JP2018537701A - 実空間3d画像における角度強度パターンを制御する方法及びシステム - Google Patents

実空間3d画像における角度強度パターンを制御する方法及びシステム Download PDF

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Abstract

1つまたは複数の画像を三次元で表示するシステムに関する。システムは、一定の多光子励起状態の時に1つまたは複数の種類の可視光を放出するガスを含む三次元照明体積を有する。システムは、レーザ(例えば可視波長外の光線を有するレーザ)を含み、当レーザは、照明体積内で交差して、ガスの粒子を多光子励起状態に励起することで可視光を放出するように、配向可能である。照明体積を通して光線交差点(または複数の光線交差点)を走査することにより、三次元画像が生成される。いくつかの実施形態において、システムは、多光子励起状態に励起された粒子から放出される放射の少なくとも一部を吸収する中間状態に粒子を励起するために、照明体積内で交差するように配向可能なレーザを含む。

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2015年9月21日に出願された米国仮特許出願第62/221,304号に対する優先権及びその利益を主張するものであり、その内容全体は参照により本明細書に組み込まれるものとする。
関連分野
実空間三次元画像(静的及び動的画像を含む)を生成するシステム及び方法に関し、ガス状粒子における2つ(またはそれ以上)の光子吸収を利用して、実空間三次元画像を作り出すレーザシステム及び方法を含む。
背景
現在知られている三次元画像化デバイスは、多くの場合、人間の観察者が三次元画像を見ているという知覚を体験するように目及び脳を欺くための視覚的錯覚に依存する。例えば、ある受動的三次元投影技術は、2つの直交偏光画像を投影するプロジェクタの使用を伴い、各偏光で送られる画像は、それらの分離が深度の外観を与えるようになっている。別の例において、ある能動的三次元プロジェクタは、1つは左目用、1つは右目用の連続画像を投影するように作動可能である。それから特別に作られたメガネが、それらの目の上で、左右のレンズをそれぞれ急速に作動及び停止させる。
これら及び他の三次元ディスプレイ技術は数多くの利点を提供するが、実空間三次元画像の産出には尚さらなる改善が望まれる。本発明の実施形態は、これらの未対応の要求の少なくともいくつかに対し、解決策を提供する。
概要
本特許出願は、ガス状粒子のレーザ光線励起を用いて、三次元静的または動的画像で表示を行うシステム及び方法のいくつかの例を説明する。これらのシステム及び方法は、励起レーザエネルギーの吸収に続いて可視光を放出するガス状粒子を含む三次元照明体積(illumination volume)を利用し得る。これらのシステム及び方法は少なくとも、第1レーザ光線を生成する第1レーザ及び第2レーザ光線を生成する第2レーザと、第1及び第2レーザ光線を配向して照明体積内で交差させ、光線交差点でガス状粒子が可視光を放出するように、光線交差点におけるガス状粒子を2光子励起状態に励起するスキャナとを含み得る。スキャナはさらに、三次元におけるレーザ光線交差点の場所を変更するために、照明体積を通るレーザ光線の位置及び/または配向を変更するように作動可能である。
光線交差点で励起されたガス状粒子から放出される光または電磁放射は、静的または動的画像を生成するために、配置及び配列され得る。いくつかの事例において、ガス状粒子は、透明または半透明媒体内に分散する。いくつかの事例において、様々な色(例えば赤、緑、黄色、青)の光を放出するために、1つまたは複数の異なる種類の粒子が使用可能である。レーザ出力及び走査を制御するために、ソフトウェア、ハードウェア、及び/またはファームウェアが使用可能であり、これにより、観察者の目に知覚可能な静的または動的三次元画像を形成するように、照明体積のアドレス指定可能な場所から光が放出される。
一例において、1つまたは複数の画像を三次元で表示するシステムは、ガスを含む三次元照明体積であって、ガスには多光子励起状態時に第1種可視光を放出するように構成されるルビジウム蒸気が少なくとも含まれる、該ガスを含む三次元照明体積と、700nmを超えるまたは400nm未満の第1波長の第1レーザ光線を生成するように構成される第1レーザと、700nmを超えるまたは400nm未満であり、第1波長とは異なる第2波長の第2レーザ光線を生成するように構成される第2レーザとを含み、システムは、第1及び第2レーザ光線が照明体積内で交差して、光線交差点における少なくともいくつかのルビジウム粒子を多光子励起状態に励起することで、光線交差点で第1種可視光が放出されるように、第1及び第2レーザ光線を照明体積内へ配向するように構成される。
システムは、光線交差点におけるルビジウム粒子のうちの少なくともいくつかを5Dエネルギー準位に励起するように構成され得る。
第1種可視光は、400nm〜430nmの間の波長を有する発光を含み得る。
5Dエネルギー準位は、5D5/2エネルギー準位であり得る。
システムはさらに、第1波長及び第2波長とは異なる第3波長の第3レーザ光線を生成するように構成される第3レーザを含み得、システムは、第1、第2、及び第3レーザ光線が照明体積内で交差して、光線交差点におけるルビジウム粒子のうちの少なくともいくつかを多光子励起状態に励起することで、光線交差点で第1種可視光が放出されるように、第1、第2、及び第3レーザ光線を照明体積内へ配向するように構成される。
別の例において、1つまたは複数の画像を三次元で表示するシステムは、多光子励起状態時に第1種可視光を放出するように構成される第1原子または分子ガスを含み、さらに第2緩衝ガスを含む三次元照明体積と、第1波長の第1レーザ光線を生成するように構成される第1レーザと、第1波長とは異なる第2波長の第2レーザ光線を生成するように構成される第2レーザとを含み、システムは、第1及び第2レーザ光線が照明体積内で交差して、光線交差点における第1ガスの少なくともいくつかの粒子を多光子励起状態に励起することで、光線交差点で第1種可視光が放出されるように、第1及び第2レーザ光線を照明体積内へ配向するように構成される。
第1ガスはアルカリガスを含み得、第2ガスは希ガスまたは不活性ガスを含み得る。いくつかの実施形態において、第1ガスはアルカリガスの組み合わせを含み得、第2ガスは希ガスまたは不活性ガスの組み合わせを含み得る。アルカリガスは、例えばルビジウム及びセシウム等のアルカリガスの組み合わせであり得る。
アルカリガスは原子ルビジウム蒸気を含み得、希ガスはアルゴンガスまたはネオンガスを含み得る。
第2ガスは基底状態の希ガスの粒子を含み得、第1ガスは準安定状態の希ガスの粒子を含み得る。
第1ガスは、準安定状態の多様状態の希ガスの粒子を含み得る。
システムは、照明体積の外で、準安定状態の希ガスの粒子を作り出し得る。
システムの作動中、第1レーザの電力は50mW未満であり得、第2レーザの電力は50mW未満であり得る。
システム作動中の照明体積の温度は、120℃未満であり得る。
システムは、照明体積内で第2種及び第3種の可視光を生成するように構成され得、第2及び第3種の可視光はそれぞれ、第1種可視光とは異なる波長を有する。
システムはさらに、第1波長及び第2波長とは異なる第3波長の第3レーザ光線を生成するように構成される第3レーザを含み得、システムは、第1、第2、及び第3レーザ光線が照明体積内で交差して、第1原子または分子ガスの粒子のうちの少なくともいくつかを多光子励起状態に励起することで、光線交差点で第1種可視光が放出されるように、第1、第2、及び第3レーザ光線を照明体積内へ配向するように構成される。
第1原子または分子ガスが多光子励起状態から減衰すると、中間遷移時に第1種可視光が放出され得る。
第1原子または分子ガスは、少なくともルビジウム粒子を含み得、システムは、光線交差点におけるルビジウム粒子のうちの少なくともいくつかを、5D3/2エネルギー準位、6D3/2エネルギー準位、7D3/2エネルギー準位、8D3/2エネルギー準位、9D3/2エネルギー準位、10D3/2エネルギー準位、または11D3/2エネルギー準位のうちの少なくとも1つに励起するように構成され得る。
第1原子または分子ガスは、少なくともルビジウム粒子を含み得、システムは、光線交差点におけるルビジウム粒子のうちの少なくともいくつかを、9D5/2エネルギー準位、10D5/2エネルギー準位、または11D5/2エネルギー準位のうちの少なくとも1つに励起するように構成され得る。
第1原子または分子ガスは、少なくともルビジウム粒子を含み得、システムは、光線交差点におけるルビジウム粒子のうちの少なくともいくつかを11S1/2エネルギー準位に励起するように構成され得る。
別の例において、1つまたは複数の画像を三次元で表示するシステムは、第1多光子励起状態時に第1種可視光を放出し、第2多光子励起状態時に第2種可視光を放出し、第3多光子励起状態時に第3種可視光を放出するように構成される第1ガスを含み、さらに不活性緩衝ガスを含む三次元照明体積と、複数のレーザ光線を生成するように構成される複数のレーザであって、レーザ光線のうちの少なくともいくつかは異なる波長を有する該複数のレーザとを含み、システムは、レーザ光線のうちの少なくともいくつかが照明体積内の第1光線交差点で交差して、第1光線交差点におけるガスの少なくともいくつかの粒子を第1多光子励起状態に励起することで、第1光線交差点で第1種可視光が放出されるように、レーザ光線のうちの少なくともいくつかが照明体積内の第2光線交差点で交差して、第2光線交差点におけるガスの粒子の少なくともいくつかを第2多光子励起状態に励起することで、第2光線交差点で第2種可視光が放出されるように、そして、レーザ光線のうちの少なくともいくつかが照明体積内の第3光線交差点で交差して、第3光線交差点におけるガスの粒子の少なくともいくつかを第3多光子励起状態に励起することで、第3光線交差点で第3種可視光が放出されるように、レーザ光線を照明体積内へ配向するように構成される。
第1ガスは、ガスの混合物であり得る。例えば、第1ガスはアルカリガスの組み合わせを含み得、第2ガスは希ガスの組み合わせを含み得る。
ガスの混合物は、少なくとも3つの希ガスの混合物であり得、3つの希ガスはそれぞれ、可視光の複数の種類のうちの1つの放出に対応する。
追加実施形態において、三次元照明体積内で三次元画像を作成する方法が提供される。三次元照明体積は、少なくとも1つのガスを含み得る。方法は、照明体積内の第1ボクセルにおける粒子が第1ボクセルから複数の方向に放射を放出するように、照明体積内の第1ボクセルにて少なくとも2つのレーザを交差させることを含み得る。照明体積内の1つまたは複数の第2ボクセルにおける粒子は、前記放出される放射の方向のうちの少なくとも1つの方向における前記放出される放射の少なくとも一部を吸収する中間状態に、励起され得る。
任意で、1つまたは複数の第2ボクセルにおける粒子は、粒子を中間状態に励起する少なくとも1つのレーザを使用することにより、中間状態に励起され得る。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の第2ボクセルにおける粒子は、粒子を中間状態に励起する少なくとも2つのレーザを使用することにより、中間状態に励起され得る。
1つまたは複数の第2ボクセルにおける粒子は、第1補助レーザ光線により粒子を下位補助状態に励起し、第2補助レーザ光線により粒子を上位補助状態に励起することで、中間状態に励起され得る。1つまたは複数の第2ボクセルにおける励起された粒子は、上位補助状態から中間状態へ減衰し得る。1つまたは複数の第2ボクセルにおける励起された粒子は、粒子が上位補助状態から中間状態へ減衰する時に、可視光を放出し得ない。
いくつかの実施形態において、ガスはルビジウムガスを含み得る。第1ボクセルにおける粒子は、ルビジウム粒子を5S1/2準位から5P3/2準位へ励起する第1照明レーザ光線、及びルビジウム粒子を5P3/2準位から(n>5)D5/2準位へ励起する第2照明レーザ光線により、励起され得る。1つまたは複数の第2ボクセルにおける粒子は、第1補助レーザ光線により5P1/2準位へ励起され得、第2補助レーザ光線により4D3/2準位へ励起され得る。いくつかの実施形態において、4D3/2準位へ励起された粒子の一部は、5P3/2準位へ減衰し得る。
いくつかの実施形態において、方法はさらに、所望する角度強度パターンを計算することを含み得る。
本発明の追加態様において、三次元画像化システムにおいて光学的オクルージョンを実施する方法が提供され得る。方法は、複数の方向に放射を放出する照明ボクセルを生成することを含み得る。照明ボクセルは、第1視野軸に沿った第1視点から見た時に、前景要素ボクセルの後ろに存在し得る。方法はさらに、視野軸に沿って前景要素に向かう照明ボクセルによって放出される放射が減衰されるように、照明ボクセルから放出される放射の放出角度または角度強度パターンを動的に制御することを含み得る。前景要素は、照明ボクセルに関連する前景内の任意のものであり得、画像が光学的オクルージョン原理を遵守するように、光は、当前景要素を通して通常通過することは不可能であるべきである、あるいは減衰される。例えば、前景要素には、照明ボクセルに関連する前景面またはオブジェクトが含まれ得る。ユーザの見ている視点によって、前景面は観察者に可視的であってもよく、あるいは可視的でなくてもよい。
前景要素は、複数の前景要素ボクセルにより定義され得る。1つまたは複数の前景要素ボクセルは、ガスの容器内のそれぞれの前景照明ボクセルの要素ボクセルの場所において交差する2つ以上のレーザ光線により、照明され得る。いくつかの実施形態において、1つまたは複数の前景照明ボクセルは、ガスの体積を通して2つ以上のレーザ光線を走査することにより、照明され得る。方法は、照明時に、複数の前景要素ボクセルの放出角度または角度強度パターンを動的に制御することを含み得る。
任意で、照明ボクセルは、筐体内に生成され得る。筐体は、筐体を通る伝播放射の強度を局部的に制御するように構成され得る。筐体は、液晶光バルブアレイを含み得る。照明ボクセル生成中の透過率を調整するために、照明ボクセルの放出角度または角度強度パターンは、筐体の液晶光バルブアレイを制御することにより、動的に制御され得る。
照明ボクセルの放出角度または角度強度パターンは、視野軸に沿った照明ボクセルと前景要素との間の粒子を、視野軸に沿った照明ボクセルによって放出される放射の少なくとも一部を吸収するように構成される中間状態に励起することにより、動的に制御され得る。視野軸に沿った照明ボクセルと前景要素との間の粒子は、粒子の局所的領域を中間状態に励起するように2つ以上のレーザ光線を交差させることにより、中間状態に励起され得る。
さらなる実施形態において、三次元ディスプレイシステムが提供され得る。システムは、基底状態から多光子励起状態へ励起された時に可視光を放出するように構成される少なくとも1つのガスを含む三次元照明体積を含み得る。第1照明レーザ光線を生成するように構成される第1照明レーザが提供され得る。第2照明レーザ光線を生成するように構成される第2照明レーザが提供され得る。第1補助レーザ光線を生成するように構成される第1補助レーザが提供され得る。第2補助レーザ光線を生成するように構成される第2補助レーザが提供され得る。システムは、第1照明光線及び第2照明光線が照明体積内で交差して、第1照明光線及び第2照明光線の交差点におけるガスの少なくともいくつかの粒子を多光子励起状態に励起することで、第1照明光線及び第2照明光線の交差点で可視光が放出されるように、第1照明光線及び第2照明光線を照明体積内へ配向するように構成され得る。加えて、システムはさらに、第1補助光線及び第2補助光線が照明体積内で交差して、第1補助光線及び第2補助光線の交差点におけるガスの少なくともいくつかの粒子を中間準位に励起することで、第1照明光線及び第2照明光線の交差点で放出される可視光の少なくとも一部が、第1補助光線及び第2補助光線の交差点における中間準位に励起されたガスの粒子により吸収されるように、第1補助光線及び第2補助光線を照明体積内へ配向するように構成され得る。
いくつかの実施形態において、第1補助レーザは、第1補助周波数の第1補助レーザ光線を生成するように構成され得、第2補助レーザは、第2補助周波数の第2補助レーザ光線を生成するように構成され得る。第2補助周波数に加えて第1補助周波数は、基底状態と多光子励起状態とのエネルギー差と共鳴し得る。第1補助レーザは、粒子を第1補助準位に励起するように構成され得、第2補助レーザは、粒子を第1補助準位から第2補助準位に励起するように構成され得る。第2補助準位に励起された粒子の一部は、中間準位へ減衰し得る。いくつかの実施形態において、離調レーザを用いる1段階2光子プロセスは、原子を、必ずしも第1補助準位にすることなく、第2補助準位に昇進させることが可能である。これは、隣接オクルージョンボクセルが不透明にされ得る間に、いくつかのオクルージョンボクセルを透明に維持するように、離調を用いて角度放出パターンを制御することを可能にし得る。
任意で、ガスの体積は、ルビジウムガスを含む。第1照明レーザ光線は、ルビジウム粒子を5S1/2準位から5P3/2準位に励起するように構成され得る。第2照明レーザ光線は、ルビジウム粒子を5P3/2準位から(n>5)D5/2準位に励起するように構成され得る。第1補助レーザ光線は、ルビジウム粒子を5P1/2準位に励起するように構成され得る。第2補助レーザ光線は、ルビジウム粒子を5P1/2準位から4D3/2準位に励起するように構成され得る。
三次元画像化システムの非限定的例を概略的に示す。 三次元画像化システムの非限定的例を概略的に示す。 三次元画像化システムの非限定的例を概略的に示す。 三次元画像化システムの非限定的例を概略的に示す。 三次元画像化システムの非限定的例を概略的に示す。 三次元画像化システムの非限定的例を概略的に示す。 三次元画像化システムの非限定的例を概略的に示す。 三次元画像化システムの非限定的例を概略的に示す。 三次元画像化システムの吸収及び放出プロセスの非限定的例を示す。 三次元画像化システムの吸収及び放出プロセスの非限定的例を示す。 三次元画像化システムの非限定的追加例を概略的に示す。 三次元画像化システムの非限定的追加例を概略的に示す。 三次元画像化システムの非限定的追加例を概略的に示す。 三次元画像化方法の非限定的例を示す。 本発明のいくつかの実施形態による、照明ボクセルの角度放出パターンまたは強度パターンを調節する例示的方法を示す。 本発明のいくつかの実施形態による、放射を放出するように粒子を励起する方法を示す。 本発明のいくつかの実施形態による、上位補助準位(upper auxiliary level)に粒子を励起する例示的方法を示す。 本発明のいくつかの実施形態による、中間準位に減衰し得る上位補助準位に粒子を励起する方法を示す。 図11a、図11bはオクルージョン原理並びに本発明の方法及びシステムを示すための例示的3Dディスプレイ状況を示す。 本発明のいくつかの実施形態による、照明ボクセルを介した例示的2D断面図を示す。 本発明のいくつかの非限定的例における、照明ボクセルを囲む3×3×3のボクセルの立方体を示す。
図面の詳細な説明
図1は、三次元画像化方法の例を描く。示されるように、システム100は、少なくとも1つの原子または分子ガスを有する三次元照明体積110を含む。原子または分子ガスは、2光子励起状態時に第1種可視光を放出するように構成される1種の原子または分子を少なくとも含み得る。いくつかの事例において、システム100は、第1波長λの第1レーザ光線122を生成するように構成される第1レーザ120と、第2波長λの第2レーザ光線132を生成するように構成される第2レーザ130とを含み得る。第2波長λは、第1波長λとは異なり得る。
人の目は、約400nmから約700nmまでの範囲内の波長値を有する光に対し、強いスペクトル感度を有する。目のスペクトル感度外の光、例えば約400nm未満の波長または約700nmを超える波長の光を作り出すレーザは、2光子吸収を用いることで、ガスの非常に小さい領域を励起して、ガスに可視波長の光を放出させることが可能である。従って、ガスからの放出は観察可能であるが、ガスを励起するレーザは人間の目には見えない。別の事例においては、目のスペクトル感度内の光を作り出すレーザが利用され得る。
システム100は、第1及び第2レーザ光線122、132が照明体積110内で交差して、光線交差点140における第1種原子または分子の少なくともいくつかを2光子励起状態に励起することで、局所的領域または光線交差点140で第1種可視光150(例えば第3波長λ)が放出されるように、第1及び第2レーザ光線122、132を配向するように構成され得る。レーザ光線交差点140の場所を変更(例えば走査)することにより、三次元画像を、実空間で作り出すことが可能であり、いくつかの実施形態においては三次元映像を生成するために、経時的に変化させることが可能である。
原子または分子ガス
照明体積110は、その全体にわたって、ガス状粒子が分散している。いくつかの事例において、粒子は、蒸気として示され得、原子、分子(元素もしくは化合物)、原子もしくは分子のイオン、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。少なくともいくつかの実施形態において、ガス状粒子は、体積110全体にわたって自由に移動するのに十分な運動エネルギーを有する。ガス状粒子は、容器内に存在する時、ガスが容器の体積を満たすように分布し得る。いくつかの事例において、照明体積110内のガスは、吸収/放出プロセスを施されていない場合は、透明である。いくつかの事例において、照明体積110のガス状粒子は、その精選された1つまたは複数のレーザ波長の吸収及び1つまたは複数の可視波長の放出に基づいて、具体的に選択可能である。
図2は、図1において図示されるレーザ光線交差点140で起こり得る粒子励起及び放出プロセスの例を描く。当エネルギー準位図表において示されるように、第1波長λもしくは周波数の第1光子210は、第2波長λもしくは周波数の第2光子220との組み合わせにより、ガス状粒子を、下位状態(例えば第1状態もしくは基底状態)から上位状態(例えば第2状態もしくは励起状態)へ励起するように作動可能である。例えば、粒子の電子は光子からの入射エネルギーを吸収するため、2光子は粒子の電子を上位状態へ励起する(例えば1つの別個のエネルギー準位から別のエネルギー準位へ遷移させる)ことが可能である。2光子の吸収及び上位エネルギー状態への昇進の後に、励起された電子は、光子230を放出しながらも、下位状態へ減衰する。発光は、可視スペクトル内の波長λであり得る。図2は、下位状態から上位状態への遷移が単一段階で起こることを描くが、少なくともいくつかの実施形態において、例えば中間準位への遷移を引き起こす第1光子210、及び中間準位から上位準位への遷移を引き起こす第2光子220により、遷移は複数の段階により起こる。図2は、上位状態から下位状態への遷移が単一段階で起こることを描くが、少なくともいくつかの実施形態において、遷移は複数の段階により起こる。
いくつかの実施形態において、ガスは原子ルビジウム(Rb)蒸気を含み得る。図2は、原子ルビジウムの粒子励起及び放出プロセスの一例を描く。図2aにおいて、780nmの第1レーザ光線は、5S1/2から5P3/2への遷移を励起し、ある時間その状態にとどまり、776nmの第2レーザ光線は、5P3/2から5D5/2状態への2光子遷移を達成する。図2(a)において示されるように、当2光子励起状態時に、1つの自然放出減衰経路は、420nmの青光子を放出する(当特定事例においては、420nmの光と共に赤外光も放出される)。
図に具体的に示されていないが、当特定実施形態において、420nmの放出をもたらす自然放出経路は、5D5/2状態から、赤外光子を放出する6P3/2状態へと進む。6P3/2準位から、光は、5S1/2準位に減衰する時に青光子を自発的に放出することができる。しかしながら、他の光を放出する他の減衰経路が存在するが、少なくともいくつかの実施形態において、これらの他の経路のいずれも、可視範囲の波長の光を放出しない。
いくつかの実施形態において、1つの粒子減衰経路(例えば所望波長の発光)を、他の可能な減衰経路よりも奨励する方法が採用され得る。例えば、所望減衰経路を下る減衰を促進する四波混合の使用を可能にするために、追加レーザが導入され得る。しかしながら、通常、位相整合条件が発光の角度放出パターンを、非常に小さい立体角及び精密な及び/または限られた角度方向に制限することから、いくつかの事例において、四波混合は特定の実施形態には好適ではない。
全てではないがいくつかの実施形態において、図2aに描かれた放出経路は、これらの遷移の双極子行列要素がRbのいくつかの他の遷移経路よりも大きいため、特に望ましくあり得る。双極子行列要素がより大きいということは通常、少なくともいくつかの事例において、遷移がよりポンピングすなわち励起されやすいことを意味し、多くの場合、特定減衰経路が他の減衰経路よりも高い確率で起こることを意味する。双極子行列要素がより大きいということはまた通常、励起状態寿命がより短いことを意味する。走査レーザの滞留時間内に原子が励起され減衰できる回数は、発光の強度に直接関係するため、励起状態寿命は短いほうが非常に有利であり得る。
全てではないがいくつかの実施形態において、本システムが採用する放出経路は、6P準位を通した減衰を含む他の減衰経路に対しても有益であり得る。少なくともいくつかの事例において、6P準位を通した減衰は、所望波長の光の生成に加えて、このような手法が420nm及び421nmの光も生成することを意味する。このような手法は、数多くの事例において、可視範囲内の純周波数または波長を生成することができないため、RGB、CMYK、または他の色混合方法論のいずれかのフルカラーディスプレイによりアクセス可能な色域の面積を低減し得る。
図2aに示された励起及び放出プロセスの例は、赤外光の2つのレーザ光線(例えば約760nm〜1000μmの波長を有する)を使用する。特に、当例において、2つのレーザ光線は、両方とも近赤外スペクトルである(例えば約760nm〜1500nmの波長を有する)。別の実施形態において、人に見える光のスペクトルの外(例えば約400nm〜700nmの外)の他の波長が採用され得る。例えば、いくつかの実施形態において、紫外線波長が採用され得る。
図2aに示される経路に対し追加/他の経路が、いくつかの実施形態において採用され得る。いくつかの非限定的例は、5P3/2中間準位を利用して、6D5/2、7D5/2、8D5/2、12D5/2準位で終了する経路を含む。他の例は、5P1/2準位を利用して、8S1/2、9S1/2、及び10S1/2準位で終了する経路を含む。さらに他の例は、5P1/2または5P3/2中間準位のいずれかを利用する、(5〜12)D3/2準位、(9〜11)D5/2準位、及び11S1/2準位への励起経路を含み、これらの全ては減衰時に可視光を生成する。これらの経路のうちのいくつかは、一定の実施形態における他の経路よりも望ましくあり得る。例えば、5P3/2準位に対して(9〜11)D5/2準位への励起経路は、5P3/2準位に対して12D5/2準位が有する断面積及び分岐率よりも、より大きい断面積及び分岐率を有し得る。概して、P3/2準位がD5/2準位に連結するのとほぼ同じ強さで、P1/2準位はD3/2準位に連結する(遷移行列要素により計測)。従って、いくつかの実施形態において、(5〜12)D3/2準位は、D5/2準位とほぼ同じ効力で使用され得る。加えて、P3/2準位はS1/2準位に対し、P1/2準位のうちの少なくともいくつか(例えば5P1/2に対する8〜10S1/2)よりも、強く連結するように見える。11S及び12D準位を超える準位も使用されるが、しかしながら、5P準位に対する両断面積及び分岐率は、上位準位程、減少するように見える。少なくともいくつかの実施形態において、好適なディスプレイシステムの設計は、様々な遷移波長で好適に構成されたレーザの可用性に依存するため、少なくともいくつかの事例において、使用され得る全ての準位の識別は、好適なシステムを構築する際、重要な留意事項であり得る。米国特許第4,881,068のEric J.Korevaar及びBrett Spiveyは、いくつかの実施形態において利用され得る他の経路を識別し、その開示は、参照により本明細書に組み込まれるものとする。例えば、セシウム蒸気では、以下の遷移が用いられ得る。
・6S1/2準位から6P3/2準位へ、それから6P3/2準位から12〜14D5/2準位への遷移、
・6S1/2準位から6P1/2準位へ、それから6P1/2準位から7〜14D3/2準位への遷移、
・6S1/2準位から6P1/2準位へ、それから6P1/2準位から12〜13S1/2準位への遷移、
・6S1/2準位から6P3/2準位へ、それから6P3/2準位から6D5/2準位への遷移であって、これは赤外放射を介して7P3/2準位に減衰し得、続いて455nmの放射を介して6S1/2準位に減衰し得る、遷移、または、
・6S1/2準位から6P1/2準位へ、それから6P1/2準位から6D3/2準位への遷移であって、これは赤外放射を介して7P1/2準位及び7P3/2準位に減衰し得、続いてこれらから455nm及び459nmの放射を介して6S1/2準位に減衰し得る、遷移。
必ずしも全てではないがいくつかの事例において、2遷移プロセスに基づいた励起及び減衰経路に関する1つの課題は、上位遷移に対処するレーザは赤外線であり得るが、所望の可視光を作る減衰経路が基底状態への最終減衰上では起こらないというシナリオを見つけることが難しくあり得ることである。基底状態への最終遷移上で可視光が生成されるシナリオにおいて、いくつかの事例における1つの可能性のある課題は、十分な可視光が生成されるように十分に高い原子または分子数密度を有することと、生成された光が実質的に再散乱されることなく小室外に伝播することができるように、十分に低い密度を有することとの妥協点である。いくつかの実施形態において、この妥協点は、実用的実施形態において、Rb原子の密度を制限する。いくつかの実施形態において、当問題への1つの解決策は、緩衝ガスを使用することであり、これは後でより詳しく論述される。一方で、上位遷移に対処するレーザは可視波長であるシナリオにおいては、所望の蛍光は上位遷移で起こり得る。従って、光は、ガス内の数多くの基底状態の原子と共鳴せず、体積の外に自由に伝播し得る。しかしながら、非常に強力な(たくさんの蛍光を生成するように求められるような)可視レーザはまた、フィルタリング及び除去し難いたくさんのレーザ散乱を作り得る。レーザ散乱は、生成される蛍光とほぼ同じ波長であるため、必ずしも簡単にフィルタリングされ得ない。レーザ散乱をフィルタリングする全ての試みはまた、照明ボクセルから発出される光もフィルタリングする。
いくつかの実施形態において、この課題は、3つの赤外レーザを伴う励起経路を利用すること、及びカスケードプロセスを使用して可視光を生成することにより対処され得、これにより可視光はカスケードプロセスにおける中間遷移で作られる。赤色蛍光を生成するために使用可能な当手法の非限定的一例は、780nm、1530nm、及び953nmのレーザによる5S1/2→5P3/2→4D5/2→8P3/2の励起経路である。中間遷移で相当量の可視光を生じさせる減衰経路は、以下の通りである。630nm光が8P3/2→6D5/2→5P3/2→5S1/2及び8P3/2→6D3/2→5P3/2→5S1/2を介して作られ、620nm光が8P3/2→6P3/2→5P1/2→5S1/2を介して作られ、616nmが8P3/2→8S1/2→5P3/2→5S1/2を介して作られ、607nm光が8P3/2→8S1/2→5P1/2→5S1/2を介して作られる。全ての他の高位カスケードプロセスのように、420nm及び421nm光は尚も、6P準位を通して進む減衰経路から作られる。加えて、7S1/2準位を通した減衰プロセスは、728nm及び741nmのいくつかの放射を行い、8P及び7Pから5S準位への減衰は、335nm及び359nmの紫外線放射を生成する。約600nmの5つの主要可視減衰経路を通した分岐率の合計は約25%であり、一方で、420nm及び421nm光を生じさせる減衰経路は、約2%の分岐率合計を有する。6D5/2準位までの2レーザプロセスによれば、630nm光を生成する5P3/2準位への分岐率は78%であり、420nm及び421nm光を生成する分岐率合計は前とほぼ同じである。従って、3レーザ励起プロセスは、減衰プロセス分岐率の効率性を三分の一のみに低減させるが、可視レーザ散乱を完全に除去する。
いくつかの実施形態において、他の色の可視蛍光を生成するために、当手法が使用される。例えば、励起経路5S1/2→5P3/2→4D5/2→9P3/2は、780nm、1530nm、及び861nmのレーザを利用する。当遷移は、9S、8S、7D、及び6D準位に減衰する光を生成する。ルビジウムにおいて、S準位までの減衰は、最高S準位に有利な傾向があり、D準位までの減衰は、均等に分散される傾向にある。従って、発光は、557nm、565nm、572nm、607nm、616nm、620nm、及び630nmの周波数成分を有し、より重い比重の緑‐黄色周波数(557nm、565nm、及び572nm)を有する。知覚される色は、オレンジまたは黄‐オレンジである可能性が高い。当手法を用いるいくつかの実施形態はまた、813nm、784nm、及び764nmのレーザをそれぞれ使用して4D5/2準位から10P、11P、または12P準位まで励起することにより、主に緑色の光を生成するのにも使用可能である。当手法はまた、異なる原子種において可視レーザを使用することなく、可視蛍光を生成するのにも使用可能である。
飽和状態で連続波レーザが使用される場合、8P3/2準位の総個体群は、2レーザ構成で6D5/2準位まで励起され得る個体群と比べると、減少する可能性が高いことに留意したい。パルスレーザが使用される場合、原理的に、局所的領域における全個体群は、3レーザプロセスにおける8P3/2、または2レーザプロセスにおける6D5/2のいずれかの所望準位に励起され得る。これは、原子を所望する励起状態まで順次励起するいわゆる「\πパルス」を用いて行われ得る。\πパルスは、原子遷移を完全に反転させるために使用される特定の総面積を有する短レーザパルスである。\πパルスを順に適用することで、個体群が中間準位のうちのいずれかから著しく減衰する前に、個体群は順次所望する励起状態に移行され得る。いくつかの事例において、当手法は、\πパルスを構築するための総エネルギーにおいて精度を要する。加えて、いくつかの事例において、超微細もしくはゼーマン分裂に伴う準位縮退は、プロセスを改悪する傾向があり、ドップラー拡幅も、励起プロセスの効率性を低減し得る。
効率的に原子を所望準位に励起するいくつかの実施形態における別の代替的手法は、振幅変調された誘導ラマン断熱通過(AM‐STIRAP)を使用することである。当手法において、原子を、中間状態にすることなく、2つの最終状態間で整合的に遷移させるために、共鳴パルスが順に使用される。当手法は、ラダーシステム及びラムダ型システムの両者に使用可能であり、3準位を超える多重準位システムに適用可能である。当プロセスのパルス長は、準位対のデコヒーレンス時間より、はるかに短くなければならない。ラダーシステムにおいて、準位対間のデコヒーレンス時間は非常に短いにもかかわらず、フェムト秒、ピコ秒、あるいはいくつかの事例において数ナノ秒のパルスを含む短レーザパルスが使用される場合、これは実行可能であり得る。当手法は、準位縮退に関して堅固である傾向にある[Shore et al.Phys.Rev.A 45,5297(1992)]。
可能性のある励起経路のさらなる別の非限定例は、5F7/2準位までの励起:5S1/2→5P3/2→4D5/2→5F7/2を含む。5F7/2準位まで励起された原子は、4、5、及び6D5/2準位を通して、続いて5、6、及び7P3/2準位を通してそれぞれ減衰し、630nm並びに420nm及び421nmの可視光を生成する。当手法において、原子の約2%のみが6D5/2準位に減衰し630nm光を放出するが、1%を超える原子が6P3/2準位を通して減衰し420nm光を放出する。
2つ以上のレーザを使用して局所的可視蛍光を生成する前述の手法は、希ガスにも一般化することができる。大部分の希ガスは、電子励起により、いわゆる準安定状態に励起され得る。準安定状態は、同原子において他の準位を大きく上回る減衰寿命を伴う長寿命状態であるという特性を有する。標準遷移選択規則により共通基底状態への減衰が禁じられるため、準安定状態は増大した寿命を示す。準安定状態は、自身より高位準位に対し、効果的な基底状態のように機能し得る。NIST Atomic Spectra Database[Kramida,A.,Ralchenko,Yu.,Reader,J.及びNIST ASD Team(2014).NIST Atomic Spectra Database(version 5.2),[オンライン],利用可能:http://physics.nist.gov/asd[2015年2月17日火曜].National Institute of Standards and Technology,Gaithersberg,MD.]と一貫した表記を使用すると、例えば、アルゴンにおいて、
Figure 2018537701
構成
Figure 2018537701
項J=2状態、及び
Figure 2018537701
構成
Figure 2018537701
項J=0状態の2つの準安定状態が存在する。
Figure 2018537701
構成
Figure 2018537701
項J=2状態から、811.53nmのレーザは、
Figure 2018537701
構成
Figure 2018537701
項J=3状態に、原子を励起可能である。それから、603nmの波長の可視レーザは、
Figure 2018537701
構成
Figure 2018537701
項J=4状態に、原子を励起可能である。準安定状態は、いくつかの事例において紫外線放射を介して最終的にアルゴン基底状態に減衰可能な状態に励起され得、これは必ずしも全てではないがいくつかの実施形態において望ましくない可能性がある、ということに留意することが重要である。基底状態へ減衰可能な準位を使用することは、エネルギーを失っても可視光が作られないため、いくつかの実施形態においては好ましくない。前に挙げられた準位の全ては、基底状態に減衰する状態への減衰を禁じられている。よってそれらは、状態の準安定多様体と称されるものを構築する。これは、これらの状態から許容される減衰経路が必ず最低エネルギー準安定状態、この事例においては
Figure 2018537701
構成
Figure 2018537701
項J=2状態で終了することを意味する。アルゴンにおいて、別の励起経路も想起され得る。例えば、
Figure 2018537701
構成を伴う励起状態を使う代わりに、
Figure 2018537701
構成
Figure 2018537701
項J=4状態への励起が、550nmの緑色光を生成可能である。同様に、(7〜12)D準位への励起(4D及び6D状態と同じ項及び全電子角運動量)は、(522、506、496、489、483、480)nm光をそれぞれ放出する。これは、5D、7D、及び12D準位を使用することは、単一の希ガスベースのシステムにおいてフルRGB色ディスプレイを可能にすることを意味する。前述のように、これらの状態は、状態の準安定多様体の一部である。励起されたd状態のカスケード減衰から6〜12P準位まで、続いて4s準安定状態まで、これらのシステムにおいて少量の紫外線光がほぼ必ず生成されることに留意されたい。この種の減衰は、ディスプレイウィンドウ自体によって自然にフィルタリングされることに加えて、ディスプレイウィンドウ上のコーティングを用いることで、フィルタリング可能である。
ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、及びラドンを含む全ての希ガスの類似性は、1つの要素において準位の順序が見つけられ得た場合、異なる遷移周波数及び異なる双極子遷移行列要素を有するにもかかわらず、他の要素においてもほぼ同等の準位構造が存在することを意味する。これは、例えば、多数の完全独立色を生成するのに、希ガスの混合物が使用可能であることを意味する。いくつかの事例において、赤、緑、及び青色のボクセルを単独に走査することが望ましくあり得る。これを可能にするために、少なくともいくつかの実施形態において、下位遷移を推進するレーザは、色ごとに異なる必要がある。いくつかの事例においては、異なる準安定状態及び中間遷移を利用することにより、これは単一原子種で可能であり得る。別の事例においては、各原子種が1つまたは複数の色を作るように原子種を混合することが有利であり得る。例えば、準安定状態
Figure 2018537701
構成
Figure 2018537701
項J=2、中間状態
Figure 2018537701
構成
Figure 2018537701
項J=3、及び励起状態
Figure 2018537701
構成
Figure 2018537701
項J=4状態を伴うクリプトンにおける準位の集合を検討する。下位遷移は811.29nm光でアクセスされ、一方上位遷移は646nm光でアクセスされ、続いて646nm光を放出する。(7〜12)D準位は、(583、552、534、522、515、及び509)nm光でそれぞれアクセスされ得、(583、552、534、522、515、及び509)nm光をそれぞれ放出し得る。
いくつかの実施形態において、前述のこれらのもの以外にも、希ガスの他の準位が利用され得る。いくつかの事例において、一次経路を通る分岐率が十分に大きい場合、追加の減衰経路が許容可能であり得る。アルカリ蒸気と同様に、高位s準位への励起も、希ガスにおいて考慮され得る。加えて、可視光のカスケード放出を伴う2または3レーザ励起が、アルカリ蒸気に関して前に論述されたものと同様に、希ガスにおいて考慮され得る。
希ガスを利用するいくつかの実施形態において、高位準位から大量の可視蛍光を作ることなく、非常に高い密度の準安定状態を作ることは、挑戦的なことであり得る。いくつかの実施形態において、この問題は、十分な長さの不透明な管により、ディスプレイ体積から準安定状態作成領域を切り離すことにより、克服され得る。高位状態は非常に早く減衰し、準安定状態は非常に遅く減衰するため、高位状態の原子は管を離れる前に減衰し、一方準安定状態の原子は管を離れる前に減衰しない。このようにして、基底状態の原子及び準安定状態の原子のみが、ディスプレイ体積に到達する。少なくともいくつかの事例において、準安定状態の原子を使用することの1つの特徴は、基底状態の全ての原子が、準安定状態の原子に対し緩衝ガスとして働くことである。いくつかの実施形態の緩衝ガスに関するさらなる詳細は、下記に含まれる。
いくつかの実施形態において、アルカリシステムにおいて使用されるものに近い準安定状態密度が可能である。希ガスの準安定状態を作り出す典型的方法は、10−5〜10−4の範囲の効率を有する。室温における10Torrの圧力のアルゴンに関して、10−4の効率は、3×10−13/cmの準安定状態密度に対応する。これは、約130℃に加熱されたRb蒸気の密度とおおよそ同じである。準安定状態の有効寿命は(基底状態の原子との衝突がある状態において)数ミリ秒であると推定されるため、準安定状態の原子は、大体積を満たせるはずである。室温において、Ar原子は約400m/sの平均速度を有するため、準安定状態の原子は基底状態に緩む前に約400〜1200mm移動可能なはずである。準安定状態の固有寿命は、実際には38秒であることに留意されたい。有効寿命には衝突も含まれ、よって計算は、準安定Ar状態の平均自由行程に依存しているように見えない。
少なくともいくつかの実施形態において、システムは、例えば、ガスを所望温度に例えば加熱システムを使って加熱することによる等、照明体積内で所望する密度でガスを維持するように構成され得る。一実施形態において、原子ルビジウムを含むガスは、1010〜1014原子/cmの範囲の目標密度を維持するために、室温から摂氏約150度までの範囲で加熱可能である。不活性ガスを利用する実施形態を含む別の実施形態において、目標密度を達成するために加熱は不必要であり得る。
いくつかの実施形態において、目標密度は、特定の励起及び減衰経路、並びに原子蒸気の組成に依存する。いくつかの実施形態において、不活性緩衝ガスは、エネルギー準位を衝突で拡大するために使用され得る。前述のように、励起及び放出プロセスの効率を大幅に改善する少なくともいくつかの実施形態において、これは有効である。いくつかの実施形態において、中程度の周囲照明で簡単に見える実用的なディスプレイを作ることが目的であることから、目標圧力は低減され得、よって蒸気小室の温度はそれほど高くある必要はなく、尚も許容範囲の可視蛍光の生産を可能とする。原子種が主に不活性ガス及び準安定状態で構成される事例において、前述のように、準安定状態の生産効率と関連して圧力を単に制御するだけで、室温で目標密度を達成可能である。
前述のように、不活性ガスは、室温であり得、目標密度を達成し得る。不活性ガスでは、衝突エネルギー移動は、状態の準安定多様体から原子を除去する傾向がある。この理由から、いくつかの実施形態において、約10Torrの目標圧力が好ましくある(これは約3×1013/cmの準安定密度に対応する)。別の実施形態は、0.01Torrからおよそ200Torrまでの範囲の圧力を利用し得る。
アルカリ原子に関して、密度はガスの温度に関係する。密度、圧力、及び温度の関係は、理想気体法則及び種特異的蒸気圧モデルを用いて計算され得る(例えば[http://steck.us/alkalidataにてオンラインで入手可能な、D.A.Steck,“Rubdium 87 D Line Data,”(改訂2.1.4,2010年12月23日)]を参照)。これらのモデルを用いて、前に挙げられた目標密度は、目標圧力、並びに目標温度に換算され得る。例えば、ルビジウムにおいて、1010〜1016原子/cmは、22℃から270℃までの温度範囲に対応する。Rb蒸気の温度が高過ぎる場合、Rb‐Rb分子が作成され得、これはディスプレイを改悪する傾向があり得る。従って、約300℃を超える温度は好ましくない。
目標密度は、励起率、放射トラッピング確率の複雑な相互作用に依存する。これはさらに後で論述される。2つのアルカリ蒸気がディスプレイ内で混合される場合、それらの蒸気はそれぞれ、ディスプレイの温度に応じて異なる密度を有する。例えば、セシウムとルビジウムの混合物は、分圧を有し、従って、前に挙げられた温度範囲に対して3.5から2までの比の密度を有する。不活性ガスの混合物の分圧は直接制御可能であるため、任意の組の目標密度が、容易に作り出され得る。いくつかの実施態様において、妥協点を最適化するために、重原子及び大きな超微細分裂を有する原子種を利用することが好ましくあり得る。例えば、自然に豊富なRbが原子質量85を有する一方、Csは原子質量133を有する。質量の増加は、ドップラー線輪郭が温度と共によりゆっくり増大し、よって基底状態遷移の吸収線輪郭が重複し始める前に、より高い温度(及び対応密度)が達成され得ることを意味する。セシウムはまた、超微細分裂が9.2GHzであり、これはRb87の6.8GHz分裂、またはRb85の3.2GHzよりはるかに大きいという利点を有する。セシウム蒸気では、以下の遷移が用いられ得る。
・6S1/2準位から6P3/2準位へ、それから6P3/2準位から12〜14D5/2準位への遷移、
・6S1/2準位から6P1/2準位へ、それから6P1/2準位から7〜14D3/2準位への遷移、
・6S1/2準位から6P1/2準位へ、それから6P1/2準位から12〜13S1/2準位への遷移、
・6S1/2準位から6P3/2準位へ、それから6P3/2準位から6D5/2準位への遷移であって、これは赤外放射を介して7P3/2準位に減衰し得、続いて455nmの放射を介して6S1/2準位に減衰し得る、遷移、
・6S1/2準位から6P1/2準位へ、それから6P1/2準位から6D3/2準位への遷移であって、これは赤外放射を介して7P1/2準位または7P3/2準位に減衰し得、続いてこれらから455nm及び459nmの放射を介して6S1/2準位にそれぞれ減衰し得る、遷移、
・895nmレーザ光を介して6S1/2準位から6P1/2準位へ、それから761nm光を介して6P1/2準位から8S1/2準位への遷移であって、これは赤外放射を介して7P1/2準位または7P3/2準位に減衰し得、続いて455nm及び459nmの放射を介して6S1/2準位にそれぞれ減衰し得る、遷移、または
・852nmレーザ光を介して6S1/2準位から6P3/2準位へ、それから794nmレーザ光を介して6P3/2準位から8S1/2準位への遷移であって、これは赤外放射を介して7P1/2準位または7P3/2準位に減衰し得、続いて455nm及び459nmの放射を介して6S1/2準位にそれぞれ減衰し得る、遷移。
ガスの密度が高過ぎる場合、いくつかの有害効果が認められ得る。まず、基底状態(または準安定状態)遷移と共鳴する光は、その放射が捕捉され得る。例えば、Rb蒸気において、780nmレーザは、原子を中間準位にまで励起する傾向がある。加えて、さらに高位D5/2準位に励起された原子は、例えば、5P3/2準位にまで減衰し戻り得る。両事例において、原子は、5S1/2〜5P3/2の遷移と共鳴する光子を放出することにより、基底状態にまで減衰し戻る。蒸気の密度が高過ぎる場合、この光は非常に早く再吸収される。780nmレーザの原型光線の外側で光が再吸収された場合、これは、原型の780nmレーザ光線の外側の原子が可視光を吸収し放出することが可能であることを意味する。これは、非常に高い密度の場合、照明ボクセルのぼやけ及び視覚的非局在化を導く傾向がある。可視発光が基底状態遷移と共鳴する構成において、光は吸収及び再散乱され、より適度な密度の場合でも、照明ボクセルをぼやけさせる。極端な事例においては、照明ボクセルから放出される光は完全にぼやけ、観察される全ての光は可視波長の光のもやであり、照明ボクセルは全く観察されない。
ガスの密度が十分でない場合、蒸気またはガスは、低い周囲光から中程度の周囲光までの設定でも見られるディスプレイ用に、十分な量の可視蛍光を作ることができない。
いくつかの実施形態において、最適目標密度は、数多くの要素に依存する。例えば、温度及び密度が高過ぎる場合、中間準位に励起された原子は、後に放射捕捉される共鳴光を放出して減衰し得、ボクセルのサイズを増大させる効果を有する。可視光を生成する遷移が基底状態へと至らない場合、可視光は小室を離れる時に吸収及び再散乱されないため、密度はより高くなり得る。
いくつかの実施形態において、蒸気小室において不活性緩衝ガスを用いることは、いくつかの改善をもたらし得る。緩衝ガスは、有効原子線幅を広げる衝突拡幅を引き起こす効果を有し、さらに多くの速度クラスがレーザ光を吸収し放射を放出することを可能にする。熱蒸気において、入射光線に対する原子の運動は、その速度に基づいて、光子を原子ごとに赤方偏移または青方偏移させる。光線が非常に小さい帯域幅を有する場合には、一般に、ほぼ静止状態の原子のみが、正しく離調された光を体験する。(いくつかの事例において、下位及び上位励起レーザを逆伝播させることにより、いわゆるドップラーフリー構成が実施され得る。これは少なくともいくつかの事例において、レーザが5S1/2〜5P3/2及び5P3/2〜5D5/2準位の場合とほぼ同じ波長を有する時にのみ機能する。加えて、複雑な周波数チャーピング技術なしでは、逆伝播光線は、全三次元で厳密に位置特定された明確なボクセルを生じることができない。)これは、いくつかの事例において、高速度の原子は、より高い準位に励起される可能性が低いことを意味する。従って、励起状態の原子の密度は、予想よりもはるかに小さい。これは、放射がかなり低減されることを意味する。中程度の温度に関しても、当効果は顕著であり得る。効果の測定は、マクスウェル速度分布の幅と励起準位の幅とを比べることにより、計算され得る。例えば、Rb蒸気において、120℃のドップラー幅は約600MHz(FWHM)であり、一方、5P3/2及び5D5/2準位の自然線幅(再度FWHM)はそれぞれ約6MHz及び0.7MHzである。従って、1000原子ごとに約1原子のみが、2光子遷移と共鳴する光と相互作用し、励起状態の原子の個体群密度は、同じ1000分の1に低減される。緩衝ガスを含むことにより、緩衝ガスとの衝突拡幅で、原子の均一線幅は拡張され得る。拡張された均一線幅により、ドップラー拡幅の効果は、大幅に低減され得る。例えば、20Torrのネオン緩衝ガスでは、中間及び励起の両準位の均一線幅は、約200MHz(FWHM)に増大し、よっておよそ3原子ごとに1原子が、2光子遷移と共鳴する光と相互作用する。これは、非緩衝ガス小室にわたって、約300倍の増加を表す。緩衝ガスの最適圧力は、ドップラー幅の0.1から2倍の範囲内における衝突拡幅を生じるように、選ばれなくてはならない。異なる不活性ガス種が使用可能である。例えば、約120℃にて、アルゴン緩衝ガスは、およそ20MHz/Torrの拡幅を与え、一方ネオンは、およそ10MHz/Torrの拡幅を与える。非限定的一実施形態は、20Torrのネオン緩衝ガスを使用し得る。
前の2つの改善に関する正味の効果は、20Torrネオン緩衝ガスでは、Rb蒸気小室のおよそ15000倍である。いくつかの実施形態において、緩衝ガスの追加により、低出力レーザ(各レーザで対象に30mW未満の出力)で通常の部屋の照明において簡単にみられるボクセルの作成が可能となった。
いくつかの実施形態において緩衝ガスを含む別の利点は、原子の密度が低減可能であり、尚も許容量の可視蛍光を作るのに十分であり得ることである。密度の低減は、基底状態遷移と共鳴する可視光の放射捕捉の問題を大幅に改善し得る。これは上記に簡単に言及した。可視蛍光の全吸収(及びその後の再放出)は密度に応じて指数関数的に変わるため、アルカリ蒸気の目標密度を低減することは、いくつかの事例においてこの問題を大幅に改善し得る。
いくつかの実施形態において緩衝ガスを含む別の利点は、密度が低減可能であり、尚も許容量の可視蛍光を作るのに十分であり得るため、温度を低減可能であることである。これは、加熱を要するアルカリ蒸気でも、実用的実施態様において実行可能であるとみなされ得ることを意味する。一方5S‐5P‐5Dベースディスプレイには、160〜180℃の温度が最適であるように見られるが、緩衝ガスを伴う場合、80〜100℃の温度が許容範囲であり得る。これは電力効率を大幅に改善し、3Dディスプレイに起こり得る危険性を低減する。
いくつかの実施形態において、照明体積は、追加もしくは代替ガス、またはガスの組み合わせを含み得る。いくつかの実施形態において、異なるガスの混合物を用いることで、多色発光が達成され得る。例えば、いくつかの実施形態において、赤、緑、及び青の発光には、3つの異なるガスが照明体積/容器に含められ得、照明体積/容器に備えられた異なるレーザは、これらの遷移を推進する。
照明体積
図1に示される例において、照明体積110は、画像を形成するために原子または分子ガス内で第1及び第2レーザ光線122及び132が交差し得る三次元空間である。照明体積110は、多種多様な幾何学的形状及び大きさで構成され得る。図1において、照明体積110は、立方体である。別の実施形態において、照明体積110は、円筒状、球状、または他の形状であり得る。照明体積110は、およそ立法センチメートル、立方メートル、またはそれを超える体積を有し得る。
照明体積110は、蒸気小室等の容器内に配置され得る。少なくともいくつかの実施形態において、原子または分子ガスは、容器全体にわたって均一に分散される。複数の視座からの視界体積110内で形成される画像のスムーズまたは比較的スムーズな視界を提供するために、容器(または容器の少なくともいくつかの表面)は、透明または半透明であり得る。いくつかの実施形態において、容器はガラスであり得る。いくつかの実施形態、例えば高真空状態の容器へ導入されたガスを利用するいくつかの実施形態において、容器は、高内部真空に耐える材料及び幾何学的形状で構築され得る。別の実施形態において、さほど頑丈ではない容器が用いられ得(例えば希ガス(例えばヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、またはラドン)を利用するいくつかの実施形態において)、いわゆる高真空圧力になるよう容器を排気することなく、低圧力で容器内に希ガスを保持することが可能であり得る。
図3は、円筒容器1020の非限定的一例を示す。図3において、レーザ光線1032、1042が、容器の単一の側または面(すなわち当実施形態においては円筒の下部平面)にて、点1022、1024で容器に入射するように、レーザ光線源1050、1060は配置される。円筒の曲面壁は、照明体積及びその中に形成される画像の観察者の視野を邪魔する、あるいは観察者の気を散らす容器内の縁または角がより少ないため、図3に示されるような円筒容器は、いくつかの事例において有利であり得る。円筒容器はまた、いくつかの事例においてそれらに適用され得る真空圧により良く耐えられるため、有利であり得る。
別の実施形態は、他の種類の容器を使用し得る。例えば、半球状または部分球状(例えば、球状カップまたは球状ボールまたは逆球状ボール等、平面で切り取られた球体)の容器が採用され得る。このような形態はまた、比較的薄いガラスで大きい圧力差に耐えることが可能であり得る。いくつかの事例において、励起レーザは、前述の実施形態のうちのいくつかにおける円筒の平面に入射するのと同様に、平面を通して部分球体に入射し得る。部分球体の平窓の平面より上では、蛍光発光のどの視野も、ガラスの角により遮られることはない。いくつかの実施形態において、2つの切断平面を有して、1つの平面を通して1つの励起を送り、もう1つの平面を通して1つのレーザを送ることが、有利であり得る。より一般的に、必ずしも球状ではない滑らかなガラス表面が、平面入射窓の上に使用され得る。平面窓の上のガラスが鋭いカーブを含まない限り、発光蛍光に対して最小限の歪曲が誘発される。平面窓の上にある最上表面の当自由度は、設計者の形状が構築されることを可能にし得る。さらに別の実施形態において、鋭いカーブまたは角は、必ずしも回避する必要はない。
励起レーザのスプリアス交差を最小化する方法がさらに後述され、これは、必ずしも全てではないがいくつかの実施形態において望ましくあり得る。これらの技術は、誘電体コーティング及び/または特別設計のダイクロガラスの追加使用を伴って、用いられてもよく、あるいは用いられなくてもよい。例えば、半球状容器では、半球体の内側及び外側に、広帯域反射防止コーティングが与えられ得る。これにより、可視蛍光は、容器の外により簡単に透過することが可能となる。加えて、容器がIR及びUV吸収性ガラスでできている場合、赤外線の励起レーザはガラスにより強力に吸収され得、最小限の反射が主容器に戻り得る。スプリアス減衰経路により生成されるUV蛍光も、ガラスにより吸収される。例えば、Edmund Opticsから入手可能なSchott KG‐1 Heat Absorbing Glass(Schott KG‐1熱吸収ガラス)は、300nm未満及び900nmを超える光を強力に吸収し、同時に可視波長を透過する。励起レーザの波長に応じて、当ガラスは、ユーザに達するレーザ及びUV放射を安全なレベルに低減させるのに、非常に効果的であり得る。ディスプレイは、市販の他の種類のフィルタでも作成され得る。加えて、ディスプレイ容器は、追加フィルタリング筐体に囲い込まれ得、よって容器自体は吸収性を有し得ないが、追加筐体はUV及び/または赤外線の光を吸収する。このようにして、ユーザに危険な全ての光が、安全なレベルに強力に減じられ得る。数多くの実施形態において、照明ボクセルにより生成される蛍光は、望ましくない減衰経路からの不必要な紫外線蛍光も含んだとしても、ディスプレイユーザを危険にさらすほどの十分な強度では決してないということに留意することが重要である。
いくつかの事例において、吸収性構造は、ある距離を置いてディスプレイ体積を部分的に囲み得る。これは、励起レーザを向けることが可能な方向から、ユーザがディスプレイを見ることが決してできないことを確実にするために用いられ得る。例えば、円筒容器において、励起レーザが最上窓を通してのみ容器を出るように制限される場合、黒いビロード生地(または励起レーザの出力でも安全な類似吸収材)等の吸収表面が、励起レーザを遮るために、反射防止コーティングに加えて使用され得る。吸収材料は、ディスプレイの設計に応じて、ディスプレイから距離を置いて配置され得る。主な目的は、前に述べられたように、危険の可能性のある視野角から誰もディスプレイを見ることができないことを確実にするためである。
図1はまた、レーザ光線122、132が、照明体積110の単一の側または面(例えば正面111)を通して、照明体積110に入射し得る実施形態を示す。照明体積110の単一の面、側、または表面を通してレーザ光線を向けることにより、レーザ源、走査機構、及び他のディスプレイ構成要素が観察者の視野外に、例えば視野体積の下または後ろのキャビネットに配置される、視界ディスプレイを構築することが可能である。ここで示されるように、体積110はまた、最上面112、底面113、右側面114、左側面115、及び後面116を提示する。他でも論述されているように、システム100は、三次元におけるレーザ光線交差点の場所を変更するために、照明体積110において、第1及び第2レーザ光線122、132の両者の少なくとも2つの自由度で配向を変更するように構成され得る。
いくつかの実施形態において、照明体積110は、容器の全体(または実質的に全体)内部体積を構成する。別の実施形態において、ガスは容器の全内部体積にわたって分散されるが、照明体積110は容器の内部体積の部分集合であり得る。言い換えると、いくつかの実施形態において、容器の内部体積の中に、システムが画像生成するように構成されない(または画像生成を避けるように構成される)領域があり得る。図1(a)は、容器102’及び照明体積110’の例を概略的に示し、ここでは、画像が生成され得る照明体積110’は容器102’の内部体積よりも小さく、照明体積110’の外周は、容器102’の内側から1つまたは複数の距離(例えば図1(a)の距離「d」)だけ離れている。
ディスプレイユーザの安全を確保するために、照明体積の制限も、いくつかの実施形態において使用され得る。例えば、円筒状及び半球状容器を利用する実施形態のうちのいくつかにおいて、より小さい照明ボクセルは、走査レーザの偏差角がより小さいことを意味する。これは、保護用吸収性材料を見栄え良く追加することを、より簡単にし得る。例えば、円筒容器において、レーザが平面遠窓を通してのみ容器を出るように照明体積を制限することにより、走査ミラー及び円筒遠窓の場所により定義される円錐内にのみ、吸収性材料を配置することが可能となる。円筒の最上部が人と同じ高さである場合には、吸収性材料は、大きく離れた距離に置かれることが可能であり、ディスプレイが配置される部屋の天井に取り付けられる可能性がある。これは、ディスプレイの見栄えを改善する。部分球体を使用する別の実施形態はまた、励起レーザの交差点及び容器窓を観察者が視覚的にアクセス不可能なように確保することで、この特性を有するように作られ得る。
いくつかの実施形態において、システムは、レーザ光線122、132の一定の反射を、除去しないのであれば、最小化するように構成され得る。前述のように、可視光は、照明体積110内の第1及び第2レーザ光線122、132が交差する場所(例えば図1の光線交差点140)において生成され得る。レーザ光線122、132の1つまたは両者の反射(照明体積110を囲む容器の表面からの反射による等)は、照明体積110内の複数の軌跡に沿い、かつ複数の場所で交差する可能性のあるレーザ光線122、132をもたらし得、これは、意図した場所の発光に加えて、照明体積内の望ましくないまたは意図しない発光(例えば図1における発光150以外の発光)をもたらす可能性がある。いくつかの実施形態において、このような反射は、除去されない場合、容器を反射防止特性と関連付けることにより最小化され得る。例えば、いくつかの実施形態において、レーザ光線122、132の反射を除去しない場合には、最小化する反射防止フィルムまたは他の反射防止コーティングが、容器の1つまたは複数の表面に適用され得る。
いくつかの実施形態において、反射防止コーティングの適切な使用は、蛍光発光及びレーザ光線励起の両方において存在する特定の周波数に依存する。これらは、ディスプレイにおけるレーザに使用される波長及び出力にも依存する。ディスプレイにおいて使用されるレーザの出力は、各ディスプレイ媒体に対して行われる必要のある離調、緩衝ガス圧力、及び温度の最適化に依存する。クラスIIのレーザが許容範囲の蛍光輝度を与える場合には、ユーザに静止レーザ光線をのぞき込まないように警告することを除いては、注意しなければならないことはない。実際に、主な危険は、ユーザが静止光線をのぞき込むことである。システムが作動している時、光線は、体積全体を走査し、静止ではない。唯一のリスクは、システムが故障し得、励起レーザ光線が視覚的にアクセス可能な方向で静止状態のままにされ得ることである。観察者がアクセス可能な方向でレーザ光線が決して静止状態になり得ないようシステムが設計されている場合には、ユーザへのリスクなく、はるかに明るい光線が使用可能である。これは主に工学上の問題であり、レーザが伝播する方向に吸収性筐体を使用する、または強度変調制御へ能動的フィードバックを構築することにより、達成され得る。例えば、ポインティング制御信号があまりにも長く静止状態のままである場合、強度制御モジュールのスイッチを切る信号が生成され得る。あるいは、走査モジュールにより静止すなわちDC信号が受信された時は必ず、光線角度がアクセス不可能な方向に入るように、走査装置が作られ得る。
いくつかの実施形態において、反射防止コーティングは、可視光を透過するが、赤外線及び紫外線の光は反射するように作られ得る。これは、励起レーザが紫外線波長または赤外線波長のいずれかを有するが可視波長は有さない事例において、励起レーザ光線が観察者にまで達しないことを確実にするために使用され得る。励起レーザの反射が交差する時にスプリアス蛍光を作る可能性のために、当手法は、全ての実施形態において必ずしも有利ではない。代替的手法は、UV及びIR波長に対し吸収性を有し、可視波長に対し透明である物質から、容器を製造することである。レーザのうちの1つまたは複数が可視波長を有する事例においては、前述の方法は機能しない。当事例において、可視レーザ光線は、それらが確実に吸収され、かつそれらがディスプレイユーザにより直接見られ得ることがないように、容器を通り抜け出る必要があり得る。これは、反射防止コーティング及び吸収性筐体または光線ブロックの組み合わせの使用を伴い得る。より一般的に、容器は、吸収される場所へ光を安全に誘導し、かつディスプレイユーザを危険にさらさないために、二色性もしくは多色性の反射防止及び/または反射コーティング及び/または吸収性領域を有し得る。
いくつかの実施形態において、システムの別の態様は、照明体積を通したレーザ光線反射を最小化または除去するように、追加的または代替的に構成され得る。例えば、容器に対して照明体積の体積を縮小することにより、及び/またはレーザ光線が容器の同じ側または面から容器に入射するように配置することにより、望ましくない2次光線交差をもたらすレーザ光線反射の機会は低減され得る。図1(b)〜1(e)は、容器102’、照明体積110’、並びにレーザ光線源120’及び130’が、容器内のこれらのレーザ光線の反射による二次光線交差を最小化するように、寸法決めされ配置された三次元画像化システムの上面図を示す。この特定かつ非限定的な例において、及び図1(b)に示されるように、容器102’は立方体であり、照明体積110’は容器内の中心に置かれたより小さい立方体(例えば容器の総内部体積の50%未満、25%未満、10%未満、または他の率を占める立方体)である。レーザ光線源120’及び130’は、これらの光線が同じ側を通って容器102’へ入射するように配置され、20度の円弧を通して走査することにより(採用される走査技術により他の円弧範囲も可能である)照明体積110’全体を対象範囲とし得る(上面図において)。当非限定的例において、及び図1(c)〜(e)における可能なレーザ光線反射パターンの例により示されるように、少なくとも、容器の内側における1つまたは両方のレーザ光線の2回以上の反射の前に、光線の2次交差は起こらない。
いくつかの事例において、容器は、レーザ光線が容器を通過する際、レーザ光線のフレネル反射を最小化するように、追加的または代替的に構成され得る。図1(f)は、レーザ光線122’が容器102’の壁を通過する際起こり得るレーザ光線122’のフレネル反射の例を示す。図1(g)は、フレネル反射を抑制する2つの球状窓160’及び160’’を含む容器102’の例を示し、窓の球状表面は、レーザ光線が容器内に入る際通る球状表面に対してレーザ光線が垂直またはほぼ垂直であるように、配置される。別の事例において、ほぼ同じ効果を達成するように、平面窓が配向され得る(例えばレーザ光線の略垂直入射角を達成するように配向され得る)。フレネル反射を最小化するために入射窓を利用する少なくともいくつかの実施形態において、入射窓における反射損失を減らすために、窓上に誘電体コーティングが提供され得る。
別の実施形態において、図1(a)〜1(g)により例示される構成及び特徴は無くてもよく、レーザ光線の反射に対処する(例えば前述のように反射防止コーティングを介して)、あるいはレーザ光線反射を把握するために、別の機構が採用され得る。
前述のように、いくつかの実施形態は、加熱システムを含み得る。以下は、円筒容器の実施形態を利用する実験装置で使用される加熱システムの非限定的例である。円筒は、オーブンを備える別のガラス円筒内に装着され得る。当非限定的例において、オーブン円筒は270mmの直径及び10インチの長さを有し、ガス円筒は200mmの直径及び226mm(約9インチ)の長さを有する。ガス円筒は、オーブン円筒の側面から約3/4インチ離して装着される。ガス円筒の下には、それぞれ5インチの長さの6本の抵抗加熱ロッドがある。それぞれのガス円筒窓の周りには、抵抗加熱ロープが巻き付けられる。オーブン窓において、1つの小孔に電線を収容するために、並びに熱気吹込黄銅管を収容するために、2つの小孔が穿設される。熱気吹込管は、約3/8’’の直径を有し、オーブンへ過熱された空気を吹き込む。過熱空気は、管を下降し、黄銅管の側面上に1インチあけて穿設された小孔から出る。小孔は空気を分散させ、加熱が均一になるようにする。黄銅管の各端部には、長手方向に同じ位置に穿設された4個の孔が存在する。これは、ガス円筒窓がガス円筒の側面よりも高温であることを確実にする。過熱空気は、インライン抵抗加熱器を使用して加熱され、小型ポンプを使用して吹き出される。加熱ロッド、ロープ、及び加熱器における総電力は、0から700W近くまで及び得る。電力の最適比を含む最適電力は、特定されていない。最適化を導く一般原理は、所望温度と、凝縮ルビジウム蒸気が励起レーザまたは1次視野角を遮らないという要件とに基づく。これは、蒸気小室の最冷部分が、所望温度と同じ熱さになる必要があり、かつ励起レーザまたは1次視野角のいずれも遮らない領域に存在するべきであることを意味する。加熱ロープは、窓が小室の他の部分よりも高温にされ得ることを確実にし、過熱空気による上からの加熱は、蒸気小室の最冷部分が小室の底部に存在することを確実にする。小室の底部にある加熱ロッドは、小室の最冷部分の目標温度を達成することを確実にする。
いくつかの事例において、3Dディスプレイをより大きいサイズにスケーリングすることは、困難を生じ得る。例えば、一つの難点は、ディスプレイの解像度をスケーリングすることに関する。別の難点は、大きな体積において十分な励起状態の原子密度を得ることに関する。最初の問題をまず論述する。
他の3Dシステムでの解像度問題は、他でも記されてきた。例えばEnhanced Visualization:Making Space for 3‐D Images,Barry G.Blundell著[John Wiley and Sons, Hoboken, NJ, 2007]において記されている。当問題は、システムの絶対スケールとは幾分独立している。1つの難点は、励起レーザ光線の特定の組が、目の積分時間スケール内の照明領域の全ての関連ボクセルを巡回するのに利用時間な時間量である。例えば、24Hzのフレームレートでは、フレーム内の各照明ボクセルは、42ms毎に1度巡回されるはずである。各ボクセルが250ns照明される場合には、各フレームにおいて約168,000の個別ボクセルのみが対処され得る。最密充填構成においては、これは1辺あたりおよそ55ピクセルにのみ対応する。
本発明のいくつかの非限定的実施形態において、システム及び方法は、有効解像度がはるかに大きくなることを可能にする3Dベクトル走査を組み込み得る。いくつかの事例において、3Dベクトル走査に関して、有効解像度は、ディスプレイにおいて描画され得る総2D表面積に関連する。数多くの3D画像が、空の空間により分離された別個の表面から構成されることから、表面のみを描画することは非常に効率的なディスプレイ使用方法であり得る。なぜなら非常にわずかな時間が、照明されないボクセルに光線を向けるのに浪費されるからである。
本発明のいくつかの非限定的実施形態において、前述のベクトル走査技術と組み合わせても、または当技術を使用しなくても、解像度問題に対処するために、緩衝ガスが使用され得る。例えば、約10ns程度の光ポンピング速度を仮定すると、いくつかの事例において、滞留時間は、ほとんどあるいは全く輝度を低減させることなく、約20nsに短縮され得る。この滞留時間では、いくつかの事例において、210万個別ボクセルに対処可能である。これは、最密充填構成では1辺あたり約128ピクセルに対応し、あるいは3Dベクトル走査手法においては1449×1449ピクセルの総表面積に対応する。これはおおよそ、1080pのHDテレビと同じ面積に対応する。3Dベクトル走査手法において、これは、各表面の解像度が、フルHD解像度であり得る、またはほぼフルHD解像度であり得ることを意味する。3Dベクトル走査解像度(総ピクセルに関する)は、レーザ出力及び衝突拡幅を増やすことにより、2倍以上増加され得、よって光ポンピング時間及びレーザ滞留時間は2分の1以下に短縮され得る。これは、約400MHzの衝突拡幅に対応する。これをはるかに超える衝突拡幅に関しては、追加の衝突拡幅は、中間状態の原子の寿命が短くなるため、上位準位へ励起され得る原子の比率に負の影響を与え始めると見込まれる。それでも、いくつかの非限定的実施形態において、大部分の原子は尚も、上位準位に励起可能でなければならない。これは、いくつかの非限定的実施形態において、励起減衰プロセスの循環時間を低減するためには、光ポンピング速度を増加させる必要があることを意味し、これはレーザ出力が増加されなければならないことを本質的に意味する。より高出力のレーザに伴う追加費用は、いくつかの事例において、解像度が拡張され得る程度を制約すると予期される。それでも、レーザダイオードにおける継続的な進展は、可用性、品質、及び費用の全てに関して、当問題が、克服不可能な障害には相当せず、むしろレーザダイオード技術が継続的に成熟するにつれ徐々に解決されるものであることを示唆する。
いくつかの事例における別の懸念は、ディスプレイが十分明るいように、十分に高い原子密度を得ることである。ルビジウム等の金属蒸気に基づくディスプレイは、1つの難点は、チャンバを適切に加熱して、ユーザに安全であるようにすることである。緩衝ガスの追加により、いくつかの事例において、加熱要件は大幅に軽減される。加えて、いくつかの実施形態において、蒸気小室は、透明の加熱器ガラスに収容され得る。加熱器ガラスは、176℃まで加熱可能な0.25ミクロンの厚さのフッ素ドープ酸化スズ抵抗コーティングを使用する。これは、大きなガラス筐体の表面を均一に加熱するための1つの可能な方法を示す。真空ガラス筐体と組み合わせると、大きい規模の実施態様(1〜2mの長さ寸法)でも可能であると考えられる。
不活性ガスにより、数多くの実施形態において加熱は不要であるが、いくつかの事例において、より大きい寸法にスケーリングすることは依然困難である。例えば、いくつかの事例において、1つの難点は、低圧環境における準安定状態の有効寿命であり得る。標準技術による準安定状態の作成効率はおよそ1:10,000〜100,000であるため、準安定状態は、基底状態原子の有効緩衝ガスに存在する。これらの基底状態原子は、準安定状態の消光率の増加をもたらす。消光率は、不活性ガスの圧力に依存する。いくつかの典拠は、実現可能な準安定状態有効寿命は数マイクロ秒であると記載する。いくつかの非限定的実施形態において、準安定状態がこの短時間に、ディスプレイ体積を満たすために十分遠くへ伝播可能である限り、当方法は大体積に使用可能なはずである。最適化により、ディスプレイのサイズごとに、密度と有効寿命との妥協点が決定され得る。ディスプレイを満たすための密度が低減されなければならない場合、これを補うためにレーザ出力が高められ得る。
レーザ
図1において示されるシステムのレーザ源120、130は、照明体積110において用いられる特定のガスに基づいて選択され得る。例えば、照明体積内に原子ルビジウムガスを含む一実施形態において、レーザ120、130は、420nmの青色光の発光を刺激するために、5S1/2から5P3/2への遷移を励起する780nmレーザ光線を生成するように構成されるレーザと、5P3/2から5D5/2への遷移を励起する776nmレーザ光線を生成するように構成されるレーザとを含み得る。
非限定的一実施形態は、数十mWの出力を有する科学的グレードの狭帯域連続波レーザ(約1〜2MHz帯域幅)を使用する。いくつかの事例において、780nmレーザがD2ラインの共鳴から離調される時、蛍光発光は最もきれいで(交差体積の外側における蛍光のぼやけの少なさという意味で)、最も明るくあり得る(ボクセルのクリーンレベルに関して)。しかしながら、いくつかの事例において、基底状態の超微細分裂に起因して、超微細共鳴の間に780nm光線を入れることは、共鳴外に当光線を入れることと比べて、改善を示すこともわかった。これは、レーザが共鳴間にある場合、いずれかの超微細状態から原子が励起される可能性は等しく、よって励起される可能性の低い超微細基底状態では、基底状態原子の数的優勢が起こらないためである。
非限定的一実施形態において、776nmレーザの最適離調は、2光子離調に非常に近い、または厳密に2光子離調であるように見られる(両レーザのエネルギーは、つまるところ最上準位と最低準位のエネルギー差になることを意味する)。
いくつかの非限定的実施形態において、より高出力のレーザは、特定の離調のための飽和強度に達するまで、より良い結果を生み出す場合がある。これらの事例において、飽和強度に必要な電力を超える追加電力は、励起プロセスには寄与せず、単なる無駄なエネルギーである。ユーザにとってレーザの危険性が低くなるように、できる限り少ない光を使用することが追加的に考慮されている。最終的に、電力が飽和状態に近づくと、電力の増加に呼応して励起され得る原子の比率は、低下する。従って、可能な場合、線形性体制(飽和未満)で作動することが、比較的にエネルギー効率が良い。線形性体制で作動するいくつかの事例における1つの難点は、下位励起レーザの出力は、蒸気小室を通して伝播すると吸収されることである。これは、例えば、レーザの入射窓に対して遠位の場所にあるボクセルの強度は、近接のボクセルと比べて、低減され得ることを意味し得る。これは、いくつかの非限定的実施形態において、上位励起レーザの出力を、近接ボクセルに向ける時に減少させ、かつ上位励起レーザの出力を、遠位ボクセルに向ける時に増加させることにより、補正され得る。全ボクセルが均一の輝度または強度を有する可視光を放出するように、各ボクセルに対する励起レーザの最適出力が較正され得る。いくつかの事例において、線形性体制(飽和未満)で作動することにより下位励起レーザのエネルギーを節約することと、ボクセルの均一な輝度を生み出すために上位励起レーザを減衰させなければいけないこととの妥協点は、下位励起レーザではほぼ飽和体制または飽和体制で作動することが好ましくあり得ることを示唆し得る。
いくつかの事例において、最適光線直径は、予想観察距離に依存し得る。目の解像度は、1フィート離れた場所で見た場合、およそ90ミクロンに等しい[オンライン参照:http://prometheus.med.utah.edu/~bwjone/2010/06/apple-retina-display]。約2〜3フィート離れた場所で快適に見ることを意図した実施形態において、光線は、人の目の解像度を超えるために、およそ300ミクロンの直径を有し得る。これは、交差点から適度な距離離れている必要のあるレンズにより集束される光線により、容易に適応され得る。より大きいディスプレイは、いくつかの事例において、さらに離れた場所から見られ、よってより大きいボクセルのサイズを許容し、より大きい光線直径を可能にする。より大きい光線直径は、次に、照明領域と集束レンズとの間のより離れた距離に適応する。いくつかの事例において、より大きい光線直径はまた、減少したレーザ強度を補うために、レーザ出力の増大を要する可能性がある。
システムは、異なる色を作り出すために、多色画像を作り出すために、及び/または他の目的で、異なるガスと共に使用する代替的及び/または付加的レーザを含み得る。
レーザ120、130は、連続レーザ、またはパルスレーザであり得る。いくつかの事例において、吸収及び可視発光を向上させ、及び/またはレーザの駆動力を低減するために、パルスレーザ(例えばミリ秒、マイクロ秒、ナノ秒、ピコ秒の持続時間、またはより短いもしくは長い持続時間を有する)が利用され得る。
いくつかの事例において、画像または部分的画像において強度変調(例えば8ビットグレイスケール)を得るために、レーザは強度変調され得る。
緩衝ガスを含むことにより、いくつかの実施形態において、中程度の帯域幅のレーザが採用され得る。いくつかの実施形態において、レーザダイオードの帯域幅は、衝突拡幅、または200〜500MHzと大体一致するはずである。この種のダイオードは、費用便益を提供し得る。加えて、いくつかの非限定的事例において、レーザダイオードの帯域幅は、前に挙げられた要件を超えて、増大され得る。例えば、システムが真の2光子体制(逐次2光子吸収体制と対照的に)で作動される場合には、各レーザ帯域幅は、前に述べられたものを超えて増大され得る。下位及び上位レーザの帯域幅が、互いに一致しかつ好適に同調される限り、下位励起レーザ帯域幅の各領域は、真の2光子励起を作り出すために、上位励起帯域幅の相補性領域に寄与する。逐次2光子吸収体制においてでも、増大された帯域幅は、効率性が低減されたにもかかわらず、原子個体群を中間状態に昇進させることに尚も寄与し得る。
いくつかの実施形態において、レーザは、およそ均一線幅以下の周波数安定性と共に、均一線幅と等しい帯域幅を有するべきである(衝突拡幅が均一線幅に含まれる)。いくつかの事例において、レーザ周波数が経時的にドリフトしないことを確実にするために、レーザ周波数の能動的監視及びフィードバックが使用される必要がある。別の事例において、レーザ帯域幅及びドリフトの大きさによっては、より大きい帯域幅が許容可能であり得、より大きいドリフトが容認可能であり得る。少なくともいくつかの実施態様において、経時的なボクセルの輝度または強度の変動を許容レベルにまで低減させるように、これらの要素は設計されるべきである。
制御システム
図1に示されるレーザ光線交差点140は、照明体積110内のアドレス指定可能な場所または位置を示し得、その結果、体積110内のアドレス指定可能な場所における原子または分子ガスの小領域の選択的励起は、その特定場所において照明を生み出すように作動する。いくつかの事例において、個別の照明は、画像の少なくとも一部を形成し得る。いくつかの事例において、第1交差は、第1照明または照明領域を生み出し得、第2交差は第2照明または照明領域を生み出し得、よって、第1及び第2照明または照明領域は、画像の少なくとも一部を形成する。
いくつかの実施形態によれば、照明体積の所望するxyz座標(または他のアドレス指定可能な場所)を、レーザ光線の1つまたは複数の角度(または他の配置もしくは配向情報)と互いに関係付けるために、参照テーブルまたはアルゴリズムが使用され得る。いくつかの事例において、xyz座標は、走査角度に変換され得る。例えば、図1に示される実施形態において、特定のxyz座標は、第1レーザ光線122の第1及び第2走査角度(例えば第1自由度に関する第1走査角度、及び第1自由度に対し垂直である、あるいは横断する第2自由度に関する第2走査角度)と、第2レーザ光線132の第3及び第4走査角度(例えば1つの自由度に関する第3角度、及び別の自由度に関する第4走査角度)とに、変換され得る。いくつかの実施形態において、参照テーブルまたはアルゴリズムは、第1及び第2レーザ光線を複数の自由度に調整するのに使用される走査機構の設定または調整に、特定のxyz座標または他の空間座標を関連付けるように、情報を含み得る、あるいは構成され得る。
図4は、本発明の別の非限定的実施形態による、ディスプレイシステム1100の態様を描く。ここで示されるように、システム1100は、レーザ源1110と、走査機構1120と、ディスプレイ1130と、コンピュータまたは他の処理デバイスもしくはシステム等の制御機構1140とを含む。簡潔化のために単一のレーザ源1110が図4において示されるが、当実施形態及び別の実施形態は、多数のレーザ源を含み得ることを理解されたい。
走査機構1120は、レーザ源1110により生成されるレーザ光線1112の制御偏向を提供し得る。走査機構1120は、1つまたは複数の次元または自由度に関してレーザ光線を走査する1つまたは複数のデバイスであり得る。いくつかの実施形態によれば、走査機構1120は、1つまたは複数のレーザ光線を様々な自由度で向けるまたは空間変位させる可動ミラーまたは回折構造の任意の好適な構成を含み得る。いくつかの事例において、走査機構1120は、1つの次元または1つの自由度で光線を向けることが可能である。いくつかの事例において、走査機構1130は、2つの次元または2つの自由度で光線を向けることが可能である。例示的ミラー制御機構は、電気モータ、ガルバノメータ、圧電アクチュエータ、磁歪アクチュエータ、及びMEMSスキャナ等を含み得る。いくつかの事例において、走査機構1120は、音響光学偏向器及び/または電気光学偏向器を含み得る。いくつかの事例において、走査機構は、光線経路に沿って光線の焦点を調整する焦点機構を含み得る。いくつかの事例において、集束は、電気制御可変焦点液体レンズを用いて実施され得る。いくつかの事例において、集束は、サーボ制御レンズを用いて実施され得る。いくつかの事例において、小規模偏差のための高速技術、及び大規模偏差のための大規模走査技術を含む走査技術が、順次実施され得る。いくつかの事例において、当手法は、走査速度を犠牲にすることなく、総偏差角または円弧を増大させることが可能である。この種の実施形態の例は、おそらく介在レンズを有するガルバノミラースキャナが後に続く音響光学式または電気光学式偏向器であり得る。
いくつかの実施形態において、焦点は、空間光変調器でも制御され得る。加えて、2つのレーザ光線のうちの1つは、y軸に沿って楕円形または細長い形にされ得る。光線がディスプレイ体積の原点で交差する時、光線は当然、座標系を定義する。2つの光線の平面における2等分角をx軸と呼び(正のxは、2つの光線の伝播の共有される方向に対し原点を超えるものと定義する)、2つのレーザ光線の伝播方向間の右手クロス積をy軸と呼び、そしてz軸はx軸及びy軸の右手クロス積により定義される。当座標系において、原点における光線を用いて、y軸に対し垂直方向の幅と比べて、y軸に沿ってより長い光線が作られる。例えば、光線の直径は、垂直方向におよそ1mmにされ得るが、水平方向には約300μmのみである。別の光線は、およそ300μm×300μmである。他の光線よりy方向に長い1つの光線を有することは、ボクセルのサイズに対する影響は最小でありながら、システムアライメントはより堅固となる。ボクセルは2つの光線の交差により制御され、かつボクセルは1つの光線を垂直方向に長くすることに強く影響されないため、ボクセルのサイズは増加しない。光線を重複させるのにより単純な変換が使用可能であるため、システムアライメントはより堅固である。実際に、レーザ光線が重複するように光線方向角度を特定することは、レーザ光線が通る窓があまり厚くない場合には、簡単な問題である。いくつかの実施形態において、窓がかなり厚いために、光線は窓を通る際にわずかに変換される。変換は、入射角に依存する。光線ごとに入射角は異なるため、オンザフライで行われる変換は、非常に複雑となり得る。対照的に、光線のうちの1つを単純に長くすることにより、最小の画像ゆがみを生じる単純な変換が使用可能となる。光線を長くすることはまた、いくつかの実施形態において、ステアリングオーバーシュートがボクセルの白やけを引き起こし得ないことを意味する。あるいは、窓ガラスに起因する光線の変換を補うために、所定のxyz位置に対する補正オフセット角のリストを有する参照テーブルが使用され得る。これは、レーザが蒸気小室に入射する時にガラスの平坦部分を通らない場合でも、実行可能である。
いくつかの実施形態において、システムは1つまたは複数の調整可能レンズを含み得る。固定焦点手法では、ボクセルのサイズ及び輝度は、光線交差領域における光線の相対的大きさに応じて、照明領域にわたって自然と変化する。例えば、いずれかの光線の焦点から離れて光線の交差が起こると、ボクセルのサイズは増加し、可視光の輝度または強度も増大され得る。1つの光線の焦点近くで交差が起こると、ボクセルは1つの方向に伸長され得、強度または輝度が低減され得る。光線が必ず交差領域で集束されることを確実にするために、調整可能レンズを各光線へ組み込むことが利用され得る。これは、必ずしも全てではないがいくつかの実施形態において、望ましくあり得る。近いまたは遠い交差場所によって、焦点のサイズは尚もわずかに変わるが、調整不可能レンズ手法の幾何学的形状に応じて、焦点のサイズの変化は、大幅に低減され得る。大きい照明体積に関して、照明領域から最終集束光学が離れる距離は、調整可能レンズが焦点のサイズの変動に顕著な改善をもたらさないほど十分に小さい発散を、光線が有することを必要とし得る。
いくつかの実施形態において、強度は、音響光学変調器により制御され得る。これらは、ほぼ全ての走査技術で首尾よく使用されるのに十分な早さを有し得、比較的低い損失で高い消光比を示し得る。別の実施形態において、電気光学変調器または他の光変調器技術が使用され得る。
使用時に、1つまたは複数の走査機構は、光線交差が照明体積のアドレス指定可能な場所で起こるように、ディスプレイ1130の照明体積内に光線交差を作り出すように作動し得る。処理デバイス1140からレーザ源、走査機構、及び/またはディスプレイに対し位置または方向制御命令を提供することにより、照明体積の空間全体にわたって、三次元の可変場所に光線交差を配置することが可能である。
いくつかの事例において、光線交差をアドレス指定可能な場所に作り出すために、ラスタ走査が使用され得る。いくつかの事例において、レーザ源1110、走査機構1120、及び/またはディスプレイ機構1130に対する命令は、テレビ局、ケーブルサービスプロバイダ、インターネットソースもしくはプロバイダ(例えばストリーミングメディアを介して)、または別のマルチメディアソースといった放送事業体から送信される信号を介して提供され得る。別の事例において、情報は、処理デバイス1140から無線で、またはインターネットもしくはインターネットセルラー接続を介して、送信され得る。
コンピュータ1140は、走査機構1120に対し命令を提供または中継するように構成され得る。光源の強度及び焦点位置(または光線重複位置)を変えることにより、三次元のカラー画像が、実空間で作り出され、かつ経時的に変化することが可能となる。このようにして、三次元映像が生成され得る。
図5は、本発明の実施形態による、ディスプレイシステムと共に使用するように構成されるコンピュータシステムまたはデバイス1200(例えば図11のコンピュータまたはコントローラ1140等)の例を描く。コンピュータシステムまたはデバイス1200の例には、企業サーバ、ブレードサーバ、デスクトップコンピュータ、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、パーソナルデータアシスタント、スマートホン、これらの任意の組み合わせ、及び/または計算を実行するように構成されたその他の種類の機械が含まれ得る。コンピュータシステムまたはデバイス1200は、命令を実行及び/または包含するように構成され得、当命令は、実行されると、レーザ源1110、走査機構1120、及び/またはディスプレイ1130の機能をインスタンス化及び実施する。
図5のコンピュータ1200は、バス1202を介して電気的に接続され得る(あるいは必要に応じて通信状態であり得る)ハードウェア要素を備えることが示される。ハードウェア要素は、1つまたは複数の汎用プロセッサ、及び/あるいは1つまたは複数の専用プロセッサ(デジタル信号処理チップ、及び/あるいはグラフィックス高速化プロセッサ等)を非限定的に含む1つまたは複数のプロセッサ1204を有する処理ユニットと、リモートコントロール、マウス、及び/またはキーボード等を非限定的に含み得る1つまたは複数の入力デバイス1206と、提示デバイス(例えばコントローラスクリーン)を非限定的に含み得る1つまたは複数の出力デバイス1208とを備え得る。
コンピュータシステム1200はさらに、1つまたは複数の非一時的記憶デバイス1210を備え得る(及び/または1つまたは複数の非一時的記憶デバイス1210と通信状態であり得る)。これは、ローカル及び/またはネットワークアクセス可能なストレージを非限定的に備え得、並びに/あるいはディスクドライブ、ドライブアレイ、光記憶デバイス、ランダムアクセスメモリ等のソリッドステート記憶デバイス、及び/またはプログラム可能及び/もしくはフラッシュ更新可能等であり得る読出専用メモリを非限定的に含み得る。このような記憶デバイスは、様々なファイルシステム、及び/またはデータベース構造等を非限定的に含む任意の好適なデータストアを実施するように構成され得る。
コンピュータデバイス1200はまた、通信サブシステム1212を備え得、これは、Bluetoothデバイス、802.11デバイス、WiFiデバイス、WiMaxデバイス、並びにGSM(Global System for Mobile Communications(汎欧州デジタル移動電話方式))、W‐CDMA(Wideband Code Division Multiple Access(広帯域符号分割多重アクセス))、及びLTE(Long Term Evolution(ロングタームエボリューション))等のセルラー通信設備といった、モデム、ネットワークカード(無線及び/または有線)、赤外線通信デバイス、無線通信デバイス、及び/またはチップセットを、非限定的に含み得る。通信サブシステム1212は、ネットワーク、他のコンピュータシステム、コントローラ、及び/または本明細書において説明されるその他のデバイスとのデータ交換を可能にし得る。少なくともいくつかの実施形態において、コンピュータシステム1200は、前述のようにランダムアクセスメモリ及び/または読出専用メモリデバイスを含み得る作業メモリ1214を備え得る。
コンピュータデバイス1200はまた、作業メモリ1214内に現行配置されているように示されるソフトウェア要素を備え得る。これには、オペレーティングシステム1216、デバイスドライバ、実行可能ライブラリ、及び/または1つまたは複数のアプリケーションプログラム1218等の他のコードが含まれる。1つまたは複数のアプリケーションプログラム1218等の他のコードは、様々な実施形態により提供されるコンピュータプログラムを含み得、並びに/あるいは本明細書において説明される他の実施形態により提供される方法を実施及び/またはシステムを構成するように設計され得る。例として、1つまたは複数のシステム構成要素は、コンピュータ(及び/またはコンピュータ内の、FPGAモジュールを含むプロセッサ)により実行可能なコード及び/または命令として実装され得る。そして一態様において、このようなコード及び/または命令は、1つまたは複数の動作を実行するように汎用コンピュータ(または他のデバイス)を構成する及び/または適合させるために使用され得る。
これらの命令及び/またはコードの集合は、前述の記憶デバイス1210等の非一時的コンピュータ可読記憶媒体上に記憶され得る。いくつかの事例において、記憶媒体は、コンピュータシステム1200等のコンピュータシステム内に組み込まれ得る。別の実施形態において、記憶媒体は、コンピュータシステムとは別個であり得(例えばフラッシュメモリ等の取外し可能媒体)、及び/またはインストールパッケージにおいて提供され得、これにより記憶媒体は、汎用コンピュータを記憶媒体上に記憶される命令/コードでプログラムする、構成する、及び/または適合させるために使用され得る。これらの命令は、コンピュータデバイス1200が実行できる実行可能コードの形態を取り得、並びに/あるいは、コンピュータシステム1200上でのコンパイル及び/またはインストール(例えば多様な一般入手可能なコンパイラ、インストールプログラム、及び圧縮/解凍ユーティリティ等のうちのいずれかを使用)の際に、実行可能コードの形態を取るソース及び/またはインストール可能コードの形態を取り得る。
特定の要件に従って、実質的変形が作られ得ることは明らかである。例えば、カスタマイズされたハードウェアも使用され得、及び/または特定要素がハードウェア、ソフトウェア(アプレットといったポータブルソフトウェア等を含む)、またはその両方に実装され得る。さらに、ネットワーク入力/出力デバイスといった他のコンピューティングデバイスへの接続が、採用され得る。
前述のように、一態様において、いくつかの実施形態は、本開示の様々な実施形態に従って方法を実行するために、コンピュータシステム(コンピュータデバイス1200等)を採用し得る。実施形態の集合によれば、このような方法の手順のうちのいくつかまたは全ては、プロセッサ1204が作業メモリ1214に含まれる1つまたは複数の命令の1つまたは複数のシーケンス(オペレーティングシステム1216、及び/またはアプリケーションプログラム1218等の他のコードに組み込まれ得る)を実行することに応じて、コンピュータシステム1200により実行される。このような命令は、記憶デバイス1210のうちの1つまたは複数といった別のコンピュータ可読媒体から、作業メモリ1214に読み込まれ得る。単なる例として、作業メモリ1214に含まれる命令のシーケンスの実行は、プロセッサ1204に、本明細書において説明される方法の1つまたは複数の手順を実行させ得る。
本明細書において使用される用語「機械可読媒体」及び「コンピュータ可読媒体」は、機械に特定の様式で作動させるデータの提供に関与する任意の非一時的媒体を指し得る。コンピュータデバイス1200を用いて実施される実施形態において、様々なコンピュータ可読媒体は、実行のためにプロセッサ1204に命令/コードを提供することに関与し得、並びに/あるいはこのような命令/コードを記憶及び/または運搬するために使用され得る。数多くの実施態様において、コンピュータ可読媒体は、物理的及び/または実体的な記憶媒体である。このような媒体は、不揮発性媒体または揮発性媒体の形態を取り得る。不揮発性媒体には、例えば、記憶デバイス1210等の光学及び/または磁気ディスクが含まれ得る。揮発性媒体には、作業メモリ1214等の動的メモリが非限定的に含まれ得る。
通信サブシステム1212(及び/またはその構成要素)は、一般に信号を受信可能であり、そしてバス1202は、信号(及び/または信号で搬送されるデータ、命令等)を作業メモリ1214へ搬送可能であり、プロセッサ1204は当作業メモリ1214から命令を取得し実行する。作業メモリ1214により受信された命令は、プロセッサ1204による実行前または実行後のいずれかに、非一時的記憶デバイス1210上に任意で記憶され得る。
コンピュータデバイス1200の構成要素は、ネットワークにわたって分散され得ることを、さらに理解されたい。例えば、ある処理は、第1プロセッサを用いて1つの場所で実行され得、一方別の処理は、第1プロセッサから離れた別のプロセッサにより実行され得る。コンピュータシステム1200の他の構成要素も、同様に分散され得る。よって、コンピュータデバイス1200は、多数の場所で処理を行う分散コンピューティングシステムとして解釈され得る。いくつかの事例において、コンピューティングシステム1200は、状況に応じて、別個のラップトップ、またはデスクトップコンピュータ等の単一のコンピューティングデバイスとして解釈され得る。
方法
図6は、本発明の別の実施形態による、表示方法1100’の態様を描く。方法1100’は、ステップ1110’に描かれるように第1波長の第1レーザ光線を生成すること(例えば第1レーザ光線源を使用)と、ステップ1120’に描かれるように第2波長の第2レーザ光線を生成すること(例えば第2レーザ光線源を使用)とを含み得る。第1波長は、第2波長とは異なり得る。方法はまた、ステップ1130’に描かれるように、照明体積のアドレス指定可能な場所の交差点に、第1及び第2光線を向けることを含み得る。照明体積は、第1及び第2レーザ光線により励起可能なガス状粒子を含み得る。さらに、方法は、ステップ1140’により示されるように、照明体積の三次元空間全体にわたって光線交差点を作り出して、1つまたは複数の静的または動的画像を生成するために、第1及び第2光線を、例えば少なくとも2つの自由度で走査することを含み得る。
以下の非限定的実施例は、前述の別の実施形態のうちのいくつかとは異なる。ここで当手法は、真の単一段階2光子励起を使用する。レーザは共伝播し、レーザが十分な強度を有する場合のみ、2光子吸収及びそれに続く蛍光発光が起こる。共伝播光線の焦点領域においてのみ2光子吸収が起こるように、出力が設定される。焦点領域は、調整可能レンズを用いてz方向に変換され、ガルボスキャナを用いてx及びy方向に変位する。
少量のルビジウムが高真空状態の1インチの立方体小室に加えられる。小室は、所望の原子密度を得るために加熱される(約150℃)。780nmの1つのレーザ光線が、5S1/2から5P3/2への遷移を励起する。776nmの第2レーザが、5P3/2から5D5/2状態への2光子遷移を達成する。ルビジウム原子が2光子励起状態である時に、1対の自然放出減衰経路を有することが可能であり、例えば1つの自然放出減衰経路は、420nmの青色光子を放出する。
三次元可動焦点を達成するために、完全可変走査システムが使用される。一次元において、電気制御可変焦点液体レンズが使用される。光線を横方向に移動させるために、ガルボスキャナが使用される。これらの可変機械要素はそれぞれ、数百ヘルツまでの走査速度で作動可能であり、リアルタイム3D投影を提供するのに有効なフル3D可動焦点を提供可能である。当要素は、コンピュータ出力を用いて、外部から制御される。
z軸とも称され得る焦点の方向において、当実施例における予想解像度は、約100ミクロンと推定されるレイリー長により設定される。総z軸視野は、約1cmである。横断次元において、解像度は、ガルボ解像度または焦点光線幅のいずれかにより設定される。解像度は、半値全幅約15ミクロンである光線幅により設定されると仮定され得る。控えめな数を用いて、1センチメートル立方体視野体積に対し、約40メガ領域またはメガ場所を推定することが可能である。
追加実施態様は、小室内における3つの異なるガスの使用を含み得、それぞれのガスは、赤、緑、及び青色の発光をもたらすように、それぞれのエネルギー遷移を推進する異なるレーザを伴う。各色の強度変調(例えば8ビットグレイスケール)を得るために、レーザも強度変調され得る。いくつかの事例において、小室を加熱するのではなく、好適な圧力の不活性ガスで小室を満たすことが可能である。機械的動作を伴わない非常に高速な走査が、音響光学偏向器により達成され得る。パルス光線はまた、発光を大幅に増強し得る、あるいはレーザの駆動力を低減し得る。
照明ボクセルの角度強度パターンの制御
3Dディスプレイにおける三次元性の確証的解釈のために、いくつかの実施形態において、視覚深度キューがディスプレイに組み込まれ得る。これらの視覚キューは、遠近感、テクスチャ、眼調節、立体視、運動視差、及びその他多数を含み得る。これらのキューは、省略され得るか、または2D投影ベースの立体視ディスプレイにおいて手動で作られ得る。対照的に、ほぼ全ての視覚キューは、真の3Dディスプレイの少なくともいくつかの実施態様において必然的に存在するが、1つ例外がある。視覚キューとしてオクルージョン(例えば光源からの光が不透明または半透明の前景要素を通過する時の光の消失または輝度低下)が存在しないのである。光源が前景要素の背後にある時、観察者の視点から、オクルージョンは、光源からの光の不在または低減として解釈され得る。ボクセルは通常透明であるため、体積型3Dディスプレイシステムにおいて、オクルージョンは存在しない。これは、照明ボクセルから発出される光は、照明された前景ボクセルを含む全ての前景ボクセルを通過することを意味する。例えば、蛍光ベースの体積型3Dディスプレイにおける人間の頭部の画像では、人は、一定の角度で頭部を見た時に、顔を通して遠方の耳を見ることができる。少なくともいくつかの実施態様において、体積型3Dディスプレイシステムにおけるオクルージョンの問題に対処することが好ましい。加えて、体積型ディスプレイにおいて、異なる観察者は、どの要素が視認可能であるべきで、どの要素が遮蔽されるべきであるかに関して、異なる概念を有し得る。オクルージョンの実施態様が完全であるために、全ての視野角に関してオクルージョンが正確であることが好ましくあり得る。従って、本発明のいくつかの実施形態は一般に、照明ボクセルの角度強度パターンを制御する方法及びシステムに関する。例として、照明ボクセルの角度強度パターンを制御することは、照明ボクセルの放出角度及び/または一定の軌跡に沿った放射強度を制御または調整することを含み得る。
図7は、本発明のいくつかの実施形態による、例示的方法300を示す。ステップ302において、ある場所における粒子は、複数の方向に放射を放出するように、励起され得る。ステップ304において、所望しない方向の放射放出を減らすために、放射の角度強度パターンが制御され得る。
本発明のいくつかの実施形態において、光が生成された場合に(302)、角度放出パターンまたは角度強度パターンは制御され得る(304)。これは、例えば複素四波混合プロセス(complex four−wave mixing process)を用いて実施され得る。光は、位相整合条件と一致する方向にのみ放出される。別の実施形態において、光は4πステラジアン(4πsr)に放出され得(302)、その後放射は、透過光が所望する/計算された角度放出/強度パターンに忠実であるように、優先的に吸収され得る(304)。
粒子は、本明細書において説明される方法及びシステムのうちのいずれかを用いて、放射を放出するように励起され得る(302)。蛍光ベースの3Dディスプレイにおいて、一実施態様は、体積型媒体のボクセルを、3Dベクトル走査手法で順次照明するものであり得る。これは、必ずしも全てではないが複数のボクセルが一度で描画されるように、小規模または大規模で多重化され得る。いくつかの実施形態において、ボクセルの全平面を照明するために、可変形ミラーデバイス(DMD)が使用され得る。いくつかの代替案において、総ディスプレイ体積の副体積が特定され得、それぞれの副体積にレーザが割り当てられ得る。当手法において、副体積ごとの各レーザ集合は、副体積のベクトル走査またはラスタ走査を実行し得る。このようにして、一度に照明され得るボクセルの数は、走査速度、照明効率、及び走査経路アルゴリズムに応じて、低減され得る。走査経路アルゴリズムは、ディスプレイ体積内に提示される3D画像を通る効率的なベクトル走査経路を特定し得る。
いくつかの実施形態において、交差点に位置する粒子(例えばルビジウムガス等)を多光子状態に励起するために、複数のレーザが交差され得、これにより光線交差点から可視光が放出される。局所的放射は、下位、中間、及び上位準位を伴う梯子型構造を有し得る。1つのレーザは、原子を下位準位から中間準位へ昇進させ得、第2レーザは、原子を中間準位から上位準位へ昇進させ得る。下位遷移の遷移波長が赤外であり、上位遷移の遷移波長が可視である場合には、2つのレーザの交差は、照明ボクセルから伝播する可視放射を4πステラジアン(4πsr)に放出する。図8は、ステップ302の具体的実施態様を示す。ルビジウムの粒子は、下位照明レーザ404を使用して、5S1/2状態(下位状態400)から5P3/2準位(中間状態402)へ励起され得る。5P3/2準位402のルビジウムの粒子は、上位照明レーザ408を使用して、(n>5)D5/2準位(上位準位406)に励起され得る。
体積型媒体内の各ボクセルの角度放出/強度を制御することにより(304)、光学的オクルージョンの視覚キューが提供され得る。体積型媒体内の各ボクセルの角度放出/強度を制御することにより(304)、観察者に届く光は、光学的オクルージョンの原理に適合するように作られ得る。
単一の副体積を有する蛍光ベースの体積型ディスプレイに関して、透過光の強度を局所的に制御可能な箱または筐体内に、体積型媒体は封入され得、以下これは光バルブアレイ(LVA)と称される。従って、いくつかの実施形態において、筐体は、液晶光バルブアレイ(例えば標準的液晶ディスプレイ内に見つかるもの等)で構成され得る。各ボクセルの照明中に光バルブアレイの透過率を制御することにより、角度放出/強度パターンを制御することが可能となり(304)、従って光学的オクルージョンが実施可能となる。単一の副体積を有するいくつかの実施形態において、単一の時間に1つのボクセルのみが照明され得る。このボクセルにより放出される光は、3D映像フレームを含む3D画像に関する光学的オクルージョンの原理に適合するように構成され得る。角度放出パターンは、照明されたボクセルのごく近傍、あるいは照明されたボクセルからの光が照明体積を離れる場所において、局所的に制御され得る。いくつかの実施形態において、照明ボクセルを光学的オクルージョンの原理に適合させるために、放出された光は、光学的オクルージョンと矛盾する方向で視野へ伝播することがないようにされ得る。いくつかの実施形態において、所定の照明ボクセルに関して方向が許容可能であるか否かは、3D映像または画像の各フレーム内のボクセルごとに、予め決定され得る。いくつかの実施形態において、複数の副体積が存在する場合、放出パターンは、各照明ボクセルの局所近傍において制御され得る。
さらなる実施形態において、オクルージョンボクセル(または吸収ボクセル)が、体積型媒体内に作られ得る。これは、蛍光を作り出すのに使用されるエネルギー準位に相対して構成される複数のエネルギー準位を有する体積型媒体において可能であり得る。具体的には、放射と共鳴する粒子を励起することにより、オクルージョンボクセルが生成され得る。照明放射と共鳴する粒子の密度が十分に高い場合、放出される照明光の吸収、それから再放出が何度も引き起こされ、これにより、放出される照明光がオクルージョンボクセルを通して伝播する機会は低減される。従って、いくつかの実施形態において、照明ボクセルからの放出角度及び/または放射強度を変調または調整するために、1つまたは複数のオクルージョンボクセルが、照明ボクセルに隣接して、かつ所望しない発光経路に沿って、生成され得る。照明ボクセル付近のオクルージョンボクセルの戦略的作成は、所望しない方向及び/または強度の発光を低減し得、光が所望する方向に所望する強度でのみ伝播するように制限し得る。
オクルージョンボクセルは、照明ボクセルの近傍における所望しない方向の粒子を、中間状態に昇進させることにより作成され得る。中間状態の粒子の密度が十分に高い場合、光は、オクルージョンボクセルを通して順方向に伝播することはできない。2光子吸収の下位遷移と共鳴する、またはほぼ共鳴するレーザが、いくつかの実施形態において、中間準位に粒子を押し上げるために使用され得る。下位遷移と共鳴するレーザを使用することにより、光線内の全ての粒子は、中間準位に昇進され得る。あるいは、原子密度が高い局所的領域を中間準位にするために、追加補助準位が使用され得る。補助準位には、中間補助準位と、上位補助準位が含まれ得る。照明ボクセルと同様に、オクルージョンボクセルを作成するために、2つの補助レーザが交差して、原子を上位補助準位にまで押し上げ得る。任意で、いくつかの実施形態において、上位補助準位に励起された原子は、上位補助準位から中間準位へ減衰し得る。図9は、いくつかの実施形態による、オクルージョンボクセルを生成する例示的方法500を示す。ステップ502において、照明ボクセルに隣接し、かつ照明ボクセルから所望しない方向の場所に存在する粒子は、中間補助状態に励起され得る。ステップ504において、当場所に存在する中間補助状態の粒子は、上位補助状態に励起され得る。いくつかの実施形態において、粒子は、第1補助レーザにより、中間補助状態に励起され得る。中間補助状態の粒子は、上位補助レーザにより、上位補助状態に励起され得る。任意で、離調レーザを用いるワンステップ2光子プロセスは、原子を、必ずしも第1補助準位にすることなく、第2補助準位に昇進させることが可能である。これは、隣接オクルージョンボクセルが不透明にされる間に、いくつかのオクルージョンボクセルを透明に維持するように、離調を用いて角度放出パターンを制御するのに使用され得る。
一度上位補助準位になると、粒子は、中間準位に減衰する可能性を有し得る。加えて、上位補助準位の粒子は、減衰する時に可視放射をしないほうが望ましくあり得る。加えて、中間準位と上位補助準位との間の遷移とほぼ共鳴する第3レーザが、中間準位への個体群の転換を促進する最初の2つのレーザと協働して使用可能である。従って、いくつかの実施形態において、2つのレーザ(例えば下位補助レーザ及び上位補助レーザ)またはそれ以上が、照明ボクセルに隣接し、かつ所望しない方向にある粒子を、中間補助準位及び上位補助準位へそれぞれ励起するために使用され得る。従って、いくつかの実施形態において、補助光線の交差点における原子のみが、上位補助準位にまで押し上げられ、中間準位へ減衰する可能性がある。従って、いくつかの実施形態において、粒子は、局所的なやり方で中間準位に移され得る。1度中間準位になると、原子は、照明ボクセルから来る放射を吸収して再放出し得る。中間準位の粒子の密度が十分な場合、照明ボクセルからの放射は、所望しない方向に伝播することがないようにされる。よって、本発明のいくつかの実施形態による発光/強度パターンを制御するための照明体積内のオクルージョン/吸収ボクセルを作り出すために、1つまたは複数の補助レーザが提供され得る。
図10は、方法500の具体的実施態様を示す。ルビジウムの粒子は、下位補助レーザ412を使用して、5S1/2状態(下位状態400)から5P1/2準位(中間補助状態410)へ励起され得る。5P1/2準位410のルビジウムの粒子は、上位補助レーザ416を使用して、上位補助準位4D3/2(上位補助準位414)に励起され得る。当上位補助準位414にある時、粒子は、5P3/2準位402への減衰418の可能性を有し得る(約15%)。好都合にも、上位準位406((n>5)D5/2)の原子は、P1/2準位410に減衰不可能である。これは、照明レーザ(例えばレーザ404、408)が偶然に原子を中間補助準位410にすることはないことを意味するため、有利であり得る。
図11a〜図11bは、オクルージョン原理並びに本発明の方法及びシステムを示すための例示的3Dディスプレイ状態600を示す。図11aは、等しい半径rを有する2つの不透明な球体601、602のディスプレイの透視図を示す。図11bは、例示的状況600の側面図を示す。球体601、602の中心603、604は、それらの半径rの三倍分、水平方向に変位される。球体601のボクセル610は、球体602に最も近い球体601のボクセルであり得る。当ボクセル610の角度座標は、垂直方向の天頂と、ボクセル610を球体602の中心604につなぐ線分により定義されるゼロ方位角度に対応する方向とにより、定義される。極角はシータ(Θ)と定義され、方位角はファイ(Φ)と定義される。図11b内の側面図から、当例示的状況における光学的オクルージョンの原理に忠実であるために、シータ(Θ)は30度より大きいが90度より小さく、ファイ(Φ)は制約のない角度領域にのみ、ボクセル610からの発光は伝播されなければならない。従って、示される実施例において、ボクセル610は、斜線領域612へのみ放射を放出し得る。当角度の仕様は、特定されたボクセル610に対する角度放出パターンであり得る。このようにして、特定されたボクセル610からの光は、球体601または球体602の不透明な表面を通して送られるため、決して知覚されない。特定の3D画像に関して、各ボクセルは、光学的オクルージョンの原理に忠実である独自の角度放出パターンを有し得る。よって、各ボクセルの角度放出パターンを制御可能な蛍光ベースの3Dディスプレイは、光学的オクルージョンを完全に実施可能であり得る。前景要素(例えば軸614に沿って見た時の球体602)が完全な不透明とは対照的に半透明である事例においては、照明ボクセルの角度強度パターンを制御可能であれば十分であり得る。3Dディスプレイでは、数多くの様々な観察者すなわち視点が提供され得る。オクルージョンの実施態様が完全であるために、全ての視野角に関してオクルージョンが正確であることが好ましくあり得る。従って、いくつかの実施形態において、球体602を定義する照明ボクセルに加えて、球体601を定義する照明ボクセルそれぞれに関して、角度放出強度及び/または角度を計算及び制御することが好ましくあり得る。
完全放出パターンに対する制御を実施するために、各放出方向の透過特性は、別個に制御され得る。いくつかの実施形態において、レーザの安全性の理由でレーザは視野方向に沿ってはならないため、上位遷移とほぼ共鳴する照明レーザの方向は無視され得る。放出方向の全てを別個に制御するために、空間及び周波数依存の多重化が使用され得る。簡潔化のために、図12は、照明レーザのうちの1つに垂直な照明ボクセル710を通る2D断面700を示す。加えて、照明ボクセル710内の粒子を励起するための2つの照明レーザが垂直であると仮定する。断面700に示されるように、ボクセル701、702、703、704、706、708、及び709は、当断面700内に存在する照明ボクセル710に隣接する。示される例示的システムにおいて、下位補助レーザ光線L123、L456、L789は、下位補助遷移(例えば準位400から準位410へ)のために行を通って伝播し、上位補助レーザ光線U、U、U、U、U、U、U、及びUは、上位補助遷移(例えば準位410から準位414へ)のためにボクセル701、702、703、704、706、708、及び709に伝播する。これは、下位補助レーザの3つの光線と、上位補助レーザの8つの光線が存在し得ることを意味する。下位補助レーザの3つの光線はL123、L456、L789であり得、そのインデックスが光線経路を示し、上位補助レーザの8つの光線はU〜Uであり得、Uは省略される。
123、及びL789光線において、下位補助遷移(例えば準位400から準位410への下位補助遷移)とほぼ共鳴する光の3つの異なる周波数ω、ω、ωが送られ得る。L456光線においては、2つの異なる周波数ω及びωが送られ得る。U、U、及びUにおいて、周波数νの光が送られ得、ω+νは、基底状態(例えば状態400)と上位補助準位(例えば準位414)との間のエネルギー差と共鳴またはほぼ共鳴する、あるいは基底から上位補助準位への2光子遷移と共鳴またはほぼ共鳴する。U及びUにおいて、周波数νの光が送られ得、ω+νは、基底から上位補助準位への2光子遷移と共鳴またはほぼ共鳴する。さらに、U、U、及びUにおいて、周波数νの光が送られ得、ω+νは、基底から上位への2光子遷移と共鳴またはほぼ共鳴する。各周波数における、かつ角空間モードにおける出力に対する別個の制御により、ボクセル701、702、703、704、706、708、及び709は、選択的に吸収性/オクルージョン性を有する状態にされ得る。例えば、ボクセル701、706、及び708に吸収性を持たせるために、L123ω及びUν、L456ω及びUν、並びにL789ω及びUνに対応するレーザ出力が作動され得る。あるいは、ボクセル701、及び703、及び706に吸収性を持たせるために、L123ω及びUν、L123ω及びUν、並びにL456ω及びUνに従ったレーザ出力が作動され得る。この理解では、断面700に向けられた出力及びレーザを計算及び調整することにより、断面700内の全てのボクセル701、702、703、704、706、708、及び709を別個に制御可能であることは明らかであろう。
当手法は、三次元に一般化可能である。例えば。図13は、照明ボクセルを囲む3×3×3のボクセルの立方体を示す。当事例において、(L〜L)及び(U〜U)とラベル付けされた各光線に、9つのレーザが使用され得る。照明レーザは、L及びU補助レーザと共に伝播され得る。各光線は、3つの空間群における3つのレーザ周波数を含み得、例えば、L、L、及びLはそれぞれ、ω、ω、及びωの3つの周波数を伝達し得る。加えて、L、L、及びLはそれぞれ、ω、ω、及びωを伝達し得る。L、L、及びLはそれぞれ、ω、ω、及びωを伝達し得る。対照的に、上位補助レーザは、直交方向のボクセルを隔離するために、対応周波数を伝達し得る。U、U、及びUはそれぞれ、ν、ν、及びνを伝達し得、U、U、及びUはそれぞれ、ν、ν、及びνを伝達し得、U、U、及びUはそれぞれ、ν、ν、及びνを伝達し得る。
上の実施例と同様に、ω+νは、基底から上位補助準位への2光子遷移と共鳴またはほぼ共鳴し、ω+νは、基底から上位補助準位への2光子遷移と共鳴またはほぼ共鳴し、ω+νは、基底から上位補助準位への2光子遷移と共鳴またはほぼ共鳴し、ω+νは、基底から上位補助準位への2光子遷移と共鳴またはほぼ共鳴し、ω+νは、基底から上位補助準位への2光子遷移と共鳴またはほぼ共鳴し、ω+νは、基底から上位補助準位への2光子遷移と共鳴またはほぼ共鳴し、ω+νは、基底から上位補助準位への2光子遷移と共鳴またはほぼ共鳴し、ω+νは、基底から上位補助準位への2光子遷移と共鳴またはほぼ共鳴し、ω+νは、基底から上位補助準位への2光子遷移と共鳴またはほぼ共鳴する。
ボクセルは、例えばそれらの空間座標組により識別され得る。2光子遷移を完了する周波数のみが、作動され得る。例えば、L及びUの交差点におけるボクセルは、Lω及びUν光線を作動させることにより、吸収性を有する状態にされ得る。L及びUの交差点におけるボクセルは、Lω及びUν光線を作動させることにより、吸収性を有する状態にされ得る。L及びUの交差点におけるボクセルは、Lω及びUν光線を作動させることにより、吸収性を有する状態にされ得る。L及びUの交差点におけるボクセルは、Lω及びUν光線を作動させることにより、吸収性を有する状態にされ得る。特に、L及びU、L及びU、L及びU、並びにL及びUの交差点におけるボクセルの全てが吸収性を有しても、L及びUの交差点におけるボクセルは、当ボクセルを通過する光のどれも2光子遷移を完了不可能であることから、透過性を有したままにされ得る。具体的に、L及びUの交差点におけるボクセルを通って伝播する光は、ω、ω、ν、及びνの周波数を含むが、これらのうちの任意の組の和は、2光子遷移を完了できない。一般に、各オクルージョンボクセルは別個に、吸収性または透過性を有する状態にされ得る。実際に、ω及びνの周波数は、これらが照明ボクセルの位置(図示された3×3×3体積の中心)に対応することから、作動される必要はない可能性がある。いくつかの実施形態において、これらはシステムから省略可能である。
前の実施例は、どのように放出パターンが制御可能であるかを粗く示す。3×3×3からより大きい寸法にオクルージョンボクセルの数を増やすことにより、及び/または光線の六角形充填等の代替的幾何学的形状を極力含むようにすることにより、放出パターンは、改善された角度解像度により制御され得る。従って、システム及び方法は、照明ボクセルの角度強度パターンを制御するために、本明細書において提供される。システムは、粒子を中間準位に励起するために、1つまたは複数の補助レーザを利用し得る。局所的オクルージョンボクセルを作成するために、システム及び方法は、複数の補助レーザを利用し得、複数の補助レーザは、ボクセルが吸収性を有するか、透過性を有するかを選択的に制御できるように、変動する周波数の光線を送るように構成され得る。従って、体積型3Dディスプレイ内のそれぞれの照明ボクセルの放出角度/強度が、計算され得る。それから、体積型3Dディスプレイ内の光学的オクルージョンの問題に対処するために、本明細書において開示される方法及びシステムを用いて、オクルージョン/吸収ボクセルが生成され得る。
いくつかの実施形態において、角度強度/放出パターンは、光が最終的にユーザにより見られ得る方向にのみ制御され得る。例えば、いくつかの事例において、所定のボクセルに関して、観察者による視覚的アクセス性を制限する障害がいくつかの方向に存在し得る。従って、これらの方向においては、角度強度/放出パターンを制御する必要はない可能性がある。例えば、照明体積が不透明な表面(例えばテーブルまたは台等)の上に載せられ、表面に向かって下方向に伝播する光が見えないようにされている場合、4\πステラジアンの大きな領域は、計算または制御される必要はない。これにより、体積型3Dディスプレイ内の光学的オクルージョンの問題に対処するために必要な複雑性、計算、及び処理のうちのいくつかが、大幅に簡略化され得る。
本明細書において説明されるそれぞれの計算または動作は、ハードウェア、ソフトウェア、及び/またはファームウェアを有するコンピュータまたは他のプロセッサを使用して、実行され得る。様々な方法ステップがモジュールにより実行され得、モジュールは、本明細書において説明される方法ステップを実行するように準備された多種多様なデジタル及び/またはアナログデータ処理ハードウェア及び/またはソフトウェアのうちのいずれかを備え得る。モジュールは任意で、これらのステップのうちの1つまたは複数を、対応付けられた好適なマシンプログラミングコードを有することで、実行するように適合されたデータ処理ハードウェアを備え、2つ以上のステップ(または2つ以上のステップの部分)用のモジュールは、多種多様な統合及び/または分散処理アーキテクチャのうちのいずれかにおいて、単一プロセッサに統合される、あるいは異なるプロセッサボードに分離される。これらの方法及びシステムは、多くの場合、前述の方法ステップを実行するために命令によりマシン可読コードを具現化する有形媒体を採用する。好適な有形媒体は、メモリ(揮発性メモリ及び/または不揮発性メモリを含む)、または記憶媒体(フロッピーディスク、ハードディスク、またはテープ等の磁気記録、CD、CD‐R/W、CD‐ROM、またはDVD等の光学メモリ、あるいはその他のデジタルまたはアナログ記録媒体)等を備え得る。
上に開示された及び他の特性及び機能の変形、またはその代替物は、数多くの他の異なるシステムまたはアプリケーションに組み合わされ得ることが理解されよう。その中で、現時点で予見不可能または予想外な様々な代替、変更、変形、または改良は、当業者により引き続き行われることが可能であり、これらも添付の特許請求の範囲に包含されることが意図される。

Claims (20)

  1. 少なくとも1つのガスを含む三次元照明体積において三次元画像を作成する方法であって、
    第1ボクセルにおける粒子が前記第1ボクセルから複数の方向に放射を放出するように、前記照明体積内の前記第1ボクセルにて少なくとも2つのレーザを交差させることと、
    前記照明体積内の1つまたは複数の第2ボクセルにおける粒子を、前記放出される放射の前記方向のうちの少なくとも1つの方向における前記放出される放射の少なくとも一部を吸収する中間状態に励起することと
    を含む前記方法。
  2. 前記1つまたは複数の第2ボクセルにおける粒子を前記中間状態に励起することが、前記粒子を前記中間状態に励起するために少なくとも1つのレーザを使用することを含む、請求項1に記載の方法。
  3. 前記1つまたは複数の第2ボクセルにおける粒子を前記中間状態に励起することが、前記粒子を前記中間状態に励起するために少なくとも2つのレーザを使用することを含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記1つまたは複数の第2ボクセルにおける粒子を前記中間状態に励起することが、前記粒子を第1補助レーザ光線により下位補助状態に励起することと、前記粒子を第2補助レーザ光線により上位補助状態に励起することとを含み、前記1つまたは複数の第2ボクセルにおける励起された前記粒子が、前記上位補助状態から前記中間状態へ減衰する、請求項3に記載の方法。
  5. 前記1つまたは複数の第2ボクセルにおける励起された前記粒子が、前記粒子が前記上位補助状態から前記中間状態へ減衰する時に、可視光を放出しない、請求項4に記載の方法。
  6. 前記少なくとも1つのガスが、ルビジウムガスを含み、
    前記第1ボクセルにおける前記粒子が、ルビジウム粒子を5S1/2準位から5P3/2準位へ励起する第1照明レーザ光線と、ルビジウム粒子を前記5P3/2準位から(n>5)D5/2準位へ励起する第2照明レーザ光線とにより、励起され、
    前記1つまたは複数の第2ボクセルにおける前記粒子が、前記第1補助レーザ光線により5P1/2準位へ励起され、かつ前記第2補助レーザ光線により4D3/2準位へ励起される、
    請求項4に記載の方法。
  7. 前記4D3/2準位へ励起された前記粒子の一部が、前記5P3/2準位へ減衰する、請求項6に記載の方法。
  8. 所望する角度強度パターンを計算することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  9. 三次元画像化システムにおいて光学的オクルージョンを実施する方法であって、
    複数の方向に放射を放出する照明ボクセルを生成することであって、第1視野軸に沿った第1視点から見た時に前景要素の後ろに存在する前記照明ボクセルを生成することと、
    前記視野軸に沿って前記前景要素に向かう前記照明ボクセルによって放出される放射が減衰されるように、前記照明ボクセルから放出される前記放射の角度強度パターンを動的に制御することと
    を含む前記方法。
  10. 前記前景要素が、複数の前景要素照明ボクセルを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記前景要素照明ボクセルが、ガスの容器内のそれぞれの前記前景要素照明ボクセルの場所において2つ以上のレーザ光線を交差させることにより生成される、請求項10に記載の方法。
  12. 前記複数の前景要素照明ボクセルの角度強度パターンを動的に制御することをさらに含む、請求項10に記載の方法。
  13. 前記照明ボクセルが筐体内で生成され、前記筐体が、前記筐体を通る伝播放射の強度を局所的に制御するように構成される、請求項9に記載の方法。
  14. 前記筐体が、液晶光バルブアレイを含み、かつ前記照明ボクセルの前記角度強度パターンを動的に制御することが、前記筐体の前記液晶光バルブアレイを制御して、照明ボクセル生成中に透過率を調整することを含む、請求項9に記載の方法。
  15. 前記照明ボクセルの前記角度強度パターンを動的に制御することが、前記視野軸に沿った前記照明ボクセルと前記前景要素との間の粒子を、前記視野軸に沿った前記照明ボクセルによって放出される放射の少なくとも一部を吸収するように構成される中間状態に励起することを含む、請求項9に記載の方法。
  16. 前記視野軸に沿った前記照明ボクセルと前記前景要素との間の粒子が、粒子の局所的領域を前記中間状態に励起するように2つ以上のレーザ光線を交差させることにより、前記中間状態に励起される、請求項15に記載の方法。
  17. 基底状態から多光子励起状態へ励起された時に可視光を放出するように構成される少なくとも1つのガスを含む三次元照明体積と、
    第1照明レーザ光線を生成するように構成される第1照明レーザと、
    第2照明レーザ光線を生成するように構成される第2照明レーザと、
    第1補助レーザ光線を生成するように構成される第1補助レーザと、
    第2補助レーザ光線を生成するように構成される第2補助レーザと
    を備える三次元ディスプレイシステムであって、
    前記第1照明光線及び前記第2照明光線が前記照明体積内で交差して、前記第1照明光線及び前記第2照明光線の交差点における前記ガスの少なくともいくつかの粒子を前記多光子励起状態に励起することで、前記第1照明光線及び前記第2照明光線の前記交差点で可視光が放出されるように、前記第1照明光線及び前記第2照明光線を前記照明体積内へ配向するように構成され、
    さらに、前記第1補助光線及び前記第2補助光線が前記照明体積内で交差して、前記第1補助光線及び前記第2補助光線の交差点における前記ガスの少なくともいくつかの粒子を中間準位に励起することで、前記第1照明光線及び前記第2照明光線の前記交差点で放出される前記可視光の少なくとも一部が、前記第1補助光線及び前記第2補助光線の前記交差点における前記中間準位に励起された前記ガスの前記粒子により吸収されるように、前記第1補助光線及び前記第2補助光線を前記照明体積内へ配向するように構成される、前記三次元ディスプレイシステム。
  18. 前記第1補助レーザが第1補助周波数の前記第1補助レーザ光線を生成するように構成され、かつ前記第2補助レーザが第2補助周波数の前記第2補助レーザ光線を生成するように構成され、前記第2補助周波数に加えて前記第1補助周波数が、前記基底状態と前記多光子励起状態とのエネルギー差と共鳴する、請求項17に記載の三次元ディスプレイシステム。
  19. 前記第1補助レーザが粒子を第1補助準位に励起するように構成され、かつ前記第2補助レーザが粒子を前記第1補助準位から第2補助準位に励起するように構成され、かつ前記第2補助準位に励起された前記粒子の一部が前記中間準位に減衰する、請求項18に記載の三次元ディスプレイシステム。
  20. ガスの前記体積が、ルビジウムガスを含み、
    前記第1照明レーザ光線が、ルビジウム粒子を5S1/2準位から5P3/2準位に励起するように構成され、
    前記第2照明レーザ光線が、ルビジウム粒子を前記5P3/2準位から(n>5)D5/2準位に励起するように構成され、
    前記第1補助レーザ光線が、ルビジウム粒子を5P1/2準位に励起するように構成され、かつ
    前記第2補助レーザ光線が、ルビジウム粒子を前記5P1/2準位から4D3/2準位に励起するように構成される、
    請求項19に記載の三次元ディスプレイシステム。
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