JP2019019828A - 切替装置 - Google Patents

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日▲高▼ 祐一
Yuichi Hidaka
祐一 日▲高▼
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Abstract

【課題】切替装置の小型化を図る。【解決手段】切替装置(100)は、シリンダ部(213)と、シリンダ部(213)内を摺動可能であり、且つ作動装置に接続されて作動装置の状態を切り替えるピストン部(212)と、供給される作動油圧によってピストン部(212)をシリンダ部(213)内の第1位置(逆転阻止状態側の位置)から第2位置(固定状態側の位置)へ摺動させる作動油圧室(224A)と、シリンダ部(213)に接続された油圧検知部(214)と、を備える。ピストン部(212)が第1位置及び第2位置の何れか一方に位置するときに、作動油圧室(224A)の油圧が油圧検知部(214)に供給され、油圧検知部(214)が油圧の有無及び第1位置又は第2位置にピストン部(212)が位置していることを検知する。【選択図】図10

Description

本発明は、シリンダ部とシリンダ部内を摺動自在なピストン部とを備え、ピストン部の摺動により作動装置の状態を切り替える切替装置に関する。
従来、シリンダ部とシリンダ部内を摺動自在なピストン部とを備え、ピストン部の摺動により作動装置の状態を切り替える切替装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許第5863837号公報
従来の切替装置の作動不良を検知するために、シリンダ部に信号圧を供給し、ピストン部が切り替えられるとシリンダ部に供給された信号圧を検知できる油圧センサを切替装置に設けてピストン部の位置を検知することが考えられる。しかしながら、シリンダ部に信号圧を供給する入力ポートを設ける必要があり、切替装置が大きくなってしまい切替装置の小型化が図れないという問題がある。
本発明は、以上の点に鑑み、小型化を図ることができる切替装置を提供することを目的とする。
[1]上記目的を達成するため、本発明の切替装置(例えば、実施形態の油圧制御装置100。以下同一。)は、
シリンダ部(例えば、実施形態のシリンダ部213。以下同一。)と、
シリンダ部内を摺動可能であり、且つ作動装置(例えば、実施形態のツーウェイクラッチF1。以下同一。)に接続されて作動装置の状態を切り替えるピストン部(例えば、実施形態のツーウェイピストン212。以下同一。)と、
供給される作動油圧によってピストン部をシリンダ部内の第1位置(例えば、実施形態の逆転阻止状態側(OWC側)の位置。以下同一。)から第2位置(例えば、実施形態の固定状態側(LOCK側)の位置。以下同一。)へ摺動させる作動油圧室(例えば、実施形態の第1固定用油室224A。以下同一。)と、
シリンダ部に接続された油圧検知部(例えば、実施形態の第1油圧センサ214。以下同一。)と、を備え、
ピストン部が第1位置及び第2位置の何れか一方に位置するときに、作動油圧室の油圧が油圧検知部に供給され、油圧検知部が油圧の有無及び第1位置又は第2位置にピストンが位置していることを検知することを特徴とする。
本発明によれば、ピストン部を押圧する作動油圧をピストン部が正常に移動したか否かを検知するための信号油圧としても活用するため、信号油圧専用の入力ポートを設ける必要がなく切替装置の小型化を図ることができる。
[2]また、本発明の切替装置を備える変速機(例えば、実施形態の自動変速機3。以下同一。)は、回転自在な動力伝達要素(例えば、実施形態の第3連結体Ca−Cb。以下同一。)を備え、前記切替装置は、前記ピストン部を前記シリンダ部内で異動させることにより、動力伝達要素の一方向の回転(正転)を許容し、一方向とは逆の他方向の回転(逆転)を阻止する逆転阻止状態と、動力伝達要素の回転を阻止する固定状態とに切替自在に構成することができる。
図1は、実施形態の油圧制御装置を備える変速機を搭載した車両を模式的に示す説明図である。 図2は、本実施形態の変速機を示すスケルトン図である。 図3は、本実施形態の遊星歯車機構の共線図である。 図4は、本実施形態の各変速段における各係合機構の係合状態を示す説明図である。 図5は、本実施形態のツーウェイクラッチの固定状態を断面で示す説明図である。 図6は、本実施形態のツーウェイクラッチの逆転阻止状態を断面で示す説明図である。 図7は、本実施形態のツーウェイクラッチの固定状態を示す斜視図である。 図8は、本実施形態のツーウェイクラッチの逆転阻止状態を示す斜視図である。 図9は、本実施形態の油圧制御装置を示す説明図である。 図10は、本実施形態の油圧制御装置のシリンダを拡大して示す説明図である。 図11は、リニアソレノイドバルブからシリンダ部に作動油圧が供給された状態を示す説明図である。 図12は、リニアソレノイドバルブから供給された作動油圧によってピストン部が摺動した状態を示す説明図である。 図13は、ソレノイドバルブからシリンダ部に作動油圧が供給された状態を示す説明図である。 図14は、ソレノイドバルブから供給された作動油圧によってピストン部が摺動した状態を示す説明図である。
図面を参照して実施形態の油圧制御装置を備える変速機及びこの変速機を搭載する車両について説明する。
図1に示すように、本実施形態の油圧制御装置を備える変速機を搭載した車両Vは、エンジンE(内燃機関、駆動源。エンジンEに代えて電動機を用いてもよい。)を、クランクシャフト1が車体左右方向を向くように横置きに車体へ搭載されている。エンジンEから出力される駆動力は、動力伝達装置PTに伝達される。そして、動力伝達装置PTは、エンジンEの駆動力を選択された変速比に対応して調整して、左右の前輪WFL,WFRに伝達する。
動力伝達装置PTは、クランクシャフト1に接続されたトルクコンバータ2を有する自動変速機3と、自動変速機3に接続されたフロントデファレンシャルギヤ4とで構成される。
フロントデファレンシャルギヤ4は、前部左車軸7L及び前部右車軸7Rを介して左右の前輪WFL,WFRに接続される。
図2は、自動変速機3のトルクコンバータ2を除いた部分を示すスケルトン図である。この自動変速機3は、筐体としての変速機ケース10内に回転自在に軸支した、エンジンEが出力する駆動力がロックアップクラッチ及びダンパを有するトルクコンバータ2を介して伝達される入力部材としての入力軸11と、入力軸11と同心に配置された出力ギヤからなる出力部材13とを備えている。
出力部材13の回転は、出力部材13と噛合するアイドルギヤ21と、アイドルギヤ21を軸支するアイドル軸23と、アイドル軸23に軸支されるファイナルドライブギヤ25と、ファイナルドライブギヤ25に噛合するファイナルドリブンギヤ27を備えるフロントデファレンシャルギヤ4と、を介して車両の左右の駆動輪(前輪WFL,WFR)に伝達される。なお、トルクコンバータ2に代えて、摩擦係合自在に構成される単板型又は多板型の発進クラッチを設けてもよい。また、フロントデファレンシャルギヤ4に代えてプロペラシャフトを接続して、後輪駆動車両に適用することもできる。また、フロントデファレンシャルギヤ4にトランスファーを介してプロペラシャフトを接続して、四輪駆動車両に適用することもできる。
また、本実施形態の自動変速機3は、パーキングロック機構40を備えている。アイドル軸23には、パーキングロック機構40のパーキングギヤ42が一体回転するように固定されている。パーキングギヤ42の近傍には、支軸44aに枢支されたパーキングポール44が配置されている。パーキングポール44のパーキングギヤ42側の端部には、係止爪46が設けられている。この係止爪46がパーキングギヤ42と係合することにより、アイドル軸23を介して駆動輪(前輪WFL,WFR)が回転不能となる状態(パーキングロック状態)となる。パーキングポール44は、係止爪46がパーキングギヤ42から離脱する方向に離脱スプリング48で付勢されている。
パーキングポール44の他方端には、カム50が進退自在に配置されている。カム50が前進することにより、パーキングポール44は離脱スプリング48の付勢力に抗して揺動し、係止爪46がパーキングギヤ42に係合される。カム50が後退することにより、パーキングポール44は離脱スプリング48の付勢力で元の位置に戻り、係止爪46とパーキングギヤ42との係合が解除される。
カム50には、リンク52を介してパーキングピストン54が接続されている。パーキングピストン54は油圧によって自身の軸方向へ移動自在に構成されている。そして、パーキングピストン54が軸方向へ移動することにより、リンク52を介してカム50が進退動作を行うように構成されている。
筐体としての変速機ケース10内には、エンジンE側から順に第1〜第4の4つの遊星歯車機構PG1〜4が入力軸11と同心に配置されている。
第1遊星歯車機構PG1は、サンギヤSaと、リングギヤRaと、サンギヤSa及びリングギヤRaに噛合するピニオンPaを自転及び公転自在に軸支するキャリアCaとからなる所謂シングルピニオン型の遊星歯車機構で構成される。
所謂シングルピニオン型の遊星歯車機構は、キャリアを固定してサンギヤを回転させると、リングギヤがサンギヤと異なる方向に回転するため、マイナス遊星歯車機構又はネガティブ遊星歯車機構ともいう。なお、所謂シングルピニオン型の遊星歯車機構は、リングギヤを固定してサンギヤを回転させると、キャリアがサンギヤと同一方向に回転する。
図3の上から3段目に示す第1遊星歯車機構PG1の共線図を参照して、第1遊星歯車機構PG1の3つの要素Sa,Ca,Raを、共線図におけるギヤ比(リングギヤの歯数/サンギヤの歯数)に対応する間隔での並び順に左側から夫々第7要素、第8要素及び第9要素とすると、第7要素はサンギヤSa、第8要素はキャリアCa、第9要素はリングギヤRaになる。サンギヤSaとキャリアCa間の間隔とキャリアCaとリングギヤRa間の間隔との比は、第1遊星歯車機構PG1のギヤ比をhとして、h:1に設定される。
第2遊星歯車機構PG2も、サンギヤSbと、リングギヤRbと、サンギヤSb及びリングギヤRbに噛合するピニオンPbを自転及び公転自在に軸支するキャリアCbとからなる所謂シングルピニオン型の遊星歯車機構で構成される。
図3の上から4段目(最下段)に示す第2遊星歯車機構PG2の共線図を参照して、第2遊星歯車機構PG2の3つの要素Sb,Cb,Rbを、共線図におけるギヤ比に対応する間隔での並び順に左側から夫々第10要素、第11要素及び第12要素とすると、第10要素はリングギヤRb、第11要素はキャリアCb、第12要素はサンギヤSbになる。サンギヤSbとキャリアCb間の間隔とキャリアCbとリングギヤRb間の間隔との比は、第2遊星歯車機構PG2のギヤ比をiとして、i:1に設定される。
第3遊星歯車機構PG3は、サンギヤScと、リングギヤRcと、サンギヤScとリングギヤRcとに噛合するピニオンPcを自転及び公転自在に軸支するキャリアCcとからなる所謂シングルピニオン型の遊星歯車機構で構成されている。
図3の上から2段目に示す第3遊星歯車機構PG3の共線図(サンギヤ、キャリア、リングギヤの3つの要素の相対回転速度の比を直線(速度線)で表すことができる図)を参照して、第3遊星歯車機構PG3の3つの要素Sc,Cc,Rcを、共線図におけるギヤ比に対応する間隔での並び順に左側から夫々第1要素、第2要素及び第3要素とすると、第1要素はサンギヤSc、第2要素はキャリアCc、第3要素はリングギヤRcになる。
ここで、サンギヤScとキャリアCc間の間隔とキャリアCcとリングギヤRc間の間隔との比は、第3遊星歯車機構PG3のギヤ比をjとして、j:1に設定される。なお、共線図において、下の横線と上の横線(4th及び6thと重なる線)は夫々回転速度が「0」と「1」(入力軸11と同じ回転速度)であることを示している。
第4遊星歯車機構PG4も、サンギヤSdと、リングギヤRdと、サンギヤSd及びリングギヤRdに噛合するピニオンPdを自転及び公転自在に軸支するキャリアCdとからなる所謂シングルピニオン型の遊星歯車機構で構成される。
図3の上から1段目(最上段)に示す第4遊星歯車機構PG4の共線図を参照して、第4遊星歯車機構PG4の3つの要素Sd,Cd,Rdを、共線図におけるギヤ比に対応する間隔での並び順に左側から夫々第4要素、第5要素及び第6要素とすると、第4要素はリングギヤRd、第5要素はキャリアCd、第6要素はサンギヤSdになる。サンギヤSdとキャリアCd間の間隔とキャリアCdとリングギヤRd間の間隔との比は、第4遊星歯車機構PG4のギヤ比をkとして、k:1に設定される。
第3遊星歯車機構PG3のサンギヤSc(第1要素)は、入力軸11に連結されている。また、第2遊星歯車機構PG2のリングギヤRb(第10要素)は、出力ギヤからなる出力部材13に連結されている。
また、第3遊星歯車機構PG3のキャリアCc(第2要素)と第4遊星歯車機構PG4のキャリアCd(第5要素)と第1遊星歯車機構PG1のリングギヤRa(第9要素)とが連結されて、第1連結体Cc−Cd−Raが構成されている。また、第3遊星歯車機構PG3のリングギヤRc(第3要素)と第2遊星歯車機構PG2のサンギヤSb(第12要素)とが連結されて、第2連結体Rc−Sbが構成されている。また、第1遊星歯車機構PG1のキャリアCa(第8要素)と第2遊星歯車機構PG2のキャリアCb(第11要素)とが連結されて、第3連結体Ca−Cbが構成されている。
また、本実施形態の自動変速機は、第1から第3の3つのクラッチC1〜C3と、第1から第3の3つのブレーキB1〜B3と、1つのツーウェイクラッチF1からなる7つの係合機構を備える。
第1クラッチC1は、油圧作動型の湿式多板クラッチであり、第3遊星歯車機構PG3のサンギヤSc(第1要素)と第3連結体Ca−Cbとを連結する連結状態と、この連結を断つ開放状態とに切換自在に構成されている。
第3クラッチC3は、油圧作動型の湿式多板クラッチであり、第3遊星歯車機構PG3のサンギヤSc(第1要素)と第4遊星歯車機構PG4のリングギヤRd(第4要素)とを連結する連結状態と、この連結を断つ開放状態とに切換自在に構成されている。
第2クラッチC2は、油圧作動型の湿式多板クラッチであり、第4遊星歯車機構PG4のサンギヤSd(第6要素)と第2連結体Rc−Sbとを連結する連結状態と、この連結を断つ開放状態とに切換自在に構成されている。
ツーウェイクラッチF1は、第4ブレーキB4としての機能を兼ね備えるものであり、第3連結体Ca−Cbの正転(入力軸11の回転方向、及び/又は出力部材13の車両前進時の回転方向と同一方向への回転)を許容し、逆転(正転とは反対の回転方向)を阻止する逆転阻止状態と、第3連結体Ca−Cbを変速機ケース10に固定する固定状態とに切換自在に構成されている。
ツーウェイクラッチF1は、逆転阻止状態において、第3連結体Ca−Cbに正転方向に回転しようとする力が加わった場合に、この回転が許容されて開放状態となり、逆転方向に回転しようとする力が加わった場合に、この回転が阻止されて変速機ケース10に固定される固定状態となる。本実施形態においては、ツーウェイクラッチが切換装置の切替対象に該当する。
第1ブレーキB1は、油圧作動型の湿式多板ブレーキであり、第1遊星歯車機構PG1のサンギヤSa(第7要素)を変速機ケース10に固定する固定状態と、この固定を解除する開放状態とに切換自在に構成されている。
第2ブレーキB2は、油圧作動型の湿式多板ブレーキであり、第4遊星歯車機構PG4のサンギヤSd(第6要素)を変速機ケース10に固定する固定状態と、この固定を解除する開放状態とに切換自在に構成されている。第3ブレーキB3は、油圧作動型の湿式多板ブレーキであり、第4遊星歯車機構PG4のリングギヤRd(第4要素)を変速機ケース10に固定する固定状態と、この固定を解除する開放状態とに切換自在に構成されている。
各クラッチC1〜C3及び各ブレーキB1〜B3、ツーウェイクラッチF1は、図1に示すトランスミッション・コントロール・ユニット(TCU)で構成される変速制御装置ECUにより、図示省略した統合制御ユニットなどから送信される車両の走行速度等の車両情報に基づいて、状態が切り換えられる。
変速制御装置ECUは、図示省略したCPUやメモリ等により構成された電子ユニットで構成され、車両Vの走行速度やアクセル開度、エンジンEの回転速度や出力トルク、シフトレバーの操作情報等の所定の車両情報を受信することができると共に、メモリなどの記憶装置に保持された制御プログラムをCPUで実行することにより、自動変速機3(変速機構)を制御する。
図2に示すように、入力軸11の軸線上には、エンジンE及びトルクコンバータ2側から、第1クラッチC1、第1遊星歯車機構PG1、第2遊星歯車機構PG2、第3遊星歯車機構PG3、第2クラッチC2、第4遊星歯車機構PG4、第3クラッチC3の順番で配置されている。
そして、第3ブレーキB3が第4遊星歯車機構PG4の径方向外方に配置され、第2ブレーキB2が第2クラッチC2の径方向外方に配置され、第1ブレーキB1は第1クラッチC1の径方向外方に配置され、ツーウェイクラッチF1は第1遊星歯車機構PG1の径方向外方に配置されている。
このように、3つのブレーキB1〜B3及びツーウェイクラッチF1を遊星歯車機構又はクラッチの径方向外方に配置することにより、ブレーキB1〜B3及びツーウェイクラッチF1を遊星歯車機構及びクラッチと共に入力軸11の軸線上に並べて配置した場合に比べて、自動変速機3の軸長の短縮化を図ることができる。なお、第3ブレーキB3を第3クラッチC3の径方向外方に配置し、第2ブレーキB2を第4遊星歯車機構PG4の径方向外方に配置してもよい。
次に、図3及び図4を参照して、実施形態の自動変速機3の各変速段を確立させる場合を説明する。
1速段を確立させる場合には、ツーウェイクラッチF1を逆転阻止状態(図4のR)とし、第1ブレーキB1及び第2ブレーキB2を固定状態とする。ツーウェイクラッチF1を逆転阻止状態(R)とし、第1ブレーキB1を固定状態とすることで、第3連結体Ca−Cb及び第1遊星歯車機構PG1のサンギヤSa(第7要素)の逆転が阻止され、第3連結体Ca−Cb及び第1遊星歯車機構PG1のサンギヤSa(第7要素)の回転速度が「0」になる。
これにより、第1遊星歯車機構PG1の第7から第9の3つの要素Sa,Ca,Raが相対回転不能なロック状態となり、第1遊星歯車機構PG1のリングギヤRa(第9要素)を含む第1連結体Cc−Cd−Raの回転速度も「0」になる。そして、出力部材13が連結された第2遊星歯車機構PG2のリングギヤRb(第10要素)の回転速度が図3に示す「1st」となり、1速段が確立される。
なお、1速段を確立させるためには第2ブレーキB2を固定状態とする必要はないが、1速段から後述する2速段へスムーズに変速できるように1速段で固定状態とさせている。また、1速段でエンジンブレーキを効かせる場合には、ツーウェイクラッチF1を逆転阻止状態(R)から固定状態(L)に切り換えればよい。
2速段を確立させる場合には、ツーウェイクラッチF1を逆転阻止状態(R)とし、第1ブレーキB1及び第2ブレーキB2を固定状態とし、第2クラッチC2を連結状態とする。ツーウェイクラッチF1を逆転阻止状態とすることで、第3連結体Ca−Cbの正転が許容される。また、第1ブレーキB1を固定状態とすることで、第1遊星歯車機構PG1のサンギヤSa(第7要素)の回転速度が「0」になる。また、第2ブレーキB2を固定状態とすることで、第4遊星歯車機構PG4のサンギヤSd(第6要素)の回転速度が「0」になる。
また、第2クラッチC2を連結状態とすることで、第2連結体Rc−Sbの回転速度が、第4遊星歯車機構PG4のサンギヤSd(第6要素)の回転速度と同一速度の「0」になる。そして、出力部材13が連結された第2遊星歯車機構PG2のリングギヤRb(第10要素)の回転速度が図3に示す「2nd」となり、2速段が確立される。
3速段を確立させる場合には、ツーウェイクラッチF1を逆転阻止状態とし、第1ブレーキB1及び第2ブレーキB2を固定状態とし、第3クラッチC3を連結状態とする。ツーウェイクラッチF1を逆転阻止状態とすることで、第3連結体Ca−Cbの正転が許容される。また、第1ブレーキB1を固定状態とすることで、第1遊星歯車機構PG1のサンギヤSa(第7要素)の回転速度が「0」になる。また、第2ブレーキB2を固定状態とすることで、第4遊星歯車機構PG4のサンギヤSd(第6要素)の回転速度が「0」になる。
また、第3クラッチC3を連結状態とすることで、第4遊星歯車機構PG4のリングギヤRd(第4要素)の回転速度が、入力軸11に連結された第3遊星歯車機構PG3のサンギヤSc(第1要素)の回転速度と同一速度の「1」となる。第4遊星歯車機構PG4のサンギヤSd(第6要素)の回転速度が「0」、リングギヤRd(第4要素)の回転速度が「1」となるため、キャリアCd(第5要素)の回転速度、即ち第1連結体Cc−Cd−Raの回転速度は、k/(k+1)となる。
そして、出力部材13が連結された第2遊星歯車機構PG2のリングギヤRb(第10要素)の回転速度が図3に示す「3rd」となり、3速段が確立される。
4速段を確立させる場合には、ツーウェイクラッチF1を逆転阻止状態とし、第1ブレーキB1を固定状態とし、第2クラッチC2及び第3クラッチC3を連結状態とする。ツーウェイクラッチF1を逆転阻止状態とすることで、第3連結体Ca−Cbの正転が許容される。また、第1ブレーキB1を固定状態とすることで、第1遊星歯車機構PG1のサンギヤSa(第7要素)の回転速度が「0」になる。
また、第2クラッチC2を連結状態とすることで、第4遊星歯車機構PG4のサンギヤSd(第6要素)と第2連結体Rc−Sbとが同一速度で回転する。これにより、第3遊星歯車機構PG3と第4遊星歯車機構PG4との間では、キャリアCc(第2要素)とキャリアCd(第5要素)とが連結され、リングギヤRc(第3要素)とサンギヤSd(第6要素)とが連結されることとなり、第2クラッチC2を連結状態とする4速段においては、第3遊星歯車機構PG3と第4遊星歯車機構PG4とで4つの要素からなる1つの共線図を描くことができる。
そして、第3クラッチC3を連結状態とすることで、第4遊星歯車機構PG4のリングギヤRd(第4要素)の回転速度が、第3遊星歯車機構PG3のサンギヤSc(第1要素)の回転速度と同一速度の「1」となり、第3遊星歯車機構PG3と第4遊星歯車機構PG4とで構成される4つの要素のうちの2つの要素の回転速度が同一速度の「1」となる。
従って、第3遊星歯車機構PG3及び第4遊星歯車機構PG4の各要素が相対回転不能なロック状態となり、第3遊星歯車機構PG3及び第4遊星歯車機構PG4の全ての要素の回転速度が「1」となる。そして、第3連結体Ca−Cbの回転速度がh/(h+1)となり、出力部材13が連結された第2遊星歯車機構PG2のリングギヤRb(第10要素)の回転速度が図3に示す「4th」となり、4速段が確立される。
5速段を確立させる場合には、ツーウェイクラッチF1を逆転阻止状態とし、第1ブレーキB1を固定状態とし、第1クラッチC1及び第3クラッチC3を連結状態とする。ツーウェイクラッチF1を逆転阻止状態とすることで、第3連結体Ca−Cbの正転が許容される。また、第1ブレーキB1を固定状態とすることで、第1遊星歯車機構PG1のサンギヤSa(第7要素)の回転速度が「0」になる。
また、第1クラッチC1を連結状態とすることで、第3連結体Ca−Cbの回転速度が第3遊星歯車機構PG3のサンギヤSc(第1要素)の回転速度と同一速度の「1」になる。そして、出力部材13が連結された第2遊星歯車機構PG2のリングギヤRb(第10要素)の回転速度が図3に示す「5th」となり、5速段が確立される。
なお、5速段を確立させるためには第3クラッチC3を連結状態とする必要はない。しかしながら、4速段及び後述する6速段では第3クラッチC3を連結状態とする必要があるため、5速段から4速段へのダウンシフト、及び5速段から後述する6速段へのアップシフトをスムーズに行えるように5速段でも連結状態とさせている。
6速段を確立させる場合には、ツーウェイクラッチF1を逆転阻止状態とし、第1から第3の3つのクラッチC1〜C3を連結状態とする。ツーウェイクラッチF1を逆転阻止状態とすることで、第3連結体Ca−Cbの正転が許容される。
また、第2クラッチC2及び第3クラッチC3を連結状態とすることで、4速段で説明したように、第3遊星歯車機構PG3と第4遊星歯車機構PG4の各要素が相対回転不能な状態となり、第2連結体Rc−Sbの回転速度が「1」となる。また、第1クラッチC1を連結状態とすることで、第3連結体Ca−Cbの回転速度が「1」となる。
従って、第2遊星歯車機構PG2は、キャリアCb(第11要素)とサンギヤSb(第12要素)とが同一速度の「1」となり、各要素が相対回転不能なロック状態となる。そして、出力部材13が連結された第2遊星歯車機構PG2のリングギヤRb(第10要素)の回転速度が図3に示す「6th」の「1」となり、6速段が確立される。
7速段を確立させる場合には、ツーウェイクラッチF1を逆転阻止状態とし、第2ブレーキB2を固定状態とし、第1クラッチC1及び第3クラッチC3を連結状態とする。ツーウェイクラッチF1を逆転阻止状態とすることで、第3連結体Ca−Cbの正転が許容される。
また、第2ブレーキB2を固定状態とすることで、第4遊星歯車機構PG4のサンギヤSd(第6要素)の回転速度が「0」になる。また、第3クラッチC3を連結状態とすることで、第4遊星歯車機構PG4のリングギヤRd(第4要素)の回転速度が、第3遊星歯車機構PG3のサンギヤSc(第1要素)の回転速度と同一速度の「1」となり、第4遊星歯車機構PG4のキャリアCd(第5要素)を含む第1連結体Cc−Cd−Raの回転速度がk/(k+1)となる。
また、第1クラッチC1を連結状態とすることで、第3連結体Ca−Cbの回転速度が、入力軸11に連結された第3遊星歯車機構PG3のサンギヤSc(第1要素)の回転速度と同一速度の「1」になる。そして、出力部材13が連結された第2遊星歯車機構PG2のリングギヤRb(第10要素)の回転速度が図3に示す「7th」となり、7速段が確立される。
8速段を確立させる場合には、ツーウェイクラッチF1を逆転阻止状態とし、第2ブレーキB2を固定状態とし、第1クラッチC1及び第2クラッチC2を連結状態とする。ツーウェイクラッチF1を逆転阻止状態とすることで、第3連結体Ca−Cbの正転が許容される。
また、第2ブレーキB2を固定状態とすることで、第4遊星歯車機構PG4のサンギヤSd(第6要素)の回転速度が「0」になる。また、第2クラッチC2を連結状態とすることで、第2連結体Rc−Sbの回転速度が第4遊星歯車機構PG4のサンギヤSd(第6要素)の回転速度と同一速度の「0」になる。
また、第1クラッチC1を連結状態とすることで、第3連結体Ca−Cbの回転速度が第3遊星歯車機構PG3のサンギヤSc(第1要素)の回転速度と同一速度の「1」になる。そして、出力部材13が連結された第2遊星歯車機構PG2のリングギヤRb(第10要素)の回転速度が図3に示す「8th」となり、8速段が確立される。
9速段を確立させる場合には、ツーウェイクラッチF1を逆転阻止状態とし、第2ブレーキB2及び第3ブレーキB3を固定状態とし、第1クラッチC1を連結状態とする。ツーウェイクラッチF1を逆転阻止状態とすることで、第3連結体Ca−Cbの正転が許容される。
また、第2ブレーキB2を固定状態とすることで、第4遊星歯車機構PG4のサンギヤSd(第6要素)の回転速度が「0」になる。また、第3ブレーキB3を固定状態とすることで、第4遊星歯車機構PG4のリングギヤRd(第4要素)の回転速度も「0」となる。このため、第4遊星歯車機構PG4の各要素Sd,Cd,Rdは相対回転不能なロック状態となり、第4遊星歯車機構PG4のキャリアCd(第5要素)を含む第1連結体Cc−Cd−Raの回転速度も「0」になる。
また、第1クラッチC1を連結状態とすることで、第3連結体Ca−Cbの回転速度は第3遊星歯車機構PG3のサンギヤSc(第1要素)の回転速度と同一速度の「1」となる。そして、出力部材13が連結された第2遊星歯車機構PG2のリングギヤRb(第10要素)の回転速度が図3に示す「9th」となり、9速段が確立される。
10速段を確立させる場合には、ツーウェイクラッチF1を逆転阻止状態とし、第3ブレーキB3を固定状態とし、第1クラッチC1及び第2クラッチC2を連結状態とする。ツーウェイクラッチF1を逆転阻止状態とすることで、第3連結体Ca−Cbの正転が許容される。
また、第2クラッチC2を連結状態とすることで、第2連結体Rc−Sbと第4遊星歯車機構PG4のサンギヤSd(第6要素)とが同一速度で回転する。また、第3ブレーキB3を固定状態とすることで、第4遊星歯車機構PG4のリングギヤRd(第4要素)の回転速度が「0」になる。また、第1クラッチC1を連結状態とすることで、第3連結体Ca−Cbの回転速度が第3遊星歯車機構PG3のサンギヤSc(第1要素)の回転速度と同一速度の「1」となる。そして、出力部材13が連結された第2遊星歯車機構PG2のリングギヤRd(第10要素)の回転速度が図3に示す「10th」となり、10速段が確立される。
後進段を確立させる場合には、ツーウェイクラッチF1を固定状態(図4のL)とし、第2ブレーキB2を固定状態とし、第3クラッチC3を連結状態とする。第2ブレーキB2を固定状態とし、第3クラッチC3を連結状態とすることで、第1連結体Cc−Cd−Raの回転速度がk/(k+1)となる。また、ツーウェイクラッチF1を固定状態とすることで、第3連結体Ca−Cbの回転速度が「0」になる。そして、出力部材13が連結された第2遊星歯車機構PG2のリングギヤRb(第10要素)の回転速度が図3に示す逆転の「Rvs」となり、後進段が確立される。
なお、図3中の破線で示す速度線は、4つの遊星歯車機構PG1〜PG4のうち動力伝達する遊星歯車機構に追従して他の遊星歯車機構の各要素が回転(空回り)することを表している。
図4は、上述した各変速段におけるクラッチC1〜C3、ブレーキB1〜B3、ツーウェイクラッチF1の状態を纏めて表示した図であり、第1から第3の3つのクラッチC1〜C3、第1から第3の3つのブレーキB1〜B3の列の「○」は連結状態又は固定状態を示し、空欄は開放状態を示している。また、ツーウェイクラッチF1の列の「R」は逆転阻止状態を示し、「L」は固定状態を示している。
また、下線を付した「R」及び「L」はツーウェイクラッチF1の働きで第3連結体Ca−Cbの回転速度が「0」となることを示している。また、「R/L」は、通常時は逆転阻止状態の「R」であるが、エンジンブレーキを効かせる場合には固定状態の「L」に切り換えることを示している。
また、図4には、第1遊星歯車機構PG1のギヤ比hを2.681、第2遊星歯車機構PG2のギヤ比iを1.914、第3遊星歯車機構PG3のギヤ比jを2.734、第4遊星歯車機構PG4のギヤ比kを1.614とした場合における各変速段の変速比(入力軸11の回転速度/出力部材13の回転速度)、及び公比(各変速段間の変速比の比。所定の変速段の変速比を所定の変速段よりも1段高速側の変速段の変速比で割った値。)も示しており、これによれば、公比を適切に設定できることが分かる。
次に、図5から図8を参照して、ツーウェイクラッチF1について詳しく説明する。ツーウェイクラッチF1は、第3連結体Ca−Cbを変速機ケース10に固定する固定状態と、第3連結体Ca−Cbの正転を許容し逆転を阻止する逆転阻止状態とに切換自在に構成されている。
図5及び図6に断面で示すように、ツーウェイクラッチF1は、変速機ケース10に固定された固定プレートTW11と、回転プレートTW12とを備える。図7に示すように、固定プレートTW11は、環状(ドーナツ状)に形成されている。また、図7では省略しているが、回転プレートTW12も固定プレートTW11と同様に環状(ドーナツ状)に形成されており、固定プレートTW11と回転プレートTW12とは、同心に配置されている。
図5に示すように、固定プレートTW11における回転プレートTW12と対向する対向面TW11aには、固定プレートTW11の周方向一方側(回転プレートTW12が正転する方向)の端部を軸に周方向他方側(回転プレートTW12が逆転する方向)の端TW13aが揺動する板状の正転阻止側揺動部TW13と、固定プレートTW11の周方向他方側(逆転方向)の端部を軸に周方向一方側(正転方向)の端TW14aが揺動する板状の逆転阻止側揺動部TW14とが設けられている。
また、固定プレートTW11の対向面TW11aには、正転阻止側揺動部TW13と逆転阻止側揺動部TW14とを夫々収容可能に凹んだ収容部TW15,TW16が設けられている。収容部TW15,TW16の底面には、対応する揺動部TW13,TW14の揺動する端TW13a,TW14aを収容部TW15,TW16から突出させるように、各揺動部TW13,TW14を付勢するバネからなる付勢部材TW17a,TW17bが設けられている。
回転プレートTW12における固定プレートTW11と対向する対向面TW12aには、揺動部TW13,TW14に対応する位置に穴部TW18,TW19が設けられている。正転阻止側揺動部TW13に対応する位置に設けられた第1穴部TW18には、その回転プレートTW12の周方向他方側(逆転方向側)に位置させて、正転阻止側揺動部TW13の揺動する端TW13aと係合可能な段形状からなる第1係合部TW18aが設けられている。
逆転阻止側揺動部TW14に対応する位置に設けられた第2穴部TW19には、その回転プレートTW12の周方向一方側(正転方向側)に位置させて、逆転阻止側揺動部TW14の揺動する端TW14aと係合可能な段形状からなる第2係合部TW19aが設けられている。
図5及び図7に示すように、正転阻止側揺動部TW13の端TW13aと第1係合部TW18aとが係合可能な状態であり、且つ、逆転阻止側揺動部TW14の端TW14aと第2係合部TW19aとが係合可能な状態であるときには、回転プレートTW12が正転逆転共に阻止される。従って、各端TW13a,TW14aと、それに対応する係合部TW18a,TW19aとが、互いに係合する状態が、本実施形態のツーウェイクラッチF1における固定状態となる。
固定プレートTW11と回転プレートTW12との間には、切換プレートTW20が挟まれている。図7に示すように、切換プレートTW20も環状(ドーナツ状)に形成されている。切換プレートTW20には、揺動部TW13,TW14に対応する位置に切欠孔TW20a,TW20bが設けられている。
切換プレートTW20の外縁には、径方向外方に突出する突部TW20cが設けられている。図8に示すように、切換プレートTW20は固定プレートTW11に対して揺動自在とされている。
切換プレートTW20を図7に示す固定状態から図8に示す状態に揺動させたとき、図6に示すように、正転阻止側揺動部TW13に対応する第1切欠孔TW20aは正転阻止側揺動部TW13を超えて、正転阻止側揺動部TW13は、切換プレートTW20に押されて、付勢部材TW17aの付勢力に抗し、収容部TW15内に収容される。これにより、正転阻止側揺動部TW13の端TW13aと第1係合部TW18aとの係合が阻止される。従って、回転プレートTW12の正転側の回転が許容される。
また、図8に示すように、逆転阻止側揺動部TW14に対応する第2切欠孔TW20bは、切換プレートTW20を図7に示す固定状態から図8に示す状態に揺動させたときでも、逆転阻止側揺動部TW14が収容部TW16に収容させることなく端TW14aが第2係合部TW19aと係合できるように構成されている。
これらのことから図6及び図8に示す状態は、本実施形態のツーウェイクラッチF1における逆転阻止状態となる。
次に、図9を参照して、本実施形態の自動変速機3が備える油圧制御装置100を説明する。図9に示すように、油圧制御装置100は、パーキングロック機構40のパーキングピストン54の作動を制御するものである。
油圧制御装置100は、図示省略した油圧ポンプから油路L1に供給されるライン圧を第1ロック用油室112Aに供給するオン/オフ型のソレノイドバルブ122Cと、油路L1の下流側に接続する油路L2のライン圧を第2ロック用油室112Bに供給するオン/オフ型のソレノイドバルブ122Eとを備える。油路L2には、ソレノイドバルブ122Eよりも上流に位置させてチェックバルブ124が介設されている。ソレノイドバルブ122Cは、その開弁により第1ロック用油室112Aにライン圧を直接供給するが、ソレノイドバルブ122Eは、その開弁により第1ボールバルブ126Aを開弁する。ソレノイドバルブ122Cはノーマルクローズ型であり、ソレノイドバルブ122Eはノーマルオープン型である。
また油圧制御装置100は、第1アンロック用油室114Aに油路L3を介してライン圧を供給するオン/オフ型のソレノイドバルブ122Fと、チェックバルブ124の上流で分岐する油路L4のライン圧を第2アンロック用油室114Bに供給するオン/オフ型のソレノイドバルブ122Dとを備える。
第2アンロック用油室114Bには、ソレノイドバルブ122Dによって作動するブレーキカットバルブ128を介してライン圧が直接供給されている。
ソレノイドバルブ122Fは、その開弁によりパーキングインヒビットバルブ130のスプールをスプリングの付勢力に抗して図9の右側へ移動することで第1アンロック用油室114Aにライン圧を供給する。逆に、ソレノイドバルブ122Fの閉弁によりパーキングインヒビットバルブ130のスプールがスプリングに付勢されて図9の左側に移動することにより第1アンロック用油室114Aのライン圧をドレンする。ソレノイドバルブ122Fはノーマルクローズ型であり、ソレノイドバルブ122Dはノーマルクローズ型である。
油路L3のパーキングインヒビットバルブ130の上流には、流路を狭めた第2チョーク132が設けられている。第2チョーク132は、セパレートプレートのスロット溝で構成されている。このように、第2チョーク132をセパレートプレートのスロット溝で構成すれば、別途第2チョーク用の部材を設ける必要が無く、部品点数の削減を図り、パーキングロック装置の組立ての簡略化を図ることができる。
また、第2チョーク132に並列させて、第1アンロック用油室114Aへの油圧の供給を阻止すると共に、第1アンロック用油室114Aからの油圧の解放を許容する第2逆止弁134が設けられている。この第2逆止弁134を設けることにより油圧の解放を迅速に行うことができる。
チェックバルブ124およびソレノイドバルブ122E間の油路L2には、アキュムレータ136の蓄圧室136aが接続されている。
ソレノイドバルブ122Cの下流の油路L1にはロックアップクラッチシフトバルブ138が接続されており、発進機構であるトルクコンバータ2のロックアップクラッチ2aには、油路L5のロックアップクラッチ圧がロックアップクラッチシフトバルブ138を介して供給される。
またチェックバルブ124の下流の油路L6は変速用の油圧係合装置である第1ブレーキB1に接続されており、油路L6にはリニアソレノイドバルブ140Gおよびブレーキカットバルブ128が介設されている。ブレーキカットバルブ128は、ソレノイドバルブ122Dにより開閉駆動される。リニアソレノイドバルブ140Gはインポート142a、アウトポート142bおよびドレンポート142cを備え、インポート142aから入力された油圧を調圧してアウトポート142bから出力したり、アウトポート142bからドレンポート142cを介して油圧を解放させたりすることができる。
また油圧制御装置100は、ツーウェイクラッチF1の切換プレートTW20の突部TWcと係合して、油圧によって切換プレートTW20を逆転阻止状態となる側と固定状態となる側とに切り換えるツーウェイピストン212を備える。
ツーウェイピストン212は、パーキングピストン54と同様に、油圧制御装置100が備えるシリンダ部内に収容されており、このシリンダ部の一方の端部には、ツーウェイピストン212を逆転阻止状態となる側(図9の「OWC」)に移動させるための第1逆転阻止用油室222Aと第2逆転阻止用油室222Bとが設けられている。
シリンダ部の他方の端部には、ツーウェイピストン212を固定状態となる側(図9の「LOCK」)に移動させるための第1固定用油室224Aと第2固定用油室224Bとが設けられている。
第1逆転阻止用油室222Aは、油路L4に接続されている。第2逆転阻止用油室222Bには、ソレノイドバルブ122Bを介してライン圧が供給可能となっている。第1固定用油室224Aには、リニアソレノイドバルブ140Bを介してライン圧が供給可能となっている。
リニアソレノイドバルブ140Bは、インポート144a、アウトポート144bおよびドレンポート144cを備え、インポート144aから入力されたライン圧を調圧してアウトポート144bから出力したり、アウトポート144bからドレンポート144cを介して油圧を解放させたりすることができる。
第2固定用油室224Bには、ソレノイドバルブ122Aを介してライン圧が供給可能となっている。ソレノイドバルブ122Aと第2固定用油室224Bとを接続する油路には、第2油圧センサ216が設けられており、この第2油圧センサ216で、ソレノイドバルブ122Aから第2固定用油室224Bに作動油圧が供給されているか否かをチェックしている。
次に、上記構成を備えた本実施形態の作用を説明する。
運転者がシフトレバーなどのシフト操作部でDレンジあるいはRレンジを選択して、車両が所定の変速段で走行しているとき、内燃機関により駆動される油圧ポンプにより発生したライン圧が油路L1および油路L3に伝達され、油路L1の油圧はチェックバルブ124を通過して油路L2、油路L4および油路L6に伝達される。油路L2にライン圧が供給されてアキュムレータ136の蓄圧室136aに油圧が蓄圧される。
ノーマルクローズ型のソレノイドバルブ122Fは通電により励磁されて開弁し、ノーマルクローズ型のソレノイドバルブ122Dも通電により励磁されて開弁する。そして、ソレノイドバルブ122Fの開弁によりパーキングインヒビットバルブ130のスプールが図9の右側に移動することで、油路L3のライン圧がパーキングインヒビットバルブ130を介して第1アンロック用油室114Aに伝達される。また、ソレノイドバルブ122Dの開弁により油路L4のライン圧が第2アンロック用油室114Bに伝達される。
一方、ノーマルクローズ型のソレノイドバルブ122Cは電力供給が停止されることにより閉弁し、ノーマルオープン型のソレノイドバルブ122Eは通電により励磁されて閉弁する。そして、ソレノイドバルブ122Cの閉弁により第1ロック用油室112Aのオイルはソレノイドバルブ122Cからドレンされ、ソレノイドバルブ122Eの閉弁により第1ボールバルブ126Aが閉弁することで、第2ロック用油室112Bのオイルは第1ボールバルブ126Aからドレンされる。その結果、パーキングピストン54が図9の左側に移動してパーキングロックが解除される(パーキング解除状態)。
ソレノイドバルブ122Eを通過可能なオイルの流量は比較的に小さいが、ソレノイドバルブ122Eにより開閉される第1ボールバルブ126Aを通過可能なオイルの流量は比較的に大きい。このため、第1ボールバルブ126Aを介在させることによりパーキングピストン54の作動応答性を高めることができる。
以上のように、車両の走行中にはソレノイドバルブ122Cおよびソレノイドバルブ122Eが閉弁し、ソレノイドバルブ122Fおよびソレノイドバルブ122Dが開弁することで、パーキングピストン54をアンロック位置に作動させてパーキングロックを解除させることができる(パーキング解除状態)。
また、パーキングロック機構40は、パーキングピストン54の一方の端部に2個の第1ロック用油室112Aおよび第2ロック用油室112Bを備えるとともに、他方の端部に2個の第1アンロック用油室114Aおよび第2アンロック用油室114Bを備える。このため、ソレノイドバルブ122Fおよびソレノイドバルブ122Dの一方が閉弁状態に固着して第1アンロック用油室114Aまたは第2アンロック用油室114Bに油圧が供給されなくなっても、あるいはソレノイドバルブ122Cおよびソレノイドバルブ122Eの一方が開弁状態に固着して第1ロック用油室112Aまたは第2ロック用油室112Bに油圧が供給されても、パーキングピストン54を支障なくアンロック位置(notP位置。パーキング解除状態。)に作動させて冗長性を確保することができる。
尚、ソレノイドバルブ122Fは第1の所定の変速段で開弁し、ソレノイドバルブ122Dは第2の所定の変速段で開弁するようになっており、第1の所定の変速段および第2の所定の変速段は一部で重複する。従って、そのときに確立している変速段に応じて、第1アンロック用油室114Aだけにライン圧が供給される場合と、第2アンロック用油室114Bだけにライン圧が供給される場合と、第1アンロック用油室114Aおよび第2アンロック用油室114Bの両方にライン圧が供給される場合とが存在するが、何れの場合にもパーキングピストン54は図9の左側に移動してパーキングロックが解除されるので支障はない。そして重複する変速段では、第1アンロック用油室114Aおよび第2アンロック用油室114Bの両方にライン圧が供給されるので、ソレノイドバルブ122Fあるいはソレノイドバルブ122Dが故障してライン圧の供給が途絶えてもパーキングロックは作動解除状態(パーキング解除状態)に保持されて冗長性が高められる。
内燃機関を作動させたまま、シフトレバーなどのシフト操作部をPレンジに操作して車両が停止しているとき、ソレノイドバルブ122Cおよびソレノイドバルブ122Eが開弁し、ソレノイドバルブ122Fおよびソレノイドバルブ122Dが閉弁する。ソレノイドバルブ122Cの開弁により油路L1のライン圧が第1ロック用油室112Aに伝達されるとともに、ソレノイドバルブ122Eの開弁により第1ボールバルブ126Aが開弁し、油路L2のライン圧が第2ロック用油室112Bに伝達される。
一方、ソレノイドバルブ122Fの閉弁により、第1アンロック用油室114Aの作動油がパーキングインヒビットバルブ130から排出されるとともに、ソレノイドバルブ122Dの閉弁により、第2アンロック用油室114Bの作動油がソレノイドバルブ122Dから排出される。その結果、パーキングピストン54が図3の右側に移動してパーキングロックが作動する(パーキングロック状態)。
以上のように、内燃機関を作動させたまま運転者がシフト操作部でPレンジを選択すると、ソレノイドバルブ122Cおよびソレノイドバルブ122Eが開弁し、ソレノイドバルブ122Fおよびソレノイドバルブ122Dを閉弁することで、パーキングピストン54をパーキングロック位置に作動させることができる。このとき、パーキングロック機構40は、2個の第1ロック用油室112Aおよび第2ロック用油室112Bを備えるとともに、2個の第1アンロック用油室114Aおよび第2アンロック用油室114Bを備えるため、ソレノイドバルブ122Fおよびソレノイドバルブ122Dの一方が開弁状態に固着して第1アンロック用油室114Aまたは第2アンロック用油室114Bに油圧が供給されても、あるいはソレノイドバルブ122Cおよびソレノイドバルブ122Eの一方が閉弁状態に固着して第1ロック用油室112Aまたは第2ロック用油室112Bに油圧が供給されなくなっても、パーキングピストン54を支障なくパーキングロック位置(P位置)に作動させて冗長性を確保することができる(パーキングロック状態)。
シフト操作部でPレンジに操作してイグニッション(車両電源)をオフすると、内燃機関が停止することで内燃機関によって駆動するポンプによるライン圧が消滅する。しかしながら、本実施形態によれば、アキュムレータ136に蓄圧した油圧によりパーキングロック機構40を支障なく作動させてパーキングロック状態とすることができる。
そしてソレノイドバルブ122Eの開弁によりアキュムレータ136の油圧が第2ロック用油室112Bに伝達される一方、ソレノイドバルブ122Fの閉弁により、第1アンロック用油室114Aの作動油がパーキングインヒビットバルブ130から排出されるとともに、ソレノイドバルブ122Dの閉弁により、第2アンロック用油室114Bの作動油がソレノイドバルブ122Dから排出される。その結果、パーキングピストン54が図9の右側に移動してパーキングロックが作動する(パーキングロック状態)。
以上のように、シフト操作部でPレンジを選択してイグニッションをオフしたことでライン圧が消滅しても、アキュムレータ136に蓄圧した油圧によりパーキングロック機構40を支障なく作動させることができる(パーキングロック状態)。
また、本実施形態の車両はアイドリングストップ制御が可能であり、信号待ち等の一時的な停車時に内燃機関が停止することでポンプも停止しライン圧が消滅する。
アイドリングストップ制御からの復帰時に内燃機関が始動してもライン圧は直ちに立ち上がらないため、発進に必要な油圧係合装置である第1ブレーキB1に油圧を供給することができず、速やかな発進が阻害される可能性がある。しかしながら、本実施形態によれば、アイドリングストップ制御中に保持されていたアキュムレータ136の油圧で第1ブレーキB1を遅滞なく作動させることができる。
これを詳説すると、アイドリングストップ制御からの復帰と同時に、アキュムレータ136に蓄圧された油圧が油路L2から油路L6に供給される。このとき、油路L4に介装したソレノイドバルブ122Dは電力供給停止により閉弁しているため、ブレーキカットバルブ128のスプールは図9の左側に移動している。よって、油路L6に介装したリニアソレノイドバルブ140Gを所定開度で開弁することで、アキュムレータ136に蓄圧された油圧を第1ブレーキB1に供給し、車両を速やかに発進させることができる。
以上の説明では、アイドリングストップ制御からの復帰時における第1ブレーキB1の作動について説明したが、車両の通常の走行中においても、ソレノイドバルブ122Dでブレーキカットバルブ128を作動させて第1ブレーキB1を制御することができる。ブレーキカットバルブ128のスプールを図9の左側に移動させてリニアソレノイドバルブ140Gおよび第1ブレーキB1の連通を遮断すべくソレノイドバルブ122Dを閉弁すると、第2アンロック用油室114Bへの油圧の供給が遮断されてしまうが、第1アンロック用油室114Aに供給される油圧でアンロック位置に保持されるため、パーキングロックが作動してしまう虞はない(パーキング解放状態)。
また本実施形態によれば、ソレノイドバルブ122Cは、トルクコンバータ2のロックアップクラッチ2aの作動用にも使用される。即ち、車両の走行中はソレノイドバルブ122Cが閉弁しているため、ロックアップクラッチシフトバルブ138のスプールが図9の右側に移動し、ロックアップクラッチ圧がトルクコンバータ2のロックアップクラッチ2aに供給される。この状態からソレノイドバルブ122Cを開弁させると、ロックアップクラッチシフトバルブ138のスプールが図9の左側に移動してロックアップクラッチ2aの油圧が排出されることで、ロックアップクラッチ2aを係合解除することができる。
ソレノイドバルブ122Cを開弁すると、第1ロック用油室112Aにライン圧が供給されてしまうが、このとき第1アンロック用油室114Aおよび第2アンロック用油室114Bの両方にライン圧が供給されているため、第1ロック用油室112Aにライン圧が供給されてもパーキングピストン54がパーキングロック位置に移動することはなく、パーキングロックが作動してしまう虞はない。
以上のように、本実施形態のパーキングロック機構40によれば、パーキングピストン54の作動を制御するソレノイドバルブ122Cおよびソレノイドバルブ122Dを、それぞれトルクコンバータ2のロックアップクラッチ2aの制御および第1ブレーキB1の制御に兼用するので、ソレノイドバルブの数を減らして油圧制御装置100の構造を簡素化することができ、しかもアキュムレータ136を、パーキングロックの作動用に用いるだけでなく、アイドリングストップ制御からの復帰時に油圧係合装置である第1ブレーキB1の作動用に用いるので、アキュムレータの数を減らして油圧制御装置100の構造を更に簡素化することができる。
油圧制御装置100の制御部としての機能は変速制御装置ECUが兼ね備えている。変速制御装置ECUは、現在のシフトポジション情報、及び運転者の操作部の操作に基づくシフト切換要求情報を受信できるように構成されている。
また、変速制御装置ECUは、パーキング投入の要求指示信号を受信する。なお、制御部自身で受信した車両の走行速度などの所定の車両情報に基きパーキング投入が必要か否かを判定してパーキング投入指示信号(又はパーキング投入指示フラグ)を出してもよい。
また、変速制御装置ECUは、カウントダウンタイマが設けられ、予め設定された初期値から数値を減少していき、時間経過を図れるように構成されている。
また、変速制御装置ECUは、パーキングピストン54に設けられたストロークセンサ56の信号を受信し、パーキングピストン54がパーキングロック側に位置しているか、解除側に位置しているかを判定することが可能となっている。
図10は、ツーウェイクラッチF1を作動させるツーウェイピストン212を拡大して示す図である。油圧制御装置100はシリンダ部213を備えており、ツーウェイピストン212は、このシリンダ部213に収容されている。シリンダ部213には、第1固定用油室224Aと第2固定用油室224Bとの間に位置させて、油圧センサ用のランド218が設けられており、ランド218には、第1油圧センサ214が接続されている。
ツーウェイピストン212の外周面には、環状溝部212aが設けられている。環状溝部212aは、ツーウェイピストン212が逆転阻止状態となる側(図10の右側。符号212の実線の位置。)に位置している場合には、第1固定用油室224Aとランド218とを連通させるように形成されている。これにより、リニアソレノイドバルブ140Bから第1固定用油室224Aに作動油圧が供給されたときには、第1油圧センサ214にも作動油圧が供給されて、リニアソレノイドバルブ140Bが正常に作動しているか否かを第1油圧センサ214で確認することができる。
図11は、ツーウェイピストン212を固定状態側(LOCK側)へ移動させるべく、リニアソレノイドバルブ140Bから第1固定用油室224Aに作動油圧を供給した状態を示している。このとき、第1固定用油室224Aは、環状溝部212aを介してランド218と連通しているため、第1油圧センサ214で作動油圧の有無をチェックすることにより、リニアソレノイドバルブ140Bから第1固定用油室224Aに正常に作動油圧が供給されているか否かを判定することができる。変速制御装置ECUは、第1油圧センサ214の信号を受信することができ、リニアソレノイドバルブ140Bから第1固定用油室224Aに作動油圧を供給するように指示信号を出してから所定時間が経過しても第1油圧センサ214で作動油圧を確認できない場合には、リニアソレノイドバルブ140Bが故障している可能性がある。このため、変速制御装置ECUは、故障ランプを点灯させるなどによって運転者にリニアソレノイドバルブ140Bが故障している可能性がある旨を報知する。
図12は、図11のリニアソレノイドバルブ140Bから第1固定用油室224Aに作動油圧が供給されることにより、ツーウェイピストン212が固定状態側(LOCK側)へ移動した状態を示している。ツーウェイピストン212が逆転阻止状態側(OWC側)から固定状態側(LOCK側)へ移動すると、環状溝部212aによる第1固定用油室224Aとランド218との連通が断たれ、リニアソレノイドバルブ140Bの作動油圧が第1油圧センサ214に供給されなくなる。従って、変速制御装置ECUは、第1油圧センサ214でリニアソレノイドバルブ140Bの作動油圧を確認した後(図11の状態)、所定時間以内に第1油圧センサ214への作動油圧の供給がなくなったことを確認することにより、ツーウェイピストン212が逆転阻止状態側(OWC側)から固定状態側(LOCK側)へ移動したことを確認する。
このように、1つの第1油圧センサ214によって、リニアソレノイドバルブ140Bの作動油圧が正常に供給されているか、及びツーウェイピストン212が逆転阻止状態側(OWC側)から固定状態側(LOCK側)へ正常に移動したか否かを確認することができる。従って、作動油圧用の油圧センサと、ツーウェイピストン212の移動用の油圧センサを別々に設ける場合と比較して、油圧制御装置100、延いては自動変速機3の小型化を図ることができる。
図13は、ツーウェイピストン212を固定状態側(LOCK側)へ移動させるべく、ソレノイドバルブ122Aから第2固定用油室224Bに作動油圧を供給した状態を示している。ソレノイドバルブ122Aと第2固定用油室224Bとを接続する油路には、第2油圧センサ216が設けられており、この第2油圧センサ216で、ソレノイドバルブ122Aから第2固定用油室224Bに作動油圧が正常に供給されているか否かを確認することができる。
変速制御装置ECUは、第2油圧センサ216の信号を受信することができ、ソレノイドバルブ122Aから第2固定用油室224Bに作動油圧を供給するように指示信号を出してから所定時間が経過しても第2油圧センサ216で作動油圧を確認できない場合には、ソレノイドバルブ122Aが故障している可能性がある。このため、変速制御装置ECUは、故障ランプを点灯させるなどによって運転者にソレノイドバルブ122Aが故障している可能性がある旨を報知する。
図14は、図13のソレノイドバルブ122Aから第2固定用油室224Bに作動油圧が供給されることにより、ツーウェイピストン212が固定状態側(LOCK側)へ移動した状態を示している。ツーウェイピストン212が逆転阻止状態側(OWC側)から固定状態側(LOCK側)へ移動すると、ツーウェイピストン212の逆転阻止状態側(OWC側)の端部がランド218まで移動して、第2固定用油室224Bとランド218とが連通する。
これにより、ソレノイドバルブ122Aの作動油圧が、第2固定用油室224B、ランド218を介して第1油圧センサ214に供給され、第1油圧センサ214がソレノイドバルブ122Aの作動油圧の供給の有無を確認することにより、ツーウェイピストン212が正常に固定状態側(LOCK側)へ移動したか否かを判定することができる。
本実施形態の自動変速機3によれば、ツーウェイピストン212を押圧する作動油圧をツーウェイピストン212が正常に移動したか否かを第1油圧センサ214で検知するための信号油圧としても活用するため、第1油圧センサ214の信号油圧専用の入力ポートをシリンダ部213に設ける必要がなく、また、油圧制御装置100、延いては自動変速機3の小型化を図ることができる。
以上、本発明の実施形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、本実施形態では、ソレノイドバルブ122Cをトルクコンバータ2のロックアップクラッチ2aに油圧を供給するソレノイドバルブに兼用しているが、ソレノイドバルブ122Eをそれに兼用しても良く、またソレノイドバルブ122C(あるいはソレノイドバルブ122E)を油圧係合装置に油圧を供給するソレノイドバルブに兼用しても良い。即ち、ソレノイドバルブ122Cあるいはソレノイドバルブ122Eを、発進機構に油圧を供給するソレノイドバルブあるいは複数の油圧係合装置の何れかに油圧を供給するソレノイドバルブに兼用してもよい。
また実施形態のトルクコンバータ2に限定されず、発進クラッチ等の他の発進機構であってもよい。
また、本発明のピストン部として、実施形態では、ツーウェイピストン212を用いて説明したが、本発明のピストン部はこれに限らず、例えば、パーキングピストンにも同様に適用することができる。
また、実施形態では、ツーウェイピストン212を逆転阻止状態側(OWC側)から固定状態側(LOCK側)へ移動させる場合についてのみ説明した。しかしながら、本発明の切替装置は、これに限らず、例えば、ツーウェイピストン212を固定状態側(LOCK側)から逆転阻止状態側(OWC側)へ移動させる場合についても同様に構成することができる。
1 クランクシャフト
2 トルクコンバータ
2a ロックアップクラッチ
3 自動変速機(変速機)
4 フロントデファレンシャルギヤ
10 変速機ケース(筐体)
11 入力軸(入力部材)
13 出力部材
21 アイドルギヤ
23 アイドル軸
25 ファイナルドライブギヤ
27 ファイナルドリブンギヤ
40 パーキングロック機構
42 パーキングギヤ
44 パーキングポール
44a 支軸
46 係止爪
48 離脱スプリング
50 カム
52 リンク
54 パーキングピストン
56 ストロークセンサ
100 油圧制御装置(切替装置)
112A 第1ロック用油室
112B 第2ロック用油室
114A 第1アンロック用油室
114B 第2アンロック用油室
122A ソレノイドバルブ
122B ソレノイドバルブ
122C ソレノイドバルブ
122D ソレノイドバルブ
122E ソレノイドバルブ
122F ソレノイドバルブ
124 チェックバルブ
126A 第1ボールバルブ
128 ブレーキカットバルブ
130 パーキングインヒビットバルブ
132 第2チョーク
134 第2逆止弁
136 アキュムレータ
136a 蓄圧室
138 ロックアップクラッチシフトバルブ
140B リニアソレノイドバルブ
140G リニアソレノイドバルブ
142a インポート
142b アウトポート
142c ドレンポート
212 ツーウェイピストン
212a 環状溝部
213 シリンダ部
214 第1油圧センサ
216 第2油圧センサ
218 ランド
220 ディテント
222A 第1逆転阻止用油室
222B 第2逆転阻止用油室
224A 第1固定用油室
224B 第2固定用油室
E エンジン(内燃機関、駆動源)
ECU 変速制御装置(制御部)
PG1 第1遊星歯車機構
Sa サンギヤ (第7要素)
Ca キャリア (第8要素)
Ra リングギヤ (第9要素)
Pa ピニオン
PG2 第2遊星歯車機構
Sb サンギヤ (第12要素)
Cb キャリア (第11要素)
Rb リングギヤ (第10要素)
Pb ピニオン
PG3 第3遊星歯車機構
Sc サンギヤ (第1要素)
Cc キャリア (第2要素)
Rc リングギヤ (第3要素)
Pc ピニオン
PG4 第4遊星歯車機構
Sd サンギヤ (第6要素)
Cd キャリア (第5要素)
Rd リングギヤ (第4要素)
Pd ピニオン
PT 動力伝達装置
TW11 固定プレート
TW11a 対向面
TW12 回転プレート
TW13 正転阻止側揺動部
TW13a 端
TW14 逆転阻止側揺動部
TW14a 端
TW15 収容部
TW16 収容部
TW17a 付勢部材
TW17b 付勢部材
TW18 第1穴部
TW18a 第1係合部
TW19 穴部
TW19a 第2係合部
TW20 切換プレート
TW20a 切欠孔
TW20b 切欠孔
TW20c 突部
WFL,WFR 前輪
WRL,WRR 後輪
C1 第1クラッチ
C2 第2クラッチ
C3 第3クラッチ
B1 第1ブレーキ
B2 第2ブレーキ
B3 第3ブレーキ
F1 ツーウェイクラッチ(作動装置)
V 車両
L1〜L6 油路

Claims (2)

  1. シリンダ部と、
    シリンダ部内を摺動可能であり、且つ作動装置に接続されて作動装置の状態を切り替えるピストン部と、
    供給される作動油圧によってピストン部をシリンダ部内の第1位置から第2位置へ摺動させる作動油圧室と、
    シリンダ部に接続された油圧検知部と、を備え、
    ピストン部が第1位置及び第2位置の何れか一方に位置するときに、作動油圧室の油圧が油圧検知部に供給され、油圧検知部が油圧の有無及び第1位置又は第2位置にピストンが位置していることを検知することを特徴とする切替装置。
  2. 請求項1記載の切替装置を備える変速機であって、
    回転自在な動力伝達要素を備え、
    前記切替装置は、前記ピストン部を前記シリンダ部内で異動させることにより、動力伝達要素の一方向の回転(正転)を許容し、一方向とは逆の他方向の回転(逆転)を阻止する逆転阻止状態と、動力伝達要素の回転を阻止する固定状態とに切替自在に構成されることを特徴とする変速機。
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