JP2018537231A - 複数の流体源を有する経腸供給セット用のバルブ装置 - Google Patents

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Abstract

システムは、1対の容器(101、102)から2つの流体を患者に逐次投与することができる。本システムは、2つのバルブアセンブリを単一のデバイスへと統合する送達デバイス(11)を有することができ、好ましくは、バルブアセンブリのそれぞれは、2つの一方向バルブとポンプ連通ポート(124、125)とを有する。例えば、バルブアセンブリは、1つ以上の壁及び/又は1つ以上のチャンバを互いに共有してもよい。好ましくは、ハウジングからの出口のみが、注入チューブ、排出チューブ、及びポンプへの接続に取り付けられる。好ましくは、本システムは、シングルポンプ(12)を使用する。ポンプのポンピング方向を反転させることによって、一方の容器又は他方の容器から液体を逐次引き出すことができる。バルブアセンブリは、スリットバルブ(13d)を使用して、流体の自由流れを防止することができる。【選択図】 図1

Description

[0001]本開示は、概して、経腸供給溶液のような複数の流体を投与するためのデバイス及び方法に関する。より具体的には、本開示は、複数の流体を逐次投与するように構成されたバルブ装置に関する。
[0002]患者が正常に食することができない場合に、輸液セットは、栄養及び任意選択的な薬物を含む経腸溶液を患者に提供することができる。輸液セットは、リザーバから患者に経腸溶液が送達される量及び速度を調節するポンプ(例えば、蠕動ポンプ)と共に使用することができる。
[0003]経腸的に供給される患者の栄養の必要量及び水分の必要量は、市販の経腸溶液容器が供給できるよりも多いことが多い。時間を節約するために、看護師等の介護者は、2つの別個の容器を同時に吊り下げることができる投与セットを利用する。これらの容器のそれぞれからの流れを個別に制御することは、供給ポンプを更に複雑にするか、あるいは更に長いチューブを必要とし、バックパックを背負って移動している患者が使用する際には、絡まる又は捩れる可能性がある。
[0004]典型的には、患者に投与される腸内溶液の量は、特に、経腸溶液が高活性化合物を含む場合に、厳密に制御されなければならない。多くの経腸供給システムでは、蠕動ポンプにチューブを係合することにより、蠕動ポンプの速度に応じて、患者への流体の流れが制御される。これにもかかわらず、重力に起因して、過剰な流体が患者に到達することがあり、これは、自由流れとして知られており、望ましくないだけでなく危険である可能性がある。
[0005]複数の別個の容器を含む輸液セット構成では、個々の流体容器とポンプとの間のラインのそれぞれの上のクランプにより、流体源を手動で選択できるようにすることができる。しかし、この構成の欠点は、ユーザが、1つの流体源から他の流体源へと手動で切り替えなければならないことである。大部分の装置では、この手動による切り替えは、経腸溶液の自由流れに対して保護しない。それに加えて、手動クランプを使用するときには、ポンプは、どの流体源が使用されているかを特定することができない。更に、クランプは、不注意で誤った供給源をクランプする、又は両方の供給源をクランプする等、使用過誤につながることがある。
[0006]2つの別個のポンプ機構を使用することができる。例えば、送達セットは、流体容器と接合点との間の両方のライン上のポンプインターフェースを単一のラインに含めることができる。このシステムの欠点は、ポンプ上に2つの独立したポンピング機構があると、システムが、持ち運んで使用するには重くて大きくなり過ぎることである。
[0007]バルブ装置はポンプインターフェースの外部に配置してもよいが、チューブの配列が複雑である(例えば、ポンプの上方に2つのチューブがあり、ポンプの下方に2つのチューブがあり、チューブ接合の後ろに1つのチューブがある)。このように複雑だと、持ち運んで使用する際に、特にバックパックでの使用の際に問題となり、チューブが捩れ、それにより、患者への流体の到達が阻止されるリスクがある。
[0008]ポンプが能動的に選択した流体容器を使用することができる。例えば、送達セット装置は、流体容器ラインのそれぞれについて流体経路を選択的に開放することができるポンプにより作動されるバルブを有することができる。しかし、このシステムでは、ポンプの内部に追加のアクチュエータが必要となる。
[0009]本開示は、複数の流体容器を有する経腸投与セット用のバルブ装置を提供する。送達デバイスは、2つ以上のバルブアセンブリを単一のデバイスへと統合することができ、好ましくは、バルブアセンブリのそれぞれは、2つの一方向バルブ及びポンプ連通ポートを有する。一方向バルブは、送達デバイスからの出口のみが注入チューブ、排出チューブ、及びポンプ接続となるようにグループ化することができる。一方向バルブは、モータ回転を反転させることにより、第1の流体バッグ又は第2の流体バッグからの選択的な供給が可能になるように構成することができる。
[0010]したがって、一般的な実施形態では、本開示は、第1の入口ポートと、第2の入口ポートと、出口ポートと、第1のポンプ連通ポートと、第2のポンプ連通ポートとを含むハウジングを備える、送達デバイスを提供する。送達デバイスは、第1の一方向バルブ、第2の一方向バルブ、第3の一方向バルブ、及び第4の一方向バルブを更に備える。第1の流路は、第1の入口ポートから、第1の一方向バルブ及び第3の一方向バルブを通って、出口ポートまで延びている。第2の流路は、第2の入口ポートから、第2の一方向バルブ及び第4の一方向バルブを通って、出口ポートまで延びている。
[0011]本送達デバイスの一実施形態では、可撓性膜は、少なくとも部分的にハウジング内に配置され、可撓性膜は、第1、第2、第3及び第4の一方向バルブを形成する。可撓性膜は、単一の膜とすることができ、又は、複数の個別の膜、例えば、2つの膜又は4つの膜で形成することができる。
[0012]一実施形態では、ハウジングは、第1の流路の少なくとも一部を画定する、第1のチャンバと第2のチャンバと第3のチャンバと第4のチャンバと投与チャンバとを含む。第1のチャンバは、第1の入口ポートを介して外部からアクセス可能とすることができ、第2のチャンバは、第1のポンプ連通ポートを介して外部からアクセス可能とすることができ、第3のチャンバは、第2の入口ポートを介して外部からアクセス可能とすることができ、第4のチャンバは、第2のポンプ連通ポートを介して外部からアクセス可能とすることができ、投与チャンバは、出口ポートを介して外部からアクセス可能とすることができる。
[0013]別の実施形態において、本開示は、送達デバイスの第1のポンプ連通ポートにつながる第1の通路と、送達デバイスの第2のポンプ連通ポートにつながる第2の通路とを含むポンプを備える、システムを提供する。ポンプは、送達デバイスに接続された唯一のポンプであるシングルポンプとすることができる。ポンプは、第2の流体が第2の流路を通って移動することを防止するために、一方向バルブのうちの少なくとも1つが閉じている間、第1の流体を、第1の流路を通して第1の方向に方向付けるようにポンピングするように構成される。ポンプは、第1の流体が第2の流路を通って移動することを防止するために、一方向バルブのうちの少なくとも1つが閉じている間、第2の流体を、第2の流路を通して、第1の方向とは反対の第2の方向に方向付けるようにポンピングするように構成される。
[0014]別の実施形態において、本開示は、送達デバイスのハウジングに接続されたシングルポンプを使用して、第1の流体及び第2の流体を患者に逐次投与する方法を提供する。送達デバイスは、ハウジング内に、第1の一方向バルブ、第2の一方向バルブ、第3の一方向バルブ、及び第4の一方向バルブを備える。本方法は、第1の流体を、第1の流路にある第1の容器から、送達デバイスを介して、送達デバイスのハウジングの投与ポートから外へと方向付けるように、1つのポンピング方向にポンプを動作させるステップを含む。第1の流路は、第1の一方向バルブ及び第3の一方向バルブを含む。同時に、第2の流体が第2の流路を通って移動することを防止するために、第2及び第4の一方向バルブは閉じており、第1及び第3の一方向バルブは開いている。
[0015]本方法は、ポンプのポンピング方向を反転させるステップを更に含む。ポンピング方向を反転させることにより、送達デバイスを通る第1の流体の移動が防止される。また、ポンピング方向を反転させると、第2の流路内の第2の流体を、送達デバイスを介して、第1の流体が送達デバイスのハウジングを出るために使用した送達デバイスの同じ投与ポートから外へと方向付けられる。第2の流路は、第2の一方向バルブ及び第4の一方向バルブを備える。同時に、第1の流体が第1の流路を通って移動することを防止するために、第1及び第3の一方向バルブは閉じており、第2及び第4の一方向バルブは開いている。
[0016]別の実施形態において、本開示は、シングルポンプに接続し、かつ、第1の流体及び第2の流体を患者に逐次投与するように構成された送達デバイスを作製する方法を提供する。本方法は、ハウジング上の第1の入口ポートからハウジング上の出口ポートまで延びる第1の流路を収容するハウジングを形成するステップを含む。ハウジングは、ハウジング上の第2の入口ポートからハウジング上の出口ポートまで延びる第2の流路を収容する。本方法は、ハウジング内に、第1の一方向バルブ、第2の一方向バルブ、第3の一方向バルブ、及び第4の一方向バルブを配置するステップを含む。第1の一方向バルブ及び第3の一方向バルブは第1の流路に配置され、第2の一方向バルブ及び第4の一方向バルブは、第2の流路に配置される。任意の数の出口ポートを使用することができ、本開示は、特定の数の出口ポートに限定されない。
[0017]一実施形態において、ハウジング内に第1、第2、第3及び第4の一方向バルブを配置するステップは、第1、第2、第3及び第4の一方向バルブを含む1つ以上の可撓性膜を、少なくとも部分的にハウジング内に配置することを含む。
[0018]別の実施形態において、本開示は、第1の流体及び第2の流体を患者に逐次投与するように構成された送達デバイスを作製する方法を提供する。本方法は、ポンプを送達デバイスのハウジングに接続するステップを含む。ポンプは、好ましくは、送達デバイスに接続された唯一のポンプであるシングルポンプである。
[0019]この方法の一実施形態では、本方法は、第1の入口ポートに、(i)第1の流体を保持する第1の容器、及び/又は(ii)第1の流体を保持する第1の容器に接続するように構成された第1のコネクタ、につながる第1のチューブを接続するステップを含む。本方法は、第2の入口ポートに、(i)第2の流体を保持する第2の容器、及び/又は(ii)第2の流体を保持する第2の容器に接続するように構成された第2のコネクタ、につながる第2のチューブを接続するステップを更に含むことができる。これにもかかわらず、任意の数のコネクタ及び任意の数の容器を使用することができ、本開示は、特定の数のコネクタ及び特定の数の容器には限定されない。本方法は、好ましくは、出口ポートに、投与チューブを接続するステップを含み、投与チューブは、経腸供給チューブにつながっている。
[0020]本開示により提供される1つ以上の実施形態の利点は、複数の流体容器を有する経腸投与セットの流体容器を自動的に選択することである。
[0021]本開示により提供される1つ以上の実施形態の別の利点は、単一のポンピング機構を使用する複数の流体容器を有する経腸投与セットである。
[0022]本開示により提供される1つ以上の実施形態の更なる利点は、流体容器を選択するための追加のアクチュエータの必要性をなくすことによって、ポンプの複雑度を低減することである。
[0023]本開示により提供される1つ以上の実施形態の更に別の利点は、チューブが絡まる又は捩れるリスクを低減することによって、安全性を高めることである。
[0024]本開示により提供される1つ以上の実施形態の別の利点は、自由流れの状況を防止することによって、安全性を高めることである。
[0025]追加の特徴及び利点を本明細書に記載する。これらは、以降の発明を実施するための形態及び図面から明らかとなろう。
本開示により提供される逐次投与システムの概略図である。 本開示により提供される逐次投与システムの概略図であり、機械的接続(左側)及び流体接続(右側)を示している。 本開示により提供される送達デバイスの一実施形態の側方断面図である。 図3に示した送達デバイスの実施形態の分解図である。
[0030]本開示及び添付の特許請求の範囲において使用されるとき、単数形「1つの」(「a」、「an」及び「the」)には、別段の指示がない限り、複数の参照物も含まれる。したがって、例えば、「1つの流体(a fluid)」又は「その流体(the fluid)」についての言及は、2つ以上の流体を含む。
[0031]「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、及び「含んでいる(comprising)」という用語は、排他的にではなく包含的に解釈されるべきである。同様にして、用語「含む(include)」、「含む(including)」及び「又は(or)」は全て、このような解釈が文脈から明確に妨げられない限りは包括的なものであると解釈される。
[0032]これにもかかわらず、本明細書において開示されるデバイス及び装置は、具体的には開示されていない任意の要素を欠く場合がある。したがって、「を備える(comprising)」という用語を用いた実施形態の開示は、特定されている構成成分「から本質的になる(consisting essentially of)」及び「からなる(consistingof)」実施形態の開示を含む。同様にして、本明細書で開示される方法は、本明細書において具体的に開示されない任意のステップを含まなくてもよい。したがって、用語「を備える(comprising)」を用いる実施形態の開示は、特定された工程「から本質的になる(consistingessentially of)」及び「からなる(consisting of)」実施形態の開示を含む。
[0033]「X及び/又はY」の文脈にて使用される用語「及び/又は」は、「X」又は「Y」又は「X及びY」と解釈されるべきである。本明細書において使用する場合、用語「例(example)」及び「などの(such as)」は、特に、後に用語の掲載が続く場合は、単に例示的なものであり、かつ説明のためのものであり、排他的又は包括的なものであると判断すべきではない。別途記載のない限り、本明細書で開示される任意の実施形態を、本明細書で開示される任意の別の実施形態と組み合わせることができる。
[0034]本明細書で使用するとき、「約」及び「およそ」は、数値範囲内、例えば、参照されている数の−10%から+10%の範囲、好ましくは参照されている数の−5%から+5%の範囲内、より好ましくは、参照されている数の−1%から+1%の範囲内、最も好ましくは参照されている数の−0.1%から+0.1%の範囲内の数を指すものと理解される。
[0035]図1に示すように、本開示の一態様は、第1の流体111及び第2の流体112を逐次投与するために使用され得るシステム10である。システム10は、第1の流体111を保持するように構成された第1の容器101、及び第2の流体112を保持するように構成された第2の容器102を備えることができる。
[0036]システム10は、ポンプ12を備えることができ、かつ、バルブ装置13を備える送達デバイス11を備えることができる。一実施形態では、ポンプ12とバルブ装置13を含む送達デバイス11とは、単一の一体型デバイスとして提供されているが、他の実施形態では、ポンプ12とバルブ装置13を含む送達デバイス11とは、互いに一体ではない別個のデバイスである。
[0037]好ましい実施形態では、システム10は、第1の容器101及び送達デバイス11と流体連通する第1のチューブ121と、第2の容器102及び送達デバイス11と流体連通する第2のチューブ122と、送達デバイス11と流体連通する投与チューブ123と、を備える。第1のチューブ121は、第1の容器101から送達デバイス11に第1の流体111を搬送することができ、第2のチューブ122は、第2の容器102から送達デバイス11に第2の流体112を搬送することができ、投与チューブ123は、送達デバイス11から投与チューブ123の自由端に(例えば、送達デバイス11に接続された端部の反対側の端部)に、第1及び第2の流体111、112を順次搬送することができる。いくつかの実施形態では、第1のチューブ121及び/又は第2のチューブ122は、送達デバイス11の一部である。第1、第2、及び投与チューブ121〜123のそれぞれは、ポリ塩化ビニル又はシリコーンゴム等の可撓性材料で作製することができる。
[0038]投与チューブ123の自由端は、カテーテル、経腸供給チューブ、又は、第1の流体111若しくは第2の流体112のうちの少なくとも1つを患者100に投与するように構成された他のデバイスに接続することができる。第3のチューブ123は、このような投与デバイスに直接接続することができ、あるいは中間コネクタ構成要素を使用することができる。
[0039]図2の概略図の右側は、第1及び第2の流体111、112の流れを表している。バルブ装置13は、第1の一方向バルブ13a、第2の一方向バルブ13b、第3の一方向バルブ13c及び第4の一方向バルブ13dを備えることができる。第1の一方向バルブ13aは、第1のチューブ121から第1の流体111を受け取り、ポンプ12は、第1の一方向バルブ13aから第3の一方向バルブ13cに第1の流体111を搬送し、第3の一方向バルブ13cは、第1の流体111を投与チューブ123に搬送する。より詳細に本明細書に説明するように、第1の流体111がこの第1の流路を移動する間、第2の流体112の流れが送達デバイス11を通ることを防止するために、同時に第4の一方向バルブ13dが閉じられる。
[0040]第4の一方向バルブ13dは、第2のチューブ122から第2の流体112を受け取り、ポンプ12は、第4の一方向バルブ13dから第2の一方向バルブ13bに第2の流体112を搬送し、第2の一方向バルブ13bは、第2の流体112を投与チューブ123に搬送する。より詳細に本明細書に説明するように、第2の流体112がこの第2の流路を移動する間、第1の流体111の流れが送達デバイス11を通ることを防止するために、第1の一方向バルブ13aが同時に閉じられる。
[0041]第1、第2、第3及び第4の一方向バルブ13a〜13dのそれぞれは、当業者に知られている任意の一方向バルブとすることができる。具体的には、「一方向バルブ」は、一方向にのみの流体を移送できるようにする任意のバルブである。第1、第2、第3及び第4の一方向バルブ13a〜13dのそれぞれは、ゼロのクラッキング(しきい値)圧力又はゼロでないクラッキング(しきい値)圧力を有することができる。クラッキング(しきい値)圧力は、第1の流れの兆候が生じる入口圧力である。この点で、ゼロのクラッキング圧力を有する一方向バルブは、流体を所望の方向に自由に流すことができ、ゼロでないクラッキング圧力(正のクラッキング圧力)を有する一方向バルブは、所望の方向に流れる流体に対する抵抗をもたらす。他の方向では、差圧に関係なく、流体はこの方向に流れることができないので、クラッキング圧力は無限と考えられる。より詳細に本明細書に説明するように、第1、第2、第3及び第4の一方向バルブ13a〜13dのクラッキング圧力は、バルブ装置13を通る自由流れを防止するように具体的に設定することができる。
[0042]システム10は、バルブ装置13とは別個の自由流れ防止機構を備えることができる。例えば、システム10は、バルブ装置13の上流に第5の一方向バルブ13f及び第6の一方向バルブ13gを備えることができる。第5の一方向バルブ13fは、第1の容器101及び/又は第1のチューブ121に結合することができ、第6の一方向バルブ13gは、第2の容器102及び/又は第2のチューブ122に結合することができる。いくつかの実施形態では、第5及び第6の一方向バルブ13f、13gは送達デバイス11の一部であり、他の実施形態では、第5及び第6の一方向バルブ13f、13gは、送達デバイス11の外部にある。
[0043]それに加えて、又は代替として、システム10は、バルブ装置13の下流に第7の一方向バルブ13hを備えることができる。第7の一方向バルブ13hは、投与チューブ123に結合することができる。いくつかの実施形態では、第7の一方向バルブ13hは送達デバイス11の一部であり、他の実施形態では、第7の一方向バルブ13hは送達デバイス11の外部にある。
[0044]第1、第2、第3及び第4の一方向バルブ13a〜13dのうちの1つ以上(例えば、これらの一方向バルブのうちの1つ、2つ、3つ又は4つ全て)が、ゼロのクラッキング圧力又は非常に低いクラッキング圧力(例えば、約0.1バール未満)を有するときには、別個の自由流れ防止機構を使用することができる。好ましくは、別個の自由流れ防止機構は、存在する場合には、(i)第5及び第6の一方向バルブ13f、13g(これらの一方向バルブの両方が同時に存在する)又は(ii)第7の一方向バルブ13h、のいずれか一方のみを備えるが、いくつかの実施形態では、第5、第6及び第7の一方向バルブ13f〜13hの3つ全てが存在する。
[0045]図2の概略図の左側には、送達デバイス11の機械的接続が示されている。ポンプ12は、第1のポンプ通路12a及び第2のポンプ通路12bを備えることができる。送達デバイス11は、第1のポンプ通路12a及び第2のポンプ通路12bにそれぞれ流体連通する、第1のポンプ連通ポート124及び第2のポンプ連通ポート125を備えることができる。
[0046]ポンプ12が蠕動ポンプである実施形態では、第1のポンプ通路12aは好ましくは、第1のポンプパイプにより設けられ、第2のポンプ通路12bは好ましくは、第2のポンプパイプにより設けられるが、いくつかの実施形態では、第1のポンプ連通ポート124及び第2のポンプ連通ポート125の両方に、単一のポンプパイプが接続される。本開示は、第1及び第2のポンプ通路12a、12bの特定の実施形態には限定されない。例えば、ポンプ12が容積ポンプである場合、第1及び第2のポンプ通路12a、12bは単に、バルブ装置13の第1及び第2のポンプ連通ポート124、125をポンプ12のチャンバにそれぞれ直接接続する開口部とすることができる。
[0047]ポンプ12は、第1のポンプ通路12aが吐出を行う間に第2のポンプ通路12bが同時に吸入を行い、第1のポンプ通路12aが吸入を行う間に、第2のポンプ通路12bが同時に吐出を行うように構成される。これにより、第1及び第2のポンプ通路12a、12bの移動方向は同じにならない。ポンプ12は、容積式ポンプとすることができ、その非制限的な例として蠕動ポンプ、ギヤポンプ、潤滑ポンプ、インペラポンプ、ピストンポンプを挙げることができる。ポンプ12は、制御された流量で両方向に交互に気体又は液体をポンピングすることができる任意のタイプのポンプとすることができ、臨床用途に適している。
[0048]一実施形態では、システム10は、ポンプ12のデータ入力、情報表示、アラーム信号、及び/又は手動制御のうちの1つ以上のための制御ユニット12dを含むことができる。制御ユニット12dは、ポンプ12を制御し、かつ作動させるためのマイクロプロセッサを含んでもよい。ポンプ12は、ポンピングを開始するためにシャフトを回転させる及び/又は他の機構を動作させることができるモータ12cを備えることができる。
[0049]ポンプ12がシャフトを備える実施形態では、シャフトの回転方向は、ポンピング方向を設定することができる。例えば、モータ12cのシャフトは一方の方向に回転すると、第1のポンプ通路12aが吸引を行う間に第2のポンプ通路12bが同時に吐出を行うことができる。モータ12cのシャフトは反対の方向に回転すると、第1のポンプ通路12aが吐出を行う間に第2のポンプ通路12bが同時に吸入を行うことができる。モータ12cは、制御ユニット12dにより制御することができ、例えば、制御ユニット12dは、モータ12cの回転方向を制御及び調整することができる。これにもかかわらず、本開示は、ポンプ12の特定の実施形態には限定されず、ポンプ12は、回転の代わりの又はそれに加えた機構を使用して動作することができる。
[0050]送達デバイス11の特に好ましい実施形態が図3及び図4に示されている。送達デバイス11は、バルブ装置13を収容するハウジング19を備えることができる。ハウジング19は、アクリロニトリルブタジエンスチレン(ABS)、ポリカーボネート、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリル材料、又はメチルメタクリレートアクリロニトリルブタジエンスチレン(MABS)等の金属及び/又はプラスチックから作製することができる。
[0051]バルブ装置13は、ハウジング19内に配置された可撓性膜13eを備えることができる。第1、第2、第3及び第4の一方向バルブ13a〜13dはそれぞれ、スリットバルブとすることができる。例えば、第1、第2、第3及び第4の一方向バルブ13a〜13dのそれぞれは、静止状態では完全に閉じており、したがって、液体が可撓性膜13eを通って流れることができないようにする、複数のスリット(図4)とすることができる。これにもかかわらず、第1、第2、第3及び第4の一方向バルブ13a〜13dのそれぞれは特定のバルブタイプには限定されず、当業者に知られている任意の好適な一方向バルブであってよい。
[0052]可撓性膜13eは、単一の膜とすることができ、又は、複数の個別の膜で形成することができる。多膜実施形態の非限定的な例として、第1、第2、第3及び第4の一方向バルブ13a〜13dのうちの1つ以上(例えば、第1及び第2の一方向バルブ13a、13b)を形成する第1の可撓性膜が挙げられ、また、第1、第2、第3及び第4の一方向バルブ13a〜13dの残り(例えば、第3及び第4の一方向バルブ13c、13d)を形成する第2の可撓性膜が挙げられる。多膜実施形態の別の非限定的な例として、第1、第2、第3及び第4の一方向バルブ13a〜13dのうちの対応する1つの一方向バルブをそれぞれが形成する、4つの可撓性膜が挙げられる。同様に、ハウジング19は、1つの材料片、又は1つに接続された複数の材料片で形成することができる。
[0053]可撓性膜13eは、弾性の可撓性材料、例えば、シリコン、ゴム、ポリウレタン、又は任意の他の好適な材料等、滅菌可能な材料から形成することができる。好ましくは、可撓性膜13eは、1つの、例えば単一の材料片、又は1つに接続された複数の材料片である。
[0054]スリットバルブを使用する実施形態では、可撓性膜13eは、可撓性膜13eの圧力差がしきい値を超えたときにのみスリットが開くように設計することができる。この設計は、臨床設定では、典型的には約2〜約3メートルの高さのスタンドに置かれる第1及び第2の容器101、102からの、第1及び第2の流体111、112の望ましくない自由流れを防止することができる。
[0055]第1のポンプ通路12aは、送達デバイス11のハウジング19により設けられる第1のポンプ連通ポート124に接続することができ、第2のポンプ通路12bは、送達デバイス11のハウジング19により設けられる第2のポンプ連通ポート125に接続することができる。第1のチューブ121は、送達デバイス11のハウジング19により設けられる第1の入口ポート221に接続することができ、第2のチューブ122は、送達デバイス11のハウジング19により設けられる第2の入口ポート222に接続することができ、投与チューブ123は、送達デバイス11のハウジング19により設けられる1つ以上の出口ポート223(「出口ポート223」)に接続することができる。本開示は、特定の数の1つ以上の出口ポート223に限定されない。
[0056]一実施形態では、第1の入口ポート221及び第2の入口ポート222並びに出口ポート223のうちの1つ以上は、送達デバイス11の第1の壁11aによって設けられる。第1及び第2のポンプ連通ポート124、125のうちの1つ以上は、送達デバイス11の第2の壁11bによって設けられることができる。代替として、又はそれに加えて、第1及び2第のポンプ連通ポート124、125のうちの1つ以上は、送達デバイス11の第1の壁11aによって設けられることができる。
[0057]第1の壁11aは、第1の入口ポート221に外接し、かつ、第1の流体111が送達デバイス11の内部に流入することができるように第1の壁11aを通って延びる、第1の入口131を備えることができる。第1の壁11aは、第2の入口ポート222に外接し、かつ、第2の流体112が送達デバイス11の内部に流入することができるように第1の壁11aを通って延びる、第2の入口132を備えることができる。第1の壁11aは、出口ポート223に外接し、かつ、第1及び第2の流体111、112が送達デバイス11の内部から外部へと出ることができるように第1の壁11aを通って延びる、出口133を備える。第2の壁11bは、第1のポンプ連通ポート124に外接し、かつ、第2の壁11bを通って延びる第1の開口部134を備えることができ、また、第2のポンプ連通ポート125に外接し、かつ、第2の壁11bを通って延びる第2の開口部135を備えることができる。
[0058]第5及び第6の一方向バルブ13f、13gが存在する実施形態では、第5の一方向バルブ13fは第1の入口131に結合することができ、第6の一方向バルブ13gは第2の入口132に結合することができる。第7の一方向バルブ13hが存在する実施形態では、第7の一方向バルブ13hは出口133に結合することができる。
[0059]第1の壁11aは、好ましくは、送達デバイス11の、第2の壁11bとは反対側にある。例えば、送達デバイス11のハウジング19は、第1の壁11aを第2の壁11bに接続する第3の壁11c及び/又は第4の壁11dを備えることができる。可撓性膜13eは、第3の壁11cから第4の壁11dまで延在することができる。一実施形態では、可撓性膜13eの端部は、第3の壁11c及び/又は第4の壁11dに固定して取り付けることができる。
[0060]好ましい実施形態では、第1の壁11aと第3の壁11cと可撓性膜13eとは、第1の入口131と第1の一方向バルブ13aとの間に配置された第1のチャンバ14の少なくとも一部を画定する。第2の壁11bと第3の壁11cと可撓性膜13eとは、第1の一方向バルブ13aと第1の開口部134との間に配置された第2のチャンバ15の少なくとも一部を画定することができる。第1の壁11aと第4の壁11dと可撓性膜13eとは、第2の入口132と第4の一方向バルブ13dとの間に配置された第3のチャンバ16の少なくとも一部を画定することができる。第2の壁11bと第4の壁11dと可撓性膜13eとは、第4の一方向バルブ13dと第2の開口部135との間に配置された第4のチャンバ17の少なくとも一部を画定することができる。第1の壁11aと可撓性膜13eとは、第1の壁11aと第2の一方向バルブ13bと第3の一方向バルブ13cとの間に配置された投与チャンバ18の少なくとも一部を画定することができる。投与チャンバ18は、好ましくは、第1のチャンバ14と第3のチャンバ16との間に配置される。
[0061]送達デバイス11は、少なくとも2つのバルブアセンブリを備えることができる。例えば、第1のチャンバ14と第2のチャンバ15と投与チャンバ18とは、第1のバルブアセンブリの少なくとも一部を形成することができ、及び/又は、第3のチャンバ16と第4のチャンバ17と投与チャンバ18とは、第2のバルブアセンブリの少なくとも一部を形成することができる。第1のバルブアセンブリと第2のバルブアセンブリとは、少なくとも1つのチャンバ(例えば、投与チャンバ18)を共有することができ、少なくとも1つの壁(例えば、第1の壁11a及び/又は第2の壁11b)を共有することができる。
[0062]一実施形態では、ハウジング19は、可撓性膜13eに結合され、かつ、可撓性膜13eが反対の流れ方向に変形することを防止するように構成された、1つ以上の支持体を含む。それにより、1つ以上の支持体が逆流を防止することができる。例えば、可撓性膜13eの、第1、第2、第3及び第4の一方向バルブ13a〜13dのうちの1つが位置する部分は、対応する圧力差がそのバルブのしきい値を下回ったときに、対応する支持体に対して封止することができる。対応する支持体に対してバルブを封止すると、バルブが閉じ、所望の方向とは反対方向の流体流れを防止することができる。この点に関し、支持体により、第1、第2、第3及び第4の一方向バルブ13a〜13dのそれぞれが一方向(流体流れの所望方向の方向)にのみ変形することができ、両方向には変形できないことが保証される。
[0063]支持体のそれぞれは、流体流れの所望の方向と反対方向に対応するバルブが変形することを防止する任意の構造体、例えば、プレート、チューブ、又はバルブに押し付けられた他の構造体とすることができ、また、支持体は、特定の構造体には限定されない。好ましくは、支持体は、対応するバルブに流体が流れることを可能にする1つ以上の開口部を有する。
[0064]しかし、いくつかの実施形態では、対応する圧力差がバルブのしきい値を下回ったときに、第1、第2、第3及び第4の一方向バルブ13a〜13dのうちの1つ以上が内側に潰れることによって、これらのバルブは十分に閉じられ、これらの1つ以上の潰れている一方向バルブは、支持体を使用しない。
[0065]図3は、対応するバルブが流体流れの所望の方向と反対方向に変形することを防止するために支持体を使用する、非限定的な実施形態を全般的に示している。例えば、送達デバイス11は、第1の一方向バルブ13aが第1のチャンバ14に向かって変形することを防止し、したがって、第2のチャンバ15から第1のチャンバ14への流体流れを防止する、第1の支持体313aを備えることができる。送達デバイス11は、第2の一方向バルブ13bが第2のチャンバ15に向かって変形することを防止し、したがって、投与チャンバ18から第2のチャンバ15への流体流れを防止する、第2の支持体313bを備えることができる。送達デバイス11は、第3の一方向バルブ13cが第4のチャンバ17に向かって変形することを防止し、したがって、投与チャンバ18から第4のチャンバ17への流体流れを防止する、第3の支持体313cを備えることができる。送達デバイス11は第4の一方向バルブ13dが第3のチャンバ16に向かって変形することを防止し、したがって、第4のチャンバ17から第3のチャンバ16への流体流れを防止する、第4の支持体313dを備えることができる。
[0066]システム10の動作は以下のように実行することができる。システム10の動作中に、所与の時点で、第1の流体111又は第2の流体112のうちの一方のみが流れ、一方向バルブ13a〜13hにより、他方の流体は流れないようにされる。
[0067]第1の流体111は、例えば重力及び/又はポンピングによって、第1のチューブ121及び第1のチャンバ14へ流入することができる。第1のポンプ通路12aは、第1の開口部134において吸引を行って、第2のチャンバ15内の圧力を低減し、それによって、第1のチャンバ14内の圧力の、第2のチャンバ15内の圧力に対する比を増大させることができる。第1のチャンバ14と第2のチャンバ15との間のこの圧力差が、第1の一方向バルブ13aのしきい値を超えたとき、例えば、第1のチャンバ14内の圧力が第2のチャンバ15内の圧力よりも、少なくとも第1の一方向バルブ13aのしきい値だけ大きいとき、第1の流体14は、第1のチャンバ14から第1の一方向バルブ13aを通って第2のチャンバ15へと移動することができる。
[0068]具体的には、第1の一方向バルブ13a(スリットバルブとすることができる)を備える可撓性膜13eの断面は、第1の一方向バルブ13aのスリットが拡がって開き、第1の流体111が第1のチャンバ14から第1の一方向バルブ13aを通って第2のチャンバ15に流入することが可能になるような圧力差によって、変形、伸長及び/又は偏向させることができる。また、第1の開口部134において吸引することにより、第2の一方向バルブ13bは閉じた(例えば、第2の支持体313bに対して封止した)ままとなり、したがって、第2の一方向バルブ13bは、第1の流体111が第2のチャンバ15から投与チャンバ18に移動することを防止する。
[0069]上記のように、ポンプ12は、第1のポンプ通路12aが吸引を行う間に第2のポンプ通路12bが同時に吐出を行うように構成される。その結果、第1のポンプ通路12aが、上記段落で説明したように、第1の開口部134において吸引を行うときに、第2のポンプ通路12bは同時に、第2の開口部135において吐出を行う。このように第4のチャンバ17に吐出することによって、第4のチャンバ17内の圧力が増大し、したがって、第2の流体112が第4の一方向バルブ13dを通って流れることができないことが保証される。
[0070]この点に関し、第3のチャンバ16と第4のチャンバ17との間の圧力差が、第4の一方向バルブ13dのしきい値よりも小さいとき、例えば、第3のチャンバ16内の圧力が、第4のチャンバ17内の圧力よりも、少なくとも第4の一方向バルブ13dのしきい値だけ小さいときには、第4の一方向バルブ13dは、そこを通る第2の流体112の流れを防止する。例えば、第4の支持体313dが使用される実施形態では、ポンプ12により第4のチャンバ17へと吐出すると、第4の一方向バルブ13dが第4の支持体313dに押し付けられて、第4の一方向バルブ13dは閉じたまま保持される。第4の一方向バルブ13dがスリットバルブである実施形態では、スリットは閉じたまま保持されており、第2の流体112により開位置へと変形することができない。
[0071]次いで、ポンプ12は、第2のチャンバ15から第1のポンプ通路12aへと第1の流体111を引き入れることができ、次いで、第1の流体111を、第2のポンプ通路12bを通して第4のチャンバ17へと押し出す。第1の流体111が第4のチャンバ17に入り、第4のチャンバ17へとポンプ輸送され続けることによって、第4のチャンバ17内の圧力を増大させ、したがって、第3の一方向バルブ13cを開くことができる。更に、第4のチャンバ17内のこの圧力は、第4の一方向バルブ13dを閉位置に維持し続けることができ、したがって、第4の一方向バルブ13dは、第2の流体112が送達デバイス11を通って流れることを防止し続けることができる。
[0072]例えば、第1の流体111が第4のチャンバ17に入ることによって、第4のチャンバ17内の圧力の、投与チャンバ18内の圧力に対する比を増大させることができる。第4のチャンバ17と投与チャンバ18との間のこの圧力差が、第3の一方向バルブバルブ13cのしきい値を超えたとき、例えば、第4のチャンバ17内の圧力が、投与チャンバ18内の圧力よりも、少なくとも第3の一方向バルブ13cのしきい値だけ大きいとき、第1の流体111は、第4のチャンバ17から第3の一方向バルブ13cを通って投与チャンバ18へと移動することができる。具体的には、第3の一方向バルブ13c(スリットバルブとすることができる)を備える可撓性膜13eの断面は、第3の一方向バルブ13cのスリットが拡がって開き、第1の流体111が第4のチャンバ17から第3の一方向バルブ13cを通って投与チャンバ18に流入することが可能になるような圧力差によって、変形、伸長及び/又は偏向させることができる。
[0073]ポンプ12による継続的なポンピングは、第1の流体111を投与チャンバ18から投与チューブ123へと、次いで患者100に向かって押し進めることができる。継続的なポンピングは、第3のチャンバ16と第4のチャンバ17との間の圧力差を、第4の一方向バルブ13dのしきい値未満に保ち、例えば、第3のチャンバ16内の圧力は、第4のチャンバ17内の圧力よりも、少なくとも第4の一方向バルブ13dのしきい値だけ小さい。したがって、送達デバイス11は、送達デバイス11を通る第2の流体112の流れを防止するために、第2の一方向バルブ13b及び第4の一方向バルブ13dが同時に閉じている間、第1の一方向バルブ13aを通り、次いでポンプ12を通り、次いで第3の一方向バルブ13cを通る第1の流路を形成することができる。
[0074]次いで、ポンプ12のポンピング方向を反転させることができる。ポンプ12のポンピング方向は、手動で反転させてもよい。それに加えて、又は代替として、ポンプ12のポンピング方向は、制御ユニット12dにより、選択された回数自動的に反転させることができる(例えば、第1の所定の時間周期にわたって、第1のポンピング方向が採用され、次いで、第2の所定の時間周期にわたって、第1の方向とは反対の第2のポンピング方向が採用され、次いで、第3の所定の時間期間にわたって、第1のポンピング方向が採用される、等)。更に、ポンプ12のポンピング方向は、制御ユニット12dにより複数回反転させてもよい(例えば、ポンピング方向は、ポンプ12が停止するまで、所定の回数反転される)。
[0075]第1のポンプ12のポンピング方向を反転させると、第2の開口部135において吸引が行われ、第4のチャンバ17内の圧力を低減し、それによって、第3のチャンバ16内の圧力の、第4のチャンバ17内の圧力に対する比を増大させることができる。第3のチャンバ16と第4のチャンバ17との間のこの圧力差が、第4の一方向バルブバルブ13dのしきい値を超えたとき、例えば、第3のチャンバ16内の圧力が、第4のチャンバ17内の圧力よりも、少なくとも第4の一方向バルブ13dのしきい値だけ大きいとき、第2の流体112は、第3のチャンバ16から第4の一方向バルブ13dを通って第4のチャンバ17へと移動することができる。
[0076]具体的には、第4の一方向バルブ13d(スリットバルブとすることができる)を備える可撓性膜13eの断面は、第4の一方向バルブ13dのスリットが拡がって開き、第2の流体112が第3のチャンバ16から第4の一方向バルブ13dを通って第4のチャンバ17に流入することが可能になるような圧力差によって、変形、伸長及び/又は偏向させることができる。また、第2の開口部135において吸引することにより、第3の一方向バルブ13cは閉じた(例えば、第3の支持体313cに対して封止した)ままとなり、したがって、第3の一方向バルブ13cは、第2の流体112が第4のチャンバ17から投与チャンバ18へと移動することを防止する。
[0077]上記のように、ポンプ12は、第1のポンプ通路12aが吐出を行う間に第2のポンプ通路12bが同時に吸引を行うように構成される。その結果、第2のポンプ通路12bが、上記段落で説明したように、第2の開口部135において吸引を行うときに、第1のポンプ通路12aは同時に、第1の開口部134において吐出を行う。このように第2のチャンバ15に吐出することによって、第2のチャンバ15内の圧力が増大し、したがって、第1の流体111が第1の一方向バルブ13aを通って流れることができないことが保証される。
[0078]次いで、ポンプ12は、第4のチャンバ17から第2のポンプ通路12bへと第2の流体112を引き入れることができ、次いで、第2の流体112を、第1のポンプ通路12aを通して第2のチャンバ15へと押し出す。第2の流体112が第2のチャンバ15に入ることによって、第2のチャンバ15内の圧力を増大させ、したがって、第2の一方向バルブ13bを開くことができる。更に、第2のチャンバ15内のこの圧力は、第1の一方向バルブ13aを閉位置に維持し続けることができ、したがって、第1の一方向バルブ13aは、第1の流体111が送達デバイス11を通って流れることを防止し続けることができる。
[0079]例えば、第2の流体112が第2のチャンバ15に入ることによって、第2のチャンバ15内の圧力の、投与チャンバ18内の圧力に対する比を増大させることができる。第2のチャンバ15と投与チャンバ18との間のこの圧力差が、第2の一方向バルブバルブ13bのしきい値を超えたとき、例えば、第2のチャンバ15内の圧力が、投与チャンバ18内の圧力よりも、少なくとも第2の一方向バルブ13bのしきい値だけ大きいとき、第2の流体112は、第2のチャンバ15から第2の一方向バルブ13bを通って投与チャンバ18へと移動することができる。具体的には、第2の一方向バルブ13b(スリットバルブとすることができる)を備える可撓性膜13eの断面は、第2の一方向バルブ13bのスリットが拡がって開き、第2の流体112が第2のチャンバ15から第2の一方向バルブ13bを通って投与チャンバ18に流入することが可能になるような圧力差によって、変形、伸長及び/又は偏向させることができる。
[0080]ポンプ12による継続的なポンピングは、第2の流体112を投与チャンバ18から投与チューブ123へと、次いで患者100に向かって押し進めることができる。継続的なポンピングは、第1のチャンバ14と第2のチャンバ15との間の圧力差を、第1の一方向バルブ13aのしきい値未満に保ち、例えば、第1のチャンバ14内の圧力は、第2のチャンバ15内の圧力よりも、少なくとも第1の一方向バルブ13aのしきい値だけ小さい。したがって、送達デバイス11は、送達デバイス11を通る第1の流体111の流れを防止するために、第1の一方向バルブ13a及び第3の一方向バルブ13cを同時に閉じている間、第4の一方向バルブ13dを通り、次いでポンプ12を通り、次いで第2の一方向バルブ13bを通る第2の流路を形成することができる。
[0081]バルブ装置13のいくつかの実施形態では、第1の流体111及び第2の流体112の自由流れを最小限に抑える及び/又は防止するために、第1、第2、第3及び第4の一方向バルブ13a〜13dのクラッキング(しきい値)圧力が所定の値に設定される。第1、第2、第3及び第4の一方向バルブ13a〜13dのそれぞれのしきい値は、送達デバイス11の製造時に選択的に設定することができる。例えば、バルブのしきい値は、可撓性膜13eの厚さ、可撓性膜13eの表面積、並びに第1、第2、第3及び第4の一方向バルブ13a〜13dのスリットの幾何学形状(例えば、長さ及び/又は形状)のうちの1つ以上を選択することによって設定することができる。
[0082]1つのそのような実施形態では、第1及び第4の一方向バルブ13a、13dのそれぞれは、ゼロのクラッキング圧力を有し、第2及び第3の一方向バルブ13b、13cのそれぞれは、0バールよりも大きいクラッキング圧力(例えば、約0.3バール等、約0.1バール〜約10.0バール)を有する。
[0083]別のそのような実施形態では、第1及び第4の一方向バルブ13a、13dのそれぞれは、0バールよりも大きいクラッキング圧力(例えば、約0.3バール等、約0.1バール〜約10.0バール)を有し、第2及び第3の一方向バルブ13b、13cのそれぞれは、ゼロのクラッキング圧力を有する。
[0084]別のそのような実施形態では、第1及び第2の一方向バルブ13a、13bのそれぞれは、ゼロのクラッキング圧力を有し、第3及び第4の一方向バルブ13c、13dのそれぞれは、0バールよりも大きいクラッキング圧力(例えば、約0.3バール等、約0.1バール〜約10.0バール)を有する。
[0085]別のそのような実施形態では、第1及び第2の一方向バルブ13a、13bのそれぞれは、0バールよりも大きいクラッキング圧力(例えば、約0.3バール等、約0.1バール〜約10.0バール)を有し、第3及び第4の一方向バルブ13c、13dのそれぞれは、ゼロのクラッキング圧力を有する。
[0086]更に別のそのような実施形態では、第1、第2、第3及び第4の一方向バルブ13a〜13dのうちの1つのみが、ゼロのクラッキング圧力を有し、第1、第2、第3及び第4の一方向バルブ13a〜13dのうちの他の3つは、0バールよりも大きいクラッキング圧力(例えば、約0.3バール等、約0.1バール〜約10.0バール)を有する。
[0087]別のそのような実施形態では、第1、第2、第3及び第4の一方向バルブ13a〜13dのそれぞれは、0バールよりも大きいクラッキング圧力(例えば、約0.3バール等、約0.1バール〜約10.0バール)を有する。
[0088]上記のように、システム10のいくつかの実施形態は、バルブ装置13とは別個の自由流れ防止機構を、例えば、バルブ装置13の上流に第5及び第6の一方向バルブ13f、13gを備え、かつ/又はバルブ装置13の下流に第7の一方向バルブ13hを備える。これらの実施形態では、第1、第2、第3及び第4の一方向バルブ13a〜13dのうちの1つ以上(例えば、これらの一方向バルブのうちの1つ、2つ、3つ又は4つ全て)は、ゼロのクラッキング圧力を有することができ、別個の自由流れ防止機構の1つ以上の一方向バルブは、0バールよりも大きいクラッキング圧力(例えば、約0.3バール等、約0.1バール〜約10.0バール)を有する。例えば、第5及び第6の一方向バルブ13f、13gは同時に存在することができ、それらのクラッキング圧力は0よりも大きくすることができる(例えば、約0.3バール等、約0.1バール〜約10.0バール)。別の例では、第7の一方向バルブ13hが存在することができ、そのクラッキング圧力は0よりも大きくすることができる(例えば、約0.3バール等、約0.1バール〜約10.0バール)。
[0089]好ましい実施形態では、ポンプ12による第1の方向のポンピングが(例えば、吸引によって)第2のチャンバ15の圧力を下げる間、第2のポンプ通路12bが同時に(例えば、吐出によって)第4のチャンバ17の圧力を増大させ、ポンプ12による第1の方向とは反対の第2の方向のポンピングが(例えば、吐出によって)第2のチャンバ15の圧力を増大させる間、第2のポンプ通路12bが同時に(例えば、吸引によって)第4のチャンバ17の圧力を下げる。この構成により、第1及び第2の流体111、112の逐次投与を可能にしながら、バルブ装置13により自由流れが防止される。一実施形態では、制御ユニット12dは、ポンプ12によるポンピング方向を制御するように構成される。好ましくは、ポンプ12を停止すると、第1及び第2の流路の両方における流れが止まる。
[0090]ポンプ12のモータ12cがシャフトを使用する実施形態では、シャフトは一方向に回転して、第1のポンプ通路12aが第2のチャンバ15内の圧力を低下させ、同時に、第2のポンプ通路12bが第4のチャンバ17内の圧力を上昇させることができる。モータ12cのシャフトは反対方向に回転して、第1のポンプ通路12aが第2のチャンバ15内の圧力を増大させ、同時に、第2のポンプ通路12bが第4のチャンバ17内の圧力を低下させることができる。上記のように、モータ12cの回転は、制御ユニット12dにより制御することができる。しかし、上述したように、本開示は、ポンプ12の特定の実施形態には限定されず、ポンプ12は、回転の代わりの又はそれに加えた機構を使用して動作することができる。
[0091]したがって、システム10は、第1の流体及111及び第2の流体112を患者100に安全に逐次投与することができる。また、システム10は、様々なモードで動作してもよい。例えば、システム10は、最初に、送達デバイス11をフラッシング溶液で洗浄し、次いで、供給液体に切り替えることができる。次いで、システム10は、選択した間隔で、短い期間でフラッシング溶液に再び切り替えて送達デバイス11を洗浄し、詰まる可能性を低減させてもよい。別の例として、システム10は、所定量の第1の流体111を患者100に送達し、次いで、所定量の第2の流体112を患者100に送達してもよい。更に別の例として、システム10は、反復サイクルで、所定量の第1の流体111を患者100に間欠的に送達し、次いで、所定量の第2の流体112を患者100に送達してもよい。
[0092]本開示の別の態様は、送達デバイスのハウジングに接続されたシングルポンプを使用して、第1の流体及び第2の流体を患者に逐次投与する方法である。本方法は、本明細書に開示されたシステム10及び/又は送達デバイス11、あるいは本方法のステップを実行することが可能な他のシステム又は送達デバイスを使用することができる。好ましくは、第1及び第2の流体のうちの少なくとも1つは、経腸供給製剤である。
[0093]送達デバイスは、ハウジング内に第1、第2、第3及び第4の一方向バルブを備えることができ、本方法は、第1の流体を、第1の流路にある第1の容器から、送達デバイスを介して、送達デバイスのハウジングの投与ポートから外へと方向付けるように、1つのポンピング方向にポンプを動作させるステップを含み、第1の流路は、第1の一方向バルブ及び第3の一方向バルブを含む。本方法は、送達デバイスを通る第1の流体の移動を中止し、第2の流路内の第2の流体を、送達デバイスを介して、第1の流体が送達デバイスを出るために使用した送達デバイスの同じ投与ポートから外へと方向付けるために、ポンプのポンピング方向を反転させるステップを更に含むことができ、第2の流路は、第2の一方向バルブ及び第4の一方向バルブを含む。
[0094]一方向バルブが、第2の流体が送達デバイスを通って移動することを防止する間、第1の流体は送達デバイスを介してポンピングされ、また、一方向バルブが、第1の流体が送達デバイスを通って移動することを防止する間、第2の流体は、送達デバイスを介してポンピングされる。具体的には、一方向バルブが、第2の流体が第2の流路を通って移動することを防止する間、第1の流体は第1の流路を通ってポンピングされ、一方向バルブが、第1の流体が第1の流路を通って移動することを防止する間、第2の流体は第2の流路を通ってポンピングされる。
[0095]第1、第2、第3及び第4の一方向バルブは、送達デバイスのハウジング内に少なくとも部分的に配置された可撓性膜内に配置することができる。好ましくは、可撓性膜は、1つの一体形成品、例えば単一の材料片、又は1つに接続された複数の材料片である。一実施形態では、第1、第2、第3及び第4の一方向バルブのそれぞれは、スリットバルブである。
[0096]好ましくは、ポンプのポンピング方向は、ポンプに動作可能に接続された制御ユニット内に記憶された命令に従って自動的に反転される。本方法は、好ましくは、チューブの取り外しを含まず、ポンプの変更を含まず、また、任意のバルブの手動調整を含まない。一実施形態では、ポンプのポンピング方向は少なくとも2回反転される。例えば、本方法は、送達デバイスを通る第2の流体の移動を中止し、第1の流体を第1の流路に再び方向付けるために、更なる回数、ポンプのポンピング方向を反転させるステップを更に含むことができる。
[0097]送達デバイスのハウジングは、第1のチャンバ、第2のチャンバ、第3のチャンバ、第4のチャンバ及び投与チャンバを含むことができる。第1の流体の第1の流路は、第1のチャンバを、次いで第2のチャンバを、次いでポンプを介して第4のチャンバへと、次いで投与チャンバ内へと含むことができる。第2の流体の第2の流路は、第3のチャンバを、次いで第4のチャンバを、次いでポンプを介して第2のチャンバへと、次いで投与チャンバ内へと含むことができる。第1の一方向バルブは、第1のチャンバを第2のチャンバに流体接続することができ、第2の一方向バルブは、第2のチャンバを投与チャンバに流体接続することができ、第4の一方向バルブは、第3のチャンバを第4のチャンバに流体接続することができ、第3の一方向バルブは、第4のチャンバを投与チャンバに流体接続することができる。
[0098]本方法は、第1の流体を、第1の容器から第1の入口ポートを介して、送達デバイスのハウジング内で第1のチャンバへと方向付けるステップ、第1の一方向バルブをはさんだ両側間の圧力差が第1の一方向バルブの第1のしきい値圧力を超えた後にのみ、第1の流体を、第1のチャンバから第1の一方向バルブを介して、第2のチャンバへと方向付けるステップ、ポンプの動作によって、第1の流体を、ポンプを通して第2のチャンバから第4のチャンバに方向付けるステップ、第3の一方向バルブをはさんだ両側間の圧力差が第3の一方向バルブの第2のしきい値圧力を超えた後にのみ、第1の流体を、第4のチャンバから第3の一方向バルブを介して、投与チャンバへと方向付けるステップ、及び第1の流体を、投与チャンバから投与ポートを介して、患者につながる投与チューブへと方向付けるステップ、のうちの1つ以上を含むことができる。
[0099]本方法は、第2の流体を、第2の容器から第2の入口ポートを介して、送達デバイスのハウジング内で第3のチャンバへと方向付けるステップ、第4の一方向バルブをはさんだ両側間の圧力差が第4の一方向バルブの第3のしきい値圧力を超えた後にのみ、第2の流体を、第3のチャンバから第4の一方向バルブを介して、第4のチャンバへと方向付けるステップ、ポンプの動作によって、第2の流体を、ポンプを通して第4のチャンバから第2のチャンバに方向付けるステップ、第2の一方向バルブをはさんだ両側間の圧力差が第2の一方向バルブの第4のしきい値圧力を超えた後にのみ、第2の流体を、第2のチャンバから第2の一方向バルブを介して、投与チャンバへと方向付けること、及び第2の流体を、投与チャンバから投与ポートを介して、患者につながる投与チューブへと方向付けるステップ、のうちの1つ以上を含むことができる。
[0100]本開示の更に別の態様は、シングルポンプに接続し、かつ、第1の流体及び第2の流体を患者に逐次投与するように構成された送達デバイスを作製する方法である。本方法は、本明細書に開示される送達デバイス11、又は本方法のステップにより作製することが可能な送達デバイスを作製することができる。
[0101]本方法は、ハウジング上で互いに対して異なる場所で始まり、同じ投与ポートを通って出る第1の流路及び第2の流路を収容するハウジングを形成するステップを含むことができる。本方法は、第1の一方向バルブ、第2の一方向バルブ、第3の一方向バルブ及び第4の一方向バルブを、第1の一方向バルブ及び第3の一方向バルブが第1の流路に配置され、第2の一方向バルブ及び第4の一方向バルブが第2の流路に配置されるように、ハウジング内に配置するステップを更に含むことができる。好ましくは、ハウジング内に第1、第2、第3及び第4の一方向バルブを配置するステップは、第1、第2、第3及び第4の一方向バルブを備える可撓性膜を、少なくとも部分的にハウジング内に配置することを含む。一実施形態では、第1、第2、第3及び第4の一方向バルブのそれぞれは、スリットバルブである。
[0102]好ましい実施形態では、ハウジングを形成するステップは、第1の壁と第2の壁と第3の壁と第4の壁とを接続し、それにより、第1の壁と第3の壁と可撓性膜とが、第1のチャンバの少なくとも一部を画定し、第2の壁と第3の壁と可撓性膜とが、第2のチャンバの少なくとも一部を画定し、第1の壁と第4の壁と可撓性膜とが、第3のチャンバの少なくとも一部を画定し、第2の壁と第4の壁と可撓性膜とが、第4のチャンバの少なくとも一部を画定し、第1の壁と可撓性膜とが、投与チャンバの少なくとも一部を画定し、第1及び第2のチャンバと投与チャンバとが、第1の流路の少なくとも一部を画定し、第3及び第4のチャンバと投与チャンバとが、第2の流路の少なくとも一部を画定することを含む。
[0103]本開示の更に別の態様は、第1の流体及び第2の流体を患者に逐次投与するように構成されたシステムを作製する方法である。本方法は、本明細書に開示した送達デバイスの任意の実施形態、又は本明細書で開示した方法によって作製された任意の送達デバイスをポンプに接続するステップを含む。ポンプは、容積式ポンプとすることができる。ポンプは、送達デバイスの第1及び第2のポンプ連通ポートに接続することができる。ポンプは、(i)第1のポンプ連通ポートを介した吸引及び第2のポンプ連通ポートを介した吐出と、(ii)第2のポンプ連通ポートを介した吸引及び第1のポンプ連通ポートを介した吐出と、を交互に行うように、第1の方向及び第1の方向とは反対の第2の方向にポンピングするように構成することができる。
[0104]本方法は、送達デバイスの第1の入口ポートを、第1の流体を保持する第1の容器につながる第1のチューブに接続するステップを含むことができる。本方法は、送達デバイスの第2の入口ポートを、第2の流体を保持する第2の容器につながる第2のチューブに接続するステップを含むことができる。本方法は、1つ以上の出口ポートを、患者につながる投与チューブに接続するステップを含むことができる。
[0105]本明細書に記載される現在好ましい実施形態に対する様々な変更及び修正が、当業者には明らかである。このような変更及び修正は、本発明の主題の主旨及び範囲から逸脱することなく、かつ意図される利点を損なうことなく、行うことができる。したがって、このような変更及び修正は、添付の特許請求の範囲に包含されることが意図される。

Claims (36)

  1. 第1の入口ポートと、第2の入口ポートと、出口ポートと、第1のポンプ連通ポートと、第2のポンプ連通ポートとを含むハウジングを備える送達デバイスであって、前記送達デバイスは、第1の一方向バルブ、第2の一方向バルブ、第3の一方向バルブ及び第4の一方向バルブを更に備え、
    第1の流路は、前記第1の入口ポートから、前記第1の一方向バルブ及び前記第3の一方向バルブを通って、前記出口ポートまで延びており、
    第2の流路は、前記第2の入口ポートから、前記第2の一方向バルブ及び前記第4の一方向バルブを通って、前記出口ポートまで延びている、
    送達デバイス。
  2. 少なくとも部分的に前記ハウジング内に配置される1つ以上の可撓性膜を備え、前記1つ以上の可撓性膜は、前記第1、第2、第3及び第4の一方向バルブを形成する、請求項1に記載の送達デバイス。
  3. 前記ハウジングは、前記第1の流路の少なくとも一部を画定する、第1のチャンバと第2のチャンバと第3のチャンバと第4のチャンバと投与チャンバを含む、請求項1に記載の送達デバイス。
  4. 前記第1のチャンバは、前記第1の入口ポートを介して外部からアクセス可能であり、前記第2のチャンバは、前記第1のポンプ連通ポートを介して外部からアクセス可能であり、前記第3のチャンバは、前記第2の入口ポートを介して外部からアクセス可能であり、前記第4のチャンバは、前記第2のポンプ連通ポートを介して外部からアクセス可能であり、前記投与チャンバは、前記出口ポートを介して外部からアクセス可能である、請求項3に記載の送達デバイス。
  5. 前記ハウジングは、
    前記第1の入口ポート及び前記第2の入口ポートが設けられた第1の壁と、
    前記第1のポンプ連通ポート及び前記第2のポンプ連通ポートが設けられた第2の壁と、
    を含む、請求項3に記載の送達デバイス。
  6. 前記第1のチャンバの少なくとも一部は、前記第1の壁と、前記第1、第2、第3及び第4の一方向バルブを形成する可撓性膜とにより画定されており、前記第2のチャンバの少なくとも一部は、前記第2の壁と前記可撓性膜とにより画定されている、請求項5に記載の送達デバイス。
  7. 前記第2の流路の少なくとも一部は、前記第2のチャンバと前記第3のチャンバと前記第4のチャンバと前記投与チャンバとにより画定されている、請求項3に記載の送達デバイス。
  8. 前記第1のチャンバは、前記第1の入口ポートを介して外部からアクセス可能であり、前記第2のチャンバは、前記第1のポンプ連通ポートを介して外部からアクセス可能であり、前記第3のチャンバは、前記第2の入口ポートを介して外部からアクセス可能であり、前記第4のチャンバは、前記第2のポンプ連通ポートを介して外部からアクセス可能である、請求項7に記載の送達デバイス。
  9. 前記ハウジングは、
    前記第1の入口ポート及び前記第2の入口ポートが設けられた第1の壁であって、前記第1のチャンバの少なくとも一部は、前記第1の壁と、前記第1、第2、第3及び第4の一方向バルブを形成する可撓性膜とにより画定されており、前記第3のチャンバの少なくとも一部は、前記第1の壁と前記可撓性膜とにより画定されている、第1の壁と、
    前記第1のポンプ連通ポート及び前記第2のポンプ連通ポートが設けられた第2の壁であって、前記第2のチャンバの少なくとも一部は、前記第2の壁と前記可撓性膜とにより画定されており、前記第4のチャンバの少なくとも一部は、前記第2の壁と前記可撓性膜とにより画定されている、第2の壁と、
    を含む、請求項7に記載の送達デバイス。
  10. 前記第1の壁には、前記出口ポートが設けられている、請求項9に記載の送達デバイス。
  11. 前記第1の入口ポートと、前記第2の入口ポートと、前記出口ポートと、前記第1のポンプ連通ポートと、前記第2のポンプ連通ポートとは、前記送達デバイスの前記ハウジング上でのみ流体接続している、請求項1に記載の送達デバイス。
  12. 前記第1の一方向バルブ、前記第2の一方向バルブ、前記第3の一方向バルブ又は前記第4の一方向バルブのうちの少なくとも1つは、スリットバルブである、請求項1に記載の送達デバイス。
  13. 前記第1及び第4の一方向バルブのそれぞれは、ゼロのクラッキング圧力を有し、前記第2及び第3の一方向バルブのそれぞれは、0バールよりも大きいクラッキング圧力を有する、請求項1に記載の送達デバイス。
  14. 前記第1及び第4の一方向バルブのそれぞれは、0バールよりも大きいクラッキング圧力を有し、前記第2及び第3の一方向バルブのそれぞれは、ゼロのクラッキング圧力を有する、請求項1に記載の送達デバイス。
  15. 前記第1、第2、第3及び第4の一方向バルブのそれぞれは、0バールよりも大きいクラッキング圧力を有する、請求項1に記載の送達デバイス。
  16. 前記第1、第2、第3及び第4の一方向バルブのうちの1つのみが、ゼロのクラッキング圧力を有し、前記第1、第2、第3及び第4の一方向バルブのうちの3つは、0バールよりも大きいクラッキング圧力を有する、請求項1に記載の送達デバイス。
  17. 前記第1及び第2の一方向バルブのそれぞれは、ゼロのクラッキング圧力を有し、前記第3及び第4の一方向バルブのそれぞれは、0バールよりも大きいクラッキング圧力を有する、請求項1に記載の送達デバイス。
  18. 前記第1及び第2の一方向バルブのそれぞれは、0バールよりも大きいクラッキング圧力を有し、前記第3及び第4の一方向バルブのそれぞれは、ゼロのクラッキング圧力を有する、請求項1に記載の送達デバイス。
  19. 第1の入口ポートと、第2の入口ポートと、出口ポートと、第1のポンプ連通ポートと、第2のポンプ連通ポートとを含むハウジングを備える送達デバイスであって、前記送達デバイスは、第1の一方向バルブ、第2の一方向バルブ、第3の一方向バルブ及び第4の一方向バルブを更に備え、第1の流路は、前記第1の入口ポートから、前記第1の一方向バルブ及び前記第3の一方向バルブを通って、前記出口ポートまで延びており、第2の流路は、前記第2の入口ポートから、前記第2の一方向バルブ及び前記第4の一方向バルブを通って、前記出口ポートまで延びている、送達デバイスと、
    前記第1のポンプ連通ポートにつながる第1の通路と、前記第2のポンプ連通ポートにつながる第2の通路とを含むポンプと、
    を備える、システム。
  20. 前記ポンプは、前記送達デバイスに接続された唯一のポンプであるシングルポンプである、請求項19に記載のシステム。
  21. 第1のチューブにより前記第1の入口ポートに接続され、かつ、(i)第1の流体を保持する第1の容器、及び(ii)第1の流体を保持する第1の容器に接続するように構成された第1のコネクタ、からなる群から選択される、第1の構成要素と、
    第2のチューブにより前記第2の入口ポートに接続され、かつ、(i)第2の流体を保持する第2の容器、及び(ii)第1の流体を保持する第2の容器に接続するように構成された第2のコネクタ、からなる群から選択される、第2の構成要素と、
    を備える、請求項19に記載のシステム。
  22. 前記ポンプは、
    前記第2の流体が前記第2の流路を通って移動することを防止するために、前記第2及び第4の一方向バルブを閉じ、前記第1及び第3の一方向バルブを開けている間、前記第1の流体を、前記第1の流路を通して第1の方向に方向付けるようにポンピングし、
    前記第1の流体が前記第1の流路通って移動することを防止するために、前記第1及び第3の一方向バルブを閉じ、前記第2及び第4の一方向バルブを開けている間、前記第2の流体を、前記第2の流路を通して前記第1の方向とは反対の第2の方向に方向付けるようにポンピングし、
    前記第1の流体が前記第1の流路を通って移動すること及び前記第2の流体が前記第2の流路を通って移動することを防止するために、前記第1の方向又は前記第2の方向にポンピングしない、
    ように構成される、請求項19に記載のシステム。
  23. 前記第1の入口ポートの上流にある第5の一方向バルブと、
    前記第2の入口ポートの上流にある第6の一方向バルブと、
    を備え、
    前記第1、第2、第3及び第4の一方向バルブのうちの少なくとも1つは、ゼロのクラッキング圧力を有し、前記第5及び第6の一方向バルブのそれぞれは、0バールよりも大きいクラッキング圧力を有する、
    請求項19に記載のシステム。
  24. 前記出口ポートの下流にある追加の一方向バルブを備え、前記第1、第2、第3及び第4の一方向バルブのうちの少なくとも1つは、ゼロのクラッキング圧力を有し、前記第7の一方向バルブは、0バールよりも大きいクラッキング圧力を有する、請求項19に記載のシステム。
  25. 第1の入口ポートと、第2の入口ポートと、出口ポートと、第1のポンプ連通ポートと、第2のポンプ連通ポートとを含むハウジングを備える送達デバイスに接続されたポンプであって、前記送達デバイスは、前記ハウジング内に、第1の一方向バルブ、第2の一方向バルブ、第3の一方向バルブ及び第4の一方向バルブを含み、第1の流路は、前記第1の入口ポートから、前記第1の一方向バルブ及び前記第3の一方向バルブを通って、前記出口ポートまで延びており、第2の流路は、前記第2の入口ポートから、前記第2の一方向バルブ及び前記第4の一方向バルブを通って、前記出口ポートまで延びている、ポンプ。
  26. 送達デバイスのハウジングに接続されたシングルポンプを使用して、第1の流体及び第2の流体を患者に逐次投与する方法であって、前記送達デバイスは、前記ハウジング内に、第1の一方向バルブ、第2の一方向バルブ、第3の一方向バルブ及び第4の一方向バルブを備え、前記方法は、
    前記第1の流体を、第1の流路にある第1の容器から、前記送達デバイスを介して、前記送達デバイスの前記ハウジングの投与ポートから外へと方向付けるように、1つのポンピング方向に前記ポンプを動作させるステップであって、前記第1の流路は前記第1の一方向バルブ及び前記第3の一方向バルブを含み、前記第1の流路を通して前記第1の流体を方向付けるための前記ポンプの前記動作により、前記第2の流体が前記送達デバイスを通って流れることが防止される、前記ポンプを動作させるステップと、
    前記送達デバイスを通る前記第1の流体の移動を中止し、前記第2の流路内の前記第2の流体を、前記送達デバイスを介して、前記第1の流体が前記送達デバイスの前記ハウジングを出るために使用した前記送達デバイスの同じ投与ポートから外へと方向付けるために、前記ポンプの前記ポンピング方向を反転させるステップであって、前記第2の流路は前記第2の一方向バルブ及び前記第4の一方向バルブを含み、前記第2の流路を通して前記第2の流体を方向付けるための前記ポンプの前記動作により、前記第1の流体が前記送達デバイスを通って流れることが防止される、前記ポンピング方向を反転させるステップと、
    を含む、方法。
  27. 前記ポンピング方向を反転させる前記ステップは、前記ポンプに動作可能に接続された制御ユニットにより、前記反転を実行する回数を指定する、前記制御ユニット内に記憶された命令に従って自動的に実行される、請求項26に記載の方法。
  28. 前記送達デバイスを通る前記第2の流体の移動を中止し、前記第1の流路内の前記第1の流体を再び方向付けるために、更なる回数、前記ポンプの前記ポンピング方向を反転させるステップを含む、請求項26に記載の方法。
  29. 前記第1の流体が前記第1の流路を通って移動すること及び前記第2の流体が前記第2の流路を通って移動することを防止するために、前記ポンプを停止するステップを含む、請求項26に記載の方法。
  30. シングルポンプに接続し、第1の流体及び第2の流体を患者に逐次投与するように構成された送達デバイスを作製する方法であって、前記方法は、
    ハウジングを形成するステップであって、前記ハウジングは、前記ハウジング上の第1の入口ポートから前記ハウジング上の出口ポートまで延びている第1の流路を収容しており、前記ハウジングは、前記ハウジング上の第2の入口ポートから、前記ハウジング上の前記出口ポートまで延びている第2の流路を収容している、ハウジングを形成するステップと、
    第1の一方向バルブ、第2の一方向バルブ、第3の一方向バルブ及び第4の一方向バルブを、前記第1の一方向バルブ及び前記第3の一方向バルブが前記第1の流路に配置され、前記第2の一方向バルブ及び前記第4の一方向バルブが前記第2の流路に配置されるように、前記ハウジング内に配置するステップと、
    を含む、方法。
  31. 前記ハウジング内に前記第1、第2、第3及び第4の一方向バルブを配置する前記ステップは、前記第1、第2、第3及び第4の一方向バルブを含む可撓性膜を、少なくとも部分的に前記ハウジング内に配置することを含む、請求項30に記載の方法。
  32. 前記ハウジングを形成する前記ステップは、第1の壁と第2の壁と第3の壁と第4の壁とを接続し、それにより、前記第3の壁と前記可撓性膜とが、第1のチャンバの少なくとも一部を画定し、前記第2の壁と前記第3の壁と前記可撓性膜とが、第2のチャンバの少なくとも一部を画定し、前記第1の壁と前記第4の壁と前記可撓性膜とが、第3のチャンバの少なくとも一部を画定し、前記第2の壁と前記第4の壁と前記可撓性膜とが、第4のチャンバの少なくとも一部を画定し、前記第1の壁と前記可撓性膜とが、投与チャンバの少なくとも一部を画定し、前記第1、第2及び第4のチャンバと前記投与チャンバとが、前記第1の流路の少なくとも一部を画定し、前記第3、第4及び第2のチャンバと前記投与チャンバとが、前記第2の流路の少なくとも一部を画定することを含む、請求項30に記載の方法。
  33. 第1の流体及び第2の流体を患者に逐次投与するように構成されたシステムを作製する方法であって、前記方法は、ポンプの第1の通路を第1のポンプ連通ポートに接続し、前記ポンプの第2の通路を第2のポンプ連通ポートに接続するステップを含み、前記第1及び第2のポンプ連通ポートは、送達デバイスのハウジングにより設けられ、前記送達デバイスの前記ハウジングは、第1の入口ポート、第2の入口ポート及び出口ポートを含み、前記送達デバイスは、第1の一方向バルブ、第2の一方向バルブ、第3の一方向バルブ及び第4の一方向バルブを更に含み、第1の流路は、前記第1の入口ポートから、前記第1の一方向バルブ及び前記第3の一方向バルブを通って、前記出口ポートまで延びており、第2の流路は、前記第2の入口ポートから、前記第2の一方向バルブ及び前記第4の一方向バルブを通って、前記出口ポートまで延びている、方法。
  34. 前記ポンプは、前記送達デバイスに接続された唯一のポンプであるシングルポンプである、請求項33に記載の方法。
  35. 前記第1の入口ポートに、(i)第1の流体を保持する第1の容器、及び(ii)第1の流体を保持する第1の容器に接続するように構成された第1のコネクタ、からなる群から選択される構成要素につながる第1のチューブを接続するステップと、
    前記第2の入口ポートに、(i)第2の流体を保持する第2の容器、及び(ii)第1の流体を保持する第1の容器に接続するように構成された第2のコネクタ、からなる群から選択される構成要素につながる第2のチューブを接続するステップと、
    を含む、請求項33に記載の方法。
  36. 前記出口ポートに、投与チューブを接続するステップを含み、前記投与チューブは、経腸供給チューブにつながっている、請求項33に記載の方法。
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