JP2019020056A - サイレンサ、及びそれを備えたボイラ - Google Patents
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Abstract
Description
当該加熱流体は、顕熱及び潜熱を有するため、当該熱を給水の加熱に用いて効率を向上するべく、加熱流体をボイラの給水タンクに供給する構成が採用される。
加熱流体としての蒸気は、給水タンクに貯留される水等の被加熱流体内へ噴出されると、被加熱流体を押しのけた後に凝縮し、凝縮により発生した空間に被加熱流体が戻ることにより、騒音及び振動が発生する。
当該サイレンサ100は、図5に示すように、円筒状の筒状部材10を有しており、その筒軸心Paに沿う軸心方向の一端に加熱流体STを流入する流入部10bを有すると共に、内部には、当該加熱流体STを通流する第1加熱流体通流孔Fi及び第2加熱流体通流孔Foが形成され、当該第1加熱流体通流孔Fi及び第2加熱流体通流孔Foを、記載の順に通流した加熱流体STが、軸心方向で他端部10aに形成される第2加熱流体通流孔Foの噴孔端から噴出される。
説明を追加すると、第1加熱流体通流孔Fi及び第2加熱流体通流孔Foは、図5に示すように、筒軸心Paの軸心方向に沿って、第1加熱流体通流孔Fiを上流側、第2加熱流体通流孔Foを下流側として、複数設けられている。第1加熱流体通流孔Fi及び第2加熱流体通流孔Foは、第1加熱流体通流孔Fiの孔軸の夫々に対し、第2加熱流体通流孔Foの孔軸を一致させた状態で、対応して形成されている。
換言すれば、図5(b)で、筒軸心Paに沿う方向視において、筒の外径部位から離れた筒軸心Paの近傍には、切欠部Kを介して被加熱流体CWが流入し難くなるため、第1加熱流体通流孔Fi及び第2加熱流体通流孔Foを形成することはできない。
尚、図5では、第1円C1上に孔軸を有する第1加熱流体通流孔Fi及び第2加熱流体通流孔Foは、Fi1及びFo1として示し、第2円C2上に孔軸を有する第1加熱流体通流孔Fi及び第2加熱流体通流孔Foは、Fi2及びFo2として示している。
しかも大径にした場合であっても、外径部位の近傍にしか第1加熱流体通流孔Fi及び第2加熱流体通流孔Foを形成できないため、通流孔を形成できない部位が多くなり、サイレンサ100の体積に対する通流孔の密度、換言すれば、サイレンサ100の体積に対する加熱流体STの処理量は小さくなる。このため、十分な加熱流体(蒸気)STの処理量を発揮できるコンパクトなサイレンサ100は実現できていないという問題があった。
また、上述の如く、筒軸心Paに沿う軸心方向に、加熱流体(蒸気)STと被加熱流体(水)CWとの混合物を噴出する構成にあっては、比較的振動が大きく発生することとなり、改善の余地があった。
被加熱流体を貯留する貯留槽の内部に対し、蒸気を主成分とする加熱流体を前記被加熱流体に混合しながら噴出して前記被加熱流体を加熱して噴出時の騒音を低減する被加熱流体加熱式のサイレンサであって、その特徴構成は、
加熱流体通流管の下流端に連通接続されると共に、前記加熱流体を前記貯留槽の内部で噴出する筒状のディフューザを備え、
筒状の前記ディフューザは、その筒軸心の周方向に沿う筒周壁部に前記加熱流体をディフューザ内部からディフューザ外部へ噴出する多数の内側噴孔を、前記筒軸心の周方向で分散して有し、
前記ディフューザの前記筒周壁部の前記内側噴孔を前記ディフューザ外部から覆う外囲部材を、前記外囲部材の内壁面と前記筒周壁部の外壁面との間に前記貯留槽の内部に連通する間隙を形成する状態で備え、
当該外囲部材には、前記筒周壁部の前記内側噴孔から噴出された前記加熱流体が通流する外側噴孔が、前記内側噴孔の夫々に対応する形態で設けられている点にある。
しかも、加熱流体は、内側噴孔から噴出し、筒状のディフューザと外囲部材との間の間隙から流入した被加熱流体(例えば、水)と合流し、当該被加熱流体と外側噴孔を通流しながら混合した後に、加熱流体と被加熱流体との混合物が貯留槽内へ噴出されるから、騒音も良好に抑制される。
更に、当該構成によれば、加熱流体の処理量を増加する場合には、筒状のディフューザ及び外囲部材を、筒軸心の軸心方向に延長して、内側噴孔及び外側噴孔の数を増加することができるから、従来技術に比べ、サイレンサの体積に対する噴孔密度を高く維持できる。このため、比較的コンパクトな構造であっても、加熱流体(蒸気)の処理量を比較的高くすることができる。
以上より、比較的コンパクトな構造を維持しながらも、十分な流量の蒸気を被加熱流体と混合しながら噴出可能であると共に、消音及び振動抑制効果を発揮し得る被加熱流体加熱式のサイレンサを実現できる。
前記外囲部材は、前記ディフューザの前記筒軸心の軸心方向での特定部位を、前記筒軸心の周方向の全周に亘って外囲する環状部材から成り、
前記環状部材は、前記筒軸心の軸心方向において間隔を隔てて複数設けられる点にある。
また、加熱流体の処理量を増加させる場合には、当該環状部材を、筒状の筒軸心の軸心方向に複数並べることで、外側噴孔の数を増やすと共に、ディフューザに設けられる外側噴孔の数を増やす構成を採用すれば良い。
尚、ディフューザも既製品の金属パイプを用いて構成することができる。
前記外囲部材は、前記ディフューザの前記筒軸心の周方向での特定部位を、前記筒軸心の軸心方向に沿って外囲する板状部材から成り、
前記板状部材は、前記筒軸心の周方向において間隔を隔てて複数設けられ点にある。
また、加熱流体の処理量を増加させる場合には、当該板状部材を、筒軸心の軸心方向に沿って延設することで、外側噴孔の数を増やすと共に、ディフューザに設けられる外側噴孔の数を増やす構成を採用すれば良い。
対応する前記内側噴孔と前記外側噴孔に関し、前記内側噴孔の噴孔軸と前記外側噴孔の噴孔軸とが、同軸に設けられている点にある。
筒状の前記ディフューザは、前記筒軸心に沿う軸心方向での一端部に前記加熱流体を流入する流入部を有すると共に、前記一端部に対向する他端に閉塞端部を有する点にある。
筒状の前記ディフューザは、前記筒軸心を中心とする線対称に構成されており、
前記外囲部材は、前記ディフューザの前記筒軸心を中心とする線対称に配置されている点にある。
サイレンサを、前記被加熱流体としての水を貯留する前記貯留槽としての給水タンクの内部の鉛直方向で下方側に備えた点にある。
以下、当該サイレンサ100及びボイラ200を、図面に基づいて説明する。
当該貫流ボイラ21にて生成された蒸気は、食品加熱等の所望の用途に供された後、凝縮した水と蒸気との混合物となるが、当該混合物のうち、主に凝縮水がスチームトラップ(図示せず)にて抽出され排出されることになる。スチームトラップを通過することで凝縮水の圧力が減少し、飽和温度が下がり、凝縮水の一部が蒸気となる。スチームトラップからは、蒸気も含まれた凝縮水(以下、加熱流体STと呼ぶ)が排出されることになる。
当該加熱流体STは、顕熱及び潜熱を有するため、当該熱を給水CWの加熱に用いて効率を向上するべく、加熱流体STを給水タンクTに供給する構成が採用される。
具体的には、スチームトラップから排出された加熱流体STを通流する加熱流体通流管L3の下流端に設けられ、給水タンクTの内部の鉛直方向下方側に配設されたサイレンサ100を介して、加熱流体STが給水タンクTの内部の被加熱流体CWに対して噴出されることとなる。
尚、ディフューザ10は、その筒軸心Paを有底筒状の給水タンクTの軸心Pbに沿わせる形態で、給水タンクTの内部に配設されている。
図2(b)に示すように、円筒状のディフューザ10は、その筒軸心Paに沿う軸心方向での一端部10aに、筒軸心Paに沿う軸心方向で、ディフューザ10の外部へ突出すると共に、加熱流体STを流入する突出部12(流入部の一例)を有する。更に、ディフューザ10は、一端部10aに対向する他端である他端部15(閉塞端部の一例)に清掃用開口部16を有し、当該清掃用開口部16は、使用時にソケットSにて閉止されている。
当該実施形態にあっては、外囲部材Gは、ディフューザ10の筒軸心Paの軸心方向での特定部位を、筒軸心Paの周方向の全周に亘って外囲する環状部材Gから成り、当該環状部材Gは、筒軸心Paの軸心方向において間隔を隔てて複数(当該実施形態では、2つ:G1、G2)設けられており、ディフューザ10の筒周壁部10cに溶接部位11にて溶接固定されている。
図2(a)(c)に示すように、ディフューザ10と環状部材Gとは、内側噴孔Fiの噴孔軸と外側噴孔Foの噴孔軸とが、同軸となるように溶接固定されている。
このような構成を採用するには、まず、環状部材Gに対して所定の配列で複数の外側噴孔Foをドリルにより形成する。その後、当該環状部材Gをディフューザ10に溶接にて固設して、当該固設した状態で、ディフューザ10の外部より外側噴孔Foを介して、ディフューザ10の筒周壁部10cに対し、ドリルにて内側噴孔Fiを形成する。これにより、内側噴孔Fiと外側噴孔Foとの噴孔軸が、複雑な位置合わせを要することなく、同軸に設定されることになる。
尚、上述した従来技術にあっては、切欠部Kを形成する際に、旋盤加工が必要であったが、当該実施形態に係るサイレンサ100は、比較的加工手間がかかる旋盤加工を行うことなく、製造でき製造工程を簡略化できる。
内側噴孔Fiは、上述した外側噴孔Foと噴孔軸を同軸にする形態で、ディフューザ10に対して設けられている。
因みに、図(a)に示すように、第1円〜第4円上の夫々に噴孔軸が位置して設けられている噴孔群は、隣接する噴孔群同士が、上述した所定の等角度αの半分の角度β(当該実施形態では、7.2°)ずれて設けられている。当該構成を採用することにより、第1外側噴孔Fo1〜第4外側噴孔Fo4の夫々に対し、内側噴孔Fiからの加熱流体STの噴出流に晒されない状態で、間隙Kを介して流入する給水CWが導かれる流路が形成される。
尚、当該実施形態に係るサイレンサ100を構成するディフューザ10及び環状部材Gは、種々の材料から構成することができるが、耐久性の観点からは、SUS304等の合金から構成することが好ましい。
図5に示す従来例のサイレンサ100と、当該実施形態(実施例)に係るサイレンサ100に関し、蒸気圧力と蒸気量との関係を得る試験を行った。
図5では、従来例のサイレンサ100は、筒状部材10の内径が25mm及び50mmのものについて試験を行い、当該実施形態(実施例)に係るサイレンサ100は、ディフューザ10の内径が50mm及び80mmのものについて試験を行った。
従来例のサイレンサ100に関し、筒状部材10の内径が50mmのものは、第1加熱流体通流孔Fi及び第2加熱流体通流孔Foの噴孔数が48個であり、第1加熱流体通流孔Fiの噴孔径は2.4mm、第2加熱流体通流孔Foの噴孔径は5.8mmであり、切欠部Kの切欠間隔は3.0mmとした。
実施形態(実施例)のサイレンサ100に関し、ディフューザ10の内径が80mmのものは、内側噴孔Fi及び外側噴孔Foの噴孔数が100個であり、内側噴孔Fiの噴孔径は2.4mm、外側噴孔Foの噴孔径は5.8mmであり、間隙Kの間隔は3.0mmとした。
当該実施形態(実施例)のサイレンサ100に関し、ディフューザ10の内径が100mmのものは、内側噴孔Fi及び外側噴孔Foの噴孔数が200個であり、内側噴孔Fiの噴孔径は2.4mm、外側噴孔Foの噴孔径は5.8mmであり、間隙Kの間隔は3.0mmとした。
また、試験結果は省略するが、発明者らは、実施形態(実施例)のサイレンサ100が、従来例のサイレンサ100に対して、優れた消音及び振動抑制効果を発揮することを確認している。
(1)上記実施形態では、加熱流体STは、蒸気及び当該蒸気が凝縮した水の混合物とし、被加熱流体CWは、水とした。
しかしながら、加熱流体ST及び被加熱流体CWは、これらの流体に限らず、気体と液体とで状態変化する他の種々の流体を採用しても構わない。
例えば、図4に示すように、外囲部材Gは、ディフューザ10の筒軸心Paの周方向での特定部位を、筒軸心Paの軸心方向に沿って外囲する板状部材Gから成り、当該板状部材Gは、筒軸心Paの軸周方向において等間隔に複数(図6では、6つ)設ける構成を採用することができる。当該板状部材Gは、例えば、円筒部材を、その筒軸心Paの軸心方向に沿って切断することで、形成できる。
当該板状部材Gの夫々は、例えば、筒軸心Paの軸心方向に伸びる直線で、互いに等間隔を隔てて存在する第1直線〜第4直線上に噴孔軸を位置させる形態で、外側噴孔Foを形成できる。
具体的には、図4に示すように、外側噴孔Foは、第1直線上に噴孔軸が位置する第1外側噴孔Fo1と、第2直線上に噴孔軸が位置する第2外側噴孔Fo2と、第3直線上に噴孔軸が位置する第3外側噴孔Fo3と、第4直線上に噴孔軸が位置する第4外側噴孔Fo4とから構成されている。
内側噴孔Fiは、上述した外側噴孔Foと噴孔軸を同軸にする形態で、ディフューザ10に対して設けられている。
板状部材Gの筒軸心Paの軸心方向での長さは、ディフューザ10の筒軸心Paの軸心方向での長さに依存せず、適宜調整可能である。
また、その他の構成については、上記実施形態と同様であるので、その詳細な説明を割愛する。
10a :一端部
10c :筒周壁部
100 :サイレンサ
200 :ボイラ
CW :被加熱流体
Fi :内側噴孔
Fo :外側噴孔
G :板状部材、外囲部材、環状部材
K :間隙
L3 :加熱流体通流管
Pa :筒軸心
Pb :軸心
S :ソケット
ST :加熱流体
T :給水タンク
Claims (7)
- 被加熱流体を貯留する貯留槽の内部に対し、蒸気を主成分とする加熱流体を前記被加熱流体に混合しながら噴出して前記被加熱流体を加熱して噴出時の騒音を低減する被加熱流体加熱式のサイレンサであって、
加熱流体通流管の下流端に連通接続されると共に、前記加熱流体を前記貯留槽の内部で噴出する筒状のディフューザを備え、
筒状の前記ディフューザは、その筒軸心の周方向に沿う筒周壁部に前記加熱流体をディフューザ内部からディフューザ外部へ噴出する多数の内側噴孔を、前記筒軸心の周方向で分散して有し、
前記ディフューザの前記筒周壁部の前記内側噴孔を前記ディフューザ外部から覆う外囲部材を、前記外囲部材の内壁面と前記筒周壁部の外壁面との間に前記貯留槽の内部に連通する間隙を形成する状態で備え、
当該外囲部材には、前記筒周壁部の前記内側噴孔から噴出された前記加熱流体が通流する外側噴孔が、前記内側噴孔の夫々に対応する形態で設けられているサイレンサ。 - 前記外囲部材は、前記ディフューザの前記筒軸心の軸心方向での特定部位を、前記筒軸心の周方向の全周に亘って外囲する環状部材から成り、
前記環状部材は、前記筒軸心の軸心方向において間隔を隔てて複数設けられる請求項1に記載のサイレンサ。 - 前記外囲部材は、前記ディフューザの前記筒軸心の周方向での特定部位を、前記筒軸心の軸心方向に沿って外囲する板状部材から成り、
前記板状部材は、前記筒軸心の周方向において間隔を隔てて複数設けられる請求項1に記載のサイレンサ。 - 対応する前記内側噴孔と前記外側噴孔に関し、前記内側噴孔の噴孔軸と前記外側噴孔の噴孔軸とが、同軸に設けられている請求項1〜3の何れか一項に記載のサイレンサ。
- 筒状の前記ディフューザは、前記筒軸心に沿う軸心方向での一端部に前記加熱流体を流入する流入部を有すると共に、前記一端部に対向する他端に閉塞端部を有する請求項1〜4の何れか一項に記載のサイレンサ。
- 筒状の前記ディフューザは、前記筒軸心を中心とする線対称に構成されており、
前記外囲部材は、前記ディフューザの前記筒軸心を中心とする線対称に配置されている請求項1〜5の何れか一項に記載のサイレンサ。 - 請求項1〜6の何れか一項に記載のサイレンサを、前記被加熱流体としての水を貯留する前記貯留槽としての給水タンクの内部の鉛直方向で下方側に備えたボイラ。
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