[1.パチンコ機の全体構造]
本発明の一実施形態であるパチンコ機1について、図面を参照して詳細に説明する。まず、図1〜図13を参照して本実施形態のパチンコ機1の全体構成について説明する。図1は本発明の一実施形態であるパチンコ機の正面図である。図2はパチンコ機の右側面図であり、図3はパチンコ機の左側面図であり、図4はパチンコ機の背面図である。図5はパチンコ機を右前から見た斜視図であり、図6はパチンコ機を左前から見た斜視図であり、図7はパチンコ機を後ろから見た斜視図である。図8は演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機の正面図であり、図9は演出操作ユニットの押圧操作部が上昇位置の時のパチンコ機を右前から見た斜視図である。また、図10、図11は、本体枠から扉枠を開放させると共に、外枠から本体枠を開放させた状態で前から見たパチンコ機の斜視図である。図12はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して前から見た分解斜視図であり、図13はパチンコ機を扉枠、遊技盤、本体枠、及び外枠に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本実施形態のパチンコ機1は、遊技ホールの島設備(図示しない)に設置される枠状の外枠2と、外枠2の前面を開閉可能に閉鎖する扉枠3と、扉枠3を開閉可能に支持していると共に外枠2に開閉可能に取付けられている本体枠4と、本体枠4に前側から着脱可能に取付けられると共に扉枠3を通して遊技者側から視認可能とされ遊技者によって遊技球B(図106を参照)が打込まれる遊技領域5aを有した遊技盤5と、を備えている。
外枠2は、正面視の形状が上下に延びた四角形の枠に形成されている。外枠2は、左右に離間しており上下に延びている外枠左組立体10及び外枠右組立体20と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結している外枠上部材30と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結している外枠下組立体40と、外枠上部材30の上面左端に取付けられている外枠上ヒンジ組立体50と、外枠左組立体10の右側面下部と外枠下組立体40の上面左端に取付けられている外枠下ヒンジ部材60と、を備えている。
外枠2は、パチンコ機1が設置される遊技ホールの島設備に取付けられ、外枠上ヒンジ組立体50と外枠下ヒンジ部材60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体520とを同軸上で回転可能に支持して、本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉可能に取付けるためのものである。
また、扉枠3は、本体枠4を閉じた時に、外枠下組立体40が、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aと協働して、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部を形成し、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを、位相反転させて前方へ放射することで、より重低音のサウンドを遊技者に聴かせることができるものである。
扉枠3は、遊技球Bが打込まれる遊技盤5の遊技領域5aを前側から視認可能に閉鎖し、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留すると共に、貯留している遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作するハンドル182を備えているものである。
また、扉枠3は、パチンコ機1の前面全体を装飾するものである。
また、扉枠3は、ハンドル182とは別に遊技者が操作可能な演出操作部301を備えており、遊技者参加型演出が実行された際に、遊技者が演出操作部301を操作することで遊技者が演出に参加できるようになり、遊技球Bによる遊技に加えて、演出操作部301の操作によっても遊技者を楽しませることができるようにしている。
本体枠4は、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベースユニット500と、本体枠4を外枠2に対して開閉可能に取付けると共に扉枠3を開閉可能に取付けるための本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520と、本体枠ベースユニット500を補強している金属製の本体枠補強フレーム530と、遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むための球発射装置540と、遊技ホールの島設備から供給される遊技球Bを受取る払出ベースユニット550と、払出ベースユニット550で受取った遊技球Bを遊技者側へ払出すための払出ユニット560と、電源基板630や払出制御基板633を有している基板ユニット620と、本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー640と、外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット650と、を備えている。
本体枠4は、遊技球Bを打込むことで遊技が行われる遊技領域5aを有した遊技盤5を保持すると共に、遊技球Bを遊技者側へ払出したり、遊技に使用された遊技球Bをパチンコ機1の後方(遊技ホールの島設備側)へ排出したり、するためのものである。本体枠4は、前方が開放された箱状に形成されており、内部に前方から遊技盤5が着脱可能に収容される。また、本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられる。
遊技盤5は、遊技者の操作によって遊技球Bが行われる遊技領域5aと、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており主制御基板1310を有している主制御ユニット1300と、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示する機能表示ユニット1400と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、遊技パネル1100の後側であって演出表示装置1600の裏面側に配置されている透明基板ボックスとして構成される周辺制御ユニット1500と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を備えている。裏ユニット3000には、遊技状態に応じて可動演出や発光演出を行うことが可能な各種の演出ユニットを備えている。
遊技盤5の遊技領域5a内には、遊技球Bと当接し所定のゲージ配列で植設されている複数の障害釘と、遊技球Bの受入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し)を付与する一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005と、を備えている。障害釘Nは、遊技パネル1100の前面に植設されている。一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005は、表ユニット2000に備えられている。
遊技盤5の遊技領域5a内には、遊技者がハンドルユニット180のハンドル182を操作することで、遊技球Bを打込むことができる。これにより、遊技球Bが、遊技領域5a内の一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005等に、受入れられたり通過したりするように、遊技者に対してハンドル182の打込操作を楽しませることができる。
また、遊技盤5は、遊技領域5a内に遊技球Bを打込むことで変化する遊技状態に応じて、演出表示装置1600に所定の演出画像を表示させたり、表演出ユニット2600、裏下演出ユニット3100、裏上演出ユニット3200、裏左演出ユニット3300、及び裏右演出ユニット3400等の各種演出ユニット等により可動演出や発光演出を行わせたりして、遊技者を楽しませることができる。
[2.外枠の全体構成]
パチンコ機1の外枠2について、図14〜図19を参照して説明する。図14はパチンコ機における外枠の正面図であり、図15は外枠の背面図であり、図15は外枠の右側面図である。また、図17は外枠を前から見た斜視図であり、図18は外枠を後ろから見た斜視図である。図19は、外枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図である。外枠2は、遊技ホール等のパチンコ機1が設置される島設備(図示は省略)に取付けられるものである。外枠2は、正面視の形状が上下に延びた四角形の枠に形成されている。
外枠2は、図示するように、左右に離間しており上下に延びている外枠左組立体10及び外枠右組立体20と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結している外枠上部材30と、外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結している外枠下組立体40と、外枠上部材30の上面左端に取付けられている外枠上ヒンジ組立体50と、外枠左組立体10の右側面下部と外枠下組立体40の上面左端に取付けられている外枠下ヒンジ部材60と、を備えている。
外枠2は、本体枠4を閉じた時に、外枠下組立体40が、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aと協働して、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部を形成していると共に、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを、位相反転させて前方へ放射することができるものである。
外枠2は、外枠上ヒンジ組立体50が、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510を着脱可能に支持することができる。外枠2は、外枠上ヒンジ組立体50と外枠下ヒンジ部材60とによって、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510と本体枠下ヒンジ組立体520とを同軸上で回転可能に支持することができ、本体枠4を正面視左側を中心にして前方へ開閉可能に取付けることができる。
[2−1.外枠左組立体及び外枠右組立体]
外枠2の外枠左組立体10及び外枠右組立体20について、主に図20を参照して詳細に説明する。図20は、外枠の外枠左組立体及び外枠右組立体をそれぞれ分解して前から見た分解斜視図である。外枠2の外枠左組立体10及び外枠右組立体20は、それぞれが上下に延びており、互いに左右に離間して配置されている。外枠左組立体10及び外枠右組立体20は、本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520を同軸上で回転可能に支持して、外枠2に対して本体枠4を開閉可能に取付けるためのものである。
まず、外枠左組立体10は、前後方向が一定の幅(奥行)で上下に延びている外枠左部材11と、外枠左部材11の右側面上端に取付けられている左上連結部材12と、外枠左部材11の右側面下端に取付けられている左下連結部材13と、を備えている。
外枠左部材11は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金の押出型材によって形成されている。外枠左部材11は、左側面における前後方向を三等分したうちの後側の部位において平坦状に右方へ窪んでいる凹部11aと、右側面における凹部11aとは反対側の部位から右方へ膨出している膨出部11bと、膨出部11bを上下に貫通している空洞部11cと、を備えている。外枠左部材11は、凹部11aや膨出部11bによって、強度・剛性が高められていると共に、空洞部11cによって、重量が軽減されている。
また、外枠左部材11は、左右両側面において、上下に延びた複数の溝が形成されている。左側面の複数の溝は、V字状に形成されており、右側面の複数の溝は、半円形状に形成されている。外枠左部材11は、後述する外枠右組立体20の外枠右部材21と左右対称形状に形成されている。
左上連結部材12は、外枠左部材11の上端と外枠上部材30の左端とを連結するためのものである。左上連結部材12は、水平に延びた平板状の水平固定部12aと、水平固定部12aの左辺における前後方向の中間から上方へ延出している平板状の上横固定部12bと、水平固定部12aの左辺における上横固定部12bの前後両側から下方へ延出している平板状の一対の下横固定部12cと、を備えている。左上連結部材12は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左上連結部材12は、後側の下横固定部12cを外枠左部材11の空洞部11c内に挿入させると共に、水平固定部12aを外枠左部材11の上端に当接させ、更に、前側及び後側の下横固定部12cを外枠左部材11の右側面に当接させた状態で、外枠左部材11の左側面の外側から下横固定部12cにビスを捩じ込むことで、外枠左部材11に取付けられる。また、左上連結部材12は、水平固定部12aを外枠上部材30の左端側の下面に当接させると共に、上横固定部12bを外枠上部材30の左側面の切欠部30a内に挿入させた状態で、水平固定部12a及び上横固定部12bを通して外枠上部材30にビスを捩じ込むことで、外枠上部材30に取付けられる。
左下連結部材13は、外枠左部材11の下端と外枠下組立体40(外枠下部材41)の左端とを連結するためのものである。左下連結部材13は、水平に延びた平板状の水平固定部13aと、水平固定部13aの左辺から上方へ延出していると共に水平固定部13aよりも後方へ延出している平板状の上横固定部13bと、上横固定部13bの下辺における水平固定部よりも後側の部位から下方へ延出している平板状の下横固定部13cと、上横固定部13bの後辺から右方へ短く延出している平板状の当接部13dと、を備えている。左下連結部材13は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
左下連結部材13は、当接部13dの後面を外枠左部材11の膨出部11bの前面に当接させると共に、上横固定部13bの左側面を外枠左部材11の右側面に当接させ、水平固定部13aの下面を外枠左部材11の下端と一致させた状態で、外枠左部材11の左側面の外側から上横固定部13bにビスを捩じ込むことで、外枠左部材11に取付けられる。また、左下連結部材13は、水平固定部13aを外枠下部材41の左端側の上面に当接させると共に、下横固定部13cを外枠下部材41の左側面の切欠部41aに挿入させた状態で、水平固定部13a及び下横固定部13cを通して外枠下部材にビスを捩じ込むことで、外枠下部材41に取付けられる。
次に、外枠右組立体20は、前後方向が一定の幅(奥行)で上下に延びている外枠右部材21と、外枠右部材21の左側面上端に取付けられている右上連結部材22と、外枠右部材21の左側面下端に取付けられている右下連結部材23と、外枠右部材21の左側面上部に取付けられている上鉤掛部材24と、外枠右部材21の左側面下部に取付けられている下鉤掛部材25と、を備えている。
外枠右部材21は、一定の断面形状で上下に延びており、アルミ合金の押出型材によって形成されている。外枠右部材21は、右側面における前後方向を三等分したうちの後側の部位において平坦状に左方へ窪んでいる凹部21aと、左側面における凹部21aとは反対側の部位から左方へ膨出している膨出部21bと、膨出部21bを上下に貫通している空洞部21cと、を備えている。外枠右部材21は、凹部21aや膨出部21bによって、強度・剛性が高められていると共に、空洞部21cによって、重量が軽減されている。
また、外枠右部材21は、左右両側面において、上下に延びた複数の溝が形成されている。右側面の複数の溝は、V字状に形成されており、左側面の複数の溝は、半円形状に形成されている。外枠右部材21は、外枠左組立体10の外枠左部材11と左右対称形状に形成されている。
右上連結部材22は、外枠右部材21の上端と外枠上部材30の右端とを連結するためのものである。右上連結部材22は、水平に延びた平板状の水平固定部22aと、水平固定部22aの右辺における前後方向の中間から上方へ延出している平板状の上横固定部22bと、水平固定部22aの右辺における上横固定部22bの前後両側から下方へ延出している平板状の一対の下横固定部22cと、を備えている。右上連結部材22は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
右上連結部材22は、後側の下横固定部22cを外枠右部材21の空洞部21c内に挿入させると共に、水平固定部22aを外枠右部材21の上端に当接させ、更に、前側及び後側の下横固定部22cを外枠右部材21の左側面に当接させた状態で、外枠右部材21の右側面の外側から下横固定部22cにビスを捩じ込むことで、外枠右部材21に取付けられる。また、右上連結部材22は、水平固定部22aを外枠上部材30の右端側の下面に当接させると共に、上横固定部22bを外枠上部材30の右側面の切欠部30a内に挿入させた状態で、水平固定部22a及び上横固定部22bを通して外枠上部材30にビスを捩じ込むことで、外枠上部材30に取付けられる。
右下連結部材23は、外枠右部材21の下端と外枠下組立体40(外枠下部材41)の右端とを連結するためのものである。右下連結部材23は、水平に延びた平板状の水平固定部23aと、水平固定部23aの右辺から上方へ延出していると共に水平固定部23aよりも後方へ延出している平板状の上横固定部23bと、上横固定部23bの下辺における水平固定部よりも後側の部位から下方へ延出している平板状の下横固定部23cと、上横固定部23bの後辺から左方へ短く延出している平板状の当接部23dと、を備えている。右下連結部材23は、平板状の金属板を屈曲させて形成されている。
右下連結部材23は、当接部23dの後面を外枠右部材21の膨出部21bの前面に当接させると共に、上横固定部23bの右側面を外枠右部材21の左側面に当接させ、水平固定部23aの下面を外枠右部材21の下端と一致させた状態で、外枠右部材21の右側面の外側から上横固定部23bにビスを捩じ込むことで、外枠右部材21に取付けられる。また、右下連結部材23は、水平固定部23aを外枠下部材41の右端側の上面に当接させると共に、下横固定部23cを外枠下部材41の右側面の切欠部41aに挿入させた状態で、水平固定部23a及び下横固定部23cを通して外枠下部材にビスを捩じ込むことで、外枠下部材41に取付けられる。
上鉤掛部材24及び下鉤掛部材25は、後述する本体枠4における施錠ユニット650の外枠用鉤653が掛止されるものである。上鉤掛部材24は、前後方向に一定の幅で上下に延びており外枠右部材21の左側面に取付けられる平板状の取付部24aと、取付部24aの前辺から左方へ延出しており上側の外枠用鉤653が掛止される平板状の掛止片部24bと、を備えている。
下鉤掛部材25は、前後方向に一定の幅で上下に延びており外枠右部材21の左側面に取付けられる平板状の取付部25aと、取付部25aの前辺から左方へ延出しており下側の外枠用鉤653が掛止される平板状の掛止片部25bと、掛止片部25bを前後に貫通しており下側の外枠用鉤653が挿通可能な挿通口25cと、を備えている。
[2−2.外枠上部材]
外枠2の外枠上部材30について、主に図19を参照して詳細に説明する。外枠上部材30は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の上端同士を連結するためのものである。外枠上部材30は、前後方向の幅が、外枠左部材11及び外枠右部材21の前後方向と略同じ幅で、上下方向の厚さが一定で、左右方向に延びており、木材によって形成されている。外枠上部材30は、左右方向の長さが、後述する外枠下組立体40の外枠下部材41の左右方向の長さと同じに形成されている。
外枠上部材30は、左右両側面における前後方向の中央において、上下に貫通した状態で左右方向中央側へそれぞれ窪んでいる切欠部30aを備えている。これら左右両端の切欠部30aには、左上連結部材12の上横固定部12b及び右上連結部材22の上横固定部22bがそれぞれ挿入された状態で取付けられる。
また、外枠上部材30は、左側端部において、上面と前面が一般面よりも窪んだ取付段部30bを備えている。この取付段部30bには、後述する外枠上ヒンジ組立体50が取付けられる。
[2−3.外枠下組立体]
外枠2の外枠下組立体40について、主に図21を参照して詳細に説明する。図21は、外枠の外枠下組立体を分解して前から見た分解斜視図である。外枠下組立体40は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結すると共に、パチンコ機1において扉枠3よりも下側を閉鎖して装飾するためのものである。
外枠下組立体40は、左右に離間している外枠左組立体10及び外枠右組立体20の下端同士を連結しており左右に延びている外枠下部材41と、外枠下部材41の前方に配置されており外枠下部材41に沿って左右に延びていると共に後方が開放されている箱状の幕板前部材42と、幕板前部材42の後側に取付けられていると共に外枠下部材41の上面に取付けられており前方が開放されている左右に延びた箱状の幕板後部材43と、幕板後部材43の上面における左端に形成されている球噛防止機構44と、を備えている。
外枠下部材41は、前後方向の幅が、外枠左部材11及び外枠右部材21の前後方向と略同じ幅で、上下方向の厚さが一定で、左右方向に延びており、木材によって形成されている。外枠下部材41は、左右方向の長さが、外枠上部材30の左右方向の長さと同じに形成されている。
外枠下部材41は、左右両側面における前後方向の中央において、上下に貫通した状態で左右方向中央側へそれぞれ窪んでいる切欠部41aを備えている。これら左右両端の切欠部41aには、左下連結部材13の下横固定部13c及び右下連結部材23の下横固定部23cがそれぞれ挿入された状態で取付けられる。これにより、外枠左部材11及び外枠右部材21の下端同士を連結することができる。
また、外枠下部材41は、上面から凹んでおり、幕板後部材43の下部が挿入される凹部41bを備えている。凹部41bは、左右に延びていると共に、前後方向中央の後ろ寄りの位置から前端側へ抜けている。この凹部41bにより、幕板前部材42及び幕板後部材43により形成される幕板内部空間40aの容積を可及的に広くしている。
幕板前部材42は、左右方向の長さが外枠下部材41と同じ長さに延びており、高さに対して前後方向の奥行が短い横長の直方体状の箱状に形成されており、後側の全面が開放されている。幕板前部材42は、開放されている後側を、幕板後部材43によって閉鎖することで、幕板後部材43と協働して本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部となる幕板内部空間40aを形成する。幕板前部材42は、右端付近の前面において、前後に貫通していると共に左右に延びている長孔状の開口部42aを備えている。
幕板後部材43は、左右方向の長さが外枠下部材41よりも若干短く延びており、前方が開放された箱状に形成されている。幕板後部材43は、前面に幕板前部材42を取付けることで、幕板前部材42と協働して本体枠スピーカ622のエンクロージャ624の一部となる幕板内部空間40aを形成する。幕板後部材43は、上面における左右方向中央部において、左右に延びていると共に上方へ突出しており幕板内部空間40aと連通している筒状の接続筒部43aを有している。接続筒部43aは、上端が、幕板後部材43の一般的な上面と一致している前端側から後方へ向かうほど上方へ位置するように傾斜している。本実施形態では、接続筒部43aの上端は、45度の角度で傾斜している。
この接続筒部43aは、左右方向の長さが、幕板後部材43全体の約1/3の長さに形成されていると共に、前後方向の奥行が、幕板後部材43全体の奥行よりも若干短く形成されている。接続筒部43a内には、前端側と後端側とを結ぶ複数のリブ43bが備えられている。この接続筒部43aの上端には、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4における基板ユニット620のスピーカユニット620aにおけるスピーカカバー621の接続部621cが接続されて、スピーカユニット620aの内部空間と連通した状態となり、エンクロージャ624を形成する。
球噛防止機構44は、幕板後部材43の上面における左端において、外枠下ヒンジ部材60の部位に遊技球Bが滞留することで、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟まれるのを防止するためのものである。
球噛防止機構44は、幕板後部材43の上面における左端に形成されており、後述する外枠下ヒンジ部材60が際されるように平坦に形成された載置部44aと、載置部44aの左端において上方へ向かって開口している第一排出口44bと、載置部44aにおける第一排出口44bよりも右方で上方へ向かって開口している第二排出口44cと、載置部44aの後辺及び右辺から上方へ延出している立壁部44dと、立壁部44dの上端から前方へ突出していると共に上面が後方へ向かうに従って上方に位置するように傾斜している上端突出部44eと、を備えている。
第一排出口44bは、後述する外枠下ヒンジ部材60の排出孔60dと一致する位置に形成されている。第一排出口44b及び第二排出口44cは、遊技球Bが通過可能な大きさに形成されている。第一排出口44b及び第二排出口44cは、幕板内部空間40aとは連通しておらず、幕板後部材43の後面に開口している。したがって、第一排出口44b及び第二排出口44cに進入した遊技球Bを、幕板後部材43の後方へ排出することができる。
この球噛防止機構44は、球噛防止機構44は、外枠下ヒンジ部材60と後述する本体枠下ヒンジ組立体520との間の隙間を通して、ピアノ線等の不正な工具が挿入された場合、載置部44aの後端から立上っている立壁部44dにより、不正な工具の侵入を阻止することができる。仮に、不正な工具の先端が立壁部44dに当接することで、上方へ曲がったとしても、立壁部44dの上端に備えられている前方へ突出した上端突出部44eに当接し、これ以上の侵入を阻止することができる。したがって、外枠下ヒンジ部材60の部位を介して、不正行為が行われるのを防止することができる。
ところで、載置部44aの後端に立壁部44dを備えた場合、外枠2に対して本体枠4を開けた時に、何らかの理由により載置部44a上に落下した遊技球Bが、立壁部44dによって外枠2の後方への移動が阻止されるため、載置部44a上に遊技球Bが滞留し易くなる。そして、載置部44a上に遊技球Bが滞留していると、外枠2に対して本体枠4を閉じる際に、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟み込まれてしまい、本体枠4を閉じることができなくなる問題が発生する。
これに対して、本実施形態の球噛防止機構44では、外枠下ヒンジ部材60上や載置部44a上に落下した遊技球Bを、外枠下ヒンジ部材60の排出孔60dと第一排出口44bを通して、又は、第二排出口44cを通して、遊技球Bを幕板後部材43の後方(外枠2の後方)へ排出することができ、外枠2と本体枠4との間に遊技球Bが挟まれるのを防止することができる。
外枠下組立体40は、幕板前部材42及び幕板後部材43の上面に左右に離間して配置されている一対の案内部材45と、幕板前部材42の開口部42aを後側から閉鎖している平板状のグリル部材46と、グリル部材46を挟んで開口部42aを閉鎖するように幕板前部材42の内部に取付けられており前後に延びた二つの円筒を有したポート部材47と、幕板後部材43の接続筒部43aの上端に配置される枠状のシール部材48と、を備えている。
一対の案内部材45は、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、扉枠3の下端が当接するものである。案内部材45は、摩擦抵抗の低い低摩擦材料によって形成されており、本体枠4の下端を滑り易くして、開閉を容易にしている。
グリル部材46は、無数の小穴を有したパンチングメタルにより形成されている。ポート部材47は、二つの円筒により、グリル部材46を介して幕板内部空間40a(エンクロージャ624)と外枠2の前方とを連通させている。ポート部材47は、二つの円筒が、所定の内径で所定の長さに形成されており、ヘルムホルツ共鳴の原理により本体枠スピーカ622から後方(エンクロージャ624内)へ発せられた低音を共振・増幅させて、豊かな低音を外枠2の前方(遊技者側)へ放射することができる。つまり、本実施形態では、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624がバスレフ型とされており、遊技者に対して重低音を聞かせることができる。
シール部材48は、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、接続筒部43aの上端と本体枠4におけるスピーカカバー621の接続部621cの下端との間に挟まれて圧縮されるものであり、接続筒部43aと接続部621cとの間からスピーカのエンクロージャ内の音が漏れるのを防止するものである。
[2−4.外枠上ヒンジ組立体]
外枠2の外枠上ヒンジ組立体50について、主に図22を参照して詳細に説明する。図22(a)は外枠2の外枠上ヒンジ組立体を分解して前上から見た分解斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た分解斜視図である。外枠上ヒンジ組立体50は、外枠左組立体10の上端と外枠上部材30の左端に取付けられるものであり、外枠2に対して本体枠4をヒンジ回転可能に取付けるためのものである。外枠上ヒンジ組立体50は、外枠左部材11の凹部11aの上端と外枠上部材30の取付段部30bとに取付けられる外枠上ヒンジ部材51と、外枠上ヒンジ部材51に取付けられているロック部材52と、ロック部材52を外枠上ヒンジ部材51に取付けている取付ビス53と、を備えている。
外枠上ヒンジ部材51は、水平に延びた平板状で外枠上部材30の取付段部30bの上面に取付けられる上固定部51aと、上固定部51aの前辺から前方へ延出している平板状の前方延出部51bと、前方延出部51bの右辺の途中から前方へ向かうに従って前方延出部51bの左右中央へ延びており上下に貫通している軸受溝51cと、上固定部51aの左辺から下方へ延びている平板状の横固定部51dと、前方延出部51bの左辺から前辺を周って軸受溝51cが開口している部位までの端縁から下方へ延びており横固定部51dと連続している平板状の端縁壁部51eと、を備えている。外枠上ヒンジ部材51は、金属板をプレス成型により打抜き・屈曲させて形成されている。外枠上ヒンジ部材51は、軸受溝51c内において、本体枠上ヒンジ部材510の後述する本体枠上ヒンジピン512を回転可能に支持することができる。
ロック部材52は、前後に延びている帯板状のロック本体52aと、ロック本体52aの後端から右方へ突出している操作片52bと、ロック本体52aの後端から左方へ延びた後に斜め左前方へ延びている弾性変形可能な棒状の弾性部52cと、ロック本体52aの後端付近で上下に貫通している取付孔52dと、を備えている。ロック部材52は、合成樹脂によって形成されている。ロック部材52は、取付ビス53によって、外枠上ヒンジ部材51における前方延出部51bの下面で、軸受溝51cよりも後側の部位に回動可能に取付けられる。
ロック部材52は、外枠上ヒンジ部材51に取付けた状態で、ロック本体52aが、平面視で軸受溝51cを遮ることができると共に、前端付近の右側面が、外枠上ヒンジ部材51の端縁壁部51eにおける軸受溝51cの開口まで延びている部位と当接可能となるように前方へ延びている。また、ロック本体52aの後端から左方へ延びている弾性部52cの先端は、外枠上ヒンジ部材51における端縁壁部51eの内周面に当接している。
このロック部材52は、弾性部52cの付勢力によって取付孔52dを中心に、前端が左方へ回動する方向に付勢されている。したがって、通常の状態では、ロック部材52のロック本体52aの前端付近の右側面が、端縁壁部51eに当接している。この状態では、軸受溝51cにおけるロック本体52aよりも前側の部位に、本体枠上ヒンジ部材510の本体枠上ヒンジピン512を収容可能な空間が形成される。
このロック部材52は、操作片52bを操作することで、弾性部52cの付勢力に抗してロック本体52aを回動させることができる。そして、操作片52bの操作によって、ロック本体52aを、その前端が左方へ移動する方向へ回動させることで、平面視において軸受溝51cからロック本体52aを後退させることができ、軸受溝51cが全通している状態とすることができる。これにより、軸受溝51c内に本体枠上ヒンジピン512を挿入したり、軸受溝51c内から本体枠上ヒンジピン512を外したりすることができる。
[2−5.外枠下ヒンジ部材]
外枠2の外枠下ヒンジ部材60について、主に図19を参照して詳細に説明する。外枠下ヒンジ部材60は、水平に延びた平板状の水平部60aと、水平部60aの左辺において前後方向中央よりも後側の部位から上方へ立上っている平板状の立上部60bと、水平部60aの前端付近から上方へ突出している外枠下ヒンジピン60cと、水平部60aを上下に貫通しており遊技球Bが一つのみ通過可能な大きさの排出孔60dと、を備えている。この外枠下ヒンジ部材60は、金属板をプレス成型により打抜き・屈曲させて形成されている。
外枠下ヒンジ部材60の水平部60aは、平面視において、左辺を底辺とした台形に形成されている。外枠下ヒンジピン60cは、円柱状で、上下方向中央よりも上部が、上端が窄まった円錐台状に形成されている。この外枠下ヒンジピン60cは、水平部60aの前端付近における左寄りの位置に取付けられている。排出孔60dは、水平部60aにおいて、立上部60bの前後方向中央の部位と接し、水平部60aの左辺から右方へ逆U字状に延びるように形成されている。この排出孔60dは、外枠下組立体40における球噛防止機構44の第一排出口44bと、略同じ大きさに形成されている。
外枠下ヒンジ部材60は、外枠2に組立てた状態で、水平部60aの後部が、外枠下組立体40における幕板後部材43の載置部44a上に載置され、図示しないビスによって幕板後部材43に固定されている。また、立上部60bが、外枠左部材11の右側面における膨出部11bよりも前側の部位に、図示しないビスによって取付けられている。この外枠下ヒンジ部材60は、外枠下ヒンジピン60cを、本体枠4の本体枠下ヒンジ組立体520における外枠用下ヒンジ孔521aに挿通させることで、外枠上ヒンジ部材51と協働して本体枠4を開閉可能に取付けることができる。
また、外枠2を組立てた状態では、排出孔60dが、外枠下組立体40における球噛防止機構44の第一排出口44bと一致している。これにより、水平部60a上の遊技球Bを、排出孔60d及び第一排出口44bを通して、外枠2の後方へ落下(排出)させることができる。詳述すると、外枠2に対して本体枠4を閉じる時に、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球Bが、本体枠4が閉じられるのに従って、外枠2と本体枠4との間が徐々に狭くなることから、間隔が広い後方側へ転動とすることとなり、排出孔60dから排出させることができる。この際に、排出孔60dが、パチンコ機1に組立てた状態で、外枠2に対して本体枠4を閉じた時に、本体枠4の後端と略同じとなる位置に形成されているため、外枠2と本体枠4との間に落下した遊技球Bを、排出孔60dから排出させることで本体枠4よりも後側へ転動するのを阻止し易くすることができ、外枠下ヒンジ部材60の部位に遊技球Bが留まり難くすることができる。
[3.扉枠の全体構成]
パチンコ機1の扉枠3について、主に図23〜図31を参照して詳細に説明する。図23はパチンコ機における扉枠の表面図であり、図24は扉枠の背面図であり、図25は扉枠の左側面図であり、図26は扉枠の右側面図である。図27は扉枠を右前から見た斜視図であり、図28は扉枠を左前から見た斜視図であり、図29は扉枠を後ろから見た斜視図である。図30は扉枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図31は扉枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠3は、外枠2の枠内と略同じ大きさで正面視において上下に延びた四角形に形成されており、本体枠4を介して外枠2の枠内を前側から開閉可能に取付けられている。扉枠3は、遊技球Bが打込まれる遊技盤5の遊技領域5aを前側から視認可能に閉鎖し、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留すると共に、貯留している遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むために遊技者が操作するハンドル182を備えているものである。また、扉枠3は、パチンコ機1の前面全体を装飾するものである。
扉枠3は、正面視の外形が上下に延びた四角形で枠状の扉枠ベースユニット100と、扉枠ベースユニット100に着脱可能に取付けられており本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5aを前方から視認可能に閉鎖しているガラスユニット160と、ガラスユニット160の下部を後側から覆うように扉枠ベースユニット100に取付けられている防犯カバー170と、扉枠ベースユニット100の前面右下隅に取付けられているハンドルユニット180と、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられている皿ユニット200と、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられている扉枠左サイドユニット400と、皿ユニットの上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられている扉枠右サイドユニット410と、扉枠左サイドユニット400及び扉枠右サイドユニット410の上側で扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられている扉枠トップユニット450と、を備えている。
扉枠ベースユニット100は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されており前後に貫通している扉窓101aを有した扉枠ベース101と、扉枠ベース101の前面右下に取付けられているハンドル取付部材102と、扉枠ベース101の後側で背面視右下隅に取付けられているスピーカダクト103と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右端付近に取付けられている扉枠主中継基板104と、扉枠主中継基板104の背面視左方に取付けられている扉枠副中継基板105と、扉枠副中継基板105の背面視左方に取付けられているハンドル後中継基板106と、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の一部とを後側から被覆する扉枠中継基板カバー107と、ハンドル後中継基板106を後側から被覆するハンドル後中継基板カバー108と、配線ケーブルを被覆するケーブルカバー109と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側に取付けられている枠状の扉枠補強ユニット110と、扉枠補強ユニット110に取付けられている扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125と、扉枠補強ユニット110に取付けられている開閉用のシリンダ錠130と、扉枠ベース101の後側でハンドル後中継基板106の上方に取付けられている球送給ユニット140と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられているファールカバーユニット150と、を備えている。
扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101の後側に取付けられることで、扉枠ベース101を補強して剛性を付与するものである。扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠3を本体枠4に対して開閉可能に取付けるためのものである。シリンダ錠130は、本体枠4の施錠ユニット650と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉施錠に使用されるものである。
また、球送給ユニット140は、上皿201内の遊技球Bを一つずつ本体枠4の球発射装置540へ供給するためのものである。ファールカバーユニット150は、球発射装置540により発射されて遊技盤5の遊技領域5a内に到達しなかった遊技球B(ファール球)を、下皿202に誘導すると共に、払出装置580から払出された遊技球Bを、上皿201又は下皿202に誘導するためのものである。
ガラスユニット160は、透明なガラス板162を有しており扉枠ベース101の扉窓101aを閉鎖している。防犯カバー170は、ガラスユニット160の下部を後方から覆うように扉枠ベース101に取付けられている。ハンドルユニット180は、遊技者が回転操作可能なハンドル182を備えており、ハンドル182を操作することで、上皿201内の遊技球Bを、球発射装置540によって遊技盤5の遊技領域5a内に打込む遊技を行うためのものである。
[3−1.扉枠ベースユニットの全体構成]
扉枠3の扉枠ベースユニット100について、主に図32〜図34を参照して詳細に説明する。図32(a)は扉枠の扉枠ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠ベースユニットを後ろから見た斜視図である。図33は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図34は扉枠ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
扉枠ベースユニット100は、正面視左辺側が本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けられ、本体枠4の前面を開閉可能に閉鎖していると共に、本体枠4に取付けられている遊技盤の遊技領域を前方から視認可能としている。扉枠ベースユニット100は、外形が上下に延びた四角形で平板状の扉枠ベース101と、扉枠ベース101の前面右下に取付けられておりハンドルユニット180を取付けるためのハンドル取付部材102と、扉枠ベース101の後側で背面視右下隅に取付けられているスピーカダクト103と、を備えている。
また、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右端付近に取付けられている扉枠主中継基板104と、扉枠ベース101の後側の下部における扉枠主中継基板104の背面視左方に取付けられている扉枠副中継基板105と、扉枠ベース101の後側の下部における扉枠副中継基板105の背面視左方に取付けられているハンドル後中継基板106と、扉枠ベース101の後側に取付けられており扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の一部とを後側から被覆する扉枠中継基板カバー107と、扉枠ベース101の後側に取付けられておりハンドル後中継基板106を後側から被覆するハンドル後中継基板カバー108と、扉枠ベース101の後側に取付けられており配線ケーブルを被覆するケーブルカバー109と、を備えている。
更に、扉枠ベースユニット100は、扉枠ベース101の後側に取付けられている枠状の扉枠補強ユニット110と、扉枠補強ユニット110に取付けられている扉枠上ヒンジ組立体120及び扉枠下ヒンジ部材125と、扉枠補強ユニット110に取付けられている開閉用のシリンダ錠130と、扉枠ベース101の後側でハンドル後中継基板106の上方に取付けられている球送給ユニット140と、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられているファールカバーユニット150と、を備え
ている。
この扉枠ベースユニット100には、前面下隅にハンドルユニット180が、扉窓101aの下側前面に皿ユニット200が、扉窓101aの左外側前面に扉枠左サイドユニット400が、扉窓101aの右外側前面に扉枠右サイドユニット410が、扉窓101aの上外側前面に扉枠トップユニット450が、それぞれ取付けられるものである。
また、扉枠ベースユニット100には、扉窓101aを後方から閉鎖するようにガラスユニット160が取付けられると共に、ガラスユニット160の下部を後方から覆うように透明な防犯カバー170が取付けられるものである。
[3−1−1.扉枠ベース]
扉枠3における扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101について、主に図32〜図34を参照して詳細に説明する。扉枠ベース101は、正面視の外形が上下に延びた四角形(長方形)に形成されている。扉枠ベース101は、前後に貫通しており、正面視における内周形状が上下に延びた略四角形に形成された扉窓101aを備えている。扉窓101aは、内周を形成している上辺及び左右両辺が、扉枠ベース101の外周辺にそれぞれ接近しており、内周を形成している下辺が、扉枠ベース101の下端から上下方向の約1/3の高さに位置している。このように、扉枠ベース101は、前後に貫通している扉窓101aにより全体が枠状に形成されている。この扉枠ベース101は、合成樹脂により一体成形されている。
扉枠ベース101は、前面における正面視右下隅に形成されており左端側が右端側よりも前方へやや突出するように傾斜しているハンドル取付座面101bと、ハンドル取付座面101bと扉窓101aとの間で正面視右端付近に後面から前方へ向かって窪み、扉枠補強ユニット110のシリンダ取付フレーム115が挿入される挿入凹部101cと、挿入凹部101cにおいて前後に貫通しておりシリンダ錠130のシリンダ本体131が挿通されるシリンダ挿通孔101dと、シリンダ挿通孔101d及びハンドル取付座面101bの正面視左側で前後に貫通しており球送給ユニット140の進入口141a及び球抜口141bを前方に臨ませるための球送給開口101eと、を備えている。
また、扉枠ベース101は、左右方向中央より左寄りで且つハンドル取付座面101bと略同じ高さで前後に貫通しておりファールカバーユニット150の球放出口150dを前方に臨ませる下皿用球通過口101fと、正面視左端付近で扉窓101aの下辺に隣接するように前後に貫通しておりファールカバーユニット150の貫通球通路150aを前方に臨ませる上皿用球通過口101gと、扉窓101aの内周に沿って後面から前方へ向かって窪み、ガラスユニット160のガラス枠161が挿入されるガラスユニット取付部101hと、を備えている。
また、扉枠ベース101は、正面視左下隅(上皿用球通過口101gの下方)に形成されており前後に貫通した縦長の複数のスリット101iを、備えている。複数のスリット101iの後側にスピーカダクト103が取付けられる。また、複数のスリット101iは、パチンコ機1を組立てた状態で、前方に皿ユニット200における皿ユニットベース211のスピーカ口211bが位置していると共に、後方に本体枠4のスピーカユニット620aにおける本体枠スピーカ622が位置しており、本体枠スピーカ622からの音を前方へ放射することができる。
更に、扉枠ベース101は、扉窓101aの下方でハンドル取付座面101bの上方において、前後に貫通している貫通孔101jを備えている。この貫通孔101jは、扉枠ベースユニット100側と皿ユニット200側とを接続する配線ケーブル(図示は省略)が挿通されるものであり、後述する扉枠補強ユニット110における中間補強フレーム114の貫通部114bと一致するように形成されている。
[3−1−2.ハンドル取付部材]
扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材102について、主に図32〜図34を参照して詳細に説明する。ハンドル取付部材102は、扉枠ベース101の前面にハンドルユニットを取付けるためのものであり、扉枠ベース101の前面のハンドル取付座面101bに取付けられる。
ハンドル取付部材102は、前後方向へ延びた円筒状の筒部102aと、筒部102aの後端から筒部102aの軸に対して直角方向外方へ延びた円環状のフランジ部102bと、筒部102a内に突出していると共に筒部102aの軸方向全長に亘って延びており筒部102aの周方向に対して不等間隔に配置された複数(本例では三つ)の突条102cと、筒部102aの外周面とフランジ部102bの前面とを繋ぎ、筒部102aの周方向に対して複数配置された補強リブ102dと、を備えている。
ハンドル取付部材102は、フランジ部102bの後面を、扉枠ベース101におけるハンドル取付座面101bの前面に当接させた状態で、ビスによってハンドル取付座面101bに取付けられる。
筒部102aは、内径がハンドルユニット180におけるハンドルベース181の基部181aの外径よりも若干大きく形成されている。三つの突条102cは、一つが筒部102aの上部に備えられており、残り二つが筒部102aの下部に備えられている。これら三つの突条102cは、ハンドルベース181における三つの溝部181cと対応する位置に形成されている。したがって、ハンドル取付部材102は、三つの突条102cと、ハンドルベース181の三つの溝部181cとを一致させた状態でのみ、筒部102a内にハンドルベース181の基部181aを挿入させることができ、扉枠ベース101に対してハンドルベース181(ハンドルユニット180)の回転位置を規制することができる。
なお、ハンドル取付部材102は、フランジ部102bの後面に対して、筒部102aの軸線が垂直に延びていることから、扉枠ベース101の傾斜しているハンドル取付座面101bに取付けることで、筒部102aの軸線が右前方へ延びるように傾いた状態となり、ハンドルユニット180を同様に傾いた状態で扉枠ベース101に取付けることができる。
[3−1−3.スピーカダクト]
扉枠ベースユニット100のスピーカダクト103について、主に図32〜図34を参照して詳細に説明する。このスピーカダクト103は、筒状に形成されており、扉枠ベース101の後側において複数のスリット101iが形成されている部位に取付けられる。
スピーカダクト103は、パチンコ機1を組立てた状態で、筒状の部位の後端が、本体枠4の本体枠スピーカ622の前方に位置している。これにより、本体枠4の本体枠スピーカ622から放射(出力)された音(サウンド)を、拡散させることなく前方へ誘導することができ、扉枠ベース101の複数のスリット101i及び皿ユニット200の皿ユニットベース211におけるスピーカ口211bを通して、パチンコ機1の前方(遊技者側)へ良好に誘導することができる。
また、スピーカダクト103は、筒状の部位の下方の後面に、接続ケーブル503を保持するケーブルホルダ103aを備えている。ケーブルホルダ103aは、扉枠中継基板カバー107よりも正面視左方に配置されており、扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105に接続されている接続ケーブル503を、扉枠3の左端側へ延びるように保持している。
[3−1−4.扉枠主中継基板・扉枠副中継基板・ハンドル後中継基板]
扉枠ベースユニット100の扉枠主中継基板104、扉枠副中継基板105、ハンドル後中継基板106について、主に図33及び図34等を参照して説明する。扉枠主中継基板104は、外形が上下に延びた四角形に形成されており、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右下隅に取付けられる。扉枠主中継基板104は、ハンドル後中継基板106と本体枠4の基板ユニット620におけるインターフェイス基板635との接続を中継するためのものであり、本体枠4から延びている接続ケーブル503(図99及び図100を参照)の一部が接続される。
扉枠副中継基板105は、外形が、上下に延びた四角形の上部の正面視右側に左右に延びた四角形が組み合された逆L字状に形成されており、上下に延びているが扉枠主中継基板104の背面視左方に隣接するように、扉枠ベース101の後側に取付けられている。
扉枠副中継基板105は、ハンドルユニット180のハンドル装飾基板184、皿ユニット200の皿ユニット中継基板214、扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイドユニット410のサイド窓内装飾部装飾基板413及び扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップユニット450の扉枠トップ中継基板467等と、本体枠4のインターフェイス基板635との接続を中継するためのものであり、本体枠4から延びている接続ケーブル503の残りが接続される。
扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105は、接続端子が後方へ向かって突出するように、扉枠ベース101に取付けられる。扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105は、扉枠ベースユニット100を組立てた状態で、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板105の上下に延びている部位とが、扉枠中継基板カバー107によって後側が被覆された状態となり、扉枠副中継基板105の残りの部位が、ファールカバーユニット150によって後側が被覆された状態となる。
ハンドル後中継基板106は、外形が左右に延びた四角形に形成されており、扉枠ベース101の後側における球送給開口101eの下方でハンドル取付座面101bの後側に取付けられる。ハンドル後中継基板106は、扉枠主中継基板104とハンドルユニット180のハンドル回転検知センサ189、ハンドルタッチセンサ192、単発ボタン操作センサ194、及び球送給ユニット140の球送給ソレノイド145との接続を中継するためのものである。ハンドル後中継基板106は、扉枠ベースユニット100を組立てた状態で、ハンドル後中継基板カバー108によって後側が被覆された状態となる。
[3−1−5.扉枠中継基板カバー・ハンドル後中継基板カバー・ケーブルカバー]
扉枠ベースユニット100の扉枠中継基板カバー107、ハンドル後中継基板カバー108、及びケーブルカバー109について、主に図32〜図34を参照して説明する。扉枠中継基板カバー107は、扉枠ベース101の後側に取付けることで、扉枠主中継基板104と扉枠副中継基板の一部(逆L字状の上下に延びている部位)の後側を被覆するものである。扉枠中継基板カバー107は、前方及び正面視左方が開放された箱状に形成されている。扉枠ベースユニット100に組立てた状態では、後側を被覆している扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105の接続端子が扉枠中継基板カバー107の内部に露出しており、開放されている左側から接続ケーブル503を内部に挿入して、それら端子に接続することができる。
ハンドル後中継基板カバー108は、ハンドル後中継基板106の後側を被覆するように扉枠ベース101の後側に取付けられるものである。ケーブルカバー109は、扉枠補強ユニット110における中間補強フレーム114の後側に取付けられ、扉枠主中継基板104と皿ユニット200の球貸操作ユニット220とを接続する配線ケーブル(図示は省略)を被覆するためのものである。ケーブルカバー109は、左右に延びた箱状に形成されており、前面の左端付近と下面の左右方向中央に、配線ケーブルを通すための開口が形成されている。
[3−1−6.扉枠補強ユニット]
扉枠ベースユニット100の扉枠補強ユニット110について、主に図32〜図34を参照して詳細に説明する。扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101の後側に取付けられることで、平板状の扉枠ベース101を補強して、扉枠ベースユニット100に剛性を付与している。扉枠補強ユニット110は、左右に離間して配置されている上下に延びた左補強フレーム111及び右補強フレーム112と、左補強フレーム111及び右補強フレーム112の上端同士を連結している左右に延びた上補強フレーム113と、左補強フレーム111の下端から上寄りの位置に左端側が取付けられており右補強フレーム112付近まで右方へ延びた中間補強フレーム114と、中間補強フレーム114の右端と右補強フレーム112とを連結しているシリンダ取付フレーム115と、右補強フレーム112の後側に上下に離間して複数取付けられており本体枠4の施錠ユニット650の扉枠用鉤652が掛止される鉤掛部材116と、を備えている。
左補強フレーム111及び右補強フレーム112は、左右方向が一定の幅で、扉枠ベース101の上下の高さと略同じ長さで上下に延びている。右補強フレーム112には、上下方向に離間しており、前後方向に貫通している複数の挿通孔が形成されている。これら挿通孔は、本体枠4に対して扉枠3を閉めた時に、施錠ユニット650の扉枠用鉤652の先端が挿通される。上補強フレーム113は、上下方向が一定の幅で、扉枠ベース101の左右の幅と略同じ長さで左右に延びている。
中間補強フレーム114は、上下方向が上補強フレーム113の上下の幅よりも広い幅で左右に延びている。中間補強フレーム114は、左端付近において上端から下方へ四角く切欠かれた切欠部114aと、右端付近において前後に貫通している貫通部114bと、を有している。切欠部114aは、扉枠ベース101の上皿用球通過口101gと、貫通部114bは、扉枠ベース101の貫通孔101jと、それぞれ一致する位置に形成されている。
シリンダ取付フレーム115は、左右に離間して配置されており正面視において上下に延びた四角形の平板状に形成されている一対の後片部と、一対の後片部の対面しているそれぞれの辺から前方へ平板状に延出している一対の側片部と、一対の前方延出部の前端の辺同士を連結している平板状の前片部と、を備えている。このシリンダ取付フレーム115は、平面視の形状が前方へ突出した凸形状に形成されている。シリンダ取付フレーム115は、左側の後片部が中間補強フレーム114の右端に取付けられ、右側の後片部が右補強フレーム112に取付けられる。このシリンダ取付フレーム115は、前片部にシリンダ錠130が取付けられる。
鉤掛部材116は、右補強フレーム112の後側において、前後に貫通している挿通孔の部位に取付けられている。これら鉤掛部材116は、施錠ユニット650の扉枠用鉤652が掛止される。
扉枠補強ユニット110を構成している左補強フレーム111、右補強フレーム112、上補強フレーム113、中間補強フレーム114、シリンダ取付フレーム115、及び鉤掛部材116は、金属板をプレス成型によって打抜き・屈曲することで形成されている。これらは、リベットによって組立てられている。
扉枠補強ユニット110は、左補強フレーム111、右補強フレーム112、及び上補強フレーム113が、扉枠ベース101の左辺、右辺、及び上辺に沿うように組立てられていると共に、中間補強フレーム114が、扉枠ベース101の扉窓101aの下方に位置するように組立てられている。
扉枠補強ユニット110は、図示しない複数のビスにより扉枠ベース101の後側に取付けられる。この扉枠補強ユニット110は、扉枠ベース101に取付けた状態で、中間補強フレーム114の切欠部114a及び貫通部114bが、扉枠ベース101の上皿用球通過口101g及び貫通孔101jと一致した状態となると共に、シリンダ取付フレーム115が、扉枠ベース101の挿入凹部101c内に挿入された状態となる。
[3−1−7.扉枠上ヒンジ組立体]
扉枠ベースユニット100の扉枠上ヒンジ組立体120について、主に図32〜図34を参照して説明する。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠補強ユニット110の正面視左上隅に取付けられる。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠3を、扉枠下ヒンジ部材125と協働して本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けるためのものである。扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠補強ユニット110に取付けられるヒンジブラケット121と、ヒンジブラケット121に上下方向へ移動可能に取付けられる扉枠上ヒンジピン122と、扉枠上ヒンジピン122に取付けられる鍔部材123と、扉枠上ヒンジピン122を上方へ移動するように付勢しているロックバネ124と、を備えている。
ヒンジブラケット121は、正面視四角形の平板状の取付片121aと、取付片121aの上辺及び下辺から前方へ延出している平板状の突出片121bと、を備えている。ヒンジブラケット121は、取付片121aが扉枠補強ユニット110に取付けられる。ヒンジブラケット121は、金属板を屈曲させて形成されている。
扉枠上ヒンジピン122は、円柱状の金属棒をL字状に屈曲させたものである。扉枠上ヒンジピン122は、扉枠上ヒンジ組立体120に組立てた状態で、上下に延びている部位が、ヒンジブラケット121における一対の突出片121bの前端付近において下方から貫通し、上端が上側の突出片121bよりも上方へ延び出していると共に、水平に延びている部位が下側の突出片121bの下面に当接している。扉枠上ヒンジピン122は、上端が本体枠4の本体枠上ヒンジ部材510における上ヒンジ本体511の扉枠用上ヒンジ孔511aに回転可能に挿通される。
鍔部材123は、Eリングとされており、扉枠上ヒンジピン122における一対の突出片121bの間となる部位に取付けられている。ロックバネ124は、コイル状に形成されており、鍔部材123とヒンジブラケット121における下側の突出片121bとの間において扉枠上ヒンジピン122の上下に延びている部位の周りに被せられている。このロックバネ124により、鍔部材123を介して扉枠上ヒンジピン122が上方へ付勢されている。
扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122がロックバネ124により上方へ付勢された状態となっており、扉枠上ヒンジピン122における下端の水平に延びている部位が下側の突出片121bの下面に当接することで、これ以上の上方への移動が規制されている。この状態では、扉枠上ヒンジピン122の上端が、上側の突出片121bの上面よりも所定量上方に突出している。
扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122における下端の水平に延びている部位を、ロックバネ124の付勢力に抗してその部位を下方へ移動させると、扉枠上ヒンジピン122を全体的に下方へ移動させることができ、扉枠上ヒンジピン122の上端を、上側の突出片121bの上面よりも下方へ没入させることができる。したがって、扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122の上端を、本体枠上ヒンジ部材510の扉枠用上ヒンジ孔511aに対して下方から挿入させたり、下方へ抜いたりすることができる。これにより、扉枠上ヒンジピン122の上端を、本体枠上ヒンジ部材510の扉枠用上ヒンジ孔511aに挿入させることで、扉枠3の正面視上部左端を、本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持させることができる。
また、扉枠上ヒンジ組立体120は、扉枠上ヒンジピン122における上下に延びている部位が、後述する扉枠下ヒンジ部材125の扉枠下ヒンジピン126と同軸上に位置している。これにより、扉枠上ヒンジピン122と扉枠下ヒンジピン126とによって、扉枠3を本体枠4に対して良好な状態でヒンジ回転させることができる。
[3−1−8.扉枠下ヒンジ部材]
扉枠ベースユニット100の扉枠下ヒンジ部材125について、主に図32〜図34を参照して説明する。扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠補強ユニット110の正面視左下隅に取付けられる。扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠3を、扉枠上ヒンジ組立体120と協働して本体枠4に対してヒンジ回転可能に取付けるためのものである。
扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠補強ユニット110に取付けられ正面視四角形で平板状の取付片125aと、取付片125aの下辺から前方へ延出している平板状の突出片125bと、突出片125bの前端付近の下面から下方へ突出している扉枠下ヒンジピン126(図23等を参照)と、を備えている。
扉枠下ヒンジ部材125の取付片125a及び突出片125bは、金属板を屈曲させて形成されている。扉枠下ヒンジピン126は、円柱状の金属棒で、下端部の外周にテーパ状の面取りが施されている。この扉枠下ヒンジピン126は、扉枠ベースユニット100に組立てた状態で、突出片125bにおける扉枠上ヒンジ組立体120の扉枠上ヒンジピン122の上下に延びている部位と同軸上となる部位に取付けられている。
この扉枠下ヒンジ部材125は、扉枠下ヒンジピン126を本体枠側下ヒンジ部材の扉枠用ヒンジ孔に挿入することで、扉枠3を本体枠4に対してヒンジ回転可能に支持することができる。
[3−1−9.シリンダ錠]
扉枠ベースユニット100のシリンダ錠130について、主に図32〜図34を参照して詳細に説明する。シリンダ錠130は、扉枠補強ユニット110のシリンダ取付フレーム115に取付けられ、後述する施錠ユニット650と協働して、扉枠3と本体枠4との開閉、及び、外枠2と本体枠4との開閉施錠に使用されるものである。シリンダ錠130は、前後に延びた円柱状のシリンダ本体131と、シリンダ本体131の前端面に形成されている鍵穴132と、シリンダ本体131の後側に取付けられており鍵穴132に挿入され正規の鍵を回転させると一緒に回転する回転伝達部材133と、を備えている。
シリンダ錠130のシリンダ本体131は、シリンダ取付フレーム115の前片部を後方から貫通して後端が前片部に取付けられている。回転伝達部材133は、後方が開放された円筒状(詳しくは、後方へ向かうに従って直径が大きくなる円錐筒状)に形成されており、中心軸を挟んで対向した位置に後端から前方へ向かって切欠かれた一対の切欠部を有している。回転伝達部材133は、本体枠4における施錠ユニット650の伝達シリンダ654が後方から挿入されるように形成されており、伝達シリンダ654の一対の突起が一対の切欠部内に挿入されることで、回転伝達部材133(鍵穴132に挿入された鍵)の回転を、伝達シリンダ654に伝達させて回転させることができる。
シリンダ錠130は、扉枠3に組立てた状態で、シリンダ本体131の前端が皿ユニット200における皿ユニット本体252のシリンダ挿通口252hの前端と略一致した状態となる(図23等を参照)。
[3−1−10.球送給ユニット]
扉枠ベースユニット100の球送給ユニット140について、主に図35及び図36を参照して詳細に説明する。図35(a)は扉枠ベースユニットの球送給ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は球送給ユニットを後ろから見た斜視図である。図36(a)は球送給ユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は球送給ユニットの後ケースと不正防止部材を外して後から見た分解斜視図である。球送給ユニット140は、皿ユニット200の上皿201から供給される遊技球Bを一つずつ本体枠4の球発射装置540へ供給することができると共に、上皿201内に貯留された遊技球Bを、上皿球抜ボタン222の操作によって下皿202へ抜くことができるものである。
球送給ユニット140は、皿ユニット200の上皿201から遊技球Bが供給され前後方向に貫通している進入口141a、及び進入口141aの下側に開口する球抜口141bを有し後方が開放された箱状の前カバー141と、前カバー141の後端を閉鎖すると共に前方が開放された箱状で、前後方向に貫通している前カバー141の進入口141aから進入した遊技球Bを球発射装置540へ供給するための打球供給口142aを有した後カバー142と、後カバー142及び前カバー141の間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支され前カバー141の後側で進入口141aと球抜口141bとの間を仕切る仕切部143aを有した球抜部材143と、球抜部材143の仕切部143a上の遊技球Bを一つずつ後カバー142の打球供給口142aへ送り、前カバー141と後カバー142との間で上下方向へ延びた軸周りに回動可能に支持された球送給部材144と、球送給部材144を回動させる球送給ソレノイド145と、を備えている。
この球送給ユニット140は、図示するように、正面視で、球送給部材144が進入口141aの右側に配置されており、球送給部材144の左側に球抜部材143が、球送給部材144の右側に球送給ソレノイド145がそれぞれ配置されている。
球送給ユニット140の前カバー141は、正面視で球抜口141bの左側に、球抜部材143の回転中心に対して同心円状に形成された円弧状のスリット141cを備えており、このスリット141cから後述する球抜部材143の作動棹143cが前方へ延びだすようになっている。また、前カバー141は、進入口141aの上縁から上側が上方へ延びだしており、扉枠3を組立てた際に、上皿球抜後ユニット240における後ベース241の球送給誘導路241b及び球抜誘導路241cの上流端側の後方へ開放されている部位を後側から閉鎖するように形成されている。
球抜部材143は、進入口141aよりも下側で進入口141aと球抜口141bとの間を仕切り上面が球送給部材144の方向へ向かって低くなる仕切部143aと、仕切部143aの球送給部材144とは反対側の端部から下方へ延出すると共に上下方向の中間付近から球抜口141bの下側中央へ向かってく字状に屈曲し下端が前後方向へ延びた軸周りに回動可能に支持される回動棹部143bと、回動棹部143bの上端から前方へ向かって突出する棒状の作動棹143cと、作動棹143cよりも下側で回動棹部143bの側面から仕切部143aとは反対側へ突出した錘部143dと、を備えている。球抜部材143の作動棹143cは、前カバー141に形成された円弧状のスリット141cを通して前方へ突出するように形成されている(図35(a)を参照)。作動棹143cは、扉枠ベース101の球送給開口101eを介して皿ユニット200の上皿球抜ボタン222の押圧操作によって下方へ移動する上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上端(上面)と当接する。
球送給部材144は、進入口141a及び球抜部材143の仕切部143aの方を向き上下方向へ延びた回転軸芯を中心とした平面視が扇状の遮断部144aと、遮断部144aの後端から回転軸芯側へ円弧状に窪んだ球保持部144bと、球保持部144bの後端から下方へ延出する棒状の棹部144cと、を備えている。球送給部材144における遮断部144aと球保持部144bは、それぞれ回転軸芯を中心とした約180゜の角度範囲内に隣接して形成されている。また、球送給部材144の球保持部144bは、一つの遊技球Bを保持可能な大きさとされている。球送給部材144は、球送給ソレノイド145の駆動によって回転軸芯と偏芯した位置に配置された棹部144cが左右方向へ移動させられることで、回転軸芯周りに回動する。
この球送給部材144は、遮断部144aが仕切部143aの方向を向くと同時に球保持部144bが打球供給口142aと連通した方向を向いた供給位置と、球保持部144bが仕切部143aの方向へ向いた保持位置との間で回動するようになっている。球送給部材144が供給位置の時には、球保持部144bに保持された遊技球Bが、打球供給口142aから球発射装置540へ供給されると共に、進入口141aから仕切部143a上に進入した遊技球Bが、遮断部144aによって球保持部144b(打球供給口142a)側への移動が遮断されて仕切部143a上に留まった状態(待機位置に留まった状態)となる。一方、球送給部材144が保持位置へ回動すると、球保持部144bが仕切部143aの方向を向くと共に、球保持部144bの棹部144c側の端部が打球供給口142aを閉鎖した状態となり、待機位置である仕切部143a上の遊技球Bが一つだけ球保持部144b内に保持される。
また、球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の駆動(通電)によって先端が上下方向へ揺動する球送給作動棹146と、球送給作動棹146における上下方向へ揺動する先端の動きによって前後方向へ延びた軸周りに回動すると共に、球送給部材144を上下方向へ延びた軸周りに回動させる球送給クランク147と、を備えている。
球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145の下方の部位に鉄板146aを備えている。球送給作動棹146は、左右に延びており、球送給クランク147とは反対側の端部(右端部)が前後に延びた軸周りに回転可能に前カバー141及び後カバー142に取付けられている。球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145が駆動されると、発生する磁力によって鉄板146aが球送給ソレノイド145の方(上方)へ引寄せられ、右端部を中心にして球送給クランク147に近い左端部側が上方へ移動するように回動する。その後、球送給ソレノイド145の駆動が解除されると、磁力が消滅することによって鉄板146aの自重が作用して、右端部を中心にして球送給クランク147に近い左端部側が下方へ移動するように回動して初めの状態に復帰する。これにより、球送給作動棹146は、球送給ソレノイド145によって、球送給クランク147に近い左端部(先端)が上下方向に揺動することとなる。
球送給クランク147は、球送給作動棹146の上下動する先端と係合可能とされ左右方向へ延びた係合部147aと、係合部147aの球送給作動棹146と係合する側とは反対側に配置され前カバー141と後カバー142との間で前後方向へ延びた軸周りに回動可能に軸支される軸部147bと、軸部147bから上方へ延出しており、球送給部材144における回動中心に対して偏芯した位置から下方へ突出する棒状の棹部144c(図36(b)を参照)と係合する伝達部147cと、を備えている。
この球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の駆動により球送給作動棹146の先端(左端)を上方へ移動させることで、球送給作動棹146を介して球送給クランク147を前後に延びた軸周りに回動させることができる。
球送給ユニット140は、球送給ソレノイド145の非駆動時(通常時)では、球送給作動棹146が球送給ソレノイド145の下端から離れて先端が下方へ位置した状態となり、この状態では球送給部材144が供給位置に位置した状態となる。また、球送給ソレノイド145の駆動時では、球送給作動棹146が球送給ソレノイド145の下端に吸引されて先端(左端)が上方へ位置した状態となり、球送給部材144が保持位置へ回動する。つまり、球送給ソレノイド145が駆動される(ONの状態)と、球送給部材144が待機位置にある遊技球Bを一つ受入れ、球送給ソレノイド145の駆動が解除される(OFFの状態)と、球送給部材144が受入れた遊技球Bを球発射装置540側へ送る(供給する)ことができる。この球送給ユニット140における球送給ソレノイド145の駆動は、払出制御基板633の発射制御部633b(図185を参照)により発射ソレノイド542の駆動制御と同期して制御される。
また、球送給ユニット140は、回動可能に軸支されている球抜部材143か、錘部143dによって正面視反時計周りの方向へ回転するようなモーメントがかかるようになっている。しかしながら、球抜部材143の前方へ突出している作動棹143cが、皿ユニット200の上皿球抜ボタン222の押圧操作によって動作する上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上端と当接することで、その回動が規制されているため、通常の状態では、球抜部材143の仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間に位置して仕切っており、球抜口141b側へ遊技球Bが侵入することはない。
そして、遊技者が、皿ユニットの上皿球抜ボタンを下方へ押圧操作すると、上皿球抜スライダが作動伝達部と共に下方へスライドし、作動伝達部の下方への移動に伴って作動棹143cも相対的に下方へ移動することとなる。作動伝達部と共に作動棹143cが下方へ移動すると、球抜部材143が正面視反時計周りの方向へ回動し、仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間から移動して仕切りが解除される。これにより、進入口141aから進入した遊技球Bが、球抜口141b側へ落下し、球抜口141bから皿ユニット200における上皿球抜後ユニット240の球抜誘導路241cへと排出され、下皿球供給口211cを介して下皿202へ排出(供給)させることができる。
なお、球抜部材143の作動棹143cが当接する作動伝達部242bが形成されている上皿球抜スライダ242は、バネ243によって上方へ付勢されているので、仕切部143a上に遊技球Bが勢い良く供給されても、その衝撃を、作動棹143cを介してバネ243によって吸収させることができ、球抜部材143等が破損するのを防止することができると共に、遊技球Bが仕切部143aで跳ね返るのを防止することができる。
また、球送給ユニット140は、後カバー142における打球供給口142aの背面視で右上に前方へ窪んだ矩形状の取付凹部142b(図36(b)等を参照)が形成されていると共に、その取付凹部142b内に第1の不正防止手段たる操作線無効化部材700が収容されるように取付けられている。球送給ユニット140の操作線無効化部材700は、工具鋼やステンレス等の硬質の金属板により形成されており、後カバー142の取付凹部142b内に対して後側から脱着可能に取付けられている。なお、ここで、操作線の無効化とは、操作線を切断又は挟止(挟んで止める)又は絡める(巻き取る)又はホットメルト等で接着する等して不正球の操作が正常に行えない状態にすることをいう。
操作線無効化部材700は、正面視の外形が左右に延びた長方形状に形成されており、右辺から左方へ所定距離の間において、上下方向略中央で上下に分離している第一片部701及び第二片部702と、第一片部701及び第二片部702の互いに対向している辺の先端側(正面視右端側)でC面取り状にそれぞれ形成されている傾斜部703と、を備えている。操作線無効化部材700の第一片部701は、操作線無効化部材700の平板面に対して、図36(a)において正面視右端が後方へ突出するように屈曲させられている。一方、第二片部702は、操作線無効化部材700の平板面と同一面上に延びている。これにより、平面視において、第一片部701と第二片部702とによって、右方に向かうに従ってV字状に広がる剪断部700vを形成している。
操作線無効化部材700は、後カバー142の取付凹部142bに取付けられることで、第一片部701と第二片部702とで形成されるV字状の剪断部700vが打球供給口142a内と連通した状態となる。
この操作線無効化部材700によれば、柔軟な紐状の操作線(糸、ピアノ線、ワイヤーあるいはカテーテル等の線状部材)を取付けた不正球(遊技球か又はそれとほぼ同径の金属球又はそれとほぼ同径の合成樹脂球)を、上皿201から球送給ユニット140を介して球発射装置540により遊技領域5a内に打込み、不正球に取付けられた上皿201側に出ている操作線を操作して、不正球を用いて不正な球流路を形成したり、不正球を第一始動口2002等に出し入れさせるような不正行為が行われる際に、球発射装置540により遊技領域5aに到達可能な強さで発射(打球)された不正球の勢いによって、不正球に取付けられた操作線を、第一片部701と第二片部702との間に挿入させた上で、第一片部701と第二片部702とによって形成された剪断部700vの狭くなった部位によりハサミのごとくに切断させることができ、そうして操作線を無効化して不正球を用いた不正行為が行われるのを抑止することができる。
なお、球送給ユニット140に設けられる第1の不正防止手段としては、上記した形態のものに限らず、他の形態であってもよい。例えば、不正球に取付けられた操作線を切断或は狭止して、不正行為を抑止する構成であれば、金属板を上述と異なる形態に屈曲させたり、折り曲げた操作線無効化部材700を設ける構成としてもよいし、不正球に取付けられた操作線を切断或は狭止し得る形状を有した樹脂成型部材を、金属板に代えて設ける構成としてもよい。
また、不正球がアクリル等の合成樹脂製である場合には、球送給ユニット140の上述した待機位置(上述した仕切部143a上)にある金属製の遊技球を非接触タイプ(例えば近接スイッチ)のセンサーで検知し、その検知信号を電動送給手段たる球送給ソレノイド145の駆動条件に加えることで不正球の発射自体を防止することができる。非接触タイプのセンサーでは合成樹脂製の不正球が検知されず、球送給ソレノイド145が球送給用の駆動を行わないためである。
[3−1−11.ファールカバーユニット]
扉枠ベースユニット100のファールカバーユニット150について、主に図37及び図38を参照して詳細に説明する。図37(a)は扉枠ベースユニットのファールカバーユニットを前から見た斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを後ろから見た斜視図である。また、図38(a)はファールカバーユニットを蓋部材を外して前から見た分解斜視図であり、(b)はファールカバーユニットを蓋部材を外して後ろから見た分解斜視図である。
ファールカバーユニット150は、扉枠ベース101の後側の下部における背面視右側に取付けられている。ファールカバーユニット150は、球発射装置540により所定の力(遊技領域5aに到達可能な発射力)より弱い力(遊技領域5aに到達不能な発射力)で発射されて遊技盤5の遊技領域5a内に到達しなかった遊技球B(ファール球)を、下皿202に誘導すると共に、払出装置580から払出された遊技球Bを、上皿201又は下皿202に誘導するためのものである。
ファールカバーユニット150は、図示するように、扉枠ベース101の後側に取付けられ前側が開放された浅い箱状のユニット本体151と、ユニット本体151の前面に取付けられている平板状の蓋部材152と、を備えている。
ファールカバーユニット150は、正面視左上隅において前後に貫通しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610aと皿ユニット200の球用開口である上皿球供給口211aとを連通させる貫通球通路150aと、貫通球通路150aの正面視右下側で後方へ向かって開口しており本体枠4の下部満タン球経路ユニット610の下部満タン払出通路610bと連通可能な満タン球受口150bと、を備えている。
また、ファールカバーユニット150は、満タン球受口150bの正面視右側で上方へ向かって開口しており本体枠4の球発射装置540で発射レール544から発射されたにも関わらず勢い不足で遊技領域5a内へ到達することなく発射レール544と外レール1001との間に形成されたファール球落下口1013に落下した遊技球B(ファール球)を受けるファール球受部150cと、正面視右下隅付近で前方へ向かって開口しており満タン球受口150b及びファール球受部150cに受入れられた遊技球Bを前方へ放出すると共に皿ユニット200の球用開口たる下皿球供給口211cと連通する球放出口150dと、球放出口150d(厳密には後述する貯留通路150e)とファール球受部150cとをつなぐ連絡通路150hと、を備えている。この連絡通路150hは、ファール球受部150cの底壁150gの下側に底壁150gとは逆の勾配にして配設された上部通路壁150iと、上部通路壁150iから遊技球ほぼ1球分の間隔を離して平行に配設された下部通路壁150jとからなり、始端部がファール球受部150cの底壁150gの下傾端部に上向きに開口し、終端部が貯留通路150eに対して下向きに開口する。
なお、発射レール544と外レール1001の間に開設されたファール球落下口1013からファール球受部150cと連絡通路150hと貯留通路150eを通って球放出口150dに至る一連の通路がファール球返却通路であり、これら一連の要素によって返却通路部1014が形成される。
更に、ファールカバーユニット150は、ユニット本体151及び蓋部材152によって、満タン球受口150b及びファール球受部150cと球放出口150dとの間に形成されており所定量の遊技球Bを貯留可能な広さを有している貯留通路150eを、備えている。
貫通球通路150aは、ユニット本体151と蓋部材152の両方に跨って形成されている。満タン球受口150b及びファール球受部150cは、ユニット本体151に形成されている。球放出口150dは、蓋部材152に形成されている。貯留通路150eは、ユニット本体151と蓋部材152とで形成されている。
また、ファールカバーユニット150は、貯留通路150eの内壁の一部を構成しており下端が回動可能にユニット本体151及び蓋部材152に取付けられている平板状の可動片153と、可動片153の貯留通路150eから遠ざかる方向への回動を検知する満タン検知センサ154と、可動片153を貯留通路150e側へ付勢しているバネ155と、を備えている。
このファールカバーユニット150は、皿ユニット200の下皿202内が遊技球Bで一杯になって、球放出口150dから遊技球Bが下皿202側へ放出されなくなると、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bを貯留することができる。そして、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bが貯留されると、遊技球Bの重さによって可動片153の上端がバネ155の付勢力に抗して貯留通路150eから遠ざかる方向へ移動するように可動片153が回動し、その回動が満タン検知センサ154によって検知される。
これにより、下皿202が遊技球Bで満タンになっていると判断することができるため、満タン検知センサ154により満タンが検知されると、これ以上の遊技球Bの払出しを停止させると共に、その旨を遊技者や遊技ホールの係員等に報知して、下皿202の満タンを解消させるように促すことができる。
また、ファールカバーユニット150は、ユニット本体151の後側で貫通球通路150aの下側に取付けられており、本体枠4の後述する払出ユニット560における下部満タン球経路ユニット610の払出通路開閉扉613の作動突部613aが当接可能な扉開閉当接部150fを備えている(図109を参照)。扉開閉当接部150fは、後面が下方へ向かうに従って前方へ移動するように傾斜している。この扉開閉当接部150fに払出通路開閉扉613の作動突部613aが当接することで、払出通路開閉扉613を回動させて下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端(前側開口)を開放させることができる。
また、ファールカバーユニット150には、操作線Lを取付けた不正球Qによる不正を抑止するための第2の不正防止手段たる操作線無効化部材7000が設けられ、同じく発射レール544と外レール1001の間に開設されたファール球落下口1013には第3の不正防止手段たる操作線無効化部材7000H,7000Sが設けられている。
ファールカバーユニット150に設けられた第2の操作線無効化部材7000は、連絡通路150hの上部通路壁150iとファール球受部150cの底壁150gとの間の内部空間であって、図40拡大図に示したようにユニット本体151の取付孔151h及び蓋部材152の取付孔152hに両横の凸部7001が嵌合支持され且つ上部通路壁150iの上面に固着(接着)して取り付けられ、さらに、安全上の配慮から従業員や遊技機組立作業員等の手が接触困難なように、ユニット本体151及び蓋部材152によって外部からカバーして収容されている。
具体的な操作線無効化部材7000は、球送給ユニット140に設けられた操作線無効化部材700と同等の構成要素を備えており、図36の屈曲した第一片部701に相当する第一片部7010と、真っ直ぐな第二片部702に相当する凸部7001から延設された第二片部7020とによって、連絡通路150hの球の流下方向と対向する向きに開口するV字状の剪断部7000vが形成されている。
なお、実施形態のファールカバーユニット150は、図40拡大図に示したように、操作線無効化部材7000のV字状の剪断部7000vの中心が、ファールカバーユニット150を構成する蓋部材152の内面とほぼ面一になるように配設されると共にファール球受部150cの底壁150gと連絡通路150hの上部通路壁150iとの折り返し部分に操作線無効化部材7000の剪断部7000vに向けて操作線Lを誘導し得るテーパ状の誘導部150kが設けられている。具体的にはファール球受部150cの底壁150gは、その上面を遊技球が流下するに必要な面幅を有しつつ、上部通路壁150iとの折り返し部分に、蓋部材152側に向けて操作線無効化部材7000側に下る第一の傾斜部150kaと、その第一の傾斜部150kaに連続するように蓋部材152沿いに操作線無効化部材7000の剪断部7000vに向かって幅が狭くなる先窄み形状(操作線Lを捕獲し得る形状)の第二の傾斜部150kbと、からなるテーパ状の誘導部150kを有している。そして、この誘導部150kに不正球Qの転がりや外部からの引張りで張力を受けた操作線Lが巻回状に摺接すると、操作線Lに加わる張力によって第一の傾斜部150kaから第二の傾斜部150kbを滑るようにして操作線Lが操作線無効化部材7000に誘導される。これにより、操作線Lを操作線無効化部材7000で確実に捉えることができる。このようにして正常なファール球の円滑な流下と、不正球Qに取り付けられた操作線Lの誘導を担っている。なお、操作線Lをより捕獲しやすくするために、誘導部150kの第一の傾斜部150kaと第二の傾斜部150kbの角部を湾曲状に形成しておくようにしてもよい。
ファールカバーユニット150に設けられた第2の操作線無効化部材7000は以上のように構成されているため、下皿球供給口211cから遊技領域5aに連通する空間を用いて、操作線Lを取付けた不正球Qを遊技領域5aに侵入させるとともに、下皿球供給口211c側に出ている操作線Lを操作して、不正球Qを用いて不正な球流路を形成したり、不正球Qを第一始動口等に出し入れさせるような不正行為を抑止することができる。
例えば、下皿球供給口211cからセル板等の専用工具を使って不正球Qを返却通路部1014に押し込んで逆流させて球発射装置540の発射位置に送り込むような不正行為(以下「不正行為A」という。)が行われた場合、不正球Qが連絡通路150hの上部通路壁150iとファール球受部150cの底壁150gとの折り返し部分を越えて発射レール544の発射位置に向かうと、それに引っ張られて(張力が負荷されて)操作線Lが同折り返し部分に沿ってUターン状に回り込む。そうすると、操作線Lが、誘導部150kのテーパに沿って操作線無効化部材7000に案内され、第一片部7010と第二片部7020によるV字状の剪断部7000vに入り込んで最終的に切断され、結果的に操作線Lが操作できなくなるから不正球Qを用いた不正行為を抑止することが可能となる。
また、操作線Lに複数の不正球Qをつなげてそのうちの1つを打球供給口142aから発射位置に送り込み、それを意図的にファール球にして、球用開口である下皿球供給口211cからファール球となった不正球に繋げられた操作線Lを掴んで後続の不正球Qを遊技領域5aに発射する不正行為(以下「不正行為B」という。)が行われた場合にも、連絡通路150hの上部通路壁150iとファール球受部150cの底壁150gとの折り返し部分に存在する操作線Lが、後続の不正球Qの発射により引っ張られて(張力が負荷されて)操作線Lが同折り返し部分に押し付けられ、上記と同様に操作線Lが剪断部7000vに入り込んで切断され、結果的に操作線Lが操作できなくなるから不正球Qを用いた不正行為を抑止することが可能となる。なお、図39、図40は、不正行為Bが行われた場合を想定した説明図である。また、上述した不正行為Bに対しては、第1の不正防止手段たる操作線無効化部材700等がファール球となる不正球Qに十分に効果を発揮できない可能性(例えば、ファール球となる程度の強さで不正球Qが発射されても操作線Lが第1の不正防止手段で無効化されない可能性)もあるため、本実施形態は、第1の不正防止手段による不正対策を補強する効果も有している。このため、不正行為Bを対象にする場合には、第1、第2の不正防止手段たる操作線無効化部材700,7000、さらには後述する第3の不正防止手段たる操作線無効化部材7000H,7000Sを適宜併用することが好ましく、第1の操作線無効化部材700と、それとは別の第2の操作線無効化部材7000或は第3の操作線無効化部材7000H,7000Sを一台のパチンコ機1に一緒に設けるとよい。この場合、第1の操作線無効化部材700と第2の操作線無効化部材7000は、扉枠3側に一緒に且つ外部に露出しない状態に設けられているため目立ちにくく、従って球詰まり等のトラブルで扉枠3を開いても不正対策情報が漏れにくい。
また、操作線無効化部材700,7000は、切れ味の低下等が防犯性能を左右するため、扉枠3と一緒に交換されるようにすれば防犯性能を維持することが容易である。
ところで上述した第1、第2の不正防止手段たる操作線無効化部材700,7000は、剪断部700v,7000vによって操作線Lを切断して無効化するものであるが、操作線Lを挟止させる、つまり操作線Lを例えば二枚の金属板7011,7022間に挟み込んで柔軟な操作線Lを押し引き不能又は押し引き困難な状態にして操作線Lに繋がる不正球Qを容易に操作できないように無効化するようにしてもよい。
具体的には、例えば図41、図42に示したように操作線無効化部材7000を図41拡大図の斜線部で接合した二枚の金属板7011,7022で形成し、金属板7011,7022の先端の非接合部前半をV字状に拡開させて導入案内部7033とし、非接合部後半を挟止部7044とする。このような操作線無効化部材7000は、蓋部材152の内面に固着して取り付けられ、さらに、安全上の配慮から従業員や遊技機組立者等の手に接触困難なように、ユニット本体151及び蓋部材152によって外部からカバーして収容されている。
かかる操作線無効化部材7000によれば、図42拡大図に示したように操作線Lが、不正球Qに引っ張られて連絡通路150hの上部通路壁150iとファール球受部150cの底壁150gとの折り返し部分をUターン状に回り込むとき、同折り返し部分の誘導部150kのテーパに沿って操作線無効化部材7000に案内され、金属板7011と金属板7022の非接合部後半の挟止部7044によってピンセットのごとくに挟まれて挟止される。
これにより、上述した不正行為Aにより下皿球供給口211cから逆流した不正球Qが発射レール544の発射位置に到達すること、或は、不正行為Bにより意図的にファール球にした不正球Qが球用開口である下皿球供給口211cに到達することを抑制することが可能になると共に、仮にそこまで到達したとしても、操作線Lが操作線無効化部材7000に挟まれた状態にあるため、下皿球供給口211cから柔軟な操作線Lをいくら押し入れようとしてもそこで弛むのみであって結果的に操作線Lの繰り出し量が調整できない(遊技領域5aにぶら下がった不正球Qの高さが調整できない)ようになるから不正球Qを用いた不正行為を抑止することが可能となる。
なお、上述した実施形態では、二枚の金属板7011,7022の先端の非接合部前半をV字状に拡開させて導入案内部7033とし、非接合部後半を挟止部7044とする構成としたが、これに代えて、一枚の金属板を板面を重ねるように折り曲げて、折り曲がった一方の板面の先端部分をV字状に拡開させて導入案内部7033(誘導部)とし、両板面の挟幅部分を挟止部7044とする構成としてもよい。これにより、上述の不正抑止効果と同様の効果を奏しつつ、金属板の部品点数を減らすことによる組付作業効率を向上させることができる。
また、操作線Lを挟止させる操作線無効化部材7000は、図示しないが図42の第二の傾斜部150kbの隙間に両面テープを設置するか或は硬化しない性質の粘着剤を充填するなどして粘着部を形成し、そうして第二の傾斜部150kbに誘導された操作線Lがこの粘着部に接着されて動けなくなるようにしてもよい。
また、操作線Lを挟止させる操作線無効化部材7000は、二枚の金属板7011,7022からなる上記のものを、図43に示したようにコイルスプリングに変更し、このコイルスプリングを、誘導部150kの第二の傾斜部150kbの誘導方向と自己の中心軸線とが略直交するように設置して形成してもよい。かかるコイルスプリングの隣合うコイル同士の間に第二の傾斜部150kbで案内された操作線Lが嵌り込んで挟止される。
なお、コイルスプリングは、引張りコイルスプリングや捩りコイルスプリングのような無荷重時に隣合うコイル同士が当接している構造のものが、圧縮コイルスプリングのように圧縮状態にして設置する必要があるものに比べて設置作業上有利である。
また、コイルスプリングは、無荷重時の真っ直ぐな状態で設置してももちろんよいが、図43に示したように操作線Lの進入側のコイル同士が若干拡開する向きに湾曲させて設置する方が、操作線Lの進入が円滑になるため好ましい。このように、操作線無効化部材7000をコイルスプリングで形成した場合には、安価に製造できるため低コストにすることができる。
また、上述した操作線無効化部材7000に対し、球用開口(下皿球供給口211c)からセル板等の異物を差し込んでこのセル板で操作線無効化部材7000への誘導部150kを塞ごうとするさらなる不正工作が考えられるが、これに対応すべく上述した実施形態では、ファール球の返却通路部1014の進路変更部分(本実施形態では下皿球供給口211c直上に対応する部分)に、かかるセル板(異物)が入り込むスリット1015を形成している(図39参照)。これにより、球用開口(下皿球供給口211c)から異物を差し込んで誘導部150kを塞ごうとするさらなる不正工作も抑止することができる。
なお、球用開口(下皿球供給口211c)からセル板等の異物を差し込んで誘導部150kを塞ごうとする不正工作の対応としては、上述のスリット1015のようにセル板等の異物を取り込む取り込み口を形成するものに限らず、図39に二点鎖線で示したように、セル板等の異物を衝突させて誘導部150kまでの到達を阻害する突起状の障害部1016を設ける構成として、さらに高度な不正防止が達成できるようにしてもよい。
また、これまで説明した第1、第2の操作線無効化部材700,7000は、操作線Lの進入を待って無効化する静的構造になっているが、図49、図50、図51、図52、図53に示したように、不正球Qの存在によって操作線Lを積極的に無効化する動的な操作線無効化部材7000Dにしてもよい。
図49、図50、図51は、動的な操作線無効化部材7000Dの一つの具体例を示したものであり、その操作線無効化部材7000Dは、ファール球返却通路(返却通路部1014)の進路変更部(下皿球供給口211c直上に対応する角部)に揺動可能に軸着されている。
つまり、操作線無効化部材7000Dは、図49において、水平な板状の球受部2645と、球受部2645の右端に垂直に突設した板状の無効化部2646と、球受部2645と無効化部2646が交わる角部に形成した軸孔2647と、無効化部2646の上縁から右側に突設された軸孔2647を中心とする弧状の球止部2648と、を有し、軸孔2647にファールカバーユニット150に植設された支持軸2649が回転自在に挿通されていて、図50(a)の球受け姿勢から反時計回りに約90゜回転した図50(b)のリリース姿勢に揺動し得る。また、操作線無効化部材7000Dには、球受部2645と無効化部2646の軸孔2647を挟んだ反対側にバランスウェイト2660が設けられており、バランスウェイト2660の付勢によって球受部2645に外力(具体的には遊技球1個分の荷重)が作用しない状態で図50(a)の球受け姿勢が保たれ、一方、球受部2645に遊技球1個分の荷重が作用したとき図50(b)のリリース姿勢に揺動するようになっている。
また、操作線無効化部材7000Dの無効化部2646の端縁は、軸孔2647を中心に旋回してファール球返却通路(返却通路部1014)を横切る交差辺部2651になっており、操作線無効化部材7000Dが図50(b)のリリース姿勢に揺動したとき交差辺部2651がファール球返却通路の受部2652に嵌まるようになっている。
以上の動的な操作線無効化部材7000Dを備えたファールカバーユニット150に通常のファール球が流入した場合は、このファール球が図50(a)のようにファール球返却通路の連絡通路150hを流下し、進路変更部で下向きに進路を変えた直後に球受け姿勢にある操作線無効化部材7000Dの球受部2645に載る。このファール球の荷重により操作線無効化部材7000Dが支持軸2649を中心に反時計回りに回動して図50(b)のリリース姿勢に変わる。そうすると、操作線無効化部材7000Dの球受部2645に載っていたファール球が下流の貯留通路150eに放出されるため、このファール球から解放された操作線無効化部材7000Dがバランスウェイト2660の付勢により元の球受け姿勢に復動する。
なお、まれに複数のファール球が一度に発生する場合があるが、そうした場合でも先のファール球が操作線無効化部材7000Dで処理される間、後のファール球が図50(b)のように弧状の球止部2648で止められ、操作線無効化部材7000Dが復動してから続けて処理される。したがって、ファール球が複数個同時に発生しても、一個ずつ順番に支障なく処理することができる。
次に、動的な操作線無効化部材7000Dを備えたファールカバーユニット150に上述した不正行為B(操作線Lに複数の不正球Qをつなげてそのうちの1つを打球供給口142aから発射位置に送り込み、その不正球を意図的に弱く発射することによりファール球にして球用開口である下皿球供給口211cから取り出し、さらにその不正球に繋げられた操作線Lを掴んで後続の不正球Qを遊技領域5aに発射する不正行為)による不正球Qが流入した場合は、不正球Qが図51(a)のように連絡通路150hを流下し、進路変更部で下向きに進路を変えた直後に球受け姿勢にある操作線無効化部材7000Dの球受部2645に載る。そしてこの不正球Qの荷重により操作線無効化部材7000Dが支持軸2649を中心に反時計回りに回動して図51(b)のリリース姿勢に変わる。このとき操作線無効化部材7000Dの無効化部2646も回動し、その端縁の交差辺部2651がファール球返却通路を横切って通路側の受部2652に嵌まるが、交差辺部2651がファール球返却通路を横切る際、そこを通る操作線Lも当然に横切るため、操作線Lが図51(b)のように交差辺部2651と受部2652の間に挟まって動けない状態(挟止)になる。そうすると、操作線Lに繋がっている不正球Qが落下不能になるため、操作線無効化部材7000Dの球受部2645が不正球Qから解放されずにリリース姿勢を継続することになる。もちろん操作線無効化部材7000Dは、球用開口たる下皿球供給口211cから手を入れても届かない位置にあるため、この位置に止まる不正球Qが外部から取り出されるおそれはない。
なお、交差辺部2651と受部2652の間で操作線Lを蛇行させるなどして操作線Lの逆進が困難になるようにしておけば、操作線無効化部材7000Dに捕捉された状態の不正球Qを打球供給口142a側に引き戻すことも困難になる。これにより、操作線無効化部材7000Dに残った不正球Qを証拠球として保存・回収することができる。
以上の動的な操作線無効化部材7000Dは、不正球Qの自重を利用したものであるが、操作線無効化部材7000Dを図52に示したように電動駆動手段で作動させるようにしてもよい。
つまり図52の操作線無効化部材7000Dは、上述したバランスウェイト2660を設けた部分に電動駆動手段たるソレノイド2653のプランジャ2654を連結すると共に操作線無効化部材7000Dの無効化部2646に球検出器2655を設けてなり、球受部2645に遊技球が載ってそれが球検出器2655によって検出されるとソレノイド2653のプランジャ2654が上昇して操作線無効化部材7000Dが球受け姿勢からリリース姿勢に変化し、また、球受部2645から遊技球が放出されてそれが球検出器2655によって検出(遊技球有りから無しへの信号の変化)されるとソレノイド2653のプランジャ2654が下降して操作線無効化部材7000Dがリリース姿勢から球受け姿勢に復動するようになっている。
斯かる操作線無効化部材7000Dの球受部2645に正常なファール球が載った場合は、ファール球の発生と放出が球検出器2655の信号の変化によって検出され、それを受けてソレノイド2653が適宜作動するため、自重利用の操作線無効化部材7000Dと同様にファール球が一個ずつ処理される。
一方、操作線無効化部材7000Dの球受部2645に不正球Qが載った場合は、不正球Qが球検出器2655で検出されるため、ソレノイド2653のプランジャ2654が上昇して操作線無効化部材7000Dが不正球Qを伴ってリリース姿勢に変化するものの、上述したように、操作線Lが無効化部2646の交差辺部2651と受部2652に挟止されて不正球Qが落下せず、球検出器2655から放出の信号が発せられないため、ソレノイド2653のプランジャ2654が上昇位置に止まる。よって不正球Qが狙った球用開口から取り出せないため、不正を未然に防止することができる。
なお、上述した動的な操作線無効化部材7000Dは、無効化部2646の交差辺部2651及び/又は受部2652に切断刃を設けておくことにより、操作線Lを切断して無効化することができる。また、実施形態の操作線無効化部材7000Dは、球受部2645が返却通路部104を塞いだ状態で球用開口側からの不正球Qの侵入を阻止する機能を有するため、後述する不正球逆進防止手段として利用することもできる。よって、より高い不正防止機能を発揮する。
また、動的な操作線無効化部材7000Dは、上述した構成以外にも、例えば無効化部を、直線的に進退して連絡通路150hを開閉するシャッター板構造に形成すると共にそのシャッター板の先端をファール球返却通路を横切る交差辺部となし、また、連絡通路150hの流路の途中であって交差辺部の可動領域より下流に球検出器を設置すると共に交差辺部の可動領域を通過した後の不正球Qをこの球検出器で検出して無効化部を作動させるようになし、そうして連絡通路150hを横切った交差辺部で操作線Lを挟止又は切断させるようにしてもよい。
また、上述した動的な操作線無効化部材7000Dは、球送給ユニット140の第1の操作線無効化部材700に適用することもできる。具体的には、球送給ユニット140に設けられている球送給ソレノイド145を操作線無効化部材7000Dのソレノイド2653に置き換え、球送給部材144を操作線無効化部材7000Dに置き換える。この場合、不正球Qが球送給ユニット140内に止まって球発射装置540へ供給されなくなるため、不正抑止効果を確実に高めることができる。
また、図53は、動的な操作線無効化部材7000Dであって、操作線Lを巻き取って無効化するものである。
つまり、この操作線無効化部材7000Dは、ファールカバーユニット150の連絡通路150h内にこの通路と直交する向きの回転軸2656を中心に回転し得るように取り付けられた角リング状の無効化部2646と、無効化部2646を回転させる電動駆動手段たるモーター2657と、無効化部2646の連絡通路150hを横切る横棒を交差辺部2651として交差辺部2651の可動(回転)領域より下流に設けられた球検出器2655と、からなり、球検出器2655でファール球が検出される度に無効化部2646を1回転させるようにしたものである。
斯かる操作線無効化部材7000Dを備えたファールカバーユニット150に通常のファール球が流入した場合は、このファール球が連絡通路150hに入って無効化部2646を潜り抜け、そのファール球が球検出器2655で検出されることで無効化部2646が1回空回りするが、ファール球はそのまま流下して球用開口から外部に放出される。
一方、この操作線無効化部材7000Dを備えたファールカバーユニット150に上述した不正行為Bによる不正球Qが流入した場合は、不正球Qが無効化部2646を潜った時点で操作線Lも無効化部2646を通るため、不正球Qが球検出器2655で検出されて無効化部2646が1回転すると操作線Lが無効化部2646に巻き付く。したがって、不正球Qが連絡通路150h内に止まるため、不正者の手に渡るおそれがない。
なお、不正球Qを検出する球検出器2655は、不正球Qに付された操作線Lの張力を受けて変位するものでもよく、そうした場合は、不正球Qを確実に検出することができるため、上述した操作線Lを巻き取る操作線無効化部材7000Dの無駄な空回しをなくすることができる。
以上、動的な操作線無効化部材に関する実施形態の説明には、次のような技術的思想が含まれる。
「遊技球で遊技を行う遊技領域と、
遊技球を発射する球発射装置と、
前記球発射装置の発射位置から前記遊技領域に連通する発射球通路を形成する発射通路部と、
前記発射球通路の途中に開設されたファール球落下口と機前の外部に遊技球を放出する球用開口とを結ぶファール球返却通路を形成する返却通路部と、
不正球に付された操作線の機前からの操作を防止し得る不正防止手段と、を備え、
前記不正防止手段は、前記操作線を挟止又は切断又は巻き取って無効化する操作線無効化部材であり、
該操作線無効化部材は、遊技球の前記ファール球返却通路を横切る交差辺部を備えると共に前記不正球が該交差辺部の可動領域を通過した後に該交差辺部を作動させて前記ファール球返却通路を横切らせるようになし、そうして前記交差辺部で前記ファール球返却通路を通る前記操作線を挟止又は切断又は巻き取って無効化するものであることを特徴とする遊技機。」
次に、上述したファール球落下口1013に設けられた第3の不正防止手段は、図10、図11、図39、図47、図48に示したように、発射レール544の端部(終端部)に設けられた操作線無効化部材7000Hと外レール1001の端部(具体的には樹脂製のレール基台1001x)に設けられた操作線無効化部材7000Sとからなる。
発射レール544の飛び出し側の端部に設けられた操作線無効化部材7000Hは、鋭利な切断刃であり、その刃先に作業者の手が直接触れないように金属製の三角プレートを櫛歯状に並べた安全カバー部1017でカバーしてなる。なお、切断刃は、この安全カバー部1017によって支持されている。
したがって、上述したように、下皿球供給口211cからセル板等の専用工具を使って不正球Qを返却通路部1014に押し込んで逆流させ、球発射装置540の発射位置に送り込むような不正行為Aが行われた場合、不正球Qが発射レール544の端部に載って傾斜により転がって発射位置に向かうと、それに引っ張られて(張力が負荷されて)操作線Lが操作線無効化部材7000Hの切断刃に触れて切断される。よって操作線Lが操作できなくなる。
また、操作線Lに複数の不正球Qをつなげてそのうちの1つを打球供給口142aから発射位置に送り込み、それを意図的にファール球にして球用開口である下皿球供給口211cから不正球Qに繋げられた操作線Lを掴んで後続の不正球Qを遊技領域5aに発射する不正行為Bが行われた場合にも、不正球Qがファール球となって返却通路部1014を落下する過程で操作線Lが操作線無効化部材7000Hの切断刃に触れるため、その段階で切断される。よって操作線Lが操作できなくなる。
一方、外レール1001を構成する樹脂製のレール基台1001xに設けられた操作線無効化部材7000Sは、図10、図39及び図47に示したように硬質樹脂製の線材をブラシ状に多数突設してなる。
かかる操作線無効化部材7000Sによれば、仮に不正球Qが遊技領域5aに到達して操作線Lにつながった状態でぶら下がり、その操作線Lの端を球用開口である下皿球供給口211cを介して不正者が掴んでいるとしても、遊技領域5aの不正球Qを上昇させるべく操作線Lを外部から引っ張ったとき、その張力により操作線Lが操作線無効化部材7000Sの線材同士の間に入り込むため、その後、不正球Qを下降させるべく操作線Lを操る手の力を緩めても、操作線Lが操作線無効化部材7000Sの線材群から受ける抵抗で滑りにくくなっているから緩めた手の動きが不正球Qに伝わらない。つまり遊技領域5aにある不正球Qが下げられないため、結果的に不正球Qを用いた不正行為を抑止することができる。
このように第3の不正防止手段は、不正行為A、Bの初期段階で発射レール544側の操作線無効化部材7000Hが効果を発揮し、また、仮にそれが破られたとしても外レール1001側の操作線無効化部材7000Sが効果を発揮するため、より高度な不正防止効果が得られる。
なお、操作線無効化部材7000H,7000Sの何れか一方を単独で使用することももちろん可能であり、また、操作線無効化部材7000Hと操作線無効化部材7000Sの具体的な無効化部材も実施形態同士で入れ替えたり、同じ無効化部材を採用してもよい。
また、操作線無効化部材7000H,7000Sを実施形態のように別部品化して発射レール544や外レール1001に取り付ける場合の他、例えば発射レール544を構成する金属板を適宜加工して操作線無効化部材7000Hを一体に形成したり、或は外レール1001を構成する樹脂製のレール基台1001xに線材を一体成形するか、またはレール基台1001xの角部に図8BのようにV溝状の挟止部7000Svを刻設し挟止部7000Svの溝奥に操作線Lを誘引して挟止するようにしてもよい。
更にまた、外レール1001の操作線無効化部材7000Sを、図48に示したように第2の操作線無効化部材7000と同じ構成、例えば図41、図42で説明した二枚の金属板7011,7022で形成し、外レール1001のレール基台1001xに第一の傾斜部150kaと第二の傾斜部150kbとからなる誘導部150kを設ける構成にしてもよい。
以上、不正球Qに取り付けられた操作線Lを無効化する第2の操作線無効化部材7000を返却通路部1014に設ける実施形態について、また、同じく第3の操作線無効化部材7000をファール球落下口1013に設ける実施形態について説明したが、もちろん本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
例えば、上述の実施形態では操作線無効化部材7000をファール球受部150cの底壁150gと連絡通路150hの上部通路壁150iとの折り返し部分、つまり連絡通路150hの入口部分に設けたが、操作線無効化部材7000を連絡通路150hの出口部分(図39矢示z参照)に設けたり、図38(a)の球放出口150dの後面側に設けたり、ファール球落下口1013を構成する外レール1001の始端部と発射レール544の終端部のそれぞれに設ける等、操作線Lが返却通路部1014の一部に当接して屈曲する部位であって操作線Lが不正球Qの重量等と不正者による引張り力とによる張力を受けて真っ直ぐ張ろうとした場合に押圧力を受ける部位であることを条件として、返却通路部1014内のどの位置に設けるようにしてもよい。なお、実施形態の操作線無効化部材7000の設置位置は、球用開口から遊技者が指先を挿入しても触れることができない位置としており、この位置が、遊技者の安全面及び操作線無効化部材7000自体に対する不正工作が困難になる防犯面を考慮すると好ましい。
また、実施形態では操作線無効化部材7000を連絡通路150hの一方に片寄せて設けるようにしたが、図44(a),(b)のように通路幅一杯に操作線無効化部材7000として切断刃を配置するようにしてもよい。なお、図44(a),(b)では、ファール球受部150cの底壁150gの終端部分と連絡通路150hの始端部分を櫛歯状の安全カバー部1017にして切断刃の刃先が作業者に触れないようになっている。この場合の操作線無効化部材7000の切断刃は、周知の折れ刃構造又はチップ構造のものを使用し、これを上部通路壁150iの上面の鞘状ホルダー部1018に設置すると共にユニット本体151と蓋部材152のそれぞれに装填口1019と排出口1020を設け、そうして切断刃をところてん式に押し出して新旧交換し得るようにすれば、常にシャープな切れ味を持続させることができる。その他、図44(a),(b)において符合1021は、安全カバー部1017の谷部に切り込んだ操作線L用の挟止割線部であり、挟止割線部1021に操作線Lが食い込み得るようになっている。したがって、もし仮に切断刃の操作線無効化部材7000が操作線Lの切断に失敗したとしても、底壁150g等の挟止割線部1021に操作線Lが食い込み得るため、不正防止の確実性が向上する。
また、上述の実施形態ではファール球が下皿に返却される例を示したが、ファール球が上皿(下皿がない場合を含む)に返却される構造の遊技機もあり、こうした遊技機の場合、上皿球供給口(球用開口)から遊技領域5aに連通する空間を用いて、操作線Lを取付けた不正球Qを遊技領域5aに侵入させる不正行為(上述した不正行為A、Bに類似する不正行為)が行われる虞がある。こうした遊技機の場合には、上皿球供給口から遊技領域5aに連通する空間に位置するファール返却通路の所定部位に、上述した実施例と同様に第2の不正防止手段を設けることが例示できる。
また、上述の実施形態では、返却通路部1014を構成するファールカバーユニット150を扉枠3側に設けたが、ファールカバーユニット150は本体枠4側に設けてもよい。
また、上述の実施形態では、返却通路部1014を構成するファールカバーユニット150に第2の不正防止手段を一つ設けるようにしたが、複数設けるようにしてもよい。例えば、返却通路部1014に上述した実施形態の折り返し部分のような屈曲部が複数形成される通路構成の場合、屈曲部の各々に(折り返し部分の各々に)、上述した実施形態のような第2の不正防止手段を設けるようにしてもよい。これにより、不正球Qを用いた不正行為の抑止効果を一層高めることが可能となる。
また、上述の実施形態では、返却通路部1014を構成するファールカバーユニット150に第2の不正防止手段として金属板を設けるようにしたが、金属板でなく同様の構成の樹脂成型物を設けるものとしたり、あるいは、ファールカバーユニット150の成型そのものを特殊な形状として第2の不正防止手段として機能し得るようにしてもよい。例えば、前述した実施形態における第2の不正防止手段である金属板を設けず、代わりに、ファール球受部150cの底壁150gと連絡通路150hの上部通路壁150iとの折り返し部分に設けられるテーパ状の誘導部150kの最も幅が狭い部分(最狭部分)で操作線Lを捕獲し得るように、返却通路部1014を構成する樹脂成型部品にスリット状の捕獲部を形成するようにしておき、この誘導部150kの最狭部分である捕獲部で不正球Qに取り付けられた操作線Lが挟止される構成としてもよい。このような構成でも、上述した実施形態と同等の不正抑止効果を奏することができる。
また、上述の実施形態では不正球Qに取り付けられた操作線Lを操作線無効化部材7000によって切断又は挟止するようにしたが、上述した不正行為Aの対策に特化したものとして、図45,図46,図49では、正常なファール球の流下に影響を与えることなく、球用開口からの不正球Qの侵入を阻止する(不正球Qの逆進・逆流を阻止する)不正球逆進防止手段を設けることによって、不正球Qによる不正を防止するようにしている。
具体的には、図45のように、返却通路部1014の進路変更部(下皿球供給口211c直上に対応する部分)に、例えば不正球Qを押し込むセル板(異物)のような専用工具だけでなく、不正球Qそのものを別通路に誘引して動きを封じるための誘引部1022を設けることが例示できる(第1の不正球逆進防止手段)。これにより、正常なファール球の流下に影響を与えることなく、上述した不正行為Aのような不正球Qを逆流させる不正行為を抑止できる。加えて、誘引部1022の入口部分に、逆流した不正球Qの誘引部1022への侵入方向にのみ揺動可能な捕獲弁(誘引部1022への侵入を許容し、且つ、誘引部1022からの離脱を不能とする片開き式の弁、図示省略)を設けるようにしてもよく、これにより不正球Qを使用した痕跡、不正行為を行った証拠を残すことができる。
また、図46のように、返却通路部1014の所定部位に遊技球の流下方向にのみ揺動可能な逆止弁1023を設けて、不正球Qの逆進(逆流)を阻止することが例示できる(第2の不正球逆進防止手段)。このような構成によっても、正常なファール球の流下に影響を与えることなく、上述した不正行為Aのような不正球Qを逆流させる不正行為を抑止できる。なお、図49の操作線無効化部材7000Dも一種の逆止弁であり、逆止弁1023と同様な効果を発揮する。
また、上述した静的な操作線無効化部材と動的な操作線無効化部材は、両方を兼ね備えるようにしてももちろんよい。
また、上述の実施形態では第1の操作線無効化部材700とは別の操作線無効化部材を返却通路部1014に設けるようにしたが、かかる操作線無効化部材を例えばファール球落下口1013と発射位置との間或はファール球落下口1013と内レール1002の上端との間に設けるようにしてもよい。
また、上述の実施形態では遊技機としてパチンコ機1に適用したものを示したが、これに限定するものではなく、パチスロ機や、パチンコ機とパチスロ機とを融合させてなる遊技機に、適用しても良く、この場合でも、上述した同様の作用効果を奏することができる。
[3−2.ガラスユニット]
扉枠3におけるガラスユニット160について、主に図30及び図31等を参照して詳細に説明する。ガラスユニット160は、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース101の扉窓101aを閉鎖するように、後方からガラスユニット取付部101h内に挿入されて着脱可能に取付けられている。このガラスユニット160は、扉枠3を本体枠4に対して閉めた時に、本体枠4に取付けられている遊技盤5の遊技領域5aを遊技者側(前方)から視認可能とすると共に、遊技領域5aの前方を閉鎖するものである。
ガラスユニット160は、扉枠ベース101の扉窓101aの内周形状よりも大きくガラスユニット取付部101hに取付可能な枠状のガラス枠161と、ガラス枠161の枠内を閉鎖し外周がガラス枠161に取付けられている透明な二つのガラス板162と、扉枠ベースユニット100における扉枠ベース101の後側に回転可能に取付けられガラス枠161を扉枠ベース101に取付けるための一対のガラスユニット取付部材163と、を備えている。
ガラス枠161は、正面視左右上隅よりも下側の位置から外方へ平板状に延出している一対の取付片161aと、下端から下方へ突出していると共に下辺に沿って延びている帯板状の係止片161bと、を有している。ガラス枠161の取付片161aは、ガラスユニット取付部材163の突出部163bと当接可能とされている。係止片161bは、扉枠ベース101と扉枠補強ユニット110の中間補強フレーム114との間の空間内に挿入可能とされている(図115を参照)。二つのガラス板162は、ガラス枠161の前端側と後端側とにそれぞれ取付けられており、互いの間に空間が形成されるように前後に離間している(図115を参照)。
ガラスユニット取付部材163は、扉枠ベース101の後側で前後に延びた軸線周りに対して回転可能に取付けられる円盤状の基部163aと、基部163aから回転軸線に対して直角方向へ棒状に突出している突出部163bと、を有している。ガラスユニット取付部材163は、扉枠ベース101の後面における扉窓101aの四隅のうち上側の二つの隅の外側に、それぞれ回転可能に取付けられる。
ガラスユニット160を扉枠ベース101に取付けるには、まず、扉枠ベース101に取付けられているガラスユニット取付部材163を、突出部163bが基部163aよりも上方に位置するように回転させた状態とする。そして、扉枠ベース101の後側から、ガラスユニット160のガラス枠161の係止片161bを、扉枠ベース101と扉枠補強ユニット110の中間補強フレーム114との間の隙間に上方から挿入した上で、ガラス枠161の前端を扉枠ベース101のガラスユニット取付部101hの後面に当接させる。その後、ガラスユニット取付部材163を、突出部163bが基部163aよりも下方に位置するように回転させて、突出部163bをガラス枠161の取付片161aの後面と当接させる。これにより、ガラスユニット160が扉枠ベース101に取付けられる。
ガラスユニット160を扉枠ベース101から取外す場合は、上述した手順と逆の手順により、取外すことができる。これにより、ガラスユニット160は、扉枠ベース101(扉枠ベースユニット100)に対して着脱可能となっている。
なお、ガラスユニット160では、ガラスユニット取付部材163の突出部163bが、基部163aよりも下方に位置している回転位置の時に、突出部163bによりガラス枠161の後方への移動を規制しているため、ガラスユニット取付部材163に振動等が作用しても、突出部163bが基部163aよりも上方となるように位置へ回転することはない。したがって、ガラス枠161の後方への移動の規制が自然に解除されることはなく、ガラスユニット160が扉枠ベース101から自然に外れることはない。
[3−3.防犯カバー]
扉枠3における防犯カバー170について、主に図30及び図31等を参照して詳細に説明する。防犯カバー170は、ガラスユニット160の後面下部を覆うように扉枠ベースユニット100の後側に取付けられ、透明な合成樹脂により形成されている。防犯カバー170は、外周が所定形状に形成された平板状の本体部171と、本体部171の外周縁に沿って後方へ短く突出した平板状の後方突片172と、左右に離間して配置され本体部171よりも前方に突出し、扉枠ベース101の後側に係止可能とされている一対の係止片173と、を備えている。
防犯カバー170の本体部171は、扉枠ベースユニット100に取付けた状態で下端がガラスユニット160の下端よりも下方へ突出するように形成されている。また、本体部171は、上端が、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における遊技領域5aの下端に沿った形状に形成されている。詳述すると、本体部171の上端は、後述する前構成部材1000の内レール1002の一部、アウト誘導部1003、右下レール1004の一部、及び右レール1005に沿った形状に形成されており、パチンコ機1に組立てた状態で遊技領域5a内に突出しないように形成されている。
後方突片172は、本体部171の外周縁の略全周に亘って形成されている。したがって、防犯カバー170は、本体部171と後方突片172とによって、後方へ開放された浅い箱状に形成されており、強度・剛性が高くなっている。また、後方突片172は、本体部171の外周縁とは異なる本体部171の後面の一部からも後方に突出している。この本体部171の後面の一部から後方に突出している後方突片172は、パチンコ機1に組立てた状態で遊技盤5の前構成部材1000における外レール1001の一部と沿うように形成されている。
なお、後方突片172は、パチンコ機1に組立てた状態で、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間に位置する部位には形成されていない。これにより、外レール1001と内レール1002との間を通る遊技球B(球発射装置540により発射された遊技球B)が、防犯カバー170の後方突片172に当接することはなく、遊技領域5a内への遊技球Bの打込みを阻害することはない。
一対の係止片173は、扉枠ベースユニット100(スピーカダクト103及びケーブルカバー109)の後側に弾性係止される。これにより、防犯カバー170は、扉枠ベースユニット100に対して容易に着脱することができる。
防犯カバー170は、パチンコ機1に組立てた状態で、本体部171の前面がガラスユニット160の後面(ガラス枠161の後端)と当接し、本体部171の下辺から後方へ突出している部位を除いた後方突片172が、前構成部材1000の防犯凹部1009内に挿入された状態となる。また、防犯カバー170は、本体部171の下辺から後方に突出している後方突片172が、前構成部材1000の下面と接するように前構成部材1000の前面よりも後方へ突出している状態となる。これにより、防犯カバー170と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー170の後方突片172と前構成部材1000の防犯凹部1009とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー170と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片172や防犯凹部1009に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
[3−4.ハンドルユニット]
扉枠3におけるハンドルユニット180について、主に図54等を参照して詳細に説明する。図54(a)は扉枠におけるハンドルユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、(b)はハンドルユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。ハンドルユニット180は、扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材102に取付けられ、遊技者が操作することで、上皿201内の遊技球Bを遊技盤5の遊技領域5a内に打込むことができるものである。
ハンドルユニット180は、扉枠ベースユニット100におけるハンドル取付部材102の筒部102aに取付けられるハンドルベース181と、ハンドルベース181の前端に回転可能に取付けられるハンドル182と、ハンドル182の前端側を覆うようにハンドルベース181に取付けられる円盤状のカバー台座183と、カバー台座183の前側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されているハンドル装飾基板184と、ハンドル装飾基板184の前側を覆うようにカバー台座183に取付けられているハンドルカバー185と、を備えている。
また、ハンドルユニット180は、ハンドル182の後側でハンドルベース181の前面に取付けられるインナーベース186と、前端にハンドル182が取付けられると共にインナーベース186とハンドルベース181とによって回転可能に取付けられ外周に駆動ギア部187aを有している軸部材187と、軸部材187の駆動ギア部187aと噛合している伝達ギア188と、伝達ギア188と一体回転する検知軸189aを有しハンドルベース181とインナーベース186との間に挟持されているハンドル回転検知センサ189と、を備えている。
更に、ハンドルユニット180は、一端側がハンドルベース181に取付けられると共に他端側がハンドル182に取付けられハンドル182を初期回転位置(正面視で反時計周りの方向への回転端)へ復帰させるように付勢しているハンドル復帰バネ190と、一端側がインナーベース186に取付けられると共に他端側が伝達ギア188に取付けられ伝達ギア188を介してハンドル回転検知センサ189の検知軸189aを正面視で時計回りの方向へ付勢している補助バネ191と、を備えている。
また、ハンドルユニット180は、インナーベース186の後方でハンドルベース181に取付けられているハンドルタッチセンサ192と、先端側がハンドルベース181の前端外周面の正面視おける左側から外方に突出していると共に基端側がインナーベース186の後方でハンドルベース181に前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている単発ボタン193と、単発ボタン193の押圧操作を検知しハンドルベース181に取付けられている単発ボタン操作センサ194と、を備えている。
ハンドルユニット180のハンドルベース181は、前後に延びた円筒状の基部181aと、基部181aの前端から半径方向へ突出している円盤状の前端部181bと、円筒状の基部181aの外周面から窪んでいると共に軸方向に延びており周方向へ不等間隔で三つ形成されている溝部181cと、を備えている。ハンドルベース181の基部181aは、外径がハンドル取付部材102の筒部102aの内径よりも若干小さく形成されている。また、三つの溝部181cは、ハンドル取付部材102における筒部102aの三つの突条102cと対応した位置に形成されている。したがって、三つの溝部181cを三つの突条102cと一致させた状態で、基部181aをハンドル取付部材102の筒部102a内に挿入させることができると共に、三つの溝部181c内にそれぞれ突条102cが挿入されることで、ハンドルベース181がハンドル取付部材102に対して相対回転不能な状態となる。
ハンドル182は、外周面から周方向に離れて外方へ突出している四つの第一突起182a、第二突起182b、第三突起182c、及び第四突起182dと、回転軸(軸部材187)を中心として円弧状に延びていると共に前後方向に貫通している二つのスリット182eと、スリット182eよりも回転中心に対して内側の位置から後方に突出しておりハンドル復帰バネ190の他端側が係止される係止突部182fと、を備えている。
四つの第一突起182a、第二突起182b、第三突起182c、及び第四突起182dは、正面視において時計回りの方向に順番に備えられている。詳述すると、第一突起182aは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位の正面視時計回りの方向の側面が、外側へ膨らむように膨出しており、反対側である反都決周りの方向の側面が、内側へ湾曲するように凹んでいる(抉れている)。第二突起182bは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位が、第一突起182aの最も突出した部位から時計回りの方向へ約85度の回転角度で離れており、第一突起182aよりはやや低く突出している。この第二突起182bは、最も突出した部位の正面視時計回りの方向の側面が、外側へ膨らむように膨出しており、反対側である反時計周りの方向の側面が、内側へ湾曲するように凹んでおり、第一突起182aと相似した形状に形成されている。
第三突起182cは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位が、第二突起182bの最も突出した部位から時計回りの方向へ約70度の回転角度で離れており、第一突起182aの約半分の高さで突出している。この第三突起182cは、両側の側面が略直線状に傾斜しており、時計回りの方向の側面が反対側である反時計回りの方向の側面よりもなだらかに傾斜している。第四突起182dは、ハンドル182の一般外周面から最も突出した部位が、第三突起182cの最も突出した部位から時計回りの方向へ約55度の回転角度で離れており、第一突起182aよりもやや高く突出している。この第四突起182dは、両側の側面が略直線状に傾斜しており、略二等辺三角形に形成されている。
カバー台座183は、円盤状に形成されており、後面から後方へ突出している三つの取付ボス183aを備えている。三つの取付ボス183aは、ハンドル182のスリット182eを前方から貫通してハンドルベース181の前面に取付けられる。ハンドルカバー185の取付ボス183aが、ハンドル182のスリット182eを貫通していることから、取付ボス183aがスリット182eの周方向端部に当接することとなり、ハンドル182の回転角度を規制している。本例では、ハンドル182を、約120度の回転角度の範囲内で回転させることができる。
ハンドルカバー185は、前面が前方へ丸く膨出しており、透光性を有している。ハンドルカバー185は、内部に、透明な部材で立体的に形成されたレンズ部材が備えられている。このハンドルカバー185は、ハンドル装飾基板184の前面のLEDを適宜発光させることで、発光装飾させられる。
このハンドルユニット180は、扉枠ベース101のハンドル取付座面101bに対して、ハンドル取付部材102を介して取付けられる。この扉枠ベース101のハンドル取付座面101bは、平面視において、右端側が左端側よりも後方に位置するように傾斜しており、外側(開放側)を向いているため、ハンドル取付部材102を介して取付けられるハンドルユニット180も平面視で外側に傾斜(換言すると、パチンコ機1の前面に直交する線に対してその先端部がパチンコ機1の外側に向かうように傾斜している。)して扉枠3に取付固定される。これにより、遊技者がハンドルユニット180のハンドル182が握り易く、違和感がなく回動操作を行わせることができる。
ハンドルユニット180のハンドル回転検知センサ189は、可変抵抗器とされており、ハンドル182を回転させると、軸部材187及び伝達ギア188を介してハンドル回転検知センサ189の検知軸189aが回転する。この検知軸189aの回転角度に応じてハンドル回転検知センサ189の内部抵抗が変化し、ハンドル回転検知センサ189の内部抵抗に応じて後述する球発射装置540における発射ソレノイド542の駆動力が変化して、ハンドル182の回転角度に応じた強さで遊技球Bが遊技領域5a内へ打込まれる。
ハンドルタッチセンサ192は、ハンドルユニット180に作用する静電気を検知するものであり、遊技者がハンドル182等に接触することで、遊技者から作用する静電気を検知し、遊技者のハンドル182等への接触を検出する。そして、ハンドルタッチセンサ192が遊技者の接触を検出している時に、ハンドル182を回動させると、ハンドル回転検知センサ189の検知が受付けられ、ハンドル182の回転角度に応じた強さで発射ソレノイド542の駆動が制御されて、遊技球Bを打込むことができる。つまり、遊技者がハンドル182に触れずに、何らかの方法でハンドル182を回転させて遊技球Bを遊技領域5a内に打込もうとしても、ハンドルタッチセンサ192が遊技者の接触を検知していないことから、発射ソレノイド542は駆動されず、遊技球Bを打込むことができないようになっている。これにより、遊技者が本来とは異なる方法でハンドル182を回転させて遊技が行われるのを防止することができ、パチンコ機1を設置する遊技ホールに係る負荷(負担)を軽減させることができる。
また、ハンドルユニット180は、遊技者がハンドル182を回転操作中に、単発ボタン193を押圧すると、単発ボタン操作センサ194が単発ボタン193の操作を検知し、払出制御基板633の発射制御部633bによって発射ソレノイド542の駆動が停止させられる。これにより、ハンドル182の回転操作を戻さなくても、遊技球Bの発射を一時的に停止させることができると共に、単発ボタン193の押圧操作を解除することで、単発ボタン193を操作する前の打込み強さで再び遊技球Bを遊技領域5a内に打込むことができる。
更に、ハンドルユニット180は、ハンドル182に、四つの第一突起182a、第二突起182b、第三突起182c、及び第四突起182dを備えており、ハンドル182を正面視時計回りの方向へ最も回転させて、遊技球Bを最も強く遊技領域5a内に打込むようにした(所謂、「右打ち」した)時に、第四突起182dが、ハンドル182を回転させていない時の第一突起182aの位置と、略同じ位置となるため、第四突起182dを第一突起182aとしてハンドル182を持ち替えることで、遊技者が楽な状態で「右打ち」の位置でハンドル182を維持させることができ、遊技者の疲労感を軽減させて遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
[3−5.皿ユニットの全体構成]
扉枠3における皿ユニット200について、主に図55〜図58を参照して詳細に説明する。図55は扉枠の皿ユニットを見た斜視図であり、図56は皿ユニットを後ろから見た斜視図である。図57は皿ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図58は皿ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。皿ユニット200は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aよりも下側の部位に取付けられる。皿ユニット200は、遊技領域5a内に打込むための遊技球Bを貯留する上皿201と、上皿201の下側に配置されており上皿201やファールカバーユニット150から供給される遊技球Bを貯留可能な下皿202と、を備えている。
皿ユニット200は、上皿201を有しており扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面に取付けられている皿ベースユニット210と、皿ベースユニット210の前面に取付けられており下皿202を有している皿装飾ユニット250と、皿装飾ユニット250及び皿ベースユニット210の前面に取付けられており遊技者が操作可能な演出操作ユニット300と、を備えている。
皿ベースユニット210は、左右に延びた平板状の皿ユニットベース211と、皿ユニットベース211の前面上部に取付けられ上皿201を有している上皿本体212と、上皿本体212の右方に取付けられており前方へ突出している取付ベース213と、取付ベース213の右方に取付けられている皿ユニット中継基板214と、取付ベース213の上面に取付けられている球貸操作ユニット220と、取付ベース213の下方に取付けられている上皿球抜前ユニット230と、上皿球抜前ユニット230の後方に取付けられている上皿球抜後ユニット240と、を備えている。
皿装飾ユニット250は、皿ユニットベース211の前面下部に取付けられており下皿202を有している下皿本体251と、下皿本体251の外周を覆うように皿ユニットベース211の前面に取付けられる皿ユニット本体252と、下皿本体251の下面に取付けられている下皿球抜ユニット260と、皿ユニット本体252の前面上部に左右に離間してそれぞれ取付けられている皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275のそれぞれの下方に取付けられている皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285と、を備えている。
演出操作ユニット300は、遊技者が操作可能な演出操作部301として、遊技者が回転操作可能な回転操作部302と、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303と、を備えている。演出操作ユニット300は、皿装飾ユニット250の前面に取付けられる演出操作部カバーユニット310と、演出操作部カバーユニット310に内に収容される操作部ベース320と、操作部ベース320の上面に取付けられており回転操作部302を有している円環状の演出操作リング330と、回転操作部302を回転させる回転駆動ユニット340と、回転駆動ユニット340の回転を回転操作部302に伝達させる操作リング用伝達ギア350と、操作リング用伝達ギア350を回転可能に取付けているギア取付部材351と、を備えている。
また、演出操作ユニット300は、演出操作リング330を発光装飾させる演出操作リング装飾基板352と、演出操作リング装飾基板352の上側を覆う装飾基板カバー353と、操作部ベース320の下面に取付けられている振動スピーカ354と、演出操作リング330の環内に臨むように操作部ベース320に取付けられている演出操作ボタンユニット360と、操作部ベース320の後面に取付けられている操作部中継基板ユニット390と、を備えている。
皿ユニット200は、全体が前方へ膨出しており、左右方向中央において演出操作部301の上面が斜め上前方を向くように演出操作ユニット300が配置されており、上面における演出操作ユニット300の左側に上皿201が演出操作ユニット300の右側に球貸操作ユニット220が配置されていると共に、上皿201の下側で演出操作ユニット300の左側に下皿202が配置されている。
[3−5−1.上皿]
皿ユニット200の上皿201について、主に図55〜図58等を参照して詳細に説明する。上皿201は、皿ユニットベース211と上皿本体212とによって形成されており、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出し、上方へ開放された容器状に形成されている。上皿201(上皿本体212)は、扉枠3の左右方向の幅に対して左端から右方へ約1/3の部位が最も前方に膨出している。上皿201は、最も膨出した部位から正面視右方へ向かうに従って、前端が後方へ後退しており、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい誘導通路部201a(図62を参照)を有している。上皿201は、誘導通路部201aを含む底面の全体が、右端側が低くなるように傾斜しており、誘導通路部201aの正面視右端側が、球貸操作ユニット220の下方へ潜り込んでいる。
上皿201は、皿ユニット200に組立てた状態で、その底面が、皿ユニットベース211の上皿球供給口211aよりも下側の位置から上皿球送給口211eの上端に対して遊技球Bの外径よりも若干下側の位置へ向かって低くなるように傾斜している。これにより、上皿球供給口211aから前方へ放出された遊技球Bが、上皿201内に受けられて貯留させることができると共に、受けられた遊技球Bを誘導通路部201aの右端側から上皿球送給口211eを通って球送給ユニット140側へ供給させることができる。
なお、誘導通路部201aには、パチンコ機1において電気的に接地(アース)されている金属製のアース金具201bが備えられており、遊技球Bが接触(転動)することで、遊技球Bに帯電した静電気を除去させることができる。
[3−5−2.下皿]
皿ユニット200の下皿202について、主に図55〜図58等を参照して詳細に説明する。下皿202は、上皿201の下方で、正面視おいて皿ユニット200(扉枠3)の左右方向中央よりも左側に配置されている。下皿202は、下皿本体251と皿ユニットベース211とで形成されている。下皿202は、遊技球Bを貯留可能な容器状に形成されており、底壁に上下に貫通し遊技球Bを排出可能とされた下皿球抜孔202aを備えている。下皿202の下皿球抜孔202aは、下皿球抜ユニット260によって開閉可能に閉鎖されている。
下皿202は、平面視の形状が左右に延びた略四角形に形成されており、左右方向中央より左側の前端が右側よりも前方へ突出している。下皿202は、上下に貫通している下皿球抜孔202aが、右端付近の前端付近に配置されている。この下皿202は、底面が下皿球抜孔202aへ向かって低くなるように傾斜している。下皿202の下皿球抜孔202aは、皿ユニット200に組立てた状態で、下皿球供給口211cの前方で演出操作ユニット300の下方に位置している。
下皿202は、下皿球抜孔202aを閉鎖している状態で、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを貯留することができると共に、下皿球抜孔202aを開放することで貯留されている遊技球Bを皿ユニット200の下方(例えば、ドル箱)へ排出させることができる。また、下皿202の下皿球抜孔202aが開放されている状態では、下皿球抜孔202aが下皿球供給口211cの前方に配置されていることから、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを、最短距離の移動で速やかに下皿球抜孔202aから下方へ排出させることができる。
[3−5−3.皿ベースユニット]
皿ユニット200における皿ベースユニット210について、主に図59〜図62を参照して詳細に説明する。図59は皿ユニットにおける皿ベースユニットを前から見た斜視図であり、図60は皿ユニットにおける皿ベースユニットを後ろから見た斜視図である。
また、図61は皿ベースユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図62は皿ベースユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。皿ベースユニット210は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの下方に取付けられると共に、前面に、皿装飾ユニット250及び演出操作ユニット300が取付けられるものである。
皿ベースユニット210は、扉枠ベースユニット100の前面下部に取付けられ左右に延びた平板状の皿ユニットベース211と、皿ユニットベース211の前面上部に取付けられ上皿201を有している上皿本体212と、皿ユニットベース211の前面上部における上皿本体212の右方に取付けられており前方へ突出している取付ベース213と、皿ユニットベース211の前面で取付ベース213の右方に取付けられている皿ユニット中継基板214と、を備えている。
また、皿ベースユニット210は、取付ベース213の上面に取付けられている球貸操作ユニット220と、取付ベース213の下方で皿ユニットベース211の前面に取付けられている上皿球抜前ユニット230と、上皿球抜前ユニット230の後方で皿ユニットベース211の後側に取付けられている上皿球抜後ユニット240と、を備えている。
[3−5−3a.皿ユニットベース]
皿ベースユニット210の皿ユニットベース211について、主に図61及び図62を参照して詳細に説明する。皿ユニットベース211は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの下方に取付けられ、扉枠ベース101の全幅に亘って左右に延びた平板状(後方が開放された浅い箱状)に形成されている。
皿ユニットベース211は、正面視左上隅付近で前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている上皿球供給口211aと、上皿球供給口211aの下方で前後に貫通しており前側にパンチングメタルが取付けられているスピーカ口211bと、正面視左右中央に対して左寄りの下部において前後に貫通していると共に後方へ筒状に延びている下皿球供給口211cと、下皿球供給口211cの後方へ筒状に延びている部位の右側壁において遊技球Bが通過可能な大きさに切欠かれている切欠部211dと、下皿球供給口211cの正面視右上側で前後に貫通していると共に上下に延びており上部が上皿本体212の右端に位置する上皿球送給口211eと、を備えている。
また、皿ユニットベース211は、上皿球送給口211eの右方で前方へ突出しており取付ベースが載置される載置突部211fと、上皿球送給口211eの左方で上皿本体の下方において前後に貫通しており上皿球抜後ユニット240における上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bが挿通されるスライダ挿通口211gと、正面視右下隅で前後に貫通しており扉枠ベースユニット100のハンドル取付部材102の筒部102aが挿通されるハンドル挿通口211hと、正面視右隅付近で前後に貫通しておりシリンダ錠130のシリンダ本体131が挿通されるシリンダ挿通口211iと、を備えている。
皿ユニットベース211の上皿球供給口211aは、扉枠3に組立てた状態で、前端が上皿201の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース101の上皿用球通過口101gを前側から貫通してファールカバーユニット150の貫通球通路150aの前端と接続している。これにより、払出ユニット560の払出装置580から払出された遊技球Bが、上皿球供給口211aを通って上皿201内に供給(払出)される。
下皿球供給口211cは、扉枠3に組立てた状態で、前端が下皿202の後壁に開口し、筒状の後端が扉枠ベース101の下皿用球通過口101fを前側から貫通してファールカバーユニット150の球放出口150dの前端と接続している。これにより、ファールカバーユニット150の貯留通路150e内を流通する遊技球Bが、下皿球供給口211cを通って下皿202内に供給される。また、下皿球供給口211cの筒状に延びている部位に形成されている切欠部211dには、上皿球抜後ユニット240の後ベース241における球抜誘導路241cの下流端が接続されている。これにより、上皿201に貯留されている遊技球Bが、上皿球抜ボタン222の操作により、上皿球送給口211e、球送給ユニット140の進入口141a及び球抜口141b、上皿球抜後ユニット240の球送給誘導路241b及び球抜誘導路241c、及び切欠部211dを介して、下皿球供給口211cから下皿202内に排出される。
上皿球送給口211eは、皿ベースユニット210に組立てた状態で、上皿球抜後ユニット240における後ベース241の球受口241aの前方に位置しており、上皿201内の遊技球Bが、上皿球抜後ユニット240の球受口241aから球送給誘導路241bへ供給される。
[3−5−3b.上皿本体]
皿ベースユニット210の上皿本体212について、主に図61及び図62等を参照して詳細に説明する。上皿本体212は、皿ユニットベース211の前面に取付けられ、皿ユニットベース211と協働して上皿201を形成するものである。上皿本体212は、上方及び後方が開放された容器状(皿状)に形成されている。上皿本体212は、左右に延びており、正面視左右の中央より左側の方が大きく前方へ膨出している。上皿本体212は、最も前方へ膨出した部位から正面視右方へ向かうに従って、前端が後方へ後退しており、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい幅に形成されている。上皿本体212の底面は、右端が最も低くなるように傾斜している。上皿本体212は、右端付近の上方が閉鎖されている。
上皿本体212は、皿ユニット200に組立てた状態で、右端付近の上方が閉鎖されている部位が、球貸操作ユニット220の下方に潜り込むように取付けられている。また、上皿本体212は、上部における左右方向の中間部に、演出操作ユニット取付部212aが形成されており、この演出操作ユニット取付部212aに演出操作ユニット300の一部が取付けられる。
[3−5−3c.取付ベース]
皿ベースユニット210の取付ベース213について、主に図61及び図62を参照して詳細に説明する。取付ベース213は、皿ユニットベース211の載置突部211fの上面に載置された状態で皿ユニットベース211の前面に取付けられると共に、上側に球貸操作ユニット220が取付けられるものである。取付ベース213は、上方が開放された浅い箱状に形成されている。取付ベース213は、左端付近において上下に貫通している挿通口213aと、後端右隅において上下に貫通している貫通口213bと、を備えている。
取付ベース213の挿通口213aは、上皿球抜前ユニット230の前スライダ232が挿通されるものである。また、貫通口213bは、球貸操作ユニット220と扉枠主中継基板104とを接続するための配線ケーブルが挿通されるものである。
[3−5−3d.皿ユニット中継基板]
皿ベースユニット210の皿ユニット中継基板214は、扉枠ベースユニット100における扉枠副中継基板105と、皿左下装飾基板283、皿右下装飾基板288、及び操作部中継基板392との接続を中継するためのものである。皿ユニット中継基板214は、皿ユニットベース211の前面における載置突部211fより右側に取付けられる。この皿ユニット中継基板214は、皿ユニットベース211に取付けた状態では、後面が皿ユニットベース211の後側に臨んでいる。
[3−5−3e.球貸操作ユニット]
皿ベースユニット210の球貸操作ユニット220について、主に図55〜図62等を参照して詳細に説明する。球貸操作ユニット220は、取付ベース213を介して皿ユニットベース211の前面に取付けられている。この球貸操作ユニット220は、上皿201に貯留されている遊技球Bを下皿202へ排出したり、パチンコ機1に隣接して設けられた球貸機(図示は省略)に対して現金やプリペイドカードを投入した上で、所定数の遊技球Bを皿ユニット200の上皿201内へ貸出したり、球貸機に投入された現金やプリペイドカードの残量を表示したり、球貸機に投入された現金やプリペイドカードを貸出された遊技球Bの分を差し引いて返却したり、するためのものである。
球貸操作ユニット220は、取付ベース213の上側に取付けられるベース部221と、ベース部221の上面の左端付近に配置されている上皿球抜ボタン222と、ベース部221の上面における上皿球抜ボタン222の右方に配置されており透光性を有した円盤状の球貸操作ベース223と、球貸操作ベース223の前部左側に配置されている球貸ボタン224と、球貸操作ベース223の前部右側に配置されている返却ボタン225と、球貸操作ベース223の後部下方に配置されている球貸表示部(図示は省略)と、を備えている。
上皿球抜ボタン222は、ベース部221の上面から円柱状に上方へ突出しており、遊技者が押圧操作することで下方へ移動することができる。球貸ボタン224は、円形状に形成されている。返却ボタン225は、三角形状に形成されている。球貸表示部は、三つの7セグメントLEDにより構成されており、発光している状態で透明な球貸操作ベース223を通して視認することができる。
球貸操作ユニット220は、上皿球抜ボタン222を押圧操作することで、上皿201に貯留されている遊技球Bを下皿へ排出することができる。また、球貸機に現金や残金のあるプリペイドカードを投入した上で、球貸ボタン224を押圧操作すると、所定数の遊技球Bが上皿201に供給される。返却ボタン225を押圧操作すると、球貸機に投入されている現金やプリペイドカードに対して、貸出された遊技球Bの分を差し引いて返却する。球貸表示部には、球貸機に投入されている現金やプリペイドカードの残量が表示される。また、球貸表示部には、球貸機が故障した時にエラーコードが表示される。
[3−5−3f.上皿球抜前ユニット及び上皿球抜後ユニット]
皿ベースユニット210における上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240について、主に図61及び図62等を参照して詳細に説明する。上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240は、球貸操作ユニット220の上皿球抜ボタン222が押圧操作された時に、球送給ユニット140と協働して、上皿201内に貯留されている遊技球Bを下皿202へ排出させるためのものである。
上皿球抜前ユニット230は、皿ユニットベース211の前面における載置突部211fの左方で球貸操作ユニット220の下方に取付けられる。上皿球抜後ユニット240は、皿ユニットベース211の後面における上皿球抜前ユニット230の後方となる部位に取付けられる。
上皿球抜前ユニット230は、皿ユニットベース211の前面に取付けられており上下に延びた筒状の前ベース231と、前ベース231の筒内に上下方向へ移動可能に挿入されている前スライダ232と、を備えている。前ベース231は、皿ユニットベース211の前面における上皿球送給口211e及びスライダ挿通口211gの前方付近に取付けられている。前スライダ232は、上下に延びており、上端が上皿球抜ボタン222の下端と当接していると共に、下端が上皿球抜後ユニット240の上皿球抜スライダ242の作動受部242aの上面と当接している。
上皿球抜後ユニット240は、上皿球送給口211e及びスライダ挿通口211gを後方から閉鎖するように皿ユニットベース211の後面に取付けられる後ベース241と、後ベース241の前面に上下方向へスライド可能に取付けられている上皿球抜スライダ242と、上皿球抜スライダ242を上方へ付勢しているバネ243と、後ベース241の後側に取付けられている後カバー244と、を備えている。
後ベース241は、上皿球抜スライダ242をスライド可能に取付ける部位から上方へ突出していると共に前方へ向かって開口しており遊技球Bが通過可能な球受口241aと、球受口241aに受入れられた遊技球Bを後ベース241の後面において下方へ誘導した後に後方へ誘導する球送給誘導路241bと、後ベース241の後面において球送給誘導路241bよりも下側の位置から遊技球Bを下方へ誘導した後に背面視右方へ誘導する球抜誘導路241cと、を備えている。
球受口241aは、皿ベースユニット210に組立てた状態で、上皿201の誘導通路部201a下流端(正面視右端)において、皿ユニットベース211の上皿球送給口211eを通して前方へ向かって開口する位置に形成されている。球送給誘導路241bは、扉枠3に組立てた状態で、下部の後方に球送給ユニット140の進入口141aが位置するように形成されている。これにより、上皿201に供給された遊技球Bが、球受口241a及び球送給誘導路241bを通って球送給ユニット140の進入口141aに進入するようになっている。
球抜誘導路241cの左右に延びている部位は、上皿球抜スライダ242をスライド可能に取付けている部位よりも背面視右方へ突出していると共に、背面視右端側が低くなるように傾斜しており、背面視右側面に開口している。球抜誘導路241cの左右に延びている部位は、後側が後カバー244によって閉鎖される。球抜誘導路241cは、扉枠3に組立てた状態で、球送給誘導路241bの下方で上下に延びている部位の上部が、球送給ユニット140の球抜口141bの前方に位置すると共に、左右に延びている部位の背面視右端が皿ユニットベース211における下皿球供給口211cの切欠部211dに接続されるように形成されている。これにより、球送給ユニット140の球抜口141bから排出された遊技球Bは、球抜誘導路241c及び切欠部211dを介して下皿球供給口211cから下皿202内へ放出される。
上皿球抜スライダ242は、正面視の形状が四角形に形成されており、左上隅から前方へ突出している作動受部242aと、作動受部242aの後側となる後面から後方へ突出している作動伝達部242bと、を備えている。作動受部242aは、上面が平坦に形成されている。また、作動伝達部242bは、上面が後方へ向かうに従って下方へ位置するように傾斜しており、上面の後端と繋がるように下面が水平に延びている。
上皿球抜スライダ242は、扉枠3に組立てた状態で、作動受部242aが、皿ユニットベース211のスライダ挿通口211gを後側から貫通して前方へ突出していると共に、作動受部242aの上面に上皿球抜前ユニット230の前スライダ232の下端が当接している。また、上皿球抜スライダ242は、扉枠3に組立てた状態で、作動伝達部242bが、後ベース241の後方に突出していると共に、上面に球送給ユニット140の球抜部材143における作動棹143cが当接している。
バネ243は、上端が後ベース241に取付けられていると共に、下端が上皿球抜スライダ242に取付けられており、上皿球抜スライダ242を上方へ付勢している。したがって、上皿球抜スライダ242は、バネ243の付勢力により上方への移動端に位置しており、バネ243の付勢力に抗することで下方へ移動することができる。
上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240は、バネ243の付勢力により、上皿球抜スライダ242が上方への移動端に位置させていると共に、上皿球抜スライダ242の作動受部242aの上面に当接している前スライダ232を介して上皿球抜ボタン222を上方へ移動端に位置させている。また、バネ243の付勢力により、上皿球抜スライダ242が上方への移動端に位置させていることから、作動伝達部242bの上面に当接している作動棹143cの下方への移動を阻止しており、球抜部材
143の仕切部143aを進入口141aと球抜口141bとの間に位置させて、両者の間を仕切っている。
したがって、上皿球抜ボタン222を押圧していない状態では、球送給ユニット140において進入口141aと球抜口141bとの間が仕切られており、上皿201から球受口241aへ送られた遊技球Bを、進入口141a及び球送給部材144を介して打球供給口142aから球発射装置540側へ送ることができる。
一方、上皿球抜ボタン222を、バネ243の付勢力に抗して下方へ押圧すると、前スライダ232を介して上皿球抜スライダ242が下方へ移動し、上皿球抜スライダ242の作動伝達部242bの上面に当接している球抜部材143の作動棹143cが下方へ移動できるようになり、球抜部材143の錘部143dの荷重により球抜部材143が回動して仕切部143aが進入口141aと球抜口141bとの間から後退する。これにより、上皿201から球受口241a及び球送給誘導路241bを通って進入口141aに進入した遊技球Bが、進入口141aの下方に開口している球抜口141bから前方へ排出されることとなる。そして、球抜口141bから前方へ排出された遊技球Bは、球抜誘導路241cを通って切欠部211dから下皿球供給口211c内へ誘導された後に、下皿球供給口211cから下皿202内へ放出され、上皿201内の遊技球Bが下皿202内へ排出されることとなる。
上皿球抜ボタン222の下方への押圧を解除すると、バネ243の付勢力により上皿球抜スライダ242が上方へ移動し、作動受部242aと当接している前スライダ232を介して上皿球抜ボタン222が上昇すると共に、作動伝達部242bと当接している作動棹143cにより球抜部材143が回動して進入口141aと球抜口141bとの間に仕切部143aが位置して元の状態に復帰することとなる。
このように、上皿球抜前ユニット230及び上皿球抜後ユニット240によって、上皿201内の遊技球Bを、球送給ユニット140を介して球発射装置540側へ送給したり、下皿202側へ排出したりすることができる。
[3−5−4.皿装飾ユニット]
皿ユニット200における皿装飾ユニット250について、主に図63〜図66等を参照して詳細に説明する。図63は皿ユニットにおける皿装飾ユニットを前から見た斜視図であり、図64は皿装飾ユニットを後ろから見た斜視図である。また、図65は皿装飾ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図66は皿装飾ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。皿装飾ユニット250は、下皿202を有しており皿ベースユニット210の前面に取付けられると共に、左右方向中央に前方から演出操作ユニット300が取付けられるものである。皿装飾ユニット250は、皿ユニット200の略全体を装飾している。
皿装飾ユニット250は、皿ユニットベース211の前面下部に取付けられ皿ユニットベース211と協働して下皿202を形成する下皿本体251と、下皿本体251の外周を覆うように皿ユニットベース211の前面に取付けられる皿ユニット本体252と、下皿本体251の下面に取付けられている下皿球抜ユニット260と、皿ユニット本体252の前面上部に左右に離間してそれぞれ取付けられている皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と、皿ユニット本体252の全面で皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275のそれぞれの下方に取付けられている皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285と、を備えている。
[3−5−4a.下皿本体]
皿装飾ユニット250における下皿本体251について、主に図63〜図66等を参照して詳細に説明する。下皿本体251は、皿ベースユニット210の皿ユニットベース211と協働して下皿202を形成するものである。下皿本体251は、左右に延びていると共に、上方及び後方が開放された容器状(皿状)に形成されている。この下皿本体251は、皿ユニットベース211の前面下部における左右方向中央より左側の部位に、開放されている後方が閉鎖されるように取付けられる。
下皿本体251は、平面視の形状が左右に延びた略四角形に形成されており、左右方向中央より左側の前端が右側よりも前方へ突出している。下皿本体251には、平面視において、右端の前端付近において、上下に貫通している下皿球抜孔202aが形成されている。下皿本体251は、底面が、下皿球抜孔202aへ向かって低くなるように傾斜している。下皿球抜孔202aは、下皿球抜ユニット260の下皿球抜蓋265によって開閉可能に閉鎖される。
下皿本体251は、皿装飾ユニット250に組立てた状態で、外周と下面の一部とが皿ユニット本体252に覆われた状態となる。また、下皿本体は、皿ユニット200に組立てた状態で、底面が皿ユニットベース211の下皿球供給口211cよりも下方に位置していると共に、下皿球抜孔202aが下皿球供給口211cの前方に位置している。これにより、下皿球供給口211cから前方へ放出された遊技球Bを、貯留することができる。
[3−5−4b.皿ユニット本体]
皿装飾ユニット250における皿ユニット本体252について、主に図63〜図66等を参照して詳細に説明する。皿ユニット本体252は、皿ベースユニット210における皿ユニットベース211の前面に取付けられ、皿ユニット200の前面を装飾するものである。皿ユニット本体252は、上部側では左右方向の中央が前方へ突出するように膨出しており、下部側では左右方向の左側が前方へ突出するように膨出している。また、皿ユニット本体252は、上面が、左右方向の中央が最も低くなるように湾曲している。皿ユニット本体252は、後方へ開放された箱状に形成されている。
皿ユニット本体252は、上部において左右両端から左右方向中央へ向かうに従って前方へ膨出していると共に下方へ延びており左右に離間している上部サイド膨出部252aと、下部において左右方向中央より左側が下皿本体251の外周を被覆するように前方へ膨出している下部前面装飾部252bと、下部前面装飾部252bの下端から後方へ平板状に延びている底板部252cと、を備えている。
左右の上部サイド膨出部252aは、後方が開放された箱状に形成されており、それぞれの前面に皿左上装飾ユニット270及び皿左下装飾ユニット280と皿右上装飾ユニット275及び皿右下装飾ユニット285が取付けられる。左側の上部サイド膨出部252aは、下面の右端が下部前面装飾部252bと接続されている。また、右側の上部サイド膨出部252aは、下端が下部前面装飾部252bと接続されている。
皿ユニット本体252は、左側の上部サイド膨出部252aと下部前面装飾部252bとの間で前後に貫通している下皿開口部252dが形成されている。下皿開口部252dは、遊技者の手指が挿入可能な大きさで、左方へ向かうに従って上下が広くなるように形成されている。下皿開口部252dは、下皿本体251と左側の上部サイド膨出部252aの下面とによって、前後に延びた筒状に形成されている。
また、皿ユニット本体252は、下部前面装飾部252bにおける下皿本体251の外周を被覆している部位の前面下端から上方へ切欠かれている前面切欠部252eと、底板部252cにおける下皿本体251の下方となる部位において切欠かれている底面切欠部252fと、を備えている。前面切欠部252e及び底面切欠部252fには、下皿球抜ユニット260が挿入される。
更に、皿ユニット本体252は、下部前面装飾部252bの右下隅において前後に貫通しておりハンドル取付部材102の筒部102aが挿通されるハンドル挿通口252gと、ハンドル挿通口252gの上方で下部前面装飾部252bを前後に貫通しておりシリンダ錠130のシリンダ本体131が挿通されるシリンダ挿通口252hと、左右方向中央となる一対の上部サイド膨出部252aの間に形成されており演出操作ユニット300が取付けられる演出操作ユニット取付部252iと、を備えている。演出操作ユニット取付部252iは、皿ユニット本体252の左右方向の幅の約1/3の幅に形成されている。
皿ユニット本体252は、皿ユニット200に組立てた状態で、皿ベースユニット210の前面を全体的に覆うように形成されており、下皿開口部252dを通してスピーカ口211bが前方へ臨んだ状態となる。また、皿装飾ユニット250に組立てた状態では、前面切欠部252eから下皿球抜ユニット260の下皿球抜ボタン263が前方へ臨むと共に、下皿球抜ユニット260の下皿球抜ベース261が底面切欠部252fを閉鎖して下面同士が同一面上の状態となる。
[3−5−4c.下皿球抜ユニット]
皿装飾ユニット250における下皿球抜ユニット260について、主に図63〜図66等を参照して詳細に説明する。下皿球抜ユニット260は、下皿本体251の下面に取付けられ、下皿球抜孔202aを開閉させることで、下皿202に遊技球Bを貯留させたり、下皿202から遊技球Bを排出させたりするためのものである。
下皿球抜ユニット260は、下皿本体251の下面に取付けられており平面視右前隅に上下に貫通している貫通孔を有した平板状の下皿球抜ベース261と、下皿球抜ベース261の上面側において前後へスライド可能に取付けられているスライダ262と、スライダ262の前端に取付けられている下皿球抜ボタン263と、スライダ262を前方へ付勢しているバネ264と、スライダ262の前後方向への移動によって貫通孔を開閉する下皿球抜蓋265と、スライダ262を介して下皿球抜蓋265を開状態に保持する保持機構266と、を備えている。
下皿球抜ベース261は、皿ユニット本体252の底面切欠部252fを閉鎖する大きさに形成されており、下皿202(下皿本体251)の下皿球抜孔202aと一致する位置に上下に貫通している貫通孔が形成されている。下皿球抜ベース261の貫通孔は、下皿球抜孔202aと同じ大きさに形成されている。スライダ262は、前後に延びた平板状に形成されており、下皿球抜ベース261における左右方向中央から左寄りの部位に、前後へスライド可能に取付けられている。スライダ262は、上方へ円柱状に突出している突ピンを備えている。
下皿球抜蓋265は、左端側が、スライダ262よりも左方の位置で、上下に延びた軸周りに対して回転可能に下皿球抜ベース261に取付けられており、右端側が、スライダ262を越えて右方へ延出しており右端側が貫通孔を閉鎖可能に形成されている。下皿球抜蓋265には、スライダ262の突ピンが摺動可能に挿入される左右に延びたスリットが形成されている。
下皿球抜ユニット260は、皿装飾ユニット250に組立てた状態で、下皿球抜ベース261が皿ユニット本体252の底面切欠部252fを閉鎖していると共に、下皿球抜ベース261の下面が底板部252cの下面と同一面上に位置している。また、下皿球抜ボタン263が、皿ユニット本体252の前面切欠部252eから前方に臨んでいる。下皿球抜ユニット260は、通常の状態では、スライダ262がバネ264の付勢力により前方側の移動端に位置していると共に、下皿球抜蓋265の右端側が貫通孔の直上に位置しており、貫通孔(下皿球抜孔202a)を閉鎖している。
この通常の状態では、下皿球抜孔202aが下皿球抜蓋265によって閉鎖されており、下皿202に遊技球Bを貯留させることができる。また、通常の状態では、下皿球抜ボタン263の前面が、下部前面装飾部252bの前面における前面切欠部252eの周囲の前面と略一致している。
通常の状態において、下皿球抜ボタン263を後方へ押圧して、バネ264の付勢力に抗して後方へ移動させると、下皿球抜ボタン263と伴にスライダ262が後方へ移動することとなる。このスライダ262が後方へ移動することで、スライダ262の突ピンがスリットを介して下皿球抜蓋265を後方へ押圧し、下皿球抜蓋265が左端側を中心にして右端側が後方へ移動する方向へ回動することとなる。そして、貫通孔の直上に位置していた下皿球抜蓋265の右端側が、貫通孔の位置から後方へ移動することで、貫通孔が開放されて下皿球抜孔202aが開いた状態となり、下皿球抜孔202aを通して下皿202内の遊技球Bを皿ユニット200の下方へ排出させることができる。
なお、下皿球抜ボタン263の押圧によりスライダ262を後方へ移動させると、スライダ262の後端が保持機構266によって保持されるようになっており、下皿球抜ボタン263の押圧を解除しても、スライダ262がバネ264の付勢力によって前方へ移動することはない。これにより、下皿球抜蓋265の右端側が後方へ回動したままの状態となり、下皿球抜孔202aが開放されたままの状態で維持され、下皿202内の遊技球Bを連続して下方へ排出させることができる。
この状態から下皿球抜孔202aを閉鎖するには、下部前面装飾部252bの前面よりも後退している下皿球抜ボタン263を後方へ押圧すると、保持機構266によるスライダ262の保持が解除される。そして、下皿球抜ボタン263の押圧を放すと、スライダ262がバネ264の付勢力により前方へ移動し、下皿球抜ボタン263の前面が下部前面装飾部252bの前面と一致した状態に復帰すると共に、下皿球抜蓋265が回動して右端側が貫通孔の直上に位置し、下皿球抜孔202aが下皿球抜蓋265により閉鎖された状態となる。これにより、下皿202内に遊技球Bを貯留させることができる。
[3−5−4e.皿左上装飾ユニット及び皿右上装飾ユニット]
皿装飾ユニット250における皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275について、主に図63〜図66等を参照して詳細に説明する。皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275は、皿ユニット本体252の上部サイド膨出部252aにおける前面の上部に取付けられる。皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275は、皿ユニット200の上部で演出操作ユニット300の左右両側を装飾するものである。
皿左上装飾ユニット270は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿左上装飾体271と、皿左上装飾体271の後側に取付けられている皿左上リフレクタ272と、皿左上リフレクタ272の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿左上装飾基板273と、を備えている。
皿左上装飾体271は、左端から右端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びており、左側の上部サイド膨出部252aの上部に取付けられる。皿左上装飾体271は、前方へ膨出した半円弧が、左端では中心軸が斜め左上に延びていると共に、右端では中心軸が左右に延びており、半円筒が捩れているような形状に形成されている。この皿左上装飾体271は、乳白色に形成されている。
皿左上リフレクタ272は、皿左上装飾体271の内部に後方から挿入されており、皿左上装飾基板273のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿左上装飾基板273は、皿左上装飾体271に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成されている。皿左上装飾基板273に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿左上装飾体271を発光装飾させることができる。
皿左上装飾ユニット270は、扉枠3に組立てた状態で、左端が扉枠左サイドユニット400の下端と連続し、右端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの左端と連続している。皿左上装飾ユニット270は、皿左上装飾体271において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿左上装飾基板273の複数のLEDを発光させると、皿左上装飾体271の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
皿右上装飾ユニット275は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿右上装飾体276と、皿右上装飾体276の後側に取付けられている皿右上リフレクタ277と、皿右上リフレクタ277の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿右上装飾基板278と、を備えている。
皿右上装飾体276は、右端から左端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びており、右側の上部サイド膨出部252aの上部に取付けられる。皿右上装飾体276は、前方へ膨出した半円弧が、右端では中心軸が斜め右上に延びていると共に、左端では中心軸が左右に延びており、半円筒が捩れているような形状に形成されている。この皿右上装飾体276は、乳白色に形成されている。
皿右上リフレクタ277は、皿右上装飾体276の内部に後方から挿入されており、皿右上装飾基板278のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿右上装飾基板278は、皿右上装飾体276に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成されている。皿右上装飾基板278に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿右上装飾体276を発光装飾させることができる。
皿右上装飾ユニット275は、扉枠3に組立てた状態で、右端が扉枠右サイドユニット410の下端と連続し、左端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの右端と連続している。皿右上装飾ユニット275は、皿右上装飾体276において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿右上装飾基板278の複数のLEDを発光させると、皿右上装飾体276の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
[3−5−4f.皿左下装飾ユニット及び皿右下装飾ユニット]
皿装飾ユニット250における皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285について、主に図63〜図66等を参照して詳細に説明する。皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285は、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275にそれぞれ沿って延びるように、皿ユニット本体252の上部サイド膨出部252aにおける前面の下部に取付けられる。皿左下装飾ユニット280及び皿右下装飾ユニット285は、皿左上装飾ユニット270及び皿右上装飾ユニット275と協働して、皿ユニット200の前面と演出操作ユニット300の左右両側を装飾するものである。
皿左下装飾ユニット280は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿左下装飾体281と、皿左下装飾体281の後側に取付けられている皿左下リフレクタ282と、皿左下リフレクタ282の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿左下装飾基板283と、を備えている。
皿左下装飾体281は、左端から右端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びていると共に、平面視において後方に中心を有した円弧状に延びており、左側の上部サイド膨出部252aの下部に取付けられる。皿左下装飾体281は、皿左上装飾体271及び皿右上装飾体276よりも小さい半径で前方へ膨出した半円弧が、左端では中心軸がやや斜め左上後方に延びていると共に、右端では中心軸が左右に延びており、半円筒が曲げられているような形状に形成されている。皿左下装飾体281は、左端が球面状に形成されている。皿左下装飾体281は、左端側へ向かうに従って細くなるように半円弧の曲率が変化している。この皿左下装飾体281は、乳白色に形成されている。
皿左下リフレクタ282は、皿左下装飾体281の内部に後方から挿入されており、皿左下装飾基板283のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿左下装飾基板283は、皿左下装飾体281に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成されている。皿左下装飾基板283に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿左下装飾体281を発光装飾させることができる。
皿左下装飾ユニット280は、扉枠3に組立てた状態で、左端が皿左上装飾ユニット270の左端の下方に位置し、右端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央下装飾体312bの左端と連続している。皿左下装飾ユニット280は、皿左下装飾体281の左端が球面状に形成されていることから、左端が扉枠3内へ潜り込んでいるように見える。皿左下装飾ユニット280は、皿左下装飾体281において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿左下装飾基板283の複数のLEDを発光させると、皿左下装飾体281の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
皿右下装飾ユニット285は、半円筒状で左右に延びており透光性を有している皿右下装飾体286と、皿右下装飾体286の後側に取付けられている皿右下リフレクタ287と、皿右下リフレクタ287の後側に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている皿右下装飾基板288と、を備えている。
皿右下装飾体286は、右端から左端へ向かうに従って、前方へ移動すると共に下方へ移動するように曲線状に延びていると共に、平面視において後方に中心を有した円弧状に延びており、右側の上部サイド膨出部252aの下部に取付けられる。皿右下装飾体286は、皿左上装飾体271及び皿右上装飾体276よりも小さい半径で前方へ膨出した半円弧が、右端では中心軸がやや斜め右上後方に延びていると共に、左端では中心軸が左右に延びており、半円筒が曲げられているような形状に形成されている。皿右下装飾体286は、右端が球面状に形成されている。皿右下装飾体286は、右端側へ向かうに従って細くなるように半円弧の曲率が変化している。この皿右下装飾体286は、乳白色に形成されている。
皿右下リフレクタ287は、皿右下装飾体286の内部に後方から挿入されており、皿右下装飾基板288のLEDと対応している部位に貫通孔が形成されている。皿右下装飾基板288は、皿右下装飾体286に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成されている。皿右下装飾基板288に実装されている複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで、皿右下装飾体286を発光装飾させることができる。
皿右下装飾ユニット285は、扉枠3に組立てた状態で、右端が皿右上装飾ユニット275の右端の下方に位置し、左端が演出操作ユニット300におけるユニット前カバー312の皿中央下装飾体312bの右端と連続している。皿右下装飾ユニット285は、皿右下装飾体286の右端が球面状に形成されていることから、右端が扉枠3内へ潜り込んでいるように見える。皿右下装飾ユニット285は、皿右下装飾体286において長手方向の途中にリブを有していないことから、皿右下装飾基板288の複数のLEDを発光させると、皿右下装飾体286の前面全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
[3−5−5.演出操作ユニットの全体構成]
皿ユニット200における演出操作ユニット300の全体構成について、主に図67〜図70等を参照して詳細に説明する。図67は、皿ユニットにおける演出操作ユニットを演出操作ボタンの進退方向から見た平面図である。図68(a)は演出操作ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は演出操作ユニットを後ろから見た斜視図である。図69は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図70は演出操作ユニットを主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。演出操作ユニット300は、皿ユニット200における左右方向中央に備えられており、皿ユニット200を装飾していると共に、遊技者参加型演出が実行された際に遊技者が操作して演出に参加することができるものである。演出操作ユニット300は、皿ベースユニット210と皿装飾ユニット250とに取付けられている。
演出操作ユニット300は、遊技者が操作可能な演出操作部301を備えている。演出操作部301は、遊技者が回転操作可能な回転操作部302と、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303と、から構成されている。演出操作部301は、回転操作部302が、外径に対して約3/5の大きさの内径を有した円環状に形成されており、その環内に押圧操作部303が配置されている。押圧操作部303は、回転操作部302の中心に配置され、回転操作部302の内径の半分よりも若干大きい直径の中央押圧操作部303aと、中央押圧操作部303aの外周と回転操作部302の内周との間に配置されている円環状の外周押圧操作部303bとで構成されている。
演出操作ユニット300は、皿装飾ユニット250の前面に取付けられる演出操作部カバーユニット310と、演出操作部カバーユニット310に内に収容される操作部ベース320と、操作部ベース320の上面に取付けられており回転操作部302を有している円環状の演出操作リング330と、演出操作リング330の回転操作部302を回転させる回転駆動ユニット340と、回転駆動ユニット340と演出操作リング330の回転操作部302との間で回転を伝達させる操作リング用伝達ギア350と、操作リング用伝達ギア350を回転可能に操作部ベース320に取付けているギア取付部材351と、を備えている。
また、演出操作ユニット300は、演出操作リング330の下方で操作部ベース320の上面に取付けられており上面に複数のLEDが実装されている演出操作リング装飾基板352と、演出操作リング装飾基板352の上側を覆うように操作部ベース320に取付けられている装飾基板カバー353と、操作部ベース320の下面に取付けられている振動スピーカ354と、演出操作リング330の環内に臨むように操作部ベース320に取付けられている演出操作ボタンユニット360と、操作部ベース320の後面に取付けられている操作部中継基板ユニット390と、を備えている。
[3−5−5a.演出操作部カバーユニット]
演出操作ユニット300の演出操作部カバーユニット310について、主に図69及び図70等を参照して詳細に説明する。演出操作部カバーユニット310は、皿装飾ユニット250の皿ユニット本体252の演出操作ユニット取付部252iに取付けられ、皿ユニット200の左右方向中央で演出操作ユニット300の前面を装飾するものである。演出操作部カバーユニット310は、上方及び後方が開放された容器状に形成されている。
演出操作部カバーユニット310は、下方へ窪んだ半球状のユニット下カバー311と、ユニット下カバー311の前側上端に取付けられており前方へ膨出した半円環状のユニット前カバー312と、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a内に後方から取付けられている皿中央上リフレクタ313と、皿中央上リフレクタ313に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている皿中央上装飾基板314と、ユニット前カバー312の皿中央下装飾体312b内に後方から取付けられている皿中央下リフレクタ315と、皿中央下リフレクタ315に取付けられており前方へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている皿中央下装飾基板316と、を備えている。
ユニット下カバー311は、ユニット下カバー311は、前後方向中央後寄りから前側が、下方へ膨出した半球面状に形成されており、これより後側が、皿ユニット本体252の演出操作ユニット取付部252iに、上方から載置されるように取付けられる。ユニット下カバー311は、前部の半円弧状に延びている上端縁に形成される仮想の平面に垂直な軸線が、上方へ向かうに従って前方へ位置するように、傾斜した状態で取付けられる。
本実施形態では、鉛直線に対して約18度(18.65度)の角度で傾斜している。ユニット下カバー311は、皿ユニット200に組立てた時に、最も低くなる部位に複数の排水孔311aが形成されている。
ユニット前カバー312は、ユニット前カバー312は、平面視の形状がユニット下カバー311の前端に沿うように前方へ膨出した半円弧状に形成されており、ユニット下カバー311の前部上端に取付けられている。ユニット前カバー312は、前方へ膨出した半円弧がユニット下カバー311の前端に沿うように半円弧状に延びている皿中央上装飾体312aと、皿中央上装飾体312aの下方で前方へ膨出した半円弧がユニット下カバー311の前端に沿うように半円弧状に延びている皿中央下装飾体312bと、を備えている。ユニット前カバー312は、皿中央下装飾体312bの下端がユニット下カバー311に取付けられている。
ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aと皿中央下装飾体312bは、略同じ太さ(半径)の円筒を、半割にした上で割面を中心側へ向けて半円弧状に延びるように屈曲させた形状に形成されている。皿中央上装飾体312aに対して皿中央下装飾体312bは、大きい曲率で半円弧状に延びていると共に、皿中央上装飾体312aに対して皿中央下装飾体312bは、若干細い太さの半円筒状に形成されている。ユニット前カバー312は、皿ユニット200に組立てた状態で、皿中央上装飾体312aの前端が、皿中央下装飾体312bの前端よりも前方へ突出している。また、皿ユニット200に組立てた状態では、皿中央上装飾体312aの左右両端が、皿左上装飾ユニット270の右端及び皿右上装飾ユニット275の左端とそれぞれ連続していると共に、皿中央下装飾体312bの左右両端が、皿左下装飾ユニット280の右端及び皿右下装飾ユニット285の左端とそれぞれ連続している。ユニット前カバー312は、透光性を有し、乳白色に形成されている。
また、ユニット前カバー312は、扉枠3に組立てた状態で、その前端が扉枠3の前端となっており、扉枠ベース101の前面からユニット前カバー312の前端までの距離が、扉枠ベース101の左右方向の全幅の約1/2の距離となっている。
皿中央上リフレクタ313は、前方へ膨出した半円弧状に形成されており、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a内に後方から挿入されて取付けられる。皿中央上リフレクタ313は、皿中央上装飾基板314に実装されているLEDからの光が、後方(内側)へ漏れるのを遮断している。皿中央上装飾基板314は、皿中央上装飾体312aに沿うように半円弧状を有する細長い帯板状に形成されており、上面に前方(外側)へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている。皿中央上装飾基板314の複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで皿中央上装飾体312aを発光装飾させることができる。
皿中央下リフレクタ315は、前方へ膨出した半円弧状に形成されており、ユニット前カバー312の皿中央下装飾体312b内に後方から挿入されて取付けられる。皿中央下リフレクタ315は、皿中央下装飾基板316に実装されているLEDからの光が、後方(内側)へ漏れるのを遮断している。皿中央下装飾基板316は、皿中央下装飾体312bに沿うように半円弧状を有する細長い帯板状に形成されており、上面に前方(外側)へ向かって光を照射可能な複数のLEDが実装されている。皿中央下装飾基板316の複数のLEDは、フルカラーLEDとされており、発光させることで皿中央下装飾体312bを発光装飾させることができる。
演出操作部カバーユニット310は、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bにおいて、半円弧状に延びている途中に補強用のリブを有していないことから、皿中央上装飾基板314のLED及び皿中央下装飾基板316のLEDを発光させると、それぞれの全体を略均一に発光装飾させることができ、蛍光灯が埋め込まれているように見せることができる。
演出操作部カバーユニット310は、皿ユニット200に組立てた状態で、前端が、上皿201や下皿202よりも前方へ大きく突出している。また、演出操作部カバーユニット310は、皿中央上装飾体312aが皿左上装飾体271及び皿右上装飾体276と連続していると共に、皿中央下装飾体312bが皿左下装飾体281及び皿右下装飾体286と連続している。これにより、演出操作ユニット300を目立たせていると共に、一体的な装飾により見栄えを良くしている。
[3−5−5b.操作部ベース]
演出操作ユニット300の操作部ベース320について、主に図69及び図70等を参照して詳細に説明する。操作部ベース320は、演出操作部カバーユニット310内に上方から挿入され、下端が演出操作部カバーユニット310に取付けられると共に、上部後端が皿ベースユニット210における上皿本体212の演出操作ユニット取付部212aに取付けられる。操作部ベース320は、上方が開放された容器状に形成されている。
操作部ベース320は、外形が略立方体の箱状に形成されており上方が開放されている本体部321と、本体部321の上端から外方へ延出しており外周が円形状に形成されているフランジ部322と、本体部321の底面から下方へ突出している複数(ここでは四つ)の脚部323と、フランジ部322の後端に形成されており皿ベースユニット210に取付けられる上部取付部324と、本体部321の左外側でフランジ部322を貫通して上方に開口しており操作リング用伝達ギア350を回転可能に支持するためのギア軸受部325と、を備えている。
操作部ベース320は、本体部321が、内部に演出操作ボタンユニット360を収容可能な大きさに形成されている。本体部321は、底壁に下側から振動スピーカ354が取付けられると共に、下面における振動スピーカ354が取付けられる部位が平坦面に形成されている。本体部321の底壁は、振動スピーカ354からの振動に対して共振し易く形成されており、振動を増幅させることができると共に、振動を音声や音楽等のサウンドに変換して出力させることができる。
本体部321の底壁の上面には、演出操作ボタンユニット360におけるボタンユニットベース361の脚部361bが取付けられる。また、本体部321は、底壁の外周縁において、本体部321内に侵入した液体を排出させる貫通孔が形成されている。本体部321は、左側壁外側に回転駆動ユニット340が取付けられると共に、後側壁外側に操作部中継基板ユニット390が取付けられる。
フランジ部322は、外周がユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの内周と略一致する直径に形成されている。フランジ部322の上面には、演出操作リング装飾基板352及び装飾基板カバー353が取付けられると共に、演出操作リング330のリング取付ベース331が取付けられる。複数の脚部323は、下端が演出操作部カバーユニット310におけるユニット下カバー311の上面に取付けられる。
ギア軸受部325は、ギア取付部材と協働して操作リング用伝達ギアを、左右に延びた軸周りに対して回転可能に取付けることができる。ギア軸受部325に操作リング用伝達ギア350を取付けた状態では、操作リング用伝達ギア350の上部が上方へ突出した状態となると共に、操作リング用伝達ギア350の駆動側ギア部350bがフランジ部322の下方において外側に露出した状態となる。
操作部ベース320は、演出操作ユニット300に組立てた状態で、フランジ部322の上面が、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aの上面よりも若干下方に位置している。また、演出操作ユニット300に組立てた状態では、本体部321の下面に振動スピーカ354が接した状態で取付けられている。
[3−5−5c.演出操作リング]
演出操作ユニット300の演出操作リング330について、主に図71及び図72等を参照して詳細に説明する。図71(a)は演出操作ユニットの演出操作リングを上前から見た斜視図であり、(b)は演出操作リングを下前から見た斜視図である。図72(a)は演出操作リングを分解して上前から見た分解斜視図であり、(b)は演出操作リングを分解して下前から見た分解斜視図である。演出操作リング330は、操作部ベース320におけるフランジ部322の上面に取付けられ、遊技者が回転操作可能な回転操作部302を有している。演出操作リング330(回転操作部302)は、直径(外径)が上皿201の前後方向の寸法の約2倍の大きさとされており、内径が外径の約3/5の大きさの円環状に形成されている。本実施形態では、演出操作リング330の外径が約13cmとされている。
演出操作リング330は、操作部ベース320のフランジ部322の上面に取付けられる円環状のリング取付ベース331と、リング取付ベース331に回転可能に載置される円環状の回転ベース332と、回転ベース332の外周面と当接しリング取付ベース331に上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられている複数のブッシュ333と、リング取付ベース331に取付けられており回転ベース332の上方への移動を規制しているリング抜止部材334と、を備えている。
また、演出操作リング330は、回転ベース332の上面に取付けられており回転操作部302の一部を構成しているリング外上カバー335と、リング外上カバー335の下側に取付けられており回転操作部302の一部を構成しているリング外下カバー336と、リング外上カバー335の内周側で回転ベース332の上面に取付けられており回転操作部302の一部を構成しているリング内カバー337と、を備えている。リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337は、それぞれ透光性を有した円環状に形成されている。
リング取付ベース331は、外径が操作部ベース320のフランジ部322の外径よりも若干大きく、内径がフランジ部322の内径と略同じ大きさに形成されている。リング取付ベース331は、内周縁に沿った上面側に回転ベース332が周方向へ摺動可能に載置される載置部331aと、上面における載置部331aよりも外側で周方向へ離間して複数(ここでは四つ)の部位から上方へ円筒状に突出しておりブッシュ333を回転可能に取付けるためのボス部331bと、上面における載置部331aよりも外側で周方向へ間隔をあけて複数の部位において上下に貫通している貫通口331cと、を備えている。
複数の貫通口331cは、演出操作リング装飾基板352のLEDと対応する位置に形成されている。
回転ベース332は、外径がリング取付ベース331の載置部331aの直径(外径)よりも若干小さく、内径がリング取付ベース331の内径よりも小さく形成されている。
回転ベース332は、下面から下方へ突出していると共に周方向へ延びているリングギア332aを備えている。リングギア332aは、回転ベース332の中心側へ向かうに従って下方へ突出するように傘歯車に形成されている。リングギア332aは、リング取付ベース331の内径よりも外径が小さく形成されており、演出操作リング330に組立てた状態では、リング取付ベース331の内周側から下方へ臨んだ状態となる。このリングギア332aは、演出操作ユニット300に組立てた状態で、操作リング用伝達ギア350のリング側ギア部350aと噛合する。
リング外上カバー335は、円形における外部且つ上部を構成している円弧が円環状に延びている外上表面部335aと、外上表面部335aに立体的に形成されており周方向へ複数配置されている装飾部335bと、外上表面部335aの内周端から下方へ延出した後に中心側へ延出しており周方向へ複数配置されている外上カバー取付部335cと、を備えている。リング外上カバー335の外上表面部335aは、円の1/4の範囲の円弧が円環状に延びた形状に形成されている。装飾部335bは、外形が六角形に形成されている。外上カバー取付部335cは、外上表面部335aの下端よりも若干下方へ延出しており、回転ベース332の上面に取付けられるものである。
リング外下カバー336は、円形における外部且つ下部を構成している円弧が円環状に延びている外下表面部336aと、外下表面部336aの内側から上方且つ中心側へ突出しており周方向へ複数配置されている外下カバー取付部336bと、を備えている。リング外下カバー336の外下表面部336aは、円の1/8の範囲の円弧が円環状に延びた形状に形成されている。外下カバー取付部336bは、リング外上カバー335に取付けられるものである。
リング内カバー337は、円形における内部且つ上部を構成している円弧が円環状に延びている内表面部337aと、内表面部337aの内側端部から中心軸に平行に下方へ延びている筒状の筒表面部337bと、筒表面部337bの外周に形成されており周方向へ複数配置されている内カバー取付部337cと、を備えている。リング内カバー337の内表面部337aは、円の1/8の範囲の円弧が円環状に延びた形状に形成されている。
筒表面部337bは、円筒状の内径が回転ベース332の内径と同じ大きさである。内カバー取付部337cは、回転ベース332の上面に取付けられるものである。
リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337は、演出操作リング330に組立てた状態で、外上表面部335a、外下表面部336a、及び内表面部337aが、連続するように形成されており、外上表面部335a、外下表面部336a、及び内表面部337aによって、円の1/2以上の範囲の部位を構成し、全体がドーナツ状となる。演出操作リング330は、演出操作リング装飾基板352によって発光装飾可能とされている。
[3−5−5d.回転駆動ユニット]
演出操作ユニット300における回転駆動ユニット340について、主に図73〜図75等を参照して詳細に説明する。図73(a)は演出操作ユニットの回転駆動ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は回転駆動ユニットを後ろから見た斜視図である。図74は回転駆動ユニットを分解して右前から見た分解斜視図であり、図75は回転駆動ユニットを分解して左前から見た分解斜視図である。回転駆動ユニット340は、演出操作リング330の回転操作部302を回転駆動させたり、回転操作部302の回転操作を検知したりするためのものである。回転駆動ユニット340は、操作部ベース320の本体部321における左側面の外側に取付けられる。
回転駆動ユニット340は、操作部ベース320の本体部321に取付けられる回転駆動ベース341と、回転駆動ベース341の右側面後部に回転軸が左方へ突出するように取付けられる操作リング駆動モータ342と、操作リング駆動モータ342の回転軸に取付けられる駆動ギア343と、駆動ギア343により回転させられる変速ギア344と、変速ギア344により回転させられると共に操作リング用伝達ギア350を回転させる伝達検知ギア部材345と、変速ギア344及び伝達検知ギア部材345を回転駆動ベースを協働して回転可能に取付けていると共に駆動ギア343、変速ギア344及び伝達検知ギア部材345左方から被覆しているギアカバー346と、を備えている。
また、回転駆動ユニット340は、ギアカバー346に取付けられており伝達検知ギア部材345の回転位置を検知している第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348と、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348を左方から覆うようにギアカバー346に取付けられているセンサカバー349と、を備えている。
回転駆動ベース341は、左右方向が短く前後方向へ長く延びており左方へ開放されている浅い箱状に形成されている。操作リング駆動モータ342は、ステッピングモータとされている。駆動ギア343は、平歯車とされている。変速ギア344は、駆動ギアと噛合する平歯車状の第一ギア344aと、第一ギア344aと一体回転すると共に大径に形成されている平歯車状の第二ギア344bと、から構成されている。変速ギア344の第二ギア344bは、伝達検知ギア部材345のギア部345aと噛合する。
伝達検知ギア部材345は、変速ギア344よりも大径(第二ギア344bの直径の2倍の大きさ)のギア部345aと、ギア部345aの左側面から左方へ突出しており周方向に一定の間隔で列設されている複数の検知片345bと、を備えている。ギア部345aは、変速ギア344の第二ギア344bと噛合すると共に、操作リング用伝達ギア350の駆動側ギア部350bと噛合する。複数の検知片345bは、周方向の長さが周方向へ離間している間隔と同じ長さとされている。本実施形態では、検知片345bは、45度の回転角度の間隔で、周方向に八つ配置されている。これら検知片345bは、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって検知される。
第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348は、伝達検知ギア部材345の検知片345bを検知するものである。第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348は、周方向へ列設されている検知片345bの間隔に対して、整数倍とは異なる間隔で周方向へ離間して配置されている。本実施形態では、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348は、101.25度の回転角度で離間している。これにより、伝達検知ギア部材345が回転した時に、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348が同じタイミングで検知片345bを検知することはなく、一方が先に検知片345bを検知するようになっている。これにより、伝達検知ギア部材345を介して演出操作リング330における回転操作部302の回転方向や回転速度を検知することができる。
回転駆動ユニット340は、組立てた状態で、伝達検知ギア部材345のギア部345aの上部が上方へ露出しており、ギア部345aの露出した部位が操作リング用伝達ギア350の駆動側ギア部350bと噛合する。また、回転駆動ユニット340は、演出操作ユニット300に組立てた状態で、全体が演出操作部カバーユニット310内に位置している。
回転駆動ユニット340は、操作リング駆動モータ342の駆動により、駆動ギア343、変速ギア344、伝達検知ギア部材345、及び操作リング用伝達ギアを介して、演出操作リング330の回転操作部302を任意の方向へ回転させることができる。また、回転駆動ユニット340は、操作リング駆動モータ342により駆動ギア343を、所定の回転角度の範囲で正転・逆転を繰返させることで、回転操作部302を往復回動させて振動させることができる。
また、回転駆動ユニット340は、遊技者により演出操作リング330の回転操作部302が回転させられると、操作リング用伝達ギア350を介して伝達検知ギア部材345が回転し、伝達検知ギア部材345の検知片345bが第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって検知され、回転操作部302の回転操作を検知することができる。したがって、回転操作部302の回転方向に応じて遊技者参加型演出の内容を変化させることができる。
また、回転駆動ユニット340では、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって回転操作部302の回転操作を検知することができるため、回転操作された回転方向と同じ方向へ操作リング駆動モータ342を駆動させることで、遊技者の回転操作をアシストすることができると共に、回転操作部302の回転方向とは反対の方向へ操作リング駆動モータ342を駆動させることで、遊技者の回転操作に負荷を与えることができる。したがって、これらを適宜組合せることで、回転操作部302に、遊技者参加型演出の内容に応じた操作感を付与したり、クリック感を付与したりすることができる。
[3−5−5e.操作リング用伝達ギア]
演出操作ユニット300の操作リング用伝達ギア350について、主に図69及び図70等を参照して詳細に説明する。操作リング用伝達ギア350は、回転駆動ユニット340の伝達検知ギア部材345と演出操作リング330の回転操作部302の回転ベース332との間で回転を伝達させるものであり、操作部ベース320のギア軸受部325に回転可能に取付けられるものである。
操作リング用伝達ギア350は、演出操作リング330の回転ベース332におけるリングギア332aと噛合する傘歯車状のリング側ギア部350aと、リング側ギア部350aと一体回転し回転駆動ユニット340の伝達検知ギア部材345におけるギア部345aと噛合する平歯車状の駆動側ギア部350bと、を備えている。リング側ギア部350aと駆動側ギア部350bは、ピッチ円が同じ直径に形成されている。傘歯車状のリング側ギア部350aは、回転ベース332の回転軸の方向へ窄まっている。
操作リング用伝達ギア350は、回転軸が左右方向へ延びていると共に、演出操作リング330の回転ベース332の回転軸と交わるように、操作部ベース320に取付けられる。操作リング用伝達ギア350は、操作部ベース320のギア軸受部325に上方から挿入された上で、ギア取付部材351が操作部ベース320に取付けられることで、操作部ベース320に回転可能に取付けられる。
操作リング用伝達ギア350は、演出操作ユニット300に組立てられた状態で、リング側ギア部350aが演出操作リング330における回転ベース332のリングギア332aと噛合していると共に、駆動側ギア部350bが回転駆動ユニット340における伝達検知ギア部材345のギア部345aと噛合している。したがって、操作リング用伝達ギア350は、演出操作リング330の回転操作部302の回転操作を回転駆動ユニット340側へ伝達させることができると共に、回転駆動ユニット340の操作リング駆動モータ342の回転駆動を演出操作リング330の回転操作部302に伝達させて回転させることができる。
[3−5−5f.演出操作リング装飾基板]
演出操作ユニット300における演出操作リング装飾基板352について、主に図69及び図70等を参照して説明する。演出操作リング装飾基板352は、操作部ベース320におけるフランジ部322の上面に取付けられ、上面に複数のLEDが実装されている。演出操作リング装飾基板352は、演出操作リング330の下方に取付けられており、複数のLEDを適宜発光させることで演出操作リング330(回転操作部302)を発光装飾させることができる。
演出操作リング装飾基板352は、円環を前後に分割したような形態に形成されており、前側の半円弧状を有する細長い帯板状に形成される前装飾基板352aと、後側の半円弧状を有する細長い帯板状に形成される後装飾基板352bとで構成されている。前装飾基板352a及び後装飾基板352bの上面のそれぞれに、複数のLEDが外周に沿って列設されている。演出操作リング装飾基板352の複数のLEDは、フルカラーLEDとされている。
演出操作リング装飾基板352は、演出操作ユニット300に組立てた状態で、演出操作リング330のリング取付ベース331の下方に位置している。演出操作リング装飾基板352は、上側が透明な装飾基板カバー353によって被覆されている。装飾基板カバー353は、演出操作リング装飾基板352と同様に、前後に分割された形態に形成されており、前装飾基板352aを上側から覆い操作部ベース320のフランジ部322に取付けられる前基板カバー353aと、後装飾基板352bを上側から覆い操作部ベース320のフランジ部322に取付けられる後基板カバー353bと、で構成されている。
演出操作リング装飾基板352は、上面に実装されている複数のLEDを発光させることで、装飾基板カバー353及びリング取付ベース331の貫通口331cを通して、回転操作部302を構成しているリング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337を、内部から発光装飾させることができる。したがって、回転操作部302内にLEDが備えられているような発光装飾を遊技者に見せることができる。
[3−5−5g.振動スピーカ]
演出操作ユニット300における振動スピーカ354について、主に図69及び図70等を参照して詳細に説明する。振動スピーカ354は、操作部ベース320における本体部321の下面に出力方向を上方へ向けて取付けられており、音声や音楽等のサウンドに加えて、多彩な周波数の振動を出力することができるものである。
振動スピーカ354は、操作部ベース320の底壁を振動板として振動させることで、音声、効果音、音楽等のサウンド(音)を出力することができる。また、振動スピーカ354は、操作部ベース320を介して演出操作ユニット300全体を振動させることができる。このとき、遊技者は、演出操作ユニット300が震えたかのような感触を得ることとなる。この振動スピーカ354は、偏芯させた錘をモータで回転させる振動装置と比較して、様々な周波数の振動を発生させることができ、より多彩な演出を遊技者に提供することができる。
振動スピーカ354は音情報を与えて、演出操作部301を振動させることを目的としており、共振により振動が得られるように音情報を与えることとなる。ここで、共振させるにあたっては、遊技機に取り付けられる振動スピーカ354の特性、振動スピーカを取り付ける部材の材質、硬さ、取り付け方法に左右されるため、特定の周波数のみの音情報を入力するようにした場合には、特性のバラツキによって共振せずに振動が得られない場合がある。本実施形態では、これらの特性のバラツキを吸収すべく、入力する音情報の周波数を単一の周波数とはせずに、幅を持たせた周波数として入力している。具体的には、40Hz±2Hzの正弦波、38Hzから42Hzを1Hz単位で各1周期、およそ1秒間に8回変化(スイープ)させている。これを断続的に、1秒スイープ入力しては、1秒後再び入力することを繰り返し行っている。
なお、遊技機の組み立て作業において、出荷時における振動スピーカの検査(動作確認)については、遊技の進行を制御する主制御ユニット1300の主制御基板1310に設けられるRAMクリアスイッチが操作されることに基づいて行うようになっている。具体的には、検査員が遊技機の電源投入時に所定期間内にRAMクリアスイッチを操作すると(又は、検査員がRAMクリアスイッチを操作した状態で遊技機の電源を投入すると)、主制御基板1310がRAMをクリアして初期化する旨のコマンドを後述する周辺制御ユニット1500の周辺制御基板へ送信(出力)する。周辺制御基板は、このコマンドを受信すると、振動スピーカの検査(動作確認)を行う振動スピーカ動作確認処理を行う。検査員は、この振動スピーカ動作確認処理により、振動スピーカ354による音声や音楽等のサウンド(音)を確認することができるほかに、振動スピーカ354による演出操作ユニット300の振動を確認することもできる。
[3−5−5h.演出操作ボタンユニット]
演出操作ユニット300における演出操作ボタンユニット360について、主に図76〜図78等を参照して詳細に説明する。図76は演出操作ユニットの演出操作ボタンユニットを分解して前上から見た分解斜視図であり、図77は演出操作ボタンユニットを分解して前下から見た分解斜視図である。図78(a)は押圧操作部が下降位置の時の演出操作ボタンユニットの断面図であり、(b)押圧操作部が上昇位置の時の演出操作ボタンユニットの断面図である。演出操作ボタンユニット360は、演出操作リング330の環内に臨むように操作部ベース320に取付けられており、遊技者が押圧操作可能な押圧操作部303を有している。演出操作ボタンユニット360の押圧操作部303は、円柱状の中央押圧操作部303aと、中央押圧操作部303aの外周を覆うように形成されている円筒状の外周押圧操作部303bと、で構成されている。
演出操作ボタンユニット360は、外周が略円形状に形成されており操作部ベース320の本体部321内に取付けられるボタンユニットベース361と、ボタンユニットベース361の中心軸を境にして対象に配置されており上方へ円柱状に延出している一対のガイドシャフト362と、一対のガイドシャフト362の上端同士を連結しており外周がボタンユニットベース361よりも小さい円形状に形成されている円盤状の上部ベース363と、上部ベース363とボタンユニットベース361との間において一対のガイドシャフト362によって上下方向へ移動可能に取付けられており外周がボタンユニットベース361と略同じ大きさの円形状に形成されている円盤状の昇降ベース364と、一対のガイドシャフト362がそれぞれ挿通されており昇降ベース364を上方へ付勢している一対の昇降バネ365と、を備えている。
また、演出操作ボタンユニット360は、ボタンユニットベース361の中心から上方へ円柱状に延出しており上端が上部ベース363に取付けられている中央シャフト366と、ボタンユニットベース361の下面に回転軸が上方へ突出するように取付けられている操作ボタン昇降駆動モータ367と、操作ボタン昇降駆動モータ367の回転軸に取付けられている平歯車状の昇降駆動ギア368と、昇降駆動ギア368と噛合しておりボタンユニットベース361の上側に回転可能に取付けられている平歯車状の従動ギア369と、従動ギア369により回転させられ中央シャフト366が挿通されて回転可能に取付けられている昇降カム駆動ギア部材370と、昇降カム駆動ギア部材370と下端が連結されていると共に中央シャフト366が挿通されて回転可能に取付けられており回転することで昇降ベース364を昇降させる昇降カム部材371と、昇降駆動ギア368、従動ギア369、及び昇降カム駆動ギア部材370を上方から覆うようにボタンユニットベース361の上側に取付けられている円盤状のギアカバー372と、を備えている。
更に、演出操作ボタンユニット360は、内径が上部ベースよりも大径で上下に延びた有底筒状に形成されており昇降ベース364より上側で一対のガイドシャフト362によって上下方向へ移動可能に取付けられている中央ボタン本体373と、中央ボタン本体373と昇降ベース364との間に配置されており中央ボタン本体373を上方へ付勢している一対のボタンバネ374と、中央ボタン本体373と略同じ径で上端側が閉鎖された有底筒状に形成されており上部ベース363の上方を覆うように中央ボタン本体373の上端に取付けられている中央ボタンカバー375と、上部ベース363の上面に取付けられており上方へ光を照射可能な複数のLEDが実装されている中央ボタン装飾基板376と、を備えている。演出操作ボタンユニット360は、中央ボタン本体373と中央ボタンカバー375とで中央押圧操作部303aを構成している。
また、演出操作ボタンユニット360は、昇降ベース364の上面における中央ボタン本体373よりも外側の部位に取付けられており上面に複数のLEDが実装されている円環状の外周ボタン装飾基板377と、外周ボタン装飾基板377の上側を覆うと共に中央ボタン本体373の外周を覆うように昇降ベース364に取付けられている外周基板カバー378と、外周基板カバー378における中央ボタン本体373の外周を覆っている部位の外周側で外周ボタン装飾基板377の上方に配置されており立体的な装飾が施された透光性を有する円筒状の外周装飾レンズ379と、外周装飾レンズ379の外周及び上面を覆うように昇降ベース364に取付けられており中央において中央ボタンカバー375が上方へ臨む透明な外周ボタンカバー380と、を備えている。演出操作ボタンユニット360は、外周基板カバー378と外周装飾レンズ379と外周ボタンカバー380とで、外周押圧操作部303bを構成している。
また、演出操作ボタンユニット360は、ボタンユニットベース361に取付けられており押圧操作部303の押圧操作を検知する押圧検知センサ381と、ボタンユニットベース361に取付けられており昇降カム駆動ギア部材370の回転位置を検知することで昇降ベース364の昇降を検知する昇降検知センサ382と、を備えている。
ボタンユニットベース361は、円盤状に形成されているベース本体361aと、ベース本体361aから下方へ突出している複数の脚部361bと、を備えている。ボタンユニットベース361のベース本体361aは、外径が、操作部ベース320における本体部321の内周径よりも若干小さい大きさに形成されている。このベース本体361aは、上面に、一対のガイドシャフト362、中央シャフト366、従動ギア369、昇降カム駆動ギア部材370、及びギアカバー372が取付けられ、下面に、押圧検知センサ381及び昇降検知センサ382が取付けられる。ボタンユニットベース361は、脚部361bの下端が操作部ベース320における本体部321の底壁に取付けられる。
一対のガイドシャフト362は、ボタンユニットベース361のベース本体361aの上面において、中心から前方及び後方へ、ベース本体361aの直径の半分の距離の位置にそれぞれ取付けられている。一対のガイドシャフト362及び中央シャフト366は、金属棒によって形成されている。一対のガイドシャフト362は、中央シャフト366よりも太く形成されている。
上部ベース363は、外径がボタンユニットベース361のベース本体361aの外径の約1/2の大きさに形成されている。一対の昇降バネ365は、コイルスプリングとされており、下端がボタンユニットベース361のベース本体361aに当接していると共に、上端が昇降ベース364に当接している。昇降バネ365は、ボタンバネ374よりも付勢力の強いバネとされている。
昇降ベース364は、外径がボタンユニットベース361のベース本体361aの外径と略同じ大きさに形成されている。昇降ベース364は、一対のガイドシャフト362がそれぞれ摺動可能に挿入される一対のガイド孔364aと、中央において昇降カム部材371が通過可能な大きさで上下に貫通している中央孔364bと、中央孔364bの周縁から上方へ円筒状に突出している立壁部364cと、立壁部364cの下端付近において中央孔364bの内へ互いに対向するように突出している一対の案内ピン364dと、を備えている。一対の案内ピン364dは、同一軸芯上で互いに対向していると共に、軸芯周りに回転可能に取付けられている。
昇降ベース364は、一対のガイド孔364aに一対のガイドシャフト362が挿通されることで、上下方向へ昇降可能に案内される。昇降ベース364は、立壁部364cの上端が上部ベース363に当接することで、上方への移動が規制されると共に、上部ベース363との間に中央ボタン本体373の底部373bが移動可能な空間を形成している。また、昇降ベース364は、一対の案内ピン364dが、昇降カム部材371のカム部371aに案内されることで、上下方向へ移動させられる。
昇降カム駆動ギア部材370は、従動ギア369と噛合する平歯車状のギア部370aと、ギア部370aから上方へ突出しており昇降カム部材371の下端が連結される連結部370bと、ギア部370aから下方へ筒状に突出していると共に対向している二箇所が切欠かれており昇降検知センサ382により検知される昇降検知片370cと、を備えている。昇降カム駆動ギア部材370は、ギア部370aの中心に中央シャフト366が挿入されることで、回転可能に取付けられる。
昇降カム部材371は、中心に中央シャフト366が挿通されることで、回転可能に取付けられる。昇降カム部材371は、円柱状の外周面において周方向へ180度離間しており、外方へ突出している一対のカム部371aを備えている。一対のカム部371aは、昇降ベース364の案内ピン364dを案内するものである。
カム部371aは、下端付近において軸芯に対して直角方向へ延びている第一カム371bと、第一カム371bの中間で上方へ窪んでいる係止部371cと、第一カム371bの一方の端部から軸芯と平行に上方へ延びている第二カム371dと、第一カム371bの第二カム371dとは反対側の端部から螺旋状に上方へ延びている第三カム371eと、を備えている(図78を参照)。第二カム371dと第三カム371eは、同じ高さまで上方へ延びており、隣接するカム部371a同士の間では、昇降ベース364の案内ピン364dの直径よりも小さい距離で離間している。
また、昇降カム部材371は、下端に昇降カム駆動ギア部材370の連結部370bと連結する被連結部371fを備えている。
昇降カム部材371は、カム部371aにおいて、第二カム371dが、昇降カム部材371を平面視において反時計回りの方向へ回転させた時に、第一カム371bの後端側から上方へ延出するように形成されている。昇降カム部材371は、回転することで、カム部371aにより昇降ベース364の案内ピン364dを案内して昇降ベース364を昇降させることができる。
中央ボタン本体373は、中央ボタン本体373は、上下に延びた円筒状の筒部373aと、筒部373aの下端側を閉鎖している底部373bと、底部373bを貫通しており一対のガイドシャフト362が摺動可能に挿入される一対のガイド孔373cと、底部373bの中央において昇降ベース364の立壁部364cの外径よりも大きい径で貫通している中央口373dと、底部373bから下方へ突出しており押圧検知センサ381により検知される押圧検知片373eと、底部373bから後方へ円柱状に突出しておりボタンバネ374に挿通される一対のガイドボス373fと、を備えている。
中央ボタン本体373は、筒部373aと底部373bとによって、有底筒状に形成されている。中央ボタン本体373は、底部373bが上部ベース363と昇降ベース364との間に配置されると共に、筒部373aの上端が上部ベース363よりも上方へ突出するように形成されている。中央口373dは、下方へ短く延びた円筒状に形成されており、下端が昇降ベース364の上面に当接することで、中央ボタン本体373の下方への移動が規制される。中央ボタン本体373の中央口373dを通って、昇降ベース364の立壁部364cの上端が上部ベース363に当接する。
中央ボタン本体373は、一対のガイドボス373fが挿通されている一対のボタンバネ374によって上方へ付勢されている。一対のガイドボス373fは、下端が昇降ベース364を貫通して下方へ延出するように形成されており、下端にワッシャが挿通されたビスが取付けられる。ガイドボス373fの下端に取付けられたワッシャが昇降ベース364の下面に当接することで、中央ボタン本体373の上方への移動が規制される。
中央ボタン本体373の押圧検知片373eは、一対のボタンバネ374の付勢力に抗して中央ボタン本体373の底部373b(中央口373dの下端)が昇降ベース364の上面に当接した時に、昇降ベース364を貫通して下方へ突出するように形成されている。この中央ボタン本体373は、不透明に形成されている。一対のボタンバネ374は、昇降バネ365よりも付勢力の弱いコイルバネとされている。
中央ボタンカバー375は、中央ボタン本体373の筒部373aと略同じ直径の円盤状の天板部375aと、天板部375aの外周から下方へ延出している筒状の周壁部375bと、を備えており、透光性を有するように形成されている。中央ボタンカバー375は、天板部375aと周壁部375bとによって有底筒状に形成されている。この中央ボタンカバー375は、周壁部375bの下端が中央ボタン本体373における筒部373aの上端に取付けられる。
中央ボタン装飾基板376は、上面に実装されている複数のLEDがフルカラーLEDとされている。中央ボタン装飾基板376は、複数のLEDを適宜発光させることで、中央ボタンカバー375を発光装飾させることができる。外周ボタン装飾基板377は、上面に実装されている複数のLEDがフルカラーLEDとされている。外周ボタン装飾基板377は、複数のLEDを適宜発光させることで、外周装飾レンズ379及び外周ボタンカバー380を発光装飾させることができる。
外周基板カバー378は、外周ボタン装飾基板377の上側を覆い昇降ベース364に取付けられる円環状の基板部378aと、基板部378aの内周から上方へ筒状に延出しており中央ボタン本体373の外周を覆う円筒部378bと、を備えている。外周基板カバー378は、透明に形成されている。
外周装飾レンズ379は、上方へ向かうに従って周方向へ移動するように延びている捩れた部位が、周方向に一定の間隔で列設されている。外周装飾レンズ379は、外周基板カバー378における基板部378aの上側に取付けられている。外周ボタンカバー380は、外周装飾レンズ379の外周を覆う円筒状の筒状部380aと、筒状部380aの上端から中心側へ延出している円環状の環状部380bと、を備えている。外周ボタンカバー380は、筒状部380aの下端が昇降ベース364に取付けられる。環状部380bは、内径が外周基板カバー378の円筒部378bと略同じ大きさに形成されている。
演出操作ボタンユニット360は、組立てた状態では、図78(a)に示すように、昇降ベース364が一対の昇降バネ365によって上方へ付勢された状態で、昇降ベース364の案内ピン364dが、昇降カム部材371のカム部371aにおける係止部371cに下方から挿入されている。この状態では、昇降ベース364が下方へ移動した下降位置の状態となっており、一対の昇降バネ365が圧縮されている。また、この状態では、中央ボタン本体373がボタンバネ374の付勢力により上方側への移動端に位置しており、中央ボタンカバー375の上面が、外周ボタンカバー380の上面よりも上方へ突出した状態となっている。
したがって、演出操作ユニット300に組立てた状態では、外周ボタンカバー380の上面が演出操作リング330の上面よりも僅かに上方へ突出していると共に、中央ボタンカバー375の上面が外周ボタンカバー380の上面よりも上方へ突出している(図79等を参照)。
この状態(図78(a)の状態)で、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)を下方へ押圧して、ボタンバネ374の付勢力に抗して下方へ移動させると、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが押圧検知センサ381により検知され、中央押圧操作部303aの押圧操作が検知される。中央押圧操作部303aを押圧操作した状態では、中央ボタンカバー375の上面が、外周ボタンカバー380の上面と略一致した高さとなっている(図81(c)を参照)。
また、この状態で、外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)を下方へ押圧操作しても、外周ボタンカバー380は下方へ移動することはなく、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが押圧検知センサ381に検知されることもない。つまり、押圧操作部303の押圧操作が検知されない。
この下降位置の状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367により昇降駆動ギア368を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、昇降駆動ギア368と噛合している従動ギア369を介して昇降カム駆動ギア部材370が平面視反時計回りの方向へ回転し、昇降カム駆動ギア部材370と連結されている昇降カム部材371も同じ方向へ回転することとなる。この昇降カム部材371が反時計回りの方向へ回転すると、図78において正面に見えているカム部371aが右方へ移動することとなり、昇降ベース364の案内ピン364dが、係止部371cから第一カム371bにおける係止部371cの左方の部位へ転動すると共に、案内ピン364dを介して昇降ベース364が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動する。
そして、昇降カム部材371の回転に伴って、第一カム371bに沿って相対的に左方へ転動する案内ピン364dが、第一カム371bの左端から第二カム371d側へ位置すると、第二カム371dが第一カム371bに対して垂直に上方へ延びていることから、昇降バネ365の付勢力により案内ピン364dが第二カム371dに沿って上方へ移動することとなり、案内ピン364dと一緒に昇降ベース364が上昇して上昇位置の状態となる。
上昇位置の状態では、図78(b)に示すように、昇降ベース364の案内ピン364dが、一方のカム部371aの第二カム371dと残りのカム部371aの第三カム371eとに接した状態となっている。この状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367の駆動が一旦停止される。
上昇位置の状態では、昇降ベース364の立壁部364cの上端が上部ベース363の下面に当接しており、昇降ベース364のこれ以上の上方への移動が規制されている。また、上昇位置の状態では、下降位置の時の中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)と外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)との位置関係が保持されており、中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380を含む押圧操作部303全体が上方へ移動していると共に、中央ボタンカバー375の上面が外周ボタンカバー380の上面よりも上方へ突出している。
演出操作ユニット300に組立てた状態で、上昇位置へ移動させると、中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380が、演出操作リング330の上面よりも大きく突出した状態となる(図81(b)等を参照)。
この上昇位置の状態で、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)を、ボタンバネ374の付勢力よりも強い力で下方へ押圧した場合、中央ボタンカバー375及び中央ボタン本体373がボタンバネ374の付勢力に抗して下方へ移動し、中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接することとなる。中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接している状態では、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが昇降ベース364よりも下方へ突出した状態となっているが、昇降ベース364がボタンユニットベース361から離れているため、押圧検知片373eが押圧検知センサ381によって検知されることはない。
中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)を、昇降バネ365の付勢力よりも強い力で下方へ押圧した場合、中央ボタンカバー375及び中央ボタン本体373がボタンバネ374の付勢力に抗して、中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接した上で、昇降ベース364が、昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動し、昇降ベース364の下端がボタンユニットベース361に当接することとなる。昇降ベース364がボタンユニットベース361に当接することで、昇降ベース364が下降位置の状態となり、昇降ベース364と共に外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)も下降位置の状態となる。
このように、中央ボタン本体373が昇降ベース364に当接した状態で、昇降ベース364がボタンユニットベース361に当接すると、昇降ベース364から下方へ突出している中央ボタン本体373の押圧検知片373eが、押圧検知センサ381に検知された状態となり、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)の押圧が検知される。
一方、上昇位置の状態で、外周ボタンカバー380(外周押圧操作部303b)を、昇降バネ365の付勢力よりも力で下方へ押圧した場合、外周ボタンカバー380を介して昇降ベース364が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動し、昇降ベース364の下端がボタンユニットベース361に当接することとなる。この状態では、昇降ベース364と共に外周ボタンカバー380が下降位置の状態となるが、中央ボタンカバー375(中央押圧操作部303a)がボタンバネ374の付勢力により上方へ突出していることから、中央ボタン本体373の押圧検知片373eが昇降ベース364から下方へ突出しておらず、押圧検知片373eが押圧検知センサ381により検知されない。
中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380を(押圧操作部303を)、上昇位置から下降位置へ戻すには、操作ボタン昇降駆動モータ367により、昇降カム部材371を平面視反時計回りの方向へ回転させると、図78(b)において、昇降ベース364の案内ピン364dの左上と当接している第三カム371eが、右方(案内ピン364dの方向)へ移動することとなるため、第三カム371eによって案内ピン364dが下方へ押圧され、案内ピン364dを介して昇降ベース364が昇降バネ365の付勢力に抗して下方へ移動することとなる。
そして、昇降カム部材371の回転に伴って案内ピン364dが第三カム371eの下端から第一カム371b側へ移動すると、昇降ベース364の下方への移動が停止し、案内ピン364dが第一カム371bに沿って転動する。その後、案内ピン364dが第一カム371bの途中の係止部371cの位置に到達すると、昇降バネ365の付勢力により案内ピン364dが上方へ窪んだ係止部371c内に挿入されると共に、操作ボタン昇降駆動モータ367による昇降カム部材371の回転を停止させることで、元の下降位置の状態となる。
[3−5−5i.操作部中継基板ユニット]
演出操作ユニット300における操作部中継基板ユニット390について、主に図69及び図70等を参照して詳細に説明する。操作部中継基板ユニット390は、操作部ベース320の後面に取付けられている。操作部中継基板ユニット390は、操作部ベース320における本体部321の後面に取付けられる箱状の基板ボックス391と、基板ボックス391内に取付けられている操作部中継基板392と、を備えている。
基板ボックス391は、演出操作ユニット300に組立てた時に、回転駆動ユニット340の操作リング駆動モータ342を後側から覆うモータカバー部391aを有している。操作部中継基板392は、皿中央上装飾基板314、皿中央下装飾基板316、操作リング駆動モータ342、第一回転検知センサ347、第二回転検知センサ348、演出操作リング装飾基板352、振動スピーカ354、操作ボタン昇降駆動モータ367、中央ボタン装飾基板376、外周ボタン装飾基板377、押圧検知センサ381、及び昇降検知センサ382と、皿ベースユニット210の皿ユニット中継基板214との接続を中継している。
[3−5−5j.演出操作ユニットの作用]
次に、演出操作ユニット300の作用について、主に図79〜図81等を参照して詳細に説明する。図79は、演出操作ユニットの左側面図において演出操作リングと回転駆動ユニットとの関係を示す説明図である。図80は、演出操作ユニットを押圧操作部の押圧方向から見た平面図において演出操作リングと演出操作リング装飾基板との関係を示す説明図である。図81(a)は通常の状態で示す皿ユニットの正面図であり、(b)は押圧操作部が上昇位置の時の皿ユニットの正面図であり、(c)は押圧操作部の中央押圧操作部を押圧した時の皿ユニットの正面図である。
演出操作ユニット300は、上面に遊技者が操作可能な演出操作部301を備えている。演出操作部301は、大きな円環状の回転操作部302と、回転操作部302の環内に配置されている押圧操作部303とで構成されている。押圧操作部303は、回転操作部302の中心に位置する円柱状の中央押圧操作部303aと、中央押圧操作部303aと回転操作部302との間に配置されている円環状の外周押圧操作部303bとで構成されている。
回転操作部302は、演出操作リング330のリング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337によって形成されている。中央押圧操作部303aは、演出操作ボタンユニット360の中央ボタンカバー375及び中央ボタン本体373によって形成されており、外周押圧操作部303bは、外周ボタンカバー380及び外周基板カバー378によって形成されている。
演出操作ユニット300は、円環状の回転操作部302(演出操作リング330)の上面によって形成される仮想の平面の前方側が低くなるように傾斜した状態で皿ユニット200に組立てられる。したがって、回転操作部302の環内に配置されている押圧操作部303の押圧方向が、下方へ向かうに従って後方へ移動する(換言すると、上方へ向かうに従って前方へ移動する)ように傾斜している。
演出操作ユニット300は、通常の状態では、回転操作部302の上面よりも押圧操作部303が僅かに上方へ突出した状態となっている。詳しくは、演出操作リング330の上面よりも外周ボタンカバー380の上面が僅かに上方へ突出していると共に、外周ボタンカバー380の上面よりも中央ボタンカバー375の上面が上方へ突出した状態となっている(図79等を参照)。
この通常の状態で、回転駆動ユニット340の操作リング駆動モータ342により、伝達検知ギア部材345を左側面視で時計回りの方向へ回転させると、操作リング用伝達ギア350を介して演出操作リング330の回転操作部302が、平面視において時計周りの方向へ回転する。一方、操作リング駆動モータ342により、伝達検知ギア部材345を左側面視で反時計周りの方向へ回転させると、演出操作リング330の回転操作部302が平面視において反時計回りの方向へ回転する。
操作リング駆動モータ342は、ステッピングモータとされており、所定の回転角度の範囲で正転・逆転を繰返させることで、回転操作部302を往復回動させて振動させることができる。この振動は、振動スピーカ354による振動とは異なり、回転操作部302のみが振動する。
演出操作リング330の回転操作部302は、操作リング駆動モータ342により回転させられるだけでなく、遊技者によっても回転させることができる。回転操作部302を平面視において時計回りの方向へ回転させると、操作リング用伝達ギア350を介して回転駆動ユニット340の伝達検知ギア部材345が左側面視において時計回りの方向へ回転し、回転操作部302を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、伝達検知ギア部材345が左側面視において反時計回りの方向へ回転する。この伝達検知ギア部材345は、第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348の二つのセンサによって回転を検知している。
伝達検知ギア部材345の回転は、複数の検知片345bを第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348によって検知することで、回転を検知している。詳述すると、周方向に等間隔で列設されている複数の検知片345bの間隔に対して、周方向に離間している第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348との間隔が、整数倍とならない間隔とされている。これにより、第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348とが、同じタイミングで検知片345bを検知しないように構成されている。
本実施形態では、伝達検知ギア部材345が左側面視において時計回りの方向へ回転すると、第二回転検知センサ348が検知片345bを検知してから第一回転検知センサ347が検知片345bを検知する。これに対して、伝達検知ギア部材345が左側面視において反時計回りの方向へ回転すると、第一回転検知センサ347が検知片345bを検知してから第二回転検知センサ348が検知片345bを検知する。したがって、第一回転検知センサ347と第二回転検知センサ348とが、検知片345bを検知する順番によって、伝達検知ギア部材345(回転操作部302)の回転方向を検知することができる。また、第一回転検知センサ347及び第二回転検知センサ348における検知片345bの検知時間によって、伝達検知ギア部材345(回転操作部302)の回転速度を検知することができる。
このように、回転操作部302の回転操作を検知することができるため、回転操作部302の回転方向に応じて遊技者参加型演出の内容を変化させることができる。また、回転操作部302の回転操作を検知した時に、操作リング駆動モータ342により、回転操作部302を回転操作方向と同じ方向へ回転駆動させることで、回転操作を軽くしてアシストすることができると共に、操作リング駆動モータ342により、回転操作部302を回転操作方向と反対方向へ回転駆動させることで、回転操作を重くしたり、クリック感を付与したりすることができる。
演出操作リング330の回転操作部302は、リング外上カバー335、リング外下カバー336、及びリング内カバー337によって形成されており、円の半分以上の円弧が環状に延びている形状に形成されている。換言すると、回転操作部302がドーナツ状に形成されている。そして、回転操作部302は、図示するように、外周面、上面、及び内周面の一部、が露出した状態で取付けられているため、遊技者の手で掴み易い形状に形成されている。
これにより、回転操作部302に対して遊技者が様々な方向から触れることができるため、遊技者のやり易い思い思いの仕方で回転操作部302を回転操作させることができ、回転操作部302の操作性が高められている。また、回転操作部302は、押圧操作部303が下降位置又は上昇位置の何れの状態の時でも、回転操作することができる。なお、回転操作部302は、下面側が操作部ベース320に取付けられているため、自動車のハンドルのように握ることはできない。
演出操作ユニット300は、図80に示すように、演出操作リング330の下方に、複数のLEDが円環状に列設されている演出操作リング装飾基板352を備えている。これにより、演出操作リング装飾基板352のLEDを発光させることで、演出操作リング330の回転操作部302を発光装飾させることができる。また、演出操作リング装飾基板352では、複数のLEDを回転操作部302に沿って環状に列設しているため、回転操作部302の回転に合わせて、列設されている複数のLEDを順次発光させることで、回転している回転操作部302の特定の部位のみを発光装飾させることができる。これにより、回転する回転操作部302内に、LED(装飾基板)が備えられているように遊技者を錯覚させることができる。
演出操作ユニット300は、通常の状態では、図81(a)に示すように、回転操作部302の環内に配置されている押圧操作部303が、その上面が回転操作部302の上面よりも僅かに上方に突出した下降位置の状態となっている。この状態では、回転操作部302を回転させることができると共に、押圧操作部303における中央押圧操作部303aを押圧操作することができる。中央押圧操作部303aを下方へ押圧操作すると、中央押圧操作部303a(中央ボタンカバー375)の上面が、外周押圧操作部303b(外周ボタンカバー380)の上面と略同じ高さまで下降し、押圧検知センサ381により押圧が検知される。
この通常(下降位置)の状態では、押圧操作部303における外周押圧操作部303bを下方へ押圧しても、外周押圧操作部303b(外周ボタンカバー380)が下方へ移動することはなく、押圧検知センサ381により押圧が検知されることはない。
通常の状態で、操作ボタン昇降駆動モータ367により、昇降カム部材371を平面視において反時計回りの方向へ回転させると、昇降ベース364の案内ピン364dがカム部371a(第一カム371b)から外れて、一対の昇降バネ365の付勢力により、昇降ベース364と共に押圧操作部303が勢いよく上方へ突出して上昇位置の状態となる(図81(b)を参照)。この上昇位置の状態では、押圧操作部303の上面が回転操作部302の上面よりも大きく上方に位置している。換言すると、中央ボタンカバー375及び外周ボタンカバー380が、演出操作リング330の上面よりも大きく上方へ突出している。
押圧操作部303が上昇位置の状態で、中央押圧操作部303aを下方へ押圧すると、まず、ボタンバネ374の付勢力に抗して中央押圧操作部303aが下方へ移動し、中央押圧操作部303aの上面と外周押圧操作部303bの上面とが略同じ高さの状態となる。この状態では、押圧検知センサ381が押圧を検知しない。更に、昇降バネ365の付勢力に抗して中央押圧操作部303aが外周押圧操作部303bと一緒に下方へ移動し、中央押圧操作部303a及び外周押圧操作部303bの上面が回転操作部302の上面と略同じ高さの状態となる(図81(c)を参照)。この状態では、押圧検知センサ381が押圧を検知する。
また、押圧操作部303が上昇位置の状態で、外周押圧操作部303bを下方へ押圧すると、中央押圧操作部303aの上面が外周押圧操作部303bの上面よりも上方へ突出している状態のまま、外周押圧操作部303bと中央押圧操作部303aとが下方へ移動し、外周押圧操作部303bの上面が回転操作部302の上面と略同じ高さの状態となる(図81(a)を参照)。この状態では、押圧検知センサ381が押圧を検知しない。
このように、本実施形態の押圧操作部303は、下降位置又は上昇位置に関わらず、中央押圧操作部303aを、下方への移動端まで押圧しないと、押圧検知センサ381により検知されないようになっている。したがって、遊技者に対して、中央押圧操作部303aをしっかりと押圧操作させることを促すことが可能となるため、遊技者参加型演出において演出操作部301の操作に注意を引付けさせることができ、遊技者参加型演出をより楽しませることができる。
なお、押圧操作部303が上昇位置の状態でも、回転操作部302を回転させることができる。したがって、押圧操作部303を上昇位置の状態とした時では、遊技者によっては、押圧操作部303を手がかりにして回転操作が楽になったり、押圧操作部303が邪魔になって回転操作がし難くなったりすることから、回転操作部302の操作性を変化させることができ、より多彩な操作を楽しませることができる。
[3−6.扉枠左サイドユニット]
扉枠3における扉枠左サイドユニット400について、主に図82〜図84を参照して詳細に説明する。図82(a)は扉枠の扉枠左サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠左サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図83は扉枠左サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図84は扉枠左サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。扉枠左サイドユニット400は、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面左部に取付けられており、正面視において遊技領域5aの左外側を装飾するものである。
扉枠左サイドユニット400は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの左外側に取付けられる扉枠左サイドベース401と、扉枠左サイドベース401の前面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠左サイド装飾基板402と、扉枠左サイド装飾基板402の前側を覆うように扉枠左サイドベース401に取付けられている左サイドリフレクタ403と、左サイドリフレクタ403の前側を覆うように扉枠左サイドベース401に取付けられている扉枠左サイド装飾体404と、を備えている。
扉枠左サイドベース401は、上下に延びており前方へ開放された箱状に形成されている。扉枠左サイド装飾基板402は、扉枠左サイド装飾体404に沿うように上下に延びた細長い帯板状に形成されており、左サイド上装飾基板402aと左サイド下装飾基板402bとで構成されている。扉枠左サイド装飾基板402は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。扉枠左サイド装飾基板402は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠左サイド装飾体404を発光装飾させることができる。
左サイドリフレクタ403は、扉枠左サイド装飾基板402に実装されているLEDと対応する位置に前後に貫通している貫通孔403aが形成されている。扉枠左サイド装飾体404は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠左サイド装飾体404は、前方へ膨出した半円弧が上下に延びた形態に形成されている。これにより、扉枠左サイド装飾体404は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。
扉枠左サイドユニット400は、下端が皿ユニット200における皿左上装飾ユニット270の皿左上装飾体271の左端と連続するように形成されており、上端が扉枠トップユニット450扉枠トップ装飾体453の左側下端と連続するように形成されている。
扉枠左サイドユニット400は、左右方向の幅と前後方向の奥行が、略同じ距離に形成されている。扉枠左サイドユニット400は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの左外側を装飾しており、円柱状の蛍光灯が埋め込まれているように見せている。
[3−7.扉枠右サイドユニット]
扉枠3における扉枠右サイドユニット410について、主に図85〜図87を参照して詳細に説明する。図85(a)は扉枠の扉枠右サイドユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠右サイドユニットを後ろから見た斜視図である。図86は扉枠右サイドユニットを分解して前から見た分解斜視図であり、図87は扉枠右サイドユニットを分解して後ろから見た分解斜視図である。扉枠右サイドユニット410は、皿ユニット200の上側で扉枠ベースユニット100の前面右部に取付けられており、正面視において遊技領域5aの右外側を装飾するものである。
扉枠右サイドユニット410は、扉枠3の右辺から皿ユニット200の上皿201や下皿202と略同じ位置まで前方へ平板状に延出しており、左右方向へ貫通しているサイド窓410aと、サイド窓410a内に複数配置されている発光可能なサイド窓内装飾部410bと、を備えている。この扉枠右サイドユニット410は、パチンコ機1が設置された遊技ホール等において、右側に配置されているパチンコ機の遊技領域内を見え難くしたり、右側のパチンコ機で遊技している遊技者から本パチンコ機1の遊技領域5a内を見え難くしたりすることができ、遊技のプライバシーを保護するような遊技者のパーソナル空間を形成することができる。
扉枠右サイドユニット410は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aの右外側に取付けられ上下に延びている扉枠右サイドベース411と、扉枠右サイドベース411の前面に取付けられており前方へ円筒状に延出し上下に列設されている複数のサイド窓内装飾部410bを有するサイド窓内装飾部材412と、前面におけるサイド窓内装飾部材412の複数のサイド窓内装飾部410bと対応する部位に複数のLEDが実装されており扉枠右サイドベース411の前側に取付けられているサイド窓内装飾部装飾基板413と、サイド窓内装飾部材412の複数のサイド窓内装飾部410bの内部にそれぞれ挿入されている内部リフレクタ414と、を備えている。
また、扉枠右サイドユニット410は、サイド窓内装飾部材412の前端よりも前方に配置されており上下に延びている右サイドリフレクタ415と、扉枠右サイドベース411に取付けられており扉枠右サイドベース411と右サイドリフレクタ415の右側面を被覆するように上下方向及び前後方向へ平板状に延びていると共に左右方向へ貫通しサイド窓410aを構成する貫通口416aが形成されている扉枠右サイド外パネル416と、扉枠右サイドベース411及び右サイドリフレクタ415に取付けられており扉枠右サイドベース411と右サイドリフレクタ415の左側面を被覆するように上下方向及び前後方向へ平板状に延びていると共に左右方向へ貫通しサイド窓410aを構成する貫通口417aが形成されている扉枠右サイド内パネルと417と、を備えている。
更に、扉枠右サイドユニット410は、右サイドリフレクタ415の後面に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠右サイド装飾基板418と、右サイドリフレクタ415の前側を覆うように右サイドリフレクタ415に取付けられている扉枠右サイド装飾体419と、を備えている。
扉枠右サイドベース411は、上下に延びており後方へ開放された箱状に形成されている。サイド窓内装飾部材412は、上下方向に列設されている複数(ここでは三つ)のサイド窓内装飾部410bの下端同士を連結している平板状の連結ベース412aを有している。サイド窓内装飾部材412のサイド窓内装飾部410bは、前端側が後端側よりも外径がやや小さくなった円錐台状の円筒に形成されていると共に、円筒の前端が半球状に形成されている。サイド窓内装飾部材412は、サイド窓内装飾部410bの前端が扉枠右サイド外パネル416に取付けられる。サイド窓内装飾部材412は、扉枠右サイドベース411の前面において、上下方向中央に対して下寄りの位置から上側の部位に取付けられる。サイド窓内装飾部材412は、透光性を有した乳白色に形成されている。
サイド窓内装飾部装飾基板413は、サイド窓内装飾部材412に沿うように上下に延びた細長い帯板状に形成されており、扉枠右サイドベース411の前面において、サイド窓内装飾部材412の連結ベース412aの後方となる部位に取付けられる。サイド窓内装飾部装飾基板413に備えられている複数のLEDは、フルカラーLEDとされている。サイド窓内装飾部装飾基板413は、複数のサイド窓内装飾部410bのそれぞれの後方となる部位に、四つのLEDがサイド窓内装飾部410bの軸芯を中心として上下左右の十字状に配置されている。
内部リフレクタ414は、正面視の形状がX状に形成されており、挿入されるサイド窓内装飾部410bの内面に沿うように前後方向に延びている。内部リフレクタ414は、サイド窓内装飾部410bの内部を、上下左右の四つに仕切っている。
右サイドリフレクタ415は、扉枠右サイドベース411と同じ高さで上下に延びており、前後方向の形状が、上端から下端へ向かうに従って、前方へ移動した後に後方へ移動するような波状に形成されている。右サイドリフレクタ415は、前後に貫通し、扉枠右サイド装飾基板418のLEDが前方へ臨む複数の貫通孔415aが形成されている。
扉枠右サイド外パネル416は、平板状で上下及び前後に延びており、後辺が鉛直に直線状に延びていると共に、前辺が右サイドリフレクタ415に沿って波状に延びている。
扉枠右サイド外パネル416は、左右方向へ貫通している貫通口416aが、上下に延びた変楕円形状に形成されていると共に、サイド窓内装飾部材412の連結ベース412aの前側と扉枠右サイド装飾基板418(右サイドリフレクタ415)の後側とを被覆可能に形成されている。扉枠右サイド外パネル416は、不透光性に形成されている。
扉枠右サイド内パネル417は、平板状で上下及び前後に延びており、後辺が鉛直に直線状に延びていると共に、前辺が右サイドリフレクタ415に沿って波状に延びている。
扉枠右サイド内パネル417は、左右方向へ貫通している貫通口417aが、上下に延びた変楕円形状に形成されていると共に、サイド窓内装飾部材412の連結ベース412aの前側と扉枠右サイド装飾基板418(右サイドリフレクタ415)の後側とを被覆可能に形成されている。扉枠右サイド内パネル417は、不透光性に形成されている。
扉枠右サイド装飾基板418は、扉枠右サイド装飾体419に沿うように上下に延びた細長い帯板状に形成されており、右サイド上装飾基板418aと右サイド下装飾基板418bとで構成されている。扉枠右サイド装飾基板418は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。扉枠右サイド装飾基板418は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠右サイド装飾体419を発光装飾させることができる。
扉枠右サイド装飾体419は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠右サイド装飾体419は、前方へ膨出した半円弧が、右サイドリフレクタ415に沿うように波状に上下に延びた形態に形成されている。これにより、扉枠右サイド装飾体419は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。
扉枠右サイドユニット410は、下端が皿ユニット200における皿右上装飾ユニット275の皿右上装飾体276の右端と連続するように形成されていると共に、上端が扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453の右側下端と連続するように形成されている。
扉枠右サイドユニット410は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの右外側を装飾しており、扉枠右サイド装飾体419の部位が円柱状の蛍光灯が埋め込まれているように見える。扉枠右サイドユニット410は、上から1/4の部位が最も前方へ突出するように前端(前辺)が波状に前方へ延びており、衝立状に形成されている。扉枠右サイドユニット410は、左右方向へ貫通しているサイド窓410aを有しており、サイド窓410aを通して反対側を視認することができる。
扉枠右サイドユニット410は、サイド窓410a内に、前後に延びた円筒状(円柱状)のサイド窓内装飾部410bを備えており、サイド窓内装飾部装飾基板413のLEDを発光させることで、サイド窓内装飾部410bを発光装飾させることができる。そして、サイド窓内装飾部410bを発光装飾させることで、サイド窓410a内を眩しくすることができ、サイド窓410aを通して反対側を見え難くすることができる。
本実施形態の扉枠右サイドユニット410によれば、通常の状態では、複数のサイド窓内装飾部410bを発光装飾させるサイド窓内装飾部装飾基板413のLEDが消灯しているため、サイド窓410aにおける三つのサイド窓内装飾部410bの間を通して、本パチンコ機1の横(島設備の端)から遊技領域5a内を視認することができる。したがって、遊技をするパチンコ機として本パチンコ機1(本遊技盤5)を探している遊技者が、島設備に沿って本パチンコ機1の前方まで移動しなくても、本パチンコ機1を簡単に見つけることができ、本パチンコ機1での遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、扉枠右サイドユニット410にサイド窓410aが貫通していてもサイド窓内装飾部410bを含むその他の部位によって、近隣に位置している遊技者の視線を遮ることができるため、他の遊技者から遊技領域5aの全体を見え辛くすることができ、他の遊技者から見られているような感じを受け難くすることで他の遊技者に気兼ねすることなく遊技を行わせることができる。
更に、サイド窓内装飾部装飾基板413のLEDにより三つのサイド窓内装飾部410bを発光させると、その光によりサイド窓410a内を眩しくすることができ、サイド窓410aを通した視認性を変化させる。この際に、三つのサイド窓内装飾部410bを、円柱状としていることから、光が帯状且つ放射状に放射されることとなるため、サイド窓内装飾部410bを眩しくさせて間から反対側を視認し難くすることができ、隣等の他の遊技者から遊技領域5a内を覗かれ難くすることができる。このように、遊技領域5a内を覗かれ難くすることができることから、他の遊技者が本パチンコ機1に注目するのを回避させることができるため、注目されることで他の遊技者が気になって遊技に専念できないことから不快感を覚えたり、ミスが誘発されることで損した気分になったりするのを防止することができ、遊技者を遊技に専念させることで遊技をより楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[3−8.扉枠トップユニット]
扉枠3における扉枠トップユニット450について、主に図88〜図90等を参照して詳細に説明する。図88(a)は扉枠における扉枠トップユニットを前から見た斜視図であり、(b)は扉枠トップユニットを後ろから見た斜視図であり、(c)はトップ下カバーを外した状態で示す扉枠トップユニットの底面図である。図89は扉枠トップユニットを分解して前上から見た分解斜視図であり、図90は扉枠トップユニットを分解して前下から見た分解斜視図である。扉枠トップユニット450は、扉枠左サイドユニット400及び扉枠右サイドユニット410の上側で扉枠ベースユニット100の前面上部に取付けられるものである。
扉枠トップユニット450は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の前面における扉窓101aよりも上側に取付けられる扉枠トップベース451と、扉枠トップベース451の左右両側と前面上部を覆うように扉枠トップベース451に取付けられているトップ上カバー452と、トップ上カバー452の前端に取付けられている扉枠トップ装飾体453と、扉枠トップ装飾体453の下端と扉枠トップベース451の下端とを連結している扉枠トップ底板454と、を添えている。
また、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面中央に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ中央装飾基板455と、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面における扉枠トップ中央装飾基板455の左方に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ左装飾基板456と、扉枠トップ装飾体453の後方でトップ上カバー452の前面における扉枠トップ中央装飾基板455の右方に取付けられており前面に複数のLEDが実装されている扉枠トップ右装飾基板457と、を備えている。
また、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453と扉枠トップ中央装飾基板455との間に配置されトップ上カバー452の前面に取付けられているトップ中央リフレクタ458と、扉枠トップ装飾体453と扉枠トップ左装飾基板456との間に配置されトップ上カバー452の前面に取付けられているトップ左リフレクタ459と、扉枠トップ装飾体453と扉枠トップ右装飾基板457との間に配置されトップ上カバー452の前面に取付けられているトップ右リフレクタ460と、を備えている。
更に、扉枠トップユニット450は、扉枠トップ底板454の上面中央に取付けられている中央スピーカボックス461と、中央スピーカボックス461に下方へ向けて取付けられている一対のトップ中央スピーカ462と、扉枠トップベース451の前面左右両端付近に取付けられている一対のスピーカブラケット463と、一対のスピーカブラケット463にそれぞれ取付けられている一対のトップサイドスピーカ464と、扉枠トップ底板454を下方から覆うように扉枠トップ底板454に取付けられているトップ下カバー465と、トップ下カバー465の外周縁を下方から押圧するように扉枠トップ底板454に取付けられている下カバー枠466と、扉枠トップベース451の上部右端付近に取付けられている扉枠トップ中継基板467と、扉枠トップベース451の上方を覆うようにトップ上カバー452に取付けられている扉枠トップ天板468と、を備えている。
扉枠トップベース451は、扉枠ベースユニット100の扉枠ベース101の左右方向の幅と同じ長さで左右に延びている平板状の本体部451aと、本体部451aの前面における左右両端付近から前方へ突出している前方突出部451bと、を備えている。本体部451aは、下辺が、扉枠ベース101における扉窓101aの上縁と沿うように、左右方向の中央が上方へ位置するような湾曲状に形成されている。左右の前方突出部451bは、前端が下方へ向かうに従って後方へ移動するように傾斜しており、後方へ開放された箱状に形成されている。正面視右側の前方突出部451bは、上方にも開放されている。
トップ上カバー452は、正面視の形状が、扉枠トップベース451と略同じ形状に形成されている。トップ上カバー452は、扉枠トップベース451の左右の前方突出部451bのそれぞれの外側を覆うと共に、左右の前方突出部451bの前端上部の間を結ぶような形状に形成されている。トップ上カバー452の前端は、左右方向中央が前方へ最も突出しており、左右方向中央から左右方向両端へ向かうに従って、下方及び後方へ移動するように湾曲状に延びている。また、トップ上カバー452は、上面に後端から前方へ向かって大きく切欠かれた開口部452aを有している。この開口部452aは、扉枠トップ天板468によって閉鎖される。
扉枠トップ装飾体453は、透光性を有した乳白色に形成されている。扉枠トップ装飾体453は、前方へ膨出した半円弧が、左右両端から左右方向中央へ向かうに従って曲率が小さくなると共に、トップ上カバー452の前端に沿うように、左右方向へ延びた形態に形成されている。これにより、扉枠トップ装飾体453は、後方へ開放された半チューブ状に形成されている。扉枠トップ装飾体453は、左右方向の両端が下方へ延びるように向いており、扉枠左サイド装飾体404及び扉枠右サイド装飾体419の上端とそれぞれ連続するように形成されている。
扉枠トップ底板454は、扉枠トップ装飾体453の下端と扉枠トップベース451の本体部451aの下端同士を連結するように前後方向へ延びていると共に、左右方向中央が上方へ膨出するように左右方向へ延びている。扉枠トップ底板454は、前後方向の中央が下方へ突出するように折れ曲がった形態に形成されている。扉枠トップ底板454は、左右方向へ離間しており前端と後端とを結ぶと共に上方へ平板状に延びている一対の補強リブ454aと、一対の補強リブ454aの間において上下に貫通しておりトップ中央スピーカ462が臨む一対の中央スピーカ口454bと、一対の補強リブ454aのそれぞれの左右方向外側において上下に貫通しておりトップサイドスピーカ464が臨む一対のサイドスピーカ口454cと、を有している。扉枠トップ底板454の上面における一対の補強リブ454aの間に中央スピーカボックス461が取付けられる。
扉枠トップ中央装飾基板455は、左右に延びた細長い帯板状に形成されている。扉枠トップ中央装飾基板455は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ中央装飾基板455は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の中央部分を発光装飾させることができる。
扉枠トップ左装飾基板456は、左右に延びた細長い帯板状に形成されている。扉枠トップ左装飾基板456は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ左装飾基板456は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の左部分を発光装飾させることができる。
扉枠トップ右装飾基板457は、左右に延びた細長い帯板状に形成されている。扉枠トップ右装飾基板457は、前面に実装されている複数のLEDが、フルカラーLEDとされている。この扉枠トップ右装飾基板457は、複数のLEDを適宜発光させることで、扉枠トップ装飾体453の右部分を発光装飾させることができる。
トップ中央リフレクタ458、トップ左リフレクタ459、及びトップ右リフレクタ460は、それぞれ左右方向に延びており、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457にそれぞれ実装されているLEDと対応する位置に前後に貫通している貫通孔が形成されている。
中央スピーカボックス461は、左右に延びた箱状に形成され、一対のトップ中央スピーカ462が下前を向くように取付けられる。この中央スピーカボックス461は、扉枠トップ底板454の上面における一対の補強リブ454aの間に取付けられる。トップ中央スピーカ462は、フルレンジスピーカとされており、広い周波数帯域で音声や音楽等のサウンドを出力するものである。
スピーカブラケット463は、扉枠トップベース451における左右の前方突出部451bの下面に取付けられる。トップサイドスピーカ464は、ツイータとされており、音声や音楽等のサウンドの高音域を出力するものである。
トップ下カバー465は、無数の貫通孔を有した金属板からなるパンチングメタルによって形成されている。トップ下カバー465を通して、トップ中央スピーカ462やトップサイドスピーカ464から出力されたサウンドが、前方且つ下方へ向けて放射される。
扉枠トップ中継基板467は、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、扉枠トップ右装飾基板457、トップ中央スピーカ462、及びトップサイドスピーカ464と、扉枠ベースユニット100の扉枠副中継基板105との接続を中継するためのものである。
扉枠トップ天板468は、トップ上カバー452の開口部452aを閉鎖するものであり、前端がトップ上カバー452に係止されると共に、後端が扉枠ベースユニット100に取付けられる。
扉枠トップユニット450は、扉枠3に組立てた状態で、扉枠ベース101の扉窓101aの上外側を装飾している。扉枠トップユニット450は、扉枠トップ装飾体453の左右両端が、扉枠左サイド装飾体404及び扉枠右サイド装飾体419の上端とそれぞれ連続しており、一体的な装飾を形成している。また、扉枠トップユニット450は、一対のトップ中央スピーカ462及び一対のトップサイドスピーカ464によって、音声や音楽等のサウンドを遊技者側へ出力することができる。
[3−9.扉枠の装飾]
扉枠3における装飾について、主に図91等を参照して詳細に説明する。図91は、各装飾基板と共に示す扉枠の正面図である。扉枠3は、図示するように、正面視中央に、ガラスユニット160の透明なガラス板162によって閉鎖されている上下に延びた略四角形の扉窓101aを有している。扉枠3は、皿ユニット200の皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、演出操作ユニット300の皿中央上装飾体312a、扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイドユニット410の扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453によって、扉窓101aの外周が全周に亘って囲まれている。
扉窓101aの外周を囲っている皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、皿中央上装飾体312a、扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453は、半チューブ状に形成されているため、扉窓101aの全周が蛍光灯で囲まれているような装飾を遊技者に見せることができる。
扉枠3では、扉窓101aの外周を囲っている皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、皿中央上装飾体312a、扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453の後方に、皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314、扉枠左サイド装飾基板402、扉枠右サイド装飾基板418、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457が配置されているため、それら装飾基板のLEDを適宜発光させることで、扉窓101aの外周全体を発光装飾させたり、扉窓101aの外周に沿って光が移動するように発光演出を遊技者に見せたり、することができる。
扉枠3の皿ユニット200では、上面に、上皿201の前後方向の距離よりも直径が大きい円環状でドーナツ形状の回転操作部302と、回転操作部302の環内に同軸状に配置された円筒状の外周押圧操作部303bと円柱状の中央押圧操作部303aとからなる押圧操作部303とが取付けられていると共に、回転操作部302の下方に回転操作部302と同じような半円弧のドーナツ形状(半円筒状、若しくは、半チューブ状)で直径の大きな二つの皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bが上下に二つ離間して取付けられていると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの両端と連続するように同じような形状の扉枠左サイドユニット400の扉枠左サイド装飾体404、扉枠右サイドユニット410の扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップユニット450の扉枠トップ装飾体453が遊技領域5aの外周を囲むように扉枠ベース101の扉窓101aの外側に取付けられている。
これにより、皿ユニット200において、回転操作部302と二つの皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bとで三つのドーナツ形状の部材が上下に並んでいると共に、回転操作部302、外周押圧操作部303b、及び中央押圧操作部303aが同心円状に並んでいるため、見た目のインパクトを高めることができ、回転操作部302や押圧操作部303を目立たせることができる。
また、皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、及び皿中央上装飾体312aの下方に配置されている皿左下装飾体281、皿右下装飾体286及び皿中央下装飾体312bを、半チューブ状のチューブの太さを若干細くしていると共に、皿中央下装飾体312bの下方に半球面状のユニット下カバー311を備えている。これにより、演出操作ユニット300では下端から上方へ向かうほど大きくなっているため、上下方向に対する遠近感を強調することが可能となり、上側に配置されている遊技者が操作可能な回転操作部302や押圧操作部303を大きく見せることができ、遊技者の関心を皿ユニット200の上面の演出操作ユニット300における回転操作部302や押圧操作部303へ強く引付けさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、皿ユニット200の上面に、ドーナツ形状の回転操作部302を上方へ向かうに従って前方へ位置するように延びている軸周りに回転可能に取付けており、回転操作部302の上面が、前端側が低くなるように傾斜した状態となるため、回転操作部302や押圧操作部303の上面が本パチンコ機1の前方に着座した遊技者の頭(顔)の方向を向くこととなり、遊技者から回転操作部302や押圧操作部303の全容を見え易くすることができ、回転操作部302や押圧操作部303を大きく見せることができる。また、上述したように、回転操作部302や押圧操作部303の全容が判り易くなるため、遊技者に対して回転操作部302がドーナツ形状であることを認識させ易くすることができる。したがって、遊技者に対して、ドーナツ形状の回転操作部302が回転操作するものであることを即座に認識させることができるため、遊技者参加型演出が実行された時に、即座に遊技者が回転操作部302を回転操作することができ、回転操作部302の操作により遊技者参加型演出を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、回転操作部302の直径を上皿201の前後方向の距離よりも大きくしていると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの直径を回転操作部302よりも大きくしており、パチンコ機1の皿ユニット200において、回転操作部302や皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bの前端側が上皿201よりも前方へ大きく突出した状態となると共に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bが回転操作部302の外周を装飾している状態となるため、回転操作部302や皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bを大きく目立たせることができると同時に、皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312bによって回転操作部302周りの見栄えを良くすることができる。したがって、遊技者に対して、一見して他のパチンコ機とは異なるパチンコ機1であることを認識させることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、遊技者に対する訴求力を高めることができ、遊技するパチンコ機として本パチンコ機1を選択させ易くすることができる。
[4.本体枠の全体構成]
パチンコ機1における本体枠4の全体構成について、主に図92〜図98を参照して詳細に説明する。図92はパチンコ機における本体枠の正面図であり、図93はパチンコ機における本体枠の背面図である。図94は本体枠を右前から見た斜視図であり、図95は本体枠を左前から見た斜視図であり、図96は本体枠を後ろから見た斜視図である。図97は本体枠を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図98は本体枠を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。
本体枠4は、遊技球Bを打込むことで遊技が行われる遊技領域5aを有した遊技盤5を保持すると共に、遊技球Bを遊技者側へ払出したり、遊技に使用された遊技球Bをパチンコ機1の後方(遊技ホールの島設備側)へ排出したり、するためのものである。本体枠4は、図示するように、前方が開放された箱状に形成されており、内部に前方から遊技盤5が着脱可能に収容される。本体枠4は、正面左辺側前端の上下において、遊技ホールの島設備に取付けられる枠状の外枠2に開閉可能に取付けられると共に、開放された前面側が閉鎖されるように扉枠3が開閉可能に取付けられる。
本体枠4は、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベースユニット500と、本体枠ベースユニット500の正面視左側の上端に取付けられ外枠2の外枠上ヒンジ組立体50に回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120が回転可能に取付けられる本体枠上ヒンジ部材510と、本体枠ベースユニット500の正面視左側の下端に取付けられ外枠2の外枠下ヒンジ部材60に回転可能に取付けられると共に扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125が回転可能に取付けられる本体枠下ヒンジ組立体520と、を備えている。
また、本体枠4は、本体枠ベースユニット500の正面視左側面に取付けられる金属製の本体枠補強フレーム530と、本体枠ベースユニット500の前面下部に取付けられており遊技盤5の遊技領域5a内に遊技球Bを打込むための球発射装置540と、本体枠ベースユニット500の後側における正面視上辺及び左辺に沿って取付けられている逆L字状の払出ベースユニット550と、払出ベースユニット550の後側に取付けられており遊技者側へ遊技球Bを払出すための払出ユニット560と、本体枠ベースユニット500の後面下部に取付けられている基板ユニット620と、本体枠ベースユニット500の後側に開閉可能に取付けられ本体枠ベース501に取付けられた遊技盤5の後側を覆う裏カバー640と、本体枠ベースユニット500の正面視右側面に取付けられており外枠2と本体枠4、及び扉枠3と本体枠4の間を施錠する施錠ユニット650と、を備えている。
本体枠ベースユニット500は、正面視の形状が上下に延びた長方形の枠状に形成されている本体枠ベース501と、扉枠3側と接続するための接続ケーブル503を案内する接続ケーブル案内部材502と、遊技盤5を着脱可能に保持するための遊技盤ロック部材505と、を備えている。
払出ベースユニット550は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の後側に取付けられる払出ベース551と、払出ベース551に取付けられており左右に延びた箱状で上方へ開放されている球タンク552と、球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びている1条の誘導通路を有するタンクレール553と、タンクレール553の上端に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下流側端に取付けられている球止部材557と、を備えている。
払出ユニット560は、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する1条の誘導通路を有する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570の1条の誘導通路により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。
基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501に取付けられるスピーカユニット620aと、本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット620bと、ベースユニット620bの後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの後側に取付けられている払出制御ユニット620dと、スピーカユニット620aの後面に取付けられているインターフェイスユニット620eと、を備えている。
施錠ユニット650は、本体枠ベース501に取付けられるユニットベース651と、ユニットベース651から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤652と、ユニットベース651から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤653と、扉枠用鉤652又は外枠用鉤653を上下方向へ移動させる伝達シリンダ654と、扉枠用鉤652を下方へ付勢していると共に外枠用鉤653を上方へ付勢している錠バネ655と、外枠用鉤653を下方へ移動させる外枠用開錠レバー656と、を備えている。
[4−1.本体枠ベースユニット]
本体枠4における本体枠ベースユニット500について、主に図92〜図100等を参照して詳細に説明する。図99(a)は本体枠における正面左下隅を示す拡大斜視図であり、(b)は本体枠に対して扉枠を開いた時の本体枠の正面左下隅を示す拡大斜視図である。図100は、本体枠に対する扉枠の開閉時における本体枠の接続ケーブル案内部材の動作を示す説明図である。本体枠ベースユニット500は、前方から後部が外枠2の枠内に挿入されると共に、前方から挿入された遊技盤5の外周を保持するものである。
本体枠ベースユニット500は、正面視の形状が上下に延びた長方形の枠状に形成されている本体枠ベース501と、本体枠ベース501の前面における左下隅に取付けられており接続ケーブル503を案内する接続ケーブル案内部材502と、本体枠ベース501の前面下部に前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられており遊技盤5を着脱可能に保持するための遊技盤ロック部材505と、を備えている。
本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501は、正面視の形状が上下に延びた長方形に形成されているベース本体501aと、ベース本体501aの上端よりやや下側の位置から全高の約3/4の高さの範囲で前後に貫通しており遊技盤5が前側から挿入される遊技盤挿入口501bと、遊技盤挿入口501bの下辺を形成しており遊技盤5が載置される遊技盤載置部501cと、遊技盤載置部501cの左右方向中央から上方へ突出しており遊技盤5の下端の左右及び後方への移動を規制する遊技盤規制部501dと、を備えている。
また、本体枠ベース501は、ベース本体501aの前面における遊技盤載置部501cの正面視右下側で後方へ窪んでおり球発射装置540を取付けるための発射装置取付部501eと、発射装置取付部501eの正面視右側で前後に貫通しており施錠ユニット650の伝達シリンダ654が挿通されるシリンダ挿通口501fと、遊技盤載置部501cの正面視左下側で前後に貫通しており基板ユニット620におけるスピーカユニット620aの本体枠スピーカ622を前方へ臨ませる円形状のスピーカ用開口部501gと、本体枠ベース501は、スピーカ用開口部501gの下方で後方へ窪んでいると共に左右に延びており接続ケーブル案内部材502が取付けられるケーブル取付凹部501hと、ケーブル取付凹部501hの正面視右端上部において前後に貫通しているケーブル挿通口501iと、を備えている。
更に、本体枠ベース501は、ベース本体501aにおける遊技盤挿入口501bの正面視右辺から後方へ板状に延出しており、右側面に施錠ユニット650が取付けられると共に、後端に裏カバー640が回動可能に取付けられる後方延出部501jと、ベース本体501aの後面における正面視左端の上下両端部付近に形成されており、本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520を取付けるための上ヒンジ取付部501k及び下ヒンジ取付部501lと、を備えている。
本体枠ベース501には、前面における遊技盤載置部501cの下方でスピーカ用開口部501gの右方の位置に、遊技盤ロック部材505が前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。遊技盤ロック部材505は、遊技盤挿入口501bに挿通された遊技盤5の前方への移動を規制可能とすることで、遊技盤挿入口501bに挿入された遊技盤5を着脱可能としている。
本体枠ベース501のケーブル取付凹部501hは、下ヒンジ取付部501lの右端側からスピーカ用開口部501gよりも右方で遊技盤ロック部材505が取付けられ部位の下方の位置まで左右方向に延びている。ケーブル取付凹部501hは、接続ケーブル案内部材502を収容可能な大きさに形成されており、接続ケーブル案内部材502の右端側を上下に延びた軸周りに回転可能に取付けることができる。
本体枠ベースユニット500の接続ケーブル案内部材502は、左右に延びた平板状の案内本体502aと、案内本体502aの上下両辺においてそれぞれ前方へ突出していると共に案内本体502aの右端よりも右方へ延出している帯板状の一対の枠片502bと、一対の枠片502bの右端同士を連結している円柱状の取付軸502cと、案内本体502aの上下両端において前後に貫通していると共に左右方向へ列設されている複数の貫通孔502dと、を備えている。
接続ケーブル案内部材502は、左右方向の長さが、本体枠ベース501のケーブル取付凹部501hの左右方向の長さよりも若干短い長さとされており、ケーブル取付凹部501h内に収容可能な大きさに形成されている。接続ケーブル案内部材502は、取付軸502cが、ケーブル取付凹部501h内における右端付近において上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。これにより、接続ケーブル案内部材502は、左端側が前方へ突出するように回動(ヒンジ回転)することができる。
この接続ケーブル案内部材502は、接続ケーブル503を案内するためのものである。接続ケーブル503は、複数の配線コードからなり、一方の端部が基板ユニット620のインターフェイス基板635に接続されると共に、反対側の端部が扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105に接続される。
続いて、接続ケーブル案内部材502による作用効果について説明する。接続ケーブル案内部材502は、図100等に示すように、本体枠ベース501に対して、左右方向における扉枠3をヒンジ回転可能に取付ける側(左側)とは反対側の端部(右側端部)が、扉枠3のヒンジ軸と平行に延びた軸周りに回転可能に取付けられる。
そして、本体枠4のインターフェイス基板635と扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105とを接続する接続ケーブル503は、インターフェイス基板635に接続されている側が、接続ケーブル案内部材502の案内本体502aの右方から左方へ延びるように案内本体502aの前面に当接させた状態で、案内本体502aの上下両端側に形成されている複数の貫通孔502dのうち左右方向が同じ位置の一組の貫通孔502dに挿通した結束バンド504により、案内本体502aと一緒に締付けられることで、案内本体502aに取付けられる。
本体枠4の接続ケーブル案内部材502は、パチンコ機1に組立て扉枠3を本体枠4に対して閉じた状態で、扉枠3の扉枠主中継基板104及び扉枠副中継基板105の後方に位置している(図100(a)を参照)。この状態では、接続ケーブル503が、接続ケーブル案内部材502から左方へ延び出した後、下ヒンジ取付部501lの前方で曲げ返されて扉枠3のケーブルホルダ103aを通って扉枠中継基板カバー107内へ延出している。扉枠3のケーブルホルダ103aは、接続ケーブル案内部材502の左端よりも左方に配置されている。
この状態で、扉枠3を本体枠4に対して開くようにヒンジ回転させると、接続ケーブル案内部材502の左端側が、接続ケーブル503における扉枠3に取付けられている側によって前方へ引っ張られ、接続ケーブル案内部材502が右端の取付軸502cを中心にして回動することとなる。この際に、本実施形態では、扉枠3の開角度αと、接続ケーブル案内部材502の開角度βとの関係が、 α/2≧β (望ましくは、α/3≧β) を満たすように形成されている(図100(b)を参照)。
接続ケーブル案内部材502の開角度βは、扉枠3が閉じている状態(扉枠3の開角度αが0度の状態)では、0度となっている。接続ケーブル案内部材502の開角度βは、扉枠3を開いて開角度αが大きくなるに従って、大きくなるが、開角度αがある程度(例えば、約90度)よりも大きくなると、増加が停止するように推移する。本実施形態では、開角度βの最大角度が、45度未満とされている。
このように、扉枠3を開けた時に、接続ケーブル案内部材502の左端側が、本体枠ベース501よりも前方へ移動するように接続ケーブル案内部材502が回動するため、接続ケーブル案内部材502に接続ケーブル503が案内されることで、扉枠3と本体枠4との間で接続ケーブル503が垂れ下がってしまうのを防止することができる。
開いた扉枠3を閉める時には、接続ケーブル503における扉枠3に取付けられている部位が相対的に後方へ移動することとなるため、接続ケーブル503によって接続ケーブル案内部材502の左端側が後方へ押圧され、接続ケーブル案内部材502が取付軸502cを中心にして左端側が後方へ移動するように回動することとなる。この際に、接続ケーブル案内部材502が、45度未満の開角度βで開いているため、接続ケーブル案内部材502が扉枠3の閉じる方向への移動を阻害することはなく、扉枠3をスムーズに閉めることができる。また、接続ケーブル503が接続ケーブル案内部材502に案内されているため、扉枠3を閉める際に、接続ケーブル503が扉枠3と本体枠4との間に挟まれることはなく、接続ケーブル503に不具合が生じるのを防止することができる。
また、本体枠4に対して扉枠3を閉じた時に、接続ケーブル案内部材502に案内されている接続ケーブル503を、180度折返していることから、接続ケーブル503の折返している部位に、折り癖を付けることができる。これにより、扉枠3を開くことで、接続ケーブル503の180度折返されている部位が開くように変化した時に、折り癖により接続ケーブル503に対して閉じようとする力が作用することとなるため、扉枠3を閉じる際に、その折り癖により接続ケーブル503(接続ケーブル案内部材502)が開く方向へ移動するのを阻止することができると共に、接続ケーブル503(接続ケーブル案内部材502)を閉じる方向へ誘導させることができ、扉枠3を円滑に閉じさせることができる。
更に、扉枠3側において、折返されている接続ケーブル503を接続ケーブル案内部材502の先端よりも扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)に近い位置でケーブルホルダ103aによって保持していることから、本体枠4に対して扉枠3を閉じる際に、ケーブルホルダ103aによって保持されている接続ケーブル503により、接続ケーブル案内部材502の先端側を扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)側へ引寄せることができる。
また、本実施形態では、接続ケーブル案内部材502の回転中心を通り、扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)を中心として、スピーカダクト103におけるケーブルホルダ103aよりも扉枠上ヒンジピン122及び扉枠下ヒンジピン126の中心軸(軸芯)側で後方へ突出している部位(押圧部)を通る円に接する接線と、本体枠4の前面と交差する角度が、45度以下となるように構成している。これにより、これにより、本体枠4に対して扉枠3を閉じる時に、押圧部が接続ケーブル503に当接することにより、接続ケーブル503を介して開いている接続ケーブル案内部材502の先端側を閉じる方向へ押圧することができるため、扉枠3の閉方向への移動に伴って接続ケーブル案内部材502をスムーズに閉じさせることができ、扉枠3を確実に閉じることができる。また、扉枠3の開閉に伴って回転(開閉)する接続ケーブル案内部材502の最大開角度βを、45度以下とすることができるため、扉枠3を閉じる際に、接続ケーブル案内部材502を閉じる方向へ確実に回転させることができ、上述と同様の作用効果を奏することができる。
[4−2.本体枠上ヒンジ部材]
本体枠4における本体枠上ヒンジ部材510について、主に図97及び図98等を参照して詳細に説明する。本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における上ヒンジ取付部501kに取付けられ、外枠2の外枠上ヒンジ組立体50に回転可能に取付けられると共に、扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120を回転可能に取付けるものである。
本体枠上ヒンジ部材510は、水平に延びた平板状の板材の後部が下方へL字状に折り曲げられている上ヒンジ本体511と、上ヒンジ本体511の前端から上方へ円柱状に突出しており外枠上ヒンジ組立体50に軸支される本体枠上ヒンジピン512と、を備えている。上ヒンジ本体511は、水平に延びた部位における本体枠上ヒンジピン512の正面視左側で上下方向に貫通しており扉枠上ヒンジ組立体120を軸支するための扉枠用上ヒンジ孔511aを備えている。
本体枠上ヒンジ部材510は、上ヒンジ本体511における下方へ折り曲げられて上下に延びている部位が、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における上ヒンジ取付部501kに取付けられる。本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠上ヒンジピン512が、外枠上ヒンジ組立体50における外枠上ヒンジ部材51の軸受溝51c内に挿入されて軸支される。上ヒンジ本体511の扉枠用上ヒンジ孔511aには、扉枠3の扉枠上ヒンジ組立体120における扉枠上ヒンジピン122が下方から回転可能に挿入される。
この本体枠上ヒンジ部材510は、本体枠下ヒンジ組立体520と協働して、本体枠4を外枠2に対してヒンジ回転可能に取付けることができると共に、本体枠4に対して扉枠3をヒンジ回転可能に取付けることができる。
[4−3.本体枠下ヒンジ組立体]
本体枠4における本体枠下ヒンジ組立体520について、主に図97及び図98等を参照して詳細に説明する。本体枠下ヒンジ組立体520は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における下ヒンジ取付部501lに取付けられ、外枠2の外枠下ヒンジ部材60に回転可能に取付けられると共に、扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125が回転可能に取付けられる。
本体枠下ヒンジ組立体520は、水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第一本体521と、下ヒンジ第一本体521の上側に配置されており水平に延びた平板状の板材の後部が上方へL字状に折り曲げられている下ヒンジ第二本体522と、を備えている。本体枠下ヒンジ組立体520は、下ヒンジ第一本体521の水平に延びている部位から上方へ間隔をあけて下ヒンジ第二本体522の水平に延びている部位が配置されていると共に、下ヒンジ第一本体521の垂直に延びている部位の前面に、下ヒンジ第二本体522の垂直に延びている部位が当接している。
下ヒンジ第一本体521は、水平に延びている部位の前端付近で上下に貫通しており外枠2の外枠下ヒンジ部材60における外枠下ヒンジピン60cが下方から挿入される外枠用下ヒンジ孔521aを有している。外枠用下ヒンジ孔521aは、本体枠上ヒンジ部材510の本体枠上ヒンジピン512と同軸上に形成されている。
下ヒンジ第二本体522は、水平に延びている部位の前端付近で上下に貫通しており扉枠3の扉枠下ヒンジ部材125の扉枠下ヒンジピン126が上方から挿入される扉枠用下ヒンジ孔522aと、水平に延びている部位の左辺における扉枠用下ヒンジ孔522aよりも後側の位置から上方へ延出しており扉枠3の回動範囲を規制するための規制片522bと、を備えている。扉枠用下ヒンジ孔522aは、本体枠上ヒンジ部材510の上ヒンジ本体511における扉枠用上ヒンジ孔511aと同軸上に形成されている。
本体枠下ヒンジ組立体520は、下ヒンジ第一本体521と下ヒンジ第二本体522とにおける垂直に延びている部位が、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501における下ヒンジ取付部501lに取付けられる。本体枠下ヒンジ組立体520は、本体枠上ヒンジ部材510と協働して、本体枠4を外枠2に対してヒンジ回転可能に取付けることができると共に、本体枠4に対して扉枠3をヒンジ回転可能に取付けることができる。
[4−4.本体枠補強フレーム]
本体枠4における本体枠補強フレーム530について、主に図97及び図98等を参照して詳細に説明する。本体枠補強フレーム530は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の左側面に取付けられる。本体枠補強フレーム530は、平面視の断面形状が、右側が開放されたコ字状に形成されており、一定の断面形状で上下に延びている。本実施形態では、本体枠補強フレーム530が、金属の押出型材によって形成されている。
本体枠補強フレーム530には、前端から右方へ延びている部位の後側に、本体枠ベース501の遊技盤挿入口501bに挿入された遊技盤5が前方及び上下に移動するのを規制する左位置規制部材531が、上下に離間して二つ取付けられている。
本体枠補強フレーム530は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の左側(ヒンジ側)を補強していると共に、外枠2と本体枠4の間を通した左側からの本体枠4内(遊技盤5)への不正な工具の差し込みを防止している。
[4−5.球発射装置]
本体枠4における球発射装置540について、主に図101等を参照して詳細に説明する。図101(a)は本体枠における球発射装置を前から見た斜視図であり、(b)は球発射装置を後ろから見た斜視図である。球発射装置540は、本体枠ベースユニット500の前面下部に取付けられており、扉枠3における皿ユニット200の上皿201に貯留されている遊技球Bを、本体枠4に取付けられた遊技盤5の遊技領域5a内に打込むためのものである。球発射装置540は、扉枠3の前面右下隅のハンドルユニット180のハンドル182の回動角度に応じた強さで遊技球Bを打込むことができる。
球発射装置540は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の発射装置取付部501eに取付けられる平板状の発射ベース541と、発射ベース541の正面視右部の後面に取付けられており回動軸が発射ベース541を貫通して前方へ延出しているロータリーソレノイドからなる発射ソレノイド542と、発射ソレノイド542の回転軸に基端が取付けられている打球槌543と、打球槌543の先端付近から左斜め上方へ延出するように発射ベース541の前面に取付けられており遊技球Bが転動可能な発射レール544と、を備えている。
球発射装置540は、扉枠3の球送給ユニット140から遊技球Bが発射レール544の上面右端に供給されるようになっており、発射レール544の上面右端に遊技球Bが供給されている状態で、ハンドル182を回動操作すると、その回動操作角度に応じた強さで発射ソレノイド542が駆動して、打球槌543により遊技球Bを打球する。そして、打球槌543により打たれた遊技球Bは、発射レール544を通って遊技盤5の外レール1001及び内レール1002に案内されて遊技領域5a内に打込まれる。
なお、遊技球Bの打込強さ等の関係で、打球した遊技球Bが遊技領域5a内に到達しなかった場合は、発射レール544と遊技盤5(外レール1001及び内レール1002)との間から、下方のファールカバーユニット150のファール球受口150cへ落下し、ファールカバーユニット150内を通って下皿202に排出される。
[4−6.払出ベースユニット]
本体枠4における払出ベースユニット550について、主に図102等を参照して詳細に説明する。図102(a)は本体枠の払出ベースユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ベースユニットを後ろから見た斜視図である。払出ベースユニット550は、逆L字状に形成されており、本体枠ベースユニット500の後側に取付けられる。
払出ベースユニット550は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後側に取付けられる払出ベース551を備えている。払出ベース551は、透明な合成樹脂によって成型され、前後方向が略一定の幅で左右に延びている天板部551aと、天板部551aの正面視左辺から前後方向の幅が天板部と略同じ幅で下方へ長く延びている左側板部551bと、天板部551aの正面視右辺から前後方向の幅が天板部551aと略同じ幅で下方へ短く延びている右側板部551cと、天板部551aの後辺から右側板部551cの下辺と同じ位置まで下方へ延びている背板上部551dと、左側板部551bの後辺よりも前方寄りの位置から右方へ略一定の幅で下端付近まで延びている背板左部551eと、背板左部551eの右辺から後方へ左側板部551bの後辺と同じ位置まで延びている内側板部551fと、左側板部551bの下辺の前部から右方へ背板左部551eの右辺と略同じ位置まで延びている底板部551gと、底板部551gの右辺と内側板部551fの下辺とを連結している連結板部551hと、を備えている。払出ベース551は、正面視において逆L字状に形成されており、前方とL字の内方へ開放された箱状に形成されている。なお、背板上部551dの後面には、その下辺から所定長さ離間した部位に後方へ向かって突出する庇部551daが左右方向に形成されている。
払出ベース551は、天板部551aが本体枠ベース501の遊技盤挿入口501bの左右方向の幅と略同じ長さで左右に延びていると共に、左側板部551bが遊技盤挿入口501bの上下方向の高さと略同じ長さで上下に延びている。払出ベース551は、天板部551a、左側板部551b、及び右側板部551cの前端が本体枠ベース501の後側に取付けられる。
また、払出ベース551は、左側板部551b、背板左部551e、及び内側板部551fによって、後方へ開放されており上下に延びている浅い凹部状の部位を備えており、その部位に払出ユニット560が取付けられる。また、払出ベース551は、内側板部551fの正面視右側面の上部において右方へ突出しており、裏カバー640が取付けられる裏カバー取付部551iを有している。
払出ベースユニット550は、払出ベース551の天板部551aの上面に取付けられており左右に延びた箱状で上方へ開放されている球タンク552と、払出ベース551の左右に延びている部位の上側における球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、を備えている。
また、払出ベースユニット550は、タンクレール553の上端における左右方向の途中に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられておりタンクレール553の左端まで延びている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下端における正面視左端付近に取付けられている球止部材557と、を備えている。
球タンク552は、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製であり、不透明な黒色に成型され、左右方向が払出ベース551の天板部551aの左右方向の幅の約半分の長さに形成されていると共に、前後方向が天板部551aの前後方向の奥行よりも短い長さに形成されている。球タンク552は、天板部551aの上面において、左右方向の右寄りの位置に取付けられている。球タンク552の底面は、左端側が低くなるように傾斜している。球タンク552は、左端側がタンクレール553と連通している。
タンクレール553は、非導電性の透明な合成樹脂によって成型され、払出ベース551の天板部551aの上面における左右方向中央より左側の後端付近に取付けられている。タンクレール553は、平面視の形状が、球タンク552と連通している右端から左方且つ後方へ斜めで前後方向の奥行が遊技球Bの外径の数倍の奥行から略一つ分の奥行になるように延びた後に、前後方向の奥行が遊技球Bの外径よりも若干大きい奥行で左方へ真直ぐに延びた形状に形成されている。タンクレール553は、左端側が低くなるように底面が傾斜しており、底面の左端が遊技球Bの外径よりも若干大きい大きさで下方へ向かって開口することにより1条の誘導通路が形成されている。タンクレール553の底面の左端の開口が、払出ユニット560の球誘導ユニット570における1条の誘導通路570aの上端開口と連通している。
また、タンクレール553は、左方へ真直ぐに延びている部位の上端が、左端側の高さが遊技球Bの外径よりも若干大きい高さとなるように、底面よりも水平に対して急な角度で左端側が低くなるように傾斜している。タンクレール553は、左方へ真直ぐに延びている部位の後端が、天板部551aの後辺と略一致するように天板部551aの上面に取付けられる。タンクレール553が天板部551aに取付けられると、タンクレール553の下方に天板部551aが配置されると共に、タンクレール553の後面と背板上部551dの後面とが略同一面上に配置されるようになっている。なお、タンクレール553が配置される天板部551aの前後方向の断面形状は、天板部551aの前辺から後辺へ向かう(天板部551aの前方から後方へ向かう)に従って下方へ複数屈曲した階段状に形成されている。また、タンクレール553は、左方へ真直ぐ延びている部位の上端に、第一レールカバー554、第二レールカバー555、球整流部材556、及び球止部材557が取付けられる。
第一レールカバー554及び第二レールカバー555は、ポリアミド(ナイロン)の樹脂製であり、不透明な白色に成型されており、タンクレール553における左方へ真直ぐに延びている部位の上端に取付けられる。第一レールカバー554及び第二レールカバー555は、タンクレール553の上端の前後方向の奥行が、タンクレール553内の遊技球Bの圧力によって、広がったり、狭くなったりするのを防止するためのものである。
球整流部材556は、ポリアミド(ナイロン)の樹脂製であり、不透明な白色に成型されており、タンクレール553の上端における第一レールカバー554と第二レールカバー555との間に部位において、第一レールカバー554側の端部が前後方向に延びた軸周りに対して回転可能に取付けられている。球整流部材556は、タンクレール553内へ突出し左右方向に延びている整流片556aを備えている(図110を参照)。この整流片556aによって上下二段になって流通している遊技球Bの上段側の遊技球Bの流れを遅らせて、下流側では一段となって流れるように整流することで、タンクレール553内の高さが低くなっても球詰りしないようにしている。
球止部材557は、ポリアミド(ナイロン)の樹脂製であり、不透明な赤色に成型されており、タンクレール553の下面における正面視左端付近において、左右方向へスライド可能に取付けられており、左方へスライドさせることで、タンクレール553の底面左端の開口を閉鎖して、タンクレール553から下流の払出ユニット側へ遊技球Bが流通しないようにすることができる。
タンクレール553が配置される天板部551aの前後方向の断面形状は、上述したように、天板部551aの前辺から後辺へ向かう(天板部551aの前方から後方へ向かう)に従って下方へ複数屈曲した階段状に形成されている。この複数屈曲した階段状に形成される部分のうち、一部の領域が、外部端子板558と枠アース基板559とを取付ける基板収容部551aaとして形成されている。外部端子板558の上側は、透明な合成樹脂によって成型される端子カバー551kにより覆われている。外部端子板558は、その実装面と複数の電線接続端子558a(複数の外部端子(本実施形態では、払出ベースユニット550を後ろから見て左側から右側へ向かって一列に配置される外部端子XCN1〜XCN10という10個の外部端子を備えている。))とが露出するように、払出ベース551を正面から見て、その実装面を払出ベース551の後方へ向けて垂直となるように基板収容部551aaに取付けられている。これに対して、枠アース基板559は、複数のアース端子(本実施形態では、アース端子ECN1〜ECN5という5個のアース端子を備えている。)が実装される実装面を下方へ向けて水平となるように、払出ベース551を正面から見て、外部端子板558の前方に配置して基板収容部551aaに取付けられて端子カバー551kにより覆われている。このため、枠アース基板559は、基板収容部551aaと端子カバー551kとにより形成される空間に収容された状態となっている。端子カバー551kが透明な合成樹脂によって成型されているため、基板収容部551aaと端子カバー551kとにより形成される空間に収容される枠アース基板559を端子カバー551kの外部から視認することができるようになっている。
なお、アース端子ECN1〜ECN5のうち、アース端子ECN2〜ECN4の高さは、13.4mm(アース端子ECN2〜ECN4に対応するハウジングが挿入されると、実装高さが18.6mmとなる。)であるのに対して、アース端子ECN1,ECN5の高さは、7mm(アース端子ECN1,ECN5に対応するハウジングが挿入されると、実装高さが9.8mmとなる。)である。基板収容部551aaの内部に枠アース基板559が収容されて取付けられると共に、基板収容部551aaの後面に外部端子板558が取付けられる状態においては、パチンコ機1を背面から見ると、枠アース基板559が外部端子板558の存在により隠れて視認困難となるものの、枠アース基板559のアース端子ECN1〜ECN5のうち、アース端子ECN2,ECN4のみ、外部端子板558の下辺より飛び出した状態となり、パチンコ機1の背面から視認することができるようになっている(例えば、図93を参照)。アース端子ECN3は、その高さが上述したように13.4mmであり高いものの、パチンコ機1を背面から見ると、球整流部材556の存在により隠れて視認し難くなっている。アース端子ECN1,ECN5は、その高さが上述したように7mmであり低く、外部端子板558の下辺より飛び出すことができず、パチンコ機1を背面から見ると、外部端子板558の存在により隠れて視認困難となっている。枠アース基板559についての詳細な説明を後述する。
外部端子板558は、パチンコ機1とパチンコ機1が設置される遊技ホールの島設備との間で電気的な接続を行うためのものである。枠アース基板559は、各所で生じた電磁波ノイズを一旦集約して遊技ホールの島設備に接地(アース)するためのものである。
[4−7.払出ユニットの全体構成]
本体枠4における払出ユニット560の全体構成について、主に図103及び図104等を参照して詳細に説明する。図103(a)は本体枠における払出ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は払出ユニットを後ろから見た斜視図である。図104(a)は払出ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、(b)は払出ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。払出ユニット560は、払出ベースユニット550の払出ベース551の背板左部551eの後面に取付けられるものである。
払出ユニット560は、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570の下側に配置されており球誘導ユニット570により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。
球誘導ユニット570は、タンクレール553の1条の誘導通路により一列に整列された遊技球Bを、払出装置580へ供給する。払出装置580は、球誘導ユニット570の1条の誘導通路570aから供給された遊技球Bが流通可能な1条の払出通路580aと、払出通路580aの途中から分岐している1条の球抜通路580bとを有しており、通常の状態では、払出制御基板633からの指示に基づいて払出通路580aから上部満タン球経路ユニット600側へ遊技球Bを放出し、球抜レバー593が操作される球抜通路580bから上部満タン球経路ユニット600側へ遊技球Bを放出するものである。
上部満タン球経路ユニット600は、払出装置580の払出通路580aから放出された遊技球Bと、球抜通路580bから放出された遊技球Bとを、分けて下方へ誘導するものである。下部満タン球経路ユニット610は、上部満タン球経路ユニット600を介して、払出装置580の払出通路580aから放出された遊技球Bを扉枠3側へ誘導し、球抜通路580bから放出された遊技球Bを基板ユニット620側へ誘導するものである。
[4−7−1.球誘導ユニット]
払出ユニット560における球誘導ユニット570について、主に図103及び図104等を参照して詳細に説明する。球誘導ユニット570は、払出ベースユニット550における払出ベース551の背板左部551eの後面上部に後方から取付けられ、タンクレール553からの遊技球Bを受取って払出装置580側へ遊技球Bを誘導するためのものである。
球誘導ユニット570は、遊技球Bが流通可能な蛇行状に延びた誘導通路570aを有しており前方へ開放されている箱状の誘導ユニットベース571と、誘導ユニットベース571の前側を閉鎖している平板状の誘導通路前蓋572と、誘導通路570a内を流通する遊技球Bにより可動する可動片部材573と、可動片部材573の可動を検知することで誘導通路570a内の遊技球Bの有無を検知する球切検知センサ574と、を備えている(図110を参照)。
球誘導ユニット570は、誘導ユニットベース571及び誘導通路前蓋572の正面視の形状が、上下に延びた四角形に形成されている。誘導通路570aは、誘導ユニットベース571の上面の左端付近において上方へ開口しており、上端から誘導ユニットベース571の高さ方向中央付近まで垂直に下方へ延びた後に、右方へ屈曲し、誘導ユニットベース571の左右方向の幅の間で折返しを繰返しながら蛇行状に下方へ延びて、誘導ユニットベース571の下面の左端付近において下方へ開口している。
誘導通路570aは、遊技球Bが流通する流通方向に対して、前後右方の奥行と、左右方向の幅とが、遊技球Bの外径よりも若干大きく形成されており、遊技球Bを一列で誘導することができる。
球誘導ユニット570は、上部付近において、可動片部材573が誘導通路570a内へ進退可能に取付けられている。詳しくは、可動片部材573は、上部が誘導通路570aの正面視右外側の部位で前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられており、自重により下端の一部が誘導通路570a内へ突出するように形成されている。この可動片部材573は、誘導通路570a内へ突出している部位に遊技球Bが当接することで、突出している部位が遊技球Bに押されて誘導通路570a内から後退して突出していない状態となる。
球切検知センサ574は、可動片部材573の一部が誘導通路570a内へ突出している時には、可動片部材573を検知せず、可動片部材573の一部が誘導通路570a内から後退して突出していない時には、可動片部材573を検知する。したがって、球切検知センサ574は、誘導通路570a内に遊技球Bが存在している時には検知の状態となり、誘導通路570a内に遊技球Bが存在していない時には非検知の状態となる。
球誘導ユニット570は、本体枠4に組立てた状態で、誘導通路570aの上流端が、タンクレール553の下流端と連通していると共に、誘導通路570aの下流端が、払出装置580の払出通路580aの上流端と連通している。球誘導ユニット570は、遊技球Bを誘導する誘導通路570aが蛇行状に延びていることから、球誘導ユニット570の全高によりも誘導通路570aが長く延びており、誘導通路570a内に多くの遊技球Bを貯留することができる。また、球誘導ユニット570は、球切検知センサ574によって誘導通路570a内の遊技球Bの有無を検知することができるため、誘導通路570aを介して球タンク552内の遊技球Bの有無を検知することができる。
[4−7−2.払出装置]
払出ユニット560における払出装置580について、主に図105〜図108等を参照して詳細に説明する。図105は、払出ユニットの払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図である。図106(a)は球抜可動片が開状態の時に払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図であり、(b)は(a)におけるA−A線で切断した断面図である。図107は払出羽根の回転位置を説明するための払出装置の背面図である。図108は球詰まり及び球抜け防止を説明するための払出装置の背面図である。なお、図107は、払出羽根の回転位置を説明するために、払出装置の背面から視認できない払出ギア部材や各種ギアの一部を視認可能に記載していると共に、説明の対象となっている払出羽根589の球収容部589bの底部分に小さな丸印を付している。ここでは、まず払出装置580の構成について説明し、続いて払出羽根の回転位置、球詰まり防止及び球抜け防止について説明する。
[4−7−2a.払出装置の構成]
払出装置580は、払出ベースユニット550の払出ベース551における背板左部551eの後面の球誘導ユニット570の下側に後方から着脱可能に取付けられる。払出装置580は、後方へ開放された箱状で遊技球Bが流通可能な払出通路580a及び払出通路580aの途中から分岐している球抜通路580bを有している払出装置本体581と、払出装置本体581を後側から閉鎖している平板状の払出装置後蓋582と、払出装置本体581の前側に取付けられており後方へ開放された浅い箱状の払出装置前蓋583と、を備えている。なお、払出装置本体581、及び払出装置前蓋583は、ポリカーボネートの樹脂製であり、不透明な黒色に成型されている。払出装置後蓋582は、ポリカーボネートの樹脂製であり、透明に成型されている。このため、払出装置580の払出通路580a及び払出通路580aを流下する遊技球Bを、透明な払出装置後蓋582を通して、払出装置580の背面側から視認することができる。
また、払出装置580は、払出装置本体581の後面に取付けられており回転軸が払出装置本体581と払出装置前蓋583との間に突出している払出モータ584と、払出モータ584の回転軸に取付けられている平歯車状の駆動ギア585(歯数Z0:9)と、駆動ギア585と噛合しており払出装置本体581と払出装置前蓋583とによって回転可能に取付けられている平歯車状の第一伝達ギア586(歯数Z1:20)と、第一伝達ギア586と噛合しており払出装置本体581と払出装置前蓋583とによって回転可能に取付けられている平歯車状の第二伝達ギア587(歯数Z2:20)と、第二伝達ギア587と噛合している平歯車状の払出ギア588a及び払出ギア588a(歯数Z3:24)よりも外方へ延出している複数の検知片588bを有し払出装置本体581と払出装置前蓋583との間で回転可能に取付けられている払出ギア部材588と、払出装置本体581と払出装置後蓋582との間で払出ギア部材588と一体回転し払出通路580a内に突出している複数の羽根片589aを有した払出羽根589と、払出装置本体581の後側に取付けられており払出ギア部材588の検知片588bを検知する羽根回転検知センサ590と、を備えている。払出モータ584は、払出制御基板633により制御されてステップ駆動される。払出モータ584は、ステップ駆動されると、これに応じて予め定めた角度(本実施形態では、18度)で回転軸をステップ回転する。つまり、払出モータ584は、1ステップ回転でその回転軸を18度回転する。羽根回転検知センサ590からの検出信号は、払出制御基板633に入力されている。なお、駆動ギア585、第一伝達ギア586、第二伝達ギア587、及び払出ギア部材588は、ポリアミド(ナイロン)の樹脂製であり、不透明な黒色に成型されている。払出羽根589は、ポリアミド(ナイロン)の樹脂製であり、不透明な白色に成型されている。
更に、払出装置580は、払出通路580aの下流端において払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって取付けられており遊技球Bを検知する払出検知センサ591と、払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって払出通路580aから分岐する部位で球抜通路580bを開閉可能に取付けられている球抜可動片592と、球抜可動片592が球抜通路580bを閉鎖している位置で保持可能とされており払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって上下方向へスライド可能に取付けられている球抜レバー593と、を備えている。なお、球抜可動片592は、ポリアミド(ナイロン)の樹脂製であり、不透明な白色に成型されている。球抜レバー593は、ポリアミド(ナイロン)の樹脂製であり、不透明な赤色に成型されている。
払出装置580は、平面視の形状が上下に延びた四角形に形成されている。払出装置580は、左右方向の幅が、球誘導ユニット570の左右方向の幅よりも正面視右方へ大きく形成されている。
払出装置580の払出通路580aは、図105に示すように、背面視において、上流端が左右方向の中央から左寄りの位置で上方へ開口しており、下流端が左右方向の右端付近の位置で下方へ開口している。払出通路580aは、上流端から下方へ向かうに従って少しずつ左方へ移動するように上から全高の約1/3の高さほど下方へ斜めに延び、そこから右方やや斜め下へ折れ曲がった後に、左右の幅の約1/3のところで折れ曲がって払出羽根589の中心(回転軸)へ向かうように下方へ略垂直に延びている。そして、払出羽根589の中心よりも上側において、遊技球Bの外径よりも若干大きい幅で背面視右方へ折れ曲がった後に、払出羽根589の外周との間に遊技球Bよりも若干大きい隙間が形成されるように払出羽根589と同心円の円弧状に下方へ延びた上で、払出羽根589の中心よりも背面視右方の位置で下流端まで下方へ垂直に延びている。
払出通路580a内において、払出羽根589よりも下方で下流端の直上に払出検知センサ591が配置されている。払出検知センサ591には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いている。
球抜通路580bは、払出通路580a内における上流端から斜め下方へ延びて右方へ折れ曲がっている部位で分岐して、背面視左辺に沿って下端まで垂直に延びており、底面の背面視における左端付近で下方へ開口している。この分岐する部位には、払出通路580aを形成する通路内壁の一部が所定距離寸法を有して球抜通路580bへ向かってリブ状に球詰まり防止部581rが突設され、球詰まり防止部581rの上面と払出通路580aを形成する通路内壁面とが同一平面状に形成されて背面視右下り傾斜面となっている。この球詰まり防止部581rについての詳細な説明を後述する。
払出装置本体581及び払出装置後蓋582は、払出通路580aと球抜通路580bとが分岐している部位における球抜可動片592が取付けられている側において、互いに対向し遊技球Bの外径よりも狭い隙間を形成するようにそれぞれから後方及び前方へ突出していると共に、それぞれが払出通路580aと球抜通路580bの背面視における左側壁と連続するように形成されている本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aを備えている。本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aは、払出通路580aにおける球抜通路580bと分岐して上から約1/3の高さの位置で背面視右方へ延びている部位の背面視左方の位置に形成されている。本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aは、背面視において左斜め上へ窪むように湾曲しており、主に球抜通路580bの側壁を構成するように形成されている。本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通って球抜可動片592が回動する。
払出モータ584は、払出装置本体581における払出通路580aが上流端から斜め下方へ延びている部位の背面視右方に取付けられている。駆動ギア585、第一伝達ギア586、第二伝達ギア587、及び払出ギア部材588は、払出装置本体581の前方に配置されており、前側が払出装置前蓋583によって被覆されている。払出ギア部材588は、外方へ延出している円弧状を有する平板状の検知片588bが、周方向へ120度の角度の間隔で三つ備えられている。
払出羽根589は、払出装置本体581と払出装置後蓋582との間に配置されている。払出羽根589は、その回転軸から同心円状に外方へ平板状に延出している円弧状を有する複数の羽根片589aが、周方向へ120度の角度の間隔で三つ備えられている。羽根片589aは、払出通路580a内における上方から回転軸に向かって延びた後に背面視右方へ延びている部位において、払出通路の側壁との間が遊技球Bの外径よりも狭くなるように、払出通路580a内へ突出している。払出羽根589は、三つの羽根片589aの間に、中心側へ遊技球Bの半径よりも若大きい半径の円弧で窪んだ球収容部589bを備えており、円柱形状の外周部分に円弧で窪んだ球収容部589bが等間隔に形成されることで、山となる羽根片589aと、谷となる球収容部589bと、が交互に三つ形成される形状となっている。この球収容部589bには、遊技球Bを一つのみ収容可能とされている。これにより、払出羽根589は、羽根片589aによって払出通路580a内の遊技球Bが、払出羽根589よりも下流側へ移動するのを規制することができると共に、背面視時計回りの方向へ回転することで球収容部589bに収容された遊技球Bを下流側へ移動させることができる。
払出ギア部材588と払出羽根589は、払出装置後蓋582と払出装置前蓋583とによって同軸上で一体回転可能に取付けられている。羽根回転検知センサ590は、背面視において、払出ギア部材588の回転軸の背面視左方に配置されている。羽根回転検知センサ590は、払出羽根589と一体回転する払出ギア部材588の検知片588bを検知することで、払出羽根589の回転を検知するためのものである。
球抜可動片592は、上端が、本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aの上端において前後に延びた軸周りに回転可能に取付けられている。球抜可動片592は、く字状に屈曲しており、窪んでいる側が払出通路580a内を向くように取付けられている。球抜可動片592は、前後方向の奥行が、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間の隙間よりも小さく形成されており、本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aの間の隙間を通って、球抜通路580b内へ突出したり球抜通路580b外へ後退したりすることができる。
球抜レバー593は、球抜可動片592の上端付近の背面視左方において上下方向へスライド可能に、払出装置本体581及び払出装置後蓋582に取付けられている。球抜レバー593は、一部が払出装置後蓋582を貫通して後方へ突出しており、その突出している部位を操作することで、スライドさせることができる。球抜レバー593は、下降端に位置させることで、下部が球抜可動片592と当接可能となり、球抜可動片592の背面視時計回りの方向への回動を規制することができ、球抜可動片592によって球抜通路580bを閉鎖させることができる。また、球抜レバー593は、上昇端に位置させることで、球抜可動片592を球抜通路580bの外側へ回動できるようにすることができ、球抜通路580bを開くことができる(図106を参照)。このように、球抜レバー593を用いて球抜通路580bを開くことにより球抜きを行うことができるようになっている。
球抜レバー593を上昇させて球抜可動片592を回動可能な状態とすることにより球抜きを行うと、球抜可動片592の上流側で数珠繋ぎのような状態となっていた遊技球Bが、球抜可動片592を越えて球抜通路580b側へ流下することとなる。この際に、球抜通路580bが払出通路580aの上流側から真直ぐに直線状に延びているため、払出通路580aの上流から流下してきた遊技球Bが、真直ぐに球抜通路580b側へ流下すると共に、球抜通路580bの下流側が島設備側に連通していることから、払出羽根589のように遊技球Bの流れを抑制するようなものがないため、遊技球Bが払出通路580a側よりも早く流下することとなる。
このように、球抜可動片592を回動可能としている状態では、球抜通路580b内を遊技球Bが早い速度で流下することから、球抜通路580b内に突出している球抜可動片592の下端側に遊技球Bが勢い良く当接することとなるが、球抜可動片592が払出装置本体581の本体側ガイド壁581aと払出装置後蓋582の後蓋側ガイド壁582aとの間を通して球抜通路580bの内面よりも外側へ移動することができることから、その当接の力によって球抜可動片592が球抜通路580bの外側へ移動することとなるため、球抜可動片592が球抜通路580bの壁面と遊技球Bとの間に挟まれることはなく、遊技球Bにより球抜可動片592に強い力が作用しないようにすることができ、遊技球Bの衝突による球抜可動片592の耐久性の低下や破損を抑制させることができる。
このようなことから、球抜可動片592を破損し難くすることができることから、球抜通路580bの下流側の島設備側へより多くの遊技球Bをより早く排出させることができるため、パチンコ機1の交換やメンテナンス等にかかる時間の増加を抑制させることができ、遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
また、球抜可動片592が回動可能な状態の時に、球抜可動片592が遊技球Bよりも狭い間隔の本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通して球抜通路580bの外側へ移動するため、球抜通路580b内に突出している球抜可動片592に遊技球Bが当接することで球抜可動片592が本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通して外側へ移動する際に、球抜可動片592と一緒に遊技球Bが本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間側へ移動しても、遊技球Bよりも間隔の狭い本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間により、遊技球Bのみが外側への移動を阻止することができる。
そして、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間によって遊技球Bの外側への移動が阻止されることで、球抜可動片592から遊技球Bが離れることとなり、その後の球抜可動片592の移動が慣性力によることとなるため、球抜可動片592に対して強い力が作用することはなく、球抜可動片592を破損し難くすることができると共に、本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間から遊技球Bが球抜通路580bの外側へ飛び出すことはなく、遊技球Bを球抜通路580bの下流側へ確実に流通させることができる。
[4−7−2b.払出羽根の回転位置]
払出装置580は、上述したように、払出モータ584の回転軸に取付けられる平歯車状の駆動ギア585(歯数Z0:9)、駆動ギア585と噛合する平歯車状の第一伝達ギア586(歯数Z1:20)、第一伝達ギア586と噛合する平歯車状の第二伝達ギア587(歯数Z2:20)、第二伝達ギア587と噛合する平歯車状の払出ギア588a(歯数Z3:24)と複数の検知片588bとを有する払出ギア部材588、払出ギア部材588と一体回転する払出羽根589、払出ギア部材588の検知片588bを検知する羽根回転検知センサ590等を備え、払出モータ584の回転軸が回転駆動すると、その回転が駆動ギア585、第一伝達ギア586、第二伝達ギア587、払出ギア部材588の払出ギア588aを介して払出羽根589を回転するように伝達される。
ここで、払出ギア部材588の回転速度は、駆動ギア585、第一伝達ギア586、第二伝達ギア587、払出ギア部材588の払出ギア588aによって、払出モータ584の回転速度を減速したものとなる。この減速比nは、機構学による計算により、駆動ギア585の歯数Z0(=9)/払出ギア部材588の払出ギア588aの歯数Z3(=24)に設定されている。本実施形態では、払出モータ584は1ステップ回転で18度回転する回転軸を有する2−2相励磁により励磁されるステッピングモータであり(払出モータ584の回転軸が20ステップ回転して360度(=18度×20ステップ)回転する。)、払出ギア部材588と一体回転する払出羽根589は、払出モータ584の回転軸が1ステップ回転すると、6.75度(=18度×減速比n)回転することとなる。これにより、払出モータ584の回転軸が54ステップ回転すると、払出羽根589が364.5度(=6.75度×54ステップ)回転することとなり、一回転(360度回転)すると、4.5度余分に回転することとなる。
このように、本実施形態では、払出モータ584の回転軸を54ステップ回転すると、払出羽根589が364.5度回転することとなるため、払出羽根589が一回転(360度回転)するには払出モータ584の回転軸を53.333・・・(=360度÷6.75度)ステップ回転する必要があり、払出羽根589の一回転(360度回転)に見合う払出モータ584へのステップ駆動の回数であるステップ回数が整数とならないようになっている。
つまり、本実施形態では、払出羽根589に球収容部589bが等間隔に3つ形成され、払出モータ584の回転軸がステップ駆動されることに応じて予め定めた角度として18度だけ回転し、駆動ギア585、第一伝達ギア586、第二伝達ギア587、払出ギア部材588の払出ギア588aを介して、払出羽根589が6.75度だけ回転する(つまり、払出モータ584の回転軸が1ステップ回転(18度回転)すると、払出羽根589が6.75度回転する)ようになっているため、払出羽根589が120度の回転ごとに1球の遊技球Bを送り出すことができ、払出羽根589を120度回転させるためには、払出モータ584の回転軸を17.777・・・ステップ回転(=120度÷6.75度)する必要がある。そこで、本実施形態では、この小数点以下を切り上げた整数となる18ステップ回転を、払出羽根589による1球の遊技球の送り出しに見合う払出モータ584へのステップ駆動の回数とすることで、払出羽根589を、120度を超えた回転(実際には、121.5度回転(=18ステップ回転×6.75度))することで、次の遊技球Bを受け入れる位置まで払出羽根589の回転位置を回転することができるようになっている。
払出羽根589は、一回転(360度回転)するごとに、3球の遊技球Bを払い出すことができるものの、1球のみ遊技球Bを払い出す場合もあるし、例えばタバコのヤニや埃などにより払出羽根589の回転位置を羽根回転検知センサ590が誤検出する場合もあるため、1球の遊技球Bを払い出すごとに、払出羽根589の回転位置の原点を設定する処理を行うことが好ましい。本実施形態では、払出羽根589による1球の遊技球の送り出しに見合う払出モータ584へのステップ駆動の回数として、上述したように、小数点以下を切り上げた整数となる18ステップ回転とすることで、払出羽根589を、120度を超えた回転(実際には、121.5度回転(=18ステップ回転×6.75度))とするとともに、1球の遊技球Bを払い出すごとに、払出羽根589の回転位置の原点を設定する処理を行って払出羽根589の回転位置の精度を高めている。
また、払出羽根589による1球の遊技球Bの送り出しに見合う払出モータ584へのステップ駆動の回数は、上述したように、整数とならないようになっているため、遊技球を1球払い出すごとに誤差が累積しても、払出羽根589の回転角度は、払出羽根589の回転軸と同軸に設けられた払出ギア部材588の複数の検知片588bにて検出することにより、遊技球を1球払い出すごとに、その累積した誤差をリセットすることができるようになっている。これにより、仮にタバコのヤニや埃などの影響を受けて遊技球を1球払い出すごとに誤差が生じても、その累積した誤差を遊技球を1球払い出すごとに確実にリセットすることができるようになっている。したがって、遊技球を受け入れて送り出す払出羽根589の回転位置に誤差が生じ難くすることができる。
また、払出羽根589による1球の遊技球Bの送り出しに見合う払出モータ584へのステップ駆動の回数は、上述したように、整数とならないようになっているため、遊技球を1球払い出すごとに位置決め位置が毎回異なる。これにより、遊技球と払出羽根589との接触位置が毎回異なることによりヤニや埃の付着位置を分散することができる。また当然このような位置決め誤差を生じるような回転伝達部材の減速比に設定すると、誤差が累積するものの、遊技球を1球払い出すごとに誤差が累積しても、払出羽根589の回転角度は、払出羽根589の回転軸と同軸に設けられた、図105の払出ギア部材588の複数の検知片588bにて検出することにより、その累積した誤差がある程度溜まるとリセットされる。これにより、払い出される遊技球の数の正確さは担保される。したがって、パチンコ機1においては、遊技球を受け入れて送り出す球送り回転部の回転位置を、遊技球を払い出すごとに変化させてヤニや埃が付着する位置を分散させることによりヤニや埃などに対して強い払出装置580を持つことができる。なお、払出装置580は、上述したように、1条の払出通路580aを有している。このため、2条の払出通路にそれぞれ払出羽根を有する払出装置と比べると、遊技球の払出速度を同一とする場合、本実施形態における1条の払出通路580aを有する払出装置580の払出羽根589は、2倍速く回転する必要がある。そうすると、本実施形態における1条の払出通路580aを有する払出装置580の払出羽根589は、2条の払出通路にそれぞれ払出羽根を有する払出装置と比べて、遊技球と払出羽根589とが衝突する回数も2倍となるため、払出羽根589に対してタバコのヤニや埃が付着する蓋然性が高くなっている。
本実施形態では、払出モータ584の回転軸を54ステップ回転すると、上述したように、払出羽根589が1回転を超えるため、払出羽根589の1回転を払出モータ584の回転軸の54ステップ回転とするセットとして定めて管理する制御を行うと、払出モータ584の回転軸が54ステップ回転するごとに払出羽根589の1回転に対して4.5度の角度差が生ずることとなり、例えば、80セットの場合で角度差が最終的に360度(=4.5度×80セット)まで積み上がることとなって、遊技球Bを払い出す球数が3球増加することとなる。
払出ギア部材588は、上述したように、外方へ延出している平板状の検知片588bが、周方向へ120度の角度の間隔で3つ備えられている。具体的には、検知片588bが形成されている60度の領域と検知片588bが形成されていない60度の領域とを有する120度の領域を、周方向に沿って3つ配置されている。検知片588bは、上述したように、羽根回転検知センサ590により検知され、羽根回転検知センサ590からの検出信号が払出制御基板633に入力されるようになっている。
そこで、本実施形態では、上述した角度差が生じないように、払出制御基板633は、羽根回転検知センサ590からの検出信号に基づいて、払出ギア部材588と一体回転する払出羽根589の回転位置として、検知片588bが形成されている60度の領域と検知片588bが形成されていない60度の領域とを有する120度の領域を1つの管理範囲とすることにより、遊技球Bを1球ずつ払い出す動作として管理することができるようになっている。
具体的には、まず、払出ギア部材588の周方向の120度の領域のうち、検知片588bが形成されている60度の領域は羽根回転検知センサ590の光軸を検知片588bが遮断する状態であるため遮光範囲として払出モータ584の回転軸の9ステップ回転(払出ギア部材588と一体回転する払出羽根589の60.75度(=6.75度×9ステップ)回転に相当する。)として管理され、検知片588bが形成されていない60度の領域は羽根回転検知センサ590の光軸を検知片588bが非遮断する状態であるため受光範囲として払出モータ584の回転軸の9ステップ回転(払出ギア部材588と一体回転する払出羽根589の60.75度(=6.75度×9ステップ)回転に相当する。
)として管理されている。
つまり、本実施形態では、払出ギア部材588の周方向の120度の領域を、検知片588bが形成されている60度の領域を遮光範囲として払出モータ584の回転軸の9ステップ回転と、検知片588bが形成されていない60度の領域を受光範囲として払出モータ584の回転軸の9ステップ回転と、を合わせた18ステップ回転により管理されており、遊技球Bの1球の払い出しに対して払出モータ584の回転軸が18ステップ回転することにより行われるようになっている。
なお、払出モータ584の回転軸が9ステップ回転すると、払出ギア部材588と一体回転する払出羽根589が60.75度(=6.75度×9ステップ)回転するため、遮光範囲である60度と受光範囲である60度とに比べて少し大きく払出モータ584の回転軸が回転することができるようになっているため、検知片588bが形成されている60度の領域(遮光範囲)と、検知片588bが形成されていない60度の領域(受光範囲)と、を確実に判別することができる。
ここで、払出ギア部材588と一体回転する払出羽根589の原点の設定方法について、図107を参照して説明する。払出制御基板633は、図107(a)に示すように、払出ギア部材588の検知片588bが羽根回転検知センサ590の光軸を遮断状態から非遮断状態へ遷移した状態(「第1のエッジ検出状態」という。)を払出羽根589の回転位置をA点として設定する。このA点においては、払出羽根589の羽根片589aによって払出通路580a内の遊技球Bが払出羽根589よりも下流側への移動が規制される状態となる。
払出制御基板633は、このA点から払出モータ584の回転軸を5ステップ回転した払出羽根589の回転位置を、図107(b)に示すように、原点と設定する。この原点においては、払出通路580a内の遊技球Bが一つのみ払出羽根589の球収容部589bに収容される状態となる。この状態では、払出羽根589の球収容部589bに収容された遊技球Bの中心(重心)と、払出羽根589の回転中心軸と、が同一垂直線上に配置される。
払出制御基板633は、原点から払出モータ584の回転軸を4ステップ回転した払出羽根589の回転位置をB点として設定する。このB点においては、払出ギア部材588の検知片588bが羽根回転検知センサ590の光軸を非遮断状態から遮断状態へ遷移した状態(「第2のエッジ検出状態」という。)となる。払出ギア部材588と一体回転する払出羽根589の回転位置がA点から原点そしてB点までに亘って回転する領域において、図107(d)に示すように、受光範囲(つまり、上述した払出ギア部材588の周方向の120度の領域のうち、検知片588bが形成されていない60度の領域)となる。
払出制御基板633は、B点から払出モータ584の回転軸を9ステップ回転した払出羽根589の回転位置を再び上述したA点として設定する。このとき、原点において払出羽根589の球収容部589bに収容された遊技球Bが払出通路580a内の払出羽根589よりも下流側へ移動される状態となる。払出ギア部材588と一体回転する払出羽根589の回転位置がB点からA点までに亘って回転する領域において、図107(d)に示すように、遮光範囲(つまり、上述した払出ギア部材588の周方向の120度の領域のうち、検知片588bが形成されている60度の領域)となる。
ここで、払出制御基板633による払出装置580の制御について簡単に説明する。払出制御基板633は、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、払出制御側電源投入時処理を実行する。払出制御基板633は、払出制御側電源投入時処理において、初期設定処理、割り込み開始設定を実行すると、定常処理を繰り返し実行する。払出制御基板633は、割り込み開始設定後に、2ミリ秒(ms)ごとに割り込みが発生し、払出制御側2ms割り込み処理を実行する。払出制御基板633は、払出制御側2ms割り込み処理において、払出モータ制御処理、履歴作成処理、原点設定処理等の各種処理を繰り返し行う。
払出制御基板633は、払出モータ制御処理を繰り返し実行することにより、パルス幅を4msとする、2−2相励磁により払出モータ584を励磁している。払出制御基板633は、履歴作成処理を繰り返し実行することにより、2msごとに、羽根回転検知センサ590からの検出信号の入力の有無を確認している。払出制御基板633は、2−2相励磁による払出モータ584を励磁切り替えする4msごとに、つまり今回と前回とにそれぞれ確認した羽根回転検知センサ590からの検出信号に基づいて羽根回転検知センサ590の光軸を検知片588bが遮断する状態であるか非遮断する状態であるかのうちいずれか一方の状態であるかを確認した結果を、8ビット幅を有する履歴情報の最下位ビットから最上位ビットへ向かって1つずつビットシフトした後に、今回と前回との確認結果がともに羽根回転検知センサ590の光軸を検知片588bが遮断する状態であったときには値0を最下位ビットにセットする一方、今回と前回との確認結果がともに羽根回転検知センサ590の光軸を検知片588bが非遮断する状態であったとき、又は今回と前回との確認結果が異なるとき(例えば、今回と前回との確認結果の一方が羽根回転検知センサ590の光軸を検知片588bが遮断する状態であったときであって他方が羽根回転検知センサ590の光軸を検知片588bが非遮断する状態であったとき)には値1を最下位ビットにセットする。
このように、払出制御基板633は、履歴作成処理において、8ビット幅を有する履歴情報を、2−2相励磁による払出モータ584を励磁切り替えする4msごとに更新作成している。払出制御基板633は、4msごとに更新作成する履歴情報に基づいて、払出羽根589の回転位置を原点に設定する原点設定処理を実行する。払出制御基板633は、払出モータ制御処理を繰り返し実行することにより、払出羽根589の回転位置がA点に位置している状態から払出モータ584の回転軸を5ステップ回転すると、上述したように、払出羽根589の回転位置が原点となるため、上述した検知片588bが形成されていない60度の領域に羽根回転検知センサ590の光軸が位置し、羽根回転検知センサ590の光軸を検知片588bが非遮断する状態となる。
そうすると、8ビット幅を有する履歴情報に記憶保持される最上位ビットから最下位ビットまでの情報には、払出羽根589の回転位置がA点に位置する直前において検知片588bが羽根回転検知センサ590の光軸を遮断状態から非遮断状態へ遷移した状態(第1のエッジ検出状態)となるため、00000001B(「B」はビット情報であることを示す。以下、同じ。)がセットされている。そして、払出羽根589の回転位置がA点から原点まで進むと、8ビット幅を有する履歴情報に記憶保持される最上位ビットから最下位ビットまでの情報には、00111111Bがセットされているため、払出制御基板633は、原点設定処理において、11110000Bという第1判定値を履歴情報に対して第1マスク処理することにより、履歴情報から8回前から5回前までのデータを演算結果として取り出した後に(ここでは、第1マスク処理により、演算結果が00110000Bとなる。)、この取り出したデータに対して00010000Bという第2判定値をさらに第2マスク処理することにより、履歴情報から5回前のデータを演算結果として取り出し(ここでは、第2マスク処理により、演算結果が00010000Bとなる。)、値0である場合には払出羽根589の現在の回転位置が原点にないと判別して払出羽根589の現在の回転位置を原点として設定しない一方、値0でない場合には払出羽根589の現在の回転位置が原点にあると判別して払出羽根589の現在の回転位置を原点として設定する。
なお、払出制御基板633は、原点設定処理において、払出羽根589の回転位置を原点として設定すると、払出羽根589の回転位置が原点に位置している状態から払出モータ584の回転軸を5ステップ回転して払出羽根589の回転位置をB点とし、そして、払出羽根589の回転位置がB点に位置している状態から払出モータ584の回転軸を9ステップ回転して(つまり、遮光範囲を超えて再び受光範囲となる)払出羽根589の回転位置を再びA点とする合計13ステップ回転において、本処理をそのまま終了する。つまり、本実施形態では、払出制御基板633は、原点設定処理において、払出羽根589の回転位置を原点として設定すると、払出モータ584の回転軸を合計13ステップ回転するまでの時間が経過するまで、払出羽根589に対する原点設定を禁止するという原点検出禁止時間が設けられている。
払出制御基板633は、払出モータ制御処理を実行することにより、4msごとに2−2相励磁による払出モータ584を励磁切り替えしている。払出制御基板633は、図107に示したように、払出羽根589の回転位置がA点に位置している状態から払出モータ584の回転軸を5ステップ回転して払出羽根589の回転位置を原点とする時間は20ms(=4ms×5ステップ回転)となり、払出羽根589の回転位置が原点に位置している状態から払出モータ584の回転軸を5ステップ回転して払出羽根589の回転位置をB点とする時間は16ms(=4ms×4ステップ回転)となり、払出羽根589の回転位置がB点に位置している状態から払出モータ584の回転軸を9ステップ回転して(つまり、遮光範囲を超えて再び受光範囲となる)払出羽根589の回転位置を再びA点とする時間は36ms(=4ms×9ステップ回転)となる。遊技球Bの1球の払い出しには、上述したように、払出モータ584の回転軸の18ステップ回転により行われるようになっているため、遊技球Bの1球の払い出しにかかる時間は、払出モータ584の回転軸の18ステップ回転により行われることにより、72ms(=4ms×18ステップ回転)となる。
因みに、従来より、払出モータが駆動されることにより遊技球を受け入れて送り出す払出回転体の回転量に応じた個数の遊技球を払い出す払出装置を備える遊技機が提案されている(例えば、特開2004−041261号公報(段落[0052]、及び図4))。
この文献の遊技機では、払出モータの1ステップの回転時間が18mSに設定され、4ステップ分のデータ駆動データの出力によって払出モータが30度回転して遊技球を1球払い出すように設定されている。パチンコ店に設置されるパチンコ機において遊技球に付着したタバコのヤニや埃などが払出装置の内部に付着することは避けられない。また払出装置を分解して清掃することは行われないため、タバコのヤニや埃などに対して強い払出装置が求められている。ところで、この文献の遊技機では、払出モータの4ステップ分の駆動によって払出モータが30度回転して遊技球を1球払い出すように設定されているため、正確な動作を期待できる半面、遊技球と払出回転体との接触位置が毎回同じであることがわかる。このため、タバコのヤニや埃が付着する位置も固定されてしまい堆積されやすいという問題があった。
[4−7−2c.球詰まり防止及び球抜け防止]
次に、球詰まり防止及び球抜け防止について、図108を参照して説明する。ここでは、まず球抜き時における球詰まり防止について説明し、続いて払出モータ584の非通電状態による球抜け防止について説明する。
球抜レバー593は、上述したように、上昇端に位置させることで、球抜可動片592を球抜通路580bの外側へ回動できるようにすることができ、球抜通路580bを開くことができるようになっている。球抜きを行う場合には、この球抜レバー593を上昇させて球抜可動片592を回動可能な状態とする。このとき、払出羽根589の回転位置が原点に停止している状態において、図108(a)に示すように、払出羽根589の球収容部589bから、払出通路580aを形成する通路内壁の一部が所定距離寸法を有して球抜通路580bへ向かって突設されたリブ状の球詰まり防止部581rまでに亘って、合計4球の遊技球Bが停留されている状態となっている。この所定距離寸法としては、球詰まり防止部581rの上面に停留する遊技球Bの中心(重心)位置が球詰まり防止部581rの左端辺より右側であって下流側(つまり、払出羽根589が存在する払出通路580aの下流側)に位置する長さとなっている。これにより、払出羽根589の球収容部589bから、払出通路580aを形成する通路内壁の一部が所定距離寸法を有して球抜通路580bへ向かって突設されたリブ状の球詰まり防止部581rまでに亘って複数の遊技球Bが払出通路580aに停留するときには、この停留する最後尾の遊技球Bの一部が球詰まり防止部581rにおいて球抜通路580bへ向かってはみ出す状態となる。つまり、所定距離寸法としては、球詰まり防止部581rの上面に遊技球B(つまり、最後尾の遊技球B)が停留されているときにおいて、球抜通路580bの側壁を構成するように形成されている上述した本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aに沿って流下する遊技球Bが球詰まり防止部581rの上面に停留する遊技球B(つまり、最後尾の遊技球B)と衝突しても、球抜通路580b側へ流下することができる長さとなっている。このように、球詰まり防止部581rの上面において遊技球B(つまり、最後尾の遊技球B)の一部が球抜通路580bへ向かってはみ出す状態で停留することにより(換言すると、球詰まり防止部581rの上面に停留する遊技球Bの一部が球抜通路580bへ向かってはみ出す長さにより)、球抜通路580bの幅として1球の遊技球Bが流下することができる幅に規制することができるようになっている。
また、球詰まり防止部581rは、上述したように、その上面と払出通路580aを形成する通路内壁面とが同一平面状に形成されて背面視右下り傾斜面となっている。
つまり、球詰まり防止部581rの上面に遊技球B(つまり、最後尾の遊技球B)が停留している状態で球抜きを行う場合においては、払出通路580aの上流から流下してきた遊技球Bが、球詰まり防止部581rの上面に停留する遊技球B(つまり、最後尾の遊技球B)と衝突しても、球詰まり防止部581rの上面が背面視右下り傾斜面となっていると共に、球詰まり防止部581rの上面に停留する遊技球B(つまり、最後尾の遊技球B)の中心(重心)位置が球詰まり防止部581rの左端辺より右側であって下流側に位置するように形成されているため、球詰まり防止部581rの上面に停留する遊技球B(つまり、最後尾の遊技球B)が衝突により弾けて球抜通路580bへ向かって流下することを防止することができるようになっている。これにより、球詰まり防止部581rの左端近傍において、払出通路580aの上流から流下してきた遊技球Bが球詰まりを生ずることを防止することができる。
この結果、球詰まり防止部581rの上面に停留する遊技球B(つまり、最後尾の遊技球B)が球抜き経路(本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aに沿って球抜通路580b側へ流下する経路)上の遊技球Bの流下経路を図108(a)の一点鎖線のように、球抜通路580bの幅として1球の遊技球Bが流下することができる幅に規制することにより球詰まりを防止することができる。したがって、球抜き時における球詰まりを確実に防止することができる。なお、本実施形態では、球抜通路580bの幅として、払出羽根589の回転位置により変動するものの、最小幅:12mmから最大幅:14mmまでとなるように設定されており、払出羽根589の回転位置が原点に停止している状態において13mmに設定されている。因みに、各種通路の幅を遊技球の直径(11mm)の2倍より広いところから遊技球の直径の2倍より少し狭く(例えば21mm)絞る場所において球詰まりが発生しやすい。
次に、払出モータ584の非通電状態による球抜け防止について説明する。払出羽根589の回転位置が原点に停止している状態において、図108(a)に示すように、払出羽根589の球収容部589bには払出通路580a内の遊技球Bが一つのみ収容される状態となると共に、この遊技球Bに数珠繋ぎで後続の遊技球Bが当接した状態で払出通路580aに停留される状態となる。この状態では、上述したように、払出羽根589の球収容部589bに収容された遊技球Bの中心(重心)と、払出羽根589の回転中心軸と、が同一垂直線上に配置される。また、払出通路580aは、上述したように、上流端から下方へ向かうに従って少しずつ左方へ移動するように上から全高の約1/3の高さほど下方へ斜めに延び、そこから右方やや斜め下へ折れ曲がった後に、左右の幅の約1/3のところで折れ曲がって払出羽根589の中心(回転軸)へ向かうように下方へ略垂直に延びている。
このため、払出羽根589の球収容部589bに収容される遊技球Bと当接する遊技球Bの中心(重心)位置は、払出羽根589の球収容部589bに収容される遊技球Bの中心(重心)位置と比べて少し左側にズレて位置することとなり、払出羽根589の回転位置が原点に停止している状態において、払出羽根589の球収容部589bに収容される遊技球Bには後続する遊技球Bの自重による球圧により払出羽根589の回転中心軸に対して右向きの力(つまり、時計方向へ向かって回転する力)が作用する状態となっている。
このような状態において、払出モータ584が非通電状態となると、払出羽根589の回転中心軸に対して時計方向へ向かって自然に回転することとなり、払出羽根589の球収容部589bに収容される遊技球Bが払出通路580aの下流側へ流下する(送り出される)こととなり、球抜けが生ずることとなる。
そこで、本実施形態では、払出モータ584が非通電状態となると、払出羽根589の回転中心軸に対して時計方向へ向かって自然に回転しても、払出モータ584の回転軸が払出羽根589の原点から6ステップ回転で停止することができるように背面視において払出羽根589の右方の払出通路580aの形状が形成されている。
具体的には、図108(b),(c)に示すように、払出モータ584が非通電状態となると、払出モータ584の回転軸が払出羽根589の原点から6ステップ回転して停止した状態において、払出羽根589の球収容部589bに収容された遊技球Bに当接する遊技球Bが、払出通路580aの側壁に当接するS1点と、払出羽根589の円弧状を有する羽根片589aの外周面のうち遊技球Bが収容された球収容部589b側寄り(つまり、遊技球Bが収容された球収容部589bと、この球収容部589bと後続する遊技球Bが収容されていない球収容部589bと、を繋ぐ羽根片589aの外周面のうち、この外周面の中心より遊技球Bが収容された球収容部589b側寄り)に当接するS2点と、にそれぞれもたれかかることにように払出通路580aの形状が形成されている。これにより、払出羽根589の羽根片589aの外周面を押さえつける球圧が生ずることができ、払出モータ584の回転軸が払出羽根589の原点から6ステップ回転して停止することができる。したがって、払出モータ584の非通電状態による球抜けを確実に防止することができる。
なお、払出モータ584の回転軸が払出羽根589の原点から6ステップ回転して停止した状態において、払出制御基板633が払出モータ584を制御開始する場合では、払出羽根589の原点から6ステップ回転して進んでいるため、図107(d)に示した、原点から4ステップ回転して進んだB点を超えて遮光範囲(9ステップ)のうち、2ステップ回転して進んだ状態となっているものの、払出モータ584の回転軸が13ステップ回転(図107(d)に示した、9ステップのうち2ステップ回転して進むため残りの7ステップ回転+A点から5ステップ回転)すると、払出羽根589の回転位置が原点となり、払出羽根589の球収容部589bに収容された遊技球Bが払出通路580aの下流側へ流下し(送り出され)、払出検知センサ591により確実に検知されるようになっている。したがって、払出モータ584の回転軸が払出羽根589の原点からズレて(6ステップ回転して進んで)停止した状態においても、遊技球Bが払い出される球数の過多は発生しない。
また、本実施形態では、払出制御基板633は、上述したように、皿ユニット200における球貸操作ユニット220の球貸ボタン224の押圧操作や、遊技盤5の主制御基板等からの払出コマンドに応じて、払出装置580の払出モータ584を制御して、指示された数の遊技球Bを遊技者側(上皿201又は下皿202)に払出すため、パチンコ機1の電源投入時や停電(瞬間的に停電が発生する瞬停)後の電力回復時における復電時において、まず払出モータ584を制御して払出羽根589の回転位置を原点に戻す動作を行わないようになっている。これは、上述したように、払出モータ584の回転軸が払出羽根589の原点からズレて(6ステップ回転して進んで)停止した状態において、遊技球Bが払い出される球数の過多を発生することを防止するためである。
[4−7−3.上部満タン球経路ユニット]
払出ユニット560における上部満タン球経路ユニット600について、主に図103及び図104等を参照して詳細に説明する。上部満タン球経路ユニット600は、払出ベースユニット550における払出ベース551の背板左部551eの後面下部で払出装置580の下側に後方から取付けられる。上部満タン球経路ユニット600は、払出装置580から下方へ放出され遊技球Bを、下部満タン球経路ユニット610へ誘導するためのものである。上部満タン球経路ユニット600は、正面視の形状が上下に延びた四角形に形成されている。
上部満タン球経路ユニット600は、払出ベース551に取付けられ後側が開放された箱状の上部満タンベース601と、上部満タンベース601の後側に取付けられており前側が開放された箱状の上部満タンカバー602と、上部満タンカバー602の上端付近に回転可能に取付けられており払出装置580を上方へ押圧可能な払出装置押圧部材603と、を備えている。上部満タンベース601は、正面視右辺から右方へ突出しており、裏カバーを取付けるための裏カバー取付部601aを備えている。
また、上部満タン球経路ユニット600は、上面における正面視左端付近において上方へ開口しており下から全高の約2/3の高さの位置まで左辺に沿って下方へ延出している上部払出球受通路600aと、上部払出球受通路600aと連通しており正面視右方へ全幅の約3/4ほど延びていると共に下から全高の約1/6の高さまで下方へ延出している上部球貯留通路600bと、上部球貯留通路600bの左右方向中央より正面視左側から下方へ延びており下面において下方へ開口している上部通常払出通路600cと、上部通常払出通路600cと隣接し上部球貯留通路600bの左右方向中央より正面視右側から下方へ延びており下面において下方へ開口している上部満タン払出通路600dと、上面における正面視右端付近において上方へ開口して下方へ略垂直に延びた後に下面の右端付近において下方へ開口している上部球抜通路600eと、を備えている(図110を参照)。
上部満タン球経路ユニット600は、下面において、正面視左側から、上部通常払出通路600c、上部満タン払出通路600d、及び上部球抜通路600eが、順に並んで下方へ開口している。上部満タン球経路ユニット600は、払出ユニット560に組立てた状態で、上部払出球受通路600aの上流端が、払出装置580における払出通路580aの下流端の直下で開口しており、上部球抜通路600eの上流端が、払出装置580における球抜通路580bの下流端の直下で開口している。これにより、払出装置580の払出通路580aから放出(払出)された遊技球Bは、上部払出球受通路600a及び上部球貯留通路600bを通って、上部通常払出通路600c又は上部満タン払出通路600dの何れかから下方へ放出される。また、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bは、上部球抜通路600eを通って下方へ放出される。
[4−7−4.下部満タン球経路ユニット]
払出ユニット560における下部満タン球経路ユニット610について、主に図103及び図104等を参照して詳細に説明する。下部満タン球経路ユニット610は、払出ベースユニット550における払出ベース551の底板部551gに載置されると共に、上部満タン球経路ユニット600の下部に取付けられる。下部満タン球経路ユニット610は、上部満タン球経路ユニット600から下方へ放出された遊技球Bを、扉枠3側へ誘導したり、基板ユニット620側へ誘導したりするものである。下部満タン球経路ユニット610は、前端側が低くなるように前後方向に延びていると共に、後端が上方へ延びている。
下部満タン球経路ユニット610は、下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、及び下部球抜通路610cを有しており前後方向に延びていると共に上方へ開放されている下部満タンベース611と、下部満タンベース611の上側に取付けられている下部満タンカバー612と、下部満タンベース611の前端に前後に延びた軸周りに回動可能に取付けられており下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端開口を開閉可能としている払出通路開閉扉613と、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの下流端開口を閉鎖する方向へ払出通路開閉扉613を付勢している閉鎖バネ614と、を備えている。
下部満タン球経路ユニット610は、後端の上方へ延びている部位の上面に、正面視左から順に、下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、及び下部球抜通路610cが並んだ状態で、それぞれの上流端が上方へ向かって開口している。下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bは、左右に並んだ状態で前方へ延びた上で、下部満タン球経路ユニット610の前端において前方へ向かって開口している。下部満タン払出通路610bは、下部通常払出通路610aよりも若干低い状態で前方へ延びている。下部球抜通路610cは、下部満タン払出通路610bの正面視右側面に沿って前方へ延びており、前後方向の途中において右方へ向かって開口している。
払出通路開閉扉613は、下部通常払出通路610aと下部満タン払出通路610bとのそれぞれの前端開口の間の位置で回動可能に取付けられている。この払出通路開閉扉613は、閉鎖バネ614によって正面視時計回りの方向へ付勢されており、通常の状態では、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bのそれぞれの前端開口(下流端開口)を閉鎖している。払出通路開閉扉613は、前方へ突出している作動突部613aを備えている。作動突部613aは、正面視の形状が、払出通路開閉扉613の回動中心を中心とした短い円弧状に形成されており、前端面が、反時計回りの方向の端部側へ近付くに従って前方へ突出するように傾斜している。この作動突部613aは、本体枠4に対して扉枠3を閉めた時に、扉枠3におけるファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fと当接するように形成されている。
下部満タン球経路ユニット610は、払出ユニット560に組立てた状態で、後部上端において上方へ開口している下部通常払出通路610a、下部満タン払出通路610b、下部球抜通路610cが、それぞれ上部満タン球経路ユニット600の上部通常払出通路600c、上部満タン払出通路600d、及び上部球抜通路600eの下流端の直下に位置している。これにより、上部通常払出通路600cから下方へ放出された遊技球Bは、下部通常払出通路610aを流通し、上部満タン払出通路600dから下方へ放出された遊技球Bは下部満タン払出通路610bを流通し、上部球抜通路600eから下方へ放出された遊技球Bは下部球抜通路610cを流通することとなる。
また、下部満タン球経路ユニット610は、パチンコ機1に組立てた状態で、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端(下流端)が、扉枠3におけるファールカバーユニット150の貫通球通路150a及び満タン球受口150bの直後で開口している。また、下部球抜通路610cの下流端は、基板ユニット620のベースユニット620bにおける左方へ開口した球抜誘導部627と対向するように開口している。
下部満タン球経路ユニット610は、通常の状態(本体枠4に対して扉枠3を閉じている状態)では、払出通路開閉扉613の作動突部613aがファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fと当接することで、閉鎖バネ614の付勢力に抗して正面視反時計回りの方向へ回動している。これにより、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bのそれぞれの下流端の開口が開いた状態となっており、ファールカバーユニット150の貫通球通路150a及び満タン球受口150bと連通した状態となっている。
一方、本体枠4に対して扉枠3を開いた状態とすると、払出通路開閉扉613の作動突部613aがファールカバーユニット150の扉開閉当接部150fから離れることとなり、払出通路開閉扉613が閉鎖バネ614の付勢力によって正面視時計回りの方向へ回動し、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bのそれぞれの下流端の開口が閉じられた状態となる。この状態では、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610b内の遊技球Bが、それぞれの前端開口から前方へ移動することができなくなる。これにより、本体枠4に対して扉枠3を開けても、下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bから遊技球Bがこぼれることはない。
[4−7−5.払出ユニットにおける遊技球の流れ]
続いて、払出ユニット560における遊技球Bの流れについて、主に図110を参照して詳細に説明する。払出ユニット560は、本体枠4に組立てた状態では、払出ベース551の後面に取付けられている。通常の状態では、払出装置580の球抜レバー593が下降端に位置しており、払出通路580aから分岐している球抜通路580bを分岐部分において閉鎖している。また、下部満タン球経路ユニット610では、払出通路開閉扉613が開状態となっている。
上方へ開放されている球タンク552には、パチンコ機1を設置している遊技ホールの島設備から、例えば、球誘導ユニット570の球切検知センサ574による球切れの検知に基づいて、所定数の遊技球Bが供給される。球タンク552に供給・貯留された遊技球Bは、タンクレール553によって一列に整列された状態で、球誘導ユニット570の誘導通路570aを通って払出装置580の払出通路580a内へと送られる。払出モータ584が回転していない状態では、遊技球Bが払出羽根589よりも下流側へ移動(流下)することができず、払出羽根589よりも上流側に複数の遊技球Bが滞留した状態となる。
そして、球誘導ユニット570の誘導通路570a内の遊技球Bが可動片部材573を押圧し、球切検知センサ574が可動片部材573を検知することなる。これにより、少なくとも可動片部材573から払出羽根589までの間の通路内に遊技球Bが貯留されていることが判る。
この状態で、払出モータ584により払出羽根589が背面視時計周りの方向へ回転すると、球収容部589bに収容された遊技球Bが背面視時計回りの方向へ移動し、払出通路580aにおける払出羽根589よりも下流側へ放出される。そして、払出羽根589(球収容部589b)から放出された遊技球Bは、払出検知センサ591に検知された後に、上部満タン球経路ユニット600の上部払出球受通路600aへと送られる。
上部満タン球経路ユニット600の上部払出球受通路600aへ送られた遊技球Bは、通常の状態では、上部球貯留通路600bを通って、上部払出球受通路600aの直下に配置されている上部通常払出通路600cへと流下する。そして、上部通常払出通路600cへと流下した遊技球Bは、下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a、扉枠3のファールカバーユニット150の貫通球通路150aを通って、皿ユニット200における皿ユニットベース211の上皿球供給口211aから上皿201内へ放出される。
払出装置580から多くの遊技球Bが払出されて、上皿201内が遊技球Bで一杯になると、上皿球供給口211aから前方へ遊技球Bを放出することができなくなるため、払出装置580から払出された遊技球Bが、下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a内に滞留するようになり、更に遊技球Bが払出されると、下部通常払出通路610aと上流側で連通している上部満タン球経路ユニット600の上部通常払出通路600c内にも滞留することとなる。そして、上部通常払出通路600c内が遊技球Bで一杯になった状態で、更に遊技球Bが払出されると、上部通常払出通路600cの上流側で連通している上部球貯留通路600b内に遊技球Bが滞留し始める共に、遊技球Bが上部通常払出通路600cと隣接している上部満タン払出通路600d側へ流下し初める。
そして、上部満タン払出通路600d側へ流下した遊技球Bは、下部満タン球経路ユニット610の下部満タン払出通路610bを通って、扉枠3のファールカバーユニット150における満タン球受口150bに受けられる。その後、満タン球受口150bに受けられた遊技球Bは、貯留通路150e、球放出口150d、及び皿ユニットベース211の下皿球供給口211cを通って下皿202内へ放出される。これにより、上皿201が遊技球Bで満タンになった状態で、更に遊技球Bが払出された場合、遊技球Bを自動的に下皿202へ払出させることができる。
なお、下皿202が遊技球Bで一杯になって、下皿球供給口211cから前方へ遊技球Bを放出することができなくなった状態で、更に遊技球Bが払出されると、下皿球供給口211cの上流側のファールカバーユニット150の貯留通路150e内に遊技球Bが滞留して貯留されることとなる。そして、貯留通路150e内にある程度の数の遊技球Bが貯留されると、可動片153が可動して満タン検知センサ154に検知され、上皿201及び下皿202が遊技球Bで満杯(満タン)になっていることを遊技者に案内すると共に、払出装置580の払出モータ584を、満タン検知センサ154が非検知の状態となるまで一時的に停止させる。
パチンコ機1のメンテナンスや交換等の際に、球タンク552内に貯留されている遊技球Bをパチンコ機1から排出する場合は、払出装置580の球抜レバー593を下降端の位置から上方へスライドさせて上昇端の位置の状態とする。その後、球抜可動片592の下端側が遊技球Bに押されて、背面視時計回りの方向へ回動することとなり、球抜可動片592が本体側ガイド壁581aと後蓋側ガイド壁582aとの間を通って、球抜通路580bの外側へ押し出された状態となる。これにより、払出通路580aから分岐している球抜通路580bへ遊技球Bが進入可能となり、上流側の遊技球Bが球抜通路580bを通って下方へ放出される。
この際に、球抜可動片592の部位では、流下する遊技球Bが、球抜可動片592よりも本体側ガイド壁581a及び後蓋側ガイド壁582aに強く当接するため、球抜可動片592が破損し難くなっている。
そして、払出装置580の球抜通路580bから下方へ放出された遊技球Bは、上部満タン球経路ユニット600の上部球抜通路600e、及び下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cを通って、下部球抜通路610cの下流端開口から基板ユニット620の球抜誘導部627へ放出された後に、排出球受部628及び球排出口629を通ってパチンコ機1の後方外部(遊技ホールの島設備側)に排出される。
[4−8.基板ユニット]
本体枠4における基板ユニット620について、主に図111〜図115等を参照して詳細に説明する。図111(a)は本体枠の基板ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は基板ユニットを後ろから見た斜視図である。図112は、基板ユニットを後ろ下から見た斜視図である。図113は基板ユニットを主な構成毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図114は基板ユニットを主な構成毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図115は、左右方向中央で切断したパチンコ機の下部を示す拡大側面断面図である。基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500の後面下部に取付けられている。
基板ユニット620は、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後面における遊技盤載置部501cよりも下側に取付けられるスピーカユニット620aと、スピーカユニット620aの一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられるベースユニット620bと、ベースユニット620bの後側に取付けられている電源ユニット620cと、電源ユニット620cの後側に取付けられている払出制御ユニット620dと、払出制御ユニット620dの一部を後方から覆うようにスピーカユニット620aの後面に取付けられているインターフェイスユニット620eと、を備えている。
スピーカユニット620aは、本体枠ベースユニット500における本体枠ベース501の後面における遊技盤載置部501cよりも下側に取付けられるスピーカカバー621と、スピーカカバー621の後面における正面視左端付近において前方へ向けて取付けられている本体枠スピーカ622と、本体枠スピーカ622の後側を覆うようにスピーカカバー621の後側に取付けられており前方へ開放された容器状のスピーカボックス623と、を備えている。
スピーカカバー621は、左右方向へ延びており、正面視左端付近において前後に貫通しており上下に延びた複数のスリットにより構成されている円形状のスピーカ取付部621aと、スピーカ取付部621aの正面視右方側で後方から前方へ膨出するように窪んでいる空間用前凹部621bと、空間用前凹部621bの下面から下方へ突出していると共に左右方向へ延びており斜め下後へ向けて開口している接続部621cと、を備えている。
スピーカカバー621のスピーカ取付部621aに、後側から本体枠スピーカ622が前方へ向けて取付けられる。また、スピーカカバー621の接続部621cは、下端が外枠2の外枠下組立体40における幕板後部材43の接続筒部43aの上端と一致するように45度の角度で傾斜している。本体枠スピーカ622は、主に低音を出力するコーン型スピーカとされている
スピーカボックス623は、前方へ開放された容器状に形成されており、本体枠スピーカ622の後側となる部位が後方へ最も大きく突出しており、正面視右方へ向かうに従って、階段状に後方への突出が小さくなるように形成されている。これにより、スピーカボックス623の正面視中央より右側の後方の空間を十分に確保することができ、ベースユニット620bや電源ユニット620c等が配置できるようにしている。スピーカボックス623は、スピーカカバー621の接続部621cを除いた後面の全体を被覆する(閉じる)ように形成されている。
スピーカユニット620aは、スピーカカバー621とスピーカボックス623とで本体枠スピーカ622から後方へ出力されるサウンドを封じ込めるエンクロージャ624の一部を形成している。このエンクロージャ624は、スピーカカバー621においてスピーカ取付部621aの正面視右方に前方へ膨出した空間用前凹部621bが形成されていることから、スピーカボックス623が右方へ向かうに従って後方への突出量が小さくなるように階段状に形成されていても、本体枠スピーカ622よりも右方の空間を充分に広く確保されている。
スピーカユニット620aは、外枠2に対して本体枠4を閉じた状態とすると、スピーカカバー621の接続部621cがシール部材48を挟むように接続筒部43aに接続され、本体枠スピーカ622の後方の空間と、外枠2の幕板内部空間40aとが連通した状態となる。したがって、本体枠スピーカ622の後側に、スピーカカバー621、スピーカボックス623、幕板前部材42、及び幕板後部材43によって、広い空間のエンクロージャ624を形成することができ、本体枠スピーカ622の後方へ出力されたサウンドを幕板前部材42の開口部42aから前方へ出力(放射)させることができる。
詳述すると、上述したように、スピーカユニット620aでは、本体枠スピーカ622の後方の空間(エンクロージャ624の一部)を、比較的広い奥行で正面視右方まで延出させて、接続部621c及び接続筒部43aを介して外枠下組立体40側へ連通させていることから、本体枠スピーカ622から後方へ出力されたサウンドにおいて、特に低音域を減衰させることなく、外枠下組立体40側へ伝達させることができると共に、伝達された低音域を二つのポート部材47を通すことで共振・増幅させて幕板前部材42の開口部42aから前方へ放射することができる。
この際に、幕板前部材42の開口部42aから前方へ放射されるサウンドは、位相が反転された状態で、放射されるようにしているため、本体枠スピーカ622の前面から出力されて皿ユニット200のスピーカ口211bから放射されたサウンドに対して、増幅させるように共振することとなり、本体枠スピーカ622の口径が小さくても重低音が響く大きなサウンドを出力することができる。
つまり、本実施形態では、本体枠スピーカ622のエンクロージャ624がバスレフ型とされており、遊技者に対して重低音を聞かせることができる。これにより、本体枠スピーカ622の前面から出力されて皿ユニット200のスピーカ口211bから放射されるサウンドと、本体枠スピーカ622の後面から出力されて外枠2のグリル部材46から放射されるサウンドとによって、豊かな低音を有したサウンドを遊技者に聴かせることができる。
また、スピーカユニット620aは、スピーカカバー621に、スピーカ取付部621aの下部と空間用前凹部621bとの間の位置で前後方向に貫通している貫通口621dが形成されていると共に、スピーカボックス623に、貫通口621dと連通して筒状に延びており前後に貫通している貫通筒623aが形成されている。スピーカユニット620aに組立てた状態では、貫通口621dと貫通筒623aが互いに連通し、エンクロージャ624とは独立した状態となる。これら貫通口621d及び貫通筒623aには、接続ケーブル503が挿通される。
基板ユニット620のベースユニット620bは、スピーカボックス623の一部を後方から覆うように本体枠ベース501の後面に取付けられる前ベース625と、前ベース625の後側に取付けられており後面に電源ユニット620cが取付けられる後ベース626と、を備えている。
また、ベースユニット620bは、前ベース625と後ベース626とで協働して形成しており、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを受取って正面視右方へ誘導する球抜誘導部627と、球抜誘導部627の下流側で正面視右方において上方へ開口しており遊技盤5から下方に排出された遊技球Bを受ける排出球受部628と、球抜誘導部627及び排出球受部628を通った遊技球Bを下方へ排出する球排出口629と、を備えている。
球抜誘導部627は、上流端が正面視において左側面の上部に左方へ向けて開口しており、下流端が排出球受部628の左端側に開口している。球抜誘導部627は、本体枠4に組立てた状態で、上流端の開口が、下部満タン球経路ユニット610の下部球抜通路610cの下流端開口と一致するように対向しており、下部球抜通路610cから放出された遊技球Bを受取って、排出球受部628へ誘導することができる。
排出球受部628は、上方へ開放されていると共に、左右に長く延びている。排出球受部628の底面は、正面視左端が球抜誘導部627の底面と連続しており、右方へ向かうに従って低くなるように傾斜している。
ベースユニット620bは、球タンク552から抜かれた遊技球Bや、遊技盤5から排出された遊技球Bを、球抜誘導部627や排出球受部628によって正面視右方へ誘導した後に、球排出口629から下方へ排出するようにしているため、正面視において左右方向中央より左側の空間を広く確保し易くすることができる。これにより、スピーカユニット620aのエンクロージャ624の空間を広くすることができ、従来のパチンコ機よりも豊かな低音を有したサウンドを遊技者に聴かせることができる。
基板ユニット620の電源ユニット620cは、ベースユニット620bの後ベース626の後側に取付けられている電源基板630と、電源基板630の後側を覆うように後ベース626に取付けられている電源基板カバー631と、を備えている。この電源基板カバー631は、透明な合成樹脂で整形され、電源基板カバー631を後ベース626から取り外さなくても、電源基板カバー631を介して、電源基板630を目視することができるようになっている。なお、遊技ホールの島設備には図示しないトランスがあり、交流100ボルト(AC100V)の商用電源電圧を交流24ボルト(AC24V)の遊技機用電源電圧に降圧している。遊技ホールの島設備において降圧されるAC24Vが図示しない電源コードを介して電源基板630に供給されている。電源基板630は、遊技ホールの島設備から供給されるAC24Vから各種電源(直流+35V、直流+12V、直流+5V等の各種直流電圧)を作成して各種基板へ供給している。また、電源基板630は、本来AC24Vの遊技機用電源電圧が供給されなければならないが、図示しない電源コードの誤接続によりAC100Vの商用電源電圧が供給されて破壊される可能性がある。そこで、本実施形態例では、一般的な工具であるプラスドライバーを用いて電源ユニット620cを交換することができるように構成されている(なお、プラスドライバーなどの一般的な工具を用いず、締結具を手で操作して着脱できるように構成することもできる)。
払出制御ユニット620dは、電源ユニット620cにおける電源基板カバー631の後側に着脱可能に取付けられる箱状の払出制御基板ボックス632と、払出制御基板ボックス632内に収容されている払出制御基板633(図115を参照)と、を備えている。払出制御基板633は、皿ユニット200における球貸操作ユニット220の球貸ボタン224の押圧操作や、遊技盤5の主制御基板等からの払出コマンドに応じて、払出装置580の払出モータ584を制御して、指示された数の遊技球Bを遊技者側(上皿201又は下皿202)に払出すためのものである。
払出制御基板ボックス632は、図示しないカバー体と図示しないベース体とから構成されている。カバー体とベータ体とは、ポリカーボネートの樹脂製であり、透明に成型されている。カバー体とベース体とにより形成される内部空間には、払出制御基板633を収容することができるようになっている。カバー体とベータ体とがポリカーボネートの樹脂製により透明に成型されていることにより、払出制御基板633の表面側や裏面側の状態(不正な改変が行われているか否か、又は不正ICが実装されているか否か)を、払出制御基板ボックス632の外側から確認することができるようになっている。また、払出制御基板ボックス632は、カバー体とベータ体とにそれぞれ対応するように複数の封印機構を備えており、一つの封印機構を用いて払出制御基板ボックス632を閉じると、次に、払出制御基板ボックス632を開けるためにはその封印機構を破壊する必要があり、払出制御基板ボックス632の開閉の痕跡を残すことができる。したがって、開閉の痕跡を見ることで、払出制御基板ボックス632の不正な開閉を発見することができ、払出制御基板ボックス632への不正行為に対する抑止力が高められている。
インターフェイスユニット620eは、スピーカユニット620aにおけるスピーカボックス623の後側に取付けられている基板ベース634と、基板ベース634の後面に取付けられているインターフェイス基板635と、インターフェイス基板635の後側を覆うように基板ベース634に取付けられているインターフェイス基板カバー636と、を備えている。
基板ベース634は、スピーカボックス623の後面における本体枠スピーカ622の後方となる後方へ最も突出している部位に取付けられている。インターフェイス基板635は、接続ケーブル503の一方(本体枠4側)の端部が接続されている。インターフェイス基板635は、電源基板630、払出制御基板633、主制御基板、周辺制御基板、等が接続されると共に、パチンコ機1の外部に設置されているCRユニットと接続される。インターフェイス基板カバー636は、払出制御ユニット620dの一部を覆うように基板ベース634(インターフェイス基板635)よりも正面視右方へ延出している。
[4−9.裏カバー]
本体枠4における裏カバー640について、主に図92〜図98を参照して詳細に説明する。裏カバー640は、本体枠ベースユニット500の本体枠ベース501の遊技盤挿入口501b内に前方から挿入されて取付けられた遊技盤5の後側を覆うものである。裏カバー640は、正面視における右辺が、本体枠ベース501の後方延出部501jの上下に延びている後端に、上下に延びた軸周りに回転可能に取付けられ、左辺が、払出ベース551の裏カバー取付部551iと上部満タン球経路ユニット600の裏カバー取付部601aとに取付けられる。裏カバー640の左辺が払出ベース551の裏カバー取付部551iと上部満タン球経路ユニット600の裏カバー取付部601aとに取付けられた状態では、裏カバー640の上辺に形成される
裏カバー640は、上下左右に延びた平板の正面視右辺側が前方へ折り曲げられたような形状に形成されていると共に、上辺側に前方へ一段下がった当接部640aが形成されており、本体枠4に組立てた状態で、後面が払出ベース551の背板上部551dの後面(上述した背板上部551dに形成される庇部551daの後面)と略同一面上に位置するように形成されている。また、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態では、当接部640aの前面が払出ベース551の背板上部551dの後面に面接触する当接した状態となると共に、この当接した部分が、背板上部551dに突出して形成される庇部551daによって覆われている。
裏カバー640は、当接部640aを除いて、前後に貫通し上下に延びている複数のスリット641が形成されている。本実施形態では、裏カバー640は、透明な合成樹脂によって形成されており、パチンコ機1の後側から本体枠4内を視認することができる。
[4−10.施錠ユニット]
本体枠4における施錠ユニット650について、主に図116を参照して詳細に説明する。図116(a)は本体枠の施錠ユニットを前から見た斜視図であり、(b)は施錠ユニットを後ろから見た斜視図である。施錠ユニット650は、本体枠4の本体枠ベース501に取付けられ、本体枠4と扉枠3、本体枠4と外枠2、との間を施錠するものである。
施錠ユニット650は、本体枠ベース501の後方延出部501jの右側面に取付けられ上下に延びているユニットベース651と、ユニットベース651から前方へ突出しており扉枠3と係止可能な複数の扉枠用鉤652と、ユニットベース651から後方へ突出しており外枠2と係止可能な複数の外枠用鉤653と、ユニットベース651の前端下部から前方へ突出しており回転方向によって扉枠用鉤652又は外枠用鉤653を上下方向へ移動させる伝達シリンダ654と、を備えている。
また、施錠ユニット650は、扉枠用鉤652を下方へ付勢していると共に外枠用鉤653を上方へ付勢している錠バネ655と、ユニットベース651の前端における伝達シリンダ654よりも上方の位置から前方へ突出しており下方へスライドさせることで、外枠用鉤653を下方へ移動させる外枠用開錠レバー656と、を備えている。
施錠ユニット650は、本体枠4に組立てた状態で、複数(三つ)の扉枠用鉤652、伝達シリンダ654、及び外枠用開錠レバー656が、本体枠ベース501の前面よりも前方へ突出している。伝達シリンダ654は、本体枠ベース501のシリンダ挿通口501fを通って前方へ突出し、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすることで、前端が扉枠3のシリンダ錠130の回転伝達部材133と係合し、鍵穴132に挿入された鍵の回転が伝達されて回転する。
施錠ユニット650は、複数(三つ)の扉枠用鉤652が、扉枠3の扉枠ベースユニット100における扉枠補強ユニット110の鉤掛部材116に係止され、複数(二つ)の外枠用鉤653が、外枠2における外枠右組立体20の上鉤掛部材24と下鉤掛部材25とに係止される。
施錠ユニット650は、パチンコ機1に組立てた状態で、シリンダ錠130の鍵穴132に対応している鍵を差し込んで、正面視反時計回りの方向へ回転させると、伝達シリンダ654を介して複数の扉枠用鉤652が上方へ移動し、本体枠4に対して扉枠3が開錠される。一方、鍵を正面視時計回りの方向へ回転させると、伝達シリンダ654を介して複数の外枠用鉤653が下方へ移動し、外枠2に対して本体枠4が開錠される。本体枠4に対して扉枠3を開いた状態では、外枠用開錠レバー656を下方へスライドさせると、複数の外枠用鉤653が下方へ移動し、外枠2に対して本体枠4が開錠される。このようにして、本体枠4と扉枠3との間や、本体枠4と外枠2との間の施錠を、開錠することができる。
本体枠4と扉枠3との間や、本体枠4と外枠2との間を施錠する場合は、扉枠用鉤652及び外枠用鉤653の先端側が細くなるように傾斜しているため、本体枠4に対して扉枠3を閉じたり、外枠2に対して本体枠4を閉じたりすると、扉枠用鉤652や外枠用鉤653が、鉤掛部材116や上鉤掛部材24及び下鉤掛部材25を乗り越えるように下方や上方へ移動した後に、錠バネ655の付勢力によって施錠状態となる。
[4−11.本体枠上部の詳細な構成]
次に、本体枠4の上部の詳細な構成について、主に図117乃至図124を参照して詳細に説明する。図117(a)は本体枠の平面図であり、(b)は(a)におけるB−B線で切断した断面図である。図118は、本体枠を後ろから見た斜視図において上部を拡大して示す拡大図である。図119(a)は球タンクにタンクレール等を組立てた状態で前上から見た斜視図であり、(b)は(a)を前下から見た斜視図である。図120は、図119(a)を分解して前から見た分解斜視図である。図121は、本体枠上部における球タンクから溢れた遊技球が流通する領域を示す説明図である。図122は、本体枠上部における球タンクから溢れた遊技球の流れを示す説明図である。図123は、本体枠上部における迂回通路への遊技球の流れを示す説明図である。図124は、本体枠をヒンジ側の後ろから見た斜視図においてタンクレール付近を拡大して示す拡大図である。
本体枠4は、上述したように、後部が外枠2の枠内に挿入可能とされると共に本体枠上ヒンジ部材510及び本体枠下ヒンジ組立体520により外枠2に対して着脱可能且つヒンジ回転可能に取付けられ遊技盤5の外周を支持可能とされた枠状の本体枠ベース501と、本体枠ベース501の後側における正面視上辺及び左辺に沿って取付けられている逆L字状の払出ベース551と、払出ベース551に取付けられており左右に延びた箱状(容器状)で上方へ開放されている球タンク552と、球タンク552の左側に取付けられており上方へ開放された溝状に左方へ延びているタンクレール553と、タンクレール553の上端の一部に取付けられている第一レールカバー554と、第一レールカバー554から正面視左方に離間してタンクレール553の上端に取付けられている第二レールカバー555と、第一レールカバー554と第二レールカバー555の間の位置でタンクレール553の上端に取付けられている球整流部材556と、タンクレール553の下流側端に取付けられている球止部材557と、払出ベース551の後側でタンクレール553の下流側に取付けられており遊技者側へ遊技球Bを払出すための払出装置580と、を備えている。
球タンク552は、平面視の形状が左右方向へ延びた四角形に形成されており正面視において左側が低くなるように傾斜している底壁552aと、底壁552aの前辺及び後辺からそれぞれ上方へ延びている前壁552b及び後壁552cと、底壁552aの左右両辺からそれぞれ上方へ延びている左側壁552d及び右側壁552eと、を有し、上側が開放されている容器状に形成されている。球タンク552には、パチンコ機1が設置される遊技ホール等の島設備から供給される遊技球Bが貯留される。
また、球タンク552は、前壁552bにおいて上方から切欠いて残りの外周上端縁よりも低く形成されている越流部552fを有している。この越流部552fは、前壁552bにおける左側壁552dの端部側から反対側(右側壁552e側)の端部へ向かって、前壁552bの左右方向の長さの約3/4の長さに亘って形成されている。
タンクレール553は、正面視において右端側(上流側)が球タンク552の内部と連通していると共に、球タンク552から遠ざかるように下流側が左右方向の一方側(左方側)へ延びている。タンクレール553は、底部において上流付近から下流端まで延びており遊技球Bの流通方向に直交する幅方向が遊技球Bを一つのみ流通可能に形成されている樋状の主誘導部553aを有している。主誘導部553aは、正面視左方へ向かうほど低くなるように傾斜している。また、主誘導部553aは、平面視において、右端側から左方へ左右方向に延びた軸線に対して平行に右端から左右方向の全長の約1/10の位置まで延びた後に、左方へ向かうに従って後方へ移動するように右端から左右方向の全長の約4/10の位置まで斜めに延び、そこから左右方向に延びた軸線に対して平行に左端まで延びたクランク状に形成されている。
タンクレール553は、主誘導部553aにおいて、左端から右方へ左右方向に延びた軸線に対して平行に延びている部位が、同じ幅で上端まで延びており、この部位の上端に第一レールカバー554、第二レールカバー555、及び球整流部材556が取付けられることで上側が閉鎖される。また、タンクレール553は、上側が閉鎖される部位において、遊技球Bが流通する流路の高さが下流端(左端)へ向かうに従って低くなるように形成されており、下流端では遊技球Bが一つのみ流通可能な高さ(遊技球Bの外径よりも若干高い高さ)に形成されている。
また、タンクレール553は、上側が閉鎖される部位において、樋状の主誘導部553aの底面と正面視において主誘導部553aの後壁とに左右方向に所定長さ(本実施形態では、約30mm)を有する矩形状の切り欠き部553aaが所定間隔(本実施形態では、約10mm)を有して三つ形成されている。矩形状の切り欠き部553aaにより、主誘導部553aの底面には主誘導部553aの後壁から前方へ向かってその後壁の厚み(本実施形態では、約2.5mm)を加えた約7mm、左右方向の長さ約30mmを有する長方形状の穴が形成されると共に、主誘導部553aの後壁には主誘導部553aの底面から上方へ向かってその底面の底板の厚み(本実施形態では、約2.5mm)を加えた高さ約7mm、左右方向の長さ約30mmを有する長方形状の穴が形成され、これらの長方形状の穴が連通して形成されている。
球タンク552からタンクレール553へ流入する遊技球Bは、遊技球Bが互いに衝突したり、擦れ合ったり等の摩耗により遊技球Bから金属粉が剥がれて落下する。このため、遊技球Bの摩耗により生じた金属粉が主誘導部553aに付着する状態となると、遊技球Bの下流方向への流れが妨げられることにより、遊技球Bを下流側へ向かってスムーズに供給することが困難となって、払出装置580による遊技球Bの払出しが停止することとなる。
そこで、本実施形態では、主誘導部553aに切り欠き部553aaを複数形成し、遊技球Bの摩耗により生じた金属粉を主誘導部553aから取り除くことができるように構成されている。これにより、例えば、遊技球Bの摩耗により生じた金属粉が切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ自然に落下することで金属粉を主誘導部553aから取り除くことができるし、主誘導部553aを転動する遊技球Bの振動により主誘導部553aに付着している遊技球Bの摩耗により生じた金属粉が切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下することで金属粉を主誘導部553aから取り除くことができるし、遊技ホールの店員等の係員により綿棒を切り欠き部553aaに挿入して主誘導部553aに付着している遊技球Bの摩耗により生じた金属粉を取り除く作業を行うことですることで金属粉を主誘導部553aから取り除くことができる。
また、タンクレール553は、主誘導部553aよりも上方で上流端から上側が閉鎖される部位まで延びており、遊技球Bの流通方向に直交する幅方向へ遊技球Bが複数並ぶように主誘導部553aの幅よりも広く膨出していると共に上流端から下流側へ向かって幅方向が狭くなって主誘導部553aの幅と一致するように変化している膨出部553bを有している。この膨出部553bによって、上流側では幅方向に広がっていた複数の遊技球Bを、下流側へ向かうに従って、幅方向を遊技球B一つ分の幅となるように整列させることができる。また、膨出部553bは、上端側から下方の主誘導部553aへ向かうに従って幅方向が狭くなるように形成されている。このようなことから、タンクレール553は、膨出部553bを流通している複数の遊技球Bを、下流側及び下方側へ向かうに従って、幅方向が一列となるように整列させることができる。
タンクレール553の膨出部553bは、曲率の中心が内部側に配置されており、三次元的に湾曲した形状に形成されている。膨出部553bは、湾曲している曲率の中心が、主誘導部553aよりも上方に配置されているため、タンクレール553では、主誘導部553aと膨出部553bとの境に、わずかに面取りされた角が形成されている。また、膨出部553bは、上流側よりも下流側の方が、湾曲している曲率が大きく形成されている。このようなことから、三次元的に湾曲している膨出部553bを流通する遊技球Bでは、当接する膨出部553bの位置によって、膨出部553b側からの反力が作用する向きが様々に方向へ変化することとなり、膨出部553b内において球ガミの発生を抑制させることができる。詳述すると、膨出部553bを一定に延びている形状に形成した場合、膨出部553b内を流通する遊技球Bには、膨出部553bの内面から常に一定の方向へ反力が作用することとなり、反力が分散し難くなるため、内部の遊技球Bが常に一定の方向へ押されることで、遊技球Bが逃げ難くなり、球詰り(球ガミ)が発生し易くなる。
これに対して、膨出部553bを三次元的な湾曲面としていることから、遊技球Bの位置によって膨出部553bの内面から作用する反力の向きが区々となるため、内部を流通する複数の遊技球Bの押される方向が分散されることで、押された遊技球Bを逃げ易くすることができ、球詰り(球ガミ)を発生し難くすることができる。
また、タンクレール553は、透明な素材により形成されており、外側から内部を視認することができるように構成されている。これにより、仮に、タンクレール553内において球詰り(球ガミ)が発生しても、外側からタンクレール553内の遊技球Bの状態を見ることができるため、球詰りしている場所を素早く特定することができる。したがって、タンクレール553内での球詰りを、素早く解消させることができるため、球詰りの発生による遊技の中断を可及的に短くすることができ、遊技の中断による遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。また、タンクレール553を透明にしていることから、後方からタンクレール553を通して本体枠4に取付けられている遊技盤5の後側(裏ユニット3000)を視認することができるため、遊技盤5の各種演出ユニット等において可動の不具合が発生した時に、遊技盤5を本体枠4に取付けたままの状態で、駆動モータやギアやベルト等の伝達機構の状況を確認することができ、上述した相用効果と同様の作用効果を奏することができる。
本体枠4は、球タンク552の前側に備えられ、前後方向へ延びていると共に左右方向におけるタンクレール553の下流側と同じ側(正面視において左側)が球タンク552の左側壁552dよりも外方(左方)へ延びており、球タンク552から前方へ溢れた遊技球Bを球タンク552へ戻すために後端側が越流部552fと同じ高さで前端側が高くなるように傾斜している越流面部501mと、越流面部501mの後端における球タンク552の左側壁552dの外側からタンクレール553における上側が開放されている膨出部553bの上方まで後方へ延び、後端側が低くなるように傾斜していると共に、左右方向において球タンク552から遠ざかっている側(左側)が低くなるように傾斜しており、球タンク552から越流面部501mに溢れた遊技球Bの一部を誘導する迂回通路552gと、を備えている。
また、本体枠4は、迂回通路552gの左右方向両外側のうち球タンク552の左側壁552dとは反対側に備えられており、左右方向の間隔が遊技球の外径よりも広く、底面の高さがタンクレール553における上側が開放されている部位よりも低い排出部551jと、排出部551jを間にして迂回通路552gとは反対側で、越流面部501mよりも低い位置に備えられており、後方から電気配線を接続可能とされている複数の電線接続端子558aを有した外部端子板558と、複数の電線接続端子558a(外部端子板558)の上側を覆い、上面が越流面部501mよりも高い位置で水平に延びている端子カバー551kと、を備えている。
越流面部501mは、本体枠ベース501に形成されている。越流面部501mは、正面視の形状が上下に延びた長方形に形成されているベース本体501aの後面における上辺から遊技球Bの外径の2倍〜4倍の距離低い位置から後方へ平板状に延出している。越流面部501mは、左右方向の長さが、本体枠ベース501の左右方向の長さの約1/3の長さに形成されており、正面視における左端が、本体枠ベース501の左端から左右方向の全長の1/3よりも右方に位置している。越流面部501mは、前端から後端までの高さが、遊技球Bの外径の約1/2の高さに形成されている。この越流面部501mは、本体枠4を外枠2に対して閉じた状態で、外枠上部材30との間に、遊技球Bの外径の約2倍の距離の隙間が形成される。
本体枠ベース501は、越流面部501mの左右両側に配置されており、越流面部501mの前端と同じ高さで略水平に延びている平板状の左段部501n及び右段部501oと、左段部501n及び右段部501oのそれぞれの左右方向両外側において左段部501n及び右段部501oよりも上端が高く前後方向へ帯板状に延びており、左右方向へ遊技球Bの外径よりも狭い間隔で列設されている複数のリブ501pと、を有している。左段部501nは、前後方向の長さに対して、左右方向の長さが短く形成されている。また、左段部501nは、水平面に対して、正面視において後端右隅が僅かに低くなるように傾斜している。右段部501oは、前後方向の長さに対して、左右方向の長さが長く形成されている。また、右段部501oは、水平面に対して、正面視において後端左隅が僅かに低くなるように傾斜している。
本体枠ベース501の複数のリブ501pは、端子カバー551kの上面よりも高く形成されており、本体枠4を外枠2に対して閉じた状態では、外枠2の外枠上部材30の下面との間の隙間が、遊技球Bの外径よりも狭くなる高さに形成されている。
本体枠ベース501は、本体枠4に組立てた状態で、正面視において、越流面部501mの右端が球タンク552における越流部552fの右端と左右方向が一致していると共に、越流面部501mの左端が迂回通路552gの左端と左右方向が度一致しており、右段部501oの右端が球タンク552の右側壁552eと左右方向が一致している。
迂回通路552gは、球タンク552と一体に形成されている。なお、以下では、底壁552a、前壁552b、後壁552c、左側壁552d、及び右側壁552eで囲まれた容器状の領域を、単に球タンク552とも称する。迂回通路552gは、球タンク552の左側壁552dの外側から左方へ平板状に延出しており前端が越流部552fと同じ高さで後端が低くなるように傾斜している通路面552hと、通路面552hにおける左側壁552dとは反対側の端辺から上方へ左側壁552dと同じ高さまで延出している堰部と、を有している。迂回通路552gの通路面552hの後端辺は、正面視において後端辺の左端側(堰部552i側)が、球タンク552の後壁552cと同じ位置まで後方に延びており、その左端側から右端側へ向かうに従って前方へ移動するように斜めに延びている。なお、迂回通路552gの通路面552hは、左右方向の傾斜を水平にしてもよい。
迂回通路552gは、本体枠4に組立てた状態で、後端が、左右方向へクランク状に延びているタンクレール553において、左右方向に対して斜めに延びている部位の前端側と沿うように延びている。つまり、迂回通路552gの後端は、左右方向に対して斜めに延びている。これにより、迂回通路552gにより後方へ誘導された遊技球Bは、斜めになっている後端より、その流通方向が斜めの後端に対して垂直方向となるように変化することとなる。迂回通路552gの斜めに延びている後端は、タンクレール553の斜めに延びている部位と、略平行(タンクレール553内における遊技球Bの流通方向)に延びている。したがって、迂回通路552gの後端からは、タンクレール553の流通方向(幅方向)に対して略垂直な方向へ遊技球Bが放出されるため、タンクレール553で幅の広い部位で迂回通路552gからの遊技球Bを受けることができる。また、迂回通路552gからタンクレール553内へは、遊技球Bの流通方向に対して略垂直方向(直角方向)に遊技球Bが供給されるため、迂回通路552gからの遊技球Bによるタンクレール553内での球詰りを発生し難くすることができる。
迂回通路552gは、後端が、タンクレール553の下流側へ向かうに従って後方へ移動するように、左右方向に対して斜めに延びているため、迂回通路552gからタンクレール553側へ遊技球Bが放出される際に、斜めに延びている後端により、遊技球Bを、タンクレール553の幅が狭くなっている下流側よりも幅の広くなっている上流側へ放出することができ、幅の広い部位に放出することでタンクレール553内での球ガミの発生を抑制することができる。
また、迂回通路552gにより遊技球Bを誘導する部位は、タンクレール553において、球タンク552の左側壁552dの後部と後壁552cの正面視左部の外側に該当している。この部位には、球タンク552内から、球タンク552の案内面部552jの下側(開口部552kの天井側)を潜った遊技球Bが流通する。このようなことから、タンクレール553における迂回通路552gの後方となる部位では、上下方向に積み重なった複数の遊技球Bの高さが、開口部552kの天井の高さ(タンクレール553の壁の高さ)を越えることはない。したがって、タンクレール553における球タンク552の下流側、つまり、迂回通路552gの後端側において、上側へ遊技球Bを積み重ねることが可能なスペース(空き)を確保することができるため、迂回通路552gにより後方へ誘導された遊技球Bを、タンクレール553において確実に受取ることができ、タンクレール553から遊技球Bが後方へこぼれることはない。
球タンク552は、前壁552b、後壁552c、及び左側壁552dに囲まれた内側において、左側壁552dにおける越流部552fよりも若干低い位置から右方へ低くなるように延びている平板状の案内面部552jを有している。案内面部552jは、前後方向が前壁552bから後壁552cまで延びている。また、案内面部552jは、正面視において右端辺が、前壁552bにおける左端から前壁552bの左右方向の全長の約1/3の位置から、前壁552bにおける左端から前壁552bの左右方向の全長の約1/9で前壁552bから左側壁552dの前後方向の全長の約1/2付近の位置まで後方へ斜めに延びた後に、左側壁552dと平行に後壁552cの近傍まで延び、そこから後壁552cに平行に前後方向が一定の幅で後壁552cの左端から後壁552cの左右方向の全長の約1/3の位置まで延びた形状に形成されている。
球タンク552には、平面視において、上述した形状に形成されている案内面部552jの右端辺と、当該右端辺の前壁552b側の端と後壁552c側の端とを結んだ直線とで囲まれた領域が、上下方向に貫通するように形成された開口部552kを有している。
また、球タンク552は、右側壁552eの前端側と迂回通路552gの堰部552iの前端側に、それぞれ前壁552bと同一面上で左右方向外方及び上下方向に延びている平板状のフランジ部552lを有している。球タンク552は、前壁552bにおける越流部552fを除いた部位の上端縁と、二つのフランジ部552lの上端縁の高さが、左側壁552dや後壁552cの上端縁(本体枠ベース501の左段部501n及び右段部501oの上面)よりも高く形成されている。
球タンク552とタンクレール553は、互いに組立てた状態では、球タンク552の開口部552kに、タンクレール553の上流端(正面視において右端)が接続されている。また、平面視においてクランク状に左右方向へ延びているタンクレール553の斜めに延びている部位とその左側の左右方向へ真直ぐに延びている部位とは、球タンク552よりも後方に位置(突出)している。そして、球タンク552の左側壁552dの左側の迂回通路552gの後端辺は、クランク状に左右方向へ延びているタンクレール553の斜めに延びている部位の前端に位置している。
排出部551jは、払出ベース551の上面に形成されている。排出部551jは、本体枠4に組立てた状態で、迂回通路552gよりも低い高さから球タンク552の底壁552aと同じ高さまで後方へ向かって階段状に低くなるように、球タンク552における正面視左側のフランジ部552lの後側からタンクレール553まで後方へ延びた後に、タンクレール553に沿って左方へタンクレール553の上端よりも高くなる位置(第二レールカバー555の左右方向中央付近の位置)まで延びた上で、後方へ向かって延びている。
外部端子板558は、後面に複数の電線接続端子558aが左右方向へ並んだ状態で取付けられている。この電線接続端子558aは、レバーの操作により把持部が開いて電気配線の先端を把持することができワンタッチターミナルである。外部端子板558は、本体枠4に組立てた状態で、タンクレール553における上側が第一レールカバー554、第二レールカバー555、及び球整流部材556により閉鎖される部位の前方に配置されている。外部端子板558(複数の電線接続端子558a)の上側を覆う端子カバー551kは、払出ベース551の上面に形成されている。端子カバー551kの上面は、球タンク552におけるフランジ部552lの上端と略同じ高さに形成されている。
次に、パチンコ機1における本体枠4の上部の作用効果について説明する。まず、越流面部501m、左段部501n、右段部501o、及び迂回通路552gは、図121において白抜きの矢印で示すように、越流面部501mと迂回通路552gは後端側が低くなるように傾斜しており、左段部501nは後端右隅が、右段部501oは後端左隅が、それぞれ低くなるように傾斜している。また、球タンク552の底壁552a及びタンクレール553(主誘導部553a)は、正面視において、それぞれ左端側が低くなるように傾斜している。また、球タンク552の案内面部552jは、底壁552aとは逆方向の右端側が低くなるように傾斜している。
そして、島設備から供給されることで球タンク552内に貯留されている遊技球Bの量が増えてくると、まず初めに、外周上端縁のうち最も高さの低い越流部552fを越えて球タンク552の外側(前方)へ流出させることができ、球タンク552から溢れた遊技球Bを越流面部501mに逃すことができると共に、球タンク552から前方の越流面部501mへ流出させた遊技球Bを、越流面部501mの傾斜により球タンク552内へ戻すことができる(図122を参照)。したがって、球タンク552内でのこれ以上の遊技球Bの増加を防止することができるため、球タンク552内において遊技球B同士が強く押し合うこと(球圧の増加)を抑制させることができ、球タンク552内において遊技球B同士の噛み合いによる詰り(いわゆる、球ガミ)の発生を防止することができる。
また、迂回通路552gを備えていることから、図123に示すように、球タンク552から越流面部501mに溢れた遊技球Bを、迂回通路552gを介してタンクレール553へ送ることができる。これにより、越流面部501mに溜った遊技球Bにより球タンク552内の遊技球Bに後方への押圧力が強く作用することを回避させることができ、球タンク552内における遊技球Bの詰りを防止することができる。また、迂回通路552gを介して遊技球Bをタンクレール553へ送ることができるため、球タンク552や越流面部501mから溢れた遊技球Bが本体枠4の外側(後側)にこぼれるのを防止することができる。したがって、本体枠4の外側にこぼれた遊技球Bが、外枠2と本体枠4との間に挟まれて本体枠4が開閉できなくなるような不具合の発生を回避させることができる。
更に、球タンク552から越流面部501mに溢れた遊技球Bの一部を、迂回通路552gによりタンクレール553の下流側へ誘導することができると共に、球タンク552から遠ざかっている左側に沿った一定の位置から遊技球Bをタンクレール553へ送ることができるため、迂回通路552gによってタンクレール553へ送られた遊技球Bによる流れ(圧力)をタンクレール553の下流側へ向けさせることができ、タンクレール553内において遊技球B同士が強く押し合うのを抑制して遊技球Bが詰まるのを防止することができる。
また、球タンク552の外周上端縁において、越流部552f以外の残りの上端縁の高さを越流部552fよりも高くしていることから、球タンク552と迂回通路552gとの間の球タンク552における左右方向の一方側の左側壁552dの上端縁が、越流部552f、つまり、越流面部501mの後端よりも高くなっている。これにより、球タンク552から越流部552fを越えて越流面部501mに溢れた上で、越流面部501mから迂回通路552gへ流通している遊技球Bが、球タンク552の一方側の左側壁552dにより遮られることで、迂回通路552gから球タンク552側へ戻ってしまうことを防止することができ、迂回通路552g側の遊技球Bが球タンク552内の遊技球Bを押圧して球タンク552内において遊技球Bの詰りが発生することを防止することができる。
更に、上述したように、球タンク552と迂回通路552gとの間の左側壁552dの上端縁が、越流面部501mの後端(迂回通路552gにおける遊技球Bが転動する通路面552h)よりも高くなっているため、越流面部501mを介することなく遊技球Bが球タンク552から迂回通路552gへ溢れてしまうことを防止することができる。これにより、迂回通路552gに対して横(球タンク552)からの遊技球Bの流入を防止することができるため、迂回通路552gにおける遊技球Bの流れを、前端側の越流面部501mから後端側のタンクレール553へ向かう一定の方向の流れとすることができ、迂回通路552gからタンクレール553へ誘導される遊技球Bの圧力を一定方向とすることができる。したがって、タンクレール553内において、遊技球Bにかかる圧力の向きがばらばらとなることで遊技球B同士が押し合って噛み込んでしまうことを防止することができ、遊技球Bの詰りの発生を防止することができる。
また、タンクレール553の底部に、下流端まで延びている主誘導部553aを備えていることから、タンクレール553内の遊技球Bが主誘導部553aに到達することで、左右方向へ一列に並んだ状態となるため、タンクレール553内の遊技球Bを整列させることができ、遊技球Bを下流側の払出装置580へ確実に誘導することができる。また、タンクレール553における上側が開放されている部位において、複数の遊技球Bが並ぶことが可能な幅の広い膨出部553bを備えているため、迂回通路552gの後端から放出された遊技球Bを確実に受けることができ、上述した作用効果を確実に奏することができる。
また、タンクレール553の膨出部553bを、上流端から上側が閉鎖されている部位まで延びるようにすると共に、上流端から下流側へ向かって幅方向が狭くなって主誘導部553aの幅と一致するように変化させるようにしているため、複数の遊技球Bが膨出部553b内において下流側へ向かうに従って、それらが幅方向に対して一列となるように整列させられることができる。また、タンクレール553における上側が閉鎖されている部位を、遊技球Bが流通する流路の高さが下流端へ向かうに従って低くなるように形成しているため、上流側(球タンク552側)において高さ方向へ複数段に積み重なっていた複数の遊技球Bを、タンクレール553における上側が閉鎖されている部位を通って下流側へ流通させることで、高さ方向の段数を少なくして一列に整列させることができる。したがって、タンクレール553により、複数の遊技球Bを、一列に整列させた状態で下流側(払出装置580側)へ誘導することができる。
更に、越流面部501m及び迂回通路552gを備えていることから、それらにおいて或る程度の数の遊技球Bを貯留することが可能となると共に、タンクレール553に膨出部553bを備えていることから、タンクレール553内の容積を大きくすることができるため、球タンク552と合わせてより多くの遊技球Bを貯留することができる。
また、迂回通路552g及び排出部551jを間にして球タンク552とは反対側に、電気配線が接続される複数の電線接続端子558aを備えた外部端子板558と、複数の電線接続端子558a(外部端子板558)の上側を覆う端子カバー551kとを備えているため、島設備から遊技球Bが供給される球タンク552に対して、電線接続端子558a及び端子カバー551kを遠くすることができるため、島設備から供給された遊技球Bが、球タンク552や越流面部501mにおいて跳ねたり勢いよく供給されたりしても、電線接続端子558a等に到達(当接)し難くすることができ、遊技球Bの当接によりショートしたり電気配線が外れたりするような不具合が発生することはない。
また、複数の電線接続端子558aを後方へ向けると共に、端子カバー551kの上面を、越流面部501mよりも高くしているため、島設備から球タンク552に供給された遊技球Bが球タンク552や越流面部501mで跳ねても、端子カバー551kの上面に乗り難くすることができると共に、端子カバー551kの上面に遊技球Bが乗っても、後側から落下し難くすることができ上述したような不具合の発生を回避させ易くすることができる。
更に、越流面部501mから球タンク552の案内面部552jに戻された遊技球Bは、案内面部552jの傾斜により球タンク552の上流側(図122において右方向)へ送られる。これにより、案内面部552j上の遊技球Bが、球タンク552内の遊技球Bに対して下流方向へ押圧することを防止することができ、球タンク552内において遊技球Bの詰りが発生することを防止することができる。
また、島設備から球タンク552に供給された遊技球Bが、球タンク552や越流面部501mで跳ねて、越流面部501mの左右両側にある左段部501nや右段部501oに乗っても、図122に示すように、それらの傾斜により遊技球Bを越流面部501mや迂回通路552gへ誘導することができ、本体枠4の外側に遊技球Bがこぼれることで不具合が発生するのを防止することができる。
また、球タンク552からタンクレール553側へ遊技球Bが流通する際に、遊技球Bが案内面部552jの下側を通る構成としているため、案内面部552jによりタンクレール553において上側に積み重なる遊技球Bの量(高さ)を、案内面部552jの下面よりも高くならないように規制することができる。したがって、タンクレール553における球タンク552(案内面部552j)の下流側、つまり、迂回通路552gの後端側において、上側へ遊技球Bを積み重ねることが可能なスペース(空き)を確保することができ、迂回通路552gにより誘導された遊技球Bを確実に受取ることができる。
更に、複数の電線接続端子558a及び端子カバー551kを、タンクレール553における上側が閉鎖されている部位の前方に配置しているため、端子カバー551kから後方へ遊技球Bが落下しても、その遊技球Bがタンクレール553に受入られることはなく、当該遊技球Bがタンクレール553内の遊技球Bに影響を与えて不具合が発生することを防止することができる。
また、球タンク552は導電性の樹脂により成型されるのに対して、タンクレール553と後述する周辺制御ユニット1500の周辺制御基板ボックスとは非導電性の樹脂により成型されている。本実施形態では、タンクレール553と周辺制御基板ボックスとが帯電すると、同じ極性となるようになっているため、タンクレール553に付着した遊技球Bの金属粉は、同じ極性の周辺制御基板ボックスと反発し、周辺制御基板ボックスに引き寄せられないようになっている。
[4−12.金属粉対策の構成]
次に、タンクレール553の樋状の主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉によって引き起こされる電気的なトラブル(短絡)を回避することができる金属粉対策の構成について、図125を参照して説明する。図125は、図117(a)のC−C線で切断した断面図の一部を拡大した図であり、金属粉対策の構成の概要図である。なお、図125では、遊技盤5の外形を実線により表し、説明上必要な遊技盤5の箇所のみ断面図として表した。
タンクレール553の樋状の主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaから落下する遊技球Bの金属粉(異物)がタンクレール553の下方に配置される周辺制御ユニット1500に付着すると、電気的なトラブルが生じて周辺制御ユニット1500に不具合が発生したり、誤動作したりする等の原因となる。例えば、周辺制御ユニット1500の周辺制御基板1510には、後述する周辺制御IC、ROM、SDRAM等のICを備え、後述する周辺データROM基板には、周辺データROM等のICを備えている。これらのICのピン間隔が小さくなっていると共に、周辺制御基板1510に備える各種コネクタ、特殊コネクタのピン間隔が狭くなり、周辺制御基板1510にコネクタの数が増大することで各種コネクタの間隔が狭くなり、コネクタと特殊コネクタとの間隔も狭くなっているため、タンクレールからの落下異物による電気的なトラブルの対策を講ずる必要がある。
まず、タンクレール553の樋状の主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaは、図125に示すように、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501と比べて後方へ向かってズレ(本実施形態では、遊技球Bの直径の約2分の1の距離寸法だけズレ)て配置されている。
タンクレール553が配置される払出ベース551の天板部551aの前後方向の断面形状は、上述したように、天板部551aの前辺から後辺へ向かう(天板部551aの前方から後方へ向かう)に従って下方へ複数屈曲した階段状に形成されている。この天板部551aの後辺から右側板部551cの下辺と同じ位置まで下方へ背板上部551dが延びている。タンクレール553が天板部551aに取付けられると、タンクレール553の下方に屈曲した天板部551aが配置されると共に、タンクレール553の後面と背板上部551dの後面とが略同一面上に配置されるようになっている。また、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態では、上述したように、裏カバー640に形成される当接部640aの前面が払出ベース551の背板上部551dの後面に面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、背板上部551dの後面において後方へ向かって突出して形成される凸部551daによって覆われている。
これにより、切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉は、天板部551aにおいて受けられて付着したり、凸部551daにおいて受けられて付着したりすることができるようになっている。更に、裏カバー640に形成される当接部640aの前面と払出ベース551の背板上部551dの後面とが面接触する当接した部分は、背板上部551dの後面において後方へ向かって突出して形成される凸部551daによって覆われているため、切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉がその当接した部分から、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502へ向かって落下することできないようになっている。
このように、払出ベース551の天板部551a、及び背板上部551dは、主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉が遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500へ向かって落下することを防止することができる庇として機能している。したがって、タンクレール553からの遊技球Bの金属粉による電気的なトラブルを防止することができる。
また、本実施形態では、タンクレール553の樋状の主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaと、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501と、がズレ(本実施形態では、遊技球Bの直径の約2分の1の距離寸法だけズレ)た配置となっていることにより(つまり、切り欠き部553aaの真下に周辺制御ユニット1500が配置されない構造となっていることにより)、タンクレール553からの遊技球Bの金属粉による電気的なトラブルを防止することができる金属粉対策に効果がある。
また、カバー体1501に複数形成される通風孔1501azは、カバー体1501の後面(後述するカバー平板)に設けられているのに対して、カバー体1501(後述するカバー平板)の上辺、左辺、下辺、及び右辺にそれぞれ設けられる各カバー側壁に設けられていないため、仮に、カバー体1501の上側壁(後述するカバー平板の上辺に形成されるカバー側壁)に遊技球Bの金属粉が付着してもカバー体1501の内部へ侵入することが困難とすることができるようになっている。
また、周辺制御ユニット1500におけるカバー体1501は、その中央側に、空冷ファンFANを取り付けるための正方形状を有する後述するFAN取付凹部が形成されると共に、FAN取付凹部の底面に複数の同心円上に沿って後述する円弧形状のスリット孔が複数それぞれ形成されている。また、カバー体1501は、その下辺側に沿って、カバー体1501の内側に取り付けられる周辺制御基板1510に備える後述する7つのコネクタ、及び音量調整スイッチと対応する位置に、7つのコネクタ穴、及び音量調整穴がそれぞれ形成されていると共に、後述する液晶出力基板に備える2つのコネクタと対応する位置に、2つのコネクタ穴がそれぞれ形成されている。カバー体1501の内側に周辺制御基板1510が取り付けられた状態では、周辺制御基板1510に備える7つのコネクタと、カバー体1501に形成される7つのコネクタ穴と、にすき間が形成されて、これらの7つコネクタ穴から周辺制御基板1510に備える7つのコネクタがそれぞれ露出すると共に、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチと、カバー体1501に形成される音量調整穴と、にすき間が形成されて、この音量調整穴から周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチが露出する。また、カバー体1501の内側に後述する液晶出力基板が取り付けられた状態では、液晶出力基板に備える2つのコネクタと、カバー体1501に形成される2つのコネクタ穴と、にすき間が形成されて、これらの2つコネクタ穴から液晶出力基板に備える2つのコネクタがそれぞれ露出する。
周辺制御ユニット1500に取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、カバー体1501に複数形成される通風孔1501az、そしてカバー体1501とベース体1502との空間内に収容されるシールド板1540に複数形成される通風孔1540azを介して、取り込むと共に、上述したすき間(周辺制御基板1510に備える7つのコネクタと、カバー体1501に形成される7つのコネクタ穴と、に形成されるすき間、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチと、カバー体1501に形成される音量調整穴と、に形成されるすき間、そして液晶出力基板に備える2つのコネクタと、カバー体1501に形成される2つのコネクタ穴と、に形成されるすき間)を介して、取り込むこととなる。
カバー体1501のFAN取付凹部の底面に形成される複数の円弧形状のスリット孔におけるそれぞれ面積を加えたもの(総面積)は、カバー体1501に複数形成される通風孔1501azにおける面積と、上述したすき間(周辺制御基板1510に備える7つのコネクタと、カバー体1501に形成される7つのコネクタ穴と、に形成されるすき間、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチと、カバー体1501に形成される音量調整穴と、に形成されるすき間、そして液晶出力基板に備える2つのコネクタと、カバー体1501に形成される2つのコネクタ穴と、に形成されるすき間)における面積と、を加えたものより小さくなっている。このため、周辺制御ユニット1500に取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、カバー体1501に複数形成される通風孔1501az、そしてカバー体1501とベース体1502との空間内に収容されるシールド板1540に複数形成される通風孔1540azを介して、取り込む際に、カバー体1501に複数形成される通風孔1501azのそれぞれに流入する空気の流速を小さく抑えることができる。これにより、遊技球Bの金属粉という重い粉が空気の流れの影響を受けて通風孔1501azを介してカバー体1501の内側空間へ侵入することを防止することができるようになっている。
因みに、周辺制御ユニット1500の空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、周辺制御ユニット1500の外部の空気をカバー体1501の内側空間へ向かって吸い込むときには、空冷ファンFANの羽部の回転による空気の流速が速くなるため、遊技球Bの金属粉という重い粉が空気の流れの影響を受けてカバー体1501の内側空間へ向かって吸い込まれる蓋然性が高くなり、吸い込んだ金属粉による電気的なトラブル(短絡)により、カバー体1501の内側に取り付けられる周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板に備える各種電子部品等に不具合(故障)が生ずることとなる。
そこで、このような電気的なトラブル(短絡)を防止するために、周辺制御ユニット1500におけるカバー体1501の上辺に沿って突出部を形成することにより、遊技球Bの金属粉という重い粉が空冷ファンFANに吸い込まれることを防止する庇としての機能を有するように構成することができるし、カバー体1501に形成されるFAN取付凹部の上辺近傍に沿って突出部を形成することにより、遊技球Bの金属粉という重い粉が空冷ファンFANに吸い込まれることを防止する庇としての機能を有するように構成することができるし、空冷ファンFANの奥行き方向の距離寸法(厚み)を薄いタイプのものを選定して(つまり、FAN取付凹部の奥行き方向の距離寸法と比べて、空冷ファンFANの奥行き方向の距離寸法(厚み)が短い距離寸法を有するものを選定して)、カバー体1501に形成されるFAN取付凹部に空冷ファンFANを収容した際にFAN取付凹部の内壁により、遊技球Bの金属粉という重い粉が空冷ファンFANに吸い込まれることを防止する庇としての機能を有するように構成することができる。なお、周辺制御ユニット1500の構成についての詳細な説明を後述する。
次に、遊技球Bの金属粉よって引き起こされる電気的なトラブルを回避することができるという金属粉対策が講じられる本発明の他の構成(以下、「第2乃至5実施形態に係る金属粉対策の構成」と記載する。)について、図126乃至図129を参照して説明する。図126は第2実施形態に係る金属粉対策の構成であり、第2実施形態に係る金属粉対策の構成の概要図である。図127は第3実施形態に係る金属粉対策の構成であり、第3実施形態に係る金属粉対策の構成の概要図である。図128は第4実施形態に係る金属粉対策の構成であり、第4実施形態に係る金属粉対策の構成の概要図である。図129は第5実施形態に係る金属粉対策の構成であり、第5実施形態に係る金属粉対策の構成の概要図である。なお、図126乃至図129では、図125に示した実施形態(以下、「第1実施形態に係る金属粉対策の構成」と記載する。)と同じ機能を奏する部材には、同じ符号を付して表すと共に、遊技盤5の外形を実線により表し、説明上必要な遊技盤5の箇所のみ断面図として表した。
[第1実施形態に係る金属粉対策の構成と第2実施形態に係る金属粉対策の構成との対比]
第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、タンクレール553が配置される天板部551aの前後方向の断面形状は、上述したように、天板部551aの前辺から後辺へ向かう(天板部551aの前方から後方へ向かう)に従って下方へ複数屈曲した階段状に形成され、この天板部551aの後辺から右側板部551cの下辺と同じ位置まで下方へ背板上部551dが延びており、タンクレール553が天板部551aに取付けられると、上述したように、タンクレール553の下方に屈曲した天板部551aが配置されると共に、タンクレール553の後面と背板上部551dの後面とが略同一面上に配置されるようになっている。
これに対して、第2実施形態に係る金属粉対策の構成では、図126に示すように、タンクレール553が配置される天板部551aの前後方向の断面形状は、天板部551aの前辺から後辺へ向かう(天板部551aの前方から後方へ向かう)に従って下方へ複数屈曲した階段状に形成されるものの、第1実施形態に係る金属粉対策の構成における上述した背板上部551dが全く設けられず、屈曲した天板部551aの後辺が天板部551aに形成される樋状の主誘導部553aの前壁と平行となると共に、主誘導部553aの底部から上方へ向かって所定距離寸法(本実施形態では、遊技球Bの直径の約2分の1の距離寸法)を有して形成されている。つまり、屈曲した天板部551aの端面が主誘導部553aの底部と比べて上方に配置されている。タンクレール553が天板部551aに取付けられると共に、遊技盤5がパチンコ機1に装着された状態では、タンクレール553の下方に裏ユニット3000における裏箱3010の上壁3010aが配置されると共に、タンクレール553の後面と裏ユニット3000における裏箱3010の後面3010dとが略同一面上に配置されるようになっている。なお、タンクレール553と略同一面上に配置される裏ユニット3000における裏箱3010の後面3010dは、演出表示装置1600を取り付ける部分から枝分かれして後方へ向かって延出されて形成されている。
また、第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において、上述したように、裏カバー640に形成される当接部640aの前面が払出ベース551の背板上部551dの後面に面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、背板上部551dの後面において後方へ向かって突出して形成される凸部551daによって覆われている。
これに対して、第2実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において裏カバー640に形成される当接部640aの前面が裏箱3010の後面3010dに形成される取付凹部3010daに面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、取付凹部3010daにより形成される上壁によって覆われている。
このように、第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、タンクレール553が天板部551aに取付けられると、タンクレール553の下方に屈曲した天板部551aが配置されると共に、タンクレール553の後面と背板上部551dの後面とが略同一面上に配置されるのに対して、第2実施形態に係る金属粉対策の構成では、タンクレール553が天板部551aに取付けられると共に、遊技盤5がパチンコ機1に装着された状態において、タンクレール553の下方に裏ユニット3000における裏箱3010の上壁3010aが配置されると共に、タンクレール553の後面と裏ユニット3000における裏箱3010の後面3010dとが略同一面上に配置されるという点で相違している。また、第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において裏カバー640に形成される当接部640aの前面が払出ベース551の背板上部551dの後面に面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、背板上部551dの後面において後方へ向かって突出して形成される凸部551daによって覆われるのに対して、第2実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において裏カバー640に形成される当接部640aの前面が裏箱3010の後面3010dに形成される取付凹部3010daに面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、取付凹部3010daにより形成される上壁によって覆われるという点で相違している。
第2実施形態に係る金属粉対策の構成においても、第1実施形態に係る金属粉対策の構成と同様な作用効果を奏することができる。つまり、主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉は、裏ユニット3000における裏箱3010の上壁3010aにおいて受けられて付着することができるようになっている。更に、裏カバー640に形成される当接部640aの前面と裏箱3010の後面3010dに形成される取付凹部3010daとが面接触する当接した部分は、取付凹部3010daにより形成される上壁によって覆われているため、切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉がその当接した部分から、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502へ向かって落下することできないようになっている。
このように、裏ユニット3000における裏箱3010の上壁3010a、及び裏箱3010の後面3010dは、主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉が遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500へ向かって落下することを防止することができる庇として機能している。したがって、タンクレール553からの遊技球Bの金属粉による電気的なトラブルを防止することができる。
なお、第2実施形態に係る金属粉対策の構成において、切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉が、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502へ向かって落下することができない。このため、周辺制御ユニット1500におけるカバー体1501には、冷却効果を向上させるため、カバー体1501(後述するカバー平板)の上辺に複数形成される通風孔1501azを設けるのが望ましい。
[第1実施形態に係る金属粉対策の構成と第3実施形態に係る金属粉対策の構成との対比]
第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、タンクレール553が配置される天板部551aの前後方向の断面形状は、上述したように、天板部551aの前辺から後辺へ向かう(天板部551aの前方から後方へ向かう)に従って下方へ複数屈曲した階段状に形成され、この天板部551aの後辺から右側板部551cの下辺と同じ位置まで下方へ背板上部551dが延びており、タンクレール553が天板部551aに取付けられると、上述したように、タンクレール553の下方に屈曲した天板部551aが配置されると共に、タンクレール553の後面と背板上部551dの後面とが略同一面上に配置されるようになっている。
これに対して、第3実施形態に係る金属粉対策の構成では、図127に示すように、タンクレール553が配置される天板部551aの前後方向の断面形状は、天板部551aの前辺から後辺へ向かう(天板部551aの前方から後方へ向かう)に従って下方へ複数屈曲した階段状に形成されるものの、第1実施形態に係る金属粉対策の構成における上述した背板上部551dが全く設けられていない。タンクレール553が天板部551aに取付けられると、タンクレール553の下方に屈曲した天板部551aが配置されると共に、この屈曲した天板部551aの端面がタンクレール553の後面寄りであって主誘導部553aに形成される切り欠き部553aaの下方まで突出して配置されるようになっている。
また、第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において、上述したように、裏カバー640に形成される当接部640aの前面が払出ベース551の背板上部551dの後面に面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、背板上部551dの後面において後方へ向かって突出して形成される凸部551daによって覆われている。
これに対して、第3実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において裏カバー640に形成される当接部640aの前面が、タンクレール553の下方に配置される屈曲した天板部551aの端面に面接触する当接した状態となっていると共に、タンクレール553の下方に配置される屈曲した天板部551aの上面と当接部640aの上面とが同一面に配置されている。
このように、第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、タンクレール553が天板部551aに取付けられると、タンクレール553の下方に屈曲した天板部551aが配置されると共に、タンクレール553の後面と背板上部551dの後面とが略同一面上に配置されるのに対して、第3実施形態に係る金属粉対策の構成では、タンクレール553が天板部551aに取付けられると、タンクレール553の下方に屈曲した天板部551aが配置されると共に、タンクレール553の後面と、タンクレール553の下方に配置される屈曲した天板部551aの端面と、が略同一面上に配置されるという点で相違している。また、第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において裏カバー640に形成される当接部640aの前面が払出ベース551の背板上部551dの後面に面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、背板上部551dの後面において後方へ向かって突出して形成される凸部551daによって覆われるのに対して、第3実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において裏カバー640に形成される当接部640aの前面が、タンクレール553の下方に配置される屈曲した天板部551aの端面に面接触する当接した状態となっていると共に、タンクレール553の下方に配置される屈曲した天板部551aの上面と当接部640aの上面とが同一面に配置されるという点で相違している。
第3実施形態に係る金属粉対策の構成においても、第1実施形態に係る金属粉対策の構成と同様な作用効果を奏することができる。つまり、主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉は、タンクレール553の下方に配置された屈曲した天板部551aや裏カバー640の当接部640aの上面において受けられて付着することができるようになっている。更に、裏カバー640に形成される当接部640aの前面と、タンクレール553の下方に配置された屈曲した天板部551aの端面と、が面接触する当接した部分は、当接していることにより、すき間が形成されない状態となっているため、切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉がその当接した部分から、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502へ向かって落下することできないようになっている。
このように、タンクレール553の下方に配置された屈曲した天板部551aは、主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉が遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500へ向かって落下することを防止することができる庇として機能している。したがって、タンクレール553からの遊技球Bの金属粉による電気的なトラブルを防止することができる。
なお、裏カバー640に形成される当接部640aの前面と、タンクレール553の下方に配置された屈曲した天板部551aの端面と、が面接触する当接した部分は、当接していることにより、すき間が形成されない状態となっているが、裏カバー640に形成される当接部640aがタンクレール553の下方に配置された屈曲した天板部551aの下に密接して潜り込んだ状態の位置関係もしくは、タンクレール553の下方に配置された屈曲した天板部551aが裏カバー640に形成される当接部640aの下に密接して潜り込んだ状態の位置関係においても裏カバー640に形成される当接部640aとタンクレール553の下方に配置された屈曲した天板部551aの密接した部分にはすき間が形成されない状態となっているため、切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉がその密接した部分から、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502へ向かって落下することできないようになっている。
また、第3実施形態に係る金属粉対策の構成において、切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉が、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502へ向かって落下することができない。このため、周辺制御ユニット1500におけるカバー体1501には、冷却効果を向上させるため、カバー体1501(後述するカバー平板)の上辺に複数形成される通風孔1501azを設けるのが望ましい。
[第1実施形態に係る金属粉対策の構成と第4実施形態に係る金属粉対策の構成との対比]
第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、タンクレール553が配置される天板部551aの前後方向の断面形状は、上述したように、天板部551aの前辺から後辺へ向かう(天板部551aの前方から後方へ向かう)に従って下方へ複数屈曲した階段状に形成され、この天板部551aの後辺から右側板部551cの下辺と同じ位置まで下方へ背板上部551dが延びており、タンクレール553が天板部551aに取付けられると、上述したように、タンクレール553の下方に屈曲した天板部551aが配置されると共に、タンクレール553の後面と背板上部551dの後面とが略同一面上に配置されるようになっている。
これに対して、第4実施形態に係る金属粉対策の構成では、図128に示すように、タンクレール553が配置される天板部551aの前後方向の断面形状は、天板部551aの前辺から後辺へ向かう(天板部551aの前方から後方へ向かう)に従って下方へ複数屈曲した階段状に形成されるものの、第1実施形態に係る金属粉対策の構成における上述した背板上部551dが全く設けられていない。タンクレール553が天板部551aに取付けられると、タンクレール553の下方に屈曲した天板部551aが配置されると共に、屈曲した天板部551aの端面がタンクレール553の後面から後方へ向かって所定距離寸法(本実施形態では、遊技球Bの直径の約3分の1の距離寸法)だけ突出して配置されるようになっている。
また、第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において、上述したように、裏カバー640に形成される当接部640aの前面が払出ベース551の背板上部551dの後面に面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、背板上部551dの後面において後方へ向かって突出して形成される凸部551daによって覆われている。
これに対して、第4実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において裏カバー640に形成される当接部640aの前面が、タンクレール553の下方に配置された、屈曲した天板部551aの後面において下方へ向かって突出して形成される凸部551abに面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、タンクレール553の下方に配置された、屈曲した天板部551aの後面によって覆われている。
このように、第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、タンクレール553が天板部551aに取付けられると、タンクレール553の下方に屈曲した天板部551aが配置されると共に、タンクレール553の後面と背板上部551dの後面とが略同一面上に配置されるのに対して、第4実施形態に係る金属粉対策の構成では、タンクレール553が天板部551aに取付けられると、タンクレール553の下方に屈曲した天板部551aが配置されると共に、屈曲した天板部551aの端面がタンクレール553の後面と比べて後方へ向かって少し突出するように配置されるという点で相違している。また、第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において裏カバー640に形成される当接部640aの前面が払出ベース551の背板上部551dの後面に面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、背板上部551dの後面において後方へ向かって突出して形成される凸部551daによって覆われるのに対して、第4実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において裏カバー640に形成される当接部640aの前面が、タンクレール553の下方に配置された、屈曲した天板部551aの後面において下方へ向かって突出して形成される凸部551abに面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、タンクレール553の下方に配置された、屈曲した天板部551aの後面によって覆われるという点で相違している。
第4実施形態に係る金属粉対策の構成においても、第1実施形態に係る金属粉対策の構成と同様な作用効果を奏することができる。つまり、主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉は、タンクレール553の下方に配置された、屈曲した天板部551aにおいて受けられて付着することができるようになっている。更に、裏カバー640に形成される当接部640aの前面と、タンクレール553の下方に配置された、屈曲した天板部551aの後面において下方へ向かって突出して形成される凸部551abと、が面接触する当接した部分は、タンクレール553の下方に配置された、屈曲した天板部551aの後面によって覆われているため、切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉がその当接した部分から、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502へ向かって落下することできないようになっている。
このように、タンクレール553の下方に配置された、屈曲した天板部551aは、主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉が遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500へ向かって落下することを防止することができる庇として機能していると共に、遊技球Bの金属粉の受け皿としても機能している。したがって、タンクレール553からの遊技球Bの金属粉による電気的なトラブルを防止することができる。
なお、第4実施形態に係る金属粉対策の構成においては、タンクレール553の下方に配置される庇として機能する屈曲した天板部551aを、別部材(別の構造部品)として天板部551aに取付けるように構成することもできる。
また、天板部551aを、別部材(別の構造部品)とした場合は、付着した金属粉を取り除くことを目的として脱着可能または取り付け位置から動かせて取り付け位置に戻せる機構としても良い。この場合、天板部551aは周辺の部材と異なる色とすることにより、脱着可能または取り付け位置から動かせて取り付け位置に戻せる機構部分を明確にでき、付着した金属粉を取り除く作業の容易性を向上させる。
また、第4実施形態に係る金属粉対策の構成において、切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉が、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502へ向かって落下することができない。このため、周辺制御ユニット1500におけるカバー体1501には、冷却効果を向上させるため、カバー体1501(後述するカバー平板)の上辺に複数形成される通風孔1501azを設けるのが望ましい。
[第1実施形態に係る金属粉対策の構成と第5実施形態に係る金属粉対策の構成との対比]
第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、タンクレール553が配置される天板部551aの前後方向の断面形状は、上述したように、天板部551aの前辺から後辺へ向かう(天板部551aの前方から後方へ向かう)に従って下方へ複数屈曲した階段状に形成され、この天板部551aの後辺から右側板部551cの下辺と同じ位置まで下方へ背板上部551dが延びており、タンクレール553が天板部551aに取付けられると、上述したようにタンクレール553の下方に屈曲した天板部551aが配置されると共に、タンクレール553の後面と背板上部551dの後面とが略同一面上に配置されるようになっている。
これに対して、第5実施形態に係る金属粉対策の構成では、図129に示すように、タンクレール553が配置される天板部551aの前後方向の断面形状は、天板部551aの前辺から後辺へ向かう(天板部551aの前方から後方へ向かう)に従って下方へ複数屈曲した階段状に形成されるものの、第1実施形態に係る金属粉対策の構成における上述した背板上部551dが全く設けられず、屈曲した天板部551aの後辺が天板部551aに形成される樋状の主誘導部553aの前壁と平行となると共に、主誘導部553aの底部から下方へ向かって所定距離寸法(本実施形態では、遊技球Bの直径の約2分の1の距離寸法)を有して形成されている。つまり、屈曲した天板部551aの端面が主誘導部553aの底部と比べて下方に突出して配置されるようになっている。
また、第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において、上述したように、裏カバー640に形成される当接部640aの前面が払出ベース551の背板上部551dの後面に面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、背板上部551dの後面において後方へ向かって突出して形成される凸部551daによって覆われている。
これに対して、第5実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において裏カバー640の上辺側が前方へ向かって大きく折り曲げられて形成される当接部640aの前面が、樋状の主誘導部553aの前壁と平行に配置されると共に、主誘導部553aの底部と比べて下方に突出して配置される天板部551aの後面に面接触する当接した状態となっている。
また、第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において、上述したように、裏カバー640に形成される当接部640aの前面が払出ベース551の背板上部551dの後面に面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、背板上部551dの後面において後方へ向かって突出して形成される凸部551daによって覆われている。
これに対して、第5実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において裏カバー640に形成される当接部640aの前面が、樋状の主誘導部553aの前壁と平行に配置されると共に主誘導部553aの底部と比べて下方に突出して配置される天板部551aの後面に面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaより前方に大きくズレて配置されている。
このように、第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、タンクレール553が天板部551aに取付けられると、タンクレール553の下方に屈曲した天板部551aが配置されると共に、タンクレール553の後面と背板上部551dの後面とが略同一面上に配置されるのに対して、第5実施形態に係る金属粉対策の構成では、タンクレール553が天板部551aに取付けられると、タンクレール553の下方に、屈曲した天板部551aが配置されず、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において裏カバー640の上辺側が前方へ向かって大きく折り曲げられて形成される当接部640aが配置されるという点で相違している。また、第1実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において裏カバー640に形成される当接部640aの前面が払出ベース551の背板上部551dの後面に面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、背板上部551dの後面において後方へ向かって突出して形成される凸部551daによって覆われるのに対して、第5実施形態に係る金属粉対策の構成では、裏カバー640が本体枠4に組立てた状態において裏カバー640に形成される当接部640aの前面が、樋状の主誘導部553aの前壁と平行に配置されると共に主誘導部553aの底部と比べて下方に突出して配置される天板部551aの後面に面接触する当接した状態となっていると共に、この当接した部分が、主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaより前方に大きくズレて配置されるという点で相違している。
第5実施形態に係る金属粉対策の構成においても、第1実施形態に係る金属粉対策の構成と同様な作用効果を奏することができる。つまり、主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉は、タンクレール553の下方に配置された、裏カバー640の上辺側が前方へ向かって大きく折り曲げられて形成される当接部640aの上面において受けられて付着することができるようになっている。更に、裏カバー640に形成される当接部640aの前面と、樋状の主誘導部553aの前壁と平行に配置されると共に主誘導部553aの底部と比べて下方に突出して配置される天板部551aの後面と、が面接触する当接した部分は、主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaより前方に大きくズレて配置されていると共に、当接しているため、すき間が形成されない状態となっている。このため、切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉がその当接した部分から、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502へ向かって落下することできないようになっている。
このように、裏カバー640の上辺側が前方へ向かって大きく折り曲げられて形成される当接部640aは、主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉が遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500へ向かって落下することを防止することができる庇として機能していると共に、遊技球Bの金属粉の受け皿としても機能している。したがって、タンクレール553からの遊技球Bの金属粉による電気的なトラブルを防止することができる。
なお、第5実施形態に係る金属粉対策の構成において、切り欠き部553aaを介して主誘導部553aから外部へ落下した遊技球Bの金属粉が、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502へ向かって落下することができない。このため、周辺制御ユニット1500におけるカバー体1501には、冷却効果を向上させるため、カバー体1501(後述するカバー平板)の上辺に複数形成される通風孔1501azを設けるのが望ましい。
因みに、従来より、球タンクからの遊技球を下流側へ導くタンクレールを備える遊技機が提案されている(例えば、特開2013−215440号公報(図2))。このタンクレールには、遊技球によって生ずる異物を排出する孔が設けられていた。ところが、タンクレールに設けられる孔から落下する異物がタンクレールの下方に配置される制御基板に付着すると、電気的なトラブルが生じて制御基板に不具合が発生したり、誤動作したりする等の原因となっていた。最近の制御基板では、制御対象の数が増大することによりコネクタのピン間隔が狭くなり、コネクタの数が増大することでコネクタの間隔が狭くなっていると共に、さらに、ICのピン間隔が小さくなっているため、タンクレールからの落下異物による電気的なトラブルの対策を講ずる必要がある。
[5.遊技盤の全体構成]
パチンコ機1における遊技盤5の全体構成について、主に図130乃至図137を参照して詳細に説明する。図130は、パチンコ機において遊技パネルを不透明にした遊技盤の正面図である。図131は図130の遊技盤を前から見た斜視図であり、図132は遊技盤を後ろから見た斜視図である。図133は遊技盤を主な部材毎に分解して前から見た分解斜視図であり、図134は遊技盤を主な部材毎に分解して後ろから見た分解斜視図である。図135は、遊技パネルを透明にした状態の遊技盤の正面図である。図136は、遊技パネルを不透明にして遊技球が流通する遊技領域内と障害釘とを現した状態で示す遊技盤の正面図である。図137は、遊技盤におけるアタッカユニット付近を拡大して示す正面図である。
パチンコ機1の遊技盤5は、遊技者がハンドルユニット180のハンドル182を操作することで遊技球Bが打込まれる遊技領域5aを有している。遊技領域5aには、遊技球Bの受入れ又は通過により遊技者に対して所定の特典(例えば、所定数の遊技球Bの払出し)を付与する一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005が備えられている。したがって、遊技盤5は、遊技球Bが、遊技領域5a内の一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、第二始動口2004、及び大入賞口2005等に、受入れられたり通過したりするように、ハンドル182の打込操作と遊技領域5a内での遊技球Bの流通とを楽しませる遊技を行うためのものである。
遊技盤5は、遊技領域5aの外周を区画し外形が正面視略四角形状とされた前構成部材1000と、前構成部材1000の後側に取付けられており遊技領域5aの後端を区画する板状の遊技パネル1100と、を備えている。遊技パネル1100の前面における遊技領域5a内となる部位には、遊技球Bと当接する複数の障害釘N(図136を参照)が所定のゲージ配列で植設されている。また、遊技盤5は、遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200と、基板ホルダ1200の後面に取付けられており遊技球Bを遊技領域5a内へ打込むことで行われる遊技内容を制御する主制御基板1310(図115及び図185等を参照)を有している主制御ユニット1300と、を備えている。
また、遊技盤5は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技状況を表示し前構成部材1000の左上隅に遊技者側へ視認可能に取付けられている機能表示ユニット1400と、遊技パネル1100の後側に配置されている周辺制御ユニット1500と、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており所定の演出画像を表示可能な演出表示装置1600と、遊技パネル1100の後側に配置されている駆動基板ユニット1700と、遊技パネル1100の前面に取付けられる表ユニット2000と、遊技パネル1100の後面に取付けられる裏ユニット3000と、を更に備えている。
裏ユニット3000の後面に演出表示装置1600が取付けられていると共に、演出表示装置1600の後面に周辺制御ユニット1500が取付けられている。また、演出表示装置1600の後方で裏ユニット3000の後面に、駆動基板ユニット1700が取付けられている。
遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120(図141等を参照)と、を備えている。
駆動基板ユニット1700は、主制御基板1310と遊技盤5に設けられる各種センサとの接続を中継しているパネル中継基板1710と、周辺制御基板1510からのコマンドに応じて表ユニット2000や裏ユニット3000に備えられている装飾基板及び駆動モータを駆動させるパネル駆動基板1720と、パネル中継基板1710とパネル駆動基板1720とを収容している駆動基板ボックス1730と、を備えている。駆動基板ボックス1730は、背面視左辺側が裏ユニット3000における裏箱3010の後面にヒンジ回転可能に取付けられていると共に、背面視右辺側が演出表示装置1600の後面に着脱可能に取付けられている。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能に常時開口している複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球Bの通過を検知するゲート部2003と、遊技球Bがゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる大入賞口2005と、を備えている。
また、表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2002を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように取付けられており三つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、サイドユニット2200の正面視左上で内レール1002に沿うように取付けられているサイドスロープ2300と、遊技領域5a内の正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に取付けられており一つの一般入賞口2001、第二始動口2004、及び大入賞口2005を有しているアタッカユニット2400と、始動口ユニット2100及びサイドユニット2200よりも上方で、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに取付けられており、ゲート部2003を有している枠状のセンター役物2500と、センター役物2500の枠内を閉鎖するようにセンター役物2500に取付けられている表演出ユニット2600と、を備えている。
アタッカユニット2400には、自身に備えられている一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ2401と、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2402と、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2403と、を備えている。また、センター役物2500は、ゲート部2003を通過した遊技球Bを検知するゲートセンサ2506を備えている。
裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており演出表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構3020と、を備えている。また、裏ユニット3000は、表ユニット2000のサイドユニット2200に備えられている一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ3002と、第一始動口2002付近に作用する磁気を検知する磁気センサ3003と、を備えている(図185を参照)。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010内における開口部3010aの下側に取付けられている裏下演出ユニット3100と、裏箱3010内における開口部3010aの上側に取付けられている裏上演出ユニット3200と、裏箱3010内における開口部3010aの左側に取付けられている裏左演出ユニット3300と、裏箱3010内における開口部3010aの右側に取付けられている裏右演出ユニット3400と、を備えている。
[5−1.前構成部材]
遊技盤5における前構成部材1000について、主に図138乃至図142を参照して詳細に説明する。図138は遊技盤における前構成部材及び遊技パネルの正面図であり、図139は前構成部材及び遊技パネルを前から見た斜視図であり、図140は前構成部材及び遊技パネルを後ろから見た斜視図である。図141は前構成部材及び遊技パネルを分解して前から見た分解斜視図であり、図142は前構成部材及び遊技パネルを分解して後ろから見た分解斜視図である。
前構成部材1000は、全体が透明に形成されている。前構成部材1000は、正面視の外形が略正方形とされ、内形が略円形状に前後方向へ貫通しており、内形の内周によって遊技領域5aの外周を区画している。この前構成部材1000は、正面視で左右方向中央から左寄りの下端から時計回りの周方向へ沿って円弧状に延び正面視左右方向中央上端を通り過ぎて右斜め上部まで延びた外レール1001と、外レール1001に略沿って前構成部材1000の内側に配置され正面視左右方向中央下部から正面視左斜め上部まで円弧状に延びた内レール1002と、内レール1002の下端の正面視右側で遊技領域5aの最も低くなった位置に形成されており後方へ向かって低くなるように傾斜しているアウト誘導部1003と、を備えている。
また、前構成部材1000は、アウト誘導部1003の正面視右端から前構成部材1000の右辺付近まで右端側が僅かに高くなるように直線状に傾斜している右下レール1004と、右下レール1004の右端から前構成部材1000の右辺に沿って外レール1001の上端の下側まで延びており上部が前構成部材1000の内側へ湾曲している右レール1005と、右レール1005の上端と外レール1001の上端とを繋いでおり外レール1001に沿って転動して来た遊技球Bが当接する衝止部1006と、を備えている。
また、前構成部材1000は、内レール1002の上端に回動可能に軸支され、外レール1001との間を閉鎖するように内レール1002の上端から上方へ延出した閉鎖位置と正面視時計回りの方向へ回動して外レール1001との間を開放した開放位置との間でのみ回動可能とされると共に閉鎖位置側へ復帰するように図示しないバネによって付勢された逆流防止部材1007を、備えている。
更に、前構成部材1000は、枠内における正面視左右方向中央下部で、アウト誘導部1003の後端において前後に貫通しているアウト口1008を備えている。アウト誘導部1003によって後方へ誘導された遊技球Bは、アウト口1008を通って前構成部材1000(遊技パネル1100)の後方へ排出される。
また、前構成部材1000は、外レール1001及び内レール1002における下端から略垂直に延びた付近の部位の外側、アウト誘導部1003及び右下レール1004の下側、及び右レール1005の外側、のそれぞれの部位において、前端から後方へ窪んだ防犯凹部1009を備えている。この防犯凹部1009は、遊技盤5を本体枠4に取付けて、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態とすると、扉枠3における防犯カバー170の後方へ突出した後方突片172が挿入された状態となる。これにより、防犯カバー170と遊技盤5(前構成部材1000)との間が、防犯カバー170の後方突片172と前構成部材1000の防犯凹部1009とによって複雑に屈曲した状態となるため、遊技盤5の前面下方より防犯カバー170と前構成部材1000との間を通してピアノ線等の不正な工具を遊技領域5a内に侵入させようとしても、後方突片172や防犯凹部1009に阻まれることとなり、遊技領域5a内への不正な工具の侵入を阻止することができる。
また、前構成部材1000は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1010を備えている。この切欠部1010は、遊技パネル1100における図示しないパネルホルダの切欠部と一致しており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、切欠部1010及び切欠部を貫通して下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端開口が前方へ臨むようになっている。
更に、前構成部材1000は、正面視において左上隅に形成されており、機能表示ユニット1400が取付けられる機能表示ユニット取付部1011と、左下隅に形成されている証紙貼付部1012と、を備えている。
また、前構成部材1000は、略全体が透明に形成されており、後側に配置されている遊技パネル1100のパネル板1110等を前方から視認することができる。つまり、前構成部材1000を通して、後述する装飾パターン1150前後に重なっている部位を前方から視認することができる(図144を参照)。
また、前構成部材1000は、前面における四隅に、前方へ突出している円柱状のボス部1020を備えている。これら四つのボス部1020は、複数の前構成部材1000のみを運搬する際に、前構成部材1000を重ねた状態で位置決めして、荷ズレを防止するためのものである。
[5−2.遊技パネル]
遊技盤5における遊技パネル1100について、主に図138乃至図145等を参照して詳細に説明する。図143(a)は基板カバーを取外した状態で示す遊技パネルの正面図であり、(b)は(a)における下側のパネル装飾基板付近を拡大して示す正面図である。図144は、遊技パネルの装飾パターンと前構成部材及び表ユニットとの関係を示す説明図である。図145は、遊技パネルにおける装飾パターンと障害釘との関係を示す遊技盤の正面図である。
遊技パネル1100は、前構成部材1000の後面に取付けられており、表ユニット2000及び裏ユニット3000が取付けられるものである。遊技パネル1100は、外周が枠状の前構成部材1000の内周よりもやや大きく形成されていると共に透明な合成樹脂で形成されている平板状のパネル板1110と、パネル板1110の外周を保持しており前構成部材1000の後側に取付けられると共に後面に裏ユニット3000が取付けられる枠状のパネルホルダ1120と、を備えている。
また、遊技パネル1100は、パネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aが実装されているパネル装飾基板1130と、パネル装飾基板1130をパネルホルダ1120に取付けている基板カバー1135と、を備えている。パネル装飾基板1130は、パネルホルダ1120の正面視左上隅に配置される左上パネル装飾基板1131と、パネルホルダ1120の正面視左下隅に配置される左下パネル装飾基板1132と、から構成されている。基板カバー1135は、左上パネル装飾基板1131をパネルホルダ1120に取付けるための左上基板カバー1136と、左下パネル装飾基板1132をパネルホルダ1120に取付けるための左下基板カバー1137と、から構成されている。
遊技パネル1100のパネル板1110は、アクリル樹脂、ポリカーボネイト樹脂、ポリアリレート樹脂、メタクリル樹脂等の合成樹脂板や、ガラスや金属等の無機質板により形成されている。このパネル板1110の板厚は、パネルホルダよりも薄く、障害釘Nを前面に植設したり表ユニット2000を取付けたりしても十分に保持可能な必要最低限の厚さ(8〜10mm)とされている。なお、本実施形態では、透明な合成樹脂板によってパネル板1110が形成されている。
パネル板1110は、遊技領域5a内において最も低い位置となり前構成部材1000のアウト口1008と対応した位置に下端から上方へ窪んだアウト凹部1111が形成されている。また、パネル板1110には、前後に貫通しており表ユニット2000を取付けるための開口部1112が複数形成されている。
また、パネル板1110は、前後に貫通した丸孔及び短い長孔に形成されている複数の位置決孔1113と、上縁と下縁とにおいてそれぞれ左右方向へ離隔しており板厚が薄く形成されている複数の係合段部1114と、を備えている。位置決孔1113は、パネルホルダ1120の突出ピン1124が挿入されることで、パネルホルダ1120との位置決めをするためのものである。係合段部1114は、パネルホルダ1120の係合爪1125や係合片1126に係合されることで、パネルホルダ1120に対して着脱可能に取付けられるためのものである。
パネル板1110は、図143(a)等に示すように、センター役物2500を取付けるための大きな開口部1112が、正面視において中央よりも右上にオフセットしている。これにより、パネル板1110が枠状となっており、正面視において、遊技球Bの流通方向(枠状の周方向)に対して直交している幅が、中央より左側と下側が複数の遊技球Bが並ぶことが可能な広い幅となっており、上側と右側が複数の遊技球Bが並ぶことが不能な狭い幅となっている。
このパネル板1110は、後面に、複数の線状の溝により形成した装飾パターン1150を備えている。本実施形態の装飾パターン1150は、一定の間隔で水平に延びた複数の水平線と、複数の水平線と同じ間隔で反時計回りに60度回転させた複数の右上り斜線と、水平線と右上り斜線との交点を通り、複数の水平線と同じ間隔で時計回りに60度回転させた複数の左上り斜線と、で構成された幾何学模様の絵柄である。換言すると、装飾パターン1150は、水平線と右上り斜線と左上り斜線とで形成された正三角形の輪郭が一定のパターンで複数並んだ幾何学模様の絵柄である。この装飾パターン1150は、遊技盤5に組立てた状態で、第一始動口2002の左右両側となる二つの正三角形の輪郭の部位と、内レール1002の上端付近の三つの正三角形の輪郭の部位とのそれぞれの内側に、大きさの異なる二つの正三角形の輪郭線からなる絵柄を、更に備えている。
また、複数の線状の溝により形成された装飾パターン1150は、断面形状が鋭角を有するV字状に形成されている。この装飾パターン1150は、遊技パネル1100に搭載される各種のLEDを発光させていない状態(当該遊技機1の電源が投入されていない状態も含む)でも、線状の溝の存在を前方の遊技者側から視認することができるように、所定の深さ(本実施例では1mm)を超える深さで形成されており、進行方向の異なる複数の線状の溝の組み合わせによって、正三角形の輪郭からなる幾何学模様の絵柄を前方の遊技者側から識別可能にして、遊技領域5a内を装飾している。また、パネル板1110は、パネル装飾基板1130のパネル装飾用LED1130aを発光させてパネル板1110の内部(側面)に光を入射させると、複数の正三角形の輪郭からなる幾何学模様の絵柄を構成する複数の線状の溝で光が反射し(鋭角を成す面部で光が反射し)、装飾パターン1150を発光装飾させることができる。またこの装飾パターン1150は、パネル装飾基板1130のパネル装飾用LED1130aを発光させていない状態であっても、パネル板1110の後方で発せられた他の光が線状の溝の後方や斜め後方から入射されると、複数の正三角形の輪郭からなる幾何学模様の絵柄を構成する複数の線状の溝で光が反射し(鋭角を成す面部で光が反射し)、その入光量に応じた態様(発光濃度、反射濃度あるいは輝度)で装飾パターン1150が発光装飾されうるようになっている。なお、パネル板1110の後方で発せられた他の光が線状の溝の後方や斜め後方から入射されたとしても、その入光量が著しく少ない場合には、装飾パターン1150の発光装飾が遊技者に認識困難となる。
本例のパチンコ機1では、パネル板1110の後方に裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420が設けられている。また、裏左上可動装飾体3310にはLED3311aaが実装される裏左上先段装飾基板3311aを、裏左下可動装飾体3320にはLED3321aaが実装される裏左下先段装飾基板3321aを、裏右上可動装飾体3410にはLED3411aaが実装される裏右上先段装飾基板3411aを、裏右下可動装飾体3420にはLED3421aaが実装される裏右下先段装飾基板3421aを、それぞれ備えている。
そして、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420のそれぞれに設けられるLED3311aa、3321aa、3411aa、3421aaが発光されると、その光が前方や斜め前方に位置する線状の溝に入射され、複数の正三角形の輪郭からなる幾何学模様の絵柄を構成する複数の線状の溝で光が反射し(鋭角を成す面部で光が反射し)、その入光量が装飾パターン1150の発光装飾を遊技者に認識できるものであれば、その入光量に応じた態様で装飾パターン1150が発光装飾されるようになっている。なお、本例のパチンコ機1ではパネル板1110の後方の裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420のそれぞれに設けられるLED3311aa、3321aa、3411aa、3421aaは、パネル板1110の装飾パターン1150を発光装飾させることに適した位置に設けられており、特定の輝度を超える光量で発光することで、装飾パターン1150を発光装飾できるようになっている。
なお、パネル板1110の後方に設けられて装飾パターン1150を発光装飾可能なLED等の発光手段の設けられる位置やパネル板1110からの距離(パネル板1110の背面からの距離)等は上記したものに限定されるものではなく、発光手段の輝度や装飾パターン1150の溝からの距離等に応じて適宜決定されるものであればよい。つまり、発光手段の輝度が高過ぎると発光手段の発光が際立って装飾パターン1150の発光装飾が目立たなくなるため、発光手段の輝度とパネル板1110とは比例の位置関係(発光強度が高いほどパネル板1110の背面からの距離が遠くなる)となる。なお、装飾パターン1150の発光装飾を遊技者に気付かせたい場合には特定の輝度を超えない光量等で発光手段を発光させ、装飾パターン1150の発光装飾を遊技者に気付かせたくない場合には特定の輝度を超える光量等で発光手段を発光させて発光手段の発光を際立たせるようにしてもよい。
パネル板1110の装飾パターン1150は、パネル板1110の周面から内部へ照射された光を主に前方へ反射させる放射部1151と、パネル板1110の周面から内部へ照射された光を前方へ反射させると共に線状に沿って導光する放射導光部1152と、から構成されている。放射導光部1152は、放射部1151と比較して、溝の深さが深い、及び、断面において周長が長い、の少なくとも一方を満たしているものである。放射導光部1152は、複数の放射部1151を結ぶように(あるいは交差するように)形成され、パネル板1110の周面から内部へ照射された光を、パネル板1110内において乱反射させることで、溝の延びている方向へ光を導くことができる。つまり、放射導光部1152は、自身が結ぶ複数の放射部1151のうちの一方から他方に光を導光する役割を担うものであり、これにより、パネル装飾用LED1130aの配置部位、配置数が限られたなかで、パネル板1110の装飾パターン1150全体の感光率(前方へ放射(反射)される光の量の割合)が高められる。具体的には、放射導光部1152は、図143(a)において二点鎖線で示すように、左上パネル装飾基板1131のパネル装飾用LED1130aや左下パネル装飾基板1132のパネル装飾用LED1130aから通常導光領域1103の範囲内よりも外側に配置されている放射部1151へ光を導いて、その放射部1151を発光させ、装飾パターン1150全体の感光率が高められることとなる。
これにより、パネル装飾用LED1130aからの光が届き難い部位(通常導光領域1103よりも外側の部位)に形成されている装飾パターン1150の放射部1151に対して、放射導光部1152により多くの光を届かせて放射部1151を十分な光量で発光装飾させることができる。したがって、パネル装飾基板1130のパネル装飾用LED1130aを発光させると、パネル板1110の内部に入射された光が、放射部1151及び放射導光部1152から前方へ反射し、複数の正三角形の輪郭からなる幾何学模様の絵柄に形成された装飾パターン1150を、略全体に亘って均一な明るさで発光装飾させることができる。
パネル板1110は、複数の障害釘Nが所定のゲージ配列で植設されている。複数の障害釘Nには、遊技に対して重要な役割を有した特定障害釘N1を有している。特定障害釘N1は、図145に示すように、ワープ入口2501、一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、の付近に配置されている。これら特定障害釘N1は、遊技球Bが当接することで、歪んだり曲がったりすると、ワープ入口2501や一般入賞口2001等へ遊技球Bが受入れられる確率が変化してしまうため、遊技ホール側において歪み等が無いように常にメンテナンスする対象となっているものである。
本実施形態では、図145に示すように、特定障害釘N1を中心にして所定の範囲内(例えば、半径1.5mm〜3mm)を装飾禁止領域1104としており、その範囲内には装飾パターン1150の放射部1151や放射導光部1152を形成しないようにしている。これにより、パチンコ機1をメンテナンスする際に、特定障害釘N1を見え易くすることができ、特定障害釘N1が歪んでいるか否かを確認し易くできる。また、特定障害釘N1の周りの装飾禁止領域1104内に、放射部1151や放射導光部1152の溝を形成してないため、メンテナンス等の際に特定障害釘N1を調整するために、特定障害釘N1を叩いた時に、その力が特定障害釘N1から放射部1151や放射導光部1152に伝わって、パネル板1110が割れたりヒビが入ったりするのを防止することができる。
また、特定障害釘N1を除いた障害釘Nのなかで、装飾パターン1150と重なった部位に植設されている障害釘Nは、図示は省略するが、パネル板1110に植設されている先端が、装飾パターン1150を構成している溝の内部に突出している。したがって、パネル装飾基板1130のパネル装飾用LED1130aを発光させてパネル板1110の内部へ光を入射させると、装飾パターン1150の溝から、溝の内部に突出している障害釘Nの先端に光が照射され、その光が障害釘Nの傾斜している先端で反射することとなり、障害釘Nの先端を輝かせることができる。これにより、障害釘Nを光らせることができ、これまでのパチンコ機にはない発光演出を遊技者に見せることができる。なお、遊技領域5a内において、特別な部位に植設されている障害釘Nに対して、意図的に装飾パターン1150が重なるようにしても良く、これにより、装飾パターン1150の発光装飾と一緒に特別な部の障害釘Nを光らせることができ、遊技者の関心を特別な部位の障害釘Nに強く引付けさせることができると共に、その特別な障害釘Nを狙った遊技球Bの打込操作を行わせることができる。
本実施形態では、線状の溝からなる装飾パターン1150を、パネル板1110に対して切削加工により形成している。また、装飾パターン1150は、障害釘Nを植設するための植設孔の形成よりも前に、形成している。これにより、装飾パターン1150の形成により排出される切削カスが、植設孔に詰まることを回避させることができ、障害釘Nを良好な状態で植設することができる。
遊技パネル1100のパネルホルダ1120は、パネル板1110を包含する大きさで外形が略四角形状とされ、パネル板1110よりも厚く(本実施形態では、約20mm)形成されている。パネルホルダ1120は、透明な合成樹脂(例えば、熱可塑性合成樹脂)により形成されている。このパネルホルダ1120は、パネル板1110と略同じ大きさで前面側から後方側に向かって凹んでいる保持段部1123と、保持段部1123を略遊技領域5aと同等の大きさで前後方向に貫通している貫通口1121を備えている。
また、パネルホルダ1120は、正面視左下隅において下端から上方へ切欠かれている切欠部1122を備えている。この切欠部1122は、前構成部材1000の切欠部1010と一致するように形成されており、遊技盤5を本体枠4に取付けた時に、切欠部1010及び切欠部を貫通して貫通して下部満タン球経路ユニット610の下部通常払出通路610a及び下部満タン払出通路610bの前端開口が前方へ臨むようになっている。
また、パネルホルダ1120は、保持段部1123から前方へ突出しておりパネル板1110の複数の位置決孔1113にそれぞれが挿入される複数の突出ピン1124と、保持段部1123よりも外側に配置されておりパネル板1110の上側と左下の傾斜している部位の係合段部1114に対して弾性係合する三つの係合爪1125と、保持段部1123の下外側から上方へ突出しておりパネル板1110の下辺の二つの係合段部1114とそれぞれ係合する一対の係合片1126と、を備えている。パネルホルダ1120は、前方斜め上からパネル板1110の下辺の係合段部1114を、係合片1126に係合させた上で、パネル板1110の上部を後方へ移動させて、上側と左下の傾斜している部位の係合段部1114を係合爪1125に弾性係合させることで、パネル板1110を保持段部1123に収容した状態で着脱可能に取付けることができる。この際に、パネル板1110の位置決孔1113に、パネルホルダ1120の突出ピン1124が挿入され、パネル板1110がパネルホルダ1120に対して所定の位置に位置決めされる。
パネルホルダ1120は、保持段部1123よりも外側で正面視左上隅と右上隅に、前方から後方へ向かって凹んでいる二つの基板取付凹部1127と、それぞれの基板取付凹部1127の後側において後方から前方へ向かって凹んでいる二つのコネクタ凹部1128と、を備えている。二つの基板取付凹部1127には、左上パネル装飾基板1131が取付けられた左上基板カバー1136と、左下パネル装飾基板1132が取付けられた左下基板カバー1137とが、それぞれ前方から取付けられる。上側の基板取付凹部1127は、機能表示ユニット1400の後方に位置している。また、下側の基板取付凹部1127は、前構成部材1000における証紙貼付部1012の後方に位置している。下側の基板取付凹部1127は、保持段部1123との境側から、パネル板1110における左下の斜めの部位の係合段部1114と係合する係合爪1125が突出している。
パネルホルダ1120のコネクタ凹部1128は、基板取付凹部1127に取付けられた左上パネル装飾基板1131の接続コネクタ1131aと、左下パネル装飾基板1132の接続コネクタ1132aとが、基板取付凹部1127の後壁を貫通して内部に突出した状態で、接続コネクタ1131a及び接続コネクタ1132aの周囲に指が入るような十分な広さの空間が形成される大きさに形成されている。これにより、接続コネクタ1131a及び接続コネクタ1132aへの接続ケーブル(図示は省略)の接続や取外し作業を容易に行うことができる。
パネル装飾基板1130は、左上パネル装飾基板1131と左下パネル装飾基板1132とで構成されている。左上パネル装飾基板1131は、前面に複数のパネル装飾用LED1130aが実装されている。左上パネル装飾基板1131の複数のパネル装飾用LED1130aは、パネル板1110の周縁における左上の斜めの部位に沿うように並んでおり、最も上側が右方へ向けて、最も下側が下方へ向けて、光を照射するように実装されていると共に、残りがパネル板1110の左上の斜めの部位に対して垂直となるように右下方へ向けて光を照射するように実装されている。左上パネル装飾基板1131は、後面に後方へ突出した接続コネクタ1131aが取付けられている。
左下パネル装飾基板1132は、前面に複数のパネル装飾用LED1130aが実装されている。左下パネル装飾基板1132は、図143(b)に示すように、パネルホルダ1120における下側の係合爪1125を避けるように切欠かれており、その切欠かれている部位を避けた状態で、複数のパネル装飾用LED1130aが、上方、右方、右上方へ向けて光を照射するように実装されている。左下パネル装飾基板1132は、後面に後方へ突出した接続コネクタ1132aが取付けられている。
パネル装飾基板1130は、白色の部材により形成されており、前方から目立たないようになっている。また、パネル装飾基板1130の複数のパネル装飾用LED1130aは、サイドビュータイプの広角のフルカラーLEDであり、前方へも光を照射することができる。
パネル装飾基板1130は、サイドビュータイプのパネル装飾用LED1130aが実装される前面(板面)が、パネル板1110の表面と平行とになるように配置されている。これにより、パネル装飾基板1130の前後方向の寸法を、パネル板1110よりも薄くすることができ、パネル装飾基板1130をパネルホルダ1120に問題なく取付けることができると共に、パネルホルダ1120(遊技パネル1100)の前後方向の寸法の増加を抑制しつつ、パネル板1110の装飾パターン1150を発光装飾させることができる。
また、パネル装飾基板1130は、その板面を、パネル板1110の表面と平行にしていると共に、板面(前面)に実装されるパネル装飾用LED1130aの大きさに対して十分すぎるほどの大きさの板面としている。換言すると、パネル装飾基板1130は、実装される複数のパネル装飾用LED1130aが占めるLED実装領域に対して、40倍〜100倍の広さの複数のパネル装飾用LED1130aが実装されないその他の領域(余剰領域)を有している。これにより、パネル装飾基板1130の取付強度を高めることができ、パチンコ機1の運送時、設置時、メンテナンス等の際に生ずる振動や衝撃が作用しても、パネル装飾基板1130とパネル板1110との位置関係のズレを生じ難くすることができ、パネル装飾用LED1130aの光軸のズレを抑制してパネル板1110へ光の入射に不具合が発生することを防止することができる。
更に、パネル装飾基板1130は、基板カバー1135を介してパネルホルダ1120の基板取付凹部1127に取付けられるようにしているため、パチンコ機1の運送時、設置時、メンテナンス等の際に生ずる振動や衝撃が、パネル装飾基板1130へ伝わり難くなっている。したがって、パネル装飾基板1130(パネル装飾用LED1130a)に作用する振動等を軽減させることができ、パネル装飾用LED1130aの耐久性の低下を抑制させることができると共に、パネル装飾基板1130とパネル板1110との位置関係のズレを生じ難くすることができ、パネル装飾用LED1130aの光軸のズレを抑制してパネル板1110へ光の入射に不具合が発生することを防止することができる。
基板カバー1135は、後側にパネル装飾基板1130が取付けられる。基板カバー1135は、後側に取付けられたパネル装飾基板1130が認識し難いように、すりガラス状の半透明に形成されていると共に、パネル装飾用LED1130aからの光を拡散させられるように形成されている。これにより、パネル装飾基板1130のパネル装飾用LED1130aから前方へ照射された(漏れた)光が、遊技者を照らすことで、遊技者に対して眩しさを感じさせてしまうのを低減させることができ、遊技者に不快感を与えてしまうのを防止することができる。
本実施形態の遊技パネル1100は、透明なパネル板1110に、複数の正三角形の輪郭からなる装飾パターン1150が形成されており、印刷シートによる従来の装飾と比較して、透明で立体感のある装飾を遊技者に見せることができる。そして、パネル装飾基板1130のパネル装飾用LED1130aを発光させると、パネル板1110の装飾パターン1150を発光装飾させることができ、これまでのパチンコ機では見られなかった遊技領域5a内における遊技球Bが流通する領域の発光装飾を遊技者に見せることができる。
また、装飾パターン1150を、遊技領域5a内における遊技球Bが様々な流路で流通する装飾パターン形成領域1101内にのみ形成するようにしているため、装飾パターン1150を遊技領域5a内の全体に形成するようにした場合と比較して、装飾パターン1150の形成に係るコストを低減させることができる。
更に、本実施形態の遊技パネル1100は、機能表示ユニット1400の後方に左上パネル装飾基板1131を配置しているため、左上パネル装飾基板1131のパネル装飾用LED1130aを発光させると、機能表示ユニット1400を後方から照らすことができ、これまでのパチンコ機にはない機能表示ユニット1400(機能表示部)が発光装飾される発光演出を遊技者に見せることができる。
本実施形態のパチンコ機1では、図146(A)に示すように左上パネル装飾基板1131の大半(半分より多くの部分)は機能表示ユニット1400によって覆い隠されて視認できないようにされている一方で、左上パネル装飾基板1131に実装されるパネル装飾用LED1130aの一部は機能表示ユニット1400によって覆い隠されずに視認可能になっている。つまり、左上パネル装飾基板1131の表面に取り付けられる左上基板カバー1136だけでなく、左上基板カバー1136の背部の左上パネル装飾基板1131及び左上パネル装飾基板1131に実装されるパネル装飾用LED1130aの一部についても機能表示ユニット1400によって覆い隠されずに視認可能になっている。これにより、製造工程において遊技盤5を組み立てた状態でパネル装飾用LED1130aを目視して確認することができ、左上パネル装飾基板1131の設置忘れを防止できる。また、図146(A)の例では左上パネル装飾基板1131に実装されるパネル装飾用LED1130aの一部についても目視できるように配置されているため、パネル装飾用LED1130aの発光をパネル板1110の装飾パターン1150の発光装飾を介することなく、左上基板カバー1136を通して目視でき、パネル装飾用LED1130aの輝度を調節する場合にパネル装飾用LED1130aの発光を左上基板カバー1136を通して目視しながら行うことができる。
また、本例のパチンコ機1では遊技盤5を組み立てた状態で遊技盤5の側方から左上基板カバー1136の側壁部及び左上パネル装飾基板1131の側面を視認可能とされる。
ただし、左上パネル装飾基板1131の側面は厚みが薄いために判別しにくく、また左上基板カバー1136の側壁部が設けられていることでパネル装飾用LED1130aが視認困難となっている。そのため、遊技盤5の側方からは左上パネル装飾基板1131やパネル装飾用LED1130aが設置されていることを確認することは困難である。本例のパチンコ機1では遊技盤5の正面からパネル装飾用LED1130aの一部が目視可能であるため、パネル装飾用LED1130aが確実に設置されていることを確認でき、パネル装飾用LED1130aの設置忘れを確実に防止できる。なお、左上基板カバー1136の側壁部の一部を設けないことで遊技盤5の側方から少なくとも一部のパネル装飾用LED1130aが目視可能となるようにしてもよい。
また、少なくとも左上パネル装飾基板1131の一部を機能表示ユニット1400によって覆われないように配置するものであればよく、この場合には例えば図146(B)に示すように遊技盤5を本体枠4に取り付けて扉枠3を閉鎖した場合に遊技者から視認されにくい部分(左上パネル装飾基板1131における遊技盤5の端部(図示左端部)側の一部)だけが機能表示ユニット1400によって覆われないようにしてもよい。これにより、製造工程においては左上パネル装飾基板1131の表面に取り付けられる左上基板カバー1136だけでなく、左上パネル装飾基板1131についても目視によって確認することができるため、左上パネル装飾基板1131の設置忘れを防止できることに加えて、遊技店において遊技盤5が本体枠4に取り付けられて扉枠3を閉鎖している状態、つまり遊技者が遊技できる状態においては左上基板カバー1136や左上パネル装飾基板1131、さらには左上パネル装飾基板1131に実装されるパネル装飾用LED1130aについても視認されにくくすることができる。
また、パネル装飾用LED1130aが遊技者から目視されにくいため、パネル装飾用LED1130aを発光させた場合にパネル装飾用LED1130aの発光がパネル板1110の装飾パターン1150の発光装飾の邪魔になることを抑止できる。上記したように本例ではパネル装飾用LED1130aはサイドビュータイプとされて遊技領域5aに向けて照射するため、パネル装飾用LED1130aの発光が直接遊技者に向かうことを抑止できるとともに、機能表示ユニット1400のLED(状態表示器、普通図柄表示器、普通保留表示器)との誤認を防止できるようになっている。また、パネル板1110の装飾パターン1150の発光装飾による間接的な光に対して、パネル装飾用LED1130aの発光による直接的な光は強いため、パネル板1110の装飾パターン1150の発光装飾を介することなしに目視されてしまう状態ではパネル装飾用LED1130aの発光による強い光によって邪魔されて(パネル装飾用LED1130a自体の発光に注目されて)パネル板1110の装飾パターン1150の発光装飾の効果が薄れるおそれがある。上記したようにパネル装飾用LED1130aやパネル装飾用LED1130aから照射される光を左上基板カバー1136を介して遊技者から目視されにくくすることで、パネル板1110の装飾パターン1150の発光装飾を介してパネル装飾用LED1130aの発光を目視させることができ、パネル板1110の装飾パターン1150の発光装飾に注目させることができる。なお、遊技盤5を正面から見た場合に少なくとも左上パネル装飾基板1131の一部が目視できるようになっていればよく、左上パネル装飾基板1131に実装されるパネル装飾用LED1130aについては一部が目視できる状態とされるものであっても、全てが目視できない状態とされるものであってもよい。即ち、少なくとも左上パネル装飾基板1131の板面部のうち、何らの実装部品も搭載されることなく露とされる部分が目視可能となっていればよい。
また、本実施形態の遊技パネル1100は、証紙貼付部1012の後方に左下パネル装飾基板1132を配置しているため、左下パネル装飾基板1132のパネル装飾用LED1130aを発光させると、証紙貼付部1012に貼付けられている証紙(図示は省略)を後方から照らして発光させることができ、これまでのパチンコ機にはない証紙が発光装飾される発光演出を遊技者に見せることができる。
本実施形態のパチンコ機1では、左下パネル装飾基板1132は証紙貼付部1012に貼付けられる証紙に対して大きく(広範囲)形成されており、左下パネル装飾基板1132の一部は証紙によって覆い隠されずに視認可能になっている。つまり、左下パネル装飾基板1132の表面に取り付けられる左下基板カバー1137だけでなく、左下基板カバー1137の背部の左下パネル装飾基板1132及び左下パネル装飾基板1132に実装されるパネル装飾用LED1130aの一部についても証紙によって覆い隠されずに視認可能になっている。これにより、製造工程において遊技盤5を組み立てた状態で左下パネル装飾基板1132を目視して確認することができ、左下パネル装飾基板1132の設置忘れを防止できる。また、本実施形態のパチンコ機1では、左下パネル装飾基板1132に実装されるパネル装飾用LED1130aの一部についても目視できるように配置されているため、パネル装飾用LED1130aの発光をパネル板1110の装飾パターン1150の発光装飾を介することなく、左下基板カバー1137を通して目視でき、パネル装飾用LED1130aの輝度を調節する場合にパネル装飾用LED1130aの発光を左下基板カバー1137を通して目視しながら行うことができる。
また、本例のパチンコ機1では遊技盤5を組み立てた状態で遊技盤5の側方から左下基板カバー1137の側壁部及び左下パネル装飾基板1132の側面を視認可能とされる。
ただし、左下パネル装飾基板1132の側面は厚みが薄いために判別しにくく、また左下基板カバー1137の側壁部が設けられていることでパネル装飾用LED1130aが視認困難となっている。そのため、遊技盤5の側方からは左下パネル装飾基板1132やパネル装飾用LED1130aが設置されていることを確認することは困難である。本例のパチンコ機1では遊技盤5の正面からパネル装飾用LED1130aの一部が目視可能であるため、パネル装飾用LED1130aが確実に設置されていることを確認でき、パネル装飾用LED1130aの設置忘れを確実に防止できる。なお、左下基板カバー1137の側壁部の一部を設けないことで遊技盤5の側方から少なくとも一部のパネル装飾用LED1130aが目視可能となるようにしてもよい。
また、左下パネル装飾基板1132の設置される遊技盤5の左下部分は遊技において視認されにくい位置であるとともに、パネル装飾用LED1130aがサイドビュータイプとされて遊技領域5aに向けて照射してパネル装飾用LED1130aの発光が直接遊技者に向かうことを抑止するため、パネル装飾用LED1130aの発光による強い光が遊技者に目視されにくく、パネル板1110の装飾パターン1150の発光装飾を介してパネル装飾用LED1130aの発光を目視させることができ、パネル板1110の装飾パターン1150の発光装飾に注目させることができる。なお、遊技盤5を正面から見た場合に少なくとも左下パネル装飾基板1132の一部が目視できるようになっていればよく、パネル装飾用LED1130aについては一部が目視できる状態とされるものであっても、全てが目視できない状態とされるものであってもよい。即ち、少なくとも左下パネル装飾基板1132の板面部のうち、何らの実装部品も搭載されることなく露とされる部分が目視可能となっていればよい。
このように、本例では遊技盤5に取り付けられてパネル装飾用LED1130aが実装される左上パネル装飾基板1131及び左下パネル装飾基板1132について、遊技盤5を正面から見た場合に少なくとも一部が目視できるようになっている。そのため、製造工程において遊技盤5を組み立てた状態でパネル装飾用LED1130aを目視して確認することができ、左上パネル装飾基板1131及び左下パネル装飾基板1132の設置忘れを防止できる。即ち、遊技機の製造過程で左上パネル装飾基板1131や左下パネル装飾基板1132を設置し忘れた場合であっても、その視認可能とされる一部を外部から目視することで不具合有無の発見が早期、且つ、容易になり、遊技進行過程でパネル板1110の装飾パターン1150が発光装飾されない等の興趣低下要因を排除することができる。また、左上パネル装飾基板1131及び左下パネル装飾基板1132の設置されていない状態では左上パネル装飾基板1131及び左下パネル装飾基板1132が設置されるはずの空間が空いた状態となり、透明な合成樹脂で形成されるパネルホルダ1120を通して、その背部が視認可能になる。なお、パネルホルダ1120における左上パネル装飾基板1131及び左下パネル装飾基板1132の設置領域のうち少なくとも機能表示ユニット1400や証紙によって覆い隠されずに視認可能となっている部分であって左上パネル装飾基板1131及び左下パネル装飾基板1132の設置時には左上パネル装飾基板1131及び左下パネル装飾基板1132によって覆い隠されて視認困難となる部分に、注意を促す文字や図形などが描かれたシールや描画を施すようにしてもよく、これにより左上パネル装飾基板1131及び左下パネル装飾基板1132の設置忘れを一見して認識可能となるようにしてもよい。また、複数のパネル装飾用LED1130aのうち視認可能とされるパネル装飾用LED1130aについてはトップビュータイプとしてもよく、この場合にはトップビュータイプのパネル装飾用LED1130aの前面に遊技者方向への照射を緩和するカバー部材を設けるようにしてもよい。これによりパネル装飾用LED1130aを発光させた場合にパネル装飾用LED1130aの発光がパネル板1110の装飾パターン1150の発光装飾の邪魔になることを抑止できる。
また、左上パネル装飾基板1131及び左下パネル装飾基板1132に実装されるパネル装飾用LED1130aとしてサイドビュータイプのLEDを用いたが、トップビュータイプのLEDを用いるようにしてもよく、この場合には左上基板カバー1136を左上パネル装飾基板1131の表面(パネル装飾用LED1130aが実装される面)に取り付けた後、左上パネル装飾基板1131に実装されるパネル装飾用LED1130aがパネル板1110の側面に対して垂直に光を照射するように左上基板カバー1136を遊技盤5aの表面に対して略垂直にパネルホルダ1120に取り付けるようにしてもよいし、左下基板カバー1137を左下パネル装飾基板1132の表面(パネル装飾用LED1130aが実装される面)に取り付けた後、左下パネル装飾基板1132に実装されるパネル装飾用LED1130aがパネル板1110の側面に対して垂直に光を照射するように左下基板カバー1137を遊技盤5aの表面に対して略垂直にパネルホルダ1120に取り付けるようにしてもよい。
また、この場合には左上基板カバー1136及び左下基板カバー1137を、遊技盤5aの表面に対して略垂直に取り付けられる底部と該底部の端部から略垂直に延出する側壁部とから構成して、パネル装飾用LED1130aの照射光が底部によって遮られないようにパネル装飾用LED1130aから照射される光が通過する部分には底部を設けないようにしてもよい。また、この場合には遊技盤5を組み立てた状態で遊技盤5の正面から左上基板カバー1136及び左上パネル装飾基板1131と、左下基板カバー1137及び左下パネル装飾基板1132と、を視認可能となるようにしてもよく、左上基板カバー1136及び左下基板カバー1137の側壁部の一部を設けないことで遊技盤5の側方から少なくとも一部のパネル装飾用LED1130aが目視可能となるようにしてもよい。
また、左上基板カバー1136及び左下基板カバー1137を遊技盤5aの表面に対して略垂直にパネルホルダ1120に取り付けた場合には、遊技盤5を組み立てた状態で遊技盤5の側方からは左上パネル装飾基板1131及び左下パネル装飾基板1132の裏面(パネル装飾用LED1130aが実装されていない面)が視認可能となってパネル装飾用LED1130を目視することはできないが、抵抗やコンデンサ等の実装部品を視認することができるため、パネル装飾用LED1130が設置されていることを間接的に確認できる。
また、本実施形態の遊技パネル1100は、パネル装飾基板1130のパネル装飾用LED1130aと、パネル板1110の側面との間には、集光レンズや拡散レンズ等を配置していない。これにより、パネル装飾用LED1130aからの光が、パネル板1110の側面に対して直接広範囲に照射されることとなり、パネル板1110の内部の広い範囲に光を入射させることができ、装飾パターン1150を綺麗に発光装飾させることができる。このように本例のパチンコ機1では、広角のLEDを用いることで集光レンズや拡散レンズを配置しないようにしているが、集光レンズや拡散レンズを配置するようにしてもよい。また、拡散レンズを配置する場合には広角のLEDを用いることなく、挟角又は中角のLEDを用いるようにしてもよい。なお、集光レンズや拡散レンズを配置しない場合には、パネル板1110の側面のうちパネル装飾用LED1130aからの光が照射される部分の側面を拡散レンズと同様の形状に形成して、パネル装飾用LED1130aからパネル板1110の側面に入射した光を拡散させてパネル板1110の内部に導くようにしてもよい。具体的には、図149に示すように、パネル板1110のパネル装飾用LED1130aからの光が照射される側面に凹凸状の拡散部1110aを形成するようにしてもよい。この例では各パネル装飾用LED1130aに対応する照射位置が凸形状となるように形成され、パネル装飾用LED1130aから照射された光を拡散させながらパネル板1110の内部に導くようになっている。これにより、少ないLEDでより広い範囲に亘ってパネル装飾用LED1130aからの光を導くことができ、遊技パネル1100の広範囲に亘る発光装飾が可能になる。
なお、パネル装飾用LED1130aからの光が照射される部分の側面を集光レンズと同様の形状に形成してもよく、例えば各パネル装飾用LED1130aに対応する照射位置が凹形状となるように形成してパネル装飾用LED1130aから照射された光を集光させてパネル板1110の内部に導くようにしてもよい。このようにパネル装飾用LED1130aからパネル板1110の側面に入射した光を集光させてパネル板1110の内部に導くことで、対象の発光装飾の光量を高めることが可能になる。また、複数のパネル装飾用LED1130aのうち一部のパネル装飾用LED1130aからの光が照射される部分の側面を拡散レンズと同様の形状に形成し、複数のパネル装飾用LED1130aのうち拡散レンズと同様の形状に形成される部分に光を照射するパネル装飾用LED1130aを除いた一部のパネル装飾用LED1130aからの光が照射される部分の側面(拡散レンズと同様の形状に形成される側面以外の全ての側面でもよいし、拡散レンズと同様の形状に形成される側面以外の側面の一部の側面でもよい)を集光レンズと同様の形状に形成するようにしてもよい。即ち、発光装飾する装飾パターンの位置や範囲、発光装飾させるときの光量、等に応じて拡散レンズと同様の形状又は集光レンズと同様の形状とを適宜形成するようにしてもよい。
また、パネル板1110の側面に形成される拡散レンズと同様の形状はその形状を変化させることで拡散度合いを変化させることが可能になっている。具体的には、パネル装飾用LED1130aの照射位置に対応して所定の突出量で形成される凸形状部分について、その突出量を増やすことで拡散度合いを高め、凸形状部分の突出量を減らすことで拡散度合いを弱めることが可能である。このように、本例のパチンコ機1では発光装飾する装飾パターンの位置や範囲、発光装飾させるときの光量、等に応じて拡散度合いを変化させること可能である。つまり、拡散度合いを高めることでより広範囲にパネル装飾用LED1130aからの光を導くことができるものの光量は弱まり、拡散度合いを弱めることでパネル装飾用LED1130aからの光を導くことができる範囲は狭まるものの光量は強まるため、発光装飾する装飾パターンの位置や範囲、発光装飾させるときの光量等に応じて拡散度合いを適宜設定することで所望の態様での発光装飾を実現可能となる。なお、複数のパネル装飾用LED1130aの照射位置に対応して形成される凸形状部分を、パネル装飾用LED1130a毎に所定の突出量で形成するようにしてもよく、これにより発光装飾する装飾パターンの位置や範囲、発光装飾させるときの光量、等に応じてパネル装飾用LED1130a毎に拡散度合いを設定して装飾パターンを狙った態様で発光装飾されることができる。
同様に、パネル板1110の側面に形成される集光レンズと同様の形状はその形状を変化させることで集光度合いを変化させることが可能になっている。具体的には、パネル装飾用LED1130aの照射位置に対応して所定の凹み量で形成される凹形状部分について、その凹み量を増やすことで集光度合いを高め、凹形状部分の凹み量を減らすことで集光度合いを弱めることが可能である。このように、本例のパチンコ機1では発光装飾する装飾パターンの位置や範囲、発光装飾させるときの光量、等に応じて集光度合いを変化させること可能である。つまり、集光度合いを高めることでより光量を強めることができるもののパネル装飾用LED1130aからの光を導くことができる範囲は狭まり、集光度合いを弱めることでパネル装飾用LED1130aからの光を導くことができる範囲を広げることができるものの光量は強まるため、発光装飾する装飾パターンの位置や範囲、発光装飾させるときの光量等に応じて集光度合いを適宜設定することで所望の態様での発光装飾を実現可能となる。なお、複数のパネル装飾用LED1130aの照射位置に対応して形成される凹形状部分を、パネル装飾用LED1130a毎に所定の凹み量で形成するようにしてもよく、これにより発光装飾する装飾パターンの位置や範囲、発光装飾させるときの光量、等に応じてパネル装飾用LED1130a毎に集光度合いを設定して装飾パターンを狙った態様で発光装飾されることができる。
また、上記したように本例のパチンコ機1では遊技パネル1100を前構成部材1000の後側に取り付けており、この前構成部材1000によってパネル板1110に形成される拡散部1110aを遊技者から視認困難な状態にしている。このように本例のパチンコ機1における前構成部材1000は、パネル板1110に形成される拡散部1110aを遊技者から視認困難となるように隠す機能を有している。
更に、本実施形態の遊技パネル1100は、パネル板1110の後面に形成された装飾バターン1150を発光装飾させるためのパネル装飾基板1130(パネル装飾用LED1130a)を、パネルホルダ1120に設けたことにより、遊技盤5の機種を変更したり、機種をマイナーチェンジしたりするために、他の異なる装飾パターンが施されたパネル板1110に変更する場合、パネル板1110の交換のみで対応することができ、パネルホルダ1120、前構成部材1000、パネル装飾基板1130、基板カバー1135を、共通部品として用いることができる。これにより、本実施形態のパチンコ機1は、他の装飾パターン1150が施されたパネル板1110を有する他機種との間で、高い汎用性を有し、パチンコ機1にかかるコストの抑制を図ることができる。
また、本実施形態の遊技パネル1100は、パネルホルダ1120の基板取付凹部1127内に基板カバー1135を介してパネル装飾基板1130を取付けるようにしており、パネル装飾基板1130とパネル板1110とを別々に取付けるようにしている。これにより、装飾パターン1150が施されていない通常のパネル板1110を有するパチンコ機(遊技盤)に対して、基板カバー1135やパネル装飾基板1130を取外したパネルホルダ1120を用いることができ、パネルホルダ1120と前構成部材1000とを共通部品とすることができる。これにより、本実施形態のパチンコ機1は、他の装飾パターン1150が施されたパネル板1110を有する他機種との間で、高い汎用性を有し、パチンコ機1にかかるコストの抑制を図ることができる。なお、装飾パターン1150が施されていないパネル板1110を有する機種に用いる際に、パネルホルダ1120の基板取付凹部1127にダミーの基板カバー1135を取付けて用いるようにしても良いし、パネルホルダ1120に基板カバー1135及びパネル装飾基板1130を取付けたまま用いるようにしても良い。
なお、本例のパチンコ機1ではパネル板1110とパネルホルダ1120との複数の部材によって遊技パネル1100を形成しているが、一の部材で遊技パネル1100を形成するようにしてもよく、この場合には図147(A)に示すように平板状の遊技パネル1100の外レール1001によって区画される遊技領域5aの外側の一部に貫通孔1110A1を形成し、この貫通孔1110A1内にパネル装飾基板1130を配置してパネル装飾基板1130に実装されるパネル装飾用LED1130aから遊技領域5aの内側に向けて貫通孔1110A1の側面に光を照射するようにしてもよいし、図147(B)に示すように平板状の遊技パネル1100の外レール1001によって区画される遊技領域5aの外側の少なくとも一部の厚みを他の部分よりも薄くして段差部1110B1を形成し、他の部分よりも厚みの薄い部分にパネル装飾基板1130を配置してパネル装飾基板1130に実装されるパネル装飾用LED1130aから遊技領域5aの内側に向けて段差部1110B1の側面に光を照射するようにしてもよい。このように遊技の邪魔にならず、且つ、遊技パネル1100に形成される装飾パターン1150に比較的近い位置にパネル装飾基板1130(パネル装飾用LED1130a)を配置する配置部を遊技パネル1100そのものに形成することで装飾パターン1150に近い位置で遊技パネル1100に光入射することができ、これにより、遊技の進行に支障をきたすことなく十分な発光装飾を遊技者に認識させることが可能になる。
また、上記貫通孔1110A1及び段差部1110B1を形成している領域(他の領域よりも厚みが薄い領域)は遊技領域5aの中央に形成される開口部(本例のパチンコ機1のパネル板1110の中央部付近に形成される開口部1112に相当するもの)よりも小さい大きさで形成され、遊技パネル1100に形成される装飾パターンの範囲に応じて形成されるようになっている。例えば遊技パネル1100の装飾パターンが少なくとも遊技領域5aのセンター役物2500の左側の中央付近や上下の広い範囲に亘って形成されている場合には遊技パネル1100の左上部(本例のパチンコ機1の左上パネル装飾基板1131の設置される部分)と左下部(本例のパチンコ機1の左下パネル装飾基板1132の設置される部分)とに貫通孔1110A1や段差部1110B1を形成し、遊技パネル1100の装飾パターンが遊技領域5aのセンター役物2500の左上側にのみ形成されている場合には遊技パネル1100の左上部(本例のパチンコ機1の左上パネル装飾基板1131の設置される部分)に貫通孔1110A1や段差部1110B1を形成し、遊技パネル1100の装飾パターンが遊技領域5aのセンター役物2500の左下側にのみ形成されている場合には遊技パネル1100の左下部(本例のパチンコ機1の左下パネル装飾基板1132の設置される部分)に貫通孔1110A1や段差部1110B1を形成し、この貫通孔1110A1や段差部1110B1にパネル装飾基板1130を配置してパネル装飾基板1130に実装されるパネル装飾用LED1130aから遊技領域5aの内側に向けて光を照射するようにしてもよい。
また、パネル装飾基板1130は白色の部材により形成されており、前方から目立たないようになっている。また、パネル装飾基板1130に実装されるパネル装飾用LED1130aはサイドビュータイプの広角のフルカラーLEDとされ、貫通孔1110A1及び段差部1110B1の側面(側壁)に光を照射するようにパネル装飾基板1130が配置し、パネル装飾基板1130には、遊技パネル1100に形成される装飾パターンの範囲や発光装飾の輝度の程度に応じて複数個のLEDが実装されている。つまり、基本的には遊技パネル1100の装飾パターンが遊技領域5a広い範囲に亘って形成されている場合には遊技領域5aが狭い範囲にしか形成されていない場合に比べて多くのLEDが実装されているものであり、発光装飾の輝度を高くする場合には実装されるLEDの個数を増やす。
また、貫通孔1110A1及び段差部1110B1の側面(側壁)のうちパネル装飾用LED1130aからの光が照射される側面(側壁)に拡散レンズと同様の形状の拡散部1110aや集光レンズと同様の形状の集光部を形成するようにしてもよい。これにより、発光装飾する装飾パターンの位置や範囲、発光装飾させるときの光量、等に応じて拡散度合いや集光度合いを設定して所望の態様での発光装飾を実現できるようになる。また、拡散度合いや集光度合いを適宜設定することで搭載されるLEDの数を抑制することができ、遊技機の製造コストを抑えつつ遊技パネル1100の広範囲に亘る発光装飾を実現できるようになる。また、貫通孔1110A1及び段差部1110B1の前方に前構成部材1000を取り付けるようにしてもよく、これにより貫通孔1110A1及び段差部1110B1に形成される拡散部1110aを前構成部材1000によって隠し、拡散部1110aを遊技者から視認困難にすることができる。
本例のパチンコ機1では、上記したように平板状の遊技パネル1100の外レール1001によって区画される遊技領域5aの外側にパネル装飾基板1130を配置してこのパネル装飾基板1130に実装されるパネル装飾用LED1130aから遊技領域5aの内側に向けて光を照射するように構成しているが、これに加えて、又はこれに替えて遊技領域5aの内側に形成される開口部内にパネル装飾基板を配置してこのパネル装飾基板に実装されるパネル装飾用LEDから開口部の内壁に向けて(遊技領域5aの外側に向けて)光を照射するようにしてもよい。例えば、図148に示すようにパネル板1110の中央部付近に形成される開口部1112内側にパネル装飾基板を配置してこのパネル装飾基板に実装されるパネル装飾用LEDからパネル板1110の中央部付近に形成される開口部1112の内壁に向けて光を照射するようにしてもよい。
具体的には、変形例のパチンコ機1は、パネル板1110の中央部付近に形成される開口部1112の縁に沿って形成される枠状のセンター役物2500と、センター役物2500の枠内を閉鎖するようにセンター役物2500に取付けられている表演出ユニット2600と、を備えており、枠状のセンター役物2500の枠内を閉鎖する透明な平板状の導光板2601と、導光板2601の上面から光を入射させることで発光装飾される第一絵柄2610用の複数のLED2611が実装されている第一絵柄用装飾基板2612と、導光板2601の右側面から光を入射させることで発光装飾される第二絵柄2620用の複数のLED2621が実装されている第二絵柄用装飾基板2622と、導光板2601の右側面とLED2621との間に設けられておりLED2621からの光を集光させる複数の集光レンズ2623と、遊技パネル1100の側面から光を入射させる複数のパネル装飾用LED2621Aが実装されているパネル装飾基板2622Aと、を備えている。
また、パネル装飾基板2622Aと第二絵柄用装飾基板2622とにはトップビュータイプのフルカラーLEDが実装されて、各々が遊技盤5aの表面に対して略垂直となるようにセンター役物2500に取り付けられている。また、パネル装飾基板2622A及び第二絵柄用装飾基板2622は、互いに反対方向(第二絵柄用装飾基板2622に実装されているLED2621はパネル板1110の中央部付近に形成される開口部1112の中央方向に向けて光を照射し、パネル装飾基板2622Aに実装されているパネル装飾用LED2621Aはパネル板1110の中央部付近に形成される開口部1112の外側方向に向けて光を照射する)に光を照射するように背中合わせで配置されている。また、パネル装飾基板2622Aと第二絵柄用装飾基板2622とはセンター役物2500のフレーム部分の背部に配置している。また、パネル装飾基板2622Aと第二絵柄用装飾基板2622とは表面側(パネル装飾用LED2621AやLED2621が実装される面)にそれぞれサイドビュータイプの接続コネクタが設けられており、各々の接続コネクタを介して電気的に接続される接続ケーブルは束ねられてセンター役物2500のフレーム部分に沿って引き回された後に後方に曲げられてパネル駆動基板1720に接続されるようになっている。
このように、パネル装飾基板2622Aと第二絵柄用装飾基板2622とをLED(パネル装飾用LED2621A、LED2621)の実装面が遊技盤5aに対して略平行になるように配置するのではなく、LED(パネル装飾用LED2621A、LED2621)の実装面が遊技盤5aに対して略垂直になるように配置するため、厚みが薄いパネル装飾基板2622Aと第二絵柄用装飾基板2622との側面が遊技機の正面側に向くようになり、パネル装飾基板2622A又は第二絵柄用装飾基板2622をLED(パネル装飾用LED2621A、LED2621)の実装面が遊技機の正面側に向くように配置する場合に比べて左右方向の設置幅を狭めることができるため、パネル装飾基板2622A及び第二絵柄用装飾基板2622の前方に設けられるセンター役物2500のフレーム部分によってパネル装飾基板2622A及びパネル装飾用LED2621Aと、第二絵柄用装飾基板2622及びLED2621と、隠すことができ、パネル装飾基板2622A及びパネル装飾用LED2621Aと、第二絵柄用装飾基板2622及びLED2621と、を遊技者から視認困難にすることができる。
なお、パネル装飾基板2622Aと第二絵柄用装飾基板2622との一方又は両方にサイドビュータイプのLEDを実装するようにしてもよく、この場合にはサイドビュータイプのLEDを実装する基板の左右方向の幅をその前方に設けられるセンター役物2500のフレーム部分に収まるように設置し、トップビュータイプのLEDを実装する基板をサイドビュータイプのLEDを実装する基板の背面側に該基板に対して略垂直となるように配置するようにしてもよい。これにより、パネル装飾基板2622A及び第二絵柄用装飾基板2622の前方(遊技機の手前側)に設けられるセンター役物2500のフレーム部分によってパネル装飾基板2622A及びパネル装飾用LED2621Aと、第二絵柄用装飾基板2622及びLED2621と、を隠すことができ、パネル装飾基板2622A及びパネル装飾用LED2621Aと、第二絵柄用装飾基板2622及びLED2621と、を遊技者から視認困難にすることができる。
なお、図148にはパネル板1110を示していないが、本例のパチンコ機1ではセンター役物2500のフレーム部分の一部がパネル板1110の前方に被って配置されるようになっており、パネル装飾基板2622Aに実装されるパネル装飾用LED2621Aは、パネル板1110の開口部の内壁に近接して設けられて該開口部の内壁に向けて(遊技領域5aの外側に向けて)光を照射するようになっている。
また、パネル板1110の中央部付近に形成されてセンター役物2500が取り付けられる開口部1112内に限らず、これに加えて、又はこれに替えて遊技領域5a内に配置する入賞口等のユニットにパネル装飾用LEDが実装されているパネル装飾基板を備えるようにしてもよい。例えば、遊技領域5a内の正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に取付けられており一つの一般入賞口2001、第二始動口2004、及び大入賞口2005を有しているアタッカユニット2400に遊技パネル1100の側面から光を入射させる複数のパネル装飾用LEDが実装されているパネル装飾基板を備えるように構成し(ユニット化し)、アタッカユニット2400が取り付けられる開口部1112の内壁に向けて(遊技領域5aの外側に向けて)光を照射するようにしてもよい。また、この場合にはアタッカユニット2400の外縁部分(遊技パネル1100に取り付ける取付部が形成される部分)の背部にパネル装飾基板及びパネル装飾用LEDを配置するようにしてもよく、これにより、パネル装飾基板及びパネル装飾用LEDをアタッカユニット2400によって隠し、パネル装飾基板及びパネル装飾用LEDを遊技者から視認困難にすることができる。
また、遊技領域5aの内側に形成される開口部内にパネル装飾基板を配置してこのパネル装飾基板に実装されるパネル装飾用LEDから開口部の内壁に向けて(遊技領域5aの外側に向けて)光を照射する場合においても、開口部の内壁のうちパネル装飾用LEDからの光が照射される部分を拡散レンズや集光レンズと同様の形状に形成するようにしてもよい。これにより、発光装飾する装飾パターンの位置や範囲、発光装飾させるときの光量、等に応じて拡散度合いや集光度合いを設定して所望の態様での発光装飾を実現できるようになる。また、拡散度合いや集光度合いを適宜設定することで搭載されるLEDの数を抑制することができ、遊技機の製造コストを抑えつつ遊技パネル1100の広範囲に亘る発光装飾を実現できるようになる。また、アタッカユニット2400の外縁部分(遊技パネル1100に取り付ける取付部が形成される部分)の後方に拡散レンズや集光レンズと同様の形状に形成される開口部の内壁が配置されるようにしてもよく、このように構成することにより拡散レンズや集光レンズと同様の形状に形成される開口部の内壁が遊技者から視認困難になる。
上記したように本実施形態のパチンコ機1では透明な平板状のパネル板1110を用いて、パネル板1110の背部を視認可能に構成したが、キャラクタや文字、図形等の絵柄が描かれたセルシートをパネル板1110の表面(遊技球の転動する面)又は背面に貼り付けたり、パネル板1110の表面又は背面に直接キャラクタ等の絵柄をプリントしたりすることなどにより、パネル板1110の少なくとも一部については背面を視認困難となるようにしてもよい。
具体的には、図149に示すように一部に剣1110bの絵柄が描かれたセルシートをパネル板1110の表面に貼り付けるようにしてもよい。また、本例では透光性を有するセルシートを使用しており、絵柄部分においても背部の視認は困難になっているものの背部から照射される光を遮断しないようになっている。また、本例のパチンコ機1では、セルシートに描かれている剣1110bにおける刃1110baの一部についてはその背部を視認可能となるようになっており(例えば対象の部分が透明であったり切り抜かれている等)、この一部に対応するパネル板1110の一部に装飾パターンが形成されてセルシートを介して又はセルシートの切り抜き部分から視認可能になっている。そして、セルシートに描かれている絵柄(剣1110b)とパネル板1110に形成される装飾パターンとが組み合わせて一つの絵柄を表すようになっている。
また、このパネル板1110に形成される装飾パターンは、パネル板1110の周面から内部へ照射された光を主に前方へ反射させる放射部と、パネル板1110の周面から内部へ照射された光を前方へ反射させると共に線状に沿って導光する放射導光部と、から構成され、刃1110baの一部に形成される装飾パターンについてはパネル装飾用LED1130aを発光させていない状態でも、前方の遊技者側から視認することができるようにされている。そして、刃1110baの一部に形成される装飾パターンはセルシートに描かれた絵柄(この例では剣1110b)と組み合わされて遊技領域5aを装飾する。これにより、パネル装飾用LED1130aを発光させることでセルシートに描かれて遊技領域5aを装飾する剣1110bの一部(この例では刃1110baの一部)が発光装飾されて刃1110baの一部が光り輝かせる発光装飾を行うことができ、これによって遊技者に何かが起こると推測させて遊技興趣を高めることができる。なお、セルシートの全ての領域が透光性を有するものである必要はなく、少なくともパネル板1110に形成される装飾パターンと重複する領域(発光装飾される領域)が透光性を有するように形成されて、パネル装飾用LED1130aを発光させた場合にパネル板1110による発光装飾が視認可能となるものであればよく、一部に非透光性の領域(後方からの光を遮断するような領域)を含むようにしてもよい。
また、刃1110ba以外の領域にもパネル板1110の装飾パターンを形成するようにしてもよく、この場合にはパネル装飾用LED1130aを発光させていない状態では前方の遊技者側からパネル板1110の装飾パターンを視認することは困難であるが、パネル板1110の装飾パターンを発光させることでパネル板1110の装飾パターンによる発光装飾がセルシートを介して浮かび上がるようになる。つまり、パネル装飾用LED1130aを発光させると、剣1110bの刃1110baが発光装飾されるとともに、パネル板1110が所定の装飾パターンでセルシートが発光装飾されるようになる。
このように、本例のパチンコ機1ではセルシートに描かれるキャラクタ等の絵柄の一部を構成するようにパネル板1110に装飾パターンを形成し、パネル装飾用LED1130aを発光させた場合にセルシートに描かれるキャラクタ等の絵柄の一部を発光装飾できるようになっている。なお、セルシートに描かれるキャラクタ等の絵柄の一部を構成するパネル板1110の装飾パターンとしては、セルシートに描かれるキャラクタ等の絵柄の所定の部位(例えば剣1110bの刃1110baやキャラクタの目等)の他に、セルシートに描かれるキャラクタ等の絵柄の輪郭や影、セルシートに描かれるキャラクタ等の絵柄を立体的に見せるための装飾(奥行き感を表すような絵柄)等であってもよい。
また、パネル板1110の装飾パターンはセンター役物2500の後方部分、換言するとパネル板1110におけるセンター役物2500のフレーム部分が被るように前方に配置されている部分にも形成されている。つまり、パネル板1110に形成されてその後方に演出表示装置1600が配置するとともに、導光板2601によって前方を塞がれている開口部の近傍にまで装飾パターンが形成されている。そのため、パネル装飾用LED1130aを発光させた場合に演出表示装置1600や後述する演出表示装置1600の前方に設けられる導光板2601の近くまで発光装飾することができ、演出表示装置1600や導光板2601で実行される演出と関連付けて(演出表示装置1600の表示や導光板2601の発光装飾が演出表示装置1600や導光板2601の外の発光装飾へと連続して繋がっていくように)発光装飾を行うことができる。一方で、演出表示装置1600に被らない位置に設けられるパネル板1110を発光装飾して演出表示装置1600の周囲を発光装飾するため、演出表示装置1600の表示を邪魔することなくパネル装飾用LED1130aを発光させてパネル板1110を所定の装飾パターンで発光装飾することができる。
また、後述する裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420は、待機状態においてパネル板1110の背面側に配置し、遊技者から視認困難になっている。また、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420のそれぞれに実装されるLED3311aa、3321aa、3411aa、3421aaは、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420の待機状態において発光可能とされ、これらのLED3311aa、3321aa、3411aa、3421aaを発光させることでパネル板1110の後方から光を照射してパネル板1110に形成される装飾パターンでセルシートを発光装飾することができるようになっている。このように、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420のそれぞれに実装されるLED3311aa、3321aa、3411aa、3421aaがパネル板1110のバックライトとして使用できるようになっており、本例のパチンコ機1ではパネル板1110aのバックライトとして使用された場合にパネル板1110に形成される装飾パターンでセルシートを発光装飾することができる。
[5−2−1.遊技パネルにおける装飾パターンの第2実施形態]
続いて、遊技盤5の遊技パネル1100において、図143乃至図145等に示した装飾パターン1150(以下、「第1実施形態に係る装飾パターン1150」と記載する場合がある。)とは異なる装飾パターン1160(以下、「第2実施形態に係る装飾パターン1160」と記載する場合がある。)が形成されたパネル板1110について、主に図150を参照して詳細に説明する。図150(a)は図143とは異なる装飾パターンが形成されたパネル板の正面図であり、(b)は、(a)のパネル板を表ユニットと共に示す正面図である。
第2実施形態に係る装飾パターン1160は、図150に示すように、第1実施形態に係る装飾パターン1150と同様に、透明なパネル板1110の後面において、断面形状がV字状に形成されている。この装飾パターン1160は、パネル装飾基板1130のパネル装飾用LED1130aを発光させていない状態でも、前方の遊技者側から視認することができ、遊技領域5a内を装飾している。パネル板1110の装飾パターン1150は、パネル装飾基板1130のパネル装飾用LED1130aを発光させてパネル板1110の内部に光を入射させることにより、発光装飾させることができる。
この装飾パターン1160は、図示するように、パネル板1110の後面において、サイドユニット2200の一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、サイドスロープ2300、センター役物2500のワープ入口2501、等の後方の部位に、パネル板1110の側面から内部に入射された光を前方へ反射させる放射部1161が、形成されている。これにより、装飾パターン1160(放射部1161)を発光装飾させると、サイドユニット2200の一般入賞口2001、第一始動口2002、ゲート部2003、サイドスロープ2300、センター役物2500のワープ入口2501、等を後方から発光装飾させることができ、それらを目立たせることができる。
なお、装飾パターン1160に、図示は省略するが、パネル装飾基板1130のパネル装飾用LED1130aからの光を放射部1161へ導く複数の放射導光部を形成するようにしても良い。また、装飾パターン1160に、装飾パターン1150を組み合わせても良い。
[5−2−2.遊技パネルにおける障害釘の調整]
続いて、遊技パネル1100のパネル板1110の植設されている複数の障害釘Nの調整について、主に図151乃至図153等を参照して詳細に説明する。図151は、遊技パネルに植設されている障害釘を調整するための釘調整フィルムを示す正面図である。図152は、遊技盤を装着した状態で示す本体枠の正面図である。図153(a)は釘調整フィルムを遊技盤に装着する前の状態を拡大して示す説明図であり、(b)は釘調整フィルムを遊技盤に装着した状態を拡大して示す説明図である。
遊技盤5は、図136等に示すように、遊技領域5a内に複数の障害釘Nが、所定のゲージ配列で植設されている。詳述すると、複数の障害釘Nは、枠状の前構成部材1000の枠の内周と、枠状のセンター役物2500の外周との間となる遊技パネル1100のパネル板1110の前面に植設されている。
ところで、遊技領域5a内に植設されている複数の障害釘Nには、遊技が行われることで、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bが頻繁に当接するため、稼働時間が長くなるほど、障害釘Nの歪みが大きくなる。そして、障害釘Nの歪みが大きくなると、遊技球Bの流路が、製造当初の状態から変化してしまい、入賞口(一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、大入賞口2005、等)に遊技球Bが受入れられ難くなったり、ゲート部2003を遊技球Bが通過し難くなったりして、遊技者が遊技を楽しめなくなって、遊技に対する興趣を低下させてしまうという問題があった。あるいは、障害釘Nの歪が大きくなることで、遊技球Bが入賞口に受入れられ易くなってしまい、遊技球Bの払出しが多くなることで、パチンコ機を設置している遊技ホール側の負担が増加するという問題があった。また、障害釘Nの歪みが大きくなると、遊技者によっては、遊技盤5の盤面を見ただけで遊技球Bが入賞口に入り難い遊技盤5であると認識して、遊技するパチンコ機として、パチンコ機での遊技を敬遠してしまい、パチンコ機の稼働率が低下するという問題があった。
このような問題に対して、パチンコ機1を設置している遊技ホール側では、障害釘Nを叩くハンマーと、細長い棒の先端に遊技球Bと同じ直径のゲージ球が取付けられている釘調整用ゲージと、を用いて、定期的に障害釘Nの歪みを調整するようにしている。しかしながら、釘調整用ゲージを用いた調整では、歪んだ障害釘Nを、勘や経験によって調整しているため、障害釘Nの調整にバラツキが生じ易かった。また、障害釘Nの調整は、釘師と言われる熟練技術者だけでなく、未熟な技術者も行うことがあるため、未熟な技術者が行うことで更にバラツキが大きくなると共に、調整に時間がかかるという問題があった。
このような問題に対して、本実施形態のパチンコ機1では、図151に示すような、釘調整フィルム1170が用意されている。この釘調整フィルム1170は、透明な樹脂フィルムに、遊技盤5(ここでは、前構成部材1000と表ユニット2000)の正面視と同じの正面絵柄1171と、障害釘Nと同じ釘絵柄1172とが、印刷されている。釘絵柄1172は、障害釘Nの頭部と略同じ直径の円に描かれている。また、釘調整フィルム1170は、複数の障害釘Nのうち、遊技に対して重要な役割を果たす特定障害釘N1を示す、識別部1173を有している。この識別部1173は、釘絵柄1172よりも一回り直径の大きな円の絵柄とされている。これにより、特定障害釘N1が、釘絵柄1172と、識別部1173の絵柄とで、二重の円に描かれており、一目で判別できるようになっている。また、識別部1173は、特定障害釘N1の重要度に応じて異なる線の種類の円が描かれている。ここでは、特定障害釘N1の重要度を、「最重要」と「重要」の二つに区分しており、「最重要」を点線(破線)で、「重要」を一点鎖線で、描いている(図151の拡大図を参照)。
この釘調整フィルム1170を構成している樹脂フィルムとしては、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエチレンナフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、ポリカーボネートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリフェニレンサルファイドフィルム、ナイロンフィルム、アラミドフィルム、ポリエチレンフィルム、セルロイドフィルム、等が挙げられる。本実施形態では、釘調整フィルム1170を構成している樹脂フィルムとして、静電気の発生(帯電)し易い素材が用いられている。なお、釘調整フィルム1170は一実施形態に過ぎず、遊技盤5(ここでは、前構成部材1000と表ユニット2000)の正面視と同等の正面絵柄1171と、障害釘Nと同じ釘絵柄1172とが、印刷されているものであれば、釘調整フィルム1170に替えて、可撓性の低いシート状や板状の釘調整面材を適用することとしてもよい。
釘調整フィルム1170は、遊技盤5に対する位置決め固定をするための位置決め固定部1174を有している。本実施形態の位置決め固定部1174は、前構成部材1000の前面から前方へ突出している四つのボス部1020(図152を参照)がそれぞれ挿入される孔とされている。
なお、位置決め固定部1174としては、釘調整フィルム1170を支持できる構成であればよく、前構成部材1000のボス部1020が挿入される孔に限定するものではなく、前構成部材1000や、遊技盤5が前方から取付けられる本体枠4において前方へ突出している遊技盤ロック部材505、払出通路開閉扉613、扉枠用鉤652、外枠用開錠レバー656、等が挿入される孔としても良い。あるいは、位置決め固定部1174を、釘調整フィルム1170の上部(上辺)とし、本体枠ベース501の遊技盤挿入口501bと遊技盤5の上端との間の隙間に挿入して位置決め固定するようにしても良い。また、位置決め固定部1174を、釘調整フィルム1170の左辺とし、本体枠4に対して扉枠3を閉じた時に、扉枠3における扉枠補強ユニット110の左補強フレーム111の後部左端が挿入されることで、パチンコ機1の左側面から不正な工具が内部に挿入されることを防止するための本体枠4における本体枠補強フレーム530の溝部530a(図152を参照)内に挿入して位置決め固定するようにしても良い。
次に、釘調整フィルム1170を用いた障害釘Nの調整方法について説明する。パチンコ機1が遊技ホールの島設備に設置されている状態で、本体枠4に対して扉枠3を前方へ開いた状態とする。この状態で、本体枠4に取付けられている遊技盤5へ、前方から釘調整フィルム1170を被せ、前構成部材1000のボス部1020を、位置決め固定部1174に挿通させて、遊技盤5に対して釘調整フィルム1170を位置決め固定する。なお、本実施形態では、釘調整フィルム1170が帯電し易い素材で形成されているため、遊技盤5が帯電している状態では、静電気によって釘調整フィルム1170が前構成部材1000の前面に貼り付くこととなるため、この静電気によっても釘調整フィルム1170を位置決め固定して遊技盤5の前面で支持することができる。また、遊技盤5に設けられる始動口ユニット2100、サイドユニット2200、サイドスロープ2300、アタッカユニット2400、センター役物2500には、障害釘Nにおける埋設されていない側の先端(頭部)と略同一の高さの面状からなる平面部分が障害釘Nの近傍に設けられており、釘調整フィルム1170を屈曲させることなく真っ直ぐな面としたままでボス部1020による位置決め固定を可能にしている。
遊技盤5の前面に釘調整フィルム1170を位置決め固定した状態で正面から見ると、釘調整フィルム1170の正面絵柄1171が、前構成部材1000や表ユニット2000の形状と一致して位置合わせできるため、釘調整フィルム1170のズレを確認することができる。この状態では、透明な釘調整フィルム1170を通して障害釘Nの頭部が見える。そして、障害釘Nが歪んでいる場合は、釘絵柄1172の円と、障害釘Nの頭部の円とが、同心円状とならず、互いの円の中心が一致していない状態となる(図153(b)を参照)。これにより、調整すべき障害釘Nを容易に判別することができる。
そして、歪んでいる障害釘Nを調整する際には、釘調整フィルム1170を捲って該当する障害釘Nをハンマーで叩いた後に、釘調整フィルム1170を被せて、釘絵柄1172の円と、障害釘Nの頭部の円とのズレを確認し、これを繰り返して、障害釘Nの頭部の円が、釘絵柄1172の円と同心円状となるように調整する。また、障害釘Nを調整する際に、釘調整フィルム1170に特定障害釘N1を示す識別部1173が描かれているため、特定障害釘N1に対しては、入念に調整を行う。
このように、本実施形態の釘調整フィルム1170によれば、前構成部材1000や表ユニット2000と同じ正面絵柄1171が描かれているため、正面絵柄1171を前構成部材1000や表ユニット2000と一致させることで、遊技盤5に対して釘調整フィルム1170の位置合わせを容易に行うことができる。また、釘調整フィルム1170には、遊技に対して重要な役割を果たす特定障害釘N1を示す識別部1173が描かれているため、入念な調整が必要な特定障害釘N1の位置を、容易に判別することができる。更に、釘調整フィルム1170には、前構成部材1000のボス部1020が挿入される位置決め固定部1174を備えているため、遊技盤5に対して容易に位置決め固定することができる。したがって、釘調整フィルム1170に合わせて障害釘Nを調整することで、障害釘Nの調整のバラツキを低減させることができると共に、未熟な技術者でも容易に障害釘Nの調整を行うことができ、障害釘Nの調整にかかる作業時間を短縮することができる。
なお、釘調整フィルム1170において、識別部1173を、釘絵柄1172の円よりも直径の大きい円の絵柄したものを示したが、これに限定するものではなく、特定障害釘N1を矢印で示したり、色分けしたりしても良い。
また、図152に示すように、遊技盤5の前面側に設けられる所定の部材には、遊技盤5の前面に対する釘調整フィルム1170の位置合わせを一層容易にするために用いられる複数の目安部P1〜P4が設けられている。これら複数の目安部P1〜P4は、星印の絵柄とともに、星印の絵柄の内部にそれぞれ番号が付されるように描かれている。また、図151に示すように、釘調整フィルム1170には、遊技盤5の正面視と同じ正面絵柄1171とともに、複数の目安部P1〜P4のそれぞれを模した複数の目安絵柄R1〜R4が印刷されている。この目安絵柄R1〜R4は、遊技盤5に対して前方から釘調整フィルム1170を被せた状態で、対応する目安部P1〜P4と一致するように釘調整フィルム1170に印刷されている。なお、目安絵柄R1〜R4としては、目安部P1〜P4に描かれた絵柄の全部を模しているが、目安部P1〜P4に描かれた絵柄の一部のみを模すように釘調整フィルム1170に印刷されてもよい。
上記により、遊技盤5に対して前方から釘調整フィルム1170を被せた際には、目安部P1〜P4のそれぞれに対して目安絵柄R1〜R4が一致するようにすればよく、遊技盤5に対して釘調整フィルム1170を容易に位置合わせすることができる。また、正面絵柄1171には、目安部P1〜P4が描かれた部材と同様の形状である絵柄が描かれているため、目安部P1〜P4を目印として、目安部P1〜P4が描かれた部材に対して正面絵柄1171が一致するようにすれば、より確実に、遊技盤5に対して釘調整フィルム1170の位置ズレが発生しているか否かを確認することができる。なお、このような方法によれば、遊技盤5に対して前方から釘調整フィルム1170を被せた際に、前構成部材1000のボス部1020に対して位置決め固定部1174に挿通させるか否かにかかわらず、遊技盤5に対して釘調整フィルム1170を位置合わせすることができる。
また、目安部P1〜P4は、遊技盤5の前面側に固定された部材に設けられている。具体例としては、センター役物2500の枠の左下側(ワープ入口2501付近)に目安部P1、第一始動口2002に目安部P2、大入賞口2005に目安部P3、ゲート部2003の右上側に位置する遊技領域4aの外側に設けられた部材に目安部P4、が設けられている。これらの部材は、遊技盤5の前面側に固定されているため、遊技領域5aを流下した遊技球Bが、センター役物2500、第一始動口2002、大入賞口2005などに当接し続けたとしても、位置にズレが生じることがなく、遊技盤5に対して釘調整フィルム1170の位置合わせが困難になることを防止することができる。また、ゲート部2003の右上側に位置するような遊技領域4aの外側に設けられた部材(遊技領域外部材)は、そもそも遊技領域5aを流下した遊技球Bが当接することがないため、こうした部位に設けた目安部P4は位置にズレが生じることがなく、目安部P4を用いることで遊技盤5に対して釘調整フィルム1170の位置合わせが困難になることを防止することができる。また、目安部を遊技領域4aの外側に設けられた部材(遊技領域外部材)に設けるにあたっては、目安部が設けられる部材(遊技領域外部材)は、本体枠4に対して扉枠3を閉じた際に扉枠3の装飾部位(ガラス板162を除く)によって被覆される部分に設けるようにしてもよい。これにより、遊技場(ホール)の営業中等に、釘調整フィルム1170を不正に入手した不正者等が、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態でガラス板162の上から釘調整フィルム1170を位置合わせすることを困難にでき、不正に入手した釘調整フィルム1170を用いて何らかの不正行為(たとえば他の不正に適した釘状態であるか否かの確認の手助けなど)が行われることを抑止することができる。
なお、目安部P1〜P4は、遊技盤5の前面側に固定された部材に設ければよく、第一始動口2002や大入賞口2005以外に、例えば、他の入賞口(第二始動口2004、一般入賞口2002)やゲート部2003に設けてもよい。また、遊技盤5の前面側に固定された部材として、例えば、所定の装飾が施された装飾体(LEDによって発光装飾される発光装飾体を含む。)に、目安部P1〜P4が設けられてもよい。また、本例では、平板状のパネル板1110が透明であるが、パネル板1110の前または後に所定の絵柄が描かれたセルを貼り付けるようにし、そのセルのうち視認可能な位置に、目安部P1〜P4が設けられてもよい。このようなセルは、パネル板1110に貼り付けられているため、位置にズレが生じることがない。また、目安部P1〜P4は、遊技盤5の前面側に固定された部材の少なくとも2つ以上に設けられることが好ましい。このように、少なくとも2つ以上の部材を用いることで、遊技盤5に対して釘調整フィルム1170を位置合わせする際に、釘調整フィルム1170に位置ズレが発生することを最小限に抑えることができる。
上記したように、目安部P1〜P4は、遊技盤5の前面側に固定された部材に設ければよいが、遊技球Bの流下方向を変化することが可能な風車については、遊技盤5の前面側に固定された部材であるものの、遊技領域5aを流下した遊技球Bが当接した際に、その風車を支持する釘が曲がって釘調整フィルム1170の位置合わせが困難になる可能性があるため、目安部P1〜P4を設けないようにしている。
また、目安部P1〜P4は、星印の絵柄とともに、星印の絵柄の内部にそれぞれ番号が付されるように描かれているが、このような上下非対称体や左右非対称体である絵柄が描かれていることが好ましい。また、図152に示すように、目安部P1〜P4は、濃色で描かれていることが好ましい。このような場合には、目安部P1〜P4が簡単に見つけられるとともに、目安部P1〜P4のぞれぞれに対して目安絵柄R1〜R4を一致させることが容易となり、遊技盤5に対して釘調整フィルム1170を容易に位置合わせすることができる。
同様に、目安部P1〜P4は、センター役物2500、第一始動口2002、大入賞口2005などの部材のように、左右非対称体や上下非対称体である部材に設けられるようにしている。また、目安部P1〜P4は、例えば、センター役物2500、第一始動口2002、大入賞口2005などの部材を濃色で塗色するようにし、他の部材と比べて濃色体である部材に設けられることが好ましい。このような場合にも、目安部P1〜P4が設けられた部材が簡単に見つけられるとともに、目安部P1〜P4のぞれぞれに対して目安絵柄R1〜R4を一致させることが容易となり、遊技盤5に対して釘調整フィルム1170を容易に位置合わせすることができる。
また、目安部P1〜P4は、遊技盤5に設けられた複数の障害釘Nのうち、遊技に対して重要な役割を果たす特定障害釘N1の近傍に位置するように設けられている。例えば、目安部P1〜P4が、特定障害釘N1から離間した位置に設けられた場合には、目安部P1〜P4を目印として釘調整フィルム1170を位置合わせしたとしても、釘調整フィルム1170に印刷された釘絵柄1172と、識別部1173の絵柄が、特定障害釘N1の正規の位置からズレが発生しやすくなるが、目安部P1〜P4が、特定障害釘N1の近傍に位置するように設けられることで、そのような特定障害釘N1の正規の位置からズレが発生することを最小限に抑えることができる。
また、目安部P1〜P4は、少なくとも2つ以上設けることが好ましく、例えば、2つの目安部P1〜P4に対して2つの目安絵柄R1〜R4が一致するように遊技盤5に対して釘調整フィルム1170を合わせることで、より確実に、遊技盤5に対して釘調整フィルム1170を位置合わせすることができる。また、2つの目安部P1〜P4を目印として釘調整フィルム1170を位置合わせした際には、釘調整フィルム1170に印刷された釘絵柄1172や、識別部1173の絵柄など、2つの目安部P1〜P4の間やその周辺に設けられた絵柄が、障害釘Nや特定障害釘N1の正規の位置からズレが発生し難くなる。このため、2つの目安部P1〜P4の間やその周辺には、遊技盤5に設けられた複数の障害釘Nのうち、遊技に対して重要な役割を果たす特定障害釘N1が多く設けられるように、目安部P1〜P4が設けられることが好ましい。
また、目安部P1〜P4は、センター役物2500、第一始動口2002、大入賞口2005などの部材のように、表面が凹凸していない平坦形状である部材に設けられるようにしている。また、目安部P1〜P4は、センター役物2500、第一始動口2002、大入賞口2005などの部材のように、遊技盤5に設けられた複数の障害釘Nの先端と略同一面となるように表面が形成された部材に設けられるようにしている。このような場合には、遊技盤5に対して釘調整フィルム1170の一部のみが当接するといったことがなく、目安部P1〜P4のそれぞれに対して目安絵柄R1〜R4を一致させることが容易となり、遊技盤5に対して釘調整フィルム1170を容易に位置合わせすることができる。
なお、目安部P1〜P4は、遊技盤5に設けられる始動口ユニット2100、サイドユニット2200、サイドスロープ2300、アタッカユニット2400、センター役物2500に限って設けられるものではなく、前構成部材1000など、他の部位に設けるようにしてもよい。
また、本例では、釘調整フィルム1170として、遊技盤5(ここでは、前構成部材1000と表ユニット2000)の正面視と同じの正面絵柄1171が印刷しうるように、遊技盤5と略同じ大きさからなる樹脂フィルムが用いられているが、そのような遊技盤5の大きさよりも小さなサイズ(例えば、A4サイズ)からなる樹脂フィルムが用いられてもよい。例えば、A4サイズの釘調整フィルム1170には、遊技盤5に設けられた複数の障害釘Nのうち、遊技に対して重要な役割を果たす特定障害釘N1に対応する釘絵柄1172や識別部1173の絵柄に加え、その特定障害釘N1の近傍に位置している目安部P1〜P4に対応する目安絵柄R1〜R4や、目安部P1〜P4が設けられた部材に対応する絵柄を、適宜、印刷するようにすればよい。また、例えば、A4サイズの釘調整フィルム1170は、特定障害釘N1や目安部P1〜P4、目安部P1〜P4が設けられた部材が含まれるように釘調整に必要となる部分のみを抜粋して、複数枚の釘調整フィルム1170に分けて印刷するようにしてもよいし、1枚の釘調整フィルム1170に適宜並べて印刷するようにしてもよい。このように、釘調整フィルム1170として、遊技盤5と略同じ大きさからなる樹脂フィルムを用いた場合には、釘調整フィルム1170の持ち運びが困難となったり、遊技盤5に対して釘調整フィルム1170の位置合わせが困難となったりしかねないが、例えば、A4サイズの釘調整フィルム1170のようにコンパクトな樹脂フィルムを用いることで、そのような困難が発生することを防止することができる。また、釘調整に必要となる部分のみを抜粋する際には、その抜粋した部分に、目安部P1〜P4が少なくとも2つ以上設けられていることが好ましい。これにより、釘調整フィルム1170が複数枚であるか1枚であるかにかかわらず、例えば、2つの目安部P1〜P4に対して2つの目安絵柄R1〜R4が一致するように、釘調整フィルム1170に抜粋した部分に対して釘調整フィルム1170を合わせることで、より確実に、釘調整フィルム1170に抜粋した部分に対して釘調整フィルム1170を位置合わせすることができる。
また、上述したような本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態でガラス板162の上から不正に釘調整フィルム1170を位置合わせされることを困難にすることを鑑みて、扉窓101aの外周を囲う皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、皿中央上装飾体312a、扉枠左サイド装飾体404、サイド窓内装飾部材412のサイド窓内装飾部410b、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453について、遊技領域の中心側(ガラス板162の中央部分)に向かって突出する形状の突出部を部分的に設け、それら突出部をガラス板162に当接あるいは近接するように設けるようにしてもよい。このようにすることで、仮に遊技盤5の大きさよりも小さなサイズ(例えば、A4サイズ)の釘調整フィルム1170であったとしても、ガラス板162上での突出部との当接によって位置合わせ自体を邪魔することができ、本体枠4に対して扉枠3を閉じた状態で、不正に入手した釘調整フィルム1170を用いて何らかの不正行為(たとえば他の不正に適した釘状態であるか否かの確認の手助けなど)が行われることを抑止することができる。
[5−3.基板ホルダ]
遊技盤5における基板ホルダ1200について、主に図133及び図134等を参照して詳細に説明する。基板ホルダ1200は、上方及び前方が開放された横長の箱状に形成されており、底面が左右方向中央へ向かって低くなるように傾斜している。基板ホルダ1200は、底面における左右方向中央において、前端から後方へ向かって切欠かれている排出部1201を有している。この基板ホルダ1200は、遊技盤5に組立てた状態で、遊技パネル1100の後側に取付けられている裏ユニット3000の下部を下側及び後側から覆っていると共に、後面に主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320が取付けられている。
基板ホルダ1200は、パチンコ機1に組立てた状態で、排出部1201が、本体枠4の基板ユニット620におけるベースユニット620bの排出球受部628の直上に位置している。これにより、アウト口1008を通って遊技パネル1100の後側へ排出された遊技球B、及び、表ユニット2000及び裏ユニット3000から下方へ排出された遊技球B、をすべて受けることができ、底面に形成された排出部1201から下方の排出球受部628へ排出させることができる。
[5−4.主制御基板ユニット]
遊技盤5における主制御ユニット1300について、主に図132乃至図134等を参照して詳細に説明する。主制御ユニット1300は、基板ホルダ1200の後面に着脱可能に取付けられている。主制御ユニット1300は、遊技内容及び遊技球Bの払出し等を制御する主制御基板1310(図185を参照)と、主制御基板1310を収容しており基板ホルダ1200に取付けられる主制御基板ボックス1320と、を備えている。
主制御基板ボックス1320は、図示しないカバー体と図示しないベース体とから構成されている。カバー体とベータ体とは、ポリカーボネートの樹脂製であり、透明に成型されている。カバー体とベース体とにより形成される内部空間には、主制御基板1310を収容することができるようになっている。カバー体とベータ体とがポリカーボネートの樹脂製により透明に成型されていることにより、主制御基板1310の表面側や裏面側の状態(不正な改変が行われているか否か、又は不正ICが実装されているか否か)を、主制御基板ボックス1320の外側から確認することができるようになっている。また、主制御基板ボックス1320は、カバー体とベータ体とにそれぞれ対応するように複数の封印機構を備えており、一つの封印機構を用いて主制御基板ボックス1320を閉じると、次に、主制御基板ボックス1320を開けるためにはその封印機構を破壊する必要があり、主制御基板ボックス1320の開閉の痕跡を残すことができる。したがって、開閉の痕跡を見ることで、主制御基板ボックス1320の不正な開閉を発見することができ、主制御基板1310への不正行為に対する抑止力が高められている。
主制御ユニット1300の主制御基板1310は、インターフェイス基板635、及び周辺制御基板1510と、接続されている。また、主制御基板1310は、機能表示ユニット1400、ゲートセンサ2506、第二始動口センサ2402、大入賞口センサ2403、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414、一般入賞口センサ2401、一般入賞口センサ3001、第一始動口センサ3002、磁気センサ3003、と接続されている。
[5−5.機能表示ユニット]
遊技盤5における機能表示ユニット1400について、主に図130、図132、図140、図142及び図154等を参照して詳細に説明する。図154は主制御基板における機能表示ユニットからの配線の引き回しの概略説明図である。
機能表示ユニット1400は、図130に示すように、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左上隅に取付けられている。機能表示ユニット1400は、パチンコ機1に組立てた状態で、扉枠3の扉窓101aを通して前方(遊技者側)から視認することができる。この機能表示ユニット1400は、その裏面の上辺側から後方へ突出して配置された接続コネクタ1400aに入力される主制御基板1310からの制御信号に基づき複数のLEDを用いて、遊技状態(遊技状況)や、普通抽選結果や特別抽選結果等を表示するものである。
[5−5−1.機能表示ユニットの構成]
機能表示ユニット1400は、詳細な図示は省略するが、遊技状態を表示する三つのLEDからなる状態表示器と、ゲート部2003に対する遊技球Bの通過により抽選される普通抽選結果を表示する二つのLEDからなる普通図柄表示器と、ゲート部2003に対する遊技球Bの通過に係る保留数を表示する二つのLEDからなる普通保留表示器と、を備えている。
また、機能表示ユニット1400は、第一始動口2002への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第一特別図柄表示器と、第一始動口2002への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第一特別保留数表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第二特別抽選結果を表示する八つのLEDからなる第二特別図柄表示器と、第二始動口2004への遊技球Bの受入れに係る保留数を表示する二つのLEDからなる第二特別保留数表示器と、を備えている。
更に、機能表示ユニット1400は、第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果が「大当り」等の時に、大入賞口2005の開閉パターンの繰返し回数(ラウンド数)を表示する五つのLEDからなるラウンド表示器、を備えている。
この機能表示ユニット1400では、備えられているLEDを、適宜、点灯、消灯、及び、点滅、等させることにより、保留数や図柄等を表示することができる。
[5−5−2.ノイズ対策]
ここで、機能表示ユニット1400と主制御基板1310とを電気的に接続して、主制御基板1310から機能表示ユニット1400へ制御信号を伝える複数の配線(以下、単に「配線」と記載する場合がある。)について詳細に説明する。
機能表示ユニット1400は、上述したように、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左上隅に取付けられている。機能表示ユニット1400の裏面側に設けられた接続コネクタ1400aを介して電気的に接続される配線FCBLは、図132に示すように、遊技盤5の右上隅から裏箱3010の後面の上辺まで引き回されると、裏箱3010の後面の下方へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の右辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められて遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200の後面の上辺に達する前に屈曲されて基板ホルダ1200の後面に取付けられる主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320の右辺側に沿って下方へ向かって引き回される。
そして、その配線FCBLは、主制御基板ボックス1320の下辺まで引き回されると、主制御基板ボックス1320の左辺へ向かって曲げられ、主制御基板ボックス1320の下辺に沿って機能表示ユニット用コネクタMFCNの下方までに引き回された後、機能表示ユニット用コネクタMFCNへ電気的に接続されるようになっている。
このように、機能表示ユニット1400と主制御基板1310とを電気的に接続する配線FCBLは、その配線長が長くなるとともに、特に、遊技盤5の右上隅から遊技パネル1100の後面、そして裏箱3010の後面の上辺まで引き回される配線FCBLは、裏箱3010の後面の下方へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の右辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められて遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200の後面であって主制御基板ボックス1320の右辺側に沿って主制御基板ボックス1320の下辺まで引き回されている。このように配線FCBLが引き回される領域は、遊技盤5がパチンコ機1に装着された状態では、図115に示した本体枠4における払出ベースユニット550に取付けられている払出ユニット560の前方に配置されることとなる。
また、機能表示ユニット1400の後方には、上述したように、左上パネル装飾基板1131が配置されている。左上パネル装飾基板1131の裏面側に設けられた接続コネクタ1131aを介して電気的に接続される接続ケーブルである配線UPCBLは、図132及び図142に示すように、遊技パネル1100の後面上側へ屈曲されると、裏箱3010の前面の上辺で裏箱3010の後面へ向かって曲げられ、上述した配線FCBLと共に近接した状態(又は接触した状態)で、裏箱3010の後面の上辺まで引き回されると、裏箱3010の後面の下方へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の右辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められて周辺制御ユニット1500の下方であって駆動基板ユニット1700の上辺まで引き回される。そして、その配線UPCBLは、上述した配線FCBLの経路と別れて、周辺制御ユニット1500の下方であって駆動基板ユニット1700の上辺において左辺へ向かって曲げられて駆動基板ユニット1700の上辺側に沿って引き回され、駆動基板ユニット1700におけるパネル駆動基板1720の所定コネクタの上方までに引き回された後、その所定コネクタへ電気的に接続されるようになっている。
このように、機能表示ユニット1400の後方に配置される左上パネル装飾基板1131とパネル駆動基板1720とを電気的に接続する配線UPCBLは、その配線長が長くなるとともに、特に、遊技盤5の右上隅から遊技パネル1100の後面、そして裏箱3010の後面の上辺まで引き回される配線FCBLは、裏箱3010の後面の下方へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の右辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められて周辺制御ユニット1500の下方であって駆動基板ユニット1700の上辺まで引き回されている。このように配線UPCBLが引き回される領域は、上述した配線FCBLと同様に、遊技盤5がパチンコ機1に装着された状態では、図115に示した本体枠4における払出ベースユニット550に取付けられている払出ユニット560の前方に配置されることとなる。
払出ユニット560は、上述したように、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する1条の誘導通路を有する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570の1条の誘導通路により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。
また、遊技球Bは、上述したように、遊技ホールの島設備において研磨されたり、島設備とパチンコ機1との循環において互いにこすれ合ったりして、帯電して静電放電することにより電磁波ノイズを放出する。このため、遊技球Bを滞留することができる球タンク552や払出ユニット560を取付ける領域及びその周囲は静電気が溜まりやすい。
また、主制御基板1310は、その詳細な説明を後述するが、各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPU1310a等を備えている。この主制御MPU1310aは、電気的なノイズの影響を受けると、ハードウェアによって強制的にリセットがかかる回路が内蔵されており(以下、「内蔵リセット回路」と記載する。)、このような内蔵リセット回路による強制リセットは、ユーザプログラムによって制御して無効化することができない仕組みとなっている。このため、主制御MPU1310aは、内蔵リセット回路による強制リセットがかかると、後述する主制御側電源断時処理を実行することなく、リセットがかかり、再び、後述する主制御側電源投入時処理を実行することとなる。この場合、主制御側電源断時処理が実行されていないため、後述するように、必ず主制御MPU1310aに内蔵されているRAMのチェックサム(サム値)エラーとなるため、主制御MPU1310aに内蔵されているRAMの内容が完全に消去(クリア)されることとなる。つまり、内蔵リセット回路により強制リセットされると、再び主制御MPU1310aが起動する際にRAMクリアを実行することとなる。
また、本実施形態では、主制御MPU1310aのパッケージとしてZIP(Zigzag Inline Package)タイプのものが採用されており、主制御基板1310の実装面に主制御MPU1310aを実装すると、主制御MPU1310aの各種ピンが主制御基板1310のハンダ付け面(実装面と反対側の面)から突出した状態となる。つまり、主制御MPU1310aの各種ピンが主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する状態となる。
このように、球タンク552や払出ユニット560を取付ける領域及びその周囲は静電気が溜まりやすいため、静電放電することにより電磁波ノイズが放出されると、払出ユニット560の前方に配置される、機能表示ユニット1400と主制御基板1310とを電気的に接続する配線FCBLに侵入する場合があるし、機能表示ユニット1400の後方に配置される左上パネル装飾基板1131と周辺制御基板1510とを電気的に接続する配線UPCBLに侵入する場合がある。これにより、配線FCBLに侵入した電磁波ノイズが飛び出して配線UPCBLへ侵入する場合もあるし、これとは反対に、配線UPCBLに侵入した電磁波ノイズが飛び出して配線FCBLへ侵入する場合もある。
例えば、機能表示ユニット1400と主制御基板1310とを電気的に接続する配線FCBLが、仮に、基板ホルダ1200の後面と主制御基板ボックス1320の底板との間に形成される配線空間内を、主制御基板ボックス1320の右辺側の所定位置から主制御基板ボックス1320の左辺へ向かって直線上に引き回され(例えば、主制御基板ボックス1320の右辺であって、主制御基板ボックス1320の上辺から約4分の1の長さを有するところで、主制御基板ボックス1320の上辺、又は下辺と平行となるように主制御基板ボックス1320の左辺へ向かって曲げられ)、主制御基板1310の下辺中央から左辺寄りに配置された機能表示ユニット用コネクタMFCNの上方を通り過ぎた段階で主制御基板ボックス1320の下辺へ向かって曲げられ、主制御基板ボックス1320の下辺から引き出された後、機能表示ユニット用コネクタMFCNへ電気的に接続される場合には、この配線FCBLに電磁波ノイズが侵入すると、配線FCBLが基板ホルダ1200の後面と主制御基板ボックス1320の底板との間に形成される配線空間内を引き回されると、主制御MPU1310aの実装位置と対応する、主制御基板1310の前方(つまり、主制御基板ボックス1320の底板の前方)の領域を通ると、その配線FCBLを介して、電磁波ノイズが主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンに侵入し、この侵入した電磁波ノイズの影響を受けて主制御MPU1310aが自身の内蔵リセット回路により強制リセットがかかるおそれがある。
なお、基板ホルダ1200の後面と主制御基板ボックス1320の底板との間に形成される配線空間内に代えて、基板ホルダ1200の後面に配線収容溝が形成されている場合には、配線FCBLは、基板ホルダ1200の後面と主制御基板ボックス1320の底板との間に形成される配線空間ではなく、配線収容溝に沿って収容され、主制御基板ボックス1320の下辺から引き出された後、機能表示ユニット用コネクタMFCNへ電気的に接続される。この場合にも、この配線FCBLに電磁波ノイズが侵入すると、上述したように、配線FCBLが基板ホルダ1200の後面に形成される配線収容溝に沿って収容されて引き回されると、主制御MPU1310aの実装位置と対応する、主制御基板1310の前方(つまり、主制御基板ボックス1320の底板の前方)の領域を通ると、その配線FCBLを介して、電磁波ノイズが主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンに侵入し、この侵入した電磁波ノイズの影響を受けて主制御MPU1310aが自身の内蔵リセット回路により強制リセットがかかるおそれがある。
そこで、本実施形態では、図154に示すように、配線FCBLが電気的に接続される機能表示ユニット用コネクタMFCNの実装位置と、主制御MPU1310aの実装位置と、の位置関係として、機能表示ユニット用コネクタMFCNを主制御基板1310の下辺中央から左辺寄りに配置しているとともに、主制御MPU1310aを主制御基板1310の右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線より上方に配置している。つまり、本実施形態では、主制御MPU1310aを主制御基板1310の右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線より下方に機能表示ユニット用コネクタMFCNを配置しているのに対して、この中心線より上方に主制御MPU1310aを配置していることによって、機能表示ユニット用コネクタMFCNと主制御MPU1310aとを主制御基板1310において離間する配置となっている。
これにより、配線FCBLが電気的に接続される機能表示ユニット用コネクタMFCNから主制御MPU1310aを離して配置することができるため、配線FCBLに侵入した電磁波ノイズが、機能表示ユニット用コネクタMFCNと主制御MPU1310aとを主制御基板1310において離間する空間を介して、主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンに侵入することを防止することができる。したがって、電磁波ノイズが侵入することができる配線FCBLから主制御MPU1310aを保護することができる。
また、配線FCBLが電気的に接続される機能表示ユニット用コネクタMFCNから主制御MPU1310aを離して配置することにより、配線FCBLに電磁波ノイズが侵入しても、主制御MPU1310aに影響が及ばないように、主制御基板1310上において、又は機能表示ユニット用コネクタMFCNと主制御MPU1310aとを主制御基板1310において離間する空間において、この配線FCBLを介して侵入する電磁波ノイズを減衰させることができるようになっている。この点においても、電磁波ノイズが侵入することができる配線FCBLから主制御MPU1310aを保護することができる。
なお、本実施形態では、主制御MPU1310aは、そのパッケージ右辺が主制御基板1310の右辺から少なくとも所定の距離寸法(以下、「第1配線離間距離寸法」と記載する。)だけ離間して配置されている。これは、機能表示ユニット1400と主制御基板1310とを電気的に接続する配線FCBLが主制御基板ボックス1320の右辺側に沿って下方へ向かって引き回されるため、この配線FCBLに侵入した電磁波ノイズが、この配線FCBLから第1配線離間距離寸法を有する空間を介して、主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンに侵入することを防止するためである。
また、機能表示ユニット1400と主制御基板1310とを電気的に接続する配線FCBLは、上述したように、基板ホルダ1200の後面と主制御基板ボックス1320の底板との間に形成される配線空間内(又は、基板ホルダ1200の後面に形成される配線収容溝に沿って収容されて)を引き回れずに、基板ホルダ1200の後面に取付けられる主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320の右辺側に沿って下方へ向かって引き回されると、主制御基板ボックス1320の左辺へ向かって曲げられ、主制御基板ボックス1320の下辺に沿って機能表示ユニット用コネクタMFCNの下方までに引き回された後、機能表示ユニット用コネクタMFCNへ電気的に接続されるようになっているため、主制御基板ボックス1320の下辺に沿って引き回される配線FCBLと、主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンと、の距離寸法(以下、「第2配線離間距離寸法」と記載する。)を大きく確保することができる。この第2配線離間距離寸法は、第1配線離間距離寸法と比べて大きい距離寸法を有している。これにより、この配線FCBLに侵入した電磁波ノイズが、この配線FCBLから第2配線離間距離寸法を有する空間を介して、主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンに侵入することを防止することができる。この点においても、電磁波ノイズが侵入することができる配線FCBLから主制御MPU1310aを保護することができる。
なお、本実施形態では、機能表示ユニット1400と主制御基板1310とを配線FCBLにより直接電気的に接続していたが、機能表示ユニット1400と主制御基板1310とをパネル中継基板1710を介して電気的に接続するように構成することもできる。
この場合、パネル中継基板1710に、上述した配線FCBLに侵入した電磁波ノイズを低減若しくは除去することができる素子を設けることが好ましい(つまり、主制御基板1310から機能表示ユニット1400へ制御信号を伝える複数の配線FCBLに対して電磁波ノイズを低減若しくは除去することができる素子をそれぞれ設けることが好ましい)。これにより、配線FCBLを介して侵入する電磁波ノイズを主制御MPU1310aに影響が及ばないようにすることができる。したがって、電磁波ノイズが侵入することができる配線FCBLから主制御MPU1310aを保護することができる。
このような素子として、抵抗、フィルタ回路等を挙げることができる。電磁波ノイズの波形の観測結果から電磁波ノイズの波形幅が2マイクロ秒(μs)程度内に収まることがわかっており、フィルタ回路としては、このような波形幅と比べて大きな波形幅を有する信号を通過するものとして設計される。
また、このような素子として、抵抗、フィルタ回路等のほかに、EMC対策部品(コイル、ビーズ、コンデンサ等)も挙げることができ、コイルやビーズを用いる場合には複数の配線FCBLに対して電気的にそれぞれ直列接続するように挿入され、コンデンサを用いる場合には複数の配線FCBLに対して電気的にそれぞれ並列接続するように挿入される。また、より急崚な減衰特性が必要となる場合には、複数の配線FCBLに対して、コイルとコンデンサとを組み合わせて構成した回路がそれぞれ挿入されるようにしてもよいし、ビーズとコンデンサとを組み合わせて構成した回路がそれぞれ挿入されるようにしてもよい。
また、パネル中継基板1710は、遊技盤5に設けられるゲート部2003を通過した遊技球Bを検知するゲートセンサ2506、遊技盤5に設けられる大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2403、遊技盤5に設けられる一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ2401,3001、遊技盤5に設けられる第一始動口2002付近に作用する磁気を検知する磁気センサ3003等の各種センサからの2本の配線は、それぞれ電気的に接続されて集約されている。つまり、パネル中継基板1710は、各種センサからの2本の配線に加えて、機能表示ユニット1400からの配線FCBLも電気的に接続されて集約されている。なお、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ3002からの2本の配線と、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2402からの2本の配線とは、それぞれパネル中継基板1710を介すことなく、直接、主制御基板1310のそれぞれの所定コネクタに電気的に接続されている。
パネル中継基板1710は、各種センサからの2本の配線に加えて、機能表示ユニット1400からの配線FCBLを、図132に示す接続コネクタ1710aを介して、主制御基板1310へ電気的に接続されている。このため、機能表示ユニット1400と主制御基板1310とをパネル中継基板1710を介して電気的に接続するように構成する場合には、パネル中継基板1710に、配線FCBLに侵入した電磁波ノイズを低減若しくは除去することができる素子を設けることにより(つまり、主制御基板1310から機能表示ユニット1400へ制御信号を伝える複数の配線FCBLに対して電磁波ノイズを低減若しくは除去することができる素子をそれぞれ設けることにより)、各種センサからの2本の配線への電磁波ノイズの侵入を防止することができる。
なお、本実施形態では、機能表示ユニット1400の後方に配置される左上パネル装飾基板1131とパネル駆動基板1720とを電気的に接続する配線UPCBLは、上述したように、その配線長が長くなるとともに、特に、遊技盤5の右上隅から遊技パネル1100の後面、そして裏箱3010の後面の上辺まで引き回される配線UPCBLは、裏箱3010の後面の下方へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の右辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められて周辺制御ユニット1500の下方であって駆動基板ユニット1700の上辺まで引き回されているため、このように配線UPCBLが引き回される領域は、上述した配線FCBLと同様に、電磁波ノイズが侵入する場合がある。この配線UPCBLは、上述したように、周辺制御ユニット1500の下方であって駆動基板ユニット1700の上辺において左辺へ向かって曲げられて駆動基板ユニット1700の上辺側に沿って引き回され、駆動基板ユニット1700におけるパネル駆動基板1720の所定コネクタの上方までに引き回された後、その所定コネクタへ電気的に接続されるため、配線UPCBLによる電磁波ノイズの影響が周辺制御ユニット1500における周辺制御基板1510に及ぶおそれがある。
具体的には、周辺制御ユニット1500の下辺側には、その詳細な説明を後述するが、周辺制御基板1510に備えるコネクタCN2〜CN7(図182を参照。)、及び液晶出力基板1530に備えるコネクタCN8,CN9が配置されている(図182を参照)。このようなコネクタCN2〜CN9には、それぞれ対応する各種配線が電気的に接続されている。このため、コネクタCN2〜CN9に電気的に接続される各種配線と配線UPCBLとが交差又は接触する配置(またぐ配置)となることにより、配線UPCBLに侵入した電磁波ノイズが飛び出してコネクタCN2〜CN9に電気的に接続される各種配線に侵入すると、配線UPCBLに侵入した電磁波ノイズの影響を受けて、例えば、演出表示装置1600に描画される演出画像に乱れが生ずる(例えば、黒画面等の図柄の乱れが生ずる)。
そこで、本実施形態では、図示しないが、コネクタCN2〜CN9に電気的に接続される各種配線を、周辺制御ユニット1500の下辺側に沿って引き回すことにより、駆動基板ユニット1700の上辺から離間させている。これにより、駆動基板ユニット1700の上辺側に沿って引き回される配線UPCBLは、コネクタCN2〜CN9に電気的に接続される各種配線と交差又は接触する配置(またぐ配置)とならない。具体的には、駆動基板ユニット1700の上辺側に沿って引き回される配線UPCBLは、コネクタCN2〜CN9に電気的に接続される各種配線と平行に接触しないし、コネクタCN2〜CN9に電気的に接続される各種配線の一部の配線と接触しない。なお、本実施形態では、主制御MPU1310aが上述した内蔵リセット回路により強制的にリセットがかかることを防止するために、主制御基板1310と電気的に接続される各種配線が配線UPCBLと交差又は接触しないように配置されている。
また、本実施形態では、周辺制御ユニット1500の下方であって駆動基板ユニット1700の上辺側に沿って引き回される配線UPCBLと、周辺制御ユニット1500に収容される周辺制御基板1510の周辺制御IC(図154に示す後述する周辺制御IC1510a)の実装位置と、の位置関係として、周辺制御IC1510aを周辺制御1510の右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線より上方に配置している。つまり、本実施形態では、周辺制御IC1510aを周辺制御基板1510の右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線より上方に周辺制御IC1510aを配置していることによって、配線UPCBLと周辺制御IC1510aとを離間する配置となっている。
これにより、周辺制御ユニット1500の下方であって駆動基板ユニット1700の上辺側に沿って引き回される配線UPCBLから周辺制御ユニット1500に収容される周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aを離して配置することができるため、配線UPCBLに侵入した電磁波ノイズが、配線UPCBLと周辺制御IC1510aとを離間する空間を介して、周辺制御ユニット1500に収容されると共に周辺制御基板1510に実装される周辺制御IC1510aの各種ピンに侵入することを防止することができる。したがって、電磁波ノイズが侵入することができる配線UPCBLから周辺制御IC1510aを保護することができる。
また、周辺制御ユニット1500の下方であって駆動基板ユニット1700の上辺側に沿って引き回される配線UPCBLから周辺制御ユニット1500に収容される周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aを離して配置することにより、配線UPCBLに電磁波ノイズが侵入しても、周辺制御IC1510aに影響が及ばないように、周辺制御基板1510上において、又は配線UPCBLと周辺制御IC1510aとを離間する空間において、この配線UPCBLを介して侵入する電磁波ノイズを減衰させることができるようになっている。この点においても、電磁波ノイズが侵入することができる配線UPCBLから周辺制御IC1510aを保護することができる。
更に、周辺制御ユニット1500の周辺制御基板1510と駆動基板ユニット1700のパネル駆動基板1720との基板間は、図示しない配線を介して、電気的に接続され、この配線と配線UPCBLとが交差又は接触する配置(またぐ配置)とならないようになっているため、配線UPCBLを介して侵入する電磁波ノイズは、パネル駆動基板1720において減衰されることによって、パネル駆動基板1720から配線を介して周辺制御基板1510へ侵入すること極めて困難となり、電磁波ノイズの影響が周辺制御基板1510及ばない。この点においても、電磁波ノイズが侵入することができる配線UPCBLから周辺制御IC1510aを保護することができる。
なお、本実施形態では、パネル駆動基板1720では、配線UPCBLを介して侵入する電磁波ノイズをグランド(ベタアース)により減衰させているが、さらに、電磁波ノイズを低減若しくは除去することができる素子を設けることが好ましい(つまり、パネル駆動基板1720から機能表示ユニット1400の後方に配置される左上パネル装飾基板1131へ制御信号を伝える複数の配線UPCBLに対して電磁波ノイズを低減若しくは除去することができる素子をそれぞれ設けることが好ましい)。これにより、配線UPCBLを介して侵入する電磁波ノイズをパネル駆動基板1720において確実に減衰又は除去することができる。したがって、電磁波ノイズが侵入することができる配線UPCBLから周辺制御IC1510aを保護することができる。
このような素子として、抵抗、フィルタ回路等を挙げることができる。電磁波ノイズの波形の観測結果から電磁波ノイズの波形幅が2マイクロ秒(μs)程度内に収まることがわかっており、フィルタ回路としては、このような波形幅と比べて大きな波形幅を有する信号を通過するものとして設計される。
また、このような素子として、抵抗、フィルタ回路等のほかに、EMC対策部品(コイル、ビーズ、コンデンサ等)も挙げることができ、コイルやビーズを用いる場合には複数の配線UPCBLに対して電気的にそれぞれ直列接続するように挿入され、コンデンサを用いる場合には複数の配線UPCBLに対して電気的にそれぞれ並列接続するように挿入される。また、より急崚な減衰特性が必要となる場合には、複数の配線UPCBLに対して、コイルとコンデンサとを組み合わせて構成した回路がそれぞれ挿入されるようにしてもよいし、ビーズとコンデンサとを組み合わせて構成した回路がそれぞれ挿入されるようにしてもよい。
因みに、従来より、普図変動表示ゲーム、特図変動表示ゲーム、遊技状態の表示等を行う表示装置(表示部)が遊技盤の表面に配置された遊技機が提案されている(例えば、特開2016−154676号公報(段落[0014]、段落[0070]、図2、及び図21))。この表示装置(表示部)は、遊技制御装置のCPU(遊技制御マイクロプロセッサ)により表示制御されている。ところで、表示装置(表示部)と遊技制御装置(遊技制御手段)とを電気的に接続する配線に電磁波ノイズが侵入すると、この配線を介して、遊技制御装置のCPU(遊技制御マイクロプロセッサ)に影響を及ぼすおそれがあった。
[5−6.周辺制御ユニット]
遊技盤5における周辺制御ユニット1500について、主に図134等を参照して説明する。
周辺制御ユニット1500は、裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側に取付けられている。周辺制御ユニット1500は、主制御基板1310からの制御信号に基づいて遊技者に提示する演出を制御する周辺制御基板1510等を備えている。
周辺制御ユニット1500の周辺制御基板1510は、主制御基板1310、演出操作ユニット300、扉枠3側の各種装飾基板、及び他の基板(後述する周辺データROM基板、液晶出力基板)等と接続されている。なお、周辺制御ユニット1500の構成については後述する。
[5−7.演出表示装置]
遊技盤5における演出表示装置1600について説明する。演出表示装置1600は、正面視において遊技領域5aの中央に配置されており、遊技パネル1100の後側に、裏ユニット3000の裏箱3010を介して取付けられている。演出表示装置1600は、裏箱3010の後壁の略中央の後面に対して、着脱可能に取付けられている。演出表示装置1600は、遊技盤5を組立てた状態で、枠状のセンター役物2500の枠内を通して、前側(遊技者側)から視認することができる。演出表示装置1600は、白色LEDをバックライトとした19inchのフルカラーの液晶表示装置である。演出表示装置は、周辺制御基板1510に接続されており、所定の静止画像や動画を表示することができる。
演出表示装置1600は、上面から外方へ突出している二つの上固定片1601と、下面から外方へ突出している下固定片1602と、を備えている。この演出表示装置1600は、液晶画面を前方へ向けた状態で、後述する裏箱3010の枠状の液晶取付部3010b内の上内周面に開口している二つの固定溝3010cに、裏箱3010の斜め後方から二つの上固定片1601を挿入した上で、下固定片1602側を前方へ移動させて、下固定片1602をロック機構3020の開口部内に挿入し、ロック機構3020を背面視において右方へスライドさせることにより、裏箱3010に取付けられる。
[5−8.表ユニットの全体構成]
遊技盤5における表ユニット2000について、主に図130、図131、図133、図134、及び図136等を参照して詳細に説明する。表ユニット2000は、遊技パネル1100のパネル板1110に、前方から取付けられており、前端がパネル板1110の前面よりも前方へ突出していると共に、後端の一部がパネル板1110の開口部1112を貫通してパネル板1110の後面よりも後方へ突出している。
表ユニット2000は、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bを受入可能としており常時開口している複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001と、複数の一般入賞口2001とは遊技領域5a内の異なる位置で遊技球Bを受入可能に常時開口している第一始動口2002と、遊技領域5a内の所定位置に取付けられており遊技球Bの通過を検知するゲート部2003と、遊技球Bがゲート部2003を通過することにより抽選される普通抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる第二始動口2004と、第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて遊技球Bの受入れが可能となる大入賞口2005と、を備えている。
複数(ここでは四つ)の一般入賞口2001は、遊技領域5a内の上下方向中央よりも下側に配置されており、左右方向中央に対して左側に三つ、右側に一つそれぞれ配置されている。左側の一般入賞口2001は、遊技領域5a内の下部に配置されており、右側の一般入賞口2001は、遊技領域5a内の右端付近で、上下方向中央よりも下寄りに配置されている。第一始動口2002は、遊技領域5a内の左右方向中央で最下端にあるアウト口1008の直上に配置されている。ゲート部2003は、遊技領域5a内における正面視右上隅付近に配置されている。第二始動口2004は、右側の一般入賞口2001の下方で第一始動口2002よりも高い位置に配置されている。大入賞口2005は、第二始動口2004の左側で、第一始動口2002と第二始動口2004との間の高さに配置されている。
なお、複数の一般入賞口2001(四つの一般入賞口2001)は用途が類似する入賞口(入球口)であり、第一始動口2002、第二始動口2004、及びゲート部2003は用途が類似する入賞口(入球口)である。ここで、第一始動口2002、第二始動口2004、及びゲート部2003は用途が類似する入賞口(入球口)としている点について簡単に説明すると、第一始動口2002は、遊技球Bの受入れに基づいて主制御ユニット1300の主制御基板1310による抽選が実行されることによって第一特別抽選結果が得られものであり、第二始動口2004は、遊技球Bの受入れに基づいて主制御ユニット1300の主制御基板1310による抽選が実行されることによって第二特別抽選結果が得られるものであり、ゲート部2003は、遊技球Bの通過に基づいて主制御ユニット1300の主制御基板1310による抽選が実行されることによって普通抽選結果が得られるものである、からである。
表ユニット2000は、遊技領域5a内の左右方向中央で遊技領域5aの下端の直上に取付けられており第一始動口2002を有している始動口ユニット2100と、始動口ユニット2100の正面視左方で内レール1002に沿うように取付けられており三つの一般入賞口2001を有しているサイドユニット2200と、サイドユニット2200の正面視左上で内レール1002に沿うように取付けられているサイドスロープ2300と、遊技領域5a内の正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に取付けられており一つの一般入賞口2001、第二始動口2004、及び大入賞口2005を有しているアタッカユニット2400と、始動口ユニット2100及びサイドユニット2200よりも上方で、遊技領域5a内の正面視略中央やや上寄りに取付けられておりゲート部2003を有している枠状のセンター役物2500と、センター役物2500の枠内を閉鎖するようにセンター役物2500に取付けられている表演出ユニット2600と、を備えている。
[5−8−1.始動口ユニット]
表ユニット2000の始動口ユニット2100は、遊技領域5a内において、左右方向中央の下端部付近でアウト口1008の直上に配置されており、パネル板1110に前方から取付けられている。始動口ユニット2100は、遊技球Bが一つのみ受入可能な幅で上方へ向かって常時開口している第一始動口2002を有している。始動口ユニット2100は、全体が透明に形成されており、後側(遊技パネル1100の透明なパネル板1110の装飾パターン1150や、裏ユニット3000)を視認することができる(図144を参照)。
始動口ユニット2100は、パネル板1110に取付けることで、一般入賞口2001がパネル板1110の前面よりも前方に突出した上で、上方へ開放された状態となり、第一始動口2002が後述するセンター役物2500のステージ2503の中央の直下に位置する。したがって、ステージ2503の中央から下方へ遊技球Bが放出されると、極めて高い確率で第一始動口2002に受入れられる。この始動口ユニット2100は、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを、パネル板1110の後方に誘導し、裏ユニット3000における誘導路に受け渡すことができる。第一始動口2002に受入れられた遊技球Bは、裏ユニット3000に備えられている第一始動口センサ3002に検知される(図185を参照)。
なお、第一始動口センサ3002は、第一始動口センサ主側(以下、「第一始動口センサ主側3002a」と記載する。)と第一始動口センサ従側(以下、「第一始動口センサ従側3002b」と記載する。)とから構成されており、第一始動口センサ主側3002aと第一始動口センサ従側3002bとが少なくとも誤検出防止距離寸法(本実施形態では、14mmであり、遊技球の直径(11mm)と比べて大きい距離寸法を有している。
)以上だけ上下方向に互いに離間して配置されている。第一始動口センサ主側3002aと第一始動口センサ従側3002bとは、同一の非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているため、第一始動口センサ主側3002aと第一始動口センサ従側3002bとが誤検出防止距離寸法以下となる状態で配置されると、第一始動口センサ主側3002aを通過する遊技球Bを、第一始動口センサ主側3002aと共に第一始動口センサ従側3002bにより検知される場合があり、また第一始動口センサ従側3002bを通過する遊技球Bを、第一始動口センサ主側3002aと共に第一始動口センサ従側3002bにより検知される場合があるからである。
そこで、本実施形態では、第一始動口センサ主側3002aと第一始動口センサ従側3002bとを誤検出防止距離寸法よりも大きい寸法距離(本実施形態では、43mm)だけ離間して配置することにより、第一始動口センサ主側3002aを通過する遊技球Bを第一始動口センサ主側3002aが検知した際に、その検知による電気的な影響が第一始動口センサ従側3002bに及ぶことにより、その遊技球Bが第一始動口センサ従側3002bに未だ通過していない状態であるにもかかわらず、第一始動口センサ従側3002bが誤って検知することを物理的な構造により防止することができるようになっているし、かつ、第一始動口センサ従側3002bを通過する遊技球Bを第一始動口センサ従側3002bが検知した際に、その検知による電気的な影響が第一始動口センサ主側3002aに及ぶことにより、その遊技球Bが第一始動口センサ主側3002aをすでに通過している状態であるにもかかわらず、第一始動口センサ主側3002aが誤って検知することを物理的な構造により防止することができるようになっている。このように、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bは、まず第一始動口センサ主側3002aを通ることで第一始動口センサ主側3002aにより検知され、そして第一始動口センサ従側3002bを通ることで第一始動口センサ従側3002bにより検知された後に、下方の基板ホルダ1200へ排出されることとなる。
本実施形態では、第一始動口センサ主側3002a、及び第一始動口センサ従側3002bという2つのセンサ(ダブルセンサ)から構成される第一始動口センサ3002を採用することにより、第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを、確実に検知することができるようになっている。なお、柔軟な紐状の操作線(糸、ピアノ線、ワイヤーあるいはカテーテル等の線状部材)を取付けた不正球(遊技球か又はそれとほぼ同径の金属球又はそれとほぼ同径の合成樹脂球)を用いた電波照射による不正行為を、2つのセンサ(ダブルセンサ)から構成される第一始動口センサ3002により検出して報知することができる不正行為検出処理についての詳細な説明を後述する。
[5−8−2.サイドユニット]
表ユニット2000のサイドユニット2200は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100の左方で内レール1002に沿うように延びており、パネル板1110に前方から取付けられている。サイドユニット2200は、遊技球Bを常時受入可能に開口している三つの一般入賞口2001を、備えている。サイドユニット2200の三つの一般入賞口2001は、内レール1002に沿うように円弧状に列設されている。
サイドユニット2200は、最も右側の一般入賞口2001が、始動口ユニット2100の第一始動口2002と同じ高さで上方へ向かって開口しており、左右方向中間側の一般入賞口2001が、右側の一般入賞口2001よりも高い位置で上方へ向かって開口しており、最も左側の一般入賞口2001が、中間側の一般入賞口2001よりも高い位置で正面視左上方へ向かって開口している。
サイドユニット2200は、全体が透明に形成されており、後側(遊技パネル1100の透明なパネル板1110の装飾パターン1150や、裏ユニット3000)を視認することができる(図144を参照)。サイドユニット2200は、パネル板1110の前面に取付けることで、三つの一般入賞口2001が、パネル板1110の前面よりも前方へ突出した状態となる。このサイドユニット2200は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球を、パネル板1110の後方に誘導し、裏ユニット3000の誘導路に受け渡すことができる。一般入賞口2001に受入れられた遊技球は、裏ユニット3000に備えられている一般入賞口センサ3001に検知される(図185を参照)。
[5−8−3.サイドスロープ]
表ユニット2000のサイドスロープ2300は、サイドユニット2200の正面視左上で内レール1002に沿うように取付けられている。サイドスロープ2300は、正面視において右端が低くなるように傾斜している棚部2301を、備えている。サイドスロープ2300は、パネル板1110の前面に取付けられており、棚部2301がパネル板1110の前面よりも前方に突出している。
サイドスロープ2300は、センター役物2500の左側の領域を流下してきた遊技球Bを、右方へ誘導させることができる。このサイドスロープ2300は、全体が透明に形成されており、後側(遊技パネル1100の透明なパネル板1110の装飾パターン1150や、裏ユニット3000)を視認することができる(図144を参照)。
[5−8−4.アタッカユニット]
表ユニット2000のアタッカユニット2400は、遊技領域5a内において、正面視右下隅となる始動口ユニット2100の正面視右方に配置されており、パネル板1110の前面に前方から取付けられている。アタッカユニット2400は、略全体が透明に形成されており、後側(遊技パネル1100の透明なパネル板1110の装飾パターン1150や、裏ユニット3000)を視認することができる(図144を参照)。このアタッカユニット2400は、四つの一般入賞口2001のうちの一つの一般入賞口2001、第二始動口2004、及び大入賞口2005を備えている(図136等を参照)。
アタッカユニット2400は、正面視における外形形状が、左右方向の略中央から右側の上端が上方へ延びたL字状に形成されている。このアタッカユニット2400は、右上隅に上方へ向かって常時開口している一般入賞口2001が配置されていると共に、一般入賞口2001の直下に対して左寄りの位置で上方へ向かって開口可能な第二始動口2004が配置されている。また、アタッカユニット2400は、第二始動口2004の左下に上方へ向かって開口可能な大入賞口2005が配置されている。
アタッカユニット2400は、一般入賞口2001が遊技球Bよりも若干大きい大きさで開口している。また、アタッカユニット2400は、第二始動口2004が遊技球よりも若干大きい大きさで上方へ向かって開口していると共に、大入賞口2005が左右方向へ遊技球の外径の約3倍〜5倍の幅で上方へ向かって開口している。
アタッカユニット2400は、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ2401と、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2402と、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2403と、を備えている(図185を参照)。
アタッカユニット2400は、第二始動口2004を開閉可能な第二始動口扉2411と、第二始動口扉2411をゲート部2003の遊技球Bの通過により抽選される普通抽選結果に応じて開閉させる始動口ソレノイド2412と、大入賞口2005を開閉可能な大入賞口扉2413と、大入賞口扉2413を第一始動口2002又は第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に応じて開閉させるアタッカソレノイド2414と、を備えている。
アタッカユニット2400は、図137に示すように、右上に配置されている一般入賞口2001の左右両側に遊技球Bが下方へ流通可能な右上左通路2421及び右上右通路2422と、右上右通路2422の下流端から一般入賞口2001の下側を潜って右上左通路2421と合流するように左方へ向かって低くなるように傾斜している右上左誘導棚2423と、右上左誘導棚2423の下方で右上左通路2421の直下から第二始動口2004へ向かって低くなるように左方へ延びている第二始動口上側誘導棚2424と、第二始動口2004の左端から左端側が低くなるように左方へ延びている第二始動口下側誘導棚2425と、第二始動口下側誘導棚2425の下方で第二始動口下側誘導棚2425の左端から左方へ間隔をあけた部位から大入賞口2005へ向かって低くなるように左方へ延びている大入賞口上側誘導棚2426と、大入賞口2005の左端から左端側が低くなるように左方へ延びている大入賞口下側誘導棚2427と、を備えている。
また、アタッカユニット2400は、第二始動口上側誘導棚2424の右端側において左方へ向かって開口しており遊技球Bを第二始動口2004及び大入賞口2005よりも下方へ誘導する中央右通路2428と、第二始動口下側誘導棚2425と大入賞口上側誘導棚2426との間で上方へ向かって開口しており遊技球Bを大入賞口2005よりも下方へ誘導する中央左通路2429と、を備えている。
第二始動口扉2411は、前後に延びていると共に、左端が低くなるように左右に延びた板状に形成されており、前後に進退することで上方へ開口している第二始動口2004を開閉可能としている。第二始動口扉2411は、第二始動口2004の上端付近において、前後方向へ進退可能に取付けられている。第二始動口扉2411は、前進することで第二始動口2004を閉鎖すると共に、第二始動口上側誘導棚2424を流通してきた遊技球Bを、左方へ誘導した上で第二始動口下側誘導棚2425上へ受渡すことができる。
この第二始動口扉2411は、始動口ソレノイド2412の駆動によって、後方へ後退することで、第二始動口2004を開放し、第二始動口2004へ流下してきた遊技球Bを受入れさせることができる。第二始動口扉2411は、始動口ソレノイド2412がOFF(非通電時)の時は第二始動口2004を閉鎖し、始動口ソレノイドがON(通電時)の時は第二始動口2004を開放させる。
大入賞口扉2413は、前後に延びていると共に、左端が低くなるように左右に延びた板状に形成されており、前後に進退することで上方へ開口している大入賞口2005を開閉可能としている。大入賞口扉2413は、前進することで大入賞口2005を閉鎖すると共に、大入賞口上側誘導棚2426を流通してきた遊技球Bを、左方へ誘導した上で大入賞口下側誘導棚2427へ受渡すことができる。また、大入賞口扉2413は、アタッカソレノイド2414の駆動によって後退することで大入賞口2005を開放して、センター役物2500の右案内通路2510を流通した遊技球Bを、大入賞口2005に受入れさせることができる。この大入賞口扉2413は、アタッカソレノイド2414がOFF(非通電時)の時は大入賞口2005を閉鎖し、アタッカソレノイド2414がON(通電時)の時は大入賞口2005を開放させる。
このアタッカユニット2400は、パネル板1110の前面に取付けた状態で、一般入賞口2001が、後述するセンター役物2500における右案内通路2510の下流側の開口部の下方(直下よりもやや左寄り)に位置しており、第二始動口2004がセンター役物2500のステージ2503よりも上方に位置していると共に、大入賞口2005がセンター役物2500のステージ2503よりも下方に位置している。また、パネル板1110に取付けた状態では、センター役物2500の右案内通路2510の下端と、上端(一般入賞口2001)との間には、複数の障害釘Nが、存在している。
続いて、アタッカユニット2400における遊技球Bの流れについて説明する。遊技盤5に組立てた状態で、アタッカユニット2400の一般入賞口2001や第二始動口2004が、センター役物2500のステージ2503よりも上方に位置していることから、ステージ2503から遊技球Bが放出されてもアタッカユニット2400の一般入賞口2001や第二始動口2004に受入れられることはない。したがって、センター役物2500の右側(右案内通路2510)を流下した遊技球Bのみ、アタッカユニット2400の一般入賞口2001や第二始動口2004に受入れられる可能がある。センター役物2500の右案内通路2510の下流には、右上左通路2421、一般入賞口2001、及び右上右通路2422が左から並んで開口しており、センター役物2500の右側を流下した遊技球Bは、それらの何れかに進入することとなる。
センター役物2500の右案内通路2510を通ってアタッカユニット2400の一般入賞口2001の上方に供給された遊技球Bが、一般入賞口2001に受入れられると、一般入賞口センサ2401により検知された後に、遊技パネル1100の後側において下方(基板ホルダ1200上)へ排出される。一方、遊技球Bが、一般入賞口2001に受入れられずに、一般入賞口2001の左側の右上左通路2421又は右側の右上右通路2422に進入すると、第二始動口上側誘導棚2424上へ落下し、第二始動口2004側(左側)へ流通する。第二始動口2004が第二始動口扉2411により閉鎖されている状態では、第二始動口扉2411の左端側が低くなるように傾斜していることから、第二始動口扉2411上を左方へ流通し、第二始動口下側誘導棚2425を流通して、第二始動口下側誘導棚2425の左端から左方へ放出される。遊技球Bが第二始動口上側誘導棚2424を通る際に、第二始動口2004が開放されていれば、遊技球Bが第二始動口2004へ高い確率で受入れられる。
第二始動口2004に受入れられた遊技球Bは、第二始動口センサ2402により検知された後、遊技パネル1100の後側において下方(基板ホルダ1200上)へ排出される。センター役物2500の右側を流下した遊技球Bが、第二始動口2004に受入れられなかった場合、第二始動口下側誘導棚2425を介して左方の大入賞口2005側へ放出される。なお、右上左通路2421から第二始動口上側誘導棚2424へ放出された遊技球Bが、第二始動口上側誘導棚2424の右端側から中央右通路2428へ進入した場合、第二始動口2004、大入賞口2005、及び第一始動口2002へ受入られる機会もなく、アウト口1008から遊技領域5a外へ排出される。
第二始動口下側誘導棚2425は、大入賞口2005及び第一始動口2002よりも上方に配置されていると共に、第二始動口下側誘導棚2425の左方には複数の障害釘Nが植設されている。そして、第二始動口下側誘導棚2425から左方へ放出された遊技球Bは、第一始動口2002側、大入賞口2005側、及び中央左通路2429側の何れかに流下することとなる。大入賞口2005側へ流下した際に、大入賞口2005が大入賞口扉2413により閉鎖されている場合は、大入賞口扉2413により左方へ誘導され、大入賞口下側誘導棚2427を介して左方へ放出される。大入賞口2005を閉鎖している大入賞口扉2413が後退して大入賞口2005が開いている場合は、第二始動口下側誘導棚2425から大入賞口2005側へ流下した遊技球Bが、大入賞口2005に受入れられる。大入賞口2005に受入れられた遊技球Bは、大入賞口センサ2403に検知された後、遊技パネル1100の後側において下方(基板ホルダ1200上)へ排出される。
第二始動口下側誘導棚2425から中央左通路2429へ進入した遊技球B、及び、大入賞口下側誘導棚2427から左方へ放出された遊技球Bは、アウト口1008を通って遊技パネル1100の後側で下方(基板ホルダ1200上)へ排出される。
第二始動口下側誘導棚2425から障害釘Nを介して第一始動口2002側へ流下した遊技球Bは、第一始動口2002に受入れられる可能性がある。第一始動口2002に受入れられた遊技球Bは、遊技パネル1100の後側において第一始動口センサ3002に検知された後に、下方(基板ホルダ1200上)へ排出される。一方、第一始動口2002に受入れられなかった遊技球Bは、遊技領域5a下端のアウト口1008を通り、遊技パネル1100の後側において下方(基板ホルダ1200上)へ排出される。
[5−8−5.センター役物]
表ユニット2000のセンター役物2500は、遊技領域5a内において、始動口ユニット2100、及びサイドユニット2200等よりも上方で、正面視略中央やや上寄りに配置されており、遊技パネル1100のパネル板1110の前面に取付けられている。センター役物2500は、枠状に形成されており、枠内を通して遊技パネル1100の後方に配置された演出表示装置1600や裏ユニット3000に備えられている各種演出ユニット等を前方から視認することができる。また、センター役物2500は、略全体が透明に形成されており、後側(遊技パネル1100の透明なパネル板1110の装飾パターン1150や、裏ユニット3000)を視認することができる。
枠状のセンター役物2500は、下辺を除いた全周が、遊技パネル1100のパネル板1110の前面よりも前方へ突出しており、遊技領域5a内に打込まれた遊技球Bが、枠内に侵入できないようになっている。
センター役物2500は、正面視左側の外周面に、遊技領域5a内の遊技球Bが進入可能に開口しているワープ入口2501と、ワープ入口2501に進入した遊技球Bを放出可能とされ枠内に開口しているワープ出口2502と、ワープ出口2502から放出された遊技球Bを左右方向に転動させた後に遊技領域5a内へ放出可能なステージ2503と、を備えている。
センター役物2500のステージ2503は、左右方向の中央側が窪んだ湾曲状で、始動口ユニット2100の第一始動口2002の直上と対応した位置、つまり、センター役物2500を遊技パネル1100(パネル板1110)に取付けた状態で左右方向の略中央の位置が、その左右両側よりも若干高くなるような波状に形成されている。このステージ2503は、左右方向中央の左右両側よりも若干高くなっている部位(頂部)と、その左右両側の最も低くなっている部位(谷部)とが、前方へ向かって低くなるように傾斜しており、それらの部位から遊技球Bを遊技領域5a内へ放出させることができる。
センター役物2500は、遊技盤5に組立てた状態で、ステージ2503の左右方向中央の高くなっている部位(頂部)が、始動口ユニット2100の第一始動口2002の直上に位置している。これにより、ステージ2503の中央から遊技球Bが放出されると、極めて高い確率で第一始動口2002に受入れられる。
また、センター役物2500は、正面視において右上隅からやや下方の部位(遊技盤5に組立てた時に、前構成部材1000の衝止部1006の直下となる部位)に、前構成部材1000の右レール1005との間に遊技球Bが流通可能な所定広さの空間を形成するゲート空間形成部2505と、ゲート空間形成部2505の下流端から遊技球Bを正面視右側の外周面に沿って流下させ、下端付近においてやや左方へ誘導した後に下方へ放出する右案内通路2510と、を備えている。
センター役物2500は、ゲート空間形成部2505の中央にゲート部2003が設けられており、ゲート部2003を通過した遊技球Bを検知するゲートセンサ2506が取付けられている。ゲート空間形成部2505は、ゲート部2003の左右両側にも遊技球Bが流通可能な広さである。ゲート空間形成部2505により形成される空間内において、ゲート部2003の上方に複数の障害釘Nが植設されている。
右案内通路2510は、センター役物2500を遊技盤5に組立てた状態で、右案内通路2510における下流端が、アタッカユニット2400における一般入賞口2001の直上よりやや右側に位置するように形成されている。
このセンター役物2500は、遊技盤5に組立てた状態では、上側の外周面の中央より右側と、前構成部材1000における外レール1001との間の間隔が、遊技球Bの外径よりも若干大きく離れるように形成されている。これにより、遊技球Bがセンター役物2500の右側を流通するように遊技領域5a内に打込む(いわゆる、右打ちする)と、ゲート空間形成部2505により形成された空間と、右案内通路2510とを、必ず流通してアタッカユニット2400の上方へ流下する。したがって、ゲート部2003に遊技球Bを通過させるためには、右打ちする必要があると共に、大入賞口2005が開放されている時に右打ちすることで、高い確率で大入賞口2005へ遊技球Bを受入れさせることができる。
また、センター役物2500は、右上隅の枠内にサブ機能表示部2520を、備えている。サブ機能表示部2520は、複数のフルカラーLEDを有している。サブ機能表示部2520は、機能表示ユニット1400の普通図柄表示器、第一特別図柄表示器、及び第二特別図柄表示器と連動しており、LEDの点灯・点滅、発光色等により、ゲート部2003に対する遊技球Bの通過により抽選された普通抽選結果、第一始動口2002や第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果を表示するものである。
このセンター役物2500は、略全体が透明に形成されていることから、遊技パネル1100のパネル板1110の前面と当接するフランジ状の部位も透明に形成されている。
したがって、センター役物2500を遊技パネル1100に取付けた状態では、図144に拡大して示すように、センター役物2500を通して後側のパネル板1110に形成されている装飾パターン1150を前方から視認することができる。これにより、遊技盤5に組立てた時に、装飾パターン1150と、後述する表演出ユニット2600における導光板2601の第一絵柄2610や第二絵柄2630との間の途切れている部位を可及的に狭くすることができ、装飾パターン1150と第一絵柄2610や第二絵柄2630との連続性を高めて、一体感を付与することができる。
[5−8−6.表演出ユニット]
次に、表ユニット2000における表演出ユニット2600について、主に図155乃至図158等を参照して詳細に説明する。図155は、表演出ユニットの正面図である。
図156は表演出ユニットにおいて第一絵柄を発光装飾させた状態を示す正面図であり、図157は表演出ユニットにおいて第二絵柄を発光装飾させた状態を示す正面図である。
図158は、本実施形態とは異なる表演出ユニットの第二絵柄を発光装飾させた状態を示す正面図である。
表ユニット2000の表演出ユニット2600は、枠状のセンター役物2500の枠内を閉鎖するように、センター役物2500に取付けられている。表演出ユニット2600は、センター役物2500の後側に取付けられており、センター役物2500の枠内を閉鎖する透明な平板状の導光板2601と、導光板2601の上面から光を入射させることで発光装飾される第一絵柄2610用の複数のLED2611が実装されている第一絵柄用装飾基板2612と、導光板2601の右側面から光を入射させることで発光装飾される第二絵柄2620用の複数のLED2621が実装されている第二絵柄用装飾基板2622と、導光板2601の右側面とLED2621との間に設けられておりLED2621からの光を集光させる複数の集光レンズ2623と、を備えている。LED2611及びLED2621は、フルカラーLEDである。
導光板2601は、上方向からの光のみを前方へ反射させる凹凸状の無数の上反射部により形成されている第一絵柄2610(図156を参照)と、右方向からの光のみを前方へ反射させる凹凸状の無数の右反射部により形成されている第二絵柄2620(図157を参照)と、を備えている。つまり、表演出ユニット2600は、第一絵柄用装飾基板2612のLEDを2611発光させると、第一絵柄2610を発光表示させることができ、第二絵柄用装飾基板2622のLED2621を発光させると、第二絵柄2620を発光表示させることができる。
導光板2601は、第一絵柄2610を形成している無数の上反射部や、第二絵柄2620を形成している無数の右反射部が、それぞれの凹凸が微細に形成されており、第一絵柄用装飾基板2612のLED2611や第二絵柄用装飾基板2622のLED2621を発光させていない状態では、透明に見えて、後側に配置されている裏ユニット3000の各種の装飾体や演出表示装置1600に表示されている演出画像等を、良好な状態で視認することができる。
第一絵柄2610を形成している複数の上反射部や、第二絵柄2620を形成している右反射部は、それぞれが対応しているLED2611やLED2621と結んだ直線に対して、直角方向へ延びていると共に導光板2601の後面に対して45度傾斜している平面を有している。上反射部や右反射部は、ペントルーフ状の三角形に凹んでいる。上反射部や右反射部は、対応しているLED2611やLED2621から入射された光を、導光板2601の前面の垂直線に対して略平行な方向へ反射させる。一方、対応していないLED2611やLED2621から入射された光は、導光板2601の前面の垂直線に対して傾斜している方向へ反射させる。したがって、対応しているLED2611やLED2621からの光のみを、導光板2601の前方に位置している遊技者の目に届かせることができる。
第一絵柄用装飾基板2612の下面に実装されている複数のLED2611は、左右方向へ一列に並べられており、第一LED2611a、第二LED2611b、第三LED2611c、及び第四LED2611dの四つのグループに分けられている。第一LED2611a、第二LED2611b、第三LED2611c、及び第四LED2611dは、左から所定個数(ここでは三個)ずつ二巡するように並んでいる。
第一絵柄2610は、図156に示すように、遊技パネル1100におけるパネル板1110に形成されている装飾パターン1150と関連した絵柄である。第一絵柄2610は、装飾パターン1150を形成している水平線、右上り斜線、及び左上り斜線のそれぞれの延長線を境界にした複数の正三角形により構成された絵柄である(図172を参照)。第一絵柄2610は、装飾パターン1150における一つの正三角形の輪郭が四つ集まって形成される正三角形と略同じ大きさの六つの大三角形の絵柄と、装飾パターン1150における一つの正三角形の輪郭の内部に収まる大きさの複数の小三角形の絵柄とで、構成されている。六つの大三角形の絵柄は、全体が六角形となるように遊技領域5aの中央付近を中心として円形状に配置されており、六つの大三角形の絵柄を囲むように複数の小三角形の絵柄が配置されている。
第一絵柄2610の大三角形の絵柄は、大きさの異なる複数の正三角形が、遊技領域5aの中央に近い頂点側へ偏芯した状態で、大きさが順番に小さくなるように重ね合わされたような絵柄に形成されている。第一絵柄2610の小三角形の絵柄は、正三角形の輪郭線が同心円状に並んだ絵柄に形成されている。
第一絵柄2610は、第一LED2611aに対応した複数の上反射部により構成されている第一絵柄部2610aと、第二LED2611bに対応した複数の上反射部により構成されている第二絵柄部2610bと、第三LED2611cに対応した複数の上反射部により構成されている第三絵柄部2610cと、第四LED2611dに対応して複数の上反射部により構成されている第四絵柄部2610dと、から構成されている。
第一絵柄2610における大きさの異なる複数の正三角形が重ね合われた大三角形の絵柄は、大きさが順番に小さくなるように、第一絵柄部2610a、第二絵柄部2610b、第三絵柄部2610c、第四絵柄部2610d、第一絵柄部2610a、第二絵柄部2610b、第三絵柄部2610c、が遊技領域5aの中心側へ偏芯して重ね合わされている。たま、第一絵柄2610における複数の正三角形の輪郭からなる小三角形の絵柄は、大きさが順番に小さくなるように、第一絵柄部2610a、第二絵柄部2610b、第三絵柄部2610c、第四絵柄部2610d、の順番で同心円状に配置されている。
第二絵柄2620は、図157に示すように、「CHANCE!」の文字からなる遊技者に対する案内(メッセージ)を有した絵柄である。
なお、表演出ユニット2600の第二の実施形態として、図158に示すような、第二絵柄2630を発光表示させるようにしても良い。この第二絵柄2630は、遊技パネル1100におけるパネル板1110に形成されている装飾パターン1150と関連した絵柄である。第二絵柄2630は、装飾パターン1150を形成している水平線、右上り斜線、及び左上り斜線を、それぞれを太い幅で延長した幾何学模様の絵柄である(図176を参照)。
次に、本実施形態の表演出ユニット2600による発光演出について、詳細に説明する。第一絵柄用装飾基板2612の第一LED2611aを発光させると、導光板2601内に入射された光が、第一絵柄部2610aでは正面へ反射され、残りの第二絵柄部2610b、第三絵柄部2610c、第四絵柄部2610d、及び第二絵柄2620では正面以外へ反射されるため、パチンコ機1の正面に着座した遊技者からは第一絵柄部2610aのみが光って見える。また、第一絵柄用装飾基板2612の第二LED2611bを発光させると、導光板2601内に入射された光が、第二絵柄部2610bでは正面へ反射され、残りの第一絵柄部2610a、第三絵柄部2610c、第四絵柄部2610d、及び第二絵柄2620では正面以外へ反射されるため、パチンコ機1の正面に着座した遊技者からは第二絵柄部2610bのみが光って見える。
また、第一絵柄用装飾基板2612の第三LED2611cを発光させると、導光板2601内に入射された光が、第三絵柄部2610cでは正面へ反射され、残りの第一絵柄部2610a、第二絵柄部2610b、第四絵柄部2610d、及び第二絵柄2620では正面以外へ反射されるため、パチンコ機1の正面に着座した遊技者からは第三絵柄部2610cのみが光って見える。更に、第一絵柄用装飾基板2612の第四LED2611dを発光させると、導光板2601内に入射された光が、第四絵柄部2610dでは正面へ反射され、残りの第一絵柄部2610a、第二絵柄部2610b、第三絵柄部2610c、及び第二絵柄2620では正面以外へ反射されるため、パチンコ機1の正面に着座した遊技者からは第四絵柄部2610dのみが光って見える。
そして、第一絵柄2610では、大三角形の絵柄の部位では、第一絵柄部2610a、第二絵柄部2610b、第三絵柄部2610c、第四絵柄部2610d、第一絵柄部2610a、第二絵柄部2610b、第三絵柄部2610c、が遊技領域5aの中心側へ偏芯して重ね合わされており、小三角形の絵柄の部位では、第一絵柄部2610a、第二絵柄部2610b、第三絵柄部2610c、第四絵柄部2610d、の順番で同心円状に中心へ向かって配されていることから、第一LED2611a、第二LED2611b、第三LED2611c、第四LED2611d、の順番に発光させると、第一絵柄部2610a、第二絵柄部2610b、第三絵柄部2610c、第四絵柄部2610dの順番に発光することとなり、外側から中心へ向かって移動するような動きのあるアニメーションのような発光演出を行うことができる。
一方、第四LED2611d、第三LED2611c、第二LED2611b、第一LED2611a、の順番に発光させると、第四絵柄部2610d、第三絵柄部2610c、第二絵柄部2610b、第一絵柄部2610aの順番に発光し、中心側から外側へ向かって移動するような動きのあるアニメーションのような発光演出を行うことができる。
更に、第一LED2611a、第二LED2611b、第三LED2611c、第四LED2611dをそれぞれ異なる色で発光させると、第一絵柄部2610a、第二絵柄部2610b、第三絵柄部2610c、第四絵柄部2610dを、それぞれ異なる色に発光させることができる。
また、第二絵柄用装飾基板2622の複数のLED2621を発光させると、導光板2601内に入射された光が、第二絵柄2620では正面へ反射され、残りの第一絵柄部2610a、第二絵柄部2610b、第三絵柄部2610c、及び第四絵柄部2610dでは正面以外へ反射されるため、パチンコ機1の正面に着座した遊技者からは第二絵柄2620のみが光って見える。したがって、複数のLED2621により「CHANCE!」の文字からなる第二絵柄2620を発光させることができる。
このように、表演出ユニット2600によれば、一枚の導光板2601により、複数(3つ以上)の互いに異なる絵柄(第一絵柄部2610a、第二絵柄部2610b、第三絵柄部2610c、第四絵柄部2610d)を発光させることができるため、アニメーション表示等をさせるために絵柄毎に複数の導光板を備える必要がなく、前後方向の厚さを可及的に薄くすることができる。したがって、導光板2601の後方に、広いスペースを確保し易くすることができるため、そのスペースに他の演出ユニットを配置することができ、遊技者に対する訴求力を高めさせることができると共に、遊技者を楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、導光板2601により、裏ユニット3000や演出表示装置1600の前方において、半透明な第一絵柄2610が浮かびあがってアニメーションのように動く発光装飾を見せることができるため、従来の導光板を用いた発光演出に見慣れた遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者を驚かせて楽しませることができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技者の遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、第一絵柄2610や第二絵柄2630では、遊技パネル1100におけるパネル板1110に形成されている装飾パターン1150と関連した絵柄であるため、センター役物2500の枠内と枠外とが連続するような一体感のある装飾を遊技者に見せることができ、遊技領域5a内の見栄えを良くすることができる。
また、パチンコ機1の前方正面に着座している遊技者のみが導光板2601による第一絵柄2610や第二絵柄2620の発光表示を良好に見ることができるため、正面から離れている他の遊技者からは第一絵柄2610や第二絵柄2620の発光表示が見辛くなり、他の遊技者に対して、導光板2601を用いた演出が行われていることを気付かせ難くすることができ、他の遊技者が注目するのを抑制することができると共に、他の遊技者に気兼ねすることなく遊技を行うことができ、遊技を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
[5−9.裏ユニット]
遊技盤5における裏ユニット3000について、主に図159等を参照して説明する。
図159は、裏ユニットを前から見た斜視図である。裏ユニット3000は、遊技パネル1100におけるパネルホルダ1120の後面に取付けられており、後側に周辺制御ユニット1500、演出表示装置1600、及び駆動基板ユニット1700が取付けられている。
裏ユニット3000は、パネルホルダ1120の後面に取付けられ前方が開放されている箱状で後壁に四角い開口部3010aを有している裏箱3010と、裏箱3010の後面に取付けられており演出表示装置1600を着脱可能に取付けるためのロック機構3020と、を備えている。また、裏ユニット3000は、表ユニット2000のサイドユニット2200に設けられている一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ3001と、始動口ユニット2100に設けられている第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ3002と、第一始動口2002付近に作用する磁気を検知する磁気センサ3003と、を備えている(図185を参照)。
また、裏ユニット3000は、裏箱3010内における開口部3010aの下側に取付けられている裏下演出ユニット3100と、裏箱3010内における開口部3010aの上側に取付けられている裏上演出ユニット3200と、裏箱3010内における開口部3010aの左側に取付けられている裏左演出ユニット3300と、裏箱3010内における開口部3010aの右側に取付けられている裏右演出ユニット3400と、を備えている。
更に、裏ユニット3000は、始動口ユニット2100の第一始動口2002や、サイドユニット2200の一般入賞口2001に、受入れられてそれぞれ遊技パネル1100の後方へ誘導された遊技球Bを受取って、下方の基板ホルダ1200内へ放出する誘導路を備えている。
裏ユニット3000の裏箱3010は、前方が開放されている箱状で後壁に四角く貫通している開口部3010aと、開口部3010aの周縁から間隔を開けて後方へ突出している平板枠状の液晶取付部3010bと、液晶取付部3010bにおける上辺において枠内の内側から上方へ向かって窪んでおり演出表示装置1600の上固定片1601が挿入される二つの固定溝3010cと、液晶取付部3010bの下辺の左右方向中央付近において後端から裏箱3010の後壁まで切欠かれロック機構3020が取付けられる切欠部3010dと、を備えている(図133及び図134を参照)。
裏箱3010の開口部3010aは、演出表示装置1600の表示画面と略同じ大きさに形成されている。また、液晶取付部3010bは、枠内に演出表示装置1600を嵌め込むことが可能な大きさに形成されている。裏箱3010は、後面における切欠部3010dの背面視左側にロック機構3020が左右にスライド可能に取付けられる。
また、裏箱3010は、前端から外方へ延出している平板状の固定片部3010eを備えている。この固定片部3010eは、前面が遊技パネル1100のパネルホルダ1120の後面に当接した状態で、パネルホルダ1120に取付けられる。裏箱3010は、各可動演出ユニット等を取付けるためのボスや取付孔等が適宜位置に形成されている。
[5−9−1.裏下演出ユニット]
次に、裏ユニット3000における裏下演出ユニット3100について、主に図159乃至図162等を参照して詳細に説明する。図160は、裏ユニットにおける裏下演出ユニットに備えられている裏下可動装飾体を分解して前から見た分解斜視図である。図161は、裏下演出ユニットに備えられている裏下可動装飾体を分解して後ろから見た分解斜視図である。図162は、裏下可動装飾体の動きを示す正面図である。裏ユニット3000の裏下演出ユニット3100は、裏箱3010内における開口部3010aの下側に取付けられている。
裏下演出ユニット3100は、底面が正三角形で前方へ尖った三角錐状の裏下可動装飾体3110と、演出表示装置1600を跨ぐように左右方向へ延びており、左右方向中央の前面に裏下可動装飾体3110が取付けられていると共に、左右方向両端がそれぞれ上下方向へ移動可能に支持されている裏下移動アーム3130(図165等を参照)と、裏下移動アーム3130を上下方向へ移動させる裏下昇降機構3150と、を備えている。
裏下可動装飾体3110は、裏下移動アーム3130に取付けられる円盤状の装飾体ベース3111と、回転軸が前方へ突出した状態で装飾体ベース3111の後面に取付けられている裏下回転駆動モータ3112と、裏下回転駆動モータ3112の回転軸に取付けられている駆動ギア3113と、駆動ギア3113により回転させられ、装飾体ベース3111に回転可能に取付けられている伝達ギア部材3114と、装飾体ベース3111により回転可能に支持されており平板状で外形が略正三角形の後段ベース3115と、後段ベース3115の前面に取付けられており伝達ギア部材3114により回転させられる後段装飾部3116と、後段装飾部3116の前方に配置されていると共に後段装飾部3116により回転可能に支持されており駆動ギア3113により回転させられる中段ベース3117と、中段ベース3117の前面に取付けられている中段装飾部3118と、中段装飾部3118の前方に配置されており中段装飾部3118、中段ベース3117、及び後段装飾部3116を貫通して後端が装飾体ベース3111に取付けられている前段装飾部3119と、装飾体ベース3111の後面に取付けられており後段ベース3115の回転位置を検知する裏下回転検知センサ3120と、装飾体ベース3111の前面に取付けられており後段装飾部3116を発光装飾させるための裏下後装飾基板3121と、中段ベース3117と中段装飾部3118との間で前段装飾部3119に取付けられており中段装飾部3118及び前段装飾部3119を発光装飾させるための裏下前装飾基板3122と、を備えている。
裏下回転駆動モータ3112は、円盤状の装飾体ベース3111の中心から偏芯した位置で、回転軸が前方へ突出するように装飾体ベース3111に取付けられている。伝達ギア部材3114は、回転中心が、円盤状の装飾体ベース3111の中心に対して偏芯した位置となるように装飾体ベース3111に取付けられている。伝達ギア部材3114は、駆動ギア3113と噛合する平歯車状の第一ギア部3114aと、第一ギア部3114aの前側で一体回転する平歯車状の第二ギア部3114bと、を有している。第一ギア部3114aは、駆動ギア3113と噛合し、第二ギア部3114bは、後述する後段装飾部3116の後段ギア部3116dと噛合する。
後段ベース3115は、円盤状の装飾体ベース3111の外周が摺動可能に挿入される軸受孔3115aと、裏下回転検知センサ3120により検知される検知片3115bと、を備えている。後段ベース3115は、三角錐状の裏下可動装飾体3110の底面を構成している。
後段装飾部3116は、外形が、前方へ尖った三角錐を前後方向へ三等分した時の後側の形状に形成されており、前側が窄まった台形状で平板状の三つの側板部3116aと、三つの側板部3116aの前端辺同士を繋ぐ正三角形で平板状の前板部3116bと、で構成されている。後段装飾部3116は、三つの側板部3116aと一つの前板部3116bとで後側が開放された容器状に形成されており、開放されている後側が閉鎖されるように後端に後段ベース3115が取付けられる。また、後段装飾部3116は、前板部3116bの中心において装飾体ベース3111よりも小径で前後に貫通している軸受孔3116cと、前板部3116bの後側に形成されており軸受孔3116cが貫通している平歯車状の後段ギア部3116dと、を備えている。軸受孔3116cには、後述する中段ベース3117の軸筒部3117bが相対回転可能に挿入される。後段ギア部3116dは、伝達ギア部材3114の第二ギア部3114bと噛合する。後段装飾部3116は、透光性を有するように形成されている。
中段ベース3117は、後段装飾部3116の前板部3116bよりも小さい正三角形で平板状の本体部3117aと、本体部3117aの中心を貫通していると共に本体部3117aの後面から後方へ円筒状に突出している軸筒部3117bと、軸筒部3117bの外周面の後端に形成されている平歯車状の中段ギア部3117cと、を備えている。軸筒部3117bは、後段装飾部3116の軸受孔3116c内に、相対回転可能に挿入される。中段ギア部3117cは、駆動ギア3113と噛合する。
中段装飾部3118は、外形が、前方へ尖った三角錐を前後方向へ三等分した時の中間の形状に形成されており、前側が窄まった台形状で平板状の三つの側板部3118aと、三つの側板部3118aの前端辺同士を繋ぐ正三角形で平板状の前板部3118bと、で構成されている。中段装飾部3118は、三つの側板部3118aと一つの前板部3118bとで後側が開放された容器状に形成されており、開放されている後側が閉鎖されるように後端に中段ベース3117(本体部3117a)が取付けられる。また、中段装飾部3118は、前板部3118bの中心で前後に貫通している貫通孔3118cを備えている。中段装飾部3118は、透光性を有するように形成されている。
前段装飾部3119は、外形が、前方へ窄まった三角錐状に形成されている。前段装飾部3119は、三角錐の後面の中心から後方へ突出している円柱状の前段軸部3119aを備えている。前段軸部3119aは、中段ベース3117の軸筒部3117b内に相対回転可能に挿入されると共に、後端が装飾体ベース3111に取付けられる。前段装飾部3119は、透光性を有するように形成されている。
裏下後装飾基板3121は、前面と後面に、法線方向の外側へ向けて光を照射する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)が実装されている。裏下前装飾基板3122は、前面に、法線方向の外側へ向けて光を照射する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)と、前方へ向けて光を照射する複数のフルカラーLED(トップビュータイプ)とが実装されている。裏下前装飾基板3122は、前段装飾部3119の前段軸部3119aに取付けられる。
裏下移動アーム3130は、裏箱3010の開口部3010a(演出表示装置1600)を左右方向へ跨ぐ長さに形成されており、前面の中央に裏下可動装飾体3110が取付けられている。また、裏下移動アーム3130は、前面に複数のフルカラーLEDが一列に実装されている。この裏下移動アーム3130は、左右方向の両端が、上下方向へ移動可能に取付けられている。
裏下昇降機構3150は、裏箱3010内における開口部3010aよりも下側に取付けられている。裏下昇降機構3150は、詳細な図示は省略するが、裏下昇降駆動モータ3151(図186を参照)と、裏下昇降駆動モータ3151の駆動により一端側を中心として回動する棒状の裏下昇降アームと、を備えている。裏下昇降アームの先端は、裏下移動アーム3130に連結されており、裏下昇降駆動モータ3151により裏下昇降アームを回動させることで、裏下昇降アームを介して裏下移動アーム3130を昇降させることができる。
続いて、裏下演出ユニット3100の動作について説明する。裏下演出ユニット3100は、通常の状態では、裏下可動装飾体3110の後段装飾部3116、中段装飾部3118、及び前段装飾部3119のそれぞれの三角形の頂点が一致して、一つの三角錐を形成していると共に、三角形の一つの頂点が上方を向いた状態となっている。また、通常の状態では、裏下昇降機構3150により裏下移動アーム3130が下方の移動端に位置している。この通常の状態では、裏下可動装飾体3110における三角錐の前端の尖った頂点が、センター役物2500におけるステージ2503と略同じ高さに位置しており、裏下可動装飾体3110の大部分が演出表示装置1600よりも下方に位置した待機位置の状態となっている。この状態では、裏下移動アーム3130及び裏下昇降機構3150が、後述する裏左演出ユニット3300の裏左下装飾体3380及び裏右演出ユニット3400の裏右下装飾体3480の後方に位置しており、前方から見えない状態となっている(図135等を参照)。
通常の状態で、裏下昇降駆動モータ3151により裏下昇降アームを介して裏下移動アーム3130を上方の移動端へ移動させると、正面視において裏下可動装飾体3110の上側の頂点が遊技領域5aの中央付近に位置した第一合体位置の状態となる(図170を参照)。
裏下演出ユニット3100は、裏下昇降機構3150により、裏下移動アーム3130を介して、裏下可動装飾体3110を、最も下方へ移動した待機位置(原位置)と、最も上方へ移動した第一合体位置との間で、自由に昇降させることができる。本実施形態では、待機位置から第一合体位置までの全体の移動距離の1/7の距離を、第一合体位置から待機位置側へ移動した、第二合体位置が、設定されている。
裏下演出ユニット3100は、通常の状態では、裏下可動装飾体3110の後段装飾部3116、中段装飾部3118、及び前段装飾部3119のそれぞれの三角形の頂点が一致して、一つの三角錐を形成していると共に、三角形の一つの頂点が上方を向いた状態となっている(図162(a)等を参照)。この状態では、後段ベース3115の検知片3115bが、裏下回転検知センサ3120により検知されると共に、裏下可動装飾体3110の後段装飾部3116と中段装飾部3118との原位置(待機位置)となる。
そして、裏下可動装飾体3110を、第一合体位置又は第二合体位置等へ移動させた状態で、裏下回転駆動モータ3112により駆動ギア3113を回転させると、駆動ギア3113に第一ギア部3114aが噛合している伝達ギア部材3114が、駆動ギア3113とは逆方向へ回転し、伝達ギア部材3114の第二ギア部3114bと噛合している後段装飾部3116の後段ギア部3116dを介して、後段装飾部3116が伝達ギア部材3114とは逆方向へ回転する。つまり、後段装飾部3116は、駆動ギア3113と同じ方向へ回転する。一方、駆動ギア3113には、伝達ギア部材3114の第一ギア部3114aの他に、中段ベース3117の中段ギア部3117cが噛合しており、中段ギア部3117cを介して中段装飾部3118が駆動ギア3113とは逆方向へ回転する。前段装飾部3119は、装飾体ベース3111に取付けられているため、裏下回転駆動モータ3112により駆動ギア3113を回転させても、前段装飾部3119は回転することはない(図162(b)を参照)。
したがって、裏下回転駆動モータ3112を駆動させると、前段装飾部3119が停止したままの状態で、後段装飾部3116と中段装飾部3118が、互いに反対方向へ回転する。本実施形態では、後段装飾部3116が一回転すると、中段装飾部3118が二回転するように、それぞれのギア比が設定されている。
また、裏下演出ユニット3100では、裏下可動装飾体3110の裏下後装飾基板3121や裏下前装飾基板3122にそれぞれ実装されているLEDを適宜発光させることで、裏下可動装飾体3110を発光装飾させることができると共に、後段装飾部3116及び中段装飾部3118が回転中でも、発光装飾させることができる。
また、裏下演出ユニット3100では、裏下移動アーム3130に備えられている複数のLEDを発光させることで、裏下移動アーム3130を発光装飾させることができると共に、裏下移動アーム3130の複数のLEDを、裏下可動装飾体3110へ向かって順番に発光させることで、裏下可動装飾体3110へ光が流れるような発光演出を行うことができる。また、裏下移動アーム3130の複数のLEDを、裏下可動装飾体3110から遠ざかるように順番に発光させることで、裏下可動装飾体3110から光が流れるような発光演出を行うことができる。
[5−9−2.裏上演出ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏上演出ユニット3200について、主に図159等を参照して詳細に説明する。裏ユニット3000の裏上演出ユニット3200は、裏箱3010内における開口部3010aの上側に取付けられている。裏上演出ユニット3200は、底面が正三角形で前方へ尖った三角錐状の裏上可動装飾体3210と、演出表示装置1600を跨ぐように左右方向へ延びており、左右方向中央の前面に裏上可動装飾体3210が取付けられていると共に、左右方向両端がそれぞれ上下方向へ移動可能に支持されている裏上移動アーム3230(図165等を参照)と、裏上移動アーム3230を上下方向へ移動させる裏上昇降機構3250と、を備えている。
裏上可動装飾体3210は、裏下可動装飾体3110と同じ構成である。裏上可動装飾体3210は、詳細な図示は省略するが、裏上移動アーム3230に取付けられる円盤状の装飾体ベースと、回転軸が前方へ突出した状態で装飾体ベースの後面に取付けられている裏上回転駆動モータ3212(図186を参照)と、裏上回転駆動モータ3212の回転軸に取付けられている駆動ギアと、駆動ギアにより回転させられ、装飾体ベースに回転可能に取付けられている伝達ギア部材と、装飾体ベースにより回転可能に支持されており平板状で外形が略正三角形の後段ベースと、後段ベースの前面に取付けられており伝達ギア部材により回転させられる後段装飾部3216と、後段装飾部3216の前方に配置されていると共に後段装飾部3216により回転可能に支持されており駆動ギアにより回転させられる中段ベースと、中段ベースの前面に取付けられている中段装飾部3218と、中段装飾部3218の前方に配置されており中段装飾部3218、中段ベース、及び後段装飾部3216を貫通して後端が装飾体ベースに取付けられている前段装飾部3219と、装飾体ベースの後面に取付けられており後段ベースの回転位置を検知する裏上回転検知センサ3220(図186を参照)と、装飾体ベースの前面に取付けられており後段装飾部3216を発光装飾させるための裏上後装飾基板と、中段ベースと中段装飾部3218との間で前段装飾部3219に取付けられており中段装飾部3218及び前段装飾部3219を発光装飾させるための裏上前装飾基板と、を備えている。
後段装飾部3116は、外形が、前方へ尖った三角錐を前後方向へ三等分した時の後側の形状に形成されている。後段装飾部3116は、透光性を有するように形成されている。中段装飾部3118は、外形が、前方へ尖った三角錐を前後方向へ三等分した時の中間の形状に形成されている。中段装飾部3118は、透光性を有するように形成されている。前段装飾部3119は、外形が、前方へ窄まった三角錐状に形成されている。前段装飾部3119は、透光性を有するように形成されている。
裏下後装飾基板は、前面と後面に、法線方向の外側へ向けて光を照射する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)が実装されている。裏下前装飾基板は、前面に、法線方向の外側へ向けて光を照射する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)と、前方へ向けて光を照射する複数のフルカラーLED(トップビュータイプ)とが実装されている。
裏上移動アーム3230は、裏箱3010の開口部3010a(演出表示装置1600)を左右方向へ跨ぐ長さに形成されており、前面の中央に裏上可動装飾体3210が取付けられている。また、裏上移動アーム3230は、前面に複数のフルカラーLEDが一列に実装されている。この裏上移動アーム3230は、左右方向の両端が、上下方向へ移動可能に取付けられている。
裏上昇降機構3250は、裏箱3010内における開口部3010aよりも上側に取付けられている。裏上昇降機構3250は、詳細な図示は省略するが、裏上昇降駆動モータ3251(図186を参照)と、裏上昇降駆動モータ3251の駆動により一端側を中心として回動する棒状の裏上昇降アームと、を備えている。裏上昇降アームの先端は、裏上移動アーム3230に連結されており、裏上昇降駆動モータ3251により裏上昇降アームを回動させることで、裏上昇降アームを介して裏上移動アーム3230を昇降させることができる。
続いて、裏上演出ユニット3200の動作について説明する。裏上演出ユニット3200は、通常の状態では、裏上可動装飾体3210の後段装飾部3216、中段装飾部3218、及び前段装飾部3219のそれぞれの三角形の頂点が一致して、一つの三角錐を形成していると共に、三角形の一つの頂点が下方を向いた状態となっている。この状態では、裏上可動装飾体3210は、裏下可動装飾体3110と同じ構成であるため、裏下可動装飾体3110の後段ベース3115の検知片3115bと相当する図示しない検知片が、裏上回転検知センサ3220により検知されると共に、裏上可動装飾体3210の後段装飾部3216、及び中段装飾部3218との原位置(待機位置)となる。また、通常の状態では、裏上昇降機構3250により裏上移動アーム3230が上方の移動端に位置している。この通常の状態では、裏上可動装飾体3210における三角錐の前端の尖った頂点が、前構成部材1000の内レール1002の上端と略同じ高さに位置しており、裏上可動装飾体3210の大部分が演出表示装置1600よりも上方に位置した待機位置の状態となっている。この状態では、裏上移動アーム3230及び裏上昇降機構3250が、後述する裏左演出ユニット3300の裏左上装飾体3370及び裏右演出ユニット3400の裏右上装飾体3470の後方に位置しており、前方から見えない状態となっている(図135等を参照)。
通常の状態で、裏上昇降駆動モータ3251により裏上昇降アームを介して裏上移動アーム3230を下方の移動端へ移動させると、正面視において裏上可動装飾体3210の下側の頂点が遊技領域5aの中央付近に位置した第一合体位置の状態となる(図170を参照)。
裏上演出ユニット3200は、裏上昇降機構3250により、裏上移動アーム3230を介して、裏上可動装飾体3210を、最も上方へ移動した待機位置(原位置)と、最も下方へ移動した第一合体位置との間で、自由に昇降させることができる。本実施形態では、待機位置から第一合体位置までの全体の移動距離の1/7の距離を、第一合体位置から待機位置側へ移動した、第二合体位置が、設定されている。
裏上演出ユニット3200は、裏上可動装飾体3210を、第一合体位置又は第二合体位置等へ移動させた状態で、裏上回転駆動モータ3212を駆動させると、前段装飾部3219が停止したままの状態で、後段装飾部3216と中段装飾部3218が、互いに反対方向へ回転する。本実施形態では、後段装飾部3216が一回転すると、中段装飾部3218が二回転するように、それぞれのギア比が設定されている。
また、裏上演出ユニット3200では、裏上後装飾基板や裏上前装飾基板にそれぞれ実装されているLEDを適宜発光させることで、裏上可動装飾体3210を発光装飾させることができると共に、後段装飾部3216及び中段装飾部3218が回転中でも、発光装飾させることができる。
また、裏上演出ユニット3200では、裏上移動アーム3230に備えられている複数のLEDを発光させることで、裏上移動アーム3230を発光装飾させることができると共に、裏上移動アーム3230の複数のLEDを、裏上可動装飾体3210へ向かって順番に発光させることで、裏上可動装飾体3210へ光が流れるような発光演出を行うことができる。また、裏上移動アーム3230の複数のLEDを、裏上可動装飾体3210から遠ざかるように順番に発光させることで、裏上可動装飾体3210から光が流れるような発光演出を行うことができる。
[5−9−3.裏左演出ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏左演出ユニット3300について、主に図159、図163及び図164等を参照して詳細に説明する。図163は裏左可動装飾体等の内部構造の概略斜視図であり、図164は裏ユニットにおける裏左演出ユニットの裏左可動装飾体の動きを示す正面図である。なお、図163では、内部構造が理解し易いように一部の部材をワイヤフレームとして表し、裏左可動装飾体を除く他の複数の可動装飾の内部構造に関する符号については括弧書きでそれぞれ表した。
裏ユニット3000の裏左演出ユニット3300は、裏箱3010内における開口部3010aの左側に取付けられている。
裏左演出ユニット3300は、先端を右方へ向けた三角錐状の裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320と、演出表示装置1600を跨いで上下方向へ延びており、裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320がそれぞれ移動可能に取付けられていると共に、上下方向両端がそれぞれ左右方向へ移動可能に支持されている裏左移動アーム3330と、裏左移動アーム3330を左右方向へ移動させる裏左横行機構3350と、を備えている。裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320は、正面視の外形形状が、正三角形に形成されている。また、三角錐状の裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320は、左右方向に対して先端が、前方へ位置するように傾いている。
また、裏左演出ユニット3300は、裏左移動アーム3330の上端付近の前方で左右方向へ延びている平板状の裏左背面装飾板3360と、背面装飾板の下側において左右方向へ延びており立体的なトラス状の装飾が形成されている裏左上装飾体3370と、裏左移動アーム3330の下端付近の前方で左右方向へ延びており立体的なトラス状の装飾が形成されている裏左下装飾体3380と、を備えている。
裏左上可動装飾体3310は、正面視の形状が右方へ窄まる台形状の基段装飾部3311と、基段装飾部3311の右側面に回転可能に取付けられており先端を右方へ向けた三角錐状の先段装飾部3312と、基段装飾部3311の内部に取付けられており先段装飾部3312を回転させるための裏左上回転駆動モータ3313(図186を参照)と、基段装飾部3311の内部に取付けられており基段装飾部3311を発光装飾させるための裏左上基段装飾基板と、基段装飾部3311の右側面に取付けられており先段装飾部3312を発光装飾させるための裏左上先段装飾基板3311aと、を備えている。基段装飾部3311及び先段装飾部3312は、透光性を有するように形成されている。
裏左上基段装飾基板は、自身が取付けられる基段装飾部3311の内壁へ向けて光を照射する図示しない複数のフルカラーLEDが実装されている。裏左上先段装飾基板3311aは、先段装飾部3312の左面側へ向けて光を照射する複数のフルカラーLED3311aa(本実施形態では、8つのフルカラーLED3311aa(1)〜3311aa(8))が実装されている。
裏左上回転駆動モータ3313の出力軸(回転軸)の回転は、裏左上回転駆動モータ3313の出力軸(回転軸)に取付けられて固定される図示しない主歯車と、先段装飾部3312の回転軸に取付けられて固定される図示しない従歯車と、が噛合する図示しない裏左上回転伝達機構を介して、先段装飾部3312の回転となる。基段装飾部3311の右側面と対向する先段装飾部3312の左側面には、先段装飾部3312の回転軸の近傍に小型の円柱形状を有するマグネット3312aが配置されて固定されている。具体的には、マグネット3312aは、先段装飾部3312の回転軸の近傍であって、その軸心が先段装飾部3312の回転軸と平行となるように先段装飾部3312の左側面に対して垂直となる配置とされると共に、その左面が先段装飾部3312の左側面から基段装飾部3311の右側面へ向かって突出しないように、先段装飾部3312の内部空間に収容されて固定されている。マグネット3312aは、先段装飾部3312の回転軸の近傍に配置されているが、これは、裏左上回転駆動モータ3313による先段装飾部3312の回転により先段装飾部3312の回転軸が共振現象を発生しない位置となっている。
マグネット3312aは、先段装飾部3312の回転軸の近傍に固定されているため、裏左上回転駆動モータ3313の出力軸(回転軸)の回転が上述した図示しない裏左上回転伝達機構を介して先段装飾部3312の回転軸へ伝達されて先段装飾部3312が回転開始すると、その軌跡が円軌道となる。
そこで、裏左上先段装飾基板3311aには、この円軌道上の一の位置と対応する位置に(小型の円柱形状を有するマグネット3312aの磁気を帯びた面と対向して)、ホール素子、及び周辺回路から構成されて磁極の変化を検知することができる裏左上磁極変化検知回路3311abが実装されている。この裏左上磁極変化検知回路3311abは、先段装飾部3312に固定されたマグネット3312aの磁気を検知することで先段装飾部3312の回転位置を特定して原位置を設定するために用いられる回路であり、その詳細な説明を後述する。なお、先段装飾部3312の回転位置の原位置(待機位置)としては、例えば、図145、図159、及び図164(a)等に示す位置であり、基段装飾部3311、及び先段装飾部3312のそれぞれの三角形の頂点が一致して、一つの三角錐を形成している状態を挙げることができる。
裏左上可動装飾体3310の基段装飾部3311は、詳細な図示は省略するが、後面において、底辺(左辺)付近の中央から後方へ円柱状に突出している第一取付ボスと、第一取付ボスよりも右方の部位から後方へ円柱状に突出している第二取付ボスと、第一取付ボスよりも上方の部位から後方へ円柱状に突出している第三取付ボスと、を備えている。これら第一取付ボス、第二取付ボス、及び第三取付ボスを介して裏左上可動装飾体3310が裏左移動アーム3330に移動可能に取付けられている。
裏左下可動装飾体3320は、正面視の形状が右方へ窄まる台形状の基段装飾部3321と、基段装飾部3321の右側面に回転可能に取付けられており先端を右方へ向けた三角錐状の先段装飾部3322と、基段装飾部3321の内部に取付けられており先段装飾部3322を回転させるための裏左下回転駆動モータ3323(図186を参照)と、基段装飾部3321の内部に取付けられており基段装飾部3321を発光装飾させるための裏左下基段装飾基板と、基段装飾部3321の右側面に取付けられており先段装飾部3322を発光装飾させるための裏左下先段装飾基板3321aと、を備えている。基段装飾部3321及び先段装飾部3322は、透光性を有するように形成されている。
裏左下基段装飾基板は、自身が取付けられる基段装飾部3321の内壁へ向けて光を照射する図示しない複数のフルカラーLEDが実装されている。裏左下先段装飾基板3321aは、先段装飾部3322の左面側へ向けて光を照射する複数のフルカラーLED3321aa(本実施形態では、8つのフルカラーLED3321aa(1)〜3321aa(8))が実装されている。
裏左下回転駆動モータ3323の出力軸(回転軸)の回転は、裏左下回転駆動モータ3323の出力軸(回転軸)に取付けられて固定される図示しない主歯車と、先段装飾部3322の回転軸に取付けられて固定される図示しない従歯車と、が噛合する図示しない裏左下回転伝達機構を介して、先段装飾部3322の回転となる。基段装飾部3321の右側面と対向する先段装飾部3322の左側面には、先段装飾部3322の回転軸の近傍に小型の円柱形状を有するマグネット3322aが配置されて固定されている。具体的には、マグネット3322aは、先段装飾部3322の回転軸の近傍であって、その軸心が先段装飾部3322の回転軸と平行となるように先段装飾部3322の左側面に対して垂直となる配置とされると共に、その左面が先段装飾部3322の左側面から基段装飾部3311の右側面へ向かって突出しないように、先段装飾部3322の内部空間に収容されて固定されている。マグネット3322aは、先段装飾部3322の回転軸の近傍に配置されているが、これは、裏左下回転駆動モータ3323による先段装飾部3322の回転により先段装飾部3322の回転軸が共振現象を発生しない位置となっている。
マグネット3322aは、先段装飾部3322の回転軸の近傍に固定されているため、裏左下回転駆動モータ3323の出力軸(回転軸)の回転が上述した図示しない裏左下回転伝達機構を介して先段装飾部3322の回転軸へ伝達されて先段装飾部3322が回転開始すると、その軌跡が円軌道となる。
そこで、裏左下先段装飾基板3321aには、この円軌道上の一の位置と対応する位置に(小型の円柱形状を有するマグネット3322aの磁気を帯びた面と対向して)、ホール素子、及び周辺回路から構成されて磁極の変化を検知することができる裏左下磁極変化検知回路3321abが実装されている。この裏左下磁極変化検知回路3321abは、先段装飾部3322に固定されたマグネット3322aの磁気を検知することで先段装飾部3322の回転位置を特定して原位置を設定するために用いられる回路であり、その詳細な説明を後述する。なお、先段装飾部3322の回転位置の原位置(待機位置)としては、例えば、図145、図159、及び図164(a)等に示す位置であり、基段装飾部3321、及び先段装飾部3322のそれぞれの三角形の頂点が一致して、一つの三角錐を形成している状態を挙げることができる。
裏左下可動装飾体3320の基段装飾部3321は、詳細な図示は省略するが、後面において、底辺(左辺)付近の中央から後方へ円柱状に突出している第一取付ボスと、第一取付ボスよりも右方の部位から後方へ円柱状に突出している第二取付ボスと、第一取付ボスよりも下方の部位から後方へ円柱状に突出している第三取付ボスと、を備えている。これら第一取付ボス、第二取付ボス、及び第三取付ボスを介して裏左下可動装飾体3320が裏左移動アーム3330に移動可能に取付けられている。
裏左移動アーム3330は、上下方向へ延びており裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320が移動可能に取付けられる移動アームベース3331と、移動アームベース3331の上下方向中央に取付けられており裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320を移動させるための裏左移動駆動モータ3332と、を備えている。
また、裏左移動アーム3330は、詳細な図示は省略するが、裏左移動駆動モータ3332の回転軸に取付けられる平歯車状のピニオンギアと、移動アームベース3331における上下方向中央より上側において上下方向へスライド可能に取付けられておりピニオンギアと噛合する上ラックギアを有している上スライダと、移動アームベース3331における上下方向中央より下側において上下方向へスライド可能に取付けられており、上スライダの上ラックギアとは反対側からピニオンギアと噛合する下ラックギアを有している下スライダと、を備えている。
移動アームベース3331は、裏左上可動装飾体3310における基段装飾部3311の第一取付ボスが摺動可能に挿入される上第一スリットと、基段装飾部3311の第二取付ボスが摺動可能に挿入される上第二スリットと、基段装飾部3311の第三取付ボスが摺動可能に挿入される上第三スリットと、を備えている。上第一スリットは、上下方向へ直線状に延びている。上第二スリットは、上第一スリットの上端側を中心として下方へ30度の回転角度で円弧状に延びた後に下方へ直線状に延びている。上第三スリットは、上第一スリットの上端側を中心として下方へ30度の回転角度で円弧状に延びた後に下方へ直線状に延びている。
また、移動アームベース3331は、裏左下可動装飾体3320における基段装飾部3321の第一取付ボスが摺動可能に挿入される下第一スリットと、基段装飾部3321の第二取付ボスが摺動可能に挿入される下第二スリットと、基段装飾部3321の第三取付ボスが摺動可能に挿入される下第三スリットと、を備えている。下第一スリットは、上下方向へ直線状に延びている。下第二スリットは、下第一スリットの上端側を中心として上方へ30度の回転角度で円弧状に延びた後に上方へ直線状に延びている。下第三スリットは、下第一スリットの上端側を中心として上方へ30度の回転角度で円弧状に延びた後に上方へ直線状に延びている。下第一スリット、下第二スリット、及び下第三スリットは、裏左移動駆動モータ3332の回転軸の中心を通る水平線に対して、上第一スリット、上第二スリット、及び上第三スリットと、線対称に形成されている。
上スライダは、上端付近に裏左上可動装飾体3310における基段装飾部3311の第二取付ボスが取付けられる。下スライダは、下端付近に裏左下可動装飾体3320における基段装飾部3321の第二取付ボスが取付けられる。
裏左横行機構3350は、裏箱3010内における開口部3010aよりも左側に取付けられている。裏左横行機構3350は、詳細な図示は省略するが、裏左横行駆動モータ3351と、裏左横行駆動モータ3351の駆動により一端側を中心として回動する棒状の裏左横行アームと、を備えている。裏左横行アームの先端は、裏左移動アーム3330に連結されており、裏左横行駆動モータ3351により裏左横行アームを回動させることで、裏左横行アームを介して裏左移動アーム3330を横行させることができる。
裏左背面装飾板3360は、前面にホログラムシールが貼り付けられている。裏左上装飾体3370は、下辺が裏箱3010の開口部3010aの上縁と略同じ高さに取付けられている。裏左下装飾体3380は、上辺が裏箱3010の開口部3010aの下縁と略同じ高さに取付けられている。裏左背面装飾板3360、裏左上装飾体3370、及び裏左下装飾体3380は、それぞれの前端が、裏箱3010の前端と略同じ位置に取付けられており、後方に配置される裏下演出ユニット3100の裏下移動アーム3130、裏上演出ユニット3200の裏上移動アーム3230等を前方から視認不能に隠すことができる。
また、裏左背面装飾板3360は、遊技盤5に組立てた状態では、遊技パネル1100におけるパネル板1110の後側に位置しており、後述する裏右背面装飾板3460と協働して、パネル板1110に形成されている装飾パターン1150を、遊技者側(前方)から見え易くしている。
続いて、裏左演出ユニット3300の動作について説明する。まず、裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320の動きについて説明する。通常の状態では、裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312及び裏左下可動装飾体3320の先段装飾部3322が、それぞれの基段装飾部3311及び基段装飾部3321と正面視において正三角形を形成する回転位置の状態となっている。この状態で、裏左上可動装飾体3310の裏左上回転駆動モータ3313及び裏左下可動装飾体3320の裏左下回転駆動モータ3323を、それぞれ駆動させると、それぞれの先段装飾部3312及び先段装飾部3322を回転させることができる(図166を参照)。
次に、裏左移動アーム3330に対する裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320の動きについて説明する。裏左上可動装飾体3310は、初期状態では、第一取付ボス、第二取付ボス、及び第三取付ボスが、移動アームベース3331の上第一スリット、上第二スリット、及び上第三スリットのそれぞれの上端に位置している。この状態では、裏左上可動装飾体3310の第一取付ボスと第二取付ボスとが水平に並んでおり、裏左上可動装飾体3310の基辺(左辺)が垂直に延びて先端が右方を向いている(図164(a)を参照)。初期状態から、裏左移動駆動モータ3332の駆動によりピニオンギアを所定方向へ回転させて、ピニオンギアと噛合している上ラックギアを介して上スライダを下方へ移動させると、裏左上可動装飾体3310の第二取付ボスが上スライダに取付けられていることから、第二取付ボスが下方へ引っ張られることとなり、裏左上可動装飾体3310が第一取付ボスを中心にして時計回りの方向へ回動することとなる。
この際に、裏左上可動装飾体3310の第二取付ボスと第三取付ボスとは、移動アームベース3331の上第二スリットと上第三スリットとにおけるそれぞれの円弧状に延びている部位を下方へ摺動する。そして、下方へ移動する上スライダにより第二取付ボスが、上第二スリットにおける円弧状の部位の下端に到達すると、裏左上可動装飾体3310が、第一取付ボスを中心にして時計回りの方向へ30度回動した状態となり、先端が右下を向いた状態(第二状態)となる(図164(b)を参照)。この状態では、裏左上可動装飾体3310の下側の辺が、水平に延びた状態となる。
上スライダの下方への移動により裏左上可動装飾体3310が時計回りの方向へ30度回動した状態で、裏左移動駆動モータ3332の駆動により上スライダが更に下方へ移動すると、裏左上可動装飾体3310が、回動したままの姿勢で、下方へ移動することとなる。この際には、裏左上可動装飾体3310の第一取付ボス、第二取付ボス、及び第三取付ボスが、移動アームベース3331の上第一スリット、上第二スリット、及び上第三スリットのそれぞれの内部を、それぞれの下端まで摺動し、下方への移動が停止する。この状態では、裏左上可動装飾体3310の下側の辺が、移動アームベース3331の上下方向の中央に接近した状態(第一状態)となる(図164(c)を参照)。
この状態から、裏左移動駆動モータ3332を逆方向へ駆動してピニオンギアを介して上スライダを上方へ移動させると、第一状態の裏左上可動装飾体3310が上述した動きとは逆の動きをして初期状態に復帰する。
一方、裏左下可動装飾体3320では、初期状態において、第一取付ボス、第二取付ボス、及び第三取付ボスが、移動アームベース3331の下第一スリット、下第二スリット、及び下第三スリットのそれぞれの下端に位置している。この状態では、裏左下可動装飾体3320の第一取付ボスと第二取付ボスとが水平に並んでおり、裏左下可動装飾体3320の基辺(左辺)が垂直に延びて先端が右方を向いている(図164(a)を参照)。
初期状態から、裏左移動駆動モータ3332の駆動によりピニオンギアを所定方向へ回転させて、ピニオンギアと噛合している下ラックギアを介して下スライダを上方へ移動させると、裏左下可動装飾体3320の第二取付ボスが下スライダに取付けられていることから、第二取付ボスが上方へ引っ張られることとなり、裏左下可動装飾体3320が第一取付ボスを中心にして反時計回りの方向へ回動することとなる。
この際に、裏左下可動装飾体3320の第二取付ボスと第三取付ボスとは、移動アームベース3331の下第二スリットと下第三スリットとにおけるそれぞれの円弧状に延びている部位を上方へ摺動する。そして、上方へ移動する下スライダにより第二取付ボスが、下第二スリットにおける円弧状の部位の上端に到達すると、裏左下可動装飾体3320が、第一取付ボスを中心にして反時計回りの方向へ30度回動した状態となり、先端が右上を向いた状態(第二状態)となる(図164(b)を参照)。この状態では、裏左下可動装飾体3320の上側の辺が、水平に延びた状態となる。
下スライダの上方への移動により裏左下可動装飾体3320が反時計回りの方向へ30度回動した状態で、裏左移動駆動モータ3332の駆動により下スライダが更に上方へ移動すると、裏左下可動装飾体3320が、回動したままの姿勢で、上方へ移動することとなる。この際には、裏左下可動装飾体3320の第一取付ボス、第二取付ボス、及び第三取付ボスが、移動アームベース3331の下第一スリット、下第二スリット、及び下第三スリットのそれぞれの内部を、それぞれの上端まで摺動し、上方への移動が停止する。この状態では、裏左下可動装飾体3320の上側の辺が、移動アームベース3331の上下方向の中央に接近した状態(第一状態)となる(図164(c)を参照)。
この状態から、裏左移動駆動モータ3332を逆方向へ駆動してピニオンギアを介して下スライダを下方へ移動させると、第一状態の裏左下可動装飾体3320が上述した動きとは逆の動きをして初期状態に復帰する。
裏左移動駆動モータ3332により回転させられるピニオンギアを間にして、上スライダの上ラックギアと下スライダの下ラックギアとが、それぞれピニオンギアに噛合していることから、裏左移動駆動モータ3332によりピニオンギアを回転させると、上スライダと下スライダとが互いに上下の異なる方向へ移動する。これにより、裏左移動駆動モータ3332による裏左上可動装飾体3310と裏左下可動装飾体3320の動きは、同時に行われる。したがって、初期状態から裏左移動駆動モータ3332を駆動させると、上下に離隔し先端が右方を向いている裏左上可動装飾体3310と裏左下可動装飾体3320とが、それぞれの先端が互いに接近する方向へ回動して第二状態となった上で、互いに全体が接近する方向へ移動して第一状態となる動きをする。
次に、裏左演出ユニット3300における裏左移動アーム3330の動きについて説明する。裏左移動アーム3330は、初期状態では、裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320を取付けている部位が、左方への移動端に位置している。この状態では、裏左移動アーム3330が、正面視において演出表示装置1600よりも左側に位置している。この状態で、裏左横行機構3350の裏左横行駆動モータ3351により裏左横行アームを正面視において反時計回りの方向へ回動させると、裏左横行アームにより裏左移動アーム3330を右方の移動端まで移動させることができる。裏左移動アーム3330が右方の移動端へ位置している状態(第一状態)では、裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320を取付けている部位が、演出表示装置1600の左右方向の幅に対して左端側から右方へ約1/3の距離に位置している(図170を参照)。
裏左移動アーム3330は、図164に示すように、上端が右方へ延びた形状に形成されており、その右端が、右方の移動端に位置した第一状態では、裏下演出ユニット3100及び裏上演出ユニット3200の裏下可動装飾体3110及び裏上可動装飾体3210の左右方向の中央に位置している。
裏左移動アーム3330は、左方の移動端である初期状態の位置と、右方の移動端である第一状態の位置との間で、裏左横行機構3350により移動することができる。本実施形態では、初期状態の位置と第一状態の位置との間の全体の移動距離に対して、初期状態の位置から右方へ約2/3の距離を移動した、第二状態の位置が設定されている(図169を参照)。
この裏左演出ユニット3300は、通常の状態では、裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320が、初期状態となっており、上下方向へ所定の間隔をあけて並んでいると共に、それぞれの基段装飾部3311及び基段装飾部3321の基辺が、垂直に延びた状態となって、それぞれの先端が右方を向いている。また、通常の状態では、裏左横行機構3350により裏左移動アーム3330が初期状態である左方の移動端に位置している。
この通常の状態では、初期状態である裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320の基辺が、裏箱3010内の左端付近に位置しており、それぞれの基段装飾部3311及び基段装飾部3321が演出表示装置1600の左端付近に位置し、それぞれの先段装飾部3312及び先段装飾部3322が演出表示装置1600の前方に位置している。本実施形態において、通常の状態では、裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320と、裏左移動アーム3330とを、それぞれ初期状態とした待機位置の状態となっている(図135等を参照)。
なお、裏左移動アーム3330は、図164に示すように、上端が右方へ延びた形状に形成されているため、裏左移動アーム3330を第二状態の位置から右方の移動端(第一状態の位置)へ移動させると、待機位置の裏上可動装飾体3210に当接する。したがって、裏左移動アーム3330を右方の移動端(第二状態)へ移動させる場合は、裏上可動装飾体3210を待機位置から下方へ移動させておく必要がある。また、裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320を右方へ向けた状態(初期状態)で、裏左移動アーム3330を右方の移動端へ移動させると、裏左上可動装飾体3310の先端が、待機位置から下方へ移動させた裏上可動装飾体3210に当接する。したがって、裏左上可動装飾体3310を、先端が右下を向くように第一状態の位置、又は第二状態の位置へ移動させておく必要がある。
また、裏左移動アーム3330が初期状態の位置では、裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320の基辺が、裏箱3010内の左端付近に位置していることから、裏左移動駆動モータ3332により初期状態の裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320を、第二状態となるようにそれぞれを回動させると、それぞれの基辺が裏箱3010内の左側面に当接する。したがって、裏左移動駆動モータ3332により裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320を、初期状態から第二状態側へ回動させる場合は、裏左移動アーム3330を初期状態の位置から右方へ移動させておく必要がある。
裏左演出ユニット3300では、裏左上可動装飾体3310の裏左上基段装飾基板と裏左上先段装飾基板、及び裏左下可動装飾体3320の裏左下基段装飾基板と裏左下先段装飾基板に、それぞれ実装されているLEDを適宜発光させることで、裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320を発光装飾させることができる。
本実施形態では、裏左上可動装飾体3310と裏左下可動装飾体3320、及び裏左移動アーム3330が、それぞれ初期状態に位置している時の裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320の位置を待機位置としている。また、裏左上可動装飾体3310と裏左下可動装飾体3320、及び裏左移動アーム3330が、それぞれ第一状態に位置している時の裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320の位置を第一合体位置としている。更に、裏左上可動装飾体3310と裏左下可動装飾体3320、及び裏左移動アーム3330が、それぞれ第二状態に位置している時の裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320の位置を第二合体位置としている。
[5−9−4.裏右演出ユニット]
次に、裏ユニット3000の裏右演出ユニット3400について、主に図159及び図163等を参照して詳細に説明する。裏ユニット3000の裏右演出ユニット3400は、裏箱3010内における開口部3010aよりも右側に取付けられている。
裏右演出ユニット3400は、先端を左方へ向けた三角錐状の裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420と、演出表示装置1600を跨いで上下方向へ延びており、裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420がそれぞれ移動可能に取付けられていると共に、上下方向両端がそれぞれ左右方向へ移動可能に支持されている裏右移動アーム3430と、裏右移動アーム3430を左右方向へ移動させる裏右横行機構3450と、を備えている(図167を参照)。裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420は、正面視の外形形状が、正三角形に形成されている。また、三角錐状の裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420は、左右方向に対して先端が、前方へ位置するように傾いている。
また、裏右演出ユニット3400は、裏右移動アーム3430の上端付近の前方で左右方向へ延びている平板状の裏右背面装飾板3460と、背面装飾板の下側において左右方向へ延びており立体的なトラス状の装飾が形成されている裏右上装飾体3470と、裏右移動アーム3430の下端付近の前方で左右方向へ延びており立体的なトラス状の装飾が形成されている裏右下装飾体3480と、を備えている。
裏右上可動装飾体3410は、正面視の形状が左方へ窄まる台形状の基段装飾部3411と、基段装飾部3411の右側面に回転可能に取付けられており先端を左方へ向けた三角錐状の先段装飾部3412と、基段装飾部3411の内部に取付けられており先段装飾部3412を回転させるための裏右上回転駆動モータ3413(図187を参照)と、基段装飾部3411の内部に取付けられており基段装飾部3411を発光装飾させるための裏右上基段装飾基板と、基段装飾部3411の左側面に取付けられており先段装飾部3412を発光装飾させるための裏右上先段装飾基板3411aと、を備えている。基段装飾部3411及び先段装飾部3412は、透光性を有するように形成されている。
裏右上基段装飾基板は、自身が取付けられる基段装飾部3411の内壁へ向けて光を照射する図示しない複数のフルカラーLEDが実装されている。裏右上先段装飾基板3411aは、先段装飾部3412の右面側へ向けて光を照射する複数のフルカラーLED3411aa(本実施形態では、8つのフルカラーLED3411aa(1)〜3411aa(8))が実装されている。
裏右上回転駆動モータ3413の出力軸(回転軸)の回転は、裏右上回転駆動モータ3413の出力軸(回転軸)に取付けられて固定される図示しない主歯車と、先段装飾部3412の回転軸に取付けられて固定される図示しない従歯車と、が噛合する図示しない裏右上回転伝達機構を介して、先段装飾部3412の回転となる。基段装飾部3411の左側面と対向する先段装飾部3412の右側面には、先段装飾部3412の回転軸の近傍に小型の円柱形状を有するマグネット3412aが配置されて固定されている。具体的には、マグネット3412aは、先段装飾部3412の回転軸の近傍であって、その軸心が先段装飾部3412の回転軸と平行となるように先段装飾部3412の右側面に対して垂直となる配置とされると共に、その右面が先段装飾部3412の右側面から基段装飾部3411の左側面へ向かって突出しないように、先段装飾部3412の内部空間に収容されて固定されている。マグネット3412aは、先段装飾部3412の回転軸の近傍に配置されているが、これは、裏右上回転駆動モータ3413による先段装飾部3412の回転により先段装飾部3412の回転軸が共振現象を発生しない位置となっている。
マグネット3412aは、先段装飾部3412の回転軸の近傍に固定されているため、裏右上回転駆動モータ3413の出力軸(回転軸)の回転が上述した図示しない裏右上回転伝達機構を介して先段装飾部3412の回転軸へ伝達されて先段装飾部3412が回転開始すると、その軌跡が円軌道となる。
そこで、裏右上先段装飾基板3411aには、この円軌道上の一の位置と対応する位置に(小型の円柱形状を有するマグネット3412aの磁気を帯びた面と対向して)、ホール素子、及び周辺回路から構成されて磁極の変化を検知することができる裏右上磁極変化検知回路3411abが実装されている。この裏右上磁極変化検知回路3411abは、先段装飾部3412に固定されたマグネット3412aの磁気を検知することで先段装飾部3412の回転位置を特定して原位置を設定するために用いられる回路であり、その詳細な説明を後述する。なお、先段装飾部3312の回転位置の原位置(待機位置)としては、例えば、図145、及び図159等に示す位置であり、基段装飾部3411、及び先段装飾部3412のそれぞれの三角形の頂点が一致して、一つの三角錐を形成している状態を挙げることができる。
裏右上可動装飾体3410の基段装飾部3411は、詳細な図示は省略するが、後面において、底辺(右辺)付近の中央から後方へ円柱状に突出している第一取付ボスと、第一取付ボスよりも左方の部位から後方へ円柱状に突出している第二取付ボスと、第一取付ボスよりも上方の部位から後方へ円柱状に突出している第三取付ボスと、を備えている。これら第一取付ボス、第二取付ボス、及び第三取付ボスを介して裏右上可動装飾体3410が裏右移動アーム3430に移動可能に取付けられている。
裏右下可動装飾体3420は、正面視の形状が左方へ窄まる台形状の基段装飾部3421と、基段装飾部3421の左側面に回転可能に取付けられており先端を左方へ向けた三角錐状の先段装飾部3422と、基段装飾部3421の内部に取付けられており先段装飾部3422を回転させるための裏右下回転駆動モータ3423(図187を参照)と、基段装飾部3421の内部に取付けられており基段装飾部3421を発光装飾させるための裏右下基段装飾基板と、基段装飾部3421の左側面に取付けられており先段装飾部3422を発光装飾させるための裏右下先段装飾基板3421aと、を備えている。基段装飾部3421及び先段装飾部3422は、透光性を有するように形成されている。
裏右下基段装飾基板は、自身が取付けられる基段装飾部3421の内壁へ向けて光を照射する図示しない複数のフルカラーLEDが実装されている。裏右下先段装飾基板3421aは、先段装飾部3422の右面側へ向けて光を照射する複数のフルカラーLED3421aa(本実施形態では、8つのフルカラーLED3421aa(1)〜3421aa(8))が実装されている。
裏右下回転駆動モータ3423の出力軸(回転軸)の回転は、裏右下回転駆動モータ3423の出力軸(回転軸)に取付けられて固定される図示しない主歯車と、先段装飾部3422の回転軸に取付けられて固定される図示しない従歯車と、が噛合する図示しない裏右下回転伝達機構を介して、先段装飾部3422の回転となる。基段装飾部3421の左側面と対向する先段装飾部3422の右側面には、先段装飾部3422の回転軸の近傍に小型の円柱形状を有するマグネット3422aが配置されて固定されている。具体的には、マグネット3422aは、先段装飾部3422の回転軸の近傍であって、その軸心が先段装飾部3422の回転軸と平行となるように先段装飾部3422の右側面に対して垂直となる配置とされると共に、その右面が先段装飾部3422の右側面から基段装飾部3421の左側面へ向かって突出しないように、先段装飾部3422の内部空間に収容されて固定されている。マグネット3422aは、先段装飾部3422の回転軸の近傍に配置されているが、これは、裏右下回転駆動モータ3423による先段装飾部3422の回転により先段装飾部3422の回転軸が共振現象を発生しない位置となっている。
マグネット3422aは、先段装飾部3422の回転軸の近傍に固定されているため、裏右下回転駆動モータ3423の出力軸(回転軸)の回転が上述した図示しない裏右下回転伝達機構を介して先段装飾部3422の回転軸へ伝達されて先段装飾部3422が回転開始すると、その軌跡が円軌道となる。
そこで、裏右下先段装飾基板3421aには、この円軌道上の一の位置と対応する位置に(小型の円柱形状を有するマグネット3422aの磁気を帯びた面と対向して)、ホール素子、及び周辺回路から構成されて磁極の変化を検知することができる裏右下磁極変化検知回路3421abが実装されている。この裏右下磁極変化検知回路3421abは、先段装飾部3422に固定されたマグネット3422aの磁気を検知することで先段装飾部3422の回転位置を特定して原位置を設定するために用いられる回路であり、その詳細な説明を後述する。なお、先段装飾部3422の回転位置の原位置(待機位置)としては、例えば、図145、及び図159等に示す位置であり、基段装飾部3421、及び先段装飾部3422のそれぞれの三角形の頂点が一致して、一つの三角錐を形成している状態を挙げることができる。
裏右下可動装飾体3420の基段装飾部3421は、詳細な図示は省略するが、後面において、底辺(右辺)付近の中央から後方へ円柱状に突出している第一取付ボスと、第一取付ボスよりも左方の部位から後方へ円柱状に突出している第二取付ボスと、第一取付ボスよりも下方の部位から後方へ円柱状に突出している第三取付ボスと、を備えている。これら第一取付ボス、第二取付ボス、及び第三取付ボスを介して裏右下可動装飾体3420が裏右移動アーム3430に移動可能に取付けられている。
裏右移動アーム3430は、上下方向へ延びており裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420が移動可能に取付けられる移動アームベース3431と、移動アームベース3431の上下方向中央に取付けられており裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420を移動させるための裏右移動駆動モータ3432と、を備えている。
また、裏右移動アーム3430は、詳細な図示は省略するが、裏右移動駆動モータ3432の回転軸に取付けられる平歯車状のピニオンギアと、移動アームベース3431における上下方向中央より上側において上下方向へスライド可能に取付けられておりピニオンギアと噛合する上ラックギアを有している上スライダと、移動アームベース3431における上下方向中央より下側において上下方向へスライド可能に取付けられており、上スライダの上ラックギアとは反対側からピニオンギアと噛合する下ラックギアを有している下スライダと、を備えている。
移動アームベース3431は、裏右上可動装飾体3410における基段装飾部3411の第一取付ボスが摺動可能に挿入される上第一スリットと、基段装飾部3411の第二取付ボスが摺動可能に挿入される上第二スリットと、基段装飾部3411の第三取付ボスが摺動可能に挿入される上第三スリットと、を備えている。上第一スリットは、上下方向へ直線状に延びている。上第二スリットは、上第一スリットの上端側を中心として下方へ30度の回転角度で円弧状に延びた後に下方へ直線状に延びている。上第三スリットは、上第一スリットの上端側を中心として下方へ30度の回転角度で円弧状に延びた後に下方へ直線状に延びている。
また、移動アームベース3331は、裏右下可動装飾体3420における基段装飾部3421の第一取付ボスが摺動可能に挿入される下第一スリットと、基段装飾部3421の第二取付ボスが摺動可能に挿入される下第二スリットと、基段装飾部3421の第三取付ボスが摺動可能に挿入される下第三スリットと、を備えている。下第一スリットは、上下方向へ直線状に延びている。下第二スリットは、下第一スリットの上端側を中心として上方へ30度の回転角度で円弧状に延びた後に上方へ直線状に延びている。下第三スリットは、下第一スリットの上端側を中心として上方へ30度の回転角度で円弧状に延びた後に上方へ直線状に延びている。下第一スリット、下第二スリット、及び下第三スリットは、裏右移動駆動モータ3432の回転軸の中心を通る水平線に対して、上第一スリット、上第二スリット、及び上第三スリットと、線対称に形成されている。
上スライダは、上端付近に裏右上可動装飾体3410における基段装飾部3411の第二取付ボスが取付けられる。下スライダは、下端付近に裏右下可動装飾体3420における基段装飾部3421の第二取付ボスが取付けられる。
裏右横行機構3450は、裏箱3010内における開口部3010aよりも右側に取付けられている。裏右横行機構3450は、詳細な図示は省略するが、裏右横行駆動モータ3451と、裏右横行駆動モータ3451の駆動により一端側を中心として回動する棒状の裏右横行アームと、を備えている。裏右横行アームの先端は、裏右移動アーム3430に連結されており、裏右横行駆動モータ3451により裏右横行アームを回動させることで、裏右横行アームを介して裏右移動アーム3430を横行させることができる。
裏右背面装飾板3460は、前面にホログラムシールが貼り付けられている。裏右上装飾体3470は、下辺が裏箱3010の開口部3010aの上縁と略同じ高さに取付けられている。裏右下装飾体3480は、上辺が裏箱3010の開口部3010aの下縁と略同じ高さに取付けられている。裏右背面装飾板3460、裏右上装飾体3470、及び裏右下装飾体3480は、それぞれの前端が、裏箱3010の前端と略同じ位置に取付けられており、後方に配置される裏下演出ユニット3100の裏下移動アーム3130、裏上演出ユニット3200の裏上移動アーム3230等を前方から視認不能に隠すことができる。
また、裏右背面装飾板3460は、遊技盤5に組立てた状態では、遊技パネル1100におけるパネル板1110の後側に位置しており、裏左背面装飾板3360と協働して、パネル板1110に形成されている装飾パターン1150を、遊技者側(前方)から見え易くしている。
続いて、裏右演出ユニット3400の動作について説明する。まず、裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420の動きについて説明する。通常の状態では、裏右上可動装飾体3410の先段装飾部3412及び裏右下可動装飾体3420の先段装飾部3422が、それぞれの基段装飾部3411及び基段装飾部3421と正面視において正三角形を形成する回転位置の状態となっている。この状態で、裏右上可動装飾体3410の裏右上回転駆動モータ3413及び裏右下可動装飾体3420の裏右下回転駆動モータ3423を、それぞれ駆動させると、それぞれの先段装飾部3412及び先段装飾部3422を回転させることができる(図166を参照)。
次に、裏右移動アーム3430に対する裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420の動きについて説明する。裏右上可動装飾体3410は、初期状態では、第一取付ボス、第二取付ボス、及び第三取付ボスが、移動アームベース3431の上第一スリット、上第二スリット、及び上第三スリットのそれぞれの上端に位置している。この状態では、裏右上可動装飾体3410の第一取付ボスと第二取付ボスとが水平に並んでおり、裏右上可動装飾体3410の基辺(右辺)が垂直に延びて先端が左方を向いている。初期状態から、裏右移動駆動モータ3432の駆動によりピニオンギアを所定方向へ回転させて、ピニオンギアと噛合している上ラックギアを介して上スライダを下方へ移動させると、裏右上可動装飾体3410の第二取付ボスが上スライダに取付けられていることから、第二取付ボスが下方へ引っ張られることとなり、裏右上可動装飾体3410が第一取付ボスを中心にして反時計回りの方向へ回動することとなる。
この際に、裏右上可動装飾体3410の第二取付ボスと第三取付ボスとは、移動アームベース3431の上第二スリットと上第三スリットとにおけるそれぞれの円弧状に延びている部位を下方へ摺動する。そして、下方へ移動する上スライダにより第二取付ボスが、上第二スリットにおける円弧状の部位の下端に到達すると、裏右上可動装飾体3410が、第一取付ボスを中心にして反時計回りの方向へ30度回動した状態となり、先端が左下を向いた状態(第二状態)となる(図168を参照)。この状態では、裏右上可動装飾体3410の下側の辺が、水平に延びた状態となる。
上スライダの下方への移動により裏右上可動装飾体3410が反時計回りの方向へ30度回動した状態で、裏右移動駆動モータ3432の駆動により上スライダが更に下方へ移動すると、裏右上可動装飾体3410が、回動したままの姿勢で、下方へ移動することとなる。この際には、裏右上可動装飾体3410の第一取付ボス、第二取付ボス、及び第三取付ボスが、移動アームベース3431の上第一スリット、上第二スリット、及び上第三スリットのそれぞれの内部を、それぞれの下端まで摺動し、下方への移動が停止する。この状態では、裏右上可動装飾体3410の下側の辺が、移動アームベース3431の上下方向の中央に接近した状態(第一状態)となる(図170を参照)。
この状態から、裏右移動駆動モータ3432を逆方向へ駆動してピニオンギアを介して上スライダを上方へ移動させると、第一状態の裏右上可動装飾体3410が上述した動きとは逆の動きをして初期状態に復帰する。
一方、裏右下可動装飾体3420では、初期状態において、第一取付ボス、第二取付ボス、及び第三取付ボスが、移動アームベース3431の下第一スリット、下第二スリット、及び下第三スリットのそれぞれの下端に位置している。この状態では、裏右下可動装飾体3420の第一取付ボスと第二取付ボスとが水平に並んでおり、裏右下可動装飾体3420の基辺(右辺)が垂直に延びて先端が左方を向いている。初期状態から、裏右移動駆動モータ3432の駆動によりピニオンギアを所定方向へ回転させて、ピニオンギアと噛合している下ラックギアを介して下スライダを上方へ移動させると、裏右下可動装飾体3420の第二取付ボスが下スライダに取付けられていることから、第二取付ボスが上方へ引っ張られることとなり、裏右下可動装飾体3420が第一取付ボスを中心にして時計回りの方向へ回動することとなる。
この際に、裏右下可動装飾体3420の第二取付ボスと第三取付ボスとは、移動アームベース3431の下第二スリットと下第三スリットとにおけるそれぞれの円弧状に延びている部位を上方へ摺動する。そして、上方へ移動する下スライダにより第二取付ボスが、下第二スリットにおける円弧状の部位の上端に到達すると、裏右下可動装飾体3420が、第一取付ボスを中心にして時計回りの方向へ30度回動した状態となり、先端が左上を向いた状態(第二状態)となる(図168を参照)。この状態では、裏右下可動装飾体3420の上側の辺が、水平に延びた状態となる。
下スライダの上方への移動により裏右下可動装飾体3420が時計回りの方向へ30度回動した状態で、裏右移動駆動モータ3432の駆動により下スライダが更に上方へ移動すると、裏右下可動装飾体3420が、回動したままの姿勢で、上方へ移動することとなる。この際には、裏右下可動装飾体3420の第一取付ボス、第二取付ボス、及び第三取付ボスが、移動アームベース3431の下第一スリット、下第二スリット、及び下第三スリットのそれぞれの内部を、それぞれの上端まで摺動し、上方への移動が停止する。この状態では、裏右下可動装飾体3420の上側の辺が、移動アームベース3431の上下方向の中央に接近した状態(第一状態)となる(図170を参照)。
この状態から、裏右移動駆動モータ3432を逆方向へ駆動してピニオンギアを介して下スライダを下方へ移動させると、第一状態の裏右下可動装飾体3420が上述した動きとは逆の動きをして初期状態に復帰する。
裏右移動駆動モータ3432により回転させられるピニオンギアを間にして、上スライダの上ラックギアと下スライダの下ラックギアとが、それぞれピニオンギアに噛合していることから、裏右移動駆動モータ3432によりピニオンギアを回転させると、上スライダと下スライダとが互いに上下の異なる方向へ移動する。これにより、裏右移動駆動モータ3432による裏右上可動装飾体3410と裏右下可動装飾体3420の動きは、同時に行われる。したがって、初期状態から裏右移動駆動モータ3432を駆動させると、上下に離隔し先端が左方を向いている裏右上可動装飾体3410と裏右下可動装飾体3420とが、それぞれの先端が互いに接近する方向へ回動して第二状態となった上で、互いに全体が接近する方向へ移動して第一状態となる動きをする。
次に、裏右演出ユニット3400における裏右移動アーム3430の動きについて説明する。裏右移動アーム3430は、初期状態では、裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420を取付けている部位が、右方への移動端に位置している。この状態では、裏右移動アーム3430が、正面視において演出表示装置1600よりも右側に位置している。この状態で、裏右横行機構3450の裏右横行駆動モータ3451により裏右横行アームを正面視において時計回りの方向へ回動させると、裏右横行アームにより裏右移動アーム3430を左方の移動端まで移動させることができる。裏右移動アーム3430が左方の移動端へ位置している状態(第一状態)では、裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420を取付けている部位が、演出表示装置1600の左右方向の幅に対して右端側から左方へ約1/3の距離に位置している(図170を参照)。
裏右移動アーム3430は、詳細な図示は省略するが、上端が左方へ延びた形状に形成されており、その左端が、左方の移動端に位置した第一状態では、裏下演出ユニット3100及び裏上演出ユニット3200の裏下可動装飾体3110及び裏上可動装飾体3210の左右方向の中央に位置している。
裏右移動アーム3430は、右方の移動端である初期状態の位置と、左方の移動端である第一状態の位置との間で、裏右横行機構3450により移動することができる。本実施形態では、初期状態の位置と第一状態の位置との間の全体の移動距離に対して、初期状態の位置から左方へ約2/3の距離を移動した、第二状態の位置が設定されている(図169を参照)。
この裏右演出ユニット3400は、通常の状態では、裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420が、初期状態となっており、上下方向へ所定の間隔をあけて並んでいると共に、それぞれの基段装飾部3411及び基段装飾部3421の基辺が、垂直に延びた状態となって、それぞれの先端が左方を向いている。また、通常の状態では、裏右横行機構3450により裏右移動アーム3430が初期状態である右方の移動端に位置している。
この通常の状態では、初期状態である裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420の基辺が、裏箱3010内の右端付近に位置しており、それぞれの基段装飾部3411及び基段装飾部3421が演出表示装置1600の右端付近に位置し、それぞれの先段装飾部3412及び先段装飾部3422が演出表示装置1600の前方に位置している。本実施形態において、通常の状態では、裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420と、裏右移動アーム3430とを、それぞれ初期状態とした待機位置の状態となっている(図135等を参照)。
なお、裏右移動アーム3430は、上端が左方へ延びた形状に形成されているため、裏右移動アーム3430を第二状態の位置から左方の移動端(第一状態の位置)へ移動させると、待機位置の裏上可動装飾体3210に当接する。したがって、裏右移動アーム3430を左方の移動端(第二状態)へ移動させる場合は、裏上可動装飾体3210を待機位置から下方へ移動させておく必要がある。また、裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420を左方へ向けた状態(初期状態)で、裏右移動アーム3430を左方の移動端へ移動させると、裏右上可動装飾体3410の先端が、待機位置から下方へ移動させた裏上可動装飾体3210に当接する。したがって、裏右上可動装飾体3410を、先端が左下を向くように第一状態の位置、又は第二状態の位置へ移動させておく必要がある。
また、裏右移動アーム3430が初期状態の位置では、裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420の基辺が、裏箱3010内の右端付近に位置していることから、裏右移動駆動モータ3432により初期状態の裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420を、第二状態となるようにそれぞれを回動させると、それぞれの基辺が裏箱3010内の右側面に当接する。したがって、裏右移動駆動モータ3432により裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420を、初期状態から第二状態側へ回動させる場合は、裏右移動アーム3430を初期状態の位置から左方へ移動させておく必要がある。
裏右演出ユニット3400では、裏右上可動装飾体3410の裏右上基段装飾基板と裏右上先段装飾基板、及び裏右下可動装飾体3420の裏右下基段装飾基板と裏右下先段装飾基板に、それぞれ実装されているLEDを適宜発光させることで、裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420を発光装飾させることができる。
本実施形態では、裏右上可動装飾体3410と裏右下可動装飾体3420、及び裏右移動アーム3430が、それぞれ初期状態に位置している時の裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420の位置を待機位置としている。また、裏右上可動装飾体3410と裏右下可動装飾体3420、及び裏右移動アーム3430が、それぞれ第一状態に位置している時の裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420の位置を第一合体位置としている。更に、裏右上可動装飾体3410と裏右下可動装飾体3420、及び裏右移動アーム3430が、それぞれ第二状態に位置している時の裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420の位置を第二合体位置としている。
[5−10.遊技盤における演出]
次に、遊技盤5における主な可動演出について、主に図165乃至図171等を参照して詳細に説明する。図165は、通常の状態から裏下演出ユニットの裏下可動装飾体を待機位置から上昇させて裏下移動アームを裏左演出ユニットの裏左下可動装飾体及び裏右演出ユニットの裏右下可動装飾体と同じ高さとすると共に、裏上演出ユニットの裏上可動装飾体を待機位置から下降させて裏上移動アームを裏左演出ユニットの裏左上可動装飾体及び裏右演出ユニットの裏右上可動装飾体と同じ高さとした状態で示す遊技盤の正面図である。図166は、図165の状態において裏下可動装飾体、裏上可動装飾体、裏左上可動装飾体、裏左下可動装飾体、裏右上可動装飾体、及び裏右下可動装飾体を回転させている状態を示す遊技盤の正面図である。
また、図167は、通常の状態から裏左演出ユニットの裏左移動アーム及び裏右演出ユニットの裏右移動アームを第二状態に移動させた状態を示す遊技盤の正面図である。図168は、図167の状態から、裏左上可動装飾体、裏左下可動装飾体、裏右上可動装飾体、及び裏右下可動装飾体を第二状態に移動させた状態を示す遊技盤の正面図である。図169は、通常の状態から裏左移動アームを右方へ及び裏右移動アームを左方へそれぞれ移動させると共に、裏左上可動装飾体と裏右下可動装飾体、及び裏左下可動装飾体と裏右上可動装飾体を、互いに向き合うように回動させた上で、演出表示装置に演出画像を表示させた状態を示す遊技盤の正面図である。図170は、通常の状態から裏下可動装飾体、裏上可動装飾体、裏左上可動装飾体、裏左下可動装飾体、裏右上可動装飾体、及び裏右下可動装飾体を第二合体位置へ移動させた状態を示す遊技盤の正面図である。図171は、図170の状態から裏下可動装飾体、裏上可動装飾体、裏左上可動装飾体、裏左下可動装飾体、裏右上可動装飾体、及び裏右下可動装飾体を第一合体位置へ移動させた状態を示す遊技盤の正面図である。
遊技盤5は、遊技領域5aの後端を区画している遊技パネル1100のパネル板1110、始動口ユニット2100、サイドユニット、2200、サイドスロープ2300、アタッカユニット2400、及びセンター役物2500等が、略全体的に透明に形成されていることから、通常の状態では、図135等に示すように、それらを通して、遊技パネル1100の後方に配置されている演出表示装置1600に表示されている演出画像、裏ユニット3000における裏下演出ユニット3100の裏下可動装飾体3110、裏上演出ユニット3200の裏上可動装飾体3210、裏左演出ユニット3300の裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏左背面装飾板3360、裏左上装飾体3370、裏左下装飾体3380、裏右演出ユニット3400の裏右上可動装飾体3410、裏右下可動装飾体3420、裏右背面装飾板3460、裏右上装飾体3470、及び裏右下装飾体3480、等を良好に視認することができる。
通常の状態では、図135等の示すように、裏下演出ユニット3100の裏下可動装飾体3110が、待機位置の状態となっており、裏左演出ユニット3300の裏左下装飾体3380と、裏右演出ユニット3400の裏右下装飾体3480との間から前方へ臨んでいる。また、通常の状態では、裏上演出ユニット3200の裏上可動装飾体3210が、待機位置の状態となっており、裏左演出ユニット3300の裏左上装飾体3370と、裏右演出ユニット3400の裏右上装飾体3470との間から前方へ臨んでいる。また、通常の状態では、裏左演出ユニット3300の裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320が、待機位置の状態となっており、先端を右方へ向けて上下に離間して並んでいる。更に、通常の状態では、裏右演出ユニット3400の裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420が、待機位置の状態となっており、先端を左方へ向けて上下に離間して並んでいる。
この通常の状態では、裏下可動装飾体3110及び裏上可動装飾体3210が、遊技領域5aの左右方向中央に対して左寄りの位置で演出表示装置1600の上下両端側において互いに上下対称に配置されていると共に、裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320と、裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420とが、遊技領域5aの上下方向中央に対して上寄りの位置を中心に上下に列設されていると共に、演出表示装置1600の左右両端側において互いに左右対称に配置されている。したがって、通常の状態では、演出表示装置1600に表示されている演出画像を、遊技者側(前方)から良好な状態で視認することができる。
遊技盤5は、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選される第一特別抽選結果や第二特別抽選結果に応じて、裏ユニット3000の裏下演出ユニット3100の裏下可動装飾体3110、裏上演出ユニット3200の裏上可動装飾体3210、裏左演出ユニット3300の裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320、裏右演出ユニット3400の裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420が、所定の可動演出を行う。
具体的には、裏下演出ユニット3100及び裏上演出ユニット3200を用いた可動演出としては、例えば、図165に示すように、通常の状態から、裏下昇降機構3150により裏下移動アーム3130を、裏左下可動装飾体3320及び裏右下可動装飾体3420のそれぞれ左右方向中央側を向いている先端(頂点)と同じ高さに移動させると共に、裏上昇降機構3250により裏上移動アーム3230を、裏左上可動装飾体3310及び裏右上可動装飾体3410のそれぞれ左右方向中央側を向いている先端(頂点)と同じ高さに移動させる。これにより、裏下可動装飾体3110と裏上可動装飾体3210とが、演出表示装置1600の演出画像を遮って演出表示装置1600の前方に位置するため、遊技者に裏下可動装飾体3110及び裏上可動装飾体3210の移動に気付かせることができる。また、裏左下可動装飾体3320と裏右下可動装飾体3420と裏下可動装飾体3110とが裏下移動アーム3130により、裏左上可動装飾体3310と裏右上可動装飾体3410と裏上可動装飾体3210とが裏上移動アーム3230により、それぞれ繋げられているように見せることができ、遊技者に対して楽しいことが起きるような予感を想起させることができる。
そして、図166に示すように、裏下回転駆動モータ3112により裏下可動装飾体3110の後段装飾部3116と中段装飾部3118とを、裏上回転駆動モータ3212により裏上可動装飾体3210の後段装飾部3216と中段装飾部3218とを、裏左上回転駆動モータ3313及び裏左下回転駆動モータ3323により裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312及び裏左下可動装飾体3320の先段装飾部3322を、裏右上回転駆動モータ3413及び裏右下回転駆動モータ3423により裏右上可動装飾体3410の先段装飾部3412及び裏右下可動装飾体3420の先段装飾部3422を、それぞれ回転させる。これにより、遊技領域5a内をにぎやかな感じにすることができ、遊技者を楽しませることができる。
この際に、裏下移動アーム3130及び裏上移動アーム3230に列設されている複数のLEDを、左右方向の中央側へ流れるように点灯・点滅・消灯させると、左右の裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420から、裏上可動装飾体3210や裏下可動装飾体3110へエネルギーが注入されて回転しているような演出を遊技者に見せることができる。一方、裏下移動アーム3130及び裏上移動アーム3230に列設されている複数のLEDを、左右方向の外側へ流れるように点灯・点滅・消灯させると、裏上可動装飾体3210や裏下可動装飾体3110からエネルギーが放出されて、左右の裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420が回転しているような演出を遊技者に見せることができる。このような演出により、遊技者に対して、期待値が高まりつつあるような気分にさせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
また、裏左演出ユニット3300及び裏右演出ユニット3400を用いた可動演出としては、例えば、図167に示すように、通常の状態から、裏左横行機構3350により裏左移動アーム3330を第二状態の位置へ移動させると共に、裏右横行機構3450に裏右移動アーム3430を第二状態の位置へ移動させる。これにより、裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320と、裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420とが、互いに向き合ったままの状態で、左右方向の中央側へ移動して接近することとなり、演出表示装置1600の演出画像を遮って演出表示装置1600の前方に位置するため、遊技者に裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320と、裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420の移動に気付かせることができ、それらの動きを楽しませることができる。
そして、図167の状態から、図168に示すように、裏左移動駆動モータ3332により裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320を初期状態から第二状態へ移動させると共に、裏右移動駆動モータ3432により裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420を初期状態から第二状態へ移動させる。これにより、裏左上可動装飾体3310の先端と裏右下可動装飾体3420の先端とが、裏左下可動装飾体3320の先端と裏右上可動装飾体3410の先端とが、それぞれ互いに向き合った状態となるため、遊技者に対して何か良いことが起こるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。この際に、裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312、裏左下可動装飾体3320の先段装飾部3322、裏右上可動装飾体3410の先段装飾部3412、裏右下可動装飾体3420の先段装飾部3422を、それぞれ回転させるようにしても良いし、演出表示装置1600に、それぞれの先端同士を結ぶような演出画像を表示させるようにしても良い。
また、裏左演出ユニット3300及び裏右演出ユニット3400を用いた可動演出としては、図169に示すように、通常の状態から、裏左移動アーム3330を右方へ及び裏右移動アーム3430を左方へそれぞれ移動させると共に、裏左上可動装飾体3310と裏右下可動装飾体3420、及び裏左下可動装飾体3320と裏右上可動装飾体3410を、初期状態から互いに向き合うように回動させた上で、演出表示装置1600にそれぞれの先端同士を結ぶような演出画像を表示させる。これにより、互いに向き合っている裏左上可動装飾体3310と裏右下可動装飾体3420、及び裏左下可動装飾体3320と裏右上可動装飾体3410を繋ぐように、「X」状の演出画像が表示されることとなるため、遊技者に対して何か良いことが起こるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。この際に、裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312、裏左下可動装飾体3320の先段装飾部3322、裏右上可動装飾体3410の先段装飾部3412、裏右下可動装飾体3420の先段装飾部3422を、それぞれ回転させるようにしても良い。
更に、裏下演出ユニット3100、裏上演出ユニット3200、裏左演出ユニット3300、及び裏右演出ユニット3400を用いた可動演出としては、例えば、図170に示すように、通常の状態から、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420を、第二合体位置へ移動させる。これにより、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420が、一定の間隔をあけて六角形の周上に集合するように並んだ状態となるため、遊技者に対してインパクトを与えることができ、遊技者が有利となる有利遊技状態(例えば、「大当り遊技」)が発生するのではないかと思わせることができる。
なお、通常の状態から、図170のような第二合体位置の状態とする際に、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420を、それぞれ一斉に第二合体位置へ移動させるようにしても良い。あるいは、適宜の順番で第二合体位置へ移動させるようにしても良く、第二合体位置へ順番に移動することで、それぞれの移動において、第二合体位置へ移動するか否かによって遊技者をドキドキ・ワクワクさせることができると共に、多彩な可動演出を行うことができ、遊技者を飽きさせ難くすることができる。
そして、図170の状態から、図171に示すように、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420を、第一合体位置へ移動させる。これにより、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420が、密に集合して一つの六角形の大きな装飾を形成することができるため、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果が「大当り」であると確信させて遊技に対する興趣を高めさせることができる。
なお、図171のような第一合体位置の状態とする際に、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420を、第二合体位置から、あるいは、通常の待機位置から、それぞれ一斉に第一合体位置へ移動させるようにしても良い。あるいは、適宜の順番で第一合体位置へ移動させるようにしても良く、第一合体位置へ順番に移動することで、それぞれの移動において、第一合体位置へ移動するか否かによって遊技者をドキドキ・ワクワクさせることができると共に、多彩な可動演出を行うことができ、遊技者を飽きさせ難くすることができる。
続いて、遊技盤5における主な発光演出について、主に図172乃至図176等を参照して詳細に説明する。図172は、表演出ユニットの導光板において第一絵柄を発光装飾させた状態で示す遊技盤の正面図である。図173は、遊技パネルの装飾パターンと表演出ユニットの導光板における第一絵柄とを発光させる演出例を示すタイミング図である。
図174は、表演出ユニットの導光板において第二絵柄を発光装飾させた状態で示す遊技盤の正面図である。図175は、遊技パネルの装飾パターンと表演出ユニットの導光板における第二絵柄とを発光させる演出例を示すタイミング図である。図176は、図172及び図174とは異なる実施形態の表演出ユニットの第二絵柄を発光装飾させた状態で示す遊技盤の正面図である。遊技盤5は、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選される第一特別抽選結果や第二特別抽選結果に応じて、遊技パネル1100や、表ユニット2000の表演出ユニット2600が、所定の発光演出を行う。
具体的には、遊技パネル1100を用いた発光演出として、パネル装飾基板1130のパネル装飾用LED1130aの発光により、パネル板1110の装飾パターン1150を発光装飾させる。これにより、遊技領域5a内における遊技球Bが流通する領域の後側に、複数の正三角形の輪郭からなる幾何学模様の絵柄が発光装飾されるため、これまでのパチンコ機では見られなかった発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませることができる。
また、表ユニット2000の表演出ユニット2600を用いた発光演出としては、例えば、図172に示すように、導光板2601の上側に配置された第一絵柄用装飾基板2612に実装されている複数のLED2611のうち、第一LED2611aを発光させて、第一絵柄2610の一部を構成している第一絵柄部2610aのみを発光装飾させる。
これにより、演出表示装置1600の前方に遊技パネル1100(パネル板1110)の装飾パターン1150と似たような複数の正三角形の絵柄が表示されるため、遊技者に対して何か起こるのではないかと思わせることができる。また、第一絵柄用装飾基板2612の第二LED2611bを発光させて、第一絵柄2610の一部を構成している第二絵柄部2610bのみを発光装飾させる。これにより、演出表示装置1600の前方に遊技パネル1100(パネル板1110)の装飾パターン1150と似ており、第一絵柄部2610aとは異なる大きさの複数の正三角形の絵柄が表示されるため、遊技者に対して何か起こるのではないかと思わせることができる。
また、第一絵柄用装飾基板2612の第三LED2611cを発光させて、第一絵柄2610の一部を構成している第三絵柄部2610cのみを発光装飾させる。これにより、演出表示装置1600の前方に遊技パネル1100(パネル板1110)の装飾パターン1150と似ており、第一絵柄部2610aや第二絵柄部2610bとは異なる大きさの複数の正三角形の絵柄が表示されるため、遊技者に対して何か起こるのではないかと思わせることができる。更に、第一絵柄用装飾基板2612の第四LED2611dを発光させて、第一絵柄2610の一部を構成している第四絵柄部2610dのみを発光装飾させる。これにより、演出表示装置1600の前方に遊技パネル1100(パネル板1110)の装飾パターン1150と似ており、第一絵柄部2610a、第二絵柄部2610b、及び第三絵柄部2610cとは異なる大きさの複数の正三角形の絵柄が表示されるため、遊技者に対して何か起こるのではないかと思わせることができる。
更に、第一絵柄用装飾基板2612において、第一LED2611a、第二LED2611b、第三LED2611c、第四LED2611d、の順番に繰返し発光させて、第一絵柄部2610a、第二絵柄部2610b、第三絵柄部2610c、第四絵柄部2610d、の順番に繰返して発光装飾させる。これにより、第一絵柄2610において、大三角形の絵柄の部位では、第一絵柄部2610a、第二絵柄部2610b、第三絵柄部2610c、第四絵柄部2610d、第一絵柄部2610a、第二絵柄部2610b、第三絵柄部2610c、が遊技領域5aの中心側へ偏芯して重ね合わされており、小三角形の絵柄の部位では、第一絵柄部2610a、第二絵柄部2610b、第三絵柄部2610c、第四絵柄部2610d、の順番で同心円状に中心へ向かって配されていることから、外側から中心へ向かって移動するような動きのあるアニメーションのような発光演出を見せることができ、遊技者を驚かせて楽しませることができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技者の遊技に対する期待感を高めさせることができる。
また、第四LED2611d、第三LED2611c、第二LED2611b、第一LED2611a、の順番に繰返し発光させて、第四絵柄部2610d、第三絵柄部2610c、第二絵柄部2610b、第一絵柄部2610aの順番に繰返して発光装飾させる。
これにより、中心側から外側へ向かって移動するような動きのあるアニメーションのような発光演出を遊技者に見せることができるため、遊技者を驚かせて楽しませることができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技者の遊技に対する期待感を高めさせることができる。
なお、第一LED2611a、第二LED2611b、第三LED2611c、第四LED2611d、を発光させる際に、互いに異なる色で発光させるようにしても良い。これにより、虹色に変化する発光装飾を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませることができると共に、第一絵柄部2610a、第二絵柄部2610b、第三絵柄部2610c、第四絵柄部2610d、の切換わりが判り易くなり、アニメーション効果をより強く発揮させることができる。
なお、第一絵柄2610において、第一絵柄部2610a、第二絵柄部2610b、第三絵柄部2610c、第四絵柄部2610d、を同時に発光装飾させた後に、第一絵柄部2610a、第二絵柄部2610b、第三絵柄部2610c、第四絵柄部2610d、を順番に発光装飾させるようにしても良い。これにより、当初は、静止した第一絵柄2610が発光表示されることで、遊技者に対して、従来の導光板による発光装飾であると思わせることができ、その後に、第一絵柄2610がアニメーションのように動くことで、遊技者を大いに驚かせることができ、導光板2601による演出効果をより高めることができる。
図173に遊技パネル1100の装飾パターン1150と導光板2601の第一絵柄2610との発光装飾を実行する演出例のタイミング図を示す。この例では、演出表示装置1600で図柄(装飾図柄)を変動表示させる等の変動演出が開始された後、周辺制御基板1510はタイミングt1になると裏左上先段装飾基板3311aに実装されて裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3311aaと、裏左下先段装飾基板3321aに実装されて裏左下可動装飾体3320の先段装飾部3322を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3321aaと、裏右上先段装飾基板3411aに実装されて裏右上可動装飾体3410の先段装飾部3412を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3411aaと、裏右下先段装飾基板3421aに実装されて裏右下可動装飾体3420の先段装飾部3422を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3421aaと、を同一の発光色(例えば赤色。なお、大当り期待度に応じて発光色を異ならせるようにしてもよく、青色の発光色で発光された場合よりも赤色の発光色で発光された場合に大当りの演出結果が導出表示される確率を高めるようにしてもよい。)で発光させる。
このとき、裏左上先段装飾基板3311aに実装されて裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3311aaと、裏左下先段装飾基板3321aに実装されて裏左下可動装飾体3320の先段装飾部3322を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3321aaと、裏右上先段装飾基板3411aに実装されて裏右上可動装飾体3410の先段装飾部3412を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3411aaと、裏右下先段装飾基板3421aに実装されて裏右下可動装飾体3420の先段装飾部3422を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3421aaと、の発光によって遊技パネル1100の装飾パターン1150が発光装飾される。
次いで、周辺制御基板1510はタイミングt2になると裏左上先段装飾基板3311aに実装されて裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3311aaと、裏左下先段装飾基板3321aに実装されて裏左下可動装飾体3320の先段装飾部3322を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3321aaと、裏右上先段装飾基板3411aに実装されて裏右上可動装飾体3410の先段装飾部3412を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3411aaと、裏右下先段装飾基板3421aに実装されて裏右下可動装飾体3420の先段装飾部3422を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3421aaと、を全て消灯させる。
その後、周辺制御基板1510はタイミングt3になると裏左上先段装飾基板3311aに実装されて裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3311aaを発光させ、タイミングt4になると裏左上先段装飾基板3311aに実装されて裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3311aaを消灯させる一方、裏左下先段装飾基板3321aに実装されて裏左下可動装飾体3320の先段装飾部3322を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3321aaを発光させ、タイミングt5になると裏左下先段装飾基板3321aに実装されて裏左下可動装飾体3320の先段装飾部3322を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3321aaを消灯させる一方、裏右下先段装飾基板3421aに実装されて裏右下可動装飾体3420の先段装飾部3422を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3421aaを発光させ、タイミングt6になると裏右下先段装飾基板3421aに実装されて裏右下可動装飾体3420の先段装飾部3422を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3421aaを消灯させる一方、裏右上先段装飾基板3411aに実装されて裏右上可動装飾体3410の先段装飾部3412を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3411aaを発光させ、タイミングt7になると裏右上先段装飾基板3411aに実装されて裏右上可動装飾体3410の先段装飾部3412を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3411aaを消灯させる。
さらに、周辺制御基板1510はタイミングt7〜t11で上記タイミングt3〜t7と同様の制御を行う。これにより、裏左上先段装飾基板3311aに実装されて裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3311aa、裏左下先段装飾基板3321aに実装されて裏左下可動装飾体3320の先段装飾部3322を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3321aa、裏右下先段装飾基板3421aに実装されて裏右下可動装飾体3420の先段装飾部3422を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3421aa、裏右上先段装飾基板3411aに実装されて裏右上可動装飾体3410の先段装飾部3412を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3411aa、の順に発光状態を移動させる回転発光制御が2回行われるようになる。
つまり、裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312、裏左下可動装飾体3320の先段装飾部3322、裏右下可動装飾体3420の先段装飾部3422、及び裏右上可動装飾体3410の先段装飾部3412、の順に光が回転する態様を2回実行する。この発光状態(LED3311aa,3321aa,3411aa,3421aaのうちの発光されているLED)の移動に同期して遊技パネル1100の装飾パターン1150のうち発光状態に対応する領域が発光装飾されて、遊技パネル1100の装飾パターン1150の発光装飾が左上、左下、右下、右上、の順に移動し、遊技パネル1100の装飾パターン1150の発光装飾が回転するようになっている。
周辺制御基板1510はタイミングt11になると、つまりLED3311aa,3321aa,3411aa,3421aaの回転発光制御を2回実行すると、これら全てを消灯して遊技パネル1100の装飾パターン1150の発光装飾を消失させ、所定の有効期間内に演出操作部301が操作されたことに基づくタイミングt12でパネルホルダ1120の正面視左上隅に配置される左上パネル装飾基板1131に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aと、パネルホルダ1120の正面視左下隅に配置される左下パネル装飾基板1132に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aと、を発光させるとともに、裏右上先段装飾基板3411aに実装されて裏右上可動装飾体3410の先段装飾部3412を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3411aaと、裏右下先段装飾基板3421aに実装されて裏右下可動装飾体3420の先段装飾部3422を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3421aaと、を所定の発光色(例えば赤色。なお、大当り期待度に応じて発光色を異ならせるようにしてもよく、青色の発光色で発光された場合よりも赤色の発光色で発光された場合に大当りの演出結果が導出表示される確率を高めるようにしてもよい。)で発光させ、タイミングt14で変動演出の結果を表示した後(全ての装飾図柄を停止表示(確定停止に限らず仮停止でもよい)した後)に消灯させる。
これにより、遊技パネル1100の装飾パターン1150が発光装飾されるようになる。また、この例では遊技パネル1100の装飾パターン1150を所定の発光色で発光装飾させる場合にパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aを所定の発光色で発光させるだけでなく、裏右上先段装飾基板3411aに実装されて裏右上可動装飾体3410の先段装飾部3412を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3411aaと、裏右下先段装飾基板3421aに実装されて裏右下可動装飾体3420の先段装飾部3422を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3421aaと、を複数のパネル装飾用LED1130aの発光に同期して複数のパネル装飾用LED1130aの発光色と同一の発光色で発光させることにより、遊技パネル1100の複数のパネル装飾用LED1130aから遠かったり、複数のパネル装飾用LED1130aからの発光が届きにくかったりする部分へ補助光を入射して複数のパネル装飾用LED1130aから遠い位置や複数のパネル装飾用LED1130aからの発光が届きにくい位置(この例ではセンター役物2500の右側領域、なお複数のパネル装飾用LED1130aに近い位置であっても複数のパネル装飾用LED1130aとの間に切欠きや貫通孔等が形成されて複数のパネル装飾用LED1130aからの発光が届きにくい位置であるものを含む)に施される装飾パターン1150による発光装飾を補助し、遊技パネル1100の装飾パターン1150をほぼ均一に発光装飾させることができるようになっている。
このように、本例のパチンコ機1では他の発光演出(裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420の可動時の発光演出等)で用いられる裏右上先段装飾基板3411aに実装されて裏右上可動装飾体3410の先段装飾部3412を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3411aaと、裏右下先段装飾基板3421aに実装されて裏右下可動装飾体3420の先段装飾部3422を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3421aaと、を遊技パネル1100の装飾パターン1150の発光装飾を補助する補助発光手段として用いて、遊技パネル1100の装飾パターン1150を発光装飾させる専用の複数のパネル装飾用LED1130aの発光に同期して複数のパネル装飾用LED1130aの発光色と同一の発光色で発光させている。そのため、複数のパネル装飾用LED1130aを発光させて遊技パネル1100の装飾パターン1150を発光装飾させるときには、複数のパネル装飾用LED1130aの発光に同期して複数のパネル装飾用LED1130aの発光色と同一の発光色で裏右上先段装飾基板3411aに実装されて裏右上可動装飾体3410の先段装飾部3412を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3411aaと、裏右下先段装飾基板3421aに実装されて裏右下可動装飾体3420の先段装飾部3422を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3421aaと、が遊技パネル1100の装飾パターン1150の発光装飾を補助する部分の後方の待機位置で発光されて複数のパネル装飾用LED1130aの発光を補助するため、遊技パネル1100の装飾パターン1150を発光装飾させる専用の発光手段である複数のパネル装飾用LED1130aの設置数を低減して遊技機の製造コストを抑えつつ、遊技パネル1100の装飾パターン1150のほぼ均一な発光装飾を実現できる。
なお、遊技パネル1100の装飾パターン1150を特定態様で発光装飾させる場合に、遊技パネル1100の装飾パターン1150を発光装飾させる専用の発光手段の発光に同期して該発光手段の発光色と同一の発光色で補助発光手段を発光させるようにしてもよい。また、特定態様は所定の発光色(例えば赤色)としてもよいし、所定の点灯パターンとしてもよい。また、本例では裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420の可動時の発光演出等)で用いられる裏右上先段装飾基板3411aに実装されて裏右上可動装飾体3410の先段装飾部3412を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3411aaと、裏右下先段装飾基板3421aに実装されて裏右下可動装飾体3420の先段装飾部3422を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3421aaと、の複数の発光手段を補助発光手段として用いるように構成したが、遊技パネル1100の装飾パターン1150を発光装飾させる専用の発光手段からの距離や該専用の発光手段からの発光の届き難さ、補助光を照射する範囲などに応じて補助発光手段の個数は適宜決定される。例えば、補助光を照射する範囲が狭い場合には他の演出で用いられる発光手段のうち一つの発光手段を補助発光手段として設定するようにしてもよい。また、上記した例では可動される部材に設けられる発光部材としてのLEDを用いたが、これに限らず所定の位置に固定されて可動しない部材に設けられる発光部材を(補助光を照射したり装飾パターン1150を部分的に強調させるための発光部材として)用いるようにしてもよい。この場合には位置が変化しないため、常に一定の光を遊技パネル1100に照射させることができ、発光装飾を安定した輝度で行うことが可能になる。また、これらの発光部材(補助光を照射したり装飾パターン1150を部分的に強調させるための発光部材)は少なくとも遊技パネル1100の装飾パターン1150の形成される領域に光を照射可能なものであればよく、サイドビュータイプとトップビュータイプといずれのタイプのLEDを用いるようにしてもよい。
なお、遊技パネル1100の装飾パターン1150を発光装飾させる専用の発光手段は、補助発光手段よりも高輝度のLEDを用いるようにしてもよい。これにより、補助発光手段の輝度が高過ぎることで遊技パネル1100の装飾パターン1150の発光装飾よりも補助発光手段の発光が目立ってしまうことを抑止できる。
また、所定の有効期間内に演出操作部301が操作されたことに基づいて第一絵柄用装飾基板2612に実装される第一LED2611a、第二LED2611b、第三LED2611c、及び第四LED2611dを、遊技パネル1100の装飾パターン1150を発光装飾する複数のパネル装飾用LED1130a及びLED3411aa,3421aaと同一の発光色で発光して第一絵柄2610における第一絵柄部2610a、第二絵柄部2610b、第三絵柄部2610c、及び第四絵柄部2610dを同時に発光装飾させる。これにより、演出表示装置1600の前方の導光板2601に遊技パネル1100(パネル板1110)の装飾パターン1150と似たような複数の正三角形の絵柄と、第一絵柄部2610aとは異なる大きさの複数の正三角形の絵柄と、遊技パネル1100(パネル板1110)の装飾パターン1150と似ており、第一絵柄部2610aや第二絵柄部2610bとは異なる大きさの複数の正三角形の絵柄と、遊技パネル1100(パネル板1110)の装飾パターン1150と似ており、第一絵柄部2610a、第二絵柄部2610b、及び第三絵柄部2610cとは異なる大きさの複数の正三角形の絵柄と、が表示されるため、演出表示装置1600の周囲の遊技パネル1100と演出表示装置1600の前方の導光板2601との広範囲に亘って関連する発光装飾を実行することができ、遊技者に対して何か起こるのではないかと思わせることができる。
また、第一絵柄用装飾基板2612に実装されて導光板2601の第一絵柄2610を発光装飾する第一LED2611a、第二LED2611b、第三LED2611c、及び第四LED2611dは、変動演出の結果を表示する前(全ての装飾図柄を停止表示(確定停止に限らず仮停止でもよい)する前)に消灯される。このように、遊技者が最も注目する変動演出の結果を表示するときには第一絵柄用装飾基板2612に実装されて導光板2601の第一絵柄2610を発光装飾する第一LED2611a、第二LED2611b、第三LED2611c、及び第四LED2611dを消灯するため、導光板2601における第一絵柄2610の発光装飾によって演出表示装置1600の表示内容が視認困難になることを防止できる。一方で、遊技パネル1100の装飾パターン1150を発光装飾するLED1130a、3411aa、3421aaは変動演出の結果を表示した後(全ての装飾図柄を停止表示(確定停止に限らず仮停止でもよい)した後)に消灯されるため、導光板2601における第一絵柄2610の発光装飾を停止しても導光板2601の第一絵柄2610よりも広範囲に亘って形成される遊技パネル1100の装飾パターンの発光装飾を継続でき、演出効果の低下及び遊技興趣の低下を抑止できる。
なお、パネルホルダ1120の正面視左上隅に配置される左上パネル装飾基板1131に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aと、パネルホルダ1120の正面視左下隅に配置される左下パネル装飾基板1132に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aと、裏右上先段装飾基板3411aに実装されて裏右上可動装飾体3410の先段装飾部3412を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3411aaと、裏右下先段装飾基板3421aに実装されて裏右下可動装飾体3420の先段装飾部3422を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3421aaと、を消灯させるタイミングは上記したものに限られるものではなく、第一絵柄2610用の複数のLED2611の消灯以降であって次の変動演出が実行される以前のタイミング(例えば変動演出の結果を表示してから所定期間(例えば3秒)が経過したタイミングや、変動演出の演出結果の導出表示後(確定停止後)に主制御基板1310からコマンド(次の変動演出の開始を指示する変動パターンコマンドや、客待ちデモンストレーションの実行を指示するコマンド等)を受信したタイミング)で消灯させるようにしてもよい。また、演出表示装置1600で実行される変動演出においてリーチとなってリーチ演出が開始される以前に導光板2601を消灯させるようにしてもよく、この場合には導光板2601の発光装飾によってリーチ演出の視認を妨害しないようにすることができる一方で、リーチ後にも遊技パネル1100の発光装飾が継続されるため、演出効果の低下及び遊技興趣の低下を抑止できる。
また、少なくともパネルホルダ1120の正面視左上隅に配置される左上パネル装飾基板1131に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aと、パネルホルダ1120の正面視左下隅に配置される左下パネル装飾基板1132に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aと、については複数回の変動演出に亘って発光されるようにしてもよい。例えば、通常状態ではパネルホルダ1120の正面視左上隅に配置される左上パネル装飾基板1131に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aと、パネルホルダ1120の正面視左下隅に配置される左下パネル装飾基板1132に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aと、を青色に発光させて遊技パネル1100の装飾パターン1150を青色に発光装飾することで遊技領域5aを青色に発光装飾し、時短状態ではパネルホルダ1120の正面視左上隅に配置される左上パネル装飾基板1131に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aと、パネルホルダ1120の正面視左下隅に配置される左下パネル装飾基板1132に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aと、を赤色に発光させて遊技パネル1100の装飾パターン1150を赤色に発光装飾することで遊技領域5aを赤色に発光装飾するようにしてもよい。これにより、遊技者に有利な状態であることを遊技パネル1100の発光装飾によって報知でき、有利な状態が実行されていることを認識した遊技者の遊技興趣を向上させることができる。
また、左打ちの遊技が推奨される状態ではパネルホルダ1120の正面視左上隅に配置される左上パネル装飾基板1131に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aと、パネルホルダ1120の正面視左下隅に配置される左下パネル装飾基板1132に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aと、を青色で発光装飾させて遊技パネル1100の装飾パターン1150を青色に発光装飾することで遊技領域5aを青色に発光装飾し、右打ちの遊技が推奨される状態ではパネルホルダ1120の正面視左上隅に配置される左上パネル装飾基板1131に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aと、パネルホルダ1120の正面視左下隅に配置される左下パネル装飾基板1132に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aと、を赤色に発光させて遊技パネル1100の装飾パターン1150を赤色に発光装飾することで遊技領域5aを赤色に発光装飾するようにしてもよい。これにより遊技者に右打ちの遊技が推奨される状態であるか左打ちの遊技が推奨される状態であるのかを認識させることができ、遊技者に不利益を与えない。
また、変動演出ごとにパネルホルダ1120の正面視左上隅に配置される左上パネル装飾基板1131に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aと、パネルホルダ1120の正面視左下隅に配置される左下パネル装飾基板1132に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aと、の発光色を切り替えるようにしてもよく、例えば変動演出において青色の発光色でパネル装飾用LED1130aを発光させ、当該変動演出が終了して次の変動演出が開始される際にはパネル装飾用LED1130aの発光色を緑色に切り替えるようにしてもよい。これにより、変動演出の切り替えが行われたことを容易に認識させることができるようになる。なお、発光色の切り替えタイミングは少なくとも次の変動演出が実行される以前のタイミング(例えば変動演出の結果を表示してから所定期間(例えば3秒)が経過したタイミングや、変動演出の演出結果の導出表示後(確定停止後)に主制御基板1310からコマンド(次の変動演出の開始を指示する変動パターンコマンドや、客待ちデモンストレーションの実行を指示するコマンド等)を受信したタイミング)とすればよい。
また、本例では演出表示装置1600の周囲を発光装飾する遊技パネル1100と演出表示装置1600の前方を発光装飾する導光板2601とを別部材で形成するため、遊技パネル1100と導光板2601との一方に入射した光によって他方が発光装飾されることを抑止でき、遊技パネル1100と導光板2601との両方を同時に発光装飾させることができるだけでなく、それぞれを単独で発光装飾させることもできる。そのため、遊技パネル1100と導光板2600とを同時に発光装飾させたり、一方のみを発光装飾させたり、との様々な発光演出を実行できる。
また、上記した発光演出は一例であり、発光色や発光させるタイミング、発光期間、発光パターン(点滅の間隔)等の発光態様は上記したものに限られない。即ち、裏左上先段装飾基板3311aに実装されて裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3311aaと、裏左下先段装飾基板3321aに実装されて裏左下可動装飾体3320の先段装飾部3322を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3321aaと、裏右上先段装飾基板3411aに実装されて裏右上可動装飾体3410の先段装飾部3412を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3411aaと、裏右下先段装飾基板3421aに実装されて裏右下可動装飾体3420の先段装飾部3422を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3421aaと、導光板2601の上面から光を入射させることで発光装飾される第一絵柄2610用の複数のLED2611と、の発光態様を適宜組合せることで、多彩な発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者を飽きさせ難くして遊技者を楽しませることができるため、遊技興趣の低下を抑制できる。
また、表演出ユニット2600を用いた発光演出として、例えば、図174に示すように、導光板2601の右側面側に配置された第二絵柄用装飾基板2622に実装されている複数のLED2621を発光させて、第二絵柄2620を発光装飾させる。これにより、演出表示装置1600の表示画面の前方において、第二絵柄2620として「CHANCE!」の文字からなる遊技者に対する案内(メッセージ)が発光表示されるため、その案内により遊技者に対してチャンスの到来を示唆させることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
図175に図173とは異なる遊技パネル1100の装飾パターン1150と導光板2601の第一絵柄2610との発光装飾を実行する演出例のタイミング図を示す。この例では、演出表示装置1600で図柄(装飾図柄)を変動表示させる等の変動演出が開始された後、周辺制御基板1510はタイミングt1’になるとパネルホルダ1120の正面視左上隅に配置される左上パネル装飾基板1131に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aを所定の発光色(例えば赤色。なお、大当り期待度に応じて発光色を異ならせるようにしてもよく、青色の発光色で発光された場合よりも赤色の発光色で発光された場合に大当りの演出結果が導出表示される確率を高めるようにしてもよい。)で発光させ、タイミングt2’になるとパネルホルダ1120の正面視左上隅に配置される左上パネル装飾基板1131に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aを消灯させる一方、パネルホルダ1120の正面視左下隅に配置される左下パネル装飾基板1132に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aを所定の発光色(例えば赤色。なお、大当り期待度に応じて発光色を異ならせるようにしてもよく、青色の発光色で発光された場合よりも赤色の発光色で発光された場合に大当りの演出結果が導出表示される確率を高めるようにしてもよい。またパネル装飾用LED1130aと同様の発光色でもよいし、異なる発光色でもよい。)で発光させ、タイミングt3’になるとパネルホルダ1120の正面視左下隅に配置される左下パネル装飾基板1132に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aを消灯させる。
周辺制御基板1510はタイミングt3’〜t5’で上記タイミングt1’〜t3’と同様の制御を行う。これにより、パネルホルダ1120の正面視左下隅に配置される左下パネル装飾基板1132に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aと、を所定の発光色で交互に発光させる交互発光制御が2回行われるようになる。
また、交互発光制御が行われると、パネルホルダ1120の正面視左上隅に配置される左上パネル装飾基板1131に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aと、1120の正面視左下隅に配置される左下パネル装飾基板1132に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aと、の発光に同期して遊技パネル1100の装飾パターン1150のうち発光状態に対応する領域が発光装飾されて、遊技パネル1100の装飾パターン1150の発光装飾が左上と左下とに交互に移動する。即ち、パネルホルダ1120の正面視左上隅に配置される左上パネル装飾基板1131に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aの発光によって遊技パネル1100の左上部の装飾パターン1150が発光装飾され、1120の正面視左下隅に配置される左下パネル装飾基板1132に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aの発光によって遊技パネル1100の左上部の装飾パターン1150が発光装飾される。
周辺制御基板1510はタイミングt5’になると、つまりパネルホルダ1120の正面視左上隅に配置される左上パネル装飾基板1131に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aと、1120の正面視左下隅に配置される左下パネル装飾基板1132に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aと、の交互発光制御を実行すると、これら全てを消灯して遊技パネル1100の装飾パターン1150の発光装飾を消失させ、所定の有効期間内に演出操作部301が操作されたことに基づくタイミングt6’でパネルホルダ1120の正面視左上隅に配置される左上パネル装飾基板1131に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aと、裏左上先段装飾基板3311aに実装されて裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3311aaと、を所定の発光色(例えば赤色。なお、大当り期待度に応じて発光色を異ならせるようにしてもよく、青色の発光色で発光された場合よりも赤色の発光色で発光された場合に大当りの演出結果が導出表示される確率を高めるようにしてもよい。また、演出操作部301の操作前の発光色と異なる発光色でもよい。)で発光させ、タイミングt8’で変動演出の結果を表示した後(全ての装飾図柄を停止表示(確定停止に限らず仮停止でもよい)した後)に消灯させる。
これにより、遊技パネル1100の左上部の装飾パターン1150が発光装飾されるようになる。なお、この例では遊技パネル1100の左上部の装飾パターン1150を所定の発光色で発光装飾させる場合にパネルホルダ1120の正面視左上隅に配置される左上パネル装飾基板1131に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aを所定の発光色で発光させるだけでなく、裏左上先段装飾基板3311aに実装されて裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3311aaを助長発光手段としてパネルホルダ1120の正面視左上隅に配置される左上パネル装飾基板1131に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aの発光に同期して該複数のパネル装飾用LED1130aの発光色と同一の発光色で発光させることにより、パネルホルダ1120の正面視左上隅に配置される左上パネル装飾基板1131に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aによって発光装飾される遊技パネル1100の左上部に施される装飾パターン1150による発光装飾を助長し、遊技パネル1100の左上部の装飾パターン1150をより高い光量で発光装飾させることができるようになっている。このようにパネルホルダ1120の正面視左上隅に配置される左上パネル装飾基板1131に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aと、裏左上先段装飾基板3311aに実装されて裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3311aaと、を同一の発光態様(点灯・点滅の期間や間隔、発光色等)で発光させることで遊技パネル1100の左上部の装飾パターン1150を協調して発光装飾し、発光装飾される装飾パターン1150の光量が増すため、発光装飾される装飾パターン1150が部分的に強調されて、当該部分における明瞭な発光装飾を実現することができる。
また、所定の有効期間内に演出操作部301が操作されたことに基づいて第二絵柄用装飾基板2622に実装される複数のLED2621を、遊技パネル1100の装飾パターン1150を発光装飾する複数のパネル装飾用LED1130a及びLED3411aa,3421aaと同一の発光色で発光して第二絵柄を発光装飾させる。これにより、演出表示装置1600の前方の導光板2601に「CHANCE!」の文字からなる遊技者に対する案内(メッセージ)が発光表示されるため、演出表示装置1600の周囲の遊技パネル1100の発光装飾と組み合わせて演出表示装置1600の前方の導光板2601にて発光表示を実行することができ、遊技者に対して何か起こるのではないかと思わせることができる。
また、第二絵柄用装飾基板2622に実装されて導光板2601の第二絵柄2630を発光装飾する複数のLED2621は、変動演出の結果を表示する前(全ての装飾図柄を停止表示(確定停止に限らず仮停止でもよい)する前)に消灯される。このように、遊技者が最も注目する変動演出の結果を表示するときには第二絵柄用装飾基板2622に実装されて導光板2601の第二絵柄2630を発光装飾する複数のLED2621を消灯するため、導光板2601における第二絵柄2630の発光装飾によって演出表示装置1600の表示内容が視認困難になることを防止できる。一方で、遊技パネル1100の装飾パターン1150を発光装飾するLED1130a、3311aaは変動演出の結果を表示した後(全ての装飾図柄を停止表示(確定停止に限らず仮停止でもよい)した後)に消灯されるため、導光板2601における第二絵柄2630の発光装飾を停止しても導光板2601の第二絵柄2630よりも広範囲に亘って形成される遊技パネル1100の装飾パターンの発光装飾を継続でき、演出効果の低下及び遊技興趣の低下を抑止できる。
なお、パネルホルダ1120の正面視左上隅に配置される左上パネル装飾基板1131に実装されてパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aと、裏左上先段装飾基板3311aに実装されて裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3311aaと、を消灯させるタイミングは上記したものに限られるものではなく、少なくとも第一絵柄2610用の複数のLED2611の消灯以降であって次の変動演出が実行される以前のタイミングで消灯させるものであればよい。また、演出表示装置1600で実行される変動演出においてリーチとなってリーチ演出が開始される以前に導光板2601を消灯させるようにしてもよく、この場合には導光板2601の発光装飾によってリーチ演出の視認を妨害しないようにすることができる一方で、リーチ後にも遊技パネル1100の発光装飾が継続されるため、演出効果の低下及び遊技興趣の低下を抑止できる。
また、本例では演出表示装置1600の周囲を発光装飾する遊技パネル1100と演出表示装置1600の前方を発光装飾する導光板2601とを別部材で形成するため、遊技パネル1100と導光板2601との一方に入射した光によって他方が発光装飾されることを抑止でき、遊技パネル1100と導光板2601との両方を同時に発光装飾させることができるだけでなく、それぞれを単独で発光装飾させることもできる。そのため、遊技パネル1100と導光板2600とを同時に発光装飾させたり、一方のみを発光装飾させたり、との様々な発光演出を実行できる。
また、遊技パネル1100の所定領域における装飾パターン1150を特定態様で発光装飾させる場合に、遊技パネル1100の所定領域を発光装飾させる専用の発光手段に同期して該発光手段と同一の発光色で助長発光手段を発光させるようにしてもよい。また、特定対応は所定の発光色(例えば赤色)としてもよいし、所定の点灯パターンとしてもよい。また、本例では遊技パネル1100の左上部の装飾パターン1150の発光装飾を助長する助長発光手段として裏左上先段装飾基板3311aに実装されて裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3311aaを用い、遊技パネル1100の左下部の装飾パターン1150の発光装飾を助長する助長発光手段として裏左下先段装飾基板3321aに実装されて裏左下可動装飾体3320の先段装飾部3322を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3321aaを用いるように構成されるが、遊技パネル1100における装飾パターン1150の発光装飾を助長する領域の範囲や発光装飾の光量等に応じて助長発光手段の個数は適宜決定される。例えば、遊技パネル1100の左側部の装飾パターンの発光装飾を助長する場合には裏左上先段装飾基板3311aに実装されて裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3311aaと裏左下先段装飾基板3321aに実装されて裏左下可動装飾体3320の先段装飾部3322を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3321aaとの複数の発光手段を助長発光手段として設定するようにしてもよい。
このように、本例のパチンコ機1では他の発光演出(裏左上可動装飾体3310、及び裏左下可動装飾体3320の可動時の発光演出等)で用いられる裏左上先段装飾基板3311aに実装されて裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3311aaと、裏左下先段装飾基板3321aに実装されて裏左下可動装飾体3320の先段装飾部3322を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3321aaと、を遊技パネル1100の所定領域における装飾パターン1150の発光装飾を助長する助長発光手段として用いて、遊技パネル1100の所定領域における装飾パターン1150を発光装飾させる専用の複数のパネル装飾用LED1130aの発光に同期して複数のパネル装飾用LED1130aの発光色と同一の発光色で発光させている。そのため、複数のパネル装飾用LED1130aを発光させて遊技パネル1100の所定領域における装飾パターン1150を発光装飾させるときには、複数のパネル装飾用LED1130aの発光に同期して複数のパネル装飾用LED1130aの発光色と同一の発光色で裏左上先段装飾基板3311aに実装されて裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3311aaや裏左下先段装飾基板3321aに実装されて裏左下可動装飾体3320の先段装飾部3322を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3321aaを遊技パネル1100の装飾パターン1150の発光装飾を助長する部分の後方の待機位置で発光させて遊技パネル1100における所定領域の発光装飾を助長するため、遊技パネル1100の装飾パターン1150を発光装飾させる専用の発光手段である複数のパネル装飾用LED1130aの設置数を低減して遊技機の製造コストを抑えつつ、遊技パネル1100の所定領域における装飾パターン1150を強調するような発光装飾を実現できる。
なお、遊技パネル1100の装飾パターン1150を発光装飾させる専用の発光手段は、助長発光手段よりも高輝度のLEDを用いるようにしてもよい。これにより、助長発光手段の輝度が高過ぎることで遊技パネル1100の装飾パターン1150の発光装飾よりも助長発光手段の発光が目立ってしまうことを抑止できる。
また、遊技パネル1100の装飾パターン1150を発光装飾させる専用の発光手段の発光に加えて、上記補助発光手段と上記助長発光手段とを連携させて発光するようにしてもよい。例えば、遊技パネル1100の装飾パターン1150の全域を発光装飾させる場合には遊技パネル1100の装飾パターン1150を発光装飾させる専用の発光手段を所定の発光色で発光させるとともに、補助発光手段を遊技パネル1100の装飾パターン1150を発光装飾させる専用の発光手段の発光色と同一の発光色で発光させ、遊技パネル1100の左側部における装飾パターン1150だけを発光装飾させる場合には遊技パネル1100の装飾パターン1150を発光装飾させる専用の発光手段を所定の発光色で発光させるとともに、助長発光手段を遊技パネル1100の装飾パターン1150を発光装飾させる専用の発光手段の発光色と同一の発光色で発光させるようにしてもよい。これにより、遊技パネル1100の装飾パターン1150の全域をほぼ均一に発光装飾させることができることに加えて、遊技パネル1100の所定領域における装飾パターンだけを強調するような発光装飾を実現できる。
また、上記した発光演出は一例であり、発光色や発光させるタイミング、発光期間、発光パターン(点滅の間隔)等の発光態様は上記したものに限られない。即ち、裏左上先段装飾基板3311aに実装されて裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3311aaと、裏左下先段装飾基板3321aに実装されて裏左下可動装飾体3320の先段装飾部3322を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3321aaと、裏右上先段装飾基板3411aに実装されて裏右上可動装飾体3410の先段装飾部3412を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3411aaと、裏右下先段装飾基板3421aに実装されて裏右下可動装飾体3420の先段装飾部3422を発光装飾する複数のフルカラーLED(サイドビュータイプ)3421aaと、導光板2601の右側面側に配置された第二絵柄用装飾基板2622に実装されている複数のLED2621と、の発光態様を適宜組合せることで、多彩な発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者を飽きさせ難くして遊技者を楽しませることができるため、遊技興趣の低下を抑制できる。
更に、図172及び図174とは異なる表演出ユニット2600を用いた発光演出として、例えば、図176のように、導光板2601の右側面側に配置された第二絵柄用装飾基板2622に実装されている複数のLED2621を発光させて、第二絵柄2630を発光装飾させる。これにより、遊技パネル1100におけるパネル板1110に形成されている装飾パターン1150を形成している水平線、右上り斜線、及び左上り斜線を、それぞれを太い幅で延長した幾何学模様の第二絵柄2630が、発光装飾されるため、センター役物2500の外側と内側とで一体感のある装飾を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませることができる。
なお、遊技パネル1100のパネル板1110における装飾パターン1150の発光装飾と、表演出ユニット2600における導光板2601の第一絵柄2610や第二絵柄2630の発光装飾とを同時に行うようにしても良い。これにより、センター役物2500の外側と内側とで一体感のある発光装飾を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませることができる。
続いて、遊技盤5における可動演出と発光演出とを合わせた演出について、主に図177乃至図179を参照して詳細に説明する。図177は、表演出ユニットの導光板において第一絵柄を発光装飾させると共に、裏下可動装飾体、裏上可動装飾体、裏左上可動装飾体、裏左下可動装飾体、裏右上可動装飾体、及び裏右下可動装飾体を第二合体位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。図178は、表演出ユニットの導光板において第一絵柄を発光装飾させると共に、裏下可動装飾体、裏上可動装飾体、裏左上可動装飾体、裏左下可動装飾体、裏右上可動装飾体、及び裏右下可動装飾体を第一合体位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。図179は、図178とは異なる実施形態の表演出ユニットの導光板において第二絵柄を発光装飾させると共に、裏下可動装飾体、裏上可動装飾体、裏左上可動装飾体、裏左下可動装飾体、裏右上可動装飾体、及び裏右下可動装飾体を第一合体位置へ移動させた状態で示す遊技盤の正面図である。
遊技盤5は、第一始動口2002や第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選される第一特別抽選結果や第二特別抽選結果に応じて、上述した可動演出と発光演出とを適宜組合せた演出を行う。具体的には、例えば、図177に示すように、表演出ユニット2600の導光板2601に第一絵柄2610を発光装飾させると共に、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420を、第二合体位置へ移動させる。
これにより、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420の前方に第一絵柄2610における六つの大三角形の絵柄の部位が位置するため、第一絵柄2610の大三角形の絵柄の部位により、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420を装飾することができ、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420の見かけを変化させることができる。したがって、図170の状態とは、異なる印象を遊技者に与えることができるため、より多彩な演出を遊技者に見せることができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、図170の状態と比較して、より良いことが起きるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせることができる。
また、上述した可動演出と発光演出とを適宜組合せた演出として、例えば、図178に示すように、表演出ユニット2600の導光板2601に第一絵柄2610を発光装飾させると共に、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420を、第一合体位置へ移動させる。これにより、第一絵柄2610の大三角形の絵柄と、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420とが、前後に重なった状態となるため、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420を装飾してそれらの見かけを変化させることができる。したがって、図171の状態とは、明らかに異なる印象を遊技者に与えることができるため、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、抽選された第一特別抽選結果や第二特別抽選結果が「大当り」であると確信させて遊技に対する興趣を高めさせることができる。
更に、上述した可動演出と発光演出とを適宜組合せた演出として、例えば、図179に示すように、上記とは異なる実施形態の表演出ユニット2600の導光板2601に第二絵柄2630を発光装飾させると共に、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420を、第一合体位置へ移動させる。これにより、正面視において、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420の隣接している間の前方に、遊技パネル1100の装飾パターン1150を形成している水平線、右上り斜線、及び左上り斜線を、それぞれを延長した太い線の幾何学模様の第二絵柄2630が発光装飾されるため、第二絵柄2630によって、それらの間を見え難くすることができ、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420により形成される装飾態様の一体感を高めることが可能となり、可動演出をアシストしてより演出効果を高めさせることができる。
なお、導光板2601の第一絵柄2610や第二絵柄2620(第二絵柄2630)を発光装飾させている状態で、その後方に移動させた裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420を、適宜発光装飾させるようにしても良い。
これにより、発光装飾された裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420等からの光が導光板2601を通して遊技者の目に届くこととなるため、導光板2601だけでは成し得ない輝度の高い発光装飾を遊技者に見せることができ、遊技者を楽しませることができる。
また、本実施形態の遊技盤5では、上述した可動演出と発光演出とを適宜組合せることができる共に、演出表示装置1600の表示画面に表示される演出画像(表示演出)とも組合せることができる。これにより、発光演出、可動演出、表示演出、等を適宜組合せることで多彩なパターンの演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、各種の演出によって遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
また、本発明について好適な実施形態を挙げて説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計の変更が可能である。例えば、左上パネル装飾基板1131や左下パネル装飾基板1132の設置忘れを防止するように左上パネル装飾基板1131や左下パネル装飾基板1132の少なくとも一部を視認可能に配置する発明と同様に、第一絵柄用装飾基板2612や第二絵柄用装飾基板2622の設置忘れを防止するように第一絵柄用装飾基板2612や第二絵柄用装飾基板2622の少なくとも一部を視認可能に配置するようにしてもよい。
[6.周辺制御ユニットの構成]
次に、図13に示した遊技盤5に備える遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に配置される周辺制御ユニット1500の全体構成について、図180〜図184を参照して詳細に説明する。図180は周辺制御ユニットの正面分解斜視図であり、図181は周辺制御ユニットの背面分解斜視図であり、図182は周辺制御ユニットの正面図であり、図183は図182のX−X線の断面図であり、図184は図182のA矢視図である。ここでは、パチンコ機1の背面側を周辺制御ユニット1500の正面側として説明する。
周辺制御ユニット1500は、図180及び図181に示すように、後方が開口されると共に上下方向と比べて左右方向に長いボックス形状を有する透明なカバー体1501と、遊技の進行を制御する主制御ユニット1300の主制御基板1310からのコマンドに基づいて演出の進行を制御することができる周辺制御基板1510と、周辺制御基板1510と電気的に接続される周辺データROM基板1520と、周辺制御基板1510と電気的に接続される液晶出力基板1530と、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530へ侵入する電磁波ノイズを低減(抑制)することができる金属製のシールド板1540と、金属製のシールド板1540の所定箇所に取付けられる(接着される)導電性弾性部材1545と、カバー体1501の開口を塞ぐ透明なベース体1502と、を備えている。カバー体1501の内部空間内には、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のシールド板1540と共にそれぞれ所定位置に取り付けられることによりシールド板1540がカバー体1501と各種基板とにより挟持され、カバー体1501の開口をベース体1502により塞ぐことにより、カバー体1501とベース体1502とによる周辺制御基板ボックス1505(封印基板ボックス)が構成されている。
[6−1.カバー体]
カバー体1501の内部空間内に取り付けられる各種基板には、周辺制御基板1510のほかに、周辺制御基板1510の制御対象となっている各種の制御情報(周辺データ)を記憶することができる周辺データROM基板1520と、演出表示装置1600に画像を描画するための描画データを出力することができる液晶出力基板1530と、がある。
周辺制御基板1510は、カバー体1501を背面から見て、約3分の2の領域を有する横長の長方形状を有し、カバー体1501の左側に詰めて配置されている。周辺データROM基板1520と液晶出力基板1530とは、カバー体1501を背面から見て、残り約3分の1の領域のうち、周辺データROM基板1520が正方形状を有してカバー体1501の右上側に配置されている一方、液晶出力基板1530が周辺データROM基板1520と比べて二回り大きい正方形状を有してカバー体1501の右下側に配置されている。
周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間は、後述する基板間コネクタにより電気的に接続され、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間は、後述する基板間コネクタにより電気的に接続されている。これにより、周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと、周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインと、液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっている。なお、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、図113に示した本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されている。
カバー体1501は、非導電性の樹脂製であり、透明に成型され、その正面から見て、横長の長方形状のカバー平板1501a(板厚:2mm)の上辺、左辺、下辺、及び右辺にカバー側壁1501b〜1501eが後方(パチンコ機1の正面側)へ向かってそれぞれ突設されることにより開口を有するボックス形状に形成されている。
カバー平板1501aは、その正面から見て、その中央やや右上側であって、カバー平板1501aの裏面側に取り付けられる周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aと対応する位置に、空冷ファンFANを取り付けるための正方形状を有するFAN取付凹部1501aaがカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。FAN取付凹部1501aaの底面には、この底面の上下左右方向の中心を中心点とする複数の同心円上に沿って、円弧形状のスリット孔1501aaaが複数それぞれ形成されている。またFAN取付凹部1501aaの底面の四隅には、正方形状を有する空冷ファンFANの四隅に形成される貫通孔th1〜th4と対応する位置に、この貫通孔th1〜th4に挿通される円柱形状の所定高さ(空冷ファンFANの奥行き方向の距離寸法より短い距離寸法)を有する案内突出部1501aab1〜1501aab4がカバー体1501の開口側と反対側へ向かって突出されてそれぞれ形成されている。なお、円弧形状のスリット孔1501aaaとして形成することにより、周辺制御基板1510に備える各種電子部品等を、周辺制御基板1510から不正に取り出す不正行為を防止することができるようになっている。
またカバー平板1501aには、FAN取付凹部1501aaの近傍であって対角状に一対の取付孔1501aac1,aac2が形成されている。空冷ファンFANをFAN取付凹部1501aaに押し込んで取り付けると、空冷ファンFANの正面側の面と、カバー体1501のカバー平板1501aの正面側の面と、が同一の平面上に配置されるようになっている。この状態において、一対の取付孔1501aac1,aac2にそれぞれカバー平板1501aの正面から後方へ向かって、図示しない金属製の座付きナベねじ(ナベ頭と平ワッシャーとを一体とした形状を有するねじ)をねじ込むことにより、座付きナベねじの座部分である平ワッシャーが空冷ファンFANの正面とカバー体1501のカバー平板1501aの正面とに当接する状態となることによって、空冷ファンFANがFAN取付凹部1501aaから飛び出すことを防止することができるようになっている。
カバー平板1501aの裏面側に周辺制御基板1510が固定されると、周辺制御IC1510aの表面(品番や型式が印刷されている面)とFAN取付凹部1501aaの後面とに所定の距離寸法を有する隙間(本実施形態では、2.3mm)が形成される状態となる。
なお、カバー平板1501aは、FAN取付凹部1501aaに連通すると共に、FAN取付凹部1501aaの底面と比べて高い位置(カバー平板1501aの正面からFAN取付凹部1501aaの底面までの距離寸法と比べて短い距離寸法を有する位置)に、配線引出凹部1501abがカバー体1501の開口部へ向かって突出されて形成されている。空冷ファンFANがFAN取付凹部1501aaに取り付けられて固定されると、空冷ファンFANからの複数の配線を配線引出凹部1501abから引き出せるようになっている。
カバー平板1501aは、その正面から見て、その下辺側に沿って、カバー平板1501aの裏面側に取り付けられる、周辺制御基板1510に備えるコネクタCN1〜CN7、及び音量調整スイッチ1510dと対応する位置を1つの閉じたほぼ横長の長方形領域(正確には、音量調整スイッチ1510dとコネクタCN1とを上部とすると共に、コネクタCN2〜コネクタCN7を下部とする凸状領域)としてコネクタ凹部1501acがFAN取付凹部1501aaの底面と比べて低い位置(カバー平板1501aの正面からFAN取付凹部1501aaの底面までの距離寸法と比べて長い距離寸法を有する位置)に、カバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。コネクタ凹部1501acの底面には、周辺制御基板1510に備えるコネクタCN1〜CN7、及び音量調整スイッチ1510dと対応する位置に、コネクタ穴1501ac1〜1501ac7、及び音量調整穴1501ac8がそれぞれ形成されている。なお、コネクタ凹部1501acの底面は、カバー平板1501aを正面から見て、右下側の領域を概ね占有している。このため、コネクタ凹部1501acの底面の面積が大きくなることによって生ずるカバー体1501(カバー平板1501a)の強度不足及び反りの対策として、コネクタ凹部1501acの底面には、コネクタ穴1501ac1〜1501ac7、及び音量調整穴1501ac8と干渉しない位置であって、上下方向に細長い2つの補強リブ1510aci1,1510aci2が所定間隔をあけて前方へ突出して形成されている。
カバー平板1501aの裏面側に周辺制御基板1510が固定されると、周辺制御基板1510に備えるコネクタCN1〜CN7、及び音量調整スイッチ1510dは、コネクタ凹部1501acの底面に形成されるコネクタ穴1501ac1〜1501ac7、及び音量調整穴1501ac8からそれぞれ露出する状態となる。このとき、コネクタCN1〜CN7に対応するプラグが挿入されると、実装高さは、コネクタ凹部1501acの底面からカバー平板1501aの表面までに亘る距離寸法と比べて低くなるようになっている。つまり、コネクタ凹部1501acの底面から見ると、コネクタ凹部1501acの底面の上側がカバー平板1501aという突出する壁により、コネクタCN1〜CN7に対応するプラグが挿入されても、プラグが隠れた状態となってカバー平板1501aの表面から突出することができないようになっている。音量調整スイッチ1510dはコネクタCN1〜CN7の高さより低く、カバー平板1501aの表面から突出することができない。これにより、カバー平板1501aの上辺に設けられるカバー側壁1501bに付着した塵、何らかの金属性を有する粉等がカバー側壁1501bから落下しても、コネクタCN1〜CN7、及び音量調整スイッチ1510dに付着することを防止することができるようになっている。
カバー平板1501aは、その正面から見て、その下辺側に沿って、カバー平板1501aの裏面側に取り付けられる液晶出力基板1530に備えるコネクタCN8,CN9と対応する位置を1つの閉じた横長の長方形領域としてコネクタ凹部1501adがFAN取付凹部1501aaの底面と比べて低い位置(カバー平板1501aの正面からFAN取付凹部1501aaの底面までの距離寸法と比べて長い距離寸法を有する位置)に、カバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成され、コネクタ凹部1501adの底面とコネクタ凹部1501acの底面とが同一の平面上に配置されている。コネクタ凹部1501adの底面には、液晶出力基板1530に備えるコネクタCN8,CN9と対応する位置に、コネクタ穴1501ac9,1501ac10がそれぞれ形成されている。
カバー平板1501aの裏面側に液晶出力基板1530が固定されると、液晶出力基板1530に備えるコネクタCN8,CN9は、コネクタ凹部1501adの底面に形成されるコネクタ穴1501ac9,1501ac10からそれぞれ露出する状態となる。このとき、コネクタCN8,CN9に対応するプラグが挿入されると、実装高さは、コネクタ凹部1501acの底面からカバー平板1501aの表面までに亘る距離寸法と比べて低くなるようになっている。つまり、コネクタ凹部1501acの底面から見ると、コネクタ凹部1501acの底面の上側がカバー平板1501aという突出する壁により、コネクタCN8,CN9に対応するプラグが挿入されても、プラグが隠れた状態となってカバー平板1501aの表面から突出することができないようになっている。これにより、カバー平板1501aの上辺に設けられるカバー側壁1501bに付着した塵、何らかの金属性を有する粉等がカバー側壁1501bから落下しても、コネクタCN8,CN9に付着することを防止することができるようになっている。
またカバー平板1501aは、その正面から見て、その左辺側に沿って、液晶出力基板1530に備えるCN10と対応する位置に、配線引出開口部1501aeが形成されている。この配線引出開口部1501aeに連通すると共に、配線引出開口部1501aeを塞ぐことができる横長の長方形状を有する配線カバー体1503を取り付けるための取付凹部1501afが上述したFAN取付凹部1501aaの底面と比べて高い位置(カバー平板1501aの正面からFAN取付凹部1501aaの底面までの距離寸法と比べて短い距離寸法を有する位置)に、カバー体1501の開口部へ向かって突出されて形成されている。取付凹部1501afは、配線カバー体1503に形成される貫通穴1503aと対応する位置に、この貫通穴1503aに挿通される円柱形状の所定高さ(配線カバー体1503の奥行き方向の距離寸法より短い距離寸法)を有する突出部1501afaがカバー体1501の開口側と反対側へ向かって突出されて形成されると共に、配線カバー体1503に形成される貫通孔1503b1,1503b2と対応する位置に、取付孔1501afb1,1501afb2がそれぞれ形成されている。
配線カバー体1503を取付凹部1501afに嵌め合わせると、配線カバー体1503の正面側の面と、カバー体1501のカバー平板1501aの正面側の面と、が同一の平面上に配置されるようになっている。この状態において、配線カバー体1503に形成される貫通孔1503b1,1503b2に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付孔1501afb1,1501afb2にそれぞれ配線カバー体1503の正面から後方へ向かってねじ込むことにより、配線カバー体1503を取付凹部1501afに固定することができる。
配線カバー体1503が取付凹部1501afに固定されると、配線引出開口部1501aeを塞ぐと共に、液晶出力基板1530に備えるコネクタCN10と接続される複数の配線(演出表示装置1600に描画データを伝送するための複数の配線)を触れることができないように保護するカバーとして配線カバー体1503が機能することができるようになっている。配線カバー体1503は、非導電性の樹脂製であり、透明に成型されている。
カバー体1501を正面から見て、左側のカバー側壁1501cのカバー体1501の開口側近傍であって中央所定間隔をあけて上下それぞれ外側へ突出する板状の案内部1501ca,1501cbが形成されていると共に、案内部1501caの上方に配置され外側へ突出するヒンジ掛け部1501ccと、案内部1501cbの下方に配置され外側へ突出するヒンジ掛け部1501cdと、がそれぞれ形成されている。案内部1501ca,1501cbの左端の後面側は面取りが形成されている。これに対して、ヒンジ掛け部1501cc,1501cdの左端の前面側に前方に対して突出するL字状の鉤部1501cca,1501cdaが形成されている。また、右側のカバー側壁1501eのカバー体1501の中央には、外側へ突出するカバー側封印部1501eaが形成されている。
周辺制御基板1510がカバー体1501の背面の左側に詰めて配置されるように、カバー平板1501aは、その背面から見て、周辺制御基板1510に形成される4つの貫通孔1510r1〜1510r4と対応する位置に、4つの取付ボス孔1501ag1〜1501ag4がカバー平板1501aの裏面からカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。周辺制御基板1510に形成される4つの貫通孔1510r1〜1510r4の周囲は、周辺制御基板1510の表面側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1510rf1〜1510rf4と、周辺制御基板1510の裏面側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1510rb1〜1510rb4と、がそれぞれ形成されると共に、これらのランド1510rf1〜1510rf4,1510rb1〜1510rb4は、それぞれ周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと電気的に接続されるように配線パターンが周辺制御基板1510に形成されている。
周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるときには、後述する金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c1に形成される貫通孔1540c1aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1に合わせるように配置し、後述する金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c2に形成される貫通孔1540c2aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag4に合わせるように配置する。そして、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1〜1510r4のうち、貫通孔1510r1,1510r4を、シールド板1540のL字状取付片1540c1に形成される貫通孔1540c1a、シールド板1540のL字状取付片1540c1に形成される貫通孔1540c2a、及びカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1,1501ag4に合わせるように配置すると共に、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r2,1510r3を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag2,1501ag3に合わせるように配置する。そして、貫通孔1510r1〜1510r4に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付ボス孔1501ag1〜1501ag4へ向かってねじ込むことにより周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定することができる。これにより、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2がカバー体1501と周辺制御基板1510とにより挟持される状態となる。この状態において、周辺制御基板1510の表面側に形成されるランド1510rf1〜1510rf4のうち、ランド1510rf1,1510rf4と、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2の裏面と、がそれぞれ当接した状態となると共に、ランド1510rf2,1510rf3と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag2,1501ag3の取付面(ボス面)と、がそれぞれ当接した状態となる。また、周辺制御基板1510の裏面側に形成されるランド1510rb1〜1510rb4と、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となる。さらに、金属製のナベねじの軸(ネジ部)がカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4にねじ込まれた状態となる。
これにより、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2は、周辺制御基板1510に形成されるランド1510rf1,1510rf4とそれぞれ電気的に接続される状態となることで金属製のシールド板1540が周辺制御基板1510のグランド(GND)へ回路アースされることとなる。周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインは、上述したように、周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインと、液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっているため、金属製のシールド板1540は、周辺制御基板1510のグランド(GND)へ回路アースされることにより、周辺データROM基板1520のグランド(GND)と、液晶出力基板1530のグランド(GND)と、へ回路アースされることとなる。また、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、上述したように、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されているため、金属製のシールド板1540は、周辺制御基板1510のグランド(GND)へ回路アースされることにより、電源基板630のグランド(GND)ラインへ回路アースされることとなる。
なお、周辺制御基板1510がカバー平板1501aの裏面側に固定されると、貫通孔1510r1〜1510r4に挿入されてねじ込んだ金属製のナベねじの頭部がカバー体1501のカバー側壁1501b〜1501eの開口側の端面より内側に(つまり、カバー側壁1501b〜1501eの開口側の端面より外側へ飛び出さないように)配置されるようになっている。
周辺データROM基板1520がカバー体1501の背面の右上側に配置されるように、カバー平板1501aは、その背面から見て、周辺データROM基板1520に形成される4つの貫通孔1520r1〜1520r4と対応する位置に、一対の取付ボス孔1501ah1,1501ah2と、一対の取付ボス突出部1501ai1,1501ai2と、が対角状に、カバー平板1501aの裏面からカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。周辺データROM基板1520に形成される4つの貫通孔1520r1〜1520r4の周囲は、周辺データROM基板1520の表面側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1520rf1〜1520rf4と、周辺データROM基板1520の裏面側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1520rb1〜1520rb4と、がそれぞれ形成されると共に、これらのランド1520rf1〜1520rf4,1520rb1〜1520rb4は、それぞれ周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインと電気的に接続されるように配線パターンが周辺データROM基板1520に形成されている。
周辺データROM基板1520をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるときには、後述する金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b1に形成される貫通孔1540b1aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah2に合わせるように配置する。そして、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r1,1520r3を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501ai1,1501ai2に挿入する。そして、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r2,1520r4に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1,1501ah2へ向かってねじ込むことにより周辺データROM基板1520をカバー平板1501aの裏面側に固定することができる。これにより、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b1がカバー体1501と周辺データROM基板1520とにより挟持される状態となる。この状態において、周辺データROM基板1520の表面側に形成されるランド1520rf1〜1520rf4のうち、ランド1520rf4と、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b1の裏面と、が当接した状態となると共に、ランド1520rf1〜1520rf3と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501ai1,1501ai2の取付面(ボス面)及び取付ボス孔1501ah1の取付面(ボス面)と、がそれぞれ当接した状態となる。また、周辺データROM基板1520の裏面側に形成されるランド1520rb1〜1520rb4と、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となる。さらに、金属製のナベねじの軸(ネジ部)がカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1,1501ah2にねじ込まれた状態となる。
これにより、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b1は、周辺データROM基板1520に形成されるランド1520rf4と電気的に接続される状態となることで金属製のシールド板1540が周辺データROM基板1520のグランド(GND)へ回路アースされることとなる。周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインは、上述したように、周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと、液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっているため、金属製のシールド板1540は、周辺データROM基板1520のグランド(GND)へ回路アースされることにより、周辺制御基板1510のグランド(GND)と、液晶出力基板1530のグランド(GND)と、へ回路アースされることとなる。また、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、上述したように、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されているため、金属製のシールド板1540は、周辺データROM基板1520のグランド(GND)へ回路アースされることにより、電源基板630のグランド(GND)ラインへ回路アースされることとなる。
なお、周辺データROM基板1520がカバー平板1501aの裏面側に固定されると、貫通孔1520r2,1520r4に挿入されてねじ込んだ金属製のナベねじの頭部がカバー体1501のカバー側壁1501b〜1501eの開口側の端面より内側に(つまり、カバー側壁1501b〜1501eの開口側の端面より外側へ飛び出さないように)配置されると共に、周辺データROM基板1520の裏面と、カバー平板1501aの裏面側に固定される周辺制御基板1510の裏面と、が同一の平面上に配置されるようになっている。
液晶出力基板1530がカバー体1501の背面の右下側に配置されるように、カバー平板1501aは、その背面から見て、液晶出力基板1530に形成される4つの貫通孔1530r1〜1530r4と対応する位置に、一対の取付ボス孔1501am1,1501am2と、一対の取付ボス突出部1501an1,1501an2と、が対角状に、カバー平板1501aの裏面からカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成されている。液晶出力基板1530に形成される4つの貫通孔1530r1〜1530r4の周囲は、液晶出力基板1530の表面側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1530rf1〜1530rf4と、液晶出力基板1530の裏面側に円形状を有するハンダ付け用銅箔(いわゆる、「ランド」)1530rb1〜1530rb4と、がそれぞれ形成されると共に、これらのランド1530rf1〜1530rf4,1530rb1〜1530rb4は、それぞれ液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインと電気的に接続されるように配線パターンが液晶出力基板1530に形成されている。
液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるときには、後述する金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b2に形成される貫通孔1540b2aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1に合わせるように配置する。そして、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r2,1530r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501an1,1501an2に挿入する。そして、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r1,1530r3に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am2へ向かってねじ込むことにより液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定することができる。これにより、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b2がカバー体1501と液晶出力基板1530とにより挟持される状態となる。この状態において、液晶出力基板1530の表面側に形成されるランド1530rf1〜1530rf4のうち、ランド1530rf1と、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b2の裏面と、が当接した状態となると共に、ランド1530rf2〜1530rf4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501n1,1501n2の取付面(ボス面)及び取付ボス孔1501am2の取付面(ボス面)と、がそれぞれ当接した状態となると共に、液晶出力基板1530の裏面側に形成されるランド1530rb1〜1530rb4と、金属製のナベねじの座面と、がそれぞれ当接した状態となる。さらに、金属製のナベねじの軸(ネジ部)がカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am2にねじ込まれた状態となる。
これにより、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b2は、液晶出力基板1530に形成されるランド1530rf1と電気的に接続される状態となることで金属製のシールド板1540が液晶出力基板1530のグランド(GND)へ回路アースされることとなる。液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、上述したように、周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと、周辺データROM基板1520のグランド(GND)ラインと、が電気的に接続され、同一のグランド(GND)となっているため、金属製のシールド板1540は、液晶出力基板1530のグランド(GND)へ回路アースされることにより、周辺制御基板1510のグランド(GND)と、周辺データROM基板1520のグランド(GND)と、へ回路アースされることとなる。また、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、上述したように、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されているため、金属製のシールド板1540は、液晶出力基板1530のグランド(GND)へ回路アースされることにより、電源基板630のグランド(GND)ラインへ回路アースされることとなる。
なお、液晶出力基板1530がカバー平板1501aの裏面側に固定されると、貫通孔1530r1,1530r3に挿入されてねじ込んだ金属製のナベねじの頭部がカバー体1501のカバー側壁1501b〜1501eの開口側の端面より内側に(つまり、カバー側壁1501b〜1501eの開口側の端面より外側へ飛び出さないように)配置されると共に、液晶出力基板1530の裏面と、カバー平板1501aの裏面側に固定される周辺制御基板1510の裏面と、カバー平板1501aの裏面側に固定される周辺データROM基板1520の裏面と、が同一の平面上に配置されるようになっている。
周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のシールド板1540と共にそれぞれカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられることによりシールド板1540がカバー体1501と各種基板とにより挟持されて固定される状態において、周辺制御IC1510aの表面(品番や型式が印刷されている面)とFAN取付凹部1501aaの後面とには、上述した所定の距離寸法を有する隙間(本実施形態では、2.3mm)が形成される状態となる。
カバー体1501のカバー平板1501aには、複数の円形状を有する通風孔1501azがFAN取付凹部1501aaの右側、右下側、左下側、及び左側にそれぞれ形成されている。FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、これらの通風孔1501azを介して、取り込むことでカバー体1501の内側空間(特に、周辺制御IC1510a)を空冷することができる。これらの通風孔1501azは、直径が3mm、左右方向のピッチ幅が6.5mm、上下方向のピッチ幅が6.0mm〜6.5mmを有して形成されている。
なお、カバー平板1501aの裏面側に周辺制御基板1510が固定されると、周辺制御基板1510に備える7つのコネクタCN1〜CN7と、カバー体1501に形成される7つのコネクタ穴1501ac1〜1501ac7と、にすき間が形成されると共に、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチ1510dと、カバー体1501に形成される音量調整穴1501ac8と、にすき間が形成される。また、カバー平板1501aの裏面側に液晶出力基板1530が固定されると、液晶出力基板1530に備える2つのコネクタCN8,CN9と、カバー体1501に形成される2つのコネクタ穴1501ac9,1501ac10と、にすき間が形成される。このため、FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、叙述した通風孔1501azを介して、取り込むと共に、上述したすき間(周辺制御基板1510に備える7つのコネクタCN1〜CN7と、カバー体1501に形成される7つのコネクタ穴1501ac1〜1501ac7と、に形成されるすき間、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチ1510dと、カバー体1501に形成される音量調整穴1501ac8と、に形成されるすき間、そして液晶出力基板1530に備える2つのコネクタCN8,CN9と、カバー体1501に形成される2つのコネクタ穴1501ac9,1501ac10と、に形成されるすき間)を介して、取り込むこととなる。
FAN取付凹部1501aaの底面に形成される複数の円弧形状のスリット孔1501aaaにおけるそれぞれ面積を加えたもの(総面積)は、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501azにおける面積と、上述したすき間(周辺制御基板1510に備える7つのコネクタCN1〜CN7と、カバー体1501に形成される7つのコネクタ穴1501ac1〜1501ac7と、に形成されるすき間、周辺制御基板1510に備える音量調整スイッチ1510dと、カバー体1501に形成される音量調整穴1501ac8と、に形成されるすき間、そして液晶出力基板1530に備える2つのコネクタCN8,CN9と、カバー体1501に形成される2つのコネクタ穴1501ac9,1501ac10と、に形成されるすき間)における面積と、を加えたものより小さくなっている。このため、FAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501az、そしてカバー体1501とベース体1502との空間内に収容されるシールド板1540に複数形成される通風孔1540azを介して、取り込む際に、カバー体1501のカバー平板1501aに複数形成される通風孔1501azのそれぞれに流入する空気の流速を小さく抑えることができるようになっている。
[6−2.ベース体]
カバー体1501の開口を塞ぐベース体1502は、非導電性の樹脂製であり、透明に成型され、その正面から見て、横長の長方形状のベース平板1502aの上辺、左辺、下辺、及び右辺にベース側壁1502b〜1502eが前方(パチンコ機1の背面側)へ向かってそれぞれ突設されることにより開口を有するボックス形状に形成されている。ベース体1502のベース側壁1502b〜1502eにより形成される開口の大きさは、カバー体1501のカバー側壁1501b〜1501eにより形成される開口の大きさと比べると、一回り大きく形成されている。これにより、カバー体1501にベース体1502を被せることによりカバー体1501の開口をベース体1502で塞ぐ状態においては、ベース体1502のベース側壁1502b〜1502eの内側にカバー体1501のカバー側壁1501b〜1501eが嵌まると共に内接(面接触)する状態となる。
ベース平板1502aは、その正面から見て、下辺側に沿って、所定間隔をあけて、周辺制御基板1510に備えるコネクタCN2〜CN7と干渉しない位置に、これらのコネクタCN2〜CN7に対して配線を接続するためのコネクタを挿入するときの力により周辺制御基板1510が反って周辺制御基板1510に形成される電気配線パターンが断線するのを防ぐ上下方向に細長い断線防止リブ部1502aa1〜1502aa3がそれぞれ形成され、周辺制御基板1510に備えるコネクタCN1及び音量調整スイッチ1510dと干渉しない位置に、コネクタCN1に対して配線を接続するためのコネクタを挿入するときの力や音量調整スイッチ1510dを操作するときの力により周辺制御基板1510が反って周辺制御基板1510に形成される電気配線パターンが断線するのを防ぐ左右方向に細長い断線防止リブ部1502aa4が形成されている。
また、ベース平板1502aは、その正面から見て、右側であって、後述する金属製のシールド板1540に屈曲して形成されるL字状回路アース片1540dと対応する位置に、L字状回路アース片1540dの裏面形状より一回り大きい形状となる、上下方向に長い長方形状の貫通口1502abが形成されている。
ベース体1502を正面から見て、左側のベース側壁1502cのベース体1502の開口側近傍には、外側へ突出する係合部1502caが形成されている。この係合部1502caには、カバー体1501に形成される板状の案内部1501ca,1501cbと対応する位置に案内受部1502caa,1502cabと、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdと対応する位置にヒンジ受け部1502cac,1502cadと、がそれぞれ形成されている。ヒンジ受け部1502cac,1502cadは、U字溝形状の袋部1502cae,1502cafが形成されている。
案内受部1502caa,1502cabに、上述したカバー体1501に形成される板状の案内部1501ca,1501cbを挿入すると共に、ヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに、上述したカバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaを挿入する。そして、ヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaが当接した状態で回り込ませることによって、ヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaを引っ掛けて係合することができるようになっている。
また、右側のベース側壁1502eの中央には、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaと対応する位置に外側へ突出するベース側封印部1502eaが形成されている。また右側のベース側壁1502eの上側及び下側には、周辺制御ユニット1500を遊技盤5に備える遊技パネル1100に取り付けるための貫通孔1502eb1,1502eb2がそれぞれ形成されている。
[6−3.シールド板]
周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530へ侵入する電磁波ノイズを低減(抑制)することができる金属製のシールド板1540は、その正面から見て、横長の長方形状のシールド平板1540a(板厚:1.2mm)の左辺中央上側と左辺中央下側において所定距離寸法(本実施形態では、シールド平板1540aの裏面から12mm)だけ後方へ屈曲したL字状取付片1540b1,1540b2がそれぞれ形成されている。
また、金属製のシールド板1540は、その正面から見て、横長の長方形状のシールド平板1540a(板厚:1.2mm)の右辺上側、及び右辺下側において所定距離寸法(本実施形態では、シールド平板1540aの裏面から12mm)だけ後方へ屈曲したL字状取付片1540c1,1540c2がそれぞれ形成されていると共に、横長の長方形状のシールド平板1540a(板厚:1.2mm)の中央であってL字状取付片1540c1,1540c2の間に所定距離寸法(本実施形態では、シールド平板1540aの裏面から25mm)だけ後方へ屈曲したL字状回路アース片1540dが形成されている。L字状回路アース片1540dの裏面には、その上端から下端までに亘って導電性弾性部材1545が取り付けられている(接着されている)。
シールド平板1540aは、その周囲に、カバー側壁1501b〜1501eと干渉しないように切り欠きがそれぞれ形成されていると共に、カバー平板1501aのFAN取付凹部1501aa、及び配線引出凹部1501abと対応する位置に、略正方形状の開口部1540aaが形成されている。これにより、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のシールド板1540と共にそれぞれカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられることによりシールド板1540がカバー体1501と各種基板とにより挟持されて固定される状態においては、カバー体1501のカバー側壁1501b〜1501eがシールド平板1540aの外形周囲とそれぞれ干渉せず、カバー平板1501aのFAN取付凹部1501aa、及び配線引出凹部1501abがシールド平板1540aの開口部1540aaに接触することなく挿入される状態となる。
金属製のシールド板1540は、L字状取付片1540b1,1540b2の裏面と、L字状取付片1540c1,1540c2の裏面と、が同一平面に配置されるように屈曲して形成されていると共に、L字状取付片1540b1,1540b2,1540c1,1540c2の裏面と、シールド平板1540aの表面と、がそれぞれ平行な面となるように形成されている。なお、本実施形態では、シールド平板1540aの表面からL字状取付片1540b1,1540b2,1540c1,1540c2の裏面までに亘る距離寸法が13.2mmとなっている。
L字状取付片1540b1,1540b2には、上述したカバー体1501の裏面に形成される取付ボス孔1501ah2,1501am1と対応する位置に、貫通孔1540b1a,1540b2aがそれぞれ形成されている。取付ボス孔1501ah2は、上述したように、周辺データROM基板1520に形成される4つの貫通孔1520r1〜1520r4と対応する位置に、カバー平板1501aの裏面からカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成された一対の取付ボス突出部1501ai1,1501ai2のうちの1つの取付ボス孔である。取付ボス孔1501am1は、上述したように、液晶出力基板1530に形成される4つの貫通孔1530r1〜1530r4と対応する位置に、カバー平板1501aの裏面からカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成された一対の取付ボス孔1501am1,1501am2のうちの1つの取付ボス孔である。
L字状取付片1540c1,1540c2には、上述したカバー体1501の裏面に形成される取付ボス孔1501ag1,1501ag4と対応する位置に、貫通孔1540c1a,1540c2aがそれぞれ形成されている。これらの取付ボス孔1501ag1,1501ag4は、上述したように、周辺制御基板1510に形成される4つの貫通孔1510r1〜1510r4と対応する位置に、カバー平板1501aの裏面からカバー体1501の開口側へ向かって突出されて形成された4つの取付ボス孔1501ag1〜1501ag4のうちの2つの取付ボス孔である。
周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のシールド板1540と共にそれぞれカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられることによりシールド板1540がカバー体1501と各種基板とにより挟持されて固定される状態においては、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)とカバー平板1501aの裏面との間に所定高さの距離寸法(本実施形態では、14.8mm)を有する空間が形成される状態となり、この空間内に金属製のシールド板1540が配置されることで2つの空間が形成される状態となる。
この2つの空間は、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)と後述する金属製のシールド板1540のシールド平板1540aの裏面との間に第1の所定高さの距離寸法(本実施形態では、12mm)を有する第1の空間1505a(図183を参照。)と、後述する金属製のシールド板1540のシールド平板1540aの表面とカバー平板1501aの裏面との間に第2の所定高さの距離寸法(本実施形態では、1.6mm)を有する第2の空間1505b(図183を参照。)と、から構成されている。
第1の空間1505aには、周辺制御基板1510に備える各種電子部品等(周辺制御IC1510a、後述する制御ROM1510b、後述するSDRAM1510c、図示しないリアルタイムクロックIC、後述するバックアップ電源1510e、図示しない電源作成回路、図示しない抵抗、図示しないコンデンサ、後述するLEDML1〜ML4、後述する特殊コネクタSCN1,SCN2等)、周辺データROM基板1520に備える各種電子部品等(後述する周辺データROM1520a、図示しない抵抗、図示しないコンデンサ、後述する特殊コネクタSCN3等)、及び液晶出力基板1530に備える各種電子部品等(図示しない抵抗、図示しないコンデンサ、後述する特殊コネクタSCN4等)が収容されているのに対して、第2の空間1505bには、各種電子部品等が全く収容されていない。これは、電磁波ノイズの影響を受け易い各種電子部品等を第1の空間1505a内に収容することにより電磁波ノイズの対策を講ずることができると共に、第2の空間1505b内に熱を発する各種電子部品等を収容しないことで第1の空間1505a内における各種電子部品等から発する熱を、金属製のシールド板1540を介して、第2の空間1505bへ効率良く伝えるためである。つまり、金属製のシールド板1540は、電磁波ノイズの低減(抑制)する機能に加えて、放熱板としての機能も有している。
シールド板1540のシールド平板1540aには、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される複数の円形状を有する通風孔1501azと対応する位置に、それぞれ同一形状の通風孔1540azが形成されている。つまり、これらの通風孔1540azは、通風孔1501azと同様に、直径が3mm、左右方向のピッチ幅が6.5mm、上下方向のピッチ幅が6.0mm〜6.5mmを有して形成されている。カバー体1501のFAN取付凹部1501aaに取り付けられる空冷ファンFANの羽部が回転すると、この回転により羽部を介して、カバー体1501の内側空間の空気を周辺制御ユニット1500の外部へ向かってはき出すことにより、周辺制御ユニット1500の外部から空気を、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される通風孔1501az、そしてシールド板1540のシールド平板1540aに形成される通風孔1540azを介して、取り込むことでカバー体1501の内側空間のうち第1の空間1505a(特に、周辺制御IC1510a)を空冷することができると共に、金属製のシールド板1540を空冷することができる。
[6−4.導電性弾性部材]
金属製のシールド板1540のL字状回路アース片1540dの裏面に取り付けられる(接着される)導電性弾性部材1545は、クッション性(弾性)を有する導電部材であり、導電性被覆部1545aと、導電性被覆部1545aにより被覆される芯材としての矩形形状を有する発泡体1545bと、導電性被覆部1545aに貼られる導電性粘着テープ1545cと、から構成されている。被覆部1545aとしては、例えば、ポリエステル織布に銅及びニッケルの金属被膜が形成されているもの、ポリイミドフィルムに銅及びニッケルの導電層が形成されるもの等を挙げることができる。発泡体1545bとしては、例えば、耐熱性を有するポリウレタンフォームを挙げることができる。導電性粘着テープ1545cとしては、例えば、アクリル系粘着剤が使用された導電性両面接着テープを挙がることができる。導電性粘着テープ1545cの表面は、使用されるまでピール紙により保護されており、導電性被覆部1545aを他の部材へ取り付ける(接着する)ときにピール紙を剥がす。
なお、導電性弾性部材1545は、その幅が5mm、その高さが3mmである長方形状を有し、導電性粘着テープ1545cは、その幅が2mm、その高さが0.035mmである長方形状を有している。
[6−5.各種コネクタ]
カバー体1501の内部空間内に取り付けられる周辺制御基板1510は、CPU、RAM、VDP、VRAM、音源、シリアルATAコントローラ(Advanced Technology Attachment、以下、「SATAコントローラ」と記載する。)、そして各種I/Oインターフェイス等が1つの半導体チップ上に集積される周辺制御IC1510aと、遊技演出の進行やデモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)を制御することができる各種プログラムや演出の進行を規定する各種スケジュールデータを予め記憶する制御ROM1510bと、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aに記憶される各種の制御情報(周辺データ)が転送されて記憶することができるSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)1510c1,1510c2から構成されるSDRAM1510cと、音量を調整することができるスライド方式の音量調整スイッチ1510dと、図示しないリアルタイムクロックICに電源断時においても電源を供給することができるバックアップ電源1510eと、各種電源電圧を作成する図示しない電源作成回路と、各種コネクタCN1〜CN7と、を備えている。このような周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510a、ROM1510b、SDRAM1510c、及び周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aは、ICのピン間隔が小さくなっていると共に、周辺制御基板1510に備える各種コネクタCN1〜CN7、特殊コネクタSCN1,SCN2のピン間隔が狭くなり、周辺制御基板1510にコネクタの数が増大することでコネクタCN1〜CN7の間隔が狭くなり、コネクタCN7と特殊コネクタSCN2との間隔も狭くなっている。
周辺制御基板1510に備える制御ROM1510bは、128Mbitの記憶容量を有し、周辺制御基板1510に備えるSDRAM1510c1,1510c2は、それぞれ2Gbitの記憶容量を有している。周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aは、62Gbitの記憶容量を有している。
周辺制御基板1510の各種I/Oインターフェイスとしては、各種シリアルI/O、各種パラレルI/O等がある。各種シリアルI/Oとしては、SPI(Serial Peripheral Interface)通信、UART(Universal Asynchronous Receiver Transmitter)通信、及びI2C(Inter−Integrated Circuit)通信等である。
本実施形態では、主制御基板1310からのコマンドを受信する通信方法としてUART通信を採用し(コネクタCN5を介して通信する。)、遊技盤5側に備える各種基板、扉枠側に備える各種基板に対して制御データを送信する通信方法としてSPI通信やI2C通信を採用しているものもある(コネクタCN3、コネクタCN6、及びコネクタCN7のうち、対応するコネクタを介して通信している)。
本実施形態では、例えば、SPI通信やI2C通信を用いて、遊技盤5側に備える電気的駆動源(例えば、各種演出ユニットに備える各種モータであり、コネクタCN6又はコネクタCN7を介して通信している。)や、扉枠3側に備える電気的駆動源(例えば、演出操作ユニット300に備える操作リング駆動モータ342や操作ボタン昇降駆動モータ367等であり、コネクタCN3を介して通信している。)を駆動する駆動制御ICに対して駆動データを送信したり、遊技盤5側に備える各種センサ(例えば、各種演出ユニットに備える各種検知センサであり、コネクタCN6を介して通信している。)からの信号を検知データとして受信したり、扉枠3側に備える各種センサ(例えば、演出操作ユニット300に備える各種検知センサであり、コネクタCN3を介して通信している。)からの信号を検知データとして受信したりする。なお、本実施形態では、SPI通信による転送速度は、250kpbsに設定され、I2C通信による転送速度は、1kbpsに設定されている。
各種パラレルI/Oとしては、GPIO(General Purpose Input/Output、汎用IO)がある。本実施形態では、遊技盤5の周辺制御ユニット1500に備える空冷ファンFANの回転状態を伝える空冷ファンFANからの信号が(コネクタCN1を介して)GPIOに入力されたり、遊技盤5側に備える図示しない制御対象の動作や原点位置を確認する各種センサからの信号が(コネクタCN6を介して)GPIOに入力されたり、遊技盤5側に備える図示しない制御対象に対する制御信号をGPIOから(コネクタCN6を介して)出力したり、周辺制御IC1510aが動作している旨を報知するための周辺制御基板1510に備えるLEDML4に信号をGPIOから出力したりする。また、本実施形態では、GPIOをシリアル通信として機能するように使用している。例えば、所定の割り込み処理(例えば、16ミリ秒(ms)ごとに発生する割り込み処理)において、GPIOからクロック信号を作り出すとともに、このクロック信号に基づいて、GPIOからデータを1ビットずつ出力することでシリアルデータを作り出すことができる。このようなGPIOをシリアル通信として機能するように使用することにより、所定の割り込み処理(例えば、16ミリ秒(ms)ごとに発生する割り込み処理)において、例えば、遊技盤5側に備える複数のLED(コネクタCN1を介して通信している。)に対して発光データを複数の遊技盤側シリアル系統として出力することができるとともに、扉枠3側に備える複数のLED(コネクタCN6を介して通信している。)に対して発光データを複数の扉枠側シリアル系統で送信することができる。
本実施形態では、例えば、コネクタCN1にはGPIOが割り当てられ、コネクタCN3にはSPI通信、及びI2C通信が割り当てられ(つまり、コネクタCN3は、SPI通信、及びI2C通信が併存するコネクタとして割り当てられ)、コネクタCN5にはUART通信が割り当てられ、コネクタCN6にはSPI通信、及びGPIOが割り当てられ(つまり、コネクタCN6は、SPI通信、及びGPIOが併存するコネクタとして割り当てられ)、コネクタCN7にはSPI通信が割り当てられている。
周辺制御IC1510aのSATAコントローラは、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aとSATA規格に準拠する通信を確立することができ、2Gbpsという高速な転送速度(3Gbpsまで対応。)を実現している。周辺制御IC1510aのSATAコントローラは、周辺制御IC1510aのCPUの指示により、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aからの各種の制御情報(周辺データ)を、周辺制御IC1510aのRAMに高速に転送したり、SDRAM1510c1,1510c2に高速に転送したりすることができるようになっている。
SDRAM1510c1,1510c2は、DDR3 SDRAM(Double Data Rate3 Synchronous Dynamic Random Access Memory)であり、高速なデータ通信速度を実現することができるものである。SDRAM1510c1,1510c2は、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aからの各種の制御情報(周辺データ)が周辺制御IC1510aのSATAコントローラにより高速に転送される。
周辺制御基板1510は、さらに、周辺データROM基板1520と基板間接続するための特殊コネクタSCN1と、液晶出力基板1530と基板間接続するための特殊コネクタSCN2と、を備えている。周辺データROM基板1520は、周辺制御基板1510と基板間接続するための特殊コネクタSCN3を備えている。液晶出力基板1530は、周辺制御基板1510と基板間接続するための特殊コネクタSCN4を備えている。
周辺制御基板1510は、演出表示装置等の表示装置に描画する画像の描画データを複数種類の映像信号の方式で特殊コネクタSCN2から出力する。この複数種類の映像信号の方式としては、例えば、RGB方式、LVDS方式、MIPI(Mobile Industry Processor Interface)方式、eDP(Embedded DisplayPort)方式及びクロックレス方式等の複数種類の方式があり、本実施形態では、RGB方式を1系統、LVDS方式を2系統(第1のLVDS方式、第2のLVDS方式)、及びMIPI方式という4つの方式(合計4系統)が採用されている。また、本実施形態では、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式として、2つのLVDS方式の系統のうち、一方のLVDS方式の系統(例えば、第1のLVDS方式の系統)が採用されている。なお、MIPI方式に代えて例えばeDP方式を採用し、RGB方式を1系統、LVDS方式を2系統(第1のLVDS方式、第2のLVDS方式)、及びeDP方式を1系統とする周辺制御基板1510を作成することもできる。
また、周辺制御基板1510は、さらに、制御ROM1510bの近傍にLEDML1と、SDRAM1510cの近傍にLEDML2と、特殊コネクタSCN1の近傍にLEDML3と、特殊コネクタSCN2の近傍にLEDML4と、を備えている。周辺制御基板1510は、後述するが、基板ユニット620の電源基板630からの各種電圧(直流+35V、直流+12V、及び直流+5V)が直接供給されている。LEDML1は、直流+5Vが供給されている状態を確認(モニター)するものであり、直流+5Vが供給されている状態において点灯状態が維持される。LEDML2は、直流+12Vが供給されている状態を確認(モニター)するものであり、直流+12Vが供給されている状態において点灯状態が維持される。LEDML3は、直流+35Vが供給されている状態を確認(モニター)するものであり、直流+35Vが供給されている状態において点灯状態が維持される。LEDML4は、周辺制御IC1510aの動作を確認(モニター)するものであり、周辺制御IC1510aが動作している状態において点灯状態が維持される。
周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のシールド板1540と共にそれぞれカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられることによりシールド板1540がカバー体1501と各種基板とにより挟持されて固定される状態においては、上述したように、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)とカバー平板1501aの裏面との間に所定高さの距離寸法(本実施形態では、14.8mm)を有する空間が形成される状態となり、この空間内に金属製のシールド板1540が配置されることで2つの空間が形成される状態となる。この2つの空間は、上述したように、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)と金属製のシールド板1540のシールド平板1540aの裏面との間に第1の所定高さの距離寸法(本実施形態では、12mm)を有する第1の空間1505a(図183を参照。)と、金属製のシールド板1540のシールド平板1540aの表面とカバー平板1501aの裏面との間に第2の所定高さの距離寸法(本実施形態では、1.6mm)を有する第2の空間1505b(図183を参照。)と、から構成されている。
第1の空間1505aには、上述したように、周辺制御基板1510に備える各種電子部品等、周辺データROM基板1520に備える各種電子部品等、及び液晶出力基板1530に備える各種電子部品等が収容されている。このように形成される第1の空間1505a内を、周辺制御基板1510の表面に備えるLEDML1〜LEDML4が点灯することによって、明るく照らすことができるようになっている。
周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1,SCN2、周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3、及び液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4は、フローティング機構を備えている点で、周辺制御基板1510に備えるコネクタCN1〜CN7、及び液晶出力基板1530に備えるコネクタCN8〜CN10と構造が全くことなっている。これらのコネクタCN1〜CN10は、それぞれソケットであり、周辺制御基板1510及び液晶出力基板1530に対して垂直方向に、対応するコネクタのプラグを挿入して押し込むことによりソケットとプラグとが嵌合する。コネクタCN1〜CN10のソケットは、この嵌合する際に、周辺制御基板1510及び液晶出力基板1530を正面から見てそれぞれ上下方向へ移動する量が全くない構造となっている。
周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1,SCN2は、それぞれプラグであり、周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3、及び液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4は、それぞれソケットである。
周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3のソケットを、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1のプラグに挿入して押し込むことによりソケットとプラグとが嵌合する。周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3のソケットは、この嵌合する際に、周辺データROM基板1520(周辺制御基板1510)を正面から見てソケットが前後方向(パチンコ機1の背面と正面との方向)へ向かって所定距離範囲を動くことによって押し込む際に生ずる前後方向の誤差を吸収することができるというフローティング機構が設けられている構造となっている。なお、周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3のソケットは、周辺データROM基板1520がカバー体1501のカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられて固定される状態において、周辺データROM基板1520(周辺制御基板1510)を正面から見て上述した所定距離範囲のうち、最大限動いたとしても、特殊コネクタSCN3のソケットの正面(上面)がカバー体1501のカバー平板1501aの裏面に接触しないように、特殊コネクタSCN3のソケットの正面(上面)と、カバー体1501のカバー平板1501aの裏面と、の間にすき間が形成されている。
液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4のソケットを、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2のプラグに挿入して押し込むことによりソケットとプラグとが嵌合する。液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4のソケットは、この嵌合する際に、液晶出力基板1530(周辺制御基板1510)を正面から見てソケットが前後方向(パチンコ機1の背面と正面との方向)へ向かって所定距離範囲を可動することによって押し込む際に生ずる前後方向の誤差を吸収することができるというフローティング機構が設けられている構造となっている。なお、液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4のソケットは、液晶出力基板1530がカバー体1501のカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられて固定される状態において、液晶出力基板1530(周辺制御基板1510)を正面から見て上述した所定距離範囲のうち、最大限動いたとしても、特殊コネクタSCN4のソケットの正面(上面)がカバー体1501のカバー平板1501aの裏面に接触しないように、特殊コネクタSCN4のソケットの正面(上面)と、カバー体1501のカバー平板1501aの裏面と、の間にすき間が形成されている。
ここで、周辺データROM基板1520に特殊コネクタSCN3、液晶出力基板1530に特殊コネクタSCN4を採用した理由について簡単に説明する。周辺データROM基板1520には、周辺制御基板1510の制御対象となっている各種の制御情報(周辺データ)を記憶することができる周辺データROM1520aを備えている。各種の制御情報(周辺データ)としては、演出表示装置1600にさまざまな演出画像を描画するための背景画像、キャラクタ画像、図柄画像等の画像データ、扉枠3や遊技盤5に備える各種装飾基板に複数実装される各種LED等の発光態様(点灯、階調、点滅、消灯等)を規定する発光データ、音楽、音声、警告音、報知音等の音データ、扉枠3や遊技盤5に備える各種可動演出体を駆動制御するための駆動データ等を挙げることができる。
周辺データROM1520aは、NAND型フラッシュ(不揮発性)メモリであり、NOR型フラッシュ(不揮発性)メモリと比べて安価であり、大容量であり、そして各種データの書き込みを高速に行うことができる。周辺データROM1520aは、動作電圧が低く、消費電力を抑制することができと共に、SATA規格に準拠する通信による高速な転送速度を実現することができる。
このように、周辺データROM1520aとしてNAND型フラッシュ(不揮発性)メモリを採用することによって、コストダウンを実現すると共に、消費電力の抑制に寄与し、記憶した各種データを高速な転送速度により読み出すことができる。ところが、周辺データROM1520aは、その動作電圧が低いことにより消費電力を抑制することができるものの、動作電圧が低いことによってノイズの影響を受けやすい。また周辺データROM基板1520から、周辺データROM1520aに記憶される各種データを周辺制御基板1510に対して、正確にかつ確実に伝送する必要がある。そこで、本実施形態では、周辺データROM基板1520と周辺制御基板1510との基板間を、配線(ハーネス)を介して、電気的に接続するという構成を採用せず、周辺データROM基板1520と周辺制御基板1510とを基板間コネクタにより電気的に接続するという構成を採用することで基板間伝送路に対して侵入するノイズの影響を低減している。
カバー体1501の内部空間内に各種基板の取り付け手順については後述するが、周辺データROM基板1520は、自身に備える特殊コネクタSCN3のソケットを、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1のプラグに挿入して押し込んだ後に、周辺制御基板1510と共に、周辺データROM基板1520及び液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定する必要があるため、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN3のソケットを採用することにより、この周辺制御基板1510と共に、周辺データROM基板1520をカバー平板1501aの裏面側に固定する際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
また、カバー体1501は、上述したように、非導電性の樹脂製であるため、設計寸法距離公差内であるものの、成型後にカバー体1501のカバー平板1501aが反る場合がある。このような場合であっても、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN3のソケットを採用することにより、周辺制御基板1510と共に、周辺データROM基板1520を、反ったカバー平板1501aの裏面側に固定する際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
液晶出力基板1530は、周辺制御基板1510から伝送される演出表示装置1600に描画する画像の描画データをコネクタCN10から出力することにより、演出表示装置1600に演出の進行(例えば、遊技者に対して通常状態と比べて有利な大当り遊技状態が発生する旨を伝える画像、大当り遊技状態が発生しない旨を伝える画像、大当り遊技状態が発生しないものの、通常状態と比べて大当り遊技状態が発生する状態へ近づいている旨を伝える画像等)を画像として描画する重要な基板である。このため、周辺制御基板1510からの演出表示装置1600に描画する画像の描画データを液晶出力基板1530に対して、正確にかつ確実に伝送する必要がある。そこで、本実施形態では、液晶出力基板1530と周辺制御基板1510との基板間を、配線(ハーネス)を介して、電気的に接続するという構成を採用せず、液晶出力基板1530と周辺制御基板1510とを基板間コネクタにより電気的に接続するという構成を採用することで基板間伝送路に対して侵入するノイズの影響を低減している。
カバー体1501の内部空間内に各種基板の取り付け手順については後述するが、液晶出力基板1530は、自身に備える特殊コネクタSCN4のソケットを、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2のプラグに挿入して押し込んだ後に、周辺制御基板1510と共に、周辺データROM基板1520及び液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定する必要があるため、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN4のソケットを採用することにより、この周辺制御基板1510と共に、液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定する押し込む際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
また、カバー体1501は、上述したように、非導電性の樹脂製であるため、設計寸法距離公差内であるものの、成型後にカバー体1501のカバー平板1501aが反る場合がある。このような場合であっても、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN4のソケットを採用することにより、周辺制御基板1510と共に、液晶出力基板1530を、反ったカバー平板1501aの裏面側に固定する際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
なお、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530がカバー平板1501aの裏面側に固定されると、上述したように、周辺制御基板1510の裏面と、周辺データROM基板1520の裏面と、液晶出力基板1530の裏面と、が同一の平面上に配置されるようになっているため、周辺制御基板1510に表面に対して周辺データROM基板1520や液晶出力基板1530を配置するという立体配置を行う場合と比べると、周辺制御ユニット1500の前後方向(つまり奥行き方向)の距離寸法を小さくすることができるため、例えば、遊技盤5に大型の演出ユニット(可動演出体を作動することができる電気的駆動源や駆動機構、及び原点位置や作動位置を検出すための各種センサ)を配置するための奥行き方向の距離寸法の確保に寄与することができる。
[6−6.周辺制御ユニットの組み立て方法]
ここで、周辺制御ユニット1500の組み立て方法について説明する。まず、周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3のソケットを、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1のプラグに挿入して押し込む。続いて、液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4のソケットを、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2のプラグに挿入して押し込む。
続いて、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520及び液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に取り付けるために、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c1に形成される貫通孔1540c1aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1に合わせるように配置し、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c2に形成される貫通孔1540c2aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag4に合わせるように配置し、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b1に形成される貫通孔1540b1aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah2に合わせるように配置し、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b2に形成される貫通孔1540b2aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1に合わせるように配置する。
続いて、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r1,1520r3を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501ai1,1501ai2に挿入すると共に、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r2,1530r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501an1,1501an2に挿入する。これにより、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1〜1510r4は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4と対応する配置となり、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r2,1520r4は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1,1501ah2と対応する配置となり、そして液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r1,1530r3は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am2と対応する配置となる。
続いて、周辺データROM基板1520に形成される貫通孔1520r2,1520r4に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah1,1501ah2へ向かってねじ込むことにより周辺データROM基板1520をカバー平板1501aの裏面側に固定し、液晶出力基板1530に形成される貫通孔1530r1,1530r3に図示しない金属製のナベねじを挿入してカバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1,1501am2へ向かってねじ込むことにより液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定する。これにより、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b1がカバー体1501と周辺データROM基板1520とにより挟持される状態となると共に、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b2がカバー体1501と液晶出力基板1530とにより挟持される状態となる。
続いて、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1〜1510r4は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4と対応する配置となっているため、そのまま、又は、微調整する必要がある場合には周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1〜1510r4を、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4に合わせるように微調整して配置し、貫通孔1510r1〜1510r4に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付ボス孔1501ag1〜1501ag4へ向かってねじ込むことにより周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定する。これにより、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c1,1540c2がカバー体1501と周辺制御基板1510とにより挟持される状態となる。つまり、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のシールド板1540と共にそれぞれカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられることによりシールド板1540がカバー体1501と各種基板とにより挟持されて固定される状態となる。
このように、周辺データROM基板1520、液晶出力基板1530、及び周辺制御基板1510のうち、周辺制御基板1510を最後にカバー平板1501aの裏面側に固定するようになっている。
周辺データROM基板1520は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501ai1,1501ai2に挿入されことにより上下左右方向の移動が拘束されると共に、液晶出力基板1530は、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス突出部1501an1,1501an2に挿入されることにより上下左右方向の移動が拘束されるのに対して、周辺制御基板1510には、上下左右方向を拘束するための取付ボス突出部がカバー平板1501aの裏面側に形成されていない。これは、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530をカバー平板1501aの裏面側に固定することにより上下左右方向を拘束して、このような拘束による寸法誤差を、周辺制御基板1510をカバー平板1501aの裏面側に固定する際に、周辺制御基板1510に形成される貫通孔1510r1〜1510r4と、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1〜1501ag4と、におけるそれぞれの寸法公差により吸収することができるようになっている。
続いて、カバー平板1501aの裏面側に周辺データROM基板1520、液晶出力基板1530、及び周辺制御基板1510が固定された状態において、カバー体1501に形成される板状の案内部1501ca,1501cbを、ベース体1502の係合部1502caに形成される案内受部1502caa,1502cabに挿入すると共に、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaを、ベース体1502の係合部1502caに形成されるヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに挿入する。
続いて、ヒンジ受け部1502cac,1502cadのU字溝形状の袋部1502cae,1502cafに、カバー体1501に形成されるヒンジ掛け部1501cc,1501cdのL字状の鉤部1501cca,1501cdaが当接した状態でベース体1502によりカバー体1501の開口側を覆うように回り込ませ、金属製のシールド板1540のL字状回路アース片1540dがベース体1502の貫通口1502abを通って、そのままベース体1502をカバー体1501に被せた状態において、L字状回路アース片1540dがベース体1502の裏面から突出する状態となり、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaに図示しない金属製のアンカーリベットが挿入された金属製ワンウェイネジを挿入してベース体1502に形成されるベース側封印部1502eaへ向かってねじ込む。金属製ワンウェイネジがねじ込まれることにより金属製アンカーリベットの先端面がベース側封印部1502eaにおいて外部へ向かって広がることによって、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaと、ベース体1502に形成されるベース側封印部1502eaと、が封印される状態となる。
このような封印された状態においては、ベース体1502のベース側壁1502b〜1502eの内側にカバー体1501のカバー側壁1501b〜1501eが嵌まると共に内接(面接触)する状態となる。また、このように封印された状態において、金属製のシールド板1540のL字状回路アース片1540dがベース体1502の裏面から突出する状態となり、ベース体1502の裏面からL字状回路アース片1540dの裏面までに亘る距離寸法(突出長さ)が6.8mmとなっている。
なお、このような封印された状態を解除する場合には、カバー体1501に形成されるカバー側封印部1501eaを工具により破壊しなければならい構造となっている。したがって、開閉の痕跡を見ることで、カバー体1501とベース体1502とから構成される周辺制御基板ボックス1505の不正な開閉を発見することができ、周辺制御基板ボックス1505への不正行為に対する抑止力が高められている。
続いて、カバー体1501のカバー平板1501aに形成されるFAN取付凹部1501aaに空冷ファンFANを押し込み、空冷ファンFANからの複数の配線をカバー体1501のカバー平板1501aに形成される配線引出凹部1501abから引き出し、取付孔1501aac1,aac2にそれぞれカバー平板1501aの正面から後方へ向かって、図示しない金属製の座付きナベねじ(ナベ頭と平ワッシャーとを一体とした形状を有するねじ)をねじ込む。
続いて、液晶出力基板1530のコネクタCN10に対して、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される配線引出開口部1501aeを介して、演出表示装置1600への複数の配線(ハーネス)を接続するためのコネクタを挿入して取り付けて、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される取付凹部1501afに配線カバー体1503を嵌め合わせる。配線カバー体1503に形成される貫通孔1503b1,1503b2に図示しない金属製のナベねじを挿入して取付孔1501afb1,1501afb2にそれぞれ配線カバー体1503の正面から後方へ向かってねじ込むことにより、配線カバー体1503を取付凹部1501afに固定する。これにより、複数の配線は、配線カバー体1503によりカバーされて触れることができない。
続いて、導電性弾性部材1545の導電性粘着テープ1545cのピール紙を剥がして、ベース体1502の裏面から突出する金属製のシールド板1540のL字状回路アース片1540dの裏面に導電性弾性部材1545の粘着テープ1545cを取り付ける(接着する)。
このように組み立てられる周辺制御ユニット1500を、遊技盤5に備える遊技パネル1100の後側であって演出表示装置1600を収容する透明な合成樹脂製ボックスの裏面側に形成される取付部に取り付ける場合には、周辺制御ユニット1500を正面から見て、周辺制御ユニット1500の左辺側(周辺制御ユニット1500のベース体1502に形成される係合部1502ca側)を、透明な合成樹脂製ボックスの裏面側に形成される取付部を構成する装着溝に挿入し、周辺制御ユニット1500のベース体1502に形成される貫通孔1502eb1,1502eb2に図示しない金属製のナベねじを挿入して透明な合成樹脂製ボックスの裏面側に形成される取付部を構成する取付孔へ向かってねじ込むことにより固定する。
演出表示装置1600は、上述したように、額縁状の金属製フレームと、この金属製フレームの後面全体を塞ぐ金属製裏蓋と、透明な合成樹脂製ボックスと、により構成されている。額縁状の金属製フレームには、液晶パネル、バックライト、駆動回路等が収容されている。この額縁状の金属製フレームの後面全体が金属製裏蓋により塞がれて固定された状態となっており、透明な合成樹脂製ボックスに収容されている。また、演出表示装置1600は、上述したように、自身の後側に取付けられる周辺制御ユニット1500により制御され、周辺制御ユニット1500に収容される周辺制御基板1510等のグランド(GND)ラインと電気的に接続されることにより同一のグランド(GND)となるようになっている。周辺制御ユニット1500を演出表示装置1600の透明な合成樹脂製ボックスの裏面側に形成される取付部に取り付けると、ベース体1502の裏面から突出する金属製のシールド板1540のL字状回路アース片1540dが透明な合成樹脂製ボックスの裏面側に形成される図示しない貫通口を通って、図184に示すように、導電性弾性部材1545を介して、演出表示装置1600の金属製裏蓋に当接した状態となる。このとき、導電性弾性部材1545が押し込まれて高さ方向につぶれる(本実施形態では、導電性弾性部材1545の高さが1mm〜1.5mmつぶれる)ことにより、寸法公差や組み付け誤差による寸法ズレを導電性弾性部材1545により吸収することができるようになっている。これにより、周辺制御ユニット1500の金属製のシールド板1540と、演出表示装置1600の金属製裏蓋と、が電気的に確実に接続される状態とし、周辺制御ユニット1500に収容される周辺制御基板1510等のグランド(GND)ラインと電気的に接続されて、同一のグランド(GND)とすることができるため、電磁波ノイズに対して強い環境を周辺制御ユニット1500とその周辺に対して構築することができる。
なお、上述した組み立て方法のうち、カバー体1501の内部空間内に各種基板の取り付け手順においては、例えば、まず金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c1に形成される貫通孔1540c1aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag1に合わせるように配置し、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540c2に形成される貫通孔1540c2aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ag4に合わせるように配置し、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b1に形成される貫通孔1540b1aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501ah2に合わせるように配置し、金属製のシールド板1540のL字状取付片1540b2に形成される貫通孔1540b2aを、カバー平板1501aの裏面側に形成される取付ボス孔1501am1に合わせるように配置する。
続いて、周辺データROM基板1520を周辺制御基板1510のカバー平板1501aの裏面側における上述した所定位置(周辺データROM基板1520は、カバー体1501を背面から見て、カバー体1501の右上側に配置されている。)に固定すると共に、液晶出力基板1530を周辺制御基板1510のカバー平板1501aの裏面側における上述した所定位置(液晶出力基板1530とは、カバー体1501を背面から見て、カバー体1501の右下側に配置されている。)に固定した後において、周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3のソケットを、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1のプラグに挿入して押し込むと共に、液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4のソケットを、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2のプラグに挿入して押し込み、周辺制御基板1510を上述した所定位置(周辺制御基板1510は、カバー体1501を背面から見て、カバー体1501の左側に詰めて配置されている。)に固定することもできる。このような各種基板の取り付け手順においても、上述したフローティング機構が設けられる特殊コネクタSCN3,SCN4のソケットを採用することにより、この押し込む際に生ずる前後方向の誤差を吸収することで、プラグとソケットとに複数形成される接続端子の破損を防止して、周辺データROM基板1520と周辺制御基板1510との基板間における伝送路を確実にそれぞれ形成することができることができると共に、液晶出力基板1530と周辺制御基板1510との基板間における伝送路を確実に形成することができることができる。
ところで、パチンコ機に装着される遊技盤には、遊技仕様が異なる複数種類のものが存在する。本実施形態では、カバー体1501のカバー平板1501aの裏面側に、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板を3つに分割してそれぞれ取り付けることができるように構成すると共に、周辺制御基板1510はパチンコ機に装着される遊技盤の遊技仕様に依存されない共通に利用することができる基板とし、周辺データROM基板1520は周辺データROM1520aに遊技盤の遊技仕様ごとに対応する周辺データが記憶されることで遊技盤の遊技仕様に依存される基板とし、液晶出力基板1530は演出表示装置1600に入力される映像信号の方式に依存される基板としている。
これにより、周辺制御基板1510は、遊技盤の遊技仕様に依存されない基板であって、かつ、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式に依存されない基板であり、共通化された基板となっているため、再利用(使い回し)することができる。また、遊技盤の遊技仕様ごとに対応する周辺データが記憶される周辺データROM1520aを備える周辺データROM基板1520と周辺制御基板1510とが上述した基板間コネクタにより電気的に接続されるようになっているため、遊技盤の遊技仕様に合わせて、周辺データROM基板1520を容易に交換することができる。
演出表示装置等の表示装置に入力される映像信号の方式には、例えば、上述したように、RGB方式、LVDS方式、MIPI方式、eDP方式及びクロックレス方式等の複数種類の方式がある。これら複数種類の方式と対応する液晶出力基板1530と周辺制御基板1510とが上述した基板間コネクタにより電気的に接続されるようになっている。つまり、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式に合わせて、液晶出力基板1530を容易に交換することができる。本実施形態では、上述したように、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式として、2つのLVDS方式の系統のうち、一方のLVDS方式の系統(例えば、第1のLVDS方式の系統)が採用されているため、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式(LVDS方式)に合わせた液晶出力基板1530が周辺制御基板1510と上述した基板間コネクタにより電気的に接続されている。
また、本実施形態では、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503は、非導電性の樹脂製として透明に成型されて構成され、カバー体1501の内部空間内には、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のシールド板1540と共にそれぞれ所定位置に取り付けられることによりシールド板1540がカバー体1501と各種基板とにより挟持されて固定されると、金属製のシールド板1540が各種基板のグランド(GND)へ回路アースされるように構成されている。また、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインは、上述したように、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されている。このため、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503から侵入した電磁波ノイズを、金属製のシールド板1540を介して、回路アースとして、各種基板のグランド(GND)、電源基板630のグランド(GND)、そして図102(b)に示した枠アース基板559から遊技ホールの島設備のアースへ導いて除去することができるようになっている。これにより、各種基板(電源基板630を含む。)に、このような電磁波ノイズを除去する専用のフィルタをそれぞれ備える必要がなく、各種基板(電源基板630を含む。)のコストダウンに寄与することができる。
ここで、カバー体1501のカバー平板1501aに形成される複数の円形状を有する通風孔1501azの配置と、金属製のシールド板1540のシールド平板1540aに形成される複数の円形状を有する通風孔1540azの配置と、について説明する。これらの複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azは、上述したように、カバー体1501の内側空間を空冷することができると共に、不正の有無を確認することができる機能も有している。
具体的には、周辺制御ユニット1500が上述したように組み立てると、図182に示すように、FAN取付凹部1501aaの右側に配置される複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azは、周辺制御基板1510に備える制御ROM1510bの表面に印刷されている品番や型式(又は管理番号)と、制御ROM1510bのICピンの状態と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容(例えば、ICの向き、部品番号、ピン番号等)と、を視認することができるように、つまり、制御ROM1510bの表面と、ICピンの状態と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容と、を多方向の角度から確認することができるように、制御ROM1510bの形状より大きな領域となるようにそれぞれ分散して配置されている。これにより、制御ROM1510bと周辺制御基板1510にシルク印刷された内容との対応関係に加えて、制御ROM1510bの改変を、複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azを介して、確認することができる。また、制御ROM1510bの近傍に配置されるLEDML1は、基板ユニット620の電源基板630からの直流+5Vが供給されている状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、直流+5Vが供給されている状態を確認(モニター)する機能を有しているものの、制御ROM1510bを明るく照らすというスポットライトとしての機能も更に有することによって、制御ROM1510bの表面の視認性の向上と、ICピンの状態の視認性の向上と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容の視認性の向上と、に寄与することができるようになっている。
また、FAN取付凹部1501aaの左側に配置される複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azは、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間コネクタの接続状態を確認することができるように、基板間コネクタの形状(周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に特殊コネクタSCN3とにより構成される形状)より大きな領域であって、さらに、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aの表面に印刷されている品番や型式(又は管理番号)と、周辺データROM1520aのICピンの状態と、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520とにそれぞれシルク印刷された内容(例えば、コネクタのピン数、ICの向き、部品番号、ピン番号等)を視認することができるように、つまり、周辺データROM1520aの表面と、ICピンの状態と、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520とにそれぞれにシルク印刷された内容と、を多方向の角度からほぼ確認することができる大きな領域となるようにそれぞれ分散して配置されている。これにより、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺制御基板1510にシルク印刷された内容との対応関係、周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3と周辺データROM基板1520にシルク印刷された内容との対応関係に加えて、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aの改変、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタの改変を、複数の円形状を有する通風孔1501azを介して、確認することができる。また、特殊コネクタSCN1の近傍に配置されるLEDML3は、基板ユニット620の電源基板630からの直流+35Vが供給されている状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、直流+35Vが供給されている状態を確認(モニター)する機能を有しているものの、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタを明るく照らすというスポットライトとしての機能も更に有することによって、周辺データROM1520aの表面の視認性の向上と、ICピンの状態の視認性の向上と、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520とにそれぞれにシルク印刷された内容の視認性の向上と、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタの視認性の向上と、に寄与することができるようになっている。
また、FAN取付凹部1501aaの左下側に配置される複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azは、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間コネクタの接続状態を確認することができるように、基板間コネクタの形状(周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に特殊コネクタSCN4とにより構成される形状)より大きな領域であって、さらに、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530とにそれぞれシルク印刷された内容(例えば、コネクタのピン数、ICの向き、部品番号、ピン番号等)を視認することができるように、それぞれ分散して配置されている。これにより、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と周辺制御基板1510にシルク印刷された内容との対応関係、液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4と液晶出力基板1530にシルク印刷された内容との対応関係に加えて、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタの改変を、複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azを介して、確認することができる。また、特殊コネクタSCN2の近傍に配置されるLEDML4は、周辺制御IC1510aが動作している状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、周辺制御IC1510aの動作を確認(モニター)する機能を有しているものの、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタを明るく照らすというスポットライトとしての機能を有することによって、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530とにそれぞれにシルク印刷された内容の視認性の向上と、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタの視認性の向上と、に寄与することができるようになっている。
また、FAN取付凹部1501aaの右下側に配置される複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azは、周辺制御基板1510に備えるSDRAM1510c1,1510c2の表面に印刷されている品番や型式と、SDRAM1510c1,1510c2のICピンの状態と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容(例えば、ICの向き、部品番号、ピン番号等)と、を視認することができるように、つまり、SDRAM1510c1,1510c2の表面と、ICピンの状態と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容と、を多方向の角度から確認することができるように、SDRAM1510c1,1510c2の形状より大きな領域となるようにそれぞれ分散して配置されている。これにより、SDRAM1510c1,1510c2と周辺制御基板1510にシルク印刷された内容との対応関係に加えて、SDRAM1510c1,1510c2の改変を、複数の円形状を有する通風孔1501az,1540azを介して、確認することができる。また、SDRAM1510c1,1510c2から構成されるSDRAM1510cの近傍に配置されるLEDML2は、基板ユニット620の電源基板630からの直流+12Vが供給されている状態において点灯状態が維持されるようになっているため、本来、直流+12Vが供給されている状態を確認(モニター)する機能を有しているものの、SDRAM1510cを明るく照らすというスポットライトとしての機能も更に有することによって、SDRAM1510c(つまり、SDRAM1510c1,1510c2)の表面の視認性の向上と、ICピンの状態の視認性の向上と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容の視認性の向上と、に寄与することができるようになっている。
また、空冷ファンFANの羽部を構成する複数のブレードのうち、ブレードとブレードとのすき間(具体的には、検査人が空冷ファンFANの羽部を回転させることによりブレードとブレードとのすき間)から周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aの品番を確認することができる。これにより、周辺制御IC1510aの周囲に不正基板が配置されていないかを、複数の円形状を有する通風孔1501azを介して、確認することができる。
なお、本実施形態では、周辺制御基板1510に備えるLEDML1〜LEDML4として、面実装型であって角度が120度程度というワイドなものであり、指向性の弱いタイプのものが採用されているため、照明としての用途にも適している。周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のシールド板1540と共にそれぞれカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられることによりシールド板1540がカバー体1501と各種基板とにより挟持されて固定される状態においては、上述したように、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)とカバー平板1501aの裏面との間に所定高さの距離寸法(本実施形態では、14.8mm)を有する空間が形成される状態となり、この空間内に金属製のシールド板1540が配置されることで2つの空間が形成される状態となる。この2つの空間は、上述したように、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)と金属製のシールド板1540のシールド平板1540aの裏面との間に第1の所定高さの距離寸法(本実施形態では、12mm)を有する第1の空間1505a(図183を参照。)と、金属製のシールド板1540のシールド平板1540aの表面とカバー平板1501aの裏面との間に第2の所定高さの距離寸法(本実施形態では、1.6mm)を有する第2の空間1505b(図183を参照。)と、から構成されている。第1の空間1505aには、上述したように、周辺制御基板1510に備える各種電子部品等、周辺データROM基板1520に備える各種電子部品等、及び液晶出力基板1530に備える各種電子部品等が収容されている。このように形成される第1の空間1505a内を、照明としての用途にも適している周辺制御基板1510の表面に備えるLEDML1〜LEDML4が点灯することによって、明るく照らすことができる。
また、シールド板1540が金属製であるため、光沢を有しており、周辺制御基板1510に備えるLEDML1〜LEDML4の発光面とそれぞれ対向する、金属製のシールド板1540のシールド平板1540aの裏面の領域及びその周囲に対しては、LEDML1〜LEDML4が発した光を反射させて再び周辺制御基板1510へ向かわせることができる反射部としての機能も有している。これらの反射部には、光沢を有する着色塗料をさらに塗布するように構成してもよい。
また、周辺制御ユニット1500が遊技盤5の近傍には、図4に示したように、遊技盤5の上方に球タンク552やタンクレール553が配置され、遊技盤5の側方に払出ユニット560が配置されるため、これらにより構成される球経路において遊技球が互いにこすれ合って帯電して静電放電することでノイズ源となる。このため、球経路が形成される遊技盤5の近傍は、遊技球からの静電放電による電磁波ノイズの影響を受ける環境が存在する。またパチンコ機1は、遊技ホールの島設備に背向かいで列設されている。このように、遊技盤5の周囲は電磁波ノイズの影響を極めて受け易い環境下にある。そこで、本実施形態においては、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503を、上述したように、非導電性の樹脂製として透明に成型されて構成し、カバー体1501の内部空間内に、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板を金属製のシールド板1540と共にそれぞれ所定位置に取り付けてシールド板1540をカバー体1501と各種基板とにより挟持して固定することにより、金属製のシールド板1540を各種基板のグランド(GND)と電気的に接続するという回路アースとする構成を採用した。また、本実施形態においては、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインを、上述したように、本体枠4の基板ユニット620における電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続することにより、同一のグランド(GND)とする構成を採用した。
これにより、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502から侵入した電磁波ノイズを、金属製のシールド板1540を介して、回路アースとして、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板のグランド(GND)、電源基板630のグランド(GND)、そして図102(b)に示した枠アース基板559から遊技ホールの島設備のアースへ導いて除去することができる。換言すると、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502から侵入した電磁波ノイズを、金属製のシールド板1540を介して、回路グランドという回路アースとして、枠アース基板559から遊技ホールの島設備のアースへ導いて除去することができる。
また、周辺制御ユニット1500が遊技盤5の近傍には、図4に示したように、遊技盤5の上方に球タンク552やタンクレール553が配置され、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に周辺制御ユニット1500が取り付けられた状態においては、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタと、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタと、を球タンク552の中央寄りに配置することで、タンクレール553から離して配置することができるようになっている。タンクレール553は、上述したように、主誘導部553aに複数形成される切り欠き部553aaを介して外部へ遊技球Bの金属粉を落下することができるようになっているため、上述した基板間コネクタをタンクレール553から離して配置することにより、上述した基板間コネクタにおいて遊技球Bの金属粉による電気的なトラブルの発生を防止することができる。
また、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3とによる基板間コネクタと、周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4とによる基板間コネクタと、は、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に周辺制御ユニット1500が取り付けられた状態において、図182に示したように、上下方向に長い配置とすることができるため、塵、何らかの金属性を有する粉等が付着する面積を最小限とすることができる。なお、上述した基板間コネクタを左右方向に長い配置とする場合には、塵、何らかの金属性を有する粉等が付着する面積が極めて増大することとなる。これに対して、周辺制御基板1510に備えるコネクタCN1〜CN7、及び液晶出力基板1530に備えるコネクタCN8,CN9は、図182に示したように、左右方向に長い配置となり、塵、何らかの金属性を有する粉等が付着する面積が極めて増大する配置となっているが、上述したように、コネクタ凹部1501acの底面から見ると、コネクタ凹部1501acの底面の上側がカバー平板1501aという突出する壁により、コネクタCN1〜CN9に対応するプラグが挿入されても、プラグが隠れた状態となってカバー平板1501aの表面から突出することができないようになっているため、カバー平板1501aの上辺に設けられるカバー側壁1501bに付着した塵、何らかの金属性を有する粉等がカバー側壁1501bから落下しても、コネクタCN1〜CN9に付着することを防止することができるようになっている。このように、塵、何らかの金属性を有する粉等が各電気端子への付着を防止することができるように、上述した基板間コネクタを配置する向きと、コネクタCN1〜CN9を配置する向きと、が選択されている。
因みに、従来より、図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データが記憶されるROM、種々の画像を表示する表示装置を制御するCPU等が実装される演出制御基板等を備える遊技機が提案されている(例えば、特開2016−116667号公報(図2))。ところで、表示装置に入力される映像信号の方式には複数種類のものがある。このため、この文献に記載される遊技機においては、表示装置に入力される映像信号に合わせて演出制御基板を改変して製造する必要があり、演出制御基板のコストを抑制することが困難であった。
また、従来より、図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データが記憶されるROM、種々の画像を表示する表示装置を制御するCPU等が実装される演出制御基板(演出制御手段)等を備える遊技機が提案されている(例えば、特開2016−116667号公報(図2))。ところで、遊技ホールの島設備から遊技機に供給される遊技球は、遊技ホールの島設備と遊技機とを循環する際に遊技球が互いに擦れ合うことで静電気を帯びるため、遊技機には遊技球からの静電放電による電磁波ノイズの対策を講ずる必要がある。
[7.制御構成]
次に、パチンコ機1の各種制御を行う制御構成について、図185乃至図187を参照して説明する。図185はパチンコ機の制御構成を概略で示すブロック図であり、図186はパネル駆動基板との接続関係の概略を示すブロック図であり、図187は図186のつづきを示すブロック図である。パチンコ機1の主な制御構成は、図115に示すように、遊技盤5に取付けられる主制御基板1310及び周辺制御基板1510と、本体枠4に取付けられる払出制御基板633と、から構成されており、それぞれの制御が分担されている。主制御基板1310は、遊技動作(遊技の進行)を制御することができるものである。周辺制御基板1510は、主制御基板1310からの各種コマンドに基づいて演出の進行を制御することができるものである。払出制御基板633は、遊技球Bの払出し等を制御することができる払出制御部633aと、ハンドル182の回転操作による遊技球Bの発射を制御することができる発射制御部633bと、を備えている。
[7−1.主制御基板]
遊技の進行を制御することができる主制御基板1310は、図185に示すように、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行される遊技動作を制御するメイン制御プログラムなどの各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである主制御MPU1310aと、各種センサからの検出信号が入力される主制御入力回路1310bと、各種信号を外部の基板等へ出力するための主制御出力回路1310cと、各種ソレノイドを駆動するための主制御ソレノイド駆動回路1310dと、予め定めた電圧の停電又は瞬停の兆候を監視する停電監視回路1310eと、主制御MPU1310aに内蔵されているRAMに記憶された情報を完全に消去するためのRAMクリアスイッチ1310fと、を備えている。なお、主制御MPU1310aは、主制御基板1310に備える図示しない水晶発振器の高周波回路により動作する。
主制御MPU1310aには、その内蔵されているRAM(以下、「主制御内蔵RAM」と記載する。)や、その内蔵されているROM(以下、「主制御内蔵ROM」と記載する。)のほかに、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマ(以下、「主制御内蔵WDT」と記載する。)や不正を防止するための機能等も内蔵されている。
また、主制御MPU1310aは、不揮発性のRAMが内蔵されている。この不揮発性のRAMには、主制御MPU4100aを製造したメーカによって個体を識別するためのユニークな符号(世界で1つしか存在しない符号)が付された固有のIDコードが予め記憶されている。この一度付されたIDコードは、不揮発性のRAMに記憶されるため、外部装置を用いても書き換えることができない。主制御MPU4100aは、不揮発性のRAMからIDコードを取り出して参照することができるようになっている。
また、主制御MPU1310aは、電気的なノイズの影響を受けると、ハードウェアによって強制的にリセットがかかる回路も内蔵されている(以下、「内蔵リセット回路」と記載する)。内蔵リセット回路は、主制御MPU1310aの所定のレジスタの内容を監視して、つじつまの合わない内容にレジスタが変化した場合に、電気的なノイズの影響を受けたとして、主制御MPU1310aを強制的にリセットする回路である。このような内蔵リセット回路による強制リセットは、ユーザプログラムによって制御して無効化することができない仕組みとなっている。このため、主制御MPU1310aは、内蔵リセット回路による強制リセットがかかると、後述する主制御側電源断時処理を実行することなく、リセットがかかり、再び、後述する主制御側電源投入時処理を実行することとなる。
この場合、主制御側電源断時処理が実行されていないため、後述するように、必ず主制御内蔵RAMのチェックサム(サム値)エラーとなるため、主制御内蔵RAMの内容が完全に消去(クリア)されることとなる。なお、主制御MPU1310aが内蔵リセット回路により強制リセットがかかったとしても、主制御MPU1310aの内蔵リセット回路から払出制御基板633に対してリセット信号を出力することがないため、主制御基板1310(主制御MPU1310a)のみが再起動することとなり、払出制御基板633は起動した状態が維持されている。
また、主制御MPU1310aは、遊技に関する各種乱数のうち、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数をハードウェアにより更新するハード乱数回路(以下、「主制御内蔵ハード乱数回路」と記載する。)が内蔵されている。
この主制御内蔵ハード乱数回路は、予め定めた数値範囲(本実施形態では、最小値として値0〜最大値として値65535という数値範囲が予め設定されている。)内において乱数を生成し、初期値として予め定めた値が固定されず(つまり、初期値が固定されず)、主制御MPU1310aがリセットされるごとに異なる値がセットされるように回路構成されている。具体的には、主制御内蔵ハード乱数回路は、主制御MPU1310aがリセットされると、まず、予め定めた数値範囲内における一の値を初期値として、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号(主制御MPU1310aと別体に設けた図示しない水晶発振器から出力されるクロック信号)に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出する。このような高速な抽選を主制御内蔵ハード乱数回路が繰り返し行い、主制御MPU1310aは、主制御内蔵ハード乱数回路から値を取得する時点における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した値を大当り判定用乱数としてセットするようになっている。
主制御入力回路1310bは、その各種入力端子に各種センサからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、主制御入力回路1310bは、図示しない主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、主制御入力回路1310bは、その各種入力端子に入力されている各種センサからの検出信号に基づく情報が主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
主制御出力回路1310cは、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されたオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、その各種入力端子に各種信号を外部の基板等へ出力するための各種信号が入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられるリセット機能を有するリセット機能付き主制御出力回路と、リセット端子が設けられていないリセット機能を有しないリセット機能なし主制御出力回路と、から構成されている。リセット機能付き主制御出力回路は、図示しない主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力される回路として構成されている。つまり、リセット機能付き主制御出力回路は、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が主制御システムリセットによりリセットされることによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から全く出力されない回路として構成されている。これに対して、リセット機能なし主制御出力回路は、図示しない主制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、リセット機能なし主制御出力回路は、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が主制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検出する第一始動口センサ3002(上述した、第一始動口センサ主側3002a、及び第一始動口センサ従側3002b)、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検出する第二始動口センサ2402、一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検出する一般入賞口センサ2401,3001、ゲート部2003を通過した遊技球Bを検知するゲートセンサ2506、大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2403、及び遊技領域5a内における不正な磁気を検知する磁気センサ3003、等からのそれぞれの検出信号は、主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
なお、第一始動口センサ3002、及び第二始動口センサ2402からのそれぞれの検出信号は、他の基板を介すことなく、つまり直接、主制御基板1310に入力され、主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。これに対して、一般入賞口センサ2401,3001、ゲートセンサ2506、大入賞口センサ2403、及び磁気センサ3003からのそれぞれの検出信号は、パネル中継基板1710を介して、つまり間接的に、主制御基板1310に入力され、主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
主制御MPU1310aは、これらの検出信号に基づいて、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路1310caに駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路から主制御ソレノイド駆動回路1310dに制御信号を出力することにより、主制御ソレノイド駆動回路1310dから始動口ソレノイド2412、及びアタッカソレノイド2414へそれぞれの駆動信号を、パネル中継基板1710を介して、つまり間接的に、出力したり、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路に駆動信号を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路から機能表示ユニット1400の状態表示器、普通図柄表示器、普通保留表示器、第一特別図柄表示器、第一特別保留数表示器、第二特別図柄表示器、第二特別保留数表示器、ラウンド表示器へそれぞれの駆動信号を、他の基板を介すことなく、つまり直接、出力したりする。
また、主制御MPU1310aは、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路に遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路から払出制御基板633に対して遊技に関する各種情報(遊技情報)を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路に信号(停電クリア信号)を出力することにより、リセット機能付き主制御出力回路から停電監視回路1310eに対して信号(停電クリア信号)を出力したりする。
なお、本実施形態おいて、第一始動口センサ3002(第一始動口センサ主側3002a、及び第一始動口センサ従側3002b)、第二始動口センサ2402、ゲートセンサ2506、及び大入賞口センサ2403には、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いているのに対して、一般入賞口センサ2401,3001には、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチを用いている。これは、遊技球Bが、第一始動口2002や第二始動口2004に頻繁に入球すると共に、ゲート部2003を頻繁に通過するため、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2402、及びゲートセンサ2506による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2402、及びゲートセンサ2506には、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。
また、遊技者にとって有利となる有利遊技状態(「大当り」遊技、等)が発生すると、大入賞口2005が開放されて遊技球Bが頻繁に入球するため、大入賞口センサ2403による遊技球Bの検出も頻繁に発生する。このため、大入賞口センサ2403に対しても、耐久性が高く寿命の長い近接スイッチを用いている。これに対して、遊技球Bが頻繁に入球しない一般入賞口2001には、一般入賞口センサ2401,3001による検出も頻繁に発生しない。このため、一般入賞口センサ2401,3001には、近接スイッチより寿命が短いメカニカルスイッチを用いている。
また、主制御MPU1310aは、その所定のシリアル出力ポートの出力端子からリセット機能なし主制御出力回路に払い出しに関する各種コマンドをシリアルデータとして送信することにより、リセット機能なし主制御出力回路から払出制御基板633に対して各種コマンドをシリアルデータとして送信する。払出制御基板633は、主制御基板1310からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(払主ACK信号)を主制御基板1310に対して出力する。この信号(払主ACK信号)が主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。
また、主制御MPU11310aは、払出制御基板633からのパチンコ機1の状態に関する各種コマンドをシリアルデータとして主制御入力回路1310bで受信することにより、主制御入力回路1310bからその所定のシリアル入力ポートの入力端子で各種コマンドをシリアルデータとして受信する。主制御MPU1310aは、払出制御基板633からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(主払ACK信号)を、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き主制御出力回路に出力し、リセット機能付き主制御出力回路から払出制御基板633に対して信号(主払ACK信号)を出力する。
また、主制御MPU1310aは、その所定のシリアル出力ポートの出力端子からリセット機能なし主制御出力回路に遊技演出の制御に関する各種コマンド及びパチンコ機1の状態に関する各種コマンドをシリアルデータとして送信することにより、リセット機能なし主制御出力回路から周辺制御基板1510に対して各種コマンドをシリアルデータとして送信する。
主制御基板1310には、基板ユニット620の電源基板630からの各種電圧(直流+35V、直流+12V、及び直流+5V)が払出制御基板633を介して供給されている。この主制御基板1310に各種電圧を供給する電源基板630は、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としての電気二重層キャパシタ(以下、単に「キャパシタ」と記載する。)BC0(図189等を参照)を備えている。このキャパシタBC0により主制御MPU1310aは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を主制御内蔵RAMに記憶することができるようになっている。主制御内蔵RAMに記憶される各種情報は、電源投入時から予め定めた期間内に主制御基板1310のRAMクリアスイッチ1310fが操作されると、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)が主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力され、これを契機として、主制御MPU1310aによって主制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。この操作信号(RAMクリア信号)は、リセット機能なし主制御出力回路に出力され、リセット機能なし主制御出力回路から払出制御基板633に対して出力されるようにもなっている。
停電監視回路1310eは、電源基板630からの直流+12V及び直流+35Vが供給されており、これら直流+12V及び直流+35Vの停電又は瞬停の兆候を監視している。停電監視回路1310eは、直流+12V及び直流+35Vの停電又は瞬停の兆候を検出すると、停電予告として停電予告信号を主制御MPU1310aに出力し、停電予告信号は、主制御MPU1310aの所定の入力ポートの入力端子に入力されるとともに、主制御基板1310(主制御出力回1310cを介して出力され)、そして払出制御基板4110の払出制御入力回路633abを介して払出制御MPU633aaの所定の入力ポートの入力端子に入力される。また、停電予告信号は、主制御基板1310を介して周辺制御基板1510に入力される。なお、停電予告信号は、扉枠3の装着される基板等にそれぞれ入力されるように構成してもよい。
本実施形態では、停電監視回路1310eは、直流+12Vが供給される電源ライン(+12V電源ライン)と、直流+35Vが供給される電源ライン(+35V電源ライン)と、の2つの電源ラインに印加される電圧をそれぞれ監視することによって、+12V電源ライン又は+35V電源ラインの一方の電源ラインに印加される電圧を監視する場合と比べて、停電又は瞬停等の電源断の兆候をより正確に把握することができるようになっている。
[7−2.払出制御基板]
遊技球Bの払出制御のほかに、遊技球Bの発射制御や球送制御等を行う払出制御基板633は、払い出しに関する各種制御を行う払出制御部633aと、発射ソレノイド542による発射制御を行うと共に、球送給ソレノイド145による球送給制御を行う発射制御部633bと、パチンコ機1の状態を表示するエラーLED表示器633cと、エラーLED表示器633cに表示されているエラーを解除するためのエラー解除スイッチ633dと、を備えている。
[7−2−1.払出制御部]
払出制御基板633における払い出しに関する各種制御を行う払出制御部633aは、図185に示すように、電源投入時に実行される電源投入時処理を制御するとともに電源投入時から所定時間が経過した後に実行される遊技媒体の払出動作を制御する払出制御プログラムを含む各種処理プログラムや各種コマンドを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAM等が内蔵されるマイクロプロセッサである払出制御MPU633aaと、払い出しに関する各種センサからの検出信号が入力される払出制御入力回路633abと、各種信号を外部の基板等へ出力するための払出制御出力回路633acと、払出装置580の払出モータ584に駆動信号を出力するための払出モータ駆動回路633adと、を備えている。
払出制御MPU633aaには、その内蔵されているRAM(以下、「払出制御内蔵RAM」と記載する。)、その内蔵されたROM(以下、「払出制御内蔵ROM」と記載する。)、その動作(システム)を監視するウォッチドックタイマ(以下、「払出制御内蔵WDT」と記載する。)や不正を防止するため機能等も内蔵されている。
払出制御入力回路633abは、その各種入力端子に各種センサからの検出信号がそれぞれ入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられず、リセット機能を有していない。このため、払出制御入力回路633abは、図示しない払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。
つまり、払出制御入力回路633abは、その各種入力端子に入力されている各種センサからの検出信号に基づく情報が払出制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく各種信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
払出制御出力回路633acは、エミッタ端子がグランド(GND)と接地されたオープンコレクタ出力タイプとして回路構成されており、その各種入力端子に各種信号を外部の基板等へ出力するための各種信号が入力された情報を強制的にリセットするためのリセット端子が設けられるリセット機能を有するリセット機能付き払出制御出力回路と、リセット端子が設けられていないリセット機能を有しないリセット機能なし払出制御出力回路と、から構成されている。リセット機能付き払出制御出力回路は、図示しない払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力される回路として構成されている。つまり、リセット機能付き払出制御出力回路は、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が払出制御システムリセットによりリセットされることによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から全く出力されない回路として構成されている。これに対して、リセット機能なし払出制御出力回路4120cbは、図示しない払出制御システムリセットからのシステムリセット信号が入力されない回路として構成されている。つまり、リセット機能なし払出制御出力回路は、その各種入力端子に入力されている各種信号を外部の基板等へ出力するための情報が払出制御システムリセットによりリセットされないことによって、その情報に基づく信号がその各種出力端子から出力される回路として構成されている。
ファールカバーユニット150の満タン検知センサ154からの検出信号、球誘導ユニット570の球切検知センサ574からの検出信号、払出装置580の羽根回転検知センサ590からの検出信号、払出装置580の払出検知センサ591からの検出信号、主制御基板1310の停電監視回路1310eからの停電予告信号は、払出制御入力回路633abを介して、払出制御MPU633aaの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
また、本体枠4に対する扉枠3の開放を検出する扉枠開放スイッチからの検出信号、及び外枠2に対する本体枠4の開放を検出する本体枠開放スイッチからの検出信号は、払出制御入力回路633abを介して、払出制御MPU633aaの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
また、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンドは、払出制御入力回路633abを介して、払出制御MPU633aaのシリアル入力ポートの入力端子でシリアルデータ方式により受信されている。また、主制御基板1310からのRAMクリアスイッチ1310fの操作信号(検出信号)は、払出制御入力回路633abを介して払出制御MPU633aaの所定の入力ポートの入力端子に入力されている。
払出制御MPU633aaは、主制御基板1310からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(払主ACK信号)を、その所定の出力ポートの出力端子からリセット機能付き払出制御出力回路に出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路から主制御基板1310に対して信号(払主ACK信号)を出力する。
また、払出制御MPU633aaは、そのシリアル出力ポートの出力端子から、パチンコ機1の状態を示すための各種コマンドをシリアルデータとしてリセット機能なし払出制御出力回路に送信することにより、リセット機能なし払出制御出力回路から主制御基板1310に対して各種コマンドをシリアルデータとして送信する。主制御基板1310は、払出制御基板633からの各種コマンドをシリアルデータとして正常受信完了すると、その旨を伝える信号(主払ACK信号)を払出制御基板633に対して出力する。この信号(主払ACK信号)が払出制御入力回路633abを介して払出制御MPU633aaの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。
また、払出制御MPU633aaは、その所定の出力ポートの出力端子から、払出モータ584を駆動するための駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路に出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路から駆動信号を払出モータ駆動回路633adに出力し、払出モータ駆動回路633adから払出モータ584へ駆動信号を出力したり、その所定の出力ポートの出力端子から、パチンコ機1の状態をエラーLED表示器633cに表示するための駆動信号をリセット機能付き払出制御出力回路に出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路からエラーLED表示器633cへ駆動信号を出力したりする。
エラーLED表示器633dは、セグメント表示器であり、英数字や図形等を表示してパチンコ機1の状態を表示している。エラーLED表示器633dが表示して報知する内容としては、次のようなものがある。例えば、図形「−」が表示されているときには「正常」である旨を報知し、数字「0」が表示されているときには「接続異常」である旨(具体的には、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間において電気的な接続に異常が生じている旨)を報知し、数字「1」が表示されているときには「球切れ」である旨(具体的には、球切検知センサ574からの検出信号に基づいて球誘導ユニット570の誘導通路570a内に遊技球Bがない旨)を報知し、数字「2」が表示されているときには「球ガミ」である旨(具体的には、羽根回転検知センサ590からの検出信号に基づいて払出羽根589と遊技球Bとがかみ合って払出羽根589が回転困難となっている旨)を報知し、数字「3」が表示されているときには「計数スイッチエラー」である旨(具体的には、払出検知センサ591からの検出信号に基づいて払出検知センサ591に不具合が生じている旨)を報知し、数字「5」が表示されているときには「リトライエラー」である旨(具体的には、払い出し動作のリトライ回数が予め設定された上限値に達した旨)を報知し、数字「6」が表示されているときには「満タン」である旨(具体的には、満タン検知センサ154からの検出信号に基づいて下皿202が貯留された遊技球Bで満タンである旨)を報知し、数字「7」が表示されているときには「CR未接続」である旨(払出制御基板633からパチンコ機1の外部に設置されているCRユニットまでに亘るいずれかにおいて電気的な接続が切断されている旨)を報知し、数字「9」が表示されているときには「ストック中(賞球ストック(未払出)あり)」である旨(具体的には、まだ払い出していない遊技球Bの球数が予め定めた球数に達している旨)を報知している。
また、払出制御MPU633aaは、その所定の出力ポートの出力端子から、賞球として実際に払い出した遊技球Bの球数等をリセット機能付き払出制御出力回路に出力することにより、リセット機能付き払出制御出力回路から図示しない抵抗を介して外部端子板558に対して賞球として実際に払い出した遊技球の球数等を出力したりする。
また、払出制御基板633は、主制御基板1310からの遊技に関する各種情報(遊技情報)を図示しない抵抗を介して外部端子板558に対して出力している。外部端子板558は、図示しない複数のフォトカプラ(赤外LEDとフォトICとが内蔵されて構成されている。)が設けられており、これらの複数のフォトカプラを介して、遊技場(ホール)に設置されたホールコンピュータに遊技球Bの球数等及び各種情報(遊技情報、遊技球の払出動作に関するエラー内容又はエラーがあった旨)をそれぞれ伝えるようになっている。外部端子板558とホールコンピュータとは、複数のフォトカプラにより電気的に絶縁された状態となっており、パチンコ機1の外部端子板558を経由してホールコンピュータへ異常な電圧が印加されてホールコンピュータが誤動作したり故障したりしないようになっているし、ホールコンピュータからパチンコ機1の外部端子板558を経由して遊技を進行することができる主制御基板1310、払出等を制御することができる払出制御基板633、及び演出の進行を制御することができる周辺制御基板1510に異常な電圧が印加されて誤動作したり故障したりしなしようになっている。ホールコンピュータは、パチンコ機1が賞球として実際に払い出した遊技球Bの球数、パチンコ機1の遊技情報等を把握することにより、パチンコ機1の払出動作による遊技球Bの払出情報(いわゆる、出球情報)と、遊技者の遊技と、を監視している。
球貸ボタン224からの遊技球Bの球貸要求信号、及び返却ボタン225からのプリペイドカードの返却要求信号は、パチンコ機1の外部に設置されているCRユニットに入力されるようになっている。CRユニットは、球貸要求信号に従って貸し出す遊技球Bの球数を指定した信号を、払出制御基板633にシリアル方式で送信し、この信号が図示しないCRユニット入出力回路を介して払出制御MPU633aaaの所定の入力ポートの入力端子に入力されるようになっている。また、CRユニットは、貸出した遊技球Bの球数に応じて挿入されたプリペイドカードの残度を更新すると共に、その残度の表示信号を球貸操作ユニット220へ出力し、この信号が球貸操作ユニット220の球貸表示部に入力されて表示されるようになっている。
なお、払出制御基板633には、基板ユニット620の電源基板630からの各種電圧(直流+35V、直流+12V、及び直流+5V)が直接供給されている。この払出制御基板633に各種電圧を供給する電源基板630は、上述したように、電源遮断時にでも所定時間、主制御基板1310に電力を供給するためのバックアップ電源としてのキャパシタBC0(図189等を参照)を備えている。このキャパシタBC0により主制御MPU1310aに加えて払出制御MPU633aaは、電源遮断時にでも電源断時処理において各種情報を払出制御内蔵RAM(払出記憶部)に記憶することができるようになっている。払出制御内蔵RAMに記憶される各種情報は、電源投入時から予め定めた期間内に主制御基板1310のRAMクリアスイッチ1310fが操作されると、その操作信号(RAMクリア信号)が払出制御入力回路633abを介して、払出制御MPU633aaの所定の入力ポートの入力端子に入力され、これを契機として、払出制御MPU633aaによって払出制御内蔵RAMから完全に消去(クリア)されるようになっている。
[7−2−2.発射制御部]
発射制御部633bは、発射ソレノイド542による発射制御と、球送給ソレノイド145による球送給制御と、を行う。発射制御部633bは、詳細に図示は省略するが、発射に関する各種センサからの検出信号が入力される発射制御入力回路と、定時間毎にクロック信号を出力する発振回路と、このクロック信号に基づいて遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための発射基準パルスを出力する発射タイミング制御回路と、この発射基準パルスに基づいて発射ソレノイド542に駆動信号を出力する発射ソレノイド駆動回路と、発射基準パルスに基づいて球送給ソレノイド145に駆動信号を出力する球送給ソレノイド駆動回路と、を備えている。発射タイミング制御回路は、発振回路からのクロック信号に基づいて、1分当たり100個の遊技球Bが遊技領域5aに向かって打ち出されるよう発射基準パルスを生成して発射ソレノイド駆動回路に出力すると共に、発射基準パルスを所定数倍した球送基準パルスを生成して球送給ソレノイド駆動回路に出力する。
ハンドルユニット180の関係では、ハンドル182に手のひらや指が触れているか否かを検出するハンドルタッチセンサ192からの検出信号、及び遊技者の意志によって遊技球Bの打ち出しを強制的に停止するか否かを検出する単発ボタン操作センサ194からの検出信号は、発射制御入力回路に入力された後に、発射タイミング制御回路に入力される。またCRユニットとCRユニット接続端子板とが電気的に接続されると、CR接続信号として発射制御入力回路に入力され、発射タイミング制御回路に入力される。ハンドル182の回転位置に応じて遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出す強度を電気的に調節するハンドル回転検知センサ189からの信号は、発射ソレノイド駆動回路に入力される。
この発射ソレノイド駆動回路は、ハンドル回転検知センサ189からの信号に基づいて、ハンドル182の回転位置に見合う打ち出し強度で遊技球Bを遊技領域5aに向かって打ち出すための駆動電流を、発射基準パルスが入力されたことを契機として、発射ソレノイド542に出力する。一方、球送給ソレノイド駆動回路は、球送基準パルスが入力されたことを契機として、球送給ソレノイド145に一定電流を出力することにより、皿ユニット200の上皿201に貯留された遊技球Bを球送給ユニット140内に1球受入れ、その球送基準パルスの入力が終了したことを契機として、その一定電流の出力を停止することにより受入れた遊技球Bを球発射装置540側へ送る。このように、発射ソレノイド駆動回路から発射ソレノイド542に出力される駆動電流は可変に制御されるのに対して、球送給ソレノイド駆動回路から球送給ソレノイド145に出力される駆動電流は一定に制御されている。
[7−3.周辺制御基板]
周辺制御基板1510は、上述したように、主制御基板1310からの各種コマンドに基づいて演出の進行を制御するものであり、CPU、RAM、VDP、VRAM、音源、SATAコントローラ、そして各種I/Oインターフェイス等が1つの半導体チップ上に集積される周辺制御IC1510aと、各種プログラムや演出の進行を規定する各種スケジュールデータを予め記憶する制御ROM1510bと、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aに記憶される各種の制御情報(周辺データ)が転送されて記憶することができるSDRAM1510c1,1510c2から構成されるSDRAM1510cと、音量を調整することができるスライド方式の音量調整スイッチ1510dと、図示しないリアルタイムクロックICに電源断時においても電源を供給することができるバックアップ電源1510eと、各種電源電圧を作成する図示しない電源作成回路と、図示しない周辺制御入力回路と、を備えている。各種I/Oインターフェイスとしては、各種シリアルI/Oポート、各種パラレルI/Oポート等を挙げることができる。
周辺制御IC1510aのCPUは、電源投入時(停電から復電する場合も含む。)における初期設定処理の一処理として、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aに記憶される各種の制御情報(周辺データ)をSDRAM1510c1,1510c2に転送する制御を行う。周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aとSDRAM1510c1,1510c2との間においては、上述したように、2Gbpsという転送速度を有しているため、周辺データROM1520aに記憶される制御情報がSDRAM1510c1,1510c2へ高速に転送される。制御情報(周辺データ)としては、上述したように、演出表示装置1600にさまざまな演出画像を描画するための背景画像、キャラクタ画像、図柄画像等の画像データ、扉枠3や遊技盤5に備える各種装飾基板に複数実装される各種LED等の発光態様(点灯、階調、点滅、消灯等)を規定する発光データ、音楽、音声、警告音、報知音等の音データ、扉枠3や遊技盤5に備える各種可動演出体を駆動制御するための駆動データ等である。
周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのRAMを用いて、処理に伴う一時的に情報を記憶したり、その情報を削除したりする。また周辺制御IC1510aのCPUは、自身のシステムを起動完了すると、主制御基板1310から各種コマンドに基づいて、SDRAM1510c1,1510c2に転送された各種の制御情報(周辺データ)を読み出して演出の進行を行う。
また、周辺制御IC1510aのCPUは、自身のシステムを起動完了して主制御基板1310から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、制御ROM1510bに記憶される各種スケジュールデータを読み出して、読み出したスケジュールデータに沿って、SDRAM1510c1,1510c2に転送された各種の制御情報(周辺データ)を読み出し、演出表示装置1600に画像を描画する制御を行ったり、各種演出に合わせた各種LEDの発光態様となるように制御を行ったり、各種演出に合わせた音楽及び効果音等のサウンドが流れるように制御を行ったりすることにより各種演出を進行する。
周辺制御IC1510aのVDPは、周辺制御IC1510aのCPUからの指示に基づいて、SDRAM1510c1,1510c2から画像データを読み出して演出表示装置1600に画像を描画するための描画データを周辺制御IC1510aのVRAM上に生成して液晶出力基板1530に出力する制御を行う。この描画データは、液晶出力基板1530を介して、演出表示装置1600に伝送されて演出表示装置1600にさまざまな画像が描画される。なお、周辺制御IC1510aのVDPは、画面の構成を規定する画面データを受け入れることができる状態となると、Vブランク信号を周辺制御IC1510aのCPUに出力することで、その旨を伝える。
周辺制御IC1510aの音源は、周辺制御IC1510aのCPUからの指示に基づいて、SDRAM1510c1,1510c2から音データを読み出して生成して出力することにより、扉枠3や本体枠4等に設けられた振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464や、本体枠4の本体枠スピーカ622等から各種演出に合せた音楽及び効果音等のサウンドが流れるように制御を行う。なお、周辺制御基板1510に備えるスライド方式の音量調整スイッチ1510dを操作すると、この音量調整操作信号が周辺制御入力回路を介して周辺制御IC1510aの各種パラレルI/Oポートに入力される。周辺制御IC1510aの音源は、周辺制御IC1510aのCPUからの指示に基づいて、入力された音量調整操作信号に応じた音量を調整することができ、扉枠3側のトップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464と、本体枠4の低音用の本体枠スピーカ622と、に対して音響信号(例えば、2chステレオ信号、4chステレオ信号、2.1chサラウンド信号、または、4.1chサラウンド信号、等)を出力することで、従来よりも臨場感のある音響効果(音響演出)を提供することができる。
周辺制御IC1510aのCPUは、自身のシステムを起動完了して主制御基板1310から各種コマンドを受信すると、この各種コマンドに基づいて、制御ROM1510bに記憶される各種スケジュールデータを読み出して、読み出したスケジュールデータに沿って、遊技盤5の各装飾基板に設けられたフルカラーLEDや単色のカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをSDRAM1510c1,1510c2から読み出してコマンドとして各種シリアルI/Oポートからパネル駆動基板1720を介して遊技盤5の各装飾基板に対して送信したり、遊技盤5に設けられた各種演出ユニットに備える各種駆動モータへの駆動信号を出力するための遊技盤側駆動データをSDRAM1510c1,1510c2から読み出してコマンドとして各種シリアルI/Oポートからパネル駆動基板1720に対して送信したり、扉枠3に設けられた操作リング駆動モータ342、及び操作ボタン昇降駆動モータ367等への駆動信号を出力するための扉側駆動データと、扉枠3の各装飾基板に設けられたフルカラーLEDや単色のカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための扉側発光データと、から構成される扉側駆動発光データをSDRAM1510c1,1510c2から読み出してコマンドとして各種シリアルI/Oポートから扉枠3側に送信したりする。なお、パネル駆動基板1720は、周辺制御基板1510(周辺制御IC1510a)からの遊技盤側駆動データを受信すると、受信した遊技盤側駆動データ(つまり、コマンド)に基づいて、遊技盤5に設けられた各種演出ユニットに備える各種駆動モータに駆動信号を出力することができる図示しない駆動モータ制御回路が設けられている。
遊技盤5に設けられた裏ユニット3000の各種演出ユニットに備える位置(待機位置(原位置)、各合体位置)を検出するための各種検知センサからの検出信号は、パネル駆動基板1720、そして周辺制御入力回路を介して周辺制御IC1510aの各種パラレルI/Oポートに入力されている。また、扉枠3に設けられた演出操作ユニット300の押圧検知センサ381からの検出信号、昇降検知センサ382からの検出信号、第一回転検知センサ347からの検出信号、及び第二回転検知センサ348からの検出信号は、周辺制御入力回路を介して周辺制御IC1510aの各種シリアルI/Oポートに受信されている。また、遊技盤5の周辺制御ユニット1500に備える空冷ファンFANの回転状態を伝える空冷ファンFANからの信号は、周辺制御入力回路を介して周辺制御IC1510aの各種パラレルI/Oポートに入力されている。
周辺制御基板1510には、基板ユニット620の電源基板630からの各種電圧(直流+35V、直流+12V、及び直流+5V)が直接供給されている。周辺制御基板1510に備える図示しない電源作成回路は、電源基板630からの各種電圧のうち、一の電圧(例えば、直流+12V)から周辺制御基板1510に備える各種電子部品に対応する制御電圧をそれぞれ複数種類作成して供給している。
なお、周辺制御IC1510aは、図示しない、外部WDT(ウォッチドックタイマ)を備えており、周辺制御IC1510aは、外部WDTを利用して自身のシステムが暴走しているか否かを診断している。
[7−3−1.パネル駆動基板]
ここで、周辺制御基板1510の従属基板となるパネル駆動基板1720について簡単に説明する。ここでは、遊技盤5の各装飾基板との関係について説明し、続いて、各種演出ユニットの各種駆動モータとの関係、各種検知センサとの関係について説明する。
[7−3−1a.遊技盤の各装飾基板との関係]
周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aは、上述したように、遊技盤5の各装飾基板に設けられたフルカラーLEDや単色のカラーLED等への点灯信号、点滅信号又は階調点灯信号を出力するための遊技盤側発光データをSDRAM1510c1,1510c2から読み出してコマンドとして各種シリアルI/Oポートからパネル駆動基板1720を介して遊技盤5の各装飾基板に対して送信する。遊技盤5の各装飾基板は、LEDに所定の定電流を流すことができるLED定電流駆動回路を1つ又は複数備えている。
遊技盤5の各装飾基板として、表ユニット2000の表演出ユニット2600における導光板2601の上面から光を入射させることで発光装飾される第一絵柄2610用の複数のLED2611が実装されている第一絵柄用装飾基板2612と、表ユニット2000の表演出ユニット2600における導光板2601の右側面から光を入射させることで発光装飾される第二絵柄2620用の複数のLED2621が実装されている第二絵柄用装飾基板2622と、がある。
また、遊技盤5の各装飾基板として、パネルホルダ1120の正面視左上隅に配置されると共にパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aが実装される左上パネル装飾基板1131と、パネルホルダ1120の正面視左下隅に配置されると共にパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130aが実装される左下パネル装飾基板1132と、がある。
また、遊技盤5の各装飾基板として、裏ユニット3000の裏下演出ユニット3100における裏下可動装飾体3110を発光装飾する複数のフルカラーLEDがそれぞれ実装される裏下後装飾基板3121や裏下前装飾基板3122と、裏ユニット3000の裏下演出ユニット3100における裏下移動アーム3130を発光装飾する複数のフルカラーLEDが実装される図示しない裏下移動装飾基板と、がある。
また、遊技盤5の各装飾基板として、裏ユニット3000の裏上演出ユニット3200における裏上可動装飾体3210を発光装飾する複数のフルカラーLEDがそれぞれ実装される図示しない裏上後装飾基板や裏上前装飾基板と、裏ユニット3000の裏上演出ユニット3200における裏上移動アーム3230を発光装飾する複数のフルカラーLEDが実装される図示しない裏上移動装飾基板と、がある。
また、遊技盤5の各装飾基板として、裏ユニット3000の裏左演出ユニット3300における裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312を発光装飾する複数のフルカラーLED3311aaが実装される裏左上先段装飾基板3311aと、裏ユニット3000の裏左演出ユニット3300における裏左下可動装飾体3320の先段装飾部3322を発光装飾する複数のフルカラーLED3321aaが実装される裏左下先段装飾基板3321aと、がある。
また、遊技盤5の各装飾基板として、図187に示すように、裏ユニット3000の裏右演出ユニット3400における裏右上可動装飾体3410の先段装飾部3412を発光装飾する複数のフルカラーLED3411aaが実装される裏右上先段装飾基板3411aと、裏ユニット3000の裏右演出ユニット3400における裏右下可動装飾体3420の先段装飾部3422を発光装飾する複数のフルカラーLED3421aaが実装される裏右下先段装飾基板3421aと、がある。
[7−3−1b.各種演出ユニットの各種駆動モータとの関係]
周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aは、上述したように、遊技盤5に設けられた各種演出ユニットに備える各種駆動モータへの駆動信号を出力するための遊技盤側駆動データをSDRAM1510c1,1510c2から読み出してコマンドとして各種シリアルI/Oポートからパネル駆動基板1720に対して送信する。パネル駆動基板1720は、上述したように、周辺制御基板1510(周辺制御IC1510a)からの遊技盤側駆動データを図示しない駆動モータ制御回路で受信すると、この図示しない駆動モータ制御回路は、受信した遊技盤側駆動データ(つまり、コマンド)に基づいて、遊技盤5に設けられた各種演出ユニットに備える各種駆動モータに駆動信号を出力する。
図186に戻り、各種演出ユニットに備える各種駆動モータとして、裏ユニット3000の裏下演出ユニット3100における裏下可動装飾体3110の後段装飾部3116と中段装飾部3118とを回転する裏下回転駆動モータ3112と、裏ユニット3000の裏下演出ユニット3100における裏下昇降アームを回動して裏下移動アーム3130を昇降することにより裏下可動装飾体3110を昇降する裏下昇降駆動モータ3151と、がある。
また、各種演出ユニットに備える各種駆動モータとして、裏ユニット3000の裏上演出ユニット3200における裏上可動装飾体3210の後段装飾部3216と中段装飾部3218とを回転する裏上回転駆動モータ3212と、裏ユニット3000の裏上演出ユニット3200における裏上昇降アームを回動して裏下移動アーム3130を裏上移動アーム3230を昇降することにより裏上可動装飾体3210を昇降する裏上昇降駆動モータ3251と、がある。
また、各種演出ユニットに備える各種駆動モータとして、裏ユニット3000の裏左演出ユニット3300における裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312を回転する裏左上回転駆動モータ3313と、裏ユニット3000の裏左演出ユニット3300における裏左下可動装飾体3320の先段装飾部3322を回転する裏左下回転駆動モータ3323と、裏ユニット3000の裏左演出ユニット3300における裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320を移動させるための裏左移動駆動モータ3332と、裏ユニット3000の裏左演出ユニット3300における裏左横行アームを回動して裏左移動アーム3330を横行する裏左横行駆動モータ3351と、がある。
また、各種演出ユニットに備える各種駆動モータとして、図187に示すように、裏ユニット3000の裏右演出ユニット3400における裏右上可動装飾体3410の先段装飾部3412を回転する裏右上回転駆動モータ3413と、裏ユニット3000の裏右演出ユニット3400における裏右下可動装飾体3420の先段装飾部3422を回転する裏右下回転駆動モータ3423と、裏ユニット3000の裏右演出ユニット3400における裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420を移動させるための裏右移動駆動モータ3432と、裏ユニット3000の裏右演出ユニット3400における裏右横行アームを回動して裏右移動アーム3430を横行する裏右横行駆動モータ3451と、がある。
[7−3−1c.各種検知センサとの関係]
遊技盤5に設けられた裏ユニット3000の各種演出ユニットに備える位置(待機位置(原位置)、各合体位置)を検出するための各種検知センサからの検出信号は、上述したように、パネル駆動基板1720、そして周辺制御基板1510における周辺制御IC1510aの周辺制御入力回路を介して周辺制御IC1510aの各種パラレルI/Oポートに入力される。
各種演出ユニットに備える位置(待機位置(原位置)、各合体位置)を検出するための各種検知センサとして、図186に示すように、裏ユニット3000の裏下演出ユニット3100における裏下可動装飾体3110の後段装飾部3116と中段装飾部3118との待機位置(原位置)を検出する光学式の裏下回転検知センサ3120と、裏ユニット3000の裏下演出ユニット3100における裏下昇降アームを回動して裏下移動アーム3130を昇降することにより裏下可動装飾体3110を最も下方へ移動した待機位置(原位置)を検出する光学式の図示しない裏下待機位置検出センサと、裏ユニット3000の裏下演出ユニット3100における裏下昇降アームを回動して裏下移動アーム3130を昇降することにより裏下可動装飾体3110を最も上方へ移動した位置を検出する光学式の図示しない裏下上移動位置検出センサと、がある。
なお、上述した裏下可動装飾体3110の待機位置(原位置)、第一合体位置、及び第二合体位置は、裏下待機位置検出センサ、及び裏下上移動位置検出センサからの検出信号に基づいて周辺制御IC1510aにより設定される。
各種演出ユニットに備える位置(待機位置(原位置)、各合体位置)を検出するための各種検知センサとして、裏ユニット3000の裏上演出ユニット3200における裏上可動装飾体3210の後段装飾部3216と中段装飾部3218との待機位置(原位置)を検出する光学式の裏上回転検知センサ3220と、裏ユニット3000の裏上演出ユニット3200における裏上昇降アームを回動して裏下移動アーム3130を裏上移動アーム3230を昇降することにより裏上可動装飾体3210を最も上方へ移動した待機位置(原位置)を検出する光学式の図示しない裏上待機位置検出センサと、裏ユニット3000の裏上演出ユニット3200における裏上昇降アームを回動して裏下移動アーム3130を裏上移動アーム3230を昇降することにより裏上可動装飾体3210を最も下方へ移動した位置を検出する光学式の図示しない裏上下移動位置検出センサと、がある。
なお、上述した裏上可動装飾体3210の待機位置(原位置)、第一合体位置、及び第二合体位置は、裏上待機位置検出センサ、及び裏上下移動位置検出センサからの検出信号に基づいて周辺制御IC1510aにより設定される。
各種演出ユニットに備える位置(待機位置(原位置)、各合体位置)を検出するための各種検知センサとして、裏ユニット3000の裏左演出ユニット3300における裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312の回転位置の待機位置(原位置)を検出する、裏左上先段装飾基板3311aに実装される磁気式の裏左上磁極変化検知回路3311abと、裏ユニット3000の裏左演出ユニット3300における裏左下可動装飾体3320の先段装飾部3322の回転位置の待機位置(原位置)を検出する、裏左下先段装飾基板3321aに実装される磁気式の裏左下磁極変化検知回路3321abと、裏ユニット3000の裏左演出ユニット3300における裏左移動アーム3330が左方の移動端に位置する初期状態を検出する光学式の図示しない裏左初期状態検出センサと、裏ユニット3000の裏左演出ユニット3300における裏左移動アーム3330が右方の移動端へ位置している状態を検出する光学式の図示しない裏左移動状態検出センサと、裏ユニット3000の裏左演出ユニット3300における裏左上可動装飾体3310の基辺(左辺)が垂直に延びて先端が右方を向いている状態及び裏左下可動装飾体3320の基辺(左辺)が垂直に延びて先端が右方を向いている状態(VR作成図面V135(a)を参照。)を検出する光学式の図示しない裏左上下初期状態検出センサと、裏ユニット3000の裏左演出ユニット3300における裏左上可動装飾体3310の下側の辺が移動アームベース3331の上下方向の中央に接近した状態及び裏左下可動装飾体3320の上側の辺が移動アームベース3331の上下方向の中央に接近した状態を検出する光学式の図示しない裏左上下接近状態検出センサと、がある。
なお、裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312の待機位置(原位置)は、裏左上先段装飾基板3311aに実装される磁気式の裏左上磁極変化検知回路3311abからの検出信号に基づいて周辺制御IC1510aにより設定されるとともに、裏左下可動装飾体3320の先段装飾部3322の待機位置(原位置)は、裏左下先段装飾基板3321aに実装される磁気式の裏左下磁極変化検知回路3321abからの検出信号に基づいて周辺制御IC1510aにより設定される。
また、上述した裏左移動アーム3330の初期状態、第一状態、及び第二状態は、裏左初期状態検出センサ、及び裏左移動状態検出センサからの検出信号に基づいて周辺制御IC1510aにより設定されるとともに、上述した裏左上可動装飾体3310と裏左下可動装飾体3320との初期状態、第一状態、及び第二状態は、裏左上下初期状態検出センサ、及び裏左上下接近状態検出センサからの検出信号に基づいて周辺制御IC1510aにより設定される。これにより、上述した裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、及び裏左移動アーム3330の待機位置(原位置)、第一合体位置、及び第二合体位置は、裏左初期状態検出センサ、裏左移動状態検出センサ、裏左上下初期状態検出センサ、及び裏左上下接近状態検出センサからの検出信号に基づいて周辺制御IC1510aにより設定される。
各種演出ユニットに備える位置(待機位置(原位置)、各合体位置)を検出するための各種検知センサとして、図187に示すように、裏ユニット3000の裏右演出ユニット3400における裏右上可動装飾体3410の先段装飾部3412の回転位置の待機位置(原位置)を検出する、裏右上先段装飾基板3411aに実装される磁気式の裏右上磁極変化検知回路3411abと、裏ユニット3000の裏右演出ユニット3400における裏右下可動装飾体3420の先段装飾部3422の回転位置の待機位置(原位置)を検出する、裏右下先段装飾基板3421aに実装される磁気式の裏右下磁極変化検知回路3421abと、裏ユニット3000の裏右演出ユニット3400における裏右移動アーム3430が右方の移動端に位置する初期状態を検出する光学式の図示しない裏右初期状態検出センサと、裏ユニット3000の裏右演出ユニット3400における裏右移動アーム3430が左方の移動端へ位置している状態を検出する光学式の図示しない裏右移動状態検出センサと、裏ユニット3000の裏右演出ユニット3400における裏右上可動装飾体3410の基辺(右辺)が垂直に延びて先端が左方を向いている状態及び裏右下可動装飾体3420の基辺(右辺)が垂直に延びて先端が左方を向いている状態を検出する光学式の図示しない裏右上下初期状態検出センサと、裏ユニット3000の裏右演出ユニット3400における裏右上可動装飾体3410の下側の辺が移動アームベース3431の上下方向の中央に接近した状態及び裏右下可動装飾体3420の上側の辺が移動アームベース3431の上下方向の中央に接近した状態を検出する光学式の図示しない裏右上下接近状態検出センサと、がある。
なお、裏右上可動装飾体3410の先段装飾部3412の待機位置(原位置)は、裏右上先段装飾基板3411aに実装される磁気式の裏右上磁極変化検知回路3411abからの検出信号に基づいて周辺制御IC1510aにより設定されるとともに、裏右下可動装飾体3420の先段装飾部3422の待機位置(原位置)は、裏右下先段装飾基板3421aに実装される磁気式の裏右下磁極変化検知回路3421abからの検出信号に基づいて周辺制御IC1510aにより設定される。
また、上述した裏右移動アーム3430の初期状態、第一状態、及び第二状態は、裏右初期状態検出センサ、及び裏右移動状態検出センサからの検出信号に基づいて周辺制御IC1510aにより設定されるとともに、上述した裏右上可動装飾体3410と裏右下可動装飾体3420との初期状態、第一状態、及び第二状態は、裏右上下初期状態検出センサ、及び裏右上下接近状態検出センサからの検出信号に基づいて周辺制御IC1510aにより設定される。これにより、上述した裏右上可動装飾体3410、裏右下可動装飾体3420、及び裏右移動アーム3430の待機位置(原位置)、第一合体位置、及び第二合体位置は、裏右初期状態検出センサ、裏右移動状態検出センサ、裏右上下初期状態検出センサ、及び裏右上下接近状態検出センサからの検出信号に基づいて周辺制御IC1510aにより設定される。
[8.アース線の系統]
図102に示した枠アース基板559は、上述したように、各所で生じた電磁波ノイズを一旦集約して遊技ホールの島設備に接地(アース)することができるものである。ここでは、枠アース基板559によるアース線の系統について、図188を参照して説明する。図188は枠アース基板559の構成を示す図であり、図188(a)は枠アース基板559の側面図であり、図188(b)は枠アース基板559の実装面であり、図188(c)は枠アース基板559の回路図であり、図188(d)は枠アース基板559に備える各アース端子の説明を示すテーブルである。なお、枠アース基板559は、図188(a)に示すように、その実装面が下向きとなった状態(つまり、アース端子ECN1〜ECN5のコネクタ差込口がそれぞれ下向きとなった状態)で、図102(b)に示した払出ベース551の天板部551aに形成される基板収容部551aaの内部に収容されて取付けられる。
枠アース基板559は、図188(b)に示すように、その上辺沿って右側から左側へ向かってアース端子ECN1,ECN5,ECN4,ECN2が一列に並んで配置されていると共に、その左辺の中央下寄りアース端子ECN3が配置されている。アース端子ECN1〜ECN5について簡単に説明すると、図188(d)に示すように、アース端子ECN1は、インターフェースアースとして、図114に示した本体枠4の基板ユニット620におけるインターフェイス基板635に設けられるアース接続端子とインターフェースアース線を介して電気的に接続されるものであり、アース端子ECN2は、島設備アースとして、遊技ホールの島設備におけるアース接続端子と島設備アース線を介して電気的に接続されるものであり、アース端子ECN3は、球タンクアースとして、図102(b)に示した球タンク552(具体的には、基板収容部551aa寄りの球タンク552の側壁の外側に)に図示しない金属ネジにより球タンクアース線の一端が取付けられると共に、この球タンクアース線の他端が電気的に接続されるものであり、アース端子ECN4は、本体枠金属アースとして、図97に示した本体枠4の本体枠ベースユニット500における金属製の本体枠補強フレーム530(具体的には、本体枠補強フレーム530の上側)に図示しない金属ネジにより本体枠金属アース線の一端が取付けられると共に、この本体枠金属アース線の他端が電気的に接続されるものであり、アース端子ECN5は、電源アースとして、図113に示した本体枠4の基板ユニット620における電源基板630に設けられるアース接続端子と電源アース線を介して電気的に接続されるものである。
枠アース基板559の回路は、図188(c)に示すように、球タンクアースとしてのアース端子ECN3は、抵抗ER1の一端と電気的に接続され、この抵抗ER1の他端が電源アースとしてのアース端子ECN5、島設備アースとしてのアース端子ECN2、及びインターフェースアースとしてのアース端子ECN1とそれぞれ電気的に接続され、本体枠金属アースとしてのアース端子ECN4は、抵抗ER2の一端と電気的に接続されると共に、この抵抗ER2の他端が電源アースとしてのアース端子ECN5、島設備アースとしてのアース端子ECN2、及びインターフェースアースとしてのアース端子ECN1とそれぞれ電気的に接続されている。つまり、抵抗ER1の他端と抵抗ER2の他端とが電気的に接続されている。本実施形態では、抵抗ER1,ER2として、510オーム(Ω)、2ワット(W)を採用している。
インターフェースアースとしてのアース端子ECN1に流れる電磁波ノイズは、島設備アースとしてのアース端子ECN2、島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備のアースへ導かれて除去され、球タンクアースとしてのアース端子ECN3に流れる電磁波ノイズは、島設備アースとしてのアース端子ECN2、島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備のアースへ導かれて除去され、本体枠金属アースとしてのアース端子ECN4に流れる電磁波ノイズは、島設備アースとしてのアース端子ECN2、島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備のアースへ導かれて除去され、電源アースとしてのアース端子ECN5に流れる電磁波ノイズは、島設備アースとしてのアース端子ECN2、島設備アース線を介して、遊技ホールの島設備のアースへ導かれて除去されるようになっている。
図98に示したように、本体枠4における払出ベースユニット550には、球タンク552、及び払出ユニット560等が取付けられる。球タンク552は、遊技ホールの島設備からの遊技球Bが供給され、球タンク552から払出ユニット560に遊技球Bが供給される。遊技球Bは、遊技ホールの島設備において研磨されたり、島設備とパチンコ機1との循環において互いにこすれ合ったりして、帯電して静電放電することにより電磁波ノイズを放出する。このため、遊技球Bを滞留することができる球タンク552や払出ユニット560を取付ける領域及びその周囲は静電気が溜まりやすい。
そこで、本実施形態では、静電気が溜まりやすい球タンク552や払出ユニット560の近傍に枠アース基板559を配置すると共に、静電気が溜まりやすい結果、電磁波ノイズの影響を強く受ける、球タンク552と、払出ユニット560に近傍であって本体枠4の本体枠ベースユニット500における金属製の本体枠補強フレーム530と、に対して、枠アース基板559において、球タンクアースとしてのアース端子ECN3と、本体枠金属アースとしてのアース端子ECN4と、をそれぞれ抵抗ER1,ER2を介して、電磁波ノイズを徐々に流して減衰させて高電圧の瞬時的な放電を抑制し、島設備アースとしてのアース端子ECN2から島設備アース線を介して遊技ホールの島設備のアースへ導くことができるようになっている。換言すると、静電気が溜まりやすい球タンク552や払出ユニット560のから侵入した電磁波ノイズは、フレームグランドというフレームアースとして、球タンク552や金属製の本体枠補強フレーム530を介して、枠アース基板559から遊技ホールの島設備のアースへ導くことにより、球タンク552や払出ユニット560のから侵入した電磁波ノイズを遊技ホールの島設備のアースへ流して除去することができる。
これに対して、図180に示した周辺制御基板ボックス1505に収容される金属製のシールド板1540に、電磁波ノイズが侵入すると、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530のグランド(GND)ラインへ侵入して、電源基板630のグランド(GND)ラインへ流れ込み、電源基板630のアース接続端子から電源アース線を介して枠アース基板559における、電源アースとしてのアース端子ECN5に流れ、島設備アースとしてのアース端子ECN2から島設備アース線を介して遊技ホールの島設備のアースへ導かれて除去されるようになっている。換言すると、遊技盤5の遊技パネル1100の後側(裏ユニット3000の裏箱3010の後面に取付けられている演出表示装置1600の後側)に取り付けられる周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502から侵入した電磁波ノイズは、回路グランドという回路アースとして、金属製のシールド板1540を介して、枠アース基板559から遊技ホールの島設備のアースへ導くことにより、周辺制御ユニット1500のカバー体1501、及びベース体1502から侵入した電磁波ノイズを遊技ホールの島設備のアースへ流して除去することができる。
本実施形態では、アース端子ECN1〜ECN5のうち、球タンクアースとしてのアース端子ECN3と、本体枠金属アースとしてのアース端子ECN4と、については、上述したように、電磁波ノイズの影響を強く受ける領域(その周囲)と対応するものであるため、大型のアース端子が採用されると共に、島設備アースとしてのアース端子ECN2は、上述したように、枠アース基板559に流れ込んだ電磁波ノイズを遊技ホールの島設備のアースへ導いて除去するものであるため、大型のアース端子が採用されている。この大型のアース端子を採用したアース端子ECN2〜ECN4は、その端子の断面形状が一辺1.14mmを有する正方形であり、定格電流:7A(AC・DC、AWG#18使用時)、定格電圧:250V(AC・DC)、適用電線範囲:AWG#22〜#18という一般仕様を有し、図188(a)に示すように、その高さが13.4mmとなっている(アース端子ECN2〜ECN4に対応するハウジングが挿入されると、実装高さが18.6mmとなる)。
これに対して、インターフェースアースとしてのアース端子ECN1と、電源アースとしのアース端子ECN5と、に流れ込む電磁波ノイズは、上述したアース端子ECN2〜ECN4と比べて小さく、電流が小さいため、本実施形態では、アース端子ECN1,ECN5については、小型のアース端子が採用されている。この小型のアース端子を採用したアース端子ECN1,ECN5は、その端子の断面形状が一辺0.64mmを有する正方形であり、定格電流:3A(AC・DC、AWG#22使用時)、定格電圧:250V(AC・DC)、適用電線範囲:AWG#30〜#22という一般仕様を有し、図188(a)に示すように、その高さが7mmとなっている(アース端子ECN1,ECN5に対応するハウジングが挿入されると、実装高さが9.8mmとなる)。
本実施形態では、アース端子ECN2〜ECN4に電気的に接続されるそれぞれのアース線(島設備アース線、球タンクアース線、本体枠アース線)は、アース端子ECN1,ECN5に電気的に接続されるそれぞれのアース線(インターフェースアース線、電源アース線)と比べると、電磁波ノイズによる電流が大きいため、アース端子ECN2〜ECN4に電気的に接続されるそれぞれのアース線(島設備アース線、球タンクアース線、本体枠アース線)の太さがアース端子ECN1,ECN5に電気的に接続されるそれぞれのアース線(インターフェースアース線、電源アース線)の太さと比べて太いものが採用されている。なお、本実施形態では、枠アース基板559の板厚として、図188(a)に示すように、1.6mmを採用している。
このように、各所で発生する電磁波ノイズを枠アース基板559に一旦集約して枠アース基板559から遊技ホールの島設備のアースへ導いて除去することができるように構成されているため、枠アース基板559は、除電作用を発揮する機能を有している。
また、各所で発生する電磁波ノイズを枠アース基板559に一旦集約して枠アース基板559から遊技ホールの島設備のアースへ導いて除去することができるように構成されているため、パチンコ機1の上側に配置される球タンク552からのアース線(配線)をパチンコ機1の下側に配置される電源基板630に引き回して、電源基板630において電磁波ノイズを一旦集約して遊技ホールの島設備のアースへ導いて除去するという構成と比べると、アース線(配線)の引き回しが極めて簡単となる。
また、外部端子板558と枠アース基板559とを近接した状態で払出ベース551の基板収容部551aaに配置することができるように構成されているため、外部端子板558に設けられる複数の電線接続端子558a(複数の外部端子(本実施形態では、払出ベースユニット550を後ろから見て左側から右側へ向かって一列に配置される外部端子XCN1〜XCN10という10個の外部端子を備えている。))と、遊技ホールに設けられるホールコンピュータと、をそれぞれ配線で電気的につなげる作業と、枠アース基板559における島設備アースとしてのアース端子ECN2と、遊技ホールの島設備に設けられるアース接続端子と、を島設備アース線(配線)で電気的につなげる作業と、を一連の作業として行うことができるため、作業性の向上に寄与することができる。
また、枠アース基板559を払出ベース551の基板収容部551aaに配置することができるように構成されているため、枠アース基板559の島設備アースとしてのアース端子ECN2と、遊技ホールの島設備に設けられるアース接続端子と、を電気的に接続する島設備アース線(配線)を、遊技盤5に備える各種制御基板(例えば、遊技の進行を制御する主制御ユニット1300の主制御基板1310、演出の進行を制御することができる周辺制御基板1510、周辺制御基板1510と電気的に接続される周辺データROM基板1520や液晶出力基板1530等)から引き離すように配置することができるため、各種制御基板に備える電子部品(コネクタも含む)等への悪影響を排除することができる。
また、静電気が溜まりやすい球タンク552や払出ユニット560の近傍に枠アース基板559を配置することにより、電磁波ノイズの影響を強く受ける、球タンク552と、払出ユニット560に近傍であって本体枠4の本体枠ベースユニット500における金属製の本体枠補強フレーム530と、に対して、枠アース基板559において、球タンクアースとしてのアース端子ECN3と、本体枠金属アースとしてのアース端子ECN4と、をそれぞれ電気的に接続するアース線(球タンクアース線、本体枠金属アース線)の長さを極めて短くして、電磁波ノイズを、枠アース基板559から遊技ホールの島設備のアースへ導いて除去することができる。
また、静電気が溜まりやすい球タンク552や払出ユニット560の近傍に枠アース基板559を配置することにより、静電気が溜まりやすい球タンク552と除電作用を発揮する枠アース基板559とを電気的に接続する球タンクアース線(配線)の長さは、金属製の本体枠補強フレーム530と除電作用を発揮する枠アース基板559とを電気的に接続する本体枠金属アース線(配線)の長さと、電源基板630と除電作用を発揮する枠アース基板559とを電気的に接続する電源アース線(配線)の長さと、インターフェイス基板635と除電作用を発揮する枠アース基板559とを電気的に接続するインターフェースアース線(配線)の長さと、比べて最短となるように構成することができる。
また、静電気が溜まりやすい球タンク552や払出ユニット560の近傍に枠アース基板559を配置することにより、電磁波ノイズの影響を強く受ける、球タンク552と、払出ユニット560に近傍であって本体枠4の本体枠ベースユニット500における金属製の本体枠補強フレーム530と、に対して、枠アース基板559において、球タンクアースとしてのアース端子ECN3と、本体枠金属アースとしてのアース端子ECN4と、には大きな電流が流れるものの、枠アース基板559の抵抗ER1,ER2により低減されることにより、電源基板630の動作に影響が生ずることなく、枠アース基板559の島設備アースとしてのアース端子ECN2から島設備アース線を介して遊技ホールの島設備のアースへ導いて除去することができる。
因みに、従来より、に開示されているように、CRユニットの電源AC24Vを供給し易いように本体枠の下部のCRユニット側に配置された電源基板に各アースを一旦集約し、電源基板を介して島設備のアースに接続して接地する遊技機が提案されていた(例えば、特開2012−120593号公報(段落[0335]、図84、図85))。電源基板は一般的に重量があるため、遊技機において下方に配置されることが多い。そのため、アースを電源基板において集約するためには、遊技機の上部の球タンクや賞球装置等からアース線を下方の電源基板に向けて引き回す必要がある。このようにアース線を引き回すことによって、途中に存在する各種制御基板に電磁波ノイズが伝達して予期せぬ影響を及ぼすおそれがあった。また、電源基板にアース線を集約しているため、電源基板に何らかの問題が発生するとアースに影響が出たり、逆にアース線に電流が流れることによって、電源基板の動作に影響を与えるおそれがあった。また、島設備のアースを取る箇所が遊技機の上方にある場合などは、電源基板で集約したアース線を再度下方から上方に引き回して接続する必要があるため煩雑となることがあった。
[9.電源基板]
次に、図113に示した基板ユニット620の電源ユニット620cに備える電源基板630について、図189〜図194を参照して説明する。図189は電源基板の回路構成の概要を説明する回路図であり、図190は電源基板を部分拡大した斜視図であり、図191は図190のB矢視図であり、図192は電源基板の実装面に印刷された電子部品のシルク印刷(その1)であり、図193は電源基板の実装面に印刷された電子部品のシルク印刷(その2)であり、図194は製造中止電子部品の概要を説明する斜視図である。ここでは、まず電源基板の回路構成について説明し、続いて同一形状の電子部品の識別方法、ヒューズの溶断確認、キャパシタの容量、製造中止電子部品対策について説明する。
遊技ホールの島設備には、上述したように、図示しないトランスがあり、AC100Vの商用電源電圧をAC24Vの遊技機用電源電圧に降圧している。図示しない電源コードのプラグが遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込まれると、AC24Vが電源基板630に供給される。電源基板630は、遊技ホールの島設備から供給されるAC24Vから各種電源(直流+35V、直流+12V、直流+5V等の各種直流電圧)を作成して電源基板630からパチンコ機1内部の各基板へ供給している。
[9−1.電源基板の回路構成]
電源基板630の回路は、図189に示すように、電源スイッチ630a、ノイズ対策回路630b、整流回路630c、力率改善回路630d、平滑化回路630e、電源作成回路630f、電源破壊回路630g、バックアップ電源回路630hを主として構成されている。
遊技ホールの島設備からのAC24Vが図示しない電源コードを介して電源線コネクタDCN1に供給されている。遊技ホールの島設備からのAC24Vは、図示しない電源線を介して電源線コネクタDCN1に供給されると、ヒューズFUSE1,FUSE2(本実施形態では、直径:5mm、長さ:20mmの透明なガラス管(両端の支持端子は金属製)、電気用品安全法で規定するB種溶断)を介して、電源スイッチ630aの入力側端子3,1に入力される。具体的には、電源スイッチ630aの入力側端子3にはAC24Vのライン1(以下、「AC24V1」と記載する(「L側」と記載する場合がある)。
)が入力されており、電源スイッチ630aの入力側端子1にはAC24Vのライン2(以下、「AC24V2」と記載する(「N側」と記載する場合がある)。)が入力されている。電源スイッチ630aの出力側端子4,2は、ノイズ対策回路630bに入力される。
遊技ホールの店員等の係員が電源スイッチ630aをON操作すると、入力側端子3と出力側端子4とが電気的に導通する状態となりAC24V1がノイズ対策回路630bを介して電源基板630の各種回路へ供給開始されるとともに、入力側端子1と出力側端子2とが電気的に導通する状態となりAC24V2がノイズ対策回路630bを介して電源基板630の各種回路へ供給開始される。これにより、電源スイッチ630aのON操作によるパチンコ機1の電源投入を行うことができる。これに対して、遊技ホールの店員等の係員が電源スイッチ630aをOFF操作すると、入力側端子3と出力側端子4とが電気的に非導通する状態となりAC24V1が電源基板630の各種回路への供給が遮断されるとともに、入力側端子1と出力側端子2とが電気的に非導通する状態となりAC24V2が電源基板630の各種回路への供給が遮断される。これにより、電源スイッチ630aのOFF操作によるパチンコ機1の電源遮断を行うことができる。
なお、遊技ホールに設置されるパチンコ機の電源スイッチをON操作した状態のままとして、遊技ホール店員等の係員は、遊技ホールのブレーカをON操作することにより、遊技ホールに設置されるパチンコ機の電源投入を一斉に行う場合があるし、遊技ホールのブレーカをOFF操作することにより、遊技ホールに設置されるパチンコ機の電源遮断を一斉に行う場合がある。
[9−1−1.ノイズ対策回路]
ノイズ対策回路630bは、コモンモードノイズ対策用の回路であるコモンモードノイズ対策回路CMC、ノーマルモードノイズ対策用の回路であるノーマルモードノイズ対策回路NMC、チョークコイルL1から構成され、電源スイッチ630aの出力側端子4,2は、コモンモードノイズ対策回路CMC、ノーマルモードノイズ対策回路NMC、そしてチョークコイルL1に入力される。
コモンモードノイズ対策回路CMCは、コンデンサC1,C2、バリスタZNR1,ZNR2から構成されている。コンデンサC1,C2はその容量が同一のものであり、コモンモードノイズを除去するものである。一方バリスタZNR1,ZNR2は、サージ吸収素子(サージアブソーバ)であり、そのバリスタ電圧が同一のものである。バリスタZNR1,ZNR2は、コンデンサC1,C2で低減できなかったノイズを除去するものである。
コンデンサC1の一端が電源スイッチ630aを介してAC24V1と電気的に接続され、コンデンサC1の他端がコンデンサC2の一端と電気的に接続され、コンデンサC2の他端が電源スイッチ630aを介してAC24V2と電気的に接続されている。また、バリスタZNR1の一端が電源スイッチ630aを介してAC24V1と電気的に接続され、バリスタZNR1の他端がバリスタZNR2の一端と電気的に接続され、バリスタZNR2の他端が電源スイッチ630aを介してAC24V2と電気的に接続されている。
コンデンサC1の他端と、コンデンサC2の一端と、バリスタZNR1の他端と、バリスタZNR1の一端と、が電気的に接続されてフレームグランドFG2としてアース接続端子DCN5に入力される。このアース接続端子DCN5は、図示しない電源アース線を介して、図188に示した枠アース基板559のアース端子ECN5に電気的に接続される。
ノーマルモードノイズ対策回路NMCは、コンデンサC3、バリスタZNR3から構成されている。コンデンサC3は、AC24V1、AC24V2に発生したノーマルモードノイズを除去するものである。バリスタZNR3は、サージ吸収素子(サージアブソーバ)であり、コンデンサC3で除去できなかったノイズを除去するものである。
コンデンサC3の一端が電源スイッチ630aを介してAC24V1と電気的に接続され、コンデンサC3の他端が電源スイッチ630aを介してAC24V2と電気的に接続されている。また、バリスタZNR3の一端が電源スイッチ630aを介してAC24V1と電気的に接続され、バリスタZNR3の他端が電源スイッチ630aを介してAC24V2と電気的に接続されている。
電源スイッチ630aの出力側端子4から出力されたAC24V1は、コモンモードノイズ対策回路CMC、そしてノーマルモードノイズ対策回路NMCを介してチョークコイルL1に入力されるとともにAC24VAとして電源線コネクタDCN2に入力され、電源スイッチ630aの出力側端子2から出力されたAC24V2は、コモンモードノイズ対策回路CMC、そしてノーマルモードノイズ対策回路NMCを介してチョークコイルL1に入力されるとともにAC24Vとして電源線コネクタDCN2に入力される。チョークコイルL1は、AC24V1、AC24V2のコモンモードノイズの対策部品であり、ノイズ障害を防止している。電源線コネクタDCN2は、図示しないインターフェイス基板用電源線、図114に示した基板ユニット620のインターフェイス基板635、そして図示しないCRユニット用電源線を介して、パチンコ機1の外部に設置されている図示しないCRユニットに電気的に接続され、AC24VA、AC24Vを図示しないCRユニットに供給している。
チョークコイルL1でコモンモードノイズが低減されたAC24V1,AC24V2は、整流回路630cに入力される。
[9−1−2.整流回路]
整流回路630cは、Nチャンネルの電界効果トランジスタ(以下、「FET」と記載する。)Q1,Q2、周辺回路630caから構成されている。周辺回路630caは、FETQ1,Q2の周辺回路であり、主として、抵抗、ダイオード、ツェナーダイオードなどの複数の電子部品から構成されている。
チョークコイルL1でコモンモードノイズが低減されたAC24V1は、ショットキーバリアダイオードD1のアノード端子1とアノード端子3とに入力されるとともに、周辺回路630caを介してFETQ1のゲート端子に入力される一方、周辺回路630caを介さず直接FETQ2のドレイン端子に入力される。チョークコイルL1でコモンモードノイズが低減されたAC24V2は、ショットキーバリアダイオードD2のアノード端子1とアノード端子3とに入力されるとともに、周辺回路630caを介してFETQ2のゲート端子に入力される一方、周辺回路630caを介さず直接FETQ1のドレイン端子に入力される。FETQ1,Q2のソース端子は、電源作成回路630fのCAI端子にそれぞれ入力される。
チョークコイルL1でコモンモードノイズが低減されたAC24V1,AC24V2は、FETQ1,Q2、及び周辺回路630caによるスイッチングによって直流に整流されてショットキーバリアダイオードD1のカソード端子2とショットキーバリアダイオードD2のカソード端子2とからそれぞれ出力される。なお、FETQ1、FETQ2、ショットキーバリアダイオードD1、及びショットキーバリアダイオードD2のパッケージの種類としては、いわゆるTO−220Fであり、同一種類であり、放熱フィンHS1(図190を参照。)に固定されている。この放熱フィンHS1は、電源基板630にハンダ付けされて固定されることにより電源基板630のグランド(GND)に接地されている。
チョークコイルL1でコモンモードノイズが低減されたAC24V1,AC24V2は、上述したように、整流回路630cに入力されるほかに、ダイオードD5,D6のアノード端子にそれぞれ入力され、ダイオードD5,D6のカソード端子からそれぞれ出力されて電源作成回路630fのAC−DET端子に入力される。
ショットキーバリアダイオードD1,D2のカソード端子2からそれぞれ出力される整流された直流は、チョークコイルL2を介して、力率改善回路630dに入力される。
[9−1−3.力率改善回路]
力率改善回路630dは、Nチャンネルの電界効果トランジスタ(以下、「FET」と記載する。)Q3,Q4、周辺回路630daから構成されている。周辺回路630daは、FETQ3,Q4の周辺回路であり、主として、抵抗、ダイオード、インダクタなどの複数の電子部品から構成されている。
チョークコイルL2でコモンモードノイズが低減された直流は、ショットキーバリアダイオードD9,D10のアノード端子1とアノード端子3とにそれぞれ入力されるとともに、周辺回路630daを介さず直接FETQ3,Q4のドレイン端子にそれぞれ入力される。FETQ3,Q4のゲート端子は、電源作成回路のPFC−GATE端子からの力率改善回路用ゲート信号が周辺回路630daを介して入力される。FETQ3,Q4のソース端子とドレイン端子は、周辺回路630daを介して、電源基板630のグランド(GND)に接地されている。
チョークコイルL2でコモンモードノイズが低減された直流は、FETQ3,Q4、及び周辺回路630daによるスイッチングによって高調波の発生を抑制して力率が改善されてショットキーバリアダイオードD9,D10のカソード端子2からそれぞれ出力される。なお、FETQ3,Q4、ショットキーバリアダイオードD9,D10のパッケージの種類としては、FETQ1,Q2、ショットキーバリアダイオードD1,D2のパッケージの種類と同一の種類(上述したTO−220F)であり、放熱フィンHS2(図190を参照。)に固定されている。この放熱フィンHS2は、電源基板630にハンダ付けされて固定されることにより電源基板630のグランド(GND)に接地されている。
力率改善回路630dで力率が改善された直流は、平滑化回路630eに入力される。
[9−1−4.平滑化回路]
平滑化回路630eは、図示しない複数の電解コンデンサから構成されている。これら複数の電解コンデンサは、そのマイナス端子が電源基板630のグランド(GND)にそれぞれ接地されるとともに、そのプラス端子が力率改善回路630dで力率が改善された直流がそれぞれ入力される。平滑化回路630eは、力率改善回路630dで力率が改善された直流から脈流をなだらかに(平滑化)して電源作成回路630fのPFC−OUT端子に出力するととともに、ヒューズFUSE3(本実施形態では、ヒューズFUSE1,FUSE2と同一の形状であり、直径:5mm、長さ:20mmの透明なガラス管(両端の支持端子は金属製)、電気用品安全法で規定するB種溶断)を介して、直流+35Vとして電源基板630からパチンコ機1内部の各基板へ供給する。ヒューズFUSE3を介して供給される電源ラインがパチンコ機1内部の各基板の+35V電源ラインとなる。
[9−1−5.電源作成回路]
電源作成回路630fは、平滑化回路630eからの直流がPFC−OU端子に入力されると、この入力された直流から直流+12V及び直流+5Vをそれぞれ作成する。電源作成回路630fは、作成した直流+12Vを+12V端子から出力して電源基板630からパチンコ機1内部の各基板へ供給するとともに、作成した直流+5Vを+5V端子から出力して電源基板630からパチンコ機1内部の各基板へ供給する。電源作成回路630fの+12V端子から供給される電源ラインがパチンコ機1内部の各基板の+12V電源ラインとなり、電源作成回路630fの+5V端子から供給される電源ラインがパチンコ機1内部の各基板の+5V電源ラインとなる。
電源作成回路630fは、PFC−GATE端子から力率改善用ゲート信号を力率改善回路630dに出力する制御を行うことにより力率改善回路630dにおけるFETQ3,Q4、及び周辺回路630daによるスイッチングを制御して高調波の発生を抑制する。
電源作成回路630fは、チョークコイルL1でコモンモードノイズが低減されたAC24V1,AC24V2がダイオードD5,D6を介してAC−DET端子に入力されている。電源作成回路630fは、このAC−DET端子に入力された電圧を監視し、電源破壊回路630gに対してFUSE−GATE端子から電源破壊回路用ゲート信号を出力するか否かを判別している。
図示しない電源コードのプラグが遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込まれず、遊技機用電源電圧であるAC24Vより高い商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに誤って差し込まれると、平滑化回路630eから直流+35Vより高い電源電圧が電源作成回路630fのPFC−OUT端子へ入力されることとなる。
電源作成回路630fは、AC−DET端子に入力されるチョークコイルL1でコモンモードノイズが低減された電源電圧に基づいて、この電源電圧の大きさが予め定めた値(しきい値:本実施形態では、約50Vに設定されている。)に達すると、電源破壊回路630gに対して電源破壊回路用ゲート信号を出力することができるようになっている。
電源作成回路630fが電源破壊回路630gに対して電源破壊回路用ゲート信号を出力すると、電源破壊回路630gが自己破壊してショートモードとなる。電源破壊回路630gがショートモードとなると、電源スイッチ630aがON操作された状態であるときには、ヒューズFUSE1,FUSE2を通る電流がノイズ対策回路630b、整流回路630c、そして電源破壊回路630gを介して、電源作成回路630fのCGND端子へ向かって一気に流れ込むことで、ヒューズFUSE1,FUSE2に大電流が流れてヒューズFUSE1,FUSE2の一方又は両方が溶断することとなる。
電源作成回路630fのGND端子は、電源基板630のグランド(GND)に接地されている。電源作成回路630fのGND端子が接地される電源基板630のグランド(GND)がパチンコ機1内部の各基板のグランド(GND)ラインとなる。
[9−1−6.電源破壊回路]
電源破壊回路630gは、Nチャンネルの電界効果トランジスタ(以下、「FET」と記載する。)Q5、抵抗R25,R24、コンデンサC22から構成されている。FETQ5のドレイン端子は、ショットキーバリアダイオードD1,D2のカソード端子2と電気的に接続されている。FETQ5のゲート端子は、抵抗25の一端と電気的に接続されるとともに、抵抗R25の他端が電源作成回路630fのFUSE−GATE端子と電気的に接続されている。FETQ5のソース端子は、抵抗R24の一端と電気的に接続され、コンデンサC22の一端と電気的に接続され、そして電源作成回路630fのCGND端子と電気的に接続されている。抵抗R24の他端とコンデンサC22の他端とは、一端がFETQ5のゲート端子と電気的に接続される抵抗R25と反対側の他端と電気的に接続されていることにより、電源作成回路630fのFUSE−GATE端子に、抵抗R25の他端に加えて、抵抗R24の他端とコンデンサC22の他端とが電気的に接続されている。
電源破壊回路630gは、電源作成回路630fのFUSE−GATE端子から電源破壊回路用ゲート信号が抵抗R25を介してFETQ5のゲート端子に入力されると、FETQ5が作動してFETQ5のドレイン端子からソース端子へ向かって大電流が流れる(FETQ5のドレイン端子とソース端子とが過電流となる)ことで、FETQ5が破壊されることによって、FETQ5のドレイン端子とソース端子とが導通するショートモードの状態が維持される。なお、FETQ5は、そのパッケージの種類として、FETQ1,Q2,Q3,Q4、ショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10のパッケージの種類と同一の種類(上述したTO−220F)であるものの、FETQ1,Q2,Q3,Q4、ショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10と異なり、放熱フィンHS1,HS2と接触されない位置に配置されている。具体的には、FETQ5は、放熱フィンHS1,HS2が配置される間に配置され、放熱フィンHS1,HS2に全く固定されていない(図190、及び図191を参照)。これは、FETQ1,Q2,Q3,Q4、ショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10が発熱により破壊されないように、放熱フィンHS1,HS2を介して、その熱を吸収して冷却することを目的とするのに対して、FETQ5は、FETQ5が作動してFETQ5のドレイン端子からソース端子へ向かって大電流が流れる(FETQ5のドレイン端子とソース端子とが過電流となる)際に、発熱によって短時間に破壊されるように寄与するためである。
つまり、電源コードのプラグが遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込まれず、遊技機用電源電圧であるAC24Vより高い商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに誤って差し込まれると、電源作成回路630fは、AC−DET端子に入力されるチョークコイルL1でコモンモードノイズが低減された電源電圧に基づいて、この電源電圧の大きさが予め定めた値(しきい値:本実施形態では、約50Vに設定されている。)に達すると、電源破壊回路用ゲート信号を電源破壊回路630gに対して出力してFETQ5が自己破壊するように制御する。これにより、FETQ5のドレイン端子とソース端子とが導通するショートモードの状態が維持されるとともに、FETQ5のソース端子が電源作成回路630fのCGND端子と電気的に接続されているため、電源スイッチ630aがON操作された状態であるときには、ヒューズFUSE1,FUSE2を通る電流がノイズ対策回路630b、整流回路630c、そして電源破壊回路630gにおけるショートモードの状態となっているFETQ5を介して、電源作成回路630fのCGND端子へ向かって一気に流れ込むことで、ヒューズFUSE1,FUSE2に大電流が流れてヒューズFUSE1,FUSE2の一方又は両方が溶断することとなって、電源基板630のみが破壊され、電源コードのプラグが商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに誤って差し込まれたとしても、電源基板630を除くパチンコ機1内部の各基板が破壊されることを確実に防止することができるようになっている。
なお、電源コードのプラグが遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込まれず、遊技機用電源電圧であるAC24Vより高い商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに誤って差し込まれて電源破壊回路630gのFETQ5が破壊された状態では、ヒューズFUSE1,FUSE2を溶断していないものに交換して、電源コードのプラグを遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込んだとしても、電源破壊回路630gのFETQ5がすでに破壊されてショートモードが維持される状態となっているため、ヒューズFUSE1,FUSE2、電源スイッチ630a、ノイズ対策回路630b、整流回路630c、そして電源破壊回路630gにおけるショートモードの状態となっているFETQ5を介して、電源作成回路630fのCGND端子へ向かって大電流が流れることによって、交換したヒューズFUSE1,FUSE2に大電流が流れてヒューズFUSE1,FUSE2の一方又は両方が再び溶断することとなる。つまり、電源破壊回路630gのFETQ5がすでに破壊された電源基板630を電源破壊回路630gのFETQ5が破壊されていない正常な電源基板630に交換しなければ、電源コードのプラグを遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込んだとしても、遊技を開始することができないようになっている。
[9−1−7.バックアップ電源回路]
バックアップ電源回路630hは、ショットキーバリアダイオードD20、キャパシタBC0から構成されている。ショットキーバリアダイオードD20は、順方向の電圧降下が低くスイッチング速度が速いものである。ショットキーバリアダイオードD20のアノード端子は、電源作成回路630fの+5V端子から供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)と電気的に接続され、ショットキーバリアダイオードD20のカソード端子は、キャパシタBC0のプラス(+)端子と電気的に接続されている。キャパシタBC0のマイナス(−)端子はグランド(GND)に接地されている。ショットキーバリアダイオードD20のカソード端子とキャパシタBC0のプラス(+)端子との端子間から、図185に示した主制御基板1310に備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMへのバックアップ電源ラインとなる主VBBと、図185に示した払出制御基板633の払出制御部633aに備える払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMへのバックアップ電源ラインとなる払VBBと、を取り出す配線パターンが形成される回路となっている。
つまり、キャパシタBC0のマイナス(−)端子はグランド(GND)に接地されている。ショットキーバリアダイオードD20のカソード端子とキャパシタBC0のプラス(+)端子との端子間から、主制御基板1310に備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMへのバックアップ電源ラインとなる主VBBと、払出制御基板633の払出制御部633aに備える払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMへのバックアップ電源ラインとなる払VBBと、の2系統に分けられている回路となっている。
パチンコ機1が電源投入されたり、停電や瞬停が発生して復電したりすると、電源作成回路630fの+5V端子から供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)は、ショットキーバリアダイオードD20を介して、キャパシタBC0へ供給してキャパシタBC0を充電するとともに、主VBBとして主制御基板1310に備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMへ供給して主制御内蔵RAMに記憶される各種情報を保持し、払VBBとして払出制御基板633の払出制御部633aに備える払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMへ供給して払出制御内蔵RAMに記憶される各種情報を保持する。
一方、パチンコ機1が電源遮断されたり(遊技ホールのブレーカをOFF操作することにより、遊技ホールに設置されるパチンコ機の電源遮断を一斉に行う場合も含む。)、停電や瞬停が発生したりすると、電源作成回路630fの+5V端子から供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)による直流+5VがキャパシタBC0へ供給されなくなる。これに応じてキャパシタBC0は放電を開始する。この放電は、ショットキーバリアダイオードD20により、電源作成回路630fの+5V端子から供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)への供給が妨げられるの対して、主VBBとして主制御基板1310に備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMへ供給して主制御内蔵RAMに記憶される各種情報を保持し、払VBBとして払出制御基板633の払出制御部633aに備える払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMへ供給して払出制御内蔵RAMに記憶される各種情報を保持する。
つまり、パチンコ機1が電源遮断されたり(遊技ホールのブレーカをOFF操作することにより、遊技ホールに設置されるパチンコ機の電源遮断を一斉に行う場合も含む。)、停電や瞬停が発生したりすると、電源作成回路630fの+5V端子から供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)による直流+5VがキャパシタBC0へ供給されなくなっても、キャパシタBC0の放電により、主VBBとして主制御基板1310に備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMに記憶される各種情報が保持されるようになっているとともに、払VBBとして払出制御基板633の払出制御部633aに備える払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMに記憶される各種情報が保持されるようになっている。
[9−2.同一形状を有する電子部品の識別方法]
次に、電源基板630に実装される同一形状を有する電子部品の識別方法について説明する。電源基板630に実装される同一形状を有する電子部品としては、上述したように、整流回路630cのFETQ1,Q2及びショットキーバリアダイオードD1,D2と、力率改善回路630dのFETQ3,Q4及びショットキーバリアダイオードD9,D10と、電源破壊回路630gのFETQ5と、におけるパッケージの種類が同一の種類(TO−220F)であり、またヒューズFUSE1,FUSE2,FUSE3の形状も同一の形状(直径:5mm、長さ:20mmの透明なガラス管(両端の支持端子は金属製))である。
FETQ1,Q2,Q3,Q4,Q5とショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10とは、全く種類の異なる電子部品であるものの、FETQ1,Q2,Q3,Q4とショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10とは、破壊されない電子部品であり、FETQ5が唯一破壊される電子部品となっている。そこで、本実施形態では、電源基板630に実装される同一形状を有する電子部品としてFETQ1,Q2,Q3,Q4,Q5とショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10のうち、唯一破壊される電子部品を識別し易いように、電源基板630の実装面に印刷されるシルク印刷を他のものと異なる特徴を有したものを採用している。
具体的には、破壊されない電子部品である、FETQ1,Q2,Q3,Q4とショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10とに対しては、図192(a)に示すように、白色の外形線と、電子部品の配置する向きを示す白色の太線と、がシルク印刷として、ショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10に対してシルク印刷TSLK1〜4、FETQ1,Q2,Q3,Q4に対してTSLK5〜8が電源基板630の実装面に印刷されている。白色の太線が放熱フィンHS1,HS2に固定される側となっている。なお、図190では、FETQ1,Q2,Q3,Q4とショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10とを放熱フィンHS1,HS2に固定するために隣接して配置する必要があり、放熱フィンHS1,HS2が配置される白色の外形線のシルク印刷とシルク印刷TSLK1〜8の白色の太線の部分とが接続した配置となるように電源基板630の実装面に印刷されている。
これに対して、唯一破壊される電子部品であるFETQ5に対しては、図192(b)に示すように、白色の外形線と、この外形線内を等間隔に複数配置される白色の斜線ad1と、電子部品の配置する向きを示す白色の太線と、がシルク印刷として、シルク印刷TSLK9が電源基板630の実装面に印刷されている。つまり、白色の斜線ad1が特徴的な模様として表されるようになっている。
このように、FETQ1,Q2,Q3,Q4,Q5とショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10とが同一形状を有する電子部品であっても、電源基板630の実装面に印刷されたシルク印刷TSLK1〜9のうち、特徴的な模様として表されている白色の斜線ad1を目視することにより、同一形状を有する種類の異なる電子部品のうち、どの電子部品が他の電子部品と比べて注視すべき電子部品であるかを識別することができるようになっている。これにより、同一形状を有する種類の異なる電子部品のうち、どの電子部品が唯一破壊される電子部品であるかを極めて簡単に特定することができる。
また、パチンコ機1の製造元のサービスセンターの担当者が遊技ホールの店員等の係員に電話でFETQ5を指示する場合には、特徴的な模様として表されている白色の斜線ad1を有するシルク印刷TSLK9を探す旨を指示することで、遊技ホールの店員等の係員がFETQ5の位置を的確に把握することができるため、サービスセンターの担当者と遊技ホールの店員等の係員との意思疎通がし易くなる。
これにより、パチンコ機1の製造元のサービスセンターの担当者が遊技ホールの店員等の係員に電話でFETQ5を指示する場合には、遊技ホールの店員等の係員は、サービスセンターの担当者の指示通りに、電源基板630に実装される複数の電子部品のうち、注目すべきFETQ5を特定することできるようになっている。したがって、複数の電子部品のうち、注目すべきFETQ5を、他の電子部品であるFETQ1,Q2,Q3,Q4と、ショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10と、から識別することができる。
FETQ1,Q2,Q3,Q4,Q5とショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10とは、上述したように、全くことなる電子部品であるのに対して、ヒューズFUSE1,FUSE2,FUSE3は、同一種類の電子部品であるものの、電源コードのプラグが遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込まれず、遊技機用電源電圧であるAC24Vより高い商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに誤って差し込まれると、上述したように、電源破壊回路630gのFETQ5が自己破壊されてショートモードが維持され、ヒューズFUSE1,FUSE2に大電流が流れてヒューズFUSE1,FUSE2の一方又は両方が溶断する。つまり、電源コードのプラグが誤って商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに差し込まれた痕跡として、ヒューズFUSE1,FUSE2,FUSE3のち、ヒューズFUSE1,FUSE2の一方又は両方が破壊される電子部品となっている。そこで、本実施形態では、電源基板630に実装される同一形状を有する電子部品としてヒューズFUSE1,FUSE2,FUSE3のうち、破壊される電子部品を識別し易いように、電源基板630の実装面に印刷されるシルク印刷を他のものと異なる特徴を有したものを採用している。
具体的には、電源コードのプラグが誤って商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに差し込まれても破壊されない電子部品であるヒューズFUSE3に対しては、図193(a)に示すように、白色の外形線がシルク印刷としてシルク印刷FSLK1が電源基板630の実装面に印刷されている。
これに対して、電源コードのプラグが誤って商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに差し込まれた痕跡として破壊される電子部品であるヒューズFUSE1,FUSE2に対しては、図193(b)に示すように、白色の外形線と、この外形線内を白色にベタ塗りした領域ad2と、がシルク印刷として、シルク印刷FSLK2,3が電源基板630の実装面に印刷されている。つまり、白色にベタ塗りした領域ad2が特徴的な模様として表されるようになっている。ヒューズFUSE1,FUSE2,FUSE3の両端は、それぞれ図示しない支持金具が電源基板630にハンダ付けされているものの、白色の外形線の内側領域と支持金具の周辺との領域には、白色にベタ塗りした領域ad2が目視されることができるようになっているし、白色の外形線の内側領域であってヒューズFUSE1,FUSE2の両端を除く透明なガラス管と対応する白色にベタ塗りした領域ad2が透明なガラス管を介して確実に目視されることができるようになっている。
このように、ヒューズFUSE1,FUSE2,FUSE3が同一形状を有する電子部品であっても、電源基板630の実装面に印刷されたシルク印刷FSLK1〜3のうち、特徴的な模様として表されている白色にベタ塗りした領域ad2を目視することにより、同一形状を有する同一種類の電子部品のうち、どの電子部品が他の電子部品と比べて注視すべき電子部品であるかを識別することができるようになっている。これにより、同一形状を有する同一種類の電子部品のうち、どの電子部品が電源コードのプラグが誤って商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに差し込まれた痕跡を示す電子部品であるかを極めて簡単に特定することができるようになっている。
また、パチンコ機1の製造元のサービスセンターの担当者が遊技ホールの店員等の係員に電話でヒューズFUSE1,FUSE2を指示する場合には、特徴的な模様として表されている白色にベタ塗りした領域ad2を有するシルク印刷FSLK2,3を探す旨を指示することで、遊技ホールの店員等の係員がヒューズFUSE1,FUSE2の位置を的確に把握することができるため、サービスセンターの担当者と遊技ホールの店員等の係員との意思疎通がし易くなる。
これにより、パチンコ機1の製造元のサービスセンターの担当者が遊技ホールの店員等の係員に電話でヒューズFUSE1,FUSE2を指示する場合には、遊技ホールの店員等の係員は、サービスセンターの担当者の指示通りに、電源基板630に実装される複数の電子部品のうち、注目すべきヒューズFUSE1,FUSE2を特定することできるようになっている。したがって、複数の電子部品のうち、注目すべきヒューズFUSE1,FUSE2を他の電子部品であるヒューズFUSE3から識別することができる。
[9−3.ヒューズの溶断確認]
次に、電源基板630に実装される同一形状を有する同一種類のヒューズFUSE1,FUSE2,FUSE3の溶断確認について説明する。ヒューズFUSE1,FUSE2,FUSE3は、上述したように、透明なガラス管(両端の支持端子は金属製)であり、溶断すると、透明なガラス管に収容されるヒューズ線が断線して透明なガラス管の内側にススが付着する。ヒューズFUSE1,FUSE2,FUSE3のうち、ヒューズFUSE1,FUSE2は、上述したように、電源コードのプラグが誤って商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに差し込まれた痕跡を示すことができる電子部品であり、電源コードのプラグが誤って商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに差し込まれると、溶断する。そこで、本実施形態では、溶断したヒューズ線の様子を確認し易いように、ヒューズFUSE1,FUSE2に対するシルク印刷として、上述したシルク印刷FSLK2,3が電源基板630の実装面に印刷されている。シルク印刷FSLK2,3は、上述したように、白色にベタ塗りした領域ad2が特徴的な模様として表されるようになっているため、ヒューズFUSE1,FUSE2の両端を除く透明なガラス管と対応する白色にベタ塗りした領域ad2を、透明なガラス管を介して、目視することで、ヒューズFUSE1,FUSE2の透明なガラス管に収容されるヒューズ線の断線の有無を容易に確認することができる。
これにより、遊技ホールの店員等の係員やパチンコ機1を設置する(遊技盤5を交換する)作業者がパチンコ機1に電源電圧を供給する電源コードのプラグを遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントではなく、誤って商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに差し込んで電源基板630の電源スイッチ630aをON操作してパチンコ機1の電源投入を行うと、その痕跡として、ヒューズFUSE1,FUSE2のうち、一方又は両方の透明なガラス管に収容されるヒューズ線が断線して透明なガラス管の内側にススが付着するため、遊技ホールの店員等の係員や作業者等が「電源コートのプラグを電源コンセントに差し込んでも、電源投入できないから初期不良ではないか。」という主張をしても、自身の作業ミス(配線ミス)を、ごまかすことができない(言い訳できない)ようになっている。
一方、ヒューズFUSE3に対するシルク印刷として、上述したように、シルク印刷FSLK1が電源基板630の実装面に印刷されている。本実施形態では、電源基板630のレジストとして緑色を採用している。また、本実施形態では、ヒューズFUSE3に対するシルク印刷FSLK1と対応する電源基板630の実装面の領域には、緑色のレジストがベタ塗りされている。ヒューズFUSE3の透明なガラス管と対応するベタ塗りされた緑色のレジストの領域には、配線パターンが全くレイアウトされていない(つまり、ヒューズFUSE3の透明なガラス管と対応するベタ塗りされた緑色のレジストの領域を回避するように配線パターンが形成されているため、この領域には配線パターンが全く形成されていない)。これは、ヒューズFUSE3の透明なガラス管と対応するベタ塗りされた緑色のレジストの領域を、透明なガラス管を介して、目視することにより、ヒューズFUSE3の透明なガラス管に収容されるヒューズ線の状態の視認性を向上して、このヒューズ線の断線の有無を確認することができるようになっている。
また、ヒューズFUSE3の透明なガラス管と対応するベタ塗りされた緑色のレジストの領域において、配線パターンが全てレイアウトされた状態でも配線パターンが全くレイアウトされていない場合と同じように、ヒューズFUSE3の透明なガラス管と対応するベタ塗りされた緑色のレジストの領域を、透明なガラス管を介して、目視させることにより、ヒューズFUSE3の透明なガラス管に収容されるヒューズ線の状態の視認性を向上して、このヒューズ線の断線の有無を確認し易くできる。
なお、電源基板630の電源線コネクタDCN2は、上述したように、図示しないインターフェイス基板用電源線、図114に示した基板ユニット620のインターフェイス基板635、そして図示しないCRユニット用電源線を介して、パチンコ機1の外部に設置されている図示しないCRユニットに電気的に接続され、AC24VA、AC24Vを図示しないCRユニットに供給している。換言すると、インターフェイス基板635は、各種信号を中継する手段としての機能のほかに、図示しないCRユニットに対して電源を供給する手段としての機能も有している。インターフェイス基板635は、図示しないヒューズFUSE(本実施形態では、直径:5mm、長さ:20mmの透明なガラス管(両端の支持端子は金属製)、電気用品安全法で規定するB種溶断)が設けられており、上述した電源基板630のヒューズFUSE3に対する図193(a)に示したシルク印刷がその実装面に印刷されている。図示しないヒューズFUSEに対するシルク印刷と対応するインターフェイス基板635の実装面の領域には、緑色のレジストがベタ塗りされている。図示しないヒューズFUSEの透明なガラス管と対応するベタ塗りされた緑色のレジストの領域には、配線パターンが全くレイアウトされていない(つまり、図示しないヒューズFUSEの透明なガラス管と対応するベタ塗りされた緑色のレジストの領域を回避するように配線パターンが形成されているため、この領域には配線パターンが全く形成されていない)。これは、図示しないヒューズFUSEの透明なガラス管と対応するベタ塗りされた緑色のレジストの領域を、透明なガラス管を介して、目視することにより、ヒューズFUSEの透明なガラス管に収容されるヒューズ線の状態の視認性を向上して、このヒューズ線の断線の有無を確認することができるようになっている。インターフェイス基板635に設けられる図示しないヒューズFUSEは、電源基板630の電源線コネクタDCN2から供給されるAC24VA、AC24Vのうち、一方に設けるように構成することができるし、両方にそれぞれ設けるように構成することもできる。
また、図示しないヒューズFUSEの透明なガラス管と対応するベタ塗りされた緑色のレジストの領域において、配線パターンが全てレイアウトされた状態でも配線パターンが全くレイアウトされていない場合と同じように、図示しないヒューズFUSEの透明なガラス管と対応するベタ塗りされた緑色のレジストの領域を、透明なガラス管を介して、目視させることにより、ヒューズFUSEの透明なガラス管に収容されるヒューズ線の状態の視認性を向上して、このヒューズ線の断線の有無を確認し易くできる。
[9−4.キャパシタの容量]
次に、キャパシタBC0の容量について説明する。キャパシタBC0は、上述したように、パチンコ機1が電源投入されたり、停電や瞬停が発生して復電したりすると、電源作成回路630fの+5V端子から供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)により直流+5VがショットキーバリアダイオードD20を介してキャパシタBC0へ供給されることで充電することができるようになっているのに対して、パチンコ機1が電源遮断されたり(遊技ホールのブレーカをOFF操作することにより、遊技ホールに設置されるパチンコ機の電源遮断を一斉に行う場合も含む。)、停電や瞬停が発生したりすると、電源作成回路630fの+5V端子から供給される電源ライン(つまり、+5V電源ライン)による直流+5VがキャパシタBC0へ供給されなくなることに応じて放電を開始する。
このキャパシタBC0の放電により、パチンコ機1が電源遮断されたり(遊技ホールのブレーカをOFF操作することにより、遊技ホールに設置されるパチンコ機の電源遮断を一斉に行う場合も含む。)、停電や瞬停が発生した状態において、主VBBとしてバックアップ電源が主制御基板1310に備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMへ供給されることで主制御内蔵RAMに記憶される各種情報が保持されるようになっているとともに、払VBBとしてバックアップ電源が払出制御基板633の払出制御部633aに備える払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMへ供給されることで払出制御内蔵RAMに記憶される各種情報が保持されるようになっている。
遊技ホールの営業が終了すると、遊技ホールの店員等の係員が遊技ホールのブレーカをOFF操作することにより、遊技ホールに設置されるパチンコ機の電源遮断を一斉に行う。そして、次の営業を開始するときに(通常、遊技ホールに設置されるパチンコ機の電源スイッチは、ON操作された状態のままとしてある。)、遊技ホールの店員等の係員が遊技ホールのブレーカをON操作することにより、遊技ホールに設置されるパチンコ機の電源投入を一斉に行う。このとき、キャパシタBC0の容量が小さいものであると、遊技ホールの営業が終了して次の営業を開始するまでの期間に、キャパシタBC0の放電が完了することにより、主制御基板1310に備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAM、払出制御基板633の払出制御部633aに備える払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMの各種情報が保持できない。これにより、営業を開始するときに、遊技ホールの店員等の係員が遊技ホールのブレーカをON操作することにより、遊技ホールに設置されるパチンコ機の電源投入を一斉に行うと、RAMクリアスイッチが操作されたか否かにかかわらず、主制御基板に備える主制御MPUが電源投入時処理において主制御内蔵RAMのチェックサム(サム値)エラーを判定して主制御内蔵RAMの内容を完全に消去(クリア)した旨を伝えるRAMクリア報知をすべてのパチンコ機が一斉に実行することとなるため、すべてのパチンコ機のスピーカから流れるRAMクリア報知音が遊技ホール内に鳴り響くこととなる。なお、この場合、すべてのパチンコ機において、払出制御基板に備える払出制御MPUが電源投入時処理において払出制御内蔵RAMのチェックサム(サム値)エラーを判定して払出制御内蔵RAMの内容を完全に消去(クリア)する。
そこで、本実施形態では、遊技ホールの営業が終了して次の営業を開始しても、RAMクリア報知を実行しないようにキャパシタBC0の容量を選定している。具体的には、キャパシタBC0の容量として、遊技ホールの営業が終了してから約3日間(約72時間)に亘って、主VBBとして主制御基板1310に備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMへ供給して主制御内蔵RAMに記憶される各種情報を保持することができるとともに、払VBBとして払出制御基板633の払出制御部633aに備える払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMへ供給して払出制御内蔵RAMに記憶される各種情報を保持することができる容量のものが選定されている。この容量の選定は、主制御基板1310に備える主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMに供給される主VBBの消費電力が、払出制御基板633の払出制御部633aに備える払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMに供給される払VBBの消費電力と比べると、約10倍程度大きい場合もある点も加味されている。なお、主制御基板1310に備える主制御MPU1310aに供給される制御電圧(直流+5V)の消費電力は、払出制御基板633の払出制御部633aに備える払出制御MPU633aaに供給される制御電圧(直流+5V)の消費電力と比べると、大きい。
[9−5.製造中止電子部品対策]
次に、製造中止電子部品対策について説明する。まず、パチンコ機1の諸事情により、電源基板、主制御基板、払出制御基板などの主基板として扱われる基板については、その表面側である実装面にリードタイプの電子部品を実装して、裏面側であるハンダ付け面でハンダ付けするする必要がある。ところが、リードタイプの電子部品は、パチンコ機、スロット、融合遊技機等の遊技機を製造するメーカにおいては、重要なものであるものの、他の一般電機メーカは、小型化可能な面実装タイプ(いわゆる、SMDタイプ)のものを使用している。このため、リードタイプの電子部品の生産数が減少するこで製造中止となる場合がある。仮に、一の電子部品製造メーカから入手していたリードタイプの電子部品が製造中止となって、その代替を探しても、他の電子部品製造メーカも製造中止となる蓋然性が高いため、代替となるリードタイプの電子部品を時限付きで使用することとなり、いずれ主基板として扱われる基板に対してリードタイプの電子部品を実装することが困難となる。
そこで、本実施形態では、SMDタイプの電子部品をリードタイプの電子部品として構成することができるリードタイプ化電子部品を主基板として扱われる基板の実装面に実装することができるようになっている。ここでは、電源基板630のバックアップ電源回路630hのショットキーバリアダイオードD20について説明する。
ショットキーバリアダイオードD20は、図194(a)に示すように、基板D20aの表面(実装面)に、SMDタイプのショットキーバリアダイオードD20bの端子となるアノード側D20ca,カソード側D20cbと対応する位置にSMD用ランドパターンD20da,D20dbが形成され、SMD用ランドパターンD20da,D20dbと対応するリードD20ea,D20ebの一端が配置される位置にリード用ランドパターンD20fa,D20fbが形成され、SMD用ランドパターンD20da,D20dbとリード用ランドパターンD20fa,D20fbとを電気的に接続する配線パターンD20ga,D20gbが形成されている。
基板D20aの表面(実装面)に形成されるSMD用ランドパターンD20da,D20dbにSMDタイプのショットキーバリアダイオードD20bの端子となるアノード側D20ca,カソード側D20cbと対応するように配置してハンダ付けし、アノード側D20ca,カソード側D20cbとSMD用ランドパターンD20da,D20dbとをハンダ付けするとともに、リードD20ea,D20ebの一端をリード用ランドパターンD20fa,D20fbにそれぞれハンダ付けする。そして、基板D20aの表面(実装面)及び裏面全体をエポキシ樹脂により包み込むことでモールディングして、SMDタイプのショットキーバリアダイオードD20b、リードD20ea,D20ebの一端を覆う電子部品本体D20hを形成し、この電子部品本体D20hから2本のリードD20ea,D20ebが突出するというリードタイプ化電子部品としてショットキーバリアダイオードD20を構成することができる。電子部品本体D20hの表面及び/又は裏面には、図194(b)に示すように、ショットキーバリアダイオードD20の順方向を示す記号D20haが印刷されている。また、電子部品本体D20hの表面及び/又は裏面には、図示しないが、ショットキーバリアダイオードD20の製造会社名及び品番(カタログに掲載される番号)も印刷されている。
このように、SMDタイプの電子部品をリードタイプ化電子部品として構成することができるため、リードタイプの電子部品の生産数が減少するこで製造中止となって入手困難となった場合でも、一般電機メーカが使用するSMDタイプの電子部品を利用して対応することができる。
なお、上述した実施形態では、ショットキーバリアダイオードD20について説明したが、SMDタイプのコンデンサ、SMDタイプの抵抗、SMDタイプのコイル等についても適用することができる。また、同一のSMDタイプの電子部品を一列に複数並べたアレイ状に配置してリードタイプ化電子部品として構成することもできる。
次に、遊技ホールの島設備からの交流電源をパチンコ機1へ供給するための電源コードのプラグが商用電源電圧(AC100V)の電源コンセントに誤って差し込まれた場合の商用電源電圧対策が講じられる本発明の他の構成(以下、「第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成」と記載する。)について、図195を参照して説明する。図195は第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成である。なお、図195では、図189に示した実施形態(以下、「第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成」と記載する。)と同じ機能を奏する部材には、同じ符号を付して表した。
[第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成と第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成との対比]
第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、電源破壊回路630gは、上述したように、FETQ5、抵抗R25,R24、コンデンサC22から構成され、電源作成回路630fのFUSE−GATE端子から電源破壊回路用ゲート信号が抵抗R25を介してFETQ5のゲート端子に入力されると、FETQ5が作動してFETQ5のドレイン端子からソース端子へ向かって大電流が流れる(FETQ5のドレイン端子とソース端子とが過電流となる)ことでFETQ5が破壊されることによって、FETQ5のドレイン端子とソース端子とが導通するショートモードの状態が維持されるようになっている。
また、第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、ノイズ対策回路630bは、上述したように、コモンモードノイズ対策用の回路であるコモンモードノイズ対策回路CMC、ノーマルモードノイズ対策用の回路であるノーマルモードノイズ対策回路NMC、チョークコイルL1から構成され、電源スイッチ630aの出力側端子4,2は、コモンモードノイズ対策回路CMC、ノーマルモードノイズ対策回路NMC、そしてチョークコイルL1に入力されている。
また、第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、チョークコイルL1でコモンモードノイズが低減されたAC24V1,AC24V2は、上述したように、整流回路630cに入力されるほかに、ダイオードD5,D6のアノード端子にそれぞれ入力され、ダイオードD5,D6のカソード端子からそれぞれ出力されて電源作成回路630fのAC−DET端子に入力されている。
また、第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、遊技ホールの島設備からのAC24Vは、上述したように、図示しない電源コードを介して電源線コネクタDCN1に供給されると、ヒューズFUSE1,FUSE2を介して、電源スイッチ630aの入力側端子3,1に入力されている。ヒューズFUSE1,FUSE2に対しては、上述したように、白色の外形線と、この外形線内を白色にベタ塗りした領域ad2と、がシルク印刷として、シルク印刷FSLK2,3が電源基板630の実装面に印刷されている。つまり、白色にベタ塗りした領域ad2が特徴的な模様として表されるようになっている。ヒューズFUSE1,FUSE2の両端は、上述したように、それぞれ図示しない支持金具が電源基板630にハンダ付けされているものの、白色の外形線の内側領域と支持金具の周辺との領域には、白色にベタ塗りした領域ad2が目視されることができるようになっているし、白色の外形線の内側領域であってヒューズFUSE1,FUSE2の両端を除く透明なガラス管と対応する白色にベタ塗りした領域ad2が透明なガラス管を介して確実に目視されることができるようになっている。
これに対して、第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、図195に示すように、遊技ホールの島設備からのAC24Vは、図示しない電源コードを介して電源線コネクタDCN1に供給されると、そのL側(AC24V1)を、ヒューズFUSE1を介して、電源スイッチ630aの入力側端子3に入力されるとともに、そのN側(AC24V2)を、電源スイッチ630aの入力側端子1にそのまま入力される。ヒューズFUSE1に対しては、上述したように、白色の外形線と、この外形線内を白色にベタ塗りした領域ad2と、がシルク印刷として、シルク印刷FSLK2が電源基板630の実装面に印刷されている。つまり、白色にベタ塗りした領域ad2が特徴的な模様として表されるようになっている。ヒューズFUSE1の両端は、上述したように、それぞれ図示しない支持金具が電源基板630にハンダ付けされているものの、白色の外形線の内側領域と支持金具の周辺との領域には、白色にベタ塗りした領域ad2が目視されることができるようになっているし、白色の外形線の内側領域であってヒューズFUSE1の両端を除く透明なガラス管と対応する白色にベタ塗りした領域ad2が透明なガラス管を介して確実に目視されることができるようになっている。
また、第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、遊技ホールの島設備からのAC24Vは、第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成におけるヒューズFUSE2を省略している。これについて簡単に説明すると、第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、遊技ホールの島設備からのAC24Vは、ヒューズFUSE1、FUSE2を両方の電源コード(L側(AC24V1)、N側(AC24V2))に入力されていたが、出願人が行った試験によって、片方(N側(AC24V2))を省略しても問題は発生しなかったためである。これにより、第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、図195に示すように、遊技ホールの島設備からのAC24Vの片方(N側(AC24V2))を電源スイッチ630aの入力側端子1にそのまま入力することでコストダウンを実現している。
また、第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成における電源スイッチ630aと同一のものを採用している。これついて簡単に説明すると、電源スイッチ630aに関しては、遊技ホールの島設備からのAC24VのL側及びN側の両方を、確実に断/接を行う必要があるためである。これにより、第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成における電源スイッチ630aは、第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成における電源スイッチ630aと同様に、遊技ホールの島設備からのAC24VのL側及びN側の両方を、同時に断/接を行うことができる。
また、第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、図195に示すように、遊技ホールの島設備からのAC24VのN側(AC24V2)と、電源スイッチ630aの入力側端子1と、の間にマイクロギャップ式のアレスタAL1の一方と電気的に接続されている。このマイクロギャップ式のアレスタAL1の他方はアース接続端子DCN5のフレームグランドFG2と電気的に接続されている。マイクロギャップ式のアレスタAL1は、落雷によって遊技ホールの島設備からのAC24Vに高電圧(「サージ電圧」という。
)が侵入した際に、そのサージ電圧を、アース接続端子DCN5のフレームグランドFG2にサージ電流として流すことによってサージ電圧を制限し、電源スイッチ630aにサージ電圧がかからないようにしたり、電源スイッチ630aのON/OFFすることによって一時的に生じる高電圧(サージ電圧)を、アース接続端子DCN5のフレームグランドFG2にサージ電流として流すことによってサージ電圧を制限し、電源スイッチ630aにサージ電圧がかからないようにしたりしている。また、マイクロギャップ式のアレスタAL1は、パチンコ機1を遊技ホールに設置する際に、作業者が過って、図102(b)に示した枠アース基板559のアース端子ECN2(島設備アース)と遊技ホールの島設備におけるアース接続端子とを、島設備アース線を介して、電気的に接続し忘れた場合に、担保として、電磁波ノイズを遊技ホールの島設備からのAC24VのN側(AC24V2)へ導いて除去することにより、ノイズ耐力を高めることができる。
また、第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、コモンモードノイズ対策用の回路であるコモンモードノイズ対策回路CMC、ノーマルモードノイズ対策用の回路であるノーマルモードノイズ対策回路NMC、チョークコイルL1、に加えて、電源破壊回路630g’を構成するサージアブソーバSA1から構成され、電源スイッチ630aの出力側端子4,2は、コモンモードノイズ対策回路CMC、ノーマルモードノイズ対策回路NMC、電源破壊回路630g’、そしてチョークコイルL1に入力されている。電源破壊回路630g’を構成するサージアブソーバSA1は、コモンモードノイズ対策回路CMCのバリスタZNR1,ZNR2、及びノーマルモードノイズ対策回路NMCのバリスタZNR3と比べて反応速度が速いもの(例えば、サージアブソーバSA1としてシリコンサージアブソーバを挙げることができる。)であり、その一端が電源スイッチ630aを介してAC24VのL側(AC24V1)と電気的に接続され、その他端が電源スイッチ630aを介してAC24VのN側(AC24V2)と電気的に接続されており、定格電圧(ブレークダウン電圧)を超える回路電圧が入力されると、大電流が流れて破壊され、短絡してショートモードとなるものである。
サージアブソーバSA1として、バリスタを用いてもよいが、ここでは、シリコンサージアブソーバ(半導体バリスタ、VRD等とも呼ばれる。)を用いている。シリコンサージアブソーバは、通常のバリスタと比較して立ち上がりの急峻なサージ電圧を吸収することができるものであり、シリコンのpn接合のアバランシェ(電子雪崩)効果を利用したものである。このシリコンサージアブソーバは、サージに対して応答性が非常に速く、制御電圧特性が非常に優れているとともに、漏れ電流が非常に小さいという特長を有するものである。なお、サージアブソーバSA1は、交流回路であるので双方向型のものを使用し、定格電圧(ブレークダウン電圧)は入力電圧の2倍程度である47Vのものを選べばよい。
また、第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、整流回路630cのショットキーバリアダイオードD1,D2のカソード端子2は、リレーRL1の2番(COM)端子と電気的に接続されるとともに、サーミスタTH1の一端と電気的に接続されている。
このサーミスタTH1の他端は、リレーRL1の3番(NO)端子と電気的に接続されるとともに、チョークコイルL2の一端と電気的に接続されている。チョークコイルL2の他端は、力率改善回路630dと電気的に接続されている。リレーRL1の4端子はグランド(GND)に接地され、リレーRL1の1番端子は後述するリレー駆動回路630iと電気的に接続されている。これにより、リレーRL1の2番(COM)端子と3番端子との端子間(つまり、接点間)に、サーミスタTH1の両端をそれぞれ電気的に接続している。なお、サーミスタTH1は、温度が上昇すると抵抗値が低下するタイプのものであり、その特性として、縦軸を許容コンデンサ容量、横軸を交流電圧とすると、交流電圧の値が大きくなるのに連れて、許容コンデンサ容量の値が小さくなるという曲線を有し、商用電源電圧であるAC100Vが印加されても破壊されないものが選定されている。
力率改善回路630dで力率が改善された直流は、平滑化回路630eに入力され、電源作成回路630fに入力されるとともに、リレー駆動回路630iに入力される。リレー駆動回路630は、平滑化回路630eからの直流が入力されると、リレーRL1のコイルを作動することができる作動電圧(+24V)を作成してリレーRL1の1番端子へ供給する。
整流回路630cのショットキーバリアダイオードD1,D2のカソード端子2からそれぞれ出力される整流された直流は、電源スイッチ630aがON操作された際に、リレー駆動回路630iからの電力不足により(リレー駆動回路630iからの+24Vによる電力供給が不足して)リレーRL1のコイルが作動していない状態となっているため、リレーRL1をONすることができず(つまり、リレーRL1がOFFしたままの状態となり)、リレーRL1の2番(COM)端子と3番端子とが非導通する状態となったままリレーRL1を通ることなく、サーミスタTH1、そしてチョークコイルL2を介して、力率改善回路630dに入力される。これにより、整流回路630cのショットキーバリアダイオードD1,D2のカソード端子2からそれぞれ出力される整流された直流がサーミスタTH1のみへ向かって流れ、この直流がサーミスタTH1に流れ始めた時点では、抵抗値が高くサーミスタTH1の後続の負荷に弱い電流を流すものの、サーミスタTH1に流れる電流により徐々にサーミスタTH1の温度が上昇すると、これに応じてサーミスタTH1の抵抗値が低下することでサーミスタTH1の後続の負荷に強い電流を流す。
一方、電源スイッチ630aがON操作されてリレー駆動回路630iからの電力により(リレー駆動回路630iからの+24Vによる電力供給により)リレーRL1のコイルが作動しない状態から作動する状態へ切り換わると、リレーRL1をONすることでリレーRL1の2番(COM)端子と3番端子とが導通する状態とし、整流回路630cのショットキーバリアダイオードD1,D2のカソード端子2からそれぞれ出力される整流された直流がサーミスタTH1の他に、リレーRL1の2番(COM)端子と3番端子との端子間(つまり、接点間)に分流してそれぞれ通り、チョークコイルL2を介して、力率改善回路630dに入力される。これにより、整流回路630cのショットキーバリアダイオードD1,D2のカソード端子2からそれぞれ出力される整流された直流がリレーRL1の2番(COM)端子と3番端子との端子間(つまり、接点間)を通ることでサーミスタTH1への電流が減少してサーミスタTH1の温度が低下し、これに応じてサーミスタTH1の抵抗値が上昇することでリレーRL1の2番(COM)端子と3番端子との端子間(つまり、接点間)を通る電流が増大することとなる。
サーミスタTH1は、上述したように、温度が上昇すると抵抗値が低下するタイプのものであり、整流回路630cのショットキーバリアダイオードD1,D2のカソード端子2からそれぞれ出力される整流された直流がサーミスタTH1に流れると、サーミスタTH1の温度が上昇して抵抗値が低下することに応じてサーミスタTH1の後続の負荷への電流が強くなる。換言すると、サーミスタTH1が温度上昇するまで、チョークコイルL2へ流す電流を制限している。この機能を利用すると、電源コードのプラグが遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込まれず、遊技機用電源電圧であるAC24Vより高い商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに誤って差し込まれると、サーミスタTH1が温度上昇するまでに、サージアブソーバSA1に印加される回路電圧が定格電圧(ブレークダウン電圧)を大幅に超え、サージアブソーバSA1に大電流が流れることでサージアブソーバSA1が破壊されてショートモードとすることができる。
このような状態となると、電源スイッチ630aがON操作された状態であるときには、ノイズ対策回路630bにおけるショートモードの状態となっているサージアブソーバSA1を介してヒューズFUSE1に大電流が流れてヒューズFUSE1が溶断することとなる。また、サージアブソーバSA1がショートモードとなっている状態でヒューズFUSE1が溶断することにより、さらにサージアブソーバSA1に大電流が流され続けることがないためサージアブソーバSA1の素子が飛散してサージアブソーバSA1がオープンモードに破壊されることを防ぐことができる。これによって、電源基板630のみが破壊され、電源コードのプラグが商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに誤って差し込まれたとしても、電源基板630を除くパチンコ機1内部の各基板が破壊されることを確実に防止することができるようになっている。
第2実施形態に係る商用電源電圧対策の構成では、第1実施形態に係る商用電源電圧対策の構成における、チョークコイルL1でコモンモードノイズが低減された電源電圧を監視するためのAC−DET端子、電源破壊回路用ゲート信号を出力するFUSE−GATE端子、ヒューズFUSE1,FUSE2に大電流を流すためのCGND端子を設けずに済むため、回路構成が複雑とならない。
なお、電源コードのプラグが遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込まれず、遊技機用電源電圧であるAC24Vより高い商用電源電圧であるAC100Vの電源コンセントに誤って差し込まれて電源破壊回路630g’を構成するサージアブソーバSA1が破壊された状態では、ヒューズFUSE1を溶断していないものに交換して、電源コードのプラグを遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込んだとしても、電源破壊回路630g’を構成するサージアブソーバSA1がすでに破壊されてショートモードが維持される状態となっているため、サージアブソーバSA1を介して交換したヒューズFUSE1に大電流が流れてヒューズFUSE1が再び溶断することとなる。つまり、電源破壊回路630g’を構成するサージアブソーバSA1がすでに破壊された電源基板630を、電源破壊回路630g’を構成するサージアブソーバSA1が破壊されていない正常な電源基板630に交換しなければ、電源コードのプラグを遊技ホールの島設備の遊技機用電源電圧であるAC24Vの電源コンセントに差し込んだとしても、遊技を開始することができないようになっている。
因みに、従来より、遊技機外から供給される外部電源に基づいて遊技装置に必要な各種電源を作成することができる電源手段を備える遊技機が提案されている(例えば、特開2014−008221号公報(図2)。ところで、遊技機の製造元のサービスセンターの担当者が遊技ホールの店員等の係員に電話で電源手段の特定の部品を指示する場合には、サービスセンターの担当者の指示通りに、電源手段に実装される複数の部品のうち、注目すべき部品を特定することが難しいという問題があった。
また、従来より、遊技島設備からの電源に基づいて各種電源を作成して基板へ供給する電源手段を備える遊技機が提案されている(例えば、特開2014−083337号公報(段落[0038]))。遊技島設備は、商用交流電源(AC100V)を降圧した遊技機用交流電源(AC24V)へ変換している。ところが、島設備からの電力を遊技機へ供給するための電源コードが遊技機用交流電源の電源コンセントではなく、商用交流電源の電源コンセントに差し込まれると、商用交流電源が遊技機用交流電源より高い電圧を有しているため、電源手段から異常電源が出力されて遊技機内部の各種基板が破壊されるおそれがあった。
[10.主制御基板の回路、払出制御基板の回路]
次に、図185に示した主制御基板1310、払出制御基板633の回路等について、図196〜図197を参照して簡単に説明する。図196は主制御基板の回路を示す概略回路図であり、図197は払出制御基板の回路を示す概略回路図であり、図198は主基板として扱われる基板への配線の概要を説明する斜視図である。まず、主制御基板1310の回路における電源及び入力信号について説明し、払出制御基板633の回路における電源及び入力信号、主基板として扱われる基板への配線について説明する。
[10−1.主制御基板の回路における電源及び入力信号]
主制御基板1310の回路における電源のうち、主制御MPU1310aの制御電源は電源基板630の電源作成回路630f(630f’)からの直流+5Vが供給されているとともに、主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMに供給されるバックアップ電源は電源基板630のバックアップ電源回路630hから主VBBとして供給されている。
電源基板630の電源作成回路630f(630f’)からの直流+5Vは、図196に示すように、まず、主制御フィルタ回路1310hに入力される。この主制御フィルタ回路1310hは、主制御3端子フィルタMIC0を主として構成されている。この主制御3端子フィルタMIC0は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。主制御3端子フィルタMIC0は、その1番端子に、電源基板630の電源作成回路630f(630f’)からの直流+5Vが印加され、その2番端子がグランド(GND)と接地され、その3番端子からノイズ成分を除去した直流+5Vが出力されている。1番端子に印加される直流+5Vは、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC0の他端と電気的に接続されることにより、まずリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。
3番端子から出力される直流+5Vは、一端がグランド(GND)と接地される、コンデンサMC1及び電解コンデンサMC2(本実施形態では、静電容量:470マイクロファラッド(μF))の他端とそれぞれ電気的に接続されることにより、さらにリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された直流+5Vは、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子に印加されている。なお、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子には、瞬停が発生して遊技ホールからの電源が遮断された場合に、電解コンデンサMC2に充電された電荷が、瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って、直流+5Vとして印加されるようになっている。
主制御MPU1310aのVDD端子は一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC3の他端と電気的に接続され、VDD端子に印加される直流+5Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。主制御MPU1310aの接地端子であるVSS端子はグランド(GND)と接地されている。
主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMの電源端子であるVBB端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサMC4の他端と電気的に接続されているほかに、抵抗MR0を介して、電源基板630のバックアップ電源回路630hのキャパシタBC0のプラス端子と電気的に接続されている。これにより、主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMの電源端子であるVBB端子には、電源基板630のバックアップ電源回路630hからの主VBBが抵抗MR0を介して印加されている。
主制御基板1310の回路における入力信号のうち、例えば、ゲートセンサ2506からの検出信号、一般入賞口センサ3001からの検出信号、大入賞口センサ2403からの検出信号、一般入賞口センサ2401からの検出信号、磁気センサ3003からの検出信号、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)等は、パネル中継基板1710を介して、主制御入力回路1310bにそれぞれ入力されているとともに、第一始動口センサ3002からの検出信号、第二始動口センサ2402からの検出信号は、パネル中継基板1710を介すことなく、直接、主制御入力回路1310bにそれぞれ入力されている。
ゲートセンサ2506からの検出信号、一般入賞口センサ3001からの検出信号、第一始動口センサ3002からの検出信号、第二始動口センサ2402からの検出信号、大入賞口センサ2403からの検出信号、一般入賞口センサ2401からの検出信号、磁気センサ3003からの検出信号は、それぞれ主制御入力回路1310bを介して、主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0〜PA6にそれぞれ入力されている。この入力ポートPAは8ビットにより構成されており、入力端子PA7は空き端子となっている。この空き端子となっている入力端子PA7は空き端子処理としてグランド(GND)に接地されている。
なお、本実施形態では、一般入賞口2001は、上述したように、4つ存在し、サイドユニット2200に有する三つの一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bをそれぞれ検知する一般入賞口センサ3001からの検出信号がそれぞれ主制御入力回路1310bを介して、主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA1に入力され、アタッカユニット2400に有する一つの一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ2401からの検出信号が主制御入力回路1310bを介して、主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子PB5に入力されている。
また、本実施形態では、第一始動口センサ3002が、上述したように、第一始動口センサ主側3002a、及び第一始動口センサ従側3002bという2つのセンサ(ダブルセンサ)から構成されている。第一始動口センサ主側3002aからの検出信号は、主制御基板1310へ電気的に接続されている(つまり、直接的に電気的に接続されている)のに対して、第一始動口センサ従側3002bからの検出信号は、パネル中継基板1710を介して、主制御基板1310へ電気的に接続されている(つまり、間接的に電気的に接続されている)。第一始動口センサ主側3002aからの検出信号は主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA2に入力されるとともに、第一始動口センサ従側3002bからの検出信号は主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子PB2に入力されている。
RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)は、主制御入力回路1310bを介して、主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子PB0に入力されている。この入力ポートPBは、入力ポートPAと同様に、8ビットにより構成されている。また、停電監視回路1310eからの停電予告信号が図示しないが入力ポートPBの入力端子PB1に入力されるほかに、他のセンサからの検出信号がそれぞれ主制御入力回路1310bを介して入力ポートPBの所定の入力端子にそれぞれ入力され、空き端子となる入力端子については、入力ポートPAの入力端子PA7と同様に、空き端子処理としてグランド(GND)に接地されている。
[10−2.払出制御基板の回路における電源及び入力信号]
払出制御基板633の回路における電源のうち、払出制御MPU633aaの制御電源は電源基板630の電源作成回路630f(630f’)からの直流+5Vが供給されているとともに、払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMに供給されるバックアップ電源は電源基板630のバックアップ電源回路630hから払VBBとして供給されている。
電源基板630の電源作成回路630f(630f’)からの直流+5Vは、図197に示すように、まず、払出制御フィルタ回路633hに入力される。この払出制御フィルタ回路633hは、払出制御3端子フィルタPIC0を主として構成されている。この払出制御3端子フィルタPIC0は、T型フィルタ回路であり、フェライトで磁気シールドした減衰特性の優れたものである。払出制御3端子フィルタPIC0は、その1番端子に、電源基板630の電源作成回路630f(630f’)からの直流+5Vが印加され、その2番端子がグランド(GND)と接地され、その3番端子からノイズ成分を除去した直流+5Vが出力されている。1番端子に印加される直流+5Vは、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC0の他端と電気的に接続されることにより、まずリップル(電圧に畳重された交流成分)が除去されて平滑化されている。
3番端子から出力される直流+5Vは、一端がグランド(GND)と接地される、コンデンサPC1及び電解コンデンサPC2(本実施形態では、静電容量:180マイクロファラッド(μF))の他端とそれぞれ電気的に接続されることにより、さらにリップルが除去されて平滑化されている。この平滑化された直流+5Vは、払出制御MPU633aaの電源端子であるVDD端子に印加されている。なお、払出制御MPU633aaの電源端子であるVDD端子には、瞬停が発生して遊技ホールからの電源が遮断された場合に、電解コンデンサPC2に充電された電荷が、瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って、直流+5Vとして印加されるようになっている。なお、主制御基板1310に備える主制御MPU1310aに供給される制御電圧(直流+5V)の消費電力は、払出制御基板633の払出制御部633aに備える払出制御MPU633aaに供給される制御電圧(直流+5V)の消費電力と比べると、大きいため、主制御基板1310の電解コンデンサMC2の容量(本実施形態では、静電容量:470マイクロファラッド(μF))は、払出制御基板633の電解コンデンサPC2の容量本実施形態では、静電容量:180マイクロファラッド(μF))と比べると、大きいものが選定されている。
これにより、主制御基板1310、払出制御基板633は、瞬停が発生して遊技ホールからの電源が遮断された場合に、主制御基板1310の電解コンデンサMC2、払出制御基板633の電解コンデンサPC2にそれぞれ充電された電荷が、瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って、直流+5Vとしてそれぞれ印加されるようになっている。
払出制御MPU633aaのVDD端子は一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC3の他端と電気的に接続され、VDD端子に印加される直流+5Vはさらにリップルが除去されて平滑化されている。払出制御MPU633aaの接地端子であるVSS端子はグランド(GND)と接地されている。
払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMの電源端子であるVBB端子は、一端がグランド(GND)と接地されるコンデンサPC4の他端と電気的に接続されているほかに、抵抗PR0を介して、電源基板630のバックアップ電源回路630hのキャパシタBC0のプラス端子と電気的に接続されている。これにより、払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMの電源端子であるVBB端子には、電源基板630のバックアップ電源回路630hからの払VBBが抵抗PR0を介して印加されている。
払出制御基板633の回路における入力信号のうち、例えば、満タン検知センサ154からの検出信号、球切検知センサ194からの検出信号、羽根回転検知センサ590からの検出信号、払出検知センサ591からの検出信号、主制御基板1310からのRAMクリア信号は、払出制御入力回路633abにそれぞれ入力されている。
満タン検知センサ154からの検出信号、球切検知センサ194からの検出信号、羽根回転検知センサ590からの検出信号、払出検知センサ591からの検出信号、主制御基板1310からのRAMクリア信号は、それぞれ払出制御入力回路633abを介して、払出制御MPU633aaの入力ポートPAの入力端子PA0〜PA5にそれぞれ入力されている。この入力ポートPAは8ビットにより構成されており、入力端子PA6,PA7は空き端子となっている。これらの空き端子となっている入力端子PA6,PA7は空き端子処理としてグランド(GND)にそれぞれ接地されている。
主制御基板1310の停電監視回路1310eからの停電予告信号は、払出制御入力回路633abを介して、図示しないが入力ポートPBの入力端子PB0に入力されるほかに、他のセンサからの検出信号がそれぞれ払出制御入力回路633abを介して入力ポートPBの所定の入力端子にそれぞれ入力され、空き端子となる入力端子については、入力ポートPAの入力端子PA6,PA7と同様に、空き端子処理としてグランド(GND)に接地されている。
[10−3.主基板として扱われる基板への配線]
主基板として扱われる基板には、電源基板630、主制御基板1310、払出制御基板633などを挙げることができる。主基板として扱われる基板への配線に不正に改変される不正行為が行われると、主基板として扱われる基板の動作を不安にして遊技球を賞球として多量に払い出し、不正な遊技球を不正行為者に獲得されるおそれがあるため、これらの各基板への配線が不正に改変された際に、改変された配線を早期に発見する必要がある。
そこで、本実施形態では、電源基板630への配線については、図198(a)に示すように、コネクタSHG(図示しないが、コネクタSHGには、製造会社名及び品番(カタログに掲載される番号))に接続される各配線の被覆部には、不正識別子として配線の製造会社名及び品番(カタログに掲載される番号)が繰り返しそれぞれ印刷されている。
具体的には、例えば、コネクタSHGは、第1ピン〜第22ピンまでの合計22ピンを有するコネクタであり、第1ピンには配線SCBL1の被覆部に不正識別子SLABとして製造会社名:XXX、及び品番:ABC123(カタログに掲載される番号)が繰り返し印刷され、第2ピンには配線SCBL2の被覆部に不正識別子SLABとして製造会社名:XXX、及び品番:ABC123(カタログに掲載される番号)が繰り返し印刷されている。電源基板630への配線の長さは、配線の被覆部に不正識別子SLABとして製造会社名:XXX、及び品番:ABC123(カタログに掲載される番号)が確認できるように、少なくとも、配線の被覆部に不正識別子SLABが繰り返し2回分印刷された長さを有している。
なお、第1ピンに接続される配線SCBL1の被覆部は、白色であり、被覆部の色に対して視認容易な色(例えば、黒色)で不正識別子SLABとして製造会社名:XXX、及び品番:ABC123(カタログに掲載される番号)が繰り返し印刷され、他のピンに接続される配線SCBL2〜SCBL22の被覆部は、白色と異なる他の色(単色(例えば、赤色や灰色)でもよく、又は複数の色(例えば、赤色、黄色、青色、緑色、橙色、桃色、灰色、黒色など))でもよく、被覆部の色に対して視認容易な色(例えば、単色でもよいし、複数の色でもよい)で不正識別子SLABとして製造会社名:XXX、及び品番:ABC123(カタログに掲載される番号)が繰り返し印刷されている。
主制御基板1310への配線については、図198(b)に示すように、コネクタMHG(図示しないが、コネクタMHGには、製造会社名及び品番(カタログに掲載される番号))に接続される各配線の被覆部には、不正識別子として配線の製造会社名及び品番(カタログに掲載される番号)が繰り返しそれぞれ印刷されている。具体的には、例えば、コネクタMHGは、第1ピン〜第30ピンまでの合計30ピンを有するコネクタであり、第1ピンには配線MCBL1の被覆部に不正識別子MLABとして製造会社名:YYYYY、及び品番:DEFXYZ−1(カタログに掲載される番号)が繰り返し印刷され、第2ピンには配線MCBL2の被覆部に不正識別子MLABとして製造会社名:YYYYY、及び品番:DEFXYZ−1(カタログに掲載される番号)が繰り返し印刷されている。主制御基板1310への配線の長さは、配線の被覆部に不正識別子MLABとして製造会社名:YYYYY、及び品番:DEFXYZ−1(カタログに掲載される番号)が確認できるように、少なくとも、配線の被覆部に不正識別子MLABが繰り返し2回分印刷された長さを有している。
なお、第1ピンに接続される配線MCBL1の被覆部は、白色であり、被覆部の色に対して視認容易な色(例えば、黒色)で不正識別子MLABとして製造会社名:YYYYY、及び品番:DEFXYZ−1(カタログに掲載される番号)が繰り返し印刷され、他のピンに接続される配線MCBL2〜MCBL30の被覆部は、白色と異なる他の色(単色(例えば、赤色や灰色)でもよく、又は複数の色(例えば、赤色、黄色、青色、緑色、橙色、桃色、灰色、黒色など))でもよく、被覆部の色に対して視認容易な色(例えば、単色でもよいし、複数の色でもよい)で不正識別子MLABとして製造会社名:YYYYY、及び品番:DEFXYZ−1(カタログに掲載される番号)が繰り返し印刷されている。
払出制御基板633への配線については、図198(b)に示すように、コネクタHHG(図示しないが、コネクタHHGには、製造会社名及び品番(カタログに掲載される番号))に接続される各配線の被覆部には、不正識別子として配線の製造会社名及び品番(カタログに掲載される番号)が繰り返しそれぞれ印刷されている。具体的には、例えば、コネクタHHGは、第1ピン〜第30ピンまでの合計30ピンを有するコネクタであり、第1ピンには配線HCBL1の被覆部に不正識別子HLABとして製造会社名:YYYYY、及び品番:DEFXYZ−1(カタログに掲載される番号)が繰り返し印刷され、第2ピンには配線HCBL2の被覆部に不正識別子HLABとして製造会社名:YYYYY、及び品番:DEFXYZ−1(カタログに掲載される番号)が繰り返し印刷されている。払出制御基板633への配線の長さは、配線の被覆部に不正識別子HLABとして製造会社名:YYYYY、及び品番:DEFXYZ−1(カタログに掲載される番号)が確認できるように、少なくとも、配線の被覆部に不正識別子HLABが繰り返し2回分印刷された長さを有している。
なお、第1ピンに接続される配線HCBL1の被覆部は、白色であり、被覆部の色に対して視認容易な色(例えば、黒色)で不正識別子HLABとして製造会社名:YYYYY、及び品番:DEFXYZ−1(カタログに掲載される番号)が繰り返し印刷され、他のピンに接続される配線HCBL2〜HCBL30の被覆部は、白色と異なる他の色(単色(例えば、赤色や灰色)でもよく、又は複数の色(例えば、赤色、黄色、青色、緑色、橙色、桃色、灰色、黒色など))でもよく、被覆部の色に対して視認容易な色(例えば、単色でもよいし、複数の色でもよい)で不正識別子HLABとして製造会社名:YYYYY、及び品番:DEFXYZ−1(カタログに掲載される番号)が繰り返し印刷されている。
このように、主基板として扱われる基板への配線が不正に改変されても、コネクタ、及びコネクタに接続される配線には、製造会社名及び品番(カタログに掲載される番号)が繰り返しそれぞれ印刷されているため、改変された配線を早期に発見することに寄与することができる。なお、主基板として扱われる基板への配線として、カタログに掲載されるものであっても、入手困難な配線が好ましい。
なお、本実施形態では、遊技盤5に設けられる第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ主側3002aからの2本の配線と、遊技盤5に設けられる第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを検知する第二始動口センサ2402からの2本の配線と、はそれぞれ図示しないコネクタを介して、主制御基板1310へ直接電気的に接続される。これに対して、遊技盤5に設けられる第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ従側3002b、遊技盤5に設けられるゲート部2003を通過した遊技球Bを検知するゲートセンサ2506、遊技盤5に設けられる大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2403、遊技盤5に設けられる一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ2401,3001、遊技盤5に設けられる第一始動口2002付近に作用する磁気を検知する磁気センサ3003等の各種センサからの2本の配線は、それぞれのコネクタを介してパネル中継基板1710において電気的に接続されて集約されるとともに、1つのコネクタを介して、主制御基板1310へ電気的に接続されている。
このため、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ主側3002aからの2本の配線と、第二始動口センサ2402からの2本の配線と、が主制御基板1310へ間違って電気的に接続されるおそれがある。そこで、本実施形態では、第一始動口センサ3002からの2本の配線の被覆部の色として、一方を黄色、他方をピンク色とするとともに、各配線の被覆部には、不正識別子として配線の製造会社名及び品番(カタログに掲載される番号)が繰り返しそれぞれ印刷されている。第二始動口センサ2402からの2本の配線の被覆部の色として、一方を白色、他方を黒色とするとともに、各配線の被覆部には、不正識別子として配線の製造会社名及び品番(カタログに掲載される番号)が繰り返しそれぞれ印刷されている。これにより、製造元においては、ラインの作業者は、第一始動口センサ3002からの2本の配線と、第二始動口センサ2402からの2本の配線と、をそれぞれ識別することができるようになっているとともに、遊技ホールにおいては、遊技ホールの店員等の係員は、第一始動口センサ3002からの2本の配線と、第二始動口センサ2402からの2本の配線と、をそれぞれ識別することができるようになっている。
更に、本実施形態では、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ主側3002aからの2本の配線を主制御基板1310へ電気的に接続するコネクタとして2.5mmピッチを有するものが選定されているとともに、第二始動口センサ2402からの2本の配線を主制御基板1310へ電気的に接続するコネクタとして2.0mmピッチを有するものが選定されている。これにより、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ主側3002aからの2本の配線と、第二始動口センサ2402からの2本の配線と、が自身と対応するものとたけ電気的に接続することができるという物理的な構造とすることができるため、製造元においては、ラインの作業者は、製造工程において、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ主側3002aからの2本の配線と、第二始動口センサ2402からの2本の配線と、の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができるとともに、遊技ホールにおいては、遊技ホールの店員等の係員は、不正の有無を確認する場合、メンテナンスにより配線を一時的に外して元に戻す場合において、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ主側3002aからの2本の配線と、第二始動口センサ2402からの2本の配線と、の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができる。
なお、本実施形態では、サイドユニット2200に有する三つの一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bをそれぞれ検知する一般入賞口センサ3001、アタッカユニット2400に有する一つの一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ2401からの2本の配線をパネル中継基板1710へ電気的に接続するコネクタは、同一形状のものが選定されている。これは、本実施形態では、一般入賞口2001が4つ存在するものの、どの一般入賞口2001に遊技球が入球しても、入球にともない所定の球数の遊技球が賞球として払い出されるのみであって、遊技の進行、演出の変化に寄与するものでないからである。また、一般入賞口センサ2401,3001からの2本の配線をパネル中継基板1710を介すことなく、直接、主制御基板1310へ電気的に接続する構成を採用する場合であっても、一般入賞口センサ2401,3001からの2本の配線を主制御基板1310へ電気的に接続するコネクタは、同一形状のものが選定される。これは、上述したように、一般入賞口2001が4つ存在するものの、どの一般入賞口2001に遊技球が入球しても、入球にともない所定の球数の遊技球が賞球として払い出されるのみであって、遊技の進行、演出の変化に寄与するものでないからである。
因みに、従来より、遊技盤の有利領域内に各種入球口を備え、各入球口に遊技球の通過を検出する各センサ(検知手段)が設けられている遊技機が提案されている(例えば、特開2016−154676号公報(段落[0014]〜段落[0016]、図2〜図4))。ところが、用途が類似する入球口を通る検知手段からの配線が誤って電気的に接続されると、電気仕様的には問題ないので、破損は免れるが入球口の検出信号が誤って受信されてしまい、遊技の進行に影響を与えてしまう。ところが、特に用途が類似しているため、場合によってはすぐには誤接続に気がつかない可能性があるという問題があった。
[11.扉枠に備える各装飾基板]
次に、図91に示した扉枠3に備える各装飾基板について、図199〜図203を参照して詳細に説明する。図199は扉枠に備える各装飾基板の電気的な接続を説明するブロック図であり、図200はLED定電流駆動回路を1つ備える装飾基板の一例を示すブロック図であり、図201はLED定電流駆動回路を2つ備える装飾基板の一例を示すブロック図であり、図202はLED定電流駆動回路の配置方法の概要図であり、図203は図202のD部におけるLED非実装面から見た拡大図である。ここでは、扉枠3に備える、各装飾基板と枠扉副中継基板との電気的な接続について説明し、LED定電流駆動回路の概要、LED定電流駆動回路を備える装飾基板、そしてLED定電流駆動回路の配置方法について説明する。
まず、扉枠3は、上述したように、扉窓101aの外周を囲うように、皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、皿中央上装飾体312a、扉枠左サイド装飾体404、サイド窓内装飾部材412のサイド窓内装飾部410b、扉枠右サイド装飾体419、及び扉枠トップ装飾体453がそれぞれ配置されているとともに、皿左上装飾体271、皿右上装飾体276、及び皿中央上装飾体312aの下方に皿左下装飾体281、皿右下装飾体286及び皿中央下装飾体312bがそれぞれ配置されている。
皿左上装飾体271は、その後方に、皿左上装飾体271に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成される皿左上装飾基板273が配置され、皿左上装飾基板273に複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、6個)により発光装飾される。皿右上装飾体276は、その後方に、皿右上装飾体276に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成される皿右上装飾基板278が配置され、皿右上装飾基板278に複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、5個)により発光装飾される。皿中央上装飾体312aは、その後方に、皿中央上装飾体312aに沿うように半円弧状を有する細長い帯板状に形成される皿中央上装飾基板314が配置され、皿中央上装飾基板314に複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、10個)により発光装飾される。
扉枠左サイド装飾体404は、その後方に、扉枠左サイド装飾体404に沿うように上下に延びた細長い帯板状に形成される、左サイド上装飾基板402aと左サイド下装飾基板402bとから構成される扉枠左サイド装飾基板402が配置され、左サイド上装飾基板402aと左サイド下装飾基板402bとにそれぞれ複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、左サイド上装飾基板402aには5個、左サイド下装飾基板402bには10個)により発光装飾される。サイド窓内装飾部410bは、サイド窓内装飾部材412の上下方向に複数列設され、その後方に、サイド窓内装飾部材412に沿うように上下に延びた細長い帯板状に形成されるサイド窓内装飾部装飾基板413が配置され、サイド窓内装飾部装飾基板413に複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、12個)により発光装飾される。扉枠右サイド装飾体419は、その後方に、扉枠右サイド装飾体419に沿うように上下に延びた細長い帯板状に形成される、右サイド上装飾基板418aと右サイド下装飾基板418bとから構成される扉枠右サイド装飾基板418が配置され、右サイド上装飾基板418aと右サイド下装飾基板418bとにそれぞれ複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、右サイド上装飾基板418aには4個、右サイド下装飾基板418bには10個)により発光装飾される。
扉枠トップ装飾体453は、その後方に、扉枠トップ装飾体453の中央部分に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成される扉枠トップ中央装飾基板455が配置され、扉枠トップ装飾体453の左側部分に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成される扉枠トップ左装飾基板456が配置され、扉枠トップ装飾体453の右側部分に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成される扉枠トップ右装飾基板457が配置され、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457にそれぞれ複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、扉枠トップ中央装飾基板455には11個、扉枠トップ左装飾基板456には7個、扉枠トップ右装飾基板457には6個)により発光装飾される。
皿左下装飾体281は、その後方に、皿左下装飾体281に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成される皿左下装飾基板283が配置され、皿左下装飾基板283に複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、6個)により発光装飾される。皿右下装飾体286は、その後方に、皿右下装飾体286に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成される皿右下装飾基板288が配置され、皿右下装飾基板288に複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、6個)により発光装飾される。皿中央下装飾体312bは、その後方に、皿中央下装飾体312bに沿うように半円弧状を有する細長い帯板状に形成される皿中央下装飾基板316が配置され、皿中央下装飾基板316に複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、10個)により発光装飾される。
なお、扉枠3における皿ユニット200に備える図69に示した演出操作ユニット300は、上述したように、円環を前後に分割したような形態に形成される演出操作リング装飾基板352を備え、演出操作リング装飾基板352は、前側の半円弧状を有する細長い帯板状に形成される前装飾基板352aと、後側の半円弧状を有する細長い帯板状に形成される後装飾基板352bと、から構成されている。図69に示した演出操作ユニット300の回転操作部302は、前装飾基板352aに複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、9個)と、後装飾基板352bに複数実装されるフルカラーLED(本実施形態では、9個)と、により発光装飾される。
このように、扉枠3に備える各装飾基板は、細長い帯板状に形成されている。これにより、遊技盤5の上下方向及び左右方向の距離寸法を大きくすることで、図130に示した遊技盤5に可動体、装飾部材、表示装置等を複数設けることができるし、大型の可動体や大型の表示装置等も設けることができる。
[11−1.各装飾基板と枠扉副中継基板との電気的な接続]
扉枠3に備える各種装飾体や装飾部に配置される、皿左上装飾基板273、皿右上装飾基板278、皿中央上装飾基板314、左サイド上装飾基板402a、左サイド下装飾基板402b、サイド窓内装飾部装飾基板413、右サイド上装飾基板418a、右サイド下装飾基板418b、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、扉枠トップ右装飾基板457、皿左下装飾基板283、皿右下装飾基板288、皿中央下装飾基板316、前装飾基板352a、及び後装飾基板352b等の扉枠側装飾基板と、図33に示した扉枠3の扉枠ベースユニット100に備える扉枠副中継基板105と、の電気的な接続について、図199を参照して簡単に説明する。
扉枠3の扉枠ベースユニット100に備える扉枠副中継基板105は、図96に示した本体枠4に備えるインターフェイス基板635を介して、図180に示した周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aからシリアル出力される、扉枠側第1シリアル系統である発光データSDAT1、クロック信号SCLK1と、扉枠側第2シリアル系統である発光データSDAT2、クロック信号SCLK2と、がそれぞれ独立して入力されている。また、扉枠副中継基板105は、インターフェイス基板635を介して、図189に示した電源基板630の+12V電源ラインと電気的に接続されて直流+12Vが入力されるとともに、電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されてグランド(GND)に接地されている。
[11−1−1.扉枠側第1シリアル系統]
扉枠副中継基板105に入力される、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)は、図56に示した皿ユニット200の皿ユニット中継基板214に入力されるとともに、図54に示したハンドルユニット180のハンドル装飾基板184に入力されている。
皿ユニット中継基板214に入力される、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)は、皿左下装飾基板283、皿右下装飾基板288、及び図70に示した演出操作ユニット300の操作部中継基板392にそれぞれ入力されている。
皿左下装飾基板283に入力される、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)は、皿左上装飾基板273にそれぞれ入力されている。つまり、皿左下装飾基板283が扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)を皿左上装飾基板273へ伝える橋渡し基板となることで、皿左下装飾基板283と皿左上装飾基板273とが電気的に数珠繋ぎされた状態となっている。橋渡し基板となる皿左下装飾基板283には、皿ユニット中継基板214からの扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)がそれぞれ入力される図示しない入力用コネクタが設けられているとともに、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)を皿左上装飾基板273へそれぞれ出力するための図示しない出力用コネクタが設けられている。これに対して、皿左下装飾基板283と電気的に数珠繋ぎされる(つまり、皿左下装飾基板283の後段であって最終段となる)皿左上装飾基板273には、皿左下装飾基板283の図示しない出力用コネクタからそれぞれ出力される扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)がそれぞれ入力される図示しない入力用コネクタのみが設けられている。
皿右下装飾基板288に入力される、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)は、皿右上装飾基板278にそれぞれ入力されている。つまり、皿右下装飾基板288が扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)を皿右上装飾基板278へ伝える橋渡し基板となることで、皿右下装飾基板288と皿右上装飾基板278とが電気的に数珠繋ぎされた状態となっている。橋渡し基板となる皿右下装飾基板288には、皿ユニット中継基板214からの扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)がそれぞれ入力される図示しない入力用コネクタが設けられているとともに、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)を皿右上装飾基板278へそれぞれ出力するための図示しない出力用コネクタが設けられている。これに対して、皿右下装飾基板288と電気的に数珠繋ぎされる(つまり、皿右下装飾基板288の後段であって最終段となる)皿右上装飾基板278には、皿右下装飾基板288の図示しない出力用コネクタからそれぞれ出力される扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)が入力される図示しない入力用コネクタのみが設けられている。
演出操作ユニット300の操作部中継基板392に入力される、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)は、皿中央上装飾基板314、皿中央下装飾基板316、及び演出操作リング装飾基板352の前装飾基板352aにそれぞれ入力されている。
前装飾基板352aに入力される、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)は、後装飾基板352bにそれぞれ入力されている。つまり、前装飾基板352aが扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)を後装飾基板352bへ伝える橋渡し基板となることで、前装飾基板352aと後装飾基板352bとが電気的に数珠繋ぎされた状態となっている。橋渡し基板となる前装飾基板352aには、演出操作ユニット300の操作部中継基板392からの扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)がそれぞれ入力される図示しない入力用コネクタが設けられているとともに、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)を後装飾基板352bへそれぞれ出力するための図示しない出力用コネクタが設けられている。これに対して、前装飾基板352aと電気的に数珠繋ぎされる(つまり、前装飾基板352aの後段であって最終段となる)後装飾基板352bには、前装飾基板352aの図示しない出力用コネクタからそれぞれ出力される扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)がそれぞれ入力される図示しない入力用コネクタのみが設けられている。
ここで、例えば、皿ユニット中継基板214からの扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)が入力される皿左下装飾基板283について簡単に説明すると、皿左下装飾基板283は、LED定電流駆動回路283a、熱分散回路283c、6個のフルカラーLEDであるsdLED1〜sdLED6を備えている。LED定電流駆動回路283aは、sdLED1〜sdLED6に定電流を流すことができるシンク(吸い込み)タイプの定電流駆動回路283xと、sdLED1〜sdLED6に流す電流の最大電流を設定することができる最大電流設定回路283yと、から主として構成されている。定電流駆動回路283xは、皿ユニット中継基板214からの扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)に基づいて、sdLED1〜sdLED6に定電流を流す制御を行う。定電流駆動回路283xは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであるため、sdLED1〜sdLED6に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。そこで、定電流駆動回路283xの発熱の一部を、熱分散回路283cで受け持つことにより、定電流駆動回路283xの発熱を分散することができるようになっている。
また、例えば、皿左下装飾基板283からの扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)が入力される皿左上装飾基板273について簡単に説明すると、皿左上装飾基板273は、LED定電流駆動回路273a、熱分散回路273c、6個のフルカラーLEDであるsuLED1〜suLED6を備えている。LED定電流駆動回路273aは、皿左下装飾基板283のLED定電流駆動回路283aと同一の回路であり、suLED1〜suLED6に定電流を流すことができるシンク(吸い込み)タイプの定電流駆動回路273xと、suLED1〜suLED6に流す電流の最大電流を設定することができる最大電流設定回路273yと、から主として構成されている。定電流駆動回路273xは、皿左下装飾基板283からの扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)に基づいて、suLED1〜suLED6に定電流を流す制御を行う。定電流駆動回路273xは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであるため、suLED1〜suLED6に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。そこで、定電流駆動回路273xの発熱の一部を、熱分散回路273cで受け持つことにより定電流駆動回路273xの発熱を分散することができるようになっている。
[11−1−2.扉枠側第2シリアル系統]
扉枠副中継基板105に入力される、扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、直流+12V、及びグランド(GND)は、扉枠左サイド装飾基板402の左サイド下装飾基板402bに入力されるとともに、サイド窓内装飾部装飾基板413、扉枠右サイド装飾基板418の右サイド下装飾基板418b、及び図89に示した扉枠トップユニット450の扉枠トップ中継基板467にそれぞれ入力されている。
扉枠左サイド装飾基板402の左サイド下装飾基板402bに入力される、直流+12V、及びグランド(GND)は、扉枠左サイド装飾基板402の左サイド上装飾基板402aに入力されている。扉枠トップユニット450の扉枠トップ中継基板467に入力される、扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、直流+12V、及びグランド(GND)は、扉枠トップ右装飾基板457に入力されている。
扉枠トップ右装飾基板457に入力される、扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、直流+12V、及びグランド(GND)は、扉枠トップ中央装飾基板455にそれぞれ入力されている。つまり、扉枠トップ右装飾基板457が扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、直流+12V、及びグランド(GND)を扉枠トップ中央装飾基板455へ伝える橋渡し基板となることで、扉枠トップ右装飾基板457と扉枠トップ中央装飾基板455とが電気的に数珠繋ぎされた状態となっている。橋渡し基板となる扉枠トップ右装飾基板457には、扉枠トップユニット450の扉枠トップ中継基板467からの扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、直流+12V、及びグランド(GND)がそれぞれ入力される図示しない入力用コネクタが設けられているとともに、扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、直流+12V、及びグランド(GND)を扉枠トップ中央装飾基板455へそれぞれ出力するための図示しない出力用コネクタが設けられている。また、扉枠トップ右装飾基板457と電気的に数珠繋ぎされる(つまり、扉枠トップ右装飾基板457の後段となる)扉枠トップ中央装飾基板455には、扉枠トップ右装飾基板457の図示しない出力用コネクタからそれぞれ出力される扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、直流+12V、及びグランド(GND)がそれぞれ入力される図示しない入力用コネクタが設けられているとともに、扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、直流+12V、及びグランド(GND)を扉枠トップ左装飾基板456へそれぞれ出力するための図示しない出力用コネクタが設けられている。
扉枠トップ中央装飾基板455に入力される、扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、直流+12V、及びグランド(GND)は、扉枠トップ左装飾基板456にそれぞれ入力されている。つまり、扉枠トップ中央装飾基板455が扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、直流+12V、及びグランド(GND)を扉枠トップ左装飾基板456へ伝える橋渡し基板となることで、扉枠トップ中央装飾基板455と扉枠トップ左装飾基板456とが電気的に数珠繋ぎされた状態となっている。これに対して、扉枠トップ中央装飾基板455と電気的に数珠繋ぎされる(つまり、扉枠トップ中央装飾基板455の後段であって最終段となる)扉枠トップ左装飾基板456には、扉枠トップ中央装飾基板455の図示しない出力用コネクタからそれぞれ出力される扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、直流+12V、及びグランド(GND)がそれぞれ入力される図示しない入力用コネクタのみが設けられている。
ここで、例えば、扉枠副中継基板105からの扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、直流+12V、及びグランド(GND)が入力される扉枠左サイド装飾基板402の左サイド下装飾基板402bについて簡単に説明すると、左サイド下装飾基板402bは、2つのLED定電流駆動回路402ba,402bb、熱分散回路402bc、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を備えている。
LED定電流駆動回路402baは、皿左下装飾基板283のLED定電流駆動回路283a、及び皿左上装飾基板273のLED定電流駆動回路273aと同一の回路であり、hdLED1〜hdLED8に定電流を流すことができるシンク(吸い込み)タイプの定電流駆動回路402baxと、hdLED1〜hdLED8に流す電流の最大電流を設定することができる最大電流設定回路402bayと、から主として構成されている。定電流駆動回路402baxは、扉枠副中継基板105からの扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)に基づいて、8個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED8に定電流を流す制御を行う。
LED定電流駆動回路402bbは、LED定電流駆動回路402ba、皿左下装飾基板283のLED定電流駆動回路283a、及び皿左上装飾基板273のLED定電流駆動回路273aと同一の回路であり、hdLED9,hdLED10、及び左サイド上装飾基板402aに実装される5個のフルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5に定電流を流すことができるシンク(吸い込み)タイプの定電流駆動回路402bbxと、hdLED9,hdLED10、及び左サイド上装飾基板402aのhuLED1〜huLED5に流す電流の最大電流を設定することができる最大電流設定回路402bbyと、から主として構成されている。定電流駆動回路402bbxは、扉枠副中継基板105からの扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)に基づいて、自身が実装される基板(左サイド下装飾基板402b)のhdLED9,hdLED10、及び左サイド上装飾基板402aのhuLED1〜huLED5に定電流を流す制御を行う。
LED定電流駆動回路402baの定電流駆動回路402baxは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであるため、huLED1〜huLED8に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。LED定電流駆動回路402bbの定電流駆動回路402bbxは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであるため、hdLED9,hdLED10、huLED1〜huLED5に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。
そこで、定電流駆動回路402baxの発熱の一部を、熱分散回路402bcで受け持つことにより定電流駆動回路402baxの発熱を分散することができるようになっている。また、定電流駆動回路402bbxの発熱の一部を、熱分散回路402bcと、左サイド上装飾基板402aの熱分散回路402acと、により定電流駆動回路402bbxの発熱を分散することができるようになっている。
このように、定電流駆動回路402baxの発熱の一部は、自身が実装される基板(左サイド下装飾基板402b)の熱分散回路402bcのみにより定電流駆動回路402baxの発熱を分散することができるようになっているのに対して、定電流駆動回路402bbxの発熱の一部は、自身が実装される基板(左サイド下装飾基板402b)の熱分散回路402bcに加えて、後続の基板となる左サイド上装飾基板402aの熱分散回路402acにより定電流駆動回路402bbxの発熱を分散することができるようになっている。
定電流駆動回路402bbxは、自身が実装される基板(左サイド下装飾基板402b)をまたいで後続の基板となる左サイド上装飾基板402aに実装されるhuLED1〜huLED5に定電流を流すように構成されている。このため、左サイド下装飾基板402bと左サイド上装飾基板402aとの基板間を電気的に接続する作業が必ず伴う。この作業を行う作業者は、その指が左サイド下装飾基板402bのコネクタ、左サイド上装飾基板402aのコネクタ、左サイド下装飾基板402bの熱分散回路402bc、又は左サイド上装飾基板402aの熱分散回路402acに触れるため、左サイド下装飾基板402b、及び左サイド上装飾基板402aが静電気による損傷を防止する必要がある。そこで、左サイド下装飾基板402bの熱分散回路402bcと左サイド上装飾基板402aの熱分散回路402acとは、定電流駆動回路402bax,402bbxの発熱を分散することができるという機能に加えて、静電気による電子部品の損傷を防止することができる機能も備えている。
なお、左サイド上装飾基板402aは、上述したように、左サイド下装飾基板402bからの直流+12V、及びグランド(GND)が入力されるほかに、5個のフルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5に定電流を流すラインがそれぞれ入力されている。左サイド上装飾基板402aは、上述したように、5個のフルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5のほかに、熱分散回路402acを備えている。熱分散回路402acは、上述したように、定電流駆動回路402bbxの発熱を分散することができるという機能に加えて、静電気による電子部品の損傷を防止することができる機能も備えている。
[11−1−3.発光データ]
ここで、周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aからシリアル出力される発光データSDAT1,SDAT2について簡単に説明すると、発光データSDAT1,SDAT2は、発光態様を指定するためのデータであり、ID情報と階調情報とから構成されている。ID情報は、扉枠3の各装飾基板に備えるLED定電流駆動回路のうち、いずれのLED定電流駆動回路を指定するものであるかを示す情報である。階調情報は、階調度0(ゼロ)〜階調度127のうち、いずれの階調度を指定するものであるかを示す情報である。
[11−2.LED定電流駆動回路の概要]
次に、LED定電流駆動回路の概要について、図200を参照して詳細に説明する。本実施形態では、扉枠3の各装飾基板に備えるLED定電流駆動回路は、同一の回路であるため、ここでは、皿左下装飾基板283に備えるLED定電流駆動回路283aについて説明する。LED定電流駆動回路283aは、上述したように、sdLED1〜sdLED6に定電流を流すことができるシンク(吸い込み)タイプの定電流駆動回路283xと、sdLED1〜sdLED6に流す電流の最大電流を設定することができる最大電流設定回路283yと、から主として構成されている。
[11−2−1.定電流駆動回路]
定電流駆動回路は、出力チャンネルが24本あり、チャンネルごとに、電流を出力することができるようになっている。本実施形態では、1つのフルカラーLEDを構成する、赤色(R)に発光するLED素子、緑色(G)に発光するLED素子、及び青色(B)に発光するLED素子に対して、出力チャンネルLR,LG,LBを個別に制御することにより3本の出力チャンネルを使用している。つまり、本実施形態では、1つの定電流駆動回路で最大8個のフルカラーLEDに対して、出力チャンネルLR1〜LR8,LG1〜LG8,LB1〜LB8を個別に制御することにより発光態様を制御することができるようになっている。
定電流駆動回路283xは、リニア電源283xa、リセット部283xb、データライン用バッファ283xc、クロックライン用バッファ283xd、アドレス設定部283xe、発振器283xf、ロジック処理部283xg、PWM部283xh、定電流駆動部283xiから主として構成されている。
[11−2−1a.リニア電源]
リニア電源283xaは、+12V電源ラインからの直流+12Vが入力されて定電流駆動回路283x内で利用する内部電源Vreg(本実施形態では、直流+5V)を作成して供給することができる回路である。リニア電源283xaにより作成される内部電源Vregは、リセット部283xb、データライン用バッファ283xc、クロックライン用バッファ283xd、アドレス設定部283xe、発振器283xf、ロジック処理部283xg、PWM部283xh、及び定電流駆動部283xiにそれぞれ供給され、この内部電源Vergによりリセット部283xb、データライン用バッファ283xc、クロックライン用バッファ283xd、アドレス設定部283xe、発振器283xf、ロジック処理部283xg、PWM部283xh、及び定電流駆動部283xiが動作することができるようになっている。
定電流駆動回路283xは、図189に示した電源基板630の+5V電源ラインと電気的に接続されず、独自に+直流5Vを内部電源Vregとして作成して定電流駆動回路283x内において利用している。これは、電源基板630からの+5V電源ラインを利用すると、この+5V電源ラインを、電気配線を引き回して利用することとなるため、直流+5Vを供給する+5V電源ラインの長さが長くなってノイズが侵入し易くなる。そうすると、外来ノイズが+5V電源ラインに伝わって直流+5Vが定電流駆動回路283xに入力されると、外来ノイズの影響を受けてLEDのちらつきが発生するおそれがある。
そこで、本実施形態では、電源基板630からの+5V電源ラインを定電流駆動回路283xに不要とすることにより、+5V電源ラインと比べて耐ノイズ性が極めて高い+12V電源ラインから定電流駆動回路283xのリニア電源283xaにおいて独自に直流+5Vを内部電源Vregとして作成するという構成を採用した。
このように、本実施形態では、定電流駆動回路283xから他の基板へ向かって内部電源Vregを出力せずに定電流駆動回路283x内においてのみ利用することにより、外来ノイズが内部電源Vregに伝わり難くすることができるため、内部電源Vregを安定化することができるようになっている。これにより、内部電源Vregが安定化されることで外来ノイズによるフルカラーLEDであるsdLED1〜sdLED6のちらつき防止に寄与することができる。したがって、外来ノイズに強くすることできる。また、+5V電源ラインに対する入力用電気配線と外部伝送用電気配線とが不要となり、コネクタの小型化に寄与することができる。
[11−2−1b.リセット部]
リセット部283xbは、リニア電源283xaからの内部電源Vregに基づいて内部リセット信号RSTを作成して定電流駆動回路283x内に出力し、定電流駆動回路283xを初期化して定電流駆動回路283xを動作開始することができる、いわゆるパワーオンリセット回路である。リセット部283xbから出力される内部リセット信号RSTは、データライン用バッファ283xc、クロックライン用バッファ283xd、アドレス設定部283xe、発振器283xf、ロジック処理部283xg、PWM部283xh、及び定電流駆動部283xiに入力されると、データライン用バッファ283xc、クロックライン用バッファ283xd、アドレス設定部283xe、発振器283xf、ロジック処理部283xg、PWM部283xh、及び定電流駆動部283xiを初期化して、データライン用バッファ283xc、クロックライン用バッファ283xd、アドレス設定部283xe、発振器283xf、ロジック処理部283xg、PWM部283xh、及び定電流駆動部283xiを動作開始する。
定電流駆動回路283xは、例えば、図180に示した周辺制御基板1510からのリセット信号が入力されず、独自にリセット信号を内部リセット信号RSTとして作成して定電流駆動回路283x内において利用している。これは、例えば、周辺制御基板1510からのリセット信号を伝送するライン(以下、「リセット信号伝送ライン」と記載する。)を利用すると、このリセット信号伝送ラインを、電気配線を引き回して利用することとなるため、リセット信号を伝えるリセット信号伝送ラインの長さが長くなってノイズが侵入し易くなる。そうすると、外来ノイズがリセット信号伝送ラインに伝わってリセット信号が定電流駆動回路283xに入力されると、外来ノイズの影響を受けて定電流駆動回路283xがリセットされてLEDが消灯するおそれがある。そこで、本実施形態では、リセット信号伝送ラインを定電流駆動回路283xに不要とすることにより、定電流駆動回路283xのリセット部283xbにおいて独自にリセット信号を内部リセット信号RSTとして作成するという構成を採用した。
このように、本実施形態では、外部基板からリセット信号が入力されず、かつ、定電流駆動回路283xから他の基板へ向かって内部リセット信号RSTを出力せずに定電流駆動回路283x内においてのみ利用することにより、外来ノイズが内部リセット信号RSTに伝わり難くすることができるため、内部リセット信号RSTを安定化することができるようになっている。これにより、内部リセット信号RSTが安定化される(つまり、定電流駆動回路283xの初期化が安定化される)ことで外来ノイズによる定電流駆動回路283xがリセットされず、出力チャンネルLR1〜LR8,LG1〜LG8,LB1〜LB8に対応するフルカラーLEDを構成するLED素子の予期せぬ消灯やちらつき防止に寄与することができる。したがって、外来ノイズに強くすることできる。また、リセット信号伝送ラインに対する入力用電気配線と外部伝送用電気配線とが不要となり、コネクタの小型化に寄与することができる。
[11−2−1c.バッファ]
データライン用バッファ283xcは、定電流駆動回路283xの外部からのシリアルデータ(ここでは、扉枠側第1シリアル系統の発光データSDAT1)を伝送するライン(以下、「データライン」と記載する。)からシリアルデータが入力されてシリアルデータを伝える信号の波形を整形してロジック処理部283xgと定電流駆動回路283xの外部とにそれぞれ出力することができる回路である。クロックライン用バッファ283xdは、定電流駆動回路283xの外部からのクロック信号(ここでは、扉枠側第1シリアル系統のクロック信号SCLK1)を伝送するライン(以下、「クロックライン」と記載する。)からクロック信号が入力されてクロック信号の波形を整形してロジック処理部283xgと定電流駆動回路283xの外部とにそれぞれ出力することができる回路である。
データラインとクロックラインとは、上述したように、複数の基板や中継基板をまたいで伝送されている。このため、データラインとクロックラインとの長さがどちらも長くなってノイズが侵入し易くなる。そこで、本実施形態では、データライン用バッファ283xcとクロックライン用バッファ283xdとを定電流駆動回路283xに備えることで、定電流駆動回路283xに入力される直前におけるデータラインやクロックラインに侵入したノイズを、ロジック処理部283xg、そして後続の基板に伝えないように、データライン用バッファ283xcとクロックライン用バッファ283xdとにおいて波形を整形するという構成を採用した。
このように、本実施形態では、データラインとクロックラインとの長さがどちらも長くなる場合であっても、ノイズに強い、データラインとクロックラインとを形成することができる。これにより、ノイズに強い信号伝送を実現することができる。したがって、外来ノイズに強くすることできる。
[11−2−1d.アドレス設定部]
アドレス設定部283xeは、リニア電源283xaからの内部電源Vregに基づいて、図示しない3つのID抵抗により64通りのアドレスを定電流駆動回路283xのID(個体を識別することができるID)として設定することができるようになっている。
このように、本実施形態では、定電流駆動回路283xの個体を識別することができるIDは、図示しない3つのID抵抗というハードウェアの構成によってアドレス設定部283xeにより予め設定されるようになっているものであって、ソフトウェアによるデータを受信して適宜設定されるものでない。
[11−2−1e.発振器、ロジック処理部]
ロジック処理部283xgは、データライン用バッファ283xcにおいて整形された定電流駆動回路283xの外部からのシリアルデータ(ここでは、扉枠側第1シリアル系統の発光データSDAT1)と、クロックライン用バッファ283xdにおいて整形された定電流駆動回路283xの外部からのクロック信号(ここでは、扉枠側第1シリアル系統のクロック信号SCLK1)と、が入力されている。ロジック処理部283xgは、アドレス設定部283xeが設定する自身のIDであるアドレスに基づいて、シリアルデータ(扉枠側第1シリアル系統の発光データSDAT1)のID情報に自身のIDが含まれているときには、このシリアルデータから階調情報を取り込み、その取り込んだ階調情報となるように、発振器283xfからの信号(制御クロック信号)に基づいて、出力チャンネルにおける階調度をPWM部283xhに設定する制御を行う一方、シリアルデータ(扉枠側第1シリアル系統の発光データSDAT1)のID情報に自身のIDが含まれていないときには、このシリアルデータにおける階調情報を取り込まず、PWM部283xhに設定される現状の内容を維持する制御を行う。
[11−2−1f.PWM部]
PWM部283xhは、各出力チャンネルにおけるLEDの明るさ(階調度)を、消灯から点灯(最大輝度)までを階調度0(ゼロ)〜階調度127という合計128段階で階調制御することができるものであり、1つの出力チャンネルに対して図示しない1つのPWM階調制御部により階調制御されるようになっている。つまりPWM部283xhは、出力チャンネルLR1〜LR8,LG1〜LG8,LB1〜LB8と対応するPWM階調制御部1〜PWM階調制御部24を個別(つまり24個のPWM階調制御部)に備えている。これらのPWM階調制御部1〜PWM階調制御部24は、階調度がそれぞれ設定されると、この設定された階調度となる電流を流すように定電流駆動部283xiの制御を行う。
[11−2−1g.定電流駆動部]
定電流駆動部283xiは、上述したPWM部283xhに備えるPWM階調制御部1〜PWM階調制御部24に設定される階調度となるように、1つの出力チャンネルに対して1つの図示しない定電流ドライバによりフルカラーLEDを構成するLED素子に定電流を流すものである。つまり定電流駆動部283xiは、PWM階調制御部1〜PWM階調制御部24と対応して定電流ドライバ1〜定電流ドライバ24を個別(つまり24個の定電流ドライバ)に備えている。
定電流ドライバ1〜定電流ドライバ8には、出力チャンネルLR1〜LR8までの8つの出力チャンネルにおけるフルカラーLEDを構成する赤色(R)に発光するLED素子に流す最大電流を設定する抵抗Rrの一端が電気的に接続されるとともに抵抗Rrの他端がグランド(GND)に接地されている。定電流ドライバ9〜定電流ドライバ16には、出力チャンネルLG1〜LG8までの8つの出力チャンネルにおけるフルカラーLEDを構成する緑色(G)に発光するLED素子に流す最大電流を設定する抵抗Rgの一端が電気的に接続されるとともに抵抗Rgの他端がグランド(GND)に接地されている。定電流ドライバ17〜定電流ドライバ24には、出力チャンネルLB1〜LB8までの8つの出力チャンネルにおけるフルカラーLEDを構成する青色(B)に発光するLED素子に流す最大電流を設定する抵抗Rbの一端が電気的に接続されるとともに抵抗Rbの他端がグランド(GND)に接地されている。
定電流ドライバ1〜定電流ドライバ24とそれぞれ対応するフルカラーLEDを構成する、赤色(R)のLED素子のアノード端子、緑色(G)のLED素子のアノード端子、及び青色(B)のLED素子のアノード端子は、+12V電源ラインと電気的に接続されて直流+12Vが入力されている。
定電流ドライバ1〜定電流ドライバ8とそれぞれ対応するフルカラーLEDを構成する赤色(R)のLED素子のカソード端子は、それぞれ対応する熱分散抵抗を介して、出力チャンネルLR1〜LR8(つまり定電流ドライバ1〜定電流ドライバ8)と電気的にそれぞれ接続され、フルカラーLEDを構成する赤色(R)のLED素子に流れる定電流をそれぞれ定電流ドライバ1〜定電流ドライバ8側へ吸い込むことができるようになっている。定電流ドライバ9〜定電流ドライバ16とそれぞれ対応するフルカラーLEDを構成する緑色(g)のLED素子のカソード端子は、それぞれ対応する熱分散抵抗を介して、出力チャンネルLG1〜LG8(つまり定電流ドライバ9〜定電流ドライバ16)と電気的に接続され、フルカラーLEDを構成する緑色(G)のLED素子に流れる定電流をそれぞれ定電流ドライバ9〜定電流ドライバ16側へ吸い込むことができるようになっている。定電流ドライバ17〜定電流ドライバ24とそれぞれ対応するフルカラーLEDを構成する青色(B)のLED素子のカソード端子は、それぞれ対応する熱分散抵抗を介して、出力チャンネルLB1〜LB8(つまり定電流ドライバ17〜定電流ドライバ24)と電気的に接続され、フルカラーLEDを構成する青色(B)のLED素子に流れる定電流をそれぞれ定電流ドライバ17〜定電流ドライバ24側へ吸い込むことができるようになっている。
定電流ドライバ1〜定電流ドライバ8は、個別に設定されたフルカラーLEDを構成する赤色(R)のLED素子に流れる定電流をそれぞれ吸い込むことにより、フルカラーLEDを構成する赤色(R)のLED素子を発光することができる。定電流ドライバ9〜定電流ドライバ16は、個別に設定されたフルカラーLEDを構成する緑色(G)のLED素子に流れる定電流をそれぞれ吸い込むことにより、フルカラーLEDを構成する緑色(G)のLED素子を発光することができる。定電流ドライバ17〜定電流ドライバ24は、個別に設定されたフルカラーLEDを構成する青色(B)のLED素子に流れる定電流をそれぞれ吸い込むことにより、フルカラーLEDを構成する青色(B)のLED素子を発光することができる。
このように、LED定電流駆動回路は、LED素子を24個、つまり8個のフルカラーLEDを個別に設定された定電流で発光することにより調光点灯することができるため、このよう調光点灯により、消灯、一の階調による点灯、一の階調による点滅などを行うことができるようになっている。
[11−2−2.最大電流設定回路]
最大電流設定回路は、上述した、出力チャンネルLR1〜LR8までの8つの出力チャンネルにおけるフルカラーLEDを構成する赤色(R)に発光するLED素子に流す最大電流を設定する抵抗Rrと、出力チャンネルLG1〜LG8までの8つの出力チャンネルにおけるフルカラーLEDを構成する緑色(G)に発光するLED素子に流す最大電流を設定する抵抗Rgと、出力チャンネルLB1〜LB8までの8つの出力チャンネルにおけるフルカラーLEDを構成する青色(B)に発光するLED素子に流す最大電流を設定する抵抗Rbと、から構成されている。
抵抗Rrの一端は、上述したように、定電流駆動部283xiに備える定電流ドライバ1〜定電流ドライバ8と電気的に接続されるとともに、抵抗Rrの他端がグランド(GND)に接地されている。抵抗Rgの一端は、上述したように、定電流駆動部283xiに備える定電流ドライバ9〜定電流ドライバ16と電気的に接続されるとともに、抵抗Rgの他端がグランド(GND)に接地されている。抵抗Rbの一端は、上述したように、定電流駆動部283xiに備える定電流ドライバ17〜定電流ドライバ24と電気的に接続されるとともに、抵抗Rbの他端がグランド(GND)に接地されている。
[11−3.LED定電流駆動回路を備える装飾基板]
次に、LED定電流駆動回路を備える装飾基板について、図200及び図201を参照して詳細に説明する。ここでは、LED定電流駆動回路を1つ備える装飾基板について説明し、LED定電流駆動回路を2つ備える装飾基板について説明する。なお、扉枠3の各装飾基板に備える上述したLED定電流駆動回路は、同一の回路として構成されている。
このため、図200及び図201には、説明の便宜上、上述した出力チャンネルLR1〜LR8,LG1〜LG8,LB1〜LB8を同一の符号で示した。
[11−3−1.LED定電流駆動回路を1つ備える装飾基板]
まず、LED定電流駆動回路を1つ備える装飾基板として、例えば、図200に示すように、皿左下装飾基板283は、LED定電流駆動回路283a、6個のフルカラーLEDであるsdLED1〜sdLED6、熱分散回路283cを備えている。
扉枠3の扉枠ベースユニット100に備える扉枠副中継基板105は、上述したように、本体枠4に備えるインターフェイス基板635を介して、周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aからシリアル出力される扉枠側第1シリアル系統である発光データSDAT1、クロック信号SCLK1が入力されている。また、扉枠副中継基板105は、インターフェイス基板635を介して、上述したように、電源基板630の+12V電源ラインと電気的に接続されて直流+12Vが入力されるとともに、電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されてグランド(GND)に接地されている。
皿左下装飾基板283は、上述したように、扉枠副中継基板105からの扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)が皿ユニット200の皿ユニット中継基板214介して入力されている。直流+12Vは、LED定電流駆動回路283aに入力されるとともに、フルカラーLEDであるsdLED1〜sdLED6を構成する、赤色(R)のLED素子のアノード端子、緑色(G)のLED素子のアノード端子、及び青色(B)のLED素子のアノード端子にもそれぞれ入力されている。
フルカラーLEDであるsdLED1〜sdLED6を構成する赤色(R)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗sdRr1〜sdRr6を介して、LED定電流駆動回路283aの出力チャンネルLR1〜LR6(上述した定電流ドライバ1〜定電流ドライバ6)と電気的に接続されている。フルカラーLEDであるsdLED1〜sdLED6を構成する緑色(G)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗sdRg1〜sdRg6を介して、LED定電流駆動回路283aの出力チャンネルLG1〜LG6(上述した定電流ドライバ9〜定電流ドライバ14)と電気的に接続されている。
フルカラーLEDであるsdLED1〜sdLED6を構成する青色(B)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗sdRb1〜sdRb6を介して、LED定電流駆動回路283aの出力チャンネルLB1〜LB6(上述した定電流ドライバ17〜定電流ドライバ22)と電気的に接続されている。なお、LED定電流駆動回路283aの出力チャンネルLR7,LR8,LG7,LG8,LB7,LB8は、未接続となっている。
LED定電流駆動回路283aは、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)に基づいて、発光データSDAT1のID情報に自身のIDが含まれているときには、この発光データSDAT1から階調情報を取り込み、その取り込んだ階調情報となるように、フルカラーLEDであるsdLED1〜sdLED6を個別に制御して調光点灯する。
LED定電流駆動回路283aは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであるため、sdLED1〜sdLED6に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。そこで、LED定電流駆動回路283a(正確には、定電流駆動回路283x)の発熱の一部を、熱分散回路283cを構成する、熱分散抵抗sdRr1〜sdRr6,sdRg1〜sdRg6,sdRb1〜sdRb6で受け持つことによりLED定電流駆動回路283a(正確には、定電流駆動回路283x)の発熱を分散することができるようになっている。
なお、扉枠副中継基板105からの扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)は、LED定電流駆動回路283a(上述した定電流駆動回路283x)を介して、皿左上装飾基板273に入力されるとともに、直流+12V、及びグランド(GND)は、皿左下装飾基板283を介して皿左上装飾基板273に入力される。これにより、LED定電流駆動回路283a(上述した定電流駆動回路283x)に入力される直前におけるデータラインやクロックラインに侵入したノイズを、後続の基板である皿左上装飾基板273に伝えないように、LED定電流駆動回路283aにおいて(上述した定電流駆動回路283xに備えるデータライン用バッファ283xcとクロックライン用バッファ283xdとにおいて)波形を整形することができるようになっている。
直流+12Vは、LED定電流駆動回路273aに入力されるとともに、フルカラーLEDであるsuLED1〜suLED6を構成する、赤色(R)のLED素子のアノード端子、緑色(G)のLED素子のアノード端子、及び青色(B)のLED素子のアノード端子にもそれぞれ入力されている。
フルカラーLEDであるsuLED1〜suLED6を構成する赤色(R)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗suRr1〜suRr6を介して、LED定電流駆動回路273aの出力チャンネルLR1〜LR6(上述した定電流ドライバ1〜定電流ドライバ6)と電気的に接続されている。フルカラーLEDであるsuLED1〜suLED6を構成する緑色(G)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗suRg1〜suRg6を介して、LED定電流駆動回路273aの出力チャンネルLG1〜LG6(上述した定電流ドライバ9〜定電流ドライバ14)と電気的に接続されている。
フルカラーLEDであるsuLED1〜suLED6を構成する青色(B)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗suRb1〜suRb6を介して、LED定電流駆動回路273aの出力チャンネルLB1〜LB6(上述した定電流ドライバ17〜定電流ドライバ22)と電気的に接続されている。なお、LED定電流駆動回路273aの出力チャンネルLR7,LR8,LG7,LG8,LB7,LB8は、未接続となっている。
LED定電流駆動回路273aは、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)に基づいて、発光データSDAT1のID情報に自身のIDが含まれているときには、この発光データSDAT1から階調情報を取り込み、その取り込んだ階調情報となるように、フルカラーLEDであるsuLED1〜suLED6を個別に制御して調光点灯する。
LED定電流駆動回路273aは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであるため、suLED1〜suLED6に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。そこで、LED定電流駆動回路273a(正確には、定電流駆動回路273x)の発熱の一部を、熱分散回路273cを構成する、熱分散抵抗suRr1〜suRr6,suRg1〜suRg6,suRb1〜suRb6で受け持つことによりLED定電流駆動回路273a(正確には、定電流駆動回路273x)の発熱を分散することができるようになっている。
なお、LED定電流駆動回路を1つ備える装飾基板として、皿左下装飾基板283、皿左上装飾基板273のほかに、皿右下装飾基板288、皿右上装飾基板278、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457がある。
[11−3−2.LED定電流駆動回路を2つ備える装飾基板]
次に、LED定電流駆動回路を2つ備える装飾基板として、例えば、図201に示すように、左サイド下装飾基板402bは、LED定電流駆動回路402ba,402bb、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10、熱分散回路402bcを備えている。
扉枠3の扉枠ベースユニット100に備える扉枠副中継基板105は、上述したように、本体枠4に備えるインターフェイス基板635を介して、周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aからシリアル出力される扉枠側第2シリアル系統である発光データSDAT2、クロック信号SCLK2が入力されている。また、扉枠副中継基板105は、インターフェイス基板635を介して、上述したように、電源基板630の+12V電源ラインと電気的に接続されて直流+12Vが入力されるとともに、電源基板630のグランド(GND)ラインと電気的に接続されてグランド(GND)に接地されている。
左サイド下装飾基板402bは、上述したように、扉枠副中継基板105からの扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、直流+12V、及びグランド(GND)が入力されている。直流+12Vは、LED定電流駆動回路402ba,402bbに入力されるとともに、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を構成する、赤色(R)のLED素子のアノード端子、緑色(G)のLED素子のアノード端子、及び青色(B)のLED素子のアノード端子にもそれぞれ入力されている。
本実施形態では、上述したように、1つの定電流駆動回路で最大8個のフルカラーLEDに対して、出力チャンネルLR1〜LR8,LG1〜LG8,LB1〜LB8を個別に制御することにより発光態様を制御することができるようになっている。このため、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10のうち、8個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED8に対してはLED定電流駆動回路402baにより発光態様が制御されるとともに、残りの2個のフルカラーLEDであるhdLED9,hdLED10に対してはLED定電流駆動回路402bbにより発光態様が制御されるようになっている。また、LED定電流駆動回路402bbは、自身が実装される基板(つまり左サイド下装飾基板402b)をまたいで後続の基板となる左サイド上装飾基板402aに実装される5個のフルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5の発光態様を制御するようになっている。
10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10のうち、8個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED8に対して、フルカラーLEDであるhdLED1〜sdLED8を構成する赤色(R)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗hdRr1〜hdRr8を介して、LED定電流駆動回路402baの出力チャンネルLR1〜LR8(上述した定電流ドライバ1〜定電流ドライバ8)と電気的に接続され、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED8を構成する緑色(G)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗hdRg1〜hdRg8を介して、LED定電流駆動回路402baの出力チャンネルLG1〜LG8(上述した定電流ドライバ9〜定電流ドライバ16)と電気的に接続され、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED8を構成する青色(B)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗hdRb1〜hdRb8を介して、LED定電流駆動回路402baの出力チャンネルLB1〜LB8(上述した定電流ドライバ17〜定電流ドライバ24)と電気的に接続されている。
10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10のうち、2個のフルカラーLEDであるhdLED9,hdLED10に対して、フルカラーLEDであるhdLED9,sdLED10を構成する赤色(R)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗hdRr9,hdRr10を介して、LED定電流駆動回路402bbの出力チャンネルLR1,LR2(上述した定電流ドライバ1,定電流ドライバ2)と電気的に接続され、フルカラーLEDであるhdLED9,hdLED10を構成する緑色(G)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗hdRg9,hdRg10を介して、LED定電流駆動回路402bbの出力チャンネルLG1,LG2(上述した定電流ドライバ9,定電流ドライバ10)と電気的に接続され、フルカラーLEDであるhdLED9,hdLED10を構成する青色(B)のLED素子のカソード端子は、それぞれ熱分散抵抗hdRb9,hdRb10を介して、LED定電流駆動回路402bbの出力チャンネルLB1,LB2(上述した定電流ドライバ17,定電流ドライバ18)と電気的に接続されている。
また、左サイド下装飾基板402bの後続の基板となる左サイド上装飾基板402aに実装される5個のフルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5に対して、フルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5を構成する赤色(R)のLED素子のカソード端子は、それぞれ、左サイド上装飾基板402aにおける熱分散抵抗huRr1b〜huRr5b、そして左サイド下装飾基板402bにおける熱分散抵抗huRr1a〜huRr5aを介して、LED定電流駆動回路402bbの出力チャンネルLR3〜LR7(上述した定電流ドライバ3〜定電流ドライバ7)と電気的に接続され、フルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5を構成する緑色(G)のLED素子のカソード端子は、それぞれ、左サイド上装飾基板402aにおける熱分散抵抗huRg1b〜huRg5b、そして左サイド下装飾基板402bにおける熱分散抵抗huRg1a〜huRg5aを介して、LED定電流駆動回路402bbの出力チャンネルLG3〜LG7(上述した定電流ドライバ11〜定電流ドライバ15)と電気的に接続され、フルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5を構成する青色(B)のLED素子のカソード端子は、それぞれ、左サイド上装飾基板402aにおける熱分散抵抗huRb1b〜huRb5b、そして左サイド下装飾基板402bにおける熱分散抵抗huRb1a〜huRb5aを介して、LED定電流駆動回路402bbの出力チャンネルLB3〜LB7(上述した定電流ドライバ19〜定電流ドライバ23)と電気的に接続されている。なお、LED定電流駆動回路402bbの出力チャンネルLR8,LG8,LB8は、未接続となっている。
LED定電流駆動回路402baは、扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)に基づいて、発光データSDAT2のID情報に自身のIDが含まれているときには、この発光データSDAT2から階調情報を取り込み、その取り込んだ階調情報となるように、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10のうち、8個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED8を個別に制御して調光点灯する。
LED定電流駆動回路402bbは、LED定電流駆動回路402baを構成する定電流駆動回路402baxにおけるデータライン用バッファ402baxc、クロックライン用バッファ402baxdを介して入力される扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)に基づいて、発光データSDAT2のID情報に自身のIDが含まれているときには、この発光データSDAT2から階調情報を取り込み、その取り込んだ階調情報となるように、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10のうち、残りの2個のフルカラーLEDであるhdLED9,hdLED10を個別に制御して調光点灯するとともに、左サイド下装飾基板402bの後続の基板となる左サイド上装飾基板402aに実装される5個のフルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5を個別に制御して調光点灯する。
LED定電流駆動回路402baは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであるため、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10のうち、8個のhdLED1〜hdLED8に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。そこで、LED定電流駆動回路402ba(正確には、定電流駆動回路402bax)の発熱の一部を、熱分散回路402bcを構成する、熱分散抵抗hdRr1〜hdRr8,hdRg1〜hdRg8,hdRb1〜hdRb8で受け持つことによりLED定電流駆動回路402ba(正確には、定電流駆動回路402bax)の発熱を分散することができるようになっている。
LED定電流駆動回路402bbは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであるため、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10のうち、2個のhdLED9,hdLED10に流れる定電流を吸い込むとともに、左サイド下装飾基板402bの後続の基板となる左サイド上装飾基板402aに実装される5個のフルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。そこで、LED定電流駆動回路402bb(正確には、定電流駆動回路402bbx)の発熱の一部を、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10のうち、2個のhdLED9,hdLED10に対しては、熱分散回路402bcを構成する、熱分散抵抗hdRr9,hdRr10,hdRg9,hdRg10,hdRb9,hdRb10で受け持つとともに、左サイド下装飾基板402bの後続の基板となる左サイド上装飾基板402aに実装される5個のフルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5に対しては、左サイド下装飾基板402bにおける熱分散回路402bcを構成する、熱分散抵抗huRr1a〜hudRr5a,huRg1a〜huRg5a,huRb1a〜huRb5aと、左サイド上装飾基板402aにおける熱分散回路402acを構成する、熱分散抵抗huRr1b〜hudRr5b,huRg1b〜huRg5b,huRb1b〜huRb5bと、で受け持つことによりLED定電流駆動回路402bb(正確には、定電流駆動回路402bbx)の発熱を分散することができるようになっている。
また、左サイド下装飾基板402bの熱分散回路402bcと左サイド上装飾基板402aの熱分散回路402acとは、上述したように、LED定電流駆動回路402bb(正確には、定電流駆動回路402bbx)の発熱を分散することができるという機能に加えて、静電気による電子部品の損傷を防止することができる機能も備えている。
なお、LED定電流駆動回路を2つ備える装飾基板として、左サイド下装飾基板402bのほかに、皿中央上装飾基板314、皿中央下装飾基板316、サイド窓内装飾部装飾基板413、右サイド下装飾基板418b、及び扉枠トップ中央装飾基板455がある。
また、LED定電流駆動回路を全く備えない装飾基板として、左サイド上装飾基板402aのほかに、右サイド上装飾基板418aがある。
[11−4.LED定電流駆動回路の配置方法]
次に、LED定電流駆動回路の配置方法について、図202及び図203を参照して詳細に説明する。本実施形態では、扉枠3の各装飾基板に備えるLED定電流駆動回路は、上述したように、同一の回路である。ここでは、LED定電流駆動回路を構成する定電流駆動回路が1つの半導体チップ上に集積された電子部品として説明する。定電流駆動回路のICパッケージの種類としては、平面形状が正方形状(横の長さ:6.0mm、縦の長さ:6.0mm)を有する表面実装型(SMD、高さ:0.9mm)であり、いわゆるVQFNである。定電流駆動回路の4端辺のうち、1つの端辺が入力側、残りの3つの端辺がそれぞれ出力側1〜出力側3となっている。なお、図203には、図面の見やすさから、各種電子部品を省略するとともに、一部のシルク印刷を省略して示した。
本実施形態における扉枠3の各装飾基板は、上述したように、細長い帯板状に形成されており、LED定電流駆動回路を1つ備えるものと、LED定電流駆動回路を2つ備えるものと、がある。扉枠3の各装飾基板におけるLED定電流駆動回路の配置方法はほぼ同一であるため、ここでは、LED定電流駆動回路を2つ備える、上下に延びた細長い帯板状に形成される左サイド下装飾基板402bと、半円弧状を有する細長い帯板状に形成される皿中央上装飾基板314と、について説明する。
[11−4−1.左サイド下装飾基板]
左サイド下装飾基板402bは、図202(a)に示すように、LED定電流駆動回路402ba,402bb、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10等を備えている。10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10は、パチンコ機1の正面側となる左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに実装されているのに対して、LED定電流駆動回路402ba,402bbは、パチンコ機1の背面側となる左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに実装されている。なお、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにおける上端辺側には、左サイド上装飾基板402aと電気配線を接続するためのコネクタLDUCNが実装され、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byにおける下端辺側には、扉枠副中継基板105と電気配線を接続するためのコネクタLDLCNが実装されている。
左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bx,LED非実装面402byには、白色のレジストがベタ塗りされている。本実施形態では、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにベタ塗りされた白色のレジストにより、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10の発光による前方(つまりパチンコ機1の正面側)への反射率を高めることができるようになっている。
左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていない。また、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、左サイド下装飾基板402bの基板管理番号が白色のレジストによる抜き文字としても形成されていない。
これは、フルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域により、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10の発光による左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにおける反射率が低下することを防止している。したがって、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10の発光による左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにおける反射率が低下することを防止することができる。
また、扉枠3に設けられる図91に示した扉枠左サイド装飾体404は、上述したように、透光性を有した乳白色に形成されているものの、パチンコ機1の前方に着座した遊技者が頭(顔)を動かすことで頭(顔)の方向により視線が変化して、仮に、扉枠左サイド装飾体404に備える左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxを遊技者が視認することができる場合であっても、そもそも、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていないため、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域が遊技者に視認されることを防止している。したがって、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を特定する番号(つまり、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号)やフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10の実装位置を示す補助線(つまり、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域)を遊技者に視認困難とすることができる。
なお、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、コネクタLDLCNと対応する部品番号と、コネクタLDLCNを配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていない。これにより、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないコネクタLDLCNと対応する部品番号、コネクタLDLCNを配置する位置を示す領域が遊技者に視認されることを防止している。
また、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxが白色のレジストによりベタ塗りされている。フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10は、それぞれのパッケージが白色(白色と同色であると認められる色)の樹脂製であるとともに、コネクタLDUCNは、そのハウジングが白色(ナチュラル色とも言われ、白色(ナチュラル色)と同色であると認められる色)の樹脂製である。つまり、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のパッケージを有する電子部品であるフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のハウジングを有するコネクタLDUCNと、が実装されている。このように、本実施形態では、白色を有していない図示しない抵抗やコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに全く実装されていない。換言すると、白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下するものであるため、LED実装面に全く実装されていない。
また、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、左サイド下装飾基板402bの基板管理番号が箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)として形成されており、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにベタ塗りされる白色のレジストによりその箔抜き文字が覆われている。この箔抜き文字を形成する配線パターンは、電子部品と電気的に絶縁されて形成されている。なお、左サイド下装飾基板402bの基板管理番号は、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに代えて、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)として形成されていてもよいし、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxと左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byとに箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)としてそれぞれ形成されていてもよい。また、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bx、LED非実装面402byは、後述するように、ベタアースとして形成されている。このため、左サイド下装飾基板402bの基板管理番号は、箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)として形成せずに、LED実装面402bxのベタアースとLED非実装面402byのベタアースとのうち、いずれか一方の面又は両方の面において文字を抜いた抜き文字として形成されていてもよい。
これに対して、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、LED定電流駆動回路402baを構成する定電流駆動回路402bax、最大電流設定回路402bayの抵抗Rr,Rb,Rg、各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)によりそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍に電子部品と対応する部品番号がシルク印刷として黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。具体的には、例えば、定電流駆動回路402baxを配置する位置を示す領域がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)LSLKa(図203(a)を参照。)で左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに印刷されているとともに、この領域LSLKaの近傍であって上方に定電流駆動回路402baxと対応する部品番号であるIC1(図203(a)を参照。)がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)で左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに印刷されている。そして、最大電流設定回路402bayの抵抗Rr,Rb,Rgを配置する位置を示す領域がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)LSLKb,LSLKc,LSLKd(図203(a)を参照。)で左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byにそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域LSLKb,LSLKc,LSLKdの近傍であって右方に、最大電流設定回路402bayの抵抗Rr,Rb,Rgと対応する部品番号であるR1,R2,R3(図203(a)を参照。)がシルク印刷として黄色(又は、黒色)で左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byにそれぞれ印刷されている。
また、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに実装されるフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する領域がシルク印刷として黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)LSLK1〜LSLK10(図203(a)には、フルカラーLEDであるhdLED4,hdLED5と対応する鎖線LSLK4,LSLK5のみそれぞれ表した。)でそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域LSLK1〜LSLK10の近傍であって上方又は下方にフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号(図203(a)には、フルカラーLEDであるhdLED4,hdLED5と対応する部品番号であるLED4,LED5のみそれぞれ表した。)がシルク印刷として黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。
なお、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに実装されるコネクタLDLCNを配置する位置を示す領域がシルク印刷として図示しない黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)で印刷されているとともに、この領域の近傍にコネクタLDLCNと対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)で印刷されている。
また、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに実装される抵抗及びコンデンサ等は白色を有していないし、また1つの半導体チップ上に集積された定電流駆動回路402bax(402bbx)はそのパッケージが黒色の樹脂製であり、またコネクタLDLCNはそのハウジングが黒色、茶色、又は青色のうちいずれかの色を有する樹脂製である。このように、白色を有していない抵抗、コンデンサ、及びIC等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光による反射率が低下するものであるため、LED非実装面に実装されている。
更に、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに実装されるフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10への点灯検査を個別に行う(例えば、1つのフルカラーLEDを構成する、赤色(R)に発光するLED素子、緑色(G)に発光するLED素子、及び青色(B)に発光するLED素子に対して、LED素子ごとに行う)ことができる図示しない複数のチェックピンが配線パターンに接続されるテストパッド(又は、スルーホール)として形成され、複数のチェックピンの近傍に複数のチェックピンのそれぞれと対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)で印刷されている。複数のチェックピンは、白色のレジストが塗られていない。これにより、検査を行う作業者が図示しないブローブをチェックピンに接触させることで図示しないブローブとチェックピンとが電気的に接続されて導通する状態となって各種検査を行うことができる。なお、複数のチェックピンには、定電流駆動回路402baxや定電流駆動回路402bbxへのシリアルデータの内容を確認することができるものもある。
なお、実施形態では、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下する白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下するものであるため、LED実装面に全く実装されていなかったが、フルカラーLEDの発光によるLED実装面のうち、前方に配置される部材と対応する領域がLED実装面における反射率に寄与することが困難である場合には、その領域に、白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタを配置してもよい。この場合、LED非実装面には、電子部品やコネクタを配置する位置を示す領域がシルク印刷として図示しない黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)で印刷されるとともに、この領域の近傍に、電子部品やコネクタと対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)で印刷される。
左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bx、LED非実装面402byは、電子部品やコネクタなどのランドパターンや配線パターンを除く領域をグランド(GND)に接地する、いわゆるベタアースとして形成されている。左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに形成されるベタアースと、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに形成されるベタアースは、図示しない複数のスルーホールにより電気的に接続されている。
左サイド下装飾基板402bは、上述したように、上下に延びた細長い帯板状に形成されているため、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxから見て、左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1から右端辺402beg2までに亘る幅寸法が定電流駆動回路402bax,402bbxのランドパターンの左端辺から右端辺までの幅寸法の約1.78倍程度しかない。このため、左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1と右端辺402beg2とに平行となるように定電流駆動回路402bax,402bbxのランドパターンの端辺を配置すると、定電流駆動回路402bax,402bbxのランドパターンの端辺と、左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1又は右端辺402beg2と、の距離寸法が極めて短くなるため、その端辺に配列されたランドパターンの各リードパッドから配線パターンを引き出そうとしても、配線パターンのパターン幅、配線パターンの隣り合う間隔に最小距離寸法の制限があるため、その端辺に配列されたランドパターンの各リードパッドからすべての配線パターンを引き出すことが困難となる。
そこで、本実施形態では、定電流駆動回路402bax,402bbxのランドパターンの端辺を、左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1と右端辺402beg2とに対して、45度傾斜した状態として配置するという構成を採用した。
本実施形態では、このような配置を採用することにより、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byから見て、定電流駆動回路402bax,402bbxの4端辺のうち、右下端辺が入力側の端子となるよう左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1寄りに配置することにより、入力側の端子は、図201に示した、扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)、直流+12V、及びグランド(GND)、最大電流設定回路402bay,402bbyの抵抗Rr,Rgが入力され、左下端辺、左上端辺、及び右上端辺がそれぞれ主として出力側1の端子〜出力側3の端子となり、出力側1の端子〜出力側3の端子は、図201に示した、出力チャンネルLR1〜LR8,LG1〜LG8,LB1〜LB8、及び扉枠側第2シリアル系統(発光データSDAT2、クロック信号SCLK2)等を出力する。なお、出力側1の端子は、最大電流設定回路402bay,402bbyの抵抗Rbが入力される端子を有し、出力側2及び出力側3は、グランド(GND)が入力される端子を有している。
また、このような配置を採用したことにより、定電流駆動回路402bax,402bbxのランドパターンの4端辺のうち、2端辺を左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1に対して45度傾斜した状態として配置することができるとともに、残りの2端辺を左サイド下装飾基板402bの右端辺402beg2に対して45度傾斜した状態として配置することができる。これにより、定電流駆動回路402bax,402bbxのランドパターンの4端辺に配列されたランドパターンの各リードパッドから、配線パターンのパターン幅、配線パターンの隣り合う間隔に最小距離寸法の制限を受けても、すべての配線パターンを引き出すことができる。したがって、上下に延びた細長い帯板状に形成される左サイド下装飾基板402bにおいて定電流駆動回路402bax,402bbxから配線(配線パターン)が引き出される領域を確保することができる。
また、このような配置を採用したことにより、8個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED8のうち、4個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED4から構成されるグループ1と、4個のフルカラーLEDであるhdLED5〜hdLED8から構成されるグループ2と、の間に定電流駆動回路402baxを配置することができるため、定電流駆動回路402baxからグループ1とグループ2とへの配線パターンを引き回す際に、その長さを均等に形成することができる。これにより、グループ1とグループ2とへの配線パターンを引き回す長さがグループ1又はグループ2のいずれか一方のグループに偏って長くなったり、短くなったりするということを防ぐことができるため、アートワークにおいて配線パターンの配置や引き回しの効率を高めることができる。
また、このような配置を採用したことにより、定電流駆動回路402baxを、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byにおける上下方向の中央部分(図202(a)のフルカラーLEDであるhdLED6が配置される部分)と比べて下側寄りに配置することができるとともに、定電流駆動回路402bbxを、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byにおける上下方向の中央部分(図202(a)のフルカラーLEDであるhdLED6が配置される部分)と比べて上側寄りであって、定電流駆動回路402baxにより発光制御されるグループ2に構成されるフルカラーLEDであるhdLED8の上方に配置することができる。これにより、定電流駆動回路402baxから、8個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED8への配線パターンの引き回し用の領域を左サイド下装飾基板402bに確保することができるとともに、定電流駆動回路402bbxから、2個のフルカラーLEDであるhdLED9,hdLED10及び図201に示した5個の左サイド上装飾基板402aに備えるフルカラーLEDであるhuLED1〜huLED5への配線パターンの引き回し用の領域を左サイド下装飾基板402bに確保することができる。
なお、本実施形態では、最大電流設定回路402bay,402bbyの抵抗Rr,Rg,Rbのほかに、図示しないコンデンサが左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byにハンダ付けされている。抵抗Rr,Rg,Rb、及び図示しないコンデンサは、平面形状が長方形状の表面実装型(SMD)であり、いわゆるEIA形式で0805(呼称で2012、横の長さ:2.0mm、縦の長さ:1.25mm)である。つまり、抵抗Rr,Rg,Rb、及び図示しないコンデンサの大きさは、定電流駆動回路402bax,402bbxの大きさ(横の長さ:6.0mm、縦の長さ:6.0mm)と比べて極めて小さい。このため、抵抗Rr,Rg,Rb、及び図示しないコンデンサは、定電流駆動回路402bax,402bbxと異なり、抵抗Rr,Rg,Rbは、その長手方向の一端辺が左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1と右端辺402beg2とに対して平行となるように配置され、図示しないコンデンサは、その長手方向の一端辺が左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1と右端辺402beg2とに対して垂直となるように配置されている。換言すると、ランドパターンの端辺が左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1と右端辺402beg2とに対して45度傾斜した状態として配置される定電流駆動回路402bax,402bbxの各端辺と、抵抗Rr,Rg,Rb、及び図示しないコンデンサの長手方向の一端辺と、が非平行となるように、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byにそれぞれ配置されている。
また、扉枠3の各装飾基板におけるLED定電流駆動回路の配置方法は、上述したように、定電流駆動回路のランドパターンの端辺を、装飾基板の左端辺と右端辺とに対して45度傾斜した状態として配置した、ほぼ同一となっているものの、扉枠トップ装飾体453の扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457は、扉枠3の他の装飾基板と異なり、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457が扉枠トップ装飾体453に配置された状態において装飾基板の上端辺から下端辺までに亘る幅寸法が大きいため、定電流駆動回路のランドパターンの端辺を、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457の上端辺と下端辺とに平行となるよう配置されている。つまり、本実施形態では、定電流駆動回路のランドパターンの端辺が装飾基板の端辺と平行となるものと、定電流駆動回路のランドパターンの端辺が装飾基板の端辺と非平行となるものと、が混在している。本実施形態では、扉枠トップ中央装飾基板455は、自身に備える11個のフルカラーLEDに加えて、図示しない5個のフルカラーLEDが実装される他の中央装飾基板を、図示しない自身に備える2つのLED定電流駆動回路(第1のLED定電流駆動回路(第1の定電流駆動回路、第1の最大電流設定回路)、第2のLED定電流駆動回路(第2の定電流駆動回路、第2の最大電流設定回路))のうち1つのLED定電流駆動回路(ここでは、第2のLED定電流駆動回路(第2の定電流駆動回路、第2の最大電流設定回路))により図示しない自身に備える2つの熱分散回路(第1の定電流駆動回路は第1の熱分散回路(熱分散抵抗)、第2の定電流駆動回路は第2の熱分散回路(熱分散抵抗))を介して直接発光制御し、扉枠トップ左装飾基板456は、自身に備える7個のフルカラーLEDに加えて、図示しない1個のフルカラーLEDが実装される他の左装飾基板を、図示しない自身に備える1つのLED定電流駆動回路(定電流駆動回路、最大電流設定回路)により図示しない自身に備える1つの熱分散回路(熱分散抵抗)を介して直接発光制御し、扉枠トップ右装飾基板457は、自身に備える6個のフルカラーLEDに加えて、図示しない2個のフルカラーLEDが実装される他の右装飾基板を、図示しない自身に備える1つのLED定電流駆動回路(定電流駆動回路、最大電流設定回路)により図示しない自身に備える1つの熱分散回路(熱分散抵抗)を介して直接発光制御している。そして、他の中央装飾基板は、扉枠トップ装飾体453の中央部分に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成され、他の左装飾基板は、扉枠トップ装飾体453の左側部分に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成され、他の右装飾基板は、扉枠トップ装飾体453の右側部分に沿うように左右に延びた細長い帯板状に形成されている。他の中央装飾基板、他の左装飾基板、及び他の右装飾基板には、熱分散回路(熱分散抵抗)をそれぞれ設ける必要がある。扉枠トップ中央装飾基板455自身に備える熱分散回路(ここでは、第2の熱分散回路(熱分散抵抗))と他の中央装飾基板の熱分散回路とは、上述したように、扉枠トップ中央装飾基板455自身に備える第2のLED定電流駆動回路(正確には、第2の定電流駆動回路)の発熱を分散することができるという機能に加えて、静電気による電子部品の損傷を防止することができる機能も備えている。また、扉枠トップ左装飾基板456自身に備える熱分散回路と他の左装飾基板の熱分散回路とは、上述したように、扉枠トップ左装飾基板456自身に備えるLED定電流駆動回路(正確には、定電流駆動回路)の発熱を分散することができるという機能に加えて、静電気による電子部品の損傷を防止することができる機能も備えている。また、扉枠トップ右装飾基板457自身に備える熱分散回路と他の右装飾基板の熱分散回路とは、上述したように、扉枠トップ右装飾基板457自身に備えるLED定電流駆動回路(正確には、定電流駆動回路)の発熱を分散することができるという機能に加えて、静電気による電子部品の損傷を防止することができる機能も備えている。
また、定電流駆動回路402bax,402bbxのランドパターンの端辺を、左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1と右端辺402beg2とに対して45度傾斜した状態として配置するとともに、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxから見て左サイド下装飾基板402bの右端辺402beg2寄りであって左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxの上下方向に沿って所定間隔を有して配置するのに対して、定電流駆動回路402bax,402bbxを左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxから見て左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1寄りであって左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに配置するという構成を採用した。定電流駆動回路402bax,402bbxは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであり、各LED素子に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。このため、上下に延びた細長い帯板状に形成される左サイド下装飾基板402bにおいても、定電流駆動回路402bax,402bbxと、10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と、を離すことにより、定電流駆動回路402bax,402bbxによる発熱が10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10に影響が受け難くすることができる。
また、定電流駆動回路402bax,402bbxのランドパターンの端辺を、左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1と右端辺402beg2とに対して45度傾斜した状態として配置したことにより、定電流駆動回路402bax,402bbxのランドパターンの端辺を装飾基板の左端辺と右端辺とに平行となるよう配置するもの(つまり、扉枠トップ装飾体453の扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457)と比べて、定電流駆動回路402bax,402bbxのランドパターンの端辺を装飾基板の左端辺と右端辺とに非平行と配置するものの方が装飾基板の左端辺から右端辺までに亘る幅寸法をより短くすることができる。これにより、遊技盤5の左右方向の距離寸法を大きくすることに寄与することができる。
[11−4−2.皿中央上装飾基板]
皿中央上装飾基板314は、図202(b)に示すように、LED定電流駆動回路314a,314b、10個のフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10等を備えている。10個のフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10は、演出操作ユニット300の上方へ向かう側となる皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに実装されているのに対して、LED定電流駆動回路314a,314bは、演出操作ユニット300の上方へ向かう側となる皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yに実装されている。なお、図202(b)に示す皿中央上装飾基板314を左側へ90度回転させて見た場合に(つまり、皿中央上装飾基板314が皿中央上装飾体312aに沿うよう実際に配置された状態)、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにおける上端辺314eg1に沿う右側には、操作部中継基板392と電気配線を接続するためのコネクタHCNが実装されている。
皿中央上装飾基板314のLED実装面314x,LED非実装面314yには、白色のレジストがベタ塗りされている。本実施形態では、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにベタ塗りされた白色のレジストにより、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10の発光による前方(つまり演出操作ユニット300の上方へ向かう側)への反射率を高めることができるようになっている。
皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていない。また、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、皿中央上装飾基板314の基板管理番号が白色のレジストによる抜き文字としても形成されていない。
これは、フルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域により、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10の発光による皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにおける反射率が低下することを防止している。したがって、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10の発光による皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにおける反射率が低下することを防止することができる。
また、扉枠3に設けられる図91に示したユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aは、上述したように、透光性を有した乳白色に形成されているものの、パチンコ機1の前方に着座した遊技者が頭(顔)を動かすことで頭(顔)の方向により視線が変化して、仮に、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312aに備える皿中央上装飾基板314のLED実装面314xを遊技者が視認することができる場合であっても、そもそも、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていないため、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域が遊技者に視認されることを防止している。したがって、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を特定する番号(つまり、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号)やフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10の実装位置を示す補助線(つまり、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域)を遊技者に視認困難とすることができる。
なお、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、コネクタHCNと対応する部品番号と、コネクタHCNを配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていない。これにより、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないコネクタHCNと対応する部品番号、コネクタHCNを配置する位置を示す領域が遊技者に視認されることを防止している。
また、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xの全体が白色のレジストにより覆われている。フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10は、それぞれのパッケージが白色(白色と同色であると認められる色)の樹脂製であるとともに、コネクタHCNは、そのハウジングが白色(ナチュラル色とも言われ、白色(ナチュラル色)と同色であると認められる色)の樹脂製である。つまり、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のパッケージを有する電子部品であるフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のハウジングを有するコネクタHCNとが実装されている。このように、本実施形態では、白色を有していない図示しない抵抗やコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに全く実装されていない。換言すると、白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下するものであるため、LED実装面に全く実装されていない。
また、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、皿中央上装飾基板314の基板管理番号が箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)として形成されており、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにベタ塗りされる白色のレジストによりその箔抜き文字が覆われている。この箔抜き文字を形成する配線パターンは、電子部品と電気的に絶縁されて形成されている。なお、皿中央上装飾基板314の基板管理番号は、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに代えて、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yに箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)として形成されていてもよいし、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xと皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yとに箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)としてそれぞれ形成されていてもよい。また、皿中央上装飾基板314のLED実装面314x、LED非実装面314yは、は、後述するように、ベタアースとして形成されている。このため、皿中央上装飾基板314の基板管理番号は、箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)として形成せずに、LED実装面314xのベタアースとLED非実装面314yのベタアースとのうち、いずれか一方の面又は両方の面において文字を抜いた抜き文字として形成されていてもよい。
これに対して、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yには、LED定電流駆動回路314aを構成する定電流駆動回路314ax、最大電流設定回路314ayの抵抗Rr,Rb,Rg、各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域がシルク印刷として図示しない黄色の実線(又は、黒色の実線)によりそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍に電子部品と対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。
また、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yには、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに実装されるフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する領域がシルク印刷として図示しない黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)HSLK1〜HSLK10でそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域HSLK1〜HSLK10の近傍にフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。
なお、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yには、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに実装されるコネクタHCNを配置する位置を示す領域がシルク印刷として図示しない黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)で印刷されているとともに、この領域の近傍にコネクタHCNと対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)で印刷されている。
また、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yに実装される抵抗及びコンデンサ等は白色を有していないし、また1つの半導体チップ上に集積された定電流駆動回路314ax(314bx)はそのパッケージが黒色の樹脂製である。このように、白色を有していない抵抗、コンデンサ、及びIC等の電子部品は、フルカラーLEDの発光による反射率が低下するものであるため、LED非実装面に実装されている。
更に、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yには、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに実装されるフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10への点灯検査を個別に行う(例えば、1つのフルカラーLEDを構成する、赤色(R)に発光するLED素子、緑色(G)に発光するLED素子、及び青色(B)に発光するLED素子に対して、LED素子ごとに行う)ことができる図示しない複数のチェックピンが配線パターンに接続されるテストパッド(又は、スルーホール)として形成され、複数のチェックピンの近傍に複数のチェックピンのそれぞれと対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)で印刷されている。複数のチェックピンは、白色のレジストが塗られていない。これにより、検査を行う作業者が図示しないブローブをチェックピンに接触させることで図示しないブローブとチェックピンとが電気的に接続されて導通する状態となって各種検査を行うことができる。なお、複数のチェックピンには、定電流駆動回路314axや定電流駆動回路314bxへのシリアルデータの内容を確認することができるものもある。
皿中央上装飾基板314のLED実装面314x、LED非実装面314yは、電子部品やコネクタなどのランドパターンや配線パターンを除く領域をグランド(GND)に接地する、いわゆるベタアースとして形成されている。皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに形成されるベタアースと、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yに形成されるベタアースは、図示しない複数のスルーホールにより電気的に接続されている。
なお、本実施形態では、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下する白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下するものであるため、LED実装面に全く実装されていなかったが、フルカラーLEDの発光によるLED実装面のうち、前方に配置される部材と対応する領域がLED実装面における反射率に寄与することが困難である場合には、その領域に、白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタを配置してもよい。この場合、LED非実装面には、電子部品やコネクタを配置する位置を示す領域がシルク印刷として図示しない黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)で印刷されるとともに、この領域の近傍に、電子部品やコネクタと対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)で印刷される。
皿中央上装飾基板314は、上述したように、半円弧状を有する細長い帯板状に形成されているため、図202(b)に示す皿中央上装飾基板314を左側へ90度回転させて見た場合に(つまり、皿中央上装飾基板314が皿中央上装飾体312aに沿うよう実際に配置された状態)、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにおける上端辺314eg1から下端辺314eg2までに亘る幅寸法が定電流駆動回路314ax,314bxのランドパターンの左端辺から右端辺までの幅寸法の約1.78倍程度しかない。
このため、皿中央上装飾基板314の上端辺314eg1と下端辺314eg2とに平行となるように定電流駆動回路314ax,314bxのランドパターンの端辺を配置すると、定電流駆動回路314ax,314bxのランドパターンの端辺と、皿中央上装飾基板314の上端辺314eg1又は下端辺314eg2と、の距離寸法が極めて短くなるため、その端辺に配列されたランドパターンの各リードパッドから配線パターンを引き出そうとしても、配線パターンのパターン幅、配線パターンの隣り合う間隔に最小距離寸法の制限があるため、その端辺に配列されたランドパターンの各リードパッドからすべての配線パターンを引き出すことが困難となる。
そこで、本実施形態では、定電流駆動回路314ax,314bxのランドパターンの端辺を、皿中央上装飾基板314の上端辺314eg1と下端辺314eg2とに対して、45度傾斜した状態として配置するという構成を採用した。
本実施形態では、このような配置を採用することにより、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yから見て、定電流駆動回路314ax,314bxの4端辺のうち、左下端辺が入力側の端子となるよう皿中央上装飾基板314の上端辺314eg1寄りに配置することにより、入力側の端子は、図199に示した、扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)、直流+12V、及びグランド(GND)、最大電流設定回路314ay,314byの抵抗Rr,Rgが入力され、左上端辺、右上端辺、及び右下端辺がそれぞれ主として出力側1の端子〜出力側3の端子となり、出力側1の端子〜出力側3の端子は、上述した、出力チャンネルLR1〜LR8,LG1〜LG8,LB1〜LB8、及び扉枠側第1シリアル系統(発光データSDAT1、クロック信号SCLK1)等を出力する。なお、出力側1の端子は、最大電流設定回路314ay,314byの抵抗Rbが入力される端子を有し、出力側2及び出力側3は、グランド(GND)が入力される端子を有している。
また、このような配置を採用したことにより、定電流駆動回路314ax,314bxのランドパターンの4端辺のうち、2端辺を皿中央上装飾基板314の上端辺314eg1に対して45度傾斜した状態として配置することができるとともに、残りの2端辺を皿中央上装飾基板314の下端辺314eg2に対して45度傾斜した状態として配置することができる。これにより、定電流駆動回路314ax,314bxのランドパターンの4端辺に配列されたランドパターンの各リードパッドから、配線パターンのパターン幅、配線パターンの隣り合う間隔に最小距離寸法の制限を受けても、すべての配線パターンを引き出すことができる。したがって、半円弧状を有する細長い帯板状に形成される皿中央上装飾基板314において定電流駆動回路314ax,314bxから配線(配線パターン)が引き出される領域を確保することができる。
また、このような配置を採用したことにより、8個のフルカラーLEDであるhLED1〜hLED8のうち、4個のフルカラーLEDであるhLED1〜hLED4から構成されるグループ1と、4個のフルカラーLEDであるhLED5〜hLED8から構成されるグループ2と、の間に定電流駆動回路314axを配置することができるため、定電流駆動回路314axからグループ1とグループ2とへの配線パターンを引き回す際に、その長さを均等に形成することができる。これにより、グループ1とグループ2とへの配線パターンを引き回す長さがグループ1又はグループ2のいずれか一方のグループに偏って長くなったり、短くなったりするということを防ぐことができるため、アートワークにおいて配線パターンの配置や引き回しの効率を高めることができる。
また、このような配置を採用したことにより、図202(b)に示す皿中央上装飾基板314を左側へ90度回転させて見た場合に(つまり、皿中央上装飾基板314が皿中央上装飾体312aに沿うよう実際に配置された状態)、定電流駆動回路314axを、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yにおける半円弧状中央部分(図202(b)のフルカラーLEDであるhLED6が配置される部分)と比べて右側寄りに配置することができるとともに、定電流駆動回路314bxを、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yにおける半円弧状中央部分(図202(b)のフルカラーLEDであるhdLED6が配置される部分)と比べて左側寄りであって、定電流駆動回路314axにより発光制御されるグループ2に構成されるフルカラーLEDであるhLED8の左方に配置することができる。これにより、定電流駆動回路314axから、8個のフルカラーLEDであるhLED1〜hLED8への配線パターンの引き回し用の領域を皿中央上装飾基板314に確保することができるとともに、定電流駆動回路314bxから、2個のフルカラーLEDであるhLED9,hLED10への配線パターンの引き回し用の領域を皿中央上装飾基板314に確保することができる。
なお、本実施形態では、最大電流設定回路314ay,314byの抵抗Rr,Rg,Rbのほかに、図示しないコンデンサが皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yにハンダ付けされている。抵抗Rr,Rg,Rb、及び図示しないコンデンサは、平面形状が長方形状の表面実装型(SMD)であり、いわゆるEIA形式で0805(呼称で2012、横の長さ:2.0mm、縦の長さ:1.25mm)である。つまり、抵抗Rr,Rg,Rb、及び図示しないコンデンサの大きさは、定電流駆動回路314ax,314bxの大きさ(横の長さ:6.0mm、縦の長さ:6.0mm)と比べて極めて小さい。このため、抵抗Rr,Rg,Rb、及び図示しないコンデンサは、定電流駆動回路314ax,314bxと異なり、抵抗Rr,Rg,Rbは、その長手方向の一端辺が皿中央上装飾基板314の上端辺314eg1と下端辺314eg2とに対して平行となるように配置され、図示しないコンデンサは、その長手方向の一端辺が皿中央上装飾基板314の上端辺314eg1と下端辺314eg2とに対して垂直となるように配置されている。換言すると、ランドパターンの端辺が皿中央上装飾基板314の上端辺314eg1と下端辺314eg2とに対して45度傾斜した状態として配置される定電流駆動回路314ax,314bxの各端辺と、抵抗Rr,Rg,Rb、及び図示しないコンデンサの長手方向の一端辺と、が非平行となるように、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yにそれぞれ配置されている。
また、定電流駆動回路314ax,314bxのランドパターンの端辺を、皿中央上装飾基板314の上端辺314eg1と下端辺314eg2とに対して45度傾斜した状態として配置するとともに、10個のフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を皿中央上装飾基板314のLED実装面314xから見て皿中央上装飾基板314の下端辺314eg2寄りであって皿中央上装飾基板314のLED実装面314xの半円弧状に沿って所定間隔を有して配置するのに対して、定電流駆動回路314ax,314bxを皿中央上装飾基板314のLED実装面314xから見て皿中央上装飾基板314の上端辺314eg1寄りであって皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yに配置するという構成を採用した。定電流駆動回路314ax,314bxは、左サイド下装飾基板402bの定電流駆動回路402bax,402bbxと同様、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであり、各LED素子に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。このため、半円弧状を有する細長い帯板状に形成される中央上装飾基板314においても、定電流駆動回路314ax,314bxと、10個のフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と、を離すことにより、定電流駆動回路314ax,314bxによる発熱が10個のフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10に影響が受け難くすることができる。
また、定電流駆動回路314ax,314bxのランドパターンの端辺を、皿中央上装飾基板314の上端辺314eg1と下端辺314eg2とに対して45度傾斜した状態として配置したことにより、定電流駆動回路314ax,314bxのランドパターンの端辺を装飾基板の左端辺と右端辺とに平行となるよう配置するもの(つまり、扉枠トップ装飾体453の扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457)と比べて、定電流駆動回路314ax,314bxのランドパターンの端辺を装飾基板の左端辺と右端辺とに非平行と配置するものの方が装飾基板の左端辺から右端辺までに亘る幅寸法をより短くすることができる。これにより、演出操作ユニット300の左右方向の距離寸法や前後方向の距離寸法を大きくすることに寄与することができるため、大型の演出操作ユニット300を扉枠3に備えることできるとともに、演出操作ユニット300による発光演出を行うことができる。
[11−4−3.定電流駆動回路のICパッケージ底面における属パッド]
左サイド下装飾基板402bの定電流駆動回路402bax,402bbx、及び皿中央上装飾基板314の定電流駆動回路314ax,314bxである定電流駆動回路のICパッケージの種類としては、上述したように、平面形状が正方形状を有する表面実装型であり、いわゆるVQFNである。ここでは、左サイド下装飾基板402bの定電流駆動回路402baxのICパッケージについて、図203を参照して説明する。
定電流駆動回路402baxのICパッケージ底面の中央部分には、金属パッドFPが露出しており、いわゆる、Exposed Pad(以下、「EPad」と記載する。)が形成されている。このICパッケージは、基板にハンダ付けされることで、放熱性と接合性とを高くすることができるようになっている。
定電流駆動回路402baxのランドパターンには、各リードパッドに加えて、正方形状を有するEPad用ランドパターンEPが設けられている。EPad用ランドパターンEPは、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byのベタアースと電気的に接続されている。EPad用ランドパターンEPの領域内には、9つのサーマルビアTVが形成格子状に配列されている。これらのサーマルビアTVにより、EPad用ランドパターンEPと、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに形成されるベタアースと、が電気的に接続されることとなる。このため、EPad用ランドパターンEPの領域内には、各リードパッドからの配線パターンを引き出すことができない。
定電流駆動回路402baxは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであり、各LED素子に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。つまり、定電流駆動回路402baxの発熱を、EPadからEPad用ランドパターンEPを介して、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byと、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxと、に拡散することによって、左サイド下装飾基板402b全体で放熱することができるようになっている。
なお、EPad用ランドパターンEPと9つのサーマルビアTVとの関係について簡単に説明すると、定電流駆動回路のEPad(金属パッドFP)がEPad用ランドパターンEPとハンダ付けされる接合領域は、定電流駆動回路のEPad(金属パッドFP)に対して50%以上となるように、サーマルビアTVの数や直径の大きさが選定されている。これにより、定電流駆動回路のEPad(金属パッドFP)とEPad用ランドパターンEPとがハンダ付けされる接合領域が大きくなりすぎずボイドの発生を防止するとともに、この接合領域が小さくなりすぎず安定した接合強度を得ることができるようになっている。なお、EPad用ランドパターンEPを格子状に分割して形成することもできるが、この場合においても、ボイドの発生の防止と安定した接合強度を得るために、上述したように、定電流駆動回路のEPad(金属パッドFP)がEPad用ランドパターンEPとハンダ付けされる接合領域は、定電流駆動回路のEPad(金属パッドFP)に対して50%以上となるようにする必要がある。
また、左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1と右端辺402beg2とに平行となるように定電流駆動回路402bax,402bbxのランドパターンの端辺を配置する場合に対し、定電流駆動回路402bax,402bbxのランドパターンの端辺を、左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1と右端辺402beg2とに対して、45度傾斜した状態として配置する場合は、定電流駆動回路402baxの発熱に対する放熱効果が高くなる。左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1と右端辺402beg2とに平行となるように定電流駆動回路402bax,402bbxのランドパターンの端辺を配置する場合は、EPad用ランドパターンEPも同じように左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1と右端辺402beg2とに対して、平行に配置され、45度傾斜した状態となるように定電流駆動回路402bax,402bbxのランドパターンの端辺を配置する場合は、EPad用ランドパターンEPも45度傾斜した状態で配置される。EPad用ランドパターンEP端辺が、左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1と右端辺402beg2とに対して平行に配置されている場合は、EPad用ランドパターンEP端辺と左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1又は右端辺402beg2と、の距離寸法が短くなり、基板端辺までの距離寸法が短くなっているということは、言い換えれば、基板上の放熱する余地が小さくなっていることになる。一方、EPad用ランドパターンEP端辺が、左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1と右端辺402beg2とに対して45度傾斜した状態で配置される場合の左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1又は右端辺402beg2と、の距離寸法はEPad用ランドパターンEPの頂点と基板端辺との距離は短くなる部分となるがその頂点に接する二辺は基板端辺とは非平行となっているので、基板上の放熱する余地は広いので、EPad用ランドパターンEP端辺と基板端辺とが平行となっている場合に比べて放熱効果が高いと言える。
本実施形態における扉枠3の各装飾基板は、上述したように、細長い帯板状に形成されており、LED定電流駆動回路を1つ備えるものと、LED定電流駆動回路を2つ備えるものと、があり、本実施形態では、例として、上述したように、LED定電流駆動回路を2つ備える、上下に延びた細長い帯板状に形成される左サイド下装飾基板402bと、半円弧状を有する細長い帯板状に形成される皿中央上装飾基板314と、についてそれぞれ説明し、フルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域により、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下することを防止することができるとともに、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域が遊技者に視認されることを防止することができるという反射率低下等の対策が講じられている点について詳細に説明した。ここでは、反射率低下等の対策が講じられる本発明の他の構成(以下、「第2乃至第4実施形態に係る反射率低下等の対策の構成」と記載する。)について、図204乃至図208を参照して詳細に説明する。図204は第2実施形態に係る反射率低下等の対策の構成であり、図205は第3実施形態に係る反射率低下等の対策の構成であり、図206は図204のD’部又は図205のD’’部におけるLED非実装面から見た拡大図であり、図207は第4実施形態に係る反射率低下等の対策の構成であり、図208は図207のD’’’部におけるLED非実装面から見た拡大図である。
なお、図204乃至図208では、図202及び図203に示した実施形態(以下、第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成」と記載する。)と同じ機能を奏するものに対しては、同じ符号を付して表した。また、図206には、図面の見やすさから、各種電子部品を省略するとともに、一部のシルク印刷を省略して示した。また、図208には、図面の見やすさから、各種電子部品を省略した。
[第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成と第2実施形態に係る反射率低下等の対策の構成との対比]
第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、上述したように、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていない。そして、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、上述したように、LED定電流駆動回路402baを構成する定電流駆動回路402bax、最大電流設定回路402bayの抵抗Rr,Rb,Rg、各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)によりそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍に電子部品と対応する部品番号がシルク印刷として黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。また、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、上述したように、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに実装されるフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する領域がシルク印刷として黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)でそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍にフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号がシルク印刷として黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。
また、第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、上述したように、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていない。そして、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yには、上述したように、LED定電流駆動回路314aを構成する定電流駆動回路314ax、最大電流設定回路314ayの抵抗Rr,Rb,Rg、各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域がシルク印刷として図示しない黄色の実線(又は、黒色の実線)によりそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍に電子部品と対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。また、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yには、上述したように、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに実装されるフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する領域がシルク印刷として図示しない黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)HSLK1〜HSLK10でそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域HSLK1〜HSLK10の近傍にフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。
これに対して、第2実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、図204(a)に示すように、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷としてそれぞれ印刷されている。具体的には、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域がシルク印刷として黄色の実線LSLK1〜LSLK10で左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域LSLK1〜LSLK10の近傍であって左方又は上方にフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号であるLED1〜LED10がシルク印刷として黄色で左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにそれぞれ印刷されている。
なお、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、コネクタLDLCNを配置する位置を示す領域がシルク印刷として図示しない黄色の実線で印刷されているとともに、この領域の近傍にコネクタLDLCNと対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色で印刷されている。
また、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxが白色のレジストによりベタ塗りされている。フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10は、それぞれのパッケージが白色(白色と同色であると認められる色)の樹脂製であるとともに、コネクタLDUCNは、そのハウジングが白色(ナチュラル色とも言われ、白色(ナチュラル色)と同色であると認められる色)の樹脂製である。つまり、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のパッケージを有する電子部品であるフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のハウジングを有するコネクタLDUCNと、が実装されている。このように、第2実施形態では、白色を有していない図示しない抵抗やコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに全く実装されていない。換言すると、白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下するものであるため、LED実装面に全く実装されていない。
また、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに実装されるフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10への点灯検査を個別に行う(例えば、1つのフルカラーLEDを構成する、赤色(R)に発光するLED素子、緑色(G)に発光するLED素子、及び青色(B)に発光するLED素子に対して、LED素子ごとに行う)ことができる図示しない複数のチェックピンが配線パターンに接続されるテストパッド(又は、スルーホール)として形成され、複数のチェックピンの近傍に複数のチェックピンのそれぞれと対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色で印刷されている。複数のチェックピンは、白色のレジストが塗られていない。これにより、検査を行う作業者が図示しないブローブをチェックピンに接触させることで図示しないブローブとチェックピンとが電気的に接続されて導通する状態となって各種検査を行うことができる。なお、複数のチェックピンには、定電流駆動回路402baxや定電流駆動回路402bbxへのシリアルデータの内容を確認することができるものもある。
一方、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、図206に示すように、LED定電流駆動回路402baを構成する定電流駆動回路402bax、最大電流設定回路402bayの抵抗Rr,Rb,Rg、各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)によりそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍に電子部品と対応する部品番号がシルク印刷として黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。具体的には、例えば、定電流駆動回路402baxを配置する位置を示す領域がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)LSLKa(図206(a)を参照。)で左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに印刷されているとともに、この領域LSLKaの近傍であって上方に定電流駆動回路402baxと対応する部品番号であるIC1(図206(a)を参照。
)がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)で左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに印刷されている。そして、最大電流設定回路402bayの抵抗Rr,Rb,Rgを配置する位置を示す領域がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)LSLKb,LSLKc,LSLKd(図206(a)を参照。)で左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byにそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域LSLKb,LSLKc,LSLKdの近傍であって右方に、最大電流設定回路402bayの抵抗Rr,Rb,Rgと対応する部品番号であるR1,R2,R3(図206(a)を参照。)がシルク印刷として黄色(又は、黒色)で左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byにそれぞれ印刷されている。
また、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに実装される抵抗及びコンデンサ等は白色を有していないし、また1つの半導体チップ上に集積された定電流駆動回路402bax(402bbx)はそのパッケージが黒色の樹脂製であり、またコネクタLDLCNはそのハウジングが黒色、茶色、又は青色のうちいずれかの色を有する樹脂製である。このように、白色を有していない抵抗、コンデンサ、及びIC等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光による反射率が低下するものであるため、LED非実装面に実装されている。
なお、第2実施形態に係る反射率低下等の対策の構成においても、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bx,LED非実装面402byには、白色のレジストがベタ塗りされている。これにより、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにベタ塗りされた白色のレジストにより、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10の発光による前方(つまりパチンコ機1の正面側)への反射率を高めることができるようになっている。
また、第2実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、図204(b)に示すように、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷としてそれぞれ印刷されている。具体的には、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域がシルク印刷として黄色の実線HSLK1〜HSLK10で皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域HSLK1〜HSLK10の近傍であって右方にフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号であるLED1〜LED10がシルク印刷として黄色で皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにそれぞれ印刷されている。
なお、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、コネクタHCNを配置する位置を示す領域がシルク印刷として図示しない黄色の実線で印刷されているとともに、この領域の近傍にコネクタHCNと対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色で印刷されている。
また、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xの全体が白色のレジストにより覆われている。フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10は、それぞれのパッケージが白色(白色と同色であると認められる色)の樹脂製であるとともに、コネクタHCNは、そのハウジングが白色(ナチュラル色とも言われ、白色(ナチュラル色)と同色であると認められる色)の樹脂製である。つまり、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のパッケージを有する電子部品であるフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のハウジングを有するコネクタHCNとが実装されている。このように、第2実施形態では、白色を有していない図示しない抵抗やコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに全く実装されていない。換言すると、白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下するものであるため、LED実装面に全く実装されていない。
また、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに実装されるフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10への点灯検査を個別に行う(例えば、1つのフルカラーLEDを構成する、赤色(R)に発光するLED素子、緑色(G)に発光するLED素子、及び青色(B)に発光するLED素子に対して、LED素子ごとに行う)ことができる図示しない複数のチェックピンが配線パターンに接続されるテストパッド(又は、スルーホール)として形成され、複数のチェックピンの近傍に複数のチェックピンのそれぞれと対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色で印刷されている。複数のチェックピンは、白色のレジストが塗られていない。これにより、検査を行う作業者が図示しないブローブをチェックピンに接触させることで図示しないブローブとチェックピンとが電気的に接続されて導通する状態となって各種検査を行うことができる。なお、複数のチェックピンには、定電流駆動回路314axや定電流駆動回路314bxへのシリアルデータの内容を確認することができるものもある。
一方、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yには、LED定電流駆動回路314aを構成する定電流駆動回路314ax、最大電流設定回路314ayの抵抗Rr,Rb,Rg、各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域がシルク印刷として図示しない黄色の実線(又は、黒色の実線)によりそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍に電子部品と対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。
第2実施形態では、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yに実装される抵抗及びコンデンサ等は白色を有していないし、また1つの半導体チップ上に集積された定電流駆動回路314ax(314bx)はそのパッケージが黒色の樹脂製である。このように、白色を有していない抵抗、コンデンサ、及びIC等の電子部品は、フルカラーLEDの発光による反射率が低下するものであるため、LED非実装面に実装されている。
なお、第2実施形態に係る反射率低下等の対策の構成においても、皿中央上装飾基板314のLED実装面314x,LED非実装面314yには、白色のレジストがベタ塗りされている。これにより、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにベタ塗りされた白色のレジストにより、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10の発光による前方(つまり演出操作ユニット300の上方へ向かう側)への反射率を高めることができるようになっている。
このように、第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていないとともに、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていないのに対して、第2実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号(黄色の文字及び黄色の数字)と、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域(黄色の実線)と、がシルク印刷としてそれぞれ印刷されているとともに、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号(黄色の文字及び黄色の数字)と、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域(黄色の実線)と、がシルク印刷としてそれぞれ印刷されているという点で相違している。
左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにベタ塗りされた白色のレジストにより、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10の発光による前方(つまりパチンコ機1の正面側)への反射率を高めることができるようになっている。また、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにベタ塗りされた白色のレジストにより、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10の発光による前方(つまり演出操作ユニット300の上方へ向かう側)への反射率を高めることができるようになっている。
このため、フルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域がシルク印刷として黒色で印刷されている場合には、黒色に印刷されたシルク印刷により、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下することとなり、フルカラーLEDの発光が効率良く使用されないという問題が生ずる。また、扉枠3に設けられる各種装飾体(例えば、図91に示した、皿左上装飾体271、皿左下装飾体281、皿右上装飾体276、皿右下装飾体286、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312b、扉枠左サイド装飾体404、サイド窓内装飾部材412、扉枠右サイド装飾体419、扉枠トップ装飾体453)は、上述したように、透光性を有した乳白色に形成されているものの、パチンコ機1の前方に着座した遊技者が頭(顔)を動かすことで頭(顔)の方向により視線が変化するため、扉枠3に設けられる各種装飾体に備える各種装飾基板のLED実装面を遊技者が視認することができる場合もある。そうすると、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域が遊技者に視認されるという問題が生ずる。
そこで、第2実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域をシルク印刷として、黒色と異なり、明色である黄色で印刷することにより、LED実装面に形成される白色のレジスト上において、フルカラーLEDの実装位置を示す補助線(つまり、フルカラーLEDを配置する位置を示す領域)を見つけ出したり、フルカラーLEDを特定する番号(つまり、フルカラーLEDと対応する部品番号)を見つけ出したりすることを困難とすることができる。
また、第2実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、フルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域をシルク印刷として、黒色と異なり、明色である黄色で印刷することにより、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下することを防止することができる。
第2実施形態に係る反射率低下等の対策の構成においても、第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成と同様な作用効果を奏することができる。つまり、フルカラーLEDを特定する番号(つまり、フルカラーLEDと対応する部品番号)やフルカラーLEDの実装位置を示す補助線(つまり、フルカラーLEDを配置する位置を示す領域)を遊技者に視認困難とすることができるとともに、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下することを防止することができる。
なお、第2実施形態に係る反射率低下等の対策の構成において、フルカラーLEDの実装位置を示す補助線(つまり、フルカラーLEDを配置する位置を示す領域をシルク印刷として、黒色と異なり、明色である黄色で印刷する際)に、フルカラーLEDの極性マークを付加してフルカラーLEDの実装向きを明示するように構成してもよい。
また、第2実施形態では、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下する白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下するものであるため、LED実装面に全く実装されていなかったが、フルカラーLEDの発光によるLED実装面のうち、前方に配置される部材と対応する領域がLED実装面における反射率に寄与することが困難である場合には、その領域に、白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタを配置してもよい。この場合、LED実装面には、電子部品やコネクタを配置する位置を示す領域がシルク印刷として図示しない黄色の実線で印刷されるとともに、この領域の近傍に、電子部品やコネクタと対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色で印刷される。
[第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成と第3実施形態に係る反射率低下等の対策の構成との対比]
第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、上述したように、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていない。そして、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、上述したように、LED定電流駆動回路402baを構成する定電流駆動回路402bax、最大電流設定回路402bayの抵抗Rr,Rb,Rg、各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)によりそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍に電子部品と対応する部品番号がシルク印刷として黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。また、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、上述したように、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに実装されるフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する領域がシルク印刷として黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)でそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍にフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号がシルク印刷として黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。
また、第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、上述したように、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていない。そして、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yには、上述したように、LED定電流駆動回路314aを構成する定電流駆動回路314ax、最大電流設定回路314ayの抵抗Rr,Rb,Rg、各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域がシルク印刷として図示しない黄色の実線(又は、黒色の実線)によりそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍に電子部品と対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。また、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yには、上述したように、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに実装されるフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する領域がシルク印刷として図示しない黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)HSLK1〜HSLK10でそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域HSLK1〜HSLK10の近傍にフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。
これに対して、第3実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、図205(a)に示すように、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号が箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字(図205(c)には、フルカラーLEDであるhdLED7と対応する部品番号として箔抜き文字LED7のみ表した。))として形成されるとともに、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域が図示しない各端子及び図示しない配線パターンを除く箔抜き領域(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において、各端子及び配線パターンを除いて、銅箔を抜いて形成される領域(図205(c)には、フルカラーLEDであるhdLED7と対応する領域として箔抜き領域LSLK7のみ表した。))として形成されており、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにベタ塗りされる白色のレジストによりその箔抜き領域とその箔抜き文字とがそれぞれ覆われている。具体的には、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域が箔抜き領域LSLK1〜LSLK10として左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにそれぞれ形成されているとともに、これらの箔抜き領域LSLK1〜LSLK10の近傍であって左方又は上方にフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号であるLED1〜LED10が抜き文字として左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにそれぞれ形成され、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにベタ塗りされる白色のレジストによりその箔抜き領域とその箔抜き文字とがそれぞれ覆われている。箔抜き文字を形成する配線パターンは、電子部品と電気的に絶縁されて形成されている。
なお、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、コネクタLDLCNを配置する位置を示す領域が図示しない各端子及び図示しない配線パターンを除く図示しない箔抜き領域(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において、各端子及び配線パターンを除いて、銅箔を抜いて形成される領域)として形成されているとともに、この領域の近傍にコネクタLDLCNと対応する部品番号が図示しない箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)として形成されている。
また、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxが白色のレジストによりベタ塗りされている。フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10は、それぞれのパッケージが白色(白色と同色であると認められる色)の樹脂製であるとともに、コネクタLDUCNは、そのハウジングが白色(ナチュラル色とも言われ、白色(ナチュラル色)と同色であると認められる色)の樹脂製である。つまり、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のパッケージを有する電子部品であるフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のハウジングを有するコネクタLDUCNと、が実装されている。このように、第3実施形態では、白色を有していない図示しない抵抗やコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに全く実装されていない。換言すると、白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下するものであるため、LED実装面に全く実装されていない。
また、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに実装されるフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10への点灯検査を個別に行う(例えば、1つのフルカラーLEDを構成する、赤色(R)に発光するLED素子、緑色(G)に発光するLED素子、及び青色(B)に発光するLED素子に対して、LED素子ごとに行う)ことができる図示しない複数のチェックピンが配線パターンに接続されるテストパッド(又は、スルーホール)として形成され、複数のチェックピンの近傍に複数のチェックピンのそれぞれと対応する部品番号が図示しない箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)として形成されている。複数のチェックピンは、白色のレジストが塗られていない。これにより、検査を行う作業者が図示しないブローブをチェックピンに接触させることで図示しないブローブとチェックピンとが電気的に接続されて導通する状態となって各種検査を行うことができる。なお、複数のチェックピンには、定電流駆動回路402baxや定電流駆動回路402bbxへのシリアルデータの内容を確認することができるものもある。
一方、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、図206に示すように、LED定電流駆動回路402baを構成する定電流駆動回路402bax、最大電流設定回路402bayの抵抗Rr,Rb,Rg、各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)によりそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍に電子部品と対応する部品番号がシルク印刷として黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。具体的には、例えば、定電流駆動回路402baxを配置する位置を示す領域がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)LSLKa(図206(a)を参照。)で左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに印刷されているとともに、この領域LSLKaの近傍であって上方に定電流駆動回路402baxと対応する部品番号であるIC1(図206(a)を参照。
)がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)で左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに印刷されている。そして、最大電流設定回路402bayの抵抗Rr,Rb,Rgを配置する位置を示す領域がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)LSLKb,LSLKc,LSLKd(図206(a)を参照。)で左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byにそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域LSLKb,LSLKc,LSLKdの近傍であって右方に、最大電流設定回路402bayの抵抗Rr,Rb,Rgと対応する部品番号であるR1,R2,R3(図206(a)を参照。)がシルク印刷として黄色(又は、黒色)で左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byにそれぞれ印刷されている。
また、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに実装される抵抗及びコンデンサ等は白色を有していないし、また1つの半導体チップ上に集積された定電流駆動回路402bax(402bbx)はそのパッケージが黒色の樹脂製であり、またコネクタLDLCNはそのハウジングが黒色、茶色、又は青色のうちいずれかの色を有する樹脂製である。このように、白色を有していない抵抗、コンデンサ、及びIC等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光による反射率が低下するものであるため、LED非実装面に実装されている。
なお、第3実施形態に係る反射率低下等の対策の構成においても、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bx,LED非実装面402byには、白色のレジストがベタ塗りされている。これにより、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにベタ塗りされた白色のレジストにより、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10の発光による前方(つまりパチンコ機1の正面側)への反射率を高めることができるようになっている。
また、第3実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、図205(b)に示すように、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号が箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)として形成されるとともに、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域が図示しない各端子及び図示しない配線パターンを除く箔抜き領域(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において、各端子及び配線パターンを除いて、銅箔を抜いて形成される領域)として形成されており、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにベタ塗りされる白色のレジストによりその箔抜き領域とその箔抜き文字とがそれぞれ覆われている。具体的には、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域が箔抜き領域HSLK1〜HSLK10として皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにそれぞれ形成されているとともに、これらの箔抜き領域HSLK1〜HSLK10の近傍であって右方にフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号であるLED1〜LED10が抜き文字として皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにそれぞれ形成され、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにベタ塗りされる白色のレジストによりその箔抜き領域とその箔抜き文字とがそれぞれ覆われている。箔抜き文字を形成する配線パターンは、電子部品と電気的に絶縁されて形成されている。
なお、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、コネクタHCNを配置する位置を示す領域が図示しない各端子及び図示しない配線パターンを除く図示しない箔抜き領域(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において、各端子及び配線パターンを除いて、銅箔を抜いて形成される領域)として形成されているとともに、この領域の近傍にコネクタHCNと対応する部品番号が図示しない箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)として形成されている。
また、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xの全体が白色のレジストにより覆われている。フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10は、それぞれのパッケージが白色(白色と同色であると認められる色)の樹脂製であるとともに、コネクタHCNは、そのハウジングが白色(ナチュラル色とも言われ、白色(ナチュラル色)と同色であると認められる色)の樹脂製である。つまり、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のパッケージを有する電子部品であるフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のハウジングを有するコネクタHCNとが実装されている。このように、第3実施形態では、白色を有していない図示しない抵抗やコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに全く実装されていない。換言すると、白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下するものであるため、LED実装面に全く実装されていない。
また、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに実装されるフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10への点灯検査を個別に行う(例えば、1つのフルカラーLEDを構成する、赤色(R)に発光するLED素子、緑色(G)に発光するLED素子、及び青色(B)に発光するLED素子に対して、LED素子ごとに行う)ことができる図示しない複数のチェックピンが配線パターンに接続されるテストパッド(又は、スルーホール)として形成され、複数のチェックピンの近傍に複数のチェックピンのそれぞれと対応する部品番号が図示しない箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)として形成されている。複数のチェックピンは、白色のレジストが塗られていない。これにより、検査を行う作業者が図示しないブローブをチェックピンに接触させることで図示しないブローブとチェックピンとが電気的に接続されて導通する状態となって各種検査を行うことができる。
なお、複数のチェックピンには、定電流駆動回路314axや定電流駆動回路314bxへのシリアルデータの内容を確認することができるものもある。
一方、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yには、LED定電流駆動回路314aを構成する定電流駆動回路314ax、最大電流設定回路314ayの抵抗Rr,Rb,Rg、各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域がシルク印刷として図示しない黄色の実線(又は、黒色の実線)によりそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍に電子部品と対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。
第3実施形態では、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yに実装される抵抗及びコンデンサ等は白色を有していないし、また1つの半導体チップ上に集積された定電流駆動回路314ax(314bx)はそのパッケージが黒色の樹脂製である。このように、白色を有していない抵抗、コンデンサ、及びIC等の電子部品は、フルカラーLEDの発光による反射率が低下するものであるため、LED非実装面に実装されている。
なお、第3実施形態に係る反射率低下等の対策の構成においても、皿中央上装飾基板314のLED実装面314x,LED非実装面314yには、白色のレジストがベタ塗りされている。これにより、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにベタ塗りされた白色のレジストにより、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10の発光による前方(つまり演出操作ユニット300の上方へ向かう側)への反射率を高めることができるようになっている。
このように、第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていないとともに、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていないのに対して、第3実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号が箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)として形成されるとともに、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域が図示しない各端子及び図示しない配線パターンを除く箔抜き領域(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において、各端子及び配線パターンを除いて、銅箔を抜いて形成される領域)として形成されており、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにベタ塗りされる白色のレジストによりその箔抜き領域とその箔抜き文字とがそれぞれ覆われ、さらに、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号が箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)として形成されるとともに、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域が図示しない各端子及び図示しない配線パターンを除く箔抜き領域(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において、各端子及び配線パターンを除いて、銅箔を抜いて形成される領域)として形成されており、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにベタ塗りされる白色のレジストによりその箔抜き領域とその箔抜き文字とがそれぞれ覆われているという点で相違している。
左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにベタ塗りされた白色のレジストにより、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10の発光による前方(つまりパチンコ機1の正面側)への反射率を高めることができるようになっている。また、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにベタ塗りされた白色のレジストにより、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10の発光による前方(つまり演出操作ユニット300の上方へ向かう側)への反射率を高めることができるようになっている。
このため、フルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域がシルク印刷として黒色で印刷されている場合には、黒色に印刷されたシルク印刷により、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下することとなり、フルカラーLEDの発光が効率良く使用されないという問題が生ずる。また、扉枠3に設けられる各種装飾体(例えば、図91に示した、皿左上装飾体271、皿左下装飾体281、皿右上装飾体276、皿右下装飾体286、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312b、扉枠左サイド装飾体404、サイド窓内装飾部材412、扉枠右サイド装飾体419、扉枠トップ装飾体453)は、上述したように、透光性を有した乳白色に形成されているものの、パチンコ機1の前方に着座した遊技者が頭(顔)を動かすことで頭(顔)の方向により視線が変化するため、扉枠3に設けられる各種装飾体に備える各種装飾基板のLED実装面を遊技者が視認することができる場合もある。そうすると、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域が遊技者に視認されるという問題が生ずる。
そこで、第3実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDと対応する部品番号を箔抜き文字として形成するとともに、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDを配置する位置を示す領域を箔抜き領域として形成してLED実装面にベタ塗りされる白色のレジストによりその箔抜き文字とその箔抜き領域とをそれぞれ覆うことにより、フルカラーLEDの配線パターンと、フルカラーLEDの実装位置を示す箔抜き領域(つまり、フルカラーLEDを配置する位置を示す領域)と、フルカラーLEDを特定する番号(つまり、フルカラーLEDと対応する部品番号)と、が銅箔により形成されることで同一色とするとともに、LED実装面に形成される白色のレジストにより覆われることで、フルカラーLEDの実装位置を示す箔抜き領域(つまり、フルカラーLEDを配置する位置を示す領域)を見つけ出したり、フルカラーLEDを特定する番号(つまり、フルカラーLEDと対応する部品番号)を見つけ出したりすることを困難とすることができる。
また、第3実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDと対応する部品番号を箔抜き文字として形成するとともに、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDを配置する位置を示す領域を箔抜き領域として形成してLED実装面にベタ塗りされる白色のレジストによりその箔抜き文字とその箔抜き領域とをそれぞれ覆うことにより、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下することを防止することができる。
第3実施形態に係る反射率低下等の対策の構成においても、第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成と同様な作用効果を奏することができる。つまり、フルカラーLEDを特定する番号(つまり、フルカラーLEDと対応する部品番号)やフルカラーLEDの実装位置を示す箔抜き領域(つまり、フルカラーLEDを配置する位置を示す領域)を遊技者に視認困難とすることができるとともに、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下することを防止することができる。
また、第3実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、LED実装面に対してシルク印刷という工程を省くことができるため、シルク印刷の版代や基板の製造工程数の削減により基板製造コストを下げることができる。
なお、第3実施形態に係る反射率低下等の対策の構成において、フルカラーLEDの実装位置を示す箔抜き領域(つまり、フルカラーLEDを配置する位置を示す領域を箔抜き領域として形成する際)に、フルカラーLEDの極性マークを付加してフルカラーLEDの実装向きを明示するように構成してもよい。
また、第3実施形態では、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下する白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下するものであるため、LED実装面に全く実装されていなかったが、フルカラーLEDの発光によるLED実装面のうち、前方に配置される部材と対応する領域がLED実装面における反射率に寄与することが困難である場合には、その領域に、白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタを配置してもよい。この場合、LED実装面には、電子部品やコネクタを配置する位置を示す領域が図示しない各端子及び図示しない配線パターンを除く図示しない箔抜き領域(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において、各端子及び配線パターンを除いて、銅箔を抜いて形成される領域)として形成されるとともに、この領域の近傍に、電子部品やコネクタと対応する部品番号が図示しない箔抜き文字(つまり、配線パターンが形成される層(銅プレーン)において銅箔である配線パターンで文字を作りその周囲の銅箔を抜いて形成される抜き文字)として形成される。
[第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成と第4実施形態に係る反射率低下等の対策の構成との対比]
第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、上述したように、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていない。そして、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、上述したように、LED定電流駆動回路402baを構成する定電流駆動回路402bax、最大電流設定回路402bayの抵抗Rr,Rb,Rg、各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域がシルク印刷として黄色の実線(又は、黒色の実線)によりそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍に電子部品と対応する部品番号がシルク印刷として黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。また、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、上述したように、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに実装されるフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する領域がシルク印刷として黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)でそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍にフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号がシルク印刷として黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。
また、第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、上述したように、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていない。そして、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yには、上述したように、LED定電流駆動回路314aを構成する定電流駆動回路314ax、最大電流設定回路314ayの抵抗Rr,Rb,Rg、各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域がシルク印刷として図示しない黄色の実線(又は、黒色の実線)によりそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域近傍に電子部品と対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。また、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yには、上述したように、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに実装されるフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する領域がシルク印刷として図示しない黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)HSLK1〜HSLK10でそれぞれ印刷されているとともに、これらの領域HSLK1〜HSLK10の近傍にフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号がシルク印刷として図示しない黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されている。
これに対して、第4実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、図207(a)に示すように、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号が2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き文字(図207(c)には、フルカラーLEDであるhdLED7と対応する部品番号として白色レジスト抜き文字のみ表した。)として形成されるとともに、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域が2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き領域(図207(c)には、フルカラーLEDであるhdLED7と対応する領域として白色レジスト抜き領域LSLK7のみ表した。)として形成されている。具体的には、まず左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxは、2度塗りの白色のレジストのうち1度目として、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxの全体が白色のレジストにより覆われる(つまり、2度塗りの白色のレジストのうち1度目として、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに白色のレジストがベタ塗りされている)。そして、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxは、2度塗りの白色のレジストのうち2度目として、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域(所定のピン番号の配置を指示する領域(切り欠き部)を含む。図207(c)に示す、フルカラーLEDであるhdLED7と対応する領域として白色レジスト抜き領域LSLK7には、フルカラーLEDであるhdLED7の第5番ピンの配置を指示する切り欠きマークと対応する位置に切り欠き部が形成されている。)が白色レジスト抜き領域LSLK1〜LSLK10としてマスクされるとともに、これらの白色レジスト抜き領域LSLK1〜LSLK10の近傍であって左方又は上方にフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号であるLED1〜LED10が白色レジスト抜き文字としてマスクされる状態で、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxの全体が白色のレジストにより覆われている。これにより、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、2層の白色のレジストが形成されるものの、第1層目の白色のレジストにより全体が覆われるとともに、第2層目の白色のレジストによりマスクされた領域を除いて全体が覆われることにより、そのマスクされた領域が凹部として窪み、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域が白色レジスト抜き領域LSLK1〜LSLK10として形成されているとともに、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号であるLED1〜LED10が白色レジスト抜き文字として形成されている。
第4実施形態では、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにおける、第1層目の白色のレジストの透過率と、第2層目の白色のレジストの透過率と、は同一のものを採用しているため、第1層目の白色のレジストと第2層目の白色のレジストとに濃淡が生じ、第2層目の白色のレジストを通して左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxの下地(銅箔部分、及び銅箔部分を除く領域、以下同じ。)を見ると、第1層目の白色のレジストが淡く見えることとなる。つまり、第2層目の白色のレジストを通して左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxの下地を見ると、第1層目の白色のレジストにおける白色レジスト抜き文字を識別することができるようになっている。
なお、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、コネクタLDLCNを配置する位置を示す領域が図示しない白色レジスト抜き領域として形成されているとともに、この領域の近傍にコネクタLDLCNと対応する部品番号が図示しない白色レジスト抜き文字として形成されている。第4実施形態では、上述したように、第1層目の白色のレジストの透過率と、第2層目の白色のレジストの透過率と、は同一のものを採用しているため、第1層目の白色のレジストと第2層目の白色のレジストとに濃淡が生じ、第2層目の白色のレジストを通して左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxの下地を見ると、第1層目の白色のレジストが淡く見えることとなる。これにより、第2層目の白色のレジストを通して左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxの下地を見ると、第1層目の白色のレジストにおける白色レジスト抜き領域を識別することができるようになっている。
また、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、白色のレジストが2度塗りされているため、第1層目の白色のレジストにおける白色レジスト抜き文字及び白色レジスト抜き領域と、第2層目の白色のレジストと、の光の屈折率が変わることとなる。これにより、第2層目の白色のレジストを通して左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxの下地を見ると、第1層目の白色のレジストにおける白色レジスト抜き文字及び白色レジスト抜き領域を識別することができるようになっている。
また、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxの全体が白色のレジストにより覆われている。フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10は、それぞれのパッケージが白色(白色と同色であると認められる色)の樹脂製であるとともに、コネクタLDUCNは、そのハウジングが白色(ナチュラル色とも言われ、白色(ナチュラル色)と同色であると認められる色)の樹脂製である。つまり、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のパッケージを有する電子部品であるフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のハウジングを有するコネクタLDUCNと、が実装されている。このように、第4実施形態では、白色を有していない図示しない抵抗やコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに全く実装されていない。換言すると、白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下するものであるため、LED実装面に全く実装されていない。
また、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに実装されるフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10への点灯検査を個別に行う(例えば、1つのフルカラーLEDを構成する、赤色(R)に発光するLED素子、緑色(G)に発光するLED素子、及び青色(B)に発光するLED素子に対して、LED素子ごとに行う)ことができる図示しない複数のチェックピンが配線パターンに接続されるテストパッド(又は、スルーホール)として形成され、複数のチェックピンの近傍に複数のチェックピンのそれぞれと対応する部品番号が図示しない白色レジスト抜き文字として形成されている。複数のチェックピンは、白色のレジストが塗られていない。これにより、検査を行う作業者が図示しないブローブをチェックピンに接触させることで図示しないブローブとチェックピンとが電気的に接続されて導通する状態となって各種検査を行うことができる。なお、複数のチェックピンには、定電流駆動回路402baxや定電流駆動回路402bbxへのシリアルデータの内容を確認することができるものもある。
一方、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、図208に示すように、LED定電流駆動回路402baを構成する定電流駆動回路402bax、最大電流設定回路402bayの抵抗Rr,Rb,Rg、図示しない各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域が左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxと同様に2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き領域として形成されているとともに、これらの領域近傍に電子部品と対応する部品番号が左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxと同様に2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き文字として形成されている。具体的には、まず左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byは、2度塗りの白色のレジストのうち1度目として、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byの全体が白色のレジストにより覆われる(つまり、2度塗りの白色のレジストのうち1度目として、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに白色のレジストがベタ塗りされている)。そして、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byは、2度塗りの白色のレジストのうち2度目として、例えば、定電流駆動回路402baxを配置する位置を示す領域(所定のピン番号の配置を指示する領域(切り欠き部)を含む。図208に示す、定電流駆動回路402baxと対応する領域として白色レジスト抜き領域LSLKaには、定電流駆動回路402baxの第1番ピンと第36番ピンとの配置を指示する切り欠きマークと対応する位置に切り欠き部が形成されている。)が白色レジスト抜き領域LSLKaとしてマスクされるとともに、これらの白色レジスト抜き領域LSLKaの近傍であって上方に定電流駆動回路402baxと対応する部品番号であるIC1(図208(a)を参照。)が白色レジスト抜き文字としてマスクされる状態で、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byの全体が白色のレジストにより覆われている。これにより、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxと同様に、2層の白色のレジストが形成されるものの、第1層目の白色のレジストにより全体が覆われるとともに、第2層目の白色のレジストによりマスクされた領域を除いて全体が覆われることにより、そのマスクされた領域が凹部として窪み、定電流駆動回路402baxと対応する領域として白色レジスト抜き領域LSLKaとして形成されているとともに、定電流駆動回路402baxと対応する部品番号であるIC1が白色レジスト抜き文字として形成されている。
なお、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byは、最大電流設定回路402bayの抵抗Rr,Rb,Rg、図示しない各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域が図示しない白色レジスト抜き領域として形成され、この領域の近傍に、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに実装される抵抗Rr,Rb,Rgと対応する部品番号が図示しない白色レジスト抜き文字R1,R2,R3として形成され、図示しない各種分散抵抗等抵抗やコンデンサ等の電子部品と対応する部品番号が図示しない白色レジスト抜き文字として形成されている。また、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byは、コネクタLDLCNを配置する位置を示す領域が図示しない白色レジスト抜き領域として形成され、この領域の近傍に、コネクタLDLCNと対応する部品番号が図示しない白色レジスト抜き文字として形成されている。
第4実施形態では、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byにおける、第1層目の白色のレジストの透過率と、第2層目の白色のレジストの透過率と、は同一のものを採用しているため、第1層目の白色のレジストと第2層目の白色のレジストとに濃淡が生じ、第2層目の白色のレジストを通して左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byの下地(銅箔部分、及び銅箔部分を除く領域、以下同じ。)を見ると、第1層目の白色のレジストが淡く見えることとなる。これにより、第2層目の白色のレジストを通して左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byの下地を見ると、第1層目の白色のレジストに形成される白色レジスト抜き文字を識別することができるようになっているとともに、白色レジスト抜き領域を識別することができるようになっている。
また、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byには、白色のレジストが2度塗りされているため、第1層目の白色のレジストにおける白色レジスト抜き文字及び白色レジスト抜き領域と、第2層目の白色のレジストと、の光の屈折率が変わることとなる。これにより、第2層目の白色のレジストを通して左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byの下地を見ると、第1層目の白色のレジストにおける白色レジスト抜き文字及び白色レジスト抜き領域を識別することができるようになっている。
また、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byに実装される抵抗及びコンデンサ等は白色を有していないし、また1つの半導体チップ上に集積された定電流駆動回路402bax(402bbx)はそのパッケージが黒色の樹脂製であり、またコネクタLDLCNはそのハウジングが黒色、茶色、又は青色のうちいずれかの色を有する樹脂製である。このように、白色を有していない抵抗、コンデンサ、及びIC等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光による反射率が低下するものであるため、LED非実装面に実装されている。
なお、第4実施形態に係る反射率低下等の対策の構成においても、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bx,LED非実装面402byには、白色のレジストがベタ塗りされている。これにより、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにベタ塗りされた白色のレジストにより、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10の発光による前方(つまりパチンコ機1の正面側)への反射率を高めることができるようになっている。
また、第4実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、図207(b)に示すように、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号が2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き文字として形成されるとともに、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域が2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き領域として形成されている。具体的には、まず皿中央上装飾基板314のLED実装面314xは、2度塗りの白色のレジストのうち1度目として、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xの全体が白色のレジストにより覆われる(つまり、2度塗りの白色のレジストのうち1度目として、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに白色のレジストがベタ塗りされている)。そして、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xは、2度塗りの白色のレジストのうち2度目として、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域(所定のピン番号の配置を指示する領域(切り欠き部)を含む。例えば、フルカラーLEDであるhLED7と対応する領域として白色レジスト抜き領域HSLK7には、フルカラーLEDであるhLED7の第5番ピンの配置を指示する切り欠きマークと対応する位置に切り欠き部が形成されている。)が白色レジスト抜き領域HSLK1〜HSLK10としてマスクされるとともに、これらの白色レジスト抜き領域HSLK1〜HSLK10の近傍であって右方にフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号であるLED1〜LED10が白色レジスト抜き文字としてマスクされる状態で、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xの全体が白色のレジストにより覆われている。これにより、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、2層の白色のレジストが形成されるものの、第1層目の白色のレジストにより全体が覆われるとともに、第2層目の白色のレジストによりマスクされた領域を除いて全体が覆われることにより、そのマスクされた領域が凹部として窪み、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域が白色レジスト抜き領域HSLK1〜HSLK10として形成されているとともに、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号であるLED1〜LED10が白色レジスト抜き文字として形成されている。
第4実施形態では、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにおける、第1層目の白色のレジストの透過率と、第2層目の白色のレジストの透過率と、は同一のものを採用しているため、第1層目の白色のレジストと第2層目の白色のレジストとに濃淡が生じ、第2層目の白色のレジストを通して皿中央上装飾基板314のLED実装面314xの下地を見ると、第1層目の白色のレジストが淡く見えることとなる。つまり、第2層目の白色のレジストを通して皿中央上装飾基板314のLED実装面314xの下地を見ると、第1層目の白色のレジストにおける白色レジスト抜き文字を識別することができるようになっている。
なお、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、コネクタHCNを配置する位置を示す領域が図示しない白色レジスト抜き領域として形成されているとともに、この領域の近傍にコネクタHCNと対応する部品番号が図示しない白色レジスト抜き文字として形成されている。第4実施形態では、上述したように、第1層目の白色のレジストの透過率と、第2層目の白色のレジストの透過率と、は同一のものを採用しているため、第1層目の白色のレジストと第2層目の白色のレジストとに濃淡が生じ、第2層目の白色のレジストを通して皿中央上装飾基板314のLED実装面314xの下地を見ると、第1層目の白色のレジストが淡く見えることとなる。これにより、第2層目の白色のレジストを通して皿中央上装飾基板314のLED実装面314xの下地を見ると、第1層目の白色のレジストにおける白色レジスト抜き領域を識別することができるようになっている。
また、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、白色のレジストが2度塗りされているため、第1層目の白色のレジストにおける白色レジスト抜き文字及び白色レジスト抜き領域と、第2層目の白色のレジストと、の光の屈折率が変わることとなる。これにより、第2層目の白色のレジストを通して皿中央上装飾基板314のLED実装面314xの下地を見ると、第1層目の白色のレジストにおける白色レジスト抜き文字及び白色レジスト抜き領域を識別することができるようになっている。
また、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xの全体が白色のレジストにより覆われている。フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10は、それぞれのパッケージが白色(白色と同色であると認められる色)の樹脂製であるとともに、コネクタHCNは、そのハウジングが白色(ナチュラル色とも言われ、白色(ナチュラル色)と同色であると認められる色)の樹脂製である。つまり、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のパッケージを有する電子部品であるフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のハウジングを有するコネクタHCNとが実装されている。このように、第4実施形態では、白色を有していない図示しない抵抗やコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに全く実装されていない。換言すると、白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下するものであるため、LED実装面に全く実装されていない。
また、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xに実装されるフルカラーLEDであるhLED1〜hLED10への点灯検査を個別に行う(例えば、1つのフルカラーLEDを構成する、赤色(R)に発光するLED素子、緑色(G)に発光するLED素子、及び青色(B)に発光するLED素子に対して、LED素子ごとに行う)ことができる図示しない複数のチェックピンが配線パターンに接続されるテストパッド(又は、スルーホール)として形成され、複数のチェックピンの近傍に複数のチェックピンのそれぞれと対応する部品番号が図示しない白色レジスト抜き文字として形成されている。複数のチェックピンは、白色のレジストが塗られていない。これにより、検査を行う作業者が図示しないブローブをチェックピンに接触させることで図示しないブローブとチェックピンとが電気的に接続されて導通する状態となって各種検査を行うことができる。なお、複数のチェックピンには、定電流駆動回路314axや定電流駆動回路314bxへのシリアルデータの内容を確認することができるものもある。
一方、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yには、LED定電流駆動回路314aを構成する定電流駆動回路314ax、最大電流設定回路314ayの抵抗Rr,Rb,Rg、図示しない各種分散抵抗等の電子部品を配置する位置を示す領域が皿中央上装飾基板314のLED実装面314xと同様に2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き領域として形成されているとともに、これらの領域近傍に電子部品と対応する部品番号が皿中央上装飾基板314のLED実装面314xと同様に2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き文字として形成されている。
第4実施形態では、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yにおける、第1層目の白色のレジストの透過率と、第2層目の白色のレジストの透過率と、は同一のものを採用しているため、第1層目の白色のレジストと第2層目の白色のレジストとに濃淡が生じ、第2層目の白色のレジストを通して皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yの下地を見ると、第1層目の白色のレジストが淡く見えることとなる。これにより、第2層目の白色のレジストを通して皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yの下地を見ると、第1層目の白色のレジストに形成される白色レジスト抜き文字を識別することができるようになっているとともに、白色レジスト抜き領域を識別することができるようになっている。
また、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yには、白色のレジストが2度塗りされているため、第1層目の白色のレジストにおける白色レジスト抜き文字及び白色レジスト抜き領域と、第2層目の白色のレジストと、の光の屈折率が変わることとなる。
これにより、第2層目の白色のレジストを通して皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yの下地を見ると、第1層目の白色のレジストにおける白色レジスト抜き文字及び白色レジスト抜き領域を識別することができるようになっている。
また、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314yに実装される抵抗及びコンデンサ等は白色を有していないし、また1つの半導体チップ上に集積された定電流駆動回路314ax(314bx)はそのパッケージが黒色の樹脂製である。このように、白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品は、フルカラーLEDの発光による反射率が低下するものであるため、LED非実装面に実装されている。
なお、第4実施形態に係る反射率低下等の対策の構成においても、皿中央上装飾基板314のLED実装面314x,LED非実装面314yには、白色のレジストがベタ塗りされている。これにより、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにベタ塗りされた白色のレジストにより、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10の発光による前方(つまり演出操作ユニット300の上方へ向かう側)への反射率を高めることができるようになっている。
このように、第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていないとともに、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号と、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域と、がシルク印刷として全く印刷されていないのに対して、第4実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号が2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き文字として形成されるとともに、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を配置する位置を示す領域が2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き領域として形成されており、さらに、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xには、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10と対応する部品番号が2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き文字として形成されるとともに、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10を配置する位置を示す領域が2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き領域として形成されているという点で相違している。
左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにベタ塗りされた白色のレジストにより、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10の発光による前方(つまりパチンコ機1の正面側)への反射率を高めることができるようになっている。また、皿中央上装飾基板314のLED実装面314xにベタ塗りされた白色のレジストにより、フルカラーLEDであるhLED1〜hLED10の発光による前方(つまり演出操作ユニット300の上方へ向かう側)への反射率を高めることができるようになっている。
このため、フルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域がシルク印刷として黒色で印刷されている場合には、黒色に印刷されたシルク印刷により、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下することとなり、フルカラーLEDの発光が効率良く使用されないという問題が生ずる。また、扉枠3に設けられる各種装飾体(例えば、図91に示した、皿左上装飾体271、皿左下装飾体281、皿右上装飾体276、皿右下装飾体286、ユニット前カバー312の皿中央上装飾体312a及び皿中央下装飾体312b、扉枠左サイド装飾体404、サイド窓内装飾部材412、扉枠右サイド装飾体419、扉枠トップ装飾体453)は、上述したように、透光性を有した乳白色に形成されているものの、パチンコ機1の前方に着座した遊技者が頭(顔)を動かすことで頭(顔)の方向により視線が変化するため、扉枠3に設けられる各種装飾体に備える各種装飾基板のLED実装面を遊技者が視認することができる場合もある。そうすると、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域が遊技者に視認されるという問題が生ずる。
そこで、第4実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDと対応する部品番号を2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き文字として形成するとともに、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDを配置する位置を示す領域を2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き領域として形成することにより、フルカラーLEDの実装位置を示す白色レジスト抜き領域(つまり、フルカラーLEDを配置する位置を示す領域)を見つけ出したり、フルカラーLEDを特定する番号(つまり、フルカラーLEDと対応する部品番号)を見つけ出したりすることを困難とすることができる。
また、第4実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDと対応する部品番号を2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き文字として形成するとともに、遊技者にとって遊技と全く関係を持たないフルカラーLEDを配置する位置を示す領域を2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き領域として形成することにより、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下することを防止することができる。
第4実施形態に係る反射率低下等の対策の構成においても、第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成と同様な作用効果を奏することができる。つまり、フルカラーLEDを特定する番号(つまり、フルカラーLEDと対応する部品番号)やフルカラーLEDの実装位置を示す2度塗りの白色のレジストを利用した白色レジスト抜き領域(つまり、フルカラーLEDを配置する位置を示す領域)を遊技者に視認困難とすることができるとともに、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下することを防止することができる。
また、第4実施形態に係る反射率低下等の対策の構成では、LED実装面及びLED非実装面に対してシルク印刷という工程をそれぞれ省くことができるため、シルク印刷の版代や基板の製造工程数の削減により基板製造コストを下げることに寄与することができる。
なお、第4実施形態では、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下する白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、フルカラーLEDの発光によるLED実装面における反射率が低下するものであるため、LED実装面に全く実装されていなかったが、フルカラーLEDの発光によるLED実装面のうち、前方に配置される部材と対応する領域がLED実装面における反射率に寄与することが困難である場合には、その領域に、白色を有していない抵抗及びコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタを配置してもよい。この場合、LED実装面に実装される図示しない抵抗及びコンデンサ等の電子部品やコネクタを配置する位置を示す領域が図示しない各端子及び図示しない白色レジスト抜き領域として形成されるとともに、この領域の近傍に、LED実装面に実装される図示しない抵抗及びコンデンサ等の電子部品やコネクタと対応する部品番号が図示しない白色レジスト抜き文字として形成される。
また、第4実施形態では、装飾基板のLED実装面及びLED非実装面には、2層の白色のレジストが形成されるものの、第1層目の白色のレジストにより全体が覆われるとともに、第2層目の白色のレジストによりマスクされた領域を除いて全体が覆われることにより、そのマスクされた領域が凹部として窪み、フルカラーLEDやコネクタを配置する位置を示す領域が白色レジスト抜き領域として形成されているとともに、フルカラーLEDやコネクタと対応する部品番号が白色レジスト抜き文字として形成されていたが、他の方法を用いて白色レジスト抜き領域と白色レジスト抜き文字とを形成するようにしてもよい。例えば、装飾基板のLED実装面及びLED非実装面に1回又は複数回だけ白色のレジストをベタ塗りした後に、この白色のレジストが乾燥する前に、フルカラーLEDやコネクタを配置する位置を示す領域の版を押し当てることで白色レジスト抜き領域として形成するとともに、フルカラーLEDやコネクタと対応する部品番号を示す版を押し当てることで白色レジスト抜き文字として形成するという方法、装飾基板のLED実装面及びLED非実装面に1回又は複数回だけ白色のレジストをベタ塗りした後に、この白色のレジストが乾燥した後に、レーザ照射により、フルカラーLEDやコネクタを配置する位置を示す領域を白色レジスト抜き領域として形成するとともに、フルカラーLEDやコネクタと対応する部品番号を白色レジスト抜き文字として形成するという方法を挙げることができる。
因みに、従来より、電源基板からの電源から供給され、電飾の制御を行うことができる各種基板を備える遊技機が提案されている(例えば、特開2016−192989号公報(図8))。ところで、遊技機内は、各種基板に対して電源を伝えるラインや制御信号を伝えるラインが引き回され、そのラインの長さが長くなることにより、各種基板が外来ノイズによる影響を受けて誤動作するおそれがあった。
また、従来より、遊技盤を透視保護板で前後に開口する窓口を覆うように構成される前枠を備える遊技機が提案されている(例えば、特開2016−192989号公報(段落[0014]、及び図1))。ところで、遊技盤に形成される遊技領域を大きくすることにより前枠における左右サイドの太さが細くなって左右サイド内に収容する装飾基板も帯板状のものとなる。また、表示装置や可動体を遊技盤に設けることで遊技盤内における表示装置や可動体が占める領域が大きくなることで遊技盤に設ける装飾基板も帯板状のものとなる。ところが、帯板状の装飾基板に発光手段を制御する発光制御手段が設けられる場合には、発光制御手段から発光手段に対する配線を引き出す領域の確保が難しいという問題があった。
また、従来より、演出表示装置の表示画面の前方の下方に待機して配置されるとともに、演出時に動作する可動役物装置を備える遊技機が提案されている(例えば、特開2015−058064号公報(段落[0040]、図4、図8、及び図9))。可動役物装置内には、意匠面の発光部(レンズ)の裏面に対向する発光手段が実装される装飾基板が取り付けられている。ところが、遊技者にとって遊技と全く関係を持たない装飾基板に実装される発光手段を特定する番号や発光手段の実装位置を示す補助線等が発光部を通して遊技者に視認されるおそれがあった。
また、従来より、発光手段が実装される装飾基板が取り付けられた遊技機が提案されている(例えば、特開2016−154676号公報(段落[0019]、図5))。このような発光手段による発光演出を用いたバリエーションのある演出を遊技者に提供している。ところが、発光手段の発光を装飾基板の実装面で反射させる場合には、装飾基板に実装される発光手段を特定する番号や発光手段の実装位置を示す補助線等により反射率が低下して装飾基板を明るい発光面とすることが困難であった。
[12.遊技盤に備える各装飾基板]
次に、遊技盤5に備える各装飾基板のうち、特に、磁気式の磁極変化検知回路が実装される装飾基板について、図209を参照して詳細に説明する。図209は磁気式の磁極変化検知回路等を備える装飾基板の一例を示すブロック図である。
まず、遊技盤5に備える各装飾基板のうち、磁気式の磁極変化検知回路が実装される備える装飾基板としては、上述したように、裏ユニット3000の裏左演出ユニット3300における裏左上可動装飾体3310の先段装飾部3312の回転位置の待機位置(原位置)を検出する磁気式の裏左上磁極変化検知回路3311abが実装される裏左上先段装飾基板3311aと、裏ユニット3000の裏左演出ユニット3300における裏左下可動装飾体3320の先段装飾部3322の回転位置の待機位置(原位置)を検出する磁気式の裏左下磁極変化検知回路3321abが実装される裏左下先段装飾基板3321aと、裏ユニット3000の裏右演出ユニット3400における裏右上可動装飾体3410の先段装飾部3412の回転位置の待機位置(原位置)を検出する磁気式の裏右上磁極変化検知回路3411abが実装される裏右上先段装飾基板3411aと、裏ユニット3000の裏右演出ユニット3400における裏右下可動装飾体3420の先段装飾部3422の回転位置の待機位置(原位置)を検出する磁気式の裏右下磁極変化検知回路3421abが実装される裏右下先段装飾基板3421aと、がある。
本実施形態では、裏左上先段装飾基板3311a、裏左下先段装飾基板3321a、裏右上先段装飾基板3411a、及び裏右下先段装飾基板3421aが同一の回路構成を有するとともに、LED実装面やLED非実装面の配置される構成も同一(電子部品の種類やパッケージも同一)であり、LED実装面やLED非実装面における反射率低下等の対策も同一としているため、ここでは、裏左上先段装飾基板3311aについて説明する。
裏左上先段装飾基板3311aは、パネル駆動基板1720を介して、周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aからシリアル出力される扉枠側シリアル系統である発光データPSDAT1、及びクロック信号PSCLK1がそれぞれ入力されている。
また、裏左上先段装飾基板3311aは、パネル駆動基板1720を介して、周辺制御基板1510の+12V電源ラインと電気的に接続されて直流+12Vが入力されるとともに、周辺制御基板1510のグランド(GND)ラインと電気的に接続されてグランド(GND)に接地されている。なお、裏左上先段装飾基板3311aは、図189に示した電源基板630の+12V電源ラインと直接、電気的に接続されて直流+12Vが入力されるように構成してもよし、電源基板630のグランド(GND)ラインと直接、電気的に接続されてグランド(GND)に接地されるように構成してもよい。
裏左上先段装飾基板3311aは、裏左上磁極変化検知回路3311ab、LED定電流駆動回路3311ac、熱分散回路3311ad、8個のフルカラーLEDである3311aa(1)〜3311aa(8)を備えている。
裏左上磁極変化検知回路3311abは、磁極の変化を検知することができるものであり、リニア電源3311aba、ホール素子3311abb、増幅回路3311abc、シュミット回路3311abd、出力電流制限回路3311abe、FET3311abfを主として構成され、オープンドレイン出力として構成されている。
リニア電源3311abaは、+12V電源ラインからの直流+12Vが入力されて裏左上磁極変化検知回路3311ab内で利用する内部電源を作成して供給する回路である。この内部電源は、ホール素子3311abb、増幅回路3311abc、及びシュミット回路3311abdにそれぞれ供給され動作することができるようになっている。リニア電源3311aba、増幅回路3311abc、シュミット回路3311abd、及びFET3311abfのソース端子は、グランド(GND)ラインに接地されている。
ホール素子3311abbは、磁束密度の強弱を検知することができるものであり、この磁束密度の強弱に応じて電圧が変化するアナログ信号を増幅回路3311abcに出力する。増幅回路3311abcは、ホール素子3311abbからのアナログ信号を増幅してシュミット回路3311abdに出力する。シュミット回路3311abdは、増幅回路3311abcで増幅された信号の波形を整えて最終段となるFET3311abfのゲート端子に出力する。FET3311abfは、そのゲート端子に入力されるシュミット回路3311abdからの信号に応じて、そのドレイン端子から検出信号ULORGの論理を出力する。FET3311abfは、オープンドレイン出力として使用しているため、FET3311abfのドレイン端子へのドレイン電流は、出力電流制限回路3311abeにより制限されている。
裏左上磁極変化検知回路3311abは、マグネットがホール素子3311abbに近づきホール素子3311abbの面に対して垂直方向の磁束密度が動作ポイント(Bop)より大きくなると、検出信号ULORGの論理をHIからLOWに切り換え、このマグネットがホール素子3311abbの面から遠ざかり磁束密度が復帰ポイント(Brp)より小さくなると、検出信号ULORGの論理をLOWからHIに切り換える。
なお、裏左上磁極変化検知回路3311abは、そのホール素子3311abbが図154に示した先段装飾部3312の回転軸の近傍に小型の円柱形状を有するマグネット3312aの軌道真下の位置となるように配置されている。
本実施形態では、裏左上磁極変化検知回路3311abは、1つの半導体チップ上に集積された小型の電子部品であり、そのICパッケージの種類としては、平面形状が長方形状(横の長さ:2.9mm、縦の長さ:1.6mm)を有する表面実装型(SMD、高さ:1.1mm)であり、いわゆるSOTである。裏左上磁極変化検知回路3311abは小型の電子部品であるため、図164に示した基段装飾部3311の右側面に取付けられる先段装飾部3312の裏左上先段装飾基板3311a(つまり、裏左上磁極変化検知回路3311abのICパッケージの表面)と、図164に示した三角錐状の先段装飾部3312の底面となる先段装飾部3312の左面側と、の距離寸法(この距離寸法(クリアランス)として、本実施形態では、約1.5mmを有している。)を小さくすることができる。
また、裏左上可動装飾体3310(裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420も同様。)は、小型の可動装飾体であるため、例えば図160に示した裏ユニット3000の裏下演出ユニット3100における裏下可動装飾体3110の後段装飾部3116と中段装飾部3118との待機位置(原位置)を検出する光学式の裏下回転検知センサ3120等のように、大型となる光学式のセンサを用いて可動体である先段装飾部3312(先段装飾部3322,3412,3422も同様。
)の待機位置(原位置)を検知するセンサとして配置することが構造的に困難となっている。
そこで、本実施形態では、裏左上磁極変化検知回路3311ab(裏左下先段装飾基板3321a、裏右上先段装飾基板3411a、及び裏右下先段装飾基板3421aも同様。)という小型の電子部品(磁気式のセンサ)を用いることにより可動体である先段装飾部3312(先段装飾部3322,3412,3422も同様。)の待機位置(原位置)を検知するセンサとして採用している。この磁気式のセンサは、上述した光学式のセンサと比べると、検出にバラツキが大きいものの、本実施形態では、可動体である先段装飾部3312(先段装飾部3322,3412,3422も同様。)の待機位置(原位置)にバラツキが生じてズレたとしても、このズレが小さく、遊技者に違和感を与える蓋然性が低いものとなっている。
裏左上可動装飾体3310(裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420も同様。)は、左右方向へ移動したり、上下方向へ移動したり、先段装飾部3312(先段装飾部3322,3412,3422)が回転したりするため、このような裏左上可動装飾体3310(裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420も同様。)の作動中に、裏左上磁極変化検知回路3311ab(裏左下先段装飾基板3321a、裏右上先段装飾基板3411a、及び裏右下先段装飾基板3421aも同様。)のLED実装面には、遊技盤5に設けられる種々の発光源(複数の発光源)からの光が多方向から入射される場合がある。
このため、裏左上磁極変化検知回路3311ab(裏左下先段装飾基板3321a、裏右上先段装飾基板3411a、及び裏右下先段装飾基板3421aも同様。)のLED実装面には、上述した光学式のセンサを実装すると、遊技盤5に設けられる種々の発光源(複数の発光源)からの光が外乱光(光害)となって誤検出するおそれがある。
そこで、本実施形態では、このような理由からも、上述した磁気式のセンサを採用している。したがって、遊技盤5に設けられる種々の発光源(複数の発光源)が発した光による先段装飾部3312(先段装飾部3322,3412,3422)の待機位置(原位置)の誤検出を防止することができる。
なお、本実施形態では、上述した各種演出ユニットに備える光学式のセンサは、遊技盤5に設けられる種々の発光源(複数の発光源)からの光が他の部材によって遮られる(又は外乱光(光害)とならない程度まで弱められる)ように構成されているため、その光により誤検出するおそれが全くない。
LED定電流駆動回路3311acは、図200に示した皿左下装飾基板283のLED定電流駆動回路283aと同一の回路であり、フルカラーLEDである3311aa(1)〜3311aa(8)に定電流を流すことができるシンク(吸い込み)タイプの定電流駆動回路3311acxと、フルカラーLEDである3311aa(1)〜3311aa(8)に流す電流の最大電流を設定することができる最大電流設定回路3311acと、から主として構成されている。定電流駆動回路3311acは、図200に示した皿左下装飾基板283のLED定電流駆動回路283aにおける定電流駆動回路283xと同一の回路であり、周辺制御基板1510からの遊技盤側シリアル系統(発光データPSDAT1、クロック信号PSCLK1)に基づいて、フルカラーLEDである3311aa(1)〜3311aa(8)に定電流を流す制御を行う。定電流駆動回路3311acは、上述したように、シンク(吸い込み)タイプであるため、フルカラーLEDである3311aa(1)〜3311aa(8)に流れる定電流を吸い込むことにより発熱する。そこで、定電流駆動回路3311acの発熱の一部を、熱分散回路3311adで受け持つことにより、定電流駆動回路3311acの発熱を分散することができるようになっている。熱分散回路3311adは、図200に示した皿左下装飾基板283のLED定電流駆動回路283aにおける熱分散回路283cと同一の回路である。
周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aからシリアル出力される発光データPSDAT1は、上述した、周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aからシリアル出力される発光データSDAT1,SDAT2と同一の構成とされている。
発光データPSDAT1は、発光態様を指定するためのデータであり、ID情報と階調情報とから構成されている。ID情報は、遊技盤5の各装飾基板に備えるLED定電流駆動回路のうち、いずれのLED定電流駆動回路を指定するものであるかを示す情報である。
階調情報は、階調度0(ゼロ)〜階調度127のうち、いずれの階調度を指定するものであるかを示す情報である。
LED定電流駆動回路3311acは、上述したように、図200に示した皿左下装飾基板283のLED定電流駆動回路283aと同一の回路であるため、ここでの詳細な説明を省略する。
なお、裏左上先段装飾基板3311aは、そのLED実装面には、8個のフルカラーLEDである3311aa(1)〜3311aa(8)、及び裏左上磁極変化検知回路3311ab等が実装されている一方、そのLED非実装面にはLED定電流駆動回路3311ac等が実装されている。裏左上先段装飾基板3311aは、上述した、第1実施形態に係る反射率低下等の対策の構成、第2実施形態に係る反射率低下等の対策の構成、第3実施形態に係る反射率低下等の対策の構成、及び第4実施形態に係る反射率低下等の対策の構成のうち、いずれかの構成を採用することができる。
因みに、従来より、遊技盤に設けられる表示装置や装飾装置の演出動作が演出制御装置(制御手段)により制御される遊技機が提案されている(例えば、特開2016−154676号公報(段落[0071]、図3、及び図22))。ところで、遊技盤には、電磁波ノイズの影響を強く受ける環境下が存在し、遊技盤の構造上、演出制御装置(制御手段)と接続される各種配線のうち電磁波ノイズの影響を受ける環境下を引き回される配線を介して他の配線へ電磁波ノイズが侵入すると、他の配線からの電磁波ノイズの影響を受けて演出制御装置(制御手段)が誤動作するおそれがあった。
また、従来より、遊技盤に可動体を備える遊技機が提案されている(例えば、特開2016−154676号公報(段落[0067]、図18、及び図19))。この可動体は突設される検出片を有し、この検出片が可動体と別体に設けられる光学式の検出スイッチにより検出されることで可動体の位置を特定している。ところで、可動体に光学式の検出スイッチを設けて可動体の特定位置を検出する場合には、可動体が作動中に、遊技盤に設けられる複数の発光体が発した光によって、この光が外乱光となって光学式の検出スイッチへ入射され、検出スイッチが誤検出するおそれがあった。
[13.間接光と直接光との輝度設定]
図143のパネル板1110、及び図155の表演出ユニット2600における導光板2601等の導光板は、その端面から一列に並んで配置された複数のLED(図143のパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130a、図155の導光板2601の上面から光を入射させることで発光装飾される第一絵柄2610用の複数のLED2611、及び導光板2601の右側面から光を入射させることで発光装飾される第二絵柄2620用の複数のLED2621。以下、「間接光として用いられるLED」と記載する倍がある。)の光が入光されて導光板内面から間接光が照射される。
図23の扉枠3に備える演出操作ユニット300、扉枠左サイドユニット400、扉枠右サイドユニット410、及び扉枠トップユニット450等の扉枠側各種ユニットに備える各種のLED、図135の遊技盤5に備える裏下演出ユニット3100、裏上演出ユニット3200、裏左演出ユニット3300、及び裏右演出ユニット3400等の遊技盤側各種ユニットに備える各種のLED等の導光板に利用されない他のLED(以下、「直接光として用いられるLED」と記載する場合がある。)は、直接光として照射される。このため、間接光として用いられるLEDの輝度と、直接光として用いられるLEDの輝度と、を同一のものとすると、導光板による間接光が直接光と比べて暗くなる。遊技者は、遊技盤5や扉枠3に設けられる各種LEDの現状輝度が明るすぎる場合には暗く調整したいし、暗すぎず場合には明るく調整したい。
ところで、遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板には各種のLEDが実装されると共に、1つ又は複数のLED定電流駆動回路が実装されている。このLED定電流駆動回路は、上述したように、LEDの明るさ(階調度)を、消灯から点灯(最大輝度)までを階調度0(ゼロ)〜階調度127という合計128段階で階調制御することができるものである。
また、周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aからシリアル出力される発光データSDAT1,SDAT2は、上述したように、発光態様を指定するためのデータであり、ID情報と階調情報とから構成されている。ID情報は、扉枠3の各装飾基板に備えるLED定電流駆動回路のうち、いずれのLED定電流駆動回路を指定するものであるかを示す情報である。階調情報は、階調度0(ゼロ)〜階調度127のうち、いずれの階調度を指定するものであるかを示す情報である。
また、周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aからシリアル出力される発光データPSDAT1は、上述したように、周辺制御基板1510に備える周辺制御IC1510aからシリアル出力される発光データSDAT1,SDAT2と同一の構成とされており、発光データPSDAT1は、発光態様を指定するためのデータであり、ID情報と階調情報とから構成されている。ID情報は、遊技盤5の各装飾基板に備えるLED定電流駆動回路のうち、いずれのLED定電流駆動回路を指定するものであるかを示す情報である。階調情報は、階調度0(ゼロ)〜階調度127のうち、いずれの階調度を指定するものであるかを示す情報である。
上述した階調情報に指定される階調度は、周辺制御IC1510aが行う後述する周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理における演出操作ユニット監視処理や受信コマンド解析処理におけるランプパレット設定処理において設定される。このランプパレット設定処理では、輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値から構成されるランプパレット設定テーブルに基づいて、直接光として用いられるLEDの輝度と、間接光として用いられるLEDの輝度と、をそれぞれ設定する。周辺制御IC1510aは、主制御基板1310からの各種コマンドを解析し、この解析した各種コマンドに基づいて、発光態様生成用スケジュールデータを制御ROM1510bから読み出して(抽出して)、ランプパレット設定処理を実行して上述した階調情報を更新して周辺制御IC1510aのRAMにセットすることができるようになっているし、デモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)や演出の進行中において(例えば、特定の演出における予め定めた期間内において)、ランプパレット設定処理を実行して周辺制御IC1510aのRAMにセットした上述した階調情報を更新することができるようになっている。
ここで、ランプパレット設定テーブルを構成する輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値について簡単に説明する。輝度指定値は、最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定値を設定することができる値であり、第0(ゼロ)輝度指定値〜第31輝度指定値と対応して後述する通常パレット値、及び特殊パレット値がそれぞれ予め設定されている。遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)は、操作可能な演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)を操作して、第1輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る一の輝度指定値を設定することができる。
例えば、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)は、回転操作部302を時計回りに回転操作する場合であって現状の輝度が仮に最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値の次に輝度が高い段階となる第1輝度指定値に設定されているときには、第1輝度指定値から最大輝度である第31輝度指定値へ向かって予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って、間接光として用いられるLEDの輝度と、直接光として用いられるLEDの輝度と、を高くするように変化する一方、回転操作部302を反時計回りに回転操作する場合であって現状の輝度が最大輝度に設定されているときには、最大輝度である第31輝度指定値から第1輝度指定値へ向かって予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って、間接光として用いられるLEDの輝度と、直接光として用いられるLEDの輝度と、を低くするように変化する。遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302を回転操作して所望の輝度を選択して押圧操作部303を押圧操作すると、選択した所望の輝度が確定する。なお、本実施形態では、デモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)や演出の進行中において、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が輝度を設定できる場合が予め用意されており、このときに、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302、及び押圧操作部303の操作により所望の輝度に設定することができるようになっている。また、デモンストレーションや演出の進行中における演出表示装置1600の表示領域の所定位置には、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302を操作すると、第1輝度指定値〜第31輝度指定値までの位置を示す棒状のインジケータが表示されることで、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)の所望の輝度がどの程度のものであるかを画像として視覚的に示すことができるようになっている。また、本実施形態では、初期値(デフォルト)として第14輝度指定値が設定されるようになっている。
通常パレット値は、直接光として照射される遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板に実装される各種LEDの輝度が上述した階調情報として設定されるものである。通常パレット値は、最小値である最小パレット値(20%)から最大値である最大パレット値(100%)へ向かって5%刻みで17段階のうち、一の段階が選択され、上述した輝度指定値である第0(ゼロ)輝度指定値〜第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定と対応するパレット値が予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿ってそれぞれ設定されている。
最小パレット値(20%)は、上述した輝度指定値である第0(ゼロ)輝度指定値〜第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定と対応する最大パレット値(100%)に対して20%の値であり、他のパレット値も同様に、括弧書きに記載される値(%)が、上述した輝度指定値である第0(ゼロ)輝度指定値〜第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定と対応する最大パレット値(100%)に対しての値となる。
本実施形態では、通常パレット値は、直接光として照射される遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板に対して、最大パレット値(100%)が予め選択され上述した階調情報として設定されていると共に、直接光として照射される遊技盤側に設けられる各種装飾基板のうち、図示しない特定の装飾基板(遊技者に眩しく感じられるLED)に対して、パレット値(50%)が予め選択され上述した階調情報として設定されている。
特殊パレット値は、間接光として照射される導光板に利用される各種装飾基板に実装される各種LEDの輝度が上述した階調情報として設定されるものである。特殊パレット値は、通常パレット値と異なり、1段階のみ存在し、上述した輝度指定値である第0(ゼロ)輝度指定値〜第31輝度指定値までに亘る32段階の範囲のうち、一の輝度指定と対応するパレット値が予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って上述した階調情報として設定されている。
間接光として用いられるLEDの輝度は、上述したように、直接光として用いられるLEDの輝度と同一のものとすると、導光板による間接光が直接光と比べて暗くなる。そこで、本実施形態では、間接光として用いられるLEDの輝度は、直接光として用いられるLEDの輝度に対して設定される通常パレット値を用いず、特殊パレット値を用いて設定されるようになっており、最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値の次に輝度が高い段階となる第1輝度指定値を、導光板が間接光により発光している状態を視認することができる最低の輝度として、通常パレット値が最大パレット値(100%)に設定された場合における第18輝度指定値とほぼ等しい値に設定され、第1輝度指定値から第31輝度指定値までの範囲のうち、一の輝度指定値と対応するパレット値が予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って設定されるようになっている。
このように、ランプパレット設定処理では、輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値から構成されるランプパレット設定テーブルに基づいて、直接光として用いられるLEDの輝度と、間接光として用いられるLEDの輝度と、をそれぞれ設定する際に、直接光として用いられるLEDの輝度に対して、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302、及び押圧操作部303の操作による輝度指定値と対応する通常パレット値に沿って設定される一方、間接光として用いられるLEDの輝度に対して、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302、及び押圧操作部303の操作による輝度指定値と対応する特殊パレット値に沿って設定されるようになっている。これにより、直接光として用いられるLEDの輝度が眩しいと感じて、その輝度を小さくするために、遊技者が回転操作部302、及び押圧操作部303を操作して設定する場合において、直接光として用いられるLEDの輝度を最も小さい輝度(つまり、最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値の次に輝度が高い段階となる第1輝度指定値)に設定し、これに連動して、間接光として用いられるLEDの輝度も最も小さい輝度(つまり、最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値の次に輝度が高い段階となる第1輝度指定値)に設定したとしても、間接光として用いられるLEDの輝度は、通常パレット値が最大パレット値(100%)に設定された場合における第18輝度指定値とほぼ等しい値に設定されるようになっているため、導光板が間接光により発光している状態を視認することができる最低の輝度が設定される。
また、発光態様を設計するプログラマーは、直接光として用いられるLEDに対して、遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板に実装される各種LEDの輝度を個別に設定しなくても、演出の流れに伴う発光態様を設定して、遊技盤側に設けられる各種装飾基板や扉枠側に設けられる各種装飾基板に実装される各種LEDの発光態様による演出の流れを見てから、眩しすぎる(又は、少し暗い輝度の方が演出効果をより発揮できる)特定の装飾基板に対して通常パレット値を小さいパレット値(例えば、50%)に設定するとともに、他の装飾基板に対して通常パレット値を最大パレット値(100%)に設定することで、全体の発光態様のバランスを極めて簡単に変更することができる。つまり、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)は、操作可能な演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)を操作して第1輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る一の輝度指定値を設定したとしても、特定の装飾基板に対しては一の輝度指定値と対応する小さいパレット値(例えば、50%)が設定されるのに対して、他の装飾基板に対しては一の輝度指定値と対応する最大パレット値(100%)がそれぞれ設定されるようになっているため、相互に設定された発光態様の関係(明るい、又は暗いという関係)を崩すことなく、極めて簡単に輝度調整を行うことができる。
更に、導光板による間接光は、直接光と比べて輝度の調整が難しいものの、間接光として用いられるLEDに対しては、通常パレット値と異なる(つまり、通常パレット値と独立した)特殊パレット値により輝度を設定することができるようになっている。これにより、間接光として用いられるLEDの輝度は特殊パレット値により管理されるとともに、直接光として用いられるLEDの輝度は通常パレット値により管理されるようになっているため、間接光として用いられるLEDの輝度と、直接光として用いられるLEDの輝度と、を容易にそれぞれ調整することができる。
[14.遊技内容]
本実施形態のパチンコ機1による遊技内容について、図136及び図137等を参照して説明する。本実施形態のパチンコ機1は、扉枠3の前面右下隅に配置されたハンドルユニット180のハンドル182を遊技者が回転操作することで、皿ユニット200の上皿201に貯留された遊技球Bが、遊技盤5における外レール1001と内レール1002との間を通って遊技領域5a内の上部へと打ち込まれて、遊技球Bによる遊技が開始される。遊技領域5a内の上部へ打ち込まれた遊技球Bは、その打込強さによってセンター役物2500の左側、あるいは、右側の何れかを流下する。なお、遊技球Bの打込み強さは、ハンドル182の回転量によって調整することができ、時計回りの方向へ回転させるほど強く打込むことができ、連続で一分間に最大100個の遊技球B、つまり、0.6秒間隔で遊技球Bを打込むことができる。
また、遊技領域5a内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘Nが遊技パネル1100(パネル板1110)の前面に植設されており、遊技球Bが障害釘Nに当接することで、遊技球Bの流下速度が抑制されると共に、遊技球Bに様々な動きが付与されて、その動きを楽しませられるようになっている。また、遊技領域5a内には、障害釘Nのほかに、遊技球Bの当接により回転する風車(図示は省略)が適宜位置に備えられている。
センター役物2500の上部へ打込まれた遊技球Bは、センター役物2500の外周面のうち、最も高くなった部位よりも正面視左側へ進入すると、複数の障害釘Nに当接しながら、センター役物2500よりも左側の領域を流下することとなる。そして、センター役物2500の左側の領域を流下する遊技球Bが、センター役物2500の外周面に開口しているワープ入口2501に進入すると、ワープ出口2502からステージ2503に供給される。
ステージ2503に供給された遊技球Bは、ステージ2503上を転動して左右に行ったり来たりして、左右方向中央から前方へ放出される。ステージ2503の中央から遊技球Bが遊技領域5a内に放出されると、その部位が第一始動口2002の直上に位置していることから、高い確率で第一始動口2002に受入れられる。この第一始動口2002に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、3個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
センター役物2500のステージ2503から遊技領域5a内に放出された遊技球Bは、始動口ユニット2100の第一始動口2002や一般入賞口2001に受入れられる可能性がある。
ところで、センター役物2500の左側へ流下した遊技球Bが、ワープ入口2501に進入しなかった場合、サイドスロープ2300や障害釘Nにより左右方向中央側へ寄せられ、サイドユニット2200の一般入賞口2001、あるいは、始動口ユニット2100の第一始動口2002や一般入賞口2001等、に受入れられる可能性がある。そして、一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、10個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
一方、遊技領域5a内においてセンター役物2500の上部に打込まれた遊技球Bが、センター役物2500の外周面の最も高くなった部位よりも右側に進入する(いわゆる、右打ちする)と、センター役物2500のゲート空間形成部2505により形成された空間内に進入し、この空間内に配置されているゲート部2003をある程度の確率で通過する。ゲート部2003が配置されている空間内を流通した遊技球Bは、右案内通路2510からアタッカユニット2400の上部へ放出される。
右案内通路2510の下流端の下方には、アタッカユニット2400の一般入賞口2001が配置されており、この一般入賞口2001に遊技球Bが受入れられて一般入賞口センサ2401に検知されると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、10個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
ところで、右打した遊技球Bが、ゲート部2003を通過してゲートセンサ2506により検知されると、主制御基板1310において普通抽選が行われ、抽選された普通抽選結果が「普通当り」の場合、アタッカユニット2400における閉鎖されている第二始動口2004が所定時間(例えば、0.3〜10秒)の間、開状態となり、第二始動口2004への遊技球Bの受入れが可能となる。そして、第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633を介して払出装置580から所定数(例えば、4個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。
本実施形態では、ゲート部2003を遊技球Bが通過することで行われる普通抽選において、普通抽選を開始してから普通抽選結果を示唆するまでにある程度の時間を設定している(例えば、0.01〜60秒、普通変動時間とも称す)。この普通抽選結果の示唆は、遊技盤5の機能表示ユニット1400やサブ機能表示部2520に表示される。第二始動口2004では、普通変動時間の経過後に開状態となる。
なお、遊技球Bがゲート部2003を通過してから普通抽選結果が示唆されるまでの間に、遊技球Bがゲート部2003を通過すると、普通抽選結果の示唆を開始することができないため、普通抽選結果の示唆の開始を、先の普通抽選結果の示唆が終了するまで保留するようにしている。また、普通抽選結果の保留数は、4つまでを上限とし、それ以上については、ゲート部2003を遊技球Bが通過しても、保留せずに破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
本実施形態のパチンコ機1は、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310において、遊技者に有利な有利遊技状態(例えば、「大当り」、「確率変動(確変)当り」、「時間短縮(時短)当り」、を発生させる特別抽選結果の抽選が行われる。そして、抽選された特別抽選結果を、所定時間(例えば、0.1〜360秒、特別変動時間とも称す)かけて遊技者に示唆する。なお、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられることで抽選される特別抽選結果には、「ハズレ」、「4R大当り」、「16R大当り」、「確変(確率変更)当り」、「時短(時間短縮)当り」、「確変時短当り」、等がある。
第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより抽選された特別抽選結果(第一特別抽選結果及び第二特別抽選結果)が、有利遊技状態を発生させる特別抽選結果の場合、特別変動時間の経過後に、大入賞口2005が所定の開閉パターンで遊技球Bの受入れが可能な状態となる。大入賞口2005が開状態の時に、大入賞口2005に遊技球Bが受入れられると、主制御基板1310及び払出制御基板633によって払出装置580から所定数(例えば、10個、又は、13個)の遊技球Bが、上皿201に払出される。したがって、大入賞口2005が遊技球Bを受入可能としている時に、大入賞口2005に遊技球Bを受入れさせることで、多くの遊技球Bを払出させることができ、遊技者を楽しませることができる。
特別抽選結果が「大当り」の場合、大入賞口2005が、遊技球Bを受入可能な開状態となった後に、所定時間(例えば、約30秒)経過、あるいは、大入賞口2005への所定個数(例えば、10個)の遊技球Bの受入れ、の何れかの条件が充足すると、遊技球Bを受入不能な閉状態とする開閉パターン(一回の開閉パターンを1ラウンドと称す)を、所定回数(所定ラウンド数)繰り返す。例えば、「4R大当り」であれば4ラウンド、「16R大当り」であれば16ラウンド、それぞれ繰り返して、遊技者に有利な有利遊技状態を発生させる。
なお、「大当り」では、大当り遊技の終了後に、「大当り」等の特別抽選結果が抽選される確率を変更(「確変当り」)したり、特別抽選結果を示唆する演出画像の表示時間を変更(「時短当り」)したりする「当り」がある。
特別抽選結果が「大当り」の場合、大入賞口2005が、所定のパターンで遊技球Bを受入可能とした後に、有利遊技状態としてST(スペシャル・タイム)を発生させることが可能である。このSTとは、予め決められた特定の変動回数の間、確変や時短の状態を維持するものである。
本実施形態では、第一始動口2002及び第二始動口2004への遊技球Bの受入れにより特別抽選の開始から抽選された特別抽選結果が示唆されるまでの間に、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられると、特別抽選結果の示唆を開始することができないため、先に抽選された特別抽選結果の示唆が完了するまで、特別抽選結果の示唆の開始が保留される。この保留される特別抽選結果の保留数は、第一始動口2002及び第二始動口2004に対して、それぞれ4つまでを上限とし、それ以上については、第一始動口2002及び第二始動口2004に遊技球Bが受入れられても特別抽選結果を保留せずに、破棄している。これにより、保留が貯まることで遊技ホール側の負担の増加を抑制している。
この特別抽選結果の示唆は、機能表示ユニット1400と演出表示装置1600とで行われる。機能表示ユニット1400やサブ機能表示部2520では、主制御基板1310によって直接制御されて特別抽選結果の示唆が行われる。機能表示ユニット1400での特別抽選結果の示唆は、複数のLEDを、点灯・消灯を繰り返して所定時間点滅させ、その後に、点灯しているLEDの組合せによって特別抽選結果を示唆する。
一方、演出表示装置1600では、主制御基板1310からの制御信号に基づいて、周辺制御基板1510によって間接的に制御され演出画像として特別抽選結果の示唆が行われる。演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する演出画像は、複数の絵柄からなる絵柄列を、左右方向へ三つ並べて表示した状態で、各絵柄列を変動させ、変動表示されている絵柄列を順次停止表示させ、停止表示される三つの絵柄列の絵柄が、特別抽選結果と対応した組合せとなるようにそれぞれの絵柄列が停止表示される。特別抽選結果が「ハズレ」以外の場合は、三つの絵柄列が停止して各絵柄が停止表示された後に、特別抽選結果を示唆する確定画像が演出表示装置1600に表示されて、抽選された特別抽選結果に応じた有利遊技状態(例えば、大当り遊技、等)が発生する。
なお、機能表示ユニット1400での特別抽選結果を示唆する時間(LEDの点滅時間(変動時間))と、演出表示装置1600での特別抽選結果を示唆する時間(絵柄列が変動して確定画像が表示されるまでの時間)とは、異なっており、機能表示ユニット1400やサブ機能表示部2520の方が長い時間に設定されている。
また、周辺制御基板1510では、演出表示装置1600による特別抽選結果を示唆するための演出画像の表示のほかに、抽選された特別抽選結果に応じて、扉枠3における演出操作ユニット300における演出操作部301の回転操作部302や押圧操作部303を操作させる遊技者参加型演出を行うことができる。遊技者参加型演出では、操作リング駆動モータ342により回転操作部302を回転させたり、振動させたり、回転操作をアシストしたり、回転操作を阻害したりすることができると共に、操作ボタン昇降駆動モータ367により押圧操作部303を上昇させて目立たせることができ、演出操作部301の操作により遊技者参加型演出を楽しませることができる。
また、周辺制御基板1510では、扉枠3に備えられている各装飾基板や、遊技盤5に備えられている各装飾基板及び表演出ユニット2600や裏ユニット3000の裏下演出ユニット3100、裏上演出ユニット3200、裏左演出ユニット3300、及び裏右演出ユニット3400等を適宜用いて、発光演出や可動演出等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
更に、周辺制御基板1510では、回転操作部302や押圧操作部303を操作する遊技者参加型演出において、遊技者が操作すべき操作を間違えたり、行わなかったりした時に、正しい操作を行わせるように遊技者にその旨を告知する。具体的には、例えば、中央押圧操作部303aの押圧操作が要求されている時に、外周押圧操作部303bを押圧操作したり、回転操作部302を回転操作した場合、振動スピーカ354により振動させたり演出表示装置1600にその旨を表示させたりする。
また、周辺制御基板1510では、演出表示装置1600による特別抽選結果を示唆するための演出画像の表示のほかに、抽選された特別抽選結果に応じて、遊技盤5における表ユニット2000の表演出ユニット2600、裏ユニット3000の裏下演出ユニット3100、裏上演出ユニット3200、裏左演出ユニット3300、及び裏右演出ユニット3400等を適宜用いて、発光演出、可動演出、表示演出、等を行うことが可能であり、各種の演出によっても遊技者を楽しませることができ、遊技者の遊技に対する興趣が低下するのを抑制することができる。
[15.主制御基板の各種制御処理]
次に、パチンコ機1の遊技の進行に応じて、図185に示した主制御基板1310が行う各種制御処理について、図210〜図212を参照して説明する。図210は主制御側電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図211は図210の主制御側電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図212は主制御側タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。まず、遊技制御に用いられる各種乱数について説明し、続いて初期値更新型のカウンタの動き、主制御側電源投入時処理、主制御側タイマ割り込み処理について説明する。
[15−1.各種乱数]
遊技制御に用いられる各種乱数として、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数と、大当り遊技状態を発生させないときにリーチ(リーチはずれ)を発生させるか否かの決定に用いるためのリーチ判定用乱数と、機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器及び第二特別図柄表示器で変動表示される特別図柄の変動表示パターンの決定に用いるための変動表示パターン用乱数と、大当り遊技状態を発生させるときに機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器及び第二特別図柄表示器で導出表示される大当り図柄の決定に用いるための大当り図柄用乱数と、この大当り図柄用乱数の初期値の決定に用いるための大当り図柄用初期値決定用乱数、小当り遊技状態を発生させるときに機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器及び第二特別図柄表示器で導出表示される小当り図柄の決定に用いるための小当り図柄用乱数、この小当り図柄用乱数の初期値の決定に用いるための小当り図柄用初期値決定用乱数等が用意されている。またこれらの乱数に加えて、第二始動口2004の遊技球の受入れが可能とする可動片を開閉動作させるか否かの決定に用いるための普通図柄当り判定用乱数と、この普通図柄当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための普通図柄当り判定用初期値決定用乱数と、機能表示ユニット1400の普通図柄表示器で変動表示される普通図柄の変動表示パターンの決定に用いるための普通図柄変動表示パターン用乱数等が用意されている。
このような遊技制御に用いられる各種乱数のうち、大当り判定用乱数はハードウェアにより更新されるのに対して、他の各種乱数はソフトウェアにより更新されるようになっている。
例えば、大当り判定用乱数は、主制御MPU1310aに内蔵される主制御内蔵ハード乱数回路によりハードウェアにより直接更新されるようになっている。この主制御内蔵ハード乱数回路は、主制御MPU1310aがリセットされると、まず、予め定めた数値範囲内における一の値を初期値として、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を次々に抽出する。このような高速な抽選を主制御内蔵ハード乱数回路が繰り返し行い、主制御MPU1310aは、主制御内蔵ハード乱数回路から値を取得する時点における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した値を大当り判定用乱数としてセットするようになっている。
これに対して、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタは、最小値から最大値までに亘る予め定めた固定数値範囲内において更新され、この最小値から最大値までに亘る範囲を、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ加算されることでカウントアップする。このカウンタは、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から普通図柄当り判定用初期値決定用乱数に向かってカウントアップする。普通図柄当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は更新される。このようなカウンタの更新方法を「初期値更新型のカウンタ」という。普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行して得ることができるようになっている。
なお、本実施形態では、主制御基板1310のRAMクリアスイッチ1310fが電源投入時に操作された場合や、後述する、主制御側電源投入時処理において図14に示した主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMに記憶されている各種情報を数値とみなしてその合計を算出して得たチェックサムの値(サム値)が主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致していない場合など、主制御内蔵RAMの全領域をクリアする場合には、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は、主制御MPU1310aがその内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を実行し、この導出した固定値がセットされる仕組みとなっている。つまり、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は、初期値導出処理の実行によりIDコードに基づいて導出された同一の固定値が常に上書き更新されるようになっている。このように、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数にセットされる値は、IDコードを利用して導出されており、主制御MPU1310aを製造したメーカによって主制御MPU1310aに内蔵する不揮発性のRAMにIDコードを記憶させるとIDコードが外部装置を用いても書き換えられないという第1のセキュリティー対策と、主制御内蔵RAMの全領域をクリアする場合に初期値導出処理を実行することによってIDコードに基づいて同一の固定値を導出するという第2のセキュリティー対策と、による2段階のセキュリティー対策が講じられることよって解析されるのを防止している。
ここで、主制御MPU1310aに内蔵する不揮発性のRAMからIDコードを取り出し、この取り出したIDコードを普通図柄当り判定用初期値決定用乱数として用いる利点について説明する。例えば、賞球として払い出される遊技球を不正に獲得しようとする者が何らかの方法で遊技盤5を入手して分解し、主制御MPU1310aに内蔵する不揮発性のRAMに予め記憶されているIDコードを不正に取得し、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値と普通図柄当り判定値とが一致するタイミングを把握することができたとしても、そのIDコードが個体を識別するためのユニークな符号が付されたものであるため、他の遊技盤5’に備える主制御MPU1310a’に内蔵する不揮発性のRAMに予め記憶されているIDコードとまったく異なるものとなる。つまり他の遊技盤5’においては、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値と普通図柄当り判定値とが一致するタイミングも、入手した遊技盤5のものとまったく異なる。換言すると、入手した遊技盤5を分解して解析して得たIDコードは、他の遊技盤5’、つまり他のパチンコ機1’において、まったく役に立たないものであるため、分解して解析した得た所定間隔ごとに瞬停を発生させ、その所定間隔ごとに、ゲートユニット2300のゲート部2003に遊技球を通過させたとしても、可動片を開閉動作させて第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態を発生させることができない。
[15−2.主制御側電源投入時処理]
まず、パチンコ機1に電源が投入されると、デフォルトとして予め定めたアドレスにスタックポインタが設定されるように主制御MPU1310aが回路構成されている。このスタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。
主制御MPU1310aによる制御の下、図210及び図211に示すように、主制御側電源投入時処理を行う。この主制御側電源投入時処理が開始されると、主制御MPU1310aは、RAMアクセス許可の設定を行う(ステップS10)。このRAMアクセス許可の設定により主制御内蔵RAMに対する更新を行うことができる。
ステップS10に続いて、主制御MPU1310aは、主制御内蔵WDTの初期値設定及び起動設定を行う(ステップS12)。ここでは、主制御MPU1310aの動作(システム)が正常動作しているか否かを監視する主制御内蔵WDTに初期値を設定するために主制御MPU1310aに内蔵されるウォッチドックタイマコントロールレジスタ(以下、「WDTコントロールレジスタ」と記載する。)にタイマ設定値を設定して主制御内蔵WDTを起動させて主制御MPU1310aをリセットするまでの計時を開始する。主制御内蔵WDTが起動すると、主制御内蔵WDTによる計時が開始され、この計時された時間がタイマ設定値で設定された時間に達するまでに、主制御MPU1310aに内蔵されるウォッチドックタイマクリアレジスタ(以下、「WDTクリアレジスタ」と記載する。)にタイマクリア設定値をセットしないと、主制御内蔵WDTにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされるようになっている。これに対して、主制御内蔵WDTが起動して計時が開始されると、この計時された時間がタイマ設定値で設定された時間に達するまでにWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットすると、主制御内蔵WDTによる計時がクリアされて、再び計時が開始されるようになっている。このように、主制御内蔵WDTによる計時をタイマ設定値で設定された時間に達するまでにクリアして再び計時を開始するという処理を繰り返し行うことにより主制御MPU1310aの動作(システム)が正常動作しているか否かを監視することができる。
ステップS12に続いて、主制御MPU1310aは、停電クリア処理を行う(ステップS14)。この停電クリア処理では、ウェイトタイマ処理を行い、停電監視回路1310eからの停電予告信号が入力されているか否かを判定する。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧より小さくなると、停電監視回路1310eから停電予告として停電予告信号が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では同様に電圧が停電予告電圧より小さくなると、停電監視回路1310eから停電予告信号が入力される。そこで、ウェイトタイマ処理では、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。
ステップS14に続いて、主制御MPU1310aは、RAMクリアスイッチ1310fが操作されているか否かを判定する(ステップS16)。この判定では、主制御MPU1310aは、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)の論理がHIであるときにはRAMクリアを行うと判断してRAMクリアスイッチ1310fが操作されていないと判定する一方、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)の論理がLOWであるときにはRAMクリアを行うと判断してRAMクリアスイッチ1310fが操作されていると判定する。
ステップS16の判定において、主制御MPU1310aは、RAMクリアスイッチ1310fが操作されていると判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値1をセットする(ステップS18)。一方、ステップS16の判定において、主制御MPU1310aは、RAMクリアスイッチ1310fが操作されていないと判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGに値0をセットする(ステップS20)。つまり、主制御MPU1310aは、電源投入時から所定時間に亘って、主制御MPU1310aに内蔵されたRAM(つまり、主制御内蔵RAM)の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする。上述したRAMクリア報知フラグRCL−FLGは、主制御MPU1310aの主制御内蔵RAMに記憶されている、確率変動、未払い出し賞球等の遊技に関する遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報を消去するか否かを示すフラグであり、各種情報を消去するとき値1、各種情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS18及びステップS20でセットされたRAMクリア報知フラグRCL−FLGの値は、主制御MPU1310aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS18又はステップS20に続いて、主制御MPU1310aは、ウェイト時間待機処理を行う(ステップS22)。このウェイト時間待機処理では、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)まで待っている。本実施形態では、ブートするまでの待機時間(ブートタイマ)として2.5秒(s)が設定されている。
ステップS22に続いて、主制御MPU1310aは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS24)。上述したように、パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が停電監視回路1310eから入力される。ステップS24の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。ステップS24の判定において、主制御MPU1310aは、停電予告信号の入力があると判定したときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行う。これにより、ステップS12において起動した主制御内蔵WDTに対して主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDTによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDTにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされることとなる。その後、主制御MPU1310aは、この主制御側電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS24の判定がステップS22のウェイト時間待機処理に続いて行われる点についての詳細な説明を後述する。
ステップS24の判定において、主制御MPU1310aは、停電予告信号の入力がないと判定したときには、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0である否かを判定する(ステップS26)。RAMクリア報知フラグRCL−FLGは、上述したように、各種情報を消去するとき値1、各種情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。ステップS26において、主制御MPU1310aは、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0であるとき、つまり各種情報を消去しないと判定したときには、チェックサムの算出を行う(ステップS28)。このチェックサムは、主制御内蔵RAMに記憶されている各種情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS28に続いて、主制御MPU1310aは、算出したチェックサムの値(サム値)が後述する主制御側電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値(サム値)と一致しているか否かを判定する(ステップS30)。ステップS30において、主制御MPU1310aは、一致していると判定したときには、バックアップフラグBK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS32)。このバックアップフラグBK−FLGは、各種情報、チェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK−FLGの値等の遊技バックアップ情報を後述する主制御側電源断時処理において主制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、主制御側電源断時処理を正常に終了したとき値1、主制御側電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。なお、主制御基板1310の製造ラインの検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入される際における、ステップS28のチェックサムの算出と、ステップS30の判定と、についての詳細な説明を後述する。
ステップS32の判定において、主制御MPU1310aは、バックアップフラグBK−FLGが値1であるとき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了したと判定したときには、復電時として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS34)。この設定は、主制御MPU1310aに内蔵されたROM(つまり、主制御内蔵ROM)から復電時情報を読み出し、この復電時情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットする。これにより、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた各種コマンドを主制御内蔵RAMの所定記憶領域に記憶する。なお、「復電」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態のほかに、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態、不正手段(例えば、不正行為者が腕の裾に隠した高周波出力装置)からの高周波が主制御基板1310に照射されて主制御MPU1310a自体がリセットし、その後に復帰した状態も含める。
ステップS34に続いて、主制御MPU1310aは、バックアップフラグBK−FLGに値0をセットする(ステップS36)。これにより、これ以後の各種処理が行われることにより各種情報、チェックサムの値(サム値)等が変更されるため、後述する主制御側電源断時処理を正常に終了してバックアップフラグBK−FLGに値1がセットされないと、後述するように、主制御内蔵RAMの全領域がクリアされることとなる。
一方、ステップS26の判定において、主制御MPU1310aは、RAMクリア報知フラグRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり各種情報を消去すると判定したときには、又はステップS30の判定において、主制御MPU1310aは、チェックサムの値(サム値)が一致していないと判定したときには、又はステップS32の判定において、主制御MPU1310aは、バックアップフラグBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり主制御側電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、主制御内蔵RAMの全領域をクリアする(ステップS38)。ここでは、主制御MPU1310aは、値0を主制御内蔵RAMに書き込むことよって行う。なお、主制御MPU1310aは、初期値として主制御内蔵ROMから所定値を読み出して、セットしてもよい。また、主制御MPU1310aは、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)の論理がRAMクリアを指示するもので各種情報を消去するとき、サム値が一致していないとき、又は主制御側電源断時処理を正常に終了していないときには、主制御MPU1310aの不揮発性のRAMに予め記憶された固有のIDコードを取り出し、この取り出したIDコードに基づいて普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から常に同一の固定値を導出する初期値導出処理を行い、この固定値を、上述した普通図柄当り判定用乱数の初期値の決定に用いるための普通図柄当り判定用初期値決定用乱数にセットする。
ステップS38に続いて、主制御MPU1310aは、初期設定として主制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS40)。この設定は、主制御内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を主制御内蔵RAMの作業領域にセットされることにより実施される。これにより、遊技バックアップ情報が初期化され、例えばメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値は、初期値である値0に設定(セット)される。
ステップS36又はステップS40に続いて、主制御MPU1310aは、割り込み初期設定を行う(ステップS42)。この設定は、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では、4ミリ秒(ms)に設定されている。
ステップS42に続いて、主制御MPU1310aは、シリアル通信初期設定を行う(ステップS44)。ここでは、主制御MPU1310aに内蔵される各種シリアル入出力ポート(例えば、払出制御基板633に対するシリアル入出力ポート(受信チャンネル及び送信チャンネル)、周辺制御基板1510に対するシリアル入出力ポート(受信チャンネル及び送信チャンネル)に対応する、送信シリアルポートプリスケーラに通信速度の設定やパリティ有無の設定等を行うとともに、送信シリアルポートコントロールレジスタに送信回路の初期化の設定や送信許可の設定等を行う。
ステップS44に続いて、主制御MPU1310aは、試験信号出力ポート初期化設定を行う(ステップS46)。ここでは、遊技機の試験機関において、各種検査情報を出力するための図示しない試験信号出力ポートを、電源投入時に初期化設定(OFFデータ出力に設定)等を行う。
ステップS46に続いて、主制御MPU1310aは、主制御内蔵ハード乱数回路の起動設定を行う(ステップS48)。ここでは、遊技に関する各種乱数のうち、大当り遊技状態を発生させるか否かの決定に用いるための大当り判定用乱数を、ハードウェアにより更新するために主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数コントロールレジスタに乱数をラッチして取得するという設定等を行うとともに、ハード乱数設定レジスタに主制御内蔵ハード乱数回路の起動等を設定する。これらの設定により主制御内蔵ハード乱数回路が起動すると、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出し、予め定めた数値範囲内におけるすべての値を抽出し終えると、再び、予め定めた数値範囲内における一の値を抽出して、主制御MPU1310aに入力されるクロック信号に基づいて高速に予め定めた数値範囲内における他の値を重複することなく次々に抽出する。なお、主制御MPU1310aは、主制御内蔵ハード乱数回路から乱数(乱数値)を取得するときには、主制御内蔵ハード乱数回路にラッチ信号を出力し、このラッチ信号が入力された際における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した乱数(乱数値)を、主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得するようになっている。主制御MPU1310aは、この取得した乱数値を大当り判定用乱数としてセットする。
ステップS48に続いて、主制御MPU1310aは、電源投入時に送信するコマンドの予約設定を行う(ステップS50)。ここでは、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域には、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた各種コマンドが記憶されている場合もある。このような場合には、まず各種情報のうち遊技情報に応じた各種コマンドの送信完了後に、続いて電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが送信されることとなる。これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。なお、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われる点についての詳細な説明を後述する。
ステップS50に続いて、主制御MPU1310aは、割り込み許可設定を行う(ステップS52)。この設定によりステップS42で設定した割り込み周期、つまり4msごとに後述する主制御側タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS52に続いて、主制御MPU1310aは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS54)。パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、上述したように、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が停電監視回路1310eから主制御MPU1310aに入力される。ステップS54の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。
ステップS54の判定において、主制御MPU1310aは、停電予告信号の入力がないと判定したときには、非当落乱数更新処理を行う(ステップS56)。この非当落乱数更新処理では、上述した、リーチ判定用乱数、変動表示パターン用乱数、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数等を更新する。このように、非当落乱数更新処理では、当落判定(大当り判定)にかかわらない乱数をソフトウェアにより更新する。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数及び普通図柄変動表示パターン用乱数等もこの非当落乱数更新処理により更新される。
ステップS56に続いて、再びステップS54に戻り、主制御MPU1310aは、停電予告信号の入力があるか否かを判定し、この停電予告信号の入力がなければ、ステップS56で非当落乱数更新処理を行い、ステップS54〜ステップS56を繰り返し行う。
なお、このステップS54〜ステップS56の処理を「主制御側メイン処理」という。
一方、ステップS54の判定において、主制御MPU1310aは、停電予告信号の入力があったと判定したときには、割り込み禁止設定を行う(ステップS58)。この設定により後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われなくなり、主制御内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、上述した、遊技情報、及びその他の情報を含む各種情報の書き換えを保護している。
ステップS58に続いて、主制御MPU1310aは、停電クリア信号を出力開始する(ステップS60)。ここでは、ステップS14の停電クリア処理において停電クリア信号を出力開始した処理と同一の処理を行う。
ステップS60に続いて、主制御MPU1310aは、例えば、機能表示ユニット1400の各種表示器、始動口ソレノイド2412、アタッカソレノイド2414等に出力している駆動信号を停止する(ステップS62)。
ステップS62に続いて、主制御MPU1310aは、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS64)。このチェックサムは、上述したチェックサムの値(サム値)及びバックアップフラグBK−FLGの値の記憶領域を除く、主制御内蔵RAMの作業領域の遊技情報を数値とみなしてその合計を算出する。
ステップS64に続いて、主制御MPU1310aは、バックアップフラグBK−FLGに値1をセットする(ステップS66)。これにより、遊技バックアップ情報の記憶が完了する。
ステップS66に続いて、主制御MPU1310aは、RAMアクセス禁止の設定を行う(ステップS68)。このRAMアクセス禁止の設定により主制御内蔵RAMに対するアクセスが行うことができなくなることよって主制御内蔵RAMの内容の更新を防止することができる。
ステップS68に続いて、無限ループに入る。この無限ループでは、ステップS12において起動した主制御内蔵WDTに対して主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDTによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDTにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされることとなる。その後、主制御MPU1310aは、この主制御側電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS58〜ステップS68の処理及び無限ループを「主制御側電源断時処理」という。
主制御MPU1310aは、上述したように、電気的なノイズの影響を受けると、内蔵リセット回路による強制リセットがかかる。この場合、主制御MPU1310aは、ステップS54の判定を行うことができず、主制御側電源断時処理を行うことができない。このため、主制御MPU1310aは、内蔵リセット回路による強制リセットがかかると、主制御側電源断時処理を実行することなく、リセットがかかり、再び、主制御側電源投入時処理を実行することとなる。つまり、主制御側電源断時処理が実行されないことにより、内蔵リセット回路による強制リセットがかかる直前に基づく主制御側電源断時処理におけるチェックサムの値(サム値)が記憶されていないため、前回電源遮断時において主制御側電源断時処理が実行されて記憶されたチェックサムの値(サム値)と、内蔵リセット回路による強制リセットがかかって再起動するときにステップS28で算出したチェックサムの値(サム値)と、が一致するはずがなく、必ず主制御内蔵RAMのチェックサム(サム値)エラーとなって、ステップS38の処理において主制御内蔵RAMの内容が完全に消去(クリア)されることとなる。
パチンコ機1(主制御MPU1310a)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により、この主制御側電源投入時処理を行う。
なお、ステップS30では主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS32では主制御側電源断時処理が正常に終了された否かを検査している。このように、主制御内蔵RAMに記憶されている遊技バックアップ情報を2重にチェックすることにより遊技バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
ここで、ステップS24の停電予告信号の有無の判定をステップS22のウェイト時間待機処理に続いて行う点について説明する。まず、ステップS24の停電予告信号の有無の判定がない場合における問題点について、つまりステップS22のウェイト時間待機処理に続いてステップS26のRAMクリアフラグの値の判定を行ってその後の処理をすすめる場合における問題点について説明する。
主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子には、上述したように、停電又は瞬停が発生して遊技ホールの島設備からの電源が遮断された場合に、図196に示した電解コンデンサMC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って直流+5Vとして印加されるようになっている。つまり、瞬停や停電により遊技ホールの島設備からの電源が遮断された状態であっても、電解コンデンサMC2というハードウェアに充電された電荷が直流+5Vとして印加されることにより、遊技ホールの島設備からの電源が遮断されてから約7msという時間が経過するまでの期間内に、主制御側電源断時処理を完了することができるようになっている。これは、遊技者が遊技を行っている際に、つまり、主制御側メイン処理又は後述する主制御側タイマ割り込み処理を行っている際に、停電又は瞬停が発生して遊技ホールの島設備からの電源が遮断された場合において、主制御側電源断時処理を確実に完了することができるようになっている。
ところが、極めて稀な現象として、復電時にステップS22のウェイト時間待機処理において、周辺制御基板1510の描画制御を行うシステムが起動する(ブートする)までの待機時間(ブートタイマ:本実施形態では、2.5秒が設定されている。)を計時開始し、その待機時間に達する直前で、仮に瞬停又は停電が発生すると、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子に電解コンデンサMC2というハードウェアに充電された電荷が直流+5Vとして印加されるものの、約7msという期間内に、ステップS42で割り込み初期設定が行われ、その後、ステップS52で割り込み許可設定が行われることにより、後述する主制御側タイマ割り込み処理が行われて、主制御内蔵RAMの内容が更新されても、主制御側電源投入時処理における主制御側電源断時処理を完了することができなくなる場合がある。このため、主制御内蔵RAMの内容に基づく、チェックサムを算出した値が記憶されることなく再び復電時に主制御側電源投入時処理を開始することとなる。
そうすると、今回の復電時において主制御側電源投入時処理を開始して、瞬停や停電が発生することなく、ステップS22のウェイト時間待機処理を完了し、その後、ステップS28で主制御内蔵RAMの内容に基づくチェックサムを算出した値と、瞬停又は停電が発生した直前における主制御内蔵RAMに記憶されている値と、をステップS30で比較判定すると、チェックサムの値が一致するはずがなく、ステップS38で主制御内蔵RAMの全領域をクリアすることなる。換言すると、復電時にRAMクリアスイッチ1310fが遊技ホールの店員等の係員により操作されてRAMクリアという遊技ホールの店員等の係員による意思表示がなくても、強制的に主制御内蔵RAMに記憶されている上述した遊技バックアップ情報を消去(クリア)することとなるという問題がある。
そこで、本実施形態では、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップS24として設けて、停電予告信号が入力されているときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うようになっている。これにより、ステップS12において起動した主制御内蔵WDTに対して主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDTによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDTにより主制御MPU1310aが強制的にリセットさせることができるようになっている。ステップS22のウェイト時間待機処理を行う前に、ステップS18又はステップS20においてRAMクリア報知フラグRCL−FLGに値が設定されるものの、RAMクリア報知フラグRCL−FLGの値は、上述したように、主制御MPU1310aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶されるため、ステップS10でRAMアクセス許可の設定が行われていても、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報)が全く変更されない。
このように、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップS24として設けて、停電予告信号が入力されているときには(つまり、ステップS22のウェイト時間待機処理で待機した後にパチンコ機1への電源が遮断されるとステップS24の判定により判定されたときには)、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うことにより、主制御基板1310の主制御MPU1310aを強制的にリセットして主制御基板1310を再起動することができるようになっているため、遊技の進行を行うことができず、遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報が更新されることを防止することができ、チェックサムの算出結果に変動が生ずることがないようになっている。これにより、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、再起動した際に、ステップS28のチェックサムの算出結果と、ステップS64のチェックサムの算出記憶した値と、が一致していると判定することとなるため、主制御内蔵RAMに記憶保持される瞬停や停電が発生する直前の遊技情報を初期化することがない。したがって、復電時において、瞬停や停電が発生する直前の遊技情報が初期化されることを防止することができる。
また、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、停電予告信号が入力されているか否かの判定を行う処理をステップS24として設けて、停電予告信号が入力されていないときには(つまり、ステップS22のウェイト時間待機処理で待機した後にパチンコ機1への電源が遮断されないとステップS24の判定により判別されたときには)、主制御基板1310の主制御MPU1310aが遊技の進行を行っている際に、パチンコ機1への電源が遮断されても、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子に、電解コンデンサMC2による電源の供給により、この遊技の進行による遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報を記憶するためのバックアップ処理であるステップS58〜ステップS68の処理及び無限ループにより構成される主制御側電源断時処理を主制御基板1310の主制御MPU1310aが完了することができるようになっているため、主制御MPU1310aの主制御MPU1310aは、再起動した際に、ステップS28のチェックサムの算出結果と、バックアップ処理においてチェックサムの算出結果(つまり、ステップS64のチェックサムの算出記憶した値)と、が一致していると判定することとなるため、主制御内蔵RAMに記憶保持される瞬停や停電が発生する直前の遊技情報を初期化することがない。つまり、瞬停や停電が発生する直前の遊技情報に復元されて主制御基板1310を起動することができるようになっている。
更に、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、ステップS24で停電予告信号が入力されていると判定したときには主制御内蔵WDTにより主制御MPU1310aが強制的にリセットさせることで主制御内蔵RAMの内容を全く更新することなく再び主制御側電源断時処理を開始することができる一方、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後に、ステップS24で停電予告信号が入力されていないと判定したときにはこれまで通りハードウェアによる約7msという「瞬停又は停電時電源確保期間」以内に主制御側電源断時処理を確実に完了することができるようになっている。つまり、本実施形態では、復電時に主制御側電源投入時処理を行っている際に瞬停や停電が発生して遊技ホールの島設備からの電源が遮断された場合であって、主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子に、電解コンデンサMC2に充電された電荷が停電又は瞬停が発生してから約7ミリ秒(ms)という期間に亘って直流+5Vとして印加されるようになっているため、電解コンデンサMC2というハードウェアによる約7msという「瞬停又は電源確保期間」内において主制御側電源断時処理を完了することができない場合においては、ステップS22のウェイト時間待機処理の直後におけるステップS24で停電予告信号が入力されているか否かの判定を行い、停電予告信号が入力されているときには、ステップS24の判定に再び戻り、停電予告信号の入力があり続ける限り、ステップS24の判定を繰り返し行うことにより、ステップS12において起動した主制御内蔵WDTに対して主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットし、主制御内蔵WDTによる計時をクリアして再び計時を開始させることができなくなることによって、主制御内蔵WDTにより主制御MPU1310aが強制的にリセットさせることができるようになっている。
このようなソフトウェアによる主制御内蔵WDTにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされることでステップS24より後のステップ(具体的には、ステップS42で割り込み初期設定を行って、その後に、ステップS52で割り込み許可を設定して後述する主制御側タイマ割り込み処理を開始するという制御フロー)への進行を阻止することで主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が更新されることを回避することができるという仕組みを採用した。このように停電又は瞬停が発生して遊技ホールの島設備からの電源が遮断された際に、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が全く変更されないようにソフトウェアで賄う部分と、主制御側電源断時処理を確実に完了して主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が全く変更されないようにハードウェアで賄う部分と、に2つに分けて構成することにより、主制御内蔵RAMの内容(遊技情報、及びその他の情報(例えば、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を示す情報等)を含む各種情報)が変更されることを確実に防止することができるようになっている。
次に、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われる点について説明する。ステップS50では、上述したように、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。この電源投入時主制御復帰先コマンドは、始動口ソレノイド2412の駆動状態を指示する情報と、アタッカソレノイド2414の駆動状態を指示する情報と、から主として構成されている。ここでは、まず電源投入時主制御復帰先コマンドに、始動口ソレノイド2412の駆動状態を指示する情報と、アタッカソレノイド2414の駆動状態を指示する情報と、が含まれていない場合における問題点、つまり、ステップS50において電源投入時主制御復帰先コマンドが電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われない場合における問題点について説明する。
例えば、周辺制御基板1510が大当り遊技状態の画面(例えば、大当り遊技演出の画面)を演出表示装置1600の表示領域に表示制御している際に、主制御基板1310がアタッカソレノイド2414を駆動して大入賞口2005が開閉部材により開放されているときに瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、主制御基板1310は、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、瞬停又は停電が発生する直前の遊技状態に復元されることにより、アタッカソレノイド2414の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行することとなる。
ところが、瞬停や停電が発生すると、周辺制御基板1510は、復電時において、主制御基板1310からの各種コマンドを受信して復帰するようになっているため、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて復帰することができる。しかし、主制御基板1310が遊技状態として大当り遊技状態を発生させているときに、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて、確率及び時短状態に応じて画面を演出表示装置1600の表示領域に表示して復帰することができても、大当り遊技状態のどのラウンドであるか全く表示することができない。つまり、例えば大入賞口2005に遊技球が入球して大入賞口センサ2403によって検出され、大入賞口2005に入球した遊技球の球数を伝える大入賞口1カウント表示コマンドを主制御基板1310が周辺制御基板1510に送信して周辺制御基板1510が受信したとしても、周辺制御基板1510は、確率及び時短状態に応じて画面に大入賞口2005に入球した遊技球の球数が演出表示装置1600の表示領域に表示することができても、大当り遊技状態のどのラウンド(つまり、何回目のラウンド)であるか全く表示することができない。
このような状況において、主制御基板1310は、例えば大当り遊技状態の4ラウンド(4回目のラウンド)を終了するときには、アタッカソレノイド2414の駆動を停止して大入賞口2005が開閉部材により開放されている状態から閉鎖されている状態へ移行する旨(つまり、アタッカユニット2100の大入賞口2005のラウンド間の閉鎖開始)を指示する大入賞口1閉鎖表示コマンドを主制御基板1310から周辺制御基板1510に送信し、主制御基板1310が大当り遊技状態の5ラウンド(5回目のラウンド)を開始するときには、アタッカソレノイド2414の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行する旨(つまり、大入賞口2005の5回目のラウンドの開放開始)を指示する大入賞口開放5回目表示コマンドを主制御基板1310から周辺制御基板1510へ送信する。これにより、周辺制御基板1510は、大当り遊技状態の5ラウンドの開始という画面を、上述した確率及び時短状態に応じた画面からようやく切り替えて演出表示装置1600の表示領域に表示することとなる。
また、例えば、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている旨を伝える画面(例えば、可動片が開いている旨を遊技者に伝える画面)を周辺制御基板1510が演出表示装置1600の表示領域に表示制御している際に、主制御基板1310が始動口ソレノイド2412を駆動して可動片を開動作させて第二始動口2004を開放する状態となっているときに瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、主制御基板1310は、ステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、瞬停又は停電が発生する直前の遊技状態に復元されることにより、始動口ソレノイド2412の駆動を開始して可動片を閉動作させて第二始動口2004を閉鎖する状態へ移行することとなる。
ところが、瞬停や停電が発生すると、周辺制御基板1510は、復電時において、主制御基板1310からの各種コマンドを受信して復帰するようになっているため、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに基づいて復帰することができる。しかし、主制御基板1310が遊技状態として第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態を発生させているときに、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、周辺制御基板1510は、復電時において主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドが指示する確率及び時短状態に基づいて、確率及び時短状態に応じて画面を演出表示装置1600の表示領域に表示して復帰することができても、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている旨を伝える画面を周辺制御基板1510が演出表示装置1600の表示領域に全く表示することができない。このため、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生したことに驚いて、復電時において、瞬停や停電が発生する直前における第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態であることを忘れている場合もあり、このような場合には、復電時における遊技状態として第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態に復帰されているにもかかわらず、復電時に演出表示装置1600の表示領域に遊技を指示する画面(つまり、第二始動口2004へ遊技球を入球させるという遊技を指示する画面)が表示されないことにより、遊技者がどのような遊技を行えば分からなくなるという問題もあった。
このように、上述した2つの例においては、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができないという問題があった。換言すると、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、パチンコ機のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に見えて故障したと勘違いするという問題があった。
そこで、本実施形態では、主制御基板1310が電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)において、電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとを周辺制御基板1510に送信するために、ステップS50において、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶するようになっている。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。
これにより、周辺制御基板1510は、主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドと電源投入時主制御復帰先コマンドとに基づいて、例えば、上述した例では、大当り遊技状態の4ラウンドにおいて、瞬停や停電が発して、その後に復電すると、主制御基板1310の復帰先として、アタッカソレノイド2414の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材により閉鎖されている状態から開放されている状態へ移行する旨を周辺制御基板1510に伝えることができるため、周辺制御基板1510は、大当り遊技状態の4ラウンドである旨を特定した画面(つまり、何回目のラウンドであるかを示す画面)を演出表示装置1600の表示領域に表示することができないものの、大当り遊技状態であってアタッカソレノイド2414の駆動を開始して大入賞口2005が開閉部材により開放されている状態である旨を伝える画面(例えば、「大当りです。大入賞口が開放されています。大入賞口に遊技球を入球させるように遊技を行ってください。」というメッセージを遊技者に伝える画面)を演出表示装置1600の表示領域に表示してパチンコ機の前面に着座する遊技者に復電後において大入賞口2005に遊技球を入球させるという遊技を指示することができるし、また例えば、上述した例では、第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態となっている状態において、瞬停や停電が発して、その後に復電すると、主制御基板1310の復帰先として、始動口ソレノイド2412の駆動を開始して可動片を開動作させて第二始動口2004を開放させた状態となっている旨を伝える画面(例えば、「可動片が開いています。第二始動口に遊技球を入球させるように遊技を行ってください。」というメッセージを遊技者に伝える画面)を周辺制御基板1510が演出表示装置1600の表示領域に表示してパチンコ機の前面に着座する遊技者に復電後において第二始動口2004へ遊技球を入球させるという遊技を指示することができる。
これにより、瞬停や停電が発して、その後に復電する際に、周辺制御基板1510の復帰先を主制御基板1310側で細かく指示することができる。したがって、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができる。換言すると、パチンコ機の前面に着座する遊技者は、瞬停や停電が発生して、その後に復電すると、パチンコ機のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に見えて故障したと勘違いすることを防止することができる。
次に、主制御基板1310の製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入される際における、ステップS28のチェックサムの算出と、ステップS30の判定と、について説明する。主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、上述した、バックアップ処理であるステップS58〜ステップS68の処理及び無限ループにより構成される主制御側電源断時処理を主制御基板1310の主制御MPU1310aは、一度も実行していない状態であるため、ステップS28で主制御内蔵RAMの内容に基づくチェックサムを算出しても、ステップS30で比較判定において、チェックサムの値が一致するはずがなく、ステップS38で主制御内蔵RAMの全領域を必ずクリアすることなる。
これにより、ステップS50において電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われると、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶することにより、電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドという3つのコマンドのみが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶される状態となる。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において、まず電源投入時状態コマンドが送信され、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドが送信され、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが送信されるようになっている。これを利用して、主制御基板検査工程においては、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、主制御基板1310から最初のコマンドとして電源投入時状態コマンドが主制御基板検査工程の検査装置へ送信されることとなる。
ところで、電源投入時状態コマンドは、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、RAMクリアスイッチ1310fが操作されてRAMクリアを行う場合にその旨を指示する情報と、電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)に、上述した、低確率時短状態、高確率時短状態、低確率非時短状態、及び高確率非時短状態のうち、いずれの状態(確率及び時短状態)で復帰するかを指示する情報と、パチンコ機の機種コードを示す情報と、から構成されている。ここでは、電源投入時状態コマンドにパチンコ機の機種コードを示す情報が含まれていない場合における問題点について説明する。
パチンコ機の機種コードは、パチンコ機1(正確には、主制御基板1310)として、いわゆる、マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプをそれぞれ作成するときに、どの作品の版権に対するものであるのか、どのような遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定(例えば、30回や70回)された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(いわゆる、ST機)など))であるのか、を特定することができるものである。
パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいては、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在する場合がある。そうすると、製造ラインの作業者は、複数種類の作品の版権(例えば、映画A、映画B、ドラマC、映画D、漫画E、及び漫画Fという作品の版権)のうち、どの作品の版権に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているのか分からなくなったり、複数種類の作品の版権のうち、一の版権(例えば、映画Dという作品の版権)に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているにもかかわらず、他の版権(例えば、漫画Fという作品の版権)に対する主制御基板1310を製造するために主制御基板1310が製造ラインに流れているという思い込みや勘違いもある。
このため、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在すると、製造ラインの作業者は、製造ラインで製造した主制御基板1310がどの作品の版権に対するものなのかを確認することができないし、同一作品の版権に対しても、どの機種タイプ(マックスタイプ、ミドルタイプ、甘デジタイプのうち、いずれのタイプ)であるのか、そしてどのような遊技仕様(確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様やST機)であるのかを確認することもできない。
これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在すると、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在したまま、遊技盤5に主制御基板1310を取り付けるための遊技盤組立ラインへ送られることとなる。このため、遊技盤組立ラインの作業者は、作品の版権に対する遊技盤5と対応しない主制御基板1310を遊技盤5に取り付ける場合もあった。これにより、結果として、遊技盤5の生産効率が低下するという問題があった。
そこで、本実施形態では、主制御基板1310が電源投入時(電源投入する場合のほかに、停電や瞬停が発生して電力が回復する復電時も含む。)において、パチンコ機の機種コードを示す情報を含む電源投入時状態コマンドを周辺制御基板1510に送信するために、ステップS50において、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶するようになっている。そして、これらのコマンドは、後述する主制御側タイマ割り込み処理において送信されるようになっている。
これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインの作業者は、製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、主制御基板1310を電源投入することにより、検査装置が主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに含まれるパチンコ機の機種コードを示す情報に基づいて、つまり、パチンコ機の機種コードを示す情報を構成する、上述した、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、に基づいて、検査モニタに表示する詳細な機種情報を目視することにより、主制御基板1310がどの作品の版権に対するものなのかを判別することができるとともに、同一作品の版権に対しても、どの機種タイプ(マックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプ)であるのか、そしてどのような遊技仕様(確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様やST機)であるのかを判別することもできるようになっている。
これにより、パチンコ機1を製造するメーカの製造ラインにおいて、主制御基板1310を製造する際に、複数種類の作品の版権に対する主制御基板1310が混在しても、製造ラインの主制御基板検査工程の作業者は、検査モニタを目視して主制御基板1310の機種タイプ、作品の版権、及び遊技仕様を正確に判別することができることによって、作品の版権に対する主制御基板1310ごとに分別して後続の遊技盤組立ラインへ送ることができる。そして、遊技盤組立ラインの作業者は、作品の版権に対する遊技盤5と対応する主制御基板1310を遊技盤5に確実に取り付けることができ、作品の版権に対する遊技盤5と対応しない主制御基板1310を遊技盤5に取り付けるという作業によって生ずる遊技盤5の生産効率の低下を防止することができる。したがって、遊技盤5の生産効率の向上に寄与することができる。
[15−3.主制御側タイマ割り込み処理]
次に、主制御側タイマ割り込み処理について説明する。この主制御側タイマ割り込み処理は、図210及び図211に示した主制御側電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、4ms)ごとに繰り返し行われる。
主制御側タイマ割り込み処理が開始されると、主制御MPU1310aは、図212に示すように、レジスタバンクの切替を行う(ステップS100)。主制御MPU1310aの汎用記憶素子(汎用レジスタ)には、第1のレジスタバンクと第2のレジスタバンクとから構成される2つのレジスタバンクがある。第1のレジスタバンクは上述した主制御側電源投入時処理における主制御メイン処理において使用される一方、第2のレジスタバンクは本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理において使用される。ステップS100では、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理において第2のレジスタバンクを使用するため、主制御側電源投入時処理における主制御メイン処理において使用されている第1のレジスタバンクから第2のレジスタタンクへのレジスタバンクの切り替えを行う。なお、本実施形態では、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理が開始されるときに、各レジスタをスタックに退避する処理は必要ないようになっている。
ステップS100に続いて、主制御MPU1310aは、タイマ減算処理を行う(ステップS102)。このタイマ減算処理では、例えば、後述する特別図柄及び特別電動役物制御処理で決定される変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器及び第二特別図柄表示器が点灯する時間、後述する普通図柄及び普通電動役物制御処理で決定される普通図柄変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の普通図柄表示器が点灯する時間のほかに、主制御基板1310(主制御MPU1310a)が送信した各種コマンドを払出制御基板633が正常に受信した旨を伝える払主ACK信号が入力されているか否かを判定する際にその判定条件として設定されているACK信号入力判定時間等の時間管理を行う。具体的には、変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間が5秒間であるときには、タイマ割り込み周期が4msに設定されているので、このタイマ減算処理を行うごとに変動時間を4msずつ減算し、その減算結果が値0になることで変動表示パターン又は普通図柄変動表示パターンの変動時間を正確に計っている。
本実施形態では、ACK信号入力判定時間が100msに設定されている。このタイマ減算処理を行うごとにACK信号入力判定時間が4msずつ減算し、その減算結果が値0になることでACK信号入力判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種時間及びACK信号入力判定時間は、時間管理情報として主制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS102に続いて、主制御MPU1310aは、スイッチ入力処理を行う(ステップS104)。このスイッチ入力処理では、主制御MPU1310aの各種入力ポートの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。具体的には、主制御MPU1310aは、例えば、ゲートセンサ2506からの検出信号、一般入賞口センサ3001からの検出信号、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ主側3002aからの検出信号、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ従側3002bからの検出信号、第二始動口センサ2402からの検出信号、大入賞口センサ2403からの検出信号、一般入賞口センサ2401からの検出信号、磁気センサ3003からの検出信号、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)、後述する賞球制御処理で送信した賞球コマンドを払出制御基板633が正常に受信した旨を伝える払出制御基板633からの払主ACK信号、をそれぞれ読み取り、入力情報として主制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。また、第一始動口センサ3002からの検出信号、第二始動口センサ2402からの検出信号をそれぞれ読み取ると、これと対応するその他に区分される始動口入賞コマンドを送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。つまり、第一始動口センサ3002からの検出信号からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶されるし、第二始動口センサ2402からの検出信号があると、これと対応する始動口入賞コマンドが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶されるようになっている。
なお、本実施形態では、主制御MPU1310aの各種入力ポートのすべての入力端子に入力されている状態(空き端子処理が施されているものも含める。)は、このスイッチ入力処理が開始されると、まず1回目としてそれぞれ読み取られ、所定時間(例えば、10μs)経過した後、2回目としてそれぞれ再び読み取られる。そして、この2回目に読み取られた結果と、1回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを判定する。同結果でないものについては、さらに、3回目として再び読み取られ、この3回目に読み取られた結果と、2回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果でないものについては、さらに、4回目として再び読み取られ、この4回目に読み取られた結果と、3回目に読み取られた結果と、を比較する。この比較結果のうち、同結果となっているものがあるか否かを再び判定する。同結果とならいものについては、遊技球の入球がないものとして扱う。
このように、スイッチ入力処理では、主制御MPU1310aの各種入力ポートのすべての入力端子に入力されている状態(空き端子処理が施されているものも含める。)を、1回目〜3回目に亘って比較する2度読み取りと、2回目〜4回目に亘って比較する2度読み込みと、による計2回の2度読み取りを行うことによって、チャタリングやノイズ等の影響による誤検出を回避することができるようになっているため、ゲートセンサ2506からの検出信号、一般入賞口センサ3001からの検出信号、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ主側3002aからの検出信号、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ従側3002bからの検出信号、第二始動口センサ2402からの検出信号、大入賞口センサ2403からの検出信号、一般入賞口センサ2401からの検出信号、磁気センサ3003からの検出信号、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)、後述する賞球制御処理で送信した賞球コマンドを払出制御基板633が正常に受信した旨を伝える払出制御基板633からの払主ACK信号の信頼性を高めることができる。
ステップS104に続いて、主制御MPU1310aは、入力端子不具合監視処理を行う(ステップS105)。この入力端子不具合監視処理では、主制御MPU1310aの各種入力ポートの入力端子のうち、空き端子処理が施されているものの状態を、ステップS104のスイッチ入力処理において取得した情報に基づいて行う。具体的には、例えば、主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA7は、空き端子処理としてグランド(GND)に接地されているため、常に論理状態がLOWとなっている。そこで、入力端子不具合監視処理では、各種入力ポートの入力端子のうち、空き端子処理が施されている入力端子の論理状態がLOWとなっているか否かをステップS104のスイッチ入力処理において取得した情報に基づいて行う。主制御MPU1310aは、空き端子処理が施されている入力端子の論理状態がLOWとなっていないと判定したときには、主制御MPU1310aの周辺回路に不具合が発生している旨を伝える報知表示に区分される不具合コマンドを送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶する。
ステップS105に続いて、主制御MPU1310aは、当落乱数更新処理を行う(ステップS106)。この当落乱数更新処理では、上述した、大当り図柄用乱数、及び小当り図柄用乱数を更新する。またこれらの乱数に加えて、図211に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS56の非当落乱数更新処理で更新される、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数も更新する。
これらの大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数は、主制御側メイン処理及びこの主制御側タイマ割り込み処理においてそれぞれ更新されることでランダム性をより高めている。これに対して、大当り図柄用乱数、及び小当り図柄用乱数は、当落判定(大当り判定)にかかわる乱数であるためこの当落乱数更新処理が行われるごとにのみ、それぞれのカウンタがカウントアップする。なお、上述した、普通図柄当り判定用乱数、普通図柄当り判定用初期値決定用乱数もこの当落乱数更新処理により更新される。
例えば、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタは、上述したように、初期値更新型のカウンタであり、最小値から最大値までに亘る予め定めた固定数値範囲内において更新され、この最小値から最大値までに亘る範囲を、この主制御側タイマ割り込み処理が行われるごとに値1ずつ加算されることでカウントアップする。普通図柄当り判定用初期値決定用乱数から最大値に向かってカウントアップし、続いて最小値から普通図柄当り判定用初期値決定用乱数に向かってカウントアップする。普通図柄当り判定用乱数の最小値から最大値までに亘る範囲をカウンタがカウントアップし終えると、この当落乱数更新処理により大当り判定用初期値決定用乱数は更新される。普通図柄当り判定用初期値決定用乱数は、普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの固定数値範囲から一の値を抽選する初期値抽選処理を実行して得ることができるようになっている。
本実施形態では、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数を、図211に示した主制御側電源投入時処理(主制御側メイン処理)におけるステップS56の非当落乱数更新処理、及び本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS106の当落乱数更新処理でそれぞれ更新しているが、割り込みタイマが発生するごとに本ルーチンの処理時間にムラが生じて次の割り込みタイマが発生するまでの残り時間内において主制御側メイン処理を繰り返し実行することによりステップS56の非当落乱数更新処理の実行回数がランダムとなる場合には、大当り図柄用初期値決定用乱数、及び小当り図柄用初期値決定用乱数をステップS56の非当落乱数更新処理においてのみ更新する仕組みとしてもよい。
ステップS106に続いて、主制御MPU1310aは、賞球制御処理を行う(ステップS108)。この賞球制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて遊技球を払い出すための賞球コマンドを作成したり、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の接続状態を確認するためのセルフチェックコマンドを作成したりする。そして作成した賞球コマンドやセルフチェックコマンドを主払シリアルデータとして払出制御基板633に送信する。例えば、大入賞口2005に遊技球が1球、入球すると、賞球として15球を払い出す賞球コマンドを作成するとともに、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達しているため、その旨を伝えるためにメイン賞球数情報出力信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶し、賞球コマンドを払出制御基板633に送信したり、この賞球コマンドを払出制御基板633が正常に受信完了した旨を伝える払主ACK信号が所定時間内に入力されないときには主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の接続状態を確認するセルフチェックコマンドを作成して払出制御基板633に送信したりする。
また、ステップS108の賞球制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達している場合には、その旨を伝えるためにその他に区分されるメイン賞球数情報出力コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶する。メイン賞球数情報出力コマンドは、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値に基づいて作成されるようになっている。このメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値は、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、つまり遊技盤5に設けられる一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、及び大入賞口2005等の各種入賞口(以下、「遊技盤5に設けられる各種入賞口」と記載する。)に入球した遊技球に基づいて、賞球として払い出す予定の遊技球の球数をカウントするものであり、ステップS108の賞球制御処理において、主制御内蔵RAMの賞球予定情報記憶領域に記憶更新されるようになっている。ステップS108の賞球制御処理では、主制御内蔵RAMの賞球予定情報記憶領域に記憶されるメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値を読み出し、この読み出したメイン賞球数情報出力判定用カウンタの値に、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、賞球として払い出す予定の遊技球の球数を加算し、この加算した球数を示す値が値10を超えているときには(つまり、賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達しているときには)、その旨を伝えるためにメイン賞球数情報出力コマンドを作成し、送信情報として出力情報記憶領域に記憶するとともに、その超えた球数を示す値を、メイン賞球数情報出力判定用カウンタの値として、上述した主制御内蔵RAMの賞球予定情報記憶領域に記憶更新するようになっている。
ステップS108に続いて、主制御MPU1310aは、枠コマンド受信処理を行う(ステップS110)。払出制御基板633は、状態表示に区分される1バイト(8ビット)の各種コマンド(例えば、枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド)を送信する。枠コマンド受信処理では、各種コマンドを払主シリアルデータとして正常に受信すると、その旨を払出制御基板633に伝える情報を、出力情報として主制御内蔵RAMの出力情報記憶領域に記憶する。また、主制御MPU1310aは、その正常に払主シリアルデータとして受信したコマンドを2バイト(16ビット)のコマンドに整形し(状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド、及び枠状態2コマンド))、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
ステップS110に続いて、主制御MPU1310aは、不正行為検出処理を行う(ステップS112)。この不正行為検出処理では、賞球に関する異常状態を確認する。例えば、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出し、第一始動口センサ主側3002aからの検出信号の論理と第一始動口センサ従側3002bからの検出信号の論理とを比較し、両者の論理が異なる場合には、柔軟な紐状の操作線(糸、ピアノ線、ワイヤーあるいはカテーテル等の線状部材)を取付けた不正球(遊技球か又はそれとほぼ同径の金属球又はそれとほぼ同径の合成樹脂球)を用いた電波照射による不正行為(以下、「電波照射ゴト」と記載する。)が行われていると判断し、電波照射ゴトカウンタの値を値1だけ加算(インクリメント)する。この電波ゴトカウンタの値は、不正行為検出処理において電波照射ゴトが行われると判断されるごとに、インクリメントされるものであり、RAMクリアされると、初期値として値0(ゼロ)がセットされるようになっている。電波照射ゴトカウンタの値が上限値に達すると(本実施形態では、不正行為検出処理が主制御側タイマ割り込み処理が行われる割り込み周期である4msに基づいて、上限値として値250が設定されている。)、電波照射ゴトが行われている旨を伝える報知表示に区分される電波照射ゴト報知コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
ここで、電波照射ゴトについて簡単に説明すると、柔軟な紐状の操作線(糸、ピアノ線、ワイヤーあるいはカテーテル等の線状部材)を取付けた不正球(遊技球か又はそれとほぼ同径の金属球又はそれとほぼ同径の合成樹脂球)を、上皿201から球送給ユニット140を介して球発射装置540により遊技領域5a内に打込み、第一始動口2002へ侵入させるとともに、第一始動口センサを通過する遊技球を検知する領域(第一始動口センサの球通過検知領域)に、その遊技球を停留させた状態で電波照射を行う。これにより、第一始動口センサの球通過検知領域に遊技球が停留された状態において、電波照射が行われると(つまり、電波照射ONすると)、第一始動口センサからの検出信号の論理が遊技球を検知していないという論理となる一方、電波照射が行われなくなると(つまり、電波照射OFFすると)、第一始動口センサからの検出信号の論理が遊技球を検知したという論理となる。つまり、第一始動口センサの球通過検知領域に遊技球が停留された状態において、電波照射ONしたり、電波照射OFFしたり、することを繰り返すことによって、第一始動口センサの球通過検知領域に複数の遊技球が通過したという信号を、擬似的に作成して第一始動口センサから主制御基板4100へ出力することができることとなる。
そこで、本実施形態では、このような電波照射ゴトを発見することができるように、第一始動口センサ主側3002aと第一始動口センサ従側3002bとを誤検出防止距離寸法よりも大きい寸法距離(本実施形態では、43mm)だけ離間して配置した。これにより、仮に、柔軟な紐状の操作線を取付けた不正球を、上皿201から球送給ユニット140を介して球発射装置540により遊技領域5a内に打込み、第一始動口2002へ侵入させて、第一始動口センサ主側3002aを通過する遊技球を検知する領域(第一始動口センサ主側3002aの球通過検知領域)、又は第一始動口センサ従側3002bを通過する遊技球を検知する領域(第一始動口センサ従側3002bの球通過検知領域)に、停留させた状態を形成することができたとしても、不正行為を行う遊技者が電波照射ONしたり、電波照射OFFしたり、することを繰り返すことによって、第一始動口センサ主側3002aからの検出信号の論理と、第一始動口センサ主側3002bからの検出信号の論理と、が必ず異なる論理とすることができ、電波照射ゴトカウンタの値が上限値に達すると、電波照射ゴトが行われている旨を伝える報知表示に区分される電波照射ゴト報知コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶することができるようになっている。本実施形態では、このような仕組みによって電波照射ゴトを確実に検出して報知することにより、遊技ホールの店員等の係員が電波照射ゴトを早い段階で発見することができることに寄与することができるようになっている。
また、ステップS112の不正行為検出処理では、例えば、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出し、大当り遊技状態でない場合に大入賞口センサ2403からの検出信号が入力されているとき(大入賞口2005に遊技球が入球するとき)等には、異常状態として報知表示に区分される入賞異常表示コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶する。
ステップS112に続いて、主制御MPU1310aは、特別図柄及び特別電動役物制御処理を行う(ステップS114)。この特別図柄及び特別電動役物制御処理では、主制御内蔵ハード乱数回路にラッチ信号を出力し、ラッチ信号が入力された際における主制御内蔵ハード乱数回路が抽出した乱数(乱数値)を、主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得し、この取得した乱数値を大当り判定用乱数としてセットする。そして大当り判定用乱数(つまり、主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得した乱数値)と、主制御内蔵ROMに予め記憶されている大当り判定値と、が一致するか否かを判定(大当り遊技状態を発生させるか否かを判定(「特別抽選」という。))したり、大当り図柄用乱数を更新するカウンタの値を取り出して主制御内蔵ROMに予め記憶されている確変当り判定値と一致するか否かを判定(確率変動を発生させるか否かの判定)したりする。
ここで、「確率変動」とは、大当りする確率が通常時(低確率)と比べて高く設定された高確率(確変時)に変化することである。本実施形態では、大当り判定値の範囲(大当り判定範囲)として、低確率では値32668〜値32767が設定されており、通常時判定テーブルから読み出されるのに対して、高確率では値31768〜値32767が設定されており、確変時判定テーブルから読み出される。このように、ステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理では、大当り判定用乱数(つまり、主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得した乱数値)と、主制御内蔵ROMに予め記憶されている大当り判定値と、が一致するか否かを判定するときには、大当り判定用乱数(つまり、主制御MPU1310aに内蔵されるハード乱数ラッチレジスタから取得した乱数値)が大当り判定範囲に含まれているか否かにより行う。
これらの判定結果(抽選結果)が第一始動口センサ3002によるものである場合には特図1同調演出関連の各種コマンドを作成する一方、その判定結果(抽選結果)が第二始動口センサ2402によるものである場合には特図2同調演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するとともに、特別図柄の変動表示パターンを上述した変動表示パターン用乱数に基づいて決定し、その決定した特別図柄の変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器を点灯させるよう機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。また、発生させる遊技状態に応じて、例えば大当り遊技状態となるときには、大当り関連に区分される各種コマンド(大当りオープニングコマンド、大入賞口1開放N回目表示コマンド、大入賞口1閉鎖表示コマンド、大入賞口1カウント表示コマンド、大当りエンディングコマンド、及び大当り図柄表示コマンド)を作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶したり、例えば、開閉部材を開閉動作させるようアタッカソレノイド2414への駆動信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、大入賞口2005が閉鎖状態から開放状態となる回数(ラウンド)が2回であるときには、機能表示ユニット1400のラウンド表示器の2ラウンド表示ランプを点灯させるよう2ラウンド表示ランプへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、ラウンドが15回であるときには、機能表示ユニット1400のラウンド表示器の15ラウンド表示ランプを点灯させるよう15ラウンド表示ランプへの点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したり、確率変動の発生の有無を所定の色で点灯させるよう機能表示ユニット1400の状態表示器への点灯信号の出力を設定し、出力情報として出力情報記憶領域に記憶したりする。
ステップS114に続いて、主制御MPU1310aは、普通図柄及び普通電動役物制御処理を行う(ステップS116)。この普通図柄及び普通電動役物制御処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいてゲート入賞処理を行う。このゲート入賞処理では、入力情報からゲートセンサ2506からの検出信号が入力ポートの入力端子に入力されていたか否かを判定する。この判定結果に基づいて、検出信号が入力ポートの入力端子に入力されていたときには、上述した普通図柄当り判定用乱数を更新するカウンタの値等を抽出してゲート情報として主制御内蔵RAMのゲート情報記憶領域に記憶する。
このゲート情報記憶領域には、第0区画〜第3区画(4つの区画)が設けられており、第0区画、第1区画、第2区画、そして第3区画の順にゲート情報が格納されるようになっている。例えばゲート情報がゲート情報記憶の第0区画〜第2区画に格納されている場合、ゲートセンサ2506からの検出信号が入力ポートの入力端子に入力されていたときにはゲート情報をゲート情報記憶の第3区画に格納する。
ゲート情報はゲート情報記憶の第0区画に格納されているものが主制御内蔵RAMの作業領域にセットされる。このゲート情報がセットされると、ゲート情報記憶の第1区画のゲート情報がゲート情報記憶の第0区画に、ゲート情報記憶の第2区画のゲート情報がゲート情報記憶の第1区画に、ゲート情報記憶の第3区画のゲート情報がゲート情報記憶の第2区画に、それぞれシフトされてゲート情報記憶の第3区画が空き領域となる。例えば、ゲート情報記憶の第1区画〜第2区画にゲート情報が記憶されている場合には、ゲート情報記憶の第1区画のゲート情報がゲート情報記憶の第0区画に、ゲート情報記憶の第2区画のゲート情報がゲート情報記憶の第1区画にそれぞれシフトされてゲート情報記憶の第2区画及びゲート情報記憶の第3区画が空き領域となる。ここで、ゲート情報記憶の第1区画〜第3区画にゲート情報が格納されていると、格納されたゲート情報の総数を保留球として機能表示ユニット1400の普通保留表示器を点灯させるよう、上述したゲート情報に基づいて機能表示ユニット1400の普通保留表示器の点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
ゲート入賞処理に続いて、主制御内蔵RAMの作業領域にセットされたゲート情報を読み出し、この読み出したゲート情報から普通図柄当り判定用乱数の値を取り出して主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致するか否かを判定する(「普通抽選」という)。この判定結果(普通抽選による抽選結果)により可動片を開閉動作させるか否かが決定する。この決定で開閉動作をさせる場合には、可動片が開動作した状態となることで第二始動口2004へ遊技球が受入可能となる遊技状態となって遊技者に有利な遊技状態なる。この決定と対応する普通図柄の変動表示パターンを上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて決定し、普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄の変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の普通図柄表示器を点灯させるよう機能表示ユニット1400の普通図柄表示器への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
また、例えばその取り出した普通図柄当り判定用乱数の値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致しているときには、普通電役演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するとともに、可動片を開閉動作させるよう始動口ソレノイド2412への駆動信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する一方、その取り出した普通図柄当り判定用乱数の値が主制御内蔵ROMに予め記憶されている普通図柄当り判定値と一致していないときには、上述した普通図柄変動表示パターン用乱数に基づいて普通図柄変動表示パターンを決定し、普図同調演出関連に区分される各種コマンドを作成し、送信情報として上述した送信情報記憶領域に記憶するとともに、その決定した普通図柄変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の普通図柄表示器を点灯させるよう機能表示ユニット1400の普通図柄表示器への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS116に続いて、主制御MPU1310aは、ポート出力処理を行う(ステップS118)。このポート出力処理では、主制御MPU1310aの各種出力ポートの出力端子から、上述した出力情報記憶領域から出力情報を読み出してこの出力情報に基づいて各種信号を出力する。この主制御MPU1310aは、例えば、出力情報に基づいて主制御MPU1310aの所定の出力ポートの出力端子から、払出制御基板633からの各種コマンドを正常に受信完了したときには主払ACK信号を払出制御基板633に出力したり、大当り遊技状態であるときには大入賞口2005の開閉部材の開閉動作を行うアタッカソレノイド2414に駆動信号を出力したり、可動片の開閉動作を行う始動口ソレノイド2412に駆動信号を出力したりするほかに、15ラウンド大当り情報出力信号、2ラウンド大当り情報出力信号、確率変動中情報出力信号、特別図柄表示情報出力信号、普通図柄表示情報出力信号、時短中情報出力信号、始動口入賞情報出力信号等の遊技に関する各種情報(遊技情報)信号を払出制御基板633に出力したりする。
ステップS118に続いて、主制御MPU1310aは、周辺制御基板コマンド送信処理を行う(ステップS120)。この周辺制御基板コマンド送信処理では、上述した送信情報記憶領域から送信情報を読み出してこの送信情報を主周シリアルデータとして周辺制御基板1510に送信する。この送信情報には、本ルーチンである主制御側タイマ割り込み処理で作成した、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド(例えば、大入賞口2005に入球した遊技球を検出した際に大入賞口センサ2403からの検出信号に基づいて大入賞口カウントコマンドに相当する大入賞口1カウント表示コマンド)、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、報知表示に区分される各種コマンド、状態表示に区分される各種コマンド、テスト関連に区分される各種コマンド及びその他に区分されるその他の各種コマンド(例えば、主制御基板1310が遊技盤5に設けられる各種入賞口に入球した遊技球に基づいて賞球として払い出す予定の遊技球の球数が10球に達するごとにその旨をメイン賞球数情報としてメイン賞球数情報出力信号を、外部端子板558を介して、ホールコンピュータへ伝えることを指示するメイン賞球数情報出力コマンドなど)が記憶されている。主周シリアルデータは、1パケットが3バイトに構成されている。具体的には、主周シリアルデータは、1バイト(8ビット)の記憶容量を有するコマンドの種類を示すステータスと、1バイト(8ビット)の記憶容量を有する演出のバリエーションを示すモードと、ステータス及びモードを数値とみなしてその合計を算出したサム値と、から構成されており、このサム値は、送信時に作成されている。
この周辺制御基板コマンド送信処理では、主周シリアルデータとして各種コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。主制御MPU1310aの電源端子であるVDD端子には、上述したように、停電又は瞬停が発生した場合に、電解コンデンサMC2に充電された電荷が直流+5Vとして印加されるようになっているため、主制御MPU1310aに内蔵される主周シリアル送信ポートは、少なくとも、その送信バッファレジスタにセットされたコマンドをシリアル管理部により送信シフトレジスタに転送して送信シフトレジスタから主周シリアルデータとして送信完了することができるようになっている。パチンコ機1への電源投入するときや、電源投入後に停電又は瞬停が発生して電力が回復する復電時には、図211に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、復電した旨を伝えるために、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶しているため、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。なお、主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域には、主制御側電源投入時処理におけるステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において、遊技バックアップ情報から各種情報を読み出してこの各種情報に応じた各種コマンドが記憶されている場合もある。このような場合には、まず各種情報のうち遊技情報に応じた各種コマンドの送信完了後に、続いて電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドが送信されることとなる。
ステップS120に続いて、主制御MPU1310aは、主制御内蔵WDTのクリアを行い(ステップS122)、このルーチンを終了する。ステップS122の主制御内蔵WDTのクリアは、主制御MPU1310aに内蔵されるWDTクリアレジスタにタイマクリア設定値をセットすることにより行う。これにより、主制御内蔵WDTによる計時がクリアされる。そして、主制御内蔵WDTによる計時が再び開始されることによって、主制御内蔵WDTにより主制御MPU1310aが強制的にリセットされずに済む。
なお、主制御基板1310は、上述したように、遊技の進行を行っている際に、パチンコ機1への電源が遮断される前に、遊技の進行による遊技情報を記憶するための上述したバックアップ処理を実行して完了することができるとともに、復電時において、主制御基板1310による遊技の進行の復帰先として、バックアップ処理を実行した遊技情報に基づいて、パチンコ機1への電源が遮断される際における、本ルーチンにおけるステップS118のポート出力処理による電気的駆動源である始動口ソレノイド2412やアタッカソレノイド2414の駆動状態を指示する電源投入時主制御復帰先コマンドを周辺制御基板1510へ出力することができるようになっている。つまり、主制御基板1310は、図211に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、図210に示した同処理におけるステップS34の主制御内蔵RAMの作業領域の設定において主制御内蔵RAMの作業領域にセットされた復電時情報に基づいて、電源投入(復電)した旨を伝えるために、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶し、本ルーチンにおけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信し、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で周辺制御基板1510に送信する。
このため、周辺制御基板1510は、主制御基板1310からの電源投入時主制御復帰先コマンドに基づいて、復電時における主制御基板1310による遊技の進行の復帰先を演出表示装置1600の表示領域において演出表示することができる。これにより、遊技者が遊技を行っている際に、瞬停や停電が発生して、その後に復電するときに、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することができるとともに、主制御基板1310による遊技の進行の復帰先を演出表示装置1600の表示領域において演出表示して報知することができるため、パチンコ機1のシステムがかたまった状態、いわゆるフリーズした状態に遊技者に見えて故障したと勘違いされることを防止することができる。したがって、瞬停又は停電直前における遊技状態に、復電後、速やかに復帰することにより、遊技者に故障したと勘違いされることを防止することができる。
また、主制御基板1310の製造ラインの検査工程である主制御基板検査工程において、検査のために製造してから最初に主制御基板1310が電源投入されると、上述したように、図210に示した主制御側電源投入時処理におけるステップS38で主制御内蔵RAMの全領域を必ずクリアすることなる。これにより、図211に示した同処理におけるステップS50の電源投入時に送信するコマンドの予約設定において、電源投入時に送信するコマンドの予約設定が行われると、電源投入に区分される電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを作成して送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶することにより、電源投入時状態コマンド、電源投入時主制御復帰先コマンド、そして電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドという3つのコマンドのみが送信情報として主制御内蔵RAMの送信情報記憶領域に記憶される状態となり、本ルーチンにおけるステップS120の周辺制御基板コマンド送信処理において、主周シリアルデータとして、電源投入時状態コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信し、続いて電源投入時主制御復帰先コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信し、続いて電源投入時メイン賞球数情報出力判定用カウンタ通知コマンドを構成する、ステータス、モード、そしてサム値という順番で主制御基板検査工程の検査装置に送信する。主制御基板検査工程の検査装置は、主制御基板1310から受信した電源投入時状態コマンドに含まれるパチンコ機の機種コードを示す情報に基づいて、つまり、パチンコ機の機種コードを示す情報を構成する、上述した、機種タイプを示すマックスタイプ、ミドルタイプ、及び甘デジタイプのうち、いずれのタイプであるかを特定するためのシリーズコードと、作品の版権を特定するための版権コードと、遊技仕様(例えば、確率変動が生ずると、次回大当り遊技状態が発生するまでその状態が継続されるという遊技仕様のほかに、特別図柄の変動回数が限定された状態で確率変動が生ずるという遊技仕様(ST機)など)を特定するための遊技仕様コードと、に基づいて、主制御基板検査工程の検査モニタに詳細な機種情報を表示するようになっている。
[16.払出制御基板の各種制御処理]
次に、図185に示した払出制御基板633が行う各種制御処理について、図213〜図216を参照して説明する。図213は払出制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図214は図213の払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図215は図214に続いて払出制御部電源投入時処理のつづきを示すフローチャートであり、図216は払出制御部タイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートである。まず、払出制御部電源投入時処理について説明し、続いて払出制御部タイマ割り込み処理について説明する。
[16−1.払出制御部電源投入時処理]
まず、パチンコ機1に電源が投入されると、払出制御基板633における払出制御部633aの払出制御MPU633aaによる制御の下、図213〜図215に示すように、払出制御部電源投入時処理を行う。この払出制御部電源投入時処理が開始されると、払出制御MPU633aaは、割り込みモードの設定を行う(ステップS500)。この割り込みモードは、払出制御MPU633aaの割り込みの優先順位を設定するものである。
本実施形態では、後述する払出制御部タイマ割り込み処理が優先順位として最も高く設定されており、この払出制御部タイマ割り込み処理の割り込みが発生すると、優先的にその処理を行う。
ステップS500に続いて、払出制御MPU633aaは、入出力設定(I/Oの入出力設定)を行う(ステップS502)。このI/Oの入出力設定では、払出制御MPU633aaの各種入力ポート及び各種出力ポートの設定等を行う。
ステップS502に続いて、払出制御MPU633aaは、ウェイトタイマ処理1を行い(ステップS506)、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS508)。電源投入時から所定電圧となるまでの間では電圧がすぐに上がらない。一方、停電又は瞬停(電力の供給が一時停止する現象)となるときでは電圧が下がり、停電予告電圧より小さくなると、主制御基板1310の停電監視回路1310eから停電予告として停電予告信号が入力される。電源投入時から所定電圧に上がるまでの間では同様に電圧が停電予告電圧より小さくなると主制御基板1310の停電監視回路1310eから停電予告信号が入力される。そこで、ステップS506のウェイトタイマ処理1は、電源投入後、電圧が停電予告電圧より大きくなって安定するまで待つための処理であり、本実施形態では、待ち時間(ウェイトタイマ)として200ミリ秒(ms)が設定されている。ステップS508の判定では、主制御基板1310の停電監視回路1310eからの停電予告信号に基づいて行う。
ステップS508に続いて、払出制御MPU633aaは、主制御基板1310のRAMクリアスイッチ1310fが操作されているか否かを判定する(ステップS512)。
この判定は、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号の論理に基づいて、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)の論理がHIであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものではないと判断してRAMクリアスイッチ1310fが操作されていないと判定する一方、RAMクリアスイッチ1310fからの操作信号(RAMクリア信号)の論理がLOWであるときにはRAMクリアを行うことを指示するものであると判断してRAMクリアスイッチ1310fが操作されていると判定する。
ステップS512の判定において、払出制御MPU633aaは、RAMクリアスイッチ1310fが操作されていると判定したときには、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGに値1をセットする(ステップS514)。つまり、払出制御MPU633aaは、電源投入時から所定時間に亘って、払出制御MPU4120aに内蔵されたRAM(つまり、払出制御内蔵RAM)の初期化を行うRAMクリア処理を実行可能な状態とする。
一方、ステップS512の判定において、払出制御MPU633aaは、RAMクリアスイッチ1310fが操作されていないと判定したときには、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGに値0をセットする(ステップS516)。この払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出制御MPU633aaの払出制御内蔵RAMに記憶されている、例えば、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報等)の払い出しに関する払出情報を消去するか否かを示すフラグであり、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。なお、ステップS514及びステップS516でセットされた払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、払出制御MPU633aaの汎用記憶素子(汎用レジスタ)に記憶される。
ステップS514又はステップS516に続いて、払出制御MPU633aaは、払出制御内蔵RAMへのアクセスを許可する設定を行う(ステップS518)。この設定により払出制御内蔵RAMへのアクセスができ、例えば払出情報の書き込み(記憶)又は読み出しを行うことができる。
ステップS518に続いて、払出制御MPU633aaは、スタックポインタの設定を行う(ステップS520)。スタックポインタは、例えば、使用中の記憶素子(レジスタ)の内容を一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したり、サブルーチンを終了して本ルーチンに復帰するときの本ルーチンの復帰アドレスを一時記憶するためにスタックに積んだアドレスを示したりするものであり、スタックが積まれるごとにスタックポインタが進む。ステップS520では、スタックポインタに初期アドレスをセットし、この初期アドレスから、レジスタの内容、復帰アドレス等をスタックに積んで行く。そして最後に積まれたスタックから最初に積まれたスタックまで、順に読み出すことによりスタックポインタが初期アドレスに戻る。
ステップS520に続いて、払出制御MPU633aaは、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0である否かを判定する(ステップS522)。払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGは、上述したように、払出情報を消去するとき値1、払出情報を消去しないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS522の判定において、払出制御MPU633aaは、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0であるとき、つまり払出情報を消去しないと判定したときには、チェックサムの算出を行う(ステップS524)。このチェックサムは、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出情報を数値とみなしてその合計を算出するものである。
ステップS524に続いて、払出制御MPU633aaは、算出したチェックサムの値が後述する払出制御部電源断時処理(電源断時)において記憶されているチェックサムの値と一致しているか否かを判定する(ステップS526)。ステップS526において、払出制御MPU633aaは、一致していると判定したときには、払出バックアップフラグHBK−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS528)。この払出バックアップフラグHBK−FLGは、払出情報、チェックサムの値等の払出バックアップ情報を後述する払出制御部電源断時処理において払出制御内蔵RAMに記憶保持したか否かを示すフラグであり、払出制御部電源断時処理を正常に終了したとき値1、払出制御部電源断時処理を正常に終了していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS528の判定において、払出制御MPU633aaは、払出バックアップフラグHBK−FLGが値1であるとき、つまり払出制御部電源断時処理を正常に終了したと判定したときには、復電時として払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS530)。この設定では、払出バックアップフラグHBK−FLGに値0がセットされるほかに、払出制御MPU633aaに内蔵されたROM(つまり、払出制御内蔵ROM)から復電時情報が読み出され、この復電時情報が払出制御内蔵RAMの作業領域にセットされる。これにより、払出制御内蔵RAMに記憶されている上述した払出バックアップ情報である、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報、時間管理情報記憶領域に記憶されている不整合カウンタリセット判定時間等)の払い出しに関する払出情報に基づいて各種処理に使用する情報が設定される。なお、「復電」とは、電源を遮断した状態から電源を投入した状態のほかに、停電又は瞬停からその後の電力の復旧した状態も含める。
一方、ステップS522の判定において、払出制御MPU633aaは、払出RAMクリア報知フラグHRCL−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり払出情報を消去すると判定したときには、又はステップS526の判定において、払出制御MPU633aaは、チェックサムの値が一致していないと判定したときには、又はステップS528の判定において、払出制御MPU633aaは、払出バックアップフラグHBK−FLGが値1でない(値0である)とき、つまり払出制御部電源断時処理を正常に終了していないと判定したときには、払出制御内蔵RAMの全領域をクリアする(ステップS532)。これにより、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報がクリアされる。
ステップS532に続いて、払出制御MPU633aaは、初期設定として払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する(ステップS534)。この設定は、払出制御内蔵ROMから初期情報を読み出してこの初期情報を払出制御内蔵RAMの作業領域にセットする。
ステップS530又はステップS534に続いて、払出制御MPU633aaは、割り込み初期設定を行う(ステップS536)。この設定は、後述する払出制御部タイマ割り込み処理が行われるときの割り込み周期を設定するものである。本実施形態では、2msに設定されている。
ステップS536に続いて、払出制御MPU633aaは、割り込み許可設定を行う(ステップS538)。この設定によりステップS536で設定した割り込み周期、つまり2msごとに払出制御部タイマ割り込み処理が繰り返し行われる。
ステップS538に続いて、払出制御MPU633aaは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Aをセットする(ステップS539)。このウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに、値A、値Bそして値Cを順にセットすることによりウォッチドックタイマがクリア設定される。
ステップS539に続いて、払出制御MPU633aaは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS540)。パチンコ機1の電源を遮断したり、停電又は瞬停したりするときには、上述したように、電圧が停電予告電圧以下となると、停電予告として停電予告信号が主制御基板1310の停電監視回路1310eから入力される。
ステップS540の判定は、この停電予告信号に基づいて行う。
ステップS540の判定において、払出制御MPU633aaは、停電予告信号の入力がないと判定したときには、2ms経過フラグHT−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS542)。この2ms経過フラグHT−FLGは、後述する、2msごとに処理される払出制御部タイマ割り込み処理で2msを計時するフラグであり、2ms経過したとき値1、2ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS542の判定において、払出制御MPU633aaは、2ms経過フラグHT−FLGが値0であるとき、つまり2ms経過していないと判定したときには、ステップS540に戻り、払出制御MPU633aaは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する。
一方、ステップS542の判定において、払出制御MPU633aaは、2ms経過フラグHT−FLGが値1であるとき、つまり2ms経過したと判定したときには、2ms経過フラグHT−FLGに値0をセットする(ステップS544)。
ステップS544に続いて、払出制御MPU633aaは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Bをセットする(ステップS546)。このとき、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、ステップS539においてセットされた値Aに続いて値Bがセットされる。
ステップS546に続いて、払出制御MPU633aaは、ポート出力処理を行う(ステップS548)。このポート出力処理では、払出制御内蔵RAMの出力情報記憶領域から各種情報を読み出してこの各種情報に基づいて各種信号を払出制御MPU633aaの各種出力ポートの出力端子から出力する。出力情報記憶領域には、例えば、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンド(賞球コマンドやセルフチェックコマンド)を正常に受信した旨を伝える払主ACK情報、払出モータ584への駆動制御を行う駆動情報、払出モータ584が実際に遊技球を払い出した球数の賞球数情報、エラーLED表示器633cに表示するLED表示情報等の各種情報が記憶されており、この出力情報に基づいて払出制御MPU633aaの所定の出力ポートの出力端子から、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信したときには払主ACK信号を主制御基板1310に出力したり、払出モータ584に駆動信号を出力したり、払出モータ584が実際に遊技球を払い出した球数を賞球数情報出力信号として外部端子板558に出力したり(本実施形態では、払出モータ584が実際に10個の遊技球を払い出すごとに外部端子板558に賞球数情報出力信号を出力している。
具体的には、賞球数情報を出力するか否かを判定するための賞球数情報出力判定用カウンタが設けられており、この賞球数情報出力判定用カウンタは、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を、後述するステップS550のポート入力処理で払出検知センサ591からの検出信号に基づいて、カウントするものであり、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を監視するための図示しない処理(プログラム)により払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶更新されるようになっている。
この払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を監視するための図示しない処理(プログラム)では、払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶される賞球数情報出力判定用カウンタの値に、後述するステップS550のポート入力処理で払出検知センサ591からの検出信号に基づいて、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数を加算して記憶更新する。
ステップS548のポート出力処理では、この賞球情報記憶領域から賞球数情報出力判定用カウンタの値を読み出し、この読み出した賞球数情報出力判定用カウンタの値が値10を超えているときには(つまり、払出モータ584が実際に払い出した遊技球の球数が10球に達しているときには)外部端子板558に賞球数情報出力信号を出力するとともに(このとき、その超えた球数を示す値を、賞球数情報出力判定用カウンタの値として上述した払出制御内蔵RAMの賞球情報記憶領域に記憶更新する。)、エラーLED表示器633cに表示信号を出力する。
ステップS548に続いて、払出制御MPU633aaは、ポート入力処理を行う(ステップS550)。このポート入力処理では、払出制御MPU633aaの各種入力ポートの入力端子に入力されている各種信号を読み取り、入力情報として払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域に記憶する。例えば、RAMクリアスイッチ1310fの操作信号(RAMクリア信号)、羽根回転検知センサ590からの検出信号、払出検知センサ591からの検出信号、満タン検知センサ154からの検出信号、CRユニットからのBRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号、後述するコマンド送信処理で送信した各種コマンドを主制御基板1310が正常に受信した旨を伝える主制御基板1310からの主払ACK信号等、をそれぞれ読み取り、入力情報として入力情報記憶領域に記憶する。
ステップS550に続いて、払出制御MPU633aaは、タイマ更新処理を行う(ステップS552)。このタイマ更新処理では、払出モータ584の回転軸の回転が伝達される払出羽根589による球ガミ状態が生じているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球ガミ判定時間、払出羽根589の定位置判定を行わない際に設定されているスキップ判定時間、下皿202が貯留された遊技球で満タンであるか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている満タン判定時間、球切検知センサ574からの検出信号により球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定を行う際にその判定条件として設定されている球切れ判定時間等の時間管理を行うほかに、払出羽根589の球収容部589bに受け止められて払い出された遊技球の球数と、実際に払出検知センサ591で検出された球数と、の不一致によるつじつまの合わない遊技球の払い出しを、繰り返し行っているか否かを監視するための不整合カウンタINCCをリセットするか否かの判定を行う際にその判定条件と設定されている不整合カウンタリセット判定時間の時間管理を行う。例えば、球ガミ判定時間が5005msに設定されているときには、タイマ割り込み周期が2msに設定されているので、このタイマ更新処理を行うごとに球ガミ判定時間を2msずつ減算し、その減算結果が値0になることで球ガミ判定時間を正確に計っている。なお、これらの各種判定時間は、時間管理情報として払出制御内蔵RAMの時間管理情報記憶領域に記憶される。
ステップS552に続いて、払出制御MPU633aaは、CR通信処理を行う(ステップS554)。このCR通信処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、CRユニットからの各種信号(BRQ信号、BRDY信号及びCR接続信号)が入力されているか否かを判定する。CRユニットからの各種信号に基づいて、払出制御MPU633aaは、CRユニットと各種信号のやり取りを行う。
ステップS530の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において、上述したように、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報である、各種フラグ、各種情報記憶領域に記憶されている各種情報等(例えば、賞球情報記憶領域に記憶されている、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等や、CR通信情報記憶領域に記憶されている、PRDY信号の論理の状態が設定されているPRDY信号出力設定情報等)の払い出しに関する払出情報に基づいて各種処理に使用する情報が設定される。
この処理によって、例えば、瞬停又は停電しても、復電時における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値を、払出バックアップ情報として記憶した、瞬停又は停電する直前における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値に復元することができる。これにより、払出装置580による遊技球の払出動作を実行している際に、瞬停又は停電して払出動作を続行することができなくなっても、復電時に、その払出動作を続行することができるため、過不足なく遊技球を上皿201や下皿202に払い出すことができる。換言すれば、払出制御MPU633aaは、CR通信処理において、CRユニットと各種信号のやり取りを行いながら、遊技球を上皿201や下皿202に払い出している際に、瞬停又は停電してCRユニットと各種信号のやり取りが遮断され、遊技球の払い出しを続行することができなくなっても、復電時における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値が、払出バックアップ情報として記憶された、瞬停又は停電する直前における、賞球ストック数PBS、実球計数PB、駆動指令数DRV、不整合カウンタINCC等の値に復元されることによって、瞬停又は停電する直前における、パチンコ機1(払出制御MPU633aa)とCRユニットとによる各種信号のやり取りを、復電時から継続することができるとともに、遊技球の払い出しを引き続き行うことができるようになっている。
このように、パチンコ機1(払出制御MPU633aa)とCRユニットとによる各種信号のやり取りは、瞬停又は停止しても、復電時に、瞬停又は停止する直前の状態に復元されるようになっており、瞬停又は停止による影響によってパチンコ機1(払出制御MPU633aa)とCRユニットとによる各種信号が変化しないようになっている。したがって、パチンコ機1(払出制御MPU633aa)とCRユニットとによる各種信号のやり取りの信頼性を高めることができる。
また、CR通信情報記憶領域に記憶される各種情報は、払出バックアップ情報に含まれている。CR通信処理では、復電時に、ステップS530の払出制御内蔵RAMの作業領域を設定する処理において設定された、払出制御内蔵RAMに記憶されているCR通信情報記憶領域からPRDY信号出力設定情報を読み出してこの読み出したPRDY信号出力設定情報が、例えば貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態に設定されている場合には、そのPRDY信号を払出制御MPU633aaの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力する。そして、主要動作設定処理の一処理として行われる、例えばリトライ動作監視処理において、払出バックアップ情報に含まれている、払出制御内蔵RAMに記憶されている賞球情報記憶領域の不整合カウンタINCCの値に基づいて、この不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さいか否かを判定し、不整合カウンタINCCの値が不整合しきい値INCTHより小さくないときには、リトライ動作が異常動作していると判断して、つまり払出装置580による遊技球の払出動作が異常状態であると判断して、リトライエラーフラグRTERR−FLGに値1をセットし、払出球ガミ動作判定設定処理において、CRユニットへのエラー状態の出力の設定として、例えばCRユニットと通信中でないときには貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号の論理の状態(LOW)をPRDY信号出力設定情報に設定してCR通信情報記憶領域に記憶する。
これにより、CR通信処理では、復電時から次のタイマ割り込みで、このPRDY信号の論理の状態を、CR通信情報記憶領域から読み出してそのPRDY信号を払出制御MPU633aaの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力する。このように、例えば、瞬停する直前において、払出装置580による遊技球の払出動作が異常状態であった場合には、復電時に、その状態が復元されるため、復電してから極めて早い段階で、貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるPRDY信号を払出制御MPU633aaの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力することができ、CRユニットに払出装置580による遊技球の払出動作が異常状態である旨を伝えることができる。これにより、復電時から極めて早い段階で、CRユニットからの無駄な貸球要求信号であるBRDYが出力されるのを防止することができる。
また、CR通信処理では、ステップS550のポート入力処理で、払出制御内蔵RAMの入力情報記憶領域からCR接続信号を読み出してこのCR接続信号に基づいて、その論理がHIであるとき、つまりパチンコ機1が電源投入されているときであって、払出制御基板633とCRユニットとが電気的に接続されているときには、貸球を払い出すための払出動作が可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理の状態をHIとして払出制御MPU633aaの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力する一方、その論理がLOWであるとき、つまりパチンコ機1が電源投入されているときであって、払出制御基板633とCRユニットとが電気的に接続されていないときには、貸球を払い出すための払出動作が不可能である旨を伝えるために、PRDY信号の論理の状態をLOWとして払出制御MPU633aaの所定の出力ポートの出力端子からCRユニットへ出力する。なお、1回の払出動作を開始した旨又は終了した旨を伝えるEXS信号の論理の状態は、EXS信号出力設定情報として払出制御内蔵RAMのCR通信情報記憶領域に記憶され、払出制御基板633とCRユニットとが電気的に接続されているか否かを伝えるCR接続信号は、CR接続情報として状態情報記憶領域に記憶されるようになっている。
ステップS554に続いて、払出制御MPU633aaは、満タン及び球切れチェック処理を行う(ステップS556)。この満タン及び球切れチェック処理では、上述した入力情報記憶領域から入力情報を読み出してこの入力情報に基づいて、満タン検知センサ154からの検出信号により上述した下皿202が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かを判定したり、球切検知センサ574からの検出信号により上述した球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かを判定したりする。例えば、下皿202が貯留された遊技球で満タンとなっているか否かの判定は、タイマ割り込み周期2msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で満タン検知センサ154からの検出信号がON、前回(2ms前)の満タン及び球切れチェック処理で満タン検知センサ154からの検出信号がOFFとなったとき、つまり満タン検知センサ154からの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS552のタイマ更新処理で上述した満タン判定時間の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で満タン判定時間が値0となったとき、つまり満タン判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で満タン検知センサ154からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、満タン検知センサ154からの検出信号がONであるときには、下皿202が貯留された遊技球で満タンであるとしてその旨を伝える満タン情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。一方、満タン検知センサ154からの検出信号がOFFであるときには、下皿202が貯留された遊技球で満タンでないとしてその旨を伝える満タン情報を状態情報記憶領域域に記憶する。
球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上となっているか否かの判定も、タイマ割り込み周期2msを利用して、今回の満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がON、前回(2ms前)の満タン及び球切れチェック処理で球切れスイッチからの検出信号がOFFとなったとき、つまり球切検知センサ574からの検出信号がOFFからONに遷移したときには、ステップS552のタイマ更新処理で上述した球切れ判定時間の計時を開始する。そしてタイマ更新処理で球切れ判定時間が値0となったとき、つまり球切れ判定時間となったときには、この満タン及び球切れチェック処理で球切検知センサ574からの検出信号がONであるか否かを判定する。この判定では、球切検知センサ574からの検出信号がONであるときには、球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上であるとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する一方、球切検知センサ574からの検出信号がOFFであるときには、球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないとしてその旨を伝える球切れ情報を状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS556に続いて、払出制御MPU633aaは、コマンド受信処理を行う(ステップS558)。このコマンド受信処理では、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンド(賞球コマンドやセルフチェックコマンド)を受信する。この各種コマンドを正常に受信したときには、その旨を伝える払主ACK情報を上述した出力情報記憶領域に記憶する。一方、各種コマンドを正常に受信できなかったときには、主制御基板1310と払出制御基板633との基板間の接続に異常が生じている(各種コマンド信号に異常が生じている)旨を伝える接続異常情報を上述した状態情報記憶領域に記憶する。
ステップS558に続いて、払出制御MPU633aaは、コマンド解析処理を行う(ステップS560)。このコマンド解析処理では、ステップS558で受信したコマンドの解析を行い、その解析したコマンドを受信コマンド情報として払出制御内蔵RAMの受信コマンド情報記憶領域に記憶する。
ステップS560に続いて、払出制御MPU633aaは、主要動作設定処理を行う(ステップS562)。この主要動作設定処理では、賞球、貸球、球抜き及び球ガミ等の動作設定を行ったり、リトライ動作の判定を行ったり、未払い出しの球数(賞球ストック数)を監視したりする。
ステップS562に続いて、払出制御MPU633aaは、LED表示データ作成処理を行う(ステップS564)。このLED表示データ作成処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、払出制御基板633のエラーLED表示器633cに表示する表示データを作成してLED表示情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。例えば、状態情報記憶領域から上述した球切れ情報を読み出し、この球切れ情報に基づいて、球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないときには、対応する表示データ(本実施形態では、表示値1(数字「1」))を作成してLED表示情報を出力情報記憶領域に記憶する。
ステップS564に続いて、払出制御MPU633aaは、コマンド送信処理を行う(ステップS566)。このコマンド送信処理では、上述した状態情報記憶領域から各種情報を読み出し、この各種情報に基づいて状態表示に区分される各種コマンド(枠状態1コマンド、エラー解除ナビコマンド及び枠状態2コマンド)を作成して主制御基板1310に送信する。例えば、状態情報記憶領域から球切れ情報を読み出すと、この球切れ情報に基づいて、球誘導ユニット570の誘導通路570a内に取り込まれた遊技球の球数が所定数以上でないときには、枠状態1コマンドを作成して主制御基板1310に送信したりする。
ステップS566に続いて、払出制御MPU633aaは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cをセットする(ステップS568)。ステップS568でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cがセットされることにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、ステップS546においてセットされた値Bに続いて値Cがセットされる。これにより、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLには、値A、値Bそして値Cが順にセットされ、ウォッチドックタイマがクリア設定される。
ステップS568に続いて、再びステップS539に戻り、払出制御MPU633aaは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Aをセットし、ステップS540で停電予告信号が入力されているか否かを判定し、この停電予告信号の入力がなければ、ステップS542で2ms経過フラグHT−FLGが値1であるか否かを判定し、この2ms経過フラグHT−FLGが値1であるとき、つまり2ms経過したときには、ステップS544で2ms経過フラグHT−FLGに値0をセットし、ステップS546でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Bをセットし、ステップS548でポート出力処理を行い、ステップS550でポート入力処理を行い、ステップS552でタイマ更新処理を行い、ステップS554でCR通信処理を行い、ステップS556で満タン及び球切れチェック処理を行い、ステップS558でコマンド受信処理を行い、ステップS560でコマンド解析処理を行い、ステップS562で主要動作設定処理を行い、ステップS564でLED表示データ作成処理を行い、ステップS566でコマンド送信処理を行い、ステップS568でウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値Cをセットし、ステップS539〜ステップS568を繰り返し行う。なお、このステップS539〜ステップS568の処理を「払出制御部メイン処理」という。
主制御基板1310による遊技の進行に応じて払出制御部メイン処理の処理内容が異なってくる。このため、払出制御MPU633aaの処理に要する時間が変動することとなる。そこで、払出制御MPU633aaは、ステップS548のポート出力処理において、主制御基板1310からの払い出しに関する各種コマンドを正常に受信した旨を伝える払主ACK信号を、優先して主制御基板1310に出力している。これにより、払出制御MPU633aaは、変動する他の処理を十分に行えるよう、その処理時間を確保している。
一方、ステップS540の判定において、払出制御MPU633aaは、停電予告信号の入力があったと判定したときには、割り込み禁止設定を行う(ステップS570)。この設定により後述する払出制御部タイマ割り込み処理が行われなくなり、払出制御内蔵RAMへの書き込みを防ぎ、上述した払出情報の書き換えを保護している。
ステップS570に続いて、払出制御MPU633aaは、払出モータ584への駆動信号の出力を停止する(ステップS574)。これにより、遊技球の払い出しを停止する。
ステップS574に続いて、払出制御MPU633aaは、ウォッチドックタイマのクリア設定を行う(ステップS576)。このクリア設定は、上述したように、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットすることにより行われる。
ステップS576に続いて、払出制御MPU633aaは、チェックサムの算出を行ってこの算出した値を記憶する(ステップS578)。このチェックサムは、ステップS524で算出したチェックサムの値及び払出バックアップフラグHBK−FLGの値の記憶領域を除く、払出制御内蔵RAMの作業領域の払出情報を数値とみなしてその合計を算出する。
ステップS578に続いて、払出制御MPU633aaは、払出バックアップフラグHBK−FLGに値1をセットする(ステップS580)。これにより、払出バックアップ情報の記憶が完了する。
ステップS580に続いて、払出制御MPU633aaは、払出制御内蔵RAMへのアクセスの禁止設定を行う(ステップS582)。この設定により払出制御内蔵RAMへのアクセスが禁止され書き込み及び読み出しができなくなり、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が保護される。
ステップS582に続いて、払出制御MPU633aaは、無限ループに入る。この無限ループでは、ウォッチドックタイマクリアレジスタHWCLに値A、値Bそして値Cを順にセットしないためウォッチドックタイマがクリア設定されなくなる。このため、払出制御MPU633aaにリセットがかかり、その後、この払出制御部電源投入時処理を再び行う。なお、ステップS570〜ステップS582の処理及び無限ループを「払出制御部電源断時処理」という。
パチンコ機1(払出制御MPU633aa)は、停電したとき又は瞬停したときにはリセットがかかり、その後の電力の復旧により払出制御部電源投入時処理を行う。
なお、ステップS526では払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報が正常なものであるか否かを検査し、続いてステップS528では払出制御部電源断時処理が正常に終了されたか否かを検査している。このように、払出制御内蔵RAMに記憶されている払出バックアップ情報を2重にチェックすることにより払出バックアップ情報が不正行為により記憶されたものであるか否かを検査している。
[16−2.払出制御部タイマ割り込み処理]
次に、払出制御部タイマ割り込み処理について説明する。この払出制御部タイマ割り込み処理は、図213〜図215に示した払出制御部電源投入時処理において設定された割り込み周期(本実施形態では、2ms)ごとに繰り返し行われる。
払出制御部タイマ割り込み処理が開始されると、払出制御MPU633aaは、図216に示すように、タイマ割り込みを禁止に設定してレジスタの切替(退避)を行う(ステップS590)。ここでは、上述した払出制御部メイン処理で使用していた汎用記憶素子(汎用レジスタ)から補助レジスタに切り替える。この補助レジスタを払出制御部タイマ割り込み処理で使用することにより汎用レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、払出制御部メイン処理で使用していた汎用レジスタの内容の破壊を防いでいる。
ステップS590に続いて、払出制御MPU633aaは、2ms経過フラグHT−FLGに値1をセットする(ステップS592)。この2ms経過フラグHT−FLGは、この払出制御部タイマ割り込み処理が行われるごとに、つまり2msごとに2msを計時するフラグであり、2ms経過したとき値1、2ms経過していないとき値0にそれぞれ設定される。
ステップS592に続いて、払出制御MPU633aaは、レジスタの切替(復帰)を行う(ステップS594)。この復帰は、払出制御部タイマ割り込み処理で使用していた補助レジスタから汎用記憶素子(汎用レジスタ)に切り替える。この汎用レジスタを払出制御部メイン処理で使用することにより補助レジスタの値が上書きされなくなる。これにより、払出制御部タイマ割り込み処理で使用していた補助レジスタの内容の破壊を防いでいる。
ステップS594に続いて、払出制御MPU633aaは、割り込み許可の設定を行い(ステップS596)、このルーチンを終了する。
[17.周辺制御基板の各種制御処理]
次に、図185に示した、主制御基板1310(主制御MPU1310a)から各種コマンドを受信する周辺制御基板1510の各種処理について、図217〜図221を参照して説明する。図217は周辺制御部電源投入時処理の一例を示すフローチャートであり、図218は周辺制御部Vブランク割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図219は周辺制御部1msタイマ割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図220は周辺制御部コマンド受信割り込み処理の一例を示すフローチャートであり、図221は周辺制御部停電予告信号割り込み処理の一例を示すフローチャートである。まず、周辺制御部電源投入時処理について説明し、続いて周辺制御部Vブランク割り込み処理、周辺制御部1msタイマ割り込み処理、周辺制御部コマンド受信割り込み処理、周辺制御部停電予告信号割り込み処理について説明する。なお、本実施形態では、割り込み処理の優先順位として、周辺制御部停電予告信号割り込み処理が最も高く設定され、続いて周辺制御部1msタイマ割り込み処理、周辺制御部コマンド受信割り込み処理、そして周辺制御部Vブランク割り込み処理という順番に設定されている。
周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aは、上述したように、CPU、RAM、VDP、VRAM、音源、SATAコントローラ、そして各種I/Oインターフェイス等が1つの半導体チップ上に集積されている。
[17−1.周辺制御部電源投入時処理]
まず、周辺制御部電源投入時処理について、図217を参照して説明する。パチンコ機1に電源が投入されると、周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aのCPUによる制御の下、図217に示すように、周辺制御部電源投入時処理を行う。この周辺制御部電源投入時処理が開始されると、周辺制御IC1510aのCPUは、初期設定処理を行う(ステップS1000)。この初期設定処理では、周辺制御IC1510a自身を初期化する処理と、ホットスタート/コールドスタートの判定処理と、リセット後のウェイトタイマを設定する処理、各種の制御情報(周辺データ)を転送する処理等を行う。周辺制御IC1510aのCPUは、まず周辺制御IC1510a自身を初期化する処理を行うが、周辺制御IC1510aを初期化する処理にかかる時間は、マイクロ秒(μs)オーダーであり、極めて短い時間で周辺制御IC1510aを初期化することができる。これにより、周辺制御IC1510aのCPUは、割り込み許可が設定された状態となることによって、例えば、後述する周辺制御部コマンド受信割り込み処理において、主制御基板1310から出力される、遊技演出の制御に関するコマンドやパチンコ機1の状態に関するコマンド等の各種コマンドを受信することができる状態となる。
ステップS1000に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、現在時刻情報取得処理を行う(ステップS1002)。この現在時刻情報取得処理では、図示しないリアルタイムクロックICの内蔵RAMから、年月日を特定するカレンダー情報と時分秒を特定する時刻情報とを取得して、図18に示した周辺制御IC1510aのRAMに、現在のカレンダー情報、現在の時刻情報をセットする。
本実施形態では、周辺制御IC1510aのCPUがリアルタイムクロックICの内蔵RAMからカレンダー情報と時刻情報とを取得するのは、電源投入時の1回のみとなっている。また周辺制御IC1510aのCPUは、この現在時刻情報取得処理を行った後に、図示しない外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御IC1510aのCPUにリセットがかからないようにしている。
ステップS1002に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットする(ステップS1004)。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、後述する周辺制御部定常処理を実行するか否かを決定するためのフラグであり、周辺制御部定常処理を実行するとき値1、周辺制御部定常処理を実行しないとき値0にそれぞれ設定される。Vブランク信号検出フラグVB−FLGは、周辺制御IC1510aのCPUからの画面データ(画面の構成を規定する情報)を受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が周辺制御IC1510aのVDPから入力されたことを契機として実行される後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理において値1がセットされるようになっている。このステップS1004では、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットすることによりVブランク信号検出フラグVB−FLGを一度初期化している。また周辺制御IC1510aのCPUは、このVブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットした後に、外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御IC1510aのCPUにリセットがかからないようにしている。
ステップS1004に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを判定する(ステップS1006)。周辺制御IC1510aのCPUは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGが値1でない(値0である)と判定したときには、再びステップS1006に戻ってVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを繰り返し判定する。このような判定を繰り返すことにより、周辺制御部定常処理を実行するまで待機する状態となる。また周辺制御IC1510aのCPUは、このVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるか否かを判定した後に、外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御IC1510aのCPUにリセットがかからないようにしている。
ステップS1006の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、Vブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるとき、つまり周辺制御部定常処理を実行すると判定したときには、まず定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットする(ステップS1008)。この定常処理中フラグSP−FLGは、周辺制御部定常処理を実行中であるとき値1、周辺制御部定常処理を実行完了したとき値0にそれぞれセットされる。
ステップS1008に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、1ms割り込みタイマ起動処理を行う(ステップS1010)。この1ms割り込みタイマ起動処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理を実行するための1ms割り込みタイマを起動するとともに、この1ms割り込みタイマが起動して周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするための1msタイマ割り込み実行回数STNに値1をセットして1msタイマ割り込み実行回数STNの初期化も行う。この1msタイマ割り込み実行回数STNは周辺制御部1msタイマ割り込み処理で更新される。
ステップS1010に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、演出操作ユニット監視処理を行う(ステップS1014)。この演出操作ユニット監視処理では、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理における演出操作ユニット情報取得処理において、演出操作ユニット300に設けられた第一回転検知センサ347、第二回転検知センサ348、押圧検知センサ381、昇降検知センサ382等の各種検知センサ(以下、「演出操作ユニット300に設けられた各種センサ」と記載する。)からの検出信号に基づいて回転操作部302の回転(回転方向)及び押圧操作部303の操作等を取得した各種情報(例えば、演出操作ユニット300に設けられた各種センサからの検出信号に基づいて作成する回転操作部302の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部303の操作履歴情報など。)がセットされる周辺制御IC1510aのRAMに基づいて、回転操作部302の回転方向や押圧操作部303の操作有無を監視し、回転操作部302の回転方向や押圧操作部303の操作の状態を遊技演出に反映するか否かを適宜決定する。具体的には、演出操作ユニット情報取得処理で音量が調節されていれば調節後の音量に応じて音生成用スケジュールデータを書き換え、輝度が調節されていれば調節後の輝度に応じて発光態様生成用スケジュールデータを書き換る。これにより、音量や輝度の調節がリアルタイムに反映されて調節後の音量や輝度で演出が進行するようになる。
なお、周辺制御IC1510aのCPUは、演出操作ユニット監視処理の一処理としてランプパレット設定処理も行う。ランプパレット設定処理では、上述した輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値から構成されるランプパレット設定テーブルに基づいて、直接光として用いられるLEDの輝度と、間接光として用いられるLEDの輝度と、をそれぞれ設定する。デモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)や演出の進行中において、ランプパレット設定処理を実行して、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)を操作して、上述した、第1輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る一の輝度指定値を設定した場合には、その設定した輝度指定値となるように、周辺制御IC1510aのRAMにセットした上述した階調情報を更新することができるようになっている。
ステップS1014に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、表示データ出力処理を行う(ステップS1016)。この表示データ出力処理では、後述する表示データ作成処理において、周辺制御IC1510aのVDPが周辺制御IC1510aのCPUからの指示に基づいてSDRAM1510c1,1510c2から画像データを読み出して周辺制御IC1510aのVRAM上に生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを液晶出力基板1530に出力する。これにより、演出表示装置1600にさまざまな画面(画像)が描画(表示)される。なお、表示データ出力処理では、周辺制御IC1510aのVDPの描画能力を超える描画を行った場合には、生成した1画面分(1フレーム分)の描画データを出力することをキャンセルするようになっている。これにより、処理時間の遅れを防止することができるが、いわゆるコマ落ちが発生することとなるものの、後述する音データ出力処理による、振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464、本体枠スピーカ622等の各種スピーカ(以下、「各種スピーカ」と記載する。)から各種演出に合わせた音楽や効果音等による演出を優先することができる仕組みとなっている。
ステップS1016に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、音データ出力処理を行う(ステップS1018)。この音データ出力処理では、後述する音データ作成処理において、周辺制御IC1510aの音源が周辺制御IC1510aのCPUからの指示に基づいてSDRAM1510c1,1510c2から音データを読み出し、設定される出力チャンネルから各種スピーカに出力する。これにより、各種スピーカから各種演出に合せた音楽及び効果音等のサウンドが流れる。
ステップS1018に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、スケジューラ更新処理を行う(ステップS1020)。このスケジューラ更新処理では、周辺制御IC1510aのRAMにセットされた各種スケジュールデータを更新する。例えば、スケジューラ更新処理では、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、先頭の画面データから何番目の画面データを周辺制御IC1510aのVDPに出力するのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、発光態様生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された発光データのうち、先頭の発光データから何番目の発光データを出力対象とするのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された、音楽や効果音等の音データ、報知音や告知音の音データを指示する音指令データのうち、先頭の音指令データから何番目の音指令データを周辺制御IC1510aの音源に出力するのかを指示するために、ポインタを更新する。
またスケジューラ更新処理では、電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、先頭の駆動データから何番目の駆動データを出力対象とするのかを指示するために、ポインタを更新する。
電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データは、後述する、1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行される周辺制御部1msタイマ割り込み処理におけるモータ及びソレノイド駆動処理で更新される。この1msタイマ割り込みが発生するごとに繰り返し実行されるモータ及びソレノイド駆動処理では、ポインタが指示する駆動データに従ってモータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動するとともに、時系列に規定された次の駆動データにポインタを更新し、自身の処理を実行するごとに、ポインタを更新する。つまり、モータ及びソレノイド駆動処理において更新したポインタの指示する駆動データは、スケジューラ更新処理において強制的に更新される仕組みとなっているため、仮に、モータ及びソレノイド駆動処理においてポインタが何らかの原因で本来指示するはずの駆動データから他の駆動データを指示することとなっても、スケジューラ更新処理において本来指示するはずの駆動データに指示するように強制的に更新されるようになっている。
ステップS1020に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、受信コマンド解析処理を行う(ステップS1022)。この受信コマンド解析処理では、主制御基板1310から送信された各種コマンドを、後述する周辺制御部コマンド受信割り込み処理において受信してその受信した各種コマンドの解析を行う。主制御基板1310からの各種コマンドは、周辺制御部コマンド受信割り込み処理で受信されて周辺制御IC1510aのRAMに記憶されるようになっており、この受信コマンド解析処理では、周辺制御IC1510aのRAMに記憶された各種コマンドの解析を行う。周辺制御IC1510aのCPUは、解析した各種コマンドに基づいて、画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、制御ROM1510bから読み出して(抽出して)周辺制御IC1510aのRAMにセットする。
なお、周辺制御IC1510aのCPUは、受信コマンド解析処理の一処理としてランプパレット設定処理も行う。ランプパレット設定処理では、上述した輝度指定値、通常パレット値、及び特殊パレット値から構成されるランプパレット設定テーブルに基づいて、直接光として用いられるLEDの輝度と、間接光として用いられるLEDの輝度と、をそれぞれ設定する。周辺制御IC1510aは、主制御基板1310からの各種コマンドを解析し、この解析した各種コマンドに基づいて、発光態様生成用スケジュールデータを制御ROM1510bから読み出して(抽出して)、ランプパレット設定処理を実行して、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)を操作して、上述した、第1輝度指定値から最大輝度となる第31輝度指定値までに亘る一の輝度指定値を設定した場合には、その設定した輝度指定値となるように、上述した階調情報を更新して周辺制御IC1510aのRAMにセットすることができるようになっている。
また、周辺制御IC1510aのCPUは、この周辺制御部コマンド割り込み処理で受信された主制御基板1310からのコマンドが、例えば、始動口入賞演出の開始を指示するための始動口入賞コマンド、普通図柄の保留数(0〜4個)を識別するための普通図柄記憶コマンド、図柄同調演出の開始を指示するための図柄同調演出開始コマンド、始動保留数が変化すると出力される図柄記憶コマンド、大入賞口2005に遊技球が受け入れられる度に出力された大入賞口1カウント表示コマンドであるか否かを解析し、現在、どの遊技状態であるかを認識する。
主制御基板1310からの各種コマンドは、周辺制御部コマンド受信割り込み処理で受信されて周辺制御IC1510aのRAMに記憶されるようになっており、受信コマンド解析処理では、周辺制御IC1510aのRAMに記憶された各種コマンドの解析を行う。各種コマンドには、特図1同調演出関連に区分される各種コマンド、特図2同調演出関連に区分される各種コマンド、大当り関連に区分される各種コマンド、電源投入に区分される各種コマンド、普図同調演出関連に区分される各種コマンド、普通電役演出関連に区分される各種コマンド、報知表示に区分される各種コマンド、状態表示に区分される各種コマンド、テスト関連に区分される各種コマンド及びその他に区分される各種コマンドがある。
ステップS1022に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、警告処理を行う(ステップS1024)。この警告処理では、ステップS1022の受信コマンド解析処理で解析したコマンドに、報知表示に区分される各種コマンドが含まれているときには、各種異常報知を実行するための異常表示態様に設定されている、画面生成用スケジュールデータ、発光態様生成用スケジュールデータ、音生成用スケジュールデータ、及び電気的駆動源スケジュールデータ等を、制御ROM1510bから読み出して(抽出して)周辺制御IC1510aのRAMにセットする。なお、警告処理では、複数の異常が同時に発生した場合には、予め登録した優先度の高い順から異常報知から行われ、その異常が解決して残っている他の異常報知に自動的に遷移するようになっている。これにより、一の異常が発生した後であってその異常を解決する前に他の異常が発生して一の異常が発生しているという情報を失うことなく、複数の異常を同時に監視することができる。
ステップS1024に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、RCT取得情報更新処理を行う(ステップS1026)。このRTC取得情報更新処理では、ステップS1002の現在時刻情報取得処理で取得して周辺制御IC1510aのRAMに記憶されたカレンダー情報と時刻情報とを更新する。このRCT取得情報更新処理により、周辺制御IC1510aのRAMに記憶される時刻情報である時分秒が更新され、この更新される時刻情報に基づいて周辺制御IC1510aのRAMに記憶されるカレンダー情報である年月日が更新される。
ステップS1026に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、表示データ作成処理を行う(ステップS1030)。この表示データ作成処理では、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、画面生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された画面データのうち、そのポインタが示す画面データを、制御ROM1510bから読み出して(抽出して)周辺制御IC1510aのVDPに出力する。
周辺制御IC1510aのVDPは、周辺制御IC1510aのCPUから画面データが入力されると、この入力された画面データに基づいて、SDRAM1510c1,1510c2から画像データを読み出して演出表示装置1600に描画(表示)する1画面分(1フレーム分)の描画データを内蔵VRAMに生成する。
ステップS1030に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、音データ作成処理を行う(ステップS1032)。この音データ作成処理では、ステップS1020のスケジューラ更新処理においてポインタが更新されて、音生成用スケジュールデータを構成する時系列に配列された音指令データのうち、そのポインタが指示する音指令データを、制御ROM1510bから読み出して(抽出して)周辺制御IC1510aのRAMにセットする。周辺制御IC1510aの音源は、周辺制御IC1510aのCPUから音指令データが入力されると、SDRAM1510c1,1510c2から音データを読み出して音指令データに規定されたトラック番号に従って音楽及び効果音等の音データを組み込むとともに、出力チャンネル番号に従って使用する出力チャンネルを設定する。
なお、音データ作成処理では、この音データ作成処理を行うごとに(つまり、周辺制御部定常処理を行うごとに)、音量調整スイッチ1510dからの音量調整操作信号に基づいて、音量調整スイッチ1510dのスライド位置を特定している。周辺制御IC1510aのCPUは、音量調整スイッチ1510dのスライド位置と対応する音量となるように、周辺制御IC1510aの音源を制御して、ステップS1018の音データ出力処理において、この音データ作成処理で設定した出力チャンネルから音データを各種スピーカに出力する。これにより、各種スピーカから各種演出に合せた音楽及び効果音等のサウンドが流れるようになっている。
また、報知音や告知音は、音量調整スイッチ1510dのスライド操作に基づく音量調整に全く依存されずに流れる仕組みとなっており、消音から最大音量までの音量をプログラムにより周辺制御IC1510aのCPUが周辺制御IC1510aの音源を制御して調整することができるようになっている。このプログラムにより調整される音量は、消音から最大音量までを滑らかに変化させることができるようになっている。例えば、遊技ホールの店員等の係員が音量調整スイッチ1510dをスライド操作して音量を小さく設定した場合であっても、各種スピーカから流れる音楽や効果音等の演出音が小さくなるものの、パチンコ機1に不具合が発生しているときや遊技者が不正行為を行っているときには大音量(本実施形態では、最大音量)に設定した報知音を流すことができる。したがって、演出音の音量を小さくしても、報知音により遊技ホールの店員等の係員が不具合の発生や遊技者の不正行為を気付き難くなることを防止することができる。また、音量調整スイッチ1510dのスライド操作に基づく音量調整により設定されている現在の音量に基づいて、広告音を流す音量を小さくして音楽や効果音の妨げとならないようにしたりする一方、広告音を流す音量を大きくして音楽や効果音に加えて演出表示装置1600で繰り広げられている画面(画像)をより迫力あるものとして演出したり、遊技者にとって有利な遊技状態に移行する可能性が高いこと告知したりすることもできる。
ステップS1032に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、バックアップ処理を行う(ステップS1034)。このバックアップ処理では、周辺制御IC1510aのRAMに記憶されている内容を周辺制御IC1510aのRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップするとともに、SDRAM1510c1,1510c2に記憶されている内容をSDRAM1510c1,1510c2に設けられる定常処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップする。
ステップS1034に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、WDTクリア処理を行う(ステップS1036)。このWDTクリア処理では、外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御IC1510aのCPUにリセットがかからないようにしている。
ステップS1036に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御部定常処理の実行完了として定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットし(ステップS1038)、再びステップS1004に戻り、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値0をセットして初期化し、後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理においてVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1がセットされるまで、ステップS1006の判定を繰り返し行う。つまりステップS1006では、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値1がセットされるまで待機し、ステップS1006でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であると判定されると、ステップS1008〜ステップS1038の処理を行い、再びステップS1004に戻る。このように、ステップS1006でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であると判定されると、ステップS1008〜ステップS1038の処理を行うようになっている。ステップS1008〜ステップS1038の処理を「周辺制御部定常処理」という。
この周辺制御部定常処理では、まずステップS1008で周辺制御部定常処理を実行中であるとして定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットすることから開始し、ステップS1010で1ms割り込みタイマ起動処理を行い、ステップS1014、・・・、そしてステップS1036の各処理を行って最後にステップS1038において周辺制御部定常処理の実行完了として定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットすると、完了することとなる。周辺制御部定常処理は、ステップS1006でVブランク信号検出フラグVB−FLGが値1であるときに実行される。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、上述したように、周辺制御IC1510aのCPUからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が周辺制御IC1510aのVDPから周辺制御IC1510aのCPUに入力されたことを契機として実行される後述する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理において値1がセットされるようになっている。本実施形態では、演出表示装置1600のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として、上述したように、概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が入力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。つまり、周辺制御部定常処理は、約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっている。
[17−2.周辺制御部Vブランク信号割り込み処理]
次に、周辺制御IC1510aのCPUからの画面データを受け入れることができる状態である旨を伝えるVブランク信号が周辺制御IC1510aのVDPから入力されたことを契機として実行する周辺制御部Vブランク信号割り込み処理について説明する。この周辺制御部Vブランク信号割り込み処理が開始されると、周辺制御IC1510aのCPUは、図218に示すように、定常処理中フラグSP−FLGが値0であるかを判定する(ステップS1045)。この定常処理中フラグSP−FLGは、上述したように、図217の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1008〜ステップS1038の周辺制御部定常処理を実行中であるとき値1、周辺制御部定常処理を実行完了したとき値0にそれぞれセットされる。
ステップS1045の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、定常処理中フラグSP−FLGが値0でない(値1である)とき、つまり周辺制御部定常処理を実行中であると判定したときには、そのままこのルーチンを終了する。一方、ステップS1045の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、定常処理中フラグSP−FLGが値0であるとき、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したと判定したときには、Vブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットし(ステップS1050)、このルーチンを終了する。このVブランク信号検出フラグVB−FLGは、上述したように、周辺制御部定常処理を実行するか否かを決定するためのフラグであり、周辺制御部定常処理を実行するとき値1、周辺制御部定常処理を実行しないとき値0にそれぞれ設定される。
本実施形態では、ステップS1045の判定で定常処理中フラグSP−FLGが値0であるか否か、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したか否かを判定し、周辺制御部定常処理を実行完了したときにはステップS1050でVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットするようになっているが、これは、周辺制御部定常処理を実行中であるときに、Vブランク信号が入力されてVブランク信号検出フラグVB−FLGに値1をセットすると、図217の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1006の判定で周辺制御部定常処理を実行するものとして、現在実行中の周辺制御部定常処理を途中で強制的にキャンセルして周辺制御部定常処理を最初から実行開始するため、これを防止する目的で、図217の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1008で定常処理中フラグSP−FLGに値1をセットすることで周辺制御部定常処理を実行中である旨を、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理に伝えるとともに、図217の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1038で定常処理中フラグSP−FLGに値0をセットすることで周辺制御部定常処理を実行完了した旨を、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理に伝えることにより、本ルーチンである周辺制御部Vブランク信号割り込み処理におけるステップS1045の判定で定常処理中フラグSP−FLGが値0であるか否か、つまり周辺制御部定常処理を実行完了したか否かを判定するようになっている。換言すると、Vブランク信号が入力されて次のVブランク信号が入力されるまでに周辺制御部定常処理を実行完了することができず、いわゆる処理落ちした場合の処置である。
これにより、今回の周辺制御部定常処理においては、約33.3msという時間でその処理を完了できず処理落ちした場合には、図217の周辺制御部電源投入時処理におけるステップS1006の判定で次回のVブランク信号が入力されるまで待機する状態となる。つまり、処理落ちした今回の周辺制御部定常処理を実行するための時間が約66.6msとなる。通常、図217の周辺制御部電源投入時処理(周辺制御部定常処理)におけるステップS1010で1ms割り込みタイマの起動により1ms割り込みタイマが発生するごとに繰り返し実行する、後述する周辺制御部1msタイマ割り込み処理は1回の周辺制御部定常処理に対して32回だけ実行されるものの、上述した処理落ちした今回の周辺制御部定常処理が存在する場合には、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が64回ではなく、32回だけ実行されるようになっている。つまり、周辺制御部定常処理が処理落ちした場合であっても、周辺制御部定常処理による演出の進行状態とタイマ割り込み制御である周辺制御部1msタイマ割り込み処理による演出の進行状態との整合性が崩れないようになっている。したがって、周辺制御部定常処理が処理落ちした場合であっても演出の進行状態を確実に整合させることができる。
[17−3.周辺制御部1msタイマ割り込み処理]
次に、図217の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマの起動により1ms割り込みタイマが発生するごとに繰り返し実行する周辺制御部1msタイマ割り込み処理について説明する。この周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されると、周辺制御IC1510aのCPUは、図219に示すように、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さいか否かを判定する(ステップS1100)。この1msタイマ割り込み実行回数STNは、上述したように、図217の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010の1ms割り込みタイマ起動処理で1ms割り込みタイマが起動して本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数をカウントするカウンターである。本実施形態では、演出表示装置1600のフレーム周波数(1秒間あたりの画面更新回数)として、上述したように、概ね秒間30fpsに設定しているため、Vブランク信号が入力される間隔は、約33.3ms(=1000ms÷30fps)となっている。つまり、周辺制御部定常処理は、約33.3msごとに繰り返し実行されるようになっているため、周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを起動した後、次の周辺制御部定常処理が実行されるまでに、周辺制御部1msタイマ割り込み処理が32回だけ実行されるようになっている。具体的には、周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマが起動されると、まず1回目の1msタイマ割り込みが発生し、2回目、・・・、そして32回目の1msタイマ割り込みが順次発生することとなる。
ステップS1100の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さくないとき、つまり33回目の1msタイマ割り込みが発生してこの周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されたと判定したときには、そのままこのルーチンを終了する。33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、本実施形態では、割り込み処理の優先順位として、周辺制御部1msタイマ割り込み処理の方が周辺制御部Vブランク割り込み処理と比べて高く設定されているものの、この33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルするようになっている。換言すると、本実施形態では、Vブランク信号が周辺制御基板1510のシステム全体を支配する信号であるため、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、周辺制御部Vブランク割り込み処理を実行するために33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始が強制的にキャンセルさせられている。そして、Vブランク信号の発生により周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを再び起動した後、新たに1回目の1msタイマ割り込みの発生による周辺制御部1msタイマ割り込み処理を開始するようになっている。
一方、ステップS1100の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、1msタイマ割り込み実行回数STNが33回より小さいと判定したときには、1msタイマ割り込み実行回数STNに値1だけ足す(インクリメントする、ステップS1102)。
この1msタイマ割り込み実行回数STNに値1が足されることにより、図217の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1010の1ms割り込みタイマ起動処理で1ms割り込みタイマが起動して本ルーチンである周辺制御部1msタイマ割り込み処理が実行された回数が1回分だけ増えることとなる。
ステップS1102に続いて、モータ及びソレノイド駆動処理を行う(ステップS1104)。このモータ及びソレノイド駆動処理では、周辺制御IC1510aのRAMにセットされた電気的駆動源スケジュールデータを構成する時系列に配列されたモータやソレノイド等の電気的駆動源の駆動データのうち、ポインタが指示する駆動データに従って、モータやソレノイド等の電気的駆動源を駆動するとともに、時系列に規定された次の駆動データにポインタを更新し、このモータ及びソレノイド駆動処理を実行するごとに、ポインタを更新する。これにより、周辺制御IC1510aのCPUが管理するモータやソレノイド等の電気的駆動源(例えば、扉枠3に設けられる電気的駆動源や遊技盤5に設けられる各種演出ユニットに備える電気的駆動源等)は、電気的駆動源スケジュールデータに従って駆動される。
ステップS1104に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、可動体情報取得処理を行う(ステップS1106)。この可動体情報取得処理では、遊技盤5に設けられる各種演出ユニットに備える各種センサからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種センサからの検出信号の履歴情報(例えば、原位置履歴情報、可動位置履歴情報など。)を作成し、周辺制御IC1510aのRAMにセットする。周辺制御IC1510aのCPUは、周辺制御IC1510aのRAMにセットされる各種センサからの検出信号の履歴情報に基づいて、遊技盤5に設けられる各種演出ユニットに備える各種可動体の原位置(待機位置)を設定したり、可動位置を取得したりすることにより、可動位置を把握する。
ステップS1106に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、演出操作ユニット情報取得処理を行う(ステップS1108)。この演出操作ユニット情報取得処理では、演出操作ユニット300に設けられた各種センサからの検出信号が入力されているか否かを判定することにより各種センサからの検出信号の履歴情報(例えば、回転操作部302の回転(回転方向)履歴情報、及び押圧操作部303の操作履歴情報など。)を作成し、周辺制御IC1510aのRAMにセットする。周辺制御IC1510aのRAMにセットされる各種センサからの検出信号の履歴情報から回転操作部302の回転方向や押圧操作部303の操作有無を取得することができる。本実施形態のパチンコ機1では、演出操作部301を操作することにより、振動スピーカ354、トップ中央スピーカ462、トップサイドスピーカ464や、本体枠4の本体枠スピーカ622から出力される音量を調節したり、扉枠3や遊技盤5に備える各種装飾基板に複数実装される各種LED(LED1130a、3311aa、3321aa、3411aa、3421aa等)の輝度を調節したりすることができるようになっている。
ステップS1108に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、バックアップ処理を行い(ステップS1110)、このルーチンを終了する。このバックアップ処理では、周辺制御IC1510aのRAMに記憶されている内容を周辺制御IC1510aのRAMに設けられる1msタイマ割り込み処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップするとともに、SDRAM1510c1,1510c2に記憶されている内容をSDRAM1510c1,1510c2に設けられる1msタイマ割り込み処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップする。なお、本実施形態では、周辺制御IC1510aのRAMに設けられる1msタイマ割り込み処理用バックアップ領域と、周辺制御IC1510aのRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域と、は異なる領域に設定されているとともに、SDRAM1510c1,1510c2に設けられる1msタイマ割り込み処理用バックアップ領域と、SDRAM1510c1,1510c2に設けられる定常処理用バックアップ領域と、は異なる領域に設定されている。
このように、周辺制御部1msタイマ割り込み処理では、1msという期間内において、演出の進行としてステップS1104〜ステップS1108の演出に関する各種処理を実行している。これに対して、図217の周辺制御部電源投入時処理における周辺制御部定常処理では、約33.3msという期間内において、演出の進行としてステップS1014〜ステップS1032の演出に関する各種処理を実行している。周辺制御部1msタイマ割り込み処理では、ステップS1100で1msタイマ割り込み実行回数STNが値33より小さくないとき、つまり33回目の1msタイマ割り込みが発生してこの周辺制御部1msタイマ割り込み処理が開始されたときには、そのままこのルーチンを終了するようになっているため、仮に、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合でも、この33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルし、Vブランク信号の発生により周辺制御部定常処理におけるステップS1010で1ms割り込みタイマを再び起動した後、新たに1回目の1msタイマ割り込みの発生による周辺制御部1msタイマ割り込み処理を開始するようになっている。つまり、周辺制御部定常処理による演出の進行状態とタイマ割り込み制御である周辺制御部1msタイマ割り込み処理による演出の進行状態との整合性が崩れないようになっている。したがって、演出の進行状態を確実に整合させることができる。
また、上述したように、Vブランク信号が出力される間隔は、演出表示装置1600の液晶サイズによって多少変化するし、周辺制御IC1510aが実装された周辺制御基板1510の製造ロットにおいてもVブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合もある。本実施形態では、Vブランク信号が周辺制御基板1510のシステム全体を支配する信号であるため、33回目の1msタイマ割り込みの発生が次回のVブランク信号の発生よりたまたま先行した場合には、周辺制御部Vブランク割り込み処理を実行するために33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始が強制的にキャンセルさせられている。つまり本実施形態では、Vブランク信号が出力される間隔が多少変化する場合であっても、33回目の1msタイマ割り込みによる周辺制御部1msタイマ割り込み処理の開始を強制的にキャンセルすることによって、このVブランク信号が出力される間隔が多少変化することによる時間ズレを吸収することができるようになっている。
[17−4.周辺制御部コマンド受信割り込み処理]
次に、主制御基板1310からの各種コマンドを受信する周辺制御部コマンド受信割り込み処理について説明する。周辺制御IC1510aのCPUは、主制御基板1310からの各種コマンドがシリアルデータとして送信開始されると、これを契機として、主周シリアルデータを周辺制御IC1510aのシリアルI/Oポートで1バイト(8ビット)の情報を受信バッファに取り込み、この取り込みが完了すると、これを契機として割り込みが発生し、周辺制御部コマンド受信割り込み処理を行う。主周シリアルデータは、1パケットが3バイトに構成されており、1バイト目としてステータスが割り振られ、2バイト目としてモードが割り振られ、3バイト目としてステータスとモードとを数値とみなしてその合計を算出したサム値が割り振られている。
周辺制御部コマンド受信割り込み処理が開始されると、周辺制御IC1510aのCPUは、図220に示すように、1バイト受信期間タイマがタイムアウトしたか否かを判定する(ステップS1200)。この1バイト受信期間タイマは、主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を設定するものである。
ステップS1200の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間内であると判定したときには、周辺制御IC1510aのシリアルI/Oポートの受信バッファから受信した1バイトの情報を取り込み(ステップS1202)、受信カウンタSRXCに値1を加える(インクリメントする、ステップS1204)。この受信カウンタSRXCは、受信バッファから取り出した回数を示すカウンタであり、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスを受信バッファから取り出すと値1、主周シリアルデータの2バイト目であるモードを受信バッファから取り出すと値2、主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出すと値3となる。なお、受信カウンタSRXCは、電源投入時等に初期値0がセットされる。
ステップS1204に続いて、受信カウンタSRXCが値3であるか否か、つまり主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信バッファから取り出したか否かを判定する(ステップS1206)。この判定では、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したか否かを判定している。
ステップS1206の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、受信カウンタSRXCが値3でないとき、つまり主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、まだ主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出していないと判定したときには、1バイト受信期間タイマのセットを行い(ステップS1208)、このルーチンを終了する。ステップS1208で1バイト受信期間タイマがセットされることで、主周シリアルデータの2バイト目であるモード又は主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を受信し得る期間が設定される。
一方、ステップS1206の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、受信カウンタSRXCが値3であるとき、つまり主周シリアルデータの1バイト目であるステータスに続いて、主周シリアルデータの2バイト目であるモード、そして主周シリアルデータの3バイト目であるサム値を、順に受信バッファから取り出したと判定したときには、受信カウンタSRXCに初期値0をセットし(ステップS1210)、サム値を算出する(ステップS1212)。この算出は、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した、主周シリアルデータの1バイト目であるステータスと、主周シリアルデータの2バイト目であるモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出する。
ステップS1212に続いて、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致しているか否かを判定する(ステップS1214)。ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値は、主制御基板1310からの主周シリアルデータのうち、主周シリアルデータの3バイト目として割り振られたサム値であるため、ステップS1212で算出したサム値と一致しているはずである。ところが、パチンコ機1は、遊技ホールの島設備から遊技球が供給されており、遊技球は、互いにこすれ合って帯電すると、静電放電してノイズを発生するため、パチンコ機1はノイズの影響を受けやすり環境下にある。
そこで、本実施形態では、周辺制御基板1510側において、受信した主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードと、を数値とみなしてその合計(サム値)を算出し、この算出したサム値が、主制御基板1310からの主周シリアルデータのうち、主周シリアルデータの3バイト目として割り振られたサム値と一致しているか否かを判定している。これにより、周辺制御IC1510aのCPUは、主制御基板1310と周辺制御基板1510との基板間において、主周シリアルデータがノイズの影響を受けて正規と異なる主周シリアルデータに変化したか否かを判定することができる。
ステップS1214の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致していると判定したときには、受信した、主周シリアルデータの1バイト目として割り振られたステータスと、主周シリアルデータの2バイト目として割り振られたモードとを、周辺制御IC1510aのRAMに記憶し(ステップS1216)、このルーチンを終了する。
一方、ステップS1200の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、1バイト受信期間タイマがタイムアウトしていないとき、つまり主制御基板1310から送信される主周シリアルデータのうち、1バイト(8ビット)の情報を受信し得る期間を超えていると判定したときには、又はステップS1214の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、ステップS1202で受信バッファからすでに取り出した主周シリアルデータの3バイト目であるサム値と、ステップS1212で算出したサム値と、が一致していないと判定したときには、そのままこのルーチンを終了する。
[17−5.周辺制御部停電予告信号割り込み処理]
次に、主制御基板1310の停電監視回路1310eからの停電予告信号が主制御基板1310から入力されたことを契機として実行する周辺制御部停電予告信号割り込み処理について説明する。この周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されると周辺制御IC1510aのCPUは、図221に示すように、まず2マイクロ秒タイマを起動し(ステップS1300)、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS1302)。ステップS1302の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、停電予告信号が入力されていないと判定したときには、そのままこのルーチンを終了する。
一方、ステップS1302の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、停電予告信号が入力されていると判定したときには、2マイクロ秒経過したか否かを判定する(ステップS1304)。この判定では、ステップS1300で起動したタイマが2マイクロ秒経過した否かを判定している。ステップS1304の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、2マクロ秒経過していないときには、ステップS1302に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定し、停電予告信号が入力されていないと判定したときにはそのままこのルーチンを終了する一方、停電予告信号が入力されていると判定したときには、再びステップS1304で2マイクロ秒経過したか否かを判定する。
つまりステップS1304の判定では、本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されて2マイクロ秒間、停電予告信号が入力され続けているか否かを判定している。
ステップS1304の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が開始されて2マイクロ秒間、停電予告信号が入力され続けていると判定したときには、節電処理を行う(ステップS1306)。この節電処理では、演出表示装置1600のバックライトの消灯、遊技盤5に設けられるモータやソレノイドへの励磁OFF、各種LEDの消灯等を順次実行することによりパチンコ機1のシステム全体の消費電力を抑えることによって、パチンコ機1の電力が遮断されても周辺制御IC1510aのCPUが動作可能な時間である20ミリ秒の期間だけ安定動作を確保している。
ステップS1306に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、コマンド受信待機処理を行う(ステップS1308)。このコマンド受信待機処理では、主制御基板1310が送信中の各種コマンドがある場合を想定して、送信中のコマンドを周辺制御IC1510aが受信することができるように、少なくとも、17ミリ秒の期間だけ待機するようになっている。コマンドを受信すると、上述した、周辺制御部コマンド受信割り込み処理が開始されて周辺制御IC1510aのRAMに受信したコマンドが記憶される。
ステップS1308に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、コマンドのバックアップ処理を行う(ステップS1310)。このコマンドのバックアップ処理では、周辺制御IC1510aのRAMに記憶されているコマンドを周辺制御IC1510aのRAMに設けられる定常処理用バックアップ領域にコピーしてバックアップする。
ステップS1310に続いて、周辺制御IC1510aのCPUは、停電予告信号が入力されているか否かを判定する(ステップS1312)。ステップS1312の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、停電予告信号が入力されていると判定したときには、WDTクリア処理を行う(ステップS1314)。このWDTクリア処理では、外部WDTにクリア信号を出力して周辺制御IC1510aのCPUにリセットがかからないようにする。
一方、ステップS1312の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、停電予告信号が入力されていないと判定したとき、又はステップS1314に続いて、再びステップS1312に戻り、停電予告信号が入力されているか否かを判定する。つまり、停電予告信号が入力されているか否かを無限に判定し続けることとなる。このように無限に判定し続けることにより、ステップS1312の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、停電予告信号が入力されていないと判定したときには、外部WDTにクリア信号を出力することができなくなり、周辺制御IC1510aのCPUにリセットがかかる一方、ステップS1312の判定において、周辺制御IC1510aのCPUは、停電予告信号が入力されていると判定したときには、ステップS1314でWDTクリア処理を行い、周辺制御IC1510aのCPUにリセットがかからない。なお、周辺制御IC1510aのCPUにリセットがかかると、図217に示した周辺制御部電源投入時処理が再び開始されることとなる。
このように、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続する場合には、ステップS1314でWDTクリア処理が実行されることによって停電状態になる直前で周辺制御IC1510aのCPUにリセットがかからないようになっている。これに対して、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続されず解除された場合には、WDTクリア処理が実行されないため、外部WDTにクリア信号を出力が中断されるようになっている。これにより、ノイズなどで本ルーチンである周辺制御部停電予告信号割り込み処理が誤って開始され、そのノイズが2マイクロ秒の期間を超えて発生することでステップS1302の判定を通過したとしても、ステップS1312による判定で無限ループにおいて停電予告信号の入力が継続されず解除された場合には、ステップS1314のWDTクリア処理が実行されないことにより周辺制御IC1510aのCPUにリセットがかかるようになっているため、そのようなノイズに対して自動的にリセット復帰することで対応することができるようになっている。
[18.本実施形態の特徴的な作用効果]
このように、本実施形態のパチンコ機1によると、表ユニット2000の表演出ユニット2600における導光板2601の第一絵柄2610や第二絵柄2630等を発光表示させていないと共に、遊技パネル1100において、パネル装飾基板1130のパネル装飾用LED1130aによりパネル板1110の装飾パターン1150を発光装飾させていない状態(通常の状態)では、パネル板1110の装飾パターン1150が前方から常時視認可能に形成されていると共に、パネル板1110の後方に配置されている裏ユニット3000における裏左演出ユニット3300の裏左背面装飾板3360及び裏右演出ユニット3400の裏右背面装飾板3460により視認性が補助されていることから、遊技者に対して遊技領域5a内における枠状のセンター役物2500の外側の部位に装飾パターン1150が形成されていることを認識させることができると共に、導光板2601が透明な状態となっていることから、センター役物2500の枠内の後方に配置されている演出画像を表示可能な演出表示装置1600等を良好な状態で遊技者に視認させることができる。この際に、パネル板1110の開口部1112に設けられている枠状のセンター役物2500が透明とされて装飾パターン1150を前方から視認可能としているため、センター役物2500を通して、装飾パターン1150におけるセンター役物2500の後方に位置する部位も視認することができ、装飾パターン1150の全体を視認することができる。
この装飾パターン1150は、パネル装飾基板1130のパネル装飾用LED1130aから照射されて、パネル板1110の側面から入射された光により発光装飾可能とされていることから、側面以外からの光も適宜方向へ反射させることが可能であるため、本パチンコ機1に備えられている装飾体や可動装飾体等のLEDからの光、本パチンコ機1を設置している遊技ホール内の照明の光、近くに設置されている他のパチンコ機からの光、更には、本パチンコ機1の前方で着座している遊技者の目の位置、等によって、装飾パターン1150の適宜部位が光って見えることにより、装飾パターン1150の見え具合が様々に変化することとなり、遊技パネル(パネル板)に装飾シートを貼り付けた従来のパチンコ機とは、明らかに異なる印象(雰囲気)の遊技領域5a内を遊技者に見せことが可能となり、遊技者の関心を強く引付けさせることができ、遊技者に対する訴求力の高いパチンコ機1とすることができると共に、パネル板1110の装飾を遊技者に楽しませて、遊技者の興趣の低下を抑制させることができる。
この通常の状態で、外形が四角いパネルホルダ1120の隅(左上隅と左下隅)に設けられているパネル装飾基板1130のパネル装飾用LED1130aの発光により、パネル板1110の側面から光を入射させて装飾パターン1150を発光装飾させると、装飾パターン1150の全体が光って見えるため、装飾パターン1150を目立たせることができ、遊技領域5a内におけるセンター役物2500の外側の部位の見栄えを良くすることができると共に、遊技者の関心を強く引付けさせることができ、遊技者に対する訴求力を高めることができる。また、装飾パターン1150を発光装飾させることで、発光装飾させていない時とは装飾パターン1150の見え方を異ならせることができることから、従来のパチンコ機では見ることができなかったパネル板1110の装飾の発光を見せることができるため、装飾パターン1150が発光装飾されることで、チャンスの到来等のように遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
また、装飾パターン1150を発光装飾させると共に表演出ユニット2600における導光板2601の第一絵柄2610又は第二絵柄2630を発光表示させると、遊技領域5a内において、枠状のセンター役物2500の外側の部位が装飾パターン1150により発光装飾されると共に、センター役物2500の枠内の部位が導光板2601の第一絵柄2610又は第二絵柄2630により発光表示(発光装飾)されることとなり、装飾パターン1150と導光板2601の第一絵柄2610や第二絵柄2630とが互いに連続する意匠の絵柄であることから、遊技領域5a内の全体が一つの絵柄(ここでは、複数の正三角形の輪郭からなる幾何学模様の絵柄)の装飾により発光装飾させることとなるため、遊技領域5a内の全体の見栄えを良くすることができ、遊技者に遊技領域5a内の装飾を楽しませることができる。この際に、センター役物2500におけるパネル板1110の前面に当接する部位が透明に形成されていることから、透明なパネル板1110の後面に形成されている装飾パターン1150において、センター役物2500におけるパネル板1110の前面に当接している部位の後方に位置している部分を、センター役物2500を通して前方から視認することができるため、装飾パターン1150と導光板2601の第一絵柄2610や第二絵柄2630との間の途切れを可及的に小さくすることができ、遊技者に対して装飾パターン1150と導光板2601の第一絵柄2610や第二絵柄2630とが連続した一体の装飾であると認識させ易くすることができる。したがって、パネル板1110の装飾パターン1150と導光板2601の第一絵柄2610や第二絵柄2630とで、巨大な発光装飾を遊技者に見せることができるため、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、遊技者に対して何か良いことが起こると確信させることが可能となり、遊技に対する期待感を更に高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、外形が四角いパネルホルダ1120の左上隅と左下隅にパネル装飾基板1130を配置していると共に、パネル板1110の後方でパネル装飾基板1130から遠い位置に、背面発光手段としてのLEDが実装されている裏右演出ユニット3400の裏右上基段装飾基板及び裏右下基段装飾基板を配置しているため、装飾パターン1150において、パネル装飾基板1130のパネル装飾用LED1130aからパネル板1110の側面に入射された光の届き難い部位を、背面発光手段により発光装飾させることが可能となるため、装飾パターン1150の全体を均一な明るさで発光装飾させることができ、上述した作用効果を奏するパチンコ機1を確実に具現化することができる。
また、透明なパネル板1110の後面に形成されている装飾パターン1150に対して、パネル板1110の開口部1112に設けられているセンター役物2500に、第一絵柄2610や第二絵柄2630を発光表示可能な透明な導光板2601を設けるようにしていることから、装飾パターン1150と導光板2601の第一絵柄2610や第二絵柄2630との前後方向の位置を可及的に接近させることができるため、装飾パターン1150と導光板2601の第一絵柄2610や第二絵柄2630とを伴に発光装飾させた時の一体感をより高めることができ、上述した作用効果をより奏し易くすることができる。
更に、パネル板1110の開口部1112に設けられている枠状のセンター役物2500の枠内に、第一絵柄2610や第二絵柄2630を発光表示可能な透明な導光板2601を設けているため、導光板2601の第一絵柄2610又は第二絵柄2630を発光表示させると、センター役物2500の枠内(開口部1112の後方)に配置されている部材(例えば、演出表示装置1600に表示されている演出画像、裏ユニット3000における裏下演出ユニット3100の裏下可動装飾体3110、裏上演出ユニット3200の裏上可動装飾体3210、裏左演出ユニット3300の裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320、裏右演出ユニット3400の裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420)が導光板2601の第一絵柄2610又は第二絵柄2630により見え難くなり、遊技者に対して導光板2601の第一絵柄2610又は第二絵柄2630の発光表示に気付かせることができ、遊技者の関心を導光板2601の第一絵柄2610又は第二絵柄2630に引付けさせて当該第一絵柄2610又は第二絵柄2630の装飾を楽しませることができる。
また、上述したように、遊技領域5a内のセンター役物2500の枠内を導光板2601の第一絵柄2610や第二絵柄2630により発光装飾することができると共に、遊技領域5a内のセンター役物2500の枠外を装飾パターン1150により発光装飾することができるため、導光板2601の第一絵柄2610又は第二絵柄2630を発光装飾させるタイミングと、装飾パターン1150を発光装飾させるタイミングとを、適宜組合せることで、多彩な発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者を楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、センター役物2500におけるパネル板1110の前面に当接する部位を透明に形成していることから、装飾パターン1150が前方から視認できるように切欠きを設けるようにした場合と比較して、当該部位の表面(前面)を滑らかなものとすることができるため、遊技領域5a内での遊技球Bの流通に影響を与え難くすることが可能となり、遊技球Bが意図しない動きをするのを抑制させることができ、遊技領域5a内での遊技球Bの動き(流れ)を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、パネルホルダ1120を、外形が四角形で内形が略円形の前構成部材1000と略同じ形状に形成しているため、パネルホルダ1120の内周と外周との間の幅が、四隅の部位で最も広くなる。そして、パネルホルダ1120の四隅のうち左上隅と左下隅にパネル装飾基板1130を取付けるようにしているため、パネル装飾基板1130を取付けるためのスペースを容易に確保することができると共に、蓋然的に、パネル装飾基板1130が、正面視においてパネルホルダ1120に外周が保持されるパネル板1110よりも外側の位置となるため、正面視において遊技領域5a内にパネル装飾基板1130が見えることはなく、遊技領域5a内の見栄えを良くすることができる。
また、前構成部材1000の後側にパネルホルダ1120を設けるようにしており、パネルホルダ1120に設けられているパネル装飾基板1130の前方を前構成部材1000で覆うことができることから、前方(遊技者側)からパネル装飾基板1130を見え難くすることができ、遊技領域5aの外側の見栄えを良くすることができる。また、前構成部材1000によりパネル装飾基板1130を遊技者側から見え難くすることができることから、遊技者に対してパネル装飾基板1130の存在に気付かせ難くすることができるため、遊技者に対してパネル板1110の装飾パターン1150が発光装飾されるものであると思わせ難くして、装飾パターン1150を発光装飾させた時に、遊技者に対して強いインパクトを与えることができ、装飾パターン1150の発光装飾を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、これにより、通常の状態では、裏ユニット3000における裏下演出ユニット3100の裏下可動装飾体3110、裏上演出ユニット3200の裏上可動装飾体3210、裏左演出ユニット3300の裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320、裏右演出ユニット3400の裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420が、遊技領域5aの外周付近でそれぞれが互いに離間して分散している待機位置の状態となっており、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420により、遊技領域5aの外周付近を装飾することができると共に、表ユニット2000における表演出ユニット2600の導光板2601の第一絵柄2610及び第二絵柄2630が発光表示されておらず、導光板2601が透明な状態になっており、遊技領域5aの中央に配置されている演出表示装置1600に表示されている演出画像を、良好な状態で視認することができる。
また、この待機位置の状態では、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420が互いに離間しているため、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420が、特定位置としての第一合体位置や第二合体位置へ集合して、所定の装飾態様(六角形の第一装飾態様や環状の第二装飾態様)を形成することを遊技者に想起させ難くすることができ、集合させた時のインパクトを高めることができる。この通常の状態において、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420を、待機位置から第一合体位置や第二合体位置へ移動させると、遊技領域5aの中央付近において、第一装飾態様や第二装飾態様を形成するため、第一装飾態様や第二装飾態様の出現により遊技者を驚かせることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができる。
そして、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420を第一合体位置や第二合体位置へ移動させた状態で、導光板2601の特定絵柄としての第一絵柄2610を発光させると、第一絵柄2610により裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420のそれぞれの装飾を変更させることができると共に、第一絵柄2610における発光する部位(第一絵柄部2610a、第二絵柄部2610b、第三絵柄部2610c、及び第四絵柄部2610d)を変更することで、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420により形成されている第一装飾態様や第二装飾態様の装飾を様々に変更することができるため、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420による演出のパターンを多彩なものとすることができ、遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者に強いインパクトを与えることができ、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせて、遊技者の遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、導光板2601において、第一絵柄2610の第一絵柄部2610a、第二絵柄部2610b、第三絵柄部2610c、及び第四絵柄部2610dを順番に発光させることで、動きのある絵柄を発光表示させることができるため、第一絵柄2610が動くことで遊技者を不思議な気分にさせることができ、遊技者の関心を強く引付けさせることができると共に、第一絵柄2610の動きにより遊技者を楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
一方、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420を、第一合体位置や第二合体位置へ移動させた状態で、導光板2601の特定絵柄として第二絵柄2630を発光させると、第二絵柄2630により裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420の外周を強調させることができ、第二絵柄2630により可動装飾体が大きくなったように見せることができると共に、第二絵柄2630により裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420同士を繋ぐことができるため、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420と第二絵柄2630とで一つの大きな装飾を形成して遊技者に強いインパクトを与えることができ、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせて遊技に対する期待感を高めさせることができる。
また、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420が待機位置の状態の時に、導光板2601の特定絵柄として第一絵柄2610や第二絵柄2630を発光させること、第一合体位置や第二合体位置を遊技領域5aの中央付近としていることから、第一合体位置や第二合体位置の裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420を装飾する導光板2601の第一絵柄2610や第二絵柄2630が、遊技領域5aの中央付近で発光表示されることとなるため、遊技者側(前方)から第一絵柄2610や第二絵柄2630を良好な状態で視認させることができ、遊技者に対して第一絵柄2610や第二絵柄2630を楽しませることができる。そして、第一絵柄2610や第二絵柄2630を発光させた状態で、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420を、待機位置から第一合体位置や第二合体位置へ移動させると、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420が、第一絵柄2610や第二絵柄2630と一体となるような演出を遊技者に見せることができるため、遊技者に強いインパクトを与えることができ、遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420を第一合体位置や第二合体位置へ移動させた状態で、裏下後装飾基板3121、裏下前装飾基板3122、裏上後装飾基板、裏上前装飾基板、裏左上基段装飾基板、裏左上先段装飾基板、裏左下基段装飾基板、裏左下先段装飾基板、裏右上基段装飾基板、裏右上先段装飾基板、裏右下基段装飾基板、裏右下先段装飾基板に、実装されているLEDを発光させると共に、導光板2601の第一絵柄2610や第二絵柄2630を発光表示させると、第一絵柄2610や第二絵柄2630が間接光なのに対して、LEDが直接光に近い光であることから、第一絵柄2610や第二絵柄2630においてLEDの部位の輝度が高くなるため、第一絵柄2610や第二絵柄2630とLEDとにより従来のパチンコ機では見ることのできなかった発光演出を遊技者に見せることができ、遊技者に強いインパクトを与えることができると共に、遊技者に対して何か良いとこがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、裏下後装飾基板3121、裏下前装飾基板3122、裏上後装飾基板、裏上前装飾基板、裏左上基段装飾基板、裏左上先段装飾基板、裏左下基段装飾基板、裏左下先段装飾基板、裏右上基段装飾基板、裏右上先段装飾基板、裏右下基段装飾基板、裏右下先段装飾基板に、実装されているLEDを発光させることで、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420を発光装飾させることができるため、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420が明るく光ることで、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420を目立たせることができ、従来のパチンコ機と同様に裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420の発光装飾を遊技者に楽しませることができる。
また、待機位置から第一合体位置や第二合体位置へ移動する可動装飾体を複数備えるようにしていることから、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420からなる複数の可動装飾体を、待機位置から第一合体位置や第二合体位置へ別々に移動させるようにすることができるため、一つの可動装飾体を第一合体位置や第二合体位置へ移動させた後に、次の可動装飾体が第一合体位置や第二合体位置へ移動するか否かによって、遊技者をドキドキ・ワクワクさせることができ、遊技者を楽しませることができると共に、それぞれの可動装飾体が第一合体位置や第二合体位置へ移動するタイミングを適宜組合せることで、複数の可動装飾体による可動演出を多彩なものとすることができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
更に、上記のように、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420の移動、導光板2601での第一絵柄2610や第二絵柄2630の発光、及び裏下後装飾基板3121、裏下前装飾基板3122、裏上後装飾基板、裏上前装飾基板、裏左上基段装飾基板、裏左上先段装飾基板、裏左下基段装飾基板、裏左下先段装飾基板、裏右上基段装飾基板、裏右上先段装飾基板、裏右下基段装飾基板、裏右下先段装飾基板に、実装されているLEDの発光、を適宜組合せることで、多彩な演出を遊技者に提示することができ、遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、導光板2601の第二絵柄2630の発光表示により、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420同士の間を補完するようにしていることから、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420同士が互いに当接せずに隙間があいていても、その隙間を第二絵柄2630で隠すことができるため、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420同士が互いに当接するように、それぞれの移動精度を高める必要がなく、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420の移動精度を低いものとすることができ、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420の移動機構にかかるコストの増加を抑制させることができる。
更に、本実施形態のパチンコ機1によると、一対の第一可動装飾体としての裏下演出ユニット3100の裏下可動装飾体3110及び裏上演出ユニット3200の裏上可動装飾体3210と、一対の第二可動装飾体としての裏左演出ユニット3300の裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320並びに裏右演出ユニット3400の裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420とが、それぞれ待機位置の状態となっており、裏下可動装飾体3110及び裏上可動装飾体3210が、正面視において遊技領域5aの中央に配置されている演出表示装置1600の周囲における上下方向へ互いに対向していると共に、裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320並びに裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420が、演出表示装置1600の周囲における左右方向へ互いに対向していることから、それぞれが互いに離間して分散している状態となるため、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420で演出表示装置1600の周囲と遊技領域5aの外周付近とを装飾することができると共に、演出表示装置1600に表示されている演出画像を遊技者側から良好な状態で視認させて、遊技者に演出画像を楽しませることができる。
また、待機位置の状態では、一対の裏左移動アーム3330と裏右移動アーム3430、及び一対の裏下移動アーム3130と裏上移動アーム3230とが、それぞれ互いに離間して裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420と一緒に正面視における遊技領域5a(演出表示装置1600)の外周付近に位置していることから、裏左移動アーム3330、裏右移動アーム3430、裏下移動アーム3130、及び裏上移動アーム3230が演出表示装置1600に表示されている演出画像を遮ることはなく、遊技者側(前方)から演出表示装置1600に表示されている演出画像を見え易くすることができ、良好な状態で演出画像を楽しませることができる。
そして、一対の裏下移動アーム3130と裏上移動アーム3230を互いに接近させて一対の裏下可動装飾体3110及び裏上可動装飾体3210を所定位置としての第一合体位置へ移動させると共に、一対の裏左移動アーム3330と裏右移動アーム3430を互いに接近させて一対の裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320並びに裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420を裏下可動装飾体3110と裏上可動装飾体3210とを繋ぐ位置としての第一合体位置へ移動させると、正面視において遊技領域5aの中央で、演出表示装置1600の前方において、互いに密に集合して一つの大きな第一装飾態様を形成する。これにより、演出表示装置1600に表示されている演出画像を遮るように、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420が移動してきて大きな六角形の第一装飾態様が形成されることとなるため、遊技者に対して裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420の移動に気付かせることができ、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420(複数の可動装飾体)の動きを楽しませることができると共に、演出表示装置1600の前方で遊技領域5aの中央に大きな第一装飾態様が出現することにより遊技者を驚かせることができ、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせて遊技に対する期待感を高めさせることができる。
また、一対の裏下移動アーム3130と裏上移動アーム3230により一対の裏下可動装飾体3110及び裏上可動装飾体3210を、所定位置としての待機位置と第一合体位置との間の第二合体位置へ移動させると共に、一対の裏左移動アーム3330と裏右移動アーム3430により一対の裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320並びに裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420を、一対の裏下可動装飾体3110と裏上可動装飾体3210とを同士を繋ぐ位置としての待機位置と第一合体位置との間の第二合体位置へ移動させると、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420が六角形の周縁に沿うように環状に集合した第二装飾態様が形成されるため、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420が密に集合した大きな六角形の第一装飾態様とは明らかに異なる装飾を遊技者に見せることができ、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420による異なる装飾態様によって多彩な演出が可能となり遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。また、待機位置の状態から、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420を、第二合体位置を経て第一合体位置へ移動させる演出において、待機位置から第二合体位置へ移動するか否か、第二合体位置から第一合体位置へ移動するか否かによって、それぞれの場面で遊技者をハラハラ・ドキドキさせることができ、多段階の演出により遊技者を楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
ところで、六つの裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420が待機位置から第一合体位置や第二合体位置へ移動する際に、待機位置の状態では、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420が互いに離間しているため、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420が集合して第一装飾態様や第二装飾態様を形成することを遊技者に想起させ難くすることができる。また、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420が待機位置から第一合体位置や第二合体位置へ移動する際に、裏下可動装飾体3110及び裏上可動装飾体3210ではその向きが変化せずに移動し、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420ではその向きが変化して移動するようにしており、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420では、待機位置と第一合体位置とではその向きが異なっているため、待機位置の状態では、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420が第一合体位置へ移動して第一装飾態様を形成することを、遊技者に対して想起させ難くすることができる。
詳述すると、通常の状態において、裏下可動装飾体3110では一つの頂点を上方へ向けており、裏上可動装飾体3210では一つの頂点を下方へ向けており、裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320では一つの頂点(先端)を右方へ向けており、裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420では一つの頂点(先端)を左方へ向けている。そして、裏下可動装飾体3110及び裏上可動装飾体3210では、そのままの姿勢で、それぞれが上方及び下方へ移動して第一合体位置や第二合体位置へ位置し、裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320では、それぞれ右方を向いている先端が、右下方及び右上方を向くように姿勢を変えながら第一合体位置や第二合体位置へ移動し、裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420では、それぞれの左方を向いている先端が、左下方及び左上方を向くように姿勢を変えながら第一合体位置や第二合体位置へ移動するため、互いに異なる方向へ向けて上下左右に配置された可動装飾体が、それらの頂点が、一点に集まるように第一合体位置、或いは、環状に並ぶように第二合体位置へ移動して一つの大きな装飾体を形成するものであることを、遊技者に想起させ難くすることができる。
このようなことから、六つの裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420を待機位置から第一合体位置や第二合体位置へ移動させた時に、それらが遊技者の想定外の動きをすることで、遊技者を驚かせることができ、遊技者に強いインパクトを与えることができると共に、遊技者に対して何か良いことがあるのではないかと思わせることができ、遊技に対する期待感を高めさせて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420のそれぞれにおいて、それぞれが待機位置と第一合体位置との間の移動とは異なる動き(第二の動き、詳しくは、裏下可動装飾体3110及び裏上可動装飾体3210では前後に延びた軸周りに回転する動き、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420では左右に延びた軸周りに回転する動き)をすることができるため、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420を待機位置と第一合体位置との間の適宜位置で、第二の動きをさせることで、第一合体位置の第一装飾態様や第二合体位置の第二装飾態様を遊技者に見せる演出とは異なる演出を見せることができ、多彩な演出により遊技者を飽きさせ難くすることができると共に、遊技者をより楽しませることができ、遊技に対する興趣の低下を抑制させることができる。
また、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420を、それぞれ三角錐状に形成しており、鋭角の特定頂点(裏下可動装飾体3110の上方を向いている頂点、裏上可動装飾体3210の下方を向いている頂点、裏左上可動装飾体3310と裏左下可動装飾体3320の右方を向いている頂点(先端)、及び裏右上可動装飾体3410と裏右下可動装飾体3420の左方を向いている頂点(先端))を有するようにしているため、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420が待機位置と第一合体位置との間で移動した時や、第二の動きをした時に、遊技者に対して、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420が動いていることを認識させ易くすることができ、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420の動きを楽しませて興趣の低下を抑制させることができる。
更に、裏左上可動装飾体3310と裏左下可動装飾体3320と裏右上可動装飾体3410と裏右下可動装飾体3420及び裏下可動装飾体3110と裏上可動装飾体3210が、一対の裏左移動アーム3330と裏右移動アーム3430及び一対の裏下移動アーム3130と裏上移動アーム3230にそれぞれ設けられていることから、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420を、第一合体位置や第二合体位置へ集合させる際に、それら別々に移動させることができるため、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310及び裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410及び裏右下可動装飾体3420を移動させる(動かす)順番を適宜選択することで、可動演出のバリエーションをより多彩にすることができ、多彩な可動演出によって遊技者を飽きさせ難くして興趣の低下を抑制させることができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、抽選手段による抽選結果として、図132の主制御ユニット1300の主制御基板1310による抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に基づいて、遊技を進行することができるものであり、複数の発光体として図135の遊技盤5に設けられる種々の発光源(複数の発光源)、可動体として図163の先段装飾部3312,3322,3412,3422、磁気検出部として図163の裏左上磁極変化検知回路3311ab、裏左下磁極変化検知回路3321ab、裏右上磁極変化検知回路3411ab、及び裏右下磁極変化検知回路3421abを備えている。
遊技盤5に設けられる種々の発光源(複数の発光源)は、光を発することができるものである。先段装飾部3312,3322,3412,3422は、磁石体として、図163の先段装飾部3312のマグネット3312、先段装飾部3322のマグネット3322a、先段装飾部3412のマグネット3412a、及び先段装飾部3422のマグネット3422aを備えるものである。裏左上磁極変化検知回路3311ab、裏左下磁極変化検知回路3321ab、裏右上磁極変化検知回路3411ab、及び裏右下磁極変化検知回路3421abは、先段装飾部3312のマグネット3312、先段装飾部3322のマグネット3322a、先段装飾部3412のマグネット3412a、及び先段装飾部3422のマグネット3422aの磁極を帯びた面と対向して先段装飾部3312,3322,3412,3422と別体に配置され、先段装飾部3312のマグネット3312、先段装飾部3322のマグネット3322a、先段装飾部3412のマグネット3412a、及び先段装飾部3422のマグネット3422aの磁極を検知して先段装飾部3312,3322,3412,3422の特定位置として待機位置(原位置)を検出することができるものである。
先段装飾部3312,3322,3412,3422が作動中に、遊技盤5に設けられる種々の発光源(複数の発光源)が発した光が裏左上磁極変化検知回路3311ab、裏左下磁極変化検知回路3321ab、裏右上磁極変化検知回路3411ab、及び裏右下磁極変化検知回路3421abに入射され得るようになっている。
このように、先段装飾部3312,3322,3412,3422が作動中に、遊技盤5に設けられる種々の発光源(複数の発光源)が発した光が裏左上磁極変化検知回路3311ab、裏左下磁極変化検知回路3321ab、裏右上磁極変化検知回路3411ab、及び裏右下磁極変化検知回路3421abに入射され得るようになっているものの、この光が外乱光として影響を全く受けることがない裏左上磁極変化検知回路3311ab、裏左下磁極変化検知回路3321ab、裏右上磁極変化検知回路3411ab、及び裏右下磁極変化検知回路3421abにより先段装飾部3312のマグネット3312、先段装飾部3322のマグネット3322a、先段装飾部3412のマグネット3412a、及び先段装飾部3422のマグネット3422aの磁極を検知して先段装飾部3312,3322,3412,3422の特定位置である待機位置(原位置)を検出することができる。したがって、遊技盤5に設けられる種々の発光源(複数の発光源)が発した光による先段装飾部3312,3322,3412,3422の特定位置である待機位置(原位置)の誤検出を防止することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技の進行を制御することができる主制御基板として図13の主制御ユニット1300に有する主制御基板1310からのコマンドに基づいて演出の進行を制御することができる演出制御基板として図13の演出制御ユニット1500に有する周辺制御基板1510を備えている。このパチンコ機1では、さらに、ROM基板として図180の周辺データROM基板1520、映像信号出力基板として図180の液晶出力基板1530を備えている。周辺データROM基板1520は、遊技仕様に基づく演出に関する制御情報(周辺データ)が予め記憶されるROMとして図180の周辺データROM1520aを有するものである。液晶出力基板1530は、表示装置として図130の演出表示装置1600に入力される映像信号の方式と適合する信号を演出表示装置1600へ出力することができるものである。
周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間は、第1のコネクタとして、図180の周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1のプラグと、図180の周辺データROM基板1520に備える特殊コネクタSCN3のソケットと、により基板間接続することができる基板間コネクタにより電気的に接続されている。周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間は、第1のコネクタと異なる第2のコネクタとして、図180の周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2のプラグと、図180の液晶出力基板1530に備える特殊コネクタSCN4のソケットと、により基板間接続することができる基板間コネクタにより電気的に接続されている。
周辺制御基板1510は、周辺データROM基板1520から読み出した制御情報(周辺データ)により演出の進行を制御することができると共に、映像信号を複数種類の方式で液晶出力基板1530へ出力することができる。複数種類の映像信号の方式として、例えば、RGB方式、LVDS方式、MIPI方式、eDP方式、及びクロックレス方式等を挙げることができる。本実施形態では、複数種類の映像信号の方式として、RGB方式を1系統、LVDS方式を2系統(第1のLVDS方式、第2のLVDS方式)、及びMIPI方式という4つの方式(合計4系統)が採用されている。
周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530は、同一の基板ボックスとして図180の周辺制御基板ボックス1505に収容されている構成となっている。
このように、遊技仕様に基づく演出に関する制御情報(周辺データ)が予め記憶される周辺データROM1520aが周辺制御基板1510と別基板である周辺データROM基板1520という専用基板に設けられるとともに、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式と適合する信号を出力する基板が周辺制御基板1510と別基板である液晶出力基板1530という専用基板に設けられるようになっている。つまり、周辺制御基板1510は、遊技仕様に基づく演出に関する制御情報(周辺データ)に応じて改変されて新たに製造されることがなければ、演出表示装置1600に入力される映像信号の方式に合わせて改変されて新たに製造されることがないため、遊技仕様や演出表示装置1600に入力される映像信号の方式に依存されない共通基板として構成することができる。これにより、複数数類の周辺制御基板1510を遊技仕様や演出表示装置1600に入力される映像信号の方式に応じて製造する必要がなく、同一の周辺制御基板1510のみを製造することでコストダウンに寄与することができる。したがって、周辺制御基板1510のコストを抑制することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、図93の球タンク552に貯留される遊技球Bが供給される払出通路580aが1条形成される図93の払出装置580を備えている。払出装置580は、図105の払出モータ584、球送り回転部として図105の払出羽根589を少なくとも備えている。払出モー584タは、ステップ駆動されることに応じて回転軸が予め定めた角度として18度だけ回転することができるものである。払出羽根589は、払出モータ584の回転軸の回転が回転伝達部材を構成する、駆動ギア585、第一伝達ギア586、第二伝達ギア587、払出ギア部材588の払出ギア588aを介して回転することにより遊技球Bを1球ずつ受け入れて送り出すことができる球受入凹部として球収容部589bが等間隔に複数形成されている(120度ごとに等間隔に3つ形成されている)ものである。
払出羽根589による1球の遊技球Bの送り出しに見合う払出モータ584へのステップ駆動の回数は、整数とならないように回転伝達部材の減速比が予め決定されている。具体的には、減速比nとして、機構学による計算により、駆動ギア585の歯数Z0(=9)/払出ギア部材588の払出ギア588aの歯数Z3(=24)に設定されている。払出羽根589の回転角度は、払出羽根589の回転軸と同軸に設けられた遮光片として、図105の払出ギア部材588の複数の検知片588bにて検出することができるようになっている。具体的には、羽根回転検知センサ590が払出ギア部材588の検知片588bを検知することができるようになっている。
このように、払出羽根589による1球の遊技球Bの送り出しに見合う払出モータ584へのステップ駆動の回数は、整数とならない回転伝達部材の減速比が予め決定されているため、遊技球を1球払い出すごとに位置決め位置が毎回異なる。これにより、遊技球と払出羽根589との接触位置が毎回異なることによりヤニや埃の付着位置を分散することができる。また当然このような位置決め誤差を生じるような上述した回転伝達部材の減速比nに設定すると、誤差が累積するものの、遊技球を1球払い出すごとに誤差が累積しても、払出羽根589の回転角度は、払出羽根589の回転軸と同軸に設けられた、図105の払出ギア部材588の複数の検知片588bにて検出することにより、その累積した誤差がある程度溜まるとリセットされる。これにより、払い出される遊技球の数の正確さは担保される。したがって、パチンコ機1においては、遊技球を受け入れて送り出す球送り回転部の回転位置を、遊技球を払い出すごとに変化させてヤニや埃が付着する位置を分散させることによりヤニや埃などに対して強い払出装置580を持つことができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、主制御ユニット1300の主制御基板1310による抽選結果として普通抽選結果、第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に基づいて演出の進行を制御することができる演出制御手段として図180の周辺制御基板1510を備えている。本実施形態のパチンコ機1では、さらに、第1のシールドとして図180の金属製のシールド板1540、第2のシールドとして図184の演出表示装置1600における金属製裏蓋、導電性被覆部として図184の導電性弾性部材1545を備えている。金属製のシールド板1540は、導電性部材として金属により形成されるものである。演出表示装置1600における金属製裏蓋は、導電性部材として金属により形成されるものである。導電性弾性部材1545は、弾性部材により形成される芯材として図184の発泡体1545bの表面が導電性部材として図184の導電性被覆部1545aにより被覆されるものである。
金属製のシールド板1540と演出表示装置1600における金属製裏蓋との間に周辺制御基板1510が配置されると共に、金属製のシールド板1540と演出表示装置1600における金属製裏蓋とが導電性弾性部材1545を介して電気的に接続されるようになっている。
このように、本実施形態のパチンコ機1では、導電性部材により形成される、金属製のシールド板1540と演出表示装置1600における金属製裏蓋との間には周辺制御基板1510が配置されると共に、金属製のシールド板1540と演出表示装置1600における金属製裏蓋とが導電性弾性部材1545を介して電気的に接続されることにより、周辺制御基板1510への電磁波ノイズの影響を、金属製のシールド板1540と演出表示装置1600における金属製裏蓋とにより低減することができる。したがって、電磁波ノイズによる影響を低減することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、図126の遊技盤5、図126の球タンク552、図126のタンクレール553を備えている。遊技盤5は、基板ボックスとして図126の演出制御ユニット1500が取り付けられる箱体として図126の遊技盤5の裏ユニット3000の裏箱3010を後側に備えているものである。球タンク552は、遊技球を貯留することができるものである。タンクレール553は、球タンク552に貯留した遊技球を下流側へ流下することができるものである。
基板ボックスとしての演出制御ユニット1500は、遊技盤5に備える裏ユニット3000の裏箱3010の空間に収容されている。タンクレール553は、流下する遊技球Bによって生ずる異物(例えば、遊技球Bの摩耗により生じた金属粉)が落下することができる孔として図126の切り欠き部553aaが形成されている。遊技盤5は、このパチンコ機1に取り付けられた状態において遊技盤5に備える裏ユニット3000の裏箱3010の上面として上壁3010aがタンクレール553の下方に配置されている。このパチンコ機1では、タンクレール553に形成される切り欠き部553aaから落下する異物を遊技盤5に備える裏ユニット3000の裏箱3010の上面として上壁3010aにおいて受けることができるようになっている。
このように、タンクレール553に形成される切り欠き部553aaから落下する異物を遊技盤5に備える裏ユニット3000の裏箱3010の上壁3010aにおいて受けることができるようになっているため、異物がタンクレール553に形成される切り欠き部553aaから落下してもこの落下異物による遊技盤5に備える裏ユニット3000の裏箱3010の空間への侵入を防止することできる。これにより、この裏ユニット3000の裏箱3010の空間に収容される基板ボックスとしての演出制御ユニット1500への落下異物による電気的なトラブルを防止することができる。したがって、タンクレール553からの落下異物による電気的なトラブルを防止することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、抽選手段による抽選結果として、図13の主制御ユニット1300の主制御基板1310による抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果等に基づいて遊技を進行することができるようになっており、遊技機外として遊技ホールからの電源電圧に基づいて各種電圧を作成することができる電源手段として図189の電源基板630を備えている。
電源基板630は、同一の形状を有する複数の部品として、パッケージの種類(TO−220F)が同一である図189のFETQ1,Q2,Q3,Q4,Q5、及びショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10を少なくとも備えている。電源基板630の実装面には、同一の形状を有する複数の部品のうち、特定の部品に対するシルク印刷として図192(b)のシルク印刷TSLK9が、この特定の部品を除く他の部品となる、図189のFETQ1,Q2,Q3,Q4、及びショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10と識別することができるようにシルク印刷されている。
具体的には、特定の部品であるFETQ5のシルク印刷としては、図192(b)のシルク印刷TSLK9が電源基板630の実装面にシルク印刷されているのに対して、特定の部品を除く他の部品である、図189のFETQ1,Q2,Q3,Q4、及びショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10は、図192(a)のシルク印刷TSLK1〜TSLK8が電源基板630の実装面にそれぞれシルク印刷されている。シルク印刷TSLK9は、シルク印刷TSLK1〜TSLK8に存在しない、白色の斜線ad1が特徴的な模様として表されている。
このように、同一の形状を有する複数の部品として、パッケージの種類(TO−220F)が同一である図189のFETQ1,Q2,Q3,Q4,Q5、及びショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10が電源基板630に備えられていても、同一の形状を有する複数の部品のうち、特定の部品であるFETQ5に対するシルク印刷TSLK9が、この特定の部品を除く他の部品であるFETQ1,Q2,Q3,Q4、及びショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10と識別することができるようにシルク印刷されているため、注目すべき部品であるFETQ5を他の部品であるFETQ1,Q2,Q3,Q4、及びショットキーバリアダイオードD1,D2,D9,D10から識別することができるようになっている。したがって、複数の部品のうち、注目すべき部品を他の部品から識別することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、抽選手段による抽選結果として、図13の主制御ユニット1300の主制御基板1310による抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果等に基づいて遊技を進行することができるようになっており、発光手段として図201の左サイド下装飾基板402bに備える10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10に対して発光制御を行うことができる発光制御手段として図201の左サイド下装飾基板402bに備えるLED定電流駆動回路402baを構成する定電流駆動回路402bax、及びLED定電流駆動回路402bbを構成する定電流駆動回路402bbxを有するとともに、所定形状に形成される帯板状の装飾基板として図201の扉枠左サイド装飾体404に沿うように上下に延びた細長い帯板状に形成される左サイド下装飾基板402bを備えている。
定電流駆動回路402bax、及び定電流駆動回路402bbxは、その平面形状が略矩形状に形成されるとともに、その各辺が帯板状の左サイド下装飾基板402bにおける長手方向の両端辺に沿って非平行となるように配置されるようになっている。具体的には、図203に示した、定電流駆動回路402bax,402bbxのランドパターンの端辺は、左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1と右端辺402beg2とに対して、45度傾斜した状態として配置されている。
このように、帯板状の左サイド下装飾基板402bは、平面形状が略矩形状に形成される定電流駆動回路402bax、及び定電流駆動回路402bbxを有し、定電流駆動回路402bax、及び定電流駆動回路402bbxの各辺が帯板状の左サイド下装飾基板402bにおける長手方向の両端辺に沿って非平行となるように配置されるようになっている。これにより、定電流駆動回路402bax、及び定電流駆動回路402bbxの各辺が帯板状の左サイド下装飾基板402bにおける長手方向の両端辺に沿って平行となるように配置される場合と比べて、帯板状の左サイド下装飾基板402bにおける長手方向の両端辺と、定電流駆動回路402bax、及び定電流駆動回路402bbxの各辺と、に挟まれた領域を大きく形成することができるため、定電流駆動回路402bax、定電流駆動回路402bbxの各辺から配線を引き出して10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10に電気的に接続することができる。したがって、帯板状の左サイド下装飾基板402bにおいて定電流駆動回路402bax、定電流駆動回路402bbxの各辺から配線が引き出される領域を確保することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、抽選手段による抽選結果として、図13の主制御ユニット1300の主制御基板1310による抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果等に基づいて遊技を進行することができるようになっており、発光手段として図202(a)の左サイド下装飾基板402bに備える10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10が実装されるLED実装面402bxと、発光手段が実装されないLED非実装面402byと、を有する図202(a)の左サイド下装飾基板402bを備えている。
左サイド下装飾基板402bは、白色塗膜として白色のレジスト、実装補助記号として図203(a)の鎖線LSLK1〜LSLK10(図203(a)には、フルカラーLEDであるhdLED4,hdLED5と対応する鎖線LSLK4,LSLK5のみそれぞれ表した。)及び図203(a)のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号(図203(a)には、フルカラーLEDであるhdLED4,hdLED5と対応する部品番号であるLED4,LED5のみそれぞれ表した。)を有している。白色のレジストは、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxの全面と左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byの全面とに形成されている。実装補助記号は、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに実装されるフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10の実装位置を示す補助線として鎖線LSLK1〜LSLK10と、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を特定する番号としてフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号と、が左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byの白色のレジスト上に白色のレジストと異なる予め定めた色の塗料として黄色(又は、黒色)で形成されている。
このように、図203(a)の左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに実装されるフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10の実装位置を示す補助線(つまり、鎖線LSLK1〜LSLK10)と、図203(a)のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を特定する番号(つまり、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する部品番号)と、が図203(a)の左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402byの白色のレジスト上に、白色のレジストと異なる予め定めた色の塗料として黄色(又は、黒色)で形成されている。つまり、図202(a)の左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、白色のレジストが全面に形成されるとともに、図203(a)のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10の実装位置を示す補助線(つまり、黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)LSLK1〜LSLK10)と、図203(a)のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を特定する番号(つまり、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する黄色(又は、黒色)の部品番号)と、が全く形成されていない。したがって、図203(a)のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を特定する番号(つまり、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する黄色(又は、黒色)の部品番号)や図203(a)のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10の実装位置を示す補助線(つまり、黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)LSLK1〜LSLK10)を遊技者に視認困難とすることができる。
また、図202(a)の左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxの全面に形成される白色のレジストは、図202(a)のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10の発光による図202(a)の左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにおける反射率を高めることができるため、図203(a)のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10を特定する番号(つまり、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と対応する黄色(又は、黒色)の部品番号)、及び図203(a)のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10の実装位置を示す補助線(つまり、黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)LSLK1〜LSLK10)により、図202(a)のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10の発光による図202(a)の左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにおける反射率の低下を防止することができる。したがって、図202(a)のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10の発光による図202(a)の左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにおける反射率が低下することを防止することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、パチンコ機1内部の各種基板(例えば、図13の主制御ユニット1300の主制御基板1310や図13の周辺制御ユニット1500の周辺制御基板1510等)に電力を供給する電源手段として図195の電源基板630を備えている。電源基板630は、ヒューズとして図195のヒューズFUSE1、サージ電圧吸収素子として図195のサージアブソーバSA1、整流回路として図195の整流回路630c、電力供給手段として図195の電源作成回路630f’を備えている。ヒューズFUSE1は、遊技機外部として遊技ホールの島設備からの交流電源が入力されることができるものである。サージアブソーバSA1は、ヒューズFUSE1を介して入力される交流電源のサージ電圧を吸収することができるものである。整流回路630cは、サージアブソーバSA1を介して入力される交流電源を直流電源に整流することができるものである。電源作成回路630f’は、整流回路630cを介して入力される直流電源に基づいてパチンコ機1内部の各種基板に電力を供給することができるものである。
サージアブソーバSA1は、遊技ホールの島設備からの交流電源として遊技機用電源電圧(AC24V)より高い電圧を有する商用電源電圧(AC100V)がヒューズFUSE1を介して入力されると、サージ電圧が許容電圧を超えて破壊されることで短絡した状態となってヒューズFUSE1に大電流を流してヒューズFUSE1を溶断する回路を形成することができるようになっている。
このように、遊技ホールの島設備からの交流電源として遊技機用電源電圧(AC24V)より高い電圧を有する商用電源電圧(AC100V)がヒューズFUSE1を介してサージアブソーバSA1に入力されると、サージ電圧が許容電圧を超えて破壊されることで短絡した状態となってヒューズFUSE1に大電流を流してヒューズFUSE1を溶断する回路が形成されるようになっている。これにより、遊技ホールの島設備からの交流電源をパチンコ機1へ供給するための電源コードのプラグが商用電源電圧(AC100V)の電源コンセントに誤って差し込まれたとしても、電源基板630は破壊されるものの、電源基板630を除くパチンコ機1内部の各種基板が破壊されることを確実に防止することができる。したがって、遊技機用電源電圧(AC24V)より高い電圧を有する商用電源電圧(AC100V)が供給された場合にパチンコ機1内部の各種基板が破壊されることを防止することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、抽選手段による抽選結果として、図13の主制御ユニット1300の主制御基板1310による抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果等に基づいて遊技を進行することができるようになっており、発光手段として図202(a)の左サイド下装飾基板402bに備える10個のフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10がLED実装面402bxに実装される図202(a)の左サイド下装飾基板402bを備えている。
左サイド下装飾基板402bは、白色塗膜としてベタ塗りされた白色のレジスト、コネクタとして図202(a)のコネクタLDUCNを有している。白色塗膜は、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxの全面に形成されるものである。
左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、白色塗膜と同一色又は同一色と判別できる色のパッケージを有するフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と、白色塗膜と同一色又は同一色と判別できる色のハウジングを有するコネクタLDUCNと、が実装されている。具体的には、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxが白色のレジストによりベタ塗りされており、フルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10は、それぞれのパッケージが白色(白色と同色であると認められる色)の樹脂製であるとともに、コネクタLDUCNは、そのハウジングが白色(ナチュラル色とも言われ、白色(ナチュラル色)と同色であると認められる色)の樹脂製である。つまり、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のパッケージを有する電子部品であるフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と、その全体が覆われる(ベタ塗りされる)白色のレジストと同一色(同色であると認められる色)のハウジングを有するコネクタLDUCNと、が実装されており、白色を有していない図示しない抵抗やコンデンサ等の電子部品や、白色を有していないコネクタは、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxに全く実装されていない。
このように、図202(a)の左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxには、その全面に白色塗膜(つまり、白色のレジスト)が形成されるとともに、白色塗膜(つまり、白色のレジスト)と同一色又は同一色と判別できる色のパッケージを有するフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10と、白色塗膜(つまり、白色のレジスト)と同一色又は同一色と判別できる色のハウジングを有するコネクタLDUCNと、がそれぞれ実装されているため、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxにフルカラーLEDであるhdLED1〜hdLED10、及びコネクタLDUCNが実装されていても、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxの全面が白色塗膜(つまり、白色のレジスト)と同一色又は同一色と判別できる色となっている。これにより、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bxを明るい発光面とすることに寄与することができる。したがって、左サイド下装飾基板402bを明るい発光面とすることができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、図130の遊技盤5の遊技領域5aの図130のゲート部2003、4つの一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、及び大入賞口2005等の複数の入球口に、ゲートセンサ2506、一般入賞口センサ2401,3001、第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2402、及び大入賞口センサ2403等の検知手段をそれぞれ備えることができると共に、検知手段からの検出信号に基づいて遊技を進行することができるようになっている。
複数の入球口のうち、例えば用途が類似する入球口として第一始動口2002、及び第二始動口2004と対応する検知手段である第一始動口センサ3002、及び第二始動口センサ2402は、異ならせて設けられている。具体的には、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ主側3002aからの2本の配線を主制御基板1310へ電気的に接続するコネクタとして2.5mmピッチを有するものが選定されているとともに、第二始動口センサ2402からの2本の配線を主制御基板1310へ電気的に接続するコネクタとして2.0mmピッチを有するものが選定されている。また、第一始動口2002、及び第二始動口2004と用途が類似する入球口としてゲート部2003と対応する検出手段であるゲートセンサ2506は、上述したように、遊技盤5に設けられる大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2403、遊技盤5に設けられる一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ2401,3001、遊技盤5に設けられる第一始動口2002付近に作用する磁気を検知する磁気センサ3003等の各種センサとともに、パネル中継基板1710において電気的に接続されて集約されて、1つのコネクタを介して、主制御基板1310へ電気的に接続されている。
このように、複数の入球口のうち、例えば用途が類似する入球口として第一始動口2002、及び第二始動口2004と対応する検知手段である第一始動口センサ3002、及び第二始動口センサ2402のコネクタの形状が異ならせて設けられているため、例えば用途が類似する入球口として第一始動口2002、及び第二始動口2004と対応する検知手段である第一始動口センサ3002、及び第二始動口センサ2402のコネクタの誤接続を防止することができる。また、第一始動口2002、及び第二始動口2004と用途が類似する入球口としてゲート部2003と対応する検出手段であるゲートセンサ2506は、大入賞口センサ2403、一般入賞口センサ2401,3001、及び磁気センサ3003等の各種センサとともに、パネル中継基板1710において電気的に接続されて集約されて、1つのコネクタを介して、主制御基板1310へ電気的に接続されている。つまり、用途が類似する入球口である第一始動口2002、第二始動口2004、及びゲート部2003と対応する検知手段である第一始動口センサ3002、第二始動口センサ2402、及びゲートセンサ2506のコネクタの誤接続を防止することができる。したがって、誤接続を防止することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、遊技制御手段として図132の主制御ユニット1300の主制御基板1310、球タンクとして図13の球タンク552、球誘導路として図13の球誘導ユニット570、払出装置として図13の払出装置580を備えている。
主制御基板1310は、遊技制御マイクロプロセッサとして図154の主制御MPU1310aが実装されており、主制御MPU1310aは、抽選手段による抽選結果として、第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果等に基づいて、遊技を進行することができると共に、図130の遊技盤5の正面側における予め定めた位置に設けられる表示部として機能表示ユニット1400を表示制御して抽選結果を導出表示することができるものである。具体的には、機能表示ユニット1400は、図130に示したように、遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左上隅に取付けられ、主制御MPU1310aは、図212の主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS114の特別図柄及び特別電動役物制御処理において、抽選結果が第一始動口センサ3002によるものである場合には第一特別抽選結果として特図1同調演出関連の各種コマンドを作成する一方、抽選結果が第二始動口センサ2402によるものである場合には第二特別抽選結果として特図2同調演出関連の各種コマンドを作成し、送信情報として送信情報記憶領域に記憶するとともに、特別図柄の変動表示パターンを上述した変動表示パターン用乱数に基づいて決定し、その決定した特別図柄の変動表示パターンに従って機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器を点灯させるよう機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器又は第二特別図柄表示器への点灯信号の出力を設定し、出力情報として上述した出力情報記憶領域に記憶する。
球タンク552は、遊技盤5の上方に配置されると共に、遊技球を貯留することができるものである。球誘導ユニット570は、遊技盤5に近傍して配置されると共に、球タンク552に貯留される遊技球を図12のタンクレール553を介して下流側へ誘導することができるものである。払出装置580は、遊技盤5に近傍して配置されると共に、球誘導ユニット570から誘導される遊技球を払出指示(払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す指示)に基づいて払い出すことができるものである。
主制御基板1310に設けられるコネクタとして図154の機能表示ユニット用コネクタMFCNと、機能表示ユニット1400に設けられる図示しないコネクタと、を電気的に接続する配線として図154の配線FCBLは、球タンク552、球誘導ユニット570、及び払出装置580のうち少なくとも1つの近傍を通るようになっている。遊技球は、遊技ホールの島設備において研磨されたり、島設備とパチンコ機1との循環において互いにこすれ合ったりして、帯電して静電放電することにより電磁波ノイズを放出する。このため、遊技球を滞留することができる球タンク552、球誘導ユニット570、払出装置580を取付ける領域及びその周囲は静電気が溜まりやすい。つまり、主制御基板1310に設けられる機能表示ユニット用コネクタMFCNと、機能表示ユニット1400に設けられる図示しないコネクタと、を電気的に接続する配線FCBLは、電磁波ノイズの影響を受けやすい環境下にある。
主制御基板1310に実装される主制御MPU1310aと、主制御基板1310に設けられる機能表示ユニット用コネクタMFCNと、が予め定めた距離寸法だけ離間して配置されている。具体的には、主制御MPU1310aを主制御基板1310の右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線より下方に機能表示ユニット用コネクタMFCNを配置しているのに対して、この中心線より上方に主制御MPU1310aを配置していることによって、機能表示ユニット用コネクタMFCNと主制御MPU1310aとを主制御基板1310において離間する配置となっている。
このように、主制御基板1310に設けられる機能表示ユニット用コネクタMFCNと、機能表示ユニット1400に設けられる図示しないコネクタと、を電気的に接続する配線FCBLは、電磁波ノイズの影響を受けやすい環境下にあるため、主制御基板1310に実装される主制御MPU1310aと、主制御基板1310に設けられる機能表示ユニット用コネクタMFCNと、を予め定めた距離寸法だけ離間して配置することにより(つまり、上述した中心線より下方に機能表示ユニット用コネクタMFCNを配置しているのに対して、この中心線より上方に主制御MPU1310aを配置していることにより)、この配線FCBLを介して侵入する電磁波ノイズを、主制御MPU1310aに影響が及ばないように減衰させることができるようになっている。したがって、電磁波ノイズが侵入することができる配線から主制御MPU1310aを保護することができる。
また、以上説明した本実施形態のパチンコ機1によれば、抽選手段による抽選結果として、図132の主制御ユニット1300の主制御基板1310による抽選される第一特別抽選結果又は第二特別抽選結果に基づいて、遊技を進行することができるものであり、遊技者が操作することができる操作手段として、図23の演出操作ユニット300の演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)と、演出部材として、図23の扉枠3に備える演出操作ユニット300、扉枠左サイドユニット400、扉枠右サイドユニット410、及び扉枠トップユニット450等の扉枠側各種ユニットや図135の遊技盤5に備える裏下演出ユニット3100、裏上演出ユニット3200、裏左演出ユニット3300、及び裏右演出ユニット3400等の遊技盤側各種ユニットの発光に利用される第一種発光手段として、図23の扉枠3に備える演出操作ユニット300、扉枠左サイドユニット400、扉枠右サイドユニット410、及び扉枠トップユニット450等の扉枠側各種ユニットに備える各種のLED、図135の遊技盤5に備える裏下演出ユニット3100、裏上演出ユニット3200、裏左演出ユニット3300、及び裏右演出ユニット3400等の遊技盤側各種ユニットに備える各種のLEDと、この演出部材と異なる他の演出部材として、図143のパネル板1110、及び図155の表演出ユニット2600における導光板2601の発光に利用される第二種発光手段として、図143のパネル板1110の周面へ向かって光を照射する複数のパネル装飾用LED1130a、図155の導光板2601の上面から光を入射させることで発光装飾される第一絵柄2610用の複数のLED2611、及び導光板2601の右側面から光を入射させることで発光装飾される第二絵柄2620用の複数のLED2621と、第二種発光手段である複数のパネル装飾用LED1130a、複数のLED2611、及び複数のLED2621の輝度と第一種発光手段である扉枠側各種ユニットに備える各種のLED、及び遊技盤側各種ユニットに備える各種のLEDの輝度とを操作手段である演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)による操作に基づいて調整することができる輝度調整手段として、図217の周辺制御部電源投入時処理の周辺制御部定常処理におけるステップS1014の演出操作ユニット監視処理やステップS1022の受信コマンド解析処理の一処理として行われるランプパレット設定処理と、を備えている。
輝度調整手段であるランプパレット設定処理は、操作手段である演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)が所定期間内として、デモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)や演出の進行中において、に操作されたことに基づいて、複数の輝度指定値として、第1輝度指定値〜第31輝度指定値のうち一の輝度指定値と対応する、通常輝度設定値として直接光として用いられるLEDの輝度に対して設定される通常パレット値を選択して第一種発光手段である扉枠側各種ユニットに備える各種のLED、及び遊技盤側各種ユニットに備える各種のLEDの輝度として設定することができると共に、通常輝度設定値と異なる特殊輝度設定値として間接光として用いられるLEDの輝度に対して設定される特殊パレット値を選択して第二種発光手段である複数のパネル装飾用LED1130a、複数のLED2611、及び複数のLED2621の輝度として設定することができるようになっている。
具体的には、ランプパレット設定処理では、例えば、遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)は、回転操作部302を時計回りに回転操作する場合であって現状の輝度が仮に最小輝度(消灯)となる第0(ゼロ)輝度指定値の次に輝度が高い段階となる第1輝度指定値に設定されているときには、第1輝度指定値から最大輝度である第31輝度指定値へ向かって予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って、間接光として用いられるLEDの輝度と、直接光として用いられるLEDの輝度と、を高くするように変化する一方、回転操作部302を反時計回りに回転操作する場合であって現状の輝度が最大輝度に設定されているときには、最大輝度である第31輝度指定値から第1輝度指定値へ向かって予め定めた数式(例えば、直線的なトーンカーブ、又はスプライン曲線的なトーンカーブ)に沿って、間接光として用いられるLEDの輝度と、直接光として用いられるLEDの輝度と、を低くするように変化する。遊技者(又は遊技ホールの店員等の係員)が回転操作部302を回転操作して所望の輝度を選択して押圧操作部303を押圧操作すると、選択した所望の輝度が確定する。
このように、操作手段である演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)が所定期間内であるデモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)や演出の進行中に操作されたことに基づいて、複数の輝度指定値である第1輝度指定値〜第31輝度指定値のうち一の輝度指定値と対応する、通常輝度設定値である直接光として用いられるLEDの輝度に対して設定される通常パレット値が選択されて第一種発光手段である扉枠側各種ユニットに備える各種のLED、及び遊技盤側各種ユニットに備える各種のLEDの輝度として設定されると共に、特殊輝度設定値である間接光として用いられるLEDの輝度に対して設定される特殊パレット値が選択されて第二種発光手段である複数のパネル装飾用LED1130a、複数のLED2611、及び複数のLED2621の輝度として設定されるようになっている。これにより、遊技者は、操作手段である演出操作部301(回転操作部302、押圧操作部303)を所定期間内であるデモンストレーション(遊技者待ち状態となって行われるデモ演出)や演出の進行中に操作することで、所望の輝度となるように、第一種発光手段である扉枠側各種ユニットに備える各種のLED、及び遊技盤側各種ユニットに備える各種のLEDの輝度と、第二種発光手段である複数のパネル装飾用LED1130a、複数のLED2611、及び複数のLED2621の輝度と、を設定することができる。したがって、輝度調整を容易に行うことができる。
[19.別例]
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されるものではなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
例えば、上述した実施形態では、裏下可動装飾体3110、裏上可動装飾体3210、裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420のそれぞれの正面視の形状を、正三角形としたものを示したが、これに限定するものではなく、例えば、「四角形」、「六角形」、「八角形」、「扇形」、「星形」、等としても良い。
また、上述した実施形態では、裏下移動アーム3130及び裏上移動アーム3230にそれぞれ可動装飾体を一つずつ備えたものを示したが、これに限定するものではなく、裏下移動アーム3130及び裏上移動アーム3230に複数の可動装飾体を備えるようにしても良い。
更に、上述した実施形態では、裏左移動アーム3330及び裏右移動アームにそれぞれ可動装飾体を二つずつ備えたものを示したが、これに限定するものではなく、裏左移動アーム3330及び裏右移動アーム3430に一つ又は三つ以上の可動装飾体を備えるようにしても良い。
また、上述した実施形態では、裏下演出ユニット3100及び裏上演出ユニット3200の可動装飾体(裏下可動装飾体3110及び裏上可動装飾体3210)が、そのままの姿勢で待機位置と第一合体位置との間で移動するものを示したが、これに限定するものではなく、裏下演出ユニット3100及び裏上演出ユニット3200において、待機位置と第一合体位置との間で姿勢が変化する可動装飾体としても良い。
更に、上述した実施形態では、裏左演出ユニット3300及び裏右演出ユニット3400の可動装飾体(裏左上可動装飾体3310、裏左下可動装飾体3320、裏右上可動装飾体3410、及び裏右下可動装飾体3420)が、姿勢を変化させて待機位置と第一合体位置との間で移動するものを示したが、これに限定するものではなく、裏左演出ユニット3300及び裏右演出ユニット3400において、待機位置と第一合体位置との間で姿勢を変化させずに移動する可動装飾体としても良い。
また、上述した実施形態では、周辺制御基板1510に特殊コネクタSCN1,SCN2のプラグを備え、周辺データROM基板1520に特殊コネクタSCN3のソケットを備え、液晶出力基板1530に特殊コネクタSCN4のソケットを備えていたが、情報や信号が流れる方向が視認できるように備えるように配置してもよい。このような場合には、情報や信号を送信する側をプラグ(又はソケット)とするとともに、これに対応して、情報や信号を受信する側をソケット(又はプラグ)とすることができる。例えば、上述した実施形態では、周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aに記憶される各種の制御情報(周辺データ)は、周辺データROM基板1520から周辺制御基板1510へ転送されるため、周辺データROM基板1520が送信側で周辺制御基板1510が受信側となる。このような場合には、周辺データROM基板1520にプラグとなる特殊コネクタ(又はソケットとなる特殊コネクタ)を備えるとともに、これに対応して、周辺制御基板1510にソケットとなると特殊コネクタ(又はプラグとなる特殊コネクタ)を備えることができる。また、上述した実施形態では、周辺制御基板1510から複数種類の映像信号の方式が液晶出力基板1530へ出力されるため、周辺制御基板1510が送信側で液晶出力基板1530が受信側となる。このような場合には、周辺制御基板1510にプラグとなる特殊コネクタ(又はソケットとなる特殊コネクタ)を備えるとともに、これに対応して、液晶出力基板1530にソケットとなると特殊コネクタ(又はプラグとなる特殊コネクタ)を備えることができる。
更に、上述した実施形態では、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503は、非導電性の樹脂製として透明に成型されて構成されていたが、ポリカーボネートにカーボンを含有した導電性の樹脂製として不透明な黒色に成型されて構成されていてもよいし、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503が導電性の樹脂製であれば、半透明な有色に成型されて構成されていてもよい。このように構成しても、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503が導電性の樹脂製であるため、カバー体1501(カバー平板1501a)の裏面側に、上述した、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板を金属製のナベねじによりそれぞれ固定することにより、上述したように、これら各種基板のグランド(GND)へ回路アースとするように構成することができる。これにより、カバー体1501、ベース体1502、及び配線カバー体1503から侵入したノイズを回路アースとして各種基板のグランド(GND)へ流し、ノイズを除去することができる。
また、上述した実施形態では、払出羽根589は、外方へ平板状に延出している円弧状を有する複数の羽根片589aが、周方向へ120度の角度の間隔で三つ備えられていたが、周方向へ90度の角度の間隔で四つ備えられていてもよい。図222は、払出装置の変形例であり、円弧状を有する四つの羽根片589aを備える払出羽根589が設けられると共に、電波センサが設けられる払出装置の切断した背面断面図である。図222は、上述した図105と対応する払出ユニットの払出装置を払出羽根の前後方向中央で切断した背面断面図であり、図105と同一の符号が付してある。円弧状を有する四つの羽根片589aを払出羽根589が備える場合には、図222に図示しないが、上述した払出ギア部材588は、外方へ延出している円弧状を有する平板状の検知片588bが、周方向へ90度の角度の間隔で四つ備えられることとなり、払出ギア部材588の周方向の90度の領域を、検知片588bが形成されている45度の領域を遮光範囲として払出モータ584の回転軸の9ステップ回転と、検知片588bが形成されていない45度の領域を受光範囲として払出モータ584の回転軸の9ステップ回転と、を合わせた18ステップ回転により管理されるように、減速比nが選定され、遊技球Bの1球の払い出しに対して払出モータ584の回転軸が18ステップ回転することにより行われる構成となる。換言すると、払出モータ584の回転軸が18ステップ回転すると、払出ギア部材588と一体回転する払出羽根589が90度回転することができるように、駆動ギア585、第一伝達ギア586、第二伝達ギア587、及び払出ギア部材588の払出ギア588aの歯数がそれぞれ選定されることによって減速比nを定めることができる。
更に、上述した実施形態では、払出装置580は、払出通路580aの下流端において払出装置本体581と払出装置後蓋582とによって取付けられており遊技球Bを検知する払出検知センサ591を備えていたが、この払出検知センサ591の近傍に電波を検知する電波センサを備えていてもよい。払出検知センサ591は、非接触タイプの電磁式の近接スイッチを用いており、遊技球Bの通過を検知するものであるが、電波の影響を受けると、遊技球Bが実際に通過しているにもかかわららず、誤動作して遊技球Bが通過していない状態に見せかけることができる。この場合、払出検知センサ591からの検出信号が入力される払出制御基板633は、払出検知センサ591からの検出信号に基づいて、遊技球Bの払い出しが完了していないと判断して、払出モータ584の回転軸を過剰に回転する制御を行うことで遊技球Bを多量に払い出すこととなる。このような不正に遊技球Bを獲得するという不正行為(「電波ゴト」という。)を検出するために、図222に示すように、払出検知センサ591の上方近傍に電波センサ594を払出装置580に設けて構成することができる。電波センサ594からの検出信号は、払出制御基板633に入力されることにより、払出制御基板633は、電波センサ594からの検出信号に基づいて、異常な電波が照射されていると判別したときには、払出モータ584の回転軸を緊急停止すると共に、その旨を伝える電波ゴト報知コマンドを、主制御基板1310へ送信する。このとき、払出制御基板633は、外部端子板558を介して、ホールコンピュータへ電波ゴト報知信号を出力するように構成してもよい。主制御基板1310は、払出制御基板633からの8ビット幅の電波ゴト報知コマンドを受信すると、この電波ゴト報知コマンドを8ビット幅から16ビット幅として、電波ゴト警告音を最大音量に設定して各種スピーカから流すと共に各種LEDを警告報知発光態様(例えば、赤色に点滅する発光態様)に設定して電波ゴトを報知することができるという内容に整形して周辺制御基板1510へ送信する。周辺制御基板1510は、16ビット幅を有する電波ゴト報知コマンドを受信すると、演出表示装置1600に「異常が発生しています。」というメッセージを大きく表示して、各種LEDを警告報知発光態様に制御する。
なお、電波センサ594に代えて、接触タイプのON/OFF動作式のメカニカルスイッチである接触式球通過センサ594’を用いてもよい。接触式球通過センサ594’からの検出信号が払出制御基板633に入力され、払出制御基板633は、払出検知センサ591からの検出信号と、接触式球通過センサ594’からの検出信号と、に基づいて、遊技球Bを払い出した球数が合致しないときには何らかの不正が行われたとして判別することができるように構成することができる。払出制御基板633は、何らかの不正が行われたとして判別したときには、払出モータ584の回転軸を緊急停止すると共に、その旨を伝えるゴト報知コマンドを、主制御基板1310へ送信する。このとき、払出制御基板633は、外部端子板558を介して、ホールコンピュータへゴト報知信号を出力するように構成してもよい。主制御基板1310は、払出制御基板633からの8ビット幅のゴト報知コマンドを受信すると、このゴト報知コマンドを8ビット幅から16ビット幅として、ゴト警告音を最大音量に設定して各種スピーカから流すと共に各種LEDを警告報知発光態様(例えば、赤色に点滅する発光態様)に設定してゴトを報知することができるという内容に整形して周辺制御基板1510へ送信する。周辺制御基板1510は、16ビット幅を有するゴト報知コマンドを受信すると、演出表示装置1600に「異常が発生しています。」というメッセージを大きく表示して、各種LEDを警告報知発光態様に制御する。
また、上述した実施形態では、払出モータ584はステッピングモータであったがDCモータとしてもよい。この場合、DCモータがステップ駆動されると、これに応じて予め定めた角度として18度で回転軸をステップ回転するように構成する。つまり、DCモータは、1ステップ回転でその回転軸を18度回転する。
更に、上述した実施形態では、払出モータ584の回転軸を、回転伝達部材を構成する、駆動ギア585、第一伝達ギア586、第二伝達ギア587、払出ギア部材588の払出ギア588aを介して、減速し、払出羽根589を回転することができるように構成されていたが、払出モータ584の回転軸を低速に回転して回転伝達部材(複数のギア(例えば、第一伝達ギア586’、第二伝達ギア587’、払出ギア部材588の払出ギア588a’))を介して、増速し、払出羽根589を回転することができるように構成してもよい。こうすれば、払出羽根589による1球の遊技球の送り出しに見合う払出モータ584へのステップ駆動の回数は、整数とならないように回転伝達部材の増速比が予め決定されているため、遊技球を1球払い出すごとに位置決め位置が毎回異なる。これにより、遊技球と払出羽根589との接触位置が毎回異なることによりヤニや埃の付着位置を分散することができる。また当然このような位置決め誤差を生じるような上述した回転伝達部材の増速比に設定すると、誤差が累積するものの、遊技球を1球払い出すごとに誤差が累積しても、払出羽根589の回転角度は、払出羽根589の回転軸と同軸に設けられた払出ギア部材588の複数の検知片588b(遮光片)にて検出することにより、その累積した誤差がある程度溜まるとリセットされる。これにより、払い出される遊技球の数の正確さは担保される。したがって、このような回転伝達部材の増速比が予め決定されるパチンコ機1においても、遊技球を受け入れて送り出す払出羽根589の回転位置を、遊技球を払い出すごとに変化させてヤニや埃が付着する位置を分散させることによりヤニや埃などに対して強い払出装置580を持つことができる。
また、上述した実施形態では、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530等の各種基板が金属製のシールド板1540と共にそれぞれカバー平板1501aの裏面側の所定位置に取り付けられることによりシールド板1540がカバー体1501と各種基板とにより挟持されて固定される状態においては、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)とカバー平板1501aの裏面との間に所定高さの距離寸法(本実施形態では、14.8mm)を有する空間が形成される状態となり、この空間内に金属製のシールド板1540が配置されることで2つの空間が形成され、この2つの空間が、各種基板の表面(カバー平板1501aの裏面側と対向する面)と金属製のシールド板1540のシールド平板1540aの裏面との間に第1の所定高さの距離寸法(本実施形態では、12mm)を有する第1の空間1505aと、金属製のシールド板1540のシールド平板1540aの表面とカバー平板1501aの裏面との間に第2の所定高さの距離寸法(本実施形態では、1.6mm)を有する第2の空間1505bと、から構成されていた。換言すると、第1の所定高さの距離寸法が第2の所定高さの距離寸法より大きく形成されていた。遊技盤5に大型の演出ユニット(可動演出体を作動することができる電気的駆動源や駆動機構、及び原点位置や作動位置を検出すための各種センサ)を配置した場合であって奥行き方向の距離寸法に余裕がある場合には、第1の所定高さの距離寸法と第2の所定高さの距離寸法とを同一の所定高さの距離寸法として構成してもよいし、第2の所定高さの距離寸法を第1の所定高さの距離寸法と比べて大きくするように構成してもよい。このように構成しても、電磁波ノイズの影響を受け易い各種電子部品等を第1の空間1505a内に収容することにより電磁波ノイズの対策を講ずることができると共に、第2の空間1505b内に熱を発する各種電子部品等を収容しないことで第1の空間1505a内における各種電子部品等から発する熱を、金属製のシールド板1540を介して、第2の空間1505bへ効率良く伝えることができる。
更に、上述した実施形態では、金属製のシールド板1540dには、円形状を有す複数の通風孔1540azが形成されることにより、周辺制御基板1510に備える制御ROM1510bの表面に印刷されている品番や型式(又は管理番号)と、制御ROM1510bのICピンの状態と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容(例えば、ICの向き、部品番号、ピン番号等)と、を視認することができ、また周辺制御基板1510に備えるSDRAM1510c1,1510c2の表面に印刷されている品番や型式と、SDRAM1510c1,1510c2のICピンの状態と、周辺制御基板1510にシルク印刷された内容(例えば、ICの向き、部品番号、ピン番号等)と、を視認することができ、また周辺データROM基板1520に備える周辺データROM1520aの表面に印刷されている品番や型式(又は管理番号)と、周辺データROM1520aのICピンの状態と、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520とにそれぞれシルク印刷された内容(例えば、コネクタのピン数、ICの向き、部品番号、ピン番号等)を視認することができるように構成されていたが、制御ROM1510b、SDRAM1510c1,1510c2、周辺データROM1520aと対応する金属製のシールド板1540dの位置に矩形状の開口部を設けるように構成することもできる。なお、制御ROM1510b、SDRAM1510c1,1510c2、周辺データROM1520aに加えて、その周囲も視認することができるように、金属製のシールド板1540dの位置に矩形状の開口部を設けるように構成することもできる。また、周辺制御基板1510と周辺データROM基板1520との基板間コネクタの接続状態を確認することができるように、基板間コネクタの形状(周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN1と周辺データROM基板1520に特殊コネクタSCN3とにより構成される形状)より大きな領域と対応する金属製のシールド板1540dの位置に矩形状の開口部を設けるように構成することもできるし、周辺制御基板1510と液晶出力基板1530との基板間コネクタの接続状態を確認することができるように、基板間コネクタの形状(周辺制御基板1510に備える特殊コネクタSCN2と液晶出力基板1530に特殊コネクタSCN4とにより構成される形状)より大きな領域と対応する金属製のシールド板1540dの位置に矩形状の開口部を設けるように構成することもできる。
また、上述した実施形態では、カバー体1501のカバー平板1510aに通風孔1501azを複数形成していたが、カバー体1501のカバー平板の上辺、左辺、下辺、及び右辺にそれぞれ設けられるカバー側壁1501b〜1501eのうち、上辺に設けられるカバー側壁1501bを除いて、いずれかに一つまたは組み合わせて通風孔1501azを複数形成してもよい。例えば、左辺に設けられるカバー側壁1501cにのみ通風孔1501azを複数形成してもよいし、下辺に設けられるカバー側壁1501dのみに通風孔1501azを複数形成してもよいし、右辺に設けられるカバー側壁1501eのみに通風孔1501azを複数形成してもよいし、カバー平板1510a、左辺、下辺、及び右辺にそれぞれ設けられるカバー側壁1501c〜1501eのうち複数組み合わせて通風孔1501azをそれぞれ複数形成してもよい。このように構成しても、この通風孔1501azを介して、周辺制御基板ボックス1505の内部へ向かって遊技球Bによって生ずる異物(例えば、遊技球Bの摩耗により生じた金属粉)が落下して侵入することを防止することができる。これにより、周辺制御基板ボックス1505の各種基板への落下異物による電気的なトラブルを防止することができる。したがって、タンクレール553からの落下異物による電気的なトラブルを防止することができる。なお、上辺に設けられるカバー側壁1501bに通風孔1501azを形成しない理由としては、仮に、上辺に設けられるカバー側壁1501bに通風孔1501azを形成すると、この通風孔1501azを介して、周辺制御基板ボックス1505の内部へ向かって遊技球Bによって生ずる異物(例えば、遊技球Bの摩耗により生じた金属粉)が落下して侵入することにより、周辺制御基板ボックス1505の各種基板への落下異物による電気的なトラブルが生ずる蓋然性が高くなるからである。
更に、上述した実施形態では、カバー体1501のカバー平板1510aに通風孔1501azを複数形成していたが、カバー体1501のカバー平板の上辺、左辺、下辺、及び右辺にそれぞれ設けられるカバー側壁1501b〜1501eのうち、上辺に設けられるカバー側壁1501bを除いて、左辺、下辺、及び右辺にそれぞれ設けられるカバー側壁1501c〜1501eに通風孔1501azを複数形成してもよい。こうすれば、左辺、下辺、及び右辺にそれぞれ設けられるカバー側壁1501c〜1501eに通風孔1501azを複数形成することにより周辺制御基板ボックス1505の温度上昇を抑制することに寄与することができる。なお、上辺に設けられるカバー側壁1501bに通風孔1501azを形成しない理由としては、上述したように、仮に、上辺に設けられるカバー側壁1501bに通風孔1501azを形成すると、この通風孔1501azを介して、周辺制御基板ボックス1505の内部へ向かって遊技球Bによって生ずる異物(例えば、遊技球Bの摩耗により生じた金属粉)が落下して侵入することにより、周辺制御基板ボックス1505の各種基板への落下異物による電気的なトラブルが生ずる蓋然性が高くなるからである。
また、上述した実施形態では、タンクレール553における主誘導部553aに切り欠き部553aaを複数形成して遊技球Bの摩耗により生じた金属粉を主誘導部553aから取り除くことができるように構成されていたが、遊技球Bが転動する球通路に対して切り欠き部553aaと同様一の切り欠き部、孔、又は溝を形成してもよい。具体的には、図110に示した、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する1条の誘導通路570aを有する球誘導ユニット570において、誘導通路570aにおける遊技球Bの金属粉を誘導通路570aから外部へ取り除くことができる切り欠き部、孔、又は溝を図104に示した誘導ユニット570の誘導ユニットベース571の後面に形成することができる。球誘導ユニット570の下方には、図110に示したように、払出装置580、そして基板ユニット620等が配置されており、払出装置580は羽根回転検知センサ590が実装される基板等を有し、基板ユニット620は図111に示した電源基板630、払出制御基板633、インターフェイス基板635等を有し、各種基板が配置されている。このため、誘導ユニットベース571の後面に切り欠き部、孔、又は溝を形成する場合には、誘導ユニットベース571の後面に形成される切り欠き部、孔、又は溝を介して落下する遊技球Bの金属粉が誘導ユニット570の下方に配置される各種基板へ付着することを防止する必要がある。そこで、図103に示した払出装置580の払出装置後蓋582の上辺に沿って庇状の部材を後方へ向かって突出して形成して構成することができるし、誘導ユニットベース571の後面に形成される切り欠き部、孔、又は溝の位置と、払出装置580における羽根回転検知センサ590が実装される基板等の各種基板の位置と、をズラして構成することができるし、両者を採用して構成することもできる。
また、図111に示した電源基板630の電源基板カバー631、払出制御基板633の払出制御基板ボックス632、インターフェイス基板635のインターフェイス基板カバー636等の上辺に沿って庇状の部材を後方へ向かって突出して形成して構成することができるし、誘導ユニットベース571の後面に形成される切り欠き部、孔、又は溝の位置と、電源基板カバー631、払出制御基板ボックス632、及びインターフェイス基板カバー636の位置と、をズラして構成することができるし、両者を採用して構成することもできる。なお、図111に示した電源基板630の電源基板カバー631、払出制御基板633の払出制御基板ボックス632、インターフェイス基板635のインターフェイス基板カバー636の上辺に設けられるカバー側壁に通風孔を形成しないことによっても遊技球Bの金属粉が各種基板へ付着することを防止できる。周辺制御基板ボックス1505の下方に配置される主制御基板1310においては、主制御基板1310を有している主制御ユニット1300を周辺制御基板ボックス1505が庇となる位置に配置したり、主制御ユニット1300に対応する庇状の部材を配置したり、主制御ユニット1300の上辺に設けられるカバー側壁に通風孔を形成しないことによっても遊技球Bの金属粉が付着することを防止できる。
更に、上述した実施形態では、電源基板630という1つの基板に、電源スイッチ630a、ノイズ対策回路630b、整流回路630c、力率改善回路630d、平滑化回路630e、電源作成回路630f、電源破壊回路630g、各種の電子部品等を備えていたが、2つの基板に分けて備えるように構成することもできる。例えば、電源基板630は、第1電源基板630A、第2電源基板630Bから構成され、第1電源基板630A、第2電源基板630Bが図113に示した基板ユニット620の電源ユニット620cに備えるように構成することもできる。この場合、第1電源基板630Aの回路は、図189に示した、電源線コネクタDCN1,DCN2、アース接続端子DCN5、ヒューズFUSE1,FUSE2、電源スイッチ630a、ノイズ対策回路630b、配線コネクタAを主として構成され、第2電源基板630Bの回路は、図189に示した、ダイオードD5,D6、整流回路630c、力率改善回路630d、平滑化回路630e、電源作成回路630f、電源破壊回路630g、チョークコイルL2、ヒューズFUSE3、配線コネクタBを主として構成される。第1電源基板630Aの配線コネクタAと、第2電源基板630Bの配線コネクタBとは、電源配線を介して、電気的に接続される。第1電源基板630Aにおける、電源スイッチ630aの出力側端子4,2から出力されたAC24V1,AC24V2は、ノイズ対策回路630b、配線コネクタA、そして電源配線を介して、第2電源基板630Bにおける、配線コネクタBへ入力されると、整流回路630cに入力されるほかに、ダイオードD5,D6のアノード端子にそれぞれ入力され、ダイオードD5,D6のカソード端子からそれぞれ出力されて電源作成回路630fに入力されることとなる。なお、第2電源基板630Bにおいて作成される、直流+35V、直流+12V、直流+5V等の各種直流電圧は、第2電源基板630Bから第1電源基板630Aを除くパチンコ機1内部の各基板へ供給される。
また、上述した実施形態における図195に示した電源基板630を、第1電源基板630A、第2電源基板630Bという2つの基板に分けて構成することもできる。この場合、第1電源基板630Aの回路は、図195に示した、電源線コネクタDCN1,DCN2、アース接続端子DCN5、ヒューズFUSE1、マイクロギャップ式のアレスタAL1、電源スイッチ630a、ノイズ対策回路630b、配線コネクタAを主として構成され、第2電源基板630Bの回路は、図195に示した、整流回路630c、力率改善回路630d、平滑化回路630e、電源作成回路630f、リレー駆動回路630i、リレーRL1、サーミスタTH1、チョークコイルL2、ヒューズFUSE3、配線コネクタBを主として構成される。第1電源基板630Aの配線コネクタAと、第2電源基板630Bの配線コネクタBとは、電源配線を介して、電気的に接続される。第1電源基板630Aにおける、電源スイッチ630aの出力側端子4,2から出力されたAC24V1,AC24V2は、ノイズ対策回路630b、配線コネクタA、そして電源配線を介して、第2電源基板630Bにおける、配線コネクタBへ入力される。なお、第2電源基板630Bにおいて作成される、直流+35V、直流+12V、直流+5V等の各種直流電圧は、第2電源基板630Bから第1電源基板630Aを除くパチンコ機1内部の各基板へ供給される。
また、上述した実施形態では、扉枠3の各装飾基板におけるLED定電流駆動回路の配置方法はほぼ同一であり、図203に示したように、定電流駆動回路402baxのランドパターンの端辺を、左サイド下装飾基板402bの左端辺402beg1と右端辺402beg2とに対して、45度傾斜した状態として配置するという構成を採用するとともに、所定個のフルカラーLEDをグループ1とグループ2とに分けて、グループ1とグループ2との間に定電流駆動回路402baxを配置するという構成を採用したが遊技盤5に備える細長い板状の装飾基板にも適用することができる。遊技盤5に備える細長い板状の装飾基板としては、例えば、遊技盤5の各種演出ユニットに備える装飾基板を挙げることができる。
更に、上述した実施形態では、扉枠3の各装飾基板におけるLED定電流駆動回路は、8個のフルカラーLEDに定電流を流して発光制御を行っていたが、フルカラーLEDに限定されず、白色、赤色、緑色、黄色、橙色、青色、緑色等の単色のLEDであってもよい。単色のLEDを用いることもできる。この場合、1つのLED定電流駆動回路で最大24個の単色のLEDの発光制御を行うことができる。
また、上述した実施形態では、扉枠3の各装飾基板に備えるLED素子のカソード端子には、電源基板630からの直流+12Vが入力されていたが、LED定電流駆動回路の定電流駆動回路に備えるリニア電源(図200に示した、LED定電流駆動回路283aの定電流駆動回路283xに備えるリニア電源283xa)で作成した内部電源Vreg(直流+5V)をリニア電源の電流許容範囲内でLED点灯用の電圧として利用してもよい。例えば、上述した定電流駆動回路の出力チャンネルLR1〜LR8,LG1〜LG8,LB1〜LB8のうち、一の出力チャンネルに対してリニア電源の電流許容範囲内で最大1個の単色のLED(例えば、赤色のLEDを除くLED)を電気的に接続した場合にはその単色のLEDのアノード端子にリニア電源で作成した内部電源Vreg(直流+5V)が入力されるように構成するとともにその単色のLEDのカソード端子が上述した熱分散抵回路の熱分散抵抗を介して一の出力チャンネルと電気的に接続されるように構成する。また、上述した定電流駆動回路の出力チャンネルLR1〜LR8,LG1〜LG8,LB1〜LB8のうち、一の出力チャンネルに対してリニア電源の電流許容範囲内で最大2個の単色のLED(例えば、赤色のLED)を電気的に直列接続した場合には初段のLEDのアノード端子にリニア電源で作成した内部電源Vreg(直流+5V)が入力されるように構成するとともに最終段のLEDのカソード端子が上述した熱分散抵回路の熱分散抵抗を介して一の出力チャンネルと電気的に接続されるように構成することができる。
このように構成される装飾基板は、扉枠3のほかに、遊技盤5に備える装飾基板においても適用することができる。
更に、上述した実施形態では、扉枠3の各装飾基板に備えるLED素子のカソード端子には、電源基板630からの直流+12Vが入力されるとともに、定電流駆動回路の出力チャンネルLR1〜LR8,LG1〜LG8,LB1〜LB8のうち、一の出力チャンネルに対して1個のフルカラーLEDを構成するLED素子のカソード端子が上述した熱分散抵回路の熱分散抵抗を介して電気的に接続されていたが、一の出力チャンネルに対して複数のフルカラーLEDを電気的に直列接続してもよい。この場合、フルカラーLEDの個数としては、2個〜3個となる。なお、一の出力チャンネルに対してさらにフルカラーLEDの個数を増加する必要がある場合には、電源基板630からの直流+12Vに代えて、電源基板630からの直流+35VをLED点灯用の電圧として利用してもよい。このように構成される装飾基板は、扉枠3のほかに、遊技盤5に備える装飾基板においても適用することができる。
また、上述した実施形態では、扉枠トップ装飾体453の扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457は、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457が扉枠トップ装飾体453に配置された状態において装飾基板の上端辺から下端辺までに亘る幅寸法が大きいため、定電流駆動回路のランドパターンの端辺を、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457の上端辺と下端辺とに平行となるよう配置されているが、扉枠トップ中央装飾基板455、扉枠トップ左装飾基板456、及び扉枠トップ右装飾基板457のうち、いずれか1つの装飾基板、いずれか2つの装飾基板について、定電流駆動回路のランドパターンの端辺を、その装飾基板の上端辺と下端辺とに非平行となるよう配置されていてもよい。そして、扉枠トップ右装飾基板457は、自身に備えるフルカラーLEDに加えて、例えば2個のフルカラーLEDが実装される他の右装飾基板を、自身に備えるLED定電流駆動回路により直接発光制御してもよいし、扉枠トップ左装飾基板456は、自身に備えるフルカラーLEDに加えて、例えば1個のフルカラーLEDが実装される他の左装飾基板を、自身に備えるLED定電流駆動回路により直接発光制御してもよい。
更に、上述した実施形態では、左サイド下装飾基板402bのLED実装面402bx及びLED非実装面402by、皿中央上装飾基板314のLED実装面314x及びLED非実装面314y等の扉枠3に設けられる各装飾体に備える各種装飾基板のLED実装面及びLED非実装面は、白色のレジストがベタ塗りされていたが、これに代えて、白色のシルク印刷により印刷されていてもよい。この場合、各種装飾基板のLED実装面及びLED非実装面を白色のシルク印刷で全体を印刷した後に、フルカラーLEDと対応する部品番号、及びフルカラーLEDを配置する位置を示す領域を、シルク印刷として黄色(又は、黒色)でそれぞれ印刷されることとなる。
また、上述した実施形態では、左サイド下装飾基板402bのLED非実装面402by、皿中央上装飾基板314のLED非実装面314y等の扉枠3に設けられる各装飾体に備える各種装飾基板のLED非実装面において、各種装飾基板のLED実装面に実装されるフルカラーLEDと対応する領域をシルク印刷として黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)でそれぞれ印刷していたが、フルカラーLEDの実装位置を示す補助線(つまり、フルカラーLEDを配置する位置を示す領域をシルク印刷として、黄色の鎖線(又は、黒色の鎖線)で印刷する際)に、フルカラーLEDの極性マークを付加してフルカラーLEDの実装向きを明示するように構成してもよい。
更に、上述した実施形態では、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bは、第二始動口センサ2402に検知された後に、遊技パネル1100の後側へ送られて、下方の基板ホルダ1200へ排出されていたが、第一始動口センサ3002と同様に、第二始動口センサ主側2402aと第二始動口センサ従側2402bとを少なくとも誤検出防止距離寸法だけ離間した状態で配置するという2つのセンサ(ダブルセンサ)から構成されてもよい。こうすれば、第一始動口センサ3002と同様に、第二始動口センサ主側2402a、及び第二始動口センサ従側2402bという2つのセンサ(ダブルセンサ)から構成される第二始動口センサ2402を採用することにより、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを、確実に検知することができる。なお、柔軟な紐状の操作線(糸、ピアノ線、ワイヤーあるいはカテーテル等の線状部材)を取付けた不正球(遊技球か又はそれとほぼ同径の金属球又はそれとほぼ同径の合成樹脂球)を用いた電波照射による不正行為を、図212の主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS112の不正行為検出処理において確実に検出して報知することにより、遊技ホールの店員等の係員が電波照射ゴトを早い段階で発見することができることに寄与することができる。
この場合、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bは、まず第二始動口センサ主側2402aを通ることで第二始動口センサ主側2402aにより検知され、そして第二始動口センサ従側2402bを通ることで第二始動口センサ従側2402bにより検知された後に、下方の基板ホルダ1200へ排出されることとなる。また、第二始動口センサ主側2402aからの検出信号は、主制御基板1310へ電気的に接続されている(つまり、直接的に電気的に接続されている)のに対して、第二始動口センサ従側2402bからの検出信号は、パネル中継基板1710を介して、主制御基板1310へ電気的に接続されている(つまり、間接的に電気的に接続されている)。第二始動口センサ主側2402aからの検出信号は主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA3に入力されるとともに、第二始動口センサ従側2402bからの検出信号は主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子PB3に入力されている。
このパネル中継基板1710は、第二始動口センサ従側2402bからの検出信号のほかに、上述したように、遊技盤5に設けられる第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ従側3002b、遊技盤5に設けられるゲート部2003を通過した遊技球Bを検知するゲートセンサ2506、遊技盤5に設けられる大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2403、遊技盤5に設けられる一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ2401,3001、遊技盤5に設けられる第一始動口2002付近に作用する磁気を検知する磁気センサ3003等の各種センサからの2本の配線が、それぞれのコネクタを介して電気的に接続されて集約されるとともに、1つのコネクタを介して、主制御基板1310へ電気的に接続されている。
更に、第一始動口センサ従側3002bからの検出信号と第二始動口センサ従側2402bからの検出信号とは、同一のパネル中継基板1710を介して、主制御基板1310へ電気的に接続されている。このため、第一始動口センサ従側3002bからの2本の配線をパネル中継基板1710へ電気的に接続するコネクタとして2.5mmピッチを有するものが選定されているとともに、第二始動口センサ従側2402bからの2本の配線をパネル中継基板1710へ電気的に接続するコネクタとして2.0mmピッチを有するものが選定されている。これにより、第一始動口センサ従側3002bからの2本の配線と、第二始動口センサ従側2402bからの2本の配線と、が自身と対応するものとたけ電気的に接続することができるという物理的な構造とすることができるため、製造元においては、ラインの作業者は、製造工程において、第一始動口センサ従側3002bからの2本の配線と、第二始動口センサ従側2402bからの2本の配線と、の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができるとともに、遊技ホールにおいては、遊技ホールの店員等の係員は、不正の有無を確認する場合、メンテナンスにより配線を一時的に外して元に戻す場合において、第一始動口センサ従側3002bからの2本の配線と、第二始動口センサ従側2402bからの2本の配線と、の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができる。
また、上述した実施形態では、サイドユニット2200に有する三つの一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bをそれぞれ検知する一般入賞口センサ3001、アタッカユニット2400に有する一つの一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ2401からのそれぞれの2本の配線をパネル中継基板1710へ電気的に接続するコネクタは、同一形状のものが選定されていたが、4つ存在する一般入賞口2001への入球にともない遊技の進行や演出の変化に寄与する場合には、サイドユニット2200に有する三つの一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bをそれぞれ検知する一般入賞口センサ3001a,3001b,3001cを設けるとともに、一般入賞口センサ2401からの2本の配線と、一般入賞口センサ3001a,3001b,3001cからのそれぞれの2本の配線と、のコネクタの形状をそれぞれ異なるようにしてもよい。こうすれば、一般入賞口センサ2401,3001a,3001b,3001cからのそれぞれの2本の配線が自身と対応するものとたけ電気的に接続することができるという物理的な構造とすることができるため、製造元においては、ラインの作業者は、製造工程において、一般入賞口センサ2401,3001a,3001b,3001cからのそれぞれの2本の配線の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができるとともに、遊技ホールにおいては、遊技ホールの店員等の係員は、不正の有無を確認する場合、メンテナンスにより配線を一時的に外して元に戻す場合において、一般入賞口センサ2401,3001a,3001b,3001cからのそれぞれの2本の配線の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができる。なお、一般入賞口センサ2401,3001a,3001b,3001cからのそれぞれの2本の配線をパネル中継基板1710を介すことなく、直接、主制御基板1310へ電気的に接続する構成を採用する場合には、コネクタの形状をそれぞれ異なるものが選定される。これは、上述したように、一般入賞口センサ2401,3001a,3001b,3001cからのそれぞれの2本の配線が自身と対応するものとたけ電気的に接続することができるという物理的な構造とすることができるため、製造元においては、ラインの作業者は、製造工程において、一般入賞口センサ2401,3001a,3001b,3001cからのそれぞれの2本の配線の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができるとともに、遊技ホールにおいては、遊技ホールの店員等の係員は、不正の有無を確認する場合、メンテナンスにより配線を一時的に外して元に戻す場合において、一般入賞口センサ2401,3001a,3001b,3001cからのそれぞれの2本の配線の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができる。
更に、上述した実施形態では、ゲート部2003を通過した遊技球Bは、ゲートセンサ2506により検知されていが、第一始動口センサ3002と同様に、ゲートセンサ主側2506aとゲートセンサ従側2506bとを少なくとも誤検出防止距離寸法だけ離間した状態で配置するという2つのセンサ(ダブルセンサ)から構成されてもよい。こうすれば、第一始動口センサ3002と同様に、ゲートセンサ主側2506a、及びゲートセンサ従側2506bという2つのセンサ(ダブルセンサ)から構成されるゲートセンサ2506を採用することにより、ゲート部2003を通過した遊技球Bを、確実に検知することができるようになっている。なお、柔軟な紐状の操作線(糸、ピアノ線、ワイヤーあるいはカテーテル等の線状部材)を取付けた不正球(遊技球か又はそれとほぼ同径の金属球又はそれとほぼ同径の合成樹脂球)を用いた電波照射による不正行為を、図212の主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS112の不正行為検出処理において確実に検出して報知することにより、遊技ホールの店員等の係員が電波照射ゴトを早い段階で発見することができることに寄与することができる。
この場合、ゲート部2003を通過した遊技球Bは、まずゲートセンサ主側2506aを通ることでゲートセンサ主側2506aにより検知され、そしてゲートセンサ従側2506bを通ることでゲートセンサ従側2506bにより検知されることとなる。また、ゲートセンサ主側2506a、及びゲートセンサ従側2506bからの検出信号は、パネル中継基板1710を介して、主制御基板1310へ電気的に接続されている(つまり、間接的に電気的に接続されている)。ゲートセンサ主側2506aからの検出信号は主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA0に入力されるとともに、ゲートセンサ従側2506bからの検出信号は主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの入力ポートPC(この入力ポートは、8ビットにより構成されている。)の入力端子PC0に入力されている。
更に、ゲートセンサ主側2506aからの検出信号とゲートセンサ従側2506bからの検出信号とは、同一のパネル中継基板1710を介して、主制御基板1310へ電気的に接続されている。このため、ゲートセンサ主側2506aからの2本の配線をパネル中継基板1710へ電気的に接続するコネクタとして2.5mmピッチを有するものが選定されているとともに、ゲートセンサ従側2506bからの2本の配線をパネル中継基板1710へ電気的に接続するコネクタとして2.0mmピッチを有するものが選定されている。これにより、ゲートセンサ主側2506aからの2本の配線と、ゲートセンサ従側2506bからの2本の配線と、が自身と対応するものとたけ電気的に接続することができるという物理的な構造とすることができるため、製造元においては、ラインの作業者は、製造工程において、ゲートセンサ主側2506aからの2本の配線と、ゲートセンサ従側2506bからの2本の配線と、の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができるとともに、遊技ホールにおいては、遊技ホールの店員等の係員は、不正の有無を確認する場合、メンテナンスにより配線を一時的に外して元に戻す場合において、ゲートセンサ主側2506aからの2本の配線と、ゲートセンサ従側2506bからの2本の配線と、の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができる。
また、上述した実施形態では、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ主側3002aからの2本の配線を主制御基板1310へ電気的に接続するコネクタとして2.5mmピッチを有するものが選定されているとともに、第二始動口センサ2402からの2本の配線を主制御基板1310へ電気的に接続するコネクタとして2.0mmピッチを有するものが選定されているが、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ主側3002aからの2本の配線と、第二始動口センサ2402からの2本の配線と、を合わせた4本の配線を1つのコネクタとして構成し、この4本の配線から構成される1つのコネクタが主制御基板1310へ電気的に接続されるように構成してもよい。こうすれば、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ主側3002aからの2本の配線を主制御基板1310へ電気的に接続するコネクタと、第二始動口センサ2402からの2本の配線を主制御基板1310へ電気的に接続するコネクタと、を別々な存在とせずに4本の配線から構成される1つのコネクタとする物理的な構造とすることができるため、製造元においては、ラインの作業者は、製造工程において、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ主側3002aからの2本の配線と、第二始動口センサ2402からの2本の配線と、の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができるとともに、遊技ホールにおいては、遊技ホールの店員等の係員は、不正の有無を確認する場合、メンテナンスにより配線を一時的に外して元に戻す場合において、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ主側3002aからの2本の配線と、第二始動口センサ2402からの2本の配線と、の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができる。
更に、この態様を採用し、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bは、第二始動口センサ2402に検知された後に、遊技パネル1100の後側へ送られて、下方の基板ホルダ1200へ排出されていたが、第一始動口センサ3002と同様に、第二始動口センサ主側2402aと第二始動口センサ従側2402bとを少なくとも誤検出防止距離寸法だけ離間した状態で配置するという2つのセンサ(ダブルセンサ)から構成されてもよい。こうすれば、第一始動口センサ3002と同様に、第二始動口センサ主側2402a、及び第二始動口センサ従側2402bという2つのセンサ(ダブルセンサ)から構成される第二始動口センサ2402を採用することにより、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bを、確実に検知することができる。なお、柔軟な紐状の操作線(糸、ピアノ線、ワイヤーあるいはカテーテル等の線状部材)を取付けた不正球(遊技球か又はそれとほぼ同径の金属球又はそれとほぼ同径の合成樹脂球)を用いた電波照射による不正行為を、図212の主制御側タイマ割り込み処理におけるステップS112の不正行為検出処理において確実に検出して報知することにより、遊技ホールの店員等の係員が電波照射ゴトを早い段階で発見することができることに寄与することができる。
この場合、第二始動口2004に受入れられた遊技球Bは、まず第二始動口センサ主側2402aを通ることで第二始動口センサ主側2402aにより検知され、そして第二始動口センサ従側2402bを通ることで第二始動口センサ従側2402bにより検知された後に、下方の基板ホルダ1200へ排出されることとなる。また、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ主側3002aからの2本の配線と、第二始動口センサ2402を構成する第二始動口センサ主側2402aからの2本の配線と、を合わせた4本の配線を1つのコネクタとして構成し、この4本の配線から構成される1つのコネクタが主制御基板1310へ電気的に接続される。第二始動口センサ主側2402aからの検出信号は、主制御基板1310へ電気的に接続されている(つまり、直接的に電気的に接続されている)のに対して、第二始動口センサ従側2402bからの検出信号は、パネル中継基板1710を介して、主制御基板1310へ電気的に接続されている(つまり、間接的に電気的に接続されている)。第二始動口センサ主側2402aからの検出信号は主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの入力ポートPAの入力端子PA3に入力されるとともに、第二始動口センサ従側2402bからの検出信号は主制御入力回路1310bを介して主制御MPU1310aの入力ポートPBの入力端子PB3に入力されている。
このパネル中継基板1710は、第二始動口センサ従側2402bからの検出信号のほかに、上述したように、遊技盤5に設けられる第一始動口2002に受入れられた遊技球Bを検知する第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ従側3002b、遊技盤5に設けられるゲート部2003を通過した遊技球Bを検知するゲートセンサ2506、遊技盤5に設けられる大入賞口2005に受入れられた遊技球Bを検知する大入賞口センサ2403、遊技盤5に設けられる一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ2401,3001、遊技盤5に設けられる第一始動口2002付近に作用する磁気を検知する磁気センサ3003等の各種センサからの2本の配線が、それぞれのコネクタを介して電気的に接続されて集約されるとともに、1つのコネクタを介して、主制御基板1310へ電気的に接続されている。
更に、この態様を採用し、第一始動口センサ従側3002bからの検出信号と第二始動口センサ従側2402bからの検出信号とは、同一のパネル中継基板1710を介して、主制御基板1310へ電気的に接続されているため、第一始動口センサ従側3002bからの2本の配線と、第二始動口センサ従側2402bからの2本の配線と、を合わせた4本の配線を1つのコネクタとして構成し、この4本の配線から構成される1つのコネクタがパネル中継基板1710へ電気的に接続されるように構成してもよい。こうすれば、第一始動口センサ3002を構成する第一始動口センサ従側3002bからの2本の配線をパネル中継基板1710へ電気的に接続するコネクタと、第二始動口センサ2402を構成する第二始動口センサ従側2402bからの2本の配線をパネル中継基板1710へ電気的に接続するコネクタと、を別々な存在とせずに4本の配線から構成される1つのコネクタとする物理的な構造とすることができるため、製造元においては、ラインの作業者は、製造工程において、第一始動口センサ従側3002bからの2本の配線と、第二始動口センサ従側2402bからの2本の配線と、の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができるとともに、遊技ホールにおいては、遊技ホールの店員等の係員は、不正の有無を確認する場合、メンテナンスにより配線を一時的に外して元に戻す場合において、第一始動口センサ従側3002bからの2本の配線と、第二始動口センサ従側2402bからの2本の配線と、の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができる。
更に、上述した実施形態では、サイドユニット2200に有する三つの一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bをそれぞれ検知する一般入賞口センサ3001、アタッカユニット2400に有する一つの一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bを検知する一般入賞口センサ2401からのそれぞれの2本の配線をパネル中継基板1710へ電気的に接続するコネクタは、同一形状のものが選定されていたが、4つ存在する一般入賞口2001への入球にともない遊技の進行や演出の変化に寄与する場合には、サイドユニット2200に有する三つの一般入賞口2001に受入れられた遊技球Bをそれぞれ検知する一般入賞口センサ3001a,3001b,3001cを設けるとともに、一般入賞口センサ2401からの2本の配線と、一般入賞口センサ3001a,3001b,3001cからのそれぞれの2本の配線と、を合わせた8本の配線を1つのコネクタ(単一コネクタ)として構成し、この8本の配線から構成される1つのコネクタがパネル中継基板1710へ電気的に接続されるように構成してもよい。こうすれば、一般入賞口センサ2401,3001a,3001b,3001cからのそれぞれの2本の配線を別々な存在とせずに8本の配線から構成される1つのコネクタとする物理的な構造とすることができるため、製造元においては、ラインの作業者は、製造工程において、一般入賞口センサ2401,3001a,3001b,3001cからのそれぞれの2本の配線の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができるとともに、遊技ホールにおいては、遊技ホールの店員等の係員は、不正の有無を確認する場合、メンテナンスにより配線を一時的に外して元に戻す場合において、一般入賞口センサ2401,3001a,3001b,3001cからのそれぞれの2本の配線の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができる。なお、一般入賞口センサ2401からの2本の配線と、一般入賞口センサ3001a,3001b,3001cからのそれぞれの2本の配線と、を合わせた8本の配線を1つのコネクタ(単一コネクタ)として構成し、この8本の配線から構成される1つのコネクタがパネル中継基板1710を介すことなく、直接、主制御基板1310へ電気的に接続する構成を採用することもできる。このように構成しても、上述したように、一般入賞口センサ2401,3001a,3001b,3001cからのそれぞれの2本の配線を別々な存在とせずに8本の配線から構成される1つのコネクタとする物理的な構造とすることができるため、製造元においては、ラインの作業者は、製造工程において、一般入賞口センサ2401,3001a,3001b,3001cからのそれぞれの2本の配線の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができるとともに、遊技ホールにおいては、遊技ホールの店員等の係員は、不正の有無を確認する場合、メンテナンスにより配線を一時的に外して元に戻す場合において、一般入賞口センサ2401,3001a,3001b,3001cからのそれぞれの2本の配線の誤配線という作業ミス(挿し間違いという配線ミス)を確実に防止することができる。
また、上述した実施形態では、機能表示ユニット1400の裏面側に設けられた図示しないコネクタを介して電気的に接続される配線FCBLは、図132に示したように、遊技盤5の右上隅から遊技パネル1100の後面、そして裏箱3010の後面の上辺まで引き回されると、裏箱3010の後面の下方へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の右辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められていたが、遊技盤5の右上隅から遊技パネル1100の後面、そして裏箱3010の後面の上辺まで引き回されると、その上辺から左辺へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の左辺側において裏箱3010の後面の下方へ向かって再び曲げられ、裏箱3010の後面の左辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片によりそれぞれ纏められて遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200の後面の上辺に達する前に屈曲されて基板ホルダ1200の後面に取付けられる主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320の左辺側に沿って下方へ向かって引き回されると、主制御基板ボックス1320の右辺へ向かって曲げられ、主制御基板ボックス1320の下辺に沿って機能表示ユニット用コネクタMFCNの下方までに引き回された後、機能表示ユニット用コネクタMFCNへ電気的に接続されるようにしてもよい。
こうすれば、配線FCBLと主制御MPU1310aのパッケージ左辺との距離寸法を、上述した第1配線離間距離寸法より大きい距離寸法とすることができるため、配線FCBLに侵入した電磁波ノイズが、この配線FCBLから主制御MPU1310aのパッケージ左辺までの距離寸法を有する空間を介して、主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンに侵入することを防止することができる。なぜなら、遊技盤5がパチンコ機1に装着された状態では、図97及び図98に示したように、本体枠4における払出ベースユニット550に取付けられている球タンク552やタンクレール553の下方に配置されることとなることによって、球タンク552やタンクレール553を取付ける領域及びその周囲は静電気が溜まりやすく、静電放電することにより電磁波ノイズが放出されると、球タンク552やタンクレール553の下方に配置される、機能表示ユニット1400と主制御基板1310とを電気的に接続する配線FCBLに侵入する場合があるからである。
なお、このような態様を採用して、機能表示ユニット1400と主制御基板1310とをパネル中継基板1710を介して電気的に接続するように構成する場合には、パネル中継基板1710に、上述した配線FCBLに侵入した電磁波ノイズを低減若しくは除去することができる素子を設けることが好ましい。これにより、配線FCBLを介して侵入する電磁波ノイズを主制御MPU1310aに影響が及ばないようにすることができる。したがって、電磁波ノイズが侵入することができる配線FCBLから主制御MPU1310aを保護することができる。
このような素子として、抵抗、フィルタ回路等を挙げることができる。電磁波ノイズの波形の観測結果から電磁波ノイズの波形幅が、上述したように、2マイクロ秒(μs)程度内に収まることがわかっており、フィルタ回路としては、このような波形幅と比べて大きな波形幅を有する信号を通過するものとして設計される。
また、このような素子として、抵抗、フィルタ回路等のほかに、上述したように、EMC対策部品(コイル、ビーズ、コンデンサ等)も挙げることができ、コイルやビーズを用いる場合には複数の配線FCBLに対して電気的にそれぞれ直列接続するように挿入され、コンデンサを用いる場合には複数の配線FCBLに対して電気的にそれぞれ並列接続するように挿入される。また、より急崚な減衰特性が必要となる場合には、複数の配線FCBLに対して、コイルとコンデンサとを組み合わせて構成した回路がそれぞれ挿入されるようにしてもよいし、ビーズとコンデンサとを組み合わせて構成した回路がそれぞれ挿入されるようにしてもよい。
更に、上述した実施形態では、機能表示ユニット1400の裏面側に設けられた図示しないコネクタを介して電気的に接続される配線FCBLは、図132に示したように、遊技盤5の右上隅から遊技パネル1100の後面、そして裏箱3010の後面の上辺まで引き回されると、裏箱3010の後面の下方へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の右辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められていたが、仮に、この配線処理片3011によりそれぞれ纏められた配線FCBLが周辺制御ユニット1500の下辺側において左辺へ向かって曲げられて周辺制御ユニット1500の下辺側に沿って引き回され、裏箱3010の後面の左辺側設けられた下方の配線処理片により纏められて遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200の後面の上辺に達する前に屈曲されて基板ホルダ1200の後面に取付けられる主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320の左辺側に沿って下方へ向かって引き回されると、主制御基板ボックス1320の右辺へ向かって曲げられ、主制御基板ボックス1320の下辺に沿って機能表示ユニット用コネクタMFCNの下方までに引き回された後、機能表示ユニット用コネクタMFCNへ電気的に接続されると、配線FCBLに侵入した電磁波ノイズが周辺制御ユニット1500に影響を及ぼすおそれがある。
具体的には、周辺制御ユニット1500の下辺側には、図182に示したように、周辺制御基板1510に備えるコネクタCN2〜CN7、及び液晶出力基板1530に備えるコネクタCN8,CN9が配置されている。このようなコネクタCN2〜CN9には、それぞれ対応する各種配線が電気的に接続されている。このため、コネクタCN2〜CN9に電気的に接続される各種配線と配線FCBLとが交差又は接触する配置(またぐ配置)となることにより、配線FCBLに侵入した電磁波ノイズがコネクタCN2〜CN9に電気的に接続される各種配線に侵入すると、配線FCBLに侵入した電磁波ノイズの影響を受けて、例えば、演出表示装置1600に描画される演出画像に乱れが生ずる(例えば、黒画面等の図柄の乱れが生ずる)。
そこで、配線FCBLを周辺制御ユニット1500の下方(周辺制御ユニット1500の下辺側)に沿って引き回さないように(コネクタCN2〜CN9に電気的に接続される各種配線と配線FCBLとが交差又は接触する配置(またぐ配置)とならないように)構成することが好ましい。例えば、コネクタCN2〜CN9に電気的に接続される各種配線と配線FCBLとが交差又は接触する配置(またぐ配置)とならない配線FCBLの引き回し方法として、機能表示ユニット1400の裏面側に設けられた図示しないコネクタを介して電気的に接続される配線FCBLは、遊技盤5の右上隅から遊技パネル1100の後面、そして裏箱3010の後面の上辺まで引き回すと、その上辺から左辺へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の左辺側において裏箱3010の後面の下方へ向かって再び曲げられ、裏箱3010の後面の左辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片によりそれぞれ纏められて遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200の後面の上辺に達する前に屈曲されて基板ホルダ1200の後面に取付けられる主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320の左辺側に沿って下方へ向かって引き回されると、主制御基板ボックス1320の右辺へ向かって曲げられ、主制御基板ボックス1320の下辺に沿って機能表示ユニット用コネクタMFCNの下方までに引き回された後、機能表示ユニット用コネクタMFCNへ電気的に接続されるようにしてもよい。
こうすれば、さらに、配線FCBLと主制御MPU1310aのパッケージ左辺との距離寸法を、上述した第1配線離間距離寸法より大きい距離寸法とすることができるため、配線FCBLに侵入した電磁波ノイズが、この配線FCBLから主制御MPU1310aのパッケージ左辺までの距離寸法を有する空間を介して、主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンに侵入することを防止することができる。なぜなら、遊技盤5がパチンコ機1に装着された状態では、図97及び図98に示したように、本体枠4における払出ベースユニット550に取付けられている球タンク552やタンクレール553の下方に配置されることとなることによって、球タンク552やタンクレール553を取付ける領域及びその周囲は静電気が溜まりやすく、静電放電することにより電磁波ノイズが放出されると、球タンク552やタンクレール553の下方に配置される、機能表示ユニット1400と主制御基板1310とを電気的に接続する配線FCBLに侵入する場合があるからである。
なお、このような態様を採用して、機能表示ユニット1400と主制御基板1310とをパネル中継基板1710を介して電気的に接続するように構成する場合には、パネル中継基板1710に、上述した配線FCBLに侵入した電磁波ノイズを低減若しくは除去することができる素子を設けることが好ましい。これにより、配線FCBLを介して侵入する電磁波ノイズを主制御MPU1310aに影響が及ばないようにすることができる。したがって、電磁波ノイズが侵入することができる配線FCBLから主制御MPU1310aを保護することができる。
このような素子として、抵抗、フィルタ回路等を挙げることができる。電磁波ノイズの波形の観測結果から電磁波ノイズの波形幅が、上述したように、2マイクロ秒(μs)程度内に収まることがわかっており、フィルタ回路としては、このような波形幅と比べて大きな波形幅を有する信号を通過するものとして設計される。
また、このような素子として、抵抗、フィルタ回路等のほかに、上述したように、EMC対策部品(コイル、ビーズ、コンデンサ等)も挙げることができ、コイルやビーズを用いる場合には複数の配線FCBLに対して電気的にそれぞれ直列接続するように挿入され、コンデンサを用いる場合には複数の配線FCBLに対して電気的にそれぞれ並列接続するように挿入される。また、より急崚な減衰特性が必要となる場合には、複数の配線FCBLに対して、コイルとコンデンサとを組み合わせて構成した回路がそれぞれ挿入されるようにしてもよいし、ビーズとコンデンサとを組み合わせて構成した回路がそれぞれ挿入されるようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、主制御基板1310の右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線より下方に機能表示ユニット用コネクタMFCNを配置しているのに対して、この中心線より上方に主制御MPU1310aを配置していたが、この位置関係を逆転して、この中心線より下方に主制御MPU1310aを配置するのに対して、この中心線より上方に機能表示ユニット用コネクタMFCNを配置するようにし、機能表示ユニット用コネクタMFCNと主制御MPU1310aとを主制御基板1310において離間する配置としてもよい。このように構成しても、配線FCBLが電気的に接続される機能表示ユニット用コネクタMFCNから主制御MPU1310aを離して配置することができるため、配線FCBLに侵入した電磁波ノイズが、機能表示ユニット用コネクタMFCNと主制御MPU1310aとを主制御基板1310において離間する空間を介して、主制御基板ボックス1320の底板へ向かって突出する主制御MPU1310aの各種ピンに侵入することを防止することができる。したがって、電磁波ノイズが侵入することができる配線FCBLから主制御MPU1310aを保護することができる。
更に、上述した実施形態では、機能表示ユニット1400の裏面側に設けられた図示しないコネクタを介して電気的に接続される配線FCBLは、図132に示したように、遊技盤5の右上隅から遊技パネル1100の後面、そして裏箱3010の後面の上辺まで引き回されると、裏箱3010の後面の下方へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の右辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められて遊技パネル1100の後側下部に取付けられている基板ホルダ1200の後面の上辺に達する前に屈曲されて基板ホルダ1200の後面に取付けられる主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320の右辺側に沿って下方へ向かって引き回されていた。このように配線FCBLが引き回される領域は、遊技盤5がパチンコ機1に装着された状態では、図97に示した本体枠4における払出ベースユニット550に取付けられている払出ユニット560の前方に配置されていた。この払出ユニット560は、上述したように、タンクレール553からの遊技球Bを蛇行状に下方へ誘導する1条の誘導通路を有する球誘導ユニット570と、球誘導ユニット570の1条の誘導通路により誘導された遊技球Bを払出制御基板633からの指示に基づいて一つずつ払出す払出装置580と、払出装置580を通った遊技球Bを下方へ誘導する上部満タン球経路ユニット600と、上部満タン球経路ユニット600を通った遊技球Bを扉枠3側又は基板ユニット620側へ誘導する下部満タン球経路ユニット610と、を備えている。換言すると、このように配線FCBLが引き回される領域は、遊技盤5がパチンコ機1に装着された状態では、球誘導ユニット570、払出装置580、及び下部満タン球経路ユニット610の前方に配置されていた。そこで、電磁波ノイズが侵入することができる配線FCBLから主制御MPU1310aを保護することができる場合には、このような配線FCBLの引き回しのほかに、球タンク552、球誘導ユニット570、及び払出装置580のうち少なくとも1つの近傍を通り、基板ホルダ1200の後面と主制御基板ボックス1320の底板との間に形成される配線空間内を引き回されないように(又は、基板ホルダ1200の後面に形成される配線収容溝に沿って収容されて引き回されないように)、主制御基板ボックス1320の下辺に沿って機能表示ユニット用コネクタMFCNの下方までに引き回された後、機能表示ユニット用コネクタMFCNへ電気的に接続されるようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、機能表示ユニット1400が遊技領域5aの外側で前構成部材1000の左上隅に取付けられていたが、この領域に、機能表示ユニット1400に代えて、複数のフルカラーLEDが実装される装飾基板が取付けられてもよい。この装飾基板の裏面側に設けられた図示しないコネクタを介して電気的に接続される複数の配線(以下、単に「配線」と記載する場合がある。)は、例えば、図132を参照して説明すると、遊技盤5の右上隅から遊技パネル1100の後面、そして裏箱3010の後面の上辺まで引き回されると、裏箱3010の後面の下方へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の右辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められて周辺制御ユニット1500の下方において左辺へ向かって曲げられて、対応する周辺制御ユニット1500(周辺制御基板1510)のコネクタの下方までに引き回された後、このコネクタへ電気的に接続されるという配線の引き回し方法を挙げることができるし、又は、遊技盤5の右上隅から遊技パネル1100の後面、そして裏箱3010の後面の上辺まで引き回されると、その上辺から左辺へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の左辺側において裏箱3010の後面の下方へ向かって再び曲げられ、裏箱3010の後面の左辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められて周辺制御ユニット1500の下方において右辺へ向かって曲げられて、対応する周辺制御ユニット1500(周辺制御基板1510)のコネクタの下方までに引き回された後、このコネクタへ電気的に接続されるという配線の引き回し方法を挙げることができる。
このような配線の引き回し方法により配線が引き回される領域は、遊技盤5がパチンコ機1に装着された状態では、図97に示した本体枠4における払出ベースユニット550に取付けられている払出ユニット560の前方に配置されたり、球タンク552の近傍(下方)に配置されたりするため、上述したように、配線に電磁波ノイズが侵入するおそれがある。
そこで、周辺制御ユニット1500における周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aを周辺制御基板1510の右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線より下方にコネクタを配置するのに対して、この中心線より上方に周辺制御IC1510aを配置することによって、コネクタと周辺制御IC1510aとを周辺制御基板1510において離間する配置とする。これにより、配線が電気的に接続される周辺制御基板1510のコネクタから周辺制御IC1510aを離して配置することができるため、配線に侵入した電磁波ノイズが、このコネクタと周辺制御IC1510aとを周辺制御基板1510において離間する空間を介して、周辺制御IC1510aの各種ピンに侵入することを防止することができる。したがって、電磁波ノイズが侵入することができる配線から周辺制御IC1510aを保護することができる。
また、配線が電気的に接続される周辺制御基板1510のコネクタから周辺制御IC1510aを離して配置することにより、配線に電磁波ノイズが侵入しても、周辺制御IC1510aに影響が及ばないように、周辺制御基板1510上において、又は周辺制御基板1510のコネクタと周辺制御IC1510aとを周辺制御基板1510において離間する空間において、この配線を介して侵入する電磁波ノイズを減衰させることができるようになっている。この点においても、電磁波ノイズが侵入することができる配線から周辺制御IC1510aを保護することができる。
なお、装飾基板と周辺制御ユニット1500における周辺制御基板1510とを配線により直接電気的に接続していたが、装飾基板と周辺制御ユニット1500における周辺制御基板1510とをパネル中継基板1710を介して電気的に接続するように構成することもできる。この場合、パネル中継基板1710に、上述した配線に侵入した電磁波ノイズを低減若しくは除去することができる素子を設けることが好ましい(つまり、周辺制御基板1510から装飾基板へ制御信号を伝える複数の配線に対して電磁波ノイズを低減若しくは除去することができる素子をそれぞれ設けることが好ましい)。これにより、配線を介して侵入する電磁波ノイズを周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aに影響が及ばないようにすることができる。したがって、電磁波ノイズが侵入することができる配線から周辺制御IC1510aを保護することができる。
このような素子として、抵抗、フィルタ回路等を挙げることができる。電磁波ノイズの波形の観測結果から電磁波ノイズの波形幅が2マイクロ秒(μs)程度内に収まることがわかっており、フィルタ回路としては、このような波形幅と比べて大きな波形幅を有する信号を通過するものとして設計される。
また、このような素子として、抵抗、フィルタ回路等のほかに、EMC対策部品(コイル、ビーズ、コンデンサ等)も挙げることができ、コイルやビーズを用いる場合には複数の配線に対して電気的にそれぞれ直列接続するように挿入され、コンデンサを用いる場合には複数の配線に対して電気的にそれぞれ並列接続するように挿入される。また、より急崚な減衰特性が必要となる場合には、複数の配線に対して、コイルとコンデンサとを組み合わせて構成した回路がそれぞれ挿入されるようにしてもよいし、ビーズとコンデンサとを組み合わせて構成した回路がそれぞれ挿入されるようにしてもよい。
更に、上述した実施形態では、機能表示ユニット1400の後方に左上パネル装飾基板1131が配置され、左上パネル装飾基板1131の裏面側に設けられた接続コネクタ1131aを介して電気的に接続される配線UPCBLは、図132に示したように、遊技パネル1100の後面上側へ屈曲されると、裏箱3010の前面の上辺で裏箱3010の後面へ向かって曲げられ、上述した配線FCBLと共に近接した状態(又は接触した状態)で、裏箱3010の後面の上辺まで引き回されると、裏箱3010の後面の下方へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の右辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片3011によりそれぞれ纏められていたが、遊技盤5の右上隅から遊技パネル1100の後面、そして裏箱3010の後面の上辺まで引き回されると、その上辺から左辺へ向かって曲げられ、裏箱3010の後面の左辺側において裏箱3010の後面の下方へ向かって再び曲げられ、裏箱3010の後面の左辺側に沿って上下方向に複数形成される配線処理片によりそれぞれ纏められて周辺制御ユニット1500の下方であって駆動基板ユニット1700の上辺まで引き回されると、駆動基板ユニット1700の上辺において右辺へ向かって曲げられて駆動基板ユニット1700の上辺側に沿って引き回され、駆動基板ユニット1700におけるパネル駆動基板1720の所定コネクタの上方までに引き回された後、その所定コネクタへ電気的に接続されるようにしてもよい。この場合、図182に示したコネクタCN2〜CN9に電気的に接続される各種配線を、図示しないが、周辺制御ユニット1500の下辺側に沿って引き回すことにより、駆動基板ユニット1700の上辺から離間させる。これにより、駆動基板ユニット1700の上辺側に沿って引き回される配線FCBLは、コネクタCN2〜CN9に電気的に接続される各種配線と交差又は接触する配置(またぐ配置)とならない。このように構成することにより、周辺制御ユニット1500の下方であって駆動基板ユニット1700の上辺側に沿って引き回される配線UPCBLと、周辺制御ユニット1500に収容される周辺制御基板1510の周辺制御IC(図154に示した周辺制御IC1510a)の実装位置と、の位置関係として、周辺制御IC1510aを周辺制御1510の右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線より上方に配置することができる。つまり、周辺制御IC1510aを周辺制御基板1510の右辺と左辺とのそれぞれの中点を通る中心線より上方に周辺制御IC1510aを配置していることによって、配線UPCBLと周辺制御IC1510aとを離間する配置とすることができる。これにより、周辺制御ユニット1500の下方であって駆動基板ユニット1700の上辺側に沿って引き回される配線UPCBLから周辺制御ユニット1500に収容される周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aを離して配置することができるため、配線UPCBLに侵入した電磁波ノイズが、配線UPCBLと周辺制御IC1510aとを離間する空間を介して、周辺制御ユニット1500に収容されると共に周辺制御基板1510に実装される周辺制御IC1510aの各種ピンに侵入することを防止することができる。したがって、電磁波ノイズが侵入することができる配線UPCBLから周辺制御IC1510aを保護することができる。
また、上述した実施形態では、先段装飾部3312(先段装飾部3322,3412,3422)の待機位置(原位置)を検知するセンサとして裏左上磁極変化検知回路3311ab(裏左下先段装飾基板3321a、裏右上先段装飾基板3411a、裏右下先段装飾基板3421a)という小型の電子部品(磁気式のセンサ)を用いることにより可動体である先段装飾部3312(先段装飾部3322,3412,3422)の待機位置(原位置)を検知するセンサとして採用し、先段装飾部3312のマグネット3312(先段装飾部3322のマグネット3322a、先段装飾部3412のマグネット3412a、先段装飾部3422のマグネット3422a)の磁気を検知することで先段装飾部3312(先段装飾部3322,3412,3422)の回転位置を特定して待機位置(原位置)を設定していたが、磁石ゴトによる磁石の接近を検知するセンサとして用いることもできる。これは、裏左上磁極変化検知回路3311ab(裏左下先段装飾基板3321a、裏右上先段装飾基板3411a、裏右下先段装飾基板3421a)という小型の電子部品(磁気式のセンサ)は、先段装飾部3312(先段装飾部3322,3412,3422)が連続回転されている状況において、間欠的に、先段装飾部3312のマグネット3312(先段装飾部3322のマグネット3322a、先段装飾部3412のマグネット3412a、先段装飾部3422のマグネット3422a)の磁気を検知するはずが、連続的に磁気を検知している場合には不正な磁石の接近を磁石ゴトとして検知することができるからである。
更に、上述した実施形態では、複数の演出手段のうち特定の演出手段として左上パネル装飾基板1131と周辺制御基板1510とを電気的に接続する配線として、図132の配線UPCBL、及び周辺制御基板1510とパネル駆動基板1720との基板間を電気的に接続する図示しない配線のうち配線UPCBLは、球供給手段の近傍(球タンク552、球誘導ユニット570、及び払出装置580のうち少なくとも1つの近傍)を通るようになっていた。そして、左上パネル装飾基板1131と周辺制御基板1510との伝送経路を形成する配線のうち配線UPCBLは、左上パネル装飾基板1131を除く、他の演出手段として扉枠側の各種装飾基板184,273,etc等と周辺制御基板1510との伝送経路を形成する配線と交差又は接触しないように配置されていた。そこで、このような構成を、主制御基板1310に電気的に接続される各種配線に採用することもできる。例えば、主制御基板1310に電気的に接続される各種配線のうち、電磁波ノイズの影響を強く受ける環境下を通る配線と、この配線を除く他の配線と、を交差又は接触しないように配置することで、水晶発振器の高周波回路により動作することができる主制御MPU1310a(主制御基板1310)が上述した内蔵リセット回路により強制的にリセットがかかることを防止することができる。したがって、電磁波ノイズの影響による誤動作を防止することができる。
また、上述した実施形態では、球供給手段である球タンク552、球誘導ユニット570、及び払出装置580から供給される遊技球が皿ユニット200の上皿201に払い出されていたが、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられる受入口である一般入賞口2001、第一始動口2002、第二始動口2004、及び大入賞口200に受け入れた遊技球と、遊技盤5に区画形成される遊技領域5aに設けられるアウト口1008に回収された遊技球とを合わせて回収する回収口を有する球回収装置を備えると共に、この球回収装置によって回収された遊技球を球発射装置540へ向けて搬送する球搬送装置を備え、遊技球の払い出しを皿ユニット200の上皿201に供給することなく、打球発射装置540、遊技盤5に区画形成される遊技領域5a、球回収装置、及び球搬送装置による遊技球の循環経路を形成して、所定数量の遊技球を閉鎖的に循環させるように構成して遊技を行うようにすることもできる。
更に、上述した実施形態では、裏左上基段装飾基板は、自身が取付けられる基段装飾部3311の内壁へ向けて光を照射する図示しない複数のフルカラーLEDが実装され、裏左上先段装飾基板3311aは、先段装飾部3312の左面側へ向けて光を照射する複数のフルカラーLED3311aaが実装されていたが、裏左上基段装飾基板に実装される複数のフルカラーLEDをサイドビュータイプのものを選定すると共に裏左上先段装飾基板3311aに実装される複数のフルカラーLED3311aaをサイドビュータイプのものを選定するようにしてもよいし、裏左上基段装飾基板に実装される複数のフルカラーLEDをサイドビュータイプのものを選定すると共に裏左上先段装飾基板3311aに実装される複数のフルカラーLED3311aaをトップビュータイプのものを選定するようにしてもよいし、裏左上基段装飾基板に実装される複数のフルカラーLEDをトップビュータイプのものを選定すると共に裏左上先段装飾基板3311aに実装される複数のフルカラーLED3311aaをトップビュータイプのものを選定するようにしてもよいし、裏左上基段装飾基板に実装される複数のフルカラーLEDをトップビュータイプのものを選定すると共に裏左上先段装飾基板3311aに実装される複数のフルカラーLED3311aaをサイドビュータイプのものを選定するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、裏左下基段装飾基板は、自身が取付けられる基段装飾部3321の内壁へ向けて光を照射する図示しない複数のフルカラーLEDが実装され、裏左下先段装飾基板3321aは、先段装飾部3322の左面側へ向けて光を照射する複数のフルカラーLED3321aaが実装されていたが、裏左下基段装飾基板に実装される複数のフルカラーLEDをサイドビュータイプのものを選定すると共に裏左下先段装飾基板3321aに実装される複数のフルカラーLED3321aaをサイドビュータイプのものを選定するようにしてもよいし、裏左下基段装飾基板に実装される複数のフルカラーLEDをサイドビュータイプのものを選定すると共に裏左下先段装飾基板3321aに実装される複数のフルカラーLED3321aaをトップビュータイプのものを選定するようにしてもよいし、裏左下基段装飾基板に実装される複数のフルカラーLEDをトップビュータイプのものを選定すると共に裏左下先段装飾基板3321aに実装される複数のフルカラーLED3321aaをトップビュータイプのものを選定するようにしてもよいし、裏左下基段装飾基板に実装される複数のフルカラーLEDをトップビュータイプのものを選定すると共に裏左下先段装飾基板3321aに実装される複数のフルカラーLED3321aaをサイドビュータイプのものを選定するようにしてもよい。
更に、上述した実施形態では、裏右上基段装飾基板は、自身が取付けられる基段装飾部3411の内壁へ向けて光を照射する図示しない複数のフルカラーLEDが実装され、裏右上先段装飾基板3411aは、先段装飾部3412の右面側へ向けて光を照射する複数のフルカラーLED3411aaが実装されていたが、裏右上基段装飾基板に実装される複数のフルカラーLEDをサイドビュータイプのものを選定すると共に裏右上先段装飾基板3411aに実装される複数のフルカラーLED3411aaをサイドビュータイプのものを選定するようにしてもよいし、裏右上基段装飾基板に実装される複数のフルカラーLEDをサイドビュータイプのものを選定すると共に裏右上先段装飾基板3411aに実装される複数のフルカラーLED3411aaをトップビュータイプのものを選定するようにしてもよいし、裏右上基段装飾基板に実装される複数のフルカラーLEDをトップビュータイプのものを選定すると共に裏右上先段装飾基板3411aに実装される複数のフルカラーLED3411aaをトップビュータイプのものを選定するようにしてもよいし、裏右上基段装飾基板に実装される複数のフルカラーLEDをトップビュータイプのものを選定すると共に裏右上先段装飾基板3411aに実装される複数のフルカラーLED3411aaをサイドビュータイプのものを選定するようにしてもよい。
また、上述した実施形態では、裏右下基段装飾基板は、自身が取付けられる基段装飾部3421の内壁へ向けて光を照射する図示しない複数のフルカラーLEDが実装され、裏右下先段装飾基板3421aは、先段装飾部3422の右面側へ向けて光を照射する複数のフルカラーLED3421aaが実装されていたが、裏右下基段装飾基板に実装される複数のフルカラーLEDをサイドビュータイプのものを選定すると共に裏右下先段装飾基板3421aに実装される複数のフルカラーLED3421aaをサイドビュータイプのものを選定するようにしてもよいし、裏右下基段装飾基板に実装される複数のフルカラーLEDをサイドビュータイプのものを選定すると共に裏右下先段装飾基板3421aに実装される複数のフルカラーLED3421aaをトップビュータイプのものを選定するようにしてもよいし、裏右下基段装飾基板に実装される複数のフルカラーLEDをトップビュータイプのものを選定すると共に裏右下先段装飾基板3421aに実装される複数のフルカラーLED3421aaをトップビュータイプのものを選定するようにしてもよいし、裏右下基段装飾基板に実装される複数のフルカラーLEDをトップビュータイプのものを選定すると共に裏右下先段装飾基板3421aに実装される複数のフルカラーLED3421aaをサイドビュータイプのものを選定するようにしてもよい。
更に、上述した実施形態では、複数の演出手段のうち特定の演出手段として左上パネル装飾基板1131と周辺制御基板1510とを電気的に接続する配線(左上パネル装飾基板1131と周辺制御基板1510とを電気的に接続するための伝送経路を形成する配線)として、図132の配線UPCBL、及び周辺制御基板1510とパネル駆動基板1720との基板間を電気的に接続する図示しない配線であったが、左上パネル装飾基板1131の裏面側に設けられた接続コネクタ1131aを介して電気的に接続される接続ケーブルである配線UPCBL’を、直接、周辺制御基板1510と電気的に接続されるように引き回してもよい。この場合、配線UPCBL’は、周辺制御基板1510と電気的に接続される他の伝送経路を形成する配線(左上パネル装飾基板1131を除く、他の演出手段として扉枠側の各種装飾基板184,273,etc等と周辺制御基板1510との伝送経路を形成する配線)と交差又は接触しないように配置される。これにより、左上パネル装飾基板1131と周辺制御基板1510との伝送経路を形成する配線、つまり左上パネル装飾基板1131の裏面側に設けられた接続コネクタ1131aと周辺制御基板1510とを直接電気的に接続する配線UPCBL’に侵入した電磁波ノイズが飛び出して周辺制御基板1510と電気的に接続される他の伝送経路を形成する配線(特定の演出手段を除く他の演出手段と制御手段との伝送経路を形成する配線である周辺制御ユニット1500のコネクタCN2〜CN9に電気的に接続される各種配線)へ侵入することを防止することができる。したがって、電磁波ノイズの影響による誤動作を防止することができる。
[20.主制御基板の制御処理]
次に、主制御基板1310(特に主制御MPU1310a)で実行される制御処理の例について説明する。図224は、上記特別図柄及び特別電動役物制御処理(ステップS114)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、各種の抽選処理に供される乱数が更新されたとすると(ステップS106)、同図224に示されるように、この主制御基板1310の主制御MPU1310aはまず、上記第一始動口センサ3002による検出信号がオン状態(第一始動口2002への入球あり)にあることを条件に(ステップS231)、第一特別図柄の第一特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第一始動口通過処理を実行する(ステップS232)。また、上記第二始動口センサ2402による検出信号がオン状態(第二始動口2004への入球あり)にあることを条件に(ステップS233)、第二特別図柄の第二特別乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの第二特別図柄保留記憶領域に格納するなどの第二始動口通過処理を実行する(ステップS234)。
次いで、大当り遊技状態に制御している旨を示す大当り実行中フラグがセットされているか否かを判別し(ステップS235)、大当り実行中フラグがセットされていれば、大当り遊技状態の制御を行う大当り制御処理(ステップS239)を実行する。なお、大当り制御処理では、特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示停止時における表示態様についての抽選処理の結果が「16R大当り」を示唆する態様となったときに、16R大当り遊技状態に応じて大入賞口2005を開閉制御する処理を実行する。また、「4R大当り」を示唆する態様となったときに、4R大当り遊技状態に応じて大入賞口2005を開閉制御する処理を実行する。
また、大当り制御処理(ステップS241)では、大入賞口2005の開放制御を行った後、高確率フラグ、時短フラグ、及び時短回数カウンタの各セット処理を実行する。高確率フラグは、高確率状態であることを示すフラグであり、大当り遊技状態の終了後に高確率状態(高確率時短状態)に制御する大当り(16R大当り、4R大当り)に基づいた大当り遊技状態を終了するときにセットされる。そして、高確率フラグがセットされた場合には、次に大当りとなったとき、又は時短回数カウンタのカウンタ値が「0」になったときに後述する図235に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理で高確率フラグがリセットされる。
また、時短フラグは、時短状態であることを示すフラグであり、大当り遊技状態の終了後に時短状態(高確率時短状態)に制御する大当り(16R大当り、4R大当り)に基づいた大当り遊技状態を終了するときにセットされる。そして、時短フラグは、次に大当りとなったとき、又は時短回数カウンタのカウンタ値が「0」になったときに後述する図235に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる。
また、時短回数カウンタは、時短状態の継続回数としての特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示の残り回数を示すカウンタであり、大当り遊技状態の終了後に時短状態(高確率時短状態)に制御する大当り(16R大当り、4R大当り)に基づいた大当り遊技状態を終了するときに、その時短状態の継続回数がセットされる。そして、時短回数カウンタは、そのカウンタ値が「0」になるまで特別図柄の変動表示を実行するごとにカウントダウンされるが、カウンタ値が「0」になるよりも前に次の大当りとなったときには、後述する図235に示す第一特別図柄停止処理又は図示しない第二特別図柄停止処理でリセットされる(カウンタ値を「0」に戻す)。
また、大当り実行中フラグがセットされていなければ、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」であることを条件に(ステップS236)、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第一特別図柄プロセス処理を実行し(ステップS237)、第二特別図柄保留記憶領域に記憶される第二特別乱数の個数を示す第二特別保留数カウンタの値が「0」でないことを条件に(ステップS236)、第二特別図柄の変動表示停止時における表示態様にかかる抽選処理を含む第二特別図柄プロセス処理を実行する(ステップS238)。このようにこの例では、第二特別保留数カウンタの値が「0」でないときには第二特別図柄の変動表示を優先的に実行するように構成されている。
図225は、上記第一始動口通過処理(ステップS232)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS231の処理において、上記第一始動口センサ3002がオン状態にあり、上記第一始動口2002への遊技球Bの入球があったと判断されたとすると、同図225に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS241の処理として、まず、上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、第一特別図柄保留記憶領域に記憶される第一特別乱数の個数を示す第一特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第一保留記憶数がその最大値(上限値)である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS242)。このステップS242の処理において、上記第一保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS243〜S245の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS243の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS244の処理として、上記ステップS241で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第一特別図柄保留記憶領域に格納する。
また、主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS241で取得した上記第一特別乱数、上記リーチ乱数、上記第一図柄乱数、上記変動乱数に基づいて、第一特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別(変動パターンの種別)などの事前判定情報を、当該始動入賞に応じた変動表示を開始する以前に判定する演出事前判定処理を実行した後(ステップS245)、処理を終了する。
ただし、上記ステップS242の処理において、上記第一保留記憶数がその最大値であると判断された場合には、上記第一特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS243〜ステップS245の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第一特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
また、第一始動口2002へ遊技球Bが入球したことに基づいて第一保留記憶数が変化すると機能表示ユニット1400における第一特別保留数表示器の二つのLEDの点灯状態を第一保留記憶数に対応するように更新するとともに、上記周辺制御基板コマンド送信処理(ステップS120)にて第一保留記憶数を指示するコマンド(第一保留数指定コマンド0〜4)をセットして周辺制御基板1510に送信するようになっている。なお、周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aは第一保留数指定コマンド0〜4を受信したことに基づいて第一保留記憶数を演出表示装置1600に表示するようになっている。
図226は、上記演出事前判定処理(ステップS245)についてその手順を示すフローチャートである。主制御基板1310の主制御MPU1310aは、演出事前判定処理を開始すると、図示しない事前判定テーブルと上記ステップS241で取得した乱数、具体的には第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数とを比較することにより大当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別、を特定する(ステップS261)。
そして、特定した事前判定情報(大当りとなるか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別など)と、取得した特別乱数の種別(第一特別乱数)と、取得した特別乱数に対応して記憶される保留記憶数(保留数カウンタの値)と、に応じた事前判定コマンドをセットする。例えば、第一始動口通過処理のステップS245で実行される第一特別図柄に関する演出事前判定処理では、特定した事前判定情報と、第一特別乱数を取得したことと、第一保留記憶数(第一特別保留数カウンタの値)と、に応じた第一特別図柄事前判定コマンドをセットする(ステップS262)。
そして、上記周辺制御基板コマンド送信処理(ステップS120)で主制御基板1310から周辺制御基板1510に事前判定コマンドが送信されることにより、始動入賞が発生した第一始動口2002に対応して記憶される保留記憶数に加え、発生した始動入賞に基づく特別図柄の変動表示の表示結果を大当りとするか否か、大当りとなる場合には大当りの種類、大当りとならない場合には演出表示装置1600で実行される遊技演出としてリーチ演出を実行するか、実行する遊技演出の態様種別などの事前判定情報を、当該始動入賞に応じた変動表示を開始する以前に周辺制御基板1510に搭載される周辺制御IC1510aが把握できるようになる。
なお、周辺制御基板1510に搭載される周辺制御IC1510aは主制御基板1310から事前判定コマンドを受信すると、受信した事前判定コマンドによって示される事前判定情報を記憶するようになっている。具体的には、周辺制御IC1510aのRAMには、第一特別図柄の変動表示に関する事前判定情報を記憶する第一保留記憶領域が設けられている。
また、第一保留記憶領域は保留記憶数に対応する1〜4の記憶領域を有しており、周辺制御IC1510aは受信した事前判定コマンドによって示される事前判定情報を1番目(最先)の記憶領域から順に格納する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に事前判定情報が格納されている場合に事前判定コマンドを受信するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に通知された事前判定情報を格納し、第一特別図柄の変動表示開始を通知する第一変動パターンコマンドを受信すると受信した第一変動パターンコマンドに応じて第一保留記憶領域の1番目の記憶領域に格納されている事前判定情報を破棄してN番目(N=2〜4)の記憶領域に格納されている事前判定情報をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる(保留記憶領域に格納されている事前判定情報をシフトする)。これにより、上記第一特別図柄の事前判定情報が、変動表示開始の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の事前判定情報から順に破棄されるようになる。
このように変動表示制御が保留の状態とされた時点では、その変動表示制御を未実行の状態(保留状態)にて維持するにもかかわらず、その変動表示制御の大当り期待度(疑似当選確率)についてはこれを先行して、例えば、その保留表示の新規出力時や保留消化に応じた保留表示のシフト表示時などの予め定められたタイミングにて報知することが可能とされるようになる。
図227は、上記第二始動口通過処理(ステップS234)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS233の処理において、上記第二始動口センサ2402がオン状態にあり、上記第二始動口2004への遊技球Bの入球があったと判断されたとすると、同図227に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS251の処理として、まず、上記第二特別乱数、上記リーチ乱数、上記第二図柄乱数、上記変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値を主制御内蔵RAMから取得し、このカウンタ値に基づいて上記第二保留記憶数がその最大値(上限値)である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS252)。このステップS252の処理において、上記第二保留記憶数がその最大値でないと判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS253〜S254の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS253の処理として、上記第二特別保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。次いで、ステップS254の処理として、上記ステップS251で取得された各乱数を、上記主制御内蔵RAMの記憶領域のうちの上記第二特別保留数カウンタによるカウンタ値に対応する第二特別図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS252の処理において、上記第二保留記憶数がその最大値であると判断された場合には、上記第二特別図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS253〜ステップS254の処理を実行することなく処理を終了することで、上記第二特別図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
また、第二始動口2004へ遊技球Bが入球したことに基づいて第二保留記憶数が変化すると機能表示ユニット1400における第二特別保留数表示器の二つのLEDの点灯状態を第二保留記憶数に対応するように更新するとともに、上記周辺制御基板コマンド送信処理(ステップS120)にて第二保留記憶数を指示するコマンド(第二保留数指定コマンド0〜4)をセットして周辺制御基板1510に送信するようになっている。なお、周辺制御基板1510の周辺制御IC1510aは第二保留数指定コマンド0〜4を受信したことに基づいて第二保留記憶数を演出表示装置1600に表示するようになっている。
図228は、第一特別図柄プロセス処理(ステップS237)についてその手順を示すフローチャートである。なお、特別図柄プロセス処理のステップS237で実行される第一特別図柄プロセス処理と特別図柄プロセス処理のステップS238で実行される第二特別図柄プロセス処理とは同様のプログラムモジュールであり、判定に用いる乱数やテーブルが異なるだけであるため、ここでは特別図柄プロセス処理のステップS237で実行される第一特別図柄プロセス処理についてのみ説明する。第一特別図柄プロセス処理では、上述の第一特別図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行することとなる。
1.主制御MPU1310aのRAMに格納されている第一特別乱数を読み出し、読み出した第一特別乱数に基づいて上記第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる第一特別図柄通常処理(ステップS280)
2.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて第一特別図柄の変動制御停止時の態様の決定処理などが行われる第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS281)
3.変動乱数に基づいて上記機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示される第一特別図柄の変動態様や、上記演出表示装置1600に特別図柄に対応して実行される演出表示の変動態様についての抽選処理などが行われる第一変動パターン設定処理(ステップS282)
4.機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器における上記第一特別図柄の変動表示が停止されるまで待機する第一特別図柄変動処理(ステップS283)
5.第一特別図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された第一特別図柄の変動制御停止時の態様が上記機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示されるように上記第一特別図柄の変動表示を停止させる第一特別図柄停止処理(ステップS284)
なお、上記第一特別図柄プロセスフラグは、上記主制御側電源投入時処理(図210参照)において、上記第一特別図柄通常処理(ステップS280)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図229は、上記第一特別図柄通常処理(ステップS280)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図229に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS301の処理として、上記第一特別保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある第一特別図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS302の処理として、上記主制御MPU1310aのRAMの第一特別図柄保留記憶領域に格納されている第一特別図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS303及びS304の処理として、上記第一特別保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPU1310aのRAMの第一特別図柄保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(第一特別乱数、第一図柄乱数、リーチ乱数、変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、第一特別図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、始動入賞の発生に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に始動入賞が発生するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記第一特別図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
そしてその後、ステップS305の処理として、上記読み出された第一特別図柄の第一特別乱数に基づいて上記大当りの当落についての抽選処理である大当り判定処理を行う。
その後、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS281)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS306)、この処理を終了する。
図230は、上記大当り判定処理(ステップS305)についてその手順を示すフローチャートである。
上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、現在の遊技状態が高確率状態(高確率時短状態)であれば(ステップS311)、図181(A)に示す高確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS312)、現在の遊技状態が低確率状態であれば(ステップS311)、図231(A)に示す低確率時の大当り判定テーブルを選択し(ステップS313)、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS302で読み出した第一特別乱数とを比較する(ステップS314)。
図231(A)に示す大当り判定テーブルは、上記主制御MPU1310aのROMに記憶され、遊技状態が低確率時(通常状態(低確率非時短状態))の場合に使用する低確率時の大当り判定テーブルと、遊技状態が高確率時(高確率時短状態)の場合に使用する高確率時の大当り判定テーブルと、を備えている。そして、第一特別乱数と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルでは、1種類の第一特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、299種類の第一特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている(低確率時の大当り確率:300分の1)。なお、特別図柄及び特別電動役物制御処理のステップS138で実行される第二特別図柄プロセス処理内において、第二特別乱数と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルでは、第一特別乱数と比較するために参照される低確率時の大当り判定テーブルと同様に、1種類の第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、299種類の第二特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている(低確率時の大当り確率:300分の1)。
また、第一特別乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルでは、低確率時の大当り判定テーブルに設定される第一特別乱数と同一の第一特別乱数を含む10種類の第一特別乱数が大当り判定値と一致し、290種類の第一特別乱数がはずれ判定値と一致するように上記第一特別乱数がそれぞれ関連付けされている(高確率時の大当り確率:30分の1)。このように、この実施の形態では、高確率状態(高確率時短状態)では、大当りに当選したことを示す大当り判定値が低確率時(通常状態(低確率非時短状態))の10倍に高められる。なお、特別図柄及び特別電動役物制御処理のステップS138で実行される第二特別図柄プロセス処理内において、第二特別乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルでは、第一特別乱数と比較するために参照される高確率時の大当り判定テーブルと同様に、低確率時の大当り判定テーブルに設定される第二特別乱数と同一の第二特別乱数を含む10種類の第二特別乱数が大当りに当選したことを示す大当り判定値と一致し、290種類の第二特別乱数が上記はずれであることを示すはずれ判定値と一致するように上記第二特別乱数がそれぞれ関連付けされている(高確率時の大当り確率:30分の1)。
上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS302で読み出した第一特別乱数との比較の結果、大当りとすると判定した場合には(ステップS315)、当該変動が大当りに当選していることを示す大当りフラグをセットして処理を終了し(ステップS316)、選択した大当り判定テーブルと第一特別図柄通常処理のステップS302で読み出した第一特別乱数との比較の結果、はずれとすると判定した場合には、図示しないリーチ判定テーブルとステップS302で読み出したリーチ乱数とを比較する(ステップS317)。そして、リーチ判定テーブルとステップS302で読み出したリーチ乱数との比較の結果、リーチはずれとすると判定した場合には(ステップS318)、当該変動がリーチとなることを示すリーチフラグをセットして処理を終了する(ステップS319)。
図232は、上記第一特別図柄停止図柄設定処理(ステップS281)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止図柄設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図232に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、第一特別図柄の変動表示停止時における表示態様の抽選処理の結果、すなわち上記大当り判定処理(ステップS305)の結果を判別する。抽選処理結果の判別は、大当りフラグがセットされているか否か(ステップS321)を判別することにより行う。
主制御MPU1310aは、ステップS321で大当りフラグがセットされていれば、第一特別図柄通常処理のステップS302で読み出した第一図柄乱数と図231(B)に示す図柄決定テーブルとを比較することにより(ステップS322)、大当りの種類を決定し、該決定した大当りの種類に対応する第一特別図柄の変動制御停止時の態様(第一特別図柄の停止図柄)を決定する(ステップS323)。一方、ステップS321で大当りフラグがセットされていなければ、第一特別図柄の変動停止時の態様としてはずれ図柄に決定する(ステップS324)。
図231(B)に示すように、図柄決定テーブルには、判定結果毎(16R大当り、4R大当り)に図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)が関連付けされるかたちで記憶されている。主制御基板1310の主制御MPU1310aでは、取得した図柄乱数に対応して関連付けされている判定結果を特定することにより、大当りの種類を決定する。なお、本例の図柄決定テーブルでは、第一図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類の決定確率と第二図柄乱数に基づいて決定される大当りの種類の決定確率とが異なるように設定している。
具体的には、
1.16R大当り遊技状態に応じて大入賞口2005を開閉制御するものであって、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が50回実行される以前に次の大当りとなるまで、または、次の大当りになることなく特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が50回実行されるまで高確率時短状態に制御する16R大当り
2.4R大当り遊技状態に応じて大入賞口2005を開閉制御するものであって、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が50回実行される以前に次の大当りとなるまで、または、次の大当りになることなく特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が50回実行されるまで高確率時短状態に制御する4R大当り、の2種類の大当りの中からいずれかの大当りに決定する。
本例では、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルと、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルとを備えている。そして、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルでは、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルと比べて判定値の振分けが異なるように設定されており、各々の大当りの決定割合が異なるようにしている。具体的には、図231(B)に示すように、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルにおいて、16R大当り及び4R大当りのうち、遊技者に利益の少ない4R大当りに対して100個の判定値の振分けが設定されている。一方、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルにおいては、16R大当り及び4R大当りのうち、遊技者に利益の多い16R大当りに対して55個の判定値の振分けが設定されているのに対し、遊技者に利益の少ない4R大当りに対して45個の判定値の振分けが設定されている。このように、通常状態(非時短状態)では、第一始動口2002に遊技球Bを入球させることで第一特別図柄側の抽選が行われるが、第一特別図柄側の大当り時(初大当り時)には、遊技者に利益の少ない4R大当りを必ず決定する。これに対し、大当り遊技状態の終了後に制御される時短状態では、第二始動口2004への遊技球Bの入球が可能となり、その第二始動口2004に遊技球Bを入球させることで第二特別図柄側の抽選が行われるが、第二特別図柄側の大当り時(連荘時)には、遊技者の利益が異なる16R大当り又は4R大当りのいずれかを決定することから、どのような大当りの種類が決定されるかに注目させることができる。したがって、初大当り時と連荘時とでゲーム性が変化するため、遊技が単調とはならない。
また、大当りの種類を決定すると大当りの種類に応じた停止図柄を第一特別図柄の停止時の態様として決定する。具体的には、4R大当りに決定した場合には大当り図柄として4R大当り図柄に決定する。なお、図示しない第二特別図柄停止図柄設定処理において、16R大当りに決定した場合には大当り図柄として16R大当り図柄し、4R大当りに決定した場合には大当り図柄として4R大当り図柄に決定する。
そして、こうして停止図柄についての決定処理が行われた後は、ステップS325の処理として、これら抽選結果(大当りの種類、リーチはずれ、はずれのいずれかを指示(第一特別図柄の停止図柄の態様を指示するものであってもよい))が上記周辺制御基板1510に送信されるよう抽選結果それぞれに応じた判定結果通知コマンドをセットする。そしてその後は、ステップS326の処理として、上記第一変動パターン設定処理(ステップS82)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。周辺制御IC1510aは、受信した判定結果通知コマンド及び変動パターンコマンドに基づいて左・中・右の装飾図柄の変動表示を開始し、左装飾図柄→右装飾図柄→中装飾図柄の順序で停止表示するように演出表示装置1600を表示制御する。
具体的には、周辺制御IC1510aは、演出表示装置1600に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドから特別図柄に関連した大当りのうち16R大当りを特定した場合には16R大当り図柄(左・中・右の装飾図柄が「1」〜「9」のうち全て「7」の図柄となる組合せ)に決定し、4R大当りを特定した場合には4R大当り図柄(左・中・右の装飾図柄が「1」〜「9」のうち「7」を除く同一の図柄となる組合せ)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(リーチ演出の終了時)においてその決定された停止図柄を演出表示装置1600に表示制御する。このように、演出表示装置1600に表示される装飾図柄が16R大当り図柄または4R大当り図柄のいずれかで変動停止されたときには、その装飾図柄の停止図柄から大当りであることを判別することができ、さらに16R大当り図柄及び4R大当り図柄として異なる図柄を用いているため、16R大当りまたは4R大当りのいずれかも判別することができる。
また、周辺制御IC1510aは、演出表示装置1600に表示される装飾図柄の変動停止時の態様(停止図柄)として、受信した判定結果通知コマンドからリーチはずれを特定した場合にはリーチを伴ったはずれ図柄(同一とはならない装飾図柄の組合せ。ただし左右の装飾図柄が同一)に決定し、はずれを特定した場合にはリーチを伴わないはずれ図柄(同一とはならない装飾図柄の組合せ。ただし左右の装飾図柄が非同一)に決定し、変動パターンコマンドから特定される変動時間の経過時(遊技演出の終了時)においてその決定された停止図柄を演出表示装置1600に表示制御する。
図233は、上記第一変動パターン設定処理(ステップS282)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一変動パターン設定処理を行うべき旨を示しているときは、同図233に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、大当りフラグがセットされていれば(ステップS341)、第一特別図柄停止図柄設定処理のステップS323で決定した大当りの種類、及び現在の遊技状態に応じた大当り時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS342)、リーチフラグがセットされていれば(ステップS343)、現在の遊技状態に応じたリーチ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択し(ステップS344)、大当りフラグとリーチフラグとのいずれもセットされていない場合、すなわち通常のはずれ(リーチ演出を実行しないはずれ)となる場合には、はずれ時の変動パターンテーブル(図示しない)を選択する(ステップS345)。
そして、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS302で読み出した変動乱数とを比較することにより実行する変動パターンを決定し(ステップS346)、決定した変動パターンを開始することを周辺制御基板1510に通知する変動パターンコマンドをセットして機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示される第一特別図柄の変動表示を開始する(ステップS347)。また、主制御MPU1310aは、変動パターンを決定すると決定した変動パターンに対応して設定されている変動時間を変動タイマに設定する(ステップS348)。これにより、こうして決定された変動時間だけ機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器及び上記演出表示装置1600にて演出制御が行われるようになる。
なお、本例の変動パターンテーブルは、特別乱数(第一特別乱数、第二特別乱数)及び図柄乱数(第一図柄乱数、第二図柄乱数)に基づく判定結果毎に複数種類設けられている。また、各変動パターンテーブルに設定される変動パターンには上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動表示制御に要する所定の時間(変動時間)を示す複数の変動時間情報が上記変動乱数にそれぞれ対応して関連付けされるかたちで記憶されている。しかして、主制御MPU1310aは、特別乱数及び図柄乱数に基づく判定結果に応じた複数種類の変動パターンテーブルのうち、選択した変動パターンテーブルと第一特別図柄通常処理のステップS302で読み出した変動乱数とを比較し、上記読み出した変動乱数に関連付けされている変動時間情報をこのテーブルから取得することで、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンを決定する。これにより、上記特別図柄(第一特別図柄、第二特別図柄)の変動パターンについての抽選処理が行われるようになる。
なお、上記変動パターンテーブルは、上記主制御MPU1310aのROMに記憶されている。
また、本例のリーチ時の変動パターンテーブルでは、いずれのリーチ演出を実行するかを示す判定値と変動乱数とを比較することにより実行するリーチ演出の態様種別を決定するように設定されている。例えば、リーチ演出のうちスーパーリーチ演出は、ノーマルリーチ演出よりも大当り期待度が高く、スーパーリーチ演出が実行されたときには、大当り遊技状態に対する遊技者の期待度が高まるようになっている。
また、第一特別図柄の変動表示制御が開始されると、次にステップS349の処理として、上記第一特別図柄変動処理(ステップS283)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
本例では、はずれ時の変動パターンテーブルにおいて、時短時には1秒程度に設定された特別図柄の変動時間情報が上記特別図柄乱数(第一特別図柄、第二特別図柄)に関連付けされる一方、非時短時には12秒程度に設定された特別図柄の変動時間情報が上記特別図柄乱数(第一特別図柄、第二特別図柄)に関連付けされるかたちで、特別図柄の変動パターンが設定されている。すなわち、時短時に選択されるはずれ時の変動パターンには、非時短時に選択されるはずれ時の変動パターンと比べると、上記特別図柄の変動表示制御に要する時間が極めて短時間となるよう、上記特別図柄の変動時間情報が設定されている。
図234は、上記第一特別図柄変動処理(ステップS283)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄変動処理を行うべき旨を示しているときは、同図234に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS371の処理として、上記変動パターンについての抽選処理(ステップS282)で決定した変動パターンに応じた変動時間が設定される変動タイマを1減算する。そして、変動時間タイマが0、すなわち、上記抽選された変動時間が経過したと判断されると(ステップS372)、次にステップS373の処理に移行する。すなわち、このステップS373の処理において、上記第一特別図柄停止処理(ステップS284)にプロセス移行されるよう上述の第一特別図柄プロセスフラグを更新した時点で、この処理を終了する。
図235は、上記第一特別図柄停止処理(ステップS284)についてその手順を示すフローチャートである。
上記第一特別図柄プロセスフラグが当該第一特別図柄停止処理を行うべき旨を示しているときは、同図235に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS381の処理として、上記第一特別図柄停止図柄設定処理にて決定された停止図柄を上記機能表示ユニット1400の第一特別図柄表示器に表示させるための表示制御を行うとともに、上記演出表示装置1600に第一特別図柄の停止図柄に応じた装飾図柄の表示結果の導出表示を指示する停止表示コマンドを上記周辺制御基板1510へのコマンドとしてセットする(ステップS382)。
次いで、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、上記時短フラグがセットされているとともに、時短状態の継続回数がセットされる時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かを判断する(ステップS383)。そして、このカウンタ値が「0」でなければ、該時短回数カウンタをカウントダウンした後(ステップS384)、同時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であるか否かをさらに判断する(ステップS385)。そしてこの結果、同カウンタ値が「0」であれば、上記時短フラグをリセットし、さらに上記高確率フラグがセットされている場合には該高確率フラグをリセットする(ステップS386)。なお、上記ステップS383の処理にて時短回数カウンタのカウンタ値が「0」であると判断された場合や、上記ステップS385の処理にて時短回数カウンタが「0」でないと判断された場合には、その時点でステップS387の処理に移行する。
また、上記大当りフラグがセットされているときは(ステップS387)、大当り遊技状態を開始することを示す大当り開始コマンドをセットし(ステップS388)、大当り遊技状態を開始(大当りラウンド開始コマンドをセット)するまでの待機時間(大当り遊技状態を開始する旨の表示等を行う期間)をインターバルタイマにセットする(ステップS389)。そして次に、上記高確率フラグがセットされている場合には該高確率フラグをリセットし、上記時短フラグがセットされている場合には該時短フラグをリセットし、さらに時短回数カウンタのカウンタ値が「0」でない場合には同カウンタ値をリセット(「0」に戻す)した後、大当り遊技状態の実行中であることを示す大当り実行中フラグをセットし(ステップS390)、第一特別図柄プロセスフラグを初期値である第一特別図柄通常処理にプロセス移行されるように更新した時点で(ステップS391)、この処理を終了する。
なお、大当り開始コマンドは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドであり、大当りの種類(16R大当り、4R大当り)に応じて個々に用意されている。ステップS388では、大当りの種類に応じた大当り開始コマンド(16R大当り開始コマンド、4R大当り開始コマンド)をセットする。これにより、大当り開始コマンドによって指示された大当りの種類に応じた演出が演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行される。
図236は、上記大当り制御処理(ステップS239)についてその手順を示すフローチャートである。
上記ステップS389では、大当り遊技状態を開始するまでの待機時間をインターバルタイマにセットしているが、ステップS401の処理において、このインターバルタイマにセットされた待機時間を経過した後には、同図236に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、大入賞口2005を開閉制御するとともに、大当り遊技状態の終了後の遊技状態として高確率時短状態に設定する大入賞口開閉処理(ステップS402)を実行する。
図237は、上記大入賞口開閉処理(ステップS402)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS411の処理において、上記大入賞口2005が開放状態にあると判断されるとすると、同図237に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記大入賞口2005の開放状態から所定時間(例えば、長時間開放のときに20秒、短時間開放のときに0.5秒)が経過したとき(ステップS412)、あるいは、開放状態の上記大入賞口2005に遊技球Bが最大入賞数(例えば、9個)入賞したときには(ステップS413)、開放状態の上記大入賞口2005を閉鎖状態に制御する(ステップS414)。そして、上記大入賞口2005を閉鎖状態に制御することにより現在のラウンドを終了すると判断された場合には(ステップS415)、周辺制御基板1510に送信されるコマンドとして大当りの種類及び現在のラウンド数に応じた大当りラウンド終了コマンドをセットし(ステップS416)、ステップS428に移行する。
また、ステップS411の処理において、上記大入賞口2005が閉鎖状態にあると判断されるとすると、同図237に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記大入賞口2005を開放状態とするタイミングになったときに(ステップS417)、上記大入賞口2005を開放状態に制御することにより新たなラウンドを開始すると判断された場合には(ステップS418)、周辺制御基板1510に送信されるコマンドとして大当りの種類及び新たなラウンド数に応じた大当りラウンド開始コマンドをセットする(ステップS419)。そして、閉鎖状態の上記大入賞口2005を開放状態に制御し(ステップS422)、ステップS428に移行する。なお、上記大入賞口2005を開放状態に制御することにより新たなラウンドを開始することにならない(同じラウンド内における2回目の開放など)と判断された場合には(ステップS418)、閉鎖状態の上記大入賞口2005を開放状態に制御し(ステップS422)、ステップS428に移行する。これにより、大当りラウンド開始コマンド及び大当りラウンド終了コマンドによって指示された大当りの種類及び現在のラウンド数に応じた演出を演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行することができる。
また、ステップS428の処理において、上記大入賞口2005に遊技球Bが受け入れられたと判断されるとすると、同図237に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、周辺制御基板1510に送信されるコマンドとして大入賞口入球コマンドをセットし(ステップS429)、この処理を終了する。これにより、大入賞口入球コマンドが周辺制御基板1510側に送信されたときに、上記大入賞口2005への遊技球Bの受け入れに応じた演出を演出表示装置1600、ランプ・LED及びスピーカ等により実行することができる。
また、ステップS417の処理において、上記大入賞口2005を開放状態とするタイミングではないと判断されるとすると、同図237に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPUは、上記大入賞口2005の開放状態と閉鎖状態とを繰り返すことにより全てのラウンド数を終了したときに(ステップS423)、大当り実行中フラグをリセットする(ステップS424)。そして、高確率フラグをセットし(ステップS426)、時短フラグをセットするとともに時短回数カウンタのカウンタ値に時短状態の継続回数として初期値(例えば、50回)をセットした時点で(ステップS427)、この処理を終了する。このように、大当り遊技状態の終了時には、高確率フラグ及び時短フラグをセットし、大当り遊技状態後の遊技状態として高確率時短状態に制御するようになる。
図238は、上記普通図柄及び普通電動役物制御処理(ステップS116)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、ステップS801の処理において、上記ゲートセンサ2506による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過があったと判断されたとすると、同図238に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS802の処理として、まず、普通図柄の普通乱数を上記乱数カウンタから取得してこれをRAMの普通図柄保留記憶領域に格納するなどのゲート部通過処理を実行する。
次いで、普通図柄プロセス処理では、普通図柄プロセスフラグに応じて、以下の5つのプロセス処理の1つを選択的に実行する。
1.主制御MPU1310aのRAMに格納されている普通乱数を読み出し、読み出した普通乱数に基づいて上記普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理などが行われる普通図柄通常処理(ステップS803)
2.普図変動乱数に基づいて上記機能表示ユニット1400の普通図柄表示器に表示される普通図柄の変動態様(変動時間)についての抽選処理などが行われる普通図柄変動時間決定処理(ステップS804)
3.機能表示ユニット1400の普通図柄表示器における上記普通図柄の変動表示が停止されるまで待機する普通図柄変動処理(ステップS805)
4.普通図柄の変動制御停止時における表示態様についての抽選処理の結果に基づいて決定された普通図柄の変動制御停止時の態様が上記機能表示ユニット1400の普通図柄表示器に表示されるように上記普通図柄の変動表示を停止させる普通図柄停止処理(ステップS806)
5.普通図柄の変動制御停止時の態様についての抽選処理の結果が「普図当り」を示唆する態様となったとき、上第二始動口扉2411が後退して第二始動口2004への遊技球Bの受入れを可能に制御する処理を実行する普通電動役物開放処理(ステップS807)
なお、上記普通図柄プロセスフラグは、上記主制御側電源投入時処理(図210参照)において、上記普通図柄通常処理(ステップS803)を行うべき旨を示すよう操作されている。
図239は、上記ゲート部通過処理(ステップS802)についてその手順を示すフローチャートである。
いま、上記ステップS801の処理において、上記ゲートセンサ2506による検出信号がオン状態にあり、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過があったと判断されたとすると、同図239に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、ステップS811の処理として、まず、上記普通乱数、上記普図変動乱数を上記乱数カウンタから取得する。
次いで上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値を主制御MPU1310aのRAMから取得し、このカウンタ値に基づいて普通図柄の保留数がその最大値である「4」であるか否かの判断を行う(ステップS812)。このステップS812の処理において、上記普通図柄の保留数がその最大値でないと判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態とすべく、以下のステップS813〜S814の処理を行うこととなる。すなわち、まず、上記ステップS813の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントアップ(1加算)する。
次いで、ステップS814の処理として、上記ステップS811で取得された各乱数を、上記主制御MPU1310aのRAMの記憶領域のうちの上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に対応する普通図柄保留記憶領域に格納する。
ただし、上記ステップS812の処理において、上記普通図柄の保留数がその最大値であると判断された場合には、上記普通図柄の変動表示制御は新たに保留されない。すなわち、ステップS813〜ステップS814の処理を実行しないことで、上記普通図柄の変動表示制御を新たに保留の状態としない。
図240は、上記普通図柄通常処理(ステップS803)についてその手順を示すフローチャートである。
上記普通図柄プロセスフラグが当該普通図柄通常処理を行うべき旨を示しているときは、同図240に示されるように、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、まず、ステップS821の処理として、上記普通保留数カウンタによるカウンタ値に基づいて保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があるか否かの判断を行う。この結果、保留の状態にある普通図柄の変動表示制御があると判断された場合には、次にステップS822の処理として、上記主制御MPU1310aのRAMの普通図柄保留記憶領域に格納されている普通図柄の表示態様に関わる乱数(例えば、普通乱数、普図変動乱数)のうちの最先の記憶領域に格納された乱数を同RAMから読み出す。そして次に、ステップS823及びS824の処理として、上記普通保留数カウンタをカウントダウンするとともに、上記主制御MPU1310aのRAMの普通保留記憶領域の各記憶領域に格納されている上記普通図柄の変動表示停止時における表示態様に関わる乱数(普通乱数、普図変動乱数)を先入れ先出し(First−In First−Out)の態様にてシフト操作する。
具体的には、普通図柄保留記憶領域は1〜4の4つの記憶領域を有し、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過に応じて抽出した乱数を1番目(最先)の領域から順に記憶する。そして、n番目(n=1〜3)の記憶領域に乱数が記憶されている場合に上記ゲート部2003に遊技球Bが通過するとn+1番目(n=1〜3)の記憶領域に抽出した乱数を記憶し、1番目の記憶領域に格納された乱数に基づく変動表示の開始条件が成立すると1番目の記憶領域に記憶されている各種乱数を読み出すとともにN番目(N=2〜4)の記憶領域に記憶されている各種乱数をN−1番目(N=2〜4)番目の記憶領域に移動させる。これにより、上記普通図柄の変動表示制御の保留が発生した順序を特定可能に記憶されるとともに最先の保留(最も先に発生した保留)から順に変動表示制御の保留が解除されるようになる。
次いで、上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、現在の遊技状態が時短状態(高確率時短状態)であれば(ステップS826)、時短時の普図当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS826)、現在の遊技状態が非時短状態(低確率非時短状態)であれば(ステップS825)、非時短時の普図当り判定テーブル(図示しない)を選択し(ステップS827)、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS822で読み出した普通乱数とを比較する(ステップS828)。
なお、普図当り判定テーブルは、上記主制御MPU1310aのROMに記憶され、遊技状態が時短時(高確率時短状態)の場合に使用する時短時の普図当り判定テーブルと、遊技状態が非時短時(低確率非時短状態)の場合に使用する非時短時の普図当り判定テーブルと、を備えている。そして、普通乱数と比較するために参照される時短時の普図当り判定テーブルでは、251種類の全ての普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致し、普図はずれであることを示す普図はずれ判定値と一致することがないように上記普通乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、時短時では、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過があったとき、普図当りに必ず当選し、上第二始動口扉2411が後退して第二始動口2004への遊技球Bの受入れを可能に制御している。
また、普通乱数と比較するために参照される非時短時の普図当り判定テーブルでは、251種類の全ての普通乱数が普図当りに当選したことを示す普図当り判定値と一致することがなく、普図はずれであることを示す普図はずれ判定値と一致するように上記普通乱数がそれぞれ関連付けされている。このように、非時短時では、上記ゲート部2003への遊技球Bの通過があったとしても、普図当りに当選することがないため、上第二始動口扉2411が後退して第二始動口2004への遊技球Bの受入れを可能に制御することがない。
上記主制御基板1310の主制御MPU1310aは、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS822で読み出した普通乱数との比較の結果、普図当りとすると判定した場合には(ステップS829)、当該変動が普図当りに当選していることを示す普図当りフラグをセットした後(ステップS830)、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)としての普図当り図柄を決定する(ステップS831)、一方、選択した普図当り判定テーブルと普通図柄通常処理のステップS822で読み出した普通乱数との比較の結果、はずれとすると判定した場合には、普通図柄の変動制御停止時の態様(普通図柄の停止図柄)としての普図はずれ図柄を決定する(ステップS832)。そしてその後、上記普通図柄変動時間決定処理(ステップS804)にプロセス移行されるよう上述の普通図柄プロセスフラグが更新された時点で(ステップS833)、この処理を終了する。
本例では、上記時短状態の制御において、上記普通図柄の当選確率を251/251に設定し、上記普通図柄の抽選結果が常に当りとなるとともに、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間を極端に短い所定時間(例えば、0.3秒)に短縮している。そして、上記普通図柄の抽選結果が当りとなったときには、上記第二始動口2004を極端に長い所定時間(例えば、5.5秒)の間、開状態として閉鎖する開閉パターンで制御している。
つまり、上記時短状態の制御中には、上記普通図柄の抽選結果が当りとなる確率が極めて高く、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間が一定で短く、上記第二始動口2004の開状態の時間が長いこと等により、上記第二始動口2004へ遊技球Bを入賞させることを格段に容易とし、上記第一始動口2002よりも上記第二始動口2004を狙ったほうが効率良く遊技球Bを入賞させることができる。なお、上記非時短状態の制御においては、上記普通図柄の当選確率を0/251に設定し、上記普通図柄の抽選結果が常に当りとなることがなく、上記第二始動口2004を狙ったとしても上記第二始動口2004に遊技球Bを入賞させることができない。
上記したように、上記非時短状態の制御中には、上記第二始動口2004を狙ったとしても上記第二始動口2004に遊技球Bを入賞させることができないため、上記第一始動口2002に遊技球Bが入賞するように、上記センター役物2500の左側を狙って遊技球Bを発射(いわゆる「左打ち」)しなければならない。また、上記センター役物2500の左側の遊技領域5a内には、適宜位置に所定のゲージ配列で複数の障害釘Nが遊技パネル1100の前面に植設されており、遊技球Bがその障害釘Nに当接することで、遊技球Bに様々な動きが付与されて流下するようになっている。このため、上記第一始動口2002を狙って上記センター役物2500の左側に遊技球Bを打ち込んだとしても、上記第一始動口2002に入賞するとは限らず、上記第一始動口2002に入賞しなかった遊技球Bは、遊技領域5aの左右方向中央下端に設けられたアウト口1008から外部に排出される。
一方、上記時短状態の制御中には、上記第一始動口2002よりも上記第二始動口2004を狙ったほうが効率良く遊技球Bを入賞させることができるため、上記第二始動口2004に遊技球Bが入賞するように、上記センター役物2500の右側を狙って遊技球Bを発射(いわゆる「右打ち」)しなければならない。また、遊技盤5の構造上、上記第二始動口2004を開放したときに、上記第二始動口2004を狙って上記センター役物2500の右側に遊技球Bを打ち込むと、上記ゲート部2003を通過した遊技球Bが、上記第二始動口2004に極めて高い確率で入賞するようになっている。このため、上記時短状態の制御中では、上記センター役物2500の右側に打ち込んだ遊技球Bが無駄となる(アウト口1008から外部に排出される)ことが殆どなく、上記非時短状態の制御中における上記第一始動口2002と比べて、遊技球Bが極めて効率良く上記第二始動口2004に入賞するようになる。
また、上記時短状態の制御中には、遊技盤5の構造に加え、上記ゲート部2003を通過したときに、上記普通図柄の抽選結果が当りとなる確率が極めて高く、上記普通図柄の変動表示制御に要する時間が一定で短く、上記第二始動口2004の開放状態の時間が長いこと等により、上記第二始動口2004へ遊技球Bが入賞しやすく、さらに、上記第二始動口2004へ遊技球Bが入賞したときに、上記特別図柄の変動表示制御に要する時間を1秒程度とし、上記非時短状態の制御中における10〜120秒の範囲と比べて極めて短くなるため、短時間で上記特別図柄の変動表示制御(上記特別図柄の変動表示制御の保留)を消化することができる。すなわち、大当り遊技状態の終了後に上記時短状態に制御した場合には、上記第二始動口2004を狙って上記センター役物2500の右側に遊技球Bを打ち込むことで、短時間で再び大当りとなって大当り遊技状態に制御し、多くの遊技球Bの獲得を期待することができる。なお、上記したように本実施形態では、上記第二始動口2004への遊技球Bの入賞により払出される遊技球Bの数を、1個としているので、上記第二始動口2004への遊技球Bの入賞が頻繁に起きたとしても、遊技者の興趣を高めつつ遊技ホール側の負担を軽減させることができる。
[21.保留予告演出及び保留変化演出]
本実施形態では、主制御基板1310から送信される保留数指定コマンドに基づいて、演出表示装置1600に保留表示が表示されるが、その保留表示が消化されるまでの間、保留表示の表示態様を変化させることで、当該保留表示に基づいた装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)に対する大当り期待度を示唆する保留予告演出を実行可能としている。また、保留表示の表示期間中において、保留表示の表示態様が変化する可能性を示唆する保留変化演出を実行可能としている。
具体的には、第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入賞(始動条件が成立)したことに基づいて、主制御基板1310から保留数指定コマンド及び事前判定コマンドが送信される。そして、周辺制御基板1510では、ステップS601のコマンド解析処理において、保留数指定コマンド及び事前判定コマンドを受信すると、それらのコマンドに応じた保留予告決定テーブル、すなわち保留数指定コマンドから特定される保留数(保留記憶数)及び事前判定コマンドから特定される事前判定情報(大当り、リーチハズレ、ハズレのいずれか)に対応した保留予告決定テーブルを選択し、その保留予告決定テーブルに設定された判定値と読み出した保留予告決定用の乱数とを比較することで、保留予告決定テーブルに設定された保留予告パターンの種別を決定する。なお、保留予告決定テーブルでは、事前判定コマンドから特定される事前判定情報(大当り、リーチハズレ、ハズレのいずれか)ごとに、各々の保留予告パターンに対する判定値の振分けが異なり、各々の保留予告パターンの出現率が異なるようになっている。
また、第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入賞(始動条件が成立)したときには、保留数指定コマンドから特定される保留数(保留記憶数)が増加することで、演出表示装置1600に1つの保留表示を追加して表示する。一方、保留表示に基づいた装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)を開始(開始条件が成立)するときには、保留数指定コマンドから特定される保留数(保留記憶数)が減少することで、演出表示装置1600における当該保留表示を消去する。そして、演出表示装置1600に保留表示が表示されてから当該保留表示が消去されるまでの表示期間中には、保留予告パターンに基づいて保留表示の表示態様を表示するようにし、当該保留表示とは別の保留表示に基づいた装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)を開始(開始条件が成立)するごとに、保留表示の表示態様を変化可能としている。なお、本実施形態では、保留表示に基づいた装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)を開始(開始条件が成立)する時点で、当該保留表示を消去しているが、その装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)の開始後にも、当該保留表示を継続して表示するとともに、当該保留表示の表示態様を変化可能としてもよい。
次に、保留数指定コマンドから特定される保留数(保留記憶数)ごとに複数種類の保留予告パターンが設定された保留予告決定テーブルについて、図241及び図242を参照して説明する。なお、保留予告決定テーブルは、周辺制御基板1510のROMに記憶されている。図241(A)は、保留1点灯時(保留数=1)に使用する保留予告決定テーブルであり、図241(B)は、保留2点灯時(保留数=2)に使用する保留予告決定テーブルであり、図241(C)は、保留3点灯時(保留数=3)に使用する保留予告決定テーブルであり、図242(D)は、保留4点灯時(保留数=4)に使用する保留予告決定テーブルである。
上記したように、保留数(保留記憶数)に対応した保留予告決定テーブルには、複数種類の保留予告パターンが設定されているが、これらの保留予告パターンには、入賞時の保留数(保留記憶数)の分だけ、保留記憶が消化されるごとに演出表示装置1600における保留表示の表示態様がどのように変化するのかが設定されている。具体的には、図241(A)に示すように、保留1点灯時(保留数=1)に使用する保留予告決定テーブルには、演出表示装置1600における保留表示の表示態様が変化することがなく(すなわち保留表示を消化するのみであり)、1回分の保留表示の表示態様のみが設定された保留予告パターンが関連付けされている。また、図241(B)に示すように、保留2点灯時(保留数=2)に使用する保留予告決定テーブルには、保留表示を消化するまでに保留表示の表示態様が1回変化可能であることから、2回分の保留表示の表示態様が設定された保留予告パターンが関連付けされている。また、図241(C)に示すように、保留3点灯時(保留数=3)に使用する保留予告決定テーブルには、保留表示を消化するまでに保留表示の表示態様が2回変化可能であることから、3回分の保留表示の表示態様が設定された保留予告パターンが関連付けされている。また、図242(D)に示すように、保留4点灯時(保留数=4)に使用する保留予告決定テーブルには、保留表示を消化するまでに保留表示の表示態様が3回変化可能であることから、4回分の保留表示の表示態様が設定された保留予告パターンが関連付けされている。
また、保留予告パターンに設定された演出表示装置1600における保留表示の表示態様としては、保留表示が白色(基本色)、青色、赤色、レインボー色のいずれかで表示されるように4個の表示態様が用意されている。そして、保留予告決定テーブルから保留予告パターンを決定する際には、保留表示の表示態様が最後まで変化した結果として、白色(基本色)→青色→赤色→レインボー色の順序で大当り期待度が高くなるように設定されている。つまり、事前判定情報として抽選結果が大当りと特定したときには、最終的な保留表示の表示態様として大当り期待度の高い表示態様(例えば、レインボー色)となる保留予告パターンを高い確率で決定し、事前判定情報として抽選結果がハズレ(ハズレ、リーチハズレ)と特定したときには、最終的な保留表示の表示態様として大当り期待度の低い表示態様(例えば、白色)となる保留予告パターンを高い確率で決定することから、大当り期待度の高い表示態様で最終的な保留表示の表示態様が表示されたときには、大当り遊技に対する遊技者の期待が高まるようになっている。
なお、保留予告パターンには、保留表示の表示態様が白色→青色→赤色→レインボー色の順序とは逆の順序で変化しないものであり、保留表示の消化時に保留表示の表示態様が維持されるか、又は次の表示態様が大当り期待度の高い表示態様となるように設定されている。このため、大当り期待度の低い表示態様で保留表示の表示態様が表示されたとしても、保留表示の消化時に大当り期待度の高い表示態様に変化する可能性が残されており、保留表示の表示態様を最後まで期待をもって注目させることができる。
また、保留予告パターンには、必ずしも保留表示の表示態様が白色(基本色)で表示された後に青色→赤色→レインボー色の順序で変化する必要はなく、白色(基本色)ではない途中の表示態様から開始(例えば、保留1点灯時の保留予告パターン番号4により突然、レインボー色で開始)することや、1つ以上の表示態様を飛ばして次の表示態様に変化(例えば、保留2点灯時の保留予告パターン番号7により白色(基本色)からレインボー色に変化)するようにも設定されている。このため、保留表示の表示態様が変化する機会(保留数)が少なかったとしても、大当り期待度の高い表示態様で保留表示の表示態様が表示されることを可能としている。また、大当り期待度の低い表示態様で保留表示の表示態様が表示されたとしても、次の表示態様がいずれの表示態様に変化するか予測することができず、保留表示の表示態様を最後まで期待をもって注目させることができる。
また、保留予告決定テーブルには、事前判定コマンドから事前判定情報として大当りを特定した場合のみ、最終的な保留表示の表示態様としてレインボー色となる保留予告パターン(保留1点灯時の保留予告パターン番号4、保留2点灯時の保留予告パターン番号4,7,9,10、保留3点灯時の保留予告パターン番号4,7など、保留4点灯時の保留予告パターン番号4,7など)を決定することが可能に設定されている。このため、保留表示の表示態様がレインボー色で表示された場合には、当該保留表示の消化時に抽選結果が大当りとなることが確定し、大当り遊技に対する遊技者の期待が高まるようになっている。
また、保留予告決定テーブルには、事前判定コマンドから事前判定情報としてハズレを特定した場合、最終的な保留表示の表示態様として白色(基本色)または青色となる保留予告パターン(保留1点灯時の保留予告パターン番号1,2、保留2点灯時の保留予告パターン番号1,2など、保留3点灯時の保留予告パターン番号1,2など、保留4点灯時の保留予告パターン番号1,2など)を決定するのに対し、事前判定コマンドから事前判定情報として大当り、リーチを特定した場合、最終的な保留表示の表示態様として赤色となる保留予告パターン(保留1点灯時の保留予告パターン番号3、保留2点灯時の保留予告パターン番号3,6,8、保留3点灯時の保留予告パターン番号3,6など、保留4点灯時の保留予告パターン番号3,6など)も決定することが可能に設定されている。このため、保留表示の表示態様が赤色で表示された場合には、当該保留表示の消化時に少なくともリーチとなってリーチ演出を実行することが確定し、大当り遊技に対する遊技者の期待が高まるようになっている。
なお、本実施形態では、保留表示の表示開始時に保留予告パターンを決定することで、その保留表示が消化されるまでの間に保留表示の表示態様が変化する一連の内容を決定するようにしているが、その決定方法として、保留表示の表示開始時には、開始時における保留表示の表示態様と、最終的な保留表示の表示態様と、のみを決定するようにしてもよい。そして、開始時における保留表示の表示態様と、最終的な保留表示の表示態様と、が異なる場合には、少なくとも対象となる保留表示が消化されるよりも前に最終的な保留表示の表示態様が表示されるように、保留表示の表示態様が変化可能なタイミングが到来するごとに、保留表示の表示態様がどのように変化するかを決定するようにしてもよい。このような決定方法であっても、演出表示装置1600における保留表示が消化されるまでの間、保留表示の表示態様を順次変化させることができる。
次に、保留表示の表示期間中において、保留表示の表示態様が変化する可能性を示唆する保留変化演出について、以下に説明する。上記した保留予告演出では、保留表示の表示期間中において、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)を開始(開始条件が成立)するごとに、保留表示の表示態様を変化可能としているが、その保留表示の表示態様が変化可能なタイミングにおいて、保留表示の表示態様が変化する可能性を示唆する保留変化演出を実行可能としている。
具体的には、周辺制御基板1510において、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)を開始(開始条件が成立)する時点で、保留予告パターンに基づいて保留表示の表示態様が変化するか否かを判別し、その判別結果に対応した保留変化演出決定テーブルを選択し、その保留変化演出決定テーブルに設定された判定値と読み出した保留変化演出決定用の乱数とを比較することで、保留変化演出決定テーブルに設定された保留変化演出パターンの種別を決定する。すなわち、保留変化演出を実行するか否か、及び保留変化演出を実行する場合には保留変化演出の種別を決定する。
ここで、保留変化演出決定テーブルには、複数種類の保留変化演出パターンが設定されるものであって、保留変化演出を実行しない保留変化演出パターン(保留変化演出パターン番号1)、保留変化演出として第一の保留変化演出を実行する保留変化演出パターン(保留変化演出パターン番号2)、保留変化演出として第二の保留変化演出を実行する保留変化演出パターン(保留変化演出パターン番号3)、保留変化演出として第三の保留変化演出を実行する保留変化演出パターン(保留変化演出パターン番号4)、が設定されている。なお、保留変化演出決定テーブルは、周辺制御基板1510のROMに記憶されている。また、保留変化演出決定テーブルでは、保留変化演出を実行する保留変化演出パターン(保留変化演出パターン番号2〜4)の各々に対する判定値の振分けが同程度であり、各々の保留変化演出の出現率を同程度としているが、判定値の振分けを異ならせ、各々の保留変化演出の出現率が異なるようにしてもよい。
また、保留表示の表示態様が変化すると判別した場合に用いられる保留変化演出決定テーブルでは、保留変化演出を実行する保留変化演出パターン(保留変化演出パターン番号2〜4)のみに判定値が振り分けられているのに対し、保留表示の表示態様が変化しないと判別した場合に用いられる保留変化演出決定テーブルでは、保留変化演出を実行しない保留変化演出パターン(保留変化演出パターン番号1)に多くの判定値が振り分けられている。このように、保留表示の表示態様が変化する場合には、必ず保留変化演出を実行するものであって、保留変化演出が実行された場合には、高い確率で保留表示の表示態様が変化することから、保留変化演出の実行によって保留表示の表示態様が変化するか否かに期待をもって注目させることができる。
本実施形態では、第一特別図柄側の保留数(保留記憶数)として4つを上限としているが、その保留数に対応した個数の保留表示を、演出表示装置1600における左下領域に表示可能としている。同様に、第二特別図柄側の保留数(保留記憶数)として4つを上限としているが、その保留数に対応した個数の保留表示を、演出表示装置1600における右下領域に表示可能としている。そして、演出表示装置1600における左下領域または右下領域では、保留1(保留数=1)、保留2(保留数=2)、保留3(保留数=3)、保留4(保留数=4)の点灯時において、左側から右側に向けて順に1つの保留表示を追加するように表示している。また、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)を開始(開始条件が成立)する場合には、左下領域または右下領域の左側に表示されている保留1の保留表示を消去するのに伴い、それ以外の保留2〜4の保留表示は、表示領域に表示したままで左側に移動するように表示している。なお、保留変化演出を実行しない保留変化演出パターン(保留変化演出パターン番号1)である場合には、演出表示装置1600の表示領域に表示されている保留表示が移動した後に、保留表示の表示態様が変化することがなく、また、保留表示の表示態様が変化する可能性を示唆する保留変化演出を実行することもない。
また、本実施形態では、保留予告演出および保留変化演出が、装飾図柄の変動表示時にリーチ状態が形成されるか否かの段階である通常変動中に行われる。このため、装飾図柄の変動表示の開始後には、リーチ状態が形成されるか否かにかかわらず、保留表示に対して保留予告演出および保留変化演出が行われることに期待をもって注目させることができる。
[21−1.非確定演出後のカウントダウン演出(第一の保留変化演出)]
まず、保留変化演出として第一の保留変化演出を実行する保留変化演出パターン(保留変化演出パターン番号2)では、演出表示装置1600の表示領域に表示されている保留表示が移動した後、所定の表示色でのアイテムを有するキャラクタが出現し、表示態様が変化することとなる保留表示に対してそのキャラクタが接触するような軌道で演出表示装置1600の表示領域内を移動する確定演出と、保留表示に対してそのキャラクタが接触しない軌道で演出表示装置1600の表示領域内を移動する非確定演出と、のいずれかを実行している。この確定演出を実行した場合には、保留表示に対してキャラクタが接触することによって、そのキャラクタが接触した保留表示の表示態様が変化するのに対し、非確定演出を実行した場合には、保留表示に対してキャラクタが接触しないことによって、保留表示の表示態様が変化することがない。すなわち、保留表示に対してキャラクタが接触するか否かによって、保留表示の表示態様が変化するか否かを示唆している。また、確定演出と非確定演出とのいずれを実行した場合にも、演出表示装置1600の表示領域内をキャラクタが移動した後、そのキャラクタを演出表示装置1600の表示領域外に消去している。
なお、キャラクタが有するアイテムは、変化する可能性のある保留表示の表示態様と同様、青色、赤色、レインボー色のいずれかで表示されている。そして、保留表示に対してキャラクタが接触することによって、そのキャラクタが接触した保留表示の表示態様が変化する際には、保留表示の表示態様が、キャラクタが有するアイテムの表示色に変化するようにしている。このため、保留表示がどのような表示態様に変化する可能性があるかを、表示態様が変化するか否かよりも前に把握することができる。
また、非確定演出を実行した場合には、その非確定演出の終了後から所定期間において、所定の表示色でのアイテムを有するキャラクタが再び出現し、表示態様が変化することとなる保留表示に対してそのキャラクタが接触するような軌道で演出表示装置1600の表示領域内を移動する確定演出を実行する場合がある。一方、非確定演出の終了後から所定期間において、キャラクタが再び出現しなければ、確定演出を実行することがない。すなわち、非確定演出の終了後から所定期間には、キャラクタが再び出現するか否かによって、保留表示の態様が変化するか否かを示唆している。
図243は、第一の保留変化演出として設定された演出パターンの実行時のタイミングチャートを示す。まず、確定演出パターンは、所定の表示色でのアイテムを有するキャラクタが出現し、表示態様が変化することとなる保留表示に対してそのキャラクタが接触することによって、そのキャラクタが接触した保留表示の表示態様が変化する演出パターンである。
また、非確定演出パターンは、所定の表示色でのアイテムを有するキャラクタが出現し、保留表示に対してそのキャラクタが接触しないことによって、保留表示の表示態様が変化することがない非確定演出を、確定演出と同程度の時間だけ実行した後、所定時間にわたってカウントダウン演出を実行するが、そのカウントダウン演出の実行中に確定演出を実行することがなく、結果として保留表示の表示態様が変化することがない演出パターンである。
また、非確定演出後確定演出パターンは、所定の表示色でのアイテムを有するキャラクタが出現し、保留表示に対してそのキャラクタが接触しないことによって、保留表示の表示態様が変化することがない非確定演出を、確定演出と同程度の時間だけ実行した後、所定時間にわたってカウントダウン演出を実行し、そのカウントダウン演出の実行中にキャラクタが再び出現して確定演出を実行し、結果として保留表示の表示態様が変化する演出パターンである。また、非確定演出後確定演出パターンA〜Cは、カウントダウン演出の実行中にキャラクタが再び出現して確定演出を実行するタイミングが異なる演出パターンである。具体的には、非確定演出後確定演出パターンAは、カウントダウン演出の3秒間のうち残り2秒の時点でキャラクタが再び出現して確定演出を実行する演出パターンであり、非確定演出後確定演出パターンBは、カウントダウン演出の3秒間のうち残り1秒の時点でキャラクタが再び出現して確定演出を実行する演出パターンであり、非確定演出後確定演出パターンCは、カウントダウン演出の3秒間のうち残り0秒の時点でキャラクタが再び出現して確定演出を実行する演出パターンである。
また、非確定演出後特殊演出パターンは、所定の表示色でのアイテムを有するキャラクタが出現し、保留表示に対してそのキャラクタが接触しないことによって、保留表示の表示態様が変化することがない非確定演出を、確定演出と同程度の時間だけ実行した後、所定時間にわたってカウントダウン演出を実行し、そのカウントダウン演出の実行中に装飾図柄の変動表示として特定の図柄(本例では、通常時に出現することがない装飾図柄としてドクロ図柄)を仮停止表示し、その後に特定の図柄からリーチ図柄に変化することが確定する演出パターンである。また、カウントダウン演出の実行中に特定の図柄を仮停止表示した場合には、残り時間があったとしてもその時点でカウントダウン演出を終了し、確定演出を実行することがなく、結果として保留表示の表示態様が変化することがない演出パターンである。このように、カウントダウン演出の実行中に特定の図柄を仮停止表示した場合には、そのカウントダウン演出を終了して確定演出を実行することがないが、当該変動においてリーチが形成されることが確定し、カウントダウン演出の終了に伴って期待が減退しないようになっている。
また、非確定演出後特殊演出パターンA〜Cは、カウントダウン演出の実行中に特定の図柄を仮停止表示するタイミングが異なる演出パターンである。具体的には、非確定演出後特殊演出パターンAは、カウントダウン演出の3秒間のうち残り2秒の時点で特定の図柄を仮停止表示する演出パターンであり、非確定演出後特殊演出パターンBは、カウントダウン演出の3秒間のうち残り1秒の時点で特定の図柄を仮停止表示する演出パターンであり、非確定演出後特殊演出パターンCは、カウントダウン演出の3秒間のうち残り0秒の時点で特定の図柄を仮停止表示する演出パターンである。
次に、第一の保留変化演出の実行時における演出表示装置1600での具体的な演出例について、図244を参照して説明する。図244は、第一の保留変化演出の実行時における演出表示装置1600での具体的な演出例である。
まず、本例では、演出表示装置1600の左下領域において、第一特別図柄側の保留記憶の個数に対応した保留表示として4つの保留表示が表示されている。そして、装飾図柄の変動表示を開始する時点で、例えば、保留2の保留表示に対して第一の保留変化演出の実行が決定されている場合には、図244(A),(B)に示すように、装飾図柄の変動表示の開始後、赤色でのアイテムを有するキャラクタが、表示領域の左側から中央部分に向けて出現する。このうち、図244(A)に示すように、非確定演出を実行する場合には、表示領域の中央部分から左側に向けてキャラクタが戻る過程において、保留表示に対してそのキャラクタが接触することがなく、保留表示の表示態様が変化することがない。
一方、図244(B)に示すように、確定演出を実行する場合には、表示領域の中央部分から左側に向けてキャラクタが戻る過程において、保留2の保留表示に対してそのキャラクタが接触し、そのキャラクタが接触した保留2の保留表示の表示態様が、キャラクタが有するアイテムの赤色に変化する。このように、キャラクタが出現した場合には、表示領域の中央部分から左側に向けてキャラクタが戻る過程において、いずれかの保留表示に対してそのキャラクタが接触し、そのキャラクタが接触した保留表示の表示態様が、キャラクタが有するアイテムの赤色に変化する可能性があるが、キャラクタが出現した時点では、保留表示に対してキャラクタが接触するか否かや、いずれの保留表示に対してキャラクタが接触するか把握することができず、キャラクタの進行方向に注目させることができる。
また、図244(C)に示すように、非確定演出を実行した場合には、その非確定演出の実行後、3秒間にわたってカウントダウン演出を実行する。このカウントダウン演出では、時間の経過とともに表示領域に「3→2→1→0」と順に表示することで、確定演出が実行されるか否かの期待を煽るようにしている。
そして、図244(D)に示すように、カウントダウン演出の実行中に確定演出を実行した場合には、赤色でのアイテムを有するキャラクタが再び、表示領域の左側から中央部分に向けて出現する。このように、キャラクタが再び出現した場合には、表示領域の中央部分から左側に向けてキャラクタが戻る過程において、保留2の保留表示に対してそのキャラクタが接触し、そのキャラクタが接触した保留2の保留表示の表示態様が、キャラクタが有するアイテムの赤色に変化する。ただし、キャラクタが再び出現した場合には、表示領域の中央部分から左側に向けてキャラクタが戻る過程において、必ず、いずれかの保留表示に対してそのキャラクタが接触し、そのキャラクタが接触した保留表示の表示態様が、キャラクタが有するアイテムの赤色に変化するようにしているが、キャラクタが再び出現した時点では、いずれの保留表示に対してキャラクタが接触するか把握することができず、キャラクタの進行方向に注目させることができる。
一方、図244(E)に示すように、カウントダウン演出の実行中に装飾図柄の変動表示として特定の図柄(本例では、通常時に出現することがない装飾図柄としてドクロ図柄)を仮停止表示した場合には、残り時間があったとしてもその時点でカウントダウン演出を終了し、確定演出を実行することがなく、結果として保留表示の表示態様が変化することがない。しかしながら、図244(F),(G)に示すように、カウントダウン演出の実行中に特定の図柄を仮停止表示した場合には、その後、変動パターンに設定されているリーチ図柄が形成されるタイミングで、特定の図柄からリーチ図柄に変化する。なお、本例では、カウントダウン演出の実行中に装飾図柄の変動表示として特定の図柄を仮停止表示しているが、当該変動においてリーチが形成されることを事前に通知するものであればよい。また、カウントダウン演出の実行中に特定の図柄の仮停止表示ではなく、その時点でリーチ図柄を停止表示し、リーチが形成されることを確定させてもよい。この場合にも、リーチの形成時点でカウントダウン演出を終了し、確定演出を実行することがなく、結果として保留表示の表示態様が変化することがない。
また、図244(H)に示すように、カウントダウン演出の実行中に確定演出を実行せず、且つ、装飾図柄の変動表示として特定の図柄を仮停止表示しなかった場合には、カウントダウン演出の終了とともに、保留表示の表示態様が変化しないことが確定する。
[21−2.並行演出の繰り返し(第二の保留変化演出)]
次に、保留変化演出として第二の保留変化演出を実行する保留変化演出パターン(保留変化演出パターン番号3)では、演出表示装置1600の表示領域に表示されている保留表示が移動した後、その保留表示の近傍に複数のキャラクタが出現し、いずれかの保留表示に対して各々のキャラクタが接触するように、複数のキャラクタが同時期に演出表示装置1600の表示領域内を移動する並行演出を実行している。この並行演出では、キャラクタの数だけ保留表示に対して接触することになるが、保留表示に対するキャラクタの複数回の接触のうち、いずれかの接触において、そのキャラクタが接触した保留表示の表示態様が変化する当り時の並行演出と、いずれの接触においても、そのキャラクタが接触した保留表示の表示態様が変化しないハズレ時の並行演出と、のいずれかを実行している。
すなわち、並行演出では、、複数のキャラクタが同時期に演出表示装置1600の表示領域内を移動する際に、保留表示に対してキャラクタが接触するタイミングが同時期に発生し、保留表示の表示態様が変化するか否かのチャンスが複数回あることを通知している。
また、並行演出では、複数のキャラクタが同時期に演出表示装置1600の表示領域内を移動する際に、キャラクタの数だけ保留表示に対して接触することから、キャラクタの数だけ保留表示の表示態様が変化するか否かのチャンスを得ることができる。
また、ハズレ時の並行演出を実行した場合には、2回目の並行演出として、保留表示の近傍に複数のキャラクタが再び出現し、当り時の並行演出とハズレ時の並行演出とのいずれかを実行する場合がある。また、2回目の並行演出としてハズレ時の並行演出を実行した場合には、3回目の並行演出として、保留表示の近傍に複数のキャラクタが再び出現し、当り時の並行演出とハズレ時の並行演出とのいずれかを実行する場合がある。また、3回目の並行演出としてハズレ時の並行演出を実行した場合には、4回目の並行演出として、保留表示の近傍に複数のキャラクタが再び出現し、当り時の並行演出とハズレ時の並行演出とのうち、当り時の並行演出のみを実行する場合がある。このように、ハズレ時の並行演出を実行した場合であっても、保留表示の近傍に複数のキャラクタが再び出現する限りは、当り時の並行演出を実行する可能性があり、ハズレ時の並行演出を実行した後に複数のキャラクタが再び出現するか否かに期待をもって注目させることができる。また、4回目の並行演出では、必ず、当り時の並行演出を実行することから、ハズレ時の並行演出を実行した場合であっても、その後に並行演出が継続されるか否かに期待をもって注目させることができる。
図245は、第二の保留変化演出として設定された演出パターンの実行時のタイミングチャートを示す。まず、当り時並行演出パターンAは、保留表示の近傍に複数のキャラクタが出現し、いずれかの保留表示に対して各々のキャラクタが接触するように、複数のキャラクタが同時期に演出表示装置1600の表示領域内を移動し、保留表示に対するキャラクタの複数回の接触のうち、いずれかの接触において、そのキャラクタが接触した保留表示の表示態様が変化する当り時の並行演出を実行する演出パターンである。
また、ハズレ時並行演出パターンAは、保留表示の近傍に複数のキャラクタが出現し、いずれかの保留表示に対して各々のキャラクタが接触するように、複数のキャラクタが同時期に演出表示装置1600の表示領域内を移動し、保留表示に対するキャラクタの複数回の接触のうち、いずれの接触においても、そのキャラクタが接触した保留表示の表示態様が変化しないハズレ時の並行演出を実行する演出パターンである。
また、当り時並行演出パターンBは、並行演出を2回実行するものであって、ハズレ時の並行演出の実行後、2回目の並行演出として保留表示の近傍に複数のキャラクタが再び出現して当り時の並行演出を実行し、当り時の並行演出における保留表示に対するキャラクタの複数回の接触のうち、いずれかの接触において、そのキャラクタが接触した保留表示の表示態様が変化する演出パターンである。また、ハズレ時並行演出パターンBは、並行演出を2回実行するものであって、ハズレ時の並行演出の実行後、2回目の並行演出として保留表示の近傍に複数のキャラクタが再び出現してハズレ時の並行演出を実行し、結果として保留表示の表示態様が変化することがない演出パターンである。
また、当り時並行演出パターンCは、並行演出を3回実行するものであって、ハズレ時の並行演出の実行を2回繰り返した後、3回目の並行演出として保留表示の近傍に複数のキャラクタが再び出現して当り時の並行演出を実行し、当り時の並行演出における保留表示に対するキャラクタの複数回の接触のうち、いずれかの接触において、そのキャラクタが接触した保留表示の表示態様が変化する演出パターンである。また、ハズレ時並行演出パターンCは、並行演出を3回実行するものであって、ハズレ時の並行演出の実行を2回繰り返した後、3回目の並行演出として保留表示の近傍に複数のキャラクタが再び出現してハズレ時の並行演出を実行し、結果として保留表示の表示態様が変化することがない演出パターンである。
また、当り時並行演出パターンDは、並行演出を4回実行するものであって、ハズレ時の並行演出の実行を3回繰り返した後、4回目の並行演出として保留表示の近傍に複数のキャラクタが再び出現して当り時の並行演出を実行し、当り時の並行演出における保留表示に対するキャラクタの複数回の接触のうち、いずれかの接触において、そのキャラクタが接触した保留表示の表示態様が変化する演出パターンである。
次に、第二の保留変化演出の実行時における演出表示装置1600での具体的な演出例について、図246を参照して説明する。図246は、第二の保留変化演出の実行時における演出表示装置1600での具体的な演出例である。
まず、本例では、演出表示装置1600の左下領域において、第一特別図柄側の保留記憶の個数に対応した保留表示として4つの保留表示が表示されている。そして、装飾図柄の変動表示を開始する時点で、例えば、保留2の保留表示に対して第二の保留変化演出の実行が決定されている場合には、図246(A)に示すように、装飾図柄の変動表示の開始後、保留表示の上方側近傍に複数(本例では、8体)のキャラクタが、保留表示の下方から上方に向けて保留表示の背面側を通過しながら出現する。このように、複数のキャラクタが出現する時点では、各々のキャラクタが保留表示の背面側を通過して出現することから、演出表示装置1600に表示されている保留表示に対する視認を妨げることがない。
そして、図246(B),(C)に示すように、保留表示の上方側近傍に8体のキャラクタが出現した後、各々のキャラクタが保留1〜4の保留表示のいずれかに対して接触するように、8体のキャラクタが同時期に保留表示の下方に向けて保留表示の前面側を通過しながら流下する。また、各々のキャラクタが保留1〜4の保留表示のいずれかに対して接触した際には、その都度、キャラクタが接触した保留表示が、星印で示したように発光し、そのキャラクタが接触した保留表示の表示態様が変化する可能性があることを通知している。このように、各々のキャラクタが保留1〜4の保留表示のいずれかに対して接触する時点では、各々のキャラクタが保留表示の前面側を通過して流下するとともに、キャラクタが接触した保留表示が発光することから、演出表示装置1600に表示されている保留表示に対してキャラクタが接触したか否かを容易に把握することができる。
また、図246(B)に示すように、ハズレ時の並行演出を実行する場合には、各々のキャラクタが保留1〜4の保留表示のいずれかに対して接触した際に、いずれの接触においても、そのキャラクタが接触した保留表示の表示態様が変化しないようになっている。
一方、図246(C)に示すように、当り時の並行演出を実行する場合には、各々のキャラクタが保留1〜4の保留表示のいずれかに対して接触した際のうち、保留2の保留表示に対してキャラクタが接触した際に(保留2の保留表示に対してキャラクタの接触が複数回発生する場合には、いずれの接触回であってもよい。)、そのキャラクタが接触した保留2の保留表示の表示態様が、保留予告演出パターンにより決定されている保留表示の表示態様(本例では、赤色)に変化する。
上記した並行演出では、複数のキャラクタが出現し、各々のキャラクタが保留1〜4の保留表示のいずれかに対して接触した際には、その都度、キャラクタが接触した保留表示の表示態様が変化する可能性があることから、キャラクタの数だけ保留表示の表示態様が変化するか否かのチャンスを得ることができる。また、並行演出の開始時点で、保留表示に対して接触することとなる8体のキャラクタの全てが出現し、キャラクタの数が明示されることから、保留表示の表示態様が変化するか否かのチャンス回数を、並行演出の開始時点で把握することができる。また、並行演出では、複数のキャラクタが出現し、保留1〜4の保留表示のいずれに対してもキャラクタが接触するようにしているが、複数のキャラクタが出現した時点では、いずれの保留表示に対して各々のキャラクタが接触するかを把握することができず、保留表示に対する各々のキャラクタの進行方向に注目させることができる。加えて、各々のキャラクタが接触した保留1〜4の保留表示のうち、いずれの保留表示の表示態様が変化するかを把握することができず、保留表示に対して各々のキャラクタが接触する都度、そのキャラクタが接触した保留表示の表示態様が変化するか否かに注目させることができる。
なお、本例では、各々のキャラクタが保留1〜4の保留表示のいずれかに対して接触するようにしているが、保留表示の上方側近傍に出現した8体のキャラクタのうち、保留1〜4の保留表示のそれぞれに対して2体ずつのキャラクタが接触するようにしている。ただし、保留1〜4の保留表示のうち、保留表示の表示態様が変化することとなる保留表示に対して8体のキャラクタのうち多くのキャラクタが接触するようにしてもよい。この場合には、並行演出において、多くのキャラクタが接触した保留表示の表示態様が変化する可能性が高いことから、いずれの保留表示に対して多くのキャラクタが接触するかに特に注目させることができる。また、ハズレ時の並行演出を実行する場合には、保留表示に対してキャラクタが接触したとしても、そのキャラクタが接触した保留表示の表示態様が変化しないようにしているが、ハズレ時の並行演出の開始時点では、出現するキャラクタの数が少なくなるようにしてもよい。この場合には、並行演出の開始時点で、出現するキャラクタの数が多いか否かによって、保留表示の表示態様が変化する可能性が高いか否かを把握することができるようになる。
そして、ハズレ時の並行演出を実行した場合には、2回目の並行演出として、保留表示の上方側近傍に8体のキャラクタが再び出現し、当り時の並行演出とハズレ時の並行演出とのいずれかを実行する場合がある。また、2回目の並行演出としてハズレ時の並行演出を実行した場合には、3回目の並行演出として、保留表示の上方側近傍に8体のキャラクタが再び出現し、当り時の並行演出とハズレ時の並行演出とのいずれかを実行する場合がある。また、3回目の並行演出としてハズレ時の並行演出を実行した場合には、図246(D)に示すように、4回目の並行演出として、保留表示の上方側近傍に8体のキャラクタが再び出現し、当り時の並行演出とハズレ時の並行演出とのうち、図246(E)に示すように、当り時の並行演出のみを実行する場合がある。このように、ハズレ時の並行演出を実行した場合であっても、保留表示の上方側近傍に8体のキャラクタが再び出現する限りは、当り時の並行演出を実行する可能性があり、ハズレ時の並行演出を実行した後に8体のキャラクタが再び出現するか否かに期待をもって注目させることができる。また、4回目の並行演出では、必ず、当り時の並行演出を実行することから、ハズレ時の並行演出を実行した場合であっても、その後に並行演出が継続されるか否かに期待をもって注目させることができる。
なお、本例では、並行演出の開始時点で、保留表示の上方側近傍に複数(本例では、8体)のキャラクタを出現するようにしているが、当り時の並行演出の開始時点では、複数のキャラクタにおいて、保留表示の表示態様が変化することが確定することとなる特別のキャラクタが含まれるように出現させることを可能としている。この場合には、並行演出の開始時点で、複数のキャラクタに特別のキャラクタが含まれると、保留表示に対して特別のキャラクタが接触した際に、その特別のキャラクタが接触した保留表示の表示態様が必ず変化することから、並行演出の開始時点で出現するキャラクタの種別に注目させることができる。また、特別のキャラクタは、その出現時点から、特別のキャラクタ以外の通常のキャラクタよりも大きく表示して、特別のキャラクタが目立つようにし、複数のキャラクタに特別のキャラクタが含まれるか否かを容易に把握できるようになっている。また、複数のキャラクタは、その出現時点で、互いのキャラクタが一部重なり合うように表示しているが、複数のキャラクタに特別のキャラクタが含まれる場合には、特別のキャラクタが最前面となるように表示して、特別のキャラクタが目立つようにし、複数のキャラクタに特別のキャラクタが含まれるか否かを容易に把握できるようになっている。
[21−3.ターゲット演出後のビーム演出(第三の保留変化演出)]
次に、保留変化演出として第三の保留変化演出を実行する保留変化演出パターン(保留変化演出パターン番号4)では、演出表示装置1600の表示領域に表示されている保留表示が移動した後、キャラクタが出現するとともにキャラクタから保留表示に向けて所定の表示色での照準が出現し、表示態様が変化する可能性のある保留表示に対してその照準が合うように演出表示装置1600の表示領域内を移動する当り時のターゲット演出と、保留表示に対してその照準が合わないように演出表示装置1600の表示領域内を移動するハズレ時のターゲット演出と、のいずれかを実行している。この当り時のターゲット演出では、保留表示に対して照準が合うことによって、後述するビーム演出で、その照準が合った保留表示の表示態様が変化する可能性があるのに対し、ハズレ時のターゲット演出では、保留表示に対して照準が合わないことによって、後述するビーム演出を実行することなく、保留表示の表示態様が変化しないことが確定する。すなわち、保留表示に対して照準が合うか否かによって、保留表示の表示態様が変化する可能性があるか否かを示唆している。
なお、保留表示に対する照準は、変化する可能性のある保留表示の表示態様と同様、青色、赤色、レインボー色のいずれかで表示されている。そして、保留表示に対して照準が合うことによって、後述するビーム演出でその照準が合った保留表示の表示態様が変化する際には、保留表示の表示態様が、照準の表示色に変化するようにしている。このため、保留表示がどのような表示態様に変化する可能性があるかを、表示態様が変化するか否かよりも前に把握することができる。
また、当り時のターゲット演出を実行した場合には、当り時のターゲット演出で照準が合った保留表示に向けてビームを発射し、その照準が合った保留表示に対してビームが衝突する当り時のビーム演出と、その照準が合った保留表示に対してビームが衝突せずに跳ね返されるハズレ時のビーム演出と、のいずれかを実行している。この当り時のビーム演出では、当り時のターゲット演出で照準が合った保留表示に対してビームが衝突することによって、そのビームが衝突した保留表示の表示態様が変化するのに対し、ハズレ時のビーム演出では、当り時のターゲット演出で照準が合った保留表示に対してビームが衝突しないことによって、保留表示の表示態様が変化することがない。すなわち、保留表示に対してビームが衝突するか否かによって、保留表示の態様が変化するか否かを示唆している。このように、ターゲット演出を実行した場合には、照準の表示色により保留表示がどのような表示態様に変化する可能性があるかを通知しているものの、ターゲット演出のうち当り時のターゲット演出を実行した後にさらに当り時のビーム演出を実行しなければ、保留表示の表示態様が変化しないようになっている。
なお、ターゲット演出及びビーム演出で出現するキャラクタとしては、ターゲット演出で保留表示に対して照準が合うか否かの確率や、ビーム演出で保留表示に対してビームが衝突するか否かの確率が異なる3体のキャラクタA〜Cのいずれかが出現している。このうち、キャラクタAは、他のキャラクタと比べて、ターゲット演出で保留表示に対して照準が合う確率が高いが、ビーム演出で保留表示に対してビームが衝突する確率が低くなるように設定されている。また、キャラクタBは、他のキャラクタと比べて、ターゲット演出で保留表示に対して照準が合う確率と、ビーム演出で保留表示に対してビームが衝突する確率と、が中程度となるように設定されている。また、キャラクタCは、他のキャラクタと比べて、ターゲット演出で保留表示に対して照準が合う確率が低いが、ビーム演出で保留表示に対してビームが衝突する確率が高くなるように設定されている。このように、ターゲット演出の開始時に出現したキャラクタの種類によって、ターゲット演出及びビーム演出のそれぞれの期待度を異ならせることで、それらの演出に対する注目度合いを異ならせることができる。
図247は、第三の保留変化演出として設定された演出パターンの実行時のタイミングチャートを示す。まず、ハズレ時のターゲット演出パターンは、キャラクタが出現するとともにキャラクタから保留表示に向けて所定の表示色での照準が出現し、保留表示に対して照準が合わないことによって、ビーム演出を実行することなく、保留表示の表示態様が変化しないことが確定するハズレ時のターゲット演出を実行する演出パターンである。
また、当り時のビーム演出パターンは、キャラクタが出現するとともにキャラクタから保留表示に向けて所定の表示色での照準が出現し、保留表示に対して照準が合うことによって、その照準が合った保留表示の表示態様が変化する可能性を示唆する当り時のターゲット演出を実行した後、照準が合った保留表示に向けてビームを発射し、その照準が合った保留表示に対してビームが衝突することによって、そのビームが衝突した保留表示の表示態様が変化する当り時のビーム演出を実行する演出パターンである。
また、ハズレ時のビーム演出パターンは、キャラクタが出現するとともにキャラクタから保留表示に向けて所定の表示色での照準が出現し、保留表示に対して照準が合うことによって、その照準が合った保留表示の表示態様が変化する可能性を示唆する当り時のターゲット演出を実行した後、照準が合った保留表示に向けてビームを発射し、その照準が合った保留表示に対してビームが衝突しないことによって、保留表示の表示態様が変化しないことが確定するハズレ時のビーム演出を実行する演出パターンである。
次に、第三の保留変化演出の実行時における演出表示装置1600での具体的な演出例について、図248を参照して説明する。図248は、第三の保留変化演出の実行時における演出表示装置1600での具体的な演出例である。
まず、本例では、演出表示装置1600の左下領域において、第一特別図柄側の保留記憶の個数に対応した保留表示として4つの保留表示が表示されている。そして、装飾図柄の変動表示を開始する時点で、例えば、保留2の保留表示に対して第三の保留変化演出の実行が決定されている場合には、図248(A)に示すように、装飾図柄の変動表示の開始後、表示領域の右側にキャラクタが出現するとともに、キャラクタから保留表示に向けられた赤色での2つの照準が保留表示の近傍に出現する。これら2つの照準は、保留1〜4の保留表示のいずれかに対してそれぞれの照準が合ったり合わなかったりを繰り返すことで、期待を煽るようにしている。このように、赤色での2つの照準が出現した場合には、保留表示の表示態様が、照準の表示色である赤色に変化する可能性があることを把握しうるが、赤色での2つの照準が出現した時点では、保留表示に対して照準が合うか否かや、いずれの保留表示に対して照準が合うかを把握することができず、2つの照準の進行方向に注目させることができる。
そして、図248(B)に示すように、当り時のターゲット演出を実行する場合には、赤色での2つの照準が出現してから所定時間の経過後において、保留2の保留表示に対してその2つの照準が合うようにしている。一方、図248(C)に示すように、ハズレ時のターゲット演出を実行する場合には、赤色での2つの照準が出現してから所定時間の経過後において、保留表示に対してその2つの照準が合うことなく消去され、保留表示の表示態様が変化しないことが確定する。このように、保留2の保留表示に対して2つの照準が合った場合には、保留2の保留表示の表示態様が、照準の表示色である赤色に変化する可能性があることを把握しうるが、保留2の保留表示に対して2つの照準が合った時点では、実際に保留2の保留表示の表示態様が変化するか否かを把握することができず、その後のビーム演出で、保留2の保留表示の表示態様が変化するか否かに注目させることができる。
また、図248(C)に示すように、当り時のターゲット演出の実行後にはビーム演出を実行するが、ビーム演出では、当り時のターゲット演出で照準が合った保留2の保留表示に向けてビームを発射する。そして、図248(D)に示すように、当り時のビーム演出を実行する場合には、当り時のターゲット演出で照準が合った保留2の保留表示に対してビームが衝突し、そのビームが衝突した保留2の保留表示の表示態様が、照準の表示色である赤色に変化する。一方、図248(E)に示すように、ハズレ時のビーム演出を実行する場合には、当り時のターゲット演出で照準が合った保留2の保留表示に対してビームが衝突せずに跳ね返され、保留2の保留表示の表示態様が変化しないようになっている。
上記したターゲット演出では、照準の表示色により保留表示がどのような表示態様に変化する可能性があるかを通知した後、いずれかの保留表示に対して照準が合うか否かにより保留表示の表示態様が変化する可能性が継続するか否かや、表示態様が変化する可能性のある保留表示がいずれであるのかを通知し、当り時のターゲット演出の実行後のビーム演出では、照準が合った保留表示に対してビームが衝突するか否かにより保留表示の表示態様が変化するか否かを通知し、段階的に通知するようにしている。このように、保留表示の表示態様が変化するまでを段階的に通知することで、各々の段階で異なる期待をもたせながら、ターゲット演出及びビーム演出の終了時までその演出内容に注目させることができる。
なお、本例では、ターゲット演出で2つの照準が出現し、いずれかの保留表示に対して照準が合う場合には、保留1〜4の保留表示のうち同一の保留表示に対して2つの照準のいずれもが合うようにしているが、以下のようなパターンを設定してもよい。例えば、2つの照準のうち、いずれかの保留表示に対して1つ目の照準が合うようにし、いずれの保留表示に対しても2つ目の照準が合わないようなパターンを設定してもよい。また、2つの照準のうち、いずれかの保留表示に対して1つ目の照準が合うようにし、1つ目の照準が合った保留表示とは別の保留表示に対して2つ目の照準が合うようなパターンを設定してもよい。ただし、2つの異なる保留表示に対して2つの照準のそれぞれが合った場合には、その後のビーム演出で照準が合った保留表示に向けてビームを発射する際に、2つの異なる保留表示のそれぞれに向けてビームを発射することとし、また、2つの異なる保留表示の少なくとも一方に対してはビームが衝突することなく、そのビームが衝突しなかった保留表示の表示態様が変化しないこととしている。また、同一の保留表示に対して2つの照準のいずれもが合った場合には、他のパターンと比べて、その後のビーム演出で2つの照準が合った保留表示に対してビームが衝突する確率を高くし、保留表示の表示態様が変化する確率を高くすることとしている。このような場合には、ターゲット演出で保留表示に対して照準が合うか否かの段階で、同一の保留表示に対して2つの照準が合うか、異なる保留表示に対して2つの照準が合うかにも注目させることができる。
また、上記では、2つの照準のうち、1つ目の照準の表示色と、2つ目の照準の表示色とが異なるパターンを設定してもよい。また、ターゲット演出でキャラクタを2体出現させ、1つ目の照準を有するキャラクタと、2つ目の照準を有するキャラクタとが異なるパターンを設定し、ビーム演出で照準が合った保留表示に向けてビームを発射する際に、各々のキャラクタが保留表示に向けてビームを発射するようにしてもよい。
[22.複数変動にまたがったストック演出]
本実施形態では、主制御基板1310から送信される変動パターンコマンドに基づいて、装飾図柄の変動表示中(特別図柄の変動表示中)に押圧操作部303の操作を有効とする操作有効時間を設定し、その操作有効時間にわたって押圧操作部303を操作することが可能な操作演出を実行可能としている。また、第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入賞(始動条件が成立)したときには、主制御基板1310から事前判定コマンドが送信されるが、その事前判定コマンドから特定される遊技演出の態様種別(変動パターンの種別)などの事前判定情報として、操作演出を実行することとなる変動パターンが特定された場合には、その操作演出の実行の事前判定時から操作演出の実行までの間に設定される複数のタイミングで、複数種類の加算時間のうちいずれかの加算時間を順次加算するストック演出を実行可能としている。なお、本例では、操作演出の実行の事前判定時から操作演出の実行までの間のうち、少なくとも保留消化ごと(特別図柄の変動表示ごと)に、複数種類の加算時間のうちいずれかの加算時間を順次加算することを可能としている。
また、操作演出の実行の事前判定時には、その操作演出で設定される操作有効時間を特定することとし、ストック演出で加算される加算時間の合計が操作有効時間と一致するようにストック演出で順次加算される加算時間を設定することで、操作演出の実行時には、ストック演出で加算される加算時間の合計である操作有効時間にわたって押圧操作部303を操作し続ける(長押しする)ことを可能としている。
図249は、操作演出の実行を事前判定した場合における複数変動にまたがったストック演出の実行時のタイミングチャートを示す。図249(A)に示すように、保留4点灯時(保留数=4)に操作演出の実行を事前判定した場合には、保留消化時に操作演出を実行するまでの間に、所定の加算時間を加算するタイミングとして、6回のストック時期が設定されている。具体的には、所定の加算時間を加算するタイミングとして、保留3変化時の変動中にストック時期6、保留2変化時の変動中にストック時期5、保留1変化時の変動中にストック時期4、保留消化時の変動中における操作演出の実行前にストック時期1〜3、からなる合計6回のストック時期が設定されている。このように、操作演出の実行の事前判定時から操作演出の実行までの間のうち、操作演出を実行することとなる保留消化前には、各々の保留変化時に1回ずつのストック時期が設定されるとともに、操作演出を実行することとなる保留消化時には、3回のストック時期が設定されている。
また、図249(B)に示すように、保留3点灯時(保留数=3)に操作演出の実行を事前判定した場合には、保留消化時に操作演出を実行するまでの間に、所定の加算時間を加算するタイミングとして、5回のストック時期が設定されている。具体的には、所定の加算時間を加算するタイミングとして、保留2変化時の変動中にストック時期5、保留1変化時の変動中にストック時期4、保留消化時の変動中における操作演出の実行前にストック時期1〜3、からなる合計5回のストック時期が設定されている。
また、図249(C)に示すように、保留2点灯時(保留数=2)に操作演出の実行を事前判定した場合には、保留消化時に操作演出を実行するまでの間に、所定の加算時間を加算するタイミングとして、4回のストック時期が設定されている。具体的には、所定の加算時間を加算するタイミングとして、保留1変化時の変動中にストック時期4、保留消化時の変動中における操作演出の実行前にストック時期1〜3、からなる合計6回のストック時期が設定されている。
また、図249(D)に示すように、保留1点灯時(保留数=1)に操作演出の実行を事前判定した場合には、保留消化時に操作演出を実行するまでの間に、所定の加算時間を加算するタイミングとして、3回のタイミングが設定されている。具体的には、所定の加算時間を加算するタイミングとして、保留消化時の変動中における操作演出の実行前にストック時期1〜3、からなる合計3回のストック時期が設定されている。
図250(A)に示すように、操作演出に用いられる操作有効時間としては、5〜10秒のいずれかが設定されており、操作演出を実行することとなる変動パターンとして、各々の操作有効時間を有する複数種類の変動パターンが設定されている。また、所定の加算時間を加算する各々のタイミングでは、加算時間として0〜5秒のいずれかが設定されている。なお、加算時間が0秒である場合には、加算時間が増加しないこととなる。そして、操作演出の実行の事前判定時には、その操作演出で設定される操作有効時間を特定し、ストック演出で加算される加算時間の合計が操作有効時間と一致するように、各々のタイミングで加算される加算時間を予め決定することとし、操作演出の実行までの間には、その予め決定された加算時間を順次加算することとしている。
なお、操作演出に用いられる操作有効時間としては、5〜10秒のいずれかの他、∞(無限大)も設定されているが、この∞は、操作演出を実行することとなる変動パターンのうち、当り時の変動パターンにのみ設定されている。また、操作演出の実行の事前判定時において、その操作演出で設定される操作有効時間として∞を特定した場合には、所定の加算時間を加算する複数のタイミングのうち、いずれかのタイミングで加算される加算時間を∞に予め決定し、そのタイミングで∞の加算時間を加算することで、操作有効時間である∞と一致することとしている。このように、ストック演出で∞の加算時間が加算された場合には、操作演出を実行することとなる装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)の結果として必ず当りを導出することから、加算時間として∞を加算するか否かに期待をもって注目させることができる。ただし、ストック演出で加算される加算時間が∞である場合には、操作演出に用いられる操作有効時間が∞であると通知されるものの、操作演出の実行時には、操作有効時間が10秒であると通知される場合と同様に、10秒の経過時点で操作有効時間が終了するように設定されることとしている。
また、操作演出を実行することとなる変動パターンを決定する場合には、操作演出に用いられる操作有効時間が長くなるほど、大当り期待度が高くなるように変動パターンを決定している。また、ストック演出で加算される加算時間の合計が操作有効時間と一致することから、各々のタイミングで加算される加算時間が長くなるほど、操作有効時間が長くなる確率が高くなる。このように、操作演出に用いられる操作有効時間が長いほど、操作演出を実行することとなる装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)の結果として当りを導出する確率が高くなることから、各々のタイミングで加算される加算時間や、加算時間の合計である操作有効時間が長いものであるか否かに期待をもって注目させることができる。
図250(B)に示すように、保留4点灯時(保留数=4)に操作演出の実行を事前判定した場合には、保留消化時に操作演出を実行するまでの間に、所定の加算時間を加算するタイミングとして、6回のストック時期が設定されているため、その6回のタイミングで加算される加算時間の合計が操作有効時間と一致するように、保留4時シナリオ決定テーブルを用いて、各々のタイミングで加算される加算時間を予め決定することとしている。具体的には、操作有効時間として10秒を事前判定した場合には、シナリオPTN_保4_A1〜A3のいずれかを決定するようにし、例えば、シナリオPTN_保4_A3を決定した場合には、加算時間としてストック時期6に2秒、ストック時期5に0秒(加算しない)、ストック時期4に1秒、ストック時期3に1秒、ストック時期2に1秒、ストック時期1に1秒を予め決定し、その6回のタイミングで予め決定された加算時間を順次加算することで、操作有効時間である10秒と一致するようにしている。また、操作有効時間として∞(10)秒を事前判定した場合には、シナリオPTN_保4_B1〜B3のいずれかを決定しているが、そのようなシナリオPTN_保4_B1〜B3では、0秒ではない加算時間が加算されるストック時期のうち最後のタイミングで、∞の加算時間を加算するようにしている。
また、図250(C)に示すように、保留3点灯時(保留数=3)に操作演出の実行を事前判定した場合には、保留消化時に操作演出を実行するまでの間に、所定の加算時間を加算するタイミングとして、5回のストック時期が設定されているため、その5回のタイミングで加算される加算時間の合計が操作有効時間と一致するように、保留3時シナリオ決定テーブルを用いて、各々のタイミングで加算される加算時間を予め決定することとしている。同様に、保留2点灯時(保留数=2)に操作演出の実行を事前判定した場合や、保留1点灯時(保留数=1)に操作演出の実行を事前判定した場合にも、各々に対応するシナリオ決定テーブル(図示しない)を用いて、各々のタイミングで加算される加算時間を予め決定することとしている。
また、操作演出では、操作有効時間にわたって押圧操作部303を操作することを可能にするとともに、押圧操作部303を操作し続けることで所定のメータが上昇することを可能とし、操作有効時間内に所定のメータが上限に達するか否かの演出を実行している。
また、操作演出を実行することとなる変動パターンのうち、当り時の変動パターンが決定されている場合には、操作演出で押圧操作部303を操作し続けることで、操作有効時間内に所定のメータが上限に達することが可能であるのに対し、ハズレ時の変動パターンが決定されている場合には、操作演出で押圧操作部303を操作し続けたとしても、操作有効時間内に所定のメータが上限に達しないようになっている。ただし、当り時の変動パターンが決定されている場合には、操作演出で押圧操作部303を操作していないときや、操作演出で押圧操作部303を操作したにもかかわらず所定のメータが上限に達していないときなど、操作有効時間の経過時点で、所定のメータが上限に達していないと判断すると、その操作有効時間の経過時点で、所定のメータが上限に達するようにしている。すなわち、操作有効期間内に所定のメータが上限に達するか否かによって、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)の結果として当りを導出するか否かを通知している。また、上記したように、操作演出を実行することとなる変動パターンを決定する場合には、操作演出に用いられる操作有効時間が長くなるほど、大当り期待度が高くなるように変動パターンを決定していることから、操作演出に用いられる操作有効時間が長くなるほど、操作有効期間内に所定のメータが上限に達する確率が高くなり、操作有効時間内に期待をもって押圧操作部303を操作させることができる。
次に、ストック演出および操作演出の実行時における演出表示装置1600での具体的な演出例について、図251及び図252を参照して説明する。図251及び図252は、ストック演出および操作演出の実行時における演出表示装置1600での具体的な演出例である。
まず、本例では、保留4点灯時(保留数=4)に操作演出の実行を事前判定した場合には、その操作演出で設定される操作有効時間を特定し、ストック演出で加算される加算時間の合計が操作有効時間と一致するように、保留3変化時の変動中にストック時期6、保留2変化時の変動中にストック時期5、保留1変化時の変動中にストック時期4、保留消化時の変動中における操作演出の実行前にストック時期1〜3、の各々のタイミングで加算される加算時間を予め決定している。そして、図251(A)に示すように、装飾図柄の変動表示を開始する時点で、例えば、保留3変化時の変動中に加算される加算時間として2秒が決定されている場合には、図251(B)に示すように、装飾図柄の変動表示の開始後、表示領域の略中央部分に「2:00STOCK」と表示し、ストック演出で加算される加算時間が2秒であることを通知している。
また、図251(C)に示すように、ストック演出の実行中には、表示領域の上側にストック演出で加算された加算時間の合計を表示するようにし、例えば、加算時間として2秒が加算された場合には、表示領域の上側に「TOTAL2:00」と表示し、ストック演出で加算された加算時間の合計が2秒であることを通知している。そして、操作演出を実行することとなる保留消化時までの間、保留順序が変化するごとに(装飾図柄の変動表示を開始するごとに)、ストック演出での加算時間の加算を繰り返して、ストック演出で加算された加算時間の合計が段階的に増加しうるようにしている。同様に、操作演出を実行することとなる保留消化時の装飾図柄の変動表示中においても、操作演出の実行前に、ストック演出での加算時間の加算を繰り返して、ストック演出で加算された加算時間の合計が段階的に増加しうるようにしている。
また、図252(D)に示すように、操作演出の開始時には、まず、表示領域の上側に「TOTAL5:00」と表示し、ストック演出で加算された加算時間の合計、すなわち押圧操作部303の操作を有効とする操作有効時間が5秒であることを通知している。また、表示領域の略中央部分には、「時間内に図柄を揃えろ!」とのメッセージを表示するとともに、その背後において、大当り図柄である「777」の数字図柄を半透明の態様で表示している。
また、図252(E)に示すように、操作演出の開始後には、表示領域の上側に、時間の経過とともに操作有効時間からその時間を減算した残り時間(本例では、「残り3:30」)を表示している。また、表示領域の略中央部分には、押圧操作部303を模した画像を表示するとともに、押圧操作部303を操作し続ける(長押しする)ことを指示するメッセージを表示している。そして、操作有効時間内に押圧操作部303を操作し続けたときには、半透明の数字図柄の内部に描かれたメータが段階的に上昇するようにし、不透明の領域が増加することで大当り図柄が完成に近づくようになっている。
なお、押圧操作部303を模した画像としては、青色、赤色、レインボー色のいずれかで表示されるように3つの表示態様が設けられている。そして、青色、赤色、レインボー色の順序で大当り期待度が高くなるように設定されている。このため、押圧操作部303を模した画像として大当り期待度の高い表示態様が表示されたときには、操作有効時間内にメータが上限に達する確率が高く、操作演出に参加する意欲を高めることができる。
また、ストック演出で加算された加算時間の合計である操作有効時間が短いほど、押圧操作部303を操作した時間に対するメータの上昇スピードが速くなるように設定されている。また、操作有効時間の残り時間が短いほど、押圧操作部303を操作した時間に対するメータの上昇スピードが速くなるように設定されている。また、当り時の変動パターンが決定されている場合には、押圧操作部303を操作した時間に対するメータの上昇スピードが速くなるように設定されているのに対し、ハズレ時の変動パターンが決定されている場合には、押圧操作部303を操作した時間に対するメータの上昇スピードが遅くなるように設定されている。このようなメータの上昇スピードのコントロールによって、操作有効時間内にメータが上限に達するか否かを効果的に楽しませることができる。
そして、図252(F)に示すように、操作有効時間内にメータが上限に達したときには、大当り図柄である「777」の数字図柄が完成し、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)の結果が大当りであることを通知している。なお、当り時の変動パターンが決定されている場合には、操作有効時間内に押圧操作部303を操作し続けることでメータが上限に達することを可能としているが、押圧操作部303を操作していないときや、押圧操作部303を操作したにもかかわらずメータが上限に達していないときなど、操作有効時間の経過時点で、メータが上限に達していないと判断すると、その操作有効時間の経過時点で、メータが上限に達するようにしている。
一方、図252(G)に示すように、操作有効時間内にメータが上限に達しなかったときには、大当り図柄である「777」の数字図柄が完成することなく、操作有効時間の経過時点で、「TIME UP」とのメッセージを表示し、装飾図柄の変動表示(特別図柄の変動表示)の結果がハズレであることを通知している。なお、ハズレ時の変動パターンが決定されている場合には、操作有効時間内に押圧操作部303を操作し続けたとしても、メータが上限に達することがないようにしている。
[22−1.操作演出の操作直前態様の事前判定時におけるストック演出]
上記した実施形態では、操作演出の実行時において、所定の操作有効時間にわたって押圧操作部303を操作し続ける(長押しする)ことを可能とし、その操作演出の実行の事前判定時には、加算時間の合計が操作有効時間と一致するように加算時間を順次加算するストック演出を実行することとしているが、本例では、操作演出の実行時において、押圧操作部303の操作直前に所定の操作直前態様で押圧操作部303が動作することを可能とし、その操作演出の実行の事前判定時には、操作演出で動作する操作直前態様の内容を順次ストックするストック演出を実行することとしている。
具体的には、第一始動口2002又は第二始動口2004に遊技球が入賞(始動条件が成立)したときには、主制御基板1310から事前判定コマンドが送信されるが、その事前判定コマンドから特定される遊技演出の態様種別(変動パターンの種別)などの事前判定情報として、所定の操作直前態様を有する操作演出を実行することとなる変動パターンが特定された場合には、その操作演出の実行の事前判定時から操作演出の実行までの間に設定される複数のタイミングで、操作演出で動作する操作直前態様の内容を順次ストックするストック演出を実行可能としている。なお、操作演出で動作する操作直前態様の内容をストックするタイミングとしては、上記した所定の加算時間を加算するタイミングと同様にストック時期が設けられている。すなわち、操作演出の実行の事前判定時から操作演出の実行までの間のうち、操作演出を実行することとなる保留消化前には、各々の保留変化時に1回ずつのストック時期が設定されるとともに、操作演出を実行することとなる保留消化時には、3回のストック時期が設定されている。
図253(A)に示すように、操作演出で動作する操作直前態様の内容としては、押圧操作部303が突出するか否か、押圧操作部303が強弱のいずれかで振動するか否か、押圧操作部303が赤色、緑色、青色のいずれかで点灯するか否か、の組み合わせが設定されており、操作演出を実行することとなる変動パターンとして、各々の操作直前態様の内容を有する複数種類の変動パターンが設定されている。また、操作演出で動作する操作直前態様の内容をストックする各々のタイミングでは、押圧操作部303が突出するか、押圧操作部303が強弱のいずれかで振動するか、押圧操作部303が赤色、緑色、青色のいずれかで点灯するか、のいずれかの内容が設定されている。そして、操作演出の実行の事前判定時には、その操作演出で動作する操作直前態様の内容を特定し、ストック演出でストックされる操作直前態様の内容が、操作演出で動作する操作直前態様の内容と一致するように、各々のタイミングでストックされる操作直前態様の内容を予め決定することとし、操作演出の実行までの間には、その予め決定された操作直前態様の内容を順次ストックすることとしている。
なお、操作演出を実行することとなる変動パターンを決定する場合には、操作演出で動作する操作直前態様の内容として、押圧操作部303が突出するか否か、押圧操作部303が強弱のいずれかで振動するか否か、押圧操作部303が赤色、緑色、青色のいずれかで点灯するか否か、の組み合わせによって、大当り期待度が異なるように変動パターンを決定している。原則としては、押圧操作部303が点灯、振動、突出の順序で、大当り期待度が高くなるように変動パターンを決定している。また、押圧操作部303が点灯する操作直前態様では、青色→緑色→赤色の順序で、大当り期待度が高くなるように変動パターンを決定するようにし、押圧操作部303が振動する操作直前態様では、弱振動→強振動の順序で、大当り期待度が高くなるように変動パターンを決定している。
図253(B)に示すように、保留4点灯時(保留数=4)に操作演出の実行を事前判定した場合には、保留消化時に操作演出を実行するまでの間に、操作演出で動作する操作直前態様の内容をストックするタイミングとして、6回のストック時期が設定されているため、その6回のタイミングでストックされる操作直前態様の内容が、操作演出で動作する操作直前態様の内容と一致するように、保留4時シナリオ決定テーブルを用いて、各々のタイミングでストックされる操作直前態様の内容を予め決定することとしている。具体的には、操作演出で動作する操作直前態様の内容として操作直前態様1(突出&振動A&赤)を事前判定した場合には、シナリオPTN_保4_A1〜A5のいずれかを決定するようにし、例えば、シナリオPTN_保4_A1を決定した場合には、ストック時期6に押圧操作部303が突出する通知、ストック時期5に押圧操作部303が強振動する通知、ストック時期4に押圧操作部303が赤色で点灯する通知、ストック時期1〜3に何らストックしない通知を予め決定し、その6回のタイミングで予め決定された操作直前態様の内容を順次ストックすることで、操作演出で動作する操作直前態様の内容と一致するようにしている。なお、本例では、操作演出で動作する操作直前態様の内容が操作直前態様1(突出&振動A&赤)である場合には、複数種類の操作直前態様のうちもっとも大当り期待度が高いことから、押圧操作部303が突出する通知、押圧操作部303が強振動する通知、押圧操作部303が赤色で点灯する通知、の全てを通知した時点で、祝福のメッセージなどを通知する祝福演出を実行している。また、本例では、シナリオPTN_保4_A1のストック時期1〜3のように、ストック時期でありながらも操作直前態様の内容を何らストックしない場合には、そのストックしないことを通知する残念演出を実行している。
また、操作直前態様の内容に押圧操作部303が赤色で点灯することが含まれている場合には、例えば、シナリオPTN_保4_A3のように、押圧操作部303が赤色で点灯することを通知するよりも前のストック時期に、赤色よりも大当り期待度が低い色である青色や緑色で点灯することを通知可能にしている。このように、本例では、大当り期待度の順序である緑色→青色→赤色の順序で、事前判定された押圧操作部303の色まで通知することを可能にしている。このため、大当り期待度の低い色で点灯することを通知した場合であっても、その後のストック時期に、大当り期待度が高い色で点灯することの通知に変化するか否かに注目させることができる。
また、操作直前態様の内容に押圧操作部303が強振動することが含まれている場合には、例えば、シナリオPTN_保4_A4のように、押圧操作部303が強振動することを通知するよりも前のストック時期に、強振動よりも大当り期待度が低い振動態様である弱振動することを通知可能にしている。このように、本例では、大当り期待度の順序である弱振動→強振動の順序で、事前判定された押圧操作部303の振動態様まで通知することを可能にしている。このため、大当り期待度の低い弱振動することを通知した場合であっても、その後のストック時期に、大当り期待度が高い強振動することの通知に変化するか否かに注目させることができる。
また、操作演出で動作する操作直前態様の内容として操作直前態様18(突出なし&振動なし&青)を事前判定した場合には、シナリオPTN_保4_B1〜B3のいずれかを決定するようにしているが、そのようなシナリオPTN_保4_B1〜B3では、ストック時期4〜6のいずれかのタイミングで、押圧操作部303が青色で点灯することを通知するようにしている。
また、図253(C)に示すように、保留3点灯時(保留数=3)に操作演出の実行を事前判定した場合には、保留消化時に操作演出を実行するまでの間に、操作演出で動作する操作直前態様の内容をストックするタイミングとして、5回のストック時期が設定されているため、その5回のタイミングでストックされる操作直前態様の内容が、操作演出で動作する操作直前態様の内容と一致するように、保留3時シナリオ決定テーブルを用いて、各々のタイミングでストックされる操作直前態様の内容を予め決定することとしている。同様に、保留2点灯時(保留数=2)に操作演出の実行を事前判定した場合や、保留1点灯時(保留数=1)に操作演出の実行を事前判定した場合にも、各々に対応するシナリオ決定テーブル(図示しない)を用いて、各々のタイミングでストックされる操作直前態様の内容を予め決定することとしている。
次に、操作直前態様の内容をストックするストック演出および操作演出の実行時における演出表示装置1600での具体的な演出例について、図254を参照して説明する。図254は、操作直前態様の内容をストックするストック演出および操作演出の実行時における演出表示装置1600での具体的な演出例である。
まず、本例では、保留4点灯時(保留数=4)に操作演出の実行を事前判定した場合には、その操作演出で動作する操作直前態様の内容を特定し、ストック演出でストックされる操作直前態様の内容が、操作演出で動作する操作直前態様の内容と一致するように、保留3変化時の変動中にストック時期6、保留2変化時の変動中にストック時期5、保留1変化時の変動中にストック時期4、保留消化時の変動中における操作演出の実行前にストック時期1〜3、の各々のタイミングでストックされる操作直前態様の内容を予め決定している。そして、図254(A)に示すように、装飾図柄の変動表示を開始する時点で、例えば、保留3変化時の変動中にストックされる操作直前態様の内容として、押圧操作部303が赤色で点灯することの通知が決定されている場合には、図254(B)に示すように、装飾図柄の変動表示の開始後、表示領域の略中央部分に「ボタン赤STOCK」と表示し、ストック演出でストックされる操作直前態様の内容が、押圧操作部303の赤色での点灯であることを通知している。
また、装飾図柄の変動表示を開始する時点で、例えば、保留3変化時の変動中にストックされる操作直前態様の内容として、押圧操作部303が強振動することの通知が決定されている場合には、図254(C)に示すように、装飾図柄の変動表示の開始後、表示領域の略中央部分に「ボタン振動A STOCK」と表示し、ストック演出でストックされる操作直前態様の内容が、押圧操作部303の強振動であることを通知している。また、装飾図柄の変動表示を開始する時点で、例えば、保留3変化時の変動中にストックされる操作直前態様の内容として、押圧操作部303が突出することの通知が決定されている場合には、図254(D)に示すように、装飾図柄の変動表示の開始後、表示領域の略中央部分に「ボタン突出STOCK」と表示し、ストック演出でストックされる操作直前態様の内容が、押圧操作部303の突出であることを通知している。
また、図254(E)に示すように、ストック演出の実行中には、表示領域の上側にストック演出でストックされた操作直前態様の内容の一覧を表示するようにし、例えば、操作直前態様の内容として押圧操作部303の赤色での点灯がストックされた場合には、表示領域の上側に「ボタン赤STOCK済み」のように表示し、ストック演出でストックされた操作直前態様の内容が、押圧操作部303の赤色での点灯であることを通知している。そして、操作演出を実行することとなる保留消化時までの間、保留順序が変化するごとに(装飾図柄の変動表示を開始するごとに)、ストック演出での操作直前態様の内容のストックを繰り返して、ストック演出でストックされた操作直前態様の内容が段階的に増加しうるようにしている。同様に、操作演出を実行することとなる保留消化時の装飾図柄の変動表示中においても、操作演出の実行前に、ストック演出での操作直前態様の内容のストックを繰り返して、ストック演出でストックされた操作直前態様の内容が段階的に増加しうるようにしている。
また、図254(F)に示すように、操作演出の開始時、すなわち押圧操作部303の操作直前には、ストック演出でストックされた操作直前態様の内容で、押圧操作部303を一括して動作している。例えば、操作演出で動作する操作直前態様の内容が操作直前態様1(突出&振動A&赤)である場合には、押圧操作部303が赤色で点灯し、強振動し、さらに突出するように動作している。なお、操作直前態様の内容での押圧操作部303の動作中には、表示領域の上側に「STOCK放出中」と表示している。そして、操作演出では、上記した加算時間を加算するストック演出の実行後における操作演出と同様に、操作有効時間にわたって押圧操作部303を操作することを可能にするとともに、押圧操作部303を操作し続けることで所定のメータが上昇することを可能とし、操作有効時間内に所定のメータが上限に達するか否かの演出を実行している。
なお、本例では、ストック演出でストックされた操作直前態様の内容が、押圧操作部303の振動である場合には、押圧操作部303の操作直前に押圧操作部303が振動しているが、押圧操作部303の操作直後に押圧操作部303が振動するようにしてもよい。
また、本例では、ストック演出で操作直前態様の内容がストックされた後、押圧操作部303の操作直前に、その操作直前態様の内容で、押圧操作部303を一括して動作しているが、ストック演出で操作直前態様の内容がストックされた時点で、一旦、その操作直前態様の内容で、押圧操作部303を動作するようにしてもよい。また、ストック演出で操作直前態様の内容がストックされた時点から押圧操作部303の操作直前までの間、その操作直前態様の内容での押圧操作部303の動作を維持するようにしてもよい。このような場合には、表示領域に対する視認によらずとも、ストック演出で操作直前態様の内容がストックされた時点で、その操作直前態様の内容を把握することができる。
[23.保留の候補が短期間に複数個表示される保留変化演出]
本実施形態では、保留の候補が短期間に複数個表示される保留変化演出の実施形態を示す。
まず、図255を参照して、本実施形態における保留変化演出において演出表示装置1600の表示領域に表示される各種の画像及びこれらの画像が表示される各種の表示エリアについて説明する。
図255(A)は演出表示装置1600の表示領域全体の表示例を示したものである。具体的には、第一始動口2002の保留記憶数と第二始動口2004の保留記憶数がともに「0」であり、前回の特別図柄の変動がはずれで終了したときの演出表示装置1600の表示領域全体の表示例を示したものである。
演出表示装置1600の表示領域には、複数の画像が表示されているが、その最背面には背景として背景画像BG1が表示されている。
演出表示装置1600の表示領域の上側の左から中央にかけての領域には、装飾図柄の変動表示が行われる装飾図柄表示エリアSZAが設定されている。図中において装飾図柄表示エリアSZAには、左装飾図柄HSZとして数字の「3」が、中装飾図柄NSZとして数字の「1」が、右装飾図柄MSZとして数字の「6」がそれぞれ停止した状態で表示されている。
演出表示装置1600の表示領域の右上の領域には、サブ装飾図柄表示エリアSSAが設定されている。図中においてサブ装飾図柄表示エリアSSAには、左装飾図柄HSZ〜右装飾図柄MSZに対応した表示として数字の「3」、「1」、「6」がそれぞれ停止した状態で表示されている。
サブ装飾図柄表示エリアSSAに表示される装飾図柄の停止態様と装飾図柄表示エリアSZAに表示される左装飾図柄HSZ〜右装飾図柄MSZの停止態様は同一であり、いずれも第一特別図柄表示器で変動表示される第一特別図柄の変動表示結果に対応したものである。
演出表示装置1600の表示領域の左下の領域には、第1保留表示エリアHRA1〜第4保留表示エリアHRA4が設定されている。第1保留表示エリアHRA1〜第4保留表示エリアHRA4は、第一特別図柄保留記憶領域における保留記憶に対応しており、第1保留表示エリアHRA1〜第4保留表示エリアHRA4には、第一特別図柄保留記憶領域における保留記憶数に応じて、後述する松保留MTHかコイン保留CNHが表示される。図中において、第1保留表示エリアHRA1〜第4保留表示エリアHRA4には何も表示されておらず、背景画像BG1が視認可能な状態である。
サブ装飾図柄表示エリアSSAの下方には、保留数表示エリアHSAが設定されている。保留数表示エリアHSAでは、左側の数字で第一特別図柄保留記憶領域における保留記憶数が、右側の数字で第二特別図柄保留記憶領域における保留記憶数がそれぞれアラビア数字により示される。図中において、保留数表示エリアHSAには「0 0」と表示されている。
第1保留表示エリアHRA1の右方には、ガチャマシンGMとしてノーマルガチャマシンNGMが表示されている。ガチャマシンGMは、玩具店の店頭などに設置され、硬貨を入れてレバーを回すと玩具などが中に入ったカプセルが出てくる小型自動販売機を表したものである。本実施形態においても、現実に存在するこのような小型自動販売機を模したものとしてガチャマシンGMを表示し、ガチャマシンGMに対するコインキャラクタCNC等の投入を受けて、ノーマルカプセルNCP等を排出する演出が保留変化演出やリーチ中の演出として行われるが、詳細は後述する。
ガチャマシンGM(ノーマルガチャマシンNGM)の右隣には、上側に当該保留表示エリアTHAが設定され、下側に当該保留表示枠THWが表示されている。
当該保留表示エリアTHAには、現在行われている装飾図柄の変動結果を示唆する目的で何らかの松保留MTHが当該保留TGHとして表示されるが、詳細は後述する。図中において、当該保留表示エリアTHAには何も表示されておらず、背景画像BG1が視認可能な状態である。
また、当該保留表示枠THWがあることで、当該保留表示エリアTHAの高さは、第1保留表示エリアHRA1〜第4保留表示エリアHRA4の高さよりも高くなっている。
なお、本実施形態において、第1保留表示エリアHRA1〜第4保留表示エリアHRA4には後述するコイン保留CNHまたは松保留MTHが表示されて未行使の変動権利が存在することや当該未行使の変動権利に対応する大当りの期待度を示すものとなっている。また、当該保留表示エリアTHAには松保留MTHが表示されて変動中の変動権利に対する大当りの期待度を示すものとなっている。ここで、「表示される保留」、「保留が表示される」などといった場合、「保留」という語は、本明細書において、第1保留表示エリアHRA1〜第4保留表示エリアHRA4に表示される保留のみを示すものとしてもよいし、第1保留表示エリアHRA1〜第4保留表示エリアHRA4に表示される保留と当該保留表示エリアTHAに表示される保留の双方を示すものとしてもよい。
このように変動権利の個数は、第1保留表示エリアHRA1〜第4保留表示エリアHRA4に表示される保留のみを保留であるとした場合には、4個を上限として保留が表示されることとなる。また、第1保留表示エリアHRA1〜第4保留表示エリアHRA4に表示される保留に加え当該保留表示エリアTHAに表示される保留を、保留であるとした場合には、5個を上限として保留が表示されることとなる。
図255(B)は、第1保留表示エリアHRA1〜第4保留表示エリアHRA4、当該保留表示エリアTHAに保留として表示される松保留MTHの種類を示したものである。
松保留MTHには、通常松保留DMH、青色松保留BMH、赤色松保留RMH、金色松保留KMH、赤白柄松保留RWHがある。各松保留MTHは松の枝を模した同一の形状をしているがそれぞれ画像の色彩は異なっており、通常松保留DMHは白色、青色松保留BMHは青色、赤色松保留RMHは赤色、金色松保留KMHは黄色として認識可能な表示態様となっている。また、赤白柄松保留RWHの画像は赤色と白色によりグラデーション状に塗られた状態となっており、遊技者からは紅白幕のような状態が視認可能な表示態様となっている。
通常松保留DMH、青色松保留BMH、赤色松保留RMH、金色松保留KMH、赤白柄松保留RWHの順に大当りに対する期待度が高くなるように、各松保留MTHの出現比率が設定されているが詳細は後述する。
図255(C)は、本実施形態における保留変化演出に用いられるキャラクタの種類を示したものである。コイン1枚キャラクタC1Cは銀色のコインを表すキャラクタであり、画像としては円形をした灰色の画像からなるものである。コイン2枚キャラクタC2Cはコイン1枚キャラクタC1Cを表す画像に「×2」という文字が付加されたキャラクタである。コイン3枚キャラクタC3Cはコイン1枚キャラクタC1Cを表す画像に「×3」という文字が付加されたキャラクタである。
コイン1枚キャラクタC1C〜コイン3枚キャラクタC3Cは、事前判定の結果に応じて第1保留表示エリアHRA1〜第4保留表示エリアHRA4に保留として表示される場合があり、この場合、コイン1枚キャラクタC1C〜コイン3枚キャラクタC3Cは、それぞれコイン1枚保留C1H〜コイン3枚保留C3Hとして本明細書中において扱われる場合があるが、表示される画像としてコイン1枚キャラクタC1C〜コイン3枚キャラクタC3Cとコイン1枚保留C1H〜コイン3枚保留C3Hに差異があるわけではない。
なお、本明細書中において、コイン1枚キャラクタC1C〜コイン3枚キャラクタC3Cを総称して、コインキャラクタCNCとして扱う場合がある。また、コイン1枚保留C1H〜コイン3枚保留C3Hを総称して、コイン保留CNHとして扱う場合がある。
お札キャラクタOSCはお札を表すキャラクタであり、画像としては白色で横長の長方形形状の画像に数字の「10000」が黒色で表記された画像からなっている。ブラックカードキャラクタBCCはクレジットカードの券種の1つであるブラックカードを表すキャラクタであり、画像としては黒色で横長の長方形形状の画像にアルファベットの大文字の「M」が白色で表記された画像からなっている。ゴッドチケットキャラクタGTCは特殊なチケットを表すキャラクタであり、画像としては黒色で横長の長方形形状の画像にアルファベットの大文字の「GOD」が白色で表記された画像からなっている。鳥キャラクタTRCは鳥を表すキャラクタであり、画像としては茶色であり、両翼を広げ、脚を下方に出し、身体が左側を向いた形状からなっている。
コイン1枚キャラクタC1C〜コイン3枚キャラクタC3C、お札キャラクタOSC、ブラックカードキャラクタBCC、ゴッドチケットキャラクタGTC、鳥キャラクタTRCは本実施形態における保留変化演出やリーチ中の演出に用いられるキャラクタであるが、詳細は後述する。
装飾図柄の非変動中に発生した第一始動口2002への始動入賞の発生、あるいは装飾図柄の変動中の第一始動口2002についての保留記憶の発生に対応して、事前判定が行われ、その結果に応じて、第1保留表示エリアHRA1〜第4保留表示エリアHRA4、あるいは当該保留表示エリアTHAに、通常松保留DMH〜赤白柄松保留RWHあるいはコイン1枚保留C1H〜コインC3Hのいずれかが表示される。
第1保留表示エリアHRA1〜第4保留表示エリアHRA4、当該保留表示エリアTHAには、通常は通常松保留DMHが表示されるが、事前判定の結果や装飾図柄の変動開始時の判定結果などに応じて、青色松保留BMH〜赤白柄松保留RWH、コイン1枚キャラクタC1C〜コイン3枚キャラクタC3Cを保留として通常松保留DMHに代えて最初から表示したり、所定のタイミングで表示中の松保留MTHに代えて他の松保留MTHを表示したり、コイン1枚キャラクタC1C〜コイン3枚キャラクタC3Cから何らかの松保留MTHを出現させて保留として表示する場合がある。なお、表示される松保留MTHの種別により、その松保留MTHに対応する装飾図柄の変動結果が示唆されるように構成されているが詳細は後述する。
図255(D)は、ガチャマシンGMの種類を示したものである。
ガチャマシンGMは上述したように現実に存在する小型自動販売機を模したものである。ガチャマシンGMの形状は縦長の長方形で、色は灰色である。ガチャマシンGMの種類としては、ノーマルガチャマシンNGM、レアガチャマシンRGM、レジェンドガチャマシンLGM、ゴッドガチャマシンGGMがある。各ガチャマシンGMの画像にはガチャマシンGMの種類を示すアルファベット「N」、[R]、「L」、「G」が黒字でそれぞれ付されている。
ガチャマシンGMに付したアルファベットの種別により、ガチャマシンGMの種別が認識可能となっているが、アルファベットの種別に代えてあるいは加えて、ガチャマシンGMの色彩や形状により、ガチャマシンGMの種別が認識可能となるように構成してもよい。例えば、ノーマルガチャマシンNGMを青色、レアガチャマシンRGMを赤色、レジェンドガチャマシンLGMを黄色の表示態様とし、ゴッドガチャマシンGGMを上述した赤白柄が付された表示態様としてもよい。あるいは、ノーマルガチャマシンNGM、レアガチャマシンRGM、レジェンドガチャマシンLGM、ゴッドガチャマシンGGMの順に大きさが大きくなるような表示態様としてもよい。また、色彩と形状を組み合わせることで、ガチャマシンGMの種別が認識可能となるように構成してもよい。
ガチャマシンGMとして、通常はノーマルガチャマシンNGMが表示されているが、事前判定の結果や装飾図柄の変動開始時の判定結果に応じて、ノーマルガチャマシンNGMが表示されている領域にノーマルガチャマシンNGMに代えてレアガチャマシンRGMを表示したり、さらにレアガチャマシンRGMに代えてレジェンドガチャマシンLGMを表示したりするといった演出が実行される。
ノーマルガチャマシンNGMは、第1保留表示エリアHRA1に表示されるコイン保留CNHに対応する装飾図柄の変動が開始される際に行われる、コイン保留CNHが松保留MTHに交換されるかのような演出において用いられる。
具体的には、ノーマルガチャマシンNGMにコイン1枚キャラクタC1C〜コイン3枚キャラクタC3Cが投入される表示が行われると、コイン1枚キャラクタC1C〜コイン3枚キャラクタC3Cによって示されるコインの枚数と同じ数のノーマルカプセルNCPがノーマルガチャマシンNGMから排出される表示が行われる。その後、各ノーマルカプセルNCPの中からそれぞれ何らかの松保留MTHが出現し、その後松保留MTHが当該保留表示エリアTHAに当該保留TGHとして表示される。
また、ノーマルガチャマシンNGM、レアガチャマシンRGM、レジェンドガチャマシンLGM、ゴッドガチャマシンGGMには、装飾図柄の変動中に当該保留TGHとして表示されている松保留MTHを何らかの松保留MTHに変化させる演出に用いられる。
具体的には、装飾図柄においてスーパーリーチ状態が発生したときなどに、飛んできた鳥キャラクタTRCが各ガチャマシンGMにコインキャラクタCNCやお札キャラクタOSCなどのキャラクタを投入することで、何らかのカプセルCPが各ガチャマシンGMから排出され、カプセルCPの中から出現した松保留MTHが当該保留表示エリアTHAに当該保留TGHとして表示される。
鳥キャラクタTRCが持ってくるアイテムは表示されているガチャマシンGMの種類に対応しており、また、ガチャマシンGMから排出されるカプセルCPの種類もガチャマシンGMの種類に対応している。
具体的には、ノーマルガチャマシンNGMが表示されている状態において、鳥キャラクタTRCによってノーマルガチャマシンNGMにコインキャラクタCNCが投入される表示が行われると、ノーマルガチャマシンNGMからノーマルカプセルNCPが排出される表示が行われる。
また、レアガチャマシンRGMが表示されている状態において、鳥キャラクタTRCによってレアガチャマシンRGMにお札キャラクタOSCが投入される表示が行われると、レアガチャマシンRGMからレアカプセルRCPが排出される表示が行われる。
また、レジェンドガチャマシンLGMが表示されている状態において、鳥キャラクタTRCによってレジェンドガチャマシンLGMにブラックカードキャラクタBCCが投入される表示が行われると、レジェンドカプセルLCPがレジェンドガチャマシンLGMから排出される表示が行われる。
また、ゴッドガチャマシンGGMが表示されている状態において、鳥キャラクタTRCによってゴッドガチャマシンGGMにゴッドチケットキャラクタGTCが投入される表示が行われるとゴッドカプセルGCPがゴッドガチャマシンGGMから排出される表示が行われる。
図255(E)は、ガチャマシンGMから排出されるカプセルの種類を示したものである。
第1ノーマルカプセルNCP1〜第3ノーマルカプセルNCP3は白色、円形で中央に黒色の横線があり、ノーマルガチャマシンNGMから排出されるものである。なお、見た目上の差異はない。レアカプセルRCPは青色、円形で中央に黒色の横線があり、レアガチャマシンRGMから排出されるものである。レジェンドカプセルLCPは赤色、円形で中央に黒色の横線があり、レジェンドガチャマシンLGMから排出されるものである。ゴッドカプセルGCPは黄色、円形で中央に黒色の横線があり、ゴッドガチャマシンGGMから排出されるものである。
各カプセルは横線を中心として上下方向に分割するように表示され、分割されたカプセルの中から上述したいずれかの松保留MTHが出現し、出現した松保留MTHが当該保留TGHとして、当該保留表示エリアTHAに移動する表示が行われる。
第1ノーマルカプセルNCP1〜第3ノーマルカプセルNCP3は、ノーマルガチャマシンNGMにコインキャラクタCNCが投入されたときに出現するカプセルCPである。
具体的には、ノーマルガチャマシンNGMにコイン1枚キャラクタC1Cが投入される表示が行われた際には、ノーマルガチャマシンNGMから第1ノーマルカプセルNCP1が排出される表示が行われる。また、ノーマルガチャマシンNGMにコイン2枚キャラクタC2Cが投入される表示が行われた際には、ノーマルガチャマシンNGMから第1ノーマルカプセルNCP1、第2ノーマルカプセルNCP2が排出される表示が行われる。また、ノーマルガチャマシンNGMにコイン3枚キャラクタC3Cが投入される表示が行われた際にノーマルガチャマシンNGMから第1ノーマルカプセルNCP1〜第3ノーマルカプセルNCP3が排出される表示が行われる。なお、レアガチャマシンRGM、レジェンドガチャマシンLGM、ゴッドガチャマシンGGMから排出されるカプセルCPについては、上述したとおりである。
図255(F)は、リーチ状態において出現するキャラクタの種類を示したものである。
第1味方キャラクタOMC、第2味方キャラクタKMC、第3味方キャラクタHMC、第4味方キャラクタIMC、第5味方キャラクタJMC、第6味方キャラクタTMC、第1敵キャラクタIYCは、それぞれ人を表すキャラクタである。
第1味方キャラクタOMC〜第6味方キャラクタTMCは、それぞれ見かけが似通ったキャラクタである。第1敵キャラクタIYCは、第1味方キャラクタOMC〜第6味方キャラクタTMCに敵対するという設定のキャラクタであり、第1味方キャラクタOMC〜第6味方キャラクタTMCよりも身体が大きい様子が画像において示されている。
スーパーリーチ状態に発展したときの演出において、第1味方キャラクタOMC〜第6味方キャラクタTMCと第1敵キャラクタIYCとが、つかみ合いをするような演出が行われるが詳細は後述する。
図256は、本実施形態における保留変化演出の具体例として、演出表示装置1600の表示領域に表示される表示内容が遊技の進行に応じて変化していく例を示したものであり、具体的には保留として表示される松保留MTHが変化していく例を示したものである。
図256(A)は、第一特別図柄表示器において変動表示される第一特別図柄の前回分の変動が終了した状態を示している。
図中において、装飾図柄表示エリアSZAとサブ装飾図柄表示エリアSSAに表示される装飾図柄は、第一特別図柄の前回の変動結果に対応した状態でいずれも停止表示されている。保留数表示エリアHSAに示されるように、第一特別図柄についての保留記憶数は「0」、第二特別図柄についての保留記憶数は「0」である。当該保留表示エリアTHAには何も表示されておらず、背景画像BG1が視認可能な状態となっている。
図256(B)は、図256(A)の状態において第一始動口2002への始動入賞が1回発生したあとの状態を示している。
第一始動口2002への始動入賞が発生したことで、図中において、この始動入賞に対応する装飾図柄の変動表示が装飾図柄表示エリアSZAとサブ装飾図柄表示エリアSSAで開始されている。また、この始動入賞に対応して、第1保留表示エリアHRA1に第1の保留HR1として通常松保留DMHが表示されている。この状態において第一特別図柄についての保留記憶数は「0」であり、保留数表示エリアHSAには「0 0」と表示されている。
なお、図中において、装飾図柄表示エリアSZAとサブ装飾図柄表示エリアSSAに記載されている下向きの矢印(「↓」)は、装飾図柄が上から下に移動することで装飾図柄が循環的に表示される様子を模式的に示したものであり、装飾図柄表示エリアSZAとサブ装飾図柄表示エリアSSAに下向きの矢印(「↓」)を表す画像が実際に表示されていることを示すものではない。
図256(C)は、図256(B)に続く状態を示している。
図中において、第1保留表示エリアHRA1に第1の保留HR1として表示されていた通常松保留DMHが、まず、上方に移動したのち、ノーマルガチャマシンNGMを飛び越えるように右斜め上に上昇し、さらに右斜め下に下降し、最後に下方に移動したことで、当該保留表示エリアTHAに当該保留TGHとして表示されている状態が示されている。
図256(D)は、図256(C)の状態において第一始動口2002への始動入賞が2回発生したあとの状態を示している。
第一始動口2002への始動入賞が2回発生したことに対応して、図中において、第1保留表示エリアHRA1に第2の保留HR2として通常松保留DMHが、第2保留表示エリアHRA2に第3の保留HR3として青色松保留BMHが、それぞれ表示されている。第一特別図柄についての保留記憶数は「2」であり、保留数表示エリアHSAには「2 0」と表示されている。
第3の保留HR3として青色松保留BMHが表示されることで、通常松保留DMHが表示される場合と比べ、遊技者は第3の保留に対応する装飾図柄の変動結果が大当りを示す変動結果となる可能性が高いという期待感を抱くことになる。
図256(E)は、図256(D)に続く状態を示すものであり、第一特別図柄表示器において変動表示されていた第一特別図柄の変動表示が終了した状態を示している。
第一特別図柄表示器における第一特別図柄の変動表示が終了することに同期して、装飾図柄表示エリアSZAとサブ装飾図柄表示エリアSSAで行われていた装飾図柄の変動表示が終了し、図中において、装飾図柄の出目として「2」、「5」、「3」がそれぞれ表示されている。また、当該保留TGHとして表示されていた通常松保留DMHの表示が終了することで当該保留表示エリアTHAには何も表示されない状態となっている。
図256(F)は、図256(E)に続く状態を示すものであり、第一特別図柄表示器において第2の保留HR2に対応する第一特別図柄の変動表示が新たに開始された状態を示している。
図中において、第1の保留HR1についての装飾図柄の変動が終了したことで、第2の保留HR2に対応する装飾図柄の変動表示が装飾図柄表示エリアSZAとサブ装飾図柄表示エリアSSAで開始された状態が示されている。また、第2の保留HR2に対応する装飾図柄の変動表示の開始に対応して、第1保留表示エリアHRA1に第2の保留HR2として表示されていた通常松保留DMHが当該保留表示エリアTHAに移動した状態が示されている。第2の保留HR2として表示されていた通常松保留DMHを移動する際の移動態様は、図256(C)に示した第1の保留HR1として表示されていた通常松保留DMHの移動態様と同一であり、ノーマルガチャマシンNGMを飛び越えるように移動する表示が行われる。
また、第2保留表示エリアHRA2において第3の保留HR3として表示されていた青色松保留BMHが、右方向に平行に移動することで第1保留表示エリアHRA1に表示されると同時に赤色松保留RMHに変化した状態が示されている。
第3の保留HR3として、それまで表示されていた青色松保留BMHに代えて赤色松保留RMHが表示されることで、遊技者は第3の保留に対応する装飾図柄の変動結果が大当りを示す変動結果となる可能性がさらに高いものであるという期待感を抱くことになる。
図256(G)は、図256(F)に続く状態を示すものであり、第一特別図柄表示器において変動表示されていた第一特別図柄の変動表示が終了した状態を示している。
第一特別図柄表示器における第一特別図柄の変動表示が終了することに同期して、装飾図柄表示エリアSZAとサブ装飾図柄表示エリアSSAで行われていた装飾図柄の変動表示が終了し、図中において、装飾図柄の出目として「6」、「2」、「3」がそれぞれ表示されている。また、当該保留TGHとして表示されていた通常松保留DMHの表示が終了することで当該保留表示エリアTHAには何も表示されない状態となっている。
図256(H)は、図256(G)に続く状態を示すものであり、第一特別図柄表示器において第3の保留HR3に対応する第一特別図柄の変動表示が新たに開始された状態を示している。
図中において、第2の保留HR2についての装飾図柄の変動が終了したことで、第3の保留HR3に対応する装飾図柄の変動表示が装飾図柄表示エリアSZAとサブ装飾図柄表示エリアSSAで開始された状態が示されている。また、第3の保留HR3に対応する装飾図柄の変動表示の開始に対応して、第1保留表示エリアHRA1に第3の保留HR3として表示されていた赤色松保留RMHが当該保留表示エリアTHAに移動し、この赤色松保留RMHが当該保留表示エリアTHAに表示されると同時に金色松保留KMHに変化した後の状態が示されている。第3の保留HR3として表示されていた赤色松保留RMHを移動する際の移動態様は、図256(C)に示した第1の保留HR1として表示されていた通常松保留DMHの移動態様と同一であり、ノーマルガチャマシンNGMを飛び越えるように移動する表示が行われる。
第3の保留HR3として、それまで表示されていた赤色松保留RMHに代えて金色松保留KMHが表示されることで、遊技者は第3の保留に対応する装飾図柄の変動結果が大当りを示す変動結果となる可能性がより一層高いものであるという期待感を抱くことになる。
このように、始動入賞が発生して保留として表示されるタイミング、第n+1(n=1〜3の整数)の保留表示エリアから第nの保留表示エリアに移動するタイミング、第1の保留表示エリアから当該保留表示エリアTHAに移動するタイミングのそれぞれにおいて、通常とは異なる表示態様の保留に変化する場合がある。また、異なる表示態様の保留が表示された場合には、大当りに対する期待度が高いということになるため、遊技者に対して、これらのタイミングにおいて保留が変化することに対する期待感を持たせることが可能となる。また複数のタイミングにおいて保留が変化する可能性があるため、遊技者に対して、始動入賞の発生から当該変動の開始までの長期間に渡り、保留が変化することに対する期待感を持たせることが可能となる。
図257は、本実施形態における保留変化演出の具体例として、演出表示装置1600の表示領域に表示される表示内容が遊技の進行に応じて変化していく例を示したものであり、具体的には保留として表示されていたコイン保留CNHに対応する当該保留TGHとして松保留MTHが表示される例を示したものである。
図257(A)は、第一特別図柄表示器において変動表示される第一特別図柄の前回分の変動が終了した状態を示している。
図中において、装飾図柄表示エリアSZAとサブ装飾図柄表示エリアSSAに表示される装飾図柄は、第一特別図柄の前回の変動結果に対応した状態でいずれも停止表示されている。保留数表示エリアHSAに示されるように、第一特別図柄についての保留記憶数は「2」、第二特別図柄についての保留記憶数は「0」である。
第一特別図柄についての2つの保留に対応する表示として、第1保留表示エリアHRA1には第1の保留HR1としてコイン2枚保留C2Hが、第2保留表示エリアHRA2には第2の保留HR2としてコイン1枚保留C1Hがそれぞれ表示されている。当該保留表示エリアTHAには何も表示されておらず、背景画像BG1が視認可能な状態となっている。
図257(B)は、図257(A)に続く状態を示すものであり、第一特別図柄表示器において第1の保留HR1に対応する第一特別図柄の変動表示が新たに開始された状態を示している。
図中において、第1の保留HR1に対応する装飾図柄の変動表示が装飾図柄表示エリアSZAとサブ装飾図柄表示エリアSSAで開始されている。
また、第1保留表示エリアHRA1に第1の保留HR1として表示されていたコイン2枚保留C2Hから、コイン1枚キャラクタC1Cが上方に飛び出し、飛び出したコイン1枚キャラクタC1Cが、右斜め上に移動したのち、ノーマルガチャマシンNGMに飛び乗るように右斜め下に下降し、ノーマルガチャマシンNGMを表す画像の後方に重なって表示された状態を示している。この状態ののちコイン1枚キャラクタC1Cを表す画像はさらに下方に移動し、ノーマルガチャマシンNGMの後方に完全に隠れて視認不能な状態となる。
第1保留表示エリアHRA1には、第1の保留HR1として、それまで表示されていたコイン2枚保留C2Hに代えてコイン1枚保留C1Hが表示される。この段階では当該保留表示エリアTHAには何も表示されておらず、背景画像BG1が視認される状態である。
図257(C)は、図257(B)に続く状態を示している。
図中において、ノーマルガチャマシンNGMにコイン1枚キャラクタC1Cが投入されたことを受けて、それまで固定的に表示されていたノーマルガチャマシンNGMが、上下方向に揺動する表示が行われている状態にあることが示されている。図中で、ノーマルガチャマシンNGMの上下にある横線はノーマルガチャマシンNGMが上下に揺動していることを示すために模式的に付加したものである。上下方向への揺動幅は、コイン1枚保留C1Hの2/3の高さとなっている。なお、上下方向に揺動する表示はあらかじめ定められた所定時間(例えば0.5秒程度)行われたのち終了し、ノーマルガチャマシンNGMは非揺動状態に戻る。
このような上下方向に揺動する表示を行うことで、ガチャマシンGMから排出されるカプセルCPの中身に対する遊技者の期待感をあおることができる。また、その後に行われる保留変化演出(詳細は後述するが、保留変化が短い期間に複数回行われる)を遊技者が見逃すといった事態の発生を抑止することが可能となる。
図257(D)は、図257(C)に続く状態を示している。
図中において、第1ノーマルカプセルNCP1が、非揺動状態となったノーマルガチャマシンNGMの上部から飛び出して、右斜め上に上昇し、さらに右斜め下に下降し、当該保留表示エリアTHAに移動したのち、当該保留表示エリアTHAに表示されている状態が示されている。この状態ののち、当該保留表示エリアTHAに表示された第1ノーマルカプセルNCP1が、第1ノーマルカプセルNCP1の上下方向中央にある横方向の線を境目として上下方向に2分割され、中から青色松保留BMHが出現する。
図257(E)は、図257(D)に続く状態を示している。
図中において、当該保留表示エリアTHAには第1ノーマルカプセルNCP1の中から出現した青色松保留BMHが表示されている。
図257(F)は、図257(E)に続く状態を示している。
図中において、第1保留表示エリアHRA1に第1の保留HR1として表示されていたコイン1枚保留C1Hが、コイン1枚キャラクタC1Cとして上方に飛び出し、飛び出したコイン1枚キャラクタC1Cが、右斜め上に移動したのち、ノーマルガチャマシンNGMに飛び乗るように右斜め下に下降し、ノーマルガチャマシンNGMを表す画像の後方に重なって表示された移動中の状態を示している。この状態ののちコイン1枚キャラクタC1Cを表す画像は下方に移動し、ノーマルガチャマシンNGMの後方に完全に隠れて視認不能な状態となる。
なお、この状態ののちノーマルガチャマシンNGMにおいて、図257(C)において示したような揺動する表示が行われる。
第1保留表示エリアHRA1から第1の保留HR1としてそれまで表示されていたコイン1枚保留C1Hが移動したことで、第1保留表示エリアHRA1には何も表示されておらず、背景画像BG1が視認される状態となっている。
図257(G)は、図257(F)に続く状態を示している。
図中において、第2ノーマルカプセルNCP2が、非揺動状態となったノーマルガチャマシンNGMの上部から飛び出して、右斜め上に上昇し、さらに右斜め下に下降し、当該保留表示エリアTHAに移動したのち、当該保留表示エリアTHAに表示されている状態が示されている。また、既に表示されていた青色松保留BMHの上半分が隠れるように、青色松保留BMHの手前側に重なった状態で第2ノーマルカプセルNCP2が表示されている。
ノーマルカプセルNCPが松保留MTHに重なるように表示されたとしても、松保留MTHの下半分については視認可能となるため、当該保留表示エリアTHAに表示されている松保留MTHの種別が何であるのか(この場合は青色松保留BMHであること)が視認可能となっている。
また、第2保留表示エリアHRA2において第2の保留HR2として表示されていたコイン1枚保留C1Hが、右方向に平行に移動することで第1保留表示エリアHRA1に表示された状態が示されている。
この状態ののち、当該保留表示エリアTHAに表示された第2ノーマルカプセルNCP2が、第2ノーマルカプセルNCP2の上下方向中央にある横方向の線を境目として上下方向に2分割され、中から赤色松保留RMHが出現する。すでに表示されていた青色松保留BMHが当該保留表示エリアTHAから消去され、出現したのち下方に移動してきた赤色松保留RMHが当該保留表示エリアTHAに表示される。
図257(H)は、図257(G)に続く状態を示している。
図中において、当該保留表示エリアTHAには第2ノーマルカプセルNCP2の中から出現し、下方に移動してきた赤色松保留RMHが表示されている。
このように、表示されている保留によって当該保留TGHの変化回数が示されるため、遊技者に対して、当該変動が開始されるまでの間、保留の変化に対する期待感を持たせることが可能となる。また、当該保留TGHとして表示された保留がより大当たり期待度の高い保留に変化することがあるため、遊技者に対して、大当たりに対する期待感を持たせることが可能となる。
図258は、本実施形態における保留変化演出の具体例として、演出表示装置1600の表示領域に表示される表示内容が遊技の進行に応じて変化していく例を示したものであり、具体的には保留として表示されるコイン保留CNHに対応する当該保留TGHとして松保留MTHが表示される例を示したものである。
図258(A)は、第一特別図柄表示器において変動表示される第一特別図柄の前回分の変動が終了した状態を示している。
図中において、装飾図柄表示エリアSZAとサブ装飾図柄表示エリアSSAに表示される装飾図柄は、第一特別図柄の前回の変動結果に対応した状態でいずれも停止表示されている。保留数表示エリアHSAに示されるように、第一特別図柄についての保留記憶数は「2」、第二特別図柄についての保留記憶数は「0」である。
第一特別図柄についての2つの保留に対応する表示として、第1保留表示エリアHRA1には第1の保留HR1としてコイン2枚保留C2Hが、第2保留表示エリアHRA2には第2の保留HR2としてコイン1枚保留C1Hがそれぞれ表示されている。当該保留表示エリアTHAには何も表示されておらず、背景画像BG1が視認可能な状態となっている。
図258(B)は、図258(A)に続く状態を示すものであり、第一特別図柄表示器において第1の保留HR1に対応する第一特別図柄の変動表示が新たに開始された状態を示している。
図中において、第1の保留HR1に対応する装飾図柄の変動表示が装飾図柄表示エリアSZAとサブ装飾図柄表示エリアSSAで開始されている。
また、第1保留表示エリアHRA1に第1の保留HR1として表示されていたコイン2枚保留C2Hが、コイン2枚キャラクタC2Cとして第1保留表示エリアHRA1から上方に飛び出し、飛び出したコイン2枚キャラクタC2Cが、右斜め上に移動したのち、ノーマルガチャマシンNGMに飛び乗るように右斜め下に下降し、ノーマルガチャマシンNGMを表す画像の後方に重なって表示された状態を示している。この状態ののちコイン1枚キャラクタC2Cを表す画像はさらに下方に移動し、ノーマルガチャマシンNGMの後方に完全に隠れて視認不能な状態となる。
コイン2枚保留C2Hが上方に飛び出したことで、第1保留表示エリアHRA1には、何も表示されておらず、背景画像BG1が視認される状態である。また、この段階では当該保留表示エリアTHAには何も表示されておらず、背景画像BG1が視認される状態である。
図258(C)は、図258(B)に続く状態を示している。
図中においてノーマルガチャマシンNGMが、上下方向に揺動する表示が行われている状態にあることを示している。なお、ノーマルガチャマシンNGMの具体的な揺動態様は、図257(C)を参照して示した揺動態様と同じである。
図258(D)は、図258(C)に続く状態を示している。
図中において、第1ノーマルカプセルNCP1と第2ノーマルカプセルNCP2が、非揺動状態となったノーマルガチャマシンNGMの上部から飛び出して、右斜め上に上昇し、さらに右斜め下に下降し、カプセルオープンエリアCOA内に移動したのち、カプセルオープンエリアCOA内において、第1ノーマルカプセルNCP1を左側に、第2ノーマルカプセルNCP2を右側にして横並びに表示されている状態が示されている。
また、第2保留表示エリアHRA2において第2の保留HR2として表示されていたコイン1枚保留C1Hが、右方向に平行に移動することで第1保留表示エリアHRA1に表示されている状態が示されている。
図258(E)は、図258(D)に続く状態を示している。
図中において、カプセルオープンエリアCOA内において第1ノーマルカプセルNCP1が、第1ノーマルカプセルNCP1の上下方向中央にある横方向の線を境目として上下方向に2分割され、2分割された第1ノーマルカプセルNCP1がそれぞれ上下方向に移動中の状態が示されている。また、上下に2分割された第1ノーマルカプセルNCP1の間に青色松保留BMHが出現した状態が示されている。この状態ののち、第2ノーマルカプセルNCP2が、第1ノーマルカプセルNCP1と同様に上下方向に2分割される表示が行われる。
図258(F)は、図258(E)に続く状態を示している。
図中において、2分割された第1ノーマルカプセルNCP1がそれぞれ上下方向に離間した状態で停止し、その間に青色松保留BMHが、2分割された第2ノーマルカプセルNCP2がそれぞれ上下方向に離間した状態で停止し、その間に赤色松保留RMHが、表示されている状態が示されている。
図258(G)は、図258(F)に続く状態を示している。
図中において、カプセルオープンエリアCOA内に表示されていた、第1ノーマルカプセルNCP1、青色松保留BMH、第2ノーマルカプセルNCP2がそれぞれ消去され、赤色松保留RMHのみがカプセルオープンエリアCOA内に表示されている状態が示されている。
図258(H)は、図258(G)に続く状態を示している。
図中において、カプセルオープンエリアCOA内に表示されていた赤色松保留RMHが当該保留表示エリアTHAに移動したのち、当該保留TGHとして、赤色松保留RMHが当該保留表示エリアTHAに表示されている状態が示されている。
ノーマルカプセルNCPの中から出現した複数の松保留MTHのうち、大当たり期待度が最も高い松保留MTHである赤色松保留RMHが当該保留TGHとして、表示されるように構成されているが、詳細は後述する。
このように、表示されている保留によって当該保留TGHの変化回数が示されるため、遊技者に対して、当該変動が開始されるまでの間、保留の変化に対する期待感を持たせることが可能となる。
また、当該保留TGHの候補となる保留がカプセルオープンエリアCOAにおいて同時に複数個表示されるため、遊技者に対して、大当たりに対する期待感を持たせることが可能となる。
図258において示した表示例は、図257において示した表示例に代えて、本遊技機において採用してもよい。あるいは、始動入賞時に取得された乱数に基づいて、図257において示した表示例か図258において示した表示例のいずれかが選択されるように本遊技機を構成してもよい。
なお、図257、図258に示した当該保留TGHについての複数回の保留変化演出は、装飾図柄の変動表示の開始から5秒が経過するまでの期間において、コイン保留CNHが示す回数だけそれぞれ1秒間隔という短い間隔で複数回行われるが、詳細は図281(A)〜図281(C)を参照して後述する。
図259は、本実施形態における保留変化演出の具体例として、演出表示装置1600の表示領域に表示される表示内容が遊技の進行に応じて変化していく例を示したものであり、具体的には始動入賞の発生時や保留の移動時に保留変化演出が行われる例を示したものである。
図259(A)は、第一特別図柄表示器において第一特別図柄が変動表示されており、この変動に対応して装飾図柄の変動が行われている状態を示している。
図中において、装飾図柄表示エリアSZAとサブ装飾図柄表示エリアSSAに表示される装飾図柄は、いずれも変動表示されている。保留数表示エリアHSAに示されるように、第一特別図柄についての保留記憶数は「0」、第二特別図柄についての保留記憶数は「0」である。当該保留表示エリアTHAには実行中の変動表示に対応する当該保留TGHとして通常松保留DMHが表示されている。
図259(B)は、図259(A)の状態において第一始動口2002への始動入賞が3回発生したあとの状態を示している。
第一始動口2002への始動入賞の発生に対応して、第1保留表示エリアHRA1に第1の保留HR1としてコイン1枚保留C1Hが、第2保留表示エリアHRA2に第2の保留HR2としてコイン1枚保留C1Hが、第3保留表示エリアHRA3に第3の保留HR3としてコイン3枚保留C3Hが、それぞれ表示されている。この状態において第一特別図柄についての保留記憶数は「2」であり、保留数表示エリアHSAには「2 0」と表示されている。
図259(C)は、図259(B)に続く状態を示すものであり、第一特別図柄表示器において変動表示されていた第一特別図柄の変動表示が終了した状態を示している。
第一特別図柄表示器における第一特別図柄の変動表示が終了することに同期して、装飾図柄表示エリアSZAとサブ装飾図柄表示エリアSSAで行われていた装飾図柄の変動表示が終了し、図中において、装飾図柄の停止態様として「4」、「3」、「1」がそれぞれ表示されている。また、当該保留TGHとして表示されていた通常松保留DMHの表示が終了することで当該保留表示エリアTHAには何も表示されない状態となっている。
図259(D)は、図259(C)に続く状態を示ものであり、第一特別図柄表示器において第一特別図柄の新たな変動表示が開始された状態を示している。
図中において、第1保留表示エリアHRA1に第1の保留HR1として表示されていたコイン1枚保留C1Hが、コイン1枚キャラクタC1Cとして上方に飛び出し、飛び出したコイン1枚キャラクタC1Cが、右斜め上に移動したのち、ノーマルガチャマシンNGMに飛び乗るように右斜め下に下降し、ノーマルガチャマシンNGMを表す画像の後方に重なって表示された移動中の状態を示している。この状態ののちコイン1枚キャラクタC1Cを表す画像は下方に移動し、ノーマルガチャマシンNGMの後方に完全に隠れて視認不能な状態となる。
なお、この状態ののち、図257(C)において示したようなノーマルガチャマシンNGMが上下方向に揺動する表示が行われる。
第1保留表示エリアHRA1から、第1の保留HR1としてそれまで表示されていたコイン1枚保留C1Hが移動したことで第1保留表示エリアHRA1には何も表示されておらず、背景画像BG1が視認される状態である。
図259(E)は、図259(D)に続く状態を示している。
図中において、第1ノーマルカプセルNCP1が、非揺動状態となったノーマルガチャマシンNGMの上部から飛び出して、右斜め上に上昇し、さらに右斜め下に下降し、当該保留表示エリアTHAに移動したのち、当該保留表示エリアTHAに表示されている状態が示されている。
また、第2保留表示エリアHRA2において第2の保留HR2として表示されていたコイン1枚保留C1Hが、右方向に平行に移動することで第1保留表示エリアHRA1に表示され、同時にコイン2枚保留C2Hに変化した状態が示されている。
また、第3保留表示エリアHRA3において第3の保留HR3として表示されていたコイン3枚保留C3Hが、右方向に平行に移動することで第2保留表示エリアHRA2に表示された状態が示されている。
図259(F)は、図259(E)に続く状態を示している。
図中において、当該保留表示エリアTHAには第1ノーマルカプセルNCP1の中から出現した通常松保留DMHが表示されている。
このように、当該保留TGHの変化回数が複数回あることが、始動入賞の発生時に保留の表示態様により示されることで、保留が表示されてからその保留に対応する装飾図柄の変動が開始されるまで、遊技者に対して保留変化に対する期待感を持たせることが可能となる。
また、保留の移動時に変化回数が増加する表示を行うことで、保留が表示されてからその保留に対応する装飾図柄の変動が開始されるまで、遊技者に対して保留変化の回数が増加することに対する期待感を持たせることが可能となる。
図260〜図262は、第一特別図柄についての保留記憶数と事前判定結果に応じて選択される保留予告決定テーブルを示したものである。
第一始動口2002において始動入賞が発生したときに、表示する保留の種別として、松保留MTHを表示するか、コイン保留CNHを表示するかを決定し、松保留MTHを表示することが決定された場合には松保留MTH用の保留予告決定テーブルを参照して表示する松保留MTHの種類と松保留MTHの変化態様を決定し、コイン保留CNHを表示することが決定された場合にはコイン保留CNH用の保留予告決定テーブルを参照して表示するコイン保留CNHの種類とコイン保留CNHの変化態様を決定する。コイン保留CNH用の保留予告決定テーブルとしては、保留記憶数に応じて、コイン保留用保留予告決定テーブル1〜コイン保留用保留予告決定テーブル4が用意されている。
図260(A)は、第一特別図柄についての保留記憶数が「0」のときに、第一始動口2002において始動入賞が発生し、コイン保留CNHを表示することが決定されたときに参照されるコイン保留用保留予告決定テーブル1を表している。
保留記憶数が「0」の時に始動入賞が発生する条件として、装飾図柄の変動表示が行われており始動入賞の発生に対応して1つ目の保留が発生する場合と、装飾図柄の変動表示が行われておらず、すぐに始動入賞の発生に対応した変動表示が開始される場合と、が想定される。
後者の場合、始動入賞の発生とともに、装飾図柄の変動が開始されるが、第1保留表示エリアHRA1に一旦、第1保留としてコイン1枚保留C1H〜コイン3枚保留C3Hのいずれかを表示し、図257、図258において示した様にノーマルガチャマシンNGMにコインキャラクタCNCが投入され、ノーマルガチャマシンNGMから出てきたノーマルカプセルNCPの中から出現する何らかの松保留MTHを当該保留表示エリアTHAに当該保留TGHとして表示する演出を実行する。
コイン保留用保留予告決定テーブル1には、演出PTN01〜演出PTN12の12個の演出パターンが用意されており、演出パターン毎に第1保留表示エリアHRA1に表示されるコイン保留CNHの種類と、ノーマルカプセルNCPが開くことにより当該保留表示エリアTHAに最終的に表示される松保留MTHの種類の組み合わせとその演出パターンの出現比率が設定されている。なお、出現比率については後述する。
演出PTN01は、第1保留表示エリアHRA1にコイン1枚保留C1Hが表示され、第1ノーマルカプセルNCP1の中から出現した通常松保留DMHが当該保留表示エリアTHAに表示される演出パターンである。
また、演出PTN09は、第1保留表示エリアHRA1にコイン1枚保留C3Hが表示され、第1ノーマルカプセルNCP1〜第3ノーマルカプセルNCP3の中から出現した3つの松保留の中から赤色松保留RMHが当該保留表示エリアTHAに表示される演出パターンである。
なお、出現した複数の松保留MTHの中からいずれの松保留MTHを最終的に当該保留表示エリアTHAに表示するかという点については、図263を参照して後述する。
図260(B)は、第一特別図柄についての保留記憶数が「1」のときに、第一始動口2002において始動入賞が発生し、コイン保留CNHを表示することが決定されたときに参照されるコイン保留用保留予告決定テーブル2を表している。
コイン保留用保留予告決定テーブル2には、演出PTN01〜演出PTN24の24個の演出パターンが用意されており、演出パターン毎に第2保留表示エリアHRA2に表示されるコイン保留CNHの種類と、第1保留エリアHRA1に表示されるコイン保留CNHの種類と、ノーマルカプセルNCPが開くことにより当該保留表示エリアTHAに最終的に表示される松保留MTHの種類の組み合わせとその演出パターンの出現比率が設定されている。
例えば、演出PTN01は、第2保留表示エリアHRA2にコイン1枚保留C1Hが表示され、第1保留表示エリアHRA1にコイン1枚保留C1Hが表示され、ノーマルカプセルNCPの中から出現した通常松保留DMHが当該保留表示エリアTHAに表示される演出パターンである。
また、演出PTN17は、第2保留表示エリアHRA2にコイン2枚保留C2Hが表示され、第1保留表示エリアHRA1にコイン3枚保留C3Hが表示され、第1ノーマルカプセルNCP1〜第3ノーマルカプセルNCP3の中から出現した3つの松保留の中から赤色松保留RMHが当該保留表示エリアTHAに表示される演出パターンである。
図261は、第一特別図柄についての保留記憶数が「2」のときに、第一始動口2002において始動入賞が発生し、コイン保留CNHを表示することが決定されたときに参照されるコイン保留用保留予告決定テーブル3を表している。
コイン保留用保留予告決定テーブル3には、演出PTN01〜演出PTN40の40個の演出パターンが用意されており、演出パターン毎に第3保留エリア表示HRA3に表示されるコイン保留CNHの種類と、第2保留エリアHRA2に表示されるコイン保留CNHの種類と、第1保留エリアHRA1に表示されるコイン保留CNHの種類と、ノーマルカプセルNCPが開くことにより当該保留表示エリアTHAに最終的に表示される松保留MTHの種類の組み合わせとその演出パターンの出現比率が設定されている。
図262は、第一特別図柄についての保留記憶数が「3」のときに、第一始動口2002において始動入賞が発生し、コイン保留CNHを表示することが決定されたときに参照されるコイン保留用保留予告決定テーブル4を表している。
コイン保留用保留予告決定テーブル4には、演出PTN01〜演出PTN60の60個の演出パターンが用意されており、演出パターン毎に第4保留表示エリアHRA4に表示されるコイン保留CNHの種類と、第3保留エリアHRA3に表示されるコイン保留CNHの種類と、第2保留エリアHRA2に表示されるコイン保留CNHの種類と、第1保留エリアHRA1に表示されるコイン保留CNHの種類と、ノーマルカプセルNCPが開くことにより当該保留表示エリアTHAに最終的に表示される松保留MTHの種類の組み合わせとその演出パターンの出現比率が設定されている。
図260〜図262において示されるコイン保留用保留予告決定テーブル1〜コイン保留用保留予告決定テーブル4の各演出パターンにはそれぞれ出現比率という数値が設定されている。以下に出現比率についての説明を行う。
例えば、コイン保留用保留予告決定テーブル1の演出PTN01の大当たりとなる出現比率とはずれとなる出現比率とを参照すると、大当たりとなる出現比率は「10」であり、はずれとなる出現比率は「1000」と設定されている。これは、確率的にコイン保留用保留予告決定テーブル1の演出PTN01が実行されたときに大当たりが10回発生するのに対し、はずれが1000回発生するようにコイン保留用保留予告決定テーブル1が設定されていることを意味するものである。また、この場合の大当りの期待度は、(変動結果がハズレとなる場合の出現比率)/(変動結果がハズレとなる場合の出現比率+変動結果が大当りとなる場合の出現比率)=10/1010=約1%ということになる。
また、コイン保留用保留予告決定テーブル1の演出PTN01とコイン保留用保留予告決定テーブル1の演出PTN02を参照すると、演出PTN01の大当たりとなる出現比率は「10」であり、演出PTN02の大当たりとなる出現比率は「15」と設定されている。これは、確率的にコイン保留用保留予告決定テーブル1の演出PTN01が実行されたときに大当たりが10回発生するのに対し、コイン保留用保留予告決定テーブル1の演出PTN02が実行されたときに大当たりが15回発生するようにコイン保留用保留予告決定テーブル1が設定されていることを意味するものである。
コイン保留用保留予告決定テーブル1の演出PTN01とコイン保留用保留予告決定テーブル1の演出PTN02の出現比率の関係について述べたが、これは、コイン保留用保留予告決定テーブル1における各演出パターン間の関係においても適用されるものである。
なお、上記の点は、コイン保留用保留予告決定テーブル1の各演出パターン間の関係に限られたものではなく、コイン保留用保留予告決定テーブル2の各演出パターン間の関係、コイン保留用保留予告決定テーブル3の各演出パターン間の関係、コイン保留用保留予告決定テーブル4の各演出パターン間の関係においても同様に適用されるものである。
コイン保留用保留予告決定テーブル1〜コイン保留用保留予告決定テーブル4において示すように、第1保留表示エリアHRA1に表示されるコイン保留CNHの大当りの期待度は、コイン1枚保留C1Hよりもコイン2枚保留C2Hの方が高く、また、コイン2枚保留C2Hよりもコイン3枚保留C3Hの方が高く設定されている。
また、コイン保留CNHとノーマルカプセルNCPの出現を経由して、当該保留表示エリアTHAに松保留MTHが出現したときの大当りの期待度は、通常松保留DMHよりも青色松保留BMHの方が高く、また、青色松保留BMHよりも赤色松保留RMHの方が高く、赤色松保留RMHよりも金色松保留KMHの方が高く設定されている。
図263は、第1保留表示エリアHRA1に表示されるコイン保留CNHの種類と当該保留表示エリアTHAに最終的に表示される松保留MTHの種類との組み合わせに応じて参照される出現松保留決定テーブルを表している。
第1保留表示エリアHRA1に表示されるコイン保留CNHの種類と当該保留表示エリアTHAに最終的に表示される松保留MTHの種類との組み合わせは、上述したようにコイン保留用保留予告決定テーブル1〜コイン保留用保留予告決定テーブル4によって決定される(図260〜図262を参照)。
出現松保留決定テーブルには、演出PTN01〜演出PTN32の32個の演出パターンが用意されており、第1保留表示エリアHRA1に表示されるコイン保留CNHの種類と当該保留表示エリアTHAに最終的に表示される松保留MTHの種類との組み合わせに応じて、いずれかの演出パターンが決定され、ノーマルカプセルNCPの中から出現する松保留MTHの種類が決定される。
コイン保留CNHの種類としては、コイン1枚保留C1H〜コイン3枚保留C3Hの3つがあり、第1保留表示エリアHRA1に表示されるコイン保留CNHの種類がコイン1枚保留C1Hの場合は、コイン1枚保留C1HがノーマルガチャマシンNGMに投入されることで、ノーマルガチャマシンNGMから第1ノーマルカプセルNCP1のみが出現し第1ノーマルカプセルNCP1の中から当該保留表示エリアTHAに最終的に表示されるものとして決定された松保留MTHが出現し、その松保留MTHが当該保留表示エリアTHAに表示されることとなる。
例えば、演出PTN01は、第1保留表示エリアHRA1に表示されるコイン保留CNHであるコイン1枚保留C1HがノーマルガチャマシンNGMに投入されることで、ノーマルガチャマシンNGMから第1ノーマルカプセルNCP1が出現し、第1ノーマルカプセルNCP1の中から当該保留表示エリアTHAに最終的に表示される松保留MTHとして通常松保留DMHが出現する演出パターンである。
一方、第1保留表示エリアHRA1に表示されるコイン保留CNHの種類がコイン2枚保留C2Hの場合は、コイン2枚保留C2HがノーマルガチャマシンNGMに投入されることで、ノーマルガチャマシンNGMから第1ノーマルカプセルNCP1と第2ノーマルカプセルNCP2が順に出現し、第2ノーマルカプセルNCP2の中から当該保留表示エリアTHAに最終的に表示されるものとして決定された松保留MTHが出現し、その松保留MTHが当該保留表示エリアTHAに表示されることとなる。
一方、第1保留表示エリアHRA1に表示されるコイン保留CNHの種類がコイン3枚保留C3Hの場合は、コイン3枚保留C3HがノーマルガチャマシンNGMに投入されることで、ノーマルガチャマシンNGMから第1ノーマルカプセルNCP1と第2ノーマルカプセルNCP2と第3ノーマルカプセルNCP3が順に出現し、第3ノーマルカプセルNCP3の中から当該保留表示エリアTHAに最終的に表示されるものとして決定された松保留MTHが出現し、その松保留MTHが当該保留表示エリアTHAに表示されることとなる。
ノーマルガチャマシンNGMから複数の松保留MTHが出現する場合には、先に出現する松保留MTHとそのあとに出現する松保留MTHの大当り期待度が同じか、先に出現する松保留MTHよりもそのあとに出現する松保留MTHの大当り期待度が高くなるように、出現松保留決定テーブルにおいて、松保留MTHの出現する順番が設定されている。
例えば、演出PTN29は、第1保留表示エリアHRA1に表示されるコイン保留CNHであるコイン3枚保留C3Hから、第1ノーマルカプセルNCP1〜第3ノーマルカプセルNCP3が出現し、第1ノーマルカプセルNCP1の中から青色松保留BMHが出現し、その後、第2ノーマルカプセルNCP2の中から赤色松保留RMHが出現し、その後、第3ノーマルカプセルNCP3の中から当該保留表示エリアTHAに最終的に表示される松保留MTHとして金色松保留KMHが出現するように設定されている。
第1保留表示エリアHRA1に表示されるコイン保留CNHの種類がコイン1枚保留C1Hの場合は、当該保留表示エリアTHAに最終的に表示されるものとして決定された松保留MTHに応じて対応する1の演出パターンが選択される。
例えば、第1保留表示エリアHRA1に表示されるコイン保留CNHの種類がコイン1枚保留C1Hであり、当該保留表示エリアTHAに最終的に表示されるものとして決定された松保留MTHが通常松保留DMHである場合は、演出PTN01が選択される。
一方、第1保留表示エリアHRA1に表示されるコイン保留CNHの種類がコイン2枚保留C2Hの場合とコイン3枚保留C3Hの場合には、第1保留表示エリアHRA1に表示されるコイン保留CNHの種類と当該保留表示エリアTHAに最終的に表示されるものとして決定された松保留MTHの種類との1の組み合わせに対して、複数の演出パターンが対応付けられており、あらかじめ定められた選択比率に基づいて複数の演出パターンの中から1の演出パターンが選択されるように構成されている。
例えば、第1保留表示エリアHRA1に表示されるコイン保留CNHの種類がコイン2枚保留C2Hであり、当該保留表示エリアTHAに最終的に表示されるものとして決定された松保留MTHが赤色松保留RMHであるという組み合わせに対して、演出PTN11〜演出PTN13の中から、演出PTN11が60、演出PTN12が30、演出PTN13が10といった比率でいずれかの演出パターンが始動入賞時に取得された乱数に基づいて選択される。演出PTN11は通常松保留DMHの表示後、赤色松保留RMHが表示される演出パターンであり、演出PTN12は青色松保留BMHの表示後、赤色松保留RMHが表示される演出パターンであり、演出PTN13は赤色松保留RMHの表示後、赤色松保留RMHが表示される演出パターンである。このような選択比率としておくことで、最初に表示されたノーマルカプセルNCPが開いたことで表示される松保留MTHよりも、より大当たりの期待度が高い松保留MTHが、次に表示されるノーマルカプセルNCPから出現するという演出を実行することができるようになっている。
図260〜図262において示した様に、大当たりの期待度は、通常松保留DMHよりも青色松保留BMHの方が高く、青色松保留BMHよりも赤色松保留RMHの方が高く、赤色松保留RMHよりも金色松保留KMHの方が高く設定されている。
そのため、コイン2枚保留C2Hに対応する演出パターン(例えば、演出PTN02、演出PTN05、演出PTN12など)や、コイン3枚保留C3Hに対応する演出パターン(例えば、演出PTN03、演出PTN07、演出PTN14など)が実行される場合には、複数のカプセルが開くたびに、より期待度の高い松保留MTHが出現するのではないかという期待を遊技者に感じさせることが可能となる。
ここで、コイン保留用保留予告決定テーブル1〜コイン保留用保留予告決定テーブル4、出現松保留決定テーブルを用いた演出例を、図257を参照して説明する。
図257に示した例においては、第1保留表示エリアHRA1には、第1の保留HR1として、コイン2枚保留C2Hが表示されている状態が示されており、その後、コイン2枚保留C2Hは、コイン2枚キャラクタC1Cとして、ノーマルガチャマシンNGMに投入され、ノーマルガチャマシンNGMの中から出現した第1ノーマルカプセルNCP1の中から青色松保留BMHが出現して当該保留TGHとして当該保留表示エリアTHAに表示され、その後、第1の保留HR1として表示されていたコイン1枚保留C1Hが、コイン1枚キャラクタC1Cとして、ノーマルガチャマシンNGMに投入され、ノーマルガチャマシンNGMの中から出現した第2のノーマルカプセルNCP2の中から赤色松保留RMHが出現し、赤色松保留RMHが当該保留TGHとして、当該保留表示エリアTHAに表示される、といった表示が行われている。
このような表示が行われるのは、第1保留表示エリアHRA1にコイン2枚保留C2Hが表示され、当該保留表示エリアTHAに最終的に赤色松保留RMHを表示する演出パターンがコイン保留用保留予告決定テーブルの中から選択された場合である。具体的には、コイン保留用保留予告決定テーブル1の演出PTN08、コイン保留用保留予告決定テーブル2の演出PTN14,演出PTN15、コイン保留用保留予告決定テーブル3の演出PTN22〜演出PTN24、コイン保留用保留予告決定テーブル4の演出PTN32〜35が選択された場合である。
また、第1ノーマルカプセルNCP1の中から青色松保留BMHが出現し、第2ノーマルカプセルNCP2の中から赤色松保留RMHが出現する表示が行われているが、このような表示が行われるのは、出現松保留決定テーブルから演出PTN12が選択された場合である。
なお、第1保留表示エリアHRA1に表示されるコイン保留CNHとしてコイン2枚保留C2Hが、当該保留表示エリアTHAに最終的に表示される松保留MTHとして赤色松保留RMHが決定されている場合、出現松保留決定テーブルの中から選択される演出パターンとしては、演出PTN12〜演出PTN14があり、演出PTN11が60%、演出PTN12が30%、演出PTN13が10%の割合で選択されるようにあらかじめ設定されており、この図257の例においては、演出PTN12が選択された状態となっている。
ここで、コイン保留用保留予告決定テーブル1〜コイン保留用保留予告決定テーブル4、出現松保留決定テーブルを用いた演出例を、図258を参照して説明する。
図258に示した例においては、第1保留表示エリアHRA1には、第1の保留HR1として、コイン2枚保留C2Hが表示されている状態が示されており、その後、コイン2枚保留C2Hは、コイン2枚キャラクタC2Cとして、ノーマルガチャマシンNGMに投入され、ノーマルガチャマシンNGMの中から第1ノーマルカプセルNCP1と第2ノーマルカプセルNCP2がカプセルオープンエリアCOAに出現し、第1ノーマルカプセルNCP1の中から青色松保留BMHが出現し、第2のノーマルカプセルNCP2の中から赤色松保留RMHが出現し、赤色松保留RMHが当該保留TGHとして、当該保留表示エリアTHAに表示される、といった表示が行われている。
このような表示が行われるのは、第1保留表示エリアHRA1にコイン2枚保留C2Hが表示され、当該保留表示エリアTHAに最終的に赤色松保留RMHを表示する演出パターンがコイン保留用保留予告決定テーブルの中から選択された場合である。具体的には、コイン保留用保留予告決定テーブル1の演出PTN08、コイン保留用保留予告決定テーブル2の演出PTN14,演出PTN15、コイン保留用保留予告決定テーブル3の演出PTN22〜演出PTN24、コイン保留用保留予告決定テーブル4の演出PTN32〜35が選択された場合である。
また、第1ノーマルカプセルNCP1の中から青色松保留BMHが出現し、第2のノーマルカプセルNCP2の中から赤色松保留RMHが出現する表示が行われているが、このような表示が行われるのは、出現松保留決定テーブルから演出PTN12が選択された場合である。
ここで、コイン保留用保留予告決定テーブル1〜コイン保留用保留予告決定テーブル4、出現松保留決定テーブルを用いた演出例を、図259を参照して説明する。
図259に示した例においては、第2保留表示エリアHRA2には、第2の保留HR2として、コイン1枚保留C1Hが表示されている状態が示されており、その後、コイン1枚保留C1Hは、第1の保留HR1(コイン1枚保留C1H)に対応する変動表示が開始されることに対応して、第1保留表示エリアHRA1に移動するとともに、コイン2枚保留C2Hに変化する、といった表示が行われている。
このような表示が行われるのは、第2保留表示エリアHRA2にコイン1枚保留C1Hが表示され、この保留が第1保留表示エリアHRA1に移動したときに、第1保留表示エリアHRA1にコイン2枚保留C2Hが表示される演出パターンがコイン保留用保留予告決定テーブルの中から選択された場合である。具体的には、コイン保留用保留予告決定テーブル2の演出PTN02,演出PTN08,演出PTN14,演出PTN20が選択された場合である。
また、図259に示した例においては、第3保留表示エリアHRA3には、第3の保留HR3として、コイン3枚保留C3Hが表示されている状態が示されており、その後、コイン3枚保留C3Hは、第1の保留HR1(コイン1枚保留C1H)に対応する変動表示が開始されることに対応して、第2保留表示エリアHRA2に移動するとともに、コイン3枚保留C3Hが引き続き表示される、といった表示が行われている。
このような表示が行われるのは、第3保留表示エリアHRA3にコイン3枚保留C3Hが表示され、この保留が第2保留表示エリアHRA2に移動したときに、第2保留表示エリアHRA2にコイン3枚保留C3Hが引き続き表示される演出パターンがコイン保留用保留予告決定テーブルの中から選択された場合である。具体的には、コイン保留用保留予告決定テーブル3の演出PTN10,演出PTN20,演出PTN30,演出PTN40が選択された場合である。
このように、図260〜図262において示したコイン保留用保留予告決定テーブル1〜コイン保留用保留予告決定テーブル4、図263において示した出現松保留決定テーブルによって、表示されるコイン保留CNHの種類やノーマルガチャマシンNGMから出現する松保留MTHの種類などが決定され、図256〜図259に示すような表示例が実行可能となっている。
図256〜図259において、装飾図柄表示エリアSZA、サブ装飾図柄表示エリアSSAにおいて装飾図柄の変動が開始され、当該保留表示エリアTHAに何らかの松保留MTHが表示される例を示した。これらの図に示した装飾図柄の変動状態に続く状態の例として、、装飾図柄表示エリアSZAにおいて左装飾図柄HSZと右装飾図柄MSZが同じ図柄で仮停止し、中装飾図NSZが変動表示した状態となるいわゆるリーチ状態となる例(図264)と、左装飾図柄HSZと中装飾図NSZと右装飾図柄MSZがそれぞれ異なる装飾図柄で停止する非リーチはずれとなる例(図265)を示す。
図264(A)は、図257(H)、図258(H)と同じ状態を示している。具体的には、図中において、装飾図柄表示エリアSZAにおいて、左装飾図柄HSZ〜右装飾図柄MSZの変動表示が行われ、当該保留表示エリアTHAには第2ノーマルカプセルNCP2の中から出現した赤色松保留RMHが表示されている。
なお、保留記憶数や当該保留TGHとして表示された松保留MTHの種別は異なるが、図256(H)、図259(H)に示す状態から図264(A)以降に示すような演出を行ってもよい。
図264(B)は、図264(A)に続く状態を示したものである。
図中において、装飾図柄の変動表示が開始されたときから表示されていたノーマルガチャマシンNGMの表示に代えて、第1保留表示エリアHRA1と当該保留表示エリアTHAの間にレアガチャマシンRGMが表示された状態が示されている。なお、レアガチャマシンRGMはスーパーリーチ状態における演出に用いられるものであり詳細は後述する。
図264(C)は、図264(B)に続く状態を示したものである。
図中において、左装飾図柄HSZとして数字の「1」が、右装飾図柄MSZとして数字の「1」が、それぞれ仮停止した状態で表示され、中装飾図柄NSZが循環的に変動表示されている状態が示されている。左装飾図柄HSZと右装飾図柄MSZにおいて同じ装飾図柄(この場合は数字の「1」)が仮停止した状態となっており、いわゆるリーチ状態を形成している。図中で、左装飾図柄HSZと右装飾図柄MSZの左上と右下にある直角上の二重線は左装飾図柄HSZと右装飾図柄MSZが仮停止していることを示すために模式的に付加したものである。
なお、サブ装飾図柄表示エリアSSAに表示される装飾図柄は、装飾図柄表示エリアSZAにおいてリーチ状態が形成され左装飾図柄HSZと右装飾図柄MSZが仮停止状態になったり、後述するような疑似連であることを示す状態となり、左装飾図柄HSZ〜右装飾図柄MSZが仮停止状態になったりした場合であっても、その全てが変動表示を継続するものであり、図中においても全装飾図柄が変動している状態が示されている。サブ装飾図柄表示エリアSSAに表示される装飾図柄が確定表示されるのは、左装飾図柄HSZ〜右装飾図柄MSZが確定表示されるタイミングにおいてのみである。
図264(D)は、図264(C)に続く状態を示したものである。
図中において、左装飾図柄HSZとして数字の「1」が、中装飾図柄NSZとして漢字の「連」が、右装飾図柄MSZとして数字の「2」が、それぞれ仮停止した状態で表示されている状態が示されている。ここで、右装飾図柄MSZとして表示される数字の「2」は、中装飾図柄NSZとして漢字の「連」が仮停止することに同期して、右装飾図柄MSZとして表示されていた数字の「1」が1図柄分下方に変動することで表示されたものである。また、中装飾図柄NSZとして表示された漢字の「連」は、この変動がいわゆる疑似連であり、左装飾図柄HSZ〜右装飾図柄MSZが再度変動表示されることを示している。
図264(E)は、図264(D)に続く状態を示したものである。
図中において、仮停止していた左装飾図柄HSZ〜右装飾図柄MSZが変動表示を再開するとともに、疑似連の回数を表示する疑似連回数表示エリアGSAに「×2」との表示がなされた状態が示されている。疑似連回数表示エリアGSAを設け、疑似連の回数を表示することにより、保留記憶数の増減に対して遊技者が混乱を抱かないようにするとともに、大当たり期待度が高い演出であることを遊技者に示唆することができる。
図264(F)は、図264(E)に続く状態を示したものである。
図中において、左装飾図柄HSZとして数字の「1」が、右装飾図柄MSZとして数字の「1」が、それぞれ仮停止した状態で表示され、中装飾図柄NSZが循環的に変動表示されている状態が示されている。左装飾図柄HSZと右装飾図柄MSZにおいて同じ装飾図柄(この場合は数字の「1」)が仮停止した状態となっており、いわゆるリーチ状態を形成している。
図264(G)は、図264(F)に続く状態を示したものである。
図中において、ノーマルガチャマシンNGMに代えて表示されたレアガチャマシンRGMの表示に代えて、第1保留表示エリアHRA1と当該保留表示エリアTHAの間にレジェンドガチャマシンLGMが表示された状態が示されている。なお、レジェンドガチャマシンLGMはスーパーリーチ状態における演出において用いられるものであり詳細は後述する。
図264(H)は、図264(G)に続く状態を示したものである。
図中において、左装飾図柄HSZの大きさがそれまでの大きさよりも小さくなるとともに装飾図柄表示エリアSZAの左上の領域に表示され、右装飾図柄MSZの大きさがそれまでの大きさよりも小さくなるとともに装飾図柄表示エリアSZAの右上の領域に表示され、それまで装飾図柄表示エリアSZAに表示されていた中装飾図柄NSZが装飾図柄表示エリアSZAに表示されなくなり、それまで左装飾図柄HSZ〜右装飾図柄MSZが表示されていた領域に第1味方キャラクタOMC、第1敵キャラクタIYCが左右方向に並ぶように表示された状態が示されており、リーチ状態から、キャラクタ等の表示結果により大当り期待度が示唆される、いわゆるスーパーリーチ状態に発展した状態となっている。
なお、図264(F)に示す状態から、左装飾図柄HSZとして数字の「1」を、中装飾図柄NSZとして数字の「3」を、右装飾図柄MSZとして数字の「1」をそれぞれ確定表示して、いわゆるスーパーリーチ状態に発展しないリーチはずれとなる演出パターンも選択されうる。
図264において、装飾図柄によりリーチ状態が形成されてスーパーリーチ状態に発展する例を示したが、図265では、装飾図柄によりリーチ状態が形成されず、装飾図柄がはずれを示す表示態様で確定表示される例を示す。
図265(A)は、図257(H)、図258(H)と同じ状態を示している。具体的には、図中において、装飾図柄表示エリアSZAにおいて、左装飾図柄HSZ〜右装飾図柄MSZの変動表示が行われ、当該保留表示エリアTHAには第2ノーマルカプセルNCP2の中から出現した赤色松保留RMHが表示されている。
なお、保留記憶数や当該保留TGHとして表示された松保留MTHの種別は異なるが、図256(H)、図259(H)に示す状態から図264(A)以降に示すような演出を行ってもよい。
図265(B)は、図265(A)に続く状態を示したものである。
図中において、装飾図柄の変動表示が開始されたときから表示されていたノーマルガチャマシンNGMの表示に代えて、第1保留表示エリアHRA1と当該保留表示エリアTHAの間にレアガチャマシンRGMが表示された状態が示されている。なお、レアガチャマシンRGMはスーパーリーチ状態における演出に用いられるものである。
図265(C)は、図265(B)に続く状態を示したものである。
図中において、左装飾図柄HSZとして数字の「1」が、中装飾図柄NSZとして数字の「5」が、右装飾図柄MSZとして数字の「2」がそれぞれ停止した状態で表示され、サブ装飾図柄表示エリアSSAに左装飾図柄HSZ〜右装飾図柄MSZに対応した表示として数字の「1」、「5」、「2」がそれぞれ停止した状態で表示されている。
図265(D)は、図265(C)に続く状態を示したものである。
図中において、装飾図柄の変動表示中に表示されたレアガチャマシンRGMの表示に代えて、第1保留表示エリアHRA1と当該保留表示エリアTHAの間にノーマルガチャマシンNGMが表示された状態が示されている。また、それまで当該保留表示エリアTHAに表示されていた赤色松保留RMHの表示が終了し、当該保留表示エリアTHAに何も表示されないようになった状態が示されている。
図265(E)は、図265(D)に続く状態を示したものであり、第一特別図柄表示器において第2の保留HR2に対応する第一特別図柄の変動表示が新たに開始された状態を示している。
図中において、第2の保留HR2に対応する装飾図柄の変動表示が装飾図柄表示エリアSZAとサブ装飾図柄表示エリアSSAで開始された状態が示されている。
図266(A)は、図264(H)と同じ状態を示している。具体的には、スーパーリーチ状態に発展し、スーパーリーチ用のキャラクタとして第1味方キャラクタOMCと第1敵キャラクタIYCが表示され、ガチャマシンGMとしてレジェンドガチャマシンLGMが表示された状態が図中において示されている。
図266(B)は、図266(A)に続く状態を示したものである。
図中において、第1味方キャラクタOMCと第1敵キャラクタIYCが向かい合って、互いに手を出し合いながら近づいてつかみあおうとしたり、距離を置いたりしている状態が示されている。なお、第1味方キャラクタOMCと第1敵キャラクタIYCは、図266(F)の状態となるまでこの状態を保ったまま表示される。また、表示装置1600の表示領域の右側中央に、ブラックカードキャラクタBCCを脚に掴んだ鳥キャラクタTRCが出現した状態が図中において示されている。
図266(C)は、図266(B)に続く状態を示したものである。
表示装置1600の表示領域の右側中央から下側中央に移動してきた鳥キャラクタTRCが脚に掴んでいたブラックカードキャラクタBCCをレジェンドガチャマシンLGMに投入した状態が図中において示されている。
図266(D)は、図266(C)に続く状態を示したものである。
ブラックカードキャラクタBCCをレジェンドガチャマシンLGMに投入した鳥キャラクタTRCが表示装置1600の表示領域の下側中央から左側中央に移動して状態が図中において示されている。また、レジェンドガチャマシンLGMにブラックカードキャラクタBCCが投入されたことを受けて、それまで固定的に表示されていたレジェンドガチャマシンLGMが、上下方向に揺動する表示が行われている状態にあることが示されている。図中で、レジェンドガチャマシンLGMの上下にある横線はレジェンドガチャマシンLGMが上下に揺動していることを示すために模式的に付加したものである。なお、上下方向に揺動する表示はあらかじめ定められた所定時間行われたのち終了し、レジェンドガチャマシンLGMは非揺動状態に戻る。
ガチャマシンGMの揺動態様は、ノーマルガチャマシンNGM、レアガチャマシンRGM、レジェンドガチャマシンLGM、ゴッドガチャマシンGGMの順にその揺れ幅が大きくなるような演出態様を採用することが望ましい。このような揺動態様とすることで、ガチャマシンGMから出現するカプセルCPの中身に対する遊技者の期待感をあおることができる。
図266(E)は、図266(D)に続く状態を示している。
図中において、レジェンドカプセルLCPが、非揺動状態となったレジェンドガチャマシンLGMの上部から飛び出して、右斜め上に上昇し、さらに右斜め下に下降し、当該保留表示エリアTHAに移動したのち、既に表示されていた赤色松保留RMHの上部に部分的に重なるように表示されている状態が示されている。
この状態ののち、レジェンドカプセルLCPが、レジェンドカプセルLCPの上下方向中央にある横方向の線を境目として上下方向に2分割され、中から金色松保留KMHが出現する。
図266(F)は、図266(E)に続く状態を示している。
当該保留表示エリアTHAには、それまで表示されていた赤色松保留RMHに代えて、レジェンドカプセルLCPの中から出現した金色松保留KMHが、表示されている状態が図中において示されている。
図266(G)は、図266(F)に続く状態を示している。
それまで表示されていた第1味方キャラクタOMCと第1敵キャラクタIYCに加えて、第2味方キャラクタKMC、第3味方キャラクタHMC、第4味方キャラクタIMC、第5味方キャラクタJMC、第6味方キャラクタTMCが表示され、第2味方キャラクタKMC〜第6味方キャラクタTMCが第1味方キャラクタOMCに加勢している状態が図中において示されている。
図266(H)は、図266(G)に続く状態を示している。
第2味方キャラクタKMC〜第6味方キャラクタTMCが第1味方キャラクタOMCの加勢をするために出現したことで、第1敵キャラクタIYCが演出表示装置1600の表示領域の右側を向いて右側の方向に逃げるように移動し、第5味方キャラクタJMC、第1味方キャラクタOMC、第2味方キャラクタKMCが逃げるように移動する第1敵キャラクタIYCを追いかけるように移動し、第3味方キャラクタHMCと第6味方キャラクタTMCがそれぞれ手を出し合って向かいあって第1敵キャラクタIYCとの戦いに勝利したことを喜びあい、第4味方キャラクタIMCがその片隅でたたずんでいる状態が図中において示されている。
図267(A)は、図266(H)と同じ状態を示している。具体的には、スーパーリーチ状態における演出において、第1味方キャラクタOMC〜第6味方キャラクタTMCが第1敵キャラクタIYCとの戦いに勝利した状態が図中において示されている。
図267(B)は、図267(A)に続く状態を示している。
第1味方キャラクタOMC〜第3味方キャラクタHMC、第5味方キャラクタJMC、第6味方キャラクタTMCは第1敵キャラクタIYCとの戦いに勝利したことを喜んで両手を斜め上にあげ、第4味方キャラクタIMCは喜びを表に出さず両手を下げてたたずんでいる状態が図中において示されている。
また、左装飾図柄HSZとして仮停止した状態で小さく表示されていた数字の「1」、右装飾図柄MSZとして仮停止した状態で小さく表示されていた数字の「1」に合わせて、中装飾図柄NSZも、左装飾図柄HSZや右装飾図柄MSZと同じ大きさで数字の「1」を仮停止した状態で表示している状態が図中において示されている。なお、この段階では、サブ装飾図柄表示エリアSSAに表示される装飾図柄はすべて変動表示を行っており、図中においても変動表示を行っている状態が示されている。
図267(C)は、図267(B)に続く状態を示している。
小さく表示されていた左装飾図柄HSZ〜右装飾図柄MSZが、それぞれ、変動開始時の大きさ及び場所に戻るとともに装飾図柄として数字の「1」を確定表示した状態が図中において示されている。また、サブ装飾図柄表示エリアSSAに、装飾図柄表示エリアSZAに表示された変動表示の結果と同じ変動表示の結果である数字の「111」が確定表示された状態が示されている。
また、保留数表示エリアHSAに表示されていた保留記憶数を示す数字が演出表示装置1600の表示領域に表示されなくなった状態が示されている。
また、第2の保留HR2として表示されていたコイン1枚保留C1H、レジェンドガチャマシンLGM、当該保留TGHとして表示されていた金色松保留KMH、当該保留表示枠THWはそれぞれ演出表示装置1600の表示領域に表示されない状態となり、また、これらが表示されていた、演出表示装置1600の表示領域の下側の領域に第1味方キャラクタOMC〜第6味方キャラクタTMCが上方から移動してきて表示されている状態が示されている。
図267(D)は、図267(C)に続く状態を示している。
大当り状態が発生し、大入賞口2005の開放状態が発生している状態において、演出表示装置1600の表示領域の左上に設定されたラウンド数表示エリアRSAに「ROUND1」と表示され、ラウンド数表示エリアRSAの下に設定されたボーナス名表示エリアBNAに「六人ボーナス開始!!」と表示され、演出表示装置1600の表示領域の右上に設定された打ち方表示エリアUHAに「右打ち>>」と表示され、打ち方表示エリアUHAの下方に設定された出玉数表示エリアDSAに「0020/1500」と表示され、演出表示装置1600の表示領域の下側の領域に第1味方キャラクタOMC〜第6味方キャラクタTMCが引き続き表示されている状態が図中において示されている。
なお、「六人ボーナス」における大当たり遊技は、最大ラウンド数が16ラウンド、1ラウンドあたりの遊技球の最大入賞個数が10個、入賞遊技球1個当たりの賞球数が10個と設定されており、図中において、出玉数表示エリアDSAに「0020/1600」とあるのは、現状の出玉数を分子に、期待される出玉数を分母としたものであり、大当たり遊技の1ラウンド目において大入賞口2005に遊技球Bに2個入賞した状態を示している。
図267(E)は、図267(D)に続く状態を示している。
ラウンド数表示エリアRSAに「ROUND8」と表示され、出玉数表示エリアDSAに「0750/1600」と表示された状態が図中において示されている。このときの大当たり遊技の状態は、8ラウンド目が実行中の状態であり、ここまでの通算出玉数が750個(大入賞口2005への入賞数が75個)であることが図中において示されている。
図267(F)は、図267(E)に続く状態を示しており、遊技状態としては大値り遊技状態が終了した状態である。
ラウンド数表示エリアRSAに「ROUND16」と表示され、ボーナス名表示エリアBNAに「六人ボーナス終了!!」と表示され、打ち方表示エリアUHAに「<<左打ち」と表示され、出玉数表示エリアDSAに「1650/1600」と表示された状態が図中において示されている。
ここで、打ち方表示エリアUHAに「<<左打ち」と表示することで、それまで右打ちを行うべきであった遊技状態から左打ちを行うべき遊技状態に移行することを報知し、遊技球Bの打ち出し強度を調整する発射ハンドル182の操作態様の変更を遊技者に促す表示である。また、出玉数表示エリアDSAにおいて「1650/1600」と表示が行われているのは、大当り遊技状態中に大入賞口2005へのオーバー入賞が合計5個発生したことを示している。
図267(G)は、図267(F)に続く状態を示しており、大当たり遊技状態が終了し、装飾図柄の変動表示が開始される前の状態を示している。
それまで、表示されていたラウンド数表示エリアRSA、ボーナス名表示エリアBNA、打ち方表示エリアUHA、出玉数表示エリアDSAにおける表示、第1味方キャラクタOMC〜第6味方キャラクタTMCの表示がそれぞれ行われなくなり、代わりにそれまで表示が行われていなかった、装飾図柄表示エリアSZA、サブ装飾図柄表示エリアSSA、保留数表示エリアHSAにそれぞれ所定の表示が行われている状態が図中において示されている。具体的には、左装飾図柄HSZ〜右装飾図柄MSZにそれぞれ数字の「1」が表示され、サブ装飾図柄表示エリアSSAに、装飾図柄表示エリアSZAに表示された変動表示の結果と同じ変動表示の結果である数字の「111」が表示され、保留数表示エリアHSAに「1 0」と表示されている状態が図中において示されている。
また、第1保留表示エリアHRA1に第2の保留HR2として表示されていたコイン1枚保留C1Hが大当りになる前(図267(B))と同じ態様で表示されている状態が図中において示されている。なお、これは大当り遊技中に第一始動口2002に対する遊技球Bの入賞が発生しなかったことも示している。
一方、大当たりになる前の状態において表示されていたレジェンドガチャマシンLGMに代えて、ノーマルガチャマシンNGMがガチャマシンGMとして表示されている。
また、大当たりになる前の状態において当該保留表示エリアTHAに当該保留TGHとして表示されていた金色松保留KMHは大当たり後の状態においては表示されず、当該保留表示エリアTHAにおいて、背景画像BG1が視認可能な状態となっている。
図267(H)は、図267(G)に続く状態を示しており、具体的には、第2の保留HR2に対応する装飾図柄の変動が始まった状態を示している。
図266〜図267において、スーパーリーチ状態に発展したのち、装飾図柄の変動表示の結果が大当りを示す結果となる演出例を示したが、図268では、スーパーリーチ状態に発展はするものの装飾図柄の変動表示が大当りを示す結果とならない演出例を示す。
図268(A)は、図264(H)や図266(A)と同じ状態を示している。具体的には、リーチ演出が発生し、リーチ演出用のキャラクタとして第1味方キャラクタOMCと第1敵キャラクタIYCが表示され、ガチャマシンGMとしてレジェンドガチャマシンLGMが表示された状態が図中において示されている。
図268(B)は、図266(B)と同じ状態を示している。具体的には、第1味方キャラクタOMC、第1敵キャラクタIYCが表示され、ブラックカードキャラクタBCCを脚に掴んだ鳥キャラクタTRCが出現した状態が図中において示されている。
図268(C)は、図268(B)に続く状態を示している。
ブラックカードキャラクタBCCを脚に掴んだ鳥キャラクタTRCが表示装置1600の表示領域の右側中央から略中央でありレジェンドガチャマシンLGMの上方に移動してきた状態が図中において示されている。
図268(D)は、図268(C)に続く状態を示している。
ブラックカードキャラクタBCCを脚に掴んだ鳥キャラクタTRCが表示装置1600の表示領域の略中央でありレジェンドガチャマシンLGMの上方から、表示装置1600の表示領域の左側中央に移動してきた状態が図中において示されている。
図266(C)〜図266(H)において示した例では、鳥キャラクタTRCによりブラックカードキャラクタBCCがレジェンドガチャマシンLGMに投入されることを契機として、レジェンドガチャマシンLGMからレジェンドカプセルLCPが排出され、レジェンドカプセルLCPの中から金色松保留KMHが出現し、その後大当りが発生することを示す表示態様で装飾図柄が確定表示され、大当り遊技状態に移行している。
一方、図268(C)に示す例において、鳥キャラクタTRCによりブラックカードキャラクタBCCは、レジェンドガチャマシンLGMに投入されず、レジェンドガチャマシンLGMについて、何らかのカプセルCPが出現するような表示は行われず、当該保留表示エリアTHAに表示される当該保留TGHは赤色松保留RMHのままである。
このように、鳥キャラクタTRCによりブラックカードキャラクタBCCがレジェンドガチャマシンLGMに投入されるか否か、また、レジェンドガチャマシンLGMから排出されるレジェンドカプセルLCPの中からどのような松保留MTHが出現するかによって遊技者に対して大当たりに対する期待度が示唆されるようになっている。
図268(E)は、図268(D)に続く状態を示している。具体的には、第1味方キャラクタOMCが演出表示装置1600の表示領域の左側を向いて左側の方向に逃げるように移動し、第1敵キャラクタIYCが逃げるように移動する第1味方キャラクタOMCを追いかけるように移動している状態が図中において示されている。
図268(F)は、図268(E)に続く状態を示しており、図268(E)において示された状態に引き続いて、第1味方キャラクタOMCが演出表示装置1600の表示領域の左側を向いて左側の方向に逃げるように移動し、第1敵キャラクタIYCが逃げるように移動する第1味方キャラクタOMCを追いかけるように移動している状態が図中において示されている。
また、左装飾図柄HSZ〜右装飾図柄MSZとして数字の「1」、「2」、「1」が仮停止して表示された状態が示されている。この表示によって、遊技者は装飾図柄の変動表示がはずれを示す表示態様で停止することになることを認識する。
図268(G)は、図268(F)に続く状態を示している。
具体的には、第1味方キャラクタOMCと第1敵キャラクタIYCが、演出表示装置1600の表示領域の左側から演出表示装置1600の表示領域外へ移動することで、演出表示装置1600の表示領域に表示されなくなった状態が示している。
また、それまで小さく表示されていた左装飾図柄HSZ〜右装飾図柄MSZが、それぞれ、変動開始時の大きさ及び場所に戻るとともに装飾図柄として数字の「1」、「2」、「1」を確定表示した状態が図中において示されている。また、サブ装飾図柄表示エリアSSAに、装飾図柄表示エリアSZAに表示された変動表示の結果と同じ変動表示の結果である数字の「121」が確定表示された状態が示されている。
また、それまで当該保留表示エリアTHAに当該保留TGHとして表示されていた赤色松保留RMHの表示が終了し、当該保留表示エリアTHAに何も表示されないようになった状態が示されている。
図268(H)は、図268(G)に続く状態を示したものであり、第一特別図柄表示器において第2の保留HR2に対応する第一特別図柄の変動表示が新たに開始された状態を示している。
図中において、第2の保留HR2に対応する装飾図柄の変動表示が装飾図柄表示エリアSZAとサブ装飾図柄表示エリアSSAで開始された状態が示されている。
このようにスーパーリーチ状態に発展した状態において、いずれのガチャマシンが表示されているか、ガチャマシンGMに鳥キャラクタTRCが何らかのキャラクタを投入するか、キャラクタが投入された場合には、より大当り期待度の高い松保留MTHが表示されるかといった点で、装飾図柄の変動結果が表示されるまでの間、装飾図柄の変動結果に対して遊技者に期待感を感じさせることが可能となっている。
図269〜図272は、図258において示したように第1保留表示エリアHRA1にコイン保留CNHが表示され、このコイン保留CNHに対応するノーマルカプセルNCPをカプセルオープンエリアCOAで開く際のカプセルオープンエリアCOAにおける表示例を示している。なお、この際表示される松保留MTHの種類は図263において示した出現松保留決定テーブルによって決定される。以下、コイン保留CNHの種類毎の表示例を示す。
図269(A)、図269(B)は、第1保留表示エリアHRA1にコイン1枚保留C1Hが表示されていた場合のカプセルオープンエリアCOA内での表示例を示している。
具体的には、カプセルオープンエリアCOAの中央に第1ノーマルカプセルNCP1が表示されたのち、第1ノーマルカプセルNCP1がその横線を中心として上下方向に分割するように表示され、分割されたカプセルの中から松保留MTHが出現する表示が行われる。
図269(C)〜図269(F)は、第1保留表示エリアHRA1にコイン2枚保留C2Hが表示されていた場合のカプセルオープンエリアCOA内での表示例を示している。
具体的には、カプセルオープンエリアCOAの上下方向中央左側に第1ノーマルカプセルNCP1が表示されたのち、第1ノーマルカプセルNCP1がその横線を中心として上下方向に分割するように表示され、分割されたカプセルの中から松保留MTHが出現し、その後、カプセルオープンエリアCOAの上下方向中央右側に第2ノーマルカプセルNCP2が表示されたのち、第2ノーマルカプセルNCP2がその横線を中心として上下方向に分割するように表示され、分割されたカプセルの中から松保留MTHが出現する表示が行われる。
図270(A)〜図270(F)は、第1保留表示エリアHRA1にコイン3枚保留C3Hが表示されていた場合のカプセルオープンエリアCOA内での表示例を示している。
具体的には、カプセルオープンエリアCOAの上下方向中央左側に第1ノーマルカプセルNCP1が表示されたのち、第1ノーマルカプセルNCP1がその横線を中心として上下方向に分割するように表示され、分割されたカプセルの中から松保留MTHが出現し、その後、カプセルオープンエリアCOAの中央に第2ノーマルカプセルNCP2が表示されたのち、第2ノーマルカプセルNCP2がその横線を中心として上下方向に分割するように表示され、分割されたカプセルの中から松保留MTHが出現し、その後、カプセルオープンエリアCOAの上下方向中央右側に第3ノーマルカプセルNCP3が表示されたのち、第3ノーマルカプセルNCP3がその横線を中心として上下方向に分割するように表示され、分割されたカプセルの中から松保留MTHが出現する表示が行われる。
図269〜図270において示した例では、カプセルオープンエリアCOA内に表示されたノーマルカプセルNCPが開いて中から松保留MTHが出現したのちに、新たなノーマルカプセルNCPがカプセルオープンエリアCOA内に表示される例を示した。
図271〜図272を参照して示す例においては、すべてのノーマルカプセルNCPをカプセルオープンエリアCOA内に表示したのちに、各ノーマルカプセルNCPが順に開いて中から松保留MTHが出現する表示例を示す。
図271(A)、図271(B)は、第1保留表示エリアHRA1にコイン1枚保留C1Hが表示されていた場合のカプセルオープンエリアCOA内での表示例を示している。
具体的には、カプセルオープンエリアCOAの中央に第1ノーマルカプセルNCP1が表示されたのち、第1ノーマルカプセルNCP1がその横線を中心として上下方向に分割するように表示され、分割されたカプセルの中から松保留MTHが出現する表示が行われる。
図271(C)〜図271(F)は、第1保留表示エリアHRA1にコイン2枚保留C2Hが表示されていた場合のカプセルオープンエリアCOA内での表示例を示している。
具体的には、カプセルオープンエリアCOAの上下方向中央左側に第1ノーマルカプセルNCP1が表示され、その後、カプセルオープンエリアCOAの上下方向中央右側に第2ノーマルカプセルNCP2が表示され、その後、第1ノーマルカプセルNCP1がその横線を中心として上下方向に分割するように表示され、分割されたカプセルの中から松保留MTHが出現し、その後、第2ノーマルカプセルNCP2がその横線を中心として上下方向に分割するように表示され、分割されたカプセルの中から松保留MTHが出現する表示が行われる。
図272(A)〜図272(F)は、第1保留表示エリアHRA1にコイン3枚保留C3Hが表示されていた場合のカプセルオープンエリアCOA内での表示例を示している。
具体的には、カプセルオープンエリアCOAの上下方向中央左側に第1ノーマルカプセルNCP1が表示され、その後、カプセルオープンエリアCOAの中央に第2ノーマルカプセルNCP2が表示され、その後、カプセルオープンエリアCOAの上下方向中央右側に第3ノーマルカプセルNCP3が表示され、その後、第1ノーマルカプセルNCP1がその横線を中心として上下方向に分割するように表示され、分割されたカプセルの中から松保留MTHが出現し、その後、第2ノーマルカプセルNCP2がその横線を中心として上下方向に分割するように表示され、分割されたカプセルの中から松保留MTHが出現し、その後、第3ノーマルカプセルNCP3がその横線を中心として上下方向に分割するように表示され、分割されたカプセルの中から松保留MTHが出現する表示が行われる。
このように、当該保留TGHとして表示される松保留MTHの候補として、カプセルオープンエリアCOA内に複数個の松保留MTHが順に表示されるため、遊技者に対して、より期待度の高い松保留MTHが出現するのではないかという期待感を持たせることが可能となっている。
図266(B)〜図266(D)においてブラックカードキャラクタBCCを脚に掴んだ鳥キャラクタTRCが脚に掴んでいたブラックカードキャラクタBCCをレジェンドガチャマシンLGMに投入するスーパーリーチ状態における演出例を示した。
図273は、スーパーリーチ状態における演出例として、鳥キャラクタTRCがコインキャラクタCNCやお札キャラクタOSCをガチャマシンGMに投入する演出例を示す。
図273(A)は、コイン1枚キャラクタC1Cを脚に掴んだ鳥キャラクタTRCがノーマルガチャマシンNGMに向かって移動しようとしている状態を示している。この状態ののち、鳥キャラクタTRCがノーマルガチャマシンNGMにコイン1枚キャラクタC1Cを投入し、ノーマルガチャマシンNGMから第1ノーマルカプセルNCP1が排出され、第1ノーマルカプセルNCP1の中から何らかの松保留MTHが出現する表示が行われる。
図273(B)は、コイン2枚キャラクタC2Cを脚に掴んだ鳥キャラクタTRCがノーマルガチャマシンNGMに向かって移動しようとしている状態を示している。この状態ののち、鳥キャラクタTRCがノーマルガチャマシンNGMにコイン2枚キャラクタC2Cを投入し、ノーマルガチャマシンNGMから第1ノーマルカプセルNCP1、第2ノーマルカプセルNCP2が排出され、第1ノーマルカプセルNCP1、第2ノーマルカプセルNCP2の中からそれぞれ何らかの松保留MTHが出現する表示が行われる。
図273(C)は、コイン3枚キャラクタC3Cを脚に掴んだ鳥キャラクタTRCがノーマルガチャマシンNGMに向かって移動しようとしている状態を示している。この状態ののち、鳥キャラクタTRCがノーマルガチャマシンNGMにコイン3枚キャラクタC3Cを投入し、ノーマルガチャマシンNGMから第1ノーマルカプセルNCP1〜第3ノーマルカプセルNCP3が排出され、第1ノーマルカプセルNCP1〜第3ノーマルカプセルNCP3の中からそれぞれ何らかの松保留MTHが出現する表示が行われる。
図273(D)は、お札キャラクタOSCを脚に掴んだ鳥キャラクタTRCがレアガチャマシンRGMに向かって移動しようとしている状態を示している。この状態ののち、鳥キャラクタTRCがレアガチャマシンRGMにお札キャラクタOSCを投入し、レアガチャマシンRGMからレアカプセルRCPが排出され、レアカプセルRCPの中から何らかの松保留MTHが出現する表示が行われる。
図273(E)は、ブラックカードキャラクタBCCを脚に掴んだ鳥キャラクタTRCがレジェンドガチャマシンLGMに向かって移動しようとしている状態を示している。この状態ののち、鳥キャラクタTRCがレジェンドガチャマシンLGMにブラックカードキャラクタBCCを投入し、レジェンドガチャマシンLGMからレジェンドカプセルLCPが排出され、レジェンドカプセルLCPの中から何らかの松保留MTHが出現する表示が行われる。
図273(F)は、ゴッドチケットキャラクタGTCを脚に掴んだ鳥キャラクタTRCがゴッドガチャマシンGGMに向かって移動しようとしている状態を示している。この状態ののち、鳥キャラクタTRCがゴッドガチャマシンGGMにゴッドチケットキャラクタGTCを投入し、ゴッドガチャマシンGGMからゴッドカプセルGCPが排出され、ゴッドカプセルGCPの中から何らかの松保留MTHが出現する表示が行われる。
図255(D)を参照して上述したように、表示されているガチャマシンGMの種類と鳥キャラクタTRCが持ってくるキャラクタは対応関係にある。具体的には、ノーマルガチャマシンNGMにコインキャラクタCNCが、レアガチャマシンRGMにお札キャラクタOSCが、レジェンドガチャマシンLGMにブラックカードキャラクタBCCが、ゴッドガチャマシンGGMにゴッドチケットキャラクタGTCがそれぞれ対応しており、ガチャマシンGMに対応しないキャラクタの表示は行われない。例えば、ノーマルガチャマシンNGMが表示されている状態において、鳥キャラクタTRCがお札キャラクタOSCを脚に抱えて出現することはない。
また、ガチャマシンGMから排出されたカプセルCPから出現する松保留MTHは、当該保留TGHとして表示されている松保留MTHと大当り期待度が同じか、当該保留TGHとして表示されている松保留MTHよりも大当り期待度が高くなるように出現するように設定されている。また後者のように、より大当り期待度が高い松保留MTHが出現した場合には、当該保留TGHとして表示中の松保留MTHに代えて、より大当り期待度が高い松保留MTHの方を新たな当該保留TGHとして当該保留表示エリアTHAに表示するように構成されている。
図274〜図279は、始動入賞時に取得された乱数に応じて、ガチャマシンGMの昇格の有無、鳥キャラクタTRCの出現の有無、表示される松保留MTHの種類などを定義したガチャマシン昇格演出決定テーブルを示している。ガチャマシン昇格演出決定テーブルは、具体的には、装飾図柄の変動パターンとして変動時間が60秒であり、スーパーリーチに発展することが決定され、リーチ状態の発生前に当該保留TGHとして赤色松保留RMHが表示され、ガチャマシンGMとしてノーマルガチャマシンNGMが表示されているときに使用されるテーブルである。
なお、リーチ状態の発生前に当該保留TGHとして赤色松保留RMHが表示されるのは、図260〜図263を示して上述したように、コイン保留用予告テーブル1〜コイン保留用予告テーブル4により、当該保留表示エリアTHAに赤色松保留RMHを表示することが設定されている演出パターンが選択された場合である。具体的には、例えば、コイン保留用予告テーブル1において、演出PTN07〜演出PTN09が選択された場合である。
このテーブルにより選択される演出では、装飾図柄の変動開始から10秒が経過してリーチ状態が成立した直後のタイミングにおいて、ノーマルガチャマシンNGMがレアガチャマシンRGM〜ゴッドガチャマシンGGMに変化する場合がある。
また、装飾図柄の変動開始から20秒が経過してリーチ状態がスーパーリーチ状態に発展した直後のタイミングにおいて、レアガチャマシンRGMが、レジェンドガチャマシンLGMやゴッドガチャマシンGGMに、レジェンドガチャマシンLGMがゴッドガチャマシンGGMに変化する場合がある。なお、表示されるガチャマシンGMが変化することで大当りに対する期待度が高いことが示唆されるため、本明細書中において「昇格」という表現を用いている。
このようにガチャマシンGMが変化するタイミングとして、装飾図柄の変動開始から10秒が経過してリーチ状態が成立した直後のタイミングと、装飾図柄の変動開始から20秒が経過してリーチ状態がスーパーリーチ状態に発展した直後のタイミングの2回設けられている。
なお、1回目のタイミングにおいてノーマルガチャマシンNGMが他のガチャマシンに変化せず、ノーマルガチャマシンNGMがそのまま表示されつづける場合、2回目のタイミングにおいて、ノーマルガチャマシンNGMが他のガチャマシンに変化することはないようにガチャマシン昇格演出決定テーブルが設定されている。
また、1回目のタイミングにおいてノーマルガチャマシンNGMがゴッドガチャマシンGGMに変化した場合には、2回目のタイミングにおいてゴッドガチャマシンGGMが他のガチャマシンに変化することはないようにガチャマシン昇格演出決定テーブルが設定されている。
図255を示して上述したように、ノーマルガチャマシンNGMにはコイン1枚キャラクタC1C〜コイン3枚キャラクタC3Cが投入され、レアガチャマシンRGMにはお札キャラクタOSCが投入され、レジェンドガチャマシンLGMにはブラックカードキャラクタBCCが投入され、ゴッドガチャマシンにGGMにはゴッドチケットキャラクタGTCが投入され、各ガチャマシンGMに対応してノーマルカプセルNCP〜ゴッドカプセルGCPが各ガチャマシンGMから排出され、当該保留TGHとして表示されている松保留MTHが他の松保留MTHに変化するか否かという演出に用いられるようになっている。
また、ガチャマシンGMに、コイン1枚キャラクタC1C〜ゴッドチケットキャラクタGTCが投入されるタイミングは、装飾図柄の変動開始から15秒が経過したタイミングと、装飾図柄の変動開始から25秒が経過したタイミングの2回設けられている。
なお、鳥キャラクタTRCが、ガチャマシンGMにコイン1枚キャラクタC1C〜ゴッドチケットキャラクタGTCを投入することで、カプセルCPの排出や当該保留TGHが昇格するか否かという演出が行われるが、鳥キャラクタTRCが出現しなかったり、鳥キャラクタTRCが出現したものの、出現した鳥キャラクタTRCが持っているコイン1枚キャラクタC1C〜ゴッドチケットキャラクタGTCをガチャマシンGMに投入せずに飛び去ったりするといった演出も行われるように、ガチャマシン昇格演出決定テーブルが設定されている。
このように、装飾図柄の変動開始から10秒が経過してリーチ状態が発生し、その直後のタイミングでガチャマシンGMが他のガチャマシンGMに変化する場合があり、装飾図柄の変動開始から15秒が経過したタイミングでガチャマシンGMからカプセルCPが排出される場合があり、装飾図柄の変動開始から20秒が経過してリーチ状態がスーパーリーチ状態に発展した直後のタイミングでガチャマシンGMが他のガチャマシンGMに変化する場合があり、装飾図柄の変動開始から25秒が経過したタイミングでガチャマシンGMからカプセルCPが排出される場合がある。
なお、装飾図柄の変動開始から10秒が経過したタイミングにおいて、ノーマルガチャマシンNGMが他のガチャマシンに変化しなかった場合には、装飾図柄の変動開始から20秒が経過してリーチ状態がスーパーリーチ状態に発展した直後のタイミングにおいて、他のガチャマシンGMに変化しないようにガチャマシン昇格演出決定テーブルが設定されており、演出PTN001〜演出PTN061が、このような例に該当する。
演出PTN001〜演出PTN061においては、ノーマルガチャマシンNGMにコインキャラクタCNCが投入される機会が2回設けられており、投入されるコインの合計は最大3枚となるように構成されている。具体的には、装飾図柄の変動開始から10秒が経過したタイミングでコイン1枚キャラクタC1Cが投入された場合には、装飾図柄の変動開始から20秒が経過したタイミングではコイン3枚キャラクタの投入が行われないようにガチャマシン昇格演出決定テーブルが設定されている。また、ノーマルカプセルNCPから出現する松保留MTHは、赤色松保留RMHか金色松保留KMHのいずれかであり、コインキャラクタCNCの投入が行われない場合、赤色松保留RMHが出現した場合、金色松保留KMHが出現した場合、の順で大当り期待度が高くなるようにガチャマシン昇格演出決定テーブルが設定されている。
このような演出態様とすることで、遊技者は、いずれのコインキャラクタCNCの投入が行われるか、いずれかのノーマルカプセルNCPの中からより大当り期待度の高い松保留MTHが出現するかといった点に興趣を感じながら遊技を進めることとなる。
一方、装飾図柄の変動開始から10秒が経過したタイミングにおいて、ノーマルガチャマシンNGMが他のガチャマシンに変化した場合には、装飾図柄の変動開始から20秒が経過してリーチ状態がスーパーリーチ状態に発展した直後のタイミングにおいて、さらに他のガチャマシンGMに変化する場合があるが、この場合の演出態様については、図280を参照して説明する。
図280は、ガチャマシン昇格演出テーブルを用いて行われる演出のタイムチャートを示している。具体的には、選択された演出パターンに応じて、60秒間の装飾図柄の変動時間にガチャマシンGMと松保留MTHがどのように表示されるかを演出例1〜演出例6によって示している。
演出例1〜演出例6に共通する演出として、装飾図柄の変動開始から5秒が経過するまでの間に、1回〜3回の保留変化演出が行われ、当該保留TGHとして赤色松保留RMHが当該保留表示エリアTHAに表示され、装飾図柄の変動開始から10秒が経過したタイミングでリーチ状態が成立し、装飾図柄の変動開始から20秒が経過したタイミングでスーパーリーチ状態に発展する。なお、リーチ状態の成立や、スーパーリーチ状態への発展、大当り発生時やリーチはずれ時などの演出としては、図256〜図268に示した第1味方キャラクタOMC、第1敵キャラクタIYC等を用いた演出を採用するとよい。
演出例1〜演出例5の場合、装飾図柄の変動開始から50秒が経過したタイミングで装飾図柄が「7」、「6」、「7」か「7」、「7」、「7」のいずれかの表示態様で仮停止される。このとき表示態様が「7」、「6」、「7」の場合には、装飾図柄の変動開始から60秒が経過するまでの間に所定の復活演出が行われ、復活演出の結果に応じて、「7」、「6」、「7」か「7」、「7」、「7」のいずれかの表示態様で装飾図柄が確定表示され、大当り状態となるか否かが遊技者に示される。「7」、「7」、「7」の表示態様で仮停止した場合には、「7」、「7」、「7」の表示態様で装飾図柄が確定表示され、大当り状態となることが遊技者に示される。
一方、演出例6の場合は、装飾図柄の変動開始から50秒が経過したタイミングで装飾図柄が「7」、「6」、「7」の表示態様で仮停止される。装飾図柄の変動開始から55秒が経過したタイミングで復活演出として保留変化演出が行われ、「7」、「7」、「7」の表示態様で装飾図柄の確定表示が行われる。
なお、保留変化演出として、最終的に赤色松保留RMHが当該保留TGHとして表示されるのは、コイン保留用保留予告決定テーブル1〜コイン保留用保留予告決定テーブル4において特定の演出パターンが選択された場合である。具体的には、図260(A)に示したコイン保留用保留予告決定テーブル1において演出PTN07〜演出PTN09が、図260(B)に示したコイン保留用保留予告決定テーブル2において演出PTN13〜演出PTN18が、図261に示したコイン保留用保留予告決定テーブル3において演出PTN21〜演出PTN30が、図262に示したコイン保留用保留予告決定テーブル4において演出PTN31〜演出PTN45が選択された場合である。
演出例1〜演出例6は、ガチャマシンGMが変化するか否か、ガチャマシンGMから何らかのカプセルCPが出現して、当該保留TGHとして表示されるか否かという点で演出の態様が異なっている。以下、これらの異なる点について詳述する。
図280に示す演出例1は、ガチャマシン昇格演出決定テーブルから演出PTN001〜演出PTN003、演出PTN005、演出PTN006等が選択されたときの演出例である。
演出例1においては、装飾図柄の変動が、ノーマルガチャマシンNGMが表示された状態で開始され、装飾図柄の変動開始から5秒が経過するまでの間に当該保留TGHとして赤色松保留RMHが表示され、装飾図柄の変動開始から60秒が経過して装飾図柄が確定表示されるまでノーマルガチャマシンNGMと当該保留TGHである赤色松保留RMHが表示される。
演出PTN001が選択された場合は、鳥キャラクタTRCが、装飾図柄の変動開始から15秒が経過したタイミング、装飾図柄の変動開始から25秒が経過したタイミングの2度のタイミングのいずれにおいても出現しない演出が行われる。
また、演出PTN003が選択された場合は、装飾図柄の変動開始から15秒が経過したタイミングにおいて鳥キャラクタが出現せず、装飾図柄の変動開始から25秒が経過したタイミングにおいて鳥キャラクタTRCがコイン1枚キャラクタC1Cを脚に抱えた状態で出現してノーマルガチャマシンNGMにコイン1枚キャラクタC1Cを投入し、ノーマルガチャマシンNGMから第1ノーマルカプセルNCP1が出現し、カプセルオープンエリアCOAにおいて第1ノーマルカプセルNCP1から赤色松保留RMHが出現し、出現した赤色松保留RMHが、当該保留表示エリアTHAに移動する演出が行われる。このとき当該保留TGHとしてすでに赤色松保留RMHが表示されているが、新たに出現した赤色松保留RMHはこの表示されていた赤色松保留RMHにぴったり重なるように表示され、表示されていた赤色松保留RMHの表示は終了される。
図280に示す演出例2は、ガチャマシン昇格演出決定テーブルから演出PTN070、演出PTN080が選択されたときの演出例である。
演出例2においては、装飾図柄の変動が、ノーマルガチャマシンNGMが表示された状態で開始され、装飾図柄の変動開始から5秒が経過するまでの間に当該保留TGHとして赤色松保留RMHが表示され、装飾図柄の変動開始から10秒が経過したタイミングでノーマルガチャマシンNGMがレアガチャマシンRGMに変化し、装飾図柄の変動開始から20秒が経過したタイミングでレアガチャマシンRGMがゴッドガチャマシンGGMに変化し、装飾図柄の変動開始から25秒が経過したタイミングでゴッドチケットキャラクタGTCを脚に抱えた鳥キャラクタTRCが出現してゴッドガチャマシンGGMにゴッドチケットキャラクタGTCを投入し、ゴッドガチャマシンGGMから金色松保留KMHが出現して当該保留TGHとして当該保留表示エリアTHAに表示され、装飾図柄の変動開始から60秒が経過して装飾図柄が確定表示されるまでゴッドガチャマシンGGMと当該保留TGHである金色松保留KMHが表示される。
なお、演出PTN070、演出PTN080が選択された場合の大当りの期待度は、(変動結果がハズレとなる場合の出現比率)/(変動結果がハズレとなる場合の出現比率+変動結果が大当りとなる場合の出現比率)=20/50=40%ということになる。
図280に示す演出例3は、ガチャマシン昇格演出決定テーブルから演出PTN125が選択されたときの演出例である。
演出例3においては、装飾図柄の変動が、ノーマルガチャマシンNGMが表示された状態で開始され、装飾図柄の変動開始から5秒が経過するまでの間に当該保留TGHとして赤色松保留RMHが表示され、装飾図柄の変動開始から10秒が経過したタイミングでノーマルガチャマシンNGMがゴッドガチャマシンGGMに変化し、装飾図柄の変動開始から15秒が経過したタイミングでゴッドチケットキャラクタGTCを脚に抱えた鳥キャラクタTRCが出現してゴッドガチャマシンGGMにゴッドチケットキャラクタGTCを投入し、ゴッドガチャマシンGGMから金色松保留KMHが出現して当該保留TGHとして当該保留表示エリアTHAに表示され、装飾図柄の変動開始から60秒が経過して装飾図柄が確定表示されるまでゴッドガチャマシンGGMと当該保留TGHである金色松保留KMHが表示される。
なお、演出PTN125が選択された場合の大当りの期待度は、(変動結果がハズレとなる場合の出現比率)/(変動結果がハズレとなる場合の出現比率+変動結果が大当りとなる場合の出現比率)=20/40=50%ということになる。
図280に示す演出例4は、ガチャマシン昇格演出決定テーブルから演出PTN123が選択されたときの演出例である。
演出例4においては、装飾図柄の変動が、ノーマルガチャマシンNGMが表示された状態で開始され、装飾図柄の変動開始から5秒が経過するまでの間に当該保留TGHとして赤色松保留RMHが表示され、装飾図柄の変動開始から10秒が経過したタイミングでノーマルガチャマシンNGMがゴッドガチャマシンGGMに変化し、装飾図柄の変動開始から25秒が経過したタイミングでゴッドチケットキャラクタGTCを脚に抱えた鳥キャラクタTRCが出現してゴッドガチャマシンGGMにゴッドチケットキャラクタGTCを投入し、ゴッドガチャマシンGGMから金色松保留KMHが出現して当該保留TGHとして当該保留表示エリアTHAに表示され、装飾図柄の変動開始から60秒が経過して装飾図柄が確定表示されるまでゴッドガチャマシンGGMと当該保留TGHである金色松保留KMHが表示される。
なお、演出PTN123が選択された場合の大当りの期待度は、(変動結果がハズレとなる場合の出現比率)/(変動結果がハズレとなる場合の出現比率+変動結果が大当りとなる場合の出現比率)=20/30=約66.7%ということになる。
図280に示す演出例5は、ガチャマシン昇格演出決定テーブルから演出PTN124が選択されたときの演出例である。
演出例5においては、装飾図柄の変動が、ノーマルガチャマシンNGMが表示された状態で開始され、装飾図柄の変動開始から5秒が経過するまでの間に当該保留TGHとして赤色松保留RMHが表示され、装飾図柄の変動開始から10秒が経過したタイミングでノーマルガチャマシンNGMがゴッドガチャマシンGGMに変化し、装飾図柄の変動開始から25秒が経過したタイミングでゴッドチケットキャラクタGTCを脚に抱えた鳥キャラクタTRCが出現してゴッドガチャマシンGGMにゴッドチケットキャラクタGTCを投入し、ゴッドガチャマシンGGMから赤白柄松保留RWHが出現して当該保留TGHとして当該保留表示エリアTHAに表示され、装飾図柄の変動開始から60秒が経過して装飾図柄が確定表示されるまでゴッドガチャマシンGGMと当該保留である赤白柄松保留RWHが表示される。
なお、演出PTN124が選択された場合の大当りの期待度は、(変動結果がハズレとなる場合の出現比率)/(変動結果がハズレとなる場合の出現比率+変動結果が大当りとなる場合の出現比率)=20/25=80%ということになる。
図280に示す演出例6は、ガチャマシン昇格演出決定テーブルから演出PTN127が選択されたときの演出例である。
演出例6においては、装飾図柄の変動が、ノーマルガチャマシンNGMが表示された状態で開始され、装飾図柄の変動開始から5秒が経過するまでの間に当該保留TGHとして赤色松保留RMHが表示され、装飾図柄の変動開始から10秒が経過したタイミングでノーマルガチャマシンNGMがゴッドガチャマシンGGMに変化し、装飾図柄の変動開始から50秒が経過したタイミングで装飾図柄が「7」、「6」、「7」のリーチはずれを示す表示態様で仮停止し、装飾図柄の変動開始から55秒が経過したタイミングでゴッドチケットキャラクタGTCを脚に抱えた鳥キャラクタTRCが出現してゴッドガチャマシンGGMにゴッドチケットキャラクタGTCを投入し、ゴッドガチャマシンGGMから赤白柄松保留RWHが出現して当該保留TGHとして当該保留表示エリアTHAに表示され、装飾図柄の変動開始から60秒が経過して装飾図柄が確定表示されるまでそのままゴッドガチャマシンGGMと当該保留TGHである赤白柄松保留RWHが表示される。また、装飾図柄の変動開始から60秒が経過したタイミングで、装飾図柄を「7」、「7」、「7」の大当りを示す表示態様で確定表示する。
なお、演出PTN127が選択された場合の大当りの期待度は、(変動結果がハズレとなる場合の出現比率)/(変動結果がハズレとなる場合の出現比率+変動結果が大当りとなる場合の出現比率)=20/20=100%ということになる。
ここで、演出PTN070、演出PTN080(演出例2)と演出PTN125(演出例3)を比較すると、ゴッドガチャマシンGGMが表示されるタイミングが早いほど、大当りになる期待度が高くなるようにガチャマシン昇格演出決定テーブルの出現比率が設定されていることが示されている。
また、演出PTN123(演出例4)と演出PTN124(演出例5)を比較すると、ゴッドガチャマシンGGMから出現する松保留MTHが金色松保留KMHの場合よりも赤白柄松保留RWHの場合の方が大当りになる期待度が高くなるようにガチャマシン昇格演出決定テーブルの出現比率が設定されていることが示されている。
また、演出PTN125(演出例3)と演出PTN123(演出例4)、演出PTN124(演出例5)と演出PTN127(演出例6)とを比較すると、ゴッドガチャマシンGGMが表示されてからゴッドカプセルGCPが出現するまでの時間が長いほど、大当りに対する期待度が高くなるようにガチャマシン昇格演出決定テーブルの出現比率が設定されている。
このため、遊技者は、ゴッドガチャマシンGGMから出現する松保留MTHの種類に加えて、ゴッドガチャマシンGGMが表示されるタイミングが早いほど、またゴッドガチャマシンGGMが出現される時間が長いほど、大当りに対する期待感を保った状態を維持することが可能となる。
なお、演出例6の変形例として以下のような演出パターンを採用してもよい。まず、装飾図柄の変動が、ノーマルガチャマシンNGMが表示された状態で開始され、装飾図柄の変動開始から5秒が経過するまでの間に当該保留TGHとして赤色松保留RMHが表示され、装飾図柄の変動開始から10秒が経過したタイミングでノーマルガチャマシンNGMがレアガチャマシンRGMに変化し、装飾図柄の変動開始から20秒が経過したタイミングでレアガチャマシンRGMがレジェンドガチャマシンLGMに変化し、装飾図柄の変動開始から50秒が経過したタイミングで装飾図柄が「7」、「6」、「7」のリーチはずれを示す表示態様で仮停止し、装飾図柄の変動開始から52秒が経過したタイミングでレジェンドガチャマシンLGMがゴッドガチャマシンGGMに変化し、装飾図柄の変動開始から55秒が経過したタイミングでゴッドチケットキャラクタGTCを脚に抱えた鳥キャラクタTRCが出現してゴッドガチャマシンGGMにゴッドチケットキャラクタGTCを投入し、ゴッドガチャマシンGGMから排出されたゴッドカプセルGCPの中から赤白柄松保留RWHが出現して当該保留TGHとして当該保留表示エリアTHAに表示され、装飾図柄の変動開始から60秒が経過して装飾図柄が確定表示されるまでゴッドガチャマシンGGMと当該保留TGHである赤白柄松保留RWHが表示される。また、装飾図柄の変動開始から60秒が経過したタイミングで、装飾図柄を「7」、「7」、「7」の大当りを示す表示態様で確定表示する。
なお、この演出パターンが選択された場合の大当りの期待度は、(変動結果がハズレとなる場合の出現比率)/(変動結果がハズレとなる場合の出現比率+変動結果が大当りとなる場合の出現比率)=10/10=100%とするとよい。また、ゴッドガチャマシンGGMが出現した場合には必ず鳥キャラクタTRCが出現し、鳥キャラクタTRCはゴッドチケットキャラクタGTCを必ずゴッドガチャマシンGGMに投入し、ゴッドガチャマシンGGMから排出されるゴッドカプセルGCPの中からは必ず赤白柄松保留RWHが出現し、装飾図柄の変動開始から60秒が経過したタイミングで、装飾図柄は「7」、「7」、「7」の大当りを示す表示態様で必ず確定表示される。したがって、装飾図柄の変動開始から52秒が経過したタイミングでレジェンドガチャマシンLGMがゴッドガチャマシンGGMに変化した時点で、その後に装飾図柄が大当りを示す表示態様で確定表示されることが確定する。
このような演出においては、装飾図柄がリーチはずれを示す表示態様で仮停止されたとしても、その後、ゴッドガチャマシンGGMが表示されることで、装飾図柄が大当りを示す表示態様で確定表示されることが確定することとなるため、遊技者は装飾図柄がリーチはずれを示す表示態様で仮停止されたのちも装飾図柄が大当りを示す態様に変化するのではないかという期待感を抱くことになる。
図257〜図259において、コイン保留CNHに対応して、装飾図柄の変動開始時にカプセルオープンエリアCOAにおいてカプセルCPが表示され、カプセルCPの中から松保留MTHが出現する例を示した。また、ガチャマシン昇格演出決定テーブル(図274〜図279)を参照して、リーチ状態の成立後にノーマルガチャマシンNGMにコインキャラクタCNCが投入され、最大3回の保留変化演出が行われる例を示した。
図281、図282は、カプセルCPから松保留が出現するタイミングの具体例を示したものであり、始動入賞時に取得された乱数により選択された演出パターンに応じて、図281(A)〜図281(F)、図282(A)〜図282(F)に示すような装飾図柄の変動中に当該保留が変化する演出が行われる。
なお、各演出パターン共通の前提として、装飾図柄の変動時間は60秒、ガチャマシンGMとしてはNGMが装飾図柄の変動中継続して表示されている状態である。また、このときの遊技状態は、低確率非時短状態である。
図281(A)は、当該保留TGHの変化が行われない変動パターンである演出PTN01が選択されたときの演出例を示している。この演出例において、当該保留表示エリアTHAには、当該変動の開始前まで第1保留表示エリアHRA1に第1の保留HR1として表示されていた松保留MTHが、第1保留表示エリアHRA1からノーマルガチャマシンNGMを飛び越えるように移動してきて表示されると同時に装飾図柄の変動が開始される。その後、装飾図柄の変動開始から10秒後に左装飾図柄HSZとして数字の「7」が仮停止し、装飾図柄の変動開始から20秒後に右装飾図柄MSZとして数字の「7」が仮停止してリーチ状態が成立し、装飾図柄の変動開始から30秒後にリーチ状態からスーパーリーチ状態に発展し、装飾図柄の変動開始から50秒後に中装飾図柄NSZとして数字の「6」が仮停止したのち装飾図柄の変動開始から60秒後に、装飾図柄として「7」、「6」、「7」が確定表示されるか、装飾図柄の変動開始から50秒後に中装飾図柄NSZとして数字の「7」が仮停止したのち装飾図柄の変動開始から60秒後に、装飾図柄として「7」、「7」、「7」が確定表示されている。この演出パターンにおいては、60秒間の装飾図柄の変動期間において、当該保留表示エリアTHAには、同じ松保留MTHが表示され続けるのみであり、装飾図柄の変動中に、ノーマルガチャマシンNGMに鳥キャラクタTRCがコインキャラクタCNCを投入するなどして、当該保留表示エリアTHAに表示される松保留MTHが他の松保留MTHに変化することはない。
一方、図281(B)〜図281(F)、図282(A)〜図282(F)において示す演出パターンにおいては、第1保留表示エリアHRA1に表示されていたコイン保留CNHに対応して、当該保留表示エリアTHAに表示される松保留MTHが変化するか、あるいはノーマルガチャマシンNGMに鳥キャラクタTRCがコインキャラクタCNCを投入することにより、当該保留表示エリアTHAに表示される松保留MTHが他の松保留MTHに変化する演出が行われる。以下、各演出パターンの具体的な内容を説明する。
図281(B)は、装飾図柄の変動初期に保留変化演出を行う変動パターンである演出PTN02が選択されたときの演出例を示している。この演出例においては、装飾図柄の変動態様は、図281(A)において示した演出例と同じであるが、装飾図柄の変動初期に保留変化演出が行われる点で、図281(A)において示した演出例とは異なっている。
具体的には、装飾図柄の変動表示が開始される前の状態において、第1保留表示エリアHRA1には、コイン3枚保留キャラクタC3Hが表示されており、装飾図柄の変動開始と同じタイミングで第1ノーマルカプセルNCP1の中から何らかの松保留MTHが出現し、装飾図柄の変動開始から1秒後に第2ノーマルカプセルNCP2の中から何らかの松保留MTHが出現し、装飾図柄の変動開始から2秒後に第3ノーマルカプセルNCP3の中から何らかの松保留MTHが出現する表示が行われ、いずれかの松保留MTHが当該保留表示エリアTHAに当該保留TGHとして表示される。
なお、図281(B)には、「当該保留TGHの変化タイミング 0、1、2秒後」との記載と下方向を向いた3本の線が示されているが、これは図の横方向を時間軸として、装飾図柄の変動開始(「0sec」)と同じタイミング、装飾図柄の変動開始から1秒後のタイミング、装飾図柄の変動開始から2秒後のタイミングにおいて、それぞれ当該保留TGHを変化させる演出が行われることを示すものである。また、この点は後述する図281(C)〜図282(F)(演出PTN03〜演出PTN12)において示す演出例においても同様である。
なお、ノーマルカプセルNCPから、松保留MTHが出現する演出としては、図257に示すようにノーマルガチャマシンNGMから何らかの松保留MTHが1つずつ当該保留表示エリアTHAに表示されていく演出を採用するとよい。この場合、ノーマルカプセルNCPから何らかの松保留が出現したタイミングを「当該保留TGHの変化タイミング」とするとよい。あるいは、図258に示すように、コイン3枚キャラクタC3CがノーマルガチャマシンNGMに投入され、カプセルオープンエリアCOAにおいて、第1ノーマルカプセルNCP1〜第3ノーマルカプセルNCP3が順に開いて各ノーマルカプセルNCPの中からそれぞれ何らかの松保留MTHが1つずつ出現していく演出を採用してもよい。この場合、ノーマルカプセルNCPから何らかの松保留が出現したタイミングを「当該保留TGHの変化タイミング」とするとよい。
また、この点は後述する図281(C)〜図282(F)(演出PTN03〜演出PTN12)において示す演出例においても同様である。
このように、装飾図柄の変動開始から2秒間という比較的期間の短い特定期間において、複数回の保留変化演出が行われるため、リーチ状態の成立や大当り状態の発生に対する遊技者の期待感を急激に上昇させることが可能となる。
図281(C)は、装飾図柄の変動初期に保留変化演出を行う変動パターンである演出PTN03が選択されたときの演出例を示している。この演出例においては、装飾図柄の変動態様は、図281(A)において示した演出例と同じであるが、装飾図柄の変動初期に保留変化演出が行われる点で、図281(A)において示した演出例とは異なっている。
具体的には、装飾図柄の変動表示が開始される前の状態において、第1保留表示エリアHRA1には、コイン3枚保留C3Hが表示されており、装飾図柄の変動開始から1秒後に第1ノーマルカプセルNCP1の中から何らかの松保留MTHが出現し、装飾図柄の変動開始から2秒後に第2ノーマルカプセルNCP2の中から何らかの松保留MTHが出現し、装飾図柄の変動開始から3秒後に第3ノーマルカプセルNCP3の中から何らかの松保留MTHが出現する表示が行われ、いずれかの松保留MTHが当該保留表示エリアTHAに当該保留TGHとして表示される。
このように、装飾図柄が変動表示を開始して1秒後から3秒後の2秒間という比較的期間の短い特定期間において、複数回の保留変化演出が行われるため、その後のリーチ状態の成立や大当たり状態の発生に対する遊技者の期待感を急激に上昇させることが可能となる。
図281(D)は、装飾図柄の変動開始から左装飾図柄HSZが仮停止するまでの間に保留変化演出を行う変動パターンである演出PTN04が選択されたときの演出例を示している。この演出例においては、装飾図柄の変動態様は、図281(A)において示した演出例と同じであるが、装飾図柄の変動開始から左装飾図柄HSZが仮停止するまでの間に保留変化演出が行われる点で図281(A)において示した演出例とは異なっている。
具体的には、装飾図柄の変動表示が開始される前の状態において、第1保留表示エリアHRA1には、コイン3枚保留C3Hが表示されており、装飾図柄の変動開始から2秒後に第1ノーマルカプセルNCP1の中から何らかの松保留MTHが出現し、装飾図柄の変動開始から5秒後に第2ノーマルカプセルNCP2の中から何らかの松保留MTHが出現し、装飾図柄の変動開始から8秒後に第3ノーマルカプセルNCP3の中から何らかの松保留MTHが出現する表示が行われ、いずれかの松保留MTHが当該保留表示エリアTHAに当該保留TGHとして表示される。
このように、装飾図柄が変動表示を開始して左装飾図柄HSZが停止するまでの期間において、複数回の保留変化演出が行われるため、その後のリーチ状態の成立や大当たり状態の発生に対する遊技者の期待感を装飾図柄の変動表示の初期段階において上昇させることが可能となる。
図281(E)は、装飾図柄の変動開始から右装飾図柄MSZが仮停止するまでの間に保留変化演出を行う変動パターンである演出PTN05が選択されたときの演出例を示している。この演出例においては、装飾図柄の変動態様は、図281(A)において示した演出例と同じであるが、装飾図柄の変動開始から右装飾図柄MSZが仮停止するまでの間に保留変化演出が行われる点で、図281(A)において示した演出例とは異なっている。
具体的には、装飾図柄の変動表示が開始される前の状態において、第1保留表示エリアHRA1には、何らかの松保留MTHが表示されており、装飾図柄の変動開始と同時に、その松保留MTHが当該保留表示エリアTHAに移動し、当該保留TGHとして表示される。また、装飾図柄の変動開始から3秒後にコイン3枚キャラクタC3Cを脚に掴んだ鳥キャラクタTRCが表示され、その後、ノーマルガチャマシンNGMにコイン3枚キャラクタC3Cを投入する表示が行われたのち、ノーマルガチャマシンNGMからノーマルカプセルNCPが排出される演出が行われる。装飾図柄の変動開始から5秒後に第1ノーマルカプセルNCP1の中から何らかの松保留MTHが出現し、装飾図柄の変動開始から10秒後に第2ノーマルカプセルNCP2の中から何らかの松保留MTHが出現し、装飾図柄の変動開始から15秒後に第3ノーマルカプセルNCP3の中から何らかの松保留MTHが出現する表示が行われ、いずれかの松保留MTHが当該保留表示エリアTHAに当該保留TGHとして表示される。
このように、装飾図柄が変動表示を開始して右装飾図柄HSZが停止するまでの期間において、複数回の保留変化演出が行われるため、その後のリーチ状態の成立や大当たり状態の発生に対する遊技者の期待感を装飾図柄の変動表示の初期段階において上昇させることが可能となる。
図281(F)は、右装飾図柄MSZが仮停止してリーチ状態が成立する直前に保留変化演出を行う変動パターンである演出PTN06が選択されたときの演出例を示している。この演出例においては、装飾図柄の変動態様は、図281(A)において示した演出例と同じであるが、右装飾図柄MSZが仮停止してリーチ状態が成立する直前に保留変化演出が行われる点で、図281(A)において示した演出例とは異なっている。
具体的には、装飾図柄の変動表示が開始される前の状態において、第1保留表示エリアHRA1には、何らかの松保留MTHが表示されており、装飾図柄の変動開始と同時に、その松保留MTHが当該保留表示エリアTHAに移動し、当該保留TGHとして表示される。また、装飾図柄の変動開始から15秒後に、コイン3枚キャラクタC3Cを脚に掴んだ鳥キャラクタTRCが表示され、その後、ノーマルガチャマシンNGMにコイン3枚キャラクタC3Cを投入する表示が行われたのち、ノーマルガチャマシンNGMからノーマルカプセルNCPが排出される演出が行われる。装飾図柄の変動開始から17秒後に第1ノーマルカプセルNCP1の中から何らかの松保留MTHが出現し、装飾図柄の変動開始から18秒後に第2ノーマルカプセルNCP2の中から何らかの松保留MTHが出現し、装飾図柄の変動開始から19秒後に第3ノーマルカプセルNCP3の中から何らかの松保留MTHが出現する表示が行われ、いずれかの松保留MTHが当該保留表示エリアTHAに当該保留TGHとして表示される。
なお、図281(A)〜図281(F)に示した演出例においては、最終的にリーチはずれか大当りとなる例が示されているが、リーチ状態が成立せず、装飾図柄の変動開始から20秒後にリーチ状態を成立しないはずれを示す表示態様で装飾図柄を確定表示させてもよい。
このように、装飾図柄が変動表示を開始して17秒後から19秒後の2秒間という比較的期間の短い特定期間において、複数回の保留変化演出が行われるため、その後のリーチ状態の成立や大当たり状態の発生に対する遊技者の期待感を急激に上昇させることが可能となる。
図282(A)は、右装飾図柄MSZが仮停止してリーチ状態が成立する前後のタイミングに保留変化演出を行う変動パターンである演出PTN07が選択されたときの演出例を示している。この演出例においては、装飾図柄の変動態様は、図281(A)において示した演出例と同じであるが、右装飾図柄MSZが仮停止してリーチ状態が成立する前後のタイミングに保留変化演出が行われる点で、図281(A)において示した演出例とは異なっている。
具体的には、装飾図柄の変動表示が開始される前の状態において、第1保留表示エリアHRA1には、何らかの松保留MTHが表示されており、装飾図柄の変動開始と同時に、その松保留MTHが当該保留表示エリアTHAに移動し、当該保留TGHとして表示される。また、装飾図柄の変動開始から17秒後に、コイン3枚キャラクタC3Cを脚に掴んだ鳥キャラクタTRCが表示され、その後、ノーマルガチャマシンNGMにコイン3枚キャラクタC3Cを投入する表示が行われたのち、ノーマルガチャマシンNGMからノーマルカプセルNCPが排出される演出が行われる。装飾図柄の変動開始から19秒後に第1ノーマルカプセルNCP1の中から何らかの松保留MTHが出現し、装飾図柄の変動開始から20秒後に第2ノーマルカプセルNCP2の中から何らかの松保留MTHが出現し、装飾図柄の変動開始から21秒後に第3ノーマルカプセルNCP3の中から何らかの松保留MTHが出現する表示が行われ、いずれかの松保留MTHが当該保留表示エリアTHAに当該保留TGHとして表示される。なお、装飾図柄の変動開始から20秒後に、装飾図柄においては、リーチ状態が成立した状態となる。
このように、リーチ状態が成立する前後の2秒間という比較的期間の短い特定期間において、複数回の保留変化演出が行われるため、その後の大当たり状態の発生に対する遊技者の期待感を急激に上昇させることが可能となる。また、リーチ状態の成立をまたいで、保留変化演出が行われるため、リーチ状態の成立と保留変化演出の双方によって相乗的に大当たり状態の発生に対する遊技者の期待感を高めることができる。また、最初の保留変化演出の発生がリーチ状態の成立を予告することとなり、大当たり状態の発生に対する遊技者の期待感を高めることができる。
図282(B)は、右装飾図柄MSZが仮停止してリーチ状態が成立した直後のタイミングに保留変化演出を行う変動パターンである演出PTN08が選択されたときの演出例を示している。この演出例においては、装飾図柄の変動態様は、図281(A)において示した演出例と同じであるが、右装飾図柄MSZが仮停止してリーチ状態が成立した直後のタイミングに保留変化演出が行われる点で、図281(A)において示した演出例とは異なっている。
具体的には、装飾図柄の変動表示が開始される前の状態において、第1保留表示エリアHRA1には、何らかの松保留MTHが表示されており、装飾図柄の変動開始と同時に、その松保留MTHが当該保留表示エリアTHAに移動し、当該保留TGHとして表示される。また、装飾図柄の変動開始から19秒後に、コイン3枚キャラクタC3Cを脚に掴んだ鳥キャラクタTRCが表示され、その後、ノーマルガチャマシンNGMにコイン3枚キャラクタC3Cを投入する表示が行われたのち、ノーマルガチャマシンNGMからノーマルカプセルNCPが排出される演出が行われる。装飾図柄の変動開始から21秒後に第1ノーマルカプセルNCP1の中から何らかの松保留MTHが出現し、装飾図柄の変動開始から22秒後に第2ノーマルカプセルNCP2の中から何らかの松保留MTHが出現し、装飾図柄の変動開始から23秒後に第3ノーマルカプセルNCP3の中から何らかの松保留MTHが出現する表示が行われ、いずれかの松保留MTHが当該保留表示エリアTHAに当該保留TGHとして表示される。なお、装飾図柄の変動開始から20秒後に、装飾図柄においては、リーチ状態が成立した状態となる。
このように、リーチ状態が成立した直後の2秒間という比較的期間の短い特定期間において、複数回の保留変化演出が行われるため、その後の大当たり状態の発生に対する遊技者の期待感を急激に上昇させることが可能となる。また、リーチ状態が成立した直後に、保留変化演出が行われるため、リーチ状態の成立と保留変化演出の双方によって相乗的に大当たり状態の発生に対する遊技者の期待感を高めることができる。また、鳥キャラクタTRCの表示によりリーチ状態の成立が予告されるため、大当たり状態の発生に対する遊技者の期待感をさらに高めることができる。
図282(C)は、スーパーリーチ状態に発展する直前のタイミングに保留変化演出を行う変動パターンである演出PTN09が選択されたときの演出例を示している。この演出例においては、装飾図柄の変動態様は、図281(A)において示した演出例と同じであるが、スーパーリーチ状態に発展する直前のタイミングに保留変化演出が行われる点で、図281(A)において示した演出例とは異なっている。
具体的には、装飾図柄の変動表示が開始される前の状態において、第1保留表示エリアHRA1には、何らかの松保留MTHが表示されており、装飾図柄の変動開始と同時に、その松保留MTHが当該保留表示エリアTHAに移動し、当該保留TGHとして表示される。また、装飾図柄の変動開始から25秒後に、コイン3枚キャラクタC3Cを脚に掴んだ鳥キャラクタTRCが表示され、その後、ノーマルガチャマシンNGMにコイン3枚キャラクタC3Cを投入する表示が行われたのち、ノーマルガチャマシンNGMからノーマルカプセルNCPが排出される演出が行われる。装飾図柄の変動開始から27秒後に第1ノーマルカプセルNCP1の中から何らかの松保留MTHが出現し、装飾図柄の変動開始から28秒後に第2ノーマルカプセルNCP2の中から何らかの松保留MTHが出現し、装飾図柄の変動開始から29秒後に第3ノーマルカプセルNCP3の中から何らかの松保留MTHが出現する表示が行われ、いずれかの松保留MTHが当該保留表示エリアTHAに当該保留TGHとして表示される。なお、装飾図柄の変動開始から30秒後に、装飾図柄においては、スーパーリーチ状態に発展した状態となる。
なお、図282(A)〜図282(C)に示した演出例においては、スーパーリーチ状態に発展したのち最終的にリーチはずれか大当りとなる例が示されているが、スーパーリーチ状態に発展せず、装飾図柄の変動開始から30秒後にリーチはずれを示す表示態様で装飾図柄を確定表示させてもよい。
このように、スーパーリーチ状態に発展する直前の2秒間という比較的期間の短い特定期間において、複数回の保留変化演出が行われるため、その後のスーパーリーチ状態への発展やその後の大当たり状態の発生に対する遊技者の期待感を急激に上昇させることが可能となる。
図282(D)は、スーパーリーチ状態に発展する前後のタイミングに保留変化演出を行う変動パターンである演出PTN10が選択されたときの演出例を示している。この演出例においては、装飾図柄の変動態様は、図281(A)において示した演出例と同じであるが、スーパーリーチ状態に発展する前後のタイミングに保留変化演出が行われる点で、図281(A)において示した演出例とは異なっている。
具体的には、装飾図柄の変動表示が開始される前の状態において、第1保留表示エリアHRA1には、何らかの松保留MTHが表示されており、装飾図柄の変動開始と同時に、その松保留MTHが当該保留表示エリアTHAに移動し、当該保留TGHとして表示される。また、装飾図柄の変動開始から27秒後に、コイン3枚キャラクタC3Cを脚に掴んだ鳥キャラクタTRCが表示され、その後、ノーマルガチャマシンNGMにコイン3枚キャラクタC3Cを投入する表示が行われたのち、ノーマルガチャマシンNGMからノーマルカプセルNCPが排出される演出が行われる。装飾図柄の変動開始から29秒後に第1ノーマルカプセルNCP1の中から何らかの松保留MTHが出現し、装飾図柄の変動開始から30秒後に第2ノーマルカプセルNCP2の中から何らかの松保留MTHが出現し、装飾図柄の変動開始から31秒後に第3ノーマルカプセルNCP3の中から何らかの松保留MTHが出現する表示が行われ、いずれかの松保留MTHが当該保留表示エリアTHAに当該保留TGHとして表示される。なお、装飾図柄の変動開始から30秒後に、装飾図柄においては、スーパーリーチ状態に発展した状態となる。
このように、スーパーリーチ状態に発展する前後の2秒間という比較的期間の短い特定期間において、複数回の保留変化演出が行われるため、その後の大当たり状態の発生に対する遊技者の期待感を急激に上昇させることが可能となる。また、スーパーリーチ状態への発展をまたいで、保留変化演出が行われるため、スーパーリーチ状態への発展と保留変化演出の双方によって相乗的に大当たり状態の発生に対する遊技者の期待感を高めることができる。また、最初の保留変化演出の発生がスーパーリーチ状態への発展を予告することとなり、大当たり状態の発生に対する遊技者の期待感を高めることができる。
図282(E)は、スーパーリーチ状態に発展する前後のタイミングに保留変化演出を行う変動パターンである演出PTN11が選択されたときの演出例を示している。この演出例においては、装飾図柄の変動態様は、図281(A)において示した演出例と同じであるが、スーパーリーチ状態に発展する前後のタイミングに保留変化演出が行われる点で、図281(A)において示した演出例とは異なっている。
具体的には、装飾図柄の変動表示が開始される前の状態において、第1保留表示エリアHRA1には、何らかの松保留MTHが表示されており、装飾図柄の変動開始と同時に、その松保留MTHが当該保留表示エリアTHAに移動し、当該保留TGHとして表示される。また、装飾図柄の変動開始から29秒後に、コイン3枚キャラクタC3Cを脚に掴んだ鳥キャラクタTRCが表示され、その後、ノーマルガチャマシンNGMにコイン3枚キャラクタC3Cを投入する表示が行われたのち、ノーマルガチャマシンNGMからノーマルカプセルNCPが排出される演出が行われる。装飾図柄の変動開始から31秒後に第1ノーマルカプセルNCP1の中から何らかの松保留MTHが出現し、装飾図柄の変動開始から32秒後に第2ノーマルカプセルNCP2の中から何らかの松保留MTHが出現し、装飾図柄の変動開始から33秒後に第3ノーマルカプセルNCP3の中から何らかの松保留MTHが出現する表示が行われ、いずれかの松保留MTHが当該保留表示エリアTHAに当該保留TGHとして表示される。なお、装飾図柄の変動開始から30秒後に、装飾図柄においては、スーパーリーチ状態に発展した状態となる。
このように、スーパーリーチ状態に発展した直後の2秒間という比較的期間の短い特定期間において、複数回の保留変化演出が行われるため、その後の大当たり状態の発生に対する遊技者の期待感を急激に上昇させることが可能となる。また、スーパーリーチ状態に発展した直後に、保留変化演出が行われるため、スーパーリーチ状態への発展と保留変化演出の双方によって相乗的に大当たり状態の発生に対する遊技者の期待感を高めることができる。また、鳥キャラクタTRCの表示によりスーパーリーチ状態への発展が予告されるため、大当たり状態の発生に対する遊技者の期待感をさらに高めることができる。
図282(F)は、装飾図柄がリーチはずれ態様で仮停止した直後に保留変化演出を行う変動パターンである演出PTN12が選択されたときの演出例を示している。この演出例においては、装飾図柄の変動態様は、図281(A)において示した演出例と同じであるが、装飾図柄がリーチはずれ態様で仮停止した直後に保留変化演出が行われる点で、図281(A)において示した演出例とは異なっている。
具体的には、装飾図柄の変動表示が開始される前の状態において、第1保留表示エリアHRA1には、何らかの松保留MTHが表示されており、装飾図柄の変動開始と同時に、その松保留MTHが当該保留表示エリアTHAに移動し、当該保留TGHとして表示される。装飾図柄の変動開始から50秒後に、装飾図柄においては、「7」、「6」、「7」のリーチはずれ態様で仮停止した状態となる。その後、装飾図柄の変動開始から52秒後に、コイン3枚キャラクタC3Cを脚に掴んだ鳥キャラクタTRCが表示され、その後、ノーマルガチャマシンNGMにコイン3枚キャラクタC3Cを投入する表示が行われたのち、ノーマルガチャマシンNGMからノーマルカプセルNCPが排出される演出が行われる。装飾図柄の変動開始から54秒後に第1ノーマルカプセルNCP1の中から何らかの松保留MTHが出現し、装飾図柄の変動開始から55秒後に第2ノーマルカプセルNCP2の中から何らかの松保留MTHが出現し、装飾図柄の変動開始から56秒後に第3ノーマルカプセルNCP3の中から何らかの松保留MTHが出現する表示が行われ、いずれかの松保留MTHが当該保留表示エリアTHAに当該保留TGHとして表示される。その後、装飾図柄においては、「7」、「6」、「7」のリーチはずれ態様か、「7」、「6」、「7」の大当りを示す態様で確定表示された状態となる。
このように、リーチはずれ態様で仮停止した直後の2秒間という比較的期間の短い特定期間において、複数回の保留変化演出が行われるため、その後の大当たり状態の発生に対する遊技者の期待感を急激に上昇させることが可能となる。また、リーチはずれ態様で仮停止した直後に、保留変化演出が行われるため、装飾図柄が変動表示を再開し、大当たり態様で停止するのではないかという期待感を高めることができる。
図281(B)〜図281(F)、図282(A)〜図282(F)において、保留変化演出を3回行う例を示したが、コイン2枚保留C2Hやコイン2枚キャラクタC2CのノーマルガチャマシンNGMへの投入に対応して保留変化演出を2回行うようにしてもよい。具体的には、各演出パターンにおいて、保留変化演出を3回行う例における3回のタイミングのうち、1回目のタイミングにおいて保留変化演出を行わないようにしてもよいし、2回目のタイミングにおいて保留変化演出を行わないようにしてもよいし、3回目のタイミングにおいて保留変化演出を行わないようにしてもよい。このような構成として場合にも、上述した効果を奏するものとなる。
図283(A)は、高確率時短状態において短期間に複数回の保留変化演出を行う演出例を示している。なお、高確率時短状態は、図231を参照して説明したように、16R大当たりまたは4R大当たりの発生後に移行する遊技状態である。高確率時短状態においては、第二始動口2004へ遊技球Bが頻繁に入賞することとなるため、特別図柄の変動時間が短くなるように変動パターンテーブルが設定されている。特に非リーチはずれの場合には、特別図柄の変動時間が2秒弱となる変動パターンが選択されるように変動パターンテーブルが設定されており、非リーチはずれとなる保留が連続して消化される場合には、ある保留に対応する装飾図柄の変動が開始されてから、次の保留に対応する装飾図柄の変動が開始されるまでの時間がそれぞれ2秒間と設定されている。
図283(A)に示す演出例においては、高確率時短状態中に、第1の保留HR1〜第4の保留HR4が存在する状態において、既に実行されていた装飾図柄の変動表示が終了し第1の保留HR1〜第4の保留HR4に対応する装飾図柄の変動表示が順に実行されていく例を示している。
この例においては、まず第1の保留HR1に対応する装飾図柄の変動表示が開始されたのち、2秒弱経過後に非リーチはずれを示す表示態様である「4」、「3」、「8」の組み合わせで装飾図柄が確定表示される。その後、第1の保留HR1に対応する装飾図柄の変動表示が開始されてから2秒後のタイミングにおいて、第2の保留HR2に対応する装飾図柄の変動表示が開始されたのち、2秒弱経過後に非リーチはずれを示す表示態様である「3」、「6」、「8」の組み合わせで装飾図柄が停止する。その後、第2の保留HR2に対応する装飾図柄の変動表示が開始されてから2秒後のタイミングにおいて、第3の保留HR3に対応する装飾図柄の変動表示が開始されたのち、2秒弱経過後に非リーチはずれを示す表示態様である「1」、「9」、「2」の組み合わせで装飾図柄が停止する。その後、第3の保留HR3に対応する装飾図柄の変動表示が開始されてから2秒後のタイミングにおいて、第4の保留HR4に対応する装飾図柄の変動表示が開始される。第4の保留HR4に対応する装飾図柄の変動表示は、図281(A)を参照して説明したように、リーチ状態の成立、スーパーリーチへの発展を経て、最終的にリーチはずれあるいは大当たりを示す表示態様で変動表示の開始から60秒後に停止する。
このように、装飾図柄の変動表示の開始と終了が連続して発生する場合には、第1保留表示エリアHRA1〜第4保留表示エリアHRA4に表示される保留は、装飾図柄の変動表示が終了し、次の装飾図柄の変動表示が開始されるたびに、数字が1小さい隣の保留表示エリアへと順に移動していくこととなり、この際、事前判定の結果によっては、数字が1小さい隣の保留表示エリアへ移動するタイミングで保留変化演出が行われる場合がある。
図283(A)は、事前判定の結果、図242や図262に示すようなテーブルを参照して、第4の保留HR4について保留変化演出が行われる場合の演出例を示している。
この演出例において、装飾図柄の変動が開始されるたびに、第4の保留HR4は第4保留表示エリアHRA4から第3保留表示エリアHRA3へ、第3保留表示エリアHRA3から第2保留表示エリアHRA2へ、第2保留表示エリアHRA2から第1保留表示エリアHRA1へ、第1保留表示エリアHRA1から当該保留表示エリアTHAへと2秒経過するごとに順に移動していくこととなり、各移動のタイミングにおいて保留変化演出が行われる。図283(A)には下方向を向いた4本の線が示されているが、これは保留変化演出が行われるタイミングを示している。
具体的には、第1の保留HR1に対応する装飾図柄の変動が開始されるタイミングで、第4の保留HR4が第4保留表示エリアHRA4から第3保留表示エリアHRA3へと移動することとなるが、このタイミングで第4の保留HR4について保留変化演出を行う。また、第2の保留HR2に対応する装飾図柄の変動が開始されるタイミングで、第4の保留HR4が第3保留表示エリアHRA3から第2保留表示エリアHRA2へと移動することとなるが、このタイミングで第4の保留HR4について保留変化演出を行う。また、第3の保留HR3に対応する装飾図柄の変動が開始されるタイミングで、第4の保留HR4が第2保留表示エリアHRA2から第1保留表示エリアHRA1へと移動することとなるが、このタイミングで第4の保留HR4について保留変化演出を行う。また、第4の保留HR4に対応する装飾図柄の変動が開始されるタイミングで、第4の保留HR4が第1保留表示エリアHRA1から当該保留表示エリアTHAへと移動することとなるが、このタイミングで第4の保留HR4について保留変化演出を行う。このように、保留変化演出が2秒間隔という短い間隔で次々と行われていく。
なお、第4の保留HR4の保留変化演出としては、通常松保留DMHを青色松保留BMHへ、青色松保留BMHを赤色松保留RMHへ、赤色松保留RMHを金色松保留KMHへ、金色松保留KMHを赤白柄松保留RWHへと、順に変化させるようにしてもよいし、通常松保留DMHをコイン1枚保留C1Hへ、コイン1枚保留C1Hをコイン2枚保留C2Hへ、コイン2枚保留C2Hをコイン3枚保留C3Hへ、コイン3枚保留C3HをノーマルガチャマシンNGMを介して何らかの松保留MTHへと変化させるようにしてもよい。
このような演出例を見た遊技者は、保留変化演出が比較的期間の短い特定期間で連続して発生する(2秒間隔で最大4回)様子を視認することとなるため、大当たりに対する期待感が急激にあおられる感覚を味わうこととなる。
一方、このような演出例を見た遊技者の中には、保留変化演出が短い間隔で連続して発生するために、その演出の意味を十分に理解することができない者が発生する可能性があり、このような遊技者にとっては、この演出に対して逆に不満感を抱いてしまう恐れがある。そこで、本実施例においては、図281(B)〜図281(C)、図281(F)、図282(A)〜図282(F)を示して上述したように、低確率非時短状態において、高確率時短状態において非リーチはずれが連続したときに発生しうる保留変化演出の間隔(2秒間隔)よりも短い間隔である1秒間隔で当該保留TGHを変化させる演出を実行する演出パターンが用意されている。
このように、高確率時短状態において非リーチはずれが連続したときに発生しうる保留変化演出の間隔(2秒間隔)よりも短い間隔(1秒間隔)で、低確率非時短状態において保留変化演出を実行する演出パターンを設けておくことで、短い間隔で行われる保留変化演出に遊技者を慣れさせるようにすることができ、遊技者にとって有利な状態である高確率時短状態における保留変化演出についてとまどいを感じさせてしまい、大当たりが発生しさらに有利な状態となったことで高揚した遊技者が興ざめとなるといった事態の発生を抑止することが可能となる。
なお、図281(D)に示す例においては3秒間隔、図281(E)に示す例においては5秒間隔で当該保留TGHを変化させる演出を実行する演出パターンをあらかじめ用意するようにしている。
このような演出パターンを用意することで、より短い間隔で保留変化が発生する演出パターンに遊技者を徐々に慣れさせることができ、最終的には、高確率時短状態において非リーチはずれが連続したときに発生しうる保留変化演出の間隔(2秒間隔)の演出の意味を遊技者が理解できるようにすることが可能となる。
図231(B)などを参照して、大当たり遊技状態の終了後に高確率時短状態に制御する16R大当りと、大当たり遊技状態の終了後に高確率時短状態に制御する4R大当たりが用意されている例において、高確率時短状態中に短い間隔で複数回の保留変化演出を行う例を示したが、大当たり遊技状態の終了後に低確率時短状態に制御する2R大当りが選択されるようにした変形例において、低確率時短状態中に短い間隔で複数回の保留変化演出を行う例を以下に示す。
図284において示すように、この変形例においては、低確率時短状態に制御する2R大当りが設定されている。2R大当りは、具体的には、2R大当り遊技状態に応じて大入賞口2005を開閉制御するものであって、大当り遊技状態の終了後に特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が100回実行される以前に次の大当りとなるまで、または、次の大当りになることなく特別図柄(第一特別図柄及び第二特別図柄)の変動表示が100回実行されるまで低確率時短状態とする制御が行われる大当りである。
図284において示すように、第一特別図柄に対応する図柄決定テーブルにおいて、16R大当り、4R大当り及び2R大当りのうち、遊技者に利益の少ない4R大当りに対して80個の判定値の振分けが設定され、遊技者により利益の少ない2R大当りに対して20個の判定値の振分けが設定されている。また、第二特別図柄に対応する図柄決定テーブルにおいては、16R大当り、4R大当り及び2R大当りのうち、遊技者に利益の多い16R大当りに対して55個の判定値の振分けが設定されているのに対し、遊技者に利益の少ない4R大当りに対して25個の判定値の振分けが設定され、遊技者により利益の少ない2R大当りに対して20個の判定値の振分けが設定されている。
図283(B)は、低確率時短状態において短期間に複数回の保留変化演出を行う演出例を示している。低確率時短状態においては、第二始動口2004へ遊技球Bが頻繁に入賞することとなるため、特別図柄の変動時間が短くなるように変動パターンテーブルが設定されている。特に非リーチはずれの場合には、特別図柄の変動時間が3秒弱となる変動パターンが選択されるように変動パターンテーブルが設定されており、非リーチはずれとなる保留が連続して消化される場合には、ある保留に対応する装飾図柄の変動が開始されてから、次の保留に対応する装飾図柄の変動が開始されるまでの時間がそれぞれ3秒間と設定されている。
図283(B)に示す演出例においては、低確率時短状態中に、第1の保留HR1〜第4の保留HR4が存在する状態において、既に実行されていた装飾図柄の変動表示が終了し第1の保留HR1〜第4の保留HR4に対応する装飾図柄の変動表示が順に実行されていく例を示している。
この例においては、まず第1の保留HR1に対応する装飾図柄の変動表示が開始されたのち、3秒弱経過後に非リーチはずれを示す表示態様である「2」、「3」、「6」の組み合わせで装飾図柄が確定表示される。その後、第1の保留HR1に対応する装飾図柄の変動表示が開始されてから3秒後のタイミングにおいて、第2の保留HR2に対応する装飾図柄の変動表示が開始されたのち、3秒弱経過後に非リーチはずれを示す表示態様である「1」、「5」、「2」の組み合わせで装飾図柄が停止する。その後、第2の保留HR2に対応する装飾図柄の変動表示が開始されてから3秒後のタイミングにおいて、第3の保留HR3に対応する装飾図柄の変動表示が開始されたのち、3秒弱経過後に非リーチはずれを示す表示態様である「3」、「5」、「8」の組み合わせで装飾図柄が停止する。その後、第3の保留HR3に対応する装飾図柄の変動表示が開始されてから3秒後のタイミングにおいて、第4の保留HR4に対応する装飾図柄の変動表示が開始される。第4の保留HR4に対応する装飾図柄の変動表示は、図281(A)を参照して説明したように、リーチ状態の成立、スーパーリーチへの発展を経て、最終的にリーチはずれあるいは大当たりを示す態様で変動表示の開始から60秒後に停止する。
この演出例では、装飾図柄の変動表示の開始と終了が3秒間隔で行われる状況における第4の保留HR4について、図283(A)によって示した第4の保留HR4についての保留変化演出と同様の保留変化演出が実行される。
このような演出例を見た遊技者は、保留変化演出がやや短い間隔(3秒間隔)で連続して発生する様子を視認することとなるため、大当たりに対する期待感が徐々にあおられる感覚を味わうこととなる。
一方、このような演出例を見た遊技者の中には、保留変化演出が短い間隔で連続して発生するために、その演出の意味を十分に理解することができない者が発生する可能性があり、このような遊技者にとっては、この演出に対して逆に不満感を抱いてしまう恐れがある。そこで、本実施例においては、図281(B)〜図281(C)、図281(F)、図282(A)〜図282(F)を示して上述したように、低確率非時短状態において、低確率時短状態において非リーチはずれが連続したときに発生しうる保留変化演出の間隔(3秒間隔)よりも短い間隔である1秒間隔で当該保留TGHを変化させる演出を実行する演出パターンが用意されている。また、図281(D)に示すように、低確率時短状態において非リーチはずれが連続したときに発生しうる保留変化演出の間隔(3秒間隔)と同じ間隔で当該保留TGHを変化させる演出を実行する演出パターンが用意されている。
このように、低確率時短状態において非リーチはずれが連続したときに発生しうる保留変化演出の間隔(3秒間隔)よりも短い間隔(1秒間隔)で、低確率非時短状態において保留変化演出を実行する演出パターンを設けておくことで、やや短い間隔で行われる保留変化演出に遊技者を慣れさせるようにすることができ、遊技者にとって有利な状態である低確率時短状態における保留変化演出についてとまどいを感じさせてしまい、大当たりが発生しさらに有利な状態となったことで高揚した遊技者が興ざめとなるといった事態の発生を抑止することが可能となる。
図257において、ノーマルガチャマシンNGMにコイン1枚キャラクタC1Cが1つずつ投入される例を示した。この例においては、第1の保留HR1に対応する装飾図柄の変動がはじまっても、コイン1枚キャラクタキャラクタが2回投入されるまでは、図257(B)〜図257(E)のように、第1保留表示エリアHRA1に第1の保留HR1が表示されることとなるため、第一特別図柄についての保留記憶数について、遊技者が正確な個数を把握できないという事態が発生しうる。
図285はこのような事態の発生を防止するために、装飾図柄の変動表示が開始されたのち、速やかにそれまで第1保留表示エリアHRA1に表示されていたコイン保留CNHを他の場所に移動するようにした変形例を示している。
図285(A)は、第一特別図柄表示器において変動表示される第一特別図柄の前回分の変動が終了した状態を示している。
図中において、装飾図柄表示エリアSZAとサブ装飾図柄表示エリアSSAに表示される装飾図柄は、第一特別図柄の前回の変動結果に対応した状態でいずれも停止表示されている。保留数表示エリアHSAに示されるように、第一特別図柄についての保留記憶数は「2」、第二特別図柄についての保留記憶数は「0」である。
第一特別図柄についての2つの保留に対応する表示として、第1保留表示エリアHRA1には第1の保留HR1としてコイン2枚保留C2Hが、第2保留表示エリアHRA2には第2の保留HR2としてコイン1枚保留C1Hがそれぞれ表示されている。当該保留表示エリアTHAには何も表示されておらず、背景画像BG1が視認可能な状態となっている。
図285(B)は、図285(A)に続く状態を示すものであり、第一特別図柄表示器において第1の保留HR1に対応する第一特別図柄の変動表示が新たに開始された状態を示している。
図中において、第1の保留HR1に対応する装飾図柄の変動表示が装飾図柄表示エリアSZAとサブ装飾図柄表示エリアSSAで開始されている。
また、第1保留表示エリアHRA1に第1の保留HR1として表示されていたコイン2枚保留C2Hから、コイン2枚キャラクタC2Cとして上方に飛び出し、飛び出したコイン2枚キャラクタC2Cが、右斜め上に移動したのち、右斜め下に少し移動して、ノーマルガチャマシンNGMの上方に表示された状態を示している。第1保留表示エリアHRA1には何も表示されておらず、背景画像BG1が視認される状態である。
図285(C)は、図285(B)に続く状態を示している。
図中において、ノーマルガチャマシンNGMの上方に表示されていたコイン2枚キャラクタC2Cから、コイン1枚キャラクタC1Cが分離して、下方に移動しノーマルガチャマシンNGMを表す画像の後方に重なって表示された状態を示している。また、コイン2枚キャラクタC2Cが表示されていた位置にコイン1枚キャラクタC1Cが表示されている状態を示している。また、第2保留表示エリアHRA2において第2の保留HR2として表示されていたコイン1枚保留C1Hが、右方向に平行に移動することで第1保留表示エリアHRA1に表示された状態が示されている。
図285(D)は、図285(C)に続く状態を示している。
図中において、第1ノーマルカプセルNCP1が、ノーマルガチャマシンNGMの上部から飛び出して、右斜め上に上昇し、さらに右斜め下に下降し、当該保留表示エリアTHAに移動したのち、当該保留表示エリアTHAに表示されている状態が示されている。この状態ののち、当該保留表示エリアTHAに表示された第1ノーマルカプセルNCP1が、第1ノーマルカプセルNCP1の上下方向中央にある横方向の線を境目として上下方向に2分割され、中から青色松保留BMHが出現する。
図285(E)は、図285(D)に続く状態を示している。
図中において、当該保留表示エリアTHAには第1ノーマルカプセルNCP1の中から出現した青色松保留BMHが表示されている。
図285(F)は、図285(E)に続く状態を示している。
図中において、ノーマルガチャマシンNGMの上方に表示されていたコイン1枚キャラクタC1Cが下降し、ノーマルガチャマシンNGMを表す画像の後方に重なって表示された移動中の状態を示している。この状態ののちコイン1枚キャラクタC1Cは下方に移動し、ノーマルガチャマシンNGMの後方に完全に隠れて視認不能な状態となる。
図285(G)は、図285(F)に続く状態を示している。
図中において、第2ノーマルカプセルNCP2が、ノーマルガチャマシンNGMの上部から飛び出して、右斜め上に上昇し、さらに右斜め下に下降し、当該保留表示エリアTHAに移動したのち、当該保留表示エリアTHAに表示されている状態が示されている。また、既に表示されていた青色松保留BMHの上半分が隠れるように、青色松保留BMHの手前側に重なった状態で第2ノーマルカプセルNCP2が表示されている。
ノーマルカプセルNCPが松保留MTHに重なるように表示されたとしても、松保留MTHの下半分については視認可能となるため、当該保留表示エリアTHAに表示されている松保留MTHの種別が何であるのか(この場合は青色松保留BMHであること)が視認可能となっている。
この状態ののち、当該保留表示エリアTHAに表示された第2ノーマルカプセルNCP2が、第2ノーマルカプセルNCP2の上下方向中央にある横方向の線を境目として上下方向に2分割され、中から赤色松保留RMHが出現する。すでに表示されていた青色松保留BMHが当該保留表示エリアTHAから消去され、出現したのち下方に移動してきた赤色松保留RMHが当該保留表示エリアTHAに表示される。
図285(H)は、図285(G)に続く状態を示している。
図中において、当該保留表示エリアTHAには第2ノーマルカプセルNCP2の中から出現し、下方に移動してきた赤色松保留RMHが表示されている。
このように、装飾図柄の変動表示が開始されたのち、速やかにそれまで第1保留表示エリアHRA1に表示されていたコイン保留CNHを他の場所に移動するようにすることで、保留記憶数について、遊技者が正確な個数を把握できないという事態が発生することを防止することが可能となる。
図286は、図258に示す松保留MTHの選び方についての変形例を示したものである。具体的には、表示された複数の松保留MTHの中からいずれかの松保留MTHが選ばれるかのような演出を行い、選択された1の松保留MTHを当該保留TGHとして当該保留表示エリアTHAに表示するように構成されている。
図286(A)において、カプセルオープンエリアCOAには、左から、第1ノーマルカプセルNCP1から出現した青色松保留BMH、第2ノーマルカプセルNCP2から出現した赤色松保留RMH、第3ノーマルカプセルNCP3から出現した通常松保留DMHが横並びに表示されている。
図286(B)は、図286(A)に続く状態を示している。
具体的には、図286(B)において、青色松保留BMHが選択されるように松保留選択カーソルMSCが表示された状態が示されている。また、第1ノーマルカプセルNCP1、第2ノーマルカプセルNCP2、第3ノーマルカプセルNCP3が消去された状態が示されている。
図286(C)は、図286(B)に続く状態を示している。
図286(C)において、青色松保留BMHが選択されるように表示されていた松保留選択カーソルMSCが右に移動して、赤色松保留RMHが選択されるように松保留選択カーソルMSCが表示された状態が示されている。
図286(D)は、図286(C)に続く状態を示している。
図286(D)において、赤色松保留RMHが選択されるように表示されていた松保留選択カーソルMSCが右に移動して、通常松保留DMHが選択されるように松保留選択カーソルMSCが表示された状態が示されている。
この実施例においては、図286(B)〜図286(D)に示すような表示を数回繰り返したのち、松保留選択カーソルMSCが移動を停止して、カプセルオープンエリアCOAに表示されるいずれかの松保留MTHを選択した状態となる。
図286(E)は、青色松保留BMHが移動を停止した松保留選択カーソルMSCによって選択された状態を示している。
図286(F)は、図286(E)に続く状態を示している。
図286(F)において、青色松保留BMHと、青色松保留BMHを選択するように移動を停止した松保留選択カーソルMSCが表示された状態が示されている。また、松保留選択カーソルMSCにより、選択されなかった赤色松保留RMHと通常松保留DMHの表示が終了した状態が示されている。
図286(G)は、図286(F)に続く状態を示している。
具体的には、青色松保留BMHが当該表示エリアTHAに移動して表示されている状態を示している。
この変形例においては、松保留選択カーソルMSCによって最終的に選択される松保留MTHの種類によって、大当りに対する期待度が示されるように構成してあり、具体的には、通常松保留DMH、青色松保留BMH、赤色松保留RMH、金色松保留KMH、赤白柄松保留RWHの順に大当りに対する期待度が高くなるように、各松保留MTHの表示を行うように構成されている。
このように、当該保留TGHとして表示される候補となる松保留MTHが複数表示されたのち、表示された複数の松保留MTHのうちのいずれか1つの松保留MTHが選択される演出をおこなったのち、選択された松保留MTHが、当該保留TGHとして表示され、また、当該保留TGHとして表示される松保留MTHが大当りに対する期待度を示すこととなるため、遊技者はいずれの松保留MTHが最終的に選択されるかという点で興趣を感じることとなる。
図287(A)は、ガチャマシンGMを2つ設けた例を示している。
具体的には、第1保留表示エリアHRA1において、第1の保留HR1として、コイン2枚キャラクタC2Cの上に載るようにお札キャラクタOSCが表示されている状態が示されている。また、お札キャラクタOSCに対応するガチャマシンGMであるレアガチャマシンRGM、コイン2枚キャラクタC2Cに対応するガチャマシンGMであるノーマルガチャマシンNが上下に配置された状態で、第1保留表示エリアHRA1の右側に表示されている状態が示されている。
コイン保留用保留予告決定テーブルと出現松決定テーブル(図260〜図263)を
用いて、事前判定の結果に対応して、表示するコイン保留CNHやノーマルカプセルNCPから出現する松保留MTHの種類が決定される例を上述したが、この変形例においても、同様のテーブルによって、図255(C)に示すキャラクタから選ばれた複数のキャラクタが上下に重なって保留として表示されるように構成するとよい。例えば、保留として、上にコイン1枚キャラクタを、下にコイン3枚キャラクタが表示されるようにし、2つのノーマルガチャマシンNGMが上下に配置された状態で表示されるように構成してもよい。また、保留として、上にブラックカードキャラクタBCCを、下にブラックカードキャラクタが表示されるようにし、2つのレジェンドガチャマシンLGMが上下に配置された状態で表示されるように構成してもよい。
この変形例においては、複数のガチャマシンGMから複数のカプセルCPが排出され、複数のカプセルCPの中から複数の松保留MTHが出現し、出現した複数の松保留MTHのうちのいずれか1の松保留MTHが当該保留TGHとして当該保留表示エリアTHAに表示されるように構成される。このとき、最終的に選択される松保留MTHの種類によって、大当りに対する期待度が示されるように構成してあり、具体的には、通常松保留DMH、青色松保留BMH、赤色松保留RMH、金色松保留KMH、赤白柄松保留RWHの順に大当りに対する期待度が高くなるように、各松保留MTHの表示を行うように構成されている。また、ガチャマシンGMの種類によって、より期待度の高い松保留MTHが排出されるように構成してあり、具体的には、ノーマルガチャマシンNGM、レアガチャマシンRGM、レジェンドガチャマシンLGM、ゴッドガチャマシンGGMの順に大当りに対する期待度が高い松保留MTHがより排出されやすくなるように構成してある。
なお、通常時はガチャマシンGMとして1のノーマルガチャマシンNGMのみを表示するようにしておき、事前判定の結果によって、いずれかの保留表示エリアに表示されるキャラクタとして複数のキャラクタが選択された場合に、保留として複数のキャラクタが表示されるのと同時に、表示される複数のキャラクタに対応する複数のガチャマシンGMが表示されるように構成するとよい。
このような構成とすることで、表示されるガチャマシンGMの種類や数によってその後に実行される装飾図柄の変動表示の結果に対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。
また、第1の保留HR1に対応する装飾図柄の変動表示が開始されたのちもレアガチャマシンRGMとノーマルガチャマシンNGMが表示された状態とし、鳥キャラクタTRCがレアガチャマシンRGMに対してお札キャラクタOSCを投入したり、ノーマルガチャマシンNGMに対してコインキャラクタCNCを投入したりするように構成してもよい。また、この場合にも、上述したようにガチャマシンGMの種類に応じて、表示される松保留の期待度が異なるように構成するとよい。
このような構成とすることで、表示されるガチャマシンGMの種類や数によって実行されている装飾図柄の変動表示の結果に対する遊技者の期待感を高めることが可能となる。
図287(B)は、保留表示エリア間を移動するコイン保留CNHがガチャマシンGMに投入される変形例を示している。
具体的には、第1保留表示エリアHRA1において、第1の保留HR1として、通常松保留DMHが表示され、第2保留表示エリアHRA2において、第2の保留HR2として、ブラックカードキャラクタBCCが表示され、第3保留表示エリアHRA3において、第3の保留HR3として、コイン2枚保留C2Hが表示されている状態が示されている。また、第1保留表示エリアHRA1の右側にレアガチャマシンRGMが表示され、第2保留表示エリアHRA2と第3保留表示エリアHRA3の間にノーマルガチャマシンNGMが表示されている状態が示されている。
この例においても、図287(A)を参照して示した変形例と同様に、事前判定の結果に応じて、表示する保留の種類とガチャマシンGMから出現する松保留の種類が決定され、出現する松保留の種類に応じて、その保留に対応する装飾図柄の変動表示の結果が示唆されるように構成されている。
具体的には、先行する装飾図柄の変動が終了し、第1の保留HR1に対応する装飾図柄の変動表示が開始されたときに、第3の保留HR3として表示されていたコイン2枚保留C2HがノーマルガチャマシンNGMに投入され、ノーマルガチャマシンNGMから第1ノーマルNCP1と第2ノーマルカプセルNCP2が排出され、これらのノーマルカプセルNCPから何らかの松保留MTHか、コインキャラクタCNC、お札キャラクタOSC、ブラックカードキャラクタBCCなどが出現して、第2保留表示エリアHRA2に第2の保留HR2として表示される。なお、第1の保留HR1として表示されていた通常松保留DMHについては、レアガチャマシンRGMを飛び越えて、当該保留表示エリアTHAに当該保留TGHとして表示される。
また、第1の保留HR1に対応する装飾図柄の変動が終了し、第2の保留HR2に対応する装飾図柄の変動表示が開始されたときに、第2の保留HR2として第1保留表示エリアHRA1に表示されていたブラックカードキャラクタBCCがレアガチャマシンRGMに投入され、レアガチャマシンRGMからレアカプセルRCPが排出され、レアカプセルRCPから出現する何らかの松保留MTHが当該保留表示エリアTHAに当該保留TGHとして表示される。なお、第2の保留HR2として表示されているブラックカードキャラクタBCCは、ノーマルガチャマシンNGMに対してコインキャラクタCNCが投入された結果、第2の保留HR2として表示されているものである。
このように上流側に設けられたノーマルガチャマシンNGMが排出するカプセルCPの中から、下流側のガチャマシンGMによってさらなる保留変化演出を可能とするキャラクタが出現するように構成することで保留変化演出が行われるタイミングを複数回提供できることとなるため、遊技者の大当りに対する期待感を高めることが可能となる。
なお、下流側のガチャマシンGMについては、通常はノーマルガチャマシンNGMを表示しておき、上流側のノーマルガチャマシンNGMがお札キャラクタやブラックカードキャラクタなどを排出してそのキャラクタが第3保留表示エリアHRA3に表示されるタイミングで、そのキャラクタに対応したガチャマシンGMに切り替えて表示するように構成するとよい。
図287(C)は、カプセルオープンエリアCOAの位置を、ガチャマシンGMと当該保留表示エリアTHAの間に配置した変形例を示している。
図中において、ノーマルガチャマシンNGMと当該保留表示エリアTHAの間に、カプセルオープンエリアCOAが配置され、カプセルオープンエリアCOAに第1ノーマルカプセルNCP1〜第3ノーマルカプセルNCP3が表示されている状態が示されている。その後、各ノーマルカプセルNCPの中からそれぞれ何らかの松保留MTHが出現し、その後、いずれかの松保留MTHが右方向に平行に移動して当該保留表示エリアTHAに表示されることとなる。
このような構成とすることで、表示装置1600の表示領域の下半分の領域を有効に活用することができ、また、カプセルCPを表示する演出を実行する際に、変動表示される装飾図柄の視認状態が阻害されることがなくなる。
図287(D)は、第二特別図柄に対応する保留についても、第一特別図柄の保留と同様にガチャマシンGMを経由して、保留変化演出を行う変形例を示している。
具体的には、第一特別図柄の保留記憶、第二特別図柄の保留記憶にそれぞれ対応して、第1ヘソ保留表示エリアHHA1〜第4ヘソ保留表示エリアHHA4と第1電チュー保留表示エリアDHA1〜第4電チュー保留表示エリアDHA4が上下に重なるように設定されている。図中においては、第1ヘソ保留表示エリアHHA1に第1のヘソ保留HHR1としてコイン1枚保留C1Hが表示され、第2ヘソ保留表示エリアHHA2に第2のヘソ保留HHR2としてコイン3枚保留C3Hが表示され、第1電チュー保留表示エリアDHA1に第1の電チュー保留DHR1としてコイン1枚保留C1Hが表示され、第2電チュー保留表示エリアDHA2に第2の電チュー保留DHR2として通常松保留DMHが表示された状態が示されている。
この状態ののち、第1の電チュー保留DHR1として表示されているコイン1枚保留C1HがノーマルガチャマシンNGMに投入される表示が行われ、上述した実施例等に示した様に保留変化演出が実行される。
このような構成とすることで、いずれの始動入賞口に遊技球Bが入賞した場合であっても、保留変化演出を実行することが可能となる。なお、第一始動口2002と第二始動口2004に交互に入賞が発生するような役物の構造を採用した機種においてこのような演出表示を行うように構成してもよい。
図287(E)は、第二特別図柄に対応する保留についても、第一特別図柄の保留と同様にガチャマシンGMを経由して、保留変化演出を行う変形例を示している。
具体的には、第一特別図柄の保留記憶、第二特別図柄の保留記憶にそれぞれ対応して、第1ヘソ保留表示エリアHHA1〜第4ヘソ保留表示エリアHHA4と第1電チュー保留表示エリアDHA1〜第4電チュー保留表示エリアDHA4がそれぞれ、左側のノーマルガチャマシンNGM、当該保留表示エリアTHA、右側のノーマルガチャマシンNGMを挟んだ左右の位置に設定されている。図中においては、第1ヘソ保留表示エリアHHA1に第1のヘソ保留HHR1としてコイン2枚保留C2Hが表示され、第2ヘソ保留表示エリアHHA2に第2のヘソ保留HHR2としてコイン3枚保留C3Hが表示され、第1電チュー保留表示エリアDHA1に第1の電チュー保留DHR1としてコイン1枚保留C1Hが表示され、第1電チュー保留表示エリアDHA1〜第4電チュー保留表示エリアDHA4には、保留があることを示す画像は何も表示されず背景画像BG1が視認可能な状態であることが示されている。
この例においては、左側のノーマルガチャマシンNGMにおいて第一特別図柄の保留記憶に対応する保留変化演出がおこなわれ、右側のノーマルガチャマシンNGMにおいて第二特別図柄の保留記憶に対応する保留変化演出がおこなわれるように構成されている。
このような構成とすることで、いずれの始動入賞口に遊技球Bが入賞した場合であっても、保留変化演出を実行することが可能となる。なお、第一始動口2002と第二始動口2004に交互に入賞が発生するような役物の構造を採用した機種においてこのような演出表示を行うように構成してもよい。
なお、第2始動口に対応する保留記憶の消化を第1始動口に対応する保留記憶の消化に対して優先して実行する構成を採用するとともに、低確率時短状態や高確率時短状態が発生するように構成した場合には、低確率時短状態や高確率時短状態において、第2始動口に対応する保留記憶の表示エリアのみを表示装置1600の表示領域に表示して、上述したような保留変化演出を採用するように構成してもよい。
図287(F)は、保留変化演出は実行されるものの当該保留TGHとしての表示が行われない構成を採用した変形例を示している。
具体的には、他の例においては設定されていた当該保留表示エリアTHAを設定せず、また、当該保留表示枠THWの表示を行わず、第2保留表示エリアHRA2と第3保留表示エリアHRA3の間にノーマルガチャマシンNGMを表示した状態が示されている。
このような例においては、ノーマルガチャマシンNGMの上流側においては、何らかのコイン保留CNHか何らかの松保留MTHが表示されるものの、ノーマルガチャマシンNGMの下流側においては、何らかの松保留MTHのみが表示されるように構成されている。また、先行する装飾図柄の変動表示が終了して、第1の保留HR1に対応する装飾図柄の変動表示が開始されるのと同時に第1の保留HR1として表示されていた通常松保留DMHの表示を終了する。
このように、変動表示の開始と同時にその変動表示に対応する保留画像の表示を行わないようにする、当該保留TGHの表示を行わないような構成を採用した場合でも複数回の保留変化演出を遊技者に提供することができる。
図287(G)は、当該保留表示エリアTHAに何らかの松保留MTHが表示されている状態において、鳥キャラクタTRCがコインキャラクタCNCを当該保留表示エリアTHAに持ってきて、表示されていた松保留MTHに代えて、持ってこられたコインキャラクタCNCが当該保留表示エリアに表示される変形例を示している。
具体的には、当該保留表示エリアTHAに、鳥キャラクタTRCがコイン3枚キャラクタC3Cを持ってきた状態が図中において示されている。このときそれまで表示されていた松保留MTHは消去され、表示されない状態となっている。この状態ののち、鳥キャラクタTRCが表示装置1600の表示領域の左側に移動して表示領域外に移動して表示されない状態になるとともに、コイン3枚キャラクタC3Cが一定時間当該保留表示エリアTHAに表示されたのち、ノーマルガチャマシンNGMに対してコイン3枚キャラクタC3Cが右側から投入される表示が行われ、他の例と同様の保留変化演出が実行される。
このように、鳥キャラクタTRCが持ってきたコインキャラクタCNCを当該保留表示エリアTHAに一定時間表示する構成とすることで、鳥キャラクタTRCが持ってきたコインキャラクタCNCの種類がいずれであるかを遊技者が容易に確認することができるようになる。なお、コインキャラクタCNCを当該保留表示エリアTHAに一定時間表示する構成に代えて、図285(B)において示したように、ノーマルガチャマシンNGMの上方において、コインキャラクタCNCを一定時間表示する構成を採用してもよい。あるいは、当該保留表示エリアTHAにおいて、複数回保留変化演出を行うように構成してもよく、例えば、当該保留表示エリアTHAにおいて、コイン3枚キャラクタC3C→青色松保留BMH→赤色松保留RMH→赤白柄松保留RWHと変化させ、最終的に赤白柄松保留RWHが表示されるように構成してもよい。
図287(H)は、コインキャラクタCNCやコイン保留CNHとして表示される画像の変形例を示している。具体的には、図255(C)において示したように「×2」、「×3」といった文字によってコインの枚数を示すのに代えて、変形例1ではコインを重ねてコインの枚数を示し、変形例2では、小さいコインを重ねずに縦方向に並べて表示することで、コインの枚数を示すように構成している。
このような構成とすることで、直感的に保留変化演出の行われる回数を遊技者に伝えることが可能となる。
図288は、図263において示した出現松保留決定テーブルの変形例を表している。
具体的には、第1保留表示エリアHRA1に表示されるコイン保留CNHの種類に対応して、演出PTN01〜演出PTN32のいずれかの演出パターンが選択される。この変形例においては、最終的に表示される松保留MTHの種類によって大当りの期待度が示されるのに加えて、表示される松保留MTHの組み合わせによっても大当たりの期待度が示されるように構成されている。各演出パターンにおいては、1から3個の松保留が表示される。表示される松保留MTHは、通常松保留DMH、青色松保留BMH、赤色松保留RMH、金色松保留KMHの4種類があり、通常松保留DMH、青色松保留BMH、赤色松保留RMH、金色松保留KMHの順に、当該保留表示エリアTHAに当該保留TGHとして表示された際の大当りに対する期待度が高くなるように設定されている。また、各演出パターンにおいて、出現する松保留MTHが設定されているが、松保留MTHが複数出現する演出パターンの場合には出現する松保留MTHのうち大当りに対する期待度がもっとも高い種類の松保留MTHが当該保留TGHとして最終的に当該保留表示エリアTHAに表示されるように予め設定されている。例えば、演出PTN12が選択された場合には、青色松保留BMHと赤色松保留RMHが出現するが、期待度が高い方の保留である赤色松保留RMHが当該保留TGHとして当該保留表示エリアTHAに表示されることとなる。
ところで、松保留MTHが複数出現する際に、高期待度の松保留MTHが複数出現した場合いずれか1の松保留MTHのみが当該保留TGHとして最終的に当該保留表示エリアTHAに表示されることとなるため、遊技者としては当該保留TGHとして表示されなかった高期待度の松保留MTHに対して、残念な気持ちを抱いてしまう恐れがある。
そこで、この変形例においては、表示された複数の松保留MTHの組み合わせによっても大当りに対する期待度が示唆されるように構成している。例えば、演出PTN25から演出PTN32においては、最終的に表示される松保留MTHとして金色松保留KMHが設定されているが、表示される金色松保留KMHが1個の場合よりも2個の場合の方が大当りに対する期待度が高く、また、表示される金色松保留KMHが2個の場合よりも3個の場合の方が大当りに対する期待度が高くなるようにその出現比率が設定されている。
このような構成とすることで、最終的に当該保留表示エリアTHAに表示される松保留MTHに加えて、表示された他の松保留MTHとの関係においても大当りに対する期待度が示されるため、コイン保留CNHの種類が何で松保留MTHがいくつ表示されるのか、、表示される松保留MTHがどのような種類のものであるかという点でこの保留変化演出に対して、遊技者に大きな関心をいだかせることが可能となる。
図257(C)、図258(C)、図266(D)を参照して、ガチャマシンGMからカプセルCPが排出される前に、ガチャマシンGMを上下方向に揺動する表示をあらかじめ定められた所定時間(例えば0.5秒程度)行うことで、ガチャマシンGMから出現するカプセルCPの中身に対する遊技者の期待感をあおることができるという点を示した。
ここでガチャマシンGMの揺動態様として複数の揺動態様を予め用意しておき、揺動態様によって、ガチャマシンGMから排出されるカプセルCPの中からどの松保留MTHが出現するかを示唆するように構成してもよい。例えば、普通に揺れる(図257(C)を参照して説明した状態)、強く揺れる、上方に大きく跳ね上がる(例えば、図257(C)の例であれば、コイン1枚保留C1Hの高さと同じ高さだけ上方に移動して、ガチャマシンGMの下端が、コイン1枚保留C1Hの上端の高さと同じ高さとなる)といったようにガチャマシンGMの揺動態様を3種類用意しておき、より強い揺動態様となるほど、より大当りに対する期待度が高い松保留MTHが出現するように構成してもよい。また、上下方向に揺れる、左右方向に揺れるといった2種類の揺動態様を用意しておき、後者の揺動態様ほど、より大当りに対する期待度が高い松保留MTHが出現するように構成してもよい。また、これらの態様を組み合わせてガチャマシンGMを揺動させ、その揺動態様によって出現する松保留MTHを示唆するように構成してもよい。
以下、出現する松保留MTHの種類を示唆する例を示す。ガチャマシンGMの振動態様として第1の揺動態様〜第3の振動態様がある場合に、第1の振動態様が実行された場合には、青色松保留BMHと赤色松保留RMHが8対2の割合で出現し、第2の振動態様が実行された場合には、青色松保留BMHと赤色松保留RMHが5対5の割合で出現し、第3の振動態様が実行された場合には、青色松保留BMHと赤色松保留RMHが0対10の割合で出現するように構成してもよい。第3の揺動態様が実行された場合には、出現する松保留MTHの種類が揺動態様によって確定的に示されることとなる。
なお、コイン2枚保留C2H、コイン3枚保留C3H、コイン2枚キャラクタC2C、コイン3枚キャラクタC3CがノーマルガチャマシンNGMに投入される場合には、複数出現する松保留MTHの組み合わせを揺動態様によって示唆するようにしてもよいし、最終的に当該保留TGHとして当該保留表示エリアTHAに表示される松保留MTHの種類のみを揺動態様によって示唆するように構成してもよい。
このように、ガチャマシンGMの揺動態様により出現する松保留MTHの種類を示唆することで、保留変化演出に対する遊技者の関心を高めることが可能となる。
上述したように、ノーマルガチャマシンNGMからはノーマルカプセルNCPが、レアガチャマシンRGMからはレアカプセルRCPが、レジェンドガチャマシンLGMからはレジェンドカプセルLCPが、ゴッドガチャマシンGGMからはゴッドカプセルGCPが排出され、各カプセルCPの中から何らかの松保留MTHが出現し、当該保留TGHとして当該保留表示エリアTHAに表示されて、大当りに対する期待度を示唆するように構成されている。
一方、装飾図柄の変動表示結果が大当りを示す表示態様で確定表示されることが確定しているときの演出として、以下のような演出をおこなってもよい。
例えば、ノーマルガチャマシンNGMからはレアカプセルRCP、レジェンドカプセルLCPまたはゴッドカプセルGCPが出現したり、レアガチャマシンRGMからレジェンドカプセルLCP、ゴッドカプセルGCPが出現したり、レジェンドカプセルLCPからゴッドカプセルGCPが出現したりするように構成し、これらのカプセルCPからは赤白柄松保留RWHのみが出現するように構成してもよい。
また、ノーマルガチャマシンNGM、レアガチャマシンRGM、レジェンドガチャマシンLGM、ゴッドガチャマシンGGMから、金色松保留KMH、赤白柄松保留RWH、ブラックカードキャラクタBCC、ゴッドチケットキャラクタGTCまたは鳥キャラクタTRCが排出され、これらが当該保留TGHとして、当該保留表示エリアTHAに表示されるように構成してもよい。
また、第1保留表示エリアHRA1に表示されているコイン保留CNHが、図256(C)にしめす松保留DMHのようにガチャマシンGMを飛び越えるように移動して、ガチャマシンGMに投入されずに当該保留表示エリアTHAに移動して当該保留表示エリアTHAに一定時間表示され、その後当該保留表示エリアTHAにおいて、コイン保留CNHに代えて赤白柄松保留RWHが表示されるように構成してもよい。なお、この際、コイン保留CNHの種類が、コイン2枚保留C2Hやコイン3枚保留C3Hのように本来複数回の保留変化演出を行うものである場合には、その後当該保留表示エリアTHAにおいて、複数回保留変化演出を行い(例えば、コイン3枚保留C3H→青色松保留BMH→赤色松保留RMH→赤白柄松保留RWHと変化させる)、最終的に赤白柄松保留RWHが表示されるようにするとよい。
このように通常の流れとは異なる演出が行われた場合に遊技者はその演出に対して違和感を抱くこととなるが、その後、装飾図柄の変動表示結果が大当りを示す表示態様で確定表示されるため、遊技に対する興趣が高まることとなる。なお、このような演出を、装飾図柄の変動表示結果が大当りを示す表示態様で確定表示される場合だけでなく、装飾図柄の変動表示結果が大当りを示す表示態様で確定表示される確率が高い(例えば期待度が80%)場合に行われる演出として採用してもよい。
いずれの実施形態における各技術的事項を他の実施形態に適用して実施例としてもよい。
また、上述した実施形態では、パチンコ機1を例にとって説明したが、本発明が適用できる遊技機はパチンコ機に限定されるものではなく、パチンコ機以外の遊技機、例えばスロットマシン(回胴式遊技機)又はパチンコ機とスロットマシンとを融合させた融合遊技機(遊技球を用いてスロット遊技を行うもの。)などにも適用することができる。ここで、回胴式遊技機としてのスロットマシンについて図223を参照して説明する。図223はスロットマシンの概略斜視図である。
スロットマシン6000は、図223に示すように、前面扉6002、本体部分6004を備えて構成されている。前面扉6002と本体部分6004とは、図示しない蝶番を介して相互に連結されている。この蝶番を回転中心として、前面扉6002の右側端に設けた鍵穴6005に鍵を挿入して時計回りに回すことで、前面扉6002を本体部分6004から開放することができるようになっている。
前面扉6002の上半分は遊技パネル6006が設けられており、前面扉6002の下半分は遊技パネル6006から前方に突出した突出部が形成されている。この突出部にはメダル投入口6008やベットボタン6010,6012、始動レバー6014、左停止ボタン6016、中停止ボタン6018、右停止ボタン6020等が遊技パネル6006の下縁に沿って配置されている。また前面扉6002の下半分には貯留精算ボタン6022や化粧板6024が配置されており、化粧板6024の下方には受け皿6026が設けられている。これらのベットボタン6010,6012、始動レバー6014、左停止ボタン6016、中停止ボタン6018、右停止ボタン6020、そして貯留精算ボタン6022等は、遊技の進行を制御する主制御基板1310に電気的に接続されている。主制御基板1310は、主制御ユニット1300の主制御基板ボックス1320に収容されて本体部分6004の内部に設けられる図示しない基板ホルダに取り付けて固定されている。
遊技パネル6006のほぼ中央位置には図示しない矩形の表示窓が形成されており、この表示窓を通してスロットマシン6000の内部に設置された、図示しない3つの可変回転体と、図示しない演出装置等を透視することができるようになっている。図示しない3つの可変回転体は、本体部分6004の内部に設けられる図示しない本体側取付部材に取り付けられて固定されている。これに対して、図示しない演出装置は、前面扉6002の裏面側に設けられる図示しない扉側取付部材に取り付けられて固定されている。
これらの可変回転体には、図柄情報として複数種類の図柄(例えば、ベル、スイカ、チェリー、7、V等)が印刷された透光性を有する図柄帯がそれぞれの筒型の骨組みに貼られている。このような筒型の可変回転体は、スロットマシン等の遊技機においてリール又はドラムと呼ばれており、図示しないステッピングモータの出力軸と、各可変回転体と、が接続されている。これらのステッピングモータは、主制御基板1310により駆動制御されており、ステッピングモータの出力軸が回転することにより、上述した表示窓から複数種類の図柄が上から下に向かって連続的に変化するように見えるようになっている。
演出装置は、図示しない複数の可動演出体と、上述した演出表示装置1600と、図示しない複数のLEDが実装された各種装飾基板と、上述した周辺制御ユニット1500と、を備えている。周辺制御ユニット1500は、主制御基板1310からの各種コマンドに基づいて、複数の可動演出体の作動制御、演出表示装置1600の描画制御、各種装飾基板に実装される複数のLEDの発光制御等の各種制御を行うことにより、演出の進行を制御している。周辺制御ユニット1500は、上述した、周辺制御基板1510、周辺データROM基板1520、及び液晶出力基板1530を備えている。
主制御基板1310は、遊技媒体として所定数のメダルがメダル投入口6008に投入され、始動レバー6014の操作に基づいて図柄情報の変動表示を開始し、左停止ボタン6016、中停止ボタン6018、右停止ボタン6020の操作あるいは所定時間の経過に基づいて図柄情報の変動表示を停止させる。そして、主制御基板1310は、図柄情報が予め定めた特定表示態様となることを条件として利益付与状態(大当り遊技状態)を発生させて遊技媒体としてのメダルを受け皿6026に多量に払い出す。
なお、融合遊技機においては、メダル投入口6008が球投入口6008’となり、主制御基板1310は、遊技媒体として所定数の遊技球が球投入口6008’に投入され、始動レバー6014の操作に基づいて図柄情報の変動表示を開始し、左停止ボタン6016、中停止ボタン6018、右停止ボタン6020の操作あるいは所定時間の経過に基づいて図柄情報の変動表示を停止させる。そして、主制御基板1310は、図柄情報が予め定めた特定表示態様となることを条件として利益付与状態(大当り遊技状態)を発生させて遊技媒体としての遊技球を受け皿6026に多量に払い出す。