JP2018521089A - 白斑の治療 - Google Patents
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Abstract
白斑の治療を、それを必要とする被験体に行う方法(予防を含む)であって、薬学上有効な量の式(I):
[式中、Xは、CR1またはNであり;Yは、CH、CまたはNであり;R1は、水素、C1−6アルコキシまたはC1−6アルキルであり;R2は、水素、C1−6アルコキシ、ハロ、−C(O)C1−6アルキル、CN、ハロ−C1−6アルキルまたは−C(O)NR4R5であり;R3は、水素またはC1−6アルコキシであり;R4は、水素またはC1−6アルキルであり:R5は、水素またはC1−6アルキルであり;かつmおよびnは、各々1と2から独立して選択される整数である]
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を、該被験体に投与することを含んでなる方法。
[式中、Xは、CR1またはNであり;Yは、CH、CまたはNであり;R1は、水素、C1−6アルコキシまたはC1−6アルキルであり;R2は、水素、C1−6アルコキシ、ハロ、−C(O)C1−6アルキル、CN、ハロ−C1−6アルキルまたは−C(O)NR4R5であり;R3は、水素またはC1−6アルコキシであり;R4は、水素またはC1−6アルキルであり:R5は、水素またはC1−6アルキルであり;かつmおよびnは、各々1と2から独立して選択される整数である]
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を、該被験体に投与することを含んでなる方法。
Description
本開示は、脾臓チロシンキナーゼ(Syk)化合物、それらの水和物、溶媒和物またはその薬学的な塩の使用、およびSYK化合物を含んでなる医薬組成物、白斑の治療におけるこれらの化合物およびそれらの組成物を使用する方法に関する。
白斑とは、皮膚の外観の損傷をもたらす皮膚の自己免疫疾患であり、一般に白斑を伴うものである。病態は、皮膚の脱色を典型的には部分的にまたは斑点で引き起こし、世界人口の約0.5〜2%に影響を及ぼしている。白斑は皮膚に機能的なメラノサイト(メラニン生成細胞)が存在していない場合に生じる。また、白斑は粘膜および目に影響を及ぼす場合がある。白斑への遺伝性素因がある場合もあり得る。白斑発病の平均年齢は約20歳であり、発病が最も観察されるのは10歳〜30歳の間である。
白斑患者では、皮膚と血液にて自己反応性のメラノサイトに特異的なCD8+T細胞の数が増加していて、これはメラノサイト破壊の直接的な原因である。白斑では、T細胞が皮膚に浸潤し、それらの標的細胞であるメラノサイトが存在する局部集中する。病変皮膚では、CD8+T細胞は死滅するメラノサイトの近傍で見つかり、ある研究では、メラノサイトに特異的なCD8+T細胞は病変皮膚から単離しex vivoで非病変皮膚へ移動し、in situでそれらのメラノサイト標的を発見し、細胞死を引き起こすことが報告された。表皮の基底層中でのメラノサイトの生態的地位には血管がないため、白斑の皮膚に移動するT細胞は、それらの標的を発見しかつ脱色を行うには効率的に真皮を通行(navigate)しなければならない。白斑の間に皮膚中を移動しかつ通過するメラノサイトに特異的なT細胞を促進させるシグナルは未知である。ケモカインCXCL0がこのプロセスにとって必須かもしれないことを示唆する証拠が最近あった(Rashighi et al., Science Translational Medicine 2014, Feb. 12, Vol. 6, Issue 223, pp 223ra23を参照のこと)。
白斑のメラノサイト損失の正確な原因には議論の余地が残るものの、最近の見解では、白斑の病原論での細胞性免疫の役割が指摘された(例えば、Wang et al. (2011) Th17 Cells and Activated Dendritic Cells Are Increased in Vitiligo Lesions. PLoS ONE 6(4): e18907を参照のこと)。
白斑は、顔および四肢(典型的には手および手首)に最もよく発生する。また、口、目、鼻孔、生殖器および臍孔の周囲に脱色が生じる場合がある。脱色斑点は正常な感触の皮膚の平坦域であり、縁部は色素沈着過度であり得る。縁部は典型的には十分な輪郭があるものの、不規則である。トリクローム白斑(trichrome vitiligo)では、無色中心部と周辺部の影響されていない皮膚の間に血色素減少の中間域がある。
白斑にはいくつかの臨床的な分類がある。 分節型白斑は、皮膚分節状または準皮膚分節状(quasidermatomal)のパターンで1つ以上の斑として呈し、一般に小児に最も生じる。他すべてのタイプの白斑は非分節型白斑として分類され、最も一般的である。限局型白斑は、三叉神経分布のような、1つの領域(即ち、1つの斑)での脱色を特徴とする。非分節型白斑の他の形態では、時々広い面積に渡る、対称的斑点がしばしば生成される。粘膜の白斑は粘膜のみに影響を及ぼす。全身性白斑は、指先端および開口周辺域に脱色が発生する四肢顔面に現れることも、広く分布し散らばった複数の斑点を特徴とする尋常性でもあり得る。普遍的白斑は、完全またはほぼ完全な脱色として呈し、複数の内分泌障害症候群に関係していることが多い。
Rigel Pharmaceuticals、Magilavy, D.の米国特許出願公報2014/0073659には、SYKキナーゼの阻害剤であり、かつ白斑の治療に有用な化合物が記載されている。
現在のところ、アメリカ食品医薬品局に認可された白斑の治療法はなく、利用可能な認可外の治療には問題があり、効果がないことが多い。現行の療法には、局所コルチコステロイド、カルシニューリン阻害剤などの局所的免疫調節薬、および狭帯域紫外線BB(nbUVB)光を含むソラーレン光線療法の使用が含まれる。白斑は現行の療法が不十分であると分かる、外観を損なう疾患である。したがって、この分野の治療にとって良好な安全プロファイルを有する標的療法の同定は本質的な進歩になるだろう。
本発明は、白斑を起こす危険性のある被験体または白斑に罹患した被験体の、薬学上有効な量の式(I):
[式中、
Xは、CR1またはNであり;
Yは、CH、CまたはNであり;
R1は、水素、C1−6アルコキシまたはC1−6アルキルであり;
R2は、水素、C1−6アルコキシ、ハロ、−C(O)C1−6アルキル、CN、ハロ−C1−6アルキルまたは−C(O)NR4R5であり;
R3は、水素またはC1−6アルコキシであり;
R4は、水素またはC1−6アルキルであり:
R5は、水素またはC1−6アルキルであり;かつ
mおよびnは、各々1と2から独立して選択される整数である]
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩での、予防的治療を含む治療方法に関する。
Xは、CR1またはNであり;
Yは、CH、CまたはNであり;
R1は、水素、C1−6アルコキシまたはC1−6アルキルであり;
R2は、水素、C1−6アルコキシ、ハロ、−C(O)C1−6アルキル、CN、ハロ−C1−6アルキルまたは−C(O)NR4R5であり;
R3は、水素またはC1−6アルコキシであり;
R4は、水素またはC1−6アルキルであり:
R5は、水素またはC1−6アルキルであり;かつ
mおよびnは、各々1と2から独立して選択される整数である]
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩での、予防的治療を含む治療方法に関する。
本発明の別の実施態様は、薬学上有効な量の化合物1−[4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノンまたはその薬学的に許容可能な塩での、白斑に罹患した被験体の治療方法に関する。
本発明の別の実施態様は、薬学上有効な量の化合物1−[4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノンまたはその薬学的に許容可能な塩での、白斑を起こす危険性のある被験体の治療方法に関する。
本発明の別の実施態様は、薬学上有効な量の化合物7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンまたはその薬学的に許容可能な塩での、白斑に罹患した被験体の治療方法に関する。
本発明の別の実施態様は、薬学上有効な量の化合物7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン,メシレートでの、白斑に罹患した被験体の治療方法に関する。
本発明の別の実施態様は、薬学上有効な量の化合物7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンまたはその薬学的に許容可能な塩での、白斑を起こす危険性のある被験体の治療方法に関する。一つの実施態様では、薬学的に許容可能な塩はメシレート塩である。
化合物1−[4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノンまたはその薬学的に許容可能な塩は、局所的にまたは目に投与してもよい。一つの実施態様では、化合物は皮膚の脱色した領域に直接適用する。別の実施態様では、化合物は前記患者の眼瞼に適用する。
化合物7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンまたはその薬学的に許容可能な塩は、局所的にまたは目に投与してもよい。一つの実施態様では、薬学的に許容可能な塩はメシレート塩である。一つの実施態様では、化合物は皮膚の脱色した領域に直接適用する。別の実施態様では、化合物は前記患者の眼瞼に適用する。
本発明の別の態様は、被験体に、有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩および薬学的に許容可能な担体を、それを必要とする患者の皮膚または眼領域への局所適用または送達に適合させた上で投与することによる、白斑治療用の医薬組成物の使用である。
本発明の別の態様は、被験体に、有効量の化合物7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンまたはその薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な担体を、それを必要とする患者の皮膚または眼領域への局所適用または送達に適合させた上で投与することによる、白斑治療用の医薬組成物の使用である。一つの実施態様では、薬学的に許容可能な塩はメシレート塩である。
本発明の別の態様は、被験体に、有効量の化合物1−[4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノンまたはその薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な担体を、それを必要とする患者の皮膚または眼領域への局所適用または送達に適合させた上で投与することによる、白斑治療用の医薬組成物の使用である。
本発明の別の態様は、白斑を起こす危険性のある被験体または白斑に罹患した被験体の、薬学上有効な量の化合物7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンまたはその薬学的に許容可能な塩での、予防的治療を含む治療方法に関する。一つの実施態様では、薬学的に許容可能な塩はメシレート塩である。
本発明の別の態様は、白斑を起こす危険性のある被験体または白斑に罹患した被験体の、薬学上有効な量の化合物1−[4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノンまたはその薬学的に許容可能な塩での、予防的治療を含む治療方法に関する。
式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、局所的にまたは目に投与してもよい。別の実施態様では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な担体を含んでなる組成物は、局所的にまたは目に投与する。一つの実施態様では、式(I)の化合物または組成物は、皮膚の脱色領域に直接適用する。別の実施態様では、式(I)の化合物または組成物は前記患者の眼瞼に適用する。
一つの実施態様では、化合物1−[4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノンまたはその薬学的に許容可能な塩は、局所的にまたは目に投与してもよい。別の実施態様では、化合物7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンまたはその薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な担体を含んでなる組成物は、局所的にまたは目に投与してもよい。一つの実施態様では、化合物は皮膚の脱色領域に直接適用する。別の実施態様では、化合物は前記患者の眼瞼に適用する。
本発明の別の態様は、被験体に、有効量の式(I)化合物またはその薬学的に許容可能な塩および薬学的に許容可能な担体を、それを必要とする患者の皮膚または眼領域への局所適用または送達に適合させた上で投与することによる、白斑治療用の医薬組成物の使用である。
本発明の別の態様は、被験体に、有効量の化合物1−[4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノンまたはその薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な担体を、それを必要とする患者の皮膚または眼領域への局所適用または送達に適合させた上で投与することによる、白斑治療用の医薬組成物の使用である。
本発明の別の態様は、被験体に、有効量の化合物7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンまたはその薬学的に許容可能な塩および薬学的に許容可能な担体を、それを必要とする患者の皮膚または眼領域への局所適用または送達に適合させた上で投与することによる、白斑治療用の医薬組成物の使用である。
一つの実施態様では、化合物は、実質的な影響のない皮膚に一切適用することなく、局所製剤で、脱色した皮膚または脱色斑点を含む限局部分(例えば、手または顔)に直接投与する。別の実施態様では、化合物は、局所製剤で、脱色した皮膚または脱色斑点を含む限局部分(例えば、手または顔)に直接投与し、かつ脱色した皮膚の周りの影響のない皮膚に直接投与する。
別の実施態様では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の局所的投与は、この疾患の特徴である脱色した皮膚の、既存領域の再色素形成および/または新領域での罹患率の低下などの少なくとも部分的回復を引き起こすのに有効である。
別の実施態様では、化合物1−[4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノンまたはその薬学的に許容可能な塩の局所的投与は、この疾患の特徴である脱色した皮膚の、既存領域の再色素形成および/または新領域での罹患率の低下などの少なくとも部分的回復を引き起こすのに有効である。
別の実施態様では、化合物7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンまたはその薬学的に許容可能な塩の局所的投与は、この疾患の特徴である脱色した皮膚の、既存領域の再色素形成および/または新領域での罹患率の低下などの少なくとも部分的回復を引き起こすのに有効である。一つの実施態様では、薬学的に許容可能な塩はメシレート塩である。
別の実施態様では、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩は、白斑を起こす危険性のある被験体の白斑を防止するのに有効である。
別の実施態様では、化合物1−[4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノンまたはその薬学的に許容可能な塩は、白斑を起こす危険性のある被験体の白斑を防止するのに有効である。
別の実施態様では、化合物7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンまたはその薬学的に許容可能な塩は、白斑を起こす危険性のある被験体の白斑を防止するのに有効である。一つの実施態様では、薬学的に許容可能な塩はメシレート塩である。
一つの実施態様では、被験体は第一に白斑を有すると判定される(例えば、被験体は白斑の臨床的特徴および/または組織病理学的特徴を1つ以上呈し得る)。別の実施態様では、被験体は第一に白斑を起こす危険性があると判定される。例えば、被験体は、白斑の家族歴を有していて白斑を起こす遺伝的な危険性があり得るかもしれず、かつ/または被験体は、甲状腺疾患などの白斑に関係する疾患の病歴を有しているかもしれない。したがって、治療済みでありかつ疾患の回復を経た活動性疾患に罹患した個人の、予防的療法または維持療法のための、式(I)の化合物の潜在的使用がある。
本発明の別の実施態様では、有効量の式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を、二次治療的処置および/または二次治療活性薬と組み合わせてか、またはそれらに付随して使用して、それを必要とする被験体の白斑を治療する。
本発明の別の実施態様では、有効量の化合物1−[4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノンまたはその薬学的に許容可能な塩を、二次治療的処置および/または二次治療活性薬と組み合わせてか、またはそれらに付随して使用して、それを必要とする被験体の白斑を治療する。
本発明の別の実施態様では、有効量の化合物7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンまたはその薬学的に許容可能な塩を、二次治療的処置および/または二次治療活性薬と組み合わせてか、またはそれらに付随して使用して、それを必要とする被験体の白斑を治療する。一つの実施態様では、薬学的に許容可能な塩はメシレート塩である。
一つ実施態様では、二次治療活性薬は、抗炎症性化合物、抗ヒスタミン化合物、複合抗生物質、抗ウイルス性化合物、抗真菌薬、甲状腺ホルモン置換化合物またはそれらの任意の組み合わせである。
別の実施態様では、二次治療的処置は、放射線、全身光線療法、ソラーレン光化学療法またはエキシマーレーザー療法である。
さらに別の実施態様では、二次治療的処置または二次治療活性薬は両方とも化合物と一緒に組み合わせて利用してもよい。
本発明の別の態様では、化合物または化合物と担体を含んでなる医薬組成物は、単独投与するか、あるいは1つ以上の追加の治療薬と組み合わせてか、またはそれに付随して投与する。
本発明の別の態様では、式(I)の化合物または式(I)の化合物および薬学的に許容可能な担体を含んでなる医薬組成物は、単独または別の薬学的に活性な薬剤と、局所的日焼け止めフィルター(脱色域の白斑を悪化させ、日焼けを引き起こし、または皮膚癌を引き起こすかもしれない紫外線への曝露を最小化するため)と投与する。さらに他の併用療法には、上記の治療を含む併用的治療または付加的治療の使用が含まれることがある。
本発明の別の態様では、白斑の治療に使用する場合の式(I)の化合物または式(I)の化合物および薬学的に許容可能な担体を含んでなる医薬組成物は、1日少なくとも1回投与されるか、または1日1回以上、例えば、1日少なくとも2回、3回または4回適用する。一つの実施態様では、製剤は、徐放性製剤で皮膚に適用されて化合物が放出する。一つの実施態様では、式(I)の化合物は1−[4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノンまたはその薬学的に許容可能な塩である。別の実施態様では、式(I)の化合物は、化合物7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンまたはその薬学的に許容可能な塩である。
Sykは、増殖、分化および食作用を含む広範な細胞応答を媒介する下流イベントを示唆するための活性免疫受容体のカップリングに関与する非受容体型チロシンキナーゼである。Sykは、造血細胞中に広く発現している。Syk阻害剤は潜在的な抗炎症性活性および免疫調節活性を有している。それらはSykに媒介されたIgG Fcイプシロンおよびガンマ受容体およびBCR受容体のシグナリングを阻害し、マスト細胞、マクロファージおよびB細胞の活性化、ならびに関連炎症性反応および組織損傷の阻害をもたらす。マスト細胞は、I型超過敏性反応で主要な役割を果たし、蕁麻疹、気管支喘息、アナフィラキシーおよび他のアレルギー性病態に関係してきた。このため、Syk阻害剤は、関節リウマチ、B細胞リンパ腫、喘息、鼻炎、急性および慢性蕁麻疹などのおよび皮膚の疾患、マスト細胞症、皮膚ループス、アトピー性皮膚炎、天疱瘡および類天疱瘡を含む自己免疫性水疱性病態ならびに他の皮膚のマスト細胞媒介疾患の治療を含む、複数の治療分野で関心を引きつけてきた。
白斑患者からの病変皮膚中の遺伝子発現が、ケモカインCXCL10を含むインターフェロン−g(IFNg)特異的痕跡を呈することが報告された。CXCL10は、白斑患者の皮膚および血清の両方で上昇し、その受容体であるCXCR3が病原性T細胞上で発現していたことが見出された[Rahighi et al., Sci Transl Med., 6, 223ra23 (2014)]。Rahigiらの研究で作成されたデータは、白斑の進行および維持の両方でのCXCL10の重大な役割を特定した。CXCL10は、白斑に罹患した患者の皮膚および血清中で高度に発現し、かつCXCL10は、自己反応性T細胞の表皮への局在化を促進してそれらのマウスモデル中で白斑を開始する。マウス中でCXCL10を治療的に標的とすることは、白斑の進行および維持の両方にこのケモカインを関与させて、疾患発生を防止しただけでなく、確立した病変中の再色素形成を生じさせた。
表皮角化細胞はCXCL10の主な発生源であり、白斑中のメラノサイト特異的自己反応性T細胞の化学誘引物質である。SYKを遮断することで角化細胞CXCL10産生が阻害されると考えられ、したがって白斑を治療する別の治療経路が提供される。
式(I)の化合物はCXCL10産生を阻害すると考えられるため、限定することなく白斑の治療を含む治療のための新しい治療分野群が開発される。
式(I)の化合物は次の構造を有する。
[式中、
Xは、CR1またはNであり;
Yは、CH、CまたはNであり;
R1は、水素、C1−6アルコキシまたはC1−6アルキルであり;
R2は、水素、C1−6アルコキシ、ハロ、−C(O)C1−6アルキル、CN、ハロ−C1−6アルキルまたは−C(O)NR4R5であり;
R3は、水素またはC1−6アルコキシであり;
R4は、水素またはC1−6アルキルであり:
R5は、水素またはC1−6アルキルであり;かつ
mおよびnは、各々1と2から独立して選択される整数である]
またはその薬学的に許容可能な塩。
Xは、CR1またはNであり;
Yは、CH、CまたはNであり;
R1は、水素、C1−6アルコキシまたはC1−6アルキルであり;
R2は、水素、C1−6アルコキシ、ハロ、−C(O)C1−6アルキル、CN、ハロ−C1−6アルキルまたは−C(O)NR4R5であり;
R3は、水素またはC1−6アルコキシであり;
R4は、水素またはC1−6アルキルであり:
R5は、水素またはC1−6アルキルであり;かつ
mおよびnは、各々1と2から独立して選択される整数である]
またはその薬学的に許容可能な塩。
一つの実施態様では、本発明は、式(Ia):
[式中、
Xは、CR1またはNであり;
Yは、CH、CまたはNであり;
R1は、水素、C1−6アルコキシまたはC1−6アルキルであり;
R2は、水素、C1−6アルコキシ、ハロまたは−C(O)C1−6アルキルであり;かつ
mおよびnは、各々1と2から独立して選択される整数である]
の化合物またはその塩を提供する。
Xは、CR1またはNであり;
Yは、CH、CまたはNであり;
R1は、水素、C1−6アルコキシまたはC1−6アルキルであり;
R2は、水素、C1−6アルコキシ、ハロまたは−C(O)C1−6アルキルであり;かつ
mおよびnは、各々1と2から独立して選択される整数である]
の化合物またはその塩を提供する。
一つの実施態様では、XがCR1またはNである。別の実施態様では、XはCR1である。
一つの実施態様では、YがCH、CまたはNである。別の実施態様では、YがCHである。別の実施態様では、YがCである。さらなる実施態様では、YがNである。
一つの実施態様では、R1が水素、C1−6アルコキシまたはC1−6アルキルである。別の実施態様では、R1がメチル、メトキシまたは水素である。
一つの実施態様では、R2が、水素、C1−6アルコキシ、ハロ、−C(O)C1−6アルキル、CN、(ハロ)−C1−6アルキルまたはC(O)NR4R5である。一つの実施態様では、R2が、水素、C1−6アルコキシ、ハロまたは−C(O)C1−6アルキルである。別の実施態様では、R2が、水素、メトキシ、フルオロ、−C(O)CH3またはトリフルオロメチルである。別の実施態様では、R2が、水素、メトキシ、フルオロまたはC(O)CH3である。さらなる実施態様では、R2が、水素、メトキシまたは−C(O)CH3である。
一つの実施態様では、R3が水素またはC1−6アルコキシである。一つの実施態様では、R3は、水素またはメトキシである。
一つの実施態様では、R4が水素またはC1−6はアルキルである。別の実施態様では、R4が水素またはC1−4アルキルである。さらなる実施態様では、R4が水素またはメチルである。
一つの実施態様では、R5が水素またはC1−6アルキルである。別の実施態様では、R5が水素またはC1−4アルキルである。さらなる実施態様では、R5が水素またはメチルである。
一つの実施態様では、mおよびnが各々1と2から独立に選択された整数である。別の実施態様では、mが2であり、かつnが1または2である。別の実施態様では、nが1であり、かつmが1または2である。さらなる実施態様ではmおよびnは両方とも2である。
一つの実施態様では、XがCR1であり、かつR1がメチルである。別の実施態様では、XがCR1であり、R1がメチルであり、かつYがCである。さらなる実施態様では、XがCR1であり、R1がメチルであり、YがCであり、かつR2がメトキシである。一層さらなる実施態様では、XがCR1であり、R1がメチルであり、YがCであり、R2がメトキシであり、かつR3が水素である。一層さらなる実施態様では、XがCR1であり、R1がメチルであり、YがCであり、R2がメトキシであり、R3が水素であり、mが2であり、かつnが2である。
一つの実施態様では、式(I)の化合物は次のものから選択される:
7−(3−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ]−2−ピリジニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(4−(メチルオキシ)−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
1−[4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノン;
7−(6−メチル−3−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−2−ピリジニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
1−[4−[(2−ピラジニルメチル)オキシ]−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノン;
7−(5−フルオロ−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
7−(5−メチル−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
7−(5−(エチルオキシ)−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
7−(4−(メチルオキシ)−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル)ベンゾニトリル;
7−[2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
7−(5−(メチルオキシ)−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
7−(5−(1,1−ジメチルエチル)−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
N−メチル−4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)ベンズアミド;
4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)ベンズアミド;
N,N−ジメチル−4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル)ベンズアミド;
4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル)ベンズアミド;
7−(2,3−ビス(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
7−(2,3−ビス(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−[2−({[4−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]メチル}オキシ)フェニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
1−[4−[(2−ピリジニルメチル)オキシ]−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノン,トリフルオロアセテート;
7−{6−メチル−3−[(2−ピラジニルメチル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン,トリフルオロアセテート;
7−(6−メチル−3−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−2−ピリジニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン,トリフルオロアセテート;
7−{5−(メチルオキシ)−2−[(2−ピラジニルメチル)オキシ]フェニル}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン,トリフルオロアセテート;
7−[5−(メチルオキシ)−2−({[4−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]メチル}オキシ)フェニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(5−(メチルオキシ)−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン,トリフルオロアセテート;
1−[4−({[4−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]メチル}オキシ)−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノン;
1−[4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノン,トリフルオロアセテート;
7−[2−({[4−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]メチル}オキシ)フェニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン,トリフルオロアセテート;
1,1−ジメチルエチル7−[6−メチル−3−({[4−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]メチル}オキシ)−2−ピリジニル]−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート;
7−(5−フルオロ−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(5−メチル−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(5−(エチルオキシ)−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(5−(メチルオキシ)−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)ベンゾニトリル;
7−[2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(5−(1,1−ジメチルエチル)−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(5−クロロ−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(3−{[(4−エチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−6−メチル−2−ピリジニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(6−(1,1−ジメチルエチル)−3−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−2−ピリジニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
1−[4−{[(4−エチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノン;
1−[4−({[4−(エチルオキシ)−2−ピリジニル]メチル}オキシ)−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノン;
1−[4−{[(4−{[2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノン;
7−{5−(メチルオキシ)−2−[(2−ピリジニルメチル)オキシ]フェニル}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
1−[4−[(2−ピリジニルメチル)オキシ]−3−(1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル)フェニル]エタノン;
7−{5−クロロ−2−[(2−ピリジニルメチル)オキシ]フェニル}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
7−(6−クロロ−3−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−2−ピリジニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(6−クロロ−3−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−2−ピリジニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
1,1−ジメチルエチル 5−{5−アセチル−2−[(2−ピリジニルメチル)オキシ]フェニル}−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−カルボキシレート;
1−[4−[(2−ピリジニルメチル)オキシ]−3−(1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル)フェニル]エタノン;および
7−{2−(メチルオキシ)−6−[(2−ピラジニルメチル)オキシ]フェニル}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン,塩酸塩;またはそれらの塩。
7−(3−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ]−2−ピリジニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(4−(メチルオキシ)−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
1−[4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノン;
7−(6−メチル−3−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−2−ピリジニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
1−[4−[(2−ピラジニルメチル)オキシ]−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノン;
7−(5−フルオロ−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
7−(5−メチル−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
7−(5−(エチルオキシ)−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
7−(4−(メチルオキシ)−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル)ベンゾニトリル;
7−[2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
7−(5−(メチルオキシ)−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
7−(5−(1,1−ジメチルエチル)−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
N−メチル−4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)ベンズアミド;
4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)ベンズアミド;
N,N−ジメチル−4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル)ベンズアミド;
4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル)ベンズアミド;
7−(2,3−ビス(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
7−(2,3−ビス(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−[2−({[4−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]メチル}オキシ)フェニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
1−[4−[(2−ピリジニルメチル)オキシ]−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノン,トリフルオロアセテート;
7−{6−メチル−3−[(2−ピラジニルメチル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン,トリフルオロアセテート;
7−(6−メチル−3−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−2−ピリジニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン,トリフルオロアセテート;
7−{5−(メチルオキシ)−2−[(2−ピラジニルメチル)オキシ]フェニル}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン,トリフルオロアセテート;
7−[5−(メチルオキシ)−2−({[4−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]メチル}オキシ)フェニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(5−(メチルオキシ)−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン,トリフルオロアセテート;
1−[4−({[4−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]メチル}オキシ)−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノン;
1−[4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノン,トリフルオロアセテート;
7−[2−({[4−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]メチル}オキシ)フェニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン,トリフルオロアセテート;
1,1−ジメチルエチル7−[6−メチル−3−({[4−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]メチル}オキシ)−2−ピリジニル]−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート;
7−(5−フルオロ−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(5−メチル−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(5−(エチルオキシ)−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(5−(メチルオキシ)−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)ベンゾニトリル;
7−[2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(5−(1,1−ジメチルエチル)−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(5−クロロ−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(3−{[(4−エチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−6−メチル−2−ピリジニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(6−(1,1−ジメチルエチル)−3−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−2−ピリジニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
1−[4−{[(4−エチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノン;
1−[4−({[4−(エチルオキシ)−2−ピリジニル]メチル}オキシ)−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノン;
1−[4−{[(4−{[2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノン;
7−{5−(メチルオキシ)−2−[(2−ピリジニルメチル)オキシ]フェニル}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
1−[4−[(2−ピリジニルメチル)オキシ]−3−(1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル)フェニル]エタノン;
7−{5−クロロ−2−[(2−ピリジニルメチル)オキシ]フェニル}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
7−(6−クロロ−3−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−2−ピリジニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(6−クロロ−3−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−2−ピリジニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
1,1−ジメチルエチル 5−{5−アセチル−2−[(2−ピリジニルメチル)オキシ]フェニル}−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−カルボキシレート;
1−[4−[(2−ピリジニルメチル)オキシ]−3−(1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル)フェニル]エタノン;および
7−{2−(メチルオキシ)−6−[(2−ピラジニルメチル)オキシ]フェニル}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン,塩酸塩;またはそれらの塩。
一つの実施態様では、式(I)の化合物は、1−[4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノン、またはその薬学的に許容可能な塩である。
別の実施態様では、式(I)の化合物は、7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンまたはその薬学的に許容可能な塩である。一実施態様では、薬学的に許容可能な塩はメシレート塩である。
式(I)の化合物は、Atkinsonら US 2014/0005177 A1, USSN 14/004,388の開示に従い調製してもよく、それは参照することによりその全体が本明細書中に組み入れられる。化合物7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンは、US 2014/0005177 A1の実施例2として具体的に例証されている。実施例2aはメシレート塩を具体的に例証する。化合物1−[4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノンは、US2014/0005177A1で実施例4として具体的に例証されている。
本発明の実施態様の別の態様では、本発明は、白斑を起こす危険性のある被験体または白斑に罹患した被験体の治療のための薬剤を製造するための式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。別の実施態様では、本発明は、白斑を起こす危険性のある被験体または白斑に罹患した被験体の治療のための薬剤を製造するための化合物7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンまたはその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。別の実施態様では、本発明は、白斑を起こす危険性のある被験体または白斑に罹患した被験体の治療のための薬剤を製造するための化合物1−[4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノンまたはその薬学的に許容可能な塩の使用を提供する。
白斑を治療するための、予防を含む治療で使用する式(I)の化合物は、化合物1−[4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノンまたはその薬学的に許容可能な塩、化合物7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン、またはその薬学的に許容可能な塩である。一つの実施態様では、7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンの薬学的に許容可能な塩はメシレート塩である。
一つの態様では、本発明は、CXCL10により媒介された皮膚疾患(dermatological n disease)の治療で使用する、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を提供する。
略称と定義
本明細書で使用する場合、他の指示がない限り、以下の定義または略称が適用されるものとする。
本明細書で使用する場合、他の指示がない限り、以下の定義または略称が適用されるものとする。
「アルキル」という用語は、特定数の炭素原子を含有している直鎖状または分岐状の飽和炭化水素鎖を指す。例えば、C1−6アルキルとは、少なくとも1個そして最大6個の炭素原子を含有している直鎖状または分岐状アルキル基を意味する。本明細書で使用する「アルキル」の例として、制限することなく、メチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、イソブチル、イソプロピル、t−ブチルおよび1,1−ジメチルプロピルが挙げられる。
「アルコキシ」という用語は、特定数の炭素原子を含有している直鎖状または分岐状の飽和アルコキシ鎖を指す。例えば、C1−6アルコキシは、少なくとも1個そして最大6個の炭素原子を含有している直鎖状または分岐状アルコキシ基を意味する。本明細書で使用する「アルコキシ」の例として、制限することなく、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、プロプ−2−オキシ、ブトキシ、ブト−2−オキシ、2−メチルプロプ−1−オキシ、2−メチルプロプ−2−オキシ、ペントオキシまたはヘキシルオキシが挙げられる。
「ハロ」あるいは「ハロゲン」という用語は、フルオロ、クロロまたはブロモを指す。
「ハロアルキル」という用語は、ハロ原子で置換した特定数の炭素原子を含有している直鎖状または分岐状の飽和炭化水素鎖を指す。例えばハロ−C1−6アルキルとは、炭素原子1個あたり1〜3個のハロ原子で置換された少なくとも1個そして最大6個の炭素原子を含有している直鎖状または分岐状アルキル基を意味する。本明細書で使用する「ハロアルキル」の例として、制限することなく、フルオロメチル、ジ−フルオロメチルおよびトリ−フルオロメチルが挙げられる。
「薬学的に許容可能な」という用語は、信頼できる医学的判断の範囲内にあり、過度の毒性、刺激または他の問題もしくは合併症を起こすことなくヒトおよび動物の組織と接触させて使用するにあたり好適であり、合理的なリスクベネフィット比に見合う、化合物、材料、組成物および投与形態を指す。当業者であれば、式(I)の化合物の薬学的に許容可能な塩を調製し得ることを理解するだろう。
「薬学的に許容可能な塩」という用語は、対象化合物の所望する生物活性を保持し、所望しない毒性効果の呈示が最小限である塩を指す。これら薬学的に許容可能な塩は、化合物の最終単離および精製中にin situで調製しても、または精製した化合物をその遊離酸形態または遊離塩基形態でそれぞれ適切な塩基または酸と別々に反応させることにより調製してもよい。確かに、本発明の特定の実施態様では、それぞれの遊離塩基または遊離酸よりも薬学的に許容可能な塩が好ましいかもしれず、その理由としては、そのような塩は、分子に対してより強い安定性または溶解性を与えて製剤を投与形態にしやすくするためである。
本明細書で使用する場合、ILはインターロイキン;STATはシグナル伝達性 転写因子(Signal transducer and activator of transcription);SYKは脾臓チロシンキナーゼである。
「投与」という用語は、治療効果を提供することを目的としたような様式で組成物を患者へ送達する任意の方法を指す。
「コルチコステロイド」という用語は、ステロイド構造に基づくホルモンである。コルチコステロイドは、ストレス応答、免疫応答および炎症の調節、糖質代謝、タンパク異化、血中電解質レベルおよび挙動などの幅広い生理学系に関係している。代表的な例には、限定することなく、コルチゾール、プレドニゾンおよびプレドニゾロンならびにフルチカゾンが挙げられる。コルチコステロイドは、経口的または非経口的(例えば、注射により)に、あるいは皮膚上の病変部への直接的局所適用により投与することができ、またそれらは組み合わせ製剤として、本明細書に記載の化合物と組み合わせてもよい。これらの薬剤は、経口的または非経口的(例えば、注射により)に、あるいは炎症領域への直接的局所適用により投与することができ、またそれらは本明細書に記載の化合物と組み合わせてもよいし、あるいはこの化合物の投与と同時、その前または後に投与してもよい。
本明細書で使用する用語としての「局所コルチコステロイド」は、皮膚に局所的に直接適用する。
「皮膚の(cutaneous)」または「真皮の(dermal)」という用語は皮膚を指す。皮膚は、2つの層(真皮と表皮)からなり、多くの動物(ヒトも含む)でその最外部は少なくとも部分的に毛で覆われている。
「皮膚の(cutaneous)」または「真皮の(dermal)」という用語は皮膚を指す。皮膚は、2つの層(真皮と表皮)からなり、多くの動物(ヒトも含む)でその最外部は少なくとも部分的に毛で覆われている。
本明細書で使用する「皮膚科学的に許容可能な賦形剤」という用語は、本明細書に記載された組成物中に存在する任意の不活性成分を指す。
「外部上皮表面」という用語は、身体の表面に曝露している面(例えば、皮膚および鼻と口の上皮)であり、機器(例えば、内視鏡または外科用メス)を使用することなく、表面にクリームまたは軟膏を直接適用させることが可能な面である。
「非ステロイド系抗炎症薬(NSAID)」という用語は、抗炎症剤の一種である。代表的な例として、次のものに限定することなく:イブプロフェン、ケトプロフェン、ピロキシカム、ナプロキセン、スリンダク、アスピリン、コリン・サブサリチル酸塩、ジフルニサル、フェノプロフェン、インドメタシン、メクロフェナメート、サルサレート、トルメチンおよびサリチル酸マグネシウムが挙げられる。これら薬剤は、経口的または非経口的(例えば、注射により)に、あるいは炎症領域への直接的局所適用により投与することができ、またそれらは本明細書に記載の化合物と組み合わせてもよいし、あるいはこの化合物の投与と同時、その前または後に投与してもよい。
「有効量」、「薬学上有効な量」または「治療上有効な量」とは、病態の改善または変化を目的に適用して、その病態の改善または変化をもたらすであろう任意の量を指す。量は、障害、疾患または病態、あるいはその症状の1つ以上を治療するために、かつ/または疾患もしくは障害の発生を防止するために十分であり、かつ標準の臨床技術によって決定することができるものである。量は、治療する病態、病態の進行のステージ、臨床症状で影響を受けた身体表面積、および適用する製剤の種類や濃度に応じて変化してもよい。所定の実例での適正量は、当業者にとって容易に明白なものであるか、または習慣的な実験により測定することができる。一般的に、組成物は、影響を受けた領域に局所的方法で適用する(即ち、臨床的異常が明白である皮膚領域への局部集中した適用)。
「被験体」および/または「患者」という用語は、小児患者、成人患者および老齢患者を含むすべての年齢のヒトを指す。
「局所的送達」という用語は、皮膚の表面または皮膚内に薬の薬学的効果を実質的に導く意図で、皮膚障害または疾患の皮膚症状を直接治療するために、薬物含有製剤を皮膚へ適用することを指す。
化合物または薬剤の「局所的投与」という用語は、上皮層への適用および上皮層を介した吸収を指す。
本明細書で使用する場合、「適用する」という用語は、信頼できる医学的または審美的行為での、皮膚障害、皮膚病態または皮膚外観に好ましい効果をもたらすような方法で被験体の口唇に局所的組成物を送達する任意の方法を指す。
「調整する("modulate"または"modulates)」という用語は、特定の活性の量、品質または効果の増加または減少を指す。
「生物学的因子」という用語は、抗体、モノクローナル抗体、タンパク質、ポリペプチドおよびヌクレオチドなどの複雑な生体分子を意味する。
病態の「治療」または病態の「治療方法」という用語は、病態の兆候、症状または進行を減少、改善または遅延させる方法を指し、その予防的使用も含まれる。本明細書で使用する場合、「治療」は治癒を意味しない。医学的および薬学的技術において認識されているように、治療は、一集団(例えば、面皰患者の集団)の一人一人に有効であり、臨床的有用性を有する必要はない。当技術においてよく理解されるように、「治療」とは、臨床結果を含む有益な、または所望の結果を得るための取組みである。本発明のために、有益な、または所望の結果には、制限することなく、検出できるかできないかに関わらず、1つ以上の症状の緩和または改善、疾患を含む病態の範囲の縮小、疾患を含む病態の安定状態(即ち、悪化していない)、疾患の広がりの防止、疾患を含む病態の進行の遅延(delay or slowing of condition)、疾患、病状を含む病態の進行、改善または苦痛緩和、および回復(部分的であれ全体的であれ)の1つ以上が含まれることがある。治療には、さらに疾患の進展を阻止すること、同様に障害を部分的に好転させて病変部の退化を生じさせることが含まれてもよい。
本明細書において前述したまたは他に記載された「1つの("a"および"an")」という用語は、「1つ以上」の列挙した成分を指す。当業者であれば、別の明確な指示がない限り、単数形の使用には複数形も含まれることが明らかであろう。
本願全体にわたって、種々の実施態様の記載には「含んでなる(comprising)」という言葉を使用しているが、いくつかの特別な事例では、1つの実施態様を「から本質的になる(consisting essentially of)または「からなる(consisting of)」という言葉を使用して代替的に記載することがある。
「約」という用語は、部分的に、どのように値が測定または決定されたか(即ち、測定システムの制限)によるであろう当業者が決定するとおりに指定した特定のパラメーターの許容範囲内にあることを意味する。例えば、「約」は任意の値の最大10%の範囲を意味することがある。
別の指示がない限り、当教示をより良く理解することおよびその範囲をいかなる方法でも制限しないことを目的として、量、百分率または割合を表す数字は、全ての場合において「約」という用語で修飾されると理解すべきである。
「白斑」という用語は、皮膚のメラノサイトの損失および/または異常なメラノサイト機能を特徴とする病態である。
本明細書で使用する他の用語は、当技術でのその周知の意味により定義されることを意図している。
濃度、量、溶解性および他の数値データは、本明細書にて範囲の形式で示されてもよい。そのような範囲の形式は、単に利便性および簡潔性のために使用され、数値または部分的範囲の各々が明示的に記載されているかのように、範囲の限度として明示的に記載された数値を含むだけでなく、その範囲内に包含された個々の数値または部分的範囲のすべてを含むと柔軟に解釈すべきである。
濃度、量、溶解性および他の数値データは、本明細書にて範囲の形式で示されてもよい。そのような範囲の形式は、単に利便性および簡潔性のために使用され、数値または部分的範囲の各々が明示的に記載されているかのように、範囲の限度として明示的に記載された数値を含むだけでなく、その範囲内に包含された個々の数値または部分的範囲のすべてを含むと柔軟に解釈すべきである。
例えば、0.1〜5ng/mlの濃度範囲には、明示的に暗唱された0.1ng/mlおよび5ng/mlの濃度限度だけでなく、例えば、0.2ng/ml、0.8ng/ml、1.0ng/ml、2.2ng/ml、3.6ng/molなどの個々の濃度および約03.ng/ml〜2.5ng/ml、約1.8ng/ml〜約3.2ng/mlなどの部分的範囲も含まれると解釈すべきである。この解釈は、記載の範囲または特性の幅にかかわらず当てはまるものとする。
別の指示がない限り、本明細書で使用する場合、「%」は、組成物全体の重量百分率を指す。別の指示がない限り、百分率はすべて、調製した最終組成物の重量百分率に基づくものであり、すべては100重量%に等しい合計となる。
別の指示がない限り、「wt/wt」または「重量(by weight)」という用語は、百分率で表した、組成物の総重量に対する、任意の成分または成分の特定の組み合わせの重量を意味する。
一つの実施態様では、「薬学的に許容可能な」という用語は、連邦または州政府の監督官庁により認可可能であるか、あるいは米国薬局方に列挙されているか、あるいは動物、より具体的にはヒトに使用する他の一般に認識されている薬局方を意味する。
「担体」という用語は、治療薬と共に投与する希釈剤、アジュバント、賦形剤またはビヒクルを指す。
「薬学的に許容可能な賦形剤」とい用語は、医薬組成物に形状または調和を付与することに関与する薬学的に許容可能な材料、組成物またはビヒクルを意味する。賦形剤は各々、個人に投与された際に本発明の化合物の効能を本質的に縮小する相互作用および薬学的に許容可能ではない医薬組成物をもたらす相互作用が回避されるように、混合した際に医薬組成物の他の成分との相溶性を有していなければならない。さらに、賦形剤は各々、許容可能性となるために当然十分に高純度でなければならない。
本明細書で使用する場合、「1つの("a" および"an")」という用語は、「1つ以上」の列挙した成分を指す。当業者であれば、別の明確な指示がない限り、単数形の使用には複数形も含まれることが明らかであろう。
本明細書で使用する場合、「および/または」という用語は、列挙された個々の要素を付加的にも、そして同様に代替的にも含み、したがってこの列挙された個々の要素は、これら要素が選択的に「および」またはそれぞれ「または」で結びついていると理解されるように結びついている。
本願全体にわたって、種々の実施態様の記載には「含んでなる(comprising)」という言葉を使用しているが、いくつかの特別な事例では、1つの実施態様を「から本質的になる(consisting essentially of)または「からなる(consisting of)」という言葉を使用して代替的に記載することがある。
特定の成分が「実質的にない(Substantially free)」とは、組成物において特定の成分が約1重量%未満であることを指す。特定の成分が「ない(Free)」とは、組成物において特定の成分がない場合を指す。
本明細書で使用する場合、「哺乳類」には、限定することなく、小児、成人および老齢の患者を含むヒトが含まれる。
また、本発明は、白斑の局所的治療で使用する医薬組成物の使用も提供する。そのような組成物は、有効量の化合物またはその薬学的に許容可能な塩、および薬学的に許容可能な担体を含んでなる。
また、本発明は、一次治療薬の投与が示されている病態の治療での同時的、個別的または連続的使用のための、治療薬の組み合わせを含んでなる医薬品も提供する。
本発明の一つの態様では、有効量の7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンまたはその薬学的に許容可能な塩を、二次治療的な処置または活性薬と組み合わせてか、またはそれらに付随して使用して、それを必要とする被験体の白斑を治療する。
本発明の別の態様では、有効量の7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン,メシレートを、二次治療的な処置または活性薬と組み合わせてか、またはそれらに付随して使用してそれを必要とする被験体の白斑を治療する。
本発明の一つの態様では、有効量の1−[4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノンまたはその薬学的に許容可能な塩を、二次治療的な処置または活性薬と組み合わせてか、またはそれらに付随して使用して、それを必要とする被験体の白斑を治療する。
白斑を治療するため使用する化合物は、皮膚に直接投与してもよい。この化合物は、薬学的にまたは皮膚科学的に許容可能な組成物または製剤へ化合することにより、薬剤として投与することができる。これらの組成物または製剤には、局所的に適用してもよい任意の種々の周知賦形剤ならびに影響を受けた領域に有効成分を波及させ、急速乾燥させ、かつ/または浸透を向上させることさえもできるであろう任意の種々の周知賦形剤が含まれていてもよい。好適な製剤の例として、溶液、クリーム、軟膏、ゲル、ローション、スプレー、エアゾール、フォーム、粉末または懸濁液を挙げることができる。
本明細書に記載の化合物を含んでなる医薬組成物は、従来の混合、溶解、粒状化、乳化、カプセル化、封入を用いることによってか、または凍結乾燥法により製造することができる。組成物は、化合物を局部集中的または局所的に使用可能な調合に加工しやすくする1つ以上の生理学上許容可能な担体、希釈剤、賦形剤または助剤を使用して、従来方式で製剤化し得る。
本発明の化合物は、遊離塩基、水和物または溶媒和物、薬学的に許容可能な塩あるいは塩の水和物または溶媒和物として医薬組成物中に製剤化してもよい。典型的には、そのような塩は対応する遊離酸および遊離塩基よりも水溶液への溶性が高いが、対応する遊離酸および遊離塩基より溶解性が低い塩を形成してもよい。
一つの実施態様では、医薬製剤は、本発明の化合物および薬学的に許容可能な賦形剤、そして場合により、患者の皮膚または眼への局所適用に好適に適合させた希釈剤、酸化防止剤、防腐剤、ゲル化剤、pH調整剤または安定化剤あるいはそれらの混合物を含んでなる。
当業者であれば、化合物の薬学上有効な量は変化し得ることを理解するだろうが、典型的には、0.0001〜約10重量(w/w)%の濃度にすることで、薬学上有効な量の式(I)の化合物が被験体に提供されるだろう。特定の製剤では、薬学上有効な量の化合物は、約0.01%〜約10%(w/w)または約0.1%〜約10%(w/w)である。他の例では、化合物は、少なくとも0.1%、0.5%、1%、2%、3%または5%(w/w)で存在する。
化合物は、予防的投与のために、白斑の家族歴を有しているかまたは早発の毛髪の灰色化のある者など、白斑を起こす危険性のある被験体に投与してもよい。予防的使用に好適な用量範囲もまた、0.0001〜約10重量(w/w)%の濃度であると考えられる。予防的投与の他の危険因子は、当業者であれば認識することができ、被験体が、アジソン病、甲状腺機能低下、甲状腺機能亢進症、円形脱毛症(alopecia greata)、悪性貧血、乾癬または成人発祥型糖尿病に罹患することを含み得る。あるいは、予防的投与は、白斑と診断された患者の症状の進行を回避するために適用してもよい。投与する化合物の量は、例えば、治療する白斑の具体的種類、投与形態、白斑の重篤度、患者の年齢および体重、特定の活性化合物のバイオアベイラビリティなどを含む、種々の要因に依存するだろう。有効量の決定は当業者が通常行う事項である。当業者であれば、特定の個人のために最適な用量を決定することができるだろう。有効量は、まず、in vitroアッセイから推測してもよい。例えば、動物で使用するための初期用量は、in vitroアッセイで測定した特定化合物のIC50以上の、活性化合物の皮膚(表皮および/または真皮)集中を達成するために製剤化してもよい。特定の化合物のバイオアベイラビリティを考慮した、このような皮膚集中を達成するための用量の計算は、当業者が通常行う事項である。
また、初期用量は動物モデルを使用して、in vivoデータから推測することができる。上記の種々の疾患を治療または予防するための化合物の効能を試験するのに有用な動物モデルは、当技術分野で周知である。化合物は、処方する医師の判断によって、1週間に1回、1週間に数回(例えば、1日おき)、1日1回または1日数回投与してもよい。
局所的投与または眼内投与については、有効量とは、皮膚または眼内への投与の結果、化合物に顕著な体循環がない場合、例えば、局所製剤が脱色斑点に直接適用され、局所集中した容量が顕著な体循環の前に使用される場合での量となり得る。
特定の例では、眼内投与のための式(I)の化合物を含有する眼科系組成物(例えば、眼の白斑のため)には、等張化剤、バッファーまたはそれら両方が含まれていてもよい。眼科系組成物の特定の例では、等張化剤は単純に炭水化物または糖アルコールである。当業者にとって既知であるように、組成物の張性を、好ましくは通常の涙液の張性に調整するために、等張化剤を本組成物中に使用してもよい。好適な張度剤の例として、制限することなく、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、デキストロース、フルクトース、ガラクトースなどの炭水化物、例示を目的として、マンニトール、ソルビトール、キシリトール、ラクチトール、イソマルト、マルチトールを含む糖アルコールなどの多価アルコールおよびそれらの組み合わせが挙げられる。バッファーを含有する組成物には、いくつかの例において、ホスフェート、シトレートまたはそれら両方が含まれている。
化合物を投与するための医薬組成物は、便宜的に用量単位形態にしてもよく、かつ当技術分野にて周知の任意の方法で調製してもよい。医薬組成物は、例えば、有効成分を液体担体または細分化した固形担体あるいはそれら両方と均一かつ密接に会合させ、次に必要に応じて製品を所望の製剤に成形し、かつ/または適当な包装に入れることによって調製してもよい。所望化合物の局所製剤では、製剤を適当な容器(例えば、軟膏およびクリームを投薬するためのキャップ付きスクイズチューブなど)に入れてもよい。あるいは、調剤者は、薬の単位用量を投薬するための装置を含めてもよい(例えば、標的領域に制御した所定用量の薬を投薬するボトルまたは点滴器など)。
皮膚への投与に適している組成物に加えて、前記組成物の溶液、ゲル、軟膏、クリームおよび懸濁液などの投薬形態には、場合により、制限することなく、保存料、酸化防止剤、皮膚軟化薬、保湿剤、経皮吸収促進剤、界面活性剤、乳化剤、緩衝剤、pH調整剤、被膜剤、キレート剤、溶媒および共溶媒がさらに含まれていてもよい。
一つの実施態様では、製剤は溶液である。別の実施態様では、製剤はゲルである。別の実施態様では、製剤は懸濁液である。 さらに別の実施態様では、製剤はクリームまたは軟膏である。一つの実施態様は、局所的または局部集中的投与のためのキットに入った前述の製剤のいずれかである。一つの実施態様では、製剤は液体、例えば製剤を(例えば、治療する皮膚の標的領域のみに液体を実質的に投薬するために、皮膚の標的領域と接触する塗布器先端から)滴状にまたは液体フィルムとして投薬するボトルに入って販売されている均一の液体または懸濁液である。一つの実施態様では、製剤は、皮膚の標的領域のみに製剤を実質的に投薬するチューブに入って販売されているクリームまたは軟膏である。別の実施態様では、化合物は、皮膚へ擦り込むか、または目に注入するために粘性液体で提供される。製剤には保存料が入っていても、入っていなくてもよい(例えば、使い捨て容器に入って)。
本明細書に記載の化合物、またはその組成物は、一般に、白斑を治療または予防するのに有効な量で使用されるだろう。
皮膚および/または粘膜の白斑点を治療するために使用する場合、化合物は、単独、混合物として、および/または皮膚の疾患および/または障害を治療するのに有用な二次治療的な処置または薬剤と組み合わせて投与してもよい。治療に好適な薬剤には、限定することなく、ステロイド、膜安定化薬、コルチコステロイド、5−リポキシゲナーゼ(5LO)阻害剤、ロイコトリエン合成物および受容体阻害剤などの抗炎症剤、IgEアイソタイプ・スイッチングまたはIgE合成、IgGアイソタイプ・スイッチングまたはIgG合成の阻害剤、β−アゴニスト、トリプターゼ阻害剤、アスピリン、シクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤、メトトレキセート、抗TNF薬、リツキサンなどの生物剤、PDE4阻害剤およびp38阻害剤が含まれる。
本明細書の化合物と伴に使用する他の治療薬には、制限することなく、抗ヒスタミン、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌薬、乾癬治療薬、甲状腺ホルモン置換化合物、PDE4阻害剤、局所的免疫調節薬(例えば、タクロリムスまたはピメクロリムスなど)またはソラーレン(光線療法と共に使用するUV増感剤)および抗ヒスタミンが含まれていてもよい。面皰または疣贅などの他の病態のための薬剤、例えば、レチノイドおよびサリチル酸も同様に本発明の範囲内として検討される。
一つの実施態様では、二次治療薬はコルチコステロイドである。コルチコステロイドは、効能により、I群(非常に強力:ヒドロコルチゾンの最大600倍協力)からVII群に分けられている。総てが本発明の範囲内に含まれている。好適には、I群ステロイドには、制限することなく、プロピオン酸クロベタゾール0.05%(Dermovate(商標))、ジプロピオン酸ベタメタゾン0.25%(Diprolene(商標))、プロピオン酸ハロベタゾール0.05%(Ultravate(商標))および二酢酸ジフロラゾン0.05%(Psorcon(商標))が含まれる。
II群ステロイドには、制限することなく、フルオシノニド0.05%(Lidex(商標))、ハルシノニド0.05%(Halog(商標))、アムシノニド0.05%(Cyclocort(商標))およびデスオキシメタゾン0.25%(Topicort(商標))が含まれる。
III群ステロイドには、制限することなく、トリアムシノロンアセトニド0.5%(Kenalog(商標)、Aristocort(商標)クリーム)、フロ酸モメタゾン0.1%(Elocon(商標)軟膏)、プロピオン酸フルチカゾン0.005%(Cutivate(商標))およびジプロピオン酸ベタメタゾン0.05%(Diprosone(商標))が含まれる。
IV群ステロイドには、制限することなく、フルオシノロンアセトニド0.01−0.2%(Synalar(商標)、Synemol(商標)、Fluonid(商標))、吉草酸ヒドロコルチゾン0.2%(Westcort(商標))、酪酸ヒドロコルチゾン0.1%(Locoid(商標))、フルランドレノリド(Flurandrenolide)0.05%(Cordran(商標))、トリアムシノロンアセトニド0.1%(Kenalog(商標)、Aristocort(商標)A軟膏)およびフロ酸モメタゾン0.1%(Elocon(商標)クリーム、ローション)が含まれる。
V群ステロイドには、制限することなく、トリアムシノロンアセトニド0.1%(Kenalog(商標)、Aristocort(商標)クリーム、ローション)、プロピオン酸フルチカゾン0.05%(Cutivate(商標)クリーム)、デソニド0.05%(Tridesilon(商標)、DesOwen(商標)軟膏)、フルオシノロンアセトニド0.025%(Synalar(商標)、Synemol(商標)クリーム)および吉草酸ヒドロコルチゾン0.2%(Westcort(商標)クリーム)が含まれる。
VI群ステロイドには、制限することなく、プレドニカルベート0.05%(Aclovate(商標)クリーム、軟膏)、トリアムシノロンアセトニド0.025%(Aristocort(商標)Aクリーム、Kenalog(商標)ローション)、フルオシノロンアセトニド0.01%(Capex(商標)シャンプー、Dermasmooth(商標))およびデソニド0.05%(DesOwen(商標)クリーム、ローション)が含まれる。
VII群ステロイドには、制限することなく、ヒドロコルチゾン2.5%(Hytone(商標)クリーム、ローション、軟膏)、またヒドロコルチゾン1%(市販銘柄多数)が含まれる。
一つの実施態様では、二次治療的活性薬は、抗炎症性化合物、抗ヒスタミン化合物、複合抗生物質、抗ウイルス性化合物、甲状腺ホルモン置換化合物またはそれらの任意の組み合わせである。
別の実施態様では、二次治療的処置は、放射線、全身光線療法、ソラーレン光化学療法またはエキシマーレーザー療法である。
さらに別の実施態様では、二次治療的な処置または活性薬は、式(I)の化合物と組み合わせて利用してもよい。一つの実施態様では、式(I)の化合物は、1−[4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノンまたはその薬学的に許容可能な塩である。
別の実施態様では、式(I)の化合物は、7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンまたはその薬学的に許容可能な塩である。一つの実施態様では、薬学的に許容可能な塩はメシレート塩である。
本明細書に開示された医薬組成物は、皮膚に適用されない様々な他の治療(例えば、経口的または非経口的など全身に投与する治療)と伴に共投与(同時にまたは連続で)してもよい。そのような全身治療の例としては、コルチコステロイド(プレドニゾンなど)、抗生物質(エリスロマイシン、テトラサイクリンおよびジクロキサシリンなど)、抗真菌薬(ケトコナゾールおよびDiflucan(商標)など)、抗ウイルス物質(アシクロビルおよびファムシクロビル(famcyclovir)など)、コルチコステロイド(プレドニゾン、メチルプレドニゾロンおよびプレドニゾロンなど)、免疫抑制剤(メルカプトプリン、Cytoxan(商標)、シクロホスファミド、アザチオプリン、メトトレキセートまたはミコフェノレートなど)、カルシニューリン阻害剤(シクロスポリン、シロリムスおよびタクロリムスなど)、生物剤(Rituxan(商標)、Enbrel(商標)、Humira(商標)、Remicade(商標)、Stelara(商標)およびAmevive(商標)など)および/または甲状腺置換療法、イノシン一リン酸デヒドロゲナーゼ(IMPDH)の阻害剤(ミコフェノレート、ミコフェノール酸モフェチル、アザチオプリンなど)が挙げられる。
これらの種々の薬剤は、薬剤の市販形態に添付の処方情報に指定されるとおりに、その標準的または一般的用量にしたがって使用し得る(2006年版The Physician's Desk Referenceの処方情報も参照のこと)。 アザチオプリンは、Salix Pharmaceuticals,Inc.から商標Azasan(商標)で現在入手可能である;メルカプトプリンは、Gate Pharmaceuticals,Inc.から商標Purinethol(商標)で現在入手可能である;プレドニゾンおよびプレドニゾロンは、Roxane Laboratories,Inc.から現在入手可能である;メチルプレドニゾロンは、Pfizerから現在入手可能である;シロリムス(ラパマイシン)は、Wyeth−Ayerstから商標Rapamune(商標)で現在入手可能である;タクロリムスは、Fujisawaから商標Prograf(商標)で現在入手可能である;シクロスポリンは、Novartisから商標Sandimmune(商標)およびAbbottから商標Gengraf(商標)で現在入手可能である;ミコフェノール酸モフェチルとミコフェノール酸などのIMPDH阻害剤は、Rocheから商標Cellcept(商標)およびNovartisから商標Myfortic(商標)で現在入手可能である;アザチオプリンは、GlaxoSmithKlineから商標Imuran(商標)で現在入手可能である;抗体は、Ortho Biotechから商標Orthoclone(商標)、Novartisから商標Simulect(商標)(バシリキシマブ)およびRocheから商標Zenapax(商標)(ダクリズマブ)で現在入手可能である。
一つの実施態様では、化合物は、全身光線療法(例えば、狭帯域UV−B光線療法、310〜315nm)、UV−A光と組み合わせたソラーレン光化学療法(PUVA:ソラーレン)(例えば、5−メトキシソラーレン、8−メトキシソラーレン(0.1〜0.3%)、トリメチルソラーレン)、エキシマーレーザー(308nm)療法と組み合わせてか、またはそれらに付属して投与してもよい。局所的タクロリムス(0.03〜0.1%)軟膏をエキシマーレーザー療法と組み合わせる場合もある。顔面の白斑の治療のために、ピメクロリムス(1%)クリームを狭帯域UV−B治療と組み合わせてもよい。ビタミンD類似体(例えば、カルシポトリオール、タカルシトール)を狭帯域UV−BまたはPUVA治療と組み合わせてもよい。
別の実施態様では、化合物は、上記療法および/または別の疾患のための両方と組み合わせてかまたはそれらに付属して投与される。
一つの実施態様では、化合物は、眼または眼の周りの皮膚(例えば、眼瞼)に第一に影響する白斑の事例を治療するための、抗ヒスタミン、抗生物質、抗炎症剤、抗ウイルス薬あるいは緑内障薬品などの薬剤の眼科系製剤と組み合わせてか、またはそれらに付属して投与してもよく、かつ、例えば、滴剤または軟膏として眼の周りに投与してもよい。これら組み合わせ製剤を調製する場合、化合物は、眼科系抗生物質(スルファセトアミド、エリスロマイシン、ゲンタミシン、トブラマイシン、シプロフロキサシンまたはオフロキサシンなど);眼科系コルチコステロイド(プレドニゾロン、フルオロメトロンまたはデキサメサゾンなど);眼科系非ステロイド性抗炎症剤(イブプロフェン、ジクロフェナク、ケトロラックまたはフルルビプロフェンなど);眼科系抗ヒスタミン(リボスチン(livostin)、パタノール、クロモリン、アロミド(alomide)またはフェニラミンなど); 眼科系抗ウイルス性点眼薬(トリフルルチミジン(triflurthymidine)、アデニン、アラビノサイドまたはイドクスウリジンなど);眼科系緑内障薬(例えば、チモロール、メチプラノロール、カルテオロール、ベータキソロールまたはレボブノロールなどのβ−遮断薬);眼科系プロスタグランジン類似体(ラタノプロストなど);眼科系コリン作動薬(ピロカルピンまたはカルバコールなど);ブリモニジン(bromonidine)またはアイオピディンなどの眼科系アルファアゴニスト;眼科系炭酸脱水酵素阻害剤(ドルゾラミドなど);および眼科系アドレナリン作動薬(ophthalmic adenergic agonist)(エピネフリンまたはジピベフリン(dipivefrin)など)と組み合わせてもよい。
以下の実施例は本発明の説明であり、本発明に制限を加えるものとして意図していない。
本明細書で使用する他の用語は、当技術でのその周知の意味により定義されることを意図している。
生物学的実施例
白斑動物モデル
この実施例は、治療、予防および併用療法の治療計画の選択を含む白斑の治療を目的にスクリーニングする動物モデルの使用について説明する。動物モデルは、本明細書に記載のような化合物、同様に組み合わせ製剤を試験するために使用した。具体的には、式(I)の化合物を含む局所製剤を、動物の皮膚に適用し、治療反応を評価した。製剤を動物に投与した後、脱色領域のサイズ数が減少したことを証明するために、皮膚を検査した。
白斑動物モデル
この実施例は、治療、予防および併用療法の治療計画の選択を含む白斑の治療を目的にスクリーニングする動物モデルの使用について説明する。動物モデルは、本明細書に記載のような化合物、同様に組み合わせ製剤を試験するために使用した。具体的には、式(I)の化合物を含む局所製剤を、動物の皮膚に適用し、治療反応を評価した。製剤を動物に投与した後、脱色領域のサイズ数が減少したことを証明するために、皮膚を検査した。
C57BL/6J Ler−vit/vitマウス株は、白斑の調査手段として有益とされてきた(Lerner et al., J. Invest. Dermatol. 87(3):299-304 (1986年9月))。この株はC57BL/6J株から発生したものである。白斑マウスには、先天性の背面および腹面に白点があり、同様に有色毛の代わりに白色毛があった。色素不足は表皮と毛嚢にメラノサイトがないことに起因していた。
代替的マウスモデル
別のマウスモデルは、進行が緩徐な網膜変性と不均一な網膜色素上皮を持ったC57BL/6−mivit/mivitマウスである。それには不揃いに着色の網膜色素上皮を備えたゆっくり進歩する網膜変性がある。例えば、 Smith et al., Invest. Ophthalmol. & Vis. Sci. 35(10):3625-3632 (1994年9月)を参照のこと。別の代替的動物モデルは、J. Robert Smyth, Jr. 博士によって開発されたスマイスライン(Smyth line)(SL)ニワトリである。例えば、Shi et al., BMC Immunol. 13:18 (2012年4月); Stepicheva et al., J. Immunol. 184:83.16 (2010)を参照のこと。
別のマウスモデルは、進行が緩徐な網膜変性と不均一な網膜色素上皮を持ったC57BL/6−mivit/mivitマウスである。それには不揃いに着色の網膜色素上皮を備えたゆっくり進歩する網膜変性がある。例えば、 Smith et al., Invest. Ophthalmol. & Vis. Sci. 35(10):3625-3632 (1994年9月)を参照のこと。別の代替的動物モデルは、J. Robert Smyth, Jr. 博士によって開発されたスマイスライン(Smyth line)(SL)ニワトリである。例えば、Shi et al., BMC Immunol. 13:18 (2012年4月); Stepicheva et al., J. Immunol. 184:83.16 (2010)を参照のこと。
これらのモデルでは、動物を異なる経路、用量および治療計画で投与して、検査薬に曝露した。具体的な例では、本明細書に開示した薬剤は、テープが剥がされた領域または剥がす領域に局所的に適用した。あるいは、検査薬を全身に投与した。 薬剤は、テープを剥がす前または剥がした後に、一定間隔で1回以上投与した(例えば、テープを剥がした後毎日、または脱色皮膚領域または脱色毛髪の斑点の外観に従い毎日)。薬剤応答は、そのような疾患の兆候を脱色領域の数、表面積またはサイズとして測定することにより評価することができる。また、表皮内のメラノサイトの数を決定するために皮膚試験片の組織学的分析を行なった。他の組織学的研究結果には、ランゲルハンス細胞数の増加、表皮の空胞化、基底膜の厚化、T細胞の炎症性浸潤および神経変性が含まれるかもしれない(Montes et al., Int. J. Dermatol., 42(1):57-61 (2003年1月))。細胞外顆粒状物質ならびに/または基底および副基底の角化細胞の空胞変性の病巣が観察されるかもしれない(Moellmann et al., J. Inv. Dermatol. 79:312-330 (1982))。 炎症性白斑は、乾癬状過形成、錯角化した盛り上がり(parakeratotic mound)、乳頭間隆起の伸長を伴う表皮肥厚、および/または拡張血管(Verma, Dermatology Online Journal 11(3):13 (2005))と一緒に出現し得る。
メラノサイト特異的CD8+T細胞を、表皮のメラノサイトが増加したマウスへ適合移植させた、黒色皮膚および黒色毛髪をもたらす別の白斑マウスモデルも利用可能である(JE Harris et al., Society for Investigative Dermatology, pg 1869-18−(2012))。このモデルの機構研究で、脱色には、皮膚内でメラノサイト特異的CD8+T細胞の局所蓄積を誘発するIFN−γが必要であることが明らかとなった。これらの結果は、白斑でのIFN−gの重大な役割を指示するものであり、かつそれが皮膚へCD8+T細胞を収集するために活動することを示唆するものである。皮膚中のCD8+T細胞蓄積を防止し、同様に脱色を防止するためのIFN−γの抗体を介した中性化の能力も有用である。
Harris Labで開発された白斑のマウスモデルは、メラノサイト特異的CD8+T細胞をマウスへ適合移植させている(Mehdi Rashighi et al. (2014) Depigmentation in a Mouse Model of Vitiligo. Sci Transl Med 6:1-10)。簡潔に記すと、PMEL CD8+T細胞の適合移植を通じて白斑を引き起こした。製造者の指示に従い、微小ビーズ(Miltenyi Biotec)の陰性選択によってPMEL TCR遺伝子組み換えマウスの脾臓からPMEL CD8+T細胞を単離した。精製したCD8+T細胞(1×106)を、亜致死的照射した(500rad、移植の1日前)Krt14−Kitl*宿主(12〜16週齢)に静脈内注射した。また、移植と同日に、移植マウスは、1×106プラーク形成単位のrVV−hPMEL(N. Restifo, 国立癌研究所、NIH)の腹腔内注射を受けた。白斑の対照として使用したマウスには亜致死的照射を行ったが、rVV−hPMELまたはPMEL CD8+T細胞移植を行わなかった。白斑スコアの量は、前述の耳、鼻、後足蹠および尾を含む、4つの容易に視認できる位置での脱色の程度に基づく段階評価を用いて、実験群を伏せて観察者により客観的に定量化された。各位置を検証し、解剖学的部位の百分率として脱色の程度を推測し、左耳と右耳の両方および左後足蹠と右後足蹠は一緒に測定したため、1つの部位として評価した。次のとおり、評価を下した:脱色の兆候なし(0%)はスコア0、>0〜10%=1点、>10〜25%=2点、>25〜75%=3点、>75〜<100%=4点、および100%=5点。「白斑スコア」は、4つの位置すべてでのスコアの合計であり、最大スコアは20ポイントである。
CXCL10アッセイ
細胞培養実験
BraegelmannらExperimental Dermatology, 2016, 25: 375-379に記載のように、好適なCXCL10アッセイを使用されてもよい。本明細書でCLS Cell Lines Service GmbH(エッペルハイム、ドイツ)から購入した不死化角化細胞(HaCaTs)としても記載されるこのアッセイを、4500mg/lのD−グルコースおよびL−グルタミンを含有しているDMEM(Life Technologies、カールズバッド、米国)で細胞培養フラスコ(Greiner、Bio−one、フリッケンハウゼン、ドイツ)中で、ピルビン酸ナトリウムなしで、100U/mlのペニシリン−ストレプトマイシンと10%FBSを補充して培養した。新鮮な培地を1日おきに加え、細胞を4日ごとに継代した。細胞内pSYKを可視化するために、これら細胞をカバーガラス上で培養し、免疫蛍光を用いて分析した。
細胞培養実験
BraegelmannらExperimental Dermatology, 2016, 25: 375-379に記載のように、好適なCXCL10アッセイを使用されてもよい。本明細書でCLS Cell Lines Service GmbH(エッペルハイム、ドイツ)から購入した不死化角化細胞(HaCaTs)としても記載されるこのアッセイを、4500mg/lのD−グルコースおよびL−グルタミンを含有しているDMEM(Life Technologies、カールズバッド、米国)で細胞培養フラスコ(Greiner、Bio−one、フリッケンハウゼン、ドイツ)中で、ピルビン酸ナトリウムなしで、100U/mlのペニシリン−ストレプトマイシンと10%FBSを補充して培養した。新鮮な培地を1日おきに加え、細胞を4日ごとに継代した。細胞内pSYKを可視化するために、これら細胞をカバーガラス上で培養し、免疫蛍光を用いて分析した。
細胞刺激およびpSYK阻害
合成の免疫賦活活性を有する核酸Poly(I:C)(高分子量)およびpoly(dA:dT)を、InvivoGen、サンディエゴ、米国から購入した。Macherey−Nagel(デューレン、ドイツ)から購入した組織キットからのゲノムDNAを使用し、非刺激HaCaT細胞から内因的核酸(eNA)を抽出した。Poly(dA:dT)とeNAの場合、Lipofectamine2000(Life Technologies、カールズバッド、米国)がトランスフェクション試薬の役割をし、poly(I:C)は単独で培養物に加えた。薬剤を次の濃度で使用した:poly(I:C)20μg/ml、poly(dA:dT)1μg/ml+Lipofectamine 2000、内因的核酸5μgDNA/mlおよび4μgRNA/mlならびにそれぞれにLipofectamine 2000を濃度2.5μl/mlで添加;および選択的pSYK阻害剤、GSK143を最終濃度3μMで使用した。GSK143はWO2010/097248およびLiddleらBio & Med Chem Lett, 2011:21:6188-6194に記載されている。
合成の免疫賦活活性を有する核酸Poly(I:C)(高分子量)およびpoly(dA:dT)を、InvivoGen、サンディエゴ、米国から購入した。Macherey−Nagel(デューレン、ドイツ)から購入した組織キットからのゲノムDNAを使用し、非刺激HaCaT細胞から内因的核酸(eNA)を抽出した。Poly(dA:dT)とeNAの場合、Lipofectamine2000(Life Technologies、カールズバッド、米国)がトランスフェクション試薬の役割をし、poly(I:C)は単独で培養物に加えた。薬剤を次の濃度で使用した:poly(I:C)20μg/ml、poly(dA:dT)1μg/ml+Lipofectamine 2000、内因的核酸5μgDNA/mlおよび4μgRNA/mlならびにそれぞれにLipofectamine 2000を濃度2.5μl/mlで添加;および選択的pSYK阻害剤、GSK143を最終濃度3μMで使用した。GSK143はWO2010/097248およびLiddleらBio & Med Chem Lett, 2011:21:6188-6194に記載されている。
培養HaCat細胞中のSYKリン酸化反応
Corning Costar細胞培養プレート((CLS3513)Sigma−Aldrich、セントルイス、米国)にて、カバーガラス上で培養した細胞にPSYK免疫蛍光染色を行なった。抗ウサギローダミンレッド−X(711−295−152)(Jackson Immuno Research)により抗pSYK525/526抗体(ab58575、Abcam、ケンブリッジ、英国)を検出し、核対比染色を4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI(D9542)、Sigma−Aldrich、セントルイス、米国)で達成した。高解像度蛍光顕微鏡(Axio Observer Z1、Zeissより、ドイツ)で可視化を達成した。
Corning Costar細胞培養プレート((CLS3513)Sigma−Aldrich、セントルイス、米国)にて、カバーガラス上で培養した細胞にPSYK免疫蛍光染色を行なった。抗ウサギローダミンレッド−X(711−295−152)(Jackson Immuno Research)により抗pSYK525/526抗体(ab58575、Abcam、ケンブリッジ、英国)を検出し、核対比染色を4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI(D9542)、Sigma−Aldrich、セントルイス、米国)で達成した。高解像度蛍光顕微鏡(Axio Observer Z1、Zeissより、ドイツ)で可視化を達成した。
ウェスタンブロッティングによって結果を確認した。Pierce BCAタンパク質分析キット((23227)、Thermo Scientific、ウォルサム、米国)を使用して全タンパク質濃度を決定した。サンプルをポリアクリルアミドゲル上に載せ、次に、ニトロセルロース膜上に染色した。その後、抗−SYK−525/526抗体を1:140の稀釈で使用してpSYKのレベルを検出した。二次抗体であるロバ抗ウサギIgGHRP(sc−2313、Santa Cruz、ダラス、米国)を1:2000に希釈した。SuperSignal West Dura Substrate(34076番、Thermo Scientific、ウォルサム、米国より)が化学発光法の役割を果たした。抗ベータ−アクチン抗体(sc47778、Santa Cruz、ダラス、米国より)で荷重管理を実行した。
あるいは、CLS Cell Lines Service GmbH(エッペルハイム、ドイツ)から購入した不死化角化細胞(HaCaTs)を、4500mg/lのD−グルコースおよびL−グルタミンを含有しているDMEM(Life Technologies、カールズバッド、米国)で細胞培養フラスコ(Greiner、Bio−one、フリッケンハウゼン、ドイツ)中で、ピルビン酸ナトリウムなしで、100U/mlのペニシリン−ストレプトマイシンと10%FBSを補充して培養した。新鮮な培地を2日おきに加え、細胞を4日ごとに継代した。細胞内pSYKを可視化するために、これら細胞をカバーガラス上で培養し、免疫蛍光を用いて分析した。
pSYK調節タンパク質のタンパク質発現
Corning Costar細胞培養プレート(CLS3524、Sigma−Aldrich、セントルイス、米国から)で培養し、刺激した細胞の上澄みでCXCL9、CXCL10およびOAS2発現レベルを分析した。製造者の指示に従い、血球計算ビーズ配列(cytometric bead array )(Human Flex Sets 558280&558286、BD、サンホセ、米国から)を使用してCXCL9とCXCL10の濃度を決定した。ヒト2’,5’−オリゴアデニレート−シンテターゼ2(OAS2)ELISAキット(Wuxi Donglin Sci&Tech Development Co、無錫市/江蘇省、中国)によりOAS2タンパク質発現を測定した。
Corning Costar細胞培養プレート(CLS3524、Sigma−Aldrich、セントルイス、米国から)で培養し、刺激した細胞の上澄みでCXCL9、CXCL10およびOAS2発現レベルを分析した。製造者の指示に従い、血球計算ビーズ配列(cytometric bead array )(Human Flex Sets 558280&558286、BD、サンホセ、米国から)を使用してCXCL9とCXCL10の濃度を決定した。ヒト2’,5’−オリゴアデニレート−シンテターゼ2(OAS2)ELISAキット(Wuxi Donglin Sci&Tech Development Co、無錫市/江蘇省、中国)によりOAS2タンパク質発現を測定した。
細胞刺激およびpSYK阻害
合成の免疫賦活活性を有する核酸poly(I:C)(高分子量)およびpoly(dA:dT)を、InvivoGen、サンディエゴ、米国から購入した。Macherey−Nagel(デューレン、ドイツ)から購入した組織キットからのゲノムDNAを使用し、非刺激HaCaT細胞から内因的核酸(eNA)を抽出した。poly(dA:dT)とeNAの場合、Lipofectamine2000(Life Technologies、カールズバッド、米国)がトランスフェクション試薬の役割をし、poly(I:C)は単独で培養物に加えた。本明細書に記載のような選択的SYK阻害剤(特にGSK143)はGlaxoSmithKline(GSK、スティーヴェネッジ、英国)に由来する。薬剤を次の濃度で使用した:poly(I:C)20μg/ml、poly(dA:dT)1μg/ml+Lipofectamine2000、内因的核酸5μgDNA/mlおよび4μgRNA/ml+Lipofectamine2000。Lipofectamine2000を2.5μl/mlの濃度で加えた。pSYK阻害剤であるGSK143は最終濃度3μMで使用した。
合成の免疫賦活活性を有する核酸poly(I:C)(高分子量)およびpoly(dA:dT)を、InvivoGen、サンディエゴ、米国から購入した。Macherey−Nagel(デューレン、ドイツ)から購入した組織キットからのゲノムDNAを使用し、非刺激HaCaT細胞から内因的核酸(eNA)を抽出した。poly(dA:dT)とeNAの場合、Lipofectamine2000(Life Technologies、カールズバッド、米国)がトランスフェクション試薬の役割をし、poly(I:C)は単独で培養物に加えた。本明細書に記載のような選択的SYK阻害剤(特にGSK143)はGlaxoSmithKline(GSK、スティーヴェネッジ、英国)に由来する。薬剤を次の濃度で使用した:poly(I:C)20μg/ml、poly(dA:dT)1μg/ml+Lipofectamine2000、内因的核酸5μgDNA/mlおよび4μgRNA/ml+Lipofectamine2000。Lipofectamine2000を2.5μl/mlの濃度で加えた。pSYK阻害剤であるGSK143は最終濃度3μMで使用した。
原発性正常ヒト表皮角化細胞
第一継代成熟正常ヒト表皮角化細胞(NHEK、FC−0025)、ヒト表皮同等物(epiCS、CS−1001−7D)および適当な培地(LM−0027およびCS−3050)をCellSystems(トロイスドルフ(ドイツ))から購入した。製造者の指示に従い、NHEKおよびepiCSを培養した。
第一継代成熟正常ヒト表皮角化細胞(NHEK、FC−0025)、ヒト表皮同等物(epiCS、CS−1001−7D)および適当な培地(LM−0027およびCS−3050)をCellSystems(トロイスドルフ(ドイツ))から購入した。製造者の指示に従い、NHEKおよびepiCSを培養した。
第二継代では、poly(I:C)、poly(dA:dT)+LipofectamineおよびGSK143を、HaCaTsで記載したように、NHEK培養物に加えた。培養物を24時間刺激し、上述のFlexセットを用いてCXCL10を上澄み中で決定した。
EpiCSを出現から6日後に刺激した。poly(I:C)、およびGSK143のなどの選択的SYK阻害剤を、他の機能的実験と同一の濃度で投与した。刺激してから24時間後に、epiCSを1時間ホルマリン固定し、パラフィン包埋し、次いで上記の免疫組織化学に処理した。実験はすべて3回繰り返して行なった。
別のCXCL10アッセイでは、10%FBSおよび1%ペニシリン/ストレプトマイシンで補充したDMEM(Thermo Fisher#10566−016)中で不死化角化細胞(HaCaTs)(AddexBio#T0020001)を培養した。1x105HaCaT細胞を、400μl培養培地中、24ウェルの培養皿の各ウェルに播種した。密集した時点で、培地を吸引し、細胞を、200μlのDMSOビヒクル(0.1%)または3倍連続希釈(10,3.3および1.1μM)の7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(化合物1)で、5%CO2を用い、37℃で30分間、前処理した。前処理後、200μlのpoly(I:C)を40μg/mlで、各ウェルに加え(前処理培地を除去することなく)、最終処理濃度を20μg/mlにした。濃度を維持するために追加的化合物および/またはDMSOを含めた。サンプルはすべて前処理の間および治療相の間の両方で0.1%DMSOを受けた。細胞を48時間インキュベーターに戻した。各条件は生物学的3連であった。
48時間で上澄みを回収し、遠心分離機にかけてペレット片にし、次いで、再回収した。製造者の試験計画書に従い、ヒトCXCL10/IP−10 Quantikine ELISAキット(R&D Systems #DIP100)によって上澄み中に分泌されたCXCL10を測定した。同一の方法を使用して3つの実験を行ない、100%対照の役割を果たすpoly(I:C)+DMSOビヒクルを用い、結果を最大の百分率としてプールした。poly(I:C)(図示せず)を受け取らなかった未治療サンプルのCXCL10レベルはすべて検出不能(15.6pg/ml未満)であった。
結果
7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(化合物1)でのSyk阻害は、HaCaT細胞のpoly(I:C)治療に誘発されたCXCL10分泌の用量依存的減少を引き起こし(図1)、10μM用量濃度で最大の阻害が観察された。グラフは、一緒にプールした3つの独立した実験の最大刺激(ビヒクル条件を100%に設定)±SEMの平均百分率を示す。各実験内では、各条件に対して生物学的3連値を平均して単一の平均値にした。グラフはGraphPadPrism 6.0を用いて作製した。
7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン(化合物1)でのSyk阻害は、HaCaT細胞のpoly(I:C)治療に誘発されたCXCL10分泌の用量依存的減少を引き起こし(図1)、10μM用量濃度で最大の阻害が観察された。グラフは、一緒にプールした3つの独立した実験の最大刺激(ビヒクル条件を100%に設定)±SEMの平均百分率を示す。各実験内では、各条件に対して生物学的3連値を平均して単一の平均値にした。グラフはGraphPadPrism 6.0を用いて作製した。
治療法
化合物の医薬組成物で治療する被験体は、白斑の臨床提示および/または組織病理学提示に基づいて選択した。また、白斑の家族歴がある、および/または白斑の増加した罹患率に関係する疾患があるなど、白斑を起こす危険性の増加に基づいて被験体を選択してもよい。組成物は、一般に皮膚の脱色領域に局所的に適用されるが、より一般的に皮膚に適用してもよい。治療は少なくとも1週間、1か月または1年の間継続してもよい。
化合物の医薬組成物で治療する被験体は、白斑の臨床提示および/または組織病理学提示に基づいて選択した。また、白斑の家族歴がある、および/または白斑の増加した罹患率に関係する疾患があるなど、白斑を起こす危険性の増加に基づいて被験体を選択してもよい。組成物は、一般に皮膚の脱色領域に局所的に適用されるが、より一般的に皮膚に適用してもよい。治療は少なくとも1週間、1か月または1年の間継続してもよい。
また、全身性Plaquenil(商標)、局所コルチコステロイド、光線療法、ソラーレン光化学療法またはエキシマーレーザー療法などの他の薬剤介入または非薬剤介入との併用療法のために被験体を選択してもよい。他の場合では、化合物は他の白斑の治療なしに投与してもよい。
典型的な臨床試験治療では、白斑をその患者に診断することで被験体を選択する。薬学上有効な量の化合物は局所製剤で提供され、この製剤は、顔面および四肢の斑点など、脱色領域に直接適用する。医薬製剤は、脱色斑点に毎日適用する(例えば、1日当たり1〜4回を、例えば少なくとも1週間など1日より多く適用する)。製剤の脱色領域への局所適用は、製剤が適用された領域が、再色素形成の兆候を見せるか、または消滅するか、またはそれらの進行が遅延するか停止するまで継続する。
他の例では、治療化合物は日焼け止め製剤中に有効な量で提供され、紫外線の曝露から保護するために、紫外線への曝露の前に皮膚に適用される。日焼け止め製剤には、紫外線への皮膚の曝露を最小化するために、例えば、有効な量の有機日焼け止め、二酸化チタンまたは酸化亜鉛などの無機のフィルターあるいはそれらの組み合わせが含まれていてもよい。
実施例によっては、被験体に白斑に加えて障害の診察がされることがある。例えば、被験体は白斑および別の先在する障害を呈する。被験体には化合物を含有する局所製剤での治療を行ってもよく、または、被験体には先在する障害の治療薬と組み合わせたか、またはそれに付随した治療を行ってもよい。先在する障害が例えば甲状腺障害である場合、被験体は甲状腺ホルモン置換で治療してもよい。先在する障害が例えば面皰である場合、被験体は適当な面皰薬と治療してもよい。
別の実施例では、眼または眼の周辺の白斑に罹患した被験体は、ドライアイの診断をされることがあり、併用療法を被験体に投与する。一つの実施例において、被験体は、酢酸プレドニゾロン眼科用懸濁剤1%などのコルチコステロイドの局所適用に反応するであろうマイボーム腺炎に罹患していることが分かった。本明細書に記載の化合物は、プレドニゾロン製剤中に懸濁し、眼に1日当たり2〜4回または規定する通りに点眼または適用してもよい。他の実施例では、ドライアイが季節性アレルギーまたは他の炎症性病態に関係している場合、点眼薬は、抗ヒスタミン(フェニラミン、エメダスチンまたはアゼラスチンなど)、充血除去剤(テトラヒドロゾリン塩酸塩またはナファゾリンなど)または非ステロイド性抗炎症剤(ネパフェナクまたはケトロラクなど)、コルチコステロイド(フルオロメトロンまたはロテプレドノールなど)、マスト細胞安定剤(アゼラスチン(azelastie)、クロマル、エメダスチン、ケトチフェン、ヨードキサミン(Iodoxamine)、ネドクロミル、オロパタジンまたはペミロラストなど)を含む製剤と一緒にまたはその中に入れて投与してもよい。ドライアイが感染性細菌病態(マイボーム腺感染または角膜感染など)に関係している場合、点眼薬は、適当な抗生物質(シプロフロキサシン、エリスロマイシン、ゲンタミシン、オフロキサシン、スルファセタミド(sulfacetamine)、トブラマイシンまたはモノフロキサシンなど)を含有し得る組み合わせ製剤と一緒にまたはその中に入れて投与してもよい。ドライアイがウイルス感染に関係している場合、点眼薬はトリフルリジンまたはイドクスウリジンなどの抗ウイルス剤との組み合わせ製剤と一緒にまたはその中に入れて投与してもよい。
本発明の組成物は、皮膚の非標的部位の領域に組成物を適用せずに、皮膚上の標的部位への組成物の適用を可能にする適用装置の中で使用してもよい。例えば、組成物を最初に指に適用することなく組成物を適用することを可能にする装置を使用してもよい。好適な装置には、スパチュラ、綿棒、針のない注射器および粘着性パッチが含まれる。スパチュラまたは綿棒などの使用には、組成物が入った容器に装置を差し込む必要があるかもしれない。注射器または粘着性パッチの使用は、注射器またはパッチを組成物で充填することにより達成し得る。その後、組成物は、スパチュラまたは綿棒で局所的に伸ばしてもよく、または注射器からヒトの皮膚に出してもよい。
本発明の一つの実施例では、化合物および促進剤または浸透剤を含有している組成物は、粘着性パッチで提供してもよい。粘着性パッチのいくつかの例は周知である。例えば、米国特許第296,006号;第6,010,715号;第5,591,767号;第5,008,110号;第5,683,712号;第5,948,433号;および第5,965,154号の記載を参照のこと。そのようなパッチには一般にヒトの皮膚に適用される粘着層、医薬品を保持する貯蔵部(depot)またはレザーバー(reservoir)および貯蔵部からの医薬品の漏出を防止する外表面がある。パッチの外表面は典型的に非接着性である。
本発明によれば、白斑を治療するための化合物は、この化合物が長期間安定した状態を保つように、パッチに組み込んでもよい。化合物は、それを安定させ、かつ化合物がマトリックスおよびパッチから拡散することを可能にするポリマーマトリクスに組み込んでもよい。また、化合物は、一度パッチが皮膚に適用されるや否や、化合物が皮膚上に拡散するか、あるいは皮膚の中にまたは皮膚を通ってさえ拡散し得るように、パッチの粘着層に組み込んでもよい。
あるいは、化合物は、皮膚と接触するパッチの表面付近に配置した1つ以上のウェルまたはポケット内に提供してもよい。一つの実施態様では、化合物は乾燥または凍結乾燥状態でウェル内に保管される。このようなパッチを低温雰囲気(例えば、約4℃)に保管することで、化合物の安定性が維持される。パッチは必要の際に低温雰因気から取り出し、ヒトの皮膚に適用してもよく、そこで水や食塩水などの液体と混合した上で化合物が可溶性になり得る。液体は、別々にまたはパッチの成分として提供してもよい。例えば、乾燥化合物を含有しているパッチが液体と相互に作用した際に、化合物が液体に曝露し、可溶性となるように、液体を人の皮膚上に提供してもよい。その後、皮膚は可溶化した化合物を吸収することができる。別の例として、パッチは、パッチ内に液体を保持するために1つ以上のウェルまたはポケットを含有していてもよい。液体はウェルまたはポケットから押し出され、乾燥化合物と液体の混合をもたらし得る。例えば、液体はパッチのポケット内で提供してもよく、いくつかの実施態様では化合物を増強させるかまたは活性化させるための薬剤を含有している。 パッチに圧力をかけることでポケットが破裂し、液体を放出し、それは乾燥化合物と混合する。化合物を含有している組成物は、このためパッチから放散し得る。 別の実施例では、水を含有するゲルまたはクリームなどの液体は標的部位で皮膚に適用してもよい。その後、乾燥化合物を含有しているパッチは、液体が化合物と混合する皮膚に適用され、組成物がパッチから皮膚上に移動する。
乾燥化合物のウェルを含有しているパッチでは、化合物が投与されるまで化合物がウェル内に留まるように、ウェルを密封する。このため、ウェルは、化合物がその乾燥状態でウェルから拡散するのを防止し、化合物が可溶化した際にそれがウェルから拡散することを可能にする膜またはフィルムで密封されている。膜は多孔性でも無孔でもよい。
さらに、経皮パッチには、角質層に伸びるが、血管を破裂させるほど真皮へは伸びていない、複数の小さな針が含まれていてもよい。パッチの皮膚表面から伸びる場合、針の長さは20μm〜1mmの間であってもよい。したがって、針は角質層に伸びるが、毛細管床がある真皮の前で終わる。針は固形でも中空でもよい。中空針には、組成物がパッチ中の貯蔵部から表皮中の針の先端に移動できるように、それらの長さに沿って伸びる内腔があってもよい。固形針は、組成物が針の外部表面に沿って表皮内に拡散することを可能にするために使用し得る。
使用する際には、局所塗布器は、1つ以上の脱色したまだらがある皮膚の標的領域に粘着的に適用し、パッチ中の化合物が投与されるまで、塗布器はその場所に置いておく。局所塗布器(パッチなど)は、数時間あるいは少なくとも1日またはそれより長い期間など、長期間にわたり薬剤の徐放性を提供する。
上記の記載は、本発明を、その好ましい実施態様を含め、完全に開示するものである。本明細書に明確に開示された実施態様の改良および改善は、以下の請求項の範囲内である。さらなる詳述なく、当業者であれば、前述の記載を用いて本発明を最大限に利用することができると考えられる。したがって、本明細書に記載の実施例は、いかなる方法でも本発明の範囲を制限するものではなく、単なる例示として解釈すべきである。排他的な権利または特権を請求する本発明の実施態様は、以下の通り定義される。
Claims (24)
- それを必要とする被験体における白斑を治療する方法であって、有効量の式(I):
Xは、CR1またはNであり;
Yは、CH、CまたはNであり;
R1は、水素、C1−6アルコキシまたはC1−6アルキルであり;
R2は、水素、C1−6アルコキシ、ハロ、−C(O)C1−6アルキル、CN、ハロ−C1−6アルキルまたは−C(O)NR4R5であり;
R3は、水素またはC1−6アルコキシであり;
R4は、水素またはC1−6アルキルであり:
R5は、水素またはC1−6アルキルであり;かつ
mおよびnは、各々1と2から独立して選択される整数である]
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を、該被験体に投与することを含んでなる、方法。 - XがCR1である、請求項1に記載の方法。
- XがNである、請求項1に記載の方法。
- R1が水素である、請求項1または2に記載の方法。
- R2が、水素、メトキシ、フルオロまたは−C(O)CH3である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の方法。
- R3が水素またはメトキシである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
- 前記式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩が、 7−(3−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−2−ピリジニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(4−(メチルオキシ)−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
1−[4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノン;
7−(6−メチル−3−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−2−ピリジニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
1−[4−[(2−ピラジニルメチル)オキシ]−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノン;
7−(5−フルオロ−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
7−(5−メチル−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
7−(5−(エチルオキシ)−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
7−(4−(メチルオキシ)−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル)ベンゾニトリル;
7−[2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
7−(5−(メチルオキシ)−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
7−(5−(1,1−ジメチルエチル)−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
N−メチル−4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)ベンズアミド;
4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)ベンズアミド;
N,N−ジメチル−4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル)ベンズアミド;
4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル)ベンズアミド;
7−(2,3−ビス(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
7−(2,3−ビス(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−[2−({[4−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]メチル}オキシ)フェニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
1−[4−[(2−ピリジニルメチル)オキシ]−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノン,トリフルオロアセテート;
7−{6−メチル−3−[(2−ピラジニルメチル)オキシ]−2−ピリジニル}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン,トリフルオロアセテート;
7−(6−メチル−3−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−2−ピリジニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン,トリフルオロアセテート;
7−{5−(メチルオキシ)−2−[(2−ピラジニルメチル)オキシ]フェニル}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン,トリフルオロアセテート;
7−[5−(メチルオキシ)−2−({[4−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]メチル}オキシ)フェニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(5−(メチルオキシ)−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン,トリフルオロアセテート;
1−[4−({[4−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]メチル}オキシ)−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノン;
1−[4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノン,トリフルオロアセテート;
7−[2−({[4−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]メチル}オキシ)フェニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン,トリフルオロアセテート;
1,1−ジメチルエチル7−[6−メチル−3−({[4−(メチルオキシ)−2−ピリジニル]メチル}オキシ)−2−ピリジニル]−1,2,4,5−テトラヒドロ−3H−3−ベンズアゼピン−3−カルボキシレート;
7−(5−フルオロ−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(5−メチル−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(5−(エチルオキシ)−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(5−(メチルオキシ)−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)ベンゾニトリル;
7−[2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−5−(トリフルオロメチル)フェニル]−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(5−(1,1−ジメチルエチル)−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(5−クロロ−2−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(3−{[(4−エチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−6−メチル−2−ピリジニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(6−(1,1−ジメチルエチル)−3−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−2−ピリジニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
1−[4−{[(4−エチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノン;
1−[4−({[4−(エチルオキシ)−2−ピリジニル]メチル}オキシ)−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノン;
1−[4−{[(4−{[2−(メチルオキシ)エチル]オキシ}−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノン;
7−{5−(メチルオキシ)−2−[(2−ピリジニルメチル)オキシ]フェニル}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
1−[4−[(2−ピリジニルメチル)オキシ]−3−(1,2,3,4−テトラヒドロ−7−イソキノリニル)フェニル]エタノン;
7−{5−クロロ−2−[(2−ピリジニルメチル)オキシ]フェニル}−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
7−(6−クロロ−3−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−2−ピリジニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン;
7−(6−クロロ−3−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−2−ピリジニル)−1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリン;
1,1−ジメチルエチル 5−{5−アセチル−2−[(2−ピリジニルメチル)オキシ]フェニル}−1,3−ジヒドロ−2H−イソインドール−2−カルボキシレート;
1−[4−[(2−ピリジニルメチル)オキシ]−3−(1,2,3,4−テトラヒドロ−6−イソキノリニル)フェニル]エタノン;および
7−{2−(メチルオキシ)−6−[(2−ピラジニルメチル)オキシ]フェニル}−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン,塩酸塩;
またはそれらの塩である、請求項1に記載の方法。 - 前記化合物が、
7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンまたはその薬学的に許容可能な塩;
7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン,メシレート;あるいは
1−[4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノンまたはその薬学的に許容可能な塩
である、請求項7に記載の方法。 - 前記被験体が白斑に罹患していると同定される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
- 前記被験体が白斑を起こす危険性があると同定される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
- 前記式(I)の化合物の薬学上有効な量が、約0.0001mg/kg/日〜約100mg/kg/日の範囲である、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
- 前記化合物が局所製剤として投与される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
- 前記被験体が1つ以上の脱色皮膚領域を有していて、かつ前記化合物が少なくとも1つの脱色皮膚領域に局所投与される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
- 前記被験体が眼瞼の白斑に罹患していて、かつ前記化合物が、白斑を治療するために患者に眼内投与される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
- 前記化合物が、二次治療的な処置または活性薬と組み合わせてか、またはそれらに付随して投与される、請求項1〜14のいずれか一項に記載の方法。
- 前記二次治療的活性薬が、抗炎症性化合物、抗ヒスタミン化合物、抗生物質化合物、抗ウイルス性化合物、甲状腺ホルモン置換化合物またはそれらの任意の組み合わせである、請求項9に記載の方法。
- 前記二次治療的処置が、放射線、全身光線療法、ソラーレン光化学療法またはエキシマーレーザー療法である、請求項9に記載の方法。
- 前記二次治療的な処置または活性薬が、前記化合物と組み合わせて利用される、請求項17に記載の方法。
- 局所投与に適合させた、薬学上有効量の、式(I)の化合物またはその薬学的に許容可能な塩を含んでなる医薬製剤。
- 前記式(I)の化合物が、
7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピンまたはその薬学的に許容可能な塩;
7−(2−(メチルオキシ)−6−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}フェニル)−2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン,メシレート;あるいは
1−[4−{[(4−メチル−2−ピリジニル)メチル]オキシ}−3−(2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−3−ベンズアゼピン−7−イル)フェニル]エタノンまたはその薬学的に許容可能な塩である、請求項19に記載の製剤。 - 溶液、ゲル、軟膏、クリーム、ローション、スプレーまたはフォームである、請求項19または20に記載の製剤。
- 前記製剤が、被験体の眼瞼への投与に適合された局所投薬形態である、請求項19〜21のいずれか一項に記載の製剤。
- 白斑の治療に使用するため、または白斑を起こす危険性がある被験体の白斑の予防に使用するための、式(I):
Xは、CR1またはNであり;
Yは、CH、CまたはNであり;
R1は、水素、C1−6アルコキシまたはC1−6アルキルであり;
R2は、水素、C1−6アルコキシ、ハロ、−C(O)C1−6アルキル、CN、ハロ−C1−6アルキルまたは−C(O)NR4R5であり;
R3は、水素またはC1−6アルコキシであり;
R4は、水素またはC1−6アルキルであり:
R5は、水素またはC1−6アルキルであり;かつ
mおよびnは、各々1と2から独立して選択される整数である]
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩。 - 白斑の治療で使用するための薬剤の製造での式(I):
Xは、CR1またはNであり;
Yは、CH、CまたはNであり;
R1は、水素、C1−6アルコキシまたはC1−6アルキルであり;
R2は、水素、C1−6アルコキシ、ハロ、−C(O)C1−6アルキル、CN、ハロ−C1−6アルキルまたは−C(O)NR4R5であり;
R3は、水素またはC1−6アルコキシであり;
R4は、水素またはC1−6アルキルであり:
R5は、水素またはC1−6アルキルであり;かつ
mおよびnは、各々1と2から独立して選択される整数である]
の化合物またはその薬学的に許容可能な塩の使用。
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