JP2018521791A - 任意選択による組織の横切を許容するシステムを備える外科用器具 - Google Patents

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Abstract

ステープル発射システム及び組織切断システムを備える外科用器具が開示される。本外科用器具は、外科医がステープル発射システムを作動させた後に組織切断システムを作動させるかどうかを選択することができるように構成されている。

Description

本発明は、外科用器具に関し、様々な実施形態では、外科用ステープル留め及び切断器具、並びにそれと共に使用するステープルカートリッジに関する。
ステープル留め器具は、一対の協働する細長い顎部材を含むことができ、各顎部材が患者の中に挿入され、ステープル留め及び/又は切開される組織に対して位置付けられるように適合させることができる。様々な実施形態では、顎部材のうちの一方は、横方向に離隔された少なくとも2列のステープルを中に収容したステープルカートリッジを支持することができ、他方の顎部材は、ステープルカートリッジ内のステープル列と位置合わせされたステープル形成ポケットを有するアンビルを支持することができる。概して、ステープル留め器具は更に、顎部材に対して摺動可能な押し込みバー及びナイフブレードを含んで、押し込みバー上のカム面、及び/又は押し込みバーによって押し込まれるウェッジスレッド上のカム面を介して、ステープルカートリッジからステープルを連続的に排出することができる。少なくとも1つの実施形態では、ステープルをアンビルに対して押し込み、顎部材の間に把持された組織内に変形したステープルの横方向に離隔された列を形成するために、カートリッジによって保持され、かつステープルと関連付けられた複数のステープルドライバを作動させるように、カム面を構成することができる。少なくとも1つの実施形態では、ナイフブレードはカム面に追従し、ステープル列間の線に沿って組織を切断することができる。
上述の議論は、当時の本発明の分野における関連技術の様々な態様を説明することのみを意図したものであり、特許請求の範囲を否定するものとみなされるべきではない。
本明細書に記載する実施形態の様々な特徴は、それらの利点と共に、以下の添付図面と併せて以下の説明によって理解することができる。
少なくとも1つの実施形態による外科用ステープル留め器具の斜視図である。 説明の目的でその構成要素が取り除かれた、図1の外科用ステープル留め器具の斜視図である。 少なくとも1つの実施形態による、ハンドル、シャフト、及びエンドエフェクタを含む外科用ステープル留め器具の分解斜視図である。 クランプ解除された未発射構成で示された、図3のハンドルの部分断面立面図である。 クランプされた未発射構成で示された、図3のハンドルの部分断面立面図である。 クランプされた部分的発射構成で示された、図3のハンドルの部分断面立面図である。 クランプされた完全発射構成で示された、図3のハンドルの部分断面立面図である。 クランプ解除構成に戻される前の図3のハンドルの部分断面立面図である。 少なくとも1つの実施形態による、ハンドル、シャフト、及びエンドエフェクタを含む外科用ステープル留め器具の立面図である。 図9の外科用ステープル留め器具で使用するためのステープルカートリッジの分解斜視図である。 図10のステープルカートリッジが図9の外科用ステープル留め器具に組み付けられているところを示す斜視図である。 図9の外科用器具のエンドエフェクタ内に位置付けられた図10のステープルカートリッジを示す断面図であり、クランプ構成にあるエンドエフェクタを示している。 図9の外科用器具のエンドエフェクタ内に位置付けられた図10のステープルカートリッジを示す断面図であり、エンドエフェクタのステープルドライバが発射システムによって発射構成に移動しているところを示している。 図9の外科用器具のエンドエフェクタ内に位置付けられた図10のステープルカートリッジを示す断面図であり、発射システムから動作可能に係合解除されたステープルドライバを示している。 図9の外科用器具のエンドエフェクタ内に位置付けられた図10のステープルカートリッジを示す断面図であり、切断部材が発射システムによって作動されているところを示している。 説明の目的で構成要素が取り除かれた状態で示された、少なくとも1つの実施形態による外科用ステープル留め器具の分解図である。 図16の外科用ステープル留め器具の進度インジケータの詳細図である。 クランプされているが未発射の構成で示された、外科用ステープル留め器具のエンドエフェクタの断面図である。 ステープル発射モードで示された図18のエンドエフェクタの断面図である。 図18のエンドエフェクタのステープル発射モードと組織切断モードとの間のシフトを示す断面図である。 組織切断モードで示された図18のエンドエフェクタの断面図である。 説明の目的で構成要素が取り除かれた状態で示された、少なくとも1つの実施形態による外科用ステープル留め器具の分解図である。 クランプ解除された未発射構成で示された、図22の外科用ステープル留め器具の部分断面図である。 図22の外科用ステープル留め器具のトランスミッションの詳細図である。 発射ストローク前のクランプ構成で示された、図22の外科用ステープル留め器具の部分断面図である。 発射ストローク後のクランプ構成で示された、図22の外科用ステープル留め器具の部分断面図である。 横切ストローク前のクランプされた発射構成で示された、図22の外科用ステープル留め器具の部分断面図である。 横切ストローク後のクランプされた発射構成で示された、図22の外科用ステープル留め器具の部分断面図である。 図22の外科用ステープル留め器具のトランスミッションの斜視図である。 図28のトランスミッションの別の斜視図である。 説明の目的で構成要素が取り除かれた状態で示された、少なくとも1つの実施形態による外科用ステープル留め器具の分解図である。 クランプ解除された未発射構成で示された、図29の外科用ステープル留め器具の部分断面図である。 図30に描写されるクランプ解除された未発射構成に対応する構成で示された、図29の外科用ステープル留め器具のトランスミッションの詳細図である。 クランプされた未発射構成で示された、図29の外科用ステープル留め器具の部分断面図である。 図31に描写されるクランプされた未発射構成に対応する構成で示された、図29の外科用ステープル留め器具のトランスミッションの詳細図である。 ステープルが外科用器具から配備されているクランプ構成で示された、図29の外科用ステープル留め器具の部分断面図である。 図32に描写されるクランプされた発射構成に対応する構成で示された、図29の外科用ステープル留め器具のトランスミッションの詳細図である。 外科用器具によって組織が横切されているクランプ構成で示された、図29の外科用ステープル留め器具の部分断面図である。 図33に描写されるクランプされた発射構成に対応する構成で示された、図29の外科用ステープル留め器具のトランスミッションの詳細図である。 説明の目的で構成要素が取り除かれた状態で示された、少なくとも1つの実施形態による外科用ステープル留め器具の分解図である。 クランプ解除された未発射構成にある、図34の外科用ステープル留め器具の部分断面図である。 発射ストローク前のクランプ構成にある、図34の外科用ステープル留め器具の部分断面図である。 横切ストローク前のクランプされた発射構成にある、図34の外科用ステープル留め器具の部分断面図である。 横切ストローク後のクランプされた発射構成にある、図34の外科用ステープル留め器具の部分断面図である。 説明の目的で構成要素が取り除かれた状態で示された、少なくとも1つの実施形態による外科用ステープル留め器具の分解図である。 クランプ解除構成で示された、図39の外科用ステープル留め器具のハンドルの部分断面図である。 組織ステープル留め動作モードで示された、図40のハンドルの部分断面図である。 発射構成で示された、図40のハンドルの部分断面図である。 ハンドルがその組織ステープル留め動作モードと組織横切動作モードとの間で切り替えられているところを示す、図40のハンドルの部分断面図である。 組織横切ストローク後の図40のハンドルの部分断面図である。 ステープル発射バーと、ナイフバーと、ナイフバーが発射バーに対して前進する間に発射バーを定位置に保持するように構成されたロックとを含む、少なくとも1つの実施形態による外科用ステープル留め器具の部分断面図である。 発射位置にある図45の発射バー、及びステープル発射バーの後方に位置付けられたロックを示す。 発射位置にある図45のナイフバーを示す。 発射バーが後退し得るようにステープル発射バーから係合解除された、図45のロックを示す。 少なくとも1つの代替的実施形態による、手動解放式ロックを備える外科用ステープル留め器具の部分断面図である。 クランプ解除構成で示された、少なくとも1つの実施形態による外科用ステープル留め器具の部分断面図である。 クランプ構成で示された、図50の外科用ステープル留め器具の部分断面図である。 ステープル発射構成で示された、図50の外科用ステープル留め器具の部分断面図である。 組織切断構成で示された、図50の外科用ステープル留め器具の部分断面図である。 説明の目的で構成要素が取り除かれた状態で示された、少なくとも1つの実施形態による、ステープルを連続的に発射し、エンドエフェクタ内に捕捉された組織を切開するように構成されたエンドエフェクタの部分斜視図である。 ステープル発射動作モードで示された、図54のエンドエフェクタの部分斜視図である。 組織横切動作モードで示された、図54のエンドエフェクタの部分斜視図である。 少なくとも1つの実施形態によるエンドエフェクタの部分断面斜視図である。 ステープル発射動作モードで示された、図57のエンドエフェクタの部分断面斜視図である。 組織横切動作モードで示された、図57のエンドエフェクタの部分斜視図である。 少なくとも1つの実施形態による外科用ステープル留め器具の部分断面図である。 ステープル発射動作モードで示された、図60の外科用ステープル留め器具の部分断面図である。 ステープル発射動作モードと組織横切動作モードとの間を移行している図60の外科用ステープル留め器具の部分断面図である。 組織横切動作モードにある図60の外科用ステープル留め器具の部分断面図である。 部分的に発射された状態で示された、少なくとも1つの実施形態による外科用ステープル留め器具の部分断面斜視図である。 部分的に発射された状態で示された、図64の外科用ステープル留め器具の部分断面立面図である。
複数の図面を通して、対応する参照符号は対応する部分を示す。本明細書に記載される例示は、本発明の様々な実施形態を1つの形態で例示するものであり、かかる例示は、いかなる方法によっても本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
本願の出願人は、本願と同日に出願された以下の特許出願を所有しており、これらはそれぞれの全体内容が参照により本明細書に援用される:
−米国特許出願第__________号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING SYSTEMS FOR ASSURING THE PROPER SEQUENTIAL OPERATION OF THE SURGICAL INSTRUMENT」、代理人整理番号END7667USNP/150102、
−米国特許出願第__________号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING SEPARATE TISSUE SECURING AND TISSUE CUTTING SYSTEMS」、代理人整理番号END7668USNP/150103、及び
−米国特許出願第__________号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A SYSTEM FOR BYPASSING AN OPERATIONAL STEP OF THE SURGICAL INSTRUMENT」、代理人整理番号END7670USNP/150105。
本明細書に記載され、添付の図面に示される実施形態の全体的な構造、機能、製造、及び使用の完全な理解をもたらすように、多くの具体的詳細が示される。周知の動作、構成要素、及び要素は、本明細書に記載される実施形態を不明瞭にしないようにするため詳細に記載されていない。本明細書に記載及び図示される実施形態は非限定例であることが読者には理解され、それ故、本明細書に開示される特定の構造的及び機能的詳細は、典型及び例示であり得ることが理解されるであろう。それらに対する変形及び変更が、特許請求の範囲から逸脱することなく行われ得る。
用語「備える(comprise)」(「comprises」及び「comprising」など、compriseの任意の語形)、「有する(have)」(「has」及び「having」など、haveの任意の語形)、「含む(include)」(「includes」及び「including」など、includeの任意の語形)、及び「含有する(contain)」(「contains」及び「containing」など、containの任意の語形)は、開放型の連結動詞である。結果として、1つ若しくは2つ以上の要素を「備える」か、「有する」か、「含む」か、若しくは「含有する」外科用システム、デバイス、又は装置は、それら1つ又は2つ以上の要素を有しているが、それら1つ又は2つ以上の要素のみを有することに限定されない。同様に、1つ若しくは2つ以上の特徴を「備える」か、「有する」か、「含む」か、若しくは「含有する」、システム、デバイス、又は装置の要素は、それら1つ又は2つ以上の特徴を有しているが、それら1つ又は2つ以上の特徴のみを有することに限定されない。
「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用器具のハンドル部分を操作する臨床医を基準として使用される。「近位」という用語は臨床医に最も近い部分を指し、「遠位」という用語は臨床医から離れて位置する部分を指す。便宜上及び明確性のために、「垂直」、「水平」、「上」、及び「下」などの空間的用語が、本明細書において図面に対して使用され得ることが更に理解されるであろう。しかしながら、外科用器具は多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は限定的及び/又は絶対的であることを意図したものではない。
腹腔鏡下及び低侵襲性の外科的処置を行うための、様々な例示的なデバイス及び方法が提供される。しかしながら、本明細書に開示される様々な方法及びデバイスが、例えば開放型の外科的処置と関連するものを含む、多くの外科的処置及び用途で使用され得ることが、読者には容易に理解されるであろう。本明細書の「発明を実施するための形態」を読み進めることで、読者は、本明細書に開示される様々な器具が、例えば、天然の開口部を通じて、組織に形成された切開又は穿刺穴を通じてなど、任意の方法で体内に挿入され得ることを更に認識するであろう。これらの器具の作用部分すなわちエンドエフェクタ部分は、患者の体内に直接に挿入することもでき、又は、外科用器具のエンドエフェクタ及び細長いシャフトを進めることが可能な作用通路を有するアクセスデバイスを通じて挿入することもできる。
特定の先行技術の外科用ステープル留め器具は、
1997年3月12日に出願された欧州特許出願第EP 795298号、発明の名称「LINEAR STAPLER WITH IMPROVED FIRING STROKE」、
1997年2月25日に発行された米国特許第5,605,272号、発明の名称「TRIGGER MECHANISM FOR SURGICAL INSTRUMENTS」、
1997年12月16日に発行された米国特許第5,697,543号、発明の名称「LINEAR STAPLER WITH IMPROVED FIRING STROKE」、
2005年11月10日に公開された米国特許出願公開第2005/0246881号、発明の名称「METHOD FOR MAKING A SURGICAL STAPLER」、
2007年9月6日に公開された米国特許出願公開第2007/0208359号、発明の名称「METHOD FOR STAPLING TISSUE」、
1985年7月9日に発行された米国特許第4,527,724号、発明の名称「DISPOSABLE LINEAR SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」、
1992年8月11日に発行された米国特許第5,137,198号、発明の名称「FAST CLOSURE DEVICE FOR LINEAR SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」、及び
1995年4月11日に発行された米国特許第5,405,073号、発明の名称「FLEXIBLE SUPPORT SHAFT ASSEMBLY」に開示されており、これらの開示全体は、参照により本明細書に援用される。
図1及び2には、外科用ステープル留め器具100が開示されている。器具100は、ハンドル110、ハンドル110から延びるシャフト140、及びエンドエフェクタ150を備える。ハンドル110は、ハウジング111、シャフト140を通って延びるフレーム114、閉鎖トリガ120、及び発射トリガ130を備える。閉鎖トリガ120の動作は、エンドエフェクタ150を開放構成(図1)と閉鎖構成との間で移動させる。主に図2を参照すると、閉鎖トリガ120は、ピボット121を中心としてハンドルハウジング111に枢動可能に装着されており、閉鎖トリガ120が開放位置(図1)と閉鎖位置との間で移動するときに遠位側に回転する駆動部分122を含む。閉鎖トリガ120は、リンク123及び閉鎖バー126を更に含む閉鎖駆動部の一部である。リンク123は、ピン124を中心として閉鎖トリガ120の駆動部分122に回転可能にピン留めされており、リンク123は、ピン125を中心として閉鎖バー126に回転可能にピン留めされている。閉鎖トリガ120の駆動部分122が遠位側に回転するとき、駆動部分122は、閉鎖駆動部の閉鎖ストローク中にステープルカートリッジ160とアンビル170との間に組織をクランプするために、閉鎖バー126を駆動して、エンドエフェクタ150のステープルカートリッジ160をエンドエフェクタ150のアンビル170に向かって移動させる。駆動部分122はその中に画定されたロックスロット127を含み、ロックスロット127は、閉鎖トリガ120がその完全にクランプされた位置に達したときに閉鎖ロック112の遠位端部117を受けるように構成されている。閉鎖ロック112は、ピボットピン113を中心としてハンドルハウジング111に回転可能に装着されており、例えばばねなどの付勢部材によって閉鎖トリガ120の駆動部分122に対して付勢されている。
発射トリガ130の動作は、ステープルカートリッジ160内に着脱可能に格納されたステープルをアンビル170に向かって発射する。主に図2を参照すると、発射トリガ130は、ピボット131を中心としてハンドルハウジング111に枢動可能に装着されており、発射トリガ130が非作動位置(図1)と作動位置との間で移動するときに遠位側に回転する駆動部分を含む。発射トリガ130は、発射トリガ130がその作動位置に向かって移動するときに遠位側に駆動される発射バー136を更に含む、発射駆動部の一部である。発射駆動部は、発射駆動部の発射ストローク中に発射バー136によって遠位側に前進させられるステープルドライバ及び切断部材も含む。フレーム114、閉鎖バー126、及び発射バー136は、シャフトハウジング144によって取り囲まれているか、又は少なくとも実質的に取り囲まれている。
ハンドル110は、発射ストロークが完了し、発射トリガ130が臨床医によって解放された後に、発射トリガ130をその非作動位置に戻して発射システムをリセットするように構成された、発射戻しばねを更に含んでもよい。同様に、ハンドル110は、ロックスロット127から閉鎖ロック112を係合解除するために臨床医によって閉鎖ロック112が押下された後に、閉鎖トリガ120をその開放位置に戻して閉鎖システムをリセットするように構成された、閉鎖戻しばねを更に含んでもよい。
図1及び2に開示される実施形態に関して、発射トリガ130は、発射トリガ130の単一のストロークで、エンドエフェクタ150内にクランプされた組織をステープル留めし、切開するように作動する。更に、図1及び2に開示される実施形態は、発射システムのステープル発射と組織切断機能との間に一時停止する能力を、器具を操作する臨床医に与えない。加えて、本器具は、器具がステープル形成機能を行っているのか、又は組織切断機能を行っているのかに関するフィードバックを臨床医に一切提供しない。この器具に対する様々な改善点を以下に提示する。
外科用ステープル留め器具200が図3〜8に示されており、これは、器具100及び/又は本明細書に開示される他の外科用器具と多くの点で同様である。例えば、主に図4を参照すると、器具200は、作動すると閉鎖バー126を遠位側に駆動して器具200のエンドエフェクタを閉鎖させる閉鎖トリガ120を備える。閉鎖トリガ120の作動はまた、発射システムの発射バー236を遠位側に事前準備された(pre-staged)位置まで少なくとも部分的に前進させ、それからこの位置で発射トリガ130を作動させて、エンドエフェクタ内に位置付けられたステープルカートリッジからステープルを発射することができる。発射トリガ130は駆動部分132を含み、駆動部分132は、発射バー236がその事前準備された位置に移動すると、発射バー236の近位端部133と位置合わせされる。ここで図5を参照すると、この時点で、発射トリガ130を作動させて発射バー236を遠位側に移動させ、ステープルカートリッジからステープルを発射することができる。しかしながら、発射トリガ130の作動及び発射バー236の遠位側への前進は、停止部、即ちスイッチ280によって限定される。スイッチ280は、エンドエフェクタ内に捕捉された組織を発射バー236が横切する前に、発射バー236の遠位側への前進を停止させる。組織を横切するためには、図6に示されるように、スイッチ280を作動させて発射バー236を解放し、それにより、図7に示されるように、発射アクチュエータ130の発射ストロークを完了させることができる。このような方法で、ステープルの発射及び組織の横切は、器具200の別個で明確に異なる動作工程を含むことができる。そのような事例において、臨床医は、組織をいつ切断するか、及び/又は組織を切断するかどうかを選択することができる。
上述のように、また主に図5を参照すると、発射バー236は、発射バー236の遠位側への前進中にスイッチ280によって停止される。発射バー236は、その中に画定されたスロット285を含み、スイッチ280は、スロット285内に着脱可能に位置付けられている。スイッチ280は、ピボットピン281を中心としてハンドルハウジング111に枢動可能に装着されており、スロット285内に位置付けられているロックアーム282を含む。発射バー236は、発射トリガ130によって、スロット285の近位端部がロックアーム282に接触するまで遠位側に前進させることができる。この時点で、発射バー236の更なる遠位移動がロックアーム282によって防止される。図6に示されるように、ばね284は、ロックアーム282とハンドルハウジング111との間に位置付けられ、ロックアーム282をスロット285へと付勢して、スイッチ280が作動するまでロックアーム282を定位置に保持する。図7に示されるように、スイッチ280が作動すると、ロックアーム282が回転してスロット285から出て、これで発射バー236を再び遠位側に前進させることができる。発射バー236がその発射ストロークの終わりに向かって前進すると、ロックアーム282はスロット285と整合しなくなり、ばね284が、ロックアーム282を発射バー236の底部表面に対して付勢する。組織を切断した後、発射バー236をその未発射位置に向かって後退させると、ロックアーム282をスロット285と再び位置合わせすることができ、ばね284は、ロックアーム282をスロット285へと付勢することができる。
上記の内容に付け加えると、ステープルは、発射バー236がスイッチ280によって停止された時点で完全に形成される。そのような事例において、組織は、発射バー236の切断部分が組織を切断するために前進する前に、ステープルによって完全に固定され得る。発射バー236がスイッチ280によって停止されるときにステープルが部分的にのみ形成される、代替的な実施形態も想起される。そのような実施形態では、組織は、ステープル形成が完了するのと同時に切断される。いずれの場合においても、第1の工程後の器具200の動作の一時停止が提供され、この一時停止は、両方の工程がトリガの1回の作動によって行われるとしても、第2の工程を行うかどうかを選択的に決定する臨床医による介入を必要とする。別の言い方をすると、スイッチ280は、発射トリガ130の作動ストローク中に発射トリガ130を停止させ、スイッチ280の停止機能は、作動ストロークが完了し得る前に打破されなければならない。スイッチ280は、臨床医が好適とみなす時に動作させることができる。特定の事例において、スイッチ280は、スイッチ280が発射バー236を停止させた直後に動作させてもよいし、あるいは、一定期間後に動作させてもよい。いくつかの事例では、発射バー236を停止させる前にスイッチ280を動作させ、それによって、第1及び第2の工程を選択的に組み合わせることができるようにしてもよい。
上記の内容に付け加えると、臨床医は、スイッチ280によりもたらされる一時停止の間に発射トリガ130から手を離してもよいし、離さなくてもよい。いずれの場合においても、発射バー236が突然かつ/又は意図せずに後退するのを防止することが望ましい。この目的を達成するため、器具200は、発射バー236を解放可能に定位置に保持するように構成されたロック290を更に備える。ロック290は、ラチェットシステムを含むが、任意の好適なロックを利用することができる。ロック290は、ピボットピン291を中心としてハウジング111に回転可能に装着されており、そこから延びる歯止め292を含み、歯止め292は、発射バー236内に画定されたラチェット歯295に係合するように構成されている。ロック290は、近位アーム293と、近位アーム293とハウジング111との中間に位置付けられ、歯止め292を付勢して歯295と係合させるように構成されたばね294と、を更に含む。歯止め292が歯295と係合すると、ロック290は、発射バー236が遠位側に移動することは許容するが、発射バー236が近位側に移動することを防止するように構成されている。器具200のハンドル210は、ロック290の近位アーム293に係合し、歯止め292を発射バー236から離れる方向に回転させ、かつ歯止め292を歯295から係合解除するように構成された、スイッチ296を更に含む。この時点で、発射バー236を後退させることができる。
発射バー236を後退させるためには、臨床医が、閉鎖ロック112を押して閉鎖ロック112を閉鎖トリガ120から係合解除し、閉鎖トリガ120をその非作動位置(図4)に移動させてもよいし、かつ/又は、ハンドル210が、閉鎖トリガ120をその非作動位置に向かって付勢するように構成された戻しばねを含んでいてもよい。いずれの場合においても、閉鎖トリガ120をその非作動位置に向かって移動させることにより、リンク123を近位側に引くことができ、これによって次に、閉鎖バー126及び発射バー236を近位側に引くことができる。より具体的には、リンク123を接続するピン125はまた、閉鎖バー126及び発射バー236内に画定された長手方向開口部、例えば発射バー236内に画定された長手方向開口部129などを通って延び、リンク123が閉鎖トリガ120によって近位側に引かれると、ピン125は、開口部129の近位端部、及び閉鎖バー126内に画定された長手方向開口部の近位端部と接触し、発射バー236及び閉鎖バー126を近位側に引くことができる。また、発射バー236の近位側への移動が、発射アクチュエータ120をその非作動位置に押し戻してもよいし、かつ/又は、発射アクチュエータ120が、戻しばねによってその非作動位置に戻されてもよい。いずれの場合においても、発射バー236が一旦その非作動位置に戻されると歯止め292が歯295に再係合することができるように、スイッチ296を遠位側に押すことによって、ロック290をリセットすることができる。
上記の内容に付け加えると、歯止め292は、例えば、発射バー236の歯295が歯止め292の下を摺動する際に、クリックなどの可聴音を発生させるように構成されていてもよい。このような可聴音は、発射バー236が遠位側に移動しているというフィードバックを外科医に提供することができる。また、速いペースで発せられる音は発射バー236が速い速度で移動していることを示し、一方で、遅いペースで発せられる音は発射バー236が遅い速度で移動していることを示すため、このような可聴音は、発射バー236の速度に関するフィードバックを外科医に提供することもできる。
外科用ステープル留め器具300が図9〜15に示されており、これは、器具100、200、及び/又は本明細書に開示される他の外科用器具と多くの点で同様である。器具300は、ステープルカートリッジ360及びアンビル170を含むエンドエフェクタ350を備える。使用中、組織は、ステープルカートリッジ360とアンビル170との間に位置付けられ、次いで配備可能な組織ピン379によってエンドエフェクタ350内に捉えられる。組織ピン379は、ステープルカートリッジ360内のピンキャビティ378内に格納され、アンビル170に向かって遠位側に移動する。以下で更に詳細に論ずるように、ステープルカートリッジ360が閉鎖位置に移動すると、組織ピン379を遠位側に押すことができる。組織ピン379は、臨床医がピン379をアンビル170に向かって押すこと及び/又はピンを379ステープルカートリッジ360内に後退させることを許容するように構成された、横方向把持部材377を含む。ステープルカートリッジ360は、その中に画定された、把持部材377及び組織ピン379の長手方向の移動をガイドするように構成された横方向スロット375を含む。組織ピン379の移動は、アンビル170及び近位端プレート376によって限定される。
主に図9を参照すると、器具300は、閉鎖トリガ120を更に備え、閉鎖トリガ120は、作動すると閉鎖バー126を遠位側に駆動して、器具300のエンドエフェクタ350を閉鎖させ、ステープルカートリッジ360とアンビル170との間に組織をクランプする。器具300はまた、発射トリガ130を備え、発射トリガ130は、作動すると発射バー336を遠位側に押して、エンドエフェクタ350内に位置付けられたステープルカートリッジ360からステープルを排出させる。図10〜15を参照すると、ステープルカートリッジ360は、中に画定された複数のステープルキャビティ361a、361b、及びナイフスロット366を含む、カートリッジ本体361を含む。ステープルキャビティ361aは、ナイフスロット366の第1の側面に位置付けられ、ステープルキャビティ361bは、ナイフスロット366の第2の側面に位置付けられる。図示されていないが、ステープルは、ステープルキャビティ361a、361b内に格納され、ステープルドライバ362が発射バー336によりアンビル170に向かって移動させられるとステープルキャビティ361a、361bから排出される。ステープルドライバ362は、ステープルキャビティ361a内に格納されたステープルを駆動するように構成された複数のステープル支持体、即ちクレードル362aと、ステープルキャビティ361b内に格納されたステープルを駆動するように構成された複数のステープル支持体、即ちクレードル362bとを含む。ステープルドライバ362は、ステープルドライバ362の移動を長手方向の経路に制御及び/又は制限するように構成された長手方向ガイド368a及び368bを更に含む。
上記の内容に付け加えると、ステープルカートリッジ360は、ナイフスロット366内に摺動可能に位置付けられている切断部材、即ちナイフ367を含む。ステープルドライバ362は、第1のナイフラッチ364a及び第2のナイフラッチ364bを含み、これらは、以下により詳細に記載されるように、ナイフ366とステープルドライバ362とを合わせて解放可能に保持するように構成されている。ステープルドライバ362は、第1のピボット継手363a及び第2のピボット継手363bを含む。第1のナイフラッチ364aは、第1のピボット継手363a内で回転可能に位置付けられており、第2のナイフラッチ364bは、第2のピボット継手363b内で回転可能に位置付けられている。第1のナイフラッチ364a及び第2のナイフラッチ364bは、ナイフ367と係合しているクランプされた位置(図12及び13)と、ナイフ367から係合解除されているクランプ解除位置(図14及び15)との間で回転可能である。第1のナイフラッチ364a及び第2のナイフラッチ364bがクランプされた位置にあるとき、ステープルドライバ362及びナイフ367が一緒に移動する。使用中、ステープルドライバ362及びナイフ367は、発射バー336によって遠位側に押されて、未発射位置(図12)と発射位置(図13)との間でステープルを移動させる。図13から理解され得るように、ステープルドライバ362がその発射位置に移動するとき、ナイフ367の切断縁部がカートリッジ本体361から出て、カートリッジ本体361とアンビル170との間に捕捉された組織を切断することはない。代わりに、ナイフ367は、カートリッジ本体361のデッキ表面下の準備位置にある。
図12及び13に見ることができるように、発射バー336は、第1のナイフラッチ364a及び第2のナイフラッチ364bに接触して、ステープルドライバ362を遠位側に押す。図11〜13を参照すると、第1のナイフラッチ364aは、ステープルドライバ362の運動がナイフ367に伝えられ得るように、ナイフ支持体369と解放可能に係合されている。より具体的に述べると、第1のナイフラッチ364aは、ナイフ支持体369内に画定された陥凹部369a内に位置付けられた隆起部365aを含み、同様に、第2のナイフラッチ364bは、ナイフ支持体369内に画定された陥凹部369b内に位置付けられた隆起部365bを含む。隆起部365a、365bは、ステープルをアンビル170に対して変形させるために、発射バー336により送達される駆動力がステープルドライバ362及びナイフ367に伝えられるように、それぞれの陥凹部369a、369b内でしっかりと受けられる。隆起部365a、365b、及び陥凹部369a、369bは、閾値力に達するまで隆起部365a、365bが陥凹部369a、369bと係合された状態を保つように構成され、閾値力に達した点で、ナイフラッチ364a、364bは、図14及び15に示されるように、ナイフ支持体369から離れる方向に外向きにずれる。閾値力は、例えば、ステープルを完全に形成するために必要な力を含み得る。この時点で、発射バー336はステープルドライバ362と動作可能に係合しなくなり、発射バー336が、ステープルドライバ362に対して遠位側に移動することができる。これで、発射バー336がナイフ支持体369に直接接触して、ナイフ367をアンビル170に向かって駆動し、組織を横切することができる。図15に見ることができるように、ステープルドライバ362がナイフ367から分離された後、ナイフ367は、ステープルドライバ362に対して移動する。
上記の内容に付け加えると、器具300の発射システムは、第1の、即ちステープル発射段階と、第2の、即ち組織切断段階との、2つの別個かつ明確に異なる段階を含む。ナイフラッチ364a、364bの動作は、2つの段階間の境界を画定する。ナイフラッチ364a、364bがナイフ367にクランプされているとき、発射システムは、そのステープル発射状態にある。ナイフラッチ364a、364bがナイフ367からクランプ解除されているとき、発射システムは、その組織切断段階にある。これら2つの段階は別個かつ明確に異なり、それらの間に重なりはないが、2つの段階間に少なくともいくらかの重なりが存在し得る実施形態も想起される。
外科用ステープル留め器具400が図16及び17に示されており、これは、器具100、200、300、及び/又は本明細書に開示される他の外科用器具と多くの点で同様である。例えば、器具400は、ハウジング111と多くの点で同様のハウジング411を含む、ハンドル410を備える。器具400は閉鎖バー126を更に備え、閉鎖バー126は、上記の内容に付け加えて、ステープルカートリッジをアンビルに向かって移動させて、それらの間に組織をクランプする。上述のように、閉鎖トリガ120は、閉鎖バー126を遠位側に移動させるように作動する。これもまた上述のように、閉鎖トリガ120はまた、閉鎖トリガ120が作動すると、発射バー136を事前準備された位置に前進させる。これで、発射トリガ130を作動させて、発射バー136を遠位側に移動させ、ステープルカートリッジからステープルを発射し、その後、組織を切開することができる。したがって、発射バー136は、閉鎖動作状態、ステープル発射動作状態、及び組織切開動作状態の3つすべての動作状態中に、遠位側に移動すると言うことができる。器具400は、以下でより詳細に論ずるように、器具400の動作状態を明らかにする進度インジケータを更に備える。
上記の内容に付け加えて、主に図17を参照すると、進度インジケータは、発射バー136上の分画部418を含む。分画部418は、発射バー136から横方向に延びる突起部を含むが、様々な他の事例では、分画部418は、例えば、発射バー136上に印刷された表示部を含んでもよい。進度インジケータは、ハンドルハウジング411内に画定された窓414内に位置付けられた進度バー415を更に含む。進度バー415は、器具400の3つの動作状態に対応する表示部416を含む。例えば、表示部416は、組織クランプ動作状態に対応する第1の表示部「クランプ」、ステープル発射動作状態に対応する第2の表示部「ステープル」、及び組織切開動作状態に対応する第3の表示部「切断」を含む。進度バー415は、動作状態の完了に対応する3本の線417を更に含む。使用中、発射バー136上の分画部418は、図17に示されるように、閉鎖ストロークが完了したときに第1の線417と位置合わせされ、ステープルが完全に発射されたときに第2の線417と位置合わせされ、切断ストロークが完了したときに第3の線417と位置合わせされる。別の言い方をすると、分画部418は、発射バー136が遠位側に前進するにつれて進度バー415に沿って遠位側に移動して、発射バー136の進度を示す。このような分画部418の移動は、ハンドルハウジング411内に画定された窓414を通して、外科用器具400のオペレータによって観測可能である。少なくとも1つの実施形態において、進度バー415のうちクランプ動作状態に関連する部分は、例えば緑色などの第1の色とすることができ、進度バー415のうちステープル発射動作状態に関連する部分は、例えば黄色などの第2の色とすることができ、進度バー415のうち組織切開動作状態に関連する部分は、例えば赤色などの第3の色とすることができる。代替的な実施形態では、進度バー415は発射バー136に装着されてもよく、分画部418はハンドルハウジング411から延びてもよい。
図18〜21には、外科用ステープル留め器具500が示されている。器具500は、器具100、200、300、及び/又は400と多くの点で同様である。器具500は、ステープルカートリッジ560及びアンビル170を含むエンドエフェクタ550を備える。ステープルカートリッジ560は、中に画定されたステープルキャビティ561aを含む、カートリッジ本体561を含む。ステープルは、ステープルキャビティ561a内に着脱可能に格納されている。ステープルカートリッジ560は、プッシャ562aを含むステープルドライバ562を更に含み、プッシャ562aは、ステープルをアンビル170に向かって移動させ、かつステープルキャビティ561aからステープルを排出するように構成されている。器具500は、ステープルドライバ562をアンビル170に向かって遠位側に押すように構成された発射バー536を更に備える。ステープルドライバ562は、発射バー536が遠位側に前進する際に発射バー536によって係合される、近位側に延びるフランジ564を含む。エンドエフェクタ550が、図18に示されるようなクランプ解除されているが未発射の構成にあるとき、フランジ564は、カートリッジ561内に画定されたチャネル568内に位置付けられる。実際には、フランジ564は、チャネル568の側壁によって内側に屈曲又は付勢され、ステープルドライバ562が遠位側に移動すると共に側壁に沿って摺動する。フランジ564は、ステープルの発射ストロークの間中、チャネル側壁によってその内側に屈曲した部分と係合し、その中に保持される。ステープル発射ストロークの終わりは、図19に描写されている。
ステープルカートリッジ560は、カートリッジ本体561内に画定されたナイフスロット566内に移動可動に位置付けられた切断部材567を更に含む。切断部材567は、ステープルドライバ562が発射バー563によって遠位側に駆動されるにつれて切断部材567がステープルドライバ562と共に移動するように、フランジ564間に把持される基部569を含む。ステープル発射ストロークの終わりを描写する図19を再び参照すると、切断部材567がカートリッジ本体561から未だ出てきていないことが理解されよう。したがって、器具500のステープル発射動作は、器具500の組織切開動作とは別個で明確に異なる。器具500は、フランジ564が切断部材567を解放すると、そのステープル発射動作とその組織切開動作との間を移行する。図19及び20を比較すると、フランジ564の近位端部がチャネル568の側壁によって内側に付勢されなくなるとフランジ564が外向きに跳ね返ることが理解されよう。より特別には、フランジ564は、チャネル568の遠位端部565をクリアすると外向きに屈曲する。この時点で、フランジ564は切断部材567と係合しなくなる。更に、この時点で、フランジ564は発射バー536と係合しなくなり、結果として発射バー536は、ステープルドライバ562を遠位側に押すことができなくなる。代わりに発射バー536は、図21に示されるように、切断部材567の基部569と直接接触し、発射バー536が遠位側に前進するときに切断部材567を遠位側に前進させて、アンビル170とステープルカートリッジ560との間に捕捉された組織を横切することができる。
上記の内容に付け加えると、器具500がステープル発射動作モードと組織切断動作モードとの間でシフトする点は、発射バー536が移動した距離の関数である。本明細書に開示される他の器具は、例えば、器具の発射バーによって伝達される力に応じて、ステープル発射動作モードと組織切断動作モードとの間でシフトする。特定の実施形態は、両方のシフト手法の組み合わせを用い得る。
図22〜28Aには、外科用ステープル留め器具600が示されている。器具600は、器具100、200、300、400、500、及び/又は本明細書に開示される他の外科用器具と多くの点で同様である。器具600は、ハンドル610を備え、ハンドル610は、閉鎖システム即ち組織クランプシステムを動作させるように構成された閉鎖トリガ620と、発射システムを動作させるように構成された発射トリガ630とを含む。閉鎖トリガ620は、非作動位置(図24)と作動位置(図25)との間で回転可能である。器具600の閉鎖システムは、器具100の閉鎖システムと多くの点で同様であり、本明細書では簡略にするために繰り返されない。様々な事例において、器具600は、閉鎖トリガ620の作動前の発射トリガ630の作動を防止するロックアウトシステムを含む。
上記の内容に付け加えると、閉鎖トリガ620は駆動部分622を含み、駆動部分622は、リンク123を遠位側に押して外科用器具600のエンドエフェクタを組織上にクランプする。駆動部分622は、駆動部分622が、隙間スロット628を通って延びるシャフト634に対して移動し得るように、中に画定された隙間スロット628を含む。
器具600の発射システムは、閉鎖システムとは別個で明確に異なる。この発射システムは、2つの別個で明確に異なる動作機能、即ち、ステープル発射機能及び組織切開機能を有する。ステープル発射機能は、発射トリガ630の第1の作動の間に行われ、組織切開機能は、発射トリガ630の第2の作動の間に行われる。上記と同様に、発射トリガ630は、ピボット131を中心としてハウジング111に回転可能に連結されている。主に図23、23A、28、及び28Aを参照すると、発射トリガ630は、ピニオンギヤ633と噛合係合しているギヤ部分632を含む。ピニオンギヤ633は、ハンドルハウジング111に回転可能に装着されたシャフト634に装着されている。より具体的に述べると、ピニオンギヤ633は、ピニオンギヤ633及びシャフト部分634aが一緒に回転するように、シャフト634の第1の部分634aに装着されている。したがって、発射トリガ630の作動即ち回転は、ピニオンギヤ633及び第1のシャフト部分634aを回転させる。
図28及び28Aを再び参照すると、シャフト634は、ラチェット接合面639において第1の部分634aと選択的に係合可能な第2の部分634bを更に含む。第2のシャフト部分634bが第1の部分634aと動作可能に係合されているとき、第1の部分634aの回転が第2の部分634bに伝えられ、第1及び第2のシャフト部分634a、634bが一緒に回転する。出力ピニオンギヤ635が第2のシャフト部分634bに装着されており、それにより、ピニオンギヤ635は、第2のシャフト部分634bと共に回転する。ピニオンギヤ635は、発射バー636の近位端部上に画定されたラック637と噛合係合している。ここで図25を参照すると、使用中、ラチェット接合面639は、発射トリガ630が作動されると発射トリガ630の回転運動を発射バー636に伝え、発射バー636を遠位側(図28中のD方向)に駆動するように構成されている。
上記の内容に付け加えて、図25を再び参照すると、発射トリガ630の第1の作動が発射バー636を遠位側に押して、ステープルを発射させる。図26に示されるように、第1の作動後、外科医は、発射トリガ630を解放し、発射トリガ630と動作可能に連結された戻しばねにより、発射トリガ630をその未発射位置に戻すことができる。あるいは、外科医が発射トリガ630をその非作動位置に手動で戻してもよい。いずれの場合においても、ラチェット接合面639は、発射トリガ630がその未発射位置に戻されるときに、第1のシャフト部分634aが第2のシャフト部分634bに対して回転することを許容するように構成されている。より具体的に述べると、第1のシャフト部分634aは、発射トリガ630がその非作動位置に戻されるときに、第2のシャフト部分634b上に画定された対応するラチェット歯に対して摺動する、ラチェット歯を含む。このような相対運動に適応するために、第1のシャフト部分634aは、第2のシャフト部分634bから離れる方向にずれることができる。ハンドル610は、例えば、発射トリガ630が一旦その非作動位置に戻されると第1のシャフト部分634aを第2のシャフト部分634bと再係合するように構成された、ばねなどの付勢部材を更に含む。
図26を再び参照すると、発射トリガ630の第1のストローク中に発射バー636が部分的にしか前進していないことが読者には理解されよう。このように発射トリガ630の第1のストローク中に発射バー630が部分的に前進することは、器具600のエンドエフェクタ内に格納されたステープルを発射する即ち完全に形成するが、エンドエフェクタ内に捕捉された組織を横切することはない。ここで図27を参照すると、発射トリガ630は、2回目の作動で発射バー630を完全に前進させ、組織を横切することができる。上記に概説したように、発射トリガ630の作動即ち回転は、ピニオンギヤ633、シャフト634、及び出力ピニオンギヤ635を駆動して、発射バー636を遠位側に前進させる。様々な事例において、外科医は、組織を横切しないことを選択する場合があり、代わりに、ステープル発射後に組織をクランプ解除する場合がある。そのような事例では、外科医は、発射トリガ630の2回目の作動を行わない。様々な事例において、器具600に関連した上述の教示は、例えば、器具400及び/又は500との関連で使用することができる。
図29〜33Aには、外科用ステープル留め器具700が示されている。器具700は、器具100、200、300、400、500、600、及び/又は本明細書に開示される他の外科用器具と多くの点で同様である。器具700は、ハンドル710を備え、ハンドル710は、閉鎖システム即ち組織クランプシステムを動作させるように構成された閉鎖トリガ620と、発射システムを動作させるように構成された発射トリガ630とを含む。閉鎖トリガ620は、非作動位置(図30)と作動位置(図31)との間で回転可能である。器具700の閉鎖システムは、器具100の閉鎖システムと多くの点で同様であり、本明細書では簡略にするために繰り返されない。様々な事例において、器具700は、閉鎖トリガ620の作動前の発射トリガ630の作動を防止するロックアウトシステムを含む。
器具700の発射システムは、閉鎖システムとは別個で明確に異なる。この発射システムは、2つの別個で明確に異なる動作機能、即ち、ステープル発射機能及び組織切開機能を有する。以下により詳細に更に記載されるように、発射トリガ630の作動は、両方の機能を行う。発射トリガ630は、ピボット131を中心としてハンドル710に回転可能に装着されており、ギヤ部分632を含む。ギヤ部分632の歯は、シャフト734を中心としてハンドル710に回転可能に装着されたピニオンギヤ733と噛合係合している。シャフト734は、それに装着された2つのカムローブ、即ち、第1のカムローブ735a及び第2のカムローブ735bを更に含む。第1のカムローブ735aは、ステープル発射バー736aに係合しそれを前進させるように構成されており、第2のカムローブ735bは、組織切断バー736bに係合しそれを前進させるように構成されている。カムローブ735a、735bは、それらがシャフト734と共に回転するようにシャフト734に装着されている。
図31を参照すると、発射トリガ630が作動される前に、第1のカムローブ735aは、ステープル発射バー736aの近位端部上に画定された第1のカム面737aと位置合わせされ、第2のカムローブ735bは、組織切断バー736bの近位端部上に画定された第2のカム面737bと位置合わせされる。第1のカムローブ735a及び第2のカムローブ735bは、食い違い関係でシャフト734に装着されている。図31に示されるように、発射トリガ630がその非作動位置にあるとき、第1のカムローブ735aは、第1のカム面737aに隣接して位置付けられ、第2のカムローブ735bは、第2のカム面737bから離間している。
上記の内容に付け加えると、発射トリガ630は、発射トリガ630の単一のストローク中にステープル発射バー736a及び組織切断バー736bを駆動するように作動する。発射トリガ作動の第1の部分は、ステープル発射バー736aを遠位側に駆動し、発射トリガ作動の第2の部分は、組織切断バー736bを遠位側に駆動する。第1の部分は、発射トリガ作動の第2の部分と重なり合わない。別の言い方をすると、ステープル発射プロセスは、組織切断プロセスが始まる前に完了している。使用中、第1のカムローブ735aの傾斜面738aは、傾斜面738aが第1のカム面737aを通過するまでステープル発射バー736aを遠位側にずらす。この時点で、第1のカムローブ735aのドエル739aが第1のカム面737aと位置合わせされ、ステープル発射バー736aは、第1のカムローブ735aによって遠位側に前進させられなくなる。様々な他の実施形態において、第1のカムローブ735aのドエル739aが、ステープル形成プロセスを完了させる場合がある。そのような事例において、第1のカムローブ735aの傾斜面738aがステープル形成プロセスを開始させ、ドエル739aがステープル形成プロセスを終了させる。少なくとも1つの事例において、傾斜面738aは、ステープル形成プロセスのうち、ドエル739aよりも多くを完了させることができる。そのような事例において、ステープルは組織を素早く掴み、次いでゆっくりと閉じて組織をその中に完全に固定する。あるいは、ドエル739aが、ステープル形成プロセスのうち、傾斜面738aよりも多くを完了させてもよい。そのような事例において、ステープルによって加えられる圧迫圧力は、ステープル形成プロセス中に流体が組織から流れ出ることをより良好に許容し得る、より長い期間にわたって加えられてもよい。いずれの場合においても、第2のカムローブ735bは、ドエル739aによって傾斜面738aから離間している。図32及び32Aに示されるように、シャフト734が発射アクチュエータ630によって回転させられると、図33及び33Aに示されるように、第2のカムローブ735bが回転して第2のカム面737bと接触し、ステープル切断プロセスが完了する。
上記の内容に付け加えると、様々な事例において、器具700は、ステープル発射プロセスと組織切断プロセスとの間の移行を分画する停止部を含んでもよい。この停止部は、例えば、ステープル発射バー736aが完全に前進した後、かつ組織切断バー736bが前進する前の、発射アクチュエータ630の移動を妨害又は阻止することができる。ハンドル710は、停止解放部を含んでもよく、これが作動されると、外科医が発射アクチュエータ630の発射ストロークを完了することが可能になり得る。そのような実施形態は、外科医が器具700の組織切断機能を続けるかどうかを選択することを可能にし得る。特定の事例において、器具700は、発射アクチュエータ630がステープル発射機能と組織切断機能との間の移行部を通過する際に、例えば可聴性及び/又は触覚性のフィードバックなどの触覚フィードバックを発生させることができる。
上記の内容に付け加えると、様々な代替的実施形態において、組織切断プロセスは、ステープル形成プロセスと少なくとも部分的に重なり合ってもよい。そのような実施形態では、第1のカムローブ735a及び第2のカムローブ735bは、第2のカムローブ735bが組織切断バー736bを駆動するのと同時に第1のカムローブ735aがステープル発射バー736aを駆動し得るように、シャフト734上に位置付けられ、また配置されている。
上記の内容に付け加えると、発射アクチュエータ630は、ステープルを発射し、かつ/又は組織を切開するように作動させた後、その非作動位置に戻すことができる。ハンドル710は、発射アクチュエータ630をその非作動位置に戻すように付勢されている、発射アクチュエータ630と係合された戻しばねを含んでもよい。上記に加え、又はその代わりに、器具700は、バー736a、736bをそれらの未発射位置に戻すように構成されている、バー736a、736bと係合された1つ又は2つ以上の付勢部材を含んでもよい。発射アクチュエータ630がその非作動位置に戻されるにつれ、ギヤ部分632は、ピニオンギヤ733、シャフト734、及びカムローブ735a、735bを反対方向に回転させて、カムローブ735a、735bをそれぞれバー736a、736bから係合解除する。
図34〜38には、外科用ステープル留め器具800が示されている。器具800は、器具100、200、300、400、500、600、及び/若しくは700、並びに/又は本明細書に開示される他の外科用器具と多くの点で同様である。器具800は、ハンドル810を備え、ハンドル810は、閉鎖システム即ち組織クランプシステムを動作させるように構成された閉鎖トリガ620を含む。器具800は、ステープル発射システムを動作させるように構成された発射トリガ830aと、組織切断システムを動作させるように構成された切断トリガ830bとを更に備える。閉鎖トリガ620は、非作動位置(図35)と作動位置(図36)との間で回転可能である。器具800の閉鎖システムは、器具100の閉鎖システムと多くの点で同様であり、本明細書では簡略にするために繰り返されない。様々な事例において、器具800は、閉鎖トリガ620の作動前の発射トリガ830a及び/又は切断トリガ830bの作動を防止するロックアウトシステムを含む。
器具800の発射システムは、閉鎖システムとは別個で明確に異なる。発射トリガ830aの作動は、ステープル発射システムを動作させて、器具800のエンドエフェクタ内に着脱可能に格納されたステープルを変形させる。発射トリガ830aは、ピボット131を中心として、未発射位置(図36)と発射位置(図37)との間にハンドル810に回転可能に装着されている。図36に示されるように、発射トリガ830aは、そこから延びる湾曲したカム部材832aを含み、カム部材832aは、発射トリガ830aが作動すると遠位側に移動する。カム部材832aは、カム部材832aが器具800のエンドエフェクタ内に着脱可能に格納されたステープルを駆動し変形させるために遠位側に前進すると、ステープル発射バー836aの近位端部837aに接触する。
器具800の切断システムは、発射システム及び閉鎖システムとは別個で明確に異なる。切断トリガ830bの作動は、組織切断システムを動作させて、器具800のエンドエフェクタ内に捕捉された組織を切断させる。切断トリガ830bは、ピボット131を中心として、非作動位置(図37)と作動位置(図38)との間でハンドル810に回転可能に装着されている。図38に示されるように、切断トリガ830bは、そこから延びる湾曲したカム部材832bを含み、カム部材832bは、切断トリガ830bが作動すると遠位側に移動する。カム部材832bは、カム部材832bが組織を切断するために遠位側に前進すると、組織切断バー836bの近位端部837bに接触する。
発射アクチュエータ830aが第1の可動域にわたって回転すると、発射バー836aの発射ストロークが完了し、切断アクチュエータ830bが第2の可動域にわたって回転すると、切断バー836bの切断ストロークが完了する。発射ストロークは、切断ストロークと同じ長さか、又は少なくとも実質的に同じ長さであるが、発射ストロークの長さが切断ストロークの長さと異なる他の実施形態も想起される。更に、発射アクチュエータ830aの第1の可動域は、切断アクチュエータ830bの第2の可動域と同じか、又は少なくとも実質的に同じであるが、第1の可動域が第2の可動域と異なる他の実施形態も想起される。
図37及び38を再び参照すると、発射アクチュエータ830aは、その中に画定された陥凹部839を含む。陥凹部839は、その中に切断アクチュエータ830bを受けるように、又は少なくとも部分的に受けるように構成されている。図36に示されるように、発射アクチュエータ830a及び切断アクチュエータ830bがそれらの非作動位置にあるとき、切断アクチュエータ830bは、発射アクチュエータ830aと入れ子になっている。図37に示されるように、発射アクチュエータ830aがその作動位置に移動されると、切断アクチュエータ830bはその非作動位置に残ったままでいることができるため、アクチュエータ830a、830bを非入れ子状態にすることができる。その後、図38に示されるように、切断アクチュエータ830bの作動により、アクチュエータ830bを発射アクチュエータ830aと再び入れ子にすることができる。
上記の内容に付け加えると、別個で明確に異なるアクチュエータ830a、830bは、器具800のステープル発射システム及び組織切断システムを別個で明確に異なる様式で選択的に動作させることを可能にし得る。とは言え、外科医は、器具800のアクチュエータ830a、830bを同時に作動させる選択肢を有する。そのような事例において、器具800は、エンドエフェクタ内に捕捉された組織のステープル留め及び切断を同時に行う。あるいは、少なくとも1つの実施形態において、器具800は、発射アクチュエータ830aの完全な作動の前に切断アクチュエータ830bが作動することを防止するように構成されたロックアウトを含んでもよい。そのような実施形態では、外科医は、アクチュエータ830a及び830bを同時に作動させる選択肢を有しないが、切断アクチュエータ830bを選択的に作動させる選択肢は依然として有する。更なる代替的な実施形態では、発射アクチュエータ830aの作動中の何らかの時点で切断アクチュエータ830bをアンロックし、外科医が所望した場合、アクチュエータ830a、830bをその後同時に作動させることができるようにしてもよい。そのような実施形態は、組織を切断する前にステープルが少なくとも部分的に発射されていること、又は少なくとも十分に発射されていることを確実にし得る。
図39〜44には、外科用ステープル留め器具900が示されている。器具900は、器具100、200、300、400、500、600、700、800、及び/又は本明細書に開示される他の外科用器具と多くの点で同様である。器具900は、ハウジング911と、閉鎖システム即ち組織クランプシステムを動作させるように構成された閉鎖トリガ620と、第1にステープル発射システムを動作させ、第2に組織切断システムを動作させるように構成された発射トリガ930aとを含む、ハンドル910を備える。閉鎖トリガ620は、非作動位置(図40)と作動位置(図41)との間で回転可能である。器具900の閉鎖システムは、器具100の閉鎖システムと多くの点で同様であり、本明細書では簡略にするために繰り返されない。様々な事例において、器具900は、閉鎖トリガ620の作動前の発射トリガ930の作動を防止するロックアウトシステムを含む。
上記の内容に付け加えると、発射トリガ930は、ピボット131を中心として、非作動位置(図41)と作動位置(図42)との間でハンドルハウジング911に回転可能に装着されている。以下により詳細に記載されるように、発射トリガ930は、発射トリガ930の第1の作動中(図42)にステープル発射システムを動作させ、発射トリガ930の第2の作動中(図43)に組織切断システムを動作させる。発射トリガ930は、発射トリガ930が作動すると遠位側に移動する、湾曲したカム部分932を含む。カム部分932は、カム部分932が遠位側に回転するとカムプレート985に接触する。カムプレート985は、ハンドルハウジング911内で摺動可能に装着されている。カムプレート985は、カム部分932によって遠位側に押されると長手方向に摺動可能である。カムプレート985は、カムプレート985の遠位端部から延びるアーム986と987との間に画定された駆動スロットを含む。駆動スロットは、ステープル発射バー936aの近位端部を受けるように構成されており、それにより、カムプレート985が遠位側に押されると、カムプレート985が発射バー936aを遠位側に駆動して、器具900のエンドエフェクタ内に着脱可能に格納されたステープルを発射させる。より具体的に述べると、遠位側に延びるアーム986が、ステープル発射バー936aの近位端部987aに接触して、発射バー936aを遠位側に押す。
上記の内容に付け加えると、カムプレート985は横方向にも摺動可能である。より具体的に述べると、カムプレート985は、カムプレート985がステープル発射バー936aと動作可能に係合可能である第1の位置(図41及び42)と、カムプレート985が組織切断バー936bと動作可能に係合可能である第2の位置(図43及び44)との間で摺動可能である。ハンドル910は、カムプレート985と係合されたプッシャブロック980を更に含む。プッシャブロック980は、そこから延びるプッシュピン981を含み、プッシュピン981は、ハンドルハウジング911を通って延びる。プッシャブロック980は、ハンドルハウジング911を通って反対方向に延びる別のプッシュピン981を含んでもよい。いかなる場合においても、外科用器具900の使用者は、プッシュピン981のうちの1つに力を加えることにより、プッシャブロック980をその第1の位置とその第2の位置との間でシフトさせることができる。プッシャブロック980がその第2の位置にあるとき、組織切断バー936bは、アーム986と987との間に画定された駆動スロット内に位置付けられる。この時点で、カムプレート985が組織切断バー936bと動作可能に連結され、後の発射トリガ930の作動により、組織切断システムが作動する。
使用中、器具900は患者の中に位置付けられ、器具900のエンドエフェクタは、処置される組織に対して位置付けられる。次いで閉鎖トリガ620を作動させて、エンドエフェクタを組織上にクランプする。この時点で、プッシャブロック980はその第1の位置に位置付けられ、ステープル発射バー936aと動作可能に係合されている。次いで、発射トリガ930の作動が、ステープル発射バー936aを遠位側に前進させるが、カムスライド985が組織切断バー936bと係合されていないため、この発射トリガ930の作動は、組織切断バー936bを前進させない。発射トリガ930を作動させた後、発射トリガ930を解放し、図43に示されるように、その非作動位置に戻すことができる。上記と同様に、ハンドル910は、発射トリガ930をその非作動位置に戻すように構成された戻しばねを含んでもよい。これもまた図43に示されるように、発射トリガ930がその非作動位置に戻されるとき、発射バー936aは、その発射位置に留まる。ここで図44を参照すると、プッシャブロック980をその第2の位置に移動させて、プッシャブロック980をステープル発射バー936aから係合解除し、プッシャブロック980を組織切断バー936bと係合させることができる。次いで、発射トリガ930の作動により、組織切断バー936bを遠位側に前進させて組織を切断することができるが、外科医は、組織を切断しない選択肢を有し、発射トリガ930の2回目の作動を行わずにエンドエフェクタから組織を解放してもよい。ハンドル910は、閉鎖トリガ620及び閉鎖システムをそれらの未発射位置に戻すように構成された解放機構を含んでもよい。いかなる場合においても、器具900は、バー936a、936bをそれらの非作動位置にリセットするための、1つ若しくは2つ以上の戻しばね及び/又は戻し機構を含むことができる。少なくとも1つの事例において、バー936a、936bは、エンドエフェクタを再開放するときにリセットすることができる。
上述のように、組織切断バー936bを遠位側に駆動するために発射トリガ930を再作動させる間、ステープル発射バー936aは、その遠位の発射位置に留まる。様々な事例において、発射バー936aは、例えば発射バー936aと器具900のフレームとの間の摩擦力に起因して、その発射位置に留まり得るが、そのような摩擦力は克服することができ、発射バー936aを近位側に押すことができる。ここで図45を参照すると、特定の事例において、ステープル発射バー及び/又は組織切断バーは、作動位置、又は少なくとも部分的に作動している位置に、バーを確実に(affirmatively)保持するための手段を含んでもよい。
上記の内容に付け加えると、少なくとも1つの例示的な実施形態において、外科用器具1000は、ハンドルハウジング1011を含むハンドル1010を備える。器具1000は、発射バー1036aが遠位側に押されたときに器具1000のエンドエフェクタ内に着脱可能に格納されたステープルを排出し変形させるように構成された、ステープル発射バー1036aを更に備える。器具1000は、器具1000のエンドエフェクタ内に捕捉された組織を切開するように構成された組織切断バー1036bも備える。ハンドル1010は、例えば、切断バー1036bを作動させている間に発射バー1036aを定位置に保持するように構成されたロック1090を含む。ロック1090は、ハンドルハウジング1011に装着された第1の端部と、発射バー1036aのラック1093aと係合された第2の端部、即ちカンチレバー端部1092とを含む。ラック1093aは、図46に示されるように、発射バー1036aがロック1090に対して遠位側に移動することを許容し、かつロック1090が発射バー1036aから解放されるまで発射バー1036aがロック1090に対して近位側に移動することを防止するように構成された、長手方向配列の歯を含む。
上記の内容に付け加えると、ロック1090は、発射バー1036aがロック1090を通過する際、ラック1093aの各歯の後ろにそれ自体を連続的に位置付ける。発射バー1036aの発射ストローク中の何らかの時点で外科医が発射バー1036aの前進を一時停止させる場合には、発射ストロークが再開されるまで、ロック1090が発射バー1036aを定位置に保持することができる。ステープル発射ストロークが完了した後、ロック1090は、発射バー1036aの最も近位側の歯の後ろに位置付けられる。この時点で、ロック1090は、組織切断バー1036bにより、発射バー1036aと係合された状態で保持される。切断バー1036bは、その上に画定されたラック1093bを含み、ラック1093bは、上記と同様に、図47に示されるように、切断バー1036bがロック1090に対して遠位側に移動することを許容し、かつ、図48に示されるように、切断バー1036bがその切断ストロークを完了するまで切断バー1036bがロック1090に対して近位側に移動することを防止するように構成された、長手方向配列の歯を含む。この時点で、ロック1090は、発射バー1036a及び切断バー1036bの端部から滑り落ち、バー1036a及び1036bから係合解除されることができる。
上記の内容に付け加えると、ロック1090は、ラック1093a及び1093bがロック1090を通過した後にロック1090が弾性的に展開し、バー1036a及び1036bからそれ自体を係合解除することができるように、バー1036a及び1036bによって屈曲構成に保持されている。ラック1093aは、発射バー1036aから近位側に延びる可撓性カンチレバー1094a上に画定されており、ラック1093bは、切断バー1036bから近位側に延びる可撓性カンチレバー1094b上に画定されている。ラック1093a及び1093bは、ロック1090と協働して屈曲するように構成されている。いかなる場合においても、バー1036a及び1036bは、それぞれ、ロック1090がラック1093a及び1093bから係合解除された後に、それらの非作動位置に戻ることができる。様々な事例において、1つ又は2つ以上の戻しばねをバー1036a及び1036bに関連付けて、バー1036a及び1036bをそれらの非作動位置に戻すことができる。
ここで図49を参照すると、器具1000は、例えば、器具1000の発射ストローク及び/又は切断ストロークの完了前に発射バー1036a及び/又は切断バー1036bからロック1090を係合解除することができる、アクチュエータ1190などのリセットアクチュエータを含み得る。アクチュエータ1190は、ピボットピン1193を介してハンドルハウジングに回転可能に装着された第1の端部1191と、加えて、ロック1090に係合するように構成された第2の端部1192とを含む。押しボタン1194は、アクチュエータ1190の第1の端部1191と動作可能に係合され、押しボタン1194が押下されると、図49に示されるようにアクチュエータ1190の第2の端部1192を回転させてロック1090と係合させるように構成されている。そのような事例において、アクチュエータ1190は、ロック1090の第2の端部1092をバー1036a及び1036bから離れる方向に屈曲させ、ロック1090をラック1093a及び1093bから係合解除する。この時点で、バー1036a及び1036bは、それらの非作動位置に後退することができる。このような解放作動システムにより、器具1000の動作中の任意の好適な時点で器具1000を素早く開放し、組織からクランプ解除することが可能になり得る。押しボタン1194は、発射ストローク中、発射ストローク後、切断ストローク中、及び/又は切断ストローク後にロック1090を解放するために押下することができる。
図50〜53を参照すると、外科用器具1200は、エンドエフェクタ1250、及びエンドエフェクタ1250を閉鎖するように構成された閉鎖システムを備える。エンドエフェクタ1250は、ステープルカートリッジ1260及びアンビル170を含む。ステープルカートリッジ1260は、カートリッジ本体161と、カートリッジ本体内に画定された複数のステープルキャビティと、ステープルキャビティ内に着脱可能に格納されたステープルとを含む。ステープルカートリッジ1260は、カートリッジ本体161とアンビル170との間で組織を圧縮するように、開放位置(図50)と閉鎖位置(図51)との間でアンビル170に向かって移動可能である。器具1200は、カートリッジ本体161に装着された閉鎖バー126を更に備える。閉鎖バー126は、遠位側に前進させるとステープルカートリッジ1260を遠位側に移動させ、近位側に後退させるとステープルカートリッジ1260を近位側に移動させることができる。エンドエフェクタ1250は、ステープルカートリッジ1260を近位側及び遠位側に移動させる際にステープルカートリッジ1260を長手方向軸に沿ってガイドするように構成されたガイドレール168を更に含む。
主に図50及び51を参照すると、閉鎖バー126の遠位側への前進は、組織ピン379も遠位側に前進させて、エンドエフェクタ1250内に組織を捕捉させる。より具体的に述べると、閉鎖バー126は、そこから横方向に延びる駆動ピン128aを含み、駆動ピン128aは、閉鎖バー126が遠位側に移動する際に1つ又は2つ以上の組織ピンアクチュエータ372に係合するように構成されている。組織ピンアクチュエータ372は、ピボットピン118を中心としてシャフトフレーム114に回転可能に装着されており、非作動位置(図50)と作動位置(図51)との間で移動可能である。各組織ピンアクチュエータ372は、組織ピン379の基部374に係合しそれを押すように構成された駆動部分373を含む。組織ピン379は、組織ピン379の移動が長手方向の経路に制限されるように、エンドエフェクタ1250内に画定されたキャビティ378内で摺動可能に保持される。アンビル170は、その中に画定されたピン開口部179を含み、ピン開口部179は、組織ピン379がその完全に配備された位置に達したときに組織ピン379を受けるように構成されている。
上記の内容に付け加えると、ステープルカートリッジ1260は、組織ピン379が配備される前にアンビル170に向かって移動する。そのような事例において、組織は連続してクランプされ、次いでエンドエフェクタ1250内に捕捉されるが、組織が同時にカートリッジ1260によってクランプされ、組織ピン379によってエンドエフェクタ1250内に捕捉される、代替的な実施形態も想起される。ステープルカートリッジ1260が組織を圧縮するために遠位側に移動する前に組織ピン379が配備される他の実施形態も想起される。
上記の内容に付け加えると、ステープルカートリッジ1260は、ステープルをアンビル170に向かって駆動するように構成されたステープルドライバ162を更に含む。アンビル170は、その中に画定された形成ポケット171を含み、形成ポケット171は、ステープルを変形させるように構成されている。以下により詳細に記載されるように、ステープルドライバ162は、発射バー1236によって遠位側に押される。図50及び51を再び参照すると、閉鎖バー126は、そこから横方向に延びる第2の駆動ピン128bを更に含み、第2の駆動ピン128bは、発射バー1236に係合し、カートリッジ1260が組織をクランプするために遠位側に移動するときに発射バー1236をカートリッジ1260と共に遠位側に移動させるように構成されている。このようにして、エンドエフェクタ1250の閉鎖中に発射バー1236及びステープルカートリッジ1260の相対位置を維持すること、又は少なくとも実質的に維持することができる。
発射バー1236は、ステープルドライバ162を直接押すのではなく、むしろ、発射バー1236は、発射バー1236の移動をステープルドライバ162に伝える中間ドライバ1263を直接押す。より具体的に述べると、中間ドライバ1263は、そこから遠位側に延びる複数の駆動アーム1264を含み、駆動アーム1264は、ステープルドライバ162の近位側面上に画定された駆動表面1265と接触している。図52に示されるように、発射バー1236がアンビル170に対してステープルを変形させるために遠位側に前進しているとき、駆動アーム1264は、発射バー1236とステープルドライバ162との間で力を伝達する。
駆動アーム1264の各々は、ピボットピン1266を中心として中間ドライバ1263に回転可能に接続される。各駆動アーム1264は、特定量の力をステープルドライバ162に伝達し得るように構成及び配置されており、駆動アーム1264によって伝達される力が閾値力を超過するとき、駆動アーム1264は、図53に示されるように、回転して折畳まれた姿勢をとることができる。閾値力は、ステープルをその形成即ち発射された構成に変形させるのに必要な力と一致するように選択されるが、ステープルを好適な成形後の高さに変形させるには、ある範囲の力が好適であり得ること、また閾値力は、この好適な範囲内のどこにあってもよいし、又はこの範囲を超えてもよいことが理解される。いかなる場合においても、駆動アーム1264の折畳みにより、中間ドライバ1263がステープルドライバ162に対して、又はそれに向かって移動することが可能になり、この時点で、ステープルドライバ162は、アンビル170に向かって移動しなくなってもよい。更に、この時点で、ステープル発射プロセスが完了し、これで可能になった中間ドライバ1263とステープルドライバ162との間の相対運動が、切断部材、即ちナイフをアンビル170に向かって配備するために利用されて、組織が切断される。ナイフの切断ストロークは、駆動アーム1264が折畳まれ始めるときに始まり、中間ドライバ1263上に画定された支持表面1239に駆動アーム1264が接触するときに終わる。上記の結果として、組織切断動作は、ステープル発射動作とは別個で明確に異なる。更に、ステープル発射動作及び組織切断動作は、連続的に、かつ重なり合うことなく行われる。そのような配置は、ステープルが完全に形成される前の組織の横切を防止する。
外科用器具1200のオペレータが、器具1200のステープル発射動作中のいかなる時点で発射バー1236をその未発射位置に後退させてもよいことは、読者には理解されよう。より具体的に述べると、発射バー1236は、閉鎖バー126の第2の駆動ピン128bと接触するまで近位側に戻すことができる。外科用器具のオペレータが、器具1200のステープル発射動作中のいかなる時点でエンドエフェクタ1250を開放し、ステープルカートリッジ1260をアンビル170から離れる方向に移動させてもよいことも、読者には理解されよう。とは言え、器具1200は、組織切断動作中にエンドエフェクタ1250が開放されることを防止するように構成されたロックアウトシステムを含む。更に、組織ピン379が後退し得る前及び/又はエンドエフェクタ1250が開放され得る前に、ナイフ部材が発射バー1236によって完全に後退させられなければならない。このようなロックアウトシステムは、図51〜53に描写されている。
図51を参照すると、ステープル発射システムの各駆動アーム1264は、そこから延びるロックピン1267を含む。各ロックピン1267は、カートリッジ本体161内に画定されたロックスロット内に位置付けられており、各ロックスロットは、第1の部分1268及び第2の部分1269を含む。以下でより詳細に論ずるように、ロックピン1267は、ステープル形成動作中には第1の部分1268内に、そして組織切断動作中には第2の部分1269内に位置付けられる。器具1200のステープル形成動作中、ロックピン1267は、図52に示されるようにロックスロットの第1の部分1268内で遠位側に摺動する。実際には、ロックピン1267を第1の部分1268内で近位側及び遠位側に移動させ、それにより、上述のように、ステープル形成動作中に発射バー1236が選択的に前進及び後退することを可能にすることができる。更に、第1の部分1268内でのピン1267のそのような移動は、これもまた上述のように、エンドエフェクタ1250を開放するためにステープルカートリッジ1261を器具1200のアンビル170から離れる方向に近位側に選択的に移動させることを可能にする。しかしながら、組織切断動作中、ロックピン1267は、ロックスロットの第2の部分1269に入る。この時点で、第2の部分1269の側壁が、カートリッジ本体161が発射バー1236に対して後退することを防止する。このようにして、ステープルカートリッジ1260は、切断部材が露出している又は露出している可能性があるときに定位置にロックされる。そのような事例において、エンドエフェクタ1250は、切断部材が後退するまで、又は少なくとも十分に後退するまで、開放することができない。切断部材は、発射バー1236が近位側に引かれるときに後退する。発射部材1236が近位側に引かれるにつれて、ロックピン1267がロックスロットの第2の部分1269から第1の部分1268へと移動し、カートリッジ本体161をアンロックする。この時点で、ロックピン379を後退させることができ、かつ/又はエンドエフェクタ1250を開放することができる。
図54〜56には、外科用器具1300の組織ステープル留め・切断機構の代替的な一実施形態が示されている。器具1300は、ステープルカートリッジ顎部1360を備え、ステープルカートリッジ顎部1360は、第1に、組織をステープル留めするためにステープルカートリッジ1360からステープルを排出するように構成された複数のステープルドライバ1362と、第2に、組織を切開するように構成されたナイフ部材1367とを含む。ステープルドライバ1362及びナイフ部材1367は、発射部材1336によって配備されるが、後述するように、ステープルドライバ1362及びナイフ部材1367の配備は食い違っている。発射部材1336は、ステープルドライバ1362及びナイフ部材1367を配備するようにD方向において遠位側に移動又は平行移動する歯のラック1369を含む。器具1300は、ラック1369と動作可能に係合された、即ち噛合った、複数の回転可能なギヤを含むギヤトレイン1366を更に備える。ラック1369及びギヤトレイン1366は、発射部材1336の平行移動運動をギヤトレイン1366の回転運動に変換するように構成されている。
ギヤトレイン1366は、第1及び第2の出力ギヤ1368を含む。各出力ギヤ1368は、シャフト1363及びギヤ1368が一緒に回転するようにシャフト1363に装着されている。ギヤトレイン1366は、シャフト1363の各々に装着されたステープル発射出力カム1364a、1364bを更に含む。示される実施形態において、各シャフト1363は、それに装着された、シャフト1383と共に回転する第1及び第2のステープル配備カム1364aを含む。各カム1364aは、ステープルドライバ1362の底部に画定された駆動表面1365aに係合するように構成された凹凸面を含む。カム1364aがシャフト1363によって回転させられると、カムプロファイルが、ステープルドライバ1362の未発射位置に関連した第1の向き(図54)と、ステープルドライバ1362の発射位置に関連した第2の向き(図55)との間で回転する。第1の向き及び第2の向きは、例えば、およそ180度離れている。カム1364a及びステープルドライバ1362のこのような移動は、器具1300の発射ストロークを構成し、カム1364aの頂点は、図55に示されるように、ステープルドライバ1362が発射ストロークの終わりに達したとき、駆動表面1365aに接触している。
上記の内容に付け加えると、器具1300は、4つのステープル発射カム1364aを備えるが、任意の好適な数のカム1364aを利用することができる。4つのステープル発射カム1364aは、バランスの取れた、即ち対称的な発射負荷をステープルドライバ1362に提供するように、駆動表面1365aに対して位置付けられ、また配置されている。図54及び55を比較すると、ステープル発射カム1364aがステープルドライバ1362をナイフ部材1367に対して移動させることが、読者には理解されよう。ナイフ部材1367は、後述するように、ステープルドライバ1362とは無関係に配備されている。
ギヤトレイン1366は、シャフト1363の各々に装着された組織切断出力カム1364bを更に含む。カム1364bは、ナイフ部材1367を配備するように構成されている。上記と同様に、カム1364bは、上述のステープル発射プロセス中、第1の向き(図54)と第2の向き(図55)との間で回転するが、カム1364bは、この回転中にステープルドライバ1362又はナイフ部材1367を遠位側に押さない。ここで図56を参照すると、後のシャフト1363及びカム1364bの回転は、カム1364bをナイフ部材1367の駆動表面1365bと係合させ、これがナイフ部材1367を遠位側に押して、ステープル留めされた組織が切断される。このような後続の回転は、ステープル発射カム1364aの頂点も回転させて駆動表面1365aとの係合から外す。そのような事例において、ステープルドライバ1362は、組織が切断されている際に、ステープルカートリッジ1360まで浮動して戻る、即ち後退して戻ることができる。
上述のように、カム1364a及び1364bは、ステープル発射動作及び組織切断動作が同時に起こらないように、シャフト1363上に位置付けられ、また配置されている。いくつかの事例では、カム1364a及び1364bは、ステープル発射と組織切断動作との間に小休止があるように配置されてもよい。少なくとも1つのかかる事例において、カム1364a及び/又はカム1364bは、ステープル発射動作と組織切断動作との間に一時停止をもたらすドエルを含むことができる。このような一時停止は、ステープル発射ストロークと組織切断ストロークとの間で器具1300の動作を停止する機会を外科医に与えることができる。代替的な実施形態において、カム1364a及び1365bは、ステープル発射動作と組織切断動作との間に重なりがあるように、シャフト1363上に位置付けられ、また配置されてもよい。このような重なりは、器具の高速作動を可能にする。
図57〜59には、外科用器具1400の組織ステープル留め・切断機構の代替的な一実施形態が示されている。器具1400は、カートリッジ本体1461と、組織をステープル留めするためにカートリッジ本体1461からステープルを排出するように構成された複数のステープルドライバ1462と、組織を切開するように構成されたナイフ部材1467とを含む、ステープルカートリッジ顎部1460を備える。ステープルドライバ1462及びナイフ部材1467は、発射部材1436によって配備されるが、後述するように、ステープルドライバ1462及びナイフ部材1467の配備は食い違っている。ステープルドライバ1462及びナイフ部材1467は、第1の、即ち非作動位置(図57)と、ステープル発射プロセスの終わりに対応する第2の位置(図58)との間で、遠位側に移動する。ナイフ部材1467はそれから、図59に示される第3の位置までステープルドライバ1462に対して移動可能である。
上記の内容に付け加えると、発射部材1436は、その上に画定された、傾斜した駆動表面1464を含む。使用中、ステープルドライバ1462及びナイフ部材1467は、駆動表面1464によって遠位側に押されて、カートリッジ本体1461からステープルを発射する。より具体的に述べると、駆動表面1464はナイフ部材1467を遠位側に押し、これによって次に、少なくともステープル発射プロセスの間、ステープルドライバ1462が遠位側に押される。ナイフ部材1467は、傾斜表面1464と接触しているローラー1465a及び1465bを含む。ローラー1465a及び1465bは、それぞれ、駆動ピン1469a及び1469bを中心としてナイフ部材1467に回転可能に装着されている。駆動ピン1469a及び1469bは、ステープルドライバ1462を接続するフレーム1468内に画定された駆動スロット1463a及び1463b内にそれぞれ位置付けられている。駆動ピン1469a、1469bは、ナイフ部材1467が発射部材1436によって遠位側に押されるとき、それぞれ駆動スロット1463a、1463bの遠位側壁にもたれかかるように構成されている。このようにして、ステープル発射力が、駆動傾斜面1464、ローラー1465a、1465b、駆動ピン1469a、1469b、及び駆動スロット1463a、1463bを介して、発射バー1436からステープルドライバ1462に伝達される。ステープルドライバ1462の遠位移動は、例えば、カートリッジ本体1461内に画定された停止面1466によって限定される。ステープルドライバフレーム1468が停止面1466に接触するとき(図58参照)、器具1400の発射ストロークが完了する。この時点で、ナイフ部材1467の切断面の一部分のみがカートリッジ本体1461から出ているが、組織は未だ切断面に対して露出していない。より具体的には、ステープルカートリッジ1460の反対側の顎部又はアンビルは、切断面の出てきた部分を受けるように構成されたキャビティを含んでもよく、結果として、器具1400の動作のこの時点でナイフ部材1467が組織を切断する可能性が低減する。
上述のように、ステープルドライバ1462及びナイフ部材1467の遠位移動は、発射ストロークの終わりで停止面1466によって制限され、結果として、発射バー1436の更なる遠位即ち長手方向の運動は、ステープルドライバ1462及びナイフ部材1467の遠位即ち長手方向の運動に転換されなくなる。代わりに、図59を参照すると、発射バー1436の更なる遠位移動は、ナイフ部材1467の横方向移動に変換される。より具体的に述べると、傾斜表面1464の更なる遠位移動は、ナイフ部材1467と、静的になったドライバフレーム1468との間に反力を発生させ、これが、ナイフ部材1467を下向きの傾斜表面1464に沿って横方向にずらす。ナイフ部材1467の横方向移動は、ローラー1465a、1465bによって促進されるが、ナイフ部材1467は、ローラー1465a、1465bの助けを借りずに、発射部材1436の継続した遠位移動を受けて、駆動傾斜面1464に沿って摺動してもよい。
上記の内容に付け加えると、ナイフ部材1467は、ステープルカートリッジ1460を通って横方向に移動しながら、ステープル留めされた組織を切断する。ナイフ部材1467は、発射部材1436の運動によって画定された長手方向の発射軸を横断する切断軸に沿ってずらされる。切断軸は、発射軸に対して直交であるか、又は少なくとも実質的に直交であるが、任意の好適な配置を利用することができる。上記の内容に更に付け加えると、ナイフ部材1467の切断ストロークは、ドライバ1462の発射ストロークの終わりで始まるが、切断ストロークと発射ストロークとの間に遅延が提供されてもよいことが想起される。
本明細書に開示される外科用器具の多くは、ステープル配備システム及び組織切断システムを作動させるために単一の発射バーを利用する。そのような器具は、外科用器具の現在の動作状態に関する特定の情報を外科用器具の使用者に通知することのできる聴覚性及び/又は触覚性のフィードバックを使用することから利益を受ける場合がある。少なくとも1つの例において、外科用器具の発射バーは、外科用器具のハンドル内に、1つ又は2つ以上のクリック要素に対して摺動することのできる第1の配列の歯及び第2の配列の歯を含み得る。外科用器具のステープル発射動作中、第1の配列の歯とクリック要素との相互作用が、クリック音及び/又は振動を発生させ得る。第1の配列の歯は、例えば、発射ストロークの終わり近くでフィードバックが発生するように、発射バー上に配置することができる。このようなフィードバックがあれば、外科医は、例えば、ステープル発射動作モードと組織切断動作モードとの間で外科用器具の動作を少なくとも一時停止させることを意図する場合に、発射バーの進行を減速させることができる。あるいは、外科医は、組織を切断しないことを選択してもよい。第2の配列の歯は、例えば、切断ストロークの終わり近くでフィードバックが発生するように切断バー上に配置することができる。特定の実施形態では、ステープル発射動作モードと組織切断動作モードとの間でフィードバックが発生するように、ある配列の歯を発射バー上に配置してもよい。上述のフィードバックは、ステープル発射バーと別個の組織切断バーとを含む器具と共に利用することもできる。
図61〜64には、外科用器具1500が開示されている。器具1500は、シャフト1540と、例えばルーメンをステープル留め及び横切するために利用される円形エンドエフェクタ1550とを含む。[参照により援用される。]エンドエフェクタ1550は、円形カートリッジ本体1561と、カートリッジ本体1561内に円形配列で着脱可能に格納された複数のステープルとを含む、ステープルカートリッジ1560を含む。ステープルカートリッジ1560は、カートリッジ本体1561からステープルを排出するように構成されたステープルドライバ1562を更に含む。ステープルドライバ1562も円形配列で配置され、共通の駆動フレームに接続されているが、任意の好適な配置を利用することができる。例えば、ステープルドライバ1562は、互いに接続されていなくてもよい。エンドエフェクタ1550は、ルーメンの一部分をカートリッジ本体1561に対して圧縮するように構成された円形アンビル1570を更に含む。アンビル1570は、シャフト1540を通って延びる閉鎖アクチュエータ1526に取り付けられている。閉鎖アクチュエータ1526は、アンビル1570を、クランプ位置とクランプ解放位置との間で、ステープルカートリッジ1560に向かう方向及びそれから離れる方向に移動させるように構成されている。図61〜64はすべて、クランプされた位置にあるアンビル1570を示す。アンビル1570は、ステープルカートリッジ1560からステープルが排出される際にステープルを変形させるように構成された、円形配列の形成ポケット1571を更に含む。
外科用器具1500は、アンビル1570とステープルカートリッジ1560との間に補足された組織を切開するように構成された切断部材1567を更に備える。使用中、ステープルドライバ1562が、ステープル形成プロセス中(図61)にアンビル1570に対してステープルを駆動し、切断部材1567が、組織切断プロセス中(図63)に組織を切断する。後述するように、ステープル形成プロセス及び組織切断プロセスは連続的に行われ、それらの間に重なりはないが、ステープル形成プロセス及び組織切断プロセスが同時に起こり得る、又は少なくとも部分的に同時に起こり得る実施形態も想定される。
上記の内容に付け加えると、また主に図60を参照すると、アンビル1570がそのクランプされた位置に移動するとき、ステープルドライバ1562及び切断部材1567は、端部ステープルカートリッジ1560内に非作動位置で格納される。次いで、図61に示されるように、ステープル形成プロセス中に発射部材1536によってステープルドライバ1562及び切断部材1567を遠位側に移動させると、ステープルが変形する。より具体的に述べると、発射部材1536の遠位端部1538が、発射部材1536とドライバ1562及び切断部材1567との中間に位置付けられたワッシャ1539に係合し、ワッシャ1539が次に、ドライバ1562及び切断部材1567に係合する。ステープルドライバ1562の発射ストロークは、ドライバ1562がカートリッジ本体1561の近位側面に接触したときに終わる。注目すべきことに、切断部材1567は、ステープル形成プロセス中にカートリッジ本体1561から出てこない。むしろ、切断部材1567は、アンビル1570に向かって移動させられても、ステープル形成プロセスの間にカートリッジ本体1561内に位置付けられたままである。
ステープルドライバ1562がカートリッジ本体1561に対して底をついた(bottomed-out)ら、外科医は、ステープル形成プロセスが完了したことを理解することができる。この時点で、外科医は次に、自身の選択により発射部材1536を後退させ、組織切断工程を省略することができる。あるいは、外科医は、図62に示されるように、発射部材1536に押力を加えてワッシャ1539を破断してもよい。この押力は、ステープルを発射するのに必要とされる力を上回る。結果として、外科医は、ステープル発射ストロークの終わりを超えて発射部材1536を前進させるのに必要とされる力が顕著に増加することに気付くであろう。発射部材1536が手動操作式アクチュエータによって駆動されている場合、外科医は、組織切断ストロークを始めるためには、発射部材1536に加えている力を増加させることを意志的に選択せざるを得ないであろう。ワッシャ1539は、閾値力までの力に耐え得るように構築されていてよく、閾値力が満たされるか又は超過されたら、発射部材1536の遠位端部1538をワッシャ1539に押し通すことができる。
上記の内容に付け加えると、特定の事例において、ワッシャ1539は、ワッシャ1539に加えられる閾値力が満たされたら突然壊れる、即ち破損するように構築されていてよい。少なくとも1つのかかる事例において、ワッシャ1539は、規定の領域におけるワッシャ1539の破損を促進する弱化部分、例えば環状溝部1537などを含むことができる。いくつかの事例では、発射部材1536の遠位端部1538は、ワッシャ1539を横切する切断部分を含んでもよい。いかなる場合においても、ワッシャ1539は、切断ストロークが始まり得る前に破損しなければならないヒューズとしての機能を果たすことができる。
一旦ワッシャ1539が破断又は横切されると、ないしは別の方法で破損すると(図63参照)、ワッシャ1539は、2つの別個の部分、即ち、発射部材1536によって遠位側に押すことのできる第1の部分1539aと、後に残る第2の部分1539bとを含むことになる。溝部1537は、ワッシャ1539の第1の部分1539aと第2の部分1539bとの中間にある。溝部1537は、適切なレベルの力がワッシャ1539に加えられたらワッシャ1539が破断するほど十分にワッシャ1539を脆くする。少なくとも1つの事例において、ワッシャ1539は、例えばプラスチックからなる。第1のワッシャ部分1539aは、発射部材1536によって遠位側に押されて切断部材1567を遠位側に移動させ、器具1500の切断ストロークを完了させる。
手動操作式アクチュエータに加え、又はそれの代わりに、器具1500は、発射部材1536を駆動させるように構成された電動モータを含んでもよい。そのようなシステムは、発射部材が受ける負荷を検出するように構成された少なくとも1つのセンサと、加えて、電動モータの動作を負荷センサから受信されたデータに照らして管理することのできる、負荷センサ及び電動モータと連通したコントローラとを利用することもできる。そのようなシステムは、ステープルドライバ1562が底をついたことを認識し、それに応答して電動モータを一時停止させることができる。かかる一時停止は、外科医がステープル発射プロセス後にアンビル1570を開放するか否か、又は組織切断プロセスを行うようコントローラに命令するか否かを選択することを可能にし得る。器具1500は、例えば、外科医が作動させることによりアンビル1570を開放することのできる第1のボタンと、例えば、外科医が作動させることにより組織切断プロセスを行うことのできる第2のボタンとを含んでもよい。
上記の内容に付け加えると、本明細書に開示される各外科用器具は、器具を動作させるために、1つ若しくは2つ以上の手動操作式トリガ、及び/又は1つ若しくは2つ以上の電動モータを含むこと、あるいは含むように改変することができる。外科用器具100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1200、1300、1400、及び1500は、外科用器具の閉鎖トリガとエンドエフェクタとの間で力を伝達する手動操作式閉鎖システムを含むことができる。例えば、器具100は、閉鎖トリガ120の回転をエンドエフェクタ150に伝達するように構成された手動操作式閉鎖システムを含む。代替的な実施形態において、本明細書に開示される器具のいずれかは、器具の閉鎖システムを動作させるように構成された電動モータを含んでもよい。上記と同様に、本器具は、外科医からの1つ若しくは2つ以上のインプット及び/又は器具の1つ若しくは2つ以上のセンサから受信されたデータに応答して電動モータを動作させるように構成された制御システムを更に含んでもよい。
上記に加え、又はその代わりに、外科用器具100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1200、1300、1400、及び1500は、外科用器具の発射トリガとエンドエフェクタとの間で力を伝達する手動操作式発射システムを含んでもよい。例えば、器具100は、発射トリガ130の回転をエンドエフェクタ150に伝達するように構成された手動操作式発射システムを含む。代替的な実施形態において、本明細書に開示される器具のいずれかは、器具の発射システムを動作させるように構成された電動モータを含んでもよい。上記と同様に、本器具は、外科医からの1つ若しくは2つ以上のインプット及び/又は器具の1つ若しくは2つ以上のセンサから受信されたデータに応答して電動モータを動作させるように構成された制御システムを更に含んでもよい。
外科用器具100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1200、1300、及び1400が、患者体内の手術部位にアクセスするために1つ又は2つ以上の大切開が患者に行われる外科手技中に使用されることが多いことは、読者には理解されよう。こうした外科手技は、しばしば「開放性」外科手技と称される。本明細書において提供される教示は、例えば、より小さな切開によって患者体内へのアクセス口を提供する、1つ若しくは2つ以上のトロカール又はカニューレを通して器具が挿入される外科手技に適合可能である。開放性外科手技は、多くの場合、手術部位のより良好な視野を外科医に提供し、腹腔鏡下の外科手技は、多くの場合、より小さな瘢痕を患者の身体に残す。器具1500は、例えば、患者の肛門などの天然の開口部を通じて挿入可能である。本明細書において提供される教示は、患者の1つ又は2つ以上の天然の開口部を通じて器具が挿入される外科手技に適合可能である。
外科用器具100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1200、1300、1400、及び1500のステープルが、長手方向に、即ち、外科用器具のシャフトによって画定される長手方向軸に沿って、それと平行に、又はそれと実質的に平行に配備されることは、読者には理解されよう。長手方向軸を横断する1つ又は2つ以上の軸に沿ってステープルが配備される他の実施形態も想起される。図64及び65は、そのような1つの例示的な外科用器具、即ち、外科用器具1600を開示する。外科用器具1600は、ステープルカートリッジ顎部1660及びアンビル顎部1670を備える。ステープルカートリッジ顎部1660及び/又はアンビル顎部1670は、それらの間に組織をクランプするように移動可能である。ステープルカートリッジ顎部1660は、中に画定された複数のステープルキャビティを含むカートリッジ本体1661を含む。カートリッジ顎部1660は、ステープルキャビティ内に着脱可能に格納された複数のステープル1669と、ステープルキャビティからステープル1669を排出するように構成された複数のステープルドライバ1662とを更に含む。器具1600は、ステープルドライバ1662及びステープル1669をアンビル顎部1670に向かって持ち上げるように遠位側に移動可能である発射バー1636を更に備える。アンビル顎部1670は、図64及び65に示されるように、ステープル1669を変形させるように構成されているステープル形成ポケット1671を含む。本明細書において提供される教示は、外科用器具1600などに適合可能である。
外科用ステープル留めシステムは、シャフトと、シャフトから延在するエンドエフェクタとを備えることができる。エンドエフェクタは、第1顎部と第2顎部とを備える。第1の顎部は、ステープルカートリッジを備える。ステープルカートリッジは、第1の顎部に挿入可能であり、かつ第1の顎部から着脱可能であるが、ステープルカートリッジが第1の顎部から着脱可能でないか、又は少なくとも容易に交換可能でない、他の実施形態も想起される。第2の顎部は、ステープルカートリッジから排出されたステープルを変形させるように構成されたアンビルを備える。第2の顎部は、閉鎖軸を中心にして第1の顎部に対して枢動可能であるが、第1の顎部が第2の顎部に対して枢動可能又は移動可能である、他の実施形態も想起される。外科用ステープル留めシステムは、エンドエフェクタをシャフトに対して回転させる、即ち関節運動させることができるように構成された関節継手を更に備える。エンドエフェクタは、関節継手を通って延在する関節運動軸線を中心にして回転可能である。関節継手を含まない他の実施形態も想起される。
ステープルカートリッジは、カートリッジ本体を備える。カートリッジ本体は、近位端部と、遠位端部と、近位端部と遠位端部との間に延在するデッキとを含む。使用中、ステープルカートリッジは、ステープル留めされる組織の第1の側面に位置付けられ、アンビルは、組織の第2の側面に位置付けられる。アンビルは、ステープルカートリッジに向かって移動させられて、デッキに対して組織を圧縮及びクランプする。続いて、カートリッジ本体内に着脱可能に格納されたステープルを、組織内に配備することができる。カートリッジ本体は、その内部に画定されたステープルキャビティを含み、ステープルは、ステープルキャビティ内に着脱可能に格納される。ステープルキャビティは、6つの長手方向列に配置される。3つの列のステープルキャビティは、長手方向スロットの第1の側面に位置付けられ、3つの列のステープルキャビティは、長手方向スロットの第2の側面に位置付けられる。ステープルキャビティ及びステープルの他の配置も可能であり得る。
ステープルは、カートリッジ本体内のステープルドライバによって支持される。ドライバは、第1の、即ち未発射位置と、ステープルキャビティからステープルを排出する、第2の、即ち発射位置との間で移動可能である。ドライバは、カートリッジ本体の底部周辺に延在する保持具によってカートリッジ本体内に保持され、また、カートリッジ本体を把持し、保持具をカートリッジ本体に対して保持するように構成された、弾性部材を含む。ドライバは、スレッドによってそれらの未発射位置とそれらの発射位置との間で移動可能である。スレッドは、近位端部に隣接した近位位置と、遠位端部に隣接した遠位位置との間で移動可能である。スレッドは、ドライバの下を摺動し、ドライバを持ち上げるように構成された複数の傾斜面を備え、ステープルがその上に支持され、アンビルに向かう。
上記に加えて、スレッドは発射部材によって遠位側に移動される。発射部材は、スレッドに接触し、スレッドを遠位端部に向かって押し出すように構成されている。カートリッジ本体内に画定された長手方向スロットは、発射部材を受け入れるように構成されている。アンビルは、発射部材を受け入れるように構成されたスロットも含む。発射部材は、第1の顎部に係合する第1のカムと、第2の顎部に係合する第2のカムとを更に備える。発射部材を遠位側に前進させる際、第1のカム及び第2のカムは、ステープルカートリッジのデッキとアンビルとの間の距離、即ち組織隙間を制御することができる。発射部材はまた、ステープルカートリッジとアンビルとの中間に捕捉された組織を切開するように構成されたナイフも備える。ステープルがナイフよりも前方に排出されるように、ナイフが傾斜面に対して少なくとも部分的に近位側に位置付けられることが望ましい。
本明細書で説明した外科用器具システムは、ステープルの配備及び変形と関連させて説明されているが、本明細書で説明した実施形態は、これに限定されない。ステープル以外の締結具、例えばクランプ又はタックなどを配備する、様々な実施形態も想到される。更に、組織を封止するための任意の好適な手段を利用する、様々な実施形態も想到される。例えば、様々な実施形態によるエンドエフェクタは、組織を加熱して封止するように構成された電極を備え得る。また例えば、特定の実施形態によるエンドエフェクタは、組織を封止するために振動エネルギーを印加することができる。
実施例1−患者の組織を処置するための外科用ステープラは、ハンドルと、ハンドルから延びるシャフトと、シャフトから延びるエンドエフェクタと、を備え、エンドエフェクタは、開放構成及び閉鎖構成で構成可能である。エンドエフェクタは、第1の顎部と、第2の顎部であって、エンドエフェクタを閉鎖構成にするように第1の顎部に向かって移動可能である、第2の顎部と、ステープルキャビティを含むカートリッジ本体と、ステープルキャビティ内に着脱可能に格納されたステープルと、ステープルを変形させるように構成されたアンビルと、を含む。本外科用ステープラは、第2の顎部を第1の顎部に向かって移動させるように構成された閉鎖システムと、発射システムであって、発射ストローク中にステープルキャビティからステープルをアンビルに向かって排出するように構成された発射ドライバと、切断部材であって、切断ストローク中に組織を切断し、かつ後退ストローク中に切断部材を後退させるように構成された、切断部材と、を含む、発射システムと、後退ストロークが完了されるまでエンドエフェクタが開放構成に戻されることを防止するための手段と、を更に備える。
実施例2−手段は、発射ストローク中にエンドエフェクタが開放構成に戻されることを許容する、実施例1に記載の外科用ステープラ。
実施例3−手段は、発射ストロークが完了した後かつ切断ストロークが開始される前にエンドエフェクタが開放構成に戻されることを許容する、実施例1又は2に記載の外科用ステープラ。
実施例4−非配備位置と配備位置との間で移動可能である組織ピンであって、エンドエフェクタ内に組織を捕捉するように構成されている、組織ピンと、配備ストローク中に組織ピンを非配備位置と配備位置との間に延ばし、かつ引き抜きストローク中に組織ピンを非配備位置に向かって引き抜くように構成された組織ピンアクチュエータと、を更に備え、手段は、切断ストローク中に組織ピンが非配備位置に向かって引き抜かれることを防止する、実施例1、2、又は3に記載の外科用ステープラ。
実施例5−非配備位置と配備位置との間で移動可能である組織ピンであって、エンドエフェクタ内に組織を捕捉するように構成されている、組織ピンと、配備ストローク中に組織ピンを非配備位置と配備位置との間に延ばし、かつ引き抜きストローク中に組織ピンを非配備位置に向かって引き抜くように構成された組織ピンアクチュエータと、を更に備え、手段は、発射ストローク中に組織ピンが非配備位置に向かって引き抜かれることを防止する、実施例1、2、又は3に記載の外科用ステープラ。
実施例6−患者の組織を処置するための外科用ステープラであって、ハンドルと、ハンドルから延びるシャフトと、シャフトから延びるエンドエフェクタと、を備え、エンドエフェクタは、開放構成及び閉鎖構成で構成可能である、外科用ステープラ。エンドエフェクタは、第1の顎部と、第2の顎部であって、エンドエフェクタを閉鎖構成にするように第1の顎部に向かって移動可能である、第2の顎部と、ステープルキャビティを含むカートリッジ本体と、ステープルキャビティ内に着脱可能に格納されたステープルと、ステープルを変形させるように構成されたアンビルと、を含む。本外科用ステープラは、第2の顎部を第1の顎部に向かって移動させるように構成された閉鎖システムと、発射システムであって、発射ストローク中にステープルキャビティからステープルをアンビルに向かって排出するように構成されたドライバと、切断ストローク中に組織を切断するように構成された切断部材であって、切断ストローク中にカートリッジ本体から露出する切断縁部を含む、切断部材と、を含む、発射システムと、切断部材が露出している間に閉鎖システムが開放構成に戻されることを防止するための手段と、を更に備える。
実施例7−手段は、発射ストローク中にエンドエフェクタが開放構成に戻されることを許容する、実施例6に記載の外科用ステープラ。
実施例8−手段は、発射ストロークが完了した後かつ切断ストロークが開始される前にエンドエフェクタが開放構成に戻されることを許容する、実施例6又は7に記載の外科用ステープラ。
実施例9−手段は、発射ストロークが完了した後かつ切断部材が露出する前にエンドエフェクタが開放構成に戻されることを許容する、実施例6、7、又は8に記載の外科用ステープラ。
実施例10−非配備位置と配備位置との間で移動可能である組織ピンであって、エンドエフェクタ内に組織を捕捉するように構成されている、組織ピンと、配備ストローク中に組織ピンを非配備位置と配備位置との間に延ばし、かつ引き抜きストローク中に組織ピンを非配備位置に向かって引き抜くように構成された組織ピンアクチュエータと、を更に備え、手段は、切断部材が露出している間に組織ピンが非配備位置に向かって引き抜かれることを防止する、実施例6、7、8、又は9に記載の外科用ステープラ。
実施例11−非配備位置と配備位置との間で移動可能である組織ピンであって、エンドエフェクタ内に組織を捕捉するように構成されている、組織ピンと、配備ストローク中に組織ピンを非配備位置と配備位置との間に延ばし、かつ引き抜きストローク中に組織ピンを非配備位置に向かって引き抜くように構成された組織ピンアクチュエータと、を更に備え、手段は、発射ストローク中に組織ピンが非配備位置に向かって引き抜かれることを防止する、実施例6、7、8、又は9に記載の外科用ステープラ。
実施例12−患者の組織を処置するための外科用ステープラであって、ハンドルと、ハンドルから延びるシャフトと、シャフトから延びるエンドエフェクタと、を備え、エンドエフェクタは、開放構成及び閉鎖構成で構成可能である、外科用ステープラ。エンドエフェクタは、第1の顎部と、第2の顎部であって、エンドエフェクタを閉鎖構成にするように第1の顎部に向かって移動可能である、第2の顎部と、ステープルキャビティを含むカートリッジ本体と、ステープルキャビティ内に着脱可能に格納されたステープルと、ステープルを変形させるように構成されたアンビルと、を含む。本外科用ステープラは、第2の顎部を第1の顎部に向かって移動させるように構成された閉鎖システムと、発射システムであって、ステープルドライバであって、発射システムが、発射ストローク中にステープルドライバをアンビルに向かって押し、かつ後退ストローク中にステープルドライバを後退させるように構成されている、ステープルドライバと、切断ストローク中に組織を切断するように構成された切断部材であって、切断ストローク中にカートリッジ本体から露出する切断縁部を含む、切断部材と、を含む、発射システムと、切断部材が露出している間にステープルドライバが後退することを防止するための手段と、を更に備える。
実施例13−手段は、発射ストローク中にエンドエフェクタが開放構成に戻されることを許容する、実施例12に記載の外科用ステープラ。
実施例14−手段は、発射ストロークが完了した後かつ切断ストロークが開始される前にエンドエフェクタが開放構成に戻されることを許容する、実施例12又は13に記載の外科用ステープラ。
実施例15−手段は、発射ストロークが完了した後かつ切断部材が露出する前にエンドエフェクタが開放構成に戻されることを許容する、実施例12、13、又は14に記載の外科用ステープラ。
実施例16−非配備位置と配備位置との間で移動可能である組織ピンであって、エンドエフェクタ内に組織を捕捉するように構成されている、組織ピンと、配備ストローク中に組織ピンを非配備位置と配備位置との間に延ばし、かつ引き抜きストローク中に組織ピンを非配備位置に向かって引き抜くように構成された組織ピンアクチュエータと、を更に備え、手段は、切断ストローク中に組織ピンが非配備位置に向かって引き抜かれることを防止する、実施例12、13、14、又は15に記載の外科用ステープラ。
実施例17−非配備位置と配備位置との間で移動可能である組織ピンであって、エンドエフェクタ内に組織を捕捉するように構成されている、組織ピンと、配備ストローク中に組織ピンを非配備位置と配備位置との間に延ばし、かつ引き抜きストローク中に組織ピンを非配備位置に向かって引き抜くように構成された組織ピンアクチュエータと、を更に備え、手段は、発射ストローク中に組織ピンが非配備位置に向かって引き抜かれることを防止する、実施例12、13、14、又は15に記載の外科用ステープラ。
実施例18−患者の組織を処置するための外科用ステープラであって、ハンドルと、ハンドルから延びるシャフトと、シャフトから延びるエンドエフェクタと、を備え、エンドエフェクタは、開放構成及び閉鎖構成で構成可能である、外科用ステープラ。エンドエフェクタは、第1の顎部と、第2の顎部であって、エンドエフェクタを閉鎖構成にするように第1の顎部に向かって移動可能である、第2の顎部と、ステープルキャビティを含むカートリッジ本体と、ステープルキャビティ内に着脱可能に格納されたステープルと、ステープルを変形させるように構成されたアンビルと、非配備位置と配備位置との間で移動可能である組織ピンであって、エンドエフェクタ内に組織を捕捉するように構成されている、組織ピンと、を含む。本外科用ステープラは、第2の顎部を第1の顎部に向かって移動させるように構成された閉鎖システムと、配備ストローク中に組織ピンを非配備位置と配備位置との間で移動させ、かつ後退ストローク中に組織ピンを非配備位置に向かって後退させるように構成された組織ピンアクチュエータと、発射システムであって、ステープルドライバであって、発射システムが、発射ストローク中にステープルドライバをアンビルに向かって押すように構成されている、ステープルドライバと、切断ストローク中に組織を切断するように構成された切断部材であって、切断ストローク中にカートリッジ本体から露出する切断縁部を含む、切断部材と、を含む、発射システムと、切断部材が露出している間に組織ピンが後退することを防止するための手段と、を更に備える。
実施例19−手段は、発射ストローク中にエンドエフェクタが開放構成に戻されることを許容する、実施例18に記載の外科用ステープラ。
実施例20−手段は、発射ストロークが完了した後かつ切断ストロークが開始される前にエンドエフェクタが開放構成に戻されることを許容する、実施例18又は19に記載の外科用ステープラ。
実施例21−手段は、発射ストロークが完了した後かつ切断部材が露出する前にエンドエフェクタが開放構成に戻されることを許容する、実施例18、19、又は20に記載の外科用ステープラ。
実施例22−患者の組織を処置するための外科用ステープラであって、ハンドルと、ハンドルから延びるシャフトと、シャフトから延びるエンドエフェクタと、を備え、エンドエフェクタは、第1の顎部と、第2の顎部であって、第1の顎部及び第2の顎部の一方は、第1の顎部の他方に対して移動可能である、第2の顎部と、ステープルキャビティを含むカートリッジ本体と、ステープルキャビティ内に着脱可能に格納されたステープルと、ステープルを変形させるように構成されたアンビルと、を含む、外科用ステープラ。本外科用ステープラは、発射ストローク中にステープルキャビティからステープルをアンビルに向かって排出し、かつ発射ストロークが完了した後の切断ストローク中に組織を切断するように構成された発射システムを更に備える。
実施例23−発射システムが、発射バーを含み、発射バーは、発射ストローク及び切断ストロークを行うためにエンドエフェクタに向かって移動可能である、実施例22に記載の外科用ステープラ。
実施例24−発射ストローク後に発射バーを停止させるように構成された停止部を更に備える、実施例22又は23に記載の外科用ステープラ。
実施例25−停止部は、発射部材が切断ストロークを行うことができるように、発射部材を解放するために手動で作動可能である、実施例24に記載の外科用ステープラ。
実施例26−発射システムが、ステープルキャビティからステープルを排出するように構成されたステープルドライバと、組織を切断するように構成された切断部材であって、発射ストローク中にステープルドライバと共に移動し、発射ストローク中に組織を切断しない、切断部材と、を更に含む、実施例22、23、24、又は25に記載の外科用ステープラ。
実施例27−切断部材が、発射ストローク中にステープルドライバに連結されており、切断部材が、切断ストローク中にステープルドライバに連結されていない、実施例26に記載の外科用ステープラ。
実施例28−発射部材の発射ストローク中に切断部材をステープルドライバに解放可能に保持するクランプを更に備え、クランプは、発射部材を通して伝達される力が閾値力を超過すると切断部材をステープルドライバから解放するように構成されている、実施例26又は27に記載の外科用ステープラ。
実施例29−発射部材の発射ストローク中にステープルドライバを切断部材に解放可能に保持するクランプと、発射ストローク中にクランプをクランプ状態に解放可能に保持し、かつ切断ストローク中にクランプを付勢開放して発射部材を発射バーから係合解除するように構成されたクランプ制限装置と、を更に備える、実施例26又は27に記載の外科用ステープラ。
実施例30−ハンドルが、発射部材と動作可能に連結された発射トリガを含み、発射トリガは、第1の可動域及び第2の可動域にわたって回転可能であり、発射トリガは、発射トリガが第1の可動域にわたって移動するときに、発射部材を発射ストロークにわたって移動させ、トリガは、発射トリガが第2の可動域にわたって移動するときに、発射部材を切断ストロークにわたって移動させる、実施例22、23、24、25、26、27、28、又は29に記載の外科用ステープラ。
実施例31−第1の可動域が、第2の可動域に対して分離されている、実施例30に記載の外科用ステープラ。
実施例32−第1の可動域及び第2の可動域が、発射トリガの単回作動の間に生じる、実施例30又は31に記載の外科用ステープラ。
実施例33−発射ストロークが完了したときに第1の指標を提供し、かつ切断ストロークが完了したときに第2の指標を提供するように構成されたインジケータを更に備え、第1の指標は、第2の指標とは異なっている、実施例22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、又は32に記載の外科用ステープラ。
実施例34−第1の指標が、視覚的指標、聴覚的指標、及び触覚的指標のうちの1つを含み、第2の指標が、視覚的指標、聴覚的指標、及び触覚的指標のうちの1つを含む、実施例33に記載の外科用ステープラ。
実施例35−第1の可動域が、発射トリガの1回の作動中に生じ、第2の可動域が、発射トリガの別の作動中に生じる、実施例30に記載の外科用ステープラ。
実施例36−発射トリガの1回の作動が完了したときに第1の指標を提供し、かつ発射トリガの別の作動が完了したときに第2の指標を提供するように構成されたインジケータを更に備え、第1の指標は、第2の指標とは異なっている、実施例30に記載の外科用ステープラ。
実施例37−発射システムが、発射ストローク中にステープルキャビティからステープルを排出するように構成された発射バーと、切断ストローク中に組織を切断するように構成されたナイフバーと、を含む、実施例22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、又は36に記載の外科用ステープラ。
実施例38−発射システムが、発射トリガを更に含み、発射バーが、発射トリガの作動中にエンドエフェクタに向かって駆動され、ナイフバーが、発射トリガの作動中にエンドエフェクタに向かって駆動されている、実施例37に記載の外科用ステープラ。
実施例39−発射トリガは、発射トリガが発射バーと動作可能に係合されている第1の位置と、発射トリガがナイフバーと動作可能に係合されている第2の位置との間でシフト可能である、実施例38に記載の外科用ステープラ。
実施例40−発射ストロークの後に発射トリガを自動的にシフトさせて発射バーとの係合から外して、ナイフバーと係合させるように構成されたスイッチング機構を更に備える、実施例38又は39に記載の外科用ステープラ。
実施例41−発射ストロークの後に発射トリガを手動でシフトさせて発射バーとの係合から外して、ナイフバーと係合させることを許容するように構成されたスイッチング機構を更に備える、実施例38、39、又は40に記載の外科用ステープラ。
実施例42−発射システムが、発射トリガを更に含み、発射バーが、発射トリガの第1の作動中にエンドエフェクタに向かって駆動され、ナイフバーが、発射トリガの第2の作動中にエンドエフェクタに向かって駆動されている、実施例37に記載の外科用ステープラ。
実施例43−発射システムが、発射バーと動作可能に係合された発射トリガであって、発射トリガの作動が発射バーを発射ストロークにわたって移動させる、発射トリガと、ナイフバーと動作可能に係合された切断トリガであって、切断トリガの作動がナイフバーを切断ストロークにわたって移動させる、切断トリガと、を更に含む、実施例37に記載の外科用ステープラ。
実施例44−発射システムは、外科用ステープラの使用者が外科用ステープラを用いて切断ストロークを行うかどうかを任意に選択することができるように、発射ストロークが完了した後に外科用ステープラの動作を一時停止させるように更に構成されている、実施例22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、又は43に記載の外科用ステープラ。
実施例45−患者の組織を処置するための外科用ステープラであって、ハンドルと、ハンドルから延びるシャフトと、シャフトから延びるエンドエフェクタと、を備え、エンドエフェクタは、第1の顎部と、第2の顎部であって、第1の顎部及び第2の顎部の一方は、第1の顎部の他方に対して移動可能である、第2の顎部と、ステープルキャビティを含むカートリッジ本体と、ステープルキャビティ内に着脱可能に格納されたステープルと、ステープルを変形させるように構成されたアンビルと、を含む、外科用ステープラ。本外科用ステープラは、発射ストローク中にステープルキャビティからステープルを排出するように構成された発射バーと、切断ストローク中に組織を切断するように構成されたナイフバーと、発射バーと動作可能に係合された発射トリガであって、発射トリガの作動が発射バーを発射ストロークにわたって移動させる、発射トリガと、ナイフバーと動作可能に係合された切断トリガであって、切断トリガの作動がナイフバーを切断ストロークにわたって移動させる、切断トリガと、を更に備える。
実施例46−患者の組織を処置するための外科用ステープラであって、ハンドルと、ハンドルから延びるシャフトと、シャフトから延びるエンドエフェクタと、を備え、エンドエフェクタは、第1の顎部と、第2の顎部であって、第1の顎部及び第2の顎部の一方は、第1の顎部の他方に対して移動可能である、第2の顎部と、ステープルキャビティを含むカートリッジ本体と、ステープルキャビティ内に着脱可能に格納されたステープルと、ステープルを変形させるように構成されたアンビルと、を含む、外科用ステープラ。本外科用ステープラは、発射ストローク中にステープルキャビティからステープルをアンビルに向かって排出するように構成された発射システムと、切断ストローク中に組織を切断するように構成された切断システムと、発射システムが発射ストロークを完了させるまで切断システムが切断ストロークを行うことを防止するための手段と、を更に備える。
実施例47−患者の組織を処置するための外科用ステープラであって、ハンドルと、ハンドルから延びるシャフトと、シャフトから延びるエンドエフェクタと、を備える、外科用ステープラ。エンドエフェクタは、第1の顎部と、第2の顎部であって、第1の顎部及び第2の顎部の一方は、第1の顎部の他方に対して移動可能である、第2の顎部と、ステープルキャビティを含むカートリッジ本体と、ステープルキャビティ内に着脱可能に格納されたステープルと、ステープルを変形させるように構成されたアンビルと、を含む。本外科用ステープラは、発射ストローク中にステープルキャビティからステープルをアンビルに向かって排出し、かつ発射ストロークが完了した後の切断ストローク中に組織を切断するように構成された発射システムと、外科用器具の使用者が発射ストローク後に外科用ステープラを用いて切断ストロークを行うかどうかを選択することができるようにするための手段と、を更に備える。
実施例48−発射ストロークが完了したときを示すためのフィードバック手段を更に備える、実施例47に記載の外科用ステープラ。
実施例49−発射システムが発射ストロークの終わりに近づいているときを示すためのフィードバック手段を更に備える、実施例47又は48に記載の外科用ステープラ。
実施例50−切断ストロークが完了したときを示すためのフィードバック手段を更に備える、実施例47、48、又は49に記載の外科用ステープラ。
実施例51−発射システムが切断ストロークの終わりに近づいているときを示すためのフィードバック手段を更に備える、実施例47、48、49、又は50に記載の外科用ステープラ。
実施例52−第1の範囲及び第2の範囲を含む視覚的インジケータバーを更に備え、第1の範囲は、発射ストロークの進度を表示し、第2の範囲は、切断ストロークの進度を表示する、実施例47、48、49、50、又は51に記載の外科用ステープラ。
実施例53−手段が、発射ストローク後に発射システムを停止させるように構成された停止部を含み、停止部は、外科用ステープラの使用者によって選択的に解放可能である、実施例47、48、49、50、51、又は52に記載の外科用ステープラ。
実施例54−患者の組織を処置するための外科用ステープラであって、ハンドルと、ハンドルから延びるシャフトと、シャフトから延びるエンドエフェクタと、を備え、エンドエフェクタは、第1の顎部と、第2の顎部であって、第1の顎部及び第2の顎部の一方は、第1の顎部の他方に対して移動可能である、第2の顎部と、ステープルキャビティを含むカートリッジ本体と、ステープルキャビティ内に着脱可能に格納されたステープルと、ステープルを変形させるように構成されたアンビルと、を含む、外科用ステープラ。本外科用ステープラは、発射ストローク中にステープルキャビティからステープルをアンビルに向かって排出するように構成された発射システムと、発射ストロークが完了した後の切断ストローク中に組織を切断するように構成された切断システムと、外科用ステープラの使用者が外科用ステープラを用いて切断ストロークを行うか否かを選択することができるように外科用ステープラを一時停止させるための手段と、を更に備える。
実施例55−発射ストロークが完了したときを示すためのフィードバック手段を更に備える、実施例54に記載の外科用ステープラ。
実施例56−発射システムが発射ストロークの終わりに近づいているときを示すためのフィードバック手段を更に備える、実施例54又は55に記載の外科用ステープラ。
実施例57−切断ストロークが完了したときを示すためのフィードバック手段を更に備える、実施例54、55、又は56に記載の外科用ステープラ。
実施例58−切断システムが切断ストロークの終わりに近づいているときを示すためのフィードバック手段を更に備える、実施例54、55、56、又は57に記載の外科用ステープラ。
実施例59−第1の範囲及び第2の範囲を含む視覚的インジケータバーを更に備え、第1の範囲は、発射ストロークの進度を表示し、第2の範囲は、切断ストロークの進度を表示する、実施例54、55、56、57、又は58に記載の外科用ステープラ。
実施例60−発射システムが、発射トリガと、発射トリガと動作可能に係合された発射バーであって、発射トリガの作動が、発射ストローク中に発射部材をエンドエフェクタに向かって前進させる、発射バーと、発射バーと係合された触覚性フィードバック発生器と、を含む、実施例54、55、56、57、58、又は59に記載の外科用ステープラ。
実施例61−触覚性フィードバック発生器は、発射ストロークが進行するにつれて漸進的に大きくなる一連の音を発生させるように構成されている、実施例60に記載の外科用ステープラ。
実施例62−触覚性フィードバック発生器は、発射ストロークの第1の部分の間に無音であり、発射ストロークの第2の部分の間に可聴である、実施例60又は61に記載の外科用ステープラ。
実施例63−触覚性フィードバック発生器は、発射ストロークが進行するにつれて増加する速度で一連の音を発生させるように構成されている、実施例60、61、又は62に記載の外科用ステープラ。
実施例64−触覚性フィードバック発生器は、発射バーがその発射ストロークの終わりに達したときに触覚フィードバックを発生させる、実施例60、61、62、又は63に記載の外科用ステープラ。
実施例65−手段が、発射ストローク後に発射システムを停止させるように構成された停止部を含み、停止部は、外科用ステープラの使用者によって選択的に解放可能である、実施例54、55、56、57、58、59、60、61、62、63、又は64に記載の外科用ステープラ。
実施例66−患者の組織を処置するための外科用ステープラであって、ハンドルと、ハンドルから延びるシャフトと、シャフトから延びるエンドエフェクタと、を備え、エンドエフェクタは、第1の顎部と、第2の顎部であって、第1の顎部及び第2の顎部の一方は、第1の顎部の他方に対して移動可能である、第2の顎部と、ステープルキャビティを含むカートリッジ本体と、ステープルキャビティ内に着脱可能に格納されたステープルと、ステープルを変形させるように構成されたアンビルと、を含む、外科用ステープラ。本外科用ステープラは、発射ストローク中にステープルキャビティからステープルをアンビルに向かって排出するように構成された発射システムと、発射ストロークが完了した後の切断ストローク中に組織を切断するように構成された切断システムと、発射ストロークと切断ストロークとの間のシフトを示すように構成されたフィードバック発生器と、を更に備える。
実施例67−患者の組織を処置するための外科用ステープラであって、ハンドルと、ハンドルから延びるシャフトと、シャフトから延びるエンドエフェクタと、を備え、エンドエフェクタは、開放構成及び閉鎖構成で構成可能である、外科用ステープラ。エンドエフェクタは、第1の顎部と、第2の顎部であって、エンドエフェクタを閉鎖構成にするように第1の顎部に向かって移動可能である、第2の顎部と、ステープルキャビティを含むカートリッジ本体と、ステープルキャビティ内に着脱可能に格納されたステープルと、ステープルを変形させるように構成されたアンビルと、を含む。本外科用ステープラは、第2の顎部を第1の顎部に向かって移動させるように構成された閉鎖システムと、発射システムであって、ステープルドライバであって、発射システムが、発射ストローク中にステープルドライバをアンビルに向かって押し、かつ後退ストローク中にステープルドライバを後退させるように構成されている、ステープルドライバと、切断ストローク中に組織を切断するように構成された切断部材であって、切断ストローク中にカートリッジ本体から露出する切断縁部を含む、切断部材と、を含む、発射システムと、を更に備える。本外科用ステープラは、発射ストローク中にステープルドライバが後退することを防止するように構成されたロックアウトと、発射ストローク中にステープルドライバが後退し得るように、ロックアウトを克服するように構成されたバイパスと、を更に備える。
実施例68−患者の組織を処置するための外科用ステープラであって、ハンドルと、ハンドルから延びるシャフトと、シャフトから延びるエンドエフェクタと、を備え、エンドエフェクタは、開放構成及び閉鎖構成で構成可能である、外科用ステープラ。エンドエフェクタは、第1の顎部と、第2の顎部であって、エンドエフェクタを閉鎖構成にするように第1の顎部に向かって移動可能である、第2の顎部と、ステープルキャビティを含むカートリッジ本体と、ステープルキャビティ内に着脱可能に格納されたステープルと、ステープルを変形させるように構成されたアンビルと、を含む。本外科用ステープラは、第2の顎部を第1の顎部に向かって移動させるように構成された閉鎖システムと、発射システムであって、ステープルドライバであって、発射システムが、発射ストローク中にステープルドライバをアンビルに向かって押し、かつ後退ストローク中にステープルドライバを後退させるように構成されている、ステープルドライバと、切断ストローク中に組織を切断するように構成された切断部材であって、切断ストローク中にカートリッジ本体から露出する切断縁部を含む、切断部材と、を含む、発射システムと、を更に備える。本外科用ステープラは、切断ストロークの完了前にステープルドライバが後退することを防止するように構成されたロックと、切断ストロークの完了前にステープルドライバが後退し得るように、ロックを克服するように構成されたバイパスと、を更に備える。
実施例69−患者の組織を処置するための外科用ステープラであって、ハンドルと、ハンドルから延びるシャフトと、シャフトから延びるエンドエフェクタと、を備え、エンドエフェクタは、開放構成及び閉鎖構成で構成可能である、外科用ステープラ。エンドエフェクタは、第1の顎部と、第2の顎部であって、エンドエフェクタを閉鎖構成にするように第1の顎部に向かって移動可能である、第2の顎部と、ステープルキャビティを含むカートリッジ本体と、ステープルキャビティ内に着脱可能に格納されたステープルと、ステープルを変形させるように構成されたアンビルと、を含む。本外科用ステープラは、第2の顎部を第1の顎部に向かって移動させるように構成された閉鎖システムと、発射システムであって、ステープルドライバであって、発射システムが、発射ストローク中にステープルドライバをアンビルに向かって押し、かつ後退ストローク中にステープルドライバを後退させるように構成されている、ステープルドライバと、切断ストローク中に組織を切断するように構成された切断部材であって、切断ストローク中にカートリッジ本体から露出する切断縁部を含む、切断部材と、を含む、発射システムと、を更に備える。本外科用ステープラは、切断ストローク中に切断部材が後退することを防止するように構成されたロックアウトと、切断ストローク中に切断部材が後退し得るように、ロックアウトを克服するように構成されたバイパスと、を更に備える。
以下の開示内容全体を参照により本明細書に援用するものである。すなわち、
1995年4月4日に発行された米国特許第5,403,312号、発明の名称「ELECTROSURGICAL HEMOSTATIC DEVICE」;
2006年2月21日に発行された米国特許第7,000,818号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT HAVING SEPARATE DISTINCT CLOSING AND FIRING SYSTEMS」;
2008年9月9日に発行された米国特許第7,422,139号、発明の名称「MOTOR−DRIVEN SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH TACTILE POSITION FEEDBACK」;
2008年12月16日に発行された米国特許第7,464,849号、発明の名称「ELECTRO−MECHANICAL SURGICAL INSTRUMENT WITH CLOSURE SYSTEM AND ANVIL ALIGNMENT COMPONENTS」;
2010年3月2日に発行された米国特許第7,670,334号、発明の名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING AN ARTICULATING END EFFECTOR」;
2010年7月13日に発行された米国特許第7,753,245号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS」;
2013年3月12日に発行された米国特許第8,393,514号、発明の名称「SELECTIVELY ORIENTABLE IMPLANTABLE FASTENER CARTRIDGE」;
米国特許出願第11/343,803号、名称「SURGICAL INSTRUMENT HAVING RECORDING CAPABILITIES」、現在は、米国特許第7,845,537号;
2008年2月14日に出願された米国特許出願第12/031,573号、発明の名称「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT HAVING RF ELECTRODES」;
2008年2月15日に出願された米国特許出願第12/031,873号、発明の名称「END EFFECTORS FOR A SURGICAL CUTTING AND STAPLING INSTRUMENT」、現在は、米国特許第7,980,443号;
米国特許出願第12/235,782号、発明の名称「MOTOR−DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT」、現在は、米国特許第8,210,411号;
米国特許出願第12/249,117号、発明の名称「POWERED SURGICAL CUTTING AND STAPLING APPARATUS WITH MANUALLY RETRACTABLE FIRING SYSTEM」、現在は、米国特許第8,608,045号;
2009年12月24日に出願された米国特許出願第12/647,100号、名称「MOTOR−DRIVEN SURGICAL CUTTING INSTRUMENT WITH ELECTRIC ACTUATOR DIRECTIONAL CONTROL ASSEMBLY」、現在は、米国特許第8,220,688号;
2012年9月29日に出願された米国特許出願第12/893,461号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE」、現在は、米国特許第8,733,613号;
2011年2月28日に出願された米国特許出願第13/036,647号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT」、現在は、米国特許第8,561,870号;
米国特許出願第13/118,241号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENTS WITH ROTATABLE STAPLE DEPLOYMENT ARRANGEMENTS」、現在は、米国特許第9,072,535号、
2012年6月15日出願の米国特許出願第13/524,049号、発明の名称「ARTICULATABLE SURGICAL INSTRUMENT COMPRISING A FIRING DRIVE」、現在は、米国特許出願公開第2013/0334278号;
2013年3月13日に出願された米国特許出願第13/800,025号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」、現在は米国特許出願公開第2014/0263551号;
2013年3月13日に出願された米国特許出願第13/800,067号、発明の名称「STAPLE CARTRIDGE TISSUE THICKNESS SENSOR SYSTEM」、現在は米国特許出願公開第2014/0263552号;
2006年1月31日に出願された米国特許出願公開第2007/0175955号、発明の名称「SURGICAL CUTTING AND FASTENING INSTRUMENT WITH CLOSURE TRIGGER LOCKING MECHANISM」、及び、
2010年4月22日に出願された米国特許出願公開第2010/0264194号、発明の名称「SURGICAL STAPLING INSTRUMENT WITH AN ARTICULATABLE END EFFECTOR」、現在は米国特許第8,308,040号。
特定の開示された実施形態と関連してデバイスの様々な実施形態について本明細書に記載してきたが、それらの実施形態に対して多くの修正及び変更が実施可能である。また、材料が特定の構成要素に関して開示されているが、他の材料が使用されてもよい。更に、様々な実施形態に従って、所与の機能を実行するために、単一の構成要素を複数の構成要素に置き換えてもよく、また複数の構成要素を単一の構成要素に置き換えてもよい。以上の説明及び以下の特許請求の範囲は、そのような修正及び変更をすべて包含することが意図される。
本明細書に開示されるデバイスは、1回の使用後に廃棄されるように設計することができ、又は複数回使用されるように設計することができる。しかしながら、いずれの場合も、本デバイスは、少なくとも1回の使用後に再使用のために再調整することができる。再調整には、デバイスの分解工程、それに続く特定の部品の洗浄工程又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含むことができる。特に、デバイスは分解可能であり、デバイスの任意の数の特定の部品又は部分を、任意の組み合わせで選択的に交換するか又は取り外すことができる。特定の部分を洗浄及び/又は交換した後、デバイスを後の使用のために、再調整施設で、又は外科処置の直前に外科チームによって再組み立てすることができる。当業者であれば、デバイスの再調整が、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用できることを理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、すべて本発明の範囲内にある。
単なる例として、本明細書に記載される態様は、手術前に処理されてもよい。最初に、新品又は使用済みの器具が入手され、必要に応じて洗浄されてもよい。次いで器具を滅菌することができる。1つの滅菌技術では、器具は、プラスチックバッグ又はTYVEKバッグなど、閉鎖され密封された容器に入れられる。次いで、容器及び器具を、γ線、X線、又は高エネルギー電子などの容器を透過し得る放射線野に置くことができる。放射線は、器具上及び容器内の細菌を死滅させることができる。この後、滅菌済みの器具を滅菌容器内で保管することができる。密封容器は、医療施設で開けられるまで、器具を滅菌状態に保つことができる。デバイスはまた、β線若しくはγ線、エチレンオキシド、過酸化水素プラズマ、又は水蒸気が挙げられるが、これらに限定されない、当該技術分野で既知の任意の他の技術を用いて滅菌され得る。
代表的な設計を有するものとして本発明について記載してきたが、本発明は、本開示の趣旨及び範囲内で更に修正されてもよい。したがって、本出願は、その一般的原理を使用する本発明のあらゆる変形、使用、又は適合を包含するものとする。
全体又は部分的に、参照により本明細書に援用されると言及されるいずれの特許、刊行物又はその他の開示物も、援用される内容が既存の定義、記載、又は本開示に記載されているその他の開示物と矛盾しない範囲でのみ本明細書に援用されるものとする。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に援用されるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に援用されるものとするが、既存の定義、記載、又は本明細書に記載される他の開示文献と矛盾する任意の文献、又はそれらの部分は、援用文献と既存の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ援用されるものとする。
〔実施の態様〕
(1) 患者の組織を処置するための外科用ステープラであって、
ハンドルと、
前記ハンドルから延びるシャフトと、
前記シャフトから延びるエンドエフェクタであって、
第1の顎部と、
第2の顎部であって、前記第1の顎部及び前記第2の顎部の一方は、前記第1の顎部の他方に対して移動可能である、第2の顎部と、
ステープルキャビティを含むカートリッジ本体と、
前記ステープルキャビティ内に着脱可能に格納されたステープルと、
前記ステープルを変形させるように構成されたアンビルと、
を含む、エンドエフェクタと、
発射システムであって、
発射ストローク中に前記ステープルキャビティから前記ステープルを前記アンビルに向かって排出し、かつ
前記発射ストロークが完了した後の切断ストローク中に組織を切断するように構成された、発射システムと、
外科用器具の使用者が前記発射ストローク後に前記外科用ステープラを用いて前記切断ストロークを行うかどうかを選択することができるようにするための手段と、
を備える、外科用ステープラ。
(2) 前記発射ストロークが完了したときを示すためのフィードバック手段を更に備える、実施態様1に記載の外科用ステープラ。
(3) 前記発射システムが前記発射ストロークの終わりに近づいているときを示すためのフィードバック手段を更に備える、実施態様1に記載の外科用ステープラ。
(4) 前記切断ストロークが完了したときを示すためのフィードバック手段を更に備える、実施態様1に記載の外科用ステープラ。
(5) 前記発射システムが前記切断ストロークの終わりに近づいているときを示すためのフィードバック手段を更に備える、実施態様1に記載の外科用ステープラ。
(6) 第1の範囲及び第2の範囲を含む視覚的インジケータバーを更に備え、前記第1の範囲は、前記発射ストロークの進度を表示し、前記第2の範囲は、前記切断ストロークの進度を表示する、実施態様1に記載の外科用ステープラ。
(7) 前記手段が、前記発射ストローク後に前記発射システムを停止させるように構成された停止部を含み、前記停止部は、前記外科用ステープラの使用者によって選択的に解放可能である、実施態様1に記載の外科用ステープラ。
(8) 患者の組織を処置するための外科用ステープラであって、
ハンドルと、
前記ハンドルから延びるシャフトと、
前記シャフトから延びるエンドエフェクタであって、
第1の顎部と、
第2の顎部であって、前記第1の顎部及び前記第2の顎部の一方は、前記第1の顎部の他方に対して移動可能である、第2の顎部と、
ステープルキャビティを含むカートリッジ本体と、
前記ステープルキャビティ内に着脱可能に格納されたステープルと、
前記ステープルを変形させるように構成されたアンビルと、
を含む、エンドエフェクタと、
発射ストローク中に前記ステープルキャビティから前記ステープルを前記アンビルに向かって排出するように構成された発射システムと、
前記発射ストロークが完了した後の切断ストローク中に組織を切断するように構成された切断システムと、
前記外科用ステープラの使用者が前記外科用ステープラを用いて前記切断ストロークを行うか否かを選択することができるように前記外科用ステープラを一時停止させるための手段と、
を備える、外科用ステープラ。
(9) 前記発射ストロークが完了したときを示すためのフィードバック手段を更に備える、実施態様8に記載の外科用ステープラ。
(10) 前記発射システムが前記発射ストロークの終わりに近づいているときを示すためのフィードバック手段を更に備える、実施態様8に記載の外科用ステープラ。
(11) 前記切断ストロークが完了したときを示すためのフィードバック手段を更に備える、実施態様8に記載の外科用ステープラ。
(12) 前記切断システムが前記切断ストロークの終わりに近づいているときを示すためのフィードバック手段を更に備える、実施態様8に記載の外科用ステープラ。
(13) 第1の範囲及び第2の範囲を含む視覚的インジケータバーを更に備え、前記第1の範囲は、前記発射ストロークの進度を表示し、前記第2の範囲は、前記切断ストロークの進度を表示する、実施態様8に記載の外科用ステープラ。
(14) 前記発射システムが、
発射トリガと、
前記発射トリガと動作可能に係合された発射バーであって、前記発射トリガの作動が、前記発射ストローク中に前記発射部材を前記エンドエフェクタに向かって前進させる、発射バーと、
前記発射バーと係合された触覚性フィードバック発生器と、
を含む、実施態様8に記載の外科用ステープラ。
(15) 前記触覚性フィードバック発生器は、前記発射ストロークが進行するにつれて漸進的に大きくなる一連の音を発生させるように構成されている、実施態様14に記載の外科用ステープラ。
(16) 前記触覚性フィードバック発生器は、前記発射ストロークの第1の部分の間に無音であり、前記発射ストロークの第2の部分の間に可聴である、実施態様14に記載の外科用ステープラ。
(17) 前記触覚性フィードバック発生器は、前記発射ストロークが進行するにつれて増加する速度で一連の音を発生させるように構成されている、実施態様14に記載の外科用ステープラ。
(18) 前記触覚性フィードバック発生器は、前記発射バーがその発射ストロークの終わりに達したときに触覚フィードバックを発生させる、実施態様14に記載の外科用ステープラ。
(19) 前記手段が、前記発射ストローク後に前記発射システムを停止させるように構成された停止部を含み、前記停止部は、前記外科用ステープラの使用者によって選択的に解放可能である、実施態様8に記載の外科用ステープラ。
(20) 患者の組織を処置するための外科用ステープラであって、
ハンドルと、
前記ハンドルから延びるシャフトと、
前記シャフトから延びるエンドエフェクタであって、
第1の顎部と、
第2の顎部であって、前記第1の顎部及び前記第2の顎部の一方は、前記第1の顎部の他方に対して移動可能である、第2の顎部と、
ステープルキャビティを含むカートリッジ本体と、
前記ステープルキャビティ内に着脱可能に格納されたステープルと、
前記ステープルを変形させるように構成されたアンビルと、
を含む、エンドエフェクタと、
発射ストローク中に前記ステープルキャビティから前記ステープルを前記アンビルに向かって排出するように構成された発射システムと、
前記発射ストロークが完了した後の切断ストローク中に組織を切断するように構成された切断システムと、
前記発射ストロークと前記切断ストロークとの間のシフトを示すように構成されたフィードバック発生器と、を備える、外科用ステープラ。

Claims (20)

  1. 患者の組織を処置するための外科用ステープラであって、
    ハンドルと、
    前記ハンドルから延びるシャフトと、
    前記シャフトから延びるエンドエフェクタであって、
    第1の顎部と、
    第2の顎部であって、前記第1の顎部及び前記第2の顎部の一方は、前記第1の顎部の他方に対して移動可能である、第2の顎部と、
    ステープルキャビティを含むカートリッジ本体と、
    前記ステープルキャビティ内に着脱可能に格納されたステープルと、
    前記ステープルを変形させるように構成されたアンビルと、
    を含む、エンドエフェクタと、
    発射システムであって、
    発射ストローク中に前記ステープルキャビティから前記ステープルを前記アンビルに向かって排出し、かつ
    前記発射ストロークが完了した後の切断ストローク中に組織を切断するように構成された、発射システムと、
    外科用器具の使用者が前記発射ストローク後に前記外科用ステープラを用いて前記切断ストロークを行うかどうかを選択することができるようにするための手段と、
    を備える、外科用ステープラ。
  2. 前記発射ストロークが完了したときを示すためのフィードバック手段を更に備える、請求項1に記載の外科用ステープラ。
  3. 前記発射システムが前記発射ストロークの終わりに近づいているときを示すためのフィードバック手段を更に備える、請求項1に記載の外科用ステープラ。
  4. 前記切断ストロークが完了したときを示すためのフィードバック手段を更に備える、請求項1に記載の外科用ステープラ。
  5. 前記発射システムが前記切断ストロークの終わりに近づいているときを示すためのフィードバック手段を更に備える、請求項1に記載の外科用ステープラ。
  6. 第1の範囲及び第2の範囲を含む視覚的インジケータバーを更に備え、前記第1の範囲は、前記発射ストロークの進度を表示し、前記第2の範囲は、前記切断ストロークの進度を表示する、請求項1に記載の外科用ステープラ。
  7. 前記手段が、前記発射ストローク後に前記発射システムを停止させるように構成された停止部を含み、前記停止部は、前記外科用ステープラの使用者によって選択的に解放可能である、請求項1に記載の外科用ステープラ。
  8. 患者の組織を処置するための外科用ステープラであって、
    ハンドルと、
    前記ハンドルから延びるシャフトと、
    前記シャフトから延びるエンドエフェクタであって、
    第1の顎部と、
    第2の顎部であって、前記第1の顎部及び前記第2の顎部の一方は、前記第1の顎部の他方に対して移動可能である、第2の顎部と、
    ステープルキャビティを含むカートリッジ本体と、
    前記ステープルキャビティ内に着脱可能に格納されたステープルと、
    前記ステープルを変形させるように構成されたアンビルと、
    を含む、エンドエフェクタと、
    発射ストローク中に前記ステープルキャビティから前記ステープルを前記アンビルに向かって排出するように構成された発射システムと、
    前記発射ストロークが完了した後の切断ストローク中に組織を切断するように構成された切断システムと、
    前記外科用ステープラの使用者が前記外科用ステープラを用いて前記切断ストロークを行うか否かを選択することができるように前記外科用ステープラを一時停止させるための手段と、
    を備える、外科用ステープラ。
  9. 前記発射ストロークが完了したときを示すためのフィードバック手段を更に備える、請求項8に記載の外科用ステープラ。
  10. 前記発射システムが前記発射ストロークの終わりに近づいているときを示すためのフィードバック手段を更に備える、請求項8に記載の外科用ステープラ。
  11. 前記切断ストロークが完了したときを示すためのフィードバック手段を更に備える、請求項8に記載の外科用ステープラ。
  12. 前記切断システムが前記切断ストロークの終わりに近づいているときを示すためのフィードバック手段を更に備える、請求項8に記載の外科用ステープラ。
  13. 第1の範囲及び第2の範囲を含む視覚的インジケータバーを更に備え、前記第1の範囲は、前記発射ストロークの進度を表示し、前記第2の範囲は、前記切断ストロークの進度を表示する、請求項8に記載の外科用ステープラ。
  14. 前記発射システムが、
    発射トリガと、
    前記発射トリガと動作可能に係合された発射バーであって、前記発射トリガの作動が、前記発射ストローク中に前記発射部材を前記エンドエフェクタに向かって前進させる、発射バーと、
    前記発射バーと係合された触覚性フィードバック発生器と、
    を含む、請求項8に記載の外科用ステープラ。
  15. 前記触覚性フィードバック発生器は、前記発射ストロークが進行するにつれて漸進的に大きくなる一連の音を発生させるように構成されている、請求項14に記載の外科用ステープラ。
  16. 前記触覚性フィードバック発生器は、前記発射ストロークの第1の部分の間に無音であり、前記発射ストロークの第2の部分の間に可聴である、請求項14に記載の外科用ステープラ。
  17. 前記触覚性フィードバック発生器は、前記発射ストロークが進行するにつれて増加する速度で一連の音を発生させるように構成されている、請求項14に記載の外科用ステープラ。
  18. 前記触覚性フィードバック発生器は、前記発射バーがその発射ストロークの終わりに達したときに触覚フィードバックを発生させる、請求項14に記載の外科用ステープラ。
  19. 前記手段が、前記発射ストローク後に前記発射システムを停止させるように構成された停止部を含み、前記停止部は、前記外科用ステープラの使用者によって選択的に解放可能である、請求項8に記載の外科用ステープラ。
  20. 患者の組織を処置するための外科用ステープラであって、
    ハンドルと、
    前記ハンドルから延びるシャフトと、
    前記シャフトから延びるエンドエフェクタであって、
    第1の顎部と、
    第2の顎部であって、前記第1の顎部及び前記第2の顎部の一方は、前記第1の顎部の他方に対して移動可能である、第2の顎部と、
    ステープルキャビティを含むカートリッジ本体と、
    前記ステープルキャビティ内に着脱可能に格納されたステープルと、
    前記ステープルを変形させるように構成されたアンビルと、
    を含む、エンドエフェクタと、
    発射ストローク中に前記ステープルキャビティから前記ステープルを前記アンビルに向かって排出するように構成された発射システムと、
    前記発射ストロークが完了した後の切断ストローク中に組織を切断するように構成された切断システムと、
    前記発射ストロークと前記切断ストロークとの間のシフトを示すように構成されたフィードバック発生器と、を備える、外科用ステープラ。
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