冷却のために、バッテリーのバッテリーセル又はバッテリーモジュールは、冷却された浸漬浴において直接配置することができ、又は空冷することができる。さらに、冷却されるべきバッテリー面に接触し、冷却媒体が流される接触冷却器が知られている。
WO2012/013315A1は、バッテリー用のそのような接触冷却器を備えた冷却構成を記載しており、冷却剤が流されるフラットチューブが、冷却されるバッテリーの底部に対して接触する。ここで、金属フラットチューブとバッテリーの金属アンダーボディーとの間には直接的な金属の接触が形成される。アンダーボディーとフラットチューブとの間でできるだけフラットな接触を達成するために、及びフラット面の可能性のある製造公差を補償するために、フラットチューブはばねを用いてバッテリーのアンダーボディーに対して留められている。
しかしながら、WO2012/013315A1に記載されている構成は、限られたバッテリーの機械的耐荷重能力及び互いに接触するフラット面の製造公差のために、信頼性のある、接触面のフラット接触を保証できない、という不利な点を有する。例えば約6dm2の接触面を有するバッテリーモジュールによって通常許容されるブレース力(bracing forces)は、約2000Nの範囲以内にある。接触面及びばねの形状及び位置の製造及び/又は温度により誘発される偏向に応じて、そのような構成において効果的に作用するブレース力は、2000Nの最大値を超えてはならないのであれば、公差のために1000Nよりも小さくなりうる。この場合、バッテリー及びフラットチューブの相互に割り当てられた金属接触面の十分な接触がもはや保証されず、バッテリーが不十分に冷却される。バッテリーの電力及び寿命の点での損失は、それに起因する。さらに、説明された構成では、バッテリーの各モジュールが個別に冷却され、多数の必要な冷却ユニット及び関連するばね要素が全体的に構成の重量を大きくする。
WO2009/146876A1はバッテリーを冷却するための装置を記載しており、バッテリーの個々のセルが、冷却されたベースプレート上に配置されている。この設計では、2つの金属板によって囲まれた中央のばね要素によって、バッテリーの狭く垂直に配置されたセルが、同様に垂直に延びる2つの冷却フィンの間で支持される。ここでは、鉛直方向に延びる冷却フィンに対し、冷却されるべきセルの定められた一様な接触が達成されないという点で不利である。さらに、鉛直配置のために必要とされ且つ金属プレートによって囲まれたばね要素は、構成の重量を増加させる。
JP2008181733Aは、乗り物バッテリー用の冷却装置を開示する。ここでは、板状の冷却要素が、互いに隣り合って配置された2つのバッテリーモジュールの間で、クリップ機構を用いて支持されている。冷却要素は、冷却要素に割り当てられたバッテリーモジュールのそれらの表面を完全に覆う。WO2012/013315A1を参照して既に説明したように、JP2008−181733Aから知られている構成の場合には、バッテリーモジュールの許容可能なブレース力が制限されているにもかかわらず、冷却されるべきバッテリーモジュール、冷却要素との間の均一で平坦な接触を達成することの課題も存在する。
冷却要素及びバッテリーモジュールの弾力的に弾性のある支持を提供する、例えばJP2008181733A又はWO2012/013315A1に記載されているような冷却システムは、準備取り付け状態の動的負荷に関して影響を受けやすい。例えば、乗り物の駆動モードにおいて発生する振動は、接触面の弾力的な弾性支持の範囲内で冷却要素とバッテリーモジュールとの間のフラットな接触を少なくとも一時的に取り除かれることにつながる。この場合、バッテリーの信頼性の高い冷却は保証されず、それはバッテリーの電力及び寿命についてすでに上述した損失につながる可能性がある。
さらに、2つの隣り合うバッテリーモジュールの間に冷却要素を配置することが知られており、冷却要素は2つのモジュールを冷却するために設けられ、各ケースにおいて冷却されるべきバッテリーモジュールと冷却要素との間の熱伝導接触が、冷却要素とバッテリーモジュールとの間に設けられたシリコーンパッドを介して実現される。シリコーンパッドは、バッテリーモジュールに面する冷却要素の全表面を覆い、製造公差を補償する働きをする。したがって、冷却要素が配置される中間スペースの幅は、+/−0.3mmの許容範囲によって変動することができる。シリコーンパッドは、前記製造公差を補償する働きをし、冷却要素の設置中に、中間スペースの幅に応じて多かれ少なかれ変形する。このようにして、バッテリーモジュールとのフラットな接触が形成され、したがって冷却されるバッテリーモジュールと冷却要素との間の熱の均質な伝達がいずれにおいても達成される。
シリコーンパッドの厚さは、中間スペースの最大幅の領域において、バッテリーモジュール及び冷却要素のそれぞれとのパッドの確実な接触が確保されるような寸法にする必要がある。ここで、前記シリコーンパッドは、中間スペースの最小幅の領域において、それに応じて大きく変形するという課題があり、すなわちバッテリーと冷却要素との間の中間スペースから押し出されなければならない。パッドに非常に柔らかい材料(20〜40のショア硬さ(00))が使用されても、バッテリーモジュールは、必要とされるブレース力によって損傷を受け、特に歪むことがある。支持されるべき部品間の据え付け又は支持の力が制限される場合、中間スペースの最小幅の領域においてシリコーンパッドが十分には圧縮されないという課題があり、従って中間スペースの最大幅の領域において冷却エレメントと割り当てられたバッテリーモジュールとの間にエアギャップが残る。エアギャップの領域での乏しい熱伝導のため(約0.02W/(m2K))、バッテリーモジュールが不十分に冷却され、したがってバッテリーがオーバーヒートする可能性がある。
最後に、2つの隣り合うバッテリーモジュールの間にペースト状の充填材を適用することが知られており、その充填材は、その低い粘性のために、設置中にわずかな圧縮力又はブレース力を必要とする。しかしながら、ペースト状の充填材は、その適用が複雑であり、特に準備取り付け状態(ready mounted state)では中間スペースが鉛直方向に延びる場合に、高い動作温度下で長時間応力を加えられた場合のペーストは、充填されるべき中間スペースから流出する傾向があるという不利な点を有する。
上述した従来技術からの発展により、本発明は、バッテリーの能動冷却のための冷却モジュールを特定するという技術的課題に基づいており、その冷却モジュールは、上述した不利な点を有していないか、少なくともより程度の小さい範囲でそれらを有し、特に費用対効果の高い方法でバッテリーの確実な冷却が保証される。さらに、乗り物用のバッテリー及び冷却モジュールの製造方法を特定することが意図されている。
上述した技術的課題は、少なくとも2つのバッテリーモジュールを有するバッテリーの能動冷却のための冷却モジュールによって解決され、冷却媒体の通過のための少なくとも1つの内部空間と、互いから離れる方向に向けられてそれぞれのケースにおいてバッテリーモジュールのうちの1つに割り当てられるようにもうけられた少なくとも2つの側面とを持つプロファイルを有し、そのプロファイル要素とそれらのバッテリーモジュールとの間の熱伝導接続をもたらすための充填材が、前記プロファイル要素の側面に配置される。ここで、各ケースにおける充填材は、プロファイル要素の側面の一部のみを覆う。
「側面の一部のみを覆う」とは、本発明によれば、プロファイル要素のうちの、バッテリーモジュールに割り当てられる、それぞれの側面のかなりの割合の部分を自由にして充填材が残ることを意味すると理解されることが意図されている。換言すれば、それぞれの側面と、前記側面に配置された充填材との間の接触面の面積は、プロファイル要素のそれぞれの側面の面積よりも小さい。したがって、準備取り付け状態では、冷却されるバッテリーモジュールと、プロファイル要素のうちバッテリーモジュールに割り当てられたそれぞれの側面との間に、充填材によって充填又は覆われていない1つ又は複数の領域が、特にエアギャップが、形成される。
充填材で完全に覆われた側面を提供する従来の知られていた解決策と比較して、支持力又は圧縮力を低減することができる。これは、取り付け中に、全体的に少ない充填材がバッテリーモジュールとプロファイル要素との間で圧縮される必要があるか、又はより小さい接触面にブレース力(bracing forces)が作用するからである。したがって、効果は、充填材がバッテリーモジュール及びプロファイル要素に対して実質的に完全に横たわるように、より小さなブレース力で既に達成されうる。使用される充填材との確実な接触は、バッテリーモジュールの均質な冷却を保証する。圧縮力は、従来既知の解決法と比較して1/10まで低減することができる。
必要とされる圧縮力の低減は、バッテリーモジュールの機械的負荷を低減することを可能にする。特に、準備取り付け状態でバッテリーモジュールに作用する圧縮力は、2000Nよりも小さくすることができる。
冷却モジュール及びバッテリーモジュールが所定の圧縮力で取り付けられる場合、充填材で完全に覆われた側面を有する構成と比較して、その圧縮力は、本発明によれば、より小さい接触面にわたって分布する。その結果、同じ圧縮力又はブレース力が与えられると、充填材はより大きく圧縮され、したがって、プロファイル要素とそれぞれのバッテリーモジュールとの間に形成される距離は、同じ圧縮力で低減されうる。所定の圧縮力は、特に、それぞれのバッテリーモジュールによって最大限許容される圧縮力とすることができ、例えば、2000N以下としうる。
従来技術に基づいて既に知られている解決策では、エアギャップを避けるために、冷却されるバッテリーモジュールとプロファイル要素との間のできるだけ大きな接触面が求められる。驚くべきことに、それぞれのバッテリーモジュールを冷却するのに必要な冷却電力は、低減された接触面にもかかわらず本発明による冷却モジュールによって達成できることが示されている。本発明によれば、接触面は低減され、充填材の定められた接触及びより大きい圧縮に有利である。本発明によれば、準備取り付け状態でプロファイル要素と充填材との間に形成される接触面は、例えば、側面の面積の3分の1にまで低減可能である。全体的に、冷却モジュールのコスト及び重量は、充填材の低減された量だけ低減することができる。
本発明による冷却モジュールのプロファイル要素は、例えば、押し出しプロファイルとしうる。プロファイル要素は、冷却媒体の通過に適した複数の内部チャネルを有することができる。チャネルは、実質的に円形又は長方形の断面を有することができ、及び/又は、互いに実質的に平行に配置されうる。チャネルは、好ましくは、プロファイル要素の長手方向に沿って延在することができる。プロファイル要素の側面は、実質的にフラット及び/又は長方形の設計とすることができ、及び/又は、互いに平行に方向付けられることができる。プロファイルは、フラットなプロファイルとすることができ、側面によって境界付けられたプロファイルの厚さは、プロファイルの幅の1/4未満、好ましくは15%未満、さらに好ましくは10%未満に対応し、プロファイルの幅は、プロファイルの長手方向に対して横方向に測定される。したがって、プロファイル要素は、特に実質的に長方形の断面を有することができるフラットなチューブとすることができる。プロファイル要素の厚さは、例えば、2.5mmとすることができる。
冷却モジュールの発展によれば、充填材は側面にストリップ状に配置され、側面に割り当てられたそれらのストリップは互いに離れており、ストリップは特に互いに実質的に平行に配置されている。したがって、少なくとも2つ、好ましくは複数の別個の充填材ストリップを1つの側面上に配置することができる。ストリップ間に形成された隙間によって、充填材は、圧縮の際に、圧縮力に対して横向きに配向された方向へより良好に拡がることができる。したがって、ストリップ状に配置された充填材は、同じ接触面及び厚さを有する関連するパッドと比較してより容易に変形することができ、その結果、許容誤差をより良く補償することができる。
本発明による冷却モジュールの更なる改良により、プロファイル要素は、プロファイル要素の側面に隣り合う狭い側部(narrow sides)を有し、充填材の少なくとも一部が側面のエッジ領域に配置され、そのエッジ領域がその狭い側部に割り当てられることを提供する。圧縮の場合には、エッジ領域に設けられた充填材が、特に簡単な方法で、狭い側部に割り当てられた隙間に押し込まれることができ、したがってエッジ領域において充填材を変形させるために小さな圧縮力のみが必要とされる。
本発明の発展によれば、必要な圧縮力に関して有利な構成は、充填材から構成され且つ側面のエッジ領域に配置された少なくとも1つのストリップが、エッジ領域に割り当てられる狭い側部に隣り合う点で、及び/又は、エッジ領域から距離を置いて配置される内側ストリップよりもエッジ領域に割り当てられた少なくとも1つの外側ストリップが大きな幅を有する点で達成可能である。圧縮の際に、特にバッテリーモジュールと側面との間の隙間が狭い側部の方向に外側に向かってより大きな程度に広くなるときはいつでも、外側ストリップがより大きな程度で押されうるという事実を、エッジ領域で増大する充填材の幅は考慮し、その隙間は狭い側部のエッジ領域において配置される。これは、例えば、側面と隣接する狭い側部との間に放射状範囲の部分又は面取りが形成される場合である。したがって、外側ストリップをあるサイズにまで、例えば所定の厚さにまで、圧縮するために必要な圧縮力は、内部ストリップを変形させるために必要な値よりも著しく低く、例えば、内部ストリップを変形させるのに必要な力の50%に過ぎないかもしれない。
圧縮の場合に、エッジ領域に配置された充填材の流動を助けるために、本発明による冷却モジュールの有利な発展によれば、側面及び狭い側部が滑らかにお互いに合流することができ、特に、側面と狭い側部との間に放射状範囲の部分が形成される。ここで滑らかにとは、側面と狭い側部との間にエッジが形成されていないことを意味する。したがって、側面と狭い側部との間に形成された移行領域は、例えば、側面に対して垂直に方向付けられた断面において湾曲させられることができる。特に、側面と狭い側部との間に形成される移行領域は、側面に対して垂直に方向付けられた断面において連続的な接線又は曲率としうる。
条件2mm≦a≦10mmは、隣接する充填材ストリップ間に形成される距離aに適用することができる。全体的に同一の接触面における充填材ストリップの数が多いほど、充填材をより容易に変形することができ、必要な取り付け力が低減される。
冷却モジュールの更なる改良によれば、接触面の面積は、それぞれ割り当てられた側面の面積の5%〜80%であり、充填材は予め組み立てられた非圧縮状態にある。結果として、プロファイル要素のそれぞれの側面の5%〜80%のみが充填材で覆われる。接触面が側面に比べて小さくなる程、側面のうち充填材で覆われている部分が小さくなる。
接触面の面積は、準備取り付け状態で、特に圧縮された状態で、側面の面積の少なくとも30%及び多くとも90%としうる。特に、所定の公差で側面とバッテリーモジュールとの間で中間スペースが充填される非変形状態の充填材ストリップの断面は、この条件が満たされるように選択することができる。低減された接触面にもかかわらず、必要とされる冷却パワーを供給することができる。
充填材はエラストマー、特に軟質シリコーンとすることが可能であり、充填材は熱伝導率を高めるための添加剤を含有することができる。充填材は、好ましくは、室温で小さな力で既に変形されていることが可能であり、したがって、準備取り付け状態では、それぞれに割り当てられたバッテリーモジュールは、ほとんど機械的負荷を受けない。
側面とそれぞれのバッテリーモジュールとの間に形成される製造公差を補償するために、0.3mm≦T≦0.8mmの条件を充填材の厚さTに適用することができる。冷却モジュールと冷却されるバッテリーモジュールとの間のより厳格な公差のために、充填材の小さい厚さTを選択することができ、より大きな許容範囲を補償するために、より大きな充填材厚さTを選択することができる。非圧縮状態では、充填材の厚さTは、ここではそれぞれの側面に垂直な方向に決定される。充填材は、例えば+/−0.3mmの平坦度及び/又は均一度の公差を補償するために、側面にT=0.5mmの厚さで配置できることが好ましい。
冷却モジュールの発展によれば、1Shore(A)≦H≦10Shore(A)の条件又は20Shore(00)≦H≦70Shore(00)の条件が充填材の硬さHに適用される。それぞれのショア硬さは、それぞれ関連するDINに応じて、特にDIN53505又はDIN7868に応じて、決定される。上記硬さ範囲の充填材は、特に容易に変形することができる。
冷却モジュールの動作中に必要とされる冷却パワーを達成するために、冷却モジュールの改良により、条件0.7W/(m*K)≦λ≦8W/(m*K)が充填材の熱伝導率λに適用される。充填材の熱伝導率の表示値は、特に室温で非圧縮状態において適用される。
充填材は、好ましくは、プロファイル要素との及び/又はバッテリーモジュールとの接着接続を形成する材料であることができ、充填材に割り当てられるそれらのプロファイル要素及びバッテリー要素の表面は、特に金属であることができ、又は好ましくはアルミニウム又はアルミニウム合金からなることができる。
充填材は、保護膜によって冷却モジュール上で覆われることができる。この保護膜は、冷却モジュールの保管及び輸送中に充填材を保護する役割を果たし、冷却モジュールの最終的な据え付け前に取り除かれることができる。保護膜は、プロファイル要素とは別個に充填材に最初に設けられるバッキングフィルム(backing film)とすることができる。充填材は、バッキングフィルム上に、複数のストリップ状に所定の距離で配置することができる。このように、充填材ストリップの配置は、バッキングフィルム上で既に予め定めておくことができ、したがって、側面上のバッキングフィルムの単純な整列及び適用によって、プロファイル要素上の充填材ストリップの求められる配置は達成されることができる。
本発明の基礎となる技術的課題は、少なくとも2つのバッテリーモジュールと、バッテリーモジュールの能動冷却のための冷却モジュールと、を備えた乗り物用バッテリーによって更に解決され、冷却モジュールは、バッテリーモジュール間に配置され、本発明による方法で設計される。
バッテリーモジュールの各々は複数のバッテリーセルから構成されることができ、その複数のバッテリーセルは、緊密に詰められ、或いは1列に互いに並んで隣りあっている。バッテリーセルは、実質的に長方形の基本形状を有する角柱セル(prismatic cells)とすることができる。そのようなバッテリーセルは、実質的にフラットな熱伝導底面を有することができる。緊密に詰められたバッテリーセルの隣り合う底面は、バッテリーモジュールの底面を形成することができる。バッテリーモジュールの底面は、寸法及び平坦度の偏差から生じる+/−0.3mmの許容範囲を有することができる。隣接する2つのバッテリーモジュールの底面は、冷却モジュールの側面に割り当てられることができる。
本発明のバッテリーでは、冷却されるべきバッテリーモジュールとプロファイル要素との間の温度差が、いずれも冷却されるべきバッテリーモジュールの最高温度においても、適切な範囲内に保たれることができる。プロファイル要素内に配置された冷却媒体とプロファイル要素の側面との間の温度差は、1.5Kとすることができ、バッテリーの前記側面と側面に向けられた面、特に底面、との間の温度差は、6.5Kとすることができ、冷却媒体が膨張した場合の圧力の降下による温度差は2Kとすることができる。バッテリーの底面とプロファイル要素の側面との間の温度差は、好ましくは7Kよりも小さい。信頼できる冷却のために、冷却媒体とバッテリーモジュールとの間には全体的に10Kの温度差がここでは必要とされる。したがって、5℃の冷却媒体の蒸発温度の場合には、側面に面するバッテリーのその表面の領域において15℃の温度が生じる。
プロファイル要素の側面は、冷却されるべきバッテリーモジュールの底面にそれぞれ割り当てられることができ、側面及び底面は互いに実質的に平行に配置されることができる。バッテリーの準備取り付け状態において、0.05〜0.5mmの明確な幅を有することができる中間スペースは、側面と底面との間に形成されることができ、中間スペースは、充填材によって部分的にだけ充填される。準備取り付け状態において、冷却モジュールは、ネジ山付きロッド及びナットを用いてバッテリーモジュール間で支持又は圧縮されることができる。
バッテリーは、複数の冷却モジュールを有することができる。それらの冷却モジュールは、バッテリーの長手方向に沿って、互いに距離をおいて配置されることができ、それらの冷却モジュールは、特に互いに平行に延びることができる。それらの冷却モジュールは、それぞれ反対側の端部側にパイプに通じることができ、パイプは冷却回路につながっている。
バッテリーの発展によれば、0.8*(G/λ)^0.3<(B/A)<1.2*(G/λ)^0.3の条件が、全体接触面Aに対して、必要とされる接触面の幅Bに適用され、Gは、圧縮された状態でのmmでの側面とバッテリーモジュールとの間の最大ギャップ幅であり、λはW/(m*K)での充填材の熱伝導率である。この条件は、特にプロファイル要素の実質的に長方形の側面に関して適用され、その側面において充填材が複数のストリップの形態で配置されることができ、それらのストリップは、側面の全長にわたって長手方向に沿って延在し、且つ、長手方向に対して横に向けられる幅方向にお互いに距離をおいて配置され、したがって側面の一部のみをカバーする。そのような場合、変数Bは個々の充填材ストリップの幅の合計とすることができ、したがって、例えばB=B1+B2+B3がBに適用され、B1、B2及びB3は、それぞれ、お互いに間隔が空けられた3つの充填材ストリップの幅である。
したがって、式0.8*(G/λ)^0.3<(B/A)<1.2*(G/λ)^0.3は、プロファイル要素の側面Aの全体幅上にそれぞれ配置される複数の充填材ストリップのすべての全体的な幅に関する上限及び下限を定めることができる。最小幅B未満では、最大冷却パワーでの、すなわちバッテリーモジュールから伝えられる最大熱流での、充填材の領域における温度勾配が高過ぎであり(例えば>12K)、したがってバッテリーをもはや十分には冷却することができず、それはバッテリーの熱劣化につながる。最大幅Bを超えると、据え付け中に充填材を圧縮するのに必要な力が高過ぎであり(例えば、>2000N)、したがってバッテリー又はバッテリーモジュールが機械的に破壊される可能性がある。幅Bの上記の範囲は使用される充填材の量を制限し、したがって冷却モジュールの重量及びコストが全体として低減されると同時に、バッテリーの確実な動作が保証される。
本発明の基礎となる技術的課題は、更に、少なくとも2つのバッテリーモジュールを有するバッテリーの能動冷却のための冷却モジュールを製造する方法によって解決され、それにおいて以下の方法ステップを経る:
A)冷却媒体の通過のための少なくとも1つの内部空間と、互いに向かい合わない少なくとも2つの側面であって、いずれもバッテリーモジュールのうちの一つに対して割り当てられるように設けられた少なくとも2つの側面と、を有するプロファイル要素を提供すること;
B)前記プロファイル要素と前記バッテリーモジュールとの間の熱伝導接続を作り出すための充填材を側面に適用し、それぞれの側面と前記側面上に設けられる充填材との間に形成される接触面がそれぞれの側面よりも小さいことを特徴とする。
上述の方法の発展によれば、充填材は、作業ステップB)において押出プロセスで側面に適用され、充填材は特に溶融状態又はペースト状態である。したがって、充填材を連続的なプロセスにおいて効率的に適用することができる。
本発明による方法の代替の改良によれば、充填材は、押出プロセスにおいて側面に対する適用に先立ってバッキングフィルムに適用され、バッキングフィルムにおける充填材の配置は、特に、互いに間隔があけられたストリップ状で行われる。したがって、充填材ストリップの相対配置は、プロファイル要素の側面に対する充填材の適用の前に、予め決定することができる。このようにしてバッキングフィルム上に設けられた充填材のプロファイル要素への適用は、作業工程B)において、プロファイル要素の側面のうちの1つに対し、バッキングフィルムを位置決めして接着することによって、行うことができる。その結果、プロファイル要素とは別個独立に充填材がまずバッキングフィルム上に設けられるので、予め定められた、特に標準化された、プロファイル要素に関し、充填材ストリップの配置は必要な用途に応じて変更することができる。