行することなく、ステップS2407に進む。こうして、各駆動フラグの状況に応じて駆動パターン4に適合しない場合には、枠剣移動モータ223の駆動を行わないため、電源基板150による性能を超える事態が生じるのを確実に防ぐことが可能である。
ステップS2407では、枠剣可動体221が収納位置への駆動タイミングであるか否かを判定する。判定結果がNOであれば、図50に示すステップS2413に進む。一方、判定結果がYESであれば、ROM93に記憶されている同時駆動判定テーブルの駆動パターン5(図33参照)を参照する(S2408)。続いて、どの駆動中フラグがONになっているかを参照する(S2409)。そして、駆動パターン5とONになっている駆動中フラグとに基づいて、枠剣可動体221を収納位置へ駆動させることが可能か否かを判定する(S2410)。駆動させることができると判定すれば(S2410でYES)、ステップS2411に進む。
ステップS2411では、RAM94の所定の記憶領域に記憶されている枠剣可動体駆動データに従って、枠剣可動体221を収納位置へ移動させるべく、枠剣移動モータ223を駆動させるための収納位置用駆動処理を行う。そして、枠剣可動体221が収納位置へ移動中であることを示す収納位置用駆動中フラグをONにして(S2412)、図50に示すステップS2413に進む。一方、ステップS2410で駆動させることができないと判定すれば(S2410でNO)、収納位置用駆動処理(S2411)を実行することなく、図44に示すステップS2413に進む。
図50に示すように、ステップS2413では、枠剣可動体221の押込位置への駆動を終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS2413の判定結果がYESであれば、押込位置用駆動中フラグをOFFして(S2414)、ステップS2415に進む。一方、ステップS2413の判定結果がNOであれば、ステップS2414をパスして、ステップS2415に進む。
ステップS2415では、枠剣可動体221の収納位置への駆動を終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS2415の判定結果がYESであれば、収納位置用駆動中フラグをOFFして(S2416)、本処理を終える。一方、ステップS2415の判定結果がNOであれば、ステップS2416をパスして、本処理を終える。
[盤可動体駆動制御処理]図51に示すように、盤可動体駆動制御処理(S312)ではまず、盤可動体15が駆動位置への駆動タイミングであるか否かを判定する(S2501)。判定結果がNOであれば、ステップS2507に進む。一方、判定結果がYESであれば、ROM93に記憶されている同時駆動判定テーブルの駆動パターン6(図33参照)を参照する(S2502)。続いて、どの駆動中フラグがONになっているかを参照する(S2503)。そして、駆動パターン6とONになっている駆動中フラグとに基づいて、盤可動体15を駆動位置へ駆動させることが可能か否かを判定する(S2504)。駆動させることができると判定すれば(S2504でYES)、ステップS2505に進む。
ステップS2505では、RAM94の所定の記憶領域に記憶されている盤可動体駆動データに従って、盤可動体15を駆動位置へ移動させるべく、盤可動体移動モータ15aを駆動させるための駆動位置用駆動処理を行う(S2505)。そして、盤可動体15が駆動位置へ移動中であることを示す駆動位置用駆動中フラグをONにして(S2506)、ステップS2507に進む。こうして、各駆動フラグの状況に応じて駆動パターン6に適合した場合に限り、盤可動体移動モータ15aの駆動を行うため、電源基板150による性能を超えない範囲で盤可動体15の同時駆動を行うことが可能である。一方、ステップS2504で駆動させることができないと判定すれば(S2504でNO)、駆動位置用駆動処理(S2505)を実行することなく、ステップS2507に進む。こうして、各駆動フラグの状況に応じて駆動パターン6に適合しない場合には、盤可動体移動モータ15aの駆動を行わないため、電源基板150による性能を超える事態が生じるのを確実に防ぐことが可能である。
ステップS2507では、盤可動体15が原点位置への駆動タイミングであるか否かを判定する。判定結果がNOであれば、図52に示すステップS2513に進む。一方、判定結果がYESであれば、ROM93に記憶されている同時駆動判定テーブルの駆動パターン7(図33参照)を参照する(S2508)。続いて、どの駆動中フラグがONになっているかを参照する(S2509)。そして、駆動パターン7とONになっている駆動中フラグとに基づいて、盤可動体15を原点位置へ駆動させることが可能か否かを判定する(S2510)。駆動させることができると判定すれば(S2510でYES)、ステップS2511に進む。
ステップS2511では、RAM94の所定の記憶領域に記憶されている盤可動体駆動データに従って、盤可動体15を原点位置へ移動させるべく、盤可動体移動モータ15aを駆動させるための原点位置用駆動処理を行う。そして、盤可動体15が原点位置へ移動中であることを示す原点位置用駆動中フラグをONにして(S2512)、図52に示すステップS2513に進む。一方、ステップS2510で駆動させることができないと判定すれば(S2510でNO)、原点位置用駆動処理(S2511)を実行することなく、図52に示すステップS2513に進む。
図52に示すように、ステップS2513では、盤可動体15の駆動位置への駆動を終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS2513の判定結果がYESであれば、駆動位置用駆動中フラグをOFFして(S2514)、ステップS2515に進む。一方、ステップS2513の判定結果がNOであれば、ステップS2514をパスして、ステップS2515に進む。
ステップS2515では、盤可動体15の原点位置への駆動を終了したタイミングであるか否かを判定する。ステップS2515の判定結果がYESであれば、原点位置用駆動中フラグをOFFして(S2516)、本処理を終える。一方、ステップS2515の判定結果がNOであれば、ステップS2516をパスして、本処理を終える。
[サブ側10msタイマ割り込み処理]演出制御用マイコン91は、図53に示すサブ側10msタイマ割り込み処理を10msecといった短時間毎に繰り返す。図53に示すように、サブ側10msタイマ割り込み処理ではまず、後述する受信コマンド解析処理を行う(S401)。次いで、サブ側1msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてRAM94に格納するスイッチ状態取得処理を行う(S402)。続いて、スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて第1画像表示装置6の表示画面6a及び第2画像表示装置7の表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S403)。
続いて、演出制御用マイコン91は、音声制御処理を行う(S404)。音声制御処理(S404)では、音声データ(スピーカ67から音声を出力するためのデータ)の作成、音声制御基板106への音声データの出力、及び音声演出の時間管理等を行う。これにより、実行する演出に合った音声がスピーカ67から出力される。
続いて、演出制御用マイコン91は、後述するシリアル信号出力処理を行う(S405)。その後、ランプデータ(枠ランプ66、盤ランプ5、顔用LED401、ドラム用LED331の発光を制御するデータ)を作成したり、各種の演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行して(S406)、本処理を終える。
[受信コマンド解析処理]図54に示すように、受信コマンド解析処理(S401)ではまず、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否か判定し(S501)、受信していれば後述する変動演出開始処理を行う(S502)。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否か判定し(S503)、受信していれば変動演出終了処理を行う(S504)。変動演出終了処理(S504)では、変動停止コマンドを解析し、その解析結果に基づいて、変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から大当たり遊技のオープニングの実行開始を示すオープニングコマンドを受信したか否か判定し(S505)、受信していればオープニング演出選択処理を行う(S506)。オープニング演出選択処理(S506)では、オープニングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のオープニング中に実行するオープニング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したオープニング演出パターンにてオープニング演出を開始するためのオープニング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から大当たり遊技のラウンド遊技の実行開始を示すラウンド指定コマンドを受信したか否か判定し(S507)、受信していればラウンド演出選択処理を行う(S508)。ラウンド演出選択処理(S508)では、ラウンド指定コマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のラウンド遊技中に実行するラウンド演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したラウンド演出パターンにてラウンド演出を開始するためのラウンド演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
続いて、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から大当たり遊技のエンディングの実行開始を示すエンディングコマンドを受信したか否か判定し(S509)、受信していればエンディング演出選択処理を行う(S510)。エンディング演出選択処理(S510)では、エンディングコマンドを解析して、その解析結果に基づいて、大当たり遊技のエンディング中に実行するエンディング演出のパターン(内容)を選択する。そして、選択したエンディング演出パターンにてエンディング演出を開始するためのエンディング演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットする。
ステップS511では、その他の処理として、上記のコマンド以外の受信コマンドに基づく処理(例えば、特定領域39への通過を示すV通過コマンドに基づいて第1画像表示装置6にてV通過報知を行う処理や、枠ドラム320の上側部分320Uと下側部分320Dによって「V」の文字を形成するための枠ドラム駆動データをセットする処理等)を行う。そして、受信コマンド解析処理(S401)を終える。
[変動演出開始処理]図55に示すように、変動演出開始処理(S502)ではまず、演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドを解析する(S601)。変動開始コマンドには、変動パターン(図37参照)の情報や、大当たりの判定等に基づく特図停止図柄データの情報が含まれている。次に演出制御用マイコン91は、変動演出において最終的に停止表示する演出図柄8L,8C,8Rの選択を行う(S602)。続いて演出制御用マイコン91は、変動開始コマンドの解析結果に基づいて、変動演出の内容である変動演出パターンを選択する(S603)。変動演出パターンが決まれば、変動演出の時間、演出図柄の変動表示態様、リーチ演出の有無、リーチ演出の内容、SW演出(演出ボタン演出)の有無、SW演出の内容、演出展開構成、演出図柄の背景の種類等からなる変動演出の内容の詳細が決まることとなる。この変動演出パターンの中には、枠剣操作促進演出(図63参照)を実行する変動演出パターンが含まれていることになる。
続いて演出制御用マイコン91は、予告演出の選択を行う(S604)。これにより、いわゆるステップアップ予告演出やチャンスアップ予告演出などの予告演出の内容が決定される。そして、ステップS603で選択した変動演出パターンが枠剣操作促進演出を実行する変動演出パターンか否かを判定する(S605)。枠剣操作促進演出を実行する変動演出パターンであれば(S605でYES)、枠剣可動体駆動期間設定処理を行う(S606)。枠剣可動体駆動期間は、図25に示す制御ラインL1〜L4を導通状態にして、枠剣移動モータ223を駆動させることが可能な期間のことである。この枠剣可動体駆動期間設定処理(S606)により、枠剣操作促進演出の開始時点から枠剣操作促進演出の終了時点までの間(本形態では約15秒間)、枠剣可動体駆動期間が設定される。ステップS605でNOであれば、ステップS606をパスして、ステップS607に進む。
ステップS607では、演出制御用マイコン91、選択した演出図柄、変動演出パターン、及び予告演出にて変動演出を開始するための変動演出開始コマンドをRAM94の出力バッファにセットして、変動演出開始処理(S502)を終了する。ステップS607でセットされた変動演出開始コマンドが、画像制御基板100に送信されると、画像制御基板100のCPU102は、所定の演出画像をROM103から読み出して、第1画像表示装置6の表示画面6a及び第2画像表示装置7の表示画面7aにて変動演出を行う。
[シリアル信号出力処理]図56に示すように、シリアル信号出力処理(S405)では、演出制御用マイコン91は、後述する枠顔可動体用シリアル信号出力処理(S701)、枠ドラム用シリアル信号出力処理(S702)、枠剣可動体用シリアル信号出力処理(S703)、枠耳可動体用シリアル信号出力処理(S704)、枠剣円盤部材用シリアル信号出力処理(S705)、盤可動体用シリアル信号出力処理(S706)を実行する。その後、シリアル信号を出力するためのその他の処理を実行して(S707)、本処理を終える。
[枠顔可動体用シリアル信号出力処理]図57に示すように、枠顔可動体用シリアル信号出力処理(S701)ではまず、演出制御用マイコン91は、枠顔可動体400が動作位置へ移動し終えたか否かを判定する(S801)。具体的には、枠顔可動体400が動作位置にあることを検出するフォトセンサがOFFからONに切替わった否かを判定する。枠顔可動体400が動作位置へ移動し終えたと判定すれば(S801でYES)、枠顔可動体400の駆動を制御するドライバが一定電流の71%の電流を枠顔移動モータ311に供給するように、シリアルポート98からシリアル信号及びクロック信号を出力して(S802)、本処理を終える。これにより、枠顔移動モータ311に停止励磁を発生させて、動作位置にある枠顔可動体400の停止を保持することが可能である。
一方、ステップS801の判定結果がNOであれば、続いて、枠顔可動体400が待機位置へ移動し終えたか否かを判定する(S803)。具体的には、枠顔可動体400が待機位置にあることを検出するフォトセンサがOFFからONに切替わったか否かを判定する。枠顔可動体400が待機位置へ移動し終えたと判定すれば(S803でYES)、枠顔可動体400の駆動を制御するドライバが枠顔移動モータ311に電流を供給しないように、シリアルポート98からシリアル信号及びクロック信号を出力して(S804)、本処理を終える。これにより、待機位置にある枠顔可動体400において無電流状態になり、消費電流を抑えることが可能である。ステップS803の判定結果がNOであれば、枠顔可動体用シリアル信号出力処理(S701)を終える。なお本パチンコ遊技機1では、電源が投入された直後の初期状態にて、枠顔可動体400が待機位置にあって、無電流状態になっている。
[枠ドラム用シリアル信号出力処理]図58に示すように、枠ドラム用シリアル信号出力処理(S702)では、演出制御用マイコン91は、枠ドラム320の回転が終了したか否かを判定する(S901)。具体的には、枠ドラム回転モータ321を駆動させるためのパルス信号のステップ数が所定数になって、枠ドラム320が停止しているか否かを判定する。枠ドラム320の回転が終了した状況であれば(S901でYES)、左側枠ドラムモータドライバIC11と右側枠ドラムモータドライバIC21が一定電流の38%の電流をそれぞれ左側枠ドラム回転モータ321Lと右側枠ドラム回転モータ321Rに供給するように、シリアルポート98からシリアル信号及びクロック信号を出力して(S902)、本処理を終える。
これにより、電流低下外付回路310Bと電流低下外付回路320B(図27参照)によって、一定電流(本形態では200mA)の38%の大きさの電流よりも更に小さい電流(40mA)が、左側枠ドラム回転モータ321Lと右側枠ドラム回転モータ321Rに供給される。これにより、低電流保持状態にすることが可能である。その結果、停止している(通常位置にある)枠ドラム320において、消費電流を一層抑えることが可能である。ステップS901の判定結果がNOであれば、枠ドラム用シリアル信号出力処理(S702)を終える。
ここで本パチンコ遊技機1では、電源が投入された直後の初期状態から枠ドラム320において、枠ドラム320の上側部分320U及び下側部分320Dの停止を保持できるように、停止保持力を付与している。従って、枠ドラム320が回転する場合を除いて、ほとんどの期間において枠ドラム回転モータ321が停止励磁を生じさせている。そのため、枠ドラム回転モータ321の発熱が大きくなり易い。そこで本形態では、上述したように、一定電流(本形態では200mA)の38%の大きさの電流(76mA)よりも更に小さい電流(40mA)を左側枠ドラム回転モータ321Lと右側枠ドラム回転モータ321Rに供給して、停止励磁を生じさせている。これにより、消費電流を抑える効果に加えて、枠ドラム回転モータ321の発熱を極力抑える効果も奏することが可能である。
[枠剣可動体用シリアル信号出力処理]図59に示すように、枠剣可動体用シリアル信号出力処理(S703)ではまず、演出制御用マイコン91は、上述した枠剣可動体駆動期間内であるか否かを判定する(S1001)。枠剣可動体駆動期間内であれば(S1001でYES)、図25に示すフォトモスリレーPM1,PM2を導通状態にすべく、入出力IC2の出力端子P10から「H」レベルの信号が出力されるようにシリアルポート98からシリアル信号及びクロック信号を出力して(S1002)、ステップS1005に進む。これにより、制御ラインL1〜L4が導通状態になるため、枠剣移動モータ223を駆動させることが可能である。つまり、枠剣可動体221を枠剣移動モータ223の駆動力によって移動させることが可能な状態になる。
一方、ステップS1001での判定結果がNOであれば、ステップS1003にて、枠剣可動体221が収納位置へ移動し終えたか否かを判定する。具体的には、収納位置検出センサ226がOFFからONに切替わったか否かを判定する。枠剣可動体221が収納位置へ移動し終えたと判定すれば(S1003でYES)、図25に示すフォトモスリレーPM1,PM2を非導通状態にすべく、入出力IC2の出力端子P10から「L」レベルの信号が出力されるようにシリアルポート98からシリアル信号及びクロック信号を出力して(S1004)、ステップS1005に進む。これにより、制御ラインL1〜L4を非導通状態にすることが可能である。そのため、その後に遊技者が悪戯で枠剣可動体221を高速で直動させても、枠剣移動モータ223で生じる逆起電力を枠剣移動モータドライバIC1に作用させないことが可能である。ステップS1003の判定結果がNOであれば、ステップS1005に進む。
なお本形態では、パチンコ遊技機1に電源が投入されていない状態、又は電源が投入された直後の初期状態においては、図25に示すK−FC制御信号のレベルは「L」レベルになっている。従って、枠剣可動体駆動期間以外では、フォトモスリレーPM1,PM2が非導通状態になっている。そのため、枠剣移動モータ223で逆起電力が生じても、逆起電力に基づく超過電圧が枠剣移動モータドライバIC1に作用するのを防ぐことが可能である。
ステップS1005では、枠剣可動体221が押込位置へ移動し終えたか否かを判定する。具体的には、押込位置検出センサ227がOFFからONに切替わったか否かを判定する。枠剣可動体221が押込位置へ移動し終えたと判定すれば(S1005でYES)、枠剣移動モータドライバIC1が一定電流の71%の電流を枠剣可動体221に供給するように、シリアルポート98からシリアル信号及びクロック信号を出力して(S1006)、本処理を終える。これにより、枠剣移動モータ223に停止励磁を発生させて、押込位置にある枠剣可動体221の停止を保持することが可能である。
一方、ステップS1005の判定結果がNOであれば、ステップS1007にて、保持状態(枠剣移動モータ223が停止励磁を発生させている状態)において、押込位置検出センサがONからOFFに切替わったか否かを判定する。押込位置検出センサがOFFに切替わったと判定すれば(S1007でYES)、枠剣可動体221が押込位置(図16(B)参照)から下降して押込途中位置(図16(C)参照)を通過したことになる。このときには、枠剣移動モータドライバIC1が電流を枠剣可動体221に供給しなくなるように、シリアルポート98からシリアル信号及びクロック信号を出力して(S1008)、本処理を終える。
これにより、枠剣可動体221が押込途中位置を通過した途端に無電流状態になり、停止保持力が付与されなくなる。こうして、遊技者が押込位置にある枠剣可動体221を収納位置へ押込操作する場合に、押込み始めに抵抗力を感じさせてから、その後にスムーズに押込操作ができる。従って、押込位置から収納位置まで抵抗力を常に感じない場合に比べて適度な操作感を与えることが可能であり、押込位置から収納位置まで常に抵抗力を感じる場合に比べて、操作性を良くすることが可能である。また保持状態から無電流状態に切替えることで、消費電流を抑えることも可能である。ステップS1007の判定結果がNOであれば、枠剣可動体用シリアル信号出力処理(S703)を終える。
[枠耳可動体用シリアル信号出力処理]図60に示すように、枠耳可動体用シリアル信号出力処理(S704)ではまず、演出制御用マイコン91は、枠耳可動体500が露出位置へ移動し終えたか否かを判定する(S1101)。具体的には、枠耳可動体500が露出位置にあることを検出するフォトセンサがOFFからONに切替わった否かを判定する。枠耳可動体500が露出位置へ移動し終えたと判定すれば(S1101でYES)、枠耳可動体500の駆動を制御するドライバが枠耳移動モータ520に電流を供給しないように、シリアルポート98からシリアル信号及びクロック信号を出力して(S1102)、本処理を終える。これにより、露出位置にある枠耳可動体500において無電流状態になり、消費電流を抑えることが可能である。
一方、ステップS1101の判定結果がNOであれば、続いて、枠耳可動体500が退避位置へ移動し終えたか否かを判定する(S1103)。具体的には、枠耳可動体500が退避位置にあることを検出するフォトセンサがOFFからONに切替わったか否かを判定する。枠耳可動体500が退避位置へ移動し終えたと判定すれば(S1103でYES)、枠耳可動体500の駆動を制御するドライバが一定電流の71%の電流を枠耳移動モータ520に供給するように、シリアルポート98からシリアル信号及びクロック信号を出力して(S1104)、本処理を終える。これにより、枠耳移動モータ520に停止励磁を発生させて、退避位置にある枠耳可動体500の停止を保持することが可能である。ステップS1103の判定結果がNOであれば、枠耳可動体用シリアル信号出力処理(S704)を終える。なお本パチンコ遊技機1では、電源が投入された直後の初期状態にて、枠耳可動体500が収納位置にあって、保持状態になっている。
[枠剣円盤部材用シリアル信号出力処理]図61に示すように、枠剣円盤部材用シリアル信号出力処理(S705)ではまず、演出制御用マイコン91は、演出ボタン63の振動が開始するタイミングであるか否かを判定する(S1201)。つまり、演出ボタン振動モータ63bの駆動を開始させるタイミングであるか否かを判定する。演出ボタン63の振動が開始するタイミングであれば(S1201でYES)、枠剣円盤部材232の駆動を制御するドライバが一定電流の71%の電流を枠剣円盤部材回転モータ231に供給するように、シリアルポート98からシリアル信号及びクロック信号を出力して(S1202)、本処理を終える。これにより、枠剣円盤部材回転モータ231に停止励磁を発生させて、枠剣円盤部材232の停止を保持することが可能である。
一方、ステップS1201の判定結果がNOであれば、続いて、演出ボタン63の振動が終了するタイミングであるか否かを判定する(S1203)。つまり、演出ボタン振動モータ63bの駆動を終了させるタイミングであるか否かを判定する。演出ボタン63の振動が終了するタイミングであれば(S1203でYES)、枠剣円盤部材232の駆動を制御するドライバが枠剣円盤部材回転モータ231に電流を供給しないように、シリアルポート98からシリアル信号及びクロック信号を出力して(S1204)、本処理を終える。これにより、枠剣円盤部材232において無電流状態になり、消費電流を抑えることが可能である。ステップS1203の判定結果がNOであれば、枠剣円盤部材用シリアル信号出力処理(S705)を終える。
こうして本形態では、演出ボタン63が振動している場合に限って、枠剣円盤部材232において保持状態にする。これにより、演出ボタン63の振動が枠剣円盤部材232に伝わっても、枠剣円盤部材232が回転してしまうのを防ぐことが可能である。従って、演出ボタン63の振動中に、枠剣円盤部材232に施されている装飾部分232aの向きが変わってしまい、遊技者に枠剣円盤部材232が動いたという誤った印象を与えるのを防ぐことが可能である。本形態では、演出ボタン63の振動と枠剣円盤部材232の回転が同時に実行されないように設定されている。なお本パチンコ遊技機1では、電源が投入された直後の初期状態にて、枠剣円盤部材232において無電流状態になっている。
[盤可動体用シリアル信号出力処理]図62に示すように、盤顔可動体用シリアル信号出力処理(S706)ではまず、演出制御用マイコン91は、盤可動体15が駆動位置へ移動し終えたか否かを判定する(S1301)。具体的には、盤可動体15が駆動位置にあることを検出するフォトセンサがOFFからONに切替わった否かを判定する。盤可動体15が駆動位置へ移動し終えたと判定すれば(S1301でYES)、盤可動体15の駆動を制御するドライバが一定電流の71%の電流を盤可動体移動モータ15aに供給するように、シリアルポート98からシリアル信号及びクロック信号を出力して(S1302)、本処理を終える。これにより、盤可動体移動モータ15aに停止励磁を発生させて、駆動位置にある盤可動体15の停止を保持することが可能である。
一方、ステップS1301の判定結果がNOであれば、続いて、盤可動体15が原点位置へ移動し終えたか否かを判定する(S1303)。具体的には、盤可動体15が原点位置にあることを検出するフォトセンサがOFFからONに切替わったか否かを判定する。盤可動体15が原点位置へ移動し終えたと判定すれば(S1303でYES)、盤可動体15の駆動を制御するドライバが盤可動体移動モータ15aに電流を供給しないように、シリアルポート98からシリアル信号及びクロック信号を出力して(S1304)、本処理を終える。これにより、原点位置にある盤可動体15において無電流状態になり、消費電流を抑えることが可能である。ステップS1303の判定結果がNOであれば、盤可動体用シリアル信号出力処理(S706)を終える。なお本パチンコ遊技機1では、電源が投入された直後の初期状態にて、盤可動体15が原点位置にあって、無電流状態になっている。
9.本形態の効果
以上詳細に説明したように、本形態のパチンコ遊技機1によれば、複数の駆動部材を同時に駆動させることが可能な各駆動パターン(図33の同時駆動判定テーブル参照)が予め記憶されている。従ってイレギュラーな場合(電源基板150による性能を超える事態が生じる場合)として、例えば枠剣可動体221が押込位置から収納位置へ移動している途中で盤可動体15を駆動させる駆動条件が成立しても、駆動パターン2又は駆動パターン3に基づいて、盤可動体15が枠剣可動体221と同時に駆動するのを防ぐことが可能である。こうして、各駆動パターンに基づいて或る2以上の駆動部材が同時に駆動するか否かを判断するため、或る2以上の駆動部材が同時に駆動することによる不具合を確実に防ぐことが可能である。つまり、設計者が2以上の駆動部材が同時に駆動できるか否かを適宜考慮しながら変動演出パターンを作った場合でも、禁止されている同時駆動がバグとして実行されてしまうのを確実に防ぐことが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、複数の駆動部材を同時に駆動させることが可能な各駆動パターンは、電源基板150によって供給可能なDC37Vのピーク電流が11A(電流基準値)を超えないように決定されたものである。更に、各駆動パターンは、複数の駆動部材が同時に駆動しても許容損失が280W(許容損失基準値)を超えないように決定されたものである。こうして、DC37Vのピーク電流と許容損失の両方がそれぞれ基準値を超えない範囲で、2以上の駆動部材を同時に駆動させることが可能である。従って、近年のパチンコ遊技機1のように、駆動部材(特に遊技機枠50に取付けられている枠可動部材)の種類が多くなることにより電源基板150の負担が大きくなっても、電源基板150での不具合を確実に防ぐことが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、枠顔可動体400が動作位置から待機位置へ移動中で、枠ランプ66の点灯中に、枠ドラム320を回転させる駆動条件(特定駆動条件)が成立した場合、駆動パターン2又は駆動パターン3に基づいて、枠ドラム320を回転させることができるか否かを判定する。このとき、枠ランプ66を全消灯させることを条件に、枠ドラム320を回転できると判定すれば、枠ランプ66を全消灯させる一方、枠ドラム320を回転させる。こうして、枠ランプ66の点灯よりも、枠ドラム320の回転を優先させることが可能である。つまり、電源基板150による性能を超えない(DC37Vのピーク電流が11Aを超えずに且つ許容損失が280Wを超えない)範囲で、できるだけ枠ドラム320を回転させることが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、駆動中フラグを用いて、どの駆動部材が駆動中なのかを管理(記憶)している。つまり、或る駆動部材が駆動しているときには、その駆動部材の駆動中を示す駆動中フラグがONされる。例えば、枠顔可動体400が待機位置から動作位置へ駆動中であるときには、動作位置用駆動中フラグがONされる。このときに、枠ドラム320を駆動させる駆動条件が成立した場合、動作位置用駆動中フラグと駆動パターン1(図33参照)とに基づいて、枠ドラム320が駆動可能か否かを判定することになる。こうして、駆動中フラグ(動作位置用駆動中フラグ)を利用することで、枠顔可動体400と枠ドラム320の駆動開始のタイミングがずれていても、枠顔可動体400と枠ドラム320が同時に駆動できる状況か否かを容易に判定することが可能である。つまり仮に、駆動パターンだけに基づいて各駆動部材が駆動可能か否かを判定する方法では、複数の駆動部材が同じタイミングで駆動開始できるか否かを判定できるだけである。これに対して本形態のように、駆動パターンと駆動フラグの両方に基づいて各駆動部材が駆動可能か否かを判定する方法であれば、一方の駆動部材が先に駆動している途中で、別の駆動部材の駆動を開始させることができるか否かを容易に判定することが可能である。
また本形態のパチンコ遊技機1によれば、枠顔可動体400が待機位置から動作位置への移動中に、枠ドラム320の回転(駆動)させる駆動条件が成立した場合には、駆動パターン2又は駆動パターン3により、枠ドラム320の同時駆動が禁止される。しかしながらこの場合、枠顔可動体400の動作位置への移動(駆動)が終了した後に、即ち動作位置用駆動中フラグがOFFになると、枠ドラム320を回転させることが可能である。従って、枠ドラム320が全く駆動しないことによる不自然な印象を与えるのを回避することが可能である。
10.変形例
以下、変形例について説明する。なお、変形例の説明において、上記形態のパチンコ遊技機1と同様の構成については、同じ符号を付して説明を省略する。勿論、変形例に係る構成同士を適宜組み合わせて構成してもよい。また、上記形態および下記変形例中の技術的特徴は、本明細書において必須なものとして説明されていなければ、適宜、削除することが可能である。
<第2形態>
上記形態では、枠顔移動モータ311等の各ステッピングモータが停止励磁を発生させる場合の励磁方式として、2相励磁(図24(A)参照)を用いた。これに対して第2形態では、各ステッピングモータが停止励磁を発生させる場合の励磁方式として、1相励磁(図24(B)参照)を用いている。例えば枠ドラム320の停止を保持する場合に、演出制御用マイコン91は、枠ドラムモータドライバIC11,IC21(左側枠ドラムモータドライバIC11及び右側枠ドラムモータドライバIC21の総称)を制御することで、枠ドラム回転モータ321にて1相励磁による停止保持力を発生させる。このとき、演出制御用マイコン91は更に、枠ドラムモータドライバIC11,IC21が一定電流の38%の大きさの電流を供給する低電流保持状態に制御する。これにより、枠ドラム320の停止を保持する場合の消費電流(電力)を、上記形態の2分の1にすることが可能である。要するに、電流低下外付回路310B,320Bを設ける方法だけでなく、停止励磁を発生させる場合の励磁方式を変えることでも、消費電流を抑えることが可能である。
また、各ステッピングモータが停止励磁を発生させる場合の励磁方式として1−2相励磁を用いても良い。1−2相励磁は、図64に示すように、パルスを付与する次の相に対して1パルス分と2パルス分を交互にずらすことで、1相だけ励磁する状態と2相ずつ同時に励磁する状態とを交互に作り出す方式である。1−2相励磁による停止励磁であれば、上記形態(2相励磁による停止励磁)に比べて、消費電流(電力)を4分の3にすることが可能である。なお停止保持力は、2相励磁による停止励磁の場合の方が1−2相励磁による停止励磁の場合よりも大きく、1−2相励磁による停止励磁の場合の方が1相励磁による停止励磁の場合よりも大きくなる。
<第3形態>
上記形態では、図32に示すように、枠ドラム320の停止を保持する場合に、枠ドラムモータドライバIC11,IC21が一定電流の38%の大きさの電流(低下電流)を供給する低電流保持状態に制御した。これに対して第3形態では、枠耳可動体500(可動部材)の駆動を制御する制御基板に、上記形態で説明した電流低下外付回路310B,320Bに相当する電流低下外付回路(図示省略)を設ける。そして図65に示すように、退避位置にある枠耳可動体500の停止を保持する場合には、枠耳移動モータ520を制御可能なドライバ(駆動回路部)が一定電流(例えば150mA)の71%の大きさの電流(例えば106.5,第1低下電流)よりも更に小さい電流(例えば56mA,第1超低下電流)を供給する第1低電流保持状態になるように制御する。また露出位置にある枠耳可動体500の停止を保持する場合には、枠耳移動モータ520を制御可能なドライバが一定電流の38%の大きさの電流(例えば57mA,第2低下電流)よりも更に小さい電流(例えば30mA,第2超低下電流)を供給する第2低電流保持状態になるように制御しても良い。
この第3形態によれば、退避位置にある枠耳可動体500に対して、一定電流の71%よりも小さい電流に基づく停止保持力を付与することが可能である。また露出位置にある枠耳可動体500に対して、一定電流の38%よりも小さい電流に基づく停止保持力を付与することが可能である。こうして可動部材の状況に応じて、消費電流と停止保持力とを調整することが可能である。つまり、必要な停止保持力に応じて、第1低電流保持状態又は第2低電流保持状態を適宜選択して、消費電流の無駄をできるだけ省くことが可能である。なお上記第3形態では、枠耳可動体500に対して第1低電流保持状態又は第2低電流保持状態に制御したが、その他の可動部材(枠顔可動体400、枠顎可動体600、枠剣可動体221、枠剣円盤部材232、盤可動体15等)に対して第1低電流保持状態又は第2低電流保持状態に制御しても良い。
<その他の変形例>
上記形態では、演出制御用マイコン91が図33に示す同時判定テーブルの駆動パターン1〜駆動パターン7に基づいて、複数の駆動部材が同時に駆動可能か否かを判定した。しかしながら、図33に示す駆動パターン以外の駆動パターンに基づいて、複数の駆動部材が同時に駆動可能か否かを判定しても良い。
また上記形態では、図33に示す駆動パターン1〜駆動パターン7が、枠顔可動体400、枠ドラム320、枠剣可動体221、盤可動体15について同時駆動できるか否かのものであった。しかしながら、枠耳可動体500、枠顎可動体600、演出ボタン63、枠剣円盤部材232、盤ランプ5等、その他の駆動部材(開閉部材32,開閉部材37,可動部材23,スピーカ67(音発生手段),表示手段,移動可能な画像表示装置等)について同時駆動できるか否かの駆動パターンがあっても良い。
また上記形態では、図33に示す駆動パターン1〜駆動パターン7が、電源基板150によって供給可能なDC37Vのピーク電流が11A(電流基準値)を超えないように決定されたものであると共に、複数の駆動部材が同時に駆動しても許容損失が280W(許容損失基準値)を超えないように決定されたものであった。しかしながら、同時駆動を判定するためのその他の条件(例えば各電源電圧(24V,12V,18V,5V等の各電源電圧)の全てのピーク電流が所定電流値を超えないこと)を更に満たすように決定されていても良い。又は、駆動パターンは、電源基板150によって供給可能なDC37Vのピーク電流が11A(電流基準値)を超えないという条件だけで決定されていても良い。或いは、駆動パターンは、複数の駆動部材が同時に駆動しても許容損失が280W(許容損失基準値)を超えないという条件だけで決定されていても良い。なお上記した電流基準値の値(11A)及び許容損失の値(280W)は、電源基板の種類によって定まるものであり、適宜変更可能である。
また上記形態では、図33に示す駆動パターン1〜駆動パターン7が、電源基板150によって定められる電流基準値及び許容損失基準値が所定の基準値(11A,280W)を超えないことに基づいて決定されたものであった。しかしながら駆動パターンは、2以上の可動部材が干渉するのを回避するために決定されたものであっても良い。例えば、第1可動部材が第1待機位置と第1動作位置との間で移動可能なものであり、第2可動部材が第2待機位置と第2動作位置との間で移動可能なものであって、第1可動部材が第1動作位置へ移動すると共に第2可動部材が第2動作位置へ移動すると、互いに干渉することとする。この場合、第1可動部材が第1動作位置へ移動中には、第2待機位置にある第2可動部材の第2動作位置への移動を不能にする駆動パターンを設け、第2可動部材が第2動作位置へ移動中には、第1待機位置にある第1可動部材の第1動作位置への移動を不能にする駆動パターンを設けるようにしても良い。
また上記形態では、図33に示す同時判定テーブルの駆動パターン1〜駆動パターン7に基づいて、複数の駆動部材が同時に駆動可能か否かを、演出制御用マイコン91(演出制御手段)によって判定した。しかしながら、演出制御用マイコン91以外の制御手段によって、複数の駆動部材が同時に駆動可能か否かを判定するようにしても良い。例えば、サブ駆動基板107に設けた制御手段、画像制御基板100に設けた制御手段、音声制御基板106に設けた制御手段等によって、複数の駆動部材が同時に駆動可能か否かを判定するようにしても良い。
また上記形態では、枠ランプ66の点灯中(駆動中)にも拘わらず、枠ランプ66を全消灯(駆動中断)させることを条件に枠ドラム320を回転できると判定すれば、枠ランプ66を全消灯させる一方、枠ドラム320を回転させた。しかしながら、上述したように、駆動中から駆動中断に切替える駆動部材は、枠ランプ66に限られるものではなく、盤ランプ5等のその他の発光部材や、枠剣円盤部材232等のその他の可動部材であっても良い。そして、駆動中から駆動中断に切替える駆動部材を発光部材とした場合には、全消灯ではなく部分的に消灯させるようにしても良い。また駆動中から駆動中断に切替える駆動部材を可動部材とした場合には、一部分が移動しなくなるようにしても良い。なお、駆動中から駆動中断に切替える駆動部材は、遊技者にとって気付き難く、演出としての重要度が高くないものが好ましい。
また上記形態では、枠顔可動体400(第1の駆動部材)が待機位置から動作位置への移動(駆動)中に、枠ドラム320(第2の駆動部材)の同時駆動を禁止した場合には、枠顔可動体400の動作位置への移動が終了した後に、枠ドラム320を回転させた。しかしながら、上記した第1駆動部材と第2駆動部材との関係は、枠顔可動体400と枠ドラム320に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、演出ボタン63(第1の駆動部材)の振動中に、枠剣可動体221(第2の駆動部材)の同時駆動を禁止した場合には、演出ボタン63の振動が終了した後に、枠剣可動体221を移動させるようにしても良い。
また上記形態では、枠顔可動体400が動作位置への移動中に、枠ドラム320の同時駆動を禁止した場合には、枠顔可動体400の動作位置への移動が終了した直後に(動作位置用駆動中フラグがOFFになるとすぐに)、枠ドラム320を回転できるようにした。しかしながら、枠顔可動体400の動作位置への移動が終了してから所定時間(例えば5秒)経過した場合や、更に別の駆動部材の駆動が終了することを条件に、枠ドラム320を回転できるようにしても良い。
また上記形態では、駆動中フラグを用いてどの駆動部材が駆動中なのかを管理(記憶)していて、駆動中フラグと駆動パターンとに基づいて、各駆動部材が同時に駆動可能か否かを判定した。しかしながら、駆動中フラグを用いずに、駆動パターンだけに基づいて各駆動部材が同時に駆動可能か否かを判定するようにしても良い。
また上記形態では、可動部材(枠ドラム320等)の駆動を制御するドライバ(枠ドラムモータドライバIC11,IC21等)が、一定電流(本形態では200mA)に対する71%の大きさの電流(一定電流よりも29%だけ小さい低下電流)、又は一定電流に対する38%の大きさの電流(一定電流よりも62%だけ小さい低下電流)を供給可能に構成されている。しかしながら、上記した71%又は38%の割合は、ドライバによって定まるものである。従って、一定電流に対する71%又は38%以外の大きさの電流(例えば一定電流に対する50%又は25%の大きさの電流)を供給可能なドライバを用いるようにしても良い。また、一定電流に対して71%又は38%という2種類の割合の低下電流を供給可能なドライバを用いずに、1種類の低下電流のみを供給可能なドライバを用いたり、3種類以上の低下電流を供給可能なドライバを用いるようにしても良い。
また上記形態では、NPN型のトランジスタTR3を備える電流低下外付回路310B,320B(電流低下手段)により、枠ドラムモータドライバIC11,IC21が、一定電流に対する38%の電流よりも更に小さい電流(超低下電流)を供給できるようにした。しかしながら電流低下手段を、NPN型のトランジスタTR3以外のトランジスタ(PNP型のトランジスタ、FET(ユニポーラトランジスタ)等)で構成しても良い。また電流低下手段を、トランジスタで構成しなくても良く、例えばバリスタ(可変抵抗器)等を備えるように構成しても良い。
また上記形態では、図27に示す電流低下外付回路310B,320Bが、入出力IC12の出力端子P15,P07から枠ドラムモータドライバIC11,IC21のINA1端子に出力される制御信号(特定制御信号の一部)を入力することに基づいて、上記した超低下電流を供給できるように構成した。つまり、演出制御用マイコン91でのソフト的な変更を行わずに、ハード的な変更だけで、超低下電流を供給できるように構成した。しかしながら、超低下電流を供給可能にする構成は、上記構成に限られるものではなく、適宜変更可能である。例えば、演出制御用マイコン91が、入出力IC12から図27に示す電流低下外付回路310B,320Bへ専用の制御信号を送信するように制御して、超低下電流を供給できるようにしても良い。
また上記形態では、図32に示すように例えば、収納位置にある枠剣可動体221に対して無電流状態にして、押込位置にある枠剣可動体221に対して保持状態にした。しかしながら、可動部材の位置と無電流状態又は保持状態との関係は、図32に示す場合に限られず、適宜変更可能である。従って例えば、枠ドラム320以外の可動部材であっても、電源が投入された直後の初期状態から保持状態にしても良い。
また上記形態では、保持状態から無電流状態への切替えを、枠剣可動体221や枠剣円盤部材232に対して行った。しかしながら、その他の可動部材(例えば枠顔可動体400,盤可動体15,開閉部材等)に対して、保持状態から無電流状態への切替えを行っても良い。
また上記形態では、無電流状態から保持状態への切替えを、枠剣円盤部材232に対して行った。しかしながら、その他の可動部材(例えば枠顎可動体600,盤可動体15,開閉部材等)に対して、無電流状態から保持状態への切替えを行っても良い。例えば、枠顔可動体400(他の可動部材)の移動中(待機位置から動作位置への移動中、又は動作位置から待機位置への移動中)に限り、枠顎可動体600(可動部材)を無電流状態から保持状態に切替えても良い。この場合には、枠顔可動体400の移動中に、枠顎可動体600が変な挙動をしてしまい、枠顔可動体400が枠顎可動体600に干渉するような事態を防ぐことが可能である。
また上記形態では、遊技者が枠剣可動体221を押込位置から収納位置へ押込操作することに基づいて、保持状態から無電流状態に切替えるようにした。しかしながら、遊技者の押込操作とは無関係に、保持状態から無電流状態に切替えるようにしても良い。例えば、所定の演出条件の成立(例えば図51に示す枠剣操作促進演出の開始等)に基づいて、保持状態から無電流状態に切替えるようにしても良い。この場合には、所定の演出条件が成立してから枠剣可動体221に対する停止保持力が解除されるため、枠剣可動体221が押込位置から徐々に下降していく。これにより、遊技者が押込操作する前から、枠剣可動体221が重力で徐々に下降していくという斬新な演出を提供することが可能である。
また上記形態では、枠剣可動体221が押込位置(第1位置)にあることを検出可能な押込位置検出センサ227を設けて、枠剣可動体221が押込位置から収納位置(第2位置)へ移動する際に押込位置検出センサ227が検出しなくなると(ONからOFFに切替えられると)、保持状態から無電流状態に切替えた。しかしながら、保持状態から無電流状態に切替えるタイミングは適宜変更可能である。例えば、枠剣可動体221が押込位置と収納位置との間の中間位置にあることを検出可能な中間位置検出センサを設ける。そして、枠剣可動体221が押込位置から収納位置へ移動する際に中間位置検出センサが検出すると(OFFからONに切替えられると)、保持状態から無電流状態に切替えるようにしても良い。この場合には、遊技者が枠剣可動体221を半分程度押込むまで抵抗力を感じて、その後に抵抗力を感じずにスムーズに押込むことができるという奇妙な操作感を与えることが可能である。
また上記形態では、遊技者が枠剣可動体221を押込位置から収納位置へ押込操作することに基づいて、保持状態から無電流状態に切替えるようにした。しかしながら、遊技者が枠剣可動体221を収納位置(第1位置)から押込位置(第2位置)へ引抜操作することに基づいて、保持状態から無電流状態に切替えるようにしても良い。つまり、遊技者に対して収納位置にある枠剣可動体221を上方へ引抜操作するように促す引抜操作促進演出を実行し得るように構成する。そして、この引抜操作促進演出が実行される前に、枠剣可動体221を保持状態にする。そして引抜操作促進演出の実行に伴って、遊技者が枠剣可動体221を収納位置から押込位置へ引抜操作することに基づいて、保持状態から無電流状態に切替える。これにより、遊技者には始めに枠剣可動体221を引抜き難くして、その後に枠剣可動体221を押込位置までスムーズに引抜くことができるという新たな演出及び操作感を与えることが可能である。
上記形態では、図25に示すように、制御ラインL1〜L4を導通状態又は非導通状態に切替える電流遮断回路224A(導通切替手段)において、フォトモスリレーPM1,PM2を備えるように構成した。しかしながら導通切替手段を、フォトモスリレーPM1,PM2以外のリレー(メカニカルリレー、フォトカプラ、電磁リレー等)を備えるように構成しても良い。また導通切替手段を、リレーで構成しなくても良く、例えば物理的なアナログスイッチ等を備えるように構成しても良い。
また上記形態では、演出制御用マイコン91が、I2C通信によって電流遮断回路224A、検査用外付回路224B,310A,320A、電流低下外付回路310B,320Bを制御するようにした。しかしながら、I2C通信以外のシリアル通信や、パラレル通信によって電流遮断回路224A、検査用外付回路224B,310A,320A、電流低下外付回路310B,320Bを制御するようにしても良い。
また上記形態では、演出制御用マイコン91が、枠剣操作促進演出を実行する変動演出パターンが選択されたこと(演出駆動条件の成立)に基づいて、枠剣可動体駆動期間を設定し、その枠剣可動体駆動期間において制御ラインL1〜L4が導通状態になるように制御した。しかしながら、枠剣可動体駆動期間は、その他の条件に基づいて設定されるようにしても良い。例えば予め定められた特定期間(例えば営業時間内(午前9時から午後11時までの間)や遊技場に設置されてから1年以内)だけ、枠剣可動体駆動期間を設定しても良い。またパチンコ遊技機1に電源が投入されている間だけ、枠剣可動体駆動期間を設定しても良い。
また上記形態では、枠剣可動体221の駆動を制御する枠右中継基板224に、電流遮断回路224Aを設けた。しかしながら、水平方向に直動可能な演出可動体、モータの駆動力で移動可能なボタンやレバー等、その他の可動部材の駆動を制御する制御基板に、電流遮断回路224Aのような電流遮断回路(導通切替手段)を設けても良い。
また上記形態では、定電流駆動方式のドライバ(枠剣移動モータドライバIC1,左側枠ドラムモータドライバIC11,右側枠ドラムモータドライバIC21)が供給する一定電流を小さくするための検査用外付回路224B,310A,320A(状態切替手段)において、NPN型のトランジスタTR1,TR2を備えるように構成した。しかしながら状態切替手段を、NPN型のトランジスタTR1,TR2以外のトランジスタ(PNP型のトランジスタ、FET(ユニポーラトランジスタ)等)で構成しても良い。また状態切替手段を、トランジスタで構成しなくても良く、例えばバリスタ(可変抵抗器)等を備えるように構成しても良い。
また上記形態では、枠顔移動モータ311,枠ドラム回転モータ321,枠耳移動モータ520,枠顎移動モータ610,枠剣移動モータ223,枠剣円盤部材回転モータ231,盤可動体移動モータ15aの駆動を制御するドライバ(枠剣移動モータドライバIC1,左側枠ドラムモータドライバIC11,右側枠ドラムモータドライバIC21,枠剣円盤部材回転モータドライバIC31等)が、定電流駆動方式のものであった。しかしながら、ドライバは定電流駆動方式のものに限られず、例えば定電圧駆動方式のものであっても良い。
また上記形態では、枠顔移動モータ311,枠ドラム回転モータ321,枠耳移動モータ520,枠顎移動モータ610,枠剣移動モータ223,枠剣円盤部材回転モータ231,盤可動体移動モータ15aが、図23(A)に示すバイポーラ型のステッピングモータであった。しかしながらその他の種類のモータであっても良く、例えば、図23(B)に示すユニポーラ型のステッピングモータであっても良い。
また上記形態では、バイポーラ型のステッピングモータが可動部材を移動させる場合(駆動状態)の励磁方式として、2相励磁を用いた。しかしながら可動部材を移動させる場合に、トルクを大きくするという観点よりも、消費電力をできるだけ小さくするという観点により、1相励磁を用いても良い。また振動を小さくするという観点により1−2相励磁を用いても良い。更に、2相励磁、1相励磁、1−2相励磁を所定のタイミング毎に切替えるように制御しても良い。
また上記形態では、検査用外付回路224B,310A,320A(状態切替手段)により、ドライバ(枠剣移動モータドライバIC1,左側枠ドラムモータドライバIC11,右側枠ドラムモータドライバIC21)が供給する一定電流を、15%又は20%の2種類の割合にて小さくできるようにした。しかしながら、15%又は20%の何れか一方の割合にだけ小さくできるようにしても良い。或いは、15%又は20%の他の割合でも小さくできるようにして、3種類以上の割合にて小さくできるようにしても良い。なお、ドライバが供給する一定電流を小さくする割合は、15%又は20%に限られるものではなく、例えば10%や30%であっても良く、適宜変更可能である。
また上記形態では、検査用コントローラKC(図31参照)が、検査用外付回路224B,310A,320AのトランジスタTR1,TR2を制御するようにした。しかしながら、演出制御用マイコン91が、入出力IC12,IC21からK−CHECK1制御信号として「H」レベル又は「L」レベルの信号を出力すると共に、K−CHECK2制御信号として「H」レベル又は「L」レベルの信号を出力するように制御する。これにより演出制御用マイコン91が、検査用外付回路224B,310A,320AのトランジスタTR1,TR2を制御するようにしても良い。この場合には、更に以下のようにしても良い。
電源が投入されたときにRAM94の初期化(ラムクリア)が実行されると、図66(A)に示すように、表示画面7aにラムクリア報知画像RKが表示される。そして、ラムクリアの実行後の所定時間(例えば30秒)以内に、所定操作(例えば演出ボタン63を5回連続押下操作)を行うと、図66(B)に示すように、表示画面7aに初期機能設定画像SGが表示される。この初期機能設定画像SGの表示中に、出力トルク設定として、「100%」又は「15%減」或いは「20%減」の何れかを設定できると共に、電流遮断設定として、「自動」又は「常に遮断」の何れかを設定できるように構成しても良い。
即ち、図66(B)に示す初期機能設定画像SGの表示中に、セレクトボタン68を操作して、カーソルを出力トルク設定の「100%」に合わせる。そして演出ボタン63を押下操作する。この場合には、演出制御用マイコン91が、入出力IC12,IC21からK−CHECK1制御信号として「L」レベルの信号を出力すると共に、K−CHECK2制御信号として「L」レベルの信号を出力するように制御する。これにより、枠剣移動モータドライバIC1から所望(100%)の一定電流を流すことが可能であり、所望の出力トルクで枠剣移動モータ223を駆動させることが可能である。
また図66(B)に示す初期機能設定画像SGの表示中に、セレクトボタン68を操作して、カーソルを出力トルク設定の「15%減」に合わせる。そして演出ボタン63を押下操作する。この場合には、演出制御用マイコン91が、入出力IC12,IC21からK−CHECK1制御信号として「L」レベルの信号を出力すると共に、K−CHECK2制御信号として「H」レベルの信号を出力するように制御する。これにより、枠剣移動モータドライバIC1から、所望の一定電流に対して15%減少した電流を流すことが可能であり、15%減少した出力トルクで枠剣移動モータ223を駆動させることが可能である。このように設定することで、例えば遊技機メーカ等は、図1に示すパチンコ遊技機1の全体が組み上がった状態で、枠剣移動モータ223が15%減少した出力トルクでも適切に動作するか否かの最終チェックを行うことが可能である。
また図66(B)に示す初期機能設定画像SGの表示中に、セレクトボタン68を操作して、カーソルを出力トルク設定の「20%減」に合わせる。そして演出ボタン63を押下操作する。この場合には、演出制御用マイコン91が、入出力IC12,IC21からK−CHECK1制御信号として「H」レベルの信号を出力すると共に、K−CHECK2制御信号として「L」レベルの信号を出力するように制御する。これにより、枠剣移動モータドライバIC1から、所望の一定電流に対して20%減少した電流を流すことが可能であり、20%減少した出力トルクで枠剣移動モータ223を駆動させることが可能である。このように設定することで、例えば遊技機メーカ等は、図1に示すパチンコ遊技機1の全体が組み上がった状態で、枠剣移動モータ223が20%減少した出力トルクでも適切に動作するか否かの最終チェックを行うことが可能である。
また図66(B)に示す初期機能設定画像SGの表示中に、セレクトボタン68を操作して、カーソルを電流遮断設定の「自動」に合わせる。そして演出ボタン63を押下操作する。この場合には、本形態で説明したように、演出制御用マイコン91が、枠剣可動体駆動期間内に限り、入出力IC12からK−FC制御信号として「H」レベルの信号を出力する。これにより、枠剣操作促進演出の際に、枠剣可動体221を枠剣移動モータ223の駆動力によって移動させることが可能である。そして、枠剣可動体駆動期間が終了すると、入出力IC12からK−FC制御信号として「H」レベルの信号を出力する。これにより、制御ラインL1〜L4が自動で非導通状態になって、枠剣移動モータドライバIC1に超過電圧が作用するのを防ぐことが可能である。
その一方で、図66(B)に示す初期機能設定画像SGの表示中に、セレクトボタン68を操作して、カーソルを電流遮断設定の「常に遮断」に合わせる。そして演出ボタン63を押下操作する。この場合には、演出制御用マイコン91が、入出力IC12からK−FC制御信号として「H」レベルの信号を出力することがなくて、制御ラインL1〜L4が常に非導通状態になる。このように設定することで、枠剣可動体221を常に動作しないようにして、電流の消費を抑えることが可能である。そして枠剣可動体221に不具合が生じている場合には、不具合の程度が更に悪化するのを防止することが可能である。
なお上記した変更例においては、遊技場(ホール)の従業員が、出力トルク設定及び電流遮断設定を行うことができるようになっている。しかしながら、隠しコマンド等を設定することで、遊技機メーカ又は部品製造業者のみが、出力トルク設定及び電流遮断設定を行うことができるようにしても良い。
また上記した変更例においては、可動部材に駆動力を付与する場合の出力トルクを、「100%」又は「15%減(85%)」或いは「20%減(80%)」に任意で設定できるようにした。これに対して、可動部材に停止保持力を付与する場合の停止保持力を、「100%」又は「71%」或いは「38%」若しくは「38%より小」に任意で設定できるようにしても良い。また演出ボタン63の振動中(他の可動部材の移動中)に、枠剣円盤部材232(可動部材)を保持状態にするか否かを任意で設定できるようにしても良い。
また上記形態では、定電流駆動方式である枠剣移動モータドライバIC1が、一定電流として例えば230mAを供給するように設定した。しかしながら、この一定電流とはあくまで、VREFA端子及びVREFB端子に作用する電圧が所定範囲の電圧である場合に、ほとんど一定範囲内になっている電流(230±αmA)という意味である。要するに「一定電流」とは、厳密に同じ電流値(例えば230mA)だけという意味ではなく、当業者がほとんど一定だと考える範囲での電流の意味である。
また上記形態では、第1始動口20又は第2始動口21への入賞に基づいて取得する乱数(判定用情報)として、大当たり乱数等の4つの乱数を取得することとしたが、一つの乱数を取得してその乱数に基づいて、大当たりか否か、大当たりの種別、リーチの有無、及び変動パターンの種類を決めるようにしてもよい。すなわち、始動入賞に基づいて取得する乱数の個数および各乱数において何を決定するようにするかは任意に設定可能である。
また上記形態では、いわゆるV確機(特定領域39の通過に基づいて高確率状態に制御する遊技機)として構成したが、当選した大当たり図柄の種類に基づいて高確率状態への移行が決定される遊技機として構成してもよい。また上記形態では、いわゆるST機(確変の回数切りの遊技機)として構成したが、一旦高確率状態に制御されると次の大当たり遊技の開始まで高確率状態への制御が続く遊技機(いわゆる確変ループタイプの遊技機)として構成してもよい。また上記形態では、特図2の変動を特図1の変動に優先して実行するように構成した。これに対して、特図2の変動と特図1の変動を始動口への入賞順序に従って実行するように構成してもよい。この場合、第1特図保留と第2特図保留とを合算して記憶可能な記憶領域をRAM84に設け、その記憶領域に入賞順序に従って判定用情報を記憶し、記憶順の古いものから消化するように構成すればよい。また、特図2の変動中であっても特図1の変動を実行でき、且つ、特図1の変動中であっても特図2の変動を実行できるように構成してもよい。つまり、所謂同時変動を行う遊技機として構成してもよい。また、いわゆる1種2種混合機や、ハネモノタイプの遊技機として構成してもよい。すなわち、本発明は、遊技機のゲーム性を問わず、種々のゲーム性の遊技機に対して好適に採用することが可能である。
また上記形態では、大当たりに当選してそのことを示す特別図柄が停止表示されたことを制御条件として、大当たり遊技状態(特別遊技状態)に制御されるパチンコ遊技機として構成した。これに対して、スロットマシン(回胴式遊技機、パチスロ遊技機)として構成してもよい。この場合、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの入賞によって獲得メダルを増やす所謂ノーマル機であれば、ビッグボーナスやレギュラーボーナス等のボーナスを実行している状態が特別遊技状態に相当する。また、小役に頻繁に入賞可能なART(アシストリプレイタイム)やAT(アシストタイム)等の特別な遊技期間にて獲得メダルを増やす所謂ART機やAT機であれば、ARTやAT中の状態が特別遊技状態に相当する。また、ノーマル機では特別遊技状態への制御条件は、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選した上で、有効化された入賞ライン上に、ビッグボーナスやレギュラーボーナスへの移行契機となる図柄の組み合せが各リールの表示結果として導出表示されることである。また、ART機やAT機では特別遊技状態への制御条件は、例えば、ARTやATの実行抽選に当選した上で、規定ゲーム数を消化するなどしてARTやATの発動タイミングを迎えることである。
本明細書における「所定の制御条件の成立」とは、上記形態では、第1特別図柄の抽選又は第2特別図柄の抽選において大当たりに当選し、その当選を示す大当たり図柄が停止表示されることである。
11.上記した実施の形態に示されている発明
上記した実施の形態には、以下の各手段の発明が示されている。以下に記す手段の説明では、上記した実施の形態における対応する構成名や表現、図面に使用した符号を参考のためにかっこ書きで付記している。但し、各発明の構成要素はこの付記に限定されるものではない。
<手段A>
手段A1に係る発明は、
所定の制御条件の成立に基づいて有利な特別遊技状態に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、
遊技の進行に係る演出を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン91)と、
駆動可能な複数の駆動部材(枠剣可動体221、枠剣円盤部材232、枠顔可動体400、枠耳可動体500、枠顎可動体600、枠ドラム320、演出ボタン63、盤可動体15、枠ランプ66)と、
前記複数の駆動部材のうち同時に駆動させることが可能な駆動部材の組合せパターン(駆動パターン1〜駆動パターン7)を予め記憶しているパターン記憶手段(ROM93)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記複数の駆動部材のうち所定の駆動部材(枠顔可動体400、枠ドラム320、枠剣可動体221、盤可動体15)を駆動させる所定駆動条件が成立した場合、前記パターン記憶手段に記憶されている組合せパターンに基づいて、前記所定の駆動部材が駆動可能と判定すれば前記所定の駆動部材を駆動させる一方、前記所定の駆動部材が駆動不能と判定すれば前記所定の駆動部材を駆動させないものである(図33の同時駆動判定テーブル参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、パターン記憶手段によって、複数の駆動部材のうち同時に駆動させることが可能な駆動部材の組合せパターンが予め記憶されている。従ってイレギュラーな場合として、同時に駆動させてはならない或る2以上の駆動部材を駆動させる駆動条件が成立しても、組合せパターンに基づいて、同時に駆動するのを防ぐことが可能である。よって、或る2以上の駆動部材が同時に駆動することによる不具合を確実に防ぐことが可能である。
手段A2に係る発明は、
手段A1に記載の遊技機において、
電力を供給可能な電力供給手段(電源基板150)を備え、
前記複数の駆動部材は、前記電力供給手段により供給される電力に基づいて駆動可能なものであり、
前記組合せパターンは、前記複数の駆動部材のうち2以上の駆動部材を同時に駆動させる場合に、前記電力供給手段によって定められる所定の基準値(DC37Vの電源においてピーク電流としての11A,電源基板150において許容損失としての280W)を超えないことに基づいて決定されたものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、組合せパターンにより、電力供給手段によって定められる所定の基準値を超えない範囲で、2以上の駆動部材を同時に駆動させることが可能である。つまり、2以上の駆動部材が同時に駆動しても、電力供給手段によって定められる所定の基準値が超える状況になるのを防ぐことが可能である。よって、駆動部材の種類が多くなることにより電力供給手段の負担が大きくなっても、電力供給手段での不具合を防ぐことが可能である。
手段A3に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機において、
前記所定の基準値には、前記電力供給手段によって供給可能な電流値に基づき定められる電流基準値(DC37Vの電源においてピーク電流としての11A)が含まれていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、駆動部材の種類が多くなっても、電力供給手段によって定められる電流基準値を超えない範囲で、2以上の駆動部材を同時に駆動させることが可能である。
手段A4に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機において、
前記所定の基準値には、前記電力供給手段の性能を維持できる温度を超えない消費電力に基づき定められる許容損失基準値(電源基板150において許容損失としての280W)が含まれていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、駆動部材の種類が多くなっても、電力供給手段によって定められる許容損失基準値を超えない範囲で、2以上の駆動部材を同時に駆動させることが可能である。
手段A5に係る発明は、
手段A2に記載の遊技機において、
前記所定の基準値には、
前記電力供給手段によって供給可能な電流値に基づき定められる電流基準値(DC37Vの電源においてピーク電流としての11A)と、
前記電力供給手段の性能を維持できる温度を超えない消費電力に基づき定められる許容損失基準値(電源基板150において許容損失としての280W)と、が含まれていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電力供給手段によって定められる電流基準値及び許容損失基準値の両方を超えない範囲で、2以上の駆動部材を同時に駆動させることが可能である。従って、電力供給手段での不具合を確実に防ぐことが可能である。
手段A6に係る発明は、
手段A2乃至手段A5の何れかに記載の遊技機において、
前記複数の駆動部材には、発光可能な特定発光手段(枠ランプ66)が含まれていて、
前記演出制御手段は、
前記特定発光手段の発光中に前記複数の駆動部材のうち特定の駆動部材(枠ドラム320)を駆動させる特定駆動条件が成立した場合、前記パターン記憶手段に記憶されている組合せパターン(図33の駆動パターン2又は駆動パターン3参照)に基づいて、前記特定発光手段を発光させずに前記特定の駆動部材が駆動可能(ステップS2305でYES)と判定すれば、前記特定発光手段を発光させずに前記特定の駆動部材を駆動可能なものである(ステップS2306,S2308を実行する)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、特定発光手段の発光中に特定の駆動部材を駆動させる特定駆動条件が成立した場合、電力供給手段によって定められる所定の基準値を超えるのを回避すべく、特定発光手段を発光させない一方、特定の駆動手段を駆動させることが可能である。こうして、特定発光手段による発光よりも、特定の駆動部材の駆動を優先させることが可能である。
手段A7に係る発明は、
手段A1乃至手段A6の何れかに記載の遊技機において、
前記複数の駆動部材のうちどの駆動部材が駆動中であるかを示す駆動情報(各駆動中フラグ)を記憶可能な駆動情報記憶手段(RAM94)を備え、
前記演出制御手段は、
前記所定駆動条件が成立した場合、前記駆動情報記憶手段に記憶されている駆動情報と前記パターン記憶手段に記憶されている組合せパターンとに基づいて、前記所定の駆動部材が駆動可能か否かを判定する(例えばステップS2002,S2003,S2004を実行する)ものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、或る駆動部材が駆動しているときには、その駆動部材の駆動中を示す駆動情報が記憶されている。このときに、所定の駆動部材を駆動させる所定駆動条件が成立すると、駆動情報と組合せパターンとに基づいて、所定の駆動部材が駆動可能か否かを判定する。こうして駆動情報を利用することで、駆動開始のタイミングがずれていても、2以上の駆動部材が同時に駆動できる状況か否かを判定することが可能である。
手段A8に係る発明は、
手段A7に記載の遊技機において、
前記演出制御手段は、
前記複数の駆動部材のうち第1の駆動部材(枠顔可動体400)の駆動中(枠顔可動体400の動作位置への移動中)に第2の駆動部材(枠ドラム320)を駆動させる駆動条件が成立しても、前記第1の駆動部材が駆動中であることを示す駆動情報と前記組合せパターンとに基づいて前記第2の駆動部材を駆動させない場合には、前記駆動情報記憶手段に前記第1の駆動部材が駆動中であることを示す駆動情報が記憶されなくなると(ステップS2014が実行されると)、前記第2の駆動部材を駆動(ステップS2020を実行)可能なものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、第1の駆動部材の駆動中に第2の駆動部材を駆動させる駆動条件が成立したにも拘わらず第2の駆動部材を駆動させない場合には、第1の駆動部材の駆動が終了した後に、第2の駆動部材を駆動させることが可能である。従って、第2の駆動部材が全く駆動しないことによる不自然な印象を与えるのを回避することが可能である。
ところで、特開2008−272111号公報に記載の遊技機では、可動部材や発光部材等の駆動部材が搭載されている。そして、近年の遊技機では、大きく且つ多くの駆動部材が搭載されるようになっている。そのため、例えば駆動部材同士が干渉する可能性や、電力不足による不具合が生じる可能性が高くなっている。従って、或る2以上の駆動部材が同時に駆動する場合に生じ得る不具合を確実に防止できることが望まれる。そこで上記したA1〜A8に係る発明は、特開2008−272111号公報に記載の遊技機に対して、演出制御手段は、複数の駆動部材のうち所定の駆動部材を駆動させる所定駆動条件が成立した場合、パターン記憶手段に記憶されている組合せパターンに基づいて、所定の駆動部材が駆動可能と判定すれば所定の駆動部材を駆動させる一方、所定の駆動部材が駆動不能と判定すれば所定の駆動部材を駆動させないものであるという点で相違している。これにより、或る2以上の駆動部材が同時に駆動することによる不具合を確実に防止することが可能な遊技機を提供するという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段B>
手段B1に係る発明は、
所定の制御条件の成立に基づいて有利な特別遊技状態に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、
移動可能な可動部材(枠ドラム320)と、
前記可動部材を移動させる駆動力を付与可能であると共に、前記可動部材の停止を保持させる停止保持力を付与可能な駆動手段(枠ドラム回転モータ321)と、
前記駆動手段を制御可能な駆動回路部(枠ドラムモータドライバIC11,IC21)と、を備え、
前記駆動回路部は、
前記駆動手段に所定の駆動電流(一定電流,例えば200mA)を供給することに基づいて当該駆動手段が前記可動部材に駆動力を付与する駆動状態、又は、
前記駆動手段に前記駆動電流よりも小さい低下電流(例えば71%である142mA,例えば38%である76mA)を供給することに基づいて、当該駆動手段が前記可動部材に停止保持力を付与する保持状態にすることが可能なものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、駆動手段が可動部材に駆動力を付与する駆動状態では、可動部材を移動させることが可能である。一方、駆動手段が可動部材に停止保持力を付与する保持状態では、可動部材の停止を保持することが可能である。この保持状態では、駆動回路部が駆動手段に駆動電流よりも小さい低下電流を供給することで、可動部材の停止を保持するための消費電流を抑えることが可能である。
手段B2に係る発明は、
手段B1に記載の遊技機において、
前記駆動回路部は、前記低下電流として、前記駆動電流よりも所定割合(例えば62%)だけ小さい電流(例えば38%である76mA)を前記駆動手段に供給可能に構成されていて、
前記駆動回路部に前記低下電流よりも更に小さい超低下電流(例えば20%である40mA)を供給させて、前記駆動手段が前記可動部材に停止保持力を付与する低電流保持状態にすることが可能な電流低下手段(電流低下外付回路310B,320B)を備えていることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、電流低下手段により、駆動回路部が低下電流よりも更に小さい超低下電流を駆動手段に供給する低電流保持状態にすることが可能である。よって、可動部材の停止を保持するための消費電流を一層抑えることが可能である。
手段B3に係る発明は、
手段B2に記載の遊技機において、
前記駆動回路部に対して特定制御信号(PHASEA端子に入力する「H」レベルの信号、PHASEB端子に入力する「H」レベルの信号、INA1端子に入力する「L」レベルの信号、INA2端子に入力する「H」レベルの信号、INB1端子に入力する「L」レベルの信号、INB2端子に入力する「H」レベルの信号)を出力可能な制御信号出力部(入出力IC12)を備え、
前記駆動回路部は、前記特定制御信号の入力に基づいて前記低下電流を出力可能に構成されていて、
前記電流低下手段は、
前記制御信号出力部により出力された前記特定制御信号の少なくとも一部(INA1端子に入力する「L」レベルの信号)を入力することに基づいて、前記特定制御信号を入力する前記駆動回路部に前記低下電流ではなく、前記超低下電流を供給させるものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、予め駆動回路部は、特定制御信号を入力すれば低下電流を出力するように構成されている。ここで電流低下手段は、制御信号出力部が出力した特定制御信号の一部を入力することで、特定制御信号を入力する駆動回路部に低下電流ではなく、超低下電流を供給させることが可能である。従って、電流低下手段を新たに設けても、制御信号出力部に出力させる制御信号を新たに増やす必要がない。よって、ソフト的な変更を行わずに簡易に実施することが可能である。
手段B4に係る発明は、
手段B2又は手段B3に記載の遊技機において、
前記駆動回路部(枠耳移動モータ520を制御可能なドライバ)は、
前記駆動電流(例えば150mA)よりも第1所定割合(例えば29%)だけ小さい第1低下電流(例えば71%である106.5mA)、又は前記駆動電流よりも第2所定割合(例えば62%)だけ小さく且つ前記第1低下電流よりも小さい第2低下電流(例えば38%である57mA)を供給可能に構成されていて、
前記電流低下手段は、
前記駆動回路部に前記第1低下電流よりも更に小さい第1超低下電流(例えば56mA)を供給させて、前記駆動手段が前記可動部材に停止保持力を付与する第1低電流保持状態にすることが可能であり、且つ
前記駆動回路部に前記第2低下電流よりも更に小さい第2超低下電流(例えば30mA)を供給させて、前記駆動手段が前記可動部材に停止保持力を付与する第2低電流保持状態にすることが可能なものである(図65参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、予め駆動回路部は、駆動電流よりも小さい第1低下電流、又は第1低下電流よりも小さい第2低下電流を供給可能に構成されている。そして電流低下手段により、駆動回路部が第1低下電流よりも更に小さい第1超低下電流を駆動手段に供給する第1低電流保持状態、又は駆動回路部が第2低下電流よりも更に小さい第2超低下電流を駆動手段に供給する第2低電流保持状態にすることが可能である。よって、比較的大きな停止保持力が必要な場合には、第1低電流保持状態にして、比較的小さな停止保持力で十分な場合には、第2低電流保持状態にする。こうして必要な停止保持力に応じて、第1低電流保持状態又は第2低電流保持状態を選択することが可能である。
手段B5に係る発明は、
手段B2乃至手段B4の何れかに記載の遊技機において、
前記可動部材は、遊技者への特典に係わる情報(例えば「激アツ」の文字,「V」の文字)を示すことが可能なものであり(図18,図19参照)、
前記駆動回路部及び前記電流低下手段を制御可能な演出制御手段(演出制御用マイコン91)を備え、
前記演出制御手段は、前記可動部材が遊技者への特典に係わる情報を示しているときに、前記駆動回路部及び前記電流低下手段への制御に基づいて、前記低電流保持状態にすることが可能なものである(ステップS902を実行する)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、可動部材が遊技者への特典に係わる情報を示しているときに、仮に可動部材が動いてしまうと、遊技者に誤解を与えかねない。そこでこのときには、演出制御手段が、駆動回路部及び電流低下手段への制御に基づいて低電流保持状態にする。これにより、遊技者への誤解を与えるような可動部材の動きを防ぎつつ、消費電流を抑えることが可能である。
ところで、特開2008−272111号公報に記載の遊技機において、例えば可動部材を待機位置から動作位置へ移動させた後に、可動部材を動作位置にて所定時間の間だけ停止させておく場合がある。この場合、駆動回路部(ドライバIC)が、可動部材の停止を保持する停止保持力を生じさせるべく、停止保持(停止励磁)用の電流を駆動手段(モータ)に供給することになる。このとき仮に、駆動回路部が、可動部材を移動させたときと同じ大きさの駆動電流を駆動手段に供給してしまうと、可動部材の停止を保持するための消費電流が大きくなってしまう。そこで上記したB1〜B5に係る発明は、特開2008−272111号公報に記載の遊技機に対して、駆動回路部が、駆動手段に駆動電流よりも小さい低下電流を供給することに基づいて、当該駆動手段が可動部材に停止保持力を付与する保持状態にすることが可能なものである点で相違している。これにより、可動部材の停止を保持するための消費電流を抑えることが可能な遊技機を提供するという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段C>
手段C1に係る発明は、
所定の制御条件の成立に基づいて有利な特別遊技状態に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、
移動可能な可動部材(枠剣可動体221,枠剣円盤部材232)と、
前記可動部材を移動させる駆動力を付与可能であると共に、前記可動部材の停止を保持させる停止保持力を付与可能な駆動手段(枠剣移動モータ223,枠剣円盤部材回転モータ231)と、
前記駆動手段を制御可能な駆動回路部(枠剣移動モータドライバIC1,枠剣円盤部材回転モータドライバIC31)と、
前記駆動回路部を制御可能な制御手段(演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記制御手段は、
前記駆動回路部が前記駆動手段に所定の駆動電流を供給することに基づいて当該駆動手段が前記可動部材に駆動力を付与する駆動状態、又は、
前記駆動回路部が前記駆動手段に前記駆動電流よりも小さい低下電流を供給することに基づいて、当該駆動手段が前記可動部材に停止保持力を付与する保持状態、或いは、
前記駆動回路部が前記駆動手段に電流を供給しないことに基づいて当該駆動手段が前記可動部材に停止保持力を付与しない無電流状態に切替可能なものである(図32参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、可動部材を移動させる場合には、駆動回路部が駆動手段に駆動電流を供給することにより、可動部材に駆動力を付与する駆動状態にする。また可動部材の停止を保持する場合には、駆動回路部が駆動手段に低下電流を供給することにより、可動部材に停止保持力を付与する保持状態にする。そして、可動部材を移動させない場合で且つ可動部材の停止を保持する必要がない場合には、駆動回路部が駆動手段に電流を供給しないことにより、可動部材に停止保持力が付与されない無電流状態にする。こうして可動部材の状況に応じて、駆動状態と保持状態と無電流状態とを適宜切替えることで、消費電流を抑えることが可能である。
手段C2に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機において、
前記可動部材(枠剣可動体221)は、遊技者が所定の第1位置(図16(B)に示す押込位置)から第2位置(図16(A)に示す収納位置)へ操作可能なものであり、
前記制御手段は、
前記可動部材が前記第1位置にあるときには、前記保持状態にしていて、
遊技者が前記可動部材を前記第1位置から前記第2位置へ操作することに基づいて、前記保持状態から前記無電流状態に切替可能なものである(図32参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、可動部材が第1位置にあるときには、保持状態にすることで、可動部材の第1位置での停止を保持することが可能である。しかしながら、遊技者が可動部材を第1位置から第2位置へ操作する際に、仮に保持状態が常に維持されていると、遊技者が操作し難い。そこでこのときには、保持状態から無電流状態に切替えることで、可動部材への停止保持力が解除される。これにより、遊技者が可動部材を第2位置へ操作し易くすることが可能である。
手段C3に係る発明は、
手段C2に記載の遊技機において、
前記可動部材が少なくとも前記第1位置にあることを検出可能な第1位置検出手段(押込位置検出センサ227)を備え、
前記第1位置検出手段は、前記可動部材が前記第1位置から前記第2位置へ移動する途中で(図16(C)に示す押込途中位置を通過すると)検出しなくなるものであり、
前記制御手段は、遊技者が前記可動部材を前記第1位置から前記第2位置へ操作する際に、前記第1位置検出手段による検出がなくなると前記保持状態から前記無電流状態に切替えるものである(図32参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技者による操作で第1位置にある可動部材が第2位置へ移動し始めるとき、未だ保持状態になっている。そのため、遊技者は停止保持力に抗して、可動部材を移動させることになる。その後、可動部材が第1位置から第2位置へ移動する途中で、保持状態から無電流状態に切替わる。これにより、可動部材への停止保持力が解除されるため、遊技者は可動部材をスムーズに第2位置へ移動させることが可能である。こうして遊技者には、移動し始めに少し抵抗力を感じさせて、その後にスムーズに可動部材を操作できるという新たな操作感を与えることが可能である。
手段C4に係る発明は、
手段C1に記載の遊技機において、
移動可能な他の可動部材(演出ボタン63)を備え、
前記制御手段は、
前記他の可動部材が移動しているときには前記保持状態にする一方、
前記他の可動部材が移動していないときには前記無電流状態にすることが可能なものである(図32参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、無電流状態にあるときに他の可動部材が移動しているときには、保持状態になる。そのため、可動部材の停止を保持することが可能である。その後、他の可動部材の移動が終了すると、無電流状態に切替わる。これにより、可動部材への停止保持力が解除される。こうして消費電流をできるだけ減らしつつ、他の可動部材の移動中に、可動部材が動くような事態を回避することが可能である。
手段C5に係る発明は、
手段C4に記載の遊技機において、
枠状の基枠部(外枠51及び内枠52)と前記基枠部の前面側に位置する前枠部(前枠53)とを含む遊技機枠(50)を備え、
前記可動部材及び前記他の可動部材は、前記遊技機枠に取付けられていて、
前記他の可動部材は、振動可能なものであり、
前記制御手段は、
前記他の可動部材が振動しているときには前記保持状態にする一方、
前記他の可動部材が振動していないときには前記無電流状態にすることが可能なものである(図32参照)ことを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技機枠に取付けられている他の可動部材が振動すると、遊技機枠に取付けられている可動部材が動く可能性がある。そこで、他の可動部材の振動中に保持状態にすることで、可動部材が振動によって動くのを回避することが可能である。
ところで、特開2008−272111号公報に記載の遊技機において、例えば可動部材を待機位置から動作位置へ移動させた後に、可動部材を動作位置にて所定時間の間だけ停止させておく場合がある。この場合、駆動回路部(ドライバIC)が、可動部材の停止を保持する停止保持力を生じさせるべく、停止保持(停止励磁)用の電流を駆動手段(モータ)に供給することになる。このとき仮に、駆動回路部が、可動部材を移動させたときと同じ大きさの駆動電流を駆動手段に供給してしまうと、可動部材の停止を保持するための消費電流が大きくなってしまう。また例えば可動部材が比較的安定した状態で待機位置にある場合がある。つまり、待機位置にある可動部材に対して、可動部材の停止を保持する停止保持力を付与する必要がない場合がある。このとき仮に、駆動回路部が、停止保持用の電流を駆動手段に供給すると、可動部材の停止を保持するための消費電流が無駄になってしまう。以上により、可動部材の状況に応じて、消費電流の抑制には改善の余地があった。そこで上記したC1〜C5に係る発明は、特開2008−272111号公報に記載の遊技機に対して、制御手段は、駆動回路部が駆動手段に所定の駆動電流を供給することに基づいて当該駆動手段が前記可動部材に駆動力を付与する駆動状態、又は、駆動回路部が駆動手段に駆動電流よりも小さい低下電流を供給することに基づいて、当該駆動手段が前記可動部材に停止保持力を付与する保持状態、或いは、駆動回路部が駆動手段に電流を供給しないことに基づいて当該駆動手段が可動部材に停止保持力を付与しない無電流状態に切替可能なものである点で相違している。これにより、可動部材の状況に応じて、消費電流を抑えることが可能な遊技機を提供するという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段D>
手段D1に係る発明は、
所定の制御条件の成立に基づいて有利な特別遊技状態に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、
移動可能な可動部材(枠剣可動体221)と、
前記可動部材を移動させる駆動力を付与可能な駆動手段(枠剣移動モータ223)と、
前記駆動手段の駆動を制御可能な駆動回路部(枠剣移動モータドライバIC1)と、
前記駆動手段と前記駆動回路部との間の制御ライン(L1,L2,L3,L4)と、
前記制御ラインを導通状態又は非導通状態に切替可能な導通切替手段(電流遮断回路224A)と、を備えることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、導通切替手段により、駆動手段と駆動回路部との間の制御ラインを非導通状態にすることが可能である。これにより、可動部材を移動させない場合には、駆動手段側から駆動回路部側へ意図しない超過電圧等が作用するのを回避して、駆動回路部の故障を防ぐことが可能である。
手段D2に係る発明は、
手段D1に記載の遊技機において、
枠状の基枠部(外枠51及び内枠52)と前記基枠部の前面側に位置する前枠部(前枠53)とを含む遊技機枠(50)を備え、
前記可動部材は、前記遊技機枠に取付けられていて、人体(遊技者等)によって移動させることが可能なものであること(図1参照)を特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、遊技者が悪戯により、遊技機枠に取付けられている可動部材を移動させる場合がある。この場合、駆動手段にて逆起電力が生じ得る。そこで導通切替手段により、駆動手段と駆動回路部との間の制御ラインを非導通状態にしておくことで、駆動回路部の耐電圧を超えるような超過電圧が作用するのを防ぐことが可能である。よって、逆起電力によって駆動回路部が故障するのを防ぐことが可能である。
手段D3に係る発明は、
手段D2に記載の遊技機において、
前記可動部材は、所定の第1位置(図16(A)に示す収納位置)と第2位置(図16(B)に示す押込位置)との間で直線状に移動可能なものであることを特徴とする遊技機。
この構成の遊技機によれば、遊技者が悪戯により、可動部材を直線状に高速で移動させると、駆動手段に大きな逆起電力が生じ得る。この場合でも、駆動手段と駆動回路部との間の制御ラインを非導通状態にしておくことで、駆動回路部に大きな逆起電力が作用するのを防ぐことが可能である。
手段D4に係る発明は、
手段D1乃至手段D3の何れかに記載の遊技機において、
所定の演出駆動条件の成立(枠剣操作促進演出を実行する変動演出パターンが選択されたこと)に基づいて、前記駆動回路部を制御することにより前記駆動手段を駆動させることが可能な演出制御手段(ステップS310を実行する演出制御用マイコン91)と、
前記演出駆動条件の成立に基づいて、前記駆動手段を駆動させることが可能な駆動期間(枠剣可動体駆動期間)を設定する駆動期間設定手段(ステップS606を実行する演出制御用マイコン91)と、を備え、
前記演出制御手段は、
前記導通切替手段を制御可能なものであり、
前記駆動期間が設定されているときには、前記制御ラインが導通状態になるように前記導通切替手段を切替えている(ステップS702を実行する)一方、
前記駆動期間が設定されていないときには、前記制御ラインが非導通状態になるように前記導通切替手段を切替えている(ステップS704を実行する)ものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、演出駆動条件の成立に基づいて駆動期間が設定されている間は、演出制御手段により制御ラインが導通状態に切替えられる。よって、駆動回路部が駆動手段の駆動を制御して、可動部材を移動させることが可能である。一方、駆動期間が設定されていない間は、演出制御手段により制御ラインが非導通状態に切替えられる。従って、駆動手段側から駆動回路部側へ、駆動回路部の耐電圧を超えるような超過電圧が作用するのを回避することが可能である。こうして、自動で制御ラインの導通状態又は非導通状態を適宜切替えて、駆動回路部に超過電圧が作用するのを防ぐことが可能である。
手段D5に係る発明は、
手段D1乃至手段D4の何れかに記載の遊技機において、
当該遊技機に電源を供給可能な電源供給手段(電源基板150)を備え、
前記導通切替手段は、前記電源供給手段により当該遊技機に電源が投入されていないときに、前記制御ラインを非導通状態に切替えているものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、当該遊技機に電源が投入されていないときに、制御ラインが非導通状態に切替えられている。従って、遊技されていないときにでも、駆動手段側から駆動回路部側へ超過電圧が作用するのを防ぐことができて、駆動回路部の安全性をより高めることが可能である。
ところで、特開2008−272111号公報に記載の遊技機では、仮に駆動手段(モータ)で大きな電力(逆起電力や静電気に基づくサージ等)が生じた場合、その大きな電力は駆動手段(モータ)側から駆動回路部(ドライバ)側へ作用するおそれがある。その場合、駆動回路部へ意図しない超過電圧が作用してしまい、駆動回路部が故障する可能性があった。そこで上記した手段D1〜D5に係る発明は、特開2008−272111号公報に記載の遊技機に対して、駆動手段と駆動回路部との間の制御ラインを導通状態又は非導通状態に切替可能な導通切替手段を備える点で相違している。これにより、駆動回路部の故障を防止することが可能な遊技機を提供するという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。
<手段E>
手段E1に係る発明は、
所定の制御条件の成立に基づいて有利な特別遊技状態に制御する遊技機(パチンコ遊技機1)において、
移動可能な可動部材(枠剣可動体221,枠ドラム320)と、
前記可動部材を移動させる駆動力を付与可能な駆動手段(枠剣移動モータ223,枠ドラム回転モータ321)と、
前記駆動手段の駆動を制御可能な駆動回路部(枠剣移動モータドライバIC1,左側枠ドラムモータドライバIC11,右側枠ドラムモータドライバIC21)と、を備え、
前記駆動回路部は、前記駆動手段に対して所定の一定電流(本形態では230mA,200mA)を供給可能な定電流駆動方式のものであることを特徴とする遊技機である。
駆動手段(モータ)においては、駆動中において、逆起電圧(逆起電力に基づく電圧)が発生するため、有効な電圧が少なからず減少してしまう。そのため、駆動手段による駆動が高速になるほど、駆動手段に対して電流が流れ難くなって、駆動手段で所望のトルクを発生させ難くなる。そこでこの構成の遊技機によれば、駆動回路部が、駆動手段に対して所定の一定電流を供給可能な定電流駆動方式のものになっている。そのため、逆起電圧が発生しても、駆動手段に対して一定電流を供給することができて、トルクの減少を抑えることが可能である。よって、可動部材の高速移動を実現することが可能である。
手段E2に係る発明は、
手段E1に記載の遊技機において、
前記駆動回路部が前記駆動手段に対して前記一定電流を供給可能な通常状態、又は、前記駆動回路部が前記駆動手段に対して前記一定電流よりも小さい低下電流を供給可能な低下状態に切替可能な状態切替手段(検査用外付回路224B,310A,320A)を備えていることを特徴とする遊技機である。
可動部材の動作に対する検査を行う場合、駆動手段が発生するトルクを下げた状態でも、可動部材が適切に動作できるか否かを検査する。ここで駆動回路部が、定電流駆動方式のものである場合、仮に駆動回路部に作用する電圧を下げても、駆動回路部が駆動手段に対して一定電流を供給してしまう。従って、駆動手段に供給する電流を低下させることができず、駆動手段が発生するトルクを下げることができない。そこでこの構成の遊技機によれば、状態切替手段を設けて、低下状態に切替えることで、駆動回路部が駆動手段に対して一定電流よりも小さい低下電流を供給することが可能である。その結果、駆動手段が発生するトルクを下げた状態で、可動部材が適切に動作するか否かを検査することが可能である。
手段E3に係る発明は、
手段E2に記載の遊技機において、
前記状態切替手段は、入力する制御信号(K−CHECK1制御信号,K−CHECK2制御信号,入出力IC12の出力端子P08,09から出力される信号,入出力IC12の出力端子P00,01から出力される信号)に基づいて前記通常状態又は前記低下状態に切替可能なものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、ソフト的に通常状態又は低下状態に切替えることができるため、手動スイッチ等のハード的に通常状態又は低下状態に切替える場合に比べて、可動部材が適切に動作するか否かの検査を簡易に行うことが可能である。
手段E4に係る発明は、
手段E2又は手段E3に記載の遊技機において、
前記状態切替手段は、
前記通常状態、又は前記駆動回路部が前記駆動手段に対して前記一定電流よりも小さい第1の低下電流(15%減少した電流)を供給可能な第1の低下状態、或いは前記駆動回路部が前記駆動手段に対して前記第1の低下電流よりも小さい第2の低下電流(20%減少した電流)を供給可能な第2の低下状態に切替可能なものであることを特徴とする遊技機である。
この構成の遊技機によれば、駆動回路部が駆動手段に対して第1の低下電流を供給している状態で、可動部材が適切に動作するか否かを検査できる。更に、駆動回路部が駆動手段に対して第2の低下電流を供給している状態でも、可動部材が適切に動作するか否かを検査できる。よって、どのくらい駆動手段が発生するトルクを下げても、可動部材が適切に動作するのかを見極めることが可能である。
手段E5に係る発明は、
手段E1乃至手段E4の何れかに記載の遊技機において、
前記駆動手段は、コイル(図23(A)に示すコイルA,B)に対して双方向に電流を流すバイポーラ型のステッピングモータであることを特徴とする遊技機である。
1つのコイルのうち半分の巻線に対して一方向に電流を流すユニポーラ型のステッピングモータの場合、或る瞬間で見ると、コイルの半分は機能していない。従って、コイルの利用効率が悪い。そこでこの構成の遊技機によれば、コイル全体に対して電流を双方向に流すバイパーラ型のステッピングモータを用いることで、ユニポーラ型のステッピングモータに比べて、コイルの利用効率を高くすることが可能である。その結果、低速回転時のトルクを高めることが可能である。
ところで、特開2007−295970号公報に記載の遊技機では、駆動手段(モータ)が駆動しているときには、逆起電圧(逆起電力に基づく電圧)が発生するため、有効な電圧が少なからず減少してしまう。そのため、駆動手段による駆動が高速になるほど、駆動手段に電流が流れ難くなって、駆動手段で所望のトルクを発生させ難くなる。従って、可動部材を高速移動させるには改善の余地があった。そこで上記した手段E1〜E5に係る発明は、特開2007−295970号公報に記載の遊技機に対して、駆動回路部は、駆動手段に対して所定の一定電流を供給可能な定電流駆動方式のものであるという点で相違している。これにより、可動部材を高速移動させることが可能な遊技機を提供するという課題を解決(作用効果を奏する)ことが可能である。
1…パチンコ遊技機
50…遊技機枠
63…演出ボタン
66…枠ランプ
91…演出制御用マイコン
93…ROM
94…RAM
150…電源基板
221…枠剣可動体
232…枠剣円盤部材
320…枠ドラム
400…枠顔可動体
500…枠耳可動体
600…枠顎可動体

Claims (1)

  1. 所定の制御条件の成立に基づいて有利な特別遊技状態に制御する遊技機において、
    遊技の進行に係る演出を制御可能な演出制御手段と、
    駆動可能な複数の駆動部材と、を備え、
    前記演出制御手段は、
    前記複数の駆動部材のうちどの駆動部材が駆動中であるかを示す駆動フラグを記憶可能なものであり、
    前記複数の駆動部材のうち第1の駆動部材と第2の駆動部材とを同時に駆動させる駆動条件が成立した場合、前記各駆動フラグに基づいて前記第1の駆動部材と前記第2の駆動部材とを同時に駆動させるかを判断可能なものであることを特徴とする遊技機。
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