次に、本発明の実施の形態を、実施例を用いて説明する。以下では、遊技に用いる遊技媒体が遊技球とされ、当該遊技球を遊技盤面に向けて発射することで遊技を進行させることが可能なパチンコ遊技機(弾球遊技機)に、本発明を適用した例を説明する。尚、以下では、始動口への遊技球の入球に基づいて特別図柄の変動表示を行い、当該特別図柄の変動表示の終了に伴い大当り図柄が停止表示されると、遊技者に所定量の遊技利益(例えば、賞球)が付与され得る大当り遊技(特別遊技)が実行可能となる所謂「1種タイプ」のパチンコ遊技機を例に説明する。
また、以下の説明において、単に前側(前方)とは、遊技機を正面視した場合の手前側(遊技時に遊技者が位置する側)のことであり、単に後側(後方)とは、遊技機を正面視した場合の裏面側(背面側)のことである。また、単に上側(上方)、下側(下方)、左側(左方)、右側(右方)とは、遊技機を正面視した場合の上・下・左・右の各方向のことであり、例えば、図1や図3における上側、下側、左側、右側を指す。
図1乃至図3に示すように、本実施例のパチンコ遊技機1は、遊技機枠50と、遊技機枠50内に取り付けられた遊技盤2とを備えており、遊技盤2は遊技機枠50から着脱自在に構成されている。図3は、遊技盤2を遊技機枠50から取り外した状態のものを示す。遊技機枠50は、装飾面を有する前面枠51と、遊技盤2等を取り付ける本体枠52と、パチンコ遊技機1をホールの島設備に取り付けるための外枠53と、を有して構成されており、前面枠51、本体枠52及び外枠53は、一側端側で軸支され夫々開閉可能に構成されている。
また、前面枠51には、遊技者の操作量(回転角度)に応じた発射強度で遊技球を発射させるための発射ハンドル60、遊技球を貯留し貯留した遊技球を発射装置側に供給可能な打球供給皿(上皿)61、及び打球供給皿61に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿(下皿)62が設けられている。さらに、前面枠51には、遊技の進行に伴って実行される遊技演出の実行中などに遊技者が操作可能な第1演出ボタン63a、第2演出ボタン63b(これら2個の演出ボタンを総称して単に「演出ボタン63」ともいう)や、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の枠ランプ66、遊技の状況に応じて様々な音(効果音)を発することが可能なスピーカ67等も設けられている。
演出ボタン63は、遊技者による入力が可能な入力手段として機能するもので、遊技演出の種類に応じて使用する演出ボタンを使い分けることができる。例えば、遊技演出の実行中に第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bを操作すると、当該操作に基づいて所定の操作対応演出が行われる。尚、演出ボタン63の構成は本実施例の態様に限らず、遊技者が入力を行うことができるものであれば足り、例えば、遊技者が直接ボタン部に接触して入力を行う入力手段(例えば、出没式、タッチセンサ式等)であってもよいし、遊技者の身体の一部が近接したことを検知して入力を行う非接触式の入力手段(光電式等)であってもよい。また、演出ボタンが、上方や手前側に突出したり振動したりする等の演出動作を行うもの(可動式の演出操作手段)であってもよい。
遊技盤2には、発射ハンドル60の操作により発射された遊技球が流下する遊技領域3が、レール部材4で囲まれて形成されている。遊技領域3には、遊技球を誘導する複数の遊技釘16が突設されており、レール部材4の先端には、球戻り防止片6が設けられている。球戻り防止片6は、一旦遊技領域へ誘導された遊技球を発射装置側へ戻るのを防止するためのものである。また、遊技盤2には、遊技の状況に応じて様々な光を発することが可能な装飾用の盤面ランプ5(図5を参照)も設けられている。
遊技領域3の中央付近には、液晶表示装置からなる画像表示装置7が設けられている。画像表示装置7の表示画面7aには、演出図柄8L,8C,8R(単に「演出図柄8」ともいう)が表示される演出図柄表示領域7b(「演出図柄表示部」ともいう)が設けられており、当該演出図柄8L,8C,8Rは、後述の第1特別図柄の変動表示及び第2特別図柄の変動表示に同期して変動表示を行う。変動表示の態様としては、例えば上下、左右、斜め方向等にスクロール表示する態様がある。演出図柄表示領域7bは、例えば「左」「中」「右」の3つの図柄表示エリアからなり、左の図柄表示エリアには左演出図柄8Lが表示され、中の図柄表示エリアには中演出図柄8Cが表示され、右の図柄表示エリアには右演出図柄8Rが表示される。尚、左・中・右の図柄表示エリアの位置は夫々区別して設ける必要はなく、左・中・右の演出図柄の表示エリアをそれぞれ図柄表示エリア(演出図柄表示領域7b)の全体としてもよい。
本実施例の演出図柄8L,8C,8R(識別情報)は、それぞれ「1」〜「9」までの数字図柄(識別情報種、図柄種)からなるもので、これらの数字図柄が順に表示されるものとなっている。具体的に、当該演出図柄8の変動表示は、「1」→「2」・・・「8」→「9」の順(昇順)で演出図柄をスクロール表示させることによって行われるものとなっており、「9」まで到達したら「1」に戻って、スクロール表示を変動終了(停止表示)まで繰り返すものとなっている。また、本実施例では、「1」〜「9」の図柄のそれぞれに色の情報を含ませており、各図柄を色によって分類できるものとしている。具体的には、奇数図柄である「3」と「7」を赤色の図柄(以下「赤図柄」ともいう。)としており、これ以外の奇数図柄である「1」、「5」、「9」を緑色の図柄(以下「緑図柄」ともいう。)としている。また、偶数図柄である「2」、「4」、「6」、「8」を青色の図柄(以下「青図柄」ともいう。)としている。
演出図柄表示領域7bに停止表示される左、中、右の演出図柄の組み合わせ(停止表示態様)によって、後述の第1特別図柄表示器41a(「第1特別図柄表示部」ともいう)に表示される第1特別図柄の変動表示の結果や、第2特別図柄表示器41b(「第2特別図柄表示部」ともいう)に表示される第2特別図柄の変動表示の結果、つまり、特別図柄当否判定(単に「当否判定」ともいう)の結果を、遊技者が認識し易いように表示する。本実施例では、変動表示している3つの演出図柄8L,8C,8Rが停止表示する順序(停止順序)を、原則、「左→右→中」としている。すなわち、停止順が1番目の停止図柄を左演出図柄8Lとし、停止順が2番目の停止図柄を右演出図柄8Rとし、停止順が3番目(最後)の停止図柄を中演出図柄8Cとしている。尚、停止順が1番目の停止図柄のことを「第1停止図柄」ともいい、停止順が2番目の停止図柄のことを「第2停止図柄」ともいい、停止順が3番目の停止図柄のことを「第3停止図柄」や「最終停止図柄」ともいう。
また、第1特別図柄、第2特別図柄、演出図柄のいずれかを指して単に「図柄」や「識別情報」ともいう。さらに、普通図柄のことを「普図」や「普通識別情報」、特別図柄のことを「特図」、第1特別図柄のことを「特図1」や「第1特図」、第2特別図柄のことを「特図2」や「第2特図」ともいう。また、演出図柄8を表示する画像表示装置7や第1特別図柄を表示する後述の第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示器41bのことを「識別情報表示手段」ともいう。
例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りとなり、その大当りの種別が16R大当りや6R大当り等になった場合には、「222」や「777」などの3桁同一のゾロ目(特定態様、特定表示結果)で演出図柄を停止表示することが可能である。また、特別図柄当否判定の結果が外れとなった場合には「637」や「373」などの3つの図柄のうち少なくとも1つの図柄が異なるバラケ目(非特定態様、非特定表示結果)で演出図柄を停止表示することが可能である。これにより、遊技者は停止表示した演出図柄を見ることで、遊技の進行状況を容易に把握することが可能となる。つまり遊技者は、一般的には特別図柄当否判定の結果を第1特別図柄表示器41aや第2特別図柄表示器41bに表示される特別図柄を見て直接的に把握するのではなく、演出図柄表示領域7bに表示される演出図柄を見て把握する。尚、本実施例では、大当りのうち2R大当りについては、外れの場合と同じ態様(バラケ目)で演出図柄を停止表示するものとしている。
ここで、演出図柄8の停止表示態様(図柄組み合わせ)のうち、特別図柄当否判定の結果が大当りの場合に対応する停止表示態様(本実施例ではゾロ目)のことを「大当り態様」、「特定態様」または「特定表示結果」ということがあり、特別図柄当否判定の結果が外れの場合に対応する停止表示態様(本実施例ではバラケ目)のことを「外れ態様」、「非特定態様」または「非特定表示結果」ということがある。また、演出図柄8の停止表示態様は、演出図柄8の変動表示の結果を示すものであるといえることから、当該演出図柄8の停止表示態様のことを「結果表示態様」ということがある。
画像表示装置7の表示画面7a上では、前述のような演出図柄を用いた遊技演出(演出図柄遊技演出)を表示するほか、大当り遊技に伴って実行される大当り遊技演出(特別遊技演出)や、客待ち用のデモ演出などが表示される。演出図柄遊技演出や大当り遊技演出やデモ演出では、数字等の演出図柄のほか、背景画像やキャラクタ画像などの演出図柄以外の演出画像も表示される。尚、演出図柄遊技演出のことを「変動演出」ともいう。
また、画像表示装置7の表示画面7aには、後述の第1特図保留の記憶数に応じて第1演出保留9aを表示する第1演出保留表示領域9c(第1演出保留表示部)と、後述の第2特図保留の記憶数に応じて第2演出保留9bを表示する第2演出保留表示領域9d(第2演出保留表示部)とが設けられている(図3を参照)。第1演出保留や第2演出保留の表示態様(表示数)により、後述の第1特図保留表示器43aにて表示される第1特図保留の記憶数や第2特図保留表示器43bにて表示される第2特図保留の記憶数を、遊技者にわかりやすく示すことができる。さらに、本実施例の画像表示装置7の表示画面7aには、現在変動している特別図柄(第1特別図柄または第2特別図柄)に対応する演出保留、すなわち、消化された特図保留に対応する演出保留(第1演出保留9aまたは第2演出保留9b)を表示する変動保留表示領域9eが設けられている(図3を参照)。
遊技領域3の中央付近であって画像表示装置7の前方には、表示画面7a(演出図柄表示領域7b)を取り囲むセンター装飾体10が設けられている。センター装飾体10は、プラスチック製(樹脂製)の成型物によって構成されるもので、中央が開口した枠状の部品(盤部品)として、遊技盤2の表面(前面)に取り付けられるものである(図3、図50を参照)。当該センター装飾体10の中央開口を介して画像表示装置7の表示画面7aが視認可能となる。センター装飾体10のことを「特定部材」や「取付部材」ともいい、あるいは「センター部材」ともいう。
センター装飾体10の下部には、遊技球が転動可能な遊技球転動面を有するステージ部11が設けられており、センター装飾体10の左部には、中空状のワープ部12が設けられている。ワープ部12にはワープ入口とワープ出口とが設けられており、遊技領域3(左遊技領域3A)を流下する遊技球をワープ入口から受け入れてワープ出口から排出することで、当該遊技球をステージ部11へ誘導する。ステージ部11の転動面に誘導された遊技球は、ステージ部11に誘導されない遊技球と比して高い可能性で、後述の第1始動口20に入球可能とされている。また、センター装飾体10の上部には、LED等の電飾部材(盤面ランプ5)を有し遊技状態に応じて点灯・点滅等が可能であって、文字や図形等を象った装飾部材13が配されている。この他にも、センター装飾体10は、本発明の要旨に関係する構成を備えているため、これについては後述する。
センター装飾体10の後方には、遊技演出に伴って動作可能な可動装飾部材14(可動役物)が設けられている。可動装飾部材14は、普段、センター装飾体10を構成する枠(フレーム)に隠れており、全体を視認できない状態となっているが、例えば、大当りの可能性が比較的高い遊技演出の実行に伴って表示画面7aの前面側に出現し、その大部分を視認することができるようになる。これにより、遊技者は大当りへの期待感を高めることとなる。
ここで、特図保留に応じた演出保留9a,9bを表示することが可能な演出保留表示領域9c,9dのことを「演出保留表示手段」ともいい、遊技状況に応じた種々の演出画像を表示することで表示演出を行うことが可能な画像表示装置7のことを「表示演出手段」ともいい、遊技演出に伴って動作することで可動演出を行うことが可能な可動装飾部材14のことを「可動演出手段」ともいう。尚、可動装飾部材14以外にも、例えば、演出ボタン63が遊技演出に伴って上下動や振動等する場合、演出ボタン63も「可動演出手段」といえる。また、遊技の状況に応じて様々な音(効果音)を発することで音演出を行うことが可能なスピーカ67のことを「音演出手段」ともいい、遊技の状況に応じて様々な光を発することで光演出を行うことが可能な盤面ランプ5、枠ランプ66および装飾部材13のことを「光演出手段」ともいう。尚、これら盤面ランプ5等以外にも、例えば、演出ボタン63や発射ハンドル60が、装飾部材13と同様にLED等の電飾部材を内蔵しており、電飾部材の作用により遊技の状況に応じて点灯・点滅等する場合、これら演出ボタン63や発射ハンドル60も「光演出手段」といえる。さらに、これら「演出保留表示手段」、「表示演出手段」、「可動演出手段」、「音演出手段」および「光演出手段」を総じて「演出手段」ともいう。
遊技領域3における画像表示装置7の下方には、遊技球の入球し易さが変化しない非可変式の第1始動口20を備える固定入賞装置19が設けられている。第1始動口20への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第1特別図柄に係る当否判定(第1特別図柄当否判定)が実行されると共に第1特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
第1始動口20の下方には、遊技球の入球し易さが変化する可変式の第2始動口21を備える可変入賞装置22(「可変式始動口」ともいう)が設けられている。第2始動口21への遊技球の入球に基づいて、特別図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると第2特別図柄の当否判定(第2特別図柄当否判定)が実行されると共に第2特別図柄が変動表示され、当否判定の結果に基づいて停止表示される。
可変入賞装置22は、可動部材23を備え、可動部材23の動作によって第2始動口21を開閉するものである。この開閉動作によって、第2始動口21は、第1の態様(閉状態)から当該第1の態様よりも遊技球の入球可能性が高い第2の態様(開状態)へと変化可能である。つまり、可動部材23は、所定の動作(開閉動作)を行うことで、第2始動口21への遊技球の入球可能性を変化させるものである。この可動部材23は、第2始動口ソレノイド24(図5参照)により駆動される。本実施例では、第2始動口21は、可動部材23が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能とされ、可動部材23が閉状態にあるときには遊技球が入球不能となっている。尚、第2始動口21は、可動部材23が閉状態にあるときは開状態にあるときよりも遊技球が入球困難となるものであれば、可動部材23が閉状態にあるときに完全に入球不能となるものでなくてもよい。
遊技領域3における第1始動口20の右方には、大入賞口30(「可変入球口」ともいう)を備えた大入賞装置31が設けられている。大入賞装置31は、開閉部材32を備え、開閉部材32の作動により大入賞口30を開閉するものである。開閉部材32は、大入賞口ソレノイド33(図5参照)により駆動される。大入賞口30は、開閉部材32が開状態にあるときだけ遊技球が入球可能となる。すなわち、大入賞装置31は、開閉部材32の開閉動作により、遊技球が入球不能な入球不能状態(閉状態)と遊技球が入球可能な入球可能状態(開状態)とに変化可能である。
遊技領域3のうち右側領域には、遊技球が通過可能なゲート28(遊技球通過口)が設けられている。ゲート28への遊技球の通過に基づいて、普通図柄当否判定用乱数等が取得され、予め定められた所定条件が成立すると、第2始動口21を開状態とするか否かを判定する普通図柄当否判定が実行されると共に普通図柄が変動表示され、普通図柄当否判定の結果に基づいて停止表示される。当り普通図柄が停止表示すると、第2始動口21は開状態となる。さらに、遊技領域3の下部には、複数の一般入賞口27が設けられている。第1始動口20、第2始動口21、大入賞口30および一般入賞口27は、それぞれ賞球の払い出し契機となる入球口であり、各入球口に遊技球が入球した場合には、夫々の入球口において予め定められた数の遊技球(賞球)が払い出される。具体的には、第1始動口20の賞球数は「5」、第2始動口21の賞球数は「3」、大入賞口30の賞球数は「15」、一般入賞口27の賞球数は「10」としている。
このように複数の入球口(第1始動口20、第2始動口21、大入賞口30、一般入賞口27及びゲート28)等が配されている遊技領域3を、左右方向の中央より左側の左遊技領域(第1領域)3Aと、右側の右遊技領域(第2領域)3Bと、に分けることができる。左遊技領域3Aを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を「左打ち」といい、右遊技領域3Bを遊技球が流下するように遊技球を発射する打方を「右打ち」という。ここで、複数の入球口のうち、第1始動口20および左一般入賞口27は、遊技領域3のうち左遊技領域3Aを流下する遊技球が入球可能となるように設けてあり、第2始動口21、大入賞口30、右一般入賞口27およびゲート28は、遊技領域3のうち右遊技領域3Bを流下する遊技球が入球可能となるように設けてある。このため、本パチンコ遊技機1では、遊技開始の際には、原則、左打ちにて第1始動口20への入球を狙う。一方、第1始動口20への入球に基づく当否判定において大当りとなり遊技状態が特別遊技状態等に変化した際には、原則、右打ちにてゲート28、第2始動口21、大入賞口30への入球を狙うこととなる。
また、図3および図4に示すように、遊技盤2の右下部には主表示器40が配置されている。主表示器40には、第1特別図柄を変動表示および停止表示する第1特別図柄表示器41a(第1特別図柄表示部)と、第2特別図柄を変動表示および停止表示する第2特別図柄表示器41b(第2特別図柄表示部)と、普通図柄を変動表示および停止表示する普通図柄表示器42(普通図柄表示部)と、が含まれている。また、主表示器40には、第1特別図柄に係る当否判定情報(第1特図保留)の記憶数を表示する第1特図保留表示器43aと、第2特別図柄に係る当否判定情報(第2特図保留)の記憶数を表示する第2特図保留表示器43bと、普通図柄表示器42の作動保留(普図保留)の記憶数を表示する普図保留表示器44と、が含まれている。さらに、主表示器40には、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が当りになったことを示す当り表示器48と、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の結果が大当りになった場合に実行される大当り遊技のラウンド数を示すラウンド表示器45と、確率変動機能が作動することを示す遊技状態表示器46と、遊技球の発射方向、すなわち右打ちを行うべき状態か左打ちを行うべき状態かを示す発射方向表示器47と、が含まれている。主表示器40に含まれるこれらの各種表示器は、後述の主制御部によって表示制御される。
第1特別図柄の変動表示は、第1始動口20への遊技球の入球に基づいて行われる。第2特別図柄の変動表示は、第2始動口21への遊技球の入球に基づいて行われる。尚、以下の説明では、第1特別図柄および第2特別図柄を総称して特別図柄ということがある。また、第1特別図柄表示器41aおよび第2特別図柄表示器41bを総称して特別図柄表示部41ということがある。また、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bを総称して特図保留表示部43ということがある。
特別図柄表示部41では、特別図柄(識別情報)を所定時間変動表示した後に停止表示し、停止表示された特別図柄(停止図柄)によって第1始動口20または第2始動口21への入球に基づく抽選(特別図柄当否判定、大当り抽選)の結果を報知する。停止表示される特別図柄は、特別図柄当否判定によって複数種類の特別図柄の中から選択された一つの特別図柄である。停止図柄が予め定めた特定特別図柄(特定識別情報)である場合、すなわち、特別図柄の停止表示の態様(特別図柄の変動表示の表示結果)が大当りを示す特定態様(特定表示結果)である場合には、停止表示された大当り図柄の種類に応じた開放パターンにて大入賞口30を開放させる大当り遊技(特別遊技)が行われる。大当り遊技における大入賞口の開放パターンについては後述する。
図4に示すとおり、第1特別図柄表示器41aは、「i〜p」で示す8個のLEDで構成されており、第1特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第1特別図柄当否判定の結果として「16R第1大当り」、「6R第2大当り」、「6R第3大当り」、「6R第4大当り」および「6R第5大当り」の5種類の大当りが設けられており(図8を参照)、第1特別図柄表示器41aのLEDは、それら5種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様、特定表示結果)を採ることが可能となっている。具体的には、第1特別図柄当否判定の結果が16R第1大当りとなった場合には「ijn」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第1大当り図柄)、6R第2大当りとなった場合には「ino」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第2大当り図柄)、6R第3大当りとなった場合には「inp」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第3大当り図柄)、6R第4大当りとなった場合には「ijo」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第4大当り図柄)、6R第5大当りとなった場合には「jno」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(6R第5大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「lo」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
また、第2特別図柄表示器41bは、「a〜h」で示す8個のLEDで構成されており、第2特別図柄当否判定の結果に応じた特別図柄を表示する。本実施例では、第2特別図柄当否判定の結果として「16R第6大当り」、「16第7大当り」、「12R第8大当り」、「6R第9大当り」、「2R第10大当り」、「16R第11大当り」および「2R第12大当り」の7種類の大当りが設けられており(図8を参照)、第2特別図柄表示器41bのLEDは、それら2種類の大当りの各々に応じた表示態様(特定態様、特定表示結果)を採ることが可能となっている。具体的には、第2特別図柄当否判定の結果が16R第6大当りとなった場合には「abd」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第6大当り図柄)、16R第7大当りとなった場合には「abg」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第7大当り図柄)、12R第8大当りとなった場合には「abc」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(12R第8大当り図柄)、6R第9大当りとなった場合には「afg」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(6R第9大当り図柄)、2R第10大当りとなった場合には「abde」の4個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(2R第10大当り図柄)、16R第11大当りとなった場合には「abe」の3個のLEDを点灯させて残りを消灯させ(16R第11大当り図柄)、2R第12大当りとなった場合には「abdh」の4個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(2R第12大当り図柄)。また、外れとなった場合には、「eh」の2個のLEDを点灯させて残りを消灯させる(外れ図柄)。
尚、特別図柄の停止表示態様(停止図柄)は、これらに限定されるものではなく、任意に設定することができる。また、特別図柄が停止表示される前には所定の変動時間にわたって特別図柄の変動表示がなされるが、その変動表示の態様は、例えば、予め定められた順序で光が左から右へ繰り返し流れるように各LEDを点灯させる態様とすることができる。
本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球があると、その入球に基づいて特別図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は、主制御部のRAMに形成される特図保留記憶部(図示せず)に一旦記憶される。詳細には、第1始動口20への入球であれば第1特図保留として第1特図保留記憶部(図示せず)に記憶され、第2始動口21への入球であれば第2特図保留として第2特図保留記憶部(図示せず)に記憶される。各々の特図保留記憶部に記憶可能な特図保留(取得情報)の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値はそれぞれ「4」となっている。これら第1特図保留記憶部および第2特図保留記憶部を、夫々「第1取得情報記憶手段」および「第2取得情報記憶手段」ともいい、総じて「取得情報記憶手段」ともいう。
特図保留記憶部に記憶された特図保留は、その特図保留に基づく特別図柄の変動表示が可能となったときに消化される。特図保留の消化とは、その特図保留に対応する特別図柄当否判定用乱数等を判定して、その判定結果を示すための特別図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、第1始動口20または第2始動口21への遊技球の入球に基づく特別図柄の変動表示がその入球時にすぐに実行できない場合、すなわち特別図柄の変動表示の実行中や特別遊技の実行中である場合であっても、所定数(本実施例では4)を上限として、その入球に対する特別図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
特図保留記憶部に記憶された特図保留の数は、第1特図保留表示器43aおよび第2特図保留表示器43bに表示される。具体的には、第1特図保留表示器43aは「uv」の2個のLEDで構成されており、第1特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第1特図保留の数を表示するものとなっている。例えば、保留数が「0」の場合は「u□v□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「u□v●」というように「u」のLEDを消灯し「v」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「2」の場合は「u●v□」というように「u」のLEDを赤色で点灯させ「v」のLEDを消灯する表示態様とし、保留数が「3」の場合は「u●v●」というように両方のLEDを赤色で点灯させる表示態様とし、保留数が「4(上限数)」の場合は「u▲v▲」というように両方のLEDを緑色で点灯させ表示態様とすることができる。
また、第2特図保留表示器43bは「wx」の2個のLEDで構成されており、第2特図保留の数に応じてLEDを表示制御することにより、第2特図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「w□x□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数「1」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
普通図柄の変動表示は、ゲート28への遊技球の通過を契機として行われる。普通図柄表示器42では、普通図柄を所定時間変動表示した後、停止表示し、停止表示された普通図柄(停止図柄)によって、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄当否判定の結果を報知する。停止表示される普通図柄は、普通図柄当否判定によって複数種類の普通図柄の中から選択された一つの普通図柄である。停止表示された普通図柄が予め定めた特定普通図柄(当り普通図柄)である場合には、現在の遊技状態に応じた開放パターンにて第2始動口21を開放させる補助遊技が行われる。尚、第2始動口21の開放パターンについては後述する。
具体的には、図4に示す通り、普通図柄表示器42は「st」の2個のLEDから構成されており、その点灯態様によって普通図柄当否判定の結果に応じた普通図柄を表示するものである。例えば、判定結果が当りである場合には、「s■t■」(例えば、■:点灯、□:消灯とする)というように両LEDが点灯した当り普通図柄を停止表示する。また判定結果が外れである場合には、「s□t■」というように「t」のLEDのみが点灯した態様の外れ普通図柄を表示する。尚、外れ普通図柄は、特定普通図柄ではない。普通図柄が停止表示される前には予め定められた所定の変動時間にわたって普通図柄の変動表示が実行されるが、その変動表示の態様は、例えば両LEDが交互に点灯・消滅を繰り返す態様である。
本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過があると、その通過に基づいて普通図柄当否判定用乱数等の各種情報(「取得情報」ともいう)を取得し、取得した各種情報は主制御部のRAMに形成される普図保留記憶部(図示せず)に普図保留として一旦記憶される。普図保留記憶部に記憶可能な普図保留の数は所定数までとされており、本実施例におけるその上限値は「4」となっている。普図保留記憶部に記憶された普図保留は、その普図保留に基づく普通図柄の変動表示が可能となったときに消化される。普図保留の消化とは、その普図保留に対応する普通図柄当否判定用乱数を判定して、その判定結果を示すための普通図柄の変動表示を実行することをいう。従って、本パチンコ遊技機1では、ゲート28への遊技球の通過に基づく普通図柄の変動表示がその通過時にすぐ実行できない場合、すなわち普通図柄の変動表示の実行中や補助遊技の実行中である場合であっても、所定個数を上限として、その通過に対する普通図柄当否判定の権利を留保することが可能となっている。
普図保留記憶部に記憶された普図保留の数は、普図保留表示器44に表示される。具体的には、普図保留表示器44は「qr」の2個のLEDで構成されており、普図保留の数に応じてLEDを点灯させることにより普図保留の数を表示するものである。例えば、保留数が「0」の場合は「q□r□」(例えば、□:消灯、●:赤点灯、▲:緑点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様とし、保留数が「1」の場合は「q□r●」というように「q」のLEDを消灯し「r」のLEDを赤色で点灯させる表示態様とすることができる。また、保留数「2」〜「4」についても第1特図保留表示器43aと同様に定められている。
次に図2及び図5に基づいて、本パチンコ遊技機1における電気的な構成を説明する。本実施例のパチンコ遊技機1は、特別図柄当否判定や普通図柄当否判定や遊技状態の移行など、遊技進行や遊技利益に関する制御を行う主制御基板80(「主制御部」ともいい「遊技制御部」ともいう)、遊技の進行に伴って実行する演出に関する制御を行うサブ制御基板90(「サブ制御部」ともいい「演出制御部」ともいう)、遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御基板110(「払出制御部」ともいう)、画像表示装置7や演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2特図保留表示器103b等の表示制御を行う画像制御基板100(画像制御部)等を備えている。
また、図2に示すように、パチンコ遊技機1の後面側(裏面側)の略中央部には主制御基板80を収納した主制御基板収納ケースが設けられ、この主制御基板ケースの上方には、音声制御基板106、ランプ制御基板107及び画像制御基板100を収納した画像制御基板等収納ケースが設けられ、その画像制御基板等収納ケース上にはサブ制御基板90を収納したサブ制御基板収納ケースが設けられている。また、主制御基板ケースの下方左側には、払出制御基板を収納する払出制御基板ケースが設けられ、その右側には、電源基板109を収納する電源基板ケースが設けられている。
主制御基板80には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1の遊技の進行を制御する遊技制御用ワンチップマイコン(以下「遊技制御用マイコン」)81が実装されている。遊技制御用マイコン81には、遊技の進行を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。遊技制御用マイコン81は、入出力回路87(I/Oポート部)を介して他の基板等とデータ(情報)の送受信を行う。入出力回路87は、遊技制御用マイコン81に内蔵されていてもよい。また、ROMは外付けであってもよい。遊技制御用マイコン81のRAMには、前述した特図保留記憶部(第1特図保留記憶部及び第2特図保留記憶部)と普図保留記憶部とが設けられている。また、主制御基板80(遊技制御用マイコン81)のRAM(主制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
主制御基板80には、中継基板88を介して各種センサやソレノイドが接続されている。そのため、主制御基板80には各センサから信号が入力され、各ソレノイドには主制御基板80から信号が出力される。具体的には、遊技球を検知可能なセンサ類として、第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、ゲートセンサ28a、大入賞口センサ30aおよび一般入賞口センサ27aが接続されている。これら各種センサのことを「球検知センサ」や「遊技球検知手段」ともいう。
第1始動口センサ20aは、第1始動口20内に設けられて第1始動口20に入球した遊技球を検知するものである。第2始動口センサ21aは、第2始動口21内に設けられて第2始動口21に入球した遊技球を検知するものである。ゲートセンサ28aは、ゲート28内に設けられてゲート28を通過した遊技球を検知するものである。大入賞口センサ30aは、大入賞口30内に設けられて大入賞口30に入球した遊技球を検知するものである。一般入賞口センサ27aは、各一般入賞口27内にそれぞれ設けられて一般入賞口27に入球した遊技球を検知するものである。
また、ソレノイド類としては、第2始動口ソレノイド24および大入賞口ソレノイド33が接続されている。これら各種ソレノイドを「駆動手段」ともいう。第2始動口ソレノイド24は、可変入賞装置22の可動部材23を駆動するためのものである。大入賞口ソレノイド33は、大入賞装置31の開閉部材32を駆動するためのものである。
さらに、主制御基板80には、第1特別図柄表示器41a、第2特別図柄表示器41b、普通図柄表示器42、第1特図保留表示器43a、第2特図保留表示器43b、普図保留表示器44、ラウンド表示器45、遊技状態表示器46、発射方向表示器47および当り表示器48が接続されている。すなわち、これらの主表示器40の表示制御は、遊技制御用マイコン81によりなされる。
また、主制御基板80は、払出制御基板110に各種コマンドを送信するとともに、払い出し監視のために払出制御基板110から信号を受信する。払出制御基板110には、賞球や貸球を払い出す払出装置120、及びカードユニット135(パチンコ遊技機1に隣接して設置され、挿入されたプリペイドカード(遊技価値記憶媒体)等に記憶されている情報に基づいて球貸しを可能にするもの)が接続されているとともに、発射制御基板111(「発射制御部」ともいう)を介して発射装置112が接続されている。発射装置112には、発射ハンドル60(図1を参照)が含まれる。
払出制御基板110は、所定のプログラムに従って遊技球の払い出しを制御する払出制御用ワンチップマイコン116(「払出制御用マイコン」ともいう)が実装されている。払出制御用マイコン116には、遊技球の払い出しを制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。払出制御用マイコン116は、入出力回路117を介し、遊技制御用マイコン81からの信号やパチンコ遊技機1に接続されたカードユニット135からの信号に基づいて、払出装置120の払出モータ121を駆動して賞球の払い出しを行ったり貸球の払い出しを行ったりする。払い出される遊技球は、その計数のため払出センサ122、123により検知される。遊技者による発射装置112の発射ハンドル60の操作があった場合には、タッチスイッチ114が発射ハンドル60への遊技者の接触を検知し、発射ボリューム115が発射ハンドル60の回転量を検知する。そして、発射ボリューム115の検知信号の大きさに応じた強さで遊技球が発射されるよう発射モータ113が駆動制御されることとなる。尚、本実施例では、発射モータ113の駆動により発射装置112が連続して発射可能な遊技球の数は1分間で約100個となっている。
また、主制御基板80は、サブ制御基板90に対し各種コマンドを送信する。主制御基板80とサブ制御基板90との接続は、主制御基板80からサブ制御基板90への信号の送信のみが可能な単方向通信接続となっている。すなわち、主制御基板80とサブ制御基板90との間には、通信方向規制手段としての図示しない単方向性回路(例えばダイオードを用いた回路)が介在している。
図5に示すように、サブ制御基板90には、所定のプログラムに従ってパチンコ遊技機1の演出を制御する演出制御用ワンチップマイコン91(「演出制御用マイコン」)が実装されている。演出制御用マイコン91には、遊技の進行に伴って演出を制御するためのプログラム等を記憶したROM、ワークメモリとして使用されるRAM、ROMに記憶されたプログラムを実行するCPUが含まれている。演出制御用マイコン91は、入出力回路95を介して他の基板等とデータの送受信を行う。尚、入出力回路95は演出制御用マイコン91に内蔵されていてもよく、ROMは外付けであってもよい。また、サブ制御基板90(演出制御用マイコン91)のRAM(演出制御RAM)の所定アドレスには、各種フラグや各種計数カウンタに用いるための記憶領域が確保されている。
サブ制御基板90には、画像制御基板100、音声制御基板106、ランプ制御基板107が接続されている。尚、サブ制御基板90(サブ制御部)や画像制御基板100(画像制御部)、音声制御基板106(音声制御部)、ランプ制御基板107(ランプ制御部)は、遊技の状況に応じて表示演出や音演出、ランプ演出(光演出)等の各種演出を、対応する演出用の装置や部材等(演出手段)に実行させる演出実行手段として機能するものである。また、後述するチャンス目予告や保留変化予告等の各種予告演出を実行させる予告演出実行手段としても機能する。
サブ制御基板90の演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101(「画像制御用マイコン」)のCPUに、画像表示装置7、演出表示器102、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bの表示制御を行わせる。画像制御基板100のRAMは、画像データを展開するためのメモリである。画像制御基板100のROMには、画像表示装置7に表示される静止画データや動画データ、具体的にはキャラクタ、アイテム、図形、文字、数字および記号等(演出図柄、保留図柄等を含む)や背景画像等の画像データが格納されている。画像制御用マイコン101は、演出制御用マイコン91からの指令に基づいてROMから画像データを読み出す。そして、読み出した画像データに基づいて表示制御を実行する。
演出表示器102は、2個のLEDからなり、演出図柄8の変動表示および停止表示に合わせて変動表示および停止表示を行い、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出図柄8の表示結果(特別図柄当否判定の結果)を示す表示態様で停止表示する。また、演出第1特図保留表示器103aおよび演出第2保留表示器103bも同様に2個のLEDからなる。そして、2個のLEDの点灯・消灯または色の組合せにより、演出第1特図保留表示器103aは第1演出保留表示領域9cに表示される保留個数および第1特図保留表示器43aで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。また、演出第2特図保留表示器103bは第2演出保留表示領域9dに表示される保留個数および第2特図保留表示器43bで表示される保留個数と同じ保留個数を示す表示態様で表示制御される。これは、キャラクタ図柄を表示画面7a(演出図柄表示部)の略全体に表示したり、可動装飾部材14を動作させて表示画面7aの演出図柄表示領域7b(演出図柄表示部)の略全体を被覆したりすることで、演出図柄8や第1演出保留9a、第2演出保留9b等、表示画面7aに表示される各種画像の一部または全部が視認できない状態になることがあるため、この様な表示器が設けられている。尚、画像制御基板100の画像制御用ワンチップマイコン101に換えて、または加えて、VDP(Video Display Processor)を設けてもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、音声制御基板106を介してスピーカ67から音声、楽曲、効果音等を出力する。スピーカ67から出力する音声等の音データは、サブ制御基板90のROMに格納されている。尚、音声制御基板106にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUに音声制御を実行させてもよい。さらにこの場合、音声制御基板106にROMを実装してもよく、そのROMに音データを格納してもよい。また、スピーカ67を画像制御基板100に接続し、画像制御用マイコン101に音声制御を実行させてもよい。この場合、画像制御基板100のROMに音データを格納してもよい。
また、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプの発光態様を決める発光パターンデータ(点灯/消灯や発光色等を決めるデータ、ランプデータともいう)を、ROMに格納されているデータから決定し、ランプ制御基板107を介して枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプ(LED)の点灯制御を行う。
さらに、演出制御用マイコン91は、主制御基板80から受信したコマンドに基づいて、ランプ制御基板107に中継基板108を介して接続された可動装飾部材14を動作させる。前述したように、可動装飾部材14は、センター装飾体10の後方に設けられた可動式のいわゆるギミックのことである。演出制御用マイコン91は、可動装飾部材14を所定の動作態様で動作させるための動作パターンデータ(「駆動データ」ともいう)を、サブ制御基板90のROMに格納されているデータから決定し、決定した動作パターンデータに基づいて可動装飾部材14の動作を制御する。尚、ランプ制御基板107にCPUを実装してもよく、その場合、そのCPUにランプの点灯制御や可動装飾部材14の動作制御を実行させてもよい。さらにこの場合、ランプ制御基板107にROMを実装してもよく、そのROMに発光パターンや動作パターンに関するデータを格納してもよい。
また、サブ制御基板90には、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63b(図1を参照)が操作(押す、回転、引く等)されたことを検知する第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dが接続されている。従って、第1演出ボタン63aまたは第2演出ボタン63bに対して遊技者が所定の入力操作を行うと、対応する演出ボタン検知スイッチからの信号がサブ制御基板90に入力される。尚、第1演出ボタン検知スイッチ63cおよび第2演出ボタン検知スイッチ63dを総称して単に「演出ボタン検知スイッチ」ともいう。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1における当否判定に係る制御(判定手段)について説明する。本実施例では、特別図柄当否判定の結果として「大当り」と「外れ」がある。「大当り」のときには特別図柄表示部41に「大当り図柄」が停止表示され、「外れ」のときには特別図柄表示部41に「外れ図柄」が停止表示される。特別図柄当否判定で大当りと判定されると、停止表示された特別図柄の種類(大当り種別)に応じた開放パターンにて大入賞口30を開放する「特別遊技」が実行される。大当りとなって実行される特別遊技を「大当り遊技」という。
本実施例の大当りには複数の種別がある。具体的には、図6に示すように、大当りとして「16R(ラウンド)第1大当り」、「6R第2〜第5大当り」、「16R第6大当り」、「16R第7大当り」、「12R第8大当り」、「6R第9大当り」、「2R第10大当り」、「16R第11大当り」および「2R第12大当り」の計12種類を設けている。これらの大当りのうち、「16R第1大当り」および「6R第2〜第5大当り」は第1特別図柄に係る大当りであり、「16R第6大当り」、「16R第7大当り」、「12R第8大当り」、「6R第9大当り」、「2R第10大当り」、「16R第11大当り」および「2R第12大当り」は、第2特別図柄に係る大当りである。特別図柄表示部41には、これらの大当り種別に応じた大当り図柄が停止表示される。
具体的には、「16R第1大当り」、「16R第6大当り」および「16R第11大当り」は、何れも、ラウンド数が「16」、1ラウンドでの大入賞口30の開放回数が「1回」、1ラウンドでの大入賞口30の開放時間が「25秒」の大当りである。また、「6R第2〜第5大当り」は、何れも、ラウンド数が「6」、1ラウンドでの大入賞口30の開放回数が「1回」、1ラウンドでの大入賞口30の開放時間が「25秒」の大当りである。尚、ラウンドを、単に「R」ともいい、「ラウンド遊技」ともいう。
さらに、「16R第7大当り」、「12R第8大当り」および「6R第9大当り」は、それぞれ、ラウンド数が「16」「12」「6」に分かれており、1ラウンドでの大入賞口30の開放回数が「複数回(2回以上)」、1ラウンドでの大入賞口30の総開放時間(複数回の開放を通じての合計開放時間)が「25秒」の大当りである。また、「2R第10大当り」および「2R第12大当り」は、何れも、ラウンド数が「2」、1ラウンドでの大入賞口30の開放回数が「1回」、1ラウンドでの大入賞口30の開放時間が「0.1秒」の大当りである。
尚、16R第1大当り、16R第6大当り、16R第7大当りおよび16R第11大当りのことを総じて「16R大当り」ともいい、6R第2〜第5大当りおよび6R第9大当りのことを総じて「6R大当り」ともいい、2R第10大当りおよび2R第12大当りのことを総じて「2R大当り」ともいう。また、12R第8大当りのことを単に「12R大当り」ともいう。
本実施例のパチンコ遊技機1では、発生(当選)した大当りの種別に応じて、その大当り遊技の終了後の遊技状態を、後述の高確率状態や時短状態、高ベース状態等に移行させる。すなわち、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の16R第1大当り、6R第2大当り、16R第6大当り、16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当りおよび2R第10大当りの何れかとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態を後述の「高確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」とする。これに対して、特別図柄当否判定の結果が大当りで、その大当りの種別が前述の6R第3〜第5大当り、16R第11大当りおよび2R第12大当りの何れかとなった場合には、大当り遊技終了後の遊技状態を後述の「低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態」とする。このことから、16R第1大当り、6R第2大当り、16R第6大当り、16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当りおよび2R第10大当りは「確変大当り」として捉えることができ、6R第3〜第5大当り、16R第11大当りおよび2R第12大当りは「非確変大当り」(通常大当り、時短大当り)として捉えることができる。
また、2R大当り(2R第10大当り、2R第12大当り)は、前述したように大入賞口30を1ラウンドにつき0.1秒で開放(一瞬開閉)させる大当りであり、このように極短時間で開放する大入賞口30に遊技球が入球する可能性は低く、したがって、大入賞口30への入球の基づく賞球を獲得できる可能性も低い。このような2R大当りは、所謂「出球なし大当り」ともいい、そのうち2R第10大当りのことを「出球なし確変大当り」ともいい、2R第12大当りのことを「出球なし通常(時短)大当り」ともいう。
さらに、本実施例では、第2特別図柄に係る大当りのうち、16R第7大当り、12R第8大当りおよび6R第9大当りについては、前述したように、1ラウンドにおける大入賞口30の開放回数を複数回としているため、ラウンドの区切りが把握し難いものとなっている。これに加えて、これらの大当りの発生や大当り遊技の開始の際には、何れのラウンド数の大当り遊技が行われるのかを、遊技者にとって分かり難いものとしている。すなわち、これらの大当りについては、画像表示装置7(表示画面7a)に表示される演出図柄8の停止表示態様やその他の演出を通じて、これから行われる大当り遊技の正確なラウンド数を把握(判別)し難くしている。このため、これらの大当りは、ラウンドがどこまで続く分からない状況下でラウンドを消化しつつ、6ラウンドや12ラウンドの終了を迎えるタイミング(ラウンド分岐)で、ラウンドがさらに続くか否かに注目するといった遊技性となっている。このような大当りは、所謂「ランクアップボーナス」と呼ばれるもので、以下、この大当りのことを「RUB」と表記することもある。
第1特別図柄(特図1)の当否判定にて大当りとなった場合における各大当りへの振分確率は、16R第1大当りが5%、6R第2大当りが55%、6R第3大当りが5%、6R第4大当りが15%、6R第5大当りが20%となっている。これに対して、第2特別図柄(特図2)の当否判定にて大当りとなった場合における各大当りへの振分確率は、16R第6大当りが35%、16R第7大当り、12R第8大当りおよび6R第9大当りがそれぞれ8%(つまり、RUBが24%)、2R第10大当りが1%、16R第11大当りが20%、2R第12大当りが20%となっている。すなわち、後述の開放延長機能の作動(高ベース状態の発生)により入球容易となった第2始動口21への入球に基づく当否判定(特図2当否判定)により大当りとなった場合には、第1始動口20への入球に基づく当否判定(特図1当否判定)により大当りとなった場合に比べ、16R大当りの出現率(振分確率)が高くなっている。このように本パチンコ遊技機1では、第1始動口20に遊技球が入球して行われる当否判定(特図1当否判定)において大当りとなるよりも、第2始動口21に遊技球が入球して行われる当否判定(特図2当否判定)において大当りとなる方が、遊技者にとって有利となる可能性が高くなるように設定されている。このため、遊技者は、第2始動口21への入球を期待して遊技を行う。特に第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能の作動中においては顕著である。
ここで、本パチンコ遊技機1では、大当りか外れかの判定は「特別図柄当否判定用乱数(「当否判定用情報」ともいう)」に基づいて行われ、大当りとなった場合の大当りの種別の判定は「大当り種別決定用乱数(「図柄決定用乱数」、「図柄決定用情報」ともいう)」に基づいて行われる。図7(A)に示すように、特別図柄当否判定用乱数は「0〜629」までの範囲で値をとり、大当り種別決定用乱数は「0〜99」までの範囲で値をとる。また、第1始動口20や第2始動口21への入球に基づいて取得される乱数(取得情報)には、特別図柄当否判定用乱数および大当り種別決定用乱数の他に「変動パターン乱数(「変動パターン情報」ともいう)」がある。
変動パターン乱数は、変動時間を含む変動パターンを決めるための乱数であり、「0〜198」までの範囲で値をとる。また、ゲート28の通過に基づいて取得される乱数には、図7(B)に示す普通図柄当否判定用乱数がある。普通図柄当否判定用乱数は、第2始動口21を開放させる補助遊技を行うか否かの判定(普通図柄抽選)のための乱数であり、「0〜240」までの範囲で値をとる。
次に、本実施例のパチンコ遊技機1の遊技状態に関して説明する。パチンコ遊技機1は、特別図柄および普通図柄に対する確率変動機能、変動時間短縮機能および開放延長機能の各機能が作動状態または非作動状態となる組合せにより、複数の遊技状態を有している。特別図柄(第1特別図柄及び第2特別図柄)について確率変動機能が作動している状態を「高確率状態」や「確変状態」といい、作動していない状態を「低確率状態」や「通常状態」という。高確率状態では、特別図柄当否判定において大当りと判定される確率が通常状態よりも高くなっている。すなわち、通常状態では通常状態用の大当り判定テーブルを用いて当否判定を行うものの、高確率状態では、大当りと判定される特別図柄当否判定用乱数の値が多い高確率状態用の大当り判定テーブルを用いて、当否判定を行う(図8(A)を参照)。つまり、特別図柄の確率変動機能が作動すると、作動していないときに比して、特別図柄の変動表示の結果が大当りとなる(停止図柄が大当り図柄となる)確率が高くなる。
また、特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)について変動時間短縮機能が作動している状態を「時短状態」といい、作動していない状態を「非時短状態」という。時短状態では、特別図柄の変動時間(変動表示の開始時から確定表示時までの時間)の平均値が、非時短状態における特別図柄の変動時間の平均値よりも短くなっている。すなわち、時短状態においては、変動時間の短い変動パターンが選択されることが非時短状態よりも多くなるように定められた変動パターンテーブルを用いて、変動パターンの判定を行う(図9を参照)。その結果、時短状態では、特図保留の消化のペースが速くなり、始動口への有効な入球(特図保留として記憶され得る入球)が発生しやすくなる。そのため、スムーズな遊技の進行のもとで大当りを狙うことができる。
特別図柄(第1特別図柄および第2特別図柄)についての確率変動機能と変動時間短縮機能とは同時に作動することもあるし、片方のみが作動することもある。そして、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の変動時間短縮機能に同期して作動するようになっている。すなわち、普通図柄の確率変動機能および変動時間短縮機能は、特別図柄の時短状態において作動し、非時短状態において作動しないものとなっている。このため、時短状態では、普通図柄当否判定における当り確率が非時短状態よりも高くなる。具体的に、時短状態では、当りと判定される普通図柄乱数(当り乱数)の値が非時短状態で用いる普通図柄当り判定テーブルよりも多い普通図柄当り判定テーブルを用いて、普通図柄当否判定(普通図柄の判定)を行う(図8(C)を参照)。
また時短状態では、普通図柄の変動時間が非時短状態よりも短くなっている。本実施例では、普通図柄の変動時間は非時短状態では30秒であるが、時短状態では1秒である(図8(D)を参照)。さらに時短状態では、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放時間延長機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放時間が、非時短状態よりも長くなっている。加えて時短状態では、可変入賞装置22の開放回数増加機能が作動し、補助遊技における第2始動口21の開放回数が非時短状態よりも多くなっている。具体的には、非時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が0.2秒の開放動作を1回行い、時短状態において普通図柄当否判定の結果が当りになると、可変入賞装置22(第2始動口21)の可動部材23が2.0秒の開放動作を3回行うものとなっている。
普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能が作動している状況下では、これらの機能が作動していない場合に比して、第2始動口21が頻繁に開放され、第2始動口21へ遊技球の入球頻度が高くなる(「高頻度状態」ともいう)。その結果、発射球数に対する賞球数の割合であるベースが高くなる。従って、これらの機能が作動している状態を「高ベース状態」といい、作動していない状態を「低ベース状態」という。高ベース状態では、手持ちの遊技球(持ち球)を大きく減らすことなく大当りを狙うことができる。
高ベース状態(高頻度状態)は、上記の全ての機能が作動するものでなくてもよい。すなわち、普通図柄についての確率変動機能および変動時間短縮機能、並びに、可変入賞装置22の開放時間延長機能および開放回数増加機能のうち少なくとも一つの機能の作動によって、その機能が作動していないときよりも第2始動口21が開放され易く(入球頻度が高く)なっていればよい。また、高ベース状態は、特別図柄の時短状態に付随せずに独立して制御されるようにしてもよい。この様な高ベース状態を発生する機能を「高ベース発生機能」ということもできる。
本実施例のパチンコ遊技機1では、前述したように、16R第1大当り、6R第2大当り、16R第6大当り、16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当りおよび2R第10大当りの何れかの何れかになった場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「高確高ベース状態」という。高確高ベース状態は、予め定められた回数の特別図柄の変動表示が実行されるか、又は、大当りとなって大当り遊技が実行されることにより終了する。この高確高ベース状態は、高確率状態であることが遊技者にとって明らかな状態であり、遊技者にとってはいわゆる「確変状態」となる。
また、6R第3〜第5大当り、16R第11大当りおよび2R第12大当りの何れかになった場合の大当り遊技後(特別遊技後)の遊技状態は、特別図柄の通常状態(低確率状態)になるとともに、特別図柄の時短状態かつ高ベース状態となる(図6を参照)。この遊技状態を特に「低確高ベース状態」という。低確高ベース状態は、所定回数(例えば100回)の特別図柄の変動表示が実行されるか、大当りに当選してその大当り遊技が実行されることにより終了する。
尚、本実施例のパチンコ遊技機1では、遊技状態として「低確低ベース状態」、「低確高ベース状態」、「高確高ベース状態」の3つの遊技状態を設定可能としているが、これに加え、特別図柄の高確率状態かつ特別図柄の非時短状態かつ低ベース状態、すなわち「高確低ベース状態」を設定可能としてもよい。
高確高ベース状態や低確高ベース状態といった高ベース状態では、右打ちにより右遊技領域3Bへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。高ベース状態では、低ベース状態と比べて第2始動口21が開放されやすくなっており、第1始動口20への入球よりも第2始動口21への入球の方が容易となっているからである。このため、普通図柄当否判定の契機となるゲート28へ遊技球を通過させつつ、第2始動口21へ遊技球を入球させるべく右打ちを行う。これにより、左打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御され、右遊技領域3Bを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(右打ち指示報知)。
これに対して、低ベース状態(例えば低確低ベース状態)では、左打ちにより左遊技領域3Aへ遊技球を進入させた方が有利に遊技を進行できる。低ベース状態では、高ベース状態と比べて第2始動口21が開放されにくくなっており、第2始動口21への入球よりも第1始動口20への入球の方が容易となっているからである。そのため、第1始動口20へ遊技球を入球させるべく左打ちを行う。これにより、右打ちを行う場合に比べ、多数の始動入球(特別図柄当否判定の機会)を得ることができる。この状態のとき、発射方向表示器47が所定の態様で点灯制御(表示制御)され、左遊技領域3Aを狙って遊技球を発射すべきことを報知する(左打ち指示報知)。
ここで、発射方向表示器47は「yz」の2個のLEDで構成されており、遊技状態に応じてLEDを点灯させることにより発射方向を示すものである。例えば、低ベース状態では、「y□z□」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを消灯する表示態様として左遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。また、高ベース状態では、「y■z■」(例えば、□:消灯、■:点灯とする)というように両LEDを点灯する表示態様として右遊技領域へ発射すべきことを報知することができる。
[主制御メイン処理]
次に、図10〜図36に基づいて遊技制御用マイコン81の動作(主制御部80による制御処理)について説明する。尚、遊技制御用マイコン81の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ等は、主制御基板80のRAMに設けられている。主制御基板80に備えられた遊技制御用マイコン81は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、主制御基板80のROMから図10に示す主制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、主制御メイン処理では、まず、初期設定を行う(S101)。初期設定では、例えば、スタックの設定、定数設定、割り込み時間の設定、主制御基板80のCPUの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。フラグの初期値は「0」つまり「OFF」であり、ステータスの初期値は「1」であり、カウンタの初期値は「0」である。初期設定(S101)は、電源投入後に一度だけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S101)に次いで、割り込みを禁止し(S102)、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)を実行する。この普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)では、図7に示した種々の乱数カウンタの値を1加算する更新を行う。各乱数カウンタの値は上限値に至ると「0」に戻って再び加算される。尚、各乱数カウンタの初期値は「0」以外の値であってもよく、ランダムに変更されるものであってもよい。更新された乱数カウンタ値は主制御基板80のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)が終了すると、割り込みを許可する(S104)。割り込み許可中は、割り込み処理(S105)の実行が可能となる。この割り込み処理(S105)は、例えば4ms周期で主制御基板80のCPUに繰り返し入力される割り込みパルスに基づいて実行される。そして、割り込み処理(S105)が終了してから、次に割り込み処理(S105)が開始されるまでの間に、普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)による各種カウンタ値の更新処理が繰り返し実行される。尚、割り込み禁止状態のときにCPUに割り込みパルスが入力された場合は、割り込み処理(S105)はすぐには開始されず、割り込み許可(S104)がされてから開始される。
[割り込み処理]
次に、割り込み処理(S105)について説明する。図11に示すように、割り込み処理(S105)では、まず、出力処理(S201)を実行する。出力処理(S201)では、以下に説明する各処理において主制御基板80のRAMに設けられた出力バッファにセットされたコマンド(制御信号)等を、サブ制御基板90や払出制御基板110等に出力する。ここで出力するコマンド等には、遊技状態、特別図柄当否判定の結果、大当り種別としての図柄、変動パターン等に関する情報等が挙げられる。尚、コマンドは、例えば2バイトの情報からなる。上位1バイトは、コマンドの種類に関する情報であり、下位1バイトはコマンドの内容に関する情報である。
出力処理(S201)に次いで行われる入力処理(S202)では、主にパチンコ遊技機1に取り付けられている各種センサ(第1始動口センサ20a、第2始動口センサ21a、大入賞口センサ30a、第2大入賞口センサ35a等(図5を参照))が検知した検知信号を読み込み、賞球情報としてRAMの出力バッファに記憶する。また、下皿62の満杯を検知する下皿満杯検知センサ(図示せず)からの検知信号も取り込み、下皿満杯データとしてRAMの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)は、図10の主制御メイン処理で行う普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S103)と同じである。即ち、図7に示した各種乱数カウンタ値(普通図柄乱数カウンタ値も含む)の更新処理は、タイマ割り込み処理(S105)の実行期間と、それ以外の期間(割り込み処理(S105)の終了後、次の割り込み処理(S105)が開始されるまでの期間)との両方で行われている。
普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S203)に次いで、後述する始動口センサ検知処理(S204)、始動入球時処理(S205)、普図動作処理(S206)、特図動作処理(S207)、保留球数処理(S208)および電源断監視処理(S209)を実行する。その後、本発明に深く関連しないその他の処理(S210)を実行して、割り込み処理(S105)を終了する。そして、次に主制御基板80のCPUに割り込みパルスが入力されるまでは主制御メイン処理のS102〜S104の処理が繰り返し実行され(図10を参照)、割り込みパルスが入力されると(約4ms後)、再び割り込み処理(S105)が実行される。再び実行された割り込み処理(S105)の出力処理(S201)においては、前回の割り込み処理(S105)にてRAMの出力バッファにセットされたコマンド等が出力される。
[始動口センサ検知処理]
図12に示すように、始動口センサ検知処理(S204)では、まず、遊技球がゲート28を通過したか否か、即ち、ゲートセンサ28aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S301)。遊技球がゲート28を通過していなければ(S301でNO)、S305の処理に移行し、ゲート28を遊技球が通過していれば(S301でYES)、普通図柄保留球数(普図保留の数、具体的にはRAMに設けた普図保留の数をカウントするカウンタの値)が4未満であるか否か判定する(S302)。
普通図柄保留球数が4未満でなければ(S302でNO)、S305の処理に移行する。一方、普通図柄保留球数が4未満であれば(S302でYES)、普通図柄保留球数に「1」を加算し(S303)、普通図柄乱数取得処理(S304)を行う。普通図柄乱数取得処理(S304)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H、図7(B))を取得し、その取得乱数値(取得情報)を、主制御基板80のRAMに設けられた普図保留記憶部のうち現在の普通図柄保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
S305では、第2始動口21に遊技球が入球したか否か、即ち、第2始動口センサ21aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S305)。第2始動口21に遊技球が入球していない場合(S305でNO)には、S309の処理に移行し、第2始動口21に遊技球が入球した場合には(S305でYES)、特図2保留球数(第2特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第2特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S306)。そして、特図2保留球数が4未満でない場合(S306でNO)には、S309の処理に移行し、特図2保留球数が4未満である場合には(S306でYES)、特図2保留球数に1を加算する(S307)。
続いて特図2関係乱数取得処理(S308)を行う。特図2関係乱数取得処理(S308)では、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)及び変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数の値を取得し)、それら取得乱数値(取得情報)を第2特図保留記憶部85bのうち現在の特図2保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
続いて第1始動口20に遊技球が入球したか否か、即ち、第1始動口センサ20aによって遊技球が検知されたか否かを判定する(S309)。第1始動口20に遊技球が入球していない場合(S309でNO)には処理を終えるが、第1始動口20に遊技球が入球した場合には(S309でYES)、特図1保留球数(第1特図保留の数、具体的には主制御部80のRAMに設けた第1特図保留の数をカウントするカウンタの数値)が4(上限数)未満であるか否か判定する(S310)。そして、特図1保留球数が4未満でない場合(S310でNO)には、処理を終えるが、特図1保留球数が4未満である場合には(S310でYES)、特図1保留球数に「1」を加算する(S311)。
続いて特図1関係乱数取得処理(S312)を行う。特図1関係乱数取得処理(S312)では、特図2関係乱数取得処理(S308)と同様に、RAMの更新値記憶領域(図示せず)に記憶されている特別図柄当否判定用カウンタの値(ラベル−TRND−A)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)および変動パターン乱数カウンタの値(ラベル−TRND−T1)を取得し(つまり図7(A)に示す乱数値を取得し)、それら取得乱数値を第1特図保留記憶部のうち現在の特図1保留球数に応じたアドレス空間に格納する。
[始動入球時処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、始動口センサ検知処理(S204)に次いで始動入球時処理(S205)を行う。図13に示すように、始動入球時処理(S205)では、まず、特図2保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S315)。そして、特図2保留球数が「1」増加したと判定した場合(S315でYES)、S316の処理に移行する。これは、第2始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS307で特図2保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、特図2保留球数が増加していないと判定した場合(S315でNO)、S319の処理に移行する。
S316では、直前の始動口センサ検知処理(S204)における特図2関係乱数取得処理(S308)で取得して第2特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出す(S316)。次いで、読み出した第2特別図柄に係る取得乱数値を判定する(S317)。S317では、読み出した取得乱数値のうち、特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(特別図柄当否判定用乱数値)については、現在の遊技状態(低確率状態か高確率状態か)に応じて大当りか外れかを判定し、当該判定の結果が大当りである場合には、さらに大当りの種別を判定する。このS317による判定は、特図2保留についての当否判定(大当りか否かの判定)を、後述の特図2当否判定処理(S1202)における当否判定(S1303,S1304)に先立って行う事前判定(所謂「保留先読み」)に相当するものである。
尚、大当りか否かの事前判定は、大当り判定テーブル(図8(A)を参照)、すなわち、高確率状態であれば高確率状態用の大当り判定テーブル、通常状態(低確率状態)であれば通常状態用の大当り判定テーブルに基づいて、大当り判定値と一致するか否かを判定することが可能である。また、他の事前判定態様として、変動パターン情報を判定可能な変動パターン情報判定テーブルとして、通常状態用(低確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、高確率状態用(高確率状態用)の変動パターン情報判定テーブルと、を有するものとする。そして、事前判定においては、取得乱数値(特別図柄当否判定用乱数カウンタの値等)と、遊技状態に応じた変動パターン情報判定テーブルと、に基づいて、所定の変動パターン情報を選択するものとすることが可能である。そして、この選択した変動パターン情報から、大当りかどうかや大当り種別、大当り信頼度の高い遊技演出が実行されるかどうか等を識別可能とすることができる。
次いでS318では、S317による事前判定の結果に係る遊技情報(事前判定情報)、具体的には、特別図柄当否判定用乱数値が大当り判定値と一致するか否かを示す情報(当否情報)や、大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)を示す情報、変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報等を含むコマンドデータを、特図2始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S318)。尚、特図2始動入球コマンドとして、S316で読み出した特図2取得乱数の値の一部または全部を、そのままサブ制御基板に送信するようにしてもよいし、特図2取得乱数の値はそのまま送信せず、特図2取得乱数の値に基づいて取得した遊技情報(例えば、前述の変動パターン情報等)を送信するようにしてもよい。
また、主制御部80から送信した特図2始動入球コマンドをサブ制御部90で解析することで、大当りに係る情報であるか、大当り種別は何れであるか、変動パターンは何れであるか等を、サブ制御部90が識別できるものとされている。また、本実施例では、これに加えて、特図2始動入球コマンドを解析することで、取得した特図2取得乱数が高確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、及び低確率状態で判定した場合に大当りとなるかどうか、を特定可能とされている。これにより、サブ制御部90は、受信した特図2始動入球コマンドを保留(演出保留情報)として記憶し、特定のタイミングで当該演出保留情報を事前判定し、低確率状態で当否判定した場合に大当りと判定される演出保留情報が記憶されているかどうかを判定することが可能となる。
尚、不正防止の観点から、S316で読み出した取得乱数値のうち特別図柄当否判定用乱数値を、そのままサブ制御部に送信することはせず、その他の大当り種別決定用乱数カウンタの値(大当り種別決定用乱数値)と変動パターン乱数カウンタの値(変動パターン乱数値)を示す情報と、事前判定の結果を示す情報とを含むコマンドデータを特図2始動入球コマンドとして生成し、これをセットすることが可能である。
次いでS319では、前述の特図2に係る処理と同様に、特図1保留球数が「1」増加したか否かを判定する(S319)。そして、特図1保留球数が「1」増加したと判定した場合(S319でYES)、S320の処理に移行する。これは、第1始動口に遊技球が入球したことに基づいて、始動口センサ検知処理(S204)におけるS311で特図1保留球数に「1」を加算した場合が該当する。一方、S319で、特図1保留球数が増加していないと判定した場合(S319でNO)、そのまま処理を終える。
S320では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S320)、時短フラグがONである、すなわち高ベース状態であると判定した場合(S320でYES)、そのまま処理を終える。一方、S320で時短フラグがOFFである、すなわち低ベース状態であると判定した場合(S320でNO)、S321以降の事前判定に係る処理に進む。ここで、時短フラグがONである場合、すなわち現在の遊技状態が高ベース状態である場合、第2始動口21への入球頻度が高まる開放延長機能が作動しており、特図2の当否判定(図8(B)を参照)が行われやすい状態となっている。また、本実施例では、後述するように特図2保留の消化(第2特別図柄の変動表示)を特図1保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行するもの(所謂特図2優先変動機)としている。このような構成において、例えば、特図1の事前判定を行い、その結果を予告等の演出により遊技者に報知し、その事前判定の結果が大当りであることが明示された場合、遊技者は、特図2保留消化の優先を利用して、任意のタイミングで特図2保留を意図的に無くして(「0」にして)、事前判定の結果が示された特図1に係る大当りを意図的に発生させるといった技術介入が可能となる。このように大当りの発生タイミングを遊技者が調整できることは、遊技の公平性の観点から好ましくない。このため、現在の遊技状態が低ベース状態でなく高ベース状態である場合には(S320でYES)、S321以降の特図1の事前判定に係る処理を行わず、本処理を終えることとしている。
S321〜S323の処理は、前述したS316〜S318と同様の処理を特図1について行うものである。すなわち、始動口センサ検知処理(S204)における特図1関係乱数取得処理(S312)で取得して第1特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出し(S321)、読み出した取得乱数値について事前判定を行う(S322)。そして、この事前判定に係る遊技情報を含むコマンドデータを特図1始動入球コマンドとして生成し、当該コマンドをRAMの出力バッファにセットする(S323)。尚、S322の事前判定(保留先読み)は、後述の特図1当否判定処理(S1207)における当否判定(S1603,S1604)に先立って行うものである。
[普図動作処理]
遊技制御用マイコン81は、始動入球時処理(S205)に次いで、図14に示す普図動作処理(S206)を行う。普図動作処理(S206)では、普通図柄表示器42及び可変入賞装置22に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「普図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「普図動作ステータス」が「1」である場合には(S401でYES)、普通図柄待機処理(S402)を行い、「普図動作ステータス」が「2」である場合には(S401でNO、S403でYES)、普通図柄変動中処理(S404)を行い、「普図動作ステータス」が「3」である場合には(S401、S403で共にNO、S405でYES)、普通図柄確定処理(S406)を行い、「普図動作ステータス」が「4」である場合には(S401、S403、S405の全てがNO)、普通電動役物処理(S407)を行う。尚、普図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[普通図柄待機処理]
図15に示すように、普通図柄待機処理(S402)では、まず、普通図柄の保留球数が「0」であるか否かを判定し(S501)、「0」であれば(S501でYES)、この処理を終える。一方「0」でなければ(S501でNO)、後述の普通図柄当否判定処理を行い(S502)、次いで、普通図柄変動パターン選択処理を行う(S503)。普通図柄変動パターン選択処理では、図8(D)に示す普通図柄変動パターン選択テーブルを参照して、遊技状態が時短状態であれば、普通図柄の変動時間が1秒の普通図柄変動パターンを選択する。一方、遊技状態が非時短状態であれば、普通図柄の変動時間が30秒の普通図柄変動パターンを選択する。普通図柄変動パターン選択処理(S503)を終えたら、後述の普通図柄乱数シフト処理(S504)を行い、次いで、普通図柄変動開始処理(S505)を行い、処理を終える。普通図柄変動開始処理では、S503で選択した普通図柄変動パターンに基づいて普通図柄の変動表示を開始するとともに、普通動作ステータスを「2」にセットする。また、普通図柄変動開始処理では、サブ制御基板90に普通図柄の変動開始を知らせるため、普通図柄変動開始コマンドをセットする。
[普通図柄当否判定処理]
図16に示すように、普通図柄当否判定処理(S502)では、まず、普図保留記憶部に格納されている普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)を読み出す(S601)。次いで、時短フラグがONであるか否か(すなわち遊技状態が時短状態であるか否か)を判定する(S602)。S602で、時短フラグがONである、すなわち時短状態であると判定した場合(S602でYES)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」〜「239」)に基づく高確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S604)、S605の処理に移行する。すなわち、読み出した普通図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−H)が当り判定値の何れかと一致するか否かを判定する。一方、S602で、時短フラグがONでない、すなわち、非時短状態であると判定した場合(S602でNO)、図8(C)に示す普通図柄当り判定テーブルのうち非時短状態用のテーブル(当り判定値が「0」、「1」)に基づく低確率普図当否判定により、当りか否かを判定し(S603)、S605の処理に移行する。そして、普図当否判定(S603,S604)の結果が、当り(普図当り)か否かを判定し(S605)、外れと判定された場合(S605でNO)、停止表示する外れ普通図柄(普図外れ図柄)を決定し(S606)、処理を終える。一方、S605で当り(普図当り)と判定された場合(S605でYES)、停止表示する当り普通図柄(普図当り図柄)を決定し(S607)、普図当りフラグをONにして(S608)、処理を終える。
[普通図柄乱数シフト処理]
図17に示すように、普通図柄乱数シフト処理(S504)では、まず、普通図柄保留球数を1ディクリメントする(S701)。次いで、普図保留記憶部における各普図保留の格納場所を、現在の位置から読み出される側に一つシフトする(S702)。そして、普図保留記憶部における最上位の保留記憶の格納場所であるアドレス空間を空(「0」)にして、即ち普図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S703)、処理を終える。このようにして、普図保留が保留順に消化されるようにしている。
[普通図柄変動中処理]
図18に示すように、普通図柄変動中処理(S404)では、まず、普通図柄の変動時間が経過したか否か判定し(S801)、経過していなければ(S801でNO)、処理を終える。一方、経過していれば(S801でYES)、普通図柄変動停止コマンドをセットする(S802)とともに、普図動作ステータスを「3」にセットする(S803)。そして、普通図柄の変動表示を、普通図柄当否判定用乱数の判定結果に応じた表示結果(当り普通図柄又は外れ普通図柄)で停止させる等のその他の処理を行って(S804)、この処理を終える。
[普通図柄確定処理]
図19に示すように、普通図柄確定処理(S406)では、まず、普図当りフラグがONであるか否かを判定する(S901)。普図当りフラグがONでなければ(S901でNO)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S905)、この処理を終える。一方、普図当りフラグがONであれば(S901でYES)、続いて時短フラグがONであるか否か、すなわち時短状態中か否かを判定する(S902)。そして、時短状態中であれば(S902でYES)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして時短状態中の開放パターンをセットする(S903)。時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、2.0秒の開放を3回繰り返す開放パターンである。従って、第2始動口21の開放回数をカウントする第2始動口開放カウンタに「3」をセットする。
これに対して、非時短状態中であれば(S902でNO)、可変入賞装置22(第2始動口21)の開放パターンとして非時短状態中の開放パターンをセットする(S906)。非時短状態中の開放パターンとは、前述の通り、0.2秒の開放を1回行う開放パターンである。従って、第2始動口開放カウンタに「1」をセットする。そして、開放パターンのセット(S903、S906)に続いて、普図動作ステータスを「4」にセットし(S904)、この処理を終える。
[普通電動役物処理]
図20に示すように、普通電動役物処理(S407)では、まず、普図当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S1001)。普図当り終了フラグは、当りとなって実行された補助遊技において、第2始動口21の開放が終了したことを示すフラグである。
普図当り終了フラグがONでなければ(S1001でNO)、第2始動口21の開放中か否かを判定する(S1002)。開放中でなければ(S1002でNO)、第2始動口21を開放させる時期(タイミング)に至ったか否かを判定し(S1003)、至っていなければ(S1003でNO)、処理を終え、至っていれば(S1003でYES)、第2始動口21を開放させ(S1004)、処理を終える。一方、第2始動口21の開放中であれば(S1002でYES)、第2始動口21を閉鎖させる時期(タイミング)に至ったか否か(すなわち第2始動口21を開放してから予め定められた開放時間が経過したか否か)を判定し(S1005)、至っていなければ(S1005でNO)処理を終え、至っていれば(S1005でYES)、第2始動口21を閉状態(閉鎖)とする(S1006)。
そして、第2始動口21の閉鎖処理(S1006)に次いで、第2始動口開放カウンタの値を1ディクリメントし(S1007)、第2始動口開放カウンタの値が「0」であるか否か判定する(S1008)。「0」でなければ(S1008でNO)、再び第2始動口21を開放させるためにそのまま処理を終える。一方「0」であれば(S1008でYES)、補助遊技を終了させる普図当り終了処理を行う(S1009)とともに、普図当り終了フラグをセットして(S1010)処理を終える。尚、第2始動口開放カウンタは、時短状態中であれば第2始動口21の開放(可動部材23の開放動作)が3回なされると「0」になり、非時短状態中であれば第2始動口21の開放が1回なされると「0」になる。
これに対して、S1001において普図当り終了フラグがONであれば(S1001でYES)、S903またはS906にてセットされた回数の第2始動口21の開放動作は終了しているので、普図当り終了フラグをOFFにするとともに(S1011)、普図当りフラグをOFFにし(S1012)、普図動作ステータスを「1」にセットして(S1013)処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、普図動作処理(図13)として再び普通図柄待機処理(S402)が実行されることになる。
[特図動作処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、普図動作処理(S206)に次いで特図動作処理(S207)を行う。特図動作処理(S207)では、図21に示すように、特別図柄表示器41および大入賞装置31に関する処理を4つの段階に分け、それらの各段階に「特図動作ステータス1、2、3、4」を割り当てている。そして、「特図動作ステータス」が「1」である場合には(S1101でYES)、特別図柄待機処理(S1102)を行い、「特図動作ステータス」が「2」である場合には(S1101でNO、S1103でYES)、特別図柄変動中処理(S1104)を行い、「特図動作ステータス」が「3」である場合には(S1101,S1103で共にNO、S1105でYES)、特別図柄確定処理(S1106)を行い、「特図動作ステータス」が「4」である場合には(S1101,S1103,S1105の全てがNO)、大当り遊技としての特別電動役物処理(S1107)を行う。尚、特図動作ステータスは、初期設定では「1」である。
[特別図柄待機処理]
図22に示すように、特別図柄待機処理(S1102)では、まず、第2始動口21の保留球数(即ち特図2保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1201)。特図2保留球数が「0」である場合(S1201でYES)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶がない場合には、第1始動口20の保留球数(即ち特図1保留球数)が「0」であるか否かを判定する(S1206)。そして、特図1保留球数も「0」である場合(S1206でYES)、即ち、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶もない場合には、画像表示装置7の表示画面7aを待機画面とする処理中(客待ち用のデモ画面の実行中)であるか否かを判定し(S1211)、待機画面とする処理中であれば(S1211でYES)、処理を終え、待機画面とする処理中でなければ(S1211でNO)、待機画面を表示するために待機画面設定処理を実行する(S1212)。
S1201において特図2保留球数が「0」でない場合(S1201でNO)、即ち、第2始動口21への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図2当否判定処理(S1202)、特図2変動パターン選択処理(S1203)、特図2乱数シフト処理(S1204)、特図2変動開始処理(S1205)をこの順に行う。また、特図2保留球数が「0」であるが特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)、即ち、第2始動口21に係る乱数カウンタ値の記憶はないが、第1始動口20への入球に起因して取得した乱数カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、後述の特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。このように本実施例では、第1特図保留に基づく第1特別図柄の変動表示は、第2特図保留が「0」の場合(S1201でYES)に限って行われる。すなわち第2特図保留の消化(第2特別図柄の変動表示)は、第1特図保留の消化(第1特別図柄の変動表示)に優先して実行される。そして本実施例では、第2特図保留に基づく当否判定の方が、第1特図保留に基づく当否判定よりも、遊技者にとって利益の大きい大当りになりやすくなっている(図8(B)を参照)。
[特図2当否判定処理]
図23に示すように、特図2当否判定処理(S1202)では、まず、判定値として、RAMの第2特図保留記憶部85bの最下位の領域(即ち第2特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている(最も古い記憶の)特別図柄当否判定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−A)を読み出す(S1301)。次いで、確変フラグがONであるか否か、すなわち高確率状態であるか否かを判定する(S1302)。そして、高確率状態でなければ(S1302でNO)、すなわち通常状態であれば、図8(A)に示す大当り判定テーブルのうち通常状態用の大当り判定テーブル(大当り判定値が「3」及び「397」)に基づいて当否判定を行う(S1303)。一方、高確率状態であれば(S1302でYES)、大当り判定テーブルのうち高確率状態用の大当り判定テーブルに基づいて当否判定を行う(S1304)。高確率状態用の大当り判定テーブルでは、大当り判定値は、「3」、「53」、「113」、「173」、「227」、「281」、「337」、「397」、「449」、「503」とされている。
大当り判定(S1303,S1304)の結果が「大当り」であると判定した場合(S1305でYES)、大当り種別決定用乱数カウンタの値(ラベル−TRND−AS)を読み出して、図8(B)に示す大当り種別判定テーブルに基づいて大当り種別を判定し(S1307)、当該大当り種別決定用乱数の値に基づいて大当り図柄を決定し(S1308)、大当りフラグをONにして(S1309)、処理を終える。一方、大当り判定(S1303、S1304)の結果が「大当り」でないと判定した場合(S1305でNO)、外れ図柄を決定し(S1306)、処理を終える。尚、第1特別図柄に係る当否判定の場合は、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定し、第2特別図柄に係る当否判定の場合は、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブルを用いて大当り種別を判定する。ここで、大当り判定(特別図柄当否判定)や大当り種別決定判定を、夫々「判定」といってもよいし、大当り判定を行い何れの大当り図柄となるかを含めて「判定」といってもよい。また、これらの結果を「判定結果」ということもある。
ここで、ラウンド表示器45は、2R用ランプ、6R用ランプ、12R用ランプ及び16R用ランプの4個のLEDで構成されている(図4を参照)。そして、例えば2R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、2R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R▲6△12△16R△」(例えば、▲:点灯、△:消灯とする)の様な表示態様となる。また、6R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、6R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R△6▲12△16R△」の様な表示態様となる。また、12R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、12R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R△6△12▲16R△」の様な表示態様となる。また、16R大当りになると、対応する大当り図柄が確定表示するタイミングで、16R用ランプが点灯表示される。具体的には、「2R△6△12△16R▲」の様な表示態様となる。
[特図2変動パターン選択処理]
特別図柄待機処理(図22)では、特図2当否判定処理(S1202)に次いで、特図2変動パターン選択処理を行う(S1203)。図24及び図25に示すように、特図2変動パターン選択処理(S1203)では、まず、遊技状態が時短状態であるか否か(時短フラグがONであるか否か)を判定する(S1401)。S1401で、時短状態でないと判定した場合(S1401でNO)、すなわち非時短状態であれば、次いで、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1402)。S1402で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1402でYES)、非時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1403)。本実施例では、変動パターンP1乃至P3の何れかが選択される。尚、本実施例では、変動パターンが決まれば変動時間も決まるものとされている。次いで、S1404の処理に移行する。
一方、S1402で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1402でNO)、次いで第2特別図柄の保留数が「1」又は「2」であるか否かを判定する(S1405)。ここでいう保留数とは、本処理により変動パターンを決定している情報も含めた記憶数であるので、保留記憶の数は「1」〜「4」の何れかの値とされる。そして、S1405で、保留数が「1」又は「2」であると判定した場合(S1405でYES)、第1保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「1,2」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1406)。本実施例では、変動パターンP4乃至P7の何れかが選択される。一方、S1405で、保留数が「1」又は「2」でない、すなわち「3」又は「4」であると判定した場合(S1405でNO)、第2保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち非時短状態かつ外れかつ保留球数「3,4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1407)。本実施例では、変動パターンP8乃至P11の何れかが選択される。また、第1保留数外れ用テーブルは、第2保留数外れ用テーブルよりも、比較的長時間の変動時間の変動パターンを選択する可能性が高く設定されている。また、選択可能な最も短時間の変動時間(12000ms)も、第2保留数外れ用テーブルのもの(4000ms)よりも長い時間とされている。
また、S1401で、時短状態であると判定した場合(S1401でYES)、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S1408)。S1408で、大当りフラグがONであると判定した場合(S1408でYES)、時短状態大当り用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ大当りに該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1409)。本実施例では、変動パターンP12乃至P14の何れかが選択される。
一方、S1408で、大当りフラグがONでないと判定した場合(S1408でNO)、次いで保留数が「1」であるか否かを判定する(S1410)。ここでいう保留数も前述と同様であり、保留数は「1」〜「4」の何れかの値とされている。S1410で、保留数が「1」であると判定した場合(S1410でYES)、第3保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「1」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP15乃至P18の何れかが選択される。また、S1410で、保留数が「1」でない、すなわち、保留数が「2」〜「4」の何れかであると判定した場合(S1410でNO)、第4保留数外れ用テーブル(図9に示す変動パターンテーブルのうち時短状態かつ外れかつ保留球数「2〜4」に該当する部分)を参照して、変動パターン乱数カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて変動パターンを選択する(S1411)。本実施例では、変動パターンP19乃至P22の何れかが選択される。ここで、時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンは、非時短状態でかつ外れの場合に選択される変動パターンと比較して、短い変動パターンが選択される可能性が高くされている。これは、時短状態において変動時間の短い変動パターンがより多く選択されようにすることで、特図保留の消化スピードを早める(時短中の遊技を迅速に進行させる)ためである。
前述のようにして変動パターンの選択を行った後は、図24に示すその他の処理を行い(S1404)、処理を終える。その他の処理(S1404)では、選択した変動パターンに応じた変動パターン指定コマンドをRAMの出力バッファにセットする等の処理を行う。また、この処理でセットされた変動パターン指定コマンドは、後述の変動開始コマンドに含められて、出力処理(S201)によりサブ制御部90に送信される。
[特図2乱数シフト処理]
図26に示すように、特図2乱数シフト処理(S1204)では、まず、特図2保留球数を1ディクリメントする(S1501)。次いで、第2特図保留記憶部85bにおける各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側(例えば第2特図保留記憶部85bがアドレス「0000」〜「0003」に対応するアドレス空間からなる場合、アドレス「0000」側)にシフトする(S1502)。そして、第2特図保留記憶部85bの最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第2特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1503)、この処理を終える。
特図2乱数シフト処理(S1204)を実行した後は、図22に示す特図2変動開始処理(S1205)を実行する。特図2変動開始処理(S1205)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第2特別図柄の変動表示を開始する。
図22の特別図柄待機処理(S1102)において、特図2保留球数が「0」であり、かつ、特図1保留球数が「0」でない場合(S1201でYES、S1206でNO)には、特図1当否判定処理(S1207)、特図1変動パターン選択処理(S1208)、特図1乱数シフト処理(S1209)、特図1変動開始処理(S1210)をこの順に行う。
[特図1当否判定処理]
図27に示すように、特図1当否判定処理(S1207)では、図23に示した特図2当否判定処理(S1202)と同様の流れで処理(S1601〜S1609)を行う。従って、本処理の詳細な説明は省略する。但し、本処理は特図1に関する処理であるので、S1601では、RAMの第1特図保留記憶部85aの最下位の領域(即ち第1特図保留の1個目に対応するRAM領域)に記憶されている特別図柄当否判定用乱数カウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出して処理を行う。
[特図1変動パターン選択処理]
図28及び図29に示すように、特図1変動パターン選択処理(S1208)では、図24及び図25に示した特図2変動パターン選択処理(S1403)と同様の流れで処理(S1701〜S1712)を行う。従って本処理の詳細な説明は省略する。
[特図1乱数シフト処理]
図30に示すように、特図1乱数シフト処理(S1209)では、まず、特図1保留球数を1ディクリメントする(S1801)。次いで、第1特図保留記憶部における各種カウンタ値の格納場所を、1つ下位側にシフトする(S2002)。そして、第1特図保留記憶部の最上位のアドレス空間に「0」をセットして、即ち、(上限数まで記憶されていた場合)第1特図保留の4個目に対応するRAM領域を0クリアして(S1803)、この処理を終える。
特図1乱数シフト処理(S1209)を実行した後は、図22に示す特図1変動開始処理(S1210)を実行する。特図1変動開始処理(S1210)では、特図動作ステータスを「2」にセットすると共に、変動開始コマンドをRAMの出力バッファにセットして、第1特別図柄の変動表示を開始する。
[特別図柄変動中処理]
図31に示すように、特別図柄変動中処理(S1104)では、まず、特別図柄の変動時間、すなわち、前述のS1203又はS1208で選択された変動パターンに応じて決まる変動時間(図9を参照)が経過したか否かを判定する(S1901)。変動時間が経過していないと判定した場合(S1901でNO)、処理を終える。これにより特別図柄の変動表示が継続される。
一方、変動時間が経過したと判定した場合(S1901でYES)、変動停止コマンドをセットする(S1902)。そして、確変フラグがONであるか否か判定し(S1903)、ONであれば(S1903でYES)、確変カウンタを1減算し(S1904)、確変カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S1905)。S1905で確変カウンタが「0」であると判定した場合、確変フラグをOFFし、S1907の処理に移行する。一方、確変フラグがONでないと判定した場合と(S1903でNO)、確変カウンタが「0」でないと判定した場合には(S1905でNO)、S1907の処理に移行する。
そしてS1907では、時短フラグがONであるか否かを判定し(S1907)、時短フラグがONであると判定した場合(S1907でYES)、時短状態中に実行した特別図柄の変動表示回数をカウントする時短カウンタの値を1減算し(S1908)、時短カウンタの値が「0」か否かを判定し(S1909)、「0」であれば(S1909でYES)、時短フラグをOFFにし(S1910)、S1911の処理に進む。また、時短フラグがONでないと判定した場合と(S1907でNO)時短カウンタの値が「0」でないと判定した場合には(S1909でNO)、S1911の処理に移行する。
S1911では、特図動作ステータスを「3」にセットする(S1911)。そして、特別図柄の変動表示を、特別図柄当否判定乱数及び大当り種別決定用乱数の判定結果に応じた結果で停止させる等のその他の処理を行い(S1912)、この処理を終える。
[特別図柄確定処理]
図32に示すように、特別図柄確定処理(S1106)では、まず、大当りフラグがONであるか否かを判定する(S2001)。大当りフラグがONであれば(S2001でYES)、次いで確定した大当りの種別が16R大当りであるか否かを判定し、16R大当りであると判定した場合(S2002でYES)、大当り遊技中に実行するラウンドの回数をカウントするラウンドカウンタの値に「16」をセットし(S2003)、S2009の処理に移行する。一方、S2002で、大当りの種別が16R大当りでないと判定した場合(S2002でNO)、確定した大当りの種別が12R大当りであるか否かを判定し(S2004)、12R大当りであると判定した場合(S2004でYES)、ラウンドカウンタの値に「12」をセットし(S2005)、S2009の処理に移行する。一方、S2004で、大当り種別が12R大当りでないと判定した場合(S2004でNO)、確定した大当りの種別が6R大当りであるか否かを判定し(S2006)、6R大当りであると判定した場合(S2006でYES)、ラウンドカウンタの値に「6」をセットし(S2007)、S2009の処理に移行する。一方、S2006で、大当りの種別が6R大当りでないと判定した場合(S2006でNO)、確定した大当りの種別は2R大当りであるため、ラウンドカウンタの値に「2」をセットし(S2008)、S2009の処理に移行する。
S2009では、確定した大当りの種別(種類)に応じた大入賞口開放パターンをセットし(S2009)、S2010の処理に移行する。ここで、前述したように、大入賞口の開放パターンは、大当りの種別に応じて定められているので、今回確定した大当りに対応する大入賞口開放パターンをセットする(図6を参照)。そして、夫々の大当り遊技において、S2009でセットした大入賞口開放パターンに基づく大入賞口30の開放動作が実行される。
S2010では、大当り遊技を開始するべく、大当りのオープニングコマンドをセットする(S2010)。本実施例では、オープニングコマンドとして、16R第1大当りに対応する第1オープニングコマンド、6R第2〜第5大当りに対応する第2オープニングコマンド、16R第6大当りに対応する第3オープニングコマンド、RUB(16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当り)に対応する第4オープニングコマンド、2R大当り(2R第10大当り、2R第12大当り)に対応する第5オープニングコマンドおよび16R第11大当りに対応する第6オープニングコマンドの計6種類が設けられている。S2010では、今回確定した大当り(開始する大当り)の種別に応じたオープニングコマンドがセットされる。そして、主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、セットしたオープニングコマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドに基づいて所定の遊技演出の実行処理を行う。
オープニングコマンドをセットしたら、大当り遊技のオープニング期間を開始し(S2011)、特図動作ステータスを「4」にセットする(S2012)。また、S2001において大当りフラグがONでないと判定した場合(S2001でNO)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2013)、処理を終える。尚、オープニング期間は、大当り遊技における大入賞口の最初の開放動作を開始する前であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行不能とした後に設定される期間であり、「開始期間」ともいう。また、この「開始期間」において実行する演出を「開始演出(オープニング演出)」ともいう。本実施例では、確定した大当りの種別と、その大当りが確定したとき(つまり、大当り図柄が停止表示されたとき)の遊技状態とによって、オープニング期間(オープニング時間)が決まるものとなっており、前述のオープニングコマンドによってオープニング期間が特定可能となっている。よって、オープニングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該オープニングコマンドにより特定される大当り種別およびオープニング期間に基づいて、オープニング演出を行うことが可能となっている。
[特別電動役物処理(大当り遊技)]
図33に示すように、特別電動役物処理(S1107)ではまず、確変フラグがONであるか否かを判定し(S2101)、確変フラグがONであると判定した場合(S2101でYES)、確変フラグをOFFにし(S2102)、次いで、時短フラグがONであるか否かを判定する(S2103)。S2103で、時短フラグがONであると判定した場合(S2103でYES)、時短フラグをOFFにし(S2104)、S2105の処理に移行する。尚、S2101で確変フラグがONでないと判定した場合(S2101でNO)、S2102の処理を行うことなくS2103の処理に移行し、S2103で時短フラグがONでないと判定した場合(S2103でNO)、S2104の処理を行うことなくS2105の処理に移行する。つまり、大当り遊技の実行中は、低確率状態かつ非時短状態に制御される。本実施例では、非時短状態中は常に低ベース状態であるので、大当り遊技の実行中は低ベース状態に制御されることにもなる。
次に、大当り終了フラグがONであるか否かを判定する(S2105)。大当り終了フラグは、大当り遊技において大入賞装置31の動作処理(大入賞口30の開放処理)が全て終了(大当り遊技が終了)したことを示すフラグである。大当り終了フラグがONでなければ(S2105でNO)、次いでラウンドの開始時期であるか否かを判定する(S2106)。これは、前述した大当り種別毎に設定した大入賞口開放パターンに基づいて判定する。例えば、1ラウンド目の開始前であれば、オープニング期間が終了して1ラウンド目の最初の開放処理を実行するタイミングであるか否かによって判定する。また、既に1ラウンド目を開始した後であれば、前のラウンドが終了し、かつ、所定のインターバル期間が終了している否かによって判定する。
S2106で、ラウンド開始時期であると判定した場合(S2106でYES)、対応するラウンドのラウンド開始コマンドをセットし(S2107)、大入賞口開放処理を行う(S2108)。これにより、大入賞口(大入賞口30又は第2大入賞口35)が開放状態となり所定のラウンドが開始することとなる。尚、S2107では、1ラウンド目の開始であれば「1R開始コマンド」、2ラウンド目の開始であれば「2R開始コマンド」のように、開始するラウンドを特定可能なラウンド開始コマンドがセットされる。セットされたラウンド開始コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。S2108の大入賞口開放処理では、実行される大当りの種別に応じて定められた大入賞口開放パターン、すなわち、前述のS2009でセットした大入賞口開放パターンに基づいて大入賞口30を開放させるべく、開閉部材32を動作(開動作)させる。
一方、S2106で、ラウンド開始時期でないと判定した場合(S2106でNO)、S2112の処理に移行する。ここで、ラウンド開始時期でないと判定する場合として、例えば、1ラウンド開始前のオープニング期間中やラウンド遊技中、ラウンド遊技終了後のインターバル期間中(大入賞口閉鎖処理中)等を挙げることができる。
S2112では、大入賞口開放動作の実行中であるか否か、すなわち、S2108の処理によって開放された大入賞口が未だ開放中(ラウンド遊技中)であるか否かを判定する(S2112)。その結果、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)でないと判定した場合(S2112でNO)、S2116の処理に移行し、大入賞口開放動作の実行中(ラウンド遊技中)であると判定した場合(S2112でYES)、実行中のラウンド遊技の終了条件(ラウンド終了条件)が成立したか否かを判定する(S2113)。
ここで、本実施例のラウンド終了条件として、(1)実行中のラウンド遊技において定められた大入賞口の開放時間(例えば、25s)、つまりラウンド遊技の実行時間が経過したこと、(2)実行中のラウンド遊技において大入賞口に予め定められた規定数(例えば、10球)の遊技球が入球したこと、の2つの条件が定められている。そして、何れか一方の条件が成立すると、当該先に成立した条件に基づいてラウンド終了条件が成立したこととなる。S2113で、ラウンド終了条件が成立していないと判定した場合(S2113でNO)、処理を終える。
一方、S2113で、ラウンド終了条件が成立したと判定した場合(S2113でYES)、対応するラウンドのラウンド終了コマンドをセットし(S2114)、S2115の処理に移行する。S2114では、1ラウンド目の終了であれば「1R終了コマンド」、2ラウンド目の終了であれば「2R終了コマンド」のように、終了するラウンドを特定可能なラウンド終了コマンドがセットされる。セットされたラウンド終了コマンドは、S201の出力処理により、サブ制御部90に送信される。
S2115では、大入賞口閉鎖処理を行い(S2115)、大入賞口30の開閉部材32を動作(閉動作)させて、大入賞口30を閉鎖状態とする。また、大入賞口閉鎖処理では、大入賞口30を閉鎖状態に保つ閉鎖時間、すなわちインターバル時間をセットする。次いで、S2116でインターバル時間が経過したか否かを判定し(S2116)、経過していない(インターバル期間中である)と判定した場合(S2116でNO)、処理を終える。一方、S2116でインターバル時間が経過したと判定した場合(S2116でYES)、ラウンドカウンタの値を1ディクリメントし(S2117)、ラウンドカウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S2118)。S2118で、ラウンドカウンタの値が「0」でないと判定した場合(S2118でNO)、処理を終える。一方、ラウンドカウンタの値が「0」であると判定した場合(S2118でYES)、大当り遊技を終了させる大当り終了処理として、大当りのエンディングコマンドをセットすると共に(S2119)、大当りのエンディング期間を開始し(S2120)、大当り終了フラグをONにし(S2121)、処理を終える。尚、ラウンドカウンタの値は、実行する大当り遊技における全てのラウンド遊技を終了すると「0」になる。
S2119では、予め定められた複数のエンディングコマンドの中から、今回の大当り発生時の遊技状態や今回の大当りの種別、大当り遊技後の遊技状態等に応じたエンディングコマンドが選択され、当該選択されたコマンドがセットされる。こうしてセットされるエンディングコマンドの種類によって、実行される(設定される)エンディング期間(エンディング時間)が決まるものとなっている。エンディング期間は、大当り遊技における大入賞口30の全ての開放動作を終了した後であって、特別図柄(演出図柄)の変動表示を実行可能とする前に設定される期間であり、「終了期間」ともいう。エンディング期間(終了期間)では、大入賞口30および第2大入賞口35は閉鎖状態とされている。この「終了期間」に実行する演出を「終了演出(エンディング演出)」ともいう。
そして、主制御部80(遊技制御用マイコン81)は、S2119でセットしたエンディングコマンドを、出力処理(S201)により、所定のタイミングでサブ制御部90に対して送信し、当該エンディングコマンドを受信したサブ制御部90は、当該エンディングコマンドに基づいて所定のエンディング演出の実行処理を行う。
また、S2105において、大当り終了フラグがONであると判定した場合(S2105でYES)、大当り遊技における最終ラウンドが終了しているので、大当りのエンディング時間が経過したか否か、すなわち、前述のS2120の処理で開始したエンディング期間の終了タイミングか否かを判定し(S2122)、エンディング時間が経過していないと判定した場合(S2122でNO)、処理を終える。一方、エンディング時間が経過したと判定した場合(S2122でYES)、大当り終了フラグをOFFにし(S2123)、後述する遊技状態設定処理(S2124)を行う。次いで、大当りフラグをOFFにし(S2125)、特図動作ステータスを「1」にセットし(S2126)、処理を終える。これにより、次回の割り込み処理において、特図動作処理(図21)として再び特別図柄待機処理(S1102)が実行されることになる。尚、以上の特別電動役物処理(S1108)を実行する遊技制御用マイコン81は、「特別遊技実行手段」として機能するものといえる。
[遊技状態設定処理]
図34に示すように、遊技状態設定処理(S2124)ではまず、今回終了した大当り遊技が確変大当りに係るものであるか否かを判定する(S2201)。本実施例では、前述したように、16R第1大当り、6R第2大当り、16R第6大当り、16R第7大当り、12R第8大当り、6R第9大当りおよび2R第10大当りの7種類を確変大当りとしていることから、S2201では、それら7種類のうちの何れかに該当するか否かを判定する。そして、今回終了したのが確変大当りであると判定した場合(S2201でYES)、確変フラグをONにするとともに(S2202)、確変カウンタに「10,000」をセットし(S2203)、さらに時短フラグをONにするとともに(S2204)、時短カウンタに「10,000」をセットして(S2205)、処理を終える。
ここで、確変カウンタにセットする値は、高確率における特別図柄当否判定を実行可能な回数である。本実施例においてセットする「10,000」という値(10,000回)は、高確率状態における大当り確率や遊技店の1日の営業時間、当該営業時間内に実行可能な特図当否判定の回数等を考慮すると、実質的には次回の大当りが発生するまで又は営業時間が終了するまで、高確率状態を保証しているのと同じことである。従って、遊技状態が高確率状態に設定された場合には、次回の大当りが発生するまで高確率状態が保証されるといってもよい(実質的に同義である)。また、確変フラグがONの場合には、時短カウンタにも同様に「10,000」がセットされるため、この高確率状態が設定されている間、時短状態(開放延長状態)も共に設定されるといってよい。尚、本実施例の様に、確変カウンタおよび時短カウンタに「10,000」の値を設定して、実質的に次回大当りまで高確高ベース状態を設定するようにしてもよいし、確変フラグおよび時短フラグがONの場合には、カウンタに値をセットすることなく、次回大当りが発生するまで高確高ベース状態を設定する様な制御を採用してもよい。
一方、S2201で、確変大当りでないと判定した場合(S2201でNO)、すなわち、今回終了したのが非確変大当り(通常大当り)に係る大当り遊技である場合、確変フラグをONにすることなく、時短フラグをONにするとともに(S2206)、時短カウンタに「100」をセットして(S2207)、処理を終える。本実施例では、前述したように、6R第3〜第5大当り、16R第11大当りおよび2R第12大当りの5種類を非確変大当り(通常大当り)としているので、これら5種類のうちの何れかに係る大当り遊技が終了すると、遊技状態が、低確率状態かつ時短状態かつ高ベース状態(すなわち低確高ベース状態)となる。この低確高ベース状態は、特別図柄の変動表示が100回行われること(特別図柄当否判定が100回行われること)、及び次の大当りが発生すること、の何れかの条件の成立により終了する。尚、時短カウンタおよび確変カウンタは、第1特別図柄の変動表示回数と第2特別図柄の変動表示回数とを合算した回数を計数するものである。
[保留球数処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、特図動作処理(S207)に次いで、保留球数処理(S208)を行う。図35に示すように、保留球数処理(S208)では、まず、主制御基板80のRAMに記憶されている特図1保留球数、特図2保留球数および普通図柄保留球数を読み出す(S2501)。次いで、その保留球数のデータ(その保留球数情報をサブ制御基板90等に送信するための保留球数コマンド)を、RAMの出力バッファにセットする(S2502)。この保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)は、次回の割り込み処理(S105)での出力処理(S201)によって出力され、割り込み処理毎に、保留球数に係るデータ(保留球数コマンド)の出力バッファへのセット(S2502)と、出力処理(S201)とが順次行われる。当該保留球数コマンドを受信したサブ制御部90は、受信した保留球数コマンドに基づいて特図保留球数に増減が生じたと判断した場合、これに応じて、画像表示装置7の表示画面7aにおける演出保留表示領域(第1演出保留表示領域9c、第2演出保留表示領域9d)の表示内容を更新する。具体的には、例えば、特図1保留球数が「3」から「4」に1増加した場合、その増加した分の特図1保留球数「4」に対応する第1演出保留9aを第1演出保留表示領域9cに追加表示する。また、特図1保留球数が「2」から「1」に1減少した場合(つまり、第1特図保留が消化された場合)、第1演出保留表示領域9cの左端(特図1保留球数「1」に対応する箇所、図3を参照)に表示されている第1演出保留9aを変動保留表示領域9e(図3を参照)に移動するとともに、これに伴って第1演出保留表示領域9cに表示されている第1演出保留9aを左側に1つ移動(シフト)する。
尚、特図保留球数が加算された際の特図保留球数のデータ、すなわち始動入球(始動入賞)の発生に伴う特図保留球数のデータについては、前述の始動入球コマンドに含めるか、加算後(始動入球後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを始動入球コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。また、特図保留球数が減算された際の保留球数のデータ、すなわち特別図柄の変動開始(特図保留の消化)に伴う特図保留球数のデータについては、前述の変動開始コマンドに含めるか、減算後(特図保留消化後)の特図保留球数を示す保留球数コマンドを変動開始コマンドとともに出力バッファにセットするものとしてもよい。
[電源断監視処理]
図11に示すように遊技制御用マイコン81は、保留球数処理(S208)に次いで電源断監視処理(S209)を行う。図36に示すように、電源断監視処理(S209)では、まず、電源断信号の入力の有無を判定し(S2601)、入力がなければ(S2601でNO)、処理を終了する。一方、電源断信号の入力があれば(S2601でYES)、現在の遊技機の状態(確変か否か、当り遊技中か否か、保留球数はいくつか、確変・時短の残り変動回数はいくつか等)に関するデータをRAMに記憶するとともに(S2602)、電源断フラグをONにし(S2603)、その後は割り込み処理(図11)に戻ることなくループ処理をする。
[サブ制御メイン処理]
次に、図37〜図46に基づいて、演出制御用マイコン91の動作(サブ制御部90による制御処理)について説明する。尚、演出制御用マイコン91の動作説明にて登場するカウンタ、フラグ、ステータス、バッファ、タイマ等は、サブ制御基板90(サブ制御部)のRAMに設けられている。サブ制御基板90に備えられた演出制御用マイコン91は、パチンコ遊技機1の電源がオンされると、サブ制御基板90のROMから図37に示すサブ制御メイン処理のプログラムを読み出して実行する。同図に示すように、サブ制御メイン処理では、まず、CPU初期化処理を行う(S4001)。CPU初期化処理(S4001)では、スタックの設定、定数設定、CPU92の設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等の設定や各種のフラグ、ステータス及びカウンタのリセット等を行う。
続いて、S4002で、電源断信号がONでかつサブ制御基板90のRAMの内容が正常であるか否かを判定する(S4002)。そして、この判定結果がNOであれば(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMの初期化をし(S4003)、S4004に進む。一方、判定結果がYESであれば(S4002でYES)、サブ制御基板90のRAMを初期化することなくS4004に進む。すなわち、電源断信号がONでない場合、又は電源断信号がONであってもRAMの内容が正常でない場合には(S4002でNO)、サブ制御基板90のRAMを初期化するが、停電などで電源断信号がONとなったがRAMの内容が正常に保たれている場合には(S4002でYES)、RAMを初期化しない。RAMを初期化すれば、各種のフラグ、ステータス及びカウンタの値はリセットされる。尚、このS4001〜S4003は、電源投入後に(電源投入に際して)一度だけ実行され、それ以降は実行されない。また、本実施例では、演出制御用マイコン91においても、図11に示す遊技制御用マイコン81による電源断監視処理(S209)と同様の処理を行うこととしており、停電などで電源断信号がONになると、そのときの演出制御に係るデータがサブ制御基板90のRAMに記憶されるものとなっている。つまり、停電などの電源断発生時における演出制御に係るデータがバックアップされるものとなっている。このため、停電等の電源断から復帰した後の電源投入時(電断復帰時)に、サブ制御基板90のRAMの初期化(S4003)が行われない限り、演出制御用マイコン91による演出制御の状態は電源断発生前の状態に復帰する。
S4004では、割り込みを禁止する。次いで、乱数シード更新処理を実行する(S4005)。乱数シード更新処理(S4005)では、種々の演出決定用乱数カウンタの値を更新する。更新された乱数カウンタ値は、サブ制御基板90のRAMの所定の更新値記憶領域(図示せず)に逐次記憶される。演出決定用乱数には、実行する演出図柄遊技演出の態様(変動演出パターン)を決定する変動演出決定用乱数や、予告演出を決定する予告演出決定用乱数、演出図柄を決定する演出図柄決定用乱数等がある。乱数の更新方法は、前述の主制御基板80が行う乱数更新処理と同様の方法をとることができる。尚、乱数の更新に際して、乱数値を1ずつ加算するのではなく、2ずつ加算するなどしてもよい。演出決定用乱数は、予め定められたタイミングで取得される。このタイミングとしては、例えば主制御基板80から始動入球があった旨を通知する制御信号(始動入球コマンド)が送信されてきたときや、主制御基板80から変動開始を通知する制御信号(変動開始コマンド)が送信されてきたときや、後述の変動演出パターンを決定するときなどとすることができる。取得した演出決定用乱数の格納場所は、サブ制御基板90のRAMの所定の乱数カウンタ値記憶領域(図示せず)である。
乱数シード更新処理(S4005)が終了すると、コマンド送信処理を実行する(S4006)。コマンド送信処理では、サブ制御基板90のRAM内の出力バッファ(「サブ出力バッファ」ともいう)に格納されている各種のコマンド(制御信号)を、画像制御基板100、音声制御基板106およびランプ制御基板107のうち、対応するコマンド送信先となる制御基板に送信する。コマンドを受信した各制御基板(各制御部)は、受信したコマンドに従い各種の演出装置(画像表示装置7、スピーカ67、盤面ランプ5、枠ランプ66及び可動装飾部材14等)を用いて各種の演出(演出図柄遊技演出や、大当り遊技に係る特別遊技演出等)を実行する。演出制御用マイコン91は続いて、割り込みを許可する(S4007)。以降、S4004〜S4007をループさせる。割り込み許可中においては、受信割り込み処理(S4008)、2msタイマ割り込み処理(S4009)、及び10msタイマ割り込み処理(S4010)の実行が可能となる。これらの制御処理を実行することで、画像表示装置7の表示画面7a(演出図柄表示領域7b)上で実行される演出図柄等の表示制御や、各種ランプの点灯制御や、可動装飾部材の動作制御や、スピーカからの音声出力制御等を行うことが可能となる。
[受信割り込み処理]
受信割り込み処理(S4008)では、図38に示すように、ストローブ信号(STB信号)がONか否か、すなわち主制御基板80から送られたストローブ信号が演出制御用マイコン91の外部INT入力部に入力されたか否かを判定する(S4101)。そして、S4101で、ストローブ信号がONでないと判定した場合(S4101でNO)、処理を終える。一方、S4101で、ストローブ信号がONであると判定した場合(S4101でYES)、主制御基板80から送信されてきた各種のコマンドをサブ制御基板90のRAMに格納し(S4102)、処理を終える。この受信割り込み処理(S4008)は、他の割り込み処理(S4009、S4010)に優先して実行される処理である。
[2msタイマ割り込み処理]
2msタイマ割り込み処理(S4009)は、サブ制御基板90に2msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図39に示すように、2msタイマ割り込み処理(S4009)では、まず、演出ボタン検知スイッチ63c、63dからの検知信号に基づいてスイッチデータ(エッジデータ及びレベルデータ)を作成する入力処理を行う(S4201)。次いで、枠ランプ66や盤面ランプ5等のランプを発光させるためのランプデータを出力するランプデータ出力処理(S4202)と、可動装飾部材14(電気的駆動源)を駆動するための駆動データを出力する駆動データ出力処理(S4203)とを行う。尚、ランプデータおよび駆動データは、後述の10msタイマ割り込み処理で作成される。そして、ウォッチドッグタイマのリセット処理を行うウォッチドッグタイマ処理を行う(S4204)。
[10msタイマ割り込み処理]
10msタイマ割り込み処理(S4010)は、サブ制御基板90に10msec周期の割り込みパルスが入力する度に実行する処理である。図40に示すように、10msタイマ割り込み処理(S4010)では、まず、後述する受信コマンド解析処理(S4302)を行う。次いで、2msタイマ割り込み処理で作成したスイッチデータを10msタイマ割り込み処理用のスイッチデータとしてサブ制御基板90のRAMに格納するスイッチ状態取得処理を行い(S4303)、当該スイッチ状態取得処理にて格納したスイッチデータに基づいて表示画面7aの表示内容等を設定するスイッチ処理を行う(S4304)。その後、ランプデータ(盤面ランプ5や枠ランプ66の点灯を制御するデータ)を作成したり、演出決定用乱数を更新したりするなどのその他の処理を実行する(S4305)。
[受信コマンド解析処理]
図41に示すように、受信コマンド解析処理(S4302)では、まず、主制御基板80から始動入球コマンドを受信したか否かを判定し(S4390)、始動入球コマンドを受信していないと判定した場合(S4390でNO)、S4401の処理に移行し、始動入球コマンドを受信したと判定した場合(S4390でYES)、演出保留情報記憶処理(S4395)とチャンス目予告設定処理(S4400)を行って、S4401の処理に移行する。演出保留情報記憶処理(S4395)は、S4390で受信した始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド又は特図2始動入球コマンド)に含まれる各種情報を、特別図柄の種類(第1特別図柄、第2特別図柄)及び始動入球コマンドの送受信時(コマンド生成時)の特図保留球数に応じて、シフトメモリ形式でサブ制御基板90のRAMの所定の演出保留情報記憶領域に記憶する。前述したように、主制御基板80から送られてくる始動入球コマンド(特図1始動入球コマンド、特図2始動入球コマンド)には、始動入球に基づき事前判定が行われた場合の当該事前判定の結果に関する情報(保留先読み情報)、具体的には、特別図柄当否判定に係る当否情報や、大当り種別決定用乱数値を示す情報、変動パターン乱数値を示す情報等が含まれているので(図13を参照)、これらの情報を演出保留情報として記憶する。例えば、受信した始動入球コマンドが特図1の保留球数「4」に対応する特図1始動入球コマンドである場合、その特図1始動入球コマンドに含まれる事前判定結果や当り種別等の情報を、特図1演出保留情報記憶領域のうち保留数4に対応する領域に、特図1演出保留情報として記憶する。こうして記憶される演出保留情報は、後述する変動演出や予告演出、演出モード等の各種演出の実行に用いられる。サブ制御基板90における演出保留情報記憶領域の記憶内容(演出保留情報)は、前述の主制御基板(主制御部)80における特図保留記憶部(第1特図保留記憶部、第2特図保留記憶部)の記憶内容(取得情報)と一致するものである。このことから、サブ制御基板90の演出保留情報記憶領域も「取得情報記憶手段」といえる。尚、演出保留情報記憶処理(S4395)に続くチャンス目予告設定処理(S4400)については後述する。
次に、S4401では、主制御基板80から変動開始コマンドを受信したか否かを判定し(S4401)、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(S4401でYES)、後述する変動演出開始処理(S4402)を行って、S4403の処理に移行し、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(S4401でNO)、変動演出開始処理を行うことなく、S4406の処理に移行する。S4403では、主制御基板80から変動停止コマンドを受信したか否かを判定し(S4403)、変動停止コマンドを受信したと判定した場合(S4403でYES)、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させる変動演出終了処理を行う(S4404)。変動停止コマンドの受信に基づく演出図柄8の停止表示は、演出図柄8の停止図柄を確定的に停止表示するものである。停止表示する演出図柄8(「停止演出図柄」ともいう。)は、後述する停止演出図柄設定処理(S4506)により設定される。変動演出終了処理(S4404)では、演出図柄8を停止表示して変動演出を終了させるための変動演出終了コマンドをサブ出力バッファにセットする。セットした変動演出終了コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、画像表示装置7の表示画面7a上で変動表示していた演出図柄8を停止表示して、変動演出(演出図柄遊技演出)を終了させる。一方、S4403で、変動停止コマンドを受信していないと判定した場合(S4403でNO)、変動演出終了処理を行うことなく、S4405の処理に移行する。尚、変動演出とは、演出図柄8の変動表示やリーチ演出など、特別図柄の変動表示に合わせて行われる種々の演出を指す。
続いて、S4405では、主制御基板80から大当り遊技関連コマンドを受信したか否かを判定する(S4408)。ここで、大当り遊技関連コマンドとは、大当り遊技の実行にあたり主制御基板80から送信されるコマンドのことであり、具体的には、大当り遊技の開始(大当りの発生)に際して送信されるオープニングコマンド(S2010を参照)、ラウンドの開始に際して送信されるラウンド開始コマンド(S2107を参照)、ラウンドの終了に際して送信されるラウンド終了コマンド(S2114を参照)、大当り遊技の終了に際して送信されるエンディングコマンド(S2119を参照)等が該当する。S4405では、これらの大当り遊技関連コマンドの何れかを受信したか否かを判定し、受信していなければ(S4405でNO)、S4407の処理に移行し、受信していれば(S4405でYES)、当該受信したコマンドの種類に応じた演出(大当り遊技関連演出)の実行に係る処理を行う(S4406)。例えば、受信したコマンドがオープニングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたオープニング演出を指定するオープニング演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、ラウンド開始コマンドであれば、当該コマンドに基づき特定されるラウンドに応じたラウンド演出を指定するラウンド演出コマンドをサブ出力バッファにセットし、エンディングコマンドであれば、当該コマンドに基づき特定される大当りの種別に応じたエンディング演出を指定するエンディング演出コマンドをサブ出力バッファにセットする。これらのセットした大当りに係る各種の演出コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、大当り遊技の進行状況に合わせて、オープニング演出やラウンド演出等の大当り遊技に関連する演出を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。
最後にS4407の処理を行い、本処理を終える。S4407では、その他の処理として、前述した各種コマンドを除いた他の受信コマンド(例えば、普通図柄変動開始コマンドや普通図柄変動停止コマンド、保留球数コマンド等)に基づく処理を行う(S4407)。
[チャンス目予告設定処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)にて実行されるチャンス目予告設定処理(S4400)について説明する。ここで、チャンス目予告とは、一回または連続する複数回の演出図柄(特別図柄)の変動表示(図柄変動遊技)にて、演出図柄8をバラケ目(外れ態様)のうち特定のバラケ目(以下、「チャンス目」ともいう)で停止表示するものであって、当該停止表示態様(チャンス目)によって、特図保留の消化による大当り発生(つまり、大当り遊技の実行)に対する期待度(大当り期待度)を示唆する予告演出のことである。前述のように、本実施例では、演出図柄8を赤図柄(3,7)、緑図柄(1,5,9)および青図柄(2,4,6,8)の3つに分類することができるため、例えば「337」や「155」や「248」など、3つの演出図柄8L,8C,8Rがすべて同じ色となる外れ態様(非特定態様)をチャンス目としている。そして、本実施例では、赤図柄のチャンス目(「337」、「733」など)を大当り期待度が最も高いチャンス目としており、以下、緑図柄の外れ態様(「155」、「159」など)、青図柄の外れ態様(「246」、「468」など)の順で、大当り期待度が低くなるものとしている。このようなチャンス目(特定のバラケ目)のことを「特殊表示」や「予告表示」ともいい、あるいは「特殊表示態様」や「予告表示態様」ともいう。尚、チャンス目予告で停止表示するチャンス目は、原則、3つの演出図柄8L,8C,8Rのうち、少なくとも、左演出図柄8Lと右演出図柄8Rについては異なる数字の図柄となるように定めてある。
本実施例では、記憶されている特図保留のうち、記憶順の最も新しい特図保留(最新の取得情報)がチャンス目予告の実行契機となり得るものとしている。つまり、新たに特図保留が記憶された場合、当該記憶された特図保留がチャンス目予告の実行契機となり得る。また、チャンス目予告は、同じ種類の特図保留単位(第1特図保留または第2特図保留)で行う。具体的には、例えば、保留球数「4」の第1特図保留を契機としてチャンス目予告を行う場合、保留球数「1」〜「3」の第1特図保留の消化に伴う変動演出でチャンス目を停止表示する。すなわち、遊技状態が低ベース状態にあるときには、第1始動口20への入球に基づく第1特別図柄の変動表示が主として行われることから、低ベース状態でのチャンス目予告は、原則、第1特図保留に基づいて行う。一方、遊技状態が高ベース状態にあるときには、第2始動口21への入球に基づく第2特別図柄の変動表示が主として行われることから、高ベース状態でのチャンス目予告は、原則、第2特図保留に基づいて行う。
図42に示すように、チャンス目予告設定処理(S4400)では、まず、予告カウンタの値が「0」であるか否かを判定する(S4451)。ここで、予告カウンタとは、チャンス目予告の実行回数を計数するカウンタ(計数手段)のことであり、予告カウンタの値が「0」以外(「1」以上)の場合、チャンス目予告が行われる状況(チャンス目予告実行期間)にあることを示す。よって、予告カウンタは、チャンス目予告の実行回数を計数する手段であるとともに、チャンス目予告の実行期間中であるか否かを示す手段であるともいえる。予告カウンタの値は、演出図柄8がチャンス目で停止表示して変動演出が終了する毎、すなわち、チャンス目予告実行期間中に特別図柄の変動停止コマンドを受信する毎に、1減算される。
S4451にて予告カウンタの値が「0」でないと判定した場合(S4451でNO)、既にチャンス目予告の実行が決定されて、現在、チャンス目予告実行期間中にあるため、本処理(チャンス目予告設定処理)を終える。この場合、チャンス目予告を新たに行う(開始する)か否かの決定は行わないこととなる。一方、予告カウンタの値が「0」であると判定した場合(S4451でYES)、先のS4390で受信した始動入球コマンドが特図1始動入球コマンドであるか否かを判定し(S4452)、そうであれば(S4452でYES)、当該特図1始動入球コマンドに係る始動入球分を含めた最新の特図1保留球数が「2」以上であるか否かを判定し(S4453)、そうでなければ(S4452でNO)、すなわち、受信した始動入球コマンドが特図2始動入球コマンドであれば、当該特図2始動入球コマンドに係る始動入球分を含めた最新の特図2保留球数が「2」以上であるか否かを判定する(S4454)。そして、特図1または特図2の何れの場合においても、保留球数が「2」以上でない場合(S4453でNOまたはS4454でNO)、本処理を終え、「2」以上である場合(S4453でYESまたはS4454でYES)、チャンス目予告の実行判定を行う(S4455)。
ここで、特図保留球数(特図1保留球数または特図2保留球数)が「2」以上でない場合、すなわち「1」以下である場合、チャンス目予告は行わないこととなる。これは、チャンス目予告が、先の特図保留の消化に伴う変動演出でチャンス目を停止表示することによって、後に行われる特図保留の消化(変動表示)についての大当り期待度を示唆するものであり、このためには、少なくとも「2」以上の特図保留が必要だからである。
チャンス目予告の実行判定(S4455)は、予め定められた条件に基づいて行われる。本実施例では、前述したように、記憶順が最も新しい特図保留(最新の取得情報)を予告対象(チャンス目予告の実行契機)として、その最新の特図保留(以下「対象保留」ともいう。)についての大当り期待度を、それより前に記憶されている特図保留の消化に伴う変動演出で停止表示されるチャンス目(特殊表示)によって示唆することが可能となっている。このことから、本実施例では、チャンス目予告を実行するための条件として、対象保留よりも前に記憶されている特図保留が、すべて特別図柄当否判定の結果が外れとなる保留(外れ保留)であることを定めている。また、対象保留よりも前に記憶されている特図保留がすべて外れ保留ある場合、その外れ保留に対応する変動パターンが、すべて変動時間12000ms以下の変動パターンとなること、すなわち、後述するリーチ無し変動演出が実行される変動パターン(「リーチ無し外れ変動パターン」ともいう。)となることを、チャンス目予告を実行するための条件として定めている。これは、例えば、チャンス目予告の実行契機となる対象保留が消化される前のチャンス目予告実行期間中に、リーチ演出を経てチャンス目が確定停止表示されるとすると、連続する複数回の変動表示の各々の結果として表示されるチャンス目の出現間隔(停止表示間隔)に長短が生じて、チャンス目予告の流れ(リズム)が悪くなってしまうからである。尚、保留に係る変動パターンの種別の判断は、始動入球時に取得した変動パターン乱数の値に基づいて行うことが可能である。
さらに、本実施例では、チャンス目予告の実行抽選に当選することを、チャンス目予告を実行するための条件として定めている。具体的には、演出決定用乱数として、チャンス目予告実行決定用乱数を設けており、S4455にて当該乱数を取得して、その取得値を図示しない抽選テーブルに基づいて判定することで、チャンス目予告の実行抽選(乱数抽選)を行う。本実施例では、対象保留の事前判定結果(保留として記憶されている取得情報)に応じた複数の抽選テーブルを設けてあり、当該テーブルの種類(つまり、対象保留の事前判定結果)によって、チャンス目予告の実行抽選に当選する確率が異なるものとなっている。
具体的に、例えば、対象保留が大当り保留である場合や、対象保留が外れ保留であって当該外れ保留を消化する際の特別図柄の変動パターン(特図変動パターン)が変動時間30000ms以上のパターンとなり得る場合には(例えば、非時短中の特図変動パターン乱数値「0〜19」、時短中の特図変動パターン乱数値「0〜9」。図9を参照。)、実行抽選の当選確率が相対的に高い抽選テーブルを用いることとして、チャンス目予告が出現し易くなるようにしてある。特に、変動時間が30000ms以上の変動パターンは、後述するようにリーチ演出が行われるので、チャンス目予告を経てリーチ演出に繋がるといった流れの一連の演出を得ることが可能となり、これにより遊技興趣を高めることが可能となるからである。
一方、対象保留が外れ保留であって当該外れ保留を消化する際の特図変動パターンが変動時間12000ms以下のパターンとなり得る場合には(例えば、非時短中の特図変動パターン乱数値「20〜198」、時短中の特図変動パターン乱数値「10〜198」。図9を参照。)、実行抽選の当選確率が相対的に低い抽選テーブルを用いることとして、チャンス目予告が出現し難くなるようにしてある。変動時間が12000ms以下の変動パターンは、リーチ無し外れ変動演出(リーチ無し演出図柄遊技演出)が行われるので、チャンス目予告が出現したにもかかわらず、対象保留の消化に伴う変動演出が単純に外れで終わってしまうといったケース(所謂「ガセ」のチャンス目予告)を極力減らすためである。これにより、興趣低下の抑制を図ることが可能となる。
尚、対象保留が保留球数「4」に該当する場合、その前に保留球数「1」〜「3」の特図保留が存在することから、チャンス目予告を3回実行可能となるが、チャンス目予告が3回出現したにもかかわらず、対象保留の消化に伴う変動演出がリーチ無し外れとなった場合、遊技者の期待感を大きく損なうこととなる。よって、本実施例では、対象保留が、保留球数「4」の外れ保留であって、変動時間12000ms以下の変動パターンとなり得る場合には、チャンス目予告を実行しないものとする禁則を設けている。
S4455では、上記したチャンス目予告の実行に係る条件(実行条件)に基づいて実行判定を行い、各条件をすべて満たした場合(対象保留前の特図保留がすべてリーチ無し外れ保留、実行抽選に当選、変動パターンに係る禁則非該当)、チャンス目予告の実行条件が成立したものとして(S4456でYES)、チャンス目予告の実行パターン(チャンス目予告パターン)を設定する(S4457)。一方、上記した条件のうち1つでも満たしていない場合、チャンス目予告の実行条件が成立しなかったものとして(S4456でNO)、本処理を終える。
ここで、チャンス目予告の実行条件を満たしてチャンス目予告の実行契機となる保留(対象保留)に係る取得情報のことを「所定取得情報」ともいう。尚、上記したチャンス目予告の実行条件はあくまでも一例であり、上記した条件以外の条件を定めることは勿論可能であり、条件の数も任意である。
チャンス目予告を行うことなった場合のS4457におけるチャンス目予告パターンの設定は、次のようにして行う。本実施例では、演出決定用乱数として、チャンス目予告パターン決定用乱数(乱数範囲0〜99)を設けており、当該乱数の取得値と、図47,48に示すチャンス目予告決定テーブルとに基づいて、チャンス目予告の実行パターン(チャンス目予告パターン)を決定(選択)し、これを設定する。チャンス目予告決定テーブルには、チャンス目予告の実行契機となった対象保留が大当り保留である場合に対応する大当り保留用のテーブル(図47を参照)と、対象保留が外れ保留である場合に対応する外れ保留用のテーブル(図48を参照)とが存在する。また、大当り保留用と外れ保留用のテーブルは、それぞれ、チャンス目予告が実行可能な特図保留球数(「2」〜「4」)に応じて設けられている(図47,48を参照)。この特図保留球数は、チャンス目予告の実行契機となった対象保留の保留球数に対応している。したがって、チャンス目予告パターンを決定する際には、対象保留の「当り外れ」と「保留球数」に応じたチャンス目予告決定テーブルが用いられる。例えば、対象保留が大当り保留で、その保留球数が「4」の場合、図47(c)に示すチャンス目予告決定テーブルCが用いられ、対象保留が外れ保留で、その保留球数が「2」の場合、図48(a)に示すチャンス目予告決定テーブルDが用いられる。この他の場合も同様にして、対応するチャンス目予告決定テーブルが用いられる。
本実施例のチャンス目予告決定テーブルは、複数のチャンス目予告パターンの各々について、チャンス目予告パターン決定用乱数の値を割り当てたデータ構造となっている。具体的には、チャンス目予告パターン決定用乱数の乱数範囲「0〜99」の範囲内で乱数値(判定用データ)を割り当てている。チャンス目予告パターンは、チャンス目の停止表示回数(つまり、チャンス目予告の実行回数)と、チャンス目で停止表示する演出図柄8L,8C,8Rの色(図柄色)を定めるものとなっている。前述したように、本実施例では、3つの演出図柄8L,8C,8Rがすべて同じ色となる外れ態様をチャンス目としているため、チャンス目予告パターンは図柄色を基準にしたものとなっている。
例えば、チャンス目予告実行契機の対象保留が保留球数「2」である場合、チャンス目の停止表示回数は1回であることから、保留球数「2」に対応するチャンス目予告決定テーブルA,Dでは、その1回分のチャンス目停止表示に係る態様(チャンス目予告パターン)を複数定めている(図47(a)、図48(a)を参照)。具体的には、停止表示されるチャンス目が、赤図柄となるパターンA1と、緑図柄となるパターンA2と、青図柄となるパターンA3と、を定めている。よって、チャンス目予告実行契機の対象保留が保留球数「2」である場合、当該チャンス目予告決定テーブルAまたはDに基づいてパターンA1〜A3の何れかが設定される。
また、チャンス目予告実行契機の対象保留が保留球数「3」である場合、チャンス目の停止表示回数は2回であることから、保留球数「3」に対応するチャンス目予告決定テーブルB,Eでは、その2回分のチャンス目停止表示に係る態様(チャンス目予告パターン)を複数定めている(図47(b)、図48(b)を参照)。具体的には、停止表示されるチャンス目が、1回目と2回目の双方で赤図柄となるパターンB1と、1回目は緑図柄で2回目は赤図柄となるパターンB2など、パターンB1〜B5の5種類を定めている。よって、チャンス目予告実行契機の対象保留が保留球数「3」である場合、当該チャンス目予告決定テーブルBまたはEに基づいてパターンB1〜B5の何れかが設定される。
また、チャンス目予告実行契機の対象保留が保留球数「4」である場合、チャンス目の停止表示回数は3回であることから、保留球数「4」に対応するチャンス目予告決定テーブルC,Fでは、その3回分のチャンス目停止表示に係る態様(チャンス目予告パターン)を複数定めている(図47(c)、図48(c)を参照)。具体的には、停止表示されるチャンス目が、1回目〜3回目のすべてで赤図柄となるパターンC1と、1回目は緑図柄で2回目と3回目は赤図柄となるパターンC2と、1回目は青図柄で2回目は緑図柄で3回目は赤図柄となるパターンC3など、パターンC1〜C6の6種類を定めている。よって、チャンス目予告実行契機の対象保留が保留球数「4」である場合、当該チャンス目予告決定テーブルCまたはFに基づいてパターンC1〜C6の何れかが設定される。
ここで、本実施例では、前述したように、チャンス目が示す大当り期待度は、赤図柄が最も高く、以下、緑図柄、青図柄の順で低くなるものとしている。これに準じて、図47,48に示すチャンス目予告決定テーブルにおける乱数値の振り分け態様からも明らかな通り、チャンス目予告パターンの選択率は、対象保留が大当り保留の場合(図47)、青図柄を含むチャンス目予告パターン、緑図柄を含むチャンス目予告パターン、赤図柄を含むチャンス目予告パターンの順で高くなり、対象保留が外れ保留の場合(図48)、それとは逆に、赤図柄を含むチャンス目予告パターン、緑図柄を含むチャンス目予告パターン、青図柄を含むチャンス目予告パターンの順で高くなる。尚、チャンス目予告実行契機の対象保留が保留球数「4」である場合のパターンC1は、3回のチャンス目停止表示のすべてでチャンス目が赤図柄となるが、これについては、大当り期待度が極めて高いパターン(所謂「激熱」のパターン)とすべく、対象保留が大当り保留の場合であってもその選択率は低めに設定しており(本例では10%)、外れ保留の場合には、その選択率は極めて低くしてある(1%)。
S4457では、以上のように、チャンス目予告パターン決定用乱数とチャンス目予告決定テーブルとに基づいてチャンス目予告パターンを選択し、当該選択したチャンス目予告パターンを設定する。この後、対象保留より前に記憶されている特図保留の消化に伴う変動演出に係る停止演出図柄の設定に際し(後述のS4506)、S4457で設定したチャンス目予告パターンを参照し、当該チャンス目予告パターンに即した演出図柄8の停止図柄(つまり、チャンス目)を設定する。このことから、本実施例では、S4457でチャンス目予告パターンを設定した場合、このことを示す情報をフラグ等によって併せて記憶する。
尚、本実施例では、前述したように、チャンス目予告を同じ種類の特図保留単位(第1特図保留または第2特図保留)で行うこととしているが、本パチンコ遊技機1は特図2優先変動機であるため、第1特図保留を契機とする複数回のチャンス目予告の実行期間中に第2特図保留が記憶された場合、当該第2特図保留の消化に伴う第2特別図柄の変動表示が、チャンス目予告を伴う第1特図保留の消化の合間に割り込んで行われることとなる。この場合、その第2特別図柄の変動表示が外れ変動であれば、これに対応する変動演出での演出図柄8の停止表示態様を、既に実行しているチャンス目予告の実行パターンに即した態様に合わせることとしている。これにより、稀ではあるが、例えば、低ベース状態での第1特図保留を契機とする複数回のチャンス目予告の実行期間中に遊技球が第2始動口21に入球して第2特図保留が記憶されたとしても、チャンス目予告を問題なく行うことが可能となっている。
次いで、S4458では、今回のチャンス目予告の実行回数(チャンス目停止表示回数)を予告カウンタにセットし(S4458)、処理を終える。具体的には、チャンス目予告実行契機の対象保留が保留球数「4」であれば「3」をセットし、保留球数「3」であれば「2」をセットし、保留球数「2」であれば「1」をセットする。
[変動演出開始処理]
次に、受信コマンド解析処理(S4302)にて実行される変動演出開始処理(S4402)について説明する。図43に示すように、変動演出開始処理(S4402)では、まず、変動演出決定用乱数や予告演出決定用乱数、演出図柄決定用乱数等の各種演出決定用乱数を取得する演出決定用乱数処理(S4501)を行う。本実施例では、主制御部80から変動開始コマンドを受信したタイミングでS4501の処理を行い、夫々の乱数から所定の値(取得情報)を取得する。この取得した値(取得情報)に基づいて、実行する演出図柄遊技演出(変動演出)の態様や予告演出の態様、停止表示する演出図柄等を決定する。
次いで、S4502では、受信した変動開始コマンドを解析する(S4502)。変動開始コマンドには、第1特別図柄または第2特別図柄の変動パターン選択処理で選択された変動パターンを指定する変動パターン指定コマンド(変動パターンを指定する情報)が含まれている。そして、変動パターンを指定する情報には、図9に示す変動パターン情報(P1乃至P22)や、現在の遊技状態を指定する遊技状態情報や、第1特別図柄当否判定または第2特別図柄当否判定の判定結果や、大当り種別を指定する図柄情報等が含まれている(図8を参照)。また、変動パターン指定コマンドには、第1特別図柄に対応するものと第2特別図柄に対応するものとが存在することから、変動パターン指定コマンドを解析することで、今回開始する演出図柄遊技演出(演出図柄の変動表示)が特図1に係るものなのか特図2に係るものなのかを判別することが可能となる。尚、変動パターン情報や遊技状態情報や図柄情報等は、これ以降に実行する変動演出開始処理以外の他の処理においても利用可能である。
次いで、S4503では、演出制御用マイコン91が現在のモードステータスを参照する(S4503)。モードステータスは、実行する演出モードを決めるためのものである。モードステータスは「1」〜「5」までの何れかの値とされ、各値は演出モードA〜Eに対して割り当てられている。具体的には、モードステータス「1」が演出モードAに対応し、モードステータス「2」が演出モードBに対応し、モードステータス「3」が演出モードCに対応し、モードステータス「4」が演出モードDに対応し、モードステータス「5」が演出モードEに対応する。現在のモードステータスを参照することで、現在の演出モードを特定することが可能である。
ここで演出モードとは、画像表示装置7における演出の態様であり、演出モードが異なると、予告演出やリーチ演出等の遊技演出の演出態様の一部又は全部が異なるものとされる。具体的に、演出図柄8の表示態様(例えば、図柄デザイン、数字デザインなど)が異なったり、登場するキャラクタ、アイテム、背景画像が異なったりする等、画像表示装置7に表示される画像が演出モードによって異なるものとされる。また、演出図柄遊技演出も演出モードに応じた態様で実行されるものとすることができ、複数の遊技演出(予告演出やリーチ演出等)を設ける場合に、演出モードによって異なる遊技演出を実行可能とすることができる。本実施例では、演出モードAは低確低ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードBは低確高ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードCは高確高ベース状態に制御されているときに実行され、演出モードD,Eは低確高ベース状態および高確高ベース状態の何れかに制御されているときに実行される。従って、演出モードがA〜Cの何れかである場合、遊技者は演出モードを確認することで、現在の遊技状態が低確低ベース状態であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握することができる。一方、演出モードがDまたはEである場合、遊技者は演出モードを確認しても、現在の遊技状態が低確高ベース状態(時短状態)であるのか高確高ベース状態(確変遊技状態)であるのかを把握することは困難である。その意味において演出モードD,Eは、確率非報知モードといえる。尚、本実施例では、16R第1大当り、16R第6大当りおよびRUBの何れかに係る大当り遊技の終了後は演出モードCとなり、6R第2〜第5大当りの何れかに係る大当り遊技の終了後は演出モードDとなり、16R第11大当りに係る大当り遊技の終了後は演出モードBとなり、2R大当りに係る大当り遊技の終了後は演出モードEとなる。
次いで、S4504では、画像表示装置7、盤面ランプ5、可動装飾部材14等を用いて行う変動演出のパターン(変動演出パターン)を決めるための図示しない変動演出パターン決定テーブルをセットする(S4504)。具体的には、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)と主制御部80から受信した変動パターン指定コマンドに基づいて、使用する変動演出パターン決定テーブルをセットする。例えば、受信した変動パターン指定コマンドが指定する変動パターン情報が「P1(変動パターンP1)」(図9を参照)であった場合、変動演出パターン決定テーブルとして、現在の演出モードに対応した大当り時変動演出パターン決定テーブルがセットされる。変動演出パターン決定テーブルは、主に、演出図柄遊技演出の実行態様(演出図柄の変動態様等)を決定するためのもので、演出モード(モードステータス)に対応する複数の変動演出パターン決定テーブル(図示せず)がサブ制御基板90のROMに予め格納されている。S4504では、それらの変動演出パターン決定テーブルの中から、S4503で参照したモードステータス(現在の演出モード)に対応するテーブルが選択されてセットされる。
次いで、S4505では、S4501において取得した変動演出決定用乱数およびS4504においてセットした変動演出パターン決定テーブルに基づいて、指定された変動パターンに適合した変動演出パターンを選択し、これを設定する(S4505)。変動演出パターンとしては、演出図柄表示領域7bで表示される演出図柄8の変動態様(演出図柄遊技演出の実行態様)が設定される。これにより、演出図柄遊技演出(変動演出)において、リーチ演出を実行する場合(リーチ有り演出図柄遊技演出)や、特定のキャラクタを用いて行うキャラクタ演出を実行する場合(キャラクタ演出図柄遊技演出)、リーチ演出やキャラクタ演出を実行しない場合(リーチ無し演出図柄遊技演出)等が決定される。尚、リーチ演出とは、例えば、特別図柄当否判定の結果が大当りであることを示す場合の演出図柄8の表示態様として、3つの演出図柄8L,8C,8Rがすべて同一(ゾロ目)となる態様(大当り態様、特定態様)を設けている場合において、3つの演出図柄8L,8C,8Rのうちの2個の演出図柄8L,8Rが大当り態様(特定態様)を構成する図柄(「リーチ図柄」ともいう)で停止表示(仮停止)して、残り1個の演出図柄8Cが変動表示する演出のことをいう。このようなリーチ演出のことを「特定演出」ともいう。当該リーチ演出では、最後に停止する演出図柄(最終停止図柄、本例では中演出図柄8C。)が大当り態様を完成させる図柄となるか否かを示す演出が展開される。
本実施例のパチンコ遊技機1には、演出図柄8の変動態様(変動演出パターン)として、リーチA、リーチB、リーチC、スーパーリーチ(「SPリーチ」ともいう)A、スーパーリーチB、スーパーリーチC、キャラクタ演出等が設定されており、S4505で、変動演出パターン決定テーブルに基づいて、これらのうち何れの演出を行うか、又はこれらの演出を行わない(これを「ノーマル変動」ともいう)かが決定される。そして、リーチ有り変動演出が実行される場合には、変動パターン指定コマンド及び変動演出パターン決定テーブルに基づいて、何れかのリーチ演出が設定される。ここで、SPリーチAはリーチAの発展系であり、SPリーチBはリーチBの発展系であり、SPリーチCはリーチCの発展系である。そして、演出図柄遊技演出としてスーパーリーチ演出が実行される場合には、ノーマルリーチ演出が実行される場合と比較して、大当りとなる可能性が高くなるように設定されている。すなわち、スーパーリーチ演出はリーチ(ノーマルリーチ)演出と比較して大当り信頼度(大当りとなる可能性)の高い遊技演出であるといえる
本実施例では、主として、変動時間が30000ms以上の変動パターン(図9を参照)を指定する変動パターン指定コマンドを受信した場合に、リーチ演出が実行されるものとなっている。具体的に、変動時間が30000msの変動パターンの場合には、リーチA〜Cのいずれか、すなわちノーマルリーチ演出が実行される。また、変動時間が45000msの変動パターンの場合には、SPリーチA,Bの何れかが実行され、変動時間が75000msの変動パターンの場合には、SPリーチCが実行される。つまり、変動時間が45000ms又は75000msの変動パターンの場合には、スーパーリーチ演出が実行される。
本実施例のスーパーリーチ演出(SPリーチA〜C)は、リーチ成立後、3つの演出図柄8L,8C,8Rが外れ態様で一旦(一時的に)停止表示した後、中演出図柄8Cが変動表示を再開して、当該変動表示中に、再開前よりも大当り期待度の高まる発展演出を実行した上で、3つの演出図柄8L,8C,8Rを当否判定の結果に応じた態様で確定的に停止表示するものとなっている。一方、本実施例のノーマルリーチ演出(リーチA〜C)は、スーパーリーチ演出における変動表示の再開(再変動)や発展演出を行うことなく、3つの演出図柄8L,8C,8Rを確定的に停止表示するものとなっている。
尚、3つの演出図柄8L,8C,8Rの全部または少なくとも一部を一時的に停止表示することを「仮停止表示」や単に「仮停止」ともいい、3つの演出図柄8L,8C,8Rの全部を確定的に停止表示することを「確定停止表示」や単に「確定停止」ともいう。また、仮停止表示(仮停止)とは、演出図柄8のスクロール表示は停止(終了)しているものの、図柄が完全に停止(所謂ビタ止まり)せず、僅かに動いた状態(微動状態)で表示される停止表示の態様をいう。このように僅に動かして表示することを「揺れ変動」ともいう。一方、確定停止表示(確定停止)とは、演出図柄8のスクロール表示が停止(終了)して、図柄が完全に停止(ビタ止まり)した状態で表示される停止表示の態様をいう。尚、仮停止による演出図柄8の停止表示態様(図柄組み合わせ)と、確定停止による演出図柄8の停止表示態様(図柄組み合わせ)は、何れも演出図柄8の変動表示の結果を一時的または確定的に示す「結果表示態様」といえる。
また、本実施例のスーパーリーチ演出においては、3つの演出図柄8L,8C,8Rが仮停止するまでは、ノーマルリーチ演出と略同じ態様(演出パターン)で演出が進行するものとなっている。リーチ成立後にリーチの態様(演出展開)が早々に判明してしまうのを回避するためである。さらに、リーチA〜CおよびSPリーチA〜Cの各リーチ演出には、当否判定の結果が大当りの場合に対応するもの(大当りリーチ演出)と、外れの場合に対応するもの(外れリーチ演出)とが存在するものとなっている。すなわち、大当りリーチA〜C、外れリーチA〜C、大当りSPリーチA〜C、外れSPリーチA〜C、がそれぞれ設けられている。大当りリーチ演出と外れリーチ演出とでは、リーチ演出(変動演出)の結末が大当りになるのか外れになるのかで相違するものであり、その結末に至るまでの演出の過程は、基本的に略同様となっている。
ここで、演出図柄8の変動態様(変動演出パターン)のうち、リーチやSPリーチに係る変動態様(リーチ変動演出パターン)、すなわち、リーチ演出(特定演出)を含む変動態様のことを「特定変動態様」ともいう。また、リーチ演出を含む変動態様(リーチ変動演出パターン)のうち、SPリーチに係る変動態様、すなわち、スーパーリーチ演出の変動態様のことを「第1特定変動態様」ともいい、リーチに係る変動態様、すなわち、ノーマルリーチ演出の変動態様のことを「第2特定変動態様」ともいう。尚、「第1特定変動態様」には、大当りSPリーチに係る変動態様と外れSPリーチに係る変動態様が含まれ、「第2特定変動態様」には、大当りリーチに係る変動態様と外れリーチに係る変動態様が含まれる。また、少なくとも外れリーチに係る変動態様のことを指して「第2特定変動態様」ということもある。
次いで、S4506では、S4505にて設定した変動演出パターンに基づく変動演出(今回の変動演出)にて停止表示する演出図柄8の設定に係る停止演出図柄設定処理を行う(S4056)。この停止演出図柄設定処理では、S4501において取得した演出図柄決定用乱数や停止演出図柄決定用のテーブル、S4505で設定した変動演出パターン、更には今回の変動演出がチャンス目予告の実行期間中のものであるか否か等に基づいて、停止演出図柄(結果表示態様)を決定し、これを設定する。尚、チャンス目予告実行期間中であるか否かの判定や、チャンス目予告実行期間中である場合のチャンス目停止表示回数が何回目であるのか等の判定は、予告カウンタやチャンス目予告パターンの設定情報(フラグ等)を参照することにより行うことができる(後述のS4507においても同様)。停止演出図柄設定処理(S4506)の詳細については後述する。
次いで、S4507では、予告演出の設定に係る予告演出設定処理を行う(S4507)。本実施例では、事前判定結果に基づく予告演出(保留先読み予告)や、現在の特図変動表示(変動演出)に係る予告演出(当該変動予告)など、種々の予告演出が実行可能となっていることから、S4507では、各予告演出について、実行するか否か(実行有無)を含めた予告演出の実行パターン(予告演出パターン)を設定する。具体的には、S4501において取得した予告演出決定用乱数と、サブ制御基板90のROMに記憶された予告決定テーブルとに基づいて、予告演出パターンを、予告演出の実行有無を含めて決定し、この決定結果に基づいて予告演出パターンを設定する。
尚、S4502での変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄当否判定の結果、すなわち、今回の特図変動表示に係る当否判定(大当り判定)の結果(大当り又は外れ)や、同じく変動開始コマンドの解析結果により特定される特別図柄の変動パターン情報、すなわち、今回の特図変動表示に係る変動パターンによって、S4507で設定する予告演出パターン、すなわち、実行する予告演出の種類(予告種)や態様、予告演出の有無等は異なるものとなる。また、予告演出を実行する場合、複数の予告演出のうち、一の予告演出(一種類の予告演出)を行うこともあれば、二以上の予告演出(複数種の予告演出)を複合して行うこと、すなわち、一の変動表示中(変動演出中)に複数種の予告演出を各々の実行タイミングで行うこともある。
また、S4507では、今回の変動演出がチャンス目予告を行うもの(チャンス目予告実行期間中の変動演出)である場合、当該チャンス目予告に係るチャンス目停止表示に付随する予告演出の実行パターン(予告演出パターン)を設定する。本実施例では、チャンス目の停止表示に次いで、チャンス目予告の実行契機となった特図保留(対象保留)に対応する演出保留(第1演出保留9aまたは第2演出保留9b)の色を変化させる保留変化予告(変化演出)を行うものとしている。そこで、S4507では、今回の変動演出がチャンス目予告を行うものである場合、当該チャンス目予告の実行パターン(チャンス目予告パターン)に対応した保留変化予告パターンを設定する。例えば、今回の変動演出で停止表示するチャンス目が赤図柄である場合、当該チャンス目予告の実行契機となった対象保留に対応する演出保留の色を赤色に変化させるパターンを設定する。尚、チャンス目予告を2回以上行う場合、各回のチャンス目停止表示に伴って演出保留の色が当該チャンス目の図柄色と同じ色に変化する。但し、各回で同じ色のチャンス目が停止表示される場合には、後のチャンス目停止表示に基づく演出保留の色変化は行わない。
ここで、本実施例のチャンス目予告について、図49を用いて説明しておく。図49は、画像表示装置7(表示画面7a)にてチャンス目予告を伴う変動演出が行われる場合の表示例を示すものである。尚、ここでは、遊技状態が低ベース状態であって、第1始動口20への入球に基づく第1特別図柄の変動表示(第1特図保留の消化)が行われる場合を例に説明する。また、説明が煩雑になることを避けるため、変動中に特図保留(取得情報)が新たに記憶されることはないものとする。
図49(a)は、第1特図保留が4個記憶された状態で特別図柄が停止表示するとともに、これに伴い演出図柄8が停止表示して、次の変動表示を開始する前の状況を示している。このとき、画像表示装置7の表示画面7aに設けられる第1演出保留表示領域9cには、4個の第1特図保留の各々に対応する第1演出保留9aが表示される。尚、本実施例では、特図保留球数が増加するにつれて演出保留表示領域の左から右に向かって演出保留が追加表示され、特図保留球数が減少するにつれて演出保留表示領域の右から左に向かって演出保留がシフト表示される。また、変動中の特別図柄(当該変動)に係る特図保留に対応する演出保留が変動保留表示領域9eに表示される。さらに、本例では、第1演出保留9aの通常(デフォルト)の表示色を白色としている。
図49(a)において、4個の第1特図保留のうち最も新しく記憶された第1特図保留が、チャンス目予告の実行契機となる対象保留となり、これに伴い、チャンス目予告パターンとして、「青図柄のチャンス目」→「緑図柄のチャンス目」→「赤図柄のチャンス目」の順でチャンス目の停止表示が3回(チャンス目予告が3回)行われる「パターンC3」が設定されたとする(S4455〜S4457、図47,48を参照)。この場合、対象保留より前に記憶された3個の第1特図保留の各々の消化に伴う変動演出で、パターンC3に基づくチャンス目予告が行われる。
この条件下で、4個の第1特図保留のうち最も古い第1特図保留の消化により第1特別図柄の変動表示が開始されると、演出図柄8が変動表示を開始し、これに伴って、その第1特図保留に対応する第1演出保留9a(第1演出保留表示領域9c内の左端に位置していた第1演出保留9a)が変動保留表示領域9eに移動するとともに、第1演出保留表示領域9c内の残り3つの第1演出保留9aがそれぞれ左側に1つシフト(移動)する(図49(b)を参照)。そして、当該変動表示の終了(第1特別図柄の停止表示)に合わせて、演出図柄8L,8C,8Rが、青図柄である「2」「4」「8」の組み合わせからなるチャンス目(特殊表示)を構成する態様(特殊表示態様)で停止表示するとともに(1回目のチャンス目予告)、これに伴って、第1演出保留表示領域9cに表示されている3つの第1演出保留9aのうち、対象保留に対応する右端の第1演出保留9aの表示色(白)が、今回のチャンス目の図柄色と同じ「青」に変化する(図49(b),(c)を参照)。このとき、青図柄のチャンス目で停止表示された3つの青図柄演出図柄8L,8C,8Rから、色変化(保留変化)の対象となる第1演出保留9aに対して、青色の閃光が放たれる演出が行われ、これを契機に当該第1演出保留9aの表示色が白から青に変化する(図49(c)を参照)。
続いて、残り3個の第1特図保留のうち最も古い第1特図保留の消化により第1特別図柄の変動表示が開始されると、演出図柄8が変動表示を開始し、これに伴って、その第1特図保留に対応する第1演出保留9a(第1演出保留表示領域9c内の左端に位置していた第1演出保留9a)が変動保留表示領域9eに移動するとともに、第1演出保留表示領域9c内の残り2つの第1演出保留9aがそれぞれ左側に1つシフト(移動)する(図49(d)を参照)。そして、当該変動表示の終了(第1特別図柄の停止表示)に合わせて、演出図柄8L,8C,8Rが、緑図柄である「1」「5」「9」の組み合わせからなるチャンス目(特殊表示)を構成する態様(特殊表示態様)で停止表示するとともに(2回目のチャンス目予告)、これに伴って、第1演出保留表示領域9cに表示されている2つの第1演出保留9aのうち、対象保留に対応する右端の第1演出保留9aの表示色(青)が、今回のチャンス目の図柄色と同じ「緑」に変化する(図49(d),(e)を参照)。このとき、緑図柄のチャンス目で停止表示された3つの演出図柄8L,8C,8Rから、色変化(保留変化)の対象となる第1演出保留9aに対して、緑色の閃光が放たれる演出が行われ、これを契機に当該第1演出保留9aの表示色が青から緑に変化する(図49(e)を参照)。
続いて、残り2個の第1特図保留のうち最も古い第1特図保留の消化により第1特別図柄の変動表示が開始されると、演出図柄8が変動表示を開始し、これに伴って、その第1特図保留に対応する第1演出保留9a(第1演出保留表示領域9c内の左端に位置していた第1演出保留9a)が変動保留表示領域9eに移動するとともに、第1演出保留表示領域9c内の残り1つの第1演出保留9aが左側に1つシフト(移動)する(図49(f)を参照)。そして、当該変動表示の終了(第1特別図柄の停止表示)に合わせて、演出図柄8L,8C,8Rが、赤図柄である「3」「7」「7」の組み合わせからなるチャンス目(特殊表示)を構成する態様(特殊表示態様)で停止表示するとともに(3回目のチャンス目予告)、これに伴って、第1演出保留表示領域9cに表示されている1つの第1演出保留9a(対象保留)の表示色(緑)が、今回のチャンス目の図柄色と同じ「赤」に変化する(図49(f),(g)を参照)。このとき、赤図柄のチャンス目で停止表示された3つの演出図柄8L,8C,8Rから、色変化(保留変化)の対象となる第1演出保留9aに対して、赤色の閃光が放たれる演出が行われ、これを契機に当該第1演出保留9aの表示色が緑から赤に変化する(図49(g)を参照)。
この後、残り1個の第1特図保留、すなわち対象保留である第1特図保留の消化により第1特別図柄の変動表示が開始されると、演出図柄8が変動表示を開始し、これに伴って、その第1特図保留に対応する赤色の第1演出保留9aが変動保留表示領域9eに移動する(図49(h)を参照)。そして、対象保留が大当り保留であった場合には、当該変動表示の結果として演出図柄8が大当り態様(ゾロ目)で停止表示され、外れ保留であった場合には、該変動表示の結果として演出図柄8が外れ態様(バラケ目)で停止表示される。尚、チャンス目(特殊表示)を構成する態様(特殊表示態様)で演出図柄8を停止表示するチャンス目予告のことを「第1予告演出」ともいい、チャンス目の停止表示に次いで行われる保留変化予告のことを「第2予告演出」ともいい、チャンス目予告とこれに付随する保留変化予告からなる一連の予告のことを「特定予告演出」ともいう。
図43に戻り、S4507の処理に次いで、S4508では、S4505で設定した変動演出パターン、S4506で設定した停止演出図柄およびS4507で設定した予告演出パターンに基づいて、演出図柄遊技演出(変動演出表示、予告演出等)を開始するための変動演出開始コマンドをサブ出力バッファにセットし(S4508)、変動演出開始処理を終える。S4508でセットされた変動演出開始コマンドがコマンド送信処理(S4006)により画像制御基板100に送信されると、画像制御用マイコン101は、変動演出開始コマンドに基づき特定される変動演出パターン、すなわちS4505で設定された変動演出パターンに対応する所定の変動演出用画像データと、変動演出開始コマンドに基づき特定される予告演出パターン、すなわちS4507で設定された予告演出パターンに対応する所定の予告演出用画像データを画像制御基板100のROMから読み出して、該読み出した画像データによる変動演出表示や予告演出等を画像表示装置7の表示画面7a上で実行する。また、演出表示器102での2個のLEDによる変動表示(点滅表示)も実行する。
[停止演出図柄設定処理]
次に、変動演出開始処理(S4402)にて実行される停止演出図柄設定処理(S4506)について説明する。停止演出図柄設定処理(S4506)では、前述のS4502での解析結果やS4505で設定した変動演出パターン等に基づいて、停止演出図柄を選択(決定)して設定する。具体的に、図44に示すように、停止演出図柄設定処理(S4506)では、まず、今回開始する変動演出(演出図柄遊技演出)が大当りに係る変動演出(大当り変動演出)であるか否かを判定する(S4601)。この結果、大当り変動演出である場合(S4601でYES)、演出図柄8のリーチ図柄を選択して設定する(S4602)。大当りに係る特別図柄の変動パターンは、図9に示すように、変動時間が30000ms以上の変動パターン(P1〜P3、P12〜P14)となる。前述したように、本実施例では、変動時間が30000ms以上の変動パターンについてはリーチ演出(特定演出)を行うものとしていることから、今回の変動演出が大当り変動演出である場合(S4601でYES)、リーチ図柄を設定する(S4602)。ここで、変動演出では、3つの演出図柄8L,8C,8Rが変動表示するところ、そのうちの第1停止図柄である左演出図柄8Lと、第2停止図柄である右演出図柄8Rとが同じ演出図柄で停止した場合、リーチ成立となって、リーチ演出が行われる。S4602は、そのリーチ成立時の図柄種を設定するものである。
S4602でのリーチ図柄の選択(決定)は、前述のS4501で取得した演出図柄決定用乱数の一種であるリーチ図柄決定用乱数と、図示しない大当り用リーチ図柄決定テーブルとに基づいて行われる。本実施例では、大当りの種別に応じて、確定停止する演出図柄8の表示態様、すなわち大当り態様(特定態様)を予め定めている。具体的には、16R第1大当りおよび16R第6大当りに対応する大当り態様を「777」のゾロ目(赤奇数図柄のゾロ目)としており、6R第2大当りおよびRUBに対応する大当り態様を「111」「333」「555」「999」の何れかのゾロ目(「7」以外の奇数図柄のゾロ目)としており、6R第3〜第5大当りおよび16R第11大当りに対応する大当り態様を「222」「444」「666」「888」の何れかのゾロ目(偶数図柄のゾロ目)としている。また、本実施例では、2R第10大当り(2R確変大当り)および2R第12大当り(2R通常大当り)に対応する演出図柄8の大当り態様を「121」「232」「454」「676」等、中演出図柄8C(第3停止図柄)がリーチ図柄と図柄色も含めて異なる「色違いリーチ外れ目」としている。尚、「色違いリーチ外れ目」とは、第1停止図柄および第2停止図柄(つまり、リーチ図柄)が同じ数字・色であって、第3停止図柄のみが異なる数字・色である図柄組み合わせのことをいう。2R大当りに係る演出図柄8の大当り態様を「色違いリーチ外れ目」とするのは、2R大当りに係る大当り遊技では賞球の獲得可能性が極めて低いことと、3つの演出図柄8L,8C,8Rがすべて同じ色となる外れ態様をチャンス目としていることから、賞球が獲得可能な他の大当りとの同一視を回避するとともに、チャンス目との同一視を回避するためである。
このように、本実施例では、大当りの種別に応じた大当り態様で演出図柄8を確定停止するものとしており、これに準じて所定の選択率の下で選択可能(設定可能)なリーチ図柄を規定した大当り種別毎のリーチ図柄決定テーブルを、サブ制御基板90のROMに記憶している。よって、S4602では、今回の変動演出に係る大当りの種別に応じたリーチ図柄決定テーブルを参照して、リーチ図柄決定用乱数による乱数抽選のもとリーチ図柄を選択し、これを設定する。具体的には、例えば、今回の大当りが16R第1大当りであれば「7」をリーチ図柄として設定し、6R第2大当りであれば「1」「3」「5」「9」の何れかをリーチ図柄として設定し、6R第3大当りであれば「2」「4」「6」「8」の何れかをリーチ図柄として設定する。
次いで、S4603では、今回の大当り変動演出に係る演出図柄8の変動態様、すなわち、S4505で設定した変動演出パターンが、SPリーチ(大当りSPリーチ)であるか否かを判定する(S4603)。前述したように、本実施例では、変動時間が45000msの特図変動パターン(ここでは変動パターンP2またはP13)の場合には、SPリーチA,Bの何れかが実行され、変動時間が75000msの特図変動パターン(ここでは変動パターンP1またはP12)の場合には、SPリーチCが実行される。
S4603にて、SPリーチでないと判定した場合(S4603でNO)、すなわち、今回の大当り変動演出に係る演出図柄8の変動態様が大当りリーチA〜Cの何れか(ノーマルリーチ演出)である場合、今回の大当り変動演出に係る大当りの種別が2R大当り以外の大当りであれば、第3停止図柄として、S4602で設定したリーチ図柄と同じ図柄、すなわちゾロ目を構成する図柄を設定して(S4604)、本処理を終える。一方、今回の変動演出に係る大当りの種別が2R大当りであれば、第3停止図柄として、S4602で設定したリーチ図柄と異なる図柄であって図柄色もリーチ図柄と異なる図柄、すなわち「色違いリーチ外れ目」を構成する図柄を設定して(S4604)、本処理を終える。
ここで、変動演出の終了に際しては、主制御基板80からの変動停止コマンドの受信に基づいて演出図柄8を確定停止することで変動演出を終了させるが(S4403,S4404を参照)、主制御基板80が変動停止コマンドを送信するタイミングよりも若干早めのタイミングで演出図柄8を仮停止しておき、主制御基板80からの変動停止コマンドを受信したタイミングで、その仮停止した演出図柄8を確定停止して、変動演出を終了させるものとしている。本実施例では、ノーマルリーチ演出(リーチA〜C)の場合やリーチ無し変動演出(ノーマル変動)の場合には、仮停止後の再変動表示や発展演出を実行しないため、第1〜第3停止図柄(演出図柄8L,8C,8R)が仮停止した後、間もなくして確定停止するように演出の設計がなされている。したがって、S4602で設定するリーチ図柄およびS4604で設定する第3停止図柄は、仮停止用の停止図柄(以下「仮停止図柄」ともいう。)でもあり、確定停止用の停止図柄(以下「確定停止図柄」ともいう。)でもある。
一方、S4603にて、今回の大当り変動演出に係る演出図柄8の変動態様がSPリーチであると判定した場合(S4603でYES)、すなわち、今回の大当り変動演出に係る演出図柄8の変動態様が大当りSPリーチA〜Cの何れか(スーパーリーチ演出)である場合、当該スーパーリーチ演出の中で発展演出に移行するにあたり同色発展を行うか否かを判定する(S4605)。ここで前述したように、SPリーチの変動態様は、リーチ成立後、3つの演出図柄8L,8C,8Rが外れ態様(リーチ外れ態様)で仮停止した後、中演出図柄8C(第3停止図柄)が変動表示を再開して、当該変動表示中に発展演出を行い、その後、3つの演出図柄8L,8C,8Rを最終的に確定停止するものとなっている。このようなSPリーチに係る変動演出の進行過程において、第1停止図柄および第2停止図柄が同じ数字であって(リーチ図柄)、第3停止図柄のみ異なる数字であるものの(リーチ外れ)、3つの図柄がすべて同じ色となる「同色リーチ外れ目」で演出図柄8が仮停止した後、発展演出に移行する態様が、「同色発展」である。この同色発展を行うか否かは、前述のS4505にてSPリーチの変動演出パターンを設定する場合に、併せて決定される。同色発展を行うか否かの決定は、S4505でのSPリーチの設定契機となった変動演出決定用乱数値に基づいて行われ、行うことが決定された場合には、その旨を示すフラグ(同色発展フラグ)がセットされるものとなっている。したがって、S4605では、同色発展フラグを参照して同色発展を行うか否かを判定する。
尚、大当り変動演出でのSPリーチにおいて、同色発展を行う可能性と、同色発展を行わない可能性とでは、同色発展を行う可能性の方が高くなっている。また、SPリーチは外れの場合にも実行され得るため、外れSPリーチにおいても同色発展が実行され得る。この点、本実施例では、外れSPリーチよりも大当りSPリーチの方が、同色発展の実行可能性が高くなっている。さらに、外れ変動演出でのSPリーチにおいて、同色発展を行う可能性と、同色発展を行わない可能性とでは、同色発展を行わない可能性の方が高くなっている。これにより、同色発展を大当り期待度の高い演出態様の一つとして遊技者に認識させて、同色発展により大当りの期待感が高まる印象を遊技者に与えることが可能となっている。
また、同色発展に際して仮停止表示する「同色リーチ外れ目」と、チャンス目予告のチャンス目(同色外れ目)とを比較した場合、3つの図柄の色がすべて同じとなる点、すなわち、チャンス目を構成する態様である点において、両者は同じである。この点、前述のように、チャンス目予告のチャンス目は、3つの演出図柄8L,8C,8Rのうち、少なくとも、左演出図柄8L(第1停止図柄)と右演出図柄8R(第2停止図柄)は異なる数字の図柄となるように定めてあることから、遊技者にしてみれば、「同色リーチ外れ目」が、チャンス目予告のチャンス目(同色外れ目)と意味合いの異なるものであるということは、認識可能であると考えられる。また、「同色リーチ外れ目」は、SPリーチ中に仮停止する可能性はあるものの、SPリーチを経て最終的に確定停止する可能性はないものとしているので、この点において、遊技者にしてみれば、「同色リーチ外れ目」の仮停止が、チャンス目を確定停止するチャンス目予告と異なるものであることは、認識可能と考えられる。以下では、同色発展に際して仮停止表示する「同色リーチ外れ目」のことを、チャンス目予告のチャンス目と区別して「発展チャンス目」ということがある。
S4605にて、同色発展を行うと判定した場合(S4605でYES)、発展演出実行前(再変動開始前)の仮停止用の第3停止図柄として、S4602で設定したリーチ図柄と異なる図柄であって図柄色が同じ図柄、すなわち「発展チャンス目」を構成する図柄を設定する(S4606)。このS4606では、リーチ図柄が赤図柄の「3」または「7」である場合には、そのリーチ図柄と異なる赤図柄、すなわち、リーチ図柄が「3」であれば「7」、「7」であれば「3」を設定する。また、リーチ図柄が緑図柄の「5」または「9」である場合と、リーチ図柄が青図柄の「2」「4」「6」「8」の何れかである場合には、スクロール表示順(昇順)で最も近い数字の同色図柄、例えば、リーチ図柄が「2」であれば「4」、「5」であれば「9」、「6」であれば「8」、「8」であれば「2」、「9」であれば「1」を設定する。さらに、リーチ図柄が緑図柄の「1」である場合には、スクロール表示順で1つ手前の「9」を設定する。そして、S4606に次いで、発展演出実行後の確定停止用の第3停止図柄として、今回の変動演出に係る大当り種別に対応した大当り態様を構成する図柄を設定し(S4610)、本処理を終える。S4610の処理は、前述のS4604と同様である。
一方、S4605にて、同色発展を行わないと判定した場合(S4605でNO)、すなわち、今回のSPリーチの変動態様が「色違いリーチ外れ目」の仮停止を経て発展演出に移行する態様である場合、リーチ図柄が「9」であるか否かを判定する(S4607)。ここで、本実施例では、SPリーチにて「色違いリーチ外れ目」の仮停止を経て発展演出に移行する場合、「色違いリーチ外れ目」を構成する中演出図柄8C(第3停止図柄)が、リーチ図柄に対して「+(プラス)1コマ」の図柄となるものとしている。「+1コマ」とは、演出図柄8を構成する「1」〜「9」の数字図柄の何れか1つを基準にして、スクロール表示の並び順(本例では昇順)で1つ先の図柄をいう。例えば、リーチ図柄が「2」であれば、「+1コマ」の中演出図柄8Cは「3」となる。尚、基準となる図柄に対し並び順が1つ前の図柄は「−(マイナス)1コマ」の図柄となる。
本実施例の演出図柄8は、「1」〜「9」の数字図柄のうち、「3」「7」が赤図柄、「1」「5」「9」が緑図柄、「2」「4」「6」「8」が青図柄となっているため、これらを「1」〜「9」の順(昇順)で並べた場合、色の並びは「1」から順に「緑(1)」「青(2)」「赤(3)」「青(4)」「緑(5)」「青(6)」「赤(7)」「青(8)」「緑(9)」となる。つまり、スクロール表示順で連続する「9」と「1」の並び(ともに緑図柄)を除いて、同じ色が連続する並びとはなっていない。このことから、SPリーチにて発展演出前に仮停止する演出図柄8の「色違いリーチ外れ目」は、中演出図柄8C(第3停止図柄)を、原則、リーチ図柄に対して「+1コマ」の図柄とすることとしている。但し、リーチ図柄が「9」の場合には、「+1コマ」の図柄は「1」となるため、同じ緑色となってしまう。つまり、仮停止する演出図柄8の表示態様が発展チャンス目(同色リーチ外れ目)となってしまう。
これを回避するために、S4607では、リーチ図柄が「9」であるか否かを判定するのである。そして、リーチ図柄が「9」でないと判定した場合(S4607でNO)、仮停止用の第3停止図柄として、リーチ図柄に対して「+1コマ」の図柄を設定し(S4608)、リーチ図柄が「9」であると判定した場合(S4607でYES)、リーチ図柄に対して「−1コマ違い」の図柄(ここでは「8」)を設定する(S4609)。これらS4607〜S4609の処理により、仮停止する演出図柄8の停止演出図柄として設定可能な図柄種から、発展チャンス目(同色リーチ外れ目)を構成する図柄種を除くことが可能となり、演出図柄8が発展チャンス目(同色リーチ外れ目)で仮停止することを制限することが可能となる。その結果、同色発展を伴わないSPリーチであるにもかかわらず、演出図柄8が発展チャンス目(同色リーチ外れ目)で仮停止するのを回避することが可能となっている。そして、S4608またはS4609の処理に次いで、前述のS4610の処理を行い、本処理を終える。
ここまでが、大当り変動演出である場合(S4601でYES)の停止演出図柄の設定に係る処理であるが、今回の変動演出が外れに係る変動演出(外れ変動演出)である場合には(S4601でNO)、図45に示すS4611の処理に進む。S4611では、今回の外れ変動演出がリーチ有りの変動演出であるか否かを判定する(S4611)。今回の外れ変動演出に係る特図変動パターンが、図9に示す変動時間30000ms以上の外れ変動パターン(P4〜P6,P8〜P10,P15〜P17,P19〜P21の何れか)であれば、今回の外れ変動演出はリーチ有り外れ変動演出となり(S4611でYES)、変動時間30000ms未満の外れ変動パターン(P7,P11,P18,P22の何れか)であれば、今回の外れ変動演出はリーチ無し外れ変動演出となる(S4611でNO)。
S4611にて、リーチ有りの外れ変動演出であると判定した場合(S4611でYES)、前述のS4501で取得したリーチ図柄決定用乱数と、図示しない外れ用リーチ図柄決定テーブルとに基づいてリーチ図柄を選択し、これを設定する(S4612)。外れ用リーチ図柄決定テーブルでは、「1」〜「9」の各図柄について、リーチ図柄決定用乱数値による選択率が予め定められており、この選択率にしたがってリーチ図柄が選択される。尚、S4612で設定するリーチ図柄は、仮停止図柄でもあり確定停止図柄でもある。
次いで、S4613では、今回の外れ変動演出に係る演出図柄8の変動態様、すなわち、S4505で設定した変動演出パターンが、SPリーチ(外れSPリーチ)であるか否かを判定する(S4613)。今回の外れ変動演出に係る特図変動パターンが、変動時間45000msの特図変動パターン(ここでは変動パターンP5,P9,P16,P20の何れか)である場合には、SPリーチA,Bの何れかが実行され、変動時間75000msの特図変動パターン(ここでは変動パターンP4,P8,P15,P19の何れか)である場合には、SPリーチCが実行される。
S4613にて、SPリーチでないと判定した場合(S4613でNO)、すなわち、今回の外れ変動演出に係る演出図柄8の変動態様が外れリーチA〜Cの何れかである場合、前述のS4501で取得した演出図柄決定用乱数の一種である第3停止図柄決定用乱数と、図示しない第3停止図柄決定テーブルとに基づいて第3停止図柄を選択し、これを設定する(S4614)。第3停止図柄決定テーブルでは、「1」〜「9」の各図柄について、第3停止図柄決定用乱数値により選択率が予め定められており、この選択率にしたがって第3停止図柄が選択される。
次いで、S4615では、S4612にて設定したリーチ図柄と、S4614にて設定した第3停止図柄とが、同じ数字の図柄であるか否かを判定し(S4615)、同じ数字の図柄でなければ(S4615でNO)、S4617の処理に移行し、同じ数字の図柄であれば(S4615でYES)、S4614で設定した第3停止図柄を、当該図柄に対して「+1コマ」の図柄に変更して(S4616)、S4617の処理に移行する。S4616の処理により、外れ変動であるにもかかわらず、演出図柄8が大当り態様(ゾロ目)で停止表示(仮停止、確定停止)するのを回避することが可能となる。
次いで、S4617では、S4612で設定したリーチ図柄(左演出図柄8Lと右演出図柄8R)と、S4614の処理(場合によっては更にS4616の処理)で設定した第3停止図柄(中演出図柄8C)が、すべて同じ色の図柄であるか否かを判定し(S4617)、同じ色の図柄でなければ(S4617でNO)、本処理を終え、同じ色の図柄であれば(S4617でYES)、再度、S4616の処理を行い、S4617にて同じ色の図柄でないと判定したら(S4617でNO)、本処理を終える。S4617で同色と判定された後のS4616の処理により、確定停止する演出図柄8の停止演出図柄として設定可能な図柄種から、発展チャンス目(同色リーチ外れ目)を構成する図柄種を除くことが可能となり、演出図柄8が発展チャンス目(同色リーチ外れ目)で確定停止するのを制限することが可能となる。つまり、S4617で同色と判定された後のS4616の処理は、発展チャンス目(同色リーチ外れ目)による確定停止を回避するための処理である。これにより、当該外れリーチに係る外れ変動演出の終了に伴い、発展チャンス目(同色リーチ外れ目)を構成しない態様、すなわち、色違いリーチ外れ目で、演出図柄8が確定停止することとなる。こうしてS4614の処理(場合によっては更にS4616の処理)で設定する第3停止図柄は、仮停止図柄でもあり確定停止図柄でもある。
尚、本実施例の演出図柄8は、前述したように、スクロール表示順で連続する「9」と「1」の並びを除いて、同じ色が連続する並びとはなっていないため、リーチ図柄が「1」または「9」である場合には、S4617にて同色(本例では緑色)であると判定されることがあり得るが、リーチ図柄が「2」〜「8」の何れかである場合には、S4617にて同色であると判定されることはない。
一方、S4613にて、SPリーチであると判定した場合(S4613でYES)、すなわち、今回の外れ変動演出に係る演出図柄8の変動態様が外れSPリーチA〜Cの何れかである場合、当該スーパーリーチ演出の中で発展演出に移行するにあたり同色発展を行うか否かを判定する(S4618)。同色発展については、前述のS4605で説明した大当りSPリーチの場合と同様である。そして、同色発展を行うと判定した場合(S4618でYES)、S4612で設定したリーチ図柄が「3」または「7」であるか否かを判定し(S4619)、そうでなければ(S4619でNO)、発展演出実行前(再変動開始前)の仮停止用の第3停止図柄として、S4612で設定したリーチ図柄と異なる図柄であって図柄色が同じ図柄、すなわち「発展チャンス目」を構成する図柄を設定し(S4620)、発展演出実行後の確定停止用の第3停止図柄として、リーチ図柄に対して「+1コマ」の図柄、すなわち、色違いリーチ外れ目を構成する図柄を設定する(S4621)。S4621の処理により、仮停止する演出図柄8の停止演出図柄として設定可能な図柄種から、発展チャンス目(同色リーチ外れ目)を構成する図柄種を除くことが可能となり、演出図柄8が発展チャンス目(同色リーチ外れ目)で仮停止するのを制限することが可能となる。尚、S4620の処理は、リーチ図柄として「3」「7」を含まない点を除いて、前述のS4606で説明した大当りSPリーチの同色発展の場合と同様である。また、S4621の処理で設定する確定停止用の第3停止図柄は、発展演出実行後の仮停止図柄でもある。
ここで、本実施例では、外れSPリーチであって、リーチ図柄が「3」または「7」(赤図柄)となった場合には、同色発展を行わないこととしている。このため、S4618で同色発展を行うと判定した場合であっても、リーチ図柄が「3」または「7」である場合には(S4619でYES)、S4620の処理を行わないこととしている。つまり、リーチ図柄が「3」または「7」となって同色発展が行われるのは、大当りSPリーチの場合だけとしている。したがって、スーパーリーチ演出において、「3」または「7」の赤図柄でリーチが成立し、その後、演出図柄8が発展チャンス目(同色リーチ外れ目)で仮停止した場合には、その時点で大当り確定となる。
これに対して、S4618にて同色発展を行わないと判定した場合(S4618でNO)と、S4619にてリーチ図柄が「3」または「7」であると判定した場合(S4619でYES)には、前述のS4607〜S4609と同様に、発展演出前に演出図柄8を「色違いリーチ外れ目」で仮停止するための処理(S4622〜S4624)を行う。つまり、同色発展を伴わないSPリーチであるにもかかわらず、演出図柄8が発展チャンス目(同色リーチ外れ目)で仮停止するのを回避するための処理(S4622〜S4624)を行う。この処理により、仮停止する演出図柄8の停止演出図柄として設定可能な図柄種から、発展チャンス目(同色リーチ外れ目)を構成する図柄種を除くことが可能となり、演出図柄8が発展チャンス目(同色リーチ外れ目)で仮停止するのを制限することが可能となる。そして、発展演出実行後の確定停止用の第3停止図柄として、リーチ図柄に対して「+1コマ」の図柄を設定する(S4621)。S4621の処理の後は、前述したS4617の処理を経て、本処理を終える。これにより、当該外れSPリーチに係る外れ変動演出の終了に伴い、演出図柄8が発展チャンス目(同色リーチ外れ目)を構成しない態様、すなわち、色違いリーチ外れ目で確定停止することとなる。
一方、今回の外れ変動演出がリーチ無し変動演出である場合(S4611でNO)、すなわち、リーチ演出を伴わない単純外れ変動演出である場合、図46に示すS4625の処理に移行する。S4625では、現在、チャンス目予告実行期間中であるか否かを判定する(S4625)。ここで、本実施例では、前述のチャンス目予告設定処理(S4400)にて、チャンス目予告を実行するか否かの決定や実行する場合のチャンス目予告パターンの設定等を行うものとなっており、チャンス目予告が行われるチャンス目予告実行期間中は、チャンス目予告の実行契機となった対象保留が消化されるまでのリーチ無し外れ変動で、チャンス目予告、すなわち、チャンス目の停止表示(確定停止)を行うこととしている。このことに対応して、S4625では、現在、チャンス目予告実行期間中であるか否か、すなわち、今回の外れ変動演出がチャンス目予告を伴うチャンス目予告実行期間中の外れ変動演出であるか否かを判定する。
S4625にてチャンス目予告実行期間中であると判定した場合(S4625でYES)、前述のS4457で設定したチャンス目予告パターンに基づいて、当該チャンス目予告パターンに即したチャンス目を停止表示(確定停止)すべく、第1〜第3停止図柄として、チャンス目を構成する図柄(チャンス目図柄)を決定し、これを設定する(S4626)。具体的には、例えば、チャンス予告パターンA2が設定されている場合(図47(a)、図48(a)を参照)、「155」や「159」等の外れ態様を構成する緑図柄を設定する。また、チャンス予告パターンC3が設定されている場合(図47(c)、図48(c)を参照)、チャンス目の停止表示が1回目であれば「246」や「468」等の外れ態様を構成する青図柄を設定し、2回目であれば「155」や「159」等の外れ態様を構成する緑図柄を設定し、3回目であれば「337」や「733」等の外れ態様を構成する赤図柄を設定する。チャンス目予告(チャンス目の停止表示)を2回以上行う場合であって、各回で停止表示されるチャンス目が連続して同色となる場合(チャンス目予告パターンB1,B3,B5,C1,C2,C4〜C6)、チャンス目の出目については同じになってもならなくても、どちらでもよい。尚、S4626で設定するチャンス目図柄は、仮停止図柄でもあり確定停止図柄でもある。
一方、S4625にてチャンス目予告実行期間中でないと判定した場合(S4625でNO)、すなわち、今回の外れ変動演出が、チャンス目予告を伴わずリーチ演出も伴わない外れ変動演出(単純外れ変動演出)である場合、第1〜第3停止図柄のそれぞれを設定する(S4627)。S4627では、前述のS4501で取得した演出図柄決定用乱数の一種である第1停止図柄決定用乱数、第2停止図柄決定用乱数および第3停止図柄決定用乱数と、図示しない第1停止図柄決定テーブル、第2停止図柄決定テーブルおよび第3停止図柄決定テーブルに基づいて、第1〜第3停止図柄のそれぞれを、各テーブルで定められた選択率にしたがって選択して、これを設定する。
次いで、S4628では、S4627で設定した、第1〜第3停止図柄の第1停止図柄(左演出図柄8L)と第2停止図柄(右演出図柄8R)とが、同じ数字の図柄であるか否かを判定し(S4628)、同じ数字の図柄であれば(S4628でYES)、S4627で設定した第2停止図柄を、当該図柄に対して「+1コマ」の図柄に変更する(S4629)。これにより、第1停止図柄と第2停止図柄とがリーチ図柄を構成する態様となること、すなわち、演出図柄8がリーチ外れ目で確定停止することを回避することが可能となる。
次いで、S4630では、S4627およびS4629の処理により設定した第1〜第3停止図柄がすべて同じ色の図柄であるか否かを判定し(S4630)、同じ色の図柄でなければ(S4630でNO)、本処理を終え、同じ色の図柄であれば(S4630でYES)、再度、S4629の処理を行い、S4630にて同じ色の図柄でないと判定したら(S4630でNO)、本処理を終える。S4630で同色と判定された後のS4629の処理は、演出図柄8がチャンス目(同色外れ目)で確定停止するのを回避するための処理である。
これに対し、S4628にて、S4627で設定した第1停止図柄(左演出図柄8L)と第2停止図柄(右演出図柄8R)とが、同じ数字の図柄でないと判定した場合(S4628でNO)、S4627で設定した第1〜第3停止図柄がすべて同じ色の図柄であるか否かを判定し(S4631)、同じ色の図柄でなければ(S4631でNO)、本処理を終え、同じ色の図柄であれば(S4631でYES)、S4627で設定した第3停止図柄を、当該図柄に対して「+1コマ」の図柄に変更して(S4632)、再度、S4631の処理を行い、当該S4631にて同じ色の図柄でないと判定したら(S4631でNO)、本処理を終える。S4631で同色と判定された後のS4632の処理は、演出図柄8がチャンス目(同色外れ目)で確定停止するのを回避するための処理である。こうしてS4627の処理(場合によっては更にS4629,S4632の処理)で設定する各停止図柄は、仮停止図柄でもあり確定停止図柄でもある。
以上の停止図柄演出処理(S4506)により設定した停止演出図柄にしたがって、S4505で設定した変動演出パターンに基づいて実行される変動演出(演出図柄8の変動表示)において、演出図柄8が仮停止したり確定停止したりすることとなる。尚、本実施例において、演出図柄8の変動表示や停止表示(仮停止、確定停止)に係る処理を実行する演出制御用マイコン91(サブ制御部90)は、「変動演出実行手段」や「停止設定手段」、「変動態様設定手段」、「結果表示態様設定手段」等として機能するといえる。
以上までが、本実施例に係るパチンコ遊技機1の演出制御用マイコン91(サブ制御部90)による主要な制御処理であるが、本演出制御により、3つの演出図柄8L,8C,8Rがすべて同じ色のバラケ目(非特定態様)をチャンス目(特殊表示)として定めており、当該チャンス目を変動演出(演出図柄8の変動表示)の終了に際して停止表示させるチャンス予告が実行可能となっている。このチャンス目予告は、少なくとも、特図保留が2以上記憶されていること、対象保留よりも前に記憶されている特図保留がすべて外れ保留であること、当該外れ保留に対応する変動パターンがすべて「リーチ無し外れ変動パターン」であること、を条件に実行され得るものとなっている。つまり、チャンス目予告実行期間中は、少なくとも、チャンス目予告の実行契機となった対象保留の消化前にリーチ演出が行われることがないものとなっている。
このようなチャンス目予告の法則性(規則)のもと、チャンス目予告が行われない状況下(チャンス目予告実行期間中でないとき)において、リーチ演出を経て演出図柄8が外れ態様で停止表示することとなる外れ変動演出、すなわち、外れリーチA〜Cや外れSPリーチA〜Cの変動演出パターンに基づく変動演出(外れリーチ変動演出)が行われた場合、当該変動演出にて確定停止表示する演出図柄(停止演出図柄)として、チャンス目を構成しない態様(色違い態様)の停止演出図柄が設定される(図45を参照)。また、同様の状況下において、外れSPリーチA〜Cの変動演出パターンに基づく変動演出(外れSPリーチ変動演出)であって当該変動演出中に同色発展が行われない場合、当該変動演出中に仮停止表示する演出図柄(停止演出図柄)として、発展チャンス目を構成しない態様(色違い態様)の停止演出図柄が設定される(図45を参照)。つまり、これらの場合の停止演出図柄としては、演出図柄8を構成する「1」〜「9」の図柄種のうち、チャンス目や発展チャンス目を構成しない図柄種が設定可能となり、それらのチャンス目を構成する図柄種は除かれるものとなっている。換言すると、チャンス目や発展チャンス目を構成する図柄種の設定(チャンス目を構成する態様の設定)が制限されるものとなっている。このため、これらの場合には、演出図柄8(8L,8C,8R)が、必ず「色違いリーチ外れ目」で停止表示することとなり、チャンス目や発展チャンス目で停止表示することはないものとなる。これにより、外れリーチパターンに基づく変動演出が行われた際に、チャンス目を構成する態様による演出図柄8の確定停止表示が、チャンス目予告と無関係に(意味なく)出現することを排除することが可能となり、チャンス目予告の効果が損なわれるのを防ぐことが可能となる。
特に、本実施例では、チャンス目予告実行期間中の対象保留消化前に行われる特別図柄の変動表示に係る変動演出は「リーチ無し外れ変動演出」となるので、リーチ演出を経て演出図柄8がチャンス目で確定停止することはない。このような仕様において、仮に、リーチ演出を経て演出図柄8がチャンス目で確定停止し得るものとすると、当該チャンス目は、チャンス目予告の実行契機となる対象保留が存在しなくても表示されるものとなり、特図保留についての大当り期待度を示すものとはならない。このようにリーチ演出を経て確定停止されるチャンス目が、次回以降の変動表示と無関係であることが遊技者に知れてしまうと、チャンス目に対する遊技者の期待を裏切ることとなり、却って遊技興趣の低下を招く虞がある。この点、本実施例では、外れリーチパターンに基づく変動演出が行われた場合には、必ず「色違いリーチ外れ目」で演出図柄8が確定停止するので、そのような懸念を排除することが可能である。
また、スーパーリーチ演出を伴う変動演出、すなわち、SPリーチA〜Cの変動演出パターンに基づく変動演出では、リーチ成立後、演出図柄8(8L,8C,8R)が発展チャンス目(同色リーチ外れ目)で仮停止した後、中演出図柄8Cが変動表示を再開して、当該再開前(仮停止前)よりも大当り期待度の高まる発展演出を実行した上で、演出図柄8(8L,8C,8R)が当否判定の結果に応じた態様で確定停止するものとなっている。これにより、リーチ演出中に演出図柄8が発展チャンス目で仮停止表示することで、大当り期待度の高まる発展演出が実行され得るといった遊技性を実現することが可能となり、発展チャンス目の仮停止表示に遊技者を注目させて遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
特に、本実施例では、外れリーチパターンに基づく変動演出において演出図柄8がチャンス目(同色外れ目)で確定停止することは無いものとしているが、確定停止よりも前の段階で演出図柄8が発展チャンス目(同色リーチ外れ目)で仮停止した場合には、その後に発展演出が行われるものとなっている。このため、リーチ演出中の「同色リーチ外れ目」は、チャンス目予告(リーチ無し外れ変動演出)での「同色外れ目」とは別に、大当り期待度の高まる発展演出の実行が確定する(約束される)チャンス目(発展チャンス目)であるとの意味合いを持たせることが可能となる。このように、リーチ演出中の発展演出の実行を示唆する発展チャンス目(リーチ演出中の意味あるチャンス目)で演出図柄8が仮停止し得る構成とすることで、意味のないチャンス目の確定停止を排除しつつ、チャンス目演出のバリエーションを増やすことが可能となる。
また、スーパーリーチ演出を伴う大当り変動演出、すなわち、大当りSPリーチA〜Cの変動演出パターンに基づく変動演出にて、同色発展が行われる場合、リーチ図柄が「1」〜「9」の何れであっても、演出図柄8が発展チャンス目で仮停止するものとなっている。すなわち、発展チャンス目として、青図柄(「2」「4」「6」「8」)、緑図柄(「1」「5」「9」)および赤図柄(「3」「7」)の何れかの同色リーチ外れ目を仮停止するものとなっている。一方、スーパーリーチ演出を伴う外れ変動演出、すなわち、外れSPリーチA〜Cの変動演出パターンに基づく変動演出にて、同色発展が行われる場合、リーチ図柄が「3」または「7」である場合を除いて、演出図柄8が発展チャンス目で仮停止するものとなっている。すなわち、外れSPリーチでは、発展チャンス目として、青図柄(「2」「4」「6」「8」)または緑図柄(「1」「5」「9」)の同色リーチ外れ目を仮停止するものとなっており、赤図柄(「3」「7」)の同色リーチ外れ目を仮停止することはないものとなっている。このため、リーチ演出中に演出図柄8が赤図柄の発展チャンス目(赤色リーチ外れ目)で仮停止表示した場合には、その時点で大当りが確定する(約束される)こととなる。これにより、発展チャンス目を構成する図柄種によって大当り確定の意味合いを付加することも可能となるため、発展チャンス目の種類(図柄種)に遊技者の興味を惹きつけて、遊技興趣の向上を図ることが可能となる。
[センター装飾体10の構成]
次に、図3および図50乃至図52に基づいてセンター装飾体10の構成等について説明する。前述したように、センター装飾体10は、プラスチック製(樹脂製)の成型物からなるもので、中央が開口した枠状の部材(枠状装飾部材)とされている。このセンター装飾体10の外周上面は、レール部材4との間で、遊技球を右遊技領域3Bに誘導する通路(以下「右遊技領域誘導通路」ともいう。)を形成する通路形成面10aとされている。そして、通路形成面10aの終端から先の部位、すなわち、センター装飾体10の右側部には、右遊技領域誘導通路を通過してきた遊技球を下方に誘導する球通路10bが設けられている。この球通路10bは、センター装飾体10に一体成型により設けられるものである。尚、球通路10bのことを「成型物通路」ともいう。
球通路10bの通路幅は、該球通路10bに進入した遊技球が、その進入順に1個ずつ通過していくのを許容する大きさとされている。すなわち、通路幅の寸法は、遊技球の直径の2倍より短い寸法とされている。このため、球通路10b内を複数(例えば2個)の遊技球が左右に並んだ状態で(並列して)通過することは不可能となっている。また、球通路10bの通路内には、当該通路内を通過(流下)する遊技球の勢い(速度)を抑える(減速させる)ための複数の凹凸が形成されている。球通路10bを通過する遊技球は、「右打ち」により発射される遊技球であり、「右打ち」は「左打ち」に比して発射強度が強くなるので、その分、遊技球の勢いが強くなる(速度が速くなる)からである。
センター装飾体10のうち、球通路10b(成型物通路)の終端(球出口)より下方には、ゲート28が設けられている。このゲート28は、次のようにして構成されている。すなわち、図51(a)に示すように、ゲート28が位置するセンター装飾体10の裏面(後面)側には、ゲートセンサ28aを収容可能な収容部28bが、裏面側を開口した状態で凹設されている。つまり、収容部28bは、その外郭(外側部分)がセンター装飾体10の前面側に突出して設けられている。この収容部28bは、矩形状のゲートセンサ28aを、その長手方向が遊技盤2の表面(盤面)と平行となる向き(以下「横向き」ともいう。)にして収容することが可能な形状(横長状)とされている。また、収容部28bの右側上部には、球通路10bから流出する遊技球を受け入れ可能なゲート入口28c(球受口)が設けられており、収容部28bの右側下部であってゲート入口28cの対向位置には、ゲート入口28cを通過した遊技球を下方に流出可能なゲート出口28d(球出口)が設けられている。
このように、収容部28bを、その外郭(外側部分)がセンター装飾体10の前面側に突出するようにして設けるとともに、この突出した部位の一部(本実施例では右側部位)に、ゲート入口28c(球受口)およびゲート出口28d(球出口)を上下一対に設けることで、センター装飾体10の前面側、すなわち、遊技盤2の表面(前面)側にて、ゲート入口28cとゲート出口28dが上下に連通した状態となり、これにより、遊技球が通過可能なゲート28が構成される。本実施例では、このようなゲート28がセンター装飾体10に一体成型されており、該センター装飾体10を遊技盤2の前面に取り付けることで、ゲート28が遊技盤2の表面(遊技領域3)に突出して設けられる。
ここで、収容部28bに収容されるゲートセンサ28aは、いわゆる近接スイッチにより構成されるもので、矩形のケース体(筐体)の長手方向一方側に、遊技球が通過可能な通過穴28hを備えるとともに、ケース体の長手方向他方側に、図示しない球検知用のコイルや回路等の電子部品を収納する収納部28s(箱部)備えてなる。このゲートセンサ28aを収容部28bに収容する際には、ゲート入口28cとゲート出口28dとの間に通過穴28hが位置するようにゲートセンサ28aを横向きにして、該センサを収容部28bに挿嵌する。尚、収容部28bには、収容したゲートセンサ28aを支持して当該センサのガタツキを抑えるための複数のリブ28rが形成されている(図51(a),(b)を参照)。
また、図51(b)に示すように、収容部28bにゲートセンサ28aを収容した状態では、該ゲートセンサ28aの一側がセンター装飾体10の裏面側に突出しないように構成されている。つまり、収容部28bの内側奥行き寸法が、矩形状のゲートセンサ28aの短手方向の寸法と略同一となっている。さらに、図51(c)に示すように、収容部28bの裏面側開口部分には、当該開口部分を覆うカバー部材29が、センター装飾体10の裏面(収容部28の裏面側)に取り付けられるように構成されている。このカバー部材29は、収容部28bにゲートセンサ28aを収容した状態で、センター装飾体10の裏面(収容部28の裏面側)にネジ止めにより取付可能とされている。これにより、ゲートセンサ28aが収容部28bから脱落するのを防止することが可能となっている。
また、図51(c)に示すように、カバー部材29には、2つの突出片29a,29bが設けられている。この突出片29a,29bは、その内側が上下貫通にした貫通穴を有する形状とされている。突出片29a,29bの貫通穴には、ゲートセンサ28aの配線や、センター装飾体10に設けられる装飾用LEDの配線、可動装飾部材14の配線など、各種電気部品の配線(電気配線)を通すことが可能となっている。つまり、突出片29a,29bは、遊技盤2やセンター装飾体10の裏側に設けられる電気配線を所定方向に誘導可能な電気配線誘導部として機能するものとなっている。
一方、センター装飾体10の前面側において、収容部28bの外郭(外側部分)のうち、その上面(外側面)であってゲート入口28cを除いた部位は、左斜め下方に傾斜した傾斜面28tとされている。この傾斜面28tは、球通路10bから流出した遊技球のうちゲート28を通過しない遊技球を左斜め下方に誘導する誘導面(球誘導部)として機能するものである。すなわち、収容部28bの外郭(外側部分)のうち、収容部28bに収容したゲートセンサ28aの収納部28sの上面(矩形ケース体の上面)を覆う部位に相当する外側上部遊技領域面が、遊技球を左斜め下方に誘導する誘導面(球誘導部)として形成されている。
さらに、センター装飾体10の右側部であって、球通路10bの球出口と、ゲート入口28c(ゲート28)との間には、前後に貫通した開口10cが設けられている。このような開口10cを有するセンター装飾体10を遊技盤2の前面に取り付けると、開口10cからは遊技盤2の表面が露呈するため、この露呈する箇所に遊技釘16を設けることが可能となっている。この点、本実施例では、遊技盤2の表面(右遊技領域3B)のうち、開口10cに対応する箇所には、図3および図52(c)に示すように複数の遊技釘16が設けられている。具体的には、球通路10bから流出する遊技球に最初に関与する5本の遊技釘16a〜16eと、主にゲート入口28cへ向かう遊技球に関与する3本の遊技釘16f〜16hと、主にゲート入口28cから離れる側へ向かう遊技球に関与する3本の遊技釘16i〜16kと、の計11本の遊技釘が設けられている。
ここで、開口10cに対応する箇所に設けられた遊技釘の作用について説明する。本実施例では、センター装飾体10の中央開口を通じて視認可能となる画像表示装置7(表示画面7a)として比較的大型の液晶表示器を採用し、また、その画像表示装置7の周りに可動装飾部材14を備える構成を採ることから、遊技領域3のうち、特に右遊技領域3Bを可能な限り狭くして、画像表示装置7や可動装飾部材14の設置スペース、良好な視認性等を確保するものとしている。このことから、センター装飾体10の右側部の球通路10bは、該通路に進入した遊技球を1個ずつ順に上方から下方に向けて誘導する(流下させる)一本の通路として構成されており、また、該通路の傾斜を小さくして、略鉛直に近い形で遊技球を流下させるように構成されている。そして、前述したように、球通路10bを通過する遊技球は、発射強度の強い「右打ち」で発射されることから勢いがあり、球通路10b内に凹凸が形成されているとしても、その勢いを十分に抑えることは難しい。そこで、本実施例では、球通路10bの球出口近傍に、5本の遊技釘16a〜16eを設けている。これら遊技釘16a〜16eは、球通路10bから流出する全ての遊技球が必ず通過することとなる遊技釘通路を形成するものである。尚、遊技釘通路の通路幅についても、球通路10bと同様、遊技球を1個ずつ順次通過させるべく、遊技球の直径の2倍より短い(小さい)ものとされている。
遊技釘16a〜16e(遊技釘通路)は、球通路10bから流出する遊技球を左斜め下(左下方)に向けて流下させるべく、球通路10bの球出口近傍から左斜め下(左下方)に向かって並べて設けられている。これら5本の遊技釘16a〜16eのうち、球通路10bの球出口に最も近い2本の遊技釘16b,16cは、遊技釘通路の入口を構成するもので、球通路10bとの間隔を遊技球の直径より短くして(本実施例では直径の1/2以下)、通路151の球出口近傍に設けられている(図52(a)を参照)。このため、球通路10bから流出する遊技球が、2本の遊技釘16b,16cと球通路10bとの間から零れ落ちて、遊技釘通路を通らずに流下することはない。また、5本の遊技釘16a〜16eのうち、3本の遊技釘16c〜16eは、球通路10bから流出する遊技球を左斜め下方に向けて誘導するものとされており、他の2本の遊技釘16a,16b(特に遊技釘16a)は、球通路10bから流出してきた遊技球の勢いを抑える(弱める)ものとされている。
これら5本の遊技釘16a〜16e(遊技釘通路)の存在により、球通路10bから流出する遊技球の流れの安定化が図られる。すなわち、図52(a)に示すように、遊技釘通路を構成する右下3本の遊技釘16c〜16eによって左斜め下方へ誘導される遊技球は、同左上の2本の遊技釘16a,16b(特に遊技釘16a)に衝突することで、その勢いが効果的に抑えられる。そして、遊技釘通路から流出する遊技球の殆どは、ゲート入口28cの上方に位置する3本の遊技釘16f〜16h(所謂「三角釘」)のうち左下の遊技釘16hに向かって流下していき、遊技釘16hに衝突して該遊技釘16hの左側または右側に振り分けられる。このとき、右側に振り分けられた遊技球のみがゲート入口28c(ゲート28)を通過することとなる。
また、遊技釘通路(遊技釘16a〜16e)から流出する遊技球は、5本の遊技釘16f〜遊技釘16j(図52(a)を参照)により構成される複数の通路(流下経路)の何れか、具体的には、遊技釘16fと遊技釘16gとの間を通る通路、遊技釘16gと遊技釘16hとの間を通る通路、遊技釘16hと遊技釘16iとの間を通る通路、および遊技釘16iと遊技釘16jとの間を通る通路、の何れかを通過(流下)し得る。本実施例では、それら複数の通路(流下経路)のうち、少なくとも、遊技釘16hと遊技釘16iとの間を通る通路(以下「第1通路」ともいう。)と、遊技釘16gと遊技釘16hとの間を通る通路(以下「第2通路」ともいう。)と、の何れに遊技球が誘導され易くなるのかを、遊技釘通路を構成する遊技釘16aの遊技盤面に対する角度(傾き)の調整(以下、単に「角度調整」という。)によって任意に調整(変更)できるように構成されている。つまり、遊技釘通路(遊技釘16a〜16e)から流出する遊技球は、第1通路(第1ルート)と第2通路(第2ルート)の何れかに振り分け可能となっており、その第1通路と第2通路への振分割合(振分率)を、調整釘として機能する遊技釘16aの角度調整によって任意に変化させることが可能となっている。
さらに、前述の第1通路および第2通路を構成する遊技釘16g〜16iのうち、真ん中に位置する遊技釘16h(図52(a)を参照)の角度調整によって、第1通路の通路幅(遊技釘16hと遊技釘16iとの間隔)と、第2通路の通路幅(遊技釘16gと遊技釘16hとの間隔)を、任意に調整(変更)できるように構成されている。つまり、第1通路および第2通路の各々の通路幅を、調整釘として機能する遊技釘16hの角度調整によって任意に変化させることが可能となっている。
また、本実施例では、遊技盤2、画像表示装置7、センター装飾体10、遊技釘16、可変入賞装置22、大入賞装置31、主表示器40等の各部材(「盤構成部品」ともいう。)の組み付けに際し、遊技盤2とセンター装飾体10を、夫々、別のユニットとして取り扱うことが可能である。すなわち、それらの盤構成部品のうち、センター装飾体10を除いた少なくとも遊技盤2を含んで構成されるユニットを「遊技盤ユニット」とすることができる。また、ゲート入口28c、収容部28bおよびゲート出口28dが形成されたセンター装飾体10と、収容部28bに収容されるゲートセンサ28aとを含んで構成されるユニットを「センター装飾ユニット」とすることができる。そして、盤構成部品の組み付けに際して、例えば、センター装飾体10の収容部28bにゲートセンサ28aを収容した状態にあるセンター装飾ユニットを、遊技盤ユニット(遊技盤2)に取り付けるといった手順を採ることができる。これにより、盤構成部品の組み付け作業を効率的に行うことが可能となる。尚、遊技盤ユニットのことを「第1ユニット」ともいい、センター装飾ユニットのことを「第2ユニット」ともいう。
以上説明した本実施例のパチンコ遊技機1では、センター装飾体10に一体で設けられる球通路10bとゲート28(ゲート入口28c)との間に、遊技盤2の表面を露呈する開口10cを設け、該開口10cの範囲内における複数の遊技釘の配置により、球通路10bから流出する遊技球の流れの安定化が図られるものとなっている。すなわち、図52(a)に示すように、開口10cの範囲内であって球通路10bの球出口近傍には、5本の遊技釘16a〜16eからなる遊技釘通路が設けられており、球通路10bから流出する遊技球は、すべて(必ず)遊技釘通路を通過するものとなっている。そして、遊技釘通路における右下3本の遊技釘16c〜16eによって、球通路10bから流出する遊技球を所定の流下方向(本例では左斜め下方)に向けて誘導するとともに、同左上の2本の遊技釘16a,16b(特に遊技釘16a)によって、球通路10bから流出してくる遊技球の勢いを抑えることが可能となっている。また、遊技釘通路を構成する遊技釘のうち、少なくとも遊技釘16aを調整釘として、その角度(傾き)を調整することで、遊技釘通路(遊技釘16a〜16e)から流出する遊技球の流出方向を、ゲート入口28c(遊技釘16h)の周辺に向けて調整することが可能となっている。これにより、球通路10bから流出する遊技球を、ゲート入口28c(遊技釘16h)の周辺(近傍)に向けて安定的に流下させることが可能となる。
これに関して、例えば、図52(b)に示す比較例のように、前述の遊技釘通路を構成する5本の遊技釘16a〜16eのうち、左上の2本の遊技釘16a,16bが設けられていないとする。つまり、遊技釘通路を構成し得ない遊技釘の配置構成を採ったとする。この場合、球通路10bから流出する遊技球は、3本の遊技釘16c〜16eによって誘導される際、それら遊技釘との接触の影響により様々な方向に弾かれる可能性があり、球通路10bから流出する遊技球の勢いを鑑みると、その影響や可能性は顕著である。このため、左上の2本の遊技釘16a,16bが存在しない場合、すなわち、球通路10bの球出口近傍に遊技釘通路が存在しない場合、球通路10bから流出する遊技球の流れをコントロール(制御)することが難しくなり、球通路10bから流出する遊技球をゲート入口28c側(特に、ゲート上の三角釘を構成する遊技釘16h)に向けて安定的に流下させることが難しくなる。この点、本実施例では、球通路10bから流出する遊技球を誘導する遊技釘(遊技釘16c〜16e)に加え、その遊技球の勢いを抑制する遊技釘(遊技釘16a,16b)を設けること(つまり、遊技釘通路を設けること)で、そのような懸念を排除している。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、遊技釘通路(遊技釘16a〜16e)から流出する遊技球は、その先に設けられた複数の遊技釘で構成される複数の通路(流下経路)のうち、少なくとも、ゲート入口28cに向かわない(ゲート入口28cから離れる)第1通路(第1ルート)と、ゲート入口28cに向かう(ゲート入口28cに近づく)第2通路(第2ルート)の何れかに振り分けられるものとなっている。そして、遊技釘通路を構成する複数の遊技釘16a〜16eのうちの1つである遊技釘16a(調整釘)の角度調整により、遊技釘通路(遊技釘16a〜16e)から流出する遊技球の第1通路と第2通路への振分割合(振分率)を、任意に調整することが可能となっている。加えて、第1通路および第2通路を構成する複数の遊技釘16g〜16iのうちの1つである遊技釘16h(調整釘)の角度調整により、第1通路の通路幅と、第2通路の通路幅を、任意に調整することが可能となっている。これら2箇所の遊技釘の調整により、球通路10bから流出する遊技球に係るゲート入口28c(ゲート28)を通過する可能性(ゲート通過率)の微調整が可能となり、ゲート通過率の適正化や安定化を容易に図れるようになる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、センター装飾体10に、矩形状のゲートセンサ28aを横向きで収容可能な収容部28bを、その外郭(外側部分)がセンター装飾体10の前面側に突出するようにして設けるとともに、この収容部28bの外郭の一部にゲート入口28cおよびゲート出口28dを上下一対で設けることにより、ゲート28を一体成型している。そして、センター装飾体10の前面側に突出する収容部28bの外郭(外側部分)のうち、ゲートセンサ28aの収納部28s(通過穴28hが設けられない側)の上面を覆う部位(外側上部遊技領域面)を左下方に傾斜した傾斜面28tとし、該傾斜面28tによって、ゲート入口28cを通過しない遊技球を左斜め下方へ誘導するもの(誘導面、球誘導部)としている。このように、矩形状のゲートセンサ28aを横向きにして収容部28bに収容する構成とすることで、その収容部28bの外郭(外側部分)を利用して、遊技球を下方へ誘導する誘導面(球誘導部)を形成することが可能となる。これにより、球通路10bから流出した遊技球のうち、ゲート入口28cを通過しない遊技球をゲート入口28cから離れる方向(遠ざかる方向)へ誘導して、ゲート入口28cを通過しようとする遊技球との衝突を回避することが可能となり、この結果、ゲート入口28c(ゲート28)への安定した遊技球の通過を実現することが可能となり、また、遊技球の流下態様を多様化することが可能となる。
また、ゲート28を構成する収容部28bの外郭(外側部分)を遊技球の誘導面(球誘導部)として利用することで、遊技球を誘導するための遊技釘や通路部材を別途設ける必要がないので、部品点数を減らすことが可能となり、遊技機の製造コスト削減を図ることが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、収容部28bにゲートセンサ28aを収容した状態では、該ゲートセンサ28aの一側がセンター装飾体10の裏面側に突出しないものとなっている。これにより、遊技盤裏面側の各種部品の設置スペースを広くすることが可能となる。また、例えば、遊技機の組み立て作業を行うにあたり、収容部28bに収容されたゲートセンサ28aが、他の部品に引っ掛かったり衝突したりすることをなくして、センサや部品の破損・故障等を回避することが可能となる。特に、前述のように、遊技盤2やセンター装飾体10等の盤構成部品を「遊技盤ユニット」と「センター装飾ユニット」とに分けて取り扱う場合、センター装飾ユニットを遊技盤ユニットに取り付けて両者を一体化した後も、収容部28bに収容されたゲートセンサ28aが遊技盤2の裏面側に突出することはない。これにより、センター装飾ユニットを遊技盤ユニットに取り付けたり、センター装飾ユニットが取り付けられた遊技盤ユニットを持ち運んだりする際に、ゲートセンサ28aが他の部品等に衝突して破損したり故障したりするのを防止することが可能となる。
また、本実施例のパチンコ遊技機1では、収容部28bの開口部分を塞ぐカバー部材29を取り付けることが可能となっている。このため、ゲートセンサ28aを収容した収容部28bにカバー部材29を取り付けることで、ゲートセンサ28aを覆い隠すことができるので、ゲートセンサ28aに対して外部からの衝撃が直接加わらないようにして、破損や故障等が生じ難いようにすることが可能となる。さらに、カバー部材29には、遊技盤2やセンター装飾体10の裏面側において各種電気部品の配線を通すことが可能な突出片29a,29bが設けられている。これにより、遊技盤2やセンター装飾体10の裏面側における電気配線を整然と纏めることが可能となる。尚、前述のように遊技盤2やセンター装飾体10等を「遊技盤ユニット」と「センター装飾ユニット」とに分けて取り扱うにあたり、カバー部材29をセンター装飾ユニットに含めることは可能である。
以上、本発明の実施形態として実施例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することが可能である。
例えば、前述の実施例では、センター装飾体10を、中央が開口した枠状(環状)の樹脂成型物とし、該センター装飾体10に、球通路10b、開口10c、収容部28b、ゲート入口28c、ゲート出口28d等を一体成型で設けていたが、センター装飾体10の右側部を別部材で構成し、球通路10b、開口10c、収容部28b、ゲート入口28c、ゲート出口28d等を一体成型で設けてもよい。すなわち、センター装飾体10の下部(ステージ部)から上部の通路形成面10aの終端にかけての略C字状の部分を、センター装飾体を構成する一の構成部品とし、残りの球通路10b(成型物通路)からゲート28にかけての部分(通路151、開口10c、収容部28b、ゲート入口28c、ゲート出口28d等)を、センター装飾体を構成する他の構成部品としてもよい。この場合、他の構成部品を樹脂成型物として一体成型することが可能である。
また、前述の実施例では、センター装飾体10の開口10cに露呈する遊技領域に複数(実施例では11本)の遊技釘を設け、そのうちの5本の遊技釘16a〜16eによって、球通路10bの球出口近傍の遊技釘通路を構成(形成)していたが、遊技釘通路を構成する遊技釘の本数はこれに限定されるものではなく、適宜増減することが可能である。但し、遊技釘通路を構成する遊技釘のうち、球通路(成型物通路)から流出する遊技球の勢いを抑える役割を担う遊技釘(実施例では遊技釘16a,16b)については、1本とすることも可能であるが、複数本(2本以上)とするのが望ましい。右打ちにより発射された遊技球の勢いを鑑みると、その勢いを抑えるのには複数本とするのが、より効果的だからである。
また、前述の実施例では、遊技釘通路(遊技釘16a〜16e)から流出する遊技球を、遊技釘16hと遊技釘16iとの間を通る第1通路(第1ルート)と、遊技釘16gと遊技釘16hとの間を通る第2通路(第2ルート)と、の何れかに振り分けるものとして説明したが、振り分け先はこれに限定されるものではない。例えば、前述の実施例における2つの通路に加え、遊技釘16iと遊技釘16jとの間を通る通路にも振り分けられる可能性を含めてもよい。この場合、遊技釘16iと遊技釘16jとの間を通る通路は、ゲート入口28cから離れる側に位置するという意味においては、当該通路も第1通路(第1ルート)として捉えることが可能であり、あるいは、遊技釘16hと遊技釘16iとの間の第1通路よりも更にゲート入口28cから離れた通路という意味において、当該通路を第3通路(第3ルート)として捉えることも可能である。
また、前述の実施例では、遊技釘通路を構成する5本の遊技釘16a〜16eのうち、1本の遊技釘16aを調整釘としていたが、例えば、遊技釘16aと遊技釘16bの2本を調整釘としたり、これに遊技釘16eを加えた3本を調整釘としたりする等、調整釘を複数本とすることも可能である。同様に、前述の実施例では、遊技釘通路(遊技釘16a〜16e)から流出する遊技球が通過可能な第1通路および第2通路を構成する3本の遊技釘16g〜16iのうち、1本の遊技釘16hを調整釘としていたが、例えば、遊技釘16hと遊技釘16iの2本を調整釘としたり、これに遊技釘16gを加えた3本を調整釘としたりする等、調整釘を複数本とすることも可能である。但し、球通路10bから流出する遊技球の振分率やゲート通過率等の調整を効率よく(簡便に)行うことに鑑みると、前述した実施例のように、少なくとも「遊技釘通路の遊技釘16a」と「第1通路および第2通路の遊技釘16h」の2本を調整釘とするのが望ましい。これより多い本数の調整釘を設けると、球通路10bから流出する遊技球の振分率やゲート通過率等の調整が却って煩雑となるからである。
また、前述の実施例では、球通路10bから流出する遊技球が流下する先(球通路10bの下方)に、遊技球を受入可能なゲート入口28c(球受口)と、該ゲート入口28を通過した遊技球を遊技領域に放出するゲード出口28d(球出口)と、を含んで構成されるゲート28を設けていたが、該ゲート28に代えて、ゲート式ではない入球口を設けることとしてもよい。すなわち、球受口を通過した遊技球を遊技領域に放出せず遊技盤裏側(遊技機外)に排出するものとしてもよい。
また、前述の実施例における変動演出や予告演出等の遊技演出に関し、演出図柄8の色によってチャンス目(特殊表示)を構成するものとしていたが、チャンス目の態様はこれに限定されるものではない。例えば、演出図柄8を構成する各図柄(例えば「1」〜「9」の各図柄)にキャラクタが付されている場合、そのキャラクタの種類によって外れ態様(チャンス目)を分類可能として、3つの演出図柄8L,8C,8Rの夫々に付されたキャラクタの組み合わせにより、チャンス目を構成するようにしてもよい。つまり、遊技者がチャンス目として認識可能な法則性を有するのであれば、そのチャンス目の態様は問わない。
また、前述の実施例では、リーチ外れ変動演出の終了に伴う演出図柄8の確定停止や、SPリーチにて同色発展を行わない場合の演出図柄8の仮停止において、演出図柄8が「同色リーチ外れ目」(チャンス目を構成する態様)で停止表示するのを回避するための一手法として、停止演出図柄の設定に際し、第3停止図柄のコマ数を+1(または−1)することとしていた。このような「同色リーチ外れ目」を回避するための調整用のコマ数は実施例に限定されるものではなく、「同色リーチ外れ目」を回避できるコマ数であれば、そのコマ数は問わない。
また、リーチ外れ目で停止表示する演出図柄8(停止演出図柄)が「同色リーチ外れ目」を構成することとなってしまう場合に、第3停止図柄として、その場合にのみ用いる専用の停止図柄を設定して、同色リーチ外れ目の停止表示を回避(制限)することとしてもよい。つまり、第3停止図柄を、普段は表示(使用)することのない他の専用停止図柄に差し替えるように構成してもよい。専用停止図柄としては、例えば、数字図柄よりもサイズの小さい「星印」や「米印」等、数字図柄と組み合わせて表示しても何の意味もなさない図柄(所謂「ブランク図柄」)が例示できる。これによっても、演出図柄8が「同色リーチ外れ目」(チャンス目を構成する態様)で停止表示するのを回避することが可能となる。
また、前述の実施例では、SPリーチの変動演出パターンに基づく変動演出として、リーチ成立後、3つの演出図柄8L,8C,8Rが外れ態様(リーチ外れ目)で仮停止した後、中演出図柄8Cが変動表示を再開して、当該変動表示中に発展演出を実行し、その後、3つの演出図柄8L,8C,8Rを当否判定の結果に応じた態様で確定停止するものを例示した。すなわち、前述の実施例1,2では、SPリーチにおける仮停止の実行回数を1回とし、これに伴う発展演出の実行回数も1回としていた。これら仮停止や発展演出の実行回数は、前述した実施例に限定されるものではなく、変動演出パターンに応じて様々な回数を定めることも可能である。例えば、SPリーチの種類によって、仮停止の回数を異ならせてもよく、この場合、仮停止や発展演出の実行回数が多いほど、大当り期待度が高まっていく演出内容とすることが可能である。
また、前述の実施例では、SPリーチの変動演出パターンに基づく変動演出にて、3つの演出図柄8L,8C,8Rが外れ態様(リーチ外れ目)で仮停止した後、中演出図柄8Cが変動表示を再開するものとしていたが、3つの演出図柄8L,8C,8Rすべてが変動表示を再開するようにしてもよい。この場合、再変動後に停止表示する3つの演出図柄8L,8C,8Rの各停止図柄(停止演出図柄)については、前述の停止演出図柄設定処理にて変動演出開始の際に設定した停止図柄を再度停止表示したり、前述の停止演出図柄設定処理の要領で再度の停止表示に係る停止図柄を改めて設定したりすることが可能である。
また、前述の実施例では、特別図柄の変動パターンを「P1〜P22」とし、そのうち、変動時間が30000ms以上の変動パターン(P1〜P6,P8〜P10,P12〜P17,P19〜P21)について、リーチ演出が実行され得るものとしていたが、リーチ演出が実行され得る特図変動時間は実施例に限定されるものではなく、また、リーチ演出が実行され得る特図変動パターン(変動時間)の種類・数や、リーチ演出を伴う変動演出パターンの種類・数等も、実施例に限定されるものではない。
また、前述の実施例では、演出図柄8を「1」〜「9」の数字図柄とし、そのうち、「3」「7」を赤図柄、「1」「5」「9」を緑図柄、「2」「4」「6」「8」を青図柄としていたが、図柄色はこれに限定されるものではなく、また、色の数も3色に限定されるものではなく、2色であっても、4色以上であってもよい。要するに、チャンス目(特殊表示)を構成し得る図柄色の態様を採ることが可能であれば、その色の数や種類等は問わない。
また、前述の実施例では、「1」〜「9」の数字図柄を昇順で並べた場合、色の並びが「1」から順に「緑(1)」「青(2)」「赤(3)」「青(4)」「緑(5)」「青(6)」「赤(7)」「青(8)」「緑(9)」となるように構成していた。すなわち、スクロール表示順で連続する「9」と「1」の並びだけ同じ色(緑)が連続するものとなっており、その他の並びは同じ色が連続しないものとなっていた。つまり、前述の実施例では、同じ色が連続する箇所を「9」と「1」の1箇所としていた。この点、同じ色が連続する箇所は1箇所に限定されるものではなく、全部の図柄が同じ色で連続しない限り、2箇所以上存在していてもよい。
また、前述の実施例では、始動入球に基づく事前判定について、特図保留記憶部に記憶した最新の取得乱数値(取得情報)を読み出して、当該読み出した取得乱数値(取得情報)を判定(事前判定)するものとしていたが(「始動入球時処理(S205)」。図11、図13等を参照)、事前判定の手法はこれに限定されるものではない。例えば、特図保留記憶部に加え、事前判定の対象となる取得情報(つまり、始動入球に基づいて取得された取得情報)を記憶する領域(取得情報記憶手段)を主制御部やサブ制御部のRAMに設け、当該記憶領域(事前判定用記憶部)に記憶した取得情報を判定(事前判定)するものとしてもよい。この場合、事前判定の結果を主制御部やサブ制御部のRAMに記憶することで、事前判定に用いた取得情報(別の記憶領域に記憶した取得情報)を消去することも可能である。
また、前述の実施例では、第2特図保留を第1特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図2優先消化の制御処理としたが、これに限らず、第1特図保留を第2特図保留に優先して消化する制御処理、所謂特図1優先消化の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とに優先順位を設定せず、第1特図保留と第2特図保留のうち、最も古く記憶されたものから順に消化する制御処理、所謂入球順(記憶順)消化の制御処理としてもよい。また、第1特図保留の消化と第2特図保留の消化とを並行して実行可能な制御処理としてもよい。
また、前述の実施例では、大当り図柄の種類に基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定する1種タイプのパチンコ遊技機に本発明を適用したものを例示したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、大入賞口(Vアタッカー)に確変作動口としての特定領域(V領域)を備え、大当り遊技中に遊技球が特定領域を通過(V通過)したか否かに基づいて確率変動機能を作動させるか否かを決定する1種タイプのパチンコ遊技機(所謂「V確機」)にも本発明を適用することが可能である。あるいは、特別図柄当否判定の結果が小当りとなることで入球可能となる大入賞口に特定領域(V領域)を備え、小当り遊技の際にその大入賞口に入球した遊技球が特定領域を通過(V通過)すると大当りとなり、当該V通過に基づき大当り遊技が実行される1種2種タイプのパチンコ遊技機にも本発明を適用することも可能である。
さらに、前述の実施例において、演出制御用マイコン91(サブ制御部90)が行う演出制御処理のうち、停止図柄演出処理(S4506)について、実施例と異なる態様を採ることが可能である。以下、停止図柄演出処理の別例について、実施例と異なる点を中心に説明する。尚、本別例に関し、演出図柄8の大当り態様と大当り種別との対応関係は、次のように定められるものとする。すなわち、前述した実施例では、6R第2大当りおよびRUBに対応する大当り態様を「111」「333」「555」「999」の何れかのゾロ目(「7」以外の奇数図柄のゾロ目)としており、6R第3〜第5大当りおよび16R第11大当りに対応する大当り態様を「222」「444」「666」「888」の何れかのゾロ目(偶数図柄のゾロ目)としていた。つまり、16R第1大当りおよび2R第10大当り以外の確変大当りを「7」以外の「奇数図柄」のゾロ目とし、2R第12大当り以外の通常大当り(非確変大当り)を「偶数図柄」のゾロ目としていた。これに対し、本別例においては、6R第2〜第5大当り、RUBおよび16R第11大当りに対応する演出図柄8の大当り態様を、「7」以外の奇数図柄または偶数図柄のゾロ目とする。つまり、6R第2〜第5大当り、RUBおよび16R第11大当りについては、大当り種別(確変大当り、通常大当り)に関係なく、「7」以外の図柄(「1」〜「6」、「8」、「9」の何れか)のゾロ目を、演出図柄8の大当り態様とする。
[停止図柄演出処理の別例]
図53,54は、本別例に係る停止演出図柄設定処理(S5506)を示すフローチャートである。図53は、前述した実施例の図44に置き換わるものであり、図54は、前述した実施例の図45に置き換わるものである。尚、前述した実施例の停止演出図柄設定処理(S4506)のうち、図46に示した処理(リーチ無し外れ変動演出の場合の処理)については、本別例においても共通している。
本別例の停止演出図柄設定処理(S5506)では、まず、今回の変動演出が大当り変動演出であるか否かを判定するが(S5601)、S5601〜S5604の処理は前述した実施例のS4602〜S4604と同様であるため、説明を省略する。そして、S5603にて、今回の大当り変動演出に係る変動態様(変動演出パターン)がSPリーチであると判定した場合(S5603でYES)、当該変動演出にて発展演出に移行する前に仮停止表示する第3停止図柄(中演出図柄8C)を、リーチ図柄に対して「+1コマ」の図柄とするか否か、すなわち、演出図柄8の仮停止表示態様を「中図柄+1コマのリーチ外れ目」とするか否かを判定する(S5605)。
ここで、本別例では、SPリーチにて発展演出前に仮停止する演出図柄8の態様(図柄組み合わせ)を、リーチ図柄の種類に関係なく、リーチ図柄に対して「+1コマ」または「−1コマ」の図柄になることとしている。したがって、「中図柄+1コマのリーチ外れ目」とは、例えば、「121」や「454」や「919」など、リーチ図柄を構成する左演出図柄8L(第1停止図柄)および右演出図柄8R(第2停止図柄)に対して、中演出図柄8Cがスクロール表示順(昇順)で1コマ先の図柄となる外れ態様をいう。また、本別例では「中図柄−1コマのリーチ外れ目」も存在するが、これは、例えば、「212」や「434」や「191」など、リーチ図柄を構成する左演出図柄8L(第1停止図柄)および右演出図柄8R(第2停止図柄)に対して、中演出図柄8Cがスクロール表示順(昇順)で1コマ手前の図柄となる外れ態様をいう。尚、「中図柄+1コマのリーチ外れ目」のことを「+1コマリーチ外れ目」ともいい、「中図柄−1コマのリーチ外れ目」のことを「−1コマリーチ外れ目」ともいう。
S5605の判定は、前述のS4505(図43を参照)にて設定された変動演出パターンに基づいて行うもので、「+1コマリーチ外れ目」で演出図柄8を仮停止するSPリーチの変動演出パターンが設定されている場合には、S5605の判定結果は肯定判定となり、「−1コマリーチ外れ目」で演出図柄8を仮停止するSPリーチの変動演出パターンが設定されている場合には、S5605の判定結果は否定判定となる。つまり、SPリーチに係る変動演出パターンとして、発展演出前の仮停止を「+1コマリーチ外れ目」とするパターンと、「−1コマリーチ外れ目」とするパターンとが予め設けられており、どのパターンが前述のS4505にて設定されるかによって、仮停止する演出図柄8の態様が決まるものとなっている。
そして、S5605にて、演出図柄8の仮停止表示態様を「+1コマリーチ外れ目」とすると判定した場合は(S5605でYES)、仮停止用の第3停止図柄として、リーチ図柄に対して「+1コマ」の図柄を設定する(S5606)。例えば、リーチ図柄が「1」であれば「2」を設定し、リーチ図柄が「5」であれば「6」を設定し、リーチ図柄が「9」であれば「1」を設定する。一方、演出図柄8の仮停止表示態様を「+1コマリーチ外れ目」としないと判定した場合(S5605でNO)、すなわち、「−1コマリーチ外れ目」とする場合は、仮停止用の第3停止図柄として、リーチ図柄に対して「−1コマ」の図柄を設定する(S5607)。例えば、リーチ図柄が「2」であれば「1」を設定し、リーチ図柄が「5」であれば「4」を設定し、リーチ図柄が「1」であれば「9」を設定する。尚、リーチ図柄が「1」または「9」である場合には、「191」や「919」の緑図柄による「同色リーチ外れ目」、すなわち「発展チャンス目」で演出図柄8が仮停止することとなる。
次いで、S5608にて、発展演出実行後の確定停止用の第3停止図柄として、今回の変動演出に係る大当り種別に対応した大当り態様を構成する図柄を設定し(S5608)、本処理を終える。S5608の処理は、前述した実施例のS4610と同様である。
一方、前述のS5601にて、今回の変動演出が大当り変動演出でないと判定した場合(S5601でNO)、すなわち、外れ変動演出である場合、当該外れ変動演出がリーチ有りの変動演出(リーチ外れ変動演出)であるか否かを判定し(S5609)、そうでなければ(S5609でNO)、図46に示したS4625以降の処理に移行し、そうであれば(S5609でYES)、当該外れリーチ変動演出にて停止表示(仮停止、確定停止)する演出図柄8の表示態様を、第3停止図柄(中演出図柄8C)が、リーチ図柄(左演出図柄8L、右演出図柄8R)に対して「+1コマ」の図柄となる「+1コマリーチ外れ目」とするか、リーチ図柄に対して「−1コマ」の図柄となる「−1コマリーチ外れ目」とするかを判定する(S5610,S5614)。
ここで、S5610およびS5614の判定は、前述のS4505(図43を参照)にて設定された変動演出パターンに基づいて行うものとなっている。本別例では、外れリーチA〜Cや外れSPリーチA〜Cの変動演出パターンに基づく変動演出(外れリーチ変動演出)で確定停止し得る演出図柄8の外れ態様として、「+1コマリーチ外れ目」と、「−1コマリーチ外れ目」と、それ以外のリーチ外れ目(±2〜7コマリーチ外れ目)と、が設けられており、これらのうち何れのリーチ外れ目(リーチ外れ態様)で演出図柄8を停止表示するのかが、前述のS4505で設定される外れリーチ変動演出に係る変動演出パターンに応じて定まるものとなっているからである。そして、「+1コマリーチ外れ目」と「−1コマリーチ外れ目」については、外れリーチ(ノーマルリーチ)よりも外れSPリーチの方が選択されやすいもの(選択率:高)となっている。尚、外れSPリーチにおいて発展演出の前に仮停止する演出図柄8の表示態様(図柄組み合わせ、出目)は、確定停止と同じ態様を採ることとしている。また、「±2〜7コマリーチ外れ目」とは、第3停止図柄(中演出図柄8C)が、リーチ図柄(左演出図柄8Lおよび右演出図柄8R)に対して、スクロール表示順(昇順)で、「2〜7コマ」先の図柄となるリーチ外れ目や、「2〜7コマ」手前の図柄となるリーチ外れ目のことをいう。
S5610にて、今回のリーチ外れ変動演出にて停止表示(仮停止、確定停止)する演出図柄8の表示態様を「+1コマリーチ外れ目」とすると判定した場合(S5610でYES)、図示しない第1リーチ図柄決定テーブルをセットし(S5611)、当該テーブルと、S4501で取得したリーチ図柄決定用乱数とに基づいてリーチ図柄を選択し、これを設定する(S5612)。ここで、演出図柄8を構成する「1」〜「9」の数字図柄の色の並びは、前述したように、「1」から順に「緑(1)」「青(2)」「赤(3)」「青(4)」「緑(5)」「青(6)」「赤(7)」「青(8)」「緑(9)」となっている。つまり、スクロール表示順で連続する「9」と「1」の並びを除いて、同じ色が連続する並びとはなっていない。換言すると、「9」と「1」の並びは同じ色(緑色)が連続する並びとなっている。このため、リーチ外れ変動演出にて、仮に、演出図柄8を「+1コマリーチ外れ目」で停止表示する場合、リーチ図柄が「9」であると、第3停止図柄(中演出図柄8C)は「1」となり、停止表示する3つの演出図柄8L,8C,8R(停止演出図柄)は、すべて緑色の「同色リーチ外れ目」となってしまう。これでは、3つの図柄の色がすべて同じとなるチャンス目予告でのチャンス目(同色外れ目)と同じ態様(チャンス目を構成する態様)となってしまい、チャンス目予告でないにもかかわらず「同色外れ目」が出現することとなってしまう。
そこで、本別例では、リーチ図柄として設定可能な図柄種として「9」を除いた図柄種(「1」〜「8」)を規定したリーチ図柄決定テーブル(第1リーチ図柄決定テーブル)を設けている。この第1リーチ図柄決定テーブルをS5611でセットすることにより、S5612では、リーチ図柄として「9」が設定されることはなくなり(リーチ図柄として「9」の設定は制限され)、この場合のリーチ図柄は「1」〜「8」の何れかとなる(S5612)。このように、S5611で第1リーチ図柄決定テーブルをセットすることにより、演出図柄8の停止演出図柄として設定可能な図柄種から、発展チャンス目(同色リーチ外れ目)を構成する図柄種を除くことが可能となり、演出図柄8が発展チャンス目(同色リーチ外れ目)で仮停止することを制限することが可能となる。
次いで、S5613にて、S5612で設定したリーチ図柄に対して「+1コマ」となる図柄を、第3停止図柄として設定し(S5613)、本処理を終える。これにより、当該外れ変動演出にて仮停止や確定停止により停止表示する演出図柄8の表示態様は、リーチ図柄(左演出図柄8Lおよび右演出図柄8R)に対して中演出図柄8Cが1コマ先の図柄となる「+1コマ色違いリーチ外れ目」となる。具体的には、「121(緑青緑)」「232(青赤青)」「343(赤青赤)」「454(青緑青)」「565(緑青緑)」「676(青赤青)」「787(赤青赤)」「898(青緑青)」の何れかとなる。つまり、チャンス目を構成する態様である「同色リーチ外れ目」の設定やその停止表示(仮停止、確定停止)が制限されることとなる。
一方、S5610にて、今回のリーチ外れ変動演出にて停止表示(仮停止、確定停止)するする演出図柄8の表示態様を「+1コマリーチ外れ目」としないと判定した場合(S5610でNO)、「−1コマリーチ外れ目」とするか否かを判定する(S5614)。そして、「−1コマリーチ外れ目」とすると判定した場合(S5614でYES)、図示しない第2リーチ図柄決定テーブルをセットし(S5615)、当該テーブルと、S4501で取得したリーチ図柄決定用乱数とに基づいてリーチ図柄を選択し、これを設定する(S5616)。ここで、第2リーチ図柄決定テーブルとは、前述した第1リーチ図柄決定テーブルと同様の趣旨、すなわち、演出図柄8を「同色リーチ外れ目」で停止表示するのを回避すべく、リーチ図柄として設定可能な図柄種を規定したものである。具体的には、第2リーチ図柄決定テーブルでは、リーチ図柄として設定可能な図柄種として「1」を除いた図柄種(「2」〜「9」)を規定している。この第2リーチ図柄決定テーブルをS5615でセットすることにより、S5616では、リーチ図柄として「1」が設定されることはなくなり(リーチ図柄として「1」の設定は制限され)、この場合のリーチ図柄は「2」〜「9」の何れかとなる(S5616)。このように、S5615で第2リーチ図柄決定テーブルをセットすることにより、演出図柄8の停止演出図柄として設定可能な図柄種から、発展チャンス目(同色リーチ外れ目)を構成する図柄種を除くことが可能となり、演出図柄8が発展チャンス目(同色リーチ外れ目)で仮停止することを制限することが可能となる。
次いで、S5617にて、S5616で設定したリーチ図柄に対して「−1コマ」となる図柄を、第3停止図柄として設定し(S5617)、本処理を終える。これにより、当該外れ変動演出にて仮停止や確定停止により停止表示する演出図柄8の表示態様は、リーチ図柄(左演出図柄8Lおよび右演出図柄8R)に対して中演出図柄8Cが1コマ手前の図柄となる「−1コマ色違いリーチ外れ目」となる。具体的には、「212(青緑青)」「323(赤青赤)」「434(青赤青)」「545(緑青緑)」「656(青緑青)」「767(赤青赤)」「878(青赤青)」「989(緑青緑)」の何れかとなる。つまり、チャンス目を構成する態様である「同色リーチ外れ目」の設定やその停止表示(仮停止、確定停止)が制限されることとなる。
これに対して、S5614にて、今回のリーチ外れ変動演出にて停止表示(仮停止、確定停止)する演出図柄8の表示態様を、「−1コマリーチ外れ目」としないと判定した場合(S5614でNO)、今回のリーチ外れ変動演出で停止表示(仮停止、確定停止)する演出図柄8の表示態様は「±2〜7コマリーチ外れ目」ということになる。この場合、S5618にて、図示しない第3リーチ図柄決定テーブルをセットし(S5618)、当該テーブルと、S4501で取得したリーチ図柄決定用乱数とに基づいてリーチ図柄を選択し、これを設定する(S5619)。ここで、第3リーチ図柄決定テーブルとは、リーチ図柄として設定可能な図柄種を「1」〜「9」として規定したものである。つまり、第3リーチ図柄決定テーブルは、リーチ図柄の図柄種が制限されない場合に用いるテーブルである。
次いで、S5620にて、S5619で設定したリーチ図柄に対して「±2〜7コマ」となる図柄を、第3停止図柄として設定する(S5620)。この「±2〜7コマ」となる図柄の選択は、前述のS4505にて設定された変動演出パターン(ここでは外れリーチ変動演出パターン)や、図示しない第3停止図柄決定テーブル等に基づいて行うことができる。次いで、S5621では、S5619で設定したリーチ図柄(左演出図柄8Lと右演出図柄8R)と、およびS5620で設定した第3停止図柄(中演出図柄8C)が、すべて同じ色の図柄であるか否か、すなわち「同色リーチ外れ目」であるか否かを判定する(S5621)。
ここで、リーチ図柄が「1」〜「9」の何れかであって、当該リーチ図柄に対して「±2〜7コマ」の第3停止図柄が設定される場合、当該リーチ外れ変動演出にて停止表示(仮停止、確定停止)する演出図柄8の表示態様は、例えば「181(緑青緑)」や「272(青赤青)」等の「色違いリーチ外れ目」となるか、「242(青青青)」や「373(赤赤赤)」等の「同色リーチ外れ目」となるが、この場合の「同色リーチ外れ目」については、「191」および「919」以外の「同色リーチ外れ目」となる。「191」および「919」の「同色リーチ外れ目」が除かれるのは、リーチ図柄が「1」である場合、当該リーチ図柄に対して「±2〜7コマ」の第3停止図柄が「9」となることはなく、リーチ図柄が「9」である場合、当該リーチ図柄に対して「±2〜7コマ」の第3停止図柄が「1」となることはないからである。一方、例えば、リーチ図柄が「1」または「9」である場合、第3停止図柄が「5」となる可能性があるため、この場合、「151(緑緑緑)」や「959(緑緑緑)」の「同色リーチ外れ目」となり得る。
S5621にて、「同色リーチ外れ目」でない(「色違いリーチ目」である)と判定した場合(S5621でNO)、本処理を終え、「同色リーチ外れ目」であると判定した場合(S5621でYES)、今回のリーチ外れ変動演出に係る変動演出パターンがSPリーチ(外れSPリーチ)であるか否かを判定する(S5622)。そして、SPリーチでなければ(S5622でNO)、S5620で設定した第3停止図柄を、当該図柄に対して「+1コマ」の図柄に変更して(S5623)、本処理を終える。S5623の処理により、演出図柄8の停止演出図柄として設定可能な図柄種から、発展チャンス目(同色リーチ外れ目)を構成する図柄種を除くことが可能となり、演出図柄8が発展チャンス目(同色リーチ外れ目)で停止表示(仮停止、確定停止)することを制限することが可能となる。その結果、演出図柄8は「色違いリーチ外れ目」で停止表示(仮停止、確定停止)することとなる。
一方、S5622にてSPリーチであると判定した場合(S5622でYES)、当該スーパーリーチ演出の中で発展演出実行後の確定停止用の第3停止図柄として、S5620で設定した第3停止図柄に対して「+1コマ」の図柄を設定して(S5624)、本処理を終了する。つまり、当該スーパーリーチ演出における発展演出実行前(移行前)の仮停止用の第3停止図柄は、S5620で設定した図柄とし、発展演出実行後の確定停止用の第3停止図柄は、S5620で設定した第3停止図柄に対して「+1コマ」の図柄とする。これにより、前述した実施例1と同様に、発展チャンス目(同色リーチ外れ目)の仮停止を経て発展演出へと移行する同色発展が行われ、発展演出後は、演出図柄8が「色違いリーチ外れ目」で確定停止することとなる。S5624の処理により、演出図柄8の確定停止用の停止演出図柄として設定可能な図柄種から、発展チャンス目(同色リーチ外れ目)を構成する図柄種を除くことが可能となり、演出図柄8が発展チャンス目(同色リーチ外れ目)で確定停止することを制限することが可能となる。
以上の本別例に係る停止演出図柄設定処理(S5506)を行う場合においても、前述した実施例と同様の演出制御に係る作用効果を奏することが可能であるが、本別例では、外れリーチパターンに基づく変動演出(リーチ外れ変動演出)が行われる場合であって、当該リーチ外れ変動演出にて演出図柄8を「+1コマリーチ外れ目」または「−1コマリーチ外れ目」で停止表示(仮停止、確定停止)する場合のリーチ図柄の選択(設定)に際し、「同色リーチ外れ目」(チャンス目)を構成し得るリーチ図柄種(本別例では「1」または「9」)を予め排除したリーチ図柄決定テーブル(第1リーチ図柄決定テーブル、第2リーチ図柄決定テーブル)を使用することで、当該リーチ外れ変動演出にて演出図柄8がチャンス目(同色リーチ外れ目)を構成する態様で停止表示(仮停止、確定停止)するのを回避するものとしている。このように、チャンス目を構成し得るリーチ図柄種を予め排除したリーチ図柄決定テーブルを用いることで、チャンス目を構成する態様による演出図柄8の確定停止表示がチャンス目予告と無関係に(意味なく)出現しないようにすることの確実性を増すことが可能となる。
また、本別例においても、前述した実施例と同様に、外れSPリーチの変動演出パターンに基づく変動演出において、発展演出の実行前に演出図柄8が「同色リーチ外れ目」、すなわち「発展チャンス目」で仮停止し得るものとなっており、「発展チャンス目」の仮停止後に、発展演出が行われるものとなっている(S5621,S5622,S5624を参照)。これに加え、本別例では、リーチ外れ変動演出で仮停止し得る「同色リーチ外れ目」からは、「191」および「919」の「同色リーチ外れ目」が除かれている。一方、大当りSPリーチの変動演出パターンに基づく変動演出では、リーチ図柄が「1」または「9」である場合に、「191」や「919」の緑図柄による「同色リーチ外れ目」(発展チャンス目)で演出図柄8が仮停止するものとなっている。このため、本別例では、演出図柄8の変動表示(変動演出)の開始後、左演出図柄8Lおよび右演出図柄8Rにより「1」または「9」の図柄種でリーチ成立となった場合、その時点で大当り確定となり、その後に仮停止する「191」または「919」の同色リーチ外れ目は「大当り確定の同色リーチ外れ目」ということになる。これにより、本別例においても、チャンス目を構成する態様による演出図柄8の確定停止表示がチャンス目予告と無関係に(意味なく)出現することを防ぎつつ、特定の図柄種によるリーチ成立や同色リーチ外れ目に、発展演出確定や大当り確定といった意味合いを付加することが可能となり、チャンス目演出のバリエーションを増やすことが可能となる。
[その他]
以下、本明細書で開示した実施形態(実施例)に関連する発明を参考発明として開示しておく。
(参考発明1)
従来、パチンコ遊技機等の遊技機は、遊技球が流下可能な遊技領域を表面(盤面)に形成してなる遊技盤を備えている。遊技領域には、入賞口やゲート等、遊技球が入球可能な種々の入球口が設けられるとともに、複数の遊技釘が設けられている。遊技領域に向けて発射された遊技球は、遊技釘に衝突しながら遊技領域を流下していくことで、その流下する方向や勢い(速度)に変化が与えられる。また、所謂「センター役物」や「センターフレーム」と呼ばれる枠状の装飾部材を備えるとともに、その枠状装飾部材の中央開口を介して表示内容が視認可能となる演出表示装置を備えたものも多く存在する。この種の遊技機は、最近では、演出表示装置(表示面)の大型化が進み、これに伴って枠状装飾部材も大型化し、その結果、遊技領域が狭く(小さく)なっている。そこで、枠状装飾部材の外縁の一部に遊技球が流下可能な遊技球通路を形成することで、演出表示装置等の大型化に対応している(例えば、特開2012−61052号公報)。
しかしながら、枠状装飾部材に形成される遊技球通路には、その通路幅の関係上、遊技釘が設けられないのが一般的である。このため、遊技球通路から流出する遊技球の流れを安定させることが難しいという問題があった。本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、遊技球通路から流出する遊技球の流れの安定化を図ることが可能な遊技機を提供することにある。
前述した課題を解決するための参考発明1−1の遊技機は、
遊技球が流下可能な遊技領域を表面に形成してなる遊技盤を備えた遊技機であって、
前記遊技領域には、遊技球が通過可能な通路として、樹脂成型物で構成された成型物通路と、遊技釘で構成された遊技釘通路と、が設けられ、
前記遊技釘通路は、前記成型物通路の球出口近傍であって、前記成型物通路から流出する全ての遊技球が通過する位置に設けられ、
前記遊技釘通路を構成する遊技釘の少なくとも一部を、前記遊技釘通路から流出する遊技球の流出方向を調整可能な調整釘としたことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、遊技領域(遊技盤面)に、樹脂成型物で構成された成型物通路と、遊技釘で構成された遊技釘通路と、が設けられており、遊技釘通路は、成型物通路の球出口近傍であって成型物通路から流出する全ての遊技球が通過する位置に設けられている。そして、遊技釘通路を構成する遊技釘の少なくとも一部が、遊技釘通路から流出する遊技球の流出方向を調整可能な調整釘となっている。この調整釘の存在により、遊技釘通路から流出する遊技球、すなわち、成型物通路から流出した遊技球の流れを任意に調整することが可能となり、延いては、成型物通路から流出する遊技球の流れの安定化を図ることが可能となる。
また、参考発明1−2の遊技機は、参考発明1−1の遊技機において、
前記成型物通路と前記遊技釘通路との間隔は、遊技球の直径よりも短いことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、成型物通路と遊技釘通路との間隔が、遊技球の直径よりも短いものとなっている。これにより、成型物通路から流出する遊技球は必ず遊技釘通路を通過することとなるため、成型物通路から流出する遊技球の流れの安定化が図りやすくなる。
また、参考発明1−3の遊技機は、参考発明1−1又は参考発明1−2の遊技機において、
前記成型物通路および前記遊技釘通路の通路幅は、遊技球の直径の2倍より短いことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、成型物通路の通路幅と遊技釘通路の通路幅が、それぞれ遊技球の直径の2倍より短いものとなっている。このため、成型物通路および遊技釘通路を通過する遊技球は、成型物通路に進入した順で通過して、1個ずつ通路から流出することとなる。これにより、成型物通路から流出する遊技球の流れの安定化が図りやすくなる。
また、参考発明1−4の遊技機は、参考発明1−1乃至参考発明1−3の何れか一つの遊技機において、
前記遊技釘通路から流出する遊技球は、所定の第1通路または第2通路に振り分けられ、
前記調整釘を調整することで、前記遊技釘通路から流出する遊技球の前記第1通路と前記第2通路への振分割合を変化可能であることを特徴とするものである。
参考発明1−4の遊技機では、遊技釘通路から流出する遊技球は、所定の第1通路または第2通路に振り分けられるものとなっており、遊技釘通路を構成する遊技釘の少なくとも一部である調整釘を調整することで、遊技釘通路から流出する遊技球の第1通路と第2通路への振分割合を変化可能となっている。これにより、成型物通路から流出する遊技球を、遊技釘通路を介して、第1通路または第2通路に安定的に振り分けることが可能となる。
また、参考発明1−5の遊技機は、参考発明1−4の遊技機において、
前記第1通路および前記第2通路は複数の遊技釘で形成され、該複数の遊技釘の少なくとも一部の遊技釘を、前記第1通路および前記第2通路の通路幅を調整可能な調整釘としたことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第1通路および第2通路が複数の遊技釘で形成され、該複数の遊技釘の少なくとも一部の遊技釘が、第1通路および第2通路の通路幅を調整可能な調整釘となっている。これにより、遊技釘通路から流出して第1通路または第2通路に振り分けられる遊技球が、その先の第1通路または第2通路を通過し易くなるのか通過し難くなるのかを、任意に調整することが可能となる。
また、参考発明1−6の遊技機は、参考発明1−4又は参考発明1−5の遊技機において、
前記遊技釘通路から流出した遊技球が通過可能な球受口を備え、
前記第1通路を通過した遊技球は前記球受口を通過不能であり、前記第2通路を通過した遊技球が前記球受口を通過可能であることを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、遊技釘通路から流出した遊技球が通過可能な球受口を備え、遊技釘通路から流出した遊技球のうち、第1通路を通過した遊技球は球受口を通過しないものとなっており、第2通路を通過した遊技球が球受口を通過し得るものとなっている。これにより、成型物通路から流出する遊技球が球受口を通過する割合(通過率)の適正化とともに、その安定化を図ることが可能となる。
また、参考発明1−7の遊技機は、参考発明1−6の遊技機において、
前記遊技盤に取り付けられる特定部材を備え、
前記成型物通路および前記球受口は、前記特定部材に一体成型されており、
前記特定部材における前記成型物通路の球出口と前記球受口との間には、前記遊技盤の表面を露呈して該露呈した箇所に遊技釘を配設可能とする開口が設けられ、
前記開口内に、前記遊技釘通路と、前記第1通路および前記第2通路が設けられることを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、成型物通路および球受口が、遊技盤に取り付けられる特定部材に一体成型されている。また、特定部材における成型物通路の球出口と球受口との間には、遊技盤の表面を露呈して該露呈した箇所に遊技釘を配設可能とする開口が設けられており、該開口内に、遊技釘通路と、第1通路および第2通路が設けられるものとなっている。これにより、成型物通路から流出する遊技球が球受口を通過する割合の適正化や安定化を、簡便な構成で実現可能となる。
また、参考発明1−8の遊技機は、参考発明1−7の遊技機において、
前記特定部材には、前記球受口を通過した遊技球を検知する球検知センサを収容可能な収容部が形成され、
前記収容部は、前記球検知センサを、該球検知センサの長手方向が前記遊技盤の表面に対して平行になる横向きとして収容可能な形状とされ、
前記収容部の外郭の一部を、前記球受口を通過しない遊技球を前記球受口から離間する方向へ誘導可能な誘導面としたことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、球受口を通過した遊技球を検知する球検知センサを収容可能な収容部が特定部材に形成されており、その収容部は、球検知センサを横向き(球検知センサの長手方向を遊技盤面に対して平行にした状態)で収容可能な形状となっており、この収容部の外郭の一部が、受入口を通過しない遊技球を球受口から離間する方向へ誘導可能な誘導面となっている。つまり、収容部は、球検知センサの長手方向(横方向)のサイズ(寸法)に合わせた横長形状となっており、その横長形状の収容部の外郭を活かして、球受口を通過しない遊技球が球受口側へ向かわないようにする誘導面を設けている。これにより、球検知センサ収容部の外郭を活かして、成型物通路から流出した遊技球の安定した球受口への通過を実現することが可能となる。
(参考発明2)
また、前述した実施例の他の遊技機として以下の態様を挙げることができる。従来、パチンコ遊技機等の遊技機において、検知センサで遊技球を検知すると識別情報を所定の変動態様に基づいて変動表示し、その識別情報が特定態様で停止表示すると、遊技者に所定の利益を付与可能な特別遊技を行うものや、検知センサで遊技球を検知することに基づいて所定の利益を付与する遊技機が知られている。この種の遊技機に搭載されている遊技球を検知する検知センサは、外形が矩形状とされており、長手方向の一方側に遊技球が通過する球通過穴が形成され、長手方向の他方側に基板等の電子部品を収納する箱部が形成されている(例えば、特開2016−172155号公報)。
前述のような従来の遊技機では、検知センサの長手方向の一方側となる球通過穴を遊技盤の遊技領域側に突出させて、遊技領域の上流から流下してきた遊技球を球通過穴で受入れ、当該球通過穴を通過した遊技球を検知する構成としている。そして、検知センサの長手方向の他方側となる箱部を遊技盤裏面側に配置している。すなわち、遊技球を検知する検知センサを、矩形状の検知センサの長手方向が遊技盤の表面に対して略垂直となる向きで設置している。
このような態様で検知センサを設置すると、遊技領域側には球通過部だけが突出し、余分な部分が突出しないため、遊技領域を広く確保することが可能となる。その反面、遊技盤の裏面側には検知センサの箱部側が位置することとなるため、検知センサを取付けた遊技盤部品を移送する際に当該検知センサが他の部材等に衝突して故障したり、遊技盤の裏面側領域を広く使用できなかったりする場合がある。本発明は、前述した事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、検知センサの設置態様によって、検知センサの故障を防止すると共に、遊技盤裏面側のスペースを広くし、趣向性の高い遊技機を提供することにある。
前述した課題を解決するための参考発明2−1の遊技機は、
前面に遊技領域が形成される遊技盤と、
前記遊技領域を流下する遊技球を受入れ可能な球受口、及び、前記球受口から受入れた遊技球を検知する検知センサを収容可能な収容部を有して構成され、前記遊技盤の前面に取付可能な取付部材と、
前記収容部に収容され、遊技球を検知可能な検知センサと、を備え、
前記検知センサは、長手方向を前記遊技盤の表面に対して略平行にして、横向きに前記収容部に収容されることを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、遊技領域が形成される遊技盤の前面に取付け可能であって球受口と収容部とを有する取付部材と、当該取付部材の収容部に収容される検知センサと、を備えている。そして、検知センサは、取付部材の収容部に、当該検知センサの長手方向を遊技盤の表面に対して略平行に、横向きで収容される。これにより、遊技盤裏面側への検知センサが突出することを抑え、遊技盤裏面側の部品配置スペースを広くすることが可能となる。ここで、検知センサは、その上面側の外形が略矩形状とされており、当該矩形状の上面の長手方向一方側には上面から仮面に向けて遊技球が通過する通過穴が形成されている。また、長手方向一方側には基板や電気配線やコネクタ等の電気部品を収納する箱部が形成されている。このような検知センサ(球受口及び球出口を含んでもよい)を遊技球が通過可能な「遊技球通過ゲート」ともいう。
また、参考発明2−2の遊技機は、参考発明2−1の遊技機において、
前記取付部材は、前記球受口から受入れた遊技球を前記遊技領域に流下させる球出口を有し、
前記球受口、前記収容部、及び、前記球出口は、前記遊技盤の前面側に突出して設けられ、
前記取付部材を前記遊技盤の前面に取付けた状態において、前記収容部に収容される前記検知センサは、前記遊技盤の裏面側に突出しないことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、取付部材は、遊技領域を流下する遊技球を受け入れる球受口と、当該球受口で受け入れた遊技球を検知する検知センサを収容する収容部と、当該検知センサで検知した遊技球を遊技領域に流下させる球出口を有している。そして、これら球受口、収容部、及び、球出口は、遊技盤の前面側に突出して設けられている。また、取付部材を遊技盤の前面に取付けた状態において、収容部に収容される検知センサは、遊技盤の裏面側に突出しないように設けられている。
これにより、検知センサを収容部に収容した取付部材を遊技盤前面に取付けた状態において、検知センサが遊技盤裏面側に突出しない構成としたので、取付部材を取付けた遊技盤を移動したり、移送したりする際に、検知センサが他の部品等と衝突して損傷するのを極力防止することが可能となる。またこれにより、遊技盤裏面側の部品配置スペースを広くすることが可能となる。
また、参考発明2−3の遊技機は、参考発明2−2の遊技機において、
前記検知センサは、矩形状の筐体の長手方向一方側に遊技球が通過可能な通過穴を有すると共に、長手方向他方側に電子部品を収納する箱部を有して構成され、
前記取付部材は、前記収容部のうち、少なくとも前記箱部を収容する部分の外側上部遊技領域面が、遊技球を下方に誘導する傾斜状の球誘導部として形成され、
前記球受口に受入れられなかった遊技球を、前記球誘導部によって下方の前記遊技領域に誘導することを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、検知センサは矩形状の筐体を有している。そして、当該筐体の長手方向一方側には遊技球が通過する通過穴を有し、当該筐体の長手方向多方側には電子部品(例えば、基板やコネクタ等)を収納する箱部を有している。また、取付部材は、検知センサを収容する収容部のうち、少なくとも箱部を収容する部分の遊技領域側となる、外側上部遊技領域面に、遊技球を下方に誘導する傾斜状の球誘導部を形成している。そして、この球誘導部により、球受口に受入れられなかった遊技球を下方の遊技領域に誘導するものとしている。
これにより、遊技盤裏面側に突出させないかわりに、遊技盤前面側に突出する検知センサの箱部に対して、その外側上部(収容部外側の遊技領域面)を、遊技球を下方に誘導する球誘導面とすることで、遊技球を効率的に流下させることが可能となる。また、球受口に受入れる遊技球は通過穴を通過させ、球受口に受入れられなかった遊技球を箱部上部の球誘導面で遊技領域下方(球受口から遠ざかる方向)に誘導することで、遊技球の流下態様を多様化することが可能となる。
また、参考発明2−4の遊技機は、参考発明2−1乃至参考発明2−3の遊技機において、
前記取付部材の裏面側には、前記収容部の開口をカバーするカバー部材を有し、
前記カバー部材には、電気配線を所定方向に誘導可能な電気配線誘導部を設けることを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、検知センサを収容する収容部の開口部をカバーするカバー部材を設け、当該カバー部材には、電気配線を所定方向に誘導してまとめる電気配線誘導部を設ける。これにより、カバー部材により、収容部から検知センサが抜け落ちるのを防止すると共に、当該検知センサから伸びる電気配線や他の電気部品の配線を遊技盤裏面側で整理し、所定方向に効率よく誘導することが可能となる。またこれにより、遊技盤裏面側に設けた遊技部品等の設置スペースを有効活用することが可能となる。
また、参考発明2−5の遊技機は、
前面に遊技領域が形成される遊技盤を含んで構成される第1ユニットと、
前記遊技領域を流下する遊技球を受け入れ可能な球受口、前記球受口から受入れた遊技球を検知する検知センサを収容可能な収容部、及び、前記球受口から受入れた遊技球を前記遊技領域に流下させる球出口を有して構成される取付部材と、前記収容部に収容され、遊技球を検知可能な検知センサと、を含んで構成される第2ユニットと、
を備え、
前記検知センサは、長手方向を前記遊技盤の表面に対して略平行にして、横向きに前記収容部に収容されており、
前記第2ユニットを、前記第1ユニットの前記遊技盤の前面に取付けて構成した遊技機であって、
前記第2ユニットを、前記第1ユニットに取付けた状態において、
前記球受口、前記収容部、及び、前記球出口は、前記遊技盤の前面側に突出して設けられ、
前記収容部に収容される前記検知センサは、前記遊技盤の裏面側に突出しないことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、遊技盤を含んで構成される第1ユニットと、取付部材及び検知センサを含んで構成される第2ユニットと、を備え、検知センサは、第2ユニットにおいて、長手方向を遊技盤の表面に対して略平行に、横向きに収容されている。また、第2ユニットを、第1ユニットの遊技盤の前面に取付けて遊技機を構成するものとし、第2ユニットを第1ユニットに取付けた状態において、検知センサは遊技盤の裏面側に突出しない構成としている。
これにより、検知センサを取付部材に収容した状態でユニット化し(第2ユニット)、当該ユニットを、遊技盤を含む第1ユニットに取付ける構成としている。また、第2ユニットの取付部材の収容部に対して、検知センサを長手方向を横にして横向きに収容しているため、第2ユニット裏面側への検知センサの突出を抑えることが可能となる。またこれにより、第2ユニットを移動させる際や、第2ユニットを第1ユニットに取付ける際に、検知センサが他の部品等と衝突して損傷するのを極力防止することが可能となる。
また、参考発明2−6の遊技機は、参考発明2−5の遊技機において、
前記収容部に収容される前記検知センサは、前記取付部材の裏面側に突出しないことを特徴とするものである。
このような遊技機によれば、第2ユニットの取付部材に収容する検知センサを、取付部材の裏面側に突出させない構成としている。これにより、検知センサが取付部材、すなわち、第2ユニットの裏面側に突出しないので、第2ユニットを移動させる(第2ユニット単独で持ち運ぶ)際や、第2ユニットを第1ユニットに取付ける際等に、検知センサが他の部品等と衝突して損傷するのを極力防止することが可能となる。