JP2019005729A - 抽出剤の選択方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】より広範囲のpH環境下において被抽出物である金属を抽出できる抽出剤を、効率的に選択できる抽出剤の選択方法の提供。【解決手段】抽出剤のモデル分子を作成するモデル分子作成工程と、分子動力学計算により被抽出物である金属とモデル分子とで構成される金属錯体モデルを複数個作成する金属錯体モデル作成工程と、量子化学計算により金属錯体モデルのエネルギーを算出するエネルギー算出工程と、金属錯体モデルのエネルギーを用いて、被抽出物である金属と、前記モデル分子とで構成される金属錯体モデルの吸着エネルギーの平均値を算出する吸着エネルギー算出工程と、モデル分子作成工程において、異なる構造の抽出剤のモデル分子を作成し、金属錯体モデル作成工程〜吸着エネルギー算出工程を行う繰り返し工程と、最も吸着エネルギーの平均値が大きい抽出剤のモデル分子を抽出剤として選択する選択工程と、を有する抽出剤の選択方法。【選択図】なし

Description

本発明は、抽出剤の選択方法に関する。
溶媒抽出法は抽出剤を用いて、水相に溶解した金属等の成分を有機相へ移行させ、分離・抽出を行う方法である。一度に大量の溶液を処理することもでき、また連続操作を行うこともできるため、従来から工業的にも用いられている。
溶媒抽出法に用いる抽出剤としては、キレート抽出剤を含む酸性抽出剤等が広く用いられており、被抽出物の抽出挙動が、水溶液(水相)のpHに依存するなどの特徴を有する。このため、目的とする被抽出物と、該被抽出物と類似のpH依存性を示す成分とが同時に水相に含まれている場合、目的とする被抽出物のみを選択的に分離・抽出することが困難な場合があった。
そこで、従来から高い分離能をもつ抽出剤について各種検討がなされてきた。
例えば特許文献1には、マンガンを高濃度に含む酸性溶液から、コバルトを選択的に抽出できるコバルト抽出剤として、カルボン酸系抽出剤と、オキシム系抽出剤とのモル比が40:60〜60:40であるコバルト抽出剤が開示されている。
また、上述のように抽出剤は、被抽出物の抽出挙動が水溶液のpHに依存するが、近年ではより安定して目的とする被抽出物を抽出できるように、広範囲のpH環境下でも目的とする被抽出物を選択的に抽出できる抽出剤が求められるようになっている。
国際公開第2013/077168号
ところで、溶媒抽出法に用いる抽出剤の選択は実験的手法によりなされていた。具体的には例えば、経験に基づいて抽出剤の分子組成の選択を行い、選択した分子組成の抽出剤を合成し、該抽出剤を用いて溶媒抽出を実際に行い、抽出した成分中の目的成分とそれ以外の成分との比である分配比や、抽出率を指標に用いて評価することで行われていた。
しかしながら、係る抽出剤の選択方法によれば、選択するに当って、候補となる全ての抽出剤について合成法の検討も行う必要があり、最適な抽出剤を選択するために多くの時間や労力を要しており、効率性の点で問題があった。
上記従来技術の問題に鑑み、本発明の一側面では、より広範囲のpH環境下において目的とする被抽出物を抽出できる抽出剤を、効率的に選択できる抽出剤の選択方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため本発明の一側面では、
抽出剤のモデル分子を作成するモデル分子作成工程と、
分子動力学計算を用いて、被抽出物である金属と前記モデル分子とで構成される金属錯体モデルを複数個作成する金属錯体モデル作成工程と、
量子化学計算を用いて、前記金属錯体モデル作成工程で作成した金属錯体モデルのエネルギーを算出するエネルギー算出工程と、
前記エネルギー算出工程で算出した金属錯体モデルのエネルギーを用いて、被抽出物である金属と、前記モデル分子作成工程で作成した抽出剤のモデル分子とで構成される金属錯体モデルの吸着エネルギーの平均値を算出する吸着エネルギー算出工程と、
前記モデル分子作成工程において、異なる構造の抽出剤のモデル分子を作成し、前記金属錯体モデル作成工程、前記エネルギー算出工程、及び前記吸着エネルギー算出工程を行う繰り返し工程と、
吸着エネルギーの平均値を算出した金属錯体モデルに含まれる抽出剤のモデル分子のうち、最も吸着エネルギーの平均値が大きい抽出剤のモデル分子を抽出剤として選択する選択工程と、を有する抽出剤の選択方法を提供する。
本発明の一側面によれば、より広範囲のpH環境下において目的とする被抽出物を抽出することができる抽出剤を、効率的に選択できる抽出剤の選択方法を提供することができる。
以下、本発明の抽出剤の選択方法の一実施形態について説明する。
本実施形態の抽出剤の選択方法は、以下の工程を有することができる。
抽出剤のモデル分子を作成するモデル分子作成工程。
分子動力学計算を用いて、被抽出物である金属とモデル分子とで構成される金属錯体モデルを複数個作成する金属錯体モデル作成工程。
量子化学計算を用いて、金属錯体モデル作成工程で作成した金属錯体モデルのエネルギーを算出するエネルギー算出工程。
エネルギー算出工程で算出した金属錯体モデルのエネルギーを用いて、被抽出物である金属と、モデル分子作成工程で作成した抽出剤のモデル分子とで構成される金属錯体モデルの吸着エネルギーの平均値を算出する吸着エネルギー算出工程。
モデル分子作成工程において、異なる構造の抽出剤のモデル分子を作成し、金属錯体モデル作成工程、エネルギー算出工程、及び吸着エネルギー算出工程を行う繰り返し工程。
吸着エネルギーの平均値を算出した金属錯体モデルに含まれる抽出剤のモデル分子のうち、最も吸着エネルギーの平均値が大きい抽出剤のモデル分子を抽出剤として選択する選択工程。
本発明の発明者は、より広範囲のpH環境下において目的とする被抽出物を抽出できる抽出剤を、効率的に選択できる抽出剤の選択方法について鋭意検討を行った。
その結果、目的とする被抽出物、すなわち目的とする金属を抽出する際の溶媒抽出過程における、被抽出物と、抽出剤のモデル分子とで構成される金属錯体モデルについて分子動力学計算、及び量子化学計算を用いて評価し、最適な抽出剤を選択する抽出剤の選択方法を見出した。
通常、抽出剤は水相のpHが高くなるにつれて被抽出物の抽出率が高くなる傾向を示す。このため、低pH環境下においても被抽出物について高い抽出率を有する抽出剤を選択することで、より広範囲のpH環境下において被抽出物を抽出できる抽出剤を選択することができる。
抽出率は被抽出物と、抽出剤の分子とで形成する金属錯体の吸着エネルギーに依存し、吸着エネルギーが大きくなる抽出剤ほど、低pH環境下においても被抽出物の抽出率を高くすることができる。このため、金属錯体モデルの吸着エネルギーを評価指標として用い、金属錯体モデルの吸着エネルギーが大きくなるモデル分子の抽出剤を選択することで、より広範囲のpH環境下において目的とする被抽出物を抽出することが可能な抽出剤を選択できる。
そして、被抽出物である金属と抽出剤のモデル分子との金属錯体モデルを作成する際に分子動力学計算(分子動力学法)を用い、量子化学計算を用いて金属錯体の吸着エネルギーを算出する際に、作成した金属錯体モデルを用いることで、金属錯体モデルの作成と、金属錯体モデルの吸着エネルギーの算出を効率的に行える。
このため、本実施形態の抽出剤の選択方法によれば、より広範囲のpH環境下において目的とする被抽出物を抽出することができる抽出剤を、効率的に選択することができる。
以下、各工程について具体的に説明する。
(モデル分子作成工程)
モデル分子作成工程では、抽出剤のモデル分子を作成することができる。この際に作成するモデル分子については、金属と金属錯体を形成すると考えられる分子であれば良く、具体的な作成条件は特に限定されるものではない。
ただし、モデル分子作成工程で作成する抽出剤のモデル分子は、単座配位子、または金属に複数箇所で配位する多座配位子であることが好ましい。例えばモデル分子作成工程で作成する抽出剤のモデル分子は1座以上6座以下で配位可能であることが好ましく、配位座が2座以上6座以下である多座配位子であることがより好ましい。
抽出剤のモデル分子としては、単座配位子、または多座配位子を好ましく用いることができるため、1座以上の配位子とすることができる。そして、6座以下の配位子であれば、比較的容易に製造することができ、好ましい。
特に、抽出剤のモデル分子が多座配位子の場合、より安定な金属錯体モデルを形成することができるため、広範囲のpH環境下において、目的とする被抽出物の抽出率を高めることが可能になる。このため、2座以上の配位子であることがより好ましい。
また、抽出剤のモデル分子は、金属や、ハロゲン元素を含まない分子であることが好ましい。これは抽出剤として用いる場合に、該抽出剤の分子が、金属やハロゲン元素等を含んでいると、廃棄処分等を行う際に各種処理を要したり、環境に負荷をかけたりする恐れがあるからである。抽出剤の廃棄処分等を行う際に特に環境への負荷を低減する観点から、抽出剤のモデル分子は、炭素、窒素、酸素、水素から構成されていることがより好ましい。
モデル分子作成工程において、抽出剤のモデル分子を作成する際、例えば被抽出物について従来から用いられている抽出剤の分子を参考にすることができる。
モデル分子作成工程において、抽出剤のモデル分子を作成する際、後述する金属錯体モデル作成工程等で、容易に計算を行えるように、該モデル分子の原子の座標や、原子間の結合の有無を規定することが好ましい。
(金属錯体モデル作成工程)
金属錯体モデル作成工程では、分子動力学計算を用いて、被抽出物である金属とモデル分子とで構成される金属錯体モデルを複数個作成することができる。
ここでいう金属錯体モデルとは、被抽出物である金属に対して、任意の位置に、任意の数の抽出剤のモデル分子が配位した金属錯体のモデル構造を意味する。
分子動力学法は、原子の物理的な動きのコンピューターシミュレーション手法であり、ニュートンの運動方程式を数値的に解くことにより、原子の位置の時間発展を求めることができる。原子と原子間相互作用の情報は、ポテンシャルエネルギーを記述するための関数形と、そのパラメータセット(力場)で表される。
金属錯体モデル作成工程において用いる力場の種類は特に限定されるものではなく、各種力場を用いることができる。例えば古典力場であるAMBER、CHARMM、CVFF、OPLS、MMFF等や、分極力場であるX−Pol、AMBER分極力場、CHARMM分極力場等や、反応力場であるReaxFF等の既存の力場や、必要に応じて自作した力場から選択された力場を用いることができる。
既存の力場では対象となる原子の電荷が規定されていない場合がある。その場合、RESP(Restrained ElectroStatic Potential)電荷やAM1−BCC(Bond Charge Correction)電荷等を用いることができる。
分子動力学計算に用いるプログラム(ソフトウエア)についても特に限定されないが、例えば、AMBER(Assisted Model Building with Energy Refinement)や、CHARMM、Gromacs(Groningen Machine for Chemical Simulations)、NAMD、LAMMPS等の既存のプログラムや自作のプログラムから選択されたプログラムを用いることができる。
分子動力学計算を行う際の設定環境としては、例えば真空中や、溶媒が含まれる場合には周期境界条件下とすることができる。
分子動力学計算を行う際のニュートンの運動方程式を解くための数値積分法についても特に限定されないが、例えばベルレ法や、速度ベルレ法、Leap−frog法、予測子−修飾子法等から選択された方法を用いることができる。
分子動力学計算を行う時間幅は特に限定されるものではなく、例えば水素原子との結合に拘束をかける場合であれば0.5fs以上2fs以下とし、水素原子との結合に拘束をかけない場合であれば0.1fs以上1fs以下とすることができる。
また、温度の制御方法としても特に限定されないが、例えば、速度スケーリング法、Nose−Hoover熱浴法、Nose−Hoover chain法、Berendsen熱浴法、Andersen熱浴法、Langevin動力学法等から選択された方法を用いることができる。
周期境界条件下における圧力の制御方法についても特に限定されないが、例えば、Berendsen法、Parinello−Rahman法等から選択された方法を用いることができる。
静電相互作用やvan der Waals相互作用といった長距離相互作用の計算にはカットオフ法を用いることができる。特に、周期境界条件下での静電相互作用の計算にParticle Mesh Ewald法や多重極展開法等を用いることができる。
なお、金属錯体モデル作成工程で分子動力学計算を行う前に、予め被抽出物である金属と、モデル分子とのモデル系を作成しておくことが好ましい。具体的には、被抽出物である金属の金属イオンと、抽出剤のモデル分子とを、所定の格子内に配置したモデル系を作成しておくことができる。そして、係るモデル系について、分子動力学計算を行うことで金属とモデル分子との配置が異なる金属錯体モデルを複数個作成することができる。また、作成したモデル系について、系全体のエネルギーが小さくなるように原子位置を動かす構造最適化計算を行ってから分子動力学計算を行うことがより好ましい。
(エネルギー算出工程)
エネルギー算出工程では、量子化学計算を用いて、金属錯体モデル作成工程で作成した金属錯体モデルのエネルギーを算出することができる。
量子化学計算では、シュレディンガー方程式を解くことで、分子の構造や、電子状態等を得ることができる。
量子化学計算に用いる計算手法は特に限定されないが、例えばHartree−Fock法、Meller−Plessetの摂動法、配置間相互作用法、結合クラスター法等の非経験的分子軌道法や、MNDO、AM1、PM6等の半経験的分子軌道法、密度汎関数法等の第一原理計算から選択された計算手法を用いることができる。
なお、量子化学計算に用いるプログラム(ソフトウエア)についても特に限定されないが、例えばGaussian、GAMESS、Molpro、VASP、WIEN2k、OpenMX等の既存のプログラムや自作のプログラムから選択されたプログラムを用いることができる。
エネルギー算出工程では、例えば金属錯体モデル作成工程で作成した全ての金属錯体モデルについてエネルギーを算出することもできる。
しかしながら、量子化学計算は計算量が多く、計算資源を必要とするため、金属錯体モデル作成工程で作成した全ての金属錯体モデルのエネルギーを算出することが困難な場合がある。
このため、本実施形態の抽出剤の選択方法は、例えば金属錯体モデル作成工程で作成した複数個の金属錯体モデルを、被抽出物である金属の配位数と、該金属に配位している抽出剤のモデル分子の数とにより複数のグループに分類する分類工程をさらに有することもできる。そして、この場合、エネルギー算出工程は、分類工程で分類したグループ毎に、各グループから選択した1つの金属錯体モデルについて量子化学計算によりエネルギーを算出することができる。
分類工程では、上述のように金属錯体モデル作成工程で作成した複数個の金属錯体モデルを、被抽出物である金属の配位数と、該金属に配位している抽出剤のモデル分子の数とにより複数のグループに分けることができる。
分類を行う際に、金属の配位数や、金属に配位している抽出剤のモデル分子の数を決める方法は特に限定されるものではない。例えば、金属錯体モデル作成工程で作成した金属錯体モデルについて、目視によって分類することもできる。
しかしながら、目視により分類を行うと、作成した金属錯体モデルの数によっては、分類に多くの時間を費やすことになり、分類ミスなども生じやすくなる。
このため、分類工程では、金属錯体モデルについて、コンピューター上での解析処理により、配位数、及び配位分子数を算出し、分類を行うことが好ましい。
コンピューター上での解析処理により配位数、配位分子数を算出する方法としては、例えば金属から一定の距離内にある原子数から配位数を決め、金属から一定の距離内にある原子を含むモデル分子の分子数を計算することで、配位数、及び配位分子数を算出する方法が挙げられる。係る方法によれば、正確に配位数、及び配位分子数を算出、分類することができるため、好ましい。また、係る分類法によれば、分子動力学計算で算出した距離のデータにより分類でき、追加の計算をする必要が無いため好ましい。さらに、各構造を解析し、分類する計算は、分子動力学計算とは完全に独立なため、容易に並列化でき、計算時間を短縮できる観点からも好ましい。
そして、後述する吸着エネルギー算出工程において、金属錯体モデルの吸着エネルギーの平均値を算出する際に用いるため、分類工程では、分類した各グループの出現頻度も併せて算出することが好ましい。この場合、分類した全グループの出現頻度を足し合わせると1となるように、各グループの出現頻度を算出することになる。
そして、分類工程を実施した場合、エネルギー算出工程は、分類工程で分類したグループ毎に、各グループから選択した1つの金属錯体モデルについて量子化学計算によりエネルギーを算出することができる。すなわち、分類工程で例えばA〜Cの3つのグループに分類できた場合には、グループAから1つ、グループBから1つ、グループCから1つ金属錯体モデルを選択し、既述の量子化学計算により、選択した金属錯体モデルのエネルギーを算出できる。そして、該エネルギーを該金属錯体モデルが属するグループのエネルギーの代表値とすることができる。
各グループから、量子化学計算に供する1つの金属錯体モデルを選択する基準は特に限定されるものではなく、任意の金属錯体モデルを選択することができる。例えば、金属錯体モデルを目視で確認し、同一のグループ内で、金属と、モデル分子との間の距離が最も均一な金属錯体モデルを選択することができる。また、例えばコンピューター上の解析により、金属とモデル分子との間の距離が、同一のグループ内で最も均一な金属錯体モデルを選択し、量子化学計算に供することもできる。
なお、ここでは各グループから1つの金属錯体モデルを選択するとしたが、係る形態に限定されず、例えば2つ以上の金属錯体モデルを各グループから選択し、量子化学計算によりエネルギーを算出することもできる。この場合、グループについて選択した金属錯体モデルのエネルギーの平均値を該グループのエネルギーの代表値とすることができる。
(吸着エネルギー算出工程)
吸着エネルギー算出工程では、エネルギー算出工程で算出した金属錯体モデルのエネルギーを用いて、被抽出物である金属と、モデル分子作成工程で作成した抽出剤のモデル分子とで構成される金属錯体モデルの吸着エネルギーの平均値を算出することができる。
具体的には、以下の(1)式により各金属錯体モデルの吸着エネルギーを算出することができる。なお、以下の(1)式からも明らかなように、金属錯体モデルの吸着エネルギーとは、金属錯体モデルにおける被抽出物である金属の金属イオンと、抽出剤のモデル分子とが吸着することによって生じるエネルギー差と言い換えることもできる。
ΔE=(金属錯体モデルのエネルギー)−n×(抽出剤のモデル分子のエネルギー)−(金属イオンのエネルギー)・・・(1)
上記(1)式中のnは、金属錯体モデルにおいて、被抽出物である金属に配位しているモデル分子の数を意味している。
上記(1)式中の抽出剤のモデル分子のエネルギー、及び金属イオンのエネルギーは、予め量子化学計算等により算出しておくことができる。なお、金属イオンとは、被抽出物の金属が、金属錯体モデル中でイオン化したものを意味する。
そして、上記(1)式により算出した金属錯体モデルの吸着エネルギーを用いて、被抽出物である金属と、モデル分子作成工程で作成した抽出剤のモデル分子とで構成される金属錯体モデルの吸着エネルギーの平均値を算出できる。
なお、エネルギー算出工程において、全ての金属錯体モデルについてエネルギーを算出した場合には、該全ての金属錯体モデルについて、上記(1)式により吸着エネルギーを算出し、その平均値を算出することで、上記金属錯体モデルの吸着エネルギーの平均値を算出できる。
ただし、全ての金属錯体モデルについてエネルギーを算出すると計算量が膨大になる場合がある。このため、エネルギー算出工程で既述のように分類工程を行い、エネルギー算出工程では、各グループから選択した1つの金属錯体モデルについて量子化学計算によりエネルギーを算出し、算出したエネルギーを各金属錯体モデルが属するグループのエネルギーの代表値とすることができる。もしくは、各グループから選択した2以上の金属錯体モデルについて量子化学計算によりエネルギーを算出し、算出したエネルギーの平均値を該金属錯体モデルが属するグループのエネルギーの代表値とすることができる。
この場合、吸着エネルギー算出工程においては、各グループのエネルギーの代表値を上記(1)式における金属錯体モデルのエネルギーとして、上記(1)式により各グループの吸着エネルギーの代表値を算出できる。そして、各グループの出現頻度と、各グループの吸着エネルギーの代表値との積を、全グループ分算出し、合算することで、金属錯体モデルの吸着エネルギーの平均値を算出できる。
具体的にはグループA〜Cに分類した場合に、グループAの吸着エネルギーの代表値がΔE、グループBの吸着エネルギーの代表値がΔE、グループCの吸着エネルギーの代表値がΔEとする。そして、グループAの出現頻度がa、グループBの出現頻度がb、グループCの出現頻度がcとする。この場合、以下の式により、金属錯体モデルの吸着エネルギーの平均値ΔEaveを算出できる。
ΔEave=a×ΔE+b×ΔE+c×ΔE
(繰り返し工程)
繰り返し工程では、モデル分子作成工程において、異なる構造の抽出剤のモデル分子を作成し、金属錯体モデル作成工程、エネルギー算出工程、及び吸着エネルギー算出工程を行うことができる。
すなわちモデル分子作成工程において、既に計算を行ったものとは異なる構造の抽出剤のモデル分子を作成し、該モデル分子について金属錯体モデル作成工程、エネルギー算出工程、及び吸着エネルギー算出工程を行う点以外はここまで説明した各工程と同様にして実施できる。
なお、繰り返しを行う回数は特に限定されるものではなく、例えば予め複数の異なる構造の抽出剤のモデル分子を用意しておき、係る複数の抽出剤のモデル分子について、全て計算を終えるまで金属錯体モデル作成工程〜吸着エネルギー算出工程を繰り返し実施できる。
(選択工程)
選択工程では、吸着エネルギーを算出した金属錯体モデルに含まれる抽出剤のモデル分子のうち、最も吸着エネルギーの大きい抽出剤のモデル分子を抽出剤として選択することができる。
既述のように、溶媒抽出法における抽出率は被抽出物である金属と、抽出剤の分子とで構成される金属錯体モデルの吸着エネルギーに依存し、吸着エネルギーが大きい抽出剤ほど、低pH環境下においても被抽出物の抽出率を高くすることができる。このため、形成する金属錯体モデルの吸着エネルギーが大きくなるモデル分子の抽出剤を選択することで、広範囲のpH環境下において目的とする被抽出物を抽出することが可能な抽出剤を選択できることになる。
本実施形態の抽出剤の選択方法において選択する抽出剤が抽出する金属の種類は特に限定されず、各種金属を被抽出物とすることができる。被抽出物としては、例えば遷移金属であることが好ましい。特に本実施形態の抽出剤の選択方法により選択する抽出剤が抽出する金属、すなわち被抽出物としては、Co(コバルト)、Mn(マンガン)、及びCu(銅)から選択された1種類以上の金属であることがより好ましい。
以上に説明した本実施形態の抽出剤の選択方法によれば、より広範囲のpH環境下において被抽出物である金属を抽出できる抽出剤を、効率的に選択できる。
以下に具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
以下の手順により、より広範囲のpH環境下においてCo(コバルト)を抽出できる抽出剤の選択を行った。
(モデル分子作成工程)
抽出剤のモデル分子の作成を行った。
モデル分子の作成に当たっては、モデル分子が炭素、窒素、酸素、水素から構成されること、配位座が3座である3座配位子とすることを方針として作成した。なお、配位座の部分は−C=N−O−H、または−C−O−Hの構造を有するものとし、疎水性炭化水素基の部分は従来からコバルトの抽出に用いられている抽出剤を参考に作成した。
以上の方針の下、以下の(A)式で表される構造式を有するモデル分子を作成した。
Figure 2019005729
(金属錯体モデル作成工程)
次に、分子動力学計算を用いて、被抽出物であるCoと上記モデル分子との金属錯体モデルを複数個作成した。
具体的にはまず、3点×3点×3点の格子の中心にCoイオンを、残りの格子点上に作成した抽出剤のモデル分子を配置したモデル系を作成した。なお、格子点間の最短距離は15Åとした。
そして、該モデル系において、分子動力学計算を実施した。独立した5本の100ピコ秒の分子動力学計算を実行し、500個の金属錯体モデルを作成した。
分子動力学計算は、ソフトウエアとしてGromacsを用い、力場としてAMBERの一つである、general AMBER力場を用い、電荷はAM1−BCC電荷を用いて行った。そして、各原子、及び金属イオンの座標と、原子間の結合、非結合相互作用の情報を入力し、真空中の環境設定とした。
また、分子動力学計算を行う際の速度の計算方法として速度ベルレ法を用い、時間幅を1fsとした。温度の制御方法としてNose−Hoover chain法を用い、設定温度を300Kとした。
長距離相互作用の計算はカットオフ法を用い、拘束条件はSHAKE法を用いた。
なお、分子動力学計算を行う前に、作成したモデル系について、系全体のエネルギーが小さくなるように原子位置を動かす構造最適化計算を行ってから分子動力学計算を行った。
(分類工程)
金属錯体モデル作成工程で作成した複数個の金属錯体モデルを、Coの配位数と、Coに配位している抽出剤のモデル分子の数とにより複数のグループに分類した。
分類するに当たっては、Coから一定の距離、具体的には2.3Å内にある原子数から配位数を決め、その原子を含むモデル分子の分子数を計算することで、配位数、及び配位分子数を算出した。
また、分類する際に、各グループの出現頻度も併せて算出した。なお、全グループの出現頻度を足し合わせると1になる。
(エネルギー算出工程)
分類工程で分類したグループから1つずつ金属錯体モデルを選択し、量子化学計算を用いて各金属錯体モデルのエネルギーを算出した。そして、算出したエネルギーを該金属錯体モデルが属するグループのエネルギーの代表値とした。
なお、目視により各グループ内の金属錯体モデルを比較し、Coとモデル分子との間の距離が最も均一な金属錯体モデルを各グループの量子化学計算に供する金属錯体モデルとして選択した。
量子化学計算は、ソフトウエアとして、Gaussianを用い、半経験的分子軌道法であるPM6を用いて行った。
計算に当たっては、選択した金属錯体モデルについて、金属錯体モデル作成工程で得られた、構成する分子や、該金属錯体モデルの構造を入力し、計算を行った。
(吸着エネルギー算出工程)
吸着エネルギー算出工程では、エネルギー算出工程で算出した金属錯体モデルのエネルギー、具体的には各グループのエネルギーの代表値を用いて、被抽出物であるCoと、モデル分子作成工程で作成した(A)式で表される抽出剤のモデル分子とで構成される金属錯体モデルの吸着エネルギーの平均値を算出した。
具体的には、以下の(1)式により各グループの吸着エネルギーの代表値ΔEを算出した。
ΔE=(金属錯体モデルのエネルギー)−n×(抽出剤のモデル分子のエネルギー)−(Coイオンのエネルギー)・・・(1)
上記式中のnは、Coに配位しているモデル分子の数を意味している。
上記式中の抽出剤のモデル分子のエネルギー、及びCoイオンのエネルギーは、予め量子化学計算により算出しておいた。
そして、分類工程で算出したおいた各グループの出現頻度と、上記(1)式により算出した、各グループの吸着エネルギーの代表値との積をグループ毎に算出し、全グループ分を合算することで、金属錯体モデルの吸着エネルギーの平均値を算出した。その結果368.9kJ/molになることを確認できた。
(繰り返し工程)
モデル分子作成工程において、上記(A)式とは異なる構造の抽出剤のモデル分子、具体的には以下の(B)式、(C)式で表される構造のモデル分子を作成した。そして、それぞれのモデル分子を用いた点以外は同様にして、金属錯体モデル作成工程、分類工程、エネルギー算出工程、及び吸着エネルギー算出工程を行い、各モデル分子と、コバルトとで形成される金属錯体モデルの吸着エネルギーの平均値を算出した。
Figure 2019005729
Figure 2019005729
その結果(B)式で表される抽出剤のモデル分子の場合、金属錯体モデルの吸着エネルギーの平均値は306.0kJ/molとなった。また、(C)式で表される抽出剤のモデル分子の場合、金属錯体モデルの吸着エネルギーの平均値は296.1kJ/molとなった。
(選択工程)
以上結果から、吸着エネルギーの平均値を算出した金属錯体モデルに含まれる抽出剤のモデル分子のうち、最も吸着エネルギーの平均値が大きい抽出剤のモデル分子を抽出剤として選択した。すなわち、最も吸着エネルギーが大きくなる(A)式で表されるモデル分子の抽出剤を、選択した。
以上の結果から、従来の様に実験的な手法に拠らず、計算により、被抽出物である金属との金属錯体モデルの吸着エネルギーの平均値が最も大きくなる、すなわちより広範囲のpH環境下において被抽出物である金属を抽出できる抽出剤を、効率的に選択できることを確認できた。

Claims (4)

  1. 抽出剤のモデル分子を作成するモデル分子作成工程と、
    分子動力学計算を用いて、被抽出物である金属と前記モデル分子とで構成される金属錯体モデルを複数個作成する金属錯体モデル作成工程と、
    量子化学計算を用いて、前記金属錯体モデル作成工程で作成した金属錯体モデルのエネルギーを算出するエネルギー算出工程と、
    前記エネルギー算出工程で算出した金属錯体モデルのエネルギーを用いて、被抽出物である金属と、前記モデル分子作成工程で作成した抽出剤のモデル分子とで構成される金属錯体モデルの吸着エネルギーの平均値を算出する吸着エネルギー算出工程と、
    前記モデル分子作成工程において、異なる構造の抽出剤のモデル分子を作成し、前記金属錯体モデル作成工程、前記エネルギー算出工程、及び前記吸着エネルギー算出工程を行う繰り返し工程と、
    吸着エネルギーの平均値を算出した金属錯体モデルに含まれる抽出剤のモデル分子のうち、最も吸着エネルギーの平均値が大きい抽出剤のモデル分子を抽出剤として選択する選択工程と、を有する抽出剤の選択方法。
  2. 前記金属錯体モデル作成工程で作成した複数個の金属錯体モデルを、前記金属の配位数と、前記金属に配位している抽出剤のモデル分子の数とにより複数のグループに分類する分類工程をさらに有し、
    前記エネルギー算出工程は、前記分類工程で分類したグループ毎に、各グループから選択した1つの金属錯体モデルについて量子化学計算によりエネルギーを算出する請求項1に記載の抽出剤の選択方法。
  3. 前記被抽出物がCo、Mn、及びCuから選択された1種類以上の金属である請求項1または2に記載の抽出剤の選択方法。
  4. 前記モデル分子作成工程で作成する抽出剤のモデル分子が、1座以上6座以下で配位可能である請求項1〜3のいずれか一項に記載の抽出剤の選択方法。
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