鉄筋結束機1は、図1〜図3に示すように、結束機本体2に設けられた収納室3に、鉄筋結束用のワイヤ5を巻き付けたワイヤリール4を装着し、上記ワイヤリール4を回転させながらワイヤ5を引き出して結束機本体2の先端に設けられたガイド部6に送り、該ガイド部6でワイヤ5に巻き癖を付けてガイド部6の内側に配置された鉄筋7のまわりに送り出してその周囲に巻き回した後にワイヤ5の元側をワイヤ切断機構により切断するとともに、巻き回した部分をワイヤ捩り装置によって捩って上記鉄筋7を結束するものである。
結束機本体2には、ワイヤリール4から引き出されたワイヤ5を通す本体側案内部(案内管)9が設けられている。本体側案内部(案内管)9の一端9p(図1参照)は収納室3に開口し、他端9sはガイド部6の手前に位置している。本体側案内部(案内管)9の中途部には、ワイヤ5の送り手段として図2に示すように1対のワイヤ送りギア10が配設されている。1対のワイヤ送りギア10に形成された送り溝にワイヤ5を挟んだ状態になっており、電動モータ(図示せず)によりワイヤ5を前方に送り出すようになっている。
トリガTによってスイッチがONすると、電動モータ(図示せず)が回転してワイヤ送りギア10が回転する。そして、ワイヤ送りギア10の回転により、収納室3内に収納されたワイヤリール4に巻かれているワイヤ5が本体側案内部(案内管)9を通じて結束機本体2の前方に送られる。
結束機本体2の先端には、緩やかに湾曲したガイド部6が取り付けられている。ガイド部6には、図5に示すように、ガイド側案内部(案内管)8が設けられている。前記本体側案内部(案内管)9の他端9sは、ガイド側案内部(案内管)8の後端8cに接続されている。ガイド部6は、結束機本体2の本体側案内部(案内管)9から送り出されるワイヤ5を、ガイド側案内部(案内管)8を経てその先端8dから導出し、ワイヤ5に巻き癖を付けた状態で送り出すように構成されている。ガイド部6はガイドフレーム13により形成されている。ガイドフレーム13は1対のフレーム板13a、13bを有しており(図4参照)、一方のフレーム板13aに他方のフレーム板13bが組付けられて構成されている。ガイド部6の先端は、円弧状に湾曲しており、ここで巻き癖を付けて下部ガイド19との間で鉄筋7のまわりを周回させるようになっている。
ガイド部6を形成するガイドフレーム13には、上記したように、ワイヤリール4からのワイヤ5の送りをガイドするガイド側案内部(案内管)8と、図5に示すように、所定量のワイヤ5を送り出した後に切断するためにワイヤの送り経路上に配置されたワイヤ切断機構11と、ワイヤ5を湾曲させるカールガイド12とが配置固定されている。
案内部(案内管)8のワイヤ5を挿通する案内路8eは、先端8dに向かって内径が絞られてワイヤ5が決められた位置から導出されるようになっている。ガイド部6には、ワイヤ5をカールさせて巻き癖を付けて送り出す巻き癖付け機構が設けられている。ガイド側案内部(案内管)8によってガイドされて導出されたワイヤ5は、巻き癖付け機構により巻き癖が付けられてカールさせられ、所定量送り出されて鉄筋7に巻き回された後、ワイヤ切断機構11によって切断される。
ワイヤ切断機構11は、ワイヤ5の送り量が所定量に達すると、ワイヤ5を切断するように構成されている。ワイヤ切断機構11は、ガイドフレーム13に固定された円軸状の固定刃14と、固定刃14の周囲に回動可能に設けられた可動刃15と、可動刃15を回動させる駆動レバー16とから構成されたロータリーカッターである。
円軸状の固定刃14には、ワイヤ5の送り方向に向かってワイヤ貫通孔17が貫通形成されている。ワイヤ貫通孔17の一端はガイド側案内部(案内管)8の先端8dに向かって開口し、他端はガイド部6の先端側に向かって開口している。ワイヤ貫通孔17の一端側の開口は、ワイヤ入口17aであって、ワイヤ貫通孔17の他端側の開口は、ワイヤ出口17bである。また、可動刃15には、ワイヤ5の送り方向に向かってワイヤ挿通孔15aが形成されている。ワイヤ挿通孔15aの一端は固定刃14のワイヤ貫通孔17のワイヤ出口17bに向かって開口し、他端はガイド部6の先端側に向かって開口している。可動刃15のワイヤ挿通孔15aの一端側の開口は、ワイヤ侵入口15bであって、ワイヤ挿通孔15aの他端側の開口は、ワイヤ排出口15cである。
ワイヤ切断機構11は、駆動レバー16により可動刃15を反時計方向に回動させることによって、可動刃15のワイヤ侵入口15b側の面が固定刃14のワイヤ出口17b側の面に沿って上方に摺動し、可動刃15のワイヤ侵入口15bの下端縁がワイヤ貫通孔17に貫通させたワイヤ5を切断するようになっている。
ワイヤ切断機構は、上記したロータリーカッター以外に、図7(a)に示す摺動型と、図7(b)に示す揺動型のスライドカッターを利用しても良い。摺動型のワイヤ切断機構31は、ワイヤ5の送り量が所定量に達すると、ワイヤ5を切断するように構成されている。ワイヤ切断機構31はガイドフレーム13に固定された固定刃32と、固定刃32に摺動してワイヤ5を切断する可動刃33と、可動刃33をリンク機構37を介して可動させる駆動レバー16とから構成されている。
固定刃32には、ワイヤ5の送り方向に向かってワイヤ貫通孔34が貫通形成されている。ワイヤ貫通孔34の一端は案内部(案内管)8の先端8dに向かって開口し、他端はガイド部6の先端側に向かって開口している。ワイヤ貫通孔34の一端側の開口は、ワイヤ入口35であって、ワイヤ貫通孔34の他端側の開口は、ワイヤ出口36である。
ワイヤ切断機構31は、駆動レバー16によりリンク機構37を介して可動刃33を下方(ワイヤの曲線の外側から内側)に可動させることによって、可動刃33の一方の面38が固定刃32のワイヤ貫通孔34のワイヤ出口36側の面に沿って下方に摺動し、可動刃33の一方の面38の下端縁がワイヤ貫通孔34に貫通させたワイヤ5を切断するようになっている。なお、図7(b)に示す揺動型のワイヤ切断機構41は、案内管8が固定刃42と同様の機能を持たせており、固定刃42(案内管8)と、固定刃42(案内管8)のワイヤ出口8dの面に摺動してワイヤ5を切断する可動刃43と、可動刃43を上下方向に可動させる揺動アーム46とから構成されている。揺動アーム46は、支軸47により略中心部がガイドフレーム13に揺動可能に取り付けられている。
カールガイド12はガイドフレーム13の湾曲部13pに固定され、図4に示すように、ガイドフレーム13の両側のフレーム板13a、13bを溝壁としてワイヤ5が1本通過できる程度のガイド溝20が形成されている。そして、溝底には固定刃14,32のワイヤ貫通孔17,34を貫通したワイヤ5をカールする方向に案内するガイド面21が円弧状に湾曲形成されている。
なお、図4に示すように、ガイド部6には、カールガイド12の隣にカール拾い込みガイド22が形成されている。これは、カールガイド12から送り出され、ループ状に周回して戻ってきたワイヤ5の端部を拾い込み、再び次の周回送りのためにガイドするものである。
上記構成において、ガイド側案内部(案内管)8から送り出されたワイヤ5は、固定刃14,32のワイヤ貫通孔17,34を通ってカールガイド12のガイド面21に沿ってさらに送り出され、ガイド面21にワイヤ5の送り速度に伴い一定の圧力で接するので、ワイヤ5は湾曲状に曲げられて巻き癖が付けられる。
ガイド部6には、図10に示すように、ワイヤリール4からのワイヤ5の送りをガイドするガイド側案内部(案内管)8(以下、案内部(案内管)8という)と、所定量のワイヤ5を送り出した後に切断するためにワイヤの送り経路上に配置されたワイヤ切断機構11(又は31)と、送られてきたワイヤ5をカールするように案内するカールガイド12とを有する。さらに、ガイド部6は、案内部(案内管)8側、すなわち案内部(案内管)8の端部のワイヤ出口8dまたはその近傍側からワイヤの送り経路上に順に配置された、ワイヤ5の曲げの外側となる外側面をガイドする第1のガイド部材23と、ワイヤの曲げの内側となる内側面をガイドする第2のガイド部材24と、ワイヤの曲げの外側となる外側面をガイドする第3のガイド部材25とからなる巻き癖付け機構を有する。鉄筋結束機1は、ワイヤの送り時に、この巻き癖付け機構、即ち、第1のガイド部材23と第2のガイド部材24と第3のガイド部材25にワイヤ5を接触させてワイヤ5をカールさせる。
ワイヤ捩り装置は、図示しないが、1対のフックを開閉自在に枢着したスリーブを電動モータにより前進移動させてフックを閉じ動作させることにより、鉄筋のまわりにループ状に巻き回されたワイヤ5を把持した後、スリーブとともにフックを回転させてワイヤ5を捩って鉄筋を結束し、その後フックを開き動作させるとともにスリーブを後退移動させてワイヤ5から離脱させて初期位置に戻すようにしたものである。そして、ワイヤ捩り装置は、上記スリーブが前進するときに上述のワイヤ切断機構11(又は31)の駆動レバー16を作動させてワイヤ5を切断するのである。
なお、ワイヤ送り装置、ワイヤ切断機構11(又は31)及びワイヤ捩り装置は、図示しない制御回路によってシーケンス制御されて作動する。また、制御回路は、ワイヤ送り装置のワイヤ送りギア10の回転量にもとづいてワイヤ5の送り量を測定している。
さらに、図10を参照して、ガイド部材について説明する。ガイド部材23〜25は、ガイドピンで形成されている。第1のガイドピン23、第2のガイドピン24及び第3のガイドピン25は、それぞれ断面円形の円柱状部材からなり、図4に示すように、その両端がガイドフレーム13の両側のフレーム板13a、13bに形成した孔26に嵌合固定されているが、フレーム板13a又は13bの一方のみに固定されていても構わない。
なお、第1〜第3のガイドピン23〜25は、超硬ピン(超硬合金ピンやセラミックピン)のように硬度が高い材料で構成されていると、摩耗し難くなるので好ましく、単純形状なので比較的安価に製造でき、コストも低く抑えることができる。第1のガイドピン23、第2のガイドピン24及び第3のガイドピン25は、断面形状が円形であるが、楕円形、正方形の矩形等の非円形であってもよく、特に断面形状に限定されるものではない。
第1〜第3のガイドピン23〜25は、形状が簡単であるから、寸法のバラつきが簡単に抑えられ、またガイド部6に第1〜第3のガイドピン23〜25を取り付ける取付位置のみで寸法精度が決まるので、容易にカール径の精度を出すことができる。したがって、ワイヤ5が接触する第1〜第3のガイドピン23〜25が正しい位置に設けられ、巻き癖が正しく付けられ、カール径は安定する。しかも、第1〜第3のガイドピン23〜25は単純形状であるため、硬度の高いものを自由に選択することができる。
図10に示すように、第1のガイドピン23は、案内部(案内管)8の端部の上部に設けられている。第2のガイドピン24は、案内部(案内管)8の端部の下部から離れた位置に設けられている。案内部(案内管)8の先端の上部8aは切り欠かれており、下部8bは延伸している。第1のガイドピン23は、この周面が案内部(案内管)8の先端上部8aの端部面に当接している。第2のガイドピン24は、案内部(案内管)8の先端下部8b側から離れた位置に設けられている。これにより、ワイヤ5の曲げの外側を構成する外側面は第1のガイドピン23に接触してガイドされる。また、ワイヤ5の曲げの内側を構成する内側面は第2のガイドピン24に接触してガイドされる。このように、案内部(案内管)8から送り出されるワイヤ5は、第1のガイドピン23と第2のガイドピン24の間を通る。
また第3のガイドピン25は、カールガイド12の先端内側に配置されている。第3のガイドピン25も、カールガイド12のガイド面21よりもわずかに内側に突出するように取り付けられている。したがって、カールガイド12のガイド面21に沿って送り出されたワイヤ5の曲げの外側面が第3のガイドピン25に接触してガイドされ下方に送られる。第3のガイドピン25は、前述したように、ガイドフレーム13に取り付けられているが、カールガイド12に取り付けても構わない。また、第3のガイドピン25は、カールガイド12に接触して配置されているが、カールガイド12から離して近傍の位置に設けても良い。なお、ガイド部材は、一例としてガイドピンで説明したが、案内部(案内管)8の先端又は全体を硬質部材で構成しても構わない。また、カールガイド12のガイド面21に硬質部材で形成した硬質突起を設けても構わない。
このように、巻き癖付け機構は、第1のガイドピン23〜第3のガイドピン25からなり、ワイヤ5は、第1のガイドピン23と第2のガイドピン24と第3のガイドピン25に接触して巻き癖が付けられるものである。ワイヤ5の案内部(案内管)8の案内路8eや固定刃14のワイヤ貫通孔17やカールガイド12のガイド面21のように、従来、ワイヤ5が接触して摩耗した部分にワイヤ5がほとんど接触しないようになっている。
図10に示すように、ワイヤ5は、案内部(案内管)8から送り出される時、案内部(案内管)8側の先端部近傍に第1のガイドピン23と第2のガイドピン24がワイヤの送り経路上に配置されているので、案内部(案内管)8の先端にほとんど接触することなく、第1のガイドピン23と第2のガイドピン24とによりガイドされて固定刃14のワイヤ貫通孔17を通過する。なお、先端部近傍とは、先端部と先端部から離れている部分を含むものである。また、端部側とは、端部と端部近傍を含むものである。このとき、第1のガイドピン23と第2のガイドピン24とによりワイヤ5の曲げの外側面と内側面とが接してガイドされるから、送りは正確に行われる。このため、ワイヤ5は固定刃14のワイヤ貫通孔17の内面にほとんど接触することなく送られる。そして、ワイヤ5はカールガイド12のガイド面21を擦るようにして送り出された後、第3のガイドピン25に摺動案内されて強く曲げの癖が付けられる。
このように、鉄筋結束機1は、案内部(案内管)8側の先端部近傍に第1のガイドピン23と第2のガイドピン24が設けられ、カールガイド12の先端内側には第3のガイドピン25が配置されており、ワイヤ5が第1〜第3のガイドピン23〜25に接触するが、案内部(案内管)8の案内路8eや固定刃14のワイヤ貫通孔17やカールガイド12のガイド面21にほとんど接触することがないので、案内部(案内管)8、固定刃14,カールガイド12が摩耗し難い構成となっている。
以下、ガイド部6に設けた、ワイヤの巻き癖付け機構の第1の実施例を説明する。
図5に示すように、鉄筋結束機のガイド部6は、第3のガイド部材がワイヤ切断機構11の切断部14であって、第2のガイド部材24から送られてきたワイヤ5をワイヤ切断機構11の切断部14が切断するように構成されている。第1、第2のガイド部材23,24は、ガイドピンで形成され、上記したように取り付けられているので、説明を省略する。
また第3のガイド部材として機能するワイヤ切断機構11の切断部14は、ガイド部6の先端に配置され、第2のガイドピン24とワイヤ切断機構11の切断部14の間に、カールガイド12が設けられている。したがって、カールガイド12のガイド面21に沿って送り出されたワイヤ5の曲げの外側面がワイヤ切断機構11の切断部14に接触してガイドされて巻き癖が付けられて下部ガイド19に送られる。これにより、案内部(案内管)8から送り出されるワイヤ5は、ワイヤ5の曲げの外側を構成する外側面が第1のガイドピン23に接触してガイドされ、ワイヤ5の曲げの内側を構成する内側面が第2のガイドピン24に接触してガイドされ、ワイヤ5の曲げの外側を構成する外側面が固定刃14のワイヤ貫通孔17に接触してガイドされる。
このように、巻き癖付け機構は、ワイヤの送り経路上に配置された第1のガイドピン23、第2のガイドピン24、ワイヤ切断機構11の切断部14からなり、ワイヤ5は、第1のガイドピン23と第2のガイドピン24とワイヤ切断機構11の切断部14に接触して巻き癖が付けられるものである。ワイヤ5の案内部(案内管)8の案内路8eやカールガイド12のガイド部21のように、従来、ワイヤ5が接触して摩耗した部分にワイヤ55がほとんど接触しないようになっている。
以上のように、ワイヤ5は、案内部(案内管)8から送り出されると、案内部(案内管)8の先端にほとんど接触することなく、第1のガイドピン23と第2のガイドピン24とによりガイドされて固定刃14のワイヤ貫通孔17を通過する。このとき、第1のガイドピン23の下端と第2のガイドピン24の上端との間の寸法はワイヤ5の直径とほぼ同じ間隔に設定され、第1のガイドピン23と第2のガイドピン24とによりワイヤ5の曲げの外側面と内側面とが接してガイドされるから、送りは正確に行われる。そして、ワイヤ5はカールガイド12のガイド面21を擦るようにして送り出された後、ワイヤ切断機構11の固定刃14に接触案内されて、強く曲げの癖が付けられる。
このように、鉄筋結束機1は、案内部(案内管)8側の案内部(案内管)8の先端部近傍に第1のガイドピン23と第2のガイドピン24がワイヤの送り経路上に設けられ、ガイド部6の先端内側にワイヤ切断機構11の切断部14がワイヤの送り経路上に設けられており、ワイヤ5が第1のガイドピン23、第1のガイドピン23、ワイヤ切断機構11の切断部14に接触するが、案内部(案内管)8の案内路8eやカールガイド12のガイド面21にほとんど接触することがないので、案内部(案内管)8、カールガイド12が摩耗しない構成となっており、耐久性が大幅に向上している。従来の鉄筋結束機は、案内部(案内管)8の案内路8eやカールガイド12のガイド面21にワイヤが繰り返し接触して摩耗しやすく、この部分が磨り減るとカール径に影響が出るが、鉄筋結束機1は、このような弊害が発生し難い。ワイヤ切断機構11は、第2のガイドピン24の次に配置されているので、切断されたワイヤ5の切りカスがガイド部6から排出されやすく、ワイヤ5の詰りが発生することがない。
以下、ガイド部6に設けた、ワイヤの巻き癖付け機構の第2の実施例を説明する。
図6に示すように、鉄筋結束機1のガイド部6は、第2のガイド部材がワイヤ切断機構11の切断部14であって、第3のガイド部材25がカールガイド12に配置され、第1のガイド部材23から送られてきたワイヤ5をワイヤ切断機構11の切断部14が切断するように構成されている。第1,第3のガイド部材23,25は、ガイドピンで形成され、上記したように取り付けられているので、説明を省略する。
第1のガイドピン23は、案内部(案内管)8の端部の上部に設けられている。案内部(案内管)8の先端の上部8aは切り欠かれており、下部8bは延伸している。第1のガイドピン23は、この周面が案内部(案内管)8の先端上部8aの端部面に当接し、案内部(案内管)8の内側に突出している。第3のガイドピン25は、カールガイド12の先端内側に配置され、カールガイド12のガイド面21よりもわずかに内側に突出するように取り付けられている。したがって、ワイヤ5は、カールガイド12のガイド面21に沿って送り出され、ワイヤ5の曲げの外側面が第3のガイドピン25に接触してガイドされて巻き癖が付けられて下部ガイド19に送られる。
第1のガイドピン23と第3のガイドピン25の間に配置されたワイヤ切断機構11の切断部14は、第2のガイド部材として機能する。ワイヤ切断機構11の切断部14は、案内部(案内管)8の端部のワイヤ出口8d側に配置されている。これにより、案内部(案内管)8から送り出されるワイヤ5は、ワイヤ5の曲げの外側を構成する外側面が第1のガイドピン23に接触してガイドされ、ワイヤ5の曲げの内側を構成する内側面が固定刃14のワイヤ貫通孔17に接触してガイドされ、ワイヤ5の曲げの外側を構成する外側面が第3のガイドピン25に接触してガイドされる。
このように、巻き癖付け機構は、ワイヤの送り経路上に配置された第1のガイドピン23、ワイヤ切断機構11の切断部14、第3のガイドピン25からなり、ワイヤ5は、第1のガイドピン23と、ワイヤ切断機構11の切断部14と、第3のガイドピン25に接触して巻き癖が付けられるものである。ワイヤ5の案内部(案内管)8の案内路8eやカールガイド12のガイド面21のように、従来、ワイヤ5が接触して摩耗した部分にワイヤ5がほとんど接触しないようになっている。
以上のように、ワイヤ5は、案内部(案内管)8から送り出されると、案内部(案内管)8の先端にほとんど接触することなく、第1のガイドピン23によりガイドされて固定刃14のワイヤ貫通孔17を通過する。このとき、第1のガイドピン23の下端と固定刃14のワイヤ貫通孔17とによりワイヤ5の曲げの外側面と内側面とが接してガイドされるから、送りは正確に行われる。そして、ワイヤ5はカールガイド12のガイド面21を擦るようにして送り出された後、第3のガイドピン25に接触案内されて、強く曲げの癖が付けられる。
このように、鉄筋結束機1は、案内部(案内管)8側の案内部(案内管)8の先端部近傍に第1のガイドピン23とワイヤ切断機構11の固定刃14がワイヤの送り経路上に設けられ、カールガイド12の先端内側には第3のガイドピン25がワイヤの送り経路上に配置されており、ワイヤ5が、第1のガイドピン23、ワイヤ切断機構11の固定刃14、第3のガイドピン25のそれぞれに接触するが、案内部(案内管)8の案内路8eやカールガイド12のガイド面21にほとんど接触することがないので、案内部(案内管)8、カールガイド12が摩耗しない構成となっており、耐久性が大幅に向上している。従来の鉄筋結束機は、案内部(案内管)8の案内路8eや、あるいはカールガイド12のガイド面21にワイヤが繰り返し接触して摩耗しやすいため、これらの部分が磨り減るとカール径に影響が出るが、鉄筋結束機1は、このような弊害が発生し難い。
また、ワイヤ切断機構11が第1のガイドピン23の次に配置されているため、案内部(案内管)8から突出しているワイヤ5の初期位置の長さは図6のようにワイヤ切断機構11までの比較的に直線的で短い距離であり、たとえばメンテナンス時にワイヤリール4を取り外すためにワイヤ5をガイド部6のワイヤ経路上から引き抜くときに障害となる距離が短く引き抜きやすい。
以下、ガイド部6に設けた、ワイヤの巻き癖付け機構の第3の実施例を説明する。
図7に示すように、鉄筋結束機1のガイド部6は、第2のガイド部材がワイヤ切断機構31の切断部32であって、第3のガイド部材25がカールガイド12に配置され、第1のガイド部材23から送られてきたワイヤ5をワイヤ切断機構31の切断部32が切断するように構成されている。第1,第3のガイド部材23,25は、ガイドピンで形成され、上記したように取り付けられているので、説明を省略する。
第1のガイドピン23と第3のガイドピン25の間に配置されたワイヤ切断機構31の切断部32は第2のガイド部材として機能する。ワイヤ切断機構31の切断部32は、案内部(案内管)8の端部のワイヤ出口8d側に配置されている。これにより、案内部(案内管)8から送り出されるワイヤ5は、ワイヤ5の曲げの外側を構成する外側面が第1のガイドピン23に接触してガイドされ、ワイヤ5の曲げの内側を構成する内側面が固定刃32のワイヤ貫通孔34に接触してガイドされ、ワイヤ5の曲げの外側を構成する外側面が第3のガイドピン25に接触してガイドされる。
このように、巻き癖付け機構は、ワイヤの送り経路上に配置された第1のガイドピン23、ワイヤ切断機構31の切断部32、第3のガイドピン25からなり、ワイヤ5は、第1のガイドピン23と、ワイヤ切断機構31の切断部32と、第3のガイドピン25に接触して巻き癖が付けられるものである。ワイヤ5の案内部(案内管)8の案内路8eやカールガイド12のガイド面21のように、従来、ワイヤ5が接触して摩耗した部分にワイヤ5がほとんど接触しないようになっている。
以上のように、ワイヤ5は、案内部(案内管)8から送り出されると、案内部(案内管)8の先端にほとんど接触することなく、第1のガイドピン23によりガイドされて固定刃32のワイヤ貫通孔34を通過する。このとき、第1のガイドピン23の下端と固定刃32のワイヤ貫通孔34とによりワイヤ5の曲げの外側面と内側面とが接してガイドされるから、送りは正確に行われる。そして、ワイヤ5はカールガイド12のガイド面21を擦るようにして送り出された後、第3のガイドピン25に接触案内されて、強く曲げの癖が付けられる。
このように、鉄筋結束機1は、案内部(案内管)8側の案内部(案内管)8の先端部近傍に第1のガイドピン23とワイヤ切断機構31の固定刃32がワイヤの送り経路上に設けられ、カールガイド12の先端内側には第3のガイドピン25がワイヤの送り経路上に配置されており、ワイヤ5が、第1のガイドピン23、ワイヤ切断機構31の固定刃32、第3のガイドピン25に接触するが、案内部(案内管)8の案内路8eやカールガイド12のガイド面21にほとんど接触することがないので、案内部(案内管)8、カールガイド12が摩耗しない構成となっており、耐久性が大幅に向上している。なお、先端部近傍とは、先端部と先端部から離れている部分を含むものである。また、端部側とは、端部と端部近傍を含むものである。従来の鉄筋結束機は、案内部(案内管)8の案内路8eや、あるいはカールガイド12のガイド面21にワイヤが繰り返し接触して摩耗しやすく、この部分が磨り減るとカール径に影響が出るが、鉄筋結束機1は、このような弊害が発生し難い。
また、ワイヤ切断機構31が第1のガイドピン23の次に配置されているため、案内部(案内管)8から突出しているワイヤ5の初期位置の長さは図6のようにワイヤ切断機構31までの比較的に直線的で短い距離であり、たとえばメンテナンス時にワイヤリール4を取り外すためにワイヤ5をガイド部6のワイヤ経路上から引き抜くときに障害となる距離が短く引き抜きやすい。
以下、ガイド部6に設けた、ワイヤの巻き癖付け機構の第4の実施例を説明する。
図8に示すように、鉄筋結束機1のガイド部6は、第1のガイド部材がワイヤ切断機構11の切断部14であって、第3のガイド部材25がカールガイド12に配置され、案内部(案内管)8の端部のワイヤ出口から送られてきたワイヤ5をワイヤ切断機構11の切断部14が切断するように構成されている。第2,第3のガイド部材24、25は、ガイドピンで形成され、上記したように取り付けられているので、説明を省略する。ワイヤ切断機構11の切断部14は、案内部(案内管)8と第2のガイドピン24の略中間に設けられている。
ワイヤ切断機構11の切断部14は、第1のガイド手段として機能する。これにより、案内部(案内管)8から送り出されるワイヤ5は、ワイヤ5の曲げの外側を構成する外側面がワイヤ切断機構11の切断部14に接触してガイドされ、次に、ワイヤ5の曲げの内側を構成する内側面が第2のガイドピン24に接触してガイドされ、さらに、ワイヤ5の曲げの外側を構成する外側面が第3のガイドピン25に接触してガイドされて巻き癖が付けられて下部ガイド19に送られる。案内部(案内管)8から送り出されるワイヤ5は、第2のガイドピン24に接触する前に、ワイヤ切断機構11の固定刃14のワイヤ貫通孔17を挿通してから、第2のガイドピン24に送られる。なお、ワイヤ5の先端部は、ワイヤ切断機構11の切断部14、第2のガイドピン24にガイドされた後、カールガイド12のガイド面21に沿って摺るように送り出されてから第3のガイドピン25に接触し、強く曲げの癖が付けられるようになっている。
このように、巻き癖付け機構は、ワイヤの送り経路上に配置されたワイヤ切断機構11の切断部14、第2のガイドピン24、第3のガイドピン25からなり、ワイヤ5が、ワイヤ切断機構11の切断部14、第2のガイドピン24、第3のガイドピン25に接触して巻き癖が付けられるものである。ワイヤ5の案内部(案内管)8の案内路8eやカールガイド12のガイド面21のように、従来、ワイヤ5が接触して摩耗した部分にワイヤ5がほとんど接触しないようになっている。
以上のように、ワイヤ5は、案内部(案内管)8から送り出されと、案内部(案内管)8の先端にほとんど接触することなく、固定刃14のワイヤ貫通孔17と、第2のガイドピン24と、第3のガイドピン25によりガイドされ、固定刃14のワイヤ貫通孔17と第2のガイドピン24と第3のガイドピン25によりワイヤ5の曲げの外側面と内側面と外側面が接してガイドされるから、送りは正確に行われる。そして、ワイヤ5はカールガイド12のガイド面21を擦るようにして送り出され、強く曲げの癖が付けられる。
このように、鉄筋結束機1は、ワイヤ5が固定刃14のワイヤ貫通孔17と第2のガイドピン24と第3のガイドピン25に順番に接触し、案内部(案内管)8の先端やガイド面21にほとんど接触することがないので、案内部(案内管)8、カールガイド12が摩耗しない構成となっており、耐久性が大幅に向上している。従来の鉄筋結束機は、案内部(案内管)8の案内路8eや固定刃14のワイヤ貫通孔17、あるいはカールガイド12のガイド面21にワイヤが繰り返し接触して摩耗しやすく、この部分が磨り減るとカール径に影響が出るが、鉄筋結束機1にあっては、このような弊害が発生し難い。
また、ワイヤ切断機構11が案内部(案内管)8の次に配置されているため、案内部(案内管)8から突出しているワイヤ5の初期位置の長さは図8のようにワイヤ切断機構11までの短い距離であり、たとえばメンテナンス時にワイヤリール4を取り外すためにワイヤ5をガイド部6のワイヤ経路上から引き抜くときに障害となる距離が短く、ワイヤ切断機構11以外の障害部材がなく引き抜きやすい。さらに、第1〜第4の実施例は、ワイヤ切断機構がガイド部材と兼用しているため、ガイド部6内でガイド部材1個分を配置させるスペースが不要になりガイド部6をコンパクト化できる。また、ワイヤを案内する切断部は、固定刃14,32側で説明したが、可動刃15,33側であっても良く、特に限定されるものではない。
以下、ガイド部6に設けた、ワイヤの巻き癖付け機構の第5の実施例を説明する。
図9に示すように、鉄筋結束機1は、第3のガイド部材25がカールガイド12に配置され、ワイヤ切断機構11の切断部14が第3のガイド部材25の次に配置され、第3のガイド部材25から送られてきたワイヤ5をワイヤ切断機構11の切断部14が切断するように構成されている。ガイド部材23〜25は、ガイドピンで形成され、上記したように取り付けられているので、説明を省略する。
第1のガイドピン23は、案内部(案内管)8の端部近傍の上部に設けられている。第2のガイドピン24は、案内部(案内管)8の端部近傍の下部に設けられている。案内部(案内管)8の先端の上部8aは切り欠かれており、下部8bは延伸している。第1のガイドピン23は、この周面が案内部(案内管)8の先端上部8aの端部面に当接している。第2のガイドピン24は、この周面が案内部(案内管)8の先端下部8bの端部面に当接している。第1のガイドピン23及び第2のガイドピン24は、それぞれ案内部(案内管)8の内側に突出し、第1のガイドピン23の周面の下端と第2のガイドピン24の周面の上端との間の寸法がワイヤ5の直径とほぼ同じ間隔に設定されている。これにより、ワイヤ5の曲げの外側を構成する外側面は第1のガイドピン23に接触してガイドされる。また、ワイヤ5の曲げの内側を構成する内側面は第2のガイドピン24に接触してガイドされる。このように、案内部(案内管)8から送り出されるワイヤ5は、第1のガイドピン23と第2のガイドピン24の間を通る。
第3のガイドピン25を配置したカールガイド12は、案内部(案内管)8の先端側に連続して取り付けられている。第3のガイドピン25は、上述したように、カールガイド12の先端内側に配置され、カールガイド12のガイド面21よりもわずかに内側に突出するように取り付けられている。案内部(案内管)8から送り出されるワイヤ5は、ワイヤ5の曲げの外側を構成する外側面が第1のガイドピン23に接触してガイドされ、次に、ワイヤ5の曲げの内側を構成する内側面が第2のガイドピン24に接触してガイドされ、さらに、ワイヤ5の曲げの外側を構成する外側面が第3のガイドピン25に接触してガイドされて巻き癖が付けられてから、ワイヤ切断機構11の固定刃14のワイヤ貫通孔17を挿通して下部ガイド19に送られる。なお、ワイヤ5の先端部は、第1のガイドピン23、第2のガイドピン24にガイドされた後、カールガイド12のガイド面21に沿って摺るように送り出されてから第3のガイドピン25に接触し、強く曲げの癖が付けられるようになっている。
このように、巻き癖付け機構は、ワイヤの送り経路上に配置された第1のガイドピン23〜第3のガイドピン25からなり、ワイヤ5は、第1のガイドピン23と第2のガイドピン24と第3のガイドピン25に接触して巻き癖が付けられるものである。ワイヤ5の案内部(案内管)8の案内路8eや固定刃14のワイヤ貫通孔17やカールガイド12のガイド面21のように、従来、ワイヤ5が接触して摩耗した部分にワイヤ5がほとんど接触しないようになっている。
以上のように、ワイヤ5は、案内部(案内管)8から送り出されると、第1のガイドピン23と、第2のガイドピン24と、第3のガイドピン25によりガイドされて、さらにワイヤの送り経路上に配置されたワイヤ切断機構11の固定刃14のワイヤ貫通孔17を通過する。ワイヤ5は、第1のガイドピン23、第2のガイドピン24及び第3のガイドピン25にワイヤ5の曲げの外側面、内側面、外側面が接してガイドされ、送りが正確に行われる。
このように、鉄筋結束機1は、案内部(案内管)8の先端に第1のガイドピン23と第2のガイドピン24が設けられ、カールガイド12の先端内側には第3のガイドピン25が配置されており、ワイヤ5が第1〜第3のガイドピン23〜25に接触するが、案内部(案内管)8の案内路8eや固定刃14のワイヤ貫通孔17やカールガイド12のガイド面21にほとんど接触することがないので、案内部(案内管)8、固定刃14,カールガイド12が摩耗しない構成となっており、耐久性が大幅に向上している。従来の鉄筋結束機は、案内部(案内管)8の案内路8eや固定刃14のワイヤ貫通孔17、あるいはカールガイド12のガイド面21にワイヤが繰り返し接触して摩耗しやすく、この部分が磨り減るとカール径に影響が出るが、鉄筋結束機1は、このような弊害が発生し難い。ワイヤ切断機構11は、第3のガイドピン25の次に配置されているので、切断されたワイヤ5の切りカスがガイド部6から排出され易く、ワイヤ5の詰りが発生することがない。
以下、ガイド部6に設けた、ワイヤの巻き癖付け機構の第6の実施例を説明する。
図10に示すように、鉄筋結束機1のガイド部6は、第3のガイド部材25がカールガイド12に配置され、ワイヤ切断機構11の切断部14が第1のガイド部材23と第2のガイド部材24の間に配置され、第1のガイド部材23から送られてきたワイヤ5をワイヤ切断機構11の切断部14が切断するように構成されている。ガイド部材23〜25は、ガイドピンで形成され、上記したように取り付けられているので、説明を省略する。
第1のガイドピン23は、案内部(案内管)8の端部近傍の上部に設けられている。なお、端部近傍とは、端部と端部から離れている部分を含むものである。また、端部側とは、端部と端部近傍を含むものである。第3のガイドピン25は、カールガイド12の先端内側に配置され、カールガイド12のガイド面21よりもわずかに内側に突出するように取り付けられている。第2のガイドピン24は、第1のガイドピン23と第3のガイドピン25の略中間に設けられている。ワイヤ切断機構11の切断部14は、第1のガイドピン23と第2のガイドピン24の略中間に設けられている。
案内部(案内管)8の先端の上部8aは切り欠かれており、下部8bは延伸している。第1のガイドピン23は、この周面が案内部(案内管)8の先端上部8aの端部面に当接し、案内部(案内管)8の内側に突出している。したがって、案内部(案内管)8から送り出されるワイヤ5は、ワイヤ5の曲げの外側を構成する外側面が第1のガイドピン23に接触してガイドされ、次に、ワイヤ5の曲げの内側を構成する内側面が第2のガイドピン24に接触してガイドされ、さらに、ワイヤ5の曲げの外側を構成する外側面が第3のガイドピン25に接触してガイドされて巻き癖が付けられて下部ガイド19に送られる。ワイヤ5は、第1のガイドピン23でガイドされた後、第2のガイドピン24に接触する前に、ワイヤ切断機構11の固定刃14のワイヤ貫通孔17を挿通してから、第2のガイドピン24に送られる。なお、ワイヤ5の先端部は、第1のガイドピン23、第2のガイドピン24にガイドされた後、カールガイド12のガイド面21に沿って摺るように送り出されてから第3のガイドピン25に接触し、強く曲げの癖が付けられるようになっている。
このように、巻き癖付け機構は、ワイヤの送り経路上に配置された第1のガイドピン23〜第3のガイドピン25からなり、ワイヤ5は、第1のガイドピン23と第2のガイドピン24と第3のガイドピン25に接触して巻き癖が付けられるものである。ワイヤ5の案内部(案内管)8の案内路8eや固定刃14のワイヤ貫通孔17やカールガイド12のガイド面21のように、従来、ワイヤ5が接触して摩耗した部分にワイヤ5がほとんど接触しないようになっている。
以上のように、ワイヤ5は、案内部(案内管)8から送り出される時、案内部(案内管)8の先端に第1のガイドピン23が配置されているので、案内部(案内管)8の先端にほとんど接触することなく、第1のガイドピン23にガイドされて固定刃14のワイヤ貫通孔17を通過する。また、第1のガイドピン23と第2のガイドピン24とによりワイヤ5の曲げの外側面と内側面とが接してガイドされるから、送りは正確に行われ、第1のガイドピン23と第2のガイドピン24の間にワイヤの送り経路上に配置されたワイヤ切断機構11の固定刃14が設けられているので、ワイヤ5は固定刃14のワイヤ貫通孔17の内面に接触することなく送られる。そして、ワイヤ5はカールガイド12のガイド面21を擦るようにして送り出された後、第3のガイドピン25に接触案内されて強く曲げの癖が付けられる。
このように、鉄筋結束機1は、ワイヤ5が第1〜第3のガイドピン23〜25に接触するが、案内部(案内管)8の案内路8eや固定刃14のワイヤ貫通孔17やカールガイド12のガイド面21にほとんど接触することがないので、案内部(案内管)8、固定刃14,カールガイド12が摩耗しない構成となっており、耐久性が大幅に向上している。従来の鉄筋結束機は、案内部(案内管)8の案内路8eや固定刃14のワイヤ貫通孔17、あるいはカールガイド12のガイド面21にワイヤが繰り返し接触して摩耗しやすく、この部分が磨り減るとカール径に影響が出るが、鉄筋結束機1には、このような弊害が発生し難い。
また、ワイヤ切断機構11が第1のガイドピン23の次に配置されているため、案内部(案内管)8から突出しているワイヤ5の初期位置の長さは図10のようにワイヤ切断機構11までの比較的に直線的で短い距離であり、たとえばメンテナンス時にワイヤリール4を取り外すためにワイヤ5をガイド部6のワイヤ経路上から引き抜くときに障害となる距離が短く引き抜きやすい。さらに、ワイヤ5の挿入時において、ワイヤ5を案内部(案内管)8からガイド部6のワイヤ経路上に送るときは、図10のようにワイヤ5の先端がカールガイド12のガイド面21に当接するまでは比較的直線的なワイヤ経路になっている。従って、この直線的なワイヤ経路上にワイヤ切断機構11のワイヤ貫通孔17が配置されているため、ワイヤ5の挿入時のワイヤ5が送りやすい。
以下、ガイド部6に設けた、ワイヤの巻き癖付け機構の第7の実施例を説明する。
図11に示すように、鉄筋結束機1は、第3のガイド部材25がカールガイド12に配置され、ワイヤ切断機構11の切断部14が案内部(案内管)8と第1のガイド部材23の間に配置され、案内部(案内管)8の端部のワイヤ出口から送られてきたワイヤ5をワイヤ切断機構11の切断部14が切断するように構成されている。ガイド部材23〜25は、ガイドピンで形成され、上記したように取り付けられているので、説明を省略する。
第1のガイドピン23は、案内部(案内管)8の端部から離間して設けられている。第3のガイドピン25は、カールガイド12の先端内側に配置され、カールガイド12のガイド面21よりもわずかに内側に突出するように取り付けられている。第2のガイドピン24は、第1のガイドピン23と第3のガイドピン25の略中間に設けられている。ワイヤ切断機構11の切断部14は、案内部(案内管)8と第1のガイドピン23の略中間に設けられている。
案内部(案内管)8から送り出されるワイヤ5は、ワイヤ5の曲げの外側を構成する外側面が第1のガイドピン23に接触してガイドされ、次に、ワイヤ5の曲げの内側を構成する内側面が第2のガイドピン24に接触してガイドされ、さらに、ワイヤ5の曲げの外側を構成する外側面が第3のガイドピン25に接触してガイドされて巻き癖が付けられて下部ガイド19に送られる。案内部(案内管)8から送り出されるワイヤ5は、第1のガイドピン23に接触する前に、ワイヤ切断機構11の固定刃14のワイヤ貫通孔17を挿通してから、第1のガイドピン23に送られる。なお、ワイヤ5の先端部は、第1のガイドピン23、第2のガイドピン24にガイドされた後、カールガイド12のガイド面21に沿って摺るように送り出されてから第3のガイドピン25に接触し、強く曲げの癖が付けられるようになっている。
このように、巻き癖付け機構は、ワイヤの送り経路上に配置された第1のガイドピン23〜第3のガイドピン25からなり、ワイヤ5は、第1のガイドピン23と第2のガイドピン24と第3のガイドピン25に接触して巻き癖が付けられるものである。ワイヤ5の案内部(案内管)8の案内路8eや固定刃14のワイヤ貫通孔17やカールガイド12のガイド面21のように、従来、ワイヤ5が接触して摩耗した部分にワイヤ5がほとんど接触しないようになっている。
以上のように、ワイヤ5は、案内部(案内管)8から送り出されると、案内部(案内管)8の先端にほとんど接触することなく、ワイヤの送り経路上に配置されたワイヤ切断機構11の固定刃14のワイヤ貫通孔17を通過して、第1のガイドピン23と第2のガイドピン24と第3のガイドピン25によりガイドされ、第1のガイドピン23と第2のガイドピン24と第3のガイドピン25によりワイヤ5の曲げの外側面と内側面と外側面が接してガイドされるから、送りは正確に行われる。このため、ワイヤ5は固定刃14のワイヤ貫通孔17の内面にほとんど接触することなく送られる。そして、ワイヤ5はカールガイド12のガイド面21を擦るようにして送り出され、強く曲げの癖が付けられる。
このように、鉄筋結束機1は、ワイヤ5が第1〜第3のガイドピン23〜25に接触するが、案内部(案内管)8の案内路8eや固定刃14のワイヤ貫通孔17やカールガイド12のガイド面21にほとんど接触することがないので、案内部(案内管)8、固定刃14,カールガイド12が摩耗しない構成となっており、耐久性が向上する。従来の鉄筋結束機は、案内部(案内管)8の案内路8eや固定刃14のワイヤ貫通孔17、あるいはカールガイド12のガイド面21にワイヤが繰り返し接触して摩耗しやすく、この部分が磨り減るとカール径に影響が出るが、鉄筋結束機1には、このような弊害が発生し難い。
また、ワイヤ切断機構11が案内部(案内管)8の次に配置されているため、案内部(案内管)8から突出しているワイヤ5の初期位置の長さは図11のようにワイヤ切断機構11までの短い距離であり、たとえばメンテナンス時にワイヤリール4を取り外すためにワイヤ5をガイド部6のワイヤ経路上から引き抜くときに障害となる距離が短く、ワイヤ切断機構11以外の障害部材がなく引き抜きやすい。さらに、第7、第9実施例はガイド部6のワイヤの送り経路上において、ワイヤ切断機構11が、巻き癖付け機構の第1〜第3のガイドピン23〜25の領域の外側に独立して配置されているため、巻き癖付け機構によるワイヤ5のカール形成中に直接影響を与えないので、ワイヤ5のカール形成がしやすい。