JP2018532115A - ヒト血清中の組み換えヒトインシュリンに対する中和抗体を検出するための方法 - Google Patents

ヒト血清中の組み換えヒトインシュリンに対する中和抗体を検出するための方法 Download PDF

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Abstract

本発明は、ヒト血清における組み換えヒトインシュリン(rHI)に対する中和抗体の存在をインビトロで検出するための方法を提供する。また、組み換えヒトインシュリン(rHI)中和抗体の存在をインビトロで検出する方法のためのキットも提供する。

Description

発明の分野
本発明は、組み換え薬物中和抗体、とりわけ血清サンプル中の組み換えヒトインシュリンに対する中和抗体の存在をインビトロで検出するための方法に関する。また、本発明は、血清サンプル中の組み換えヒトインシュリンに対して中和する抗体の存在を検出するためのキットに関する。
発明および先行技術の背景
糖尿病、特にI型およびII型は、すい臓から分泌されるホルモンであるインシュリンの欠乏、または不十分な生成に関する障害である。それは世界中の多数の人々に影響を与える。I型およびII型糖尿病を制御するための管理アプローチは、血糖値を正常化して短期および長期の合併症を防止することを目的とし、これは主に経口薬の投与またはインシュリンまたはインシュリン類似体の注射によってなされる。
インシュリンは、炭水化物、タンパク質、および脂質代謝の調節を含む、多くの同化作用効果を有する。インシュリンの多面的効果は、細胞表面のインシュリン受容体へのその結合に際し媒介される。インシュリン受容体は、2αサブユニットおよび2βサブユニットからなるヘテロ四量体のチロシンキナーゼである。細胞外のαサブユニットへのインシュリンの結合は、受容体の二量体化、βサブユニットの内因性チロシンキナーゼ活性の活性化、およびいくつかのチロシン残基(Y1146、Y1150、Y1151、Y1316、およびY1322)上の受容体のトランスリン酸化を開始させる。活性化されたインシュリン受容体キナーゼは、続いてインシュリン受容体基質(IRS)−1、IRS−2、およびShcを含む多数の細胞内基質をリン酸化する。特定のホスホチロシン残基は、いくつかのアダプタータンパク質の結合部位を提供し、こうしてP13K、Cap−CblおよびMAPKシグナル伝達経路につながるインシュリンシグナルの伝達の段階を設定する。インシュリン受容体の活性化は、直接および間接的な方法によってインシュリン受容体リン酸化の程度を定量化することによって測定され得る。
DNA技術の進歩によって、組み換えヒトインシュリン(rHIまたはRHI)を含む多くの組み換え生物学的製剤を生成することが可能になった。さまざまなかかるrHI処方物が、糖尿病の処置のために利用可能である。しかしながら、かかる技術の進歩にはしばしば欠点を伴う。言い換えれば、生物学的製剤は、宿主において望ましくない免疫反応を生成する傾向がある。この免疫原性の結果は、任意の影響の非存在から一時的な影響、治療用タンパク質の安全性、有効性および薬物動態に重大なまたは有害な影響に及ぶ。
免疫原性は、特に、本質的に中和している患者の体内で抗薬物抗体(すなわちADA)が生成される場合、極めて頻繁にかかる治療用タンパク質の有効性に悪影響を有する。名前が示唆するように、中和抗体(すなわちNAb)は治療用タンパク質および内因性対応物の活性を中和することができ、したがって、生物学的製剤がその機能を果たすことを妨げる。
WO/2009/022001は、ADA検出を可能にし、血清中の薬物の存在における薬物妨害作用を克服する酸解離ステップを使用する表面プラズモン共鳴法に基づく方法を開示している。
WO/2015/123315は、潜在的なADAを含有する生物学的サンプルを過剰の薬物と組み合わせて複合体を形成し、次いでPEGにより沈殿させた後に塩基または酸の処理によって薬物−Ab複合体を解離し、その後、これをカーボン担体上にコーティングして、該複合体から抗薬物抗体を固定化し、分離することによりADAを検出するPおよびA(PEGおよび酸)アッセイを開示している。総ADAレベルの特定の検出が、標識化薬物を使用して実行されている。
WO/2014/011416は、細胞集団を、i)タンパク質治療剤中和抗体を含有し得る血清サンプルおよびii)タンパク質治療剤と接触させること、ここで、当該細胞はタンパク質治療剤の受容体を含む;およびタンパク質治療剤と受容体との結合を示すバイオマーカーを検出することを含む、血清サンプル中のタンパク質治療剤中和抗体の存在を検出する方法を開示している。より詳細には、細胞集団を、i)血清サンプルおよびii)増殖因子と接触させること、ここで、当該細胞は、増殖因子受容体を含む;および細胞集団中のバイオマーカーの量を検出すること、ここで、バイオマーカーは増殖因子受容体への増殖因子の結合を示す、および、バイオマーカーの量を増殖因子中和抗体の存在と相関させることを含む、血清サンプル中の増殖因子中和抗体の存在を検出する方法を提供する。
上で述べた多くの他のヒトタンパク質治療剤と同様に、NAbはrHIを受け取る患者の体内で生成され、rHIが受容体に結合するのを防止し、致命的な影響を及ぼし得る糖尿病の管理の失敗をもたらす。さらに、rHIは慢性的にしばしば生涯投与され、他のほとんどの薬物よりも全身曝露が高く、したがってADA生成の発生率も非常に高い。それゆえ、かかるNAbを検出する方法が、薬物の不作為の原因を正確に判定するために利用可能であることは極めて重要である。
したがって、rHIを受け取る糖尿病患者の血清サンプルを分析することにより、かかるNAbの存在を検出するための高度に選択的かつ特異的な方法の必要性がある。
発明の目的
本発明の目的は、血清サンプル中の組み換えヒトインシュリンに対する中和抗体の存在を検出するための、高度に選択的かつ特異的なインビトロの方法を提供することである。
本発明の別の目的は、中和抗体の存在を検出するためのキットを提供することである。
発明の概要
一つの側面において、本発明は、血清サンプルにおいてrHI中和抗体の存在をインビトロで検出する方法に関し、以下のステップ:
(a)血清サンプルを前処理すること;および
(b)細胞ベースのアッセイであって、以下のステップ:
i.rHIの受容体を有する細胞を播種すること;
ii.細胞を飢餓させること;
iii.細胞の集団をrHIおよび前処理血清サンプルで刺激すること;
iv.細胞を溶解させ、透明の溶解物を調製すること;および
v.インシュリン受容体のリン酸化について溶解物を評価すること;を含み、ならびに
(c)リン酸化の量を浮遊切断点(floating cut point)と相関させること、
を含む。
別の側面において、本発明は、血清サンプルを分析することにより組み換えヒトインシュリン(rHI)中和抗体の存在を検出するインビトロの方法のためのキットであって、以下のステップ:
(a)血清サンプルを前処理すること;および
(b)細胞ベースのアッセイであって、以下のステップ:
i.rHIの受容体を有する細胞を播種すること;
ii.前記細胞を飢餓させること;
iii.細胞の集団をrHIおよび前記前処理血清サンプルと接触させること;
iv.前記細胞を溶解させ、透明の溶解物を調製すること;および
v.インシュリン受容体のリン酸化について溶解物を評価することを含み、ならびに
(c)リン酸化の量を浮遊切断点と相関させること、
を含み、ここで、キットは、PBS中で作られたPEG6000(40%);PBS中で作られたデキストラン炭(3%);抗インシュリンポリクローナル抗体(PAb);600mM氷酢酸(pH2.5);1Mトリス緩衝液(pH9.5);リン酸緩衝生理食塩水(PBS);および組み換えヒトインシュリンを含む。
添付図面の簡潔な説明
上のおよびその他の側面、特徴、および本発明の特定の例示的態様の利点は、添付する図面と一体となって理解されるべき以下の記載からより明らかになるであろう。
図1は、rHIに対する細胞の投与量依存的な反応を表し、終点は、ECLをプラットフォームとして使用したrHI濃度の増加に伴う受容体リン酸化の増加として捕捉される。 図2は、y軸上の平均MoRおよびx軸上の濃度をプロットすることによって、各感度実験に対する4PL曲線を表す。 図3は、炭処理後のRHIの消耗を表す。 図4は、RHIの存在下および非存在下におけるnAbの回収を表す。 図5は、JMPソフトウェアによる切断点データの異常値分析と分布分析を表す。 図6は、血清サンプルの前処理ステップを表す。 図7は、細胞ベースのアッセイのステップを表す。
本発明の詳細な説明
添付図面を参照した以下の記載は、本発明の例示的な態様の包括的な理解を助けるために提供される。当該記載は、理解を助けるためのさまざまな具体的な詳細が含まれるが、これらは単に例示的なものとみなされるべきである。
したがって、当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の態様のさまざまな変更および修正を行うことができることを認識するであろう。さらに、周知の機能および構成の記載は、明瞭かつ簡潔にするために省略されている。
以下の記載および特許請求の範囲で使用される用語および単語は、書誌的な意味に限定されず、発明者が本発明の明確かつ一貫しての理解を可能にするために単に使用される。したがって、当業者には、本発明の例示的な態様の以下の記載は、例示の目的でのみ提供され、添付の特許請求の範囲およびその均等物によって定義される本発明を限定する目的ではないことが明らかである。
単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈から明らかに他を指示しない限り、複数形をも包含する旨、理解されるべきである。
「実質的に」という用語は、列挙された特性、パラメータ、または値が正確に達成される必要はないが、例えば許容誤差、測定誤差、測定精度限界、および当業者に知られている他の因子を含む偏差または変動が、特性が提供しようとしている効果を排除しない量で生じ得る。
1つの態様に関して記載および/または例示される特徴は、1つまたは複数の他の態様において同じ方法または同様の方法で、および/または他の態様の特徴と組み合わせて、またはその代わりに使用され得る。
本明細書中で使用される場合、「含む(comprises)/含む(comprising)」という用語は、記載された特徴、整数、ステップまたは構成要素の存在を特定するために用いられるが、1つまたは複数の他の特徴、整数、ステップ、成分またはその群の存在を排除しない。
「細胞単独/(CA)」は、細胞の対照として使用された。それは、薬物で刺激されない細胞のIR受容体の基本的なリン酸化を表す。
「細胞+薬物」(C+RHI)は、薬物の対照として使用された。それは、RHIの存在下におけるIR受容体のリン酸化を表す。
「浮遊切断点」は、このアッセイの切断点である(直接中和アッセイ)であり、サンプルが陽性であるか、それ以下と定義された反応レベルであり、それを超えると、薬物製品に対する中和活性が陰性であると定義される。細胞ベースのアッセイの可変性のため、浮遊切断点がこのアッセイのためには好ましい。
「反応の大きさ(MoR)」は、C+RHI/CAの比である。それは、固定濃度のRHIの存在下におけるIR受容体のリン酸化を表す。
「MoR Nab」は、NaB+C+RHI/CAの比である。それは、NAb存在下において達成されたリン酸化の抑制を表す。
「%中和」は、RHIに誘発されたIR受容体のリン酸化の中和を示す。%中和は、(C+RHIのシグナル−NAbのシグナル)/(C+RHIのシグナル−CAのシグナル)×100として決定される。
「PCサンプル」−モルモット抗RHI抗体は、アッセイにおいてサロゲート陽性対照として使用された。NAbは、正常プールされたヒト血清中またはアッセイ培地中でスパイクされ、陽性対照サンプル(PC)を生成した。
「精度」は、正常の操作条件下の方法の再現性の程度を測定する。
「感度」は、陽性対照の最低濃度であり、陽性アッセイ反応または切断点と一貫して等しい読み取りを生じさせる。
「特異性」は、陽性対照だけが中和反応を示し、他のいずれの非特異的抗体もこの反応を示さないことを確立するために決定された。
「選択性」は、分析方法がサンプル中に存在する他の成分(干渉物質)の存在下で分析物を識別し検出する能力である。選択性は、サンプルの異質性および多形性のために試験サンプル間で変化し得る。
本発明は、組み換えヒトインシュリン(rHI)に対する抗体を中和する測定のための特異的および選択的アッセイの開発に基づく。
本発明の背景技術において述べたように、I型およびII型糖尿病に罹患している患者、特にI型に罹患している患者には、インシュリンまたはインシュリン類似体が投与される。多くの場合、患者の免疫系は、主に患者がrHIを投与された場合に、インシュリンまたはインシュリン類似体が機能しないように妨げる抗体を生成する。かかる抗体は、薬物rHIがインシュリン受容体に結合することを妨げ、炭水化物、タンパク質および脂質代謝を含むその同化機能を行うことができないように失敗させる。これは糖尿病の非効率的な管理につながり、さらに致命的な影響を及ぼし得る。
抗薬物抗体としても知られているこれらの中和抗体(NAb)は、rHIがインシュリン受容体に結合するのを妨げ、それによって薬物またはrHIの効果を中和する。
細胞の前述のインシュリン受容体部位は、rHIに結合する際にリン酸化を受ける。したがって、リン酸化されたインシュリン受容体は、rHIの受容体への結合を示すバイオマーカーとして作用する。いずれの特定の理論にも縛られていないが、細胞中のリン酸化されたインシュリン受容体の量はrHIへの暴露の増加とともに増加すると考えられるが、血清サンプル中の中和抗体の存在は、リン酸化インシュリン受容体の量の減少を導くであろう。インシュリンシグナル伝達の他の下流効果を測定することとは対照的に、リン酸化されたインシュリン受容体の測定は、非常に特異的で正確な評価につながることが、本発明者らによって見出された。
本発明は、血清サンプルを分析することによって、組み換えヒトインシュリン(rHI)中和抗体の存在をインビトロで検出する方法を提供し、以下のステップ:
(a)血清サンプルを前処理すること;および
(b)細胞ベースのアッセイであって、以下のステップ:
i.rHIの受容体を有する細胞を播種すること;
ii.細胞を飢餓させること;
iii.細胞の集団をrHIおよび前処理血清サンプルで刺激すること;
iv.細胞を溶解させ、透明の溶解物を調製すること;および
v.インシュリン受容体のリン酸化について溶解物を評価することを含み、ならびに
(c)リン酸化の量を浮遊切断点と相関させること、
を含む。
用語が示すように、前処理は、患者から得られた血清のアッセイされる前の処理に関与する。血清サンプルにおいて、NAbは、循環するインシュリンを有する免疫複合体の形態で存在し得る。血清サンプルの前処理のステップは、サンプル中に存在する中和抗体の完全な環境(milieu)がインシュリンの妨害なく検出できるように、NAb−インシュリン複合体を解離するために必要である。インシュリンは、痕跡でさえも細胞ベースのアッセイ手順を妨害し、不正確かつ誤った評価をもたらし得るから、残存するインシュリンの消耗も重要である。
本発明者らは、前処理がNAb−インシュリン複合体の解離を確実にし、酢酸およびグリシンHClから選択されたサンプルの酸処理により実行されることを見出した。好ましい酸は酢酸である。酸性化後、サンプルは炭処理を受け、インシュリンを吸着し、細胞ベースのアッセイにおいて検出するためにNAbを自由に残す。インシュリンは細胞ベースのアッセイ手順を痕跡でさえも妨害することができるため、残存するインシュリンの消耗も重要である。遊離NabをPEG溶液中に沈殿させ、その後超音波処理バス中で約10分間のボルテックスまたは超音波処理により再懸濁する。
本発明の細胞ベースのアッセイのステップは、受容体リン酸化に関してリガンド誘導性受容体チロシンキナーゼ活性化の測定に基づくキナーゼ受容体活性化(KIRA)原理において働く。
リン酸化されたインシュリン受容体は、例えばECLアッセイなど、当技術分野で公知の任意の技術によって検出され得る。電気化学発光(ECL)ベースのアッセイは、rHI中和抗体の存在を検出するより定量的な方法を提供する。その受容体に治療薬が結合されるかかるアッセイにおいて、発光が溶液中の電気化学反応中に生成され、該発光は、測定され、定量化される。
細胞株は、分析されるrHIの少なくとも1つの受容体を含む任意の細胞であり得る。好ましい細胞株は、それらの表面上に多数の受容体を有する細胞を含む。特定の態様において、細胞株は、MCF 10AおよびMCF−7から選択される。MCF−7、ヒト乳腺腺癌細胞株が好ましい細胞株である。
いくつかの態様において、細胞密度は、96ウェルのウェル当たり0.05×10〜約0.5×10個、好ましくは96ウェルのウェル当たり約0.2×10個の範囲内である。
該方法は、細胞をDMEM:F12増殖培地に播種し、約5%のCOを含む加湿空気中で37℃にて12時間〜16時間培養し、続いて細胞を飢餓状態にすることを含む。細胞を約18時間〜約26時間、好ましくは約18時間〜約22時間の範囲の期間飢餓状態にする。飢餓は、完全増殖培地をグルコースを含まない培地で約24時間置換することによって引き起こされる。飢餓のために使用される培地は、グルコースを含まないDMEM培地である。
次いで、細胞は、血清サンプルおよびrHIの存在下で、適切な培地中、室温で約5分〜約30分間、好ましくは約10分間の範囲の時間刺激される。同時に、PCもrHIとともに、加湿CO培養器中、室温で約30分〜約90分間、好ましくは約60分間、続いて37℃で10分間培養される。
インシュリン受容体に結合し、それによりリン酸化を誘導するのに有効なrHIの濃度は、約10ng/mL〜約30ng/mL、好ましくは20ng/mLの範囲である。図1は、RHIが、処理された正常ヒト血清中で0.3〜1000ng/mlでスパイクされた投与量反応曲線を示す。
刺激後、細胞を溶解する。細胞は、依然として培養プレートに付着したまま溶解され得る。溶解は、一般に知られている溶解緩衝液の存在下で、好ましくは溶解緩衝液を用いて行われ、その間、室温で約5分〜30分、好ましくは10分の時間、培養される。
遠心分離後に得られた細胞溶解物が、ECLベースのアッセイによってリン酸化されたインシュリン受容体について評価される。リン酸化の評価のためのアッセイは、MesoScale Discovery(MSD(登録商標))プラットフォームで開発される。MSD(登録商標)ベースのInsulin Signaling Panel(Phospho Protein)Whole Cell Lysate Kitが使用された。試薬は、キットに提供されているように使用し、製造業者の指示書に従って調製された。MSD(登録商標)ベースのアッセイは、市販Insulin Signaling Panel(Phospho Protein)Whole Cell Lysate Kitを使用して実施された。Insulin Signaling Panel(Phospho Protein)はサンドイッチ免疫アッセイである。MSD(登録商標)プレートは、全IGF−1R、全IR、および空間的に異なるスポット上の全IRS−1に対して、捕捉抗体で予備被覆される。リン酸化キナーゼ受容体を含む細胞溶解物を、検出抗体−電気化学発光化合物であるSulfoTag標識(MSD(登録商標))と結合した抗ホスホチロシンによって検出されるウェルに添加する。
図1に表されているように、投与量反応曲線およびrHI誘導インシュリン受容体のリン酸化反応の中和は、アッセイがインシュリン存在下で受容体リン酸化の形態で使用する頑強な終点、および、任意の中和抗体の存在を検出する際のアッセイプラットフォームの敏感な反応をも表す。
血清サンプル中のリン酸化されたインシュリン受容体の検出された量は、rHI中和抗体の存在を確認するための浮遊切断点と比較して評価することができる。浮遊切断点は負のベースプールに基づいて決定され、浮遊切断点はrHI中和抗体の存在と相関する。例えば、サンプル中のリン酸化インシュリン受容体の検出量が浮遊切断点よりも大きい場合、血清サンプルはかなりの量のrHI中和抗体を含有せず、サンプル中のリン酸化インシュリン受容体の検出量が浮遊切断点よりも低い場合、血清サンプルはかなりの量のrHI中和抗体を含有する。
特定の態様において、本方法は、インシュリン中和抗体を含む陽性対照を含む。したがって、本方法は、インシュリン中和抗体の存在を評価するためのサンプルの比較分析を包含し得る。
本発明者らは該アッセイを認定し、とりわけ高い特異性および選択性を有することを見出した。堅牢性と精度を含むアッセイの認定について、さまざまなパラメータを評価した。投与された薬物に対する中和抗体を検出するためのかかる堅牢性、感度および精度のために、本発明の方法は、臨床試験中の薬物の安全性を予測する非常に効率的な手段を提供し、したがって全ての規制見直し、および競合他社に対する戦略的な優位性に耐えることを助ける。rHIの潜在的な使用としてのコンパニオン診断を開発するための基礎を形成することができ、それは、臨床医が投与量および処置経過の決定を助けることができ、一方で処置のための薬物を指示する、インシュリンに対する既存の抗体が存在するかどうかを確立する助けとなり得る。
本発明の方法を実施するためのキットも、本発明の範囲内であると考えられる。一態様において、キットは、PBS中で作られたPEG6000(40%);PBS中で作られたデキストラン炭(3%);抗インシュリンポリクローナル抗体(PAb);600mM氷酢酸(pH2.5);1Mトリス緩衝液(pH9.5);リン酸緩衝生理食塩水(PBS);および組み換えヒトインシュリンを含む。キットの他の成分は、任意に、免疫アッセイを実施するための試薬および/または指示書を含み得る。
キットが実行され、分析され得る手段は、本明細書でなされた開示を考慮すると容易に理解することができる。

例1
サンプルの前処理
血清サンプルを600mMの酢酸で処理した。循環インシュリンの消耗は、3%デキストラン炭溶液により起こり、室温にて約30分間培養し、および180rpmにてオービタルシェイクする。その後、4℃、10,000rpmで10分間スピンさせ、その後、上清を移す。150μlの1Mトリス緩衝液、375μlの40%PEG6000溶液を550μlの上清に添加する。これを180rpmでオービタルシェイクしながら室温で約30分間培養した。PEG沈殿させたサンプルの上清を、NAbの存在について評価したが、これはPEG沈殿中に損失がないことを示した。ペレットの再懸濁を180μlのPBS溶液中、4℃で6000rpmにて約20分間、超音波処理バス中で10分間の超音波処理によって実施した。
サンプル処理後のNAbの回収率は一定であり、50〜70%の範囲であった。
図6は、本方法の前処理ステップの概略図である。
例2
サンプルの細胞ベースのアッセイ
MCF−7細胞を96ウェルプレートに完全増殖培地において播種し、14±2時間表面に接着させた。2日目に、完全増殖培地をグルコースを含まないDMEM培地(FBSおよびRHIを含まない)と20±2時間交換することによって、接着した細胞を飢餓状態に保った。3日目に、グルコースを含まない培地を除去し、実験の設計ごとにサンプルをプレートに添加する。10分間の短時間の刺激後、細胞を溶解し、MSDベースのリン酸化タンパク質シグナリングパネルキット(図2)によってリン酸化されたインシュリン受容体について細胞溶解物を評価する。
例3
0.1μg/mlのRHI濃度での市販の抗体によるIR受容体のリン酸化の中和の評価
細胞をウェル当たり0.5×10個の播種密度で播種した。rHIの2つの濃度(1および0.1μg/mlであった)を細胞の刺激に使用した。3つの利用可能な抗RHI抗体をIRリン酸化の中和について評価した。2つの抗体は商業的供給源、すなわち、それぞれPeninsulaおよびInvitrogenから得られ、3番目は社内で生成された抗体であった。すべての抗体を、2、1および0.5μg/mlの濃度で評価した。
観察されたとおり、RHI誘導リン酸化が起こる。
例4
発明者らは、正常なプールされた血清中において、抗RHI抗体の中和活性を評価した。
抗RHI抗体は、血清中でスパイクされ、例1に従って前処理された。処理NAbサンプルは、表2に記載されるようにアッセイにおいて評価された。
中和反応は、10および20ng/mlのRHI濃度にて評価された。アッセイ培地でスパイクされたNAbをアッセイの対照として使用した。
結果:アッセイ培地でスパイクされたNAbによるIRリン酸化反応の中和−
血清中スパイクされたNAbによるIRリン酸化反応の中和−
矛盾のない結果が観察された。RHIによる細胞の刺激は、20ng/mlレベルにて選択された。
例5
処理された血清マトリクス中の細胞に対するRHIの投与量依存的な反応を評価し、抗RHI抗体の中和反応を決定するためのRHIの濃度を選択すること
正常なプールされたヒト血清を、例1に記載のサンプル前処理手順に従って処理した。RHIの範囲は、0.3〜1000ng/mlで調製し、飢餓状態の細胞(0.2×10個/ウェル)に添加した。細胞溶解物をMSDアッセイで分析した。平均MSDデータは、以下の表5および図1に報告される。
細胞単独では前の例で観察されたものよりも小さいことが観察された。RHIの投与量依存的な反応は、図1に示すように培養細胞で観察された。EC50は19.8ng/mlであり、前の実験で選択されたRHI濃度20ng/mlと同様であった。
浮遊切断点に対する正規化係数の決定:
実験の詳細:切断点は、バランスの取れた設計において、36の正常なヒト個体血清サンプルを用いて決定された。2人の分析者(A1およびA2)は、3日の異なる日にサンプルを評価し、各分析者はサンプルを1回分析した。切断点の決定は、以下に参照する設計に従って実行された。したがって、切断点を決定するために合計72(36×2)個のデータ点が収集された。
各サンプルを20ng/mlのRHIの存在下および非存在下で分析し、切断点を反応の大きさ(薬物ありおよび薬物なしの比)に関して報告した。そのプレートの陰性対照レベルを決定するために、正常なプールされたヒト血清(NSB)の2つの複製サンプルを各実験に含めた。
薬物サンプルのあるシグナルを薬物サンプルなしのシグナルで割ることにより、各個々のサンプルについて反応の大きさ(MoR)を決定した。MoRのLOGを決定し、データセットをJMPv 11.2ソフトウェアによる分析にかけた。
i.データをボックスプロット分析によって異常値について評価した。サンプル19および35は異常値として同定され、したがって、さらなる分析から除外された(図5)。
ii.異常値を除外してデータセットの分布を評価し、データセットが正常に分布していることが見出された(図5)。
iii.式:平均−2.33×SDを用いて、切断点の計算のためのパラメトリックアプローチを適用した。
iv.切断点の真数が決定された。
v.6回の実験で平均NSBを決定した。
vi.乗法正規化係数(NF)は、切断点/平均NSBの式を使用して決定された。
切断点データおよびデータ分析は、表6〜8に示される。
浮遊切断点は、平均NSBを正規化係数と乗ずることによって決定された。
アッセイ感度の決定:
アッセイ感度を確立するために、正常なプールされたヒト血清において、陽性対照抗体の6個の希釈が4μg/ml〜0.5μg/mlで調製された。感度は、以下の表9に示された設計によって3日の分離した日における6の独立したアッセイの実験から決定された。
各感度サンプルについてMoRを計算し、続いて3つのセットの平均を計算することにより、各実験について平均MoRを決定した。実験に特有の浮遊切断点は、平均NSB比×正規化係数として決定された。図2に示すように、y軸上に平均MoRを、x軸上に濃度をプロットすることにより、各感度実験に対して4PL曲線が生成された。実験に特有の浮遊切断点の濃度は、それぞれの曲線によって決定した。逆算された濃度の対数を決定し、平均およびSDを計算した。
感度の決定
平均=0.10
SD=0.08
平均+t0.05df×SD=0.10+2.015×0.08=0.25
真数=1.8μg/ml
95%の整合性を有する感度は、式:平均+t0.05df×SDを使用して決定され、ここで、t0.05は、5%の偽陽性率に対応するt−分布から決定される臨界値であり、「df」は自由度(N−1)である。
低陽性対照(LPC)の決定:
LPCは、式:平均+t0.01df×SDを使用して感度データセットによって決定された。
平均=0.10
SD=0.08
平均+t0.01df×SD=0.10+3.365×0.08=0.36
真数=2.3μg/ml
さらなる分析のための陽性対照−
高陽性対照(HPC)−4μg/ml
低陽性対照(LPC)−2.5μg/ml
アッセイ精度の決定:
感度データセットは、アッセイ制度を確立するために使用された。精度は、次の部分において評価された。
日内精度−3セットのPC調製物間の変動
日間精度−3日の異なる日における3つの調製物の平均間の変動
分析者間精度−2人の分析者による3つの調製物の平均間の変動
総体精度−2人の分析者による3日の各日において走行する全6セットの変動
結果
MoRの不正確度は、変動係数(CV)として計算されて報告され、および式:標準偏差/平均×100を使用して決定された。
精度は、HPC(4μg/ml)およびLPC(2μg/ml)に対して決定された。
精度データは、表11〜13に示されている。
内精度および間精度の両方が、両PCレベルにて<20であったため、アッセイは正確であることが見出された。
アッセイ特異性の決定:
ウサギ抗ペプチド抗体をHPCおよびLPC(4および2.5μg/ml)レベルでNPHSにおいてスパイクし、抗RHI抗体とともにアッセイにおいて評価した。2つの特異性実験を2つの異なる日に繰り返した。
ウサギ抗ペプチド抗体PCサンプルはアッセイにおいて陰性であったが、抗RHI抗体PCサンプルは中和活性が陽性であり、したがって抗RHI抗体のアッセイの特異性を確立した。
アッセイ選択性の決定:
選択性は、正常なプールされたヒト血清サンプルと共に、10個の個々の正常ヒト血清サンプル(5匹の雄+5匹の雌)を用いて評価した。各サンプルに、抗RHI抗体をLPCおよびHPCレベルでスパイクし、NAbアッセイにて分析した。2つの異なる日に2回の実験が実施された。
結果
i.MoRを各選択性サンプルについて決定した。
ii.浮遊切断点を決定した。
iii.反応≦浮遊切断点を示すサンプルが陽性であると決定した。
選択性データは、表15に示されている。
実験1および実験2では、すべてのHPC選択性サンプルは中和活性が陽性であったが、10個のLPCサンプルのうち3個は中和反応が陰性を示し、一方、実験2において、LPC選択性サンプルはすべて中和反応が陽性であった。したがって、HPCサンプルの100%およびLPCサンプルの85%は、中和反応に対して陽性であった。NPHSにおいて調製したLPCおよびHPCサンプルは両方の実験において陽性であった。
疾患マトリクスにおけるアッセイ選択性の決定:
HPCおよびLPCレベルにて、6つの個々のTI DM患者サンプル(男性4人および女性2人)に抗RHI抗体をスパイクすることによって、疾患マトリクスにおける選択性を評価した。
プールされた疾患マトリクス(12個体のプール)およびNPHSの6つの疾患マトリクスにおけるHPCおよびLPCサンプルは、陽性中和反応を示し、これは、アッセイが抗RHI検出の検出に選択的であることを示唆している。
薬物許容量の決定:
1型糖尿病患者のRHI療法におけるCmaxは、約100mU/Lであり、これは3.5ng/mlのRHIと同等である。両方のレベルでの抗RHI抗体は、500ng/mlまでのRHIと複合体化したが、これは予想されたCmaxより約140倍高い。HPCおよびLPCの複合体を5、10、50、100および500ng/mlのRHIで調製した。サンプル処理後のRHIの消耗および抗RHI抗体の回収の評価は、MSDベースのRHIアッセイおよびELISAベースの抗RHIアッセイによってそれぞれ実行された。
免疫複合体(サンプル処理後)も中和アッセイで評価した。2つの異なる日に2回実験を実施した。
実験1では、HPCとLPCを10、100、および500ng/mlのRHIと複合体化させたが、実験2では、HPCとLPCを5、10、20、50および100ng/mlのRHIと複合体化させた。両方の実験において、複合体を含まない抗RHI抗体を対照として試験した。
消耗されたRHIの評価:
サンプル処理後のRHIの消耗は、MSDベースのRHIアッセイによって評価された。このアッセイは、処理された、または未処理のサンプル中のRHIがMSDプレート上にコートされた抗RHIモノクローナル抗体によって捕捉され、さらにSulfoTag標識抗RHIモノクローナル抗体によって検出されるサンドイッチアッセイである。サンプル処理後のRHIの消耗データを表17に示す。
炭処理によるRHIの消耗は、図3に表されている。
サンプル処理後のNAbの回収の評価:
サンプル処理後の免疫複合体からのNAbの回収は、抗RHI ELISAによって決定された。
中和アッセイによる薬物許容量の評価:
i.MoRを各薬物許容量について決定した。
ii.浮遊切断点を決定した。
iii.MoR≦FCPのサンプルがRHIに抗する中和反応に対して陽性であると決定した。
90%以上のRHIの消耗が、サンプル処理後に免疫複合体から観察された。非複合体サンプルからの処理後のNAbの回収率は60%までであり、RHIの5〜100ng/mlの存在下でHPCの回収率は53〜63%の範囲であったが、500ng/mlのRHIの存在下では、回収率はわずか41%であった。0〜100ng/mlのRHIを有する複合体からのLPCの回収率は43〜54%の範囲であったが、500ng/mlのRHIの存在下でのそれはわずか36%であった。
消耗および回収データは、実験1のLPCにおいて500ng/mlのRHIの存在下で陽性中和反応を示さなかった中和アッセイデータと相関していた。HPCは、500ng/ml(16.5U/Lt)のRHIまで、およびLPCは、100μg/ml(3.3U/Lt)のRHIまで許容することが見出された。

Claims (18)

  1. 血清サンプルを分析することにより組み換えヒトインシュリン(rHI)中和抗体の存在を検出するためのインビトロの方法であって、以下のステップ:
    (a)血清サンプルを前処理すること;
    (b)以下のステップ:
    i.rHIの受容体を有する細胞を播種すること;
    ii.細胞を飢餓させること;
    iii.rHIおよび前処理された血清サンプルと細胞の集団を接触させること;
    iv.細胞を溶解し、および透明な溶解物を調製すること;および
    v.インシュリン受容体のリン酸化について溶解物の評価すること
    を含む、細胞ベースのアッセイ;および
    (c)リン酸化の量を浮遊切断点と相関させること、
    を含む、前記方法。
  2. ステップ(a)が、以下のステップ;
    i.酸解離および炭処理
    ii.中和およびPEG処理、および
    iii.ペレット再懸濁
    を含む、請求項1に記載の方法。
  3. 酸解離が、血清サンプルを酢酸およびデキストラン炭溶液で処理することを含む、請求項2に記載の方法。
  4. サンプルが、室温で約30分間、約180rpmで振とうすることで培養される、請求項3に記載の方法。
  5. 中和およびPEG処理が、以下のステップ:
    i.約4℃で約10,000rpmで約10分間スピンさせること;
    ii.上清を移し、1Mトリス緩衝液および40%PEG溶液を添加すること;および
    iii.約180rpmでオービタルシェイクしながら室温で約30分間培養すること、
    を含む、請求項2に記載の方法。
  6. ペレット再懸濁が、以下のステップ:
    i.約4℃で約6,000rpmで約20分間スピンさせること;
    ii.上清を捨てること;
    iii.PBSを添加すること;および
    iv.約10分間超音波処理すること、
    を含む、請求項2に記載の方法。
  7. 細胞が、rHIの少なくとも1つの受容体を含む任意の細胞株から選択される、請求項1に記載の方法。
  8. 細胞株が、MCF 10AおよびMCF−7、より好ましくはMCF−7ヒト乳腺腺癌細胞株から選択される、請求項7に記載の方法。
  9. 細胞が、ウェル当たり0.05×10個〜0.5×10個、好ましくはウェル当たり約0.2×10個の範囲の密度を有する、請求項7に記載の方法。
  10. 細胞が、DMEM:F12増殖培地に播種され、約5%のCOを含む加湿空気中で約37℃で12〜16時間の間培養される、請求項1に記載の方法。
  11. 細胞を飢餓させることが、グルコースを含まない増殖培地中において約18時間〜約26時間行われる、請求項1に記載の方法。
  12. 接触させるステップが、加湿CO培養器中でグルコースを含まないDMEM中、室温で約5分〜約30分間行われる、請求項1に記載の方法。
  13. rHIの濃度が、約10ng/mL〜約30ng/mL、好ましくは20ng/mLである、請求項1に記載の方法。
  14. 溶解が、溶解緩衝液において室温で約10分間実行される、請求項1に記載の方法。
  15. インシュリン受容体のリン酸化が、電気化学発光(ECL)ベースのアッセイを使用して検出され、および評価される、請求項1に記載の方法。
  16. 相関させるステップにおいて、リン酸化の量が浮遊切断点より少ないかまたは等しいときにサンプルが陽性である、請求項1に記載の方法。
  17. 浮遊切断点の決定が、以下のステップ:
    i.RHIの存在下および非存在下において、細胞集団を正常ヒト個体血清サンプルと接触させること;
    ii.各サンプルについて反応の大きさを決定すること;および
    iii.反応の大きさの平均に正規化係数を乗ずること、
    を含む、請求項1または16に記載の方法。
  18. 血清サンプルを分析することにより組み換えヒトインシュリン(rHI)中和抗体の存在をインビトロで検出する方法のためのキットであって、前記方法が、以下のステップ:
    (a)血清サンプルを前処理すること;
    (b)以下のステップ:
    i.rHIの受容体を有する細胞を播種すること;
    ii.細胞を飢餓させること;
    iii.rHIおよび前処理された血清サンプルと細胞の集団を接触させること;
    iv.細胞を溶解させ、および透明な溶解物を調製すること;および
    v.インシュリン受容体のリン酸化について溶解物を評価すること;
    を含む、細胞ベースのアッセイ;および、
    (c)リン酸化の量を浮遊切断点と相関させること、
    ここで、前記キットは、PBS中で作られたPEG6000(40%);PBS中で作られたデキストラン炭(3%);抗インシュリンポリクローナル抗体(PAb);600mM氷酢酸(pH2.5);1Mトリス緩衝液(pH9.5);リン酸緩衝生理食塩水(PBS);および組み換えヒトインシュリンを含む、
    を含む、前記キット。
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