(パチンコ遊技機1)
(パチンコ遊技機1の構成等)
図1は、パチンコ遊技機1の正面図であり、主要部材の配置レイアウトを示す。パチンコ遊技機(遊技機)1は、大別して、遊技盤面を構成する遊技盤(ゲージ盤)2と、遊技盤2を支持固定する遊技機用枠(台枠)3とから構成されている。遊技盤2には、遊技領域が形成され、この遊技領域には、遊技媒体としての遊技球が、所定の打球発射装置から発射されて打ち込まれる。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の右側方)には、複数種類の特別識別情報としての特別図柄(特図ともいう。)の可変表示(特図ゲームともいう)を行う、第1特別図柄表示装置4Aと、第2特別図柄表示装置4Bとが設けられている。これらは、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄は、「0」〜「9」を示す数字や「−」などの点灯パターンなどであればよい。特別図柄には、LEDを全て消灯したパターンが含まれてもよい。
なお、特別図柄の「可変表示」とは、例えば、複数種類の特別図柄を更新表示などにより変動させる(変動可能に表示する)ことである(後述の他の図柄の可変表示についても同じ)。可変表示の最後には、表示結果(可変表示結果)として所定の特別図柄が停止表示(導出表示などともいう)される(後述の他の可変表示についても同じ)。なお、図柄(特に、後述の飾り図柄)の変動として、スクロール表示、変形、拡大/縮小などが行われてもよい。
なお、以下では、第1特別図柄表示装置4Aにおいて可変表示される特別図柄を「第1特図」ともいい、第2特別図柄表示装置4Bにおいて可変表示される特別図柄を「第2特図」ともいう。また、第1特図を用いた特図ゲームを「第1特図ゲーム」といい、第2特図を用いた特図ゲームを「第2特図ゲーム」ともいう。
遊技盤2における遊技領域の中央付近には画像表示装置5が設けられている。画像表示装置5は、例えばLCD(液晶表示装置)等から構成され、各種の演出画像を表示する表示領域を形成している。
画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲームや第2特図ゲームと同期して、特別図柄とは異なる複数種類の装飾識別情報としての飾り図柄(数字などを示す図柄など)の可変表示が行われる。一例として、画像表示装置5の画面上では、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームに同期して、「左」、「中」、「右」の各飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおいて飾り図柄の可変表示(例えば上下方向のスクロール表示や更新表示)が行われる。
画像表示装置5の画面上には、表示エリア5Hも配置されている。表示エリア5Hには、実行が保留されている特図ゲーム(飾り図柄の可変表示)に対応する第1保留表示画像(ここでは、丸の画像)、第2保留表示画像(ここでは、丸の画像)が表示される。第1保留表示画像は、実行が保留されている第1特図ゲーム(飾り図柄の可変表示)を示し、表示エリア5Hのうち向かって左側の領域に右詰めで表示される。第2保留表示画像は、実行が保留されている第2特図ゲーム(飾り図柄の可変表示)を示し、表示エリア5Hのうち向かって右側の領域に左詰めで表示される。
なお、特図ゲームの保留数は、特図保留記憶数ともいう。特に、第1特図ゲームの保留数を、第1特図保留記憶数という。第2特図ゲームの保留数を、第2特図保留記憶数という。第1保留表示画像の数により、第1特図保留記憶数が示され、第2保留表示画像の数により、第2特図保留記憶数が示される。第1保留表示画像及び第2保留表示画像を総称して、総称して保留表示画像ということがある。
保留されている第1特図ゲームが実行(消化)されたときには、すでに表示されている各第1保留表示画像が右にシフトし、最も右の第1保留表示画像(消化される第1特図ゲームに対応した画像)は、消去される。保留されている第2特図ゲームが実行(消化)されたときには、すでに表示されている各第2保留表示画像が左にシフトし、最も左の第2保留表示画像(消化される第2特図ゲームに対応した画像)は、消去される。
また、特図保留記憶数を特定可能に表示するための第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとが設けられている。第1保留表示器25Aと第2保留表示器25Bとはそれぞれ、複数のLEDを含んで構成され、LEDの点灯個数によって、第1特図保留記憶数と第2特図保留記憶数とを表示する。
画像表示装置5の下方には、普通入賞球装置6Aと、普通可変入賞球装置6Bとが設けられている。
普通入賞球装置6Aは、例えば所定の玉受部材によって常に遊技球が進入可能な一定の開放状態に保たれる第1始動入賞口を形成する。第1始動入賞口に遊技球が進入したときには、第1始動口スイッチ22A(図2参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される(このときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第1特図ゲームが開始され得る。)。
普通可変入賞球装置6Bは、普通電動役物用のソレノイド81(図2参照)によって垂直位置となる閉鎖状態と傾動位置となる開放状態とに変化する一対の可動翼片を有する電動チューリップ型役物(普通電動役物)を備え、第2始動入賞口を形成する。普通可変入賞球装置6Bは、例えば、ソレノイド81がオフ状態であるときに可動翼片が垂直位置となることにより、当該可動翼片の先端が普通入賞球装置6Aに近接し、第2始動入賞口に遊技球が進入しない閉鎖状態になる(第2始動入賞口が閉鎖状態になるともいう。)。その一方で、普通可変入賞球装置6Bは、ソレノイド81がオン状態であるときに可動翼片が傾動位置となることにより、第2始動入賞口に遊技球が進入できる開放状態になる(第2始動入賞口が開放状態になるともいう。)。第2始動入賞口に遊技球が進入したときには、第2始動口スイッチ22B(図2参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される(このときには、所定個(例えば3個)の賞球が払い出されるとともに、第2特図ゲームが開始され得る。)。
普通入賞球装置6Aと普通可変入賞球装置6Bの下方には、特別可変入賞球装置7が設けられている。特別可変入賞球装置7は、大入賞口扉用となるソレノイド82(図2参照)によって開閉駆動される大入賞口扉を備え、その大入賞口扉によって開放状態と閉鎖状態とに変化する特定領域としての大入賞口を形成する。
一例として、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオフ状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を閉鎖状態として、遊技球が大入賞口に進入(例えば、通過)できなくなる。その一方で、特別可変入賞球装置7では、大入賞口扉用のソレノイド82がオン状態であるときに大入賞口扉が大入賞口を開放状態として、遊技球が大入賞口に進入しやすくなる。
大入賞口に遊技球が進入したときには、カウントスイッチ23(図2参照)がオンし、これによって、当該遊技球の進入が検出される。このときには、所定個数(例えば14個)の遊技球が賞球として払い出される。こうして、大入賞口に遊技球が進入したときには、例えば第1始動入賞口や第2始動入賞口に遊技球が進入したときよりも多くの賞球が払い出される。
遊技盤2の所定位置(図1に示す例では、遊技領域の左側方)には、普通図柄表示器20が設けられている。一例として、普通図柄表示器20は、7セグメントのLEDなどからなり、特別図柄とは異なる複数種類の普通識別情報としての普通図柄(「普図」あるいは「普通図」ともいう)の可変表示を行う。このような普通図柄の可変表示は、普図ゲーム(「普通図ゲーム」ともいう)ともいう。
普図ゲームは、遊技球が通過ゲート41を通過したことに基づいて実行される。遊技球が通過ゲート41を通過したときには、図2のゲートスイッチ21がオンになり、これにより当該遊技球の通過が検出される。
普通図柄表示器20の上方には、普図保留表示器25Cが設けられている。普図保留表示器25Cは、例えば4個のLEDを含んで構成され、実行が保留されている普図ゲームの数である普図保留記憶数をLEDの点灯個数により表示する。
遊技盤2の表面には、上記の構成以外にも、遊技球の流下方向や速度を変化させる風車及び多数の障害釘が設けられている。遊技領域の最下方には、いずれの入賞口にも進入しなかった遊技球が取り込まれるアウト口が設けられている。
遊技機用枠3の左右上部位置には、効果音等を再生出力するためのスピーカ8L、8Rが設けられており、さらに遊技領域周辺部には、遊技効果用の遊技効果ランプ9が設けられている。遊技効果ランプ9は、LEDを含んで構成されている。
遊技機用枠3の右下部位置には、遊技媒体としての遊技球を打球発射装置により遊技領域に向けて発射するために遊技者等によって操作される打球操作ハンドル(操作ノブ)が設けられている。
遊技領域の下方における遊技機用枠3の所定位置には、賞球として払い出された遊技球や所定の球貸機により貸し出された遊技球を、打球発射装置へと供給可能に保持(貯留)する上皿(打球供給皿)が設けられている。遊技機用枠3の下部には、上皿から溢れた余剰球などを、パチンコ遊技機1の外部へと排出可能に保持(貯留)する下皿が設けられている。
パチンコ遊技機1には、例えば図2に示すような主基板11、演出制御基板12、音声制御基板13、ランプ制御基板14、中継基板15などが搭載されている。その他にも、パチンコ遊技機1における遊技盤などの背面には、例えば払出制御基板、情報端子基板、発射制御基板、電源基板などといった、各種の基板が配置されている。
主基板11は、メイン側の制御基板であり、パチンコ遊技機1における遊技の進行(特図ゲーム、普図ゲームの実行など)を制御する機能(演出制御基板12に向けて演出制御コマンドを送信する機能を含む。)を有する。主基板11は、遊技制御用マイクロコンピュータ100、スイッチ回路110、ソレノイド回路111などを有する。
主基板11に搭載された遊技制御用マイクロコンピュータ100は、例えば1チップのマイクロコンピュータであり、ROM(Read Only Memory)101と、RAM(Random Access Memory)102と、CPU(Central Processing Unit)103と、乱数回路104と、I/O(Input/Output port)105とを備える。
一例として、CPU103がROM101に記憶されたプログラムを実行することにより、主基板11の機能(遊技の進行の制御)を実現する。このとき、ROM101が記憶する各種データ(変動パターン、演出制御コマンド、各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM102がメインメモリとして使用される。
乱数回路104は、遊技の進行を制御するときに使用される各種の乱数値(遊技用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。遊技用乱数は、CPU103が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
I/O105は、例えば各種信号が入力される入力ポートと、各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
CPU103は、I/O105を介して、第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、普通図柄表示器20、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、普図保留表示器25Cなどを制御(駆動)する信号を出力し、これらを制御する。
スイッチ回路110は、遊技球検出用の各種スイッチ(ゲートスイッチ21、始動口スイッチ(第1始動口スイッチ22Aおよび第2始動口スイッチ22B)、カウントスイッチ23)からの検出信号(遊技媒体が通過又は進入してスイッチがオンになったことを示す検出信号など)を取り込んで遊技制御用マイクロコンピュータ100に伝送する。
ソレノイド回路111は、遊技制御用マイクロコンピュータ100からのソレノイド駆動信号(例えば、ソレノイド81やソレノイド82をオンする信号など)を、普通電動役物用のソレノイド81や大入賞口扉用のソレノイド82に伝送する。
主基板11(遊技制御用マイクロコンピュータ100)から演出制御基板12に向けて伝送される演出制御コマンドは、中継基板15によって中継される。
演出制御基板12は、主基板11とは独立したサブ側の制御基板であり、中継基板15を介して主基板11から伝送された演出制御コマンドを受信し、受信した演出制御コマンドに基づいて各種の演出(飾り図柄の可変表示を含む。)を実行する機能を有する。
演出制御基板12には、演出制御用CPU120と、ROM121と、RAM122と、表示制御部123と、乱数回路124と、I/O125とが搭載されている。
一例として、演出制御用CPU120がROM121に記憶されたプログラムを実行することにより、演出制御基板12の機能(演出の実行)を実現する。このとき、ROM121が記憶する各種データ(演出制御パターンに用いるデータや各種テーブルなどのデータ)が用いられ、RAM122がメインメモリとして使用される。
表示制御部123は、演出制御用CPU120からの表示制御指令に基づき、画像表示装置5において表示する演出画像の映像信号を出力し、画像表示装置5に演出画像を表示する。一例として、表示制御部123には、VDP(Video Display Processor)、CGROM(Character Generator ROM)、VRAM(Video RAM)などが搭載されていればよい。
乱数回路124は、演出動作を制御するときに使用される各種の乱数値(演出用乱数)を示す数値データを更新可能にカウントする。演出用乱数は、演出制御用CPU120が所定のコンピュータプログラムを実行することで更新されるもの(ソフトウェアで更新されるもの)であってもよい。
演出制御基板12に搭載されたI/O125は、例えば主基板11などから伝送された演出制御コマンドを取り込むための入力ポートと、各種信号を伝送するための出力ポートとを含んで構成される。
音声制御基板13は、演出制御基板12からの効果音信号に基づき、スピーカ8L、8Rから音声(効果音信号が指定する音声)を出力させる機能を有する。
ランプ制御基板14は、演出制御基板12からの電飾信号に基づき、遊技効果ランプ9の点灯/消灯駆動(電飾信号が示す駆動内容による点灯/消灯)を行う機能を有する。
画像表示装置5は、液晶パネル、ELパネルなどからなる表示パネルと、当該表示パネルを駆動するドライバ回路などを備える。表示制御部123からI/O125を介して画像表示装置5に供給された映像信号は、前記ドライバ回路に入力される。ドライバ回路は、当該映像信号が表す画像を表示パネルに表示させる。これによって、画像表示装置5には、各種の演出画像などが表示されることになる。
(遊技の進行や演出の進行など)
パチンコ遊技機1が備える打球操作ハンドルへの遊技者による回転操作により、遊技媒体(遊技球)が遊技領域に向けて発射される。
遊技領域を流下した遊技球が通過ゲート41を通過したときには、普図ゲーム(普通図柄の可変表示)が開始される。なお、すでに他の普図ゲームが実行されている、下記の開放制御中など、普図ゲームを開始できないとき(開始条件が成立していないとき)には、4つなどを上限として普図ゲームの実行は保留される。保留された普図ゲームは、当該普図ゲームを開始できる開始条件の成立(他の普図ゲームが実行されておらず、開放制御中でもないなど)により実行される。普図保留記憶数が上限値に達しているときに遊技球が通過ゲート41を通過したときには、当該普図保留記憶数は増えないで、当該通過は無効化される。
普図ゲームで停止表示される可変表示結果には、普図当り図柄(例えば、「7」などの普図)と、普図ハズレ図柄(例えば、「−」などの普図)と、がある。普図当り図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「普図当り」のときである。普図ハズレ図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「普図ハズレ」のときである。
「普図当り」のときには、普通可変入賞球装置6Bの可動翼片を所定期間傾動位置とする開放制御(第2始動入賞口が開放状態になる。)が行われる。「普図ハズレ」のときには、前記開放制御は行われない。
遊技領域を流下した遊技球が、普通入賞球装置6Aに形成された第1始動入賞口に進入したときには、第1特図ゲームが開始される。また、遊技球が、普通可変入賞球装置6Bに形成された第2始動入賞口に進入したときには、第2特図ゲームが開始される。なお、すでに他の特図ゲームが実行中である、後述の大当り遊技状態に制御されているときなど、特図ゲームを開始できないとき(開始条件が成立していないとき)には、それぞれ4つなどを上限として特図ゲームの実行は保留される。保留された特図ゲームは、特図ゲームを開始できる開始条件の成立(他の特図ゲームが実行されておらず、大当り遊技状態中でもないなど)により実行される。
第1特図保留記憶数が上限値に達しているときに遊技球が第1始動入賞口を進入したときには、当該第1特図保留記憶数は増えないで、当該進入は無効化される(賞球はあってもよい)。第2特図保留記憶数が上限値に達しているときに遊技球が第2始動入賞口を進入したときには、当該第2特図保留記憶数は増えないで、当該進入は無効化される(賞球はあってもよい)。
第1特図保留記憶数を増やす遊技球の第1始動入賞口への進入(入賞)を第1始動入賞ともいう。第2特図保留記憶数を増やす遊技球の第2始動入賞口への進入(入賞)を第2始動入賞ともいう。これら入賞を総称して単に始動入賞ともいう。
特図ゲームで停止表示される可変表示結果には、大当り図柄(例えば、「3」、「7」などの特図)と、ハズレ図柄(例えば、「−」などの特図)と、がある。大当り図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「大当り」のときである。ハズレ図柄が停止表示(導出)されるときは、可変表示結果が「ハズレ」のときである。
第1特図ゲーム又は第2特図ゲームの可変表示結果が「大当り」(特定表示結果)のときには、遊技者にとって有利な有利状態としての大当り遊技状態に制御される。可変表示結果が「ハズレ」のときには、大当り遊技状態には制御されない。
大当り遊技状態では、特別可変入賞球装置7により形成される大入賞口が開放状態となる。当該開放状態は、所定期間(例えば29秒間)の経過タイミングと、大入賞口に進入した遊技球の数が所定個数(例えば9個)に達するまでのタイミングと、のうちのいずれか早いタイミングまで継続される。このような開放状態をラウンド遊技(単に「ラウンド」ともいう)という。大当り遊技状態では、当該ラウンド遊技が、所定の上限回数(例えば「15回」)に達するまで繰返し実行される(ラウンド遊技以外の期間では、大入賞口が閉鎖する。)。
「大当り」には、「非確変」、「確変」という大当り種別が設定されている。大当り種別が「非確変」のときには、「3」の大当り図柄が停止表示される。大当り種別が「確変」のときには、「7」の大当り図柄が停止表示される。
なお、大当り種別が「確変」のときの「大当り」を「確変大当り」、大当り種別が「非確変」のときの「大当り」を「非確変大当り」ということがある。また、「確変大当り」に基づく大当り遊技状態を「確変大当り遊技状態」ということがある。また、「非確変大当り」に基づく大当り遊技状態を「非確変大当り遊技状態」ということがある。
確変大当り遊技状態が終了した後には、可変表示結果が「大当り」となる確率(大当り確率)が通常状態よりも高くなる確変状態に制御される。確変状態は、次回の大当り遊技状態が開始されるまで継続する。
確変大当り遊技状態又は非確変大当り遊技状態が終了した後には、平均的な可変表示時間(可変表示の期間)が通常状態よりも短くなる時短状態に制御される。時短状態は、所定回数(この実施の形態では、100回)の特図ゲームが実行されたことと、次回の大当り遊技状態が開始されたことのうち、いずれか一方の終了条件が先に成立するまで、継続する。
なお、時短状態では、通常状態などの時短状態になっていない非時短状態よりも第2始動入賞口に遊技球が進入しやすい有利変化態様で、普通可変入賞球装置6Bを開放状態と閉鎖状態とに変化させてもよい。例えば、普図ゲームにおける普通図柄の変動時間(普図の可変表示の期間であり、普図変動時間ともいう。)を通常状態のときよりも短くする制御や、各回の普図ゲームで可変表示結果が「普図当り」となる確率を通常状態のときよりも向上させる制御などにより、普通可変入賞球装置6Bを有利変化態様で開放状態と閉鎖状態とに変化させればよい。このような制御は、高開放制御(「時短制御」あるいは「高ベース制御」ともいう)と称される。こうした時短状態に制御されることにより、次に可変表示結果が「大当り」となるまでの所要時間が短縮され、遊技状態は、通常状態よりも遊技者にとって有利な状態となる。
なお、通常状態とは、大当り遊技状態等の有利状態や、時短状態や、確変状態等の遊技者にとって有利な状態以外の遊技状態のことであり、普図ゲームにおける可変表示結果が「普図当り」となる確率及び特図ゲームにおける可変表示結果が「大当り」となる確率などのパチンコ遊技機1が、パチンコ遊技機1の初期設定状態(例えばシステムリセットが行われた場合のように、電源投入後に所定の復帰処理を実行しなかったとき)と同一に制御される状態である。
時短状態は、「高ベース」などともいわれ、時短状態でない遊技状態は、「低ベース」「非時短状態」などともいわれる。確変状態は、「高確」などともいわれ、確変状態でない遊技状態は、「低確」、「非確変」などともいわれる。
画像表示装置5に設けられた「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rでは、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームが開始されることに対応して、飾り図柄の可変表示(これも演出の一種である。)が開始される。第1特図ゲームや第2特図ゲームにおいて可変表示結果(確定特別図柄ともいう。)が停止表示されるタイミングでは、飾り図柄の可変表示の表示結果(可変表示結果)となる確定飾り図柄(3つの飾り図柄の組合せ)も停止表示(導出表示)される。
飾り図柄の可変表示が開始されてから終了するまでの期間では、飾り図柄の可変表示態様が所定のリーチ態様となる(リーチが成立する)ことがある。ここで、リーチ態様とは、画像表示装置5の画面上にて停止表示された飾り図柄が後述の大当り組合せの一部を構成しているときに未だ停止表示されていない飾り図柄(「リーチ変動図柄」ともいう)については変動が継続している表示態様などのことである。
また、この実施の形態では、可変表示中に上記リーチ態様となったことに対応してリーチ演出が実行される。リーチ演出として、演出態様がそれぞれ異なるノーマルリーチ、スーパーリーチA、スーパーリーチBが用意されている。この実施の形態では、大当り期待度は、スーパーリーチB>スーパーリーチA>ノーマルリーチの順で高い。
大当り期待度は、例えば、特図ゲームの可変表示結果が「大当り」となる割合であり、特図ゲームに同期して実行される飾り図柄の可変表示の表示結果が後述の「大当り」となる割合でもある。
また、リーチが成立する前に「擬似連」が実行されることがある。「擬似連」は、「左」、「中」、「右」の飾り図柄すべてを、一旦仮停止表示させた後、再び変動させることを、所定回(例えば最大3回まで)行う演出である。以下での説明における再変動の回数とは、飾り図柄が最初に仮停止するまでの初回変動を除く、飾り図柄が再変動する回数である。擬似連では、再変動の回数が多いほど、大当り期待度は高い。なお、仮停止される飾り図柄は、それまで変動表示されていた図柄でもよいし、それまで変動表示されていた図柄とは異なる図柄(例えば擬似連専用の図柄)でもよい。
また、この実施の形態では、飾り図柄の可変表示中にレース演出(図24、図25)が実行される。レース演出は、大当り期待度の異なる2人のランナーのキャラクター(ここでは、色により区別される)がレース(競走)を行い、いずれか一方が勝つことにより、実行中の可変表示の大当り期待度を報知する演出である(勝ったランナーが有する大当り期待度が今回の大当り期待度として報知される)。なお、レース演出は、いずれか一方のランナーを勝たせる演出であり、当該一方のランナーを選択する選択演出の一種でもある。また、レース演出では、登場する両ランナーがレースを中止することがある(いずれもが選択されない態様)。
さらに、この実施の形態では、一発告知という予告演出も実行される。一発告知が実行された場合、大当り期待度は極めて高い(ここでは、「大当り」確定)。一発予告は、例えば、画像表示装置5に所定の画像を短時間表示させる、図示しない役物を動作させる、又は、所定の音声を出力するなどの演出であればよい。
特図ゲームの可変表示結果が「大当り」となるときには、画像表示装置5の画面上において、飾り図柄の可変表示の表示結果として、予め定められた大当り組合せとなる確定飾り図柄が導出表示される(飾り図柄の可変表示の表示結果が「大当り」となる)。一例として、「左」、「中」、「右」の飾り図柄表示エリア5L、5C、5Rにおける所定の有効ライン上に同一の飾り図柄(例えば、確変大当りのときに「7」、非確変大当りのときに「6」など)が揃って停止表示される。
可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様とならずに、飾り図柄の可変表示の表示結果として、非リーチ組合せの確定飾り図柄が停止表示されることがある。また、可変表示結果が「ハズレ」となる場合には、飾り図柄の可変表示態様がリーチ態様となった後に、飾り図柄の可変表示の表示結果として、大当り組合せでない所定のリーチ組合せ(「リーチハズレ組合せ」ともいう)の確定飾り図柄が停止表示されることもある。
(パチンコ遊技機1の主要な動作)
以下、パチンコ遊技機1の主要な動作をフローチャートなどを参照して説明するが、各動作(各処理)では下記で説明されない処理などが行われる場合がある。
(主基板11の主要な動作)
主基板11では、CPU103が遊技制御用タイマ割込み処理を実行する。遊技制御用タイマ割込み処理は、所定期間(例えば2ミリ秒)ごとに供給される図示しないCTC(カウンタ/タイマ回路)からの割込み要求信号によるタイマ割り込みが発生するごと(割込み要求信号の供給間隔である所定時間(2ms)ごと)に実行される。遊技制御用タイマ割込み処理では、CPU103は、スイッチ処理、遊技用乱数更新処理、特別図柄プロセス、普通図柄プロセス処理、コマンド制御処理などを実行し、遊技制御用タイマ割込み処理がタイマ割り込みごとに繰り返し実行されることで、遊技の制御などが実現される。
スイッチ処理では、スイッチ回路110を介してゲートスイッチ21、第1始動口スイッチ22A、第2始動口スイッチ22B、カウントスイッチ23といった各種スイッチから検出信号が入力されたかを判定することによって、各スイッチがオンとなったか否か(つまり、遊技球の進入又は通過があったか否か)をスイッチごとに判定する。この判定の結果は、RAM102などに一時記憶され、特別図柄プロセス処理や普通図柄プロセス処理において使用される。
遊技用乱数更新処理は、主基板11の側で用いられる複数種類の遊技用乱数のうち、少なくとも一部をソフトウェアにより更新するための処理である。
特別図柄プロセス処理は、スイッチ処理での判定結果などに基づいて、特図ゲームの保留や実行、大当り遊技状態などを実現する処理(第1特別図柄表示装置4A、第2特別図柄表示装置4B、第1保留表示器25A、第2保留表示器25B、大入賞口扉用のソレノイド82の制御を含む。)である。なお、特別図柄プロセス処理では、遊技の進行に応じて演出制御コマンドの送信設定を行う。
普通図柄プロセス処理は、スイッチ処理での判定結果などに基づいて、普図ゲームの保留や実行、普図当りのときの普通可変入賞球装置6B(第2始動入賞口)の開放状態などを実現する処理(普通図柄表示器20、普図保留表示器25C、普通電動役物用のソレノイド81の制御を含む。)である。
コマンド制御処理は、特別図柄プロセス処理などで送信設定された演出制御コマンドを、主基板11から演出制御基板12に対して実際に伝送させる処理である。
(特別図柄プロセス処理で送信設定される演出制御コマンド)
次に、特別図柄プロセス処理にて送信設定され、コマンド制御処理にて主基板11から演出制御基板12に送信される演出制御コマンドについて説明する。図3に、主な演出制御コマンドの例を示す。なお、以下の「(H)」は16進数であることを示す。演出制御コマンドは、MODEデータ及びEXTデータから構成されている。
コマンド8000(H)は、第1特図ゲームの開始つまり第1特図の可変表示(変動)の開始を指定(通知)する第1変動開始指定コマンドである。コマンド8001(H)は、第2特図ゲームの開始つまり第2特図の可変表示(変動)の開始を指定(通知)する第2変動開始指定コマンドである。第1変動開始指定コマンドと第2変動開始指定コマンドとを変動開始指定コマンドと総称することがある。
コマンド81XX(H)は、特図ゲームや飾り図柄の可変表示の変動パターン(特図や飾り図柄の可変表示の実行時間(特図変動時間)や、飾り図柄の可変表示のパターンを指定するもの)を指定(通知)する変動パターン指定コマンドである。当該コマンドの「XX」(EXTデータ、「XX」について同じ)には、各変動パターン(図11参照。詳しくは後述する。)に対応する数値が設定される(例えば、変動パターンPA1−1なら「00」など)。当該コマンドは、特図ゲームの開始時に送信される。
コマンド8CXX(H)は、大当りとするか否かおよび大当り種別(つまり、可変表示結果)を指定(通知)する表示結果指定コマンドである。当該コマンドの「XX」には、表示結果に対応する数値が設定される(例えば、「ハズレ」なら「00」、「確変大当り」なら「01」など)。当該コマンドは、特図ゲームの開始時に送信される。
コマンド8F00(H)は、特図ゲームの終了(つまり、可変表示結果を導出表示すること)を指定(通知)する図柄確定指定コマンドである。図柄確定指定コマンドは、飾り図柄の可変表示(変動)を終了するとともに表示結果を導出表示することを指定するものである。当該コマンドは、特図ゲームの終了時に送信される。
コマンドA000(H)は、大当り遊技状態の開始(ファンファーレの開始でもある)を指定(通知)する当り開始指定コマンドである。ファンファーレとは、大当り遊技状態の開始時に実行される演出であり、大当り遊技状態になったことを報知する演出などである。このコマンドは、大当り遊技状態の開始時に送信される。
コマンドA300(H)は、大当り遊技状態の終了(エンディングの開始でもある)を指定(通知)する当り終了指定コマンドである。エンディングとは、大当り遊技状態の終了時に実行される演出であり、大当り遊技状態が終了することを報知する演出などである。このコマンドは、最後のラウンド遊技の終了時に送信される。
コマンドB100(H)は、第1始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第1始動入賞が発生したことを指定(通知)する第1始動入賞指定コマンドである。コマンドB200(H)は、第2始動入賞口に遊技媒体が進入したことによる第2始動入賞が発生したことを指定(通知)する第2始動入賞指定コマンドである。第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを始動入賞指定コマンドと総称することがある。始動入賞指定コマンドは、始動入賞発生時(始動入賞時)に送信される。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞が発生して第1特図保留記憶数が1つ増加することを指定(通知)する第1特図保留記憶数加算指定コマンドである。コマンドC100(H)は、第2始動入賞が発生して第2特図保留記憶数が1つ増加することを指定(通知)する第2特図保留記憶数加算指定コマンドである。これらコマンドを特図保留記憶数加算指定コマンドと総称することがある。特図保留記憶数加算指定コマンドは、始動入賞発生時(始動入賞時)に送信される。
コマンドC200(H)は、第1特図ゲームが実行されることで第1特図保留記憶数が1つ減少することを指定(通知)する第1特図保留記憶数減算指定コマンドである。コマンドC300(H)は、第2特図ゲームが実行されることで第2特図保留記憶数が1つ減少することを指定(通知)する第2特図保留記憶数減算指定コマンドである。これらコマンドを特図保留記憶数減算指定コマンドと総称することがある。特図保留記憶数減算指定コマンドは、特図ゲーム開始時に送信される。
(特別図柄プロセス処理)
図4は、特別図柄プロセス処理の一例を示すフローチャートである。この特別図柄プロセス処理において、CPU103は、まず、始動入賞判定処理を実行する(ステップS101)。始動入賞判定処理を実行した後、CPU103は、RAM102に設けられた特図プロセスフラグの値に応じて、ステップS110〜S117の処理のいずれかを選択して実行する。
図5は、始動入賞判定処理(ステップS101)の一例を示すフローチャートである。
始動入賞判定処理を開始すると、CPU103は、まず、第1始動口スイッチ22Aがオンであるか否かを判定する(前記のスイッチ処理の判定結果を参照すればよい。以下、各種スイッチのオン判定について同じ。)(ステップS201)。第1始動口スイッチ22Aがオンであれば(ステップS201;Yes)、第1特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS202)。CPU103は、例えば、RAM102に設けられた第1保留記憶数カウンタ(第1特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第1保留記憶数カウント値により、第1特図保留記憶数を特定する(以下、第1特図保留記憶数について同じ。)。ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS202;No)、第1始動入賞の発生として、RAM102に設けられた始動口バッファの格納値である始動口バッファ値を、「1」に設定する(ステップS203)。
ステップS201にて第1始動口スイッチ22Aがオフであるときや(ステップS201;No)、ステップS202にて第1特図保留記憶数が上限値に達しているときには(ステップS202;Yes)、第2始動口スイッチ22Bがオンであるか否かを判定する(ステップS204)。このとき、第2始動口スイッチ22Bがオンであれば(ステップS204;Yes)、第2特図保留記憶数が、所定の上限値(例えば「4」)となっているか否かを判定する(ステップS205)。CPU103は、例えば、RAM102に設けられた第2保留記憶数カウンタ(第2特図保留記憶数をカウントするカウンタ)の格納値である第2保留記憶数カウント値により、第2特図保留記憶数を特定する(以下、第2特図保留記憶数について同じ。)。ステップS205にて第2特図保留記憶数が上限値ではないときには(ステップS205;No)、第2始動入賞の発生として、始動口バッファ値を「2」に設定する(ステップS206)。
ステップS203、S206の処理のいずれかを実行した後には、始動口バッファ値に応じた保留記憶数カウント値を1加算するように更新する(ステップS207)。例えば、始動口バッファ値が「1」であるときには第1保留記憶数カウント値を1加算する一方で、始動口バッファ値が「2」であるときには第2保留記憶数カウント値を1加算する。こうして、第1始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第1特図ゲームに対応した第1始動条件が成立したとき(第1始動入賞が発生したとき)には第1特図保留記憶数が1増加し、第2始動入賞口を遊技球が通過(進入)して第2特図ゲームに対応した第2始動条件が成立したとき(第2始動入賞が発生したとき)には第2特図保留記憶数が1増加する。このときには、RAM102に設けられた合計保留記憶数カウンタの格納値である合計保留記憶数カウント値を、1加算するように更新する(ステップS208)。
ステップS208の処理を実行した後に、CPU103は、始動入賞の発生時に対応した所定の遊技用乱数を抽出する(ステップS209)。一例として、ステップS209の処理では、乱数回路104やRAM102に設けられたランダムカウンタ(遊技用乱数更新処理で値が更新される。)等によって更新される数値データのうちから、特図表示結果(特図ゲームの可変表示結果)決定用の乱数値MR1(「1」〜「65535」いずれかの値)や大当り種別決定用の乱数値MR2(「1」〜「100」のいずれかの値)、変動パターン決定用の乱数値MR3(「1」〜「100」のいずれかの値)を示す数値データが抽出される。こうして抽出された各乱数値を示す数値データが保留データとして、始動口バッファ値に応じた特図保留記憶部(RAM102に設けられる。)における空きエントリの先頭にセットされることで記憶される(ステップS210)。
ステップS210の処理では、例えば始動口バッファ値が「1」であるときに、保留データが第1特図保留記憶部にセットされる一方、始動口バッファ値が「2」であるときに、保留データが第2特図保留記憶部にセットされる。このようにして、保留された特図ゲームを表す保留データが特図保留記憶部に記憶される。
図6(A)に示すように、第1特図保留記憶部は、例えば、第1始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号「1」〜「4」と関連付けて、乱数値MR1〜MR3の数値データを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第1特図保留記憶部に記憶された保留データは、実行が保留されている第1特図ゲームを示す。
図6(B)に示すように、第2特図保留記憶部は、例えば、第2始動入賞口への入賞順(遊技球の検出順)に保留番号「1」〜「4」と関連付けて、乱数値MR1〜MR3の数値データを保留データとして、その記憶数が所定の上限値(例えば「4」)に達するまで記憶する。こうして第2特図保留記憶部に記憶された保留データは、実行が保留されている第2特図ゲームを示す。
この実施の形態では、このようにして、未だ開始されていない(実行が保留されている)特図ゲーム(特に、特図ゲームに関する情報)が保留記憶として記憶されることになる。
図5に戻り、ステップS210の処理に続いて、始動入賞時コマンドを実行する(ステップS211)。CPU103は、始動口バッファ値が「1」であれば、始動入賞時コマンドとして、第1始動入賞指定コマンド及び第1特図保留記憶数加算指定コマンドの送信設定を行い、始動口バッファ値が「2」であれば、始動入賞時コマンドとして、第2始動入賞指定コマンド及び第2特図保留記憶数加算指定コマンドの送信設定を行う(ステップS401)。
その後、CPU103は、始動口バッファ値が「1」であるか「2」であるかを判定する(ステップS212)。このとき、始動口バッファ値が「2」であれば(ステップS212;「2」)、始動口バッファをクリアして、その格納値(始動口バッファ値)を「0」に初期化してから(ステップS213)、始動入賞判定処理を終了する。これに対して、始動口バッファ値が「1」であるときには(ステップS212;「1」)、始動口バッファをクリアして、その格納値を「0」に初期化してから(ステップS214)、ステップS204の処理に進む。
図4に示すステップS110の特別図柄通常処理は、特図プロセスフラグの値が「0」のときに実行される。図7は、特別図柄通常処理の一例を示すフローチャートである。
特別図柄通常処理において、CPU103は、まず、第2特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS231)。第2特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS231;No)、第2特図保留記憶部の先頭領域(保留番号「1」に対応する記憶領域)に記憶されている乱数値MR1〜MR3の数値データを読み出す(ステップS232)。これにより、第2始動入賞の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えばRAM102の変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS232の処理に続いて、例えば第2保留記憶数カウント値を1減算することで第2特図保留記憶数を1減算するとともに、第2特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS233)。例えば、第2特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS233では、合計保留記憶数を1減算する。そして、RAM102に設けられた変動特図指定バッファの格納値である変動特図指定バッファ値を、「2」に更新する(ステップS234)。
ステップS231にて第2特図保留記憶数が「0」であるときには(ステップS231;Yes)、第1特図保留記憶数が「0」であるか否かを判定する(ステップS235)。第1特図保留記憶数が「0」以外であるときには(ステップS235;No)、第1特図保留記憶部の先頭領域(保留番号「1」に対応する記憶領域)に記憶されている乱数値MR1〜MR3の数値データを読み出す(ステップS236)。これにより、第1始動入賞の発生に対応して抽出された遊技用乱数が読み出される。このとき読み出された数値データは、例えばRAM102の変動用乱数バッファなどに格納されて、一時記憶されればよい。
ステップS236の処理に続いて、例えば第1保留記憶数カウント値を1減算することで第1特図保留記憶数を1減算するとともに、第1特図保留記憶部における記憶内容をシフトさせる(ステップS237)。例えば、第1特図保留記憶部にて保留番号「1」より下位の記憶領域(保留番号「2」〜「4」に対応する記憶領域)に記憶された保留データを、1エントリずつ上位にシフトする。また、ステップS237の処理では、合計保留記憶数を1減算する。そして、変動特図指定バッファ値を「1」に更新する(ステップS238)。上記処理により、第2特図ゲームは第1特図ゲームよりも優先して実行される。
ステップS234、S238の処理のいずれかを実行した後には、特別図柄の可変表示結果(特図ゲームの可変表示結果)である特図表示結果を、「大当り」と「ハズレ」のいずれかに決定する(ステップS239)。一例として、ステップS239の処理では、予めROM101に用意された第1特図表示結果決定テーブル(図8(A)参照。非確変状態のときに参照される)又は第2特図表示結果決定テーブル(図8(B)参照。確変状態のときに参照される)が用いられる。確変状態であるか否かは、例えば、RAM102に設けられた確変フラグ(確変状態のときにオンとなるフラグ)の状態により特定する。各特図表示結果決定テーブルでは、特図表示結果決定用の乱数値MR1と比較される数値(決定値)が、決定結果となる「大当り」又は「ハズレ」の特図表示結果に割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファに読み出した特図表示結果決定用の乱数値MR1に基づいて、特図表示結果決定テーブルを参照することにより、特図表示結果を決定する(乱数値に合致する決定値に割り当てられた決定結果を今回の決定結果とする。以下同様)。なお、CPU103は、確変状態のときには、確変状態でないときよりも高い決定割合で特図表示結果を「大当り」に決定する(図8の決定割合参照)。
CPU103は、ステップS239の処理により決定された特図表示結果が「大当り」であるか否かを判定する(ステップS240)。特図表示結果が「大当り」に決定された場合には(ステップS240;Yes)、RAM102に設けられた大当りフラグをオン状態にセットする(ステップS241)。
その後、大当り種別を複数種類のいずれかに決定する(ステップS242)。一例として、ステップS242の処理では、予めROM101に用意された大当り種別決定テーブル(図9参照)が用いられる。大当り種別決定テーブルでは、大当り種別決定用の乱数値MR2と比較される数値(決定値)が、決定結果となる「非確変」、「確変」のいずれかの大当り種別に割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファに読み出した大当り種別決定用の乱数値MR2に基づいて、大当り種別決定テーブルを参照することにより、大当り種別を決定すればよい。
その後、CPU103は、RAM102に設けられた大当り種別バッファに、大当り種別の決定結果を示すデータを格納することにより、大当り種別を記憶させる(ステップS243)。
ステップS240にて特図表示結果が「大当り」ではない場合や(ステップS240;No)、ステップS243の処理を実行した後には、今回実行する特図ゲームの可変表示結果(特図表示結果)となる確定特別図柄を決定する(ステップS246)。一例として、大当りフラグがオフのときには、ハズレ図柄として予め定められた特別図柄を確定特別図柄に決定する。一方、大当りフラグがオンのときには、大当り種別バッファに記憶された大当り種別に応じて、複数種類の大当り図柄として予め定められた特別図柄のいずれかを確定特別図柄に決定する。
ステップS246の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を「1」に更新してから(ステップS247)、特別図柄通常処理を終了する。
ステップS235にて第1特図ゲームの保留記憶数が「0」である場合には(ステップS235;Yes)、デモ設定を行ってから(ステップS248)、特別図柄通常処理を終了する。デモ設定では、デモ画面の表示開始を指定する客待ちデモ指定コマンドが、主基板11から演出制御基板12に対して送信済みであるか否かを判定する(例えば、RAM102に、客待ちデモ指定コマンドが送信済みのときにオンになるフラグを設け、このフラグの状態により、当該判定を行う)。このとき、送信済みであれば、そのままデモ設定を終了する。これに対して、未送信であれば、客待ちデモ指定コマンドを送信設定してから、デモ設定を終了する。
ステップS111の変動パターン設定処理は、特図プロセスフラグの値が「1」のときに実行される。図10は、変動パターン設定処理の一例を示すフローチャートである。
変動パターン設定処理において、CPU103は、まず、大当りフラグがオンであるか否かを判定する(ステップS261)。そして、大当りフラグがオンである場合には(ステップS261;Yes)、大当り時の変動パターンを決定する(ステップS262)。一方、大当りフラグがオフである場合には(ステップS261;No)、ハズレ時の変動パターンを決定する(ステップS265)。変動パターンは、特図ゲームや飾り図柄の可変表示の実行時間(特図変動時間)や、飾り図柄の可変表示のパターンを指定するものである。
図11は、この実施の形態で使用される変動パターンを示している。この実施の形態では、ハズレ時の変動パターンとして、PA1−1、PA2−1、PA3−2〜PA3−8がある。また、大当り時の変動パターンとして、PB4−2〜PB4−8がある。PA1−1、PA2−1は、非リーチを指定する。PA2−1は、特図変動時間(特図ゲームの実行期間)が通常(PA1−1)よりも短くなっている時短用(短縮有り)のパターンである。
PA3−2〜PA3−4、PB3−2〜PB3−4は、ノーマルリーチの実行を指定するパターンである。PA3−2、PB3−2は、擬似連の非実行を指定し、PA3−3、PB3−3は、再変動を1回行う擬似連の実行を指定し、PA3−4、PB3−4は、再変動を2回行う擬似連の実行を指定するパターンである。
PA3−5〜PA3−6、PB3−5〜PB3−6は、スーパーリーチAの実行を指定するパターンである。PA3−5、PB3−5は、再変動を2回行う擬似連の実行を指定し、PA3−6、PB3−6は、再変動を3回行う擬似連の実行を指定するパターンである。
PA3−7〜PA3−8、PB3−7〜PB3−8は、スーパーリーチBの実行を指定するパターンである。PA3−7、PB3−7は、再変動を2回行う擬似連の実行を指定し、PA3−8、PB3−8は、再変動を3回行う擬似連の実行を指定するパターンである。
ステップS262の処理では、例えば、ROM101に用意された大当り用変動パターン決定テーブルを用いて、大当り時の変動パターンが決定される。大当り用変動パターン決定テーブルでは、例えば図12の決定割合を実現するように、変動パターン決定用の乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、決定結果としての大当り時の各変動パターン(PB3−2〜PB3−8)に割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファに読み出した乱数値MR3を示す数値データに基づいて、大当り用変動パターン決定テーブルを参照することにより、大当り時の変動パターン(PB3−2〜PB3−8のいずれか)を決定する。
また、ステップS265の処理では、例えばROM101に用意された第1ハズレ用変動パターン決定テーブル又は第2ハズレ用変動パターン決定テーブルを用いて、ハズレ時の変動パターンが決定される。第1ハズレ用変動パターン決定テーブルは時短状態でないときに用いられ、第2ハズレ用変動パターン決定テーブルは時短状態のときに用いられる。時短状態であるか否かは、例えば、RAM102に設けられた時短フラグ(時短状態のときにオンとなるフラグ)の状態により特定する。第1ハズレ変動パターン決定テーブルでは、図13(A)の決定割合を実現するように、乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、決定結果としてのハズレ時の変動パターン(PA1−1、PA3−2〜PA3−8)に割り当てられていればよい。第2ハズレ変動パターン決定テーブルでは、図13(B)の決定割合を実現するように、乱数値MR3と比較される数値(決定値)が、決定結果としてのハズレ時の変動パターン(PA2−1、PA3−2〜PA3−8)に割り当てられていればよい。CPU103は、変動用乱数バッファに読み出した変動パターン決定用の乱数値MR3を示す数値データに基づいて、第1又は第2ハズレ変動パターン決定テーブルを参照することにより、ハズレ時の変動パターン(PA1−1、PA3−2〜PA3−4のいずれか、又は、PA2−1、PA3−2〜PA3−4のいずれか)を決定すればよい。
図12及び図13の決定割合を参照すると、スーパーリーチB>スーパーリーチA>ノーマルリーチの順で大当り期待度が高い。また、擬似連での再変動の回数が多いほど、大当り期待度が高い傾向にある。特に、同じリーチ演出が実行されるときには、再変動の回数が多い方が大当り期待度が高い。時短状態のときには、ハズレ時に、特図変動時間が短いPA2−1(図13参照)が選択されるので、時短状態のときには、平均的な特図変動時間が非時短状態のときよりも短くなる。
ステップS262、S265の処理のいずれかを実行した後には、今回決定した変動パターンに応じた特図変動時間(図11参照)を設定する(ステップS266)。例えば、特図変動時間に応じたタイマ初期値をRAM102の所定のタイマに設定する(これ以降、タイマ値がタイマ割り込み毎などに更新されることで、特図ゲーム実行開始からの経過時間が計測されることになる。)。
ステップS266の処理に続いて、第1特図ゲームと第2特図ゲームとのうち、開始条件が成立したいずれかの特図ゲームを開始させるように、特別図柄の変動を開始させる(ステップS267)。一例として、変動特図指定バッファ値が「1」であれば、第1特図ゲームを実行するための駆動信号を第1特別図柄表示装置4Aに送信する。一方、変動特図指定バッファ値が「2」であれば、第2特図ゲームを実行するための駆動信号を第2特別図柄表示装置4Bに送信する。
ステップS267の処理を実行した後には、特図ゲームの実行開始時のコマンドとして変動開始時コマンド(上記決定結果などを指定する各種コマンド)の送信設定が行われる(ステップS271)。例えば、変動特図指定バッファ値が「1」である場合に、CPU103は、第1変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド、表示結果指定コマンド、第1特図保留記憶数減算指定コマンドの送信設定を行う。他方、変動特図指定バッファ値が「2」である場合に、CPU103は、第2変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド、表示結果指定コマンド、第2特図保留記憶数減算指定コマンドの送信設定を行う。
ステップS268の処理を実行した後には、特図プロセスフラグの値を「2」に更新してから(ステップS269)、変動パターン設定処理を終了する。
ステップS112の特別図柄変動処理は、特図プロセスフラグの値が「2」のときに実行される。例えば、CPU103は、特図ゲームが開始してからの経過時間(上記所定のタイマなどによって測定すればよい。)が、上記で設定した特図変動時間に達したか(所定のタイマ値が0になったか)を判定し、達していないときには、第1特図ゲーム又は第2特図ゲームを実行するための駆動信号を第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bに供給して特別図柄を変動させる処理を行ってから本処理を終了する。一方、特図変動時間に達したときには、可変表示結果の導出タイミングとなったので、所定の駆動信号を第1特別図柄表示装置4A又は第2特別図柄表示装置4Bに供給し、上記で決定した今回の可変表示結果の図柄(「ハズレ」は「−」、「確変」は「7」、「非確変」は「3」)を停止表示(導出表示)させ、図柄確定指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグの値を「3」に更新する。タイマ割り込みの発生毎にステップS112が繰り返し実行されることによって、特図ゲームの実行が実現される。
ステップS113の特別図柄停止処理は、特図プロセスフラグの値が「3」のときに実行される。例えば、CPU103は、今回の可変表示結果が「大当り」のとき(大当りフラグがオンのときなど)は、時短フラグ、確変フラグをオフにリセットなどする。その後、当り開始指定コマンドの送信設定を行い、特図プロセスフラグを「4」に更新して本処理を終了する。「ハズレ」(大当りフラグがオフのときなど)で時短状態のときは、時短状態において実行可能な所定回数の可変表示が実行されたかを判定し(例えば、RAM102に設けられた時短回数カウンタ(時短残回数をカウントするためのカウンタ)のカウント値を1減じ、減じた後の値が「0」であるかを判定する)、所定回数の可変表示が実行されている場合(カウント値が「0」のとき)には、時短フラグをオフにリセットし、特図プロセスフラグの値を「0」にするなどして本処理を終了する。「ハズレ」で時短状態でない、所定回数の可変表示が未実行の場合にも、特図プロセスフラグの値を「0」にするなどして本処理を終了する。
ステップS114の大当り開放前処理は、特図プロセスフラグの値が「4」のときに実行される。例えば、当り開始指定コマンドの送信設定を行ってからの経過時間(RAM102に設けられたタイマなどによって測定すればよい。他の経過時間についても同じ。)が、予め設定されているファンファーレ待ち時間(大当り遊技状態におけるファンファーレの開始から終了するまでの待ち時間)に達したかを判定し、達していなければ、大当り開放前処理を終了する。ファンファーレ待ち時間に達したときには、ラウンド遊技の開始のため、大入賞口を開放状態とする処理(ソレノイド駆動信号の供給)などを行い、特図プロセスフラグを「5」に更新する。タイマ割り込みの発生毎にステップS114が繰り返し行われることによって、ラウンド遊技の開始タイミングまでの待機(ファンファーレの終了までの待機)及び大入賞口の開放などが実現される。
ステップS115の大当り開放中処理は、特図プロセスフラグの値が「5」のときに実行される。例えば、CPU103は、ラウンド遊技を終了するタイミングになったかを判定する。カウントスイッチ23がオンの回数(大入賞口に進入した遊技球の数)が所定値(例えば「9」)になったり(RAM102に設けられたカウンタなどでカウントすればよい。)、ラウンド遊技を開始してから(大入賞口を開放状態としてから)の経過時間がラウンド遊技の上限期間(例えば、29秒)に達したりして、ラウンド遊技を終了するタイミングとなったときには、大入賞口を閉鎖状態に戻してラウンド遊技を終了させる処理(ソレノイド82をオフにする処理)などを行う。終了したラウンド遊技が、最後のラウンド遊技(例えば、15ラウンド目)であるとき(RAM102に設けられたカウンタなどでカウントすればよい。)、当り終了指定コマンドを送信する設定を行い、特図プロセスフラグを“7”に更新する処理(ステップS603)を行って、本処理を終了する。最後のラウンド遊技でないときは、特図プロセスフラグを「6」に更新し、本処理を終了する。現在がラウンド遊技を終了するタイミングでないときは、そのまま本処理を終了する(大入賞口を開放状態に維持する処理などを行ってもよい)。タイマ割り込みの発生毎にステップS115が繰り返し行われることによって、大入賞口を閉鎖状態に戻すタイミングまで大入賞口の開放状態が維持され、最後に大入賞口が閉鎖される。
ステップS116の大当り開放後処理は、特図プロセスフラグの値が「6」のときに実行される。例えば、CPU103は、ラウンド遊技が終了してから(大入賞口を閉鎖してから)の経過時間が、所定の閉鎖時間(ラウンド遊技のインターバル期間)に達したかを判定し、達していない場合には、閉鎖状態が維持され、本処理は終了する。所定の閉鎖時間に達したときには、ラウンド遊技の開始のため、大入賞口を開放状態とする処理などを実行し、特図プロセスフラグの値を「5」に更新し、本処理を終了する。
ステップS114で大入賞口が開放されてからタイマ割り込みの発生ごとにS115、S116が繰り返し実行されることによって、各ラウンド遊技が実現される。
ステップS117の大当り終了処理は、特図プロセスフラグの値が“7”のときに実行される。大当り終了処理では、最後のラウンド遊技終了時からの経過時間が、上記で設定したエンディング待ち時間に達したか、つまり、エンディング待ち時間が終了したかを判定する。エンディング待ち時間が終了していないときには、エンディングが終了していないので、そのまま大当り終了処理を終了する。エンディング待ち時間が終了した場合には、エンディングが終了するので、次に、今回の大当り種別が確変(「確変」)であるかを判定する。大当り種別は、大当り種別バッファに格納されている。大当り種別が「確変」である場合、確変フラグをオン状態にセットする。また、大当り種別に係わらず、所定の時短回数を時短回数カウンタに初期値(時短残回数の初期値、例えば、100)として設定するとともに、時短フラグをオン状態にする。その後、特図プロセスフラグの値を“0”に更新して(ステップS616)、本処理を終了する。
なお、上記一連の処理において、特図プロセスフラグの値を“0”に更新するときは、1回の可変表示等が終了したことになるので、遊技制御プロセスタイマや、大当り種別バッファ設定値、各種フラグの状態などの各種データ(次の可変表示に持ち越したくないもの)を適宜リセットするとよい。
(演出制御基板12の主要な動作)
演出制御基板12の演出制御用CPU120は、起動後に所定の演出制御メイン処理を実行する。また、演出制御用CPU120は、演出制御メイン処理とは別に、I/O125の所定の入力ポートから演出制御コマンドを受信したときには、当該演出制御コマンドを受信コマンドとして例えばRAM122に設けられた演出制御コマンド受信用バッファに格納する。演出制御メイン処理では、演出制御用CPU120は、所定の初期化処理を実行する。その後、演出制御用CPU120は、所定期間(例えば10ミリ秒)ごとに供給される図示しないCTC(カウンタ/タイマ回路)からの割込み要求信号によるタイマ割り込みが発生するごと(割込み要求信号の供給間隔である所定時間(2ms)ごと)に、コマンド解析処理、デモ表示処理、演出制御プロセス処理、演出用乱数処理などを実行する。
コマンド解析処理は、演出制御コマンド受信用バッファに格納されている受信コマンドを読み出して解析し、解析結果に対応した設定などを行う処理である。デモ表示処理では、コマンド解析処理にて解析したコマンドが客待ちデモ指定コマンドのときに、デモ画面の表示を開始する演出の開始設定(開始設定の内容は後述)が行われ、タイマ割り込み毎に、開始設定されたデモ画面の表示を行うための演出動作制御(演出動作制御の内容は後述)が行われる。演出制御プロセス処理は、演出制御コマンドに応じて演出を実行する処理である。演出用乱数更新処理は、演出制御に用いる演出用乱数値をソフトウェアにより更新する処理である。
(演出の実行等について)
演出制御用CPU120は、演出制御メイン処理において、各種演出の実行を開始するための開始設定(演出の開始設定)、開始設定した演出を実行する演出動作制御などを行う。各フラグ、各タイマ、各カウンタなどは、RAM122に設けられる(他の処理についても同じ)。
演出の開始設定は、例えば、演出(飾り図柄の可変表示、レース演出、一発告知、デモ画面表示など)を実行するための演出制御パターンをRAM122に使用パターンとしてセットし、かつ、セットした演出制御パターンに応じた初期値をプロセスタイマに設定することを含む。プロセスタイマのタイマ値は、初期値の設定後、タイマ割り込みの発生毎の所定タイミング(コマンド解析処理の実行時、演出動作制御の実行時など)において減算される(これにより、演出制御パターンで実行される演出の経過時間を特定できる)。演出制御パターンは、各種演出(飾り図柄の可変表示を含む。)を実行するためのデータの集まりであって、プロセスタイマのタイマ値と比較されるプロセスタイマ判定値と、当該判定値に対応付けられた演出制御実行データ(表示制御データ、音声制御データ、点灯制御データなど)や終了コードなどを含んだプロセスデータから構成されている。演出制御パターンを構成するデータは、ROM121に格納されている。
演出動作制御は、演出の開始設定でセットした演出制御パターンに基づいて演出の実行する制御である。例えば、プロセスタイマの現在のタイマ値に合致するプロセスタイマ判定値に対応する演出制御実行データのうちの、表示制御データに従った表示制御指令を表示制御部123に伝送して画像表示装置5に画像を表示させたり、音声制御データに従った効果音信号を音声制御基板13に伝送してスピーカ8L、8Rから音声を出力させたり、点灯制御データに従った電飾信号をランプ制御基板14に伝送して遊技効果ランプ9を点灯/消灯させたりして各種演出を実行する制御を行う。タイマ割り込みの発生毎に演出動作制御が繰り返し行われることで、演出制御パターンで規定された各種の演出の実行が実現される。
(コマンド解析処理)
コマンド解析処理では、演出制御コマンド受信用バッファに格納されている受信コマンド(演出制御基板12が受信した演出制御コマンド)を解析し(例えば、MODEデータを確認する)、当該受信コマンドがどの演出制御コマンドであるかを特定し、特定した演出制御コマンドに応じた処理を行う。受信コマンドが複数の場合には、それぞれのコマンドについてコマンド解析処理を行う。
図14に、コマンド解析処理による解析によって特定された演出制御コマンドと、その演出制御コマンドに対応してコマンド解析処理にて行われる処理内容と、の関係を示す。なお、図中における各フラグ、各格納領域は、RAM122に設けられる。また、フラグについて「セット」とは、当該フラグをオン状態にすることである。なお、各フラグの状態や各格納領域に格納されたコマンドは、適宜のタイミングでリセットや消去するものとする。
また、第1特図保留記憶数加算指定コマンドの受信時には、表示エリア5Hに第1保留表示画像を新たに表示させる処理(例えば、表示制御部123を介して画像表示装置5を制御する処理。保留表示画像についての表示制御について同じ)を行う。第2特図保留記憶数加算指定コマンドの受信時には、表示エリア5Hに第2保留表示画像を新たに表示させる処理を行う。このようなことによって、第1始動入賞の発生に基づいて第1特図ゲームが新たに保留されたことに対応して、第1保留表示画像が1つ増やされる。また、第2始動入賞の発生に基づいて第2特図ゲームが新たに保留されたことに対応して、第2保留表示画像が1つ増やされる。
また、第1特図保留記憶数減算指定コマンドの受信時には、表示エリア5Hに表示している第1保留表示画像のうちの最も右の画像を消去して、残りの第1保留表示画像を右にシフトさせる処理を行う。第2特図保留記憶数減算指定コマンドの受信時には、表示エリア5Hに表示している第2保留表示画像のうちの最も左の画像を消去して、残りの第2保留表示画像を左にシフトさせる処理を行う。このようなことによって、第1特図ゲームが新たに実行されることに対応して、第1保留表示画像が1つ減らされる。第2特図ゲームが新たに実行されることに対応して、第2保留表示画像が1つ減らされる。
(演出制御プロセス処理)
図15は、演出制御プロセス処理の一例を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理において、演出制御用CPU120は、演出プロセスフラグの値に応じてステップS170〜ステップS175のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS170の可変表示開始待ち処理は、演出プロセスフラグが「0」のときに実行される。可変表示開始待ち処理において、演出制御用CPU120は、変動開始時コマンド(第1又は第2変動開始指定コマンド、変動パターン指定コマンド、表示結果指定コマンド、第1又は第2特図保留記憶数減算指定コマンド)を受信しているかを判定する。変動開始時コマンドの受信がない場合には本処理を終了する。変動開始時コマンドの受信がある場合には、特図ゲームの開始に同期して飾り図柄の可変表示を開始するので、演出プロセスフラグを「1」に更新して、可変表示開始待ち処理を終了する。
演出制御プロセス処理におけるステップS171の可変表示開始設定処理は、これから実行される特図ゲームに同期して実行される飾り図柄の可変表示を開始するための処理であり、演出プロセスフラグが「1」のときに実行される。図16は、可変表示開始設定処理の一例を示すフローチャートである。
可変表示開始設定処理において、演出制御用CPU120は、まず、飾り図柄の可変表示結果としての確定飾り図柄となる最終停止図柄などを決定する(ステップS501)。例えば、演出制御用CPU120は、主基板11から伝送された表示結果指定コマンド(表示結果指定コマンド格納領域に格納されている。)や変動パターン指定コマンド(変動パターン指定コマンド格納領域に格納されている。)で示された今回の可変表示結果や今回の変動パターンに基づいて、最終停止図柄を決定する。最終停止図柄は、表示結果指定コマンドで指定された可変表示結果や変動パターン指定コマンドで指定された変動パターンに応じて予め定められていればよい。なお、確定飾り図柄は、予め定められた確定飾り図柄の候補(可変表示結果に応じた候補)からランダムに決定してもよい。
次に、演出制御用CPU120は、一発告知の実行の有無を決定する(ステップS502)。一例として、演出制御用CPU120は、予めROM121に用意された一発告知実行決定テーブルA(今回の可変表示結果が「大当り」のときに参照される)及び一発告知実行決定テーブルB(今回の可変表示結果が「はずれ」のときに参照される)を参照し、一発告知の実行の有無を決定する。一発告知実行決定テーブルA及びBでは、乱数回路124やRAM122に設けられたランダムカウンタ(演出用乱数更新処理で値が更新される。)等によって更新される演出用乱数のうちの演出用乱数SR1と比較される数値(決定値)が、決定結果となる「実行有り」又は「実行無し」に割り当てられていればよい(上記テーブルAの決定値は、図17の大当り時の決定割合を実現するように割り当てられ、上記テーブルBの決定値は、図17のハズレ時の決定割合を実現するように割り当てられる)。CPU103は、演出用乱数SR1を抽出し、抽出した演出用乱数SR1に基づいて、今回の可変表示結果に応じて一発告知実行決定テーブルA又はBを参照することにより、一発告知の実行の有無を決定する(乱数値に合致する決定値に割り当てられた決定結果を今回の決定結果とする。以下同様)。図17に示すように、この実施の形態では、今回の可変表示結果が「ハズレ」のときには、必ず、一発告知が「実行無し」となる。従って、一発告知が実行されるときには、「大当り」が確定となる。
次に、演出制御用CPU120は、今回の変動パターンが擬似連の実行を指定するもの(PA3−3〜PA3−8、PB3−3〜PB3−8のいずれか)であるかを判定し(ステップS503)、擬似連の実行を指定するものである場合には(ステップS503;Yes)、レース演出の実行の有無を決定する(ステップS504)。一例として、演出制御用CPU120は、予めROM121に用意されたレース演出実行決定テーブルを参照し、レース演出の実行の有無を決定する。レース演出実行決定テーブルでは、上記演出用乱数のうちの演出用乱数SR2と比較される数値(決定値)が、決定結果となる「実行有り」又は「実行無し」に割り当てられていればよい(決定割合については、図18の決定例を参照)。CPU103は、演出用乱数SR2を抽出し、抽出した演出用乱数SR2に基づいて、レース演出実行決定テーブルを参照することにより、レース演出の実行の有無を決定する。レース演出は、擬似連実行時に実行され(ステップS503)、今回の可変表示結果に係わらず1/2の確率で実行される(図18参照)。
次に、演出制御用CPU120は、ステップS504でレース演出を実行すると決定したかを判定し(ステップS505)、実行すると決定している場合(ステップS505;Yes)、レース演出の演出パターン(演出態様)を、変動パターンや一発告知の有無に応じて決定する(ステップS506)。
ここで、レース演出を説明する。レース演出は、上述のように、2人のランナーがレースを行う演出である(図24、25)。この実施の形態では、各ランナーは、その色で区別されている。各ランナーは、大当り期待度を有する。各ランナーの色として、青、緑、赤、虹があり、虹>赤>緑>青の順で大当り期待度が高い(図19)。レース演出(レース演出が複数行われる場合には、最後のレース演出)で勝ったキャラクタの大当り期待度が、実行中の飾り図柄の可変表示や特図ゲームの大当り期待度として報知される。なお、大当り期待度が比較的低い緑及び青のランナーは第1グループに属し、大当り期待度が比較的高い虹及び赤のランナーは第2グループに属するものとする。レース演出は、上述のように、擬似連実行時に実行され、擬似連における再変動の回数に応じて1〜2回実行される(図23)。再変動が1回の場合、レース演出は、最初の再変動開始後に実行され、かつ、一発告知(リーチ成立前の予め定められたタイミングで実行される。)の実行タイミングよりも前に実行される(図23(A))。再変動が2〜3回の場合、レース演出は、第1タイミングと、その後の第2タイミングとのそれぞれで実行される(図23(B)、(C))。再変動が2回のとき、第1タイミングは最初の再変動時に到来し、第2タイミングは2回目の再変動時に到来する。再変動が3回のとき、第1タイミングは2回目の再変動時に到来し、第2タイミングは3回目の再変動時に到来する。第2タイミングは、再変動が2回のときも3回のときも、一発予告の実行タイミングよりも後、リーチ成立よりも前に到来する。
レース演出の演出パターン及びその決定割合を、図20〜図21に示す。図20は、擬似連の再変動が1回のときの演出パターンの決定例である(選択演出は、1回実行される)。図21は、擬似連の再変動が2又は3回のときの演出パターンの決定例である(選択演出は、第1タイミング、第2タイミングの2回、実行される)。演出パターンは、レースをするランナーの色と、どちらのランナーが勝つか(両ランナーがレースを中止することを含む)を1回のレース演出毎に指定するものである(図21では、2回分のレース演出の演出パターンを指定している)。
図20及び図21において、矢印の左側の色は、レースをする2人のランナーの色であり、矢印の右側の色は、レースで勝つ方のランナーの色である。また、矢印の右側の「×」は、レースで両ランナーがレースを中止することを示す。例えば、「赤×虹→赤」は、赤のランナーと虹のランナーとがレースを行い、赤のランナーが勝つ(赤の大当り期待度が報知される)演出パターンを示す。「赤×虹→×」は、赤のランナーと虹のランナーとがレースを行うが、両ランナーともレースを中止する演出パターンを示す。
演出制御用CPU120は、ステップS506において、予めROM121に用意されたレース演出パターン決定テーブルA〜Eのうちのいずれかを参照し、レース演出の演出パターンを決定する。レース演出パターン決定テーブルAは、今回の可変表示結果が「大当り」で、今回の変動パターンが再変動1回の擬似連を実行するものであるときに参照される。レース演出パターン決定テーブルBは、今回の可変表示結果が「ハズレ」で、今回の変動パターンが再変動1回の擬似連を実行するものであるときに参照される。レース演出パターン決定テーブルCは、今回の可変表示結果が「大当り」で、今回の変動パターンが再変動2〜3回の擬似連を実行するもので、一発告知の実行が無いときに参照される。レース演出パターン決定テーブルDは、今回の可変表示結果が「ハズレ」で、今回の変動パターンが再変動2〜3回の擬似連を実行するもので、一発告知の実行が無いときに参照される。レース演出パターン決定テーブルEは、今回の可変表示結果が「大当り」で、今回の変動パターンが再変動2〜3回の擬似連を実行するもので、一発告知の実行が有るときに参照される。
上記レース演出パターン決定テーブルA〜Eでは、例えば、上記演出用乱数のうちの演出用乱数SR3と比較される数値(決定値)が、決定結果となるレース演出の各パターンに割り当てられていればよい。上記テーブルAの決定値は、図20の大当り時の決定割合を実現するように割り当てられ、上記テーブルBの決定値は、図20のハズレ時の決定割合を実現するように割り当てられ、上記テーブルCの決定値は、図21(A)の大当り時の決定割合を実現するように割り当てられ、上記テーブルDの決定値は、図21(A)のハズレ時の決定割合を実現するように割り当てられ、上記テーブルEの決定値は、図21(B)の大当り時の決定割合を実現するように割り当てられている。
CPU103は、ステップS506において、演出用乱数SR3を抽出し、抽出した演出用乱数SR3に基づいて、今回の可変表示結果等に応じてレース演出パターン決定テーブルA〜Eのいずれかを参照することにより、レース演出の演出パターンを決定する。
図20に示すように、可変表示結果が「大当り」のときに決定される演出パターンの決定割合の大小関係は、虹のランナーが勝つパターン(SE06)>赤のランナーが勝つパターン(SE05)>緑のランナーが勝つパターン(SE03)>青のランナーが勝つパターン(SE02)>両ランナーがレースを中止するパターン(SE01、SE04(合計の決定割合))となっており、「ハズレ」のときの大小関係は、その逆になっている。また、図21における、第2タイミングで勝つランナーの色や、両ランナーがレースを中止するときの決定割合(同じ色が勝つ、又は、レースを中止するパターンが複数あるときにはその合計値)の大小関係は、図20と同じようになっている。このような関係により、大当り期待度は、虹>赤>緑>青の順に大きい。また、両ランナーがレースを中止するときの大当り期待度は、青よりも低く、一方のランナーが勝つときよりも低い(どの色のランナーが勝つときよりも低い)。つまり、両ランナーがレースを中止したときには、ランナーが勝つときよりも大当り期待度が低いことが報知される。なお、SE01と、SE04とでは、SE04の方が、大当り期待度が高い。
また、この実施の形態では、大当り期待度が比較的低い第1グループに属する青のランナーと緑のランナーとの少なくともいずれかがレースをする場合に、両ランナーが競走を中止する割合(以下、第1中止割合という)よりも、大当り期待度が比較的高い第2グループに属する赤のランナーと虹のランナーとがレースをする場合(つまり、第1グループに属する青や緑のランナーが登場しないパターンの場合)に、両ランナーがレースを中止する割合(以下、第2中止割合という)の方が高い。ここで、この実施の形態では、可変表示結果が大当りとなる割合は、確変時でも約1/34であり(図8)、最も大当り期待度が高い再変動3回の擬似連で大当りとなる割合は、(1/34)×{(24+30)/100}(図12参照)=(54/3400)である。一方、最も大当り期待度が高い再変動3回の擬似連でハズレとなる割合は、(33/34)×{(5+2)/100}(図13(A)の非時短時参照)=(231/3400)である。このため、この実施の形態での演出パターンの決定割合は、再変動3回の擬似連であってもハズレにおける決定割合が支配的になる(大当り期待度がより低い、再変動1〜2回ではさらにハズレにおける決定割合が支配的となる)。図20では、ハズレ時における第1中止割合(SE01の決定割合/SE01〜SE03の決定割合の合計)は、25/(25+20+10)=25/55(分母の100は共通なので省略。以下同じ。)であり、第2中止割合(SE04の決定割合/SE04〜SE06の決定割合の合計)は、40/(40+4+1)=40/45であり、第2中止割合の方が高い。また、図21(A)の第1タイミングにおけるレース演出のハズレ時における第1中止割合(SE11〜SE12の決定割合の合計/(SE11〜SE16の決定割合の合計)は、(11+2)/(11+2+11+2+10+2)=13/38であり、第2中止割合(SE17〜SE18の決定割合の合計/(SE17〜SE19の決定割合の合計)は、(59+2)/(59+2+1)=61/62で、第2中止割合の方が高い。同様に、図21(A)の第1タイミングにおけるレース演出のハズレ時における第1中止割合は、0/38であり、第2中止割合は、59/62である。これらの関係から分かるように、この実施の形態では、第1中止割合よりも第2中止割合の方が高い。
また、この実施の形態では、レース演出が2回実行されるときにおいて、第2グループに属する赤のランナーと虹のランナーとがレースをするときには(第1グループに属するランナーが登場しないときには)、レース演出の実行タイミングに応じて、いずれかのランナーが勝つ割合(レースを中止する割合)が異なっている(ここでは、実行タイミングが遅い方(第2タイミングの方)が、いずれかのランナーが勝つ割合が高い)。図21(A)の大当り時の第1タイミングにて赤又は虹のランナーが勝つ割合(SE19の決定割合/SE17〜SE19の決定割合の合計)は、48/(1+12+48)=48/61であるが、図21(A)の大当り時の第2タイミングにて赤又は虹のランナーが勝つ割合(SE18〜SE19の決定割合の合計/SE17〜SE19の決定割合の合計)は、(12+48)/(1+12+48)=60/61である。このような関係は、図21(A)のハズレ時、図21(B)のときも同様である。従って、上述のことが言える。
また、この実施の形態では、一発告知が実行されたときに、第2タイミングにて、第2グループに属する赤のランナーと虹のランナーとがレースをするレース演出が行われ、赤又は虹のランナーが勝つ割合は、一発告知が実行されないときに、第2グループに属する赤のランナーと虹のランナーとがレースをするレース演出にて、赤又は虹のランナーが勝つ割合よりも高い。一発告知が実行されるときは、可変表示結果が「大当り」となるときであるので、一発告知が実行されるときには、ハズレ時のレース演出が実行されることがない(図21(B))。一発告知が実行されないときのハズレ時には、第2タイミングにて、赤及び虹の両ランナーがレースを中止するSE17の決定割合が赤又は虹のランナーが勝つ場合に比べて高いが(図21(A))、一発告知が実行されるときには、ハズレが無いので、当該SE17の決定割合が下がる(図21(B))。しかも、大当り時において赤又は虹のランナーが勝つ割合は、一発告知の有無で変わらない。従って、上記のことがいえる。なお、図21(B)において、SE17の決定割合を「0/100」にし、一発告知が実行されたあとの第2タイミングでは、赤及び虹の両ランナーがレースを中止することを無くし、赤のランナーと虹のランナーとがレースをするレース演出にて必ずどちらかのランナーが勝つようにしてもよい。
また、この実施の形態では、図21に示すように、2回レース演出を実行する各演出パターンにおいて、レース演出に登場するランナーの大当り期待度(色)は、第1タイミングと第2タイミングとで同じか、第2タイミングの方が高い(第1タイミングで登場したランナーよりも大当り期待度の低い色のランナーは第2タイミングでのレース演出では登場しない)。また、レース演出で報知される大当り期待度(レース演出で勝つランナーの色に応じた大当り期待度、又は、両ランナーがレースを中止したときの大当り期待度)も第1タイミングと第2タイミングとで同じか、第2タイミングの方が高い(低くなることはない)。
なお、図20や図21における演出パターンの内容や決定割合は、上記条件の少なくとも1つを満たすように適宜変更してもよい。
ステップS506のあと、擬似連無しのとき(ステップS503;No)、レース演出の実行無しのとき(ステップS505;No)、上記の決定結果と、今回の変動パターンや今回の可変表示結果などと、を反映した演出の開始設定(上述の、演出制御パターンのセット、変動パターンが指定する特図変動時間に応じたタイマ初期値のプロセスタイマへのセットなど)を行う(ステップS507)。なお、ここで、最初の演出動作制御も行ってもよい。その後、演出プロセスフラグを「2」に更新して(ステップS508)、本処理を終了する。
図15の演出制御プロセス処理におけるステップS172の可変表示中演出処理は、演出プロセスフラグが「2」のときに実行される。図22は、可変表示中演出処理の一例を示すフローチャートである。
可変表示中演出処理では、まず、今回の変動パターンに対応した可変表示時間(特図変動時間)が経過したか否かを判定する(ステップS521)。一例として、前記プロセスタイマのタイマ値を更新(例えば1減算)し(演出制御プロセス処理の最初等、タイマ割り込み1回につき、1回到来する他のタイミングで更新されてもよい。)、更新後のタイマ値に対応して演出制御パターンから終了コードが読み出されたときなどに、可変表示時間が経過したと判定する。
可変表示時間が経過していない場合には(ステップS521;No)、現在が一発告知を実行する実行期間であるか否かを判定する(ステップS522)。当該期間は、例えばセットされた演出制御パターンにおいて予め定められていればよい(例えば、前記プロセスタイマのタイマ値と演出制御パターンとの比較によって当該期間を特定する。以下、他の期間についても同じ)。当該実行期間のときには(ステップS522;Yes)、一発告知を実行する演出動作制御が行われる(ステップS523)。
ステップS523のあと、一発告知の実行期間でないとき(ステップS522;No)は、現在がレース演出の実行期間であるかを判定する(ステップS524)。当該期間は、例えばセットされた演出制御パターンにおいて予め定められていればよい。実行期間であると判定されたときには(ステップS524;Yes)、レース演出を実行するための演出動作制御が行われる(ステップS525)。
ステップS525のあと、現在がレース演出の実行期間でない場合(ステップS524;No)には、飾り図柄の可変表示、リーチ演出(実行する場合)などの可変表示中におけるその他の演出を実行するための演出動作制御が行われ(ステップS526)、可変表示中演出処理を終了する。
可変表示時間が経過した場合には(ステップS521;Yes)、図柄確定指定コマンドの受信があったか否かを判定する(ステップS530)。このとき、図柄確定指定コマンドの受信がなければ(ステップS530;No)、可変表示中演出処理を終了する。
図柄確定指定コマンドの受信があった場合には(ステップS530;Yes)、飾り図柄の可変表示において表示結果となる最終停止図柄(確定飾り図柄)を導出表示させる表示制御を行う(ステップS531)。
その後、当り開始指定コマンド受信待ち時間として予め定められた一定時間を設定する(ステップS539)。また、演出プロセスフラグの値を「3」に更新してから(ステップS540)、可変表示中演出処理を終了する。
図15のステップS173の特図当り待ち処理は、演出プロセスフラグの値が「3」のときに実行される処理である。演出制御用CPU120は、最終停止図柄を導出表示させてからの現在の経過時間(所定のタイマで計測すればよい)が、予め設定されている当り開始指定コマンド受信待ち時間に達しておらず、かつ、当り開始指定コマンドの受信があった場合、大当り中演出(大当り遊技状態中に実行されるファンファーレ開始からエンディングの前までの演出)の開始設定を行う。その後、演出プロセスフラグの値を「4」に更新し、本処理を終了する。当り開始指定コマンド受信待ち時間に達しておらず、当り開始指定コマンドの受信もない場合は、そのまま本処理を終了する。現在の経過時間が当り開始指定コマンド受信待ち時間に達している場合、特図ゲームの可変表示結果が「ハズレ」と判断して、演出プロセスフラグの値を「0」に更新し、本処理を終了する。
ステップS174の当り中処理は、演出プロセスフラグの値が「4」のときに実行される処理である。例えば、演出制御用CPU120は、大当り中演出を実行する演出動作制御を行う。そして、当り終了指定コマンドを受信している場合には、各ラウンド遊技が全て終了したことになるので、エンディング演出の開始設定を行い、なお、エンディング演出にてマイキャラが登場するように、演出の開始設定を行ってもよい。演出プロセスフラグの値を「5」に更新して当り中処理を終了する。当り終了指定コマンドを受信していない場合には、各ラウンド遊技が全て終了していないので、そのまま本処理を終了する。
ステップS175のエンディング処理は、演出プロセスフラグの値が「5」のときに実行される処理であり、大当り遊技状態終了時のエンディングを実行するための処理である。演出制御用CPU120は、現在がエンディングの終了タイミングであるかを判定する。終了タイミングは、演出制御パターンにて定められていればよい。終了タイミングでなければ、エンディングの演出動作制御を行って本処理を終了する。現在が終了タイミングであるとき(例えば、終了コードが読み出されたとき)には、本処理を終了する。
(各演出の実行タイミング)
再変動が1回の擬似連が行われる場合、再変動開始→レース演出→一発予告→リーチ成立の順で演出が実行される(図23(A))。再変動が2回の擬似連が行われる場合、1回目の再変動開始→レース演出(第1タイミング)→一発予告→2回目の再変動開始→レース演出(第2タイミング)→リーチ成立の順で演出が実行される(図23(B))。再変動が3回の擬似連が行われる場合、2回目の再変動開始→レース演出(第1タイミング)→一発予告→3回目の再変動開始→レース演出(第2タイミング)→リーチ成立の順で演出が実行される(図23(C))。
(レース演出の演出画面例)
赤のランナーと虹のランナーとがレースを行うレース演出の場合(SE05、SE06等)、まず、赤のランナーと虹のランナーとが競い(図24(A))、赤が勝つ場合(SE05等)には、赤のランナーが虹のランナーよりも先行して先にゴールし(図24(B))、赤のランナーが勝ったこと(大当り期待度が高いこと)が報知される(図24(C))。虹が勝つ場合(SE06等)には、虹のランナーが赤のランナーよりも先行して先にゴールし(図24(D))、虹のランナーが勝ったこと(大当り期待度が最も高いこと)が報知される(図24(E))。また、両ランナーがレースを中止する場合(SE04等)、まず、図24の場合と同様に、赤のランナーと虹のランナーとが競い(図25(A))、その後に崖Aが登場し(図25(B))、両ランナーが当該崖Aに転落し、レースを中止してしまう(図25(C))。このようなレース中止により、大当り期待度が低いことが報知される。
(本実施形態の効果)
この実施の形態では、上述のように、大当り期待度が比較的低い第1グループに属する青のランナーと緑のランナーとの少なくともいずれかが登場するレース演出において両ランナーが競走を中止する割合(第1中止割合)よりも、大当り期待度が比較的高い第2グループに属する赤のランナーと虹のランナーとが登場するレース演出(つまり、第1グループに属する青や緑のランナーが登場しないレース演出)において両ランナーがレースを中止する割合(第2中止割合)の方が高い(図20、図21参照)。これにより、大当り期待度が低いときにも赤のランナーと虹のランナーとが登場するレース演出を実行することができ、演出効果を高めることができる。特に、上記実施の形態のように通常は可変表示結果が「大当り」となる割合よりも「ハズレ」となる割合の方が高いので、上記構成により赤のランナーと虹のランナーとが登場するレース演出の出現率を高くすることができ、遊技者は、赤のランナーと虹のランナーとが登場するレース演出が実行される度に大当り期待度が高いことを期待するため、演出効果を高めることができる。レース演出のような選択演出(上述のように、レース演出は選択演出の一種である。)が実行される場合、従来は、提示された選択肢(ランナーの色)のうちから選択肢を選択しない場合には、普段選択されない高い大当り期待度(高期待度)の演出が実行されていた。しかしながら、上記のように通常は可変表示結果が「大当り」となることは少ないので、遊技者が当該高期待度の演出に接することは希であり、演出効果が高められていない。上記実施の形態では、上記レース演出(両ランナーが中止する態様を含む演出)や上記第1中止割合と第2中止割合との関係により、高期待度が示唆される演出(赤のランナーと虹のランナーとが登場するレース演出)が実行されやすいので、演出効果が高められている。
なお、上述のように、図20では、両ランナーがレースを中止するSE01とSE04とでは、SE04の方が大当り期待度が高い。このように、両ランナーがレースを中止するときであっても、第2グループに属するランナーが登場しているときの大当り期待度を、第1グループに属するランナーが登場している場合(特に、第1グループに属するランナーのみが登場している場合)に比べて高くするとよい。これにより、両ランナーがレースを中止するときであっても、第2グループに属するランナーが登場しているときには、大当りへの期待を持つことができ、また、レース演出に登場するランナーにも注目するので、演出効果が高まる。
また、上記実施の形態のように、赤のランナーと虹のランナーとが登場して両者がレースを中止するパターン(第1グループに属する色のランナーが登場しない演出)の決定割合を、青又は緑のランナーのいずれかが少なくとも登場して両者がレースを中止するパターン(第1グループに属する色のランナーが登場する演出)の決定割合よりも高くすることで(図20、図21参照)、赤のランナーと虹のランナーとが登場するレース演出の実行割合を高めることができ、演出効果を高めることができる。
また、この実施の形態では、上述のように、レース演出が2回実行されるときにおいて、第2グループに属する赤のランナーと虹のランナーとがレースをするときには(第1グループに属するランナーが登場しないときには)、レース演出の実行タイミングに応じて、いずれかのランナーが勝つ割合(レースを中止する割合)が異なっているので(図20、図21参照)、遊技者はレース演出それぞれに注目し、演出効果が向上する。特に、この実施の形態では、実行タイミングが遅い方(第2タイミングの方)が、いずれかのランナーが勝つ割合が高いので、最初のレース演出で報知された期待度が悪くても、レース演出が再度実行されることを遊技者が期待し、演出効果が向上する。
また、上記実施の形態では、上述のように、一発告知が実行されたときに、第2タイミングにて、第2グループに属する赤のランナーと虹のランナーとがレースをするレース演出が行われた場合における赤又は虹のランナーが勝つ割合は、一発告知が実行されないときに、第2グループに属する赤のランナーと虹のランナーとがレースをするレース演出が行われる場合における赤又は虹のランナーが勝つ割合よりも高い(図20、図21参照)。これにより、高期待度の一発予告が実行されたときに、赤のランナー及び虹のランナーの両者がレースを中止し難くなり、両者がレースを中止してしまう残念感を発生し難くされ、演出効果を高めることができる(遊技興趣の低下を抑制できる)。
また、この実施の形態では、上述のように、レース演出にて両ランナーがレースを中止するときの大当り期待度は、青よりも低く、一方のランナーが勝つときよりも低い(どの色のランナーが勝つときよりも低い)(図20、図21参照)。つまり、両ランナーがレースを中止したときには、ランナーが勝つときよりも大当り期待度が低いことが報知される。これにより、遊技者は、レース演出においてどちらかのランナーが勝つかを注目するので、演出効果が向上する。
また、この実施の形態では、上述のように、2回レース演出を実行する各演出パターンにおいて、レース演出に登場するランナーの大当り期待度(色)は、第1タイミングと第2タイミングとで同じか、第2タイミングの方が高い(第1タイミングで登場したランナーよりも大当り期待度の低い色のランナーは第2タイミングでのレース演出では登場しない)(図21参照)。また、レース演出で報知される大当り期待度(レース演出で勝つランナーの色に応じた大当り期待度、又は、両ランナーがレースを中止したときの大当り期待度)も第1タイミングと第2タイミングとで同じか、第2タイミングの方が高い(低くなることはない)。これにより、1回目のレース演出で報知された大当り期待度が低くても、2回目のレース演出に期待することができたり、1回目のレース演出で報知された大当り期待度が高い場合には、2回目のレース演出で報知される大当り期待度がさらに高いことができたりし、演出効果が向上する。
(変形例)
この発明は、上記実施の形態などに限定されず、上記実施の形態などについて様々な変形及び応用が可能である。例えばパチンコ遊技機1は、上記実施の形態で示した全ての技術的特徴を備えるものでなくてもよく、従来技術における少なくとも1つの課題を解決できるように、上記実施の形態で説明した一部の構成を備えたものであってもよい。以下に上記実施の形態の変形例を例示するが、各変形例の少なくとも一部は矛盾が生じない限り組み合わせることができる。
(変形例1)
演出制御用CPU120は、以下のような演出を行うようにしてもよい。演出制御用CPU120は、上記実施形態で説明したときと同様、表示結果指定コマンドにより特定される可変表示結果、変動パターン指定コマンドにより特定される変動パターン、演出用乱数、テーブルなどに基づいて、以下の演出の実行の有無、実行態様などを決定し、演出の開始設定を行い、演出動作制御を行って演出を実行してもよい。
演出制御用CPU120は、例えば、画像表示装置5に図26のメータMを表示する演出を行う。メータMは、白抜きの4つの四角形からなる。メータMは、1ポイント貯まるごとに1つの四角形が黒く塗りつぶされる。これにより、メータMは、その表示態様が段階的に変化する。メータMに貯まったポイントが多いほど、実行中の可変表示の大当り期待度が高いことが報知される(演出制御用CPU120は、大当りのときに、ポイントが多く貯まりやすくなるように、当該演出の態様等を決定する)。つまり、メータMは、大当り期待度に応じて変化する。なお、メータMが満タンになったとき(四角形が全て黒く塗りつぶされたとき)にスーパーリーチ等の特定の演出が実行されるようにしてもよい(これによっても大当り期待度が高いことが報知されることになるので、メータMは、大当り期待度に応じて変化することになる。)。
また、演出制御用CPU120は、ポイント付与演出を実行する。当該演出は、例えば、図26のように、的P1に矢P2を当てる演出である(図26(A))。的P1に矢P2が当たった場合(成功の場合)、メータMに1ポイントを付与する(メータMに貯まったポイントが1ポイント増える)。的P1に矢P2が当たった場合、まず、メータMに1ポイント付与されることが、「命中!+1Pt」との表示で報知され(図26(B))、所定期間経過後にメータMに実際に1ポイントが付与される(四角が1つ黒く塗りつぶされ、1ポイント貯まる。図26(C)〜(D)の間)。的P1に矢P2が当たらなかった場合(失敗の場合)には、メータMは変化しない(ポイントは貯まらない。図26(G))。
また、演出制御用CPU120は、擬似連(再変動)が行われるか否かを煽る擬似連煽り演出が、例えば、再変動を行うときの仮停止直前に実行される。図26(C)、(D))。擬似連煽り演出は、例えば、カードGを表示するとともに、「擬似連か?」を表示し、演出の最後にカードGをめくって、カードGに書かれた内容を表示することで、擬似連(再変動)が実行されるか否かを報知する演出である。カードG及び「擬似連か?」により、擬似連が発生するか否かが煽られ、演出の結果として擬似連の実行の有無が報知される。図26(D)では、めくられたカードGに「擬似連」との記載があるので、擬似連が実行されることが報知され、報知後、飾り図柄が「3 再 4」(「再」は、仮停止専用の図柄である。)で仮停止され(図26(E)。仮停止は、所定のチャンス目であってもよい)、その後再変動が行われる(図26(F))。擬似連煽り演出における、カードG及び「擬似連か?」を表示する演出を導入演出、カードGがめくられる演出を結果報知演出という。結果報知演出のうち、めくったカードGに何も書かれていない演出(擬似連が実行されないことを報知する演出)を失敗演出といい、めくったカードGに「擬似連」の文字の記載がある演出(擬似連が実行されることを報知する演出)を成功演出という。また、失敗演出が行われる擬似連煽り演出を、擬似連煽り演出(失敗)といい、成功演出が行われる擬似連煽り演出を、擬似連煽り演出(成功)ともいう。
上記の演出は、例えば、1回の飾り図柄の可変表示を単位として実行される。具体的には、1回の可変表示が終了したときには、メータMに貯まったポイントはリセットされる。
上記の演出が実行されるときにおいて、演出制御用CPU120は、ポイント付与演出により、メータMに1ポイント付与されること(メータMの表示態様が変化すること)の報知(「命中!+1Pt」との表示)をした後において、擬似連煽り演出(失敗)の実行を制限する(図26、図27)。
例えば、図27(A)のように、1ポイント付与されることを報知してから、実際にメータMに1ポイントが付与されるタイミング(四角が新たに1つ黒く塗りつぶされ、1ポイント貯まったタイミング)までの期間(他演出実行制限期間)において、擬似連煽り演出(失敗)の実行を制限する。または、図27(B)のように、1ポイント付与されることを報知してから、実行中の飾り図柄の可変表示終了(可変表示結果を導出する)までの期間(他演出実行制限期間)において、擬似連煽り演出(失敗)の実行を制限する。なお、他演出実行制限期間において、擬似連煽り演出(成功)の実行は制限されない。他演出実行制限期間の周期は、任意であり、実際にメータMに1ポイントが付与されるタイミングよりも後、実行中の飾り図柄の可変表示終了前の任意のタイミングなどであってもよい。また、ポイント付与演出が失敗の演出の場合(的P1に矢P2が当たらない場合)には、結果報知演出が成功演出であるか失敗演出であるかに係わらず擬似連煽り演出の実行は禁止されない(特に、擬似連煽り演出(失敗)の実行は禁止されない)。なお、図26の例では、擬似連煽り演出が実行開始されるタイミングは、「命中!+1Pt」との表示(図26(B))後、メータMに実際に1ポイントが付与されるまでの間である。このメータMに実際に1ポイントが付与されるタイミングは、図26の例よりも前か後のタイミングにしてもよく、例えば、図26(E)〜(F)の期間中の任意タイミング(擬似連煽り演出の実行が終了したあとなど)としてもよい。メータMに実際に1ポイントが付与されるタイミングは、1ポイント付与されることを報知してからすぐに到来してもよく、擬似連煽り演出が実行開始されるタイミングよりも前に到来してもよい(他演出実行制限期間は、擬似連煽り演出終了後の期間を含んでもよい)。
例えば、演出制御用CPU120は、ステップS171の可変表示開始設定処理にて、ポイント付与演出の実行の有無や、擬似連煽り演出の実行の有無などを決めるが、成功のポイント付与演出を実行すると決定し、かつ、他演出実行制限期間内に擬似連煽り演出(失敗)を実行すると決定してしまった場合、前記ポイント付与演出及び擬似連煽り演出のいずれかの実行をキャンセルする(必ずキャンセルしてもよいし、一定割合でキャンセルしてもよい)。または、演出制御用CPU120は、ステップS171の可変表示開始設定処理にて、ポイント付与演出及び擬似連煽り演出の実行パターンを予め定められたパターンの中から決定するようにし、当該予め定められたパターンの中には、成功のポイント付与演出を実行し、かつ、他演出実行制限期間内に擬似連煽り演出(失敗)を実行するパターンがないようにする(または、当該パターンの決定割合を、他演出実行制限期間内に擬似連煽り演出(成功)を実行するパターン等の決定割合よりも低くするなど)。
他演出実行制限期間を設けない場合、メータMに1ポイント付与されることが報知されたあとに、擬似連煽り演出(失敗)が無制限に実行されてしまうことがあるが、このような場合、失敗演出の実行により遊技者は落胆したり、1ポイントの付与と失敗演出とが違いに矛盾するとの印象を遊技者が抱いたりする頻度が高くなり、遊技の興趣が低下する。この変形例では、他演出実行制限期間を設け、擬似連煽り演出(失敗)の実行を制限するので、上記不都合を解消でき、遊技の興趣の低下を防止できる。「制限」には、禁止も含まれる。禁止の場合、より遊技の興趣の低下を防止できる。
(変形例2)
レース演出は、擬似連以外のときにおいても実行可能としてもよい。また、レース演出の実行の有無の決定割合を、可変表示結果や、変動パターンがリーチ演出であるか否か、スーパーリーチの種類などにより異ならせるようにしてもよい(レース演出が実行されること自体に大当り期待度を持たせてもよい。例えば、レース演出が実行される場合には、実行されない場合よりも大当り期待度を高いなど)。また、レース演出の実行回数は、例えば、擬似連の再変動の回数に応じて増えるようにしてもよい。例えば、再変動1回なら、レース演出を1回実行し、再変動が2回なら再変動が実行されるごとにレース演出を合計2回実行し、再変動が3回なら再変動が実行されるごとにレース演出を合計3回実行する。また、例えば、再変動前にレース演出を実行し、その後、再変動ごとに1回又は複数回レース演出を実行してもよい。レース演出は、擬似連の進行に係わらず実行されるものであってもよい。
(変形例3)
レース演出のパターンの決定方法として、例えば、最終的な態様(最後のレース演出にて勝つランナーの色又は両ランナーがレースを中止するか否か)を上記大当り期待度の関係を満たすように、テーブルや演出用乱数等を用いて決定し、その態様に合わせて、例えば、図20及び図21の説明で言及した上記条件の少なくとも1つを満たすように、レース演出のパターン(どの色のランナーを登場させるかなど)を決定してもよい。例えば、前記の最終的な態様それぞれに応じて、レース演出のパターン(複数回レース演出を実行する場合には、各演出のパターン(最後のレース演出以外は、どちらが勝つかなどの結果も含む。))を予め用意し、決定された最終的な対象に応じて、レース演出のパターンを抽選(上記のように、テーブル及び演出用乱数を用いて決定することなど)により決定する。
レース演出の回数を抽選や変動パターンに基づいて決定し、各回のレース演出の演出パターンを個別に抽選により決定してもよい。例えば、各回のレース演出の演出パターンを、図20の決定例のように決定してもよい(上記同様、演出用乱数値とテーブルとにより抽選により決定する)。なお、図20及び図21の説明で言及した上記条件を満たすように、各回のレース演出で決定可能な演出パターンや演出パターンの決定割合を変化させてもよい。また、あるレース演出(2回目以降のレース演出)に登場するランナーの色や、報知される大当り期待度(勝った方のランナーの期待度または、両ランナーがレースを中止したときの期待度)が、例えば、その前(特に、1回前)のレース演出で登場するランナーの色や、報知される大当り期待度よりも低い場合には、レース演出(そのあるレース演出のみの実行を中止し、その前のレース演出は実行してもよいし、その前のレース演出、その後のレース演出を含め全てのレース演出の実行を中止してもよい。)の実行を中止するようにしてもよい。このようにすることで、最後以外のレース演出の大当り期待度も正確なものとすることができ、演出効果が上がる。
(変形例4)
識別情報(特図、飾り図柄、普図など)の可変表示(単に可変表示であってもよい。)は、識別情報が点滅することも含む。例えば、特図や普図において、全てのセグメントが消灯したパターンと少なくとも一部のセグメントを点灯させた1つのパターン(例えば、ハズレ図柄)とを交互に繰り返すもの識別情報の可変表示に含まれる(この場合、前記1つのパターン(例えばハズレ図柄)が点滅して見える)。また、飾り図柄や普通図柄についても、点滅させることによって、可変表示を行ってもよい。また、可変表示にて可変表示される識別情報と、可変表示結果としての識別情報とは、異なるものであってもよい。例えば、特図又は普図の可変表示として、横棒一本の表示(「−」)を点滅させる表示を行ない、可変表示結果として、それ以外の表示(「大当り」であれば「7」、「ハズレ」であれば「1」など)を導出表示することも識別情報の可変表示に含まれる。例えば、スクロール表示される飾り図柄以外の飾り図柄が確定飾り図柄となってもよい。なお、1回の可変表示において、当初の所定期間では表示されなかった識別情報が所定期間経過後表示される態様も識別情報の可変表示に含まれる(上記特殊図柄は、最終停止図柄の仮停止時などに初めて登場する飾り図柄であってもよい。)。上記遊技機は、例えば可変表示を行うものであればよい。
(変形例5)
上記実施の形態では、変動開始時に大当り種別を決定することで大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするか否かを決定しているが、変動開始時には大入賞口の開放パターン(ラウンド遊技の態様)のみを決定し、大当り遊技状態中に遊技球が特定領域(例えば、大入賞口内の特定領域)を通過したことに基づいて当該大当り遊技状態後の遊技状態を「確変状態」にするようにしてもよい。
(変形例6)
上記実施の形態においては、変動時間及びリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御基板12に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御基板12に通知する様にしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ100は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無等、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無等、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信する様にしてもよい。この場合、演出制御基板12は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。尚、遊技制御用マイクロコンピュータ100の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御基板12の方で選択を行う様にしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信する様にしてもよい。尚、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知する様にすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
(変形例7)
一発告知を実行可能なタイミングを複数設けてもよい(例えば、リーチ成立前のタイミングと、リーチ成立後のタイミングなど)。この場合、実行タイミングを抽選等により決定し、実行タイミングに応じて大当り期待度を異ならせてもよい。
(変形例7)
その他にも、遊技機の装置構成やデータ構成、フローチャートで示した処理、などを実行するための画像表示装置における画像表示動作やスピーカにおける音声出力動作さらには遊技効果ランプや装飾用LEDにおける点灯動作を含めた各種の演出動作などは、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、任意に変更及び修正が可能である。
(上記実施形態等の少なくとも一部を一例とする構成など)
次に、上記実施形態や変形例等の少なくとも一部を一例とする構成やさらなる変形例などについて説明するが、下記の構成は、適宜一部省略してもよいし、一部のみを採用して遊技機を構成してもよい。
(1)遊技を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、
複数の選択候補(例えば、ランナーなど)を提示し(例えば、レース演出にて2人のランナーを登場させるなど)、提示した複数の選択候補のうちのいずれかを選択する(例えば、レース演出にて2人のランナーのうちのいずれかを勝たせるなど)選択手段(例えば、演出制御用CPU120など)を備え、
提示可能な選択候補として、第1選択候補(例えば、大当り期待度が比較的低い青のランナー及び緑のランナー(第1グループのランナー)など)と、選択されたときに第1選択候補よりも有利度(例えば、大当り期待度など)が高い第2選択候補(例えば、大当り期待度が比較的高い赤のランナー及び虹のランナー(第2グループのランナー)など)と、を少なくとも含み、
前記選択手段は、提示した複数の選択候補に第1選択候補が含まれないとき(例えば、レース演出にて、赤のランナー、虹のランナーのみが登場するときなど。つまり、提示した複数の選択候補が第2選択候補のみを含むときなど)に、提示した複数の選択候補に第1選択候補が含まれるとき(例えば、レース演出にて、青又は緑のランナーが登場するときなど)よりも高い割合(例えば、図20、図21参照)で複数の選択候補のいずれも選択しない(例えば、レース演出にて両ランナーが競走を中止するパターンなど)、
ことを特徴とする遊技機(少なくともこの条件を満たすように、図20、図21などの演出パターンの内容及び決定割合を変更してもよい)。
遊技機は、遊技媒体を封入し入賞の発生に基づいて得点を付与する封入式遊技機であってもよい。また、遊技機は、スロットマシンであってもよい。スロットマシンは、遊技用価値としてメダル並びにクレジットを用いて賭数が設定されるものに限定されず、遊技用価値として遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、遊技用価値としてクレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであってもよい。
有利度は、例えば、ある事象が生じたとき(レース演出等が実行されたとき)に実際に遊技者にとって有利な状態(特典(大当り遊技状態、スロットマシンにおけるBB状態、AT状態など)が付与される、あるいは、付与されている状態、特典付与の割合が高い状態、特典とは異なる有利な状態など)になる割合(大当り期待度など)、あるいは、有利な状態になっている割合(例えば、現在が確変状態であるか否かの判断が難しい潜伏状態において、現在が確変状態になっている割合)などをいう。
上記選択手段により複数の選択候補を提示して選択する演出(選択しない態様も含め、以下、選択演出ともいう。)は、どのような演出であってもよい。例えば、レース演出として、3人以上のランナーがレースをするものであってもよい。また、2つ以上のキャラクタがバトルを行うバトル演出であってもよい(キャラクタが勝つことが、そのキャラクタが選択されたことになる)。また、ルーレット演出等のように、2以上の選択肢のうちのいずれかをルーレット等により選択する選択演出であってもよい。
選択演出は、先読み予告において保留表示画像の表示態様(例えば、色)をどの色に変化させるかを報知するために、色の候補を2以上提示して選択する演出であってもよい(その後、保留表示画像の色を選択演出で選択された色に変化させる。いずれの候補も選択されない場合には、保留表示画像の色を変化させない。例えば先読み予告が実行されない)。先読み予告は、始動入賞時に抽出された乱数値MR1などに基づいて行われる先読み判定(当該乱数値に対応する、保留中の可変表示(特図ゲーム)を対象(ターゲット)とした判定)の判定結果に基づいて行われる。先読み判定は、ターゲットが大当りになるか否か、ターゲットの変動パターンがリーチを指定しているか否か、ターゲットの変動パターンが特定のリーチ(スーパーリーチなど)を指定しているか否かなどの判定であり、図8、図12、図13などのテーブルを用いて行わればよい。先読み判定は、CPU103で実行されるほか、演出制御用CPU120で実行されてもよい(この場合には、MR1などを示す演出制御コマンドを演出制御用基板12に供給する)。先読み予告の実行の有無等は、演出制御用CPU120により行われる。先読み予告は、例えば、ターゲットの可変表示が所定状態になることの期待度(大当り期待度や、リーチ等の期待度)をターゲットに対応する保留表示画像の色を変化させることで予告するものであればよい(どの色かに応じて期待度が異なる。このため、選択演出にて提示される色の候補も、保留表示画像の色と同様に期待度を有する)。所定状態が、リーチ状態等であれば、結局当該先読み予告は、ターゲットの大当り期待度を予告するものとなる。
なお、保留表示画像(第1及び第2保留表示画像)に対応する可変表示が実行されるときに、当該保留表示画像を実行中の可変表示に対応する画像(アクティブ表示画像)として、画像表示装置5の画面上の所定領域(アクティブ表示画像)に表示するようにしてもよい。この場合、当該アクティブ表示画像の表示態様(例えば、色)を変化させるアクティブ変化演出(変化後の表示態様により、大当り期待度を報知するなど)を実行するようにしてもよい。選択演出は、例えば、可変表示の実行中に、アクティブ表示画像の色をどの色に変化させるかを報知するために、色の候補を2以上提示して選択する演出であってもよい(その後、アクティブ表示画像の色を選択演出で選択された色に変化させる。いずれの候補も選択されない場合には、アクティブ表示画像の色を変化させない。例えばアクティブ変化演出が実行されない)。アクティブ変化演出の実行の有無や変化後の表示態様の決定は、先読み判定に基づいて行ってもよいし、図16の可変表示開始設定処理において、可変表示結果や変動パターンに基づいて行ってもよい。
なお、演出制御用CPU120は、保留表示画像、アクティブ表示画像の表示態様を、始動入賞〜アクティブ表示画像の表示終了時までの期間における複数回変化させてもよい(例えば、複数回の可変表示それぞれで変化させるなど)。この場合、変化の変遷のパターンを先読み判定の判定結果に基づいて一括で決定し、決定したパターンをRAM122に保持し、ターゲットまでの可変表示の実行開始時に、当該保持したパターンを参照して、保留表示画像、アクティブ表示画像の表示態様を変化させるか否か(選択演出を実行するか否か)などを決定してもよい。なお、保留表示画像についてのみ、複数回変化させてもよく、この場合においても、変化の変遷のパターンを先読み判定の判定結果に基づいて一括で決定してもよい。
このように、遊技機は、可変表示(未だ開始されていない又は実行中の可変表示)に対応する画像を表示する手段と、当該画像の表示態様を変化させる手段と、を備えるようにし、選択演出は、選択候補として、前記画像の変化後の表示態様に対応する候補を提示するものであってもよい(選択した候補に対応する表示態様に画像を変化させる、候補を選択しない場合には表示態様を変化させないなど。)。
また、選択演出は、リーチ演出に対応する選択候補を提示して選択するもの(選択されたリーチ演出が実行される。このため、選択候補もそのリーチ演出の大当り期待度を有する。)や、大当り期待度を予告するカットイン演出(他の予告演出やリーチ演出の途中で、それまでの流れとは関係のないカットが挿入される演出)等の予告演出に対応する選択候補(それぞれが異なる種類の予告演出に対応する選択候補でもよい)を提示して選択するもの(選択された予告演出が実行される。このため、選択候補もその予告演出の大当り期待度を有する。)や、現在が潜伏状態において、選択された場合に現在が確変状態になっている可能性を報知する選択候補を提示して選択するものであってもよい。また、選択演出は、画像表示装置5の小さい領域においてミニゲーム的に実行されてもよい。
1回の選択演出にて、同じ選択候補(選択されたときに同じ有利度となる選択候補)が2以上提示されてもよい(提示される選択候補全てが同じであってもよい。)。第1選択候補に含まれる選択候補は、1以上あればよい。第2選択候補に含まれる選択候補は、1以上あればよい。「第1選択候補よりも有利度が高い第2選択候補」とは、第2選択候補に含まれる全て選択候補の各有利度が、第1選択候補のうちの最も有利度が高い選択候補よりも高いことをいう(他の、有利度の高い、低いについても適宜同様)。また、提示可能な複数の選択候補には、第1選択候補、第2選択候補のみが含まれること(つまり、選択候補全てを第1選択候補と第2選択候補とのいずれかに区分けすること)が好ましいが、第3選択候補、第4選択候補・・・(例えば、第1選択候補よりも有利度が高く、第2選択候補よりも有利度が低い候補や、第1選択候補よりも有利度が低い候補や、第2選択候補よりも有利度が高い候補)等が含まれてもよい。
選択候補が選択されないとき、今回提示されていない選択候補(選択演出にて提示されうる選択候補)が新たに登場して選択されてもよい(例えば、赤のランナーと虹のランナーとがレースを中止し、その後に青のランナーが勝つなど)。
選択候補が選択されないときの有利度は、そのときに提示された選択候補のいずれの有利度(選択された場合の有利度)又は提示可能な選択候補のいずれの有利度よりも低いものとすることで、例えば、提示される複数の選択候補に第1選択候補が含まれない態様の選択演出の実行頻度を上げることができ、演出効果を高めることができる。選択候補が選択されないときの有利度は、選択候補が選択されたときの有利度よりも高くてもよい(例えば、赤のランナーと虹のランナーとがレースをして両者が競走を中止した場合の大当り期待度が、虹のランナーが勝ったときの大当り期待度よりも大きい。)。この場合、選択候補が選択されないことへの期待感を高めることで演出効果を高めることができる。また、選択候補が選択されないときの有利度は、選択候補が選択されたときの有利度と同じ又は各選択候補の最も上の有利度よりも低く最も下の有利度よりも高くしてもよい(例えば、赤のランナーと虹のランナーとがレースをして両者が競走を中止した場合の大当り期待度が、虹又は赤のランナーが勝ったときの大当り期待度と同じ、又は、虹のランナーが勝ったときの大当り期待度よりも低く、赤のランナーが勝ったときの大当り期待度よりも高い。)。この場合、選択演出の各バリ−エーションの実行頻度を同等とすることができ、演出効果を高めることができる。
選択演出により提示される選択候補には、選択されたときに、上記メータMに1ポイントを付与する候補が含まれてもよい。この場合、ポイント付与後のメータMの大当り期待度が、選択候補が選択されたときの有利度であってもよいし、ポイント付与による大当り期待度の上昇度が、選択候補が選択されたときの有利度であってもよい。また、選択候補により、付与するポイント数を異ならせてもよい。これらのように、選択候補は、選択されたときに、後述の特定表示(メータMなど)の表示態様を変化させるもの(及び、表示態様が変化することを報知するもの)であってもよい。
上記構成により、演出効果を高めることができる。特に、選択手段は、提示した複数の選択候補に第1選択候補が含まれないときに、提示した複数の選択候補に第1選択候補が含まれるときよりも高い割合で複数の選択候補のいずれも選択しないことで、提示した複数の選択候補に第1選択候補が含まれないときに、いずれの選択肢が選択されるか否かを、緊張感を持って見ることができ、演出効果を高めることができる。
(2)上記(1)の遊技機において、
前記選択手段は、第1タイミングと第2タイミングとを含む複数のタイミングにおいて、複数の選択候補を提示可能であり(例えば、図21、図23参照)、
第1選択候補が含まれない複数の選択候補が前記第1タイミングに提示されたときと前記第2タイミングに提示されたときとで、複数の選択候補のいずれかを選択する割合が異なる(例えば、図21参照)、
ようにしてもよい(少なくともこの条件を満たすように、図20、図21などの演出パターンの内容及び決定割合を変更してもよい)。
第1タイミングよりも第2タイミングの方が後に到来する場合、複数の選択候補のいずれかを選択する割合は、第2タイミングの方が低いようにしてもよい。
上記構成により、選択候補の提示タイミングが注目され、演出効果が高まる。
(3)上記(1)又は(2)の遊技機において、
有利度が高い特別演出(例えば、一発告知など)を実行する特別演出実行手段(例えば、演出制御用CPU120など)をさらに備え、
第1選択候補が含まれない複数の選択候補が提示されたときにおいて、前記特別演出が実行されたときの方が、当該特別演出が実行されていないときよりも、複数の選択候補のいずれかを選択する割合が高い(例えば、図21参照)、
ようにしてもよい(少なくともこの条件を満たすように、図20、図21などの演出パターンの内容及び決定割合を変更してもよい)。
特別演出は、上記実施の形態では、一発告知としているが、特別演出は、一発告知のような大当り確定の演出でなくてもよい。例えば、大当り期待度等の有利度が所定基準よりも高いこと(大当り確定ではない。)を報知する予告演出などであってもよい(演出態様も変えてもよい)。
上記構成により、特別演出が注目され、演出効果が高まる。
(4)上記(1)〜(3)のいずれかの遊技機において、
複数の選択候補のいずれも選択されないときの有利度は、複数の選択候補のいずれかが選択されたときの有利度よりも低い(例えば、図20、図21参照)、
ようにしてもよい(少なくともこの条件を満たすように、図20、図21などの演出パターンの内容及び決定割合を変更してもよい)。
上記構成により、遊技者は選択候補が選択されるか否かに注目するので、演出効果を高めることができる。
(5)上記(1)〜(4)のいずれかの遊技機において、
前記選択手段は、
第1タイミングと、第1タイミングよりも後の第2タイミングを含む複数のタイミングにおいて、複数の選択候補を提示可能であり(例えば、図21、図23参照)、
前記第2タイミングにおいて提示する複数の選択候補それぞれの有利度が、前記第1タイミングで提示する複数の選択候補それぞれの有利度よりも低くならないように、複数の選択候補を提示する(例えば、図21参照)、
ようにしてもよい(少なくともこの条件を満たすように、図20、図21などの演出パターンの内容及び決定割合を変更してもよい)。
このような構成によれば、遊技者の落胆などを防止でき、演出効果を高めることができる。なお、上記低くならないようにする対象は、選択手段により選択される選択候補の有利度や選択候補が選択されなかったときの有利度などであってもよい。
なお、前記第2タイミングにおいて提示する複数の選択候補それぞれの有利度が、前記第1タイミングで提示する複数の選択候補それぞれの有利度よりも低くなりにくようにしてもよい。例えば、レース演出の演出パターンにて、有利度が低くなるパターンを用意するが、当該パターンの決定割合を有利度が低くならないパターンよりも低くする。また、低くなりにくいようにする対象は、選択手段により選択される選択候補の有利度や選択候補が選択されなかったときの有利度などであってもよい。この場合であっても、例えば、レース演出の演出パターンにて、有利度が低くなるパターンを用意するが、当該パターンの決定割合を有利度が低くならないパターンよりも低くする。このような構成によっても、遊技者の落胆などの頻度を軽減でき、演出効果を高めることができる。
(6)上記(1)〜(5)のいずれかの遊技機において、
有利度に応じて特定表示(例えば、メータMなど)の表示態様を段階的に変化させることが可能な特定表示制御手段(例えば、変形例1における演出制御用CPU120など)と、
共通の導入演出(例えば、カードG及び「擬似連か?」を表示する演出など)を行った後に成功演出(例えば、カードGをめくり、めくったカードGに「擬似連」の文字の記載がある演出など)及び失敗演出(例えば、カードGをめくり、めくったカードGに何も書かれていない演出など)のうちのいずれかを行う特定演出(例えば、擬似連煽り演出など)を実行する特定演出実行手段(例えば、変形例1における演出制御用CPU120など)と、を備え、
前記特定演出実行手段は、前記特定表示の表示態様が変化することが報知された後の所定期間(例えば、他演出実行制限期間など)において、前記失敗演出が行われる前記特定演出(例えば、擬似連煽り演出(失敗)など)の実行を制限する(例えば、図27参照)、
ようにしてもよい。
このような構成により、前記所定期間に失敗演出が制限無しに実行されることによる遊技の興趣の低下を防止できる。
なお、ここでの有利度は、上記(1)等の有利度と異なる種類の有利度(上記(1)等の有利度と対象が異なる)であってもよい。
特定表示は、複数のキャラクタや図形が、シルエットのみ、又は、半透過等の視認し難い態様で表示され、順次キャラクタや図形が通常の表示に変更されることで、その表示態様が段階的に変化するものであってもよい。
特定表示の表示態様は、複数のタイミングで変化可能としてもよい。このような場合、失敗演出により特定表示の表示態様がもう変化しないのではないかというような不安が制限無しに生じてしまうことを防止でき、遊技の興趣の低下を防止できる。
所定期間の終期も任意のタイミングでよい。
特定表示の表示態様の変化や、特定演出などは、上記先読み判定に基づく、先読み予告等の一種であってもよい。この場合、所定期間(他演出実行制限期間など)は、ターゲットの可変表示の終了までとしてもよいし、特定表示の表示態様が変化することを報知するときに実行されている可変表示の終了までとしてもよい。また、その他の任意のタイミングでもよい。また、特定表示の表示態様の変化や、特定演出などは、その他各種の演出によって実現されてもよい。特定表示の表示態様の変化は、選択演出により選択された選択候補が特定の候補のときに行われてもよい(当該変化の報知は、例えば、当該特定の候補が選択されること自体であってもよい)。
特定演出は、例えば、擬似連、スーパーリーチ、先読み予告など、他の演出が実行されるか否かを煽り(導入演出)、実行されることを報知又は示唆するか(成功演出)、実行されないことを報知又は示唆する(失敗演出)演出などであればよい。また、特定演出は、上記ポイント付与演出であってもよい。この場合、矢P2及び的P1(上下に動く)を表示してから、矢P2を発射する前までが導入演出であり、矢P2が的P1に当たる演出が成功演出であり、矢P2が的P1に当たらない(外れる)演出が失敗演出である。このように、特定演出は、成功演出により、特定表示の表示態様を変化させ(変化させることを報知することを含む)、失敗演出により、特定表示の表示態様を変化させない演出であってもよい。特定表示の表示態様が変化することを報知するときに実行される演出(特定表示の表示態様が変化することを報知可能な演出)と、前記の特定演出とは、複数タイミングで実行される同じ演出であってもよい。
(その他)
なお、本明細書において、演出の実行割合などの各種割合の比較の表現(「高い」、「低い」、「異なる」などの表現)は、一方が「0%」の割合であることを含んでもよい。例えば、一方が「0%」の割合で、他方が「100%」の割合又は「100%」未満の割合であることも含む。
また、本明細書において、「制限」とは、禁止の他、実行割合等の各種割合を下げることを含む。
本発明は、以上に説明したものに限られるものではない。また、その具体的な構成は、上述の実施形態や後述の他の形態例に加えて、本発明の要旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれる。
また、上述した実施の形態に示した構成、後述の形態例及び変形例に示した構成のうち、全部又は一部の構成を任意に組み合わせることとしてもよい。
なお、今回開示された上述の実施形態及び後述の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上述の説明及び後述の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明による遊技機としては、他にも、遊技を行う遊技機(例えば、パチンコ遊技機1など)であって、複数の選択候補(例えば、ランナーなど)を提示し(例えば、レース演出にて2人のランナーを登場させるなど)、提示した複数の選択候補のうちのいずれかを選択する(例えば、レース演出にて2人のランナーのうちのいずれかを勝たせるなど)選択手段(例えば、演出制御用CPU120など)と、受信したコマンド(例えば、演出制御コマンド)にもとづいて制御を行う制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100)と、受信したコマンドが最初に格納される第1格納領域(例えば、シリアル通信回路90115が備える受信レジスタ)と、受信したコマンドが一時格納される第2格納領域(例えば、内蔵RAM90112に設けられる受け渡し用バッファ)と、受信したコマンドが最終的に格納される第3格納領域(例えば、外付けのSDRAM90116に設けられる解析用バッファ)とを備え、制御手段は、コマンドを受信するごとに発生する受信割込(例えば、シリアル受信割込)にもとづいて、第1格納領域に格納されているコマンドを読み出して第2格納領域に格納する第1格納制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップS90721〜S90723を実行する部分)と、所定期間(例えば、1ms)ごとに発生するタイマ割込にもとづいて、第2格納領域に格納されているコマンドを読み出して第3格納領域に格納する第2格納制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップS90741〜S90748を実行する部分)と、第3格納領域に格納されているコマンドを解析する解析手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップS90704を実行する部分)とを含み、提示可能な選択候補として、第1選択候補(例えば、大当り期待度が比較的低い青のランナー及び緑のランナー(第1グループのランナー)など)と、選択されたときに第1選択候補よりも有利度(例えば、大当り期待度など)が高い第2選択候補(例えば、大当り期待度が比較的高い赤のランナー及び虹のランナー(第2グループのランナー)など)と、を少なくとも含み、選択手段は、提示した複数の選択候補に第1選択候補が含まれないとき(例えば、レース演出にて、赤のランナー、虹のランナーのみが登場するときなど)に、提示した複数の選択候補に第1選択候補が含まれるとき(例えば、レース演出にて、青又は緑のランナーが登場するときなど)よりも高い割合(例えば、図20、図21参照)で複数の選択候補のいずれも選択しない(例えば、レース演出にて両ランナーが競走を中止するパターンなど)、ことを特徴とする遊技機が挙げられる。
上記遊技機によれば、演出効果を高めることができる。また、大量のコマンドを受信した場合にコマンドの取りこぼしを軽減することができる。
上記遊技機において、制御手段が受信したコマンドにもとづいて選択候補の提示および選択の制御を行うようにしてもよい。これによれば、制御手段においてコマンドの取りこぼしの軽減が図られているため、より正確な情報に基づいて選択候補の提示および選択の制御を行うことができるようになる。そのため、選択候補に関する演出の信頼性が高まり、演出の興趣をより高めることができる。
なお、少なくとも一部のコマンドの取りこぼしが発生した場合には、選択候補を提示し選択する演出の実行を制限するようにしてもよい。ここで制限とは、演出の実行を禁止するものであってもよいし、演出の実行割合を低下させるものであってもよい。また、所定の期待度以上の選択候補(例えば、第2選択候補)の提示や選択を禁止するものであってもよい。これによれば、信頼性の低い情報により演出が実行されてしまうことで、演出の信頼性が低下し、興趣が低下してしまうことを抑制することができる。
さらに、大量のコマンドを受信した場合にコマンドの取りこぼしを軽減することができる遊技機の形態の一例として、遊技を行うことが可能な遊技機であって、受信したコマンド(例えば、演出制御コマンド)にもとづいて制御を行う制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100)と、受信したコマンドが最初に格納される第1格納領域(例えば、シリアル通信回路90115が備える受信レジスタ)と、受信したコマンドが一時格納される第2格納領域(例えば、内蔵RAM90112に設けられる受け渡し用バッファ)と、受信したコマンドが最終的に格納される第3格納領域(例えば、外付けのSDRAM90116に設けられる解析用バッファ)とを備え、制御手段は、コマンドを受信するごとに発生する受信割込(例えば、シリアル受信割込)にもとづいて、第1格納領域に格納されているコマンドを読み出して第2格納領域に格納する第1格納制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップS90721〜S90723を実行する部分)と、所定期間(例えば、1ms)ごとに発生するタイマ割込にもとづいて、第2格納領域に格納されているコマンドを読み出して第3格納領域に格納する第2格納制御手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップS90741〜S90748を実行する部分)と、第3格納領域に格納されているコマンドを解析する解析手段(例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100におけるステップS90704を実行する部分)とを含むことを特徴とする遊技機が挙げられる。以下に、この遊技機の形態例の一例を他の形態例として説明する。
(他の形態例)
以下、他の形態例を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機901の全体の構成について説明する。図28はパチンコ遊技機901を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機901は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機901は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠902を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤906を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠902の下部表面には打球供給皿(上皿)903がある。打球供給皿903の下部には、打球供給皿903に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿904や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)905が設けられている。また、ガラス扉枠902の背面には、遊技盤906が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤906は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤906の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域907が形成されている。
遊技領域907の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置909が設けられている。演出表示装置909の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置909は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置909の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置909は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器908aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置909で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器908bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置909で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置909において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置909に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
演出表示装置909の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域909c,909dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域909cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域909dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ90100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置909を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置909上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置909の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽することはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域909cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域909dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域909c,909dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域909cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域909dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。なお、「可変表示が同期する」とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器908aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域909cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(通常大当りや確変大当りのいずれであるかに応じて表示色を異ならせてもよい。)で点灯されたままになる。第2特別図柄表示器908bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域909dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(通常大当りや確変大当りのいずれであるかに応じて表示色を異ならせてもよい。)で点灯されたままになる。なお、第4図柄表示領域909c,909dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置909の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置909とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域909c,909dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置909の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
遊技盤906における下部の左側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)908aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器908aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器908aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。遊技盤906における下部の右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)908bが設けられている。第2特別図柄表示器908bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器908bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器908aおよび第2特別図柄表示器908bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器908aと第2特別図柄表示器908bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器908a,908bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口9013または第2始動入賞口9014を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置909の下方には、第1始動入賞口9013を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口9013に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第1始動口スイッチ9013aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)9013を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口9014を有する可変入賞球装置9015が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)9014に入賞した遊技球は、遊技盤906の背面に導かれ、第2始動口スイッチ9014aによって検出される。可変入賞球装置9015は、ソレノイド9016によって開状態とされる。可変入賞球装置9015が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置9015が開状態になっている状態では、第1始動入賞口9013よりも、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口9014に入賞しない。従って、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口9014よりも、第1始動入賞口9013に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置9015が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置9015が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置9015に向かう遊技球は第2始動入賞口9014に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口9013は演出表示装置909の直下に設けられているが、演出表示装置909の下端と第1始動入賞口9013との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口9013の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口9013の周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口9013に導きづらくして、第2始動入賞口9014の入賞率の方を第1始動入賞口9013の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図28に示すように、第2始動入賞口9014に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置9015が設けられているが、第1始動入賞口9013および第2始動入賞口9014のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1特別図柄表示器908aの側方には、第1始動入賞口9013に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器9018aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器9018aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器908aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
第2特別図柄表示器908bの側方には、第2始動入賞口9014に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器9018bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器9018bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器908bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置909の表示画面の下部には、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部909aと、第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部909bとが設けられている。第1保留記憶表示部909aには、第1保留記憶の各々に対応して第1保留表示が表示される。また、第2保留記憶表示部909bには、第2保留記憶の各々に対応して第2保留表示が表示される。なお、この実施の形態では、第1保留記憶数と第2保留記憶数とを個別に表示する場合を示しているが、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計数である合算保留記憶数を表示する合算保留記憶表示部を設けるように構成してもよい。そのように構成すれば、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。また、そのように構成した場合に、合算保留記憶表示部において、第1保留記憶と第2保留記憶とが第1始動入賞口9013および第2始動入賞口9014への入賞順に並べて表示されるとともに、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(例えば、第1保留記憶は赤色で表示され、第2保留記憶は青色で表示される)ように構成してもよい。
演出表示装置909は、第1特別図柄表示器908aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器908bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器908aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置909における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器908bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置909における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器908aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器908bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置909において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
なお、この実施の形態では、後述するように、特別図柄の変動表示を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ90560が変動時間を特定可能な変動パターンコマンドを送信し、演出制御用マイクロコンピュータ90100によって、受信した変動パターンコマンドで特定される変動時間に従って演出図柄の変動表示が制御される。そのため、変動パターンコマンドにもとづいて変動時間が特定されることから、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とは、原則として同期して実行されるはずである。ただし、万一変動パターンコマンドのデータ化けなどが生じた場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ90560側で認識している変動時間と、演出制御用マイクロコンピュータ90100側で認識している変動時間との間にズレが生じる可能性がある。そのため、コマンドのデータ化けなどの不測の事態が生じた場合には、特別図柄の変動表示と演出図柄の変動表示とが完全には同期しない事態が生じる可能性がある。
演出表示装置909の周囲の飾り部において、左側には、モータ9086の回転軸に取り付けられ、モータ9086が回転すると移動する可動部材9078が設けられている。この実施の形態では、可動部材9078は、予告演出(可動物予告演出)やスーパーリーチ演出が実行されるときに動作する。なお、可動物予告演出やスーパーリーチ演出にかぎらず、例えば、擬似連の演出において可動部材9078が動作するようにしてもよい。
また、図28に示すように、可変入賞球装置9015の下方には、特別可変入賞球装置9020が設けられている。特別可変入賞球装置9020は開閉板を備え、第1特別図柄表示器908aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器908bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド9021によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ9023で検出される。
遊技領域906には、遊技球の入賞にもとづいてあらかじめ決められている所定数の景品遊技球の払出を行うための入賞口(普通入賞口)9029,9030,9033,9039も設けられている。入賞口9029,9030,9033,9039に入賞した遊技球は、入賞口スイッチ9029a,9030a,9033a,9039aで検出される。
遊技盤906の右側方には、普通図柄表示器9010が設けられている。普通図柄表示器9010は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート9032を通過しゲートスイッチ9032aで検出されると、普通図柄表示器9010の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器9010における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置9015が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置9015の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口9014に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器9010の近傍には、ゲート9032を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器9041が設けられている。ゲート9032への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ9032aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器9041は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器9010の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である確変状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態。高確率状態。)では、普通図柄表示器9010における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置9015の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤906の遊技領域907の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED9025が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口9026がある。また、遊技領域907の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ9027が設けられている。遊技領域907の外周には、前面枠に設けられた枠LED9028が設けられている。
打球供給皿903を構成する部材においては、遊技者により操作可能な操作手段としての操作ボタン90120が設けられている。操作ボタン90120には、遊技者が押圧操作をすることが可能な押しボタンスイッチが設けられている。なお、操作ボタン90120は、遊技者による押圧操作が可能な押しボタンスイッチが設けられているだけでなく、遊技者による回転操作が可能なダイヤルも設けられている。遊技者は、ダイヤルを回転操作することによって、所定の選択(例えば演出の選択)を行うことができる。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル905を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域907に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域907を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域907に入り、その後、遊技領域907を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口9013に入り第1始動口スイッチ9013aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器908aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口9013への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口9014に入り第2始動口スイッチ9014aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器908bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置909において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口9014への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、確変大当りとなった場合には、大当り遊技終了後にいわゆる確変状態に移行され、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器908a,908bや演出表示装置909における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置9015が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置9015が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。
なお、可変入賞球装置9015が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器9010における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器9010における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置9015が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器9010における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置9015が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置9015の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置9015の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器9010における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置9015が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、この実施の形態では、高ベース状態に移行される場合には、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態(特別図柄時短状態)にも移行される。そのように時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図29は、主基板(遊技制御基板)9031における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図29は、払出制御基板9037および演出制御基板9080等も示されている。主基板9031には、プログラムに従ってパチンコ遊技機901を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)90560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM9054、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM9055、プログラムに従って制御動作を行うCPU9056およびI/Oポート部9057を含む。この実施の形態では、ROM9054およびRAM9055は遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU9056のほかRAM9055が内蔵されていればよく、ROM9054は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部9057は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ90560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路9053が内蔵されている。また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560には、シリアル通信回路9051も内蔵されている。
また、RAM9055は、その一部または全部が電源基板90910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM9055の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM9055の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560においてCPU9056がROM9054に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(またはCPU9056)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU9056がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板9031以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路9053は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路9053は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路9053は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、乱数回路9053が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM9054等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ90560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ90560の製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路9053が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路9053が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
シリアル通信回路9051は、演出制御コマンドをシリアル信号に変換し、シリアル通信方式により演出制御基板9080が搭載する演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する機能を有する。
また、ゲートスイッチ9032a、始動口スイッチ9013a、カウントスイッチ9023、入賞口スイッチ9029a,9030a,9033a,9039aからの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ90560に与える入力ドライバ回路9058も主基板9031に搭載されている。また、可変入賞球装置9015を開閉するソレノイド9016、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置9020を開閉するソレノイド9021を遊技制御用マイクロコンピュータ90560からの指令に従って駆動する出力回路9059も主基板9031に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018bおよび普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号をホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路(図示せず)も主基板9031に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板9080に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、シリアル通信方式により、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置909の表示制御を行う。
また、演出制御基板9080に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板9035を介して、遊技盤に設けられている装飾LED9025、および枠側に設けられている枠LED9028の表示制御を行うとともに、音声出力基板9070を介してスピーカ9027からの音出力の制御を行う。
図30は、演出制御基板9080、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070の回路構成例を示すブロック図である。なお、図30に示す例では、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板9035および音声出力基板9070を設けずに、演出制御に関して演出制御基板9080のみを設けてもよい。
演出制御基板9080は、演出制御用CPU90101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶する内蔵RAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ90100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板9080において、演出制御用CPU90101は、内蔵ROMに格納されたプログラムに従って動作し、シリアル通信回路(図49参照)を用いて演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU90101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)90109に演出表示装置909の表示制御を行わせる。また、演出制御基板9080は、外付けのSDRAM90116を搭載している。演出制御用マイクロコンピュータ90100の内蔵ROMや内蔵RAM、外付けのSDRAM90116については後述する。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90100と共動して演出表示装置909の表示制御を行うVDP90109が演出制御基板9080に搭載されている。VDP90109は、演出制御用マイクロコンピュータ90100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP90109は、VRAM内の画像データを、フレームメモリを介して演出表示装置909に出力する。
演出制御用CPU90101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP90109に出力する。CGROMは、演出表示装置909に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP90109は、演出制御用CPU90101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP90109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
また、演出制御用CPU90101は、出力ポート90106を介して、可動部材9078を動作させるためにモータ9086を駆動する。また、演出制御用CPU90101は、出力ポート90106を介して、演出羽根役物9079a,9079bを動作させるためのモータ9087を駆動する。
また、演出制御用CPU90101は、入力ポート90107を介して、遊技者による操作ボタン90120の押圧操作に応じて操作ボタン90120からの信号を入力する。
さらに、演出制御用CPU90101は、出力ポート90105を介してランプドライバ基板9035に対してLEDやランプを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU90101は、出力ポート90104を介して音声出力基板9070に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板9035において、LEDやランプを駆動する信号は、入力ドライバ90351を介してLEDドライバ90352に入力される。LEDドライバ90352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED9028などの枠側に設けられている発光体に電流を供給する。また、遊技盤側に設けられている装飾LED9025などに電流を供給する。
音声出力基板9070において、音番号データは、入力ドライバ90702を介して音声合成用IC90703に入力される。音声合成用IC90703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路90705に出力する。増幅回路90705は、音声合成用IC90703の出力レベルを、ボリューム90706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ9027に出力する。音声データROM90704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図31は、主基板9031における遊技制御用マイクロコンピュータ90560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS901以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU9056は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU9056は、まず、割込禁止に設定する(ステップS901)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS902)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS903)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS904)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS905)。なお、割込モード2は、CPU9056が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU9056は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS906)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU9056は、通常の初期化処理(ステップS9010〜S9015)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS907)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU9056は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU9056は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS908)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS908では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU9056は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS9041〜S9043の処理)を行う。具体的には、ROM9054に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9041)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM9055内の領域)に設定する(ステップS9042)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS9041およびS9042の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、確変フラグ、時短フラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU9056は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS9043)。また、CPU9056は、バックアップRAMに保存されている表示結果(通常大当り、確変大当り、突然確変大当り、小当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板9080に対して送信する(ステップS9044)。そして、ステップS9014に移行する。なお、ステップS9044において、CPU9056は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図35参照)も送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS9044で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU9056は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU9056は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU9056は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS9010)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM9055の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM9054に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS9011)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS9012)。
ステップS9011およびS9012の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU9056は、サブ基板(主基板9031以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ90560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS9013)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置909において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU9056は、乱数回路9053を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS9014)。CPU9056は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路9053にランダムR´の値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS9015において、CPU9056は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS9010〜S9015)が完了すると、CPU9056は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS9017)および初期値用乱数更新処理(ステップS9018)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS9016)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS9019)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ90560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置909において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、リーチ演出は常に実行される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ90100である。
タイマ割込が発生すると、CPU9056は、図32に示すステップS9020〜S9034のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS9020)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU9056は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路9058を介して、ゲートスイッチ9032a、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS9021)。
次に、CPU9056は、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908b、普通図柄表示器9010、第1特別図柄保留記憶表示器9018a、第2特別図柄保留記憶表示器9018b、普通図柄保留記憶表示器9041の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS9022)。第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび普通図柄表示器9010については、ステップS9032,S9033で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS9023)。CPU9056は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS9024,S9025)。
さらに、CPU9056は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS9026)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器908a、第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS9027)。普通図柄プロセス処理では、CPU9056は、普通図柄表示器9010の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。なお、ステップS9027の普通図柄プロセス処理では、ゲート9032への遊技球の通過を検出したことにもとづいて普通図柄の変動表示を実行して変動表示結果を導出表示したり、普通図柄の変動表示結果が当りとなったときに可変入賞球装置9015を開放状態に制御したり閉鎖状態に制御したりする処理を実行する。
また、CPU9056は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS9028)。
さらに、CPU9056は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS9029)。
また、CPU9056は、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS9030)。具体的には、第1始動口スイッチ9013a、第2始動口スイッチ9014aおよびカウントスイッチ9023のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板9037に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置9097を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU9056は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS9031:出力処理)。
また、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS9032)。
さらに、CPU9056は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS9033)。CPU9056は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU9056は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS9022において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器9010における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS9034)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS9021〜S9033(ステップS9029を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bおよび演出表示装置909にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bおよび演出表示装置909にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置909における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア909L、909C、909Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。
第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置909において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置909における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、大当り種別が全て確変大当りであるように遊技機を構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、確変状態(高確率状態)に移行されるのみで時短状態(高ベース状態)を伴わない突然確変大当りを設けるようにすることが好ましい。
図33は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1´(MR1´):大当りの種類(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2´(MR2´):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3´(MR3´):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4´(MR4´):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5´(MR5´):ランダム4´の初期値を決定する(ランダム4´初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの演出の有無でグループ化してもよい。
図32に示された遊技制御処理におけるステップS9023では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2´、ランダム3´)または初期値用乱数(ランダム5´)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ90560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ90560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図34(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM9054に記憶されているデータの集まりであって、ランダムR´と比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図34(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図34(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図34(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
図34(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM9054に記憶されているデータの集まりであって、ランダムR´と比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図34(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図34(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図34(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図34(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU9056は、所定の時期に、乱数回路9053のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR´)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図34(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する通常大当り、確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図34(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図34(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図34(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図34(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口9013に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口9014に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図34(D),(E)は、ROM9054に記憶されている大当り種別判定テーブル90131a,90131bを示す説明図である。このうち、図34(D)は、遊技球が第1始動入賞口9013に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)90131aである。また、図34(E)は、遊技球が第2始動入賞口9014に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)90131bである。
大当り種別判定テーブル90131a,90131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1´)にもとづいて、大当りの種別を「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図34(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル90131aには「突然確変大当り」に対して8個の判定値が割り当てられている(40分の8の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル90131bには「突然確変大当り」に対して2個の判定値が割り当てられている(40分の2の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口9013に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口9014に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル90131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル90131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図34(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態としての突然確変大当り(2ラウンドの大当り)と、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態としての通常大当りおよび確変大当り(15ラウンドの大当り)とに決定する場合があるとともに、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
この実施の形態では、図34(D),(E)に示すように、大当り種別として、「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンドおよび2ラウンドの2種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当りや、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「通常大当り」、「確変大当り」および「突然確変大当り」の3種類である場合を示しているが、3種類にかぎらず、例えば、4種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が3種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
「通常大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に時短状態(高ベース状態)に移行させる大当りである(後述するステップS90167,90168参照)。そして、時短状態に移行した後、変動表示を100回終了すると時短状態が終了する(後述するステップS90168,S90137〜90140参照)。なお、この実施の形態では、時短状態に移行した後、100回の変動表示の実行を終了する前に大当りが発生した場合にも、時短状態が終了する(後述するステップS90132参照)。
「確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確率状態)に移行させる大当りである(この実施の形態では確変状態に移行されるとともに時短状態(高ベース状態)にも移行される。後述するステップS90169,S90170参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するステップS90132参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「通常大当り」や「確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「通常大当り」や「確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に確変状態(高確率状態)に移行される(この実施の形態では、確変状態に移行されるとともに時短状態(高ベース状態)にも移行される。後述するステップS90169,S90170参照)。そして、確変状態に移行した後、次の大当りが発生するまで確変状態が維持される(後述するステップS90132参照)。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。
大当り種別判定テーブル90131a,90131bには、ランダム1´の値と比較される数値であって、「通常大当り」、「確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU9056は、ランダム1´の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
図35および図36は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図35および図36に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置909において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置909において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C05(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ90100は、コマンド8C01(H)〜8C05(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C05(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ90100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001〜A003(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始1指定コマンド、大当り開始2指定コマンド、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「通常大当り」である場合には大当り開始1指定コマンド(A001(H))が用いられ、「通常大当り」である場合には大当り開始2指定コマンド(A002(H))が用いられ、「突然確変大当り」や「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A003(H))が用いられる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、突然大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了1指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。なお、大当り終了1指定コマンド(A301(H))は、「通常大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了2指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、大当り終了2指定コマンド(A302(H))は、「確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA303(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング3指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が時短状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(時短状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が確変状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(確変状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2保留記憶数が1増加したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数加算指定コマンド)である。コマンドC200(H)は、第1保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド)である。コマンドC300(H)は、第2保留記憶数が1減少したことを指定する演出制御コマンド(第2保留記憶数減算指定コマンド)である。
なお、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1保留記憶数と第2保留記憶数とについて、それぞれ保留記憶数が増加または減少したことを示す演出制御コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド、第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する場合を示しているが、保留記憶情報の形態は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、以下のような態様の保留記憶情報を送信するようにしてもよい。
(1)保留記憶情報として、1つのコマンドのみを送信し、その1つのコマンドにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したかを指定するとともに、増加した方の保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(2)保留記憶情報として、1つのコマンドのみを送信し、その1つのコマンドにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したかを指定するとともに、合算保留記憶数をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(3)保留記憶情報として、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014とのいずれに始動入賞したか(第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したか)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)を送信するとともに、それとは別に保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにし、その保留記憶数指定コマンドにおいて合算保留記憶数をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
(4)保留記憶情報として、第1始動入賞口9013と第2始動入賞口9014とのいずれに始動入賞したか(第1保留記憶と第2保留記憶とのいずれが増加したか)を指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド、第2始動入賞指定コマンド)を送信するとともに、それとは別に保留記憶数を指定する保留記憶数指定コマンドを送信するようにし、その保留記憶数指定コマンドにおいて増加した方の保留記憶数(第1保留記憶数または第2保留記憶数)をEXTデータとして設定して送信するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。また、コマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、始動入賞時に、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りや小当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90100に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ90100に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、図柄指定コマンドに設定されている値にもとづいて、表示結果が大当りや小当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドにもとづいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
演出制御基板9080に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ90100(具体的には、演出制御用CPU90101)は、主基板9031に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ90560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図35および図36に示された内容に応じて画像表示装置909の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板9070に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい。
なお、演出制御コマンドの送出方式として、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が搭載するシリアル通信回路(図示せず)を用いて、2バイトの演出制御コマンドをシリアル信号に変換し、1本のシリアル信号線で主基板9031から演出制御基板9080に演出制御コマンドデータを出力するシリアル通信方式を用いる。
図35および図36に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器908aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器908bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う画像表示装置909などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図37および図38は、主基板9031に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS9026)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器908aまたは第2特別図柄表示器908bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU9056は、第1始動入賞口9013に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ9013aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口9013への始動入賞が発生していたら、第1始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS90311,S90312)。また、CPU9056は、第2始動入賞口9014に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ9014aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口9014への始動入賞が発生していたら、第2始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS90313,S90314)。そして、ステップS90300〜S90310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動口スイッチ9013aまたは第2始動口スイッチ9014aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS90300〜S90310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS90300〜S90310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS90300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS90301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ90100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS90303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS90301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ90100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置909において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS90304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され(図48参照)、ステップS9022の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS90305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド9021を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(ステップS90306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS90307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、確変フラグや時短フラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS90308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド9021を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS90309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90310に対応した値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(ステップS90310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ90100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS90300に対応した値(この例では0)に更新する。
図39は、ステップS90312,S90314の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。このうち、図39(A)は、ステップS90312の第1始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。また、図39(B)は、ステップS90314の第2始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。
まず、図39(A)を参照して第1始動口スイッチ通過処理について説明する。第1始動口スイッチ9013aがオン状態の場合に実行される第1始動口スイッチ通過処理において、CPU9056は、まず、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS901211A)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU9056は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS901212A)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS901213A)。次いで、CPU9056は、乱数回路9053やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図40参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS901214A)。なお、ステップS901214Aの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR´(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を第1始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図40は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留記憶バッファ)の構成例を示す説明図である。図40に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR´(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM9055に形成されている。
なお、この実施の形態では、大当り判定用乱数などの乱数値を保留記憶として第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶する場合を示しているが、保留記憶として記憶する所定の情報は乱数値にかぎられない。例えば、大当り判定用乱数などにもとづいて大当りや小当りとするか否かをあらかじめ決定しておき、その決定結果を保留記憶として第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファに記憶してもよい。
次いで、CPU9056は、遊技状態が時短状態(高ベース状態)であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS901215A)。セットされていれば、そのままステップS901220Aに移行する。時短フラグがセットされていなければ、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値が5以上であるか否かを確認する(ステップS901216A)。特別図柄プロセスフラグの値が5以上であれば(すなわち、大当り遊技状態または小当り遊技状態であれば)、CPU9056は、そのままステップS901220Aに移行する。
特別図柄プロセスフラグの値が5未満であれば、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(ステップS901217A)。そして、CPU9056は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS901218A)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS901219A)。また、CPU9056は、第1保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS901220A)。
なお、ステップS901218A,S901219Aの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU9056は、第1始動入賞口9013に始動入賞してステップS901217Aの入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ90100に対して送信する。
また、この実施の形態では、ステップS901218A〜S901220Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口9013への始動入賞が発生してステップS901217Aの入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第1保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
ただし、ステップS901215AまたはステップS901216AでYと判定したことによりステップS901217Aの入賞時演出処理を実行しなかった場合には、CPU9056は、ステップS901220Aにおいて、第1保留記憶数加算指定コマンドのみを送信する制御を行い、入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信する制御は行わない。なお、ステップS901217Aの入賞時演出処理を実行しなかった場合に、入賞判定結果を特定不能であることを示す値(例えば、「FF(H)」)をEXTデータとして設定した入賞時判定結果指定コマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、ステップS901215Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口9013への始動入賞があった場合には、遊技状態が低ベース状態である場合にのみステップS901217Aの入賞時演出処理が実行される。また、この実施の形態では、ステップS901216Aの処理が実行されることによって、第1始動入賞口9013への始動入賞があった場合には、大当り遊技状態や小当り遊技状態でない場合にのみステップS901217Aの入賞時演出処理が実行される。なお、大当り遊技状態である場合にのみステップS901217Aに移行しないようにし、小当り遊技状態である場合にはステップS901217Aに移行して入賞時演出処理が実行されるようにしてもよい。
また、この実施の形態において、大当り遊技状態(特定遊技状態)とは、大当りを開始することが報知されてから、所定数のラウンド(例えば、15ラウンド)にわたって大入賞口が開放する制御が行われ、最終ラウンドの大入賞口の開放を終了して大当りを終了することが報知されるまでの状態である。具体的には、特別図柄プロセス処理における大入賞口開放前処理(ステップS90305参照)から大当り終了処理(ステップS90307参照)までの処理が実行されている状態である。
次に、図39(B)を参照して第2始動口スイッチ通過処理について説明する。第2始動口スイッチ9014aがオン状態の場合に実行される第2始動口スイッチ通過処理において、CPU9056は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4でるか否か)を確認する(ステップS901211B)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU9056は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS901212B)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS901213B)。次いで、CPU9056は、乱数回路9053やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図40参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS901214B)。なお、ステップS901214Bの処理では、ハードウェア乱数であるランダムR´(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1´)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)および変動パターン判定用乱数(ランダム3´)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を第2始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU9056は、入賞時演出処理を実行する(ステップS901217B)。そして、CPU9056は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS901218B)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS901219B)。また、CPU9056は、第2保留記憶数加算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS901220B)。
なお、ステップS901218B,S901219Bの処理を実行することによって、この実施の形態では、CPU9056は、第2始動入賞口9014に始動入賞してステップS901217Bの入賞時演出処理を実行するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ90100に対して送信する。
また、この実施の形態では、ステップS901218B〜S901220Bの処理が実行されることによって、第2始動入賞口9014への始動入賞が発生してステップS901217Bの入賞時演出処理を実行したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、および第2保留記憶数加算指定コマンドの3つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
なお、第2始動口スイッチ通過処理においても、ステップS901215Aと同様の処理を行い、時短状態であればステップS901217Bの入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい。すなわち、通常状態(低ベース状態)である場合にのみステップS901217Bの入賞時演出処理を実行して、図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。
また、第2始動口スイッチ通過処理においても、ステップS901216Aと同様の処理を行い、大当り遊技中であればステップS901217Bの入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい。また、第2始動口スイッチ通過処理において、ステップS901217Bの入賞時演出処理を実行しないようにしてもよい(すなわち、第2特別図柄に対しては入賞時判定処理を実行しないようにしてもよい)。
図41および図42は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS90300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU9056は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS9051)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ90100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS9051A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU9056は、ステップS9051Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU9056は、第2保留記憶数が0であるか否かを確認する(ステップS9052)。具体的には、第2保留記憶数カウンタの値が0であるか否かを確認する。第2保留記憶数が0でなければ、CPU9056は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS9053)。第2保留記憶数が0であれば(すなわち、第1保留記憶数のみが溜まっている場合)には、CPU66は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS9054)。
この実施の形態では、ステップS9052〜S9054の処理が実行されることによって、第1特別図柄の変動表示に対して、第2特別図柄の変動表示が優先して実行される。言い換えれば、第2特別図柄の変動表示を開始させるための第2の開始条件が第1特別図柄の変動表示を開始させるための第1の開始条件に優先して成立するように制御される。
次いで、CPU9056は、RAM9055において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM9055の乱数バッファ領域に格納する(ステップS9055)。具体的には、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM9055の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM9055の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU9056は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS9056)。具体的には、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM9055の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM9055の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU9056は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU9056は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS9058)。なお、CPU9056は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM9055の所定の領域に保存する。
また、CPU9056は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS9060)。この場合、CPU9056は、確変状態であることを示す確変フラグがセットされている場合には、確変状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU9056は、時短状態であることを示す時短フラグのみがセットされ、確変フラグがセットされていない場合には、時短状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU9056は、確変フラグも時短フラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、具体的には、CPU9056は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS9028)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)の順に演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)が送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ90100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口9013を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口9014を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS90300〜S90310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU9056は、乱数バッファ領域からランダムR´(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU9056は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS901214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS901214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図34参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM9054における図34(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM9054における図34(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU9056は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU9056は、大当り判定用乱数(ランダムR´)の値が図34(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS9061)、ステップS9071に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、確変フラグがセットされているか否かにより行われる。確変フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、次の大当りが発生したときにリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR´)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS9061のN)、CPU9056は、小当り判定テーブル(図34(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU9056は、大当り判定用乱数(ランダムR´)の値が図34(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU9056は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図34(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図34(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS9062)、CPU9056は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS9063)、ステップS9075に移行する。
なお、ランダムR´の値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS9062のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS9075に移行する。
ステップS9071では、CPU9056は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS9072)。具体的には、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図34(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル90131aを選択する。また、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図34(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル90131bを選択する。
次いで、CPU9056は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1´)の値と一致する値に対応した種別(「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS9073)。なお、この場合、CPU9056は、第1始動口スイッチ通過処理のステップS901214Aや第2始動口スイッチ通過処理のステップS901214Bで抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図34(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU9056は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM9055における大当り種別バッファに設定する(ステップS9074)。例えば、大当り種別が「通常大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「03」が設定される。
次いで、CPU9056は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS9075)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「3」、「7」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「通常大当り」に決定した場合には「3」を特別図柄の停止図柄に決定し、「確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS90301)に対応した値に更新する(ステップS9076)。
図43は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS90301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU9056は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS9091)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU9056は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブルのいずれかを選択する(ステップS9092)。そして、ステップS90100に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU9056は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS9093)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU9056は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS9094)。そして、ステップS90100に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU9056は、時短状態であることを示す時短フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS9095)。なお、この実施の形態では、通常大当りにもとづく大当り遊技終了時に時短状態に移行されるときに時短フラグがセットされるとともに、確変大当りにもとづく大当り遊技終了時にも確変状態に移行されるとともに時短状態にも移行されることから時短フラグがセットされる。従って、ステップS9095でYと判定された場合には、通常大当りにもとづく大当り遊技終了後に時短状態にのみ制御されているときに加えて、確変大当りにもとづく大当り遊技終了後に確変状態とともに時短状態に制御されているときがある。
時短フラグがセットされていなければ(ステップS9095のN)、すなわち、遊技状態が通常状態であれば、CPU9056は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS9096)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS9096のN)、CPU9056は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、通常時用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS9097)。そして、ステップS90100に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS9096のY)には、CPU9056は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、短縮時用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS9098)。そして、ステップS90100に移行する。
時短フラグがセットされている場合(ステップS9095のY)には、すなわち、遊技状態が確変状態または時短状態であれば、CPU9056は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、時短時用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択する(ステップS9099)。そして、ステップS90100に移行する。
この実施の形態では、ステップS9095〜S9099の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮時用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。また、遊技状態が確変状態や時短状態である場合には、時短時用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルが選択される。この場合、後述するステップS90100の処理で変動パターン種別として短縮変動用の変動パターン種別が決定される場合があり、短縮変動用の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS90102の処理で変動パターンとして短縮変動用の変動パターンが決定される。従って、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、確変状態や時短状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルと、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が確変状態や時短状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU9056は、ステップS9095でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、通常時用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択するようにしてもよい。
次いで、CPU9056は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2´(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS9092、S9094、S9097、S9098またはS9099の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS90100)。
次いで、CPU9056は、ステップS90100の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル、はずれ変動パターン判定テーブルのうちのいずれかを選択する(ステップS90101)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3´(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS90101の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS90102)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3´(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU9056は、変動パターン判定用乱数(ランダム3´)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU9056は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS90103)。具体的には、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU9056は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU9056は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS90104)。
次に、CPU9056は、RAM9055に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS90105)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90302)に対応した値に更新する(ステップS90106)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS9095〜S90100の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブルと、リーチ用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
図44は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS90302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU9056は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果5指定のいずれかの演出制御コマンド(図35参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU9056は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS90110)。セットされていない場合には、ステップS90116に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別が「通常大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS90111,S90112)。なお、「通常大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS9074で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU9056は、大当りの種別が「確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS90113,S90114)。なお、「確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS9074で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。そして、「通常大当り」および「確変大当り」のいずれでもないときには(すなわち、「突然確変大当り」であるときには)、CPU9056は、表示結果4指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS90115)。
一方、CPU9056は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS90110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90116)。小当りフラグがセットされていれば、CPU9056は、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS90117)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS90116のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU9056は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS90118)。
そして、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS90303)に対応した値に更新する(ステップS90119)。
図45は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS90303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU9056は、まず、保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS901121)。なお、保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS901122で保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS901121では、その保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU9056は、保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信する制御を行う(ステップS901122)。この場合、特別図柄ポインタに「第1」を示す値が設定されている場合には、CPU9056は、第1保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。また、特別図柄ポインタに「第2」を示す値が設定されている場合には、CPU9056は、第2保留記憶数減算指定コマンドを送信する制御を行う。
次いで、CPU9056は、変動時間タイマを1減算し(ステップS901125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS901126)、演出制御用マイクロコンピュータ90100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS901127)。そして、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS90304)に対応した値に更新する(ステップS901128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図46は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS90304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU9056は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU9056は、セットされていれば、確変状態であることを示す確変フラグや、時短状態であることを示す時短フラグ、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタをリセットし(ステップS90132)、演出制御用マイクロコンピュータ90100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS90133)。具体的には、大当りの種別が「通常大当り」である場合には大当り開始1指定コマンド(コマンドA001(H))を送信する。また、大当りの種別が「確変大当り」である場合には大当り開始2指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する。また、大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA003(H))を送信する。なお、大当りの種別が「通常大当り」、「確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれであるかは、RAM9055に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置909において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS90134)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、「通常大当り」や「確変大当り」の場合には15回。「突然確変大当り」の場合には2回。)をセットする(ステップS90135)。また、大当り遊技における1ラウンドあたりのラウンド時間もセットされる。具体的には、突然確変大当りの場合には、ラウンド時間として0.1秒がセットされ、通常大当りや確変大当りの場合には、ラウンド時間として29秒がセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS90305)に対応した値に更新する(ステップS90136)。
また、ステップS90131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU9056は、時短状態における特別図柄の変動可能回数を示す時短回数カウンタの値が0であるか否かを確認する(ステップS90137)。時短回数カウンタの値が0でなければ、CPU9056は、時短回数カウンタの値を−1する(ステップS90138)。そして、CPU9056は、減算後の時短回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS90139)、時短フラグをリセットする(ステップS90140)。
次いで、CPU9056は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90141)。小当りフラグがセットされていれば、CPU9056は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA003(H))を送信する(ステップS90142)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置909において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS90143)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS90144)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS90308)に対応した値に更新する(ステップS90145)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS90141のN)、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS90300)に対応した値に更新する(ステップS90146)。
図47は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS90307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU9056は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS90160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS90164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS90161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS90162)。ここで、「通常大当り」であった場合には大当り終了1指定コマンド(コマンドA301(H))を送信し、「確変大当り」であった場合には大当り終了2指定コマンド(コマンドA302(H))を送信し、「突然確変大当り」であった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンド(コマンドA303(H))を送信する。そして、大当り終了表示タイマに、画像表示装置909において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS90163)、処理を終了する。
ステップS90164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU9056は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS90165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS90165のY)、CPU9056は、今回終了する大当り遊技が通常大当りにもとづくものであるか否かを確認する(ステップS90166)。なお、通常大当りにもとづく大当り遊技を終了する場合であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS9074で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定できる。通常大当りにもとづく大当り遊技を終了する場合であれば(ステップS90166のY)、CPU9056は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS90167)。また、CPU9056は、時短回数カウンタに所定回数(本例では100回)をセットする(ステップS90168)。
通常大当りにもとづく大当り遊技を終了する場合でなければ(すなわち、確変大当りまたは突然確変大当りにもとづく大当り遊技を終了する場合であれば)、CPU9056は、確変フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS90169)とともに、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS90170)。
そして、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS90300)に対応した値に更新する(ステップS90171)。
なお、この実施の形態では、以上の処理が実行されることによって、確変状態に制御される場合には時短状態にも制御されることから、遊技状態として、通常状態(低確率/低ベース状態)、時短状態(低確率/高ベース状態)、および確変状態(高確率/高ベース状態)の3つの状態があることになる。
図48は、主基板9031に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ90560(具体的には、CPU9056)が実行する特別図柄表示制御処理(ステップS9032)のプログラムの一例を示すフローチャートである。特別図柄表示制御処理では、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認する(ステップS903201)。特別図柄プロセスフラグの値が3であれば(すなわち、特別図柄変動中処理の実行中であれば)、CPU9056は、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定または更新する処理を行う(ステップS903202)。この場合、CPU9056は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の変動表示を行うための特別図柄表示制御データを設定または更新する。例えば、変動速度が1コマ/0.2秒であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される特別図柄表示制御データの値を+1する。そして、その後、表示制御処理(ステップS9022参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器908a,908bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器908a,908bにおける特別図柄の変動表示が実行される。
特別図柄プロセスフラグの値が3でなければ、CPU9056は、特別図柄プロセスフラグの値が4であるか否かを確認する(ステップS903203)。特別図柄プロセスフラグの値が4であれば(すなわち、特別図柄停止処理に移行した場合には)、CPU9056は、特別図柄通常処理で設定された特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する処理を行う(ステップS903204)。この場合、CPU9056は、特別図柄ポインタが示す方の特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データを設定する。そして、その後、表示制御処理(ステップS9022参照)が実行され、特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファの内容に応じて特別図柄表示器908a,908bに対して駆動信号が出力されることによって、特別図柄表示器908a,908bにおいて特別図柄の停止図柄が停止表示される。なお、ステップS903204の処理が実行され停止図柄表示用の特別図柄表示制御データが設定された後には、設定データの変更が行われないので、ステップS9022の表示制御処理では最新の特別図柄表示制御データにもとづいて最新の停止図柄を次の変動表示が開始されるまで停止表示し続けることになる。また、ステップS903201において特別図柄プロセスフラグの値が2または3のいずれかであれば(すなわち、表示結果指定コマンド送信処理または特別図柄変動中処理のいずれかであれば)、特別図柄変動表示用の特別図柄表示制御データを更新するようにしてもよい。この場合、遊技制御用マイクロコンピュータ90560側で認識する変動時間と演出制御用マイクロコンピュータ90100側で認識する変動時間との間にズレが生じないようにするため、表示結果指定コマンド送信処理においても変動時間タイマを1減算するように構成すればよい。
なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄表示制御データを出力バッファに設定する場合を示したが、特別図柄プロセス処理において、特別図柄の変動開始時に開始フラグをセットするとともに、特別図柄の変動終了時に終了フラグをセットするようにしてもよい。そして、特別図柄表示制御処理(ステップS9032)において、CPU9056は、開始フラグがセットされたことにもとづいて特別図柄表示制御データの値の更新を開始するようにし、終了フラグがセットされたことにもとづいて停止図柄を停止表示さえるための特別図柄表示制御データをセットするようにしてもよい。
次に、演出制御手段の構成および動作を説明する。図49は、演出制御基板9080に搭載された演出制御用マイクロコンピュータ90100の構成例を示すブロック図である。図49に示す演出制御用マイクロコンピュータ90100は、例えば1チップマイクロコンピュータであり、演出制御用CPU90101と、クロック回路90110と、内蔵ROM90111と、内蔵RAM90112と、タイマ回路90113と、割り込みコントローラ90114と、シリアル通信回路90115とを備えて構成される。なお、図49では図示を省略しているが、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、外部バスインタフェースや、乱数回路、リセット回路、演算回路、ウオッチドッグタイマ、アドレスデコード回路、入出力ポートなど各種の回路やインタフェース、ポートを備えている。
図50は、演出制御用マイクロコンピュータ90100におけるアドレスマップの一例を示す説明図である。図50に示すように、アドレス0000H〜アドレスFFFFHの領域内には、演出制御用マイクロコンピュータ90100の内蔵ROMに割り当てられる領域、内蔵RAMに割り当てられる領域、内蔵レジスタに割り当てられる内蔵レジスタエリアに割り当てられる領域などが含まれる。また、図50に示すように、内蔵ROMに割り当てられる領域は、プログラムコード/データエリア(ユーザプログラムやデータを格納するエリア)とプログラム管理エリアとを含んでいる。プログラム管理エリアは、演出制御用マイクロコンピュータ90100の割り込み動作の設定や、シリアル通信回路の設定、乱数回路の設定、内部リセット動作の設定など各種設定を行うために必要な情報を格納する記憶領域である。
割り込みコントローラ90114は、シリアル受信割込やタイマ割込など演出制御用マイクロコンピュータ90100における各種割り込み要求を制御する回路である。割り込みコントローラ90114は、割り込みの種類ごとに割り込みの許否や割り込みの優先度を設定するための割込制御レジスタを備える。
図51(A)は、割り込みコントローラ90114が備えるシリアル受信割込設定用の割込制御レジスタの構成例を示している。図51(B)は、シリアル受信割込設定用の割込制御レジスタに格納される内部情報データの各ビットにおける設定内容の一例を示している。シリアル受信割込設定用の割込制御レジスタのビット番号[7]に格納される内部情報データIm7は、シリアル受信割込の許否を示す。図51(B)に示す例では、内部情報データIm7のビット値を「0」に設定すればシリアル受信割込が許可状態に設定される一方、内部情報データIm7のビットを「1」に設定すればシリアル受信割込が禁止状態に設定される。なお、図51(B)に示す例では、内部情報データIm7の初期値は「1」に設定されているものとする。
シリアル受信割込設定用の割込制御レジスタのビット番号[3−0]に格納される内部情報データIm3〜Im0は、シリアル受信割込の優先度を示す。図51(B)に示す例では、内部情報データIm3〜Im0は「0000[0(H)]」〜「1111[F(H)]」の16段階の数値で設定され、「0000[0(H)]」に設定されたときが最もシリアル受信割込の優先度が高く、「1111[F(H)]」に設定されたときが最もシリアル受信割込の優先度が低くなる。
図52(A)は、割り込みコントローラ90114が備えるタイマ割込設定用の割込制御レジスタの構成例を示している。図52(B)は、タイマ割込設定用の割込制御レジスタに格納される内部情報データの各ビットにおける設定内容の一例を示している。タイマ割込設定用の割込制御レジスタのビット番号[7]に格納される内部情報データIn7は、タイマ割込の許否を示す。図52(B)に示す例では、内部情報データIn7のビット値を「0」に設定すればタイマ割込が許可状態に設定される一方、内部情報データIn7のビットを「1」に設定すればタイマ割込が禁止状態に設定される。なお、図52(B)に示す例では、内部情報データIn7の初期値は「1」に設定されているものとする。
タイマ割込設定用の割込制御レジスタのビット番号[3−0]に格納される内部情報データIn3〜In0は、タイマ割込の優先度を示す。図52(B)に示す例では、内部情報データIn3〜In0は「0000[0(H)]」〜「1111[F(H)]」の16段階の数値で設定され、「0000[0(H)]」に設定されたときが最もタイマ割込の優先度が高く、「1111[F(H)]」に設定されたときが最もタイマ割込の優先度が低くなる。
なお、図51および図52に示す例では、一例として、シリアル受信割込設定用とタイマ割込設定用の割込制御レジスタが示されているが、それ以外にも、割り込みコントローラ90114は、例えば、外部割込や、シリアル送信割込、乱数回路の乱数取り込による割込などの割り込み要求を受付可能に構成されていれば、それらの割込ごとに割込制御レジスタが設けられ、図51や図52と同様の構成に従ってそれらの割込制御レジスタが構成される。また、例えば、シリアル通信回路が複数チャネル設けられ、チャネルごとにシリアル受信割込やシリアル送信割込を受け付け可能に構成されている場合には、それらチャネルごとにシリアル受信割込設定用やシリアル送信割込設定用の割込制御レジスタが設けられる。また、例えば、タイマ回路が複数設けられ、複数種類のタイマ割込を受け付け可能に構成されている場合には、それらタイマ割込ごとに割込制御レジスタが設けられる。
図51および図52に示す割込制御レジスタに設定される設定データは、あらかじめ内蔵ROMのプログラム管理エリア(図50参照)に設定されている。演出制御用マイクロコンピュータ90100は、遊技機への電源投入時に、プログラム管理エリアの設定内容に従って、シリアル通信回路の設定や、乱数回路の設定、内部リセット動作の設定などを行うのであるが、この際に、割り込みコントローラ90114が備えるシリアル受信割込用の割込制御レジスタ(図51参照)やタイマ割込設定用の割込制御レジスタ(図52参照)への設定データの設定を行うことにより、シリアル受信割込やタイマ割込の設定も行われる。なお、この設定動作については、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、プログラムによらず、ハードウェア的に実行する。
この実施の形態では、図51に示すシリアル受信割込用の割込制御レジスタの内部情報データIm7および図52に示すタイマ割込用の割込制御レジスタの内部情報データレジスタIn7は、それぞれ「0」に設定され、それぞれシリアル受信割込およびタイマ割込は許可状態に設定される。また、この実施の形態では、図51に示すシリアル受信割込用の割込制御レジスタの内部情報データIm3〜Im0は「0000[0(H)]」に設定されるとともに、図52に示すタイマ割込用の割込制御レジスタの内部情報データレジスタIn3〜In0は「0001[1(H)]」に設定され、シリアル受信割込の方がタイマ割込よりも優先度が高く設定される。
なお、この実施の形態では、図51および図52に示す各割込制御レジスタにおいて、優先度の高い方の設定値から順に「0000[0(H)]」および「0001[1(H)]」と設定する場合を示したが、この実施の形態で示した設定態様にかぎられない。例えば、優先度の低い方の設定値から順に、図52に示すタイマ割込設定用の割込制御レジスタでは「1111[F(H)]」を設定し、図51に示すシリアル受信割込設定用の割込制御レジスタでは「1110[E(H)]」を設定することによって、シリアル受信割込の方がタイマ割込よりも優先度が高くなるように設定してもよい。また、例えば、図51に示すシリアル受信割込設定用の割込制御レジスタでは「0010[2(H)]」を設定し、図52に示すタイマ割込設定用の割込制御レジスタでは「0100[4(H)]」を設定することによって、シリアル受信割込の方がタイマ割込よりも優先度が高くなるように設定してもよく、少なくともシリアル受信割込の方がタイマ割込よりも優先度が高くなるよう設定の仕方であればよい。
図53は、主基板9031の遊技制御用マイクロコンピュータ90560から受信した演出制御コマンドを格納するための受信レジスタや各受信バッファの一構成例を示す説明図である。この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から受信した演出制御コマンドは、まず、演出制御用マイクロコンピュータ90100のシリアル通信回路90115の受信レジスタに格納される。シリアル通信回路90115の受信レジスタは、FIFO(先入れ先出し)方式の16バイトの領域で構成され、2バイト構成の演出制御コマンドを最大で8個格納可能である。
また、図53に示すように、シリアル受信割込が発生するごとに、シリアル通信回路90115の受信レジスタに格納された演出制御コマンドは、受け渡し用バッファに転送される。従って、既に説明したようにシリアル通信回路90115の受信レジスタには演出制御コマンドを最大で8個格納可能なのであるが、この実施の形態では、演出制御コマンドを受信すると直ちにシリアル受信割込の発生により受け渡し用バッファに転送されるので、実質的にシリアル通信回路90115の受信レジスタに2以上の演出制御コマンドが溜まる場合はない。この例では、受け渡し用バッファは、シリアル通信回路90115の受信レジスタよりも容量が大きい128バイトで構成され、2バイト構成の演出制御コマンドを64個格納可能なリングバッファ形式のバッファである。図53に示すように、受け渡し用バッファは、演出制御用マイクロコンピュータ90100の内蔵RAMに形成される。
また、図53に示すように、さらに、1msごとのタイマ割込が発生するごとに、受け渡し用バッファに格納された演出制御コマンドは、解析用バッファに転送される。また、解析用バッファは、解析用バッファ(上位)と解析用バッファ(下位)との2つが設けられており、受け渡し用バッファから読み出された演出制御用コマンドのうち上位データ(MODEデータ)は解析用バッファ(上位)に格納され、下位データ(EXTデータ)は解析用バッファ(下位)に格納される。この実施の形態では、解析用バッファ(上位)および解析用バッファ(下位)は、それぞれ受け渡し用バッファよりもさらに容量が大きい256バイトで構成され、2バイト構成の演出制御コマンドを256個格納可能(演出制御コマンドのうち上位の1バイト(MODEデータ)が解析用バッファ(上位)に格納され、下位の1バイト(EXTデータ)が解析用バッファ(下位)に格納されるので、256個格納可能である)なリングバッファ形式のバッファである。図53に示すように、解析用バッファ(上位)および解析用バッファ(下位)は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に外付けで接続されるSDRAM90116に形成される。
なお、図53に示すように、この実施の形態では、演出制御用CPU90101は、受け渡し用バッファから解析用バッファ(上位)および解析用バッファ(下位)に演出制御コマンドを転送する際には、外部バスで接続されているSDRAM90116へのアクセスが必要になるのに対して、受信レジスタから受け渡し用バッファに演出制御コマンドを転送する際には、内部バスで接続されているシリアル通信回路90115と内蔵RAM90112にアクセスするだけで済むので高速にデータ転送を行うことができる。
図54は、演出制御基板9080に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ90100(具体的には、演出制御用CPU90101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU90101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、1ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS90701)。その後、演出制御用CPU90101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS90702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする(図55参照)。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU90101は、そのフラグをクリアし(ステップS90703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU90101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS90704)。
次いで、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS90705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置909の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU90101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS90706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置909の第4図柄表示領域909c,909dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS90707)。その後、ステップS90702に移行する。
1msごとのタイマ割込が発生すると、演出制御用CPU90101は、図55に示すタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、演出制御用CPU90101は、まず、受け渡し用バッファに格納されている演出制御コマンドを解析用バッファに転送する解析用バッファ転送処理を実行する(ステップS90711)。また、演出制御用CPU90101は、タイマ割込フラグをセットする(ステップS90712)。
なお、この実施の形態では、図55に示すタイマ割込処理において解析用バッファ転送処理を実行する場合を示しているが、タイマ割込処理ではタイマ割込フラグのセットのみを行い、図54に示すメイン処理のステップS90702〜S90707のループ処理内において解析用バッファ転送処理を実行する(例えば、ステップS90703とステップS90704との間に解析用バッファ転送処理を実行する)ように構成してもよい。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から演出制御コマンドを受信し、シリアル受信割込が発生すると、演出制御用CPU90101は、シリアル通信回路90115の受信レジスタに格納されている演出制御コマンドを受け渡し用バッファに転送する受け渡し用バッファ転送処理を実行する。図56は、シリアル受信割込が発生したときに実行される受け渡し用バッファ転送処理を示すフローチャートである。
受け渡し用バッファ転送処理において、演出制御用CPU90101は、まず、受信した演出制御コマンドをシリアル通信回路90115の受信レジスタから読み出す(ステップS90721)。なお、演出制御コマンドは2バイトで構成されているのであるが、シリアル通信回路90115の受信レジスタには受信した演出制御コマンドが1バイトずつ格納され、演出制御コマンドのうちの上位データ(MODEデータ)を受信したときと下位データ(EXTデータ)を受信したときとのそれぞれにおいてシリアル受信割込が発生するので、ステップS90721では、演出制御用CPU90101は、シリアル通信回路90115の受信レジスタから受信した演出制御コマンドを1バイトずつ読み出す。なお、この実施の形態では、演出制御コマンドは上位データ(MODEデータ)および下位データ(EXTデータ)の受信に受信されるものとし、ステップS90721では、演出制御用CPU90101は、シリアル受信割込の発生に応じて、上位データ(MODEデータ)および下位データ(EXTデータ)の順に演出制御コマンドを読み出すものとする。
次いで、演出制御用CPU90101は、読み出した演出制御コマンド(1バイトのデータ)を、受け渡し用バッファのうちの書き込みポインタで示される領域に書き込む(ステップS90722)。また、演出制御用CPU90101は、受け渡し用バッファの書き込みポインタの値を1加算する(ステップS90723)。
次いで、演出制御用CPU90101は、受け渡し用バッファが受信した演出制御コマンドで満杯の状態となっているか否かを確認する(ステップS90724)。具体的には、演出制御用CPU90101は、例えば、受け渡し用バッファの書き込みポインタの値が読み出しポインタの値に追いついた状態となっているか否かを判断し、追いついた状態(すなわち、未読み出しの領域に次のデータを書き込もうとしている状態)となっていれば、受け渡し用バッファが満杯の状態になっていると判定することができる。受け渡し用バッファが満杯となっていなければ、ステップS90735に移行する。
受け渡し用バッファが満杯となっていれば、演出制御用CPU90101は、受け渡し用バッファから演出制御コマンド(1バイトのデータ)を読み出す(ステップS90725)。なお、この場合、演出制御用CPU90101は、ステップS90725で読み出した演出制御コマンド(1バイトの上位データ(MODEデータ)または下位データ(EXTデータ))を、例えば、データレジスタの1つに一旦格納しておく。また、演出制御用CPU90101は、受け渡し用バッファの読み出しポインタの値を1加算する(ステップS90726)。
次いで、演出制御用CPU90101は、読み出したデータが演出制御コマンドの上位データ(MODEデータ)であるか否かを確認する(ステップS90727)。具体的には、この実施の形態では、演出制御コマンドの上位データ(MODEデータ)は必ず80(H)〜FF(H)の範囲の値となるように構成され、下位データ(EXTデータ)は必ず00(H)〜7F(H)の範囲の値となるように構成されている(図35参照)。そのため、ステップS90727では、演出制御用CPU90101は、読み出したデータの最上位ビットが「1」であれば上位データ(MODEデータ)であると判定することができ、読み出したデータの最上位ビットが「0」であれば下位データ(EXTデータ)であると判定することができる。
読み出したデータが下位データ(EXTデータ)であれば(ステップS90727のN:すなわち、この実施の形態では、上位データ(MODEデータ)および下位データ(EXTデータ)の順に読み出しが行われるので、読み出したデータが下位データ(EXTデータ)であるということは、1つの演出制御コマンドを上位データ(MODEデータ)と下位データ(EXTデータ)とでセットで読み出したことになる)、演出制御用CPU90101は、先に読み出した上位データ(MODEデータ)を解析用バッファ(上位)に書き込む(ステップS90728)とともに、今回読み出した下位データ(EXTデータ)を解析用バッファ(下位)に書き込む(ステップS90729)。また、演出制御用CPU90101は、1つの演出制御コマンドを上位データ(MODEデータ)と下位データ(EXTデータ)とでセットで解析用バッファへの書き込みが完了したことを示す書込完了フラグをセットする(ステップS90730)。そして、ステップS90732に移行する。
読み出したデータが上位データ(MODEデータ)であれば(ステップS90727のY:すなわち、まだ下位データ(EXTデータ)までは読み出していなければ)、演出制御用CPU90101は、書込完了フラグをリセットする(ステップS90731)。そして、ステップS90732に移行する。
ステップS90727〜S90731の処理が実行されることによって、この実施の形態では、演出制御コマンドを1バイトずつ読み出すごとに上位データ(MODEデータ)と下位データ(EXTデータ)とを個別に各解析用バッファ(解析用バッファ(上位)および解析用バッファ(下位))に格納するように制御するのではなく、上位データ(MODEデータ)と下位データ(EXTデータ)との両方がセットで揃ってから纏めて各解析用バッファ(解析用バッファ(上位)および解析用バッファ(下位))に格納するように制御する。
次いで、演出制御用CPU90101は、受け渡し用バッファに格納されている全ての演出制御コマンドの読み出しを完了したか否かを確認する(ステップS90732)。具体的には、演出制御用CPU90101は、例えば、受け渡し用バッファの読み出しポインタの値が書き込みポインタの値に追いついた状態となっているか否かを判断し、追いついた状態となっていれば、受け渡し用バッファに格納されている全ての演出制御コマンドの読み出しを完了したと判定できる。受け渡し用バッファに未読み出しの演出制御コマンドが残っていれば、ステップS90725に戻り、演出制御用CPU90101は、再びステップS90725〜S90731の処理を実行する。
受け渡し用バッファに格納されている全ての演出制御コマンドの読み出しを完了していれば、演出制御用CPU90101は、書込完了フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90733)。書込完了フラグがセットされていれば(ステップS90733のY)、受け渡し用バッファ転送処理を終了する。書込完了フラグがセットされていなければ(ステップS90733のN)、受け渡し用バッファから最後に読み出した演出制御コマンドについて上位データ(MODEデータ)までしか読み出しておらず、下位データ(EXTデータ)はまだ読み出しができておらず、解析用バッファへの転送が完了していないということである。従って、この場合には、演出制御用CPU90101は、読み出しポインタの値を1減算して1つ戻し(ステップS90734)、ステップS90735に移行する。
次いで、演出制御用CPU90101は、シリアル通信回路90115の受信レジスタに格納されている全ての演出制御コマンドの読み出しを完了したか否かを確認する(ステップS90735)。受信レジスタに未読み出しの演出制御コマンドが残っていれば、演出制御用CPU90101は、ステップS90721に戻り、ステップS90721以降の処理を繰り返し実行する。受信レジスタに未読み出しの演出制御コマンドが残っていなければ、受け渡し用バッファ転送処理を終了する。
なお、この実施の形態では、演出制御コマンドを受信すると直ちにシリアル受信割込の発生により受け渡し用バッファに転送されるので、実質的にシリアル通信回路90115の受信レジスタに2以上の演出制御コマンドが溜まる場合は殆どないのであるが、遊技機への電源供給が開始されたときに演出制御用マイクロコンピュータ90100よりも遊技制御用マイクロコンピュータ90560の方が先に立ち上がり、演出制御用マイクロコンピュータ90100の設定が完了する前に遊技制御用マイクロコンピュータ90560から演出制御コマンドを受信して受信レジスタに格納される場合も生じうる。このような場合であっても、ステップS90735の処理が実行されることによって、演出制御用マイクロコンピュータ90100の起動後、最初に演出制御コマンドを受信してシリアル受信割込が発生した際に、今回受信した演出制御コマンドに加えて、演出制御用マイクロコンピュータ90100の起動前に既に受信して受信レジスタに格納されていた演出制御コマンドも含めて全ての演出制御コマンドが読み出され、受け渡し用バッファに転送される。
図57は、タイマ割込処理において実行される解析用バッファ転送処理(ステップS90711)を示すフローチャートである。解析用バッファ転送処理では、演出制御用CPU90101は、受け渡し用バッファに未読み出しの演出制御コマンドがあるか否かを確認する(ステップS90741)。具体的には、演出制御用CPU90101は、例えば、受け渡し用バッファの読み出しポインタの値が書き込みポインタの値に追いついた状態となっているか否かを判断し、追いついた状態となっていれば受け渡し用バッファに格納されている全ての演出制御コマンドの読み出しを完了した状態となっていると判定でき、そうでなければ未読み出しの演出制御コマンドがあると判定できる。
未読み出しの演出制御コマンドがあれば(ステップS90741のY)、演出制御用CPU90101は、受け渡し用バッファから演出制御コマンド(1バイトのデータ)を読み出す(ステップS90742)。なお、この場合、演出制御用CPU90101は、ステップS90742で読み出した演出制御コマンド(1バイトの上位データ(MODEデータ)または下位データ(EXTデータ))を、例えば、データレジスタの1つに一旦格納しておく。また、演出制御用CPU90101は、受け渡し用バッファの読み出しポインタの値を1加算する(ステップS90743)。
次いで、演出制御用CPU90101は、読み出したデータが演出制御コマンドの上位データ(MODEデータ)であるか否かを確認する(ステップS90744)。具体的には、この実施の形態では、演出制御コマンドの上位データ(MODEデータ)は必ず80(H)〜FF(H)の範囲の値となるように構成され、下位データ(EXTデータ)は必ず00(H)〜7F(H)の範囲の値となるように構成されている(図35参照)。そのため、ステップS90744では、演出制御用CPU90101は、読み出したデータの最上位ビットが「1」であれば上位データ(MODEデータ)であると判定することができ、読み出したデータの最上位ビットが「0」であれば下位データ(EXTデータ)であると判定することができる。
読み出したデータが下位データ(EXTデータ)であれば(ステップS90744のN:すなわち、この実施の形態では、上位データ(MODEデータ)および下位データ(EXTデータ)の順に読み出しが行われるので、読み出したデータが下位データ(EXTデータ)であるということは、1つの演出制御コマンドを上位データ(MODEデータ)と下位データ(EXTデータ)とでセットで読み出したことになる)、演出制御用CPU90101は、先に読み出した上位データ(MODEデータ)を解析用バッファ(上位)に書き込む(ステップS90745)とともに、今回読み出した下位データ(EXTデータ)を解析用バッファ(下位)に書き込む(ステップS90746)。また、演出制御用CPU90101は、書込完了フラグをセットし(ステップS90747)、ステップS90741に戻る。
読み出したデータが上位データ(MODEデータ)であれば(ステップS90744のY:すなわち、まだ下位データ(EXTデータ)までは読み出していなければ)、演出制御用CPU90101は、書込完了フラグをリセットし(ステップS90748)、ステップS90741に戻る。
そして、受け渡し用バッファに格納されている全ての演出制御コマンドについて処理を完了するまで、ステップS90741〜S90748の処理が繰り返し実行される。
未読み出しの演出制御コマンドがなければ(ステップS90741のN)、演出制御用CPU90101は、書込完了フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS90749)。書込完了フラグがセットされていれば(ステップS90749のY)、解析用バッファ転送処理を終了する。書込完了フラグがセットされていなければ(ステップS90749のN)、受け渡し用バッファから最後に読み出した演出制御コマンドについて上位データ(MODEデータ)までしか読み出しておらず、下位データ(EXTデータ)はまだ読み出しができておらず、解析用バッファへの転送が完了していないということである。従って、この場合には、演出制御用CPU90101は、読み出しポインタの値を1減算して1つ戻し(ステップS90750)、解析用バッファ転送処理を終了する。
なお、図57に示す解析用バッファ転送処理や図56に示すステップS90725〜S90734の処理で解析用バッファに格納された演出制御コマンドは、コマンド解析処理(ステップS90704参照)において解析される。すなわち、演出制御用CPU90101は、コマンド解析処理において、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から受信し解析用バッファに格納されている演出制御コマンドを読み出して解析し、解析した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う。
図58は、図54に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS90705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS90800〜S90807のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置909の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS90800):遊技制御用マイクロコンピュータ90560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS90801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS90801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS90802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS90802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切り替えタイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS90803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS90803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS90804)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS90800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS90804):変動時間の終了後、演出表示装置909に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS90805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS90805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS90806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS90807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS90806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS90805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS90807):演出表示装置909において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS90800)に対応した値に更新する。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から受信した図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンド(図36参照)などの先読み判定コマンドにもとづいて先読み予告演出を実行可能に構成する場合には、演出制御用CPU90101は、演出制御プロセス処理において、受信した図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドにもとづいて先読み予告演出を実行する先読み予告演出処理も実行するように構成してもよい。この場合、例えば、演出制御用CPU90101は、先読み予告演出として、予告対象の変動表示が開始されるよりも前に複数変動にわたってチャンス目図柄などを停止表示させたり、背景画像を変化させたり、カウントダウンするような態様の演出を実行したりするなど、連続演出を実行してもよいし、保留表示を通常態様とは異なる態様で表示する保留予告演出を実行してもよい。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、受信したコマンド(本例では、演出制御コマンド)にもとづいて制御を行う制御手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ90100)と、受信したコマンドが最初に格納される第1格納領域(本例では、シリアル通信回路90115が備える受信レジスタ)と、受信したコマンドが一時格納される第2格納領域(本例では、内蔵RAM90112に設けられる受け渡し用バッファ)と、受信したコマンドが最終的に格納される第3格納領域(本例では、外付けのSDRAM90116に設けられる解析用バッファ)とを備える。また、制御手段は、コマンドを受信するごとに発生する受信割込(本例では、シリアル受信割込)にもとづいて、第1格納領域に格納されているコマンドを読み出して第2格納領域に格納し、所定期間(本例では、1ms)ごとに発生するタイマ割込にもとづいて、第2格納領域に格納されているコマンドを読み出して第3格納領域に格納する。そして、制御手段は、第3格納領域に格納されているコマンドを解析する(本例では、コマンド解析処理(ステップS90704参照)において、解析用バッファに格納された演出制御コマンドを解析する)。そのため、大量のコマンドを受信した場合にコマンドの取りこぼしを軽減することができる。
具体的には、従来の遊技機では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560から受信した演出制御コマンドについて、1msごとのタイマ割込が発生するごとに、シリアル通信回路90115の受信レジスタから演出制御コマンドを直接読み出して解析用バッファに転送していた。そうすると、演出制御コマンドを受信してシリアル通信回路90115の受信レジスタに格納されても、1msごとのタイマ割込が発生するまでは受信レジスタから演出制御コマンドが読み出されないのであるから、短時間の間に大量の演出制御コマンドを受信したような場合にはシリアル通信回路90115の受信レジスタの容量を超えてしまい、演出制御コマンドの取りこぼしが発生するおそれがある。特に、第1特別図柄と第2特別図柄の変動表示を同時に実行可能に構成した遊技機において、変動開始と同じタイミングで始動入賞が発生して先読み判定が行われたような場合には、変動パターンコマンドや表示結果指定コマンドなどの変動開始時のコマンドと、図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドなどの先読み判定コマンドとが同じタイミングで大量に送信される可能性があり、そうすると同じタイマ割込内に送信される演出制御コマンドの総数が20を超える事態が生じ、シリアル通信回路90115の受信レジスタがオーバーフローし、演出制御コマンドの取りこぼしが発生するおそれがある。
そこで、この実施の形態では、図53に示すように、解析用バッファとは別にさらに内蔵RAM90112に受け渡し用バッファを設けるように構成し、シリアル受信割込が発生するごとに直ちにシリアル通信回路90115の受信レジスタから受け渡し用バッファに演出制御コマンドを転送し、その後、1msごとのタイマ割込ごとに受け渡し用バッファから解析用バッファにさらに演出制御コマンドを転送するように構成している。そのように構成することによって、この実施の形態では、大量の演出制御コマンドを受信した場合に、シリアル通信回路90115の受信レジスタがオーバーフローする事態を防止し、演出制御コマンドの取りこぼしを軽減できるようにしている。
また、この実施の形態によれば、第2格納領域は、制御手段が内蔵するRAMに設けられている(本例では、図53に示すように、内蔵RAM90112に受け渡し用バッファが設けられている)。そのため、第1格納領域から第2格納領域へのコマンドの転送を高速に行うことができる。すなわち、内部バスで接続されている内蔵RAMにアクセスするだけで済むので高速にデータ転送を行うことができる。
また、この実施の形態によれば、第2格納領域は、第1格納領域と比較して記憶容量が大きく、第3格納領域は、第2格納領域と比較して記憶容量が大きい(本例では、図53に示すように、シリアル通信回路90115の受信レジスタの容量が16バイトであるのに対して、受け渡し用バッファの容量は128バイトと大きく、解析用バッファ(上位)および解析用バッファ(下位)の容量はそれぞれ256バイトとさらに大きい)。そのため、転送先の格納領域の記憶容量を大きくすることによって、コマンドの取りこぼしを軽減することができる。
また、この実施の形態によれば、第2格納領域に格納されているコマンドの容量が該第2格納領域の記憶容量の最大値に達した場合には、タイマ割込の発生に関係なく、第2格納領域に格納されているコマンドを読み出して第3格納領域に格納する(本例では、図56に示すように、受け渡し用バッファ転送処理において、受け渡し用バッファが満杯であればステップS90725〜S90734の処理を実行して、受け渡し用バッファから解析用バッファに演出制御コマンドを転送する)。そのため、第2格納領域が満杯となった場合には少しでもコマンドを第3格納領域に移すことによって、コマンドの取りこぼしを軽減することができる。
なお、この実施の形態では、受け渡し用バッファの容量は128バイト設けられており演出制御コマンドを最大64個格納可能であり、受け渡し用バッファが満杯となる事態は稀にしか生じないと思われることから、図56に示す受け渡し用バッファ転送処理においてステップS90725〜S90734の処理を設けないように構成してもよい。
また、この実施の形態では、受け渡し用バッファが満杯となると、上位データ(MODEデータ)と下位データ(EXTデータ)がセットで格納されている全ての演出制御コマンドを受け渡し用バッファから解析用バッファに転送する場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、一部の演出制御コマンドのみを受け渡し用バッファから解析用バッファに転送するように構成してもよい。そのように構成しても、受け渡し用バッファが満杯となった場合に演出制御コマンドとの取りこぼしをある程度軽減することができる。
また、この実施の形態によれば、第3格納領域は、コマンドの上位データを格納する第1領域(本例では、解析用バッファ(上位))と、コマンドの下位データを格納する第2領域(本例では、解析用バッファ(下位))とを含む。そして、第2格納領域から読み出したコマンドの上位データを第1領域に格納し、第2格納領域から読み出したコマンドの下位データを第2領域に格納する(図57のステップS90745,S90746参照)。そのため、第2格納領域でのコマンドの取りこぼしを軽減することができる。また、コマンドの上位データを格納する領域と下位データを格納する領域とを分けることによって転送時のデータの流路を増やすことにより、データの転送速度を向上させることができる。
一方で、この実施の形態では、シリアル通信回路90115の受信レジスタから受け渡し用バッファに演出制御コマンドを転送する場合には、上位データと下位データとに分けることなく、そのまま共通の受け渡し用バッファに転送するように構成している。そのように構成することによって、この実施の形態では、シリアル受信割込ごとに行う受け渡し用バッファへの転送の際には、却って処理負担が増加してしまうことを防止している。
なお、この実施の形態では、シリアル受信割込が発生すると、直ちにシリアル通信回路90115の受信レジスタに格納されている演出制御コマンドを読み出して受け渡し用バッファに転送する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、この実施の形態では、シリアル通信回路90115の受信レジスタも16バイトの容量が設けられており最大で8個の演出制御コマンドを格納可能であり、受け渡し用バッファの容量も128バイトとある程度余裕があることから、所定回数のシリアル受信割込が発生したことにもとづいて、シリアル通信回路90115の受信レジスタに格納されている演出制御コマンドを読み出して受け渡し用バッファに転送するように構成してもよい。以下、所定回数のシリアル受信割込が発生したことにもとづいて受け渡し用バッファに演出制御コマンドを転送する変形例について説明する。
図59は、シリアル受信割込が発生したときに実行される受け渡し用バッファ転送処理の変形例を示すフローチャートである。図59に示す変形例では、受け渡し用バッファ転送処理において、演出制御用CPU90101は、まず、シリアル受信割込の発生回数をカウントするための割込回数カウンタの値を1加算する(ステップS90751)。次いで、演出制御用CPU90101は、加算後の割込回数カウンタの値が所定数(本例では、10)に到達しているか否かを確認する(ステップS90752)。なお、この実施の形態では、所定数が10である場合を示しているが、そのような態様にかぎらず、例えば、割込回数カウンタの値が所定数として5や15に達しているか否かを確認するようにしてもよい。少なくとも、この実施の形態では、シリアル通信回路90115の受信レジスタの容量が16バイトであることから、受信レジスタの容量に対応した値(本例では、16)以下の値となるように所定数が定められていればよい。
割込回数カウンタの値が所定数に達していなければ、ステップS90753以降の処理に移行することなく、そのまま受け渡し用バッファ転送処理を終了する。割込回数カウンタの値が所定数に達していれば、演出制御用CPU90101は、割込回数カウンタの値をクリアする(ステップS90753)。そして、ステップS90721〜S90723の処理に移行し、シリアル通信回路90115の受信レジスタに格納されている演出制御コマンドを受け渡し用バッファに転送する処理を実行する。なお、図59において、ステップS90721〜S90723の処理は、図56に示したそれらの処理と同様である。また、図59において、ステップS90724〜S90735の処理も、図56に示したそれらの処理と同様である。
図59に示す変形例によれば、所定回数(本例では、10回)の受信割込が発生したことにもとづいて、第1格納領域に格納されているコマンドを読み出して第2格納領域に格納する(本例では、図59に示すように、ステップS90752でYと判定したときに、ステップS90721〜S90723の処理に移行し、シリアル通信回路90115の受信レジスタに格納されている演出制御コマンドを受け渡し用バッファに転送する処理を実行する)。そのため、第1格納領域から第2格納領域にコマンドを転送する処理を、受信割込が所定回数発生するごとに1回だけ行うことによって、割込ごとの処理時間を短縮することができる。このように、本例では、シリアル通信回路90115の受信レジスタの容量が16バイト設けられており、受け渡し用バッファの容量も128バイト設けられており、ある程度余裕があることから、複数回数のシリアル受信割込ごとのデータ転送であっても問題は生じない。
なお、上記の実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ90100が遊技制御用マイクロコンピュータ90560から受信した演出制御コマンドを格納する際に、シリアル通信回路90115の受信レジスタから一旦受け渡し用バッファに転送し、最終的に解析用バッファに転送する場合を示したが、そのような態様にかぎられない。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560と払出制御用マイクロコンピュータとが相互に送受信する払出制御コマンドを格納する場合に上記の実施の形態で示した構成を適用し、受信した払出制御コマンドをシリアル通信回路の受信レジスタから一旦受け渡し用バッファに転送し、最終的に解析用バッファに転送するように構成してもよい。また、例えば、VDP90109が演出制御用マイクロコンピュータ90100から受信したコマンドを格納する場合に上記の実施の形態で示した構成を適用し、受信したコマンドをシリアル通信回路の受信レジスタから一旦受け渡し用バッファに転送し、最終的に解析用バッファに転送するように構成してもよい。
なお、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ90100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ90100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ90100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ90560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ90100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板9080、音声出力基板9070およびランプドライバ基板9035が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置909等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ9027など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、演出制御用マイクロコンピュータ90100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ90560が他の基板(例えば、図31に示す音声出力基板9070やランプドライバ基板9035など、または音声出力基板9070に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板9035に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板9080における演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板9070、ランプドライバ基板9035、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置909を制御する演出制御用マイクロコンピュータ90100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ90100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ90560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板9070、ランプドライバ基板9035または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、この発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。例えば、スロット機についても、同様に、遊技制御用マイクロコンピュータから演出制御用マイクロコンピュータに演出制御コマンドが送信されたり、遊技制御用マイクロコンピュータと払出制御用マイクロコンピュータとの間で払出制御コマンドが送受信されたり、演出制御用マイクロコンピュータからVDPにコマンドが送信されたりすることから、これらのコマンドを受信する場合に上記の実施の形態で示した構成を適用し、受信したコマンドをシリアル通信回路の受信レジスタから一旦受け渡し用バッファに転送し、最終的に解析用バッファに転送するように構成してもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたがこの発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。
また、上記の実施の形態では、大当り種別として確変大当りや通常大当りがあり、大当り種別として確変大当りと決定されたことにもとづいて、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機を示したが、そのような遊技機に限定されない。例えば、内部に所定の確変領域が設けられた特別可変入賞球装置(1つだけ設けられた特別可変入賞球装置内に確変領域が設けられていてもよいし、複数設けられた特別可変入賞球装置のうちの一部に確変領域が設けられていてもよい)を備え、大当り遊技中に特別可変入賞球装置内における確変領域を遊技球が通過したことにもとづいて確変が確定し、大当り遊技終了後に確変状態に制御される遊技機に上記の実施の形態で示した構成を適用することもできる。
また、上記の実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を可変表示し表示結果を導出表示したり、「○」および「×」の複数種類の普通図柄を可変表示し表示結果を導出表示したりする場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ90560側で大当りとなるか否かや変動パターン種別の入賞時判定(先読み判定)を行い、その入賞時判定結果を示すコマンド(図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド)を送信し、演出制御用マイクロコンピュータ90100側で、その入賞時判定結果を示すコマンドにもとづいて先読み予告演出を実行可能に構成してもよい場合を示したが、そのような態様にかぎらず、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ90100側で入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。この場合、例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ90560は、始動入賞の発生時に抽出した大当り判定用乱数(ランダムR´)や変動パターン種別判定用乱数(ランダム2´)の値のみを指定するコマンドを送信するようにし、演出制御用マイクロコンピュータ90100側で、それらのコマンドで指定される乱数の値にもとづいて入賞時判定(先読み判定)を行うように構成してもよい。