JP2019004566A - 送電装置 - Google Patents

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祐輔 山本
裕之 平山
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Abstract

【課題】複数の送電コイルを制御する制御部が複数あったとしても、消費電力の増大が抑制できる送電装置を提供する。
【解決手段】送電装置100は、載置面に置かれた受電装置へ無線で電力を伝送し、第1の伝送方式で電力を伝送する第1送電コイル10と、第2の伝送方式で電力を伝送する第2送電コイル20と、第1送電コイルに対して第1の伝送方式の信号の送信を制御する第1制御部30と、第2送電コイルに対して第2の伝送方式の信号の送信を制御する第2制御部40と、を備え、第1制御部および第2制御部は、それぞれ第1送電コイルおよび第2送電コイルから載置面上の物の存在を確認するための存在確認信号および各伝送方式における認証信号を送信するように制御し、いずれか一方の伝送方式における認証信号に対して受電装置を認証した場合には、他方の伝送方式による存在確認信号の送信を停止する。
【選択図】図2

Description

本発明は、受電装置へ無線で電力を伝送する送電装置に関し、特に2種類の異なるコイルを共存させて非接触で電力を伝送する送電装置に関する。
従来から、受電装置へ無線で電力を伝送する送電装置が提案されている。例えば、特許文献1は、電子機器への給電を適切に行うための方法を選択し、選択された方法に基づいて、電子機器に給電が行われることを目的とした給電装置を開示する。この給電装置は、第1の給電方法に基づいて、無線給電を行うための第1の給電手段と、第1の給電方法と異なる第2の給電方法に基づいて、無線給電を行うための第2の給電手段と、電子機器と通信を行う通信手段と、電子機器との通信に基づいて、第1の給電手段及び第2の給電手段のいずれか一つを選択する選択手段と、選択手段によって選択された給電手段を用いて、電子機器に無線給電を行うための処理を行う制御手段とを有し、制御手段は、電子機器の状態に応じて、第1の給電手段及び第2の給電手段のいずれか一つを再び選択するように選択手段を制御する。
また、特許文献2は、電子機器への給電を適切に行うための方法を選択し、選択された方法に基づいて、電子機器に給電が行われることを目的とした給電装置を開示する。この給電装置は、第1の給電方法に用いられる第1の給電手段と、第1の給電方法と異なる第2の給電方法に用いられる第2の給電手段と、給電を制御するための第1の制御方法に用いられる第1の通信手段と、第1の制御方法と異なる第2の制御方法に用いられる第2の通信手段と、電子機器との認証に基づいて、給電装置を第1のモード、第2のモード及び第3のモードのいずれか一つに設定する制御手段を有し、制御手段は、設定されたモードに基づいて、電子機器に給電が行われるようにする。
特開2014−128149号公報 特開2014−075934号公報
近年、スマートフォンなどの携帯端末が普及する中で、非接触で充電を行うための規格が複数登場してきている。たとえば、Qi規格、PMA規格、A4WP規格などであり、互いに、ハード・ソフト両面において互換性のあるものとないものがある。Qi規格とPMA規格は、電磁誘導方式を採用しており、ハード(送電コイル)を共用することが可能である。一方、A4WP規格は、磁界共鳴方式を採用しており、送電コイルにおいてQi規格等とは互換性がなく、専用の送電コイルが必要になる。使用者の使いやすさを考慮した場合、1台の非接触充電器にて複数の規格に対応できることが好まれる。
1台の非接触充電器で複数の規格に対応するためにそれぞれの送電方式に則った複数の送電コイルとこれらを制御する制御部を備える必要があるが、昨今は即時性や制御のしやすさから、送電コイル毎に制御部を備えることが求められるようになった。しかし、係る非接触充電器においては、受電装置の接近を検知するため間欠的にその存在を確認するための信号(Qi規格ではAnalog Ping、A4WP規格ではShort Beaconと言う)を送信し続けなければならないので、電力の消費が大きくなるという問題があった。
本発明は、かかる事情を鑑みて考案されたものであり、複数の送電コイルを制御する制御部が複数あったとしても、消費電力の増大が抑制できる送電装置を提供するものである。
上記課題を解決するために、載置面に置かれた受電装置へ無線で電力を伝送する送電装置であって、第1の伝送方式で電力を伝送する第1送電コイルと、第2の伝送方式で電力を伝送する第2送電コイルと、第1送電コイルに対して第1の伝送方式の信号の送信を制御する第1制御部と、第2送電コイルに対して第2の伝送方式の信号の送信を制御する第2制御部と、を備え、第1制御部および第2制御部は、それぞれ第1送電コイルおよび第2送電コイルから載置面上の物の存在を確認するための存在確認信号および各伝送方式における認証信号を送信するように制御し、いずれか一方の伝送方式における認証信号に対して受電装置を認証した場合には、他方の伝送方式による存在確認信号の送信を停止する、送電装置が提供される。
これによれば、いずれか一方の伝送方式における認証信号に対して受電装置を認証した場合には、他方の伝送方式による存在確認信号の送信を停止することで、消費電力の増大が抑制できる送電装置を提供することができる。
さらに、第2制御部への電源供給を制御する電源供給制御部をさらに備え、第1制御部は、第1の伝送方式における認証信号に対して受電装置を認証した場合には、電源供給制御部に対して第2制御部への電源供給を停止するように制御することを特徴としてもよい。
これによれば、第2制御部への電源供給を停止することで消費電力の増大が抑制できる。
さらに、第2制御部は、第2の伝送方式における認証信号に対して受電装置を認証した場合には、第1制御部に対して存在確認信号の送信を停止する旨の存在確認停止信号を送信することを特徴としてもよい。
これによれば、第1制御部からの存在確認信号の送信を停止することで消費電力の増大が抑制できる。
さらに、第1制御部は、電源供給制御部に対して第2制御部への電源供給を停止した後受電装置へ電力を伝送するように制御し、受電装置への充電が終了した場合、電源供給制御部に対して第2制御部への電源供給を開始するように制御することを特徴としてもよい。
これによれば、第2制御部への電源供給を開始することで、複数の制御部による送電コイルの送電制御を回復できる。
さらに、第2制御部は、第1制御部に対して存在確認信号の送信を停止する旨の存在確認停止信号を送信した後受電装置へ電力を伝送するように制御し、受電装置への充電が終了した場合、第1制御部に対して存在確認信号の送信を開始する旨の存在確認開始信号を送信することを特徴としてもよい。
これによれば、第1制御部からの存在確認信号の送信を開始することで、複数の制御部による送電コイルの送電制御を回復できる。
上記課題を解決するために、載置面に置かれた受電装置へ無線で電力を伝送する送電装置であって、第1の伝送方式で電力を伝送する第1送電コイルと、第2の伝送方式で電力を伝送する第2送電コイルと、第1送電コイルに対して第1の伝送方式の信号の送信を制御する第1制御部と、第2送電コイルに対して第2の伝送方式の信号の送信を制御する第2制御部と、第2制御部への電源供給を制御する電源供給制御部と、第1制御部と電源供給制御部とを接続する第1信号線と、第2制御部と電源供給制御部とを接続する電源線と、第1制御部と第2制御部とを接続する第2信号線と、を備え、第1制御部および第2制御部は、それぞれ第1送電コイルおよび第2送電コイルから載置面上の物の存在を確認するための存在確認信号および各伝送方式における認証信号を送信するように制御し、第1制御部は、第1の伝送方式における認証信号に対して受電装置を認証した場合には、第1信号線に電源供給を停止する旨の電源供給停止信号を出力し、電源供給制御部は、電源供給停止信号に基づいて、第2制御部の電源供給を停止し、第2制御部は、第2の伝送方式における認証信号に対して受電装置を認証した場合には、第2信号線に存在確認信号の送信を停止する旨の存在確認停止信号を出力し、第1制御部は、存在確認停止信号に基づいて、存在確認信号の送信を停止する送電装置が提供される。
これによれば、第1制御部は、第1の伝送方式における認証信号に対して受電装置を認証した場合には、第2制御部への電源供給を停止し、第2制御部は、第2の伝送方式における認証信号に対して受電装置を認証した場合には、第1制御部が存在確認信号の送信を停止することで、消費電力の増大が抑制できる送電装置を提供することができる。
以上説明したように、本発明によれば、複数の送電コイルを制御する制御部が複数あったとしても、消費電力の増大が抑制できる送電装置を提供することができる。
本発明に係る第一実施例の送電装置の、(A)平面図(載置面を含むケースを除く)、(B)I−I断面における断面図。 本発明に係る第一実施例の送電装置における電磁誘導方式(Qi)の受電装置を載置した場合の各制御部の信号送信を示す説明図。 本発明に係る第一実施例の送電装置における電磁誘導方式(PMA)の受電装置を載置した場合の各制御部の信号送信を示す説明図。 本発明に係る第一実施例の送電装置における磁界共鳴方式(A4WP)の受電装置を載置した場合の各制御部の信号送信を示す説明図。 本発明に係る第一実施例の送電装置のブロック図(停止方法を含む)。 本発明に係る第一実施例の送電装置のブロック図(復帰方法を含む)。
以下では、図面を参照しながら、本発明に係る実施例について説明する。
<第一実施例>
図1を参照し、本実施例における送電装置100を説明する。なお、図1(A)は、送電装置100のケース90を図示せず、内部のコイル等のみを示す。送電装置100は、携帯端末などの受電装置RDに無線で電力を伝送する装置であり、受電装置RDを載置するケース90に載置面91を有する。送電装置100は、携帯端末などの受電装置RDに対して無線で給電する所謂ワイヤレス充電方式として、数十kHz〜数百kHz付近の周波数の電磁波を使用した電磁誘導方式と、数MHz〜数十MHz付近の周波数の電磁波を使用した磁界共鳴方式の両方を含む。
送電装置100は、かかる2種類のワイヤレス充電方式に対応するため、電磁誘導方式(第1の伝送方式)で電力を伝送する第1送電コイル10と、磁界共鳴方式(第2の伝送方式)で電力を伝送する第2送電コイル20とを備える。電磁誘導方式とは、送電側のコイルが発生させる磁場の変化に伴って生ずる電磁誘導により、受電側のコイルに起電力を発生させて電力を伝送する方式である。磁界共鳴方式とは、送電側のコイルの周波数と受電側のコイルの周波数を合わせて、送電側のコイルに電流が流れることにより発生した磁場の振動が同じ周波数で共振する受電側の共振回路に伝わることにより、電力を伝送する方式である。
電磁誘導方式は、磁束の大きさが電力の伝送効率に大きく影響し、送電側と受電側のコイルの結合係数の大きさが送電電力の大小を決めることになる。結合係数の大きさは、両コイル間の距離やコイル中心位置の一致度などにより影響を受ける。磁界共鳴方式は、磁束が小さくてもよく、その代わり送電側と受電側のコイル(アンテナ)におけるピーキー性能(所定の周波数に対して鋭敏に反応する性質)の高さが伝送効率に大きく影響する。磁界共鳴方式では、磁束の大きさは伝送効率にあまり関係がないため、送電側のコイルと受電側のコイルが離れていても送電が可能であるとの特徴がある一方で、周囲のコイルや磁束の影響を受け易い。すなわち、磁界共鳴方式の伝送効率においては、送電側のコイルの共振周波数と受電側のコイルの共振周波数をどれだけ一致させることができるかが重要となる。
送電装置100は、より具体的には、平面視矩形の第1送電コイル基板11と、第1送電コイル基板11上に矩形板状に磁界を強めるための磁性体12と、磁性体12の載置面91側に積層するようにして設けられた第1送電コイル10と、第1送電コイル基板11と平行に対向して設けられた第2送電コイル基板21と、第2送電コイル基板21上に設けられた第2送電コイル20と、第1送電コイル基板11上に第1送電コイル10に対して第1の伝送方式の信号の送信を制御する第1制御部30および第2送電コイル20に対して第2の伝送方式の信号の送信を制御する第2制御部40と、を備える。
第1送電コイル10は、第2送電コイル基板21の開口部22の中に嵌るように配置される。したがって、第1送電コイル10は、第2送電コイル20のコイル中心側に、第2送電コイル20は、第1送電コイル10の外周側に位置する。なお、磁性体12は、フェライトなどの透磁率1以上の材料から構成され、方形板状をなし、その平面視形状は、第2送電コイル基板21の開口部22の矩形の形状とほぼ同じであり、開口部22に一致するように配置されている。第1送電コイル10は、導体の配線パターンにより方形環状に巻回されたスパイラルコイルであり、受電装置RDが載置面91で多少ずれて置かれてもいいように、3つのコイルから構成されている。
第2送電コイル20は、第2送電コイル基板21の開口部22と外周部に挟まれた枠部に設けられる。第2送電コイル20は、第2送電コイル基板21上に形成された導体の配線パターンにより方形に形成されたアンテナであり、磁束の強さで結合する第1送電コイル10とは異なり、磁界共鳴のため必ずしも何回も巻回する必要はない。第2送電コイル20は、自分のインダクタンスと浮遊容量とによって、所定の周波数で共振するようになっている。なお、本実施例では、第2送電コイル20は、載置面91に対して第1送電コイル10とほぼ同距離に位置するが、これに限定されず、載置面91に対してより近い位置または載置面91より受電装置RD側(図1(B)において図視で載置面91より上側)にあってもよい。
第1制御部30および第2制御部40は、それぞれの伝送方式で伝送するためインバータ回路等の回路で構成される。第1制御部30は、電磁誘導方式に対応した送電用の電気信号を発生させる電磁誘導方式制御部である。電磁誘導方式に対応した電気信号としては、通常、数十kHz〜数百kHz付近の周波数の交流の電気信号が用いられる。第2制御部40は、磁界共鳴方式に対応した送電用の電気信号を発生させる磁界共鳴方式制御部である。磁界共鳴方式に対応した電気信号としては、通常、数MHz〜数十MHz付近の周波数の交流の電気信号が用いられる。第1制御部30および第2制御部40は、それぞれ独立した制御回路であり、所謂プロセシングユニット(CPU)である。
図2〜図4を参照し、第1制御部30および第2制御部40の電気信号の送信方法について説明する。第1制御部30および第2制御部40は、載置面91における物体の存在を確認するための存在確認信号(Qi規格ではAnalog Ping、A4WP規格ではShort Beaconと言う)と、所定の伝送方式に対応した受電装置RDであるか否かを認証するための認証信号(Qi規格ではRapid Pingとも言う)と、所定の伝送方式で充電するための充電電波信号を、第1送電コイル10および第2送電コイル20から送信するように電気信号を発生させる。
第1制御部30および第2制御部40では、存在確認信号で載置面91に物体の存在を確認した場合には認証信号を送信し、認証できた場合すなわちどの伝送方式の受電装置RDが載置されたのかが認識できた場合にはその伝送方式の充電電波信号を送信して充電を行う。なお、存在確認信号は、金属の接近によりインピーダンスの変化により物体が載置面91に接近したか否かを検知してもよいし、他の方法であってよい。1回の存在確認信号が出力されている時間は短いが、載置面91に受電装置RDが載置されることを待機しているので所定間隔で間欠的に常に出力することとなるため、消費電力を多く費やす原因となっている。
図2は、電磁誘導方式の中でもQi方式の受電装置RDを載置した場合の第1制御部30および第2制御部40の送信方法を示す。第1制御部30は、第1送電コイル10が3つのコイル0〜コイル2から構成されているので、それぞれのコイルから所定の間隔で互いに衝突しないように存在確認信号を送信するように制御する。第2制御部40も、第1制御部30による存在確認信号の送信と衝突しないように所定の間隔で存在確認信号の送信を行う。すなわち、第1制御部30がコイル0、コイル1、コイル2の順で存在確認信号を送信した後第2制御部40は存在確認信号を送信し、送電装置100が載置面91に接近した物体の存在を確認しない限り、これが繰り返されている。なお、第1制御部30が送信する存在確認信号は、Qi方式と後述する電磁誘導方式のPMA方式と共用の存在確認信号である。
本図では、電磁誘導方式の3周目の存在確認信号の送信が終わった辺りでQi方式の受電装置RDが載置されたことが示されている。そうすると、送電装置100では、載置面91に何らかの物体が載置されたことを検知し、第2制御部40は、存在確認信号を送信する代わりに、磁界共鳴方式の認証信号を送信する。磁界共鳴方式の認証信号は、所定の時間をかけて行われる。しかし、載置面91に載置されたのは、Qi方式の受電装置RDなので、磁界共鳴方式の認証信号に対しては認証されず、磁界共鳴方式の規格確認が不成立となる。
送電装置100は、次に電磁誘導方式であるQi方式の存在確認信号をコイル0から送信し始める。本図では、Qi方式の受電装置RDがコイル0で認証され、Qi方式の規格確認が成立したことが示されている。コイル中心のズレのためにコイル0では認証されず、コイル1またはコイル2で認証される場合もある。載置面91に載置されたQi方式の受電装置RDに対して、送電装置100は、コイル0から、Qi方式による充電電波を発し、受電装置RDの充電を行う。
第2制御部40は、磁界共鳴方式の認証信号を送信したが規格確認が不成立となった以降は、載置された受電装置RDは電磁誘導方式の受電装置RDである可能性が高いため、磁界共鳴方式の存在確認信号の出力を停止する。このように、存在確認信号を所定の間隔で送信することを停止することにより消費する電力を削減することができる。
図3は、電磁誘導方式の中でもPMA方式の受電装置RDを載置した場合の第1制御部30および第2制御部40の送信方法を示す。図2と同様、第1制御部30は、3つのそれぞれのコイルから所定の間隔で互いに衝突しないように存在確認信号を送信するように制御する。第2制御部40も、第1制御部30による存在確認信号の送信と衝突しないように所定の間隔で存在確認信号の送信を行う。すなわち、第1制御部30がコイル0、コイル1、コイル2の順で存在確認信号を送信した後第2制御部40は存在確認信号を送信し、送電装置100が載置面91に接近した物体の存在を確認しない限り、これが繰り返されている。なお、第1制御部30が送信する存在確認信号は、Qi方式と電磁誘導方式のPMA方式と共用の存在確認信号である。
本図では、電磁誘導方式の3周目の存在確認信号の送信が終わった辺りでPMA方式の受電装置RDが載置されたことが示されている。そうすると、送電装置100では、載置面91に何らかの物体が載置されたことを検知し、第2制御部40は、存在確認信号を送信する代わりに、磁界共鳴方式の認証信号を送信する。磁界共鳴方式の認証信号は、所定の時間をかけて行われる。しかし、載置面91に載置されたのは、PMA方式の受電装置RDなので、磁界共鳴方式の認証信号に対しては認証されず、磁界共鳴方式の規格確認が不成立となる。
送電装置100は、次に電磁誘導方式であるQi方式の存在確認信号をコイル0〜コイル2から送信し始める。しかし、載置面91に載置されたのは、PMA方式の受電装置RDなので、いずれのQi方式の認証信号に対しても認証されず、Qi方式の規格確認が不成立となる。送電装置100は、磁界共鳴方式および電磁誘導方式であるQi方式の規格確認が不成立となったので、次に電磁誘導方式であるPMA方式の存在確認信号をコイル0〜コイル2から送信し始める。
本図では、PMA方式の受電装置RDがコイル0で認証され、PMA方式の規格確認が成立したことが示されている。コイル中心のズレのためにコイル0では認証されず、コイル1またはコイル2で認証される場合もある。載置面91に載置されたPMA方式の受電装置RDに対して、送電装置100は、コイル0から、PMA方式による充電電波を発し、受電装置RDの充電を行う。
第2制御部40は、磁界共鳴方式の認証信号を送信したが規格確認が不成立となった以降は、載置された受電装置RDは電磁誘導方式の受電装置RDである可能性が高いため、磁界共鳴方式の存在確認信号の出力を停止する。このように、存在確認信号を所定の間隔で送信することを停止することにより消費する電力を削減することができる。
図4は、磁界共鳴方式のA4WP方式の受電装置RDを載置した場合の第1制御部30および第2制御部40の送信方法を示す。図2および図3と同様、第1制御部30がコイル0、コイル1、コイル2の順で存在確認信号を送信した後第2制御部40は存在確認信号を送信し、送電装置100が載置面91に接近した物体の存在を確認しない限り、これが繰り返されている。
本図では、電磁誘導方式の3周目の存在確認信号の送信が終わった辺りでA4WP方式の受電装置RDが載置されたことが示されている。そうすると、送電装置100では、載置面91に何らかの物体が載置されたことを検知し、第2制御部40は、存在確認信号を送信する代わりに、磁界共鳴方式の認証信号を送信する。磁界共鳴方式の認証信号は、所定の時間をかけて行われる。載置面91に載置されたのは、A4WP方式の受電装置RDなので、磁界共鳴方式の認証信号に対しては認証され、磁界共鳴方式の規格確認が成立となる。第2制御部40は、磁界共鳴方式の規格確認が成立となったので、受電装置RDに対して、第2送電コイル20から、A4WP方式による充電電波を発し、受電装置RDの充電を行う。
一方、第1制御部30は、存在確認信号により物体の存在を確認しているので、電磁誘導方式であるQi方式の認証信号をコイル0〜コイル2から送信し始める。しかし、載置面91に載置されたのはA4WP方式の受電装置RDなので、いずれのQi方式の認証信号に対しても認証されず、Qi方式の規格確認が不成立となる。次に、第1制御部30は、Qi方式の規格確認が不成立となったので、PMA方式の認証信号をコイル0〜コイル2から送信し始める。しかし、同様に、いずれのPMA方式の認証信号に対しても認証されず、PMA方式の規格確認が不成立となる。
第1制御部30は、電磁誘導方式の両方の認証信号を送信したが両方とも規格確認が不成立となった以降は、載置された受電装置RDは磁界共鳴方式の受電装置RDである可能性が高いため、電磁誘導方式の存在確認信号の出力を停止する。このように、存在確認信号を所定の間隔で送信することを停止することにより消費する電力を削減することができる。
上述してきたように、送電装置100においては、第1制御部30および第2制御部40は、それぞれ第1送電コイル10および第2送電コイル20から載置面91上の物の存在を確認するための存在確認信号および各伝送方式における認証信号を送信するように制御し、いずれか一方の伝送方式における認証信号に対して受電装置RDを認証した場合には、他方の伝送方式による存在確認信号の送信を停止する。このように、いずれか一方の伝送方式における認証信号に対して受電装置RDを認証した場合には、他方の伝送方式による存在確認信号の送信を停止することで、消費電力の増大が抑制できる送電装置100を提供することができる。
図5を参照し、送電装置100をさらに説明する。送電装置100は、電磁誘導方式の第1送電コイル10と、磁界共鳴方式の第2送電コイル20と、第1送電コイル10からの電磁誘導方式の信号の送信を制御する第1制御部30と、第2送電コイル20からの磁界共鳴方式の信号の送信を制御する第2制御部40と、第2制御部40への電源供給を制御する電源供給制御部50と、第1制御部30へ電源の供給を行う電源回路51と、第1制御部30と電源供給制御部50とを接続する第1信号線60と、第2制御部40と電源供給制御部50とを接続する電源線80と、第1制御部30と第2制御部40とを接続する第2信号線70と、を備える。
第1制御部30と第2制御部40は、それぞれ電源回路51と電源供給制御部50を経由して電源Bから電力の供給を受ける。なお、電磁誘導方式出力回路31および磁界共鳴方式出力回路41は、電磁誘導方式制御部30および磁界共鳴方式制御部40がそれぞれ発生させた電気信号を、第1送電コイル10または第2送電コイル20に印加する。電源回路51は、電源Bに電力がある限り常に第1制御部30に電力を供給する。電源供給制御部50は、第1制御部30の制御により、第2制御部40に対して電力の供給をオン/オフする。すなわち、第1制御部30は、第1送電コイル10からの電磁誘導方式の認証信号に対して受電装置RDを認証した場合には、電源供給制御部50に対して第2制御部40への電源供給を停止するように制御する。
より具体的には、第1制御部30は、電磁誘導方式の伝送方式における認証信号に対して受電装置RDを認証した場合には、第1信号線60に第2制御部40への電源供給を停止する旨の電源供給停止信号を出力する。電源供給制御部50は、第1信号線60を経由して受信した電源供給停止信号に基づいて、電源線80を経由した第2制御部40の電源供給を停止する。第2制御部40は、電源の供給を停止されると第2送電コイル20(磁界共鳴方式コイル)を駆動する磁界共鳴方式出力回路41にも電力を供給できなくなる。このように、第2制御部40への電源供給を停止することで消費電力の増大が抑制できる。
逆に、第2制御部40は、磁界共鳴方式の認証信号に対して受電装置RDを認証した場合には、第1制御部30に対して存在確認信号の送信を停止する旨の存在確認停止信号を送信する。より具体的には、第2制御部40は、磁界共鳴方式の伝送方式における認証信号に対して受電装置RDを認証した場合には、第2信号線70に存在確認信号の送信を停止する旨の存在確認停止信号を出力する。第1制御部30は、存在確認停止信号に基づいて、第1送電コイル10(電磁誘導方式コイル)を駆動する電磁誘導方式出力回路31に出力をオフにする信号を送信し、第1送電コイル10への電源供給を停止し、存在確認信号の送信を停止する。このように、第1制御部30からの存在確認信号の送信を停止することで消費電力の増大が抑制できる。
図6を参照し、送電装置100において、停止した存在確認信号の送信を復帰する方法を説明する。送電装置100の構成は図5と同じものである。図2および図3で示したような、電磁誘導方式のQi方式またはPMA方式の規格確認が成立し、載置面91に載置された受電装置RDに対して第1送電コイル10からいずれかの方式の充電電波を発し、受電装置RDの充電を行った場合において受電装置RDが取り外されたり満充電になるなど充電を終了する時、送電装置100は、充電電波の送信を停止する。そして、第1制御部30は、電源供給制御部50に対して第2制御部40への電源供給を開始するように制御する。
より具体的には、第1制御部30は、電磁誘導方式の受電装置RDが満充電となり充電を終了する場合には、第1信号線60に第2制御部40への電源供給を開始する旨の電源供給開始信号を出力する。電源供給制御部50は、第1信号線60を経由して受信した電源供給開始信号に基づいて、電源線80を経由した第2制御部40の電源供給を開始する。第2制御部40は、電源の供給を開始されると第2送電コイル20(磁界共鳴方式コイル)から存在確認信号の送信を開始する。このように、第2制御部40への電源供給を開始することで、複数の制御部による送電コイルの送電制御を回復できる。
逆に、第2制御部40は、磁界共鳴方式の受電装置RDが満充電となり充電を終了する場合には、第1制御部30に対して存在確認信号の送信を開始する旨の存在確認開始信号を送信する。より具体的には、第2制御部40は、磁界共鳴方式の受電装置RDが満充電等となり充電を終了する場合には、第2信号線70に存在確認信号の送信を開始する旨の存在確認開始信号を出力する。第1制御部30は、存在確認開始信号に基づいて、第1送電コイル10(電磁誘導方式コイル)を駆動する電磁誘導方式出力回路31に出力をオンにする信号を送信し、第1送電コイル10への電源供給を開始し、存在確認信号の送信を開始する。このように、第1制御部30からの存在確認信号の送信を開始することで、複数の制御部による送電コイルの送電制御を回復できる。
なお、本発明は、例示した実施例に限定するものではなく、特許請求の範囲の各項に記載された内容から逸脱しない範囲の構成による実施が可能である。すなわち、本発明は、主に特定の実施形態に関して特に図示され、かつ説明されているが、本発明の技術的思想および目的の範囲から逸脱することなく、以上述べた実施形態に対し、数量、その他の詳細な構成において、当業者が様々な変形を加えることができるものである。
RD 受電装置(携帯端末)
100 送電装置
10 第1送電コイル(電磁誘導方式コイル)
11 第1送電コイル基板
12 磁性体
20 第2送電コイル(磁界共鳴方式コイル)
21 第2送電コイル基板
22 開口部
30 第1制御部
40 第2制御部
50 電源供給制御部
60 第1信号線
70 第2信号線
80 電源線
90 ケース
91 載置面

Claims (6)

  1. 載置面に置かれた受電装置へ無線で電力を伝送する送電装置であって、
    第1の伝送方式で電力を伝送する第1送電コイルと、
    第2の伝送方式で電力を伝送する第2送電コイルと、
    前記第1送電コイルに対して前記第1の伝送方式の信号の送信を制御する第1制御部と、
    前記第2送電コイルに対して前記第2の伝送方式の信号の送信を制御する第2制御部と、
    を備え、
    前記第1制御部および前記第2制御部は、それぞれ前記第1送電コイルおよび前記第2送電コイルから前記載置面上の物の存在を確認するための存在確認信号および各伝送方式における認証信号を送信するように制御し、いずれか一方の伝送方式における認証信号に対して前記受電装置を認証した場合には、他方の伝送方式による存在確認信号の送信を停止する、
    送電装置。
  2. 前記第2制御部への電源供給を制御する電源供給制御部をさらに備え、
    前記第1制御部は、前記第1の伝送方式における認証信号に対して前記受電装置を認証した場合には、前記電源供給制御部に対して前記第2制御部への電源供給を停止するように制御することを特徴とする請求項1に記載の送電装置。
  3. 前記第2制御部は、前記第2の伝送方式における認証信号に対して前記受電装置を認証した場合には、前記第1制御部に対して存在確認信号の送信を停止する旨の存在確認停止信号を送信することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の送電装置。
  4. 前記第1制御部は、前記電源供給制御部に対して前記第2制御部への電源供給を停止した後前記受電装置へ電力を伝送するように制御し、前記受電装置への充電が終了した場合、前記電源供給制御部に対して前記第2制御部への電源供給を開始するように制御することを特徴とする請求項2に記載の送電装置。
  5. 前記第2制御部は、前記第1制御部に対して存在確認信号の送信を停止する旨の存在確認停止信号を送信した後前記受電装置へ電力を伝送するように制御し、前記受電装置への充電が終了した場合、前記第1制御部に対して存在確認信号の送信を開始する旨の存在確認開始信号を送信することを特徴とする請求項3に記載の送電装置。
  6. 載置面に置かれた受電装置へ無線で電力を伝送する送電装置であって、
    第1の伝送方式で電力を伝送する第1送電コイルと、
    第2の伝送方式で電力を伝送する第2送電コイルと、
    前記第1送電コイルに対して前記第1の伝送方式の信号の送信を制御する第1制御部と、
    前記第2送電コイルに対して前記第2の伝送方式の信号の送信を制御する第2制御部と、
    前記第2制御部への電源供給を制御する電源供給制御部と、
    前記第1制御部と前記電源供給制御部とを接続する第1信号線と、
    前記第2制御部と前記電源供給制御部とを接続する電源線と、
    前記第1制御部と前記第2制御部とを接続する第2信号線と、
    を備え、
    前記第1制御部および前記第2制御部は、それぞれ前記第1送電コイルおよび前記第2送電コイルから前記載置面上の物の存在を確認するための存在確認信号および各伝送方式における認証信号を送信するように制御し、
    前記第1制御部は、前記第1の伝送方式における認証信号に対して前記受電装置を認証した場合には、前記第1信号線に電源供給を停止する旨の電源供給停止信号を出力し、前記電源供給制御部は、前記電源供給停止信号に基づいて、前記第2制御部の電源供給を停止し、
    前記第2制御部は、前記第2の伝送方式における認証信号に対して前記受電装置を認証した場合には、前記第2信号線に存在確認信号の送信を停止する旨の存在確認停止信号を出力し、前記第1制御部は、前記存在確認停止信号に基づいて、存在確認信号の送信を停止する、
    送電装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022102497A1 (ja) * 2020-11-12 2022-05-19 キヤノン株式会社 送電装置、送電装置の制御方法、及びプログラム

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