JP2019007916A - 燃料貯蔵ピット用内挿物 - Google Patents

燃料貯蔵ピット用内挿物 Download PDF

Info

Publication number
JP2019007916A
JP2019007916A JP2017126198A JP2017126198A JP2019007916A JP 2019007916 A JP2019007916 A JP 2019007916A JP 2017126198 A JP2017126198 A JP 2017126198A JP 2017126198 A JP2017126198 A JP 2017126198A JP 2019007916 A JP2019007916 A JP 2019007916A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fuel storage
storage pit
fuel
control rod
rod
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2017126198A
Other languages
English (en)
Inventor
千博 西▲崎▼
Chihiro Nishizaki
千博 西▲崎▼
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Heavy Industries Ltd filed Critical Mitsubishi Heavy Industries Ltd
Priority to JP2017126198A priority Critical patent/JP2019007916A/ja
Publication of JP2019007916A publication Critical patent/JP2019007916A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E30/00Energy generation of nuclear origin
    • Y02E30/30Nuclear fission reactors

Landscapes

  • Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)

Abstract

【課題】燃料貯蔵ピット用内挿物において、核燃料の貯蔵における安全性の向上を図ると共に視認性の向上を図る。【解決手段】正方形状をなして複数の貫通孔72が形成される支持板61と、基端部が支持板61における一方の平面部の中心位置に連結される支持ロッド62と、支持ロッド62の他端部に連結されて支持板61に略平行をなす吊り棒63と、支持板61における他方の平面部側に装着されて中性子吸収材が充填される複数の制御棒64と、挿入方向の手前側から視認して識別可能な識別部材65とを設けている。【選択図】図1

Description

本発明は、原子炉で使用する核燃料を燃料貯蔵ピットへ一時的に貯蔵する時に使用される燃料貯蔵ピット用制御棒集合体などの燃料貯蔵ピット用内挿物に関するものである。
原子力発電プラントの一つとして、加圧水型原子炉を有するプラントがあり、この加圧水型原子炉は、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、一次系全体にわたって沸騰しない高温高圧水とし、この高温高圧水を蒸気発生器に送って熱交換により蒸気を発生させるものであり、この蒸気をタービン発電機へ送って発電することができる。
このような原子力発電プラントは、原子炉建屋に燃料貯蔵ピットが設けられており、この燃料貯蔵ピットは、燃料プール内に複数の燃料を立てた状態で収納可能な燃料ラックが設置されて構成されている。そのため、燃料貯蔵ピットは、原子炉装荷前の新燃料や原子炉内で使用された使用済燃料などを取り出して燃料ラック内に一時的に貯蔵可能であり、また、燃料ラック内に貯蔵された使用済燃料や新燃料を原子炉内に装荷可能となっている。
ところで、新燃料や原子炉内の使用済燃料は、燃料ラックに収納された状態で、燃料プールに貯留された冷却水に浸漬された状態で維持されている。このような技術として、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。
特開2013−195164号公報
従来の燃料貯蔵ピットでは、使用済燃料を燃料プール内の冷却水に浸漬することで、冷却すると共に、核分裂連鎖反応が定常的に持続する臨界を阻止している。ところが、地震などで燃料プールが破損し、燃料プールから冷却水が漏洩すると、燃料貯蔵ピットに貯蔵されている燃料が臨界に至る可能性が生じ、安全性を担保することが困難となる。
本発明は上述した課題を解決するものであり、核燃料の貯蔵における安全性の向上を図ると共に視認性の向上を図る燃料貯蔵ピット用内挿物を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するための本発明の燃料貯蔵ピット用内挿物は、燃料貯蔵ピットに収納される燃料集合体に対して挿入される燃料貯蔵ピット用内挿物において、挿入方向の手前側から視認して識別可能な識別部材が設けられる、ことを特徴とするものである。
従って、燃料貯蔵ピットに挿入された燃料貯蔵ピット用内挿物は、識別部材が設けられることから、作業者は、燃料貯蔵ピット用内挿物の挿入方向の手前側から識別部材を視認して識別することができ、燃料貯蔵ピット用内挿物の種類を容易に確認することができる。その結果、燃料貯蔵ピット用内挿物の炉内への誤装荷及び挿入間違いの有無を容易に確認することができ、核燃料の貯蔵における安全性の向上を図ることができると共に、視認性の向上を図ることができる。
本発明の燃料貯蔵ピット用内挿物では、挿入方向に沿って延出される支持ロッドと、前記支持ロッドにおける長手方向の一端部に連結される吊り具とを備え、前記識別部材は、前記吊り具に設けられることを特徴としている。
従って、識別部材を吊り具に設けることから、作業者は、燃料貯蔵ピット用内挿物の挿入方向の手前側から識別部材を容易に視認することができ、視認性の向上を図ることができる。
本発明の燃料貯蔵ピット用内挿物では、前記吊り具は、上面が平面形状をなし、前記上面に前記識別部材が設けられることを特徴としている。
従って、吊り具の上面を平面形状として識別部材を設けることから、燃料貯蔵ピット用内挿物を燃料貯蔵ピットに配置したとき、上方へ突出するものがなくなり、燃料貯蔵ピットに対する核燃料の出し入れを容易に行うことができると共に、識別部材を容易に視認することで視認性の向上を図ることができる。
本発明の燃料貯蔵ピット用内挿物では、前記吊り具は、前記支持ロッドの他端部の外周部に固定される複数のロッド部を有し、前記複数のロッド部のうちの少なくとも一つの前記ロッド部の先端部に前記識別部材が設けられることを特徴としている。
従って、吊り具を構成するロッド部の先端部に識別部材を設けることから、吊り装置が吊り具のロッド部を掴んで燃料貯蔵ピット用内挿物を昇降させるとき、識別部材が吊り作業の邪魔になることはなく、作業者は適正に識別部材を視認することができる。
本発明の燃料貯蔵ピット用内挿物では、前記支持ロッドと前記吊り具は、移動不能に連結されることを特徴としている。
従って、支持ロッドと吊り具を移動不能に連結することで、構造の簡素化、軽量化、低コスト化を図ることができる。
本発明の燃料貯蔵ピット用内挿物では、前記識別部材は、前記吊り具に溶接により固定されることを特徴としている。
従って、識別部材を溶接により吊り具に固定することで、識別部材が燃料貯蔵ピット用内挿物から脱落することがなく、安全性を向上することができる。
本発明の燃料貯蔵ピット用内挿物では、前記識別部材は、前記吊り具に異形状部として形成されることを特徴としている。
従って、識別部材を吊り具に異形状部として形成することで、識別部材が燃料貯蔵ピット用内挿物から脱落することがなく、安全性を向上することができる。
本発明の燃料貯蔵ピット用内挿物では、前記識別部材は、前記吊り具に形成される識別記号であることを特徴としている。
従って、識別部材を吊り具に形成される識別記号とすることで、識別部材が燃料貯蔵ピット用内挿物から脱落することがなく、安全性を向上することができると共に、製造コストを低減することができる。
本発明の燃料貯蔵ピット用内挿物では、前記識別部材は、前記吊り具に形成される着色部材であることを特徴としている。
従って、識別部材を吊り具に形成される着色部材とすることで、識別部材が燃料貯蔵ピット用内挿物から脱落することがなく、安全性を向上することができると共に、製造コストを低減することができる。
本発明の燃料貯蔵ピット用内挿物では、矩形状をなして複数の貫通孔が形成されると共に中心部に前記支持ロッドの長手方向の他端部が連結される支持板と、前記支持板に装着されて中性子吸収材が充填される複数の制御棒とを備えることを特徴としている。
従って、支持板と支持ロッドと吊り具と複数の制御棒により燃料貯蔵ピット用内挿物としての燃料貯蔵ピット用制御棒集合体が構成されることで、構造の簡素化、軽量化、低コスト化を図ることができると共に、この燃料貯蔵ピット用制御棒集合体が装荷された核燃料を燃料貯蔵ピットに配置することで、この核燃料の未臨界状態を維持することができ、核燃料の貯蔵における安全性の向上を図ることができる。
本発明の燃料貯蔵ピット用内挿物では、前記制御棒は、中空管内に銀とインジウムとカドミウムの合金が充填されて構成されることを特徴としている。
従って、制御棒により中性子を適正に吸収して核燃料の未臨界状態を十分に維持することができる。
本発明の燃料貯蔵ピット用内挿物では、前記制御棒は、中空管内に炭化ホウ素が充填されて構成されることを特徴としている。
従って、制御棒により中性子を適正に吸収して核燃料の未臨界状態を十分に維持することができる。
本発明の燃料貯蔵ピット用内挿物では、前記制御棒は、中空管内に炭化ホウ素と酸化アルミニウムとが充填されて構成されることを特徴としている。
従って、制御棒により中性子を適正に吸収して核燃料の未臨界状態を十分に維持することができる。
本発明の燃料貯蔵ピット用内挿物では、前記制御棒は、中空管内にホウケイ酸ガラスが充填されて構成されることを特徴としている。
従って、制御棒により中性子を適正に吸収して核燃料の未臨界状態を十分に維持することができる。
本発明の燃料貯蔵ピット用内挿物では、前記制御棒は、中空管内にハフニウムが充填されて構成されることを特徴としている。
従って、制御棒により中性子を適正に吸収して核燃料の未臨界状態を十分に維持することができる。
本発明の燃料貯蔵ピット用内挿物によれば、核燃料の貯蔵における安全性の向上を図ることができると共に、視認性の向上を図ることができる。
図1は、第1実施形態の燃料貯蔵ピット用制御棒集合体を表す正面図である。 図2は、第1実施形態の燃料貯蔵ピット用制御棒集合体を表す平面図である。 図3は、原子力発電プラントを表す概略構成図である。 図4は、原子炉建屋を表す概略図である。 図5は、第2実施形態の燃料貯蔵ピット用制御棒集合体を表す正面図である。 図6は、第3実施形態の燃料貯蔵ピット用制御棒集合体を表す正面図である。 図7は、燃料貯蔵ピット用制御棒集合体を表す平面図である。 図8は、第3実施形態の第1変形例の燃料貯蔵ピット用制御棒集合体を表す平面図である。 図9は、第3実施形態の第2変形例の燃料貯蔵ピット用制御棒集合体を表す平面図である。 図10は、第4実施形態の燃料貯蔵ピット用制御棒集合体を表す平面図である。 図11は、第4施形態の変形例の燃料貯蔵ピット用制御棒集合体を表す平面図である。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る燃料貯蔵ピット用制御棒集合体の好適な実施形態を詳細に説明する。なお、この実施形態により本発明が限定されるものではなく、また、実施形態が複数ある場合には、各実施形態を組み合わせて構成するものも含むものである。
[第1実施形態]
図3は、原子力発電プラントを表す概略構成図、図4は、原子炉建屋を表す概略図である。
第1実施形態の原子力発電プラントに適用された原子炉は、軽水を原子炉冷却材及び中性子減速材として使用し、一次系全体にわたって沸騰しない高温高圧水とし、この高温高圧水を蒸気発生器に送って熱交換により蒸気を発生させ、この蒸気をタービン発電機へ送って発電する加圧水型原子炉(PWR:Pressurized Water Reactor)である。
加圧水型原子炉を有する原子力発電プラントにおいて、図3に示すように、原子炉格納容器11内には、加圧水型原子炉12及び蒸気発生器13が格納されており、この加圧水型原子炉12と蒸気発生器13とは冷却水配管14,15を介して連結されており、冷却水配管14に加圧器16が設けられ、冷却水配管15に冷却水ポンプ17が設けられている。この場合、減速材及び一次冷却水として軽水を用い、炉心部における一次冷却水の沸騰を抑制するために、一次冷却系統は加圧器16により160気圧程度の高圧状態を維持するように制御している。従って、加圧水型原子炉12にて、核燃料として低濃縮ウランまたはMOXにより一次冷却水として軽水が加熱され、高温の一次冷却水が加圧器16により所定の高圧に維持された状態で冷却水配管14を通して蒸気発生器13に送られる。この蒸気発生器13では、高温高圧の一次冷却水と二次冷却水との間で熱交換が行われ、冷やされた一次冷却水は冷却水配管15を通して加圧水型原子炉12に戻される。
蒸気発生器13は、原子炉格納容器11の外部に設けられたタービン18及び復水器19と冷却水配管20,21を介して連結されており、冷却水配管21に給水ポンプ22が設けられている。また、タービン18には発電機23が接続され、復水器19には冷却水(例えば、海水)を給排する取水管24及び排水管25が連結されている。従って、蒸気発生器13にて、高圧高温の一次冷却水と熱交換を行って生成された蒸気は、冷却水配管20を通してタービン18に送られ、この蒸気によりタービン18を駆動して発電機23により発電を行う。タービン18を駆動した蒸気は、復水器19で冷却された後、冷却水配管21を通して蒸気発生器13に戻される。
このように構成された原子力発電プラントの原子炉格納容器11は、図4に示すように、原子炉建屋31内に収容されている。原子炉建屋31は、岩盤などの堅固な地盤32上に設置されており、鉄筋コンクリートなどにより内部に複数のコンパートメントが区画され、中央部に原子炉格納容器11が設置されている。そして、原子炉格納容器11は、内部にコンクリート構造物33が形成され、このコンクリート構造物33により加圧水型原子炉12が垂下して支持され、下方に位置してキャビティ34が画成されている。
また、原子炉建屋31は、原子炉格納容器11に隣接して燃料取扱建屋35が設置され、この燃料取扱建屋35内に燃料貯蔵ピット36が設けられている。この燃料貯蔵ピット36は、燃料プール37と、この燃料プール37の内部に設置される燃料ラック38とから構成されている。燃料ラック38は、加圧水型原子炉12で使用された使用済の核燃料、または、これから加圧水型原子炉12で使用する新しい核燃料を一時的に貯蔵するものである。燃料プール37は、冷却水が貯留されており、燃料ラック38に貯蔵された核燃料は、この燃料プール37内の冷却水に浸漬されて冷却される。ここで、核燃料とは、燃料集合体である。
また、原子炉建屋31にて、原子炉格納容器11内に天井クレーン39が設けられると共に、オペレーションフロアに移動式クレーン40が設けられている。一方、燃料取扱建屋35に天井クレーン41が設けられている。燃料取扱設備は、この天井クレーン39と移動式クレーン40と天井クレーン41により構成され、加圧水型原子炉12と燃料貯蔵ピット36との間で燃料の搬送を行うことができる。
そして、加圧水型原子炉12で使用される核燃料は、所定の使用期間が経過すると、燃料貯蔵ピット36における燃料プール37内の燃料ラック38に取出される。このとき、作業者は、燃料取扱設備(各クレーン39,40,41)を作動することで、加圧水型原子炉12内の核燃料を燃料ラック38に搬送する。
炉心を構成する燃料集合体は、複数の燃料棒が複数のグリッド(支持格子)により格子状に束ねられ、上端部に上部ノズルが固定される一方、下端部に下部ノズルが固定されて構成されている。燃料集合体は、複数の燃料棒の間に複数の制御棒が挿入可能となっている。複数の制御棒は、上端部がまとめられて制御棒集合体が構成されている。そのため、原子炉では、燃料棒を構成する原子燃料が核分裂することで中性子を放出し、減速材及び一次冷却水としての軽水が、放出された高速中性子の運動エネルギを低下させて熱中性子とし、新たな核分裂を起こしやすくすると共に、発生した熱を奪って冷却する。一方、制御棒集合体により制御棒を燃料集合体に挿入することで、炉心内で生成される中性子数を調整し、また、制御棒を燃料集合体に全て挿入することで、原子炉を停止することができる。
上述したように、燃料貯蔵ピット36では、使用済の核燃料が燃料ラック38に収納され、この燃料ラック38が燃料プール37内に設置されている。そのため、使用済の核燃料は、冷却水に浸漬して冷却されると共に、発生する中性子が冷却水により減速され、吸収されることで未臨界状態が維持されている。ところが、地震などで燃料プール37が破損し、この燃料プール37から冷却水が漏洩すると、使用済の核燃料を冷却することができず、また、臨界への到達を未然に防止することが困難となる可能性が生じる。
そこで、本実施形態では、燃料プール37に収容されている使用済の核燃料、つまり、燃料集合体に対して燃料貯蔵ピット用制御棒集合体を挿入しておくことで、冷却水が漏洩しても、使用済の核燃料における臨界への到達を未然に防止するようにしている。この場合、原子炉に配置されている燃料集合体に対して、制御棒集合体を抜き差し可能としているが、この原子炉用の制御棒集合体は高価であり、本実施形態の燃料貯蔵ピット用制御棒集合体は、構造の簡素化、軽量化、低コスト化を図ったものである。
図1は、第1実施形態の燃料貯蔵ピット用制御棒集合体を表す正面図、図2は、第1実施形態の燃料貯蔵ピット用制御棒集合体を表す平面図である。
第1実施形態では、本発明の燃料貯蔵ピット用内挿物を燃料貯蔵ピット用制御棒集合体に適用して説明する。第1実施形態において、図1及び図2に示すように、燃料集合体50は、前述したように、複数の燃料棒が複数のグリッド(支持格子)51により格子状に束ねられ、上端部に上部ノズル52が固定される一方、下端部に下部ノズル(図示略)が固定されて構成されている。また、燃料集合体50は、複数の燃料棒の間に後述する複数の制御棒64が挿入可能な制御棒案内管(図示略)が複数設けられている。
燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60は、支持板61と、支持ロッド62と、吊り棒(吊り具)63と、複数の制御棒64と、識別部材65とから構成されている。
支持板61は、所定厚さで平面視が正方形状(矩形状)をなす板材であって、複数の制御棒64の上端部を支持する複数の取付孔71が形成されている。また、支持板61は、複数の取付孔71の間に冷却水が流通するための複数の貫通孔72が形成されると共に、各外周辺に切欠凹部73がそれぞれ形成されている。
支持ロッド62は、円筒形状をなし、下端部(基端部)が支持板61における上面部(一方の平面部)の中心位置に貫通し、溶接により連結されている。この場合、支持ロッド62は、支持板61に対して直交する方向に連結されている。吊り棒63は、外周部に棒形状をなす2本のロッド部74が固定されて構成されることで、支持ロッド62と吊り棒63としての各ロッド部74が移動不能に連結されている。この2本のロッド部74は、支持ロッド62の両側で一直線上をなしている。吊り棒63は、支持ロッド62に対して直交する方向に連結されることで、支持板61に略平行をなしている。また、吊り棒63は、支持板61の外周辺に対して水平方向に所定角度傾斜して配置され、各ロッド部74は、厚さが一定となっている。
なお、吊り棒63は、2本のロッド部74からなるものに限定するものではなく、1本または3本以上のロッド部により構成してもよい。
制御棒64は、下端部が先細形状をなし、上端部がおねじ形状をなしている。複数の制御棒64は、所定間隔を空けて配置され、上端部が支持板61における下面部(他方の平面部)側から各取付孔71を貫通し、ナット75により固定されている。制御棒64は、内部に中性子吸収材が充填されて構成されている。
即ち、制御棒64は、中空形状をなす被覆管としてのステンレス鋼管内に、中性子吸収材としての銀とインジウムとカドミウムの合金(Ag+In+Ca)が充填されて構成されている。そして、制御棒64は、原子炉内で用いられることを想定しておらず、燃料集合体またはガイド構造物に対して、振動による摩耗を考慮する必要がないことから、表面に耐摩耗性を目的としたクロムメッキを施す必要はない。
なお、中性子吸収材としては、銀とインジウムとカドミウムの合金(Ag+In+Ca)に限らず、例えば、炭化ホウ素(BC)、炭化ホウ素とアルミナ(酸化アルミニウム)の混合体、ホウケイ酸ガラス、ハフニウム、ボロンなどを用いてもよい。この場合、中性子吸収材をペレット状に成形して被覆管内に入れてもよいし、粉体のまま被覆管内に充填してもよい。
また、識別部材65は、燃料貯蔵ピット36の燃料プール37の燃料ラック38に支持される燃料集合体50に対して挿入される燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60を識別するものである。識別部材65は、燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60の挿入方向の手前側(鉛直方向の上方側)から作業者視認して識別することができるものである。
燃料貯蔵ピット36の燃料プール37は、加圧水型原子炉12で使用された使用済の燃料集合体50やこれから加圧水型原子炉12で使用する新しい燃料集合体を一時的に貯蔵している。この燃料集合体50は、複数の燃料棒や制御棒64から構成されており、燃料プール37は、制御棒64を有する燃料集合体50と、燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60を有する燃料集合体50とが混在することとなる。そのため、制御棒64に対して燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60を識別するため、この燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60に識別部材65が設けられている。
この識別部材65は、燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60の吊り棒63に設けられている。具体的に、吊り棒63は、支持ロッド62の上端部の外周部に固定された2個のロッド部74を有しており、各ロッド部74は、上面が平面形状をなしている。識別部材65は、一方のロッド部74の先端部の上面に溶接により固定されている。識別部材65は、ロッド部74と同様の材質により製造されたものであり、平面視が長円(楕円)形状をなし、表面に識別番号「A−1」が削り加工により形成されると共に着色が施されている。この場合、識別番号「A−1」は、適宜設定すればよいものであり、着色は、遠方から視認しやすい赤色や黄色などが好ましい。なお、識別部材65の形状は、長円(楕円)形状に限らず、真円形状、矩形状、多角形状などとしてもよい。また、削り加工に限らず、肉盛溶接などにより形成してもよい。
このように構成された燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60を燃料貯蔵ピットに収納された燃料集合体50内に挿入するとき、クレーンから垂下した取扱い工具の構造物が燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60の吊り棒63を係止して吊上げ、燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60を燃料貯蔵ピットの上方に移動する。そして、燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60を下降し、各制御棒64を燃料集合体50の各制御棒案内管内に挿入する。この燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60の下降時、支持板61の下面部が燃料集合体50における上部ノズル52の上面部に当接することで、燃料集合体50に対する燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60の鉛直方向の位置決めがなされる。
そのため、燃料貯蔵ピットの燃料プール内に収納された複数の燃料集合体50は、内部に燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60が挿入されることとなる。そして、地震などで燃料プール37が破損し、この燃料プール37から冷却水が漏洩しても、燃料集合体50における各燃料棒の間に燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60の各制御棒64が配置されていることから、燃料棒からの中性子が制御棒64により減速されて吸収されることとなり、臨界への到達が未然に防止される。
また、このとき、燃料貯蔵ピットの燃料プールにて、燃料集合体50内に挿入された燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60は、吊り棒63に識別部材65が設けられている。そのため、作業者は、肉眼または双眼鏡、カメラ、水中カメラなどを用いて識別部材65を視認し、燃料集合体50に対して正しい燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60が挿入されたかを確認することができる。
なお、燃料プールは、内部に複数の燃料集合体50を収納しているが、燃料集合体50は、既に原子炉制御用の制御棒クラスタが挿入されているものと挿入されていないものがある。そこで、本実施形態では、制御棒クラスタが挿入されていない燃料集合体50に対して、燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60を挿入する。この場合、制御棒集合体が挿入されていない全ての燃料集合体50に燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60を挿入してもよいし、一部の燃料集合体50に燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60を挿入してもよい。
このように第1実施形態の燃料貯蔵ピット用内挿物にあっては、燃料貯蔵ピットに収納される燃料集合体50に対して挿入される燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60において、挿入方向の手前側から視認して識別可能な識別部材65を設けている。
従って、作業者は、燃料貯蔵ピットの燃料プールに載置された燃料集合体50内に挿入された燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60を、その挿入方向の手前側、つまり、上方から識別部材65を視認して識別することができ、燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60の種類を容易に確認することができる。その結果、燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60の炉内への誤装荷及び挿入間違いの有無を容易に確認することができ、核燃料の貯蔵における安全性の向上を図ることができると共に、視認性の向上を図ることができる。
第1実施形態の燃料貯蔵ピット用内挿物では、挿入方向に沿って延出される支持ロッド62と、支持ロッド62における長手方向の一端部に連結される吊り棒63とを設け、識別部材65を吊り具に設けている。従って、作業者は、燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60の挿入方向の手前側から識別部材65を容易に視認することができ、視認性の向上を図ることができる。
第1実施形態の燃料貯蔵ピット用内挿物では、吊り棒63の上面を平面形状とし、この上面に識別部材65を設けている。従って、吊り棒63の上面を平面形状として識別部材65を設けることから、燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60を燃料貯蔵ピットに配置したとき、上方へ突出するものがなくなり、燃料貯蔵ピットに対する核燃料の出し入れを容易に行うことができると共に、識別部材65を容易に視認することで視認性の向上を図ることができる。
第1実施形態の燃料貯蔵ピット用内挿物では、吊り棒63として、支持ロッド62の上端部の外周部に複数のロッド部74を固定し、このロッド部74の先端部に識別部材65を設けている。従って、吊り装置は、各ロッド部における支持ロッド62の固定側の端部を掴んで燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60を昇降させることから、吊り棒63を構成するロッド部74の先端部に識別部材65を設けることから、吊り装置がロッド部74を掴むときに、識別部材65が吊り作業の邪魔になることはなく、作業者は適正に識別部材65を視認することができる。
第1実施形態の燃料貯蔵ピット用内挿物では、識別部材65を吊り棒63に溶接により固定している。従って、識別部材65が燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60から脱落することがなく、安全性を向上することができる。また、燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60に対して、後から識別部材65を固定することができる。
第1実施形態の燃料貯蔵ピット用内挿物では、識別部材65を吊り棒63に形成される識別記号としている。また、識別部材65に着色している。従って、識別部材65が燃料貯蔵ピット用内挿物から脱落することがなく、安全性を向上することができると共に、製造コストを低減することができる。
また、第1実施形態の燃料貯蔵ピット用内挿物として、矩形状をなして複数の貫通孔72が形成される支持板61と、基端部が支持板61における一方の平面部の中心位置に連結される支持ロッド62と、支持ロッド62の他端部に連結されて支持板61に略平行をなす吊り棒63と、支持板61における他方の平面部側に装着されて中性子吸収材が充填される複数の制御棒64とからなる燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60を設けている。
従って、支持板61と支持ロッド62と吊り棒63と複数の制御棒64により燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60が構成されることで、構造の簡素化、軽量化、低コスト化を図ることができる。また、この燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60を燃料集合体50が収容されている燃料貯蔵ピットに配置することで、この燃料集合体50の核燃料の未臨界状態を維持することができ、核燃料の貯蔵における安全性の向上を図ることができる。
第1実施形態の燃料貯蔵ピット用内挿物では、支持ロッド62と吊り棒63を移動不能に連結している。従って、付勢部材を不要として構造の簡素化、軽量化、低コスト化を図ることができる。
第1実施形態の燃料貯蔵ピット用内挿物では、支持板61が燃料貯蔵ピットに収納される燃料集合体50に当接して鉛直方向の位置決めがなされる。従って、燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60を上方から燃料集合体50に挿入するとき、支持板61がこの燃料集合体50の上部ノズル52に当接して鉛直方向の位置決めがなされることとなり、燃料集合体50に対して燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60を適正位置に容易に位置決めすることができる。
第1実施形態の燃料貯蔵ピット用内挿物では、制御棒64は、中空管内に銀とインジウムとカドミウムの合金が充填されて構成される。また、制御棒64は、中空管内に炭化ホウ素が充填されて構成される。また、制御棒64は、中空管内に炭化ホウ素と酸化アルミニウムとが充填されて構成される。また、制御棒64は、中空管内にホウケイ酸ガラスが充填されて構成される。また、制御棒64は、中空管内にハフニウムが充填されて構成される。従って、制御棒により中性子を適正に吸収して核燃料の未臨界状態を十分に維持することができる。
[第2実施形態]
図5は、第2実施形態の燃料貯蔵ピット用制御棒集合体を表す正面図である。なお、上述した実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第2実施形態において、図5に示すように、燃料貯蔵ピット用制御棒集合体80は、支持板81と、支持ロッド82と、吊り棒(吊り具)83と、圧縮コイルスプリング(付勢部材)84と、複数の制御棒64と、識別部材65とから構成されている。
支持板81は、所定厚さで平面視が正方形状(矩形状)をなす板材であって、第1実施形態の支持板61(図1及び図2参照)とほぼ同様の構成となっており、複数の制御棒64の上端部を支持する複数の取付孔91が形成されている。支持ロッド82は、円筒形状をなし、下端部が支持板81における上面部の中心位置に貫通し、溶接により連結されている。この支持ロッド82も、第1実施形態の支持ロッド62(図1及び図2参照)とほぼ同様の構成となっている。
吊り棒83は、連結リング92の外周部に棒形状をなす2本のロッド部93が固定されて構成されている。この2本のロッド部93は、連結リング92の両側で一直線上をなしている。そして、支持ロッド82は、上端部(他端部)が吊り棒83の連結リング92に嵌入し、軸方向に移動自在に支持されている。但し、支持ロッド82は、他端部が吊り棒83の連結リング92から抜け止めされ、吊り棒83に対して周方向に回動不能となっている。この場合、吊り棒83は、支持ロッド82に対して直交する方向に連結されることで、支持板81に略平行をなしている。また、吊り棒83は、支持板81の外周辺に対して水平方向に所定角度傾斜して配置され、各ロッド部93は、厚さが一定となっている。
圧縮コイルスプリング84は、支持ロッド82の周囲に巻かれており、一端部が支持板81の上面部を押圧し、他端部が吊り棒83を押圧している。そのため、圧縮コイルスプリング84は、支持板81に対して吊り棒83が離間する方向に付勢力が作用している。この状態で、吊り棒83は、支持ロッド82の上端面を含めて上面が平面形状をなしている。なお、1個の圧縮コイルスプリング84を支持板81と吊り棒83の間に介装したが、長さ、径、巻き数など異なる複数の圧縮コイルスプリングを介装してもよい。また、付勢部材としては、圧縮コイルスプリング84に限るものではない。
制御棒64は、下端部が先細形状をなし、上端部がおねじ形状をなしている。複数の制御棒64は、所定間隔を空けて配置され、上端部が支持板81における下面部(他方の平面部)側から各取付孔91を貫通し、ナット94により固定されている。制御棒64は、内部に中性子吸収材が充填されて構成されている。
また、識別部材65は、燃料貯蔵ピット36の燃料プール37の燃料ラック38に支持される燃料集合体50に対して挿入される燃料貯蔵ピット用制御棒集合体80を識別するものである。識別部材65は、燃料貯蔵ピット用制御棒集合体80の挿入方向の手前側(鉛直方向の上方側)から作業者視認して識別することができるものである。識別部材65は、燃料貯蔵ピット用制御棒集合体80の吊り棒63に設けられている。具体的に、識別部材65は、ロッド部93の先端部の上面に溶接により固定されている。
このように構成された燃料貯蔵ピット用制御棒集合体80を燃料貯蔵ピットに収納された燃料集合体50内に挿入するとき、クレーンから垂下した取扱い工具の構造物が燃料貯蔵ピット用制御棒集合体80の吊り棒83を係止して吊上げ、燃料貯蔵ピット用制御棒集合体80を燃料貯蔵ピットの上方に移動する。そして、燃料貯蔵ピット用制御棒集合体80を下降し、各制御棒64を燃料集合体50の各制御棒案内管内に挿入する。この燃料貯蔵ピット用制御棒集合体80の下降時、支持板81の下面部が燃料集合体50における上部ノズル52の上面部に当接することで、燃料集合体50に対する燃料貯蔵ピット用制御棒集合体80の鉛直方向の位置決めがなされる。
そのため、燃料貯蔵ピットの燃料プール内に収納された複数の燃料集合体50は、内部に燃料貯蔵ピット用制御棒集合体80が挿入されることとなる。そして、地震などで燃料プール37が破損し、この燃料プール37から冷却水が漏洩しても、燃料集合体50における各燃料棒の間に燃料貯蔵ピット用制御棒集合体80の各制御棒64が配置されていることから、燃料棒からの中性子が制御棒64により吸収されることとなり、臨界への到達が未然に防止される。
また、このとき、燃料貯蔵ピットの燃料プールにて、燃料集合体50内に挿入された燃料貯蔵ピット用制御棒集合体80は、吊り棒83に識別部材65が設けられている。そのため、作業者は、肉眼または双眼鏡などを用いて識別部材65を視認し、燃料集合体50に対して正しい燃料貯蔵ピット用制御棒集合体80が挿入されたかを確認することができる。
このように第2実施形態の燃料貯蔵ピット用制御棒集合体にあっては、支持ロッド82と吊り棒83を複数の制御棒64の長手方向に移動自在に連結し、支持板81と吊り棒83とが離間する方向に付勢する圧縮コイルスプリング84を設けている。従って、吊り棒83を用いて燃料貯蔵ピット用制御棒集合体80を上方から燃料集合体50に挿入し、燃料貯蔵ピット用制御棒集合体80が上部ノズル52に当接して位置決めがなされるとき、支持板81、つまり、制御棒64に対して吊り棒83が圧縮コイルスプリング84を圧縮して相対移動することとなり、制御棒64と燃料集合体50との当接によるショックを軽減することができる。
[第3実施形態]
図6は、第3実施形態の燃料貯蔵ピット用制御棒集合体を表す正面図、図7は、燃料貯蔵ピット用制御棒集合体を表す平面図である。なお、上述した第1実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第3実施形態において、図6及び図7に示すように、識別部材は、燃料貯蔵ピット用制御棒集合体を識別するものであり、燃料貯蔵ピット用制御棒集合体の挿入方向の手前側(鉛直方向の上方側)から作業者視認して識別することができる。識別部材は、燃料貯蔵ピット用制御棒集合体の吊り棒63のロッド部74の先端部に異形状部として形成されている。具体的に、識別部材は、切欠部101であり、ロッド部74の先端部に支持ロッド62の軸方向と同方向に貫通することで、切欠部101の両側に二股部102,103が形成される。
なお、異形状部は、切欠部101(二股部102,103)に限定されるものではない。図8は、第3実施形態の第1変形例の燃料貯蔵ピット用制御棒集合体を表す平面図、図9は、第3実施形態の第2変形例の燃料貯蔵ピット用制御棒集合体を表す平面図である。
図8に示すように、識別部材は、切欠部111であり、ロッド部74の先端部の上面が水平方向に切り欠かれることで、切欠部111の下部に薄肉部112が形成される。また、図9に示すように、識別部材は、拡大部121であり、ロッド部74の先端部の両側面が先端ほど幅広となることで、拡大部121の両側に傾斜面122が形成される。
このように第3実施形態の燃料貯蔵ピット用内挿物にあっては、識別部材を吊り棒に形成した異形状部としている。従って、識別部材が燃料貯蔵ピット用内挿物から脱落することがなく、安全性を向上することができる。
この場合、異形状部を切欠部101(二股部102,103)や切欠部111とすることで、燃料貯蔵ピット用制御棒集合体60に対して、後から識別部材を加工により形成することができる。
[第4実施形態]
図10は、第4実施形態の燃料貯蔵ピット用制御棒集合体を表す平面図、図11は、第4施形態の変形例の燃料貯蔵ピット用制御棒集合体を表す平面図である。なお、上述した第1実施形態と同様の機能を有する部材には、同一の符号を付して詳細な説明は省略する。
第4実施形態において、図10に示すように、識別部材は、燃料貯蔵ピット用制御棒集合体を識別するものであり、燃料貯蔵ピット用制御棒集合体の挿入方向の手前側(鉛直方向の上方側)から作業者視認して識別することができる。識別部材は、燃料貯蔵ピット用制御棒集合体の吊り棒63のロッド部74の先端部に識別番号として形成されている。具体的に、識別部材は、ロッド部74の先端部の上面に形成された識別番号131であり、削り加工などにより形成される。識別番号131は、例えば、「A−1」などであり、着色などを施してもよい。また、図11に示すように、識別部材を、ロッド部74の先端部の上面に形成された複数の文字列142,143,144からなる識別番号141としてもよい。
このように第4実施形態の燃料貯蔵ピット用内挿物にあっては、識別部材を吊り棒63のロッド部に形成される識別番号131,141としている。識別部材が燃料貯蔵ピット用内挿物から脱落することがなく、安全性を向上することができると共に、製造コストを低減することができる。
なお、本発明の識別部材は、上述した実施形態に限定されるものではなく、例えば、反射鏡、締結ボルト、磁石、ICタグなどとしてもよい。
また、支持板、支持ロッド、吊り具の形状は、上述した実施形態の形状に限定されるものではなく、適宜設定すればよいものである。
また、上述した実施形態では、本発明の燃料貯蔵ピット用内挿物を燃料貯蔵ピット用制御棒集合体に適用して説明したが、別の制御棒であってもよい。例えば、PWR向け内挿物として、PD(プラギングデバイス)、BP(バーナブルポイズン)、PS(一次中性子源)、SS(二次中性子源)、RCC(制御棒クラスタ)などがある。また、制御棒以外に、例えば、燃料貯蔵ピット用ステンレス棒に適用してもよい。
また、上述した実施形態では、本発明の燃料貯蔵ピット用制御棒集合体を加圧水型原子炉に適用して説明したが、沸騰型原子炉(BWR:Boiling Water Reactor)に適用することもでき、いずれの原子炉に適用してもよい。
11 原子炉格納容器
12 加圧水型原子炉
36 燃料貯蔵ピット
37 燃料プール
38 燃料ラック
50 燃料集合体
52 上部ノズル
60,80 燃料貯蔵ピット用制御棒集合体
61,81 支持板
62,82 支持ロッド
63,83 吊り棒(吊り具)
64 制御棒
65 識別部材
84 圧縮コイルスプリング(付勢部材)
101,111 切欠部(異形状部)
121 拡大部(異形状部)
131,141 識別番号(識別記号)

Claims (15)

  1. 燃料貯蔵ピットに収納される燃料集合体に対して挿入される燃料貯蔵ピット用内挿物において、
    挿入方向の手前側から視認して識別可能な識別部材が設けられる、
    ことを特徴とする燃料貯蔵ピット用内挿物。
  2. 挿入方向に沿って延出される支持ロッドと、前記支持ロッドにおける長手方向の一端部に連結される吊り具とを備え、前記識別部材は、前記吊り具に設けられることを特徴とする請求項1に記載の燃料貯蔵ピット用内挿物。
  3. 前記吊り具は、上面が平面形状をなし、前記上面に前記識別部材が設けられることを特徴とする請求項2に記載の燃料貯蔵ピット用内挿物。
  4. 前記吊り具は、前記支持ロッドの他端部の外周部に固定される複数のロッド部を有し、前記複数のロッド部のうちの少なくとも一つの前記ロッド部の先端部に前記識別部材が設けられることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の燃料貯蔵ピット用内挿物。
  5. 前記支持ロッドと前記吊り具は、移動不能に連結されることを特徴とする請求項2から請求項4のいずれか一項に記載の燃料貯蔵ピット用内挿物。
  6. 前記識別部材は、前記吊り具に溶接により固定されることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の燃料貯蔵ピット用内挿物。
  7. 前記識別部材は、前記吊り具に異形状部として形成されることを特徴とする請求項2から請求項5のいずれか一項に記載の燃料貯蔵ピット用内挿物。
  8. 前記識別部材は、前記吊り具に形成される識別記号であることを特徴とする請求項2から請求項5いずれか一項に記載の燃料貯蔵ピット用内挿物。
  9. 前記識別部材は、前記吊り具に形成される着色部材であることを特徴とする請求項2から請求項5いずれか一項に記載の燃料貯蔵ピット用内挿物。
  10. 矩形状をなして複数の貫通孔が形成されると共に中心部に支持ロッドの長手方向の他端部が連結される支持板と、前記支持板に装着されて中性子吸収材が充填される複数の制御棒とを備えることを特徴とする請求項2から請求項9のいずれか一項に記載の燃料貯蔵ピット用内挿物。
  11. 前記制御棒は、中空管内に銀とインジウムとカドミウムの合金が充填されて構成されることを特徴とする請求項10に記載の燃料貯蔵ピット用内挿物。
  12. 前記制御棒は、中空管内に炭化ホウ素が充填されて構成されることを特徴とする請求項10に記載の燃料貯蔵ピット用内挿物。
  13. 前記制御棒は、中空管内に炭化ホウ素と酸化アルミニウムとが充填されて構成されることを特徴とする請求項10に記載の燃料貯蔵ピット用内挿物。
  14. 前記制御棒は、中空管内にホウケイ酸ガラスが充填されて構成されることを特徴とする請求項10に記載の燃料貯蔵ピット用内挿物。
  15. 前記制御棒は、中空管内にハフニウムが充填されて構成されることを特徴とする請求項10に記載の燃料貯蔵ピット用内挿物。
JP2017126198A 2017-06-28 2017-06-28 燃料貯蔵ピット用内挿物 Pending JP2019007916A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017126198A JP2019007916A (ja) 2017-06-28 2017-06-28 燃料貯蔵ピット用内挿物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2017126198A JP2019007916A (ja) 2017-06-28 2017-06-28 燃料貯蔵ピット用内挿物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2019007916A true JP2019007916A (ja) 2019-01-17

Family

ID=65028725

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2017126198A Pending JP2019007916A (ja) 2017-06-28 2017-06-28 燃料貯蔵ピット用内挿物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2019007916A (ja)

Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6299896U (ja) * 1985-12-16 1987-06-25
JPH0159897U (ja) * 1987-10-09 1989-04-14
JPH04248499A (ja) * 1991-02-04 1992-09-03 Nuclear Fuel Ind Ltd 使用済燃料貯蔵ラック用吸収体
JPH0720597U (ja) * 1986-03-03 1995-04-11 ウエスチングハウス・エレクトリック・コーポレイション 核燃料集合体に使用する制御装置
JPH0829573A (ja) * 1994-07-19 1996-02-02 Nuclear Fuel Ind Ltd 可燃性毒物集合体
JPH0980181A (ja) * 1995-09-08 1997-03-28 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 原子炉出力分布調整用核反応度制御棒
JP2000131478A (ja) * 1998-10-26 2000-05-12 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 原子炉用制御棒
JP2004061241A (ja) * 2002-07-26 2004-02-26 Tokyo Electric Power Co Inc:The 核燃料棒選択的取り出し搬送システム
JP2005326255A (ja) * 2004-05-14 2005-11-24 Nuclear Fuel Ind Ltd 制御棒クラスタの識別方法および前記方法に用いられるスパイダー

Patent Citations (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6299896U (ja) * 1985-12-16 1987-06-25
JPH0720597U (ja) * 1986-03-03 1995-04-11 ウエスチングハウス・エレクトリック・コーポレイション 核燃料集合体に使用する制御装置
JPH0159897U (ja) * 1987-10-09 1989-04-14
JPH04248499A (ja) * 1991-02-04 1992-09-03 Nuclear Fuel Ind Ltd 使用済燃料貯蔵ラック用吸収体
JPH0829573A (ja) * 1994-07-19 1996-02-02 Nuclear Fuel Ind Ltd 可燃性毒物集合体
JPH0980181A (ja) * 1995-09-08 1997-03-28 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 原子炉出力分布調整用核反応度制御棒
JP2000131478A (ja) * 1998-10-26 2000-05-12 Mitsubishi Heavy Ind Ltd 原子炉用制御棒
JP2004061241A (ja) * 2002-07-26 2004-02-26 Tokyo Electric Power Co Inc:The 核燃料棒選択的取り出し搬送システム
JP2005326255A (ja) * 2004-05-14 2005-11-24 Nuclear Fuel Ind Ltd 制御棒クラスタの識別方法および前記方法に用いられるスパイダー

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Triplett et al. PRISM: a competitive small modular sodium-cooled reactor
Carelli et al. The design and safety features of the IRIS reactor
Juhn et al. IAEA activities on passive safety systems and overview of international development
US10102935B2 (en) Method of removing upper internals from a nuclear reactor pressurized vessel
JP6535741B2 (ja) 取外し可能に固定された上部中性子遮蔽装置を含むハウジングを備えたsfr原子炉用燃料集合体
EP2940694B1 (en) Pipe base repair method and nuclear reactor vessel
CN103077756A (zh) 一种用于液态重金属冷却堆的换料机夹具装置
US10079077B2 (en) Water-cooled reactor system for generating electricity
JP2017116504A (ja) 燃料貯蔵ピット用制御棒集合体
JP2019007916A (ja) 燃料貯蔵ピット用内挿物
JP2024514016A (ja) 原子炉の燃料補給
Gaudet et al. Conceptual plant layout of the Canadian generation IV supercritical water-cooled reactor
Mansani et al. The designs of an experimental ADS facility (XT-ADS) and of a European Industrial Transmutation Demonstrator (EFIT)
US20230290530A1 (en) Refuelling and/or storage neutron-absorbing rods
Pivet Concept and Future Perspective on ASTRID project in France
KR101617299B1 (ko) 고속 원자로
JP6081206B2 (ja) 原子炉補修監視装置及び原子炉補修方法
JP6276556B2 (ja) 燃料貯蔵設備
JP6429480B2 (ja) 燃料配置方法及び燃料取扱設備
RU2236712C2 (ru) Регулирующая тепловыделяющая сборка водо-водяного энергетического реактора
Smith et al. ASME applicability for small modular reactors
CN113744900A (zh) 一种熔盐堆及其运行方法
WO2020239531A1 (en) Containment for a pwr nuclear power plant
Lillington et al. Main Characteristics of Nuclear Power Plants in the European Union and Candidate Countries
Forsberg et al. Refueling Liquid-Salt-Cooled Very High-Temperature Reactors

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20181206

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20190827

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20190903

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20191105

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20200225

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20200901