JP2018522920A - クリティカル・ケア処置中に用いるための鎮静方法および非経腸製剤 - Google Patents

クリティカル・ケア処置中に用いるための鎮静方法および非経腸製剤 Download PDF

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Abstract

静脈内ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を用いてクリティカル・ケア処置を受けている患者を鎮静させる方法を提供する。静脈内ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を用いるクリティカル・ケア鎮静のための非経腸製剤を提供する。非経腸製剤は、クリティカル・ケア鎮静における使用に特に適している。

Description

(関連出願の相互参照)
本願は、2015年8月11日出願の米国仮出願第62/203,748号、2015年8月11日出願の米国仮出願第62/203,731号、現在米国特許第9,399,034号である2015年8月24日出願の米国仮出願第14/834,027号および2016年6月17日出願の米国仮出願第15/185,650号の利益およびこれらに基づく優先権を主張し、各出願の内容は、出典明示によりそれらそれぞれの全体として本明細書の一部とする。
(発明の分野)
ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の製剤を用いてクリティカル・ケア(critical care)処置を受けている患者を鎮静させる方法を提供する。
重篤患者は、侵襲的手技中およびクリティカル・ケア処置中の疼痛および不安を防止するために、鎮痛および鎮静を日常的に提供される。現在、重篤患者に普遍的に容認された鎮静薬レジメンはない。したがって、患者は、同時に様々な薬物をしばしば投与される、集中治療室に滞在中に様々な薬物をしばしば投与される。さらに、過度の鎮静によって、人工呼吸時間延長、集中治療室滞在長期化、脳機能不全増加(例えば、せん妄および昏睡)が引き起こされ得る。長年、鎮静ガイドラインは、集中治療室(ICU)患者の標的化鎮静のためのプロポフォールおよびベンゾジアゼピン(例えば、ミダゾラム)を含む、γアミノ酪酸(GABA)受容体アゴニストの使用を支持してきた。しかしながら、これらの薬剤は、有害作用、例えば呼吸抑制、低血圧、徐脈、高脂血症、見当識欠如および濫用の可能性を伴う。
非経腸剤形は、注射または点滴としての投与が意図される。一般的な注射のタイプは、静脈内(静脈内に)、皮下(皮膚下に)および筋肉内(筋肉内に)である。点滴は、典型的には静脈内経路により投与される。鎮静薬は、侵襲的手技中およびクリティカル・ケア処置中の疼痛および不安を防止するために、重篤患者に非経腸的にしばしば提供される。非経腸製剤は、活性成分の溶解性(可溶化剤)および/または安定性(緩衝剤、抗酸化剤、キレート剤、凍結保護剤(cryo- and lyoprotectant))を向上または維持するために、添加剤をしばしば含む。添加剤はまた、安全性を保証し(抗菌性防腐剤)、注射時の痛みおよび刺激を最小限にし(等張化剤)、薬物送達を制御または延長する(ポリマー)ために、非経腸製剤において重要である。しかしながら、添加剤は、負の効果、例えば薬物の溶解性、活性および/または安定性の喪失もまた生じ得る。
米国特許第4,278,676号、米国特許第4,362,731号、米国特許第4,353,910号および国際公開第2005/094820号に記載されている、ガボキサドール(4,5,6,7-テトラヒドロイソキサゾロ[5,4-c]ピリジン-3-オール)(THIP))は、GABAA受容体を含むδ-サブユニットを優先する選択的GABAA受容体アゴニストである。1980年代初頭、ガボキサドールは、鎮痛剤および抗不安剤、ならびに遅発性ジスキネジア、ハンチントン病、アルツハイマー病および痙縮のための処置剤としてその有効性を試験する一連のパイロット研究の対象であった。1990年代、ガボキサドールは、不眠症の処置のための後期開発に移行したが、3ヵ月の有効性試験において睡眠開始および睡眠維持に顕著な効果を示さなかった。また、ガボキサドールを受けた薬物濫用の病歴を有する患者は、精神的有害事象の急激な増加を経験した。これらの否定的な結果、ガボキサドールの開発は打ち切られた。
クリティカル・ケア処置を受けている患者に鎮静を提供し得る安全で有効な医薬組成物が当該技術分野において依然として必要とされている。ガボキサドールはクリティカル・ケア処置を受けている患者のために安全で有効な代替物を提供し得ることが現在分かった。一実施態様において、本開示は、十分に安定で、可溶性で、再懸濁可能であり、大規模で製造でき、クリティカル・ケア鎮静の適用で用いられ得る医薬非経腸組成物を提供する。
ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の医薬組成物を患者に投与することによる患者のクリティカル・ケア鎮静の方法を提供する。また、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の非経腸製剤を提供する。
また、集中治療環境における処置中にヒト患者を鎮静させる方法であって、該方法が約3500 ng/ml未満のCmaxを含むインビボ血漿プロファイルを提供するガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の医薬組成物を患者に静脈内投与することを含み、患者が覚醒可能で見当識が保たれたままである、方法を提供する。一実施態様において、患者は、集中治療環境において処置を受けており、処置は、集中治療鎮静、手術前の患者の鎮静、処置時鎮静(procedural sedation)、監視下麻酔管理(monitored anesthesia care)、中等度鎮静および意識下鎮静からなる群より選択される。一実施態様において、患者は、集中治療環境において処置を受けており、麻酔治療が監視されている。一実施態様において、処置中に投与されるガボキサドールの総量は、約0.1 mg〜約500 mgのガボキサドールである。一実施態様において、約4000 ng 時間/ml未満のAUC0-∞を含むインビボ血漿プロファイルを提供する開使投与量が患者に投与される。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、約0.1〜約1000μg/kg/分の注入速度で投与される。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、約1〜約750μg/kg/分の注入速度で投与される。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、約20μg/kg未満の量で投与される。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、約0.1〜約25μg/kgの量で投与される。
また、集中治療環境における処置中にヒト患者を鎮静させる方法であって、該方法が約3500 ng/ml未満のCmaxを含むインビボ血漿プロファイルを提供するガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の医薬組成物を患者に静脈内投与すること;および患者を覚醒可能で見当識が保たれた状態のままにすることを含む、方法を提供する。
また、集中治療環境における処置中にヒト患者を鎮静させる方法であって、該方法がガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の医薬組成物を患者に静脈内投与することを含み、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が、約0.25〜約100μg/kg/分の注入速度で投与される、方法を提供する。一実施態様において、患者は、集中治療環境において処置を受けており、処置は、集中治療鎮静、手術前の患者の鎮静、処置時鎮静、監視下麻酔管理、中等度鎮静および意識下鎮静からなる群より選択される。一実施態様において、集中治療環境における処置は、監視下麻酔管理である。一実施態様において、ガボキサドールは、連続注入として投与される。一実施態様において、ガボキサドールは、ボーラス投与として投与される。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、約0.25μg/kg/分〜約25μg/kg/分の注入速度で投与される。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、約1μg/kg/分〜約50μg/kg/分の注入速度で投与される。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、約350 ng/ml未満のCmaxを含むインビボ血漿プロファイルを提供する。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、約250 ng/ml未満のCmaxを含むインビボ血漿プロファイルを提供する。一実施態様において、約0.1〜約50 mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、24時間にわたって投与される。一実施態様において、約0.1〜約25 mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、24時間にわたって投与される。一実施態様において、約0.1μg/kg〜約10μg/kgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、24時間にわたって投与される。一実施態様において、約0.1μg/kg〜約5μg/kgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、24時間にわたって投与される。一実施態様において、ガボキサドールは、麻酔薬、鎮静薬、睡眠薬またはオピオイドと共投与される。
また、集中治療環境における処置中にヒト患者を鎮静させる方法であって、該方法が、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の医薬組成物を患者に静脈内投与することを含む、集中治療鎮静、手術前の患者の鎮静、処置時鎮静、監視下麻酔管理、中等度鎮静および意識下鎮静からなる群より選択され、約0.1〜約50 mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が、24時間にわたって投与される、方法を提供する。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、約0.001μg/kg/分〜約5μg/kg/分の注入速度で投与される。
また、集中治療環境における処置中にヒト患者を鎮静させる方法であって、該方法が約350 ng/ml未満のCmaxを含むインビボ血漿プロファイルを提供するガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の医薬組成物を患者に静脈内投与することを含む、方法を提供する。一実施態様において、患者は、集中治療環境において処置を受けており、処置は、集中治療鎮静、手術前の患者の鎮静、処置時鎮静、監視下麻酔管理、中等度鎮静および意識下鎮静からなる群より選択される。一実施態様において、集中治療環境における処置は、監視下麻酔管理である。一実施態様において、ガボキサドールは、連続注入として投与される。一実施態様において、ガボキサドールは、ボーラス投与として投与される。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、約0.25〜約25μg/kg/分の注入速度で投与される。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、約0.001〜約5μg/kg/分の注入速度で投与される。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、単回ボーラス投与として約10μg/kg〜1000μg/kgの量で投与される。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩 は、単回ボーラス投与として約100〜約250μg/kgの量で投与される。一実施態様において、約0.1〜約50 mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、24時間にわたって投与される。一実施態様において、約0.1〜約25 mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、24時間にわたって投与される。一実施態様において、約0.1μg/kg〜約10μg/kgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、24時間にわたって投与される。一実施態様において、約0.1μg/kg〜約5μg/kgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、24時間にわたって投与される。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、約350 ng/ml未満のCmaxを含むインビボ血漿プロファイルを提供する。
図1は、種々のpH値におけるガボキサドールの理論および測定溶解度の両方を示す。
ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の医薬組成物を患者に投与することによる患者のクリティカル・ケア鎮静の方法を提供する。本明細書におけるクリティカル・ケア鎮静には、集中治療鎮静;手術前または手術後の患者の鎮静;処置時鎮静;監視下麻酔管理;鎮静と部分麻酔の組合せ;全身麻酔の導入;全身麻酔の維持;監視下麻酔管理の開始;監視下麻酔管理の維持;全身麻酔;中等度鎮静;および意識下鎮静が含まれるが、これらに限定されない。したがって、実施態様は、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の医薬組成物を患者に投与することによるクリティカル・ケア鎮静の方法であって、クリティカル・ケア鎮静は、集中治療鎮静、手術前または手術後の患者の鎮静、処置時鎮静、監視下麻酔管理、全身麻酔、中等度鎮静、および意識下鎮静から選択される群より選択される、方法を含む。
一実施態様において、本明細書におけるクリティカル・ケア鎮静は、集中治療室(ICU)鎮静を含む。ICU鎮静は、典型的には、患者の睡眠を助けるために患者に投与されるが、まだ看護師に応答できる(例えば、軽度鎮静)。一実施態様において、本明細書におけるクリティカル・ケア鎮静は、処置時鎮静を含む。一実施態様において、当該方法は、集中治療環境における処置中の最初に挿管されて人工呼吸器を装着している患者の鎮静を含む。一実施態様において、当該方法は、手術および他の手技の前および/またはそれらの間に挿管されていない患者の鎮静を含む。
一実施態様において、本明細書におけるクリティカル・ケア鎮静は、中等度鎮静または意識下鎮静を含む。中等度鎮静または意識下鎮静の間、医師は、診断または治療手技中に患者の不安を和らげ、痛みを制御し得る鎮静薬(sedative)および/または鎮痛剤(analgesic medication)を監督するかまたは自ら投与する。Joint Commission基準において提示されるように、「中等度」レベルの鎮静への患者の意識レベルの抑制を誘導するこのような薬物は、患者に快適性と協力を提供しながら診断または治療手技の実行の成功を容易することが意図される。
一実施態様において、クリティカル・ケア鎮静は、監視下麻酔管理を含む。監視下麻酔管理(MAC)は、麻酔科医がバイタルサインを監視しながら鎮静薬および鎮痛剤を患者に投与することを含む特定の麻酔サービスである。監視下麻酔管理は、非侵襲的手技および小手術を受ける挿管されていない患者のために局所および部分麻酔を補うためにしばしば用いられる。監視下麻酔管理の目的は、患者が連続的に独立して気道確保が維持され、言葉による指示に適切に応答することができながら、最小限に抑制された意識レベルを誘導することにより不安を緩和することである。
MACの重要な構成要素は、診断または治療手技中生じ得る、麻酔評価および患者の実際のまたは予想される医学的問題の管理である。監視下麻酔管理は、中等度鎮静のためにしばしば用いられる鎮静薬および/または鎮痛剤の投与を含み得るが、MACの提供者は、必要なときに全身麻酔へ切り替える準備をし、資格を有しなければならない。対照的に、中等度鎮静は、気道の完全性を維持する患者の能力を傷害し得る鎮静の深さを誘導するとは予想されない。
鎮静薬、睡眠薬、鎮痛剤、ならびに全身麻酔の導入および維持のために一般的に用いられる麻酔薬の投与は、必ずしもそうではないが、しばしば監視下麻酔管理の一部である。低投与量のこれらの薬物でさえ急性の臨床的介入および蘇生を必要とする有害な生理的応答を誘発し得るため、最小限の鎮静のみを必要とし得る患者の中には、MACをしばしば示す。
本明細書において投与されるガボキサドールの正確な量は、多数の要素、例えば患者の全身状態、処置される状態、所望の使用期間、投与経路などに依存する。ガボキサドールの量は、鎮静が、鎮静を達成するガボキサドールの単回投与、または鎮静を達成する開始服用量と患者における鎮静を継続する維持服用量の組合せを含むかにも依存し得る。したがって、用いられるガボキサドールの量は、投与が開始服用量または維持服用量中にあるかに依存し得る。一実施態様において、当該方法は、クリティカル・ケア鎮静を提供するために開始服用量の単回投与を含む。一実施態様において、当該方法は、クリティカル・ケア鎮静を継続するために開始服用量の投与、それに続く維持服用量の投与を含む。本明細書において用いる開始服用量はまた、ガボキサドールの初期高投与量として投与され、より低い維持投与量に落とす前に処置の開始時に与えられ得る負荷服用量を指し得る。維持服用量は、開始服用量の直後に投与されてもよく、または一定時間、例えば1分間、5分間、10分間、15分間など離れてもよい。
ガボキサドールの開始および/または維持服用量は、所望の量の鎮静を提供するために1つ以上の投与において提供され得る。一実施態様において、ボーラス投与は、開始服用量を投与するために用いられ得る。一実施態様において、1つ以上の断続的ボーラス投与は、維持投与量を投与するために用いられ得る。一実施態様において、ボーラス投与は、開始服用量の投与に使用でき、処置は安定した維持点滴により継続される。一実施態様において、維持服用量は、静脈内投与速度を1つ以上の下記投与速度に調節することにより投与され得る。
一実施態様において、重水素化ガボキサドールが用いられ得る。薬物動態(PK)、薬物動力学(PD)および毒性プロファイルを改善する医薬の重水素化は、いくつかのクラスの薬物で以前に示されている。したがって、重水素富化ガボキサドールの使用が、企図され、本明細書に記載の方法および組成物の範囲内である。重水素は、当該技術分野において公知の合成手順に従って、合成的に水素と代わって任意の位置に組み込まれ得る。例えば、重水素は、プロトン-重水素平衡交換により、アミンN--Hなどの交換可能なプロトンを有する様々な位置に組み込まれ得る。したがって重水素は、当該技術分野において公知な方法により選択的または非選択的に組み込まれ、重水素富化ガボキサドールを提供し得る。Journal of Labeled Compounds and Radiopharmaceuticals 19(5) 689-702 (1982)参照。
重水素富化ガボキサドールは、水素の場所に分子中の所与の位置における重水素の組込みのパーセンテージにより記載され得る。例えば、所与の位置における1%の重水素富化は、所与の試料中の分子の1%がその特定される位置において重水素を含有することを意味する。重水素富化は、従来の分析方法、例えば質量分析および核磁気共鳴分光法を用いて決定され得る。ある実施態様において、重水素富化ガボキサドールは、特定される位置が天然に存在する分布よりも重水素で富化されている(すなわち、約0.0156%超である)ことを意味する。ある実施態様において、重水素富化は、特定される位置において約1%以上、約5%以上、約10%以上、約20%以上、約50%以上、約70%以上、約80%以上、約90%以上または約98%以上の重水素である。
一実施態様において、クリティカル・ケア鎮静中に投与されるガボキサドールの総量は、約0.1 mg〜約500 mgのガボキサドールである。例えば、患者が約1 mg〜約500 mgのガボキサドールの間のガボキサドールの総量を受けるように、患者は、約1 mg〜約100 mgのガボキサドールの開始投与量を投与され、その後、特定の時間例えば、20分間、30分間、45分間、1時間、6時間、12時間、24時間にわたって約1 mg〜約400 mgの維持投与量を投与され得る。
一実施態様において、クリティカル・ケア鎮静中のガボキサドールの開始投与量は、点滴または緩速注入により静脈内投与され得る。一実施態様において、開始投与量は、ボーラス投与として投与され得る。開始服用量は、約1 mg〜約100 mgのガボキサドールを投与することを含み得る。一実施態様において、開始服用量は、例えば、約0.1 mg〜50 mg、約0.1 mg〜25 mg、約0.1 mg〜15 mg、約0.1 mg〜10 mgまたは約0.1 mg〜5 mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の量を投与することを含む。一実施態様において、開始服用量は、例えば、約1 mg〜25 mg、約1 mg〜15 mg、約1 mg〜10 mgまたは約1 mg〜5 mgを投与することを含む。
一例において、開始服用量は、約1 mg、約2 mg、約5 mg、約10 mg、約25 mg、約50 mgまたはそれらの追加量のガボキサドールを含む。一例において、開始服用量は、約3 mg、約4 mg、約7.5 mg、約12 mg、約15 mg、約20 mg、約30 mg、約40 mgまたはそれらの追加量のガボキサドールを含む。一例において、開始服用量は、約60 mg、約65 mg、約75 mg、約80 mg、約90 mgまたは約100 mgのガボキサドールを含み得る。一実施態様において、開始服用量は、所望のレベルの鎮静を達成するまで約0.5mg、約1 mg、約2 mg、約2.5 mg、約5 mg、約10 mgまたは約20 mgの単位で患者にガボキサドールを投与することを含み得る。
本明細書における開示に従って投与されるガボキサドールの投与量範囲はまた、1つ以上の薬物動態パラメーターに従って定義され得る。一実施態様において、クリティカル・ケア鎮静中投与される開始服用量は、例えば、約3500 ng/ml、約3000 ng/ml、約2500 ng/ml、約2000 ng/ml、約1500 ng/mlまたは約1000 ng/ml未満のCmaxの患者におけるインビボ血漿プロファイルを提供し得る。一実施態様において、クリティカル・ケア鎮静中投与される開始服用量は、例えば、約3250 ng/ml、約2750 ng/ml、約2250 ng/ml、約1750 ng/ml、約1250 ng/mlまたは約750 ng/ml未満のCmaxの患者におけるインビボ血漿プロファイルを提供し得る。一実施態様において、開始服用量は、例えば、約1000 ng/ml、約750 ng/ml、約250 ng/ml、約150 ng/ml、約100 ng/mlまたは約75 ng/ml未満のCmaxの患者におけるインビボ血漿プロファイルを提供し得る。一実施態様において、開始服用量は、約500 ng/ml未満のCmaxの患者におけるインビボ血漿プロファイルを提供し得る。一実施態様において、開始服用量は、約350 ng/ml未満のCmaxの患者におけるインビボ血漿プロファイルを提供し得る。
一実施態様において、クリティカル・ケア鎮静中投与される開始服用量は、例えば、約4000 ng・時間/ml、約3000 ng・時間/ml、約2500 ng・時間/ml、約2000 ng・時間/ml、約1500 ng・時間/ml、約1000 ng・時間/mlまたは約500 ng・時間/ml未満のAUC0-∞の患者におけるインビボ血漿プロファイルを提供し得る。一実施態様において、開始服用量は、約2250 ng・時間/ml未満のAUC0-∞のインビボ血漿プロファイルを提供し得る。一実施態様において、開始服用量は、約1750 ng・時間/ml未満のAUC0-∞のインビボ血漿プロファイルを提供し得る。
一実施態様において、ガボキサドールの開始投与量は、約0.1〜約1000μg/kg/時間の注入速度で投与され得る。一実施態様において、開始投与量は、例えば、約1〜約750μg/kg/分、約1〜約500μg/kg/分、約1〜約250μg/kg/分、約1〜約100μg/kg/分または約1〜約50μg/kg/分の注入速度で投与され得る。他の実施態様において、開始投与量は、例えば、約0.5〜約250μg/kg/分、約0.5〜約100μg/kg/分、約0.5〜約50μg/kg/分または約0.5〜約25μg/kg/分の注入速度で投与され得る。一実施態様において、開始投与量は、例えば、約0.25〜約100μg/kg/分、約0.25〜約75μg/kg/分、約0.25〜約50μg/kg/分または約0.25〜約25μg/kg/分の注入速度で投与され得る。
一実施態様において、開始投与量は、約25〜約75μg/kg/分の注入速度で投与され得る。一実施態様において、開始投与量は、約5〜約50μg/kg/分の注入速度で投与され得る。一実施態様において、点滴速度は、所望のレベルの鎮静を達成するまで、約5〜10μg/kg/分単位で増加させ得る。
当業者は、点滴速度がまたmg/kg/時間として表され得ると理解するだろう。例えば、一実施態様において、開始投与量は、約1〜約10 mg/kg/時間、約2〜約10 mg/kg/時間、約5〜約10 mg/kg/時間または約8〜約10 mg/kg/時間の注入速度で投与され得る。一実施態様において、開始投与量は、約2〜約8 mg/kg/時間、約4〜約8 mg/kg/時間、約5〜約8 mg/kg/時間または約6〜約10 mg/kg/時間の注入速度で投与され得る。一実施態様において、開始投与量は、約6〜約9 mg/kg/時間(100〜150μg/kg/分)の注入速度で投与され得る。
一実施態様において、ガボキサドールの開始投与量は、例えば、約0.1〜約25μg/kg、約0.1〜約15μg/kg、約0.1〜約10μg/kg、約0.1〜約5μg/kg、約0.2〜約2μg/kg、約0.5〜約2μg/kgまたは約0.5〜約1μg/kgの血漿濃度を達成するために投与され得る。一実施態様において、開始投与量は、約15μg/kg未満、約10μg/kg未満、約5μg/kg未満、約2.5μg/kg未満または約1.0μg/kg未満のガボキサドールの血漿濃度を達成するために投与され得る。
一実施態様において、方法は、患者への鎮静を提供するガボキサドールの維持投与量の投与を提供する。当業者は、維持投与量が、多数の要素、例えば患者の全身状態、投与経路(例えば、点滴、緩速注入、ボーラスなど)およびクリティカル・ケア鎮静のタイプに依存することを理解するだろう。一実施態様において、開始服用量が、一定時間、例えば、1分間、2分間、3分間、5分間、10分間などにわたって提供され、続いて維持服用量が提供される。維持服用量は、開始服用量の直後に投与されてもよく、または一定時間、例えば、1分間、2分間、5分間、10分間、15分間で分離されてもよい。一実施態様において、維持服用量は、特定の時間まで、例えば、1時間まで、6時間まで、12時間までまたは24時間まで提供され得る。
一実施態様において、維持投与量は、点滴または緩速注入により投与され得る。一実施態様において、ガボキサドールの維持投与量は、断続的ボーラス投与として投与され得る。維持服用量は、約1 mg〜約100 mgのガボキサドールを投与することを含み得る。一実施態様において、維持服用量は、例えば、約0.1 mg〜約50 mg、約0.1 mg〜約25 mg、約0.1 mg〜約15 mg、約0.1 mg〜約10 mgまたは約0.1 mg〜約5 mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の量を投与することを含む。一実施態様において、維持服用量は、例えば、約1 mg〜約25 mg、約1 mg〜約15 mg、約1 mg〜約10 mgまたは約1 mg〜約5 mgを投与することを含む。
一例において、維持服用量は、例えば、約1 mg、約2 mg、約5 mg、約10 mg、約25 mg、約50 mgまたはそれらの追加分のガボキサドールを投与することを含み得る。一例において、維持服用量は、約3 mg、約7.5 mg、約12 mg、約15 mg、約20 mg、約30 mg、約40 mg、またはそれらの追加分のガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を投与することを含み得る。一例において、維持服用量は、約60 mg、約65 mg、約75 mg、約80 mg、約90 mgまたは約100 mgのガボキサドールを投与することを含み得る。一実施態様において、維持服用量は、約0.5 mg、1 mg、5 mg、約10 mg、約20 mg、約25 mgまたは約50 mgの単位で患者にガボキサドールを投与することを含み得る。
本明細書における投与されるガボキサドールの維持服用量はまた、1つ以上の薬物動態パラメーターに従って定義され得る。一実施態様において、鎮静の維持のためのガボキサドールの血漿濃度は、静脈内投与の速度を調節するかまたは断続的ボーラス注射を投与することにより達成され得る。一実施態様において、クリティカル・ケア鎮静中に投与される維持服用量は、例えば、約3500 ng/ml、約3000 ng/ml、約2500 ng/ml、約2000 ng/ml、約1500 ng/mlまたは約1000 ng/ml未満のCmaxの患者におけるインビボ血漿プロファイルを提供し得る。一実施態様において、維持服用量は、例えば、約3250 ng/ml、約2750 ng/ml、約2250 ng/ml、約1750 ng/ml、約1250 ng/mlまたは約750 ng/ml未満のCmaxの患者におけるインビボ血漿プロファイルを提供し得る。一実施態様において、維持服用量は、例えば、約1000 ng/ml、約750 ng/ml、約250 ng/ml、約150 ng/ml、約100 ng/mlまたは約75 ng/ml未満のCmaxの患者におけるインビボ血漿プロファイルを提供し得る。一実施態様において、維持服用量は、約500 ng/ml未満のCmaxの患者におけるインビボ血漿プロファイルを提供し得る。一実施態様において、維持服用量は、約250 ng/ml未満のCmaxの患者におけるインビボ血漿プロファイルを提供し得る。
一実施態様において、クリティカル・ケア鎮静中に投与される維持服用量は、例えば、約4000 ng・時間/ml、約3000 ng・時間/ml、約2500 ng・時間/ml、約2000 ng・時間/ml、約1500 ng・時間/ml、約1000 ng・時間/mlまたは約500 ng・時間/ml未満のAUC0-∞の患者におけるインビボ血漿プロファイルを提供し得る。一実施態様において、維持服用量は、約2250 ng・時間/ml未満のAUC0-∞のインビボ血漿プロファイルを提供する。一実施態様において、維持服用量は、約1750 ng・時間/ml未満のAUC0-∞の患者におけるインビボ血漿プロファイルを提供し得る。
一実施態様において、維持投与量は、約0.1〜約1000μg/kg/時間の注入速度で投与され得る。一実施態様において、維持投与量は、例えば、約1〜約750μg/kg/分、約1〜約500μg/kg/分、約1〜約250μg/kg/分、約1〜約100μg/kg/分または約1〜約50μg/kg/分の注入速度で投与され得る。一実施態様において、維持投与量は、例えば、約0.5〜約250μg/kg/分、約0.5〜約100μg/kg/分、約0.5〜約50μg/kg/分または約0.5〜約25μg/kg/分の注入速度で投与され得る。一実施態様において、維持投与量は、例えば、約0.25〜約100μg/kg/分、約0.25〜約75μg/kg/分、約0.25〜約50μg/kg/分または約0.25〜約25μg/kg/分の注入速度で投与され得る。
一実施態様において、維持投与量は、約25〜約75μg/kg/分の注入速度で投与され得る。一実施態様において、維持投与量は、約5〜約50μg/kg/分の注入速度で投与され得る。一実施態様において、点滴速度は、約5〜10μg/kg/分単位で増加させて、所望のレベルの鎮静を維持得る。当業者は、記載される点滴速度がまたmg/kg/時間として表され得ると理解するだろう。例えば、一実施態様において、維持投与量は、約1〜約10 mg/kg/時間、約2〜約10 mg/kg/時間、約5〜約10 mg/kg/時間または約8〜約10 mg/kg/時間の注入速度で投与され得る。一実施態様において、維持投与量は、約2〜約8 mg/kg/時間、約4〜約8 mg/kg/時間、約5〜約8 mg/kg/時間または約6〜約10 mg/kg/時間の注入速度で投与され得る。一実施態様において、維持投与量は、約6〜約9 mg/kg/時間(100〜150μg/kg/分)の注入速度で投与され得る。
一実施態様において、維持投与量は、例えば、約0.1〜約25μg/kg、約0.1〜約15μg/kg、約0.1〜約10μg/kg、約0.1〜約5μg/kg、約0.2〜約2μg/kg、約0.5〜約2μg/kgまたは約0.5〜約1μg/kgのガボキサドールの患者の血漿濃度範囲を維持するために投与され得る。例示的実施態様において、維持投与量は、例えば、約5μg/kg未満、約2.5μg/kg未満または約1.0μg/kg未満のガボキサドールであり得る。
一実施態様において、ガボキサドールは、抜管前、抜管中および抜管後に、人工呼吸器を装着された患者において連続的に注入される。一実施態様において、鎮静を提供し、ここで、点滴は例えば、6時間、12時間または24時間より長く持続しない。特定の例において、方法は、点滴が24時間より長く持続しない点滴を提供する。一実施態様において、ガボキサドールは、制御点滴デバイスを用いて投与される。一実施態様において、ガボキサドールは、麻酔薬、鎮静薬、睡眠薬またはオピオイドと共投与される。このような共投与は、鎮静薬活性の増加を引き起こす効果の増強または相乗効果をもたらし得る。観察される場合、ガボキサドールの量または併用の麻酔薬、鎮静薬、睡眠薬もしくはオピオイドの量の服用量の減少が必要とされ得る。
ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の非経腸組成物を提供する。本明細書における非経腸組成物は、集中治療鎮静;手術前または手術後の患者の鎮静;処置時鎮静;監視下麻酔管理;鎮静と部分麻酔の組合せ;全身麻酔の導入;全身麻酔の維持;監視下麻酔管理の開始;監視下麻酔管理の維持;全身麻酔;中等度鎮静;および意識下鎮静を含む、クリティカル・ケア鎮静における使用に特に適する。したがって、実施態様は、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の医薬組成物を患者に投与することによるクリティカル・ケア鎮静の方法を含む。したがって、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の非経腸組成物を投与することによるクリティカル・ケア鎮静のための使用を提供する。
本明細書における組成物は、例えば筋肉内(i.m.)、静脈内(i.v.)、皮下(s.c.)、腹腔内(i.p.)またはくも膜下腔内(i.t.)を含む、非経腸投与に特に適する。本明細書における非経腸組成物は、体内への注射、点滴または移植による投与のために無菌でなければならず、単回投与または複数回投与のいずれかの容器に包装され得る。
一実施態様において、約0.005μg/ml〜約500μg/mlの濃度でガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む対象体への非経腸投与のための液体医薬組成物を提供する。一実施態様において、組成物は、例えば、約0.005μg/ml〜約250μg/ml、約0.005μg/ml〜約200μg/ml、約0.005μg/ml〜約150μg/ml、約0.005μg/ml〜約100μg/mlまたは約0.005μg/ml〜約50μg/mlの濃度でガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む。
一実施態様において、組成物は、例えば、約0.05μg/ml〜約50μg/ml、約0.1μg/ml〜約50μg/ml、約0.05μg/ml〜約25μg/ml、約0.05μg/ml〜約10μg/ml、約0.05μg/ml〜約5μg/mlまたは約0.05μg/ml〜約1μg/mlの濃度でガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む。一実施態様において、組成物は、例えば、約0.05μg/ml〜約15μg/ml、約0.5μg/ml〜約10μg/ml、約0.5μg/ml〜約7μg/ml、約1μg/ml〜約10μg/ml、約5μg/ml〜約10μg/mlまたは約5μg/ml〜約15μg/mlの濃度でガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む。一実施態様において、非経腸投与のための医薬組成物は、例えば、約10 ml、約20 ml、約25 ml、約50 ml、約100 ml、約200 ml、約250 mlまたは約500 mlの総容量として製剤化される。一実施態様において、組成物は、バッグ、ガラスバイアル、プラスチックバイアルまたはボトルに含まれる。
一実施態様において、約0.05μg/ml〜約500μg/mlの濃度でガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む非経腸医薬組成物をクリティカル・ケア鎮静を必要とする患者に投与することによるクリティカル・ケア鎮静の方法を提供する。一実施態様において、組成物は、密封ガラス容器内に配置される。
一実施態様において、約0.05 mg〜約100 mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む非経腸投与のための組成物を提供する。一実施態様において、医薬組成物は、例えば、約0.1 mg〜約25 mg、約0.1 mg〜約20 mg、約0.1 mg〜約15 mg、約0.5 mg〜約25 mg、約0.5 mg〜約20 mg、約0.5〜約15 mg、約1 mg〜約25 mg、約1 mg〜約20 mg、約1 mg〜約15 mg、約1.5 mg〜約25 mg、約1.5 mg〜約20 mg、約1.5 mg〜約15 mg、約2 mg〜約25 mg、約2 mg〜約20 mg、約2 mg〜約15 mg、約2.5 mg〜約25 mg、約2.5 mg〜約20 mg、約2.5 mg〜約15 mg、約3 mg〜約25 mg、約3 mg〜約20 mg、約3 mg〜約15 mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む。
一実施態様において、医薬組成物は、例えば、約5 mg〜約20 mg、約5 mg〜約10 mg、約4 mg〜約6 mg、約6 mg〜約8 mg、約8 mg〜約10 mg、約10 mg〜約12 mg、約12 mg〜約14 mg、約14 mg〜約16 mg、約16 mg〜約18 mgまたは約18 mg〜約20 mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む。一実施態様において、医薬組成物は、例えば、約0.1 mg、約0.25 mg、約0.5 mg、約1 mg、約2.5 mg、約3 mg、約4 mg、約5 mg、約7 mg、約7.5 mg、約10 mg、約12.5 mg、約15 mg、約17.5 mg、約20 mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩、または複数の当該投与量である量を含む。組成物は、バッグ、ガラスバイアル、プラスチックバイアルまたはボトルに含まれ得る。
一実施態様において、対象体への非経腸投与のための医薬組成物は、約0.005 mg/ml〜約500 mg/mlの濃度でガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む。一実施態様において、組成物は、例えば、約0.05 mg/ml〜約50 mg/ml、約0.1 mg/ml〜約50 mg/ml、約0.1 mg/ml〜約10 mg/ml、約0.05 mg/ml〜約25 mg/ml、約0.05 mg/ml〜約10 mg/ml、約0.05 mg/ml〜約5 mg/mlまたは約0.05 mg/ml〜約1 mg/mlの濃度でガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む。一実施態様において、組成物は、例えば、約0.05 mg/ml〜約15 mg/ml、約0.5 mg/ml〜約10 mg/ml、約0.25 mg/ml〜約5 mg/ml、約0.5 mg/ml〜約7 mg/ml、約1 mg/ml〜約10 mg/ml、約5 mg/ml〜約10 mg/mlまたは約5 mg/ml〜約15 mg/mlの濃度でガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む。一実施態様において、非経腸投与のための医薬組成物は、例えば、約10 ml、約20 ml、約25 ml、約50 ml、約100 ml、約200 ml、約250 mlまたは約500 mlの総容量として製剤化される。一実施態様において、組成物は、バッグ、ガラスバイアル、プラスチックバイアルまたはボトルに包装および貯蔵される。
一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む医薬組成物であって、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が、約1.0 M未満のモル濃度で存在する、医薬組成物を提供する。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、例えば、約0.0001 M、約0.001 M、約0.01 M、約0.1 M、約0.2 M、約0.5超、約1.0 M超、約1.2 M超、約1.5 M超、約1.75 M超、約2.0 M超または約2.5 M超を越えるモル濃度で存在する。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、例えば、約0.00001 M〜約0.1 M、約0.01〜約0.1 M、約0.1 M〜約1.0 M、約1.0 M〜約5.0 Mまたは約5.0 M〜約10.0 Mのモル濃度で存在する。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩は、例えば、約0.01 M、約0.1 M、約1.0 M、約5.0 Mまたは約10.0 M未満のモル濃度で存在する。
一実施態様において、組成物中のガボキサドールまたはその塩の溶解度は、例えば25℃の水において測定するとき、例えば、約10 mg/mL、約15 mg/mL、約20 mg/mL、約25 mg/mL、約30 mg/mL、約40 mg/mL、約50 mg/mL、約75 mg/mL、約100 mg/mL、約150 mg/mLを越える。
一実施態様において、組成物中のガボキサドールまたはその塩の溶解度は、例えば25℃の水において測定するとき、例えば、約1 mg/mL〜約50 mg/mL、約5 mg/mL〜約50 mg/mL、約10 mg/mL〜約50 mg/mL、約20 mg/mL〜約50 mg/ml、約20 mg/mL〜約30 mg/mLまたは約10 mg/mL〜約45 mg/mLである。
一実施態様において、医薬組成物が少なくとも6ヵ月間安定である、非経腸投与のための医薬組成物を提供する。一実施態様において、本明細書における医薬組成物は、例えば、3ヵ月または6ヵ月後に、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩のわずか約5%の減少を示す。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の分解量は、わずか例えば、約2.5%、約1%、約0.5%または約0.1%である。一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の分解は、少なくとも6ヵ月間で、例えば、5%、約2.5%、約1%、約0.5%、約0.25%、約0.1%未満である。
一実施態様において、医薬組成物が可溶性のままである非経腸投与のための医薬組成物を提供する。一実施態様において、安定で、可溶性で、局所適合性でおよび/または使用準備済み(ready-to-use)である医薬組成物を提供する。一実施態様において、本明細書における医薬組成物は、必要とする患者への直接投与のために使用準備済みである。
本明細書における非経腸組成物は、1つ以上の添加剤、例えば、溶媒、溶解性向上剤、懸濁化剤、緩衝剤、等張化剤、安定化剤または抗菌性防腐剤を含み得る。用いられるとき、非経腸組成物の添加剤は、組成物中に用いられるガボキサドールまたは医薬的に許容される塩の安定性、バイオアベイラビリティ、安全性および/または有効性に悪影響を及ぼさない。したがって、剤形の構成要素のいずれかの間で不適合性がない非経腸組成物を提供する。
したがって、一実施態様において、安定化量の少なくとも1つの添加剤を含むガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の非経腸組成物を提供する。例えば、添加剤は、緩衝剤、可溶化剤、等張化剤、抗酸化剤、キレート剤、抗菌剤、防腐剤、およびそれらの組合せから選択され得る。当業者は、添加剤が2つ以上の機能を有し、1つ以上の所定のグループに分類され得ることを理解するだろう。
一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および添加剤を含む医薬組成物であって、添加剤が、例えば、約10%、約5%、約2.5%、約1%または約0.5%未満の重量パーセント(w/v)で存在する、医薬組成物を提供する。一実施態様において、添加剤は、例えば、約1.0%〜約10%、約10%〜約25%、約15%〜約35%、約0.5%〜約5%、約0.001%〜約1%、約0.01%〜約1%、約0.1%〜約1%または約0.5%〜約1%の重量パーセントで存在する。一実施態様において、添加剤は、例えば、約0.001%〜約1%、約0.01%〜約1%、約1.0%〜約5%、約10%〜約15%または約1%〜約15%の重量パーセントで存在する。
一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および添加剤を含む医薬組成物であって、添加剤が、例えば、約0.01:1〜約0.45:1、約0.1:1〜約0.15:1、約0.01:1〜約0.1:1、および約0.001:1〜約0.01:1の添加剤対ガボキサドールまたは医薬的に許容される塩のモル比で存在する、医薬組成物を提供する。一実施態様において、添加剤は、約0.0001:1〜約0.1:1または約0.001:1〜約0.001:1の添加剤対ガボキサドールまたは医薬的に許容される塩のモル比で存在する。
一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および添加剤を含む医薬組成物であって、添加剤が安定化量の緩衝剤を含む、医薬組成物を提供する。緩衝剤は、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が、可溶性な、安定なおよび/または生理学的に適合性なままである、医薬組成物のpHを維持するために用いられ得る。例えば、一実施態様において、非経腸組成物は、顕著なガボキサドールの分解なしで安定なままである組成物を含む。一実施態様において、緩衝液の添加は、ガボキサドールまたはその塩を顕著に触媒または分解するおよび/または点滴時に患者に痛みを引き起こすことなく、安定性を向上するためにpHを制御するのに所望される。
一実施態様において、緩衝剤は、クエン酸、リン酸、酢酸、酒石酸、炭酸、グルタミン酸、乳酸、コハク酸、重炭酸緩衝液、およびそれらの組合せであり得る。例えば、クエン酸ナトリウム、無水クエン酸三ナトリウム、クエン酸三ナトリウム二水和物、クエン酸ナトリウム脱水和物、トリエタノールアミン(TRIS)、クエン酸三ナトリウム五水和物二水和物(すなわち、クエン酸三ナトリウム脱水和物)、酢酸、クエン酸、グルタミン酸、リン酸が、緩衝剤として用いられ得る。一実施態様において、緩衝剤は、アミノ酸、アルカリ金属またはアルカリ土類金属緩衝液であり得る。例えば、緩衝剤は、酢酸ナトリウムまたはリン酸水素塩であり得る。
一実施態様において、組成物のpHが約4.0〜約8.0であるガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の非経腸組成物を提供する。一実施態様において、組成物のpHは、例えば、約5.0〜約8.0、約6.0〜約8.0、約6.5〜約8.0である。一実施態様において、組成物のpHは、例えば、約6.5〜約7.5、約7.0〜約7.8、約7.2〜約7.8または約7.3〜約7.6である。一実施態様において、ガボキサドールの水溶液のpHは、例えば、約6.8、約7.0、約7.2、約7.4、約7.6、約7.7、約7.8、約8.0、約8.2、約8.4または約8.6である。
一実施態様において、本発明は、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および添加剤を含む医薬組成物であって、添加剤が可溶化剤を含む、医薬組成物に関する。例えば、本発明による可溶化剤は、例えば、水酸化ナトリウム、L-リシン、L-アルギニン、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸ナトリウム、および/またはリン酸カリウムを含み得る。組成物中の可溶化剤の量は、溶液がすべての濃度で可溶性なままである、すなわち濁らないおよび/または沈殿を形成しないように十分である。
一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および添加剤を含む医薬組成物であって、添加剤が粒子形成阻害剤を含む、医薬組成物を提供する。粒子形成阻害剤は、非経腸組成物における粒子の形成を阻害する所望の特性を有する化合物を指す。本発明の粒子形成阻害剤には、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびその塩、例えば、エチレンジアミン四酢酸カルシウム二ナトリウム塩(好ましくは水和物として);エチレンジアミン四酢酸二アンモニウム塩(好ましくは水和物として);エチレンジアミン四酢酸二カリウム塩(好ましくは二水和物として);エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩(好ましくは二水和物として、必要に応じて、無水形態として);エチレンジアミン四酢酸四ナトリウム塩(好ましくは水和物として);エチレンジアミン四酢酸三カリウム塩(好ましくは二水和物として);エチレンジアミン四酢酸三ナトリウム塩(好ましくは水和物として)およびエチレンジアミン四酢酸二ナトリウム塩、USP(好ましくは二水和物として)が含まれる。一実施態様において、本明細書に記載の医薬組成物は、有効量の粒子形成阻害剤を有する。一実施態様において、本発明の添加剤は、アミノ酸、尿素、アルコール、アスコルビン酸、リン脂質、タンパク質、例えば血清アルブミン、コラーゲンおよびゼラチン;塩、例えばEDTAまたはEGTAおよび塩化ナトリウム、リポソーム、ポリビニルピロリドン、糖、例えばデキストラン、マンニトール、ソルビトールおよびグリセロール、プロピレングリコールおよびポリエチレングリコール(例えば、PEG-4000、PEG-6000)、グリセロール、グリシン、および/または脂質を含み得る。
一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および添加剤を含む医薬組成物であって、添加剤が可溶化剤を含む、医薬組成物を提供する。例えば、可溶化剤としては、酸、例えばカルボン酸、アミノ酸が挙げられ得るが、これらに限定されない。他の例において、可溶化剤は、飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸、脂肪酸、ケト酸、芳香族カルボン酸、ジカルボン酸、トリカルボン酸、α-ヒドロキシ酸、アミノ酸、およびそれらの組合せであり得る。
一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および添加剤を含む医薬組成物であって、添加剤が、可溶化剤、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、吉草酸、カプロン酸、エナント酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、アクリル酸、ドコサヘキサエン酸、イコサペンタエン酸、ピルビン酸、安息香酸、サリチル酸、アルダル酸、シュウ酸、マロン酸、リンゴ酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、クエン酸、乳酸、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、システイン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リシン、メチオニン、フェニルアラニン、プロリン(praline)、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリン、およびそれらの組合せを含む、医薬組成物を提供する。
一実施態様において、可溶化剤は、酢酸、その塩、およびそれらの組合せ、(例えば、酢酸/酢酸ナトリウム)、クエン酸、その塩およびそれらの組合せ(例えば、クエン酸/クエン酸ナトリウム)、DLアルギニン、L-アルギニンおよびヒスチジン(histadine)より選択される。一実施態様において、可溶化剤はDL-アルギニンである。一実施態様において、可溶化剤はL-アルギニンである。一実施態様において、可溶化剤は酢酸/酢酸ナトリウムである。一実施態様において、可溶化剤はクエン酸/クエン酸ナトリウムである。
一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および添加剤を含む医薬組成物であって、添加剤が組成物を等張にする、医薬組成物を提供する。本明細書における等張な医薬組成物は、適正量の塩化ナトリウム、グルコース、フルクトース、デキストロース、マンニトール、または塩化カリウム、または塩化カルシウム、またはグルコノグルコヘプトン酸カルシウムカルシウム、またはそれらの混合物を加えることにより達成され得る。例えば、添加剤は、1つ以上の等張化剤、例えば、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、グリセリン、マンニトールおよび/またはデキストロースを含み得る。等張化剤は、組織損傷および刺激を最小限にする、血液細胞の溶血を減少させるおよび/または電解質平衡異常を防ぐために用いられ得る。例えば、非経腸組成物は、組成物が等張である塩化ナトリウムを含む水溶液であり得る。一実施態様において、等張化剤は塩化ナトリウムである。一実施態様において、等張化剤の濃度は、約0.01〜約2.0重量%である。一実施態様において、医薬組成物は、約10%までの等張化剤を含み得る。一実施態様において、医薬組成物は、例えば、約0.25%、約0.5%、約1%、約2.5%までの等張化剤を含み得る。一実施態様において、医薬中の等張化剤の量は、例えば、約0.01%〜約1%、約0.1%〜約1%、約0.25%〜約1%または約0.5%〜約1%である。
一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および添加剤を含む医薬組成物であって、添加剤がフリーラジカルアンタゴニストを含む、医薬組成物を提供する。一実施態様において、フリーラジカルアンタゴニストは、アスコルビン酸、アスコルビン酸誘導体、少なくとも1つのチオールを有する有機化合物、ポリ水酸化アルキルおよびポリ水酸化シクロアルキル化合物、およびそれらの組合せである。
一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および添加剤を含む医薬組成物であって、添加剤がチオールグリコール酸(thiolyglycolic acid)、チオール酢酸、ジチオトレイトール、還元グルタチオン、チオ尿素、α-チオグリセロール、システイン、アセチルシステイン、メルカプトエタンスルホン酸およびそれらの組合せより選択されるフリーラジカルスカベンチャーを含む、医薬組成物を提供する。
一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および添加剤を含む医薬組成物であって、添加剤が、ジチオトレイトール、チオ硫酸ナトリウム、チオ尿素、アスコルビン酸、メチレンブルー、メタ重亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、没食子酸プロピル・アセチルシステイン、フェノール、アセトン硫酸水素ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸エステル、ブチルヒドロキシアニソール(BHA)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、システイン、ノルジヒドログアイアレチン酸(NDGA)、モノチオグリセロール、亜硫酸ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウム、トコフェノールおよび/またはグルタチオンを含む、医薬組成物を提供する。
一実施態様において、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩および添加剤を含む医薬組成物であって、添加剤が防腐剤を含む、医薬組成物を提供する。一実施態様において、防腐剤は、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、ベンジルアルコール、クロロブタノール、クロロクレゾール、メタクレゾール、フェノール、硝酸フェニル水銀、酢酸フェニル水銀、p-オキシ安息香酸メチル、p-オキシ安息香酸プロピル、p-オキシ安息香酸ブチルおよびチメロサールより選択される。他の実施態様において、防腐剤は、フェノール、メタクレゾール、ベンジルアルコール、パラベン類(例えば、メチル、プロピル、ブチル)塩化ベンザルコニウム、クロロブタノール、チメロサール、フェニル水銀塩(例えば、酢酸塩、ホウ酸塩または硝酸塩)、およびそれらの組合せからなる群より選択される。
一実施態様において、本明細書における組成物は、共溶媒を含む。いくつかの例において、ガボキサドールの溶解性は、治療投与量より十分下であり得て、それ故に共溶媒系が用いられ得る。共溶媒は、十分高い溶解性を達成するために用いられ得て、安定性を増加させ得る溶媒の混合物である。例えば、共溶媒は、水混和性有機溶媒、例えばエタノール、プロピレン、グリコール、Capmul PG、プロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコール、ソルビトール、ジメチルアセトアミドおよび/またはジメチルスルホキシド(DMSO)であり得る。一実施態様において、共溶媒は、医薬組成物の約75%までを含み得る。他の実施態様において、用いられる共溶媒の量は、医薬組成物の例えば約1%、約5%、約10%、約15%、約25%、約40%、約50%までを含み得る。
剤形は、例えば、均一な混合物が得られるまで無菌条件下混合機においてガボキサドールおよび1つ以上の添加剤(例えば、緩衝剤、可溶化剤、等張化剤、抗酸化剤、キレート剤、抗菌剤および/または防腐剤)を混合することにより製造され得る。その後、予め滅菌されたバイアルに適正量の無菌混合物を充填し得る。その後、所与の量の無菌混合物は、投与前に溶媒、例えば、水、生理食塩水、約5〜10%糖(例えば、グルコース、デキストロース)溶液およびそれらの組合せと混合され得る。また、溶液は、更なる処理の前に凍結および融解され得る。
添加剤は、固形または溶液形態で用いられ得る。固形形態で用いられるとき、添加剤およびガボキサドールは、上記のように一緒に混合され、非経腸投与前に溶媒が加えられ得る。液体形態で用いられるとき、ガボキサドールは、非経腸投与前に添加剤の溶液と混合され得る。
本明細書におけるガボキサドールを含む非経腸溶液は、必要量のガボキサドール(使用前に生成されていてもよい)を非経腸液体、例えばD5W、蒸留水、生理食塩水またはPEG中で混合し、この溶液のpHを6.8〜8に調節することにより製造され得る。工程は、室温で実施され得るか、または濃度を増加させるために、溶液は適切に温められ得る。他の溶媒、例えばPEG 400、600、ポリプロピレングリコールまたは他のグリコールが、溶解性を向上させるために用いられ得る。室温に冷却後得られた溶液は、公知の方法、例えば限外ろ過、例えば0.45μmフィルターを用いてまたはエチレンオキシド処理または加熱によって滅菌され得て、無菌非経腸製剤を投薬するのに適するアンプル、バイアルまたはプレフィルドシリンジに包装され得る。
投与されるとき、本明細書における非経腸組成物は、ヒト患者における約1時間以上(例えば、約1.5時間以上)のガボキサドールの最高血漿濃度到達時間(Tmax)を提供する。一実施態様において、ヒト患者におけるガボキサドールのTmaxは、例えば、約1〜約5時間、約1〜約4時間、約1〜約3時間、約1〜約2時間の範囲である。一実施態様において、約1.5超のヒト患者におけるガボキサドールのTmaxが観察される。一実施態様において、約3時間未満のヒト患者におけるガボキサドールのTmaxが観察される。注入が完了すると、最高血漿濃度到達時間は測定される。
一実施態様において、本明細書における剤形は、約1 mg〜約500 mgのガボキサドールを含み、ここで当該剤形の非経腸投与(例えば、筋肉内、静脈内、皮下、腹腔内またはくも膜下腔内)は、約25 ng・時間/mlを越える平均AUC0-∞を含むガボキサドールのインビボ血漿プロファイルを提供する。一実施態様において、剤形の単回投与量投与は、例えば、50 ng・時間/ml、約75 ng・時間/ml、約150 ng・時間/ml、約250 ng・時間/ml、約500 ng・時間/ml、約1000 ng・時間/mlまたは約1500 ng・時間/mlを越える平均AUC0-∞を含むガボキサドールのインビボ血漿プロファイルを提供する。
一実施態様において、剤形は、約1 mg〜約500 mgのガボキサドールを含み、ここで当該剤形の投与は、約10000 ng/ml未満の平均Cmaxを含むガボキサドールのインビボ血漿プロファイルを提供する。一実施態様において、組成物の単回投与量投与は、例えば、約5000 ng/ml、約2500 ng/ml、約1000 ng/ml、約500 ng/ml、約250 ng/mlまたは約100 ng/ml未満の平均Cmaxのガボキサドールのインビボ血漿プロファイルを提供する。
一実施態様において、非経腸投与のための医薬組成物は、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含み、ここで当該非経腸投与は、非経腸組成物の投与後約1〜約120分のTmax;続いて、約90〜約360分間持続して少なくとも50%のCmaxの血漿薬物濃度の薬物動態学的プロファイルを示す。一実施態様において、ガボキサドールの非経腸投与は、例えば、約10〜約60分間、約15〜約90分間、約30〜約120分間、約60〜約180分間、約90〜約180分間続いて少なくとも50%のCmaxの血漿薬物濃度が続く。
一実施態様において、本発明は、鎮静作用を有する非経腸投与に適するバイアルまたはアンプル中の単位剤形の安定な医薬組成物であって、治療上有効量のガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が滅菌水に溶解されて溶液を形成し、組成物が、任意の添加剤、有機溶媒、緩衝剤、酸、塩基、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩以外の塩を実質的に有しない、医薬組成物を提供する。一実施態様において、医薬組成物は、十分に可溶性なままであり、直接投与することができる。一実施態様において、医薬組成物は、不活性雰囲気の不存在下で少なくとも6ヵ月間保存することができる。
一実施態様において、鎮静作用を有する非経腸投与に適するバイアルまたはアンプル中の単位剤形の安定な医薬組成物であって、治療上有効量のガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が滅菌水に溶解されて溶液を形成し、組成物が、任意の添加剤、有機溶媒、緩衝剤、酸、塩基、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩以外の塩を有しない、医薬組成物を提供する。一実施態様において、医薬組成物は、十分に可溶性なままであり、直接投与することができる。一実施態様において、医薬組成物は、不活性雰囲気の不存在下で少なくとも6ヵ月間保存することができる。
一実施態様において、鎮静作用を有する非経腸投与に適する安定な医薬組成物は、225〜350 mOsm/kgのオスモル濃度を有し、7.0〜8.0の範囲のpHである水溶液中に、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩を含む。一実施態様において、水溶液は、270〜310のオスモル濃度を有する。一実施態様において、水溶液は、7.2〜7.8の範囲のpHを有する。
当業者は、医薬製剤の相対的安全性および有効性を評価および比較するために用いられ得る多数の動物モデルがあることを理解するだろう。したがって、関連する動物モデルを用いて、当業者は、他の鎮静薬と比較してガボキサドール安全性および/または有効性を比較することができ得る。例えば、前注意機能の試験は、前置パルス阻害(PPI)と呼ばれる単純な試験パラダイムを利用するマウスについて記載されている。更なるパラダイムは、オブジェクト認識テストを用いる単純なスクリーンまたはより複雑なパラダイム、例えばgo/no-go試験、5-選択連続注意課題または潜在的阻害を含む。また学習および記憶の試験は、連想学習、非空間的または空間的学習、短期および長期記憶を含む、より具体的な機能領域、ならびに恐怖または眼瞼調節により明らかにされる神経学的に特定の欠損を評価するように設計され得る。
当業者は、同様の有効性および有害事象プロファイルを提供するGABAアゴニストとして作用する化合物を予期するだろう。したがって、鎮静の改善および/または1つ以上の有害事象の減少を提供する本明細書における方法は、驚くべきかつ予想外と考えられ得る。したがって、一実施態様において、ガボキサドールは、驚くべきかつ予想外にもクリティカル・ケア鎮静中に観察される有効性の増加および/または有害事象の減少を提供する方法で投与され得る。例えば、本明細書に記載される方法は、呼吸抑制、低血圧、徐脈、高脂血症および見当識欠如からなる群より選択される有害事象の発生率の低下を提供し得る。
さらに、鎮静方法はまた、鎮静後に生じる有害事象を引き起こすことがある、または鎮静薬使用により単独もしくは一部引き起こすことがあることが当該技術分野において知られている。例えば、鎮静薬を投与される患者は、人工呼吸の長時間化、集中治療室の長期滞在および/または脳機能不全の増加(例えば、せん妄および昏睡)を経験し得る。一実施態様において、方法は、クリティカル・ケア鎮静後有効性の増加および/または有害事象の減少を驚くべきかつ予想外にも提供し得る。一実施態様において、ガボキサドールの投与が1つ以上の鎮静薬と比較して有効性の増加および/または副作用の減少を提供するクリティカル・ケア鎮静を提供する。例えば、ガボキサドールの投与が別のGABAアゴニストと比較して有害事象の減少を提供するクリティカル・ケア鎮静を提供し得る。他の例において、ガボキサドールの投与は、プロポフォールと比較して有害事象の減少を提供し得る。さらに他の例において、ガボキサドールの投与は、ミダゾラムと比較して有害事象の減少を提供し得る。一実施態様において、ガボキサドールの投与がデクスメデトミジンと比較して有害事象の減少を提供するクリティカル・ケア鎮静を提供する。一実施態様において、患者は、ガボキサドールを含む医薬組成物であって、該組成物が別のGABAアゴニストと比較して有害事象の減少もまた提供しながら鎮静を手供する、医薬組成物を投与され得る。
一実施態様において、呼吸抑制、血行動態、血管拡張、低血圧、徐脈、頻脈、心房細動、発熱、認知、認知機能、高血圧、無呼吸、気道閉塞、洞停止、酸素飽和度の低下およびせん妄からなる群より選択される少なくとも1つの有害事象の顕著な影響がない、クリティカル・ケア鎮静の方法は、ガボキサドールを含む医薬組成物を投与することにより提供される。認知は、見当識、知覚、記憶、判断および問題解決などの知識および理解を得ることに関連する精神過程を指す。
一実施態様において、呼吸抑制、血行動態、血管拡張、低血圧、徐脈、頻脈、心房細動、発熱、認知、認知機能、高血圧、無呼吸、気道閉塞、洞停止、酸素飽和度の低下およびせん妄からなる群より選択される少なくとも1つの有害事象の実質的な発生がない、方法は、ガボキサドールを投与することを含む。一実施態様において、呼吸抑制、血行動態、血管拡張、低血圧、徐脈、頻脈、心房細動、発熱、認知、認知機能、高血圧、無呼吸、気道閉塞、洞停止、酸素飽和度の低下およびせん妄からなる群より選択される少なくとも1つの有害事象の顕著な発生がない。一実施態様において、少なくとも1つの有害事象の統計学的有意な発生がない、方法は、ガボキサドールを投与することを含む。例えば、認知に有意な効果がない方法は、ガボキサドールを投与することを含み得る。一例において、患者が顕著な洞停止を経験しない方法は、ガボキサドールを投与することを含み得る。
一実施態様において、ガボキサドールを含む医薬組成物を投与することによる患者のクリティカル・ケア鎮静の方法であって、呼吸抑制が実質的でない方法を提供する。一実施態様において、患者へのガボキサドールの投与は、別の鎮静薬、例えば、プロポフォール、ロラゼパム、ミダゾラム、および/またはデクスメデトミジンの投与と比較して呼吸抑制の低下をもたらす。一実施態様において、投与が顕著な呼吸抑制をもたらさないクリティカル・ケア鎮静の方法を提供する。呼吸抑制は、MACに現在用いられる多くの鎮静薬(例えば、ミダゾラム、プロポフォール)の主要な懸案事項である。限定的な有害作用を有する健常および高リスク両方の集団において鎮静、特にMAC中に安全に用いられ得る鎮静剤対するアンメットニーズが明らかにある。一実施態様において、手術および/またはICU処置に関連する不安および/またはストレスを減ずる方法であって、呼吸抑制の顕著な発生がない方法を提供する。
一実施態様において、ガボキサドールを含む医薬組成物を投与することによる患者のクリティカル・ケア鎮静の方法であって、投与が顕著なせん妄をもたらさない方法を提供する。せん妄急性脳機能不全は、脳機能の急速な変化による突然の重度な混乱である。せん妄は、60〜80%の人工呼吸を施された集中治療室(ICU)患者において発生し、長期入院、高コスト、6ヵ月での死亡リスクの3倍増加および進行中の神経心理学的機能不全と独立して関連する。最近、せん妄は、人工呼吸を施された患者において死亡、コストの増加、長期の滞在の予測因子として示された。鎮静薬および鎮痛薬は、不安および痛みを緩和するが、患者のせん妄への移行に寄与し得る。したがって、顕著なせん妄を引き起こすことなく手術および/またはICU処置に関連する不安および/またはストレスを減ずる方法を提供する。
GABAアゴニスト鎮静薬、例えばロラゼパムおよびプロポフォールの標準的使用は、ICUせん妄および他の望まない臨床結果に寄与し得る。せん妄の有症率が他のGABA受容体アゴニストでのものより低い鎮静の方法を提供する。一実施態様において、別のGABA受容体アゴニスト、例えば、ロラゼパム、プロポフォール、ミダゾラムと比較してせん妄の顕著な減少がある鎮静の方法を提供する。一実施態様において、せん妄の発生が別のGABA受容体アゴニスト、例えば、ロラゼパム、プロポフォール、ミダゾラムと比較して顕著に低い鎮静の方法を提供する。
一実施態様において、患者は覚醒可能で見当識が保たれたままである患者の鎮静の方法を提供する。
他に断らない限り、本明細書において用いられるすべての技術的および科学的用語は、本明細書における開示が属する技術分野の当業者によって通常理解されるものと同じ意味を有する。
ガボキサドールは、酸付加塩、双性イオン水和物、双性イオン無水物、塩酸塩また臭化水素酸塩を含む医薬的に許容される塩を用いて、または双性イオン一水和物の形態で、患者への投与のために製剤化され得る。酸付加塩としては、マレイン酸、フマル酸、安息香酸、アスコルビン酸、コハク酸、シュウ酸、ビス-メチレンサリチル酸、メタンスルホン酸、エタン二スルホン酸、酢酸、プロピオン酸、酒石酸、サリチル酸、クエン酸、グルコン酸、乳酸、リンゴ酸、マンデル酸、ケイ皮酸、シトラコン酸、アスパラギン酸、ステアリン酸、パルミチン酸、イタコン酸、グリコール酸、p-アミノ安息香酸、グルタミン酸、ベンゼンスルホン酸またはテオフィリン酢酸の付加塩、ならびに8-ハロテオフィリン、例えば8-ブロモ-テオフィリンが挙げられるが、これらに限定されない。他の適切な実施態様において、塩酸、臭化水素酸、硫酸、スルファミン酸、リン酸または硝酸の付加塩を含むがこれらに限定されない無機酸付加塩が、用いられ得る。ガボキサドールは、結晶、例えば結晶の塩酸塩、臭化水素酸塩、または結晶の双性イオン一水和物であり得る。
本明細書で用いる用語「約」または「およそ」は、当業者により決定されるように特定の値の許容され得る誤差範囲内を意味し、これは、当該値がどのように測定または決定されるか、すなわち測定システムの限界に部分的に依存する。例えば、「約」は、当該技術分野における慣習につき、3以上の標準偏差内を意味し得る。あるいは、「約」は、所与の値の20%まで、好ましくは10%まで、より好ましくは5%まで、さらにより好ましくは1%までの範囲を意味し得る。あるいは、特に生物学的システムまたはプロセスに関して、当該用語は、ある値の1桁内、好ましくは5倍以内、より好ましくは2倍以内を意味し得る。
「PK」は、薬物動態プロファイルを指す。Cmaxは、実験中に推定される最高血漿薬物濃度(ng/ml)として定義される。Tmaxは、Cmaxが推定されるときの時点(分)として定義される。AUC0-∞は、薬物投与から薬物排出までの血漿薬物濃度-時間曲線下総面積(ng・時間/ml)である。曲線下面積は、クリアランスにより管理される。クリアランスは、単位時間当たりの薬物含有量が完全に除去された血液または血漿の容量(ml/分)として定義される。
本明細書で用いる「処置する」または「処置」は、疾患または病態に罹患しているかまたは罹患している可能性があるが、疾患または病態の臨床的または亜臨床的症状をまだ経験していないかまたは示していない、対象体における疾患または病態の臨床的症状の出現を緩和するかまたは遅延させることを指す。ある特定の実施態様において、「処置する」または「処置」は、疾患または病態に罹患しているかまたは罹患している可能性があるが、疾患または病態の臨床的または亜臨床的症状をまだ経験していないかまたは示していない、対象体における疾患または病態の臨床的症状の出現を防止することを指す。「処置する」または「処置」はまた、疾患または病態を抑制すること、例えば、それまたはその臨床的もしくは亜臨床的症状の発生を阻止するかまたは減少させることを指す。「処置する」または「処置」はさらに、疾患または病態を緩和すること、例えば、疾患もしくは病態または少なくとも1つのその臨床的もしくは亜臨床的症状の後退を引き起こすことを指す。処置される対象体の利益は、統計学的に有意であるか、数学上有意であるか、または対象体および/または医師に少なくとも知覚可能であり得る。それでもなお、予防的処置と治療的処置は、本開示の2つの別々の実施態様である。
「有効量」または「治療上有効量」は、処置されている障害、疾患または病態の1つ以上の症状を軽減するか、または別な方法で所望の薬理学的および/または生理的効果を提供するのに十分な服用量を意味する。
「医薬的に許容される」は、「一般的に安全と見なされる」、例えば、ヒトに投与されるとき、生理的に忍容性であり、典型的にはアレルギー性または同様の有害反応、例えば胃の不調を生じない、分子および組成物を指す。ある実施態様において、この用語は、FDAによる市販前調査および承認を受ける、連邦食品・医薬品・化粧品法の項204(s)および409の下のGRASリストまたは類似リスト、米国薬局方、または動物、より具体的にはヒトにおける使用のために一般的に認められている別の薬局方に関して、連邦または州政府の規制機関により承認された分子および組成物を指す。
「添加剤」は、医薬組成物の活性な原薬、例えばガボキサドール以外の物質であって、安全性について適切に評価され、そして、製造中の薬物送達システムの処理を助ける;保護する;支える;安定性、バイオアベイラビリティもしくは患者の忍容性を向上させる;製品同定を助ける;または保存または使用中の薬物送達システムの全体的な安全性および有効性の他の特質を向上させるために薬物送達システムに含まれる、物質である。
「安定化剤」または「安定化量」は、十分な安定性を提供するが、組成物中に用いられるガボキサドールまたは医薬的に許容される塩のバイオアベイラビリティ、安全性および/または有効性に悪影響を及ぼさない、非経腸組成物に含まれる1つ以上の添加剤の量を指す。
「安定な」は、特定の時間後、例えば3ヵ月または6ヵ月後、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の分解が実質的にないことを意味する。
「可溶性」は、ガボキサドールの溶液が濁らないおよび/または溶液中に沈殿が実質的にないことを意味する。
「十分に可溶性」は、粒子含有量が十分に低く、物質が非経腸投与に有用であるように十分に無菌であることを意味する。例えば、液体組成物中の粒子数は、10 mlの溶媒の容積中に存在する10μm粒子が例えば、6,000個未満であるべきであり、好ましくは10μm粒子が10,000個未満、5,000個未満、3,000個未満、1,000個未満または400個未満である。いくつかの例において、液体組成物中の粒子数は、10 mlの容積中の25μm粒子が1000個未満、600個未満または200個未満であるべきである。
本明細書における「局所適合性」は、組成物が、注射または点滴の部位において忍容性であるため、副作用、例えば局所皮膚刺激または静脈刺激(点滴部位における炎症反応を含む)を最小限にすることを意味する。本明細書における非経腸組成物は、従来の製品より皮膚刺激または静脈炎などの副作用が少なくなり得る。
本明細書において用いる「精製された」は、無関係の物質、すなわち夾雑物(物質が得られる元の物質を含む)の存在を減少または排除する条件下単離された物質を指す。本明細書において用いる用語「実質的に有さない」は、物質の分析試験との関連で操作上用いられる。好ましくは、夾雑物を実質的に有さない生成された物質は、少なくとも95%純粋;より好ましくは少なくとも97%純粋、さらにより好ましくは少なくとも99%純粋である。純度は、例えばクロマトグラフィーまたは当該技術分野において公知の他の方法により評価され得る。一実施態様において、精製されたは、夾雑物のレベルがヒトまたは非ヒト動物への安全な投与のために規制当局に許容されるレベル未満であることを意味する。
本明細書における組成物に関して「使用準備済み(Ready-to-use)」は、再構成された形態であって、標準化された濃度および品質を有し、単回使用容器、例えばガラスバイアル、点滴バッグまたはシリンジに予め充填され、患者への直接投与の準備ができている、製剤を意味する。
本明細書における組成物に関して「直接投与」は、即時投与、すなわち更なる希釈、他の物質との予混合または組成物もしくは組成物の製剤の他の変更がない投与を意味する。このような組成物は、典型的には、点滴デバイスから直接放出され、血管アクセスポートまたはセントラルラインを介して投与される。
「服用量(dosage)」は、μg/kg/日、μg/kg/時間、mg/kg/日またはmg/kg/時間の点で表される製剤を包含することが意図される。服用量は、特定の投与レジメンに従って投与される成分の量である。「投与量(dose)」は、単位容積または量における哺乳類に投与される薬剤の量、例えば、薬剤のmgまたはμgで表される絶対的な単位投与量である。投与量は、例えば、リットル当たりのモル(M)、容量当たりの量(m/v)または量当たりの量(m/m)における、製剤中の薬剤の濃度に依存する。特定の服用量が製剤の1つまたは複数の投与量の投与のレジメンにより生じるように、2つの用語は密接に関連している。いずれかの場合における特定の意味は、文脈から明らかである。
本明細書で提供される実施例は、本開示を補強するためにのみ含まれており、いかなる点においても限定しているとみなされるべきでない。
実施例1
ガボキサドールの溶解性評価
ガボキサドールは、無水双性イオンまたは一水和物のいずれかとして存在し得る。溶液と平衡で存在し得る固相は、溶液中の水分活性に依存する。過剰量のガボキサドールを水に加える場合、過剰分が固体のガボキサドール一水和物として沈殿するが、過剰量のガボキサドールを低水分含量の有機溶媒、例えばメタノール、エタノールおよびイソプロパノールに加える場合、固体沈殿物は無水ガボキサドールである。pHに対するガボキサドールの溶解度を決定し、計算した曲線と測定値を図1に示す。測定された最も低い水の溶解度が10 mg/mlを越えるため、溶解性は吸収の制限因子と考えられない。
溶解性は固体との平衡における溶液中の濃度として定義されるように、有機溶媒において測定される溶解性は、無水和物の溶解性であり、一水和物のものではない。したがって、ガボキサドール一水和物の溶解性を水/有機溶媒混合物において決定した。ガボキサドール一水和物としての原薬の濃度を液体クロマトグラフィーにより決定した。1 ml当たりのmgで測定した水および水-有機溶媒混合物におけるガボキサドール一水和物の溶解性を表1に示す。
Figure 2018522920
1 ml当たりのガボキサドール一水和物のmgで測定したpHに対する水における溶解性を表2に示す。
Figure 2018522920
実施例2
ガボキサドール静脈内忍容性
この試験の第1のパート(パート1)は、ガボキサドール静脈内忍容性を評価するために実施した。特に、パート1は、固定順序、増加投与量法で、ガボキサドールの単回静脈内(IV)投与(5 mgおよび10 mg)またはプラセボ(通常生理食塩水)の単回IV投与の二重盲検投与を受ける、8名の正常な健常な成人対象体からなる。試験の第2のパート(パート2)は、期間1〜5にわたって無作為化されたガボキサドールの5つの単回経口投与(2.5、5、10、15、および20 mg)、その後期間6において60分間にわたり静脈内投与されるガボキサドール10 mgの単回投与の二重盲検投与を受ける、10名の正常な健常な成人対象体からなる、6期間クロスオーバーであった。各処置期間の間に4日間の休薬があった。
試験には、理想体重の30%内の18〜45歳の健常な男性および女性の対象体が含まれた。試験のパート1における対象体は、いずれかの性別であり得るが、試験のパート2では、各性別の対象体が少なくとも4名でなければならなかった。
パート1において、各対象体は、等張なガボキサドールHCl(5 mgおよび10 mg)の2つの単回IV投与またはIVプラセボ(通常生理食塩水)を受けた。対象体は、5つの経口投与量(2.5、5、10、15および20 mg)のガボキサドール、および処置期間6においてガボキサドールの単回IV投与(10 mgが、研究のパート1において示された許容される忍容性に基づいてIV投与量として選択された)を各々受けた。主要評価項目にはIVおよび経口ガボキサドール後の、ガボキサドールの薬物動態(用量比例性)、絶対的バイオアベイラビリティおよび忍容性、ならびに安全性が含まれた。
単回静脈内投与後、投与量の増加と共にガボキサドールのAUC0-infおよびCmaxは増加し、一方、他のパラメーター(CL、t1/2、Vss、fe、およびCLR)は投与量に依存しなかった。ガボキサドールは、適度の全身クリアランス(CL)および適度の定常状態分布容積(Vss)を示した。経口投与後、ガボキサドールのAUC0-infおよびCmaxは増加し、一方、他のパラメーターパラメーター(CL/F、tmax、t1/2、fe、およびCLR)は投与量に依存しなかった。経口投与後の経口クリアランス(CL/F)は、静脈内投与後に観察されたものと同様の大きさであり、92%の推定経口バイオアベイラビリティと一致した。腎臓クリアランス(CLR)は、糸球体ろ過より大きく、ガボキサドールの正味分泌を示した。
これらの結果は、5および10 mgの静脈内ガボキサドール投与量の単回投与量投与、ならびに2.5〜20 mgのガボキサドールの経口投与量の単回投与量投与が概して良好な忍容性を示すことを示唆する。報告された重大な有害事象はなく、試験の両パートで報告された最も一般的な臨床上の有害事象は、眠気およびめまいであった。
実施例3
ガボキサドール投与による残存効果の評価
この研究は、健常な高齢の男性および女性対象体における、二重盲検、ダブルダミー、無作為化、活性-およびプラセボ-対照、単回投与、3期間クロスオーバー試験、それに続くオープンラベル、単回投与、1期間試験であった。対象体は、各々の3つの処置(処置A、BおよびC)に無作為化されて、最初の3処置期間にわたりクロスオーバー法で投与された。処置Aについて、対象体は、ガボキサドール10 mgの単回投与を受け;処置Bについて、対象体は、フルラゼパム30 mgの単回投与を受け;および処置Cについて、対象体は、プラセボの単回投与を受けた。投与は、1日目の就寝時に経口投与された。対象体を、各処置期間中投与する晩の早くから投与後約36時間(3日目の朝)まで在宅させた。処置期間1〜3に参加した対象体は、第4の処置期間に参加した。この期間において、ガボキサドール10 mgの単回投与(処置D)が、ガボキサドールのPKのために1日目の朝にオープンラベル法で経口投与された。連続する処置期間の投与間に少なくとも14日の休薬があった。試験参加者には、65〜80歳で、ミニメンタルステートで24を有し、体重が少なくとも55 kgある、健常な高齢の男性および女性対象体が含まれた。
すべての対象体は、10 mgガボキサドール一水和物カプセル剤および30 mgのフルラゼパム(2 x 15 mgカプセル剤として提供される)を受け、釣り合うプラセボが、ガボキサドールおよびフルラゼパムの両方について提供された。
評価した主要評価項目には、(精神運動能力、記憶、注意力および午後の投与後の日中の眠気の測定)、ガボキサドール薬物動態および安全性が含まれる。ガボキサドール(単回投与10 mg)は、主要評価項目の選択反応時間および臨界フリッカー融合に対する投与後9時間の残存効果を示さなかったが、活性対照のフルラゼパム(30 mg単回投与)は、同一試験において顕著な効果を示した。またガボキサドールは、当該試験で適用された他の測定(Multiple Sleep Latency Test(MSLT);Digit symbol substitution test(DSST)、トラッキング、記憶検査、身体の揺れおよびリーズ睡眠評価質問票)に対する残存効果の何れの兆候も示さなかった。
実施例4
ガボキサドール投与後の運転能力の研究
この研究は、運転能力に対するガボキサドールの晩および夜中投与の影響を調査する、二重盲検、無作為化、プラセボおよび活性対照の5通りのクロスオーバー試験であった。試験参加者には、21〜45歳で、有効な運転免許を少なくとも3年間有する、健常な男性および女性対象体が含まれた。
運転能力に対するガボキサドールの影響を、道路設定上の現実の運転を用いて調査した。対象体は、就寝前の晩またはモーニングコール後真夜中の午前4時のいずれかに15 mgのガボキサドールを受けた。一連の認知および精神運動試験後、運転試験を午前9時に開始し、1時間続けた。ガボキサドール15 mgは、真夜中の投与後、運転に対して臨床的に関連する障害効果を有した。
晩の投与後、ガボキサドール15 mgの統計的に有意な効果は観察されなかった。いずれにしても、この効果は、欧州の大部分の国において運転が禁止される濃度限界である、0.05%血中アルコール濃度で観察される効果より小さかった。一般的に、ゾピクロン(7.5 mg)およびゾルピデム(10 mg)をそれぞれ晩および真夜中に投与後数字的により大きな効果があった。ガボキサドールの晩および真夜中両投与は、真夜中の処置についてはめまい、悪心および傾眠、および晩処置については頭痛および傾眠である最も頻繁な有害事象を伴い良好な忍容性を示した。
活性対照ゾピクロンにおける対象体は、同一試験において数字的により大きい効果を有した。記憶検査、身体の揺れ、DSSTまたはクリティカルトラッキングに対する効果は無かったが、ゾピクロンはこれらの検査のいくつかに効果を有した。
実施例5
睡眠制限後の日中能力の研究
この研究は、5時間の睡眠制限を受けた健常な成人における日中の能力に対するガボキサドールの影響を評価する、4夜、並行群間、無作為化、二重盲検(社内盲検有り)、プラセボ-対照、固定投与量試験であった。研究には、2夜単盲検プラセボ導入期間、4夜二重盲検処置期間(当該期間中5時間に睡眠が制限される)および2夜単盲検プラセボ退薬期間が含まれた。当該試験には、18〜<55歳の健常な男性および女性ボランティアが含まれた。
2夜の導入期間:すべての患者はプラセボを受けた
4夜の二重盲検処置期間:患者はガボキサドール15 mgまたは釣り合うプラセボに無作為化された
2夜の退薬期間:すべての患者はプラセボを受けた
主要評価項目には、Multiple Sleep Latency Test(MSLT)および徐波睡眠(SWS)評価に基づく観察が含まれた。第1目的は、MSLTにより測定される日中睡眠傾向の低下においてプラセボと比較してガボキサドール(15 mg)の有効性を評価することであった。ガボキサドール対象体は、睡眠制限期間中に、プラセボ対象体より統計学的に少ない日中の眠気を有した(p=0.047、片側)。MSLTは、最後の2日の睡眠制限日において、プラセボで処置した対象体より、ガボキサドールで処置した対象体(15 mg)で平均2.01分長かった。
また第2目的は、睡眠制限の最後の2夜に徐波睡眠(SWS)の量の増加においてプラセボと比較してガボキサドールの有効性を評価することであった。ガボキサドールを受ける対象体は、睡眠制限期間中に、プラセボ対象体より統計学的に多いSWSを経験した(p<0.001、片側)。さらにガボキサドールで処置した対象体は、最後の2日の睡眠制限日において、プラセボで処置した対象体より平均20.53分長いSWSを有した。
最後に、(1)一連の神経行動により評価される記憶および注意の改善;(2)Karolinska Sleepiness Score(KSS)により評価される主観的睡眠の減少;(3)睡眠パラメーター(例えば、全睡眠時間、徐波睡眠(SWS)潜時、徐波活動(SWA))の変化;ならびに(4)心拍変動の増加、コルチゾールレベルの低下、カテコールアミンレベルの低下および体温の低下に代表される生物学的ストレスの減少において、睡眠制限の最後の2夜/日間にプラセボと比較してガボキサドールの有効性を試験した。
睡眠制限期間中に、プラセボ対象体と比較して、ガボキサドール対象体では主観的日中の眠気より少なくなる傾向があった。ベースラインKSS、性別および年齢の調節を有する時系列データ分析(LDA)モデルにより評価されるように、Karolinska Sleepiness Score(KSS)は、最後の2日睡眠制限において、プラセボで処置した対象体より、ガボキサドールで処置した対象体で平均0.68低かった(p=0.058、片側)。共分散使用指示的分析(ANCOVA)もまたこの知見を支持する。一連の神経認知について計算された効果サイズは、ガボキサドールが日中の能力を改善するという強い証拠がないことを示した。ストレスの生体生理学的測定(心拍変動、コルチゾールレベル、カテコールアミンレベル、体温)に関して、ガボキサドールとプラセボとの間に差異はなかった。
4夜睡眠制限のうち最後の2日においてMSLTで測定されるように、プラセボと比較して、ガボキサドールは、日中の眠気の低下に保護効果を有する。プラセボと比較して、ガボキサドールは、睡眠制限の4夜のうち最後の2夜中に、徐波睡眠(SWS)の量が増加する。
実施例6
せん妄および長期的な神経心理学的機能不全のプロスペクティブ評価
この試験は、α2アゴニスト(例えば、デクスメデトミジン)またはGABA-アゴニスト(例えば、プロポフォール、ロラゼパム、ミダゾラム、ガボキサドール)で処置された、人工呼吸を施された集中治療室(ICU)患者について鎮静および鎮痛を比較するために用いられる。特に、この試験は、鎮静治療を受けた患者のせん妄率、鎮静の有効性、鎮痛および退室時認知状態を評価するために用いられる。試験は、人工呼吸の持続時間、ICUの滞在の長さおよび退院時の神経心理学的機能不全の重篤度を含む臨床結果を比較するためにも用いられる。また、試験は、ICU患者におけるガボキサドールの薬物動態学的および薬力学的モデルを開発するために用いられる。
この試験は、人工呼吸を必要とする重篤疾患のために内科および外科ICUに入院した成人患者を含み得る。患者は、24時間超人工呼吸器を装着されているという予想を有し得る。この試験において、患者は、特定の時間、例えば10分間にわたりボーラス投与、続いてガボキサドールまたは比較薬(例えば、デクスメデトミジン、プロポフォール、ロラゼパム)の点滴を受ける。各鎮静薬の比較は、Richmond Agitation-Sedation Scaleを用いて医学的に示される「目標」または「標的」鎮静レベルを最初に設定することにより確立される。「実際の」RASSレベルは、その後12時間毎に測定され得る。比較は、標的鎮静レベルを達成する正確度である、主要評価項目を決定するために実際RASSレベルと標的RASSレベルとの間でなされる。
また、せん妄の持続時間および重篤度を12時間毎にCAM-ICUを用いて測定する。患者が眼を開けて言語性刺激に反応し(例えば、RASS-3またはより良好)、そして精神状態、不注意および、支離滅裂な思考または意識レベルの変化のいずれかの過程で急激な変化または変動を有することが分かる場合、せん妄は存在すると言われる。評価には、Johns Hopkins Adapted Cognitive Exam:認知評価ツールConfusion Assessment Method for the Intensive Care Unit、CAM-ICUせん妄評価ツール;および/または試験薬物の開始から穏やかな非不安状態までの時間も含まれ得る。
実施例7
監視下麻酔管理中の鎮静についてのガボキサドールの安全性および有効性のプロスペクティブ評価
この試験は、American Society of Anesthesiologists(ASA)Physical Status I、II、IIIまたはIVに分類され、麻酔科医が立ち会う手術室または処置室における監視下麻酔管理を必要とする成人患者(>18歳)を含む。患者はまた、30分以上かかると予想される待機的手術/処置を必要とする。
患者は、ガボキサドールを静脈内投与され、1つ以上の評価項目が観察される。例えば、一の当該評価項目は、Observer's Assessment of Alertness/Sedation Scale(OAA/S)スコア<4の達成および/または維持に基づく救済鎮静を必要としない患者の割合を含み得る。観察され得る他の結果は、鎮静(OAA/Sスコア<4)の達成および/または維持に必要とされる救済鎮静薬(例えば、ミダゾラム、プロポフォール)の総量(mg);ガボキサドール点滴の開始から救済薬(例えば、ミダゾラム、プロポフォール)の最初の投与までの時間;試験薬物および救済での処置の失敗のために代替鎮静薬および/または麻酔薬治療に切り替える対象体の割合;麻酔後回復室(PACU)から退室するために回復または準備の時間;PACUにおける術後悪心および嘔吐の発生率;および/またはガボキサドールの投与24時間後に評価される対象体の満足感および不安の、測定を含む。
実施例8
集中治療室鎮静についてのガボキサドールの安全性および有効性のプロスペクティブ評価
この試験は、外科集中治療室において処置されている成人患者(>18歳)を含む。すべての患者は、最初に挿管され、人工呼吸を受け得る。この試験は、処置の開始から抜管までまたは24時間の全処置時間までのガボキサドールとプラセボとの間で規定のレベルの鎮静(標準化したRamsay Sedation Scaleを用いる)を達成するのに必要とされる救済薬(例えば、ミダゾラムまたはプロポフォール)の量を比較することにより、ガボキサドールの鎮静作用を評価するために用いられる。
Ramsay Level of Sedation Scale(RSS)は、6つの異なるレベルでの覚醒性(rousability)の試験である。これは、鎮静薬または麻薬が与えられるところであれば、ICUにおいてだけでなく普遍的な使用に役立つ。これは疼痛スコアに加えられ、6番目のバイタルサインと見なされ得る。
Ramsay Sedation Scale:
1 患者は、不安であり、興奮しているもしくは落ち着きがないまたはその両方である。
2 患者は、協力的であり、見当識があり、平穏である。
3 患者は、指示のみに反応する。
4 患者は、軽い眉間への刺激または大きな声に即座に反応する。
5 患者は、軽い眉間への刺激または大きな声にゆっくり反応する。
6 患者は、反応を示さない。
当業者は、本明細書に記載の主題の特定の実施態様の多くの等価物であるルーチンの実験のみを用いて認識するかまたは確かめることができるだろう。当該等価物は、特許請求の範囲に包含されることが意図される。

Claims (40)

  1. 集中治療環境における処置中にヒト患者を鎮静させる方法であって、該方法が約3500 ng/ml未満のCmaxを含むインビボ血漿プロファイルを提供するガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の医薬組成物を患者に静脈内投与することを含み、患者が覚醒可能で見当識が保たれたままである、方法。
  2. 患者が集中治療環境において処置を受けており、処置が集中治療鎮静、手術前の患者の鎮静、処置時鎮静、監視下麻酔管理、中等度鎮静および意識下鎮静からなる群より選択される、請求項1に記載の方法。
  3. 患者が集中治療環境において処置を受けており、麻酔治療が監視されている、請求項1に記載の方法。
  4. 処置中に投与されるガボキサドールの総量が約0.1 mg〜約500 mgのガボキサドールである、請求項1に記載の方法。
  5. 約4000 ng 時間/ml未満のAUC0-∞を含むインビボ血漿プロファイルを提供する開使投与量が患者に投与される、請求項1に記載の方法。
  6. ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が約0.1〜約1000μg/kg/分の注入速度で投与される、請求項1に記載の方法。
  7. ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が約1〜約750μg/kg/分の注入速度で投与される、請求項1に記載の方法。
  8. ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が約20μg/kg未満の量で投与される、請求項1に記載の方法。
  9. ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が約0.1〜約25μg/kgの量で投与される、請求項1に記載の方法。
  10. 集中治療環境における処置中にヒト患者を鎮静させる方法であって:
    約3500 ng/ml未満のCmaxを含むインビボ血漿プロファイルを提供するガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の医薬組成物を患者に静脈内投与すること;および
    患者を覚醒可能で見当識が保たれた状態のままにすること
    を含む、方法。
  11. 集中治療環境における処置中にヒト患者を鎮静させる方法であって、該方法がガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の医薬組成物を患者に静脈内投与することを含み、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が約0.25〜約100μg/kg/分の注入速度で投与される、方法。
  12. 患者が集中治療環境において処置を受けており、処置が集中治療鎮静、手術前の患者の鎮静、処置時鎮静、監視下麻酔管理、中等度鎮静および意識下鎮静からなる群より選択される、請求項11に記載の方法。
  13. 集中治療環境における処置が監視下麻酔管理である、請求項11に記載の方法。
  14. ガボキサドールが連続注入として投与される、請求項11に記載の方法。
  15. ガボキサドールがボーラス投与として投与される、請求項11に記載の方法。
  16. ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が約0.25μg/kg/分〜約25μg/kg/分の注入速度で投与される、請求項11に記載の方法。
  17. ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が約1μg/kg/分〜約50μg/kg/分の注入速度で投与される、請求項11に記載の方法。
  18. ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が約350 ng/ml未満のCmaxを含むインビボ血漿プロファイルを提供する、請求項11に記載の方法。
  19. ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が約250 ng/ml未満のCmaxを含むインビボ血漿プロファイルを提供する、請求項11に記載の方法。
  20. 約0.1〜約50 mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が24時間にわたって投与される、請求項11に記載の方法。
  21. 約0.1〜約25 mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が24時間にわたって投与される、請求項11に記載の方法。
  22. 約0.1μg/kg〜約10μg/kgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が24時間にわたって投与される、請求項11に記載の方法。
  23. 約0.1μg/kg〜約5μg/kgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が24時間にわたって投与される、請求項11に記載の方法。
  24. ガボキサドールが麻酔薬、鎮静薬、睡眠薬またはオピオイドと共投与される、請求項11に記載の方法。
  25. 集中治療環境における処置中にヒト患者を鎮静させる方法であって、該方法が、ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の医薬組成物を患者に静脈内投与することを含む、集中治療鎮静、手術前の患者の鎮静、処置時鎮静、監視下麻酔管理、中等度鎮静および意識下鎮静からなる群より選択され、約0.1〜約50 mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が24時間にわたって投与される、方法。
  26. ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が約0.001μg/kg/分〜約5μg/kg/分の注入速度で投与される、請求項25に記載の方法。
  27. 集中治療環境における処置中にヒト患者を鎮静させる方法であって、該方法が約350 ng/ml未満のCmaxを含むインビボ血漿プロファイルを提供するガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩の医薬組成物を患者に静脈内投与することを含む、方法。
  28. 患者が集中治療環境において処置を受けており、処置が集中治療鎮静、手術前の患者の鎮静、処置時鎮静、監視下麻酔管理、中等度鎮静および意識下鎮静からなる群より選択される、請求項27に記載の方法。
  29. 集中治療環境における処置が監視下麻酔管理である、請求項27に記載の方法。
  30. ガボキサドールが連続注入として投与される、請求項27に記載の方法。
  31. ガボキサドールがボーラス投与として投与される、請求項27に記載の方法。
  32. ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が約0.25〜約25μg/kg/分の注入速度で投与される、請求項27に記載の方法。
  33. ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が約0.001〜約5μg/kg/分の注入速度で投与される、請求項27に記載の方法。
  34. ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が単回ボーラス投与として約10μg/kg〜1000μg/kgの量で投与される、請求項27に記載の方法。
  35. ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が単回ボーラス投与として約100〜約250μg/kgの量で投与される、請求項27に記載の方法。
  36. 約0.1〜約50 mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が24時間にわたって投与される、請求項27に記載の方法。
  37. 約0.1〜約25 mgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が24時間にわたって投与される、請求項27に記載の方法。
  38. 約0.1μg/kg〜約10μg/kgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が24時間にわたって投与される、請求項27に記載の方法。
  39. 約0.1μg/kg〜約5μg/kgのガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が24時間にわたって投与される、請求項27に記載の方法。
  40. ガボキサドールまたはその医薬的に許容される塩が約350 ng/ml未満のCmaxを含むインビボ血漿プロファイルを提供する、請求項27に記載の方法。
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