JP2019020148A - 電波センサおよび補正方法 - Google Patents

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【課題】道路における移動体の速度をより精度よく測定することが可能な電波センサおよび補正方法を提供する。【解決手段】電波センサは、道路へ電波を送信する送信部と、電波を受信する受信部と、前記受信部によって受信された電波に基づいて、前記電波センサから前記道路における移動体への方向である測定対象方向、前記電波センサと前記移動体との間の距離である測定対象距離、および前記電波センサに対して近づくかまたは遠ざかる方向に沿った前記移動体の速度である測定対象速度を測定する測定部と、前記移動体の複数の位置についての前記測定対象方向および前記測定対象距離に基づいて作成された補正情報であって、前記測定対象速度を、前記移動体の位置における前記道路の延伸方向に沿った前記移動体の速度に変換するための補正情報を用いて、前記測定部によって測定された前記測定対象速度を補正する補正部とを備える。【選択図】図3

Description

本発明は、電波センサおよび補正方法に関する。
近年、運転者による車両の運転を支援する運転支援装置が開発されている。たとえば、特開2011−96009号公報(特許文献1)には、以下のような交差点運転支援装置が開示されている。すなわち、交差点運転支援装置は、運転者に支援情報を報知する情報報知手段と、車外情報発信源から取得した優先道側の移動体情報を解析する第1移動体情報解析手段と、車両に搭載された自律センサから取得した前記優先道側の移動体情報を解析する第2移動体情報解析手段と、前記優先道に交差する非優先道を走行中の前記車両の前記第2移動体情報解析手段で検出した前記優先道方向の移動体情報と前記第1移動体情報解析手段で検出した移動体情報とを比較し、前記両移動体情報が不一致の場合見通しが悪いと判定し、一致した場合交差点の見通しが良いと判定する見通し判定処理手段と、前記見通し判定処理手段で前記交差点の見通しが悪いと判定した場合は死角領域に存在する移動体の情報を知らせる交差点支援情報を前記情報報知手段に出力し、前記交差点の見通しが良いと判定した場合は前記交差点支援情報を出力しない支援処理手段とを備える。
特開2011−96009号公報 特開2007−257536号公報
四分一 浩二、外2名、"拡大するミリ波技術の応用"、島田理化技報、2011年、第21号、P.37−48 稲葉 敬之、桐本 哲郎、"車載用ミリ波レーダ"、自動車技術、2010年2月、第64巻、第2号、P.74−79 Eugin Hyun、外2名、「A Pedestrian Detection Scheme Using a Coherent Phase Difference Method Based on 2D Range−Doppler FMCW Radar」、Sensros、2016年、第16巻、P.124 電子情報通信学会編・発行 吉田孝監修、「改訂レーダ技術」、改訂版、コロナ社、1996年10月、P275−276 菊間 信良著、「アレーアンテナによる適応信号処理」、初版、株式会社科学技術出版、1998年11月、p.181,p.194
特許文献1に記載の運転支援装置は、注意対象物の位置および速度を優先道の移動体情報として自律センサから取得する。ミリ波レーダ、赤外線センサおよびカメラ等が自律センサとして用いられる。
ミリ波レーダが、たとえば、非特許文献1(四分一 浩二、外2名、”拡大するミリ波技術の応用”、島田理化技報、2011年、第21号、P.37−48)および非特許文献2(稲葉 敬之、桐本 哲郎、”車載用ミリ波レーダ”、自動車技術、2010年2月、第64巻、第2号、P.74−79)に記載のFMCW(Frequency Modulated−Continuous Wave)方式等で動作する場合、ミリ波レーダは、注意対象物の移動方向によっては、注意対象物の実際の移動速度と異なる速度を測定することがある。すなわち、注意対象物の移動速度を正しく測定することが困難な場合がある。
この発明は、上述の課題を解決するためになされたもので、その目的は、道路における移動体の速度をより精度よく測定することが可能な電波センサおよび補正方法を提供することである。
(1)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる電波センサは、電波センサであって、道路へ電波を送信する送信部と、電波を受信する受信部と、前記受信部によって受信された電波に基づいて、前記電波センサから前記道路における移動体への方向である測定対象方向、前記電波センサと前記移動体との間の距離である測定対象距離、および前記電波センサに対して近づくかまたは遠ざかる方向に沿った前記移動体の速度である測定対象速度を測定する測定部と、前記移動体の複数の位置についての前記測定対象方向および前記測定対象距離に基づいて作成された補正情報であって、前記測定対象速度を、前記移動体の位置における前記道路の延伸方向に沿った前記移動体の速度に変換するための補正情報を用いて、前記測定部によって測定された前記測定対象速度を補正する補正部とを備える。
(5)上記課題を解決するために、この発明のある局面に係わる補正方法は、道路へ電波を送信し、電波を受信する電波センサにおける補正方法であって、受信した電波に基づいて、前記電波センサから前記道路における移動体への方向である測定対象方向、前記電波センサと前記移動体との間の距離である測定対象距離、および前記電波センサに対して近づくかまたは遠ざかる方向に沿った前記移動体の速度である測定対象速度を測定するステップと、前記移動体の複数の位置についての前記測定対象方向および前記測定対象距離に基づいて作成された補正情報であって、前記測定対象速度を、前記移動体の位置における前記道路の延伸方向に沿った前記移動体の速度に変換するための補正情報を用いて、測定した前記測定対象速度を補正するステップとを含む。
本発明は、このような特徴的な処理部を備える電波センサとして実現することができるだけでなく、かかる特徴的な処理のステップをコンピュータに実行させるためのプログラムとして実現したり、電波センサを備える安全運転支援システムとして実現したりすることができる。また、本発明は、電波センサの一部または全部を実現する半導体集積回路として実現することができる。
本発明によれば、道路における移動体の速度をより精度よく測定することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る安全運転支援システムの構成を示す図である。 図2は、本発明の第1の実施の形態に係る安全運転支援システムにおける電波センサの道路における設置例を上方から見た状態を示す図である。 図3は、本発明の第1の実施の形態に係る安全運転支援システムにおける電波センサの構成を示す図である。 図4は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサにおける記憶部が保持するルックアップテーブルの一例を示す図である。 図5は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサにおけるレーダ部の構成を示す図である。 図6は、本発明の第1の実施の形態に係る安全運転支援システムにおける電波センサが送信する電波の周波数の時間変化の一例を示す図である。 図7は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサが測定対象速度を補正する際の動作手順を定めたフローチャートである。 図8は、本発明の第1の実施の形態に係る安全運転支援システムにおける電波センサの変形例の構成を示す図である。 図9は、本発明の第1の実施の形態に係る安全運転支援システムの道路における設置例を側方から見た状態を示す図である。 図10は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサの変形例における記憶部が保持するルックアップテーブルの一例を示す図である。 図11は、本発明の第2の実施の形態に係る安全運転支援システムにおける電波センサの構成を示す図である。 図12は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサにおけるテーブル処理部がルックアップテーブルを作成する際の動作手順を定めたフローチャートである。 図13は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサにおけるテーブル処理部が設定するメッシュの一例を示す図である。 図14は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサにおけるテーブル処理部が作成するルックアップテーブルのひな形の一例を示す図である。 図15は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサにおけるテーブル処理部が作成するルックアップテーブルの一例を示す図である。 図16は、本発明の第2の実施の形態に係る安全運転支援システムにおける電波センサの変形例の構成を示す図である。 図17は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサの変形例におけるテーブル処理部が作成するルックアップテーブルのひな形の一例を示す図である。 図18は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサの変形例におけるテーブル処理部が作成するルックアップテーブルの一例を示す図である。 図19は、本発明の第2の実施の形態に係る安全運転支援システムにおける電波センサの変形例の構成を示す図である。
最初に、本発明の実施形態の内容を列記して説明する。
(1)本発明の実施の形態に係る電波センサは、道路へ電波を送信する送信部と、電波を受信する受信部と、前記受信部によって受信された電波に基づいて、前記電波センサから前記道路における移動体への方向である測定対象方向、前記電波センサと前記移動体との間の距離である測定対象距離、および前記電波センサに対して近づくかまたは遠ざかる方向に沿った前記移動体の速度である測定対象速度を測定する測定部と、前記移動体の複数の位置についての前記測定対象方向および前記測定対象距離に基づいて作成された補正情報であって、前記測定対象速度を、前記移動体の位置における前記道路の延伸方向に沿った前記移動体の速度に変換するための補正情報を用いて、前記測定部によって測定された前記測定対象速度を補正する補正部とを備える。
たとえば、移動体から電波センサへの方向である半径方向と道路の延伸方向とが異なる場合、道路を移動する移動体は半径方向に沿って移動しないため、測定部により測定される測定対象速度と移動体の実際の速度とが異なってしまう。上記の構成により、補正情報に基づいて、測定部により測定された測定対象速度を、移動体の位置における道路の延伸方向すなわち移動体の移動方向に沿った速度に補正することができるので、移動体の実際の速度により近い速度を取得することができる。したがって、道路における移動体の速度をより精度よく測定することができる。
(2)好ましくは、前記電波センサは、さらに、前記測定部によって測定された前記測定対象方向および前記測定対象距離の複数の組に基づいて前記補正情報を作成する作成部を備える。
たとえば、補正情報を手動で作成する場合、道路における各位置の電波センサに対する相対位置をユーザが実測し、実測結果に基づいて補正情報を作成する必要がある。上記の構成により、測定部の測定結果である上記複数の組から道路における各位置の電波センサに対する相対位置を取得することができるので、補正情報を簡易に作成することができる。
(3)好ましくは、前記補正情報は、前記道路における複数の位置、および前記複数の位置にそれぞれ対応する補正量を示し、前記補正量は、対応の前記位置における前記道路の延伸方向と前記対応の位置から前記電波センサへの方向とのなす角度に基づく値である。
測定対象速度と移動体の実際の速度との相違は、移動体の位置における道路の延伸方向すなわち移動体の移動方向の、当該位置から電波センサへの方向に対するずれに起因する。上記のように、道路における複数の位置ごとの補正量が、対応の位置における当該ずれに基づく値である構成により、道路におけるいずれの位置でも、測定対象速度を、移動体の実際の速度に近い値に適切に補正することができる。
(4)より好ましくは、前記電波センサは、さらに、前記測定部によって測定された前記測定対象方向および前記測定対象距離の複数の組に基づいて、前記作成部によって作成された前記補正情報である初期補正情報を更新する更新部と、前記初期補正情報、および前記更新部によって更新された前記補正情報に基づいて、前記電波センサの異常を検出する異常検出部とを備える。
たとえば、電波センサの取り付け位置または取り付け方向がずれない場合、更新部によって更新された補正情報の内容は初期補正情報の内容に類似することが考えられる。上記の構成により、電波センサの取り付け位置または取り付け方向が初期状態からずれたことを電波センサの異常として検出することができるので、電波センサの取り付けの修正等の電波センサに対する何らかの対処を施すことができる。
(5)本発明の実施の形態に係る補正方法は、道路へ電波を送信し、電波を受信する電波センサにおける補正方法であって、受信した電波に基づいて、前記電波センサから前記道路における移動体への方向である測定対象方向、前記電波センサと前記移動体との間の距離である測定対象距離、および前記電波センサに対して近づくかまたは遠ざかる方向に沿った前記移動体の速度である測定対象速度を測定するステップと、前記移動体の複数の位置についての前記測定対象方向および前記測定対象距離に基づいて作成された補正情報であって、前記測定対象速度を、前記移動体の位置における前記道路の延伸方向に沿った前記移動体の速度に変換するための補正情報を用いて、測定した前記測定対象速度を補正するステップとを含む。
たとえば、移動体から電波センサへの方向である半径方向と道路の延伸方向とが異なる場合、道路を移動する移動体は半径方向に沿って移動しないため、測定部により測定される測定対象速度と移動体の実際の速度とが異なってしまう。上記の構成により、補正情報に基づいて、測定部により測定された測定対象速度を、移動体の位置における道路の延伸方向すなわち移動体の移動方向に沿った速度に補正することができるので、移動体の実際の速度により近い速度を取得することができる。したがって、道路における移動体の速度をより精度よく測定することができる。
以下、本発明の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。また、以下に記載する実施の形態の少なくとも一部を任意に組み合わせてもよい。
<第1の実施の形態>
[構成および基本動作]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係る安全運転支援システムの構成を示す図である。
図2は、本発明の第1の実施の形態に係る安全運転支援システムにおける電波センサの道路における設置例を上方から見た状態を示す図である。
図1および図2を参照して、安全運転支援システム301は、電波センサ101と、無線端末装置111と、上位装置151と、無線送信装置152とを備える。電波センサ101は、道路Rdの近傍に設置される。無線端末装置111は、車両181に搭載される。
なお、安全運転支援システム301は、1つの電波センサ101を備える構成に限らず、複数の電波センサ101を備える構成であってもよい。
電波センサ101は、たとえば、ミリ波レーダであり、道路Rdを含む対象エリアへミリ波を送信する。
電波センサ101は、対象エリアにおける物体から反射波を受信して、受信した反射波に基づいて物体の測定対象距離R、測定対象方位角θおよび測定対象速度vmを検出する。ここで、測定対象方位角θは、測定対象方向の一例である。
ここで、センサ座標系を以下のように定義する。すなわち、センサ座標系は、たとえば、XおよびYを成分とする直交座標により表され、かつ電波センサ101が原点に位置する座標系である。
X軸の方向は、電波センサ101が物体の方位を測定した結果において、対象エリア側の真正面から真後ろへの方向である。Y軸の方向は、電波センサ101が物体の方位を測定した結果において、真後ろから真正面を見て右側となる方向である。
また、センサ座標系は、測定対象距離Rおよび測定対象方位角θを成分とする極座標で表すことも可能である。
測定対象距離Rは、センサ座標系における原点から物体までの距離である。測定対象方位角θは、センサ座標系における物体の方位角である。具体的には、測定対象方位角θは、XY平面を上方から見た平面視における、原点から物体への方向とX軸の反対方向とがなす角度であり、上方から見て反時計回りに増加する。
測定対象速度vmは、電波センサ101に対して近づくかまたは遠ざかる方向に沿った物体の移動速度である。言い換えると、測定対象速度vmは、物体の電波センサ101に対する相対速度の成分のうち、電波センサ101に対して近づくかまたは遠ざかる方向に沿った成分である。
この例では、図2に示すように、電波センサ101は、対象エリアにおける道路Rdを移動する移動体、ここでは車両181から反射波を受信して、受信した反射波に基づいて車両181についての測定対象距離R、測定対象方位角θおよび測定対象速度vmを計測する。
具体的には、電波センサ101は、車両181が極座標(R1,θ1)に位置する場合、測定対象距離R1、測定対象方位角θ1および測定対象速度vm1を計測する。また、電波センサ101は、車両181が極座標(R2,θ2)に位置する場合、測定対象距離R2、測定対象方位角θ2および測定対象速度vm2を計測する。
[課題]
図2を参照して、電波センサ101が検出する測定対象速度vmは、物体の実際の移動速度と異なることがある。
具体的には、たとえば、極座標(R1,θ1)における車両181、および極座標(R2,θ2)における車両181の移動速度がともにvcである場合において、極座標(R1,θ1)における車両181についての測定対象速度vm1は、極座標(R2,θ2)における車両181についての測定対象速度vm2より大きくなる。ここで、R1>R2かつθ1>θ2である。
図2に示す場合と異なり、車両181が電波センサ101に対して近づくかまたは遠ざかる方向に沿って移動する場合、測定対象速度vmと車両181の移動速度とが一致する。
このような車両181と電波センサ101との位置関係を実現するためには電波センサ101を道路Rdの上部に設けることが求められるが、種々の制約により実現することが困難な場合がある。
電波センサ101を道路Rdの上部に設けなくても、車両181の実際の移動速度vcを検出可能な技術が求められる。
そこで、本発明の実施の形態に係る電波センサでは、以下のような構成および動作により、このような課題を解決する。
[電波センサの構成]
図3は、本発明の第1の実施の形態に係る安全運転支援システムにおける電波センサの構成を示す図である。
図3を参照して、電波センサ101は、レーダ部4と、補正部6と、記憶部7と、通信部8とを備える。通信部8は、上位装置151と通信を行うことが可能である。
図4は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサにおける記憶部が保持するルックアップテーブルの一例を示す図である。
図2および図4を参照して、電波センサ101のユーザは、道路Rdにおける車両181の複数の位置についての測定対象方位角θおよび測定対象距離Rに基づいて作成された補正情報を作成する。この補正情報は、測定対象速度vmを、車両181の位置における道路Rdの延伸方向に沿った車両181の速度に変換するための情報である。
ユーザは、補正情報の一例であるルックアップテーブルを作成し、作成したルックアップテーブルを記憶部7に保存しておく。
より詳細には、ルックアップテーブルは、たとえば、道路Rdにおける複数の位置、および当該複数の位置にそれぞれ対応する補正量を示す。
ここで、道路Rdにおける複数の位置は、具体的には、道路Rdに沿った各点の極座標の成分である測定対象距離Rおよび測定対象方位角θの組によって定まる。
補正量は、たとえば、当該補正量に対応する位置における道路Rdの延伸方向と当該位置から電波センサ101への方向とのなす角度に基づく値である。
具体的には、補正量は、たとえば、上記組によって定まる位置における道路Rdの延伸方向と当該位置から電波センサ101への方向とがなす角度φの余弦である。
言い換えると、補正量は、たとえば、上記組によって定まる位置を走行する車両181の移動速度vcの方向と当該車両181についての測定対象速度vmの方向とがなす角度φの余弦である。
図5は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサにおけるレーダ部の構成を示す図である。
図5を参照して、レーダ部4は、送信部1と、受信部2と、差分信号生成部3と、信号処理部(測定部)5と、制御部10とを含む。
レーダ部4は、たとえば、非特許文献3(Eugin Hyun、外2名、「A Pedestrian Detection Scheme Using a Coherent Phase Difference Method Based on 2D Range−Doppler FMCW Radar」、Sensros、2016年、第16巻、P.124)に記載された2D Range−Doppler FM−CW方式に従って動作する。
なお、レーダ部4は、上記方式に限らず、非特許文献1および非特許文献2に記載のFM−CW方式および2周波CW方式、ならびに非特許文献4(電子情報通信学会編・発行 吉田孝監修、「改訂レーダ技術」、改訂版、コロナ社、1996年10月、P275−276)に記載のパルス圧縮方式に従って動作してもよい。
レーダ部4は、たとえば、所定周期ごとに、道路Rdを走行する車両181の検出結果を示す検出結果情報を補正部6へ出力する。
検出結果情報は、レーダ部4によって車両181が検出された場合、検出された車両181についての測定対象距離R、測定対象方位角θおよび測定対象速度vmを示す。また、検出結果情報は、レーダ部4によって車両181が検出されない場合、ヌルを示す。
図6は、本発明の第1の実施の形態に係る安全運転支援システムにおける電波センサが送信する電波の周波数の時間変化の一例を示す図である。なお、図6において、横軸は時間を示し、縦軸は周波数を示す。
図5および図6を参照して、レーダ部4における送信部1は、道路Rdを含む対象エリアへ電波を送信する。
より詳細には、送信部1は、たとえば、制御部10の制御に従って、周波数がのこぎり波の波形で変化するミリ波を対象エリアへ繰り返し送信する。
制御部10は、単位シーケンスUS1を繰り返し設定し、設定した単位シーケンスUS1の開始タイミングにおいて、制御信号Ss1を送信部1および信号処理部5へ出力する。
そして、制御部10は、開始タイミングから繰り返し周期Tsが経過するごとに、制御信号Ss1を送信部1および信号処理部5へ出力する。
ここで、制御部10は、単位シーケンスUS1の終了タイミングにおいて、制御信号Ss1を送信部1および信号処理部5へ出力しない。また、単位シーケンスUS1において、制御信号Ssが制御部10から出力される回数は、P回である。
送信部1は、制御部10から制御信号Ss1を受けると、繰り返し周期Tsにおいて周波数F2からF1まで一様に周波数が増加するミリ波を生成する。
送信部1は、生成したミリ波を、図示しないアンテナ経由で対象エリアへ送信するともに差分信号生成部3へ出力する。
受信部2は、対象エリア等からの電波を受信する。より詳細には、受信部2が受信する電波には、車両181によって反射された電波、車両181以外の物体である構造物、たとえばガードレールおよびポールによって反射された電波、ならびに電波を送信する電波送信体からの電波等が含まれる。
より詳細には、受信部2は、複数のアンテナ素子を含むアレイアンテナを有し、各アンテナ素子において受信した電波に相当する受信信号を差分信号生成部3へ出力する。ここでは、アンテナ素子の素子数を、Q個とする。
差分信号生成部3は、送信部1によって送信される電波の周波数成分と受信部2によって受信される電波の周波数成分との差の周波数成分を有する差分信号を生成する。
より詳細には、差分信号生成部3は、アンテナ素子ごとの受信信号を受信部2から受けて、送信部1から受けるミリ波を用いて、受けた各受信信号の各々をダウンコンバートすることによりベースバンド帯の各差分信号を生成する。差分信号生成部3は、生成した各差分信号を信号処理部5へ出力する。
信号処理部5は、受信部2によって受信された電波に基づいて、測定対象方位角θ、測定対象距離Rおよび測定対象速度vmを測定する。
より詳細には、信号処理部5は、制御部10から制御信号Ss1を受けると、繰り返し周期Tsの間、受信部2から受ける各差分信号を所定のサンプリング周期ごとにサンプリングすることで、アンテナ素子ごとの差分信号の時間スペクトルを生成する。
この結果、信号処理部5には、繰り返し周期Tsの満了時において、複数のアンテナ素子にそれぞれ対応するQセットの時間スペクトルが蓄積される。
信号処理部5は、制御部10から新たな制御信号Ss1を受けるごとにQセットの時間スペクトルを蓄積する。
この結果、信号処理部5には、単位シーケンスUS1の満了時において、Qセットの時間スペクトルがPセット蓄積される。
以下、p番目の繰り返し周期Tsにおいて、q番目のアンテナ素子によって受信された受信信号に基づく差分信号の時間スペクトルを、時間スペクトルTS(p,q)と定義する。ここで、pは、1からPまでの整数である。qは、1からQまでの整数である。
信号処理部5は、たとえば、時間スペクトルTS(1,1)をFFT(Fast Fourier Transform)処理することにより、周波数スペクトルFS(1,1)を生成する。
周波数スペクトルFS(1,1)の縦軸および横軸は、それぞれ振幅および周波数である。また、横軸は、たとえば、非特許文献3に記載の方法に従って、測定対象距離Rに換算することが可能である。
信号処理部5は、たとえば、対象エリアにおいて車両181が存在しない場合において測定された周波数スペクトルであるダークスペクトルを有しており、周波数スペクトルFS(1,1)からダークスペクトルを差し引くことにより、処理済周波数スペクトルFS(1,1)を生成する。
信号処理部5は、生成した処理済周波数スペクトルFS(1,1)において、所定のしきい値以上の振幅を有するピークを検出するピーク検出処理を行う。
信号処理部5は、ピークを検出できない場合、ヌルを示す検出結果情報を補正部6へ出力する。
一方、信号処理部5は、ピークを検出できた場合、検出したピークの周波数を換算することにより測定対象距離Rを算出する。
また、信号処理部5は、たとえば、非特許文献5(菊間 信良著、「アレーアンテナによる適応信号処理」、初版、株式会社科学技術出版、1998年11月、p.181,p.194)に記載のMUSIC(MUltiple SIgnal Classification)法、Capon法またはビームフォーミング法に従って、時間スペクトルTS(1,1)〜(1,Q)に基づいて、検出したピークに対応する測定対象方位角θを算出する。
また、信号処理部5は、たとえば、非特許文献3に記載の方法に従って、時間スペクトルTS(1,1)〜(P,1)に基づいて、検出したピークに対応する測定対象速度vmを算出する。
信号処理部5は、算出した測定対象距離R、測定対象方位角θおよび測定対象速度vmを示す検出結果情報を補正部6へ出力する。
再び図3を参照して、補正部6は、補正情報を用いて、信号処理部5によって測定された測定対象速度vmを補正する。
より詳細には、補正部6は、レーダ部4から検出結果情報を受けて、受けた検出結果情報がヌルを示す場合、新たな検出結果情報をレーダ部4から受けるまで待機する。
一方、補正部6は、受けた検出結果情報が測定対象距離R、測定対象方位角θおよび測定対象速度vmを示す場合、以下の処理を行う。
すなわち、補正部6は、記憶部7が保持するルックアップテーブル(図4参照)を参照し、レーダ部4から受けた測定対象距離Rおよび測定対象方位角θに対応する補正量をルックアップテーブルから取得し、レーダ部4から受けた測定対象速度vmを補正量で除することにより移動速度vcを算出する。
そして、補正部6は、検出結果情報における測定対象速度vmを、移動速度vcに置き換えた後、検出結果情報を通信部8経由で上位装置151へ送信する。
再び図1を参照して、上位装置151は、電波センサ101から検出結果情報を受信すると、受信した検出結果情報を蓄積する。
上位装置151は、たとえば、所定の集約周期ごとに、蓄積した検出結果情報を集約し、道路Rdにおける車両181の平均速度を算出する。
上位装置151は、たとえば、算出した平均速度、および図示しない他の電波センサ101から受信した検出結果情報に基づく平均速度に基づいて、道路Rdにおける渋滞度合いを示す渋滞情報を作成する。
上位装置151は、作成した渋滞情報を無線送信装置152へ送信する。無線送信装置152は、上位装置151から渋滞情報を受信すると、受信した渋滞情報をたとえばブロードキャストする。
車両181における無線端末装置111は、無線送信装置152から渋滞情報を受信すると、たとえば、受信した渋滞情報の示す道路Rdにおける渋滞度合いを表示装置に表示してドライバに通知する。
[動作の流れ]
電波センサ101は、コンピュータを備え、当該コンピュータにおけるCPU等の演算処理部は、以下に示すフローチャートの各ステップの一部または全部を含むプログラムを図示しないメモリから読み出して実行する。この装置のプログラムは、外部からインストールすることができる。この装置のプログラムは、記録媒体に格納された状態で流通する。
図7は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサが測定対象速度を補正する際の動作手順を定めたフローチャートである。
図7を参照して、まず、電波センサ101は、単位シーケンスUS1が満了するまで、時間スペクトルを蓄積する(ステップS102)。
そして、電波センサ101は、単位シーケンスUS1が満了すると、時間スペクトルTS(1,1)およびダークスペクトルに基づいて処理済周波数スペクトルFS(1,1)を生成し、生成した処理済周波数スペクトルFS(1,1)において、所定のしきい値以上の振幅を有するピークを検出するピーク検出処理を行う(ステップS104)。
次に、電波センサ101は、ピークを検出した場合(ステップS106でYES)、蓄積した時間スペクトルに基づいて、検出したピークについての測定対象距離R、測定対象方位角θおよび測定対象速度vmを算出する(ステップS108)。
次に、電波センサ101は、算出した測定対象距離Rおよび測定対象方位角θに対応する補正量を記憶部7から取得する(ステップS110)。
次に、電波センサ101は、取得した補正量を用いて測定対象速度vmを補正することにより、移動速度vcを算出する(ステップS112)。
次に、電波センサ101は、算出した測定対象距離R、測定対象方位角θおよび移動速度vcを示す検出結果情報を上位装置151へ送信する(ステップS114)。
次に、電波センサ101は、ピークを検出しないか(ステップS106でNO)、または検出結果情報を上位装置151へ送信すると(ステップS114)、新たな単位シーケンスUS1が満了するまで、時間スペクトルを蓄積する(ステップS102)。
[電波センサ101の変形例1]
電波センサ101では、補正部6は、図4に示すルックアップテーブルから補正量を取得する構成であるとしたが、これに限定するものではない。補正部6は、たとえば、ルックアップテーブルの内容を近似する式に基づいて補正量を取得する構成であってもよい。
具体的には、たとえば、ユーザは、ルックアップテーブルにおける位置と補正量との対応関係を近似する多項式を作成する。
より詳細には、ユーザは、たとえば、ルックアップテーブルにおける測定対象距離Rおよび測定対象方位角θを成分とする極座標(R,θ)を、センサ座標系における直交座標(X,Y)に変換する。
そして、ユーザは、ルックアップテーブルにおける直交座標(X,Y)と補正量との対応関係に基づいて、以下の式(1)に示すXおよびYの多項式によって当該対応関係を近似可能な係数c1〜c6等を含む係数セットを、最小二乗法により決定する。
Figure 2019020148
ユーザは、たとえば、決定した係数セットを記憶部7に保存しておく。
補正部6は、レーダ部4から検出結果情報を受けて、受けた検出結果情報が測定対象距離R、測定対象方位角θおよび測定対象速度vmを示す場合、以下の処理を行う。
すなわち、補正部6は、測定対象距離Rおよび測定対象方位角θを成分とする極座標(R,θ)を、センサ座標系における直交座標(X,Y)に変換する。
補正部6は、記憶部7が保持する係数セットを取得し、取得した係数セットを用いて式(1)を作成する。そして、補正部6は、作成した式に変換後のXおよびYを代入することにより補正量であるcosφを算出する。
補正部6は、レーダ部4から受けた測定対象速度vmを、算出したcosφで除することにより移動速度vcを算出する。
[電波センサ101の変形例2]
電波センサ101では、2次元の座標に基づいて測定対象速度vmを補正する構成であるとしたが、これに限定するものではない。3次元の座標に基づいて測定対象速度vmを補正することも可能である。
図8は、本発明の第1の実施の形態に係る安全運転支援システムにおける電波センサの変形例の構成を示す図である。
図8を参照して、電波センサ101の変形例2は、図3に示す電波センサ101と比べて、レーダ部4の代わりに、レーダ部14を備える。
電波センサ101の変形例2における補正部6、記憶部7および通信部8の動作は、図3に示す電波センサ101における補正部6、記憶部7および通信部8とそれぞれ同様である。
図9は、本発明の第1の実施の形態に係る安全運転支援システムの道路における設置例を側方から見た状態を示す図である。
図9を参照して、この例では、センサ座標系は、X軸、Y軸およびZ軸により表され、かつ電波センサ101が原点に位置する座標系である。Z軸の方向は、X軸およびY軸に垂直であり、かつ下方に向いている。
測定対象仰角γは、測定対象方向の一例であり、具体的には、センサ座標系における物体の仰角である。より具体的には、測定対象仰角γは、電波センサ101から車両181へのベクトルとZ軸とを含む面を平面視した場合における、当該ベクトルとXY平面とがなす角度である。
再び図8を参照して、レーダ部14は、たとえば、単位シーケンスUS1ごとに、道路Rdを走行する車両181の検出を試みる。
レーダ部14は、車両181を検出した場合、測定対象距離R、測定対象方位角θ、測定対象仰角γおよび測定対象速度vmを示す検出結果情報を補正部6へ出力する。
一方、レーダ部14は、車両181を検出しなかった場合、ヌルを示す検出結果情報を補正部6へ出力する。
図10は、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサの変形例における記憶部が保持するルックアップテーブルの一例を示す図である。
図10を参照して、ユーザは、たとえば、道路Rdにおける複数の位置、および当該複数の位置にそれぞれ対応する補正量とを示すルックアップテーブルを作成し、作成したルックアップテーブルを記憶部7に保存しておく。
ここで、道路Rdにおける複数の位置は、道路Rdに沿った各点の極座標成分である測定対象距離R、測定対象方位角θおよび測定対象仰角γの組によって定まる。
補正量は、たとえば、cosφとcosψとの積により与えられる。ここで、角度φは、XY平面を平面視した場合における、上記組によって定まる位置における道路Rdの延伸方向を表す単位延伸ベクトルと、車両181から電波センサ101への方向を表す単位方向ベクトルとがなす角度である。
角度ψは、単位方向ベクトルとZ軸とを含む面を平面視した場合における、単位延伸ベクトルと単位方向ベクトルとがなす角度である。
補正部6は、レーダ部4から検出結果情報を受けて、受けた検出結果情報がヌルを示す場合、新たな検出結果情報を受けるまで待機する。
一方、補正部6は、受けた検出結果情報が測定対象距離R、測定対象方位角θ、測定対象仰角γおよび測定対象速度vmを示す場合、以下の処理を行う。
すなわち、補正部6は、記憶部7が保持するルックアップテーブルを参照し、レーダ部4から受けた測定対象距離R、測定対象方位角θおよび測定対象仰角γに対応する補正量をルックアップテーブルから取得し、レーダ部4から受けた測定対象速度vmを補正量で除することにより移動速度vcを算出する。
そして、補正部6は、検出結果情報における測定対象速度vmを、移動速度vcに置き換えた後、検出結果情報を通信部8経由で上位装置151へ送信する。
なお、本発明の第1の実施の形態に係る安全運転支援システムでは、直線形状の道路に対して電波センサ101を適用する場合について例示したが、これに限定するものではない。曲線形状の道路Rdに対しても電波センサ101を同様に適用することが可能である。
また、本発明の第1の実施の形態に係る安全運転支援システムでは、車両181を移動体として例示したが、これに限定するものではない。車両181以外の移動する物体を移動体とする構成であってもよい。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサでは、ルックアップテーブルには、位置と当該位置に対応する補正量との組が複数含まれる構成であるとしたが、これに限定するものではない。ルックアップテーブルには、当該組が1つ含まれる構成であってもよい。このようなルックアップテーブルは、たとえば、車両181が特定の位置を通過するときの測定対象速度vmの補正に用いることが可能である。
ところで、特許文献1に記載の運転支援装置は、注意対象物の位置および速度を優先道の移動体情報として自律センサから取得する。ミリ波レーダ、赤外線センサおよびカメラ等が自律センサとして用いられる。
ミリ波レーダが、たとえば、非特許文献1および非特許文献2に記載のFMCW方式等で動作する場合、ミリ波レーダは、注意対象物の移動方向によっては、注意対象物の実際の移動速度と異なる速度を測定することがある。すなわち、注意対象物の移動速度を正しく測定することが困難な場合がある。
これに対して、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサでは、送信部1は、道路Rdへ電波を送信する。受信部2は、電波を受信する。信号処理部5は、受信部2によって受信された電波に基づいて、電波センサ101から道路Rdにおける移動体への方向である測定対象方向、電波センサ101と移動体との間の距離である測定対象距離R、および電波センサ101に対して近づくかまたは遠ざかる方向に沿った移動体の速度である測定対象速度vmを測定する。そして、補正部6は、移動体の複数の位置についての測定対象方向および測定対象距離Rに基づいて作成された補正情報であって、測定対象速度vmを、移動体の位置における道路Rdの延伸方向に沿った移動体の速度に変換するための補正情報を用いて、信号処理部5によって測定された測定対象速度vmを補正する。
たとえば、移動体から電波センサ101への方向である半径方向と道路Rdの延伸方向とが異なる場合、道路Rdを移動する移動体は半径方向に沿って移動しないため、信号処理部5により測定される測定対象速度vmと移動体の実際の速度とが異なってしまう。上記の構成により、補正情報に基づいて、信号処理部5により測定された測定対象速度vmを、移動体の位置における道路Rdの延伸方向すなわち移動体の移動方向に沿った速度に補正することができるので、移動体の実際の速度により近い速度を取得することができる。したがって、道路における移動体の速度をより精度よく測定することができる。
また、本発明の第1の実施の形態に係る電波センサでは、補正情報は、道路Rdにおける複数の位置、および当該複数の位置にそれぞれ対応する補正量を示す。そして、補正量は、対応の位置における道路Rdの延伸方向と当該対応の位置から電波センサ101への方向とのなす角度に基づく値である。
測定対象速度vmと移動体の実際の速度との相違は、移動体の位置における道路Rdの延伸方向すなわち移動体の移動方向の、当該位置から電波センサ101への方向に対するずれに起因する。上記のように、道路Rdにおける複数の位置ごとの補正量が、対応の位置における当該ずれに基づく値である構成により、道路Rdにおけるいずれの位置でも、測定対象速度vmを、移動体の実際の速度に近い値に適切に補正することができる。
次に、本発明の他の実施の形態について図面を用いて説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
<第2の実施の形態>
本実施の形態は、第1の実施の形態に係る電波センサと比べて、補正量を自動で学習する電波センサに関する。以下で説明する内容以外は第1の実施の形態に係る電波センサと同様である。
図11は、本発明の第2の実施の形態に係る安全運転支援システムにおける電波センサの構成を示す図である。
図11を参照して、電波センサ102は、レーダ部4と、補正部6と、記憶部7と、通信部8と、テーブル処理部(作成部および更新部)9とを備える。
電波センサ102におけるレーダ部4、補正部6、記憶部7および通信部8の動作は、図3に示す電波センサ101におけるレーダ部4、補正部6、記憶部7および通信部8とそれぞれ同様である。
テーブル処理部9は、信号処理部5によって測定された測定対象方位角θおよび測定対象距離Rの複数の組に基づいて補正情報を作成する。
図12は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサにおけるテーブル処理部がルックアップテーブルを作成する際の動作手順を定めたフローチャートである。
図12を参照して、たとえば、ユーザによって、電波センサ101の電源がオンされた状況、または電波センサ101がリセット処理された状況を想定する。
まず、テーブル処理部9は、ルックアップテーブルを作成するための学習期間を設定する(ステップS202)。ここでは、学習期間の長さは、たとえば15分である。
次に、テーブル処理部9は、メッシュMesの設定、およびルックアップテーブルのひな形を作成する(ステップS204)。
図13は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサにおけるテーブル処理部が設定するメッシュの一例を示す図である。
図13を参照して、テーブル処理部9は、たとえば、センサ座標系において、同じサイズを有する複数のメッシュMesを設定する。
この例では、テーブル処理部9は、道路Rdをカバーするように複数のメッシュを設定する。なお、テーブル処理部9は、道路Rdの位置を認識できない場合、電波センサ101の検知可能エリアすなわち対象エリアをカバーするように複数のメッシュを設定してもよい。
各メッシュMesには、IDならびにメッシュMesの位置を特定するための直交座標(Xc,Yc)が割り当てられる。
図14は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサにおけるテーブル処理部が作成するルックアップテーブルのひな形の一例を示す図である。
図14を参照して、テーブル処理部9は、たとえば、メッシュMesのIDと直交座標(Xc,Yc)と補正量との対応関係を示すルックアップテーブルのひな形を作成し、作成したルックアップテーブルのひな形を記憶部7に保存する。
ルックアップテーブルのひな形では、メッシュMesのID数の行が設けられ、直交座標(Xc,Yc)は埋められるが、補正量のフィールドは空欄である。
再び図12を参照して、次に、テーブル処理部9は、測定対象距離R、測定対象方位角θおよび測定対象速度vmを示す検出結果情報をレーダ部4から受けるまで待機する(ステップS206でNO)。
そして、テーブル処理部9は、上記検出結果情報をレーダ部4から受けると(ステップS206でYES)、検出結果情報の示す極座標(R,θ)を直交座標(X,Y)に変換する(ステップS208)。
次に、テーブル処理部9は、ルックアップテーブルにおけるIDと直交座標(Xc,Yc)との対応関係、およびメッシュMesのサイズに基づいて、変換後の直交座標(X,Y)が含まれるメッシュMesのIDを特定する(ステップS210)。
次に、テーブル処理部9は、特定したIDに対応する補正量がルックアップテーブルに存在する場合(ステップS212でYES)、測定対象距離R、測定対象方位角θおよび測定対象速度vmを示す新たな検出結果情報をレーダ部4から受けるまで待機する(ステップS206でNO)。
一方、テーブル処理部9は、IDに対応する補正量がルックアップテーブルに存在しない場合(ステップS212でNO)、補正量を算出する(ステップS214)。
より詳細には、テーブル処理部9は、以下の式(2)を用いて補正量を算出する。
Figure 2019020148
ここで、X[i],Y[i]は、それぞれ前回の単位シーケンスUS1においてレーダ部4から受けた検出結果情報に基づく直交座標のX成分およびY成分である。θ[i]は、前回の単位シーケンスUS1においてレーダ部4から受けた検出結果情報の示す測定対象方位角θである。
X[i+1],Y[i+1]は、それぞれ今回の単位シーケンスUS1においてレーダ部4から受けた検出結果情報に基づく直交座標のX成分およびY成分である。
次に、テーブル処理部9は、特定したIDに対応する、ルックアップテーブルにおける補正量のフィールドに、算出した補正量を登録する(ステップS216)。
図15は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサにおけるテーブル処理部が作成するルックアップテーブルの一例を示す図である。
図15を参照して、ここでは、テーブル処理部9は、たとえば、IDが2の場合における補正量を算出し、算出した補正量すなわちcosφc2を、IDが2に対応する補正量のフィールドに登録する。
再び図12を参照して、次に、テーブル処理部9は、ルックアップテーブルにおける補正量のフィールドがすべて埋まった場合(ステップS218でYES)、ルックアップテーブルの作成処理を終了する。
一方、テーブル処理部9は、ルックアップテーブルにおいて埋まっていない補正量が存在し、かつ学習期間が満了していない場合(ステップS218でNOおよびステップS220でNO)、測定対象距離R、測定対象方位角θおよび測定対象速度vmを示す新たな検出結果情報をレーダ部4から受けるまで待機する(ステップS206でNO)。
また、テーブル処理部9は、ルックアップテーブルにいて埋まっていない補正量が存在しているが、学習期間が満了した場合(ステップS218でNOおよびステップS220でYES)、空欄の補正量のフィールドの値を算出する補間処理を行う(ステップS222)。
より詳細には、テーブル処理部9は、たとえば、ルックアップテーブルにおいて、空欄の補正量のフィールドと異なるフィールドにおける補正量を用いて線形補間を行うことにより、空欄の補正量のフィールドに登録すべき補正量を算出し、算出した補正量を当該空欄の補正量のフィールドに登録する。
なお、テーブル処理部9は、上記ステップS222において、線形補間を行う構成であるとしたが、これに限定するものではない。テーブル処理部9は、線形補間の代わりに、たとえば、最近傍点補間、スプライン補間またはキュービック補間を行う構成であってもよい。
また、テーブル処理部9は、作成したルックアップテーブルを記憶部7に保存する構成に限らず、作成したルックアップテーブルに基づいて、式(1)に示す多項式の係数セットを作成し、作成した係数セットを記憶部7に保存する構成であってもよい。
[電波センサ102の変形例1]
テーブル処理部9は、特定したIDに対応する補正量がルックアップテーブルに存在する場合(ステップS212でYES)、補正量を算出せずに新たな検出結果情報をレーダ部4から受けるまで待機する(ステップS206でNO)構成であるとしたが、これに限定するものではない。
テーブル処理部9は、特定したIDに対応する補正量がルックアップテーブルに存在する場合においても、補正量を算出する構成であってもよい。
この場合、テーブル処理部9は、たとえば、算出した補正量を、ルックアップテーブルにおける対応のフィールド(以下、対応フィールドとも称する。)に上書きする。
また、テーブル処理部9は、対応フィールドにおける補正量、および今回算出した補正量(以下、今回補正量とも称する。)の平均を算出し、算出した補正量を対応フィールドに登録してもよい。
より詳細には、たとえば、テーブル処理部9は、特定したIDに対応する補正量を過去に(N−1)回算出した場合、対応フィールドにおける補正量と(N−1)とを乗じた値に今回補正量を加えた後、Nで除して得られる値を対応フィールドに登録する。
しかしながら、上記方法では、補正量を過去に算出した回数をIDごとに保持する必要があるため、非効率である。
これに対して、テーブル処理部9は、たとえば、対応フィールドにおける補正量と係数aとを乗じた値、および今回補正量と(1−a)とを乗じた値を加えた値を対応フィールドに登録する。ここで、aは、1に近い実数たとえば0.99である。
このように、指数関数型重みづけ平均を行う構成により、補正量を過去に算出した回数をIDごとに保持することなく、補正量をより適切な値に効率よく近づけることができる。
[電波センサ102の変形例2]
電波センサ102では、2次元の座標に基づいてルックアップテーブルを作成する構成であるとしたが、これに限定するものではない。3次元の座標に基づいてルックアップテーブルを作成することも可能である。
図16は、本発明の第2の実施の形態に係る安全運転支援システムにおける電波センサの変形例の構成を示す図である。
図16を参照して、電波センサ102の変形例2は、図11に示す電波センサ101と比べて、レーダ部4の代わりに、レーダ部14を備える。
電波センサ102の変形例2における補正部6、記憶部7、通信部8およびテーブル処理部9の動作は、図11に示す電波センサ102における補正部6、記憶部7、通信部8およびテーブル処理部9とそれぞれ同様である。
電波センサ102の変形例2におけるレーダ部14の動作は、図8に示す電波センサ101の変形例2におけるレーダ部14と同様である。
図17は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサの変形例におけるテーブル処理部が作成するルックアップテーブルのひな形の一例を示す図である。
図18は、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサの変形例におけるテーブル処理部が作成するルックアップテーブルの一例を示す図である。
図12および図16〜図18を参照して、テーブル処理部9は、メッシュMesの設定、およびルックアップテーブルのひな形を作成する(ステップS204)。
より詳細には、テーブル処理部9は、たとえば、センサ座標系において、同じサイズを有する複数の3次元のメッシュMesを設定する。このような3次元のメッシュMesは、たとえば、図13に示す2次元のメッシュMesにおいてZ軸方向にもメッシュを積層したものである。
各メッシュMesには、IDならびにメッシュMesの位置を特定するための直交座標(Xc,Yc,Zc)が割り当てられる。
また、テーブル処理部9は、たとえば、メッシュMesのIDと直交座標(Xc,Yc,Zc)と補正量との対応関係を示す、図17に示すルックアップテーブルのひな形を作成し、作成したルックアップテーブルのひな形を記憶部7に保存する。
ルックアップテーブルのひな形では、メッシュMesのID数の行が設けられ、直交座標(Xc,Yc,Zc)は埋められるが、補正量のフィールドは空欄である。
次に、テーブル処理部9は、測定対象距離R、測定対象方位角θ、測定対象仰角γおよび測定対象速度vmを示す検出結果情報をレーダ部4から受けるまで待機する(ステップS206でNO)。
そして、テーブル処理部9は、上記検出結果情報をレーダ部4から受けると(ステップS206でYES)、検出結果情報の示す極座標(R,θ,γ)を直交座標(X,Y,Z)に変換する(ステップS208)。
次に、テーブル処理部9は、ルックアップテーブルにおけるIDと直交座標(Xc,Yc,Zc)との対応関係、およびメッシュMesのサイズに基づいて、変換後の直交座標(X,Y)が含まれるメッシュMesのIDを特定する(ステップS210)。
次に、テーブル処理部9は、特定したIDに対応する補正量がルックアップテーブルに存在する場合(ステップS212でYES)、測定対象距離R、測定対象方位角θ、測定対象仰角γおよび測定対象速度vmを示す新たな検出結果情報をレーダ部4から受けるまで待機する(ステップS206でNO)。
一方、テーブル処理部9は、特定したIDに対応する補正量がルックアップテーブルに存在しない場合(ステップS212でNO)、補正量を算出する(ステップS214)。
より詳細には、テーブル処理部9は、以下の式(3)を用いて補正量を算出する。
Figure 2019020148
ここで、式(3)におけるA、BおよびCは、それぞれ以下の式(4)、式(5)および式(6)により表される。
Figure 2019020148

Figure 2019020148

Figure 2019020148
X[i],Y[i],Z[i]は、それぞれ前回レーダ部14から受けた検出結果情報に基づく直交座標のX成分、Y成分およびZ成分である。θ[i]は、前回レーダ部14から受けた検出結果情報の示す測定対象方位角θである。γ[i]は、前回レーダ部14から受けた検出結果情報の示す測定対象仰角γである。
X[i+1],Y[i+1],Z[i+1]は、それぞれ今回レーダ部14から受けた検出結果情報に基づく直交座標のX成分、Y成分およびZ成分である。
次に、テーブル処理部9は、特定したIDに対応する、ルックアップテーブルにおける補正量のフィールドに、算出した補正量を登録する(ステップS216)。
ここでは、テーブル処理部9は、図18に示すように、たとえば、IDが2の場合における補正量を算出し、算出した補正量すなわちcos(φc2)cos(ψc2)を、IDが2に対応する補正量のフィールドに登録する。
[電波センサ102の変形例3]
図19は、本発明の第2の実施の形態に係る安全運転支援システムにおける電波センサの変形例の構成を示す図である。
図19を参照して、電波センサ102の変形例3は、図11に示す電波センサ102と比べて、さらに、異常検出部11と、報知部12とを備える。
テーブル処理部9は、たとえば、信号処理部5によって測定された測定対象方位角θおよび測定対象距離Rの複数の組に基づいて、自己が最初に作成した補正情報である初期補正情報を更新する。
より詳細には、テーブル処理部9は、たとえば、初期補正情報の一例である最初のルックアップテーブル(以下、初期ルックアップテーブルとも称する。)を作成した後、図12に示す流れの動作を定期的に行うことにより、ルックアップテーブルを更新する。
異常検出部11は、たとえば、初期補正情報、および自己が更新した補正情報に基づいて、電波センサ101の異常を検出する。
より詳細には、異常検出部11は、テーブル処理部9によって初期ルックアップテーブルが作成されて記憶部7に保存されると、初期ルックアップテーブルを記憶部7から取得して保持する。
異常検出部11は、記憶部7におけるルックアップテーブルを監視し、テーブル処理部9によってルックアップテーブルの内容が更新されると、更新後のルックアップテーブル(以下、更新ルックアップテーブルとも称する。)を記憶部7から取得する。
異常検出部11は、たとえば、初期ルックアップテーブルにおける補正量と更新ルックアップテーブルにおける対応の補正量との差分を、ルックアップテーブルにおけるすべてのIDすなわち位置について算出する。
異常検出部11は、たとえば、算出した各差分の2乗の和が所定のしきい値以上である場合、電波センサ101の向きがずれた異常状態であると判断し、判断結果を示す判断情報を報知部12へ出力する。
報知部12は、異常検出部11から判断情報を受けると、受けた判断情報の内容をユーザに報知する。
なお、異常検出部11は、ルックアップテーブルにおけるすべての位置についての各差分の2乗の和を算出し、算出した和が所定のしきい値以上である場合、電波センサ101の異常を判断する構成であるとしたが、これに限定するものではない。異常検出部11は、たとえば、ルックアップテーブルにおける位置のうちの一部の代表位置についての各差分の2乗の和を算出し、算出した和が所定のしきい値以上である場合、電波センサ101の異常を判断する構成であってもよい。
このように、差分の算出に用いる位置を代表位置に限定する構成により、ルックアップテーブルにおけるすべての位置について差分を算出する場合と比べて、計算負荷を軽減することができる。
また、異常検出部11は、たとえば、テーブル処理部9がルックアップテーブルの代わりに、式(1)に示す多項式を作成する場合、以下の処理を行う。
すなわち、異常検出部11は、テーブル処理部9によって最初の多項式の係数セット(以下、初期係数セットとも称する。)が作成されて記憶部7に保存されると、初期係数セットを記憶部7から取得して保持する。
異常検出部11は、記憶部7における係数セットを監視し、テーブル処理部9によって係数セットの内容が更新されると、更新後の係数セット(以下、更新係数セットとも称する。)を記憶部7から取得する。
異常検出部11は、たとえば、初期係数セットにおける係数と更新係数セットにおける対応の係数との差分を、係数セットにおけるすべての係数について算出する。
異常検出部11は、たとえば、算出した各差分の2乗の和が所定のしきい値以上である場合、電波センサ101の異常を判断する。
このように、係数セットにおける係数を用いて差分を算出する構成により、ルックアップテーブルにおけるすべての位置について差分を算出する場合と比べて、計算負荷を軽減することができる。
また、異常検出部11は、たとえば、ルックアップテーブルの内容を画像として扱うことにより、電波センサ101の異常を判断する構成であってもよい。
より詳細には、異常検出部11は、たとえば、初期ルックアップテーブルにおいて、直交座標(Xc,Yc)を画素の位置とし、かつ対応の補正量を当該画素の値として扱うことにより、初期ルックアップテーブルに基づく初期画像を作成する。
そして、異常検出部11は、初期ルックアップテーブルと同様に、更新ルックアップテーブルにおいて、直交座標(Xc,Yc)を画素の位置とし、かつ対応の補正量を当該画素の値として扱うことにより、更新ルックアップテーブルに基づく更新画像を作成する。
異常検出部11は、パターン認識の手法たとえばSupport Vector Machineを用いて、初期画像のパターンと更新画像のパターンとの異なり度合いに基づいて、電波センサ101の異常を判断する。
その他の構成および動作は第1の実施の形態に係る電波センサと同様であるため、ここでは詳細な説明を繰り返さない。
以上のように、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサでは、テーブル処理部9は、信号処理部5によって測定された測定対象方向および測定対象距離Rの複数の組に基づいて補正情報を作成する。
たとえば、補正情報を手動で作成する場合、道路Rdにおける各位置の電波センサ101に対する相対位置をユーザが実測し、実測結果に基づいて補正情報を作成する必要がある。上記の構成により、信号処理部5の測定結果である上記複数の組から道路Rdにおける各位置の電波センサ101に対する相対位置を取得することができるので、補正情報を簡易に作成することができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る電波センサでは、テーブル処理部9は、信号処理部5によって測定された測定対象方向および測定対象距離Rの複数の組に基づいて、作成した補正情報である初期補正情報を更新する。そして、異常検出部11は、初期補正情報、およびテーブル処理部9によって更新された補正情報に基づいて、電波センサ101の異常を検出する。
たとえば、電波センサ101の取り付け位置または取り付け方向がずれない場合、テーブル処理部9によって更新された補正情報の内容は初期補正情報の内容に類似することが考えられる。上記の構成により、電波センサ101の取り付け位置または取り付け方向が初期状態からずれたことを電波センサ101の異常として検出することができるので、電波センサ101の取り付けの修正等の電波センサ101に対する何らかの対処を施すことができる。
なお、本発明の第1の実施の形態および第2の実施の形態に係る各装置の構成要素および動作のうち、一部または全部を適宜組み合わせることも可能である。
上記実施の形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
以上の説明は、以下に付記する特徴を含む。
[付記1]
電波センサであって、
道路へ電波を送信する送信部と、
電波を受信する受信部と、
前記受信部によって受信された電波に基づいて、前記電波センサから前記道路における移動体への方向である測定対象方向、前記電波センサと前記移動体との間の距離である測定対象距離、および前記電波センサに対して近づくかまたは遠ざかる方向に沿った前記移動体の速度である測定対象速度を測定する測定部と、
前記移動体の複数の位置についての前記測定対象方向および前記測定対象距離に基づいて作成された補正情報であって、前記測定対象速度を、前記移動体の位置における前記道路の延伸方向に沿った前記移動体の速度に変換するための補正情報を用いて、前記測定部によって測定された前記測定対象速度を補正する補正部とを備え、
前記送信部は、2D Range−Doppler FM−CW(Frequency Modulated−Continuous Wave)方式、FM−CW方式、2周波CW方式またはパルス圧縮方式に従って、前記道路へ電波を送信し、
前記移動体は、前記道路を走行する車両であり、
前記受信部は、複数のアンテナ素子を有するアレイアンテナを含み、
前記測定部は、前記複数のアンテナ素子によりそれぞれ受信された電波に基づいて、前記測定対象方向および前記測定対象距離を測定し、
前記補正情報は、前記測定対象方向および前記測定対象距離に基づく前記道路における位置と前記位置に対応する補正量との組を複数示すテーブルであり、
前記補正部は、前記測定部によって測定された前記測定対象方向および前記測定対象距離に基づく位置に対応する前記補正量を前記テーブルから取得し、前記測定部によって測定された前記測定対象速度を、取得した前記補正量で除することにより前記車両の実際の速度を算出する、電波センサ。
1 送信部
2 受信部
3 差分信号生成部
4 レーダ部
5 信号処理部(測定部)
6 補正部
7 記憶部
8 通信部
9 テーブル処理部(作成部および更新部)
10 制御部
11 異常検出部
12 報知部
14 レーダ部
101,102 電波センサ
111 無線端末装置
151 上位装置
152 無線送信装置
181 車両
301 安全運転支援システム

Claims (5)

  1. 電波センサであって、
    道路へ電波を送信する送信部と、
    電波を受信する受信部と、
    前記受信部によって受信された電波に基づいて、前記電波センサから前記道路における移動体への方向である測定対象方向、前記電波センサと前記移動体との間の距離である測定対象距離、および前記電波センサに対して近づくかまたは遠ざかる方向に沿った前記移動体の速度である測定対象速度を測定する測定部と、
    前記移動体の複数の位置についての前記測定対象方向および前記測定対象距離に基づいて作成された補正情報であって、前記測定対象速度を、前記移動体の位置における前記道路の延伸方向に沿った前記移動体の速度に変換するための補正情報を用いて、前記測定部によって測定された前記測定対象速度を補正する補正部とを備える、電波センサ。
  2. 前記電波センサは、さらに、
    前記測定部によって測定された前記測定対象方向および前記測定対象距離の複数の組に基づいて前記補正情報を作成する作成部を備える、請求項1に記載の電波センサ。
  3. 前記補正情報は、前記道路における複数の位置、および前記複数の位置にそれぞれ対応する補正量を示し、
    前記補正量は、対応の前記位置における前記道路の延伸方向と前記対応の位置から前記電波センサへの方向とのなす角度に基づく値である、請求項1または請求項2に記載の電波センサ。
  4. 前記電波センサは、さらに、
    前記測定部によって測定された前記測定対象方向および前記測定対象距離の複数の組に基づいて、前記作成部によって作成された前記補正情報である初期補正情報を更新する更新部と、
    前記初期補正情報、および前記更新部によって更新された前記補正情報に基づいて、前記電波センサの異常を検出する異常検出部とを備える、請求項2に記載の電波センサ。
  5. 道路へ電波を送信し、電波を受信する電波センサにおける補正方法であって、
    受信した電波に基づいて、前記電波センサから前記道路における移動体への方向である測定対象方向、前記電波センサと前記移動体との間の距離である測定対象距離、および前記電波センサに対して近づくかまたは遠ざかる方向に沿った前記移動体の速度である測定対象速度を測定するステップと、
    前記移動体の複数の位置についての前記測定対象方向および前記測定対象距離に基づいて作成された補正情報であって、前記測定対象速度を、前記移動体の位置における前記道路の延伸方向に沿った前記移動体の速度に変換するための補正情報を用いて、測定した前記測定対象速度を補正するステップとを含む、補正方法。
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