JP2019024453A - Rna濃度定量方法、rna濃度定量用デバイス、及びrna濃度定量用装置 - Google Patents

Rna濃度定量方法、rna濃度定量用デバイス、及びrna濃度定量用装置 Download PDF

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真之 湯本
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学 瀬尾
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礼男 前田
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侑希 米川
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Abstract

【課題】煩雑な操作を必要とせず、標的RNAの濃度を高精度に定量することができるRNA濃度定量方法の提供。【解決手段】RNAの濃度を定量するRNA濃度定量方法であって、粒子に固定化した特定の塩基配列を用いて標的RNAを捕捉する標的RNA捕捉工程と、前記標的RNAを前記粒子に捕捉したまま一本鎖cDNAを合成する一本鎖cDNA合成工程と、前記一本鎖cDNAの特定の塩基配列に対してDNA増幅反応乃至ハイブリダイゼーションによる高分子合成反応を行うDNA増幅反応乃至高分子合成反応工程と、前記粒子、及び前記DNA増幅反応乃至ハイブリダイゼーションによる高分子合成反応による前記粒子上の反応産物を光学的に検出する光学的検出工程と、前記光学的検出工程における検出結果に基づいて、粒子数及び前記粒子上の前記反応産物の有無を計数する反応産物計数工程と、を一連の工程で行うRNA濃度定量方法である。【選択図】図11

Description

本発明は、RNA濃度定量方法、RNA濃度定量用デバイス、及びRNA濃度定量用装置に関する。
細胞の活動において必要とされるタンパク質の生産が起こる際は、まず設計図に相当するゲノムDNAから、目的の遺伝子の部分配列についてmRNAが転写及び合成される。
ある生物由来試料において、どの遺伝子が発現しているかを確認するには、転写産物であるmRNAを含むtotal RNAを抽出及び精製し、分析することにより推定することが可能である。
ポリメラーゼ連鎖反応(Polymerase Chain Reaction、以下、「PCR」とも称することがある)を用いた特異的核酸配列の検出及び定量は、核酸の分析技術の大きな発展に寄与している。
第3世代のPCRと呼ばれるデジタルPCRでは、標的核酸の濃度の絶対定量が可能となっている。デジタルPCRは、標的核酸が含まれる試料溶液を希釈して微小区画に分割し、微小区画内にてPCR増幅を行う。このとき、微小区画内には標的核酸が1分子入る又は1分子も入らない条件とすることにより、標的核酸を含む微小区画では増幅シグナルがポジティブとなり、標的核酸を含まない微小区画では増幅シグナルがネガティブとなる。この増幅シグナルがポジティブである微小区画の数と増幅シグナルがネガティブである微小区画の数を直接計数することにより、試料溶液中に含まれる標的核酸の濃度を定量することができる。
また、1細胞中又は少数細胞中の遺伝子発現を網羅的かつ精密に解析するための試料調整方法を提供するために、細胞中のmRNAからcDNAを増幅する方法であって、(1)第1鎖cDNAを合成する工程、(2)反応試薬を除去する工程、(3)ポリヌクレオチド配列を付加する工程、(4)第2鎖cDNAを合成する工程、(5)DNA増幅反応を行う工程を含む方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
さらに、単一細胞の遺伝子発現を好適に定量解析するために、単一細胞を採取する工程と、細胞溶解工程と、DNA分解工程と、mRNAを、オリゴ(dT)にハイブリダイズさせる工程と、単一細胞由来cDNA固定化担体ライブラリーを作製する工程と、増幅反応を行いながらその増幅量を検出する工程を有する核酸検出方法が提案されている(例えば、特許文献2参照)。
本発明は、煩雑な操作を必要とせず、標的RNAの濃度を高精度に定量することができるRNA濃度定量方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としての本発明のRNA濃度定量方法は、RNAの濃度を定量するRNA濃度定量方法であって、粒子に固定化した特定の塩基配列を用いて標的RNAを捕捉する標的RNA捕捉工程と、前記標的RNAを前記粒子に捕捉したまま一本鎖cDNAを合成する一本鎖cDNA合成工程と、前記一本鎖cDNAの特定の塩基配列に対してDNA増幅反応乃至ハイブリダイゼーションによる高分子合成反応を行うDNA増幅反応乃至高分子合成反応工程と、前記粒子、及び前記DNA増幅反応乃至ハイブリダイゼーションによる高分子合成反応による前記粒子上の反応産物を光学的に検出する光学的検出工程と、前記光学的検出工程における検出結果に基づいて、粒子数及び前記粒子上の前記反応産物の有無を計数する反応産物計数工程と、を一連の工程で行う。
本発明によると、煩雑な操作を必要とせず、標的RNAの濃度を高精度に定量することができるRNA濃度定量方法を提供することができる。
図1は、本発明のRNA濃度定量方法のフローを示す図である。 図2は、オリゴ(dT)が修飾された磁気ビーズの一例を示す模式図である。 図3は、mRNAのポリA配列がオリゴ(dT)とハイブリダイズして磁気ビーズに捕捉された状態の一例を示す模式図である。 図4は、一本鎖cDNAを合成する工程の一例を示す模式図である。 図5Aは、Rolling circle amplification法の一例を示す模式図である。 図5Bは、Rolling circle amplification法の一例を示す模式図である。 図5Cは、Rolling circle amplification法の一例を示す模式図である。 図6Aは、複数のプライマーを用いたRolling circle amplificationの一例を示す模式図である。 図6Bは、複数のプライマーを用いたRolling circle amplificationの一例を示す模式図である。 図7Aは、Hybridization Chain Reaction法の一例を示す模式図である。 図7Bは、Hybridization Chain Reaction法の一例を示す模式図である。 図7Cは、Hybridization Chain Reaction法の一例を示す模式図である。 図7Dは、Hybridization Chain Reaction法の一例を示す模式図である。 図8は、粒子の蛍光を蛍光顕微鏡で観察した画像の一例を示す写真である。 図9は、粒子における反応シグナルの輝度値情報の一例を示すグラフである。 図10は、ポアソン分布に基づいて、mRNAの捕捉数を確率計算した一例を示すグラフである。 図11は、本発明のRNA濃度定量方法を用いてRNAの濃度を定量するRNA濃度定量用デバイス及びRNA濃度定量用装置の一例を示す模式図である。
(RNA濃度定量方法)
本発明のRNA濃度定量方法は、RNAの濃度を定量するRNA濃度定量方法であって、粒子に固定化した特定の塩基配列を用いて標的RNAを捕捉する標的RNA捕捉工程と、前記標的RNAを前記粒子に捕捉したまま一本鎖cDNAを合成する一本鎖cDNA合成工程と、前記一本鎖cDNAの特定の塩基配列に対してDNA増幅反応乃至ハイブリダイゼーションによる高分子合成反応を行うDNA増幅反応乃至高分子合成反応工程と、前記粒子、及び前記DNA増幅反応乃至ハイブリダイゼーションによる高分子合成反応による前記粒子上の反応産物を光学的に検出する光学的検出工程と、前記光学的検出工程における検出結果に基づいて、粒子数及び前記粒子上の前記反応産物の有無を計数する反応産物計数工程と、を一連の工程で連続して行い、更に必要に応じてその他の工程を含む。
第1世代のPCRは、アガロースゲル電気泳動によるエンドポイント分析を行って定性的結果を得ることができる。第2世代のリアルタイムPCRは、蛍光プローブを用いて各サイクル後の増幅の進行をモニターすることができ、PCRのサイクル数から初期核酸濃度を推定することができる。しかし、リアルタイムPCRでは、未知の濃度を推定するためには、内在性コントロールや外部コントロールと比較して検量線を作成し、コントロールとの相対値で濃度を定量するため、核酸配列毎の増幅効率のバイアスによって定量の精度が制限される。
そこで、デジタルPCRは、検量線を必要としない高感度で高精度な分析手法として、低濃度試料の定量や、遺伝子間での発現量の比較、レアバリアント解析などで活用されている。さらに、PCRだけでなく、微小区画の中で等温増幅を行うデジタル等温増幅技術も開発されている。
しかし、従来のデジタルPCRやデジタル等温増幅などのデジタル核酸分析法は、(1)生体組織や血液などの試料からの標的核酸の抽出及び精製、(2)標的核酸を含む試料溶液の微小区画化、(3)核酸の増幅、及び(4)増幅シグナルの検出の4つの基本要素によって成り立つ。現在上市されているデジタルPCRの装置では、これらの4つの基本要素は、別々のプラットフォームによって実施されている。具体的には、(1)試料からの標的核酸の抽出作業を行い、その後、(2)デバイスや装置を用いて試料溶液の微小区画化を実施し、(3)微小区画化された試料溶液をサーマルサイクラーに移してPCR増幅を行い、最後に、(4)増幅シグナル読取り装置に増幅産物の入ったデバイスを移動し、増幅シグナルを読み取るという工程を含む。つまり、従来のデジタル核酸分析法では、デジタルPCRで標的核酸の濃度を定量するために、各工程に対して別々の装置の使用とそれに伴うハンドリングが必要となり、半日近い作業時間を要してしまうという問題があるという知見に基づくものである。
ここで、従来のPCRやリアルタイムPCRでは、試料からの標的核酸の抽出作業では、磁気ビーズを用いてRNAを捕捉し、cDNA合成をして増幅反応の準備をする方法が知られている。例えば、オリゴ(dT)が修飾された磁気ビーズにてmRNAを捕捉し、洗浄、及び精製をした後に逆転写酵素によって、磁気ビーズ上でcDNA合成を行う方法や、さらに、磁気ビーズ上に固定されたcDNAについて増幅反応を行う方法が報告されている。このように、第1世代のPCRや第2世代のリアルタイムPCRをプラットフォームとした場合は、標的核酸の抽出と増幅反応の2工程で行うことにより煩雑さを減らす技術の開発がされている。
しかし、第3世代のデジタルPCRに関して、一連の工程を連続で行い、ハンドリングや総分析時間を省略する方法は提案されていない。
その理由として、デジタルPCRでは、サンプル溶液の微小区画化が必要なためであると考えられる。微小区画化は、主に、マイクロ流路でWater in Oilドロップレットを作成する方法、及びマイクロナノサイズのウェルを利用する方法がある。
マイクロ流路でドロップレットを作成する場合、フローフォーカス型の流路や、Tジャンクション型の流路を用いて、流体のせん断速度にてドロップレットを生成する。しかし、液滴生成部分は微細な構造であり、磁気ビーズ等の固体粒子やゴミが詰まることによりドロップレットが作成できないといった問題が発生する。また、ドロップレットは、振動や急激な温度変化によって融合してしまい、増幅シグナルの読取り時には初期の液滴量の5割程度まで減少してしまうという問題がある。また、マイクロナノウェルを利用する微小区画化では、ウェルの中にサンプル溶液を充てんする際に気泡が入って増幅反応へと移行できず、デバイスと検体をロスしてしまうという問題がある。
このように、微小区画化工程にデジタル核酸分析の技術的問題が存在し、各工程を一連の工程で連続して同一プラットフォームで実施するための障壁にもなっている。そのため、本発明のRNA濃度定量方法は、従来のデジタル核酸分析用のシステムでは、デジタル核酸分析における微小区画化の煩雑さと工程の一元化が困難であるという問題があるという知見に基づき、微小区画化を不要としたRNA濃度定量方法及びRNA濃度定量装置を提案するものである。
本発明のRNA濃度定量方法を、図1を参照して説明する。
図1は、本発明のRNA濃度定量方法のフローを示す図である。まず、生体試料を採取し、RNaseの不活化処理を行った上で、細胞を破壊し、特定の塩基配列(RNA捕捉用の核酸プローブ)が修飾された粒子を用いて標的RNAの捕捉を行う(工程1)。続いて、必要に応じて、RNAを捕捉している粒子を洗浄液で洗浄し、粒子に付着している破壊された細胞や核酸断片を取り除く精製工程を行う(工程1−1)。適切に洗浄されたRNAを捕捉している粒子を逆転写反応試薬と混合し、一本鎖cDNA合成を行う(工程2)。合成された一本鎖cDNAは、粒子に修飾された核酸プローブにより、粒子上に捕捉された状態を維持し、一本鎖cDNAの特定の塩基配列と相補的に結合するプライマー乃至核酸プローブを用いてDNA増幅反応乃至ハイブリダイゼーションによる高分子合成反応を行うことにより、粒子上にて蛍光標識されながら反応産物が増える(工程3)。反応産物が捕捉された粒子と、核酸が何も捕捉されていない粒子に対し、適切な光を照射して観察し、粒子による散乱光(ネガティブシグナル)、及びDNAの蛍光標識からの蛍光(ポジティブシグナル)を検出し、それぞれの数量を光学的に検出する(工程4)。工程4で検出されたネガティブシグナル(反応シグナルがネガティブ)の数及びポジティブシグナル(反応シグナルがポジティブ)の数の結果に基づいて、ポアソン分布から粒子に捕捉されたRNAの有無を計数する(工程5)。これにより、RNA濃度を定量することができる。
本発明のRNA濃度定量方法によれば、粒子に修飾された核酸プローブにより標的RNAを捕捉して一本鎖cDNA合成を行うことにより、核酸プローブを含む一本鎖cDNAを粒子上に捕捉することができる。また、粒子状に捕捉された一本鎖cDNAの一部と相補的に結合するプライマー又はプローブを用いることにより、cDNAを包含した反応産物が生成され、粒子上に反応産物が固定化された状態となるため、粒子を微小区画とみなすことが可能となる。また、粒子ごとに反応及び検出を行うことができる。これらの構成により、従来のデジタル核酸分析法で用いていた微小区画化が不要となり、RNAの濃度の定量を一元化された工程(連続した工程)にて実施することが可能となる。
連続とは、各工程を途切れることなく、一連の流れで行うことを意味する。
本発明による一つの例として、mRNAの濃度の定量を挙げることができる。サンプル中に含まれるmRNAの濃度を定量する場合の実施形態を以下に示す。
<標的RNA捕捉工程>
標的RNA捕捉工程は、粒子に固定化した特定の塩基配列を用いて標的RNAを捕捉する工程である。
標的RNAとは、検出することを目的としているRNAを意味する。
生体試料は、動物、植物、及び微生物等の細胞、並びに組織等のRNAを含むものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
生体試料から細胞等を採取する方法は、特に制限はなく、目的に応じて適宜、公知の方法を選択することができ、例えば、培養細胞をトリプシンで処理することにより細胞を剥離及び浮遊させ、トリプシンを失活させた後、細胞懸濁液を遠心して上清を除去し、得られた細胞塊を緩衝液に懸濁し、血球計算板等を用いて細胞数をカウントしながら500細胞/mL程度に希釈し、顕微鏡下、ピペットを用いて細胞希釈液の液滴から細胞を吸引してチューブに吐出する。RNA分解を回避するため、採取した細胞は低温に維持することが好ましい。
細胞の細胞膜を溶解して細胞中のRNAを抽出する方法は、Proteinase K等のタンパク質分解酵素;チオシアン酸グアニジン、グアニジン塩酸等のカオトロピック塩;Tween、SDS等の界面活性剤などを用いることができる。
次に、抽出された核酸のうち、DNAを、DNA分解酵素(DNase)により分解する。これにより、生体試料に含まれるゲノムDNAを分解することができ、核酸としてRNAのみを含む試料を得ることができる。具体的には、生体試料にDNase I等を加えてインキュベートし、反応後速やかにEDTAを添加して加熱することにより、DNase Iを失活させることができる。
さらに、RNaseの不活化処理を行うことが好ましい。
RNaseの不活化処理としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、市販品を使用することができる。
生体試料の血球細胞中のRNAを採取する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜、公知の方法を選択することができ、例えば、市販品を使用することができるが、採血直後に血球細胞内RNAの安定化が可能な試薬と血液とを混合し、RNAの安定化を行った後にRNA抽出キットを用いることが好ましい。
また、細胞内のRNAの安定化することが可能な試薬としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、PAXgene RNA採血管(日本ベクトン・ディッキンソン株式会社製)、DNA/RNA Shield(ZYMO RESEARCH社)などが挙げられる。
特定の塩基配列としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オリゴ(dT)などが挙げられる。
粒子としては、例えば、図2に示すように、オリゴ(dT)22が修飾された磁気ビーズ21などが挙げられる。磁気ビーズ以外にも、例えば、標的とするmRNAの一部の塩基配列が修飾された粒子も用いることができる。mRNAの3’末端は、ポリアデニル化されていることから、その表面に複数のオリゴ(dT)22が修飾された磁気ビーズ21は、試料中に含まれるRNAの中からmRNAを選択的に捕捉することができる。
粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、単分散の粒子が好ましい。
標的とするmRNAの一部の塩基配列が修飾された粒子としては、標的とするmRNAの一部の塩基配列が修飾されていれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、金、銀、銅、アルミニウム、タングステン、モリブデン、クロム、白金、チタン、ニッケル等の金属;ステンレス、ハステロイ、インコネル、モネル、ジュラルミン等の合金;シリコン;ガラス、石英ガラス、溶融石英、合成石英、アルミナ、サファイア、セラミクス、フォルステライト、感光性ガラス等のガラス材料;ポリエステル樹脂、ポリスチレン、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ABS樹脂(Acrylonitrile Butadiene Styrene樹脂)、ナイロン、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂、メチルペンテン樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、塩化ビニル樹脂等のプラスチック;アガロース、デキストラン、セルロース、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、キチン、キトサンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。さらに、粒子として磁化された、又は磁性体を内包した、或いは磁化可能な磁気ビーズを用いることによって、分離処理等について、自動化、効率化、又は迅速化することができる。
図3は、mRNAのポリA配列がオリゴ(dT)とハイブリダイズして磁気ビーズに捕捉された状態の一例を示す模式図である。図3に示すように、標的核酸配列であるA、B、及びCが含まれたmRNA(符号:23)のポリA配列が、オリゴ(dT)22とハイブリダイズして磁気ビーズ21に捕捉される。
粒子と標的mRNAとの濃度としては、一つの粒子に対して、mRNAが一分子又はゼロとなるような割合が好ましく、粒子がmRNAのコピー数の0.5倍から3倍程度になるように調製することが好ましい。
オリゴ(dT)を粒子に固定化する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、共有結合、イオン結合、物理吸着、生物学的結合(例えば、ビオチンと、アビジン又はストレプトアビジンとの結合、抗原と抗体との結合等)によって固定化する方法などが挙げられる。
オリゴ(dT)としては、スペーサー配列、例えば、1個〜10個の炭素原子を含む炭化水素基を介して、粒子に固定してもよい。
共有結合を介したオリゴ(dT)の粒子への固定化としては、例えば、オリゴ(dT)に官能基を導入し、かつ官能基と反応性を有する官能基を粒子表面に導入して両者を反応させることにより実施することができる。例えば、オリゴ(dT)にアミノ基を導入し、粒子に活性エステル基、エポキシ基、アルデヒド基、カルボジイミド基、イソチオシアネート基又はイソシアネート基を導入することにより共有結合を形成できる。
また、オリゴ(dT)にメルカプト基を導入し、粒子に活性エステル基、マレイミド基又はジスルフィド基を導入してもよい。
活性エステル基としては、例えば、p−ニトロフェニル基、N−ヒドロキシスクシンイミド基、コハク酸イミド基、フタル酸イミド基、5−ノルボルネン−2、3−ジカルボキシイミド基などが挙げられる。
官能基を粒子の表面に導入する方法としては、例えば、所定の官能基を有するシランカップリング剤によって粒子を処理する方法などが挙げられる。
シランカップリング剤としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−β−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどが挙げられる。
結合部位となる官能基を粒子に導入する別の方法としては、プラズマ処理などが挙げられる。このようなプラズマ処理により、固相の表面に、水酸基やアミノ基等の官能基を導入することができる。プラズマ処理は、当業者には既知の装置を用いて行うことができる。
物理吸着によってオリゴ(dT)を粒子に固定する方法としては、ポリ陽イオン(ポリリシン、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミン等)により表面処理した粒子に、オリゴ(dT)の荷電を利用して静電結合させる方法などが挙げられる。
粒子に対する固定されたオリゴ(dT)の含有量としては、1012分子以上であることが好ましい。
粒子の平均径としては、50μm以下が好ましい。
オリゴ(dT)を固定化して細胞由来のmRNAをハイブリダイズさせる粒子の総表面積としては、0.1cm以上、及び溶液中における粒子の占有体積率としては、1%以下であることが好ましい。
粒子の好適な数としては、粒子に固定されたオリゴ(dT)数及び粒子の径によって適宜選択することができるが、オリゴ(dT)固定量が、5×1012分子/cmの条件の際、粒子の平均径が1.0μmである場合は、粒子の数は10〜10が好ましく、粒子の平均径が2.8μmである場合は、10〜10が好ましい。
オリゴ(dT)が固定された粒子にmRNAをハイブリダイズさせる反応としては、オリゴ(dT)固定化粒子とポリA配列を有するmRNAを含む試料とを緩衝液中でインキュベーションすることにより実施できる。
ハイブリダイゼーションのためのインキュベーションとしては、温度70℃で5分間程度穏やかな撹拌下で行い、その後、0.1℃/秒間程度でゆっくりと室温(23℃)にまで温度を低下させることが好ましい。
緩衝液としては、RNase活性が極力除去された緩衝液が好ましい。また、インキュベーション後、試料中の担体非結合成分を洗浄及び除去することが好ましい。
<精製工程>
精製工程は、RNAを捕捉している粒子を洗浄液で洗浄し、粒子に付着している破壊された細胞や核酸断片を取り除く工程である。
洗浄液としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、緩衝液、タンパク質変性剤、核酸分解酵素の不活化としてのキレート剤を含むことが好ましい。
前記緩衝液としては、例えば、酢酸緩衝液、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、クエン酸リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酒石酸緩衝液、トリス緩衝液、リン酸緩衝生理食塩水、マッキルベイン緩衝液などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記タンパク質変性剤としては、例えば、尿素、塩酸グアニジン、界面活性剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
キレート剤としては、例えば、EDTA、NTA、DTPA、GLDA、HEDTA、GEDTA、TTHA、HIDA、DHEGなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
精製工程としては、磁界の印加と除去を繰り返すことにより磁気ビーズを撹拌する方法、緩やかな加振によりビーズを撹拌する方法を用いることが好ましい。精製工程において、撹拌することにより、洗浄効率を上げることができる。
<一本鎖cDNA合成工程>
一本鎖cDNA合成工程は、標的RNAを粒子に捕捉したまま一本鎖cDNAを合成する工程である。
図4は、一本鎖cDNAを合成する工程の一例を示す模式図である。図4に示すように、粒子21上に捕捉されたmRNA(23)を鋳型として、オリゴ(dT)をプライマーとして用いて逆転写反応を行い、標的核酸配列A、B、及びCの相補鎖配列a、b、及びcを含むcDNA(符号:24)を合成する。このcDNAは、粒子21に修飾されたオリゴ(dT)を塩基配列の一部としており、オリゴ(dT)を粒子から外す反応を実施しない限り、cDNAは粒子21上に捕捉された状態となる。
<DNA増幅反応乃至高分子合成反応工程>
DNA増幅反応乃至高分子合成反応工程は、一本鎖cDNAの特定の塩基配列に対してDNA増幅反応乃至ハイブリダイゼーションによる高分子合成反応を行う工程である。
DNA増幅反応乃至高分子合成反応工程としては、一本鎖cDNA合成工程において粒子上に合成されたcDNAの特定の塩基配列と相補的に結合するプライマー乃至核酸プローブを用いてDNA増幅反応乃至ハイブリダイゼーションによる高分子合成反応を行い、さらに、反応産物に対してもDNA増幅反応乃至ハイブリダイゼーションによる高分子合成反応を行う。本発明では、粒子上に捕捉されたmRNAの数量を計数するため、cDNAを包含した反応産物が生成されることが好ましい。
cDNAを包含して反応産物が生成される反応としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、Rolling circle amplification(以下、「RCA」とも称することがある)法や、Hybridization Chain Reaction(以下、「HCR」とも称することがある)法などが挙げられる。HCRは、酵素反応を用いずに標的分子の分子量を増加させる高分子合成反応である。
図5A〜図5Cは、Rolling circle amplification法の一例を示す模式図である。
図5A〜図5Cに、環状プローブを用いたRCAにおいて、cDNAの標的核酸配列の一部と相補的な核酸配列を有する環状プローブ25を示す。環状プローブ25はPadlock probeであってもよく、例として、図中の配列Aの真ん中付近から両側の塩基配列をそれぞれ両末端に持つPadlock probeであってもよい。環状プローブ25は、cDNAのa配列にハイブリダイズした後、ライゲーションで環状プローブとすることができる。プライマー26は、cDNAの配列cとの相補的な配列Cを持ち、環状プローブ25のDに相補的な配列dを持つように設計された塩基配列を用いることができる。適切な温度でmRNAを乖離させた後に、鎖置換型DNA合成酵素が反応する適切な温度でインキュベートすれば、プライマー26によってcDNAに繋がったまま環状プローブに沿って環状プローブのコピー配列27が連鎖的に合成される。
さらに、別の態様としては、粒子上に捕捉されたmRNAに対してRCAでDNA増幅反応を行うことも可能である。しかし、mRNAは、比較的不安定な性質を持つため、逆転写反応を行って生成されたcDNAに対して増幅反応を行うことが好ましい。
RCAによる増幅反応としては、複数のプライマーを用いることも可能である。図6A及び図6Bは、複数のプライマーを用いたRolling circle amplificationの一例を示す模式図である。
図6Aに、環状プローブ25にアニーリングした、プライマー26とは別のプライマー28を示す。プライマー26とプライマー28の2本でRCAを行うと、環状プローブ25は、プライマー26を基にした増幅産物29でcDNAに繋がれたままとなり、さらにプライマー28を基にした増幅産物30が環状プローブ25に沿って合成されていく。これにより、cDNAに繋がった増幅産物量がおよそ2倍になって合成される。つまり、n本のプライマーを用いてRCAを行えば、n倍の増幅産物が生成することが可能である。
このことを利用すれば、標的mRNAの種類に合わせてプライマー数を変え、増幅産物からの蛍光強度を段階的に変化させることにより、複数種の標的mRNAの濃度を一度に定量することが可能となる。
図7A〜図7Dは、Hybridization Chain Reaction法の一例を示す模式図である。
図7A〜図7Dにおいて、ヘアピンプローブ31、及び32を用いて、適切な温度でインキュベートすることにより(図7A)、cDNA(24)とヘアピンプローブ31とがハイブリダイズし(図7B)、ヘアピンプローブ31に対して、ヘアピンプローブ32がハイブリダイズする(図7C)。さらに、ヘアピンプローブ35をハイブリダイズするように、この反応が次々に起こることにより、cDNAに繋がる形で反応産物が形成されていく(図7D)。また、ヘアピンプローブは、Molecular Beaconであってもよい。Molecular Beaconがハイブリダイズすることにより、クエンチングが外れ、蛍光を発するようになる。
<光学的検出工程>
光学的検出工程は、粒子、及びDNA増幅反応乃至ハイブリダイゼーションによる高分子合成反応による粒子上の反応産物を光学的に検出する工程である。
光学的検出工程においては、反応産物が捕捉され、反応シグナルがポジティブ(ポジティブシグナル)である粒子、及び標的RNAを捕捉していない、反応シグナルがネガティブ(ネガティブシグナル)である粒子を光学的に検出する。これにより、粒子ごとの反応の有無を検出することができる。
光学的に検出するための光源としては、例えば、指向性が高いレーザー、LED、ハロゲンランプ、水銀灯等の光源などが挙げられる。これらの中でも、指向性が高いレーザーが好ましい。LED、ハロゲンランプ、水銀灯等の光源を用いる場合は、特定の周波数をカットするフィルターを光学系に組み込むことで利用が可能である。
散乱光及び蛍光の観察としては、蛍光顕微鏡、CCDカメラによる画像解析、光電子増倍管等の光センサによる電気信号等により検出することが可能である。
光学的検出については、粒子が凝集している場合、RNA濃度定量用装置の撹拌機構(加振機構)1を用いてデバイス内にて緩やかに溶液を撹拌し、磁気ビーズを分散させる工程を含んでもよい。また、DNA増幅反応乃至高分子合成反応領域から光学的検出領域までの間にフローフォーカス型の流路を設けて、流体のせん断力によって凝集体を分散させる方法を用いることも可能である。
画像解析による光学的検出としては、粒子が磁気ビーズである場合は、例えば、光学的検出領域内にて発生させた磁場に磁気ビーズを引き付けて画像を撮影することができる。発生させる磁場は、複数の平行線、格子状、アレイ状などであってもよい。
光センサによる光学的検出としては、流路を流れる粒子を定点で観測する方法や、分散した粒子に対して光を照射して検出することが可能である。光センサからの電気信号を波形解析し、散乱光の信号と蛍光の信号を判別することが可能である。
図8は、粒子の蛍光を蛍光顕微鏡で観察した画像の一例を示す写真である。反応産物が捕捉された直径2.8μmの粒子である磁気ビーズを、EvaGreen(登録商標)(Biotium)を含む溶液と混合して反応産物を蛍光標識し、507nm付近のバンドパスフィルタを通して蛍光観察した画像であり、磁気ビーズ周辺において10μm程度にわたり蛍光が観察されている。
図9は、粒子における反応シグナルの輝度値情報の一例を示すグラフである。輝度値情報の算出としては、蛍光顕微鏡に付属の画像解析ソフトや、市販の画像解析ソフトなどを用いることができる。
図9では、RNAが捕捉された反応シグナルがポジティブである粒子と、RNAを捕捉していない反応シグナルがネガティブである粒子との、粒子の中心線付近を一次元でスキャンした輝度値情報をグラフで表している。粒子は、直径2.8μmである。図9における実線は反応シグナルがポジティブである粒子から得た輝度、破線は反応シグナルがネガティブである粒子から得た輝度である。反応シグナルネガティブである粒子からは光の散乱光が検出されるため、反応シグナルがポジティブの輝度値に対して輝度増加の幅と高さとがどちらも小さい。このように、光学的な検出によって反応産物を捕捉している反応シグナルがポジティブである粒子と、捕捉していない反応シグナルがネガティブである粒子とを区別することが可能である。
また、光学的検出における他の態様として、金で被覆された粒子を用いることができる。金被覆された粒子を用いる場合、多数の反応産物分子が捕捉された反応シグナルがポジティブである粒子では表面増強ラマン散乱が起こり、反応シグナルがネガティブである粒子より強いシグナルが検出することが可能である。
被覆は、粒子の一部でもよく、粒子の全体でもよい。
<反応産物計数工程>
反応産物計数工程は、光学的検出工程における検出結果に基づいて、粒子数及び粒子上の反応産物の有無を計数する工程である。
粒子の個数Mに対するmRNAの数Nを0.01、0.1、1、及び5とした時、粒子1個あたりにmRNAがいくつ捕捉されるかを、下記式(1)のポアソン分布に基づいて確率計算し、図示すると図10のようになる。
図10において、横軸は、粒子に捕捉されるRNAの数が0の場合、1分子の場合、2分子以上の場合を表し、縦軸は、それぞれの確率を表している。
N/Mが0.01の場合、つまり粒子がRNAに対して100倍多いときは、RNAを捕捉していない反応シグナルがネガティブである粒子が99%、1分子のmRNAを捕捉する反応シグナルがポジティブである粒子が1%である。
N/Mが0.1の場合、RNAを捕捉していない反応シグナルがネガティブである粒子が90.5%、1分子のmRNAを捕捉する反応シグナルがポジティブである粒子が95%、2分子以上のmRNAを捕捉する反応シグナルがポジティブである粒子が0.5%である。
一方、N/Mが1以上の場合、一つの粒子上に複数のRNAが捕捉される確率が高まっていくことがわかる。ポアソン分布に基づく確率計算により濃度を算出するため、ネガティブシグナルが少なくとも1回以上あらわれるような濃度比とする必要がある。
ここで、粒子上に捕捉されているRNAの数が0.5倍から3程度の場合に確率計算における精度が高くなるため、統計計算による濃度算出の精度を上げるためにはN/Mの値が0.5から3の範囲内に調整することが好ましい。
このように、粒子の総量、ポジティブシグナルの総量、ネガティブシグナルの総量から、ポアソン分布に基づき統計計算を行うことにより初期のRNA濃度を定量することが可能である。
(RNA濃度定量用デバイス、及びRNA濃度定量用装置)
本発明のRNA濃度定量用デバイスは、本発明のRNA濃度定量方法を用いてRNAの濃度を定量するRNA濃度定量用デバイスであって、DNA増幅反応乃至高分子合成反応試薬を貯蔵する貯蔵領域と、粒子に標的RNAを捕捉する標的RNA捕捉領域と、標的RNAを前記粒子に捕捉したまま一本鎖cDNAを合成する一本鎖cDNA合成領域と、DNA増幅反応乃至ハイブリダイゼーションによる高分子合成反応を行うDNA増幅反応乃至高分子合成反応領域と、粒子、及びDNA増幅反応乃至ハイブリダイゼーションによる高分子合成反応による粒子上の反応産物を光学的に検出するための光学的検出領域と、全ての反応後の溶液を溜める廃液貯蔵領域と、を有し、更に必要に応じてその他の領域を有する。
本発明のRNA濃度定量用装置は、本発明のRNA濃度定量用デバイスを用いてRNAの濃度を定量するRNA濃度定量用装置であって、粒子を撹拌する撹拌機構(加振機構)と、デバイス上の少なくともDNA増幅反応乃至高分子合成反応手段の温度を制御する温度調節機構と、粒子、及びDNA増幅反応乃至ハイブリダイゼーションによる高分子合成反応による粒子上の反応産物を光学的に検出する、少なくとも光源及び受光素子を有する光学的検出機構と、を備え、更に必要に応じてその他の機構を備える。
本発明のRNA濃度定量方法における標的RNA捕捉工程以降の工程は、例えば、マイクロ流路によって繋がれた反応領域内で実施することができ、一つの装置と一つのRNA濃度定量用デバイス(カートリッジ)を用いて実施することができる。
図11を用いて、本発明のRNA濃度定量用デバイス及びRNA濃度定量用装置を説明する。
図11は、本発明のRNA濃度定量方法を用いてRNAの濃度を定量するRNA濃度定量用デバイス及びRNA濃度定量用装置の一例を示す模式図である。
RNA濃度定量用装置18は、撹拌機構(加振機構)1、温度調節機構2、光学的検出機構3、及びRNA濃度定量用デバイス11を装填する装填部(図示せず)を有する。RNA濃度定量用装置18は、装填部にRNA濃度定量用デバイス11が装填されると、各工程を自動で行う。
RNA濃度定量用デバイス11は、DNA増幅反応乃至高分子合成反応試薬を貯蔵する貯蔵領域10、標的RNA捕捉工程の標的RNAを捕捉するための標的RNA捕捉領域12、RNAを捕捉している粒子を洗浄液で洗浄し、付着しているタンパク質や核酸断片を取り除いて精製を行うRNA精製領域13を有しており、図11に示すように、連通路を介して接続されている。連通路は、適宜必要に応じて、外部駆動力により、流れを切り替えて粒子及びDNA増幅反応乃至高分子合成反応試薬等を逆に移動させたり、せき止めたりしてもよい。
RNA捕捉領域12では、撹拌機構(加振機構)1によって、粒子とRNAと反応液とが撹拌される。
なお、撹拌機構(加振機構)1としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜、公知の機構を選択することができ、例えば、RNA捕捉領域12を加振させることにより、RNA捕捉領域12内の液体、粒子、RNAなどを撹拌させる構成としてもよい。
標的RNA捕捉領域12では、粒子上の核酸プローブによってRNAが捕捉され、続いてRNA精製領域13では、洗浄液によって粒子上に捕捉されたRNAが精製される。RNA精製領域13の下流側には一本鎖cDNA合成領域14が設けられている。この一本鎖cDNA合成領域14は、温度調節機構2により、適切な温度に制御され、逆転写酵素により標的RNAを前記粒子に捕捉したまま一本鎖cDNAを合成する領域である。
一本鎖cDNA合成領域14で適切な温度に制御されたRNAに対してDNA増幅反応乃至ハイブリダイゼーションによる高分子合成反応を行うDNA増幅反応乃至高分子合成反応領域15上にてcDNAと相補的に結合させる反応が実施され、蛍光標識された反応産物が粒子上に捕捉される。
なお、一本鎖cDNA合成領域14とDNA増幅反応乃至高分子合成反応領域15の領域は同一の領域であってもよい。
最後に、光学的検出機構3により、光学的検出領域16にて粒子からの散乱光と、粒子上に捕捉された反応産物からの蛍光が検出され、それぞれの総量が計数される。その後、全ての反応液は、廃液貯蔵領域11に回収される。
なお、RNAを定量するためのRNA濃度定量用デバイス(カートリッジ)11は、試料間のコンタミネーションを避けるため、使い捨てであることが好ましい。
温度調節機構及び光学的検出機構としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜、公知の機構を選択することができる。
各領域における粒子の移動は、例えば、RNA濃度定量用装置に設けられる磁力を発するプローブ(図示せず)を用いることができる。また、別の態様としては、シリンジや圧力制御されたポンプなどを用いた送液機構や、遠心力による送液機構、毛管力による送液機構を用いることができる。
本発明の態様としては、例えば、以下のとおりである。
<1> RNAの濃度を定量するRNA濃度定量方法であって、
粒子に固定化した特定の塩基配列を用いて標的RNAを捕捉する標的RNA捕捉工程と、
前記標的RNAを前記粒子に捕捉したまま一本鎖cDNAを合成する一本鎖cDNA合成工程と、
前記一本鎖cDNAの特定の塩基配列に対してDNA増幅反応乃至ハイブリダイゼーションによる高分子合成反応を行うDNA増幅反応乃至高分子合成反応工程と、
前記粒子、及び前記DNA増幅反応乃至ハイブリダイゼーションによる高分子合成反応による前記粒子上の反応産物を光学的に検出する光学的検出工程と、
前記光学的検出工程における検出結果に基づいて、粒子数及び前記粒子上の前記反応産物の有無を計数する反応産物計数工程と、を一連の工程で行うことを特徴とするRNA濃度定量方法である。
<2> 前記粒子が、磁気ビーズである前記<1>に記載のRNA濃度定量方法である。
<3> 前記粒子が、金被覆粒子である前記<1>から<2>のいずれかに記載のRNA濃度定量方法である。
<4> 前記DNA増幅反応乃至高分子合成反応工程における前記DNA増幅反応が、Rolling circle amplification法である前記<1>から<3>のいずれかに記載のRNA濃度定量方法である。
<5> 前記DNA増幅反応乃至高分子合成反応工程における前記ハイブリダイゼーションによる高分子合成反応が、Hybridization chain reaction法である前記<1>から<4>のいずれかに記載のRNA濃度定量方法である。
<6> 前記標的RNA捕捉工程が、RNaseの不活化処理を含む前記<1>から<5>のいずれかに記載のRNA濃度定量方法である。
<7> 前記標的RNA捕捉工程後、前記一本鎖cDNA合成工程前に、細胞や核酸断片を取り除く精製工程をさらに含む前記<1>から<6>のいずれかに記載のRNA濃度定量方法である。
<8> 前記光学的検出工程における光学的に検出するための光源が、レーザー、LED、ハロゲンランプ、及び水銀灯のいずれかである前記<1>から<7>のいずれかに記載のRNA濃度定量方法である。
<9> 前記光源が、レーザーである前記<8>に記載のRNA濃度定量方法である。
<10> 前記<1>から<9>のいずれかに記載のRNA濃度定量方法を用いてRNAの濃度を定量するRNA濃度定量用デバイスであって、
DNA乃至高分子合成反応試薬を貯蔵する貯蔵領域と、
前記粒子に前記標的RNAを捕捉する標的RNA捕捉領域と、
前記標的RNAを前記粒子に捕捉したまま一本鎖cDNAを合成する一本鎖cDNA合成領域と、
前記一本鎖cDNAの特定の塩基配列に対してDNA増幅反応乃至ハイブリダイゼーションによる高分子合成反応を行うDNA増幅反応乃至高分子合成反応領域と、
前記粒子、及び前記DNA増幅反応乃至ハイブリダイゼーションによる高分子合成反応による前記粒子上の反応産物を光学的に検出するための光学的検出領域と、
全ての反応後の溶液を溜める廃液貯蔵領域と、を有することを特徴とするRNA濃度定量用デバイスである。
<11> 前記<10>に記載のRNA濃度定量用デバイスを用いてRNAの濃度を定量するRNA濃度定量用装置であって、
前記粒子を撹拌する撹拌機構と、
前記デバイス上の少なくともDNA増幅反応乃至高分子合成反応手段の温度を制御する温度調節機構と、
前記粒子、及び前記DNA増幅反応乃至ハイブリダイゼーションによる高分子合成反応による前記粒子上の前記反応産物を光学的に検出する、少なくとも光源及び受光素子を有する温度調節機構と、を備えることを特徴とするRNA濃度定量用装置である。
前記<1>から<9>のいずれかに記載のRNA濃度定量方法、前記<10>に記載のRNA濃度定量用デバイス、及び前記<11>に記載のRNA濃度定量用装置は、前記本発明の目的を達成することができる。
特許第5906306号公報 特許第5073967号公報
1 撹拌機構(加振機構)
2 温度調節機構
3 光学的検出機構
10 貯蔵領域
11 RNA濃度定量用デバイス(カートリッジ)
12 標的RNA捕捉領域
14 一本鎖cDNA合成領域
15 DNA増幅反応乃至高分子合成反応領域
16 光学的検出領域
17 廃液貯蔵領域
18 RNA濃度定量用装置
21 粒子(磁気ビーズ)
26、28 プライマー
29、30 反応産物(又は増幅産物)

Claims (7)

  1. RNAの濃度を定量するRNA濃度定量方法であって、
    粒子に固定化した特定の塩基配列を用いて標的RNAを捕捉する標的RNA捕捉工程と、
    前記標的RNAを前記粒子に捕捉したまま一本鎖cDNAを合成する一本鎖cDNA合成工程と、
    前記一本鎖cDNAの特定の塩基配列に対してDNA増幅反応乃至ハイブリダイゼーションによる高分子合成反応を行うDNA増幅反応乃至高分子合成反応工程と、
    前記粒子、及び前記DNA増幅反応乃至ハイブリダイゼーションによる高分子合成反応による前記粒子上の反応産物を光学的に検出する光学的検出工程と、
    前記光学的検出工程における検出結果に基づいて、粒子数及び前記粒子上の前記反応産物の有無を計数する反応産物計数工程と、を一連の工程で行うことを特徴とするRNA濃度定量方法。
  2. 前記粒子が、磁気ビーズである請求項1に記載のRNA濃度定量方法。
  3. 前記粒子が、金被覆粒子である請求項1から2のいずれかに記載のRNA濃度定量方法。
  4. 前記DNA増幅反応乃至高分子合成反応工程における前記DNA増幅反応が、Rolling circle amplification法である請求項1から3のいずれかに記載のRNA濃度定量方法。
  5. 前記DNA増幅反応乃至高分子合成反応工程における前記ハイブリダイゼーションによる高分子合成反応が、Hybridization chain reaction法である請求項1から4のいずれかに記載のRNA濃度定量方法。
  6. 請求項1から5のいずれかに記載のRNA濃度定量方法を用いてRNAの濃度を定量するRNA濃度定量用デバイスであって、
    DNA増幅反応乃至高分子合成反応試薬を貯蔵する貯蔵領域と、
    前記粒子に前記標的RNAを捕捉する標的RNA捕捉領域と、
    前記標的RNAを前記粒子に捕捉したまま一本鎖cDNAを合成する一本鎖cDNA合成領域と、
    前記一本鎖cDNAの特定の塩基配列に対してDNA増幅反応乃至ハイブリダイゼーションによる高分子合成反応を行うDNA増幅反応乃至高分子合成反応領域と、
    前記粒子、及び前記DNA増幅反応乃至ハイブリダイゼーションによる高分子合成反応による前記粒子上の反応産物を光学的に検出するための光学的検出領域と、
    全ての反応後の溶液を溜める廃液貯蔵領域と、を有することを特徴とするRNA濃度定量用デバイス。
  7. 請求項6に記載のRNA濃度定量用デバイスを用いてRNAの濃度を定量するRNA濃度定量用装置であって、
    前記粒子を撹拌する撹拌機構と、
    前記デバイス上の少なくともDNA増幅反応乃至高分子合成反応手段の温度を制御する温度調節機構と、
    前記粒子、及び前記DNA増幅反応乃至ハイブリダイゼーションによる高分子合成反応による前記粒子上の前記反応産物を光学的に検出する、少なくとも光源及び受光素子を有する光学的検出機構と、を備えることを特徴とするRNA濃度定量用装置。
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