本出願は、2015年12月7日に出願された特許文献1;2016年2月17日に出願された特許文献2;2016年4月19日に出願された特許文献3;2016年4月29日に出願された特許文献4;および2016年6月10日に出願された特許文献5に対する優先権を主張する;これらの出願は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
本開示の実施形態の以下の詳細な説明では、同じ参照番号が同じ要素を示し、本開示が実施され得る特定の実施形態を例示として示す添付の図面を参照する。これらの実施形態は、当業者が本開示を実施することができるように十分に詳細に記載されており、本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、他の変更を行うことができることを理解されたい。したがって、以下の詳細な説明は、限定的な意味で解釈されるべきではなく、本開示の範囲は、添付の特許請求によってのみ規定される。本開示において使用される場合、用語「または」は、論理和(すなわち、および/または)として定義されると理解されるべきであり、用語「どちらか」、「でない限り」、「そのかわりに」、および同様の効果を有する単語で明示的に示されない限り、排他的論理和を示すものではない。
(定義)
本明細書で使用される用語「活性医薬成分」(「API」)は、医薬品を製剤化する際に使用される活性化合物(単数または複数)を意味する。
本明細書で使用される用語「同時投与される」は、2つ以上の医薬品が同時にまたは連続して同じ日または異なる日に投与されることを意味する。
本明細書で使用される用語「医薬品」は、少なくとも1つの賦形剤と組み合わせた少なくとも1つの活性医薬成分を意味し、単位剤形で提供される。
用語「曲線下面積」(「AUC」)は、活性医薬成分の投与量の投与後の、活性医薬成分(例えば、エストラジオールもしくはプロゲステロン)、または活性医薬成分の代謝産物の血中濃度の経時的な変化によって規定される曲線下面積を指す。「AUC0-∞」は、投与量の投与後の無限に外挿された濃度-時間曲線下面積である。「AUC0-t」は、投与量の投与後の時間ゼロから時間tまでの濃度-時間曲線下面積であり、tは測定可能な濃度を有する最後の時点である。
用語「Cmax」は、活性医薬成分(例えば、プロゲステロンもしくはエストラジオール)、または活性医薬成分の代謝産物の血中濃度の経時的な変化を表す曲線上に示される血中濃度の最大値を指す。
用語「Tmax」は、活性医薬成分(例えば、エストラジオールもしくはプロゲステロン)、または活性医薬成分の代謝産物の血中濃度が最大値に達するのにかかる時間を指す。
用語「生物学的利用能」は、21 C.F.R.§320.1(a)において定義された意味を有し、APIまたは活性成分または活性部位が医薬品から吸収され、作用部位で利用可能になる速度および程度を指す。例えば、生物学的利用能は、時間の関数としての血液(血清または血漿)中のAPIの量として測定することができる。AUC、Cmax、またはTmaxなどの薬物動態(PK)パラメータを使用して、生物学的利用能を測定および評価することができる。血流に吸収されることが意図されていない医薬品については、生物学的利用能は、APIまたは活性成分または活性部位が作用部位で利用可能になる速度および程度を反映することを意図した測定によって評価され得る。
用語「生物学的に同等である」は、21 C.F.R.§320.1(e)において定義された意味を有し、APIもしくは活性成分または薬学的同等物もしくは薬学的代替物の活性部位が、適切に設計された試験において同じモル用量で同様の条件下で投与された場合に、薬物作用部位で利用可能になる速度および程度に有意差がないことを指す。意図的な速度差がある場合(例えば、一定の持続放出性剤形において)、特定の薬学的同等物または代替物は、各医薬品の活性成分または部位が薬物作用部位で利用可能になる程度に有意差がないなら、生物学的に同等であると考えられ得る。これは、活性成分または部位が薬物作用部位で利用可能になる速度の差が、意図的なものであり、提示の標識に反映されるものであり、慢性使用時の効果的な身体薬物濃度の達成に必須ではなく、薬物に対して医学的に重要ではないと考えられる場合にのみ適用される。実際には、AUC、Cmax、または任意にTmaxの90%信頼区間が80.00%〜125.00%以内である場合、2つの医薬品は生物学的に同等であると考えられる。
本明細書に開示のホルモンと併せて使用される用語「生体同一の」、「身体同一の」、または「天然の」は、人体内に天然にまたは内在的に生じるものの化学構造および効果に一致するホルモンを意味する。典型的な天然エストロゲンは、エストラジオールである。
用語「生体同一ホルモン」または「身体同一ホルモン」は、人体内に天然にまたは内在的に見られるホルモン(例えば、エストラジオールおよびプロゲステロン)と構造的に同一である活性医薬成分を指す。
用語「エストラジオール」は、(17β)-エストラ-1,3,5(10)-トリエン-3,17-ジオールを指す。エストラジオールはまた、17β-エストラジオール、エストラジオール(oestradiol)、またはE2と互換的に呼ばれ、人体内で内在的に見られる。本明細書で使用されるエストラジオールは、人体内に見られる以下の構造を有するエストラジオールの生体同一または身体同一形態を指す:
エストラジオールは、無水または半水和物形態で供給される。この開示の目的のために、無水形態または半水和物形態を、よく知られて理解されている技術に従い、水または水の欠如を考慮することによって他のもので代用することができる。
用語「可溶化エストラジオール」は、エストラジオールまたはその一部が、本明細書に開示の可溶化剤(単数もしくは複数)または製剤に可溶化もしくは溶解されていることを意味する。可溶化エストラジオールは、約80%可溶化された、約85%可溶化された、約90%可溶化された、約95%可溶化された、約96%可溶化された、約97%可溶化された、約98%可溶化された、約99%可溶化された、または約100%可溶化されたエストラジオールを含み得る。いくつかの実施形態では、エストラジオールは「完全に可溶化」されており、エストラジオールの全てまたは実質的に全てが可溶化剤に可溶化または溶解されている。完全に可溶化されたエストラジオールは、約97%可溶化された、約98%可溶化された、約99%可溶化された、または約100%可溶化されたエストラジオールを含み得る。溶解度は、質量分率(%w/w、wt%とも呼ばれる)として表すことができる。
用語「プロゲステロン」は、プレグナ-4-エン-3,20-ジオンを指す。プロゲステロンは、P4とも互換的に呼ばれ、人体内に内在的に見られる。本明細書で使用されるプロゲステロンは、人体内に見られる以下の構造を有するプロゲステロンの生体同一または身体同一形態を指す:
用語「可溶化プロゲステロン」は、プロゲステロンまたはその一部が、本明細書に開示の可溶化剤(単数もしくは複数)または製剤に可溶化もしくは溶解されていることを意味する。いくつかの実施形態では、プロゲステロンは「部分的に可溶化」されており、プロゲステロンの一部は可溶化剤に可溶化または溶解され、プロゲステロンの一部は可溶化剤に懸濁されている。部分的に可溶化されたプロゲステロンは、約1%可溶化された、約5%可溶化された、約10%可溶化された、約15%可溶化された、約20%可溶化された、約30%可溶化された、約40%可溶化された、約50%可溶化された、約60%可溶化された、約70%可溶化された、約80%可溶化された、約85%可溶化された、約90%可溶化された、または約95%可溶化されたプロゲステロンを含み得る。他の実施形態では、プロゲステロンは「完全に可溶化」されており、プロゲステロンの全てまたは実質的に全てが可溶化剤に可溶化または溶解されている。完全に可溶化されたプロゲステロンは、約97%可溶化された、約98%可溶化された、約99%可溶化された、または約100%可溶化されたプロゲステロンを含み得る。溶解度は、質量分率(%w/w、wt%とも呼ばれる)として表すことができる。
本明細書で使用される用語「微粉化プロゲステロン」および「微粉化エストラジオール」には、約15ミクロン未満のX50粒子サイズ値または約25ミクロン未満のX90粒子サイズ値を有する微粉化プロゲステロンおよび微粉化エストラジオールが含まれる。用語「X50」は、試料中の粒子の2分の1の直径が所与の数よりも小さいことを意味する。例えば、5ミクロンのX50を有する微粉化プロゲステロンは、微粉化プロゲステロンの所与の試料について、粒子の2分の1が5ミクロン未満の直径を有することを意味する。同様に、用語「X90」は、試料中の粒子の90パーセント(90%)の直径が所与の数よりも小さいことを意味する。
用語「グリセリド」は、グリセロール(1,2,3-プロパントリオール)と脂肪酸のアシル基とのエステルであり、アシルグリセロールとしても知られている。グリセロール分子の1つの位置のみが脂肪酸でエステル化される場合、「モノグリセリド」すなわち「モノアシルグリセロール」が生成される;2つの位置がエステル化される場合、「ジグリセリド」すなわち「ジアシルグリセロール」が生成される;グリセロールの3つ全ての位置が脂肪酸でエステル化される場合、「トリグリセリド」すなわち「トリアシルグリセロール」が生成される。全てのエステル化された位置が同じ脂肪酸を含む場合、グリセリドは「単純」である;一方、エステル化された位置が異なる脂肪酸を含む場合、グリセリドは「混合」である。グリセロール骨格の炭素はsn-1、sn-2およびsn-3と指定され、sn-2は中間炭素にあり、sn-1およびsn-3はグリセロール骨格の末端炭素である。
用語「可溶化剤」は、活性医薬成分(例えば、エストラジオールまたはプロゲステロン)を可溶化する薬剤または薬剤の組み合せを指す。例えば、限定するものではないが、好適な可溶化剤には、活性医薬成分を所望の程度まで可溶化または溶解する中鎖油、ならびに他の溶媒および共溶媒が含まれる。本明細書に開示の製剤での使用に適した可溶化剤は、医薬品グレードの可溶化剤(例えば、医薬品グレードの中鎖油)である。当業者であれば、他の賦形剤または成分を可溶化剤に添加もしくは混合することで、可溶化剤または得られる製剤の特性もしくは性能を高めることができることを理解するであろう。そのような賦形剤の例には、界面活性剤、乳化剤、増粘剤、着色剤、香味剤などが含まれるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、可溶化剤は中鎖油であり、いくつかの他の実施形態では、中鎖油は共溶媒(単数もしくは複数)または他の賦形剤(単数もしくは複数)と組み合わされる。
用語「中鎖」は、脂肪酸含有分子の脂肪族鎖長を表すために使用される。「中鎖」は、具体的には、炭素原子数6(C6)〜14(C14)の、炭素原子数8(C8)〜12(C12)の、もしくは炭素原子数8(C8)〜10(C10)の脂肪酸脂肪族テールまたは炭素鎖を含有する脂肪酸、脂肪酸エステル、または脂肪酸誘導体を指す。
用語「中鎖脂肪酸」および「中鎖脂肪酸誘導体」は、炭素原子数6〜14の脂肪族テール(すなわち、炭素鎖)を有する脂肪酸または脂肪酸誘導体を表すために使用される。脂肪酸は、カルボン酸官能基に結合した非分岐または分岐脂肪族テールからなる。脂肪酸誘導体には、例えば、脂肪酸由来の成分を含むモノ-、ジ-およびトリグリセリドが挙げられるが、これらに限定されない脂肪酸エステルおよび脂肪酸含有分子が含まれる。脂肪酸誘導体には、エチレンまたはプロピレングリコールの脂肪酸エステルも含まれる。脂肪族テールは、飽和または不飽和(すなわち、炭素原子間に1つ以上の二重結合を有する)であり得る。いくつかの実施形態では、脂肪族テールは飽和である(すなわち、炭素原子間に二重結合を有さない)。中鎖脂肪酸または中鎖脂肪酸誘導体には、炭素数6〜14の脂肪族テールを有するものが含まれ、C6〜C14、C6〜C12、C8〜C14、C8〜C12、C6〜C10、C8〜C10などのものが挙げられるる。中鎖脂肪酸の例には、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、およびそれらの誘導体が含まれるが、これらに限定されない。
本明細書で使用される用語「油」は、生物学的に同等なプロゲステロンまたはエストラジオールを懸濁または可溶化することができる任意の薬学的に許容される油、特に中鎖油を指すが、厳密にはピーナッツ油を除くものであり、出発物質またはその前駆物質が挙げられ、本明細書に記載の微粉化プロゲステロンまたは微粉化エストラジオールが挙げられる。
用語「中鎖油」は、油の脂肪酸画分の組成が実質的に中鎖(すなわちC6〜C14)の脂肪酸である、すなわち油中の脂肪酸の組成プロファイルが実質的に中鎖である油を指す。本明細書で使用される「実質的に」は、油の脂肪酸画分の20%〜100%(上限および下限を含む)が中鎖脂肪酸、すなわち炭素数6〜14の脂肪族テール(すなわち、炭素鎖)を有する脂肪酸で構成されていることを意味する。いくつかの実施形態では、油の脂肪酸画分の約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、約75%、約85%、約90%、または約95%が中鎖脂肪酸で構成されている。本明細書で使用される「主に」は、油の脂肪酸画分の50%以上が中鎖脂肪酸で構成されている、すなわち炭素数6〜14の脂肪族炭素鎖を有する脂肪酸で構成されていることを意味する。当業者であれば、所与の油または可溶化剤を特徴付ける際に、油の「脂肪酸画分」という用語の代わりに、油の「アルキル含量」または「アルキル分布」という用語を使用することができ、これらの用語が本明細書で交換可能に使用されることを容易に認識するであろう。このように、本明細書に開示の製剤中での使用に適した中鎖油には、油の脂肪酸画分が実質的に中鎖脂肪酸である中鎖油、または油のアルキル含量またはアルキル分布が実質的に中鎖アルキル(C6〜C12アルキル)である中鎖油が含まれる。本明細書に開示の製剤中での使用に適した中鎖油が医薬品グレード(例えば、医薬品グレードの中鎖油)であることは、当業者には理解されるであろう。中鎖油の例には、例えば、中鎖脂肪酸、グリセロールの中鎖脂肪酸エステル(例えば、モノ-、ジ-、およびトリグリセリド)、プロピレングリコールの中鎖脂肪酸エステル、ポリエチレングリコールの中鎖脂肪酸誘導体、ならびにそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。
用語「ECN」または「当量炭素数」は、油の脂肪酸鎖中の炭素原子数の合計を意味し、例えば、中鎖油または長鎖油としての油の特徴付けに使用することができる。例えば、トリパルミチン(トリパルミチン酸グリセロール)は、3個の炭素原子数16の脂肪酸鎖を含有する単純トリグリセリドであり、3×16=48のECNを有する。逆に、ECN=40のトリグリセリドは、8、16および16;10、14および16;8、14および18;などの「混合」脂肪酸鎖長を有し得る。天然油は、特定の脂肪酸に関してしばしば「混合」であるが、同じグリセロール骨格中に長鎖脂肪酸および中鎖脂肪酸の両方は含有しない傾向がある。したがって、21〜42のECNを有するトリグリセリドは、主に中鎖脂肪酸を典型的には含有する;43より大きいECNを有するトリグリセリドは、主に長鎖脂肪酸を典型的には含有する。例えば、USPにおけるトウモロコシ油トリグリセリドのECNは、51〜54の範囲内となる。ECNが12〜28である中鎖ジグリセリドは、主に中鎖脂肪鎖をしばしば含有することになるが、ECNが32以上であるジグリセリドは、主に長鎖脂肪酸テールを典型的には含有することになる。モノグリセリドは、唯一の脂肪酸鎖の鎖長と一致するECNを有することになる。したがって、6〜14の範囲のモノグリセリドECNは主に中鎖脂肪酸を含有し、ECNが16以上のモノグリセリドは主に長鎖脂肪酸を含有することになる。
中鎖トリグリセリド油の平均ECNは、典型的には21〜42である。例えば、米国薬局方(USP)に列挙されているように、中鎖トリグリセリドは、以下の表に示す例示的な油として以下の組成:
を有し、3*[(6*0.02)+(8*0.70)+(10*0.25)+(12*0.02)+(14*0.01)]=25.8の平均ECNを有する。例示的な中鎖トリグリセリド油のECNは、24.9〜27.0の範囲(USPに記載の範囲で)としても表すことができる。モノ-、ジ-、およびトリグリセリド、または単一および二重脂肪酸グリコールを混合した油の場合、油全体のECNは、個々の成分のECN(例えば、C8モノグリセリド、C8ジグリセリド、C10モノグリセリド、およびC10モノグリセリド)を測定し、各成分についてモノグリセリドに標準化したECNを乗じた成分の相対百分率の合計をとることによって決定することができる。例えば、以下の表に示すC8およびC10のモノ-およびジグリセリドを有する油はECNが8.3であり、したがって中鎖油である。
言い換えれば、ECNは、組成物中の各鎖の長さに油中のその相対百分率を掛けたものとして計算することができる:(8*.85)+(10*.15)=8.3。
本明細書で使用される用語「賦形剤」は、可溶化剤、抗酸化剤、油、潤滑剤などの、医薬品を製剤化する際に使用される非API成分を指す。
用語「患者」または「被験体」は、医薬組成物が投与される個人を指す。
用語「医薬組成物」は、少なくとも可溶化剤およびエストラジオールを含む医薬組成物を指す。本明細書で使用される医薬組成物は、例えば坐剤(すなわち、膣坐剤)を介して送達されるか、または膣内吸収される。
用語「プロゲスチン」は、プロゲステロンと同様の薬理学的特性を有する任意の天然または人工物質を意味する。
用語「治療する」、「治療すること」、および「治療」は、傷害、疾患、もしくは状態の治療または改善におけるあらゆる成功の兆候を指し、軽減;寛解;症状を軽減することまたは傷害、疾患、もしくは状態を患者にとって許容しやすいものにすること;悪化もしくは衰退の速度が遅くなること;または患者の心身の健康を改善することなどの任意の客観的または主観的パラメータを含む。症状の治療または改善は、身体検査、神経精神医学検査、または精神医学的評価の結果を含む客観的または主観的パラメータに基づくことができる。
用語「萎縮性膣炎」、「外陰膣萎縮」、「膣萎縮」、および「VVA」は、本明細書では交換可能に使用される。VVAの分子形態は、医療分野においてよく知られている。
本明細書で使用される「性機能障害」は、任意の1つ以上の段階の間に1つ以上の困難な症状を有する状態を指す。機能障害は、個人が性的活動を楽しむことを妨げ得る。性機能障害の症状の非限定的な例には、性的欲求の低下、性的快感の低下、性的興奮および興奮の低下、生殖器の性的接触の嫌悪および回避、性的興奮の達成または維持の不能、ならびにオーガズムの持続的もしくは反復的な遅延、またはオーガズムの不在が挙げられる。性機能障害は、生涯性(効果的なパフォーマンスが一度もない)、または後天性(正常な機能の期間後に)であり得る;特定の状況または特定のパートナーに一般化または限定され得る;全身性または局部性であり得る。
本明細書で使用される「性的欲求」は、個人が知覚する、性的活動を行うことを望む頻度および/または性的活動を行う頻度を指す。性的欲求は、例えば、1つ以上の認知活動で表すことができ、個人が知覚する、性的思考の頻度、性的コンテンツを有する映画、書籍、音楽などの楽しみの程度および/または性についての思考および幻想の楽しみまたは喜びの程度が含まれる。
本明細書で使用される「性的興奮」は、個人が知覚する、性的に興奮するようになる頻度、性的興奮がいかに容易に起こるか、および/または性的興奮が維持されるかを指す。心理学的には、性的興奮には性的活動に対する欲求の増大および性的活動に関連する興奮などの要因が含まれ得る。生理学的には、性的興奮は、性器への血流の増加、陰核充血の誘起、ならびに膣潤滑が含まれ得る。
本明細書で使用される「潤滑」は、性的活動の前、その間または後の膣内およびその周囲の濡れを指す。潤滑の増加には、潤滑の頻度の増加;潤滑状態になることの困難さが低下すること;および/または潤滑を維持することの困難さが低下することが含まれ得る。
本明細書で使用される「満足」は、性的活動または性的関係に関連する1つ以上の肯定的な感情(例えば、満足感、充足感、喜びなど)を指す。満足度には、例えば、性的興奮またはオーガズムの発生に対する満足度、パートナーとの親密度に対する満足度、および全体的な性生活に対する満足度が含まれ得る。
本明細書で使用される「オーガズム」は、女性の膣収縮を主に特徴とする強い喜びの主観的経験によって特徴付けられる性的興奮の最も高いポイントを指す。オーガズムの増加は、被験体のオーガズムの頻度、持続時間および/または強度の増加を含み得る。オーガズムの増加は、オーガズム到達の困難さの低下も含み得る。
(導入)
本明細書では、膣内吸収されるように設計された可溶化エストラジオールを含む医薬組成物が提供される。本明細書に開示の医薬組成物は、吸収され、その治療効果を局所的に、例えば膣または周囲組織に有するように設計されている。開示の医薬組成物の有効性を示すデータ、ならびに医薬組成物に関する方法が本明細書にさらに開示される。概して、本明細書に開示の医薬組成物は、エストロゲンの減少または不足によって引き起こされるVVA、性交疼痛、および他の適応症において有用である。
本開示のさらなる態様および実施形態には、不適切な挿入による特定の副作用を潜在的に最小限に抑えながら患者の使いやすさを増大させること、他の膣適用エストラジオール製品の使用に起因する外陰膣真菌感染の発生と比較して、外陰膣真菌感染の発生率を最小限にすること;例えば、VAGIFEM(登録商標)(エストラジオール膣錠、Novo Nordisk;プリンストン、ニュージャージー州)と比較して改善された副作用プロファイル(例えば、掻痒症)が含まれる。
(医薬組成物)
(機能性)
実施形態によれば、本明細書に開示の医薬組成物は、アルコールを含まないか、実質的にアルコールを含まない。医薬組成物は、従来の提供物よりも改善されたため、患者コンプライアンスの改善をもたらす。実施形態によれば、本明細書に開示の医薬組成物は、軟質ゼラチンカプセルにカプセル化され、使用中の快適性を改善する。実施形態によれば、医薬組成物は、実質的に液体であり、膣組織に容易に吸収され、また、より大きな表面積の膣組織にわたって分散される。
(エストラジオール)
実施形態によれば、本明細書に開示の医薬組成物は、単一または複数の単位剤形の膣挿入用である。実施形態によれば、医薬組成物中のエストラジオールは、少なくとも約75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%可溶化されている。実施形態によれば、エストラジオールが100%可溶化されていない場合、残りのエストラジオールは、身体に吸収される微粉化(結晶)形態で存在し、生物学的機能性を、その微粉化形態または投与後に微粉化形態に変換される別の形態のいずれかで保持する。
実施形態によれば、エストラジオールの全部または一部は、製造プロセス中に可溶化剤に可溶化される。実施形態によれば、エストラジオールの全部または一部は、投与後に可溶化される(例えば、エストラジオールが100%可溶化されていない微粉化部分は、投与後に体液に可溶化される)。実施形態によれば、エストラジオールは可溶化されるため、本明細書に教示される可溶化剤は、可溶化剤以外の追加の賦形剤を伴っても伴わなくても、液体または半固体である。エストラジオールが投与/挿入の時点で完全に可溶化されない程度に、エストラジオールは体温(平均37℃)で、および概して、膣pH(健康な患者では3.8〜4.5に及ぶ;またはVVA患者では4.6〜6.5)で実質的に可溶化されるべきである。
実施形態によれば、エストラジオールを、エストラジオール、エストラジオール半水和物、または医薬組成物もしくは製剤に使用される他のグレードのエストラジオール形態として、本明細書に開示の医薬組成物に添加することができる。
実施形態によれば、エストラジオールの投薬濃度は様々である。エストラジオール(またはエストラジオール半水和物、例えば、エストラジオール半水和物の含水量が考慮される限り)の投薬濃度は、少なくとも約1マイクログラム(μgまたはμg)〜少なくとも約50μgである。特定の投与量の実施形態は、少なくとも約:1μg、2μg、3μg、4μg、5μg、6μg、7μg、8μg、9μg、10μg、11μg、12μg、13μg、14μg、15μg、16μg、17μg、18μg、19μg、20μg、21μg、22μg、23μg、24μg、25μg、26μg、27μg、28μg、29μg、30μg、31μg、32μg、33μg、34μg、35μg、36μg、37μg、38μg、39μg、40μg、41μg、42μg、43μg、44μg、45μg、46μg、47μg、48μg、49μg、または50μgのエストラジオールを含有する。実施形態によれば、医薬組成物は、少なくとも約2.5μg;4μg、6.25μg、7.5μg、12.5μg、18.75μgのエストラジオールを含有する。実施形態によれば、医薬組成物は、約1μg〜約10μg、3μg〜7μg、約7.5μg〜12.5μg、約10μg〜約25μg、約1μg、約2.5μg、約23.5μg〜27.5μg、約7.5μg〜22.5μg、10μg〜25μgのエストラジオールを含有する。エストラジオールの最低臨床有効用量が、本明細書に記載のVVAおよび他の適応症の治療に使用される。いくつかの実施形態では、エストラジオール投与量は約4μgである。一実施形態では、エストラジオール投与量は約10μgである。別の実施形態では、エストラジオール投与量は約25μgである。
(溶媒系)
実施形態によれば、エストラジオールを可溶化する溶媒系は、中鎖脂肪酸系溶媒であり、他の賦形剤を伴う。実施形態によれば、溶媒系は、非毒性の薬学的に許容される溶媒、共溶媒、界面活性剤、および膣送達または吸収に適した他の賦形剤を含む。
実施形態によれば、主成分として中鎖脂肪酸を有する油は、エストラジオールを可溶化するための可溶化剤として使用される。実施形態によれば、可溶化剤は、中鎖脂肪酸エステル(例えば、グリセロール、エチレングリコール、もしくはプロピレングリコールのエステル)またはそれらの混合物を含む。実施形態によれば、中鎖脂肪酸はC6〜C14の鎖長を含む。実施形態によれば、中鎖脂肪酸はC6〜C12の鎖長を含む。実施形態によれば、中鎖脂肪酸は実質的にC8〜C10の鎖長を含む。中鎖油のECNは、トリグリセリドについては21〜42、ジグリセリドについては12〜28、モノグリセリドについては6〜14の範囲となる。
実施形態によれば、中鎖脂肪酸は飽和である。実施形態によれば、中鎖脂肪酸は主に飽和している、すなわち約60%を超えて飽和しているか、または約75%を超えて飽和している。
実施形態によれば、エストラジオールは室温で可溶化剤に可溶であるが、粘度を改善するために製造中に特定の可溶化剤を加温することが望ましい場合がある。実施形態によれば、可溶化剤は、室温〜約50℃、50℃以下、40℃以下、または30℃以下で液体である。
実施形態によれば、中鎖油、中鎖脂肪酸、または可溶化剤(もしくは油/界面活性剤)におけるエストラジオールの溶解度は、少なくとも約0.01wt%、0.02wt%、0.05wt%、0.06wt%、0.08wt%、0.1wt%、0.2wt%、0.3wt%、0.4wt%、0.5wt%、0.6wt%、0.7wt%、0.8wt%、0.9wt%、1.0wt%、またはそれ以上である。
実施形態によれば、中鎖可溶化剤には、例えば、飽和中鎖脂肪酸:カプロン酸(C6)、エナント酸(C7)、カプリル酸(C8)、ペラルゴン酸(C9)、カプリン酸(C10)、ウンデシル酸(C11)、ラウリン酸(C12)、トリデシル酸(C13)、またはミリスチン酸(C14)が含まれるが、これらに限定されない。実施形態によれば、可溶化剤には、これらの遊離中鎖脂肪酸、グリセリン、プロピレングリコール、もしくはエチレングリコールの中鎖脂肪酸エステルの油、またはそれらの組み合わせから構成される油が含まれる。これらの例は、主に飽和中鎖脂肪酸を含む(すなわち、脂肪酸の50%超が中鎖飽和脂肪酸である)。実施形態によれば、主にC6〜C12の飽和脂肪酸が検討される。実施形態によれば、可溶化剤は、溶媒または共溶媒の少なくとも1つから選択される。
実施形態によれば、グリセリンベースの可溶化剤には、モノ-、ジ-、またはトリグリセリド、ならびにそれらの組み合わせおよび誘導体が含まれる。例示的なグリセリンベースの可溶化剤には、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリドであるMIGLYOL(登録商標)(SASOL Germany GMBH、ハンブルク)が含まれる。MIGLYOLには、MIGLYOL 810(カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド)、MIGLYOL 812(カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド)、MIGLYOL 816(カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド)、およびMIGLYOL 829(カプリル酸/カプリン酸/コハク酸トリグリセリド)が含まれる。他のカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド可溶化剤も同様に検討され、例えば:カプロン酸/カプリル酸/カプリン酸/ラウリン酸トリグリセリド;カプリル酸/カプリン酸/リノール酸トリグリセリド;カプリル酸/カプリン酸/コハク酸トリグリセリドが挙げられる。実施形態によれば、CAPMUL MCM、中鎖モノ-およびジ-グリセリドは、可溶化剤である。他の分画植物性脂肪酸および分画植物性脂肪酸のトリグリセリド、ならびにそれらの組み合せまたは誘導体は、実施形態にしたがって、可溶化剤であり得る。例えば、可溶化剤は、飽和ココヤシおよびパーム核油の1,2,3-プロパントリオール(グリセロール、グリセリン(glycerin)、グリセリン(glycerine))エステルおよびそれらの誘導体であり得る。
エチレングリコールおよびプロピレングリコール(ポリエチレングリコールおよびポリプロピレングリコールを含む)可溶化剤には;モノ-およびジ-カプリル酸グリセリル;モノカプリル酸プロピレングリコール(例えばCAPMUL(登録商標)PG-8(CAPMULブランドはABITEC、コロンバス、オハイオによって所有されている));モノカプリン酸プロピレングリコール(例えば、CAPMUL PG-10);モノ-およびジカプリル酸プロピレングリコール;モノ-およびジカプリン酸プロピレングリコール;ジエチレングリコールモノエステル(例えば、TRANSCUTOL(登録商標)、2-(2-エトキシエトキシ)エタノール、GATTEFOSSES SAS);ならびにジエチレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。プロピレングリコールまたはエチレングリコールのモノ-およびジ-エステルの他の組み合せは、可溶化剤であることが明らかに意図されている。
実施形態によれば、可溶化剤には、モノ-およびジ-プロピレンとエチレングリコールとの組み合わせ、ならびにモノ-、ジ-、およびトリグリセリドの組み合わせが含まれる。実施形態によれば、ポリエチレングリコールグリセリド(GELUCIRE(登録商標)、GATTEFOSSS SAS、サン=プリースト、フランス)を、可溶化剤または界面活性剤として本明細書で使用することができる。例えば、ポリエチレングリコールの中鎖脂肪酸エステルであるGELUCIRE 44/14(PEG-32ラウリン酸グリセリルEP)は、モノ-、ジ-およびトリグリセリドおよびポリエチレングリコールのモノ-およびジエステルからなるポリエチレングリコールグリセリドである。
実施形態によれば、市販の脂肪酸グリセロールおよびグリコールエステル可溶化剤は、しばしば天然油から調製され、したがって、脂肪酸エステルに加えて主に可溶化剤を含み特徴付ける成分を含み得る。そのような他の成分は、例えば、他の脂肪酸モノ-、ジ-、およびトリグリセリド;脂肪酸モノ-およびジエステルエチレンまたはプロピレングリコール、遊離グリセロールまたはグリコール、または遊離脂肪酸である。いくつかの実施形態では、油/可溶化剤が、本明細書でグリセロールの飽和C8脂肪酸モノ-またはジエステルとして記載される場合、油の主成分、すなわち>50wt%(例えば、>75wt%、>85wt%または>90wt%)は、カプリル酸モノグリセリドおよびカプリル酸ジグリセリドである。例えば、ABITECによるCAPMUL MCM C8の技術データシートは、CAPMUL MCM C8を、中鎖脂肪酸(主にカプリル酸)のモノおよびジグリセリドで構成されるとして記載しており、アルキル含有量を≦1%C6、≧95%C8、≦5%C10、および≦1.5%C12以上と記載している。
例えば、MIGLYOL 812は、脂肪酸組成が少なくとも約80%のカプリル酸(C8)およびカプリン酸(C10)のトリグリセリドエステルであるため、C8〜C10トリグリセリドとして一般的に表される可溶化剤である。しかしながら、それは、少量の他の脂肪酸、例えば、約5%未満のカプロン酸(C6)、ラウリン酸(C12)、およびミリスチン酸(C14)も含む。様々なMIGLYOLの製品情報シートは、以下のように様々な脂肪酸成分を示す:
実施形態によれば、アニオン性または非イオン性界面活性剤は、可溶化エストラジオールを含有する医薬組成物において使用され得る。可溶化剤(単数または複数)と界面活性剤(単数または複数)との比は、それぞれの可溶化剤(単数または複数)およびそれぞれの界面活性剤(単数または複数)および結果として得られる医薬組成物の所望の物理的特性に応じて変化する。例えば、限定されないが、CAPMUL MCMおよび非イオン性界面活性剤は、65:35、70:30、75:25、80:20、85:15および90:10を含む比で使用することができる。他の非限定的な例には、以下が含まれる:例えば、限定されないが、6:4、7:3、および8:2を含む比で使用されるCAPMUL MCMおよびGELUCIRE 39/01;例えば、限定されないが、7:3、および8:2を含む比で使用されるCAPMUL MCMおよびGELUCIRE 43/01;例えば、限定されないが、7:3、および8:2、および9:1を含む比で使用されるCAPMUL MCMおよびGELUCIRE 50/13。
(その他の賦形剤)
実施形態によれば、医薬組成物は、界面活性剤をさらに含む。界面活性剤は、非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、またはそれらの混合物であり得る。好適な界面活性剤には、例えば、12未満の親水性-親油性バランス(HLB)値の水不溶性界面活性剤および12を超えるHLB値の水溶性界面活性剤が挙げられる。高いHLBおよび親水性の界面活性剤は、油水滴の形成を助ける。界面活性剤は本来両親媒性であり、比較的多量の疎水性薬剤化合物を溶解または可溶化することができる。
非限定的な例には、Tween、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、エタノール、グリセリン、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)、PEG 300、PEG 400、ポロキサマー407、プロピレングリコール、リン脂質、水素化大豆ホスファチジルコリン(HSPC)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)、L-α-ジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、L-α-ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、ポリオキシル35ヒマシ油(CREMOPHOR EL、CREMOPHOR ELP)、ポリオキシル40硬化ヒマシ油(Cremophor RH40)、ポリオキシル60硬化ヒマシ油(CREMOPHOR RH60)、ポリソルベート20(TWEEN 20)、ポリソルベート80(TWEEN 80)、d-α-トコフェリルポリエチレングリコール1000コハク酸(TPGS)、Solutol HS-15、モノオレイン酸ソルビタン(SPAN 20)、PEG 300カプリル酸/カプリン酸グリセリド(SOFTIGEN 767)、PEG 400カプリル酸/カプリン酸グリセリド(LABRASOL)、PEG 300オレイン酸グリセリド(LABRAFIL M-1944CS)、ポリオキシル35ヒマシ油(ETOCAS 35)、カプリル酸グリセリル(モノ-およびジグリセリド)(IMWITOR)、PEG 300リノール酸グリセリド(LABRAFIL M-2125CS)、ステアリン酸ポリオキシル8(PEG400モノステアリン酸)、ステアリン酸ポリオキシル40(PEG1750モノステアリン酸)、およびこれらの組み合わせが含まれる。さらに、好適な界面活性剤としては、例えば、モノラウリン酸ソルビタンのポリオキシエチレン誘導体、例えばポリソルベート、カプリルカプロイルマクロゴールグリセリド、ポリグリコール化グリセリドなどが挙げられる。
実施形態によれば、非イオン性界面活性剤は、グリセロールおよび長鎖脂肪酸のポリエチレングリコールエステルの1つ以上、例えば、GELUCIREとして市販されているラウロイルマクロゴール-32グリセリドまたはラウロイルポリオキシル-32グリセリドから選択され、例えば、GELUCIRE 39/01(飽和C12〜C18脂肪酸のグリセロールエステル)、GELUCIRE 43/01(硬質脂肪NF/JPE)およびGELUCIRE 50/13(ステアロイルマクロゴール-32グリセリドEP、ステアロイルポリオキシル-32グリセリドNF、ステアロイルポリオキシグリセリド(米国FDA IIG))が含まれる。これらの界面活性剤は、約0.01%を超える濃度で、典型的には約0.01%〜10.0%、10.1%〜20%、および20.1%〜30%の様々な量で使用することができる。いくつかの実施形態では、界面活性剤は、約1%〜約10%(例えば、約1%〜約5%、約2%〜約4%、約3%〜約8%)の濃度で使用され得る。
実施形態によれば、非イオン性界面活性剤には、例えば、限定するものではないが、オレイン酸、リノール酸、パルミチン酸、およびステアリン酸の1つ以上が挙げられる。実施形態によれば、非イオン性界面活性剤は、TWEEN(登録商標)80(ポリソルベート80)(Sigma Aldrich、セントルイス、ミズーリ州)の商標で市販されているポリソルベート80が挙げられるポリエチレンソルビトールエステルを含む。ポリソルベート80は約60%〜70%のオレイン酸を含み、残りは主にリノール酸、パルミチン酸、およびステアリン酸を含む。ポリソルベート80は、医薬組成物の全質量の約5〜50%、実施形態によれば約30%に及ぶ量で使用され得る。
実施形態によれば、非イオン性界面活性剤には、TEFOSE(登録商標)63(GATTEFOSSS SAS、サン=プリースト、フランス)として市販されているパルミトステアリン酸PEG-6およびパルミトステアリン酸エチレングリコールが含まれ、例えば、MCM対TEFOSE 63の比が例えば8:2または9:1となるようにCAPMUL MCMと共に使用することができる。実施形態によれば、他の可溶化剤/非イオン性界面活性剤の組み合わせには、例えば、MIGLYOL 812:GELUCIRE 50/13またはMIGLYOL 812:TEFOSE 63が含まれる。
実施形態によれば、界面活性剤は、アニオン性界面活性剤、例えば、ラウリル硫酸アンモニウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、ペルフルオロオクタンスルホン酸、ラウリル硫酸カリウム、またはステアリン酸ナトリウムであり得る。カチオン性界面活性剤もまた検討される。
実施形態によれば、非イオン性またはアニオン性界面活性剤は、単独で少なくとも1つの可溶化剤と使用することができるか、または他の界面活性剤と組み合わせて使用することができる。したがって、そのような界面活性剤、または本明細書に記載の他の賦形剤を使用してエストラジオールを可溶化することができる。可溶化剤、界面活性剤、および他の賦形剤の組み合わせは、エストラジオールが膣組織に吸収されるように設計されるべきである。実施形態によれば、医薬組成物は最小限の膣分泌をもたらす。
実施形態によれば、医薬組成物は、少なくとも1つの増粘剤をさらに含む。一般に、増粘剤は、医薬組成物の粘度が所望よりも低い吸収をもたらす場合に添加される。実施形態によれば、本明細書に開示の界面活性剤(単数または複数)は、医薬組成物の増粘をもたらすこともでき、放出時に、膣分泌を最小限に抑えながらエストラジオールが膣粘膜に吸収されるのを助ける。増粘剤の例には、以下が含まれる:硬質脂肪;プロピレングリコール;硬質脂肪EP/NF/JPE、リシノール酸グリセリル、エトキシル化脂肪アルコール(セテス-20、ステアレス-20)EP/NFの混合物(OVUCIRE(登録商標)3460として入手可能、GATTEFOSSE、サン=プリースト、フランス);硬質脂肪EP/NF/JPE、モノオレイン酸グリセロール(40型)EP/NFの混合物(OVUCIRE WL 3264);硬質脂肪EP/NF/JPE、モノオレイン酸グリセリル(40型)EP/NFの混合物(OVUCIRE WL 2944);ステアリン酸PEG-6、パルミトステアリン酸エチレングリコール、およびステアリン酸PEG-32を含む非イオン性界面活性剤;TEFOSE 63または類似製品;および種々の硬質脂肪の混合物(WITEPSOL(登録商標)、Sasol Germany GmbH、ハンブルク、ドイツ)。他の増粘剤、例えばアルギン酸塩、キサンタンガム、寒天、イオタカラギーナン、カッパカラギーナンなどの特定のガム。いくつかの他の化合物は、ゼラチンのような増粘剤、ならびにHPMC、PVC、およびCMCのようなポリマーとして作用することができる。実施形態によれば、様々な実施形態による医薬組成物の粘度は、25℃で約50cps〜約1000cpsとなり得る。当業者は、適切な増粘剤を容易に理解し選択するであろう。
実施形態によれば、増粘剤は非イオン性界面活性剤である。例えば、ポリエチレングリコール飽和または不飽和脂肪酸エステルまたはジエステルは、非イオン性界面活性増粘剤である。実施形態では、非イオン性界面活性剤には、ポリエチレングリコール長鎖(C16〜C20)脂肪酸エステルが含まれ、飽和または不飽和C16〜C18脂肪酸、例えば、オレイン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、およびステアリン酸のPEG-脂肪酸エステルまたはジエステルなどのエチレングリコール長鎖脂肪酸エステルがさらに含まれる。実施形態では、非イオン性界面活性剤には、ポリエチレングリコール長鎖飽和脂肪酸エステルが含まれ、飽和C16〜C18脂肪酸、例えば、パルミチン酸およびステアリン酸のPEG-およびエチレングリコール-脂肪酸エステルなどのエチレングリコール長鎖飽和脂肪酸エステルがさらに含まれる。そのような非イオン性界面活性剤は、限定されないがTEFOSE 63など、ステアリン酸PEG-6、パルミトステアリン酸エチレングリコール、およびステアリン酸PEG-32を含み得る。
実施形態によれば、TEFOSE 63は、組成物の膣からの流出を遅らせるように、膣内でさらなる粘度および/または展延性を提供するために使用される。医薬組成物が液体のままでありながら、そのような医薬組成物の粘度は、液体がAPI吸収領域に残るようにし、それによって医薬組成物は組織に実質的に吸収される。驚くべきことに、本明細書の医薬組成物の粘度および/または展延性を高めるための賦形剤の添加は、体温で液体であるが、患者が立っているときに膣から過剰分泌されない医薬組成物の投与を可能にし、患者が医薬組成物の投与後に歩行することを可能にする。
実施形態によれば、増粘剤として使用される非イオン性界面活性剤は、親水性ではなく、良好なエマルション特性を有する。そのような界面活性剤の実例はTEFOSE 63であり、これは約9〜10の親水性-親油性バランス(HLB)値を有する。
実施形態によれば、医薬組成物は、例えば、医薬組成物の粘度を増加させることによってエストラジオールの膣吸収を改善し、それによって膣からの流出を遅らせる1つ以上の粘膜接着剤をさらに含む。他の実施形態によれば、粘度の変化のみで、またはそれに加えて、粘膜接着剤は、医薬組成物を化学的または機械的に膣組織に接着させる。例えば、粘膜接着剤は、水で活性化した際に、医薬組成物が粘膜へ接着するのを補助するために存在し得る。実施形態によれば、ポリカルボフィルは粘膜接着剤である。実施形態によれば、他の粘膜接着剤には、例えば、限定するものではないが、約100,000〜約900,000の分子量を有するポリ(エチレンオキシド)ポリマー;キトサン;アリルスクロースまたはアリルペンタエリスリトールで架橋されたアクリル酸のポリマーを含むカルボポール;アリルペンタエリスリトールで架橋されたアクリル酸およびC10〜C30アルキルアクリレートのポリマー;ポリエチレングリコールと長鎖アルキル酸エステルとのブロックコポリマーを含有するカルボマーホモポリマーまたはコポリマー;などが挙げられる。実施形態によれば、様々な親水性ポリマーおよびヒドロゲルが粘膜接着剤として使用され得る。特定の実施形態によれば、ポリマーまたはヒドロゲルは、膣組織または分泌物との接触に応答して膨潤し、保湿および粘膜付着性の効果を高めることができる。親水性ポリマーの選択および量は、可溶化剤の選択および量に基づくことができる。いくつかの実施形態では、医薬組成物は親水性ポリマーを含むが、任意にゲル化剤を除く。ヒドロゲルを有する実施形態では、全質量の約5%〜約10%が親水性ポリマーを含み得る。さらなる実施形態では、ヒドロゲルが使用され得る。ヒドロゲルは、水との接触に応答して膨潤するキトサンを含み得る。様々な実施形態において、クリーム医薬組成物はPEG-90Mを含み得る。いくつかの実施形態では、粘膜接着剤は、医薬製剤中、軟質ゲルカプセル中、またはその両方に存在する。
実施形態によれば、医薬組成物は、例えば限定されないが、親水性スクロースおよび他の糖類ベースモノマーを含む、典型的には親水性の1つ以上の熱可逆性ゲルを含む(参照により組み込まれる特許文献6)。
実施形態によれば、医薬組成物は潤滑剤をさらに含む。いくつかの実施形態では、潤滑剤は、剤形の製剤化を補助するために存在し得る。例えば、加工中もしくは保管中にカプセルまたは錠剤が互いに粘着しないように潤滑剤を添加することができる。任意の適切な潤滑剤が使用され得る。例えば、リン脂質の混合物であるレシチンは、潤滑剤である。
実施形態によれば、医薬組成物は抗酸化剤をさらに含む。任意の適切な抗酸化剤が使され得る。例えば、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、およびビタミンE TPGS。
実施形態によれば、医薬組成物は、約20重量%〜約80重量%の可溶化剤、約0.1重量%〜約5重量%の潤滑剤、および約0.01重量%〜約0.1重量%の抗酸化剤を含む。
賦形剤の選択は、例えば、溶解性および安定性に対する賦形剤の効果などの因子によって決まる。様々な実施形態において使用される追加の賦形剤は、着色剤および防腐剤を含み得る。着色剤の例には、FD&C色(例えば、青色1号および赤色40号)、D&C色(例えば、黄色10号)、および乳白剤(例えば、二酸化チタン)が含まれる。実施形態によれば、着色剤は、医薬組成物の約0.1重量%〜約2重量%を占める。実施形態によれば、医薬組成物中の防腐剤は、メチルアルコールおよびプロピルパラベンを約10:1の比で、約0.005重量%〜0.05重量%の割合で含む。
一般に、本明細書に記載の医薬組成物に使用される可溶化剤、賦形剤、および他の添加剤は、非毒性で、薬学的に許容され、互いに相性がよく、医薬組成物および互いに関して様々な成分の安定性を維持する。さらに、医薬組成物を構成する種々の成分の組み合わせは、被験体に投与された際に所望の治療効果を維持し、もたらすであろう。
(エストラジオールの溶解度)
実施形態によれば、中鎖脂肪酸グリセリド、例えばC6〜C12、C8〜C12、またはC8〜C10脂肪酸モノ-およびジグリセリドまたはモノ-、ジ-、およびトリグリセリドの混合物を含む可溶化剤がエストラジオールを溶解する。実施例に示すように、大部分がC8〜C10飽和脂肪酸モノ-およびジグリセリド、または中鎖トリグリセリドの混合物である可溶化剤(例えば、MIGLYOL 810または812)で、良好な結果が得られた。より長い鎖のグリセリドは、エストラジオールの溶解に適していないようである。
モノカプリル酸プロピレングリコール(例えば、CAPRYOL)および2-(2-エトキシエトキシ)エタノール(例えば、TRANSCUTOL)を含む可溶化剤が、エストラジオールをよく可溶化させた。
(医薬組成物の製造)
実施形態によれば、エストラジオールを、例えば限定されないが、少なくとも1つのモノ-、ジ-、もしくはトリグリセリド、またはそれらの誘導体、またはそれらの組み合わせからなる中鎖脂肪酸などの少なくとも1つの中鎖脂肪酸が挙げられる薬学的に許容される可溶化剤と混合することにより、医薬組成物は調製される。実施形態によれば、医薬組成物は、少なくとも1つのグリコールもしくはその誘導体もしくはそれらの組み合わせ、または少なくとも1つのグリセリドとグリコールの組み合わせも含む。グリコール(単数または複数)は、可溶化剤として、または粘度を調整するために使用することができ、したがって、本明細書でさらに論じるように、増粘剤とみなすことができる。任意に、例えば限定されないが、抗酸化剤、潤滑剤などを含む他の賦形剤が添加される。実施形態によれば、医薬組成物は、エストラジオールを完全に可溶化するのに十分な可溶化剤を含む。しかしながら、所望のエストラジオール可溶化のレベルに応じて、可溶化剤の他の量が使用され得ることは明確に理解される。当業者は、医薬組成物中に可溶化されるエストラジオールの所望の割合に応じて可溶化剤および他の賦形剤の量をどのように決定するかを知り、理解するであろう。
例示的な実施形態では、GELUCIRE 44/14(ラウロイルマクロゴール-32グリセリドEP、ラウロイルポリオキシル-32グリセリドNF、ラウロイルポリオキシルグリセリド(米国FDA IIG))を約65℃に加熱し、CAPMUL MCMを約40℃に加熱し、油と非イオン性界面活性剤との混合を容易にさせるが、そのような加熱はエストラジオールを溶解するために必要ではない。
本明細書中に開示の特定の実施例は、追加の原理および本明細書に開示の医薬組成物の製造業者を説明する実施形態を提供する。
(送達媒体)
概して、本明細書に記載の医薬組成物は、送達媒体、例えばカプセルの内部で膣内送達される。実施形態によれば、カプセルは、医薬分野でよく知られている材料、例えば、ゼラチンからなる軟質カプセルである。しかしながら、実施形態によれば、送達媒体は、医薬組成物と一体になっている(すなわち、医薬組成物は送達媒体である)。そのような実施形態では、医薬組成物は、膣に直接適用され吸収されるゲル、クリーム、軟膏、錠剤、または他の調製物である。
実施形態によれば、カプセルは、以下の1つ以上を含有しない:親水性ゲル形成生体接着剤、親油性剤、親油性剤のゲル化剤、および/または水分散剤。実施形態によれば、カプセルは、カルボキシビニル酸、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ゼラチン、キサンタンガム、グアーガム、ケイ酸アルミニウムから選択される親水性ゲル形成生体接着剤、およびそれらの混合物を含有しない。実施形態によれば、カプセルは、液体トリグリセリド、固体トリグリセリド(融点約35℃)、カルナバワックス、カカオバターから選択される親油性剤、およびそれらの混合物を含有しない。実施形態によれば、カプセルは、疎水性コロイド状シリカゲル化剤を含有しない。実施形態によれば、カプセルは、ポリオキシエチレングリコール、ポリオキシエチレングリコール7-グリセリル-ココエートから選択される水分散剤、およびそれらの混合物を含有しない。いくつかの実施形態では、エストラジオールは、治療有効量のエストラジオール;カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド;ならびにパルミトステアリン酸PEG-6およびパルミトステアリン酸エチレングリコールを含む非イオン性界面活性剤からなる液体組成物として製剤化される。そのような実施形態では、液体組成物中の親水性ゲル形成生体接着剤。いくつかのそのような実施形態では、液体組成物は、本明細書に記載のようにゼラチンカプセルに含まれる。いくつかのそのような実施形態では、カプセルは、ゼラチン、ならびに任意に、ゼラチン、加水分解ゼラチン、ソルビトール-ソルビタン溶液、水、グリセリン、二酸化チタン、FD&Cレッド#40、エタノール、酢酸エチル、プロピレングリコール、ポリビニル酢酸フタル酸、イソプロピルアルコール、ポリエチレングリコール、および水酸化アンモニウムからなる群より選択される1つ以上のさらなる成分を含む。
実施形態によれば、送達媒体は、挿入を容易にするように設計されている。実施形態によれば、送達媒体は、膣内に無理なく挿入され得るサイズにされている。実施形態によれば、送達媒体は、様々な形状で調製される。例えば、送達媒体は、涙滴、円錐台上末端を有する円錐、円筒、より大きい「キャップ」部分を有する円筒、または膣内への挿入に適して容易にする他の形状として形成される。実施形態によれば、送達媒体は、アプリケーターと接続して使用される。他の実施形態によれば、送達媒体は指で挿入される。
実施形態によれば、性交疼痛、膣乾燥、およびエストロゲン欠乏性尿症(尿路感染症を含む)が挙げられるVVAを治療する方法が提供され、VVAの治療用の組成物は、膣内に約2インチ、または膣の開口部に最も近い膣の3分の1に指で挿入され、以下のうちの少なくとも1つをもたらす:VVAの治療用の他の製品と比較して改善されたコンプライアンス;VVAの治療用の他の製品と比較して改善されたユーザーエクスペリエンス;プラセボまたはベースラインと比較して、投与開始後2週間、4週間、6週間、8週間、10週間、もしくは12週間またはそれ以上の期間内に統計的に有意に改善されたVVAの症状。実施形態によれば、性交疼痛、膣乾燥、およびエストロゲン欠乏性尿症(尿路感染症を含む)が挙げられるVVAを治療する方法が提供され、VVAの治療用の組成物を含み、本明細書に開示のように涙滴形状の送達媒体は、膣内に約2インチ、または膣の開口部に最も近い膣の3分の1に挿入され、以下のうちの少なくとも1つをもたらす:VVAの治療用の他の製品と比較して改善されたコンプライアンス;VVAの治療用の他の製品と比較して改善されたユーザーエクスペリエンス;プラセボまたはベースラインと比較して、投与開始後2週間、4週間、6週間、8週間、10週間、もしくは12週間またはそれ以上の期間内に統計的に有意に改善されたVVAの症状。
図2を参照すると、送達媒体200は、医薬組成物202およびカプセル204を含む。幅208は、カプセル204の厚さ、例えば、約0.108インチを表す。送達媒体200の一端から他端までの距離は、距離206、例えば約0.690インチで表される。送達媒体200のサイズは、所与の長さの半径によって引かれる弧によって記述されてもよい。例えば、ゼラチン204の外側によって画定される弧210は、約0.189インチの半径で引かれる弧である。カプセル204の内部によって画定される弧212は、約0.0938インチの半径で引かれる弧である。弧210とは反対側のゼラチン204の外側によって画定される弧214は、約0.108インチの半径で引かれる弧である。他の寸法の適切なカプセルが提供されてもよい。実施形態によれば、カプセル204は、互いに対して上記で提供された比と同じまたは類似の寸法を有する。いくつかの実施形態では、ゼラチンカプセルは、加水分解ゼラチン、ソルビトール-ソルビタン溶液、水、グリセリン、二酸化チタン、FD&Cレッド#40、エタノール、酢酸エチル、プロピレングリコール、ポリビニル酢酸フタル酸、イソプロピルアルコール、ポリエチレングリコール、および水酸化アンモニウムからなる群より選択される1つ以上の成分をさらに含む。
実施形態によれば、送達媒体は、医薬組成物が放出されるまで膣内に残るように設計されている。実施形態によれば、送達媒体は、膣内で溶解し、医薬組成物と共に膣組織に吸収され、それが膣分泌を最小限に抑える。そのような実施形態では、送達メカニズムは、非毒性成分、例えば、ゼラチンから作られる。
(膣内挿入される医薬組成物の設計要素)
実施形態によれば、医薬組成物は、有効性を犠牲にすることなく、患者のコンプライアンス(規定の治療コースの完了前に治療を中断する患者)に導く好ましい特性を最大にするように設計されている。好ましい特性には、例えば、他のホルモン補充ペッサリーと比較した刺激の欠如もしくは減少、他のホルモン補充ペッサリーと比較した医薬組成物および送達媒体の膣分泌の欠如もしくは減少、膣内の医薬組成物または送達媒体残留物の欠如もしくは減少、他のホルモン補充ペッサリーと比較して容易な投与、または他の類似の医薬組成物と比較して改善した医薬品の有効性が挙げられる。
実施形態によれば、医薬組成物は非刺激性であるか、または刺激を最小限に抑える。患者刺激には、痛み、掻痒(かゆみ)、ヒリヒリする痛み、過剰分泌、腫脹、または他の同様の状態が含まれる。患者刺激は低コンプライアンスをもたらす。非刺激性または低刺激性の医薬組成物は、錠剤、クリーム、または他の膣内エストロゲン送達形態を含む、競合するホルモンペッサリーと比較して測定される。
実施形態によれば、医薬組成物は、全身ばく露(例えば、エストラジオールの血液循環)をもたらさず、それは安全性を改善する。他の実施形態によれば、本明細書中に開示の医薬組成物は、VVAの治療用の他の市販の膣投与薬物と比較した際に、有意に低下した全身ばく露(例えば、エストラジオールの血液循環)をもたらす。
特定の実施形態では、医薬組成物の投与は、治療の1日目に20.6pg/mL未満の平均濃度(Cave)値、および/または治療の14日目に19.4pg/mL未満のCave値、および/または治療の83日目に11.5pg/mL未満のCave値を与える。特定の実施形態では、医薬組成物の投与は、治療の1日目に10pg/mL未満の平均濃度(Cave)値、および/または治療の14日目に7.3pg/mL未満のCave値、および/または治療の83日目に5.5pg/mL未満のCave値を与える。
実施形態によれば、医薬組成物は、膣内に残留物を残さない。むしろ、医薬組成物および送達媒体は、吸収されない残留物または吸収されていないもしくは分散されていない医薬品の不快な感覚を生じさせることなく、実質的に吸収または分散される。残留物の欠如の測定は、他の膣挿入製品との相対的なものであるか、または膣組織の検査で客観的に測定することができる。例えば、特定の他の膣挿入製品はデンプンを含有し、投与後の膣からの分泌がより多くなる。いくつかの実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、他の膣挿入製品(例えば、圧縮錠)と比較して、投与後により少量の分泌、より短い分泌継続時間、またはより低い分泌頻度をもたらす。
実施形態によれば、医薬組成物は、ホルモンを送達するペッサリーを含む他のペッサリーと比較して、膣分泌を改善する。理想的には、競合製品と比較して、膣分泌は除かれ、最小化され、または改善される。
実施形態によれば、本明細書に開示の医薬組成物は、指で挿入される。実施形態によれば、医薬組成物は、アプリケーターを必要とせずに、指で膣内に約2インチ挿入される。実施形態によれば、医薬組成物は、必要に応じてアプリケーターで挿入できるようにも設計されている。いくつかの実施形態によれば、VVAの部位は膣の近位領域にある(膣開口部に向かっている)ため、本明細書に開示の医薬組成物は、膣の近位部に挿入されるように設計されている。
広範な実験を通じて、グリセロールおよびプロピレングリコールの様々な中鎖脂肪酸エステルが、ヒト医薬品として開発するための1つ以上の好ましい特性を示した。実施形態によれば、可溶化剤は、溶媒または共溶媒の少なくとも1つから選択された。適切な溶媒および共溶媒には、任意のモノ-、ジ-またはトリグリセリドおよびグリコール、ならびにそれらの組み合わせが含まれる。
実施形態によれば、医薬組成物は、ゼラチンカプセル送達媒体を介して送達される。これらの実施形態によれば、医薬組成物は液体医薬組成物である。実施形態によれば、送達媒体は、軟質カプセル、例えば軟質ゼラチンカプセルである。したがって、そのような実施形態の医薬組成物は、軟質ゼラチンカプセルまたは他の軟質カプセルにカプセル化される。
実施形態によれば、医薬組成物は、1つ以上のC6〜C14中鎖脂肪酸モノ-、ジ-、またはトリグリセリドを含む可溶化剤中に少なくとも約80%可溶化されたエストラジオール、および、任意に増粘剤を含む。実施形態によれば、医薬組成物は、少なくとも約80%可溶化されたエストラジオール、1つ以上のC6〜C12の中鎖脂肪酸モノ-、ジ-、またはトリグリセリド、例えば、1つ以上のC6〜C14トリグリセリド、例えば、1つ以上のC8〜C10トリグリセリドなどの1つ以上のC6〜C12トリグリセリドを含む。これらの実施形態は、エストラジオールが少なくとも80%可溶化されていることを特に意図する。これらの実施形態は、エストラジオールが少なくとも90%可溶化されていることを特に意図する。これらの実施形態は、エストラジオールが少なくとも95%可溶化されていることを特に意図する。これらの実施形態は、エストラジオールが完全に可溶化されていることを特に意図する。
上記のように、液体医薬組成物は、室温または体温で液体である。例えば、いくつかの実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物は、軟質ゲルカプセル内に含まれる液体製剤である。室温または体温で液体ではないゲル、硬質脂肪、または他の固体形態は、液体である医薬組成物の実施形態ではあまり望ましくない。
増粘剤は、粘度を、例えば最大約10,000cP(10,000mPa-s)まで、典型的には約5000cP以下にまで、より典型的には約50〜1000cPまで増加させる働きをする。実施形態では、非イオン性界面活性剤、例えばGELUCIREまたはTEFOSEは、室温で固体であってもよく、可溶化剤と効果的に混合するために融解する必要がある。しかしながら、これらの実施形態では、結果として得られる医薬組成物は、より粘度が高いが液体のままであり、固体ではない。
実施形態によれば、医薬組成物は、エストラジオール、中鎖可溶化剤、および増粘剤を、軟質カプセル送達媒体を介して送達される成分として含む。他の成分、例えば、着色剤、抗酸化剤、防腐剤、または他の成分も同様に含まれ得る。しかしながら、他の成分の添加は、エストラジオールの溶解性、医薬組成物の薬物動態、または医薬組成物の有効性を実質的に変化させない量でなければならない。医薬組成物の成分を調整する際に考慮すべき他の要素には、刺激、膣分泌、膣内残留物および他の関連要素、例えば患者コンプライアンスの低下をもたらす要素が含まれる。他の考えられる成分には、油または脂肪酸エステル、レシチン、粘膜接着剤、ゲル化剤、分散剤などが含まれる。
(方法)
実施形態によれば、本明細書に開示の医薬組成物は、数ある中でも、膣乾燥、膣または外陰部の刺激もしくはかゆみ、排尿障害、性交疼痛、および性的活動に関連する膣出血を含む少なくとも1つのVVA症状の治療を含む、VVAの治療に使用することができる。実施形態によれば、本治療方法は、概して女性に適用可能である。
実施形態によれば、本明細書に開示の医薬組成物は、エストロゲン欠乏性尿症の治療に使用することができる。実施形態によれば、本明細書中に開示の医薬組成物は、性交疼痛、または性的活動に関連する膣出血の治療に使用することができる。
実施形態によれば、VVA、エストロゲン欠乏性尿症、ならびに性交疼痛および性的活動に関連する膣出血の治療は、医薬組成物を膣内に投与することによって起こる。送達媒体がカプセルである実施形態によれば、患者はカプセルを入手してカプセルを膣内に挿入し、そこでカプセルは溶解し、医薬組成物は膣内に放出され、膣組織に吸収される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は膣組織に完全に吸収される。いくつかの実施形態では、医薬組成物は、膣組織に実質的に吸収される(例えば、組成物の少なくとも約80重量%、少なくとも約85重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約97重量%、少なくとも約98重量%、または少なくとも約99重量%が吸収される)。実施形態によれば、カプセルは膣内に約2インチ挿入されるが、挿入の深さは通常、実質的に全ての医薬組成物の吸収を可能にする任意の深さである。実施形態によれば、カプセルは、本明細書に開示のように適切な膣の深さにカプセルを置くアプリケーターを使用して適用することもできる。実施形態によれば、カプセルは、膣の下部3分の1(すなわち、膣開口部に最も近い3分の1)に挿入される。実施形態によれば、軟質ゲルカプセルは、図26Aに示すように、大きな方の端部で指の間に保持することができる。
被験体は、最も無理のない姿勢(例えば、図26Bに示すような後ろに倒れた姿勢、または図26Cに示すような起立した姿勢)を選択し、被験体は、軟質ゲルを小さい方の端部を上にして、膣の下部3分の1に挿入する。軟質ゲルカプセルは急速に溶解する。軟質ゲルは、1日のうちいつでも挿入することができ、普段の活動をすぐに再開することができる。実施形態によれば、軟質ゲルの全ての挿入に同じ時刻が使用される。
医薬組成物がクリーム、ゲル、軟膏、または他の類似の調製物である実施形態によれば、当該技術分野でよく知られて理解されるように、医薬組成物は指で適用される。
膣内で医薬組成物が放出されると、エストラジオールは局所的に吸収される。例えば、坐剤を患者の膣の近位領域に投与した後、膣の近位領域に24時間にわたってエストラジオールの治療有効濃度を与える。
実施形態によれば、本開示の医薬組成物の投与のタイミングは、主治医が規定する任意の安全な手段によって行うことができる。実施形態によれば、患者は、毎日14日間、その後は週2回、医薬組成物(例えば、カプセル)を膣内に投与することになる。いくつかのそのような実施形態では、週2回の投与期間中に投与される投与量は、約3〜4日間隔で投与される。典型的には、週2回の投与期間中に投与される投与量は、7日間で2回を超えない。
実施形態によれば、医薬組成物は、経口投与されるエストロゲンベースの(もしくはプロゲスチンベースのもしくはプロゲスチンおよびエストロゲンベースの)医薬品製剤、またはパッチ、クリーム、ゲル、スプレー、経皮送達システムまたは他の非経口投与されるエストロゲンベースの医薬品製剤の同時投与と共に膣内投与され、それらの各々は、天然の、生物学的に類似の、または合成の、または他に由来するエストロゲンもしくはプロゲスチンを含み得る。実施形態によれば、本明細書に開示の医薬組成物の投与を介してもたらされる循環エストロゲンレベルの調整は、もしあれば、任意に同時投与されるエストロゲン製品およびその関係する循環血液レベルに付加的であることを意図していない。他の実施形態によれば、同時投与されるエストロゲン製品は、患者の医師によって決定されるような相加効果を有することが意図される。
実施形態によれば、膣組織をエストロゲン化する方法が提供される。本方法は、本明細書に記載されているようなa(すなわち坐剤)の投与または投与量を含む。エストロゲン化された膣組織は、典型的には、以下の特性の1つ以上によって特徴付けられる:膣壁の透明な分泌物の存在;膣円蓋のローゲーションおよび弾力性;無傷の膣上皮;ならびにピンク色の組織色。対照的に、脱エストロゲン化された膣は、分泌物の減少または欠如;ほとんどまたは全くひだがない滑らかな組織;膣表面の出血;点状出血の発生(すなわち、出血による皮膚上の非常に小さな丸い斑点、赤色、茶色、または紫色に見える);および淡色または透明な組織を特徴とする。したがって、本明細書に開示の方法に従って膣組織をエストロゲン化することには、被験体における膣分泌のレベルを増加させること;被験体の膣粘膜皺数を増加させること;および/または被験体における出血または点状出血の減少させることが含まれる。実施形態によれば、膣組織をエストロゲン化する方法が提供され、本方法は、本明細書に記載のエストラジオールCmaxまたはAUCを与えるように坐剤を投与する工程を含む。実施形態によれば、膣組織をエストロゲン化する方法が提供され、本方法は、本明細書に記載のエストロンCmaxまたはAUCを与えるように坐剤を投与する工程を含む。
実施形態によれば、大陰唇および小陰唇(集合的に「陰唇」)をエストロゲン化する方法が、本明細書に記載のように提供される。概して、医薬組成物は、図26A、図26B、および図26Cに示されるように、指で膣内に約2インチ挿入されるか、または膣開口部に最も近い膣の3分の1に挿入される。医薬組成物を含有するゼラチンカプセルは溶解、破裂し、またはそうでなければ医薬組成物を膣内に放出し、それによって膣の下部3分の1および陰唇の両方が再エストロゲン化される。いくつかの実施形態によれば、医薬組成物は、部分的に陰唇に流れ、陰唇を直接再エストロゲン化する液体である。
実施形態によれば、本明細書に記載されるように、外陰部をエストロゲン化する方法が提供される。概して、医薬組成物は、図26A、図26B、および図26Cに示されるように、指で膣内に約2インチ挿入されるか、または膣開口部に最も近い膣の3分の1に挿入される。医薬組成物を含有するゼラチンカプセルは溶解、破裂し、またはそうでなければ医薬組成物を膣内に放出し、それによって膣の下部3分の1および外陰部の両方が再エストロゲン化される。いくつかの実施形態によれば、医薬組成物は、部分的に外陰組織に流れ、外陰部を直接再エストロゲン化する液体である。
実施形態によれば、膣乾燥を治療する方法が提供される。本方法は、本明細書に記載の軟質ゲル膣エストラジオール製剤(すなわち、坐剤)の投与または投与量を含む。本明細書に開示の方法に従って膣乾燥を治療することには、膣乾燥の重症度を1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%低下させることが含まれる。重症度の低下は、2週間の治療、または6週間の治療、または8週間の治療、または12週間の治療後に得られ得る。いくつかの実施形態では、0〜4点に及ぶ重症度尺度を用いて膣乾燥を評価し、ここで0は乾燥がないことを示し、1は軽度の乾燥を示し、2は中程度の乾燥を示し、3は重度の乾燥を示す。
いくつかの実施形態では、膣乾燥を治療する方法は、乾燥重症度スコアを、被験体の治療前の3から、被験体の2週間の治療後に2にまで減少させることを含む。いくつかの実施形態では、膣乾燥を治療する方法は、乾燥重症度スコアを、被験体の治療前の2から、被験体の2週間の治療後に1にまで減少させることを含む。いくつかの実施形態では、膣乾燥を治療する方法は、乾燥重症度スコアを、被験体の治療前の1から、被験体の2週間の治療後に0にまで減少させることを含む。
いくつかの実施形態では、膣乾燥を治療する方法は、乾燥重症度スコアを、被験体の治療前の3から、被験体の6週間の治療後に2にまで減少させることを含む。いくつかの実施形態では、膣乾燥を治療する方法は、乾燥重症度スコアを、被験体の治療前の2から、被験体の6週間の治療後に1にまで減少させることを含む。いくつかの実施形態では、膣乾燥を治療する方法は、乾燥重症度スコアを、被験体の治療前の1から、被験体の6週間の治療後に0にまで減少させることを含む。
いくつかの実施形態では、膣乾燥を治療する方法は、乾燥重症度スコアを、被験体の治療前の3から、被験体の8週間の治療後に2にまで減少させることを含む。いくつかの実施形態では、膣乾燥を治療する方法は、乾燥重症度スコアを、被験体の治療前の2から、被験体の8週間の治療後に1にまで減少させることを含む。いくつかの実施形態では、膣乾燥を治療する方法は、乾燥重症度スコアを、被験体の治療前の1から、被験体の8週間の治療後に0にまで減少させることを含む。
いくつかの実施形態では、膣乾燥を治療する方法は、乾燥重症度スコアを、被験体の治療前の3から、被験体の12週間の治療後に2にまで減少させることを含む。いくつかの実施形態では、膣乾燥を治療する方法は、乾燥重症度スコアを、被験体の治療前の2から、被験体の12週間の治療後に1にまで減少させることを含む。いくつかの実施形態では、膣乾燥を治療する方法は、乾燥重症度スコアを、被験体の治療前の1から、被験体の12週間の治療後に0にまで減少させることを含む。
いくつかの実施形態では、膣乾燥を治療する方法は、乾燥の重症度を2週間の治療後に低下させることを含み、ここで重症度は0〜3点の尺度で評価され、平均減少は0.5点の減少〜1.25点の減少に及ぶ。平均減少は、任意の適切な数の被験体を観察することによって決定することができる。いくつかの実施形態では、被験体数は少なくとも100である。いくつかの実施形態では、被験体数は少なくとも500である。いくつかの実施形態では、被験体数は700〜800に及ぶ。いくつかの実施形態では、被験体数は740〜750に及ぶ。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は4μgのエストラジオールを含有する。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は10μgのエストラジオールを含有する。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は25μgのエストラジオールを含有する。
いくつかの実施形態では、膣乾燥を治療する方法は、乾燥の重症度を6週間の治療後に低下させることを含み、ここで重症度は0〜3点の尺度で評価され、平均減少は0.75点の減少〜1.5点の減少に及ぶ。平均減少は、任意の適切な数の被験体を観察することによって決定することができる。いくつかの実施形態では、被験体数は少なくとも100である。いくつかの実施形態では、被験体数は少なくとも500である。いくつかの実施形態では、被験体数は700〜800に及ぶ。いくつかの実施形態では、被験体数は740〜750に及ぶ。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は4μgのエストラジオールを含有する。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は10μgのエストラジオールを含有する。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は25μgのエストラジオールを含有する。
いくつかの実施形態では、膣乾燥を治療する方法は、乾燥の重症度を8週間の治療後に低下させることを含み、ここで重症度は0〜3点の尺度で評価され、平均減少は0.9点の減少〜1.5点の減少に及ぶ。平均減少は、任意の適切な数の被験体を観察することによって決定することができる。いくつかの実施形態では、被験体数は少なくとも100である。いくつかの実施形態では、被験体数は少なくとも500である。いくつかの実施形態では、被験体数は700〜800に及ぶ。いくつかの実施形態では、被験体数は740〜750に及ぶ。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は4μgのエストラジオールを含有する。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は10μgのエストラジオールを含有する。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は25μgのエストラジオールを含有する。
いくつかの実施形態では、膣乾燥を治療する方法は、乾燥の重症度を12週間の治療後に低下させることを含み、ここで重症度は0〜3点の尺度で評価され、平均減少は0.9点の減少〜1.5点の減少に及ぶ。平均減少は、任意の適切な数の被験体を観察することによって決定することができる。いくつかの実施形態では、被験体数は少なくとも100である。いくつかの実施形態では、被験体数は少なくとも500である。いくつかの実施形態では、被験体数は700〜800に及ぶ。いくつかの実施形態では、被験体数は740〜750に及ぶ。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は4μgのエストラジオールを含有する。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は10μgのエストラジオールを含有する。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は25μgのエストラジオールを含有する。
いくつかの実施形態では、膣乾燥を治療する方法は、本明細書に記載のエストラジオールCmaxまたはAUCを与えるように坐剤を投与する工程を含む。実施形態によれば、膣乾燥を治療する方法が提供され、本方法は、本明細書に記載のエストロンCmaxまたはAUCを与えるように坐剤を投与する工程を含む。
実施形態によれば、外陰部および/または膣のかゆみもしくは刺激を治療する方法が提供される。本方法は、本明細書に記載の軟質ゲル膣エストラジオール製剤(すなわち、坐剤)の投与または投与量を含む。本明細書に開示の方法による外陰部および/または膣のかゆみもしくは刺激の治療は、外陰部および/または膣のかゆみもしくは刺激の重症度を1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%低下させることを含み得る。重症度の低下は、2週間の治療、または6週間の治療、または8週間の治療、または12週間の治療後に得られ得る。いくつかの実施形態では、0〜4点に及ぶ重症度尺度を用いて外陰部および/または膣のかゆみもしくは刺激を評価し、ここで0はかゆみまたは刺激がないことを示し、1は軽度のかゆみまたは刺激を示し、2は中程度のかゆみまたは刺激を示し、3は重度のかゆみまたは刺激を示す。
いくつかの実施形態では、外陰部および/または膣のかゆみもしくは刺激を治療する方法は、かゆみ/刺激重症度スコアを、被験体の治療前の3から、被験体の2週間の治療後に2にまで減少させることを含む。いくつかの実施形態では、外陰部および/または膣のかゆみもしくは刺激を治療する方法は、かゆみ/刺激重症度スコアを、被験体の治療前の2から、被験体の2週間の治療後に1にまで減少させることを含む。いくつかの実施形態では、外陰部および/または膣のかゆみもしくは刺激を治療する方法は、かゆみ/刺激重症度スコアを、被験体の治療前の1から、被験体の2週間の治療後に0にまで減少させることを含む。
いくつかの実施形態では、外陰部および/または膣のかゆみもしくは刺激を治療する方法は、かゆみ/刺激重症度スコアを、被験体の治療前の3から、被験体の6週間の治療後に2にまで減少させることを含む。いくつかの実施形態では、外陰部および/または膣のかゆみもしくは刺激を治療する方法は、かゆみ/刺激重症度スコアを、被験体の治療前の2から、被験体の6週間の治療後に1にまで減少させることを含む。いくつかの実施形態では、外陰部および/または膣のかゆみもしくは刺激を治療する方法は、かゆみ/刺激重症度スコアを、被験体の治療前の1から、被験体の6週間の治療後に0にまで減少させることを含む。
いくつかの実施形態では、外陰部および/または膣のかゆみもしくは刺激を治療する方法は、かゆみ/刺激重症度スコアを、被験体の治療前の3から、被験体の8週間の治療後に2にまで減少させることを含む。いくつかの実施形態では、外陰部および/または膣のかゆみもしくは刺激を治療する方法は、かゆみ/刺激重症度スコアを、被験体の治療前の2から、被験体の8週間の治療後に1にまで減少させることを含む。いくつかの実施形態では、外陰部および/または膣のかゆみもしくは刺激を治療する方法は、かゆみ/刺激重症度スコアを、被験体の治療前の1から、被験体の8週間の治療後に0にまで減少させることを含む。
いくつかの実施形態では、外陰部および/または膣のかゆみもしくは刺激を治療する方法は、かゆみ/刺激重症度スコアを、被験体の治療前の3から、被験体の12週間の治療後に2にまで減少させることを含む。いくつかの実施形態では、外陰部および/または膣のかゆみもしくは刺激を治療する方法は、かゆみ/刺激重症度スコアを、被験体の治療前の2から、被験体の12週間の治療後に1にまで減少させることを含む。いくつかの実施形態では、外陰部および/または膣のかゆみもしくは刺激を治療する方法は、かゆみ/刺激重症度スコアを、被験体の治療前の1から、被験体の12週間の治療後に0にまで減少させることを含む。
いくつかの実施形態では、外陰部および/または膣のかゆみもしくは刺激を治療する方法は、かゆみ/刺激の重症度を2週間の治療後に低下させることを含み、ここで重症度は0〜3点の尺度で評価され、平均減少は0.3点の減少〜0.6点の減少に及ぶ。平均減少は、任意の適切な数の被験体を観察することによって決定することができる。いくつかの実施形態では、被験体数は少なくとも100である。いくつかの実施形態では、被験体数は少なくとも500である。いくつかの実施形態では、被験体数は700〜800に及ぶ。いくつかの実施形態では、被験体数は740〜750に及ぶ。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は4μgのエストラジオールを含有する。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は10μgのエストラジオールを含有する。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は25μgのエストラジオールを含有する。
いくつかの実施形態では、外陰部および/または膣のかゆみもしくは刺激を治療する方法は、かゆみ/刺激の重症度を6週間の治療後に低下させることを含み、ここで重症度は0〜3点の尺度で評価され、平均減少は0.5点の減少〜0.7点の減少に及ぶ。平均減少は、任意の適切な数の被験体を観察することによって決定することができる。いくつかの実施形態では、被験体数は少なくとも100である。いくつかの実施形態では、被験体数は少なくとも500である。いくつかの実施形態では、被験体数は700〜800に及ぶ。いくつかの実施形態では、被験体数は740〜750に及ぶ。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は4μgのエストラジオールを含有する。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は10μgのエストラジオールを含有する。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は25μgのエストラジオールを含有する。
いくつかの実施形態では、外陰部および/または膣のかゆみもしくは刺激を治療する方法は、かゆみ/刺激の重症度を8週間の治療後に低下させることを含み、ここで重症度は0〜3点の尺度で評価され、平均減少は0.5点の減少〜0.8点の減少に及ぶ。平均減少は、任意の適切な数の被験体を観察することによって決定することができる。いくつかの実施形態では、被験体数は少なくとも100である。いくつかの実施形態では、被験体数は少なくとも500である。いくつかの実施形態では、被験体数は700〜800に及ぶ。いくつかの実施形態では、被験体数は740〜750に及ぶ。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は4μgのエストラジオールを含有する。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は10μgのエストラジオールを含有する。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は25μgのエストラジオールを含有する。
いくつかの実施形態では、外陰部および/または膣のかゆみもしくは刺激を治療する方法は、かゆみ/刺激の重症度を12週間の治療後に低下させることを含み、ここで重症度は0〜3点の尺度で評価され、平均減少は0.5点の減少〜1.0点の減少に及ぶ。平均減少は、任意の適切な数の被験体を観察することによって決定することができる。いくつかの実施形態では、被験体数は少なくとも100である。いくつかの実施形態では、被験体数は少なくとも500である。いくつかの実施形態では、被験体数は700〜800に及ぶ。いくつかの実施形態では、被験体数は740〜750に及ぶ。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は4μgのエストラジオールを含有する。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は10μgのエストラジオールを含有する。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は25μgのエストラジオールを含有する。
いくつかの実施形態では、外陰部および/または膣のかゆみもしくは刺激を治療する方法は、本明細書に記載のエストラジオールCmaxまたはAUCを与えるように坐剤を投与する工程を含む。実施形態によれば、外陰部および/または膣のかゆみもしくは刺激を治療する方法が提供され、本方法は、本明細書に記載のエストロンCmaxまたはAUCを与えるように坐剤を投与する工程を含む。
実施形態によれば、性交疼痛を治療する方法が提供される。本方法は、本明細書に記載の坐剤の投与または投与量を含む。本明細書に開示の方法による性交疼痛の治療は、性交疼痛の重症度を1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%低下させることを含み得る。重症度の低下は、2週間の治療、または6週間の治療、または8週間の治療、または12週間の治療後に得られ得る。いくつかの実施形態では、0〜4点に及ぶ重症度尺度を用いて性交疼痛を評価し、ここで0は性的活動(膣挿入を伴う)に関連する疼痛がないことを示し、1は軽度の性的活動(膣挿入を伴う)に関連する疼痛を示し、2は中程度の性的活動(膣挿入を伴う)に関連する疼痛を示し、3は重度の性的活動(膣挿入を伴う)に関連する疼痛を示す。
いくつかの実施形態では、性交疼痛を治療する方法は、性交疼痛重症度スコアを、被験体の治療前の3から、被験体の2週間の治療後に2にまで減少させることを含む。いくつかの実施形態では、性交疼痛を治療する方法は、性交疼痛重症度スコアを、被験体の治療前の2から、被験体の2週間の治療後に1にまで減少させることを含む。いくつかの実施形態では、性交疼痛を治療する方法は、性交疼痛重症度スコアを、被験体の治療前の1から、被験体の2週間の治療後に0にまで減少させることを含む。
いくつかの実施形態では、性交疼痛を治療する方法は、性交疼痛重症度スコアを、被験体の治療前の3から、被験体の6週間の治療後に2にまで減少させることを含む。いくつかの実施形態では、性交疼痛を治療する方法は、性交疼痛重症度スコアを、被験体の治療前の2から、被験体の6週間の治療後に1にまで減少させることを含む。いくつかの実施形態では、性交疼痛を治療する方法は、性交疼痛重症度スコアを、被験体の治療前の1から、被験体の6週間の治療後に0にまで減少させることを含む。
いくつかの実施形態では、性交疼痛を治療する方法は、性交疼痛重症度スコアを、被験体の治療前の3から、被験体の8週間の治療後に2にまで減少させることを含む。いくつかの実施形態では、性交疼痛を治療する方法は、性交疼痛重症度スコアを、被験体の治療前の2から、被験体の8週間の治療後に1にまで減少させることを含む。いくつかの実施形態では、性交疼痛を治療する方法は、性交疼痛重症度スコアを、被験体の治療前の1から、被験体の8週間の治療後に0にまで減少させることを含む。
いくつかの実施形態では、性交疼痛を治療する方法は、性交疼痛重症度スコアを、被験体の治療前の3から、被験体の12週間の治療後に2にまで減少させることを含む。いくつかの実施形態では、性交疼痛を治療する方法は、性交疼痛重症度スコアを、被験体の治療前の2から、被験体の12週間の治療後に1にまで減少させることを含む。いくつかの実施形態では、性交疼痛を治療する方法は、性交疼痛重症度スコアを、被験体の治療前の1から、被験体の12週間の治療後に0にまで減少させることを含む。
いくつかの実施形態では、性交疼痛を治療する方法は、性交疼痛の重症度を2週間の治療後に低下させることを含み、ここで重症度は0〜3点の尺度で評価され、平均減少は0.9点の減少〜1.1点の減少に及ぶ。平均減少は、任意の適切な数の被験体を観察することによって決定することができる。いくつかの実施形態では、被験体数は少なくとも100である。いくつかの実施形態では、被験体数は少なくとも500である。いくつかの実施形態では、被験体数は700〜800に及ぶ。いくつかの実施形態では、被験体数は740〜750に及ぶ。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は4μgのエストラジオールを含有する。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は10μgのエストラジオールを含有する。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は25μgのエストラジオールを含有する。
いくつかの実施形態では、性交疼痛を治療する方法は、性交疼痛の重症度を6週間の治療後に低下させることを含み、ここで重症度は0〜3点の尺度で評価され、平均減少は1.3点の減少〜1.5点の減少に及ぶ。平均減少は、任意の適切な数の被験体を観察することによって決定することができる。いくつかの実施形態では、被験体数は少なくとも100である。いくつかの実施形態では、被験体数は少なくとも500である。いくつかの実施形態では、被験体数は700〜800に及ぶ。いくつかの実施形態では、被験体数は740〜750に及ぶ。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は4μgのエストラジオールを含有する。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は10μgのエストラジオールを含有する。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は25μgのエストラジオールを含有する。
いくつかの実施形態では、性交疼痛を治療する方法は、性交疼痛の重症度を8週間の治療後に低下させることを含み、ここで重症度は0〜3点の尺度で評価され、平均減少は1.5点の減少〜1.8点の減少に及ぶ。平均減少は、任意の適切な数の被験体を観察することによって決定することができる。いくつかの実施形態では、被験体数は少なくとも100である。いくつかの実施形態では、被験体数は少なくとも500である。いくつかの実施形態では、被験体数は700〜800に及ぶ。いくつかの実施形態では、被験体数は740〜750に及ぶ。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は4μgのエストラジオールを含有する。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は10μgのエストラジオールを含有する。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は25μgのエストラジオールを含有する。
いくつかの実施形態では、性交疼痛を治療する方法は、性交疼痛の重症度を12週間の治療後に低下させることを含み、ここで重症度は0〜3点の尺度で評価され、平均減少は1.5点の減少〜1.8点の減少に及ぶ。平均減少は、任意の適切な数の被験体を観察することによって決定することができる。いくつかの実施形態では、被験体数は少なくとも100である。いくつかの実施形態では、被験体数は少なくとも500である。いくつかの実施形態では、被験体数は700〜800に及ぶ。いくつかの実施形態では、被験体数は740〜750に及ぶ。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は4μgのエストラジオールを含有する。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は10μgのエストラジオールを含有する。いくつかの実施形態では、膣エストラジオール製剤は25μgのエストラジオールを含有する。
いくつかの実施形態では、性交疼痛を治療する方法は、本明細書に記載のエストラジオールCmaxまたはAUCを与えるように坐剤を投与する工程を含む。実施形態によれば、性交疼痛を治療する方法が提供され、本方法は、本明細書に記載のエストロンCmaxまたはAUCを与えるように坐剤を投与する工程を含む。
実施形態によれば、尿路感染症を治療する方法が提供される。本明細書で使用される用語「尿路感染症」は、大腸菌、腐性ブドウ球菌、クレブシエラ種、エンテロバクター種、またはプロテウス種などの微生物による腎臓、尿管、膀胱および尿道の感染を指す。尿路感染症を治療する方法は、通常、本明細書に記載の軟質ゲル膣エストラジオール製剤(すなわち、坐剤)を投与する工程を含む。特定の実施形態によれば、本方法は、尿道不快感、頻度または排尿、血尿、排尿障害、および/または腹圧性尿失禁を減少させることをさらに含む。特定の実施形態によれば、尿路感染症を治療する方法が提供され、本方法は、本明細書に記載の坐剤を投与し、4.5を上回る膣pHを3.5〜4.5(両端を含む)にまで低下させることを含む。本方法は、高齢の被験体(例えば、65歳を超える、または75歳を超える、または85歳を超える被験体)における尿路感染の治療に特に有効であり得る。実施形態によれば、尿路感染症を治療する方法が提供され、本方法は、本明細書に記載のエストラジオールCmaxまたはAUCを与えるように坐剤を投与する工程を含む。実施形態によれば、尿路感染症を治療する方法が提供され、本方法は、本明細書に記載のエストロンCmaxまたはAUCを与えるように坐剤を投与する工程を含む。実施形態によれば、性機能障害を治療する方法が提供される。女性被験体に関して本明細書で使用される用語「性機能障害」は、一般に、性交中の痛みまたは不快感、膣潤滑の低下、膣充血の遅延、性的興奮にかかる時間の増加、オーガズム到達能力の低下、陰核感度の低下、性的欲求の低下、および/または性的興奮の低下を指す。実施形態によれば、性機能障害を治療する方法が提供され、本方法は、本明細書に記載のエストラジオールCmaxまたはAUCを与えるように坐剤を投与する工程を含む。実施形態によれば、性機能障害を治療する方法が提供され、本方法は、本明細書に記載のエストロンCmaxまたはAUCを与えるように坐剤を投与する工程を含む。
性機能および性機能障害は、女性性機能指数(FSFI)を用いて評価することができる(非特許文献1を参照)。FSFIは、性機能の様々な分野(例えば、性的欲求、性的興奮、オーガズム、満足および痛み)を評価するのに有用である。したがって、本明細書で提供される性機能障害を治療する方法は、膣軟質ゲル製剤を被験体に投与する工程を含み、被験体の全尺度FSFIスコア、FSFI-欲求スコア、FSFI-性的興奮スコア、FSFI-潤滑スコアおよび/またはFSFI-オーガズムスコアを増加させることを含み得る。
いくつかの実施形態では、性機能障害を治療する方法は、エストラジオールを被験体に投与する工程を含み、ベースラインと比較してFSFI欲求スコアを少なくとも約20%、または少なくとも約25%、または少なくとも約30%増加させることを含む。
いくつかの実施形態では、性機能障害を治療する方法は、エストラジオールを被験体に投与する工程を含み、ベースラインと比較してFSFI性的興奮スコアを少なくとも約30%、または少なくとも約40%、または少なくとも約50%増加させることを含む。
いくつかの実施形態では、性機能障害を治療する方法は、エストラジオールを被験体に投与する工程を含み、ベースラインと比較してFSFI-潤滑スコアを少なくとも約85%、または少なくとも約95%、または少なくとも約115%増加させることを含む。
いくつかの実施形態では、性機能障害を治療する方法は、エストラジオールを被験体に投与する工程を含み、ベースラインと比較してFSFI-オーガズムスコアを少なくとも約40%、または少なくとも約60%増加させることを含む。
いくつかの実施形態では、性機能障害を治療する方法は、エストラジオールを被験体に投与する工程を含み、ベースラインと比較して全FSFIスコアを少なくとも約50%、または少なくとも約55%、または少なくとも約70%増加させることを含む。
性機能評価のための他の測定基準の例には、性機能変化のアンケート(非特許文献2および非特許文献3);Derogatisの性機能に関するインタビュー-自己報告(非特許文献4);Golombok-Rustの性的満足目録(非特許文献5);性機能アンケート(非特許文献6);ならびにアリゾナ性的体験尺度(非特許文献7)に記載されており、これらの開示内容全体は参照により本明細書に組み込まれる。アンケートを使用した評価では、適切な分野、下位尺度または下位試験のスコアが、そのアンケートで確立された性機能障害を示す場合、性機能障害機能の指標は増加する。例えば、CSFQを用いて評価する際、性的関心スコアの下位尺度が9以下の場合、女性の性的関心は低下しているとみなされる。逆に、適切な分野、下位尺度または下位試験のスコアがより高い(例えば、正常または所望の)性機能を示すと、性機能障害は改善されたとみなされる。臨床医による評価では、性機能障害は、患者の以前の時点と比較して、および/または年齢、性別、性的経験、および健康に関して患者の対等者と比較して評価されてよく、または臨床医によって管理される確証されたアンケートを介して測定されてもよい。
実施形態によれば、本明細書に記載の医薬組成物のVVAの症状の治療における有効性および安全性を決定することができる。実施形態によれば、VVAのサイズ、効果、細胞学、組織学および可変性は、本明細書に記載の医薬組成物の有効性および安全性を決定するための様々な評価項目を用いて決定され得るか、または当該技術分野で現在受け入れられているものか、もしくはさらに開発されるものを用いて決定され得る。評価項目の1つの典拠は、米国食品医薬品局(FDA)が公開したエストラジオールによるVVAの治療のガイドラインである。
実施形態によれば、本明細書に開示の医薬組成物を含有するゼラチンカプセルの投与の直後にまたは数分以内に被験体が歩行することを可能にする、性交疼痛、膣乾燥、およびエストロゲン欠乏性尿症(尿路感染症を含む)が挙げられるVVAを治療する方法が提供される。実施形態によれば、本明細書に開示の医薬組成物を含有するゼラチンカプセルは、図26A、図26B、および図26Cに示されるように、医薬組成物を含有するゼラチンカプセルを指で膣内に約2インチ挿入するか、または膣開口部に最も近い膣の3分の1に挿入することによって投与される。実施形態によれば、ゼラチンカプセルは、膣組織に付着し、膣内に挿入された直後に溶解、破裂、または他の方法で崩壊し、それによって医薬組成物を放出する。医薬組成物は、膣組織上に広がり、迅速に吸収される。実施形態によれば、ゼラチンカプセルも膣組織に完全に吸収される。いくつかの実施形態によれば、TEFOSE 63などの粘度増強剤は粘度の増加をもたらし、医薬組成物が確実に所望の吸収領域内に留まるようにし、それにより膣、陰唇、および/または外陰部をエストロゲン化する。高い粘性、生体接着、および迅速な吸収の組み合わせは、組織がエストラジオールを吸収できるように被験体が投与後に仰臥状態に留まる必要性を防ぎ、それによって被験体は投与直後またはほぼ直後に歩行可能になる。
実施形態によれば、非自然分泌(例えば、医薬組成物またはその成分の分泌)を引き起こさずに、性交疼痛、膣乾燥、およびエストロゲン欠乏性尿症(尿路感染症を含む)が挙げられるVVAを治療する方法が提供される。本方法によれば、膣組織に完全に吸収され得る液体医薬組成物を含有する軟質ゼラチンカプセルが投与される。実施形態によれば、医薬組成物自体は膣組織に完全に吸収される。実施形態によれば、医薬組成物およびゼラチンカプセルは、それぞれ、被験体の膣組織が医薬組成物を完全に吸収することを可能にする体積およびサイズで投与される。実施形態によれば、そのような吸収は、被験体が歩行しているのと同時に起こる。本方法によれば、ゼラチンカプセルおよび液体医薬組成物は、膣組織に完全に吸収され、そこで膣をエストロゲン化した後に起こる唯一の分泌は、女性が閉経前に経験したであろう自然分泌である。「自然」膣分泌とは、毎日膣から分泌する少量の流体を指し、膣を覆っていた古い細胞を運び出している。自然分泌は、通常、透明または乳白色である。非自然分泌は、自然分泌よりも体積が大きく、自然分泌と色が異なる、または自然分泌と粘稠度が異なる分泌を指す。非自然分泌は、膣からの医薬組成物の分泌(例えば、漏出)も指し得る。
実施形態によれば、液体医薬組成物を使用して、性交疼痛、膣乾燥、およびエストロゲン欠乏性尿症(尿路感染症を含む)が挙げられるVVAを治療する方法が提供される。本方法によれば、VVAを治療するための液体組成物を含有する軟質ゼラチンカプセルが被験体に供給される。被験体は、VVAを治療するための液体組成物を含有する軟質ゼラチンカプセルを、膣内に指でまたはアプリケーターで挿入し、そこで軟質ゼラチンカプセルは溶解、破裂、または崩壊し、液体組成物が膣に放出される。実施形態によれば、VVAを治療するための液体組成物は、本明細書に開示の医薬組成物である。実施形態によれば、被験体はゼラチンカプセルを膣内に約2インチ、または膣開口部に最も近い膣の3分の1に挿入する。実施形態によれば、被験体は投与直後またはほぼ直後に歩行可能になる。
実施形態によれば、性交疼痛、膣乾燥、およびエストロゲン欠乏性尿症(尿路感染症を含む)が挙げられるVVAを治療する方法であって、VVAの治療用の組成物を膣投与することにより、2週間以内に、プラセボまたはベースラインと比較してVVAの症状を改善することを含む方法が本明細書に開示される。当業者は、改善が本明細書に記載のように統計的に評価され得ることと、任意の改善が統計的に有意な改善であり得ることを理解するであろう。実施形態によれば、VVAの治療用の組成物は、本明細書に開示の液体医薬組成物である。実施形態によれば、VVAの治療用の組成物は、1μg〜25μgのエストラジオールを含有する液体である。実施形態によれば、投与方法は、図26A、図26B、および図26Cに示される挿入方法を含む、本明細書に開示の方法である。実施形態によれば、2週間の測定時点で、エストラジオールは、AUCおよびCmaxなどの標準的な薬学的薬物動態学的パラメータを用いて測定した際に全身的に検出されない。
実施形態によれば、性交疼痛、膣乾燥、およびエストロゲン欠乏性尿症(尿路感染症を含む)が挙げられるVVAを治療する方法であって、VVAの治療用の組成物を膣投与することにより、4週間以内に、プラセボまたはベースラインと比較してVVAの症状を改善することを含む方法が本明細書に開示される。当業者は、改善が本明細書に記載のように統計的に評価され得ることと、任意の改善が統計的に有意な改善であり得ることを理解するであろう。実施形態によれば、VVAの治療用の組成物は、本明細書に開示の液体医薬組成物である。実施形態によれば、VVAの治療用の組成物は、1μg〜25μgのエストラジオールを含有する液体である。実施形態によれば、投与方法は、図26A、図26B、および図26Cに示される挿入方法を含む、本明細書に開示の方法である。実施形態によれば、2週間の測定時点および/または4週間の測定時点で、エストラジオールは、AUCおよびCmaxなどの標準的な薬学的薬物動態学的パラメータを用いて測定した際に全身的に検出されない。
実施形態によれば、性交疼痛、膣乾燥、およびエストロゲン欠乏性尿症(尿路感染症を含む)が挙げられるVVAを治療する方法であって、VVAの治療用の組成物を膣投与することにより、8週間以内に、プラセボまたはベースラインと比較してVVAの症状を改善することを含む方法が本明細書に開示される。当業者は、改善が本明細書に記載のように統計的に評価され得ることと、任意の改善が統計的に有意な改善であり得ることを理解するであろう。実施形態によれば、VVAの治療用の組成物は、本明細書に開示の液体医薬組成物である。実施形態によれば、VVAの治療用の組成物は、1μg〜25μgのエストラジオールを含有する液体である。実施形態によれば、投与方法は、図26A、図26B、および図26Cに示される挿入方法を含む、本明細書に開示の方法である。実施形態によれば、2週間の測定時点および/または8週間の測定時点で、エストラジオールは、AUCおよびCmaxなどの標準的な薬学的薬物動態学的パラメータを用いて測定した際に全身的に検出されない。
実施形態によれば、性交疼痛、膣乾燥、およびエストロゲン欠乏性尿症(尿路感染症を含む)が挙げられるVVAを治療する方法であって、VVAの治療用の組成物を膣投与することにより、10週間以内に、プラセボまたはベースラインと比較してVVAの症状を改善することを含む方法が本明細書に開示される。当業者は、改善が本明細書に記載のように統計的に評価され得ることと、任意の改善が統計的に有意な改善であり得ることを理解するであろう。実施形態によれば、VVAの治療用の組成物は、本明細書に開示の液体医薬組成物である。実施形態によれば、VVAの治療用の組成物は、1μg〜25μgのエストラジオールを含有する液体である。実施形態によれば、投与方法は、図26A、図26B、および図26Cに示される挿入方法を含む、本明細書に開示の方法である。実施形態によれば、2週間の測定時点および/または10週間の測定時点で、エストラジオールは、AUCおよびCmaxなどの標準的な薬学的薬物動態学的パラメータを用いて測定した際に全身的に検出されない。
実施形態によれば、性交疼痛、膣乾燥、およびエストロゲン欠乏性尿症(尿路感染症を含む)が挙げられるVVAを治療する方法であって、VVAの治療用のエストラジオールを含有する組成物を投与する工程を含む方法が提供され、本方法は、2週間、4週間、6週間、8週間、または12週間のうちの少なくとも1つにおいて、ベースラインまたはプラセボと比較してVVAの症状を改善し、エストラジオールは、AUCおよびCmaxなどの標準的な薬学的薬物動態学的パラメータを用いて全身的に検出されない。当業者は、改善が本明細書に記載のように統計的に評価され得ることと、任意の改善が統計的に有意な改善であり得ることを理解するであろう。実施形態によれば、エストラジオールを含有する組成物は、本明細書に開示の液体組成物である。実施形態によれば、組成物は1μg〜25μgのエストラジオールを含有する。
実施形態によれば、膣、陰唇、または外陰部を再エストロゲン化する方法が提供され、本方法は、VVAの治療用のエストラジオールを含有する組成物を投与する工程を含み、組成物は、エストラジオールまたは合成エストロゲンを含有する液体であり、液体は、固体組成物によって覆われる領域よりも大きい、膣、陰唇、または外陰部の表面領域にわたって広がる。例えば、液体は、約50cm2〜約120cm2に及ぶ表面積(例えば、約50cm2〜約60cm2;または約60cm2〜約70cm2;または約70cm2〜約80cm2;または約80cm2〜約90cm2;または約90cm2〜約100cm2;または約100cm2〜約110cm2;または約110cm2〜約120cm2;または約65cm2〜約110cm2)にわたって広がることができる。実施形態によれば、被験体は、硬質または軟質ゼラチンカプセルなどのカプセル内の液体組成物を自身の膣内に挿入し、それはその後、溶解、破裂、崩壊するか、または他の方法で液体を膣内に放出する。実施形態によれば、液体は生体接着剤または粘度増強剤の少なくとも1つを含有し、エストラジオールまたは合成エストロゲンが膣の再強化をもたらすのに十分な用量で膣組織に吸収される前に液体が膣から流出するのを防ぐ。実施形態によれば、膣は、投与の2週間以内に、ベースラインまたはプラセボのレベルと比較して統計的に有意に再エストロゲン化される。実施形態によれば、膣は、投与の4週間以内に、ベースラインまたはプラセボのレベルと比較して統計的に有意に再エストロゲン化される。
実施形態によれば、膣は、投与の6週間以内に、ベースラインまたはプラセボのレベルと比較して統計的に有意に再エストロゲン化される。実施形態によれば、膣は、投与の8週間以内に、ベースラインまたはプラセボのレベルと比較して統計的に有意に再エストロゲン化される。実施形態によれば、膣は、投与の10週間以内に、ベースラインまたはプラセボのレベルと比較して統計的に有意に再エストロゲン化される。実施形態によれば、膣は、投与の12週間またはそれ以上の期間内に、ベースラインまたはプラセボのレベルと比較して統計的に有意に再エストロゲン化される。
(有効性の測定)
実施形態によれば、本明細書に記載の医薬組成物の投与は、VVAの治療、ならびに関連症状の1つ以上の改善をもたらした。VVA患者は、長さおよび直径の両方において膣管の収縮を経験し、膣管は湿分および柔軟性を維持するためのグリコーゲン豊富な膣細胞が少ない。さらに、膣壁は薄く、淡色に、乾燥するようになるか、または時には炎症(萎縮性膣炎)を起こすことがある。これらの変化は、VVAと総称されるさまざまな症状として現れる可能性がある。そのような症状には、限定されないが、膣pHの上昇;膣上皮の完全性、膣分泌物、または膣上皮表面の厚さの減少;掻痒;膣乾燥;性交疼痛(性交中の痛みもしくは出血);尿路感染症;または膣の色の変化が含まれる。実施形態によれば、有効性は、閉経前の状態に戻る、患者の外陰部および膣の萎縮の減少として測定される。実施形態によれば、変化は、ベースライン(スクリーニング、1日目)で測定された1つ以上の萎縮作用の重症度の低下として測定され、15日目(治療の終了)で測定された測定値と比較される。萎縮作用の重症度は、0〜3の尺度を用いて測定することができ、例えば、なし=0、軽度=1、中度=2または重度=3である。そのようなスコアリングを実施し、患者の前治療状態を評価し;とりわけ、投薬量、投薬頻度、および期間などの治療計画の適切な方針;ならびに治療後の結果を測定する。
VVAの症状の1つは、膣pHの上昇である。本開示のさらなる態様では、本明細書に記載の医薬組成物による治療は、膣pHの低下をもたらした。膣pHの低下は、実施形態によれば、ベースライン(スクリーニング)における膣pHから15日目の膣pHへの低下として測定される。いくつかの実施形態では、5以上のpHがVVAと関連し得る。いくつかの実施形態では、pHは、膣壁に配置されたpHインジケータストリップを使用して測定される。いくつかの実施形態では、膣pHの変化は、患者の膣pHが約pH5.0未満のpHに変化することである。いくつかの実施形態では、被験体の膣pHは、約4.9、pH4.8、pH4.7、pH4.6、pH4.5、pH4.4、pH4.3、pH4.2、pH4.1、pH4.0、pH3.9、pH3.8、pH3.7、pH3.6、またはpH3.5未満であり得る。
実施形態によれば、本明細書に記載の医薬組成物による治療は、膣成熟度指数の改善をもたらした。成熟度指数は、細胞組成の変化として測定される。実施形態によれば、およびVVAに関連して、細胞組成の変化は、傍基底膣細胞、中間細胞、および表層膣細胞の組成または量のパーセントの変化として、例えば、表層膣細胞の変化と比較した、またはこれに対する傍基底膣細胞の組成または量の変化などとして測定される。VVA症状を患う被験体は、しばしば、VVAに罹患していない女性と比較して、傍基底細胞数が増加し、表層細胞数が減少(例えば、約5%未満)している。反対に、VVA症状が軽減している、または治療に応答している被験体は、成熟度指数の改善、具体的には、ベースライン(スクリーニング)と比較した傍基底細胞の量の減少または表層細胞の量の増加を示し得る。実施形態では、傍基底細胞の減少は、傍基底細胞のパーセントの減少として測定される;減少率は、少なくとも約85%、80%、75%、70%、65%、60%、55%、50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%または10%の傍基底細胞数の減少であり得る。実施形態では、減少率は、少なくとも約54%の傍基底細胞数の減少であり得る。ある実施形態では、表層細胞の増加は、表層細胞のパーセントの増加として測定される;表層細胞の増加率は、少なくとも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、または50%の表層細胞数の増加であり得る。さらなる実施形態では、増加率は、表層細胞数の少なくとも約35%の増加であり得る。
いくつかの実施形態では、成熟度指数の改善は、経時変化として評価される。例えば、1日目のベースライン(スクリーニング)で測定された細胞組成の、15日目に測定された細胞組成と比較した変化として。細胞組成の変化は、任意に上記のような傍基底細胞および表層細胞の変化の測定に加えて、傍基底細胞量の経時的な変化としても評価され得る。そのような細胞は、通常の婦人科検査によって膣粘膜上皮から採取され、膣スメアによっても検査され得る。
本開示の様々なさらなる態様では、本明細書に記載の医薬組成物による治療は、表層細胞の増加;傍基底細胞の減少;および中間細胞の増加のいずれかをもたらした。
本開示のさらなる態様では、試料が収集され、ホルモンレベル、特にエストラジオールレベルが測定され得る。いくつかの実施形態では、血液試料が被験体から採取され、エストラジオールのレベル(pg/mL)が測定され得る。いくつかの実施形態では、エストラジオールレベルは、0時間(例えば、最初の治療時)、1時間(例えば、最初の治療後)、3時間、および6時間で測定され得る。いくつかの実施形態では、試料は、8日目(例えば、最初の治療後)および15日目(例えば、14日目の最後の治療の1日後)に採取され得る。いくつかの実施形態では、各サンプリング時間での血漿エストラジオール濃度ならびに観察されたCmaxおよびTmax値の記述統計量が測定され、AUCが計算され得る。
いくつかの実施形態では、坐剤は約25μgのエストラジオールを含むことができる。そのような場合、患者への坐剤の投与は、患者からの血漿試料において、1)約19pg*時間/mL〜約29pg*時間/mL(例えば、19.55pg*時間/mL〜約28.75pg*時間/mL)のエストラジオールの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax);または2)約75pg*時間/mL〜約112pg*時間/mL(例えば、75.82pg*時間/mL〜約111.50)のエストラジオールの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24から選択される1つ以上のパラメータを含むパラメータを与えることができる。いくつかの実施形態では、患者への坐剤の投与は、患者からの血漿試料において、1)約9pg*時間/mL〜約14pg*時間/mL(例えば、9.17pg*時間/mL〜約13.49pg*時間/mL)のエストロンの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax);および2)約43pg*時間/mL〜約65pg*時間/mL(例えば、43.56pg*時間/mL〜約64.06pg*時間/mL)のエストロンの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24から選択される1つ以上のパラメータを与える。いくつかの実施形態では、患者への坐剤の投与は、患者からの血漿試料において、1)約416pg*時間/mL〜約613pg*時間/mL(例えば、416.53pg*時間/mL〜約612.55pg*時間/mL)の硫酸エストロンの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax);および2)約3598pg*時間/mL〜約5291pg*時間/mL(例えば、3598.04pg*時間/mL〜約5291.24pg*時間/mL)の硫酸エストロンの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24から選択される1つ以上のパラメータを与える。
いくつかの実施形態では、坐剤は約25μgのエストラジオールを含む。いくつかのそのような実施形態では、患者への坐剤の投与は、患者からの血漿試料において、1日目の評価で、1)約20.9pg/mL〜約32.8pg/mL(例えば、20.96pg/mL〜約32.75pg/mL)に及ぶエストラジオールの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax);2)約104.3pg*時間/mL〜約163.1pg*時間/mL(例えば、104.32pg*時間/mL〜約163.0pg*時間/mL)に及ぶエストラジオールの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24;および3)約4.3pg/mL〜約6.8pg/mL(例えば、4.32pg/mL〜約6.75pg/mL)に及ぶエストラジオールの平均濃度(Cavg)から選択される1つ以上のパラメータを含むパラメータを与えることができる。
いくつかの実施形態では、約25μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、1日目の評価で、1)約26.2pg/mLのエストラジオールの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax);2)約130pg*時間/mLのエストラジオールの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24;および3)約5.4pg/mLのエストラジオールの平均濃度(Cavg)から選択される1つ以上のパラメータを含むパラメータを与えることができる。
いくつかの実施形態では、約25μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、エストラジオールの14日目の評価で、1)約9.5pg/mL〜約15.1pg/mL(例えば、9.60pg*時間/mL〜約15.00pg/mL)に及ぶエストラジオールの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax);2)約67.6pg*時間/mL〜約105.8pg*時間/mL(例えば67.68pg*時間/mL〜約105.75pg*時間/mL)に及ぶエストラジオールの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24;および3)約2.7pg/mL〜約4.4pg/mL(例えば、2.80pg/mL〜約4.38pg/mL)に及ぶエストラジオールの平均濃度(Cavg)から選択される1つ以上のパラメータを含むパラメータを与えることができる。
いくつかの実施形態では、約25μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、14日目の評価で、1)約12.0pg/mLのエストラジオールの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax);2)約84.6pg*時間/mLのエストラジオールの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24;および3)約3.5pg/mLのエストラジオールの平均濃度(Cavg)から選択される1つ以上のパラメータを含むパラメータを与えることができる。
いくつかの実施形態では、約25μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、1日目の評価で、1)約158.8pg/mL〜約248.3pg/mL(例えば、158.88hr/mL〜約248.25pg*時間/mL)に及ぶエストロン抱合体の補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax);および2)約1963.1pg*時間/mL〜約3067.6pg*時間/mL(例えば、1963.20pg*時間/mL〜約3067.50pg*時間/mL)に及ぶエストロン抱合体の補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24から選択される1つ以上のパラメータを与える。
いくつかの実施形態では、約25μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、1日目の評価で、1)198.6pg/mLのエストロン抱合体の補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax);および2)約2454pg*時間/mLのエストロン抱合体の補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24から選択される1つ以上のパラメータを与える。
いくつかの実施形態では、約25μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、1)1日目の評価で約173.5pg*時間/mL〜約271.3pg*時間/mL(例えば、173.60pg*時間/mL〜約271.25pg*時間/mL;または約217pg*時間/mL)に及ぶエストラジオールの未調整算術平均曲線下面積(AUC)0-24;2)1日目の評価で約7.2pg/mL〜約11.4pg/mL(例えば、7.25pg/mL〜約11.33pg/mL;または約9.06pg/mL)に及ぶエストラジオールの補正算術平均ピーク血漿濃度(Cavg[0-24]);3)14日目の評価で約137.5pg*時間/mL〜約215.1pg*時間/mL(例えば、137.60pg*時間/mL〜約215.00pg*時間/mL;または約172pg*時間/mL)に及ぶエストラジオールの未調整算術平均曲線下面積(AUC)0-24;および4)14日目の評価で約5.7pg/mL〜約9.0pg/mL(例えば、5.72pg/mL〜約8.94pg/mL;または約7.15pg/mL)に及ぶエストラジオールの補正算術平均ピーク血漿濃度(Cavg [0-24])から選択される1つ以上のパラメータを与える。
いくつかの実施形態では、約25μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、1)1日目の評価で約335.1pg*時間/mL〜約523.8pg*時間/mL(例えば、335.20pg*時間/mL〜約523.75pg*時間/mL;または約419pg*時間/mL)に及ぶエストロンの未調整算術平均曲線下面積(AUC)0-24;2)1日目の評価で約13.9pg/mL〜約21.9pg/mL(例えば、14.00pg/mL〜約21.88pg/mL;または約17.5pg/mL)に及ぶエストロンの補正算術平均ピーク血漿濃度(Cavg[0-24]);3)14日目の評価で約343.1pg*時間/mL〜約536.2pg*時間/mL(例えば、343.20pg*時間/mL〜約536.25pg*時間/mL;または約429pg*時間/mL)に及ぶエストロンの未調整算術平均曲線下面積(AUC)0-24;および4)14日目の評価で約14.3pg/mL〜約22.4pg/mL(例えば、14.32pg/mL〜約22.38pg/mL;または約17.9pg/mL)に及ぶエストロンの補正算術平均ピーク血漿濃度(Cavg [0-24])から選択される1つ以上のパラメータを与える。
いくつかの実施形態では、約25μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、1)1日目の評価で約7,300.7pg*時間/mL〜約11,407.6pg*時間/mL(例えば、7,300.80pg*時間/mL〜約11,407.50pg*時間/mL;または約9,126pg*時間/mL)に及ぶエストロン抱合体の未調整算術平均曲線下面積(AUC)0-24;2)1日目の評価で約303.9pg/mL〜約475.1pg/mL(例えば、304.00pg/mL〜約475.00pg/mL;または約380pg/mL)に及ぶエストロン抱合体の補正算術平均ピーク血漿濃度(Cavg[0-24]);3)14日目の評価で約7,943.9pg*時間/mL〜約12,412.6pg*時間/mL(例えば、7,944.00pg*時間/mL〜約12,412.50pg*時間/mL;または約9,930pg*時間/mL)に及ぶエストロン抱合体の未調整算術平均曲線下面積(AUC)0-24;および4)14日目の評価で約331.1pg/mL〜約517.4pg/mL(例えば、331.20pg/mL〜約517.50pg/mL;または約414pg/mL)に及ぶエストロン抱合体の補正算術平均ピーク血漿濃度(Cavg [0-24])から選択される1つ以上のパラメータを与える。
いくつかの実施形態では、坐剤は約10μgのエストラジオールを含むことができる。そのような場合、患者への坐剤の投与は、患者からの血漿試料において、1)約12pg*時間/mL〜約18pg*時間/mL(例えば、12.22pg*時間/mL〜約17.98pg*時間/mL)のエストラジオールの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax);2)約42pg*時間/mL〜約63pg*時間/mL(例えば、42.18pg*時間/mL〜約62.02pg*時間/mL)のエストラジオールの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24;および3)約1時間〜約3時間(例えば、1.49時間〜約2.19時間)のエストラジオールのピーク血漿濃度到達補正幾何平均時間(Tmax)から選択される1つ以上のパラメータを与えることができる。いくつかの実施形態では、患者への坐剤の投与は、患者からの血漿試料において、1)約4pg*時間/mL〜約7pg*時間/mL(例えば、4.38pg*時間/mL〜約6.44pg*時間/mL)のエストロンの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax);2)約20pg*時間/mL〜約31pg*時間/mL(例えば、20.60pg*時間/mL〜約30.30pg*時間/mL)のエストロンの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24;および3)約4時間〜約8時間(例えば、4.99時間〜約7.34時間)のエストロンのピーク血漿濃度到達補正幾何平均時間(Tmax)から選択される1つ以上のパラメータを与える。いくつかの実施形態では、患者への坐剤の投与は、患者からの血漿試料において、1)約10pg*時間/mL〜約16pg*時間/mL(例えば、10.34pg*時間/mL〜約15.20pg*時間/mL)の硫酸エストロンの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax);2)約56pg*時間/mL〜約84pg*時間/mL(例えば、56.61pg*時間/mL〜約83.25pg*時間/mL)の硫酸エストロンの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24;および3)約4時間〜約7時間(例えば、4.67時間〜約6.86時間)の硫酸エストロンのピーク血漿濃度到達補正幾何平均時間(Tmax)から選択される1つ以上のパラメータを与える。
いくつかの実施形態では、坐剤は約10μgのエストラジオールを含む。いくつかのそのような実施形態では、患者への坐剤の投与は、患者からの血漿試料において、1日目の評価で約4.7pg/mL〜約7.6pg/mL(例えば、4.80pg*時間/mL〜約7.50pg*時間/mL)に及ぶエストラジオールの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax)を与えることができる。いくつかの実施形態では、約10μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、エストラジオールの14日目の評価で約2.3pg*時間/mL〜約3.8pg*時間/mL(例えば、2.40pg*時間/mL〜約3.75pg*時間/mL)に及ぶエストラジオールの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax)を与えることができる。
いくつかの実施形態では、約10μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、1日目の評価で約6.0pg/mLのエストラジオールの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax)を与える。いくつかの実施形態では、約10μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、14日目の評価で約3.0pg/mLのエストラジオールの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax)を与えることができる。
いくつかの実施形態では、約10μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、1日目の評価で約17.5pg/mL〜約27.4pg/mL(例えば、17.52pg*時間/mL〜約27.37pg*時間/mL)に及ぶエストラジオールの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24を与える。いくつかの実施形態では、約10μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、エストラジオールの14日目の評価で約10.9pg*時間/mL〜約17.2pg*時間/mL(例えば、10.96pg*時間/mL〜約17.13pg*時間/mL)に及ぶエストラジオールの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24を与えることができる。
いくつかの実施形態では、約10μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、1日目の評価で約21.9pg*時間/mLのエストラジオールの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24を与える。いくつかの実施形態では、約10μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、14日目の評価で約13.7pg*時間/mLのエストラジオールの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24を与えることができる。
いくつかの実施形態では、約10μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、1日目の評価で約0.6pg/mL〜約1.1pg/mL(例えば、0.64pg/mL〜約1.0pg/mL)に及ぶエストラジオールの平均濃度(Cavg)を与える。いくつかの実施形態では、約10μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、エストラジオールの14日目の評価で約0.1pg/mL〜約0.3pg/mL(例えば、0.16pg/mL〜約0.25pg/mL)に及ぶエストラジオールの平均濃度(Cavg)を与えることができる。
いくつかの実施形態では、約10μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、1日目の評価で約0.8pg/mLのエストラジオールの平均濃度(Cavg)を与える。いくつかの実施形態では、約10μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、14日目の評価で約0.2pg/mLのエストラジオールの平均濃度(Cavg)を与えることができる。
いくつかの実施形態では、約10μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、1日目の評価で、1)約72.1pg/mL〜約112.8pg/mL(例えば、72.16pg/mL〜約112.75pg/mL)に及ぶエストロン抱合体の補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax);および2)約6.3pg/mL〜約10.1pg/mL(例えば、6.40pg/mL〜約10.00pg/mL)に及ぶエストロン抱合体の平均濃度(Cavg)から選択される1つ以上のパラメータを与える。
いくつかの実施形態では、約10μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、1日目の評価で、1)約90.2pg/mLのエストロン抱合体の補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax);および2)約8.0pg/mLのエストロン抱合体の平均濃度(Cavg)から選択される1つ以上のパラメータを与える。
いくつかの実施形態では、約10μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、1)1日目の評価で約110.3pg*時間/mL〜約172.6pg*時間/mL(例えば、110.40pg*時間/mL〜約172.50pg*時間/mL;または約138pg*時間/mL)に及ぶエストラジオールの未調整算術平均曲線下面積(AUC)0-24;2)1日目の評価で約4.6pg/mL〜約7.8pg/mL(例えば、4.61pg/mL〜約7.20pg/mL;または約5.76pg/mL)に及ぶエストラジオールの補正算術平均ピーク血漿濃度(Cavg[0-24]);3)14日目の評価で約87.9pg*時間/mL〜約137.4pg*時間/mL(例えば、88.00pg*時間/mL〜約137.50pg*時間/mL;または約110pg*時間/mL)に及ぶエストラジオールの未調整算術平均曲線下面積(AUC)0-24;および4)14日目の評価で約3.6pg/mL〜約5.8pg/mL(例えば、3.67pg/mL〜約5.74pg/mL;または約4.59pg/mL)に及ぶエストラジオールの補正算術平均ピーク血漿濃度(Cavg [0-24])から選択される1つ以上のパラメータを与える。
いくつかの実施形態では、約10μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、1)1日目の評価で約370.3pg*時間/mL〜約578.8pg*時間/mL(例えば、370.40pg*時間/mL〜約578.75pg*時間/mL;または約463pg*時間/mL)に及ぶエストロンの未調整算術平均曲線下面積(AUC)0-24;2)1日目の評価で約15.4pg/mL〜約24.2pg/mL(例えば、15.44pg/mL〜約24.13pg/mL;または約19.3ppm/mL)に及ぶエストロンの補正算術平均ピーク血漿濃度(Cavg[0-24]);3)14日目の評価で約371.1pg*時間/mL〜約580.1pg*時間/mL(例えば、371.20pg*時間/mL〜約580.00pg*時間/mL;または約464pg*時間/mL)に及ぶエストロンの未調整算術平均曲線下面積(AUC)0-24;および4)14日目の評価で約15.4pg/mL〜約24.2pg/mL(例えば、15.44pg/mL〜約24.13pg/mL;または約19.3pg/mL)に及ぶエストロンの補正算術平均ピーク血漿濃度(Cavg [0-24])から選択される1つ以上のパラメータを与える。
いくつかの実施形態では、約10μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、1)1日目の評価で約4,745.5pg*時間/mL〜約7,414.9pg*時間/mL(例えば、4,745.60pg*時間/mL〜約7,415.00pg*時間/mL;または約5,932pg*時間/mL)に及ぶエストロン抱合体の未調整算術平均曲線下面積(AUC)0-24;2)1日目の評価で約197.5pg/mL〜約308.8pg/mL(例えば、197.60pg/mL〜約308.75pg/mL;または約247pg/mL)に及ぶエストロン抱合体の補正算術平均ピーク血漿濃度(Cavg[0-24]);3)14日目の評価で約7,182.3pg*時間/mL〜約11,222.6pg*時間/mL(例えば、7,182.40pg*時間/mL〜約11,222.50pg*時間/mL;または約8,978pg*時間/mL)に及ぶエストロン抱合体の未調整算術平均曲線下面積(AUC)0-24;および4)14日目の評価で約299.1pg/mL〜約467.6pg/mL(例えば、299.20pg/mL〜約467.50pg/mL;または約374pg/mL)に及ぶエストロン抱合体の補正算術平均ピーク血漿濃度(Cavg [0-24])から選択される1つ以上のパラメータを与える。
いくつかの実施形態では、坐剤は約4μgのエストラジオールを含むことができる。そのような場合、患者への坐剤の投与は、患者からの血漿試料において、1)約4pg*時間/mL〜約8pg*時間/mLのエストラジオールの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax);2)約16pg*時間/mL〜約26pg*時間/mLのエストラジオールの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24;および3)約0.25時間〜約2時間のエストラジオールのピーク血漿濃度到達補正幾何平均時間(Tmax)から選択される1つ以上のパラメータを与えることができる。いくつかの実施形態では、患者への坐剤の投与は、患者からの血漿試料において、1)約1pg*時間/mL〜約3pg*時間/mLのエストロンの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax);2)約8pg*時間/mL〜約13pg*時間/mLのエストロンの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24;および3)約1時間〜約4時間のエストロンのピーク血漿濃度到達補正幾何平均時間(Tmax)から選択される1つ以上のパラメータを与える。いくつかの実施形態では、患者への坐剤の投与は、患者からの血漿試料において、1)約4pg*時間/mL〜約7pg*時間/mLの硫酸エストロンの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax);2)約22pg*時間/mL〜約34pg*時間/mLの硫酸エストロンの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24;および3)約1時間〜約3時間の硫酸エストロンのピーク血漿濃度到達補正幾何平均時間(Tmax)から選択される1つ以上のパラメータを与える。
いくつかの実施形態では、坐剤は約4μgのエストラジオールを含む。そのような実施形態では、患者への坐剤の投与は、患者からの血漿試料において、1日目の評価で、1)約2.0pg/mL〜約3.3pg/mL(例えば、2.08pg*時間/mL〜約3.25pg*時間/mL)に及ぶエストラジオールの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax);および2)約9.5pg*時間/mL〜約15.1pg*時間/mL(例えば;9.60pg*時間/mL〜約15.0pg*時間/mL)に及ぶエストラジオールの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24から選択される1つ以上のパラメータを与えることができる。いくつかの実施形態では、約4μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、1)エストラジオールが約1.0pg*時間/mL〜約1.7pg*時間/mL(例えば、1.04pg*時間/mL〜約1.63pg*時間/mL)に及ぶエストラジオールの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax);および2)約5.7pg*時間/mL〜約9.1pg*時間/mL(例えば、5.76pg*時間/mL〜約9.0pg*時間/mL)に及ぶエストラジオールの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24から選択される1つ以上のパラメータを与えることができる。
いくつかの実施形態では、約4μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、1日目の評価で、1)2.6pg/mLのエストラジオールの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax);および2)約12pg*時間/mLのエストラジオールの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24から選択される1つ以上のパラメータを与える。いくつかの実施形態では、約10μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、14日目の評価で、1)約1.3pg/mLのエストラジオールの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax);2)約7.2pg*時間/mLのエストラジオールの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24から選択される1つ以上のパラメータを与えることができる。
いくつかの実施形態では、約4μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、1日目の評価で約0.3pg/mL〜約0.5pg/mL(例えば、0.32pg/mL〜約0.5pg/mL)に及ぶエストロン抱合体の補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax)を与える。
いくつかの実施形態では、約4μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、1日目の評価で約0.4pg/mLのエストロン抱合体の補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax)を与える。
いくつかの実施形態では、約4μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、1)1日目の評価で約73.3pg*時間/mL〜約114.7pg*時間/mL(例えば、73.36pg*時間/mL〜約114.63pg*時間/mL;または約91.7pg*時間/mL)に及ぶエストラジオールの未調整算術平均曲線下面積(AUC)0-24;2)1日目の評価で約3.1pg/mL〜約4.8pg/mL(例えば、3.14pg/mL〜約4.90pg/mL;または約3.92pg/mL)に及ぶエストラジオールの補正算術平均ピーク血漿濃度(Cavg[0-24]);3)14日目の評価で約69.7pg*時間/mL〜約108.9pg*時間/mL(例えば、69.76pg*時間/mL〜約109.00pg*時間/mL;または約87.2pg*時間/mL)に及ぶエストラジオールの未調整算術平均曲線下面積(AUC)0-24;および4)14日目の評価で約2.8pg/mL〜約4.6pg/mL(例えば、2.90pg/mL〜約4.54pg/mL;または約3.63pg/mL)に及ぶエストラジオールの補正算術平均ピーク血漿濃度(Cavg [0-24])から選択される1つ以上のパラメータを与える。
いくつかの実施形態では、約4μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、1)1日目の評価で約231.9pg*時間/mL〜約362.4pg*時間/mL(例えば、232.00pg*時間/mL〜約362.50pg*時間/mL;または約290pg*時間/mL)に及ぶエストロンの未調整算術平均曲線下面積(AUC)0-24;2)1日目の評価で約10.3pg/mL〜約16.3pg/mL(例えば、10.40pg/mL〜約16.25pg/mL;または約13pg/mL)に及ぶエストロンの補正算術平均ピーク血漿濃度(Cavg[0-24]);3)14日目の評価で約261.5pg*時間/mL〜約408.8pg*時間/mL(例えば、261.60pg*時間/mL〜約408.75pg*時間/mL;または約327pg*時間/mL)に及ぶエストロンの未調整算術平均曲線下面積(AUC)0-24;および4)14日目の評価で約10.8pg/mL〜約17.1pg/mL(例えば、10.88pg/mL〜約17.00pg/mL;または約13.6pg/mL)に及ぶエストロンの補正算術平均ピーク血漿濃度(Cavg [0-24])から選択される1つ以上のパラメータを与える。
いくつかの実施形態では、約4μgのエストラジオールを含む坐剤を患者に投与することにより、患者からの血漿試料において、1)1日目の評価で約4,062.3pg*時間/mL〜約6,347.6pg*時間/mL(例えば、4,062.40pg*時間/mL〜約6,347.50pg*時間/mL;または約5,078pg*時間/mL)に及ぶエストロン抱合体の未調整算術平均曲線下面積(AUC)0-24;2)1日目の評価で約172.7pg/mL〜約270.1pg/mL(例えば、172.80pg/mL〜約270.00pg/mL;または約216pg/mL)に及ぶエストロン抱合体の補正算術平均ピーク血漿濃度(Cavg[0-24]);3)14日目の評価で約4,138.3pg*時間/mL〜約6,466.3pg*時間/mL(例えば、4,138.40pg*時間/mL〜約6,466.25pg;または約5173pg*時間/mL)に及ぶエストロン抱合体の未調整算術平均曲線下面積(AUC)0-24;および4)14日目の評価で約172.7pg/mL〜約270.1pg/mL(例えば、172.80pg/mL〜約270.00pg/mL;または約216pg/mL)に及ぶエストロン抱合体の補正算術平均ピーク血漿濃度(Cavg [0-24])から選択される1つ以上のパラメータを与える。
本明細書で提供される医薬組成物は、エストラジオールの実質的に局所的な送達をもたらし得る。例えば、本明細書で提供される医薬組成物の投与後に患者の血漿で測定されたエストラジオール、エストロン、および硫酸エストロンの血漿濃度は、プラセボ製剤(すなわち、エストラジオールを欠く同様の製剤)の投与後に測定されたものと統計的に類似している。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で提供される医薬組成物の投与後に測定されるエストラジオール、エストロン、または硫酸エストロンの血漿濃度は、RLD製剤と比較して低い可能性がある。
いくつかの実施形態では、坐剤は、約1μg〜約25μgのエストラジオールを含み得る。坐剤を患者に投与すると、患者からの血漿試料は、約30pg*時間/mL未満のエストラジオールの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax)を与えることができる。例えば、患者への坐剤の投与は、約18pg*時間/mL未満のエストラジオールの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax)を与える。いくつかの実施形態では、患者への坐剤の投与は、約112pg*時間/mL未満のエストラジオールの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24を与える。例えば、患者への坐剤の投与は、約63pg*時間/mL未満のエストラジオールの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24を与える。
いくつかの実施形態では、患者への坐剤の投与は、約14pg*時間/mL未満のエストロンの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax)を与える。例えば、患者への坐剤の投与は、約7pg*時間/mL未満のエストロンの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax)を与える。いくつかの実施形態では、患者への坐剤の投与は、約65pg*時間/mL未満のエストロンの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24を与える。例えば、患者への坐剤の投与は、約31pg*時間/mL未満のエストロンの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24を与える。
いくつかの実施形態では、患者への坐剤の投与は、約613pg*時間/mL未満の硫酸エストロンの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax)を与える。例えば、患者への坐剤の投与は、約16pg*時間/mL未満の硫酸エストロンの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax)を与える。いくつかの実施形態では、患者への坐剤の投与は、約5291pg*時間/mL未満の硫酸エストロンの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24を与える。例えば、患者への坐剤の投与は、約84pg*時間/mL未満の硫酸エストロンの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24を与える。
本開示のさらなる態様では、カプセル崩壊が判定され得る。いくつかの実施形態では、治療の1日目(例えば、最初の治療の6時間後)および15日目(例えば、14日目の最後の治療の1日後)での送達媒体の崩壊または吸収(投与後の送達媒体の存在の有無)。
医薬組成物を本明細書に記載のように製剤化し、組成物が投与される被験体(例えば、女性被験体)において所望の薬物動態パラメータをもたらすことができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される医薬組成物は、被験体においてエストラジオールの所望の薬物動態パラメータを生じさせる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の医薬組成物は、被験体における1つ以上のエストラジオールの代謝産物、例えばエストロンまたは全エストロンについて所望の薬物動態学的パラメータを生じさせる。
エストラジオールを含む組成物の被験体への投与後、エストラジオールの濃度および代謝は、被験体からの試料(例えば、血液、血清、または血漿試料)において測定することができる。エストラジオールは、典型的にはエストロンに可逆的に変換され、エストラジオールとエストロンの両方が代謝産物エストリオールに変換され得る。閉経後女性では、循環エストロゲンのかなりの割合が硫酸抱合体、特に硫酸エストロンとして存在する。したがって、エストロンは、「エストロン」量(硫酸エストロンなどの抱合体を除く)ならびに「全エストロン」量(遊離型、または非抱合型エストロンおよび硫酸エストロンなどの抱合型エストロンの両方を含む)に関して測定することができる。
本開示の医薬組成物は、組成物を被験体または被験体集団に投与した後のエストラジオールまたはその代謝産物の1つ以上の薬物動態パラメータについて特性評価することができる。これらの薬物動態パラメータには、AUC、Cmax、Cavg、およびTmaxが含まれる。AUCは、縦座標(Y軸)に沿った薬物の血液、血清、または血漿濃度を、横座標(X軸)に沿った時間に対してプロットした曲線下面積(AUC)の測定である。AUCはよく理解されており、製薬業界で頻繁に使用されるツールであり、広範囲に記述されている。Cmaxは、被験体の血液、血清、または血漿中の最大薬物濃度の略語として、当該技術分野においてよく理解されている。Tmaxは、被験体の血液、血清、または血漿中の最大薬物濃度に達するまでの時間の略語として、当該技術分野においてよく理解されている。
いくつかの実施形態では、1つ以上の薬物動態パラメータ、例えば、AUC、Cmax、Cavg、またはTmaxが、エストラジオールについて測定される。いくつかの実施形態では、1つ以上の薬物動態パラメータ、例えば、AUC、Cmax、Cavg、またはTmaxが、エストロンについて測定される。いくつかの実施形態では、1つ以上の薬物動態パラメータ、例えば、AUC、Cmax、Cavg、またはTmaxが、全エストロンについて測定される。いずれの薬物動態学的パラメータも、「補正された」パラメータであってよく、パラメータは、ベースラインレベルに対する変化として決定される。
試料中のエストラジオール、エストロン、または全エストロンのレベルを測定するために、免疫測定、質量分析(MS)、紫外線蛍光検出を用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、質量分析と組み合わせた液体クロマトグラフィー(LC-MS)、タンデム質量分析(MS/MS)、および液体クロマトグラフィー-タンデム質量分析(LC-MS/MS)を含む、様々な方法のいずれかを使用することができる。いくつかの実施形態では、エストラジオール、エストロン、または全エストロンのレベルは、有効なLC-MS/MS法を用いて測定される。ホルモンレベルを測定する方法は、文献に詳しく記載されている。
(統計的測定)
実施形態によれば、本明細書に開示の医薬組成物の薬物動態は、統計学的分析を用いて測定される。実施形態によれば、分散分析(ANOVA)または共分散分析(ANCOVA)を使用して、活性医薬組成物を含む医薬組成物(例えば、エストラジオールを含む医薬組成物)による治療を受けている患者と、プラセボ(例えば、同じ医薬組成物であるがエストラジオールを含まない)または参照薬物による治療を受けている患者との間の相違を評価する。当業者は、収集されたデータの統計分析をどのように実施するかを理解するであろう。
以下の実施例は、医薬組成物、送達媒体、およびそれらの組み合わせの例である。製造方法も開示される。本明細書に開示の医薬組成物を用いて得られたデータも開示される。
(実施例1:医薬組成物)
実施形態では、エストラジオールを調達し、1つ以上の薬学的に許容される可溶化剤と合わせる。エストラジオールは、医薬品グレードの成分として、しばしば微粉化エストラジオールとして購入されるが、他の形態も使用することができる。実施形態では、医薬組成物は、約1μg〜約50μgの投薬濃度のエストラジオールを含む。実施形態では、医薬組成物は10μgのエストラジオールを含む。実施形態では、医薬組成物は25μgのエストラジオールを含む。
実施形態では、エストラジオールを薬学的に許容される可溶化剤、および任意に他の賦形剤と合わせ、医薬組成物を形成する。実施形態では、可溶化剤は、CAPMUL MCM、MIGLYOL 812、GELUCIRE 39/01、GELUCIRE 43/01、GELUCIRE 50/13、およびTEFOSE 63のうちの1つ以上である。
GELUCIRE 39/01およびGELUCIRE 43/01はそれぞれ、HLB値が1である。GELUCIRE 50/13は、HLB値が13である。TEFOSE 63は、HLB値が9〜10である。
薬学的に許容される可溶化剤の種々の組み合わせをエストラジオールと合わせ、表1に示すように試験した。
室温で液体または半固体である表1の医薬組成物を、ブルックフィールド粘度計(Brookfield Engineering Laboratories、ミドルボロ、マサチューセッツ州)を用いて室温で試験した。周囲温度で固体である表1に示される医薬組成物を、ブルックフィールド粘度計を用いて37℃で試験した。
室温で固体である表1に示される医薬組成物を37℃で評価し、それらの融解特性を決定した。ゲルの粘度は、製剤のカプセル化の間に重要であり得る。例えば、場合によっては、ゼラチンカプセルに詰める前に製剤を温める必要がある。さらに、組成物の融解特性は、製剤を体内に投与した後に重要な意義を持つ可能性がある。例えば、いくつかの実施形態では、製剤は約37℃未満の温度で融解する。例えば、医薬組成物11(Capmul MCM/Tefose 63)は、37℃でも41℃でも融解しなかった。
表1に示される医薬組成物の分散評価を行った。分散評価は、300mgの各媒体系を100mLの37℃の水中に移し、撹拌せずに、混合特性について観察することによって行った。結果は、上部の油滴の形成から、均一であるが濁った分散への相の分離まで様々であった。一般的に言えば、水溶液中で容易に分散することができる製剤は、投与の際により良好な分散特性を有すると考えられる。しかしながら、驚くべきことに、以下の実施例7〜9に示されるように、水溶液中に容易に分散せず(例えば、製剤13)、代わりに水溶液に導入されると2つの相を形成した製剤は、人体に投与された際に最も効果的であることが判明した。
(実施例2:送達媒体)
実施形態では、医薬組成物は、ゼラチンカプセル送達媒体中で送達される。ゼラチンカプセル送達媒体は、例えば、ゼラチン(例えばゼラチン、NF(150ブルーム、タイプB))、加水分解コラーゲン(例えば、GELITA(登録商標)、GELITA AG、エーバーバッハ、ドイツ)、グリセリン、ソルビトールスペシャル、または他の賦形剤を、当業者によく知られて理解されている割合で含む。ソルビトールスペシャルは、商業的に入手可能であり、可塑剤および湿潤剤として作用する傾向があり得る。
様々な送達媒体を、表2に示すように、ゲルA〜Fに展開した。表2において、各送達媒体A〜Fは、1つ以上の成分の割合が異なる。
各送達媒体A〜Fを、約45℃〜約85℃の温度範囲で調製した。各々融解した送達媒体A〜Fをフィルムに投入し、乾燥させ、ストリップ状に切断した。ストリップを重さ約0.5g、厚さ約0.5mmの均一片に切断した。水中またはpH4の緩衝溶液中のUSPタイプ2溶解容器にストリップを入れ、それらが完全に溶解する時間を記録した(表2を参照)。送達媒体Aは、水およびpH4の緩衝溶液の両方で最も速く溶解した。
(実施例3:医薬組成物および送達媒体)
表1および表2の医薬組成物の種々の組み合わせを調製した。組み合わせを表3に示す。
表3の医薬組成物の各アリコート約300mg〜約310mg。バッチサイズは表3の通りであった。媒体系をカプセル化するために、それぞれ300mg〜約310mgの医薬組成物アリコートを、約200mgのゼラチンカプセル送達媒体にカプセル化した。したがって、例えば、試験1では、MCM:39/01で表される医薬組成物を、ゼラチンカプセル送達媒体A中に、約500mg〜約510mgの総カプセル化重量でカプセル化した。アリコートサイズは、エストラジオールの濃度および所望のゼラチンカプセル送達媒体サイズに応じて任意である。技術者は、送達媒体が医薬組成物をカプセル化する際に、どのように医薬組成物中のエストラジオールの量を調節して所与のサイズの送達媒体に適合させるかを容易に理解するであろう。
(実施例4:エストラジオールの溶解度)
様々な実験において、可溶化剤を試験し、100mgの総医薬組成物重量に対して2mgのエストラジオールを可溶化することが可能かどうかを判定した。可溶化剤は、可溶化剤へのエストラジオール溶解度が約20mg/g以上であれば適切であるとみなされた。微粉化エストラジオールを、エストラジオールが飽和になるまで種々の可溶化剤に溶解させ(エストラジオール/可溶化剤は3日間平衡であった)、未溶解エストラジオールを濾過し、結果として得られた医薬組成物をエストラジオール濃度についてHPLCで分析することにより、初期溶解度を測定した。
(実施例5:医薬組成物)
以下の医薬組成物が検討される。
以下の実施例において、医薬組成物7に対して、TX-004HRは医薬組成物4、5、および6(4μgのTX-004HR、10μgのTX-004HR、および25μgのTX-004HR)である。
(実施例6:プロセス)
図1は、軟質ゼラチン送達媒体100中にカプセル化されたCapmulMCM/Gelucire可溶化剤に可溶化したエストラジオールを含む医薬組成物を作製する方法の実施形態を例示する。操作102において、CapmulMCMを40℃±5℃に加熱する。加熱は、任意の適切な手段によって遂行してもよい。加熱は、ステンレススチール容器などの任意の適切な容器内で行ってもよい。他の医薬組成物は、同じ一般的な方法を用い、可溶化剤を含む様々な賦形剤で代用することによって作製することができる。
操作104において、GELUCIREをCapmulMCMと混合し、完成品の可溶化剤を形成する。本明細書で使用されるように、任意の形態のGELUCIREを操作104で使用してもよい。例えば、GELUCIRE 39/01、GELUCIRE 43/01、GELUCIRE 50/13の1つ以上を操作104で使用してもよい。混合は、当業者に知られているように、例えば、インペラー、撹拌機、かき混ぜ機、または医薬組成物を混合するために使用される他の同様の装置によって実施される。操作104は、窒素ガスなどの不活性または比較的不活性なガス雰囲気下で行ってよい。混合は、当業者に知られている任意の容器、例えばステンレススチール容器またはスチールタンクで行ってよい。
操作106において、エストラジオールを可溶化剤に混合する。実施形態では、エストラジオールを、可溶化剤に混合する際に微粉化する。他の実施形態では、添加されたエストラジオールは非微粉化形態である。混合は、インペラー、撹拌機、かき混ぜ機、または医薬組成物を混合するために使用される他の同様の装置によって容易になり得る。操作106は、窒素ガスなどの不活性または比較的不活性なガス雰囲気下で行ってよい。
しかしながら、実施形態では、エストラジオールの添加は、操作104の前に実施してもよい。その点で、操作104および106は、タイミングに関して交換可能であるか、または互いに同時に実行することができる。
操作110において、ゼラチン送達媒体が調製される。本明細書に記載のゼラチン送達媒体のいずれかを操作110で使用してもよい。実施形態では、ゼラチン、加水分解コラーゲン、グリセリン、および他の賦形剤を約45℃〜約85℃の温度範囲で混合し、フィルムとして調製する。混合は、スチールタンクまたはゼラチン送達媒体を調製するために使用される他の容器中で行ってよい。混合は、インペラー、撹拌機、かき混ぜ機、またはゼラチン送達媒体の内容物を混合するために使用される他の装置によって容易になり得る。操作110は、窒素ガスなどの不活性または比較的不活性なガス雰囲気下で行ってよい。実施形態では、ゼラチン送達媒体混合物は、医薬組成物のカプセル化に使用される前に脱気される。
操作112において、ゼラチン送達媒体は、当業者によく知られているプロトコルに従って、医薬組成物をカプセル化する。操作112において、操作106で製造された医薬組成物を操作110で製造されたゼラチン送達媒体と組み合わせることにより、軟質ゼラチンカプセル送達媒体を調製する。ゼラチンは、材料を包囲し、部分的または完全にそれをカプセル化するか、またはゼラチンに、操作106で製造された医薬組成物を注入するか、そうでなければ充填することもできる。
実施形態では、操作112を適切な押し抜き機で仕上げ、所望の形状を提供する。膣軟質ゲルカプセルを、様々な形状で調製してもよい。例えば、膣軟質ゲルカプセルを、涙滴、円錐台上末端を有する円錐、円筒、図2に示すようなより大きい「キャップ」部分を有する円筒、または膣内への挿入に適して容易にする他の形状として形成してもよい。軟ゼラチン送達媒体中にカプセル化されて得られた医薬組成物は、指でまたはアプリケーターで挿入してもよい。
(実施例7:外陰膣萎縮(VVA)の改善に関するエストラジオール医薬組成物の試験)
10μgのエストラジオールを含む医薬組成物(すなわち、医薬組成物2)の有効性および安全性を、閉経に関連する中程度〜重度のVVAの症状の治療において、14日間の治療後に評価し、効果の大きさおよび外陰膣萎縮の評価項目の変動性を推定するように、この試験の目的を設計した。さらに、医薬組成物の単回投与および複数回投与によるエストラジオールへの全身ばく露を調べた。
この試験は、第1相無作為化二重盲検プラセボ対照試験であって、閉経に関連する中程度〜重度の膣萎縮の症状を軽減する際の医薬組成物の安全性および有効性を評価し、医薬組成物の1日1回14日間の膣内投与後にエストラジオールへの全身ばく露を調べる。
試験組み入れ基準を満たす閉経後被験体を、2つの治療群(医薬組成物またはプラセボ)のうちの1つに無作為に割り付けた。スクリーニング期間中、被験体は、膣乾燥、膣または外陰部の刺激もしくはかゆみ、排尿障害、性的活動に関連する膣痛および性的活動に関連する膣出血を含むVVAの症状を自己評価するように求められた。被験体によって自身に最も厄介であると認識された、少なくとも1つの自己評価で中程度〜重度のVVAの症状を患う被験体は、試験に参加する条件を満たしていた。
臨床評価を以下の時点で行った:
スクリーニング期間(最大28日間);
来院1 - 無作為化/ベースライン(1日目);
来院2 - 中間(8日目);および
来院3 - 治療の終了(15日目)。
適格被験体は1:1の比で無作為に分けられ、エストラジオール10μgまたは対応するプラセボ膣軟質ゲルカプセルを含む医薬組成物のいずれかを受け取り、臨床施設で試験要員の監督の下、試験薬の初回投与を自己投与した。エストラジオールレベルの観察用の一連の血液試料を、1日目の初回投与に対して0.0、1.0、3.0、および6.0時間で収集した。被験体は、6時間の血液採取が完了するまで臨床現場に留まり、エストラジオール濃度の測定用の追加の単回採血のために8日目(朝の投薬前)および15日目に臨床施設に戻った。被験体は、次の予定された来院まで十分な試験薬物を与えられ、割り当てられた試験治療を1日1回、毎朝ほぼ同じ時間(±1時間)に膣内に自己投与するよう指示された。各被験体には、試験薬物の投与日時を毎日記録しなければならない日誌が提供された。被験体は、中間来院のために8日目に臨床施設に戻り、15日目には治療評価の終了および試験後研究のために戻った。カプセル崩壊状態を、1日目(投与後6時間)および15日目に調査者が評価した。
本試験は、無作為化の28日前までのスクリーニング期間および14日間の治療期間を含んでいた。投薬濃度(エストラジオール10μg)および治療計画(1日1回2週間)の選択は、RLDの安全性および有効性に関するFDAの知見に基づくものであった。
(被験体数(計画および分析))
最大50人(治療群当たり25人)の中程度〜重度のVVAの症状を患う40〜75歳の閉経後の女性被験体を無作為化した。50人の被験体が登録され、48人の被験体が試験を完了し、48人の被験体が分析された。
(診断および組み入れの主な基準)
50人の女性被験体が試験に登録された。平均年齢62.3歳の40〜75歳の閉経後の女性被験体が登録された。被験体の平均体重(kg)は71.2kgで、44.5〜100kgの範囲であった。被験体の平均身長(cm)は162.6cmで、149.9〜175.2cmの範囲であり、平均BMI(kg/m2)は26.8kg/m2であり、19〜33kg/m2の範囲であった。試験に組み入れる基準には以下が挙げられる:少なくとも1つの中程度〜重度のVVAの症状の自己認識、例えば、被験体にとって最も厄介であると特定された、膣乾燥、性交疼痛、膣または外陰部の刺激、灼熱感、もしくはかゆみ、排尿障害、性的活動に関連する膣出血;膣スメア細胞診で≦5%表層細胞;膣pH>5.0;ならびにエストラジオールレベル≦50pg/mL。試験前身体検査、臨床検査、骨盤内検査、およびマンモグラフィーに基づいて、他の点では概して健康であると判断された被験体を登録した。
(エストラジオール10μgまたはプラセボ、投与量、および投与様式)
被験体を、1日1回14日間、以下の治療薬の1つを膣内に自己投与するように無作為に割り当てた(1:1の割り当て):
治療薬A:実施例5の医薬組成物(医薬組成物2:10μgのエストラジオール);または
治療薬B:10μgのエストラジオールを除いて、治療薬Aと同じ処方物を含有するプラセボ膣軟質ゲルカプセル。
エストラジオール製剤は、涙滴状の薄いピンク色軟ゲルカプセルであった。治療薬Bは、治療薬Aと同じ組成、外観、および投与経路であったが、エストラジオールを含有しなかった。
(治療期間)
本試験は、無作為化の28日前までのスクリーニング期間および14日間の治療期間を含んでいた。
(評価基準)
有効性評価項目:
ベースライン(スクリーニング)から15日目の、膣スメアの成熟度指数(傍基底膣細胞、表層膣細胞、および中間膣細胞のパーセント)の変化。この評価項目のデータを表6〜8に示す。
ベースライン(スクリーニング)から15日目の、膣pHの変化。この評価項目のデータを表9に示す。
ベースライン(無作為化)から15日目の、最も厄介な症状の重症度の変化:(1)膣乾燥;(2)膣または外陰部の刺激、灼熱感、もしくはかゆみ;(3)排尿困難;(4)性交疼痛;(5)性的活動に関連する膣出血。この評価項目のデータを表13および表15に示す。
ベースライン(無作為化)から15日目の、調査官による膣粘膜の評価の変化。この評価項目のデータを表18〜21に示す。
他に記載がない限り、有効性の評価項目は、治療の成功または失敗のいずれかとして示された膣出血を除いて、来院1-無作為化/ベースライン(1日目)〜来院3-治療の終了(15日目)の変化として測定した。
他の評価項目には以下が挙げられる:
バイタルサイン、体重、身体検査、骨盤および乳房の検査における変化、ならびに有害事象を、安全性評価項目の一部として評価した。
各サンプリング時間でのエストラジオールの濃度。
1日目のエストラジオールのピーク濃度およびピークが生じたサンプリング時間。
残留送達媒体の量を測定する送達媒体崩壊は治療後に膣内に残る。
エストラジオールの血漿濃度の評価の結果を表5に示す。
(成熟度指標結果)
膣細胞診データを、標準的な手順に従って側膣壁からの膣スメアとして収集し、スクリーニングおよび来院3-治療の終了(15日目)に膣細胞診を評価した。成熟度指数の変化を、来院1-ベースライン(1日目)で測定した細胞組成の、来院3-治療の終了(15日目)で測定した細胞組成と比較しての変化として評価した。膣スメアからの膣粘膜上皮から得られた表層細胞、傍基底細胞、および中間細胞のパーセンテージの変化を記録した。これらの評価の結果を表6、7、および8に示す。
(pH結果の変化)
膣pHは、スクリーニングおよび来院3-治療の終了(15日目)で測定した。pH測定は、pH指示薬ストリップを膣壁に押し付けることによって得た。試験に参加する被験体は、スクリーニング時に膣pH値が5.0を超えている必要があった。被験体の症例報告書にpH値を記録した。被験体は、性的活動をしないこと、および測定前の24時間以内には膣洗浄を控えるように忠告された。これらの評価の結果を表9に示す。
(最も厄介な症状のデータ)
被験体には、自身が「最も厄介な症状」と認識した症状を明確に述べるように求めた。スクリーニング期間中、全ての被験体に、VVAの症状:(1)膣乾燥;(2)膣または外陰部の刺激、灼熱感、もしくはかゆみ;(3)排尿障害;(4)性交疼痛;(5)性的活動に関連する膣出血を自己評価するためのアンケートを提供した。性的活動に関連する膣出血を除く各症状を、0〜3の尺度で測定し、0=なし、1=軽度、2=中程度、および3=重度とした。性的活動に関連する膣出血を2値尺度で測定した:N=出血なし;Y=出血。被験体の応答を記録した。無作為化された全被験体に、来院1-無作為化/ベースライン(1日目)および来院3-治療の終了(15日目)でのVVAの症状を自己評価するためのアンケートも提供した。被験体は自身の自己評価を日々日誌に記録し、回答を8日目および15日目(治療終了時)に収集した。来院1で得られた投与前評価結果を、統計分析のベースラインデータとみなした。これらの評価からのデータを表10および表11に示す。
ベースラインからの最も厄介な症状の変化を、上記で概説したVVA症状の評価に従って得点付けした。表13および14は、概して、最も厄介な症状および膣萎縮症状についての医薬組成物1とプラセボとの比較を示す。これらの測定が、統計的に有意ではないが、15日目に改善の傾向を示したことを指摘することは、注目に値する。
表13および14に示される最も厄介な症状のデータに関して、データが測定された期間は、概して意味のある結論を出すには不十分であると考えられる。しかしながら、この試験の一部として観察された傾向は、より長期間のデータが収集されれば、データは最も厄介な症状の改善を示すことになると示唆している。
性的活動に関連する任意の膣出血の有無も、最も厄介な症状の1つとして測定した。性的活動に関連する膣出血のデータを表15に報告する。
(エストラジオールレベル/薬物動態データ)
この試験では、1日1回エストラジオール10μgを14日間膣内投与した後のエストラジオールへの全身ばく露を調べた。各サンプリング時間に採取された血漿エストラジオール濃度ならびに観察されたCmaxおよびTmax値の記述統計値を表16および17に記録した。エストラジオール10μg対プラセボ群の全身濃度における統計的有意差は観察されず、これはエストラジオールが全身作用を有する血流に運ばれないことを示唆している。むしろ、それは局所組織に残る;したがって、エストラジオールの効果は、投与の場所(すなわち、膣)に局所的であると考えられる。薬物動態データを測定するために使用されるアッセイの検出の下限は、提示されたPK値の測定された正確さに影響を与えた可能性がある。さらなるPK試験を、実施例8および9において、より正確なアッセイを用いて行った。
試験中のエストラジオールレベルを観測する目的で、血液試料を、1日目の投与に対して0.0、1.0、3.0、および6.0時間で;8日目の投与前に;および15日目の投与前に収集した。予定時間に血液試料を採取するように努めた。エストラジオール血中濃度の測定用の試料採取および取り扱い手順は、スポンサーおよび主任調査者が承認した手順に従って行った。全てのベースラインおよび治療後の血漿エストラジオール濃度を、有効なバイオ分析(UPLC-MS/MS)法を用いて測定した。これらのデータを表16および表17に示す。
(膣粘膜データの評価)
調査者らは、1日目(投与前)および15日目に膣粘膜の外観を格付けした。膣の色、膣上皮の完全性、膣上皮表面の厚さ、および膣分泌物を、以下の重症度の程度に従って評価した:尺度0〜3を使用して、なし、中程度、または重度、ここで0=なし、1=軽度、2=中程度、および3=重度である。これらの調査者格付け評価の結果を表18、19、20、および21に示す。
(送達媒体崩壊データ)
1日目(投与6時間後)および15日目の膣におけるカプセル崩壊の評価(有無)。この評価の結果を表22に示す。
血清ホルモンレベルのデータを収集し、エストラジオールの血清濃度を測定した。これらのデータはスクリーニング組み入れ用に用いられ、標準的な臨床化学法を用いて決定された。
(測定の妥当性)
この試験で使用された有効性測定の選択は、閉経に関連する中程度〜重度の血管運動症状ならびに閉経に関連する外陰部および中程度〜重度の膣萎縮の症状の治療用のエストロゲンおよびエストロゲン/プロゲスチン医薬品の研究に関するFDAの推奨に基づいていた(非特許文献8、参照により本明細書に組み込まれる)。
標準的な臨床、検査室、および統計学的手順を試験に利用した。全ての臨床検査手順が概して受け入れられ、品質基準に適合していた。
(統計的方法:)
(有効性:)
分散分析(ANOVA)を使用して、エストラジオール10μgを受けた被験体とプラセボカプセルを受けた被験体との、膣出血以外の全ての有効性評価項目についての差のベースラインからの変化を評価し、効果の大きさおよび効果の変動性を評価した。場合によっては、例えば、いくつかの膣萎縮症状では、ベースラインからの変化(投与後応答)はベースライン値と相関した(p<0.05)ため、この相関を調整するための共変量としてベースラインを含めた(共分散分析、ANCOVA)。エストラジオール10μgとプラセボ評価項目の平均との差に関する90%信頼区間を決定し、効果の大きさを評価した。性的活動に関連する膣出血のベースラインからの変化を、治療の成功または失敗を経た被験体の割合で評価した。ベースライン時に出血を報告し、15日目に出血を報告しなかった被験体は、治療に成功したとみなした。15日目に出血を報告した被験体は、ベースライン時の出血を報告したか否かにかかわらず、治療失敗とみなした。ベースライン時および15日目の両方で出血なしと報告した被験体は、変化なしと分類し、統計的評価から除外した。2つの治療群間で成功した被験体の割合の差を、フィッシャーの正確確率検定を用いて統計的に評価した。この比の差の結果を表10に示す。
(治療コンプライアンスの測定)
被験体は、治療コンプライアンスを記録するために日誌を記入するよう求められた。日誌は、治療コンプライアンスについて8日目および15日目の来院時に確認した。全部で45人の被験体(エストラジオール10μg群21人およびプラセボ群24人)は、治療計画に100%準拠していた。
試験の調査的性質のために、評価項目の多重性について調整は行わなかった。
(安全性:)
全ての有害事象の頻度および重症度を、治療群によって記述的に要約した。
結果:試験を完了した全48人の被験体を、主要有効性分析に含めた。有効性分析の結果を、表5、6、および7に示す。
(結論)
(有効性)
表6に示されるように、医薬組成物10μgでの2週間の治療は、傍基底細胞のパーセントにおいて、プラセボ治療よりも統計的に有意に大きい平均値の低下をもたらした(54%対5%、p<0.0001)。同時に、表7に示されるように、表層細胞のパーセントにおいて、プラセボカプセル(9%)よりも有意に大きな平均値の増加が医薬組成物(35%)で観察され、差は統計的に非常に有意であった(p=0.0002)。表9に示されるように、プラセボ(0.34単位)と比較した医薬組成物(0.97単位)のpH低下の差は、0.5単位よりわずかに大きいほどであったが、その差は統計的に有意に検出された(p=0.0002)。
最も厄介な症状の重症度の低下は、医薬組成物およびプラセボの両方で本質的に同じであった(〜1単位)が、膣乾燥、刺激および性的活動中の痛みの個々の症状の重症度の低下は全て、能動的治療の方がプラセボ治療よりもわずかに良好であった。2つの治療間の相違は、全て≦0.3であり、統計的に有意であると検出されなかった。排尿中の痛み/灼熱感/刺激感の減少(〜0.4単位の減少)に関して、2つの治療間には相違はなかった。試験の長さは、医薬組成物とプラセボにおける最も厄介な症状の分離を示すのに十分な長さではなかった。しかしながら、最も厄介な症状の傾向は、適切な期間では、2つの治療の間に有意な有意差が観察され得ることを示唆している。
エストラジオール10μgカプセルでの2週間の治療は、膣の色または膣上皮表面の厚さに関する調査者の評価に従ったベースラインからの重症度の低下に関して、統計的に検出可能な差を示さなかった。医薬組成物カプセルは、膣上皮の完全性(-0.34対0.18、p=0.0001)および膣分泌(-0.64対-0.27、p=0.0401)に対する萎縮作用の重症度において、プラセボよりも統計的に有意に大きな減少を示した。
記述統計学的分析(平均値、中央値、幾何平均、標準偏差、CV、最小値および最大値、CmaxおよびTmax)を、各サンプリング時間のエストラジオール濃度、1日目のピーク濃度およびピーク濃度の時間について行った。この評価の結果を、表16および表17に示す。
エストラジオール10μgを含む医薬組成物は、成熟度指数の改善、膣pHの低下、上皮の完全性および膣分泌に対する萎縮作用の低減に関して、プラセボ治療より優れていた。最も厄介な症状、ならびに乾燥、刺激、性的活動に関連する痛み、および排尿中の痛み/灼熱感/刺激感の個々の膣萎縮症状の重症度の軽減に関する2つの治療間の統計的有意性の欠如は、試験中の被験体数が少なく、治療期間が短いことを考えると、予想外ではない。性的活動に関連する膣出血があった試験中の被験体が少なすぎたため、この膣萎縮症状の有意な評価はできなかった。
試験に登録された48人の被験体のうち、45人の被験体は、治療計画に100%準拠していた。残りの3人の被験体のうち、1人は個人的な理由により試験から辞退し、他の2人の被験体はそれぞれ有害事象のために1回の投与を逃した。
(安全性)
医薬組成物の1日目の平均血漿エストラジオールピーク濃度は、プラセボのそれよりもやや高かったが(幾何平均の比=1.21:試験製品(エストラジオール10μg)21%>プラセボ)、統計的に有意な差は測定されなかった。しかしながら、アッセイ方法は疑問の余地があり、疑問の余地があるPKデータを生じた。追加PK試験を実施例8および9で行った。
この試験において重篤な有害事象はなかった。
全体として、エストラジオール10μgを含む医薬組成物は、1日1回14日間の投与計画で膣内投与された際、良好に耐容された。
(実施例8:PK試験(25μg製剤))
本明細書に開示の25μgの製剤(医薬組成物3)をRLDと比較するためのPK試験を行った。エストラジオールのPK試験の結果を表23に要約する。これらのデータのp値は、表24に示すように統計的有意性を示す。
表23に示すように、ベースライン調整されたPKデータは、本明細書に開示の製剤が予想外に、RLDに対して54%のCmaxの減少および31%のAUCの減少を示すことを説明している。エストラジオールが局所吸収のみを目的としているため、この結果は望ましい。これらのデータは、RLDと比較したエストラジオールの循環レベルの減少を示唆している。さらに、プラセボと比較したエストラジオールのCmaxおよびAUCレベルが統計的に微分可能ではないことを指摘することは注目すべきことであり、本明細書に開示の製剤は無視できる全身作用を有することを示唆する。表24に示すように、試験製品と参照製品との間には順序および時期効果に起因する有意差はなかった。しかし、CmaxおよびAUC両方の治療効果に起因する有意差はあった。
循環全エストロン、エストラジオールの代謝産物の薬物動態を、表25に示す。これらのデータは、本明細書に開示の製剤の全循環エストロンが、循環エストロンに対して55%のCmaxの減少をもたらし、循環エストロンに対して70%のAUCの減少をもたらしたことを示している。
試験製品と参照製品との間には治療効果に起因する有意差があったが、Cmaxについて順序および時期効果に起因する有意差はなかった。AUCについては、試験製品と参照製品との間には治療、順序、および時期効果に起因する有意差があった。
循環全硫酸エストロンのPKを表27に示す。これらのデータは、本明細書中に開示された医薬組成物の全循環硫酸エストロンが、循環硫酸エストロンに対して33%のCmaxの減少および42%のAUCの減少をもたらしたことを示す。
試験製品と参照製品との間には治療効果に起因する有意差があったが、CmaxおよびAUCの両方について、順序および時期効果に起因する有意差はなかった。
(実施例9:PK試験(10μg製剤))
本明細書に開示の10μgの製剤(医薬組成物2)をRLDと比較するためのPK試験を行った。エストラジオールのPK試験の結果を表29〜40、および図9〜14に要約する。
10μgのエストラジオールを有する本明細書に開示の医薬組成物をRLDと比較するためのPK試験を行った。エストラジオールのPK試験の結果を表29〜34に要約し、本明細書に開示の医薬組成物がエストラジオールの全身吸収をより効果的に防止することを実証した。表35は、本明細書に開示の医薬組成物が、全身血中濃度C
maxについてRLDより28%改善し、RLDより72%AUCを改善したことを示す。
全エストロンのPKデータは同様に、RLDと比較した場合、全身ばく露の減少を示した。表33は、本明細書に開示の医薬組成物が、全身ばく露をCmaxで25%、AUCで49%減少させたことを示す。
硫酸エストロンのPKデータは同様に、RLDと比較した場合、全身ばく露の減少を示した。表37は、本明細書に開示の医薬組成物が、全身ばく露をCmaxで25%、AUCで42%減少させたことを示す。
(実施例10:VVA治療のためのエストラジオール膣軟質ゲルカプセルの無作為化二重盲検プラセボ対照多施設試験。)
(調査計画)
この試験は、無作為化、二重盲検、プラセボ対照多施設試験デザインであった。試験組み入れ基準を満たしている閉経後被験体を1:1:1:1の比で無作為に分け、エストラジオール膣軟質ゲルカプセル4μg、エストラジオール膣軟質ゲルカプセル10μg、エストラジオール膣軟質ゲルカプセル25μg、または対応するプラセボを受けさせる。被験体は、性的活動に関連する膣の痛み、膣乾燥、外陰部または膣のかゆみもしくは刺激を含む、外陰部または膣の萎縮の症状を、VVA症状の自己評価アンケートに答えることにより、およびスクリーニング来院1Aでの自身のMBSの同定を行い、試験の適格性を決定することにより自己評価するように求められる。VVA症状の自己評価アンケート、膣細胞診、膣pH、および膣粘膜は、スクリーニング来院1Bで評価する。これらの評価は継続的な適格性を決定し、試験のベースライン評価として使用される。無作為化された被験体は、来院3、4、5、および6の間にアンケートに答える。
試験の主要有効性評価項目は、以下を含む:(A)プラセボと比較した、ベースラインから12週目の膣表層細胞(膣細胞学的スメアによる)のパーセンテージにおける変化;(B)プラセボと比較した、ベースラインから12週目の膣傍基底細胞(膣細胞学的スメアによる)のパーセンテージにおける変化;(C)プラセボと比較した、ベースラインから12週目の膣pHの変化;(D)プラセボと比較した、ベースラインから12週目のVVAに関連する性交疼痛(性的活動に関連する膣痛)のMBSの重症度の変化。
試験の副次有効性評価項目は、以下を含む:(E)プラセボと比較した、ベースラインから2、6、および8週目の膣表層細胞(膣細胞学的スメアによる)のパーセンテージにおける変化;(F)プラセボと比較した、ベースラインから2、6、および8週目の膣傍基底細胞(膣細胞学的スメアによる)のパーセンテージにおける変化;(G)プラセボと比較した、ベースラインから2、6、および8週目の膣pHにおける変化;(H)プラセボと比較した、ベースラインから2、6、および8週目のVVAに関連する性交疼痛(性的活動に関連する膣痛)のMBSの重症度の変化;(I)プラセボと比較した、ベースラインから2、6、8、および12週目のVVAに関連する膣乾燥および外陰部または膣のかゆみもしくは刺激の重症度の変化;(J)プラセボと比較した、ベースラインから2、6、8、および12週目の膣粘膜の目視評価における変化;(K)被験体のサブセット(PK下位試験)における、スクリーニング来院1A、治療の1、14、および84日目の血清エストラジオール、エストロン、およびエストロン抱合体についてのSAPで定義されている標準PKパラメータの、ベースライン補正および未補正値を用いた評価(PK下位調査)[統計分析計画(SAP)で概説されている通り];ならびに(L)プラセボと比較した、ベースラインからの12週目の女性性機能指数(FSFI)の変化。
試験の安全性評価項目は、以下を含む:(1)有害事象;(2)バイタルサイン;(3)身体検査所見;(4)婦人科検査所見;(5)臨床検査;(6)パップスメア;および(7)子宮内膜生検。
米国およびカナダの約100ヵ所が約1500人の被験体をスクリーニングし、この試験で747人の被験体を無作為に分け(治療集団へmodified intent、または本明細書に開示の医薬組成物の少なくとも1回の投与量を摂取した全ての被験体)、175人の被験体の標的を各治療群に無作為に分けた(それぞれの能動的治療群では175人およびプラセボ群では175人で、560人の被験体を完了させた)。登録された実際の被験体は、4μgの製剤群では186人、10μgの製剤群では188人、25μgの製剤群では186人、プラセボ群では187人であり、合計で747人であった。各治療群内では、15人の被験体がPK下位試験にも参加した。被験体を、4つの治療群のうちの1つに割り当てた:(1)4μgの製剤;(2)10μgの製剤;(3)25μgの製剤;および(4)プラセボ。
ほとんどの被験体は、20〜22週間にわたって試験に参加した。これには、6〜8週間のスクリーニング期間(無傷の子宮がない被験体では6週間、無傷の子宮を有する被験体では8週間)、被験薬での12週間、および被験薬の最終投与後約15日間の追跡期間が含まれていた。一部の被験体の参加は、8週間のウォッシュアウト期間が必要な場合に30週間まで持続した。試験から離脱した被験体は、離脱の理由にかかわらず代替されなかった。
試験概略図を図9に示す。2つの治療期間があった;列挙された被験薬の1つを1日1回の膣内投与を2週間行い、続いて週2回の膣内投与を10週間行った。
被験体の組み入れ基準には以下が含まれていた:(1)少なくとも12ヶ月の自発性無月経(自然閉経前に両側卵巣摘出術を行わず、子宮摘出術歴のある女性<55歳は、卵胞刺激ホルモン(FSH)レベル>40mIU/mL以上でなければならない);または卵胞刺激ホルモン(FSH)レベルが>40mlU/mLである6カ月間の自発性無月経;または両側卵巣摘出術の少なくとも術後6週間である、40〜75歳(無作為化の時点で)の閉経後女性被験体。
被験体の組み入れ基準には以下も含まれていた:(2)膣細胞学的スメアに≦5%の表層細胞;(3)膣pH>5.0;(4)スクリーニング来院1Aで被験体によって最も厄介な膣症状とみなされた、性的活動に関連する膣痛の中程度〜重度の症状;(5)スクリーニング来院1Bにおいて、性的活動に関連する膣痛の中程度〜重度の症状;(6)閉経後の間の中程度〜重度の性交疼痛の発症;(7)被験体は性的に活発であった(すなわち、スクリーニング来院1Aの約1ヶ月以内に膣挿入を伴う性的活動を持った);ならびに(8)試験の実施中に性的活動(膣挿入を伴う)を持つと予想される被験体。
無傷の子宮を有する被験体について、被験体の組み入れ基準には以下も含まれていた:(9)被験体が、評価可能なスクリーニング子宮内膜生検から許容可能な結果を得たこと。子宮内膜生検では、以下のうちの特定の1つが、2人の中心となる病理学者によってスクリーニングの際に報告される:増殖性子宮内膜;弱い増殖性の子宮内膜;無秩序な増殖パターン;分泌性子宮内膜;子宮内膜組織その他(すなわち、良性、不活性、もしくは萎縮性の子宮内膜上皮、腺、間質などの断片);診断に不十分な子宮内膜組織;子宮内膜が同定されなかった;組織が同定されなかった;子宮内膜過形成;子宮内膜悪性腫瘍;またはその他の所見(子宮内膜性ポリープが存在しない、良性子宮内膜性ポリープ、または他の子宮内膜性ポリープ)。少なくとも1人の病理学者による生検を評価するのに十分な組織の同定が必要であった。
38kg/m2以下の体格指数(BMI)を有する被験体については、被験体の組み入れ基準には以下も含まれていた:(10)BMI値を最も近い整数に四捨五入した(32.4は32に四捨五入、26.5は27に四捨五入)。
概して、組み入れ基準には以下も含まれていた:(11)調査者の意見で、被験体がプロトコルを遵守し、試験を完了しそうであると考えられていた。
除外基準には以下が含まれていた:(1)スクリーニング来院1Aの8週間前以内からの、経口エストロゲン、プロゲスチン、アンドロゲン、またはSERM含有医薬品の使用(ウォッシュアウトの組み入れが認められた);スクリーニング来院1Aの4週間前以内からの経皮ホルモン製品の使用(ウォッシュアウトの組み入れが認められた);スクリーニング来院1Aの4週間前以内からの、膣内ホルモン製品(リング、クリーム、ゲル)の使用(ウォッシュアウトの組み入れが認められた);スクリーニング来院1Aの8週間前以内からの、子宮内プロゲスチンの使用(ウォッシュアウトの組み入れが認められた);スクリーニング来院1Aの6ヶ月前以内からの、プロゲスチンインプラント/注射剤またはエストロゲンペレット/注射剤の使用(ウォッシュアウトの組み入れは認められなかった);スクリーニング来院1B膣pH評価の7日前以内からの膣潤滑剤または湿潤剤の使用。
除外基準には以下も含まれていた:(2)試験を混乱させるか、または被験体に有害となる可能性のある臨床的に重要な医学的疾患の病歴または能動的存在、例えば、エストロゲンに対する過敏症;子宮内膜過形成;診断されていない膣出血;慢性肝臓または腎臓機能不全/障害の病歴(例えば、C型肝炎もしくは慢性腎不全);血栓静脈炎、血栓症、または血栓塞栓性疾患;脳血管障害、脳卒中、または一過性脳虚血発作;心筋梗塞または虚血性心疾患;過去5年以内の悪性腫瘍または悪性腫瘍の治療、皮膚の基底細胞癌または皮膚の扁平上皮細胞癌を除く(エストロゲン依存性新生物、乳がん、メラノーマ、またはいずれの婦人科がんの病歴は、どの時点でも被験体を除外した);ならびに内分泌疾患(管理された甲状腺機能低下症または管理された非インスリン依存性真性糖尿病を除く)。
除外基準には以下も含まれていた:(3)既知のアルコールまたは薬物乱用の最近の既往歴;(4)性的虐待または配偶者虐待の履歴であって、性的活動での膣痛の被験体の評価を妨害する可能性があるもの;(5)現在の重度の喫煙(1日15本以上のタバコ)または電子タバコの使用履歴(6)スクリーニング来院1Aの12週間前以内の子宮内デバイスの使用;(7)スクリーニング来院1Aの60日前以内の被験薬の使用;(8)身体検査、評価、心電図(ECG)、または検査室検査のスクリーニングにおける臨床上重要な異常;(9)既知妊娠または陽性尿妊娠検査;ならびに(10)マリファナの現在の使用。
この試験において、被験体が中断または辞退した場合、被験体は代替されなかった。同意の時点で、各被験体には、その臨床部位および連続番号を特定する独自の被験体番号を与えた。割り当てられた被験体番号に加えて、被験体の頭文字を識別用に使用した。臨床試験は、標準的な操作手順、ならびにFDA、ICH E6(R1)ガイドライン、およびその他の関連規制当局によって定められた規制に従って行った。コンプライアンスは、臨床現場およびデータベースレビューの臨床試験特有の監査を通じて達成した。
(統計的方法)
有効性。本試験の第一の目的は、膣表層細胞、膣傍基底細胞、膣pH、および12週目のMBSとしての性交疼痛(性的活動に関連する膣痛)の中程度〜重度の症状に対する、プラセボと比較したときのエストラジオール膣軟質ゲルカプセル(4μg、10μg、および25μg)の有効性を評価することであった。 プラセボとエストラジオールの3用量(4μg、10μg、および25μg)のそれぞれとの試験の多重比較、および4つの複数主要評価項目の複数試験を考慮に入れて、閉手順を実施した(非特許文献9、参照により本明細書に組み込まれる)。
試料サイズの決定。一定の検出力を達成するためのmodified intent-to-treat(MITT)母集団における仮説の各試験について、プラセボに対して用量当たり必要な試料サイズを、他の試験からの参照データを用いて計算した(非特許文献10;非特許文献11;非特許文献12を参照、それぞれ参照により本明細書に組み込まれる)。以下の表41は、主要評価項目のそれぞれに対する効果の大きさ、検出力、および試料サイズの決定を提供する。概して、試験の被験体は全ての組み入れ/除外基準を満たし、VVAの最も厄介な症状として中程度〜重度の性交疼痛があった。検出力分析およびデザイン考察に基づいて、治療群当たり約175人の被験体が登録された。
無作為に割り当てられ、被験薬を少なくとも1回服用した全被験体は、intent-to-treat(ITT)母集団を形成した。Modified intent-to-treat(MITT)母集団は、主要評価項目ごとにベースラインおよび少なくとも1つの追跡値を有し、各被験体が被験薬の投与量を少なくとも1回服用した全ITT被験体として定義され、主要有効性母集団であった。有効性評価可能(EE)母集団は、治験を完了した全MITT被験体として定義され、被験薬に少なくとも80%準拠し、全ての主要有効性評価項目の測定を終え、重大なプロトコル違反なしにプロトコルに準拠しているとみなされた。安全性母集団には全ITT被験体が含まれていた。
EE母集団に対して実施された支持的有効性分析と共に、主要有効性分析をMITT被験体に対して実施した。分析目的のために、被験体に、来院6(12週目)を含む全ての来院を完了するよう求め、試験を完了したとみなした。
有効性評価項目の分析。4つの主要評価項目(ベースラインから12週までの平均変化)を含む数値的に連続した全ての有効性評価項目について、ベースラインレベルを調整しながらANCOVAを用い、能動的治療群平均をプラセボと比較した。
主要および副次有効性評価項目を、ベースライン時および2、6、8、および12週間で測定した。分析では、ベースラインからの変化を調べた。したがって、ANCOVAは、無作為効果が被験体であり、2つの固定効果が治療群および来院(2、6、8、および12週)であった繰り返し測定混合効果モデル(MMRM)に基づいていた。ベースライン測定値および年齢を共変量として用いた。したがってANCOVAは、各調査収集期間ごとに独立しては計算しなかった。分析は完全モデルで開始したが、治療を受けた来院(第2、6、8、および12週)の相互作用項のみが、統計的に有意な場合(p<0.05)に残った。
以下の3つの一対比較を、12週目(主要)および2、6、および8週目(副次)のベースラインからの変化の適切なANCOVA対比を用いて行った:(1)能動的治療、高用量群対プラセボ;(2)能動的治療、中用量群対プラセボ;(3)能動的治療、低用量群対プラセボ。
安全性転帰測定。有害事象、バイタルサイン、身体検査所見、婦人科検査所見、臨床検査、パップスメア、および子宮内膜生検が、安全性パラメータであった。有害事象およびSAEを、各治療群について、および全ての能動的治療群全体について、各事象を報告する被験体の割合と共に要約した。バイタルサインにおける実際の値およびベースラインからの変化、ならびに全ての臨床検査パラメータを、各治療群について、および全ての能動的治療群について、得られた各評価時の記述統計と共に要約した。
子宮内膜生検評価。婦人科病理専門の3人の独立した病理学者は、治療や他者の見解に対して盲検化され、試験の実施中に子宮内膜生検スライドの診断を判定した。全ての来院6、早期終了、および治療中の予定外の子宮内膜生検を中心的に、病理学者の3人が読み取った。各病理学者の報告を、以下の3つのカテゴリーのうちの1つに分類した:カテゴリー1:過形成ではない/悪性ではない - 増殖性子宮内膜、弱い増殖性の子宮内膜、無秩序な増殖パターン、分泌性子宮内膜、子宮内膜組織その他(すなわち、良性、不活性または萎縮性の子宮内膜上皮、腺、間質などの破片)、診断に不十分な子宮内膜組織、子宮内膜が同定されなかった、組織が同定されなかった、その他を含む;カテゴリー2:過形成- 異型を伴うまたは伴わない単純型過形成および異型を伴うまたは伴わない複雑型過形成を含む;カテゴリー3:悪性腫瘍- 子宮内膜悪性腫瘍。
最終診断は、3つの読み取りのうちの2つの合意に基づいた。3人の病理学者読者のうちの2人が上記カテゴリーのいずれかに同意した場合にコンセンサスに達した。例えば、「過形成ではない/悪性ではない」という2つのサブカテゴリーは、「カテゴリー1:過形成ではない/悪性ではない」と分類した。3つの見解の全てが異なる場合(すなわち、それぞれが異なるカテゴリー - カテゴリー1、2、または3に分類された場合)、最終診断は3つの見解の中で最も重篤なものに基づいていた。
子宮内膜過形成の分析母集団は、子宮内膜過形成(EH)母集団であった。12週目のEH被験体は、無作為に割り付けられ、被験薬を少なくとも1回服用し、排他的プロトコル違反(統計分析計画で詳述)がなく、治療前子宮内膜生検および治療中生検を受けた被験体であった。
(被験体の治療)
本試験では、二重盲検法を用いた。被験薬を、エストラジオール膣軟質ゲルカプセルの3用量(4μg、10μg、および25μg)ならびに対応するプラセボカプセルとして供給した。全被験体は、以下の治療群の1つに従って、14日間(2週間)毎日1カプセルを膣腔に手動で挿入し、続いて2週間に1回を10週間行った:
被験薬を、全ての適格被験体に来院2で配布した。各被験体に、偶発的な喪失または損傷のための追加のカプセルを考慮して、ラベル付きボトル内の合計30個の被験薬の軟質ゲルカプセルを提供した。来院5で第2の瓶を配布した。各被験体は、ほぼ同じ時間に1日1カプセルを2週間(14日間)自己投与するよう、臨床現場で練習した。薬物投与の指示には以下が含まれた:「瓶から膣カプセルを取り出す;自身の最も無理のない姿勢を見つける;小さい方の端部を上にしてカプセルを膣管内に約2インチ挿入する」。15日目から、各被験体は、週2回1カプセルを残りの10週間投与した。週2回の投与は約3〜4日間隔で行われ、一般的に7日間で2回を超えなかった。例えば、15日目の投与が日曜日に挿入された場合、次の投与は水曜日または木曜日に挿入された。無作為化来院2(1日目)に、被験体は、試験担当者の監督下で、臨床施設で被験薬の初回投与を受けた。
この試験で使用される被験エストラジオール膣軟ゼラチン製剤は、洋ナシ形、不透明、薄いピンク軟質ゲルカプセルである。カプセルは、医薬組成物4〜7として本明細書に開示の可溶化エストラジオール医薬組成物を含有する。軟質ゲルカプセルが膣粘膜と接触すると、軟質ゼラチンカプセルは医薬組成物を膣内に放出する。実施形態では、軟質ゼラチンカプセルは完全に溶解する。
試験に使用されたプラセボは、エストラジオールを含まない被験エストラジオール膣軟質ゲルカプセル中に賦形剤を含有していた(例えば、医薬組成物7参照)。被験薬とプラセボのパッケージングは同一であり、被験薬の十分な盲検を維持した。被験体も調査者も、被験薬のパッケージングまたはラベルから治療薬を特定することはできなかった。
被験体は、被験薬投与に準拠しているとみなされるためには、被験薬の少なくとも80%を使用する必要があった。カプセル計数および日誌カードを使用して、各試験来院時の被験体コンプライアンスを判定した。被験体は1:1:1:1の比で無作為に割り当てられ、エストラジオール膣軟質ゲルカプセル4μg(医薬組成物4)、エストラジオール膣軟質ゲルカプセル10μg(医薬組成物5)、エストラジオール膣軟質ゲルカプセル25μg(医薬組成物6)、またはプラセボ(医薬組成物7)を受けた。
併用薬物/治療を調査者の裁量で使用し、慢性または間欠的な病状を治療した。試験期間中、以下の薬物を禁じた:被験エストラジオール膣軟質ゲルカプセル以外の被験薬;被験薬以外のエストロゲン、プロゲスチン、アンドロゲン(すなわち、DHEA)またはSERM含有医薬品;外陰部/膣萎縮を治療することが知られている薬物、治療薬、および補助剤;来院1Bの膣pH評価の7日前に、膣潤滑剤および湿潤剤(例えば、Replens)を中止する;試験前に除外された全ての薬物。
(有効性評価)
膣細胞学的スメアを、標準的な手順に従って側膣壁から収集し、膣細胞診を評価するために中央検査室に送った。表層細胞、傍基底細胞、および中間細胞のパーセンテージを決定した。全ての治療中/早期終了膣細胞診結果は、スポンサー、調査者、および被験体に盲検化されていた。
スクリーニング来院1B、ならびに来院3、4、5、および6/治療の終了時に膣pHを測定した。被験体は、膣pH評価スクリーニングの7日以内、またはその後いかなる時でも試験中は膣潤滑剤または湿潤剤を使用することが許されなかった。被験体は、性交をしないこと、および予定されている全ての膣pH評価の測定の24時間前以内に膣スメアを使用することを控えるように勧められた。潤滑していない検鏡を挿入した後、膣pHに影響を与えることが知られている子宮頸管粘液、血液または精液を避けるように注意しながら、側膣壁が潤滑になるまでpH指示薬ストリップを側膣壁に適用した。ストリップの色を比色尺度と直ちに比較し、測定値を記録した。
婦人科検査の間、調査者は、4点尺度(0=なし、1=軽度、2=中程度、3=重度)を用いて膣粘膜の目視評価を行い、膣分泌物、膣上皮の完全性、膣上皮表面の厚さ、および膣の色のパラメータを以下の表に従って評価した。
以下に示すVVA症状自己評価アンケートは、被験体が性的活動に関連する膣痛、膣乾燥、外陰部または膣のかゆみ、もしくは刺激を含む、外陰部または膣の萎縮の症状を自己評価するための手段である。スクリーニング来院1Aでは、被験体にはアンケートに答え、最も厄介な症状を特定するように求め、調査の結果を試験の最初の適格性を決定するために使用した。来院1Aでは、被験体には、中程度または重度の最も厄介な症状を示すように求めた。本アンケートをスクリーニング来院1Bで再び実施し、試験の継続的な適格性を決定するために用いた。
無作為化された被験体には、来院3、4、5、および6でVVA症状自己評価アンケートに答えるように求めた。被験体には、前回の来院以来、膣挿入を伴う性的活動を経験していないかどうかを尋ねた。スクリーニング来院1B評価結果を、統計分析のベースラインデータとみなした。
女性性機能指数(FSFI)は、女性の性機能を評価するための簡潔で多次元的な尺度である(非特許文献1を参照、参照により本明細書に組み込まれる)。本尺度は、過去4週間にわたって性機能を評価し、性的欲求、性的興奮、潤滑、オーガズム、満足、および痛みの6つの分野の分野スコアを得る19の項目で構成されている。本手段のさらなる検証を行い、性交疼痛/膣痙(痛み)、および複数の性機能障害を含むように検証を拡張した(非特許文献13を参照、参照により本明細書に組み込まれる)。FSFIを来院2および6で行った。PK下位試験に参加した被験体は、FSFIを使用して評価しなかった。
(安全性評価)
人口学的データ(年齢および人種/民族性)、婦人科的、外科的、および精神医学的病歴ならびにタバコおよびアルコールの使用を含む完全な病歴を、ウォッシュアウト時間の前のウォッシュアウト/スクリーニング来院1Aで記録した;この病歴には、過去および現在の全ての疾患およびその各期間ならびに任意の無月経歴の見直しが含まれていた。
スクリーニング来院1Aおよび来院6/治療終了時に完全な身体検査を行った。身体検査には、少なくとも、被験体の全体的外観、HEENT(頭部、目、耳、鼻、および喉)、心臓、肺、筋骨格系、胃腸(GI)系、神経系、リンパ節、腹部、および四肢の検査が含まれていた。被験体の身長はウォッシュアウト/スクリーニング来院1Aでのみ測定し、体重(被験体は軽く服を着ている)はウォッシュアウト/スクリーニング来院1Aおよび治療終了時に測定した。BMIは、ウォッシュアウト/スクリーニング来院1Aで計算した。バイタルサイン(体温、心拍数[HR]、呼吸数[RR]、および座位血圧[BP])は、全ての来院時において、被験体が10分間以上座った後に測定した。最初のBP読み取り値が収縮期140mmHgまたは拡張期90mmHgを超えた場合、15分後に実施される単回反復査定の選択肢が提供される。標準的な12誘導ECGは、スクリーニング来院1Aおよび来院6すなわち早期終了で得た。
被験体は、スクリーニング来院1Bおよび来院6すなわち早期終了の間に骨盤内検査およびパップスメアを実施する必要があった。パップスメアは、無傷の子宮および子宮頸部の有無にかかわらず、全ての被験体に求められた。無傷の子宮頸部がない被験体では、膣カフの頂部をサンプリングすることによってパップスメアを得た。全ての被験体は、最近の事前の評価にかかわらず、スクリーニング中にパップスメアを行う必要があった。被験薬の2週間後に試験を中止した被験体は、パップスメアの治療終了が必要であった。被験体は、スクリーニング来院1Aおよび来院6すなわち早期終了時に行われる乳房検査を受けた。
子宮内膜生検は、スクリーニング時および来院6/治療終了時に、有資格の婦人科医が行った。医学的理由で指示された場合、予定外の子宮内膜生検を試験中に行った。被験体の最初のスクリーニング来院評価が、被験体が他の点では適格な候補者であったことを示した後、スクリーニング生検をスクリーニング来院1B時に行った。
スクリーニングでは、子宮内膜生検を中心的に、2人の病理学者が読み取った。少なくとも1人の病理学者が、子宮内膜生検を、子宮内膜増殖、子宮内膜がん、増殖性子宮内膜、弱い増殖性の子宮内膜、もしくは無秩序な増殖パターンとして評価した場合、または少なくとも1人の病理学者が、過形成、任意の程度の腺性異型(例えば、非定型核)、もしくはがんを伴う子宮内膜ポリープを同定した場合、候補被験体を試験から除外した。さらに、少なくとも1人の病理学者による生検を評価するのに十分な組織の同定が、試験の適格性のために必要であった。最初の子宮内膜生検を行い、主要病理学者の両者が、子宮内膜組織が診断に不十分であるか、子宮内膜が同定されなかったか、または組織が同定されなかったと報告した場合、および被験体がこれまでにプロトコルに規定された他の全ての適格性基準を満たしていた場合、子宮内膜生検のスクリーニングを1回繰り返す選択肢を利用できるようにした。来院6(すなわち早期終了)子宮内膜生検および予定外生検の治療について、3名の病理学者が評価した。
試験中、早期終了時、および試験終了時に、子宮内膜過形成の診断を有する被験体を除外し、PIによって別なように見なされない限り、10mgの酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)で6ヶ月間治療した。予定外の生検では、非定型核が存在しない限り、子宮内膜ポリープの組織学的診断は強制的に除外しなかった。
被験体が、卵管結紮、両側卵巣摘出術の病歴を有したか、または55歳以上で少なくとも1年間月経の停止を経験していない限り、尿妊娠検査はスクリーニング来院1Aで実施した。
血液化学、血液学、凝固試験、およびホルモンレベル用の血液試料および尿分析用の尿試料を収集し、中央検査室に送った。血液化学(ナトリウム、カリウム、塩化物、総コレステロール、血液尿素窒素(BUN)、鉄、アルブミン、総タンパク質、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アルカリホスファターゼ、クレアチニン、カルシウム、リン、尿酸、総ビリルビン、グルコースおよびトリグリセリド(最低8時間絶食してなければならない)。>125mg/dLの空腹時グルコースは、HgA1Cを必要とする)を観測した。血液学(白血球数および百分率、赤血球数、ヘモグロビン、ヘマトクリット、および血小板数を含む全血球計算値(CBC))を観測した。ホルモンレベル(PK下位試験における被験体の卵胞刺激ホルモン(FSH)(12ヶ月以上の自発性無月経があるまたは両側卵巣摘出術を受けた被験体には必要ない)、エストラジオール、エストロン、エストロン抱合体、およびSHBG)を観測した。尿分析(外観、比重、タンパク質、pH)を行った。
(薬物動態評価)
72人の被験体も薬物動態学(PK)下位試験に登録した。PK下位試験に参加している被験体では、ベースラインの投与前のスクリーニング来院1A、1日目、および14日目で、0時間の血清血液試料を得た。ベースラインは、2つの前治療試料の平均によって特徴付けられた。次いで、1日目および14日目に、5つの投与後の時点(2時間、4時間、6時間、10時間、および24時間)で血清血液試料を得た。試験1日目(来院2)および14日目(来院3)に、被験薬を挿入する前に、各被験体からベースライン前治療血液試料(時点0時間)を採取した。薬物を挿入した後、挿入の2、4、6、10、および24時間後に血液試料を採取した。最後のPK試料(約84日目)は、被験薬の最後の挿入の4日後に得た。
血液試料を分析し、曲線下面積(AUC)、最大濃度到達時間(tmax)、最小濃度(Cmin)、および最大濃度(Cmax)を特性評価した。血液試料も分析し、エストラジオール、エストロン、およびエストロン抱合体のレベルを測定した。絶食の要件は適用されなかった。性ホルモン結合グロブリン(SHBG)レベルを、前治療ベースライン(1日目、来院2)、ならびに14日目0時間および84日目の最終ホルモン採血時で得た。
症状/愁訴および医薬日誌を全来院時で配布し、被験体は完了時に指示された。被験体は日誌を使用して、症状/愁訴(中止および開始日および受けた治療を含む)および以前の薬物/治療(指示、中止、および開始日を含む)を記録した。各来院時に日誌のコピーを作成し、被験体に再配布した。投与日誌を来院2および来院3で配布し、被験体には完了時に指示が与えられた。被験体は被験薬使用および性的活動を記録した。来院3で配布された投与日誌は、来院4および5で再配布された。日誌のコピーを、各来院時に、患者に再配布する前に作成した。
(試験来院)
試験来院は、典型的には、表43に概説される活動を含むように実施した。
ウォッシュアウト期間来院(該当する場合、-14週目〜-6週目)。この来院の目的は、潜在的な被験体と試験について議論し、ウォッシュアウトを含むいかなる手続きが行われる前に署名および日付が記されたインフォームドコンセントを得ることであった。現在の治療を中止することに同意した被験体は、同意書に署名した後にウォッシュアウトを開始した。今回の来院で症状/愁訴および医薬日誌を配り、被験体にどのように日誌を記入するかを教えた。ウォッシュアウト期間が終了したら、被験体は来院1Aのために施設に戻ることになる。
来院中に行われた活動および評価には、以下が含まれていた:インフォームドコンセント;人口学;病歴/婦人科病歴;以前のおよび併用している薬情報の収集;身長、体重測定およびBMI計算;バイタルサイン(体温、HR、RR、およびBP)の収集;症状/愁訴日誌の配布および日誌記入方法の指導。
スクリーニング期間来院(来院1Aおよび1B)。ウォッシュアウトを必要としない被験体は、ウォッシュアウト期間について上述したように、来院1Aでスクリーニング手順を開始する。バイタルサインを除いて、ウォッシュアウトで行われた手順は、スクリーニング来院1Aで繰り返さない。一般に、スクリーニング来院1Aおよび1Bは、子宮がない被験体の場合は6週間(42日)、または子宮がある被験体の場合は8週間(56日)以内に完了した。全てのスクリーニング評価は無作為化の前に完了した。調査者は全てのスクリーニング手続きの結果をレビューし、被験体が試験への登録資格を有するかどうかを判断した。
来院1A(約-6週目〜0週目)。来院1Aは、ウォッシュアウト期間(該当する場合)の後に、または被験体がインフォームドコンセントを与えた後に実施した。被験体は、血液採取のために、来院前に8時間絶食するように勧められた。
来院時に実施された手順および評価には、以下が含まれていた:インフォームドコンセント;人口学;病歴/婦人科病歴;ウォッシュアウト(該当する場合)からの症状/愁訴および医薬日誌の収集ならびに被験体とのレビュー;以前の投薬情報の記録;インフォームドコンセントの署名から始まる有害事象(AE)の記録および評価;身長、体重測定およびBMI計算;バイタルサイン(体温、HR、RR、およびBP)の収集;身体検査;乳房検査(来院2の9ヶ月前に実施されたマンモグラムを含む);必要に応じて尿妊娠検査;血液化学(最低8時間の絶食)、血液学、および尿検査のための血液および尿試料採取;必要に応じて血清FSH;12誘導ECG。
来院1Aでは、VVA症状自己評価アンケートが実施され、最も厄介な症状が同定され、被験体は性的活動に伴う中程度または重度の痛みを、スクリーニングを続けるMBSとして自己識別した。症状/愁訴および医薬日誌を配布し、被験体に日誌の記入方法を指導した。被験体には、来院1B時に膣内pH評価を行う前は、膣潤滑剤の使用を7日間、性交/膣洗浄を24時間控えるよう指示した。
来院1B(約-4週目〜0週目)。来院1Bは、被験体の最初のスクリーニング来院後に、および他のスクリーニング結果が、被験体が他の点では適格な候補者であったことを示した後に実施した(好ましくはスクリーニング期間の中頃)。
来院時に実施された手順および評価には、以下が含まれていた:VVA症状自己評価アンケート、スクリーニングを続けるために、膣挿入を伴う性的活動での中程度〜重度の痛みを示した被験体;バイタルサイン(体温、HR、RR、およびBP)の収集;骨盤内検査;上記の通りの膣粘膜の調査者評価;膣pHの評価(評価前の24時間以内の性交または膣洗浄は禁止され、被験体の膣pHが>5.0でスクリーニングを続ける);パップスメア;膣細胞学的スメア(最初のスメアから結果が得られなかった場合、スクリーニング中に1回繰り返すことが許可される);上記のように行われた子宮内膜生検;被験体との症状/愁訴および医薬日誌のレビュー。
来院2(0週目;無作為化/ベースライン)。組み入れ基準を満たした被験体を、今回の来院時に被験薬に無作為に割り付けた。来院時に実施された手順および評価には、以下が含まれていた:PK下位試験に参加していない被験体によるFSFIの自己管理;被験体との症状/愁訴および医薬日誌のレビュー;スクリーニング来院時に実施された評価のレビューならびに全ての組み入れ基準の存在および全ての除外基準の不在の検証;バイタルサイン(体温、HR、RR、およびBP)の収集;全ての組み入れ基準を満たす被験体の無作為化およびボトル番号の割り当て;被験薬の配布、および監督の下で被験薬の最初の投薬を受ける被験体への、カプセルを膣内に挿入する方法の指導;治験日誌の配布、ならびに被験薬の使用および性的活動の記録を含む、治験日誌の記入に関する指導。
来院3(2週目、14日目±3日)。来院時に実施された手順および評価には、以下が含まれていた:VVA症状自己評価アンケートの回答;被験体との症状/愁訴および医薬日誌のレビュー;バイタルサイン(体温、HR、RR、およびBP)の収集;膣粘膜の評価;膣pHの評価(評価前の24時間以内の性交または膣洗浄は禁止されている);膣細胞学的スメア;コンプライアンス/説明責任の評価のための未使用被験薬およびボトルの収集;被験薬の再配布、および必要に応じてカプセルを膣内に挿入する方法の再指導;被験体との記入済み投与日誌のレビュー。
来院4(6週目、42日目±3日)。来院時に実施された手順および評価には、以下が含まれていた:VVA症状自己評価アンケートの回答;被験体との症状/愁訴および医薬日誌のレビュー;バイタルサイン(体温、HR、RR、およびBP)の収集;上記の通りの膣粘膜の評価;膣細胞学的スメア;膣pHの評価(評価前の24時間以内の性交または膣洗浄は禁止されている);コンプライアンス/説明責任の評価のための未使用被験薬の収集;被験薬の再配布、および必要に応じてカプセルを膣内に挿入する方法の再指導;被験体との記入済み投与日誌のレビュー。
来院5(8週目、56日目±3日)。来院時に実施された手順および評価には、以下が含まれていた:VVA症状自己評価アンケートの回答;被験体との症状/愁訴および医薬日誌のレビュー;バイタルサイン(体温、HR、RR、およびBP)の収集;上記の通りの膣粘膜の評価;膣細胞学的スメア;膣pHの評価(評価前の24時間以内の性交または膣洗浄は禁止されている);コンプライアンス/説明責任の評価のための未使用被験薬の収集;被験薬の再配布、および必要に応じてカプセルを膣内に挿入する方法の再指導;被験体との記入済み投与日誌のレビュー。
来院6(12週目、84日目±3日すなわち早期終了)。この来院は、被験体が来院6前に試験から離脱した場合に行われた。この来院で実施された手順には、以下が含まれていた:VVA症状自己評価アンケートの回答;被験体との、被験体投与日誌、症状/愁訴、および医薬日誌のレビュー;血液化学(最低8時間の絶食)、血液学、および尿検査のための血液の採集および尿試料採集;バイタルサイン(体温、HR、RR、およびBP)および体重の収集;12誘導ECGの遂行;コンプライアンス/説明責任の評価のための未使用被験薬および容器の収集;身体検査;乳房検査;上記の通りの膣粘膜の評価;膣pHの評価(評価前の24時間以内の性交または膣洗浄は禁止されている);膣細胞学的スメア;パップスメア;子宮内膜生検;PK下位試験に参加していない被験体によるFSFIの自己管理;「薬剤管理の受け入れ調査」という調査の被験体による自己管理。
追跡調査インタビュー(被験薬の最終投与の約15日後)。被験薬を受けた各被験体は、治療期間にかかわらず、被験薬の最終投与から約15日後に、追跡調査の電話を受けた。追跡調査は、一般的に、全ての安全性評価(例えば、子宮内膜生検およびマンモグラフィー結果)を受けた後に行った。追跡調査には以下が含まれていた:進行中の有害事象および被験薬の最終投与後15日間に発生した新たな有害事象のレビュー;進行中の併用薬および被験薬の最終投与後15日間に発生した新たな併用薬のレビュー;試験の安全性評価の全終了についての議論、およびさらなる追跡調査または診療所来院が必要かどうかの決定。
(PK下位試験来院手続きおよびスケジュール)
スクリーニング来院1A。上記の手順に加えて、PK下位試験の活動には以下も含まれていた:被験体によるインフォームドコンセントの提出およびPK下位試験への参加の合意;エストラジオール、エストロン、およびエストロン抱合体のベースライン評価のための来院中の血清血液試料の収集。
来院2(0週目、1日目)。上記の手順に加えて、PK下位試験の活動には、エストラジオール、エストロン、エストロン抱合体、およびSHBGのベースライン評価のための、被験薬の投与前(時点0時間)に得られた血清血液試料の収集も含まれていた。被験薬は、前治療血液試料が採取された後、被験体によって自己投与された。被験薬投与後、2時間、4時間、6時間、10時間、および24時間の時点で、エストラジオール、エストロン、およびエストロン抱合体について血清血液試料を得た(血清試料は、通常、2時間および4時間で+/-5分以内、6時間で+/-15分以内、10時間および24時間で+/-1時間以内に採取された)。被験体は、10時間の試料の後に施設から解放され、24時間の血液採取のために翌朝に施設に戻るように指示された。被験体は、現場要員が臨床現場での投与を指示するまで、2日目の投与量を自己投与しないように指示された。被験体は、24時間の血液試料および2日目の投与後に臨床現場から解放された。
来院3(2週目、14日目)。来院は、14日目に行われなければならない。上記に列挙した手順に加えて、PK下位試験は、SHBGおよびPK評価のための14日目投与の投与前(時点0時間)の血清血液試料の収集を含んでいた。被験体は14日目の投与量を臨床現場で自己投与し、2時間、4時間、6時間、10時間、および24時間の時点で、エストラジオール、エストロン、およびエストロン抱合体について血清血液試料を得た。被験体は、10時間の試料の後に施設から解放され、24時間の血液採取のために翌朝に施設に戻るように指示された。被験体は、現場要員が臨床現場での投与を指示するまで、15日目の投与量を自己投与しないように指示された。被験体は、24時間の血液試料および15日目の投与後に臨床現場から解放された。被験体は、18日目または19日目に被験薬の次の投与量を投与し、各投与について2週間毎に同じ時刻に投与を継続するよう指示された。
来院6(12週目、84日目±3日、すなわち早期終了時)。この来院は、最後のIP投与すなわち早期終了の4日後に行われた。上記の手順に加えて、エストラジオール、エストロン、およびエストロン抱合体ならびにSHBGの血清試料を採取した。
PK下位試験来院は、典型的には、表44に概説される活動を含むように実施した。
本試験における有害事象(AE)は、望ましくない病状の発現、または医薬品にばく露した後またはその間の既存の病状の悪化として、医薬品に偶然に関連しているか否かにかかわらず定義された。AEは、被験薬の過量投与から起こりうる。この試験では、AEには、試験治療が施されていなくても、ベースラインまたはウォッシュアウト期間を含む何時でも発生する望ましくない病状が含まれ得る。被験薬との関係
調査者は、各AEについての被験薬との関連性(関連性がない、おそらく関連性がある、または高い確実性で関連性がある)を決定した。被験薬に対する有害事象の「関連性」の程度は以下のように記述された:関連性がない - 時間的関連性および他の病因が原因ではなさそう;あり得る - 時間的関連性、しかし他の病因が原因であり得る。しかしながら、被験薬の関与を排除することはできない;確からしい - 時間的関連性、他の病因も可能だが、起こりそうもない。被験薬が中止された場合、その事象は応答するかもしれない。
(実施例11:無作為化二重盲検プラセボ対照多施設試験の有効性結果。)
3つの用量のそれぞれは、プラセボと比較して、主要評価項目について統計的有意性を示した。3つの用量のそれぞれは、プラセボと比較して、副次評価項目について統計的有意性を示した。表45は、4つの複数主要評価項目のそれぞれに関する実験データの統計的有意性を示す。投与量のそれぞれは、4つの複数主要評価項目のそれぞれを統計的に有意なレベルで満たした。25mcg用量のTX-004HRは、プラセボと比較して、4つの複数主要評価項目全てにおいてp≦0.0001レベルで統計的に非常に有意な結果を示した。10mcgの用量のTX-004HRは、プラセボと比較して、4つの複数主要評価項目の全てにおいてp≦0.0001レベルで統計的に非常に有意な結果を示した。4mcgの用量のTX-004HRも、プラセボと比較して、表層膣細胞、傍基底膣細胞、および膣pHの評価項目においてp≦0.0001レベルで統計的に非常に有意な結果を示した;プラセボと比較した性交疼痛の重症度におけるベースラインからの変化は、p=0.0255レベルであった。
プラセボを上回る統計的改善も、2週目の最初の評価で3回の投与全てで観察され、12週目まで持続した。3つの用量全てについての薬物動態データは、低い全身吸収を示し、前の第1相試験データを支持した。TX-004HRは良好に耐容され、有害事象に関してプラセボ治療を受けた女性と比較して臨床的に有意な差はなかった。薬物関連の重篤な有害事象は報告されていない。
以下のデータに示されるように、12週目のMITT母集団(n=747)において、プラセボと比較した全てのTX-004HR用量は、傍基底細胞のパーセンテージおよび膣pHを有意に減少させ、表層細胞のパーセンテージを有意に増加させ、性交疼痛の重症度を有意に低下させた(4μgでの性交疼痛以外の全てでp≦0.00001、p=0.0149)。
2、6、および8週目に、傍基底細胞のパーセンテージおよび膣pHは、有意に減少した(p<0.00001);表層細胞のパーセンテージは有意に増加した(p<0.00001);性交疼痛の重症度はプラセボと比較して全てのTX-004HR用量でベースラインから有意に改善した(4μgでp<0.03;10μgおよび25μgでp<0.02)。
中程度〜重度の膣乾燥はベースライン時に93%報告され、全ての用量で2、6、8、および12週目(2週目は4μgを除く)に有意に改善した(p<0.02)。外陰部および/または膣のかゆみもしくは刺激は、10μgでは8および12週目に、25μgでは12週目に有意に改善した(p<0.05)。
TX-004HRは良好に耐容され、高い受容性を有し、安全性母集団(n=764)において治療関連重度AEは報告されなかった。TX-004HRおよびプラセボ間のAEまたは治療関連SAEにおいて、臨床的に有意な差はなかった。非常に低い〜無視できる全身レベルのエストラジオールが観察された。
全てのTX-004HR用量は安全かつ効果的であり、VVAおよび中程度〜重度の性交疼痛を患う女性において非常に低い〜無視できるE2の全身吸収をもたらした。効果の発現は早くも2週目で見られ、試験を通して維持され、受容性は非常に高かった。この新規薬剤は、閉経期VVAを経験している女性にとって有望な新しい治療選択肢を提供する。
(細胞学)
膣細胞診データを、上で示した手順に従って、側膣壁からの膣スメアとして採取し、スクリーニング時および来院6-治療終了時(84日目)に膣細胞診を評価した。成熟度指数の変化は、来院1-ベースライン(1日目)で測定された細胞組成の、来院3-治療終了時(84日目)で測定された細胞組成と比較した変化として評価された。膣スメアからの膣粘膜上皮から得られた表層細胞、傍基底細胞、および中間細胞のパーセンテージの変化を記録した。表層細胞についてのこれらの評価の結果は、表46および表47、ならびに図10、図11、および図12に示している。傍基底細胞についてのこれらの評価の結果は、表48および表49、ならびに図13、図14、および図15に示している。
(表層細胞)
この試験は、全ての用量にわたる本明細書に開示の製剤が、表層細胞のパーセンテージを全用量にわたって統計的に有意に増加させることを示した。
(傍基底細胞)
表層細胞の増加および傍基底細胞の減少は、2週目、および12週目を含むその後の各週で、プラセボを上回る統計的有意性を示した。医薬製剤の投与は、初回投与の2週間後に早くも作用の迅速な発現をもたらした。迅速な作用の発現は、以下に示す薬物動態データに示される迅速な吸収と結びつく可能性がある。
(pH)
膣pHを、スクリーニング時および来院6-治療終了時(84日目)に測定した。本明細書に開示のようにpH測定値を得た。これらの評価の結果は、表50および表51、ならびに図16、図17および図18に示している。
膣pHの低下は、2週目および試験終了時まで統計的に有意なレベルで観察された。驚くべきことに、試験した3つの医薬製剤全てにおいて、3つの用量全てについて全pH単位にわたって3つの用量で全てpHが低下した。
(最も厄介な症状)
(性交疼痛)
被験体には、自身が「最も厄介な症状」と認識した症状を特定するように求めた。スクリーニング期間中、全ての被験体に、VVAの症状を自己評価するためのアンケートを行った:(1)性交疼痛;(2)膣乾燥;および(3)膣または外陰部の刺激、灼熱感、もしくはかゆみ。各症状を0〜3の尺度で測定し、0=なし、1=軽度、2=中程度、および3=重度とした。各被験体には、来院ごとにアンケートを行い、回答を記録した。無作為化された全被験体には、来院1およびその後の来院6-治療終了(84日目)までの来院毎にVVAの症状を自己評価するためのアンケートも行った。被験体は日々自己評価を日誌に記録し、来院8および15(治療終了時)に回答を収集した。来院1で得られた投与前評価結果を、統計分析のベースラインデータとみなした。これらの性交疼痛の評価のデータを表52および表53に示す。これらの乾燥の評価のデータを表54および表55に示す。
4μg、10μg、および25μgの製剤試験のそれぞれは、最も厄介な症状の性交疼痛について、2週目に早期の作用発現を示し、表52に統計的に有意な結果(p値で測定)によって証明されている。2週間後、各用量は、最も厄介な症状の性交疼痛の改善におけるプラセボからの分離を実証した。
以下に示すPKデータと組み合わせると、これらの結果は、本明細書に開示の製剤が投与2時間以内にエストラジオールのボーラスを提供し、早くも2週間後に性交疼痛の重症度の低下をもたらしたことを示している。エストラジオールは約2時間で迅速に吸収され、これは持続放出特性を追求する従来技術の製剤よりも有意に速い。エストラジオールの迅速な吸収は、液体製剤での投与の結果であると考えられている。
驚くべきことに、4μgの製剤は、25μgおよび10μgの投与量レベルと同様に、2週間で臨床的有効性を示した。これらのデータは、4μgが有効用量であり、投与の早くも2週間後には最も厄介な症状の性交疼痛に対して有効となり得ることを実証する。
(乾燥)
4μg、10μg、および25μgの製剤試験のそれぞれは、最も厄介な症状の乾燥について、2週目に早期の作用発現を示し、表54に統計的に有意な結果(p値で測定)によって証明されている。2週間後、各用量は、最も厄介な症状の乾燥の改善におけるプラセボからの分離を実証した。
(刺激/かゆみ)
外陰部および/または膣のかゆみもしくは刺激は、10μgでは8および12週目に、25μgでは12週目に有意に改善した(p<0.05)。さらに、4μgの傾向は、かゆみの前週比での改善であり、12週目にはほぼ統計的に有意になった。
以下に示すPKデータと組み合わせると、これらの結果は、本明細書に開示の製剤が投与2時間以内にエストラジオールのボーラスを提供し、早くも2週間後に乾燥の重症度の低下をもたらしたことを示している。エストラジオールは約2時間で迅速に吸収され、これは持続放出特性を追求する従来技術の製剤よりも有意に速い。エストラジオールの迅速な吸収は、液体製剤での投与の結果であると考えられている。
驚くべきことに、4μgの製剤は、25μgおよび10μgの投与量レベルと同様に、2週間で臨床的有効性を示した。これらのデータは、4μgが有効用量であり、投与の早くも2週間後には最も厄介な症状の乾燥に対して有効となり得ることを実証する。
上記のように、膣表層細胞および傍基底細胞のパーセンテージ、膣pH、および性交疼痛の重症度(複数主要評価項目)において、ベースラインから12週目の変化について各用量をプラセボと比較した。応答者(12週目に以下の≧2を有する女性と定義される:膣表層細胞>5%、膣pH<5.0、ベースラインからの疼痛緩和スコアの≧1のカテゴリー改善)の割合を、TX-004HR群およびプラセボ群で比較した。複数主要評価項目の予め指定した下位集団分析を、年齢(≦56歳、57〜61歳、および≧62歳)、BMI(≦24kg/m2、25〜28kg/m2、および≧29kg/m2)、子宮の状態、パリティ、ならびに膣出産別に分析した。薬物動態(PK)パラメータを、主試験の下位分析でプラセボと比較した。
応答者の割合は、全てのTX-004HR用量群でプラセボと対比して有意に高かった(全てについてp<0.0001)。プラセボと対比して、全てのTX-004HR用量は、12週間で表層細胞および傍基底細胞のパーセンテージ、膣pH、ならびに性交疼痛の重症度を有意に改善した。下位集団分析は、年齢、BMI、子宮の状態、パリティ、および膣出産とは無関係に、表層細胞および傍基底細胞のパーセンテージならびに膣pHについて概して類似した結果を示した。性交疼痛の重症度は、ほとんどの下位集団において、プラセボと対比して全てのTX-004HR用量で12週間で有意に減少した(表57A)。
以下により詳細に記載するPK下位分析(n=72)では、4μgおよび10μgのTX-004HRでのE2およびエストロン(E1)のAUCおよびCavgパラメータがプラセボと同様であることを見出した。増加は、プラセボと対比して25μgでのE2のAUCおよびCavgで起きたが、閉経後の正常範囲内にとどまった。84日目のE2レベルは、TX-004HR群とプラセボとで同様であり、全身的な薬物蓄積はないことが示された。
TX-004HRの全ての用量は安定した有効性と関連しており、表層細胞を増加させ、傍基底細胞および膣pHを低下させ、性交疼痛の重症度を低下させることについて、プラセボと対比して統計的に有意な差を実証した。年齢、BMI、子宮の状態、パリティおよび膣出産は、概してTX-004HRの有効性に影響しなかった。これらの結果は、4μg、10μg、および25μgのTX-004HRエストラジオール用量の無視できる全身吸収で起こった。
試験の副次評価項目である膣上皮の目視評価は、ベースラインおよび2、6、8、および12週目の婦人科検査中に実施した。4点スコア(0=なし、1=軽度、2=中程度、3=重度)を用いて、膣の色、膣上皮の完全性、膣上皮表面の厚さ、および膣分泌物の変化を評価した。混合効果モデル反復測定(MMRM)分析を用いて、ベースラインから各時点までの変化をプラセボと比較した。
ベースラインにおいて、女性は、膣の色について1.8、上皮の完全性について1.5、上皮表面の厚さについて1.9、および分泌物について1.7の平均スコアを有した。これらのスコアは、蒼白、膣壁の完全性および厚さ、ならびに分泌物の減少を反映するVVAと一致した。TX-004HRの3つの用量全てについて、プラセボと比較して、ベースラインから第2、6、8および12週(表57B;図19A〜図19D)までの有意な改善が、膣の色(白〜ピンク)、上皮の完全性、上皮表面の厚さおよび分泌物(全てについてp<0.001)において観察された。12週間後、能動的TX-004HR治療群の女性は、4つの全ての特性評価カテゴリーにおいて、平均スコアが1未満であった。3つのTX-004HR群における女性の膣の目視検査はで、検査された全ての膣パラメータにおいて、プラセボ被験体よりも全ての時点で、ベースラインからの大きな改善が報告された。これらの改善された膣の視覚スコアは、閉経後女性における中程度〜重度のVVAの治療でのTX-004HR(4μg、10μg、および25μg)の有効性の他の観察された測定値を反映し、全身E2吸収は無視できる程度から極めて低い。
全ての被験体を治療とは独立して分析すると、12週目での個人の目視検査スコアの合計と性交疼痛の重症度(r=0.31;p<0.0001)、ならびに膣乾燥の重症度(r=0.38;p<0.0001)との間には直接相関が観察された。図20Aおよび図20Bを参照。興味深いことに、プラセボで治療された女性も、2週目でスコアの改善を示したが、TX-004HRで治療された女性は12週間の治療を通して継続した改善を示し、そのような継続した改善はプラセボでは同程度には観察されなかった。プラセボで観察された改善について考えられる3つの説明には、全ての軟質ゲルカプセルに含まれる分画ヤシ油である賦形剤Miglyolの潜在的な潤滑作用、性的活動の増加に起因する膣潤滑に基づく外観の改善、および/または改善が期待され得るように検査を行う医師側にかかる偏見が挙げられる。それにもかかわらず、TX-004HRは依然として、評価された徴候およびVVAの症状をプラセボよりも有意に改善した。
4点評価ツールを用いた膣の目視検査で、この試験において性交疼痛および膣乾燥との間に正の相関が認められたため、このツールは、医療従事者がVVAを診断してその治療を評価するのに役立ち、医療従事者が患者と敏感な話題について議論を開始するための手段を提供する可能性がある。いくつかの大規模な試験では、患者ば恥ずかしいか、VVAとその治療について知識が足りないか、話題が議論に適していないと考えているため、患者が外陰膣健康を医療従事者と率直に議論することは困難であることが示された。したがって、VVAの症状を患う閉経後女性の50%のうち、治療を受ける人ははるかに少ない。膣の目視検査は、施術者が性交疼痛および膣乾燥の危険にさらされている女性を識別するのに役立ち、性交疼痛および乾燥などのVVA症状に関する対話に女性を積極的に関与させ、利用可能な治療オプションについて話し合うことを可能にし得る。
(実施例12:薬物動態学は、無作為化二重盲検プラセボ対照多施設試験をもたらす。)
一部の承認された局所エストロゲンはVVAを効果的に治療するが、全身性エストラジオールが局所投与によって増加する可能性がある。TX-004HRは、可溶化された天然エストラジオールを含有する新規低用量膣軟質ゲルカプセルであり、無視できる全身吸収で優れた有効性を提供するように設計されている。TX-004HRと承認された低用量膣エストラジオール錠剤では、最大3分の1の全身エストロゲンレベルが以前に報告されていた。本試験は、中程度〜重度の性交疼痛を伴う閉経後の女性において、PKによって測定されるように無視できる全身吸収でVVAの有効性が達成され得ることを示す。
本明細書で使用される用語「最小全身作用」、「低全身吸収」、および「無視できる全身吸収」は、開示の製剤および方法が、女性、特にVVAおよび/または性交疼痛を患う女性において、エストラジオールの低〜最小吸収をもたらすことを意味する。事実、驚くべきことに、開示の製剤および方法は、閉経後の範囲にとどまるエストラジオールの無視できる程度〜非常に低い全身吸収をもたらすことが分かった。この発見は、プラセボと比較してエストラジオールのCmaxおよびAUCレベルが統計的に微分可能でないことを示す本明細書に提供される実施例によって裏付けられ、本明細書に開示の製剤は無視できる全身作用を有することを示す。したがって、開示の製剤および方法は、全身レベルを増加させることなく、VVAおよび/または性交疼痛を患う患者に局所的な利益を有利にもたらす(すなわち、開示の製剤は、表層細胞の増加、傍基底細胞の減少、およびpHの低下に極めて有効である)。
PK下位検査は、プラセボと比較したTX-004HR(4μg、10μg、および25μg)の、閉経後の中程度〜重度の性交疼痛の治療に関する有効性および安全性を評価する大規模多施設二重盲検無作為化プラセボ対照第3相試験の一部であった。女性はTX-004HRまたはプラセボを1日1回2週間、その後週2回10週間受けた。
この試験では、エストラジオール25μg、10μg、4μg、およびプラセボの1日1回の膣内投与に続くエストラジオールへの全身ばく露を、本明細書に記載されているように1、14、および84日目に調査した。3つの用量全てのエストラジオール、エストロン、およびエストロン抱合体について、以下の表ならびに図21および図22に示すように、各サンプリング時間で採取した血漿エストラジオール濃度および観察されたCmax値の記述統計量を記録した。血清エストラジオール、エストロン、エストロン抱合体、および性ホルモン結合グロブリンを測定した。
PKでは、1日目および14日目に、エストラジオール、エストロン(E1)、およびエストロン抱合体(E1C)について、投与前および投与の2、4、6、10、および24時間後に血清を採取した。ベースライン調整された結果をここに表示する;未調整データを表示する。有効性評価項目は、膣表層細胞(%)、膣傍基底細胞(%)、膣pH、および性交疼痛の重症度についてのベースラインから12週目の変化であった。副次評価項目は、乾燥およびかゆみ/刺激の重症度であった。血液化学は12週目に試験した。
下位試験は、11施設で72人の女性(平均年齢59歳)を無作為化した。エストラジオールの平均濃度-時間曲線下面積(AUC)および平均濃度(Cavg)は、プラセボと対比して、4μgおよび10μgのTX-004HRで有意差はなかったが、25μgでは1日目(AUC 130対13.8時間*pg/mLおよびCavg 5.4対0.4pg/mL)および14日目(AUC 84.6対7.1時間*pg/mLおよびCavg 3.5対-0.2pg/mL)に有意に高かった。
平均エストラジオールピーク濃度(Cmax)は、4μg(1日目:2.6pg/mL;14日目:1.3pg/mL)では、プラセボ(1日目:2.1pg/mL;14日目:1.0pg)に対して有意差はなく、有意であったが、10μg(第1日目:6.0pg/mL;第14日目:3.0pg/mL)では無視できる程度であり、25μgでは非常に低かった(第1日目:26.2pg/mL;14日目:12.0pg/mL)。
AUCが25μg(2454対83.0時間*pg/mL)、Cmaxが10μgおよび25μg(90.2および198.6pg/mL、それぞれ対27.1pg/mL)、Cavgが10μg(8.0対-33.7pg/mL)で有意に高かった1日目のE1Cを除いて、E1およびE1CのAUC、Cavg、Cmax、Cminはプラセボと差がなかった。
全試験において、TX004-HRは、12週目で3用量全てにおいて、プラセボと比較して、性交疼痛、膣乾燥および刺激の症状に対して安定した有効性を示した。
膣TX-004HRは、閉経後の範囲にとどまるエストラジオールの無視できる程度〜非常に低い全身吸収をもたらした。TX-004HRは、徴候およびVVAの症状を改善した。この試験は、全身ばく露を増加させることなく、エストラジオールの局所的利点を支持する。
エストラジオールの薬物動態データは、本明細書に開示の製剤の3つの用量全てについて迅速な吸収を実証する。驚くべきことに、薬物動態データは、3つの用量全てにおいて極めて低かったが、各用量は、表層細胞の増加、傍基底細胞の減少、およびpHの低下において極めて有効であった。
本明細書に開示の医薬組成物は、VVAの治療のための他の選択肢よりも改善された安全性プロファイルを提供する。有効性を保持しながらの低全身性エストラジオールの組み合わせは、3つの用量全てにおいて驚くべき結果であった。
(エストラジオール濃度)
(エストラジオール曲線下面積(0〜24時間))
エストラジオールCmax
エストラジオールCavg
エストラジオールTmax
エストロン濃度
エストロン曲線下面積(0〜24時間)
エストロンCmax
エストロンCavg
エストロン抱合体
エストロン抱合体曲線下面積(0〜24時間)
エストロン抱合体Cmax
エストロン抱合体Cavg
エストロン抱合体Tmax
第3相試験では、プラセボと比較したTX-004HRの全用量(MITT n=747)が、2週目〜12週目で4つの複数主要評価項目を有意に改善し、ならびに副次評価項目の膣乾燥を6週目までに、外陰部および/または膣のかゆみもしくは刺激を12週目までに(4μgを除く、p=0.0503)有意に改善し、治療に関連する重篤なAEの報告なしに、良好に耐容された。第3相PK試験(n=72)は、4μgおよび10μgのTX-004HR対プラセボについて、AUCおよびCavgで測定した場合、全身E2レベルの差異を示さなかった。25μgのTX-004HRでのE2 AUCおよびCavgはプラセボより高かったが、平均濃度は正常閉経後範囲内にとどまった(表142)。84日目のE2レベルはプラセボと同様であり、全身的な薬物蓄積がないことを示した。SHBG濃度は治療によって変化しなかった。10μgおよび25μgのTX-004HRの2つの第2相試験(それぞれn=36)は、同一用量で承認されたE2錠剤より統計的に有意に低いE2吸収をもたらし、25μgのTX-004HRは承認薬の1/3未満のAUCを示した(表143)。
安定した有効性は、3つの用量全てで早くも2週間および12週間までに明らかになり、4μgおよび10μgのTX-004HRは無視できる全身性E2吸収を示したが、25μgは第3相試験で非常に低いE2の全身吸収をもたらした。10μgおよび25μgのTX-004HRは、同等の用量の承認されたE2錠剤よりも低い全身E2ばく露を示した。E2濃度の臨床的に有意な増加の欠如は、全身効果の欠如(例えば、SHBGの増加がない)と一致するデータと組み合わせて、TX-004HRが、無視できる程度〜非常に低い全身ばく露を伴う優れた有効性を提供することを示す。
投与後4時間の通常の日常活動の影響を、投与後4時間仰臥位に留まる影響と比較して、TX-004HR 25mcgの薬物動態(PK)プロファイルに対して評価した。2つの試験では、同じ部位で、同じ16人の健常な閉経後女性被験体を、投与前から投与後4時間を通しての少なくとも10時間絶食させた。被験体は、訓練を受けた女性研究員によって膣内投与され、25mcgの用量のTX-004HRを受けた。初回投与の後、被験体に投与後4時間仰臥位に留まるよう求めた。2回目の投与後、5分の休憩時間の後、被験体に診療所で歩行し、投与後4時間は後ろに倒れることを控えるよう指示した。投与後24時間まで所定の間隔で血液試料を収集した。LC-MS/MSを用いて、血漿試料をエストラジオールについて分析した。例えば、図23を参照。PPパラメータは、ベースライン補正を用いて個人および群平均ベースで計算した。
エストラジオールの平均CmaxおよびAUC0-24は、歩行と仰臥とで有意差はなかった。個々の被験体ベースでは、大多数は、歩行と仰臥とで同様のCmaxおよびAUC0-24レベルを示した。群平均および個々の被験体Tmaxの類似性から明らかなように、吸収速度に影響を及ぼす姿勢の徴候はなかった。さらに、個々の時点ベースで比較した場合、群平均プロファイル間に差はなく、姿勢が吸収に影響を及ぼさないことがさらに実証された。25mcgのTX-004HRにおけるエストラジオールの全身ばく露は概して低く、被験体が投与後4時間歩行可能であったか仰臥位であったかにかかわらず発生した。製剤の重要な利点は、投与後に仰臥位に留まる必要がある他の既知の製剤とは対照的に、製剤が投与された直後に女性が歩行することができることである。一般に、他の既知製剤は、仰臥状態である必要があるため、就寝前の夜間の投与を指示するが、本明細書に開示の医薬組成物は膣組織に付着し、カプセルは迅速に溶解し、製剤は膣内に放出され、膣組織に迅速に吸収されるため、その要求は、本明細書に開示の医薬組成物においては不要である。活性レベルはエストラジオールの全身吸収に悪影響を及ぼさないため、本発明の製剤は患者の投与計画についてさらに柔軟に対応する。
(実施例13:無作為化、二重盲検、プラセボ対照多施設試験における安全性結果。)
本試験における安全性評価項目には、バイタルサイン、臨床検査(血液化学、血液学、ホルモンレベル、尿分析)、ECG、身体および婦人科検査所見、パップスメア、子宮内膜生検、および有害事象(AE)が含まれていた。AEには、被験治療が施されたか否かにかかわらず、ウォッシュアウト期間を含む全ての試験段階の間のどの時点でも起こる望ましくない病状が含まれていた。AEは、試験薬物投与後に生じた場合、または投与後120日間の追跡調査中にそれが既に存在して悪化していた場合には、治療下での発現と考えられた。参加者には、製品の使用、性行為、症状/愁訴、およびその他の薬を記録するという指示と共に日誌を与えた。AE、併用薬、およびバイタルサインを記録し、スクリーニングから12週目までの各試験来院時に評価した。
TX-004HRは良好な安全性プロファイルを有し、良好に耐容された。AEの臨床的に有意な差は、治療群とプラセボ群との間で観察されなかった(表144)。頭痛は最もよく報告されたTEAEであり、続いて膣分泌、鼻咽頭炎、および外陰膣掻痒があった(表144)。頭痛は、プラセボを受けた女性よりもTX-004HRを受けた女性において数値的により多かった唯一の治療関連TEAEであった(4μg用量で3.7%対プラセボで3.1%)。膣分泌は、TX-004HR群のいずれにおいても、プラセボ群の女性よりも数値的に少数の女性から報告された。ほとんどのTEAEは重症度が軽度〜中程度であった。AEのために試験を中止した参加者はほとんどいなかった(1.8%)。
9個の重度のTEAEが8人の被験体で報告された;しかしながら、いずれも治療に関連すると考えられていなかった。完全心ブロック、虫垂炎、眼内炎、および慢性閉塞性肺疾患は、それぞれ25μg群の異なる参加者から報告された。1人の女性については洞結節機能不全および足関節骨折の両方が報告され、10μg群では1人の女性について関節痛および悪性黒色腫がそれぞれ報告された。4μg群の女性では重度のTEAEの報告はなかった。プラセボ群の1人の女性が頸髄症を患うと報告された。試験中に死亡者は生じなかった。
12週目に子宮内膜生検による子宮内膜過形成または悪性腫瘍の診断は観察されなかった。総コレステロールは、ベースラインから12週目までに、平均で、治療群では0.024mmol/L〜0.07mmol/L、プラセボ群では0.008mmol/L数値的に減少した。トリグリセリドの臨床的に有意な増加は、プラセボと比較して、いずれの能動的治療群においても観察されなかった。性ホルモン結合グロブリン(SHBG)濃度(72人の女性のサブセットで測定)は、12週目にプラセボまたはベースラインと比較して治療で増加しなかった。いずれの検査室パラメータでも臨床的に有意な変化は見られなかった。
第3相臨床試験は、4μg、10μg、および25μg用量のTX-004HRが、膣の変化および閉経後女性の自己報告したVVA症状を治療するのに安全で有効であることを実証した。4つの予め指定した複数主要評価項目(膣表層細胞のパーセンテージの増加、膣傍基底細胞のパーセンテージおよび膣pHの減少、ならびに性交疼痛のMBSの重症度の低下)の統計的に有意で臨床的に有意な改善は、プラセボと比較してTX-004HRの3つの用量全てにおいて早くも2週間で発生し、12週間の試験を通して持続した。さらに、膣乾燥および外陰部または膣の刺激およびかゆみの副次評価項目について改善が見られた。これらの改善は、全身エストロゲン濃度を増加させることなく(4μgおよび10μg)、または薬物動態試験で見られるように無視できる全身エストロゲンばく露(25μg)で達成された。TX-004HRは良好に耐容もされ、いずれのAEまたは治療関連AEにおいても治療群とプラセボ群との間に臨床的に有意な差はなく、治療に関連する重度のAEはない。
結果は、VVAの臨床徴候における早期の作用発現を、プラセボと比較して統計的に有意に改善された変化と共に示す。この有効性結果は、10μgの膣エストラジオール錠剤をプラセボと比較した12週間の無作為化対照試験のデータよりも幾分数値的に高かったが、これは、プラセボと比較して、表層細胞および傍基底細胞のパーセンテージおよびpHの有意な改善を示した(非特許文献11を参照)。12週目では、10μgのエストラジオール錠剤での改善(表層細胞で13%、傍基底細胞で37%、膣pHで-1.3の変化)は、この試験で10μgのTX-004HR用量で観察されたもの(表層細胞で17%、傍基底細胞で-44%、膣pHで-1.4の変化)よりも小さかった。いくつかの客観的(細胞およびpH)評価項目の改善は、治療の2週間以内にエストラジオール錠剤で見られたが、主観的症状の複合スコアにおける患者報告の改善は、治療の8週目まで観察されず、これは多くのユーザーにとって不利と認識される可能性がある。その臨床試験は、個々の症状を評価しなかった。10μgおよび25μgのエストラジオール錠剤の2回目の無作為化対照試験は、同様に、膣症状の複合スコアにおいていずれの用量でも治療(週2回、NS)の7週目まで、プラセボに対して有意な改善を見出さなかった。同様に、SERM、オスペミフェンを、性交疼痛の治療について臨床試験で評価し、統計的に有意な改善は12週目まで観察されなかった。非特許文献14;非特許文献15を参照。
重要なことに、本明細に報告された結果は、TX-004HRの3つの用量全てで2週間以内の性交疼痛の有意な改善を示し、重症度スコアの減少は12週目で1.5〜1.7点であり、現在承認されている他の性交疼痛治療について報告されている1.2〜1.6点の減少と同等またはそれ以上であった。VAGIFEM(登録商標)(エストラジオール膣錠剤)処方情報。バウスベア、デンマーク:Novo Nordisk Pharmaceuticals社;2012年;PREMARIN(登録商標)(抱合エストロゲン錠剤、USP)処方情報。フィラデルフィア、ペンシルベニア州:Wyeth Pharmaceuticals社;2010年;OSPHENA(登録商標)(オスペミフェン)錠剤、経口使用。処方情報。Shionogi社2013年を参照。
さらに、膣乾燥は、10μgおよび25μgのTX-004HRで2週目から改善した。TX-004HRと同じくらい早期にVVAに関連した膣乾燥の症状に作用発現する現在利用可能な製品は、報告されていない。さらに、TX-004HR10μgおよび25μgは、膣刺激および/またはかゆみの有意な改善を12週目で示したが、現在市販されている製品はいずれもこれらの症状を改善すると報告されていない。非特許文献16;非特許文献17を参照。
米国における閉経後女性の大規模な調査に基づくと、ごくわずかな割合(7%)の女性のみが、自身のVVAについて処方膣エストロゲン療法を単独で受けると考えられており、これはおそらく、利用可能な治療に関する情報の欠如、医療従事者との主題に関する話し合いの回避、または現在入手可能な製品に対する不満のためである(例えば、非特許文献18を参照)。アプリケーターまたは個々の用量の測定の必要性を排除することは、女性により肯定的なユーザーエクスペリエンスをもたらし、したがって潜在的により良好なコンプライアンスをもたらし、全体的に良好な治療効果をもたらすことを意図している。
この試験におけるTX-004HRの結果は、局所膣エストロゲン療法の利点の1つを例示する:全身エストロゲン濃度を増加させることなしでの迅速な症状の解消。エストラジオールの濃度-時間平均曲線下面積(AUC)および平均濃度(Cavg)は、プラセボと4μgおよび10μgのTX-004HRとで有意差はなかった。統計的に高いエストラジオールのAUCは25μgの用量で観察されたが、エストラジオールレベルは閉経後の範囲内に留まり、84日までに蓄積の証拠はなかった。全身吸収は無視できる程度であったが、迅速な有効性が、投与の2週間以内に全ての用量のTX-004HRで観察された。
TX-004HRは良好に耐容された。膣分泌および外陰膣掻痒症を含む4つの最もよく報告されたTEAEは、プラセボ群よりもTX-004HR群においてより少数の女性が経験し、大部分は重症度が軽度から中程度であった。これに対して、オスペミフェンの有効性に関する12週間の試験では、オスペミフェン群ではプラセボ群よりも膣分泌が6倍より高い頻度で報告されている(非特許文献15を参照)。また、12ヶ月間の無作為化試験で、Vagifem 10-μg錠剤で治療された女性では、生殖器掻痒症がプラセボよりも4倍高い頻度で報告された(Vagifem(登録商標)(エストラジオール膣錠)処方情報。バウスベア、デンマーク:Novo Nordisk Pharmaceuticals社;2012年を参照)。重要なことに、TX-004HR後の子宮内膜所見は、12週目の生検で過形成または悪性腫瘍が報告されなかったため、良性であった。効果の発現は早くも2週間で見られ、試験を通して維持された。TX-004HRは本明細書で報告されているように良好に耐容され、全身エストロゲンばく露は薬物動態試験によって実証されたように無視できる程度〜非常に低かった。
(実施例14:無作為化二重盲検プラセボ対照多施設試験における女性性機能指数の結果。)
本試験は、無作為化二重盲検プラセボ対照多施設第3相試験であった。治療薬は、1日1回を2週間、次いで1週間に2回を10週間、経膣自己投与された。女性性機能障害(FSD)は、多次元女性性機能指数(FSFI)をベースラインおよび12週目に用いて評価された。FSFIは、性的興奮、欲求、オーガズム、潤滑、および痛みの分野を評価するために設計された19の質問からなる簡単で有効な自己報告アンケートである。この指数は、可能な最大スコア36のうち≦26.55の総FSFIスコア(個々の分野スコアの合計)によって性機能障害を規定する。
膣の細胞学的スメアに≦5%の表層細胞;膣pH>5.0;中程度〜重度の性交疼痛の自己認識された最も厄介な症状(MBS);および試用期間中に予期される性的活動(膣挿入を伴う)を有した場合、閉経後女性(40〜75歳; BMI≦38kg/m2)を含めた。膣潤滑剤および湿潤剤を含む外陰部および膣萎縮(VVA)治療は、スクリーニングの7日前以内に中止した。経口エストロゲン、プロゲスチン、アンドロゲン、またはSERM含有医薬品の使用は、試験開始の8週間以内に禁止された。合計および個々のドメインFSFIスコアにおけるベースラインからの変化を、各用量について、ベースラインを共変量としてANCOVAを用いてプラセボと比較した。
764人の閉経後女性を、4μg(n=191)、10μg(n=191)、または25μg(n=190)の膣エストラジオール軟質ゲルカプセルまたはプラセボ(n=192)に無作為に割り付けた。女性の大部分は白人(87%)で、平均年齢は59歳、平均BMIは26.7kg/m2であった(表145)。FSFIアンケートには、PK下位試験に入らなかった人が回答した(n=692;90.6%)。全ての女性の平均ベースライン総FSFIスコア14.8は、被験体のFSDを示した。
女性性機能指数(FSFI)総要約スコアは、来院2および6で記述的に要約された数値的に連続した指標であり、総要約スコア(来院6-来院2)の変化も、記述的に要約された。ドメインサブスコアおよびドメインサブスコアの変化も、記述的に要約された。要約は、治療群、全ての能動的治療群を合わせたものである。
さらに、数値的に連続する各評価項目について、プラセボ群からの各能動的治療群のベースラインからの平均値の変化を評価した。治療とプラセボのLS平均変化の差に対する最小二乗(LS)平均変化および95%CIが提供される。FSFIアンケートは、6個の分野に分かれた19の質問で構成され、最小合計スコア2.0、最大スコア36.0点である。PK下位試験の被験体を除いて、FSFIアンケートを無作為化した集団に施行した。ベースライン時、全体平均総スコアは14.8(4μg群では14.8;10μg群では15.8;25μg群では14.2;プラセボ群では14.4)であった。ベースラインから12週目までのFSFI総スコアおよび分野スコアのLS平均変化を表146に要約する。
FSFI総スコアおよびプラセボと比較した分野におけるベースラインから12週目の変化を評価した。
12週間後、総FSFIスコアは、プラセボを含む全ての群において、ベースラインから数値的に改善された。総FSFIスコアは、プラセボに対して10μg群(p<0.05)および25μg群(p=0.0019)で有意に増加した(図24)。
FSFI潤滑および疼痛分野スコアは、プラセボを含む全ての群においてベースラインから12週目で数値的に改善された;10μg群および25μg群での改善は、プラセボ群よりも統計的に有意に大きかった(図25A)。25μgの組成物は、FSFI性的興奮(p=0.0085)および満足度(p=0.0073)分野スコアを12週目で有意に改善した(図25B、図25C)。3つの用量は全て、欲求およびオーガズムのFSFI分野に対する効果においてプラセボに匹敵した(図25D、図25E)。4μgの組成物およびプラセボは、同様のレベルの改善をもたらした。組成物は、用量依存的にFSFIを改善し、25μgの用量が最も大きく改善した。3つの用量は全て有効であり、主観的症状の数値的改善は10および25μg群の被験体で最も高かった。観察されたプラセボ応答は、プラセボの製剤中およびエストラジオール組成物中のヤシ油(Miglyol)に起因する可能性があり、これは、観察された利益にも寄与し得る。
(例示的な実施形態)
本明細書に開示の主題に従って提供される例示的な実施形態には、限定されないが、請求項および以下の実施形態が含まれる:
1 外陰膣萎縮症(VVA)の症状を治療する方法であって、
VVAを患う被験体に4μg〜25μgのエストラジオールを含む膣坐剤を投与する工程を含み、
該治療が、初回投与から2週間以内に効果がある、方法。
2 該エストラジオールの投与に関連する頭痛以外の有害事象が、プラセボの投与に関連する有害事象と有意差がない、実施形態1に記載の方法。
3 VVAの該症状が、膣乾燥、性交疼痛、膣または外陰部の刺激、灼熱感、もしくはかゆみ、排尿障害、および性的活動に関連する膣出血から選択される1つ以上の症状を含む、実施形態1または実施形態2に記載の方法。
4 被験体の膣分泌のレベルの増加が、目視検査によって評価されることを含む、実施形態1〜3のいずれか一つに記載の方法。
5 該被験体の膣粘膜皺数の増加が、目視検査によって評価されることを含む、実施形態1〜4のいずれか一つに記載の方法。
6 該被験体の膣出血または点状出血の減少が、目視検査によって評価されることを含む、実施形態1〜5のいずれか一つに記載の方法。
7 該被験体の膣粘膜の色の、透明からピンクへの、または淡いピンクからピンクへの変化が、目視検査によって評価されることを含む、実施形態1〜6のいずれか一つに記載の方法。
8 該治療が、膣乾燥の重症度を2週間以内に低下させる、実施形態1〜7のいずれか一つに記載の方法。
9 該治療が、外陰部または膣のかゆみの重症度を2週間以内に低下させる、実施形態1〜8のいずれか一つに記載の方法。
10 該治療が、性交疼痛の重症度を2週間以内に低下させる、実施形態1〜9のいずれか一つに記載の方法。
11 該膣坐剤が可溶化剤をさらに含み、該可溶化剤が、少なくとも1つのC6〜C12脂肪酸またはグリコール、そのモノグリセリド、ジグリセリド、もしくはトリグリセリドエステルを含む、実施形態1〜10のいずれか一つに記載の方法。
12 該膣坐剤が4μgのエストラジオールを含む、実施形態1〜11のいずれか一つに記載の方法。
13 該膣坐剤の投与が、該患者からの血漿試料において、以下から選択される1つ以上のパラメータを与える、実施形態12に記載の方法:
1)1日目の評価で約73.3pg*時間/mL〜約114.7pg*時間/mLに及ぶエストラジオールの未調整算術平均曲線下面積(AUC)0-24;
2)1日目の評価で約3.1pg/mL〜約4.8pg/mLに及ぶエストラジオールの補正算術平均ピーク血漿濃度(Cavg[0-24]);
3)14日目の評価で約69.7pg*時間/mL〜約108.9pg*時間/mLに及ぶエストラジオールの未調整算術平均曲線下面積(AUC)0-24;および
4)14日目の評価で約2.8pg/mL〜約4.6pg/mLに及ぶエストラジオールの補正算術平均ピーク血漿濃度(Cavg [0-24])。
13 該膣坐剤の投与が、該患者からの血漿試料において、1日目の評価で約2.0pg/mL〜約3.3pg/mLに及ぶエストラジオールの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax)を与える、実施形態12に記載の方法。
14 該膣坐剤の投与が、該患者からの血漿試料において、14日目の評価で約1.0pg*時間/mL〜約1.7pg*時間/mLに及ぶエストラジオールの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax)を与える、実施形態12または実施形態13に記載の方法。
15 該膣坐剤の投与が、該患者からの血漿試料において、1日目の評価で約9.5pg*時間/mL〜15.1pg*時間/mLに及ぶエストラジオールの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24を与える、実施形態12〜14のいずれか一つに記載の方法。
16 該膣坐剤の投与が、該患者からの血漿試料において、14日目の評価で約5.7pg*時間/mL〜約9.1pg*時間/mLに及ぶエストラジオールの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24を与える、実施形態12〜15のいずれか一つに記載の方法。
17 該膣坐剤が10μgのエストラジオールを含む、実施形態1〜11のいずれか一つに記載の方法。
19 該膣坐剤の投与が、該患者からの血漿試料において、以下から選択される1つ以上のパラメータを与える、実施形態17に記載の方法:
1)1日目の評価で約110.3pg*時間/mL〜約172.6pg*時間/mLに及ぶエストラジオールの未調整算術平均曲線下面積(AUC)0-24;
2)1日目の評価で約4.6pg/mL〜約7.8pg/mLに及ぶエストラジオールの補正算術平均ピーク血漿濃度(Cavg [0-24]);
3)14日目の評価で約87.9pg*時間/mL〜約137.4pg*時間/mLに及ぶエストラジオールの未調整算術平均曲線下面積(AUC)0-24;および
4)14日目の評価で約3.6pg/mL〜約5.8pg/mLに及ぶエストラジオールの補正算術平均ピーク血漿濃度(Cavg [0-24])。
18 該膣坐剤の投与が、該患者からの血漿試料において、1日目の評価で約4.7pg/mL〜約7.6pg/mLに及ぶエストラジオールの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax)を与える、実施形態17に記載の方法。
19 該膣坐剤の投与が、該患者からの血漿試料において、14日目の評価で約2.3pg/mL〜約3.8pg/mLに及ぶエストラジオールの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax)を与える、実施形態17または実施形態18に記載の方法。
20 該膣坐剤の投与が、該患者からの血漿試料において、1日目の評価で約17.5pg*時間/mL〜約27.4pg*時間/mLに及ぶエストラジオールの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24を与える、実施形態17〜19のいずれか一つに記載の方法。
21 該膣坐剤の投与が、該患者からの血漿試料において、14日目の評価で約10.9pg*時間/mL〜約17.2pg*時間/mLに及ぶエストラジオールの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24を与える、実施形態17〜20のいずれか一つに記載の方法。
22 該膣坐剤の投与が、該患者からの血漿試料において、1日目の評価で約0.6pg/mL〜約1.1pg/mLに及ぶエストラジオールの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cavg)を与える、実施形態17〜21のいずれか一つに記載の方法。
23 該膣坐剤の投与が、該患者からの血漿試料において、14日目の評価で約0.1pg/mL〜約0.3pg/mLに及ぶエストラジオールの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cavg)を与える、実施形態17〜22のいずれか一つに記載の方法。
24 該膣坐剤が25μgのエストラジオールを含む、実施形態1〜11のいずれか一つに記載の方法。
27 該膣坐剤の投与が、該患者からの血漿試料において、以下から選択される1つ以上のパラメータを与える、実施形態24に記載の方法:
1)1日目の評価で約173.5pg*時間/mL〜約271.3pg*時間/mLに及ぶエストラジオールの未調整算術平均曲線下面積(AUC)0-24;
2)1日目の評価で約7.2pg/mL〜約11.4pg/mLに及ぶエストラジオールの補正算術平均ピーク血漿濃度(Cavg [0-24]);
3)14日目の評価で約137.5pg*時間/mL〜約215.1pg*時間/mLに及ぶエストラジオールの未調整算術平均曲線下面積(AUC)0-24;および
4)14日目の評価で約5.7pg/mL〜約9.0pg/mLに及ぶエストラジオールの補正算術平均ピーク血漿濃度(Cavg [0-24])。
25 該膣坐剤の投与が、該患者からの血漿試料において、1日目の評価で約20.9pg/mL〜約32.8pg/mLに及ぶエストラジオールの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax)を与える、実施形態24に記載の方法。
26 該膣坐剤の投与が、該患者からの血漿試料において、14日目の評価で約9.5pg/mL〜約15.1pg/mLに及ぶエストラジオールの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cmax)を与える、実施形態24または実施形態25に記載の方法。
27 該膣坐剤の投与が、該患者からの血漿試料において、1日目の評価で約104.3pg*時間/mL〜約163.1pg*時間/mLに及ぶエストラジオールの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24を与える、実施形態24〜26のいずれか一つに記載の方法。
28 該膣坐剤の投与が、該患者からの血漿試料において、14日目の評価で約67.6pg*時間/mL〜約105.8pg*時間/mLに及ぶエストラジオールの補正幾何平均曲線下面積(AUC)0-24を与える、実施形態24〜27のいずれか一つに記載の方法。
29 該膣坐剤の投与が、該患者からの血漿試料において、1日目の評価で約4.3pg/mL〜約6.8pg/mLに及ぶエストラジオールの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cavg)を与える、実施形態24〜28のいずれか一つに記載の方法。
30 該膣坐剤の投与が、該患者からの血漿試料において、14日目の評価で約2.7pg/mL〜約4.4pg/mLに及ぶエストラジオールの補正幾何平均ピーク血漿濃度(Cavg)を与える、実施形態24〜29のいずれか一つに記載の方法。
31 該膣坐剤の投与が、該患者からの血漿試料において、約0.25時間〜約2時間のエストラジオールのピーク血漿濃度到達補正幾何平均時間(Tmax)を与える、実施形態12〜30のいずれか一つに記載の方法。
32 該膣坐剤が、該可溶化剤中に親水性ゲル形成生体接着剤を含まない、実施形態1〜31のいずれか一つに記載の方法。
33 該膣坐剤においてエストラジオールが唯一の活性ホルモンである、実施形態1〜32のいずれか一つに記載の方法。
34 該投与が、2週間にわたって毎日行われ、その後は週2回行われる、実施形態1〜33のいずれか一つに記載の方法。
35 該被験体が、該膣坐剤の投与の約5分後に開始し、該膣坐剤の投与の約4時間後に終了する期間にわたって歩行可能な状態を維持する、実施形態1〜33のいずれか一つに記載の方法。
36 女性性機能障害を治療する方法であって、それを必要とする女性被験体に、(a)治療有効量のエストラジオール;カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド;パルミトステアリン酸PEG-6およびパルミトステアリン酸エチレングリコールを含む非イオン性界面活性剤を含む液体組成物;ならびに(b)軟質ゼラチンカプセルを含む膣坐剤を投与する工程を含み;該膣坐剤が約1マイクログラム〜約25マイクログラムのエストラジオールを含み;該膣坐剤においてエストラジオールが唯一の活性ホルモンである、方法。
37 該膣坐剤が、該液体組成物中に親水性ゲル形成生体接着剤を含まない、実施形態36に記載の方法。
38 女性性機能障害の治療が、該被験体の欲求、性的興奮、潤滑、満足、および/またはオーガズムの増加を含む、実施形態36に記載の方法。
39 該治療が、女性性機能指数を用いて評価される、実施形態38に記載の方法。
40 該坐剤が、該被験体に2週間にわたって毎日投与され、その後は週2回投与される、実施形態36に記載の方法。
41 該坐剤が約4μgのエストラジオールを含む、実施形態36に記載の方法。
42 該坐剤が約10μgのエストラジオールを含む、実施形態36に記載の方法。
43 該坐剤が約25μgのエストラジオールを含む、実施形態36に記載の方法。
44 膣乾燥を治療する方法であって、それを必要とする女性被験体に、(a)治療有効量のエストラジオール;カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド;パルミトステアリン酸PEG-6およびパルミトステアリン酸エチレングリコールを含む非イオン性界面活性剤を含む液体組成物;ならびに(b)軟質ゼラチンカプセルを含む膣坐剤を投与する工程を含み;該膣坐剤が約1マイクログラム〜約25マイクログラムのエストラジオールを含み;該膣坐剤においてエストラジオールが唯一の活性ホルモンである、方法。
45 該膣坐剤が、該液体組成物中に親水性ゲル形成生体接着剤を含まない、実施形態44に記載の方法。
46 該坐剤が、該被験体に2週間にわたって毎日投与され、その後は週2回投与される、実施形態44に記載の方法。
47 該坐剤が約4μgのエストラジオールを含む、実施形態44に記載の方法。
48 該坐剤が約10μgのエストラジオールを含む、実施形態44に記載の方法。
49 該坐剤が約25μgのエストラジオールを含む、実施形態44に記載の方法。
50 該治療が、膣乾燥を2週間以内に緩和させる、実施形態44に記載の方法。
51 性交疼痛を治療する方法であって、それを必要とする女性被験体に、(a)治療有効量のエストラジオール;カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド;パルミトステアリン酸PEG-6およびパルミトステアリン酸エチレングリコールを含む非イオン性界面活性剤を含む液体組成物;ならびに(b)軟質ゼラチンカプセルを含む膣坐剤を投与する工程を含み;該膣坐剤が約1マイクログラム〜約25マイクログラムのエストラジオールを含み;該膣坐剤においてエストラジオールが唯一の活性ホルモンである、方法。
52 該膣坐剤が、該液体組成物中に親水性ゲル形成生体接着剤を含まない、実施形態51に記載の方法。
53 該坐剤が、該被験体に2週間にわたって毎日投与され、その後は週2回投与される、実施形態51に記載の方法。
54 該坐剤が約4μgのエストラジオールを含む、実施形態51に記載の方法。
55 該坐剤が約10μgのエストラジオールを含む、実施形態51に記載の方法。
56 該坐剤が約25μgのエストラジオールを含む、実施形態51に記載の方法。
57 該治療が、性交疼痛を2週間以内に緩和させる、実施形態51に記載の方法。
58 膣、陰唇、または外陰部を再エストロゲン化する方法であって、それを必要とする女性被験体に、(a)治療有効量のエストラジオール;カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド;パルミトステアリン酸PEG-6およびパルミトステアリン酸エチレングリコールを含む非イオン性界面活性剤を含む液体組成物;ならびに(b)軟質ゼラチンカプセルを含む膣坐剤を投与する工程を含み;該膣坐剤が約1マイクログラム〜約25マイクログラムのエストラジオールを含み;該膣坐剤においてエストラジオールが唯一の活性ホルモンである、方法。
59 該坐剤が、該被験体に2週間にわたって毎日投与され、その後は週2回投与される、実施形態58に記載の方法。
60 該坐剤が約4μgのエストラジオールを含む、実施形態58に記載の方法。
61 該坐剤が約10μgのエストラジオールを含む、実施形態58に記載の方法。
62 該坐剤が約25μgのエストラジオールを含む、実施形態58に記載の方法。
63 該膣坐剤が、該液体組成物中に親水性ゲル形成生体接着剤を含まない、実施形態58に記載の方法。
本医薬組成物および本方法は、実用的かつ好ましい実施形態であると現在考えられるものに関して記載されているが、本開示は、開示の実施形態に限定される必要はないことを理解されたい。特許請求の範囲の趣旨および範囲内に含まれる様々な修正および類似の構成を包含することを意図しており、その範囲は、そのような修正および類似の実施形態を全て包含するように最も広い解釈が与えられるべきである。この開示は、以下の請求項の任意のおよび全ての実施形態を含む。