JP2019017859A - 弾球遊技機 - Google Patents
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Abstract
【課題】動作異常の発生により生ずる遊技者の不利益を抑制し得る封入式の弾球遊技機を提案する。
【解決手段】機台内部に封入された所定個数の遊技球を循環させて遊技を行う封入式の構成であって、主制御装置からの一方向通信のみ可能な枠制御装置は、機台の動作異常を検知すると、該動作異常の情報と該主制御装置から受信した遊技の進行情報とに基づいて、所定の異常対応処理を実行するようにしたものであるから、該枠制御装置により駆動制御される研磨装置や揚送装置などで発生した動作異常に迅速かつ適正に対応できる。また、枠制御装置が動作異常に対応することから、主制御装置にかかる負荷を軽減できるという利点もある。
【選択図】図20
【解決手段】機台内部に封入された所定個数の遊技球を循環させて遊技を行う封入式の構成であって、主制御装置からの一方向通信のみ可能な枠制御装置は、機台の動作異常を検知すると、該動作異常の情報と該主制御装置から受信した遊技の進行情報とに基づいて、所定の異常対応処理を実行するようにしたものであるから、該枠制御装置により駆動制御される研磨装置や揚送装置などで発生した動作異常に迅速かつ適正に対応できる。また、枠制御装置が動作異常に対応することから、主制御装置にかかる負荷を軽減できるという利点もある。
【選択図】図20
Description
本発明は、機台の内部に封入した所定個数の遊技球を循環させて遊技を行う弾球遊技機に関する。
近年、機台の内部に所定個数の遊技球を封入して、該遊技球を循環させることにより遊技を行う、所謂封入式の構成の弾球遊技機が知られている(例えば、特許文献1参照)。かかる構成は、封入した遊技球を遊技領域へ発射し、該遊技領域を介して該遊技球を回収して、回収した遊技球を再び発射することによって、所定個数の遊技球を循環させるものであり、遊技者が、貸球や賞球として遊技球を直に入手することが無く、該遊技球が払い出される上皿や下皿を備えていない。そして、機台に接続されたカードユニットに、遊技者の所有する遊技価値(クレジット残高や持球数など)を記憶したICカードを挿入し、該ICカードと該遊技価値のデータをやり取りすることで、遊技を行うことができるようになっている。
ところで、上述した封入式の弾球遊技機にあっては、上皿や下皿に賞球や貸球を払い出すタイプの弾球遊技機に無い装置が配設されている。具体的には、機台の内部に封入した遊技球を循環させるための装置や、遊技球を清掃するための装置などを備えている。このように配設された装置が増えれば、増えた装置で動作異常を生ずる可能性があることから、相対的に動作異常の発生箇所が増える傾向にある。そのため、こうした動作異常の発生箇所が増える構成にあっても、夫々の動作異常に適正かつ確実に対応できる構成が求められていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、封入式の構成であって、動作異常の発生により生ずる遊技者の不利益を可及的に抑制し得る弾球遊技機を提案することを目的とする。
本発明は、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入賞口とアウト口とを備えた遊技盤と、該遊技領域へ遊技球を発射する発射装置と、前記入賞口またはアウト口に入球した遊技球を回収して、前記発射装置へ再供給する球循環手段とを備え、機台の内部に封入された所定個数の遊技球を循環させる弾球遊技機において、所定の前記入賞口への遊技球の入球を契機として、遊技者に所定の利得を供与する特別遊技を実行制御する主制御装置と、該主制御装置から信号を受信可能かつ該主制御装置へ信号を送信不能に設けられ、前記発射装置および球循環手段を作動制御する枠制御装置とを備えてなり、前記主制御装置は、遊技の進行状態を示す進行情報を、所定契機で前記枠制御装置へ送信する遊技情報送信手段を備え、前記枠制御装置は、少なくとも遊技者の遊技媒体を管理する外部装置からの情報を受信するための外部通信手段と、動作異常を検知する異常検知手段と、該異常検知手段により動作異常を検知すると、当該動作異常の情報、前記主制御装置から受信した進行情報および前記外部装置からの情報とに基づいて、所定の異常対応処理を実行する異常対応手段とを備えてなるものであることを特徴とする弾球遊技機である。
ここで、「入賞口」は、遊技球の入球を契機として特別図柄や普通図柄の当否抽選を行う所謂始動口、遊技球の入球を契機として所定数の賞球を発生させる所謂一般入賞口などを示す。そして、「所定の入賞口」には、前記始動口が好適である。また、「特別遊技」は、例えば、大入賞口を開閉させる大当り遊技や小当り遊技、普通電動役物を作動させる遊技などが好適である。また、「特別遊技による利得」は、賞球のように直接的な利益のみに限らず、特別な遊技状態(例えば、大当り確率が高確率になる確率変動状態、特別図柄や普通図柄の変動時間が短縮される時短状態など)に移行することや、特別な演出(例えば、通常では表示されないレア演出画像など)を行うことであっても良い。また、「遊技の進行状態」は、遊技者により進行中の遊技の状態を示し、具体的には、入賞口に入球した入球数、該入球を契機として行った当否抽選の結果、特別遊技の実行中、および該特別遊技で生じた利得などが好適に用いられる。また、進行情報を送信する「所定契機」は、前記のような進行状態が変化したとき、予め設定された時間の周期毎等のように適宜設定可能である。
外部装置は、遊技者のカードIDや持球情報、投入金額などの情報を管理する装置(所謂、カードユニット)だけでなく、カードユニットを介して接続される遊技店の管理装置(所謂ホールコンピュータ。各台、全台単位で遊技情報を管理する)も含まれるし、ホールコンピュータを介して接続される外部の管理装置(遊技者の貯玉情報、遊技機の出荷、設置、移動、廃棄情報の監視などを行う)も含まれる。
枠制御装置は、外部通信手段によって外部装置からの情報を受信するだけでなく、外部装置に対して遊技状態、出玉などの情報を送信可能な構成であることが好適である。
枠制御装置は、外部通信手段によって外部装置からの情報を受信するだけでなく、外部装置に対して遊技状態、出玉などの情報を送信可能な構成であることが好適である。
本発明の構成によれば、枠制御装置は、動作異常の情報と主制御装置から送信された進行情報と、外部装置からの情報とに基づく異常対応処理を行うことから、該動作異常に対して、上述した情報に基づく総合的な判断を行って遊技の進行状態に適した対応を実行でき、該動作異常により遊技者の被る不利益を可及的に抑制できる。したがって、動作異常の発生によって遊技者に不快感や不安感が生ずることを可及的に抑制でき、遊技に対する遊技者の信頼感を適正に保つことができる。
第1発明は、遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入賞口とアウト口とを備えた遊技盤と、該遊技領域へ遊技球を発射する発射装置と、前記入賞口またはアウト口に入球した遊技球を回収して、前記発射装置へ再供給する球循環手段とを備え、機台の内部に封入された所定個数の遊技球を循環させる弾球遊技機において、所定の前記入賞口への遊技球の入球を契機として、遊技者に所定の利得を供与する特別遊技を実行制御する主制御装置と、該主制御装置から信号を受信可能かつ該主制御装置へ信号を送信不能に設けられ、前記発射装置および球循環手段を作動制御する枠制御装置とを備えてなり、前記主制御装置は、遊技の進行状態を示す進行情報を、所定契機で前記枠制御装置へ送信する遊技情報送信手段を備え、前記枠制御装置は、動作異常を検知する異常検知手段と、該異常検知手段により動作異常を検知すると、当該動作異常の情報と前記主制御装置から受信した進行情報とに基づいて、所定の異常対応処理を実行する異常対応手段とを備えてなるものであることを特徴とする弾球遊技機である。
かかる構成にあっては、主制御装置から枠制御装置に向かって一方向通信のみが可能な構成であることから、該主制御装置への不正なアクセスを防止できるため、主制御装置と枠制御装置との間に不正基板を追加する不正行為(所謂、ぶら下げゴト)を、防止する効果が高い。これは、枠制御装置で動作異常に対処する構成としたことに因って生じた効果とも言える。すなわち、枠制御装置が、発射装置や球循環手段で発生する球詰まり等の動作異常に、対処する構成としたことによって、遊技球の発射や循環に係る情報(信号)を主制御装置へ送信する意義が低減することから、前記一方向通信とすることで、前記不正防止の効果が得られた。
さらに、本構成では、発射装置や球循環手段を作動制御する枠制御装置が、発射装置や球循環手段で発生する球詰まりなどの動作異常に対応することから、該動作異常に対する対応速度を向上できる。これは、動作異常の検知を主制御装置へ送信する必要が無く、該送信という処理を省くことができることに因る。したがって、本構成によれば、遊技球を循環する封入式の構成で特有の球循環手段で発生した動作異常に対して、迅速かつ適正に対応できる。加えて、本構成によれば、主制御装置が前記動作異常に対応する処理を必要としないことから、該主制御装置にかかる負荷を軽減でき、処理速度の向上と安定性の向上とが見込めるという優れた利点もある。
また、本構成によれば、枠制御装置は、動作異常の情報と主制御装置から送信された進行情報とに基づく異常対応処理を行うことから、該動作異常に対して、遊技の進行状態に適した対応を実行でき、該動作異常により遊技者の被る不利益を可及的に抑制できる。したがって、動作異常の発生によって遊技者に不快感や不安感が生ずることを可及的に抑制でき、遊技に対する遊技者の信頼感を適正に保つことができる。
上述した第1発明の弾球遊技機にあって、主制御装置および枠制御装置へ供給するための電力を発生させる電源装置を備え、該電源装置から枠制御装置を介して主制御装置に電力供給する給電回路が設けられ、さらに、前記枠制御装置は、電源装置から供給された電力を主制御装置へ供給する給電状態と供給停止する非給電状態とに変換する給電切替手段を備えると共に、前記主制御装置は、電力供給が停止した状態で、所定のバックアップ情報を記憶保持するバックアップ手段を備えてなり、前記枠制御装置の異常対応手段は、前記供給切替手段により給電状態から非給電状態へ変換して、主制御装置への電力供給を停止する給電停止処理内容を含む異常対応処理を備えたものである構成が提案される。
ここで、「バックアップ情報」には、電力供給の停止後に電力復帰した際に、該電力供給の停止前の進行状態から遊技を再開するために必要な情報が、好適である。また、「給電停止処理内容を含む異常対応処理」は、主制御装置への電力供給を停止する給電停止処理内容のみを行う処理であっても良いし、他の処理内容(例えば、動作異常の発生を報知する処理内容)も含む処理であっても良い。また、異常対応手段は、前記した「給電停止処理内容を含む異常対応処理」のみを備えた構成であっても良いし、他の「給電停止処理内容を含まない異常対応処理」をも備えた構成であっても良い。
かかる構成にあっては、動作異常を検知すると、当該動作異常の情報と前記進行情報とに基づいて、給電停止処理内容を含む異常対応処理を実行することにより、主制御装置への電力供給を停止して、遊技の進行を中断できることから、該進行によって遊技者に不利益が生じてしまうことを防止でき得る。また、本構成では、主制御装置がバックアップ手段を備えていることから、給電停止処理内容を含む異常対応処理により主制御装置への電力供給を停止した後に、動作異常の解消に伴って電力供給を復帰すると、バックアップ情報に従って遊技を再開することができる。そのため、電力供給を停止することで遊技者が受ける不利益を可及的に抑制できる。したがって、本構成によれば、動作異常の発生により遊技者の被る不利益を可及的に抑制でき、遊技に対する遊技者の信頼感を一層安定かつ適正に保つことができる。
上述した第1発明の弾球遊技機にあって、前記枠制御装置の異常対応手段は、異常検出手段により検知した動作異常の情報と前記主制御装置から受信した進行情報との組み合わせが予め定められた特定の組合せであった場合に、当該動作異常の検知を契機として、給電停止処理内容を含む異常対応処理を実行するものである構成が提案される。
ここで、「特殊な組合せ」には、動作異常の発生によって遊技者に不利益を生じ易い組合せが、好適に設定できる。
かかる構成によれば、特定の組合せを構成する遊技の進行状態で、当該組合せを構成する動作異常を検知すると、主制御装置への電力供給を停止して、遊技が進行しないようにできることから、動作異常を生じたままで遊技が継続することにより生ずる遊技者の不利益を防止できる。
上述した第1発明の弾球遊技機にあって、主制御装置により実行制御される特別遊技が、遊技盤に設けられた大入賞口を開閉する大当り遊技であるものであって、枠制御装置の異常対応手段は、動作異常の情報と進行情報との特定の組合せが、遊技領域へ遊技球を発射不能となる状態を生ずる動作異常の情報と、前記大当り遊技の実行中を示す該進行情報とである場合に、給電停止処理内容を含む異常対応処理を実行する構成が提案される。
かかる構成にあっては、遊技者に最も多大な利益を供与し得る大当り遊技の実行中に、遊技球を発射不能な動作異常が発生した場合に、主制御装置への電力供給を停止して、該大当り遊技を中断させるものである。本構成によれば、遊技球を発射不能のままで大当り遊技が進行しないことから、該大当り遊技の進行に伴って遊技者が被る不利益を、確実に防止できる。さらに、上述したように、電力供給の停止後に動作異常の解消により電力供給を復帰すると、主制御装置は、バックアップ情報に従って大当り遊技を再開できる。そのため、遊技者は、大当り遊技による適正な利益を享受できる。したがって、本構成によれば、大当り遊技中に遊技球の発射不能となった場合に遊技者に生じ得る不快感や不信感を可及的に抑制でき、遊技への信頼感を保つ効果に優れる。
本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。尚、本発明にかかる実施の形態は、下記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の形態を採りうる。
パチンコ機1は、図1,2に示すように、縦長の固定外郭保持枠をなす外枠51によって構成の各部を保持する構造である。外枠51には、その左側上下に設けられたヒンジを介して、内枠70(図3参照)が該外枠51に対して開閉可能に取り付けられている。また、内枠70の前面には、前枠(ガラス枠)52が該内枠70に対して開放可能に取り付けられおり、前枠52には、図示しない板ガラスが脱着可能に設けられている。さらに、この板ガラスの奥側(後側)には、内枠70に取り付けられた遊技盤2が配設されている。
前枠52には、その上部左右に、スピーカ66が配設されており、該スピーカ66から発せられる遊技音や警報音によって、遊技の趣向性を向上させたり、遊技者に注意喚起する。また、前枠52には、遊技状態に応じて発光する枠側装飾ランプ65が複数配設されており、該発光によって遊技の趣向性を向上させる。さらに、前枠52の下部中央部分には、後述するCRユニット46のユニット表示装置47が脱着可能に取り付けられる取付部55が設けられている。そして、この取付部55の右方に、発射ハンドル64が配設されている。この発射ハンドル64は、遊技者によって時計回りに回動操作されることで、発射装置31(図3参照)を可動させて、遊技球を遊技盤2の遊技領域3に向かって発射する。
また、前枠52には、上記の取付部55(ユニット表示装置47)の直上部位に、遊技可能な持球数を表示する持球数表示装置61と、枠制御装置81側で保有する持球数情報をCRユニット46側へ移すための計数スイッチ62とが配設されている。さらに、計数スイッチ62の左方に、遊技者が操作可能な演出ボタン63が配設されている。
本実施例のパチンコ機1は、所謂封入式遊技機であって、ICカードの読み書きなどを行うカードユニット(CRユニット)46が隣接されている。CRユニット46には、ICカードを挿入および取り出し可能なカード挿入口49と、紙幣を挿入可能な紙幣挿入口48とを備え、さらに、該CRユニット46の下部から右方へ突出するように、ユニット表示装置47が設けられている。ユニット表示装置47は、上記した前枠52の取付部55に脱着可能に設けられており、CRユニット46がパチンコ機1の左側に隣接された状態で、該取付部55を覆うように取り付けられる。このユニット表示装置47は、タッチパネル式のLCD画面を備え、該画面に、前記カード挿入口49に挿入されたICカードに記憶されたクレジット残高(又は、クレジット残高内で貸出可能な遊技球数)などが表示される。そして、このクレジット残高(又は、貸出可能な球数)は、遊技球の貸出や返却に応じて更新される。尚、このユニット表示装置47の表示態様については、その詳細を後述する。
また、パチンコ機(封入式遊技機)1は、CRユニット56を介してホールコンピュータ87に接続されていると共に、外部の情報管理センタと広域ネットワークを介して管理コンピュータとにも接続されている(図示せず)。これにより、各パチンコ機1は、夫々の認証情報に基づいて、メーカーからの出荷情報、設置された遊技店の情報、遊技店間での移動情報、廃棄情報等が管理され、不正な使用や不正な改造などを防ぐ高いセキュリティ能力を有している。
遊技盤2には、ガイドレール3aによって囲まれた略円形の遊技領域3が設けられ、該遊技領域3には多数の遊技釘(図示せず)が植設されている。遊技領域3の中央部には、図示しないセンターケースが配設されており、該センターケースの中央に演出図柄表示装置6(全体の図示は省略)のLCD画面が前方から視認可能に配設されている。このセンターケースには、図示しないワープ入口、ワープ通路、ステージ等も設けられている。
演出図柄表示装置6の下方(センターケースの直下)には、第一始動口11が配設され、該センターケースの右方には、普通図柄作動ゲート17と第二始動口12とが上下に並んで配設されている。第二始動口12は開閉可能な翼片を備えた普通電動役物により構成されており、この翼片の開放状態でのみ遊技球を入賞可能とする構成である。さらに、第一始動口11の直下には、大入賞口14が配設されている。また、第一始動口11の左方に、四個の一般入賞口15が配設されている。これら一般入賞口15は、遊技球を常時入賞可能な構成である。
遊技領域3の最下流部には、アウト口16が配設されており、該遊技領域3に発射された遊技球がいずれの入賞口14,15や始動口11,12にも入賞しなかった場合に、該アウト口16に入球する。
遊技盤2の右下部には、複数個のLEDからなる普通図柄表示装置7と、普図保留数表示装置8と、第一特別図柄保留数表示装置18と、第二特別図柄保留数表示装置19と、7セグメント表示装置からなる第一特別図柄表示装置9および第二特別図柄表示装置10とが配設されている。
図3は、パチンコ機1の裏面図である。パチンコ機1の裏側には、上記の遊技盤2を脱着可能に取り付けた内枠70が外枠51に収納されている。内枠70の上部には、上記の遊技領域3へ遊技球を発射する発射装置31が配設されており、該発射装置31により発射された遊技球は、遊技領域3の左上部から該遊技領域3内に飛び出して、該遊技領域3を流下する。また、内枠70の下部には、遊技領域3へ発射された遊技球を回収し、回収した遊技球を研磨する研磨装置35が設置されている。この研磨装置35は、上述した始動口11,12、大入賞口14、各一般入賞口15、およびアウト口16と、図示しない回収路とを介して連通されており、これら始動口11,12、大入賞口14、各一般入賞口15、およびアウト口16に入球した遊技球が該回収路を通って送られてくる。また、内枠70には、研磨装置35で研磨された遊技球を前記発射装置31へ送る揚送装置33が上下方向に沿って配設されている。こうした発射装置31、回収路、研磨装置35、および揚送装置33によって、遊技球を循環させる構成が設けられている。すなわち、発射装置31から遊技領域3へ発射された遊技球は、前記の始動口11,12やアウト口16などのいずれかに入球した後に、前記の回収路から研磨装置35へ送られ、さらに揚送装置33を介して再び発射装置31へ供給される。尚、発射装置31、回収路、研磨装置35、および揚送装置33は、従前から知られている構成のものを適用できることから、その詳細な説明を省略する。
また、パチンコ機1の裏側には、主制御装置80、枠制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83、電源装置85(図5参照)が配設されている。主制御装置80、演出図柄制御装置82、およびサブ統合制御装置83は、遊技盤2に設けられており、枠制御装置81および電源装置85は、内枠70に設けられている。
図4は、パチンコ機1の電気配線を示すブロック図である。尚、このブロック図には、単に信号を中継するいわゆる中継基板や電源基板等は記載されていない。また、詳細な図示は省略するが、主制御装置80、枠制御装置81、演出図柄制御装置82、サブ統合制御装置83のいずれもCPU、ROM、RAM、入力ポート、出力ポート等を備えている。そして、これら各制御装置のCPUにより、2ms周期の割込信号により各ROMに搭載されたプログラムを開始し、各種制御を実行する。尚、枠制御装置81は、後述するように、性能等表示装置60の情報、遊技者の持球数情報、およびクレジット残高に関わる情報などを扱うことから、万が一、電源供給が遮断された場合にもこれら情報を保持できるように、不揮発性メモリ(フラッシュメモリや不揮発性RAMなど)が好適に用いられ得る。これにより、電源供給が遮断された場合にも、遊技者が不利益を被る可能性を低減できる。
主制御装置80には、遊技盤中継端子板74を介して、第一始動口11に入球した遊技球を検出する第一始動口スイッチ11a、第二始動口12に入球した遊技球を検出する第二始動口スイッチ12a、普通図柄作動ゲート17を通過した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ17a、大入賞口14に入球した遊技球を計数するためのカウントスイッチ14a、各一般入賞口15に入球した遊技球を夫々検出する各一般入賞口スイッチ15a、磁気を検知する磁石センサ、電波を検知する電波センサ等からの検出信号が入力される。
主制御装置80は、そのROMに搭載されたプログラムに従って動作して、上記の検出信号等に基づいて遊技の進行に関わる各種のコマンドを生成し、該コマンドを枠制御装置81およびサブ統合制御装置83へ出力する。また、主制御装置80は、図柄表示装置中継端子板71を介して、第一特別図柄表示装置9、第二特別図柄表示装置10、および普通図柄表示装置7の表示制御を行うと共に、第一特別図柄保留数表示装置18、第二特別図柄保留数表示装置19、および普図保留数表示装置8の点灯制御を行う。さらに、主制御装置80には、遊技盤中継端子板74を介して、大入賞口ソレノイド14bおよび普通電動役物ソレノイド12bも接続されている。主制御装置80は、大入賞口ソレノイド14bを制御することで大入賞口14の開閉を制御し、普通電動役物ソレノイド12bを制御することで第二始動口12の開閉を制御する。また、主制御装置80は、図柄変動や大当り等の管理用の信号を出力し、該出力信号は、枠制御装置81からCRユニット46を介してホールコンピュータに送られる。さらに、主制御装置80は、賞球数表示装置99が接続されており、賞球数の表示制御を行う。尚、この賞球数表示装置99により、夫々の入賞口(始動口、一般入賞口、大入賞口など)に入賞することで発生した賞球数を、遊技者が把握し易い。但し、封入式遊技機では、枠制御装置81により表示制御される持球数表示装置61を備えており、該持球数表示装置61で前記賞球数を把握することも可能であるから、賞球数表示装置99は必須のものではない。
主制御装置80と枠制御装置81とは、該主制御装置80から枠制御装置81への一方向のみで通信可能とするように接続されている。すなわち、主制御装置80から枠制御装置81へ向けて信号を送信可能で、該信号を枠制御装置81が受信可能である一方、枠制御装置81からは、主制御装置80へ向けて信号を送信不能である。そのため、本実施例の構成では、枠制御装置81で管理または制御する情報(遊技球の発射や循環などに関する情報)を、主制御装置80へ送信できない。そして、遊技進行の全般を統括する主制御装置80は、外部から一切信号を入力することができない(遊技に関する入賞情報や、上述した各種スイッチからの入力は除く)。これにより、遊技性能に影響を与えようとするような不正な信号を主制御装置80に入力させることを、構造的に排除でき、極めて不正に強い(不正され難い)構成となっている。
枠制御装置81には、遊技球等貸出装置75を介してCRユニット46が通信可能に接続されている。そして、CRユニット46のユニット表示装置47とも通信可能に接続されており、枠制御装置81には、該ユニット表示装置47に設けられた貸出スイッチ58および返却スイッチ59から夫々の信号が入力される。枠制御装置81は、CRユニット46に挿入されたICカードに記憶されるクレジット残高や持球数情報の把握、前記貸出スイッチ58から受信した貸出信号に応じた持球数の設定、前記返却スイッチ59から受信した返却信号に応じたクレジット残高の返却処理、枠制御装置81側で管理していた持球数を計数スイッチ62の操作に応じてICカードに記憶させる持球数移動処理などを行う。また、枠制御装置81は、CRユニット46を介してホールコンピュータ87と通信可能に接続されており、パチンコ機1の遊技情報を該ホールコンピュータ87に送信する。
また、枠制御装置81には、発射操作部中継端子板76を介して、ハンドルボリューム101から発射ハンドル64の回動量信号、発射停止スイッチ103から発射停止信号、およびタッチスイッチ102からタッチ信号が夫々入力される。回動量信号は、遊技者が発射ハンドル64を回動操作することで出力され、タッチ信号は、遊技者が発射ハンドル64を触ることで出力され、発射停止信号は、遊技者が発射停止スイッチ103を押すことで出力される。なお、タッチ信号が入力されていなければ、遊技球は発射できないほか、発射停止スイッチ信号が入力されているときには、遊技者が発射ハンドル64を触っていても遊技球は発射出来ないようになっている。さらに、前記発射操作部中継端子板76および操作部中継端子板73を介して、上記した計数スイッチ62と持球数表示装置61とが接続されており、枠制御装置81は、計数スイッチ62の操作信号が入力されると共に、持球数表示装置61を表示制御する。尚、持球数表示装置61は、枠制御装置81側で遊技者が保有している持球数(遊技者が遊技に使用可能な遊技球の球数)を、表示するものであり、発射装置31による発射、又は入賞球センサ120の検知とアウト球センサ121の検知とによる減算と、始動口11,12、一般入賞口15、および大入賞口14への入賞による夫々の賞球数の加算とによって随時更新される持球数を、リアルタイムで表示する。
また、枠制御装置81は、発射装置中継端子板77を介して、発射装置31の球送センサ104、発射入口センサ105、発射モータ106、および球送りソレノイド107が接続されている。球送センサ104は、発射装置31の発射位置に送られた遊技球を検知するものであり、遊技球の検知振動を出力する。また、発射入口センサ105は、上記した揚送装置33から発射装置31に供給される遊技球を検知するものであり、該遊技球の検知信号を出力する。そして、枠制御装置81は、上記のハンドルボリューム101、発射停止スイッチ103、タッチスイッチ102、球送センサ104、および発射入口センサ105から送信される各信号に基づいて、発射モータ106および球送りソレノイド107を駆動制御して遊技球を発射または停止させる。
さらに、枠制御装置81は、研磨装置中継端子盤78を介して、カセットスイッチ108、研磨モータセンサ109、カセットモータ110、および研磨モータ111が接続されており、該カセットスイッチ108と研磨モータセンサ109とからの検知信号に基づいて、カセットモータ110と研磨モータ111とを駆動制御することで、上記の研磨装置35を駆動させる。尚、研磨装置35は、消耗品であることから、カセット形式の構造として、取り替えを容易にしている。また、枠制御装置81は、揚送中継端子板79を介して、揚送入口センサ113、揚送モータ監視センサ114、および揚送モータ112が接続されており、該揚送入口センサ113および揚送モータ監視センサ114からの検知信号に基づいて揚送モータ112を駆動制御することで、上記の揚送装置33を駆動させる。
さらにまた、枠制御装置81は、内枠中継端子板72を介して、入賞球センサ120、アウト球センサ121、適正量センサ122、満タンセンサ123、および夜間監視スイッチ124が接続されており、これら各センサやスイッチからの信号が入力される。ここで、入賞球センサ120は、始動口11,12、大入賞口14、および一般入賞口15の各入賞口と上記研磨装置35とを連通する回収路に配設されており、これら各入賞口に入賞した遊技球を検知するものである。また、アウト球センサ121は、アウト口16と上記研磨装置35とを連通する回収路に配設されており、アウト口16に入球した遊技球を検知するものである。また、適正量センサ122は、機台の内部で循環させる遊技球の適正量を検知するものである。さらに、枠制御装置81には、ガラス枠開放スイッチ125や内枠開放スイッチ126も接続され、これらからの検知信号が入力される。
また、枠制御装置81には、性能等表示装置60も接続されている。性能等表示装置60は、遊技釘を不正に調整することにより機台の性能を変えられてしまうことを防止するために配設されたものであり、通常状態におけるベース値を表示する。尚、通常状態のベース値は、主制御装置80から通常状態であることを示されている場合に(通常状態を示す信号を受信している場合に)、発射装置31に遊技球を送る球送センサ104による遊技球の検知、又は入賞球センサ120とアウト球センサ121とによる遊技球の検知によって、発射された遊技球の数を確認し、この発射数と、主制御装置80から送信される賞球数情報に示された賞球数とにより、戻り球数を算出して得られる。ここで、発射数は1分間で概ね100個であることから、例えば、約10時間で発射される60000個を発射したときのベース値を、確定した値として用いることができる。
サブ統合制御装置83は、主制御装置80から送信されたデータおよびコマンドを受信し、これらを演出表示制御用、音制御用およびランプ制御用のデータに振り分けて、演出表示制御用のコマンドなどを演出図柄制御装置82へ送信し、音制御用およびランプ制御用のデータを自身に含まれている各制御部位(音声制御装置およびランプ制御装置しての機能部品)に分配する。そして、音声制御装置としての機能部は、音声制御用のデータに基づいて音LSIを作動させることによって、スピーカ66から音声を出力制御し、ランプ制御装置としての機能部は、ランプ制御用のデータに基づいてランプドライバを作動させることによって、各種LEDやランプ65を発光制御する。尚、サブ統合制御装置83と主制御装置80との間は、主制御装置80からサブ統合制御装置83への一方向通信のみの回路として構成されている。
さらに、サブ統合制御装置83には、演出ボタン63やジョグダイヤル等の操作を夫々検出するスイッチが接続されており、各スイッチが遊技者による操作を検出すると、その信号が入力される。
演出図柄制御装置82は、サブ統合制御装置83から送信されたデータおよびコマンド(主制御装置80から送信されたものと、サブ統合制御装置83で主制御装置80からの入力および演出ボタン等の入力に基づいて生成されたもの)に基づく制御を行い、擬似図柄などの演出画像を演出図柄表示装置6の画面に表示する。
CRユニット46は、上記カード挿入口49に挿入されたICカードに対して、クレジット残高や該ICカードで保有する持球数などの情報を読み取り及び書き込みする処理を行う。そして、ICカードから読み取った情報を、枠制御装置81へ送信する。これにより、枠制御装置81は、クレジット残高や貸出可能な球数などの情報を、遊技の進行に従って適宜更新して管理すると共に、ユニット表示装置47でクレジット残高や貸出可能な球数を表示する。さらに、遊技終了の際には、精算された持球数を、枠制御装置81からCRユニット46へ送信し、ICカードの情報を更新する。
図5は、パチンコ機1の給電回路90の要部を示すブロック図である。電源装置85は、外部のAC電源から供給される電力により直流電圧を生成する直流電源として構成されており、パチンコ機1を構成する各部位に電力を供給する。この電源装置85には、図示省略するが、パチンコ機1の各部位への電力供給と非供給とに切り替えるメインスイッチ、5V電源の生成回路、12V電源の生成回路、24V電源の生成回路、電源断検出回路(停電監視回路)などが配設されている。そして、これら各生成回路で生成された電力が、電源中継基板91を介して、上記した枠制御装置81およびサブ統合制御装置83等へ供給される。また、電源断検出回路は、所定の下限電圧まで電源電圧が低下すると、メインスイッチのOFF又は停電の発生と判定し、電圧低下を示す信号を後述の電源中継基板91に送信する。
電源中継基板91には、コンデンサなどから構成されるバックアップ電源回路92を備えており、電源装置85から供給された5V電源によりバックアップ電源を生成する。そして、電源中継基板91は、上記した電源断検出回路から電圧低下の信号を受信すると、バックアップ電源回路92で生成したバックアップ電源を枠制御装置81とサブ統合制御装置83とに夫々供給する。さらに、枠制御装置81を介して、前記バックアップ電源、5V電源、12V電源、および24V電源が主制御装置80へ供給される。同様に、サブ統合制御装置83を介して、前記バックアップ電源、5V電源、12V電源、および24V電源が演出図柄制御装置82へ供給される。こうしたバックアップ電源が、主制御装置80、枠制御装置81、サブ統合制御装置83、および演出図柄制御装置82に供給されることにより、停電時など電力供給が停止された際に、これら各制御装置80〜83の記憶手段であるRAMの記憶内容を一定期間にわたって保持する。また、本実施例にあっては、後述するように、枠制御装置81が主制御装置80への電力供給(5V電源、12V電源、および24V電源)を強制的に停止した場合にも、バックアップ電源回路92からバックアップ電源を主制御装置80へ供給するようにしている。
また、本実施例の枠制御装置81には、電源中継基板91から供給された5V電源、12V電源、および24V電源を主制御装置80へ供給する供給状態と、供給停止する非供給状態とに変換される切替スイッチ95が設けられている。この切替スイッチ95は、枠制御装置81のCPUからの信号により作動して、前記供給状態と非供給状態とのいずれかに変換される。また、バックアップ電源については、前記切替スイッチ95を介さずに、主制御装置80へ供給される。そのため、切替スイッチ95の供給状態および非供給状態に関わらず、電源中継基板91から供給されたバックアップ電源が、枠制御装置81を介して主制御装置80へ供給される。このように枠制御装置81は、切替スイッチ95による電力供給を停止することによって、主制御装置80により進行中の遊技を停止させることができる。すなわち、枠制御装置81は、切替スイッチ95の駆動制御によって、遊技の進行を強制的に停止させる機能を有している。
さらに、本実施例の枠制御装置81は、そのCPUと切替スイッチ95との間に遅延回路96が配設されている。この遅延回路96は、CPUから切替スイッチ95へ送られる信号を所定時間だけ遅延させる機能を有するものである。そのため、枠制御装置81では、CPUから切替スイッチ95へ送信された信号(切替スイッチを非供給状態へ変換する信号)は、遅延回路96によって所定時間だけ遅れて切替スイッチ95が受信する。尚、こうした切替スイッチ95の駆動制御については、本発明の要部に係ることから、詳細は後述する。また、遅延回路96は、従来から公知の構成のものを適用できることから、その詳細については省略する。
さらに、本実施例の枠制御装置81は、そのCPUと切替スイッチ95との間に遅延回路96が配設されている。この遅延回路96は、CPUから切替スイッチ95へ送られる信号を所定時間だけ遅延させる機能を有するものである。そのため、枠制御装置81では、CPUから切替スイッチ95へ送信された信号(切替スイッチを非供給状態へ変換する信号)は、遅延回路96によって所定時間だけ遅れて切替スイッチ95が受信する。尚、こうした切替スイッチ95の駆動制御については、本発明の要部に係ることから、詳細は後述する。また、遅延回路96は、従来から公知の構成のものを適用できることから、その詳細については省略する。
次に、本実施例のパチンコ機1の動作について説明する。
パチンコ機1は、機台の内部に所定数の遊技球を封入して、封入した遊技球を循環させて遊技を行う構成であるため、遊技に使用する遊技球の持球数を示すデータを遊技の進行に従って増減処理することによって管理するのみであり、実際の遊技球を貸し出したり、賞球として遊技球を払い出したりしない。
パチンコ機1は、機台の内部に所定数の遊技球を封入して、封入した遊技球を循環させて遊技を行う構成であるため、遊技に使用する遊技球の持球数を示すデータを遊技の進行に従って増減処理することによって管理するのみであり、実際の遊技球を貸し出したり、賞球として遊技球を払い出したりしない。
遊技者が遊技を開始する際には、CRユニット46のカード挿入口49にICカードが挿入され、該ICカードから読み取ったクレジット残高又は持球数の情報が、ユニット表示装置47で表示される。そして、遊技者がユニット表示装置47の貸出操作領域158(図22参照)を操作すると、貸出スイッチ58がON作動し、該操作に応じてクレジット残高から持球数に変換され、該クレジット残高の減少に伴って、枠制御装置81側で保有する持球数が増加する。一方、持球数を有する場合には、貸出操作領域158を操作することにより、枠制御装置81側で保有する持球数に加算される(又は、持球用の操作領域を別途設定して、クレジット残高による貸し出しと選択的に操作できるようにしても良い。そして、持球数の貸し出しでは、ICカードで保有された持球数から所定単位(例えば125個)分を枠制御装置81側に移行させる処理を行う。)。こうして枠制御装置81側で保有された持球数の範囲内で遊技を行うことができる。尚、枠制御装置81側で保有された持球数は、持球数表示装置61で表示される。
遊技者による発射ハンドルの操作により遊技が開始されると、遊技球の発射毎に持球が消化されると共に、上記した始動口11,12や一般入賞口15へ入賞する毎に発生する賞球によって、該持球が増える。遊技中では、このように持球数が増減し、該増減に従って持球数表示装置61の表示が更新される。
遊技領域に発射された遊技球が普通図柄作動ゲート17を通過(図4の普通図柄作動スイッチ17aが遊技球を検知)すると、普通図柄表示装置7で普通図柄が変動表示を開始し、所定時間後に停止した普通図柄が所定の当り態様であると、普通電動役物の羽根部材が駆動して、第二始動口12へ遊技球が入賞可能となる。ここで、普通電動役物の羽根部材は、一回の普通図柄の当りによって、通常状態で0.2秒間の開放を一回実行し、時短状態で1秒間の開放を三回実行する。尚、こうした時短状態における普通電動役物の開放作動を、該普通電動役物の開放延長機能と言う。
第一始動口11に遊技球が入賞(図4の第一始動口スイッチ11aが遊技球を検出)すると、第一特別図柄表示装置9で第一特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。また、第二始動口12に遊技球が入賞(図4の第二始動口スイッチ12aが遊技球を検出)すると、第二特別図柄表示装置10で第二特別図柄が変動を開始し、所定時間後に停止する。こうした第一特別図柄および第二特別図柄の変動中は、演出図柄表示装置6で各特別図柄の変動に連動した擬似図柄の演出変動を表示する。この演出図柄表示装置6での擬似図柄の表示によって、各特別図柄の変動や当りハズレを認識できる。ここで、第一特別図柄と第二特別図柄とは、第一始動口11と第二始動口12への入賞順に関係無く、第二特別図柄の変動を優先して実行する。具体的には、第一特別図柄の保留記憶がある場合、第二特別図柄の変動が停止し且つ該第二特別図柄の保留記憶が無い状態となって、保留記憶されている第一特別図柄の変動を開始する。
第一特別図柄表示装置9で停止した第一特別図柄および第二特別図柄表示装置10で停止した第二特別図柄が所定の大当り態様であると、大入賞口14を開閉する大当り遊技を実行する。また、演出図柄表示装置6では、第一特別図柄および第二特別図柄の当り態様に対応する態様で擬似図柄が表示される。
大当り遊技では、大入賞口14を開閉する開閉ラウンドを所定回数(例えば、16回)繰り返し実行する。大入賞口14には、後述する大入賞口ソレノイド14bの駆動によって開閉作動する扉部材が設けられており、該扉部材の開閉作動により、遊技球を入球可能な開放状態と入球不能な閉鎖状態とに変換される。そして、扉部材による所定の開閉動作によって、一回の開閉ラウンドが実行され、大当り遊技では、この開閉ラウンドが16回繰り返し実行される。
本実施例のパチンコ機1は、確率変動機として構成されている。すなわち、本構成による遊技は、大入賞口14を閉鎖した遊技と該大入賞口14を開放する上記の大当り遊技とに大別され、大入賞口14を閉鎖した遊技には、通常確率状態(以下、通常状態という)と、該通常状態に比べて特別図柄の当り確率が高くなる高確率状態(以下、確率変動状態という)とが設定されており、大当り遊技の終了後に、該通常状態と確率変動状態とのいずれかに移行する。ここで、通常状態では、特別図柄の当り確率が1/220に設定され、確率変動状態では、特別図柄の当り確率が1/30に設定されている。
さらに、通常状態では、大当り遊技から移行後に、規定回数(例えば、100回)だけ時短状態となる。この時短状態では、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮されると共に、開放延長機能の作動により普通電動役物の開放時間と開放回数とが増加される。また、確率変動状態では、前記時短状態と同様に、特別図柄および普通図柄の変動時間が短縮され且つ普通電動役物の開放時間と開放回数とが増加される。尚、開放延長機能は、普通電動役物の開放時間のみを増加するものであっても良いし、開放回数のみを増加するものであっても良い。
また、このように遊技が進行している状態では、発射装置31により発射された遊技球が、始動口11,12、一般入賞口15、又はアウト口16のいずれかに入球する。大当り遊技中では、さらに大入賞口14に入球する。こうして入球した遊技球は、上記した回収路を介して、研磨装置35へ送られ、その後に、揚送装置33を介して、再び発射装置31へ供給される。このように機台の内部に封入された所定個数の遊技球が循環され、上述した遊技が進行する。
次に、主制御装置80および枠制御装置81で実行される各種プログラムの処理について説明する。
図6に、主制御装置80が実行する電源投入処理のフローチャートを示す。この電源投入処理は、電源の投入から後述のメインルーチンに至るまでの処理であり、遊技店の開店時に電源投入された時、停電後の復帰時、後述する枠制御装置81による強制的な電力供給停止からの復帰時などで実行される。
図6に、主制御装置80が実行する電源投入処理のフローチャートを示す。この電源投入処理は、電源の投入から後述のメインルーチンに至るまでの処理であり、遊技店の開店時に電源投入された時、停電後の復帰時、後述する枠制御装置81による強制的な電力供給停止からの復帰時などで実行される。
電源投入処理では、電源が投入されると、RAMへのアクセスを許可し(S10)、電源断フラグをクリアする(S15)。次に、S20で、RAMクリア信号がONであるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S20:Yes)、S30へ進み、否定判定の場合には(S20:No)、S25へ進む。S25では、バックアップフラグがONであるか否かを判定し、否定判定の場合には(S25:No)、S30へ進み、肯定判定の場合には(S25:Yes)、S60へ進む。尚ここで、バックアップフラグがOFFの場合には、S30から続く処理により、初期状態から起動する。一方、バックアップフラグがONの場合には、電源遮断前の状態から再起動する。
S30は、S20の肯定判定またはS25の肯定判定から続く処理であり、スタックの設定処理を行う。続いて、RAMの作業領域のクリア処理(S35)と、RAMの作業領域を初期化する処理(S40)とを行う。さらに、サブ統合制御装置83に初期演出を行う旨のコマンドを送信する処理(S45)と、枠制御装置81に初期設定を行う旨のコマンドを送信する処理(S50)とを行う。その後、後述のメインルーチンに進む。
一方、S25の否定判定から続くS60では、電源復帰時処理を行う。この電源復帰時処理では、RAMに記憶保持された電源遮断前の遊技情報を読み込み、該遊技情報にしたがって遊技を再開する処理を行う。ここで、電源遮断前の遊技情報は、該電源遮断前に進行していた遊技の状態を示す情報であり、入賞数、保留数、大当り遊技に関する情報、小当り遊技に関する情報などが含まれる。S60の後には、バックアップ信号をOFFにして(S65)、後述のメインルーチンに進む。
次に、主制御装置80で実行する電源遮断時処理を、図7に示すフローチャートを用いて説明する。この電源遮断時処理は、メイン電源のOFF時、停電時、後述する枠制御装置81による強制的な電力供給停止時に実行される処理であり、これらによる電源遮断が起こった時に発生するノンマスカブル割り込みにより実行される。
電源遮断時処理では、S70で、電源断フラグを設定する処理を行う。続いて、S75で、バックアップ処理を実行するか否かを判定し、肯定判定の場合には(S75:Yes)、S80へ進み、否定判定の場合には(S75:No)、S85へ進む。S80では、電源遮断前の遊技の状態を示す遊技情報を、RAMに記憶保存する処理を行う。そして、S85へ進む。S85では、RAMへのアクセスを禁止する処理を行い、電源ダウンに備えて待機する。尚ここで、S80で記憶保存される遊技情報は、電源復帰時に電源遮断前の状態から遊技を再開するために必要な情報であり、上述したように入賞数や大当り遊技に関する情報などが設定されている。
次に、主制御装置80で実行されるメインルーチンを、図8に示すフローチャートを用いて説明する。メインルーチンは、S100〜S160までの本処理と、該本処理を実行して余った時間内に時間の許す限り繰り返されるS170の残余処理とから構成され、2ms毎のハード割り込みにより定期的に実行される。マイコンによるハード割り込みが実行されると、先ず正常割込であるか否かを判断する(S100)。この判断処理は、メモリとしてのRAMの所定領域の値が所定値であるか否かを判断することにより行われ、マイコンにより実行される処理が本処理に移行したとき、通常の処理を実行して良いか否かを判断するためのものである。
ここで、否定判定(すなわち、正常割り込みでないと判定)されると(S100:No)、初期設定(S105)を実行し、残余処理(S170)に移行する。この初期設定では、例えば、上記RAMの所定領域への所定値の書き込み、特別図柄および普通図柄を初期図柄とする等のRAMの作業領域への各初期値の書き込み等が実行される。一方、肯定判定(すなわち、正常割り込みであると判定)されると(S100:Yes)、初期値乱数の更新処理(S110)、大当り決定用乱数の更新処理(S115)、大当り図柄決定用乱数の更新処理(S120)、当り決定用乱数の更新処理(S125)、リーチ判定用乱数の更新処理(S130)、変動パターン決定用乱数の更新処理(S135)、入賞確認処理(S140)、当否判定処理(S145)、特別遊技処理(S150)、不正監視処理(S155)、枠制御装置81等に各種情報を送信する各出力処理(S160)を行って、次に割り込み信号が入力されるまでの残余時間内で初期値乱数の更新処理(S170)をループ処理する。
次に、主制御装置80で実行する始動入賞確認処理を、図9のフローチャートを用いて説明する。この始動入賞確認処理は、上記したメインルーチンの入賞確認処理(S140)でコールされるサブルーチンの一つである。
始動入賞確認処理では、第一始動口スイッチ11aが遊技球を検知したか否かを判定し(S200)、否定判定の場合には(S200:No)、S220に進む。S200が肯定判定の場合には(S200:Yes)、第一保留記憶の数が上限値(例えば、4個)に達しているか否かを判定する(S205)。S205で肯定判定の場合には(S205:Yes)、S220へ進み、否定判定の場合には(S205:No)、第一抽出乱数保留記憶処理(S210)を実行する。第一抽出乱数保留記憶処理(S210)では、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、第一保留記憶として記憶すると共に、第一保留記憶の数を示す第一保留数カウンタに1を加算して、該第一保留数カウンタの情報を、サブ統合制御装置83に送信する。
S220は、S210、S200の否定判定、またはS205の肯定判定に続いて実行される処理であり、第一始動口スイッチ11aが遊技球を検知したか否かを判定する。否定判定の場合には(S220:No)、始動入賞確認処理を終了し、肯定判定の場合には(S220:Yes)、第二保留記憶の数が上限値(例えば、4個)に達しているか否かを判定する(S225)。S225で肯定判定の場合には(S225:Yes)、始動入賞確認処理を終了し、否定判定の場合には(S225:No)、第二抽出乱数保留記憶処理(S230)を実行する。第二抽出乱数保留記憶処理(S230)では、大当り決定用乱数、大当り図柄決定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン決定用乱数等を抽出し、第二保留記憶として記憶すると共に、第二保留記憶の数を示す第二保留数カウンタに1を加算して、該第二保留数カウンタの情報を、サブ統合制御装置83に送信する。
尚、サブ統合制御装置83は、第一保留数カウンタの情報および第二保留数カウンタの情報を受信すると、該情報にしたがって、第一特別図柄保留数表示装置18および第二特別図柄保留数表示装置19を点灯させるために必要な処理を行う。
次に、主制御装置80で実行する当否判定処理を、図10〜13のフローチャートを用いて説明する。当否判定処理は、メインルーチンから実行される処理である。
当否判定処理では、図10に示すように、特別電動役物の作動中(すなわち、大当り遊技または小当り遊技の実行中)であるか否かを判定する(S250)。そして、肯定判定の場合には(S250:Yes)、当否判定処理を終了し、否定判定の場合には(S250:No)、S255に進む。S255では、第一,第二特別図柄の変動表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S255:Yes)、図12のS400に進み、否定判定の場合には(S255:No)、S260に進む。S260では、第一,第二特別図柄の確定表示中か否かを判定する。そして、肯定判定の場合には(S260:Yes)、図13のS450に進み、否定判定の場合には(S260:No)、S265に進む。
S265では、第二保留記憶があるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S265:Yes)、S270に進み、否定判定の場合には(S265:No)、S275に進む。S270では、第二保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い第二保留記憶を選択し、当該第二保留記憶に記憶された情報(乱数値等の数値データ)を大当り判定用の所定のバッファに移動させる。その後に、S285に進む。
S275では、第一保留記憶があるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S275:Yes)、S280に進み、否定判定の場合には(S275:No)、当否判定処理を終了する。S280では、第一保留記憶の数をデクリメントすると共に、最も古い第一保留記憶を選択し、上記S270と同様に、当該第一保留記憶に記憶された情報を大当り判定用の所定のバッファに移動処理させ、その後に、S285に進む。尚、本実施例の当否判定処理では、第一保留記憶よりも第二保留記憶を優先して、当否判定の対象とする。そのため、第一保留記憶は、第二保留記憶が無い場合にのみ、当否判定の対象となる。
S285では、確率変動状態であることを示す確変フラグが1か否かを判定し、肯定判定の場合には(S285:Yes)、S290に進み、否定判定の場合には(S285:No)、S295に進む。
S290では、確率変動状態用の当否判定用テーブル(確変テーブル)を選択し、選択した確変テーブルに基づいて、大当り判定用のバッファに移動された大当り判定用乱数を、大当りか否か判定し、当該大当り判定用乱数に係る保留記憶を消化する。ここで、本実施例では、選択した確変テーブルに基づいて、大当り判定用乱数が、小当りか否かも判定する。このS290の処理後に、図11のS300に進む。
一方、S295では、通常状態用の当否判定用テーブル(通常テーブル)を選択し、選択した通常テーブルに基づいて、大当り判定用のバッファに移動された大当り判定用乱数を、大当りか否か判定し、当該大当り判定用乱数に係る保留記憶を消化する。ここで、本実施例では、選択した通常テーブルに基づいて、大当り判定用乱数が、小当りか否かも判定する。このS295の処理後に、図11のS300に進む。
図11のS300では、S290又はS295の判定結果に基づいて、大当りか否かを判定し、肯定判定の場合には(S300:Yes)、S305に進み、否定判定の場合には(S300:No)、S320に進む。
S305では、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数に基づき大当り図柄を決定する。そして、S310に進む。S310では、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき、特別図柄の変動時間等を決定し、S315に進む。S315では、大当り遊技のラウンド数、大入賞口の開放パターン、大当り遊技に係る演出時間、インターバル時間、及び大当り遊技の演出態様等を設定し、S350に進む。
一方、S300の否定判定から続くS320では、S290又はS295の判定結果に基づいて、小当りか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S320:Yes)、S325に進み、否定判定の場合には(S320:No)、S340に進む。
S325では、消化した保留記憶に係る大当り図柄決定用乱数に基づき小当り図柄を決定し、S330に進む。S330では、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき、特別図柄の変動時間等を決定し、S335に進む。S335では、小当り遊技における大入賞口の開放パターン、小当り遊技に係る演出時間、および小当り遊技の演出態様などを設定し、S350に進む。尚、S335では、後述するS345と同様に、確変モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数を示すカウンタや、時短モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数を示すカウンタの更新も行う。
さらに、S320の否定判定から続くS340では、消化した保留記憶に係る変動パターン決定用乱数等に基づき、特別図柄の変動時間等を決定すると共に、これに先だって、ハズレ図柄を決定する処理を行う。このS340の後に、S345に進む。S345では、確変モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数を示すカウンタや、時短モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数を示すカウンタの更新などを行う。そして、S350に進む。尚、本実施例では、S340でハズレ図柄を決定する処理を行うようにしたが、これに限らず、S340の前に、ハズレ図柄を決定する処理を備えた構成であっても良い。
S350では、上記したS270およびS280でデクリメントした保留記憶の数を示す保留数コマンドをサブ統合制御装置83に送信する。さらに、特別図柄の変動時間や大当り抽選の結果等を示す変動開始コマンドをサブ統合制御装置83に送信すると共に、特別図柄の変動を開始させ、当否判定処理を終了する。尚、変動開始コマンドを受信したサブ統合制御装置83は、大当り抽選の結果、特別図柄の変動時間をもとに、特別図柄の変動時間と同じ時間の演出の中から演出図柄表示装置6にて表示する疑似演出を選択し、選択した疑似演出を表示させる。
上記したS255の肯定判定から続く図12のS400では、特別図柄の変動時間が経過したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S400:Yes)、S405に進み、否定判定の場合には(S400:No)、当否判定処理を終了する。S405では、特別図柄の変動表示を終了し、特別図柄の確定図柄(すなわち、上記したS405で決定した大当り図柄、S325で決定した小当り図柄、又はS340で決定したハズレ図柄)を表示させると共に、サブ統合制御装置83に、演出図柄の確定表示を実行させる図柄確定コマンドを送信し、当否判定処理を終了する。
また、上記したS260の肯定判定から続く図13のS450では、特別図柄の確定表示の継続時間が終了したか否かを判定し、肯定判定の場合には(S450:Yes)、S455に進み、否定判定の場合には(S450:No)には、当否判定処理を終了する。S455では、特別図柄の確定表示を終了し、S460に進む。S460では、確定表示された特別図柄が大当りになる図柄か否かを判定し、肯定判定の場合には(S460:Yes)、S465に進み、否定判定の場合には(S460:No)、S510に進む。S465では、確率変動状態であることを示す確変フラグを参照して、確変フラグ=1である場合には確変フラグをクリアし(S470)、S475に進む。S475では、時短状態であることを示す時短フラグを参照して、時短フラグ=1である場合には時短フラグをクリアし(S480)、S490に進む。その後、状態指定コマンド送信処理(S490)、条件装置作動開始処理(S495)、役物連続作動装置作動開始処理(S500)、大当り開始演出処理(S505)を順次実行することで、大当り遊技の態様を示すコマンドや、大当り遊技の開始を指示するコマンド等をサブ統合制御装置83に送信する等して大当り遊技を開始し、当否判定処理を終了する。
一方、S460の否定判定から続くS510では、確変フラグを参照し、該フラグ=1である場合には(S510:Yes)、確変モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数(確変回数)を参照する(S515)。そして、確変回数=0である場合には(S515:Yes)、確変フラグをクリアし(S520)、S525に進む。S525では、時短フラグを参照し、該フラグ=1である場合には(S525:Yes)、時短モード中に実行可能な大当り抽選の残り回数(時短回数)を参照する(S530)。そして、時短回数=0である場合には(S530:Yes)、時短フラグをクリアし(S535)、S540に進む。S540では、状態指定コマンド送信処理を実行し、S545に進む。
S545では、確定表示された特別図柄が小当りになる図柄か否かを判定し、肯定判定の場合には(S545:Yes)、S550に進み、特別電動役物作動開始処理(S550)、小当り開始演出処理(S555)を順次実行することで、小当り遊技の態様を示すコマンドや、小当り遊技の開始を指示するコマンド等をサブ統合制御装置83に送信する等して小当り遊技を開始し、当否判定処理を終了する。また、S545で否定判定の場合(S545:No)には、当否判定処理を終了する。
次に、主制御装置80で実行する大当り遊技処理を、図14〜16のフローチャートを用いて説明する。この大当り遊技処理は、上記した当否判定処理により大当りとなった場合に、該当否判定処理の終了に伴って主制御装置80により実行される。
大当り遊技処理では、図14に示すように、役物連続作動装置の作動中(すなわち、大当り遊技の実行中)であるか否かを判定する(S600)。ここで、肯定判定の場合には(S600:Yes)、S605に進み、否定判定の場合には(S600:No)、大当り遊技処理を終了する。
S605では、大入賞口14の開放中であるか否かを判定し、肯定判定の場合には(S605:Yes)、図15のS650に進み、否定判定の場合には(S605:No)、S610に進む。S610では、大当り遊技における各開閉ラウンドのインターバル中であるか否かを判定する。肯定判定の場合には(S610:Yes)、図15のS670に進み、否定判定の場合には(S610:No)、S615に進む。S615では、大当り遊技の終了演出中であるか否かを判定する。肯定判定の場合には(S615:Yes)、図16のS700に進み、否定判定の場合には(S615:No)、S620に進む。
S620では、大当り遊技における開始演出時間が経過したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S620:Yes)、S625に進み、否定判定の場合には(S620:No)、大当り遊技処理を終了する。S625では、大入賞口14を開放させる大入賞口開放処理を実行し、大当り遊技処理を終了する。
上記のS605の肯定判定から続く図15のS650では、大入賞口14に入賞した遊技球の数が10個となったか否かを判定する。肯定判定の場合には(S650:Yes)、S660に進み、否定判定の場合には(S650:No)、S655に進む。S655では、大入賞口14の開放時間が終了したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S655:Yes)、S660に進み、否定判定の場合には(S655:No)、大当り遊技処理を終了する。S660では、大入賞口14を閉鎖させる大入賞口閉鎖処理を実行し、S665に進む。S665では、大当り遊技の各ラウンドのインターバルを設定する大当りインターバル処理を実行し、大当り遊技処理を終了する。
一方、上記のS610の肯定判定から続くS670では、大当り遊技のインターバル時間が経過したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S670:Yes)、S675に進み、否定判定の場合には(S670:No)、大当り遊技処理を終了する。S675では、最終ラウンド(16ラウンド)の終了か否かを判定し、肯定判定の場合には(S675:Yes)、S680に進み、否定判定の場合には(S675:No)、S685に進む。S680では、大当り遊技を終了させる際の演出を行う大当り終了演出処理を実行し、大当り遊技処理を終了する。S685の大入賞口開放処理では、大入賞口14を開放させる処理を実行し、大当り遊技処理を終了する。
また、上記のS615の肯定判定から続く図16のS700では、終了演出の時間が終了したか否かを判定する。肯定判定の場合には(S700:Yes)、S705に進み、該S705とS710とを順次実行する一方、否定判定の場合には(S700:No)、大当り遊技処理を終了する。S705とS710とでは、役物連続作動装置と条件装置とを停止させ、S715に進む。S715では、大当り遊技後に確率変動状態に移行するか否かを判定する。肯定判定の場合には(S715:Yes)、確率変動状態を継続する大当り抽選の回数(確変回数)を設定し(S720)、確変フラグをセットし(S725)、S730に進む。S730では、大当り遊技後に時短状態とするか否かを判定し、肯定判定の場合には(S730:Yes)、時短状態を継続する大当り抽選の回数(時短回数)を設定すると共に(S735)、時短フラグをセットし(S740)、S745に進む。S745とS750とでは、サブ統合制御装置83に対して、大当り遊技に関する演出を終了させる大当り終了コマンドを送信する処理と、状態指定コマンド送信処理とを実行し、大当り遊技処理を終了する。
次に、主制御装置80で実行する状態情報出力処理を、図17のフローチャートを用いて説明する。この状態情報出力処理は、上記したメインルーチンの出力処理(S160)でコールされるサブルーチンの一つである。
状態情報出力処理では、ホールコンピュータに送られる外部出力用の遊技状態情報と、遊技者による遊技の進行状態を詳細に示す詳細出力用の進行状態情報との二種類の情報を、枠制御装置81へ送信する処理を行う。
外部出力用の遊技状態情報は、図18(A)に示すように、第一遊技状態情報、第二遊技状態情報、および第三遊技状態情報により構成される。第一遊技状態情報は、上記した当否判定処理で当選した大当り又は小当りの内容を示す情報であり、大当りの内容には、当選した大当りの種別(例えば、確変大当りや通常大当りなど)に応じた情報が含まれる。第二遊技状態情報は、大当り遊技中、小当り遊技中、確率変動状態の実行中、時短状態の実行中、又は特別図柄の変動中を示す情報であり、これら各情報に応じて夫々設定されたフラグを参照して確認できる。第三遊技状態情報は、遊技盤2に対して行われた不正行為を示す情報であり、上記したメインルーチンの不正監視処理(S112)で検知された不正行為の内容が含まれる。具体的には、電波センサの検知により不正な電波を検知した情報、磁石センサの検知により不正な磁気を検知した情報、および通常の遊技中に大入賞口14のカウントスイッチ14aが不正な入賞を検知した情報がある。これら不正行為の検知情報は、夫々の不正行為を検知すると有効とされ、遊技店の管理者による解除処理により無効とされる。
また、詳細出力用の進行状態情報は、図18(B)に示すように、複数の情報内容により構成される。具体的には、大当り遊技におけるオープニング中、1〜16回の開閉ラウンド中、開閉ラウンドの大入賞口入賞数、エンディング中、ラウンドインターバル中などのように、大当り遊技における進行状況を詳細に示す情報内容が含まれる。さらに、小当り遊技の進行状況を詳細に示す情報内容、確率変動状態や通常状態における開放延長機能の有無を示す情報内容、第一および第二保留記憶の保留数を示す情報内容なども含まれる。こうした各情報内容は、上記したメインルーチンにおける各処理(始動入賞確認処理、大当り遊技処理など)によって生成または変更された内容を参照することで確認できる。尚、図示しないが、この他にも、一般入賞口15の入賞数、第一および第二保留数、普図保留数、V確入賞などの情報内容も、前記進行状態情報として出力される。
状態情報出力処理は、図17に示すように、上記した第一〜第三遊技状態情報の各情報内容を示す夫々のフラグを参照して、これら情報内容を確認する処理を行う(S800)。そして、S805では、確認した各情報内容を枠制御装置81へ送信する状態情報送信処理を行う。これにより、第一〜第三遊技状態情報に含まれた上記の各情報内容が枠制御装置81へ送られる。尚、枠制御装置81では、主制御装置80から送信された第一〜第三遊技状態情報を受信すると、持球数の情報、ベース値の情報、およびエラー情報(動作異常の発生時に出力される情報)などと共に、CRユニット46を介してホールコンピュータ87へ送信する。
上記S805に続いて、S810が実行され、上記した進行状態情報の各情報内容を確認する処理を行う。そして、S815では、確認した各情報内容を枠制御装置81へ送信する進行情報送信処理を行う。これにより、進行状態情報に含まれた上記の各情報内容が枠制御装置81へ送られる。
尚、こうした本実施例の封入式のパチンコ機1では、図4に示すように、主制御装置80には他の制御装置からの信号は一切入力されない構成となっている。この構成により、主制御装置80に対して不正を働くことが困難であり、高いセキュリティ能力を有するものとできる。そして、ホールコンピュータ87などの外部の制御装置との通信は、枠制御装置81を介して行なわれることから、上記した状態情報出力処理によって、主制御装置80から該枠制御装置81に各情報内容を送信する構成となっている。
次に、本発明の要部について説明する。
本実施例のパチンコ機1は、上述したように、機台の内部に封入した所定個数の遊技球を循環させる封入式の構成であり、枠制御装置81が、該遊技球を循環させる各装置(発射装置31、揚送装置33、研磨装置35など)の駆動制御と、貸球や賞球などに伴う持球数の増減管理等とを行うものである。そして、枠制御装置81が、機台の動作異常を検知すると、該動作異常に対応した処理を行う。尚、本実施例の枠制御装置81は、主制御装置80、CRユニット46、およびホールコンピュータ87からの信号を受信する機能と、該CRユニット46およびホールコンピュータ87に信号を送信する機能とを備えていることから、当該パチンコ機1と外部の制御装置とを連絡する重要な役割を備えた制御装置である。
本実施例のパチンコ機1は、上述したように、機台の内部に封入した所定個数の遊技球を循環させる封入式の構成であり、枠制御装置81が、該遊技球を循環させる各装置(発射装置31、揚送装置33、研磨装置35など)の駆動制御と、貸球や賞球などに伴う持球数の増減管理等とを行うものである。そして、枠制御装置81が、機台の動作異常を検知すると、該動作異常に対応した処理を行う。尚、本実施例の枠制御装置81は、主制御装置80、CRユニット46、およびホールコンピュータ87からの信号を受信する機能と、該CRユニット46およびホールコンピュータ87に信号を送信する機能とを備えていることから、当該パチンコ機1と外部の制御装置とを連絡する重要な役割を備えた制御装置である。
ここで、枠制御装置81により対応される動作異常を、図19に示す。動作異常は、装置異常、球詰まり異常、その他の各種異常、および不正異常に大別され、枠制御装置81に接続された各センサから入力された信号に基づいて検知される。
具体的には、装置異常の遊技球数等表示装置異常は、計数スイッチ62や持球数表示装置61で発生する作動エラー(スイッチ作動不良や表示不良など)であり、該計数スイッチ62と持球数表示装置61とから出力された信号(情報)に基づいて検知される。球磨き装置異常は、研磨装置35で発生する作動エラーであり、研磨モータセンサ109から出力された信号に基づいて検知される。球循環装置異常は、揚送装置33で発生する作動エラーであり、揚送モータ監視センサ114から出力された信号に基づいて検知される。
また、球詰まり異常のアウト球回収異常は、アウト口16から研磨装置35までの回収路で発生する球詰まりエラーであり、アウト球センサ121により検知される。入賞球回収異常は、始動口11,12、大入賞口14、および一般入賞口15から研磨装置35までの回収路で発生する球詰まりエラーであり、入賞球センサ120により検知される。研磨装置通路異常は、研磨装置35の内部で発生する球詰まりエラーであり、揚送入口センサ113による遊技球未検知に基づいて検知される。揚送装置通路異常は、揚送装置33の内部で発生する球詰まりエラーであり、発射入口センサ105による遊技球未検知に基づいて検知される。
また、各種異常のカセット未装着は、研磨装置35が正常に装着されていないことを示すエラーであり、カセットスイッチ108により検知される。遊技球表示オーバーフローは、持球数表示装置61で表示可能な持球数よりも多くの持球数となった場合に発生するエラーであり、持球数表示装置61から出力された信号に基づいて検知される。遊技球数減少および遊技球数増加は、循環させる遊技球の球数が予め設定された適量よりも少ない場合または多い場合のエラーであり、適正量センサ122から出力される信号に基づいて検知される。通信エラーおよび断線エラーは、各センサ、スイッチ、中継端子板、および各装置との通信が不通になるエラーであり、夫々との通信有無に基づいて検知される。
また、不正異常の前枠開放検知は、前枠52が開放されたことを示す異常であり、ガラス枠開放スイッチ125により検知される。内枠開放検知は、内枠70が開放されたことを示す異常であり、内枠開放スイッチ126検知される。鉄球検知は、封入されたステンレス製の遊技球と異なる鉄球が使用されたことを示す異常であり、図示しない検知センサによって検知される。尚、封入する遊技球をステンレス製にすることにより、磁石を用いた不正を防ぐことができる。しかし、鉄球を混入されると該不正が可能となることから、前記した鉄球検知の機能を搭載することで、該鉄球混入による不正を防止する。小球検知は、封入された遊技球よりも小さい球が使用されたことを示す異常であり、図示しない検知センサによって検知される。また、不正電磁波異常は、不正な電波や磁石を検知したことを示す異常であり、磁石センサや電波センサから出力された信号に基づいて主制御装置80によって検知されて、該主制御装置80から送信された検知信号により枠制御装置81が取得する。夜間枠開放検知は、夜間監視スイッチ124により検知される異常である。遊技盤交換検知は、電源復帰時の認証処理で電源遮断前と異なる遊技盤IDを受信した異常であり、図示しない遊技盤IDを受信する装置により検知される。入賞球異常は、通常の遊技中に大入賞口14への入球を検知した異常であり、カウントスイッチ14aから出力された信号に基づいて主制御装置80によって検知されて、枠制御装置81が取得する。不正球貸異常は、CRユニット46により検知される異常であり、CRユニット46から送信された信号により枠制御装置81が取得する。認証不整合検知は、遊技盤2およびCRユニット46との認証処理時に認証IDが不整合であったことを示す異常であり、図示しない認証装置により検知される。
具体的には、装置異常の遊技球数等表示装置異常は、計数スイッチ62や持球数表示装置61で発生する作動エラー(スイッチ作動不良や表示不良など)であり、該計数スイッチ62と持球数表示装置61とから出力された信号(情報)に基づいて検知される。球磨き装置異常は、研磨装置35で発生する作動エラーであり、研磨モータセンサ109から出力された信号に基づいて検知される。球循環装置異常は、揚送装置33で発生する作動エラーであり、揚送モータ監視センサ114から出力された信号に基づいて検知される。
また、球詰まり異常のアウト球回収異常は、アウト口16から研磨装置35までの回収路で発生する球詰まりエラーであり、アウト球センサ121により検知される。入賞球回収異常は、始動口11,12、大入賞口14、および一般入賞口15から研磨装置35までの回収路で発生する球詰まりエラーであり、入賞球センサ120により検知される。研磨装置通路異常は、研磨装置35の内部で発生する球詰まりエラーであり、揚送入口センサ113による遊技球未検知に基づいて検知される。揚送装置通路異常は、揚送装置33の内部で発生する球詰まりエラーであり、発射入口センサ105による遊技球未検知に基づいて検知される。
また、各種異常のカセット未装着は、研磨装置35が正常に装着されていないことを示すエラーであり、カセットスイッチ108により検知される。遊技球表示オーバーフローは、持球数表示装置61で表示可能な持球数よりも多くの持球数となった場合に発生するエラーであり、持球数表示装置61から出力された信号に基づいて検知される。遊技球数減少および遊技球数増加は、循環させる遊技球の球数が予め設定された適量よりも少ない場合または多い場合のエラーであり、適正量センサ122から出力される信号に基づいて検知される。通信エラーおよび断線エラーは、各センサ、スイッチ、中継端子板、および各装置との通信が不通になるエラーであり、夫々との通信有無に基づいて検知される。
また、不正異常の前枠開放検知は、前枠52が開放されたことを示す異常であり、ガラス枠開放スイッチ125により検知される。内枠開放検知は、内枠70が開放されたことを示す異常であり、内枠開放スイッチ126検知される。鉄球検知は、封入されたステンレス製の遊技球と異なる鉄球が使用されたことを示す異常であり、図示しない検知センサによって検知される。尚、封入する遊技球をステンレス製にすることにより、磁石を用いた不正を防ぐことができる。しかし、鉄球を混入されると該不正が可能となることから、前記した鉄球検知の機能を搭載することで、該鉄球混入による不正を防止する。小球検知は、封入された遊技球よりも小さい球が使用されたことを示す異常であり、図示しない検知センサによって検知される。また、不正電磁波異常は、不正な電波や磁石を検知したことを示す異常であり、磁石センサや電波センサから出力された信号に基づいて主制御装置80によって検知されて、該主制御装置80から送信された検知信号により枠制御装置81が取得する。夜間枠開放検知は、夜間監視スイッチ124により検知される異常である。遊技盤交換検知は、電源復帰時の認証処理で電源遮断前と異なる遊技盤IDを受信した異常であり、図示しない遊技盤IDを受信する装置により検知される。入賞球異常は、通常の遊技中に大入賞口14への入球を検知した異常であり、カウントスイッチ14aから出力された信号に基づいて主制御装置80によって検知されて、枠制御装置81が取得する。不正球貸異常は、CRユニット46により検知される異常であり、CRユニット46から送信された信号により枠制御装置81が取得する。認証不整合検知は、遊技盤2およびCRユニット46との認証処理時に認証IDが不整合であったことを示す異常であり、図示しない認証装置により検知される。
枠制御装置81では、こうした動作異常に対応する動作異常対応処理を行う。この動作異常対応処理は、枠制御装置81で定期的(例えば、2ms周期のタイマ割り込み処理)に実行される処理である。動作異常対応処理を、図20のフローチャートを用いて以下に説明する。
動作異常対応処理では、S1000で、動作異常を検知したか否かを判定する。ここで、動作異常の検知は、上述したように、枠制御装置81に中継基板を介して接続された各センサ等からの検知信号に基づいて検知されること、および主制御装置80およびCRユニット46から動作異常を示す検知信号を受信することを示す。そして、動作異常を検知した場合には(S1000:Yes)、S1005へ進み、該動作異常の非検知の場合には(S1000:No)、動作異常対応処理を終了する。
S1005では、異常対応分類処理を実行し、検知した動作異常の情報と、上記した状態情報出力処理により主制御装置80から入力した進行状態情報の内容とに基づいて、電源遮断を伴う対応を行う第一類の組合せか該電源遮断を伴わない対応を行う第二類の組合せかの二種類に分類する。ここで、これら第一類または第二類への分類は、前記動作異常の情報(上記した動作異常の内容)と、進行状態情報に示された情報内容との組み合わせによって行われ、電源遮断を行う第一類の組合せには、動作異常の発生後に遊技を継続することによって遊技者に不利益が生ずる組合せものが該当し、電源遮断しない第二類の組合せには、動作異常の発生後に遊技を継続しても遊技者に不利益が発生しない組合せが該当する。尚、こうした第一類と第二類との分類以外にも、他の分類(例えば、第三類や第四類など)を設定することも可能である。例えば、電源遮断を行い且つ他の対応内容(報知内容など)が異なる第三類や、電源遮断を行わず且つ他の対応内容が異なる第四類を設定できる。また、電源遮断以外の対応内容を複数設定することにより、さらに多くの分類(第五類や第六類など)を設定することも可能である。このように分類の数や分け方は任意に定めることが可能である。
具体例を図21に示す。動作異常の情報が上記した球詰まり異常のいずれか(アウト球回収異常、入賞球回収異常、研磨装置通路異常、揚送装置通路異常)の場合には、進行状態情報の情報内容が、大当りオープニング中、大当り遊技のラウンド間インターバル中、1〜16回の開閉ラウンド中、小当りオープニング中、小当り遊技の開放中のいずれかであると、前記第一類に分類される。一方、前記球詰まり異常の場合に、進行状態情報の情報内容が、大当りエンディング中、小当りエンディング中、確率変動状態/開放延長機能中、開放延長機能無しの確率変動状態、通常状態/開放延長機能中、開放延長機能無しの通常状態、条件装置作動中であると、前記第二類に分類される。また、動作異常の情報が、遊技球数減少または遊技球数増加であった場合には、進行状態情報の情報内容がいずれであっても、前記第二類に分類される。また、動作異常の情報が、断線エラーであった場合には、進行状態情報の情報内容がいずれであっても、前記第一類に分類される。また、動作異常の情報が、閉店時間中に発生した球詰まり異常であった場合には、進行状態情報の情報内容に関わらず、前記第二類に分類される。このように、動作異常の内容によっては進行状態情報を参照すること無く第一類または第二類に分類することもできる。尚、閉店時間中の球詰まり異常は、閉店時間に行われるメンテナンス中に球詰まりが発生することである。
尚、図示しないが他にも、動作異常の情報が、主制御装置80から取得した不正電磁波異常(又は入賞球異常検知)であった場合には、不正行為と判定して、進行状態情報の情報内容がいずれであっても、第一類に分類される。
尚、図示しないが他にも、動作異常の情報が、主制御装置80から取得した不正電磁波異常(又は入賞球異常検知)であった場合には、不正行為と判定して、進行状態情報の情報内容がいずれであっても、第一類に分類される。
上記した異常対応分類処理の後に、S1010を行う。S1010では、該異常対応分類処理の分類結果を参照して、第一類の組合せに分類されたか否かを判定する。ここで、肯定判定の場合には(S1010:Yes)、S1015に進み、否定判定の場合には(S1010:No)、S1025に進む。
S1015では、給電停止処理を行う。給電停止処理は、切替スイッチ95を給電状態から非給電状態に変換作動させて、主制御装置80への電力供給を停止させる処理である。ここで、給電停止処理による切替スイッチ95の変換作動は、上記の遅延回路96を介して作動制御される(図5参照)。この遅延回路96により、切替スイッチ95が非給電状態に変換されるタイミングは、動作異常の検知されたタイミングから、遊技領域3に発射された遊技球がいずれかの入賞口またはアウト口に入球するために十分な時間(例えば、5秒など)が経過した後に発生する。そのため、後述する異常報知処理によりユニット表示装置47で動作異常の報知が開始された後に、切替スイッチ95が非給電状態に変換されて、主制御装置80への電力供給が停止する。また、枠制御装置81は、切替スイッチ95を非給電状態とすることを示す信号を、上記した電源中継基板91にも送信する。電源中継基板91は、この信号を受信すると、バックアップ電源回路92で生成したバックアップ電源を主制御装置80へ供給する。
尚、主制御装置80では、枠制御装置81からの電力供給が停止すると、上記した電源遮断時処理(図6)が行われ、電源遮断前の遊技の状態を示す遊技情報を、RAMに記憶保存する。そして、前記した給電停止を行っても、前記のようにバックアップ電源が供給されることから、RAM内の記憶内容が保存される。
尚、主制御装置80では、枠制御装置81からの電力供給が停止すると、上記した電源遮断時処理(図6)が行われ、電源遮断前の遊技の状態を示す遊技情報を、RAMに記憶保存する。そして、前記した給電停止を行っても、前記のようにバックアップ電源が供給されることから、RAM内の記憶内容が保存される。
続くS1020では、球貸無効処理を行う。球貸無効処理は、後述するユニット表示装置47の貸出操作領域158の操作を無効とする処理である。これにより、上記したクレジット残高から持球への球貸しができないようにしている。尚、この球貸停止処理による球貸し無効の状態は、主制御装置80への給電再開に伴って解除される。このように球貸し操作を無効とすることよって、動作異常の発生後に遊技者が不慮の損失を被ることを可及的に抑制できる。詳述すると、動作異常の内容によっては、計数スイッチ62を操作しても枠制御装置81側の持球数情報をCRユニット46側の持球数情報に移行できなくなることが想定され、また、動作異常の解消までに長時間要する場合も考えられることから、こうした状況により生じ得る前記不慮の損失を、球貸し操作を無効とすることにより未然に防ぐことができる。
S1025では、異常報知処理を行う。異常報知処理では、ユニット表示装置47で動作異常の発生を報知する。ここで、ユニット表示装置47による報知では、給電停止の実行有無および動作異常の情報に応じた報知を行う。そのため、動作異常の情報を表示することに加え、上記の第一パターンの場合には、給電停止することも表示される。このS1025の実行後に、動作異常対応処理を終了する。
一方、枠制御装置81の切替スイッチ95は、電源装置85のメインスイッチのON作動により、非給電状態から給電状態に変換されるようになっている。そのため、上述した動作異常対応処理の給電停止処理により、枠制御装置81が切替スイッチ95を非給電状態にされた場合には、遊技店の係員(所謂、パチンコ機の管理者)が動作異常を解消して、メインスイッチをON操作することにより、該切替スイッチ95が給電状態に変換されて、主制御装置80への給電が再開される。そして、こうして主制御装置80への給電が再開されると、主制御装置80では、上記した電源投入処理(図5)が実行されることから、上記した異常報知処理で給電停止した前の遊技状態から遊技が再開される。尚、前記メインスイッチのON操作によって、上述した球貸し無効の状態も解消される。
ここで、主制御装置80への給電再開は、前記メインスイッチのON操作に限らず、他に専用のエラー解除スイッチを設け、該エラー解除スイッチの操作により行われるようにして良い。例えば、枠制御装置81にエラー解除スイッチを設け、動作異常を解消した後に該スイッチを操作することにより主制御装置80への給電が再開される構成とできる。この構成ならば、枠制御装置81への給電停止を行なう必要が無く、また、第二類に分類された動作異常に対しても解除契機として使用することができる。
ここで、主制御装置80への給電再開は、前記メインスイッチのON操作に限らず、他に専用のエラー解除スイッチを設け、該エラー解除スイッチの操作により行われるようにして良い。例えば、枠制御装置81にエラー解除スイッチを設け、動作異常を解消した後に該スイッチを操作することにより主制御装置80への給電が再開される構成とできる。この構成ならば、枠制御装置81への給電停止を行なう必要が無く、また、第二類に分類された動作異常に対しても解除契機として使用することができる。
次に、上述した動作異常対応処理の異常報知処理によるユニット表示装置47での表示例を、図22〜図25により説明する。
ユニット表示装置47は、タッチパネル式の液晶表示器であり、図22に示すように、その表示画面上に、貸出操作領域158と返却操作領域159とを備える。この貸出操作領域158を遊技者がタッチすることにより、貸出スイッチ58がON作動して、その信号が枠制御装置81へ送信される。同様に、返却操作領域159を遊技者がタッチすることにより、返却スイッチ59がON作動して、その信号が枠制御装置81へ送信される。また、ユニット表示装置47の表示画面上には、持球に交換可能なクレジット残高を示す残高図柄157が表示される。この残高図柄157は、前記貸出操作領域158および返却操作領域159の操作に応じてクレジット残高が増減する毎に、枠制御装置81によって表示内容が更新される。尚、図22は、通常時(動作異常の無い常態)における一例である。
ユニット表示装置47は、タッチパネル式の液晶表示器であり、図22に示すように、その表示画面上に、貸出操作領域158と返却操作領域159とを備える。この貸出操作領域158を遊技者がタッチすることにより、貸出スイッチ58がON作動して、その信号が枠制御装置81へ送信される。同様に、返却操作領域159を遊技者がタッチすることにより、返却スイッチ59がON作動して、その信号が枠制御装置81へ送信される。また、ユニット表示装置47の表示画面上には、持球に交換可能なクレジット残高を示す残高図柄157が表示される。この残高図柄157は、前記貸出操作領域158および返却操作領域159の操作に応じてクレジット残高が増減する毎に、枠制御装置81によって表示内容が更新される。尚、図22は、通常時(動作異常の無い常態)における一例である。
さらに、ユニット表示装置47は、動作異常の情報を示す異常情報図柄161a〜161d、電源遮断を報知する遮断情報図柄162、電源遮断を解説する解説図柄163、遊技者に対応を促す対応図柄164などを備え、枠制御装置81から送信されたコマンドにしたがって適宜選択されて表示される。これら異常情報図柄161a〜161d、遮断情報図柄162、解説図柄163、および対応図柄164は、夫々の内容を示す文字図柄であり、遊技者が各図柄の示す内容を比較的容易に認識できるようになっている。尚、枠制御装置81は、上記した動作異常対応処理の異常報知処理により、動作異常の情報および第一類,第二類の組合せなどに応じて送信するコマンドにより、ユニット表示装置47で表示する前記各種図柄を指示する。
図23(A)は、動作異常対応処理で給電停止処理が実行された場合に、異常報知処理により表示される一例である。具体的には、大当り遊技中(オープニング中、インターバル中、又は開閉ラウンド中)に、球詰まりエラーを検知すると、異常対応分類処理により第一類に分類されることから、枠制御装置81は、前記給電停止処理により切替スイッチ95を非給電状態に変換する作動を行う。これに伴って、枠制御装置81は、前記異常報知処理を実行し、ユニット表示装置47の表示画面に、球詰まりエラーの発生を報知する異常情報図柄(「球詰まり異常発生!」の文字図柄)161a、遮断情報図柄(「遊技盤の電源を落としています!」の文字図柄)162、解説図柄(遊技状態が保存されていること等を示す文字図柄)163を表示する。さらに、給電停止処理の実行時には球貸無効処理も実行することから、貸出操作領域158に、操作無効を示す「×」図柄を表示して、遊技者に球貸しできないことを報知する。さらにまた、ユニット表示装置47の表示画面に、所定のキャラクタ図柄(熊の達吉)167を表示する。このキャラクタ図柄167を表示することで、ユニット表示装置47での異常報知を遊技者に気付き易くさせる。尚、本実施例にあっては、キャラクタ図柄167として、「熊の達吉」の表情の異なる二種類の図柄を備えており、給電停止する場合と給電停止しない場合とで、いずれかを選択的に表示するようにしている。給電停止する場合には、困った表情の「熊の達吉」図柄を表示し、給電停止しない場合には、焦った表情の「熊の達吉」図柄を表示する。
こうしたユニット表示装置47における表示は、上述したようにメインスイッチのON操作に伴って、表示終了する。そして、図22に示す通常時の表示に戻る。これにより、動作異常が解消して遊技を再開できることを、遊技者に示唆できる。
図23(B)は、動作異常対応処理で給電停止処理を実行しない場合に、異常報知処理により表示される一例である。具体的には、通常状態や確率変動状態での遊技中に、球詰まりエラーを検知すると、異常対応分類処理により第二類に分類されることから、給電停止処理および球貸無効処理を実行せずに、異常報知処理を実行する。これにより、ユニット表示装置47の表示画面に、球詰まりエラーの発生を報知する異常情報図柄161aと、対応図柄(「係員をお呼び下さい」の文字図柄)164とを表示する。さらに、上記したキャラクタ図柄(焦った表情の「熊の達吉」)167を表示する。さらにまた、給電停止を実行しない場合には、ユニット表示装置47に予め設けられた呼出操作領域160を有効とし、該呼出操作領域160に、遊技者に操作を促す図柄(「呼出し」の文字図柄)を表示する。この呼出操作領域160を遊技者が操作すると、スピーカから所定の呼出し音を発生させたり、ランプで所定の呼出し光を発光させ、遊技店の係員に動作異常の発生を報知する。尚、こうした表示は、動作異常の解消によって、表示終了し、通常時の表示に戻る。また、呼出操作領域160は、CRユニット46を介して遊技店の島設備の呼出スイッチと電気的に接続される構成とすることもできる。一般的に呼出スイッチは、機台の上方に設けられた情報表示器に配設されており、遊技者によっては遊技を中断して立ち上がって該呼出スイッチを操作する必要があった。これに対して、呼出操作領域160によってユニット表示装置47で呼出可能な構成であれば、前記のように遊技を中断して立ち上がる必要もなく係員を呼ぶことができる。
上述した球詰まりエラー以外の動作異常が発生した場合にあっても、同様に、ユニット表示装置47で表示される。例えば、遊技球数減少エラーを検知した場合には、遊技の進行状態に関わらず、異常対応分類処理により第二類に分類されることから、図24(A)に示すように、ユニット表示装置47の表示画面に、遊技球減少エラーの発生を報知する異常情報図柄(「循環球数過少」の文字図柄)161bと、対応図柄(「係員をお呼び下さい」の文字図柄)164と、キャラクタ図柄(焦った表情の「熊の達吉」)167とを表示すると共に、呼出操作領域160を有効とする。
また、断線エラーを検知した場合には、遊技の進行状態に関わらず、異常対応分類処理により第一類に分類されることから、図24(B)に示すように、断線エラーの発生を報知する異常情報図柄(「断線エラー発生!」の文字図柄)161c、遮断情報図柄162、解説図柄163、およびキャラクタ図柄(困った表情の「熊の達吉」)167を表示する。さらに、貸出操作領域158に、操作無効を示す「×」図柄を表示する。
また、閉店時間中(メンテナンス中)に球詰まりエラーを検知した場合には、異常対応分類処理により第二類に分類されることから、図25(A)に示すように、ユニット表示装置47の表示画面に、球詰まりエラーの発生を報知する異常情報図柄161aと、異常発生箇所を示す図柄165と、キャラクタ図柄167とを表示する。ここで、閉店時間中では、異常発生箇所を示す図柄165が表示されることにより、係員や作業者が異常の発生箇所を容易に特定できるようにしている。尚、この異常発生箇所を示す図柄165は、枠制御装置81が検知した動作異常の情報に応じて選択的に表示される。
また、不正電波の検知によるエラーの場合には、異常対応分類処理により第一類に分類されることから、図25(B)に示すように、電波エラーの発生を報知する異常情報図柄(「電波検知!」の文字図柄)161d、遮断情報図柄162、解説図柄163、およびキャラクタ図柄(困った表情の「熊の達吉」)167を表示する。さらに、貸出操作領域158に、操作無効を示す「×」図柄を表示する。
尚、図23(A)、図24(B)、および図25(B)では、給電停止処理の実行中を示す遮断情報図柄162を表示する一例を示したが、主制御装置80への給電を停止中の場合には遊技盤2で何ら報知できない状態であることから、ユニット表示装置47で給電停止中であることを示す別図柄を表示することもできる。このユニット表示装置47は、機台中央下部に配置されることから、遊技者の視認性が高く、機台の電源が落ちていることを、比較的容易に認識できる。
また、図25(A)で表示した図柄165は、閉店時間中以外の状況で表示してもよく、これにより係員や作業者が速やかに動作異常を解消できるようにすることができる。さらに、閉店時間中の場合には、キャラクタ図柄167を非表示にしたり、開店時間と閉店時間で表示内容を異ならせることも考えられる。閉店時間中は、基本的に、遊技者が操作していない状況と判断できるためである。尚ここで、開店時間、閉店時間は、遊技店により異なったり、営業時間が特別に異なる場合もあることから、遊技店によって設定できる構成が望ましい。
また、断線エラーを検知した場合には、遊技の進行状態に関わらず、異常対応分類処理により第一類に分類されることから、図24(B)に示すように、断線エラーの発生を報知する異常情報図柄(「断線エラー発生!」の文字図柄)161c、遮断情報図柄162、解説図柄163、およびキャラクタ図柄(困った表情の「熊の達吉」)167を表示する。さらに、貸出操作領域158に、操作無効を示す「×」図柄を表示する。
また、閉店時間中(メンテナンス中)に球詰まりエラーを検知した場合には、異常対応分類処理により第二類に分類されることから、図25(A)に示すように、ユニット表示装置47の表示画面に、球詰まりエラーの発生を報知する異常情報図柄161aと、異常発生箇所を示す図柄165と、キャラクタ図柄167とを表示する。ここで、閉店時間中では、異常発生箇所を示す図柄165が表示されることにより、係員や作業者が異常の発生箇所を容易に特定できるようにしている。尚、この異常発生箇所を示す図柄165は、枠制御装置81が検知した動作異常の情報に応じて選択的に表示される。
また、不正電波の検知によるエラーの場合には、異常対応分類処理により第一類に分類されることから、図25(B)に示すように、電波エラーの発生を報知する異常情報図柄(「電波検知!」の文字図柄)161d、遮断情報図柄162、解説図柄163、およびキャラクタ図柄(困った表情の「熊の達吉」)167を表示する。さらに、貸出操作領域158に、操作無効を示す「×」図柄を表示する。
尚、図23(A)、図24(B)、および図25(B)では、給電停止処理の実行中を示す遮断情報図柄162を表示する一例を示したが、主制御装置80への給電を停止中の場合には遊技盤2で何ら報知できない状態であることから、ユニット表示装置47で給電停止中であることを示す別図柄を表示することもできる。このユニット表示装置47は、機台中央下部に配置されることから、遊技者の視認性が高く、機台の電源が落ちていることを、比較的容易に認識できる。
また、図25(A)で表示した図柄165は、閉店時間中以外の状況で表示してもよく、これにより係員や作業者が速やかに動作異常を解消できるようにすることができる。さらに、閉店時間中の場合には、キャラクタ図柄167を非表示にしたり、開店時間と閉店時間で表示内容を異ならせることも考えられる。閉店時間中は、基本的に、遊技者が操作していない状況と判断できるためである。尚ここで、開店時間、閉店時間は、遊技店により異なったり、営業時間が特別に異なる場合もあることから、遊技店によって設定できる構成が望ましい。
本実施例のパチンコ機1は、上述したように、枠制御装置81が動作異常に対応する処理を行うものであるから、遊技球の発射や循環などを制御する該枠制御装置81によって、球詰まり等の動作異常に迅速に対応することができると共に、主制御装置で動作異常に対応する構成に比して、主制御装置80の負荷を軽減することができる。そして、主制御装置80から枠制御装置81への一方向にのみ通信可能な構成であり、外部から主制御装置80にアクセス不能であることから、外部からの不正なアクセスを防止できる。そして、主制御装置80と枠制御装置81との間に不正な基板を取り付ける不正行為(所謂、ぶら下げゴト)を防止する効果も高い。さらに、本実施例は、機台の内部に封入した所定個数の遊技球を循環させる封入式であることから、遊技球を払い出すタイプに無い研磨装置35や揚送装置33で、球詰まり等の動作異常を発生する虞があるものの、該研磨装置35や揚送装置33を制御する枠制御装置81により該動作異常に対応することによって、前記のように迅速かつ適切な対応を行うことができる。
また、本実施例では、検知した動作異常の情報と主制御装置から受信する進行情報との組合せが、遊技者に不利益を生ずる組合せの場合に、主制御装置への電力供給を停止するようにしていることから、動作異常の発生によって遊技者に生ずる不利益を可及的に抑制できる。さらに、前記電力供給を停止する場合には、該停止と動作異常の発生とを報知すると共に、該電力供給を停止しない場合にも、動作異常の発生を報知するようにしていることから、動作異常の発生によって遊技者に想起され得る不信感と不安感とを抑制できる。このように、動作異常が発生した場合に、発生した動作異常と遊技の進行状況とに適した対応を行うことで、該動作異常によって生ずる不利益を効果的に抑制できる。また、主制御装置80は、電力供給の停止の際に、RAM内のデータをバックアップし、電力復帰後に該バックアップしたデータにしたがって遊技を再開することから、動作異常の発生に伴う電力停止によって遊技者が不利益を被ることを、可及的に抑制でき得る。したがって、例え動作異常が生じても、遊技者のパチンコ遊技に対する信頼感を保つことができる。
尚、本実施例では、枠制御装置81を介して主制御装置80へ電力供給する給電回路90を備え、且つ該電力供給を強制的に停止できる切替スイッチ95を該枠制御装置81に設けた構成である。かかる構成によって、上述した動作異常の発生により主制御装置80への電力供給を強制停止させる作動を、枠制御装置81が安定かつ確実に実行できる。
また、本実施例では、枠制御装置81が、CPUと切替スイッチ95との間に遅延回路96を備え(図5参照)、該遅延回路96によって、動作異常の発生タイミングから所定時間だけ遅れて主制御装置80への電力供給を停止させるようにしていることから、動作異常の発生時に遊技領域3に発射されていた遊技球の帰趨が決まった後に、遊技の進行が強制的に停止する。そのため、動作異常の発生後に始動口11,12や大入賞口14への入賞によって生ずる利得を、電力復帰後に遊技者が獲得でき、遊技者の利益が正しく保たれる。さらに、遅延回路96によって電力供給の停止が遅れることによって、該電力供給停止による遊技の停止前に、上記したユニット表示装置47で動作異常の発生が報知される。そのため、遊技者は、事前に、遊技の停止を知得できるため、遊技停止に備えることができるという利点がある。
尚、上述した本実施例にあって、パチンコ機1が、本発明にかかる弾球遊技機に相当する。始動口11,12、大入賞口14、および一般入賞口15が、本発明にかかる入賞口に相当し、該始動口11,12が、特別遊技の実行契機となる所定の入賞口に相当する。始動口11,12および大入賞口14への遊技球の入賞が、入賞口への入球に相当する。研磨装置35、揚送装置33、および回収路が、本発明にかかる球循環手段に相当する。大当り遊技が、本発明にかかる特別遊技に相当し、該大当り遊技による大入賞口14の開閉作動が、本発明にかかる所定の利得に相当する。状態情報出力処理の状態情報送信処理(S805)が、本発明にかかる遊技情報送信手段に相当する。本発明の異常検知手段には、研磨モータセンサ109、揚送モータ監視センサ114、アウト球センサ121、入賞球センサ120、揚送入口センサ113、発射入口センサ105、カセットスイッチ108、適正量センサ122、ガラス枠開放スイッチ、内枠開放スイッチ、磁石センサ、電波センサ、夜間監視スイッチ124などが相当する。動作異常対応処理の給電停止処理(S1015)および異常報知処理(S1025)が、本発明にかかる異常対応処理に相当し、該給電停止処理(S1015)が、本発明にかかる給電停止処理内容に相当する。動作異常対応処理が、本発明にかかる異常対応手段に相当する。切替スイッチ95が、本発明にかかる給電切替手段に相当する。電源遮断処理のバックアップ処理(S80)およびバックアップ電源回路92が、本発明にかかるバックアップ手段に相当し、該バックアップ処理で記憶保持される遊技情報(電源復帰時に電源遮断前の状態から遊技を再開するために必要な情報)が、本発明にかかるバックアップ情報に相当する。動作異常対応処理の異常対応分類処理(S1005)で分類される第一類の組合せ(例えば、大当りOPの進行情報と球詰まり異常の情報との組合せなど)が、本発明にかかる特定の組合せに相当する。
次に、上述した本実施例の別例を以下に説明する。
上述した実施例では、動作異常の情報と遊技の進行情報との組合せによって主制御装置80への電力供給停止を行う構成であるが、該電力供給停止の条件は実施例の組合せに限らず、様々に設定することが可能である。例えば、球詰まりエラーが発生すると、遊技中であれば、主制御装置80への電力供給を停止するように、動作異常の情報を主として該電力供給停止の実行有無を決めるようにしても良い。また、主制御装置80への電力供給を停止する条件を、前記組合せでなく、遊技者に不利益を生ずるか否かを、動作異常の発生と遊技の進行状態とに基づいて設定するようにしても良い。例えば、大当り遊技中に球詰まりエラーが発生すると、前記電力供給を停止するように作動制御する。
また、主制御装置80側で発生した動作異常に対しても、枠制御装置81が対応する構成とすることもできる。具体的には、主制御装置80は、該主制御装置80側で動作異常を検知する盤側異常検知手段と、該盤側異常検知手段により動作異常を検知した場合に、該動作異常の情報を枠制御装置81へ送信する盤側異常情報送信手段とを備え、枠制御装置81は、該動作異常の情報を受信すると、該枠制御装置81側の状況を参照して(動作異常の内容によっては枠制御装置81側の状況に関わりなく)、所定の異常対応処理を実行する。ここで、異常対応処理は、動作異常の内容に応じて複数設定され、主制御装置80から受信した動作異常の情報に基づいて、いずれかが選択的に実行される。こうした構成は、主制御装置80側で発生した動作異常と枠制御装置81側で発生した動作異常とに対応する機能が該枠制御装置81に集約されたものであり、いずれの動作異常にも該枠制御装置81が適正に対応できる。
さらに、枠制御装置81は、CRユニット46からも情報を受信できることから、主制御装置80側で動作異常が発生した際に、CRユニット46からの情報を参照した上で対応する処理(異常対応処理)を選択して実行するようにしても良い。又は、CRユニット46側で動作異常が発生した際に、主制御装置80から受信した遊技の進行情報を参照した上で対応する処理を選択して実行するようにしても良い。ここで、CRユニット46から枠制御装置81へ送信される情報としては、例えば、図26の各情報を設定できる。尚、図26中で、計数可能状態の情報は、枠制御装置81側の持球数情報をCRユニット46側の持球数情報へ移行させる計数処理を実行可能か否かを示す情報であり、球貸指示の情報は、貸出操作領域158(貸出スイッチ58)が操作されたことを枠制御装置81へ通知する情報である。
このような構成は、枠制御装置81で動作異常が発生していない状態であっても、該枠制御装置81以外で発生した動作異常に対して適正に対応できる。そして、本発明によれば、かかる構成を提供することも可能である。
また、CRユニットを介して送られるホールコンピュータからの情報や外部の管理装置からの情報に基づいて異常対応処理を行う構成も考えられる。このように、遊技機外からの情報を参照することにより、もっと広い見地からの対応を選択することができる。
上述した実施例では、動作異常の情報と遊技の進行情報との組合せによって主制御装置80への電力供給停止を行う構成であるが、該電力供給停止の条件は実施例の組合せに限らず、様々に設定することが可能である。例えば、球詰まりエラーが発生すると、遊技中であれば、主制御装置80への電力供給を停止するように、動作異常の情報を主として該電力供給停止の実行有無を決めるようにしても良い。また、主制御装置80への電力供給を停止する条件を、前記組合せでなく、遊技者に不利益を生ずるか否かを、動作異常の発生と遊技の進行状態とに基づいて設定するようにしても良い。例えば、大当り遊技中に球詰まりエラーが発生すると、前記電力供給を停止するように作動制御する。
また、主制御装置80側で発生した動作異常に対しても、枠制御装置81が対応する構成とすることもできる。具体的には、主制御装置80は、該主制御装置80側で動作異常を検知する盤側異常検知手段と、該盤側異常検知手段により動作異常を検知した場合に、該動作異常の情報を枠制御装置81へ送信する盤側異常情報送信手段とを備え、枠制御装置81は、該動作異常の情報を受信すると、該枠制御装置81側の状況を参照して(動作異常の内容によっては枠制御装置81側の状況に関わりなく)、所定の異常対応処理を実行する。ここで、異常対応処理は、動作異常の内容に応じて複数設定され、主制御装置80から受信した動作異常の情報に基づいて、いずれかが選択的に実行される。こうした構成は、主制御装置80側で発生した動作異常と枠制御装置81側で発生した動作異常とに対応する機能が該枠制御装置81に集約されたものであり、いずれの動作異常にも該枠制御装置81が適正に対応できる。
さらに、枠制御装置81は、CRユニット46からも情報を受信できることから、主制御装置80側で動作異常が発生した際に、CRユニット46からの情報を参照した上で対応する処理(異常対応処理)を選択して実行するようにしても良い。又は、CRユニット46側で動作異常が発生した際に、主制御装置80から受信した遊技の進行情報を参照した上で対応する処理を選択して実行するようにしても良い。ここで、CRユニット46から枠制御装置81へ送信される情報としては、例えば、図26の各情報を設定できる。尚、図26中で、計数可能状態の情報は、枠制御装置81側の持球数情報をCRユニット46側の持球数情報へ移行させる計数処理を実行可能か否かを示す情報であり、球貸指示の情報は、貸出操作領域158(貸出スイッチ58)が操作されたことを枠制御装置81へ通知する情報である。
このような構成は、枠制御装置81で動作異常が発生していない状態であっても、該枠制御装置81以外で発生した動作異常に対して適正に対応できる。そして、本発明によれば、かかる構成を提供することも可能である。
また、CRユニットを介して送られるホールコンピュータからの情報や外部の管理装置からの情報に基づいて異常対応処理を行う構成も考えられる。このように、遊技機外からの情報を参照することにより、もっと広い見地からの対応を選択することができる。
また、上述の実施例にあって、動作異常の発生に伴って主制御装置80への電力供給を停止する際に、発射装置31による遊技球の発射も停止させるようにしても良い。具体的には、動作異常対応処理の給電停止処理または球貸停止処理で、発射装置31の発射モータ106への信号送信を強制的に停止させる処理を行う。これにより、主制御装置80への電力供給停止前に遊技領域3への遊技球発射を強制的に停止できるため、動作異常の発生による不利益が増加することを、可及的に抑制できる。
また、上述した実施例にあっては、動作異常の情報と組み合わされる遊技の進行情報を、図18(B)に示す情報内容に定めたが、これに限らず、他の情報内容を使用することもできる。例えば、図19(B)の情報内容に加えて、大当り遊技中の演出内容指定の情報、変動パターンに関する情報、および保留記憶数に関する情報などを用いることも可能である。一例として、変動パターンの情報を用いる構成では、SPリーチ演出を選択する変動パターンであれば第一類に割り当て、ハズレ演出を選択する変動パターンであれば第二類に割り当て、大当りとなる変動パターンであれば第一類に割り当てるようにすることが好適である。こうした構成によれば、遊技者が変動演出から得られる期待度に応じて、動作異常に対する対処が変わることから、遊技者の心理に即した対応を実施できる。
また、大当り遊技でのV入賞を備えた構成では、V入賞する開閉ラウンドの情報や、V入賞したか否かの情報を、遊技の進行情報とすることもできる。ここで、V入賞は、大入賞口14内に設けられた特定領域に遊技球が入賞することにより、大当り遊技が発生する場合の特定領域をV入賞とする場合もあるし、確変機能を備える遊技構成の場合、大当り遊技中に大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞することにより、大当り遊技後に大当り確率が高確率に確率変動する場合の特定領域をV入賞とする場合もある。いずれにしても遊技者に有利な状態を付与する重要な入賞情報となるため、その情報内容によって第一類、第二類い分類することが考えられる。
また、羽根物と言われる構成のように、遊技領域内に遊技球を一時的に貯留可能な構成では、貯留中であるか否かを遊技の進行情報とすることもできる。こうした構成にあって、給電停止により遊技球の貯留を解除する構成では、貯留中の状態ならば第二類として遊技を継続させ、その後に該貯留を解除してV入賞した際に第一類として対応する等、より遊技者が不利益を生じ難い対応を行うようにすることもできる。
このように様々な遊技を行う機台に応じて、遊技の進行情報を設定することが好適である。
また、大当り遊技でのV入賞を備えた構成では、V入賞する開閉ラウンドの情報や、V入賞したか否かの情報を、遊技の進行情報とすることもできる。ここで、V入賞は、大入賞口14内に設けられた特定領域に遊技球が入賞することにより、大当り遊技が発生する場合の特定領域をV入賞とする場合もあるし、確変機能を備える遊技構成の場合、大当り遊技中に大入賞口内の特定領域に遊技球が入賞することにより、大当り遊技後に大当り確率が高確率に確率変動する場合の特定領域をV入賞とする場合もある。いずれにしても遊技者に有利な状態を付与する重要な入賞情報となるため、その情報内容によって第一類、第二類い分類することが考えられる。
また、羽根物と言われる構成のように、遊技領域内に遊技球を一時的に貯留可能な構成では、貯留中であるか否かを遊技の進行情報とすることもできる。こうした構成にあって、給電停止により遊技球の貯留を解除する構成では、貯留中の状態ならば第二類として遊技を継続させ、その後に該貯留を解除してV入賞した際に第一類として対応する等、より遊技者が不利益を生じ難い対応を行うようにすることもできる。
このように様々な遊技を行う機台に応じて、遊技の進行情報を設定することが好適である。
さらに、動作異常の情報と組み合わされる遊技の進行情報に、図18(A)に示すホールコンピュータ87への送信情報を用いることも可能である。こうしたホールコンピュータ87への送信情報を用いると、該送信情報のみで、ホールコンピュータ87への情報を送信する処理と動作異常の対応を選択する処理とを行うことができるため、主制御装置80から枠制御装置81への送信負荷を軽減できる。
また、上述した実施例にあっては、動作異常として、図19に示す装置異常、球詰まり異常、各種異常、および不正電磁波異常を検知対象としたものであるが、これに限らず、他の動作異常を検知可能とする構成としても良い。例えば、CRユニットで検知可能な、カードIDの読み取りエラー、CRユニットのセキュリティエラー等を設定し、これらエラーを検知すると、枠制御装置81へエラー検知の信号を送信する構成とする。こうしたCRユニットにおける動作異常によっても、上述したように、主制御装置80への電力供給停止する作動や、遊技者に報知する作動を選択的に実行できるようにする。尚、CRユニットのエラー情報は、該CRユニットから枠制御装置へ送信される情報(図26参照)によって、該枠制御装置が認識できる。
ここで、枠制御装置81は、主制御装置80とCRユニットとの両方から情報を夫々に受信可能であることから、該枠制御装置81が直接入手できる情報も含めて、総合的に判断して動作異常に対応することが可能である。
例えば、枠制御装置81で球詰りの動作異常を検知し、主制御装置80から大当りオープニングの進行情報を受信しているときに、CRユニット46からICカードの挿入状態を示す情報を受信している場合とICカードの非挿入状態を示す情報を受信している場合とで、枠制御装置81側の持球数情報を移行するか否かを決定して実行するという異常対応処理を行う。又は、カードIDの読み取りエラーが発生している場合に、大当りオープニングの進行情報を受信しているときには、主制御装置80への電力供給を停止する処理を実行するという異常対応処理を行う。このように、枠制御装置81で動作異常が発生していない状態でも、CRユニット46または主制御装置80で動作異常が発生した場合には、該枠制御装置81が夫々の動作異常の情報に基づいて対応処理を行うことができる。これは、全ての情報が集まってくるように構成された枠制御装置81で初めて可能となる機能である。
また、枠制御装置81側の情報よりもCRユニット46から受信した情報を優先して対応する構成もあり得る。例えば、遊技者がトイレ休憩などのために枠制御装置81に持球数情報を保有させたままでICカードを抜いて席を離れた場合に、他の遊技者が持球数情報の残存に気付かずに自分のICカードを挿入すると、枠制御装置81は、記憶しているカードIDと照合を行い、不一致であることにより遊技中断中であることを報知したり、カードIDの不一致を報知したりする対応を実行する構成とできる。こうした構成によれば、遊技者同士のトラブルを未然に防ぐことができる。また、ホールコンピュータから、過度な出玉の数値が出ていることをCRユニットを介して枠制御装置に送信された場合に、主制御装置から更なる賞球が発生した進行情報を受信した場合に枠制御装置が異常と判断して発射を止めたり、主制御装置への電力供給を停止したり、外部の管理装置からセキュリティ上の異常が見られることが送信されてきた場合は、枠制御装置が無条件で発射を停止したり主制御装置への電力供給を停止したり、多様な対応を取ることが可能となる。
ここで、枠制御装置81は、主制御装置80とCRユニットとの両方から情報を夫々に受信可能であることから、該枠制御装置81が直接入手できる情報も含めて、総合的に判断して動作異常に対応することが可能である。
例えば、枠制御装置81で球詰りの動作異常を検知し、主制御装置80から大当りオープニングの進行情報を受信しているときに、CRユニット46からICカードの挿入状態を示す情報を受信している場合とICカードの非挿入状態を示す情報を受信している場合とで、枠制御装置81側の持球数情報を移行するか否かを決定して実行するという異常対応処理を行う。又は、カードIDの読み取りエラーが発生している場合に、大当りオープニングの進行情報を受信しているときには、主制御装置80への電力供給を停止する処理を実行するという異常対応処理を行う。このように、枠制御装置81で動作異常が発生していない状態でも、CRユニット46または主制御装置80で動作異常が発生した場合には、該枠制御装置81が夫々の動作異常の情報に基づいて対応処理を行うことができる。これは、全ての情報が集まってくるように構成された枠制御装置81で初めて可能となる機能である。
また、枠制御装置81側の情報よりもCRユニット46から受信した情報を優先して対応する構成もあり得る。例えば、遊技者がトイレ休憩などのために枠制御装置81に持球数情報を保有させたままでICカードを抜いて席を離れた場合に、他の遊技者が持球数情報の残存に気付かずに自分のICカードを挿入すると、枠制御装置81は、記憶しているカードIDと照合を行い、不一致であることにより遊技中断中であることを報知したり、カードIDの不一致を報知したりする対応を実行する構成とできる。こうした構成によれば、遊技者同士のトラブルを未然に防ぐことができる。また、ホールコンピュータから、過度な出玉の数値が出ていることをCRユニットを介して枠制御装置に送信された場合に、主制御装置から更なる賞球が発生した進行情報を受信した場合に枠制御装置が異常と判断して発射を止めたり、主制御装置への電力供給を停止したり、外部の管理装置からセキュリティ上の異常が見られることが送信されてきた場合は、枠制御装置が無条件で発射を停止したり主制御装置への電力供給を停止したり、多様な対応を取ることが可能となる。
また、ユニット表示装置47で動作異常の発生を報知する表示態様は、上述した実施例に限定されず、様々に設定することができる。例えば、動作異常対応処理で給電停止処理を実行しない場合に、図27に示すように、球詰まりエラーの発生を報知する異常情報図柄161aと、異常発生箇所を示す図柄165と、返却操作領域の操作を促す図柄(「念のため、カードをお取り下さい」の文字図柄)168とを表示する。さらに、ユニット表示装置47に予め設けられた拡大返却操作領域169を有効とする。こうした表示態様によって、動作異常の発生時に、カードの返却を遊技者に促すようにしても良い。
また、上述した実施例は、枠制御装置81に設けた遅延回路96により切替スイッチ95の変換タイミングを所定時間だけ遅らせる構成であるが、これに限らず、遅延回路を備えない構成としても良い。遅延回路の無い構成では、動作異常の検知から直ちに主制御装置への電力供給停止が実行されるようにしても良いし、プログラム処理などにより切替スイッチの変換タイミングを遅らせるようにしても良い。ここで、遅延回路を備えずに切替スイッチの変換タイミングを遅らせる構成としては、枠制御装置81が動作異常対応処理(図20)の異常対応分類処理を行った後、所定時間後(何秒後)又は遊技領域へ発射された遊技球が全て入球した後に、主制御装置80への電力供給を停止する旨を報知し、さらに該報知に伴って該電力供給を停止する処理(切替スイッチを変換する処理)を実行する構成があり得る。さらに、枠制御装置81が発射装置31を強制停止させることで、より短時間で電力供給停止の報知と該電力供給停止の処理とを行うことも可能である。いずれにせよ、切替スイッチの変換をある程度時間をおいてから行うため、遊技者が急な遊技停止によって混乱することを防ぎつつ、電力供給を停止できる。
また、上述した実施例にあっては、動作異常の発生や電源停止の報知をユニット表示装置47で表示するようにした構成であるが、これに限らず、演出図柄表示装置6で表示するようにしても良い。この場合には、枠制御装置からサブ統合制御装置(演出制御装置とも記載)へコマンドを送信可能とする構成とし、上記した異常情報図柄、対応図柄、解説図柄、キャラクタ図柄などを、演出図柄表示装置6で表示させる。このように演出図柄表示装置6で報知することによって、遊技者が動作異常の発生などを一層容易に認識することができる。なお、構成としては、主制御装置、枠制御装置からそれぞれ指示信号がサブ統合制御装置へ送信される構成が考えられる。これならば、主制御装置側で異常を検知した場合は主制御装置から異常報知を指示し、枠制御装置側で異常を検知した場合は枠制御装置からの指示で異常報知を行うことができる。その際に、枠制御装置は主制御装置からの進行情報を参照した上で異常に対する対応内容を選択した上でサブ統合制御装置に異常報知を指示することも考えられる。主制御装置には枠制御装置の進行情報は入力されないため主制御装置側の判断のみでサブ統合制御装置に指示することになる。
また、主制御装置とサブ統合制御装置は接続せず、主制御装置からの指示は枠制御装置を介してサブ統合制御装置に指示される構成でもよい。サブ統合制御装置に複数の制御装置から同時に指示信号が送られてくるような状況を回避させることができる。尚、当然であるが、ユニット表示装置47と演出図柄表示装置6との両方で、こうした動作異常の報知を実施することも可能である。この構成では、主制御装置80への電力供給を停止する対応を行う場合(第一類に分類される対応)に、演出図柄表示装置6で表示できないことから、ユニット表示装置47で異常報知を行う。一方、主制御装置80への電力供給を停止しない対応を行う場合(第二類に分類される対応)には、演出図柄表示装置6で異常報知を行う。このように遊技者が最も注視する箇所で、異常報知を実施できる。また、持球数表示装置にてエラーを報知することも考えられる。ただし、持球数という重要なデータを表示する箇所であるため、表示する際は持球数と交互にエラー内容を表示する事が考えられる。また、本実施例では7セグ表示器であるため、表示内容に制限があることから、エラー内容をコード化してエラーコードを表示する構成にすることが考えられる。コード化することにより簡潔な表示により的確にエラー内容を報せることができる。
また、主制御装置とサブ統合制御装置は接続せず、主制御装置からの指示は枠制御装置を介してサブ統合制御装置に指示される構成でもよい。サブ統合制御装置に複数の制御装置から同時に指示信号が送られてくるような状況を回避させることができる。尚、当然であるが、ユニット表示装置47と演出図柄表示装置6との両方で、こうした動作異常の報知を実施することも可能である。この構成では、主制御装置80への電力供給を停止する対応を行う場合(第一類に分類される対応)に、演出図柄表示装置6で表示できないことから、ユニット表示装置47で異常報知を行う。一方、主制御装置80への電力供給を停止しない対応を行う場合(第二類に分類される対応)には、演出図柄表示装置6で異常報知を行う。このように遊技者が最も注視する箇所で、異常報知を実施できる。また、持球数表示装置にてエラーを報知することも考えられる。ただし、持球数という重要なデータを表示する箇所であるため、表示する際は持球数と交互にエラー内容を表示する事が考えられる。また、本実施例では7セグ表示器であるため、表示内容に制限があることから、エラー内容をコード化してエラーコードを表示する構成にすることが考えられる。コード化することにより簡潔な表示により的確にエラー内容を報せることができる。
また、上述した本実施例にあっては、電源装置85と枠制御装置81との間に電源中継基板91を設け、該電源中継基板91にバックアップ電源回路92を設けた構成であるが、これに限定されず、バックアップ電源を生成する回路(装置)を電源中継基板91と別に設けることもできる。
例えば、バックアップ電源回路を、電源装置85に設けても良いし、主制御装置80や枠制御装置81にバックアップ電源回路を設けても良い。又は、主制御装置80と枠制御装置81とを中継する電源中継基板を設け、該電源中継基板にバックアップ電源回路を設けることもできる。さらに、電源装置85、電源中継基板91、主制御装置80、枠制御装置81、および前記電源中継基板の全て又は複数にバックアップ電源回路を設けた構成としても良い。いずれにせよ、上述のように主制御装置80や枠制御装置81の情報をバックアップできるならば、前記いずれの構成を採用することも可能である。尚、前記した主制御装置80と枠制御装置81とを中継する電源中継基板は、遊技盤2をドロワコネクタを介して内枠70に接続する構成の場合、そこに設けられる。また、電源装置85、主制御装置80、および枠制御装置81にバックアップ電源回路を設ける構成では、電源中継基板を配設しないことも可能である。
また、主制御装置80への電源供給状態と非供給状態へ切り替えるための手段(切替スイッチ)を、枠制御装置81でなく、電源中継基板91や電源装置85に設けることも可能である。
また、本実施例では、メインスイッチのOFFや停電による電源遮断を監視する電源断監視回路(図5参照)を、電源装置85に配設した構成であるが、これに限定されず、電源断監視回路を電源中継基板91に設けても良いし、主制御装置80や枠制御装置81に設けても良い。又は、電源装置85、電源中継基板91、主制御装置80、および枠制御装置81の全て又は複数に設けた構成としても良い。いずれの構成であっても、本実施例を好適に実施できる。
例えば、バックアップ電源回路を、電源装置85に設けても良いし、主制御装置80や枠制御装置81にバックアップ電源回路を設けても良い。又は、主制御装置80と枠制御装置81とを中継する電源中継基板を設け、該電源中継基板にバックアップ電源回路を設けることもできる。さらに、電源装置85、電源中継基板91、主制御装置80、枠制御装置81、および前記電源中継基板の全て又は複数にバックアップ電源回路を設けた構成としても良い。いずれにせよ、上述のように主制御装置80や枠制御装置81の情報をバックアップできるならば、前記いずれの構成を採用することも可能である。尚、前記した主制御装置80と枠制御装置81とを中継する電源中継基板は、遊技盤2をドロワコネクタを介して内枠70に接続する構成の場合、そこに設けられる。また、電源装置85、主制御装置80、および枠制御装置81にバックアップ電源回路を設ける構成では、電源中継基板を配設しないことも可能である。
また、主制御装置80への電源供給状態と非供給状態へ切り替えるための手段(切替スイッチ)を、枠制御装置81でなく、電源中継基板91や電源装置85に設けることも可能である。
また、本実施例では、メインスイッチのOFFや停電による電源遮断を監視する電源断監視回路(図5参照)を、電源装置85に配設した構成であるが、これに限定されず、電源断監視回路を電源中継基板91に設けても良いし、主制御装置80や枠制御装置81に設けても良い。又は、電源装置85、電源中継基板91、主制御装置80、および枠制御装置81の全て又は複数に設けた構成としても良い。いずれの構成であっても、本実施例を好適に実施できる。
尚、上述した別例は、夫々独立した構成とする他に、複数の別例を組み合わせた構成とすることも、当然ながら可能である。
1 パチンコ機(弾球遊技機)
2 遊技盤
3 遊技領域
11 第一始動口(入賞口)
12 第二始動口(入賞口)
14 大入賞口(入賞口)
15 一般入賞口(入賞口)
16 アウト口
31 発射装置
33 揚送装置
35 研磨装置
80 主制御装置
81 枠制御装置
85 電源装置
90 給電回路
95 切替スイッチ
2 遊技盤
3 遊技領域
11 第一始動口(入賞口)
12 第二始動口(入賞口)
14 大入賞口(入賞口)
15 一般入賞口(入賞口)
16 アウト口
31 発射装置
33 揚送装置
35 研磨装置
80 主制御装置
81 枠制御装置
85 電源装置
90 給電回路
95 切替スイッチ
Claims (1)
- 遊技領域を流下する遊技球が入球可能な入賞口とアウト口とを備えた遊技盤と、
該遊技領域へ遊技球を発射する発射装置と、
前記入賞口またはアウト口に入球した遊技球を回収して、前記発射装置へ再供給する球循環手段と
を備え、機台の内部に封入された所定個数の遊技球を循環させる弾球遊技機において、
所定の前記入賞口への遊技球の入球を契機として、遊技者に所定の利得を供与する特別遊技を実行制御する主制御装置と、
該主制御装置から信号を受信可能かつ該主制御装置へ信号を送信不能に設けられ、前記発射装置および球循環手段を作動制御する枠制御装置と
を備えてなり、
前記主制御装置は、遊技の進行状態を示す進行情報を、所定契機で前記枠制御装置へ送信する遊技情報送信手段を備え、
前記枠制御装置は、
少なくとも遊技者の遊技媒体を管理する外部装置からの情報を受信するための外部通信手段と、
動作異常を検知する異常検知手段と、
該異常検知手段により動作異常を検知すると、当該動作異常の情報、前記主制御装置から受信した進行情報および前記外部装置からの情報とに基づいて、所定の異常対応処理を実行する異常対応手段と
を備えてなるものであることを特徴とする弾球遊技機。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017141011A JP2019017859A (ja) | 2017-07-20 | 2017-07-20 | 弾球遊技機 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2017141011A JP2019017859A (ja) | 2017-07-20 | 2017-07-20 | 弾球遊技機 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2019017859A true JP2019017859A (ja) | 2019-02-07 |
Family
ID=65353956
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2017141011A Pending JP2019017859A (ja) | 2017-07-20 | 2017-07-20 | 弾球遊技機 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2019017859A (ja) |
-
2017
- 2017-07-20 JP JP2017141011A patent/JP2019017859A/ja active Pending
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