JP2018531098A6 - 電気神経刺激を用いる皮下注射のための方法および装置 - Google Patents

電気神経刺激を用いる皮下注射のための方法および装置 Download PDF

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Abstract

対象に薬を注入するためのシステム(5,405)が提供される。システム(5,405)は、流体容器から針への流体の流れを制御するための注射システム(50,450)を含む。センサ(20)は、針内の流体圧力を示す特性を検出する。注射システム(50,450)は、センサ(20)によって検出された特性に応答して針への流体の流れを制御し、センサ(20)は、針が対象に挿入されるときに特性を連続的に検出する。システムは、注射システムに接続されるライトアセンブリ(100)を含み得る。ライトアセンブリ(100)は、針内の流体圧力を示す連続可変信号を出し得る。システム(5,405)は、針を特定の速度で挿入するためにオペレータに合図を出す機構をさらに提供し得る。システムは、電気神経刺激を与えるための導電性要素(334)をさらに含み得る。

Description

優先権主張
本出願は、2016年3月7日に出願された米国特許出願第15/062,685号および2016年4月28日に出願された米国特許出願第15/141,231号の一部継続出願である。本出願はまた、2015年10月16日に出願された米国仮特許出願第62/242,745号の優先権を主張する。上記の特許出願の各々の開示全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、一般には薬物の送達の改善に関し、特に身体への/からの皮下注射/吸引用のシステムに関する。より具体的には、本発明は、針を皮下に配置する間に医師/医療実践者(medical practitioner)にフィードバックを提供する注射を行うための方法およびデバイスを提供する。
様々な医学的処置において、麻酔薬または鎮痛薬などの医療用溶液/医療用液剤を注射するために特定の領域に針を配置することが望ましい。そのような二つの例は、硬膜外組織空間の局所麻酔ブロックおよび末梢神経ブロック(別言すると、末梢神経遮断)(PNB:peripheral nerve block)である。硬膜外に関して効果的な局所麻酔を達成し、中枢神経系への神経伝達を遮断するためには、脊柱の特定のレベルで、硬膜外「腔」として知られる解剖学的部位内に適切な量の局所麻酔薬液剤を脊髄に近接させて配置しなければならない。末梢神経ブロックでは、標的神経が識別され、針は、この神経に近接して配置され、この神経に麻酔薬を送達する。これらの処置の各々には、関連する解剖学的構造に関連する問題がある。
硬膜外腔は、硬膜およびその内容物によって占められていない脊柱管の部分である。これは、硬膜と、脊柱管の内側を覆う骨膜との間にある。それは、大後頭孔から仙骨裂孔まで延びている。硬膜内の神経前根および神経後根は、硬膜外腔を通過して椎間体(椎体)および椎間円板内で合わさる。側方では、硬膜外腔は、椎弓根の骨膜および椎間孔に隣接している。後方は、薄層の前面の骨膜、関節突起およびそれらの接続靭帯、脊椎の根の骨膜、ならびに黄色靭帯によって埋められた層間空間が隣接する構造である。この空間は、静脈叢および傍脊椎腔(別言すると、脊椎傍隙)の脂肪と連続している脂肪組織を含む。
硬膜外の流体充満空間(後硬膜外腔)は、椎骨および脊柱の断面に関して数平方ミリメートルで測定される不規則な形状を有する限られた解剖学的領域である。狭い流体充満空間には、脊柱の硬膜が近接し、黄色靭帯が隣接している。したがって、硬膜外用の針の挿入中に、黄色靭帯の貫通後に硬膜外用の針の先端が流体充満空間に入った時点を知ることが望ましい。先端が流体充満空間に入った後に針を挿入し続けると、針が硬膜を穿刺する可能性がある。
臨床医は、椎骨間の脊柱の適切なレベルで脊柱を触診する。局所麻酔薬は表層組織内に配置され、それによって組織は局所的に麻酔される。このとき、真皮がTuohy針を使用して穿刺され、臨床医がシリンジのプランジャに圧力を加えるのと同時に針は前進させられる。プランジャへの圧力により、意図せずに、或る量の流体が、針から組織内へと連続的に出ることになる。
残念ながら、硬膜外処置が適切に行われない場合またはこの処置を行っている間に注意散漫である場合、針は、所期の標的を越えて前進し、脊髄を損傷させる可能性がある。全注射の2〜3%が所期の標的を越えて硬膜に貫入し、その結果、針が脊髄液空間に直接接触し、場合によっては、生命にかかわる事態につながる、脊髄への直接接触が起こり得ることが知られている。したがって、針を硬膜外腔内へと配置する処置の全体にわたって針の正確な位置を監視するために、処置の全体にわたって的確且つ慎重な視覚的注意が維持されるべきである。
さらに、硬膜外腔に配置された後に、シリンジの除去または患者若しくは医者の手の不意の動きのいずれかによってTuohy針が動いた場合に、針が、知らないうちに硬膜外組織空間の外に出るか、あるいは最悪の場合は脊髄の硬膜内へと前進させられて、「ウェットタップ(wet−tap)」と呼ばれるものが生じる可能性がある。これは、長期間の危険な結果を患者にもたらす可能性がある。最初に硬膜外腔に適切に配置された場合であっても、麻酔薬液剤の注射中に針がさらに前進すると、針は麻酔薬液剤のボーラス(別言すると、薬物適用量一回分,薬物全量一度投与量)を脊髄内に配置し、その結果、一時的なまたは永久的な神経の損傷が生じる可能性がある。
上に述べた欠点に加えて、圧力監視は、組織への貫入中に組織内での針の前方移動の影響を受け得る。針を組織内に前進させるとき、ニュートンの物理の第三法則に従って反作用のヘッド圧(counter−active head−pressure;別言すると、反作用の筒先圧力)が生じる。針を組織中に前進させるとき、針の先端から放出される流体のヘッド圧に対してバイアス反力(biasing counter force)が生じる。この反力は、圧力監視が組織内への前進および薬物の注射中に連続的且つリアルタイムに行われる場合に、特に出口圧力測定を不正確にする。身体組織内への針の前進が一定でないと、圧力スパイクが生じ、不正確な圧力測定が、最大出口圧力の誤確認につながり得る。
図12を参照すると、末梢神経系の微細構造が示されている。中枢神経系および末梢神経系の両方の基本的構成単位は、軸索として一般に知られている単細胞単位である。脳および中枢神経系は、何百万という軸索から構成されている。脳幹および脊髄の中枢神経系の分岐は、軸索によって感覚経路および運動経路のネットワークを形成する高度に組織化された軸索の集合である。この経路ネットワークは、末梢神経系と総称されている。
末梢神経系では、個々の軸索それぞれは、神経内膜と呼ばれる支持結合組織によって取り囲まれている。神経内膜内には、これらの軸索に栄養を供給する小血管(毛細血管および細静脈)が含まれている。軸索は、神経周膜と呼ばれる膜構造を取り囲んで形成する、薄いが高密度の多層の結合組織鞘(別言すると、結合組織の覆い)に取り囲まれた、高度に組織化されて包まれた束として集合的に形成される。神経周膜は、軸索および神経内膜をある程度保護する、物理的障壁および化学的障壁の両方である高密度の保護層を提供する。この障壁は、血液脳関門に似ている。
神経内膜および神経周膜のこの個別単位(言い換えると、分離性の単位)は、末梢神経束と呼ばれる。神経束は合わさると、場合によっては内側神経上膜と呼ばれる結合組織である神経上膜に包埋された神経束の束を形成する。複数の神経束群は、結合組織(線維脂肪組織)の不均一なマトリックスおよび密性結合組織/緻密結合組織の外周と一緒に粗く配置された中血管に包埋されている。この付加的な高密度でより高度に組織化された線維組織層によって集合的に取り囲まれた束状神経束構造は、末梢神経の中身を収容し、外側神経上膜(outer epineurium)として知られている。
外側神経上膜は、外層と隣接構造とを接続している。疎性結合組織は、神経と、外側神経上膜に関連する周囲組織/周辺組織との間の空間を満たしている。したがって、外側神経上膜の外にはさらなる多層境界があり、これは、神経の軌跡全体に沿って延び、神経の滑走組織(paraneurium)として知られる神経以外の結合組織から構成されている。神経の滑走組織は、筋骨格が動く間に神経が他の解剖学的構造に対して滑ることを可能にする別個の多層機能構造である。
神経枝の位置特定を助けるために、1912年に電気刺激が提案された。電気神経刺激は、神経伝達が神経(軸索)に沿った電気化学的な興奮反応であるという理解から導入された。身体に電流刺激を与えることで、神経の感覚要素および運動要素の両方の間接的な興奮を誘発することができた。これは電気刺激が与えられたときに目に見える筋収縮をもたらすことを知見させた。電荷の周波数および強度の調節は、神経枝によって神経支配された筋肉群の収縮および弛緩をもたらす。特定の神経の神経反応を起こすための間接的な電荷のこの使用は、加えられる電流の様々なパラメータを臨床医が正確に制御することができなかったため、それほど受け入れられなかった。以下を含む、神経刺激が最初に導入されたときに知られていたのと同じ欠点が今日でも存在する。
すなわち、神経枝の位置特定の主要な手段として神経刺激を使用するときに、神経枝の表面に対して所与の距離で加えられる電荷を正確に調節することができないことで、神経刺激は特定の神経枝の識別に制限されていた。盲目的に神経枝に近づけるとき、特定の距離では、2.0mA〜0.2mAの強度の範囲の様々な電荷強度が推奨されている。しかしながら、目に見える筋単収縮反応によって確認される距離と強度とは相関しない。したがって、より大きな刺激に対する反応は、針が所期の神経枝に対してより大きな距離にあることを必ずしも意味しない。また、より低い電荷に対する反応も、針が表面の神経以外の位置により近いことおよび/または針が神経内に位置する(即ち、神経内位置に到達した)ことを意味しない。実際、所与の距離で神経に適用される強度、周波数、および持続時間にかかわりなく、加えられた電荷に対する反応に基づく、針の位置(神経内であるか神経外であるか)にはコンセンサスがないと思われる。
神経刺激技術のさらなる欠点は、神経束の外面(即ち、外神経束(extra−fascicular);別言すると、神経束外)からの決められた距離に適した電荷を設定することができないことである。内神経束(Intra−Fascicular)(別言すると、神経束内)で1.0mAを上回る高い電荷が利用される場合がより懸念される。これは、それによって患者に激しい反応が起こり得るからであり、さらに悪い場合は、軸索に直接加えられる過度の電荷によって不可逆的な損傷が生じ得るからである。したがって、神経束からの特定の距離に関してどの程度の適切な電荷を加えるべきかを決定することができない。
さらなる欠点は、交絡変数が神経刺激の使用を非特異的な技術にすることである。これらは、所与の患者内の解剖学的変動および異なる患者間の解剖学的変動に関連する。身体は、石灰化した組織および石灰化していない組織の結合組織を含む様々な種類の組織から構成されている。これらの組織は、水とコラーゲン、脂肪組織(脂肪)、筋肉、体液(血液)、骨、軟骨などから構成されている。これらの種類の組織の各々は、所期の標的に対して所与の距離で電荷が加えられたとき、電荷に対して異なる抵抗および/または静電容量をもたらす。組織の変数を過小評価することまたは予測することはできない。したがって、現在のデバイスは、特定の位置に対して特定の電荷を定量化する能力がない。これは、特定の神経の位置またはこれへの近接を測定する主要な手段として使用されるときに所与の電荷に対する予測可能な反応を起こすことができないことの原因となっている。
要約すると、電荷の強度、周波数、および電荷に対する組織の抵抗の変数は、特定の神経枝の位置特定を可能にする技術を標準化することを困難にしている。
従来技術の欠点を踏まえて、本発明は、注射、特に、筋膜または結合組織の狭い層によって身体内に含まれる流体充満空間を識別するように行われる注射の信頼性および安全性を向上させる注射システムを提供する。情報を与えることによって、特に、針の進入位置で患者の表面に投射される圧力の連続的な監視によって、オペレータは、出口圧力、流量、警告、出口圧力閾値の変化、および一般的には他の場所に表示される重要な情報などの重要な注射パラメータを取得しながら、針の移動を慎重且つ連続的に監視することができる。これにより、オペレータは常に注射部位への視覚的な集中を維持することが可能となる。
さらに、別の態様によれば、本発明は、オペレータが、注射部位で患者の表面に投射される視覚式の情報を同時に受け取りながら、針の挿入に関して連続的にガイドされる機構を提供することができる装置および方法を提供する。これにより、オペレータは、正確な目と手の協調を連続的に維持できるように針および注射部位の視界を連続的に維持することが可能となる。この情報は、色の変化、画像、数字、単語の様々な形式、並びにこれらの形式の強度、明滅、調整された点灯パターンなどを含む視覚的変化で提供され得る。
さらなる態様によれば、本発明は、対象へと注入されている最中の流体の流体圧力を連続的に監視する注入デバイスを提供する。そのとき、圧力抵抗の測定値が、連続的に視覚信号へと変換されてもよい。そのとき、測定値は、正しい組織へと注射が送達されているか否かを医療専門家が判断するまたは確認することができるように医療専門家に提示される。さらに、後の確認および臨床事象の文書のために測定値はまた記録もされる。このプロセス中に過度の圧力および/または流量が使用されないことを保証するために、圧力の上限および流量の制御を予め決めることができる。
さらなる態様によれば、本発明は、出口圧力を計算するときに反ヘッド圧(counter−head pressure;別言すると、反筒先圧力)を利用するための方法および装置を提供する。反ヘッド圧(反筒先圧力)は、針の挿入速度に関連する。したがって、システムは、針の挿入速度を制御する機構を含む。特に、システムは、針上のマーキングおよび針の適切な挿入速度を促すための聴覚的合図または視覚的合図を含んでもよい。
さらに、本発明の別の態様は、マークキングされた針が接続されるハンドピースであって、針が皮膚または身体の他の部分に貫入するときに針の表面上のマーカーに基づいて、針の前進に対して出される視覚信号または可聴信号と決められた前方移動との協調を可能にするために、明滅若しくは視覚的指示を提供するLEDライト若しくはディスプレイスクリーンなどの小さな表示ならびに/またはビープ音を出す若しくは間欠的であり得る可聴音を出すスピーカを収容するように設計されたハンドピースを提供する。リアルタイム出口圧力監視の計算に提供される発生反ヘッド圧(発生反筒先圧力)の精度を向上させるために、可聴的なリズム/拍子/速さおよび視覚的なリズム/拍子/速さは、針の前進速度を規定し、前方移動に調整され得る。
本発明の一態様は、神経束内の針の配置と神経束外の針の配置とを区別するための機構を提供する。
本発明の別の態様は、神経刺激の目的で、使い捨てのシリンジおよびチューブを通って針の先端に至るイオン溶液によって伝達される電流電荷である。
本発明のさらなる態様は、末梢神経ブロック(別言すると、末梢神経遮断)を行うとき、針の先端が神経束に入るのを防ぐために、組織を通って移動する針の前進中に針の先端から一定の流体の流れを供給するシステムである。針の先端からの一定の流体の流れは、針が前進するときに針の先端から密性構造を離すまたは押し退ける手段として機能する。
本発明のさらに別の態様は、針の先端の圧力を同時に連続的に測定しながら、針を組織の中へと進入させ組織中を進行させるときに針に加わる、バイアス反ヘッド圧(別言すると、バイアス反筒先圧力)の力を予防するために組織内への針の前方移動の決められた速度またはペースを提供するシステムである。
本発明のさらに別の態様は、針が前進させられていないときに反ヘッド圧(反筒先圧力)が出口圧力の計算から差し引かれないようにする。ハンドピースのボタンまたは制御部はまた、ヘッド圧の計算から反ヘッド圧(反筒先圧力)が差し引かれる前方移動に対応して作動されてもよく、この結果、針を前方移動させているときと、針を組織内に静止させ続けているときとを区別する手段が提供されることが理解される。
本発明はまた、マーキングされた針が接続されるハンドピースであって、前記針を前進させる前記速度に合わせて明滅するおよび/またはビープ音を出す小さなLEDライト若しくはディスプレイスクリーンおよび/またはスピーカを収容するように設計されたハンドピースを提供する。ハンドピースは、流量、電流刺激を制御する入力要素を有し、駆動ユニットのCPUと通信してもよい。さらに、ハンドピースは、CPUからオペレータにコマンドまたは信号を伝達するためにハンドピースを振動させる振動チップまたは振動要素を有してもよい。この振動感覚は、控えめであると共にオペレータが応じるべきコマンド警告または信号を示すことができる。ハンドピースはまた、追加の表示情報に対する出力表示を含んでもよい。
本発明はまた、電気刺激をトリガするために75mm/Hg〜500mm/Hgの最大背圧の範囲を使用する、末梢神経ブロックを提供するための注射デバイスを提供する。圧力範囲内の特定の圧力値が検出されたとき、電流の不連続の瞬間的な放出が行われてもよい。この信号は、規定された圧力範囲内の特定の圧力値で電流の不連続の瞬間的な放出を制御するためのものである。
別の態様によれば、システムは、マーキングされた針の組織内への前方移動の速度(ペース)に対して決定されてこれに相関する、CPUに設定されたバイアスヘッド圧値(別言すると、バイアス筒先圧力値)を使用する。バイアスヘッド圧値(バイアス筒先圧力値)は、計算され、連続的な流れおよび圧力監視の同時使用中の前方移動に起因する針の反ヘッド圧値(反筒先圧力値)から圧力バイアスを除去するために、計算されたヘッド圧値(筒先圧力値)に反映される。
さらなる態様によれば、0.15mA〜2.0mAの間の電流を供給する注射デバイスが提供される。電流は、検出された出口圧力値に応答して供給される。さらに、電荷は、1.0〜10.0秒の間の不連続期間に放出され得る。同時に、電荷が放出されるとき、応答を必要とする制御信号がCPUに送信される。制御信号のための応答の例は、
i)筋単収縮の確認、
ii)薬物を投与する流量のより高い流量への変化
である。
本発明のさらなる態様は、第一の条件(固定流量での特定の出口圧力値)と、出力(指示および警告信号)をもたらすためにオペレータが第三の条件(陽性/陰性の観察)を設定する応答を必要とする第二の条件(放出電流刺激)とを有することである。
本発明のさらに別の態様は、決められた流量の一定の流体の流れと共に2〜20mm/秒の前進速度で針を組織内に前進させる手段を提供するデバイスである。
さらなる態様によれば、本発明は、出口圧力を計算するときに反ヘッド圧(counter−head pressure;別言すると、反筒先圧力)を利用するための方法および装置を提供する。反ヘッド圧(反筒先圧力)は、針の挿入速度に関連する。したがって、システムは、針の挿入速度を制御する機構を含む。特に、システムは、針上のマーキングおよび針の適切な挿入速度を促すための聴覚的合図または視覚的合図を含んでもよい。
さらに、本発明の別の態様は、マークキングされた針が接続されるハンドピースであって、針が皮膚または身体の他の部分に貫入するときに針の表面上のマーカーに基づいて、針の前進に対して出される視覚信号または可聴信号と決められた前方移動との協調を可能にするために、明滅若しくは視覚的指示を提供するLEDライト若しくはディスプレイスクリーンなどの小さな表示ならびに/またはビープ音を出す若しくは間欠的であり得る可聴音を出すスピーカを収容するように設計されたハンドピースを提供する。リアルタイム出口圧力監視の計算に提供される発生反ヘッド圧(発生反筒先圧力)の精度を向上させるために、可聴的なリズム/拍子/速さおよび視覚的なリズム/拍子/速さは、針の前進速度を規定し、前方移動に調整され得る。
本発明の好ましい実施形態の上記の概要および以下の詳細な説明は、添付の図面と併せて読まれるときに最もよく理解される。
薬物送達システムの斜視図である。
注射アセンブリが取り除かれて示されている、図1に示されている薬物送達システムの斜視図である。
図1に示されている薬物送達システムの注射アセンブリの側面図である。
図1に示されている薬物送達システムの代替の注射アセンブリの部分側面図である。
図1に示されている薬物送達システムの概略図である。
薬物送達システムの代替実施形態の概略図である。
図1に示されている薬物送達システムのディスプレイモニタのスクリーンショットである。
薬物送達システムの代替実施形態を含む、患者の脊椎の一部の拡大部分断面図である。
患者への使用に関して示されている、図8に示されている薬物送達システムの概略図である。
図1に示されている薬物送達システムに関連して動作可能な代替の針アセンブリの側面図である。
薬物を使用する硬膜外処置に関する針挿入中の流体圧力対時間のグラフ表示である。
神経線維の束の断面図である。
図2に示されている薬物送達システムの注射デバイスの側面図である。
流体を注射するための方法のフローチャートである。
次に、概して図面を参照し、具体的には図1乃至図3を参照すると、薬物注入システムは、全体にわたって5で示されている。システム5は、使い捨ての注射アセンブリ10と、駆動ユニットと呼ばれるコンピュータ制御の薬物送達機器50とを含む。注射アセンブリ10は、哺乳類の対象に挿入するように構成された挿入針24を含む。注射アセンブリ10は、使用中に注射アセンブリへの流体の流れを制御する駆動ユニット50に接続される。システム5はまた、対象内への針の適切な配置を支援するために処置中に医療専門家にデータを提供する一つ以上の出力機構を含む。
システム5は、硬膜外腔、関節内腔(関節腔)、眼球、嚢胞、血管、および身体の他の流体充満空間などの流体充満組織の位置を測定するように動作可能である。システムはまた、このような流体充満組織に治療薬物/治療薬剤を送達するように動作可能である。この薬物/薬剤は、局所麻酔薬液剤(コルチコステロイドなど)、ヒドロキシアパタイト、同時補充薬物、硬化薬/硬化剤、および治療目的のために一般的に流体充満組織空間に注射される他の薬物を含み得るが、これらに限定されない。
注射された流体は、様々な速度で組織の全体に分散する。その結果、流体圧力が変化する。したがって、この流体圧力(または、組織の抵抗圧に関連する内圧)は、いくつかの種類の組織を示し、またこれらを識別するために使用され得る。
システム5は、実践者が、非標的組織への薬物の配置を制限しながら流体充満組織空間を正確に識別することを可能にする。これは、診断および治療の両方の処置のために行われる。システム5は、配置の正確さを確認するために、また注射(別言すると、注入)または吸引(別言すると、吸入)中の配置を監視するために、針/カテーテルを組織内に配置した後の針またはカテーテルからの流体の圧力を利用する。
具体的には、システム5は、挿入針内の検出された流体圧力の視覚フィードバックを提供するための一つ以上の出力機構を含む。オペレータは、挿入針の配置中の指針として視覚フィードバックを使用する。図1及び図2に示すように、第一の出力機構は、オペレータを助けるためにデータを表示するためのLCDディスプレイなどのビデオディスプレイスクリーンであってもよい。さらに、第二の出力機構を設けることもできる。例えば、第二の出力機構は、処置中に、オペレータの視野内に出力信号を出すように構成された発光要素であってもよい。例えば、第二の出力機構は、針が患者に挿入される部位の近傍で患者に光線を投射するように動作可能な発光要素であってもよい。
注射アセンブリ
図3及び図4を参照すると、システム5は、シリンジ18と、シリンジに接続された第一の端部を有する細長い可撓性チューブ22と、第二の端部に接続された挿入針24とを含む使い捨ての注射アセンブリ10を含む。このようにして、シリンジからの流体は、チューブ22を通って針24へ放出され(別言すると、吐き出され)得る。注射アセンブリ10はまた、注射アセンブリ内の流体圧力を検出するための圧力センサを含む。圧力センサは、針24の先端における流体圧力と相関する圧力を測定するために、いくつかの位置のうちの一つに配置されてもよい。この例では、圧力センサ20は、シリンジとチューブ22との間でシリンジ18に取り付けられたインライン流体圧力センサである。このようにして、圧力センサ20は、流体がシリンジを出て挿入針24が接続されているチューブ22に入るときの流体圧力を検知する。
図1及び図2に示されているシステムのコンピュータ制御の薬物送達システム50は、的確な注射を提供することによって患者に多くの利益をもたらす。出力ケーブル21は、圧力センサ20と薬物送達システム50とを接続し、これにより、薬物送達システムは、圧力センサ20からのデータに応答して、シリンジからの流体の流れを変更することができる。このようにして、薬物送達システム50は、硬膜外の注射、関節間の注射、および他の皮下注射などの様々な用途に対して薬物の正確(別言すると、的確)且つ安全な投与を提供する。接続部12は、第二のケーブル23と、機器50に差し込まれるジャック30とに接続されている。圧力変換器20は、シリンジ18のシリンダの前端19とチューブ22の第一の端部25との間にインラインに(別言すると、一列に並んで直列に,組み込まれて直列に)接続されている。一つの例示的な接続は、圧力変換器20とシリンジの先端とを接続するためのルアー(別言すると、ルーアー)接続である。接続は、ねじ接続および/またはルアーロック(別言すると、ルーアーローク)などの不可逆的なねじ接続によって固定されてもよい。代替的に、この例では、圧力変換器20は、プラスチック溶接または接着剤などの化学結合によってシリンジに永久的に固定される。このようにして、薬物送達ライン22内の瞬間的な実際の流体圧力が機器によって検知および使用され、それは、針24の先または先端における、したがって先端が配置された患者の身体内の位置における実際の瞬間的な流体圧力に近い近似値を提供する。電子圧力変換器20は、圧力測定値を収集する中央ユニット50に直接接続された電子データケーブル21,23を介して圧力データを提供する。
使い捨ての注射アセンブリ10は、すべての構成要素が接続され、そしてこの例では接続が永久的である一回使用の使い捨てのセットとして提供される。例えば、注射アセンブリの構成要素は、グルー(即ち、膠)、エポキシ樹脂、または他の接着剤によって互いに溶接または接着/接合されてもよい。すなわち、シリンジ18は、電子圧力センサまたは変換器20をシリンジ18とチューブセット22との間に永久的に接着/接合してチューブセット22に永久的に接着/接合される。この使い捨てのアセンブリ10は、ユニットとして使用され廃棄される。それは、第二のコネクタ16によって駆動ユニット50にさらに接続され、第二のコネクタ16は、許可された使い捨てのアセンブリ10のみが使用され、これが一度だけ使用されることを保証するためにコネクタ14に差し込まれ得る。
電子圧力変換器20は、様々な圧力センサのいずれかであってもよい。例示的なセンサの一つの種類は、Meritrans(登録商標) Pressure Transducer(品番 MER212)などの、メリットメディカルシステムズ社(Merit Medical Systems,Inc.)から入手可能なセンサなどの圧電式圧力センサである。
好ましい実施形態では、針の永久的な取り付けは、実践者が特定の目的のために好ましい針を選択することができるように任意選択であってもよい。構成要素は、個別に組み立てられるか、あるいは好ましい実施形態では互いに膠着(即ち、接着/接合)されて、適切な使い捨ての構成要素が選択されていることを保証する一回用の使い捨ての構成品(別言すると、装置,仕組み)として提供される。
好ましい実施形態は、接着/接合された使い捨ての構成品/装置/仕組みである。機器50に関連して様々な構成が使用され得ると期待される。これらは、異なるサイズの構成要素、すなわち、針、シリンジ、チューブセット、および圧力変換器からなる。システムは、各注射アセンブリの詳細(例えば、針のサイズ、チューブの長さなど)を一意的に識別する識別コネクタを組み込んでもよい。識別コネクタを組み込むことで、使用される使い捨ての構成品/装置/仕組みが確認されると共に識別される。これは、適切な構成要素および/または薬物の使用を促進するシステムのための確認/検証を意味する。薬物を予め充填したシリンジ18を注射アセンブリ10に供給できるし、所望の薬物、生理食塩水、または他の流体を現場で充填できるように空のシリンジを供給できると期待される。予め充填したシリンジ18の場合、識別コネクタ12は、シリンジ内に含まれる薬物に関する情報を(マイクロチップ内に)含む。
図4は、代替の使い捨ての注射アセンブリの一部を示す。この実施形態は、選択された解剖学的部位への特定の種類の注射のために選択された針24に着脱自在に接続される雄型のルアーロック(別言すると、ルーアーローク)などのコネクタを有し、且つチューブ22の第二の端部に固定された軸方向に細長い剛性を備えるプラスチック製の滅菌のハンドル27を含む。この実施形態の細長いハンドル27は、特に回転制御によって、針を配置する際の手動制御および操作性(別言すると、器用さ)を向上させる。これは、IA注射(即ち、下歯槽注射)に特に役立ち、硬膜外の注射および他の種類の注射を改善することもできる。約122cm(約48インチ)の長さのチューブ22に対して、細長いハンドル27の長さは、好適には約15cm(約6インチ)であり、またその好ましい範囲は、約10〜20cmである。
自動流体送達システム
上で説明したように、システム5は、制御された薬物/薬剤の流れを注射アセンブリ10に供給するための流体送達システム50を含む。好ましくは、流体送達システムは、自動システムであり、この例では、駆動ユニット50と呼ばれるコンピュータ制御の流体送達システムである。
図1乃至図4を参照すると、駆動ユニットは、使い捨ての注射アセンブリ10に関連して動作するように設計されている。駆動ユニットは、図2に示すように駆動ユニット50の上面に配置された半円筒状のシリンジ受け台52を有する。受け台は、注射アセンブリ10のシリンジ18を受け入れるように構成されている。一対のばね押しクランプ(別言すると、ばね仕掛けの留め具)は、シリンジと係合して、シリンジを受け台52内に保持する。受け台の横方向スロットは、シリンジバレルの端部にあるフィンガフランジ88に係合するように構成されている。このようにして、バレルのフィンガフランジは、スロット55と協働して、シリンジバレルが受け台52に対して軸方向に変位するのを防止する。受け台52は、シリンジ18のプランジャ70を受け入れるように構成された部分をさらに含む。図1に示すように、受け台は、プランジャがプランジャバレルの後端へ引き出されているときにシリンジのバレルおよびプランジャを受け台が受け入れることができるように細長くされている。より具体的には、受け台の長さはシリンジの最大伸長長さよりも長く、これにより、シリンジは、プランジャがバレルからその最大長さまで引き出されているときに、受け台がプランジャに係合しない状態で受け台内に配置され得るようになっている。
駆動ユニット50は可動ステージ58を含み、可動ステージ58は、ステージ58に旋回可能に取り付けられた、三つのばね押しの(別言すると、ばね仕掛けの)親指フランジ受け具若しくはフック60を有する。駆動ユニット50は、可動ステージの変位を制御して、シリンジからの流体の放出を制御する。具体的には、ステージ58は、プランジャ70をシリンジのバレル内へと前進させるために受け台52の軸に沿って移動可能である。最初に、ステージ58は、前方に駆動されてプランジャと係合する。特に、ステージは、三つのフックの斜面がプランジャ70の親指フランジ72に係合するまで前方に(図1の視点では右側に)変位される。ステージ58を継続して変位させると、親指フランジは、フックが半径方向外側に親指フランジの外径を越えて広がるまでフック60を半径方向外側に押し広げる。ステージ58を継続して前進させると、フック60の傾斜面は親指フランジ72を通過し、その時点でフックは親指フランジ72の下方に向かってスナップして閉じ、この結果、ステージは親指フランジに能動的に係合し、これによりステージの変位がプランジャを変位させるようになる。
ステージ58が親指フランジを乗せて連結した後、駆動ユニット50のセンサはステージ58のさらなる移動に対する抵抗を検知し、ステージは停止する。この時点で、プランジャ70は、親指フランジ72への受け具60の係合によって、効果的にステージ58に軸方向に固定される。したがって、ステージ58を右方向にさらに移動させると、プランジャ70も右側に移動して、シリンジ本体から流体を放出する(別言すると、吐き出す)。同様に、ステージを後退させる(即ち、図1の視点では左側に移動させる)と、流体は吸引されてシリンジ本体内に戻る。
アセンブリ10の圧力センサ20は専用コネクタ12に接続され、コネクタ12はジャック30を介してユニット50に接続される。駆動ユニット50は、マイクロプロセッサ若しくはCPU82、電子回路基板92、電源94、並びに電子モータ若しくは複数の電子モータ96(図5及び図6に示すように二つのシリンジが収容され得るため)を収容する。各電子モータ96は、シリンジアーマチュア90を正方向または逆方向に移動させる螺旋シャフト98を回転させる。シリンジアーマチュア90は、力を検出するためのロードセルセンサを含む。アーマチュア90は、ステージをいずれかの方向に移動させるためにステージ58に接続されている。また既に言及したように、使い捨ての注射アセンブリ10は、識別−接続構成要素12、シリンジ18、インライン圧力変換器20、チューブセット22、および針24を備える。
駆動ユニット50は、一定または可変の流体の流れを供給するように動作可能である。この例では、駆動ユニットは、挿入/注射処置中に流体の圧力を連続的に検知する電子圧力変換器20から受信した信号に応答して非連続的な流体の流れを供給ことができる。所定の圧力に基づいて、駆動ユニット50は、検出された圧力が予め決められた閾値を超えたときに流体の流れを停止させることができる。予め決められる閾値は、実践者によって設定されてもよく、また駆動ユニット50内の電子回路のマイクロプロセッサまたはコンピュータ82のメモリ80に記憶されてもよい。同様に、所定の圧力に基づいて、流体圧力が所定の圧力を下回ったときに、流体の流れが再開される。同じ所定の圧力が、流体の流れの停止および再開を制御するために使用されてもよい。そのような場合、流体が最初に組織に入ったときに圧力は所定のレベルまで上昇し、次に、圧力がこの所定のレベル未満に低下するまで(流体は)停止される。流体圧力が所定のレベルを下回ると、流体の流れが再開される。このようにして、流体の流れは、処置中に開始および停止され、非連続的な流体の流れを形成してもよい。
システムは、処置中にシリンジ18からの薬物/薬剤の流れを制御するために使用される予め決められた圧力閾値を含むことができる。これにより、臨床医は、診断および治療の処置のために薬物を特定の部位および所期の組織に選択的に注射することが可能になる。予め選択された最大の許容可能な圧力限界および/または流量は、メモリ80に記憶され、患者が通常は許容する(別言すると、我慢する)最大推奨圧力または他の基準のいずれかを規定する。圧力がこの限界に近づくと、臨床医に対して、視覚的なおよび/または可聴的な警報が生成される(即ち、マイクロプロセッサ82からのデータによって作動されるスクリーン62およびスピーカ84において。さらに、注射プロセス全体を記述するデータが、将来の分析のためにメモリ80に記憶される。
システム5は、注射アセンブリ10内の流体圧力を直接測定してもよいし、あるいはシステムは、注射アセンブリ内の流体圧力を示す特性を測定してもよい。例えば、圧力は、注入中に測定される圧力抵抗を検出することによって測定されてもよい。測定された圧力抵抗は、挿入処置の間、連続的に視覚信号に変換される。しかしながら、処置中の薬物/薬剤の流量は、処置中にリアルタイムで検出される流体圧力に基づいてもよい。したがって、薬物/薬剤の流量は、可変であり、システム内の圧力に依存する。このように、流体圧力は、システムの主要な制御変数であり得る。
したがって、流量は、所望の流体の流れを維持するために所定の範囲内に調整される補助的な変数になる。一つの特定の実施形態では、圧力が所定の閾値(最大圧力)を超えると、流体の流れは停止される。流量は、補助的な変数として、低圧条件下で流体の注射が過度に急速に行われないように制限されてもよい。圧力と流体流量との関係は二値的(別言すると、二変数的)であっても連続的であってもよいと考えられる。二値的な関係は、注射デバイスが予め設定された最大値よりも小さいどのような圧力の場合でも単一の所定の流量で流体を送達するように構成されているときに成立する。したがって、流体の流れは、圧力が閾値を超えているか否かに基づいてオンまたはオフされる。代替的に、流量は、圧力に応じて調整されてもよい。この場合には、流量は、最大圧力に近づくに従って低減され、圧力が低下するに従って増加される。任意選択で、流量は第一の予め設定された最大圧力に制限されてもよく、流量は第二の異なる所定の圧力で回復されてもよい。
上で言及したように、システム5は、駆動ユニット50のスクリーン62上に、例えば瞬間的な流量、圧力、および注射量を含む関連する注射データを表示するための機構を含むことができる。同様に、システムは、処置が行われた後に後の分析のためにこのような情報を記録するための機構を含むことができる。例えば、システムは、ハードドライブ、フラッシュドライブ、光学ドライブ、または電子データを記憶するための他の媒体などの不揮発性電子記憶媒体を含むことができる。
すべての測定値および情報を臨床医に「リアルタイム」で提示することができるため、臨床医は、注射が所期の位置および/または正しい組織に送達されているか否かを判定し、これに応じて注射技術を変更することができる。さらに、後の確認および臨床事象の文書のために測定値を記録することができる。
別々のシリンジプランジャによって駆動される複数のシリンジが複数の薬物の注射を可能にするために使用されてもよく、また、前記目的のために所定の圧力に達することを必要としない第二のシリンジ駆動装置が使用されてもよい。第二の駆動装置は、局所麻酔薬および他の治療薬物などの薬物を様々な組織に特定の流量で注入することを可能にするようにプログラムされ得る。
さらに別の実施形態では、デバイスは、二つの別個のシリンジ駆動装置であって、これら両方が先に本明細書に説明したような流体圧力に基づく調整を行うことが可能である二つの別個のシリンジ駆動装置を含んでもよい。
流体圧力の視覚インジケータ
再び図1を参照すると、システムは、システムによって検出された流体圧力に対応する視覚信号を出すための視覚信号発生器100を含む。視覚信号発生器100は、対象への針24の挿入の際にオペレータをガイドするためにフィードバックをオペレータに提供する。特に、視覚信号発生器100からの視覚信号は、流体充満空間などの所期の位置への針の先端の近接に関する連続信号を提供する。
視覚信号発生器100は、様々なライトのうちのいずれかであってもよい。例えば、図1を参照すると、視覚信号発生器は、可撓性ケーブル102の端部に取り付けられたライトヘッド105(別言すると、点灯型ヘッド)を備えてもよい。可撓性ケーブル102は、ケーブルが所望の位置および向きに曲げられた上で外部の支持なしでその位置を保持するのに十分な剛性を有してもよい。このようにして、オペレータは、患者の挿入部位に集中しながら、ライトヘッド105がオペレータの視野内にある表面へと向けられるようにライト要素(別言すると、点灯要素)を配置することができる。例えば、ライト要素からの光は、壁または他の平面などの、対象の近傍の表面に投射されてもよい。代替的に、そして好ましくは、ライトヘッド100は、ライトヘッドが光線を患者に向けて投射するように配置することができる。例えば、ライト要素からの光は、対象の皮膚または衣服に直接向けることができる。より具体的には、オペレータが挿入部位を視覚的に観察している間は視覚信号発生器100からの光信号がオペレータの視野内にあるように、患者の挿入部位の近傍に光を投射してもよい。このようにして、視覚信号発生器100からの視覚信号は、オペレータに注射部位から目を逸らすように強いることなく注射に関する有用な情報をオペレータに提供する。
ライトヘッド105(別言すると、点灯型ヘッド)は、様々なライト要素(別言すると、点灯要素)のいずれかを含んでもよい。例えば、ライトヘッド105は、発光ダイオード、白熱灯、レーザダイオード、または任意の他の発光要素を含んでもよい。さらに、ライト要素105は、複数のそのような発光要素を備えてもよい。またさらに、ライト要素105は、光強度、色、および/またはコヒーレンスが様々である複数のライト要素を含んでもよい。ライトヘッド105は一つ以上の拡散ライト要素を含んでもよいが、好ましくは、ライトヘッド105は、患者に投射するのに十分にコヒーレントであり且つ処置中にオペレータが容易に認識できる光線を提供する。このため、ライトヘッド105は、図2に示すように、ライト要素からの光の焦点を合わせるためのレンズ107を含んでもよい。
視覚信号発生器100によって生成される光は、駆動ユニット50によって制御される。特に、視覚信号発生器100は、駆動ユニット50のマイクロプロセッサ80からの電気信号に応答して制御される。駆動ユニットは、駆動ユニットのマイクロプロセッサ80から受信した制御信号に応答して視覚信号発生器100を駆動する別個の制御回路を含んでもよい。より具体的には、ライト回路用のコントローラが、ライトヘッド105内の複数のライト要素の各々を個別に制御するように構成されてもよい。ライト制御回路は、ライト要素を点灯するか否かを制御することによって各ライトを制御してもよい。ライト制御回路は、各ライト要素の強度を制御してもよい。またさらに、ライト制御回路は、視覚信号発生器が出す光を変化させるためにライト要素の組み合わせを制御してもよい。例えば、ライト制御回路は、ライトヘッド105が出す光の色を変化させるためにライト要素の組み合わせを点灯してもよい。例えば、ライトヘッドは複数の赤色の、緑色の、および青色のライト要素を含んでもよく、ライトコントローラは赤色、黄色、若しくは緑色、または様々な色のいずれかの光線を生成するように異なる色のライト要素の点灯を選択的に制御してもよい。
またさらに、ライト制御回路は、視覚信号発生器によって投射される光の様々なパターン(別言すると、模様)を生成するようにライト要素を制御することができる。例えば、視覚信号発生器は、特定のパターンを有する光線を投射してもよい。一例では、視覚信号発生器100は、圧力センサ20が第一の範囲内の圧力を検出したときは第一の色の信号を投射し、圧力センサが第二の範囲内の圧力を検出したときは第二の色の信号を投射してもよい。さらに、圧力センサが第一の範囲と第二の圧力範囲との間の閾値に近い信号を検出したとき、視覚信号発生器は、光線であって、該光線の別個の部分が第一の色であり且つ該光線の別個の部分が第二の色である光線を投射してもよい。
光強度、色、およびパターンを制御することに加えて、ライト制御回路は、ライトの頻度を制御してもよい。具体的には、光は、光線が点滅するように断続的であってもよい。オン/オフの周期の長短は、システムによって検出される圧力に応答して制御することができる。ライト制御回路は、検出される圧力の絶対値に基づいて視覚信号発生器を制御してもよい。代替的に、ライト制御回路は、検出される圧力の相対値、すなわち直近の検出圧力に対する現在の値に基づいてインジケータ(別言すると、表示器,指示器)を制御してもよい。このようにして、ライト制御回路は、圧力が増加しているかあるいは減少しているかに基づいて光を変化させることができる。同様に、ライト制御回路は、検出される圧力の絶対値と相対値の両方に基づいて光を制御することができる。例えば、ライト制御回路は、検出される圧力が特定の圧力範囲内にあることに基づいて、特定の色を有する光線を生成するようにライト要素を制御することができる。さらに、圧力が上昇していることを示す相対圧力に基づいて、ライト制御回路は、視覚信号発生器に選択色を明滅させることができる。またさらに、光は、圧力が圧力範囲の上限に向かって増加するに従って明滅の頻度が増加するように制御されてもよい。圧力が圧力範囲を超えて増加して圧力が第二の圧力範囲の下限に達したら、ライト制御回路は、圧力が第二の圧力範囲の下限に位置する間は、視覚信号発生器を制御して、より低い頻度の、異なる色の光の明滅を出させてもよい。
上記から分かるように、視覚信号発生器100は、オペレータが針挿入処置中の指針として使用する連続的なフィードバック信号(別言すると、反応信号,反応信号)を提供することができる無数の色およびパターンを提供することができる。次に、視覚信号発生器100が連続的な光フィードバック信号を提供し得る方法のいくつかの例を説明する。
上述したように、視覚信号発生器は、オペレータが注射部位への集中を維持しながら光信号を見ることを可能にする様々な表面のいずれかに光線を投射してもよい。以下の説明では、光は、患者に投射されるものとして説明される。これは、光が投射される例示的な表面として意図されたものに過ぎないことを理解されたい。
駆動ユニット50は、視覚信号発生器が、検出圧力が0〜20mm/Hgの範囲内にあるときは黄色光を投射し、検出圧力が20〜40mm/Hgの範囲内にあるときは緑色光を投射し、さらに、検出圧力が40〜200mm/Hgの範囲内にあるときは赤色光を投射するようにプログラムされてもよい。光は、圧力が上昇している最中に明滅してもよい。したがって、視覚信号発生器は、針が患者に挿入されて、圧力が20mm/Hgの閾値まで上昇するとき、明滅する黄色光線を患者に投射する。圧力が20mm/Hgに上昇したら、インジケータライト(別言すると、表示光,指示光)は、緑色光線が患者に投射されるように変化する。また、圧力が上昇している限り、光は明滅する。圧力が一定であれば、光は点けられ続ける(即ち、点灯され続けるが、明滅はしない)。またさらに、針が前進させられて圧力が40mm/Hgに向かって増加するに従い、明滅の頻度は、圧力が40mm/Hgに達するまで増加する。その時点で、明滅の頻度は大幅に減少し、光の色は赤に変化する。
上記の説明では、視覚信号発生器は検出圧力に対応する連続的なフィードバック信号を提供し、この結果、オペレータは検出圧力に関する様々なデータ(具体的には、圧力、圧力変化率、並びに、圧力が増加しているか、減少しているか、若しくは大きく変化していないかを含むが、これらには限定されない)を容易に認識することができる。また、視覚信号発生器は、警告、警報、システムのエラー若しくは不具合、或いはオペレータの注意を必要とするあらゆる他の様々なシステムの問題を示す色信号を提供してもよいことも理解されたい。例えば、上記の例では、赤色は、流体圧力が特定の範囲内にあることを示すために使用されている。代替的に、赤色(または任意の他の色)は、警告、エラー、または他の警報を示すために確保されてもよい。このようにして、視覚信号発生器100が赤色光線または明滅する赤色光線を投射するとき、オペレータは、注意を必要とする問題への注目を容易に喚起される。
またさらに、上記の説明では、視覚信号発生器100は、注射アセンブリの出口圧力の特定の状態または特性に対応する光線を提供する。また、視覚信号発生器からの光の欠如が、オペレータに情報を提供するために使用され得ることも理解されたい。例えば、視覚信号発生器は、圧力が特定の範囲内にあるとき、光が投射されないようオフされてもよい。例えば、圧力が10mm/Hgを下回る場合、視覚信号発生器はオフされてもよい。
様々な色およびパターンに加えて、視覚信号発生器100は、数字、文字、および記号を含むがこれらに限定されない絵図的なおよび/または人間が読めるグラフィックスを提供してもよい。例えば、視覚信号発生器100は、圧力センサ20によって検出された圧力の数値を投射してもよい。このようにして、オペレータは、注射部位および操作中の針から自分の注意を逸らす必要なく、圧力の変化をリアルタイムで容易に見ることができる。さらに、グラフィカルな情報を色またはパターンの変化と組み合わせて、オペレータにさらなる情報を提供することができる。一例として、視覚信号発生器は、リアルタイムで検出した圧力の数値を投射してもよい。さらに、投射される数字の色は、詳しく上述したように、圧力値が或る圧力範囲から次の圧力範囲に移動するときに変化してもよい。同様に、数字は、暗色などの一定の色で投射されてもよく、また、数字は、上で説明したように特定の圧力範囲または他の特性に関連する色を有する背景内に埋め込まれてもよい。
視覚信号発生器によって投射されるグラフィカルな情報を英数字に限定する必要はないことを理解されたい。視覚信号発生器は、様々な種類のグラフィカルなデータのいずれかを提供してもよい。例えば、視覚信号発生器は時間の経過とともに検出圧力値のプロットを投射してもよく、これにより、オペレータは、変化の大きさ、変化率、およびグラフ上の様々な変曲点を含む、圧力の変化を示すグラフ表示を見ることができる。同様に、表示されるデータを、圧力センサ20によって検出されるリアルタイムの圧力値などに限定する必要はない。視覚信号発生器によって投射されるデータは、注射アセンブリ10を通る薬物/薬剤若しくは流体の流量、シリンジ内の流体量、針挿入の開始からの経過時間、並びに患者データなどの情報を含んでもよい。したがって、視覚信号発生器は、LEDスクリーン、LCDスクリーン、またはCRTスクリーンなどのディスプレイスクリーン上で提供され得る任意の視覚データを投射するように構成され制御され得ることを理解されたい。視覚信号発生器は、オペレータが操作中の針から注意を逸らさずに容易に見ることができるようにこのような視覚データを投射する。
上記の説明では、視覚信号発生器100は、オペレータが対象への針の挿入をガイドするために使用する視覚フィードバックを投射するライト要素である。上記の実施形態では、視覚信号発生器100は駆動ユニットに接続された半剛性のアーム若しくはケーブル上にあり、このため、ライト要素は、所望の位置に配置して、所望の標的位置に光を投射するように傾けることができる。図4を参照すると、代替の視覚信号発生器200が示されている。代替実施形態では、視覚信号発生器は、使い捨ての注射アセンブリ10の要素に取り付けられ、および/または直接接続される。特に、注射アセンブリ10は、流体チューブ22に接続された細長いハブ27を含む。ハブ27は、針24と当該ハブとを接続するための取り付け要素を含む。例えば、ハブ27は、ルアー(別言すると、ルーアー)コネクタを含んでもよい。
図4に示すように、視覚信号発生器200は、細長いハブに取り付けられていてもよいし、さもなければ細長いハブに接続されてもよい。このようにして、ハブ27は、視覚信号発生器200を支持するための細長い剛性要素を提供する。視覚信号発生器は、視覚信号を前方に(患者の注射部位または注射部位の近傍などに向けて)投射する。このようにして、視覚信号発生器は、針24の軸に平行なまたは実質的に平行な軸を有する光線を投射することができる。視覚信号発生器は細長いケーブル206を含み、これにより、視覚信号発生器は駆動ユニット50から引き離すことができる。特に、ケーブル206は、上記の実施形態に関連して先に説明したように駆動ユニットから制御信号を受信するために視覚信号発生器と駆動ユニットとを接続するためのコネクタを含む。
ハブ27に取り付けられて、視覚信号発生器200は、注射部位に向けて光線を投射するように配置される。特に、視覚信号発生器は、視覚信号発生器から発せられる光線202の少なくとも一部が挿入針24の軸と平行になるように取り付けられる。より具体的には、視覚信号発生器は、光線202の実質的な部分が針の軸と平行になるように針に接続されてもよい。
視覚インジケータ(別言すると、視覚式確認機構,視覚式指示機構)のさらなる代替実施形態は、視覚的光信号を出す、注射アセンブリ10の細長いチューブ22の周りのまたはこの中を通る一つ以上の光ファイバ要素などのライト要素である。このようにして、光はチューブ内の流体に投射され、これにより、光信号は針の近傍に配置され得る。これは、針がチューブに接続されており、光がホース22の全長にわたって延びる光ファイバ要素のおかげで針または患者に投射されるからである。したがって、視覚信号発生器は、オペレータが注射部位から注意を移すことなく容易に見ることができる表面に投射される視覚信号を出す様々な設計で構成され得ることを理解されたい。
したがって、従来技術に勝る本デバイスの利点は、
(i)硬膜外、関節内、眼球、嚢胞、および血液または他の流体の管などであるもののこれらの構造には限定されない流体充満組織空間が識別された時点を判定することができるように出口圧力値を表す画像を患者の表面に投射するための機構と、
(ii)遠隔の視覚スクリーンの必要性を排除するか、またはそのような視覚式の情報を得るためにスクリーンを見る必要性を排除するために、針の進入部位に情報を投射しながら、オペレータが患者の針進入部位に対する視野を連続的に維持することを可能にするように構成された機構と、
(iii)オペレータが色の変化などの明確な可視的変化によって閾値間の異なる範囲それぞれを客観的に区別することを発光源が可能にする一連の予め決められた範囲として出口圧力を監視するように動作可能な機構と、
(iv)出口圧力の上昇または下降の進行を伝達するために点滅パターンおよび/または明滅パターンを使用することが可能な投射された視覚画像によって出口圧力を監視するように動作可能な機構と
を含む。これには、視覚的表示を出すことによって圧力の変化の欠如を伝達する能力が含まれる。
針の出口の流体圧力の計算
上述したように、流体圧力は、システム5の動作を制御するために使用される。例えば、視覚信号発生器100によって提供される視覚フィードバックは、測定された(言い換えると、計測された値に基づいて決定された)流体圧力に基づく。針の出口の流体圧力を計算するためにはいくつかの方法がある。
圧力センサは、注射アセンブリ100内の流体圧力を検出することができる。例えば、上述したように、圧力センサは、メリットメディカル(Merit Medical)の部品番号0001によって入手可能なもののなどのインライン圧力センサであってもよい。代替的に、駆動ユニット50の内部の圧力センサが、シリンジ18とチューブセット22との間の流体圧力を検出してもよい。別の代替案は、シリンジ内の圧力を計算するためにプランジャを駆動する力を検出するために親指パッド力覚センサを使用することである。圧力センサからのコマンド信号により、圧力データが、出口圧力を測定する(言い換えると、計測された値に基づいて決定する)計算のためにCPUに送信される。出口圧力は、圧力測定点の近くの構成要素の各々のヘッド圧を差し引く数式によって計算される。さらに、身体組織を通る針の前方移動の特定のペース(即ち、速度)に相関する反ヘッド圧(counter head−pressure;別言すると、反筒先圧力)に関連して、計算値が与えられる。このように、圧力値が入力され、バイアスがかかっていない最終的な出口圧力値を計算するためにシステムの予測されるすべての抵抗を考慮に入れて計算圧力値が計算される。駆動ユニットのCPUは、ソフトウェア内で使用可能な入力値および予め設定された値に基づいてこの値を計算する。最終的な計算された出口圧力値は、CPUを制御するために使用されると共に、シリンジ18からの流体の流れを制御するモータを制御するために使用される。
上で言及したように、反ヘッド圧(反筒先圧力)は、流体圧力の最終値を測定する(言い換えると、計測された値に基づいて決定する)ために圧力計測値から差し引かれ得る。反ヘッド圧(反筒先圧力)は挿入速度に応じて変化し、そして、反ヘッド圧(反筒先圧力)は流体出口圧力を計算するときに計測された流体圧力から差し引かれる。例えば、以下の値は、様々な挿入速度に対する反ヘッド圧値(反筒先圧力値)を表す。
挿入速度は反ヘッド圧(反筒先圧力)に大きく影響するので、針の挿入速度を制御することが望ましい。したがって、システムは、制御された既知の挿入速度で針を挿入する際にユーザを助けるように設計されたハンドセット300を組み込んでもよい。この例では、再使用可能なハンドピースが利用される。しかしながら、このハンドピースの特徴が、使い捨ての針アセンブリにおいて利用され得ることを理解されたい。
図10を参照すると、ハンドピース300は、中空のハウジング310と、ハウジングから前方に突出する細長い中空の針340とを含む。ハンドピースと注射アセンブリ10の流体ライン22とを接続するためのコネクタ332が設けられている。具体的には、コネクタ332は、ハンドピースとシリンジ内の流体との接続を容易にするためにハウジングの後端でハンドピース300を接続するための流体密封シールを提供する。流体は、ハンドピースへと流れて針340を通って流出する。
針340は、針の全長にわたって複数のマーキング344を含む。特に、マーキングは、針の軸を横切る複数の線を含む。マーキング344は、既知の距離だけ互いに離間される。より具体的には、各マーキング344は、隣のマーキングから一定の距離だけ離間される。マーキングは、好ましくは、針の全長の少なくとも実質的な部分に及ぶ。この例では、マーキングは、針340の先端342から、ハウジング310と針との間の接続点にまで及んでいる。針の表面上の目盛り(increments)は、予め決められた距離を置いて(一例としては1.0cm間隔の目盛りなど)針の表面上でレーザエッチングされたもの、色を交互させたもの、または刻設されたものであってもよい。
ハンドピース300は、規則的な誘導メッセージをオペレータに提供するように構成されたインジケータライト215(別言すると、表示光,指示光)をさらに含んでもよい。インジケータライト315は、所期の挿入速度に基づいて所定の周期で点滅するLEDまたは他のライト要素(別言すると、点灯要素)であってもよい。具体的には、処置を開始する前に、オペレータは処置に関する様々なデータを入力し、オペレータによって入力されたデータに基づいて処置の挿入速度が決定される。挿入速度に基づいて、明滅インジケータ315の周期が決定される。以下でさらに述べるように、インジケータライトは、針の挿入速度の正確さおよび一貫性を改善する目的で針の挿入速度を監視するための一定のペーシング要素を提供するメトロノームと同様に機能する。
ハンドピースは、ブザー音、一定のピッチの音(tone)、またはチャイム音などの可聴信号を出すための圧電音響インジケータなどの可聴インジケータ320(別言すると、音響式確認機構,音響式指示機構)をさらに含む。可聴インジケータ320は、針24の挿入速度を調整するために使用され得る規則的な音を出すことによって、インジケータライト315と同様に機能する。
さらに、制御ボタン325が、ハンドピースに設けられてもよい。制御ボタン325は、オン/オフボタンとして機能してもよい。しかしながら、制御ボタンはまた、様々な制御コマンドを入力するために操作可能であってもよい。例えば、制御ボタン325は、以下でさらに述べるように、駆動ユニット50の一つ以上の動作を無効にするように動作可能であってもよい。
最後に、ハンドセット300はまた、インジケータライト315および/または可聴インジケータ320の周期などの様々な情報を表示するためのディスプレイスクリーンなどの出力機構を含んでもよい。さらに、ディスプレイは、リアルタイムの圧力値などの追加的/補助的な情報を示してもよいし、「進行中(Proceed)」、「再配置(Reposition)」、「注射」、流量1、流量2、低速、高速、「吸引中」といった通知を示してもよい。
上で説明したように、ハンドセットは、視覚インジケータ315および可聴インジケータ320の両方を含む。ハンドピースは、可聴インジケータおよび視覚インジケータの両方を含む必要はなく、単一のインジケータだけを含んでもよいことを理解されたい。またさらに、視覚インジケータおよび可聴インジケータについて説明したが、規則的な振動インジケータ信号を出す振動要素などの様々な代替インジケータを代わりに使用することができる。
予め決められた可聴的/視覚的なリズム/拍子/速さは、針上のマーキング344に基づく決められた目盛りに従ってオペレータに針を前方に前進させるように指示する。特定の目盛りの前方移動が、皮膚の表面、真皮、または針が貫入する身体の部分に針の表面が貫入する際に参照される。0.5cm/秒〜2.0cm/秒の速度が、針の移動に関する幅として用意される。正確な移動速度は、可聴的なリズム/拍子/速さまたは視覚的なリズム/拍子/速さと、表面に貫入する針マーキングの移動とを合わせる(別言すると、調和させる)ことによって達成され、また、互いに特定の距離を置かれた針の表面上の視覚的なマーキングによって留意される。この結果、マーキングの付いた針は、「ビープ音」および/または「明滅」ごとに一つの目盛り分だけ組織の表面の中に前進させられる。
可聴的なおよび/または視覚的な合図の速度は、CPUに予め設定され、流体の流れに基づいて有効にされる。0.5cm/秒〜2.0cm/秒の範囲が与えられているが、マーキングを表示している針の、目盛りに合わせた(別言すると、調和した)移動の任意の移動速度が想定されることが理解される。予め設定された値から選択されるこの前方移動速度により、客観的な組織圧力値を測定する際の計算から差し引かれる、対応する反ヘッド圧値(反筒先圧力値)が入力される。
操作速度の一例は、オペレータが針の前進速度の正確な調整を行うためにビープ音およびLEDの視覚的な「明滅」ごとに針を1.0cm前進させることである。この設計により、針の正確な前進速度を維持することが可能になる。さらに、針を前進させている間に、針からの連続的な流体の流れが供給され、リアルタイムの連続的な圧力監視が行われる。
上で指摘したように、ハンドピース300は、制御ボタンを含んでもよい。制御ボタンは、針を前進させていないときに利用されてもよい。そのような場合、ボタンの押下は、反ヘッド圧値(反筒先圧力値)が出口圧力の計算から差し引かれないようにするために制御信号を駆動ユニット50に供給するように機能する(針を前進させていないため、反ヘッド圧(反筒先圧力)はゼロまたは本質的にゼロである)。ハンドピース300のボタンまたは制御部はまた、ヘッド圧の計算から反ヘッド圧(反筒先圧力)が差し引かれる前方移動に対応して作動されてもよく、この結果、針を前方移動させているときと針を組織内に静止させ続けているときとを区別する手段が提供されることが理解される。このようにして、針挿入が最小からゼロまでの期間中のボタン325の作動は、処置中の組織内の出口圧力値の精度を向上させる。上述したスイッチまたは制御ボタンに加えて、ハンドピースは、組織を通って後方に針を移動させるときに出口圧力値の低下をもたらす後方移動を相殺するように補正するための追加のヘッド圧値を加える後方移動の場合の第二のボタンまたは制御要素を含んでもよい。
上記の説明では、ハンドピースは、針の挿入速度を調整するために視覚インジケータ215(別言すると、視覚式確認機構,視覚式指示機構)または可聴インジケータ220(別言すると、音響式確認機構,音響式指示機構)を組み込んでいる。インジケータがハンドピース上に設けられもよいが、上で説明した視覚信号発生器100が針挿入の速度を調整するための視覚信号を提供するために使用され得る。具体的には、視覚信号発生器100は、インジケータライト315が明滅するのと同様の一定の決められた速度または周期で視覚信号を投射してもよい。視覚信号発生器100は注射部位の近傍にまたは注射部位の視野内に光を投射するため、オペレータはインジケータライトからの信号を見て針挿入を調整することができる。したがって、上で言及したように、針は、ハンドピースのその他の特徴とは別に使用することができる。具体的には、挿入速度をガイドするためのマーキングを有する針は、上で説明した注射アセンブリ10などの一般的な注射アセンブリと共に使用することができる。そのような実施形態では、視覚信号発生器は、針の挿入速度をガイドするための視覚的合図を提供する。
皮膚の色は患者ごとに異なる傾向があるので、患者上へと投射するときにインジケータ信号をより均質にする要素を組み込むことが望ましい場合がある。例えば、それ上へと視覚信号が投射され得る背景要素を取り付けることが望ましい場合がある。例示的な背景要素は、所期の挿入部位の近傍の、患者の皮膚に直接貼り付けられ得る可撓性パッチである。パッチは、織布、紙、またはプラスチックなどの様々な可撓性材料のいずれかから形成されてもよい。
パッチは、視覚信号が投射される前面と、患者に取り付けられるように構成された裏面とを有する。好ましくは、裏面は、パッチを患者の皮膚に容易に直接貼り付けることができるように粘着性の裏材を含む。貼付材(bandage)を取り外し可能に患者へと取り付けるための様々な既知の粘着材のいずれかを、粘着性の裏材に使用することができる。パッチの前面は様々な模様のいずれかで形成されてもよいが、好ましくは、前面は無地である。またさらに、好ましくは、パッチの色は、投射される視覚信号とパッチとの間におけるコントラストを改善するように選択される。例えば、投射される視覚信号が概ね暗い色である場合、パッチは、白またはオフホワイトなどの明るい色相を有してもよい。逆に、投射される信号が概ね明るい色である場合、パッチは、黒などの暗い色相を有してもよい。
上で説明したように構成された場合、パッチの粘着性の裏材は、パッチを患者に付着させるために患者に対して押し当てられ得る。好ましくは、パッチは、患者の背中、脊椎の近傍などの、所期の挿入部位の近傍に貼り付けられる。視覚信号発生器はパッチに向けられ、次に、視覚信号発生器は上で説明したように視覚信号を投射する。
流体充満空間に注射を打つための方法
次に、上で説明したシステムを使用して硬膜外注射を打つための例示的な方法について説明する。本システムは硬膜外注射での使用に限定されないことを理解されたい。したがって、以下に説明する原理および方法を、硬膜外腔以外の組織および解剖学的領域への注射に容易に適合させることができることを理解されたい。
身体の結合組織は、0.07mL/秒の速度で流体が注射されるときに200mm/Hgを上回る圧力を生じることが示されている。各組織は、所与の組織の種類内に生じ得る測定可能な圧力として表されるそれ自体の圧力密度特性を有する。組織の密度または抵抗は、注入中の圧力抵抗を検出することが可能なコンピュータ制御の薬物送達システムから注入される流体の圧力を使用して測定される。身体の硬膜外組織、関節の関節内腔(関節腔)、または血管などの流体充満空間の圧力が、注射中に測定されたときに200mm/Hgを大きく下回ることも実証されている。実際、流体充満空間は、流体の流れに対して圧力抵抗が著しく低いことが判明しており、一般的に、この流体充満組織部位に注射するときに圧力抵抗は0mm/Hgに近い。
第一の所定の上限圧力は臨床医によって決定される。一般的には、第一の所定の上限圧力は200mm/Hg以下である。そのような設定を使用する場合、注射システム50は、結合組織に無視できる量の薬物/薬剤を投与し、次に、流体の流れが再開される50mm/Hg未満の第二の所定の圧力を選択する。したがって、針は、硬膜外組織空間の流体充満空間内に適切に配置される。なぜなら、硬膜外組織空間内の圧力は約+15mm/Hg〜−15mm/Hgであると考えられ、一方、黄色靭帯に関連する圧力は200mm/Hgを上回るからである。
靱帯外の組織内の圧力測定値は、一般的には約100〜200mm/Hgである。流体の流れが再開される、50mm/Hg以下の第二の所定の圧力を有する注射デバイス50の場合、針が皮下組織に入った時点では、流体の流れはほとんど生じない。なぜなら、圧力が急速に上昇して、針が皮下組織(靱帯外の組織)内にある限り維持されるからである。臨床医は、Tuohy針を前進させ、黄色靭帯に到達する。上で指摘したように、黄色靭帯は100mm/Hgを超える圧力を発生させるので、流体の流れはまだ生じない。黄色靭帯の厚さ全体を貫通する(即ち、流体が充満した硬膜外腔に針が進入する)と、圧力は直ちに50mm/Hg未満に低下し、この結果、任意選択の視覚的表示および/または可聴音および/または「硬膜外への配置完了」などの音声がトリガされる。この時点で、薬物含有流体が、所期の標的部位へと流れ始める。このように、非連続的な流体の流れが、標的組織を識別するために利用される。第一の所定の圧力値および第二の所定の圧力値を同じ数値に設定して、圧力が所定の圧力未満に低下した後にのみ流体の流れが生じ得るようにすることが可能である。
注射デバイス50の圧力センサ20または複数のセンサは、注射針が(例えば、臨床医の手違いまたは患者の動きにより)硬膜外組織空間を離れた場合またはその開通性が損なわれた場合における自動安全機能を提供する。針24が黄色靭帯を通って引き抜かれることによってまたは硬膜に接触することによって硬膜外組織空間を離れると、圧力は直ちに第一の選択圧力P1まで上昇し、この結果、流体の流れは流体圧力>200mm/Hgで緩徐化されて最終的には停止される。これは約2秒間内に生じることが示されている(Ghelber−Regional Anesthesia and Pain Medicine Vol 33 No 4 2008,page 349 Fig 2参照)。任意選択で、「<50mm/Hg」から「>200mm/Hg」への圧力のこの変化により、臨床医に不適切な針の配置を警告する視覚的なおよび/または可聴的な警報が再びトリガされる。針が硬膜外組織空間内に復帰し、針の先における瞬間圧力がP1未満に低下すると、または本発明のさらなる実施形態では圧力が50mm/Hg以下の第二の選択圧力P2まで低下したとき、再び流れが自動的に再開される。注射デバイスのこの自動安全機能は、麻酔薬液剤の脊髄への注射を防止するのに役立つ。
図8を参照すると、硬膜外注射のための対象の脊椎の領域が示されている。図8内の左の、針24の先の外側注射部位から始まり、この領域の組織は皮膚、脂肪、および結合組織110の様々な層を含み、この後には、本発明の一実施形態の目的の(別言すると、関心対象の)解剖学的空間である硬膜外腔112が続く。硬膜外腔112の先には、脊髄116の硬膜114がある。針24の右方の先は、組織中に進められるが、脊髄に達する前に停止される。この領域の背骨の骨の断面も示されている。
この例では、マイクロプロセッサ82およびメモリ80は、例えば約200mm/Hgの第一の圧力P1でプログラムされている。第一の圧力P1は、針の先が組織110に入りそして組織110を通って移動するときの、針の先における瞬間流体圧力以上になるように選択される。この圧力P1になると、またはこの圧力P1を上回ると、モータ96が停止し、針の先への流体の流れが停止する。一実施形態によれば、針の先が硬膜外腔112に入ると、瞬間流体圧力はP1未満に低下し、マイクロプロセッサはモータを再び始動させて流体の流れを再開させ、こうして流体の流れは硬膜外腔112内へと向かう。第二の実施形態によれば、流体の流れが再開される前に、メモリ80に記憶された第二の選択圧力P2に達する必要がある。第三の実施形態では、メモリ80に記憶された、P2よりも大きく且つP1よりも小さい第三の選択圧力P3に達したときに、流体の流れは再び停止される。この第三の圧力P3に達することは、針の先が硬膜114に押し入れられたか、さもなければ解剖学的標的空間を離れていることを示す。針の先が通って移動する空間または層は、図8の圧力設定値P1、P2、およびP3に相関する。
流体の流れを停止するための第一の選択圧力P1は、硬膜外注射の場合は約200mm/Hgであることが好ましいが、針の先によって最初に穿刺される組織に応じて約25〜約300mm/Hgの範囲内であり得る。流体の流れを再開するための圧力P2は、硬膜外注射の場合は好ましくは約50mm/Hgであるが、目的の(別言すると、関心対象の)解剖学的空間に応じて約20〜約150mm/Hgの範囲内であり得る。流体の流れを再び停止するための第三の選択圧力P3は、硬膜外注射の場合は約125mm/Hgであることが好ましいが、目的の(関心対象の)解剖学的空間に応じて約80〜約180mm/Hgの範囲内であり得る。三つの設定圧力を使用することにより、針の先が異なる組織種類を通って流体が充満した解剖学的空間を取り囲む組織よりも低い圧力で流体を受け入れることが可能な流体が充満した任意の解剖学的空間に移動するときの流す/流さない制御が改善される。
硬膜外処置の針配置段階中に硬膜外組織空間を識別するために、薬物/薬剤を含まない流体を使用することが考えられる。薬物/薬剤を含まない適切な流体として、例えば、滅菌生理食塩水、人工脳脊髄液、リンゲル液/リンガー溶液、5%デキストロース、または濾過空気が挙げられる。圧力差を使用して硬膜外組織空間が識別されたら、注射流体が薬物/薬剤を含む流体に変更される。針配置段階中に薬剤を含まない流体を使用することにより、非標的組織への薬物/薬剤の送達が最小限に抑えられるかまたは排除される。
本件のデバイスおよび方法の別の特徴は、注射プロセスの全段階中に監視される、コンピュータ制御の薬物送達デバイスによって測定される圧力の客観的性質である。したがって、臨床医は、もはや「感覚」の主観的性質に頼らず、この重要な技術の各段階を実行しながら絶対値の客観的情報を得る。この技術の各段階は、薬物の非連続的な流体の流れを使用しながら圧力を連続的に監視して、注射の安全性と有効性を確実に向上させる調整を行うのを可能にする能力によって改善される。
別の例では、臨床医は、流体充満空間へと貫入して注射が開始されたら、所定の最大の許容可能な圧力を再設定してもよい。上記で指摘したように、針が硬膜外腔へと進入する前は、流体圧力は、200mm/Hgよりも大きく、流体はほとんどまたはまったく送達されない。流体充満空間に進入すると、圧力は、ゼロ未満に低下し、徐々に約1〜10mm/Hgに上昇する。この圧力の低下は、注射デバイスからの流体の流れを開始させる。このとき、予め設定された最大圧力値を、新しいより低い最大値に変更することができる。例えば、流体の流れが停止される所定の最大圧力は25mm/Hgに低減されてもよく、これにより、注射針が硬膜に接触したかまたは硬膜外腔から引き抜かれた場合の患者の安全性がさらに高められる。新しい所定のより低い最大圧力は、元の予め設定された値に比べてより低い異所性の注射量でより早く流体の流れを停止させる。流体の流れが停止する所定の最大圧力の変更は、臨床医によって手動で行われてもよいし、注射デバイスの制御要素によって自動的に行われてもよい。
流体の流れを停止するための所定の予め設定された最大圧力としての200mm/Hgの例は一例であり、より低いまたはより高い予め設定された圧力が、臨床医の裁量/判断で選択されてもよいことを理解されたい。また、流体の流れが再開される第二の所定の50mm/Hgの圧力値は、一例であってより低いまたはより高い予め設定された圧力が臨床医の裁量/判断で選択されてもよく、単なる例示である。原理および技術は、ほぼすべての解剖学的位置への注射のために修正することができる。本方法および本デバイスのこの実施形態において特に重要なことは、診断および治療投与のための薬物の非連続的な流れを生成するために所定の圧力値を決定および選択する能力である。
本明細書に説明されている技術は、ヒトおよび動物の組織に等しく適用可能である。
図5及び図6は、機器の構成要素および電子回路のレイアウトの概略図を示す。図5に示すように、視覚信号発生器100は、駆動ユニット50の中央プロセッサ80に接続することができる。特に、上で説明したように、中央プロセッサ80は、視覚信号発生器100のライト要素を制御するように動作可能な別個のライト制御回路を含むことができる。特に、ライト制御回路は中央プロセッサまたは駆動ユニットの他の要素から信号を受信してもよく、また、ライト制御回路は受信したものに応答してライト要素を制御してもよい。
図6は、図5に示したシステムに対する代替の構成を示す。図5において、視覚信号発生器100は、駆動ユニット50のディスプレイスクリーン62に接続される。特に、視覚信号発生器100は、ディスプレイのUSBハブに接続されてもよい。このような実施形態では、視覚信号発生器100は、上述の所望の視覚フィードバックを提供するためにディスプレイから信号を受信すると共に光を制御するように構成されたライト制御回路を含む。例えば、視覚信号発生器100は、ディスプレイスクリーン62上に表示される画像を投射することができる遠隔の投射スクリーンとして機能するように構成されてもよい。
図9は、針が患者に入れられる標的および部位の患者の表面に光画像を投射する固定された光源100を伴う駆動ユニットを示す。この光は、患者の表面に投射された色の変化によって針が流体充満腔を検出したことを伝達する。
患者の表面に投射される放射光を使用することは、他の機構によっては実現されない複数の利点を有する。特に、様々な色および/または光パターンを発することが可能な発光要素は、
(i)連続的な音響音では伝達することができない一つ以上の特定の圧力閾値を客観的に示すように動作可能な機構と、
(ii)異なるインジケータ(別言すると、表示器,指示器)として視覚的に客観的に認識可能な色および/または光パターンを変化させることによって、主観的解釈なしに圧力が上昇または下降している状況をオペレータに効果的に知らせるように設計された機構と、
(iii)オペレータが自分の視野を処置部位に集中させることを可能にする機構(特に、可聴音または他の信号を確認するために遠隔のディスプレイスクリーンを見ることを必要としない機構)と、
(iv)遠隔のディスプレイスクリーンまたは補助機器を必要とせずに情報を伝達するための安価な機構と、
(v)オペレータを混乱させて医療過誤につながり得る多数の競合音および監視デバイスがある場合に手術室での音響フィードバックの制約/限界を回避する機構と、
(vi)処置を行うときに患者が不安に感じ得る音を回避する機構と
を提供する。
硬膜外挿入のための方法
機器の平面図は、駆動ユニット50が標準的な20ccシリンジ18を受け入れることを可能にする凹状空洞52および凹部56(合わせてシリンジ受け台と呼ばれる)を示す。プランジャ凹部56内には、使い捨てのシリンジ18の親指パッド若しくはフランジ72と係合する可動アーマチュア90およびステージ58が収容されている。シリンジの親指パッドに係合する機構は図1に示す一連のばね押しフック60を有し、これらはシリンジの親指パッドを自動的に捕捉する。
図1に示すように、親指パッド72が係合されると、ばね押しフック60は外側に移動し親指パッドに覆いかぶさってフックと同様に親指パッドに係合する。この動作により、図1に示すように親指パッドは固定され、これにより、シリンジステージ58はシリンジプランジャ70をいずれの方向にも機械的に移動させることが可能になり、したがって、吸引を確実に行うことができるようになる。さらに、力覚センサが、シリンジアーマチュア90の設計に組み込まれている。シリンジアーマチュア90は、シリンジの位置を特定するために光学的および機械的な特徴的な機能を使用し、シリンジ内の流体の量を計算することができる。
ステップ1:「オン/オフ」、「開始/停止」、「パージ」、および「吸引オン/オフ」のボタン、並びに電池インディクター(インジケータ)を含む、図5に示すような別のサイドパネル64によって駆動ユニット50を「オン」にする。「オン/オフ」ボタンにより、駆動ユニットおよびタッチスクリーン・インターフェースLCD62の電源が入れられる。電源を入れると、シリンジアーマチュア機構90は図1に示す「ホーム」ポジションに自動的に移動する。
図1において、シリンジアーマチュア90と、移動シリンジステージ58と、可動シリンジアーマチュアに接続された自動係合吸引親指パッドレセプタクル52、56とは、駆動ユニットの上部に配置されている。
駆動ユニットの上部は、戻り止めまたはクランプ54を表面に含むシリンジ受け台を特徴として有する。これらの戻り止め54は、シリンジがシリンジ受け台内に配置されてシリンジとシリンジ受け台とが相互接続されるときにシリンジ18のバレルの表面と係合する。
ステップ2:駆動ユニット50は、以下のシステム構成要素を備える、図3の使い捨ての注射アセンブリ10を使用する。
シリンジ18に関して、好ましい実施形態はベクトンディッキンソン社(Becton Dickinson、Inc.)製の標準的な20ccシリンジを使用する。この設計は、特定のサイズまたは容量のシリンジに限定されない。オペレータは、多回投与の薬物バイアルまたは一回使用のガラスアンプルなどの適切な滅菌容器からシリンジに流体を充填する。オペレータは、シリンジに完全に充填してもよいし、自動検出機能がシリンジ内にある流体の量を測定するときはシリンジに部分的に充填してもよい。
好ましい実施形態では、メリットメディカル社(Merit Medical)(South Jordan,Utah)製のMeritrans(登録商標)インライン圧力変換器などのインライン圧力変換器20が使用される。シリンジアーマチュア内の力覚センサは、流体圧力に対応する情報を提供して補助的な圧力センサの必要性を否定すると期待される。
皮下中空穿刺針24は、ベクトンディッキンソン社(Becton Dickinson)(Franklin Lakes,NJ)によって製造されて販売されている20G×3.5インチのTuohy針などのTuohy針であってもよい。滅菌チューブセットは、ICUメディカル社(ICU Medical,Inc.)(San Clemente,CA)によって販売されている滅菌チューブなどの22〜48インチの動脈圧チューブである。
識別コネクタ12は、駆動ユニットのCPUとの中継および通信を行う、赤外線、Wi−Fi、Blue Tooth(登録商標)、または他の無線形式/様式を含むがこれらに限定されない、ありとあらゆる形式/様式を使用してもよい。使い捨てのアセンブリの確認は、自動マーキングまたはラベリングを使用して(注射アセンブリ10にバーコードを付けると共にバーコードリーダを使用してバーコードをスキャンするなどして)達成されてもよい。バーコードは、システムが適切な注射アセンブリのバーコードスキャンを受信したときに使用のために駆動ユニット50のロックをシステムが解除する鍵として機能する要素を組み込むことができる。識別コネクタ12は、駆動ユニットのCPU80と通信し、使い捨ての注射アセンブリ10に関する情報を提供する。
薬物名および処方、薬物製造者、ロット番号などの薬物情報、使い捨てのアセンブリに関する情報、薬物の有効期限に関する情報、使い捨てのキットの無菌性に関する情報、並びにIDコネクタが使用された日時などであるが、これらに限定されない追加的/補助的な情報が識別コネクタ12へと暗号化され得ると期待される。
好ましい実施形態では、20ccシリンジ18は、識別コネクタ12および48インチ動脈圧チューブセット22が取り付けられたMeritans圧力変換器20に接続される。チューブセットの先端には、図1,図2,及び図7のようにTuohy(中空穿刺)針24が接続される。
ステップ3:駆動ユニット50のシリンジレセプタクルにシリンジ18を挿入した後、オペレータは、オペレータに「シリンジを充填して続行を押す」ように指示する初期スクリーン62を見る。タッチスクリーン・インターフェース62は、自動係合吸引レセプタクルをシリンジの親指パッドに接触させる「続行」ボタンにオペレータがタッチすることを可能にする。
ステップ4:オペレータは、針を患者の標的部位に挿入する。オペレータが針を前進させるとき、システムは針のフィードバック圧力を測定し、視覚信号発生器は測定された圧力に基づいて信号を投射する。視覚信号は、測定された圧力が変化するのに応じて変化する。オペレータは、針の挿入をガイドするための視覚信号発生器からの視覚信号を使用して針を前進させ続ける。
上記の例では、視覚信号発生器からのフィードバックは検出圧力に基づく。しかしながら、上で指摘したように、圧力はシリンジからの流体の流量に関係する。したがって、視覚信号発生器からの信号は、シリンジから患者への流体の流量に少なくとも部分的には基づき得ることを理解されたい。
自動シリンジ検出機能は、自動係合吸引レセプタクルの保持フックを利用して、適切なサイズのシリンジが選択されていることを確認する。確認は、シリンジの親指パッドのサイズ並びに自動係合吸引レセプタクルのフック間の直径によって実現される。シリンジのサイズとレセプタクルのサイズが一致していない場合、フックは係合することができない。配置されたシリンジが、最初に、駆動ユニットのシリンジアーマチュアに収容されたロードセルによって検出され得る。シリンジの親指パッドの抵抗が検出されたら、シリンジアーマチュアの前方運動は自動的に停止される。次に、ばね作動式フックがシリンジの親指パッドに係合した後、シリンジアーマチュアは方向を逆転する。20ccシリンジ以外のシリンジのサイズに関連するより小さい直径の親指パッドが使用されるとき、係合フックは係合し得ず、シリンジは検出されない。シリンジが検出されないことに応答して、警告メッセージの表示または信号の生成が行われ、駆動ユニットのさらなる使用が阻止されてもよい。例えば、ライトアセンブリ100は、赤色の警告信号を急速に点滅させて、オペレータに注射アセンブリの問題を調査するよう促してもよい。
自動シリンジ検出機能は、光学的および/または機械的センサを使用してシリンジの特徴を検出し、それによってシリンジ内の流体の量を測定する。検出された量は表示される。シリンジの検出が完了して確認されたら、システムは、自動的に適切な量の流体を送ってチューブセットをパージし、使い捨ての注射アセンブリ10を完全に満たすことができる。
上記を踏まえた上で、次に図11を参照して、出口圧力を計算するための反ヘッド圧と共に視覚信号発生器100および針マーキング344の特徴を含む例示的な使用方法を説明する。以下の説明は硬膜外処置に関連しているが、針内の流体圧力が監視される末梢神経ブロック処置(別言すると、末梢神経遮断処置)などの他のプロセスにも方法が適用され得ることを理解されたい。
事前に、オペレータは、機器を準備し、患者および処置の詳細に基づいて様々なパラメータを設定する。この例では、硬膜外用針を有するハンドピース300が使用される。針は、決められた距離(銀色と黒色を交互させる1cmの区間など)を置いてマーキングを有する。オペレータは、使い捨てのチューブ22および圧力センサ20とシリンジ18とを接続する。次に、視覚信号発生器100が、注射の所期の部位の近傍で患者に光線を投射するように患者に向けられる。オペレータがシステムに入力するデータは、所望の挿入速度を規定し、所望の挿入速度はまた、システムが出口圧力を測定するときの計算の一部となる反対背圧を規定する。
薬物送達機器50が起動され、視覚信号発生器100から光が発せられる。この例では、オペレータがどれくらいの速さで針を一つの針マーキング344から次の針マーキング344に前進させるべきかを示す視覚式の指示を提供するために、明滅光が発せられる。例えば、視覚信号発生器100は、患者の表面に「緑色」光を2秒間投射し、この2秒の間に、オペレータは、針上の次のマーキングが患者の表面に位置するように針をゆっくり前進させなければならない。このとき、発光源は、瞬間的に(0.1秒間)「暗く」なる。光が次の2秒間に再び「緑色」になるとき、オペレータは、マーキングされた針344上のもう一つ分の決められた距離だけ針を前進させなければならない。
オペレータは、明滅パターンによって制御される決められたペースで患者の組織中に針を前進させ続ける。2秒間の緑色の発光の後に光が発せられない短い消灯が続くこのパターンは、図11のグラフ上の「点Aから点B」の間で圧力が上昇している限り、継続される。
圧力が「A」から「B」に上昇すると、反ヘッド圧値(counter−head pressure value;別言すると、反筒先圧力値)は、スクリーン上に表示されている出口圧力値を調整するためにアルゴリズムに含まれる。この期間の間、圧力は上昇し、光は緑色に明滅する。
光が決められた速度で緑色に明滅する視覚式の指示は、システムの二つの側面/様相をユーザに知らせる。1)皮膚への貫入のペースを調整することによって特定の針挿入ペースで針を挿入すべきであること(これにより、結果として反ヘッド圧の一定の既知の値が機器に提供される)。2)それは、この例では圧力が0mm/Hgから100mm/Hgへと上昇中であることをオペレータに知らせる。この期間中、駆動ユニットは、針を介してシリンジから流体を放出することができる。
オペレータは、標的に向かって患者の中へ針を前進させ続ける。この標的は、この例では、硬膜外注射を行うときの黄色靭帯である。
圧力が図11の点「B」に達すると、予め決められて予めプログラムされた圧力限界に流体圧力が達したため、駆動ユニット50のモータが停止する。モータが停止すると、駆動ユニットはもはやシリンジから薬物/薬剤を放出しない。それがこの予め決められた値に達すると、機器は、明滅する放射光による針挿入速度の表示/指示を中止する。
ただし、この値は、必要に応じてオペレータによって変更され得る(この事例では、これは100mm/Hgに予め設定されている)。
点「B」に達したら、特定の視覚式の警報が出される。これは、異なる色(この例では白色の発光)の使用であってもよい。この光は、最大圧力に達したことを表すために一定であっても明滅してもよい。
点「B」と点「C」との間の一定期間にわたって圧力は100mm/Hgのままであるが、針の移動に関連する追加の視覚式の情報はない。オペレータは、必要に応じて圧力値が100mm/Hgであることを確認するためにスクリーンを見ることができる。
オペレータは、点「C」で針の先端が硬膜外腔に入るように針を前進させ続ける。針が硬膜外腔に入ると圧力の低下が起こり、駆動ユニット50のモータはプランジャを変位させ始め、これによりシリンジから薬物/薬剤が放出される。それにもかかわらず、圧力は、「C」から「D」への間のこの時間にわたって低下する。発光源は、圧力の低下が起こっていることを示すために赤色の明滅光を出す。
点「D」で、圧力は、変曲点に達し、再び増加し始める。点「D」で、放射光インディクター(インジケータ)は、点「D」から点「E」までの間、決められた1秒のペース(これは点「A」から点「B」までの間の針挿入ペースから区別される)で明滅する緑色の明滅光によって表されるように変化する。
変曲点「E」で、圧力は再び低下し始め、このとき、視覚信号発生器は、予め決められた別の圧力値が点「F」で検出されるまで再び赤色の明滅光に変化させる。
点「F」に達して圧力が40mm/Hgの圧力値未満に低下した後、出口圧力値が40mm/Hg〜20mm/Hgであることを示すために、「点Fから点G」の間は連続した赤色が発せられる。
圧力が点「G」を通過するとき、圧力は20mm/Hgの圧力値まで低下し、最小圧力値に達して、出口圧力値が20mm/Hg〜0mm/Hgの間にあることを示すために、連続した青色が発せられる。
このとき、硬膜外腔の識別がオペレータによって確認され、機器の使用が終了する。
電気刺激を用いる注入システム
図10及び図13を参照すると、電気刺激要素を含む薬物注入システムが405で示されている。システム405は、末梢神経ブロック(別言すると、末梢神経遮断)などの様々な処置に使用されるように構成される。システム405は、5で示したシステムに関連して上で説明した要素と同じまたは同様の多数の要素を含む。したがって、システム5の要素と実質的に同様である、システム405の要素は、同じ参照番号を含む。
システム405は、上で説明した注射アセンブリ10および駆動ユニット50と同様の注射アセンブリ410およびコンピュータ制御の薬物送達機器450を含む。注射アセンブリ410は、挿入針340を含み、使用中に注射アセンブリへの流体の流れを制御する駆動ユニット450に接続されている。システム405はまた、対象内への針の適切な配置を支援するために処置中に医療専門家にデータを提供する一つ以上の出力機構を含む。
システム405は、神経束内針配置のために位置を判定/特定するように動作可能である。システムはまた、治療薬物/治療薬剤を神経束内針目標位置に送達するように動作可能である。この薬物/薬剤は、局所麻酔薬液剤(コルチコステロイドなど)、ヒドロキシアパタイト、同時補充薬物、硬化薬/硬化剤、および治療目的のために一般的に流体充満組織空間に注射される他の薬物を含み得るが、これらに限定されない。
神経束内針目標位置は、針の先端が神経周膜を貫通して神経束の内部に配置される位置である。神経束外針目標位置は、個別の神経束の神経周膜の外部の任意の針の位置であり、この位置は、外側神経上膜の外部、さらには神経の滑走組織を含み得るものであり、これによって完全に神経外のものとして規定される。
針の先端が神経束内に埋め込まれ、それから静水圧下の流体が神経束内の神経組織および血管組織に変化をもたらすとき、神経に不可逆的な損傷が生じ得る。これは、神経束の外層が比較的柔軟でない硬い保護構造の保護層であるために生じる。これは、神経束内に密集して包まれた、神経の基本構成要素(軸索)を保護する。言い換えれば、神経束は、厚い保護外皮を伴う、密集して包まれた配置を表す。神経束は、膨張または収縮のいずれによっても容易に変形しない。したがって、流体の流入に対する組織のコンプライアンス(即ち、伸展性,物理的な柔軟さ)は、極めて低いおよび/または存在しない。神経束への針の貫入は必ずしも軸索ユニットへの極度の損傷の原因になり得るわけではないが、針の貫入の効果と神経束内部への流体の注入による神経束内部の圧力の上昇とが組み合わさると、毛細血管床の損傷が生じ得る。さらに、軸索の微小循環の流体圧力誘発性絞扼は、このような物理的外傷後の短期間の栄養補給を妨害し、したがって初期の壊死をもたらす。壊死からのカスケード(即ち、一連の増幅的な段階反応)は、初期の圧力誘発性外傷からの創傷治癒を開始するために炎症反応をもたらし、場合によってはさらに、不可逆的な損傷に向かうか、または不可逆的な損傷につながる。
しかしながら、意図的な神経束内への針の配置が望ましく必要とされる事例もある。そのような事例として、四肢が除去された後の未解消の幻肢痛が挙げられる。さらに、特定の四肢の過度に活発な神経刺激は、場合により、消すことができる痛みをもたらすことがあり、意図的な神経束内への針の配置および薬物/薬剤の送達が必要とされる別の状況である。したがって、システム405およびその使用は、針の神経束外配置と神経束内配置とを効果的に識別するための方法および装置を提供する。
注射された流体は、様々な速度で組織の中を通って分散する。その結果、流体圧力が変化する。したがって、この流体圧力(または組織の抵抗圧に関連する内圧)は、いくつかの種類の組織を示し、そしてこれらを識別するために使用され得る。
システム405は、非標的組織への薬物の配置を制限しながら、実践者が流体充満組織空間を正確に識別することを可能にする。これは、診断および治療の両方の処置のために行われる。システム405は、配置の正確さを確認するために、また、注射または吸引中の配置を監視するために、針/カテーテルを組織内に配置した後の針またはカテーテルからの流体の圧力を利用する。
具体的には、システム405は、挿入針内の検出された流体圧力の可聴および/または視覚フィードバックを提供するための一つ以上の出力機構を含む。オペレータは、挿入針の配置中の指針として視覚フィードバックを使用する。図13に示すように、第一の出力機構は、オペレータを助けるためにデータを表示するためのLCDディスプレイなどのビデオディスプレイスクリーンであってもよい。さらに、第二の出力機構を設けることもできる。例えば、第二の出力機構は、出力信号を出すためのスピーカであってもよい。
システム405は、シリンジ18と、シリンジに接続された第一の端部を有する細長い可撓性チューブ22と、第二の端部に接続された挿入針340とを含む注射アセンブリ410を含む。このようにして、シリンジからの流体は、チューブ22を通って針24へ放出され得る。注射アセンブリ410はまた、注射アセンブリ内の流体圧力を検出するための圧力センサを含む。圧力センサは、針340の先端における流体圧力と相関する圧力を測定するために、いくつかの位置のうちの一つに配置されてもよい。この例では、圧力センサ20は、シリンジとチューブ22との間でシリンジ18に取り付けられたインライン流体圧力センサである。このようにして、圧力センサ20は、流体がシリンジを出て挿入針340が接続されているチューブ22に入るときの流体圧力を検知する。
注射システム(注射アセンブリ)410はまた、針が取り付けられる再使用可能なハンドピース300を含んでもよい。図10に示すように、挿入針340はハンドピースの前端に接続され、チューブ22はハンドピースの後端に接続される。ハンドピース300は、以下でさらに説明するように、挿入プロセス中にオペレータを支援する機能を含んでもよい。さらに、ハンドピース300は、以下でさらに説明するように、電気刺激を与えるように構成されてもよい。
注射アセンブリは、流体を注射するために手動で操作されてもよい。しかしながら、この例では、コンピュータ制御の薬物送達システム450は、以下でさらに述べるように、注射アセンブリからの流体の流れを制御する。出力ケーブル21は圧力センサ20と薬物送達システム450とを接続し、これにより、薬物送達システムは、圧力センサ20からのデータに応答して、シリンジからの流体の流れを監視し、必要に応じて変更することができる。圧力変換器20は、シリンジ18のシリンダの前端とチューブ22の第一の端部との間にインラインに(別言すると、一列に並んで直列に,組み込まれて直列に)接続されてもよい。一つの例示的な接続は、圧力変換器20とシリンジの先端とを接続するためのルアー(別言すると、ルーアー)接続である。接続は、ねじ接続および/またはルアーロック(別言すると、ルーアーローク)などの不可逆的なねじ接続によって固定されてもよい。代替的に、圧力変換器20は、プラスチック溶接または接着剤などの化学結合によってシリンジに永久的に固定されてもよい。このようにして、薬物送達ライン22内の瞬間的な実際の流体圧力が機器によって検知および使用され、これにより、針340の先または先端における、したがって針の先端が配置された患者の身体内の位置における実際の瞬間的な流体圧力に近い近似値が提供される。電子圧力変換器20は、圧力測定値を収集する中央ユニット50に直接接続された電子データケーブルを介して圧力データを提供する。
上で説明したように、システム405は、制御された薬物/薬剤の流れを注射アセンブリ10に提供するための流体送達システム50を含んでもよい。好ましくは、流体送達システムは、自動システムであり、この例では、以下の説明では特に言及しない限りは上で説明した駆動ユニット50と同様に動作する駆動ユニット450と呼ばれるコンピュータ制御の流体送達システムである。
電気刺激
システム405はまた、患者の標的組織に電気神経刺激を与えるための電気刺激要素334を含んでもよい。電気刺激要素は、ハンドピース300に接続された導電性要素である。電気刺激要素は、低強度(即ち、約0.15mAから約2.0mAまで)且つ短い持続時間(即ち、約0.1から1Msのパルス)の電荷を供給するように動作可能である。電子刺激要素は、短時間(即ち、約1〜10秒)にわたって刺激を与える。
電気刺激器は、外部要素であっても内部要素であってもよい。例えば、図10及び図13は、外部の電気刺激を組み込んだ実施形態を示している。導電性ケーブルなどの導電性要素334がハンドピース300と刺激発生器335とを相互接続し、これにより、電気刺激が刺激発生器からハンドピースに伝達される。さらに、ハンドピースは、電荷を組織に送るように構成された要素に接続される。例えば、針340は導電性材料から形成されてもよく、ハンドピースは、導電性要素および針からの電気経路を提供する、針との接続部を含んでもよい。代替的に、電線などの導電性要素が針の全長にわたって延在してもよく、針は、針から電気的に絶縁されてもよい。例えば、針は、電気絶縁材料から形成されてもよい。外部の電気刺激要素の一例は、ビー・ブラウンメディカル社(B.Braun Medical Inc.)(Bethlehem,PA)により、商標名「Stimuplex(登録商標)」で販売されている絶縁針、或いは、商標名「Contiplex(登録商標)C」で販売されている套管針(内針付きカテーテル)である。
代替的に、システムは、内部の電気刺激を利用してもよい。例えば、シリンジから注射される流体は、電気刺激を伝えることが可能なイオン溶液であってもよい。導電性要素は、絶縁針内で流体と相互接続されてもよい。針は、様々な非導電性材料から構成されてもよい。例えば、導電性要素は、シリンジ18と針340との間のある位置で流体経路内に突出していてもよい。例えば、導電性要素は、ハンドピース300の後端で流体に電気刺激を与えてもよい。電気刺激が流体を介して組織に与えられる場合、針340は、針の側壁を通る電荷の放電または放出を最小限に抑えるために電気的に絶縁されてもよい。
電気刺激要素は、刺激要素に電荷または電気パルスを供給するように動作可能な電気源である電気刺激発生器335に接続される。刺激発生器は、図3に示すように、駆動ユニット450に組み込まれてもよい。このような構成では、刺激発生器335は駆動ユニットのCPUに接続され、これにより、CPUは刺激発生器の動作を制御するために電気信号を供給できる。代替的に、刺激発生器は、別個の電源および別個の制御装置を有する別個の要素であってもよい。
システム405はまた、オペレータがシステムを制御するための入力信号を供給することを可能にする、ユーザ操作可能な入力機構470を含んでもよい。入力機構は、オペレータが開始、停止、または単一の流量から第二若しくは第三の異なる予め設定された流量への流量の変更を行うための手段を提供するハンドヘルドの(別言すると、手で持って操作する)制御装置または足で操作する制御装置などの様々なデバイスのいずれかであってもよい。代替的に、入力要素は、ボタン、タッチスクリーン、マウス、キーボード、または入力コマンドを可聴的に供給するためのマイクロホンであってもよい。さらに、システムは、オペレータが処置の様々な段階で様々な入力を入力することを可能にするために複数の入力機構を含んでもよい。例えば、システムは、デバイスを通る流体の流れを制御するフットペダルなどの第一の入力機構を含んでもよい。フットペダルスイッチを作動させる(即ち、スイッチを押し下げる)ことにより、駆動ユニットのCPUに信号が送信され、その結果、CPUはモータに信号を送信してモータを駆動する。これにより、ペダルが作動されている限り、流体がシリンジから針340に流れる。代替的に、フットペダルを最初に作動させることが流体の流れを開始するための開始信号として機能してもよく、また、流体は、オペレータがフットペダルを再び作動させるまで流れ続けてもよい。このようにして、第二の作動は、流体の流れを中止する停止信号として機能する。さらに、システムは、タッチスクリーンなどの第二の入力機構を含んでもよい。これにより、電気シミュレーション(電気刺激)が患者に与えられたとき、オペレータは、筋単収縮が検出されたか否かまたは外的な刺激に対する感覚に患者が気づいたか否かの徴候(別言すると、指摘)を入力してもよい。またさらに、一次または二次入力機構は、ハンドピース上のボタン325などの制御ボタンであってもよい。処置中に応答入力を供給するために、制御ボタン325を作動させることによって、信号がCPUに送信されてもよい。
上述したように、流体圧力は、システム5の動作を制御するために使用される。同様に、流体圧力は、末梢神経ブロック(別言すると、末梢神経遮断)システム405の動作を制御するために使用される。例えば、システム405は、流体圧力が閾値を超えたときにオペレータに信号を提供し、それにより針が神経束内に配置され得ることを示してもよい。上述したように、針の出口の流体圧力を計算するためにはいくつかの方法がある。
電気刺激を組み込んだシステムの操作方法
次に、上で説明したシステムを使用して硬膜外注射を打つための例示的な方法について説明する。本システムは末梢神経ブロック処置(別言すると、末梢神経遮断処置)での使用に限定されないことを理解されたい。したがって、以下に説明する原理および方法を、様々な用途および処置における、組織および解剖学的領域への注射に容易に適合させることができることを理解されたい。
システムは、針が神経束の中に配置された(即ち、神経束内に配置された)か否かを検出するために使用されてもよい。システムは、いくつかの変数の組み合わせに基づいてこの判定を行う。まず、針が神経内膜を突き刺している場合、神経内膜内には軸索が密集して包まれているため、流体圧力は非常に高くなる。さらに、針が神経内膜を突き刺している場合、オペレータは、針の先端またはその近傍で患者に与えられる電気刺激に対する顕著な反応を観察する可能性が高い。したがって、オペレータが高い流体圧力に気づき、次に電気刺激を与えた後に反応に気づいた場合、針は神経束内に配置されており、したがって再配置しなければならない可能性が高い。したがって、システムは以下のように動作し得る。
図14を参照すると、ステップ500において、オペレータは、上限閾値および/または流体の流量および/または針の前進速度などの処置パラメータを選択する。例えば、オペレータは、300mm/Hgなどの上限閾値圧力を設定してもよい。代替的に、上限閾値は、システムを使用することができる処置の種類をオペレータが選択したときにシステムで予め設定されてもよい。同様に、オペレータが、針を通る流体の流量を選択してもよいし、流量は、オペレータが処置の種類を選択したときに自動的に設定されてもよい。さらに、オペレータは、電気神経刺激が与えられる場合の電気神経刺激の持続時間を選択してもよい。処置パラメータが選択されたら、オペレータは、処置を開始できるという指示/目安を提供する。例えば、オペレータは、駆動ユニットの開始ボタンを押してもよい。
ステップ510において、オペレータは、針を患者の中に前進させる。上述したように、針は、3〜10mm/秒などの様々な挿入速度のいずれかで前進させられてもよい。好ましくは、針は、実質的に一定の速度で挿入される。したがって、ステップ510において、オペレータは、上で説明したようにインジケータ315によってガイドされる一定の速度で針を挿入してもよい。
ステップ515において、オペレータが針を前進させるとき、システムは、針におけるフィードバック圧力を連続的に測定し、測定された圧力に関して視覚的にまたは可聴的にフィードバックを提供する。視覚信号は、測定された圧力が変化するのに合わせて変化する。
ステップ520において、オペレータは、流体圧力が上限を超えたことを示す信号をシステムが供給しない限り、針を前進させ続ける。
ステップ525において、流体圧力が上限閾値を超えたら、システムは、可聴信号、視覚信号、および/または触覚信号の形態で警告信号を提供する。流体圧力が上限閾値を超えたことを示す信号に応答して、オペレータは針の前進を停止する。さらに、駆動ユニットは、モータを停止させて針への流体の流れを停止させてもよい。
ステップ530において、電気神経刺激信号が、針340の先端にまたはその近傍に加えられる。例えば、上で説明したように、電気神経刺激は、針の先端の近傍に配置された導電性要素に加えることができる。電気神経刺激は、上限閾値を超えた流体圧力に応答してシステムによって自動的に供給されてもよい。例えば、流体圧力が上限閾値を超えると、システムはオペレータに信号を提供する。さらに、その時点で、または短い遅延の後(1〜3秒後など)に、システムは電気神経刺激を供給してもよい。代替的に、オペレータは、ボタンを押すまたは音声コマンドを出すなど、入力誘導メッセージを出すことによって電気刺激を与えてもよい。オペレータの誘導メッセージに応答して、電気神経刺激が患者に与えられる。言い換えれば、流体圧力が上限閾値を超えると、システムはオペレータに電荷を加えるように促し、信号に応答してオペレータは電荷を加える。
ステップ540において、オペレータは、筋単収縮などの臨床的に観察可能な反応を検出するために患者を監視する。次に、オペレータは、観察可能な反応が検出されたか否かを示す入力をシステムに与える。例えば、オペレータは、痙攣に気づいた場合は第一のボタンを押してもよく、あるいは、オペレータは、痙攣に気づかなかった場合は第二のボタンを押してもよい。オペレータが観察可能な反応に気づいたら、方法はステップ545に進む。オペレータが観察可能な反応に気づかなかったら、方法はステップ560に進む。
ステップ560において、システムは、オペレータに警戒警告を出す。警報は、視覚的、可聴的、および/または触覚的であってもよい。この警告は、針が神経束内に配置されている可能性があることをオペレータに警告する。例えば、システムは、「警告」という単語などの可聴警告音を出す一方で、ハンドピース上でさらに点滅光を出してもよい。
ステップ550において、オペレータは、針を引き抜き、神経周膜に突き刺すことなく針を標的領域に配置しようとして針を再配置する。このようにして、方法は、ステップ510で再開される。
ステップ540で観察可能な反応が検出されなかった場合、方法はステップ560に進む。ステップ560において、システムは、注射のために針が適切に配置されている(即ち、針の先端が神経束外に配置されている)ことを示す信号をオペレータに出す。例えば、駆動ユニット50は、「進行中」という単語をアナウンスするなどして可聴信号を出してもよいし、駆動ユニットまたはハンドピースのディスプレイスクリーン上に「進行中」という単語などの視覚信号を出してもよい。
ステップ565において、流体の流量は、第一の流量よりも高い第二の流量に増加される。オペレータは、針が適切に配置されていることをオペレータが検出できるように観察可能な予備量を注射してもよい。配置が確認されたら、オペレータは、患者を麻酔するために流体のボーラス(別言すると、薬物適用量一回分,薬物全量一度投与量)を注射してもよい。代替的に、オペレータは、針の配置を確認するために或る量を最初に注射することなく流体のボーラスを注射してもよい。いずれにせよ、ステップ565では、或る量の流体が、前の低流量よりも高い速度で注射される。代替的に、上限圧力を超えたという徴候/目安および電気神経刺激に応答して反応が観察されなかったという徴候/目安に応答して、駆動ユニットは、モータの速度を増加させることなどによって流量を自動的に増加させてもよい。
現在のデバイスおよび方法の別の特徴は、注射プロセスの全段階中において監視される圧力であってコンピュータ制御の薬物送達デバイスによって測定される圧力の客観的性質である。したがって、臨床医は、もはや「感覚」の主観的性質に頼らず、この重要な技術の各段階を実行しながら絶対値の客観的情報を得る。この技術の各段階は、連続的に圧力を客観的に監視する能力によって改善される。
流体の流れを停止するための予め設定された最大圧力としての300mm/Hgの例は一例であり、より低いまたはより高い予め設定された圧力が臨床医の裁量/判断で選択されてもよいことを理解されたい。本明細書に説明されている技術は、ヒトおよび動物の組織に等しく適用可能である。
本発明の広範な発明概念から逸脱することなく、上で説明した実施形態に変更または修正を加えることができることが当業者には理解されるであろう。例えば、上記の説明では、システムは流体の注入を行うこととの関連で説明されている。しかしながら、システムは流体充満組織から吸引するために針を配置することに使用されてもよいことを理解されたい。具体的には、注射デバイスは、流体充満空間の識別が確認された後に流体充満組織空間の吸引に使用され得る。吸引は、組織または細胞外液(即ち、脳脊髄液、関節腔内液、血液など)のサンプルを採取するために使用され得るし、注射針の正確な配置を判定するために使用され得る。吸引処置中、「進入圧力」が、流体充満組織空間内の圧力と同じ方法で測定される。なお、それは、圧力の損失を特徴とする。同様に、吸引処置を使用して間違った圧力損失も識別される。これは、内部組織構造(即ち、嚢胞)の中身が急速に流れ出るものであり、進入圧力が閾値進入圧力を超えて上昇するからである。
したがって、本発明は、本明細書で説明した特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された、本発明の範囲および趣旨/意図の範囲内にあるあらゆる変更および修正を含むものであることを理解されたい。

Claims (60)

  1. 解剖学的空間内に流体を投与するための装置であり、
    流体容器から針への前記流体の流れを制御するための注射システムであって、
    前記針が、哺乳類の対象への皮下挿入のために構成されている注射システムと、
    前記針内の流体圧力を示す特性を検出するためのセンサであって、
    前記針が前記対象に挿入されるときに前記特性を連続的に検出するように構成されているセンサと、
    前記針の先端に於いてまたは前記針の前記先端の近傍に於いて電気神経刺激を与えるための電気神経刺激要素であって、
    前記センサが上限閾値を超える前記流体圧力を示す前記流体圧力の特性を検出した後に電気神経刺激を患者に与える電気神経刺激要素と
    を備える装置。
  2. 前記システムが、可聴信号、視覚信号、または触覚信号を出すように動作可能なインジケータを含む、請求項1に記載の装置。
  3. 前記インジケータが、前記流体圧力が前記上限閾値を超えたときに信号を出すように動作可能である、請求項2に記載の装置。
  4. 前記電気神経刺激に応答して臨床的に観察可能な反応が観察されたか否かをオペレータが入力するための機構を提供するように構成された入力要素を備える、請求項2に記載の装置。
  5. 前記インジケータが、前記針が注射に適した位置にあることを示す信号を出すように動作可能であり、前記インジケータが、前記臨床的に観察可能な反応が観察されていないことを示す、前記入力要素からの信号に応答して前記信号を出すように構成されている、請求項4に記載の装置。
  6. 前記注射システムが流体容器および細長い可撓性チューブを含み、前記可撓性チューブの第一の端部が前記流体容器に接続され、前記可撓性チューブの第二の端部が前記針に接続される、請求項1から5のうちのいずれか一項に記載の装置。
  7. 前記センサが前記流体容器と前記針との間にインラインに配置され、これによって前記センサが前記容器と前記針との間の前記流体の流れとインラインに前記流体圧力を検出する、請求項6に記載の装置。
  8. 前記注射システムが、前記流体容器から流れる前記流体の速度を制御するためのマイクロプロセッサを備える、請求項1から7のうちのいずれか一項に記載の装置。
  9. 末梢神経ブロックを患者に提供するための方法であって、
    患者に針を挿入するステップと、
    前記針が前記患者内にある間に前記針を通る流体の流れを供給するステップと、
    前記針が前記患者内にある間に前記針内の流体圧力を監視するステップと、
    前記流体圧力が上限を超えていることを示す、人間に知覚可能な信号を出すステップと、
    前記信号に応答して前記針の先端に於いてまたは前記針の前記先端の近傍に於いて電気神経刺激を与えるステップと
    を含む方法。
  10. 前記電気神経刺激に対する反応を検出するために前記患者を監視するステップを含む、請求項9に記載の方法。
  11. 前記電気神経刺激に対する反応が検出された場合は第一の信号を供給し、前記電気神経刺激に対する反応が検出されなかった場合は第二の信号を供給するステップを含む、請求項10に記載の方法。
  12. 前記第一の信号に応答して前記針を再配置するステップを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記第二の信号に応答して流体のボーラスを注射するステップを含む、請求項12に記載の方法。
  14. 末梢神経ブロックを患者に提供するためのシステムであって、
    尖った先端を有する針と、
    前記針に流体の流れを供給する流体ポンプであって、前記針への前記流体の流れを制御するためのマイクロプロセッサを備える流体ポンプと、
    前記針内の流体圧力を検出するためのセンサと、
    前記針の前記先端に於いて電気神経刺激を与えるための導電性要素と、
    人間に知覚可能な信号を出すように構成された出力要素であって、前記流体圧力が上限を超えたことを示す信号に応答して、前記針の挿入を中止するようにオペレータに警報を出すために警報信号を出す出力要素と
    を備え、
    前記導電性要素が、前記センサが前記上限を超える前記流体圧力を検出した後に前記針の前記先端に於いてまたは前記針の前記先端の近傍に於いて電気神経刺激を与えるように構成されているシステム。
  15. 前記電気神経刺激に応答して臨床的に観察可能な反応が観察されたか否かを前記オペレータが示すことを可能にするように構成された入力要素を備える、請求項14に記載のシステム。
  16. 前記出力要素が、前記電気神経刺激に応答して前記反応が観察されたことを示す前記入力要素からの信号に応答して第二の警報信号を出すように構成されている、請求項15に記載のシステム。
  17. 前記出力要素が、前記電気神経刺激に応答して前記反応が観察されなかったことを示す前記入力要素からの信号に応答して第三の警報信号を出すように構成されている、請求項16に記載のシステム。
  18. 前記流体容器がプランジャを有するシリンジを備え、前記注射システムが前記シリンジから前記流体を放出するために前記プランジャを自動的に前進させるための制御機構を備える、請求項14から17のうちのいずれか一項に記載のシステム。
  19. 前記センサが圧力変換器を備える、請求項14から18のうちのいずれか一項に記載のシステム。
  20. 前記センサが前記流体圧力を検出し、前記ポンプが前記検出された流体圧力に応答して前記流体の流れを制御する、請求項19に記載のシステム。
  21. 解剖学的空間内に流体を投与するための装置であり、
    流体容器から針への前記流体の流れを制御するための注射システムであって、
    前記針が、哺乳類の対象への皮下挿入のために構成されている注射システムと、
    前記針内の流体圧力を示す特性を検出するためのセンサであって、
    前記注射システムが、前記センサによって検出された前記特性に応答して前記針への前記流体の流れを制御し、前記センサが、前記針が前記対象に挿入されるときに前記特性を連続的に検出するように構成されているセンサと、
    前記注射システムに接続されるライトアセンブリであって、前記センサによって検出された前記特性に応答して前記針内の前記流体圧力を示す連続可変信号を出すライトアセンブリと
    を備える装置。
  22. 前記ライトアセンブリが、前記針の近傍に投射するライトを備える、請求項1に記載の装置。
  23. 前記注射システムが、流体容器および細長い可撓性チューブを含み、前記可撓性チューブの第一の端部が前記流体容器に接続され、前記可撓性チューブの第二の端部が前記針に接続される、請求項21または22に記載の装置。
  24. 前記針が前記針の前記第二の端部に接続されている、請求項23に記載の装置。
  25. 前記センサが前記流体容器と前記針との間にインラインに配置され、これによって前記センサが前記容器と前記針との間の前記流体の流れとインラインに前記流体圧力を検出する、請求項24に記載の装置。
  26. 前記注射システムが、前記流体容器から流れる前記流体の速度を制御するためのマイクロプロセッサを備える、請求項21から25のうちのいずれか一項に記載の装置。
  27. 前記ライトアセンブリが、前記可撓性チューブを介して投射される、請求項24に記載の装置。
  28. 前記ライトアセンブリが、光線を投射する可干渉光のライトを備える、請求項21から27のうちのいずれか一項に記載の装置。
  29. 前記ライトアセンブリが、前記圧力センサによって検出された前記圧力を示す数字、文字、または記号を投射する、請求項21から28のうちのいずれか一項に記載の装置。
  30. 前記ライトアセンブリが、前記圧力センサによって検出された前記圧力の変化に応答して、前記投射される数字、文字、または記号を連続的に更新する、請求項29に記載の装置。
  31. 前記流体容器がプランジャを有するシリンジを備え、前記注射システムが前記シリンジから前記流体を放出するために前記プランジャを自動的に前進させるための制御機構を備える、請求項21から30のうちのいずれか一項に記載の装置。
  32. 前記センサが圧力変換器を備える、請求項21から31のうちのいずれか一項に記載の装置。
  33. 前記センサが前記流体圧力を検出し、前記流体コントローラが前記検出された流体圧力に応答して前記流体の流れを制御する、請求項21から32のうちのいずれか一項に記載の装置。
  34. 前記チューブの前記第二の端部に接続されるハンドルであって、前記ライト要素が接続されるハンドルを備える、請求項24に記載の装置。
  35. 前記ライト要素が光ファイバケーブルを備える、請求項24に記載の装置。
  36. 前記光ファイバケーブルが、前記チューブの全長にわたって延在する、請求項34に記載の装置。
  37. 前記ライトアセンブリが、前記ライト要素から投射される光の色が前記圧力センサによって検出された前記特性に応答して連続的に変化するように構成されている、請求項21から36のうちのいずれか一項に記載の装置。
  38. 前記ライトアセンブリが前記針の挿入速度に関連する周期に従って変化する視覚信号を出し、これによって前記視覚信号が前記針の前記挿入速度をガイドする、請求項21から37のうちのいずれか一項に記載の装置。
  39. 前記視覚信号が、前記針の前記挿入速度に相関する周期に従って点滅または明滅する、請求項38に記載の装置。
  40. 前記針が、前記針の挿入のための参照距離を提供するために前記針の全長にわたって互いに離間された複数のマーキングを備える、請求項21から39のうちのいずれか一項に記載の装置。
  41. 解剖学的空間内に流体を投与するための装置であり、
    流体容器から針への前記流体の流れを制御する流体コントローラであって、前記針が哺乳類の対象への皮下挿入のために構成されている流体コントローラと、
    前記針内の前記流体の特性を検出するためのセンサであって、前記特性が前記針内の流体圧力または流体流量を示すセンサと、
    視覚的に知覚可能な信号がオペレータによって容易に視認可能であるように前記視覚的に知覚可能な信号を投射するライト要素であって、前記視覚的に知覚可能な信号が変化するライト要素と
    を備える装置。
  42. 前記ライト要素が、所期の針挿入部位の近傍で前記患者に前記信号を投射するように構成されている、請求項41に記載の装置。
  43. 前記センサが前記流体圧力を検出し、前記流体コントローラが前記検出された流体圧力に応答して前記流体の流れを制御する、請求項41または42に記載の装置。
  44. 前記ライト要素が、集束光線を投射するように構成されている、請求項41から43のうちのいずれか一項に記載の装置。
  45. 前記流体コントローラが、プランジャを有するシリンジと、前記シリンジから前記流体を放出するために前記プランジャを自動的に前進させるための制御機構とを備える、請求項41から44のうちのいずれか一項に記載の装置。
  46. 前記制御機構が、前記検出される特性に関する信号を前記センサから受信するように構成されたマイクロプロセッサを備える、請求項45に記載の装置。
  47. 前記センサが圧力変換器を備える、請求項41から46のうちのいずれか一項に記載の装置。
  48. 前記針が、前記針の挿入のための参照距離を提供するために前記針の全長にわたって互いに離間された複数のマーキングを備える、請求項41から47のうちのいずれか一項に記載の装置。
  49. 前記ライト要素が、前記針の所望の挿入速度に相関する周期に従って点滅または明滅する、請求項41から48のうちのいずれか一項に記載の装置。
  50. 前記流体コントローラが流体容器および細長い可撓性チューブを含み、前記可撓性チューブの第一の端部が前記流体容器に接続され、前記可撓性チューブの第二の端部が前記針に接続され、前記針が前記針の前記第二の端部に接続されている、請求項41から49のうちのいずれか一項に記載の装置。
  51. 流体容器から哺乳類の対象に流体を投与するための装置であり、
    全長にわたって複数のマーキングを有する針と、
    前記針と流体連通する流体容器と、
    前記容器から前記針への前記流体の流れを制御するように動作可能な流体コントローラと、
    インジケータ信号をオペレータに提供するインジケータ要素であって、前記インジケータ信号が前記対象への前記針の所期の挿入速度に対応すると共に前記針上の前記マーキングが前記対象への前記針の挿入速度の視覚フィードバックを提供するように構成されているインジケータ要素と
    を備える装置。
  52. 前記流体容器がシリンジバレルを備える、請求項51に記載の装置。
  53. 前記流体コントローラが、前記バレルから前記流体を放出するために前記バレル内で変位可能なプランジャを備える、請求項52に記載の装置。
  54. 前記針上の前記マーキングが、前記針の全長にわたって互いに均等に離間されている、請求項51から53のうちのいずれか一項に記載の装置。
  55. 前記マーキングが、前記針の全長にわたって互いに等間隔にある、請求項51から54のうちのいずれか一項に記載の装置。
  56. 前記インジケータ要素が、反復周期で前記インジケータ信号を出す、請求項51から55のうちのいずれか一項に記載の装置。
  57. 前記周期が前記針の前記所期の挿入速度に対応し、これによって前記インジケータ信号が前記針の前記挿入速度をガイドする、請求項56に記載の装置。
  58. 前記インジケータ要素がライト要素を備える、請求項51から57のうちのいずれか一項に記載の装置。
  59. 前記視覚信号が、前記針の前記挿入速度に相関する周期に従って点滅または明滅する、請求項58に記載の装置。
  60. 前記チューブの前記第二の端部に接続されるハンドルであって、前記ライト要素が取り付けられるハンドルを備える、請求項59に記載の装置。
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