JP2019018544A - 曲管の製造方法、これに使用する型用管部材、及び曲管 - Google Patents
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Abstract
Description
本実施形態に係る曲管の製造方法は、曲管の内層1を形成した後、これに受け口型2を取り付け、その後、外層3を形成する、という手順で行われる。以下、これらを詳細に説明する。
内層1は、型用管部材5の外周面に形成される。そこで、まず、型用管部材5について説明する。
次に、初期部材10から型用管部材5を取り外す。まず、第1型部材51と第2型部材52とを固定していたボルト53を取り外す。次に、図5に示すように、両第2型部材52を、型用管部材5の径方向内方に移動させる。すなわち、両第2型部材52が、径方向において互いに近接するように移動させる。このとき、例えば、両第2型部材52の内周面522同士をターンバックルにより連結した後、両第2型部材52を近接させることができる。これにより、第1型部材51と第2型部材52との接触状態が解除される。その後、第2型部材52を軸方向Lに移動し、初期部材10から取り外す。また、両第1型部材51も、第2型部材52が取り外されたことにより、初期部材10から移動可能となるため、図6に示すように、初期部材10から取り外す。こうして、型用管部材5が初期部材10から取り外される。
次に、図7に示すように、初期部材10の軸方向の第1端部11の開口に、受け口型2を取り付ける。受け口型2は、この曲管を直管に繋ぐための連結部材である。具体的には、この受け口型2は、径の大きい円筒状の大径部21と、径の小さい円筒状の小径部22とが軸方向に連結されることで、構成されている。小径部22の外径は、初期部材10の内径とほぼ同じ大きさであり、大径部21の外径は、初期部材10の外径よりもやや大きく形成されている。そして、この受け口型2の小径部22を、初期部材10の第1端部11の開口に嵌め込む。続いて、初期部材10の第1端部11と受け口型2とを仮固定するため、これらの接合部分に、例えば、ハンドレイアップ法により、繊維強化プラスチックを積層し、硬化する。なお、受け口型は、例えば、表面に硬質メッキ処理層を有するステンレス等の金属、FRP等で形成することができる。
続いて、外層3を形成する。ここでは、フィラメントワインディング法により外層3を形成する。まず、図8に示すように、受け口型が取り付けられた初期部材(以下、単に初期部材という)10の第1端部21の受け口型2を、支持部材6に固定する。支持部材6は、水平軸X周りに回転可能であり、支持部材6に取り付けられた初期部材10を水平軸X周りに回転させることができる。次に、図9に示すように、支持部材6とともに初期部材10を回転させつつ、マトリックス樹脂が含浸された樹脂強化用繊維7を、中間部材20の外周面に巻き付けていく。このとき、樹脂強化用繊維7は、初期部材10の第1端部21側から軸方向の中心付近まで巻き付ける。これにより、図10に示すように、受け口型2の大径部21及び内層1の約半分が樹脂強化用繊維7で覆われる。
以上のように、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
(1) 型用管部材5の外周面に、所望の軸方向長さ(角度)の内層1を形成し、その後、この内層1に受け口型2を取り付けてから外層3を形成するため、曲管の角度ごとに型用管部材5を準備する必要がない。したがって、1つの型用管部材5で、曲率が一定の種々の角度の曲管を製造することができるため、汎用性が高く、また低コストで曲管を製造することができる。
<6.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、以下の変形例は、適宜組み合わせ可能である。また、以下の変形例のうち、内層1及び外層3の材料に係る説明は、後述する第2実施形態にも適用することができる。
上記実施形態で用いられる受け口型は、一例であり、直管を連結するための構造を有するものであり、且つ内層の両端に接続できるものであれば、その構造は特には限定されない。また、受け口型は、内層の一方の端部にのみ取り付けることもできる。
型用管部材の構成は、内層から取り外し可能な構造であれば、特には限定されない。したがって、例えば、型用管部材が縮径するような構造であってもよい。
内層1及び外層3は,一層でなくてもよく、複数の層を積層させるものであってもよい。例えば、繊維方向の異なる樹脂強化用繊維を別途積層させることもできる。また、外層3の積層に先立って、例えば、中間層として、樹脂モルタル層を積層させることもできる。
内層1及び外層3の形成方法、及び受け口型2を仮止めする方法は、特には限定されず、例えば、フィラメント、マットおよび/またはクロスを積層した後にインフュージョン法等の真空成形またはRTM工法によってマトリックス樹脂を含浸させる方法、ハンドレイアップ法、フィラメントワインディング法などを挙げることができる。また、受け口型2を仮止めする方法は、他の方法であってもよく、受け口型2を内層1に固定できるのであれば、特には限定されない。
上記実施形態で示した受け口型2は、種々の構成が可能であり、例えば、図14に示すように、小径部22に対して大径部21を軸方向に移動可能に取り付けることもできる。これにより、例えば、図15に示すように、受け口型2において、初期部材に嵌め込まれていない小径部(大径部21を挟んで反対側の部分)22aを直管として用いることができるため、曲管の端部に直管を設けることができる。その結果、曲管の有効長を延長することができる。
上記実施形態では、曲管の両端に受け口型を取付けて第2部位を形成したが、第1部位のみで曲管を構成することもできる。以下、この曲管について、説明する。
まず、初期部材10から型用管部材5を取り外した後、受け口型2を初期部材10に取り付けることなく、初期部材10の軸方向の一端部を支持部材6に固定する。このとき、支持部材6には、初期部材10の一端部の開口を複数個所で掴むクランプを備えている。次に、クランプを回避して上述したように外層3をフィラメントワインディング法などで形成する。クランプを回避した部分は、その後、切除して挿し口となる一端部となるように仕上げを行う。
次に、本発明に係る曲管の製造方法の第2実施形態について説明する。まず、本実施形態に係る成形型について説明し、その後、製造方法について説明する。
図16は、本実施形態に係る成形型の側面図である。図16に示すように、本実施形態に係る成形型は、型用管部材100と受け口型200とを着脱自在に組み合わせたものである。型用管部材100は、第1実施形態と同様の外形を有する曲管であるが、2つのパーツに分割できるようになっている。まず、型用管部材100の一方の開口(第1開口)101において、型用管部材100の径方向の最も内側の点Aと、型用管部材100の他方の開口(第2開口)102において、型用管部材100の径方向の最も外側の点Bとを規定する。そして、点A及び点Bを通り、図16の紙面に垂直(側面視の方向)な仮想面を規定する。この仮想面を分離面Sと称することとする。
次に、曲管の製造方法について説明する。まず、図18に示すように、上記成形型の外周面のうち、型用管部材100に内層1を形成する。内層1は、第1実施形態と同様の材料で、同様の方法により成形することができる。例えば、ハンドレイアップ法を採用して内層1を成形することができる。このとき、第1実施形態と同様に、型用管部材100の軸方向の全体に亘って形成する必要はなく、図18に示すように、所望の長さに亘って形成する。こうして、初期部材300が形成される。ここでは、初期部材300において、受け口型200が取付けられた側の開口を第1開口301、反対側の開口を第2開口302と称することとする。なお、内層1は、型用管部材100だけでなく、受け口型220にも形成することができる。
従来の製造方法では、曲率半径が一定である滑らかな管中心線を有する曲管を製造することができなかったが、上記実施形態に係る製造方法により、そのような曲管の製造が可能となった。そこで、以下では、図24を参照しつつ、そのような曲管の特徴について説明する。
2 受け口型
3 外層
801 第1部位
802 第2部位
Claims (20)
- 円弧状に延びる軸周りに形成された円筒状の型用管部材を準備する第1ステップと、
前記型用管部材の周囲に、軸方向に所定の長さに亘って、繊維強化プラスチックを含む少なくとも一層の内層を形成することで、初期部材を形成する第2ステップと、
前記型用管部材を、前記初期部材から取り外す第3ステップと、
前記初期部材の外周面に、繊維強化プラスチックを含む少なくとも一層の外層を形成する第4ステップと、
を備えている、曲管の製造方法。 - 前記第4ステップに先立って、前記初期部材の軸方向の一方の端部に、円筒状の受け口型を取り付ける、第5ステップを備え、
前記第4ステップでは、前記初期部材及び受け口型の外周面に、前記外層を形成する、請求項1に記載の曲管の製造方法。 - 前記第2ステップでは、ハンドレイアップ法により、前記内層を形成する、請求項1または2に記載の曲管の製造方法。
- 前記第4ステップでは、フィラメントワインディング法により、前記外層を形成する、請求項1から3のいずれかに記載の曲管の製造方法。
- 前記型用管部材は、周方向に複数に分割された分割片を組み合わせることで構成され、
前記第3ステップでは、前記型用管部材を複数の分割片に分解することで、前記型用管部材を前記内層部から取り外す、請求項1から4のいずれかに記載の曲管の製造方法。 - 前記第4ステップでは、前記初期部材の前記一方の端部から中間部付近まで前記外層を積層させ、
前記第4ステップ後に、前記外層が形成された当該初期部材から前記受け口型を取り外すとともに、受け口型を前記初期部材の他方の端部に取り付ける、第6ステップと、
前記受け口部材の外周面、及び前記初期部材の軸方向の他方の端部から中間部付近まで、前記外層を積層させる、第7ステップと、
をさらに備えている、請求項1から5のいずれかに記載の曲管の製造方法。 - 前記第4ステップでは、前記外層の形成に先立って、モルタル樹脂を有する中間層を形成する、請求項1から6のいずれかに記載の曲管の製造方法。
- 請求項1から7のいずれかに記載の曲管の製造方法に使用する型用管部材。
- 円弧状に延びる軸周りに形成された円筒状の型用管部材、及び前記型用管部材の軸方向の一端部に着脱可能に取り付けられた円筒状の受け口型、を準備する第1ステップと、
少なくとも前記型用管部材の周囲に、軸方向に所定の長さに亘って、繊維強化プラスチックを含む少なくとも一層の内層を形成することで、初期部材を形成する第2ステップと、
前記初期部材の外周面の少なくとも一部、及び受け口型の外周面に、繊維強化プラスチックを含む少なくとも一層の外層を形成し、軸方向の一端部が拡径している中間部材を形成する第3ステップと、
前記中間部材から前記型用管部材及び受け口型を取り外すとともに、前記中間部材の軸方向の他端部に、受け口型を取り付ける第4ステップと、
前記中間部材の外周面の少なくとも一部、及び受け口型の外周面に、繊維強化プラスチックを含む少なくとも一層の外層を形成する第5ステップと、
を備えている、曲管の製造方法。 - 前記型用管部材は、複数のパーツに分離可能に構成されている、請求項9に記載の曲管の製造方法。
- 前記型用管部材は、
軸方向の一方の端面における径方向の最も内側の点と、軸方向の他方の端面における径方向の最も外側の点を通り、且つ、当該型用管部材の側面視の方向に延びる分離面を境界とする、第1型部材及び第2型部材に分離可能に構成され、
前記第2型部材は、前記分離面に沿って、前記第1型部材に対してスライドして着脱するように構成されている、請求項10に記載の曲管の製造方法。 - 前記型用管部材の一方の端面と、前記分離面とのなす角が90度以内である。請求項11に記載の曲管の製造方法。
- 請求項9から12のいずれかに記載の曲管の製造方法に使用する型用管部材。
- 円弧状に延びる軸周りに形成された円筒状の型用管部材、及び前記型用管部材の軸方向の両端部にそれぞれ着脱可能に取り付けられた円筒状の受け口型、を準備する第1ステップと、
少なくとも前記型用管部材の周囲に、軸方向に所定の長さに亘って、繊維強化プラスチックを含む少なくとも一層の内層を形成することで、初期部材を形成する第2ステップと、
前記初期部材の外周面、及び受け口型の外周面に、繊維強化プラスチックを含む少なくとも一層の外層を形成し、軸方向の両端部が拡径している曲管を形成する第3ステップと、
前記型用管部材及び受け口型を、前記曲管から取り外す第4ステップと、
を備えている、曲管の製造方法。 - 円弧状に延びる軸周りに形成された円筒状の第1部位と、
前記第1部位の軸方向の少なくとも一端部に連結され、第1部位よりも径の大きい円筒状の第2部位と、
を備え、
前記第1部位及び第2部位のうち、少なくとも前記第1部位には、繊維強化プラスチックを含む少なくとも一層の内層が含まれ、
前記第1部位及び第2部位には、前記内層に積層され、繊維強化プラスチックを含む少なくとも一層の外層が含まれている、曲管。 - 前記円弧状に延びる軸が、一定の曲率半径R0を有する軸である、請求項15に記載の曲管。
- 前記曲率半径R0が、前記第1部位の内径Dの2〜4倍である、請求項15または16に記載の曲管。
- 一定の曲率半径R0を有する円弧状に延びる軸周りに形成された円筒状の第1部位を備え、
前記第1部位は、
繊維強化プラスチックを含む少なくとも一層の内層と、
前記内層に積層され、繊維強化プラスチックを含む少なくとも一層の外層と、
を備えており、
前記曲率半径が、前記第1部位の内径Dの2〜4倍である、曲管。 - 前記第1部位において、
前記軸の曲率中心側の最内縁の曲率半径R1が、R0−0.5Dであり、
前記軸の曲率中心とは反対側の最外縁の曲率半径R2が、R0+0.5Dである、請求項17または18に記載の曲管。 - 前記内層と前記外層とが、異なる色に着色されている、請求項15から19のいずれかに記載の曲管。
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