実施例は無線充電装置、その無線電力送信方法、及びそのための記録媒体に関するものである。
近年、情報通信技術が急速に発展するにつれて、情報通信技術を基にするユビキタス社会がなされている。
いつでもどこでも情報通信器機が接続されるためには、社会の諸般施設に通信機能を有するコンピュータチップを内装したセンサーが取り付けられなければならない。したがって、これらの器機やセンサーへの電源供給の問題は新しい課題となっている。また、携帯電話だけではなくブルートゥース(登録商標)ハンドセットとアイポットのようなミュージックプレーヤーなどの携帯器機種類が急激に増えるにつれて、バッテリーを充電する作業が使用者に時間及び手数を要求することになった。このような問題を解決する方法として、無線電力伝送技術が最近に関心を受けている。
無線電力伝送技術(wireless power transmission又はwireless energy transfer)は磁場の誘導原理を用いて無線で送信機から受信機に電気エネルギーを伝送する技術であり、既に1800年代に電磁気誘導原理を用いた電気モーター又は変圧器が使われ始め、その後には高周波、マイクロ波、レーザーなどの電磁波を放射して電気エネルギーを伝送する方法も試みられた。例えば、電動歯ブラシ又は一部の無線カミソリも電磁気誘導原理で充電される。
現在まで無線を用いたエネルギー伝達方式は、大別して、磁気誘導方式、電磁共振(Electromagnetic Resonance)方式及び短波長無線周波数を用いたRF伝送方式などに区分されることができる。
磁気誘導方式は、二つのコイルを互いに隣り合わせた後、その一方のコイルに電流を流せば、この時に発生した磁束(Magnetic Flux)が他方のコイルに起電力を引き起こす現象を用いた技術であって、携帯電話のような小型器機を中心に商用化している。磁気誘導方式は最大で数百キロワット(kW)の電力を伝送することができるとともに効率も高いが、最大伝送距離が1センチメートル(cm)以下なので、一般的に充電器又は底に近づけなければならない欠点がある。
電磁共振方式は、電磁波又は電流などを活用する代わりに、電場又は磁場を用いる特徴がある。電磁共振方式は電磁波問題の影響をほとんど受けないので、他の電子器機又は人体に安全であるという利点がある。一方、限定された距離及び空間でだけ活用することができ、エネルギー伝達効率がちょっと低い欠点がある。
短波長無線電力伝送方式(すなわち、RF伝送方式)はエネルギーを電波(RadioWave)の形態で直接送受信することができる点を活用したものである。この技術はレクテナ(rectenna)を用いるRF方式の無線電力伝送方式のものであり、レックテナはアンテナ(antenna)と整流器(rectifier)の合成語で、RF電力を直接直流電力に変換する素子を意味する。すなわち、RF方式はAC電波をDCに変換して使用する技術で、近年効率が向上するにつれて商用化に対する研究が活発に進んでいる。
無線電力伝送技術はモバイルだけではなくIT、鉄道、家電産業などの産業全般に多様に活用することができる。
送信機から無線で伝送された電力は受信機のバッテリーに充電されることができる。この時、受信機のバッテリー温度が一定温度以上となれば、バッテリーの保護のために、バッテリーへの電力供給が遮断される。しかし、送信機側では受信機が充電し続けると認識して電力をずっと伝送することにより、不必要に電力が消耗される問題点がある。その上、バッテリーの保護のために、バッテリーへの電力供給が遮断されたままで長時間の間に充電されない問題点があり得る。
実施例は、受信機の過熱が感知されてバッテリー充電が遮断されたままで無負荷状態でずっと充電されて不必要な電力が消耗されることを事前に防止することができる無線電力送信装置、その無線電力送信方法、及びそのための記録媒体を提供する。
一実施例によると、電力信号を無線電力受信機に無線で伝送する無線電力送信機は、供給電力の強度を変換して前記電力信号として出力する電力変換部;前記無線電力受信機が充電を完了せずに無負荷状態で充電を進めるかを検査し、前記検査された結果によって前記無線電力受信機への前記電力信号の供給を一時的に中断してから再開する送信制御部;及び前記電力信号を前記無線電力受信機に伝送する少なくとも一つの送信コイルを有する送信コイル端を含むことができる。
例えば、前記送信制御部の制御の下で、前記無線電力送信機は前記無線電力受信機への前記電力信号の供給を一時的に中断してから再開する動作を複数回繰り返すことができる。
例えば、前記無線電力送信機は、周波数駆動部;及び前記無線電力受信機から伝送されて前記送信コイル端を介して受信されたフィードバック信号を復調する復調部をさらに含み、前記送信制御部は、前記復調部で復調されたフィードバック信号によって前記周波数駆動部を制御して、前記送信コイル端に伝達される前記電力信号の周波数を変更することができる。
例えば、前記電力変換部は、前記供給電力のレベルを変換するレベル変換部;及び前記レベル変換された供給電力の電圧/電流を測定する電力センサーを含み、前記送信制御部は前記電力センサーで測定された結果によって前記レベル変換部への前記供給電力の供給を遮断させることができる。
例えば、前記無線電力送信機は、前記レベル変換部から前記電力センサーに流れるレール電流のレベルを測定する第1センサー;前記送信コイル端のうち前記無線電力受信機が無線で連結された送信コイルに流れるコイル電流のレベルを測定する第2センサー;及び前記第1及び第2センサーで測定された結果を比較する比較部をさらに含み、前記送信制御部は、前記比較部で比較された結果を用いて、前記無線電力受信機が無負荷状態で充電を進めるかを検査することができる。
例えば、前記送信制御部は、前記復調されたフィードバック信号を分析して、前記無線電力受信機の完充に及ばない充電率が第1所定時間の間に一定に維持されるか;又は前記無線電力受信機から充電完了信号が第2所定時間の間に受信されないかの少なくとも一つを決定し、決定された結果を用いて前記無線電力受信機が無負荷状態で充電を進めるかを検査することができる。
例えば、前記無線電力送信機の温度を測定する温度測定部をさらに含み、前記送信制御部は前記温度測定部で測定された温度が上限臨界範囲内で一定時間の間に維持されるかをチェックし、チェックされた結果によって前記無線電力受信機が無負荷状態で充電を進めるかを検査することができる。
他の実施例によると、電力信号を無線電力送信機から無線で受信する無線電力受信機は、前記送信コイル端で該当送信コイルと電磁場によって結合される受信コイル;前記受信コイルを介して前記無線電力送信機に伝送される前記フィードバック信号を変調する変調部;前記受信コイルを介して受信された前記電力信号を整流して充電対象に提供する整流部;及び前記充電対象の温度が前記充電対象の温度が限界温度より大きいとき、前記整流部を制御して、前記充電対象への前記電力信号の供給を遮断して無負荷状態の充電を進め、前記フィードバック信号を発生する受信制御部を含むことができる。
例えば、前記受信制御部は、前記充電対象の充電率、充電所要時間、又は充電完了状態の少なくとも一つについての情報を含む前記フィードバック信号を生成することができる。
さらに他の実施例によると、無線電力送信機から無線電力受信機に電力を無線で送信する方法は、供給電力の強度を変換して電力信号を生成する段階;及び前記無線電力受信機が充電を完了せずに無負荷状態で充電を進めるとき、前記電力信号の供給を一時的に中断してから再開する段階を含むことができる。
例えば、前記無負荷状態で充電を進めるかを検査する段階は、コイル電流がレール電流より大きいとき;前記無線電力受信機の完充に及ばない充電率が第1所定時間の間に一定に維持されるとき;前記無線電力受信機から充電完了信号が第2所定時間の間に受信されないとき;又は前記無線電力送信機の温度が上限臨界範囲内で一定時間の間に維持されるときの少なくとも二つが満たされるとき、前記無線電力受信機が無負荷状態で充電を進めると決定することができる。
例えば、前記コイル電流が前記レール電流より大きく、前記充電完了信号が少なくとも数時間の間に受信されないとき、前記無線電力受信機が充電を完了しなかったままで無負荷状態で充電を進めると決定することができる。
例えば、前記無線電力送信機の温度の上限臨界範囲は65°〜75°であってもよい。
さらに他の実施例によるコンピュータ可読の記録媒体は前記方法を実行させるためのプログラムを記録することができる。
実施例による無線充電装置、その無線電力送信方法、及びそのための記録媒体は、無線電力受信機の充電が完了しなかった状態で無負荷状態で充電が進むことを認識し、無線電力受信機への電力供給を一時的に中断してから再開する動作を少なくとも1回行うことにより、無線電力受信機が充電されていない状況で電力を不必要に無線電力受信機に供給することによる電力消耗を減らすことができ、無線電力受信機をより早く充電させることができる。
以下で添付図面は本発明の理解を助けるためのもので、詳細な説明と一緒に本発明の実施例を提供する。ただ、本発明の技術的特徴が特定の図に限定されるものではなく、各図に開示する特徴は互いに組み合わせられて新しい実施例に構成されることができる。
WPC標準に定義された無線電力伝送過程を説明するための状態遷移図である。
PMA標準に定義された無線電力伝送過程を説明するための状態遷移図である。
実施例による無線電力送信機のブロック図を示す。
コイル電流とレール電流を比較するグラフである。
コイル電流とレール電流を比較するグラフである。
図4による無線電力送信機から電力を受けることができる無線電力受信機のブロック図を示す。
実施例による無線電力送信方法を説明するためのフローチャートである。
無線電力受信機が充電を完了しなかったままで無負荷状態で充電を進める場合、比較例による無線電力送信機の制御動作を説明するためのグラフである。
無線電力受信機が充電を完了しなかったままで無負荷状態で充電を進める場合、比較例による無線電力送信機の制御動作を説明するためのグラフである。
無線電力受信機が充電を完了しなかったままで無負荷状態で充電を進める場合、実施例による無線電力送信機の制御動作を説明するためのグラフである。
無線電力受信機が充電を完了しなかったままで無負荷状態で充電を進める場合、実施例による無線電力送信機の制御動作を説明するためのグラフである。
実施例による無線電力送信機と連結された車両の概略ブロック図を示す。
以下、本発明の実施例が適用される装置及び多様な方法について図面に基づいてより詳細に説明する。以下の説明で使う構成要素に対する接尾辞"モジュール"及び'部"は明細書作成の容易性のみを考慮して付与するとか混用するもので、その自体として互いに区別される意味又は役割を有するものではない。
実施例の説明において、各構成要素の"上又は下"に形成されるものとして記載する場合、上又は下は二つの構成要素が互いに直接接触するとか一つ以上のさらに他の構成要素が二つの構成要素の間に配置されて形成されるものを全て含む。また"上又は下"と表現する場合、一つの構成要素を基準に上方だけではなく下方の意味も含むことができる。
実施例の説明において、無線電力システムにおいて無線電力を送信する装置は、説明の便宜のために、無線パワー送信機、無線パワー送信装置、無線電力送信装置、無線電力送信機、送信端、送信機、送信装置、送信側、無線パワー伝送装置、無線パワー伝送器などを混用して使うことにする。また、無線電力送信装置から無線電力を受信する装置についての表現として、説明の便宜のために、無線電力受信装置、無線電力受信機、無線パワー受信装置、無線パワー受信機、受信端末機、受信側、受信装置、受信機などを混用して使うことができる。
実施例による送信機は、パッド形態、装着部形態、AP(Access Point)形態、小型基地局形態、スタンド形態、天井埋込形態、壁掛け形態などに構成されることができる。単一送信機が複数の無線電力受信装置に電力を伝送することもできる。
実施例による送信機は、少なくとも一つの無線パワー伝送手段を備えることもできる。ここで、無線パワー伝送手段は、電力送信端コイルで磁場を発生させ、その磁場の影響で受信端コイルで電気を誘導する電磁気誘導原理を用いて充電する電磁気誘導方式に基づいた多様な無線電力伝送標準を用いることができる。ここで、無線パワー伝送手段は、無線充電技術標準機構であるWPC(Wireless Power Consortium)、PMA(Power Matters Alliance)及びA4WP(Alliance for Wireless Power)で定義された電磁気誘導方式の無線充電技術を含むことができる。
また、実施例による受信機は少なくとも一つの無線電力受信手段を備えることができ、二つ以上の送信機から同時に無線電力を受信することもできる。ここで、無線電力受信手段は、無線充電技術標準機構であるWPC(Wireless Power Consortium)、PMA(Power Matters Alliance)及びA4WP(Alliance for Wireless Power)で定義された電磁気誘導方式の無線充電技術を含むことができる。
実施例による受信機は、携帯電話(mobile phone)、スマートフォン(smart phone)、ノートブック型パソコン(laptop computer)、デジタル端末機、PDA(Personal Digital Assistants)、PMP(Portable Multimedia Player)、ナビゲーション、MP3 player、電動歯ブラシ、電子タグ、照明装置、リモートコントローラー、浮き、スマートウォッチのようなウェアラブルデバイスなどの小型電子器機などに使うことができるが、これに限るものはなく、本発明による無線電力受信手段が装着されてバッテリーを充電することができる器機であれば充分である。
図1はWPC標準に定義された無線電力伝送過程を説明するための状態遷移図である。
図1を参照すると、WPC標準による送信機から受信機への電力伝送は、大別して、選択段階(Selection Phase)10、ピング段階(Ping Phase)20、識別及び構成段階(Identification and Configuration Phase)30及び電力伝送段階(Power Transfer Phase)40段階に区分することができる。
選択段階10は、電力伝送を始めるとか電力伝送を維持するうち特定のエラー又は特定のイベントが感知されれば、遷移する段階であり得る。ここで、特定のエラー及び特定のイベントは以下の説明から明らかになるであろう。また、選択段階10で、送信機はインターフェース表面に物体が存在するかをモニターすることができる。仮に、送信機がインターフェース表面に物体が置かれたことを感知すれば、ピング段階20に遷移することができる(S1)。選択段階10で、送信機は非常に短いパルスのアナログピング(Analog Ping)信号を伝送し、送信コイルの電流変化に基づいてインターフェース表面の活性領域(Active Area)に物体が存在するかを感知することができる。
ピング段階20で、送信機が物体を感知すれば、受信機を活性化させ、受信機がWPC標準が互換可能な受信機であるかを識別するためのデジタルピング(Digital Ping)を伝送する。ピング段階20で、送信機がデジタルピングに対する応答シグナル(例えば、シグナル強度指示子)を受信機から受信することができなければ、また選択段階10に遷移することができる(S2)。また、ピング段階20で、送信機は受信機から電力伝送が完了したことを指示する信号(以下、'充電完了信号')(EPT)を受信すれば、選択段階10に遷移することもできる(S3)。
ピング段階20が完了すれば、送信機は受信機識別及び受信機構成及び状態情報を収集するための識別及び構成段階30に遷移することができる(S4)。
識別及び構成段階30で、送信機は予期せぬパケットが受信されるとか(unexpected packet)、所定の時間の間に所望のパケットが受信されないとか(time out)、パケット伝送エラーがあるとか(transmission error)、電力伝送契約が設定されていなければ(no power transfer contract)、選択段階10に遷移することができる(S5)。
受信機に対する識別及び構成が完了すれば、送信機は無線電力を伝送する電力伝送段階40に遷移することができる(S6)。
電力伝送段階40で、送信機は、予期せぬパケットが受信されるとか(unexpected packet)、所定の時間の間に所望のパケットが受信されないとか(time out)、期設定の電力伝送契約に対する違反が発生するとか(power transfer contract violation)、充電が完了した場合、選択段階10に遷移することができる(S7)。
また、電力伝送段階40で、送信機は、送信機状態変化などによって電力伝送契約を再構成する必要がある場合、識別及び構成段階30に遷移することができる(S8)。
前述した電力伝送契約は送信機と受信機の状態及び特性情報に基づいて設定することができる。一例として、送信機状態情報は最大に伝送可能な電力量についての情報、最大に収容可能な受信機の個数についての情報などを含むことができ、受信機状態情報は要求電力についての情報などを含むことができる。
図2はPMA標準に定義された無線電力伝送過程を説明するための状態遷移図である。
図2を参照すると、PMA標準による送信機から受信機へのパワー伝送は、大別して、待機段階(Standby Phase)50、デジタルピング段階(Digital Ping Phase)60、識別段階(Identification Phase)70、電力伝送段階(Power Transfer Phase)80段階及び充電完了段階(End of Charge Phase)90に区分することができる。
待機段階50は、電力伝送のための受信機識別過程を行うとか電力伝送を維持するうちに特定のエラー又は特定のイベントが感知されれば、遷移する段階であり得る。ここで、特定のエラー及び特定のイベントは以下の説明から明らかになるであろう。また、待機段階50で、送信機は充電表面(Charging Surface)に物体が存在するかをモニターすることができる。仮に、送信機が充電表面に物体が置かれたことを感知するとかRXID再試行が進んでいる場合、デジタルピング段階60に遷移することができる(S31)。ここで、RXIDはPMA互換受信機に割り当てられる固有識別子である。待機段階50で、送信機は非常に短いパルスのアナログピング(Analog Ping)を伝送し、送信コイルの電流変化に基づいてインターフェース表面(例えば、充電ベッド)の活性領域(Active Area)に物体が存在するかを感知することができる。
デジタルピング段階60に遷移した送信機は、感知された物体がPMA互換受信機であるかを識別するためのデジタルピング信号を送出する。送信機が伝送したデジタルピング信号によって受信端に十分な電力が供給される場合、受信機は受信されたデジタルピング信号をPMA通信プロトコルによって変調し、所定の応答シグナルを送信機に伝送することができる。ここで、応答シグナルは受信機に受信された電力の強度を指示する信号強度指示子を含むことができる。デジタルピング段階60で、受信機は有効な応答シグナルを受信すれば、識別段階70に遷移することができる(S32)。
仮に、デジタルピング段階60で、応答シグナルが受信されないとか、PMA互換受信機ではないことが確認されれば(すなわち、FOD(Foreign Object Detection)の場合)、送信機は待機段階50に遷移することができる(S33)。一例として、FO(Foreign Object)は小銭、キーなどの金属性物体であり得る。
識別段階70で、送信機は受信機識別過程が失敗するとか受信機識別過程を再実行しなければならない場合及び所定の時間の間に受信機識別過程を完了することができなかった場合、待機段階50に遷移することができる(S34)。
送信機は、受信機識別に成功すれば、識別段階70から電力伝送段階80に遷移して充電を開始することができる(S35)。
電力伝送段階80で、送信機は所望の信号が所定の時間内に受信されないとか(Time out)、FOが感知されるとか、送信コイルの電圧が所定の基準値を超える場合、待機段階50に遷移することができる(S36)。
また、電力伝送段階80で、送信機は、内部に備えられた温度センサーによって感知された温度が所定基準値を超える場合、充電完了段階90に遷移することができる(S37)。
充電完了段階90で、送信機は、受信機が充電表面から除去されたことが確認されれば、待機段階50に遷移することができる(S39)。
また、送信機は、Over Temperature状態で、一定時間の経過後に測定された温度が基準値以下に下がった場合、充電完了段階90からデジタルピング段階60に遷移することができる(S40)。
デジタルピング段階60又は電力伝送段階80で、送信機は、受信機からEOC(End Of Charge)要請が受信されれば、充電完了段階90に遷移することもできる(S38及びS41)。
以下、実施例による無線充電装置を添付図面に基づいて次のように説明する。ここで、無線充電装置とは、前述した送信機と受信機の両者を含む装置を意味する。前述した送信機と受信機をそれぞれ無線電力送信機及び無線電力受信機と言う。実施例による無線電力送信機100及び無線電力受信機200を添付図面に基づいて次のように説明する。
図3は実施例による無線電力送信機100のブロック図を示す。理解を助けるために、実線は電力(又は、電力信号)の移動を示し、点線は電力以外の制御信号及び状態信号の移動を示す。
図3を参照すると、無線電力送信機100は、電源部110、電力変換部120、電力伝送部130、送信制御部140、復調部150、第1及び第2センサー162、164、温度測定部166及び比較部168を含むことができる。このような無線電力送信機100の各構成要素は必ずしも必須な構成ではなく、実施例による無線電力送信機100は図3に示した構成要素より多いとか少ない構成要素を含んでなることもできる。
電源部110は供給電力を提供する役割をし、無線電力送信機100に内蔵されたバッテリーであってもよく、外部電源であってもよいし、実施例は電源部110の形態に限られない。
電力変換部120は、電源部110から供給電力が提供されれば、これを所定強度の電力に変換し、変換された結果を電力信号として電力伝送部130に出力することもできる。このために、電力変換部120は、レベル変換部122、電力センサー124及び増幅器126を含むことができる。
レベル変換部122は、電源部110から提供される供給電力のレベルを変換し、変換されたレベルを有する信号を電力信号として出力する。例えば、レベル変換部122はバックコンバーター(buck converter)などのような直流/直流(DC/DC)コンバーターを含むことができるが、実施例はレベル変換部122の構成形態に限られない。DC/DCコンバーターは電源部110から供給されたDC供給電力を送信制御部140から発生する制御信号によって所定強度を有するDC電力に変換する機能をすることができる。
電力センサー124は、レベル変換部122で変換されたレベルを持って出力される電力信号の電圧/電流を測定する。具体的に、電力センサー124はレベル変換部122から出力されるDC電力信号の電圧/電流などを測定して送信制御部140に提供することができる。
増幅器126は、レベル変換部122で変換されたレベルを有する電力信号の強度を送信制御部140から発生する制御信号によって増幅(又は、調整)することができる。一例として、送信制御部140は、無線電力受信機から復調部160を介して提供された電力制御信号(又は、フィードバック信号)を受信することができ、受信された電力制御信号によって増幅器150の増幅率を調整することができる。
送信制御部140は、電力センサー124で測定された電圧/電流値に基づいて電源部110又は増幅器126の少なくとも一つを制御することができる。すなわち、送信制御部140は、適応的に電源部110からレベル変換部122に供給電力が供給されることを遮断するとかあるいは増幅器126から電力信号が供給されるとか増幅器126から電力信号が出力されることを遮断することができる。このために、たとえ図示されてはいないが、電力変換部120の一側には電源部110から提供される供給電力を遮断するとか、増幅器126に電力信号が供給されることを遮断するとか、増幅器126から電力伝送部130に電力信号が提供されることを遮断するための電力遮断回路がさらに配置されることもできる。
電力伝送部130は、電力変換部120から出力される電力信号を無線電力受信機に伝送する役割をする。このために、電力伝送部130は、周波数駆動部132、コイル選択部134及び送信コイル端136を含むことができる。便宜上、送信制御部140及び復調部150は電力伝送部130の構成要素ではないものとして図示されているが、実施例はこれに限られない。すなわち、送信制御部140及び復調部150は電力伝送部130の構成要素に属することもある。
周波数駆動部132は、電力変換部120から出力されるDC電力信号に特定周波数を有する交流(AC)成分が挿入されたAC電力信号を生成して送信コイル端136に伝送する役割をすることができる。ここで、送信コイル端136に含まれた複数の送信コイルに伝達されるAC電力信号の周波数は同一であるとか互いに違うことがある。
コイル選択部134は、特定の周波数を有するAC電力信号を周波数駆動部132から受けて複数の送信コイルの中で選択された送信コイルにAC電力信号を伝達することができる。ここで、コイル選択部134は、送信制御部140の所定の制御信号によって送信制御部140によって選択された送信コイルにAC電力信号が伝達されるように制御することができる。
送信コイル端136は少なくとも一つの送信コイル136−1、136−2、...、136−Nを含むことができ、コイル選択部134から受信されたAC電力信号を該当送信コイルを介して受信機に送出することができる。ここで、Nは1以上の正の整数であり得る。
複数の送信コイルのうち'該当送信コイル'を選択するため、コイル選択部134はスイッチ又はマルチプレクサーから具現されることができる。ここで、'該当送信コイル'とは、無線で電力を受けることができるように資格が付与された無線電力受信機の受信コイルと電磁場によって結合可能な状態を有する送信コイルを意味することができる。一実施例によると、送信制御部140は、送信コイル別に伝送したデジタルピング信号に対応して受信されたシグナル強度指示子(Signal Strength Indicator)に基づいて備えられた複数の送信コイルのうち無線電力伝送に使う送信コイルを動的に選択することができる。
復調部150は、無線電力受信機から伝送されて送信コイル端136を介してフィードバック信号が感知されれば、感知されたフィードバック信号を復調して送信制御部140に出力する。ここで、復調されたフィードバック信号にはシグナル制御指示子、無線電力伝送中の電力制御のためのエラー訂正(EC:Error Correction)指示子、充電完了(EOC:End Of Charge)指示子、過電圧/過電流指示子などが含まれることができるが、これに限定されず、無線電力受信機の状態を識別するための各種の状態情報が含まれることができる。
また、実施例によると、フィードバック信号は、無線電力受信機の充電過程の状態又は充電結果についての情報、例えば無線電力受信機の充電完了状態、充電率又は充電所要時間の少なくとも一つについての情報を含むことができる。
また、復調部150は、復調された信号が送信コイル端136に含まれた複数の送信コイル136−1〜136−Nのうちどの送信コイルから受信された信号であるかを識別することができ、識別された送信コイルに相応する所定の送信コイル識別子を送信制御部140に提供することもできる。
送信制御部140は、復調部150で復調されたフィードバック信号によって周波数駆動部132を制御する制御信号を出力する。周波数駆動部132は、送信制御部140から発生した制御信号に応答して、送信コイル端136に伝達される電力信号の周波数を変更することができる。一例として、無線電力送信機100と無線電力受信機がインバンド(In−band)通信を行う場合、送信制御部140は周波数変調によって所定の制御信号を無線電力受信機に伝送することができる。
前述したように、無線電力送信機100は送信コイル端136を介して無線電力を送出することができるだけではなく送信コイル端136を介して無線電力受信機と各種の情報を交換することができる。しかし、実施例はこれに限られない。すなわち、他の実施例によると、無線電力送信機100は送信コイル端136の各送信コイルに対応する別途のコイルを備え、備えた別途のコイルを用いて無線電力受信機とインバンド通信を行うこともできる。
若しくは、無線電力送信機100は送信コイル端136を介してのフィードバック信号ではない別途のチャネルを介して受信機と情報を交換することもできる。すなわち、無線電力送信機100は無線電力送信のための送信コイル端136とは別途の通信手段、例えばブルートゥース、NFC、Zigbee(登録商標)などの別途の通信手段を介して受信機と通信することもできる。この場合、受信機との情報交換のための通信は無線電力送信のための周波数とは違う周波数帯域を使うこともできる。このような別途の通信チャネルを使う場合には復調部150を省略することもできる。
また、実施例によると、送信制御部140は、無線電力受信機のバッテリー充電が完了しなくて過熱が発生してバッテリーへの電力供給が遮断されたままで無負荷状態で充電が進んでいるかを検査する。
図5で後述するように、無線電力受信機は、無線電力送信機100から無線で伝送された電力を受信して充電対象(又は、負荷として、例えばバッテリーなど)に充電することができる。ここで、充電対象に電力が全く充電される場合、無線電力受信機は電力が充電対象にそれ以上提供できないように遮断することができる。しかし、電力が充電対象に提供されることはできなくても無線電力受信機は無線電力送信機から低レベルの電力を受けることができる。このように、充電対象の充電が完了する場合、無線電力受信機は無負荷状態で充電を進めることができる。
その他に、無線電力受信機で必要な状況に充電対象への電力供給を遮断することができる。例えば、無線電力受信機は、充電対象への電力の充電が完了しなかった状況で、充電対象の温度が高い場合、例えば40℃の場合、充電対象への電力供給を遮断することができる。このように、充電対象が充電を完了しなかった状況でも無線電力受信機は無負荷状態で充電を進めることができる。
前述した二つの場合を考慮すると、'無線電力受信機が無負荷状態で充電を進める状況'は'無線電力受信機から充電対象への電力供給が遮断された状況'を意味することができるが、実施例はこれに限られない。
一方、実施例による無線電力送信機100は、無線電力受信機が充電を完了せずに無負荷状態で充電を進める状況にあるかを次のような四つの条件の少なくとも二つの条件が満たされるかを検査して認知することができる。
第1条件として、送信制御部140はコイル電流(coil current)(IC)がレール電流(rail current)(IR)より大きいかを検査することができる。
レール電流(IR)とは、レベル変換部122から電力センサー124に流れる電流を意味することができる。また、コイル電流とは、送信コイル端136に含まれた複数の送信コイルのうち'該当送信コイル'に流れる電流を意味することができる。
図4a及び図4bはコイル電流(IC)とレール電流(IR)を比較するグラフであって、横軸は時間を示し、縦軸はレベルを示す。
一般に、無線電力受信機で充電を完了しなくて進めている場合、図4aに示したように、レール電流はコイル電流より大きい値を維持する。しかし、無線電力受信機で充電が完了した場合、図4bに示したように、コイル電流がレール電流より大きくなる。このように、無線電力受信機が無負荷状態で充電を進める状況でコイル電流がレール電流より大きくなることがある。
前述した第1条件を遂行するため、図3に示したように、無線電力送信機100は第1及び第2センサー162、164及び比較部168を含むことができる。第1センサー162はレベル変換部122と電力センサー124の間に連結され、レール電流のレベルを測定し、測定された結果を比較部168に出力する。第2センサー164は送信コイル端136で'該当送信コイル'に流れるコイル電流のレベルを測定し、測定された結果を比較部168に出力する。
比較部168は第1センサー162で測定されたレール電流のレベルと第2センサー164で測定されたコイル電流のレベルを比較し、比較された結果を送信制御部140に出力する。
送信制御部140は比較部168で比較された結果を用いて、コイル電流がレール電流より大きいかを判断することができる。
第2条件として、送信制御部140は無線電力受信機の充電率が第1所定時間の間に一定に維持されるかを検査することができる。
無線電力受信機に含まれた充電対象の充電率は事前に決定されることができる。したがって、送信制御部140は事前に決定された充電率のどおりに充電対象が完充されなかったままで第1所定時間の間に完充に及ばない充電率を一定に維持するかを検査することができる。
例えば、前述した第2条件は第1条件が満たされるときに遂行することもでき、第1条件の充足可否に無関係に遂行することもできる。
仮に、第1条件が満たされるときに第2条件を遂行すれば、コイル電流がレール電流より大きい場合には、前述したように、一般的に無線電力受信機の充電が完了した場合である。それにもかかわらず、充電対象の充電が完充されなかったまま、第1所定時間の間に一様に維持されれば、送信制御部140は無線電力受信機が無負荷状態で充電を進めると決定することができる。
送信制御部140で無線電力受信機の充電対象の充電率を検査するため、無線電力受信部から伝送されたフィードバック信号を用いることができるが、実施例はこれに限られない。
第3条件として、送信制御部140は無線電力受信機から充電完了信号が第2所定時間の間に受信されなかったかを検査することができる。ここで、第2所定時間は、例えば1時間であってもよいが、実施例はこれに限られない。
無線電力受信機に含まれた充電対象が充電を完了する場合、無線電力受信機の充電完了を無線電力送信機に伝送することができる。無線電力受信機に含まれた充電対象の充電にかかる第2所定時間は前もって決定されることができる。したがって、送信制御部140は前もって決定された第2所定時間の間に充電完了信号が無線電力受信部から伝送されなかったかを検査することができる。
例えば、前述した第3条件は第1条件が満たされるときに遂行することもできる。この場合、コイル電流がレール電流より大きい場合には、前述したように、一般的に無線電力受信機の充電が完了した場合である。それにもかかわらず、無線電力受信機から充電が完了したことを指示する所定の制御信号が第2所定時間の間に無線電力送信機に受信されなかったならば、送信制御部140は無線電力受信機の充電が完了しなかった状態で無線電力受信機が無負荷状態で充電を進めると決定することができる。
無線電力受信機の充電が完了したことを知らせる情報はフィードバック信号によって無線電力受信部から無線電力送信部に伝送されることができる。
送信制御部140は、無線電力受信機から伝送されて送信コイル端136を介して入ったフィードバック信号を分析することによって前述した第2及び第3条件を遂行することができる。
第4条件として、無線電力送信機の温度が上限臨界範囲内にあるかを検査する。例えば、上限臨界範囲は65°〜75°であり得るが、実施例はこれに限られない。
このために、温度測定部166がさらに配置されることもできる。温度測定部166は、無線電力送信機100の温度を測定し、測定された結果を送信制御部140に出力することができる。例えば、温度測定部166はサーミスター(thermister)から具現されることができるが、実施例はこれに限られない。よって、送信制御部140は、温度測定部166で測定された無線電力送信機100の温度が上限臨界範囲内で一定時間の間に維持されるかをチェックし、チェックされた結果によって無線電力受信機が無負荷状態で充電を進めるかを検査することができる。
前述した多様な方法によって、無線電力受信機が充電を完了せずに無負荷状態で充電を進めていると決定する場合、送信制御部140は、無線電力受信機に電力信号が供給されることを一時的に中断してから再開することができる。ここで、無線電力受信機への電力信号の供給が一時的に中断される期間は無線電力受信機、特に充電対象の温度を数℃程度、例えば2℃程度下げるのにかかる程度の期間であり得る。例えば、一時的な中断期間は10分であり得るが、実施例はこれに限られない。
また、送信制御部140の制御の下で、無線電力送信機100が無線電力受信機への電力信号の供給を一時的に中断してから再開する動作は複数回繰り返し遂行することができる。ここで、繰り返し回数は2回程度であり得るが、実施例は特定の繰り返し回数に限られない。
また、一時的に電力信号の供給を中断するため、送信制御部140は、電源部110が供給電力を電力変換部120に提供することができないように遮断することもでき、増幅器126が増幅された電力信号を出力することができないように遮断することもできるが、実施例は電力信号供給遮断の特定の方式に限られない。
以下、前述した実施例による無線電力送信機100から電力を受ける無線電力受信機200について添付図面に基づいて次のように説明する。
図5は図4による無線電力送信機100から電力を受けることができる無線電力受信機200のブロック図を示す。理解を助けるために、実線は電力(又は、電力信号)の移動を示し、点線は電力以外の制御信号及び状態信号の移動を示す。
図5を参照すると、無線電力受信機200は、受信コイル210、整流部220、電圧制御部230、受信制御部240、変調部250及び充電対象(又は、負荷)260を含むことができる。
受信コイル200は共振回路(resonant circuit)を構成することができる2次コイル(secondary coil)を含むことができる。電力伝送効率を強化するために、選択的に受信コイル200に直列又は並列でキャパシターを連結することができる。電磁気誘導方式によって、無線電力送信機100から無線電力受信機200に電力を伝送するとき、受信コイル200は送信コイル端136で'該当送信コイル'と電磁場によって結合することができる。
整流部220は、受信コイル200を介して入力されるAC形態の電力信号を全波整流(full−wave rectification)し、全波整流された結果を電圧制御部230に出力する。
電圧制御部230は、整流部220から出力される全波整流された結果を充電対象260に充電可能なレベルのDC形態の電力信号に変換する。電圧制御部230は、充電対象260が要求する電圧レベルに適するように又は充電対象230の状態に応じてDC形態の電力信号の電圧大きさ又は電流量を調節することもできる。例えば、電圧制御部230はDC/DCコンバーターであってもよいが、実施例はこれに限られない。
受信制御部240は、充電対象260を監視して充電過程を統制し、無線電力送信機100の通信のために変調部250を動作させる。また、受信制御部240は、無線電力受信機200の正常動作を遂行するために必要な付随的な動作環境を監視及び統制することができる。
また、受信制御部240は、充電対象260の充電が完了するときにそれ以上の電力が充電対象260に供給されないように、整流部220又は電圧制御部230を制御して、無線電力受信機200が無負荷状態で充電を進めるようにすることができる。この時、受信制御部240は、充電が完了したことを知らせる充電完了状態についての情報をフィードバック信号に含ませて変調部250を介して無線電力送信機100に伝送することができる。
また、充電対象260の充電が完了しなかった場合であっても、受信制御部240は、充電対象260の温度が高いとき、整流部220又は電圧制御部230を制御して充電対象260への電力信号の供給を遮断することで、無線電力受信機200が無負荷状態で充電を進めるようにすることができる。
また、受信制御部240は、充電対象260の前述した充電完了状態、充電率又は充電所要時間の少なくとも一つについての情報を含むフィードバック信号を生成し、生成されたフィードバック信号を変調部250に出力することができる。このように、フィードバック信号は無線電力受信機200の充電過程の状態又は充電結果についての情報を含むことができる。
また、変調部250は通常抵抗とキャパシターを含んでおり、受信制御部240で生成されて受信コイル210を介して無線電力送信機100に伝送されるフィードバック信号を変調する役割をする。
以下、前述した無線電力送信機100で行われる無線電力送信方法を添付図面に基づいて次のように説明する。
図6は実施例による無線電力送信方法を説明するためのフローチャートである。
図6に示した無線電力送信方法は図5に示した無線電力受信機200に電力を無線で供給する図3に示した無線電力送信機100で遂行することができる。
まず、無線電力送信機100は供給電力の強度を変換して電力信号を生成する(第310段階)。第310段階は、前述したように、図3に示した電力変換部120で遂行することができる。
その後、無線電力受信機(Rx)200が充電を完了せずに無負荷状態で充電を進めるかを判別する(第320段階)。第320段階は送信制御部140で遂行することができる。すなわち、前述したように、四つの条件の少なくとも二つの条件が満たされるとき、送信制御部140は無線電力受信機200が充電を完了せずに無負荷状態で充電を進めると決定することができる。
より詳細に、第320段階を遂行するため、無線電力送信機100は、コイル電流がレール電流より大きいかを検査することができ、無線電力受信機200の充電率が第1所定時間の間に一定に維持されるかを検査することができ、無線電力受信機200から充電完了信号が第2所定時間の間に受信されなかったかを検査することができ、無線電力送信機100の温度が上限臨界範囲内で一定時間の間に維持されるかを検査することができる。
例えば、無線電力送信機100は、コイル電流がレール電流より大きい第1条件が満たされ、充電完了信号が第2所定時間の間に、例えば少なくとも数時間の間に受信されなかった第3条件が満たされるとき、無線電力受信機200が充電を完了しなかったままで無負荷状態で充電を進めると決定することができるが、実施例はこれに限られない。
その他に、前述した四つの条件の少なくとも二つの組合せが満たされるとき、無線電力受信機200が充電を完了しなかったままで無負荷状態で充電を進めると決定することができる。
仮に、無線電力受信機200が充電を完了せずに無負荷状態で充電を進めると決定されるとき、電力信号の供給を一時的に中断してから再開する動作を少なくとも1回遂行することができる(第330段階)。第330段階は送信制御部140で遂行することができる。すなわち、送信制御部140は前述した四つの条件の少なくとも二つが満たされるとき、電源部110又は増幅器126を制御して、電力信号が送信コイル端136に伝送されることを一時的に遮断させるとか再開することができる。
図7a及び図7bは無線電力受信機200が充電を完了しなかったままで無負荷状態で充電を進める場合、比較例による無線電力送信機の制御動作を説明するためのグラフである。
図8a及び図8bは無線電力受信機200が充電を完了しなかったままで無負荷状態で充電を進める場合、実施例による無線電力送信機100の制御動作を説明するためのグラフである。
図7a及び図8aのそれぞれにおいて、縦軸は充電率を示し、横軸は時間を示す。図7b及び図8bのそれぞれにおいて、縦軸は温度を示し、横軸は時間を示す。
図7aに示したように、無線電力受信機200が70%まで充電して充電を完了しなかった状況で充電対象260の温度が一定の温度より上がれば、無線電力受信機は充電対象260への電力供給を遮断する無負荷状態で充電を進める。
この場合、比較例によると、無線電力送信機は無線電力受信機200から充電完了信号を受けなかっただけでなく無線電力受信機200が低電力で電力をずっと充電すると認識して、無線電力受信機200に電力をずっと供給する。したがって、無線電力受信機200の充電率が増加しなかった状態で、すなわち無線電力受信機200の充電対象260に電力が充電されなかった状態で長期間(T)、例えば10時間以上の間に不必要に電力が消耗されるだけでなく無線電力受信機200そのものの温度が増加する問題点がある。
しかし、実施例によると、無線電力送信機100が無線電力受信機200から充電完了信号を受けなかったと言っても、前述した四つの条件、すなわちコイル電流がレール電流より大きい第1条件、無線電力受信機200の充電率が第1所定時間の間に一定に維持される第2条件、無線電力受信機200から充電完了信号が第2所定時間の間に受信されない第3条件、又は無線電力送信機200の温度が上限臨界範囲内で一定時間の間に維持される第4条件の少なくとも二つが満たされるかを送信制御部140が検査する。この時、少なくとも二つの条件が満たされるとき、送信制御部140は電力を一時的に無線電力受信機200に伝送しなかった後に電力の供給を再開する動作を少なくとも1回、例えば2回程度繰り返す。したがって、一時的に電力供給が遮断されることにより、無線電力受信機200、特に充電対象260の温度が数℃程度下がることがあるから、無線電力受信機200の充電時間を、図7aの比較例に比べ、図8aに示したようによほど縮めることができ、不必要な電力消耗を減らすことができ、無線電力受信機200の充電時間を大幅に減らすことができる。
前述した実施例による無線電力送信機、無線電力受信機及び無線電力送信方法は、無線電力送信機から無線電力受信機に磁気誘導方式によって電力を無線で伝送する場合に限って説明した。しかし、実施例はこれに限られない。すなわち、前述した実施例による無線電力送信機、無線電力受信機及び無線電力送信方法は磁気誘導方式の代わりに電磁共振方式又は短波長無線周波数を用いたRF伝送方式によって無線電力送信機から無線電力受信機に電力を無線で伝送する場合にも適用することができるのは言うまでもない。
前述した実施例による無線電力送信方法はコンピュータで実行されるためのプログラムに製作されてコンピュータ可読の記録媒体に保存されることができ、コンピュータ可読の記録媒体の例としては、ROM、RAM、CD−ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光データ記憶装置などがあり、さらに搬送波(例えば、インターネットを介しての伝送)の形態に具現されるものも含む。
コンピュータ可読の記録媒体はネットワークを介して連結されたコンピュータシステムに分散され、分散方式でコンピュータが読めるコードが保存されて実行されることができる。そして、上述した方法を具現するための機能的な(function)プログラム、コード及びコードセグメントは実施例が属する技術分野のプログラマーによって容易に推論可能である。
前述した実施例による無線電力送信機100は多様な装置に含まれ、無線電力受信機200に電力を無線で伝送することができる。以下、無線電力送信機100が車両に適用(又は、装着)される場合、無線電力送信機100と連結された車両の構成及び動作について添付の図9を参照して次のように説明する。
図9は実施例による無線電力送信機100と連結された車両400の概略ブロック図を示す。
図9に示した車両400は、バックコンバーター(buck converter)122A、センサー124A、保護部402、入力電圧モニタリング(monitoring)部404、インターフェース(interface)部406、CAN(Controller Area Network)トランシーバー(transceiver)408、ディスプレイ部410、第1レギュレーター412、信号合成部414、第2レギュレーター416及び主制御部418を含むことができる。
保護部402は、車両400のバッテリー(図示せず)から供給される電圧(BAT)をバックコンバーター122Aに出力する。この時、保護部402はバッテリーから供給され得る過電圧又は逆電圧からバックコンバーター122Aを保護する役割をする。
図9に示したバックコンバーター122A及びセンサー124Aは図3に示したレベル変換部122及び電力センサー124のそれぞれの実施例に相当する。バックコンバーター122Aは保護部402を介してバッテリーから供給される供給電力のレベルを変換し、変換されたレベルを有する信号を電力信号としてセンサー124Aに出力する。センサー124Aはバックコンバーター122Aで変換されたレベルを持って出力される電力信号の電圧/電流を測定して出力端子OUT1を介して送信制御部140に提供することができる。
入力電圧モニタリング部404は入力端子IN1を介してスマートキー信号又は点火信号が受信されるかをモニターし、モニターされた結果を主制御部418に出力する。ここで、スマートキー信号とは、車両400の無線電力送信機100が無線で電力信号を無線電力受信機200に提供する行為を強制で止めようとする使用者がスマートキー(図示せず)を用いて発生させる信号を意味する。例えば、無線電力信号を強制で止めようとする場合は第1論理レベル(例えば"低"論理レベル)のスマートキー信号が発生し、そうではない場合は第2論理レベル(例えば"高"論理レベル)のスマートキー信号が発生することができる。また、点火信号とは、車両400を始動させるときに発生する信号を意味し、例えば始動される場合は第2論理レベル(例えば、"高"論理レベル)の点火信号が発生し、そうではない場合は第1論理レベル(例えば"低"論理レベル)の点火信号が発生することができる。
また、入力電圧モニタリング部404から発生するモニターされた結果を用いて、主制御部418は車両が始動されたか及び使用者が無線電力送信を強制で止めようとするかを認識し、認識された結果を出力端子OUT4を介して送信制御部140に出力する。この時、送信制御部140は、主制御部418から出力された認識された結果によって、無線電力送信機100が無線電力伝送を止めるようにする。
主制御部418はマスター(master)制御部の役割をし、送信制御部140はスレーブ(slave)制御部の役割をする。すなわち、送信制御部140は主制御部418の制御を受ける。このために、主制御部418と送信制御部140はSPI(Serial Peripheral Interface)通信を行うとかI2C通信を行うことができる。
また、主制御部418はスマートキー信号又は点火信号が発生しなかった状態でも、第2論理レベルの信号を発生して信号合成部414に出力することができる。
センサー124Aで測定された電圧/電流のレベルによってバックコンバーター122Aでレベル変換された供給電力のレベルが高いとか低いと判断されるとき、主制御部418は第1制御信号(C1)によってバックコンバーター122Aで変換させるレベルを調整することができる。
また、インターフェース部406は入力端子IN1を介して受信されたスマートキー信号又は点火信号を信号合成部414に出力する役割をする。信号合成部414は、インターフェース部406から第2論理レベルのスマートキー信号が出力されるとか、主制御部418から第2論理レベルの制御信号が受信されれば、第1レギュレーター412でレベル調整しないようにするとか、レベル調整された電圧が出力されないようにすることができる。このために、信号合成部414は論理和(OR)ゲートから具現されることができる。
第1レギュレーター412は、保護部402を介してバッテリーから提供される供給電圧のレベルを所定のレベルに変換し、変換されたレベルを有する供給電圧を出力端子OUT2を介して無線電力送信機100の各部に出力する。ここで、所定のレベルは6.5ボルトであり得るが、実施例はこれに限られない。例えば、信号合成部414から出力される"高"論理レベルの制御電圧に応じて、第1レギュレーター412は前述したレベル変換動作を行わないこともある。
第2レギュレーター416は第1レギュレーター412から出力される供給電圧のレベルをさらに調整して、所望のレベルを有する信号を出力端子OUT3を介して送信制御部140に出力するとか主制御部418に出力することができる。例えば、第2レギュレーター416は供給電圧のレベルを変換し、変換されたレベル、例えば5.5ボルトの信号を主制御部418に出力し、出力端子OUT3を介して変換されたレベル、例えば3.3ボルトの信号を送信制御部140に出力することができる。
前述した第1及び第2レギュレーター412、416のそれぞれで変換されるレベルは固定され、バックコンバーター122Aで変換されるレベルは主制御部418の制御によって可変することができる。
一方、CANトランシーバー408は車両400の通信のためのCAN信号(CAN)を受信し、これによって主制御部418と内部的に通信を行うことができる。
ディスプレイ部410は、主制御部418の制御の下で、無線電力受信機200の充電中の状況を使用者に視覚的に見せることもできる。
本発明は本発明の精神及び必須特徴を逸脱しない範疇内で他の特定の形態に具体化されることができるのは当業者に明らかである。
したがって、前記詳細な説明は全ての面で制限的に解釈されてはいけなくて例示的なものとし見なされなければならない。本発明の範囲は添付の請求範囲の合理的解釈によって決定されなければならなく、本発明の等価的範囲内での全ての変更は本発明の範囲に含まれる。
実施例は無線充電装置、その無線電力送信方法、及びそのための記録媒体に関するものである。
近年、情報通信技術が急速に発展するにつれて、情報通信技術を基にするユビキタス社会がなされている。
いつでもどこでも情報通信器機が接続されるためには、社会の諸般施設に通信機能を有するコンピュータチップを内装したセンサーが取り付けられなければならない。したがって、これらの器機やセンサーへの電源供給の問題は新しい課題となっている。また、携帯電話だけではなくブルートゥース(登録商標)ハンドセットとアイポットのようなミュージックプレーヤーなどの携帯器機種類が急激に増えるにつれて、バッテリーを充電する作業が使用者に時間及び手数を要求することになった。このような問題を解決する方法として、無線電力伝送技術が最近に関心を受けている。
無線電力伝送技術(wireless power transmission又はwireless energy transfer)は磁場の誘導原理を用いて無線で送信機から受信機に電気エネルギーを伝送する技術であり、既に1800年代に電磁気誘導原理を用いた電気モーター又は変圧器が使われ始め、その後には高周波、マイクロ波、レーザーなどの電磁波を放射して電気エネルギーを伝送する方法も試みられた。例えば、電動歯ブラシ又は一部の無線カミソリも電磁気誘導原理で充電される。
現在まで無線を用いたエネルギー伝達方式は、大別して、磁気誘導方式、電磁共振(Electromagnetic Resonance)方式及び短波長無線周波数を用いたRF伝送方式などに区分されることができる。
磁気誘導方式は、二つのコイルを互いに隣り合わせた後、その一方のコイルに電流を流せば、この時に発生した磁束(Magnetic Flux)が他方のコイルに起電力を引き起こす現象を用いた技術であって、携帯電話のような小型器機を中心に商用化している。磁気誘導方式は最大で数百キロワット(kW)の電力を伝送することができるとともに効率も高いが、最大伝送距離が1センチメートル(cm)以下なので、一般的に充電器又は底に近づけなければならない欠点がある。
電磁共振方式は、電磁波又は電流などを活用する代わりに、電場又は磁場を用いる特徴がある。電磁共振方式は電磁波問題の影響をほとんど受けないので、他の電子器機又は人体に安全であるという利点がある。一方、限定された距離及び空間でだけ活用することができ、エネルギー伝達効率がちょっと低い欠点がある。
短波長無線電力伝送方式(すなわち、RF伝送方式)はエネルギーを電波(RadioWave)の形態で直接送受信することができる点を活用したものである。この技術はレクテナ(rectenna)を用いるRF方式の無線電力伝送方式のものであり、レックテナはアンテナ(antenna)と整流器(rectifier)の合成語で、RF電力を直接直流電力に変換する素子を意味する。すなわち、RF方式はAC電波をDCに変換して使用する技術で、近年効率が向上するにつれて商用化に対する研究が活発に進んでいる。
無線電力伝送技術はモバイルだけではなくIT、鉄道、家電産業などの産業全般に多様に活用することができる。
送信機から無線で伝送された電力は受信機のバッテリーに充電されることができる。この時、受信機のバッテリー温度が一定温度以上となれば、バッテリーの保護のために、バッテリーへの電力供給が遮断される。しかし、送信機側では受信機が充電し続けると認識して電力をずっと伝送することにより、不必要に電力が消耗される問題点がある。その上、バッテリーの保護のために、バッテリーへの電力供給が遮断されたままで長時間の間に充電されない問題点があり得る。
実施例は、受信機の過熱が感知されてバッテリー充電が遮断されたままで無負荷状態でずっと充電されて不必要な電力が消耗されることを事前に防止することができる無線電力送信装置、その無線電力送信方法、及びそのための記録媒体を提供する。
一実施例によると、電力信号を無線電力受信機に無線で伝送する無線電力送信機は、供給電力の強度を変換して前記電力信号として出力する電力変換部;前記無線電力受信機が充電を完了せずに無負荷状態で充電を進めるかを検査し、前記検査された結果によって前記無線電力受信機への前記電力信号の供給を一時的に中断してから再開する送信制御部;及び前記電力信号を前記無線電力受信機に伝送する少なくとも一つの送信コイルを有する送信コイル端を含むことができる。
例えば、前記送信制御部の制御の下で、前記無線電力送信機は前記無線電力受信機への前記電力信号の供給を一時的に中断してから再開する動作を複数回繰り返すことができる。
例えば、前記無線電力送信機は、周波数駆動部;及び前記無線電力受信機から伝送されて前記送信コイル端を介して受信されたフィードバック信号を復調する復調部をさらに含み、前記送信制御部は、前記復調部で復調されたフィードバック信号によって前記周波数駆動部を制御して、前記送信コイル端に伝達される前記電力信号の周波数を変更することができる。
例えば、前記電力変換部は、前記供給電力のレベルを変換するレベル変換部;及び前記レベル変換された供給電力の電圧/電流を測定する電力センサーを含み、前記送信制御部は前記電力センサーで測定された結果によって前記レベル変換部への前記供給電力の供給を遮断させることができる。
例えば、前記無線電力送信機は、前記レベル変換部から前記電力センサーに流れるレール電流のレベルを測定する第1センサー;前記送信コイル端のうち前記無線電力受信機が無線で連結された送信コイルに流れるコイル電流のレベルを測定する第2センサー;及び前記第1及び第2センサーで測定された結果を比較する比較部をさらに含み、前記送信制御部は、前記比較部で比較された結果を用いて、前記無線電力受信機が無負荷状態で充電を進めるかを検査することができる。
例えば、前記送信制御部は、前記復調されたフィードバック信号を分析して、前記無線電力受信機の完充に及ばない充電率が第1所定時間の間に一定に維持されるか;又は前記無線電力受信機から充電完了信号が第2所定時間の間に受信されないかの少なくとも一つを決定し、決定された結果を用いて前記無線電力受信機が無負荷状態で充電を進めるかを検査することができる。
例えば、前記無線電力送信機の温度を測定する温度測定部をさらに含み、前記送信制御部は前記温度測定部で測定された温度が上限臨界範囲内で一定時間の間に維持されるかをチェックし、チェックされた結果によって前記無線電力受信機が無負荷状態で充電を進めるかを検査することができる。
他の実施例によると、電力信号を無線電力送信機から無線で受信する無線電力受信機は、前記送信コイル端で該当送信コイルと電磁場によって結合される受信コイル;前記受信コイルを介して前記無線電力送信機に伝送される前記フィードバック信号を変調する変調部;前記受信コイルを介して受信された前記電力信号を整流して充電対象に提供する整流部;及び前記充電対象の温度が限界温度より大きいとき、前記整流部を制御して、前記充電対象への前記電力信号の供給を遮断して無負荷状態の充電を進め、前記フィードバック信号を発生する受信制御部を含むことができる。
例えば、前記受信制御部は、前記充電対象の充電率、充電所要時間、又は充電完了状態の少なくとも一つについての情報を含む前記フィードバック信号を生成することができる。
さらに他の実施例によると、無線電力送信機から無線電力受信機に電力を無線で送信する方法は、供給電力の強度を変換して電力信号を生成する段階;及び前記無線電力受信機が充電を完了せずに無負荷状態で充電を進めるとき、前記電力信号の供給を一時的に中断してから再開する段階を含むことができる。
例えば、前記無負荷状態で充電を進めるかを検査する段階は、コイル電流がレール電流より大きいとき;前記無線電力受信機の完充に及ばない充電率が第1所定時間の間に一定に維持されるとき;前記無線電力受信機から充電完了信号が第2所定時間の間に受信されないとき;又は前記無線電力送信機の温度が上限臨界範囲内で一定時間の間に維持されるときの少なくとも二つが満たされるとき、前記無線電力受信機が無負荷状態で充電を進めると決定することができる。
例えば、前記コイル電流が前記レール電流より大きく、前記充電完了信号が少なくとも数時間の間に受信されないとき、前記無線電力受信機が充電を完了しなかったままで無負荷状態で充電を進めると決定することができる。
例えば、前記無線電力送信機の温度の上限臨界範囲は65°〜75°であってもよい。
さらに他の実施例によるコンピュータ可読の記録媒体は前記方法を実行させるためのプログラムを記録することができる。
実施例による無線充電装置、その無線電力送信方法、及びそのための記録媒体は、無線電力受信機の充電が完了しなかった状態で無負荷状態で充電が進むことを認識し、無線電力受信機への電力供給を一時的に中断してから再開する動作を少なくとも1回行うことにより、無線電力受信機が充電されていない状況で電力を不必要に無線電力受信機に供給することによる電力消耗を減らすことができ、無線電力受信機をより早く充電させることができる。
以下で添付図面は本発明の理解を助けるためのもので、詳細な説明と一緒に本発明の実施例を提供する。ただ、本発明の技術的特徴が特定の図に限定されるものではなく、各図に開示する特徴は互いに組み合わせられて新しい実施例に構成されることができる。
WPC標準に定義された無線電力伝送過程を説明するための状態遷移図である。
PMA標準に定義された無線電力伝送過程を説明するための状態遷移図である。
実施例による無線電力送信機のブロック図を示す。
コイル電流とレール電流を比較するグラフである。
コイル電流とレール電流を比較するグラフである。
図4による無線電力送信機から電力を受けることができる無線電力受信機のブロック図を示す。
実施例による無線電力送信方法を説明するためのフローチャートである。
無線電力受信機が充電を完了しなかったままで無負荷状態で充電を進める場合、比較例による無線電力送信機の制御動作を説明するためのグラフである。
無線電力受信機が充電を完了しなかったままで無負荷状態で充電を進める場合、比較例による無線電力送信機の制御動作を説明するためのグラフである。
無線電力受信機が充電を完了しなかったままで無負荷状態で充電を進める場合、実施例による無線電力送信機の制御動作を説明するためのグラフである。
無線電力受信機が充電を完了しなかったままで無負荷状態で充電を進める場合、実施例による無線電力送信機の制御動作を説明するためのグラフである。
実施例による無線電力送信機と連結された車両の概略ブロック図を示す。
以下、本発明の実施例が適用される装置及び多様な方法について図面に基づいてより詳細に説明する。以下の説明で使う構成要素に対する接尾辞"モジュール"及び'部"は明細書作成の容易性のみを考慮して付与するとか混用するもので、その自体として互いに区別される意味又は役割を有するものではない。
実施例の説明において、各構成要素の"上又は下"に形成されるものとして記載する場合、上又は下は二つの構成要素が互いに直接接触するとか一つ以上のさらに他の構成要素が二つの構成要素の間に配置されて形成されるものを全て含む。また"上又は下"と表現する場合、一つの構成要素を基準に上方だけではなく下方の意味も含むことができる。
実施例の説明において、無線電力システムにおいて無線電力を送信する装置は、説明の便宜のために、無線パワー送信機、無線パワー送信装置、無線電力送信装置、無線電力送信機、送信端、送信機、送信装置、送信側、無線パワー伝送装置、無線パワー伝送器などを混用して使うことにする。また、無線電力送信装置から無線電力を受信する装置についての表現として、説明の便宜のために、無線電力受信装置、無線電力受信機、無線パワー受信装置、無線パワー受信機、受信端末機、受信側、受信装置、受信機などを混用して使うことができる。
実施例による送信機は、パッド形態、装着部形態、AP(Access Point)形態、小型基地局形態、スタンド形態、天井埋込形態、壁掛け形態などに構成されることができる。単一送信機が複数の無線電力受信装置に電力を伝送することもできる。
実施例による送信機は、少なくとも一つの無線パワー伝送手段を備えることもできる。ここで、無線パワー伝送手段は、電力送信端コイルで磁場を発生させ、その磁場の影響で受信端コイルで電気を誘導する電磁気誘導原理を用いて充電する電磁気誘導方式に基づいた多様な無線電力伝送標準を用いることができる。ここで、無線パワー伝送手段は、無線充電技術標準機構であるWPC(Wireless Power Consortium)、PMA(Power Matters Alliance)及びA4WP(Alliance for Wireless Power)で定義された電磁気誘導方式の無線充電技術を含むことができる。
また、実施例による受信機は少なくとも一つの無線電力受信手段を備えることができ、二つ以上の送信機から同時に無線電力を受信することもできる。ここで、無線電力受信手段は、無線充電技術標準機構であるWPC(Wireless Power Consortium)、PMA(Power Matters Alliance)及びA4WP(Alliance for Wireless Power)で定義された電磁気誘導方式の無線充電技術を含むことができる。
実施例による受信機は、携帯電話(mobile phone)、スマートフォン(smart phone)、ノートブック型パソコン(laptop computer)、デジタル端末機、PDA(Personal Digital Assistants)、PMP(Portable Multimedia Player)、ナビゲーション、MP3 player、電動歯ブラシ、電子タグ、照明装置、リモートコントローラー、浮き、スマートウォッチのようなウェアラブルデバイスなどの小型電子器機などに使うことができるが、これに限るものはなく、本発明による無線電力受信手段が装着されてバッテリーを充電することができる器機であれば充分である。
図1はWPC標準に定義された無線電力伝送過程を説明するための状態遷移図である。
図1を参照すると、WPC標準による送信機から受信機への電力伝送は、大別して、選択段階(Selection Phase)10、ピング段階(Ping Phase)20、識別及び構成段階(Identification and Configuration Phase)30及び電力伝送段階(Power Transfer Phase)40段階に区分することができる。
選択段階10は、電力伝送を始めるとか電力伝送を維持するうち特定のエラー又は特定のイベントが感知されれば、遷移する段階であり得る。ここで、特定のエラー及び特定のイベントは以下の説明から明らかになるであろう。また、選択段階10で、送信機はインターフェース表面に物体が存在するかをモニターすることができる。仮に、送信機がインターフェース表面に物体が置かれたことを感知すれば、ピング段階20に遷移することができる(S1)。選択段階10で、送信機は非常に短いパルスのアナログピング(Analog Ping)信号を伝送し、送信コイルの電流変化に基づいてインターフェース表面の活性領域(Active Area)に物体が存在するかを感知することができる。
ピング段階20で、送信機が物体を感知すれば、受信機を活性化させ、受信機がWPC標準が互換可能な受信機であるかを識別するためのデジタルピング(Digital Ping)を伝送する。ピング段階20で、送信機がデジタルピングに対する応答シグナル(例えば、シグナル強度指示子)を受信機から受信することができなければ、また選択段階10に遷移することができる(S2)。また、ピング段階20で、送信機は受信機から電力伝送が完了したことを指示する信号(以下、'充電完了信号')(EPT)を受信すれば、選択段階10に遷移することもできる(S3)。
ピング段階20が完了すれば、送信機は受信機識別及び受信機構成及び状態情報を収集するための識別及び構成段階30に遷移することができる(S4)。
識別及び構成段階30で、送信機は予期せぬパケットが受信されるとか(unexpected packet)、所定の時間の間に所望のパケットが受信されないとか(time out)、パケット伝送エラーがあるとか(transmission error)、電力伝送契約が設定されていなければ(no power transfer contract)、選択段階10に遷移することができる(S5)。
受信機に対する識別及び構成が完了すれば、送信機は無線電力を伝送する電力伝送段階40に遷移することができる(S6)。
電力伝送段階40で、送信機は、予期せぬパケットが受信されるとか(unexpected packet)、所定の時間の間に所望のパケットが受信されないとか(time out)、期設定の電力伝送契約に対する違反が発生するとか(power transfer contract violation)、充電が完了した場合、選択段階10に遷移することができる(S7)。
また、電力伝送段階40で、送信機は、送信機状態変化などによって電力伝送契約を再構成する必要がある場合、識別及び構成段階30に遷移することができる(S8)。
前述した電力伝送契約は送信機と受信機の状態及び特性情報に基づいて設定することができる。一例として、送信機状態情報は最大に伝送可能な電力量についての情報、最大に収容可能な受信機の個数についての情報などを含むことができ、受信機状態情報は要求電力についての情報などを含むことができる。
図2はPMA標準に定義された無線電力伝送過程を説明するための状態遷移図である。
図2を参照すると、PMA標準による送信機から受信機へのパワー伝送は、大別して、待機段階(Standby Phase)50、デジタルピング段階(Digital Ping Phase)60、識別段階(Identification Phase)70、電力伝送段階(Power Transfer Phase)80段階及び充電完了段階(End of Charge Phase)90に区分することができる。
待機段階50は、電力伝送のための受信機識別過程を行うとか電力伝送を維持するうちに特定のエラー又は特定のイベントが感知されれば、遷移する段階であり得る。ここで、特定のエラー及び特定のイベントは以下の説明から明らかになるであろう。また、待機段階50で、送信機は充電表面(Charging Surface)に物体が存在するかをモニターすることができる。仮に、送信機が充電表面に物体が置かれたことを感知するとかRXID再試行が進んでいる場合、デジタルピング段階60に遷移することができる(S31)。ここで、RXIDはPMA互換受信機に割り当てられる固有識別子である。待機段階50で、送信機は非常に短いパルスのアナログピング(Analog Ping)を伝送し、送信コイルの電流変化に基づいてインターフェース表面(例えば、充電ベッド)の活性領域(Active Area)に物体が存在するかを感知することができる。
デジタルピング段階60に遷移した送信機は、感知された物体がPMA互換受信機であるかを識別するためのデジタルピング信号を送出する。送信機が伝送したデジタルピング信号によって受信端に十分な電力が供給される場合、受信機は受信されたデジタルピング信号をPMA通信プロトコルによって変調し、所定の応答シグナルを送信機に伝送することができる。ここで、応答シグナルは受信機に受信された電力の強度を指示する信号強度指示子を含むことができる。デジタルピング段階60で、受信機は有効な応答シグナルを受信すれば、識別段階70に遷移することができる(S32)。
仮に、デジタルピング段階60で、応答シグナルが受信されないとか、PMA互換受信機ではないことが確認されれば(すなわち、FOD(Foreign Object Detection)の場合)、送信機は待機段階50に遷移することができる(S33)。一例として、FO(Foreign Object)は小銭、キーなどの金属性物体であり得る。
識別段階70で、送信機は受信機識別過程が失敗するとか受信機識別過程を再実行しなければならない場合及び所定の時間の間に受信機識別過程を完了することができなかった場合、待機段階50に遷移することができる(S34)。
送信機は、受信機識別に成功すれば、識別段階70から電力伝送段階80に遷移して充電を開始することができる(S35)。
電力伝送段階80で、送信機は所望の信号が所定の時間内に受信されないとか(Time out)、FOが感知されるとか、送信コイルの電圧が所定の基準値を超える場合、待機段階50に遷移することができる(S36)。
また、電力伝送段階80で、送信機は、内部に備えられた温度センサーによって感知された温度が所定基準値を超える場合、充電完了段階90に遷移することができる(S37)。
充電完了段階90で、送信機は、受信機が充電表面から除去されたことが確認されれば、待機段階50に遷移することができる(S39)。
また、送信機は、Over Temperature状態で、一定時間の経過後に測定された温度が基準値以下に下がった場合、充電完了段階90からデジタルピング段階60に遷移することができる(S40)。
デジタルピング段階60又は電力伝送段階80で、送信機は、受信機からEOC(End Of Charge)要請が受信されれば、充電完了段階90に遷移することもできる(S38及びS41)。
以下、実施例による無線充電装置を添付図面に基づいて次のように説明する。ここで、無線充電装置とは、前述した送信機と受信機の両者を含む装置を意味する。前述した送信機と受信機をそれぞれ無線電力送信機及び無線電力受信機と言う。実施例による無線電力送信機100及び無線電力受信機200を添付図面に基づいて次のように説明する。
図3は実施例による無線電力送信機100のブロック図を示す。理解を助けるために、実線は電力(又は、電力信号)の移動を示し、点線は電力以外の制御信号及び状態信号の移動を示す。
図3を参照すると、無線電力送信機100は、電源部110、電力変換部120、電力伝送部130、送信制御部140、復調部150、第1及び第2センサー162、164、温度測定部166及び比較部168を含むことができる。このような無線電力送信機100の各構成要素は必ずしも必須な構成ではなく、実施例による無線電力送信機100は図3に示した構成要素より多いとか少ない構成要素を含んでなることもできる。
電源部110は供給電力を提供する役割をし、無線電力送信機100に内蔵されたバッテリーであってもよく、外部電源であってもよいし、実施例は電源部110の形態に限られない。
電力変換部120は、電源部110から供給電力が提供されれば、これを所定強度の電力に変換し、変換された結果を電力信号として電力伝送部130に出力することもできる。このために、電力変換部120は、レベル変換部122、電力センサー124及び増幅器126を含むことができる。
レベル変換部122は、電源部110から提供される供給電力のレベルを変換し、変換されたレベルを有する信号を電力信号として出力する。例えば、レベル変換部122はバックコンバーター(buck converter)などのような直流/直流(DC/DC)コンバーターを含むことができるが、実施例はレベル変換部122の構成形態に限られない。DC/DCコンバーターは電源部110から供給されたDC供給電力を送信制御部140から発生する制御信号によって所定強度を有するDC電力に変換する機能をすることができる。
電力センサー124は、レベル変換部122で変換されたレベルを持って出力される電力信号の電圧/電流を測定する。具体的に、電力センサー124はレベル変換部122から出力されるDC電力信号の電圧/電流などを測定して送信制御部140に提供することができる。
増幅器126は、レベル変換部122で変換されたレベルを有する電力信号の強度を送信制御部140から発生する制御信号によって増幅(又は、調整)することができる。一例として、送信制御部140は、無線電力受信機から復調部150を介して提供された電力制御信号(又は、フィードバック信号)を受信することができ、受信された電力制御信号によって増幅器126の増幅率を調整することができる。
送信制御部140は、電力センサー124で測定された電圧/電流値に基づいて電源部110又は増幅器126の少なくとも一つを制御することができる。すなわち、送信制御部140は、適応的に電源部110からレベル変換部122に供給電力が供給されることを遮断するとかあるいは増幅器126から電力信号が供給されるとか増幅器126から電力信号が出力されることを遮断することができる。このために、たとえ図示されてはいないが、電力変換部120の一側には電源部110から提供される供給電力を遮断するとか、増幅器126に電力信号が供給されることを遮断するとか、増幅器126から電力伝送部130に電力信号が提供されることを遮断するための電力遮断回路がさらに配置されることもできる。
電力伝送部130は、電力変換部120から出力される電力信号を無線電力受信機に伝送する役割をする。このために、電力伝送部130は、周波数駆動部132、コイル選択部134及び送信コイル端136を含むことができる。便宜上、送信制御部140及び復調部150は電力伝送部130の構成要素ではないものとして図示されているが、実施例はこれに限られない。すなわち、送信制御部140及び復調部150は電力伝送部130の構成要素に属することもある。
周波数駆動部132は、電力変換部120から出力されるDC電力信号に特定周波数を有する交流(AC)成分が挿入されたAC電力信号を生成して送信コイル端136に伝送する役割をすることができる。ここで、送信コイル端136に含まれた複数の送信コイルに伝達されるAC電力信号の周波数は同一であるとか互いに違うことがある。
コイル選択部134は、特定の周波数を有するAC電力信号を周波数駆動部132から受けて複数の送信コイルの中で選択された送信コイルにAC電力信号を伝達することができる。ここで、コイル選択部134は、送信制御部140の所定の制御信号によって送信制御部140によって選択された送信コイルにAC電力信号が伝達されるように制御することができる。
送信コイル端136は少なくとも一つの送信コイル136−1、136−2、...、136−Nを含むことができ、コイル選択部134から受信されたAC電力信号を該当送信コイルを介して受信機に送出することができる。ここで、Nは1以上の正の整数であり得る。
複数の送信コイルのうち'該当送信コイル'を選択するため、コイル選択部134はスイッチ又はマルチプレクサーから具現されることができる。ここで、'該当送信コイル'とは、無線で電力を受けることができるように資格が付与された無線電力受信機の受信コイルと電磁場によって結合可能な状態を有する送信コイルを意味することができる。一実施例によると、送信制御部140は、送信コイル別に伝送したデジタルピング信号に対応して受信されたシグナル強度指示子(Signal Strength Indicator)に基づいて備えられた複数の送信コイルのうち無線電力伝送に使う送信コイルを動的に選択することができる。
復調部150は、無線電力受信機から伝送されて送信コイル端136を介してフィードバック信号が感知されれば、感知されたフィードバック信号を復調して送信制御部140に出力する。ここで、復調されたフィードバック信号にはシグナル制御指示子、無線電力伝送中の電力制御のためのエラー訂正(EC:Error Correction)指示子、充電完了(EOC:End Of Charge)指示子、過電圧/過電流指示子などが含まれることができるが、これに限定されず、無線電力受信機の状態を識別するための各種の状態情報が含まれることができる。
また、実施例によると、フィードバック信号は、無線電力受信機の充電過程の状態又は充電結果についての情報、例えば無線電力受信機の充電完了状態、充電率又は充電所要時間の少なくとも一つについての情報を含むことができる。
また、復調部150は、復調された信号が送信コイル端136に含まれた複数の送信コイル136−1〜136−Nのうちどの送信コイルから受信された信号であるかを識別することができ、識別された送信コイルに相応する所定の送信コイル識別子を送信制御部140に提供することもできる。
送信制御部140は、復調部150で復調されたフィードバック信号によって周波数駆動部132を制御する制御信号を出力する。周波数駆動部132は、送信制御部140から発生した制御信号に応答して、送信コイル端136に伝達される電力信号の周波数を変更することができる。一例として、無線電力送信機100と無線電力受信機がインバンド(In−band)通信を行う場合、送信制御部140は周波数変調によって所定の制御信号を無線電力受信機に伝送することができる。
前述したように、無線電力送信機100は送信コイル端136を介して無線電力を送出することができるだけではなく送信コイル端136を介して無線電力受信機と各種の情報を交換することができる。しかし、実施例はこれに限られない。すなわち、他の実施例によると、無線電力送信機100は送信コイル端136の各送信コイルに対応する別途のコイルを備え、備えた別途のコイルを用いて無線電力受信機とインバンド通信を行うこともできる。
若しくは、無線電力送信機100は送信コイル端136を介してのフィードバック信号ではない別途のチャネルを介して受信機と情報を交換することもできる。すなわち、無線電力送信機100は無線電力送信のための送信コイル端136とは別途の通信手段、例えばブルートゥース、NFC、Zigbee(登録商標)などの別途の通信手段を介して受信機と通信することもできる。この場合、受信機との情報交換のための通信は無線電力送信のための周波数とは違う周波数帯域を使うこともできる。このような別途の通信チャネルを使う場合には復調部150を省略することもできる。
また、実施例によると、送信制御部140は、無線電力受信機のバッテリー充電が完了しなくて過熱が発生してバッテリーへの電力供給が遮断されたままで無負荷状態で充電が進んでいるかを検査する。
図5で後述するように、無線電力受信機は、無線電力送信機100から無線で伝送された電力を受信して充電対象(又は、負荷として、例えばバッテリーなど)に充電することができる。ここで、充電対象に電力が全く充電される場合、無線電力受信機は電力が充電対象にそれ以上提供できないように遮断することができる。しかし、電力が充電対象に提供されることはできなくても無線電力受信機は無線電力送信機から低レベルの電力を受けることができる。このように、充電対象の充電が完了する場合、無線電力受信機は無負荷状態で充電を進めることができる。
その他に、無線電力受信機で必要な状況に充電対象への電力供給を遮断することができる。例えば、無線電力受信機は、充電対象への電力の充電が完了しなかった状況で、充電対象の温度が高い場合、例えば40℃の場合、充電対象への電力供給を遮断することができる。このように、充電対象が充電を完了しなかった状況でも無線電力受信機は無負荷状態で充電を進めることができる。
前述した二つの場合を考慮すると、'無線電力受信機が無負荷状態で充電を進める状況'は'無線電力受信機から充電対象への電力供給が遮断された状況'を意味することができるが、実施例はこれに限られない。
一方、実施例による無線電力送信機100は、無線電力受信機が充電を完了せずに無負荷状態で充電を進める状況にあるかを次のような四つの条件の少なくとも二つの条件が満たされるかを検査して認知することができる。
第1条件として、送信制御部140はコイル電流(coil current)(IC)がレール電流(rail current)(IR)より大きいかを検査することができる。
レール電流(IR)とは、レベル変換部122から電力センサー124に流れる電流を意味することができる。また、コイル電流とは、送信コイル端136に含まれた複数の送信コイルのうち'該当送信コイル'に流れる電流を意味することができる。
図4a及び図4bはコイル電流(IC)とレール電流(IR)を比較するグラフであって、横軸は時間を示し、縦軸はレベルを示す。
一般に、無線電力受信機で充電を完了しなくて進めている場合、図4aに示したように、レール電流はコイル電流より大きい値を維持する。しかし、無線電力受信機で充電が完了した場合、図4bに示したように、コイル電流がレール電流より大きくなる。このように、無線電力受信機が無負荷状態で充電を進める状況でコイル電流がレール電流より大きくなることがある。
前述した第1条件を遂行するため、図3に示したように、無線電力送信機100は第1及び第2センサー162、164及び比較部168を含むことができる。第1センサー162はレベル変換部122と電力センサー124の間に連結され、レール電流のレベルを測定し、測定された結果を比較部168に出力する。第2センサー164は送信コイル端136で'該当送信コイル'に流れるコイル電流のレベルを測定し、測定された結果を比較部168に出力する。
比較部168は第1センサー162で測定されたレール電流のレベルと第2センサー164で測定されたコイル電流のレベルを比較し、比較された結果を送信制御部140に出力する。
送信制御部140は比較部168で比較された結果を用いて、コイル電流がレール電流より大きいかを判断することができる。
第2条件として、送信制御部140は無線電力受信機の充電率が第1所定時間の間に一定に維持されるかを検査することができる。
無線電力受信機に含まれた充電対象の充電率は事前に決定されることができる。したがって、送信制御部140は事前に決定された充電率のどおりに充電対象が完充されなかったままで第1所定時間の間に完充に及ばない充電率を一定に維持するかを検査することができる。
例えば、前述した第2条件は第1条件が満たされるときに遂行することもでき、第1条件の充足可否に無関係に遂行することもできる。
仮に、第1条件が満たされるときに第2条件を遂行すれば、コイル電流がレール電流より大きい場合には、前述したように、一般的に無線電力受信機の充電が完了した場合である。それにもかかわらず、充電対象の充電が完充されなかったまま、第1所定時間の間に一様に維持されれば、送信制御部140は無線電力受信機が無負荷状態で充電を進めると決定することができる。
送信制御部140で無線電力受信機の充電対象の充電率を検査するため、無線電力受信部から伝送されたフィードバック信号を用いることができるが、実施例はこれに限られない。
第3条件として、送信制御部140は無線電力受信機から充電完了信号が第2所定時間の間に受信されなかったかを検査することができる。ここで、第2所定時間は、例えば1時間であってもよいが、実施例はこれに限られない。
無線電力受信機に含まれた充電対象が充電を完了する場合、無線電力受信機の充電完了を無線電力送信機に伝送することができる。無線電力受信機に含まれた充電対象の充電にかかる第2所定時間は前もって決定されることができる。したがって、送信制御部140は前もって決定された第2所定時間の間に充電完了信号が無線電力受信部から伝送されなかったかを検査することができる。
例えば、前述した第3条件は第1条件が満たされるときに遂行することもできる。この場合、コイル電流がレール電流より大きい場合には、前述したように、一般的に無線電力受信機の充電が完了した場合である。それにもかかわらず、無線電力受信機から充電が完了したことを指示する所定の制御信号が第2所定時間の間に無線電力送信機に受信されなかったならば、送信制御部140は無線電力受信機の充電が完了しなかった状態で無線電力受信機が無負荷状態で充電を進めると決定することができる。
無線電力受信機の充電が完了したことを知らせる情報はフィードバック信号によって無線電力受信部から無線電力送信部に伝送されることができる。
送信制御部140は、無線電力受信機から伝送されて送信コイル端136を介して入ったフィードバック信号を分析することによって前述した第2及び第3条件を遂行することができる。
第4条件として、無線電力送信機の温度が上限臨界範囲内にあるかを検査する。例えば、上限臨界範囲は65°〜75°であり得るが、実施例はこれに限られない。
このために、温度測定部166がさらに配置されることもできる。温度測定部166は、無線電力送信機100の温度を測定し、測定された結果を送信制御部140に出力することができる。例えば、温度測定部166はサーミスター(thermister)から具現されることができるが、実施例はこれに限られない。よって、送信制御部140は、温度測定部166で測定された無線電力送信機100の温度が上限臨界範囲内で一定時間の間に維持されるかをチェックし、チェックされた結果によって無線電力受信機が無負荷状態で充電を進めるかを検査することができる。
前述した多様な方法によって、無線電力受信機が充電を完了せずに無負荷状態で充電を進めていると決定する場合、送信制御部140は、無線電力受信機に電力信号が供給されることを一時的に中断してから再開することができる。ここで、無線電力受信機への電力信号の供給が一時的に中断される期間は無線電力受信機、特に充電対象の温度を数℃程度、例えば2℃程度下げるのにかかる程度の期間であり得る。例えば、一時的な中断期間は10分であり得るが、実施例はこれに限られない。
また、送信制御部140の制御の下で、無線電力送信機100が無線電力受信機への電力信号の供給を一時的に中断してから再開する動作は複数回繰り返し遂行することができる。ここで、繰り返し回数は2回程度であり得るが、実施例は特定の繰り返し回数に限られない。
また、一時的に電力信号の供給を中断するため、送信制御部140は、電源部110が供給電力を電力変換部120に提供することができないように遮断することもでき、増幅器126が増幅された電力信号を出力することができないように遮断することもできるが、実施例は電力信号供給遮断の特定の方式に限られない。
以下、前述した実施例による無線電力送信機100から電力を受ける無線電力受信機200について添付図面に基づいて次のように説明する。
図5は図4による無線電力送信機100から電力を受けることができる無線電力受信機200のブロック図を示す。理解を助けるために、実線は電力(又は、電力信号)の移動を示し、点線は電力以外の制御信号及び状態信号の移動を示す。
図5を参照すると、無線電力受信機200は、受信コイル210、整流部220、電圧制御部230、受信制御部240、変調部250及び充電対象(又は、負荷)260を含むことができる。
受信コイル210は共振回路(resonant circuit)を構成することができる2次コイル(secondary coil)を含むことができる。電力伝送効率を強化するために、選択的に受信コイル210に直列又は並列でキャパシターを連結することができる。電磁気誘導方式によって、無線電力送信機100から無線電力受信機200に電力を伝送するとき、受信コイル210は送信コイル端136で'該当送信コイル'と電磁場によって結合することができる。
整流部220は、受信コイル210を介して入力されるAC形態の電力信号を全波整流(full−wave rectification)し、全波整流された結果を電圧制御部230に出力する。
電圧制御部230は、整流部220から出力される全波整流された結果を充電対象260に充電可能なレベルのDC形態の電力信号に変換する。電圧制御部230は、充電対象260が要求する電圧レベルに適するように又は充電対象260の状態に応じてDC形態の電力信号の電圧大きさ又は電流量を調節することもできる。例えば、電圧制御部230はDC/DCコンバーターであってもよいが、実施例はこれに限られない。
受信制御部240は、充電対象260を監視して充電過程を統制し、無線電力送信機100の通信のために変調部250を動作させる。また、受信制御部240は、無線電力受信機200の正常動作を遂行するために必要な付随的な動作環境を監視及び統制することができる。
また、受信制御部240は、充電対象260の充電が完了するときにそれ以上の電力が充電対象260に供給されないように、整流部220又は電圧制御部230を制御して、無線電力受信機200が無負荷状態で充電を進めるようにすることができる。この時、受信制御部240は、充電が完了したことを知らせる充電完了状態についての情報をフィードバック信号に含ませて変調部250を介して無線電力送信機100に伝送することができる。
また、充電対象260の充電が完了しなかった場合であっても、受信制御部240は、充電対象260の温度が高いとき、整流部220又は電圧制御部230を制御して充電対象260への電力信号の供給を遮断することで、無線電力受信機200が無負荷状態で充電を進めるようにすることができる。
また、受信制御部240は、充電対象260の前述した充電完了状態、充電率又は充電所要時間の少なくとも一つについての情報を含むフィードバック信号を生成し、生成されたフィードバック信号を変調部250に出力することができる。このように、フィードバック信号は無線電力受信機200の充電過程の状態又は充電結果についての情報を含むことができる。
また、変調部250は通常抵抗とキャパシターを含んでおり、受信制御部240で生成されて受信コイル210を介して無線電力送信機100に伝送されるフィードバック信号を変調する役割をする。
以下、前述した無線電力送信機100で行われる無線電力送信方法を添付図面に基づいて次のように説明する。
図6は実施例による無線電力送信方法を説明するためのフローチャートである。
図6に示した無線電力送信方法は図5に示した無線電力受信機200に電力を無線で供給する図3に示した無線電力送信機100で遂行することができる。
まず、無線電力送信機100は供給電力の強度を変換して電力信号を生成する(第310段階)。第310段階は、前述したように、図3に示した電力変換部120で遂行することができる。
その後、無線電力受信機(Rx)200が充電を完了せずに無負荷状態で充電を進めるかを判別する(第320段階)。第320段階は送信制御部140で遂行することができる。すなわち、前述したように、四つの条件の少なくとも二つの条件が満たされるとき、送信制御部140は無線電力受信機200が充電を完了せずに無負荷状態で充電を進めると決定することができる。
より詳細に、第320段階を遂行するため、無線電力送信機100は、コイル電流がレール電流より大きいかを検査することができ、無線電力受信機200の充電率が第1所定時間の間に一定に維持されるかを検査することができ、無線電力受信機200から充電完了信号が第2所定時間の間に受信されなかったかを検査することができ、無線電力送信機100の温度が上限臨界範囲内で一定時間の間に維持されるかを検査することができる。
例えば、無線電力送信機100は、コイル電流がレール電流より大きい第1条件が満たされ、充電完了信号が第2所定時間の間に、例えば少なくとも数時間の間に受信されなかった第3条件が満たされるとき、無線電力受信機200が充電を完了しなかったままで無負荷状態で充電を進めると決定することができるが、実施例はこれに限られない。
その他に、前述した四つの条件の少なくとも二つの組合せが満たされるとき、無線電力受信機200が充電を完了しなかったままで無負荷状態で充電を進めると決定することができる。
仮に、無線電力受信機200が充電を完了せずに無負荷状態で充電を進めると決定されるとき、電力信号の供給を一時的に中断してから再開する動作を少なくとも1回遂行することができる(第330段階)。第330段階は送信制御部140で遂行することができる。すなわち、送信制御部140は前述した四つの条件の少なくとも二つが満たされるとき、電源部110又は増幅器126を制御して、電力信号が送信コイル端136に伝送されることを一時的に遮断させるとか再開することができる。
図7a及び図7bは無線電力受信機200が充電を完了しなかったままで無負荷状態で充電を進める場合、比較例による無線電力送信機の制御動作を説明するためのグラフである。
図8a及び図8bは無線電力受信機200が充電を完了しなかったままで無負荷状態で充電を進める場合、実施例による無線電力送信機100の制御動作を説明するためのグラフである。
図7a及び図8aのそれぞれにおいて、縦軸は充電率を示し、横軸は時間を示す。図7b及び図8bのそれぞれにおいて、縦軸は温度を示し、横軸は時間を示す。
図7aに示したように、無線電力受信機200が70%まで充電して充電を完了しなかった状況で充電対象260の温度が一定の温度より上がれば、無線電力受信機は充電対象260への電力供給を遮断する無負荷状態で充電を進める。
この場合、比較例によると、無線電力送信機は無線電力受信機200から充電完了信号を受けなかっただけでなく無線電力受信機200が低電力で電力をずっと充電すると認識して、無線電力受信機200に電力をずっと供給する。したがって、無線電力受信機200の充電率が増加しなかった状態で、すなわち無線電力受信機200の充電対象260に電力が充電されなかった状態で長期間(T)、例えば10時間以上の間に不必要に電力が消耗されるだけでなく無線電力受信機200そのものの温度が増加する問題点がある。
しかし、実施例によると、無線電力送信機100が無線電力受信機200から充電完了信号を受けなかったと言っても、前述した四つの条件、すなわちコイル電流がレール電流より大きい第1条件、無線電力受信機200の充電率が第1所定時間の間に一定に維持される第2条件、無線電力受信機200から充電完了信号が第2所定時間の間に受信されない第3条件、又は無線電力送信機100の温度が上限臨界範囲内で一定時間の間に維持される第4条件の少なくとも二つが満たされるかを送信制御部140が検査する。この時、少なくとも二つの条件が満たされるとき、送信制御部140は電力を一時的に無線電力受信機200に伝送しなかった後に電力の供給を再開する動作を少なくとも1回、例えば2回程度繰り返す。したがって、一時的に電力供給が遮断されることにより、無線電力受信機200、特に充電対象260の温度が数℃程度下がることがあるから、無線電力受信機200の充電時間を、図7aの比較例に比べ、図8aに示したようによほど縮めることができ、不必要な電力消耗を減らすことができ、無線電力受信機200の充電時間を大幅に減らすことができる。
前述した実施例による無線電力送信機、無線電力受信機及び無線電力送信方法は、無線電力送信機から無線電力受信機に磁気誘導方式によって電力を無線で伝送する場合に限って説明した。しかし、実施例はこれに限られない。すなわち、前述した実施例による無線電力送信機、無線電力受信機及び無線電力送信方法は磁気誘導方式の代わりに電磁共振方式又は短波長無線周波数を用いたRF伝送方式によって無線電力送信機から無線電力受信機に電力を無線で伝送する場合にも適用することができるのは言うまでもない。
前述した実施例による無線電力送信方法はコンピュータで実行されるためのプログラムに製作されてコンピュータ可読の記録媒体に保存されることができ、コンピュータ可読の記録媒体の例としては、ROM、RAM、CD−ROM、磁気テープ、フロッピー(登録商標)ディスク、光データ記憶装置などがあり、さらに搬送波(例えば、インターネットを介しての伝送)の形態に具現されるものも含む。
コンピュータ可読の記録媒体はネットワークを介して連結されたコンピュータシステムに分散され、分散方式でコンピュータが読めるコードが保存されて実行されることができる。そして、上述した方法を具現するための機能的な(function)プログラム、コード及びコードセグメントは実施例が属する技術分野のプログラマーによって容易に推論可能である。
前述した実施例による無線電力送信機100は多様な装置に含まれ、無線電力受信機200に電力を無線で伝送することができる。以下、無線電力送信機100が車両に適用(又は、装着)される場合、無線電力送信機100と連結された車両の構成及び動作について添付の図9を参照して次のように説明する。
図9は実施例による無線電力送信機100と連結された車両400の概略ブロック図を示す。
図9に示した車両400は、バックコンバーター(buck converter)122A、センサー124A、保護部402、入力電圧モニタリング(monitoring)部404、インターフェース(interface)部406、CAN(Controller Area Network)トランシーバー(transceiver)408、ディスプレイ部410、第1レギュレーター412、信号合成部414、第2レギュレーター416及び主制御部418を含むことができる。
保護部402は、車両400のバッテリー(図示せず)から供給される電圧(BAT)をバックコンバーター122Aに出力する。この時、保護部402はバッテリーから供給され得る過電圧又は逆電圧からバックコンバーター122Aを保護する役割をする。
図9に示したバックコンバーター122A及びセンサー124Aは図3に示したレベル変換部122及び電力センサー124のそれぞれの実施例に相当する。バックコンバーター122Aは保護部402を介してバッテリーから供給される供給電力のレベルを変換し、変換されたレベルを有する信号を電力信号としてセンサー124Aに出力する。センサー124Aはバックコンバーター122Aで変換されたレベルを持って出力される電力信号の電圧/電流を測定して出力端子OUT1を介して送信制御部140に提供することができる。
入力電圧モニタリング部404は入力端子IN1を介してスマートキー信号又は点火信号が受信されるかをモニターし、モニターされた結果を主制御部418に出力する。ここで、スマートキー信号とは、車両400の無線電力送信機100が無線で電力信号を無線電力受信機200に提供する行為を強制で止めようとする使用者がスマートキー(図示せず)を用いて発生させる信号を意味する。例えば、無線電力信号を強制で止めようとする場合は第1論理レベル(例えば"低"論理レベル)のスマートキー信号が発生し、そうではない場合は第2論理レベル(例えば"高"論理レベル)のスマートキー信号が発生することができる。また、点火信号とは、車両400を始動させるときに発生する信号を意味し、例えば始動される場合は第2論理レベル(例えば、"高"論理レベル)の点火信号が発生し、そうではない場合は第1論理レベル(例えば"低"論理レベル)の点火信号が発生することができる。
また、入力電圧モニタリング部404から発生するモニターされた結果を用いて、主制御部418は車両が始動されたか及び使用者が無線電力送信を強制で止めようとするかを認識し、認識された結果を出力端子OUT4を介して送信制御部140に出力する。この時、送信制御部140は、主制御部418から出力された認識された結果によって、無線電力送信機100が無線電力伝送を止めるようにする。
主制御部418はマスター(master)制御部の役割をし、送信制御部140はスレーブ(slave)制御部の役割をする。すなわち、送信制御部140は主制御部418の制御を受ける。このために、主制御部418と送信制御部140はSPI(Serial Peripheral Interface)通信を行うとかI2C通信を行うことができる。
また、主制御部418はスマートキー信号又は点火信号が発生しなかった状態でも、第2論理レベルの信号を発生して信号合成部414に出力することができる。
センサー124Aで測定された電圧/電流のレベルによってバックコンバーター122Aでレベル変換された供給電力のレベルが高いとか低いと判断されるとき、主制御部418は第1制御信号(C1)によってバックコンバーター122Aで変換させるレベルを調整することができる。
また、インターフェース部406は入力端子IN1を介して受信されたスマートキー信号又は点火信号を信号合成部414に出力する役割をする。信号合成部414は、インターフェース部406から第2論理レベルのスマートキー信号が出力されるとか、主制御部418から第2論理レベルの制御信号が受信されれば、第1レギュレーター412でレベル調整しないようにするとか、レベル調整された電圧が出力されないようにすることができる。このために、信号合成部414は論理和(OR)ゲートから具現されることができる。
第1レギュレーター412は、保護部402を介してバッテリーから提供される供給電圧のレベルを所定のレベルに変換し、変換されたレベルを有する供給電圧を出力端子OUT2を介して無線電力送信機100の各部に出力する。ここで、所定のレベルは6.5ボルトであり得るが、実施例はこれに限られない。例えば、信号合成部414から出力される"高"論理レベルの制御電圧に応じて、第1レギュレーター412は前述したレベル変換動作を行わないこともある。
第2レギュレーター416は第1レギュレーター412から出力される供給電圧のレベルをさらに調整して、所望のレベルを有する信号を出力端子OUT3を介して送信制御部140に出力するとか主制御部418に出力することができる。例えば、第2レギュレーター416は供給電圧のレベルを変換し、変換されたレベル、例えば5.5ボルトの信号を主制御部418に出力し、出力端子OUT3を介して変換されたレベル、例えば3.3ボルトの信号を送信制御部140に出力することができる。
前述した第1及び第2レギュレーター412、416のそれぞれで変換されるレベルは固定され、バックコンバーター122Aで変換されるレベルは主制御部418の制御によって可変することができる。
一方、CANトランシーバー408は車両400の通信のためのCAN信号(CAN)を受信し、これによって主制御部418と内部的に通信を行うことができる。
ディスプレイ部410は、主制御部418の制御の下で、無線電力受信機200の充電中の状況を使用者に視覚的に見せることもできる。
本発明は本発明の精神及び必須特徴を逸脱しない範疇内で他の特定の形態に具体化されることができるのは当業者に明らかである。
したがって、前記詳細な説明は全ての面で制限的に解釈されてはいけなくて例示的なものとし見なされなければならない。本発明の範囲は添付の請求範囲の合理的解釈によって決定されなければならなく、本発明の等価的範囲内での全ての変更は本発明の範囲に含まれる。