以下に図面を参照して、この発明にかかる支払支援装置、支払支援方法、および支払支援プログラムの実施の形態を詳細に説明する。
(支払支援システムのシステム構成)
まず、実施の形態にかかる支払支援システム100のシステム構成例について説明する。図1は、実施の形態にかかる支払支援システム100のシステム構成例を示す説明図である。図1において、支払支援システム100は、カード会社サーバ111と、利用者端末121と、店舗端末131と、を有する。
カード会社サーバ111は、カード会社110のサーバである。カード会社サーバ111は、所有者毎のクレジットカードのカード情報や、クレジットカードによって支払がおこなわれた支払額を管理するパーソナルコンピュータなどの汎用的なコンピュータ装置である。カード会社サーバ111は、CPU(Central Processing Unit)やメモリやインタフェースなどを有する。また、カード会社サーバ111は、与信情報DB(Database)112と、カード情報DB113と、可否情報履歴DB114と、利用履歴DB115とを有する。各種DB112〜115の記憶内容については、図3A〜図3Dを用いて後述する。
利用者端末121は、検出装置の一例であり、クレジットカード122を有する利用者120が使用するコンピュータ装置である。利用者端末121は、近距離無線通信をおこなうことが可能であり、クレジットカード122(122a〜122e)に内蔵されるIC(Integrated Circuit)チップからカード情報を読み取ることが可能である。たとえば、利用者端末121は、たとえば、所定範囲内(たとえば50cm以内)に位置するクレジットカード122に内蔵されるICチップからカード情報を読み取るNFC(Near Field Communication)リーダを有する。
利用者端末121には、たとえば、スマートフォン、タブレット型PC、ウエアラブル端末などを用いることが可能である。ウエアラブル端末には、ウォッチ型、リストバンド型、クリップ型、ゴーグル型などがある。ただし、利用者端末121は、これに限らず、たとえば、携帯電話機、PHS(Personal Handyphone System)などとすることも可能である。利用者端末121は、利用者120毎に一または複数がカード会社サーバ111に登録される。利用者端末121は、CPUやメモリやインタフェースなどを有する。
利用者120は、同一のカード番号の複数のクレジットカード122a〜122eを有する。クレジットカード122a〜122eは、それぞれ異なる識別情報を有する。クレジットカード122a〜122eは、カード情報を記憶するICチップを内蔵する。カード情報は、カード番号や識別情報を含む。
店舗端末131は、店舗130のスタッフが使用するパーソナルコンピュータなどの汎用的なコンピュータ装置である。店舗端末131は、代金の精算や記憶、売上の管理などキャッシュレジスタの機能を有する。店舗端末131には、たとえば、デスクトップ型PC(Personal Computer)、タブレット型PC、ノートPCなどを用いることが可能である。
また、店舗端末131は、カードリーダ132に接続される。カードリーダ132は、利用者120がクレジットカード122で支払をおこなう場合に、クレジットカード122のカード情報を読み取る。カードリーダ132は、非接触式でもよいし、接触式でもよい。カードリーダ132によって読み取られたカード情報は、店舗端末131を介して、カード会社サーバ111に送信される。カード会社サーバ111におけるクレジットカード122の照会の結果、利用可能であれば、利用者は、クレジットカード122を用いた与信取引により、支払をおこなうことができる。
支払支援システム100において、カード会社サーバ111と、利用者端末121と、店舗端末131とは、有線または無線のネットワーク140を介して接続される。ネットワーク140は、たとえば、インターネット、移動体通信網、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)などである。
カード会社サーバ111には、この発明にかかる支払支援プログラムがインストールされている。カード会社サーバ111は、利用者端末121や店舗端末131からの各種要求に応じた処理をおこない、利用者端末121や店舗端末131に対して処理結果を出力する。
(カード会社サーバ111のハードウエア構成の一例)
つぎに、カード会社サーバ111について、その具体的な構成の一例を説明する。なお、カード会社サーバ111、利用者端末121や店舗端末131は、それぞれ主要な構成については同様であるため、以下においては、カード会社サーバ111について説明することとする。
図2は、カード会社サーバ111のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。図2において、カード会社サーバ111は、CPU201と、メモリ202と、出力部203と、入力部204と、通信IF(Interface)205と、を備える。また、カード会社サーバ111が備える各部201〜205は、バス210によってそれぞれ接続されている。
CPU201は、カード会社サーバ111の全体の制御をつかさどる。CPU201は、メモリ202が記憶する各種のプログラムやデータを用いて、カード会社サーバ111の全体の制御をつかさどる。メモリ202は、ハードディスクやフラッシュメモリなどによって実現することができる。
出力部203は、たとえば、ディスプレイ、スピーカ、音声出力端子を含む。ディスプレイは、たとえば、主に液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイなどによって実現することができる。
また、スピーカは、音声、アラーム音などを出力する。音声出力端子は、ヘッドフォーンなどを接続する端子であり、スピーカと同様に、音声、アラーム音などを接続されたヘッドフォーンなどに出力する。
入力部204は、文字、数値、各種指示などの入力のためのキーを備え、データ入力をおこなう。入力部204は、たとえば、タッチパネルやキーボードなどによって実現することができる。タッチパネルやキーボードなどによって実現される入力部204は、当該入力部204に対する入力操作に応じた信号をCPU201に対して出力する。ここで、店舗端末131の場合、入力部204は、カードリーダ132(図1参照)によって読み取られたカード情報の入力をおこなう機能を有する。
入力部204をタッチパネルによって実現する場合、タッチパネルは、ディスプレイの表示面側に積層される。タッチパネルは、指やペンなどの筆記部材が接触したことを検出した場合に、タッチパネルに対する筆記部材の接触位置に応じた電気信号を出力する。タッチパネルは、たとえば抵抗膜方式や静電容量方式、音響パルス認識方式、超音波表面弾性波方式、赤外遮光方式、画像認識方式など公知の各種の方式のものを用いることができる。
また、入力部204は、カメラを含んでもよい。カメラは、CPU201によって制御されて撮像対象を撮像し、画像データを生成したり、OCR(Optical Character Reader)機能を用いて撮影した文字をデータ化して入力したりすることができる。
また、入力部204は、マイクを含んでもよい。マイクは、アナログデータとして入力された話者の声をアナログ/デジタル変換し、デジタル形式の音声データを生成する。マイクを用いることにより、タッチパネルやキーボードを用いる代わりに、文字などの入力をおこなうことができる。
通信IF205は、カード会社サーバ111の内部と、利用者端末121や店舗端末131などの外部装置とのインタフェースをつかさどる。また、利用者端末121の場合、通信IF205は、近距離無線通信により、クレジットカード122に内蔵されるICチップからカード情報を読み取る機能を有する。
(各種DB112〜114の記憶内容)
つぎに、図3A〜図3Dを用いて、図1に示したカード会社サーバ111が有する各種DB112〜114の記憶内容について説明する。各種DB112〜114は、たとえば、メモリなどの記憶部により実現される。
図3Aは、与信情報DB112の記憶内容の一例を示す説明図である。図3Aにおいて、与信情報DB112は、カード番号、名義人、有効期限、セキュリティコード、限度額、および現在までの利用額のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、与信情報(たとえば、与信情報300−1,300−2)のレコードが記憶される。
カード番号は、クレジットカードに記載される、たとえば16桁の番号である。名義人は、クレジットカードの名義人を示す。有効期限は、クレジットカードが利用可能な期限を示す。セキュリティコードは、たとえば、クレジットカードの裏面に記載される、たとえば3桁の数字である。限度額は、一定期間内(たとえば1ヶ月間)においてクレジットカードを用いて購入することのできる上限額を示す。現在までの利用額は、一定期間の開始(たとえば月初)から現在までの間にクレジットカードを利用した額の総額を示す。
たとえば、与信情報300−1は、カード番号「1234…」、名義人「総山太郎」、有効期限「2021年9月」、セキュリティコード「634」、限度額「¥30万」、現在までの利用額「¥41520」を示す。なお、現金を融資するキャッシングの利用が可能である場合には、キャッシングについての情報(限度額や現在までの利用額)も与信情報DB112に記憶される。
与信情報DB112において、カード番号、名義人、有効期限、セキュリティコード、および限度額については、クレジットカードを新規に作成する際に、カード会社110の審査や利用者の申告に応じて設定される。現在までの利用額は、利用した額に応じてその都度更新される。なお、与信情報300は、カード番号等のほかにも、名義人の住所、電話番号、生年月日等を含んでいてもよい。
図3Bは、カード情報DB113の記憶内容の一例を示す説明図である。図3Bにおいて、カード情報DB113は、カード番号、利用者端末情報、識別情報、登録情報、最終更新日時、および可否情報のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、カード情報(たとえば、カード情報310−1〜310−n)のレコードが記憶される。
カード番号は、与信情報DB112(図3A参照)におけるカード番号に対応する。利用者端末情報は、利用者端末121を特定するための情報である。識別情報は、同一のカード番号の複数のカードのそれぞれに割り当てられ、それぞれ異なる情報である。具体的には、識別情報は、5種類あり、たとえば、「A」〜「E」の記号とするが、「1」〜「5」といった数字としてもよい。
登録情報は、複数のカードのうち、登録の有無を示し、たとえば、利用者からの申告等に基づいて設定される。により予め定められていてもよい。登録情報が「あり」の場合、後述する可否情報は、「有効」に設定されることがあり、一方で、登録情報が「なし」の場合、常時「無効」を保持する。登録情報が「なし」のカードは、利用者が利用することを想定していない予備のカードや紛失したカードである。登録情報は、初期設定では、たとえば、所定枚数(たとえば3枚)が「あり」に設定され、残り(たとえば2枚)が「なし」に設定される。
最終更新日時は、利用者端末121からの受信結果に応じて更新される最後の更新日時を示す。具体的には、最終更新日時は、予め登録される利用者端末情報が示す各利用者の利用者端末121から、利用者端末121の所定範囲内に存在するカードのカード情報を最後に受信した日時である。
可否情報は、利用者端末121からの受信結果に応じて更新され、カードが利用可能な「有効」と、カードが利用不可能な「無効」とのいずれかをとる。たとえば、可否情報は、カードが利用者端末121の所定範囲内にある場合に「有効」となる。また、可否情報は、最終更新日時において「有効」となると、所定期間が経過するまでの間は「有効」を保持する。一方で、可否情報は、所定期間が経過するまでに、「有効」となったカードのカード情報を再び受信しない場合は「無効」となる。
たとえば、カード情報310−1は、カード番号「1234…」、識別情報「A」、登録情報「あり」、最終更新日時「5月1日9時00分」、可否情報「有効」を示す。また、カード情報310−4は、カード番号「1234…」、識別情報「D」、登録情報「なし」、最終更新日時「−」、可否情報「無効」を示す。
なお、カード情報DB113においては、1人の利用者に対して1つの利用者端末情報(利用者端末121)が登録されることとするが、1人の利用者に対して複数の利用者端末情報が登録されることとしてもよい。この場合、たとえば、複数の利用者端末121のうちの少なくとも一の利用者端末121の所定範囲内にカードが存在し、最終更新日時が更新されたとすると、当該更新がおこなわれてから所定期間が経過するまでは可否情報を「有効」としてもよい。
また、本実施の形態では、共通のカード番号を有する複数のカードの枚数は、任意の数とすることができる。具体的には、カード情報DB113において、識別情報は、カード会社110の審査や利用者の申告に応じて、カードの枚数に応じた任意の数とすることができる。
図3Cは、可否情報履歴DB114の記憶内容の一例を示す説明図である。図3Cにおいて、可否情報履歴DB114は、カード番号、識別情報、更新日時、および可否情報のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、履歴情報(たとえば、履歴情報320−1〜320−n+1)のレコードが記憶される。
カード番号は、与信情報DB112(図3A参照)およびカード情報DB113(図3B参照)におけるカード番号に対応する。識別情報は、カード情報DB113における識別情報に対応する。更新日時は、利用者端末121からの受信結果に応じて更新される日時を示す。具体的には、更新日時は、利用者端末121から、利用者端末121の所定範囲内に存在するカードの識別情報を受信した日時であり、たとえば10分間隔である。
可否情報は、利用者端末121からの受信結果に応じた結果を示し、カードが利用可能な「有効」と、カードが利用不可能な「無効」とのいずれかをとる。
たとえば、履歴情報320−1は、カード番号「1234…」、識別情報「A」、更新日時「5月1日9時00分」、可否情報「有効」を示す。履歴情報320−1〜320−4に示すように、識別情報「A」が示すカードは、少なくとも、5月1日8時30分以降、可否情報が「有効」であることを示す。
一方で、また、履歴情報320−mは、カード番号「1234…」、識別情報「E」、更新日時「5月1日9時00分」、可否情報「無効」を示す。可否情報履歴DB114において、履歴情報320−n+1が示す更新日時「3月25日13時40分」を最後に、履歴情報320−nが示す更新日時「3月25日13時50分」以降、履歴情報320−mが示す更新日時「5月1日9時00分」までの間、可否情報「無効」が継続しているものとする。
図3Dは、利用履歴DB115の記憶内容の一例を示す説明図である。図3Dにおいて、利用履歴DB115は、カード番号、識別情報、利用日時、場所、および金額のフィールドを有する。各フィールドに情報を設定することで、利用履歴情報(たとえば、利用履歴情報330−1〜330−n)のレコードが記憶される。
カード番号は、各種DB112〜114(図3A〜図3C参照)におけるカード番号に対応する。識別情報は、カード情報DB113および可否情報履歴DB114における識別情報に対応する。利用日時は、クレジットカードを利用して支払を行った日時を示す。場所は、クレジットカードを利用した店舗を示し、店舗の位置情報を含む。金額は、店舗において、クレジットカードを利用して支払った金額を示す。
たとえば、利用履歴情報330−1は、カード番号「1234…」、識別情報「A」、更新日時「4月30日15時20分」、場所「○○デパート」、金額「¥7800」を示す。
(クレジットカードのカード情報について)
図4Aは、クレジットカード122のカード情報を示す説明図である。図4Aにおいて、クレジットカード122には、カード番号と、識別情報とが記憶されている。クレジットカード122a〜122eのカード番号はいずれも同じであり、識別情報がそれぞれ異なる。
また、クレジットカード122a〜122eは、それぞれ、利用者が識別情報を認識できるようにしてもよく、たとえば、それぞれ異なる色としたり、利用者が視認できる記号や番号を付したりしてもよい。また、カードの作成時における登録により、クレジットカード122a〜122eの中から利用するものを登録しておき、残りのカードを予備カードとすることができる。
(クレジットカードの有効性について)
図4Bは、クレジットカード122a,122b,122eの有効性を示す説明図である。図4Bには、3枚のクレジットカード122a,122b,122eが存在していることを示す。クレジットカード122a,122bは、利用者端末121(利用者120)から所定範囲内に存在しているため、利用可能となる。
一方で、クレジットカード122eは、利用者端末121(利用者120)の所定範囲内に存在しないため、利用不可能となる。このように、本実施の形態では、利用者端末121の所定範囲内に存在するか否かによって、クレジットカード122の有効性が異なることとなる。なお、不図示のクレジットカード122c,122dは、たとえば、使用の予定がないカードであり、具体的には、カード情報DB113(図3A参照)登録情報が「なし」に登録されているカードである。
ただし、詳細については後述するが、本実施の形態では、利用者の手動操作によっても、クレジットカード122a〜122eを有効または無効とすることも可能である。利用者の手動操作によって有効としたクレジットカード122a〜122eについては、利用者端末121の所定範囲に存在しない場合でも、利用することが可能である。
(クレジットカード122aが利用可能となる場合について)
図4Cは、クレジットカード122aが利用可能となる場合の説明図である。図4Cに示すように、店舗130において、利用者120が利用者端末121およびクレジットカード122aを所持し、クレジットカード122aにより支払手続をおこなうものとする。クレジットカード122aは、利用者端末121の所定範囲内にあるため、カード会社110(カード会社サーバ111)において「有効」に設定され、利用可能となる。
具体的には、店舗130において、利用者120がクレジットカード122aを提示すると、店舗130(店舗端末131)から、カード会社110(カード会社サーバ111)に、クレジットカード122aのカード番号と識別情報とが送信される。
カード会社110は、与信情報DB112(図3A参照)およびカード情報DB113(図3B参照)を参照し、店舗130から受信したクレジットカード122aの識別情報が「有効」となっていることから、クレジットカード122aの利用を許可する。カードの利用が許可されたか否かの結果は、カード会社110から店舗130へ送信される。
カードの利用が許可された場合には、利用者120は、クレジットカード122aを利用することができ、すなわち、クレジットカード122aにより支払をおこなうことができる。
(クレジットカード122eが利用不可能となる場合について)
図4Dは、クレジットカード122eが利用不可能となる場合の説明図である。図4Dに示すように、利用者120が利用者端末121を所持するものの、クレジットカード122eを所持していないものとする。クレジットカード122eは、利用者端末121の所定範囲内にないため、カード会社110(カード会社サーバ111)において「無効」に設定される。
ここで、名義人である利用者120とは異なる第三者401が、店舗130において、クレジットカード122eによって支払手続をおこなうものとする。具体的には、店舗130での支払において、第三者401がクレジットカード122eを提示すると、店舗130(店舗端末131)から、カード会社110(カード会社サーバ111)に、クレジットカード122eのカード番号と識別情報とが送信される。
カード会社110は、与信情報DB112(図3A参照)およびカード情報DB113(図3B参照)を参照し、店舗130から受信したクレジットカード122eの識別情報が「無効」となっていることから、クレジットカード122eの利用を許可しない。
カードの利用が許可されない場合には、利用者120は、クレジットカード122eを利用することができず、すなわち、クレジットカード122eにより支払をおこなうことができないこととなる。これにより、クレジットカード122eを紛失した場合に、第三者401によって、クレジットカード122eが不正に利用されることを抑制することができる。
(支払支援システム100の機能的構成)
図5は、支払支援システム100の機能的構成を示す説明図である。図5において、支払支援システム100は、カード会社サーバ111と、利用者端末121と、店舗端末131とを有する。カード会社サーバ111は、取得部501と、許可部502と、受信部503と、記憶制御部504と、通知部505と、記憶部510と、を有する。
取得部501と、許可部502と、受信部503と、記憶制御部504とは、たとえば、カード会社サーバ111のメモリに記憶されたプログラムをCPUに実行させることにより、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、たとえば、カード会社サーバ111のメモリなどの記憶装置に記憶される。また、記憶部510は、カード会社サーバ111のメモリなどの記憶装置によって実現される。
本実施の形態において、利用者は、カード番号が共通する複数のカードを有する。カードは、たとえば、クレジットカードであるが、デビットカードであってもよい。複数のカードには、それぞれ、各カード番号に対応する異なる識別情報が割り当てられる。また、複数のカードは、それぞれ利用可能であるか否かが設定される。
具体的に説明すると、記憶部510は、カード番号と、識別情報と、可否情報とを記憶する。カード番号は、各利用者が利用するカードの番号である。識別情報は、各カード番号に対応する異なる複数種類(たとえば5種類)を識別する情報である。識別情報は、カード番号とは異なる情報であるが、たとえばカード番号に追加されるいずれかの桁で表される情報とすることも可能である。
可否情報は、複数の識別情報のそれぞれが示すカードの利用の可否(有効または無効)を示す情報である。可否情報は、詳細については後述するが、利用者端末121の所定範囲内にある場合や、利用者の要求があった場合に「有効」となる。本実施の形態において、記憶部510は、カード会社サーバ111に含まれることとするが、これに限らず、他の装置に含まれることとしてもよい。
取得部501は、利用者が有する複数のカードのカード番号と、複数のカードのそれぞれに対応する識別情報と、を含むカード情報を取得する。たとえば、カード情報は、カードリーダ132(図1参照)によってカードから読み取られて、受信部503が店舗端末131から受信することによって取得される。
許可部502は、記憶部510を参照し、取得部501によって取得されたカード情報に含まれる識別情報に対応する可否情報がカードの利用可能を示す場合に、当該識別情報に対応するカード番号のカードの利用を許可する。具体的には、許可部502は、カード情報DB113(図3B参照)の可否情報が「有効」を示す場合に、当該可否情報に対応するカード番号のカードの利用を許可する。許可部502によってカードの利用が許可されると、カード会社サーバ111は、利用限度額等に応じて、支払額分を確保させるオーソリ予約をおこなう。
また、本実施の形態において、受信部503は、利用者が所持する利用者端末121の所定範囲内に存在するカードのカード情報を受信する。たとえば、利用者端末121は、NFCリーダなどの近距離無線通信の読み取り機能を有し、クレジットカードに内蔵されるICチップからカード情報を読み取る。所定範囲は、たとえば、50cm、1m、2mといった範囲である。
利用者端末121は、所定のタイミングで利用者端末121の所定範囲内に存在するカード情報をカード会社サーバ111に送信する。所定のタイミングは、たとえば、クレジットカードによる支払をおこなうタイミングや、所定期間が経過するタイミングである。
具体的には、カード会社サーバ111は、所定のタイミング(支払をおこなうタイミングや所定期間が経過したタイミング)で、利用者端末121に、利用者端末121の所定範囲内に存在するカード情報の送信要求をおこなう。利用者端末121は、この送信要求を受けてカード会社サーバ111にカード情報を送信する。
これにより、取得部501は、利用者端末121の所定範囲内に存在するカード情報を所定のタイミングで取得することができる。また、カード会社サーバ111から利用者端末121に送信要求をおこなわずに、利用者端末121が所定期間を計時して、所定期間が経過したタイミングで、所定範囲内に存在するカード情報をカード会社サーバ111に送信することも可能である。
所定期間は、可否情報の更新期間に相当し、具体的には、利用者がクレジットカードを所持していると認められる期間であり、たとえば、数分、数時間、数日といった期間など、任意に設定することが可能である。所定期間は、たとえば10分とする。所定期間をより短い間隔とするほど、カード会社サーバ111は、利用者の近くにカードが存在するか否かを正確に把握することができる。一方で、所定期間をより長い間隔とするほど、カード会社サーバ111は、カード情報DB113(図3B参照)の最終更新日時や可否情報の更新頻度を低減できるため、各カードの管理を簡素化することができる。
記憶制御部504は、受信部503によって所定範囲内に存在するカードのカード情報が受信された場合に、当該カード情報に含まれる識別情報が示すカードが利用可能であることを示す可否情報を記憶部510に記憶させる。
また、利用者端末121は、登録されているカードのうち、利用者端末121の所定範囲内に存在しないカードの識別情報をカード会社サーバ111に送信することとしてもよい。この場合、記憶制御部504は、受信部503によって所定範囲内に存在しないカードの識別情報が受信された場合に、当該識別情報が示すカードが利用不可能であることを示す可否情報(無効)を記憶部510に記憶させてもよい。
本実施の形態において、記憶部510は、複数のカードのそれぞれの可否情報の履歴を記憶する。可否情報の履歴は、たとえば、可否情報履歴DB114(図3C参照)の履歴情報320が示す履歴である。許可部502は、記憶部510を参照し、取得部501によって取得されたカード情報に含まれる識別情報が示すカードの履歴に基づいて、当該カードの利用を許可する。これについて具体的に説明する。
たとえば、デパートなどでは、会計場所(支払手続をおこなう場所)と商品の引渡し場所とが異なることがある。このような場合、デパートのスタッフが会計場所においてクレジットカードによる手続をおこなう際に、クレジットカードが利用者端末121の所定範囲内に存在しないこととなり、可否情報が利用不可能を示すこと(無効)となることが想定される。
このため、デパートなどの特定の支払場所での支払手続においてクレジットカードが利用者端末121の所定範囲内に存在していない場合には、許可部502は、可否情報の履歴を参照し、たとえば、支払手続の直前(たとえば10分前)までに利用者端末121の所定範囲内に存在していた場合には、当該クレジットカードの利用を許可する。
具体的には、許可部502は、特定の支払場所において可否情報が利用不可能を示す場合であっても、支払手続をおこなう直前の可否情報が利用可能を示す場合には、カードの利用を許可する。これにより、会計場所と商品の引渡し場所とが異なり、支払手続のタイミングでクレジットカードが利用者端末121の所定範囲内に存在しない場合でも、クレジットカードの利用を許可することができる。
本実施の形態において、許可部502による利用の許可の前に、通知部505は、特定の支払場所において可否情報が利用不可能を示す場合には、店舗端末131にアラームを通知することとする。通知部505によるアラームの通知タイミングは、たとえば、オーソリ予約をおこなう前のタイミングである。これにより、販売スタッフと直接カード会社110とが連絡を取り合って、利用者の本人確認等をおこなうことができる。
そして、本人確認の結果、問題なければ、許可部502は、特定の支払場所において可否情報が利用不可能を示すカードについても利用を許可することとする。このため、オーソリ予約をおこなう前に当該カードの不正な利用であるか否かを確認することができ、クレジットカードの不正利用を未然に防止することができる。
このように、本実施の形態では、許可部502は、記憶部510を参照し、取得部501によって取得されたカード情報に含まれる識別情報が示すカードの履歴に基づいて、当該カードの利用を許可する。
また、本実施の形態において、記憶制御部504は、受信部503によって所定範囲内に存在するカードの識別情報が受信された場合、所定期間が経過するまで、当該識別情報に対応するカードが利用可能であることを示す可否情報を記憶部510に記憶させる。ここで言う所定期間は、上述した所定期間(可否情報の更新がおこなわれる期間)と同様の期間(10分)とするが、それよりも長い期間としてもよい。所定期間が経過するまでの間に、再度、受信部503によって所定範囲内に存在するカードの識別情報が受信されると、記憶制御部504は、当該識別情報に対応するカードが利用可能であることを示す可否情報(有効)を更新する。
一方で、所定期間が経過するまでの間に、受信部503によって所定範囲内に存在するカードの識別情報が受信されないと、記憶制御部504は、当該識別情報に対応するカードが利用不可能であることを示す可否情報(無効)を記憶部510に記憶させる。また、所定期間が経過したか否かの判断は、一定時刻毎のように各カードに一律のタイミングとするが、カード毎に可否情報を有効にしたタイミングに応じておこなってもよいし、たとえば、でおこなってもよい。
ここで、本実施の形態において、利用者からの要求に応じて、可否情報を「有効」または「無効」とすることが可能であり、この点について具体的に説明する。取得部501は、複数のカードに共通するカード番号と、利用者が所望するカードの識別情報と、を含むカード情報を取得する。利用者が所望するカードは、複数のカードのうち、利用者が利用を予定するカードであり、利用者が手動操作により選択するカードである。
カード情報は、たとえば、利用者が利用者端末121に入力することにより利用者端末121から受信されるものでもよいし、利用者による入力が可能な利用者端末121とは異なる他の端末から受信されるものでもよいし、カード会社110のオペレータによりカード会社サーバ111に直接入力されるものでもよい。
記憶制御部504は、取得部501によって取得されたカード情報に含まれる識別情報が示すカードが利用可能であることを示す可否情報を記憶部510に記憶させる。このように、本実施の形態では、利用者からの要求に応じて、可否情報を「有効」または「無効」とすることができる。
また、利用者からの要求に応じて所定のカードの可否情報を「有効」とした場合、許可部502は、当該カードが利用者端末121の所定範囲内に存在するか否かにかかわらず、カードの利用を可能とする。これにより、利用者は、カードが利用者端末121の近くにあるか否かにかかわらず、カードを利用することができる。
また、利用者からの要求に応じて所定のカードの可否情報を「有効」とした場合に、常時「有効」とするか、当該カードによる支払時に当該カードが利用者端末121の所定範囲内に存在しない場合には「無効」とするかについて、利用者による選択が可能としてもよい。
また、通知部505は、利用者からの要求に応じて、可否情報を「有効」にした場合でも、所定期間(たとえば数日の間)、当該カードが利用者端末121の所定範囲に存在しない場合には、紛失した可能性があることを示す確認通知を利用者端末121におこなってもよい。これにより、利用者の手動操作によって「有効」としたカードの紛失について確認を促し、カードの紛失防止を図ることができるとともに、当該カードの不正利用を抑制することができる。
また、記憶制御部504は、カード情報DB113(図3B参照)の登録情報を変更することが可能である。登録情報は、使用する予定のないカードについて「なし」が登録され、具体的には、当該カードについては、可否情報が常時「無効」となる。一方で、使用する予定のあるカードについては「あり」が登録され、当該カードについては、利用者端末121の所定範囲内に存在するときに可否情報が「有効」に設定される。
具体的には、利用者が複数のカードのうちの一のカードを紛失した場合やしばらく利用する予定がない場合に、当該カードの識別情報に対応する登録情報については、「なし」とすることが可能である。登録情報が「なし」を示すカードについては、利用者端末121の検出の対象としないこととしてもよいし、利用者端末121の所定範囲内に存在してカード情報が受信されたとしても、取得部501が可否情報を「有効」としないこととすればよい。
また、たとえば、紛失したカードが見つかった場合やカードの利用を予定する場合には、登録情報を「あり」とすることにより、再び当該カードを利用可能とすることができる。登録情報の変更は、利用者の手動操作によっておこなわれてもよいし、カード会社110のオペレータの操作によっておこなわれてもよい。
また、本実施の形態において、記憶部510は、複数のカードのそれぞれの利用履歴を記憶する。利用履歴は、たとえば、利用履歴DB115(図3D参照)の利用履歴情報330が示す履歴である。許可部502は、記憶部510を参照し、取得部501によって取得されたカード情報に含まれる識別情報が示すカードの利用履歴に基づいて、当該カードの利用を許可する。これについて具体的に説明する。
たとえば、利用履歴は、直前の一定期間内に利用されたカードであるか否かの利用履歴である。たとえば、許可部502は、利用されるカードが直前の一定期間内に利用されたカードである場合(識別情報が同じ場合)には、当該カードの利用を許可する。ここで言う一定期間は、たとえば、数時間や数日といった任意の期間であり、任意に設定することができる。
一方で、許可部502は、利用されるカードが直前の一定期間内に利用されたカードと識別情報が異なる場合には、利用を許可しないこととする。これにより、たとえば、購入手続に用いられるカードが1時間前に利用されたカードと識別情報が異なる場合に、購入手続に用いられるカードが不正利用されているおそれがあるため、当該カードの利用を不可能にすることができる。
また、許可部502は、利用されるカードが直前の一定期間内に利用されたカードであることのほかにも、直前の一定期間内に利用された店舗の位置情報を考慮して、当該カードの利用を許可してもよい。具体的には、許可部502は、利用されるカードが直前の一定期間内に利用されたカードであり且つ支払をおこなう店舗が直前の一定期間内にカードが利用された店舗の周辺(所定エリア)にある場合に、当該カードの利用を許可する。
一方で、許可部502は、支払がおこなわれる店舗が所定エリア内にない場合には、利用を許可しないこととする。これにより、たとえば、購入手続に用いられるカードが1時間前に遠方で利用されたカードと識別情報が異なる場合に、購入手続に用いられるカードが不正利用されているおそれがあるため、当該カードの利用を不可能にすることができる。
また、この場合、通知部505は、店舗端末131にアラームを通知する。これにより、店舗スタッフやカード会社110のオペレータにより、当該カードが紛失したものであるか否かの確認(不正な利用か否かの確認)をおこなうことができる。本人確認の結果、問題なければ、受信部503は、利用されるカードが直前に利用されたカードではない場合でも利用を許可する。
また、許可部502は、識別情報が異なる各カードの一定期間における利用頻度が所定値以上のカードについて、利用を許可することとしてもよい。一方で、許可部502は、利用頻度が所定値未満のカードについては利用を許可しないこととしてもよい。また、この場合、通知部505は、店舗端末131にアラームを通知してもよい。これにより、店舗スタッフやカード会社110のオペレータにより、当該カードが紛失したものであるか否かの確認(不正な利用か否かの確認)をおこなうことができる。本人確認の結果、問題なければ、許可部502は、利用頻度が所定値未満のカードについても利用を許可すればよい。
このように、本実施の形態では、許可部502は、記憶部510を参照し、取得部501によって取得されたカード情報に含まれる識別情報が示すカードの利用履歴に基づいて、当該カードの利用を許可する。
また、たとえば、利用者が曜日毎に利用するカードを登録することも可能であり、具体的には、カード会社サーバ111は、利用者が利用する曜日毎のカードを予め登録しておいてもよい。この場合、実際に利用者がカードを利用した際の曜日が、当該カードに対応する曜日ではないときには、店舗端末131にアラームを通知することとしてもよい。これにより、店舗スタッフやカード会社110のオペレータにより、当該カードが紛失したものであるか否かの確認をおこなうことができる。
また、たとえば、利用者がエリア毎に利用するカードを登録することも可能であり、具体的には、カード会社サーバ111は、利用者が利用するエリア毎のカードを予め登録しておいてもよい。この場合、実際に利用者がカードを利用した際のエリアが、当該カードに対応するエリアではないときには、店舗端末131にアラームを通知することとしてもよい。これにより、店舗スタッフやカード会社110のオペレータにより、当該カードが紛失したものであるか否かの確認をおこなうことができる。
また、本実施の形態において、通知部505は、一定期間以上、カードが利用不可能であることを示す可否情報が記憶されている場合に、当該カードの紛失確認を促す通知を利用者端末121におこなう。ここで言う一定期間は、たとえば、紛失のおそれがある期間であり、1ヶ月、1年など任意に設定することができる。紛失確認を促す通知は、紛失した可能性があり、利用者に確認を促す確認通知である。これにより、カードを紛失している場合には、紛失したカードを早期に特定することができるとともに、当該カードの不正利用を抑制することができる。
また、本実施の形態において、複数カードの券面のデザインは、それぞれ同じとしてもよいし、それぞれ異なることとしてもよい。複数のカードの券面のデザインを同じとした場合、利用者は、どのカードを持って行けばよいのか迷うことなく、カードを選択することができる。一方で、複数のカードの券面のデザインを異なることとした場合、利用者は、利用シーンに応じて、携行するカード(デザイン)を選択することができる。本実施の形態では、券面のデザインを同じとした場合や異なることとした場合のいずれの場合でも、利用者が選択したカードを有効とすることができる。
(利用者端末121のカード検索処理手順)
図6は、利用者端末121のカード検索処理手順の一例を示すフローチャートである。図6のフローチャートにおいて、利用者端末121は、所定のタイミングか否かを判断する(ステップS601)。所定のタイミングは、たとえば、購入手続におけるオーソリ予約をおこなうタイミングや、所定期間(たとえば10分)が経過する毎のタイミングである。
なお、オーソリ予約をおこなうタイミングは、具体的には、店舗端末131からカード会社サーバ111にオーソリ予約の要求がおこなわれて(図8のステップS802参照)、カード会社サーバ111から利用者端末121に所定範囲内に存在するカードのカード情報の送信要求がおこなわれるタイミングである。
利用者端末121は、所定のタイミングとなるまで待つ(ステップS601:No)。そして、利用者端末121は、所定のタイミングとなった場合(ステップS601:Yes)、所定範囲内にクレジットカードがあるか否かを判断する(ステップS602)。所定範囲内にクレジットカードがあるか否かの判断は、具体的には、近距離無線通信を用いて、所定範囲内にクレジットカードに内蔵されるICチップのカード情報を読み取れるか否かの判断である。利用者端末121は、所定範囲内にクレジットカードがない場合(ステップS602:No)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
一方で、利用者端末121は、所定範囲内にクレジットカードがある場合(ステップS602:Yes)、近距離無線通信によって読み取ったクレジットカードの識別情報等を含むカード情報をカード会社サーバ111に送信し(ステップS603)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
(カード会社サーバ111による対象とするカードの可否情報更新処理手順)
図7は、カード会社サーバ111による対象とするカードの可否情報更新処理手順の一例を示すフローチャートである。図7のフローチャートにおいて、カード会社サーバ111は、利用者(の手動操作)によって対象とするカード(以下「対象カード」という)の可否情報(図3Bのカード情報DB113参照)が「有効」に設定されているか否かを判断する(ステップS701)。カード会社サーバ111は、利用者によって対象カードの可否情報が「有効」に設定されている場合(ステップS701:Yes)、ステップS706に移行する。
カード会社サーバ111は、利用者によって対象カードの可否情報が「有効」に設定されていない場合(ステップS701:No)、利用者端末121の所定範囲内に存在する対象カードのカード情報を受信したか否かを判断する(ステップS702)。カード会社サーバ111は、利用者端末121の所定範囲内に存在する対象カードのカード情報を受信しない場合(ステップS702:No)、ステップS704に移行する。
カード会社サーバ111は、利用者端末121の所定範囲内に存在する対象カードのカード情報を受信した場合(ステップS702:Yes)、カード情報DB113(図3B参照)や可否情報履歴DB114(図3C参照)の該当する識別情報に対応する可否情報を「有効」に設定する(ステップS703)。
なお、カード情報DB113において、可否情報が既に「有効」に設定されている場合には、カード会社サーバ111は、「有効」を保持(更新)する。そして、カード会社サーバ111は、所定期間(たとえば10分)が経過したか否かを判断する(ステップS704)。所定期間は、利用者端末121から所定範囲内に存在するカードのカード情報を受信する間隔(たとえば、10分)とするが、それよりも長い期間であってもよい。
そして、カード会社サーバ111は、可否情報を「有効」に設定してから所定期間が経過していない場合(ステップS704:No)、ステップS706に移行する。一方で、カード会社サーバ111は、可否情報を「有効」に設定してから所定期間が経過した場合(ステップS704:Yes)、対象カードの識別情報に対応する可否情報を「無効」に設定する(ステップS705)。
この後、カード会社サーバ111は、対象カードの登録情報(図3Bのカード情報DB113参照)を「なし」とする変更を受け付けたか否かを判断する(ステップS706)。登録情報を「なし」とする変更は、たとえば、利用者がクレジットカードを紛失した場合など、利用者端末121から利用者の操作によって受け付けることとしてもよいし、利用者がカード会社110のオペレータに申告して、当該オペレータの操作によって受け付けることとしてもよい。
カード会社サーバ111は、対象カードの登録情報を「なし」とする変更を受け付けない場合(ステップS706:No)、ステップS701に戻る。一方で、カード会社サーバ111は、登録情報を「なし」とする変更を受け付けた場合(ステップS706:Yes)、カード情報DB113(図3B参照)の登録情報を「なし」に変更し(ステップS707)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
(店舗端末131の購入要求処理手順)
図8は、店舗端末131の購入要求処理手順の一例を示すフローチャートである。図8のフローチャートにおいて、店舗端末131は、クレジットカードによる購入要求を受け付けたか否かを判断する(ステップS801)。クレジットカードによる購入要求の受け付けは、たとえば、利用者が提示したクレジットカードのカード情報がカードリーダ132によって読み取られて、支払額を支払う所定の操作がおこなわれることである。
店舗端末131は、クレジットカードによる購入要求を受け付けるまで待つ(ステップS801:No)。店舗端末131は、クレジットカードによる購入要求を受け付けると(ステップS801:Yes)、カード会社サーバ111にオーソリ予約の要求をおこない(ステップS802)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。オーソリ予約の要求においては、店舗端末131からカード会社サーバ111にクレジットカードの識別情報を含むカード情報が送信される。
(カード会社サーバ111の購入要求受信処理手順)
図9Aは、カード会社サーバ111の購入要求受信処理手順の一例を示すフローチャート(その1)である。図9Bは、カード会社サーバ111の購入要求受信処理手順の一例を示すフローチャート(その2)である。
図9Aおよび図9Bのフローチャートにおいて、カード会社サーバ111は、店舗端末131からオーソリ予約の要求を受信したか否かを判断する(ステップS901)。カード会社サーバ111は、店舗端末131からオーソリ予約の要求を受信するまで待つ(ステップS901:No)。
カード会社サーバ111は、店舗端末131からオーソリ予約の要求を受信した場合(ステップS901:Yes)、与信情報DB112(図3A参照)等を参照し、利用可能なカード番号であるか否かを判断する(ステップS902)。カード会社サーバ111は、利用可能なカード番号ではない場合(ステップS902:No)、店舗端末131にクレジットカードが利用できない旨を通知し(ステップS903)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
カード会社サーバ111は、利用可能なカード番号である場合(ステップS902:Yes)、カード情報DB113(図3B参照)を参照し、可否情報が「有効」に設定されているか否かを判断する(ステップS904)。カード会社サーバ111は、可否情報が「有効」に設定されている場合(ステップS904:Yes)、ステップS908に移行する。
一方で、カード会社サーバ111は、可否情報が「有効」に設定されていない場合(ステップS904:No)、すなわち、可否情報が「無効」に設定されている場合、可否情報履歴DB114(図3C参照)を参照し、直前の可否情報が「有効」であったか否かを判断する(ステップS905)。
カード会社サーバ111は、直前の可否情報が「有効」であった場合(ステップS905:Yes)、ステップS908に移行する。カード会社サーバ111は、直前の可否情報が「有効」ではなかった場合(ステップS905:No)、すなわち、デパートなどのように、会計場所と商品の引渡し場所とが異なることにより、支払手続時にカードが利用者端末121の所定範囲内に存在しないこととなり、可否情報が「無効」となった場合、たとえば、第三者による不正利用の可能性も否定できないことから、店舗端末131にアラームを通知する(ステップS906)。
このアラームが店舗端末131に通知されると、販売スタッフと直接カード会社110とが連絡を取り合って、利用者の本人確認等をおこなうことができ、クレジットカードの不正利用を未然に防止することができる。
そして、カード会社サーバ111は、アラームの通知をおこなった後の所定の期間内に、店舗端末131から本人確認がとれた旨を受信したか否かを判断する(ステップS907)。カード会社サーバ111は、所定期間内に、店舗端末131から本人確認がとれた旨を受信しない場合(ステップS907:No)、ステップS903に移行する。
カード会社サーバ111は、所定期間内に、店舗端末131から本人確認がとれた旨を受信した場合(ステップS907:Yes)、利用履歴DB115(図3D参照)を参照し、所定エリア内で直前の一定期間内に利用されたカードであるか否かを判断する(ステップS908)。カード会社サーバ111は、所定エリア内で直前の一定期間内に利用されたカードである場合(ステップS908:Yes)、ステップS912に移行する。
カード会社サーバ111は、所定エリア内で直前の一定期間内に利用されたカードではない場合(ステップS908:No)、たとえば、第三者による不正利用の可能性も否定できないことから、店舗端末131にアラームを通知する(ステップS909)。このアラームが店舗端末131に通知されると、販売スタッフと直接カード会社110とが連絡を取り合って、利用者の本人確認等をおこなうことができ、クレジットカードの不正利用を未然に防止することができる。
そして、カード会社サーバ111は、アラームの通知をおこなった後の所定の期間内に、店舗端末131から本人確認がとれた旨を受信したか否かを判断する(ステップS910)。カード会社サーバ111は、所定期間内に、店舗端末131から本人確認がとれた旨を受信しない場合(ステップS910:No)、ステップS903に移行する。
カード会社サーバ111は、所定期間内に、店舗端末131から本人確認がとれた旨を受信した場合(ステップS910:Yes)、オーソリ予約が可能か否かを判断する(ステップS911)。カード会社サーバ111は、オーソリ予約が不可能な場合(ステップS911:No)、ステップS903に移行する。カード会社サーバ111は、オーソリ予約が可能な場合(ステップS911:Yes)、オーソリ予約をおこなう(ステップS912)。そして、カード会社サーバ111は、店舗端末131にオーソリ予約完了通知をおこない(ステップS913)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
(カード会社サーバ111の確認通知処理手順)
図10は、カード会社サーバ111の確認通知処理手順の一例を示すフローチャートである。図10のフローチャートにおいて、カード会社サーバ111は、可否情報履歴DB114(図3C参照)を参照し、可否情報が一定期間「無効」のカードがあるか否かを判断する(ステップS1001)。
カード会社サーバ111は、可否情報が一定期間「無効」のカードがあるまで待つ(ステップS1001:No)。カード会社サーバ111は、可否情報が一定期間「無効」のカードがあると(ステップS1001:Yes)、カード情報DB113(図3B参照)から、当該カードのカード番号に対応する利用者端末情報を抽出する(ステップS1002)。
そして、カード会社サーバ111は、抽出した利用者端末情報が示す利用者端末121に紛失確認を促す通知をおこない(ステップS1003)、本フローチャートによる一連の処理を終了する。
以上説明したように、本実施の形態にかかるカード会社サーバ111は、共通のカード番号に対応する複数の識別情報を割り当てて、各識別情報が示すカードが有効である場合に、当該カードの利用を許可することとした。これにより、カード会社サーバ111は、従来から用いられるカードのカード番号をそのまま用いるため、従来からのカード番号を用いた照会システムをそのまま用いつつ、カード番号が共通する複数の異なるカードを管理することができる。これにより、利用者は、カード番号が共通する複数の有効なカードを利用することができる。
したがって、利用者は、たとえば、財布、定期入れ、鞄、自宅の引出し、会社の引出し、自動車の中、など各カードをそれぞれ異なる箇所に保管しておくことができる。これにより、利用者は、特定の1枚のカードを携行しなくても、他のカードを利用することができ、たとえば、財布を自宅に忘れた場合や財布を紛失した場合でも、別の場所に保管する他のカードを利用することができる。
また、たとえば、ビジネスのとき(平日)と、ビジネス以外のとき(休日)とで、利用者が別々の財布を携行することとした場合、それぞれの財布に本カードを1枚ずつ入れておくことにより、平日と休日で携行する財布が異なる場合でも、各カードを使用することができる。このため、本実施の形態によれば、従来のように携行する財布を替えるたびにカードを入れ直すといった手間をなくすことができる。また、カードの保管箇所は、財布に限らず、衣類のポケットや、バッグの中や、自動車の中など、任意の箇所とすることができる。このため、利用者は、使用する場面や状況に応じて、所定の保管箇所のカードを用いることができる。
また、本実施の形態によれば、利用者は、いずれかのカードを紛失した場合でも、有効なカードが複数あることから、新たにカードを再発行せずに済むため、カード番号が変更されずに済む。これにより、利用者は、紛失したカードを用いて各種支払をおこなっている場合でも、カード番号の変更手続といった煩雑な手続をおこなわずに、継続して各種支払をおこなうことができる。このため、本実施の形態によれば、カードの利便性を向上させることができる。
また、本実施の形態にかかるカード会社サーバ111は、利用者端末121の所定範囲内に存在するカードを有効とすることとした。これにより、カード会社サーバ111は、利用者の近くに存在すると認められるカードを有効とすることができ、また、利用者の近くに存在しないと認められるカードについては無効とすることができる。
したがって、利用者は、複数のカードのうち、自身の近くに存在するカードを利用することができる。また、カード会社サーバ111は、利用者の近くに存在しないカードについては無効とすることができるため、利用者がいずれかのカードを紛失した場合でも、第三者による当該カードの不正な利用を防止することができる。
また、本実施の形態にかかるカード会社サーバ111は、利用者端末121の所定範囲内に存在するカードのカード情報を受信した場合、所定期間が経過するまで、当該識別情報が示すカードを有効とすることとした。これにより、カード会社サーバ111は、所定期間が経過するまでの間にカード情報が受信されないカードについては無効にすることができる。したがって、カード会社サーバ111は、所定期間が経過するまでの間にカード情報が受信されないカードが第三者によって不正に利用されることを防止することができる。
また、本実施の形態にかかるカード会社サーバ111は、利用者からの要求(手動操作)に応じて、各カードを有効または無効とすることが可能である。これにより、利用者は、カードが利用者端末121の近くに存在するか否かにかかわらず、当該カードを利用することができる。これにより、利用者端末121を携行する予定がない場合や、故障等により利用者端末121の各種無線機能が使用できない場合に、利用者は、手動入力によりカードを有効にして、当該カードを利用することができる。
また、本実施の形態にかかるカード会社サーバ111は、可否情報の履歴に基づいて、カードの利用を許可することとした。これにより、デパートなどの特定の支払場所での支払手続においてカードが利用者端末121の所定範囲内に存在していない場合でも、支払手続の直前(たとえば10分前)までに利用者端末121の所定範囲内に存在していた場合には、当該カードの利用可能とすることができる。
また、本実施の形態にかかるカード会社サーバ111は、識別情報が異なる各カードの利用履歴に基づいて、カードの利用を許可することとした。これにより、たとえば、利用頻度の低いカードについては、利用自体が珍しいことから、紛失による不正利用のおそれがあると想定し、カードの利用を不可能とすることができる。これにより、カードの不正利用を防止することができる。
また、本実施の形態にかかるカード会社サーバ111は、直前の一定期間内に利用されたカードであるか否かの利用履歴に基づいて、カードの利用を許可することとした。これにより、たとえば、購入手続に用いられるカードと1時間前に利用されたカードとの識別情報が異なることは珍しいことであることから、購入手続に用いられるカードが不正利用されているおそれがあるため、当該カードの利用を不可能にし、不正利用を未然に防止することができる。
また、本実施の形態にかかるカード会社サーバ111は、一定期間以上、無効となっているカードについては、カードの紛失確認を促す通知をおこなうこととした。これにより、利用者に紛失したか否かを確認させることができる。したがって、カードを紛失している場合には、紛失したカードを早期に特定することができるとともに、当該カードの不正利用を抑制することができる。
なお、本実施の形態で説明した支払支援方法は、予め用意されたプログラムをパーソナル・コンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することにより実現することができる。支払支援プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)−ROM(Read Only Memory)、MO(Magneto−Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disk)、USB(Universal Serial Bus)メモリ等のコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶され、コンピュータによって記憶媒体から読み出されることによって実行される。また、支払支援プログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布してもよい。