JP2019002961A - 液晶表示装置及び反射シート - Google Patents
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Abstract
【課題】表示の品質を向上させた液晶表示装置を提供する。
【解決手段】液晶層20の視認側に配置された第1の偏光板10と、液晶層20を介して視認側と反対側に配置された第2の偏光板28と、第2の偏光板28の視認側と反対側に光を受けて波長変換された光を出力する波長変換層30と、波長変換層30の視認側と反対側に選択反射層32と、を備え、選択反射層32は、コレステリック液晶からなるシートを含む液晶表示装置100とする。
【選択図】図1
【解決手段】液晶層20の視認側に配置された第1の偏光板10と、液晶層20を介して視認側と反対側に配置された第2の偏光板28と、第2の偏光板28の視認側と反対側に光を受けて波長変換された光を出力する波長変換層30と、波長変換層30の視認側と反対側に選択反射層32と、を備え、選択反射層32は、コレステリック液晶からなるシートを含む液晶表示装置100とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、液晶表示装置及び反射シートに関する。
近年、液晶表示装置、有機エレクトロルミネセンス表示装置等の表示装置が普及してきている。一般的な液晶表示装置は、非発光型表示装置であって、白色LED等を光源とするバックライトからの光を液晶層にて画素ごとに光変調し、赤(R)、緑(G)、青(B)の各カラーフィルター層を透過させてカラー表示を行う。白色LEDは、発光効率がよく、寿命が長い等の特長がある。一方、白色LEDは、発熱による蛍光体の発光効率の低下(いわゆる温度消光)による光損失が大きい。また、カラーフィルター層によって白色LEDからの光を赤、緑及び青に分離する構造のため、バックライトの1/3程度の光しか実際には使用されず、液晶表示装置全体での光利用効率が低い。
また、バックライトとして紫外光源を用い、この紫外光源を励起光として赤、緑及び青の各色の蛍光体層を発光させる形式の液晶表示装置が開示されている(特許文献1)。また、バックライトとして青色LEDを用い、青色LEDから出力される青色光を利用して赤色及び緑色の蛍光体層を発光させて赤色及び緑色の光を得ると共に、青色LEDからの青色光をそのまま透過させて青色の光を表示させる形式の液晶表示装置が開示されている(特許文献2)。
また、液晶層が挟持された一対の基板と、一対の基板の一方側の背面に配置されたピーク波長380nm〜420nmの範囲の光を発する発光ダイオードと、一対の基板の他方側に形成された偏光板とを備え、一対の基板の他方側に形成された偏光板の液晶層と反対側には、単位ピクセル毎に、ピーク波長が380nm〜420nmの範囲の光を吸収して所定の色の光を発する蛍光体層を備えるサブピクセルを備え、蛍光体層の液晶層とは反対側の面には波長420nm以下の波長の光を反射又は吸収するフィルター層が形成された液晶表示装置が開示されている(特許文献3)。
ところで、いずれの表示装置も外光下での視認性が十分でないという問題がある。外光下での視認性が高い表示装置として反射型の液晶表示装置が提案されているが、暗所では視認性が低いという問題がある。
そこで、本発明は、暗所での視認性を低下させることなく、外光下での視認性をも高めた新たな液晶表示装置を提供することを目的とする。
本発明の1つの態様は、液晶層の視認側に配置された第1の偏光板と、液晶層を介して視認側と反対側に配置された第2の偏光板と、前記第2の偏光板の視認側と反対側に光を受けて波長変換された光を出力する波長変換層と、前記波長変換層の視認側と反対側に選択反射層と、前記波長変換層の視認側と反対側にバックライトを備え、前記選択反射層は、所定の波長領域の光を透過し、その他の波長領域の光を反射させることを特徴とする液晶表示装置である。
ここで、前記選択反射層は、前記波長変換層によって波長変換される波長領域の少なくとも一部の波長領域の光の反射率よりも、前記波長変換層によって波長変換されない波長領域の反射率の方が低いことが好適である。
また、前記選択反射層は、380nm以上460nm以下の波長領域の少なくとも一部の波長領域の光の反射率が前記波長変換層によって波長変換される460nmを超える波長領域の反射率よりも低いことが好適である。
また、前記選択反射層は、コレステリック液晶からなるシートを含むことが好適である。さらに、前記選択反射層は、コレステリック液晶からなるシートを積層したものとすることが好適である。
また、前記選択反射層は、カイラルピッチが430nm以上490nm以下である第1のコレステリック液晶、カイラルピッチが520nm以上580nm以下である第2のコレステリック液晶、及び、カイラルピッチが600nm以上660nm以下である第3のコレステリック液晶からなるシートを積層したものであることが好適である。
また、本発明の別の態様は、上記液晶表示装置の前記選択反射層として使用される反射シートであって、コレステリック液晶からなるシートを含むことが好適である。
ここで、前記コレステリック液晶からなるシートを積層したものであることが好適である。
また、カイラルピッチが430nm以上490nm以下である第1のコレステリック液晶、カイラルピッチが520nm以上580nm以下である第2のコレステリック液晶、及び、カイラルピッチが600nm以上660nm以下である第3のコレステリック液晶からなるシートを積層したものであることが好適である。
本発明によれば、暗所での視認性を低下させることなく、外光下での視認性をも高めた新たな液晶表示装置を提供することができる。
<第1の実施の形態>
第1の実施の形態における液晶表示装置100は、図1の断面模式図に示すように、第1の偏光板10、対向基板12、カラーフィルター14、共通電極16、配向膜18、液晶層20、配向膜22、表示電極24、TFT基板26、第2の偏光板28、波長変換層30、選択反射層32、バックライト34及び反射層36を含んで構成される。
第1の実施の形態における液晶表示装置100は、図1の断面模式図に示すように、第1の偏光板10、対向基板12、カラーフィルター14、共通電極16、配向膜18、液晶層20、配向膜22、表示電極24、TFT基板26、第2の偏光板28、波長変換層30、選択反射層32、バックライト34及び反射層36を含んで構成される。
液晶表示装置100は、矢印で示すように、バックライト34から光を受けて、波長変換層30で波長変換された光を第1の偏光板10側から出力して画像を表示する装置として機能する。また、液晶表示装置100は、第1の偏光板10側から入射する外光を積極的に利用して、波長変換層30において外光を波長変換して出力することもできる。なお、図1は模式図であり、各構成要素の大きさ及び厚さは実際の値を反映していない。
本実施の形態では、液晶表示装置100としてアクティブマトリックス型液晶表示装置を例として説明するが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではなく、単純マトリックス型等の他の態様の液晶表示装置にも適用可能である。
TFT基板26は、基板上にTFTを画素毎に配置して構成される。基板は、ガラス等の透明な基板である。基板は、液晶表示装置100を機械的に支持すると共に、光を透過して画像を表示するために用いられる。基板は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の樹脂からなるフレキシブル基板としてもよい。
図1では、TFTが2つ表されている。TFTのほぼ真ん中の下部(基板上)には、ゲートラインに接続されるゲート電極26aが配置される。ゲート電極26aを覆ってゲート絶縁膜26bが形成され、このゲート絶縁膜26bを覆って半導体層26cが形成される。ゲート絶縁膜26bは、例えばSiO2などの絶縁体で形成される。また、半導体層26cは、アモルファスシリコンや、ポリシリコンで形成され、ゲート電極26aの直上部分が不純物のほとんどないチャネル領域とされ、両側が不純物ドープによって導電性が付与されたソース領域およびドレイン領域とされる。TFTのドレイン領域の上にはコンタクトホールが形成され、そこに金属(例えば、アルミニウム)のドレイン電極が配置(電気的に接続)され、ソース領域の上にはコンタクトホールが形成され、そこに金属(例えば、アルミニウム)のソース電極が配置(電気的に接続)される。ドレイン電極はデータ電圧が供給されるデータラインに接続される。
対向基板12の視認側には、第1の偏光板10が配置され、TFT基板26のTFTが形成されていない側の表面には、第2の偏光板28が配置される。
第1の偏光板10及び第2の偏光板28は、PVA(ポリビニルアルコール)系樹脂に二色性染料によって染色がなされ、さらに延伸することにより作製した染色系の偏光素子を含むものとすることが好適である。ここで、染料系材料は、アゾ化合物及び/又はその塩を含有することが好適である。
すなわち、以下の化学式を満たす染料系材料を用いることが好適である。
(1)式中R1、R2は各々独立に水素原子、低級アルキル基、低級アルコキシル基を示し、nは1又は2で示されるアゾ化合物及びその塩。
(2)R1、R2が各々独立に水素原子、メチル基、メトキシ基のいずれかである(1)記載のアゾ化合物及びその塩。
(3)R1、R2が水素原子である(1)記載のアゾ化合物及びその塩。
(2)R1、R2が各々独立に水素原子、メチル基、メトキシ基のいずれかである(1)記載のアゾ化合物及びその塩。
(3)R1、R2が水素原子である(1)記載のアゾ化合物及びその塩。
例えば、以下に示す工程で得られる材料を用いることが好適である。4−アミノ安息香酸13.7部を水500部に加え、水酸化ナトリウムで溶解する。得られた物質を冷却して10℃以下で35%塩酸32部を加え、次に亜硝酸ナトリウム6.9部を加え、5〜10℃で1時間攪拌する。そこへアニリン−ω−メタンスルホン酸ソーダ20.9部を加え、20〜30℃で攪拌しながら、炭酸ナトリウムを加えてpH3.5とする。さらに、攪拌してカップリング反応を完結させ、濾過して、モノアゾ化合物を得る。得られたモノアゾ化合物を水酸化ナトリウム存在下、90℃で攪拌し、化学式(2)のモノアゾ化合物17部を得る。
化学式(2)のモノアゾ化合物12部、4,4'−ジニトロスチルベン−2,2'−スルホン酸21部を水300部に溶解させた後、水酸化ナトリウム12部を加え、90℃で縮合反応させる。続いて、グルコース9部で還元し、塩化ナトリウムで塩析した後、濾過して化学式(3)で示されるアゾ化合物16部を得る。
さらに、化合物(3)の染料を0.01%、シー・アイ・ダイレクト・レッド81を0.01%、特許2622748号公報の実施例1において示されている下記構造式(4)で示される染料を0.03%、特開昭60−156759号公報の実施例23において公開されている下記構造式(5)で示される染料0.03%及び芒硝0.1%の濃度とした45℃の水溶液に基板として厚さ75μmのポリビニルアルコール(PVA)を4分間浸漬する。このフィルムを3%ホウ酸水溶液中で50℃で5倍に延伸し、緊張状態を保ったまま水洗、乾燥する。これによって、中性色(平行位ではグレーで、直交位では黒色)となる染料系材料を得ることができる。
通常の偏光素子は、樹脂にヨウ素およびヨウ素化合物によって染色した材料で形成されたヨウ素系の偏光素子である。しかしながら、ヨウ素およびヨウ素化合物は熱、湿度、短波長光、UV光に弱い。一方、染料(二色性染料)を用いる偏光素子は、熱、湿度、短波長光、UV光に強く、短波長やの光UV光が入射しても偏光素子の劣化はない。本発明の実施の形態では、第1の偏光板10側から入射する外光を積極的に利用して、波長変換層30において外光を波長変換して出力する。屋外で使用する場合、外光には短波長の光やUV光が多く含まれ、これらの光を透過させようとした場合、従来のヨウ素系の偏光板ではその特性から光学性能が劣化してしまうが、染料系偏光板では短波長、UV光が偏光素子に入射しても劣化しにくいので、本発明の実施の形態には好適である。
図8(a)、(b)は、第1の偏光板10及び第2の偏光板28に使用する偏光板の分光特性を示す。第1の偏光板10及び第2の偏光板28は、460nm以下の波長領域の光の透過率を高くする。具体的には、380nm以下の波長領域のうちの少なくともいずれかの領域の透過率が1%以上、380nm〜400nmの波長領域のうちの少なくともいずれかの領域の透過率が3%以上、400nm〜430nmの波長領域のうちの少なくともいずれかの領域の透過率が5%以上の少なくとも1つの条件を満たしている。
ここで、第1の偏光板10及び第2の偏光板28の波長410nmにおける透過率は、30%以上である。第1の偏光板10及び第2の偏光板28を平行に配置したときの波長410nmにおける透過率は20%以上であり、直交に配置したときの透過率は5%以下である。また、第1の偏光板10及び第2の偏光板28の波長400nmにおける透過率は、25%以上である。第1の偏光板10及び第2の偏光板28を平行に配置したときの波長400nmにおける透過率は15%以上であり、直交に配置したときの透過率は5%以下である。また、第1の偏光板10及び第2の偏光板28の波長380−390nmにおける透過率は、25%以上である。第1の偏光板10及び第2の偏光板28を平行に配置したときの波長380−390nmにおける透過率は15%以上であり、直交に配置したときの透過率は5%以下である。
さらに、具体的には、染色されたPVA28aを短波長透過TAC、アクリル及びCOPのいずれかからなる基材28b,28cにより挟み込んだ構造とすることが好適である。第2の偏光板28の460nm以下の波長領域の光の透過率を高めるためには、460nm以下の波長領域の光に対する吸収剤の添加量を減らせばよい。例えば、通常、第2の偏光板28の基材28b,28cとなるTACには紫外線吸収剤等の短波長領域に対する吸収剤が含まれているので、当該吸収剤を減らすことにより460nm以下の波長領域の光の透過率を高めることができる。また、基材28b,28cとしてアクリルやCOPを用いることにより460nm以下の波長領域の光の透過率を高めることができる。なお、基材28b,28cを同じ材料で構成してもよいし、それぞれ別の材料で構成してもよい。また、短波長透過TACとは、従来の偏光板に用いるTACに含まれるUV吸収材を含まないようにするか、その添加量を少なくしたものである。
波長変換層30として、後述するバックライト34からの光を受けて特定の波長領域の光を放出する蛍光体、量子ドット、量子ロッドのいずれかを適用することができる。
蛍光体は、画素毎に赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれか一つの光を発する材料を混合することが好適である。赤色蛍光体にはEu付活硫化物系赤色蛍光体、緑色蛍光体にはEu付活硫化物系緑色蛍光体、青色蛍光体にはEu付活リン酸塩系青色蛍光体を使用することができる。波長変換層30は、表示させたい色に応じて単一又は複数の蛍光体を含んでいるものとすることができる。
例えば、380nm以上460nm以下の範囲のバックライト34からの光や外光を吸収して、青色光及び黄色光を発する2種の蛍光体を含んでいる場合には、擬似的に白色光を得ることができる。また、赤色光、緑色光及び青色光の発する3種の蛍光体を含んでいる場合にも同様に白色光を得ることができる。また、ピーク波長が380nm以上460nm以下の範囲のバックライト34からの光や外光を吸収して任意の色の光を発する単一又は複数の蛍光体を適宜選択して用いることにより、任意の色の光を発することができる液晶表示装置が得られる。
また、例えば、380nm以下の紫外光の波長範囲のバックライト34からの光を吸収して、所望の波長領域の光を発する青色光及び黄色光を発する2種の蛍光体を含んでいる場合には、擬似的に白色光を得ることができる。また、赤色光、緑色光及び青色光の発する3種の蛍光体を含んでいる場合にも同様に白色光を得ることができる。また、ピーク波長が380nm以下の範囲のバックライト34からの光を吸収して任意の色の光を発する単一又は複数の蛍光体を適宜選択して用いることにより、任意の色の光を発することができる液晶表示装置が得られる。
また、波長変換層30は、複数の異なる特性を有する半導体材料を3次元的に周期的に配置した量子ドット構造や2次元的に周期的に配置した量子ロッドによっても実現することができる。量子ドットや量子ロッドは、異なるバッドギャップを有する半導体材料をnmオーダーの周期で繰り返し配置することによって、所望のバンドギャップを有する材料として機能させるものであり、バックライト34からの光を受けてバンドギャップに応じた波長領域の光を発する波長変換層30として利用することができる。具体的には、バックライト34の出力光の波長領域の光を吸収して、赤(R)、緑(G)、青(B)のいずれか一つの光を発する特性を有する量子ドット構造や量子ロッド構造を形成する。
量子ドットは、例えば、中心核(コア)を、セレン化カドミウム(CdSe)で形成し、その外側を硫化亜鉛(ZnS)の被覆層(シェル)が覆う構造とすることができる。この直径を変えることで発光色をコントロールすることができる。たとえば赤(R)を発光させる場合は直径8.3nm、緑(G)を発光させる場合は直径3nm、青(B)を発光させる場合はさらに直径を小さくするとよい。また、中心核材料としては、リン化インジウム(InP)、硫化インジウム銅(CuInS2)、カーボン、グラフェン等を用いてもよい。
図2は、量子ドットにより構成されて波長変換層30の発光強度の波長依存性を示す。図2に示すように、波長変換層30によって波長630nm付近にピークをもつ赤(R)の波長領域の光、波長550nm付近にピークをもつ緑(G)の波長領域の光、波長460nm付近にピークをもつ青(B)の波長領域の光を発光する特性を持たせることができる。
選択反射層32は、所定の波長領域の光を透過し、その他の波長領域の光を反射させる層である。選択反射層32は、波長変換層30によって波長変換される波長領域の少なくとも一部の波長領域の光の反射率よりも、波長変換層30によって波長変換されない波長領域の反射率の方が低いものとする。具体的には、選択反射層32は、380nm以上460nm以下の波長領域の少なくとも一部の波長領域の光の反射率が波長変換層30によって波長変換される460nmを超える波長領域の反射率よりも低いものとすることが好適である。
選択反射層32は、コレステリック液晶層を含んで構成することができる。具体的には、選択反射層32は、カイラルピッチが異なる複数のコレステリック液晶層を積層して構成することができる。
例えば、図3に示すように、カイラルピッチが430nm以上490nm以下である第1のコレステリック液晶32a、カイラルピッチが520nm以上580nm以下である第2のコレステリック液晶32b、及び、カイラルピッチが600nm以上660nm以下である第3のコレステリック液晶32cからなるシートを積層すればよい。より具体的には第1のコレステリック液晶32aのカイラルピッチは460nm、第2のコレステリック液晶32bカイラルピッチは550nmで、第3のコレステリック液晶32cのカイラルピッチは630nmであれば好適である。このような構成とすることによって、図4に示すように、400nm以上430nm未満の波長領域の反射率が430nmを超える波長領域の反射率より低い特性を得ることができる。図5は透過特性を示す図である。400nm以上430nm未満の波長領域の透過率が430nmを超える波長領域の透過率より高い特性である。
コレステリック液晶32a、32b、32cはそれぞれ、PETなどの機材をラビング処理し、カイラル材を添加したUV硬化型の高分子液晶をその上に塗布、UV照射で硬化することで得られる。高分子液晶としてはメルク社製RMシリーズなどがある。
なお、コレステリック液晶とは、電力を加えることなく、任意の螺旋ピッチを有する液晶である。コレステリック液晶は、ネマチック液晶にカイラル剤と呼ばれる添加剤を加えて作成することができる。このとき、カイラル剤の添加率を調整することによって、所望のカイラルピッチを持たせることができる。
バックライト34は、光を出力する光源を含んで構成される。光源は、例えば、LEDとすることが好適である。バックライト34から出力される光の波長は、波長変換層30において波長変換に有効に利用され得る波長領域の光とすることが好適である。例えば、バックライト34は、ピーク波長が380nm以上460nm以下の波長領域の光を出力する光源又は380nm以下の波長領域の光を出力する光源とすることが好適である。
液晶表示装置100によれば、バックライト34からの光を波長変換層30にて波長変換して利用することによって、光の利用効率を高めることができる。これに伴って、液晶表示装置100におけるエネルギー効率を向上させることができ、低消費電力の液晶表示装置100を実現することができる。なお、波長変換層30として、量子ドット構造の半導体層を適用することにより、蛍光体を利用する場合に比べてさらに低消費電力とすることができる。
反射層36は、入射する光を反射する層である。反射層36は、少なくとも波長変換層30で波長変換に利用できる波長領域の光を反射する材料で構成することが好適である。反射層36は、例えば、銀等の金属を含む材料で構成することができる。
TFT基板26のTFTが形成された側の面には、表示電極24が設けられる。この表示電極24は画素毎に分離された個別電極であり、例えばITO(インジウム・チン・オキサイド)などによる透明電極である。表示電極24は、TFT基板26に形成されたソース電極に接続される。
表示電極24を覆って、液晶を垂直に配向させる配向膜22が形成される。配向膜22は、ポリイミド等の樹脂材料によって構成される。配向膜22は、例えば、ポリイミド樹脂となるN−メチル−2−ピロリジノンの5wt%溶液を表示電極24上に印刷し、180℃から280℃程度の加熱により硬化させた後、ラビング布によってラビングを行うことにより配向処理して形成することができる。
このとき光配向膜を用いることも可能で、光配向膜を用いれば130℃以下の低温プロセスが容易になる。また光配向では、視野角特性を向上させるため、光の照射方向を変えることで1画素内の領域で配向方向を変えて画素分割させてもよい。さらにラビング、光配向などの配向処理は行わず、画素電極と表示電極24のいずれかまたは両方にスリットを設けることによる斜め電界で配向方向を決定させてもよい(特開平05−222282号公報)。また表示電極24と共通電極16のいずれかまたは両方の上に突起(特開平06−104044号公報)を形成して配向制御してもよい。
次に、対向基板12側の構成及び製造方法について説明する。対向基板12は、ガラス等の透明な基板である。対向基板12は、液晶表示装置100を機械的に支持すると共に、外部から太陽光等の外光を透過して波長変換層30等に入射させるために用いられる。対向基板12は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の樹脂からなるフレキシブル基板としてもよい。
一方、対向基板12の視認側の反対側には、カラーフィルター14が形成される。カラー表示の場合、通常RGBの3つの画素を合わせて、カラー表示の表示画素と機能し、各画素毎にRGBいずれかの色のカラーフィルターが配置される。
図6は、カラーフィルター14の透過率の波長依存性の例を示す。図6に示すように、カラーフィルター14は、波長560nm以上の赤(R)の波長領域を透過する赤(R)のカラーフィルター、波長450nm以上630nm以下の波長領域を透過する緑(G)のカラーフィルター、波長380nm以上560nm以下の波長領域を透過する青(B)のカラーフィルターを組み合わせたものとすることができる。したがって、波長変換層30から発光される赤(R)、緑(G)、青(B)の光をそれぞれ透過させることができる。
カラーフィルター14上には、共通電極16が形成される。共通電極16は、例えばITO(インジウム・チン・オキサイド)などによる透明電極である。
共通電極16上には、配向膜18が形成される。配向膜18は、ポリイミド等の樹脂材料によって構成される。配向膜18は、例えば、ポリイミド樹脂となるN−メチル−2−ピロリジノンの5wt%溶液を共通電極16上に印刷し、110℃から280℃程度の加熱により硬化させた後、ラビング布によってラビングを行うことにより配向処理して形成することができる。配向膜18の配向方向は、配向膜22の配向方向と直交する方向とする。
このとき光配向膜を用いることも可能で、光配向膜を用いれば130℃以下の低温プロセスが容易になる。また光配向では、視野角特性を向上させるため、光の照射方向を変えることで1画素内の領域で配向方向を変えて画素分割させてもよい。さらにラビング、光配向などの配向処理は行わず、画素電極と表示電極24のいずれかまたは両方にスリットを設けることによる斜め電界で配向方向を決定させてもよい(特開平05−222282号公報)。また表示電極24と共通電極16のいずれかまたは両方の上に突起(特開平06−104044号公報)を形成して配向制御してもよい。
さらに、配向膜18と配向膜22とを向かい合わせるようにして、配向膜18と配向膜22との間に液晶層20が封止される。配向膜18と配向膜22との間にスペーサ(図示しない)を挿入し、配向膜18と配向膜22との間に液晶を注入して周囲を封止材(図示しない)によって封止することにより液晶層20が形成される。
液晶層20は、配向膜18と配向膜22とによって配向が制御され、液晶層20の液晶の初期(電界非印加時)の配向状態は配向膜18と配向膜22とによって決定される。そして、表示電極24と共通電極16との間に電圧を印加することによって、表示電極24と共通電極16との間に電界が生じて液晶層20の配向が制御されて光の透過/不透過が制御される。ここで、液晶層20は、誘電率異方性が負の液晶からなる。
ここで、光入射側である第1の偏光板10から波長変換層30の直前までの460nm以下の波長領域の光の透過率を高くすることが好適である。具体的には、第1の偏光板10から波長変換層30の直前までの380nm以下の波長領域のうちの少なくともいずれかの領域の透過率が1%以上、380nm〜400nmの波長領域のうちの少なくともいずれかの領域の透過率が3%以上、400nm〜430nmの波長領域のうちの少なくともいずれかの領域の透過率が5%以上の少なくとも1つの条件を満たすことが好適である。
そこで、液晶表示装置100では、上記のように、第1の偏光板10における460nm以下の波長領域の光の透過率を高くすることが好適である。具体的には、第1の偏光板10の380nm以下の波長領域のうちの少なくともいずれかの領域の透過率が1%以上、380nm〜400nmの波長領域のうちの少なくともいずれかの領域の透過率が3%以上、400nm〜430nmの波長領域のうちの少なくともいずれかの領域の透過率が5%以上の少なくとも1つの条件を満たすことが好適である。また、第2の偏光板28における460nm以下の波長領域の光の透過率を高くすることが好適である。具体的には、第2の偏光板28の380nm以下の波長領域のうちの少なくともいずれかの領域の透過率が1%以上、380nm〜400nmの波長領域のうちの少なくともいずれかの領域の透過率が3%以上、400nm〜430nmの波長領域のうちの少なくともいずれかの領域の透過率が5%以上の少なくとも1つの条件を満たすことが好適である。
また、配向膜18及び/又は配向膜22の膜厚を薄くすることにより460nm以下の波長領域の光の透過率を高くすることが好適である。配向膜18及び/又は配向膜22の膜厚は、50nm以下にすることが好適であり、5nm以下にすることがより好適である。これにより、配向膜18及び/又は配向膜22における460nm以下の波長領域の光の吸収を抑えることができ、当該波長領域における透過率を高めることができる。
また、液晶層20を薄くすることにより460nm以下の波長領域の光の透過率を高くすることが好適である。液晶層20の厚さは、4μm以下にすることが好適であり、3μm以下にすることがより好適であり、2μm以下にすることがさらに好適である。このとき、液晶層20におけるレターデーションを好適な値にするために、液晶層20の膜厚に合わせて液晶層20の屈折率Δnを調整することが好適である。例えば、レターデーションを0.4μmにするためには、液晶層20の厚さを4μmにしたときには屈折率Δnを0.1とし、液晶層20の厚さを3μmにしたときには屈折率Δnを0.15とし、液晶層20の厚さを2μmにしたときには屈折率Δnを0.2とするようにすればよい。
また、TFT基板26は、その厚さを500μm以下とすることが好適であり、さらに200μm以下にすることがより好適である。また、TFT基板26として、不純物の少ないホウケイ酸ガラス、石英ガラス、サファイアガラス等を使用することも好適である。これにより、460nm以下の波長領域の光の透過率を高くすることができる。
また、表示電極24は、その膜厚を50nm以下とすることが好適であり、さらには20nm以下とすることがより好適である。また、共通電極16は、その膜厚を50nm以下とすることが好適であり、さらには20nm以下とすることが好適である。これにより、460nm以下の波長領域の光の透過率を高くすることができる。
なお、460nm以下の波長領域の光の透過率を高くするためのこれらの構成は単独で採用してもよいし、複数を組み合わせてもよい。
このように、光入射側である第1の偏光板10から波長変換層30までの460nm以下の波長領域の光の透過率を高くすることによって、第1の偏光板10側から入射する外光の短波長成分を波長変換層30まで到達させ、外光による発光を効率的に利用することができる。特に、カラーフィルター14の青色のフィルターを透過する光を有効利用することができる。これにより、屋外等の外光下においてもコントラストの高い、視認性に優れた液晶表示装置100とすることができる。
<第2の実施の形態>
第1の実施の形態における液晶表示装置100は、TFTを用いたアクティブ型の液晶表示装置の構成としたが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。第2の実施の形態では、パッシブ型の液晶表示装置200について説明する。
第1の実施の形態における液晶表示装置100は、TFTを用いたアクティブ型の液晶表示装置の構成としたが、本発明の適用範囲はこれに限定されるものではない。第2の実施の形態では、パッシブ型の液晶表示装置200について説明する。
第2の実施の形態における液晶表示装置200は、図7の断面模式図に示すように、第1の偏光板10、対向基板12、共通電極16、配向膜18、液晶層20、配向膜22、表示電極24、基板38、第2の偏光板28、波長変換層30、選択反射層32、バックライト34及び反射層36を含んで構成される。
パッシブ型の液晶表示装置200では、アクティブ型の液晶表示装置100と比べてTFTが形成されるTFT基板26が基板38に置き換えられている点で主に異なる。基板38は、ガラス等の透明な基板である。基板38は、液晶表示装置200を機械的に支持すると共に、外部から太陽光等の外光を透過させるために用いられる。基板38は、エポキシ樹脂、ポリイミド樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂等の樹脂からなるフレキシブル基板としてもよい。
液晶表示装置200においても、光入射側である第1の偏光板10から波長変換層30までの460nm以下の波長領域の光の透過率を高くすることにより、第1の実施の形態と同様に、暗所での視認性を低下させることなく、外光下での視認性をも高めた新たな液晶表示装置を提供することができる。
10 第1の偏光板、10a 染色PVA、10b,10c 基材、12 対向基板、14 カラーフィルター、16 共通電極、18 配向膜、20 液晶層、22 配向膜、24 表示電極、26 TFT基板、26a ゲート電極、26b ゲート絶縁膜、26c 半導体層、28 第2の偏光板、28a 染色PVA、28b,28c 基材、30 波長変換層、32 選択反射層、 34 バックライト、36 反射層、38 基板、100,200 液晶表示装置。
Claims (9)
- 液晶層の視認側に配置された第1の偏光板と、液晶層を介して視認側と反対側に配置された第2の偏光板と、前記第2の偏光板の視認側と反対側に光を受けて波長変換された光を出力する波長変換層と、前記波長変換層の視認側と反対側に選択反射層と、前記波長変換層の視認側と反対側にバックライトを備え、
前記選択反射層は、所定の波長領域の光を透過し、その他の波長領域の光を反射させることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1記載の液晶表示装置であって、
前記選択反射層は、前記波長変換層によって波長変換される波長領域の少なくとも一部の波長領域の光の反射率よりも、前記波長変換層によって波長変換されない波長領域の反射率の方が低いことを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1又は2に記載の液晶表示装置であって、
前記選択反射層は、380nm以上460nm以下の波長領域の少なくとも一部の波長領域の光の反射率が前記波長変換層によって波長変換される460nmを超える波長領域の反射率よりも低いことを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載の液晶表示装置であって、
前記選択反射層は、コレステリック液晶からなるシートを含むことを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項4に記載の液晶表示装置であって、
前記選択反射層は、コレステリック液晶からなるシートを積層したものであることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項5に記載の液晶表示装置であって、
前記選択反射層は、カイラルピッチが430nm以上490nm以下である第1のコレステリック液晶、カイラルピッチが520nm以上580nm以下である第2のコレステリック液晶、及び、カイラルピッチが600nm以上660nm以下である第3のコレステリック液晶からなるシートを積層したものであることを特徴とする液晶表示装置。 - 請求項1〜6のいずれか1項に記載の液晶表示装置の前記選択反射層として使用される反射シートであって、
コレステリック液晶からなるシートを含むことを特徴とする反射シート。 - 請求項7に記載の反射シートであって、
コレステリック液晶からなるシートを積層したものであることを特徴とする反射シート。 - 請求項7又は8に記載の反射シートであって、
カイラルピッチが430nm以上490nm以下である第1のコレステリック液晶、カイラルピッチが520nm以上580nm以下である第2のコレステリック液晶、及び、カイラルピッチが600nm以上660nm以下である第3のコレステリック液晶からなるシートを積層したものであることを特徴とする反射シート。
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