JP2019001247A - 宇宙機 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数の衛星を搭載して衛星を順に放出することができ、宇宙ゴミの増加を防止でき、かつ長期間利用可能な電源設備を搭載することができる宇宙機を提供する。【解決手段】ロケットのフェアリング内に搭載され、外部に第1衛星5aを内部に第2衛星5bをそれぞれ搭載可能な衛星搭載装置10を備える。衛星搭載装置10は、第1衛星5aを放出後に、第2衛星5bを放出可能な展開位置に展開可能な複数の支持パネル12を有する。支持パネル12は、展開位置において発電可能な太陽電池パネル16を有する。【選択図】図6

Description

本発明は、複数の衛星をロケットのフェアリング内に搭載し、宇宙空間において各衛星を放出する宇宙機に関する。
複数の衛星をロケットのフェアリング内に搭載し、宇宙空間において衛星を放出する機構が、例えば特許文献1,2に開示されている。
特許文献1では、複数の衛星と支持プレートとの間に傾斜アダプタが配置される。打ち上げ中、傾斜アダプタは所定の搭載位置に位置する。衛星を分離する場合、傾斜アダプタを分離位置にし、衛星を傾斜または揺動させて隣接する衛星から離すように構成されている。
特許文献2では、複数の副衛星を夫々格納する格納空間が、ロケットの機軸を中心として放射状に設けられており、機軸を中心として放射方向へ格納空間から夫々の副衛星を離脱させるように構成されている。
特表平10−503988号公報 特開2005−75209号公報
ロケットに複数(例えば2機)の衛星を搭載する場合、(1)フェアリングを上下に連結した2段フェアリングとしてそれぞれに衛星を搭載する、(2)フェアリング内部に衛星搭載容器(例えば、内部円筒)を設け、衛星搭載容器の内部と上部に衛星を搭載する、などの手段が、従来から提案されている。
しかし、2段フェアリングの場合、衛星搭載のためフェアリングの剛性を高める必要がある。また、内部に衛星搭載容器を設ける場合は、衛星搭載容器の重量分の付加質量が必要となる。
従って、(1)(2)のいずれの場合も、単一のフェアリングと比較して重量が増大し、かつ、衛星放出後には、2段フェアリングや衛星搭載容器が宇宙ゴミ(デブリ)となるため、宇宙ゴミが増加する。
一方、例えば2機の衛星を搭載し、1機目を放出した後、2機目を放出するまでに、軌道変更や軌道上待機などのため、宇宙機に長期間利用可能な電源設備を搭載することが要望されている。
しかし、この要望を満たすため、バッテリーの大容量化、又は太陽電池パネルの設置をすると、その分、付加質量が必要となり、宇宙機に搭載可能な衛星の質量が制限される。
本発明は上述した問題点を解決するために創案されたものである。すなわち本発明の目的は、複数の衛星を搭載して衛星を順に放出することができ、宇宙ゴミの増加を防止でき、かつ長期間利用可能な電源設備を搭載することができる宇宙機を提供することにある。
本発明によれば、ロケットのフェアリング内に搭載され、外部に第1衛星を内部に第2衛星をそれぞれ搭載可能な衛星搭載装置を備え、
前記衛星搭載装置は、前記第1衛星を放出後に、前記第2衛星を放出可能な展開位置に展開可能な複数の支持パネルを有し、
前記支持パネルは、前記展開位置において発電可能な太陽電池パネルを有する、宇宙機が提供される。
本発明によれば、第1衛星を放出後に、第2衛星を放出可能な展開位置に複数の支持パネルを展開することにより、第1衛星と第2衛星を搭載して衛星を順に放出することができる。
また、支持パネルは、展開位置において発電可能な太陽電池パネルを有するので、第1衛星を放出後に、発電して長期間電力を供給できる。
さらに、支持パネルが太陽電池パネルの支持機能を兼ねるので、支持パネルが宇宙ゴミとならず、宇宙ゴミの増加を抑制できる。
従って、本発明の宇宙機は、複数の衛星を搭載して衛星を順に放出することができ、宇宙ゴミの増加を防止でき、かつ長期間利用可能な電源設備を搭載することができる。
多段ロケットの一例を示す図である。 本発明の宇宙機の実施形態を示す側面図である。 衛星搭載装置を断面で示す図2の部分拡大図である。 図4は、図3の上面図である。 支持パネルの展開状態を示す図4と同様の上面図である。 宇宙機の作動説明図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、各図において共通する部分には同一の符号を付し、重複した説明を省略する。
図1は、多段ロケット1の一例を示す図である。この多段ロケット1は、2つの段接手2a,2bにより連結された3段のロケット3a,3b,3cからなる。ノーズフェアリング4は、3段ロケット3cの衛星搭載部分(衛星包絡域)を囲んでいる。
ノーズフェアリング4は、内部の衛星を外部(宇宙空間等)に放出する際に、2以上に分割され、外側に離脱するようになっている。
図2は、本発明の宇宙機100の実施形態を示す側面図である。
この図において、宇宙機100は、多段ロケット1のフェアリング内(この例でノーズフェアリング4)に収容されており、複数の衛星を搭載するための衛星搭載装置10を備える。
衛星搭載装置10は、この例で多角柱の形態を有し、その外部(この図で上面)に第1衛星5aを、その内部に第2衛星5bをそれぞれ搭載可能に構成されている。この例で、第1衛星5aと第2衛星5bはそれぞれ1機であるが、複数であってもよい。
以下、区別が必要な場合を除き第1衛星5aと第2衛星5bを単に「衛星5」と呼ぶ。
なお、衛星搭載装置10の形態は、この例では6面が正方形である立方体であるが、本発明はその他の形態、例えば直方体、3以上の多角柱、その他であってもよい。
図3は、衛星搭載装置10を断面で示す図2の部分拡大図であり、図4は、図3の上面図である。
図3、図4において、第1衛星5aと第2衛星5bは、図の明瞭化のため図示を省略している。
図3、図4において、衛星搭載装置10は、複数の支持パネル12を有する。
この例において、支持パネル12は、多角形(例えば直方体)の底板パネル12a及び天板パネル12bと、複数の側板パネル12c,12dと、を有する。
支持パネル12は、AL/CFRPハニカムパネル、ALハニカムパネル、CFRP板などの軽量で強度を有する材質で構成される。
天板パネル12bは、その外面(図で上面)に第1衛星5aを着脱可能に固定する第1分離機構6aを有する。
底板パネル12aは、ロケット本体の支持盤25に固定され、その内面(図で上面)に第2衛星5bを着脱可能に固定する第2分離機構6bを有する。
以下、特に必要な場合を除き、第1分離機構6aと第2分離機構6bを単に「分離機構6」と呼ぶ。
衛星搭載装置10は、さらに、底部ヒンジ14a、頂部ヒンジ14b、及び連結機構15を有する。
底部ヒンジ14aは、底板パネル12aと側板パネル12c,12dの境界部に設けられ、底板パネル12aに対し側板パネル12c,12dを展開可能に連結する。
頂部ヒンジ14bは、1つの側板パネル12cと天板パネル12bの境界部に設けられ、側板パネル12cに対し天板パネル12bを展開可能に連結する。
連結機構15は、残りの側板パネル12dと天板パネル12bの境界部に設けられ、残りの側板パネル12dと天板パネル12bを着脱可能に連結する。
連結機構15は、パネル同士を連結した状態で保持し、制御装置26(図2参照)からの解除信号で連結を解除する機能を有する。
連結機構15は、例えばソレノイドにより作動することが好ましいが、後述する分離機構6と同様に、火工品又はモータにより、ピンを引き抜くことにより、連結部が外れ、連結を解除する機構であってもよい。
図5は、支持パネル12の展開状態を示す図4と同様の上面図である。
この図において、支持パネル12は、支持パネル12の展開位置(図5)において発電可能な太陽電池パネル16を有する。
太陽電池パネル16は、天板パネル12bの内面、又は、側板パネル12c,12dの内面又は外面に設けられている。
図3、図5において、衛星搭載装置10は、支持パネル12を図5の展開位置に展開する展開装置17を備える。
展開装置17は、例えば、底部ヒンジ14a及び頂部ヒンジ14bに内蔵され、底部ヒンジ14a及び頂部ヒンジ14bを展開位置に付勢するバネである。
この構成により、第1衛星5aを放出後に、連結機構15によりパネル同士の連結を解除することにより、第2衛星5bを放出可能な展開位置に複数の支持パネル12を展開することができる。
図3、図5において、支持パネル12の展開位置は、全体がほぼ同一の平面上に位置している。しかし、支持パネル12の展開位置は、この例に限定されず、全体で平面以外の形態であってもよい。
また、この例では、底板パネル12aの周りに側板パネル12c,12dを展開しているが、それ以外の展開、例えば、側板パネル同士を連結して展開してもよい。
図2において、宇宙機100は、支持盤25、衛星搭載装置10、制御装置26からなり、さらに、ロケット本体のロケット上段22と、ロケット上段22に取り付けられたロケット結合構造24に結合されている。
ロケット上段22は、例えば姿勢制御用の推進装置を備え、宇宙機100を姿勢制御する。
ロケット結合構造24は、ロケット上段22に連結され、衛星搭載装置10を固定する支持盤25と制御装置26とを有する。制御装置26は、例えば通信機能や姿勢制御機能を有するコンピュータ(PC)であり、太陽電池パネル16から電力の供給を受け、宇宙機100とあわせてロケット上段22の制御が可能である。
なお、上述した支持パネル12を第2衛星5bに設置し、第2衛星5bの分離後に第2衛星5bへの電源供給に利用してもよい。
図6は、宇宙機100の作動説明図である。
この図において、(A)は第1衛星5aの放出時、(B)は第1衛星5aの放出後を示している。
本発明によれば、図6(A)に示すように、第1衛星5aを放出後に、図6(B)に示すように、第2衛星5bを放出可能な展開位置に複数の支持パネル12を展開することができる。これにより、第1衛星5aと第2衛星5bを搭載して衛星を順に放出することができる。
また、支持パネル12は、図5に示す展開位置において発電可能な太陽電池パネル16を有するので、第1衛星5aを放出後に、発電して長期間電力を制御装置26に供給し、かつロケット上段22を用いた姿勢制御をすることができる。
さらに、支持パネル12が太陽電池パネル16の支持機能を兼ねるので、支持パネル12が宇宙ゴミとならず、宇宙ゴミの増加を抑制できる。
従って、本発明の宇宙機100は、複数の衛星を搭載して衛星を順に放出することができ、宇宙ゴミ(デブリ)の増加を防止でき、かつ長期間利用可能な電源設備およびロケット上段22の姿勢制御設備を搭載することができる。
なお本発明は上述した実施の形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変更を加え得ることは勿論である。
1 多段ロケット、2a,2b 段接手、3a,3b,3c ロケット、
4 ノーズフェアリング、5 衛星、5a 第1衛星、5b 第2衛星、
6 分離機構、6a 第1分離機構、6b 第2分離機構、
10 衛星搭載装置、12 支持パネル、12a 底板パネル、
12b 天板パネル、12c,12d 側板パネル、14a 底部ヒンジ、
14b 頂部ヒンジ、15 連結機構、16 太陽電池パネル、
17 展開装置、22 ロケット上段、24 ロケット結合構造、
25 支持盤、26 制御装置、100 宇宙機

Claims (4)

  1. ロケットのフェアリング内に搭載され、外部に第1衛星を内部に第2衛星をそれぞれ搭載可能な衛星搭載装置を備え、
    前記衛星搭載装置は、前記第1衛星を放出後に、前記第2衛星を放出可能な展開位置に展開可能な複数の支持パネルを有し、
    前記支持パネルは、前記展開位置において発電可能な太陽電池パネルを有する、宇宙機。
  2. 前記衛星搭載装置は、前記支持パネルを前記展開位置に展開する展開装置を備える、請求項1に記載の宇宙機。
  3. 前記衛星搭載装置は、多角柱の形態を有し、
    前記支持パネルは、多角形の底板パネル及び天板パネルと、複数の側板パネルと、を有し、
    前記天板パネルは、その外面に前記第1衛星を着脱可能に固定する第1分離機構を有し、
    前記底板パネルは、ロケット本体に固定され、その内面に前記第2衛星を着脱可能に固定する第2分離機構を有し、
    前記太陽電池パネルは、前記天板パネルの内面、又は、前記側板パネルの内面又は外面に設けられている、請求項1に記載の宇宙機。
  4. 前記衛星搭載装置は、前記底板パネルと前記側板パネルの境界部に設けられ、前記底板パネルに対し前記側板パネルを展開可能に連結する底部ヒンジと、
    1つの前記側板パネルと前記天板パネルの境界部に設けられ、前記側板パネルに対し前記天板パネルを展開可能に連結する頂部ヒンジと、
    残りの前記側板パネルと前記天板パネルの境界部に設けられ、残りの前記側板パネルと前記天板パネルを着脱可能に連結する連結機構と、を有する、請求項3に記載の宇宙機。
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