JP2018523166A - 空間的に拡張した強度分布の無歪2次元偏向のための装置及び方法 - Google Patents
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Abstract
本発明は、エネルギー線であるレーザー線の無歪2次元偏向のための装置及び方法に関する。本装置は、互いに垂直な回転軸を中心に回転駆動可能な2つの光線偏向素子を備える。結合された放射線は、第1の光学機構によって第1の光線偏向素子3に結像され、第2の光学機構によって、第1の光線偏向素子を介して第2の光線偏向素子に結像される。また、双方の光学機構は、これらの光学機構が放射線に対する共通の入射瞳を有し、入射瞳の中心から異なる角度で伝播する、入射する放射線の光線成分が、それぞれ、第1の回転軸に対して垂直に第1の偏向素子に当たり、第2の回転軸に対して垂直に第2の偏向素子に当たるように寸法が定められている。これは、光軸に関して互いに90度回転された2つのシリンドリカルリレーテレスコープによって達成することができる。【選択図】図1
Description
本発明は、エネルギー線、特にレーザー線を、第1の回転軸を中心に回転駆動可能な第1の光線偏向素子と、第2の回転軸を中心に回転駆動可能な第2の光線偏向素子とを用いて、2次元に動的に偏向する装置及び方法に関する。
材料加工におけるレーザーを用いる方法において、効率の向上のためには、エネルギーを被加工物に対して高速で分布させる方法が必須である。高速光線偏向システムに対する有望な代替策は、拡張した強度分布を用いる加工である。これは、例えば、矩形分布、線形プロファイル、例えばロゴ又は複数のレーザースポットの配列等の複雑な分布とすることができる。このような空間的に拡張した強度分布を生成するには、入射するレーザー光線を、例えば、回折光学素子(DOE)、自由形状光学系、非球面光学素子、マイクロレンズアレイ、ファセットミラー、又は変形可能ミラー等の光線形成素子によって形づくり、集束光学系による結像を通して、適切な強度分布を被加工物にもたらすようにする。これは、入射光線が、光線形成素子によって、光線成分の連続的又は離散的な角度分布を有する光線へと分割されることを意味する。そして、例えばガルバノスキャナー等の光線偏向システムにより、異なる角度で入射する光線成分が、被加工物上に導かれる。
異なる角度で結合される放射線の場合の光線偏向システムの使用は、僅かな偏向角度でも強度分布の著しい歪みにつながる。この場合、強度分布の形状は、偏向角の関数として変化する。個々の離散したレーザースポットによるアレイの場合、アレイの形状、すなわちスポットの位置は互いに変化する。特に、本装置及び本方法とともに用いることもできるような超短光線源の大きな適用分野であるマイクロ構造化の場合、個々のレーザースポットの空間的な位置が、加工結果にとって重要である。したがって、マルチビーム光学系及び拡張した強度分布と組み合わせた光線偏向システムの効率的な使用には、角度に依存する歪みの補償が必須である。
レーザー材料加工の現行の用途における誤差を最小限にするために、例えば、非特許文献1から、偏向角を適宜制限することが既知である。代替的には、発生する位置誤差を、能動的な補償要素によって補償することもできる。しかしながら、この手法は、多数のアクチュエーターを偏向システムと同期させる必要がある。
特許文献1から、互いに垂直な回転軸を中心に回転可能な2つのポリゴンミラーが光線偏向素子として用いられる、個々のレーザー光線の無歪2次元偏向のための装置が既知である。ここでは、第1の光線偏向素子によって偏向されたレーザー光線は、シリンダーレンズを介して第2の光線偏向素子へと向けられる。この場合、シリンダーレンズの円筒軸は、第2の光線偏向素子の回転軸に対して垂直に向けられている。第2の光線偏向素子によって偏向された光線は、その後、円筒軸が第2の光線偏向素子の回転軸に対して平行に向けられている更なるシリンダーレンズを介して目標平面に集束される。しかしながら、この装置を用いる場合、空間的に拡張した強度分布を歪みなく偏向することはできない。
L. Buesing他「Design, alignment and applications of optical systems for parallel processing with ultra-short laser pulses」Proc. of SPIE, Vol. 9131 (2014)、91310C-1頁〜91310C-12頁
本発明の課題は、強度分布を歪みなく偏向し、目標平面に結像することができる、空間的に拡張した強度分布の2次元偏向のための装置及び方法を提供することにある。
上記課題は、請求項1及び9に記載の装置及び方法によって解決される。本装置及び本方法の有利な形態は、従属請求項の主題であるか、又は以下の記載及び実施例に見出すことができる。
本装置は、2つの光線偏向素子を備える。第1の光線偏向素子は、第1の回転軸を中心に回転駆動可能であり、第2の光線偏向素子は、第2の回転軸を中心に回転駆動可能である。この場合、双方の回転軸は、互いに垂直であることが好ましい。入射する放射線は、第1の光学機構によって第1の光線偏向素子に結像され、第2の光学機構によって、第1の光線偏向素子を介して第2の光線偏向素子に結像される。また、双方の光学機構は、これらの光学機構が放射線に対する共通の入射瞳を有し、入射瞳の中心を異なる角度で通り抜ける又は入射瞳の中心から異なる角度で伝播する、入射する放射線の光線成分が、それぞれ、第1の回転軸に対して垂直に第1の偏向素子に当たり、第2の回転軸に対して垂直に第2の偏向素子に当たるように設計される。
双方の光学機構から形成される本装置の光学システムは、光線偏向素子の回転軸に、それぞれ、全ての光線成分が、ρx=ρy=0の場合、視野角εx、εyに関わらず垂直に交わるように設計される。ここで、ρx及びρyは、入射瞳における光線の貫通点の座標を示している。ρx=ρy=0という条件は、光学システムの入射瞳が中心にあることを意味する。ここでは、入射瞳とは、光学システム又は双方の光学機構に入射する光線束の境界をなす実像又は虚像の開口として理解される。
記載される本装置の設計によると、角度空間において拡張した強度分布を有する本装置に入射する放射線を、双方の光線偏向素子を通して歪みなく2次元に偏向し、空間的に拡張した2次元強度分布へと目標平面に集束又は投射することができることが達成される。また、本方法及び本装置は、走査角度に依存する歪みを補償することを可能にする。この誤差を補償することによってのみ、マルチビーム用途及び拡張した強度分布を伴う用途において偏向システムを完全に使用することができる。これにより、マルチビーム領域では、より大きなレーザースポット間隔及び/又はより多数のレーザースポットを有するアレイを実現することが可能になる。したがって、加工機の生産性は著しく向上され得る。また、本装置及び本方法は、材料加工において特に有利に用いることができる。しかし、別の使用目的での光線形成及び光線誘導における応用可能性も存在する。
原則として、本装置及び本方法は、全般的に、エネルギー線、例えば、電子線若しくはイオン線、又は光学的放射線を用いることができる。この場合、光線偏向素子及び光学機構は、単にそれぞれの放射線用に設計すればよい。光学的放射線、特にレーザー線の領域では、光線偏向素子としてミラーを使用することが好ましい。
冒頭の記載において既に簡潔に説明したように、放射線の空間的に拡張した強度分布は、好適な光線形成素子によってもたらされることが好ましい。入射光線を連続的又は離散的な角度分布で分割することができる光線形成素子の例は、回折光学素子、空間光変調器、自由形状光学系、非球面光学素子、ファセットミラー、マイクロレンズアレイ、又は変形可能ミラーである。有利な形態において、本装置は、光学機構の入射瞳に配置される回折光学素子を更に備える。この場合、到達する光線は、入射瞳の中心においてこの回折光学素子に向けられ、空間的に拡張した2次元強度分布へと分割される。当然ながら、回折光学素子の代わりに、別の好適な光線形成素子を入射瞳に配置してもよい。マイクロレンズアレイの場合、例えば、マイクロレンズアレイによって生成された部分光線を、入射瞳の中心を通して異なる角度で方向付ける追加の光学系を設けなければならない。追加の光学素子は、空間依存性の強度分布I(x、y)を角度依存性の強度分布I(εx、εy)に変換し、及び/又は追加の光線形成を行うために、別の光線形成素子を使用する場合にも必要となる場合がある。
好ましい形態において、双方の光学機構は、光軸に関して互いに90度回転された2つのシリンドリカルリレーテレスコープによって実現され、それぞれ、共通の目標平面に集束させるための下流のシリンダー光学系を伴う。リレーテレスコープによって、入射瞳がそれぞれの光線転向素子に結像される。また、それぞれの光学機構のシリンドリカルリレーテレスコープ及び下流のシリンダー光学系の円筒軸は、入射瞳が結像される光線転向素子の回転軸に対して平行に向けられていなければならない。
双方の光線転向素子は空間的にオフセットされて配置されているため、双方のリレーテレスコープは、異なる焦点距離を有して設計しなければならない。そうすることによってのみ、入射瞳がそれぞれの光学機構によって対応する光線転向素子に結像されることが保証され得る。
リレーテレスコープの下流のシリンダー光学系は、双方の光線偏向素子によって偏向された放射線を、目標平面、例えば材料加工の場合では被加工物表面に集束させる。この場合、第1の光学機構に属するシリンダー光学系は、第2の光線転向素子の前に配置され、個々の光線成分を、回転軸に対して垂直に第2の光線転向素子へと向けることに寄与する。第2の光学機構に属するシリンダー光学系は、第2の光線転向素子と目標平面との間に配置される。したがって、この場合、それぞれ、シリンドリカルレンズ又はレンズシステムによって、双方の光線偏向方向(x、y)に対して別々に集束が行われる。このために、円筒軸がまた互いに垂直に配置されている2つのシリンドリカルfθレンズが用いられることが好ましい。双方の偏向方向において同一の結像倍率が必要な場合、第1の光線転向素子によってもたらされる第1の偏向方向には、シリンダー光学系としてレトロフォーカス機構を用いることができ、及び/又は、第2の偏向方向には、シリンダー光学系としてテレフォーカス機構を用いることができる。また、これらの双方の機構は、焦点距離が一致するように設計される。
本装置における光線転向素子として、ガルバノスキャナーから知られている回転可能なミラーを使用することが好ましい。しかし、本装置及びそれに伴う方法は、例えばポリゴンミラーによっても実現又は実施することができる。
本装置及びそれに伴う方法は、以下、実施例をもとに図面と併せてより詳細に説明する。
図1及び図2において、本装置の例示的な構成が、異なる2つの平面において概略的に示されている。本光学装置を用いると、角度空間において拡張した強度分布を有する到達するレーザー線が、2つの回転可能な偏向ミラー3、4を介して、x方向及びy方向において2次元的に偏向されることになる。これに関して、図1及び図2は、本装置の概略図をy−z平面(図1)及びx−z平面(図2)において示している。本装置の個々の要素は、ここでは単に概略的に直線として表されており、使用される偏向ミラーは、明確にするために、単に位置として表されている。
本装置の光学システムは、双方の偏向ミラー3、4の回転軸に、それぞれ、入射瞳の中心(ρx=ρy=0)を通って伝播する全ての光線が、視野角εx、εyに関わらず垂直に交わるように設計される。ここで、ρx及びρyは、入射瞳2における光線の貫通点の座標を示している。ここでは、図1及び図2において、明確にするために、例示的な部分光線1のみが示されており、部分光線1の光線軸は、光軸に対して角度εx、εyで入射瞳2の中心を通り抜ける。ここでは、部分光線とは、入射瞳2を或る特定の角度εで通り抜ける放射線として理解される。したがって、部分光線は、入射瞳2の領域において空間的な拡張を有し、例えばガウス型の光線プロファイルを有する。各部分光線は、目標平面上でスポットを形成する。「部分光線」という用語は、いずれも横方向の拡張を伴わない直線である幾何光学における「主光線」及び「周辺光線」という用語とは区別されるべきである。図1〜図3において、部分光線1、14は、それぞれ、1つの主光線及び2つの周辺光線によって表される。主光線は、部分光線の光線軸に対応し、入射瞳を点ρx=ρy=0において通り抜ける。周辺光線は、入射瞳の周辺部を通り抜ける。
本例において、偏向ミラー3、4の回転軸に対する垂直の入射は、共通の入射瞳2を有するとともに、入射瞳2をそれぞれの偏向ミラー3、4に結像する、光軸に関して互いに90度回転された2つのシリンドリカルリレーテレスコープによって実現される。
ここで、図1は、部分光線1の光路が、入射瞳2を第1の偏向ミラー3に結像させる第1のシリンダーレンズ6a及び第2のシリンダーレンズ6bを通るように示している。双方のシリンダーレンズ6a、6bの円筒軸は、ここでは、第1の偏向ミラー3の回転軸に対して平行に延在する。この偏向ミラー3の回転は、図1の曲線矢印によって示されている。双方のシリンダーレンズ6a、6bは、同じく図1に見て取れるように、中間焦点8をもたらすように選択される。同じ向きの円筒軸を有する更なるシリンダーレンズ10によって、部分光線1は目標平面5上に集束する。この更なるシリンダーレンズ10は、第1の偏向ミラーによって偏向された部分光線が、第2の偏向ミラー4の回転軸に対して垂直に第2の偏向ミラー4に当たることにも寄与する。
図2は、x−z平面における部分光線1の経路を示している。この平面において、部分光線1は、図2に示されているように、第1のシリンダーレンズ7a及び第2のシリンダーレンズ7bを備える第2の光学機構によって、第2の偏向ミラー4に結像される。ここでもまた、双方のシリンダーレンズ7a、7b間に中間焦点9が形成される。第2の偏向ミラー4の回転は、ここでも曲線矢印によって示されている。それによると、第2の偏向ミラー4の回転軸は、x−z平面に対して垂直である。双方のシリンダーレンズ7a、7bの円筒軸は、ここでも上記回転軸に対して平行に延在する。
双方の偏向ミラー3、4は空間的にオフセットされているため、双方のリレーテレスコープ6a、6b及び7a、7bは、異なる焦点距離fx、fyを有して設計しなければならない。そうすることによってのみ、入射瞳2がy−z平面においては偏向ミラー3に結像され、x−z平面においては偏向ミラー4に結像されることが保証され得る。リレーレンズ6a、6b間又はリレーレンズ7a、7b間にわたる光線は、それぞれテレセントリックである。このことは、第2のリレーテレスコープ7a、7bに関してはいかなる場合でも必須であり、第1のリレーテレスコープ6a、6bに関しては単に任意である。x方向及びy方向における集束は、好ましくはシリンドリカルfθレンズとして形成されるシリンダーレンズ10、11によって別々に行われる。
x方向及びy方向において同一の結像倍率が必要とされる場合、これは、シリンドリカル集束レンズ10の代わりにレトロフォーカス機構内のシリンドリカルレンズシステムを用いる、及び/又はシリンドリカル集束レンズ11の代わりにテレフォーカス機構としてのシリンドリカルレンズシステムを用いる、並びに、双方のレンズシステムを、焦点距離が一致するようにそれぞれ設計することによって実現することができる。
到達するレーザー光線の適切な角度分布又は空間的に拡張した強度プロファイルを目標平面にもたらすには、入射瞳2の平面に回折光学素子を配置することが好ましい。その場合、この回折光学素子によって、到達するレーザー線が異なる視野角に分割される。
図3は、マイクロレンズアレイ13によって適切な角度分布をもたらす光線形成機構の例を示している。なお、本装置又はそれに伴う方法を用いるには、個々の部分光線が、入射瞳2の中心を異なる角度で通り抜けることを確実にしなければならない。このことは、図3に示されている機構によって実現することができる。マイクロレンズアレイ13に入射する均一化されたレーザー光線12は、マイクロレンズアレイ13を通して、空間的に分離した部分光線14へと分割される。これは、図3において、3つの部分光線14によって単に概略的に例示されている。ここでは、部分光線14は、図3に示されているように、一方では集束レンズ15によってコリメートされ、他方では本装置の入射瞳2の中心に向けられる。
1 部分光線
2 入射瞳
3 第1の偏向ミラー
4 第2の偏向ミラー
5 目標平面又は加工平面
6a/6b 第1の光学機構のシリンドリカルレンズ
7a/7b 第2の光学機構のシリンドリカルレンズ
8 中間焦点
9 中間焦点
10 第1の光学機構のシリンドリカル集束レンズ
11 第2の光学機構のシリンドリカル集束レンズ
12 均一光線
13 マイクロレンズアレイ
14 部分光線
15 集束レンズ
2 入射瞳
3 第1の偏向ミラー
4 第2の偏向ミラー
5 目標平面又は加工平面
6a/6b 第1の光学機構のシリンドリカルレンズ
7a/7b 第2の光学機構のシリンドリカルレンズ
8 中間焦点
9 中間焦点
10 第1の光学機構のシリンドリカル集束レンズ
11 第2の光学機構のシリンドリカル集束レンズ
12 均一光線
13 マイクロレンズアレイ
14 部分光線
15 集束レンズ
Claims (13)
- 空間的に拡張した強度分布を有するエネルギー線、特にレーザー線を、2次元に動的に偏向する装置であって、
第1の回転軸を中心に回転駆動可能な第1の光線偏向素子(3)と、
第2の回転軸を中心に回転駆動可能な第2の光線偏向素子(4)と、
入射する前記放射線を前記第1の光線偏向素子(3)に結像させる第1の光学機構(6a、6b、10)と、
入射する前記放射線を、前記第1の光線偏向素子(3)を介して前記第2の光線偏向素子(4)に結像させる第2の光学機構(7a、7b、11)と、
を備え、
双方の前記光学機構(6a、6b、7a、7b、10、11)は、該光学機構が前記放射線に対する共通の入射瞳(2)を有し、該入射瞳(2)の中心から異なる角度で伝播する、入射する前記放射線の光線成分が、それぞれ、前記第1の回転軸に対して垂直に前記第1の光線偏向素子(3)に当たり、前記第2の回転軸に対して垂直に前記第2の光線偏向素子(4)に当たるように構成されている、装置。 - 双方の前記光学機構(6a、6b、7a、7b、10、11)は、共通の前記入射瞳(2)をそれぞれの前記光線偏向素子(3、4)に結像するシリンドリカルリレーテレスコープ(6a、6b、7a、7b)を含み、前記第1の光学機構(6a、6b、10)の前記シリンドリカルリレーテレスコープ(6a、6b)の前記円筒軸は、前記第1の回転軸に対して平行に向けられ、前記第2の光学機構(7a、7b、11)の前記シリンドリカルリレーテレスコープ(7a、7b)の前記円筒軸は、前記第2の回転軸に対して平行に向けられていることを特徴とする、請求項1に記載の装置。
- 双方の前記光学機構(6a、6b、7a、7b、10、11)は、前記光線偏向素子(3、4)による偏向後の前記放射線を、共通の目標平面(5)に集束させる集束光学系(10、11)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の装置。
- 双方の前記光学機構(6a、6b、7a、7b、10、11)は、前記光線偏向素子(3、4)による偏向後の前記放射線を目標平面(5)に集束させるシリンドリカル集束光学系(10、11)を含み、前記シリンドリカル集束光学系のうちの第1のシリンドリカル集束光学系(10)は、前記第1の光線転向素子(3)と前記第2の光線転向素子(4)との間に配置され、前記シリンドリカル集束光学系のうちの第2のシリンドリカル集束光学系(11)は、前記第2の光線偏向素子(4)と前記目標平面(5)との間に配置され、前記第1のシリンドリカル集束光学系(10)の前記円筒軸は、前記第1の回転軸に対して平行に向けられ、前記第2のシリンドリカル集束光学系(11)の前記円筒軸は、前記第2の回転軸に対して平行に向けられていることを特徴とする、請求項2に記載の装置。
- 前記シリンドリカル集束光学系(10、11)は、それぞれ、シリンドリカルfθレンズによって形成されることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
- 前記第1のシリンドリカル集束光学系(10)はレトロフォーカス機構として構成される、及び/又は前記第2のシリンドリカル集束光学系(11)はテレフォーカス機構として構成される、並びに、双方の前記シリンドリカル集束光学系(10、11)は、焦点距離が一致するように設計されることを特徴とする、請求項4に記載の装置。
- 共通の前記入射瞳(2)の平面に回折光学素子が配置されていることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の装置。
- 第3の光学機構(15)によって複数の部分光線(14)へと光線を分割する素子(13)が、前記入射瞳(2)の前に配置され、前記第3の光学機構(15)は、前記部分光線(14)が、共通の前記入射瞳(2)の前記中心を異なる角度で通り抜けるように設計されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれか1項に記載の装置。
- 空間的に拡張した強度分布を有するエネルギー線、特にレーザー線を、2次元に動的に偏向する方法であって、
前記放射線は、第1の光学機構(6a、6b、10)によって、第1の回転軸を中心に回転可能に構成されている第1の光線偏向素子(3)に結像され、
前記放射線は、第2の光学機構(7a、7b、11)によって、前記第1の光線偏向素子(3)を介して、第2の回転軸を中心に回転可能に構成されている第2の光線偏向素子(4)に結像され、
前記第1の光線偏向素子(3)及び前記第2の光線偏向素子(4)は、前記放射線を動的に偏向するように、自身の回転軸を中心に回転駆動され、
双方の前記光学機構(6a、6b、7a、7b、10、11)は、該光学機構が共通の入射瞳(2)を有し、共通の該入射瞳(2)の中心から異なる角度で伝播する、前記エネルギー線の光線成分が、それぞれ、前記第1の回転軸に対して垂直に前記第1の光線偏向素子(3)に当たり、前記第2の回転軸に対して垂直に前記第2の光線偏向素子(4)に当たるように設計される、方法。 - 双方の前記光学機構(6a、6b、7a、7b、10、11)には、共通の前記入射瞳(2)をそれぞれの前記光線偏向素子(3、4)に結像するシリンドリカルリレーテレスコープ(6a、6b、7a、7b)が設けられ、前記第1の光学機構(6a、6b、10)の前記シリンドリカルリレーテレスコープ(6a、6b)の前記円筒軸は、前記第1の回転軸に対して平行に向けられ、前記第2の光学機構(7a、7b、11)の前記シリンドリカルリレーテレスコープ(7a、7b)の前記円筒軸は、前記第2の回転軸に対して平行に向けられていることを特徴とする、請求項9に記載の方法。
- 前記光線偏向素子(3、4)による偏向後の前記放射線は、シリンドリカル集束光学系(10、11)によって目標平面(5)に集束され、前記シリンドリカル集束光学系のうちの第1のシリンドリカル集束光学系(10)は、前記第1の光線転向素子(3)と前記第2の光線転向素子(4)との間に配置され、前記シリンドリカル集束光学系のうちの第2のシリンドリカル集束光学系(11)は、前記第2の光線偏向素子(4)と前記目標平面(5)との間に配置され、前記第1のシリンドリカル集束光学系(10)の前記円筒軸は、前記第1の回転軸に対して平行に向けられ、前記第2のシリンドリカル集束光学系(11)の前記円筒軸は、前記第2の回転軸に対して平行に向けられていることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
- 共通の前記入射瞳(2)の平面に回折光学素子が配置され、個々の光線は、前記入射瞳(2)の前記中心において前記回折光学素子に当たるように、前記回折光学素子に向けられることを特徴とする、請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法。
- 個々の光線は、複数の部分光線(14)へと光線を分割する素子(13)によって分割され、前記部分光線(14)は、共通の前記入射瞳(2)の前記中心を異なる角度で通り抜けるように導かれることを特徴とする、請求項9〜11のいずれか1項に記載の方法。
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