JP2018525167A - 気管切開チューブアセンブリ及び内部カニューレ - Google Patents

気管切開チューブアセンブリ及び内部カニューレ Download PDF

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Abstract

気管切開チューブ100の内部カニューレ200は滑らかなボア付きの押出成形したシャフト20を有する。螺旋状の補強素子23をシャフトの外側面上にモールド成形し、補強素子の軸線方向長さは、補強素子の2つの隣接巻回間に延在する短いブリッジ素子24の複数グループによって増大する。これらブリッジ素子24は、シャフト20の周りに、またシャフトに沿って間隔を空けて配置する。
【選択図】図3

Description

本発明は、外側の気管切開チューブと、該外側チューブのボアに沿って延在するよう取外し可能に挿入される内部カニューレとを有する種類の気管切開チューブのアセンブリに関する。
気管切開チューブアセンブリは、一般的に外側チューブと、外側チューブ内に取外し可能に装着される内側チューブ又は内部カニューレとを備える。内部カニューレは、アセンブリ内の通路が分泌物によって閉塞されないことを確実にするため周期的に取り外しまた交換することができる。このことにより、外側チューブを頻繁に取り外す必要性を回避する。
内部カニューレは種々の問題があり、これは、内壁が薄く、また大きなボアを生ずるよう外部チューブ内に緊密嵌合して、アセンブリに沿うガスの流れに対する抵抗を制限しなければならないからである。しかし、さらに、外部チューブ内に座屈又はよじれを生ずることなく挿入するのに十分な剛性を有していなければならず、また容易に取外し可能、好適には最小力をチューブに加えることだけで済ませられなければならない。特許文献1及び2(国際公開第94/01156号及び同第2004/101048号)はPTFE製の内部カニューレを記載している。特許文献3(欧州特許第1938857号)は、適切な気管切開チューブ内に嵌合させるだけで済ませられるよう、内部カニューレにおける異なるサイズのハブを異なる形状にする、気管切開チューブ及び内部カニューレの構成について記載している。特許文献4(欧州特許第2224985号)は、ハブを内部カニューレのシャフトに付着させる構成について記載している。特許文献5(英国特許第2056285号)は、外面及び内面の双方を波形にした壁、及び波形の少なくとも幾つかを横断する長手方向溝又は他の補強部材を有する内部カニューレについて記載している。特許文献6(米国特許第4817598号)は、後方の装置側端部にリングプル形成部を有する平滑壁付き内部カニューレについて記載している。特許文献7(米国特許第5119811号)は、異なる材料による2層で形成したフレア付き患者側端部を有する内部カニューレについて記載している。特許文献8(米国特許第5386826号)は、外部に螺旋フィラメント又は低摩擦材料層を有する内部カニューレについて記載している。知文献9(米国特許第5983895号)は、両側の端部を中間湾曲区域によって接合した直線的区域を有する内部カニューレについて記載している。特許文献10(米国特許第6019753号)は、カニューレが優先的屈曲平面を有するよう異なる可撓性の2つの細長領域がある内部カニューレについて記載している。この特許文献10は、より可撓性を持たせる溝孔を形成し、これら溝孔を外部の薄いシャフトによってカバーするシャフトを有する内部カニューレについて記載している。特許文献11(米国特許第6135110号)は、回転可能なばね取付具によって外部チューブに保持される湾曲した内部カニューレについて記載している。他の内部カニューレ構成は、例えば、特許文献12〜21(米国特許第6024730号、国際公開第2014/132015号、同第2014/132016号、同第2015/110773号、同第2015/118288号、同第2015/136232号、同第2015/145099号、同第2015/166200号、英国特許第2531902号、及び国際公開第2016/166498号(PCTGB2016/000069))に記載されている。
国際公開第94/01156号パンフレット 国際公開第2004/101048号パンフレット 欧州特許第1938857号明細書 欧州特許第2224985号明細書 英国特許第2056285号明細書 米国特許第4817598号明細書 米国特許第5119811号明細書 米国特許第5386826号明細書 米国特許第5983895号明細書 米国特許第6019753号明細書 米国特許第6135110号明細書 米国特許第6024730号明細書 国際公開第2014/132015号パンフレット 国際公開第2014/132016号パンフレット 国際公開第2015/110773号パンフレット 国際公開第2015/118288号パンフレット 国際公開第2015/136232号パンフレット 国際公開第2015/145099号パンフレット 国際公開第2015/166200号パンフレット 英国特許第2531902号明細書 国際公開第2016/166498号パンフレット(PCT/GB2016/000069)
本発明の目的は、従来にとって代わる気管切開チューブアセンブリ及び内部カニューレを得るにある。
本発明の一態様によれば、上述の種類の気管切開チューブアセンブリを提供し、この気管切開チューブアセンブリにおいて、前記内部カニューレは、該内部カニューレのシャフトの外表面に沿って延在する少なくとも1つの螺旋状素子と、前記内部カニューレの軸線方向圧縮を制限するよう前記内部カニューレに沿う位置で前記螺旋状素子における2つの隣接巻回間に延在する複数個のブリッジ素子とを備える、ことを特徴とする。
前記ブリッジ素子は、好適には、前記内部カニューレの周縁周りに、また前記内部カニューレの長さに沿って間隔を空けて配置する。前記ブリッジ素子は、前記内部カニューレの周りに互いに離間する2つ又はそれ以上のグループにして配列し、また前記内部カニューレの長さに沿う互いに離間する位置で互いに整列するよう配列することができる。前記ブリッジ素子は、好適には、前記内部カニューレの周りに互いに120゜の角度で離間する3つのグループにして配列する。前記内部カニューレのシャフト、前記螺旋状素子及び前記ブリッジ素子は、好適には、それぞれプラスチック材料製である。前記内部カニューレのシャフトは、好適には、滑らかな内側ボアを有する。前記螺旋状素子及びブリッジ素子は、好適には、前記内部カニューレのシャフトとは別個に、前記シャフトの外側面上にモールド成形によって形成する。
本発明の他の態様によれば、本発明の上述した一態様による気管切開チューブアセンブリ用の内部カニューレを提供する。
本発明のさらに他の態様によれば、気管切開チューブのボアに沿って取外し可能に挿入する内部カニューレを提供し、この内部カニューレにおいて、前記内部カニューレは、該内部カニューレのシャフトの外表面に沿って延在する少なくとも1つの螺旋状素子と、前記内部カニューレの軸線方向圧縮を制限するよう前記内部カニューレに沿う位置で前記螺旋状素子における2つの隣接巻回間に延在する複数個のブリッジ素子とを備える、ことを特徴とする。
本発明の第4態様によれば、気管切開チューブのための内部カニューレを形成する方法を提供し、この方法において、シャフトの長さの大部分に沿ってほぼ滑らかな内表面及び外表面を有する該シャフトをプラスチック材料で形成するステップと、並びにその後に前記シャフトの外表面上で、螺旋状素子及び前記シャフトに沿う位置で前記螺旋状素子における2つの隣接巻回間に延在する複数個のブリッジ素子をモールド成形するステップと、を備える。
前記内部カニューレのシャフトは、好適には押出成形によって形成する。
本発明の第5態様によれば、本発明の第4態様による方法によって形成した、内部カニューレを提供する。
本発明による内部カニューレを備える気管切開チューブアセンブリ及びその製造方法を、例として添付図面につき以下に説明する。
気管切開チューブアセンブリの側面図である。 アセンブリの内部カニューレの側面図である。 内部カニューレの装置側端部の拡大側面図である。 内部カニューレを製造する押出成形ステップを示す。 内部カニューレの製造における後続ステップであり、補強素子及びブリッジ素子を内部カニューレの外側面上でモールド成形するステップを示す。
図1につき説明すると、気管切開チューブアセンブリは、気管切開チューブ100と、該チューブ内に挿入される内部カニューレ200とを備える。このチューブ100は、シャフト長さに沿ってボア2が延在する管状の該シャフト1を有する。チューブ100には、比較的真っ直ぐな患者側端部部分3、及び比較的真っ直ぐな装置側端部部分4を形成し、これら部分3、4は、患者側端部6及び装置側端部7が互いに約100゜の角度をなすよう湾曲した中間部分5によって結合される。シャフト1は、PVC又はシリコーンのようなプラスチック材料から押出成形又はモールド成形する。チューブ100は、患者側端部6の近傍でシャフト1を包囲する膨張可能なカフ10によって設けた封止手段を有する。カフ10は高容量/低圧型の種類とし、これにより収縮した状態にあるときに比較的柔軟な形状を有するが、膨張した状態にあるとき、低圧で気管の内径よりも少しだけ大きい直径になるまで充填し、したがって、気管の内面に低圧で接触する。カフ10は、PVC又はポリウレタンのようなプラスチック材料から所望膨張形状となるよう成形する。カフ10は、シャフトの外表面における開口11上に、カフの両側端部でシャフト1に取り付け、開口11は、シャフトの壁厚内でシャフトの長さに沿って延在する膨張ルーメン(管腔)12内に達する。膨張ルーメン12は、チューブ100の後端部7の近傍で小ボアを有する膨張ライン13に接続し、この膨張ライン13は膨張インジケータ14及び弁15で終端する。チューブ100の装置側端部7は、フランジ16と、普通の形式の雌形コネクタ17とを有する。
内部カニューレ200は、円形断面のシャフト20を有し、またPVC、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、若しくはPTFEのような薄く剛性のあるプラスチック材料、又は他の可撓性材料若しくは半剛性プラスチック材料とすることができる。シャフト20の外径は、外側チューブ100のシャフト1の内径よりも僅かに小さく、これにより内部カニューレ200を外側チューブに対して挿入及び取外しが容易にできるよう選択する。シャフト20は、真っ直ぐに形成するが、可撓性の高いものとする。カニューレ200の後方端部又は装置側端部は、シャフト20よりも厚い壁を設けた一体型のハブ又は装置側端部取付け部21を有する。このハブ又は装置側端部取付け部21は、気管切開チューブ100の装置側端部7におけるコネクタ17内に位置付けて固定する形状にする。内部カニューレ200をチューブ100内に完全に挿入するとき、ハブ21の短い部分がチューブにおけるコネクタ17から後方に突出し、必要なときに内部カニューレを掴んで外側チューブから取り外すことができる。ハブ21の後端部は、取外しを容易にするリングプル部材22を有することができる。
これまで説明したところでは、内部カニューレ200は普通のものである。しかし、本発明内部カニューレ200は、シャフト20の外側面周りにまたシャフト長さに沿って延在する螺旋状の補強素子23を有する点で従来型カニューレとは異なる。補強素子23は単一起点螺旋であるが、多重起点螺旋とすることもできる。素子23は、素子をシャフトの外側面に確実に付着させることができるならば、シャフト20の材料と同一又は異なるものとすることができるプラスチック材料製とする。補強素子23の幅は、好適にはシャフト20における外径の約10%であり、また隣接巻回間のピッチは、好適にはシャフト外径の約15%である。内部カニューレ200の外表面には、さらに、プラスチック材料製の小ブロックの形式とした複数の短いブリッジ素子24を設け、これら短ブリッジ素子24は、長さが螺旋状素子23のピッチと等しく、またシャフト20の外表面に付着する。ブリッジ素子24は不連続であり、また互いに離間する。ブリッジ素子24は、螺旋状補強素子23の互いに隣接する2つの巻回間で、ブリッジ素子の外表面が補強素子の外端縁と同一レベルに位置するよう延在する。ブリッジ素子24は、螺旋状素子23における1つの隣接巻回対間のギャップを越えて延在しないことが図から分かる。内部カニューレ200の周りに120゜の角度ずつ互いに離間する3つのグループのブリッジ素子24が存在し、各グループにおけるブリッジ素子は、それぞれ内部カニューレに長手方向に延在する3つのセットにおいて整列する。螺旋状補強素子23は、内部カニューレ200を補強し、またよじれに対する抵抗性を高めるよう作用し、これによりよじれて座屈する又は圧潰する前に屈曲及びたわむ角度が、補強素子のない場合に可能であるよりも大きな角度にわたり屈曲及びたわむことができる。ブリッジ素子24は、内部カニューレ200の軸線方向の剛性及び圧縮率を制御し、所定軸線方向力に対して内部カニューレ200の軸線方向圧縮量を制御することができ、この制御は、ブリッジ素子の数及び配置を適切に選択することによって行う。これら機能は、内部カニューレ200の内側面に沿って滑らかなボアを保持しつつ達成することができる。
内部カニューレ200は、種々の異なるやり方で形成することができ、例えば、シャフト20、補強螺旋状素子23及びブリッジ素子24がすべて同一材料である場合、単独射出成形プロセスによって形成することができる。代案として、異なる材料が必要である場合、補強素子及びブリッジ素子は、予成形したシャフト上に異なる材料からオーバーモールドすることができる。ハブ21はシャフト20の端部にモールド成形することができる、又は補強素子23及びブリッジ素子24を形成する前又は後のいずれかで所定位置に予成形したハブを結合することができる。
図4及び5は、内部カニューレ200を製造する他の方法を示す。先ず、図4に示すように、熱塑性顆粒42のホッパ41を有する押出成形機40がダイ43から連続した長さの管材44を押出成形する。カッタ45は管材44をプリセット長さに切断し、このプリセット長さは、内部カニューレ200のシャフト20に必要な長さに等しい。次に各シャフト20を、型キャビティ52内の射出成形ツール51(図5参照)のマンドレル50上に装着し、型キャビティ52の外方表面には、補強螺旋状素子23及びブリッジ素子24を作製するのに必要なパターンを形成する。この後液体プラスチックを、型キャビティ52内にポンプ53から流路54経由でシャフト20の外表面とキャビティ表面の形成部との間における窪み内に注入する。このようにして、補強素子及びブリッジ素子を、シャフト20の材料と同一又は異なる材料とすることができる。プラスチック成形体が冷却及び硬化したとき、完成したカニューレ200を成形ツール51及びマンドレル50から取り出すことができる。
本発明によれば、可撓性が極めて高く、しかも十分な軸線方向強度を有する内部カニューレであって、気管チューブのボア内に緊密嵌合するときでもカニューレのよじれ及び圧潰のリスクがなく、気管チューブ内に押し込むことができる内部カニューレを提供する。このことにより、内部カニューレは、アセンブリに沿うガス流を最大限にする比較的大きな内径を有することができる。
1 シャフト
2 ボア
3 患者側端部部分
4 装置側端部部分
5 中間部分
6 患者側端部
7 装置側端部
10 カフ
11 開口
12 膨張ルーメン(管腔)
13 膨張ライン
14 膨張インジケータ
15 弁
16 フランジ
17 雌形コネクタ
20 シャフト
21 ハブ又は装置側端部取付け部
22 リングプル部材
23 補強素子
24 ブリッジ素子
40 押出成形機
41 ホッパ
42 熱塑性顆粒
43 ダイ
44 管材
45 カッタ
50 マンドレル
51 射出成形ツール
52 型キャビティ
53 ポンプ
54 流路
100 気管切開チューブ
200 内部カニューレ

Claims (12)

  1. 外側の気管切開チューブ(100)と、該外側チューブのボアに沿って延在するよう取外し可能に挿入される内部カニューレ(200)とを有する気管切開チューブのアセンブリにおいて、前記内部カニューレ(200)は、該内部カニューレのシャフト(20)の外表面に沿って延在する少なくとも1つの螺旋状素子(23)と、前記内部カニューレの軸線方向圧縮を制限するよう前記内部カニューレに沿う位置で前記螺旋状素子(23)における2つの隣接巻回間に延在する複数個のブリッジ素子(24)とを備える、ことを特徴とするアセンブリ。
  2. 請求項1記載のアセンブリにおいて、前記ブリッジ素子(24)は、前記内部カニューレ(200)の周縁周りに、また前記内部カニューレの長さに沿って間隔を空けて配置する、ことを特徴とするアセンブリ。
  3. 請求項2記載のアセンブリにおいて、前記ブリッジ素子(24)は、前記内部カニューレ(200)の周りに互いに離間する2つ又はそれ以上のグループにして配列し、また前記内部カニューレの長さに沿う互いに離間する位置で互いに整列するよう配列する、ことを特徴とするアセンブリ。
  4. 請求項3記載のアセンブリにおいて、前記ブリッジ素子(24)は、前記内部カニューレ(200)の周りに互いに120゜の角度で離間する3つのグループにして配列する、ことを特徴とするアセンブリ。
  5. 請求項1〜4のうちいずれか一項記載のアセンブリにおいて、前記内部カニューレ(200)のシャフト(20)、前記螺旋状素子(23)及び前記ブリッジ素子(24)は、それぞれプラスチック材料製である、ことを特徴とするアセンブリ。
  6. 請求項1〜5のうちいずれか一項記載のアセンブリにおいて、前記内部カニューレ(200)のシャフト(20)は滑らかな内側ボアを有する、ことを特徴とするアセンブリ。
  7. 請求項1〜6のうちいずれか一項記載のアセンブリにおいて、前記螺旋状素子(23)及びブリッジ素子(24)は、前記内部カニューレのシャフトとは別個に、前記シャフトの外側面上にモールド成形によって形成する、ことを特徴とするアセンブリ。
  8. 請求項1〜7のうちいずれか一項記載の気管切開チューブアセンブリ用の内部カニューレ(200)。
  9. 気管切開チューブ(16)のボアに沿って取外し可能に挿入する内部カニューレ(200)において、前記内部カニューレ(200)は、該内部カニューレのシャフト(20)の外表面に沿って延在する少なくとも1つの螺旋状素子(23)と、前記内部カニューレの軸線方向圧縮を制限するよう前記内部カニューレに沿う位置で前記螺旋状素子(23)における2つの隣接巻回間に延在する複数個のブリッジ素子(24)とを備える、ことを特徴とする内部カニューレ。
  10. 気管切開チューブ(100)のための内部カニューレ(200)を形成する方法において、シャフト(20)の長さの大部分に沿ってほぼ滑らかな内表面及び外表面を有する該シャフト(20)をプラスチック材料で形成するステップと、並びにその後に前記シャフトの外表面上で、螺旋状素子(23)及び前記シャフトに沿う位置で前記螺旋状素子における2つの隣接巻回間に延在する複数個のブリッジ素子(24)をモールド成形するステップと、を備える、方法。
  11. 請求項10記載の方法において、前記内部カニューレ(200)のシャフト(20)は押出成形によって形成する、方法。
  12. 請求項10又は11記載の方法によって形成した内部カニューレ。
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